内閣委員会 第5号
- 発言数
- 71 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1995/03/10
会議録
○田中委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。野田佳彦君。
○野田(佳)委員 新進党の野田佳彦でございます。 これから約一時間ほど質問をさせていただくわけでございますけれども、外務大臣とはこういう形で相まみえるのは初めてでございますので若干自己紹介をしておきますが、実は私は、二十年ほど前、新自由クラブの旗上げのころに学生ボランティアをやっておりました。まさに十代後半で最年少のボランティアだったと思いますが、当時、ちょうど今の私とほぼ同年代の河野代表の魂を揺さぶられるような演説に大変感銘をいたしまして、一生懸命ポスター張りやビラ配りなどやっておりました。 二十年たちまして、まさかあのときの河野代表が自民党の総裁になられているとは私も想像しませんでしたし、また、当時河野代表の演説に感銘をし、この政治の世界にある意味では踏み込んだ私でございますので、こうした立場を超えて議論をするということは、本当に特別な感慨を持つ次第でございます。 それでは、これから質問をさせていただきますけれども、まずは、内閣から提出をされております在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、これについて若干の質問をしていきたいというふうに思います。 まず、この法律案の骨子でございますけれども、一つには、国連信託統治下にあったパラオの独立に伴い、在パラオ日本国大使館を新設するとともに、この在外公館に勤務する外務公務員の在勤基本手当の基準額を定めること、このパラオ日本国大使館はフィジー大使が兼轄をするということでございますが、これが一つ。それからもう一つ、在エンカルナシオン日本国領事館に係る規定を削除すること。これが今回の法案の骨子になっております。 御案内のとおり、パラオ共和国は人口が一万六千人ぐらい、面積にして日本の屋久島規模の大変小さな国でございますが、一九一四年からまさに三十年近く我が国の統治下にあった国であり、歴史的な関係がかつて大変深かったところでございます。加えて、漁業関係のつながりも深く、我が国に対して、経済協力、国づくりに対して大変な期待を持っているかというふうに思います。また、国民としても極めて親日的な国とも聞いておりますが、この大使館の新設を契機に、今後パラオと我が国はどのような友好関係を築いていくか、これについてまずはお尋ねをしたいというふうに思います。
○河野国務大臣 議員御指摘のとおり、我が国とパラオ共和国とは深い歴史的関係を持っているわけでございます。昨今は、パラオも、観光とかあるいは漁業を中心にして我が国とも緊密な関係にございます。 昨年十月、パラオ共和国の独立式典には、我が国から特派大使も参加をいたしまして、初代ナカムラ大統領に祝意を述べてきたわけでございます。その後、大統領も我が国を訪問されまして、私もお目にかかりましたが、議員がおっしゃるように大変親日的であり、さらに、日本に対する協力を望んでおられるということも伺いました。 たしか一万六千人前後と伺いました人口でございますから、やはりこれからその経済的な自立に向かって相当な努力が必要であろうというふうにも思うわけでございまして、我が国としても、同国の国づくり、人づくりと申しますか、そういったことにできるだけの御協力は申し上げたい、こんな気持ちでいるところでございます。
○野田(佳)委員 パラオは、昨年の独立を果たすまでは国連の信託統治下にあった国でございましたけれども、この信託統治地域、かつては、タンガニーカあるいはルワンダ、ブルンジ、ニューギニア等十一地域ありました。最後に残っていたのがパラオであったわけでございますが、このパラオも独立をし、今、世界では信託統治地域がなくなったわけであります。 その一方で、信託統治理事会というものが国連の中にございますが、信託統治地域がなくなったわけでありますから当然のことながら信託統治理事会も廃止をしていく方向にあるんだろうと私は推察をしておりますけれども、聞くところによると、信託統治理事会の構成国である安保理の五常任理事国いずれも廃止には消極的というお話もございますが、これはどういう形になっていくのか、方向性についてお聞きをしたいと思います。
○河野国務大臣 おっしゃるとおり、昨年十一月に信託統治理事会は最後の会合を開いて以来活動を停止していると承知しております。私自身、昨年の国連総会に参りまして、国連改革についてその演説の中で触れさせていただいたわけでございますが、その際に、信託統治理事会はその歴史的使命を終えており、国連機構全体の改革の中で廃止へ向けた検討が進められることが適当である旨演説をさせていただきました。 信託統治理事会そのものの廃止につきましては、御案内のとおり国連憲章の改正を必要とするわけでございますから、このことだけを取り出して国連憲章の改正ということになるかどうかというと、これはなかなかそういかないかもしれません。国連憲章改正という、もう少し大きな改正の時期に同時にこれもまたその中に組み込まれるということの可能性の方が大きいのではないかというふうに思いますが、と同時に、この国連憲章の改正にはP5、つまり常任理事国の全量の賛成がなければならないことは条件の一つでございます。 それだけに、この常任理事国の信託統治理事会の廃止に対する理解がなければこれはまた実現は難しいわけでございまして、私どもとしては、国連憲章の改正というさらに大きな構想の中で、これも改正に向かって、つまり廃止に向かって理解を求めたい、そんなふうに思っております。
○野田(佳)委員 ただいまの御答弁にもございましたとおり、河野外務大臣におかれましては、国連総会の一般演説でこの点について確かに触れていらっしゃるようでございます。またガリ事務総長におかれましても、信託統治理事会を国連憲章改正により消滅させる手続を進めるように総会に勧告をしているというようなお話もございます。ただ、まだまだその具体的な議論が進んでいないようにも思いますので、先ほどの御答弁のように、国連の機構改革の中とあわせて常にこの議論を具体的にお進めいただきたいというふうに思います。 続きまして、今回、エンカルナシオンの領事館の廃止に係る規定の削除が項目に入っておるわけでございますが、第百二十九回国会において、在外公館の名称及び位置並びに在外分館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、今回と同じ法律案でございますが、これに対する附帯決議が出されておりました。これはもう既に御承知のとおりだと思いますが、その中にも、エンカルナシオン領事館については、廃止後も在留邦人の現況からその対応に万全を期し、従来の行政サービスの水準を維持すること。というような文言が書かれてございます。既にこの領事館が一月日でございますか廃止になったと思いますが、その後在留邦人に対する行政サービスは維持できているのかどうか、その点を確認をさせていただきたいと思います。
○堀村説明員 仰せのごとく、在エンカルナシオン領事館は本年一月、花パラグアイ大使館の出張駐在官事務所に移行いたしたところでございますが、所管地域に居住する在留邦人、移住者、さらにはその子弟である日系人に対する行政サービスが重要であるというのは先生仰せのとおりでございまして、出張駐在官事務所移行後におきましても、従来の領事館が実施していたのと同様の業務を現在実施しております。 体制面におきましては、旧在エンカルナシオン領事館の職員数、これは本官二名でございましたけれども、駐在官事務所移行後も本官二名の体制を維持いたしますとともに、施設もそのまま従来どおり維持され、また、駐在官事務所長に対しては領事の名称が付与されているところでございます。したがいまして、移行後も機能的には従来のレベルが維持されているというふうに御理解を賜りたいと存じます。
○野田(佳)委員 在外公館関係は以上とさせていただきまして、せっかく大臣にお越しをいただいているわけでございますので、幾つかの外交課題について質問をさせていただきたいというふうに思います。 本日の外務委員会でも活発に議論が行われておりましたけれども、朝鮮半島エネルギー開発機構、KEDOの問題について若干質問をしたいというふうに思います。 今から数年前でございますけれども、私が地方議会におるころに全国の地方議会の議員さんたちがあの北朝鮮に視察に行ったことがございました。私自身もその中の一員として加わったことがございます。大変べールに包まれた興味のある国でございましたので、この目で見てみようという思いで行ったわけでございます。 その当時は金日成主席も健在のころでございまして、何回かその声も、お顔も拝見をいたしました。大変驚いたことというのは、一つの会場に入って、主席があらわれると、満杯の、会場いっぱいの人たちが一斉に立ち上がる。そのときの音はさながら爆発をしたような激しい音。皆さんが跳び上がって歓迎をする。大変ショッキングな光景でした。そしてそれぞれの皆さんが、随喜の源といいますか歓喜の涙を流されている。これはよほどカリスマ性のある方だなというふうに思いました。 その後、御子息の金正日氏の体制に今なりつつあるわけでございますが、ちょっと質問の通告からは漏れているかもしれませんが、今この金正日氏の体制というのは、果たして万全になりつつあるのか、それとも不安定にあるのか、この点をまずは確認をさせていただきたいと思います。
○川島政府委員 まさに、べールに包まれた国というふうにおっしゃいましたけれども、なかなかひとつ中でどういうふうに起こっているかということの把握しにくい国であることを御理解いただけるかと思います。 それで、私どもの見ているところでは、金正日書記に継承という流れが引き続き続いているのではないかという認識はございます。就任式、つまり総書記あるいは主席に就任するというのが行く行くあるのではなかろうか。ただそれが、当初は金日成主席が亡くなられてから割に早い、三カ月とか一カ月とか言われていたのがだんだん延びているので、その辺のところがひとつよくわからないということはございます。いずれにいたしましても、例えば去年の秋に米朝合意がまとまったわけですけれども、そういう過程での北朝鮮の対応ぶりを見ておりますと、まことにきちんとした意思決定の機構が動いておるということは実感でございます。 ただ、それから先、不安定がどうかと言われましても、こうでございますと申し上げるだけのはっきりした確実なものはちょっとないというのが率直なところでございます。
○野田(佳)委員 私が河口か滞在をして強く受けた印象ですけれども、たしかピョンヤンという都市は人口二百万人ぐらいで、ちょうど名古屋ぐらいの規模の大変近代的な都市でございました。大変高層のビルが林立をし、昼間はすごい都市だなと思いますが、しかし夜になると、人が住んでいるはずなのに電気がついていないというところがある、大変暗い町になります。私はそれだけエネルギー事情が逼迫をしていたんだろうというふうに思いますし、また大変幅広いすばらしい高速道路があっても政府の専用車ぐらいしか車が通らないという、大変見たことのないような町でございました。 その中で、相当にエネルギー事情が逼迫しているという予想がつくわけでございますが、今回の軽水炉の転換支援の問題でございますけれども、昨日、KEDOの設立協定ができ上がったわけでございます。これについてはもう既に我が党からも随分と質問があったとおり、行政取り決めではなくて国会承認が必要であるという議論が行われています。 確かに大平三原則を出されて答弁をされているようでございますけれども、いずれ数年にわたって巨額な資金供与を行っていく、その枠組みのまさに基礎の基礎たる設立協定の部分で、やはり国会の承認というものを経る必要があるのではないのか。ベールに包まれている国だからこそ、少なくとも国民としては、なぜあの国に韓国に次いで資金供与をしなければいけないのか、そもそも米朝交渉の過程の中で、我が国が十分に説明を受け、また我が国の意見を十分に反映してきているのかどうか、あるいは、軽水炉に転換したとしても、IAEAの査察などによって本当に完全に核開発を阻止することができるのかどうか、いろいろな疑問を国民が持っているように思っています、そして、結局は注がれるのは国民の納めた血税でありますから、よくわからない、何だかわからないということで、果たしてそのまま行政取り決めをきっかけに進んでいっていいのかどうか、そういう疑問も持っております。 そこで大臣に、これは何回も繰り返し午前中から質問があったかもしれませんけれども、お答えをいただければと思います。
○河野国務大臣 北朝鮮の核開発に対する懸念というものは、国際社会の多くが持っていたものです。それは、国際社会に核拡散が行われるということに対する懸念でもございましたでしょうし、あるいは朝鮮半島の不安定さというものがさらに高まるということもあったと思います。 また我が国は、我が国自身も北朝鮮の極めて近い地理的な場面にいるわけでございますから、地理的に近いところにいるわけでございますから、我が国自身の問題としても北朝鮮の核開発というものはきちんと処理されてほしいと思うのは当然のことだと思います。 たまたま北朝鮮はこの交渉相手にアメリカを指名して、米朝がこの問題について交渉をするということになりました。アメリカは大変厳しい交渉の中を、非常に我慢をするところは我慢をし、粘るところは粘って話し合いによる合意というものを導き出したわけでございますが、私どももその交渉の過程において、アメリカ、そして韓国、日本、この三カ国は極めて密接な連携をとりながら、この米朝交渉というものを日本としてはある意味でバックアップすべきところはバックアップをしてきたわけです。 その過程にあって我が国は、一定の条件のもとに、米朝が合意をすれば、その合意を実施するに当たって応分の資金的負担もいたしますというところまで、その過程でアメリカには言ったことも、これは公表されておりますから皆さんよく御承知のとおりだと思います。そういうことはアメリカと北朝鮮との間の交渉を、アメリカにその交渉の能力を高めるということもきっとあったのではないかと思うわけでございまして、米朝の交渉は非常に厳しい交渉であったと承知をいたしておりますが、結果的に昨年十月にその交渉は合意に達したわけでございます。 この米朝の合意というものをどう評価するか、極めて不満足と、北朝鮮側が一方的に有利で、アメリカ側が一方的に不利だと、こう評価する人ももちろんおられると思いますし、いや、そうではない、この合意は十分目的を達成するのに近い合意であったという評価をする人も当然あると思います。私どもは、この米朝合意は評価するに足るものだというふうに申し上げてまいりました。 それで、いよいよその米朝合意を実施に移す段階になったわけで、これは米朝合意の中にもございますように、アメリカ側は国際コンソーシアムをつくって、その国際コンソーシアムを窓口として軽水炉プロジェクトというものを進めていくということになるわけでございますから、まずは日米韓三国が中心となりましてKEDOなる機構をつくったということでございます。 このKEDOは、米朝合意に基づいて軽水炉プロジェクトを進めていく一方の窓口でございますから、この窓口というものをまずつくり上げたということについて国会に御報告を申し上げて、御質問があればそれにお答えをいたしますということを我々は今申し上げているわけでございまして、これから先、その窓口を通して北朝鮮側とさらにさまざまな交渉が行われて、その交渉がまとまれば次のステップヘ進んでいくということになるのだろうと思います。
○野田(佳)委員 KEDOの設立の準備会合でございますか、二十三カ国ぐらいが集まったという話がございましたけれども、正式に参加をする国というのは一体どれぐらいになるのか。既に表明をされている国もあるようでございますが、それとあわせて、特に中国、ロシア等に注目が集まると思いますが、この辺の動向もあわせてお知らせいただきたいと思います。 また、ちょっとついでに、費用分担の今後の見通し、そして米国は資金提供をするのかしないのか、またアメリカに我が国は資金提供を求めるのかどうか、この辺の姿勢をお願いしたいと思います。
○川島政府委員 お答え申し上げます。 まず、KEDOの参加国でございます。八日から九日の二日間にわたりまして、ニューヨークにおきましてKEDOの設立のための準備会合というものが開かれた次第でございます。これには日米韓に加えまして二十カ国、それにEUから出席があったということでございます。 ちなみに、アジアはASEAN諸国全部、それから豪州、カナダ、ニュージーランド等の太平洋の先進国、それからヨーロッパのフランスとかイタリアとか、ロシアも入っております等々、それから湾岸諸国としてはア首連、カタール等でございます。これは準備会合でございまして、それが全部その参加国ということではございません。 そこで、むしろいろいろな国が来てKEDOについていろいろどういうふうになっておるかということを説明等を聞いて、その後の対応を考えるという場だったわけでございます。その後開かれましたKEDOの理事会におきまして、その中で豪州、ニュージーランド及びカナダがKEDOへの加盟を承認されたというふうに承知しております。したがいまして、原加盟国が日米韓三カ国でございますけれども、その日のうちにそのほかに豪、ニュージー、カナダが入ったということでございます。 そのほかに、今の時点では英国、フィリピン等もKEDOへの参加意向表明をしておるということでございます。我が国といたしましても、今後とも引き続き幅広く各国に対してKEDOへの参加を呼びかけるという考えでございます。 ロシアと中国でございますけれども、ロシアもこの準備会合には来ていたわけでございますけれども、参加についてはまだ意向ははっきりしていないということです。ちなみに、ロシアは従来から米朝合意で提供されるべき軽水炉にロシア炉を買ってくれないかというか、提供できないかという関心を表明している次第でございますけれども、これは、ちなみに韓国が中心的役割を果たし、韓国型の炉を出すというのが一つの大きなポイントになっておりますので、それは、ロシア炉ということになりますと、なかなか難しいのではないかというのが現状でございます。 それから中国は、参加を日本としても勧めて招いていたのですけれども、来なかったということでございます。中国は朝鮮半島における非核化を非常に支持しておりまして、したがって、米朝合意、話し合いによる解決というものを大変積極的に評価しております。ただ、KEDOに参加するかということについては、中国はやはり北朝鮮との友好国という特別な立場にかんがみて、むしろKEDOに参加することなく今後の推移を見守り、愛すれば、いろいろ役割を果たすということの姿勢が今のところ打ち出されておるわけでございます。ただ、私どもとしては、やはり中国の役割というのは非常に重要であろうと思いますので、引き続きKEDOへの関与、参加というものを中国に対しても働きかけていきたいと思っております。 それから、軽水炉の費用分担でございますけれども、これにつきましては、今後、まずKEDOと北朝鮮の間で供給取り決めというものをつくりまして、そこで相当法的なきちんとした整理を行い、その上で資金的にどういうふうなスキームをするかということを詰めた上でだんだん決まっていく状況でございまして、今のところどれくらいの費用分担になるかということは申し上げ得る状況にないし、日本自体も、意味のある財政貢献ということは申しておりますけれども、それ以上具体的に幾らとか何%とかいうところまで詰めてないという状況でございます。 それから、米国につきましては、これは一月に日米首脳会談があったわけでございますけれども、クリントン大統領の方から、米国はこの米朝合意を動かすKEDOのもとで、米朝合意を動かしていくに当たりまして、引き続き主導的な役割を果たすという意向であり、そして財政的貢献を行う意図を有しておるという発言があった次第でございます。
○野田(佳)委員 今回の設立協定の中では、北朝鮮が米朝合意に沿って行動することを条件としているというふうにありますけれども、米朝合意の中では、北朝鮮が南北非核化宣言の実施あるいは南北対話の振興などを実施するという、そういう項目もあったと思いますが、それはほとんど今手つかずに来ていると思います。この現状をどう見でいらっしゃるのでしょうか。
○川島政府委員 お答え申し上げます。 まさに、米朝合意には、北朝鮮が、朝鮮半島の非核化に関する南北共同宣言の実施のために措置を講じていくこと、それから、南北対話に従事すべきことを明記している次第でございます。 実際問題として、これは韓国炉を提供するということが一つの大きなポイントであって、韓国はそういう中心的な役割を果たすという大前提でございますので、南北関係が動かなければそもそもこの米朝合意というものは動かなくなってしまうわけでございます。その意味で、南北関係が対話等を通じて、対話のみならず実質的に前に動くということが極めて重要であると思います。そういう観点から、現在のところ南北対話が全く動かなくなっているということは大変残念なことでございます。 今後の見通しとしてどうなるかということは、今の段階で確たることは申せないのですけれども、いずれにいたしましても、とにかく南北対話が早期に開催されて、非核化宣言のためのいろいろな措置がとられるということを日本としては強く期待しておりますし、また、そういう形で南北関係が動かなければそもそもこの米朝合意が動かなくなる可能性が非常に大きいということは申せると思います。
○野田(佳)委員 先ほどのような条件を満たさない場合には、今回の設立協定の中に、「適切な措置をとることができる。」という表現がございます。この「適切な措置」とはどういう意味でしょうか。
○川島政府委員 お答え申し上げます。 米朝合意には、まず御理解いただきたいのは、これは軽水炉プロジェクトを何が何でもつくるというような話ではございませんで、北朝鮮側が同合意の上でいろいろな義務を負っておるわけでございます。その義務の履行に応じて段階的に軽水炉プロジェクトも進むという組み立て方になっております。したがいまして、軽水炉プロジェクトを実施していくということといろいろな合意事項を北朝鮮が履行するということとは表裏一体の関係にございます。 そこで、そういう北朝鮮側のいろいろな義務を満たさない場合には、御指摘のとおり「適切な措置」という文言が入っているわけでございます。「適切な措置」というのが具体的にどういうことかというお尋ねでありますとすれば、それはまさに、北朝鮮側の義務違反というか条件を満たさないときに何をするかということでございますので、予断を持ってお答えすることは差し控えたいと思います。 ただ、「適切な措置」というものは、あくまでもKEDOの役割は軽水炉のプロジェクトの実施あるいは代替エネルギーの供与に関する仕事等が中心でございますので、そういうプロジェクト実施に関連した範囲内の措置であろうかというふうに考えております。
○野田(佳)委員 そもそも韓国型の軽水炉を供給するということになっておりますが、これについて、先ほど来お話もありましたとおり北朝鮮の相当な反発があるようでございますが、果たして四月二十一日までにこの契約を結ぶことができるのかどうか、大変予断を許さない状況だと思いますか……
○川島政府委員 お答え申し上げます。 これは、米朝合意では、米朝合意のできた日付が昨年の十月二十一日だったと思いますけれども、それから六カ月以内に軽水炉供給契約が締結されることを確保するよう最善の努力を行うということになっております。したがって、最善の努力でありますので、これは努力目標というふうに受けとめております。 それじゃ、それまでにできるかというお尋ねでございますけれども、これはまさに、先生も触れられましたようにこれから、ようやく立ちとがりましたKEDOと北朝鮮の間で軽水炉プロジェクト等に関する供給契約のやりとりが続くわけでございますが、その焦点でありますところの韓国型軽水炉とするということの取り扱いをめぐってかなり紆余曲折と申しますか、なかなか難しいやりとりになり得ると思っております。 今申し上げられますことは、そういう努力目標の中で何とか韓国炉、これはもう韓国が中心的な役割を果たし、韓国炉供与という大前提の中で供給取り決めができ上がって、話がつくということを期待するということでございます。
○野田(佳)委員 ちょっと時間の都合もございますので急いでいきたいと思いますけれども、次は、核の使用の違法性の問題。 これは昨年の六月、WHOの諮問を受けて国際司法裁判所がそれぞれの国連加盟国に陳述書を提出するような要請がございまして、そのとき、我が国においても大変ホットな政治的な議題となりました。 いろいろ議論がありましたけれども、最終的には、政府が予定をしていた「純粋に法的観点から言えば、今日までの諸国の国家慣行や国際法学者の学説等を客観的に判断した場合、今日の実定国際法に違反するとまでは言えないがこというこの文言を削除するような、そうしたまさにてんまつがございました。このときは羽田政権のときでございますけれども、このときに我が国としての政府見解を陳述書としてICJに提出したわけでございますけれども、今度は、陳述書を出した国々、これは三十五カ国あるそうでございますけれども、さらに意見書を六月二十日までに出すことができるというふうに聞いております。 我が国としては、唯一の被爆国として日本の見解はどのように出されるのか、まさに注目を集めるところだと思いますが、この意見書を出すつもりなのか、またどういう内容を考えていらっしゃるのか、お尋ねしたいと思います。
○林(暘)政府委員 お答え申し上げます。 今御指摘のとおり、WHOに出しました陳述書につきまして国際司法裁判所の方から、各国が出した陳述書へのコメントを六月二十日までに出す希望があれば出すようにという通報が来ております。現在、事務方で各国の陳述書について内容を検討している段階でございますので、これに対してコメントを出すか出さないか、出すとすればどういう内容かについてはまだ検討中でございます。
○野田(佳)委員 同じように、WHOだけではなくて国連総会からもICJに諮問が要請をされております。ICJから国連総会に向けて我が国が陳述書を出すように求められておるかどうか、また求められているとしたらどのような内容の陳述書を考えていらっしゃるのか、お答えをいただきたいと思います。
○林(暘)政府委員 昨年の秋、国連総会で採択をされました決議に基づきまして、ICJに核兵器の使用の違法性についての勧告的意見を求めるという決議が成立したわけでございますけれども、それに対して、これにつきましても今年の六月二十日までに陳述書を各国が提出することができるという通報がICJから参っております。 これにつきまして政府といたしましては、先ほど御指摘のとおり、昨年WHOからの決議に基づきますものについでは陳述書を提出いたしたわけでございますけれども、この国連総会の諮問に対する陳述書についてどういうふうに対応をしていくか、現在検討中でございまして、内容その他についても今のところまだ検討の段階にあるということでございます。
○野田(佳)委員 両方とも今検討段階というお話でございますけれども、羽田政権の折には、社会党の議員さんの中からもあるいは自民党の議員さんの中からも、何で「実定国際法に違反するとまでは言えない」、そんな文章を入れるんだ、明らかに国際法違反であると明言したらどうかとか、あるいはかなり御意見があったように思います。それによっで先ほどの文言が削除されたわけでございますけれども、当時の羽田政権と、そして今回の村山政権において基本スタンスはどう違うのか、同じなのか、その辺を大臣に確認したいと思います。
○河野国務大臣 村山内閣発足時におきまして、外交は継続するということを総理は明言されております。内政は改革、外交は継続、これが村山内閣の基本的な考え方でございます。
○野田(佳)委員 ということは、前回のWHOに対する陳述書、すなわち国際法に明確に違反であるかどうかは明言はしないけれども「国際法の思想的基盤にある人道主義の精神に合致しない」というような表現で終わっておりましたけれども、このレベルで終わるのか、そうではないのかが注目をされると思いますが、前回の陳述書がベースになるというふうに考えてよろしいわけですね。
○河野国務大臣 そう考えていただいて基本的にいいかと思いますが、先ほど来政府委員が御答弁申し上げましたように、文言その他については目下検討中でございます。
○野田(佳)委員 次は、ミャンマーへの経済援助の拡大の問題について質問を移りたいと思います。 先般、報道によりますと、ミャンマーに今月中に食糧生産を促す十億円の無償援助をするという方針を固めた、さらには、来年度には看護学校を増設するために二十億円程度を無償援助することも検討しているという報道が出ておりました。御承知のとおり、一九八八年以来ミャンマーへの援助はほぼ凍結状態にあったというふうに思いますが、どのような経緯で援助が決まったのか、またこれは報道だけではわかりませんので、具体的に援助内容についてお示しをいただきたいと思います。
○上田説明員 お答え申し上げます。 ミャンマーに対します援助につきましては、八八年のいわゆる政変以来、その当時からの実施中の案件の継続、それから緊急的あるいは人道的な性格の援助はケース・バイ・ケースで検討していくけれども、その他のものにつきましては、原則的に絞っていくあるいは停止していくという方針をとってきているところは御指摘のとおりでございます。 昨年来、ミャンマーにおきまして、現政権側とアウン・サン・スー・チー女史の間での対話が実施されましたり、また国内的、あるいはまた対外的にも国連あるいは欧米諸国との対話が行われるというような、より開放的な姿勢が認められてきております。 日本といたしましては、こういった動きを評価して、そうして民主化あるいは人権状況の改善のさらなる努力を促すというような観点から、昨年度それから今年度、若干のいわゆる小規模草の根無償等も実施してきたところでございますけれども、さらにこのような努力を一層促したいということから、基礎生活分野における協力を進めようということで、食糧増産援助、具体的には肥料でありますとか農機具でありますとか、そういうことでございますけれども、そういう無償援助を実施する方向で準備を行っているところでございます。
○野田(佳)委員 確かに今の政権が穏健になりつつあるということは私も理解できると思いますけれども、ただ、アウン・サン・スー・チー女史は今もまだ自宅軟禁状態でございますし、ことしに入って山岳民族との戦闘もあったというふうに聞いておりますし、果たしてそこまで言い切れるのか。ODA四原則の一つである民主化あるいは基本的人権及び自由の保障に果たして十分注意を払ったと言えるのかどうか、またこれは疑問が残るところだというふうに思います。 そういう意味で、今御答弁がありましたけれども、本当に援助を再開していく条件に合致していると言えるのかどうか、本当にODA大綱に抵触しないと言えるのかどうか、その辺を改めて確認したいと思います。
○河野国務大臣 民主化とか人権の擁護とか、そういう角度から見れば、私は十分でないと思います。 私は、今回ミャンマーに一部援助をいたします決定をいたしましたけれども、その際に、このことがミャンマー側に今のままでいいのだと思われるような間違ったメッセージになってはならないというふうに私自身思っておりまして、私なりにミャンマー政権に対して、さまざまなチャネルを通じて、このことは今のままでもう十分だという意味では決してない、民主化に向かってさらに一段の努力を我々は望んでいる、ただし人道的な支援という視点に立ってこのことを考えているのだという私どもの気持ちというものが伝わる努力を一方でいたしているところでございます。
○野田(佳)委員 今大臣のお話があったように、そうした努力を相当にしないと、まさにODAの大綱にやはり抵触をしてくる可能性があるというふうに私は思いますし、そうするとまた理念なき援助であるとか要らぬ批判を受けるようになるかと思いますので、これは相当に注意深く判断をしなければいけないことだというふうに私は思っております。 今大臣のお話の中で、今回の援助は人道的側面の強い援助であるというお話がございました。人道的な援助を、また緊急的な援助を、先ほどの政府委員のお話の中でもありましたとおり、昨年もやってきているかと思いますけれども、今回の規模は、一つには食糧増産援助が十億円、それから来年度予定をしているものが二十億円、額としては、単なる緊急避難的なあるいは人道的な援助というよりも本格的な援助再開と言えるような額ではないのかな。一九八八年のミャンマーへの援助実績が約二十五億円ほどでございますね。その前の年がたしか一・七億ドルぐらいですか。そういう額からすると、人道援助というよりも本格的援助再開というふうに受けとめられるのでございますけれども、その辺はどちらでございますか。
○上田説明員 お答え申し上げます。 額の点は御指摘のとおり、報道にもございましたけれども、約十億円程度を考えて目下準備を進めているところでございます。 なお、報道にございました明年度以降の件につきましては、さまざまな角度から検討中でございますので、額がそういうふうになるかは今のところ確定はいたしておりません。 内容的に、食糧増産援助でございますけれども、対象とされる地域が少数民族の方々の居住している地域で貧困の地域である。そこでこういったような援助を行うことによって、食糧の増産、生活の向上というようなことが望まれるものではないかというような観点から、私どもといたしまして、基礎生活的な分野に対する協力であるというふうに考えております。 これをもちまして、先ほど大臣の御答弁がございましたように、全面的な援助の再開というふうに考えているわけではございません。
○野田(佳)委員 基本的には、かつてからミャンマーとは大変友好的な関係がございましたし、大変親日的な国民でございますので、早く本格的に援助のできる環境整備というものをぜひ私も心がけてほしいというふうには思いますけれども、ただ、外交ばかりはやはり理念そして原則というものが重視をされるとりわけ重要な分野だと思っていますので、その辺がなし崩しにならない形で、あくまでその環境整備を十分した上でこういう決断をされるならば理解できますが、私自身はまだ早いのではないかという印象を持っております。今後この動き、ちょっと注目をしていきたいというふうに思っております。 次に、中国に遺棄をされたままである毒ガス兵器、化学兵器、化学剤等の問題について触れていきたいと思います。 ことしは戦後五十周年であり、不戦決議の問題等も議論になっておりますけれども、具体的にこのような問題をいかに処理をしていくのかということも問われてくるであろうというふうに思います。 一九九二年の二月にジュネーブで行われました核兵器禁止条約の多国間協議の場で、中国はある資料を提出をしております。それによりますと、中国における日本の毒ガス砲弾、これが約二百万発、そして化学剤約百トンが処理されないまま存在をしているというふうに記されているところでございました。まさにこの問題は、果たしでその数が正確かどうかから入らなければいけないと思いますけれども、看過できない問題だというふうに思っております。 政府は、遺棄された化学兵器や化学剤の数量、種類、分布状況など、どの程度把握をされているのか、あるいは現地調査等との程度進んでいるのか、お尋ねしたいと思います。
○川島政府委員 今質問で申されましたとおり、九二年に中国側の調査書というものが出ておりまして、旧日本軍により中国に遺棄された化学兵器、砲弾約二百万発、化学割百トン云々ということが中国側の調査として出されているわけでございます。 政府といたしまして、中国側が提起している遺棄化学兵器、そのすべてについて確認を行うには至ってはおりませんけれども、その一部について現地調査等を行いまして、現在までに行った現地視察等で、これは旧日本軍の遺棄したものであるということを確認している次第でございます。 実は、今もまた現地調査団を派遣しておりまして、今回は浙江省、安徽省、江蘇省等々を調査中でございます。外務省、防衛庁等の関係者によって構成された調査団でございます。 何分にも二百万発が、中国側の資料によりましても物すごい広い地域、東北地方中心でございますけれども、かなりいろいろな地域に広がってあるということでございまして、全貌を把握するというのはなかなか時間のかかる話だろうという感じを持っております。 引き続いて、まずは情報収集を進めた上で、今後の対応を考えるというのが今の時点の状況でございます。
○野田(佳)委員 現地調査を今やっている最中ということでございましたけれども、この調査活動というのをいつまでやるのか、具体的に調査を終えた後に、この廃棄処理を我が国がやっていかなければならなくなると思うのです。化学兵器禁止条約第一条には、締約国は、他の締約国の領域内に遺棄した化学兵器を廃棄するというふうに明記をされております。この条約がことし発効すると、十年以内にこれをやらなければいけなくなってしまいます。 果たしてその十年以内に廃棄処理できるような、そんな調査の進みぐあいなのか、あるいは我が国はどういう形で、どれくらいの期間で、どれくらいの方法で、どういうコストでこういう廃棄をしていくのか、基本的な考えがあるのかどうか、お尋ねしたいというふうに思います。
○川島政府委員 まさに今やっておりますのは現地調査なわけでございますけれども、それだけで済む話ではなくて、行く行く廃棄をどうするかというところまで見えてくる問題であることは承知している次第でございます。 我が国といたしましては、日中共同声明、日中平和友好条約、そして今申されました化学兵器禁止条約の精神を踏まえて、具体的な処理のあり方については今後中国側と協議していきたいと考えております。 物理的に何が起こるかといいますと、現地調査をした上で、それを収納して廃棄ということになるのだろうと思いますけれども、まずどういう砲弾かとか、それから、それについて日本のテクノロジーとして無毒化する処理ですね、そういうのが今のところないようでございましで、その意味で、諸外国の処理の技術等をあわせて調べるとか、そういうことを並行しでやらなければならないと思っております。 いずれにいたしましても、政府の体制として、調査が終わった段階で、その次の段階にどう移すかというのは、今のところまだ方向を整理し切っておりませんけれども、先ほど申しましたとおり、日中共同声明等々の精神を踏まえつつ、これはきちっと対応せねばならない問題であるという認識は政府部内にある次第でございます。
○野田(佳)委員 これからどういう形で具体的な処理をしていくかについては、まだまだ未確定という状況であろうかと思いますけれども、しかし今言ったように、先ほどの化学兵器禁止条約だと十年以内というような話が出ております。今のペースでは大変難しいのではないか。しかも、コストの問題等も重要な問題になってくると思います。 例えば、一つの毒ガス弾を密封するのに数十万円かかると言われています。二百万発だったら一兆円かかってしまうわけであります。あるいはそれを焼却するとか中和するとか、いろんな処理コストも、これもまた大変膨大な費用になってくると思います。十分その辺の調査を早く終えて、どういう形で、あるいはどういう体制でやるのかということを早急に考えるのが、戦後五十周年の節目ではないのかなというふうに思います。 ちなみに、一九九三年二月の衆議院の予算委員会で、今は新進党に所属をしております大野由利子議員の質問に、当時の河野洋平官房長官、外相臨時代理を務められておりましたけれども、この問題について答えられています。どういう答えかというと、我が国が残してきた可能性は大きいとの認識だ、誠実に調査し、結果を踏まえて処理することを考えたい。 果たして誠実にこれまで調査が進んできたのかどうか、そしてその言葉というものをこれからどういう形で異現化していくのか、最後に外務大臣にお考えをお尋ねしたいと思います。
○河野国務大臣 中国との関係で申し上げれば、日中関係は我が国にとって極めて重要な二国間関係でございます。もちろん、化学兵器の問題は、中国ばかりではないかもしれませんが、中国についてまず申し上げれば、日中関係ということも考えまして、まさに十分な調査を行い、条約に基づいて誠実に処理をしていかなければならないものと思っております。 議員が御指摘になりましたように、その数がどのくらいあるか、そしてどのくらい広い地域に分散しているかなどなどによりまして、一体それに要する費用がどのくらい必要となるかということもよく考えなければなりませんが、いずれにしても、これは中途半端に、いいかげんにするということで済ませるものではないというふうに考えておりまして、条約に基づいてできるだけ誠実に作業をしなければならないというふうに考えており ます。
○野田(佳)委員 今また誠実にというお答えがございましたけれども、これはもう三年前の答弁の中に出できているわけで、まだ調査が十分できていないという状況は、決しで誠実に対応してきたというふうには私には思えません。そういう意味で、この戦後五十周年目で本当に誠実に対応していただきたいというふうに心から思います。 それから、これは通告には入っておりませんでしたけれども、今たまたま毒ガスの問題を取り上げましたけれども、その後、中国側の資料だと、この毒ガスで二千名くらいの方が亡くなったり、あるいはけがをしたりとか、かぶれたりとか、いろんなことがあったというふうに伝え聞いておりますが、これも含めて、個人からの賠償請求というものが戦後五十周年の節目に多発するのではないかという、そんな傾向が見られたと思います。中国の銭其シン外相も、対日賠償請求権、個人は放棄はせずというような見解を述べたというような報道もございました。これについては、今政府はどういうふうに受けとめていらっしゃるか、お尋ねしたいと思います。
○川島政府委員 銭其シン副総理兼外交部長が行ったとされる発言は、報道は承知しておりますけれども、実際の発言の詳細は承知しておりませんので今確認を急いでいるところでございます。 いずれにいたしましても、戦争にかかわる日中間の請求権の問題は、一九七二年の日中共同声明発出後存在しておらず、かかる認識は中国側も明らかにしている次第でございます。
○野田(佳)委員 それでは私の方は以上で終わりたいと思います。ありがとうございました。
○田中委員長 次に、松本善明君。
○松本(善)委員 在外公館の法律につきましては特に質問がありませんが、理事会の申し合わせもあり、若干の外交問題、在日米軍の行動などについで外務大臣に質問をしたいと思います。 三月の一日にアメリカの国防総省は、アメリカと日本の安全保障関係に関する報告書を議会に提出をいたしました。この報告書の中で、ソ連の崩壊は歴史的脅威を基礎にした日本の安全保障の根拠を消滅させた、こういうふうに述べております。日本政府が安保条約の存在が必要だと言うその根拠を、アメリカの国防総省みずからこの建前を否定をした、日本をソ連の脅威などから守るために必要なんだ、こういうふうに言ってきた根拠を否定したわけであります。 このことについて、外務大臣は同じようにお考えになるかどうか、まず聞きたいと思います。
○河野国務大臣 冷戦構造は終えんを遂げたという認識を持っておりますが、しかしその後もまだまだ問題がある、不安定な状況は我が国周辺にもあるのではないか、こういうふうに私は思っております。外交努力によって、でき得る限り近隣諸国との間には、透明度の高い、信頼できる状況をつくり上げるべく努力をいたしておりますが、なかなかに十分な透明度を持つということができない部分もございます。そうしたことを考えますと、日米安保体制というものは、まだまだ我が国にとって極めて重要なものだ、そういう認識を持っております。
○松本(善)委員 まあしかし、国防総省のこの報告は極めて明快なんですね。 安保条約は、米軍の日本駐留の目的を、「日本国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与する」というふうに第六条で規定しております。この、いわゆる日本の安全を守るという論拠がなくなりますと、やはり極東条項だけが残るということになると私は思う。 今、外務大臣の言われたのも、極東条項とのかかわりで言われているならば、立場は違うし、必要性についての考え方は全く違うのですけれども、そういう趣旨でお答えになったのでしょうか。
○時野谷政府委員 ただいま大臣から申し上げましたこと、あるいは累次にわたりまして私どもが申し上げておりますことは、東アジア・木平洋地域にはまだまだ不安定要因あるいは不確実性、そういうものが残っておる、そういう状況でございますので、そのためには米軍の存在というものが引き続き重要である、その米軍の存在を支えている一つの大きな柱というものが日米安保体制だ、こういう私どもの認識を申し上げている次第でございます。 したがいまして、今先生がおっしゃっておりますところの極東条項あるいは安保条約そのものの解釈とか修正とか、そういうことを私ども申し上げている、あるいは考えているという次第ではございません。
○松本(善)委員 何も安保条約を修正しろとか、そんなことを言っているわけじゃないわけで、残っているのは極東条項じゃないかと、こう聞いているわけですが、ひとつ明快に外務大臣の方からお答えいただきたいと思います。
○河野国務大臣 いや、それは、日本の安全というものもまだ十分重要なものであるというふうに思っております。
○松本(善)委員 しかし、かなり大きな変化が出てきていることは、もう言うまでもないと思います。 この報告書の中で、低空飛行の問題について言っております。これは予算委員会でも聞きましたし、それからその後、山原議員も外務大臣に聞いていると思いますが、きょうはちょっと突っ込んでお聞きしたいと思います。 この報告では、飛行の安全性に関する一般の人々の心配は、事件が起きると高まるが、米軍は一貫して、安全性や人命と財産の保護を最優先にしている、こういうふうに書いているのです。 予算委員会でも申し上げましたが、記憶を喚起するためにもう一度申し上げますと、防衛施設庁の資料によりますと、地方自治法九十九条二項に基づいて超低空飛行訓練の中止を求める意見書を提出した地方議会は、七県八十三市町村に上ります。決議や請願の採択その他の、とにかく反対の意思表示をしたということになると、もっと多くなっている。秋田県などではすべての自治体が反対であります。地方自治体の中止要求も、知事が言っておるのが北海道、青森、岩手、山形、秋田、奈良、高知の七知事を初め十一町村、件数で四十七件です。まさに超党派の要望なんですね。安保条約を認めるという立場の、私どもから言わせれば保守的な考えの方も含めまして圧倒的な中止要求が起こっているわけです。 それで、アメリカの国防総省が言いますように、安全性や人命と財産の保護を最優先にしているということならば、日本でこのような動きになるわけはないのです。実際は違っております。私は、予算委員会でこの低空飛行が日常茶飯事のように言われていると言ったら、外務大臣は、そんな言葉はそう簡単に使うなと言われましたが、それでここに証拠を持ってきたのです。 問題の起こりました高知県の本山町では、ジェット機が飛来してくるたびごとに全部記録をとっているわけですよ。これによりますと、これはもうまさに私の言ったとおりなんです。一九九二年一年間、八十四日で二百四回、九三年は百十二日で三百六回、九四年は六十六日で百五十五回、こういうことなんですね。 外務大臣、この低空飛行の頻度、住民の被害の実態をどう考えているか、改めて伺いたいと思います。
○河野国務大臣 私、その場に居合わせたわけではありませんから正確に申し上げられるかどうかわかりませんが、今議員がおっしゃった頻度というものはやはり大変多いものだというふうに思います。その回数というものが、どのくらいの低空で行われたものなのか、どのくらい同じ場所であったものなのか、そういう細かいことはよくわかりませんから、私はそう正確に批評することはできませんけれども、ただ、議員のおっしゃった一年間に何日という日にちを例えば、これはかなり多いものだなという感じはいたします。
○松本(善)委員 それで、この報告書はこう言っています。低空飛行は、パイロットの即応態勢と熟練度を維持向上させることは、米軍の死活的要件であり、一定量の低空飛行訓練がこの目的のために不可欠である、米軍がいる限りこういうことをやるということを言っているわけですよ。これでは、個別的に低空飛行だけをやめさせるということができるのかどうか。このままでいけば、安保条約と国民との矛盾がますます深まるのではないかということを私は思います。 それで、予算委員会でもお聞きしたのですが、何のためにこの超低空飛行が行われるかという問題です。外務大臣は一応予算委員会でお答えになったのですけれども、私から言いますと、具体的に答えないで、米軍の存在理由、米軍が要るのだということをお答えになっただけであったと思います。実際にはお答えがなかったので、改めてお聞きします。 アメリカの空軍、海軍共用のマニュアルの「飛行訓練—航空航法」によりますと、低空飛行訓練の目的を次のように言っております。「低空作戦を実施する主要な理由は、奇襲攻撃要素を獲得し、探知および妨害を避け、敵の防衛効果を最小限にすること」である、こういうことです。 これはどういうことかといいますと、予算委員会でも申しましたけれども、複雑な地形に沿って低空、高速で飛行する。今は高空で入っていくとレーダーで落とされてしまうから、奇襲攻撃をかけ、レーダー基地と対空システムを破壊して、攻撃部隊の本隊の安全な進人を確保するということなんですね。米軍のマニュアルによりますと、低空飛行訓練の通常高度は地上から二百から五百フイート、これはメートルにしますと六十メートルから百五十メートルで、日本の一般航空機の最低高度の半分以下であります。こういう、本当に超低空で入っていくということで安全を確保しようとするから、超高速の非常に危険な訓練になって、事故も起こるし轟音もすごい、こういうことになるんですね。 何のためにそういう訓練をするかというこの目的について私は今お話ししましたが、外務大臣、私と違った考えをお持ちなのかどうか、具体的に何のためにこの超低空飛行というのが行われているか、答弁をいただきたいと思います」。
○河野国務大臣 今議員は米軍のマニュアルを御紹介になりましたが、そのマニュアルにも主要な目的は云々、こういうふうに書かれておるというふうに伺いました。これは私の推測でございますのでそこはお許しをいただきたいと思いますが、もし米軍が空軍のパイロットの技能を維持しようと思えば、やはりさまざまな訓練を行う、そのさまざまな訓練の中の一つではないかというふうに考えております。
○松本(善)委員 それは米軍の技能を高めるため、維持するための訓練であることはもちろんなんです。もちろんなんですが、しかしそれが攻撃的なものではないかということを言っているわけです。これは大変奇襲性、侵略性の強い任務を遂行するためのものなんです。 今回の国防総省の報告でもこういうふうに言っているのです。低空飛行訓練の項で、アメリカと日本は、役割と任務の分担に合意し、大まかに日本防衛の責任を攻撃と防御に分けてきた。この協力的防衛のアプローチの一つの結果は、米軍が日本防衛に必要な空対地の任務の大部分の責任を受け持っていることであるというふうに言っているのです。だから低空飛行訓練、これは日本の自衛隊はやらない、米軍がやる、この攻撃的な任務の分担で、そういう性質のものだというふうに私は思います。 この問題で押し問答してもしようがありませんのでちょっと具体的に聞きますが、前回予算委員会で聞きましたときに、私ドイツの問題を紹介いたしました。ドイツにおけるNATO軍の低空飛行訓練について聞いたときに、北米局長は、ドイツで低空飛行訓練は行われているというふうに私どもは承知をしておりますというふうに答弁をした。山原議員が質問したときもそう答えておりますが、この問題を聞きたいのであります。 一九九〇年の東西ドイツの統一で、NATOのドイツ駐留外国軍の法的基礎でありますいわゆるボン協定、ドイツ連邦共和国と三カ国との関係に関する協定は失効いたしました。その後、それに伴ってドイツ政府は、一九九三年、NATO軍地位協定の補足協定、正式名称はドイツ連邦共和国の駐留する外国軍隊に関して北大西洋条約当事国間の軍隊の地位に関する協定を補足する協定、一九五九年八月三日にボンで署名をしたものが改定をされました。どのように改定をされたのか説明をしてほしいと思います。
○時野谷政府委員 先生ただいまおっしゃいましたNATO地位協定の補足協定の改定でございますが、今すべての改定について私申し上げる資料をちょっと持ち合わせておりませんが、先生がおっしゃっております、今の低空飛行訓練との関連で念頭に置かれていることはこういうことじゃないかと思います。 補足協定の第四十六条三項、これが削除されたというのがこの補足協定の改定の内容の一つでございます。それで、これは先生おっしゃいましたように署名されました。署名されましたが、私どもが承知しておりますのは、数カ国の手続の遅延によってまだ発効していないというふうに承知をいたしております。 ただ、さらにつけ加えて申し上げれば、この四十六条の三項が削除されたということが、いずれにしても、ドイツにおいて行われていますいわゆる低空飛行訓練の実態に影響するものではないというのが私どもの理解でございます。
○松本(善)委員 これで原則的に禁止されたのじゃないか。実際に変わってきております。ドイツにおけるこの低空飛行は変わってきていますが、そのことについては外務省は把握をしていないということですか。
○時野谷政府委員 私どもは、諸外国におきまして米軍が行っております低空飛行訓練の実態、この詳細をすべて承知しているわけではございませんけれども、ドイツにおきましては、NATO同盟軍の一員としての米軍が依然として低空飛行訓練というのは行っている、それで、それは通常は三百メートルの高度で行われている、ただ一定の場合には約百五十メートルの高さで飛行訓練を行っているというふうに承知をいたしております。
○松本(善)委員 外務大臣、よく聞いてください。これは詳細に把握をしていないと言うのですけれども、私どもはドイツ国防省やドイツ軍に当たって調査をいたしました。調査をした結果をお話をしようと思います。 ドイツでは、高度三百メートル以下の低空飛行は原則禁止をされております。ドイツ政府が原則低空飛行を禁止したのは一九九〇年九月、それまでドイツ軍、NATO軍の外国軍機には最低高度百五十メートルまでの低空飛行が認められていた。そのために住民の厳しい批判を浴びたので、この三百メートル以下の低空飛行が原則禁止をされるということになりました。その理由につきまして、ドイツ国防省広報部の空軍担当者は、東西ドイツ統一に伴う主権の全面回復のためと説明をしている。要するに、統一をして主権が全面回復をしたから、こう変わったのだ。 ドイツ国防省によりますと、例外的に最低高度百五十メートルまでの低空飛行を認めているのは、ミュンヘン近くに駐留するNATOの軽機動部隊に所属をするドイツ軍機の一個中隊と、ベルギーにあるNATOの訓練施設から飛来をする訓練機及びドイツ軍機の技術的なテスト飛行。しかも、年間の飛行時間は合計千六百時間を超えてはならないとしている。 全国七カ所にあります特別の訓練空域では、例外的にNATOの即時対応軍に所属をするドイツ軍の一個中隊だけが最低七十五メートルまでの低空飛行訓練を行っております。しかし、この場合でも、七つの空域のうち一日に使えるのは一つだけ、週末は休み、しかも空域を毎日変えなければならないことになっている。つまり、各空域で実際に訓練が行われるのは週一回以下、ドイツ軍だけ。訓練空域を分散をさせて騒音被害を少しでも減らそうという配慮なんですね。これは物すごいからやはりドイツで問題になって、こういうふうに変わってきているのですよ。 今言った以外に、高度三百メートル以下で低空飛行を行うには、ドイツ軍はもちろん、NATOの外国軍も事前にドイツ政府の許可が必要なのであります。ドイツの低空飛行の訓練に対する規制の実態は、今言ったとおり、高度三百メートル以下の低空飛行は原則禁止をされております。 外務省、北米局長はそういうことはないと言うのですが、私どもはドイツ国防省に二回にわたって、本当にそうなっているか二回にわたって調べました。その結果が、今私がお話ししたとおりであります。再確認をしております。それでもドイツではNATO軍機、ドイツ軍機とも高度三百メートル以下の低空飛行は原則禁止されているのではない、こういうふうに言いますか。
○時野谷政府委員 予算委員会で私が申し上げましたのは、ドイツでも依然として引き続きいわゆる低空飛行訓練は行われているという私どもの理解を申し上げた次第でございます。 それで、先生合、三百メートル以下の低空飛行訓練は原則禁止というふうにおっしゃいましたが、私が申し上げていることと同じことなんだと思います。同じことを申し上げているのだと思います。私も先ほど申し上げましたけれども、現在ドイツで行われております低空飛行訓練の態様と申しますのは、通常の場合は三百メートル、それで特定の場合には約百五十メートルの高さで飛行が行われている、こういうのがドイツにおきますところの低空飛行訓練の態様である、こういうふうに私どもは理解しでおります。 それで、先ほど先生、調査の結果を御紹介になりました。例外的に百五十メートルまでの低空飛行を認めている場合はこういう場合だということを先生おっしゃいました。私どもは、今先生がおっしゃいましたこと、すべてのことを実は承知しておりませんでしたが、先ほど私、一定の場合は百五十メートルの高さで飛行が行われているというふうに申し上げましたが、この一定の場合というのは、特定のNATOの訓練の場合に百五十メートルの高度を認めている、こういうふうに私どもも理解をいたしております。
○松本(善)委員 外務大臣、お聞きのとおりで、私は極めて不勉強だと思います。私どもが調べてもわかることが、詳細にはわかっていない、すべては知っているわけじゃない。しかし、原則的には私の言ったとおりだということを認めたわけです。 外国軍隊はできないのです、原則として。ドイツ軍の一個中隊だけがやっているのです。しかも一週間に一遍だけ。こういうことなんです。それは、本当にこの被害は、河野さん、ぶつかったことがあるかどうか、この低空飛行の轟音に。これは耐えられないものですよ。それは超党派で、保守的な村長さんも皆、村長さんでこれは侵略だと言う人もいるぐらいです。そういうことは普通じゃ起こらないですよ。 そういう問題が起こっているのに、この外務省の対応というのは、私は、まあ外務大臣も外務省だから監督不行き届きと言いたいですね。こんな不勉強な話はないですよ。予算委員会であれだけ問題になって、何か起こっていないような答弁をして、そしてドイツのことも調べもしない。これは私は、そういうあり方は本当に国民の立場に立っていないと思います。 それで、日本政府の場合には、三百メートル以下の低空飛行を禁止をした航空法を米軍には適用除外をいたしまして、低空飛行を事実上野放しにしているわけです。外務大臣は予算委員会で、無制限にやられでいるわけじゃないということで、米軍は我が国の安全基準を尊重して公共の安全に妥当な考慮を払うことは当然だと答弁をいたしましたが、やはり実際はそうでないのですね。だから、いまだに超党派の要求がいっぱい出てきているわけです。 あのときに御紹介いたしましたけれども、大臣には、名前は言いませんけれども、実際に被害地域におられて、何とかしなければいかぬと言う人が何人もいますよ。それが変わらないのです。やはりこれは、ドイツの例を見ながら直接規制をするということを考えなければならない。何かそういう考えがありませんか。
○河野国務大臣 ドイツのことを御勉強いただきまして、ありがとうございます。しかしながら、ドイツと日本とは事情の違うところもあることを御理解をいただきたいと思います。ドイツがみずから持つドイツ軍の目的その他を考え、我が国のそれにそのまま当てはめるわけにはまいらないと思います。また、それぞれの国にはそれぞれの国の周辺の事情というものもあるわけでございまして、ドイツがこうだから日本もそれと同じというわけにはなかなかいかないことがあるということは、松本議員にも御理解いただけると思います。 しかしながら、住民の不安とか、住民が極めて苦痛を感じているということについて、我々はもっとよく承知をしなければならないと思います。そうしたことについて我々も十分勉強をして、その苦痛がどうやって除去できるかということを考えていく必要もあると思います。 他方、日米安保条約に基づきます米軍の目的あるいは米軍が果たすべき役割というものについても、国民の皆様には御理解をいただかなければならないと思います。冒頭に議論がありましたように、我が国の安全あるいは我が国周辺の状況というものも考えれば、こうしたことも、万全の備えと申しますか、常時パイロットはその技能を磨いていくということも必要であるということについての理解もいただかなければならないと思います。 いずれにしても、この問題、私どもは米軍と十分話し合いをいたしたい、こう考えております。
○松本(善)委員 外務大臣、一九九〇年の東西ドイツの統一前は、日本と同じだったんですよ、ドイツは。統一して変わったんですよ。 この状態についてドイツ政府は、低空飛行を規制するようにした理由を、ドイツ統一に伴う主権の全面回復のためだと言っているのですよ。ドイツと違うということを言うならば、ドイツ政府の言葉をかりれば、低空飛行が事実上野放しになっている日本は主権が回復されていないということになるんですよ。完全に回復されていないということなんですよ。 これをもし回復されていると言うなら、あなたが言われたように、日本の住民のために変えるべきですよ。やり方はいろいろな形があるでしょう、十分であるか不十分であるかは別として。本当に、安保に賛成の人までみんな反対しているんだから。それを変えるという考えがあるかどうか、そのことだけはっきり、アメリカ政府と交渉して、この超低空飛行訓練が野放しになっている状況を変える考えがあるかどうか、それだけまず聞きたいと思います。外務大臣だよ、あなたじゃちょっとだめだな。
○時野谷政府委員 恐縮ですが、申し上げさせていただきたいと思います。 野放しになっているというふうにおっしゃいましたが、私どもは野放しになっているという認識ではおりません。同盟国たるアメリカは、先ほど先生が引用されました報告でも明確に述べておりますように、安全、それから地域住民の方々に対する影響、こういうものを最小限にするということには最大限の考慮を払っている、こういうことでございまして、航空法は原則として米軍には適用にはなりませんけれども、日本の国内法上ありますところの最低高度、こういうものも守って訓練を行っている、こういうことでございますので、野放しの状態にあるという認識では私どもはおりません。
○松本(善)委員 外務大臣、こういうへ理屈ばかり言うようなことであっては困るのですよ。何のために本山町の数の調査の結果を、これは何も共産党町長じゃありませんよ、調査結果をお話ししたのか。これは野放しとみんな思っていますよ。言葉の問題じゃないのですね。変える考えがあるかどうか、それだけ外務大臣にお聞きしたいと思います。
○河野国務大臣 ですから、冒頭から、松本代議士が現地の方々の話を聞いてこられて述べておられることに私は十分耳を傾けてきたつもりでおります。 これまでも、高知県の方々を初めとして、何人も何人もの方が、この問題について外務省へお見えになりました。そうした方々に私もお目にかかってお話を伺ってまいりました。そうしたことを私なりに十分伺った上で答弁を申し上げているわけでございまして、先ほど来松本代議士がおっしゃるように、主権が回復されているかどうかの問題だというのは、私は全くその意見には反対でございます。了承するわけにはまいりません。我が国が十分その主権を持ち、我が国の独自の考え方で国家国民のために行政を行っているということは、これはもうどなたも認めていただけることだと思います。 ただ、私がドイツと違いますと申し上げたのは、我が国の周辺にはいまだに国交が正常化していない国もあるわけです。いまだに不正常な状況があり、先ほども申し上げましたように、なかなか透明度が十分でないということがあって、それらが不信につながっている部分というものがあるわけです。そうしたこともあるのではないか。そしてさらに、冷戦は終わったけれども、不安定な状況がいつ起こるとも限らぬということもまた常時考えていなければならないのではないか。そのためには日米安保条約、安保体制というものはやはり必要だ。 そして、その安保条約というものを効果的にするためには、パイロットも、あるいはそれに参加する人たちは皆、ベストコンディションをいつも持っていなければならないということもあるわけで、そうでないなら、安保条約は結びました、しかしそこに参加している兵士は皆いいコンディションを維持しなくてもいいというのであれば、これはまた話は全く別でありますけれども、私はそう思っておりません。したがって、それは非常に難しいことでありますけれども、その両者の主張、意見というものが対立しているのではなくて、できるだけお互いが合意できるような努力をしなければなりません。 私は、あくまでも日本の外務大臣として、米国及び米軍の方々にも、日本の住民がどういう感じでいるかということを伝える努力を十分いたしてまいりましたし、これからもいたしてまいります、こう申し上げているわけでございます。
○松本(善)委員 住民の苦難を伝えるというお話はありましたが、これを変えるという明確な意思表示がなかったのは極めて遺憾であります。 私は、日本の対米関係というのはやはり従属的だ。今の異常な円高を見ましても、スーパー三〇一条の発動についで発言をするとか、米の輸入の自由化とか、客観的に見れば、まさに従属状態ですよ。 私どもは、やはり安保条約にかえて、対等、平等の関係を日米関係では立てるべきだ、日米友好条約に変えるべきだ、そして日米関係を従属関係から対等、平等の関係にする、それが人類の進歩にも役立つのだということを強く主張をいたしまして、質問は終わりたいと思います。
○田中委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○田中委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決いたします。 内閣提出、在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○田中委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○田中委員長 次回は、来る十四日火曜日午後零時三十分理事会、午後零時四十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時二十分散会