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132回国会衆議院1995/02/07

法務委員会 第1号

発言数
147
登壇者
19
会派数
5
開催日
1995/02/07

会議録

金子原二郎自由民主党・自由連合

○金子委員長 これより会議を開きます。  この際、去る一月十七日の阪神大震災によりお亡くなりになられた五千有余名に及ぶ数多くの方々に対し、本委員会といたしまして、深く哀悼の意を表し、御冥福を祈り、黙祷をささげたいと思います。  それでは、全員御起立をお願いいたします。――黙祷。     〔総員起立、黙祷〕

金子原二郎自由民主党・自由連合

○金子委員長 黙祷を終わります。それでは、御着席願います。      ――――◇―――――

金子原二郎自由民主党・自由連合

○金子委員長 次に、去る一月二十日の議院運営委員会における理事の各会派割当基準の変更等に伴い、理事の辞任及び補欠選任を行います。  まず、理事の辞任の件についてお諮りいたします。  理事島村宜伸君から、理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金子原二郎自由民主党・自由連合

○金子委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。  次に、理事の補欠選任の件についてお諮りいたします。  ただいまの理事辞任並びに委員の異動に伴い、現在理事が四名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金子原二郎自由民主党・自由連合

○金子委員長 御異議なしと認めます。  それでは、理事に       永井 英慈君    山本  拓君       佐々木秀典君 及び 枝野 幸男君を指名いたします。      ――――◇―――――

金子原二郎自由民主党・自由連合

○金子委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。  裁判所の司法行政に関する事項  法務行政及び検察行政に関する事項  国内治安に関する事項  人権擁護に関する事項以上の各事項につきまして、本会期中調査をいたしたいと存じます。  つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金子原二郎自由民主党・自由連合

○金子委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。      ――――◇―――――

金子原二郎自由民主党・自由連合

○金子委員長 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件について調査を進めます。  この際、法務行政等の当面する諸問題について、法務大臣から説明を聴取いたします。前田法務大臣。

前田勲男自由民主党法務大臣

○前田国務大臣 委員長を初め委員の皆様には、平素から法務行政の運営につき格別の御尽力をいただき、厚く御礼申し上げます。今後とも皆様の格別の御理解と御協力を賜りまして、法務行政の各分野にわたって全力を尽くしてまいる所存でございます。  最初に、今般の兵庫県南部地震により亡くなられた方々とその御遺族に対し深く哀悼の意を表し、また、負傷された方々や不自由な生活を余儀なくされている方々に対し、心からお見舞いを申し上げます。被災地が広範囲にわたり、復興に向けての課題が山積している中で、被災者の方々の不安を解消し、復興の促進を図るため、法務省といたしましても、関係各方面と緊密な連絡をとりながら、被災地における法秩序を維持するとともに、被災者の権利を保全するため、全力で取り組んでいるところでございます。  特に、昨日六日には、借地・借家に関する権利の保全と調整を図ることを目的とした罹災都市借地借家臨時処理法を適用する政令が施行されましたので、今後各種の広報活動、相談業務に積極的に取り組み、被災者の方々に同法の内容はもとよりその他の登記手続等についても正しく理解していただくよう、迅速的確に対応してまいりたいと考えております。  それでは、法務行政に関する所信の一端を述べさせていただきます。  内外の諸情勢が極めて厳しい中、戦後五十周年という節目の年を迎えましたが、私は、現内閣が掲げる「安心して暮らせるやさしい社会」等の目標を実現していくに当たっては、法秩序の維持と国民の権利の保全を使命とする法務行政の役割がますます重要になるものと認識をいたしております。  第一に、国民が安心して暮らせる社会を確立するには、何と申しましても、各種犯罪に厳正に対処し、治安の確保、法秩序の維持に万全を尽くさなくてはなりません。  最近の犯罪情勢は、全般的にはおおむね平穏に推移しているものの、けん銃を用いるなどの殺人、強盗等の凶悪事犯の続発、薬物事犯、公務員による♯職事犯、各種財政経済事犯等の相次ぐ摘発、来日外国人による犯罪の急増等の現象が認められ、今後の犯罪動向には楽観を許さないものがあります。私は、このような犯罪情勢を的確に把握しつつ、変動する時代の要請にこたえ得る検察態勢の一層の充実を図り、安全で公正な社会の確保に努めてまいりたいと考えております。また、テロ・ゲリラ活動を標榜する過激派集団、企業、マスコミ等に対し不法事犯を敢行する右翼諸団体につきましても、なお警戒を要するものと認識をしております。  他方、各種犯罪に対処する上での基本法である現行刑法は、片仮名まじりの漢文調の文体で難解な用字用語も少なくないため、かねてから一般国民が内容を十分に理解することが困難であるとの指摘がなされております。そこで、第百二十回国会における衆参両院の法務委員会の附帯決議を踏まえ、刑法の表記をできる限り平易化し、あわせて違憲判決を受けている尊属殺規定等を削除する作業に取り組んでいるところでありますが、これらに関する審議を進めている法制審議会の答申が得られましたら、これに基づき刑法改正法律案を作成して今国会に提出いたしたいと考えております。  第二に、安全で平穏な社会を確保するには、犯罪者の矯正処遇と更生保護に万全を尽くし、犯罪者の社会復帰の援助にも努めなくてはなりません。  犯罪者の矯正処遇に当たっては、改善更生に多大の困難を伴う暴力団関係者、薬物事犯者、累犯者等が依然として高い比率を占めている一方、外国人被収容者が急増するなど、困難な諸問題に直面していますが、医療の充実、食事の改善等にも配慮しつつ、引き続き被収容者の特性、犯罪傾向等に応じた適切な処遇に努めてまいります。また、近時の非行少年の特質、多様な問題性等にかんがみ、その立ち直りを図るため、従前にも増してきめ細かい配慮のもとに適正な処遇、鑑別に努力してまいりたいと考えております。  他方、犯罪者や非行少年の再犯を防止しつつその社会復帰を図ることが刑事政策上極めて重要な意義を持つことにかんがみ、今後とも保護観察の効果的な実施に努めますとともに、平素から献身的な御協力をいただいている民間の個人や団体との連携を一層密にして、更生保護の実を上げてまいりたいと考えております。その際、特に更生保護事業につきましては、その充実強化のための基盤整備を図る必要がありますので、第百二十九回国会における衆参両院の法務委員会での附帯決議の趣旨を踏まえ、更生保護事業法案とその関連法案を今国会に提出することといたしたいと考えております。  なお、監獄法を全面改正する刑事施設法案は、行刑制度の近代化、法律化、国際化を図る上で不可欠の法案でありますので、引き続き同法案の再提出に向け、種々の観点から検討を加えてまいりたいと考えております。  第三に、自由で活力のある経済社会を確立するためには、権利の保全にかかわる民事行政事務を充実させ、社会経済活動と価値観が多様化する時代の要請を踏まえた民事法改正等にも取り組んでいかなくてはなりません。  民事行政事務につきましては、国民の利便に資するように事務の効率化と窓口サービスの一層の向上に努めてまいりたいと考えております。他方、民事法改正に関しましては、法制審議会で調査、審議中の民法の身分法に関する事項が選択的夫婦別氏制、裁判上の離婚原因、嫡出でない子の法定相続分等、国民生活に深くかかわるものでありますので、改正要綱試案を公表して広く国民の意見をお聞きしながら、慎重に検討を進めております。また、民事紛争の解決に当たり民事訴訟手続を利用しやすいものとすべく、民事訴訟法の全面改正に向けた検討作業を鋭意続けているところであります。  また、訟務事件の処理につきましても、訴訟の結果いかんが国の政治、行政、国民生活等に重大な影響を及ぼすものも少なくありませんので、訟務事務処理体制の一層の充実強化を図り、適正、円滑な事件処理に努めてまいりたいと考えております。  なお、地方裁判所における民事訴訟事件等の適正、迅速な処理を図るなどのため、今国会に裁判所職員定員法の一部を改正する法律案を提出いたすこととなっているところであります。  第四に、すべての人々が人権を尊重され、差別を受けない社会を構築するため、人権についての正しい認識を広めていかなくてはなりません。  そこで、人権擁護行政におきましては、人権尊重の思想の普及高揚のため各種広報活動の充実に努めますとともに、人権相談や人権侵犯事件の調査、処理を通じて関係者の人権尊重の精神を啓発し、被害者の救済にも全力を尽くしてまいりたいと考えております。特に、大きな社会問題となっているいじめ等の子どもの人権問題を解決するため、子どもの人権専門委員の制度を積極的に展開させるとともに、外国人の人権問題、部落差別を初めとする各種の差別問題の解決を目指し、関係省庁とも緊密な連絡をとりながら、粘り強い啓発活動を一層活発に行ってまいりたいと考えております。  また、法律扶助制度は、国民の裁判を受ける権利を実質的に保障する上で極めて重要なものでありますから、その一層の充実に努めながら、昨年発足いたしました法律扶助制度研究会において海外調査を含めた研究を進め、我が国にふさわしい制度のあり方について抜本的な検討に取り組んでまいりたいと考えております。  第五に、国際化の著しい進展により、出入国管理行政が国民生活とのかかわり合いを深め、ますます重要なものとなっております。  そこで、我が国国民、外国人を問わず円滑に出入国できるように審査業務を適正、迅速に遂行する一方、不法入国者、不法就労者等には厳正に対処する効果的な対策を推進するべく、引き続き要員の確保及び大村入国管理センター等の施設の整備に努め、業務体制の充実を図るとともに、職員の研修体制の強化に取り組み、職員各自の能力の向上に努めてまいりたいと考えております。  なお、出入国管理行政に関するさまざまな報道がなされておりますが、いやしくも国民の信頼を損なうことがあってはならないのでありますから、国民にも外国人にも出入国管理行政が正しく理解されるべく、職員が一丸となって一層の綱紀の保持に努めるよう指導を尽くす所存であります。  以上、法務行政の重要施策につきまして所信の一端を申し述べましたが、今国会に提出し、御審議をお願いすることを予定しております提出法案の内容につきましては、今後逐次御説明をいたしますので、何とぞ十分な御審議をいただき、速やかに成立に至りますようお願い申し上げます。  委員長を初め委員の皆様の一層の御協力、御指導、御支援を得まして、法務大臣としての重責を果たしてまいりたいと存じておりますので、どうかよろしくお願い申し上げます。(拍手)

金子原二郎自由民主党・自由連合

○金子委員長 平成七年度法務省関係予算及び平成七年度裁判所関係予算につきましては、お手元に配付いたしております関係資料をもって説明にかえさせていただきますので、御了承願います。     ―――――――――――――

金子原二郎自由民主党・自由連合

○金子委員長 この際、お諮りいたします。  本日、最高裁判所仁田経理局長、石垣民事局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金子原二郎自由民主党・自由連合

○金子委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。     ―――――――――――――

金子原二郎自由民主党・自由連合

○金子委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。志賀節君。

志賀節自由民主党・自由連合

○志賀委員 前田法務大臣の所信表明の冒頭にもございましたように、このたびの兵庫県南部地震によって亡くなられた方々に謹んで御冥福をお祈り申し上げますとともに、その御遺族あるいは罹災者に対して衷心からお見舞いと哀悼の意を表する次第でございます。  今までいろいろこの震災をめぐる御発言を聞いておりまして、ちょっと私は違った発言になるかもしれないことをお許しいただきたいと思いますが、一人の生命は全地球よりも重いという表現があったかと思いますが、さすれば、五千人を上回る死者が出た今回の地震は、地球五千個を上回る大きな災害であったとも言い得るのでありまして、これはこれで大変なことだと思います。  しかし反面、私は、あのような早い時間にこの地震が起きたことがむしろ五千人で済んだのかな、もし新幹線が走っていたならば、あるいはひしめき合うトラックや乗用車があの横倒しになった高速道路の上を走っていたならば、当然その時間帯であればその下もひしめき合う自動車やトラックあるいは人々がおったはずでありますから、これは、あれをはるかに上回る大変悲惨な事態を引き起こしたのではないだろうか。  こういうことを考えるならば、亡くなられた方には幾重にも哀悼の意を表するし、またその御遺族に対しても罹災者に対してもお見舞いの気持ちは今申し上げたとおりでございますけれども、むしろこれはあの時間帯で救われた人も多かったのだということを考えて、むしろそういうことに力を得て、与党が悪いの、野党はもっとやれたのというような、そういう国難に相当するようなこの事態を政争の具に供するようなことなく、やはり一丸となってこの問題解決に取り組む姿勢がなければいけない、かように私は考えるのでありまして、今回の事故を過大に評価したり、それをいいことにして予算の分捕り合戦をやるようなことは厳に戒めたい、こう思う次第でございます。  そこで、私は、法務省当局に承りたいのは、今回の大災害によって、今まで私の手元にも相当災害状況の御報告はいただいておりますが、特筆すべきことがあればお聞かせいただきたい。  それから、もう一つ承っておきたいことは、このことによって裁判が、さなきだに日本の裁判は遅滞をするということを言われておるのに、このことによってさらにそういうことに悪い意味で拍車がかかることを私は恐れるのでありまして、この点ほどうなっているのか。例えば裁判所の管轄等についても、どうしても神戸でなければならないというようなことはなくて、もっとその近隣の裁判所を管轄として使うことができないのかどうか等々の問題についてもお教えいただければありがたいと存じます。

原田明夫法務省大臣官房長

○原田政府委員 お答え申し上げます。  このたびの大震災に関しまして、法務関係諸機関のうちに特に注目すべき被害状況について御説明申し上げます。  まず法務局関係でございますが、神戸地方法務局等の庁舎において一部が破損をいたしました。そのために登記情報システムに係るコンピューターが停止するなどの被害が発生いたしました。また、大阪入国管理局の神戸支局等におきまして庁舎の一部がやはり損壊いたしまして、OA機器等が使用不能になるなどの被害が発生いたしました。  そこで、これらの機関では職員の出勤にも混乱を来したということもございまして、被災後一時業務の停止を余儀なくされたのでございますが、近隣の関係部局からも応援職員を投入いたしまして、当面の復旧作業に努めました。その結果、法務局関係では一月三十日から業務を再開することができましたし、また大阪入国管理局神戸支局等、入国管理に関しても二月一日から業務の一部を再開いたしまして、さらに近隣の関係部局で応援態勢をとりながら、全面再開に向けて鋭意努力しているところでございます。  なお、その他の検察庁、刑務所等矯正施設等も被害がそれぞれあったのでございますが、各機関とも業務遂行に全力で当たっておりまして、さしたる障害もなく、その業務運営を適正に行うよう努力しているところでございます。  以上でございます。

志賀節自由民主党・自由連合

○志賀委員 今私が承った裁判所の管轄についてはいかがでございましょうか。

石垣君雄最高裁判所民事局長

○石垣最高裁判所長官代理者 裁判所の方のことでございますが、今お尋ねの点は、事件関係でいいますと主として民事事件を想定されているかと存じます。  直接的に、まず管轄のお話を申し上げましょうか。―管轄の関係につきましては、委員御指摘のとおり、例えば神戸管轄の事件を他庁に移して処理をするということも確かに考えられないわけではございませんが、ただ、管轄といいますのは相手方の利益をも考慮する必要があるということは御案内のとおりでございまして、現在、その双方の利益の調整を図った規定になっているというふうに理解をしておりますが、ただ、当面、今民事事件が急増すると申しましても、最初に出てくるのは多分調停事件ではなかろうかということを考えております。  調停事件につきましては、管轄のない裁判所に申し立てられました事件についても、管轄権のある裁判所に移送することのほか、事件を処理するために特に必要があると認めるときは、申し立てのあった裁判所で処理することもできるというような規定がございますので、これらの活用によって適正に処理されていくものではなかろうかと存じます。  なお、立法問題につきましては、裁判所から特に申し上げるのは今ぐあいが悪かろうと存じます。

前田勲男自由民主党法務大臣

○前田国務大臣 志賀先生から、法務省関係で特筆すべき被害というお話がございました。  なお、一つ追加を申し上げますと、まことに残念でございますが、保護司の方が七名、命を落とされておるという大変残念なことがございます。

志賀節自由民主党・自由連合

○志賀委員 今石垣民事局長の御答弁、もうこれ以上、私、時間がないので求めませんが、私が言っている意味は、神戸の裁判所がぶっ壊れているということだけで、何もスタートのことを聞いているのじゃなしに、継続中の訴訟のことを私は言っているのです。そうすると、それが長引いてしまえば、当事者の利害、これは当然マイナスになるわけでありまして、そういうことを考えるならば、その裁判長もぶっ壊れた裁判所に行くことはできないのですから。判事も当然そうだし、もう皆さん、別の裁判所に舞台を移しておやりになったっておかしくないのじゃないかな、こういうことで申し上げているので、今訴訟の開始の話をしているのじゃございません。ですから、その点はお間違いにならないように。  そして、どうか、こういう災害が起きたことによって、そういう一般の方々の利益を損なうことのないような法務行政をやっていただかなきゃいかぬ、これを私は指摘をしているわけでございまして、よろしくお願いをしたいと思うのであります。  それから、今大臣の所信表明の中に挙げられました、第一に「国民が安心して暮らせる社会」、それから第二に「安全で平穏な社会」、第三に「自由で活力のある経済社会」、そして第四に「すべての人々が人権を尊重され、差別を受けない社会」、こういうものをつくり上げていくために、私は、大まか必要不可欠な要件として次の二点を挙げることが一応できると思います。これは大まかですから、すべてを尽くしてはおりませんが。  その第一点は、何の罪、とがもない人が、公権力によって、あるいは私的暴力によってその権利、自由、こういうものを剥奪されることがあってはならない。そういう者があれば、当然、今大臣が言われたことにすべて反逆することになるわけでありますから、これはもう私から改めて説明する必要はないと思うのであります。  公権力がそんなばかなことをするはずがないじゃないか、こういうふうに一概にお思いをいただくとこれは早計でございまして、実は去る五日の晩、九時から、これは日本テレビであったかと思いますけれども、徳島ラジオ商殺人事件というのがございまして、これは後で簡単に御説明をいただきたいと思いますが、昭和二十八年に、徳島の駅前であったと思いますが、非常にはやっているラジオ商が殺害されまして、隣に寝ていた奥さんは背中にけがをし、傷つけられた。それから、その二人の間の娘がそこにいた。当初、外部犯行説が濃厚であったのでありますが、その後、この奥さんが真犯人と断定されまして、ついに十三年の禁錮刑を申し渡されて、十二年で保釈され、そして最後はその無実をから取るために懸命の努力をする間、がんに侵されて亡くなりましたが、その間、再審請求は認められ、無実をから得た、こういう事件でございます。  これは簡単で結構でございますから、私が今申し上げたことに間違いがあるかないか、ひとつお答えをいただきたい。

則定衛法務省刑事局長

○則定政府委員 大筋大体そういうことかと思いますけれども、簡潔に申しますと、昭和二十八年十一月五日に、徳島市におきましてラジオ商を営んでおりました男性が殺害された事件、これがいわゆるラジオ商殺し事件でございますが、その事件につきまして、昭和二十九年の八月に被害者の内縁の妻が逮捕され、殺人罪により起訴され、昭和三十一年四月、徳島地裁におきまして殺人罪により懲役十三年の判決言い渡しを受け、この判決は昭和三十三年の五月、上告取り下げにより確定いたしまして、刑の執行が開始されました。  その後、その受刑者は無実を主張して昭和三十四年から四回にわたり再審請求し、いずれも請求棄却となっております。その後、第五次再審請求をいたしましたが、重篤な病気に罹患いたしまして、昭和五十四年十一月、本人の姉妹らが第六次の再審請求をいたしましたところ、その後本人は昭和五十四年の十一月十五日、亡くなられたわけでございますけれども、昭和五十五年十二月、徳島地方裁判所におきまして再審開始の決定がなされ、検察官から即時抗告が申し立てられましたけれども、昭和五十八年三月十二日、高松高裁におきまして検察官の即時抗告が棄却され、その決定が同月十八日に確定したということでございます。これに引き続きます再審公判におきまして、徳島地方裁判所が昭和六十年七月九日、無罪判決を言い渡しまして、その判決はその月の二十四日、確定しております。  以上でございます。

志賀節自由民主党・自由連合

○志賀委員 則定局長の御説明と私が先ほど申し上げたことは、概略変わりないと思います。ただ、多少の解説を施さないと、この婦人が、富士茂子という人だそうでありますが、若干誤解を招くかもしれないので申し上げておきたいのは、内縁の妻とございましたが、それはそのとおり表現に間違いはないと思いますが、本人も、殺されたその内縁の夫もともに再婚、三婚同士だそうでございまして、お互いに入籍はなぜかしないということに話をしていたということで、これは必ずしも公序良俗に反することを好んでやっていたのでないというふうにこの点は御理解いただきたい。しかも、二人の間に生まれた子供は父親の方が認知をして自分の子にしておった、こういうことでありまして、何かこの犯人に見誤られた人間が非常によくない人間のような印象は、この機会に私は払拭をしておきたい、この仏のためにも、そう考えておる次第でございます。  くだくだしいことは時間の関係で省きますが、こういうふうなことが現実にございます。しかも私は、このテレビの画面を見ておりまして、実際泣いたのでございますけれども、十二年の刑期を保釈によって務め上げて出てきた彼女が徳島の旅館に行きまして、そこで待ちもうけていたのは、奥さんがやったんだと法廷で証言をした昔そのラジオ商の家に勤めていた店員二人が、私どもは全くうその証言をしてしまって十二年も奥さんにこういうことを経験させたことは申しわけないということを涙ながらにおわびをする。普通の感覚ですと、この二人の店員に対して、まあ形相も物すごく荒々しく食ってかかったか、あるいは暴力を振るってもおかしくない場面でありますのに、この婦人は、私も十二年間苦しんだけれども、あんた方も十二年間大変だったんだよね、御苦労さんだったねと言ったというのを、私は聞いて涙したんです。  私は、かつて、キリスト教の牧師が自分の愛する妻ががんであるということを医者からひそかに告げられて、そのことを妻に打ち明けようか打ち明けまいかということに悩んだあげくの果てに、その妻におまえはがんなんだよということを打ち明けた、そのときにその奥さんが、あなたも今まで私にこれを打ち明けるのにどんなに苦しんだんでしょう、本当にあなたに御苦労かけて申しわけなかったわ、でも私たちはこの日のためにこの信仰に生きてきたんじゃないのと言ったという本を読んで、私は泣いたのでございます。私は、同じような思いがこのときしたということを、この機会に告白をしておきたいと思います。  私は、こんな清らかな人の人生をめちゃくちゃにしてしまうような公権力というのはあっていいんだろうか。しかも、この人は牢屋から出された後、徳島駅前でビラ配りするんですね、自分の無実を訴えたくて。最初のうちはみんなそっぽを向いて行ってしまう。そのうちに結局一人、二人と彼女の理解者、同調者が出てきて、最終的には大きな公会堂を満員にするような集まりができて、そこで瀬戸内晴美さん、瀬戸内寂聴さんですが、出てきて話をする、そこまでいくのですが、これはやっぱり自分自身が生きていてやっているからこういうことができるので、これを死刑囚になぞらえるならば、恐ろしいことだなと私は思わざるを得ない。  現実にあり得る話だ。人間は過ちを犯す動物だということを法務当局は忘れちゃいけない。その謙虚さを忘れてはいけない。私はそういうことを、これを見ていて、公権力というものがいかに謙虚でなければいけないかということをこの機会に強く強くお訴えをしておきたい、こういうことを現実に犯しているんですから、この過ちを。  ですから、まず前田法務大臣のおっしゃった言葉をそのとおりに受けとめるならば、これは私は強く指摘しておかけなればいけないことでありまして、これに対する法務大臣、御感想を承りたいと思うのであります。私の話からで結構でございます。

前田勲男自由民主党法務大臣

○前田国務大臣 ただいま徳島ラジオ商殺しの日本テレビをごらんになった先生のいろいろ貴重な御意見を拝聴いたしまして、たまたまあいにく私、そのテレビを見る機会を失しておりましたが、先生の切々たるお話を伺って大変心打たれるものがございます。最初にお申しがあった人の命の重さ、大切さということも常々私どもも忘れてはならぬことだということは肝に銘じておりますが、改めて認識をいたしておりますし、また、この無罪の判決がなされたわけでございますけれども、この御本人がせめて生きていらっしゃるときにこの無罪の判決を聞いていただければなというような個人的な感情もいたしておるわけでございます。  再審により無罪の判決がなされましたこと、確定したことにつきましては、法務当局としても厳粛かつ率直に受けとめまして、あらゆる方面から真摯な検討を加えて、反省すべき点は十分に反省し、その後の捜査や処理等、検察活動の大きな教訓としていかなければならない、またそうしてまいったところであると、かように承知をいたしております。  今後も検察活動に当たりましては、特に信用性のある供述の獲得に努めること、そしてこれと符合する客観的な証拠の収集に努めて捜査を徹底することであろう、また収集された証拠を十二分に精査、検討して、その処理に誤りなきを期して、公判における立証活動を十分に行ってまいり、再びこのようなことがあってはならない、かような決意で取り組むべきであろうと思っております。公正かつ厳正であると同時に謙虚でなければならないという先生の御意見、十二分に心に踏まえてまいりたい、かように思っております。

志賀節自由民主党・自由連合

○志賀委員 公権力がこういうことを犯すということのほかに、私的暴力ということを私は先ほど申し上げましたけれども、暴力という言葉で置きかえていいのかどうか、一般通念ではどうかとも思いますが、しかし、私の頭ではこれは暴力だと思っておりますことは、昨今話題になっておりますものに、東京共同銀行というものがございます。  これは、私も籍を置いております予算委員会で再三質疑の対象になっておりまして、きょうも則定局長が答弁をしておられた。あるいはまた、まだ各委員会のどこかで出たか出ないか定かでありませんが、出てもおかしくないのが日本バリアントである。あるいは、疑惑の対象と言われている防衛庁の航空機のガルフストリーム、こういうようなことが今一般にささやかれておるわけでございまして、現に東京共同銀行のごときは、与党の方からは、野党の議員の絡んでいる疑惑事件として、きょうの予算委員会では、野党の委員から、労働組合の大口預金者という指摘のもとに、与党の閣僚の絡みがあるのではないかというようなことで、両者から疑惑の対象になっておる。  こういうようなことを厳に踏まえて、やはり公正に事を行わなければ、正直者がばかを見るという社会を、やはりそうなのか、おれたちがばかを見るのかと正直者が思うような社会をつくるのでは、これはやはり法の厳正な尊厳というものを維持できない。  そこで、これらの問題については、検察庁はこれを捜査の対象にしておられるのかしておられないのか、お聞かせ願いたい。

則定衛法務省刑事局長

○則定政府委員 三つの案件についてお尋ねがあったかと思いますが、第一の、日本バリアント株式会社の関係につきましては、御承知のとおり、既に警視庁におきまして、関係者の逮捕をいたしまして、検察送致も終わりました。二月三日に、バリアント株式会社の役員三名につきまして、株式払込金名下に合計八千万円を騙取したという事実で起訴しているわけでございます。なお、関連してなお捜査が続行していると承知しております。  二つ目の、東京共同銀行も、前身であります二つの信用組合の問題につきましては、種々報道されておりますし、また国会でもいろいろな機会に取り上げられているということは私どもよく承知しているわけでございまして、検察当局におきましても同様、よく取りざたされている内容について、関心を持って承知していると思います。  それにつきましての検察の対応ぶりということになるわけでございますけれども、まさにこの具体的な案件についての事柄ということでございますので、法務当局からこの場でお答えするのはいささかはばかるところでございます。  しかしながら、御指摘ございますように、金融取引初め経済取引にかかわります不正行為というものにつきましては、単に金融あるいは経済秩序を撹乱するというのみならず、国民の間におきます経済取引に対する不信感なりあるいは不公平感なりを助長するおそれがあるわけでございまして、かねてから、この種の案件につきましては、検察当局として相当力を置いて捜査処理に当たってきたところでございます。仮に、今回の報じられているようなことを含めまして、刑事事件として取り上げるべきものがありましたならば、検察当局としては厳正に対処するものと考えておるわけでございます。  なお、最後に触れられましたガルフストリームの関係につきましては、いろいろと取りざたされていることは承知しているというところでございます。

志賀節自由民主党・自由連合

○志賀委員 時間が参りましたので、最後に、私からお願いだけをして、質問を閉じさしていただきたいと思います。  それは、もう一つやはり見逃しにできないことは、これは主として土木建設業界に慣行としてなされていることでありますが、談合であります。談合という言葉を英語で何というのかはよくわからないのですが、私は、談合というのをもし英語で引くならば、八百長の項で引くべきだと考えているわけでございます。結局なれ合いでございます。ですから、これからの新しい国際社会で、正当な競争場裏で国際的にやっていかなければならない場合には、このようななれ合いは許されない。そのなれ合いを、日本の古来からの慣行でこれを崩すことはできないというようなことを、例えば建設省その他の偉い人が言うのでありますから、私は驚いてしまう。  こういう談合というものは日本を滅ぼす道につながるんだという認識、自覚に立って、しっかりとお取り締まりをいただきたい、これが私の切なる願いでございます。特に、これからの国際社会の中に生きていく日本にとっては不可欠の要件であると想いますので、このことを最後にお願いをして、私の質問を閉じたいと思います。  ありがとうございました。

金子原二郎自由民主党・自由連合

○金子委員長 坂上宮男君。

坂上富男日本社会党・護憲民主連合

○坂上委員 このたびの大震災に対しまして、司法行政、法務行政のために、大変な救援と復興のために御努力をなさっております関係者の皆様方に深甚なる敬意を表しながら、質問をさしていただきたいと思います。  まず、震災にかかわる司法、法務行政についての御質問でございます。  本日、日本弁護士連合会を通じまして、大阪弁護士会からの緊急提案の要請がありました。そして、この要請書を裁判所並びに法務省の方にも、きょう午前中ごらんをいただきまして、これに対する対処の仕方、これからの方向についてお聞きをさせていただきたいと思っておるわけであります。  もちろん、私たちといたしましては、法務調整会議においても、あるいは各党の部会においても御審議をいただきまして、早急に、法務、裁判所当局ともお話し合いの上、この措置について適正な対応をしていただきたい、こういうふうに思いながら御質問をするわけでございます。ちょっと取りまぜてお話をいたしますから、最高裁と法務当局からは、かかわる問題について簡単な御答弁をいただきたいと思うわけでございます。  まず一つは、民事調停事件は、さっきちょっとお話がありましたが、大阪地裁、京都地裁あるいは岡山地裁等の裁判所でも、ひとつ特別時限立法等検討しながらやれるようにしていただきたい。  それから、裁判官の確保、それから必要な調停委員を確保していただきたい。大阪弁護士会は、必要に応じて弁護士を調停委員として推挙する用意がある、それでまた、各単位弁護士会にも協力を呼びかける。  それからまた、各管轄裁判所は、自治体に協力を要請するなどして必要な調停室を確保する。  それから四番目に、各管轄裁判所は、民事調停法第四条ただし書きの移送の規定を運用して適正な配分を行う。  それから、民事調停についての手数料その他の訴訟費用の減免については、特別時限立法でしていただきたい。  それから、法律扶助を積極的に被災者に対して適用していただきたい。  それから、調停委員会は、阪神大震災の事件については集中審理方式をとって迅速な解決を図っていただきたい。  こういうようなことが書かれております。  それから、訴訟についても、同一の方式でひとつお願いをしたいというようなことが要旨のようでございます。  その次は、被災者救済のための措置でございますが、まず一つは、被災地の個人や企業に対しまして、遅延のための債務不履行としないで、あるいは契約解除原因とならないような立法措置、あるいは法解釈も裁判所においてしかるべく配慮をしていただきたいという要請でございます。  それから、権利回復措置、例えば地震にかこつけまして不当な措置をしたものについては、これに対する権利濫用、あるいは信義誠実等の理由でもってできるだけ回復をしていただきたいというようなこと。  それから今度、破産の申し立てでございますが、自己破産の人については早急にやっていただきたい。  それから、債務超過の会社等の、きのう予算委員会でお願いをしたわけでございますが、破産猶予法をつくったらどうかという提案につきまして、検討中とのことでございましたが、これも御検討をいただきたいと思っておるわけでございます。  また、登記手続の適切な取り扱いでございますが、例えば、権利証等の紛失あるいは証明書等がないために供託還付ができないというような、こういうものについては適時適切な対応を図っていただきたいというようなことのようでございます。  まだ相当いっぱいあるようでございますが、一々読み上げたら大変でございますから、これから逐次検討いたしまして要請もいたしますが、大体そんなようなことが問題にされておるようでございまして、両当局の方ではどういうようなお考えであるかもお聞かせをいただきたい、こう思います。

石垣君雄最高裁判所民事局長

○石垣最高裁判所長官代理者 大震災に伴います裁判所の状況でございますが、初めにちょっとつけ加えて申し上げますが、備品や施設等についても相当な被害を受けておりまして、しかも現在、ガス、水道も通じない状態ではございますが、これまで何とか事件を処理できる体制が整ってきております。二月六日以降、本日以降はほぼ通常どおりの処理ができるという状態まで来ております。  そこで、今いろいろ御指摘もございましたが、私どもとしては、この罹災者の方々が、罹災を受けた上にさらに法的な手続の関係で追い打ちをかけられるようなことのないように、できる限りの措置をとっていきたいと思っておりますが、例えば一番今予想されます事件の出方というのは民事調停事件ではなかろうかと思います。  当面、特に神戸の調停委員につきましては増員の手続を現在進めておりますし、また、先ほどお話のありました裁判所外の施設等を利用しての調停等も必要に応じて積極的に考えていきたい。あるいはまた裁判所書記官等の職員の他庁からの応援等も含めて、事件の処理に遺漏のないように全力を傾けてやっていきたいと思っております。

濱崎恭生法務省民事局長

○濱崎政府委員 御指摘の大阪弁護士会からの御提言、先ほど見せていただいたばかりで、まだ内容を十分に消化し切っておらない段階でございますが、ただいま御指摘の中にも、私ども民事局の関係の、民事行政の関係あるいは立法にかかわる幾つかの問題の御提言が含まれているところでございます。ただいま御意見をお聞きしたばかりでございますので、一々についてどうするということをまだ申し上げることができる段階にございませんけれども、その内容を十分に検討さしていただいて考えてまいりたいというふうに思っております。  なお、御指摘の中で、破産の猶予の問題については、昨日予算委員会で御答弁申し上げたとおりでございまして、そういう対応が必要であるかどうかということも含めて現在考えておるところでございます。  それから、御指摘のありました登記、供託の手続における重要書類の紛失という事態につきましては、一番重要な問題としては、権利証を紛失した場合、これは保証書によって代替するということができることになっておりますし、また、供託の払い渡しに必要な書類をなくされたという場合には催告払いという手続も用意されておりまして、それらの適切な運用によってできるだけ適切に対応してまいりたいというふうに考えております。

坂上富男日本社会党・護憲民主連合

○坂上委員 何か関東大震災のことが引用されておりまして、東京市内に十数カ所の借地借家法調停委員会出張所を増設したということが書かれておるわけであります。しかも、震災後三カ月に二千件も調停が成立したということが報告されておるそうでございますから、どうぞその実態を、早急に対応するということをひとつしていただきまして、まさに青空でもいいですから調停の開始ができるような対応をとられていいのではなかろうかと私は思っております。また、夜間でもやれるならばぜひやっていただいて、早急に権利の回復あるいは調整を図っていただきたい、こんなふうに思っております。  また、破産猶予法についても、相当な問題が起きると思いますので、早急な御検討の上、ひとつ対処していただきたい、こう思っております。  以上でございまして、まだ始まったばかりでございましょうが、できるだけ早急に御検討のほどを賜りたいと思っておるわけでございます。  あとは、私は、東京佐川の三億円新潟ルート問題について御質問をさせていただきたいと思います。  ちょっと御理解をいただくために申し上げますが、平成元年の五月に新潟県知事選挙が行われまして、新潟県知事選挙に立候補いたします金子元副知事に対しまして佐川急便から三億が献金されたということに絡まっているわけでございます。これの対立候補は今参議院の志苫君でございますが、そんなようなことで、一億円については既に金子元知事が、当選した元知事が、裁判になりまして、執行猶予の判決という結論になったわけでございます。二億円のことについては、全く行方が不明というような結論になっておるわけであります。  そんなようなことから、新潟ではこういう話があるわけであります。これはもう私たちも構わぬでおけないものでございまするから、新潟地方検察庁に二億円について告発をいたしました。そういたしましたら、東京に移送されました。それからまた、一億円については金子さんが裁判を受けるということになったけれども、二億円についてはわからない。  こんなようなことでございますから、そんなことあるはずはないのでございますが、新潟から東京に移送したのも、あるいはまた、一億円だけが裁判になって二億円が裁判にならない、二億円の真相がわからぬ、どうも強い者だけが逃れているのでなかろうか、こんなような指摘があるわけでございまして、どうか、こういうような意味においてもこの問題は放置できない問題であり、また政治改革と言われておりますが、この究明なくして政治改革の実現はないと思っておるわけでございます。  そこで、私の方では、いわゆるこの問題について、平成四年の十二月に国会議員あるいは新潟の県会議員が告発をいたしました。そういたしましたところが、十二月八日に不起訴という決定がありました。十二月二十日に私たちは東京検察審査会にこの申し立てをいたしました。そしてその結果が、捜査不十分である、そして不起訴としたことは不相当であるという、検察にとっては大変ゆゆしい指摘を、検察官のお目付役である民間の検察審査会がくしくも的確な判断のもとでこれを指摘をいたしたわけでございます。  したがいまして、私は大変重要な問題と理解をいたしておるわけでございまして、この点について少し読み上げてみますると、こう書いてあるわけでございます。「本件二億円が配分された可能性が十分あると考える。」そこまで言っているんですね。「とすれば、検察官としては、その人物を取り調べることなく捜査を終了したことは到底納得できない」、とにかく調べてみろ、調べなかったんでしょう。「したがって、その人物に対する疑惑がある以上、」関係者やその他の人、またこれを言うとちょっとあれですから言いませんが、「取り調べを行うことは当然であり十分な捜査を尽くしたとは言いがたい」、こう考える。よって、「検察官は、慎重な態度で、綿密に取り調べる必要があると考えるに、本件については十分な捜査が尽くされたとは思われないので、前記趣旨のとおり」不起訴は不相当であると判断をしたと書かれておるわけです。大変明快な判断でございます。  私は、何回か法務委員会なり予算委員会でこの問題を取り上げさせていただいておりました。私は、もう端的に申し上げますが二つあると思います。一つは、これは捜査の誤りがあったということを、生意気でありますが指摘をしたいと思います。二番目に、私たちが告発してから、捜査は具体的には全然しなかったのではないかと疑われるのであります。この二点について、具体的に私は指摘をいたしたいと思っておるわけでございます。  まず、その一つでございます。一億円は平成元年の五月十日に、当時の社長である渡邊廣康さんから金子知事の使いの人に渡されました。この命令を受けたのは早乙女という常務でございまして、九日の日に金を引き出して用意をした、しかもそれは三億円用意をした、こう言っておるわけであります。そしてこのうち、十日の日に一億円を金子さんの使いの人に渡した、こういうことになっておるわけでございます。  そこで、二十四日、二億円が渡されたと言われておるわけでございますが、この二十四日に渡された二億円は長谷川信さんという国会議員に渡したということに渡邊廣康氏の調書にはなっておるのでございますが、遺憾ながら捜査当局は、長谷川信さんに渡ったという調書はあるけれども受け取ったのは長谷川信さんでないという、捜査としては断定できない状況にあるわけであります。なぜかというならば、渡邉廣康氏のこの供述に疑問があるからであります。  そこで、法務省の中間報告では、一億円は今言ったような状況、二億円については金子陣営などに渡ったことは渡ったと言っているわけであります。しかし、だれが受け取ってどう使われたかということについては嫌疑はどうも解明することはできなかった、こういうことになったわけでございます。これに対しまして私たちが告発をいたしましたところが、検察審査会は今言ったようなことになっておるわけであります。  そこで、私が記録を調べさせていただきました。金子さんの一億円の裁判の確定記録を調べさせていただきましたら、いろいろな問題が出てまいりました。  一つは、長谷川さんが二十四日に受け取るまで全然、三億円が用意された、三億円が行くんだということを知らなかったというのですね。これは渡邊廣康氏がそう言っている。そしてその渡邊廣康氏が二十四日の日に長谷川さんに渡した理由は、長谷川さんは、おれのメンツがない、したがってどうかおれが持っていくから渡してくれないかと言ったので渡した、こう言っているわけであります。それまで全然、長谷川さんが、三億円が用意され、三億円が金子陣営に行くということを全く蚊帳の外にあって知らなかった、だから二十四日に頼みに行って、二十四日にばかっと二億円を渡した、こうなっているわけでございますから、これは素人が今お聞きになっても、長谷川さんに渡したというのはどうもおかしいんじゃないか、子供の使いじゃないですからね。そして、三億円はなぜどういうふうな意味で用意したかということは、どこかで相談があったわけです。この相談のことについても何もこの捜査記録の中では出ていないわけでございますが、果たしてどうだったんだろうか。  こう見てみますると、渡邊廣康氏が長谷川氏に渡したという二億円の供述部分について、これを調書をとったところに大きな間違いの出発があったんじゃなかろうかと私は思っているんです。本当にその人に渡ったというならば、もっと裏づけ捜査をいたしまして、これで間違いないということで初めて調書をとるわけでございますが、簡単に渡邊氏の言い分をうのみにして調書にとって、あとは進むも退くもできなくて、さりとて長谷川さんだと断定もできない、じゃほかの人だということも断定できない。結局のところ、行方不明ということで、嫌疑不十分という判断をしなければならなかった、こうだと私は思っているのです。  でありまして、これをもって私は、捜査に誤りがあったんじゃなかろうか、こう思っておるわけでございますが、御所見、賜りたいと思います。

則定衛法務省刑事局長

○則定政府委員 いろいろと詳しく御指摘をいただいたわけでございますが、今委員御指摘の資料といいますのは、金子元知事に対します一億円に関します訴訟の確定記録ということでございます。  一方、今お尋ねの問題点は、ややくどいようでございますけれども、昨年十二月八日に検察が不起訴処分にいたしましたところ、御指摘のように検察審査会から捜査不十分という議決をいただきまして、東京地方検察庁が先月二十六日に再起する、つまりもう一度調べ直すということにいたしました事件の関係でございます。  そこで、いろいろと調書の内容等について御指摘があるわけでございますけれども、一たん不起訴処分を行うに当たりましては、いろいろな関係証拠を吟味いたしまして、いわば帰属先を明確にすることができないということから不起訴にしたわけでございますが、今般、なお引き続き再起してこれを調べるということでございますので、具体的にどのような証拠があるのか、あるいは今後どのようなところについて捜査を行うのか、ここら辺につきましては、御案内のとおり捜査の秘密ということで、今後にまちたい、こう思っておりますので、御了解いただければと思います。

坂上富男日本社会党・護憲民主連合

○坂上委員 秘密なら秘密でひとつ、発表するときは、我々は、さすが検察というふうに言われるようにしていただきたい、こう思っておるわけであります。  あわせてちょっと御指摘を申し上げたいと思うのでございます。  この金を用意した早乙女氏は、三億円を用意をいたしまして、一億円については大き目な袋に一億円を入れたと言っているのですね。ジュラルミンケースに二億円を入れた、こう言っているのですね。その二つをともに渡邊社長のところに渡した、こう言っているのですね。しかるに、渡邊さんはこのジュラルミンケースの二億円を二十四日の日にその車のところまで一袋持って運搬をしたと言うのです。もう一袋は国会議員の一人が持っていった、こうなっておるわけでございます。したがって、ジュラルミンケースから紙袋に、二つに移したということが全然調書の中に出ておらないわけであります。  何でこんなずさんな捜査になったのだろう。まあほかに資料いっぱいあるのかもしれません。私の見た範囲のことしか申し上げてないから、あるいは失礼になるかもしれません。そうだとすればお許しをいただきたいのでございますが、そういうようなことから見てもこれがおかしいのです。  それから、渡邉廣康氏、社長の調書によりますと、二億円を早乙女から運ばれたのは五月二十四日の日だ、こう言っているのです。一方の方は九日の日持っていったと言うし、渡邊さんは二十四日の日に持ってきた、しかもその二億円は紙袋に入っておった、こう言っているのですね。  こんなことから見ますと、本当にこの捜査というのはずさんだったのじゃなかろうかなと私は実は思っているのです、大変失礼ですが。もし間違っていたらお許しをいただきたいと思います。これも指摘だけしておきます。  そこで、二十四日の日、五月二十四日、捜査の秘密で言われないでしょうが、私はたまたまこの決定が出る前に記録閲覧させてもらったから、渡邉氏のダイアリーのこの平成元年五月二十四日の日に、国会議員が、長谷川さんのほかに行っていたという国会議員の名前が書いてあるわけです、新潟県選出の国会議員。これは事実ですかどうですか。

則定衛法務省刑事局長

○則定政府委員 せっかくのお尋ねでございますけれども、先ほど申しましたように、そのあたりのことを含めまして現在捜査しなければならないということになっておりますので、どのような記載があるかこの席で申し上げかねますので、御了承いただきたいと思います。

坂上富男日本社会党・護憲民主連合

○坂上委員 最後の方がだめであったら、じゃ頭の方を聞きましょう。  平成元年五月二日、五月九日、長谷川さん以外の国会議員が来ているんじゃないですか、これはもう捜査に関係ない。だけれども、これは共謀の関係で重要な関係があるのですよ。どうですか、五月二日と五月九日、長谷川国会議員のほかの国会議員が来ているんじゃないかということです。

則定衛法務省刑事局長

○則定政府委員 御指摘のダイアリーの平成元年五月二日及び九日の欄には、新潟県選出の国会議員の氏名が記載されていると聞いております。

坂上富男日本社会党・護憲民主連合

○坂上委員 どうでしょうかね。五月二日なりあるいは五月九日なり、その前段に受け取ったと称する長谷川さんが行ってないわけです。しかし三億円の金を用意をするのですから、三億円の政治献金をするのだからだれかと話があるはずだ。長谷川さん、知らないというのだ。こういう点の捜査が本当によく行われていなかったのじゃなかろうか、こう思っておるわけです。  それから今度は、濱刑事局長が中間報告をいたしましてから私たちが告発をしたわけでございますが、その後、本当に私たちが告発をしてからお調べになったのでございますか、この点をお答えいただきたい。

則定衛法務省刑事局長

○則定政府委員 当然のことでございまして、告発、告訴というものは、さっきから言っておりますように大変重いインパクトを与えるわけでございます。従来からいわゆる東京佐川急便事件の捜査はもちろんやっておったわけでございますけれども、告発があったということを重く受けとめて、検察として真摯な捜査活動を行ったものと承知しております。

坂上富男日本社会党・護憲民主連合

○坂上委員 そこで、最初に読みました検察審査会の議決書でございます。こういう人たちを取り調べることは当然でありながら調べてないということが、多分調べてないとは書いてないのですが、十分な捜査が尽くされていない、こう言っておるところから見ると、取り調べを行うことは当然である、十分な捜査を尽くしたとは言えない、こう言うところから見ると、だれも調べなかったんじゃなかろうかと私は実は邪推をするわけでございます。どうぞ、その点についてもひとつ御検討を賜りたいと思っております。  もう時間がありませんので、これからひとつお願いをしたいのでございます。  どうぞ、今後の捜査でございますが、きのう予算委員会でも法務大臣、御決意をいただきました。やはりこれは、いわゆる一般的指揮権、具体的指揮権のない法務大臣であっても、いわゆる法務大臣管下の検察官に対する重大な指摘でございますから、法務大臣とされましても、今は事件を再起をして捜査を開始をされた、こういうお話のようでございますので、この捜査の開始に当たりまして重大なひとつ決意を持って臨んでいただきたい、こう思っておるわけでございますが、法務大臣の御決意も賜りたいし、ひとつ刑事局長さんに、きょうはわざわざ私は国会議員団と、県会議員団が参りましたので陳情に参りました。本当のことを言いますと、刑事局長さんにお願いをするのはちょっとおかしいなと思ったのでございますが、事はもう、最初は検察の手を離れまして、検察審査会が議決書を出しておるわけでございますから、これはもうやはり刑事局長さんが第一線の検事さんと国会との橋渡し役になっておるわけでございますから、本当に政治的な立場においても、私たちが納得できるだけの捜査をしていただく観点からも、刑事局長に関係者がお願いに行ったわけでございます。  そういうような意味から、刑事局長のお立場においてもまた検察のお立場においても、この議決書を受けましてどのような決意をなさっておるのか、ひとつ鮮明にお答えをいただければありがたいと思っております。まず大臣どうぞ。

前田勲男自由民主党法務大臣

○前田国務大臣 検察審査会におきまして議決をされたわけでございますが、極めて重要な議決と受けとめております。この議決を受けまして直ちに事件を再起いたしたわけでございますが、これにつきましては厳正、公正に対応するものと確信をいたしております。

則定衛法務省刑事局長

○則定政府委員 委員言及されましたように、検察審査会に一たんボールが行ったわけでございますけれども、再びまた検察に戻ってまいったわけでございまして、具体的にどうこうということではございませんが、検察審査会の議決の内容を踏まえて検察は適正な捜査を行うというふうに考えておりますし、また本日御陳情いただきました点につきましても大臣及び検察当局にはよく伝えておきたい、こう思っております。

坂上富男日本社会党・護憲民主連合

○坂上委員 どうも大変ありがとうございました。頑張ってください。お願いします。

金子原二郎自由民主党・自由連合

○金子委員長 冬柴鐵三君。

冬柴鐵三新進党

○冬柴委員 新進党の冬柴鐵三でございます。きょうは前田法務大臣から所信の表明がありましたので、これに対してお伺いをしてまいりたい、このように思います。  大変な阪神大震災、私もそこから選出をいただいている議員として本当に心痛めるとともに、皆様方、日本全国の方々、そしてまたボランティアの方々、役所の方々、本当に寝食を忘れてこの救済のために御尽力をいただいていることに対して心から謝意を表するとともに敬意を表したい、このような気持ちでいっぱいでございます。  法務大臣からは、この震災地における法秩序を維持するということで、また被災者の権利を保全するために全力で取り組んでまいる、このような決意が表明されまして、力強く思うところでございます。法秩序につきましてはいろいろなことが言われておりますけれども、外国人も驚くような整然たる秩序のもとに、水をもらうためにあるいは食事をもらうために、寒空に文句も言わず、列を乱さず並んでいられる、こういうことについて高い評価がある一方、やはり火事場泥棒というのもあることも事実でございまして、自警団を組織をして、焼けた家、壊れた家をそれぞれに当番をして見回っていらっしゃるということも、そういうこともありますので、これは、ここに決意に述べられたように、法秩序を維持するためにひとつぜひ御尽力を賜りたい、このように期待をいたしますし、希望をいたします。  特に、二月六日、罹災都市借地借家臨時処理法につきまして政令が施行されました。私も被災地を見まして、過去の震災におきましても、この終戦直後につくられた法律が、これは政令が一日も早く施行されるべきものではないか、こういうような意見も持っておりましたし、過日の予算委員会で二回質疑の機会をいただきまして、そのようなことを申しましたけれども、くしくも二月二日の質疑のとき、あす、二月三日、これが政令が発せられることになり、そして官報で掲載を、週明けにはされるだろうという大室の御答弁をちょうだいいたしまして、よかったなという気持ちを持った一人でございます。  ただ、これは面的に、壊れたところをもとのとおり復旧していいかどうかという面につきましては、これは大変な問題があると思います。やはり、復旧が急がされる反面、復興でなければならないのではないか。この五千二百数十名のとうとい犠牲を払って、十万棟を超える建物を滅失した、こういう震災を機に、再びこういう地震が起こることは、どうしてもあってはならないことですけれども、天災でございます、やはり再びこういうことが起こらないような都市を、防災都市をこの際つくっていかなきゃならない。  そのためには、やはり広い道路とか、そういうようなものを確保し、公園のスペース、防災スペースをつくることにより、また、相当な烈震、激震が襲っても、あのように瞬時に倒壊をして生き埋めになるような建物というものは、何とか今後そういう家は建てないような方向で進まなければならないし、そのためにこの借地借家臨時処理法を全震災地にかぶせることがいいのかなという考えも私はありました。  ある場合は、むしろそういうことはやめて、むしろ建築基準法八十四条による建築制限を二カ月して、その間に一つの都市再開発についてのイデアを住民に示して、そして御協力を求めるという部分もあってもいいんじゃないかというふうにも考えておりましたので、この点、全地域について、これを全地区を指定して政令を施行されたということについて、若干御説明をいただければありがたいと思います。よろしくお願いします。

前田勲男自由民主党法務大臣

○前田国務大臣 計画的再開発と申しますか、これと罹災都市借地借家臨時処理法の適用の関係ということに法律的にはなろうと思いますが、罹災都市借地借家臨時処理法は、災害という特別な事態が発生した場合におきまして、地主、借地人、借家人のいわば私的人間関係の権利関係の保全、調整を図るためのものでございます。他方、計画的再開発事業につきましては、私権があるということは当然の前提という立場に立って、事業計画の中で、公の利益のために借地借家関係に関する権利関係の調整を図るものでございます。  したがいまして、私的人間の権利関係の保全、調整を図って、その上で、むしろそれが前提となって都市計画、再開発事業が行われる、いわばその前段に必要なものだ、かように考えておりますので、この臨時処理法によって都市計画等が遅延するとか問題になるということはない、かように理解をいたしております。

冬柴鐵三新進党

○冬柴委員 そのような理解、私もそう思います。  家が滅失してしまいますと、借家人の権利はそれで終了してしまいます。寒空に避難所で生活する人たちも、もうその土地あるいはそれから再度建てられた借家に対して一切権利がなくなってしまうということは、大変酷だなということも感じますので、その点、この罹災都市借地借家臨時処理法が政令で指定されますと、その人たちにも、この新しく建った家に入れてほしい、あるいは建てないのであれば私が借りたい、こういうような権利が発生する。そういうものを前提に、今後都市がそういうふうに再開発されていって、いわゆる一つの利害関係人としてそういう人たちが加わることができるということは、私も大賛成でございます。  そういう意味で理解をしていたのですが、大臣からもそのようなお話がありましたので、そういう人たちの同意権者がふえるために復興がおくれるということがないように、きめの細かい指導をしていただきたい、このように思います。  その解決の場は、もちろん当事者の話し合いでございますけれども、後でも項を分けてお尋ねをいたしますので、そのときに譲りますけれども、何といっても、この人たちが専門家の意見というものを求めているというのはもう大変なものでございまして、私も先週、この日曜日も、地元の方々の要望切なるものがありますので、神戸も行きたかったのですけれども、土曜日と月曜日には参りましたけれども、日曜日は法律相談に充てました。大変たくさんの方が来られて、もういろいろな悲喜こもごもなお話でございます。そういうことに照らして、この法律相談を充実させていかなければいけない必要性がある。これはまた項を分けてお尋ねをしたいと思います。  それから、そういう意味で、法律相談も大切ですけれども、広報活動が物すごく大切なように思われます。予算委員会でも提案申し上げましたけれども、ぜひ大臣、テレビにも出ていただいて、そしてわかりやすく、今言われたように、これによって権利が確保されたことを皆さんに広報していただきたいなというふうにも思いますし、わかりやすいパンフレットをつくって被災地の方に安心していただく手もぜひ必要だというふうに思います。  早速、法務大臣、何か十日の日に大阪弁護士会へ行かれる、関係者、担当の方をおつけして行ってくださるということで、地元も大変喜んで期待しておりまして、今相談に乗る弁護士たちも、罹災都市借地借家臨時処理法、特殊な領域でもありますし、それから、そのほかの都市開発の問題、建築基準法の問題等々、大変いろいろな点で、相談に乗る方にしてもなかなか見通しがつけにくい面があります。そういう意味で、政府が今考えていらっしゃる一つのイデアというものをお示しいただき、また特殊な法領域についての行政解釈についても明らかにしてやってほしい、このように思いますが、早速来ていただくということを、お礼も兼ねて、大臣から一言、その点についての御決意などを伺いたいと思います。

前田勲男自由民主党法務大臣

○前田国務大臣 地震発生以来、二十六日の日から、地元の弁護士会、特に神戸におきましては、罹災された、事務所も倒壊された中で既に相談活動に乗っていただき、また近弁連、日弁連あるいは法律扶助協会が地震一一〇番、それから無料法律相談、もう既に大変御尽力をいただいて、多数の御相談に乗っていただいておるところでございます。  先生から今お話しございましたとおり、十日の日に、日弁連、近弁連、大々的にひとつ来週から、できれば避難所をそれぞれ弁護士さんが手分けして回って、みずから足を向けて相談をしてあげよう、今大変ありがたい御計画をいただいておるところでございまして、私どももぜひお願い、御協力をし、かつまた法務省としても御相談も申し上げ、かつそれもバックアップもしてまいりたい。  また、土地家屋調査士、行政書士、司法書士の皆さん方、不動産鑑定士の皆様、大変御尽力をいただいておるさなかでございまして、こうした中で、もちろん御奉仕いただいておるわけでございますけれども、そこにはまた、財政的な御心配もないわけではございません。  こうしたことも踏まえながら、私も、国会のお許しをいただければ十日に参りまして、ぜひお願いかだがた、お願いを申し上げると同時に、具体的に法律案件としてどういう案件が新たに提起されてきておるのか、こうしたこともよく確認をして、法務当局としても対応抜かりのないようにしてまいりたい、かように思っております。

冬柴鐵三新進党

○冬柴委員 ありがとうございます。  法律相談に乗る弁護士の一つのQアンドAを弁護士会がつくっているのですが、もう毎日変わるのですよ。二訂版、三訂版をつくっています。この政令が施行されたといったら、もうがらっと変わるのですね。そういうことで、その点についても、民事局がやられるのですか、ぜひきめの細かいそういう情報を提供してほしい。  それで、地震一一〇番をやって、予想以上の多忙でございまして、もうトイレにも行けませんということで、昼御飯のときに、食べられないので、その間留守電話にしますと、わずか一時間の間に二百本が入っている。夜は、終わってから留守番電話にしているのですけれども、行かれたら聞かれると思いますけれども、数百本がそこへ入っているという状況なのです。それで、電話ですから、顔も見ていないわけですが、一々細かく聞いてやっておると長くなって、次の人が待っているのがわかりますしね。  そういうことから、十二日には、ひとつ三百人を動員して神戸に渡って、そして、今大臣がおっしゃったように、避難所ヘチームを組んでそれぞれ入って、そして、滞事一掃じゃありませんけれども、いろいろな方に聞いて、もうあらかたそれを一日で処理しようというようなことで大阪弁護士会、近畿弁護士連合会はしたのですが、残念なことに、受け入れの方がとてもじゃないけれどもそこまでできないということで、三、四十大規模、一割ぐらいに減縮せざるを得なかったようですけれども、それほどみんな弁護士の方も頑張っているわけです。法務省の方も大変ですが、できるだけの支援を考えてやってほしい、みんなそれぞれお忙しいですけれども、そういうふうに思いますし、大臣からも激励もしてやってほしい、そういうふうに考えますので、よろしくお願いしたいと思います。  それから、「その他の登記手続等についても正しく理解していただくよう」というくだりがありますので、一言お尋ねしたいのですが、今回の阪神大震災、十万棟を超える完全な建物の滅失があったというふうに報道されておりますけれども、滅失には滅失登記というものが要ります。原則としては、もちろん登記ですから申請が第一義的なのでしょうけれども、表示登記は職権調査事項です。そういう意味で、何かこれについては簡便な方法を、例えば完全滅失の罹災証明書をどれぐらいまでしたらいいのか。  そこに一々行くわけにはいかぬかもわかりませんけれども、ある地域、例えば、きのうも見てきましたけれども、長田区の何々地域はもう完全に、倒壊した上を火が走ったわけですから、もう全部だめになっておりますが、そういう地域について、一々申請主義ということじゃなしに、何か弾力的に職権調査で滅失登記ができるように、そうすれば、何か固定資産税も三月末日までのものをいただく分が、一月十七日、十八日以降は払わなくていいことになると思うのですね。そういう意味で、特段の配慮をしていただきたいと思うのですが、予告してないのですが、ちょっと技術的ですが……。

濱崎恭生法務省民事局長

○濱崎政府委員 御指摘のとおり、大変多くの建物が損壊しているという状況にあるわけでございますが、委員御指摘のように、原則は当事者の申請による、しかし職権でもすることができるということになっております。それが建前なのでありますけれども、この被害の甚大にかんがみまして、当事著の負担ができるだけ軽くて済むような簡易な手続ということにつきまして、今一生懸命研究しているところでございます。その中で、委員御指摘のように、職権でできるものの、どの範囲でできるか、そのためにどういう工夫をしたらいいかというようなことも含めまして、検討しているところでございます。  現在のところ、滅失している残物の分布状況でございますとかあるいは、関係市町村におかれましても独自に調査をしておられます。それから、所有者の方々の意向などの把握に努めているところでありまして、これから市町等の関係機関とも十分に協議いたしまして、できるだけ簡易な手続でやれるようにということで考えております。  なお、固定資産税と建物の滅失の関係でございますが、私ども税の関係はつまびらかでありませんが、もし間違っていたら御容赦願いたいと思いますけれども、税の方は、登記ということではなくて、建物があるかないかという実態によって課税されるものであるというふうに理解しているところでございます。

冬柴鐵三新進党

○冬柴委員 ぜひ負担を軽減できるような工夫を、通常と違う状況でございますので、やっていただきたいというふうに思います。  次に、最近の犯罪情勢、傾向についてのお話も伺いました。やはり企業に対する、株主総会に絡んでいるのじゃないかと思われる事件、凶悪事件、殺人事件等がありまして、これは株主総会における言論を封圧する、そういうような非常に悪性の高い犯罪だと思います。  また、これに対して、実行正犯が、今まで会社と全く関係がなかった人がいわば殺人を請け負うというような形でやられたということが報ぜられるにつけ、この秩序というものについては、外国にも誇り得るこの日本の国の中でこういう事件が起こって、しかもなかなか解決ができない、未決が多いということについては、我々としても、この法秩序ということについて担当させていただいている法務委員会に籍を置く者として、非常に憂慮にたえない事態だというふうに思います。しかも、それがけん銃で一発で脳天を撃ち抜いたとか、それは従来の日本の中で行われた犯罪とはちょっと違う犯罪だなというふうにも思われます。  そういう意味で、特にこの銃器に対する取り締まりというものは、立法措置も含めて、きちっとやっていかなければいけないのじゃないかなというふうにも思うわけでございますが、その点につきましても、所信を補足する意味で、一言お言葉をちょうだいしたいというふうに思います。

前田勲男自由民主党法務大臣

○前田国務大臣 最近、経済絡みと申しますか、もう少し平たく言えば、バブルの、まさに負の清算的な凶悪かつけん銃を使った殺人犯、しかもその被害者はいわば民間人ということで、この犯罪動向に対して、私どもも大変大きな問題意識、懸念をいたしておるところでございます。特に、こうした面におきまして、厳正な態度で臨むということはもちろんでございます。  特に、後段御指摘がございました銃器等の、これは先般法改正があったところでございますが、この法改正を踏まえ、かつ関係省庁、これは法務省、警察庁、輸入におきましては海上保安庁でございますとか、時には郵便小包でかなり銃器等が送られているというような話もございまして、郵政省でございますとか、あらゆる関係省庁が寄り集まりまして、その対策に今全力を尽くしておるところでございまして、なお一層、その対策に力を入れてまいりたい、かように思っております。

冬柴鐵三新進党

○冬柴委員 次に、今国会に更生保護事業法案と関連法案が提案されるようでございますが、前国会になりますか、更生緊急保護法の一部改正法等を審査して、我々が今まで余り気づかなかった点についても、附帯決議という形で御指摘申し上げたところ、早速に立法措置をとられたことは敬意を表したいし、評価をいたします。  やはりそのときにも指摘しましたように、国の補助率を引き上げるということを考えないと、五割まででも、その残り五割はそのような民間の団体が資金を調達しなければ、たしかできなかったのではないかと思うのですけれども、この補助率をやはり上げるような形を、今回はできなくても、将来的に考えていただくべきじゃないか。御指摘申し上げたように、これを一つの法人にして租税上優遇するという点ではいいわけですけれども、そういう点もやはり考えていただきたいと思うのです。だれか関係の方で結構ですが、あれば……。

原田明夫法務省大臣官房長

○原田政府委員 恐縮でございますが、保護局長が参っておりませんので、私から法案との関係で御説明申し上げます。  ただいま委員御指摘のとおり、更生保護の充実強化という点につきまして、特に社会福祉法人との均衡等を考えながら、その基盤の整備を進めていくという当委員会でのさまざまな御論議を踏まえて、立案させていただく所存でございます。その中で、ただいま御指摘のとおり、補助率の点につきましても、今後さらに研究を深めまして、充実させていただくという観点から、さまざまな検討を加えてまいりたい、そしてただいま御指摘のような趣を生かしてまいりたい、そういうふうに考えておりますので、今後ともよろしく御指導いただきたいと思います。

冬柴鐵三新進党

○冬柴委員 次に、刑事施設法、いわゆる拘禁二法を「再提出に向け、種々の観点から検討を加えてまいりたいと考えております。」こういうことでございますけれども、再提出の問題は内容だと思うのです。今まで、これは十二年を超えて十三年目になりますか、前例の少ない法案の審議の流れだと思います。しかし、これについては国民世論を二分するような非常な強い反対論もありましたし、今までと同じような形での法案提出はやめてもらいたいというふうに私は思います。  誤解があるといけませんので、私もこの行刑制度の近代性とか国際性あるいは法律化という点については人一倍関心を持っているつもりでございまして、刑法典も読みやすいものに変えるという決意が後でも述べられておりますけれども、監獄法は、恥ずかしながら私もきちっと読めないのじゃないかという字とか言葉遣いがあります。  そういう意味で、この監獄法の改正というものは、基本的人権に重大にかかわる法領域であるだけに、国民が読んでわかるような法典、そしてまたその内容が、現在の国際化という時代を迎えて、外国の人も拘束される人が随分ふえているわけですが、そういう中で、対外的な批判を受けることのないような法の整備ということは当然なされなければならない。  一日も早くなされなければならないと思うわけですけれども、さきに提出されたような拘禁二法の形では、これはやはり世論を分裂して、いたずらにいろいろな論争が起こるようなことになりますので、再提出については格段の、その意味で、反対論というものはどこから出ているのか、それについてはどうすればいいのか、こういうことも十分お考えの上やっていただきたいと思うわけでございます。これについても、通告はしておりませんけれども、一言あれば……     〔委員長退席、斉藤(斗)委員長代理着席〕

前田勲男自由民主党法務大臣

○前田国務大臣 御指摘の監獄法は、もう時代がかった名前から始まりまして、中身も極めて古いものになっておりまして、処遇、権利義務等々を新たな近代的なものに変えていかなければ、もう国際的にも問題が起こり得る状況にあることは御指摘のとおりでございます。  そこで、これまで三回にわたって廃案となっております関係で、私どもも今度提案するときは必ず成立をさせていただけるということをまず何よりも頭に描いて御提案をしなければならないということで、なかなかこれはいろいろ難しい問題でございまして、頭を痛めながら、今いい知恵を模索しておる段階でございます。

冬柴鐵三新進党

○冬柴委員 この場で言うのはどうかと思いますが、私は私なりの考えを持っております。いわゆる逮捕、四十八時間をどこで拘禁することができるのか、それをはっきり刑事訴訟法上で位置づけるということによって大半の争点は解決できるのではないかというふうに私は思っております。そういう意味で、今後またいろいろとこういう委員会の審議を通じて、またそのようなことも具体的に御提案も申し上げていきたいというふうにも思います。  それから、いじめのことに論及されました。学校の子供の中のことだというふうに言い切れない。触法というのですか、もう大人も唖然とするような残酷なことが行われている。そして、それが多くの学校でほとんど例外なく、もちろんその程度は別ですけれども、何か行われているということは、青少年の健全な育成とかいうものに対して非常に大きな問題があると思います。  そういう意味で、これは家庭とか学校に任せきりの問題ではなしに、やはり我が法務委員会もひとつ真正面から取り組む姿勢が必要ではないかとも考えます。  そういう意味で、「子どもの人権専門委員の制度を積極的に展開させる」というようなことの一言はありますけれども、その決意、一言で結構ですが、伺っておきたい。

前田勲男自由民主党法務大臣

○前田国務大臣 このいじめの問題は、まさにこれから日本を背負っていく若い子供たち、少年たちにとっても、まさに人権意識の基本をなすものでございまして、まず子供たちに人権意識をしっかり持ってもらう、持たせるということが極めて大事であろうと思っております。  もちろん、起こりましたいじめ事犯につきましては人権専門委員が適切な対処をし、指導をしてまいりますが、我が国の、特に人権問題の基本に関することであろうという観点から、いじめについても法務省も積極的に対応し、教育、啓発を含めて努力をしてまいりたいと思っております。

冬柴鐵三新進党

○冬柴委員 法律扶助制度については項を分けてお尋ねいたしますが、所信表明の中でこの言葉が出てくるということは、平成五年度以降今回で三回目になるわけですが、非常にうれしく思っております。毎年行数もふえてきて、これはもっと前にも行かぬかなと思うのですけれども、それはまあいいですけれども、どうかひとつ頑張っていただきたい、このように思います。  それからあと、入管業務については、大村入国管理センター等が補正予算で相当大きい金額で着工できるということですけれども、今後の我が国を取り巻くこういう出入国の問題を考える上においては、まだまだ足りないのではないかなと。その意味で、ひとつ予算等についても十分考えていただかなければならない問題だろう。  それから、この入管、出入国管理行政の途上で綱紀に問題があったということで、我々も視察をさせていただきましたけれども、こういう点も、大変忙しい、忙し過ぎるということが一つ原因があるように思います。  そういう意味で、やはり増員等、まあ相当程度やっていらっしゃいますけれども、引き続いてこれはやはり相当格段のものをやっていかないと、ただ頭の中だけでそういうことは綱紀を粛正してまいりますということだけではおさまらない問題があると思います。これについては、また同僚議員からも詳しく質問の機会もあると思いますから、きょうは所信ですから避けますけれども、ぜひ人事の配置とか要員の増員とか、それはやはり優先的に考えていかなければならない部分ではないか、こういうふうに思いますが、いかがですか。

前田勲男自由民主党法務大臣

○前田国務大臣 入管行政につきましては、昨年来からもいろいろ御心配をいただいておるところでございます。  まず、要員につきましては、七年度の要求の中で現在百三十七名の要求が案として通っておりまして、ぜひ人的確保をまず図ってまいりたいと思っております。それと同時に、このところ関空開港で二百数十名、また今年度は百三十数名、急激におかげさまでふえておりますけれども、やはり教育が大事だなと。この教育にも、これから質的に入管の職員の教育ということに徹底して綱紀粛正をし、少なくとも間違いのないように取り組んでまいる決意でございます。

冬柴鐵三新進党

○冬柴委員 では、司法試験改革について若干伺っておきたいと思います。  法律扶助、また大臣戻られてから聞きたいと思います。  司法試験改革も、法曹三者間で平成二年十月十六日ですか、成立した基本合意に基づいていわゆる丙案を、これは平成元年十一月二十日に法務省が示した司法試験制度改革の基本構想、この中で示された甲乙丙というそれぞれの案の中で丙案を導入するかどうかということは、平成七年、本年の七月ごろに決めることになっていると思うわけでございます。  それで、それ以降の、基本合意に基づいていわゆる改革協議会というものがつくられて、今日までその導入の可否をめぐるいろいろな調査をしていられると思うのですが、差しさわりのないところをお示しをいただきたい。  もし、この丙案というものを導入するについては、立法措置もとられているわけですけれども、なおこれについては根強い反対論といいますか、そういうものもあります。そういうものについて、五年間の実績の最終がことしまた出ると思うのですけれども、それについて、どうあればこの基本合意の中で示されたような状態ができるのか、それとも、もうこれはとてもじゃないけれども、七年がどうなろうとこの丙案採用ということはほとんど確定的だ、これを避けるためには、いわばそれにかわる抜本的改革というものについての合意ができなければそれはもう無理だというお考えなのか、そこら辺について、今から協議されるわけでしょうから、差しさわりのないところで結構ですが、お答えをいただきたいというふうに思います。

永井紀昭法務省大臣官房司法法制調査部長

○永井(紀)政府委員 先生がただいまお話しされました法曹三者の司法試験制度改革に関する基本的な合意というのが平成二年十月にされたところでございます。この基本合意に基づきまして、いわゆる丙案というものが採用されてございます。  これは、丙案というのはどういうことかといいますと、司法試験の合格著、今約七百名余でございますが、そのうち五百名は受験回数にかかわりなく成績順で合格させる、それから約二百名余は受験回数三回以内の人から選抜する、こういう案でございます。  これがなぜ丙案と言われているかといいますと、甲案というのは、受験回数五回以内で制限をするという考え方、それから乙案は、五回以内の人とそれ以上の人とさらに分けるという、いろいろなそういう考え方があったわけでございますが、この法曹三者の基本合意におきましてやはり一番マイルドな考え方は、受験を何年もやっていた人の現状も救うべきだというので、五百人はやはり現状どおり選抜でいく、ふやした二百人余りについてはある程度回数の少ない人から選ぶというようなことでございまして、これにつきましては、平成八年において丙案が実施されないためには、七年、ことしの司法試験の結果が平成四年一月二十九日に司法試験管理委員会の決定において示されております判定基準を満たす必要がございます。  この基準は、実は法曹三者の基本的合意の中において既に決められたものでございまして、ここで御参考までに申しますと、平成七年の第二次司法試験の終了後の検証基準において二つの要件がいずれも満たしてなければ丙案を実施する、平成八年から実施する、こういう動きになっております。  これは、もう既に司法試験管理委員会の決定がございまして、平成七年の第二次試験において、最終合格者のうち初回受験から三年以内の者、いわゆる三年以内合格者が三〇%以上であること、または最終合格者のうち初回受験から五年以内の者、いわゆる五年以内合格者が六〇%以上であること、これのいずれかの条件が満たされ、かつ、もう一つの条件が、平成八年以降において、合格者中の三年以内合格者または五年以内合格者の割合を示す数値が安定的なものであり、かつ上昇する傾向が見定められ、数年の後には三年以内合格者が四〇%程度または五年以内合格者が七五%程度になることが見込まれる、こういうことになっているわけでございます。  そこで、委員も御承知だと思いますが、最近の平成三年以降の数値をいろいろ見てみますと、なかなかこれが微妙でございまして、果たして三年以内の者が三〇%に行くのか、五年以内の者が六〇%以上になるのかということ自体がまだ必ずしも判然といたしません。当然、ことしの試験でございますので、なかなかどうなるかというのも本当のところわからないということでございます。その基準をクリアしなければやはり丙案になるということでございます。  それからもう一つ、委員の御質問の趣旨の中に、抜本改革との関係はどうなのか、こういう問題がございます。それはあくまで、いわゆる丙案の実施というのは平成三年の司法試験改革において、合格までに非常に多数回の受験を要するという司法試験の状況に対応するための、当面の暫定的かつ緊急改革ということでこれが取り入れられているわけでございます。  ところで、他方、抜本的改革についてもやりなさいということがありまして、それで法曹養成制度等改革協議会を開いているわけですが、抜本的改革というのは、やはり国民の立場から見た法律専門職のあり方、司法試験制度、法曹養成制度と大学法学教育の関係等を踏まえた、真に抜本的な改革と言えるような具体的なものでなければならないと考えられております。しかも、それが基本的合意の第五項にもございますけれども、早期かつ確実に実施されるものでなければならない、こういうことになっております。  ところが、現在抜本的改革については改革協議会において真剣に検討が続けられているわけでございますが、はっきり言いまして、八年度から例えば実施できるような具体的な成案を得るということには、まだそこには至っておりません。現在、改革協議会のもとに設置されました法曹人口問題等検討小委員会において、多くの委員から司法試験合格者を将来的には少なくとも千五百名以上とするなどの大幅な増員を実施して、国民の法曹に対するニーズにこたえられる体制を整えるべきである、こういうふうな意見が多数述べられております。人口小委員会におきましてはそういう議論が出ているのですが、全体会議におきましてさらにこの点について、司法試験合格者を将来的にどうするのかということを来月以降検討する、こういう予定になっております。  少し長くなりましたが、いろいろな論点が含まれておりましたので御説明いたしました。     〔斉藤(斗)委員長代理退席、委員長着席〕

冬柴鐵三新進党

○冬柴委員 いろいろ伺いたいこともあるのですけれども、肝心の無料法律相談の充実について伺っておきたいし、きょうは自治省も来ていただいておりますので、ぜひ伺っていきたいというふうに思います。  これは、実は予算委員会で全閣僚いるところでやりたかったテーマでございます。今この法律扶助については、随分法務省の取り組み姿勢につきましても熱心にやっていただいているし、またこの平成五年六月二日の当法務委員会理事会におきまして、法律扶助制度の一層の充実、発展を図るため、本格的な調査研究の取り組みとそのための予算措置を講ずべきであるという趣旨の理事会申し合わせというものが成立をいたしまして、これに対して当時の後藤田法務大臣も、誠実に対処するという答弁をいただいて、これを受けて平成六年度には予算措置もとっていただきましたし、またこの六年十一月七日には、具体的に法律扶助制度研究会というものが発足をして、これには民事訴訟学者が二名、法務省四名、日本弁護士連合会及び法律扶助協会から四名、最高裁から一名という非常に大がかりな委員会をつくっていただき、また、それには実務家でしょうか、幹事二十二名から成る大変な研究会をつくっていただきました。  ですから、これの将来、非常に期待するわけでございますけれども、私はこの法律扶助というのは、少なくとも単に訴訟援助というところだけに限局するのではなくて、法律相談というものについても万遺漏なきを期するということを含まなければ意味がない。なぜならば、民民ではありますけれども、法律問題、紛争というものが解決している実態というものは、裁判所という場で解決されているというものは残念ながらごく一部でして、本当に多くの部分はいわゆる示談で解決をされているという実態があります。  この示談というのは、我が国の国民性といいますか、あるいは長い法文化というか伝統といいますか、そういうものを踏まえて、もめごとはお上に持ち出して解決してもらうというのじゃなしに、それは最終の解決であって、できれば話し合いで円満に解決するというのが最良なんだ、そういう考え方が根底にあるようには思われますけれども、しかし、中へ入る人たち、入ってまとめる人たちの中には、事件屋さんとか暴力団とかいうような人たちも幅をきかせているわけでございまして、弱い人が泣き寝入りをする、あるいは理不尽なこともそれをのまざるを得ないというようなことが起こるということは、これは僕は法治国家である日本において許さるべきことではない、このように思うわけでございます。  そういう意味で、この法律扶助に対する要望が非常に強いこととともに、無料法律相談というものをぜひ充実してほしいという国民の期待というのは非常に大きいわけです。各地方公共団体におきましても、これはもう住民と密着した行政をしているわけでございますから、その住民のニーズにこたえて相当な費用を支出して、地方団体の単独の事業として無料法律相談というものはもう全国各地で開かれているという実態があります。  ところが、これが均質なものかな。日本国じゅうどこでも国民は同じようなそういうサービスを受けているのかなということを見たときに、そうではないという実態があります。例えば、北海道とかそれから日本海に面した方の県では、法律相談の回数とかあるいはそれに対する支出とかそういうものが、太平洋に面した方の府県に比べては著しく違う、そういう事実もいろいろな調査から明らかにされているわけでございます。それは私は、同じ日本人であって弁護士に相談料を払えないという経済状態にある国民も、ひとしくやはり正義へのアクセスというものが開かれていなければならないのではないかということを強く感じるわけでございます。  私も、この法律扶助につきましては、予算委員会で三回、法務委員会でたしか十一回やらしていただきまして、いろいろ、法律相談も国の義務であるというようなことを、左藤恵大臣のときにも明快に認めていただいたという経過もあります。私は、これは司法ですから、やはり国が一義的に義務を負うんだろうと今までは思っていたのですけれども、これは地方公共団体もともに――訴訟援助についてはもちろん間違いなく、疑いなく国でしょう。けれども、無料法律相談ということになれば、国とともに地方団体もこれは責任を負うべき事項ではないのかなというふうに思うに至っているわけでございます。  そうであるならば、地方交付税の基準財政需要というものにやはり法律扶助というものも入れていただいて、そして県民なり市民のうち、そういうものを負担することができない階層の人口というのはつかめるわけですから、例えば生活保護世帯というのはもう疑いなくそうでしょう。あるいはそれに限局せずに、もっとそれを広げることも必要だと思うのです。  例えば、国民の所得の五分位法で、下からと言っては失礼ですけれども、二分位に属する人たちにはそういうものを開くとか、フィリピンヘ参りましたことも報告いたしましたが、フィリピンでは国民の八三%が無料の訴訟援助と法律扶助、法的助言・援助を受けていられるということを私の耳で聞いてきました。そういうふうに非常に広く開いているところもありますけれども、日本の場合はどうかはわかりませんけれども、そういう一つの基準を立てて、ひとつ基準財政需要というものにカウントしていただいて、交付税の中にも入れていただくということも必要ではないか、こんなふうに思うわけです。  しかし、その前提として、やはり国の法律の中に、これが国と地方の義務であるという何か宣言がないと、ちょっとそういうことも難しいのかなということも私は感じるわけでございます。  そういうところで、時間が差し迫ったので、たくさん質問事項は用意したのですけれども、そういう考えについて概括的に、法務省どなたか、それから自治省からもどなたか、現状でも結構ですし、将来に向かっての決意でも結構ですが、適当な方に、法務省それから自治省に御答弁をいただきたい、最後に大臣からもいただきたい、こういうふうに思いますので、よろしくお願いします。

筧康生法務省人権擁護局長

○筧政府委員 しばしば私どもの方からも申し上げておりますように、法律扶助制度というのは、国民の裁判を受ける権利を実質的に保障するための重要な制度であると考えております。法律相談というのもこの法律扶助制度の一部をなすというものでありまして、極めて重要なものである、今後ともその充実に努めてまいりたいと考えておるところでございます。  委員も御承知のとおり、従前は訴訟援助に限っておりました国からの補助金につきましても、平成五年度からは法律相談に対しましても補助金を出すということにいたしまして、平成五年度においては九百八十万円、平成六年度においては千九百六十万円、またただいま御審議いただいております平成七年度の政府予算案においては二千九百五十二万円の予算を計上していただいているところでございまして、今後ともこの充実発展に努めてまいりたい、このように考えております。

北里敏明自治省財政局調整室長

○北里説明員 各地方公共団体におきましては、住民サービスの一環として、御指摘の法律面の相談を含めまして各種の無料相談事業を必要に応じて実施しているものというふうに考えております。  地方交付税の算定に当たりましては、これらの取り組みを踏まえまして、交通事故の相談あるいは消費者相談、市民相談等に要する経費につきましては、弁護士に対する報酬も含めまして、御指摘の基準財政需要額に算入しているところでございます。  今後とも、こうした地方公共団体におきます法律相談事業等の実情などを踏まえまして、適切な財政措置を講じていくよう検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。

冬柴鐵三新進党

○冬柴委員 今自治省から御答弁いただいたのですが、これは言葉じりじゃなしに、各種住民サービス、サービスという言葉が、しなくてもいいんだけれどもやった方がいいからやるという意味であれば、そうじゃないんじゃないか。  いわば、私は、法律相談というのは、先ほどもちょっと言ったのですけれども、憲法三十二条の「何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない。」という、それを深く読んでいけば、やはりこれは正義へのアクセスというものを含んでいるんだというふうに読み込まないと、本当の憲法の言わんとしているところを読み取っていないんじゃないかというふうに私は考えているわけでございます。金持ちも、また今恵まれていない人も、ひとしく裁判を受ける権利、そういうものが保障されなきゃならない、憲法上の義務だというふうに私は読み取っているわけでございまして、決して救貧的あるいは恩恵的なものではない。  そういう意味で、私は、現在の法体系の中で、これが地方団体の義務だという規定は全くありません。したがいまして、大臣には、冒頭申しましたこの研究会の中のテーマとして、ぜひ訴訟援助だけじゃなしに法的助言・援助、すなわち、日本では無料法律相談、これはちょっと範囲が違うのですけれども、無料法律相談についての地方のかかわり、こういうものが憲法に由来する義務なのかどうか、そういう点についてもぜひ調査をしていただくように、大臣からもぜひそういうふうに言っていただきたいな、こういうふうに思うわけでございます。決して言葉じりをとらえて言っているわけではありませんので、ぜひその点について大臣から御答弁をちょうだいしたいと思います。

前田勲男自由民主党法務大臣

○前田国務大臣 法律扶助制度につきましては、もう先生まさにライフワークとして長年御熱心にお取り組みをいただいておりますこと、最初に心から厚く御礼を申し上げたいと思います。  憲法三十二条にございますとおり、国民ひとしく裁判を受ける権利があるわけでございまして、貧しいがゆえにそれが空洞化するということは許されない、かように思っておりまして、問題は、これを今後どうしていくのか。あるべき姿を委員会でもお申し入れをいただきましたが、昨年十一月七日に研究会がおかげさまで発足をいたしまして、新しく一段階進んだというふうに喜んでおるところでございますが、御検討いただく中に、今お話のございました地方自治体の法律相談、無料法律相談ということもぜひ御検討していただくことをお願いしたいと思いますし、何よりも研究会の検討結果というものを十二分に尊重して実現をしてまいることをしていかなければいけない、かように思っております。  特に、無料法律相談。日本では余り、裁判ざたという、プラスイメージの言葉も余りございませんで、裁判以外の解決、すなわち示談ということが多く行われているわけでございますが、この示談の中にも、やはり法の精神、正義にかなったものでなければ、特に暴力団が介入するとかいったことはあってはならないわけでございまして、そういった観点からも、住民法律相談というものは極めて大事な住民サービスであろうと思っておりまして、自治大臣にもよく私からもお願いをしてまいりたい、かように思っております。

冬柴鐵三新進党

○冬柴委員 私の質問を終わります。ありがとうございました。

金子原二郎自由民主党・自由連合

○金子委員長 山本拓君。

山本拓新進党

○山本(拓)委員 私は、四十分時間をいただきましたので、大臣の所信表明に沿って、大臣に率直にお尋ねをしていきたいと思います。  その前に、やはり我々としても、先般の阪神大震災で亡くなられた方には御冥福をお祈りしなくてはなりませんし、また逆に、我々政治家として、また国政にあずかる者として、同じ過ちがあれば同じ過ちはしてはならないということを率直に反省をし、次の万が一のときに備えていかなくてはならない。私が申し上げたいのは、これからの救援対策、復興対策は、これはもう与野党関係なく、一致協力をして仕上げていかなくてはなりませんが、要するにそのときの緊急危機管理という点では、やはり冷静に分析していかなくてはならないと考えているところでございます。  ところで、大臣は十七日の朝、地震の第一報というのはどこでどんな形でお知りになりましたか。プライベートにどこかへ行っておられたのなら聞きませんけれども、もし差し支えなければ、お聞かせください。

前田勲男自由民主党法務大臣

○前田国務大臣 当日の朝、自宅で、七時ちょっと前にテレビの画面で知ったわけでございます。

山本拓新進党

○山本(拓)委員 法務大臣もテレビで知ったということでございますが、大臣として、知ったときにまず大臣は何かされましたか。

前田勲男自由民主党法務大臣

○前田国務大臣 テレビで、特にテレビの画面がヘリコプターからの中継でございまして、高速道路等の落下等は見えましたが、実は人家が倒壊しておるというのが、残念ながらちょっとテレビの画面では少なかったというか、むしろ上空からの映像がほとんどでございまして、そこまではちょっと私もあんなにあるとは予想いたしておりませんでした。  そこで何分、時間も午前七時でございましたので、事業所はやっておりませんでしたので、神戸、大阪それから私の地元の和歌山等へ電話を数十カ所ほど入れまして状況を聞きまして、たまたまその中で神戸の垂水区のあるところに電話が、偶然でございましたが、つながりまして、激震の模様を確認をしたようなわけでございます。ちょうど役所からの迎えが九時過ぎということでございましたので、それまで自宅において、もちろん神戸の法務局等にも電話を調べてかけましたが、かかりませんでした。かかるところは情報収集をしておって、それから役所に向かったということでございます。

山本拓新進党

○山本(拓)委員 そうすると、大臣としては、法務大臣としていわゆる法務省と申しますか、役所サイドからは報告という形はなかったということでよろしいですね。

前田勲男自由民主党法務大臣

○前田国務大臣 そのとおりでございます。

山本拓新進党

○山本(拓)委員 いや、私が申し上げたいのは、今回死者は五千人を超えたわけでございます。その死者というのは即死者ではないのですね。即死した人が五千人ではございません。最近週刊誌などでも詳しく報道されておりますが、瓦れきの下でうめき声とか、早く助けてくれとか、その声が一日、二日目、三日目でだんだん消えていった。それで、スイスから犬が来ましたね。だから、結果論でありますが、あの犬がもう少し早く、向こうが言ってきたときに受け入れていれば、まだ助かったのじゃないか。あの犬にしたって、犬の検疫がどうのこうのとちょっとトラブったという話も聞いております。私自身は、やはり全体の総責任者は総理大臣ですから、総理大臣の政治責任は必ずあると確信をいたしておりますが、今の時点ではそれを論ずるつもりはありません。  ただ、私が申し上げたいのは、反省事項として、スイスからそういう犬が来る、これは当然検疫でひっかかる、それは大臣として、こんなものフリーパスで通してやれ、前もってお出迎えに行ってやれというくらいの反省があってしかるべきだ。やはりそういったことを考えた場合に、今の時点で振り返ってみて、初動態勢の中で、法務大臣としてああすればよかった、こうすればよかったという反省点がございましたら、御見解をお尋ねしたいと思います。

前田勲男自由民主党法務大臣

○前田国務大臣 初動態勢で、俗な言葉で言えば、ああもすればよかった、こうもすればよかったと思うことはたくさんございますが、何よりも情報が集まらない。  もっと具体的に言いますと、電話が全然つながらないというのに極めていらだちを覚えたわけでございまして、法務省の場合も、後ほど聞いたところによりますと、電話がだめで、たまたま神戸入管にございます船の無線が生きておったので、陸上から船へ走って、船の無線で大阪へ連絡してというような状況の中で情報収集が行われました。  危機管理の中で、何よりもまず初動としては正確、確実な早い情報をどこへどう集めるかということであろうと思っております。

山本拓新進党

○山本(拓)委員 そうすると、例えば法務大臣として今回の大震災を反省――反省といいますか、反省するところがあれば反省して、そして今まで、今回のように、法務大臣として何ら、手を打つことがあるはずなのに、何も来ない。自分が、大臣が直接電話してかからない、かからないとやっているのじゃどうしようもないですね。やはりそういったいわゆる危機管理体制というものを、初動体制というものを早急に御指示なさるおつもりはありますか。

前田勲男自由民主党法務大臣

○前田国務大臣 法務省の中にもこの対策本部を設置いたしまして、今日までいわば復旧のために取り組んでまいりましたが、もちろん復興の業務はやる中で、これからは法務省としての危機管理体制等も具体的につくり上げ、構築してまいらなければならないということで取り組んでおるところでございます。

山本拓新進党

○山本(拓)委員 大臣は所信表明の中で、犯罪情勢は極めてこれから深刻だ、だから、そういう中で犯罪情勢を的確に把握していくという、把握しておられるということであります。この把握というのは、例えば日ごろどのような形で大臣のもとに情報が入ってくろのでしょうか、把握しておられるのでしょうか。

前田勲男自由民主党法務大臣

○前田国務大臣 必ず、定期的にではございませんが、刑事局より説明に来ていただいたり、あるいは、あれは雑誌ですか報告書と申しますか、定期的に出ておりますので、それを読んで認識をいたしておるというようなことでございます。

山本拓新進党

○山本(拓)委員 法務当局と警察との区別がちょっと僕はわかりにくいのですが、一般論として犯罪というのは刑事局が扱うのは、大体我々同業者関係だからそういうものだと思うのですが、例えば今回の大震災にかかわっていろいろな犯罪が報じられております。これは、法務当局は関係あるかないかわかりませんけれども、しかし全く関係ないはずはないと思います。  だから、今回の所信の中で、いわゆる一般論としての犯罪に対しての情報を的確に把握しているということであれば、むしろ今回の地震が発生して今日までの間にあの阪神地区の、いわゆる被災地における犯罪状況というのは的確に把握しておられるのだと思いますが、それをちょっと教えていただきたい。大臣の頭の中にあるだけでいいです。

則定衛法務省刑事局長

○則定政府委員 警察が第一線で直接初動捜査に当たるということになりまして、その後、特定の被疑者が検挙されるという段階になりますと具体的な検察庁の事件、こういうことになるわけでございますが、しかし地域的にも的確な検察権を行使するという意味では、その地域における犯罪情勢というのをふだんから把握する必要があるということでございます。  お尋ねの神戸の地域における震災後の犯罪情勢ということでございますけれども、これは御案内のとおり、機動隊あるいは自衛隊あるいは消防団、こういった方々が大変大量に動員されて救援活動等に当たっておられるということもあろうかと思いますが、幸いに、数的に見ますと、いわゆる火事場泥棒的なものあるいは略奪的行為のようなものは極めて少ない状態で今日まで推移しているというところが私ども承知しているところでございまして、中には確かにいわゆる火事場泥棒的なものも検挙されてきております。  これらの罹災の混乱に乗じます犯罪につきましては、検察におきましても厳正に対処するという方針でございまして、先般、全国の検察の幹部を大臣が招集されました席上、大臣の訓示という形でもそういう対処方針を示されているところでございます。

前田勲男自由民主党法務大臣

○前田国務大臣 御質問の点でございますが、私も二十九日に現地へ行ってまいりまして、神戸地検の検事正とも状況の報告を受けておりますが、ただいま刑事局長が申し上げたようなとおりでございます。  なお、私が聞いたのは、自転車泥棒が若干ふえておるのじゃないか、数はまだつかんでおりませんが、そんな感想を言っておったことを記憶しております。

山本拓新進党

○山本(拓)委員 今刑事局長さんは少ないという認識で、その少ないというのは何をもって少ないとおっしゃるのか、それをちょっと教えていただきたい。

則定衛法務省刑事局長

○則定政府委員 いわゆる犯罪認知件数というものを月々警察が統計をとっているわけでございます。その中で、例えば窃盗といったものがどういうふうになっているか、つまり認知といいますのは発生を届け出るといったようなことでございますが、そういう数からいいますと、ふだんの月間統計よりも少ない。これが被害者の方が言う、避難されておりますので、倒壊した家屋等の状況を十分把握し切れないというところもあるかもしれませんけれども、少なくとも警察が認知しております件数は少ない、こういうことでございます。

山本拓新進党

○山本(拓)委員 大臣、お役人は要するに実態じゃなしに届け出があったから認知するわけですよね。今、大臣みずから自転車泥棒が多いらしいという話ですね。ただそれは、あれだけみんな壊れてしまったわけだし、みんなどこへ届けていいかわからないわけだし、届ける人はいませんよ。だから、届ける人がいないそういう現状を、役所サイドは少ないということで何もしない。何もしないとは言いませんけれども、そういう認識だ。  だから大臣として、これは政治改革の一環でありますけれども、政治家が大臣になっておるわけですから、そこらの政治判断、特にこれは今後の、まず第一義は警察、それから上の検察当局が忙しくなるのは後になると思いますが、そこらの態勢について特に御指示をなされるおつもりはあるのかどうか、ちょっとお尋ねしておきます。  そしてもう一つは、刑事局長から情報が入るのでしょうけれども、恐らく局長からそういう形では、局長は報告しようがありませんよね、そういう形で根拠がないとできませんから。だから、役所のシステムとしてはそういう客観情勢に乗っかって報告するという見通しですね、大臣が自転車泥棒が多いらしいというのは、どこで知ったのか知りませんけれども、恐らく選挙区の人に聞いたのか、または役所以外の分野で聞いたと思うのですが、そこらあたりの、もう一回的確な情報の把握に戻るのですが、そこに対しての反省点に乗っかって、今後の大臣の特に力の入れどころを教えていただきたい。

前田勲男自由民主党法務大臣

○前田国務大臣 犯罪件数の報告等の問題でございますが、恐らく避難所あるいは他府県へ避難をされておる方、倒壊した家はそのまま、品物も恐らくかなり残っておる。ですから、後日帰ってこられて調べたところ、盗難に遭っておったというケースがある、かなりかどうかはわかりませんが、当然あると推測もできることでございまして、なおこれからもその可能性は決してないわけじゃございませんので、先般二月一日でございましたが、全国検察庁長官の会同、会議でございますが、を行いまして、大臣からも特にこれらの点について留意をして警備その他、手抜かりのないようにされたいという旨の訓示をいたしたところでございます。  それからもう一つ問題は、土地のいわゆる地震売買とよく言われておりますが、これらがないように先般罹災都市借地借家臨時処理法を適用したところでございますけれども、この地震に乗じての不法な不動産の取引がないように、これらもあわせて監視をするように指示をいたしておるところでございます。

山本拓新進党

○山本(拓)委員 そうして所信の中に、いわゆる被災者の権利を保全するためにいろいろ方法を講じられるということでありますが、一つには罹災都市借地借家臨時処理法を徹底させる、これは当然のことだと思います。しかし、それで救われない部分がありますね。これ以外に何か考えておられることは大臣の頭の中にありますか。

前田勲男自由民主党法務大臣

○前田国務大臣 先ほど来も出ておりますが、当面滅失登記の問題がございましょうし、これから恐らく、あの長田区でございますとか、焼失したところの土地のいわば境界の確定でございますとか、かなり民事的にはいろいろたくさんな問題が起こり得るということが予想されますので、日弁連初め関係の皆様方に特段の御支援方もお願いしながら、法務当局もそれに十二分に対応していくように準備をいたしておるところでございます。

山本拓新進党

○山本(拓)委員 地震の後のいろいろな災害復興政策の中で、法務省として、法務大臣として、極力大臣のリーダーシップを発揮していただきたいと思うところでございます。  ところで引き続き、所信によりますと、犯罪を一掃するという中で、テロ・ゲリラ活動を標榜する過激派集団に対して警戒を要するということを先ほど大臣は述べられました。このテロ・ゲリラ活動を標榜する過激派集団というのは、国際テロリズムを意味するのだろうと思うのですが、これは具体的にどのようなものがあるのでしょうか。ちょっと私、地元でその演説を使いたいものですから、教えてください。いや、大臣の認識がなかったら結構ですけれども、大臣がそうおっしゃったから聞いたのですよ。

前田勲男自由民主党法務大臣

○前田国務大臣 具体的な名前はちょっと出てまいりませんが、特にいわゆる過激派と称しておる団体でございますね。具体的に事務当局から名前は申し上げます。

原田明夫法務省大臣官房長

○原田政府委員 官房長からお答え申し上げます。  ここで指摘している点は、国際的なテロ活動というところまで踏み込んだものではございませんが、いわゆる過激派集団ということで通常呼ばれている集団が日本国内にございます。例えば中核とか、その他いろいろな形で呼ばれている集団がございまして、これらの集団がさまざまな社会的な事象に事をかりまして、さまざまなゲリラ的な、例えば火炎瓶を使うとか、あるいは放火をするとかいうような点が最近も続いでございます。  そういう中には治安の基本的な根幹に触れる問題もございまして、それらの問題について法務省として全体としてよく注意してまいりながら、それらによって治安が揺るがされないように十分気をつけてまいりたい。それは法務省傘下のあらゆる組織においてもそのように考えているということでございます。

山本拓新進党

○山本(拓)委員 所信の中で「変動する時代の要請にこたえ得る検察態勢の一層の充実」と、時代とともにさまざまに変わっできますよね。それに対して、大臣はきょうは所信で適切に対応するということですね。だから、いろいろ犯罪項目がありますよね、けん銃の問題とか麻薬の問題とか。  前田大臣として、いわゆる今後の、どういうのですかね、犯罪で一番注意しなくてはならない、これはプライオリティーナンバーワンで重きを置かなくてはならないという分野がありましたら教えてください。

前田勲男自由民主党法務大臣

○前田国務大臣 これはもうあらゆる犯罪は、すべて法務省としては厳正に対応してまいらなければなりませんが、昨今ふえておりますのはやはり銃、銃刀法ですね、を用いた犯罪、あるいは経済事犯等々、あるいは外国人の犯罪、これらが最近顕著になりつつありますので、これらに対して私ども厳重に社会的正義を守っていきたい、かように思っております。

山本拓新進党

○山本(拓)委員 大臣は所信の中で、いろいろなところで充実を図ります、充実を図ります、充実を図ります、こう言われているのですが、具体的にその充実というのは、今行政改革ですからやたら人をふやさないわけでしょう。ただ、入管の方だけは人員確保、それは理解できるのですよ。そのほかの検察当局の充実、その充実の内容というのは人をふやすことですか、それともそれ以外に具体的にどういう充実法というのは、考えておられるのですか。

前田勲男自由民主党法務大臣

○前田国務大臣 充実はハードとソフトがございまして、もちろんハードの方は、例えば検察官の訓練センターでございますとか、あるいはソフトの方は教育体制、こうしたものをまさに充実していくということでございます。

山本拓新進党

○山本(拓)委員 だからそれは、充実するということは、予算面でもふやす、人もふやす、ふやすという意味でよろしいのですか。

前田勲男自由民主党法務大臣

○前田国務大臣 予算あるいは予算外の人的な努力、ともにあわせて取り組んでいくということでございます。

山本拓新進党

○山本(拓)委員 村山総理は行政改革ということで各省庁に人員削減と申しますか削減という目標を掲げていますが、そうするとそれは法務省としてはできないということでしょうか。それともほかの分野で何かありますか。

前田勲男自由民主党法務大臣

○前田国務大臣 すべて一律に減らしていくということでは私はないと思っておりまして、必要なところはもちろんシフトをして、総体的に減らす中で、その中でバランスをとって、最も適応した体制で取り組むということだと思っております。  法務省におきましては、特に入管等をふやさせていただいておりますが、他の部署についてはかなり我慢をしていただいておるという現状だと思います。

山本拓新進党

○山本(拓)委員 そうすると、今回特に当初の予算の中で充実を図る、充実を図るという指摘をしてある分野以外のところは減らすということで理解してよろしいのですか。

原田明夫法務省大臣官房長

○原田政府委員 私からお答え申し上げます。  ここで大臣からも御答弁申し上げましたが、充実を図る中身については、体制面の整備もございますし、また組織面についてもいろいろの改善を図ってまいるべき点、その他全般にわたって充実を図るということもあるという点について、まず御理解を賜りたいと思います。  それから、人員削減という点だけに限ってまいりますと、法務省も政府全体の中で行政改革の観点から計画的な人員削減をずっと続けております。その中で、いわば格別に行政需要が多いところについては増員をしていただきまして、その差と申しますか、増員するものと削減するものの差がいわば純増という形であらわれている分野とそうでない分野があるわけでございます。  幸い法務省の中では、入国管理当局を初め、例えば法務局の登記の現場でございますとか、その他現実に行政需要がふえているということが政府の全体の中の行政改革の中でも認められて、少しずつでございますがふえている分野もございますし、また現実に減らされている分野もあるわけでございます。特に最近、先ほど申し上げましたように、入国管理の分野では大変御理解をいただいて純増を図っていただいているところでございます。その他については、もう最低限のところで我慢しながら、しかも合理化等をやりながら職務に励ませていただくということで対応させていただいている実情でございます。

山本拓新進党

○山本(拓)委員 私は、何でも減らせ減らせというのは反対で、特に法務関係はふやすところはふやしていただきたい。しかしながら、だからなお一層、これは大臣に申し上げたいのですが、役所というのは絶対反対しますからね。だから大臣、大臣の方針として、やはり内閣の中でこれは絶対できないとか、できないことはできないと言わないと、これは大変、国民をかえってだますことになりますので、その点は申し上げておきます。  時間がありませんのでもう大臣以外の答弁は要りませんから、ひとつ答えられないものは答えられないと言ってもらえればそれ以上、きょうはいじめで出てきているわけではありませんので、御理解していただきたいと思います。  それから、いろいろ、これだけちょっと死刑制度ですね、これから凶悪犯罪、これは死刑制度についてはいろいろ賛否両論があります。私は基本的には賛成なのですね。だから、ラジオ商とか昔の事件、確かに反省材料はあります。しかし、あれは昔のことの、疑わしいものは全部ひっくくった時代でありまして、今は、疑わしきは罰せない、罰しないということを徹底したり、もう客観的に一〇〇%目撃者がいてどう見てもこれは間違いないというものに対しては厳罰を処すべきだと思うわけでありますが、前田法務大臣として、大臣の任期期間中に、時々私は押さないという大臣も過去いましたけれども、ああいう認識を持っておられるのか、それとも法務大臣として現行の枠組みの中で厳正に対処していくおつもりなのか、その御見解をお尋ねします。

前田勲男自由民主党法務大臣

○前田国務大臣 お答えいたします。  死刑に関してでございますが、今日我が国は三権分立のもと、司法、すなわち裁判所、裁判官が慎重が上にも慎重に審理をし、判断をされた判決の中に死刑というものがあるわけでございますが、その判決、司法が定められた判決に対して行政の法務大臣が執行をしなくて法治国家としての秩序が保たれるのだろうかという観点からいたしますと、私は、現行の全体の秩序維持の中で、私的感情を狭めば大変過酷なことでありますけれども、その法務大臣という職についた以上は職員は果たさなければならないということで取り組んでおります。

山本拓新進党

○山本(拓)委員 失礼しました、ちょっと私の情報不足で。  そしてもう一つ、尊属殺人規定の削除について審議会でやっていますね。この削除については法務大臣として、政治家前田先生個人としてどのような認識をお持ちなのですか。

前田勲男自由民主党法務大臣

○前田国務大臣 これはもう既に判例も出ておることでございまして、私は判例を尊重いたす立場にございますし、政治家個人としてということでございますから、これの判決に当たっては情状酌量というその判断の中でなされるものだと思っております。

山本拓新進党

○山本(拓)委員 よく、役人社会の中で政治家が乗っかっているわけですが、そういう中で、法制審議会の答申とかいろいろな審議会の答申が大臣に出ますね。例えば一般論として、前田法務大臣任期期間中に今後いろいろな答申が出てくると思います。その答申の内容と個人的な考えと違う場合に、どっちを優先させるおつもりですか。

前田勲男自由民主党法務大臣

○前田国務大臣 大変複雑な御質問でございまして、実はもっと複雑なのは、法制審議会の会長は私でございまして、答申を依頼してということでございまして、ただ法制審議会の会長として審議をお願いしたことでございますから、出された答申に対しては十二分に尊重しなければならないという立場にあろうと思っております。

山本拓新進党

○山本(拓)委員 確かに会長は大臣、それはシステム的にそうなっていますからね。これは逆に言うと、大臣になったからメンバーを総入れかえしてやるわけじゃなしに、大臣がだれになろうとメンバーだけは着々と進んでいくわけですから、たまたま答申が出たときに居合わせた大臣がそれを受けるという現実を考えた場合に、当然そのままそっくり受けるというのはいかがなものかな、メンバーを差しかえるなり入れかえるということが私は本当じゃないかなと思うのですが、これはお答えは得られないと思いますから、これから大臣が就任した段階でメンバーをどんどん入れかえるべきだということは、私はお願いをしておきます。  それから、人権擁護行政についてお尋ねしますが、この人権擁護は年々質が変わってきているのですね。最近は、昔みたいな人権擁護の、かわいそうな人もいますけれども、それ以上に、これからはプライバシーの侵害とか名誉毀損の問題がございます。  昔、反論権というのがありましたね。産経新聞訴訟問題がありましたけれども、あれは、私自身は、政党とかああいう力のある団体、みずから反論できる団体には認めるべきじゃないと思うのです。要するに、一人の、個人のプライバシーを侵害されたり、めちゃくちゃに新聞にたたかれたり、それが当たっている場合もあります。時々、うわさですけれども、検察が流したものではっと流してと言われる。当たっていればそれでいいですけれども、全く根拠のないものもございます。  だから、そういった場合に対しては、反論権というものを少しそろそろ検討すべきじゃないかなということを思うのですが、今反論権というと、すぐ権力、権力と、それは私は、くれぐれも言いますけれども、政党とかそういう力のある団体なんかは認めるべきじゃないけれども、個人の反論権は検討すべき時期に来ているのではないかなと思っているわけでありますが、大臣の御見解。

前田勲男自由民主党法務大臣

○前田国務大臣 反論することは制限されておるわけじゃございませんので、それを権利としてどう認めるかどうかというのは、これからの課題であろうと思っております。

山本拓新進党

○山本(拓)委員 それでは、裁判なんかで、民事でありますけれども、実態はなかなか時間もかかるし経費もかかるし、それはなかなか現実的に無理なのですね。だから、そういったものをひとつ新たに位置づけていくというおつもりが、認識はやはりないですかね、大臣。

前田勲男自由民主党法務大臣

○前田国務大臣 これは、直接反論していただくという前に、人権擁護委員に御相談いただくとか、あるいは先ほど来御議論いただいておりますが、法律扶助制度で、特に財政の困った方にはそうした制度を御利用いただき、御相談いただいて、次の権利主張にとりあえず取り組んでいただければ、こう思っております。

山本拓新進党

○山本(拓)委員 だから、人権擁護委員とかそこがだめだから、その次のとりあえずで、それはどうですかということをお聞きしています。

前田勲男自由民主党法務大臣

○前田国務大臣 お言葉でございますが、人権擁護委員は決してだめじゃないと思っております。

山本拓新進党

○山本(拓)委員 恐らく、人権擁護委員のおかげできちっと反論できたという実例はないと思います。ありますか、認識しておられますか。

前田勲男自由民主党法務大臣

○前田国務大臣 実例は存じておりません。

山本拓新進党

○山本(拓)委員 実例がないのなら、こういう席でいいかげんなことを言わないでいただきたい、お願いいたします。もうこれ以上言いません。  それから、今度はいじめの問題ですね。いじめの問題について、今度は人権関係で子どもの人権専門委員、今の話じゃないですが、人権委員という同じ形ですよ。これが機能しているのなら、こんな新たにここで強調する必要はないわけですよね。そう思いませんか。  だから、いじめについては、私の質問としては、昔も今もいじめはあるのですよね。私らのときにもあったし、大臣も恐らく、いじめっ子だったかどうか知りませんけれども、認識していると思います。だから、今後それに対応するのには、質が違うと思うのですね。大臣の頭の中で、要するに昔の、御幼少のころのいじめ経験と今の知り得る範囲のいじめと、どこが違うかという認識をお持ちになっておられますか。

前田勲男自由民主党法務大臣

○前田国務大臣 強いて申せば、今のいじめは、言葉は余りいい言葉じゃありませんが、陰湿になっておるかなという気がいたしております。

山本拓新進党

○山本(拓)委員 だから、これは陰湿になっているという問題点を持っているのならば、要するに、これからいわゆる子どもの人権専門委員に法務省としては託すわけですね。これはどういう点を特に期待をするわけですか、人権専門委員に。

前田勲男自由民主党法務大臣

○前田国務大臣 少なくとも、子供と人間的な交流が持てる立場で相談をしていただけることを期待をいたしております。

山本拓新進党

○山本(拓)委員 これは、わざわざいじめの問題を取り上げているわけですから、大臣もかなり肝いりでやっておられると思います。それであえてお聞きしますけれども、これは「積極的に展開」すると言っていますね。子どもの人権専門委員を「積極的に展開」するとか「粘り強い」とか、これは言葉だけなのですか。それとも、予算の裏づけ、どれだけ入っておられるのですか。

前田勲男自由民主党法務大臣

○前田国務大臣 予算も裏づけしております、細かい数字はちょっと後で何なら申し上げますが。  それで、「積極的に」というのは、いじめがあって、いじめられた子供が電話なり本人が来るなりなんなりで相談に来るというだけではなくて、人権擁護委員、子どもの人権専門委員が学校その他子供のいるところへ出向いて人権教育等も行うというようなことまで含んでおります。

山本拓新進党

○山本(拓)委員 「積極的に展開」ということは、さらに展開なら、ああ今まで積極的にやってきてさらにかなと、「積極的に」ということは、今まで積極的にやってなかったということかなという認識を持つわけでありますが、そこらあたりを――私は先ほども、人権擁護委員とかいろいろなのがありますよ。そういう中で一生懸命やっている人もいます。私は保護司をやっていますから、保護司はみんな立派に一生懸命やっていますけれども、そうかといってほかの人がやってないとは言いませんが……。  ただ、お願いしたいのは、大臣があえてこういうことを発言するということは、やはり従来の横並びの予算の増額じゃなしに、目玉になるようなことをやっていただきたい。それで、金額はと言ったら事務当局に聞かなければわからないという金額では、私は、ここで所信を述べる値打ちはないのじゃないかな、ちょっとごまかしがあるのじゃないかなと思うのですが、その点どうですか。

筧康生法務省人権擁護局長

○筧政府委員 人権擁護委員の中から子供の問題を専門的に取り扱う子どもの人権専門委員制度というのは、去年の予算から初めてお認めいただいたものでございまして、去年は、全国の法務局の中の十局においてお認めいただいたわけでございます。  予算事情非常に厳しい状況でございますので、私どもも、予算の要求の作業の中で、大変ちゅうちょしたわけでございますけれども、今回の予算案の中においては、これを全国の五十局、全国に展開するという形のものが政府予算案の中に織り込まれておりまして、これは、私どもといたしましては、このいじめの問題を中心とする子供の人権の問題が極めて重要な事態にあるということの認識のもとに、言葉どおり積極的に取り組んでいるというように考えております。

山本拓新進党

○山本(拓)委員 実態はなかなか難しいですね。今さらにやりましょうといったって、さあ一生懸命やりましょうといっても、別にこれは数ふやすわけじゃないし、だから、そこはもっと活躍できる環境を整備するということで、新たな立法が必要かどうかは別として、そこは大臣の強いリーダーシップをお願いいたします。  そしてもう一つ、これはちょっともとに戻りますが、さっきの入管の、これも同じ、語尾をとらえるわけじゃないですが、入管もやはりメンバーをふやしてしっかりやっていただきたい。取り締まりについては「厳正に対処する効果的な対策」をとる、「効果的な対策」というのは、具体的にはどういうことなのですか。

前田勲男自由民主党法務大臣

○前田国務大臣 一番効果的な取り締まり対策は、例えば東京、大阪、名古屋でございますとか、特に不法入国者の多いところの集中検挙、これが一番強力な方法でございますし、かつまた、入管の窓口業務で、機械化その他でき得る限り科学的な技術も使って、不正入国に対する審査を行っていくということでございます。  ただ、一つだけ申し上げますと、日本へ初めて来られた、九九・何%の善意の日本に来る入国の方の立場もございますから、その辺は私どもも非常に難しく考えておりますけれども、でき得る限り厳正に取り組んでいきたい、こういうことでございます。

山本拓新進党

○山本(拓)委員 わかりました。  では最後に、保護司についてちょっとお尋ねをいたします。  今回、地震で七人の保護司が亡くなりましたね。これは大臣として、特別な何か対応をされるわけですよね。どのような対応をされますか。

前田勲男自由民主党法務大臣

○前田国務大臣 先ほどもちょっと御報告申し上げましたが、安否を気遣っておりましたが、七名の保護司さんが残念ながら亡くなられておりますし、このほか二十三名の方が負傷されておるわけでございます。大変残念なことでございますが、亡くなられました保護司さんに対しましては、皆様に法務大臣の感謝状を贈らせていただき、かつまた、その御功績に応じて、法務大臣表彰あるいは死亡者叙勲等の上申を行ってまいりたいと思っております。

山本拓新進党

○山本(拓)委員 保護司だけ特別扱いにするわけじゃないですが、特に法務大臣として、日ごろの、こういうきっかけも大いに、直接特別な対応をしていただきたいと思います。  時間ですから、最後に、保護司というものに対しては非常にこれから充実を図る必要があると思いますし、更生保護の存在意義というものはさらに重要性を増すと思いますが、更生保護行政に対して、大臣の今後の強い前向きの姿勢のお言葉をいただきたいと思うのですが、その考え方をお尋ね申し上げまして、私の質問にかえさせていただきます。

前田勲男自由民主党法務大臣

○前田国務大臣 全国に約五万名弱の保護司さんがいらっしゃいまして、保護観察官とともに、地域社会において非行少年の立ち直り、犯罪や非行のない明るい社会、更生、改善に御協力いただいておるところでございますし、私、個人的に思いますのは、特に矯正施設から仮出所あるいは仮退院された人にとりましては、社会に出てから社会の目という厳しいものにもう一度耐えなければならない。そうした中で、温かく身の回りを心配し、ケアをしていただける保護司さんというのは、これまたさらに大きな御貢献をされている、私はかように思っておりまして、特にこれから社会情勢が変化するに伴いまして、保護司さんの業務というのもなかなか複雑、多岐多様になってまいります。  こうした観点から、保護司さんのまさに物心両面にわたる御負担というのもふえてきておることも、これまた事実でございます。その中でお取り組みいただいておるのに大変感謝をいたしておりますが、今後、保護司の皆様に少しでも報いられますように、財政的にも格段の努力を払ってまいりたいと思っておりますし、それから、先ほどございましたが、褒章その他叙勲等もでき得る限り、いささか今は一般と比べて年齢が高く褒章や叙勲を受けられておりますが、これも保護司さんというお立場上、お始めになる年齢が比較的高いということもございますけれども、そんな点も踏まえながらも、ぜひいい方向へ持っていけるように努力をしてまいりたい、かように思っております。

山本拓新進党

○山本(拓)委員 どうもありがとうございました。

金子原二郎自由民主党・自由連合

○金子委員長 正森成二君。

正森成二日本共産党

○正森委員 きょうは、前田法務大臣の所信表明が行われまして、本来ならそれについて質問させていただくのですが、中でお述べになりましたことは、これから法案が出てまいりましたときにも聞く機会がございますので、阪神大震災がございまして、同僚委員からも若干の質問がありましたが、私も現地を視察してまいりまして、いろいろ要請を受けておりますので、非常に失礼でございますが、そちらの方の質問をさせていただきます。  厚生省さん、お見えになっておりますか。――いろいろな被害があったのですが、厚生省所管の社会福祉関係では、現実にどういう被害が起こったか、もしおつかみなら簡潔に述べてください。

吉武民樹厚生省社会・援護局施設人材課長

○吉武説明員 兵庫県南部地震によります社会福祉施設の被害につきましては、例えば神戸市の所管しておられる施設につきましては、今でも建築の専門家によりまして詳細な調査が行われておりますので、そういう意味で今後まだ異動はある得る状態でございますが、現時点で私どもが把握しております被害状況は、兵庫県を初め九府県に社会福祉施設の被害が及んでおりまして、施設の全壊が八施設でございます。それから半壊が十五施設でございます。この二十二施設のうち、入所施設が六施設でございまして、適所施設が十七施設でございます。入所施設に入所しておられる方々につきましては、例えば近隣の同種の施設へお移りをいただきますとか、あるいはその施設の中で建物が大丈夫なところにお移りをいただくというような形で、基本的な処遇はできております。  それから、これ以外に多数の施設で壁の亀裂でございますとかあるいは設備品の損壊というような被害がございまして、これは全体で今のところ千六十八カ所でございます。これは多分余り大きくない軽微な被害ではないかというふうに私どもは考えておりますが、このうち兵庫県、神戸市それから大阪府、大阪市で九百九十カ所でございますので、大部分の被害はこれらの府県あるいは政令市に集中しているというところでございます。私どもは、今後これらの被害を受けられました施設の早期復旧に努めてまいりたいというふうに考えております。

正森成二日本共産党

○正森委員 ここに大阪府と大阪市からの「緊急・重点要望」というのがありますが、それを見ますと、「国立療養所千石荘病院を西日本における防災基幹病院として、早急に整備されたい。」というのが入っております。あるいは厚生省にも行っているかと思いますが、これについてはどうお考えですか。

木村政之厚生省保健医療局国立病院部運営企画課長

○木村説明員 大阪市及び大阪府からの要望は、私ども承っております。  国立病院の再編成につきましては、実は昭和六十一年に作成されました再編成の計画に基づいて実施をしておるところでございますが、この基本的な考え方は、国立にふさわしい高度専門医療等を担えるよう、施設の統合、移譲による再編成ということを考えておりまして、それによって生じた定員等の余裕を再配置するなどして医療機能の強化を図るということにしております。  お尋ねの国立療養所千石荘病院につきましては、この再編成計画の中で防災の基幹施設としての整備が予定されているものでございますけれども、再編成計画がなかなか進んでいませんので、計画どおりに千石荘病院について機能強化を図るということが実は困難な状況にございます。したがいまして、今後再編成を進める中で、こちらの方の千石荘病院の機能強化もその中であわせ考えていくということでやってまいりたいと思っております。

正森成二日本共産党

○正森委員 一応そういう要望が出ておりますので、ぜひ配慮してやっていただきたいと思います。  それからその次に、私が実際に見てきた施設について若干質問したいと思います。  今別のお答えの中で、非常に大きな建物の被害が起こっているというのがございましたが、ここで問題にしたいのは、これは芦屋市の喜楽苑という特別養護老人ホームですが、これは現在建設中で、ことしの四月一日から開所するということになっていたのが、七分、八分まででき上がっていたのが被害をこうむったというケースでございます。  一般の新聞にも出ておりますが、地震のために建物本体の下に幅一・五メートル、深さ三メートル、報道によりましては十メートルという報道もあるのですが、地割れが走って基礎部分に亀裂が生じて、液状化現象で地盤が緩んで建物全体が約五%傾いたというようなことで、新聞によりますと、建物の西側が約一メートル沈下、西方向に約五度傾斜したというようなことが述べられております。これは行って写真を撮ってきたのですが、非常に大きい地割れがもうすぐそばにできておって、建物の下にそういう地割れができているのですね。  それで、これをどうするかという問題なのですが、厚生省に私があらかじめ伺ったところでは、特別養護老人ホーム等社会福祉施設整備費の災害復旧については、総理府及び厚生省所管補助施設災害復旧費実地調査要領というのが昭和五十九年にできているのだそうです。それで災害を受けたものについては復旧を実施しているのですが、この芦屋の喜楽苑は、整備中のまだ建築会社から引き渡しを受けていないという段階での被災であるために災害復旧費の対象とすることはできないという答弁なのですが、それは間違いございませんね。  それから、そういう場合なので、何とかこれに対して国やら県の補助ができないかということで、私は対応を伺いました。そのときに一定の感触を得ておりますが、それについても答えられる範囲で答えてください。

吉冨宜夫厚生省老人保健福祉局老人福祉計画課長

○吉冨説明員 公共工事の請負契約約款によります契約につきましては、条件によりまして発注者の負担が生ずる場合と生じない場合とがございます。したがいまして、本件、喜楽苑のケースにつきましても、まずは発注者と工事請負者との間で交わされております工事請負契約約款に基づきまして、復旧に要します経費の負担につきまして協議をしていただきまして、発注者でございます社会福祉法人の負担の有無やあるいは負担額を御検討いただく必要があるのではないか、このように考えておるところでございます。  その結果、発注者の側につきまして負担が生ずるようでありますれば、その負担を軽くする方向で支援策について検討してまいりたい、このように考えております。

正森成二日本共産党

○正森委員 今、随分遠慮した答弁なんですが、私が厚生省の関係者に伺ったところでは、災害復旧という方法には当たらない、まだ引き渡しを受けていない場合でも、通常の社会福祉施設の整備費でこういうケースについて広く何らかの手を打つように努力してみたいということを言われました。  公共土木工事では、手戻し工事というのがあるんだそうですね。一たん途中まで工事ができておって、それに対して被害を受けたときに、九〇%できておったが五〇%まで被害を受けたという場合には、四〇%しかできていないというように解釈して五〇%の工事は戻し工事でやる、それについては国なり県なりの補助が出せるようにするというやり方が行われている。  社会福祉施設ではこれまで余り例がないようですが、今度は非常の災害ですから、そういう方法も考えてみたいということを聞いているのですが、関係者は非常にそれを期待していますので、それについて答弁をしてください。

吉冨宜夫厚生省老人保健福祉局老人福祉計画課長

○吉冨説明員 ただいま先生から御指摘がございました点も含めまして、支援方策について検討してまいりたい、このように考えております。

正森成二日本共産党

○正森委員 それも含めて検討するというお話でしたが、そういうやり方をしませんと、設置者はそういう被害を受けてしまって、それで後なかなか国やら県の補助が得られないということになれば、実際問題としてこれを運営していくということができないのですね。  ここに一般の毎日新聞の記事がありますが、これを見ますと、入所が内定していた、四月から入所できる予定なんですから。これは八十床の予定で、八十人が全部内定していたんですね。寝たきり老人の八十三歳という人がおられるのですが、その長女が、ただでさえ介護が大変で入所を心待ちにしていた、地震で自宅もつぶれた、心身ともに大変でもう限界だ、早く建てて入所させてほしいということを言われているのですね。それをぜひ早急に考えていただきたいと思います。  その次に、労働省来ておられますか。――労働省に伺いたいと思います。  こういう場合のもう一つのケースは、ここでは普通の入所者が八十名で、そのほかにショートステイが三十名とか、全部で約三十名以上入ることになっておりまして、新規の職員を五十名ほど採用することになっているのです。ところが、それがこういうぐあいにつぶれますと、内定取り消しというようなことになれば、新規の高等学校卒業生などは非常に期待に反しますし、それから労働問題上も困った問題になるのですね。  そこで、私が伺っているところでは、兵庫県などはかわりの施設に紹介をして、そこへ行ってもらうというような方法も講じるが、それと同時に雇用調整補助金ですね、それについていろいろ、まだ採用していない人員について何か適用する方法が考えられないか。一部新聞にも報道されましたが、そのことが現地で非常に期待されております。そこで、それについてもし決まっていること、あるいはこれから決まることがありましたら、御説明を願いたいと思います。

井口治労働省大臣官房参事官

○井口説明員 労働省といたしましては、今回の震災によりまして、新規学卒者の採用内定取り消しが生ずるということを大変強く懸念をいたしております。現在、被災地の公共職業安定所におきます新卒者への影響の把握に努めております。二月六日現在で合計三十六社、それから対象は二百六十六人の新卒者に係ります採用内定の扱いにつきまして相談を受けておる、このような状況でございます。  こうした事態にかんがみまして、すべての新卒者につきまして職場の確保を図るべく、新卒者の支援につきまして指示を全国に発したところでございます。それによりまして、内定取り消しの回避等に向けました事業主指導に加えまして、採用内定を取り消しせざるを得ないケース、こういう場合もあろうかと思いますけれども、そういう場合には、新たな就職先の確保等に努めまして、就職の実現に全力を挙げてまいりたいと思っておるところでございます。  今般やむを得ず内定取り消しが出ました場合には、近隣府県におきまして開催される予定でございます就職面接会等を活用いたしまして、早期の円滑な就職を図っていく考えでございます。昨日には、経営者団体に対しまして、労働大臣から直接内定の取り消しの回避あるいは新卒者の雇用の確保について要請を行ったところでございます。それに加えまして、新卒者を今お話のございました雇用調整助成金の対象として助成措置が行えるかどうか、現在検討を行っておるところでございます。  いずれにいたしましても、採用内定の取り消しの回避に向けて現在全力を尽くしておるところでございます。

正森成二日本共産党

○正森委員 私が伺っているところでは、新卒や中途採用者も援助できるように、被保険者期間六カ月の条件を取り払う措置を労働省で検討されている、これは必ずしも法改正が必要でなく、省令でできる見込みであるという説も聞いております。  もしこうしますと、一たん採用して、それで、一つの福祉法人が幾つかホームを持っておるわけですが、開設できない場合には、それを一つの事業所が営業ができないということで、採用はするけれども休業して休業手当を支給するということも可能です。  あるいはまた、建設までに六カ月ほどかかるというならば、十月からなら雇いましょうということで、その間みなし離職という考え方で新卒者にも失業給付を支払う方法も考えておるということも聞いているのですが、そういう詳しいことは現地は非常に知りたがっているのですね。だから、答えられる範囲で結構ですから、答えてください。

井口治労働省大臣官房参事官

○井口説明員 雇用調整助成金でございますが、これにつきましては、現在法改正を含めた検討を行っております。  それからもう一点、新卒者の方々が勤められて間もなしに失業給付を受けられる、これにつきましては、その検討の範囲には入っておりません。あくまでもこれは雇用調整助成金の特例という形で扱いたいというふうに考えております。  いずれにいたしましても、今御指摘ございましたように、こういったものが決まり次第、なるべく早く現地の機関を通じまして広報に努めてまいりたいと思っております。

正森成二日本共産党

○正森委員 それでは、時間が参りましたのであれですが、いずれの方法をとるにしても、ともかく建物をきちんとお年寄りが入れるようにしなければならないのですね。私が現地を見てまいりましたら、海岸のすぐ近くに建っているのです。立地条件は非常に静かでいいところなんですけれども、その海岸が、神戸、尼崎、芦屋、全部岸壁が崩壊していまして、私が見た、これが写真ですが、この大きな亀裂から首を突っ込んだら、五、六メートル先にある海岸の水が亀裂のところから見えるというような状況なんです。  本来ならこれは崩壊していたところなんですが、私が聞いたところでは、海岸から三十メートル以内は、特に基盤について制限がありまして、ここはある有名な大手メーカーがつくっていたのですが、プレートを土地の下につくりまして、そのプレートの上に特別養護老人ホームが乗っていた。だから、下に亀裂が走ったけれども、当たり前なら、これにきちんと接着しておればひっくり返っておるんですけれども、プレートの上ですから、プレートがそのまま液状化で移動して、それで、ちょっと五%ほど傾くという状況で、建物全体はほとんどひびが入らないで、健在で乗っているんですね。  それを復旧するにはどうしたらいいかというと、護岸をして、岸に、岸壁が大きな亀裂で穴があいているわけですから、それをきちんと直すと、そこをジャッキアップというのですが、そこへ機械を置いて、建物全体を上に上げて、その基礎工事をきちっとすれば比較的早く復旧できるということなんですね。  そこで、港湾局、来ていますか。――それじゃ、お伺いいたしますが、神戸港、それから周辺の港の岸壁が非常な損害を受けているんですね。これは物流の上からいって、我が国経済からいっても、神戸港というのは全体のほぼ三〇%ですか、だからそれを復旧しなければならないという気があって、そのすぐ前の特別養護老人ホームのある岸壁などは後回しになるんじゃないか。説によると、台風が来るまでに直せばいいとか、そういうことを関係者が言うたとか言わぬとかいって、非常な不安を持っているのです。  それに対して、我が党の議員が、五日の夕方ですか、これは兵庫県の尼崎の港湾管理事務所というところが主に管理しているそうですが、そこへ行ったら、第一次査定分の中に入れでできるだけ早く岸壁の護岸をやって、復旧を早くできるようにしたいということを言われたとか言われないとか聞いているのですが、この委員会の席で正式に答えてください。

早田修一運輸省港湾局海岸・防災課長

○早田説明員 先生御指摘の海岸の護岸は、海岸管理者でございます兵庫県知事が管理している海岸保全施設でございます。先生御紹介のとおりに、この海岸保全施設も被災いたしました。海岸保全施設は、海岸背後の市民の生命財産を高潮等の災害から守る重要な施設と認識しております。  したがいまして、今回のこの部分の海岸護岸につきましても、早急に復旧いたしますよう海岸管理者を指導していく所存でございます。

正森成二日本共産党

○正森委員 それでは、どうも大臣失礼しました。

金子原二郎自由民主党・自由連合

○金子委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後三時五十三分散会

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