文教委員会 第1号
- 発言数
- 12 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1995/02/03
会議録
○伊吹委員長 これより会議を開きます。 この際、お諮りいたします。 去る一月二十日の議院運営委員会における理事の各会派割当基準の変更等に伴い、理事の辞任及び補欠選任を行います。 まず、理事の辞任の件についてお諮りいたします。 理事穂積良行君から、理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○伊吹委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 次に、理事の補欠選任の件についてお諮りいたします。 ただいまの理事辞任並びに委員の異動に伴い、現在理事が三名欠員になっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名することに御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○伊吹委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 それでは、理事に 石田 勝之君 船田 元君 及び 中島 章夫君を指名いたします。 ————◇—————
○伊吹委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。 文教行政の基本施策に関する事項 学校教育に関する事項 社会教育に関する事項 体育に関する事項 学術研究及び宗教に関する事項 国際文化交流に関する事項 文化財保護に関する事項以上の各事項につきまして、本会期中、国政に関する調査を行うため、議長に対し、国政調査承認要求を行うこととし、その手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○伊吹委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————◇—————
○伊吹委員長 この際、このたびの兵庫県南部地震災害で被害をお受けになった方々に対し、当委員会として心からお見舞いを申し上げたいと存じます。特に、とうとい生命を失われた方々に対し、哀悼の意を表し、その御冥福をお祈りするため、委員各位、関係者及び傍聴者の皆さんは御起立を願い、黙祷をささげたいと存じます。 皆様、御起立をお願いいたします。——黙祷。 〔総員起立、黙祷〕
○伊吹委員長 黙祷を終わります。御着席ください。 ————◇—————
○伊吹委員長 文教行政の基本施策に関する件について調査を進めます。 文教行政の基本施策に関する所信及び兵庫県南部地震に対する文部省の対策について説明を聴取いたします。与謝野文部大臣。
○与謝野国務大臣 所信を申し述べるに先立ち、まず、去る一月十七日に発生した兵庫県南部地震により亡くなられた方々とその御遺族に対し深く哀悼の意を表するとともに、被害を受けられた被災地の皆様方に心からお見舞いを申し上げます。 この際、今回の兵庫県南部地震に関し、被害状況と文部省の対策について御報告いたします。 今回の兵庫県南部地震による文部省関係の被害状況は、二日現在、施設については、小中高等学校、大学、文化財等合わせて四千三百八十九施設が被害を受けております。また、児童・生徒・学生四百五十名、教職員三十一名の死亡が報告されております。 被災地におきましては、現在、学校等の教育関係施設に約十七万人の被災した住民の方が避難しており、教職員が中心となって、救援活動に従事しております。また、文部省においては、これまで、大学病院等による救急医療への取り組みを初め、全国の大学や青少年教育施設等からの食糧、毛布などの物資の供給、学校給食用の物資の提供や、学校給食用施設を活用した炊き出しの実施など、当面の緊急対策について、関係機関に積極的な取り組みを要請し、可能な限りの対策を講じてきたところであります。 私としては、今後さらに、これから本格化する大学入試や高校入試の円滑な実施と、学校における正常な教育活動のできる限り速やかな再開のために必要な対策に万全を期してまいる所存であります。 大学入試については、二日現在、約五百七十の大学等が願書締め切り期日の延期等を決定したほか、被災地域の二十二の大学では入試日の変更や試験場の追加を決定しており、さらに、国立大学協会、公立大学協会及び日本私立大学団体連合会等が再試験の実施などの配慮を各大学に要請しております。また、被災地の受験生が、大学受験に際して不安のないよう、全国の大学の入試日程の変更等についての情報を大学入試センターにおいて提供するとともに、報道機関等の協力も得て、迅速な周知徹底に努めております。なお、被災地の受験生に対し無料で提供できる宿泊施設を確保するとともに、学習場所の確保を図るよう関係機関に要請しております。 高校入試については、兵庫県教育委員会や県内の各私立高校において、入試日程の延期等の措置が講じられております。また、被災地を離れて急遽他の地域の高等学校を受験する生徒がふえることも予想されますので、全国の都道府県教育委員会等に対し、出願期間や提出書類の取り扱い等についての弾力的な対応を求めるとともに、特別の受験の機会の確保、収容定員を超えた受け入れなど、可能な限りの対応策を検討するよう要請いたしました。 被災地域の学校においては、二日現在、まだ小中高等学校で百六十八校が休校になっております。さきに申しましたように、これらの学校では多くの被災住民を受け入れておりますので、文部省としても、被災住民の生活の安定確保を基本としつつ、正常な学校教育活動の早期再開のため、関係機関に対して施設設備の安全点検と応急復旧の実施を指示したところであります。 また、二日現在、二万人を超える児童生徒が他府県に転入学しておりますが、この受け入れについても万全を期するよう、都道府県教育委員会に指導しております。 さらに、被災地の児童生徒への教科書の無償給与を開始するとともに、学用品等の確保についても、関係団体に協力を要請するとともに、全国の児童生徒による自発的な支援活動の促進を各都道府県教育委員会を通じて要請したところであります。 学生生徒の卒業及び単位認定等の弾力的取り扱いについても適切な措置がとられるよう、各大学、教育委員会等に対し指導しているところであります。また、学生生徒の就職について、内定の取り消しの防止など、さらに対策を講じてまいりたいと考えております。 さらに、被災した児童・生徒・学生及び留学生が就学の機会を奪われることのないよう、就学援助、授業料等の減免、奨学金の貸与、留学生に対する緊急援助金の支給等、各種の支援を行うこととしております。 先般、私も、神戸中内の国公私立の学校及び大学附属病院等の状況を現地調査いたしました。その際、兵庫県、神戸市の両教育委員会及び各大学等からは、学校施設等の深刻な被害状況に照らし、国公私立大学及び専修学校、各種学校を含む学校の施設設備等の早急な復旧と、そのための財政措置を含む国の支援に対する強い要請を受けてきたところであります。文教施設や文化財の復旧につきましては、被害状況の調査等を早急に実施しているところでありますが、今後、必要な財政措置を含めて、万全の措置をとってまいりたいと考えております。 さて、第百三十二回国会におきまして、文教各般の問題を御審議いただくに当たり、所信の一端を申し述べさせていただきます。 来るべき二十一世紀に向けて、国民一人一人がゆとりと潤いのある生活を実感し、多様な個性を発揮しながら、自己実現を図ることができるような社会をつくっていくために、文教行政の果たすべき役割はますます重要になると考えます。 私は、文教行政を担当する者として、このような使命に思いをいたし、文教行政各般の推進に全力を挙げて取り組んでまいる所存であります。また、このために、教育や学術を未来への先行投資と位置づけつつ、文教予算の充実確保に一層努めてまいります。なお、児童生徒のいじめの問題については、学校、家庭、社会が一体となって、緊急かつ総合的に取り組みを進めるべき課題でありますが、私としても、十分な取り組みがなされるよう最大限の努力をしてまいります。 以下、主要な課題について、私の基本的な考えを申し述べます。 第一の課題は、個性の尊重を目指す教育改革と生涯学習社会の構築であります。 生涯学習の振興のため、多様な学習活動の展開を図るとともに、社会人を対象としたリカレント教育や、ボランティア活動の支援などの施策を積極的に推進します。また、放送大学については、放送衛星を利用した全国化の実施に向けて準備を進めてまいります。 初等中等教育においては、みずから学ぶ意欲や思考力、判断力、表現力などの育成を重視する教育の実現に取り組みます。特に、いじめについては、社会で許されない行為は子供でも許されないという強い認識に立って対処することが必要であります。その上で、各家庭や学校においては、子供と親や教師との信頼関係を深めつつ、子供の生活態度や学校内の実態を十分把握し、適切な対応をとることが必要であります。私としても、関係機関等とも連携協力しながら、今後さらに、いじめの問題の解決に向けての施策の充実に努めてまいります。 また、総合学科、単位制高校の設置や職業教育の充実など魅力ある高校づくり、高等学校入学者選抜の改善と中学校における進路指導の改善充実などに積極的に取り組むとともに、環境教育、理科教育、情報教育、健康教育の一層の充実を図ってまいります。さらに、道徳教育や生徒指導の充実、国旗・国歌の適切な指導等についても引き続き推進するとともに、本年四月からの月二回の学校週五日制の円滑な実施に努めてまいります。 また、初任者研修を初め研修の充実等により、教職員の資質の一層の向上に努めるとともに、公立学校の教職員配置の改善、公立学校施設の整備を着実に進めてまいります。なお、義務教育教科書無償給与制度は、今後とも堅持してまいります。 高等教育においては、現在、戦後最大とも言われる大学改革を進めているところであります。大学におけるカリキュラムの改革、大学院を中心とした教育研究の水準の向上、大学入試の改善、教育研究環境の改善充実などに積極的に取り組むとともに、理工系教育の魅力向上のための施策の充実を図ってまいります。また、育英奨学の充実を図るとともに、昨今の学生の厳しい就職状況等にかんがみ、就職指導の充実などに一層努めてまいります。 私立学校については、その役割の重要性にかんがみ、私立学校振興助成法の趣旨に沿って、その教育研究条件の維持向上と修学上の経済的負担の軽減等を図るため、私学助成の確保に努めてまいります。 第二の課題は、人類の知的創造活動としての学術研究の推進であります。 大学については、研究施設・設備の老朽・狭隘化、陳腐化、研究費の不足など研究環境の劣化が指摘されており、その改善充実を図ることが緊急かつ重要な課題となっております。 我が国が、今後、科学立国として発展していくために、科学研究費補助金の大幅な拡充、大学の教育研究施設・設備の改善、若手研究者の養成確保、学術情報基盤の整備など、学術の振興のための総合的な施策を推進してまいります。 第三の課題は、スポーツの振興であります。 本年八月に開催されるユニバーシアード福岡大会、平成十年の長野オリンピックなど、我が国で行われる国際競技大会の開催支援と日本選手の競技力向上を図るとともに、国民のスポーツニーズの多様化を受けて、いつでもどこでもスポーツを楽しめる生涯スポーツの振興が重要な課題となっております。さらに、プロスポーツに対する国民の関心も一層高まっております。 このため、スポーツ振興基金による助成を含め、スポーツ施設の整備充実、すぐれた指導者の養成確保、各種スポーツ事業の推進など、諸施策の一層の充実に努めてまいりたいと考えております。 第四の課題は、「文化発信社会」の構築を目指す文化行政の新たな展開であります。 これからの我が国は、伝統文化を継承しつつ、個性豊かな文化の創造と発信を通じて国際社会に貢献を行い、人々が心にゆとりと潤いを持って、人間らしく生きることができるような真の意味での文化立国を目指すべきであると考えます。 このため、すぐれた芸術創作活動の推進や若手芸術家の養成の充実に努めるとともに、地域における文化の振興に係る各種の施策や、文化財の保存と活用のための諸施策を推進してまいります。また、国立文化施設の整備充実や第二国立劇場(仮称)の開場に向けての諸準備などを着実に進めてまいります。 最後に、国際化の一層の進展と情報化社会に対応するための文教施策の積極的な推進であります。 教育、学術、文化、スポーツを通じて国際交流を推進し、国際社会に貢献していくことは極めて重要な課題であります。このため、今年五十周年を迎えるユネスコを初め、国連大学、OECD等の国際機関を通じた教育協力や途上国への援助、協力を推進するとともに、研究者交流や国際共同研究の充実等に努めてまいります。また、留学生交流については、短期留学推進制度を創設するほか、留学生受け入れ十万人計画の達成に向け、各種施策を推進してまいります。さらに、アジア諸国を初めとする海外の文化遺産保護に関する協力等を推進してまいります。 また、情報化の目覚ましい進展に適切に対応するため、情報教育の推進を図り、教育用のソフトウエアや教育方法の研究開発、生涯学習、文化、学術等に関する情報ネットワークの整備等を積極的に図ってまいります。 以上、文教行政の当面する諸課題について所信の一端を申し述べました。 文教委員各位の一層の御理解と御協力をお願いいたします。
○伊吹委員長 次に、平成七年度文部省所管予算の概要につきまして説明を聴取いたします。岡崎文部政務次官。
○岡崎(ト)政府委員 それでは、予算額の説明に先立ちまして、一言申し上げます。 先般の兵庫県南部地震での罹災につきましては、まことに痛恨のきわみでございます。兵庫県を初めとする各方面からたくさんの要望が寄せられておりますが、文部大臣が所信で表明されましたように、文部省といたしましても、文教施設の復旧と教育活動等の一刻も早い回復に向けて最大限の努力をしてまいります。 さて、平成七年度文部省所管予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 来るべき二十一世紀に向けて、我が国が、創造的で活力に満ち文化の薫り高い国家として発展し、国際的にも大きな役割を果たしていくとともに、国民一人一人が、ゆとりと潤いのある生活を実感し、多様な個性と創造性を発揮できる社会を築いていくことが求められております。このため、平成七年度予算の編成に当たりましては、教育や学術を未来への先行投資として位置づけ、教育、学術、文化、スポーツの各般にわたり、その着実な推進を図ることとし、所要の文教予算の確保に努めたところであります。 文部省所管の一般会計予算額は、五兆六千三百九十三億七百万円、国立学校特別会計予算額は、二兆五千三百六十四億五千七百万円となっております。 以下、平成七年度予算における主要な事項について、御説明申し上げます。 第一は、生涯学習の振興に関する経費でありますが、生涯学習社会の実現に向けて、人々の生涯にわたる多様な学習活動の振興に資するための施策を総合的に推進することとしております。 まず、生涯学習の基盤整備につきましては、生涯学習情報提供機能の整備、生涯学習ボランティアの支援、推進、指導者の確保等に努めていくこととしております。 学校の生涯学習機能の拡充につきましては、放送大学について、広く社会人に大学教育の機会を 提供するため、放送衛星を利用した全国化を推進するとともに、公開講座や学校開放の促進、専修学校教育の振興を図ることとしております。 また、社会教育の面では、現代的課題等の学習機会の充実を図るとともに、少子化等に対応した家庭教育の振興や青少年の学校外活動の振興を図ることとしております。 さらに、国立オリンピック記念青少年総合センター等国立社会教育施設の充実を図るとともに、大型公民館や図書館等を中心に公立社会教育施設の整備を促進することとしております。 第二は、個性豊かな自立した人間性を育てる初等中等教育の充実に関する経費であります。 まず、公立義務教育諸学校の教職員配置につきましては、第六次教職員配置改善計画の第三年次分の改善を着実に実施することとしております。 次に、教員の資質の向上を図るため、初任者研修を初めとする現職研修の充実、教員の海外派遣、教育研究団体への助成等を行うとともに、中学校の免許外教科担任の解消等を図るため、非常勤講師配置調査研究補助を拡充することとしております。 教育内容につきましては、学習指導要領の一層の定着を図るため、引き続き運営改善講座等を行うとともに、国際化に対応した外国語教育の充実や、豊かな人間形成に資する読書指導の充実及び学校図書館の活性化を図ることとしております。 理科教育につきましては、一層の推進を図るため、教員に対する観察実験指導力向上講座を開催するとともに、教育センターを含めた理科教育設備の整備を行うほか、市町村単位程度の一定地域に科学学習センターを設置し、児童生徒の体験的学習活動を促進することとしております。 また、産業教育の振興のための産業教育施設・設備の整備も引き続き充実を図ることとしております。 情報教育につきましては、情報化への対応を円滑に進めるため、教育用ソフトウェアライブラリーセンターの設置、学習用ソフトウエアの開発を行うとともに、近年の情報通信基盤の急速な進展に対応し、情報ネットワーク活用推進地域の指定、僻地学校高度情報通信設備活用研究開発事業等を行うこととしております。 高校教育改革の推進につきましては、中央教育審議会の答申の趣旨を踏まえ、総合学科や単位制高校の設置の奨励、学校関連携の促進等、高等学校の個性化・多様化の推進を引き続き図ることとしております。 学校週五日制につきましては、平成七年四月から月二回実施することとしており、その円滑な定着を図るため、研究協議会等を行うこととしております。 なお、義務教育教科書の無償給与につきましても、所要の経費を計上しております。 生徒指導の充実強化につきましては、いじめ、校内暴力、登校拒否、高等学校中途退学などの生徒指導上の諸問題に適切に対応するため、学校におけるカウンセリング等の機能の充実を図ることが必要かつ有効と考えられることから、高度な専門的知識経験を有するスクールカウンセラー(仮称)の活用等に関する実践的な調査研究を行うほか、適応指導教室についての実践的研究を拡充することとしております。 また、国立教育会館内にいじめ問題対策センター(仮称)を設置し、パソコン通信等により全国の学校関係者等に必要な情報を提供するとともに、教育相談員による相談体制の整備を図ることとしております。 環境教育につきましては、一層の推進を図るため、環境のための地球学習観測プログラムに参加するとともに、児童生徒の環境への関心を高めるための指導方法等の研究、普及を進めるため、モデル校の指定を行うこととしております。 道徳教育につきましては、引き続きその振興を図るとともに、新たにふるさとの文化と伝統のよさを学び、郷土や国を愛する心を養う伝統文化教育の推進を図ることとしております。 幼稚園教育につきましては、幼稚園就園奨励費補助を充実するとともに、幼稚園教育振興計画を推進することとしております。 特殊教育につきましては、新たに学習障害児等に関する理解啓発リーフレットを作成、配布するとともに、特殊教育就学奨励費補助を充実することとしております。 健康教育につきましては、エイズ教育等の充実に努めるとともに、豊かで魅力ある学校給食を目指して、食事環境の整備充実を図ることとしております。 また、海外子女教育、帰国子女教育につきましては、日本人学校の新設等に対応し、派遣教員を増員するとともに、教育用コンピューターの整備など在外教育施設における教育の充実を図ることとしております。 さらに、公立学校施設の整備につきましては、市町村等の計画的整備が円滑に進められるよう必要な事業量の確保を図りつつ、屋外運動場のモデル的整備に対し、新たに補助を行うとともに、大規模改造事業の拡充等を行うこととし、二千四百七十八億円を計上しております。 なお、定時制及び通信制教育の振興、地域改善対策としての教育の振興など、各般の施策につきましても、所要の経費を計上しております。 第三は、私学助成に関する経費であります。 まず、私立の大学等に対する経常費補助につきましては、引き続き社会的要請の強い特色ある教育プロジェクトに対する助成を重視するとの観点に立って、平成六年度に対して七十億円増の二千八百三億五千万円を計上しております。このほか、教育研究装置施設整備費補助につきましては、新たに、学内LANの整備を推進するとともに、研究設備整備費等補助につきましても、増額を図るなど、教育研究の推進に配慮しております。 次に、私立の高等学校等の経常費助成を行う都道府県に対する補助につきましては、新たに、四十人学級編制の推進を図るとともに、特色ある教育プロジェクトに対する特別補助の充実を図ることとし、このため平成六年度に対して三十一億円増の六百六十六億円を計上しております。このほか、私立高等学校等に対する教育装置等の整備事業につきましては、新たに教育近代化施設の整備を推進するなど充実を図ることとしております。 また、日本私学振興財団の貸付事業につきましては、九百億円の貸付額を予定しております。 第四は、高等教育の高度化等の要請にこたえ、その整備充実に要する経費であります。 まず、大学院につきましては、研究科等の新設整備、高度化推進特別経費や最先端設備の充実などを行うこととしております。 国立大学につきましては、大学改革を推進するため、教養部の改組や所要の経費を充実するとともに、工科系学部の創設を初め、魅力ある理工系教育の推進を図ることとしております。また、教育研究環境の改善充実を図るため、老朽・狭隘校舎の解消、基準面積の改定など施設の高度化・多様化を推進するほか、教育研究設備の整備、教育研究経費の充実等を図ることとしております。 なお、国立学校の入学料等につきましては、諸般の情勢を総合的に勘案し、これを改定することとしております。 次に、育英奨学事業につきましては、貸与月額の増額及び大学院学生等の貸与人員の増員を図ることとし、政府貸付金八百十二億円、財政投融資資金四百二十五億円と返還金とを合わせて、二千二百四十八億円の学資貸与事業を行うこととしております。 また、公立大学につきましては、医科大学、看護大学等の経常費補助及び教育設備整備費等補助について、所要の助成を図ることとしております。 さらに、女子学生を初めとする学生の就職が厳しい状況となっていることにかんがみ、学生や大学担当者に企業の最新情報等を提供する就職ガイダンス事業を実施するなど、就職指導の充実を図ることとしております。 第五は、学術の振興に関する経費であります。 まず、科学研究費補助金につきましては、独創性に富むすぐれた学術研究を推進し、我が国の学術研究を格段に発展させるための基幹的研究費として大幅に拡充を図ることとし、平成六年度に対して百億円増の九百二十四億円を計上しております。 また、我が国の学術研究の将来を担うすぐれた若手研究者を養成確保するため、特別研究員の採用人数の大幅な拡充等を図ることとしております。 次に、学術研究体制の整備につきましては、研究組織の整備、研究施設・設備の充実、学術情報基盤の整備充実、人学と産業界等との研究協力の推進、創造性登かな世界の最先端の学術研究を推進する卓越した研究拠点(COE、センター・オブ・エクセレンス)の形成など、各般の施策を進めることとしております。 さらに、天文学研究、加速器科学、宇宙科学、核融合研究、地震予知・火山噴火予知研究等のそれぞれの分野における研究の一層の推進を図ることとしております。 第六は、ゆとりある質の高いスポーツの振興に関する経費であります。 広くスポーツ施設の整備を進めるため、社会体育施設、学校体育施設の充実を図るとともに、学校体育指導の充実を図ることとしております。 また、生涯スポーツ推進の観点から、地域におけるスポーツ活動の充実など諸施策の一層の推進に努めることとしております。 競技スポーツの振興につきましては、平成十年に長野で開催される第十八回オリンピック冬季競技大会の準備を推進するとともに、日本オリンピック委員会が行う選手強化事業の一層の充実を図るほか、スポーツ科学の推進、国民体育大会への助成などを行うこととしております。 第七は、豊かな個性ある文化の振興に関する経費であります。 新たな文化創造を目指す「文化発信社会」の構築に向けて、芸術創作活動への支援、現代舞台芸術のための第二国立劇場(仮称一の開場準備の推進、若手芸術家の育成、地域の特色ある文化活動の振興等の諸施策を進めることとしております。 また、時代の変化に対応した文化財の保存と活用を図るため、史跡等の公有化・整備、国宝・重要文化財等の買い上げや保存修理、天然記念物の有効活用、伝統芸能等無形文化財の伝承助成の推進などの施策を講ずることとしております。 さらに、国立博物館、美術館、文化財研究所等の施設の整備と機能の充実を図ることとしております。 第八は、教育、学術、文化の国際交流・協力の推進に関する経費であります。 留学生交流につきましては、二十一世紀初頭における十万人の留学生受け入れを目途に、国費留学生の計画的受け入れ、戦後五十周年を契機に策定された平和友好交流計画の一事業としての短期留学推進制度の創設、私費留学生に対する援助施策の充実、宿舎の安定的確保、大学等における教育指導体制の充実など、各般の事業を積極的に推進するとともに、円滑な海外留学を促進することとし、そのために要する経費として四百九十七億円を計上しております。 さらに、外国人に対する日本語教育、我が国の義務教育諸学校に在籍している外国人子女への日本語指導等の充実を進めることとしております。また、今年がユネスコ五十周年に当たることから、五十周年記念式典を開催するとともに、識字教育やエイズ教育への協力など、ユネスコ等国際機関を通じた教育協力等の推進を図ることとしております。 学術の国際交流・協力につきましては、諸外国との研究者交流、各種の国際共同研究、開発途上国との学術交流、国連大学への協力等を推進することとしております。 また、文化の国際交流につきましても、青少年及びアマチュア団体の公演等による交流事業、アジア地域等を初めとする文化遺産に対する保存修復の国際協力など、各般の施策の充実を図ることとしております。 第九は、文教分野全般における情報化の推進に関する経費であります。 情報化の推進につきましては、学校教育及び社会教育を通じた情報教育の一層の推進、コンピューターや学内LANなどの情報通信基盤の整備、生涯学習、学術等に関する情報通信ネットワークやデータベースの整備、文化情報総合システムの整備、著作権施策の展開等、最近の急速な情報化への対応に要する経費を計上し、その推進に努めることとしております。 以上、平成七年度文部省所管予算につきまして、その概要を御説明申し上げました。 何とぞよろしく御審議くださいますようにお願いを申し上げます。
○伊吹委員長 以上で説明は終わりました。 次回は、来る七日火曜日午後零時二十分理事会、午後零時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時四十六分散会