農林水産委員会 第3号
- 発言数
- 165 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1995/02/15
会議録
○中西委員長 これより会議を開きます。 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。 農林水産業の基本施策について質疑の申し出がありますので、順次これを許します。粟原博久君。
○栗原(博)委員 今大臣がお越しになられませんので、最近、新聞紙上をにぎわしております件から先に質問させていただきたいと思うのですが、米国産リンゴのチアベンダゾール、TBZの件でございます。 このTBZは、輸入リンゴ、アメリカのリンゴがこの一月から我が国の国内に入ってまいりまして、特に我が国の生産者の方々は火傷病とかコドリンガなどの病虫害侵入に大変懸念をしておりまして、この病害虫の防除のためにも、このアメリカリンゴの輸入を規制してほしいという熱い要望があったわけですが、これはその功をなさず輸入に至っておるわけです。 そういう中で、私は、今回のガット・ウルグアイ・ラウンドの中におきまして、米の一部部分自由化のような形になっておりますが、あわせまして、食品の輸入でもって国際的な基準として検疫・衛生措置が今回のウルグアイ・ラウンドでとられた。要するにSPSということでありますが、そういう中でリンゴの輸入も大変急テンポに入ったと思うのです。 そこで、そこでの残留農薬の問題でございますが、新聞を見、あるいはまた政府からのその内容をお聞きしますと、アメリカと日本との間における農薬に対する扱いが違う。TBZにつきましては、国内では一部生産農家が樹木の生産の段階で使っている。要するに収穫する前、十四日前まで散布して、それが三ppmまでであるならば許容できるということであるそうでございますが、アメリカにおいてはむしろポストハーベストとして使われている。ポストハーベストはあってはならぬということでこのリンゴの問題が片づいているはずですが、こういう問題について、まず農家の生産者の方々、そしてまた消費者の方々も大変懸念を持っているわけであります。 このことにつきまして、私は前もかねがね実はこの農林水産委員会の場をおかりしまして、我が国に今外国から年間約二千五百万トンの輸入食品が入っている、いろいろな加工食品も含めれば、ある。その食品に対して、じゃ、食品安全性の問題についてちゃんとした対応がされているか。我が国には米の検査員が五千六百人おるけれども、こういう輸入食品の監視員が実際は全国三十カ所で約二百五名の食品検査員でこれに対応しているということで、私は、昨年の六月二十日の当委員会におきまして、輸入食品に対する対応ということで監視体制の強化を実は求めてまいったわけでありますが、その中で、このTBZの問題でございますが、これに対して農林省はどのような対応をされたかということをお聞きしたいと思うのであります。
○日出政府委員 先般、東京都衛生局及び横浜市の衛生局の検査で、アメリカ産のリンゴからいわゆるTBZが検出されている事実は私ども承知をしております。 先生お話しのとおり、このTBZでございますが、我が国におきましては、農薬取締法に基づきまして登録されている農薬でございます。リンゴの栽培中に使用することは認められているわけでございますが、収穫後に使用することにつきましては、食品衛生法に基づきます食品添加物の使用規制から禁止されているわけでございます。 これにつきましては、私どもは、こういったアメリカ産のリンゴに使用される可能性のあります農薬に関する一般的な情報は、私どももアメリカの検疫当局から入手したものにつきまして厚生省の方にもこれまで提供してきておりますし、あるいは在京のアメリカ大使館を通じまして、我が国の食品衛生法上の規制に十分注意するよう、これは直接の担当ではございませんけれども、かねがね申し入れているところでございます。 今現在、実はハワイで日米の植物防疫関係の専門家会合が開かれておるわけでございます。これは両国の植物検疫の問題を話し合う場ではございますけれども、食品衛生法上の問題につきまして、私どもとしましては、消費者から強い食品衛生上の懸念が示されているということを紹介をし、注意を喚起することにいたしたいというふうに思っている次第でございます。
○栗原(博)委員 私は、先回の当委員会あるいはまた厚生委員会でもCNPの問題を含めて前にも質問したことがあるのですが、我が国は農林省の農薬の登録保留基準ですか、それで約四百六十の農薬の品目がある。それによって安全基準が定められているようでありますし、あるいはまた厚生省所管で残留農薬基準、CNPのときも大分私は申し上げたのでありますが、現在百三の農薬に対して基準を設定されている。そして、国際間におけるウルグアイ・ラウンドの対応の中で、SPSの中で、残留農薬基準があるものについては国際基準に合わせるということになりますと、従来、数字は定かじゃありませんが、農薬の登録保留基準の数値と残留農薬基準の数値に大分アンバランスがあった、その農薬によって違うと思うのですが、それが一つ。 もう一つは、農林省の登録の中には約四百六十あるけれども、厚生省の所管は百三あるということで、食べるのは国民でございますから、ここに縦割り行政といいましょうか、本当に今国民の健康管理の面において、そのような安全基準をつくっているかというようなことについて私は大変疑義を持っているわけでございます。 そういう中で、今回問題になっておることは、ポストハーベストであるかないかということで消費者団体が一つ問題にしている。もう一つは、厚生省の所管の中でこのTBZが残留基準の中に入っていなかった。要するに厚生省の所管の残留農薬基準の中にTBZというものがなかったということであるのですが、このことについてどのようなお考えを厚生省はお持ちであり、またこれに対して今後どのような対応をするかということをお聞かせいただきたいと思います。
○山本説明員 お答え申し上げます。 厚生省といたしましては、食品衛生法に基づきまして、残留農薬基準を順次設定しております。これまでに、先ほど先生御指摘のとおり、百三の農薬につきまして基準を整備してまいりました。 御指摘のチアベンダゾールでありますが、国内での使用量が少ないというようなこと、その他の理由からこれまで基準を設定するに至っていないということであります。 また、今後の残留基準の設定につきましては、昨年の十二月にまとめられました、厚生大臣の懇談会で食と健康に関する懇談会というのがございましたが、この報告書に基づきまして、当面二百農薬まで、これは農水省さんの御協力も得ながら基準の整備を図っていきたいと考えておりまして、主要な農薬についての残留農薬の規制の対象にすることができるものと考えております。
○栗原(博)委員 では、お聞きしますが、今回のTBZの問題につきまして、国民はこのアメリカの輸入リンゴについて、健康の面についていささかも危惧はないというふうに判断してよろしいんですか。
○山本説明員 私ども、そのように考えております。
○栗原(博)委員 私はやっぱり国内農業を守るという立場から、今回、EUのフルガード農業総局長が日本に参りまして、やはり厚生省のこの植物検疫、動物検疫の規制緩和を求めております。要するに、厚生省が食品衛生法を見直して改正することによって、容易に農産物が入ってくるようになる、そういう要請をしておるわけですが、私はこのウルグアイ・ラウンドの中で、米の問題の中で、四十万から約八十万トンの部分輸入というもの、それ以上に私が一番危惧をしておりましたことは、やはり検疫・衛生の協定の問題でございまして、これを国際基準にすんなりといくことによって、国内の農産物が外国の輸入農産物から脅威を与えられるということでございますので、この運用についても十二分に今後関係御当局から御留意していただければと御要望申し上げるわけであります。 では質問を変えさせていただきますが、大臣がお越してございませんので、土地改良の問題についてひとつお聞きしておきます。 今回、ウルグアイ・ラウンドの対応ということで、農林省の皆さんも大変奮発努力されまして、この公共投資等について、格段といいましょうか、御努力をいただいたことについて敬意を表する次第でございます。そこで、このウルグアイ・ラウンドにおける基盤整備事業の推進に当たりまして、農家の事業の推進は当然ですが、やはり新しい事業ということ、すなわちそれは農家の基盤整備事業等の償還金の軽減措置というものを私ども大変注目しているわけでありますが、こういうことで、今回の対応の中でどのような軽減措置をとっていただいたかということを簡単にひとつ御説明いただきたいと思います。 それから、あわせまして、私は、このウルグアイ・ラウンド受け入れによって、六兆百億の対策がとられましたが、それを受けて新規の事業、要するに基盤整備あるいはまたいろいろな農村集落事業等、そういうものの希望件数が果たしてふえたかどうかということをお聞きをしたいと思います。
○野中政府委員 農業基盤整備の関係でございますけれども、これらを推進をしていきます場合に、農家の負担を軽減をしていくということが極めて重要でございまして、この点に関しましては従来からも事業費単価の抑制でございますとか、いろいろな償還対策、さらには圃場整備事業等につきまして高い補助率にした事業を新設をする、あるいはその負担金の一部について無利子資金を導入をするといったような措置を講じているところでございます。 それからさらに、今回のウルグアイ・ラウンドの農業合意の受け入れに伴いまして、既に着工されております事業にかかります土地改良の負担金につきましても、これは農地の利用集積に積極的に取り組んでいただくような地区の負担軽減につきまして、助成金の交付、あるいは償還金の繰り延べ措置といったようなことを拡充をしているところでございます。それから基盤整備事業につきましては、六年度の補正等で決めていただき、全体の六兆円等というような事業費も決めていただいているわけでございますけれども、これに対する希望というのは、各地域から非常に上がってきておりまして、予算で予定をしております額を超えて希望が上がっているということでございまして、六年度補正につきましては既に割り当て内示等いたしましたけれども、七年度につきましては、まだ予算審議中でございますけれども、鋭意その希望等に沿っていろんな準備を進めているというような状況でございます。
○栗原(博)委員 六年度補正の内示の額はどのぐらいでございますか。それから、七年度当初予算ではどの程度見込んでおられるのでしょうか。
○野中政府委員 農業基盤整備事業でございますけれども、平成六年度の補正予算におきましては、三千億円を補正予算として手当てをしていみところでございます。七年度の予算につきましては、現在御審議をいただいているところでございますけれども、基盤整備の関係の予算額は一兆一千九百六十六億円ということでございます。
○栗原(博)委員 平成五年四月九日に第四次の土地改良長期計画で四十一兆円を実は計画しておるわけでありますが、今まで土地改良事業を見ますと、実施してから実際十二年、十三年かかっておりますので、当初の予算に比べまして、例えば総事業費で三倍から四倍になってしまう。農家といたしましては、やはりなるべく償還金が少ない、要するに事業費が少ないことがひいては償還金が少ないことにつながるわけでございます。今回のウルグアイ・ラウンドの対応の中で、阪神大震災がございまして、予算の組み替え等の要望もあるようでございますが、それはそれといたしまして、やはり今の農家の現状を見ますると、早急にこういう事業を完工する、それがひいては事業費の削減にもといいましょうか、従来の農林省の皆さんのを見ますと、もう農家に説明したときよりも下手すると五倍、六倍にも最終完工時になるわけです。これがみんな農家の負担になってくるわけですから。 まず、今回のウルグアイ・ラウンドの対応の中で一番大事なことは、ばらまきというよりも集中的に本当にやりたいところ、私は現地に行きますと、いやいやそれだけ金ついたけれども、本当に事業なんかするんだろうかという不安を持っている方が多いんですよ。本当にやりたいところに集中的に事業費をつけていただきまして、早期完工を図っていただきたいということをまず一つお願い申し上げたいと思います。 それからもう一つは、なかなか厳しいわけでございますから、換地等をしまして、今まで私ども新潟では二反、三反区画の田んぼでありますが、それを一町歩にするという、当然畦畔とか、あるいはまた排水路がなくなって土地が余るわけで、余るといいましょうか、あるいはまた換地の問題で。なるべくそういうことで出た土地を処分して、農家の方に何も負担がかからないような策というものをぜひとつていただきたい。そういうことについて、そういう事例とか方向というか、指導を農林省がされているかどうかということをひとつお聞きしたいと思うのであります。
○野中政府委員 土地改良事業、特に圃場整備等でございますけれども、これを行いまして、今のように用水路等を農地の面積に広がるようにつなげるというような事例もございますし、それから圃場整備の中で、一定の非農用地を生み出しまして、これの清算金を負担軽減といいますか、そちらに活用するというようなことにつきましては、土地改良法の改正によりましてその地区の三割を超えない地区であればそういうような地域を設けてやっても構わないというようなことになっておるわけでございまして、新潟県を初めとして各地域でこういうようなことが実際に行われているわけでございます。これは、お話しのように農家負担の軽減を図る上で有効な手だてであるというふうに私どもも考えているところでございます。
○栗原(博)委員 構造改善局長さん、そういう趣旨を末端土地改良区の方にひとつ御伝達くださいまして、そして農家の方が安心して事業に同意できるように御配慮いただきたいと思います。 大河原大臣さんがお見えでありますので、ちょっとお聞きしたいのですが、今回、大変難産の中で我が自民党は政権をとりまして、そして大臣も連日予算委員会で奮戦されておりますことについて深く敬意を表する次第でございます。 その中で、今構造改善局長からも実は御答弁いただいたのでございますが、ウルグアイ・ラウンド対応が着実に進んでいるかどうかということ、それについて大臣から御所見をひとつ賜りたいと思います。
○大河原国務大臣 お答え申し上げます。 栗原委員御案内のとおり、昨年十月に緊急国内対策は決まりました。 各般の施策でございますが、これに対する財政としては、新しい事業として六兆百億円という事業費が政府・与党で決定したわけでございますが、第一年目の財政的裏づけといたしましては、先般通過いたしました平成六年度補正予算とただいま御審議を願っております七年度予算において、総事業費としては一兆一千億程度の規模の財政的な支援ができましたわけでございまして、第一年目として確保されたというところでございます。今後も着実に対策の実施をいたしたい、さように考えております。
○栗原(博)委員 私は、ウルグアイ・ラウンドの対応は、既存の農地を整備しまして、そしてまた大規模化をし、あるいはまた作業がしやすいようにするということで、わかるのであります。 しかし、今世界の人口がどんどん、一年間に約九千万人ずつふえている。中国に至っては一年間に一千四百万人もふえているそうでございますが、その中で、我が国の一億二千有余の国民の食糧をどうするかという定義の中で我が国の農政が果たして真剣に論じられているかということになると、ちょっと私は疑問に実は感じます。 先般予算委員会等で、大臣、そしてまた総理あるいは各閣僚のお話を聞きますと、村山総理におかれては、自給度を高めることは大事である、しかし、可能な限り自給率低下に歯どめをかけるのだというような御所見をされております。大河原大臣におかれましては、作物ごとに生産の見通しを積み上げ、食糧の長期需給見通しの策定に着手していることを説明しながら、直接、自給率よりも自給能力を強化するというようなお話をされているわけであります。 私は、自給率の向上は生産調整等をやめれば幾らでも上がるわけですが、大臣の仰せの自給力の向上というものはまさしく生産する農地の問題だと思うのであります。 過去を見ますと、我が国はどんどん農地が壊廃しております。資料がちょっと、読んでもいたし方ない、皆さん一番よく知っておるわけでありますが、この中で、これから、自給率といいましょうかあるいはまた大臣が仰せの自給力を高めるためには、今後どのような農業政策を基本的に推進せねばならないかということをお聞きしたいと思うのです。
○大河原国務大臣 お答え申し上げます。 御案内のとおり、自給率は国内の総需要に対する国内供給力でございます。こういうことを言って失礼でございますが、そういうことでございます。国内の今日までの自給率の低下はやはりもう御案内のとおりでございまして、国民の食生活が非常に多様化したり変化をした、そのために畜産物とかあるいは油脂、そういうものの消費の増加によって、何と申しますか、国内供給ができない穀物、飼料穀物なりあるいは大豆、菜種等の油脂原料等の増大が自給率低下の大きな原因であったわけでございます。もう一つは、残念ながら米の消費が落ちたことでございます。 それに対して、一方、これは消費者の、何といいますか、食生活の選択にもわたるものですから、なかなかにこの面で社会主義経済計画みたいに抑制はできない。現状の需要を肯定していかなければならない面があるわけでございます。 他方、自給率に関係する供給力でございますが、この点は今も委員もお触れになりましたけれども、やはり何と申しますか、兼業化が進むあるいは耕地の利用率が非常に下がる、あるいはお話しのような耕地の壊廃等々でやはり供給力は落ちてきた。そういう関係で、自給率が残念ながら今日のような状態になっておるというわけでございます。 したがって、農政といたしましては、整備された農地、そして管理された水利、それからすぐれた農業技術、それを背景といたしました安定的な効率的な経営担い手、それによって農業生産が大宗を占められるというような強力な供給体制をつくる、それによって自給率の低下を阻止する、上げるということだと思うわけでございまして、今度の国内対策におきましても、御案内のとおり各般の施策はこれに向けて重点を注いでおるというわけでございます。
○栗原(博)委員 我が国は、米をつくるころは二十万人だったというふうに伺っております。あるいは奈良天平時代には六百万人。そして明治の初等には三千八百万人。現在一億二千万人であります。こうして人口もふえておるわけでありますし、世界人口もどんどんふえておる。 世界人口基金、UNFPAが昨年の四月に、二〇五〇年までには何としても世界の総人口を七十八億人にとどめようと。しかし、とどめても、低開発国といいますか開発途上国は、例えば中国もそうでございますが、どんどん肉を食べる。肉をつくるには、穀物を約七倍か八倍食べるということでございますから、そうしますと、中国でも黒竜江省を初めとする北部では農地が一層壊廃し、さらにそこにまた人口の増加と食糧の変遷によって新しい需要を生んでいるわけです。 そして、私どもが日本の国内においてどうしてもやはり食糧を守らねばならないということで、実は農振法という法律が今あるわけですが、その農振法の中に農用地区域が設定されて、その農用地区域の中でも林地が農用地区域に設定されている。長期計画の中にもその開発というものがあるのかもわかりませんが、そういうものは、実際開発可能地があっても全然手をつけていないと私は実は認識しているのですが、こういうものについて、将来の我が国の人口、そして国民の肉等の消費の増大によって、このような土地を万が一といいましょうか今後開発する意図はあるのか。ただマスタープランとして農振法の中でそういうものだけつくったのかということをお聞きしまして、私の質問を終わらせていただきます。
○野中政府委員 農振法に基づきます農用地区域内におきましては、お話しのように農用地以外の土地があるわけでございまして、これらは開発して農用地などにする土地を含んでいるということでございます。 現に農用地につきましても、五十年から平成六年まで見ますと、およそ四十二万六千ヘクタールが開墾をされているわけでございまして、これらの農用地につきましては、開発事業というのは農用地区域を対象にして行われてきておりますことから、今申し上げました四十二万六千ヘクタールの大部分が農用地の区域を対象にして行われてきたものというふうに考えております。今後ともそういう傾向だろうと思います。
○栗原(博)委員 どうもありがとうございました。
○中西委員長 錦織淳君。
○錦織委員 まず、大臣にお尋ねいたします。 ガット・ウルグアイ・ラウンド農業合意に伴うさまざまな対策をこれまでいろいろな場で議論をしてまいりました。そして、六年間で六兆百億という大変な額の事業を計画をいたしたわけでありますが、この点について、これは大変な力強い政策であるという受けとめ方もあれば、マスコミなどの論調を見ますと、これはばらまきではないか、いたずらに農業だけを保護しているのではないか、こういうような批判もかいま見られるわけであります於、このような私から見ますと誤解を解くためには、きちっとこの六兆百億の内容を国民に理解をしていただく、こういうことが必要であると考えます。 きょうは、この六兆百億の全体について詳しくお伺いをするということは時間的に困難でありますので、まず私自身が非常な関心を持っております問題について、絞ってお尋ねをしたいと思います。 それは、今回の対策の中で三兆五千五百億の公共工事の枠が計上されておりますが、その中に中山間地域活性化緊急対策事業、こういうものが盛られている。これは、これまでの予算委員会などの答弁によりますと、おおむね四割程度が中山間地域活性化緊急対策事業ということでありますが、さらに、この内訳を見てまいりますといろいろな事業が予定をされている。そこで、私の方は、その中でもさらに中山間地域総合整備事業と呼ばれているものについての御質問に絞らせていただきたい、このように考えます。 そこで、この中山間地域総合整備事業というものは平成二年度に創設されたということではありますが、今回、この六年度の対策の中でかなり力点を置いた政策であるというふうに理解をいたしておりますけれども、この事業の特徴、意義についてお話をお伺いしたい。さらには、平成六年度補正予算並びに平成七年度当初予算においてこの中山間地域総合整備事業がどういう手当てをされているかということについても、あわせ御説明をお願いいたします。
○大河原国務大臣 お答え申し上げます。 計数にわたる点につきましては事務当局からも答弁させていただきますけれども、御案内のとおり、今回のウルグアイ・ラウンド緊急対策の中で農業農村基盤整備事業、これが重点になっております。そのうちで、委員も既に御指摘のように、六割は平たん部、四割を中山間地帯に置く。特にその中でも、今お話がございました中山間地域の地形の特殊性とがそれぞれの諸条件を十分に加味して弾力的に、効率的に、急速にというような諸点で行うために、中山間地域総合整備事業の大幅な強化をしたわけでございます。もう委員に対しては、御承知のところで、ちょうちょう申し上げるまでもございませんけれども、メニュー方式による事業の採択あるいはその補助率のかさ上げ等々、それから短期施工というような点に大幅な重点を置きまして、いわゆる中山間事業の基盤整備なり生活基盤の整備の中心にしたいというふうに考えて事業を進めようとしておるところでございます。 なお、御指摘の計数等については事務局から答えさせていただきます。
○野中政府委員 お尋ねの予算額でございますけれども、平成六年度の補正予算では百六十億円、平成七年度の予算では三百四十一億円ということでございまして、お話のとおり平成二年に創設をされましたけれども、当時の約八倍の予算額を七年度では計上しているところでございます。
○錦織委員 先ほど大臣の方から、この事業の特徴点は三点ある、こういう御説明でございました。メニュー方式で総合的に実施できるという点でありますけれども、従前のいろいろな単独補助事業がございましたが、これらとこの中山間地域総合整備事業との関係、あるいはこの総合整備事業の特徴点ほどのように理解をしたらいいのか。まず、その点について構造改善局長にお尋ねいたします。
○野中政府委員 この中山間地域総合整備事業の特徴でございますけれども、まず第一に、私どもは、市町村の自主的な構想に基づきます活性化計画に基づきましていろいろな事業をやっていただく。要するに、市町村の自発的ないろいろな構想に基づいて事業ができるということでござます。 それから二番目に、生産基盤と生活環境基盤の整備、これをメニュー方式によりまして、幾つか事業種類を挙げておりまして、その中で選択をできる、総合的にそれを実施していただくということでございます。それからさらに、三番目の特徴といたしましては、補助率でございますけれども、従来の圃場整備等四五%とかいろいろございますけれども、この事業につきましては五五%というような高い補助率にいたしております。それに伴いまして地元の農家負担も五%程度というふうに極めて軽減をされるというようなことでございます。それから四番目の特徴といたしましては、工期といたしまして五年を守りまして、迅速にこの事業の効果を発現をいたしたいというようなことでございます。
○錦織委員 これまでのいろいろな事業の実施状況を踏まえますと、それなりに効果を上げてきてはおるけれども、しかし、その事業の採択要件というものにさまざまな制約があるためにそれを使いこなせないというような批判がこれまでなされてきたわけであります。私どもは、やはりこれからの農業政策に当たっては、農業だけを切り離して論ずることが困難になっている、地域対策あるいは農村対策として展開をしていかなくてはいけないのではないか、そのような総合性というものが必要であるというふうに考えます。同時に、このような総合的な施策として展開していくためには、その地域の自主性が尊重されていく必要がある、このように理解をするわけであります。 そういう意味で、この中山間地域総合整備事業は、いろいろな意味でこれまでの事業とは少し趣を異にしている。つまり、私が申し上げたような総合性と自主性という観点から前向きに評価すべき、そういう芽を出している、このように考えておるわけであります。 そこで、私としては、この事業が今後大いに活用され、そして中山間地域の活性化につながることを期待をしているわけですけれども、この事業の性格等について、現実にこの事業を担っていく人々に対してこれまでどのような説明がなされたのか、あるいは今後それをどうPRしていくのかということについてお尋ねしたいと思います。
○野中政府委員 この事業につきましては、先生御指摘のように、私どもも中山間地域の活性化のための極めて重要な事業であるというふうに考えているところでございまして、これまでも各種の会議でございますとか通達でございますとか、それこそあらゆる機会をとらえまして、都道府県、市町村あるいは農業者の方にいろいろな御説明を行い、また御指導もさせていただいているところでございます。今後もこの事業の性格にかんがみまして、今回拡充をされました事業内容につきましても、一層そのPR、普及に努めてまいりたいというふうに思っているところでございます。
○錦織委員 その場合、この事業の直接的な担い手といいますか計画立案、これは地方自治体が行うものと思われますが、そうはいっても、実際にはその地方自治体の事業によって何を行うのかと言えば、先ほど申し上げたような農業ないし農村の活性化ということでありますので、そういう農業の担い手あるいは地域経済の活性化の担い手、こういった方々に対してのPR、説明が行われているのかどうか、もし行われていないとすればぜひそのような活動もあわせて今後行っていただきたい、このように思いますが、いかがでありましょうか。
○野中政府委員 私どもといたしましては、これらの事業につきまして、地域の担い手の方、農業者の方につきましても県、市町村を通じてPRを行っているところでございまして、現在まで事業の要望も結構上がってきているところでございます。 今後、お話のとおり、単に行政だけではなくて、これから本当に農業を担っていく方々というのは極めて重要でございますので、これらの方々への御説明、PRというのに一層力を入れていきたいというふうに考えております。
○錦織委員 ところで、この中山間地域総合整備事業は、平成二年度に事業自体としては創設されたということでありますが、今般、平成七年度の新規の施策として、この中山間地域総合整備事業の内容についてこれまでのものに比べて改良を加えられた、このように理解をいたしておりますが、どの点がこれまでの中山間総合整備事業と異なるのか、この点についてお伺いをいたします。
○野中政府委員 従来からの中山間地域総合整備事業でございますけれども、これは、数集落を単位として地域の活性化を図るというようなことを目的といたしまして、先ほど申し上げましたような事業を総合的に実施をするというものでございました。これに対しまして、今回は二つの点でその拡充を図っております。 一つは、広域連携型というような事業を新設をしたものでございます。これらは市町村の全域あるいは数市町村にまたがる広域を対象といたしまして、生産、生活基盤の一体的な整備、それから、この事業と連携をいたしまして、いわゆる地方単独事業によりまして地域の活性化に資する施設の整備を行っていく、こういうような連携を持ちまして、数市町村にまたがるような広域的な地域について地域の活性化を図っていただこうというような事業のタイプというのを一つ設けたということでございます。 それからもう一つは、先ほどの数集落単位で行います事業でございますが、そういう中にも生産基盤型事業というのを設けたわけでございます。これは、中山間地域の地形条件等に配慮をいたしました採択要件、あるいはそういうところに配慮をいたしました補助率できめ細かく農業生産の基盤整備を行うというようなことで、地域にマッチした高付加価値農業の展開あるいは国土・環境保全の機能の維持増進が図られるということを目的としたものでございまして、圃場整備を中心にこういう基盤整備だけでもできるというような事業の型というのを設けだというような点が大きな特徴でございます。
○錦織委員 今新しく創設された事業についての御説明をいただいたわけですが、従前の事業も含めて、それぞれの事業の採択要件がどういうものであるかということについてお尋ねをしたいと思いますが、その前に、一つだけちょっと今の答弁で気になる点がありましたので確認をさせていただきますが、地方単独事業との連携が可能なものは広域連携型の事業に限るのか、それ以外の類型の中山間地域総合整備事業も可能であるのか、この点はいかがですか。
○野中政府委員 一応今回の事業におきましては、地方単独事業によります施設といいますのは、農業体験等々の施設に関連をいたしまして農業の方だけではでき得ないような施設を整備をするというようなものでございまして、こういうような都市との交流その他を含めた施設というようなことになりますと、その施設の性格上、集落単位というよりもどちらかといえば連携した広域型の方でその需要が高いというふうに考えられるわけでございまして、一応、私どもといたしましては、この地方単独事業というのは広域連携型を中心に考えて拡充を図ったというようなことでございます。
○錦織委員 その点でありますが、地方単独事業との連携を考えていった場合に、もちろんその規模というものも考慮しなければならないとは思いますが、広域型でない場合であっても、中山間地域総合整備事業の特色をより生かすためには、地方単独事業とのいわば結合というものがあって初めてこの中山間地域総合整備事業の特色を生かすことが可能であると思います。つまり、先ほど申し上げましたように、今、中山間地域に問われているのは、農業対策というよりも農村対策あるいは地域対策という、そういう総合性が必要であるというふうに考えますと、広域的であるかどうかにかかわらず、そういう地方単独事業との連携が認められていた方がよりこの事業の特色を生かし得る、このように考えますが、いかがでしょう。
○野中政府委員 この事業の考え方は、広域の町村が連携をいたしまして活性化の構想をつくる、そういう中で、個別の農業施設のようなものは農業関係の事業でできるわけでございますが、地方単独事業で我々がイメージをいたしておりますのは、いろいろ都市の人に来ていただくような、ふるさと別荘とかオートキャンプ場とかクアハウスでありますとか、それから運動場でもかなり専門的な運動場というようなことでございまして、こういうようなものにつきましては、どちらかというと広域で活性化の構想をつくっていただく中で適切に配置をしていただく方がいいのではないかというようなことを考えているわけでございます。 そういう中で、個別の町村で農業関係の施設なんかっくるものは従来型その他でできるということでございますけれども、地域の活性化という意味では広域連携で、そういうような施設については広域の構想で考えていただいて、適切に配置をしていただくというようなことから、この地方単独事業との連携を考えているというようなことでございますので、御理解をいただきたいと思います。
○錦織委員 集落単位の事業であったとしても、これまでの我々の経験によれば、やはり先ほど申し上げた総合性、自主性という観点から、いろいろな事業採択に伴う要件が画一的であるために、現場に適応するときに必ずしもうまくいかない、こういったものをどうカバーしていくかという点が非常に大切である、こういうふうに考えますので、今の点は今後の宿題としてぜひ御検討いただきたい、こういうふうに思います。 そこで、先ほど申し上げたように、この中山間地域総合整備事業の各類型ごとの採択要件について次にお尋ねをしたいと思います。
○野中政府委員 採択要件でございますが、従来の一般型につきましては、先ほど事業的に申し上げましたが、集落を単位とした活性化を図るために、生産基盤、それから生活環境基盤の整備を総合的に実施をするというような地区でございまして、生産基盤に係ります二つ以上の事業、事業は幾つかございますけれども、二つ以上の事業を組み合わせていただいて、受益面積の合計が都道府県営事業でございますと、六十ヘクタール以上、それから市町村営事業でございますと、二十ヘクタール以上というようなことでございます。広域連携型事業につきましては、先ほど申し上げましたような市町村全域、あるいは数市町村にまたがる広域を対象として、生産、生活基盤の一体的整備、それから地域の活性化に資する施設の整備というような連携で、広域的な地域振興を図っていただくということでございまして、この採択要件となります面積につきましては、一般型と同じでございます。ただ、この広域事業につきましては、都道府県営事業だけということでございます。したがいまして、二以上の事業の組み合わせで、六十ヘクタール以上というのが面積の要件になろうかというふうに思います。 それから、生産基盤型事業でございますが、これも事業の内容的には、先ほど申し上げました。面積的な点だけを申し上げますと、圃場整備事業に係ります受益面積が、都道府県営事業にありましては二十ヘクタール以上、市町村営事業に当たりましては十ヘクタール以上ということで、従来の普通の圃場整備事業よりはかなり採択基準を下げているというようなことでございます。
○錦織委員 そうしますと、この一般型と広域連携型が同一の性格を持ったもの、そして生産基盤型は少し性格が異なる、こういうふうに理解をいたします。 そこで、この一般型、広域連携型についてお尋ねいたしますが、先ほど、これまでの事業のうちの二以上が必要である、こういう御説明でしたが、それは生産基盤整備事業のうち、二種類以上という意味ですか、それとも、生活環境の基盤整備事業と、例えば生産基盤整備事業から一種類ずつでもいい、こういうことなのか、その点はいかがですか。
○野中政府委員 農業生産基盤整備事業の中で、種類ごとでございますと、用排水事業とか、農道事業とか、圃場整備事業とかありますが、その中の二つを組み合わせをしていただく、その二つをとっていただくという意味でございます。
○錦織委員 そうしますと、最低限この農業生産基盤整備事業のうちの二種類の事業を包含しておればいい、こういうふうになるわけでしょうが、その場合に、その全体の事業規模のうち、この最低二種類を包含するところの生産基盤整備事業の事業規模の比率というようなものには、何らかの採択要件上の制約があるのでしょうか。
○野中政府委員 これはいろいろな事業のタイプかあろうかと思います。普通でいえば、組み合わせるわけでございますから、半々ということでございましょうけれども、採択に当たりましての縛りはございません。
○錦織委員 そうしますと、そういう意味では、かなりこの事業を進めようとする主体の側から見ますと、いろいろな意味で柔軟なものであるという理解をいたしますが、どこまでこの事業を使って事業展開をすることが可能であるかということについて、もう少し質問をさせていただきたいと思います。 そこで、具体的に例を挙げて質問をした方が恐らくわかりやすいと思います。これまでのいろいろな経験を見ておりますと、例えば圃場整備を行った、圃場整備を行って非農用地が生み出された、そのときにこの非農用地を使ってどうするかということが大変問題になるわけです。そこの、非農用地の使い方をうまくやりますと、この圃場整備というものが大変生きてくるという例をたくさん見聞きをしておるわけです。 そこで、この非農用地の利用をする場合に、農村の働く女性が、例えば保育施設があればより安心をして農作業に従事できる、こういうようなことも考えられるわけでありますけれども、例えばそういった場合に、非農用地を利用して託児所をつくる、この託児所の建設費用が例えばこの中山間地域総合整備事業の範囲の中で可能なのかどうか、それとも、それは地方単独事業の助けをかりなければならないのか、こういう点はいかがでしょう。
○野中政府委員 託児所の建設までは、私どもの農業施策の範囲では難しいかと思うわけでございまして、これらにつきましては、先ほどの地方単独事業を御活用いただくというようなのがいいのではないかというふうに考えております。
○錦織委員 それでは、同じように具体的な例を挙げて質問をさせていただきたいのですが、非農用地を使って、例えば中山間であれば高付加価値農業、それから労働力集約型農業、こういったものが今後可能性があるのではないか、これは農政審の答申でもそういうふうに書いてありますが、私もそういう可能性を追求すべきだ、こう思います。 例えば、そういう観点に立って、この非農用地を使って有機農業の技術開発をしたい、こういった場合に、民間のいわゆる田植え機の開発というようなものが今行われているけれども、そういうものをそこの施設を使って研究委託をするような、そういう企画を立てた場合に、民間に対する研究委託費をそこから出せるのかどうか、この点はどうでしょうか。
○野中政府委員 ただいまお話しの研究委託費の支出まではこの中では無理かと存じます。
○錦織委員 そうしますと、ある程度この事業といえども外縁がある。その先は、地方単独事業を活用するなり、あるいはその他の工夫をしてもらいたい、こういうことだと思いますが、この外縁ですね。つまり、限界は簡単に言えばどういうことなのか、締めくくりとしてちょっと御説明をお願いいたします。
○野中政府委員 私どもといたしましては、この中山間地域の農業を中心といたします地域の活性化に資するような施設というようなことで、個別にはいろいろなことがあろうと思いますけれども、それはまたいろいろと御相談をさせていただくといたしまして、一般的に言えば今申し上げたようなことではないかというふうに考えております。
○錦織委員 この事業は、そういう意味ではまだまだ工夫次第によってはいろいろな可能性を秘めているものと考えますので、従前のいわゆる縦割り型の行政あるいは縦割り型の予算、こういったものからくる制約を超えていく可能性を持っているという意味で注目をしているわけでありますので、今後行政当局としても大いに工夫をしていただき、そしてこの六年間の期間があるわけですから、そういった具体的な事業を採択し、展開をしていく中でいろいろな要望が出たら、十分そういうものを取り入れて、そしてよりよいものにしていただきたい、こんなふうに思います。 まだいろいろ聞きたいことがこの事業に関連してございましたが、時間が参りましたので、この程度で終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○中西委員長 石破茂君。
○石破委員 昨年のWTOの特別委員会でも幾つか御質問をいたしました。得心がいかないところを繰り返して質問をさせていただくような形になります。お許しをいただきたいと存じます。 冒頭、今の時代認識なんですけれども、幾つかの論説にもございますが、どうも大正時代と似てるねと言う方がおられるのですね。起こっている事象を見ると大正時代と非常に似ている、酷似していると言っても過言ではない。 大正時代というのはどういう時代であったかというと、まず第一次世界大戦があった。日本は戦場でもなかったし、そしてまた連合国側であったから、ヨーロッパにいろんなものを売って大金持ちになって、一種バブルのようなことが起こった。戦争が終わると同時にがたんとこれは不況になって、大不況というものがやってくる。そういうような時代であったと思います。米騒動というのは、くしくもそのころに発生をしておる。一九一七年だったと思いますが、ロシア革命が起こってロシアがソビエトになった。世情というのは非常に不安定になったというふうに聞いております。軍縮だ、軍縮だというかけ声が随分と叫ばれて、ワシントン条約なんというのがあったのもそのころであります。そして最終的に何が起こるかといいますと、関東大震災が起こって、そして政治不信が極に達する。やがて起こってくるものは、皆様方御高承のとおりであります。 もちろん年代的な若干の相違はございますが、今もそれと似てないであろうかと。冷戦が終わった、バブルがはじけた、大不作が起こった、軍縮、軍縮というかけ声があって、そして阪神大震災があった。何だか非常に似ておるというような気がしております。浮かれておったのがどんといろんな現実を突きつけられて、これで本当にいいのかねということを今考えなければいけない、私はそういう時代にあるだろうというふうに考えておる一人でございます。 さて、長い間、米の自由化はやらないんだと、例外なき関税化は絶対に阻止するんだと、ミニマムアクセスもだめであるとこの点についてはいろんな御議論があろうかと思いますけれども、とにかくそういうことはだめだということで、全党がずっと言ってまいりました。選挙の公約でも、今の与党であれ野党であれ言い続けてきたことのはずであります。しかしながら、残念だけれども、それを一〇〇%、公約も国会決議も守ることができなかった。それで、別枠かどうかは御議論のあるところだと思いますが、六兆百億円というものを提示をして、これで何とかラウンドを乗り切っていくんだ、こういうようなお話であったかと思います。 二月二日の日本経済新聞の社説でありますが、こういう見出してあります。「増税論議より予算の組み替えが先だ」というような題名のもとに論陣を張っておる。こういうような見方も世の中にあるということで、大臣、お読みになったと思いますが、ちょっと引用してみたいと思います。 つまり、これが言わんとすることは、農業予算というのは不要不急であってそんなに急ぐものではない、増税をするとかなんとかそういう話をする前に、六兆百億をそんなに急いでやることはないんだから、震災復興に回すべきであるというようなことであります。そこにはこういうように書かれている。「その予算が今年度の一次補正、来年度予算案に計上されている。」ラウンド予算のことであります。 「予算案の組み替えは考えない」ということは、一部農家からもバラマキ批判が出ている「今そこにある無駄」に目をつぶり、今そこに迫っているかもしれない次の大地震対策を怠る、ということだ。 農業対策費を削ると農林族議員の反発が怖い、というのが本音かもしれない。しかし政策のプライオリティーをつけることこそ政治の機能だ。優先順位をつけられない政権に増税を許せば、税金はとめどもなく膨張する。「族議員にやさしい政治」を貫くのはやめてもらいたい、こういうような論説であります。そしてまた、日経連の会長もそのようなお話をなさっておられるやに報ぜられております。私どもは、六兆百億円というのは別枠で絶対に確保しなければいけないんだというふうに言い続けてまいりました。その成果はかなり上がっておる。これは本当に与野党ともに皆の成果であるというふうに思っておりますが、今回の震災でそういうような話が出てくるというのは一体これはどういうことなんだろうかと、私は非常に残念に思っておるのであります。大臣の御所見を承りたいと存じます。 〔委員長退席、鉢呂委員長代理着席〕
○大河原国務大臣 そういう意見が一部新聞等の論説なりあるいは経済団体の責任者等からいろいろなされているということを承知しておりまして、まことに残念だと思うわけでございます。ガット・ウルグアイ・ラウンドについては、石破委員よく御案内のとおりでございまして、米の部分開放あるいはすべての農産物の関税化、これを受けて、日本農業の衝撃を緩和しながら次の展望を開くという緊急対策として我々は確保したつもりでございます。これは石破委員も御同様だと思うわけでございます。ばらまきといいましても、農業政策は御案内のとおり施策が多岐にわたります。非常に多岐にわたるわけでございまして、それをもってばらまきという批判は私は当たらないと思うし、もちろん執行等については厳密な対応が必要であるというふうに思うわけでございます。 しかも、緊急な六年間の対策を補正予算で、緊急性に配慮して平成六年度補正予算で相当額を組みました。さらに平成七年度の予算で裏打ちいたしまして、初年度のスタートに当たって十分な予算が確保されたわけでございまして、緊急対策がスタートしたばかりの今日でございまして、これに対して、もちろん大震災に対する対策、あらゆる財源を調達してこれに充てるのは国全体の立場として当然でございますけれども、我々としては、仮にもこのような緊急対策の財源の一部を振りかえるという議論に対しては、全く同意しかねるところでございます。
○石破委員 先ほど与党委員からも御質問がございましたが、重ねてお尋ねをいたします。食糧自給率は幾らですか。そして、それを穀物自給率、カロリー自給率でやるとどうなりますか。そして、私は、穀物自給率というものにそんなに意味があるとは思っておりません。カロリーで見るべきだというふうに考えておりますが、その点はいかがか。 そして、日本の国の自給率は一体世界で何番目に位置をするか、その日本と同じような自給率の国はどこか、お尋ねをいたしたいと思います。
○高橋(政)政府委員 我が国のまず食糧自給率でございますが、平成五年では、熱量で見た自給率で申し上げますと三七、穀物自給率では二二でございます。平成五年は、お米が特に不作であったということで特別の年がと思いますが、その前の四年でございますと、供給熱量の自給率が四六、穀物自給率が二九でございます。 それから、何番目ぐらいに位置しているかということでございますが、百十何番目ぐらいであると記憶しております。
○石破委員 カロリーと穀物との自給率は、これはどちらをとるべきだと思われますか。そこをあいまいにして議論しますとおかしなことになりますが、自給率を上げるのは簡単な話で、牛肉を食べるのをやめれば何ぼでも上がるわけですね。私は、そういうような議論をしても余り意味がないので、カロリー自給率で見るべきかなと思いますが、いかがですか。
○高橋(政)政府委員 一般に、世界的にも大体カロリー自給率で比較をしているようでございます。
○石破委員 日本の自給率は、百十八位からもっと下がって百二十位から百三十位の間になるんだそうですね。似たような国というのは、これは新聞報道ですが、フィジーとかガボンとかアルジェリアとかコンゴとか、そういう国と大体似たような自給率にあるということだというやに聞いております。先進国中最低であるということは、ずっと議論をしてきておることなのでございます。 問題は、二〇二五年という年があって、この年はどういう年なのかというと、恐らく今のままいけば地球の人口は最大になるであろうと言われておる年でございます。その年は我が国にとってどういう年なのかというと、くしくも高齢化比率が一番高くなる年が二〇二五年であります。今から三十一年先で、私も高齢者の仲間に入ります、そのときは六十九歳になりますので。世界の人口は最大になる、日本の高齢化比率も最大になる。そのときに、本当に日本の国にお金があって、世界じゅうから食糧が買えるかねというと、それは甚だ怪しい話なんだろうな。これから先、世界でグリーンレボリューションというのも大体一通り済んでおりますから、これから食糧生産が上がるということは非常に想像しにくい。さればこそ、我が国は独立国の義務として食糧自給はやっていかなければいけない、こういう理屈は今から三年も四年も前からずっと私どもが言い続けてきたことであり、そのことは毫も変わっておらないというふうに私は思っておるのでございます。 新政策も食糧自給率の低下傾向に歯どめをかけるというお話ですが、どんどんどんどん下がってもだれも何の責任もとろうとしないし、それが大きな問題になったという話も余り聞いたことがない。本当に食糧自給率というものを、自給力と置きかえてもいいですが、自給率という言葉の方が私はより適切だと思っている、自給力と言うと何かわけがわからなくなりますので。どちらにしても大差はないと思っています。このことは、やはり政策目標としてきちんと据えていかなければいかぬのじゃないのか。自給率がこれだけ下がったということであれば、それは、今までとにかく例外なき関税化絶対阻止だということで言ってきた政府も、そしてまた我々議員もきちんと何らかの責任をとるということが必要なのではないかというふうに考えますが、いかがですか。
○大河原国務大臣 我が国の自給率が逐年低下しておるというわけでございます。御指摘のとおりでございますし、先進国でも非常に最低だということもしばしば指摘されるところでございます。 そういう点で、御案内のとおり、先般の農政審議会の答申でも、国内資源を最大限に活用して生産の維持拡大を図って、そして自給率の低下に歯どめをかけるということが提案されておるわけでございまして、我々といたしましても、その前提としての需要の動向なりあるいは供給の動向を見定めまして、新しい需要と供給の長期見通しを平成十七年を目途にして、昨年の九月から始めておりますが、今、作業を一年目途で急いでおるところでございます。そこで一つの目標を明らかにして、それに対する各般の施策を講じたい、さように思っておるところでございます。 さらに申し上げれば、石破委員、自給率問題はなかなかに難しい問題もあることも御理解願いたいと思います。御案内のとおり、需要が分母でございます、供給が分子でございます。今日の我が国の高度に多様化した食生活を前提として、しかも食物の選択は消費者の自由になっておるというようなところは社会主義経済計画と違います。他方、作物におきましても、その作物の選択その他については、生産者の第一次的な意向である。そういう中において、需要に対する規制、抑制はなかなか難しいというわけでございますし、生産については、今申し上げましたような生産者の選択もある。 しかし、そうは言っておられないということで、まず供給力を強化するということが、分子の部分を大きくするということが大事でございまして、もう釈迦に説法でございますけれども、整備されて高い地方を持った農用地と、それに管理された水、さらには高い技術、それを背景といたしました効率的、安定的な経営が我が国の農業生産の大宗を占めるような体制をできるだけ早期につくり上げる。私どもが供給力と言うのはそういう意味でございまして、このたびのガット・ウルグアイ・ラウンドの国内対策における各般の施策も、それに向けて集中しておるということを御理解願いたいと思います。
○石破委員 自給率は穀物で七%減、カロリーで九%減のはずですね。これの理由は、言うまでもなく冷夏による不作のはずでございます。 私は何でこういう話を延々としておるかというと、七年目以降をどうするんだということなんですよ。私は、おととしの十二月ですか、細川内閣当時、やはり野党自民党でここに座っておって、そして畑大臣に七年目以降どうなるのですかということをお尋ねをした。そして、昨年のWTOでも、今度は大河原大臣に、河野外務大臣にも、七年目以降どうなるのですかということをお尋ねをしたのであります。異常気象というものが来ないという保証はどこにもないですね。 それで、何分初めてのことなんでというのが最近はやっておりますが、何分初めてのことなんでで済むのであれば、政治の責任なんというのは放棄したに等しい。初めてのことにどうきちんと対応するかというのが政治の責任であって、何分初めてのことなんで対応できませんでしたで済むようなお話だと私は思っていない。それは、自分のことではなくて、被災地のことだと言った人もおりましたが、何にしても初めてのことにどう対応するかというのが大事なことだと思っております。 昨年の委員会でもお尋ねしましたが、七年目以降についての我々の方針、日本政府の方針がどういうものであるかということは、やはりきちんと明示をする必要があるのじゃないだろうか。つまり、ラウンド対策というのは七年目以降というものを視野に入れて、この間どうしますか、この間どういう対策をとりますか、七年目以降に政府はこういう方針で臨みますよということがなければ、対策の立てようがないし、農家にしても規模拡大のインセンティブがなかなか働かない。やってみなければわからないということはわかりますよ。確かに去年の答弁でも、やってみなければわからないんだから、それは外交交渉だから、委員御高承のとおりというお話だったというふうに記憶をしております。 しかし、我々がずっと何年も何年も言ってきたことは、少なくとも例外なき関税化というものはだめだ、例外なき関税化をやったとするならば、規模からいっても何からいっても日本の稲作というのはもつはずがない。自給率がこんなにがたがたに下がっても、米を自給しておきさえすれば、ぜいたくをしない限り何とか我が国はやれるというのが前提だと思っていますね。牛肉を食べるだの何だのというぜいたくをしないで、イワシを食べて、サンマを食べてやっておれば、日本の国はやれないことはない。だから、例外なき関税化ということは、今の円の水準からいっても、そしてまた規模からいっても、労賃からいっても無理なんだから、例外なき関税化だけは絶対阻止するんだということをずっと言い続けてきたはずでありますしかるに、今回、ラウンドをのむに当たって、WTOが発足するに当たって、とにかく例外なき関税化は阻止するんだという方針をなぜ政府が出せないのか、そこが私には得心がいかない。御説明をいただきたいと存じます。
○大河原国務大臣 お答え申し上げます。 たびたび繰り返しておりますように農業協定の最終で、米については御案内のとおり特別措置がとられたわけでございます。ミニマムアクセス四%から、実施期間八%までの受け入れを前提とする措置がとられたわけでございまして、この七年目以降どうするかという問題については、委員もただいまおっしゃいましたように、六年目からの交渉によって決まるわけでございます。ただし、これについては御案内のとおり、追加的あるいは許容し得るような諸条件というようなものがついておりまして、関係国との交渉によって決まるという面があるわけでございますけれども、それによっていかなる立場をとるのが最も我が国の米を守る上において有利であるかという点については、これから六年目もすぐたってしまいますので、早い時期からこれについての検討を重ね、また周辺の関係諸国等の意向等も承知しつつ、米を守るという立場で結論を得るように努力をするのが我々のなすべき態度であるというふうに思っております。
○石破委員 別に意地悪を申し上げるつもりは全然ないんですが、その例外なき関税化ということも可能性としてはあり得るということは一つ局面が変わることだと思うんですよ。今まで例外なき関税化は絶対にやらないんだと言ってきたことと、そしてまた外交交渉である七年目以降もそれを継続しようとすれば、何か代替措置を出さねばならない、いろんなことは私もよく存じております。しかしながら、例外なき関税化というものは阻止するんだということを断言できない、それもあり得べしということは、一つの局面の変化ではないのかなというふうに思っておるのであります。 要は、冒頭に日経新聞のお話をしましたが、本当に納税者の側というのでしょうか、消費者の側もそして生産者の側も、ラウンド対策の六兆百億円は何のために使われるんだ、目標はここなんだということがきちんと認識をできておれば、こういうめちゃめちゃな話は出てこないと思うんですね。その辺をどうやって納税者に理解をいただくか。農業をきちんと守っていくということはだれのためでもない、消費者のためでもあるわけですが、七年目以降どうするかということについて、例外なき関税化もあり得べしということなんでしょうか。
○大河原国務大臣 いろいろなケースがございます。特別な措置を継続して、それによってしかも最小限度の追加的な譲歩を避けまして対応するというケースもございますし、高率な関税ですね、禁止的な関税を確保して、それによって米を守るというケースもあるわけでございまして、いろいろなケースがあるわけでございまして、それまでの時点で我々としては検討をしなければならない、さように思うのが現時点のお答えでございます。
○石破委員 やはり私どもは、例外なき関税化というものは阻止しなきゃいかぬという観点に立ってやっていくべきであるというふうに思っております。それはもう、大臣から何度も教えていただきましたように、労賃からいおうが、規模からいおうが、円の水準からいおうが、例外なき関税化になったらそれはもたぬよ、幾ら何でも。しかし、それを承知の上でこのラウンド対策、どこまでやっていくんだという認識をそれぞれの地区、市町村、農家、農民、それに持たせないと、私はこのラウンド対策というのは失敗しちゃうんじゃないかという気がしているんですよ。このラウンド対策と符合するものが新政策であります。 地方を回ってみますと、新政策なんてどうせできやせぬよ、そんなこと、うちの地区には不可能だよということを結構言う人がいるんですね。そしてまた議員の中にも、ほかの委員会で私は聞いたんですが、そういうことはまあなかなか難しいですねということをさらっと言われる方がある。私は、新政策というのはそんなにないがしろにされていいものだと思わないし、きちんとやっていかなければいけない。逆に言えば、新政策をきちんとやることだけがこのラウンドを乗り切ることである。新政策と六兆百億円というのは整合性を持ち、符合したものでなければいけないというふうに思っておるんです。 おさらいになって恐縮ですが、新政策が出てきた背景は何なのかということであります。それは前回行われた農業センサスがそのことの背景になっておるはずだ。農業センサスで出てきたものは何か。そしてそこで出てきた農業センサスを見れば、基幹的農業従事者は二〇〇〇年には半分になるということが出ておったはずであります。間違いありませんか。 〔鉢呂委員長代理退席、委員長着席〕
○高橋(政)政府委員 基幹的農業従事者の動向の見通してございますが、平成十二年で二百十万人、平成二年で三百十三万人でございますので、三分の二ぐらいという、そんな予測でございます。
○石破委員 三分の二ですか、私は半分というふうに記憶しておりますが、もう一回数字を言っていただけませんか。
○高橋(政)政府委員 平成二年が三百十ですね。それで平成十二年が二百十ですから、百万減るということで、おおよそ三分の二の水準でありますということです。
○石破委員 そうなりますと、米の生産量はどれくらいになりますか。
○大河原国務大臣 米の生産についての影響はあるかと思いますけれども、生産量がどのぐらいになるというのは、その残った、稲作に対して継続しようとする経営がこれを支えるということでございまして、必ずしも生産量が激変するとかそういうことはないと思います。
○石破委員 たしかあのときにいろんな議論が交わされたと思いますが、私の記憶でいきますと、このままいけばという前提ですよ、このままいけばどうなってしまうだろうか。このままいけば基幹的従事者は恐らく三分の二ないし二分の一になるであろう、高齢化が進む、後継者がいない、よって耕作放棄地も出るであろう、このままいったとするならば、米の生産量は七百万トンから八百万トンに落ちるのではないか。さすれば、減反を全部やめたとしても、恒常的な米不足が起こるではないか、それでは大変だということで新政策を出したというふうに私は理解をしておるのでございますが、そうではありませんか。
○大河原国務大臣 直接的な米の生産量よりも、やはり基幹的労働者が今も申し上げた期間に百万人も減る、したがって、その効率的、安定的な担い手、これを早くつくり上げて農業生産の大宗を担わせなければ相ならぬというのが新政策の目標でございます。御案内のとおり、個別経営体で三十五万ないし四十万をつくる、単純な稲作単一経営なんかで現在の中型機械化体系なんかを前提とした規模等を示しておりますけれども、あるいは複合経営の数を示しておりますけれども、あるいは集団的な生産組織等の組織経営体も示しておりますけれども、それらについてのあるべき目標の類型とその経営体数等を示しまして、それによってこの基幹的労働者の老齢化、減少、リタイア、これを受けとめるというのが新政策の内容でございまして、あえて申し上げれば、ウルグアイ・ラウンドの国内対策も二十一世紀においてこのような新政策の目標を実現するための対策、それがウルグアイ・ラウンド対策だということで各般の施策を展開しておるところでございます。
○石破委員 いろいろな言葉の定義を整理しておく必要があると思うのですね。今度新しくセンサスをやるように聞いております。五年に一回の農業の国勢調査と言われる農業センサスですね。農家というのは何なのだろうかということであります。農家の定義をどうするかということですね。今のところでは、農家の定義というのはこうじゃないかと思うのです。経営耕地面積が東日本では十アール以上、西日本では五アール以上の農業を営む世帯、及び経営耕地面積はこれ以下であっても、過去一年に自分がつくった農産物を十万円以上販売した者ということに農家の定義は定義づけられていると思いますが、いかがでございますか。
○高橋(政)政府委員 現在の統計ではそういうことだと思います。
○石破委員 これから重要なのは経営体という認識だと思うのですが、この農家の定義でこれからもいけますか。
○高橋(政)政府委員 我々が政策を展開するに当たって、どういうような層をどんなふうにとらえていくかということは非常に重要なことであるというふうに思っております。そうした場合に、我々が経営展開をするときに目指していく、いわゆる政策の対象になっていくようなそういう層をつかまえていくということも今後考えていかなければいけないというふうに思っております。我々も内部ではそういう議論も現在しているという状況でございます。
○石破委員 そうしますと、今度新しいセンサスでもこのまま踏襲をしていくということですか。何か変化がございますか。つまり、経営体というものに着目をするならば、そこのところの定義というものをきちんとしていかなければいけない。ECではよくデカップリングが行われておる、我が国でもデカップリングをやるべきである、こういうような論議が随分あります。私は直接所得補償がそのまま、悪いとは申し上げませんが、構造改善がきちんと進んでおらないところで、単にお金を投げるというようなことはするべきではない。きちんと構造改善事業をやった上で、確かに国土の保全であり集落の維持でありということはしなければいけないとは思っておりますが、つまり、ECとの比較論というのがよくなされる、かなりこれはエモーショナルなものが入っていると思うのですね。じゃあ、日本がこれから経営体というものに着目をしていく上において、本当に農家というのは何なのでしょうねということを考えていく必要があるのじゃないでしょうか。ECの定義では、自給的農家というのはこの農家の定義から外しているはずですね。この辺はどう思われますか、
○大河原国務大臣 この点については、確かに今も官房長がちょっと申し上げましたように、農業政策の視点、これを決めた段階でそれぞれ対象とするその農家の概念を確定して明確にするのが筋だと思うわけでございます。そういう意味では、完全な自給農家については統計上これを別にするということも一つの考えかと思うわけでございます。ただ、統計の連続性という技術的な意味がございます。自給的な農家なりあるいは非常に規模の小さい農家の変化はどうだという場合の、変化を見る統計の連続性というものがあるわけでございますとともに、もう一つは農村地帯においては専業的な中核になる農家もございますし、あるいは第一種兼業的な農家もございますが、他の収入に依存するような、ほとんど農業経営が副次的な二種兼業農家等もある、等々ございます。自給農家も農家という概念で地域としてのあれが成り立っておるという点もございまして、そういう点でそういう方々が、いわゆる何という言葉でございますか、切り捨て的な、そういう印象を与えることはいかがなものかというような実は有力な意見もございまして、その点についての結論についてはまだ出しかねておるところでございます。
○石破委員 もちろん大臣がおっしゃいますように、切り捨てとかそのようなことはあってはならない。ただ、農業政策の範囲内、農業というものを業として考えるか、それともそうではないのかという議論も随分前からございますが、このセンサスを機会に、その辺の概念はきちんとしておく必要があるのじゃないだろうか。やはり、中山間の崩壊状況というのはかなり大変なものがあると思っているのですね。小農切り捨てはしないんだ、零細切り捨てはしないんだとずっと言ってきたわけですが、切り捨てなくてもどんどんなくなってしまっているという現状がございますよね。切り捨てないんだという言葉はもちろん大事ですが、しかし、それが本当に集落の維持、中山間の維持につながっているかというと、私はあながちそうでもないような気がしているのです。そもそも農家とは何なのだろうかということを農政というのはもう一度打ち出していく必要があるのじゃないだろうか。農家とは何だろう、そしてまた、農業政策によってカバーし得る範囲はどこなのだろうかということを、私は大河原大臣にはっきりしていただきたいと思うのですがね。
○大河原国務大臣 農業政策を本当に経済政策として純化して、それによって効率性を高め、割り切る時期が来ておるという御指摘だと思いますが、その点については、有力な御意見として今後検討をさせていただきます。
○石破委員 そういうようなお話のもとに、新食糧法案についてお尋ねをさせていただきたいと思います。 昨年、私どももこの法案に賛成をいたしました。したがいまして、ともに責任を負わねばならないというふうに考えておるところでございます。 問題は、このことはまた後の論議にということに相なりましたが、要は、生産調整というのは本当にうまくいくのかね、その実効性はどう担保されるのかねということが第一点。そしてまたもう一点は、価格というのはどうなっていくのだろうか。暴落した場合にはどうなるのだろうか。米価の機能というのは一体どういうふうになっていくのだろうか。この二つはやはり疑問として氷解せぬまま残っておるような気が私はしてなりません。 まず、この新食糧法案というものを確実に動かす前提というのは、きちんと、生産調整がうまくいくということなのでありましょう。しかしながら今度は、強制力は伴いませんよ、ペナルティーは科しませんよ、自主的な判断でございますよ、こういうお話であって、強制力を伴わないで生産調整をしようと思えば、経済原則で損だ得だの世界、これに入っていかざるを得ない。強制力を伴わなければそれしかないですね。なかなかそれぞれの経営体が世のため人のためなんというふうに、自分が犠牲になってもしょうがないよというような方はそうはおられない。経済というのはそういうものであるというふうに考えております。 今回生産調整をやる場合には、過剰をどういうふうに抑えるかということ、これが必要である。法案には、生産者の自主的な判断に基づく調整、こういうふうになっている。先ほど申し上げたように、ペナルティーは廃止しますよ、限度数量のカットはないし、補助金のカットもありませんよということになっている。メリットは何かといえば、転作奨励金であり、政府の買い入れは生産調整農家からのみ行う、こういうような御説明であります。本当に、じゃ、ことしの需給調整というのはうまくいくのだろうか。緊急輸入米も随分と余っておるようでございますが、その点の見通しはいかがですか。
○大河原国務大臣 御案内のとおり、新食糧制度におきましては、民間流通である自主流通米の流通が基本になるわけでございます。したがって、全体の需給の確保におきましても、何と申しますか、その生産者の自主的な調整がやはり前提にならなければならないという一つのベースがあるわけでございます。それなくして今度の、このたびの全体需給の調整はなかなか難しいという前提がございますが、お話しのように、さらに政府の買い入れあるいは助成、生産調整のやり方の多様化、例えば本年度から既に採用しておりますような水張り水田、水田の段階における調整というような、多様な生産調整の手法を用いまして需給調整を行おうとするわけでございまして、私は、この点については、その大きな、まさに民間流通、自主流通米が主体であるという一つの流れの中で、生産者なり生産者団体が一段と自主的な調整、いわゆる共販、本来の意味の共販的なもので体制をつくっていただいて、その上で国の各般の、ただいま申し上げました措置によって達成されなければ相ならぬというふうに思っておるわけでございます。 なお、石破委員は輸入米のストックの点もお触れになりましたので、ついでに申し上げますが、御案内のとおりでございまして、平成五年の大不作に伴ってその急速な備蓄が必要だということで、平成六年と七年で六十万ヘクタールの生産調整を予定したわけでございますが、平成六年の大豊作で、二年間で在庫調整百三十万トンという予定が、本来の十月末には大体百六十万トンぐらいの政府在庫ということが予想されておるわけでございますが、今日これについては、政府米と自主流通米との特別な操作、生産者団体の在庫調整、在庫保有、調整保管、あるいは政府米の売りを抑制して自主流通米を売り進めるとか、各般の調整によりまして過剰な自主流通米についても本来の価格水準に落ちついてきたというのが現況でございます。 それから、緊急輸入米については、残念ながら九十六万トン程度現在残っておりますが、これはもう国産米に影響を及ぼさないように息長く処理をしなければ相ならぬということで、現在、援助用等の道についての努力、あるいは最後は飼料用等の処分というものも腹を決めまして、国内の需給に影響を及ぼさないような努力をいたしたい、さように思っておりまして、まあ、昨年の豊作に伴って需給関係が大変緩んでおりまして、なかなか苦労しておりますけれども、そのようにして需給の安定に努めておるところでございます。
○石破委員 これはもう、だれがやっても極めて難しいお話だと思いますよ。これはもう私も、じゃ、どんなことをやれるんだと言われますと答えようがないです。だから、そんなことを前提に聞くのは無責任であるということでじくじたる思いでありながらあえてお尋ねをいたしますが、それだけ余っているわけですよね。輸入米は余っている。六年の豊作による過剰というのは百五十万トンぐらい多分あるでしょう。それで、ミニマムアクセス分がそれに入ってくる、三十八万トンぐらいですかね。そうなって入ってくると、さて、政府米というのは、大体百五十万トンプラスマイナス五十万トン。一番上で二百万トン、下で百万トン、こういうお話になるわけですが、そうしますと、さて、転作に参加した農家からしか買ってあげないよということなんですが、もういっぱいなんじゃないの、そもそも買ってもらえないんじゃないのということがこのままいくと不可避であるなというふうに思います。 それで、息長く処理されるとおっしゃいましたが、どういう形になるんだろうか。どっちにしても、えさ米にしろ援助米にしろ、財政負担は納税者の負担によって行わねばならぬ、自明のことでございます。そういうことになるんだろう。そしてまた、ミニマムアクセス分はどれだけ備蓄に入ってくるのか。重ねてのお尋ねになりますが、数字がある程度明らかになっておりましたらば、お答えをいただきたいと思います。
○大河原国務大臣 今の石破委員のお話でございますけれども、このような平成六年の大豊作による過剰基調、これに対しては、御案内のとおり、平成七年度につきまして、その調整面積を二年間生産者に六十万ヘクタールとお約束をしたのを、自主流通米についてのこのような値崩れ、価格の低下、過剰ということから御理解をちょうだいいたしまして、八万ヘクタールの追加調整を行うというようなことで、いわば在庫にすき間をつくるというか、ゆとりをつくるということで在庫量の努力をしたところでございまして、それによって来米穀年度末の在庫についてもある程度のゆとりができるのではあるまいかということでございます。また、何と申しますか、そのミニマムアクセス等の受け入れのすき間もつくっていくというふうに考えられております。 いずれにいたしましても、なかなか需給関係厳しゅうございます。過剰的な傾向における需給関係、厳しいところでございますけれども、我々としては最大限度の努力を続けていきたい、さように思っております。
○石破委員 そうしますと、ミニマムアクセス分はどれだけ備蓄に回るのでございましょうね。
○上野政府委員 精米ベースで四十万トン足らずがミニマムアクセス初年目の数量ということになるわけでございますが、内外無差別の原則というのがございまして、国内米の生産量のうちどれぐらいを備蓄に回すかというのは、大ざっぱに言って百五十万トンだとしますと一五%ぐらいということになるわけでございます。そのパーセンテージぐらいを基準に考えれば内外無差別の原則というような考え方には対応できるという考え方もあるわけでございまして、そういうふうに考えますと、四十万トンの一五%といえば六万トンぐらい。したがいまして、十万トンぐらいの範囲で、ある程度のアローアソスはあろうかと思いますけれども、その辺の、国内米とのバランス関係やなんかを考慮しながら考えていくということになるのじゃないか、こういうふうに思っております。
○石破委員 そうしますと、大体十万トン、多少のアローアソスはあろうけれどもそんなものだということですね。 それで、政府米というのは百五十万トンプラスマイナス五十万トンであると。それで問題は、生産調整に参加したら本当に買ってもらえるのかねということだろうと思いますね。これはもう、そのときの需給調整というのは、これだけ二種兼が多くなってきますと、本当に農家が自主的に判断してみろといっても、それはなかなか難しいお話であります。本当に買ってくれるの、買ってくれないのということ、これはやはり大事なことだろうと思っているのですね。 今回、新食糧法案の中で、暴落対策というのが落ちたのはなぜなんだろう、ここがよくわからない。今までは、米価というのは下支え機能でやってきたわけですね。しかしながら、今回、この新食糧法案を読んでみますと、暴落する事態が絶対にないという保証はないだろうと私は思っているのです。政府米に行ったって、買ってもらえるか買ってもらえないかわからない。買ってもらえないのだったら自主流通米に出してしまえ。そうすると、飽和現象が起こってどんと下がる。政府米が自主米よりも高いという逆転現象だって理論的にはあり得ることだし、実際面もあり得ることだろう。これは去年もお尋ねをいたしました。 それで、そんなことはないというお話だったのですが、本当にないのでしょうかね。私は、やはりそこで暴落をとめるための歯どめ措置というのがある程度は必要なのじゃないかというふうに思います。そうでなければ生産調整というのはなかなかうまくいかないような気がいたしておりますが、いかがですか。
○上野政府委員 この暴落というのが起こってまいります原因、そこら辺の議論というのが一つはあるのじゃないかというふうに思いますけれども、ごく普通に考えまして、天候が非常によかった、豊作であったということで供給量がふえたから価格が下がるというような事態を普通に考えるということにいたしますれば、豊作といっても、際限のない豊作ということでもないのだろうというふうに思うわけでございます。 豊作の状況を過去の実績で当たってみますと、私ども去年の豊作というのをどう考えるか、これが何年に一遍くらいあるかというような見方はあるのだろうと思うのですが、通常の、言うなれば豊凶変動というようなことで出てくる頻度というのは、作況指数で五くらいの話なんではないかな、大体その範囲でおさまるのではないかというふうに考えておるわけでございますけれども、そうしますと、やはり豊作のときに出てまいります供給過剰の数量というのは、そこそこ考えられる程度のものである。 それは、どういうふうに次は処理をするかということになるわけでございますが、先ほど委員おっしゃいましたとおり、百五十万トンという備蓄数量を基準といたしまして、上の方に五十万トンくらいのアローアソスは持って備蓄の運営をしていく。それから同時に、私どもとすれば、今度の制度というのは民間流通でございます自主流通米というものが中心になった制度だというふうに考えておりますので、豊作の場合の供給過剰の需給調整というものも、自主流通米関係者にもこの面での対応をとっていただかなければならぬだろうというふうに思っております。そうしますと、政府の備蓄のアローアソスなりあるいは自主流通米の関係者が講じられます自主調整保管、こういうものを組み合わせて対応することによりまして、先ほど申し上げましたような豊作で出てくる供給余剰というようなものについては、これをコントロールすることができるのではないかというふうに考えているところでございます。
○石破委員 そうであれば、まことに結構なお話だと思います。そうあれかしと願っております。ただ、そうならないことが私はあり得るだろう。そのときにどうするのかということを考えるのが政治の責任なんでしょうね。初めてのことなのでわからなかったじゃ済まない。やはりそのあたりの懸念というのがどうしても払拭ができないのであります。 そしてまた、調整保管というお話、今長官なさいました。これは政府がやるわけじゃありませんね。そういうような機構がやるわけであります。本当にそれはどれくらいの量を予定していらっしゃいますか、そしてどれくらいのお金がかかると思われますか。金利、倉敷ですかね。
○上野政府委員 数量的には、これは自主流通米の関係者の方々がその時々の需給事情を見て、有効な対策はいかなるボリュームのものであるかという御検討が当然おありになられるだろうと思うわけでございまして、私どもが一方的にこれくらいというふうに申し上げるのは適当ではないのではないかというふうに思っておりますけれども、その時々の状況によって考えていかなければならない話ではございますが、私どもと自主流通米の関係者との間で、同じくらいの責任の分担割合で調整保管をしていくのがいいのではないかなというくらいの感じを現在持っているということでございます。
○石破委員 量はどれくらいで、金額はどれくらいになりますか。
○上野政府委員 したがいまして、量的な問題というのは、先ほど申し上げましたように、際限もない大きい量ということではなくて、全体で五ポイントくらいのところくらいが普通なのではないか。そうすると、一千万トンの生産量であれば五十万トンくらいの話ということが調整の対象がなと一応思っております。 それから、金利、倉敷の話というのは、これは大体現在のところ、計算の仕方もあるかもしれませんが、トン大体二万円くらいだったのではないかというふうに思っております。それを掛け合わせて考えていくということになろうかと思います。
○石破委員 そうなりますと、実態、農協の経営というのは今そんなにいいとは思っていないんですよ。たしか四年連続減収、減益みたいな話、これでまた合併もどんどん促進をしていかなきゃいかぬ、金利の自由化にも対抗していかなきゃいかぬ、そういうようなことだろうと思います。そういうような農協を取り巻く経営環境がかなり劣悪な中でそれを負わせるということ、それだけの金額を持たせるということ。そしてまた、一年置けば当然差損が出ますね。本当にそういうのは耐えていけるのかなという懸念を持ちますが、大丈夫ですか。
○上野政府委員 この点については、私、自主調整保管なり供給の調整ということをどういうふうに理解をするかという問題ではないかと考えるわけでございます。自主流通米の運営という観点からいいますと、大多数の自主流通米の流通価格というものがいい値段に保たれる、まあ、いい値段とまでは言わないにしろ、満足、我慢のできるような値段で流通をするということが確保されるように調整保管をするというのが通常の考え方だというふうに思うわけでございまして、これの実現をするために調整保管に要する経費を負担する、いわばコスト的な考え方になってくるのじゃないかという気がするわけでございます。 したがいまして、そこの負担の大きさの問題というのは、おっしゃられるとおり、いろいろな考え方、見方、あるいは負担者の経済力によって違ってくるのだろうと思うのでございますが、支えられる価格水準あるいはそれによって実現される生産者の所得といいますか、収入といいますか、そういうものとの見合いの上で種々検討されてくるのじゃないかというふうに考えるわけでございます。
○石破委員 そこで、もう一回新政策へ戻りますが、新政策を実現させるということ、つまり新政策が目指しておりますものは、個別経営体というのは十ヘクタールから二十ヘクタールくらいにいかなきゃいかぬ、個別経営体は十五万だ、そのうち三分の二は複合経営だ、組織経営体は二万であるということですね。これでコスト水準、これを全農家平均でいけば半分に持っていきたいなというのが新政策の目標であるはず。これは二〇〇〇年というものを念頭に置いていると私は思っております。 ひっきょう、そこで出てまいりますのは、米価水準は一体どうなっていくのだろうかということであります。再生産を確保することを旨とするというふうに書かれておりますが、米価というものをどのように考えていくのか、そして、それがどのように規模拡大に資するものであるか。仮に米価が下がったとしても、農家の所得というものが下がらないということを考えていかなきゃいけない。それで、米価を下げる、こ至言いますと、とんでもないというふうにすぐおしかりをいただきます。しかし、農水省として出しております新政策の中には、コストを半分にするんだということが明確に書かれておる。メリットをどうするかということはまた別の議論でございますけれども、コストを半分にするということが明確に書かれております。 この点は昨年もお尋ねをしましたが、これはもう今検討の最中で、米審に聞いてみなければわからない、今これから議論をするところだというようなお話を承っております。自来二カ月ほどたちました。いろいろな議論がなされておることだろうと思います。再生産を確保するというのは一体だれの再生産を確保するのですかということを聞きましたが、そのことについてはお答えがございませんでした。その点はいかがなものでしょうか。 つまり、私は、新政策を実現するためにこれは避けて通れないお話だというふうに思っております。どうやって農家の所得を維持するかというお話と、どうやって米価を持っていくかということは別に考えていかなければいけない、そのことをないがしろにすると、新政策自体成り立たないし、ラウンドを乗り切ることも不可能であるというふうに思っています。 米価のシーズン、ことしは選挙もございますし、選挙対策何のかんのでいろいろな話になってしまうかもしれない。このことはもう何年も何年も幾晩も幾晩も徹夜をしながら、終わった後で何だかむなしさを感じたこともございます。これをどうするのかということを、やはり農政当局として、新政策を踏まえながら、ラウンド対策を踏まえながら、ある一定の方針というのを出していただくということがどうしても必要なことではないかというふうに考えますが、いかがですか。
○大河原国務大臣 お答え申し上げます。 新食糧法、仮にそう呼ばせていただきますが、そこにおける米価については、もちろん流通の主体は自主流通米でございますから、これは市場における需給なり市場評価によって決まります。生産調整実施者から備蓄の運営等に必要なお米を買い上げるということについては、新食糧法の五十九条ですか、あそこに書いてありますように、自主流通米の価格の動向、需要と供給の動向等を踏まえてその再生産を確保する、生産条件、物価その他の経済事情を参酌して決めるということになっております。 生産条件ということは、生産コストが中心になると思うわけでございますが、WTO特別委員会においても申し上げましたとおり、やはり自主流通米という流通の主体をなす米価との、米価体系の整合性、そういうものを配慮して、その上で、生産条件等を考えて米価は決められるべきだということが主体でございます。なお、需要と供給の動向、市場評価その他もできるだけ配慮して米価を決めるべきだという考えがあることは既に申し上げたとおりでございます。 そういう意味では、新政策その他の方向から申し上げれば、効率的、安定的な担い手、生産費というのはその一つの要素としなければならないということは一つでございますが、ただ、生産調整実施者は多様な稲作生産の形態を展開しているわけでございます。したがって、一義的に、そのような効率的な生産者の生産コストもそのままずばりというわけにもいかないで、この点についてはなかなか難しいところでございます。 したがって、法律では一つの原則的なことは書いておりますが、委員も御案内のとおり、現行食管法においても原則的なもとにおいて生所方式がとられ、しかも、それは需給関係その他によってその時々、その算定方式についても相当部分の修正が加えられるという経緯もございまして、来年、八年度米からいよいよこの新食糧法に基づく、何と申しますか、米価算定を行うわけでございますので、諸般の要素を考慮して決めたい、さように思っておるところでございます。
○石破委員 規模拡大については、いろいろな施策が今回も講ぜられておるところでございます。流動化についてもそう、権利の移転についてもそう。しかしながら、やはりその根幹にあるのは米価だと思っているのですね。それで、これがどうなっていくか。片一方でコストは半分にする、明確に言っているわけですよ。 そうしますと、メリット配分のやり方はともかくとして、私どもは、今までずっと米価を上げるとか維持するとかいうことをやってまいりました。でも、それで本当に個々の農家は幸せになったのだろうか。規模拡大は進んだのだろうか。そういうふうに振り返ってみますと、どうもあながちそうとも言い切れないなという反省を持っているわけであります。したがって、農家の所得を維持する、農家の所得を上げるということとコストをどう考えるか、だれの再生産を確保するかということは、かなり早い時点で勇気を持って明確に言っていかないと、私はえらいことになってしまうなという気がして仕方がございません。 これは、申し上げたいことはもう大臣よくおわかりいただけると思います。ぜひその点につきまして、勇気を持って御所見をお示しをいただきますように、新政策が絵にかいたもちになりませんようにお願いをいたします。 それで、冒頭にお話ししましたように、では六兆百億円といって、では私にとって何のいいことがあるのだ、おれの町にとって何のいいことがあるのだというような声があることは事実でございます。これは、まだまだ広報も宣伝も足らぬということもあるのでございましょうけれども、そういうことがあることは間違いのない事実である。片や認定農家というものがなかなか進んでいない。この新政策の目標とするところからすると、確かにかなり進んでいるとはいいながら、まだまだ遅々として進まないということがあると思います。認定農家の認定というものを、これにドライブをかけていくために、どのようなことをお考えですか。
○野中政府委員 経営基盤強化促進法に基づきます認定農家制度でございますけれども、これらにつきましては、今まで市町村の構想等の策定は進んでいない面もございましたけれども、今後はこれがそろってまいりますので、この認定農業者、言ってみればこれから本気になってやる気のある農家に対しまして、基盤整備の施策あるいは融資の施策、その他すべての施策をこれらに集中的に投入をするというようなこと、それから、農地制度の面におきましても、先般法律で御論議をいただきましたように、あっせんその他を通じまして規模拡大の手助けもできるだけしていくというようなことを通じまして、この認定農家をふやし、さらに育てていきたいというふうに考えておるところでございます。
○石破委員 これはもう局長から何度がお話を承ったことでございますし、今ここで繰り返してお尋ねをしようとは思いませんが、市町村で、本当に全員というか、農家が一緒になって、認定農家はここだよ、みんなでここに農地を集めて、L資金でも入れてこういうふうにやっていこうよという運動が盛り上がっているかというと、なかなかそうでもないだろうなと思うのですよ。それは職員が足らないこともあるでしょう。しかし、本当にこれをやっていかなければ日本農業は大変なことになりますよという意味で、これは別に行革に逆行する話をしているわけではなくて、運動論というものをもっとやっていかなきゃいけない。 私は政府広報をいろいろ見ていますが、ごはん食推進委員会の政府広報はよくテレビで見るのですけれども、ラウンド対策こうするんだという政府広報は見たことがないのですね。これでやるんだ、みんな参加してくれ、ばらまきでも何でもない、日本の国のためにこれをやらなきゃいけない。だから市町村も、役人の作文じゃなくて本当に話し合いをして認定農家を早くつくってくれないと、ラウンド六年間のうちに間に合わないよということになるんじゃないですか、このままでいけば。
○大河原国務大臣 まさにそのとおりの御指摘だと思います。 市町村の基本構想の策定が比較的おくれておりましたが、経営基盤強化促進法に基づく県の基本方針が決まり、市町村の基本構想、それを受けてそれぞれの類型ができまして認定農家が認定されるわけでございますが、本年に入って相当程度、市町村の基本構想を策定した数が急速にふえております。そういう意味では、さらにそれが認定農家の認定に、戸数の増大につながるのだと期待しておるところでございますが、国内対策を含めまして、この新しい農業構造を作成して、これがあしたの日本農業だというようなことに対する運動的なものとか、あるいは徹底したPRと申しますか、そういう点については、我々として必ずしも十分でないという点は自覚するところでございます。 したがって、この点については我々としては一段思いを新たにしてやっていきたい、さように思っています。
○石破委員 最初に、歴史は繰り返すということをお話しをいたしました。そういうことがあってはならないというふうに思います。私どもはもう、次の選挙がどうしたとかいうようなこともそれはあるでしょうが、本当にこのままいくと日本の国はどうなるのかねということを、特に農業政策というのはそうだと思っておるのです。そういうことに配意をしていただいて、二〇〇〇年もしくは二〇二五年、あのときの政治家よくやってくれたなと言われることが一番大事なことだというふうに思っております。 最後に一つだけお尋ねをいたしたいのですが、阪神大震災に関連をしてでございます。 この阪神大震災、確かに被災地は大変な目に遭っておられる、一日も早く復興せねばならぬというふうに思います。 一つ、余り聞かれません、それは聞かれないのかもしれないし、もちろん被災地の方に比べれば雲泥の差というべきことかもしれませんが、食糧の供給側はどうなっているんだろうかということですね。消費地がぱっと消えてしまったに等しい、そしてまた、例えば畜産、酪農なんかも、ではえさの供給はどうなるんだというようなこと、その辺が余り論ぜられていないように思いますが、その辺をどのように把握され、どのような対策をお考えですか。
○大河原国務大臣 先月十七日に、大消費地の阪神が激烈な地震の直撃を受けたわけでございます。したがいまして、当初、流通の基幹になる卸売市場、これが相当程度被害を受けましたが、我々といたしましては、やはり救援的な青果物の供給等も必要でございますので、産地に対しては手配いたしまして、周辺市場に対して出荷の確保をするようにというお願いをいたしました。そういう意味での成果はあったと思います。その後、だんだんに神戸の、例えば中央卸売市場あるいは東部市場等においても、青果物等は大体平常の取引の七割程度に取引量、市場の上場数量が回復されてまいったところでございます。したがいまして、今後それら市場に対して出荷していた生産地等においても、順次その点は回復されるというふうに思っておりますし、さらにはそれぞれの産地も他の市場等への配送等にも努力をしておる模様でございますし、我々の方としても、市場状況については各産地にも連絡、通報するというような措置等講じまして、産地自体が消費地の打撃によって打撃を受けることのないような万般の対策を講じておるところでございます。
○石破委員 今回の阪神大震災は、いろいろなことを我々に教訓を与えたんだろうと思っています。やっぱり多極分散型の国土というのは、もう言い尽くされた話なんですけれども、これは本気でやらなければいけないねということなんでしょう。 私は以前、西ドイツのリゾート農村のビデオというのを見たことがあるんです。あそこは本当に一カ月、二カ月滞在をして、何か一泊が千四百円なんだそうですね、非常に安い、一夏いたっていい。西ドイツも御多分に漏れずマルクが高いんで、イタリアに行っちゃうとかギリシャに行っちゃうとか、そんなのがいっぱいいたんだけれども、本当に国として州としていろいろな応援をしていって、農村に滞在をする、そういうようなリゾートというものを構築をしていったというふうに聞いております。 時間があればグリーンツーリズムについてもお尋ねをしたかったんですが、要は、国全体の経営として本当に農業、農村というのをどのように考えていくか。これから先、将来の国土形成を担っていく——私は日本の財政状況はこれから先はよくなるとも思っておりません。国の富の配分というものは本当に国家全体で考えていかなければえらいことになると思っています。その中で農業というものはどういう位置を占め、将来農業がこうであるからして国民は協力をしてもらいたい、税金も使わしていただきたい、そういうようなことを説いていただく、そういう姿勢を私ども政治家は持たねばならないし、特に大臣にお願いをしたい、御要望申し上げまして質問を終わります。
○中西委員長 山田正彦君。
○山田(正)委員 新進党の山田正彦でございます。 きょう最後の質問でございまして、大臣も委員長もお疲れだと思いますが、私はさきのウルグアイ・ラウンドの合意等について、米の問題、農業の問題、これは先ほどの石破議員の質問にもありましたように、大変大きく取り上げられてまいりました。しかしながら、その陰に漁業あるいは林業、そういったものがどういう形で今その影響を受けているか、どうしたらいいのか、その点について質問させていただきたい、そう思っております。 先に大臣、漁業について、水産物についてウルグアイ・ラウンドでは一体どのようになったのか、あるいは全く関係なかったのか、その辺について説明をいただきたいと思います。
○大河原国務大臣 ガット・ウルグアイ・ラウンドは、御案内のとおり、交渉は十五分野にわたって行われたわけでございますが、農業については農業分野の独自の雨域で交渉が行われて、妥結を見たわけでございます。 御案内のとおり、米の部分開放と申しますか、それからあらゆる農産物の関税化ということでこれが決着したわけでございますが、水産物につきましては、市場アクセス交渉という別のパートで交渉が行われたわけでございまして、ここで我々も大変努力が行われたわけでございまして、IQについては存続する、農産物については一切認められなかった、数量制限については引き続いて認めるということでございました。 ただ、関税については、一般原則に従っての三三%のカットということが行われまして、その実質関税率が六・一から四・一、二%相下がったという関係になったわけでございます。確かに関税等が下がりましたけれども、農産物と比べて軽微な影響と言っては語弊がございますが、格段、別枠対策としては、一般対策の強化によって行えば今後も可能であるということで、農業対策のような形の取り上げはいたさなかったということでございます。
○山田(正)委員 今の大臣の話では、約三〇%ですか、六・一%から四・一%にウルグアイ・ラウンドで関税が引き下げられた、それを軽微な影響しかないと今お聞きしました。確かでございますか、それは。
○大河原国務大臣 私は、軽微という言葉が過ぎるかもしれませんけれども、農業の領域における御案内のとおりの米の部分開放あるいはあらゆる農産物のIQ制の関税化というものに比べて申し上げたところでございます。
○山田(正)委員 三〇%の関税の軽減が軽微である、それはIQ制度があるからだというふうにお聞きいたしましたが、そうでございますか。
○大河原国務大臣 これはIQ制度があるからだというわけではなくて、IQ品目は引き続いて守られたということでございまして、あとは、ウルグアイ・ラウンドのアクセス交渉においては平均的に三三%をあらゆる国が現行関税よりもカットするということが行われてございまして、貿易加重で六・一から四・一に我が国の水産物の関税はなったということを申し上げたところでございます。
○山田(正)委員 大臣の先ほどの軽微な影響というのは、私は大変許せない発言だと思っておりますが、大臣にもう一度お聞きしたいと思うんですけれども、農業と漁業とを比べて、この十年、漁業に従事している人たちの過疎化、いわば就業者の数の減、これはどれくらいのものであると認識されているか、それをお聞きしたい。
○大河原国務大臣 数字については事務当局から申し上げますけれども、農業においても老齢化によってその就業人口が減っておる、また漁業においても同様な傾向を示しておるということは認識しております。
○山田(正)委員 どの程度過疎化が進んでいるか。
○鎭西政府委員 私が今手元にたまたま持ち合わせておりますのが、昭和六十三年と平成五年の数字、これはいずれもセンサスの年でございますが、六十三年におきます漁業の就業者数三十九万人でございまして、それが平成五年には三十二万人に減少している、こういう状況でございます。
○山田(正)委員 今の数字の説明と、これは同じく水産庁漁政部企画課の資料でございますが、これによりますと、沿岸漁業の就業者が、昭和五十八年には三十四万、六十三年には三十一万に減って、平成五年には二十七万に減っている。いわゆる昭和五十八年から六十三年にかけては八・六%減り、さらに六十三年から平成五年にかけては一二・三%、すなわち約二割減ってきている。しかも沖合・遠洋漁業の従事者数の数字でいきますと、五十八年には十万三千百人、六十三年には七万八千五百人、平成五年には四万九千七百人、すなわち五十八年から六十三年までには二三・九%、約四分の一減って、さらに六十三年から平成五年には三六・七%、約四割近い従事者が減ってきている。これくらい漁業にとっては大変深刻な問題なのに、大臣は先ほどから軽微な影響しかないとか、大変これは重大な発言だと思っておりますが、許せないお話だ、そう思っています。 果たして大臣、もう一度お聞きしたい。これだけどんどん漁業者が減ってきた、これは何によるものと農水大臣はお考えなのか。
○大河原国務大臣 繰り返して申し上げますが、ガット・ウルグアイ・ラウンドの決着、それに伴いそれぞれの部分について特別対策を行うかどうかという判断の際に、農業に対する影響が格段に厳しい、そういうことで林業、漁業については特別の対策が行われなかった、そのことを申し上げたわけでございます。 ただいまのお話でございます漁業従事者の減少の問題、これはいろいろございます。御案内のとおりでございます。二百海里による漁業の規制、あるいは公海までの漁業規制が進んでおるということ、また沿岸水域における資源量の低下が甚だしいというような問題から、なかなかにそれぞれの沿岸、沖合漁業についても厳しい経営状況になっておりまして、それに加えて円高等による輸入水産物の増大という点等もございまして、各般の情勢の厳しさがそのような結果を加速しているというふうに思っておるところでございます。
○山田(正)委員 今大臣は、三つ四つ、黄海、東海の問題とか、それから輸入水産物の問題とか挙げられましたけれども、その輸入水産物がどのように影響なさったか、それが一番大きなこの漁業経営者数の減、これに至るのではないかと私は思うのですが、その点について大臣の見解を重ねてお聞きしたいと思います。
○大河原国務大臣 お答えいたします。 輸入水産物の増加が魚価水準の引き下げ等で影響を受けているというふうに申します。
○山田(正)委員 大臣、それが一番大きな影響であると今認識でありましょうか、そうではないのでしょうか。
○大河原国務大臣 各般の条件を申し上げたところでございまして、我が国周辺水域における漁業の資源量の低下というような点も響いているということも大方の認識でございます。
○山田(正)委員 大臣、水産物貿易の推移、この統計で、大蔵省の貿易統計ですが、これによりますと、昭和五十五年、約百万トンだったものが平成五年に三百十二万トン、約三倍に輸入による水産物の量がふえているわけであります。もしこれが農業、例えば乳製品とかでん粉とか落花生とかコンニャク、生糸、そういったものであったら、国民はあるいは農業者は黙っているのでしょうか。その点について大臣はどうお考えであります か。
○大河原国務大臣 それは、それぞれの立場の農業者からそれぞれの場面に即してのいろいろな要請なり意見が出てくると思いますので、単純に比較をすることはできないと思います。
○山田(正)委員 我が国の漁業というのは、いわば黄海、東海、それから対馬沖とか東シナ海、それから鳥取片等の日本海、北海道沖を初めとして、韓国の漁業者並びに中国、そして台湾、そういった漁業者とかなり競合するわけでありますが、その地域のいわば魚の関税、これが今どれくらいで、ウルグアイ・ラウンドでどうなったか。これも私ども日本の漁業者にとっては大変厳しい問題でありますが、それについて大臣の認識をお聞きしたいと思います。
○鎭西政府委員 東海、黄海あるいは日本海の西海域におきます漁場におきましては、韓国、中国と我が国とが漁場が競合しておりまして、そこにおきまして日本の以西底びきあるいはまき網等々で漁業を行っているところでございます。このアジ、サバ、イワシ等々につきましてはIQ制度を現在も維持しておりますし、ガット・ウルグアイ・ラウンド後もIQを堅持している、こういう状況でございます。
○山田(正)委員 IQについては、後ほどそれが機能していないことについて私の方から具体的に質問していきたいと思っておりますが、その前に関税の面で、例えば韓国とか中国とか台湾とか、それがどういう状況で、ウルグアイ・ラウンドでどのような交渉の結末になったか、それについて水産庁長官にそれではお聞きしたいと思います。
○鎭西政府委員 先ほど大臣が申しましたように、今回のガット・ウルグアイ・ラウンドにおきましては。、アメリカ、ニュージー、カナダ、オーストラリア等々の国からゼロ・ゼロ要求、すべてゼロにすべきだというような要求等々があった中で、何とか我が国が最小限守るべきラインということで頑張りまして、加重平均で三分の一の関税引き下げになった、こういうことは御説明したとおりでございます。 このうち、ただいま申しました主として東海、黄海、日本海の西部、このあたりでとられている例えばサバにつきましてはIQを維持しておりますけれども、税率につきましても五年後に現行の一〇%を七%に下げる、三〇%の引き下げを五年間で段階的にやっていく、こういうことになっているところでございます。
○山田(正)委員 水産庁長官、私が聞きたいのは、いわば韓国とか台湾とか中国と同じ場所で同じ魚をとって日本は争っているわけであります。各国、私が調べるところでは、韓国は一七・五%、中国は三〇から四〇%、東南アジアのあの辺の諸国は三〇から四〇%の関税、これでもって輸入制限している。それなのに、日本だけ先ほどのサバにしても一〇%から七%に下げざるを得なかった。これについて、今の水産庁長官の話を聞いていると、各国のそういう状況も二度にわたる私の釈明に対して答えられない。それくらいの認識しかなかったのかと、私は大変今腹立たしい思いであります。 次に質問を移りますが、先ほど大臣は、軽微な影響しかないのでということでございましたが、農業の場合には六兆百億というウルグアイ・ラウンドの対策、これについて、いわばこれからどれだけ真水の部分があるかわかりませんが、対策を講ずる、そう言っておられます。確かに、今手元に「平成七年度農林水産予算の概要」がございますが、これによりますと、「ウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策の着実な推進」に向けてというので、育成すべき農業経営者への農地利用の集積とか、土地改良負担金対策とか、あるいは経営体の安定的な営農展開のための負債対策とか、中山間に対する対策とか、いろいろなされております。十分な手当てがなされております。漁業に対して、漁業者に対してはどのような手当てがウルグアイ・ラウンドの対策としてなされておりますか。それを大臣にお答え願いたいと思います。
○大河原国務大臣 御案内のとおりでございまして、平成六年度の補正予算におきましても、漁業については、ウルグアイ・ラウンド関係対策として、漁港予算において相当額の補正予算が計上されました。また、平成七年度予算におきましても、各般の漁業情勢の、特にウルグアイ・ラウンド対策と銘打っておりませんが、例えば沖合漁業等における漁業経営が先ほど申し上げましたような各般の事由によりまして厳しいということから、低利の運転資金を新たに貸し出す制度を創設するとか等の施策を講じ、さらに、従来どおりの漁港の整備あるいは沿岸漁場整備開発事業、沿整事業等の公共事業、また、つくり育てると申しますか、栽培漁業等の対策とか、あるいは水産加工対策について新たな施策を講ずるとか、それぞれの施策を水産政策には講じたところでございます。
○山田(正)委員 大臣にお聞きいたしますが、ウルグアイ・ラウンド対策としてのいわば予算は、この農林水産予算の概要で見る限りありません。そうしますと、先ほどそのほかに漁港とか沿整事業とか云々で手当て済みだと言っておられますが、それでは、農業については補正予算とか云々で手当てがしてなかったのですか。それが一つ。 もう一つ、もしウルグアイ・ラウンド対策として水産、漁業に対してもその対策を講じておったとしたら、平成五年度の予算、平成四年度の予算と、沿整事業が通常の伸び率から見て果たしてどれだけふえたのか。そういったことも踏まえながら、本当にそれだけの対策がなされているものかどうか、数字の上で明らかに示していただければと思います。
○大河原国務大臣 繰り返して申し上げましたとおり、水産及び林野については、林野についても関税率の引き下げが行われました。特別な対策はウルグアイ・ラウンド対策と銘打ってなされなかったわけでございますが、それぞれのものについて、当面の緊急課題あるいは重要課題等についての予算措置は行われたというわけでございます。
○山田(正)委員 大臣、重ねて私確認したいのですが、今の大臣のおっしゃっていることは、いわゆるウルグアイ・ラウンド対策としては、林業においても水産においても、ウルグアイ・ラウンドの交渉としての引き下げはあったけれども特別に何もしてない、ただ、いわゆる一般的な、いわば林業、漁業の、まあこれは農業も一緒だと思うのですが、そういう意味でのいろいろな保護対策は従来どおりしてきている、そういうふうに解釈していいのでしょうか。
○大河原国務大臣 重ねて申し上げますけれども、農業部門におけるような緊急な国内農業対策、計画期間を定めまして、総事業費を定めましての対策は行われなかったわけでございまして、それぞれ、漁業なりあるいは林業等が当面している重要な政策的課題に対して予算措置を講じたというわけでございます。
○山田(正)委員 これについては、これ以上聞いても何も返ってこないみたいですので、改めてまた次回にでもしっかりと質問させていただきたいと思っています。 さて、先ほど大臣と水産庁長官がIQ制度を堅持できた、それをしきりに言っておられましたが、そのIQ制度の中身であります。これについて聞いていきたいと思います。 このIQ制度は残した、これは一体だれを保護するためのものでありましょうか。まずそれを聞いてみたいと思います。
○鎭西政府委員 現在のIQ制度は、委員御承知のとおり、国内の生産サイド、消費サイドあるいは加工といった需要サイド、それを勘案いたしまして、国内の需給と価格の安定に資するために、特に沿岸漁業者が中心になって担っております沿岸魚介類についてIQを設定しているところでございまして、私どもは、この仕組みが中長期的にも我が国の漁業を保護し、需給と価格の安定に寄与するという考え方で、IQを堅持するという方針を立てて守ったわけでございます。
○山田(正)委員 水産庁長官にお聞きいたしますが、IQ制度というのは、輸入に対しての制限をすることができる、輸入割り当てをすることができるということでございますね。いわば最初から輸入制限しているんだということですね。輸入分については割り当てをする。ということであれば、これは消費者の保護からすればほど遠いですね。むしろ生産者、漁業者の保護のためにIQ制度はある、そう考えてもいいわけでしょうか。
○鎭西政府委員 いわゆるIQ制度、輸入承認制の根拠になっておりますのが御承知のとおり外国為替及び外国貿易管理法でございますが、そこにも書いておりますように、「外国貿易及び国民経済の健全な発展を図るためこということでございますので、生産者のことだけでございませんで、国内の需要サイド、これは加工サイドもございますし末端消費者たる消費者そのものもございますが、総合的に勘案して、無秩序な輸入が我が国の水産物の需給と価格に与える影響を緩和する、こういう考え方だろうというように理解しております。
○山田(正)委員 それでは、IQ制度について長官にお聞きしたいと思いますが、そこで保護されている魚種はどういうものがありますか。
○鎭西政府委員 私、質問の趣旨を必ずしも正確に理解しなかったのかもしれませんが、そういう現行の割り当て制度のもとで無秩序な輸入というものが遮断されることによりまして、国内の中小零細業者を中心とする沿岸漁業者、それから安定的に加工原料を入手したい、そういう需要のある加工業者、それから最終的には、需給と価格が安定するということによりまして消費者もこのことによるメリットを受けている、こういうように理解をしております。
○山田(正)委員 私が長官に聞いたのはそのことではありませんでした。今聞いたのはIQの中身です。どういう魚が保護されて品目に入っているのか、それをお聞きしたいと今聞いたので、間違わないでください。
○鎭西政府委員 現在、IQでいわゆる輸入割り当て制をとっておりますのは、ただいま申しました沿岸の魚介類がまず一グループございまして、タラあるいはブリ、サバ、イワシ、アジ、サンマ、ホタテガイ等々のもの、それからその他ニシンとかスケソウダラあるいはタラの卵、イカ、ノリ、昆布等でございます。
○山田(正)委員 そういう品目を一体どこの機関で、例えばどのような基準で輸入割り当てをしているのでしょうか。
○鎭西政府委員 輸入割り当てに当たりましては、ただいま御説明いたしましたように、国内の水産物の需給動向、市況というものを勘案いたしますとともに、我が国の漁業者あるいは加工業者に対する影響にも配慮いたしまして、通商産業省と私どもとの間で協議の上決定しているところでございます。
○山田(正)委員 水産庁長官にお聞きいたしますが、私がお聞きしたいのは、どのようにして輸入割り当ての量を決めているのか、その魚種について、それを具体的に説明していただきたい。
○鎭西政府委員 私どもといたしまして、それぞれの水産物の生産、流通、加工あるいは輸入に携わる関係者から需給情報を聴取いたしますし、あるいは貿易統計、業務統計等々のデータをもとにいたしましてまず需給動向の的確な把握に努めまして、需給推算というのをやりまして、その需給動向に即した秩序ある輸入が行われるようにそれぞれの年の割り当て量というものを決めている、こういうように御理解願いたいと思います。
○山田(正)委員 輸入貿易管理令の九条の第三項によりますと、「通商産業大臣はこ「あらかじめ当該貨物についての主務大臣の同意を得て定める限度をこえない範囲」、こういう条文がございますが、となりますと、いわゆる主務大臣、農水大臣を中心としてある程度の輸入についての定め、例えば供給がこれだけ多くなったらこれだけ輸入を減らすとか、割り当てを減らすとか、そういった何らかの基準がなければおかしいと思うのですが、そういう内部的な規約とかそういったものがございますか、ありませんか。
○鎭西政府委員 私どもの方で、ただいま申しましたように、それぞれの品目ごとの需給推算というのをやるわけでございますが、そのときの基礎的なデータといいますのが国内の生産量あるいは在庫量あるいは輸出入量等の動向、その見通し、あるいは輸出国の生産の見通し、価格動向、その見通しというものを基礎データといたしまして需給推算というものをやりまして、通産省と水産庁との間で輸入割り当て協議、ただいま委員御指摘の九条の三項に基づきます割り当て数量の決定に係ります協議というのをこの段階でやりまして、通産省がその割り当て数量を決定する、そして公表をする、通商弘報で公表する、こういう手順になるわけでございます。
○山田(正)委員 水産庁長官に私がお聞きしたいのは、需給動向あるいは在庫量、あるいはそういった輸出国、輸入国の価格推移等を見ながら決めるということはだれでもわかることです。ただ、それについて何らかの基準があるのかないのか、これは大事なことでありますので、そういう内規があるのかないのか、それについてイエスかノーでお答えいただきたいと思います。
○鎭西政府委員 ただいま申しましたように、そういう手続を、それぞれの品目ごとに物資所管庁としてそういう作業を行い、貿易担当大臣としての通産相と協議をして決定する、これは水産物だけでございませんで、IQを行っているすべての品目についてこういう手順、段取りが組まれていると承知しておるところでございます。
○山田(正)委員 先ほどから私が聞いているのは、その内規についての基準があるかないかです。もうこれ以上、時間がないので聞きませんが、それについて水産庁長官、はっきりお答えいただきたい。
○鎭西政府委員 そういう手順、段取りに基づく需給推算を通産省と協議しているわけでございまして、そのものについて何か内規とかあるいは何とかの決定といったようなものをつくっているわけではございません。
○山田(正)委員 長官、例えば半年ごとに新しく輸入割り当てを設定しているようでありますが、平成五年度の上期、これは平成五年の四月から平成五年の十月までで輸入割り当てを決めたようでありますね。それについてはいつの生産量、いわばいつの漁獲量あるいは需要数値、そういったものを基礎にして決めたのか、そういった具体的なことについてのもう少し丁寧な回答があっていいと思うのですが。
○鎭西政府委員 ベースは直近の一年間、すなわち前年の需給動向、これから推算をしているということでございます。
○山田(正)委員 それでは、もう一度お聞きしますが、水産庁長官、品目別に、例えばサバとかアジとかイカとか、そういったもので決めたというふうに私今お聞きいたしましたが、それでは実際のIQの割り当てですね、これは、いわばタラ、ブリ、サバ、イワシ、アジ、サンマ、ホタテガイ、貝柱、煮干しなど一括して、例えばサバは幾ら、アジは幾らじゃなくて、ぶっ込みでいわば輸入割り当てしている、それとも品目別にやっている、それはどうですか。
○鎭西政府委員 そういう構成品目ごとの需給推算というのをベースにいたしまして、それで、若干技術的になるわけでございますが、前年一年間の平均的な為替レートでドルに換算をいたしまして、それでドル表示による一括した金額割り当て、これが沿岸魚介類のいわゆる魚介類枠と言われているものでございますが、スケトウダラだとかそういうものについては数量割り当てをやっているものもございます。
○山田(正)委員 そうであれば、いわばアジ、サンマとホタテガイとかタラ、サバ、そういったものもぶっ込みでやるとしたら、品目ごとのいわば生産量、需給量の調査、そういったことが実際に割り当てにおいては生かされないのじゃないですか。
○鎭西政府委員 需給推算でございますので、必ずしも実績がそのとおりになるということではございませんし、あるいは水産物のことでございますので、その年におきまして、例えばアジは非常に豊漁ですけれどもサバが不漁である、そういう魚種ごとの好不漁というのもございまして、単年度におきましても、それぞれの魚種について需給がタイトになるもの、タイトにならないものというのがございますので、私どもの考え方は、従来の経緯もございますが、一括した金額割り当てのメリットとしては、そういう需要関係に代替性のある沿岸魚介類が、国内の需給がタイトであればそういう魚種の輸入がふえますし、国内の需給が緩んでいるものについては、おのずと輸入が抑制されるように働くということで、弾力的な運用がむしろ期せられるのではないかというように評価をしているところでございます。
○山田(正)委員 今のお話はよくわからないのですが、いわば代替性、すなわちアジがふえておったけれどもサバが減った、だから全体としては量をふやした。そして、サバがどんどん入ってくる。アジも入ってくる。そうしたとしても代替性は例えばアジとサバにはあるんだという考え方だ、そういう趣旨だと思いますが、それでは、ぶっ込みの中にタラとかホタテガイとか貝柱とか煮干しとか、これも代替性があるのですか。
○鎭西政府委員 ただいまお答えいたしましたように、経緯がございまして、もともとは金額割りというものからスタートいたしまして、現在沿岸魚介類枠ということで一くくりになって残っているものでございますので、理論的にいいますとそれは相当程度の代替関係があると思いますが、端的に申しまして、アジ、サバとホタテガイ、これが相当強い代替性があるということではないと思います。
○山田(正)委員 それはおかしいのじゃないでしょうか。需給関係をそういうぶっ込みで、私に言わせればいいかげんな形での、輸入数量じゃなくて輸入金額の、価額の割り当て、しかもドル建てで、例えば相場にしても随分と円とドルでは違ってまいります。平成六年度一ドル百円といたしましても、平成二年度は百五十九円まで円が下がっている、円が弱いということもございました。 そんなことを考えますときに、この価額による割り当て、これについて水産庁長官にお尋ねいたしますが、長官は、第九条の二、「前項の規定による輸入割当ては、貨物の数量により行なう。ただし、貨物の数量により輸入割当てを行なうことが困難であり又は適当でない場合には、貨物の価額により行なうことができる。」いわば価額割り当てを当然のごとくして最初からというような言い方をされましたが、長官を初め水産庁、通産省はこの条文を本当に読まれて、現実に即してやってきたのかどうか、それをお聞きしたい。
○鎭西政府委員 私が先ほどの答弁で従来からの経緯もございますと申しましたのは、まさにそのことでございまして、金額割り当てでもともとスタートしているものが、現在沿岸魚介類枠ということで残っている。 このことについてひとつ御理解を賜りたいのは、今彼にそれぞれの品目ごとに数量割り当てをするということになりますと、これは輸出国からの大変なクレームの問題になりますし、あるいは、当該品目について、それぞれについてその数量枠を拡大してくれという要求に拍車をかけるということで、私どもとしては、トータルである程度のボリュームの金額割り当ての中で、国内の沿岸の魚介類の需給状況に応じて、それぞれタイトなものが入りやすくタイトでないものが入りにくいというような仕組みとしての現在の金額割り当てというのはそれなりに機能しているというように理解しているところでございます。
○山田(正)委員 それではお聞きいたしましょう。 サバの供給動向でありますが、これは平成二年度に国内生産が二十七万トン、輸入量が七万トンであります。三年度はほぼ同じ二十五万五千トン、ところが輸入量は約三倍、十九万四千トンにふえております。さらに、平成五年度は国内生産量が五十万九千百五十一トンと大きく上っておりますが、また輸入量も前年度に比べて約二〇%ほどふえて十九万二千百七十八トン、これでは、需要と供給がバランスがとれて、いわば生産量がふえれば輸入量は減らす、そういうことをやっているとは到底思えない数字であります。 ちなみに、アジの場合でも、平成四年度、実は三年度に比べて、二十九万トン、ほぼ同じ量の生産量でありますが、その年は前年度に比べて約一万二千トン多い約五万トンの輸入をしている。さらに、イカについてもそうであります。平成四年度、平成三年度に比べて六十七万トンと大変生産量はふえたわけでありますが、平成三年度に比べて輸入量もさらにふえて、五万二千トン。一体これはどういうわけでなったのか説明できるのかどうか。時間が短くなりましたので、簡単に回答をお願いいたします。
○鎭西政府委員 委員御承知のとおりだと思いますけれども、確かにサバの総生産量はただいま委員おっしゃったような数字の流れでございます。 ただ、その中で御留意願いたいのは、いわゆる大型サバが、大中型が多いのか、あるいは極小、一匹三百グラム以下くらいでございますが、その構成が多いのかによりまして、例えば干物、開き等々にする加工用には使えないという問題がございます。 ただいま委員御指摘のように、平成五年は確かに六十数万トンになっておりますけれども、いわゆる極小サバといいますか、じゃみサバと言っているのでございますが、これが七割強あるということで、我々はこの評価を、資源量全体は回復傾向にあるんではないかな、ただ、まだ魚体の組成が非常に小型魚に偏っておりまして、生鮮、加工向けに適さない、こういうことなんだろうというように理解しているところでございます。
○山田(正)委員 長官のお話を聞いていますと、加工業者の保護のためにやったんだと。しかし、加工業者に聞いてみますと、そんなに小さくて加工できないほどのことはなかったというお話も承っております。 ちなみに、私も加工業者の推移を調べてみましたら、ほぼ堅調に、幾らか減っておりますが、冷凍物も加工業者もふえ、推移してきているようです。ところが、漁業従事者は極端に減ってきている。そういった中で、本来は水産庁としては漁業者、生産者の保護を図らなければならなかったのではないのか。 殊に、サバについて私はもう一言言っておきたいことがございます。一九八五年には、サバの輸入は全体で千百五十四トンでございました。ところが、この十年間で二十万トンの大台に乗せるまで輸入を拡大してまいりました。これは、実に十年前の二百倍でございます。先ほど長官は、秩序ある輸入、そう言っておりましたが、十年間で二百倍の数量、これが本当に秩序ある輸入、いわばIQ制度が本当に機能していると言えるのかどうか。私は、幾ら長官が言葉を弄して言おうと、IQ制度をウルグアイ・ラウンドで残した、そう言おうと、このような無秩序ないわば輸入割り当て、加工業者、輸入業者、商社等、そういったものを保護せんがためにやっている、そうとしか思えません。 これについて、誠意ある、本当に心からの、先ほどの大臣のように、軽微な影響しか今度の関税交渉においての引き下げにおいては漁業者にない、IQ制度があるじゃないか、そういった言葉が本当に言えるのかどうか。ここは大臣、両方にお聞きしたいと思います。
○大河原国務大臣 繰り返して申し上げますが、委員にお答えするところでございますが、ガット・ウルグアイ・ラウンド交渉の農業あるいは林業、漁業の交渉の結果につきましては、農業が最も甚大なる影響をこうむるであろうということで、細川内閣時代に緊急農業農村対策本部をつくりまして、その結果としての国内対策でございます。 なお、繰り返して申し上げますが、関税の一般引き下げは各分野で行われましたが、特にIQ制度等についての存続で頑張って認められました漁業の分野については、農業と比較してその影響が軽微であろうと申し上げたところでございまして、IQ制度については種々御指摘がございますけれども、従来の経緯もあり、それによって円滑な輸入調整が行われてきたという経緯にかんがみまして、御指摘の点は御指摘の点として承りますけれども、その制度については、我々としては今後も進めていきたい、そういうふうに考えております。
○鎭西政府委員 サバにつきましては資源量が徐々に減退をしてきまして、例えば平成元年に五十万トンぐらいございましたのが、先ほども委員御指摘のように二年にはその半分になったというような中で、国内において生鮮物あるいは加工用の原料がないということで非常に価格も高騰いたしまして、消費サイドからいろいろ問題になった。そういう中で、現在の金額割り当てが有効に機能されまして、サバの輸入が急増したというように御理解をいただきたいと思っております。 私どもも、もちろん沿岸漁業を含めて国内の関係サイドが安定的に経営されるということを願っているものでございますが、国内の加工サイドも国産物と輸入物とあわせて使っているわけでございますので、加工サイドが体力が弱くなりますと国内生産物の加工需要というものも減退する、こういうことでございますので、そこのところは総合的に、トータルでやはり考えなければならないのではないか、こういうふうに認識しております。
○山田(正)委員 どうも水産庁長官は、なかなか弱い漁業生産者を思いやる心はないようでございます。大臣もどうやら、今回のウルグアイ・ラウンドに関して、軽微な影響という言葉を撤回する気持ちはなさそうでございます。私はきょう非常に残念に思っておりますが、きょうもし時間がありましたら私がもっと聞きたかったこと、これを一言述べさせていただいて、終わりにしたいと思います。実は私も、今いろいろな漁業の振興、漁業者のためにというのがなされておりますが、対馬の豊土町、峰町という小さな町に行きましたら、いわゆるふるさと振興、ふるさとおこしの一億円のお金で漁場台帳、いわば海の土地台帳といったものをつくっておりました。きょうこれを持ってまいりました。これを見ますと、本当に詳細に、どこに大きい岩盤があって、どこにどういう礫帯があって、砂がどういうふうになっているか、そこにどういう海藻が生えているか、潮流がどうなっているか、あらゆることまでつぶさに、非常に詳しい調査がなされておりまして、これをもって漁民はまず定置網、つぼ網の位置を入れかえ、二倍からの収入を得たと報告を聞いております。さらにまた、いわば築磯づくり、あるいは魚礁をどこに投入するか、そういったことについても大変に効果があったと聞いております。 そう考えますと、私は、このウルグアイ・ラウンド、六兆百億のお金がいわばばらまきの助成、そういったものにならないように、本当にこれは国の資産である漁場、すなわち、どこに磯があって、どこに藻があるか、どこがどういう瀬になっているか、そういったことの本当の台帳づくり、いわば資源調査づくり、そういったものにぜひとも力を入れていただきたい。きょうはそれについてかなり突っ込んでお聞きするつもりでしたが、時間がなくなってしまいました。重ねて私は、IQ制度の問題、さらにそういった漁業について聞いていきたい、そう思っております。 大臣並びに水産庁長官に大変言葉の荒い質問になってしまいましたが、心から、弱い生産者、漁業者を思いやる心を持っていただきたい、それを念じまして、私の質問を終わらせていただきます。
○中西委員長 次回は、明十六日木曜日午後一時五十分理事会、午後二時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後八時五分散会