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132回国会衆議院1995/03/24

大蔵委員会 第10号

発言数
94
登壇者
13
会派数
4
開催日
1995/03/24

会議録

尾身幸次自由民主党・自由連合

○尾身委員長 これより会議を開きます。  先ほど付託になりました内閣提出、阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  趣旨の説明を聴取いたします。武村大蔵大臣。     —————————————  阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係法   律の臨時特例に関する法律の一部を改正する   法律案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○武村国務大臣 ただいま議題となりました阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。  政府は、阪神・淡路大震災による被害が、広範な地域にわたり、同時、大量、集中的に発生したこと等を踏まえ、先般、緊急に対応すべき措置として講じた所得税における雑損控除の特例等の措置に加え、被災者、被災企業の被害に対する早急な対応及び被災地における生活、事業活動の復旧等への対応を図る等のため、所得税、法人税その他国税関係法律の特例を講ずることとし、本法律案を提出した次第であります。  以下、その内容につきまして御説明申し上げます。  まず、被災者、被災企業の被害への早急な対応として、大震災により住宅が居住の用に供することができなくなった場合の住宅取得促進税制の適用の特例、財移住宅貯蓄等の要件に該当しない払い出しの場合の所得税の課税の特例、震災損失の繰り戻しによる法人税額の還付、法人の利子配当等に係る源泉所得税額の還付、相続税、贈与税の課税価格の計算の特例、被災土地等に対する地価税の免除等の措置を講ずることとしております。  次に、被災地における生活、事業活動の復旧等への対応として、被災給与所得者等が住宅資金の無利息貸し付け等を受けた場合の所得税の課税の特例、被災者向け優良賃貸住宅の割り増し償却、被災土地等事業用資産の買いかえの場合の課税の特例、被災代替資産等の特別償却、被災市街地復興特別措置法に基づく土地区画整理事業等に関連する土地譲渡益課税の特例、被災代替建物に係る登録免許税の特例等の措置を講ずることとしております。  その他、居住用財産及び特定の事業用資産の買いかえの特例等に係る買いかえ資産の取得期間等の延長の特例、消費税の課税事業者選択届出書等の提出に係る適用関係の特例等、所要の措置を講ずることとしております。  以上が、この法律案の提案の理由及びその内容であります。  何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。

尾身幸次自由民主党・自由連合

○尾身委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。     —————————————

尾身幸次自由民主党・自由連合

○尾身委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  本案審査のため、本日、参考人として日本銀行理事小島邦夫君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

尾身幸次自由民主党・自由連合

○尾身委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。     —————————————

尾身幸次自由民主党・自由連合

○尾身委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。北橋健治君。

北橋健治新進党

○北橋委員 おはようございます。私、新進党の税制調査会の事務局次長を仰せつかっております北橋でございます。  このたびは、兵庫南部の地震の救済に当たりまして、税務当局におきましても、非常事態であるということで、私ども新進党がこれまで要求してまいりました項目につきましても鋭意御検討いただきまして、このたびの提案となったところであります。  全般といたしまして、私ども新進党の要求してまいりました項目も多数盛りまれましたこともあり、その点についての御努力は多としたいと思いますが、今後この法案が施行されるに当たりましてその趣旨が十分生かされるように、以下、順次、大臣並びに事務当局にお伺いをしてまいりたい、こう思っております。  この質問に入ります前に、さきがけの党首として武村大蔵大臣に、もう一度この初動態勢という問題について触れさせていただきたい、こう思っております。  といいますのは、きょうの質疑の内容は具体的な抜本的支援措置の中身でございますけれども、あれから時間が経過をいたしまして、兵庫県民のみならず日本国民全体にとって果たしてあのときの政治、行政のあり方は適切であったのかという、そういった指摘は各方面からなされているところでございます。少しずつ落ちついてきたときだけに、この問題の論議というものは欠かせないものと、こう思っているわけであります。  私ども新進党も、海部党首を先頭にいたしまして対策本部をつくり、そして現地に調査団を派遣いたしました。いろいろな意見を聴取して今日まで取り組んできたところでございますが、その中で、もっと早く内閣が最初の段階で、初動態勢で万全を期していればもっと被害は食いとめられたのではないか、そういう声も多々聞いているところでございます。  この点につきまして、村山内閣の重要閣僚の一員であられます武村大臣としまして、初動態勢の立ちおくれという批判があるわけでございますが、これに対してどのような御所見をお持ちか、まずお聞かせを願いたいと思います。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○武村国務大臣 御指摘のように未曾有の予期しない大災害でございましただけに、多大の犠牲が出ることになってしまいました。大変残念であります。こういう事態が起こりますと、後から振り返って反省すべき点がないとは言いません。また、あのときああすればという思いがこういうケースの場合には、いろいろ反省も含めて出るのが当然だと思っております。  ただ、政府の中におりまして、関係者の行動すべてを承知いたしておりませんが、それでも、可能な限りあるいは精いっぱいの努力を総理以下してきたという実感がございます。それが十分であるかないか、結果論から厳しい御批判が出るのは、これはもう一々反論はいたしませんが、でも総括的にはそう思っております。  そして、むしろ御批判に対しては、今後に備えるために、率直な反省の上に立ったさまざまな新しい知恵を生み出し、その知恵の中からいろいろな法律、制度も含め、仕組みをしっかり構築していかなければならないという思いでございます。

北橋健治新進党

○北橋委員 私は生まれ育ちが兵庫県西宮でございまして、高校まで西宮市で生活をした者でございますが、それだけに、幼少のときから大変お世話になった方々が数多く被災をされまして、そしてまた不幸にして亡くなられた方も少なくありません。そういった意味では、今の大臣の御答弁ではございますが、さらに一歩進んでお伺いしたい、こう思っているわけであります。  最初村山総理は、何しろ初めてのことなので、しかも早朝のことなのでとおっしゃいましたけれども、これは、私どもは到底納得のいたしかねる発言であります。これについても大臣の所見を改めて伺いたいと思います。  といいますのは、アメリカでもロサンゼルス大地震が起こりました。あれは早朝の出来事でございまして、阪神大震災よりもさらに一時間早く、夜中に起こっているわけであります。しかしながら、クリントン大統領は直ちに州の知事に連絡をとりまして、村山総理が七時半ごろに知ったとおっしゃっておられますけれども、そのころには既にクリントン大統領の方から、恐らく初めてのことでしょう、しかも一時間ももっと早朝のことであります、にもかかわらず、村山さんが知ったとおっしゃる時間帯には既に大統領は動き出し、そして側近も一緒になって州知事と連絡をとり合っていたのであります。このことからして、やはり相当の手落ちがあったのではないかと私は思います。  私の友人か数多く亡くなっておりますだけに、このことについてははっきりとやはり政治責任をお感じになっていただきたい、そのように思うわけであります。  しかも、当日、武村大臣を初めといたしまして、朝から何をされたか。経済対策閣僚会議あるいは月例経済報告のお話し合いであります。月例経済報告を議論するということは極めて重要なことはよく承知しておりますが、これだけの大震災が起こっているときにこういったことを議論するということは不自然であり、私どもには到底理解できないことであります。しかも、その後の総理のその一日の日程を聞きますと、地球環境の懇話会、これも大事なことではあるかもしれませんけれども、大震災で多くの人が亡くなり、そして火災がどんどん起こっている。  これではとても、クリントン大統領と比較いたしましても、朝早くのことはさておき、到底村山内閣がこの問題に対する初動態勢において万全を期したとは思えないのであります。そういった意味で、もう一度大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○武村国務大臣 具体的な御指摘に対してお答えする立場ではありませんが、国会での総理の御答弁を思い出しますと、初めてのことというのは、これは地元の対応のことを申し上げたというふうに答弁をされておりました。決してそれは弁解でなしに、そういう思いでそのときはおっしゃったようであります。  先ほども申し上げたように、結果論としていろいろ厳しいおしかりや御批判は甘んじて承らなければなりませんが、総理個人がどうこうと、個人が気がついたから気がつかなかったからという次元の話ではないと思うのであります。申し上げたように、行政も含めて、あるいは地方団体も含めて、全体でこういう危機的な状況に対する、迅速、果敢に対応するための状況がつくれていたかどうかという点は、これは率直に反省をしなければならないと思っております。  私自身も七時に高見議員から電話をもらって、もちろん寝ておりましたのでそれで起こされたのでありますが、それからテレビをつけるという状況でありました。そして秘書官にすぐ電話をするという状況でありましたが、振り返りますと、ある意味ではテレビが一番生々しい情報を刻々伝えていたわけでありますが、それでもあのころは何か、数人死んだとかまた一名ふえましたとか、そんな報道をされておりました。現地でヘリで飛んでいる、あるいは走り回っている報道機関といえども、結果的には何千人という死者が出るような災害が、初期ではやはり数名ぐらいから始まっているというのも事実でありました。  兵庫県知事や神戸市長に後から聞きましたら、とにかく荘然として、まずは県庁へ行く、県庁へ八時、市長はもう少し早かったようですが、県庁へ、市役所へまず向かうことが精いっぱいで、向かっても幹部はほとんど来ていない、県庁の職員も市役所の職員もほとんどまだ来ていない状況の中で、会議も開けない。  そんな状況からあの直後の現地の動きが始まっていたということも振り返りますと、震災の異常さ、非常さも当然でありますけれども、やはりこういう非常な災害に対する心構えと危機管理に対する一定のシステムを地方、中央を通じてしっかり構築をしていかなければならないという思いでございます。

北橋健治新進党

○北橋委員 きょうは議題がこのたび提案をされました税制関連の法案でございますので、まだまだ大臣のお気持ちを確かめたいことがございますが、例えば、衆議院本会議場で私どもは、全会一致で外国からのボランティア、温かい励ましに対する感謝の決議をいたしましたけれども、当初日本政府はいろいろな申し出に対してそれを断ったわけであります。そして、しばらく待ってくれ待ってくれ、大分たってから救助犬を許可するだとか医師団を受け入れるとかやったわけであります。  あのとき一体、政府関係者も多くおられたと思いますけれども、どういう気持ちであの決議文を聞いておられたのだろうか、そういったことも聞いてみたいところでありますが、これは村山総理にかかわる問題でもございますので当委員会に余り適切ではないかもしれませんから、私どもといたしましては、初動態勢の立ちおくれは明々白々である、この政治責任は極めて重いもの、このように総括せざるを得ない、このように申し上げておきたいと思います。  さて、今回の税制関連につきまして、まず被災地におきましては住宅を早く確保してほしいという要望が第一だろうと思います。聞き及ぶところでは、地元兵庫県におきましても、ひょうご住宅復興三カ年計画ということで、今後三年間で十二万五千戸を目標に住宅を建設するということでありまして、既に野坂建設大臣初め政府関係者からも、その方向で支援をしていく、こういう答弁もあるところであります。  そこで、今回住宅対策の関連税制が幾つか盛りまれたわけでございますが、この中の多くは新進党が要求をしていたものでもございますし、その効果は相当にあるものと私ども思っておりますが、税務当局としては、今回の税制、住宅対策全般についてどのような効果があるとお考えになっているか、お伺いします。

小川是大蔵省主税局長

○小川(是)政府委員 今回の震災関係の税制上の措置は、大きく分けまして二つございます。一つは、被災されたことによる被害に対する早急な対応ということでございます。もう一つは、立ち上がり、生活、事業活動の復旧等への対応という二つの点でございます。  まず、住宅被害に対する対応といたしましては、先日御審議をいただき成立させていただきました当初の震災税制特別措置法におきまして、住宅などに損害を受けた場合の損失につきまして災害減免法あるいは雑損控除の適用があり得るわけでございますが、これを平成六年分所得に前倒しして適用する特別措置を講じたところでございます。  今回御提案しております新しい改正法におきましては幾つかの項目がございます。  まず一つは、住宅取得促進税制の適用の特例でございまして、これは、これまで住宅について借入金があって適用を受けてこられた住宅が滅失した。本来であれば適用がなくなるわけでございますが、六年の控除期間のうち、残存期間について継続適用するというのが一点でございます。  次に、財移住宅貯蓄等の遡及課税の特例というのを盛り込んでおります。これは、財移住宅貯蓄は住宅を取得する目的のためにこれを引き出す場合にはもとより利子非課税のままでございますが、それ以外の目的にお金を使うために引き出しますと遡及して利子に課税されることになっておりますが、今回は、その特例として遡及課税を行わないということにいたしております。  第三点といたしましては、応急仮設住宅の敷地などにつきまして、平成七年分の地価税の免除をすることにいたしております。  以上三点は、いわば被害が生じたことに対する応急の対応でございます。  そこで次には、被災地における住宅の復興、建て直しに向けてでございますが、今回の法律におきましては、まず第一点といたしまして、住宅資金の貸し付けを受けた場合の課税の特例ということで、所得税関係でございますが、自己の住宅を滅失した従業員が会社から住宅取得目的で無利子あるいは低利融資を受けたときには、その経済的利益について所得税を課さないというのが第一でございます。  第二といたしまして、住宅の建設という観点から、被災者向けの優良賃貸住宅をお建てになってこれを貸した場合には、特別の割り増し償却を設けることにしております。  第三点といたしまして、土地譲渡益課税の関連といたしまして、被災市街地復興推進地域内で行われる区画整理事業の施行に伴い交付される清算金にかえてその換地に施行者が建設する住宅を取得する場合などにつき課税の繰り延べを認めるというものでございます。  第四点といたしまして、登録免許税の特例でございますが、震災で損壊した住宅の建物にかえて新しく取得する建物について、所有権の保存登記、移転登記、その取得資金の抵当権の設定登記に係る登録免許税を免除するというものでございます。  最後に、第五点といたしまして、印紙税の関係でございますが、政府系金融機関または地方公共団体などが震災の被害者を対象として行う住宅資金の特別貸し付けに関して作成される消費貸借契約書について印紙税を課さないというものでございます。  以上が、今回の御提案しております改正法及び前回の法律による住宅に関連する税制上の特別措置でございます。

北橋健治新進党

○北橋委員 今お話のあった項目の中で、与党側もこの問題は随分御論議をされたと思いますが、新進党も何度となく会合を開きまして、そして地元の方はもとより、関係団体、たくさんの方々から御意見を承りまして、それをまとめたものを要求しておったわけであります。  その中で、財移住宅の貯蓄の問題、これは村井議員が質問をさせていただくことがありますし、そしてまた、会社の社員に対しまして三%以下の無利子あるいは低利融資になりますとフリンジベネフィットで課税扱いになる、その特例を設けてはどうかということは私どもが強く要求をしたことでありまして、このたび盛り込めました。  そのことは評価をしたいと思いますが、実際にてんてこ舞いの被災者の皆様方におかれましては、なかなか周知徹底をすることも大変難しいのではないかと思います。せっかくできた制度改正でございますので、これを被災地にどのように周知徹底していくか、それについて考えがあれば聞かせてほしいと思います。

松川隆志国税庁次長

○松川政府委員 税制上の特別措置につきまして。は、大阪国税局を中心といたしまして広報に全力を挙げておりまして、既に申告期限の延長、そして臨時特例法関係の広報をやっているところでございます。  今般、この震災特例法が成立した場合には、広報に全力を挙げるつもりでございまして、そのための手法といたしましては、個人納税者及びサラリーマン向けのパンフレット、サラリーマン向けのパンフレットにつきましてはもう既に百万部ぐらい刷ってこれを説明会等で配布して説明するというようなことも考えておりますし、また新聞あるいは企業の広報紙への記事の掲載依頼、また金融機関とかあるいは郵便局の窓口でのパンフレットの配布、それから国税庁提供テレビ、ラジオ番組での周知等あらゆる広報媒体を活用して適切に対処していきたいというふうに考えております。

北橋健治新進党

○北橋委員 ぜひとも、もろもろの制度改正につきましては周知徹底の方に特段の御配慮をいただきますようにお願いをしたいと思っております。  きょうは、政府の震災対策の取りまとめをされております国土庁の方にもお越しをいただいていると思いますが、このように今回の大蔵省提案の税制改正によりまして、住宅対策についての一定のてこ入れの受け皿ができ上がろうとしているわけでございますけれども、現実に震災地におきましては、地元兵庫県の考えている十万戸を超える住宅復興計画というのは本当にできるのだろうか、相当危ぶまれているお話も承っております。  現時点におきまして、国土庁として、兵庫県の住宅復興三カ年計画は、果たして現在考えられている税制、あるいはもろもろの既に決められました助成内容の法律によって本当に実現できるのであろうか。その辺の推進の見通しについて、国土庁の見解を聞かせていただきたいと思います。

田中正昭総理府阪神・淡路復興対策本部事務局次長

○田中説明員 お答え申し上げます。  兵庫県は三月九日、ひょうご住宅復興三カ年計画の案を発表いたしまして、その中に三カ年に十二万五千戸の住宅を建てるということを盛りまれているということでございますが、この計画は、三月中に中間取りまとめ、そして五月中旬に策定の予定というふうに聞いております。国といたしましては、地元に設けられております災害復興住宅供給協議会等を通じまして、この策定の過程で県、市の意見を十分お聞きしておりまして、計画の実現を強力かつ全面的に支援してまいる所存でございます。  それで、住宅の建設につきましては、ただいま御説明にありました税制上の措置のほかに、具体的には、公的賃貸住宅を大量に供給するとか、あるいは個人の自力による住宅の再建を支援するために住宅金融公庫の災害復興住宅貸付制度あるいは既往債務者に対する救済措置等の拡充を行っておりまして、このような施策を推進することによりまして、県において策定中の計画の実現は必ずしも困難なものであるとは考えておりません。

北橋健治新進党

○北橋委員 ぜひ頑張ってほしいわけでありますが、私ども、これまでいろいろと裏切られることがよくあるものですから重ねてお伺いするのですけれども、例えば行政改革につきましても、村山総理を初めとして、不退転の決意で、もう内閣最大の仕事だ、こうおっしゃっているのですけれども、最近出てきたものを見ると、果たしてあれが内閣の命運をかけるような大仕事だったのだろうかと甚だ疑問でございます。  公約をしたり、あるいはスローガンを掲げるのはだれでもできるわけでありまして、問題は、兵庫県の関係者の多くの中で、計画は立派だ、そしてぜひやってほしいという期待感はあるわけですけれども、本当に三年間で十二万戸を超えるような住宅ができるのだろうかという、そういった不安や疑問がいっぱい出ている。  例えば、実際に、荒廃した町に住宅を建てていくためには区画整理がまず必要だと建設大臣も何度がおっしゃっているけれども、区画整理というのはそう簡単にできることじゃない。住民の合意も得なければならないし、もちろん行政だけの努力ではできないわけであります。  あるいは、安い住宅を外国から買ってくる場合でも、これも規制緩和でいろいろ議論されておりますけれども、たくさんのローンを抱えて家が壊れた。家を建てようと思ったら安くしなければいけない。その場合に、住宅を安く建てることができるようなものが外国から自由に入ってこれるのだろうかとか、そういった具体的な詰めをしていかないと、そこには国土庁を初め中央政府の果たさねばならない仕事もたくさんあるわけでありますけれども、そういうものをやっていかないと計画倒れに終わってしまうのではないかというふうに思うわけです。もう一度お伺いしたいと思います。

田中正昭総理府阪神・淡路復興対策本部事務局次長

○田中説明員 ただいまもお答え申し上げましたように、この兵庫県の計画の策定につきましては、国も策定の過程でいろいろ御相談を受けております。私どもも総合調整という役割を担っておりますので、建設省や関係の省庁と、それから県、市とよく相談をして、この計画がうまく実現するように努力してまいりたいというふうに思います。

北橋健治新進党

○北橋委員 武村大臣、この問題につきましては、関係省庁みんなで協力し合って今後御支援をされていくと思うのですけれども、今度は予算の面でも、今後三年間の間に兵庫県が十二万五千戸をつくるに当たっていろいろと支援をしてもらいたいということがたくさん出てくると思うのでありますが、村山内閣の主要閣僚のお一人として、こういった住宅の三年計画が実現できるように特段の御高配をいただけるかどうか、大臣の所見をお伺いしたいと思うのです。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○武村国務大臣 今、県も各市も復興の計画の議論を始めていただいております。三月いっぱいにガイドラインといいますか大まかなアウトラインを決め、六月いっぱいぐらいに復興プランをつくろうということで進んでいるように伺っております。  御指摘の住宅についても、そういう大胆な計画が論議されていることを伺っておりまして、国の復興委員会の御議論も踏まえながら、私どもは、必要なものは国としても精いっぱい住宅復興に努力をさしていただくつもりでおります。

北橋健治新進党

○北橋委員 今回提案されました住宅関連の税制が今後効果が出るように、今後三年間の間に全面的な御支援を大蔵省としてもお願いをしておきたい、こう思っております。  続きまして、新進党が非常に大きな関心を寄せておりました。そしてこれだけは、いろいろとあっても絶対に実現せねばいけないと思っておりましたのが事業用資産の買いかえ特例の問題でございます。  これにつきましては、今回私どもの要求してまいりましたことも盛りまれておりまして、その点についての御努力は多としたいと思っておりますが、今後は実際に、民間企業なりそういった立場の方々の努力といいますか、そういうことにかかってくるわけでありますけれども、この買いかえ特例を基本として一〇〇%にするということによってどの程度の効果が出ているとお考えなのか、まずお伺いしたいと思います。

小川是大蔵省主税局長

○小川(是)政府委員 事業用資産の買いかえの特例制度につきましては、現在の税制は主として土地対策、国土対策という観点から、特定の場合に限り買いかえの圧縮記帳を六〇%あるいは八〇%といったような形で設けているわけでございます。  そうした制度を前提にして、通常の経済活動、いろいろなリスクを踏まえながらやっておられるわけでございますが、今回の大震災に際しましてはやはり事情が非常に違うのではないか。そこで、地域経済の復旧、復興という観点から、今お話がございましたように、基本的に、被災区域内にある土地あるいは建物等から国内にある土地、建物等へ買いかえをする場合には一〇〇%の圧縮記帳というのが一つでございます。  これによりまして、当該地域において事業をやっておられた方が、この機会に被災地の資産を処分して被災地の外へ出ていくといったような場合、あるいは被災地にある土地の一部を処分をして工場等を建てかえるといったような場合、復興のためというケースが十分カバーされると存じます。  いま一つは、被災区域の外にある土地、建物等を処分いたしまして、被災区域内の土地、建物等へ買いかえをするという場合も、原則として一〇〇%の圧縮記帳ということにいたしております。  これによりまして、そこにある企業が被災地以外に持っている土地などを処分して工場や建物を建てかえるという被災地の復興を図る場合に大きな効果を持ってあろうというふうに考えている次第でございます。

北橋健治新進党

○北橋委員 今回の大震災で、兵庫県南部は鉄鋼、造船を初めといたしまして、あるいは中小企業団地、重要な産業地域になっております、そこが大変な打撃を受けたわけでございますけれども、この税制によりまして、相当程度今後の復興に役立つのではないかと私ども期待をいたしております。  ただ、いろいろと現地のお話を聞いておりますと、都市の再開発をするという計画が出てはいるのですけれども、その進捗状況についてはいろんな見方がございまして、これは前途は多難だなという気がいたしております。政府としても全面的にこの支援を惜しんではならない、こういうふうに思うわけであります。  そこで、政府にお伺いしておきますが、今一つ非常に大きな計画としては、神戸市の東部に臨海地区開発用百二十ヘクタール、この土地が考えられております。ここは鉄鋼会社を初めといたしまして、重化学工業の一つの大きな発祥の地ともいうべき大事な工業地帯だったわけでありますけれども、こういったものが順調に都市再開発ゾーンになっていきますと、これはこれで資産を売却して新しく復興に余裕が出てくるわけでありますけれども、なかなか兵庫県も神戸市もいろいろと問題を抱えているようでございまして、私どもその点について大変心配をいたしております。  政府としては、この臨海都市再開発の進捗状況、そして今後の見通しをどのように持っておられるか、お伺いをいたしたいと思います。

田中正昭総理府阪神・淡路復興対策本部事務局次長

○田中説明員 お答え申し上げます。  神戸製鋼、川崎製鉄等の工場敷地を中心とします、先生が御指摘の東部新都心地区につきましては、今回の震災により神戸市の市街地が大きな被害をこうむったことから、住宅の早期かつ大量の供給や業務、研究施設用地の供給の必要が高まっておりますために、これに対応し得る地域として神戸市が計画の具体化を検討中というふうに聞いておりますが、しかし、本地区における整備手法あるいは事業主体等の計画の詳細については、まだ明確には定まっていないというような状況にあると聞いております。

北橋健治新進党

○北橋委員 神戸市に任せておくということでございます。

田中正昭総理府阪神・淡路復興対策本部事務局次長

○田中説明員 これらの土地の利用につきまして、神戸市がこういうふうに利用したいという神戸市の意向を中心に動いているわけでございますけれども、整備の手法あるいは事業主体につきましては、神戸市あるいはほかの公的な団体ということもあろうかと思いますが、その点につきましてはまだ関係者の間で検討中だというふうに聞いております。

北橋健治新進党

○北橋委員 地方分権を進める時代でもございますし、何から何まで全部中央の官僚の皆さん方が出ていって云々ということは考えておりません。ただ、いろいろと税制、このように手当てをいたしまして、財政金融面からもいろいろな手当てがされてきているわけでありますけれども、現実は、震災の後ということもありまして、大変疲労もたまっているでしょうし、県や市の当局の皆さん方も大変御苦労されていると思います。そういうときに、二十一世紀に向けた壮大なプログラムを立てて、それに向けての着実な計画の推進に必要な実務をてきぱきとやっていく環境ではまだないかもしれませんけれども、しかしながら、大変な状況の中でもこれはぜひ私どもは成功させてほしい、こう思っております。  そしてまた、大被害を受けました会社も、この際発祥の地ともいうべきそういった資産を売却していくお考えがあるやに聞いているのですけれども、それは本当に大変せつない思いであります。しかしながら、生きていくためには万やむを得ない、雇用を守るためにはやむを得ないということで、非常なる決意で発祥の地を離れてでも再建に取り組もうとしているときに、なかなかこれが地元の方でうまく今のところ話し合いの歯車が回っていないようであります。  そういった意味では、きょうは国土庁長官といいますか震災対策大臣もお見えではございませんのでこれ以上お伺いいたしませんが、ぜひとも自治体任せではなくて、いろいろなルートで、せっかくこういった税制だとかいろいろな措置が国会で決まっていくわけでございますので、フォローにぜひとも御高配をいただきまして、全面的なバックアップをお願い申し上げたいと要望してまいりたいと思います。  さて、続きまして、今回非常に大蔵省内でも議論があったと聞いておりますけれども、繰り戻しによる法人税額の還付という問題でございます。  これについては、税理論的には非常に難しい議論があったとも聞いておりますけれども、新進党はこれはぜひとも過去三年にさかのぼって実施してほしいということで申し入れておりました。  当初は一年でもできるかどうかという状況であって、とても三年というのは不可能だ、こういう趣旨のお話も漏れ聞いておったわけでございますけれども、鋭意御検討いただきまして、今回は二年ということになったわけでございますけれども、これによる減収額の見込みはどの程度か、そしてまた、どうして二年にされたのか、その辺の御説明をお伺いしたいと思います。

小川是大蔵省主税局長

○小川(是)政府委員 法人税におきましては、基本的には一年間の業績、所得活動を基準にして法人所得課税が行われているわけでございます。そこで、ある年には欠損であり、ある年には黒字になるといった場合の欠損金の処理が問題になるわけでございますが、現行の基本税制におきましては、一年繰り戻し、五年繰り越しという制度で長くやってきているわけでございます。しかしながら、現状では財政事情等がございますのでこの繰り戻しを停止いたしておりまして、翌年以降の事業活動の黒字から五年間にわたって赤字を消していただきたいという制度になっているわけでございます。  今回の震災につきましては、提案理由でも申し上げましたとおり、非常に面的に大きな広がりがあって、地域経済全体の立ち上がりに大変な障害をもたらしているというところから、極めて異例の措置でございますけれども、この停止している一年繰り戻し制度を震災損失に限っていわば復活するということを考えたわけでございます。  これを一年限りといたしますと、最近における経済情勢あるいは産業の区別、業種、個別企業によりまして、ある程度震災損失をカバーしたい、それが立ち直りへの支援となると思われますが、それが十分いかないということが考えられます。  そこで、震災損失の前年の所得へ繰り戻すのでは震災損失の二分の一カバーできない場合には、全く現行税制から見ますと特例でございますが、その満たない部分についてもう一年さかのぼるという措置を講ずることにいたしているわけでございまして、できる限り、半分は繰り戻しで、残りは現行税制の持っております五年繰り越しという中でカバーをしていっていただきたい、そういう意味でこの震災に対する特例措置を講ずることにしたわけでございます。  なお、この還付措置に係る七年度予算で見積もられます減収額は約六百五十億円というふうに計算をしているところでございます。

北橋健治新進党

○北橋委員 いろいろとお伺いしたいこともございますけれども、これは政府内部でも随分御論議があったと思います。清水の舞台から飛びおりるような気持ちで一運の措置を決められたともお伺いしておりますので、私どもの主張からいたしますと十二分ではございませんけれども、とりあえず二年さかのぼって還付をするという措置を決めたことは評価をしたい、こう思います。  続きまして、地元の状況で今なお深刻な問題になっておりますのは民間バース、民間埠頭の問題でございます。  公共バースにつきましては、過日、国の方が非常に思い切ったてこ入れを行いまして、財政支援をもって復旧するという方針が確定したところでございますが、民間の私有財産でございますので、これはなかなか国としても支援をしたくても限度がある、このように聞いております。  ところが、現実に民間バースの被害状況を聞いておりますと、それを利用している企業からいたしますと、これはもう大変壊滅的な打撃の状況になっていると聞いておりまして、今現在考えられておりますのは、融資ということで、それも全体の復旧事業費の四割程度を上限に開銀から融資をする、そういう措置だと聞いております。果たしてこれで本当に、壊滅的打撃を受けた民間バースというものが復旧に向かうのであろうかということであります。  といいますのは、その民間バースがやられた会社というのは、今工場の操業がいろいろな事情でうまくいっていないわけです。原料が揚がってこないとか、あるいは工業用水の確保だとかいろいろな問題がありまして、努力をしているのだけれどもなかなか思うように事業ができないということで、大変な状況であります。資産を売却しようにも、ただ切り売りではこれはどうにもなりません。やはり、市や県と相談しながら一つの計画をつくり、ゾーンをつくって売却していくわけでありまして、時間がかかるわけであります。  そうしますと、一体いつになったらこの民間バースというものが再建できるのかという問題がありまして、これは過日、IMF−JC、金属労協の皆さん方と一緒に亀井運輸大臣に申し入れに行ったわけであります。非常に難しい問題はあるけれども精いっぱい努力はしてみようというお話だったのですが、一つの案として浮上しているのは、例えば県だとかそういうところに一たん私有財産を売却いたしまして公共的な性格のものにして、それで国から支援を得るということも検討していただくように、運輸大臣にそのとき申し上げたわけであります。  いずれにしましても、時間がもう余りありませんが、今現在考えられている政府の支援内容では、これはちょっとやはり、大変な厳しい情勢にある民間企業が自分たちの力でこのバースを再建するのは難しいのじゃないだろうか。やはりここで思い切った抜本的支援措置が必要ではないかと思うわけでありますけれども、御見解をお伺いしたいと思います。

武藤敏郎大蔵省主計局次長

○武藤政府委員 民間が所有しております港湾施設につきましては、これはあくまでも民間の経営判断に基づいて整備が行われ、私企業の専用的な利用に供されているということでございます。  そこで、私どもはいろいろ検討させていただきましたけれども、いわゆる日本開発銀行の災害復旧融資というものの対象にす。今先生御指摘の融資比卒の問題などもございますけれども、やはり開銀の民間金融の補完としての位置づけ等生を考えますと、現在の四〇%程度という融資比率が限界なのではないかというふうに考えておりまして、こういう災害復旧融資制度によりまして一日も早い復旧を図っていくことが、まずもって重要なことではないかというふうに考えている次第でございます。

北橋健治新進党

○北橋委員 主計局はそういう御説明ですけれども、今回の、今議題になっておるこの税制を見ましても、これは今まで私どもも主税局と何度も何度も議論をしてきましたけれども、すごく思い切った領域に踏み込まれているわけです。今回非常な災害である、そしていろいろと、今までの税を議論するときの理屈からしますととても盛り込めない内容でも、今回の震災の甚大性にかんがみまして相当思い切ったことを考えているわけなのですが、なぜこの民間バースの問題について四割とかそういうことでとまるのでしょうか。  こういった措置についても、今回の主税局が考えてきたように、主計局の方でも思い切って融資率を上げるだとかそういった特例というのが設けられないのでしょうか、お伺いします。

武藤敏郎大蔵省主計局次長

○武藤政府委員 日本開発銀行の融資比卒を引き上げられないかということでございますけれども、今開発銀行におきましては、全く違った観点からではございますけれども、事業対象の見直しとか、あるいは民間の補完に徹すべきであるといったような御議論が行われておるわけでござい」ます。そういう中で今回災害融資制度の対象にさせていただきましたけれども、一般的に民間の補完ということになりますと、おおむね四〇%というものがやはり基本となるものというふうに考えておるわけでございまして、他の融資対象事業とのバランス等を勘案いたしますと、その点については慎重に検討すべきものではないかというふうに考えております。

北橋健治新進党

○北橋委員 大変不満な御答弁でございます。  といいますのは、いろいろと理屈はあっても、現実にもう操業もできないくらいに壊滅的に打撃を受けている者に対して、しかもいろいろと税制ありますけれども、資産売却だとかそういうものがうまくいけばいいですけれども、それまでには相当時間がかかるわけでございまして、その間、操業というのが思うように進まない、そういう現実を前にして、どういう理屈があるのか私は詳しくは、全部は知りませんけれども、それに対して政治が何もできない。これで民間バースが再建できるんだろうか。  武村大臣、この問題についてはいろいろと、やはりほかとのバランスだとかいろいろな議論はあると思うのですが、税についてはここまで踏み込まれたではありませんか。なぜこういった問題について、民間の私有財産であるだけで前に進まないのでしょうか。それも自助勢力に頼れということは、震災を受けた企業にとっては大変厳し過ぎるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○武村国務大臣 今はお答えを申し上げているような方針で臨みたいと思っておりますが、いずれにしましても、民間の施設というときに、バースに限らず、工場の基幹施設もありますし、もっと広い意味ではさまざまなデパートとか民間のビルディング、あるいは個人の住宅まで及ぶわけでありまして、いわば私的な個人補償をどうするかという議論もたびたび予算委員会でも出ているわけでございます。  そういう中で、何もしないんじゃなしに、まず災害復旧の特定施設に民間バースを入れることを決断をさせていただき、開銀の融資対象にさせていただいたわけでございます。これで十分というふうには言えないのかもしれませんけれども、今の真剣な御議論、改めて参考にさせていただきますが、何か特別な新しい提案でもあればともかく、開銀は片方で非常に、スリム化せよ、開銀不要論も出ている状況の中で、これはまさに行革でございますが、むしろ四〇%を三〇%に下げみというふうな議論もある中で、一応現在の仕組みの中では最大の対応をさせていただいているわけであります。そのことはそのことなりに御評価をいただきたいと存じます。

北橋健治新進党

○北橋委員 きょうは、円高対策を初めといたしましてまだ幾つか予定をいたしておりましたけれども、時間が参りましたので同僚議員に譲りたいと思います。ありがとうございました。

尾身幸次自由民主党・自由連合

○尾身委員長 次に、谷口隆義君。

谷口隆義新進党

○谷口委員 新進党の谷口隆義でございます。  本日は、阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律の一部を改正する保法律案について御質問いたしたいというように思います。  被災地は甚大な被害を受けられて、その被災地の早急な復旧、復興を図らなければいけない、こういう観点からの今回のこの税制支援ということでございますが、私自身も従来から大蔵委員会で多々御要望いたしておりましたこと等も、今回の法案の中に入っているものもありまた入っておらないものもあるというような状況でございます。そこで、今回の法案につきまして、細かい問題も含めて御質問いたしたい、このように思っております。  まず初めに、最低資本金を満たすまでの利益の資本組み入れに係るみなし配当の非課税措置等の適用期限の延長ということでございますが、従来私もこれを要望いたしておりまして、今回破産宣告及び会社の資本金の制限の特例ということが延長されたことに伴って、みなし配当の適用期限を一年延長するというようになったことにつきまして、これは前向きの対応ということで評価させていただきたいというように思うわけであります。  それで次に、先ほどの北橋議員の質問の中にもあったわけでございますが、震災損失の繰り戻しによる法人税額の還付というものがございます。これは、法人の平成七年一月十七日から八年一月十六日までの間に終了する事業年度において生じた欠損金額のうち、震災損失金額がある場合には還付できますよ、こういうような法案であると思うわけでございます。  私自身も二十年余り税の実務の立場でいろいろやってまいりましたわけでございますが、震災損失が繰り戻し還付の対象になるということでございますが、この震災損失とはそもそもどういうことをおっしゃっておるのか、御説明をお願いいたしたいと思います。     〔委員長退席、金子(一)委員長代理着席〕

小川是大蔵省主税局長

○小川(是)政府委員 震災損失の金額は、法律におきましては、今回の大震災により棚卸資産、固定資産、その他の政令で定める資産について生じた損失に係るもので政令で定めるものをいうというふうに規定されております。具体的に政令で予定をいたしておりますのは、そうした災害損失の金額のうち、保険金であるとか損害賠償金等で補てんされるものは除くわけでございますが、大きく二つに分かれると考えております。  まず一つは、震災によって資産が滅失あるいは損壊したこと、さらに価値が減少したということから法人がその帳簿価額を減額するという場合の、その減額したものが損失に当たるわけでございます。その場合、そうした価値を減少した資産の取り壊しまたは除去の費用、その他付随費用に係る損失の額は、当然この災害損失の額に含まれるわけでございます。  もう一つのカテゴリーといたしましては、そうした価値が減少して事業の用に供することが困難になった。しかし全部取り壊してしまうのではないといったような場合に、震災があった日の翌日から一年を経過した日の前日までに当該資産の原状回復のために支出する、いわゆる修繕費であるとかその他障害物を除去するために要する費用、こういったものに係る損失を震災災害損失というふうに呼んでいるわけでございます。  なお、この第二のカテゴリーに入ります損失につきましては、せんだって国税庁の通達で明らかにされました災害損失特別勘定への繰入額、復旧費用、これが震災損失金額に含まれるわけでございます。  以上が、ここで予定をいたしております繰り戻しの対象になる震災損失金額でございます。

谷口隆義新進党

○谷口委員 今、政令で後で定めるというようなことでございます。もう既にこれは具体的に例示であるとか、限定列挙になるのか例示になるのかわかりませんが出ておるわけでしょうか。

小川是大蔵省主税局長

○小川(是)政府委員 ただいま御説明申し上げました内容を、この法律が成立いたしましたら、これを公布するときに、あわせて政令に書き込んで公布をさせていただきたいというふうに準備をいたしております。

谷口隆義新進党

○谷口委員 後ほどその件について御質問いたしたいと思いますが、例えば、今回被災に遭われた企業が本店を移転する、せざるを得ないというような状況にある企業があるわけです。その本店を移転するような費用についてはどういうようなことになるのか。また、従業員の方に一部休業補償をしておられるような企業があるわけです。こういうような企業の休業補償費であるとか、一部退職される方がいらっしゃるわけでございます。こういう退職金、いわゆる人件費、こういうものはこの震災損失金額の中に含まれるのかどうかということをお聞きいたしたいと思います。

小川是大蔵省主税局長

○小川(是)政府委員 ただいま申し上げましたように、震災損失というものを抜き出しますときには、これは資産について生じた損失、いわばBSの資産サイドに載っているものを除く、あるいは減価した。それからそれの価値を維持するために支出、出費をする、こういったものに限って震災損失として欠損繰り戻しの対象にいたしたい。それ以外の経常的経費というのは、いろいろな要因で生じ得るものだとは存じますけれども、今回の欠損金繰り戻しの対象となる震災損失には含まれないものでございます。

谷口隆義新進党

○谷口委員 ですから、一般の方は、震災損失といいますと震災によって損失を受けた金額、多分こういうような理解をされるわけです。今の主税局長のお話によりますと、資産が滅失したような場合、そういうことを前提にして今回の災害損失金額の対象になるのだ、こういうようなお話なんですが、私たちが従来要望いたしておったときに、直接間接に震災によって損失を受けた金額が今回の震災損失金額の中に含まれるというような理解の中で御要望いたしておったわけでございますが、それについていかが考えておられるでしょうか。

小川是大蔵省主税局長

○小川(是)政府委員 従来から災害関係の損失についてこうしたものを考えますときには、売り上げが減少する、あるいは諸経費がふえるといったようなものにつきましては、なかなかこれを災害と結びつけて抜き出すというところが困難なところもございます。  そうしたものではなくて、物理的な棚卸資産あるいは固定資産、一部繰り延べ資産もございますけれども、こういった資産損失に限ってこの繰り戻し制度を運用することが一見明白でありまして、かつ被害の程度といたしましても最も大きな部分であることが通常でございますから、この部分について繰り戻し還付制度を設けるということが妥当な措置ではないかというふうに考える次第でございます。

谷口隆義新進党

○谷口委員 この問題はまた、後で通達、法令の御質問をいたしたいと思うわけでございますが、その折に御質問いたしたいと思います。  二つ目に、被災者向けの優良賃貸住宅の割り増し償却の問題でございます。  今回、被災者向けの優良賃貸住宅について五年間、耐用年数四十五年以上のものについては百分の七十、四十五年未満のものにあっては百分の五十の割り増し償却を認める、このようなことでございます。期間が、平成七年四月一日から平成十年三月三十一日までの間に取得して賃貸の用に供している賃貸住宅、このようになっておるわけでございますが、震災のあった日は一月十七日です。  この法の趣旨は、被災者に住宅の便宜を図ってやろうというような趣旨であると思うわけです。そうすることからしますと、例えば一月十七日前後に竣工しておってまだ賃貸の用に供しておらないような賃貸住宅があった。このような住宅についても割り増し償却の適用を考えることは可能だと思うのですが、そのようなことについてどうお考えでございましょうか。

小川是大蔵省主税局長

○小川(是)政府委員 今回の被災者向け優良賃貸住宅の割り増し償却制度は、多数の住宅が損壊をした。これを建て直し、供給をしていく場合に、地方公共団体もございましょう、公的部門もございましょう、また御自身でお建てになる方もおられると思いますけれども、やはり民間部門で賃貸住宅を供給するということに対して何らかのこれを促進する措置が考えられないかという観点から設けられるべきものでございますから、当然のことながら、新たに供給されるということが重要であるというふうに思うわけでございます。  その意味におきましては、この震災が起こりましてから、現在いろいろの計画が進んでいるかと存じますけれども、既にあった建物に対して奨励措置を講ずるというのではなくて、やはりこれから新たに建築され供給されるというものに対して税制上のインセンティブを与えるということが相当ではないかというふうに考えるわけでございます。

谷口隆義新進党

○谷口委員 これを見ますと、一月十七日から三月末までの間は適用がないということなんです。余り影響がないと僕は思うのです。さっき申し上げたように、既存の建物で賃貸を既にしておる物件じゃないわけでありまして、例えば一月十七日の時点でできていなくて一月末の段階で竣工した。賃貸を三月から開始したというような場合も含めるというようなことの方がこの趣旨から考えると妥当ではないかな、このように思うのですけれども、どうお考えでしょうか。

小川是大蔵省主税局長

○小川(是)政府委員 各種の税制上の措置は、基本的には被災のありました一月十七日を基準にしているわけでございます。これは、被災者自体の損失あるいは立ち直りに着目して講ずる措置については、今申し上げたような震災の日というのをいわば基準日としているわけでございます。  しかしながら、この賃貸住宅の割り増し償却制度は、ただいま委員が言われましたように、この震災が終わった後すぐに建てられたというものは恐らく今月までまだないであろう、そういう実質的な意味がないだろうということのほかに、震災後に新たに建設されるということを促進するためのインセンティブ税制であるということからいたしますと、この法律を御審議いただいて成立させていただいたその後、一般の方々にとって非常にわかりやすい四月一日以後のものから適用をするということが、法律の目的あるいはインセンティブを与えるという目的から相当ではないかというふうに考える次第でございます。

谷口隆義新進党

○谷口委員 私の個人的な考えは、やはり一月十七日からやってあげたらどうかなというようにも思うわけでございますが、今の質問はこれで終わって、次に、特定の事業用資産の買いかえの場合の課税の特例、これについてお聞きいたしたいと思います。  この内容を見させていただきますと、二つあって、初めの方は、これはいわゆる以前の旧十五号買いかえというのですか、このものを被災区域において認めてやろうというような趣旨ではないかなというように思うわけでございますが、内容がはっきりわからないのです。  そこで、ちょっと深く入ってお聞きしますが、これはいわゆる被災区域の中の内、内の買いかえが可能なのかということでございますが、これについてどういうことになりますでしょうか。

小川是大蔵省主税局長

○小川(是)政府委員 被災地において工場あるいは建物が壊れたという企業が、例えば、ある程度工場用地が広いというところから、その工場用地の一部を他の公的部門あるいは民間部門に売却をいたしまして、その売却代金をもって残った工場敷地に工場を建て直すというような場合、これがまさに内、内での買いかえでございますが、こうした場合には、もとより、今回の買いかえ特例におきましては一〇〇%圧縮記帳の対象になるわけでございます。  このような、通常の国土政策上からいいますと、土地対策の観点からの買いかえ特例では対象外としているものではありますけれども、当該企業の生産活動の継続という観点に重点を置き、こうした買いかえを一〇〇%で置くというのが今回の考え方でございます。     〔金子(一)委員長代理退席、委員長着席〕

谷口隆義新進党

○谷口委員 この事業用資産の買いかえの適用期間というのですか、これを見ますと、平成七年一月十七日から十二年の三月三十一日までの間に譲渡し、七年の一月十七日以後に取得する資産について適用する、こういうことです。  では、具体的にちょっとお聞きしますが、平成七年三月に取得して平成十二年の例えは三月に譲渡した。これは適用になるわけです。

小川是大蔵省主税局長

○小川(是)政府委員 ただいまのお尋ねは、例えば平成七年の三月に新しい資産を取得して、今まで持っていたものの売却は、例えば十二年の三月であるということでございます。  期間としては確かに中に入っているわけでございますが、こうした買いかえ制度は、売却をして初めて譲渡益が出るわけでございますから、今のお話の譲渡益課税の問題は十二年の三月ということになります。その場合には、買いの方の資産を先行して何年以内に取得しておくことができるかということでございまして、今回のものにつきましては最長三年ということでございます。  したがいまして、もしもことしの三月に新しい資産を取得されるのであれば、基本的には、三年以内には処分をするという場合にこの特例の適用があるということでございます。

谷口隆義新進党

○谷口委員 三年というのは、その日現在です。暦年で考えるというわけじゃなくて、事業年度で考えるというわけじゃなくて、売却時点の日で計算するわけです。

小川是大蔵省主税局長

○小川(是)政府委員 法人の場合には、応当する日ということになりますので、文字どおり三年ということになります。

谷口隆義新進党

○谷口委員 大体わかりました。  次に、土地譲渡益課税の特例についてお聞きいたしたいと思います。  この土地譲渡益課税の特例は、例えば五千万の特別控除であるとか二千万の特別控除、一千五百万の特別控除ですか、そういう特別控除なんです。  ちょっと私はお聞きしたいのですが、今、現行法で新規取得土地に係る負債利子の課税の特例というのがございます。これは六十三年でしたか、「借入金による土地取得を通ずる企業の税負担回避行為に対処し、あわせて土地の仮需要の抑制を図る観点から、法人の土地取得に係る借入金利子の損金算入を制限する措置を講ずることが適当である」という政府税調の趣旨を踏まえて、六十三年十二月から行われたこの制度。この制度は、今回の震災にかかわらず、私はこういう趣旨の税制はもう必要ない状況になっておるな、こういうふうに思うわけでございますが、新規取得土地の負債利子の損金不算入、こういう特例を、今回、この被災地においてやらないというようなことを考えられなかったのでしょうか。

小川是大蔵省主税局長

○小川(是)政府委員 新規取得土地等に係る負債の利子の課税の特例の制度は、今委員がお話しになったとおりでありまして、借り入れをして土地投機が行われるといったようなケースを抑制するために設けられたものでございます。  この制度は、今日もまだ継続をいたしているわけでございますが、土地を取得してそのままほうっておくと、この借入金の利子をその間資産に計上をしておかなければならないわけでございますが、建物などを建築すればその時点で適用がなくなりますので、そういった意味では、土地に対して工場の建設あるいは建物の建設が速やかに行われればそれだけ早く利子の損金算入ができるというのが一つでございます。  もう一つは、今の事業用資産の買いかえの適用が当然あろうかと存じますので、これで譲渡益が圧縮されているという場合には、その分だけ負債利子の加算分が小さくなる、そういった側面があるという点を御理解いただきたいと思います。

谷口隆義新進党

○谷口委員 わかりました。  最後に、この法案のことについてお聞きしたいのです。  先ほどの震災損失のところで主税局長が、政令で後ほど定めるというようなお話があったわけでございますが、私従来から疑問に感じておったことがあるわけでございます。  それは、法令と通達というのがあります。法令の中には本法があり、政令、省令があるわけです。また、通達というのがございます。本法について国会においていろいろ議論をし審議をするわけでありますが、例えば政省令または通達について国会において議論がなされておらないわけです。実は、一般に行われている税制の最前線のところではこれが非常に大きな意味合いを持ってくるわけでして、法案の方向を左右するような通達または省令、政令があるわけです。  そういうことについて、まず初めに、今も私が申し上げた政令、省令、通達についての簡単な御説明をお願いいたしたい。

小川是大蔵省主税局長

○小川(是)政府委員 ちょっと恐れ入りますが、先ほどの買いかえのところを一点だけ先に訂正をさせていただきたいと存じます。  平成七年三月に買って十二年三月に売った場合に適用になるかという点につきまして、私は、先行取得は三年ですが、応当日であるというふうに申し上げましたが、訂正をさせていただきたいのは、譲渡の日を含む事業年度開始の日前三年以内ということでございます。  したがいまして、応当日、譲渡をした日の応当日ではなくて、譲渡をした日を含む事業年度、先ほどの例で、例えば一月から十二月決算の法人でありますと、平成十二年の三月に譲渡をした場合には十二年一月一日が開始の日になりますので、原則は、法律を見ていただきますと、そこから前一年以内、平成十一年の一月以降。しかし、括弧書きがございまして最長三年までいけるようになっていますので、十二年三月で、一月から開始する事業年度の場合には、九年一月以降の買いかえが行われていますと特例が適用になるという点を訂正をさせていただきたいと存じます。  それから、ただいまの、法律、政令、省令、通達等の事項でございますが、もとより政省令に委任されている事項は、法律に必ず、どういうことが委任されるか、技術的、専門的あるいは細目的な事項でございましたり手続的な事項である、さらには法律実施のための政令といったようなものもございます、各種のものがございますが、いずれも法律に基づくものであるということが一つでございます。  さらに、税制改正の関連では、先ほど御説明申し上げたようなことも含めまして、政令等で改正を予定しておりますものも、基本的には私ども税制改正の要綱という形で世の中に明らかにいたしまして、その中で法律事項を法案として御提案をいたしている次第でございますし、今回のように特に重要な点につきましては、適用関係についてできるだけ事前に、政令等の問題につきましても、一般の納税者の方々に、何を考えて保いるか、しようとしているかということを明らかにするように努めているところでございます。

谷口隆義新進党

○谷口委員 一つは、私、大きな問題だと思っておるのは、減価償却資産の耐用年数です。減価償却資産の耐用年数は省令です。またもう一つは、資産税というか、相続税と申しますか、資産の評価については、これは通達になっております。このあたりは全く我々の議論の範疇になっておらないのです。  ところが、実はこの耐用年数というのはかなり大きな問題になるわけでありまして、また、相続税評価について、この通達で、先日、相続税の奥行き逓減率の変更がありましたね。ああいうのほかなり大きな影響があるわけです。そういうものをこの国会の審議の場でやらないということについて、私は従来から不思議に思っておりましたし、どうしてなんだろうというふうに思っていたわけでございますが、これについて御見解をお願いいたしたいと思います。

小川是大蔵省主税局長

○小川(是)政府委員 減価償却資産の耐用年数につきましては、確かに個別の建物、構造物あるいは機械装置等を具体的に区分しまして、それぞれの年数は省令で決められているわけでございますが、この耐用年数をどのようにするかという点につきましては、法人税法の所得計算の規定に基づきまして、物理的あるいは経済的陳腐化等を考慮して具体的な調査のもとに定めているものでございますし、また、個別にそれとは違うというような実態がある場合には、納税者が申請をして税務署長の承認を受けるという手順もあるわけでございます。  したがいまして、国会のこういう場においてこれまでも御議論を受けておりますのは、その考え方、耐用年数の定め方、その背後にある、なぜそういう個別の分類をするかといったような点についていろいろ御議論を受けているわけでございますし、また個別に、全く問題がある、あるいは新しいものが出てきたようなときに御議論を受けることがあるわけでございますけれども、全体として、細目を省令で定めているというところについては、基本の考え方からいわばお任せをいただいているところであるというふうに考えている次第でございます。  また、相続税の問題につきましては、確かに法律において相続時の時価であるというところまででございまして、それでは時価というものを個別にどのように判定をしたらいいかというのは大変な作業でございます。そこで、この時価につきましては、これまでも長く国税庁におきまして、どのような計算方式をとるかということと、何よりも、ある時点ごとに、土地のようなものにつきましては時価を確定しなければなりませんので、評価通達、基本的な考え方を示した上で、具体的なものを路線価という形で公表をしてきているところでございます。  これについて考え方を変えたり、改めたり、改善をするといったようなときには、もとよりその旨を、税制調査会等で御議論をいただいた結論を、政府としてはこのように変えたいという意思決定をいたしまして御説明をしてきているところでございます。

谷口隆義新進党

○谷口委員 例えば、相続税の算出は課税標準に税率を掛けるわけでしょう。課税標準に税率を掛けます。課税標準の評価は評価通達によって決まるわけです。税率は国会で審議します。だから、税収をはかろうと思えば、課税標準か税率か、こういうふうになるわけですね、簡単に申します。  税率の方は国会の審議があり、評価については国会の審議がないというようなことについて非常に疑問に感じるところがあるわけなんです。例えば路線価で評価するとか、固定資産税の評価額、評価の方法はいろいろありますが、この方法も、それが通達の範疇に入っておりますと我々の議論の問題じゃないということに今現在なっておるわけでありまして、今現在行われているようなことがこれでいいのかどうかということについて御見解をお願いいたしたいと思います。

小川是大蔵省主税局長

○小川(是)政府委員 財産の価額を課税標準といたしておりますときには、これを具体的な事案に当てはめるという問題は大変難しい問題であるのは御承知のとおりでございます。したがいまして、この財産の価額をどのようにとらえるかという点につきましては、個別のケースに当てはめるためにかなり細かい考え方あるいは計算方式といったようなものを定めていかなければならないわけでございまして、この時価、価額、価格というものを具体的に法定するということには困難があるというふうに存じます。  そのことが、非常に長く、何十年来、相続税の課税価格につきましては財産の評価通達を出し、それが世の中で、国会を含めてでございますけれども、さまざまの御意見、御批判も浴びながら、これを税制調査会で御議論をいただいたりいたしまして、基本的な考え方、計算方式を定めてきているという慣行がございまして、これはそれなりに定着をしてきているのではないか。今後とも、この時価の評価、課税標準のとり方の問題につきましては、そういった形で対応をさせていただくのが妥当なところではないかと考える次第でございます。

谷口隆義新進党

○谷口委員 これはやはりかなり大きな問題だと思うのです。  例えば、貸倒引当金の例をとりましょうか。貸倒引当金は本法で決まっております。貸し金の対象はやはり通達だと思うのです。この貸し金の対象がどういうようになるかというのは、貸倒引当金そのものを左右する大きな問題なんです。この問題に触れないで、貸倒引当金というものはこういう形で計算してこうやるんだということを決めておっても、これは意味のない話なんです。このようなことについてどういうように思われるのでしょうか。

小川是大蔵省主税局長

○小川(是)政府委員 貸倒引当金につきましては、法律上は「売掛金、貸付金その他これらに準ずる債権の貸倒れによる損失の見込額としてこ云々と書かれているわけでございます。これは、どこまでも債権であって、それを持っていることによって将来これが回収できない可能性がある、その損失にいわば備えるというものでございますから、売掛金、貸付金とそのほかに各種の私法上の権利義務関係において類似して呼ばれるものがあるわけでございますし、またその中には、貸付金とは言い条、損失を発生するおそれが全くないものもあるわけでございます。  そこで、そういったような細目につきましては、この貸倒引当金の趣旨を踏まえながら政令以下にゆだねられているところがあるわけでございますし、また、政令以下で書き切れない貸付金というのはそもそもどういうものであるかという具体的な当てはめのところになりますと、これは個別のケースに応じて課税当局が判断をする。そしてまた、それをある程度グループ化して体系化す。それが解釈通達であったり取り扱い通達であったりするということは、いかなる税制をとりましても最終的な当てはめの段階において当然あり得ることであると考えるわけでございます。

谷口隆義新進党

○谷口委員 また別の質問をしたいものですから余り時間がないので、最終的にちょっとお話しさせていただきますと、先ほど申し上げた貸倒引当金は、対象になる債権と対象にならない債権を例示列挙しているのです。この例示列挙に基づいて現場の方は判断していくわけなんです。ですから、例えばこの貸倒引当金の議論をする場合には、当然こういうことを念頭に入れた議論でないと何にも意味のない議論になってしまうわけでございます。  この議論の際には、通達であるとか政令であるとか省令であるとか、当然そういうものも含めて議論の対象になるべきだ、このように私は思っておるわけでして、そういう観点から今回この質問をさせていただきました。また時間があれば御質問いたしたいと思いますが、私が申し上げておることを十分理解していただきまして、なるべくそういう方向にと思っております。  今回のこの法案の質問はこれで終わりまして、次に、急激な円高とここ数日間の株安の問題についてお聞きいたしたいと思います。  先ほど見てまいりましたが、本日の日経平均、十時現在で一万五千六百二十四円、昨日より百八十八円安、こういうようになっております。株価が一万六千円を二年四カ月ぶりに割り込んだわけでございます。株価は景気全体に与える影響が非常に大きいわけでございまして、これは一つは、今金融機関の不良債権の問題があります。この金融機関の不良債権の償却余力は株価がかなり影響するわけでありまして、そういう意味で株価の低迷を私は非常に危惧いたしております。  また円高も、昨日はニューヨークで八十八円〇四銭ということで、史上最高値をつけたわけでありまして、ここに来まして急激な円高と株安というような状況になっておるわけでございます。これらは相乗効果でやはり景気に深刻な打撃を与えると思うわけでございます。例えば円高の問題をとりましても、トヨタ自動車で一円で百億の減収があるというようなことを聞いておるわけでございまして、景気に対する非常に深刻な打撃を与えるような状況を招いているのではないか、このように思うわけでございます。  また、先ほど申し上げました金融機関の含み益、これが、野村総研の推計によりますと、株価下落で大手銀行の含み益は不良債権の金額を下回っているような状況に陥っている、このような報道がございます。  また、同じく野村総研の資料でございますが、平均株価一万六千円であるならば都銀、長信銀、信託の株式含み益合計は約十兆円だというように推計されておるわけでございます。昨年三月末の一万九千百十円、このときに約二十兆円の含み益があったと言われておりますが、ちょうど半減いたしておるわけでございまして、大変深刻な事態に陥っているのじゃないか、このように思うわけでございます。  また、生保、生命保険会社の含み益は三兆六千億程度ということでございまして、前年に比べますと三分の一ぐらいに減っておる、一部の生保、信託銀行においては、もう既に含み益がなくなっておるというような報告を受けておるわけでございます。  また、今ちょうど三月末でございまして、各企業は決算対策で益出しをやっておるわけでございまして、これが株式市場に大きな影響を与えておる。全面安の一つの要因は、そういうような益出しかあるのじゃないか、このように言われております。ある株式市場関係者は、九二年八月の最安値、バブル崩壊後の最安値の一万四千三百九円、これも射程内に入った。このように言っておるようでございます。  ここへ来て、景気が非常に上向きなところに急激な円高、株安、また金融システムの信用不安をもたらすような問題、このような問題が次々と起こってきて、景気全体が非常に危うい状況になっておるのではないか、このようなことを言われておるわけでありまして、先ほど申し上げた株式市場におきましても、今回のこの株安は景気の本格回復に対する投資家の信頼感が揺らいでいることをあらわしているものだ、このような報告があるわけでございます。  そこで、きょうは日銀から小島理事に来ていただいておるわけでございますが、現状の景気回復について、日銀総裁は、まだ景気が下降傾向を示しておるとは思っておらないというような御見解をおっしゃっておるようでございます。景気回復の腰が折れるというのですか、こういうような状況の可能性が出てきたのではないかと私は思っておりますが、小島理事の御見解をお願いいたしたいと思います。

小島邦夫日本銀行理事

○小島参考人 ただいま委員御指摘のとおり、総裁は、景気の現状につきまして、引き続き緩やかな回復が続いているというふうに申しておりますし、私どももそのように判断しております。  少し詳しく申し上げますと、最終需要の面では、公共投資とか住宅投資が引き続き景気を下支えしておりますほかに、個人消費とか輸出も緩やかに増加しております。また、設備投資につきましても、全体として。下げどまりの傾向が見られるということでございます。  こういった需要動向を背景にしまして、生産も四四半期連続して増加しました後、震災で多少落ち込みましたけれども、その後は復調しつつあるというふうに見ております。このような最終需要とか生産の動向を反映して、企業の収益につきましても全体としては回復しておりますし、企業の業況判断も緩やかではありますけれども改善の傾向にあります。  そういうところから、私どもとしては、先行きにつきましても、こういった経済活動の改善状況から判断いたしますと、回復の力がにわかに途切れてしまうというふうには考えにくい、引き続き緩やかな回復が続く可能性が高いというふうに考えておりますけれども、今委員御指摘のような、株価であるとか為替レートの動き、それが経済に与える影響を含めまして、今後の経済金融情勢の展開については引き続き極めて注意深く点検していく必要があるというふうに判断しているところでございます。(「行動が遅い。何をやっている、日銀は」と呼ぶ者あり)

谷口隆義新進党

○谷口委員 全く私も同感でございまして、行動が遅いと思うのです。  長期国債市場、また短期の金融市場におきましても既に金利は低下してきておるわけでございまして、これは要するにもう織り込み済み、というような状況の中で、例えば金利を下げたとしてもやはり効果がないわけです。  ですから、弾力的な金融政策をやっていくという観点からしますと、一応このあたりで金利についても考慮せざるを得ないというような状況に私はもうなっておると思うわけでございますが、そのあたりの状況を踏まえて、御見解をもう一度お願いいたしたいと思います。

小島邦夫日本銀行理事

○小島参考人 御指摘のとおり、長短の金利、長期の金利につきましてはこのところかなり低下をしてきております。短期の金利につきましても、多少弱含みというぐらいな感じが現状出てきているところというのは委員御指摘のとおりでございまして、そうした流れを含めて我々は、そういう金利の動きが経済全体にどういう影響を与えるのかということを含めて判断をしているところでございまして、そうしたことを含めて考えますと、少なくとも現状は引き続き緩やかな回復が続いている、先行きについてもその自律的な回復の力が途切れてしまうとは考えにくいというふうには判断しているところでございます。  繰り返しますけれども、引き続きそういった状況のもとで、現在程度の緩和基調を維持しながら、これからの経済金融情勢の展開を注意深く見守っているというとこみでございます。

谷口隆義新進党

○谷口委員 先ほど私が申し上げました株式市場の動向、先日当委員会で一般質疑があったわけでございますが、そのときにおきましてはまだ株安というような状況じゃなかったわけですけれども、ここへ来て株式市場が急激に低下してきた。さっき申し上げたように、九二年の最安値も射程内に入ったというのです。こういう円高と株安と、また先ほど申し上げたこの金融システムについて非常に混乱しておる、こういうような状況の中で、このようなことを観点に入れてどのようにお考えでございましょうか、もう一度御答弁をお願いいたしたいと思います。

小島邦夫日本銀行理事

○小島参考人 現在の株式市場の状況について私どもから何かコメントを申し上げるということは、市場に不測の影響を与えるおそれがございますのでその点は控えさせていただきたいと存じますけれども、我々も株式市場で起きていることにつきましても非常に注意深くウォッチをしているところでございまして、先ほど申し上げましたように、長期金利が下がってきている、にもかかわらず株が低迷しているという、本来的に言いますと、長期金利が下がってくるときというのはむしろ株式にとったはいい影響が出るはずでございますけれども、そういったような状況のもとにあるということを含めて、引き続き注意深くウォッチしていきたいというふうに考えております。

谷口隆義新進党

○谷口委員 先日払、円高の問題を御質問した折に質問いたしたわけでございますが、今回のこの円高、アメリカ、ドイツ、日本、協調介入をなさっているということでございますが、どうも姿勢が明確ではない。アメリカの方はどうも積極的に介入しているような状況に見えない、ドイツの方はむしろこのマルク高を歓迎しているようなふうに見える、こういう状況の中で今日銀当局がアメリカ、ドイツの金融当局との間でどういうような連携をとられ、どういうような協調介入をなさっておるか、ちょっとこれについて御見解をお願いいたしたいと思います。

小島邦夫日本銀行理事

○小島参考人 介入について具体的に、やはりこれも私どもの立場からコメントすることは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、現状、今の為替相場につきまして、アメリカ、ドイツともこれがファンダメンタルズに合ったものではないということについては全く見解は異にしていないというふうに私ども思っております。その点では、各段階において毎日のように連絡をとり合って調整を進めているというところでございます。

谷口隆義新進党

○谷口委員 先ほど質問しましたこの株式市場の問題、また急激な円高の問題につきまして、今度大蔵大臣にちょっと御質問いたしたいのですけれども、今ここへ来ての急激な株安、株式市場が下落しておるわけでございますが、同じようにそのことも含めて御見解をお願いいたしたいと思います。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○武村国務大臣 景気は徐々に回復基調にあるということを政府としては申し上げてまいりました。今直近の経済動向、各種の指標を分析し、また日銀短観のように将来の経営者の展望等を踏まえながら、そういう総括をいたしているわけであります。  今おっしゃるように、景気の状況が急に腰を折ったとか下落しているというふうには私どもは認識はいたしておりません。ただ、御指摘のように、この急激な円高、株安等々が景気に悪影響を与えるのではないかということを真剣に懸念をいたしているところであります。特に、株の場合は企業等の意欲あるいは含み益が減少するというふうな御指摘の点もありますし、実体経済に与える影響を懸念をいたしているところでございます。  当然政府としましても、こういう状況を真剣に注視をしながら、表現としては抽象的になりますが、日々通貨については日本銀行と同じようにさまざまなレベルのG7各国との連絡、意見交換を続けているところであります。  今もお話がありましたように、共通しておりますのは、この急激な通貨の変動は好ましくない、この事態を各国とも憂慮をいたしていることは事実でございますし、またそのために必要な時期を選びながら共同した行動に出ることについても基本的には一致を見ていると私は思っております。ただ、各国の置かれた経済状況、これはそれぞれ違いますから、そういう中で、いわゆる政策全般について各国の考え方が一致するものではありません。しかし、一致する点についても真剣な話し合いを合しているところでございます。  いずれにしましても、事態を真剣に、日本経済全体に与える影響も含めて注視をしながら、政府としても精いっぱいの対応をしていかなければいけないというふうに思っております。

谷口隆義新進党

○谷口委員 もう一回大蔵大臣にお聞きいたしたいのですが、株安のことに限定してお聞きいたしたいのですけれども、以前はPKOと称して買い支えをした時期がありました。どうも今はそういうことをやっておられない。私もそういうことについては非常に反対の立場でございますが、先ほど申し上げたように、株価が九二年の安値を割り込んでくるというような場合を想定して、そのような状況になった場合に大蔵省としてどのような対応を考えておられるのかどうか、ちょっとこれについて御所見をお願いいたしたいと思います。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○武村国務大臣 仮定の上に立って、しかも大変悪い仮定の上に立ってお答えを申し上げるのは差し控えたいと思いますが、今の私どもの考え方としては、PKOと言われているようなものを政府が具体的に考えているわけではありません。基本的に景気回復を通じた各企業の業績の動向が大事でございますが、大蔵省としましては、市場が本来の機能を発揮する上で必要な環境をどう整備をさせていただくかということだと思っております。  昨年来も、本年に入りましても、投信改革等を実施をし、さらに店頭市場の改革につきましてもさまざまな努力を進めているところでございまして、こういった努力は今後とも引き続き真剣に続けていかなければならないと思います。  市場の動向そのものは、真剣に注視をさせていただくという点でお許しを賜りたいと存じます。

谷口隆義新進党

○谷口委員 時間が参りましたのでこれで終わりたいと思いますが、先ほども申し上げたとおり、金利の状況もだんだん下がっておる、織り込み済みである。最終的に引き下げざるを得ないような状況になって日銀が金利を引き下げたということではなくて、弾力的な対応をお願いいたしたいなというように思うわけでございます。  また、大蔵大臣におかれましても、今おっしゃったように非常に厳しい局面であると思うわけでございまして、今この状況の中で取り扱いを間違いますと非常に大きな汚点を残すようなことになってくるのではないか、非常に厳しい運営をしていかなければいかぬ時期であるというふうに思っておるわけでございます。そういうことで、何か目に見えるような形の行動といいますか方針と申しますか、そういうようなことをやっていただきたい、このようにお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

尾身幸次自由民主党・自由連合

○尾身委員長 次に、佐々木陸海君。

佐々木陸海日本共産党

○佐々木(陸)委員 今度の震災の復興においては、私たちの党としては、被災者の生活の再建ということを本当に土台に据えることが大事だということで、個人の財産の補償というような点も含めて国は全面的に責任を負うべきであるということを主張しております。その立場からすれば、今提案されております法案、十分とは言えないということは言うまでもありませんけれども、復興のために役立つ新しい措置もたくさん盛りまれているものでありまして、基本的には賛成ということであります。その立場から若干の質問をいたします。  本日の朝刊に出ておりますように、国土庁からことしの全国の公示地価、相続税や固定資産税などの課税の基準の基礎になるものが発表されました。ところが、これは被災地に関しては震災発生前の一月一日時点の価格でありまして、震災に遭った阪神地方の公示地価は今の実勢をあらわしておらないということは言うまでもないと思います。  国土庁として震災後の実勢を反映させた公示地価を新たに示す必要があると思いますけれども、いつごろ、どんな形で、どんな基準を発表するつもりなのか、わかっていたら教えていただきたいと思います。

垣内康孝国土庁土地局地価調査課長

○垣内説明員 御説明いたします。  御指摘のように、被災地におきましても被災前の一月一日の地価公示をしたわけでございますけれども、被災後におきましては地価は変わっておるだろうというふうに想定されるわけでございます。  それで、被災後の地価の評価についてですけれども、現在、被災前と同様の市場が存在していない状況でございまして、そういった段階で地価の評価をどのように行うべきかということにつきまして、基本的には不動産鑑定評価基準に従って行われるものでありますけれども、その被災後の取引事例がないという状況の中で、被災前の取引事例を用いて価格を求めるということが必要になってくるわけです。その場合、被災前後で価格形成要因が変化しておりますので、それに伴う価格の修正というようなことが必要になってまいります。したがいまして、そうい、た問題に実務上どのように対応するかということにつきまして、現在評価基準の運用の仕方を検討しているところでございます。  被災後の価格につきまして一般的に公表するかということですけれども、その点につきましては、国土庁の方で短期地価動向調査というのを四半期ごとにやっておりますので、それによって、これは各地点の価格水準そのものを示すものではありませんけれども、地域の価格の変化の動向をお示ししておりまして、そのような形で、これは次回は四月一日時点のものになりますけれども、そのような調査を予定しております。

佐々木陸海日本共産党

○佐々木(陸)委員 この法案にかかわってですけれども、震災以前に受けた相続や贈与を震災以後に申告するものについては、指定地域内の土地等の価額を、相続開始または贈与の日ではなくて、特例として被災直後の価額で行うというふうにしているわけですが、この被災地の路線価はどのような基本的な考え方で算定するのか、その点について国税庁の見解を聞いておきたいと思います。

堀田隆夫国税庁課税部長

○堀田政府委員 先生からただいまお話しございましたような特例を講ずることになっているわけでございます。その価額をどういうふうに算定するのか評価するのかという御質問でございますけれども、土地の評価につきましては、私どもは、路線価というものを毎年一月一日時点を評価時点といたしまして、ただいま国土庁から説明がございました地価公示価格の八割程度というレベルで定めるということにしておりまして、これは納税者の申告の便宜なりあるいは課税の公平という観点からそういう統一的な数字を出しているということでございます。  その数字で例えば相続税の申告をしていただくということであれば、それはそれで結構でございますし、それでは実情に合わないという方は、個別に鑑定評価等によりまして評価して申告をしていただければ結構だ、それが適正であるかどうかというのは審査をさせていただくということで運用をしているわけでございます。  したがいまして、今回の、先生お尋ねの大震災発生直後の価額につきましても、今申しましたスキームでいきますれば、基本的には個別に納税者の方が評価していただく、判断をしていただく、それで申告をしていただくということになるわけでございます。  ただ、この震災の大きさなりあるいは関係する方々が多いという実情から見て、そういった運用で果たして十分かどうか、特例措置の円滑な運用あるいは納税者の申告の便宜あるいは課税の公平ということで、単に個別にやっていただくということだけで十分かどうかというのは問題でございまして、私ども、そこは国土庁のスタンス、お考えも踏まえさせていただきまして、これから勉強させていただきたいと思っております。  今回のこの法律におきまして、特例措置の申告期限が十月末日まで延長されておりますし、若干の時間的な余裕もあるということでございますので、毎年八月に路線価等を発表させていただくわけでございますけれども、そのころまで各般にわたり勉強させていただきたいと考えております。

佐々木陸海日本共産党

○佐々木(陸)委員 本当に被災者の負担の軽減になるように積極的に検討してもらいたいと思います。  そこで、被災地や周辺地域の地価問題について、これは国土庁にちょっと聞いておきたいと思いますが、今後、被災地で住宅や事務所の建設などが進むにつれて、復興需要をはやし立てて、これを新しいもうけの道具にしようとする一部大企業や民間不動産業者による投機的な土地騰貴が発生しかねない、このような復興地上げを起こさないようにすることが非常に大事だと思いますけれども、その対策としてどんなことを考えておられるか、聞いておきたいと思います。

木村誠之国土庁土地局土地政策課長

○木村説明員 お答えいたします。  ただいまお話しございましたように、被災地の復興を進めていく上で、仮にも土地の投機というようなことがあってはならないということで、私ども、被災直後から現地に私どもの担当官が参りまして、地元の県、市等々と十分な打ち合わせを行っております。現在も毎週一回私どもの方から出向きまして、地元の兵庫県あるいは神戸市と打ち合わせを行いながら実態の把握に努めているところでございます。  特に土地取引の動向がどうなっているのかということをつぶさに、また正確に把握する必要がございますので、一つには、土地登記をきちんと見ていくということで法務局の御協力をいただいております。また、土地取引にかかわる金融の動向がどうなっておるのかということで、これも大蔵省の御指導を仰ぎながらいろいろと地元の金融機関からヒアリングをさせていただいております。また、そういった成約に至る前の状況でございましてもいろいろな情報もございますので、地元の不動産鑑定士の方々にネットワークを組んでいただきまして、土地取引の動向あるいはこういう話があるといったうわさを含めまして、地域における実態がどうなっておるのかということをきめ細かく把握する体制を整えております。  いずれにいたしましても、冒頭申しましたとおり、土地投機があってはならないということてございますから、このような地価の上昇を招くことがないように、地元の県、市と十分に連携をとりまして、必要に応じましては監視区域の機動的な指定等、適切な対応を図ってまいりたいと考えております。

佐々木陸海日本共産党

○佐々木(陸)委員 大蔵省としても、金融面等々からもそういう点をきちんと監視していっていただきたいというふうに思います。  震災対策で大蔵省の関連ということになりますと、次は、さきに異例と言われるスピードで成立した来年度予算、これは被災者の意向や希望などを全く入れていない、震災前につくった予算をそのまま通したわけですが、その補正ということになるわけですが、その補正の見通し、そしてまた、内容の基本といった点について、大蔵大臣はどのように考えているのか、お聞きしておきたいと思います。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○武村国務大臣 六年度の第二次補正予算が二月二十八日でございましたし、七年度当初予算は三月二十二日でございました。震災の関係もございまして、早期成立に御協力をいただきましてありがとうございました。目下、この二つの予算への対応に全力を尽くしているところでございます。  当然、震災につきましては今後の対応を残しておりますので、その具体的な作業を進めまして、できるだけ早く国会に新年度の補正予算として提案をさせていただきたいと思っております。  御承知のように、兵庫県あるいは神戸市等におかれては、基本的には三月いっぱいで復興計画のビジョンないしはガイドラインをまとめていこう、六月いっぱいでそれぞれ十カ年の復興計画、基本計画、フェニックスと呼んでおりますが、そうした基本的なプランをまとめていこうということであります。今その作業に大車輪でございますが、そういう震災関係の、地方公共団体の大変な御努力の動向に並行しながら、新年度の第一次補正の取りまとめ作業をさせていただきたいと思っているところでございます。  いずれにしましても、考え方としては、そういう状況が集約できればできるだけ早くという気持ちで対応をさせていただきます。

佐々木陸海日本共産党

○佐々木(陸)委員 余り時間がありませんが、最後に、東京の二つの信用組合の問題についてちょっとお聞きをしておきたいと思います。  きのう大蔵大臣は都知事選挙の第一声で東京の知事候補の応援をしたわけですが、その大蔵大臣が応援をした候補者について、二つの信用組合支援の都の三百億円融資削除、これの復活の可能性があるのではないかということに対して、公明新聞によりますと、そんなことは絶対にあり得ない、その点では、都議会公明の藤井代表の言葉ですが、候補者に確認した際、再提出はしませんと明言していますというふうに言っているのです。  つまり、この二つの信用組合の問題で、大臣も責任を持って決めた処理方針に対して、その処理方針の中では東京都が三百億円出資するということも重要な一つの要素になっていたはずですが、それをやりませんと言う候補者を推すということは、自分の決めたことを破棄するにも等しいことにもなりかねないのですが、その点について、大臣、どう考えます。こういうことを言っているということは御承知でしょうか。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○武村国務大臣 承りましたが、真偽のほどは私どもはまだ確認はできておりません。  今日までの都議会五会派、それには公明党も入っておられますが、五会派は文書で声明を発表されておりまして、その声明では、都のこの問題に対する監督、指導責任は重いということは明言されておりますし、また金融不安とかあるいは預金者保護とかいう問題についても、東京都は十分な責任を果たさなければならないということがうたわれているわけであります。  そういう意味で、どの候補にしましても、都知事に就任されますれば都の責任というものはそれなりにきちっと認識をいただけるものと思っておりますし、そういう前提でこの問題に対しても御理解がいただけるものだというふうに私は期待をいたしているところであります。

佐々木陸海日本共産党

○佐々木(陸)委員 わかりました。  公明新聞が書いていることについては御承知していないということですけれども、ここではこういう三百億円というのは再提出しないというふうに確約しているということを書いてありますので、その辺をちゃんと私の方としても見守っていきたいと思いますし、そういう大きな矛盾があるということを指摘して、質問を終わりたいと思います。

尾身幸次自由民主党・自由連合

○尾身委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————

尾身幸次自由民主党・自由連合

○尾身委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。  阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

尾身幸次自由民主党・自由連合

○尾身委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  お諮りいたします。  ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

尾身幸次自由民主党・自由連合

○尾身委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

尾身幸次自由民主党・自由連合

○尾身委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時十一分散会      ————◇—————

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