地方行政委員会 第12号
- 発言数
- 129 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1995/04/11
会議録
○川崎委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、参議院送付、古物営業法の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。蓮実進君。
○蓮実委員 自由民主党の蓮実進でございます。 最近、物を売ったり貰ったりすることが、私たちが今まで予想もしなかった形で行われるようになっております。普通は店で物を直接手にとって売買するなら安心ですが、一枚の磁気カードに一定の価値を与えて、それを通して行うなど、驚くことが大変多いわけであります。 今回、このような売買に深く関係のある古物営業法が改正されるのは、私は大変時宜を得たものと思っております。世相を正しく把握して、私たちが安心して毎日の生活ができるように、間違いのない改正であってほしいという観点から本日は御質問をしたいと思っております。 古物営業法は、昭和二十四年という戦後の大変な混乱期に制定をされ、今まで四十何年間改正が行われなかったわけであります。大臣の提案理由の説明によりますと、最近の窃盗や財産犯罪の発生状況を踏まえて今回の改正を行うと言っておりますが、現在の犯罪状況を踏まえて、古物営業法の意義をどのようにお考えになっておられるか、大臣の見解をお伺いをいたしたいと思っております。
○野中国務大臣 お答え申し上げます。 ただいま蓮実委員から御指摘のございましたように、この古物営業法は昭和二十四年に制定をされた法律でございまして、今回犯罪の防止と被害の回復を目的として当時制定をされましたこの法律を、ぜひ現状に合うように改正をしたいとお願いをしておるところでございます。 昭和二十四年と申しますと、衣類等がやみ市で取引をされておる、あの戦後の混乱期でございました。議員の御指摘がございましたように、時と比べますと国民生活の変化も多様なものがございまして、盗難等の被害品の種類は大幅にさま変わりをしておるわけでございます。 現在でも依然として盗難等の被害が数多く発生をしておるところでございまして、特に自転車、オートバイ、自動車といった国民の身近な乗り物が盗難に遭うケースが非常に目立っておるほか、最近では、御承知のように、金券類の盗難のように新しい形態の被害も見られるところでございます。 したがいまして、現在でも犯罪の防止と被害の回復という古物営業法の意義は依然として大きいものがあると考えるわけでございまして、今回、古きを改め新しきを取り入れ、さらに規制緩和等さまざまな観点から改正案を御提案させていただいた次第でございます。
○蓮実委員 昭和二十四年の古物営業法制定のときと比べて、今大臣のいろいろ御説明もありましたが、窃盗犯の発生状況、これはふえているのかどうか、ふえているとすればどの程度ふえているのか、安全局長、ちょっと……。
○中田(恒)政府委員 お答え申し上げます。 古物営業法制定時、昭和二十四年でございますけれども、二十四年の窃盗犯、泥棒でございますが、この認知件数でございますが、約百十七万件でございます。その後、社会全体が戦後の混乱期を脱してくる、それとともに窃盗犯の認知件数も減少しておりまして、昭和二十九年には百万件を下回った時代がございます。その後、我が国が急速な高度成長を遂げました昭和三十年代から五十年代前半にかけましては、およそ百万件から百十万件の水準で推移をしておりました。 ところが、昭和五十年代の後半からは再び急激に増加傾向を示すようになりまして、昨年、平成六年でございますが、この窃盗犯の認知件数は約百五十六万件に上っております。これを昭和二十四年、法制定当時と比べますと、件数で約四十万件の増でありますし、率にいたしますと三四%の増加となるところでございます。
○蓮実委員 窃盗などの被害品としてはどのようなものが多いんですか。
○中田(恒)政府委員 お答えいたします。 古物営業法の制定されました昭和二十四年当時に比べますと、盗難被害品の種類でございますけれども、国民生活の安定とか向上でありますとか多様化ということに伴いまして大きく変化をいたしておりますものの、依然として、当時からでございますが、現金に比べて物品が被害に遭うケースが多いということでございます。 例えば平成六年、昨年一年間で、現金のみが被害に遭うという、財産犯の中の窃盗犯だけでございますが、現金のみが被害に遭った件数は約四十八万件でございまして、母数が百五十六万件でございますので、全体の約三〇%、三割にとどまっております。現金のみが被害になるものでございます。 それでは物品が被害に遭ったケースの特徴は何だというお尋ねでございます。 これを見てまいりますと、終戦直後は、先ほど大臣からも御答弁申し上げましたように、衣類が盗難の主たる被害品であったというのは事実でございます。それが変わってまいりまして、現在では、自転車や自動車、オートバイといった乗り物が主たる被害品となっておりますほかに、いわゆる金券類の被害が急増しております。 また、企業犯罪などに絡んで、パワーショベルでございますとか、発電機などの建設用機械とか、産業用機械など、こういったものの被害事例も少なからず見られるというようなことで、法制定当時には予想もできなかったような新しい形態の被害が生じておるというようなのが実態でございます。 なお、被害品を多い順に五点ほど挙げてみますと、自転車が二五%、次いで自動車、オートバイが一七%、キャッシュカードが約八%、クレジットカードが約五%というようなところが大口でございます。
○蓮実委員 一般的に古物商というと、私ども質屋さんとか骨とう屋さんというふうに思うのでありますが、具体的にどのような人たちが古物商ということになるんですか。
○中田(恒)政府委員 お答えを申し上げます。 一くくりにして古物商といって、具体的にはどういう人たちかというお尋ねでございます。 主なものとして次のようなものがあろうかと思うわけであります。 まず、自動車、オートバイのディーラーや販売店などでございます。意外に思われるかもしれませんが、これは、いわゆる中古車販売店はもとよりでございますけれども、新車の販売店でございましても新車を販売する際に中古車の下取りをいたします。そういうことから古物商となるものでございます。 それから次に、スーパーマーケットとか百貨店でございます。これは、例えば家電製品を販売する際に中古品を下取りをいたします。あるいは美術品とか貴金属を扱う場合、これを、使用されたものを買い取ったりすることがございます。そういうために古物商となるものでございます。それから電気製品の販売店、あるいは事務用機器の販売店、これは新品の販売をする際に、自分の売ったものなど、中古品を下取りすることがございます。例えば、中古のOA機器の販売をやろうということで古物商の許可をとっておられるところもあるわけであります。 このほか、法制定当時から存在する業態としては、委員ただいま御指摘のような古本屋さんでございますとか、画商でございますとか、あるいは骨とう厘さん等がございます。
○蓮実委員 大変多いので驚いているんですが、それでは、今言われた古物商とは現在全国でどのくらいの数になっておるのか、また主に取り扱っている物品としてはどのようなものが多いのか、お答えをいただきたい。
○中田(恒)政府委員 お答え申し上げます。 古物商の許可作数でございますけれども、統計が平成五年末しかございませんので、平成五年末で約四十六万作、これは累積といいますか、累計でございます。四十六万件でございます。 古物商の方々が主として取り扱っている物品でございますけれども、自動車、オートバイ類が最も多いわけでございます。これが全体の約四割を占めております。四割以上になりましょうか。次いで美術品類、それから家電製品、自転車といったたぐいでございます。
○蓮実委員 大変多いので驚いているんですが、今回の法律の改正は規制緩和のためにやったというけれども、古物商の業界からは規制緩和に向けてどのような要望があり、それに対してどのようにこたえているのか、御説明をいただきたい。
○中田(恒)政府委員 今回の古物営業法の規制緩和の絡みでございますけれども、この規制緩和につきましては、例えば経団連でございますとか、日本チェーンストア協会でございますとか、日本中古自動唯版売協会連合会でございますとか、中販連でございますか、自動車総連でございますとか、リース事業協会などからいろいろ御要望があったものでございます。 その御要望として共通しているものを三点ほど申し上げてみますと、一つは、盗難品などの取引が考えにくいもの、盗難の被害に遭いにくいようなもの、考えられないようなものについては古物営業法の適用範囲を見直してはどうだというようなことが一つ。それから二つには、現代の取引実態、OA化が進んでおります。そういうようなことで、現代の取引実態に対応して古物台帳の様式を見直してはどうだというようなことが二点目でございました。それから三つ目には、営業所が複数おありのところがあります。法人などに多いわけでございますが、複数の営業所を有する法人の場合の許可手続、その他の手続でございますが、こういったものを簡素合理化できないかというような、共通のものはこの三点あたりに絞られるかと思います。 そこで、今回の改正に際しまして、これにどう対応したかということでございます。その三点、それぞれ申し上げますと、一つは、適用範囲の見直しの御指摘でございましたが、これにつきましては、例えば古物の買い取りは行わない、そして売却することのみを行う、こういうような営業でありますとか、あるいは自分が売却した物品を売却した相手方からまた買い取るんだというようなことのみを行う営業というものを法の規制対象から除外するということにいたしておりますとともに、あるいは一定の大型機器がございます、その一定の大型機械類につきましてはその対象の物品から除外するというようなことが適用範囲の見直しとしてやった一点目でございます。 それから二点目の、古物台帳について見直しができないかという御要望に対してでありますが、その取引の記録の方法でございますけれども、従来の帳簿方式、元帳方式だけではございませんで、例えば取引伝票で管理をしておられるところがございますが、こういった取引伝票を編綴しておくというようなことで帳簿に準ずる書類をつくっていただく、そしてそれに記載していただくというものでも足りるし、さらにはコンピューターに入をするということでも足りますよというふうなことをした点が二点目でございます。 それから三点目の、許可手続の簡素合理化ができないかというようなことでございます。これは二点措置をしておるわけでございますが、同じ府県内におきましては、従前は営業所ごとに許可を取得しなくてはならないことになっておりましたけれども、同一の府県内においては営業所ごとに許可をとらなくてもよろしい。最初の許可がありました場合、二店目以降は、追加して展開される場合は届け出で足りますよというような、許可を不要とするという措置が一つ。それから、営業内容の変更に係る許可制度も廃止して、届け出で足りますということもあわせてやっております。 それからもう一つ大きいこととして、複数の府県の区域に営業所を有するという古物商の方がおられるわけであります。こういった場合に、例えば法人のケースでございますと、役員の変更などというのはどの店舗についても共通なわけでございます。こういうものの営業内容の変更につきましては、どの府県でも結構でございますから、いずれか一の府県の公安委員会に届け出をしていただければ足ります、残りの府県の公安委員会については、その届け出を受けた公安委員会から連絡をいたしますというようなことにしております。 こういった措置を講じまして、この各業界の御要望には十分こたえることができるのではないかというふうに考えているところでございます。
○蓮実委員 今回の法律の改正では、平成六年の七月の規制緩和に関する閣議決定をどのように達成したか、あるいは閣議決定では、特定の行為及び物品について古物営業法の規制対象から外すように適用範囲を見直すとともに、対象となる古物に応じた規制の合理化を図るということになっておりますが、これについても、今一部お答えがありましたが、どのように対応しているかということでございます。
○中田(恒)政府委員 お答えを申し上げます。 ただいま委員御指摘のとおり、平成六年の七月五日の閣議決定の中で古物営業法に関して二項目の措置が決定されておりまして、その一つとして、今委員御指摘のような、「自己が販売した物品を相手方から買い戻す場合等特定の行為及び物品について古物営業法の規制対象から除外すべく適用範囲を見直すとともに、対象となる古物等に応じた規制の合理化を行う。」ということをお約束しておるわけでございます。これについては次期法改正時、古物営業法について改正する機会にあわせてやりなさいということでございました。 今回、規制緩和そのものを目的として改正を行うわけでございますけれども、この閣議決定を受けまして、三つほど措置を講じておるわけでございます。 その一つは、特定の行為について除外を考えろということでございました。この特定の行為として除外をいたしましたのが、今ほどお答え申し上げました、古物の買い取りを行わずに、古物を売却することのみを行う営業とか、あるいは自己が売却した物品をその売却の相手方から買い受けることのみを行う営業を古物営業法の規制対象から除外するという措置は、この特定の行為の除外という考えでございます。 それから二点目の、特定の物品についてはどうなんだというお尋ねでございました。これも今ほどお答えを申し上げましたが、一定の大型機械類を対象物品から除外することなどが、この特定の物品の除外の関係の措置でございます。 それから三つ目に、対象となる古物等に応じた規制の合理化はやったのかというお尋ねでございます。これにつきましては、先ほど御答弁はしておりませんので、中身を二点ほど申しあげたいと思うわけでございます。 一つは、少額の取引に係る物品についてでございます。 これにつきましては、原則として、相手方の氏名、住所等の確認などの義務を免除するということにしたわけでございます。ただ、例外といたしまして、盗難などの被害とか盗品の処分の実態等を見なければいけないものがございます。こういうものにつきまして、一定の物品については、少額取引についてもなお相手方の確認などの義務を免除しないという措置を浅さざるを得ないものもございますが、原則としては相手方の確認義務を免除することとしたというのが一つでございます。 それから二点目は、売却する際の台帳等への帳簿記載義務の関係でございます。 これにつきましては、盗難等の被害あるいは盗品などの処分の実態などにかんがみまして、一定の物品に限り義務を課すことにいたします。原則と例外は逆転いたします。一定の物品に限り義務を課しまして、それ以外の物品につきましては義務を免除するということの措置をとろうとしておるところでございます。 こういったところで御指摘の閣議決定の措置内容を達成できるものではないかと考えておるところでございます。
○蓮実委員 閣議決定では「古物台帳の様式の見直し、一括経由手続の拡大の検討を含め古物営業許可手続等の簡素合理化を図る。」とありますが、これについては具体的にどう対応しているか。 それから、時間がないのでもう一つ聞きたいのですが、規制緩和の点は評価できますが、一方において、古物営業法が目的としている犯罪の防止、被害の回復に遺漏があってはならないと思っております。この点について今回の法改正ではどのような点に配慮しているか、お答えをいただきたい。
○中田(恒)政府委員 お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、さきの閣議決定では、古物営業法に関するいま一つの措置として、「古物台帳の様式の見直し、一括経由手続の拡大の検討を含め古物営業許可手続等の簡素合理化を図る。」措置を平成七年をめどに実施しろということになっておるわけでございまして、今回の法改正におきましては四点ほどございます。 一つは、取引の記録につきまして、先ほども触れましたが、従来の帳簿に記載する方法のほか、帳簿に準ずる方法、伝票を編綴するというような方法、あるいはコンピューターの入力という電磁的方法によってもよろしいという、記録の方法を改めたということ。 それから二点目は、営業の許可でございますけれども、同一都道府県内においては営業所単位を府県単位に直したということが二点目でございます。 三つ目として、営業内容の変更に係る許可制度を廃止して、届け出で足りることといたしておりますし、また、複数の府県に営業所を有する古物商については、その法人の役員の変更等の共通の事項についての届け出はいずれか一の都道府県の公安委員会に対して行えば足りるということにしたというのが三つ目でございます。 それから四つ目は、競り売りとか行商に係る許可制度も廃止したわけでございます。 四点ほど申し上げましたが、こういったことで閣議決定について措置をしたということがお尋ねの一点目でございます。 それから、被害回復等に遺漏があってはいかぬということで、その点の配慮はどうだというお尋ねでございました。 御指摘のとおり、今回の法改正では全体的に大幅な規制緩和となっておるところでございます。こういったことから、古物営業の適正な実施につきましては、古物商でありますとか古物市場主の自主的な努力にゆだねられる部分が拡大することとなるわけでございます。 こういったことで、今回の改正におきましては、次に申し上げますような措置を講じまして、古物営業の健全な発展を図って、犯罪の防止、被害の迅速な回復を図るというような法目的が確保されるように配慮したところでございまして、一つはまず欠格事由の整備でございます。 今回の改正におきましては、盗品などを譲り受けた前科のある者、古いあれでいいますと贓物故買なんかをやった前科のある人たち、こういった人たちにつきましては、他の前科がある者に比べまして許可の取得条件を厳しくするというようなことをやりましたほかに、刑罰に処せられ、あるいはまた許可を取り消された後、再び許可を取得することが可能となるまでに要する期間というものを三年から五年に延長するなど、不適格な者が古物営業を営むことができないような配慮をしております。 二つ目が、管理者に関する規定の整備でございまして、古物商などは営業所などあるいは古物市場ごとに一定の要件を備えた管理者を選任しなければならぬということにいたしまして、かつ古物商等はその管理者に一定の知識、技術、経験を得させるように努めなくてはならないというような努力義務を課すことにいたしております。 この管理者につきましては、現行法においても規定が置かれているところではあるのでありますが、今回の改正におきましては、法律上、古物商等に課されている義務が確実に履行されますように、下位の従業者等を指導監督する責任者であります管理者の責務というものを明確に規定しようとしておるところでございます。 さらに、新法の二十七条でございますが、公安委員会は盗難品等に関する情報の提供を求める者に情報の提供を行うことができるということにしております。 これは、古物商などが古物を売買するに当たりまして、盗難品等に関する情報を容易に入手できるような措置を講ずることといたしますれば、盗品等の処分の防止にもなる、そしてまた被害の迅速な回復を図ることにも資するということから規定した規定でございます。 このほかにも、大型機械類についての対象物品からの除外、あるいは少額取引についての一定の確認義務等の免除というような措置を講じておりまして、御指摘のように、古物営業法が目的としている犯罪の防止、被害の回復ということに遺漏のないように配慮をしているところでございます。
○蓮実委員 時間も大分なくなってきたようですので、ちょっと簡単に答弁をしていただきたいのですが、よくわかりました。 今回の法改正において、いわゆる金券類を新たに法律の対象としているのがよくわかりました。これは、昭和、二十四年当時、いわゆる金券ショップがなかったのですね。それで、最近、盗まれたものが金券ショップで処理されておる、これが非常に多発しているということでございます。 金券類の盗難等の被害は現在どのようになっているのかということをちょっとお聞きしたいと思うのですが、時間の関係でこれはよろしゅうございます。 それから、盗難等に遭った金券、これはどのくらいチケット商に持っていかれて、処分しているのかということがあります。 それから、いわゆる金券類について、法律によると、商品券、乗車券、郵便切手が示されていますが、それ以外にも、例えばこの間問題になった盗難の、新聞にも出ておりましたが、印紙類については昨年、事件がありました。また、テレホンカードなどの被害も多いと聞いておりますが、これらの対象はどうなっているのか、簡単に。
○中田(恒)政府委員 盗難等に遭った金券類のチケット商での処分状況でございます。 平成六年で調べてみたわけでございますが、金券類が盗難など、そのほか詐欺、横領もございますが、被害に遭った件数は、全国で一年間で三万五千件ぐらいございます。その中には、今委員御指摘の不渡り小切手を用いて三十数億円の収入印紙をだまし取ったというような事件もございます。 この金券類に関する窃盗等の検挙件数は、平成六年中、一万五千件でございます。このうち、検挙した被疑者を追及いたしました結果、盗んだりした金券類を第三者に処分したというものが約三千七百件ございます。その三千七百件のうち九割以上の三千二百件になりますけれども、これがチケット商が処分先になっております。この数字、平成元年と比べてみると、チケット商に処分された件数でございますが、この五年間で三倍ぐらいにふえておるということでございます。 それから、金券類についての中身についてのお尋ねでございました。今度の改正法では、金券類を法律の規制対象としたいわけでございますが、商品券、乗車券、郵便切手のほかに、「これらに類する証票その他の物」というもので政令で定めるものを含むこととしたいと思うわけでございますが、「これらに類する証票その他の物。とは、商品券に類するものとしてはオレンジカードなどが入ると思います。それから、乗車券に類するものとしては航空券とか遊園地の入場券、それから委員御指摘のテレホンカードなどが入ろうかと思います。それから、郵便切手に類するものとしては委員御指摘の収入印紙等が考えられるところでございます。 委員の御指摘も踏まえまして、盗難等の被害あるいは被害品の処分の状況等を勘案して、証票等を政令により対象としてまいりたい、適切に決めてまいりたいというふうに考えております。
○蓮実委員 時間がなくなりましたので、最後に一つだけ。 今回の法律改正は規制緩和の要望があったことがきっかけのようですが、規制緩和は規制緩和として着実に実施する一方で、犯罪情勢に即して、犯罪の防止や被害の回復に役立つようこの法律をきちんと運用していかなければならないと考えております。規制緩和と経済の自由な活動はどこでバランスをとるのか、大変難しい問題だと思っています。金券ショップがふえているのは消費者がより安いものを求めている結果だと思うので、この点を含めて大臣はどう思っておられるか。 さらに、国民の身近な自動中、それからオートバイといった乗り物の被害が多く、また、新たな現象として金券類の盗難が増大しておるので、被害物品が古物商で処分されにくくすることが犯罪防止の点から大変重要だと思っております。こうした点を踏まえて、この改正法の施行に当たって大臣の所見を最後にお伺いいたしたいと思っております。
○野中国務大臣 委員ただいま御指摘になりましたように、今回の古物営業法の改正に当たりましては、単に規制緩和を行うだけでなく、国民が犯罪に対して大変不安を感じております窃盗等の犯罪防止と被害品の迅速な回復とを効果的に図りますように、さらに、新たな金券等の取り扱い等を委員が御指摘になりましたような御趣旨に十分沿うように、効果的な回復が図られるような諸規定を設けたところでございまして、この法の施行に当たりましては、御指摘のような国民に身近な乗り物やこの種盗難、あるいは新たな犯罪形態の防止を行い、被害の回復をこの法律が的確に行えるように十分留意をしてまいりたいと存じております。
○蓮実委員 質問を終わります。
○川崎委員長 上田勇君。
○上田(勇)委員 本古物営業法は、犯罪の防止、被害の回復に資することを目的とした、いわば国民生活の安全に関する社会的規制を設けている法律でありますけれども、こうした規制が事業者の自由な経済活動を過度に妨害するようなものであってはならないというふうにも考えるところであります。したがいまして、その目的が達成される最小限の規制であるべきというふうに考えておりますので、この辺を中心といたしまして、今回の法案について何点か質問をさせていただきたいというふうに思います。 まず最初に、古物の定義というのでしょうか、すなわち、本法律によります規制の対象となる範囲についてお伺いしたいと思います。 第二条におきまして、これは鑑賞的美術品及び商品券など政令で定める証票等は含むということ、それからまた、大型機械類で政令で定めるものは除くということは明示されているわけでありますが、その他のものについてはどういう取り扱いになるのか、必ずしも明らかにはなっていないというような感じがいたします。 今回チケットショップ等を対象に加えたこと、それからまた大型機械類は除外したこと、こうしたことについては、先般、また先ほどの御答弁の中でも御説明がありまして、その趣旨は了承するところでありますが、それ以外の明示されていないものについては、法律の上ではすべてが規制の対象となるというふうにも考えられるわけであります。 原則自由、例外規制、こういった考え方からすれば、規制の対象となるものを法律、あるいはより詳細については政令で明らかにすべきであるというふうに考えられますが、例えば、今回規制の対象に加えられたチケットショップなどについても、これも何年か前であれば想定できなかったような形態のビジネスでありますし、また当然のことながら、今後も現在では想定できないような新しい取引が生まれてくる、そういったことも想定されるわけであります。その場合に、新しく仕事を始めようとするときに、そのものが許可の対象になっているのかどうかはっきりしていないと、新しくビジネスを計画するときに当たって判断ができないのではないかということが危惧されます。 したがいまして、いかなる物品が規制の対象となっているかをはっきりとさせて、また、それ以外は対象とならないんだということをこれも明確にすべきではないかというふうに考えますが、こうした点についての御所見を伺いたいと思います。
○中田(恒)政府委員 お答えいたします。 窃盗とか詐欺あるいは横領等の財産犯の被害品でございますけれども、この種類というのは広範多岐にわたるものでございますし、また時代とともにいろいろな変化もいたします。例えば、今委員御指摘になりましたような大型でかつ重量のある機械類でございましても、建設機械の中には盗難等の被害の実例があるところでございまして、したがいまして、今回、大型機械の例を取り上げましても、大型機械類でありましても、盗難等の被害や盗品等の処分状況が想定されず、かつ実際にもそのような事例のないものについて除外するというような考えでおるわけであります。 いずれにいたしましても、古物営業法、こうした実情を踏まえまして、特に物品には限定を加えることがなくて古物に含めるというようなことにしておるところではあります。したがいまして、改正法におきましても、物品は一応すべて第二条第一項に言う古物に含まれることとなるわけでございます。 しかしながら、委員御指摘のように、物品の中には営業としての古物取引の実態がないものもあるわけであります。このような実態を踏まえまして現行の古物営業法施行規則におきまして古物の種類が定められておるところでありまして、今回の改正をお認めいただきましたら、これを機に、また委員の御指摘も踏まえまして、これをよりアップ・ツー・デートなものに改めて、国民にとってより明確なものにしていく、そしてまた、その後も常にその時々において見直しを行っていくというような措置を講じてまいるということで、御懸念のないようにしたいというふうに考えるところであります。
○上田(勇)委員 今の御答弁にありましたように、確かに、犯罪の防止あるいは盗品の被害回復という観点からすれば、これはどういったものが盗まれるかというのはなかなか想定しにくいし、どういったものがそういう被害の対象になるかというのも想定しにくいという面はあるのかもしれませんが、これは余りにもそういう面を強調するがために過剰な規制にというふうにならないよう、これから適切な運用を心がけていただきたいというふうに思う次第であります。 次に、今回の改正の中で、許可手続の簡素化の点が提案されております。その中で一点質問をさせていただきたいと思います。 改正案では、これまで各営業所ごとに必要であった許可を、同一の都道府県内であれば一つの許可で済むようになったというような簡素化が行われているわけであります。 しかし、複数の都道府県にまたがって営業している業者も多数あるというふうに思いますけれども、そうした業者がそれぞれの公安委員会の審査を受けて、それぞれの許可を受ける必要が果たしてあるのだろうかということをちょっと疑問に思うところであります。例えば、営業しているうちいずれか一つの公安委員会の許可、あるいは本店とか主たる事業所のある公安委員会に許可を受ければ、他の公安委員会に対しては、当然のことながら同様の基準のもとで判断が行われることでしょうから、極力手続の簡素化、合理化を図るという意味から、これは届け出や登録だけで済むようにしても法律の目的については十分達成されるというふうに考える次第であります。なぜ各公安委員会ごとに許可が必要なのか、その理由をお伺いしたいと思います。
○中田(恒)政府委員 お答えを申し上げます。 委員御指摘のようなことになるわけでございますけれども、法制定当時には現在のように古物商が複数の営業所を有していないというようなことで、広範囲に営業活動を行う例がなかったわけでございまして、そういうことで現行法は営業所単位の許可制度を採用しております。 ただ、実情が変わってまいりましたので、同一府県内で新たに営業所を設けようとする場合については、今回改めて、同じ府県の公安委員会の許可を必要としないということで、負担の軽減を図ろうということを考えておるわけでございます。その関係で、許可そのものにつきましては、今委員御指摘のようなことで、同一の府県内において複数の営業所を有する場合には古物営業の許可を営業所ごとに取得しなくてもよいということでありますが、府県が異なれば許可が要るというのは改正後でも同じでございます。 ただ、あわせてやっておりますのは、複数の府県の公安委員会の管轄区域内に営業所を有する古物商の法人の役員の氏名等一定の共通事項につきましては、これは営業内容の変更の届け出でございますので、こういうものについてはいずれか一の公安委員会に届ければ足りるというようなことにしたいということを考えておるわけでございます。 許可と届け出について若干差を設けていることについて御説明をいたしますと、警察行政につきましては、基本的には都道府県警察を単位として運営されておるわけでございます。古物営業の実態につきましても、それぞれの都道府県の公安委員会が最も的確に知っておる、把握しておるというわけでございます。例えば管理者が置かれているか否かというようなチェックなんかもございますが、こういったものも、その営業所の場所を管轄しておる公安委員会がこれを行うことが最も確実かつ合理的ではないかというように思います。このように、管轄区域内の古物営業の実態に即した実効的な指導監督をするということが期待できる各都道府県の公安委員会において、欠格事由なども審査した上で許可を付与する。 そしてまた、事後のいろいろな指導監督というのもございます。これも、本社が東京にありますれば東京都公安委員会が北海道だ、鹿児島だというようなところにある営業所の実態まで常時把握して監督ができるかというようなことを考えました場合は、それぞれの県単位で物を見る方がより合理的な行政が行えるのではないかというふうなことを考えまして、今回も、全国に一本の許可とはせずに、都道府県単位の許可制をとるということにしたところでございます。
○上田(勇)委員 次に今度は、許可の基準についても一点お伺いしたいと思います。 昨年の行政手続法の制定など、行政の透明性を確保していくということが今広く求められているわけであります。本法案では、第四条に欠格事由が挙げられております。いずれも明確で相当なものというふうには考えますけれども、許可に当たっては、ここに明示されている事由に該当しないとすれば、それはもう原則として許可されるというふうに理解してよろしいのでしょうか。それとも、明示されていないことについても公安委員会の審査が行われ、それをパスしなければならないというふうに考えるべきなのか。また、その申請から許可までの期間や手続など、こうした点について御所見をお伺いしたいというふうに思います。
○中田(恒)政府委員 お答え申し上げます。 第四条の許可の基準絡みでの御質問かと思います。四条の欠格事由に該当しない限り必ず許可が出るのかというような御趣旨であるとすれば、そのとおりでございます。古物営業法の四条におきましては、古物営業の業務を確実に履行することが期待できない者が営業を営むことを防止する、そして法の目的を確実に達成するということのために、いわゆる人的欠格事由とでもいうものを定めているわけでございます。財産犯など一定の前科のある者などは許可を取得できないこととして、非常に明確に要件を定めておるところでございます。この人的な欠格事由に該当しない限りは古物営業の許可が与えられるものでございます。 なお、古物営業法は、公安委員会が許可を行わない場合には、先ほど行政手続法をお挙げになりましたが、必ずしもそこでは要求されておりませんけれども、古物営業法の世界では、許可をしない、できないという決定を公安委員会がいたしました場合は、理由を付した書面をもって申請者にその旨を通知するというようなことまで義務づけられておるところでございまして、手続的保障は十分に図っておるというふうに考えております。 なお、申請後どれぐらいで許可がされるのだというお尋ねもございました。古物商の許可でございますけれども、おおむね六週間以内程度で出ておりますし、古物市場主の許可の場合は約八週間、おおむね八週間以内でございます。こういったものは、公安委員会が古物商等の欠格事由の該当性の有無を審査するに当たりまして必要な標準的な処理期間だということでございます。
○上田(勇)委員 行政の透明性を確保していくという意味での措置が設けられているということについてはよくわかりました。特に、この法律を見てみますと、現行法にある基準の中で若干当局の主観に任されたような言いぶりが、今回は客観的な非常にわかりやすい基準に改められている点については、大変結構なことだというふうに考えるところであります。 ぜひとも、この法律の趣旨を生かして、運用に当たっても透明で、やはり国民のだれから見てもわかりやすいような運用となるように御留意をいただきたいというふうに考える次第であります。 次に、これは法律の第十三条の関係で、管理省ということが規定されているわけでありますが、これは営業所または市場ごとに管理者を置かなければならないというふうに定められているわけであります。 さらに、同じ十三条の第三項では、古物商等は、当該管理者に、取り扱う古物が不正品であるかどうかを判断するために必要とされる一定の知識、技術または経験を得させるよう努めなければならないというようなことになっておりますが、その内容については国家公安委員会規則で定めるというような形になっているというふうに理解しております。 そこで、国家公安委員会規則では具体的にどのような内容を定められるというふうにお考えなのか、その点をお伺いしたいと思います。
○中田(恒)政府委員 お答え申し上げます。 最近では、取り扱う古物につきまして不正品であるかどうかを見分けるための必要な知識、技術、経験等を持たない、いわゆるペーパー古物商が少なからず存在するというような現実がございます。例えば自動車についていいますと、最近、盗難自動車などが、車台番号のつけかえ、業界では何か目玉入れというようなことを言うのだそうでございますけれども、その目玉入れ事件でございますとか、二台の自動車を半分ずつ切り取って合体させるというような、何かニコイチとか言うのだそうでございますけれども、こういうような方法によりまして改造をいたしまして、そういった上で中古自動車を扱う古物商に処分される事例が発生しておるところでございます。 こういったようなことで、盗難自動車の処分事案の発生を防止しようということを考えます場合に、管理者が改造車であるかどうかを見分けるための最低限の知識あるいは技術、経験を有していることが必要なのではないかと考えたわけでございまして、今回の改正におきましては、そのような盗品等の処分を防止して古物営業の適正な実施を確保するために、十三条の、三項でございますが、ここにおきまして、管理者に必要とされる最低限の知識、技術または経験を得させることを古物商の努力義務ということで規定させていただきたいと考えておるところでございます。 そこで、この規則で定める知識、技術、経験の具体的内容はどうだというお尋ねでございます。例えば、今例に取りあげました自動車についていいますと、最近多発しております改造された盗難自動車の処分事例に即しますと、こうした改造車であるかどうかを見分けるための、自動車の基本的な構造やどの部位が改造されやすいものであるかといったことに関する知識とそれを実際に見分けるための技能というようなものがあろうかと思います。また、実際に中古自動車などの取引を行ってきた経験等も入ろうかと思います。 具体的には、一定の経験年数、民間団体により付与される資格や講習等の受講経験というようなことでその経験について判断することになろうかと思いますが、そのような知識、技術、経験について具体的に物によって定めてまいりたいというように考えておるところでございます。
○上田(勇)委員 各営業所ごとに管理者を置き、なおかつ、さらに第二項のような努力規定がある。これは特に古物商、取り扱う業者が、取引量の余り多くない中小の業者もかなりあるのではないかというふうに思います。そうしたときに、こうした営業所ごとに必ず管理省を置いたりあるいはそういうような知識や技術または経験を習得させなければならないというようなことが設けられているときには、こうしたいわゆる中小、特に零細な業者にとっては相当な負担になるのではないかということも懸念されるのですが、その点についてはどのようにお考えでしょうか。
○中田(恒)政府委員 お答え申し上げます。 現行法におきましても、古物商がみずから管理しない営業所につきましては管理者を設置することが義務づけられておるところでございまして、また、法人の場合に、現行法においても、これは法人でございます、自然人ではございませんので、みずから管理できないためにすべての営業所に管理者を置くことが既に義務づけられておるところであります。 中小の業省の方の御指摘でございました。今回の改正におきましては、相手方の確認をする義務でありますとか、あるいは帳簿記載義務について緩和をいたします。そういったことで、全体的に相当程度の規制の緩和となっておりますために、古物営業の適正な実施につきまして古物商の自主的努力にゆだねる部分が拡大をするわけでございます。そういうことから、従来以上に管理者がその職務を適正に遂行することが期待されるわけでございます。 管理者に関する規定、現行法はあると申し上げましたが、ただ、その責務について現行法は明確に明文では規定をしてなかったところであります。今回、その言わんとするところを明確にして責務を明らかにしようということであります。したがいまして、改正案におきます管理者の設置義務につきましては、基本的には現行法に比べて過度の負担を課すものではないという考えでございます。 それから、知識、技術、経験等のお話も先ほど自動車に例をとって申し上げましたけれども、取り扱う古物の種類によって異なるとは思いますが、通常古物営業に携わっている人であれば当然有しているはずの最低限のものを予定しておるわけでございまして、これも古物商等に過度の負担を課すことにはならないものであると思いますし、また、そのような内容のものを決めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○上田(勇)委員 今の御答弁でも、今回、帳簿記載や身分確認などについて非常に簡素化が行われたということでありますし、また、先ほど許可や変更届け出の手続についても大幅に簡素化されたということでありますが、この点については、これは業界からの要請も十分踏まえた形での対応というふうに承っております。こうした点、今回、簡素化、また合理化が行われているわけでありますけれども、こうした改善でどの程度の効果が上がる、あるいは業界からの要請にどの程度の対応をしているものなのか、その効果の程度について見解をお伺いしたいと思います。
○中田(恒)政府委員 お答えいたします前に、先ほどちょっと御答弁を落としましたので、申しわけありません、この際お答えさせていただきたいと思います。 今度新法におきます管理者の設置義務でございますけれども、その任務が適正に遂行される限り一人の者が複数の営業所の管理者を兼ねることも妨げないと考えておりますし、また、その古物商がみずから管理する営業所について管理者を兼任することを認められておりますので、その点でも過重負担にならないと考えておるところでございます。 それから、今回の改正で規制緩和によりましてどの程度効果があるか非常に量的にはかりがたいものもあるのでございますけれども、ある一例でございますけれども、私ども最近サンプル調査を行った結果でございますが、ある県で、法人である古物商でございますけれども、新規許可、同一県内で県単位の許可にした場合はどれぐらい負担が軽くなるかというような観点でございますけれども、ある県において法人である古物商について調べてみたわけでありますが、平成五年中に新規許可を得た件数のうちに、仮に県単位の許可制度に移行した場合でございますけれども、全体の約三割が許可を不要とすることになるというような調査結果もございます。 また、例えばスーパーなどに例があるわけでございますけれども、全国に数百店舗の営業所をお持ちになるような古物商などもあります。こういうところにつきましては、法人の役員の変更届け、これは毎年一回ぐらいあるわけでございますけれども、これが今まで、例えば二百店、三百店ございますと二百通、三百通出しておったわけでございますが、たった一通で済むということになりますので、相当程度の負担の軽減がそのことからも図られることがうかがわれるというふうに考えております。
○上田(勇)委員 次に、今回新たに情報の提供といった項目が新設されております。実際に盗品が業者に持ち込まれる場合に、業者ではその品物が盗品であるかどうか判断するというのは、これは十分な情報がない限り、困難なケースが多いのではないかというふうに思います。その意味から、この規定は、業者が盗品を取り扱うことを未然に防ぐという意味からも、警察が掌握している情報を提供することは非常に重要だし、有益なことではないかというふうに考えております。 しかし、一方では、その情報の提供にはやはり難しい面もあるのではないか。一般に公開してしまえば、その情報を今度は盗んだ人間の方が入手してしまえば、その盗品をどのように処理するか、それをむしろ示唆してしまうような結果にもなりかねませんし、またプライバシーの問題といったこともあるでしょう。また、実際に盗まれた方が一般には知られたくないというようなこともあるかもしれません。 そうした詳細については国家公安委員会規則で定めるというふうになっているわけでありますが、その情報の提供先あるいは提供方法について、基本的な考え方をちょっとお伺いしたいと思います。
○中田(恒)政府委員 お答えいたします。 委員御指摘のとおり、一定の情報を提供することができるということになりますと、古物商にとりましても盗品等を買い取らなくても済む、買い受けなくても済むということでメリットもありますし、また、私ども国民にとりましても古物営業法の目的にもかなうということでございまして、そこで、今回の法改正におきまして、情報を提供することができるという規定を置きたいということを考えているわけでございます。 ただ、ただいま委員御指摘のように、じゃ、その情報の提供先はだれでもいいのかという問題は確かにございます。そういうことで、私ども、今基本的に考えておりますのは、その情報の提供先というのは盗難等の被害の発生状況や盗品等の処分状況を勘案して考えるべきだとは思いますが、盗品などの売買を防止する必要性が高く、かつ、その情報を提供することによって盗品などの売買等の防止効果が期待できる古物を取り扱う古物商の団体等でありまして、その提供を受けた情報の管理、それからその利用ということについて適正に行うということが認められるものであることが必要なのじゃないかというふうに考えておるところでございます。 また、提供方法につきましても、盗品等にかかわる情報が最も適正かつ効率的に管理、利用されるような方法というものを考えていかなくてはならないと思いまして、現在慎重にそれらの点について検討をしておるところでございます。
○上田(勇)委員 時間も余りありませんので、最後に、ちょっと最初と繰り返しになりますが、やはりこの法律、国民生活の安全を確保するという意味での社会的規制でありまして、その趣旨は十分理解するものであります。 ただし、他方、これが過度な規制になって、楽業省の自由な経済活動を妨害するというようなことがあってはならないというふうにも感じるものであります。これは法律の趣旨、目的が達成される最小限の規制というふうにあるべきであるというふうに考えますので、過大な規制になってしまうとやはり業者に過剰な負担がかかってしまうし、ひいてはコストアップにもつながる。あるいは最近その必要性が言われているリサイクルなどについても、資源の有効利用を目的としたこうしたリサイクルなどもできにくくなってしまうというようなことがあっては、これは法律の趣旨を逸脱してしまうというふうにも思われます。 こうした規制緩和、それから国民生活の安全の確保、こういう両面の要請を踏まえて、今後その多くの内容が政令や国家公安委員会の規則で具体的に決められていくというわけでもありますし、法律の施行、運用に当たりまして、最後に大臣の基本的な見解をお伺いして、質問を終わらせていただきたいと思います。
○野中国務大臣 委員からただいま御指摘がございましたように、いわゆる社会的規制でありましても、民間事業者の経済活動を必要以上に規制するものであってはならないと考えておるところでございます。このたびの古物営業法の改正につきましても、このような観点から、業界の要望等を十分に踏まえながら、現在の取引実態に応じまして、古物商の負担を軽減するべく大幅な規制の緩和を織り込んだところでございます。 しかしながら、古物営業法は、今御指摘にもございましたように、犯罪の防止と被害の迅速な回復に資することを目的とする国民生活の安全にかかわる重要な法律でございますので、規制の緩和は規制の緩和といたしまして着実に進めていく一方で、国民生活の安全の確保にいささかも遺漏があってはならないと考えておるところでございます。 改正法の施行、運用に当たりましては、規制の緩和を着実に実施する一方で、犯罪の防止と被害の回復というこの法律の目的が確実に達成されますよう万全を期する所存であります。
○上田(勇)委員 以上で、質問を終わらせていただきます。
○川崎委員長 吉井英勝君。
○吉井委員 私は、最後の質問者になりましたので、古物営業法につきましてはお聞きしたいところ、かなりこれまでの方と重複いたしますので、それで、きょうはこの機会に愛知県豊橋市にある有限会社中部レジャーが経営するパチンコ店、夢広場豊橋店とか夢広場西店などなど七店舗が実は先月開店いたしましたが、これについて少し伺っておきたいと思うのです。 これはたしか沖縄でスロットマシンに違法ROMを取りつけたとして十七店舗の営業許可が取り消されたオーダという会社の店で、このオーダ関連会社は全部で三十店舗が営業許可取り消しとなっておりますが、昨年十二月に県の公安委員会から営業許可の取り消しがあった店で、それが今度有限会社中部レジャーで七店舗が開店となった。なぜこんなに早く営業が再開されたのか、これをまず伺いたいと思うのです。
○中田(恒)政府委員 お答え申し上げます。 御指摘の有限会社中部レジャーでございますけれども、これも今お挙げになりました株式会社オーダというのは昨年の十二月にその営業する店舗、三十店舗ほどでございますが、許可の取り消しを受けたわけでございまして、この株式会社オーダからその営業施設を借りて新たにパチンコ店をこの有限会社中部レジャーというところが営もうということで、本年の二月でございますか、愛知県下にあります七店舗でございますが、そこについて風俗営業の許可申請をしてまいったということでございます。 申請を受けました愛知県の公安委員会といたしましては、その申請者であります有限会社中部レジャーが風適法四条に規定いたします人的な欠格事由に当たるものがないかどうか、それから営業所の構造、設備の基準を満たしているかどうか、あるいはその場所的な基準がございますが、そういう制限にかかっているかどうかというような諸点について、許可基準に抵触しないかどうかについて十分調査をして、基準に抵触しないというふうに判断したことから風適法の規定に従って許可をしたものというふうに承知をしております。
○吉井委員 要するに店舗を借りてやっているのだが、経営者がかわっているからということなのですね。その経営者がかわったというのですが、唐とか土地の所有権はかわっていないわけですね。所有権はもとのままで、しかも新しい経営者というのは、実はこの営業許可の取り消しを受けた株式会社オーダの社長のいとこと。言われる人で、この株式会社オータの社長とこのいとこに当たる人、この中部レジャーの方は、二人はダイエー観光という会社では同じ会社の取締役をやってきた。こういう間柄であるわけですね。 これはまだほかにもありますが、有限会社東華というのが経営するこれもパチンコ店ですが、江戸川区にあるサンシャイン小号店、この店についての営業申請が出ていると思います。この東華の取締役の一人も、これは取締役一人しかいないのですが、この人はまたかつて株式会社オーダの監査役をやっていた人ですね。 こういうことをすべてきちっと調べた上で許可を出しているのかどうか、これを伺いたいと思います。
○中田(恒)政府委員 お答え申し上げます。 愛知県警の方では、風適法の要件に従って厳正に判断をしたものと理解しておりますが、風適法、御案内のように、その四条で許可の人的欠格事由を定めております。 そこで言っておりますのは、自然人であります場合とか、あるいは法人であります場合、その本人が、法人そのものが偽りその他不正の手段による許可取得に係る罰金刑に処せられた者であるかどうかということだけじゃなくて、法人でありました場合、その社員、取締役、それから名称のいかんを問わず取締役等と同等な支配力を有すると認められる、いわゆる黒幕的な経営者でございますが、こういう者に欠格事由に該当する者が含まれているかどうかということについても見るわけでございまして、この点について愛知県の公安委員会では判断をし、この要件に当たる者はない、委員いろいろ御指摘でございますけれども、この要件について厳正に判断をした結果、その他のいとこであるとかなんとかいう関係はあるいはあるのかもしれませんが、ここで言う欠格事由に当たる人はいないということから許可を与えるに至ったというふうに聞いております。
○吉井委員 経営者がかわったといっても名前が変わっただけですね。店舗と土地の所有者は依然としてもとのままで、また、かわったという新しい経営者は、これはもとの経営者のいとこであったりあるいは監査役であるとか、いわゆるオーダグループとしてかかわりのある人なのですね。実は、これはここだけじゃなくて令国的に今これは行われているわけですね。 私、日電協理事長の各組合員あてに出した文書というのをきょう持ってきておりますが、それを見ると、中部レジャー、関東レジャー、東華、沖東、陽光、朱夏などの有限会社、新たな法人で許可の取り消しを受けた店を再開しようとしているのが明らかになっております。 例えば、この許可の取り消しを受けたPSランド、これは夢広場豊橋店、同じくPSランド西店というのは夢広場西店、こういう調子なのですね。これは取り消しを受けた席すべてそういうふうになっているわけです。もちろん中には許可取り消しになった時点で、さっきもおっしゃったように、学校、病院が近くにあって再開ができないというものもあることはあるのですが、しかし許可を取り消しされた三十店のうち、現在二十六店舗が再開されたかあるいは再開計画があって申請が出てきている、こういう実態にあるというこの動きそのものについては、警察庁の方は動きをつかんでいらっしゃるのでしょうか。
○中田(恒)政府委員 お答え申し上げます。 委員御指摘のような、愛知県の七店舗についてそのような名称で申請がなされ、許可なされていることについては、そのとおりでございますし、あと幾つかの県で別の法人がまた申請を出しておるところであることについても、御指摘のとおりであります。 ただ、いずれにいたしましても、この中部レジャーについて、先ほど申し上げましたように、この許可の取り消されました株式会社オーダでございますね、ここの所有しております営業施設、これは店舗もその下地も同じでございますが、こういうものを借りて営業するということでございまして、店舗なり土地を営業しようとする者がみずから持っていなくてはいけないという要件はないわけでございまして、現実にその申請者がそのような実在する法人であって、その法人あるいはその役員等に問題のある人がなければ許可をせざるを得ないわけでございまして、今回の場合について愛知県警が判断したのは、そのようなすべての点について見るべきものは皆見た上で適切に判断をしたものというふうに考えておるところでございます。
○吉井委員 今おっしゃったのは愛知だけの活ですが、全国で三十店舗営業許可取り消しをやって、事実上病院、学校があってできないものは別として、それを除いた二十六店舗は現在全国的に営業再開に向けて動いているわけでしょう。それについて、今のお話を聞いておりますと、何かダミーを使っても全部もう営業してもらって結構なのだ。何も変わらないじゃないですか。どうなのですか。これは今後こういう二十六店舗については、既にそのうち愛知は許可をしているわけですが、今出ている分、残っている分、これは全部許可をする、こういう立場ですか。
○中田(恒)政府委員 お答え申し上げます。 先ほど愛知県下にある店舗についてお答えを申し上げたわけでございますけれども、私ども把握しております。その他の府県としては、宮城、埼玉、東京でございますか、それで四店舗ほどについて許可申請がなされておるものもある。しかし、それ以外のまた群馬、沖縄等の二十店舗近いものについては申請はまだなされていないというふうに聞いております。 なお、申請が出てきた場合どうするかというお尋ねでございますが、愛知県警といいますか、愛知県公安委員会と同様でございますが、それぞれについて申請者について適切な審査をし、拒否する事由がない場合においては許可をするという扱いになろうかと思います。
○吉井委員 こういうやり方は、ダミーを使って営業を再開できるというふうになってしまうと、何のための営業許可の取り消しということになるのでしょうか。しかも、この株式会社オーダというのは、表向きは違法ROMを取りつけたということが許可取り消しの理由になっているわけですが、しかしこれは暴力団との関係も指摘されているのですね。 一九九〇年十一月にアルバイトの高校生と警察官二人が犠牲になった、暴力団三代目旭琉会と沖縄旭流会の抗争事件があって、この抗争事件というのは暴力団対策法ができるきっかけになった事件の一つでしょう。この一方の暴力団にオーダから数十億の資金が流れていたとも言われているわけですね。 今回の営業許可の取り消しというのは、実はそのことも大きな要因になって、特に沖縄の方はこの取り消しをやったというふうなことは、これは地元でよく知られていることなのですよ。新しい法人が経営しているかのような体裁をとっているにしても、役員はこの株式会社オーダの、取締役は自分の息のかかった人間や身内の者にやらせている。店舗や土地の所有権はもとの人のまま、しかし店の売り上げのほとんどが一度は新しい経営者のもとに入る形をとって結局もとの経営者のところへちゃんと流れるという形になっているわけですよ。これだったら、何のために許可の取り消しということをやったのかということになるのじゃないでしょうか。 私は、ここで大臣に、特にこれは警察庁とそれから公安委員会のやはりこういう問題に対する姿勢というのが問われてくると思うのですよ。これはやはりよく調査をしていただきたいし、許可したものについてはこういう観点で調査がされているのかどうか、これは改めてチェックしてもらいたいし、また今後、許可申請中のものとかあるいは許可申請が出されてくるものの扱いについては、実態として株式会社オーダに売り上げの大半が行くようになっていないのかどうか、そういうこともきちんとやはり調べもし、考慮もした上でこの取り扱いを検討する、そういうふうにやってもらいたいと思うのですが、私はこの点について大臣の答弁を求めておきたいと思います。
○野中国務大臣 先ほど来局長から答弁申し上げましたように、各都道府県公安委員会におきましては、風営法に基づきまして、厳正、的確に処置したものと承知をしておりますけれども、今委員からそれぞれ具体的に御指摘もいただきましたので、新たな観点から対処してまいりたいと考えております。
○吉井委員 新たな観点から対処するということで、ぜひ、いとこの関係とか元監査役なども確認した上での許可であったかどうかということの確認ですね、そこをきちんとやるとともに、ぜひこれは大臣も積極的に指導をしていただいて、調査をしていただきたい。改めて調査の約束だけいただいて質問を終わりたいと思います。
○中田(恒)政府委員 ただいま大臣からの御答弁にありましたように、適切に対処してまいりたいと存じます。
○吉井委員 終わります。
○川崎委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 ―――――――――――――
○川崎委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 古物営業法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○川崎委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○川崎委員長 御異議ないものと認めます。よって、そのように決しました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕 ――――◇―――――
○川崎委員長 次に、内閣提出、地方公務員災害補償法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 本案審査のため、本日、参考人として地方公務員災害補償基金理事長中島忠能君の山川席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○川崎委員長 御異議ないものと認めます。よって、そのように決しました。 ―――――――――――――
○川崎委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。北沢清功君。
○北沢委員 このたびの地方公務員災害補償制度の改正は、社会経済状況の動向に的確に対応するために行われたものと思います。そこで、改正案の内容について、まず、二、三点、お尋ねをいたしたいと思います。 この改正で新たに創設されることとなりました介護補償制度について、この制度が創設されるに至った意義、また、これが創設されることによって、従来行われてきた内容と比較して、具体的にどのように改善がされることとなったかを、まずお尋ねをいたしたいと思います。
○鈴木(正)政府委員 今回の改正で介護補償制度を創設した趣旨でございますが、基本的には国家公務員の災害補償制度における改正に合わせているわけでございます。 近年の入口の高齢化あるいは核家族化ということで、重度の被災職員が家庭で家族によりまして十分な介護を受けるということが困難な状況になってきていまして、民間事業者などから介護サービスを受ける必要というものがますます高まってきております。こういう状況に対応して、今回、自宅で介護を必要とする重度の被災職員に対しまして介護に要した費用を補てんするというために、介護補償を創設することといたしたものでございます。 この介護補償の創設によりまして、これまでは基金によりまして福祉施設として付加的に行われておりました介護料の支給、これが介護に要する費用の補てん、いわゆる補償というふうに位置づけられまして、法律上補償を受ける権利が明確化されることになったわけでございます。 それで、支給対象につきましては、これまでの介護料では、障害補償年金あるいは傷病補償年金の受給権者のうちで障害あるいは傷病等級一級で常時介護を要する人、この方が対象とされたわけでございますが、今回これを障害等級など一級だけでなくて二級に広げ、常時介護を必要とする人に加えまして随時介護を必要とするという人まで拡大いたそうというものでございます。 また、給付額につきましても、所要の引き上げを行うことといたしておるものでございます。
○北沢委員 それでは、この改正案で福祉施設を福祉事業と名称変更がなされておりますが、この名称変更がいかなる事情によるものか、また、名称変更に伴って何か内容的に何らかの制度上の改変が行われるかどうかについてもお尋ねをいたしたいと思います。
○鈴木(正)政府委員 現行の公務災害補償制度は、御案内のとおり、災害による損失の補てんを定型的に実施します補償というものと、この補償に加えて付加的な事業を行います福祉施設というものから成り立って実施をいたしているものでございます。 それで、この福祉施設という名称からは物的施設を連想しやすいわけでございまして、ところが、現在の事業の内容は、例えば遺族特別援護金あるいは給付金といったように金銭給付を中心といたしておりますことから、より適切な名称に変更すべきであるという指摘が従来からなされているところでございまして、昭和六十年度には福祉施設という用語の再検討につきまして衆参両院におきまして附帯決議をいただいているところでございます。 今回、福祉施設の内容を拡充するということといたしておりまして、その用語の見直しを行う適当な機会であるということ、また、近時、船員保険法その他、社会保険関係法におきまして福祉施設が福祉事業に変更されているということなどを勘案いたしまして、本法におきましても改めるということとするものでございます。 また、福祉事業の内容につきましては、今回その拡充を図ることといたしまして、一つは、福祉事業として新たに「被災職員が受ける介護の援護」の規定を加えることといたしまして、例えばホームヘルプサービス事業などが行えるようにするというものが一点、もう一点は、公務災害の発生をやはり減少させるということが大事でございますので、公務上の災害を防止するために必要な事業を新たに行うことができる、そのような規定を置くことといたしまして、拡充を図っている、こういうことでございます。
○北沢委員 今御答弁の中で、公務員災害補償事業につきまして、我が党は以前から災害の防止について特に主張してきたところでありますが、これへの積極的な取り組みは大変評価をし得るものと思っておりますが、具体的な施策としてはどのようなものを考えておられるのか、また、その効果についてはどのように想定されているのか、御決意を含めてお答えをいただきたいと思います。
○野中国務大臣 御指摘のように、地方公共団体の職員の公務災害を防止をすることによりまして職員が安心して職務に従事することができるようにすることは、お説のように極めて重要な課題であります。地方公共団体の職員の安全を確保しますためにも、これまでも各地方公共団体におきましてそれぞれ安全衛生管理体制を整備するなどの取り組みが積極的に行われてきたところでございますが、今回、地方公務員災害補償基金におきまして、その情報や経験を活用いたしまして、福祉事業として公務上の災害を防止するために必要な事業を行うこととされたところであります。 この事業の内容といたしましては、現段階では、統計分析や事例の類型化等によります公務災害の発生原因の調査研究、これを活用した防止対策の検討、さらにはその成果の地方公共団体への普及を考えているところであります。 自治省といたしましては、各地方公共団体におきます安全衛生管理体制の整備の推進とあわせまして、公務災害の防止にさらに積極的に取り組んでまいる所存でございます。
○北沢委員 それでは、今回の改正案では、違反行為について、命令に従わなかった場合の罰金額や過料額の改定が行われることになっておりますが、このたびの見直しの理由について教えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○鈴木(正)政府委員 地方公災法におきましては、公務災害補償基金の役員等が自治大臣に対しまして虚偽の報告をした場合の罰金、あるいは補償を受ける方が基金に対して虚偽の報告をした場合の罰金、あるいは基金の役員が登記を怠った場合の過料、これにつきまして定めを置いております。 これらの罰金額あるいは過料額につきましては、昭和四十二年の本法制定時から改正が行われておりませんで、現在における物価水準等の経済情勢は大きく変化してきている状況にあります。また、今国会で労働者災害補償保険法及び国家公務員災害補償法の改正によりまして罰金額の上限の引き上げが行われております。これらを含めた地法における類似規定における罰金額との関係というものも考慮する必要がある、こういったことで、今回、罰金額及び過料額の上限の引き上げを行い、適正化を図ろうとするものでございます。
○北沢委員 それでは、観点を変えまして、最近の事例に照らしてお尋ねをいたしたいと思います。特に、この一月半ばに発生した未曾有の犠牲者を出した阪神・淡路大災害に関連してお尋ねをいたしたいと思います。 この大震災において当然地元の地方公務員の方も被災されていると考えますが、実態はどのようになっておりますか、お尋ねをしたいと思います。
○鈴木(正)政府委員 今回の阪神・淡路大震災におきましては、お話しのように、地方公務員も多大な被害を受けている状況にあります。地震発生時におきましては五十三名の職員の方が死亡しておりまして、約八百名の職員の方が負傷していると聞いております。 また、今回の震災後の応急対策あるいは復旧薪業の実施につきまして、地元の地方公共団体の職員の方のみならず、全国各地の地方団体から派遣された職員が御尽力いただいているところでございますが、この応急対策あるいは復旧活動時におきましての災害の状況でございますが、公務災害の認定請求等の状況から承知しているところでは、二名の職員の方が死亡し、また、他の団体から派遣された職員の方を含めまして百名を超える職員が負傷をしている、このように承知しております。
○北沢委員 今お聞きをしまして、なかなか大勢の方が負傷されており、また死亡されているということでありますが、この被災をされた地元の地方公務員の方の中には公務中であった方もおられると思いますが、そうした公務災害の認定請求の状況は合いかがになっておりますか、お尋ねをいたしたいと思います。
○中島参考人 御説明申し上げます。 地元の公務員で被災された方及びその公務災害の認定請求の状況でございますが、三月三十一日現在におきまして、地震発生時に被災された方及び地震発生後、応急対策及び復旧対策に従事中に被災された方、合わせまして百十一人の方が被災され、そして百十一人の方から公務災害の認定請求が出てまいっております。その百十一人の中で現在までに百一件の方につきまして公務上の認定をいたしております。 したがいまして、あと十件残っておりますけれども、関係支部と鋭意連絡をとりまして速やかに認定事務を進めてまいりたい、かように考えております。
○北沢委員 また、新聞報道等によりますと、この災害の救助活動や災害復旧作業に当たってこられた職員の方で、お気の溝にも急性心不全で亡くなられた方、警察職員や消防団員、または自殺をされた水道周の職員の方々もおられると聞いておりますが、こうした事例において公務災害として取り扱われるかどうか、どうでしょうか。 これらの事案を含め、阪神・淡路大震災における公務員災害についてどのような考え方で臨んでおられるのか、認定に当たって基本的な考え方についてのお尋ねをいたしたいと思います。
○中島参考人 御説明申し上げます。 今回の地震のように天災地変によりまして被災を受けられた方につきまして公務上外の認定をする場合におきましては、原則として、いかなる職務に従事しておられたかという、職務の性質及びその職務の内容、あるいはまたその従事しておられました職務の環境、あるいは施設、そういうものの条件というものをよく調べまして、それが公務または勤務環境に内在する危険が具体化したものとして災害が発生した、そういうふうに認められる場合には、公務上の災害として取り扱うようにいたしております。 今議員がお話しになりました警察職員、これは兵庫県警の姫路警察署の警察職員でございますけれども、この警察職員につきましては、従事しておられました職務が非常に過重な職務であった、それが原因で血管病変等を著しく増悪させたというふうに認めまして公務災害として認定をいたしております。 また、自殺されました神戸市の水道局職員につきましても、いかなる職務に従事しておられたのかということ、そしてまた、その自殺された当時にいかなる疾病にかかっておられたかと想像いたしますと、精神疾患に罹患しておられたということもあろうかと思いますけれども、そういう状況、あるいはまた当該本人の素因といいますか、当該本人の個人的なそういう要因というものも現在調べておりまして、そういうものを総合勘案して結論を出したいというふうに考えておりますけれども、現在、神戸市の方で、できるだけ本人に有利な状況というものを見落とすことなく、よく調査をしていただくようにお願いをしているところでございます。
○北沢委員 今理事長から御答弁がございまして、きょうはお忙しい中を特に参考人として御出席をいただいて感謝を申し上げたいと思います。今の認定については、こういうような大災害でございますので、ひとつ積極的に対応していただくように特に要望いたしたいと思います。 この被災地のこのたびの災害でありますが、地元ばかりではなく、全国の多くの地方公共団体から救援、復旧、復興のために職員の方が派遣されておりまして、さらにこの四月からは地方自治法に基づいた中長期の派遣をなされるように聞いておりますが、この派遣の実態、概要についてどのように把握をされておるか、そして地方自治法による派遣の場合、公務災害上の取り扱いについてはどういうふうになっておられるか、あわせてお尋ねをいたしたいと思います。
○鈴木(正)政府委員 今回の阪神・淡路大震災におきます応急対策あるいは復旧活動の実施につきましては、今お話ございましたように、地元の地方団体の職員だけでなくて全国各地から、地方団体から派遣された職員が尽力をいたしていただいているところでございます。 ことしの四月からは震災後の復旧、復興のための事業の本格化が始まるわけでございまして、それに対応するため全国各地の地方団体から、土木、それから建築等の専門職を中心にいたしまして、獣医の方、薬剤師、保健婦、ケースワーカー、こういった方を初め、一般事務職等も含めた広範な職種の職員の方三百十三人が派遣をされております。 この派遣は、一般的には地方自治法の二百五十二条の十七に基づく派遣でございまして、派遣職員は、派遣を受けた地方団体の職員としての身分をあわせ有することになります。被災地の地方団体の一員として職務に従事するというものでございまして、これらの職員の方が派遣先の地方団体におきまして、復旧、復興のための事業に係る仕事に従事していまして災害を受けた場合には、公務災害として補償を受けるということになろうかと思います。
○北沢委員 それでは次に、先月の二十日に起きました無差別テロともいうべき、世間を震憾させました、またそして多数の犠牲者を出しました地下鉄サリン事件についてお尋ねをいたします。 これに関連して、救助に出、捜査をされた警察、消防職員の方が、多数、二次災害ともいうべき被災をされているというように聞いておるのですが、この場合、公務災害として認定されるかどうか。また、こうしたケースも早期に認定すべきであると私は考えますが、このことについてどのようにお考えになっておられるか、お尋ねをいたしたいと思います。
○中島参考人 御説明いたします。 お尋ねの、いわゆる地下鉄サリン事件で多くの地方公務員の方がやはり被害を受けております。それを分けて考えてみたいと思いますが、一つは、通勤途上において被害を受けられたということが考えられますけれども、その場合には、通勤途上でございますから通勤災害該当として認定することになろうというふうに思いますが、そういう前提で整理をしてまいりたいというふうに考えます。 第二番目は、地方から公務出張で東京に来ておられて当該地下鉄に乗り合わせた、あるいはまた公用で外出中あの事件に遭われたということが考えられますけれども、そういう場合にも同様、やはり公務災害として認定されることが多いのではないかというふうに思いますが、そういう前提で考えていきたいと思います。 第三番目は、今議員がお話しになりましたように、人命の救助とか犯罪の捜査、そういうものに従事しておる消防職員、警察職員が被害を受けるということが考えられますが、原則として公務執行中というふうに予想されますので、そういう前提でやはり処理してまいりたいというふうに思います。 ただ、本件につきましては、労働省が所管しております労災保険制度、あるいは人事院が所管しております国家公務員災害補償制度、そういうものとの関連もございますので、両制度との関係をよく整理して、そして両者ともよく議論して物事に当たってまいりたいというふうに考えております。
○北沢委員 今御答弁がありまして、調整をされるわけでございますが、なるべく早く被害を受けた方に認定をされて対応されるように特に希望をしておきたいと思います。 以上のように、ことしに入ってから阪神大震災や地下鉄サリン事件などで大規模な事例が相次いでおりまして、このたび救急援助活動、救助活動などの重要性というものが改めて認識されております。 そこで、確認させていただきたいのですが、災害事故などへの対応について不安はないのかどうか、また、より充実強化の必要性の有無等についての考え方についてお尋ねをいたしたいと思います。
○滝政府委員 阪神・淡路大震災あるいは地下鉄サリン事件、こういう場合には多数の被災者が出る、こういう特殊な、しかも急を要する事件でございます。したがって、お尋ねのように、現場においてまず一次的な応急手当てを行う必要がございますし、当然、症状によりましては他の医療機関へ搬送するということのために、緊急にだれを優先的に搬送するか、こういうような事柄も必要になってまいります。そういう意味で、こういう多数の救急事件に当たりましては、当然平素から、救急車あるいはその他の車両、こういうような充実をしておく必要があるわけでございます。 ちなみに阪神・淡路大震災におきましては、神戸市の場合を例にとりますと、神戸市の独内の救急隊二十七隊のほかに、全国からの応援の部隊を申し上げますと、救助隊として全国からの応援が二百七十隊、それから救急車を中心とする救急隊が互ト隊、こういうような応援活動を得て何とか処理に当たった、こういうことでございます。 それからまたサリン事件におきましては、救急車百十三台のほかに、比較的軽度の被災者を送るためにはマイクロバスも活用いたしまして、合計百四十五台の車両で、とりあえず応急に医療機関に搬送する人たち六百八十八人を送り込んだ、こういうような状況でございます。 したがって、お説のとおり、一連の災害の経験を踏まえますと、同時多発の救急事件ということを特に念頭に置いて、今後の救急体制の充実にさらに努力をしてまいる必要があるというふうに存じております。
○北沢委員 ぜひいろいろな面で不安のないように、もともと救急車等については、その内容の高度化を含めて国会でも取り上げられているわけでありますから、その充実に向けて一層の御努力をお願いいたしたいと思います。 それでは最後に、阪神大震災に関連されております地方自治体の対応について一言申し述べてみたいと思います。 神戸市などの復興計画で大規模な町づくりの計画の策定が進められておるわけでありますが、この大災害で被災された地域の区画整理や再開発事業、町づくりの進め方は、住民参加やいわゆる対話型社会に対する新たな、防災都市をどういうふうにつくるかということでモデルケースになる、また国民的な関心が持たれて、注目されておるわけであります。それだけに、各関係自治体も真剣に取り組んでおられると思いますが、マスコミの報道や社説などによりましても、ともすると、住民不在、被災した住民の声が届かないという、かなり強引に計画が進められていて、このことへの不協和音ばかりが聞こえてくるような印象がございます。これは単に手続上の問題、計画案の決定に際して、公聴会の必要もなく、二週間の計画案の縦覧が義務づけられているのみでありまして、特に今回被災地の場合、多くの方が疎開をしているというような現状がありまして、これらを無視した酷な結果になっている点が多く疑問点として残るわけであります。住民との本当の意味での対話をして、合意の上で町づくりをしていこうという姿勢が自治体の側にあったのかどうかという点で私は疑念を感ぜざるを得ないのであります。 幸いにして、多くの批判に対して兵庫県知事が柔軟な対応を示されるようですが、ここでいたずらに強制的なやり方やさらに行政不信をあおるようなことがないように、自治省としても実態をきちんと把握をして、地方自治体の問題として考えていただいておく必要があるんじゃないか、また、何らかの対応を考えていただかなければならないのではないかというふうに感じます。 今回の統一地方選の前半で示された地方住民の方の政治不信に応ずるためにも、大変難しい問題であることは私もよく承知をしておりますが、一言、このことに対する大臣のお考え、またはこの件に対する御感想でも結構でありますから、お尋ねをしておきたいと思います。
○野中国務大臣 今回の被災地の復興計画につきましては、町づくりの基本となることでございますので、兵庫県、神戸市を初めとするそれぞれ被災地、地方公共団体が地域住民の方々の意向を十分反映しながら作成をしていかなくてはならないという委員の御意見は、そのとおりであろうと考えておるところでございます。 このような観点から、兵庫県におきましては、今後、阪神・淡路震災復興計画の策定に向けまして、住民の代表にも御参加をいただき、そして阪神・淡路震災復興計画策定委員会を設けるほか、地域ごとに県民と行政が意見交換をする場を設けることとされておりまして、神戸市におかれましても、神戸市復興計画の策定に向けまして、市民代表、業界代表あるいは学識経験者等から成ります神戸市都市計画審議会を設置をして、広く意見を聞くこととされておると聞いておるところでございます。 また、被災のそれぞれ市、町の都市計画の骨格が三月十六日に兵庫県都市計画地方審議会において審議をされました際にも、今回の都市計画が一刻も早く町づくりに着手するため緊急に行われたという状況にかんがみ、今後、町づくりを進める各段階において関係住民と十分意見交換を進めることとの附帯意見があったと伺っておるところでございます。 委員も御指摘がございましたように、復興計画を立てる上での時間的制限、あるいはそれぞれ市民の皆さんが避難等でその状況を十分把握していただく、また周知徹底をすることに制限があった等のこともあろうと思うわけでございますし、また御承知のように、一挙に廃墟と化しました、そして都市機能が完全に失われた中から防災に強い都市づくりをしていく上で、私権の制限等、それぞれ個々の住民の皆さんには十分御理解をいただかなければならぬ問題が山積をしておると思うわけでございます。それだけに、より多くの意見と要望もあろうと存ずるわけでございますけれども、さまざまな方、その地域住民の方々の意向を十分くみ上げまして、住民主体の、かつ防災に強い町づくりを推進していただきたいと考えておるところでございまして、私どもといたしましても、機会あるごとに関係地方公共団体ともそのような意向でこれからも協議を進め、指導をしてまいりたいと考えております。
○北沢委員 ただいまの大臣の御答弁も評価できるわけでありますが、このことは確かに緊急なことであり、また復旧についてはさまざまな私権の制限等がございまして、個々の一人一人にとっては大変なことなんです。そういう意味から見ても、このことについてはぜひ対話を深めるとか、知恵を働かせて、ひとつみんなが期待できるような都市づくりに多くの皆さんが参加できるようなそういう努力を最大限にされるよう、特に自治省は各自治体に御指導をいただくことを最後にお願いして、私の質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○川崎委員長 山鳥参考人には御苦労さまでした。 次に、吉田公一君。
○吉田(公)委員 今回の法改正におきまして、消防団員等の公務災害についても改正をするとしておりますが、消防団員の公務災害の発生状況はどうなっているのでしょうか。
○滝政府委員 消防団員の公務による死傷者の数でございますが、年によって相当の変動がございますけれども、平成五年度中に亡くなった方は三人でございます。また、負傷者でございますけれども、大体一千人を少し上回る方が負傷しているというのが実態でございます。 なお、死者、死亡された方は、例えば雲仙・普賢岳の火砕流、そういうような災害が発生しますと、一挙に亡くなった方がふえるということで、例えば平成三年にはそういう関係で亡くなった方が二十二人に上っている、こういうようなのが最近の状況でございます。
○吉田(公)委員 消防団員についての出動手半あるいはまた年間の報酬が非常に低いですね。したがって、災害補償もそうだけれども、出動手当あるいはまた年間の報酬等について、非常に低い、団長だって小遣いにもならないような支払いをしているわけですが、この点についても改善をする用意があるのかどうか、伺いたいと思います。
○滝政府委員 おっしゃるとおり、出動手半その他低いということは、私どももそう考えております。 ただ、そういうような状況を踏まえまして、この一、二年はそれなりの比率で上げさせていただく、こういうことで平成七年度の交付税措置も出動手当を思い切って上げさせていただいた、こういうところでございます。それでも全体の水準からいえばもともと低いわけでございますので、なおまた十分でないところがあると思いますけれども、そういうような努力を今後とも続けてまいりたいと存じております。
○吉田(公)委員 参考までに伺っておきたいのですが、団長以下団員に至るまで年間幾ら報酬を払って、出動手半は幾らになったのですか。
○滝政府委員 平成六年における団長の年額の報酬が七万二千五百円、それから団員が二万六千八百円でございました。また、出動手当は、同じく平成六年で五千五百円、こういう状況でございます。 これに対しまして、平成七年におきましては、団長で約一万円ちょっと、団員についても大体それに見合った数字でもって伸ばす、こういうようなことをやらせていただいております。また、出動手当につきましては、平成六年度では五千五百円でございますけれども、これを六千円にする、こういうような配慮をさせていただくという予定にいたしてございます。
○吉田(公)委員 これから災害等が起こり得る可能性がまことに大でありますが、そのときに年間七万二千円だの八万二千円なんというと、みんな団長なんというと、消防団員だって四十年、三十五年という人はざらなのです。そういう人たちは、結局小遣いにもならないものだから、みんなで消防団でまとめておいて、そして分団ごとにどこか温泉でも行って、旅行でも、その足し前にしようじゃないか、こういうことが大方行われているのですね。だから、これから災害等が起きる可能性が大なのですから、消防団員等について、公務災害は結構なんだけれども、日ごろの報酬等についても十分考えていかなきゃいけない、そう思っております。 その次に、阪神・淡路大震災で、北沢先生から今ちょっとお話がありましたが、多くの消防職員や消防団員が救援救助活動に参加したわけでありますが、消防職員や消防団員の活動の状況についてお伺いしたい、こう思います。
○滝政府委員 お答えする前に、ただいまの消防団員あるいは団長の年間の報酬、ちょっとけたを間違えまして、千円前後の増加でございますので、ちょっと修正させていただきます。大変申しわけありません。 阪神・淡路大震災における消防職員あるいは消防団員の活動の状況でございます。 これにつきましては、例えば神戸市の場合を例にとりますと、消防職員として当直をいたしておりました職員が約三百人、この職員でもって発災直後の消防活動に当たったわけでございますけれども、神戸市の場合には非番職員が直ちに非常参集する、こういうことでございますので、若干の時間をとりましたけれども、発災後約五時間で大体九〇%の消防職員が勤務についた、こういう状況でございます。 それから、消防団員でございますけれども、消防団員の場合には、神戸市の場合には、四千人のうち三千人の消防団員が直ちに勤務につく、こういうような状況でございます。 また、西宮あるいは芦屋、これにつきましても、当然この発災と同時についております。そのほか、例えば消防団員の場合には、比較的災害が少なかった地域の県内の消防団員が一斉に、この神戸あるいは芦屋、西宮、そういう地域に消防団員そのものが広域的な応援に駆けつけてきている、こういう状況でございます。 また、全国的な広域応援でございますけれども、発災当日約一千人に近い消防職員が全国から広域応援ということで、救助隊あるいは救急隊、それから最も団員の多い消火隊ということで約一千人の職員が発災当日に現地に駆けつけてきておりまして、二日目以降はそれが約二千人規模にされ、一月二十五日までの間、この体制としては広域職員がかなりの規模でもって現地で活動したというのが、消防職員あるいは消防団員の活動の実態でございます。
○吉田(公)委員 消防団員等の公務災害等の共済基金でありますが、去る二月二十四日の閣議決定で、早期に民間法人化するための条件整備を図って所要の法律改正を行うということになっておりますが、同基金を民間法人化するということについてお尋ねをしたい、こう思います。
○野中国務大臣 今回、特殊法人の見直しにおきまして、消防団員等の公務災害補償等の共済基金を、今御指摘ございましたように民間法人化をすることにいたしたわけでございます。自治省には特殊法人として公営企業金融公庫と当消防基金とがあるわけでございまして、特殊法人の見直しについて強い要請があります中で、一方、地方分権を進めなくてはならない自治省といたしまして、特殊法人が二つよりないから非常に見直しが困難だというような立場はとれないと判断をいたしまして、時まさに阪神・淡路大震災におきまして、消防団員が全国からはせ参じまして、劣悪な条件下において献身的な御努力をいただいておる最中でありましたけれども、この消防基金について苦渋の決断として、私ども特殊法人の見直しの一環として、法人のあり方や、あるいは事業のあり方等について真剣に検討を進めまして、今申し上げましたように、この消防基金が公正確実な実施を今後も確保しながら民間法人としてこの法人のあり方を見直すことにいたしたわけでございます。 もちろん、民間法人でございますので、事業の制度的独占を排除しますとともに、役員人事や事業執行に対する国の関与の縮小等見直しを行うものでございます。これによりまして、消防基金はむしろ民間法人としての特性を生かして、自律的、積極的な経営を可能としまして、消防団員の福祉の充実に資する事業等が弾力的に行えるように積極的に経営の活性化を図ってまいりたいと思うところでございます。 言わずもがなでございますけれども、従来消防基金に対する国庫補助をいたしておりましたのは、当然のことながら見直さなくてはならないと考えております。
○吉田(公)委員 消防団員等の公務災害等で、共済基金を民間法人化するに当たりまして事務事業の見直しが必要と思われますが、具体的な見直し方針についてお伺いをしたいと思います。
○滝政府委員 基本的な考え方につきましては、ただいま大臣から御答弁申し上げたところでございますけれども、具体的な見直しの中で私どもが一番これからの問題として考えていかなければならないというのは、今回の阪神の災害の際にも消防団員が心筋梗塞で亡くなっておいでになるわけでございますけれども、そういうことを考えますと、やはり平素からの公務災害の防止と申しますか、健康増進と申しますか、そういうような観点から何とかこの辺のところを配慮したい、こういうことを一番に取り上げて健康増進のための事業を行う。具体的に言えば、健康診断を中心としたそういうような事業をこの際真っ先に取り上げてまいりたいと考えております。 その他、間接的な合理化になるわけでございますけれども、事務の合理化のためのOA化でございますとか、あるいは支払い事務を速やかにするための措置とか、こういうような点での配慮もあわせて行いたいと考えております。
○吉田(公)委員 今回の法改正で新たに介護補償制度が創設をされる。そこで、従来の福祉施設としての介護料と比べて具体的にいかなる改善が行われるか、そのことについてお伺いしたいと思います。
○鈴木(正)政府委員 今回の改正によりまして、現在福祉施設の一つとして支給されております介護料を法律上の補償として位置づけまして、内容の改善も図るということにいたしているところでございます。公務災害あるいは通勤災害で被災した職員で常時または随時介護を必要とする重度の被災職員に対しまして、その介護に要した費用を補てんじょう、こういう趣旨のものでございます。 具体的には、これまでの介護料におきましては、障害補償年金あるいは傷病補償年金の受給権者の方のうち、障害、傷病等級が一級の方、例えば脊髄損傷など神経、精神の著しい障害あるいは胸腹部臓器の著しい障害によりまして常時介護を必要とするという人が対象とされていたわけでございますが、これを一級だけでなく二級にも該当し、かつ常時介護を必要とする人だけでなくて随時介護を要する方、例えば食事とか用便、それから入浴、衣服を着るといった生理的な基本的動作、これにつきまして随時他の人の手助けを要する、こういった方にまで拡大をいたしまして、そういった方につきましては、民間事業者に介護を依頼した場合にそのかかった費用を補てんする、あるいは家族が介護した場合には定額を支給する、こういうことに拡大するものでございます。 また、給付額につきましても所要の引き上げを行う、このように考えております。
○吉田(公)委員 遺族補償年金を含めまして、補償額の算定に当たるわけでありますが、平均給与額を基礎として行うわけですね。平均給与額というのは給料のほかに期末・勤勉手当を除く手当が含まれているわけですね。ところが、従来問題になっております、国の給与水準に比べてラスパイレス指数が高いと言われる都道府県、市町村がたくさんありましたが、最近ではなくなってきたようでありますけれども、国に比べて給与水準の高い、また手当が多い地方公共団体の職員が国家公務員より有利になってくる、そういうことも考えられるわけです。 この点からも十分な、まず基礎となる給与の是正が行われなければいけない、こう思っておりますが、その点についていかがですか。
○鈴木(正)政府委員 御指摘のように、補償額の基礎となる平均給与額には給料と期末・勤勉手当以外の諸手当が含まれるということになっております。 お話しの地方公務員の給与の是正でございますが、給与のあり方といたしましては、国家公務員の給与に準ずるということを基本といたしまして、給与水準あるいは給与制度の運用、各種手当の支給等につきまして地方団体をこれまでも指導してきております。 ラスパイレス指数で見ますと、昭和五十年以降十九年連続で低下をしておりまして、その適正化は着実に進展していると見ております。しかし、一部給与水準が高い団体もございますので、そこにつきましては、随時報告を求めまして、給与制度あるいは運用の適正化への注意を喚起しているというところでございます。 また、手当につきましても、国家公務員との均衡というものが考慮されなければならないということで、条例に具体的な支給要件、額、支給方法などを規定するということといたしておりまして、おおむね適正な運用がなされている。しかし、一部の地方団体におきましては制度の趣旨に合致しない特殊勤務手当などを支給する例もございます。 是正につき強く指導しているところでございまして、例えば昨年の給与改定に関する取り扱いについての通知におきましても、個別に適正化すべき項目を挙げまして、給与水準の是正あるいは給与、手当の制度及び運用の適正化を要請しているところでございまして、今後ともあらゆる機会を通じましてその指導助言に努めてまいりたい、このように考えております。
○吉田(公)委員 そこで、期末・勤勉手当を除く手当が補償額の算定基準に入っているわけです。つまり、補償するということは、勤務ができないから災害補償法に基づいて年金なり補償額の算定に手たるわけですね。そうすると、例えば今公務員部長からお話があった通勤手当というのは、要するに出勤していれば通勤手半が出るけれども、出勤していなければ通勤手当を出すというのはおかしい話なんです。 それから、時間外勤務手半というのがありますね。これがまた問題なんだけれども、その人は今まで時間外勤務をやっていたけれども、補償時には時間外で働くことはしていないわけだ。それから特別勤務手当、よく特効、特効と言っていますが、特別勤務手当、これもまたいろいろ問題があったけれども、大分整理をされてきたようですね。それから、宿日直手当等も給与明細書なんかに必ず出てくる。 そういうことは本来おかしいのであって、本俸を算定基準にする、つまり給料を算定基準にすればいいのだけれども、通勤をしていないのに通勤手当を算定基準の中に入れるというようなことについてはいかがか、こう思うのであります。 本来、先ほど私が申し上げたように、給料の本俸で補償額を決めていく。例えば本俸の七割しかないというなら九割にしてあげて、そして補償してあげるというのが筋の通った話じゃないかと思うのですが、それは地方公務員、国家公務員の皆さん方の今までの長い労使慣行などがあってそういうものをやってきたけれども、しかし本当はそうじゃない。その辺は、公務員部長、いかがですか。
○鈴木(正)政府委員 お話しのように、地方公務員災害補償制度におきます補償の考え方でございますが、療養補償など実費を基礎とするというものもございます。そういったものを除きますと、平均給与額を基礎として、これに一定の日数等を乗じて出す、こういうことになっているわけでございます。 お話しの平均給与額という考え方でございますが、被災職員の平常時における給与というものを反映するという考え方、すなわち、災害がなければ得るであろうその人の給与というものを反映する、こういう考え方でございまして、具体的には国家公務員と同様、国家公務員でも平均給与額を使っておりますが、それと同様、給料と期末・勤勉手当を除く御指摘のような諸手当を基礎に算定することとされております。 また、労災保険制度におきましても、ボーナスのように三カ月を超える期間ごとに支払われるこういうものは除きまして、賃金、給料、手当など、その名称のいかんを問わず、労働の対価、対象として使用者が支払うすべてのものが含まれる、こういうことでございます。 平均給与額の算定につきまして、議員御指摘のような面もございますが、災害補償に関する他の制度におきましても本俸のみならず手当をも算定基礎に算定しておりますので、これらの諸制度との均衡に配慮しながら対応するものと考えております。 なお、給う制度の運用等、是正するべきものは是正していかなければならないと考えております。
○吉田(公)委員 確かにそういう考え方もないわけじゃない。だけれども、理論的に言えば、じゃ、その人が例えばどこか税務署、県税事務所だとか都税事務所に勤めている。そのときに、通称不快手当とかなんとかという手当をもらっているんだ、それは正式には税務徴収手当とかなんとかというのかもしれないけれども。だけれども、不快なら税金を納める方が不快なんですから、取る方が不快手当なんというのはとんでもない話なんです。そういうことが仮にあった。だけれども、その人が本庁の、例えば主税局へ人事異動で戻っちゃったという可能性があるわけですね。 それから、たまたまアイソトープなんか扱っている人や、例えば畜産試験場で雄牛なんか扱っている人は危険手当がつくんだ、危ないから。だけれども、その人が、じゃ、畜産試験場からどこかへ、ほかへ人事異動で移行するという可能性だってある。最初から最後までそこにいるなんということは余りないんじゃないの。 だから、そういうことは推論なんだな、推論の手当なんだ。だから、推論で補償年金等、災害補償等するというのは、本来は私は筋からいってもどうも納得ができないんだね。 それから時間外勤務手当だって、その人が毎月何時間やっているかわからないわけでしょう。その月は百時間やったかもしれないけれども、その前の月は八十時間しかやらなかった、こういうこともあるわけだね。今後なくなっちゃうところへ行っちゃうかもしれない。だから、そういう推論で時間外勤務手当なんというのはなるわけだから、この時間外勤務手当もそうです。 それから関連して、三短、六短というのがあるんですね、三短、六短。これは成績の優秀な職員については、給与を三短、六短、短くして昇給する。ところが、こう調べますと、大体四年に一遍か五年に一遍、全部優秀な職員になっちゃって、回ってくることになっている。則ってくる。 だから、この三短、六短制度についてだって、今後は、要するに国民や県民や都民にはわからないところで給与等がこういうふうにして決められているというところに私は問題がある、そう思っているのですね。 その三短、六短については、みんな大体四年に一遍とか、一五%と、こう決まっているらしいんだな、三短、六短をやる職員のパーセンテージ。そうすると、四年か五年に――ちゃんと地方公務員法かな、あれ書いてあるのね、優秀な職員については給与を短縮して昇給することができる。たしか地方公務員法か何かに書いてあると思うんだけれども、それは要するに全部優秀な職員として、四年間なら四年間、ずっと順番で回ってくることになる。 そういうことも一般の人は全然知らない。たまたま、私はたまたま知っているだけの話だけれども、そういうことなんかもやはり自治省としてはちゃんと指導していかなきゃいけないんじゃないか、実はそう思っているわけですね。そのことについてもいかがでございますかね。
○鈴木(正)政府委員 ちょっと説明不足だったかもしれませんが、この平均給与額を出す際は、被災、災害発生時、さかのぼりまして三カ月の間の実績で、先ほど言いました給料及びいろいろな手当を基礎として算定するということでございまして、その考え方は、先ほど申し上げましたように、災害がなければ得るであろう給与というものを反映する、こういう考え方でございます。 お話しの三短、六短の話は、特別昇給制度の運用のお話であろうかと思います。 また、特殊勤務手当につきましても、中には制度本来の運用をしてないというものもございますので、そういった面につきましては強く是正の指導をしてまいりたいと思いますし、給与の制度及びその運営につきましても適正化について努力をしていきたいと思っております。
○吉田(公)委員 最後に公務災害なんですが、先ほどお話がありましたように、警察官等の公務災害で、つまり頭と心臓は医者の認定書が必要で、そしてその認定会議というのかな、開いて、そして心臓というのは歩いていても起こる、寝ていても起こるというようなことで、公務災害として心臓と頭の場合で倒れたときには受けさせない、要するに認定しないということがあったんだ。私がまだ都会議員のころ、十年前ですけれども、そういう事例があったんですが、今はそういうことはないんでしょうね。
○鈴木(正)政府委員 脳、心臓疾患等、これによります公務災害の認定問題については、なかなか医学的にも難しい面がございますが、近来、そういったものの知識経験、また研究というものも進んできておりまして、認定基準というものも、労災あるいは国家公務員共済、地方共済も含めまして、はっきりしてきております。 いずれにいたしましても、それについては、門前払いということでなくて、認定の対象として考えているところでございます。
○吉田(公)委員 警察、消防の皆さん方は非常に大変な立場にあるわけですよ。だから、私が今申し上げたのは、暴力団の人を逮捕しに行って、いよいよ自動車の中へ入れてドアをしようと思ったら、その場で倒れちゃった、ところが認定に一遍ならなかったことがある、そんな話はないじゃないかと。それじゃ、みんなつらい仕事や大変な仕事をしなくなっちゃうよ。みんな四十代、五十代近くになれば、だれだって血圧も少しは上がるし、血管だって弱くなってくる。そういうときに、それじゃ、警察官だって暴力団担当だの、刑事だのなんてやらなくなっちゃって、結局警察の受付の、判こを押している人ばかりふえちゃって、それじゃ治安のためによくない。 したがって、そういう事例についてはどんどん、医者の認定書だけで、医者がだめだったからだめだなんというんじゃなくて、よくよくそういうことを考えてやってもらいたいということを私申し上げたことがある。だから、今公務員部長のお話のように、ただ医者の診断書一片で結論を出すのじゃなくて、ぜひそういうことをしていただかないと、大変な仕事、つらい仕事をやる人がいなくなっちゃうわけですね。ぜひひとつお願いしたい、そう思って、終わります。 以上で終わります。
○川崎委員長 次に、吉井英勝君。
○吉井委員 まず、私、地方公務員災害補償法の関連について伺いたいと思います。 この法律案の改正内容というのは、労災及び国公災に並ぶものとして出てきておりますが、国公災の場合は法改正に盛られない内容については人事院規則で改正するということになっておりますが、この地公災の場合、国公災と同じ内容が規則等で改正されることにきちっとなっていくものなのかどうか、これをまず最初に伺いたいと思います。
○鈴木(正)政府委員 お話のございましたように、国家公務員災害補償制度におきましては、法律で基本的な制度の枠組みを定めた上で、具体的な補償の基準あるいは福祉事業の内容等については人事院規則等で規定しているということでございまして、今回の制度改正に当たりましても、そういったことにつきまして人事院規則で定めることとしていると聞いております。
○吉井委員 次に、時間が限られておりますので、地方公務員共済のこの法案とは少し離れますが、今ちょうど前半戦、後半戦と地方選挙のときでありますが、住民本位の地方政治、つまり地方自治の確立が非常に大きな争点、課題となってきております用地方政治が住民に身近なものにならないことには地方自治というのは育たないということになりますし、その点で、もちろん地方自治の確立もないわけです。 ところが、最近、自治への住民参加に逆行する動きが見られます。その一つが、議員定数の削減問題であると思うのです。最近の三年間でも約三百人の地方議員の定数削減が行われております用地方議員の数というのは、人口に応じて地方自治法に基づいて定められているわけでありますが、人口が減少すればこれは自動的に減るということになっているわけです。それと離れて別途に、法定定数とは別に条例定数ということで、条例に基づく定数を定めるということで、法定定数のほぼ四分の一の削減というのがあります。 これは住民の声を反映させていくという上で、また、本来自治体、議会がなすべき行政側をチェックするという上でも、これは議会の機能を果たせなくなっていくという、こういうおそれがあるわけです。この点について大臣の見解を伺っておきたいと思います。
○野中国務大臣 委員御指摘のように、最近、地方公共団体の議会の定数につきましては、それぞれ組織運営の合理化等、その当面する地方公共団体の課題籍を議会みずから自主的に判断をされまして、定数の減少傾向が、それぞれ都道府県においては約七割、市区町村においては九割の団体が減少条例を制定されておると認識をしておるわけでございます。 今後も、地方議会におきましては、それぞれ本来の機能が一層発揮できるように努めていただくことが必要であると考えております。
○吉井委員 これは、定数削減なんというようなことは地方自治本来にとってどうなのかという根本問題を一番考えなければいけないところでありまして、それは減らせばいいという発想というのはとんでもない話だと思います。地方独自で自主的な判断でやっているという、とてもそういうことは言える問題じゃないわけです。 例を一つ挙げてみますと、例えば、多摩市で、この三月議会に議員提案で提出した議員定数削減条例というのを、最終日の深夜の本会議で、他の議員が質問している最中に、議長がその質問を打ち切って、委員会付託を省略して本会議で可決強行という事態が起きていますが、委員会付託をしていないわけですから、もちろん十分な審議もなされておりません。しかも、昨年九月の議会では、定数削減の請願を議会として不採択にしているのですね。一度そういう結論を出しながら、十分審議もしないで与党の議員の多数ということで強行してしまうという、これは今非常にオール与党化というのが問題になっておりますが、その現象の中で、与党が数を頼みに定数削減をどんどん強行していくという最近の特徴となっております。 香川県の善通寺では、ここは、三月の議会が終わった後で臨時議会を開いて、定数を二十二名から二十名にするという定数削減を決定しましたが、実は法定定数はここ三十名なんです。それを二十名にするわけですから、三分の一削減ですね。もう異常な事態だと思うのです。ここも与党が数を頼みに強行して決定してしまったという事態です。 昨年十二月に削減を決定した上尾市では、三十六名から三十二名という削減ですが、ここも数を頼みに強行しているという、こういう事態が非常に進んでいるわけです。 この与党が強行するという問題なんですが、実は、首長というのは、チェックを受ける側なんです。そのチェックを受ける側が、そこの与党が議会の議員を減らしていくということは、これは執行機関に対する批判監視機能を低下させていくということになって、行政運営の効率化だけを求めるという、そういう構図が明確に浮かび上がってくるのですが、これはもうとても自治体の自主的判断でやっているということだけでは済まされない問題だと思うのです。 批判とか監視というこの議会の機能を批判される側の与党が批判封じをやってしまうということになりますと、そういう結果にもなりかねないわけでありまして、私は、これは地方自治の原点を掘り崩すことになる、そういう非常に危惧すべき問題が出てきていると思うのですが、この点についての大臣のお考えを伺っておきたいと思います。
○野中国務大臣 先ほど申し上げましたように、それぞれ都道府県、市町村のいわゆる人口におきまして、その人口区分ごとに法定定数が定められておるものでございまして、特に条例で減少をすることは、地方議会の機能を十分留意をされながら、かつ自主的、組織的運営の合理化という観点から行われておるものと認識をしておりますけれども、いずれにいたしましても、地方分権推進の成果を十分上げていきますためには、地方の議会におかれましても、本来の機能が一層発揮できるように努めるなど、新たな地方公共団体の役割を担うにふさわしい地方行政体制全体の整備、確立を図っていく必要があると認識をしております。
○吉井委員 地方分権というのは、本来的には地方自治の確立とか地方自治の拡充強化という観点でこれは本来考えるべきものだと思いますが、実は自治体関係者からも懸念の声が出ているのです。これは全国都道府県議会議長会の議事調査部長であります野村稔さんという方が「議会政治研究」という論文の中でやはり今の点について触れていらっしゃるのですね。 議員定数を削減することについてなんですが、「この論は議会の基本的な役割を軽視している。議会は当該団体の意思を決定し執行機関を批判監視することを任務とするが、議員の減少は、この機能低下にどう影響しているかについての検討があまり行われていない。」と非常に深い懸念をしておられます。「議員が減れば確実にそれだけ住民意思を反映できなくなるし、批判監視機能は低下する。また減少して少数精鋭の議員とすることが主張されているが、その保障はどこにもない。」と述べているわけです。 私は、これは非常に正当な意見だと思うのです。国からの仕事の移譲は確実にふえ、自治体の仕事量も確実に拡大する。その執行機関を住民の立場から批判監視するということができるのは議会だし、また、やらなければいけないのが議会であります。 例えば、六百三十兆の公共投資の基本計画にしても、大半はこれは自治体が執行することになるのですね。ここで、今自治体で談合とか問題になっているときですが、公共事業費が外国に比べて割高になっているという問題などもある中で、これをチェックするのは議会しかできないわけです。これが機能低下になってしまったら、これはもう地方自治の拡充という観点から考えてみても全くあべこべの道になると思うのですね。改めて、そういうふうに思われないかどうか、大臣に伺っておきたいと思います。
○野中国務大臣 先ほども申し上げましたように、地方議会本来の機能が一層発揮できるように、特に地方分権の推進が言われておるときでございますだけに、議会としての成果も上げていただくように期待しておるところでございます。
○吉井委員 これは、議員の数が減れば議会の活性化ということになるというのとは全くあべこべの話でありまして、議会の活性化というのは何が必要かという点でさらに考えなければいけない問題があると思うのですが、実はこの野村さんの論文の中でも、地方財政全体に占める議会費の割合は極めて少ない。都道府県で〇・二%、市町村で一・一%、合計してみれば〇・七%だ。しかも、それも減少する傾向にあるというのをずっと引いていらっしゃって、野村氏は、「行革は議会以外の執行機関の経費に焦点をあてなければ効果をあげることができない。」と言っているわけです。 地方財政全体に占める割合からすれば、これは当然の話だと思うのですが、しかも、この現実は、議員歳費が少なくて地方議会になり手がないという実態もあります。議員報酬だけでは食っていけないというところも市町村では数多く見られるわけです。私は、この少ない議会費を削減するのではなくて、逆にこういう議会費を充実させていく、そのことが必要だというふうに思うわけです。そのことが議会の活性化にもつながるし、地方自治の拡充にもつながっていく。また、この議会のチェック機能が強化されれば不要不急の経費に対する監視も強まるわけです。そのことが本来の行政改革の力になるわけです。 もともと行革というのは、行政の浪費とかむだを省いて、住民に奉仕する、法律に定めております全体の奉仕者としての役割を果たす自治体公務員のその仕事を効率的に行っていくという道につながるわけですから、この点ではまさに、議会費をふやし、議会のチェック機能の強化とか、そこにもっともっと力を入れていかなきゃならぬときだと思うのです。地方財政全体から見れば、結局その方が経費の節減にもなるし、そして効率的で機能的で議会の活性化にもつながっていくと私は思うのですね。 この議会費の問題についても、大臣のお考えを伺っておきたいと思います。
○野中国務大臣 地方議会の最近の選挙等、無投票が非常に増加しておる傾向を見ますときに、議会活動と議員歳費等のあり方というのは、委員も御指摘ございましたように、十分配慮をされなくてはならない問題であると認識をしておる次第でございます。 特に、本日、吉井委員からそういう御指摘がありましたことは、私も過去、議会生活を経験いたしまして、歳費等の引き上げを議会に提案をいたしました際は必ず共産党は反対をされまして、そして結果的には多数決であるから受け取るということで受け取ってこられたことを思いますときに、私は、非常に貴重な御指摘をいただいたと存じておるところでございまして、これからも一層公正を期す上で、議会議員のいわゆる報酬、手当等については配慮をしていかなくてはならないと存じます。 特に、多くの地方公共団体におきましては、それぞれ特別職の報酬等の審議会の答申を受けられまして、これを考慮して定められておるところでもございますし、自治省といたしましても、議員報酬の人件費を初め、議会関係の経費につきましては、その他行政分野の経費と同様、各地方公共団体におきます実態等を勘案いたしまして、所要の額を地方財政計画に計上をいたしますとともに、地方交付税の基準財政需要額に算入をいたしまして、そして対応しておるところでございまして、今後ともそういう点につきましては適切に対応してまいりたいと考えております。
○吉井委員 冒頭に変なお話もありましたので一言申し上げておきますが、大都市部において、いわば国会議員に準ずるぐらいの高額の引き上げ等、これは当然、それは住民の生活実態からして合わないわけですから、反対をいたしておりますが、市町村等の、特に町村部などの、現実に専従として議員活動を行っていくしで矛盾を持っているところについてまで一律に、大臣のおっしゃるような、そういう対応というのはしておりませんから、それは一言申し上げておきたいと思います。 憲法は、地方自治の本旨ということに基づいて、首長を中心とする執行機関と住民の議決機関としての地方議会の設置、それらをともに直接選挙で選ぶということを規定しているわけですが、地方自治を日本の民主主義国家としての中心柱の一つに非常に明確に位置づけているわけです。 これを受けて地方自治法は、地方議会の権限を明確にし、それを保障する一定の体制、すなわち議員定数の法定化を行ってきているわけです。そして、首長との間ではチェック・アンド・バランスの機能がきちっと果たされる、そのことを確保しなければいけないということを期待しているわけでありますが、こうした地方自治の規定というのは、憲法の地方自治の本旨を実質的に保障するものとなるものでもありますし、この権限や体制をみだりに縮小するということは、これは地方の自殺行為と言わざるを得ないと思うわけです。 地方自治の中心は住民自治でありますし、議員はその住民自治を保障するかなめの役割を果たしている。その議員定数の削減をし、住民奉仕をモットーとする、そういう考え方に立つ者とか、あるいは監視の機能を果たすということで取り組む議員を、その進出を妨げるということになりますと、これは住民自治を掘り崩すものにもなっていきますし、今度の選挙でもいわゆるこのオール与党化ということに対して非常に厳しい批判が向けられているときだけに、議会の真の責任を放棄して住民の声を無視するようなやり方については、私はやはり、住民の厳しい批判が今浴びせられてきているときだと思うのです。 ですから、今日の地方住民の要求を反映した議会の活性化、拡充ということについて、私は、定数削減と言われるものがこのオール与党化の中でどんどん推進されておりますが、やはり大臣としても、また政治家としても、そういう議会の役割を本当に尊重する方向へ行くように、これは地方議会の中でも多くのところは、大臣は与党の方にいらっしゃいますが、与党の皆さん方にも、同じ党の皆さん方にも、そういう方向へは行かないようにということをやはり取り組んでいかれることなど、私はそのことを強く要望もして、そして地方住民の要求を反映した議会をどう活性化していくかということで、地方議会の定数削減ということについては安易に進まないように、大臣としてもきちっとした対応をしていただきたいと思うのですが、最後にこのことについて改めて大臣の見解を伺って、質問を終わりにしたいと思います。
○野中国務大臣 我が国民主主義の達成は、地方自治が確立をしなければならないということは言をまたないことでございますし、また、その中において、それぞれ地方自治体が自主的、自立的に対応していただかなくてはならないことでございます。また、議会みずから、本来の地方議会のあり方を踏まえて、そして地方自治の発展のために活躍をいただくことは、私どもも期待をしておるところでございますが、この議会の定数のあり方につきましてはいろいろ議論のあるところでございますけれども、私は、あくまでその当該地方公共団体の自主的、自立的な判断によってこれを考えられるべき筋のものであろうと考えるわけでございます。 とは申せ、やはり地方の議会本来のあり方を考えますときに、安易に定数削減の道だけが経費節減とか合理化とかそういう面でないことは、私も認識をしております。
○吉井委員 時間が参りましたので、終わります。
○川崎委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 ―――――――――――――
○川崎委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 地方公務員災害補償法等の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○川崎委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○川崎委員長 御異議ないものと認めます。よって、そのように決しました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕 ――――◇―――――
○川崎委員長 次に、内閣提出、銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより趣旨の説明を聴取いたします。野中国家公安委員会委員長。 ――――――――――――― 銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 ―――――――――――――
○野中国務大臣 ただいま議題となりました銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概略を御説明いたします。 最近、けん銃を使用した凶悪な犯罪が急増し、銃口が市民生活や言論・政治活動、企業活動に向けられ、また、けん銃が暴力団員以外の者に拡散し不法所持事件が後を絶たないなど、けん銃使用犯罪の実情は、急激に悪化しているところであり、政府としては、昨年十一月末以来、全力を挙げてけん銃取り締まりの強化等の各種施策を推進しているところであります。 この法律案は、その一環として、けん銃等の発射を抑止するため、不特定もしくは多数の者の用に供される場所等においてけん銃等を発射することを禁止し、及びけん銃実包の所持を規制するとともに、けん銃等の密輸入を防止するため、けん銃等の密輸入に関する罰則の強化及びけん銃等として物品を輸入した者に対する罰則の新設を行うほか、けん銃等に関する犯罪の捜査に半たり警察官等が行うけん銃等の譲り受け等に関する規定の新設等所要の規定の整備を行うことをその内容としております。 以下、各項目ごとにその概要を御説明いたします。 まず、第一に、けん銃等の発射に関する規制の強化等についてであります。 その一は、不特定もしくは多数の者の用に供される場所もしくは乗り物に向かってまたはこれらの場所等においてけん銃等を発射することを禁止し、不法に発射した場合には無期または三年以上の懲役を科すこととするものであります。 その二は、けん銃実包の所持、輸入等を禁止し、密輸入した場合には七年以下の懲役または二百万円以下の罰金を、不法に所持等した場合には五年以下の懲役または百万円以下の罰金を科すこととする等所要の罰則を整備することとするものであります。 その三は、けん銃実包を不法に所持する者が実包を提出して自首した場合に刑を減軽し、または免除することにより、不法に所持されているけん銃実包の提出を促すこととするものであります。 第二に、けん銃等の密輸入等に関する罰則の強化等についてであります。 その一は、けん銃等の営利目的の輸入罪の法定刑のうち懲役に併科される罰金の上限を五百万円から一千万円に、けん銃部品の輸入罪の法定刑を三年以下の懲役または五十万円以下の罰金から五年以下の懲役または百万円以下の罰金にそれぞれ引き上げるなど罰則の強化を行うこととするものであります。 その二は、密輸入の予備をした者が実行の着手前に自首した場合等に刑を減軽し、または免除するものであります。 その三は、密輸入資金等提供罪に関する国外犯処罰規定等を新設することとするものであります。 その四は、通関等の際にけん銃等を抜き取りまたは別のものに差しかえた上でけん銃等の密輸入等に関する人物を特定し検挙しようという捜査手法の実効を上げるため、けん銃等としての物品の輸入、所持等を行うことを新たに処罰することとするものであります。 その他、この法律案では、巧妙化するけん銃犯罪に対する取り締まりを効果的に行うため、警察官または海上保安官は、けん銃等に関する犯罪等の捜査に当たり、都道府県公安委員会の許可を受けた場合には、何人からもけん銃等を譲り受けることができることとする等所要の規定の整備を行うこととしております。 なお、この法律は、公布の日から起算して一月を経過した日から施行することとしております。 以上が、この法律案の提案理由及び内容の概略であります。何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛同賜らんことをお願いいたします。
○川崎委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時五十三分散会 ――――◇―――――