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132回国会衆議院1995/06/09

内閣委員会 第10号

発言数
51
登壇者
7
会派数
4
開催日
1995/06/09

会議録

田中恒利日本社会党・護憲民主連合

○田中委員長 これより会議を開きます。  参議院提出、臨時大深度地下利用調査会設置法案を議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。石井啓一君。

石井啓一新進党

○石井(啓)委員 新進党の石井啓一でございます。まず、質疑に先立ちまして、本法案の取りまとめに当たりまして大変御苦労いただきました野沢先生を初め参議院の諸先生方に敬意を表したいと存じます。  まず、何点か基本的な問題につきましてお尋ねをしたいと存じます。  本法律案は三年間の時限立法になっているわけでございますが、この三年間にしたという根拠をまずお尋ねしたいと存じます。  と申しますのは、大深度地下については、これまでほとんどといいますか全くといいますか利用されてこなかった空間でございますから、法制上、技術上、計画上のさまざまな課題に対して十分な調査審議が必要であるというわけでございますけれども、片や一方、残された大変貴重な大都市圏におけるフロンティア空間であり、その活用により社会資本整備の進展が図られるということを考えますと、なるべく早期に御検討をいただいた方がいいということもございます。  したがいまして、拙速は避けるべきでございますけれども、三年という年限にこだわらずなるべく早い時期に答申を出していただいたらいいのではないか、このように思うわけでございますが、まず、これにつきましてお尋ねをしたいと存じます。

野沢太三自由民主党

○野沢参議院議員 お答えいたします。  御指摘のとおり、この調査会につきましては審議すべきことが大変たくさんございますが、これまで既にこの問題が提起されてから七年近い歳月を要しておるわけでございまして、それなりの問題点は明らかになってきておるかと思います。調査事項は、法律の面あるいは技術的な側面、さらには最近非常に問題になってきております環境上の問題、あるいは工事並びに用に供してからの安全問題等広範にわたっておるものですから、やはりこれについては慎重な検討を加えまして三年ということにさせていただきました。  当初の立案段階では、脳死臨調が二年で仕上げたケースも考えましてそのくらいでどうかということで発議をしたわけでございますが、立案過程の中におきましてさまざまな御意見を徴して三年とさせていただきました。私どもとしては、この期間の中で十分な審議をしていただきまして適切な結論をいただきたいものと考えております。

石井啓一新進党

○石井(啓)委員 続きまして、この調査会の組織でございますけれども、「調査会は、委員十二人以内で組織する。」そしてその委員は、「大深度地下の利用に関する諸問題について優れた識見を有する者のうちから、両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命する。」このようにされております。  ここでお伺いをしたいのは、どのような分野の有識者から構成されるというふうに今お考えになっているのか、この点についてお伺いをしたいと思います。

野沢太三自由民主党

○野沢参議院議員 御指摘のとおり、この委員の人選につきましては総理大臣が任命していただくということですが、それに先立ちまして両議院の同意という前提でお願いをしているわけでございます。  この選任は当然内閣において御議論をいただくわけでございますが、発議者としまして、この大深度地下の適正かつ計画的な利用の確保あるいは その公共的利用の円滑化という目的を考えました場合には、調査委員の構成につきましては、憲法、民法を初めとする法律論、さらには地質、土質あるいは建築その他含めました技術の問題、それから地下の環境を含めた環境保全の問題、工事中あるいは供用中の安全等々、各分野の専門的な知識を持たれた方が必要かと考えております。  ただしかし、専門的な知識というだけでは十分ではないわけでございまして、得られました結論が国民的な同意、共感を得られるようなものであるということがやはり求められるわけでございますので、その意味でも国民的な視野から総合的な判断を行える方、こういうことで期待をいたしておる次第でございます。  なお、やはりこれも立案段階では十人くらいということが適切かということもございましたが、地方公共団体の代表の方も加わっていただくことが必要ではないかという御意見もあり、十二名という人数を考えた次第でございます。

石井啓一新進党

○石井(啓)委員 それでは、この調査会の出されます意見あるいは答申の取り扱いでございますけれども、法案によりますと、内閣総理大臣は、これを尊重し、国会に報告するというふうになっておりますけれども、当然のことながら、この意見、答申をもとにして大深度地下の利用に関する基本的な法律の制定という動きにつながっていくもの、このように考えているわけでありますけれども、これにつきましてはどのようなお考えといいますか御期待といいますか、そこら辺の所見をお伺いしたいと存じます。

野沢太三自由民主党

○野沢参議院議員 これは先生御存じのとおり、この問題が国会の中で議論され始めたのはもう昭和六十三年にさかのぼるわけでございます。なぜこれまで手間をとったかということを私ども振り返ってみますと、大変各方面の関係省庁がございまして、そこから各般の意見が出されたという中でなかなかその調整がし切れなかったというところに一つの原因があるというふうに考えられるわけでございますので、今回は、この調査会は一番権威のある形をとらせていただきまして、総理に対してこれを尊重義務、こういうことでそこで一本化を図れることが期待されるわけでございます。  この調査会によりますれば必ずや大深度地下の利用に関して出されております諸問題について確実なお答えを出していただけるものと期待をいたしておりますが、この御答申をいただきました暁には、それに基づきまして大深度地下の利用にかかわる実体法を制定していただきたい、かように考えておるわけでございます。今回は議員立法によりまして御提言申し上げておりまするが、答申が出た暁には政府におかれまして各省庁間の総合調整を図られ、法案の作成を進めていただけるものと期待をいたしておる次第でございます。  また、国会に報告ということにつきましては、得られました結論が国民的なコンセンサスを得なければやはりこれは実行が、実現が難しくなる、こういうことがございますので、国民の私権制限とかあるいは財産権に関する問題にも及びますし、かつまた、これは将来の社会資本整備にかかわる大事な答申と考えられますので、国会に報告していただき、ともどもこの問題について解決を図って論議を高めていったらどうか、かように心得ております。

石井啓一新進党

○石井(啓)委員 ありがとうございました。  それでは、これから大深度地下利用に関する課題について幾つかお尋ねをいたしたいと存じます。  この課題につきましては今後この調査会で審議される事項でございますから、確定的なことはおっしゃれないことは承知しておりますけれども、現時点におきます御所見なり御意見なりをお伺いしておきたいと存じます。  まず、大深度地下における基本的な問題、すなわち憲法、民法にかかわる問題でございますが、所有権がこの大深度地下に及ぶのか否か、あるいは補償をせずに、無補償でこの大深度の地下生問を利用できるのか、こういった問題でございます。  これは、憲法第二十九条の財産権及び民法第二百七条の土地所有権に関係するわけでございますけれども、この問題につきましてこれまでどのような議論がなされているのか、御紹介をいただきたいと存じますし、あるいは御所見があればお伺いをいたしたいと存じます。

野沢太三自由民主党

○野沢参議院議員 まさに御質問のポイントがこの調査会の一番大事な課題になろうかと思うわけでございます。  まず、御指摘のとおり、大深度地下というものに土地所有権の効力が及ぶかどうか、こういう問題があろうかと思いますが、土地所有権の範囲につきましては、民法二百七条に「法令ノ制限内二於テ其土地ノ上下二及フ」との規定がございますのは御指摘のとおりでございますが、その解釈が問題となろうかと思います。  これにつきましては、これだという確立した判例はございませんということでございますが、学説といたしましては、法令による制限のない限り、土地所有権は地球のしんまで及ぶんだという考え方が一つございます。しかしながら、一般的には、あくまで土地の所有権の効力範囲には限度があるということで、所有者の利益の存する限度において及ぶにすぎない、これが現実的な問題として通説になっているのではないか、かように考えているところでございます。  それでは、その通説という立場に立って、大深度の地下に土地所有権の効力が及ぶかどうか、これが課題になるわけでございますが、大深度地下が土地所有者の利益の存する空間なのかどうか、この評価の違いによりまして結論が分かれてくるかと思うわけでございます。  通常の利益の基準、利用の考えとしては、深いところにありましては、地下水あるいは温泉等が出てくるかもしれないということで、深井戸や温泉のボーリング等が時として行われておるわけでございますけれども、おおむね、大深度地下といいましても、これについては所有権が及ぶという考えが普通通説でございまして、これが利益の存する限りという面と、先ほど申しましたような地球のしんまでという観念的な考え方という両面から、そういったものがある程度通説になっているように承っておるわけでございます。  そういった場合に、それではこの補償の要否が問題になるわけでございますが、形式的であったとしても、所有権が地心に及んでいるという場合につきましては、これは公共目的があるかどうか、使用の事業者が公共的な目的を持って仕事をするかどうかというところで、これが所有権との見合いになってくるということでありまして、委員御指摘の憲法二十九条、この二項には、財産権の内容は、公共の福祉に適合するように法律をもってこれを定める、こうなっております。したがいまして、この法律に基づいて地下の利用を付与するということがあれば、ここでは補償は要しない、こういう考え方が一つあるわけでございます。  しかしながら、一方におきまして、大深度地下の利用につきまして、同じく憲法二十九条三項に、公共のために用いる場合に当たりましては正当な補償を要するという考えもあるわけでございまして、現在、土地収用法による手続による公的な使用権設定と、それに基づく補償ということが一般に行われておりますけれども、これは、大深度地下を利用した場合であっても、極めて小さな利益といいましても、補償の額もそれに見合ったものを払わなければならない、こういったことももう一方の考え方としてあろうかと思います。  いずれにいたしましても、こういった問題については、調査会におきまして基本的な議論から積み重ねていただくべき今後の課題かと思っておりますが、ちなみに、日本の国土の七割を占めます山岳地帯におきましては、無償で地下利用ができる慣行が明治以来確立されておりまして、多数の社会資本が形成されておりますことは御案内のとおりでございます。

石井啓一新進党

○石井(啓)委員 ありがとうございます。  続きまして、法案の趣旨説明の中では「大深度地下の範囲の確定」ということが触れられていらっしゃいますけれども、私は、この深さ方向の範囲、これに加えまして、いわば面的な範囲といいますか、対象となる地域がどうなのか、この件についてもぜひ御検討をいただきたい、このように思います。  すなわち、大都市圏を一応想定されているようでありますけれども、どの大都市圏を対象とするのか、あるいはどのような条件の大都市圏を対象とするのか、これにつきましてもぜひ御議論をいただきたいと存じますが、いかがでございましょうか。

野沢太三自由民主党

○野沢参議院議員 御指摘のとおり、この法案につきましては、深さに関する問題もまずございます。これにつきましては、まずは、土地所有者が通常の利用の行われない地下、具体的には、建築物をつくりました場合、地下室あるいはその基礎を支える地盤よりさらに下の部分、こういったところを想定しておるわけでございます。具体的にそれが何メートルであるとか、そういった課題は調査会の審議事項として御検討をいただきたいと思っておるわけでございますが、御指摘のように、この対象の地域というものが極めて重要になろうかと思います。  発議者の立場で申しますれば、当面は、これは東京とか大阪、名古屋等の大都市圏を想定しておるわけでございまして、また、さらには地方の中核都市くらいまでを含めて考えることもあり得ることかと思うわけでございまして、十分な御審議の中でこの範囲を確定していただければありがたいと思っております。  なお、先ほど申し上げましたとおり、国土の七割を占めます山地においては既に明治以来の無償使用の慣行が確立されておりますので、そこの部分についてはこの法案は必要がない、こういうふうになろうかと思います。

石井啓一新進党

○石井(啓)委員 ありがとうございます。  続いて、この法律案の中では、この調査審議に当たっての配慮事項といたしまして「安全の確保及び環境の保全に関する事項」が特記をされております。  そこで、大深度地下においては、従来の地下施設に比べまして、安全あるいは環境保全の面で、どういった点について特段に配慮すべきなのか、このことについてお伺いをいたしたいと存じます。

野沢太三自由民主党

○野沢参議院議員 今回、この立案に当たりまして、各方面の先生方の御意見あるいは各党の御意見をちょうだいする中で、この安全と環境問題というものは、一番やはり皆々様から御意見をちょうだいした分野でございます。  これはまずは、深い、浅いということによって生ずる安全問題にかかわることでございますが、深いところを使いますれば、当然それに伴い土圧がふえる、あるいは水圧もかかるということで、つくります施設のみずからの強度をしっかりと確保しておかないと維持管理ができないという課題がございます。  またさらには、人間が入るような施設をつくる場合には、当然それに伴う換気施設を十分に行うということもこれまた大事な課題でございまして、この換気が十分行われるということも一つの条件になってこようかと思います。  そしてまた、地下深いところであれば、通常のトンネル等では許される漏水についてもこれは厳しくやはりチェックをいたしまして、完全な止水方式を考えるということもまた技術的に考えていただくことが大事ではないかと思うわけでございます。  それから、地下における火災というものがしばしば発生して心配があるわけでございますが、これも浅いところと深いところでは避難の手段、方法、ルート、こういったものがやはりしっかり確保されていることが大事でございます。  それから、消火活動をする場合にどのような設備、アプローチがあるか、あるいはけが人等が出た場合の救助方策、こういったものについての特段の配慮が必要ではないかと思っておる次第でございます。  これにつきましては、既に私どもは、例えば青函トンネルのような長大トンネルの中におきます安全対策、これについて万全な措置を講じまして現在既に用に供されておるわけでございますし、それから大都市の地下鉄等につきましても数々の経験を積んできておりますので、これを一層立派な形で適用できまするよう今後の検討を重ねたい、かように思うわけでございます。  また、環境の保全につきまして御指摘がございました。この大深度地下利用に伴う環境問題というものは、たくさんある環境上の配慮の中で、まず一番想定されますのが地盤沈下、それから地下水に対する影響、それから土壌の汚染等がございます。  この地盤沈下等につきましても、昨今の掘削技術の進歩によりましてこれを最小限でとどめる、地表面に対してほとんど影響のない形で実行できるという技術が開発されてきておりまして、この辺については、可能な限り万全の措置をとっていただくということがやはり深部地下を利用する場合にも必要になるのではないかと思っております。  それから地下水については、背のやり方は、地下水をくみ上げて一遍底を乾いた形にして仕事をする、こういったことが盛んに行われましたが、昨今はこの地下水脈を乱さない形での仕事の方法ができるようになりまして、この点につきましても昨今の技術進歩が地下深部の利用を可能にしてきた、こういうふうに考えてもよろしいのではないかと思うわけでございます。  また、残土処理その他さまざまな課題もございますので、これらにつきましてもこの調査会の中において十分なる御議論をいただきたいものと考えておる次第でございます。

石井啓一新進党

○石井(啓)委員 ありがとうございます。  それでは続いて、大深度地下を利用する施設といたしましては、趣旨説明にもございますように道路、鉄道等々が考えられるわけでありますけれども、これらの施設は大深度の地下空間で完結をするものではなく、必ず地上との連結部分、あるいは従来利用してきた浅い深度の地下空間との連結部分ができることになるわけでありますけれども、そういうことを考えますと、この大深度地下利用を考える場合には、地上あるいは従来の浅い地下の利用、こういった従来の制度との調整がこれはどうしても必要になってくるであろう、このように思います。  例えば、用地取得で申し上げますと、土地収用法等の制度との調整というのが出てくるわけでございまして、こういった従来の諸制度との調整の問題につきましてもぜひ御検討をいただきたいと存じますが、いかがでございましょうか。

野沢太三自由民主党

○野沢参議院議員 まさに委員御指摘のとおりでございまして、大深度の地下利用と申しましても、それが独立して存在するわけではなくて、浅いところからだんだん深くなっていく、こういう連続性を持った空間であることは間違いのないことでございます。  土地収用法等のそうした空間利用の手続が現在既に定まってあるわけでございますので、いわば浅い部分、出入り口の部分、それから駅等の部分については、そういった従来の手法によってこれは十分カバーできることではないかと思うわけでございますが、それが一層深くなっていった場合についても、今の収用法の延長でいくのがいいかどうか、これについては非常に議論のあるところでございまして、この問題については、六十三年以降、各省庁の御議論の中でかなり問題になった分野と伺っておるわけでございます。  これは収用法の延長線で考えるということと、もう一つは、本来無償の空間であるならば、各種事業法によりそれを処理するという考えもこれはまた一つの有力な考え方としてあり、諸外国でも そのような法体系になっているところもあると伺っておるわけでございますので、この点こそまさに本調査会の最大の検討事項であると私ども考えておる次第でございます。そして、やはり両方の立場のいいところといいましょうか、筋の立つところをよく考え合わせまして、両方とも成り立つといいましょうか、歩み寄れる答えがいただけるものと私ども期待をいたしておる次第でございます。  その意味でも、委員の御意見あるいは御提言等もまた大いに期待をいたしておるところでございます。

石井啓一新進党

○石井(啓)委員 それでは続いて、この法律案の目的にもうたわれておりますけれども、大深度地下の計画的な利用ということでございます。  これはいろいろなアプローチがあるかと思いますけれども、個々の施設が事業実施の都度、事業間で調整するというやり方もこれはあるかと私は思います。また、片や一定の熟度のある施設の計画についてはあらかじめ計画段階で調整をしておきまして、いわば大深度地下利用計画ともいうべき計画を作成することも、効率的、計画的な地下利用に非常に有効ではないかというふうに考えます。この点につきましてもぜひ御検討をいただきたいと存じますが、いかがでございましょうか。

野沢太三自由民主党

○野沢参議院議員 御質問は、すぐれてこの調査会での御協議事項として私どもも期待をしておるところでございますが、発議者の意見といたしましては、大深度を活用いたしました社会資本の整備計画をあらかじめ立てまして、これによりまして計画的にかつ効率的に地下利用を進めるということが大変有意義であると考えておる次第でございます。  ただ、そういった計画を鉄道、道路、水路あるいは共同溝等各種事業がそれぞれ個別に立ててまいりますと、その調整がどうしても必要になるだろうと思うわけでございます。そうなりますと、やはり二の緊急性とか代替性、必要性その他もろもろの事業の性格を勘案しまして何らかの調整措置をやらないと、早い者勝ちということになったり、あるいはある有利な深さをある計画が独占する、これもやはりまずいわけでございますので、こういった点の調整機関なりあるいは調整のルールというものを決めることが大事ではないかと思うわけです。  これまでの実績といいましょうか実態では、個別事業者による設計協議によってどちらが上を行くか下を行くか、先にやるか後になるか、こういったことを個別協議で処理してきておりますけれども、こういった慣行に留意しながら計画の段階で調整を行うことができますると、地下利用にとっては大変いい展望が開けていくのではないかと思うわけでございます。  地表面に関しては都市計画というものがございますが、それほどの立派なものでなくても大深度地下に関する利用計画というものが樹立できることになりますと、大変これは将来展望が開けるということで楽しみにしておるわけでございますが、この件につきましても、調査会の中で十分なる御検討をいただきたいものと考えておるわけでございます。

石井啓一新進党

○石井(啓)委員 大変にありがとうございました。  それでは、以上をもちましてこの調査会設置法につきましての質疑は終わらせていただきます。野沢先生におかれましては、大変御丁寧な答弁をいただきましてまことにありがとうございました。  それでは、残る時間九分ぐらいございますので、この時間を使いまして規制緩和推進計画につきまして若干お尋ねをしたいと存じます。  まず、三月三十一日に閣議決定された規制緩和推進計画、五カ年計画でございますけれども、四月十四日の経済対策閣僚会議において、緊急円高・経済対策の一環として三カ年計画に前倒しをされております。この前倒しに伴う計画の改定につきましては、規制緩和特別委員会等での政府答弁によりますと、七年度末に行うというふうにされておりますけれども、私はもっと早急に行うべきであるというふうに考えますけれども、この点についてはいかがでしょうか。

陶山晧総務庁行政管理局長

○陶山政府委員 御説明申し上げます。  石井先生ただいま御指摘のように、三カ年計画への前倒しが決定されたところでございます。政府の策定いたしました規制緩和計画の中で、七年度に実施を予定するということになっておりますものが個別事項で申し上げますと六割強ございますが、当面は、本年度中に実施予定のものについて着実に実施をするということが極めて重要であろうと考えております。本年度中実施という予定のものにつきましても計画どおりきちんと措置内容が実施されたかどうか、これらについて政府部内できちんとフォローをいたしますとともに、ただいま行政改革委員会の中に専門の検討体制が設置されましてこれのチェックを行っておられるわけでございます。  いずれにしろ、八年度以降の前倒しに伴う計画の改定につきましては、ただいま申し上げました行政改革委員会における御審議の結果提示される御意見、これを十分に取り入れること、また政府部内でも各省庁においてきちんとした実施内容の点検、チェックをしながらその状況等をきちんと把握すること等々の事情もございますので、あるいは各界からの意見、要望をさらに伺って、次の改定時期に新規の事項も含めた改定の計画を策定するということを考えております。  したがいまして、ただいま御指摘のありましたように、計画に定めております本年末までに見直しをし、年度末までに改定をするというその段階でさらに内容の充実したものとして新たな計画をつくり上げていくということが効果的であろうと考えておるところでございます。

石井啓一新進党

○石井(啓)委員 それも一つの考え方かと思いますけれども、私は、せっかく三カ年に前倒しをされたのでありますから、七年度におやりになることは、これはもう着実にやっていただくことは当然といたしまして、七年度においてもできるものについては前倒しでやっていただく。あるいは七年度末改定になりますと、八年度、九年度で残りの四年度分をまとめてやらなければいけないということになりますから、スケジュール的にも非常にタイトになるんじゃないか、こういう懸念もございます。あるいは、計画というのはいっどのように実施されるかというのが非常に評価をされるところでございますので、三カ年にしたことによりましてそれぞれの事項がいつ実施されるのか、このことをなるべく早く公にするということが大切ではないかというふうに思いまして、そういう指摘をさせていただきたいと存じます。  それと同時に、三カ年に前倒ししたことに伴いまして、改めてこの五カ年計画をつくるというお考えはないのか。といいますのは、今回の五カ年計画についてもいろいろ評価があるわけでありますけれども、内外からの要望に十分こたえられていないという評価もございます。改めてこの五カ年計画をつくればそういったものにもよりこたえられるということにもなりますので、改めてこの五カ年計画をつくるという考えがあるかどうか、お聞きをしたいと存じます。

陶山晧総務庁行政管理局長

○陶山政府委員 まず、ただいま石井先生が御指摘になりました、既定の実施年度についてもあるいは実施時期についてもできるだけ前寄せで考えるべきだという御指摘につきましては、そのとおりであろうと私どもも考えております。できるだけ、今後の改定時期に当たって極力前倒しするように努力をいたしたいと考えております。  なお、新たな五カ年計画をという御指摘でございましたが、先ほども申し上げましたように、現在の三カ年の実施計画について、常に見直しをしながら改定をし、さらに充実した内容のものとしてローリングの見直しをやっていくという考え方でつくり上げたものでございます。  いずれにしろ、この三カ年間の規制緩和の具体的な実施状況の進展ぐあい、進展状況等を勘案しながら、ただいま御指摘のようなことにつきましてその段階で改めて検討すべき課題ではなかろう かというふうに考えております。

石井啓一新進党

○石井(啓)委員 それでは官房長官がお越しでございますので、ちょっと一問お尋ねをしたいと思います。  この規制緩和推進計画の前倒しを含めました緊急円高・経済対策、これがどの程度の効果があったのか、どういうふうに評価をなさっているのか、お尋ねをしたいと存じます。

五十嵐広三日本社会党・護憲民主連合内閣官房長官

○五十嵐国務大臣 先日決定いたしました緊急円高・経済対策は、機動的な内需振興策に加えて、規制緩和推進計画の前倒しや輸入促進策のほか、経済構造改革策などかなり広範かつ思い切った施策を盛り込んでいるつもりでございます。  また、対策の一環として編成されました平成七年度補正予算は、御承知のとおり、震災からの復旧・復興事業、緊急に対応すべき災害防止事業のほか、中小企業対策、情報通信及び科学技術分野などを追加いたしまして、総額二兆七千億に上るものでございます。これによって震災からの復旧、復興が一段と加速されるほか、厳しい環境に直面している中小企業の経営基盤の安定強化を図り、また新しい産業の創出等を我々としては期待をいたしているものでございます。  したがって、七年度当初予算及び補正予算の着実な執行を図るなど、本対策を速やかに実施していくことによって、既に実施していると年度の所得減税と相まって、現在の景気回復基調をより確実なものとするとともに、我が国経済の中長期的な発展を確保したい、このように考えているところでございます。  さらに、対策に盛り込まれた規制緩和推進計画の前倒し、あるいは輸入促進策などを速やかに実施して、現在縮小傾向にある経常収支黒字の一層の縮小を図って、通貨当局における国際的協力行動などの努力と相まって為替相場の安定に資してまいりたい、こういうぐあいに考えているところでございます。

石井啓一新進党

○石井(啓)委員 時間が参りましたのでもうやめにいたしますけれども、はっきり言いまして大変抽象的な表現でございましたのでよくわからなかったわけであります。為替相場を見てみましても、今八十五円前後でございましょうか、一時の状況と比べますと若干修正をされているわけでありますけれども、でもまだまだこの水準では満足されては大変困るわけでございまして、私は、やはり我が国の経済構造改革の一環として大胆な規制緩和を含む市場開放を断行する、このことが円高対策にはどうしても必要であるというふうに認識をしております。  先日来日されたEUのブリタン副委員長も、規制緩和を含む市場開放努力に関しては、問題は、やるかどうかではない、スピードである、一層政策の強力な推進を求めている、こういうことでもございますし、私は、ぜひ政治のリーダーシップのもとにこの市場開放を断行していただきたい、このことを指摘いたしまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

田中恒利日本社会党・護憲民主連合

○田中委員長 次に、中島武敏君。

中島武敏日本共産党

○中島(武)委員 私は、臨時大深度地下利用調査会設置法案について発議者に伺いたいと思っています。  現在でも、都市計画決定をして、そして関係地権者の同意を得れば地下利用は可能であります。御存じのとおりです。それにもかかわらず、新たな法律を制定して大深度地下利用を行おうとするのはなぜなのか。現行制度では障害になってそれを除去することができない、そのためではないかと思うのですが、何が障害になっているのですか。

野沢太三自由民主党

○野沢参議院議員 まさに委員御質問のポイントが、この法律を出す必要がなぜあったかということにございますが、これをお答え申し上げたいと思います。  これは提案理由の中にも申し上げてございますが、現在、大都市圏におきましては土地利用が大変高度化、複雑化しておる、そのために地権者との権利調整に大変手間がかかる、これがまず大きな理由の一つでございます。  それから、地価が依然として高水準にございまして、一時のバブルははじけてはおりますけれども、用地買収が大変困難であり、かつ公共事業等に占めまする用地費の割合というものが大変大きくなっておりまして、東京あたりでは建設費の過半が用地費用もしくはその補償費に消えてしまう、こういう実態にあるわけでございます。  その一方、最近では、大深度地下利用の技術が非常に進みまして、速く、安全に、かつ総体的には安価な姿で利用が可能になってきている、ここに大きなポイントがございます。確かに、委員御指摘のとおり、現段階でも地下深いところを利用して悪いということはございませんし、現にそのような事業も幾つか散見されるわけでございます。  しかしながら、その中で、先ほどからお話を申し上げておりますが、大深度地下に土地の所有権が及ぶのかどうか、それに対して補償が必要なのかどうか、さらには、大深度地下と私どもが申し上げております範囲というのはどの辺を想定しておるのか、そしてまた、地権者と事業者との法律関係の明確化がまだまだ図られていない、さらには安全確保、環境保全等につきましては、まだ十分な取り決めもルールもないというのが実態でございます。  それから、だれでも、どんな仕事でも大深度を利用していいかとなると、これまたやはり大きな課題があるわけでございまして、残された大事な地下空間を乱開発等でむやみに使われてしまうと、将来に禍根を残すという課題もあろうかと思うわけでございます。  こういった数々の課題について明確なルールがないということが一番問題でございますので、これを明らかにした上で、それを尊重して仕事をしていただくということが大事ではないかと思うわけでございます。  現在の仕事の実態は、公共事業等の企業者あるいはその担当者の努力で地権者等との協議を行って仕事を進める、こういうのが実態でございまして、その結果として大変長年月を要し、多額の費用を要しているということが、この法律を出して改革、改善を図ろう、こういうことの一番の理由であると考えておるわけでございます。  そして、これにつきましては識見のある立派な先生方にお願いをし、かつ、これを国会においても御議論いただいて国民全体のルールとして適用できるならば、これは明快な、公正な結果が期待できるだろう、こういうことでお願いをしておる次第でございます。

中島武敏日本共産党

○中島(武)委員 今お答えがあったのですけれども、現実問題として権利調整に非常に手間がかかっておる、だから権利調整に手間がかからないようにする、あるいは地価が高いために用地買収が困難である、だから高い地価で買収しなくても済むようにするというようなことが必要だ、その他言われました。そうすると、この点は、権利、私権の制限を行う、別の言葉で言えばそういうことですね。  それで、この調査会で検討してもらうということを言われたのですけれども、発議者としては、そこはどう考えておられるのですか。いろいろな意見があるということを言われたのですけれども、やはり所有権は地下深く及ぶというふうに考えておられるのか、発議者の考えです。あるいは、ある程度までというふうに考えておられるのか、あるいは補償についてはやはりやる必要があるとお考えなのか、それとも、いやその必要は大深度についてはないのだとお考えなのか、その辺についてちょっと、発議者の端的なお考えは一体どこにあるのか。  私が思うには、障害になっているものを除去する、こういうことになれば、今挙げたことは何らその障害にならない、解決ができるという方向でのお答えが出てくるのかな、そういうことを期待しているのかなという気がするのですけれども、端的に伺います。

野沢太三自由民主党

○野沢参議院議員 大変大事な問題であろうかと思います。  現行の法体系、憲法あるいは民法を考えましたときには、私は、これは個人の見解としては、所有権は及んでいると考えておりますが、それに対して補償を要するかどうか、これにつきましては、憲法との関係におきまして、すぐれて公共的な事業が地下深部を通過する、それを使用するというときにその地上所有権者に対して何らの悪影響がない、こういう状況が明確な場合には、補償を要しないかあるいはごく名目的な補償で済まされる、かように私どもは考えております。  それは、先ほど申しましたように、日本の国土の七割を占める山地におきましては現にもうすべての地下施設は無償で利用できるというよき慣行が確立されておりますので、これが仮に都市地域においても地上所有権者に支障が及ばないという深さであれば可能ではないか、こう期待をしておるわけでございます。

中島武敏日本共産党

○中島(武)委員 ちょっと伺いますけれども、その深さというのは、これは調査会で検討してもらうというお答えだろうと思うのですけれども、発議者が期待している考えは大体どの辺なのですか。

野沢太三自由民主党

○野沢参議院議員 これまでの文献等で拝見いたしますと、大体二十メートルから五十メートルくらいの間を想定している学者の方が多いように伺っております。  なお、外国等の例で、地盤が良好な場合には十メートルないし十五メートルをもって無償空間とするという事例もあるようでございますが、東京あたりの実態の方から申しますれば、地下三十メートルを超えて利用、活用をしている地下構造物、あるいは建物の基礎、地下鉄等はりょうりょうたるものでございまして、深井戸等を除きますと三十以上はもうほとんど無人の広野に近い、こういうのがこの大東京においても実態でございます。  これらの事実を総合されまして、調査会におきまして合理的な、また公平な、公正なる御判断がいただけるものと期待をしておるわけでございます。

中島武敏日本共産党

○中島(武)委員 次の問題ですが、法案では、大深度地下利用は公共的利用に限定されるという趣旨かなとは思うのですけれども、そのように読んでよろしいですか。

野沢太三自由民主党

○野沢参議院議員 済みません、ちょっともう一度お願いしたいと思いますが。

中島武敏日本共産党

○中島(武)委員 法案で言っているのは、大深度地下利用は公共的な利用、この場合に限るのであって、私企業が私のために利用するということは排除する、こういうお考えでしょうか。それともやはり、それは公共的利用ということが出てくるのですけれども、私企業の場合の私利用についても排除しないんだというお考えなのですかという意味なのです。

野沢太三自由民主党

○野沢参議院議員 公共企業あるいは公共事業は当然いわば想定の範囲に入っておりますが、私企業でありましても公益的なお仕事をしている会社はいっぱいあるわけでございます。ガスとか電話とか、鉄道も最近は企業になってまいりましたが、そういった面での公益的な範囲まではやはり有資格と考えてよろしいのではないかと思うわけでございます。  これまでの議論の中では、一部の企業が地下を大変夢のあるプロジェクトの世界ということで大変楽しい絵をかいている例もございますけれども、これらについては相当慎重に対処しないと、地下の乱開発であるとか、あるいは逆に私権のさらなる拡大ということになっては、せっかくの貴重な空間が将来動きがとれないことになると思っておりますので、この辺が本調査会におきましても、どの辺までを対象事業としてお取り扱いいただけるか、大きな課題の一つと考えております。

中島武敏日本共産党

○中島(武)委員 大深度地下利用をしようとして工事を行う、その工事の過程、それからまた実際に地下利用がされた段階で、地盤沈下とかあるいは地下水が枯渇する、そういう点で財産権や所有権を侵害する、そういう損害が生じた場合には当然補償することが必要になると思うのですけれども、そのようにお考えでしょうか。

野沢太三自由民主党

○野沢参議院議員 確かに委員御指摘のとおり、工事に伴う事故とか問題あるいは影響、こういったものが実際に出た場合には、当然これは補償なり損害賠償の対象になり得る、かように考えておるわけでございます。  なおまた、供用中、長期にわたって将来影響が出てくる、こういうことも想定されるわけでございますので、やはりそういった責任にたえ得る事業体とかあるいは企業体だけしかこういった分野には進出できないのではないか、また、しては困るということも言えるだろうと思うわけでございます。これは、過去の地盤沈下等に関するさまざまな事例等を勘案いたしましても、将来ともに責任の持てる事業であり企業であって初めて大深度に対する利用の資格がある、かように思っております。

中島武敏日本共産党

○中島(武)委員 次に、建設省に伺いたいと思っております。建設省、来ておられますか。  大深度利用された地上に高くて重い建物を建てた場合に、安全性の問題が出てくるのではないかと思うのですね。その場合に、地上の土地利用について何らかの規制が必要になるのではないかと思うのですけれども、この点についてはどういうふうにお考えですか。

澤井英一建設省都市局都市計画課長

○澤井説明員 御指摘の、大深度の地下利用と地上の土地利用との相互の影響につきましては、例えば地盤状況ですとか、あるいは地下に設置される工作物の構造といったような個別の状況にも影響されると思いますので、一つには、こうした技術的側面についての検討をさらに進める必要があるのではないかというふうに考えております。  これとあわせまして、地上の建築物や工作物の設置によります地下構造物への影響があるとすれば、これを防ぐための制度的な手法の必要性あるいはそのあり方につきましても、例えば現行制度の活用といったような視点も含めまして検討を進めることが適切ではないかというふうに考えております。

中島武敏日本共産党

○中島(武)委員 もう一つ建設省に伺います。  それは、大深度地下利用については当然都市計画決定を行うということになろうかと思うのですけれども、どうお考えか。  それからまた、都市計画決定ということになれば、計画の縦覧とかあるいは意見書の提出とか、当然こういう手続が踏まれると思うのですけれども、それはそういうふうに考えてよろしいですね。

澤井英一建設省都市局都市計画課長

○澤井説明員 先ほど来御議論ございますように、大深度地下は基本的に公共的な利用を推進すべき貴重な空間であるというふうに私どもも考えております。この場合、例えば複数の施設が整備される可能性といった見地から施設間の調整が必要になる、あるいは大深度地下といいましても、地上あるいは浅深度との連結といったこともございまして、そういったところの土地利用との調整も必要になるということを踏まえますと、すべてということになるかどうかは別でございますけれども、必要に応じまして大深度地下利用施設について都市計画決定をするということは適切な方法の一つだろうと考えております。  都市計画決定を行う場合には、当然通常の都市計画の手続に従って行われるというふうに考えております。

中島武敏日本共産党

○中島(武)委員 発議者に伺いたいと思うのです。  八九年三月に、環境庁の地下開発地盤環境管理検討会というところから中間報告が出されておる。私はこれを読んでみて、大深度の開発は「地下水位低下等の環境変化が生じ、地盤沈下、地下水利用障害等の被害が表われることが懸念される。」ということが書かれているのですね。それからまた、大深度地下利用は、環境の影響については、知見に乏しくて未解明の部分が多い、そういうふうに一般的にも言われております。  そのほかにも、安全上の問題もあります。それから防災上の問題もある。またさらには、先ほどからお話のあった憲法上の財産権の問題とかある いは民法上の土地所有権の問題であるとか、非常に重大な問題がかかわっているのがこの大深度地下利用だと思うのですね。そういうことからいいますと、私は、これは非常に重大なことですから、もう十分な審議を必要とすると思うわけです。  それで、調査会の設置期限が三年間となっているわけですね。もっと短くてもいいのではないかという御意見もあるいは何かあるようでございますけれども、しかし、これだけの重大な問題を抱えているわけですから、調査会の設置期限三年が迫ってきたというので強引に結論を急いで、それで大深度地下利用を促進するというようなことがあっては当然ならないと私は思うのです。その点についての発議者の見解を伺いたいと思うのです。

野沢太三自由民主党

○野沢参議院議員 御指摘のとおり、環境、安全、さらには、最初からお話ししてございますが、法律上の問題、技術上の問題、検討すべきことが非常に多いということは、もう御案内のとおりでございます。  そういったことを考えまして、当初、立案段階では、脳死臨調、死とは何ぞやという難しい課題に取り組んだあの調査会が二年でやっておりましたので、それでどうかと思ってお諮りをしたのですが、やはりもう少しかけて三年と、こういうことになって原案をつくらせていただいた経緯がございます。私といたしましては、三年という期間があれば、十分な審議が尽くされ、そして必要にして十分な結論がいただけるものではないだろうかと思うわけでございます。  と申しますのは、この問題が提起されましてから既に七年を経過しておりまして、関係する十省庁におかれましても、それぞれ研究会、勉強会を重ねられ、かつ関係の学会等におかれましても委員会、シンポジウム等を開催され、相当なデータ等も提供されてきておるところでございますので、やはりこの辺で結論が得られるのではないかと思っておるわけでございます。  もちろん、この審議につきましては慎重に進めていただきまして、見切り発車とかそういうことにならないよう十分な御検討をいただきたいと考えておるわけでございます。

中島武敏日本共産党

○中島(武)委員 最後に、官房長官にお聞きしたいと思うのです。  この調査会の委員は、大深度地下利用について識見のすぐれた人で、両院の同意を得て総理大臣が任命することになっておりまして、委員の数は十二名以内となっております。  これまでの政府の審議会委員については、これは私は典型ではないかと思うのですが、いわゆる中曽根臨調の委員に示されましたように、財界代表が多数任命をされる、そして事実上の審議会の主導権を握って、審議会の政策提言に直接財界の利益を反映したのではないかと私は思うのですね。  私は、今度の場合、公正で民主的な議論を保障することが必要だと思うのですね。そのためには、委員の民主的、公正な選任が前提とならなければならないことは言うまでもないと思うのです。その点で、大深度地下利用を促進したい、こう考える方々だけじゃなくて、慎重に考える慎重派の人たち、それから反対の意見の論者、こういう人たちもやはり委員に選ぶ必要があるのではないかと思うのですね。広範な分野からの選任が必要だと思うのです。さっき地方自治体という意見なんかも出ておりましたけれども、やはり広い分野から委員の人たちを選ぶことが大事じゃないか。  それからもう一つは、民主的に国民の意見をよく聞くということからいって、調査会で公聴会なんかも設けて、そして公正、民主の運営をする必要があるのじゃないかということを考えているのです。  この点についての官房長官の見解を伺って、私の質問を終わりたいと思います。

五十嵐広三日本社会党・護憲民主連合内閣官房長官

○五十嵐国務大臣 大深度地下の利用につきましては、政府といたしましても、例えば私権の制限にかかわる法律の問題であるとか、あるいは安全面だとか環境面だとか、大変慎重に検討すべき要素が多いというふうに思いますので、これらの問題に関する非常に識見の高い方を広くこの委員に選任させていただくということは、もう当然のことであろうというふうに思います。  もちろん、だれがどうというようなことは、イメージはまだないわけでありますが、しかしながら、法律ができて、そして委員を選任するということになりますれば、もちろん公正に、かつ本委員会の論議等も十分に考えながら選びたい、こういうぐあいに思います。  それから、会の運営につきましては、これはやはり会自身でおやりになることであろうというふうに思いますが、もとより会は公正に運営されるべきものであろうというふうに思いますし、また政府としても、必要な協力はもう全力を挙げて御協力を申し上げたい、このように思う次第であります。

中島武敏日本共産党

○中島(武)委員 終わります。

田中恒利日本社会党・護憲民主連合

○田中委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————

田中恒利日本社会党・護憲民主連合

○田中委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決いたします。  参議院提出、臨時大深度地下利用調査会設置法案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

田中恒利日本社会党・護憲民主連合

○田中委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  お諮りいたします。  ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中恒利日本社会党・護憲民主連合

○田中委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

田中恒利日本社会党・護憲民主連合

○田中委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時八分散会

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