大蔵委員会 第5号
- 発言数
- 221 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1995/02/21
会議録
○尾身委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、平成七年度における財政運営のための国債整理基金に充てるべき資金の繰入れの特例等に関する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。村井仁君。
○村井委員 平成七年度における財政運営のための国債整理基金に充てるべき資金の繰入れの特例等に関する法律案、大変長い名前の法律案でありますが、これ私、やりくり法案と呼びましたら、それだけは勘弁してくれ、繰り入れ法案と呼んでくれ、こう大蔵省のさる方からお言葉がありましたけれども、これ少し勉強してみますと、本当にやりくり法案なんだなということがわかる。 基本的に、普通の国民の目からしますと、大蔵省というのは物すごい手品師でありまして、ともかく金がない、金がないという話はさんざん我々聞かされるわけでありますが、次から次へとやりくりをして、大変金遣いが荒い亭主にまあ何とか不自由させないやりくり上手のおかみさん、こういう風情でありまして、しかし、国民の立場からしますと、やりくり大変だと言いながら、使ってしまえばそれなりに後始末してもらえるという安心感がありまして、多少浪費しても大丈夫だろうということになる。加えて、困れば、天下の秀才集う集団がまた次の知恵を絞ってくれる、こういうことになります。 過去何年かのやりくり法案を、私、あえてやりくり法案と言うんですが見てみますと、知恵は泉のごとくわいてくる、こういう感じがいたしまして、何とも心強い限りであるわけでありますが、そんなことをちょっと申し上げた上で、過去の類例との関連で少し御質問をさせていただきたい。大変事務的な話ばかりでありますから、基本的に政府委員の答弁で結構であります。 まず、今度提出されております法律案を見ますと、いわゆる決算調整資金の繰り戻しの延期というのが入っております。 平成五年度の決算不足を七年までに返すということで組まれていたものをさらに八年まで延ばすという、これは大変な政策変更ではないか。これは私、ある意味では前代未聞なんだと思うんですね。過去、決調資金への繰り入れというのは二回ですか、比較的近年の場合で、私どもやっている。それが返せなくて、それでさらに延ばすということになるのは、これは大変な政策変更。いつまで一体延ばすことが認められるのか、その辺のところを含めて答弁をいただきたい。
○伏屋政府委員 お答え申し上げます。 決算調整資金制度は、年度末間際あるいは年度経過後に、決算上の不足を生じた場合に備えまして、そのような事態が生じた場合に資金からその不足を補てんする制度として、昭和五十二年度に創設されたものでございます。 この決算調整資金の現在高のみでは不足を補てんし切れない場合に備えまして、当分の間の措置として、国債整理基金から決算調整資金に繰り入れを行うこととされておりまして、この繰り入れを行った場合には、その繰入相当額をその日の属する年度の翌年度までに、一般会計から資金を通じて国債整理基金に繰り戻さなければならないこととされているわけでございます。 このような規定に従いますと、平成五年度の決算上の不足に係る国債整理基金からの繰入相当額につきましては、七年度においてこれを繰り戻すことが必要であるわけでございます。委員御指摘のように、過去二回はそれぞれの規定に従って繰り戻したわけでございます。今回は、七年度予算におきまして特例公債の発行を回避するためのぎりぎりの措置として、やむを得ずこの繰り戻しを八年度まで延期することとしたところでございますので、御理解いただきたいと思います。
○村井委員 後でまた申し上げますけれども、特例公債の発行を回避するためにぎりぎりのことをしたと言っても、やはり、返せないという状態が起きて、延ばしているという現実は変わりないのですね。ですから、そういう意味では、これは俗に言う隠れ借金という形になっている。この隠れ借金の議論、これまた後で少し申し上げたいと思います。 もう一つ、ことしのやりくり法で非常に特徴的なのは、去年、NTTのBタイプ貸付金につきましては全部償還させた、そしてそれをたしか建設国債を出して埋めるという、ことしのA、Cと同じような処置をした。こっちは、私は、そもそもNTT-Bタイプというのを出したときに、その償還時においては国がちゃんと補助金で面倒を見るのだ、こういう仕掛けになっていたのだから、これはこれで一つの筋はあったのだと思うのです。 しかしながら、問題は、今度のA、Cというのは、両方ともそれなりに利益を得てそれで資金が還流する、簡単に言えばもうかるはずの金だったわけですね。ところが、これを全部償還させて、そして建設国債で埋める、こういう話になっていて、そもそも繰り上げ償還も予定していなかった。予想以上に財政が悪くなったといえばそれまでの話だけれども、これはまた大変な政策変換だと私は思うのですね。 この辺、よくここまで大変な決断というか工夫をしたものだと思うのですけれども、これについてちょっとコメントしてください。
○伏屋政府委員 お答え申し上げます。 今のNTT-Bタイプにつきましては、委員御指摘のように、もともと償還時には補助金が交付される仕組みとなっておりまして、したがって、繰り上げ償還を行ってもその債務者にとっては不利益にならない仕組みになっていたわけでございます。そのような仕組みを前提に、先ほど言われましたように、あらかじめ繰り上げ償還の規定が設けられていたところでございます。 他方、A、Cタイプにつきましては、今言われましたように、償還によってすべてが完了する仕組みであることから、単に繰り上げ償還をすれば これは債務者にとって不利益となる仕組みであるわけでございます。したがって、あらかじめ繰り上げ償還の規定も設けられておらなかったわけで、そのような意味ではBタイプとは異なる規定ぶりであったわけでございます。御指摘のとおりでございます。 そもそもNTTの株式売り払い収入は、国民共通の資産は国民共通の負債に充てるべきとの基本的な考え方に従いまして、国債の償還財源に充てるべきものとして位置づけられております。現行のNTT事業スキームは、この基本原則は維持しつつ、国債整理基金の運営に支障の生じない範囲内でその一部を活用して社会資本の整備を図ることとしているものである。 そういう制度本来の趣旨に照らしまして、この際、A、Cタイプにつきましても、債務者に不利益とならないような手当てを講じた上でその貸付金の繰り上げ償還を行うこととするわけでございますが、やはり特例公債の発行を回避するための措置ということで御理解いただきたいと思うわけでございます。
○村井委員 特例公債は発行しないが、何かひねってひねって、建設国債にともかくはめ込めば何とかなる、物すごいアクロバットをやっているわけですね。 そして、NTTの株式売上代金の活用というのは、私もいろいろ思い出がありますけれども、あのときは大変鳴り物入りで持ち出された。しかし、何だかんだ言っても、国民の非常に貴重な財産だったと思うのですけれども、それなりに使われでそれなりの効果はあったかもしれないが、結局最後は建設国債という形でしりをぬぐわなければならないようなことになってしまっている。この現実というのは、私は非常に大きいと思うのですね。 時間も余りありませんから、次に国債整理基金の問題、これについて少し伺いたい。 国債整理基金の定率繰り入れの特例、これは昭和五十七年度から平成元年度まで八年間過去やった経過がある。この始末は一体どうなっているのか。バブルで税収がふえたときにこれをまた埋め戻すというようなことをやったのかどうか。今度は三年度連続やっているわけですけれども、この結果、国債整理基金はどんな状態になっているのか、基金残高はどんなふうになっているのか。このあたり、かいつまんで御説明いただけますか。
○田波政府委員 国債整理基金の基金残高についてのお尋ねでございます。 各年の残高をまず申し上げましょうか。委員御指摘のように、五十七年度から平成元年度まで停止してございますけれども、各年度末の残高を千億単位で申し上げますと、五十七年度は三兆一千億、五十八年度は二兆八千億、五十九年度は二兆三千億、六十年度は一兆三千億、六十一年度は一兆九千億、六十二年度は四兆四千億、六十三年度は四兆三千億、元年度は一兆八千億となっております。 その後、繰り入れを復活したわけでございますが、二年度は一兆三千億、三年度は二兆七千億、四年度は二兆八千億ということになっております。 五年度以降、定率繰り入れ等を停止しておりますけれども、五年度末で二兆九千億、六年度末の見込みは約三兆二千億、七年度の見込みは一兆六千億というふうになっておるところでございます。
○村井委員 大変厳しい状況になっていて、また底をつきそうな状態になっている、こういうことですね。 定率繰り入れ等の停止につきましては国債の償還に支障が生じない範囲で行う、こういう説明をしてきているのですが、支障が生ずる残高というのはどの程度なんですかわ。それから、七年度末の基金残高、これは一兆六千億という御説明が今ございましたけれども、これは支障が生ずる状態に非常に近い、こう見るべきなんじゃありませんか。そこをちょっとお聞きしたい。
○田波政府委員 国債の償還に支障が生ずる残高いかんという大変難しい御質問でございますけれども、具体的に幾らかということについては、私ども、その時々の発行市場の状況でありますとか、あるいは時々に満期となる国債がどのくらいあるか、その償還の時期がどうなるのか、いろいろな要因によって左右されるところでございまして、金額で幾らということを申し上げるのは大変難しいということについては御理解をいただきたいと思います。 七年度末でございますけれども、先ほど来の御議論のように基金への定率繰り入れ等が停止されることになるわけでございますけれども、これもまた委員御指摘のありましたように、そういった基金の運営に支障が生じることのないように、NTTの無利子貸付金の繰り上げ償還を一兆一千億予定しているところでございまして、私どもとしては、これで運営が行われるということについて特に支障がないというふうに確信をしておるところでございます。
○村井委員 事実確認だけですが、済みません、もう一つ。 今の一兆六千億というのは、七年度末の一兆六千億という国債整理基金残高というのは、この一兆一千億を加えてそうなる、こういうことでございますね。事実確認だけで結構です。そうですね。要するに、NTTの償還を入れてということですね。
○田波政府委員 おっしゃるとおりでございます。
○村井委員 ですから、それをやらなければ五千億なんかにもなっている、こういう状態なんですね。これは、本当は大変なことなんですね。 それはそれとして、もう一つ。 過去の停止額。これはことし国債整理基金への繰り入れを停止するということをやるわけですが、こういったことを過去八年やった。今度でまた三年間連続でやる。こういったことをやった累計額というのは、大体どのくらいになるものなんですか。
○伏屋政府委員 この定率繰り入れ等の停止につきましては、NTT株式売却益等によりまして、現行償還ルールによる償還に支障を生じないと見込まれる状況を踏まえて行ったものであります。したがって、その停止相当額を、過去もやってきているわけですが、一般会計からそのまま国債整理基金特金に繰り入れなければならないという性格のものではないと考えておりますので、累計すること自体はそれぞれ問題があるかと思いますが、委員の御質問で言われましたので、あえてその過去の停止額を単純に合計いたしますと、約二十五兆円となるわけでございます。それでよろしいですか。
○村井委員 そうすると、八年度におきましてその後始末を何らかの形でやる必要というのは、これはあるのですかないのですか、その点だけちょっと追加して聞かせてください。
○伏屋政府委員 八年度の予算編成につきまして現段階で具体的なことを申し上げることはできませんが、いずれにいたしましても、先ほどから委員が御指摘いただいているように、我が国の財政は構造的にますます厳しさを増していくわけでございます。歳出歳入両面にわたりまして、やはり一層努力していかなければなりません。そうした中にありまして、引き続き国債整理基金の運営には支障が生じないように対応してまいりたいと考えております。
○村井委員 次に、いわゆる一般会計承継債務、交付税特会からの承継だとか、それから国鉄からの承継債務、それから国鉄清算事業団からの承継債務、これの償還の特例、これが四年連続になっていますね。これの累積額、それから将来これの始末をどうするのか、どんなふうに処理していくおつもりなのか、この点について聞かせてください。
○伏屋政府委員 御指摘のように、一般会計承継債務等につきましては、平成七年度予算においても、四年度、五年度、六年度に引き続きまして、七年度の元金の償還を延期することとしたところでございます。 御指摘の四年度から七年度における一般会計承継債務等の償還の延期の累計額は、約二兆八千億円になるわけでございます。この償還を延期した分につきましては、十年以内に償還する。ただし、その場合五年以内の据置期間を含むわけでございますが、これをそれぞれ各年度の特例法で規定しておりまして、今後これに沿って償還してまいる所存でございます。
○村井委員 これもまた後で。 ちょっと最後に、包括的に申し上げたいと思いますけれども、償還したいということで、この規定だけはできていますけれども、償還できるような経済状態になるのか、税収その他の国の収入がふえていくのか、私ども実際これを見ておりますと、非常に不安を禁じ得ないということだけ一言申し上げておきます。 あと、厚生保険特別会計、それから国民年金勘定への繰り入れをとめるとか、それから自賠責再保険特会への繰り入れをとめるとか、いろいろやっているわけです。自賠責再保険特会からは、これは入れる方ですか。こういった措置をとっているわけですけれども、それぞれ過去やりました、例えば平成元年度まで厚生保険特会への繰り入れの特例を措置しているわけですね、この始末をどんなふうにしたのか。それから国民年金勘定に繰り入れないで済むようにしたわけですけれども、こういったものの始末。それから雇用保険なんかの対応。それから自賠責なんかについては、私はもう一つ、本当は自賠責の料率を引き下げるというようなことも考えるべきだと思うのですね、余裕があるならば。 というようなことも含めて、こういった特会との関連につきまして、包括的で結構ですから、どんなふうな対応をされるおつもりなのか伺わせてください。
○伏屋政府委員 御指摘の点は、今まで過去に行ってきた措置をどういうぐあいに処理してきたかということかと思います。 各年度の予算編成において講じてまいりました特例的な歳出削減措置等につきましては、それぞれの制度、施策をめぐります状況や考え方を踏まえまして、これまでも返済や見合い財源の確保等、その処理に努めてきたところでございます。 例えば、今委員が言われました厚生年金国庫負担金の繰り入れの特例につきましては、昭和五十七年度から昭和六十年度分につきまして、一兆三千六百二十五億円を六十二年度補正予算で繰り戻しを行いましたし、六十一年度から平成元年度分につきましては、平成元年度補正予算で厚生保険特会に一兆五千億円を繰り入れまして、返済見合い財源を確保しております。 また、自賠責の点につきましては、五十八年度における自賠責特会からの受け入れにつきましては、昭和六十一年から六十二年の間にこれは繰り戻しを済んでおるわけでございます。 今後におきましても、それぞれの制度、施策をめぐる状況や、これまでの考え方、さらに国の財政事情等を踏まえながら適切に対応していく必要があると考えております。
○村井委員 もう一つ、具体的な話で、外為特会、これはことしは六千三百億円外為特金から繰り入れるほかに、三千五百億円の繰り入れをやっておる。これは平成二年度以来の出来事、こう説明を私ども受けておるわけでありますけれども、平成二年の湾岸のときにやった。 事情をよく聞いてみると、平成七年度外為特会の見込み収益をいわば先食いして、それでこの三千五百億円というのをともかくひねり出している、こういうふうな事情を聞いています。そうすると、平成八年度の予算では、今度は外為特会から当然繰り入れて使えるはずの金がもうなくなってしまう。寄ってみれば、先食いしてしまっている、こういうことなのじゃないかと思うのですが、この点どうなのですか。
○伏屋政府委員 御指摘のように、七年度の一般会計予算の税外収入確保のために、外国為替資金特別会計におきます、まずは六年度利益の大宗を六千億余り一般会計へ繰り入れることとしまして、さらに、委員今言われましたように、これに加えまして、これからの進行年度である七年度における外為特会の利益見込みの一部三千五百億円についてもあわせて繰り入れることとしておるわけで、その意味での特例的な繰り入れを今回御審議をお願いしているところでございます。 この特例的な繰り入れ措置は、この外為特会が、内外の金利差を背景といたしまして、七年度において一時的に通常を上回る利益が発生すると見込まれることから、また現下の財政事情を勘案いたしまして、臨時異例の措置として行うものでございます。やはり、七年度予算における特例公債発行を回避するためのやむを得ざる措置として御理解いただきたいわけでございます。 それで、委員今言われました、八年度以降どうなるかということでございます。これは、先ほどもお答えしましたが、来年度以降の予算編成については現段階でまだ具体的に申し上げることはできないわけでございますが、やはりこういう点も踏まえまして、歳出とか税外収入等歳入面におきましてあらゆる努力を傾注して一層財政改革を推進していかなければならないということであると思います。
○村井委員 今度のこのやりくり法案の結果、要するに実際のやりくりの額というのはたしか約六兆円くらいになる、六兆弱、こういう額になるはずでありますけれども、実際に国債としてあらわれる額というのはNTTの借りかえのための一兆一千億だけということでありまして、そういう意味では、国民にある意味ではわかりやすい数字として出てくる日本の国債の額は、平成七年度終わった時点で二百十二兆とか二百十三兆とか、そういうタームでいいますと、実際には、もしこういったやりくりをここ数年でもやらなかったとしたら日本の国債はどのくらいになっているのか。これは非常に計算が、ある意味では難しい、仮定条件がいろいろあるでしょうから。ですけれども、やらなかったとしたらどのぐらいになっているか、これをちょっと教えてくれませんか。
○伏屋政府委員 お答え申し上げます。 平成五年以来のいわゆる繰り入れ特例法等で行ってきましたものを仮にやらなかった場合に、公債残高がどれだけになっていたかということでございます。 まさに委員が今おっしゃいましたように、これは非常に難しい問題でございまして、例えば、先ほどからも出ております定率繰り入れ等の停止についていいますと、仮にこれを行わなかった場合には、今度逆にNTTの無利子貸し付けの繰り上げ償還に伴う建設公債の発行が必ずしも必要じゃなかったというようなことがございまして、ちょっとこの残高がどれだけになったかということは申し上げることは難しいということで御理解いただきたいと思います。
○村井委員 ただ、少なくとも、NTTの処理のために出した国債、それは出したり入れたりで減るんでしょうが、しかしやりくりをしないで済ませた分を乗せていけば、やりくり法案で対応しなかった分を乗せていけば、ある仮の数字というのがラウンドでは出るんじゃないですか。
○伏屋政府委員 先ほど申し上げましたようななかなか難しい事情ではございますが、今あえてまた委員の御質問で、仮に一方で五年度以来この繰り入れ特例法を行わなかった場合、それぞれ五年度は三兆九千億、六年度五兆、七年度六兆ということでございますので、単純に合計いたしますと、これは合計約十四兆八千億になるわけでございます。 他方、今委員が言われましたように、NTTの無利子貸し付けの繰り上げ償還に伴う建設公債の発行額、これは五年度二兆五千、六年度二兆三千、七年度一兆一千でございますから、合計いたしますと約五兆九千ということになる。一方が十四兆八千億、こちらが五兆九千億ということになるわけでございます。
○村井委員 非常にそれは技術的に複雑な問題になるからあれですが、ここで約九兆円くらいのものはさらに乗っかっている、こう思った方がいいんですね。 私は、一番問題なのは、要するに、俗に隠れ借金と呼ばれる形で、国民の目から見て透明度が大変少ない形になってしまっている。皆さんの立場からいえば、法律で、国会の審議を受けて、そして正々堂々と繰り入れをしているんだから、決してやりくりではない、こういう御主張になるんでしょうけれども、公然たる調整である、こういうふうにおっしゃるのかもしれないが、私は、こういうことをやっていると、国民に国の財政の実態というのが非常にわかりにくくなって、国民の危機意識というのが、冒頭申し上げたように薄くなると思うんですね。そこが私は非常に問題だと思うんです。この繰り入れ法案というものの大きな問題点。 私はあえてやりくり法案、こういうふうに言うわけでありますけれども、こういったことをいつまでもやっていますと、国民はいつまでも大蔵省のお役人の頭のいいマジックが、十分にこれからも我々面倒を見てもらえる、こういう過剰な期待を持つおそれがある。 私は今の質疑を通じまして、国の国債というのは、平成七年度末二百十二、三兆円というようなレベルではなくて、少なくともここ数年間のものを加えるだけでも二百二十兆をはるかに超える、あるいはその前の国債整理基金への繰り入れ停止というものまで加えればもっと恐ろしいことになっているという実態。これは私はもっと正確に、できるだけ努力して、国民の目にわかるようにしてほしいという要望を申し上げて質問を終わります。 ありがとうございました。
○尾身委員長 次は、佐々木陸海君。
○佐々木(陸)委員 私もやりくり法案という言葉を使わせてもらいますが、やりくり法案は震災対策を全く盛り込んでいない九五年度予算の歳入にかかわる問題であるという根本問題を持っているわけですけれども、その問題についてはきょうはわきに置いて、また九つのやりくりの措置を一つ一つ質問する時間もありませんので、二、三の問題についてお聞きしたいと思います。 最初に、国債の償還財源のための国債整理基金の財政状況についてであります。 基金の残高は、予算案では、九四年度の三兆一千七百三十五億円が一兆五千億円以上減って、九五年度末には一兆六千二百八十四億円になるというふうに書かれております。九三年度の決算上の不足額五千六百六十三億円は繰り戻しの延期措置、これが今提案されたものに入っていますが、実際には来年度は国債整理基金には入らない。だから、これを差し引けば実際の残高は一・一兆円程度になる。 さらに、この基金の計算でいきますと、証券市況との関係からこの五年間やれなかったNTT政府株の五十万株売却、あるいは今年度、不況で売れ残ったJT政府株約二十七万株、こういうものをこれから売却したそのお金が入ってくるという計算になっているんじゃないかと思うんですが、このNTT株それからJT株、これから売る収入をどのように見積もっているのか、それぞれについてちょっと説明してください。
○田波政府委員 御質問の、一・六兆円の中に株式の売却収入の見込み額がどのくらい入っているかということでございますけれども、その中には、六年度のNTT株式の売却予定額の三千四百六億、それから七年度に予算計上をいたしておりますところのJT株式の売却益の二千五十一億、それからNTTの株式の売却益の三千三百二十億が含まれておるところでございます。
○佐々木(陸)委員 九四年度、今年度にNTT株を二十五万株売る。そして三千四百億円くらいですか入ってくるということになるわけですが、ことしは、今年度はもう一カ月半残すばかり、これがやれるのかどうなのか。あるいは九五年度のNTT、JTとも本当にこの計画どおり売れるのかという問題があると思いますが、その辺の見通し、どうですか。
○田波政府委員 この点につきましては、現下の証券市場の問題、あるいはこれからその市場がどのような転換を見せていくか、いろいろな要因があるとは思いますけれども、私どもといたしましては、予算に計上された株式の売却が実現できるよう、できるだけの努力をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○佐々木(陸)委員 もちろん、まさに市場次第でありまして、先ほどの説明でも、合計するとこれが八千八百億円くらいになるんですか、ということになるわけですから、全部入らないということはないでしょうけれども、極端な例を言って、この不安定なものが全部入らなければ、さっき言いましたように一・一兆円の中からまたこの八千億を引けば、残高は二千億円程度にしかならない。事実、この一月の新聞などでも、九五年度末の国債整理基金は「残高二千億円に減少も」というような記事も出ておりますし、残高ゼロの危機というようなことも言われているわけであります。 基金残高はその運営のためにある程度の余裕を持っていなければならないとされて、国会の答弁では、例えば八七年の答弁ですと、約一兆円程度の残高が必要だと言われていたわけですが、実際にはそれをも割り込むことになるんではないかということを思うんですが、いかがでしょうか。
○田波政府委員 七年度末の基金残高は、先ほど申しましたように一・六兆円を見込んでおるところでございます。その中に株式の売却収入が含まれていることは事実でございますけれども、先ほどの繰り返しになりますけれども、私どもといたしましては、証券市場の動向を見きわめながら、その売却について可能な限りの努力を尽くしていきたいというふうに考えておるところでございます。
○佐々木(陸)委員 定率繰り入れの停止とか、あるいは決算調整資金への返済先送りとか、本来整理基金に繰り入れるべき措置をとらない結果、整理基金というのは本当にピンチに陥っている。さらに、九四年度第二次補正で多額の国債を発行せざるを得ないという状況のもとで、こういうやりくりの手法というのは本当に今限界に達しているんじゃないか、やはりもっと抜本的な打開策が求められているんじゃないかと思いますが、その辺について、大臣の認識をお聞きしたいと思います。
○武村国務大臣 先ほどの村井議員の御意見も含めまして、おっしゃるとおりこういう特例措置は、大変庫大な財政でありさまざまな仕組みが存在する中で、毎年度ある程度のやりくりといいますか、会計問の交流、資金的な交流はあっても仕方がないと思うのでありますが、しかし、今回御提案をいたしておりますような状況というのは、まさにやりくりと言われてもこれを否定する必要はないぐらい、特例公債を出さないという一つの基本を堅持をしている中での対応でありますが、そういう状況になってきております。国債高そのものが大変大きくなっている状況の中で、こういう特例措置を毎年とらなければならないという事態を、財政の責任者としましても大変責任を感じている次第であります。 ただ、それならもうすっきり公債にしたらどうかという御主張もあるわけでありますが、特例公債を出さないという基本があるだけでなしに、こういう特例措置というのは財政の中のやりくり、まさにやりくりでありますし、それぞれ一定の期間でそのやりくり、特に繰り入れ停止とか繰り延べとか、あるいは繰り戻しとか、そういうさまざまな表現を使っておりますが、一定期間の中で処理をしていくという決意を片方で示しているということも御理解をいただきたいのであります。国債よりは短期の中でこのやりくり算段の処置を解消していくという気持ちがこういう仕組みに表現されているという点もぜひ御理解をいただきたいと思うのであります。
○佐々木(陸)委員 国債償還のための制度、基本が、基本自体が率直に言ってピンチに陥っているんではないかということを言わざるを得ないと思うんです。 それとの関連で、NTTの関連事業の問題についてちょっと聞きます。 八五年の国債整理基金特別会計法では、NTT株の売却利益はまず国債の償還財源に充てられるべきことが定められたわけですが、わずかその二年後に、国債償還に必要な資金を差し引いた余裕金を一時的に流用して社会資本整備のために使うのだということで、NTT株関連の無利子融資事業が始められたということなんです。 先ほどもちょっと説明がありましたが、この事業というのは、国債整理基金の円滑な運営に支障の生じない範囲でやるんだということが最初からはっきりされていたはずですし、それだけでなくて、建設国債の増発を可能な限り抑制するという趣旨でやられるはずだったのではなかったでしょうか。そう理解しておりますが、いかがでしょうか。
○伏屋政府委員 お答え申し上げます。 NTT株式売り払い収入は、国民共通の資産は国民共通の負債に充てるべきものとの考え方に従いまして、今委員が言われましたように、国債の償還財源に充てるべきものとして位置づけられておるわけでございます。 一方、現行の社会資本整備に係る、いわゆるNTT事業に係るスキームは、この基本原則は維持しつつ、国債の償還等、国債整理基金の運営に支障の生じない範囲内で、その一部を活用して社会資本整備を図るという基本的な仕組みでございます。
○佐々木(陸)委員 当時の趣旨説明の中に、「建設国債の増発を可能な限り抑制するよう工夫したものだという説明がはっきりあったと思いますが、間違いありませんね。
○伏屋政府委員 その当時の説明、ちょっと私、今手元にございませんのでお許しいただきたいのでございますが、先ほど委員も言われましたように、運営に支障を生じない範囲内で、その一部を活用して社会資本整備を図るという考え方であるわけでございます。
○佐々木(陸)委員 よく覚えてないなんていうんじゃ困るんですが、八七年の七月二十八日の大蔵委員会でこの問題が論議されたときに、宮澤大蔵大臣が、「これは、厳しい財政事情のもとで、建設国債の増発を可能な限り抑制するよう工夫したもの」だという説明をしているわけです。 我が党は、この制度が創設されたときから、定率繰り入れが当時連続停止されていた状況に照らして、とてもその償還財源に余裕があるという状況ではない、しかもこれが出される先が、貸し付けられる先が主として大企業向けになっているとして、この制度の創設に反対をしました。さらに、一回こういう制度をつくってしまうと、既得権化してしまって、そのお金が尽きても事業を続けなければならなくなって、その金をどこかから出し続けなければならなくなってしまうということの警告も発してきました。 その後の事態は、まさにその警告どおりになっているんじゃないかということを言わざるを得ないんです。株の売却収入は八八年度で途切れて、Bタイプは既に九二年度から、一般会計から一兆円を超える建設国債を毎年発行して賄うことになってしまい、これは来年度が四年目になるわけですね。さらに、九三、九四年度のBタイプは、繰り上げ償還で四兆七千億円余りの建設国債の増発。その上、今回のA、Cタイプの繰り上げ償還のために一兆一千億円余の建設国債の増発ということになってくるわけです。この問のNTT株関連事業に関連して増発した建設国債はそれぞれ幾らで、合計どうなりますか。概算で結構ですよ。
○伏屋政府委員 お答え申し上げます。 今言われましたこれらの措置に伴います建設公債の発行額は、二種類ございまして、一つは繰り上げ償還に伴う建設公債の発行が、先ほども答弁させていただきましたが、五年度二兆五千億、六年度二兆三千億、七年度一兆一千億でございます。いま一つは、今委員まさに言われました、既存の事業を続けるための財源を一般財源として建設公債に求めておりますので、それは一兆余りを毎年発行してきているということで、その両方を品さなければならないということでございます。
○佐々木(陸)委員 要するに、この制度が発足して以来、これにかかわって十兆円を超える建設国債が発行されているという事態になっているわけですね。一番最初、制度の発足のときに、建設国債の増発を可能な限り抑制するよう工夫したということで出発したはずなんですけれども、今では、建設国債がこんなふうになってしまって、一般会計、財政の足を引っ張り、財政危機を深めるような事態にさえこの事業がなっている。 また、創設当初、政府は、Bタイプの繰り上げ償還に関連して、だれにも迷惑はかけないものだなどと言ったのですけれども、結局赤字国債と同様に、利子を含めて将来の国民負担を増大させる、逆に国民みんなに迷惑をかけるようになっているということだろうと思うのです。 ですから、NTT株の関連事業のあり方は、本来の趣旨に立ち返って、今本当に根本的に再検討する必要があるのじゃないかということについて、この問題について最後に大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○伏屋政府委員 お答えさせていただきますが、今委員の御指摘の、事業そのものの点でございますが、このNTT株式を活用いたしました無利子貸付事業は、NTT株式の売り払い収入に着目いたしまして、支障の生じない範囲内での活用ということで、社会資本整備を推進していくための重要なスキームとしてこれまでも有効に機能してきたところでございます。したがって、今後ともこのスキームは必要かつ重要なものとして機能が期待されるところでございます。 他方、近年、NTTの株式売却が不調であること等を背景といたしまして、先ほど言われましたように国債整理基金の運営は必ずしも余裕があるといった状況ではございませんが、先ほど理財局長からも答弁がありましたように、今後基金が保有しております株式の売却も期待されること等も踏まえますと、やはりこの無利子貸付事業を直ちに廃止ということは適当ではないと考えておりますので、御理解いただきたいと思います。
○佐々木(陸)委員 御理解をいただきたいというふうに言うのですけれども、しかし、当初想定したものとは全然違って、早く償還させたり、そしてそれを建設国債で置きかえたりという、もう本当に破綻だらけで来ているわけでして、これ以上これを続けていくというようなものではないし、当初我々が主張したとおり、NTT株の売却益などはきちんと国債の償還に充てていくということに当然すべきだろうということを申し上げておきたいと思うのです。 A、Cタイプの繰り上げ償還措置についてちょっと聞いておきますが、今回わざわざ法的措置までとって繰り上げ償還をしようとしているけれども、当初繰り上げ償還を予定していなかった理由はどこにあったのか。そもそもA、Cタイプは繰り上げ償還の対象になる事業ではなかったからということではないのでしょうか。
○伏屋政府委員 お答え申し上げます。 A、Cタイプの貸付金につきましては、今言われましたBタイプはもともと償還時には補助金が交付される仕組みとなっているわけでございますが、A、Cタイプはそれとは異なりまして、償還によってすべてが完了する仕組みであることから、単に繰り上げ償還のみを行いますと債務者にとって不利益となる仕組みでありまして、したがって、あらかじめ繰り上げ償還の規定も設けられていなかったわけでございます。 その意味では、あらかじめ繰り上げ償還の規定が設けられていましたBタイプとはやはり規定ぶりが異なるものであるということは御指摘のとおりでございます。よろしいでしょうか。
○佐々木(陸)委員 建設国債の関係で、ちょっと別の問題になりますがお聞きしたいと思うのですが、去る一月二十七日の衆議院の予算委員会で、自由民主党の政調金長でしたかの質問の中で、四条公債の使い方という問題に関して、今度与党三党の主張で、最後の段階で大蔵省の御理解も得て、平成八年から基礎研究を四条公債の対象にしよう、しかしいかなる注ぎ込み方をするかは、これは大切なことだから一年勉強しよう、調査費を五百四十万円科学技術庁に計上する、そういうことで今度決まりましたということを言っているのです。 大蔵大臣にお聞きするのですが、大蔵省は基礎研究に四条公債を使ってもいいという理解をしておられるのでしょうか。
○伏屋政府委員 お答え申し上げます。 基礎研究の一層の充実につきましては、科学技術の振興を図る上での重要な課題であるとして、かねてから各方面から御指摘いただいているところでございます。財政当局といたしましても、基礎研究の充実の必要性については十分認識しているところでございます。 このため、委員から御指摘ありましたが、七年度予算におきまして基礎研究推進のための既存の各種施策についていろいろ拡充を図ったところではございますが、これに加えまして、一層の充実強化を図るためにどのような施策をとり得るかにつきまして、研究法人に対する出資金の活用を中心としまして勉強するために、新たに科学技術庁に調査費五百四十万円、基礎研究充実のための出資金の活用方策に関する調査費として計上することとしたところでございます。
○佐々木(陸)委員 もちろん必要な基礎研究に手厚い予算措置をするということについて我々は反対ではありませんけれども、しかし、研究開発や情報通信、教育にかかわる事業の経費は将来への先行投資だということで予算配分を手厚くするために、対象となる施設の整備費などにとどまらず、人件費なども含めた経常経費についても建設国債の発行対象にじょう、公共性の美名のもとに、新社金資本とかなんとかいうことで、その財源対策のためにも国債発行をするのだ、国債の発行を野方図に拡大するというようなことは到底許されないことだと思うのです。 つまり、そういう研究に予算措置をするということは、財政法の根本をゆがめるということとは全然別の問題でなければならないはずで、こういう問題で、現行の財政法の改正や勝手な解釈につながるようなやり方は財政当局としてとるべきではないと思うのですけれども、そこについてはどう考えておられるのか伺っておきたいと思うのです。
○伏屋政府委員 先ほど調査費の計上を申し上げたわけでございます。これは、七年度予算でございますので、どのような方策を講ずるべきかにつきましては、まずこれから七年度予算の執行という意味で、七年度に入りましてから、各省庁の研究所における研究の実態やニーズ等を把握するのを初め、広く調査をするという予算でございます。したがって、幅広く調査検討を行った上で決められるべき内答ということをまず御理解いただきたいわけでございます。 今委員の御指摘の出資金は、そもそもこれは利益配当請求権とか残余財産分配請求権等の出資による権利が確保されたいわゆる資本的支出ということで、財政法四条の公債の対象経費になっております。 人件費の御指摘がありましたのですが、現在科学技術庁の法人につきましては、原則として研究開発費は出資金によって、一般管理費は補助金によって賄われているわけでございます。そういう大きな考え方の中で、この問題はまたどう検討が進むか、とらえていくか、今後その検討を待って適切に対応したいと思っておるわけでございます。
○佐々木(陸)委員 九三年の三月三十日の参議院の予算委員会で、当時の林義郎大蔵大臣は、私どもの立場といたしましては、財政法をこの問題で改正いたしましたり財政法の解釈を勝手に変えたりなんかするというようなことは考えていないというふうに答弁しているのですが、これは変わりないわけですね。
○伏屋政府委員 お答え申し上げます。 財政法四条の考え方につきまして、私ども、現在変えることは考えていないということでございます。
○佐々木(陸)委員 最後になります。 五年前に、九五年度までに国債依存度を五%未満にするという新目標を立てましたが、昨年あえなく断念して九九年度までにしましたけれども、今回また一年延ばして二〇〇〇年度までにした。これも到底現実的とは思えないのが今の実情だろうと思うのですが、その見通しについて最後に大蔵大臣にお伺いして、質問を終わりたいと思います。
○武村国務大臣 中期の財政展望をお示しを申し上げているわけでありますが、きょうも御議論がありますような、平成七年度、最新の財政状況を踏まえて向こう五年間を展望する中で、あるべき健全財政の方向というものを目指しながらこうした数字をお示しをいたしたわけであります。 もちろん、この数字どおりに事が運ぶということではありません。今後、この数字だけを見ましても要調整額が相当な金額に上っていることからも、歳入歳出全般について、さまざまな角度から財政健全化への必死の努力をしなければならないという認識を強く持っている次第であります。
○佐々木(陸)委員 終わります。
○尾身委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 ――――◇―――――
○尾身委員長 次に、内閣提出、租税特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 趣旨の説明を聴取いたします。武村大蔵大臣。 ――――――――――――― 租税特別措置法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 ―――――――――――――
○武村国務大臣 ただいま議題となりました租税特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 政府は、最近の社会経済情勢の変化及び現下の厳しい財政状況に顧み、課税の適正公平を確保する観点から租税特別措置の大幅な整理合理化を行うとともに、早急に実施すべき措置を講ずることとし、本法律案を提出した次第であります。 以下、その内容を御説明申し上げます。 第一に、課税の適正公平を確保する観点から、企業関係の租税特別措置等につきまして、廃止を含む整理合理化を行うこととしております。 第二に、企業の事業革新の円滑化に資するため、一定の事業者に対し、増加試験研究費の税額控除の特例等の措置を講じ、また、中小企業の創造的事業活動の促進に資するため、一定の中小企業者に対し、機械等の設備投資に対する特別償却または税額控除等の措置を講ずる等、社会経済情勢に対応して所要の措置を講ずることとしております。 第三に、個人の土地等の譲渡に係る長期譲渡所得課税につきまして、特別控除後の譲渡益が四千万円以下の部分につきましては、現行三〇%の税率を二五%とする等、土地・住宅税制の見直しを行うこととしております。 その他、民間国外債の利子及び発行差金の非課税、住宅用家屋の所有権の保存登記等に対する登録免許税の特例等適用期限の到来する特別措置について、実情に応じその適用期限を延長する等の措置を講ずることとしております。 以上が、租税特別措置法の一部を改正する法律案の内容であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださるようお願い申し上げます。
○尾身委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 ―――――――――――――
○尾身委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 本案審査のため、本日、参考人として日本銀行理事田村達也君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○尾身委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。 ―――――――――――――
○尾身委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。谷口隆義君。
○谷口委員 新進党の谷口でございます。 本日は、租税特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、初めに御質問いたしたいというように思っております。 先ほど、大蔵大臣の方から御説明があったわけでございますが、平成七年度の税制改正によりまして、租特の関係で、今私のいただいている資料を見ますと、平年度で租税特別措置の整理合理化によって六百二十億の増収、その他の租税特別措置等の改正によりまして二百四十億の減収、合計三百九十億の増収というようになっておるようでございます。初年度はこれが二百八十億の増収というようになっておるというような資料をいただいておるわけでございます。 そこで、まず初めに総括的な質問をさせていただきたい、このように思うわけでございます。 今回この租特に関しまして、まずいただいた資料の概要のところを見ますと、最近の社会経済情勢の変化及び現下の厳しい財政状況にかんがみ、課税の適正公平を確保する観点から租税特別措置の大幅な整理合理化を行うとともに、早急に実施すべき措置を講ずる、このように、大幅な整理合理化というようにおっしゃっておられるわけでございます。 それで、今回のこの租特に関して、拝見させていただきますと、廃止が八件、改正が四十五件、創設が四件、このようになっておるわけでございますが、このような状況を踏まえて、大蔵大臣の御所見をお聞きいたしたいというように思っております。 〔委員長退席、金子(一)委員長代理着席〕
○武村国務大臣 租税特別措置につきましては、これまでの税制調査会の答申においてたびたび指摘をされてまいりました。特定の政策目的を達成するための有効な政策手段として位置づけられるものが租税特別措置でございますが、他方、税負担の公平等の税制の基本理念の例外措置として講じられているものでございますから、個々の措置につきましては、政策目的とか効果を絶えず吟味をし整理合理化、改廃をしていかなければならないものであります。 こういう観点に立ち、今回も、平成七年度税制改正におきましてその整理合理化に取り組んだところでございます。社会経済情勢の変化に対応し、早急に講ずべきと考えられる措置については、まさにスクラップ・アンド・ビルドの原則を踏まえながら所要の措置を講じていこうということであります。 御指摘ありましたように、結果としましては、廃止、創設だけで見ますと、廃止が八、新しい経済構造改革に対応する創設が四、差し引きマイナス四という改正がございますが、こういう数字になりますから、大幅ではないのではないかという感じの御指摘も含まれているように感じますが、過去の改廃の努力の足取りを振り返りますと、政府としましてはかなり積極的に今年度は対応させていただいたという気持ちを込めて、そう表現をいたしているところでございます。
○谷口委員 今おっしゃったように、数字の上から見ると、大幅な廃止、整理というような形になっておらないわけでございまして、今までの税制改正の流れの中でそういうことを今までやってきたわけでございますので、特にそういう観点でこれからもやっていただきたい、このように思っておるわけでございます。 あとはまた個別の問題に移りますが、個別の問題で何点か御質問いたしたい、このように思っております。 まず初めに、土地税制について今回改正が行われたというようなことでございます。この改正の内容を見ておりますと、長期譲渡所得の見直しかあった。譲渡所得四千万以下の部分では、従来、三〇%と住民税の九%合わせて三九%というようなことであったわけでございますが、今回これが、三〇が二五、住民税の方が、九が七・五ということになったわけでございます。 まず初めに、これまた大蔵大臣にお聞きいたしたいのでございますが、この土地税制というのは土地政策に大きくかかわるわけでございまして、この税率を引き上げたり引き下げたりすることは、土地の動向に大きく影響があるわけでございます。 今回、さっき申し上げたように、四千万以下の長期譲渡所得については引き下げというようになったわけでございますが、現行の地価につきまして、大蔵大臣はこの今の土地の地価が高いと思っておられるのか、安いと思っておられるのか、適当と思っておられるのか、それをお聞きいたしたいと思います。
○武村国務大臣 一概にこれは答えにくい御質問であります。世界の地価と比較すれば日本の地価は今なお相当高い、これは明確に申し上げることができます。地価高騰のバブル時点からすれば、大都市を中心にしてかなり下落をしたことも事実でございまして、そういう両面を持っておりますだけに端的にお答えがしにくいわけでありますが、今回の土地譲渡益課税の議論におきましても、譲渡益の課税を下げる、軽減することが土地の流動化を促進させることができるかどうか、土地の供給をふやすことができるかどうかというのが一つの焦点でございました。 昨年もそれなりの措置をしましたが、余り影響がないということも言われておりました。今回政府・与党としましては、最終的に総合判断でこういう対応、特例措置の、これは特例措置ではありません、こういう対応を御提案を申し上げているわけであります。御理解を賜りたいと存じます。
○谷口委員 土地政策というのは非常に難しいわけでございまして、今非常に財政状況が厳しい折に、これは逆行するような形の税率の引き下げというようになっておるわけでございます。これが土地の流動化にどういう影響を及ぼすのかということが非常にまた不透明なところがあるわけでございますが、政府の考えておられることが、この土地税制を見ておってどうも一貫しておらないというように思うわけでございまして、そのあたりのところを十分考慮していただいてやっていただきたいというように思っております。 それにかかわりまして、今回、住宅取得促進税制におきまして適用対象者を、従来は三千万の所得ということになっておりましたが、これを二千万以下というように引き下げたわけでございます。この住宅取得というのはかなり潜在的需要があるわけでございまして、景気活性の大きな一つの方法になっておるわけでございまして、こういう観点から、今回の、所得を引き下げたということについてどのようなお考えを持っていらっしゃるんでしょうか。
○小川(是)政府委員 住宅取得促進税制につきましては、この制度が本来住宅取得資金に係る当初の負担の軽減を支援するという角度から、それによって住宅取得あるいは建設を促進する、そういった政策的な目的を持って設けられているものでございます。 昭和六十年代を通じまして、累次の経済対策の中で、内需拡大の見地から、例えば控除率であるとか限度額であるとか控除を受けられる期間であるとか、あるいは所得要件、面積要件等について繰り返し緩和が重ねられてまいりました。今日この制度による減収額は五千億を上回るような規模になっておりまして、こうした租税特別措置を持っておることが、果たして政策効果、コストとの関係でいかがであるかという議論を実は続けているところでございます。 ただいまお尋ねの所得要件の件につきましては、一昨年までは所得要件、二千万円まででございました。当時の景気の状況から、少してもなおこの住宅取得促進税制で加えるものがないかというところから、それではということで、一年、三千万円まで引き上げたわけでございます。それで、今回この三千万円につきましては、制度自体を延長する際に、ただいま申し上げましたような問題意識も踏まえまして、政策的な措置としては一年限りということで以前の二千万円に戻すという御提案をしている次第でございます。 なお、この二千万円という水準で外れる方がどれぐらいいるかというのは、個別にはわかりかねるわけでございますけれども、民間のサラリーマン全体、納税者の数値からいたしますと百人のうち九十九人以上の方は、百人とは申しませんが、二千万円以下でこの制度の適用を受けられるというのが現状でございます。
○谷口委員 その次に移りますが、これはちょっと社会的にいろいろ物議を醸し出した問題でございますが、例の懸賞金つき預貯金の懸賞金等にかかわる税金ですね。 これは、当初は大蔵省のお考えは、一時所得というような判断を示されて、ですから特別控除の五十万以内であれば非課税ということになっておったようですが、これが今回源泉分離課税の対象というようなことで、国税、地方税合わせて二〇%の源泉税がかかるというようになったようでございます。このあたりの判断についてお聞きいたしたいというように思います。
○小川(是)政府委員 いわゆる懸賞金つき定期預金等の懸賞金につきましては、今回御提案しております租時法の中で、利子に対する課税あるいは金貯蓄口座の利益に対する課税、一時払い養老保険の保険金等と同様に、所得税一五%、住民税が別途五%の税率による源泉分離課税とすることを御提案しているわけでございます。 こうした新しい金融商品が出てまいりますと、その段階では現行法の範囲内で課税問題を考えざるを得ないというところは、租税法定主義から当然のところでございます。現在の、改正前、御提案する前の法律に当てはめますと、この懸賞金につきましては、十種類の所得の中で一時所得というものに該当するものとして扱うのが法律の趣旨から見て最も合っているということで、課税問題としては、今までの法律のもとでは一時所得であるという解釈をとったわけでございます。 しかしながら、その中身を実質的に見ますと、懸賞金の総額が一定の預金量をベースにして決まるとか、そのほか預け入れられる方の預金の額に応じて抽せん権が付与されるとか、さまざまの要素を検討してみますと、やはり一時所得という性格よりは、むしろお金を預けたときの金額、期間に応じて分けられる見返りである、それがただ抽せんという形で特定の方に行くというものである。そうしたところからしますと、利子等と同様の課税を行うということが公平であり、また金融商品に対して中立的であるというふうに考えた次第でございます。 そういった意味で、今回法律を定めて、課税対象として利子等と同じ並びにさせていただきたいというところでございまして、これは実は、かつて昭和六十三年の税法改正を御提案する以前には、先ほど申し上げました金貯蓄口座であるとかあるいは一時払い養老保険の保険金であるとか、その他若干の金融商品の果実につきましては、一時所得であるとか雑所得である、そういう課税の仕方しかできなかったわけでございますが、六十三年の税法改正で、こうした所得につきまして利子所得と同じ課税にいたしたわけでございまして、今回も新しいものを実質に従って利子所得等と同様の課税をいたしたい、こういう経緯でございます。
○谷口委員 いずれにしましても、今回この租時法案につきまして、一番初めに私申し上げたように、大幅な整理合理化を目指してというようにうたっておられるわけでございますので、不要な租特案件につきまして、今後も整理合理化の方向でやっていただきたいということをお願いいたしまして、次の質問に移りたいと思います。 次は、国税職員の定員の問題についてでございます。 私もこの二十年ばかり税の実務の立場に携わっておったわけでございまして、その折にいろいろ国税職員の方と触れ合う機会があったわけでございます。業務はやはり大変専門的な知識も要りますし、かなり負担の高いお仕事であるなというように見ておったわけでございます。 最近の資料を見ておりますと、実調卒が年々低下しておりまして、実調率の低下は、税の捕捉率の低下を導いておるというか引き起こしておるわけでございます。また、本年施行された個人献金税額控除制度であるとか、また先日非常に社会的な問題になっておりました暴力団などによります源泉徴収票を悪用した不正還付の問題、こういうような問題が起こっておりまして、適正な課税という見地から、還付事務の円滑化、また不正還付の防止というために実調率を引き上げるというためには、この国税職員の大幅な定員の増加ということが必要になってくるのではないか、このように強く思っておるわけでございますが、このことにつきまして、大蔵大臣の御所見をお願いいたしたいと思います。
○武村国務大臣 最近の税務行政を取り巻く環境は、御指摘のように、課税対象の増大やあるいは不正手口の巧妙化、あるいは経済取引の国際化、そして物納申請の激増というふうな状況がふえてきておりまして、事務量そのものが著しく増加をしてきております。税務執行面における公平確保の要請がますます高まるなど、量質両面から一段と厳しい状況にございます。 こういう状況にかんがみ、国税庁では従来から、事務運営の合理化、効率化を一方で進めているわけでありますが、それでも必要な要員についてはその確保を図っていかなければいけないという考え方に立ってきております。今後とも事務運営の合理化、効率化等の努力をさらに続けてまいりますが、税務の困難性や歳入官庁としての特殊性を踏まえながら、厳しい行財政事情のもとではありますが、国税職員の増員については、関係各方面の御理解を得て一層の努力をしてまいりたいと考えております。
○谷口委員 ありがとうございました。そういう見地で、この定員の大幅増加につきましてぜひともよろしくお願いします。 次に参りまして、今回非常に問題になっております東京協和信用組合、また安全信組の二億組救済問題についてお聞きいたしたいというように思うわけでございます。 最近の資料を見ておりますと、この二億組合わせて、預金量が大体二千二百億程度、貸出金が一千九百億程度あって、このうち一千百億程度がもう回収不能になっておる。また、その一千百億程度の中に六百五十億ほどの、東京協和の理事長のイ・アイ・イ・グループに対する融資が入っておる。まさに、非常に乱脈絡営をやっておったというようなことが書かれておるわけでございます。私も、公認会計士をやっておりまして、いろいろ会社の決算については三百社も四百社も見たことがあるわけでございますが、このぐらい乱脈経営というのは見たことがないというぐらいの大変な状況であると思うわけでございます。 まず初めに、今回この救済問題をやられた理由というのをお聞きしておりますと、一つは預金者保護の見地、またもう一つは信用秩序の維持という、この二つの観点から今回の処理スキームを考えられた、このように言われておるわけでございますが、一つは、この処理スキームはどなたが考えられて、だれが、どこがイニシアチブをとられて今現在この救済の問題をやっておられるのかということをお聞きいたしたいと思います。 〔金子(一)委員長代理退席、委員長着席〕
○西村政府委員 信用組合の監督は、第一次的には東京都知事が行っておられるところでございますが、最近に至りまして、その経営状況が御指摘のように大変に深刻な事態に立ち至り、この問題は全国の信用システムに対しても大きな影響を与えると憂慮される事態に立ち至りましたので、東京都からの御相談に大蔵省及び中央銀行が応じまして、よく御相談をしてこのような措置を講ずることとしたところでございます。
○谷口委員 異常なぐらいの乱脈ぶりでございます。これは当然もう御存じなことであると思いますが、先日いただいた資料を見ますと、本来信用組合というのは地域金融機関で、もう地域にべたっと根を張る金融機関でございますが、この預金の状況を見ておりますと、一千万以下の預金金額は一割しかない。預金保険機構のスキームからいきますと一千万ペイオフということになっておるわけでございますが、一千万を超える金額が九割まで上っておる。また、きょうの日経新聞を見ますと貸出金の状況が書いてありまして、この貸出金の状況を見ますと、十億円以上は、貸出件数は四・四%の構成割合で、実に七五%の貸出金額に上っておるというようなことでございます。 このような経理の乱脈ぶりについて、銀行局長、当然もう従来から知っておられたと思うわけでございますが、感想を述べていただきたいと思います。
○西村政府委員 私ども、東京都知事の要請を受けまして、昨年及び一昨年と二回にわたりましてこの信用組合に対します検査をお手伝いをいたしました。 その過程を通じまして、二つの信用組合の経営状況につきましても承知をしておったところもあるわけでございますが、次第に深刻の度を加えまして、また、その経営の破綻の度合いというものが、ただいま御指摘がございましたように、他の一般の金融機関経営の状況からいたしますと全くそのレベルを異にする深刻な状況であるということを、私どもも早くから憂慮をしておったところでございます。
○谷口委員 先日、同僚議員の質問に、監督責任は東京都にあるのだ、そうすると大蔵省銀行局はどういう立場なのかというような、非常に明確でないような御答弁があったわけでございますが、きょうの新聞を見ておりますと、東京都の方は八九年から改善指導を何回か続けておられて、同様の内容で示達を何回もやっておられるというようなニュースがあったわけでございます。 これを見ますと、六年間に、東京協和信用組合は員外預金比率については三回、安全信組については大口取引、大口信用集中の是正について四回にわたり指導をされておった、このようなことになっておるわけでございますが、このような状況の中で、東京都の監督責任について、これはどういうように思われるわけでございましょうか。
○西村政府委員 御指摘のように、信用組合の監督は中小企業等協同組合法等によりまして都道府県知事の機関委任事務となっておりますところから、監督に関する事務の主体は都道府県知事であるわけでございます。 もとより私どもも金融システムの安定を図る任務を担っておるところから、そういう問題について関心を寄せ、一体となってこの問題に取り組んでまいったところでございますが、東京都の行政に関する責任という問題につきまして私どもが申し上げるのも適切でないかと存じますので、その点は差し控えさせていただきたいと存じます。
○谷口委員 東京都の補正予算の審議におきまして、三百億という低利融資について、今現在支援が成立するかどうか微妙な状況になっておると聞いております。今回、東京都の方のこの三百億の低利融資ができないというようになった場合、今回のこの処理スキームについてどうなるのか。また、その際に大蔵大臣の責任問題というのが出てくると思うのですね。これはどのようにお考えでございましょうか。
○西村政府委員 今回の問題の処理に当たりまして、東京都は、監督当局といたしまして、預金者保護、地域の信用秩序維持の観点から、支援を行うことが不可欠であると判断をされたわけでございます。日本銀行、民間金融機関の参加を求めました今回のスキームは、東京都の支援というものが前提となっておりますものでございますから、東京都も現在、都議会における承認を得るために最大限の努力を傾注しておられると伺っております。 今回以前におきましても、全国各都道府県におきまして、多くの信用組合に対しまして、その経営問題の解決のため、今回と同じようなケースの問題の解決のために各都道府県がさまざまな支援を実施しておられます。今回都が御検討しておられると同様の支援策を実施しておられます。本件につきまして、東京都も適切に対処をしてくださるものと私ども考えておりますし、確信をしておる次第でございます。
○谷口委員 いや、わからないのですね、これ本当に。そういうように期待なさっても、東京都の方でそういうことでできないというような場合に至った場合にはどういう対応をされるかということをお聞きいたしておるわけでございます。大蔵大臣、どうですか。
○武村国務大臣 局長がお答えを申し上げておりますように、機関委任事務でございますから、東京都が監督の責任を負って今回のような都の補正予算措置をお進めいただいておるところでございます。この都の措置を基本にして、日本銀行あるいはほとんどの金融機関が挙げて、そのことを基本にしながら対応措置を検討し、それぞれの支援策を図っていこうという幅広い合意ができているわけでございますから、私どもとしましては、東京都でこの方策が実らないということは全く想定いたしておりません。
○谷口委員 全然回答になっていないわけでして、もしそういうような事態に陥ったらどういうように考えておられるかということをお聞きしているわけでございますが、そういうことで、もう一度御答弁をお願いいたします。
○西村政府委員 先ほどからるる御説明しておりますように、今回の日本銀行及び金融機関の対応措置というものは、東京都の対応が前提となっておりますものでございますので、私どもとしては東京都の御尽力を確信をしておるところでございまして、私どもその点に御信頼を申し上げると言う以外は申し上げる方法がないと考えております。
○谷口委員 何回もあれですが、今そういうことが現実の問題として東京の都議会で行われておるわけでございまして、この状況を十分また見ていかなければいかぬと思うわけでございますが、もともと、信用秩序のために救済を行った、預金者保護の観点からも、そういうようなお話でございますが、このすべてに金融秩序の維持というような言葉が使われて、これは金科玉条のごとく言われるわけでございますが、金融機関の不良債権の問題はきのうきょう発生したわけじゃないわけですね。 もうこれはかなり私たちも大きな問題としてとらえておるわけでございますが、八九年ぐらいからいろいろやっておられまして、私も資料を取り寄せますと、平成二年ぐらいに行政上の指針が出たり、平成四年に金融機関の資産の健全性に関する情報開示、ディスクロージャーの問題が出たり、やっておられるわけですが、しかしどういうことの対応をされたのかということになりますと、ほとんど対応をとっていないに等しいというように思うわけでございます。 私も昨年の予算委員会の分科会で、信金、信組のディスクロージャーの問題についてお聞きしたわけでございますが、特にこの信用組合というのは、先ほどおっしゃったように地方自治体が監督責任を持っておるということで、大蔵省の方も十分認識しておらない場合が多いというような御答弁があったわけでございますが、本来この信用秩序の維持という観点で考えますと、中小の金融機関も含めて全部を把握しておらないと、一信用組合、非常に零細弱小の信用組合であっても問題が起こるというようなことは今回もおっしゃっているわけでございますので、すべてを把握して初めて信用秩序の維持というのはできるのじゃないか、このように思うわけでございます。 現状は、先ほど私申し上げたように、信用組合の方はどうも大蔵省の方も把握されていないのじゃないか、このように思うわけでございますが、それについて御答弁をお願いいたしたいと思います。
○西村政府委員 御指摘のように、現在の制度といたしましては、いわゆる銀行から信用金庫に至るまでは大蔵大臣が監督をしており、信用組合に関しましては都道府県知事にその監督が機関委任されておるわけでございます。 これは、信用組合というものが、組合員の相互扶助を基本理念といたしまして、基本的には組合員に対する金融事業を行う非営利法人であり、それぞれの地域に密着してお仕事をされるという性格から適切なものと考えておりますけれども、しかしながら、御指摘のように、この金融という仕事が広域化、むしろ最近ではグローバル化と言われるような状況に至りまして、それぞれの狭い地域だけの問題としてとらえることが非常に難しい。また、ある地域における出来事が全国、場合によっては世界的に影響を与えるということも十分あり得るような情勢になってきておることも御指摘のとおりでございます。 私どもも、その点そのように認識しておるわけでございますが、それをどのように現在の制度、体制と調和をしていくか、その点につきましては、私ども従来からも心を砕いてまいったつもりでございますが、なお一層努力を重ねてまいる覚居でございます。
○谷口委員 最近の大蔵大臣の御発言を聞いておりますと、昨年の年末に、このような大変な銀行は破産するということも考えた方がいいのじゃないかというような御発言であるとか、先日札幌におきましても、金融機関の倒産もあり得るというような御発言があったと聞いております。 一方、大蔵省の方は、最近の状況を聞いておりますと、預金保険機構を検討するというか実情に合ったような形に変えまして、それで例えば預金保険機構が信用組合を検査するというようなことで、今のいわゆる護送船団方式というのですか、もう一行もつぶさない、本来この護送船団方式というのは一番弱者の金融機関を保護していくというような行政のやり方ですね。これを今までずっと続けておられたわけでございますが、今後もそういうような方針でいらっしゃる、西村銀行局長がそういうようなお話をされておられたという新聞の報道を見ておったわけでございますが、一方では、先ほど私も申し上げたように、大蔵大臣が銀行の倒産もあり得るというような御発言がある。どうもそのあたりの状況がわからないわけでございますが、これについて御見解をお願いいたしたいと思います。
○西村政府委員 かねてから金融行政に対しましては護送船団方式というような御批判を受けておることは私どもも承知しておるわけでございますけれども、私どもといたしましても、いわゆる護送船団方式と言われるようなことでいいのかどうか、必ずしも今までもそういうことでやってきたとは思いませんけれども、そのような御批判を受けるということを謙虚に受けとめなければいけないというふうに考えております。 今回の措置に関しましても、信用組合の救済というふうに報道される例が多いように見受けられますが、私ども今回の措置を講ずるに際しての心構えといたしましては、むしろどちらかといいますと、従来のような護送船団方式というような御批判を受けたやり方を少しずつでも変えていかなければいけない、そういうところを脱却していかなければいけないというような問題意識を持ちまして、そのような方策の一つとして今回の措置をとったと考えております。 したがって、私どもにとりまして、信用組合の救済という言い方は必ずしも気持ちになじまないものを感ずる次第でございますが、御指摘のように不良債権問題を解消していくというためにも、また金融行政の透明度を高めていくというためにも、今後そういう方向に沿って努力を重ねていかなければならないと考えておるところでございます。
○谷口委員 済みません、大蔵大臣に、先ほど私の申し上げたことについて御見解をお願いいたしたいと思います。
○武村国務大臣 基本的な認識は、事務当局と私と違いはないと思っております。何回かそういう意見交換をしてきておるわけであります。今の局長のお話もそうですが、徐々にやはり変えていくことが必要だという認識であります。 それで、昨年の暮れに今回のこのスキームを決断するときにも、いわゆる単純に申し上げれば、ペイオフと言われますように、もう倒産を認めて、預金者も多大な犠牲をかむっていただくことはやむを得ない、こういう措置をとるか、今回のような異例な措置として、東京都もございますが、主としては預金保険機構の発動や、あるいは日本銀行、金融界全体の支援によってこの事態を切り抜けていく道をとるか、最終二つの選択があったわけであります。 私も、最初この組合の乱脈ぶりというか経営のひどさというものを概略聞いて、こんなひどい会社はむしろ前者をとるべきだ、直観的にはまずそう発言をしました。しかし、結論においては、そうしたときにどういう影響が出るか、この二つの組合に影響が出るかということよりも、あるいはこの預金者だけでなしに、全国の預金者にどういう心理的な影響を与えるか、そのことをやはり最終は真剣に見詰めていきますと、今の時期はやはりこの手段をとるしかないな、しかし将来は経営のディスクロージャーも必要でありますし、預金者としての国民の皆様の意識も、金融機関に対する目も徐々に変えていただく必要ももちろんございます。そういうことを前提にしながら、やはり前者の道をとることも真剣に考えなければいけないときが来る、こういうふうな私自身の考え方の整理でありました。 これまで信用組合だけでも、ずっと過去の、ここ十数年のこういう問題が起こったときにどういう解決をしてきたかという一覧表があるわけですけれども、ここ十年以上にわたって、毎年、数件から十数件信用組合はつぶれております。その多くは信用組合同士で合併するとか、あるいは金庫が吸収合併するとか、そんな形が多うございます。その中に、監督官庁である都道府県が公金で支援をして、そして吸収合併をしてもらう、こういうケースがふえてきまして、特に最近は、そこへ預金保険機構がある種の支援を行う、都道府県の公的な資金の支援と預金保険機構による支援、そんなことを基本にしながら問題の信用組合が姿を消していくという状況が毎年十件前後ずっとございます。 私が大蔵大臣にならせていただいてまだ短うございますが、それでも岐阜の商銀、つい最近は神奈川の友愛信用組合、この二つの問題がございました。この二つとも岐阜県ないし神奈川県がかなり大きな公的資金を出していただく、そこへ預金保険機構がかなり大きな支援を行う、そんな形で吸収合併で対処をしてまいりました。 今回の場合は、それをはるかに超える大きな規模でありましたし、当然、少々の対策を講じても、例えば東京都がある種の対策を講ずるとおっしゃっても、この二つの信組を吸収していただける金融機関が見当たらない、どこも引き受け手がない、そういう事態に立ち至ったわけでありまして、そういう状況から、今回異例な東京共同銀行の設立による対応という措置をとるに至ったわけであります。
○谷口委員 いずれにしましても、大蔵大臣の御発言というのは、信用秩序の維持という観点からしますと国民に大きな動揺を与えたというように思われるわけでございまして、一つは、先ほど私が申し上げたように、大蔵省の動向と大蔵大臣のお言葉に食い違いがあるというようなことでございますので、そのあたりをどのように考えておられるかというような私の今の質問であったわけでございます。 今回のスキームで日銀が大きなイニシアチブをとられて、二百億出資をされてやっておられるということでございます。日銀の立場は、中央銀行として大蔵省とは独立した形で金融行政を行っておられるわけでございますが、今回とられた東京共同銀行方式というようなやり方、このような救済の仕方をどのようにお考えになるか。 また、ある意味では今金融行政の転換期に差しかかっておるのではないか、このように思うわけでございます。今後また大きな不良債権を抱えた金融機関が非常事態に陥るというような可能性を非常に秘めておるところが何件かあるというように認識いたしておるわけでございますが、今後そういうようなことが起こった場合に、今回と同様なやり方で対応される予定でございますか、またそうではないのか、ちょっと日銀に、きょう来ているのですね、御答弁をお願いいたしたいと思います。
○田村参考人 御指摘のような、今後起こり得る金融機関の経営悪化問題に対処した場合、どういうふうにやっていくかということですが、何といいましても、第一に、当該金融機関が自己責任で、自分の力で再建する、そのため最大努力するのが大原則なわけですけれども、それが困難な場合ということになりますと、まず業界の支援を仰ぐ、それから業務提携によって力をつけていく、あるいは業界の中で合併、事業譲渡等を行うといった、業界を中心とした関係者の自主的な判断によって支援していく、そして対応を最大限努力していくということがまず尊重されるべきであるというふうに考えております。 こうした業界の対応の中で、もちろん預金保険機構による資金援助が必要な場合もありましょう。また、場合によりましては、いわゆるペイオフでございますけれども、金融機関を法律的に破産させて、預金を預金保険機構の方から代払いするということも制度としてはあり、それが適切な場合もあるというふうな可能性はあります。 実際にどの方法、今申し上げました幾つかの方法がありまして、その状況によって決まるわけですが、どれが一番いいかというのは、結局金融システムあるいはそのときの経済情勢にどういう影響を与えるか、そしてその公的なコストがどうなるかということを勘案しながら、結局その都度慎重に検討していくというふうになるものと考えております。 結局、私どもとしては、引き続きケース・バイ・ケースで最善の対応をしていきたいというふうに考えておるわけでございまして、今回のやり方が大きなモデルを提供したというふうには理解していないわけであります。
○谷口委員 先ほど私が申し上げたように、金融機関総体、都銀から信組に至るまで大きな不良債権を抱えておるというように聞いております。都銀、長信銀、信託、これで公表の不良債権が十三兆余りというようなことでございますね。これはいわゆる金利減免債が入っておらない。ですから、それを加えるとかなりの金額に上る、このように言われています。 また、先ほど申し上げたように、信用組合においてはディスクローズもされておらないからどのくらいの不良債権があるかもわからない。これは銀行局の方である程度把握なさっておるのかどうか、これはまた後で御答弁をお願いいたしたいわけでございますが、いずれにしましても、そういう金融機関が非常に危機的な状況にあって、また同じような事件が起こる可能性があるわけでございます。その際に、その起こった金融機関の預金者が同様の措置を求めるのは当然のことだと思うのですね。 今回の措置は、御存じのとおり、先ほど申し上げたとおり、一千万以下の預金者は一〇%しかおられない。ほとんど大口預金者がおられる。今まで過去に預金保険機構の出動するような事例がありましたが、全部このペイオフはなかったわけですね。資金援助方式でやっておった。こういう状況の中で、今回もまた政府、大蔵省はそういう対策をとるだろう、このように予測してやっておられる方もいらっしゃるというようにお聞きいたしておるわけであります。 今後、このような金融保護行政というのですか、こういうことがとり続けられますと、それこそもうモラルハザードもいいところでございまして、大変な状況になるんじゃないか、このように思うわけでございますが、このようなことについて御答弁をお願いいたしたいと思います。
○西村政府委員 先ほどから御説明を申し上げておりますように、今回の措置につきましては、やむを得ずこのような措置をとりましたが、しかし今後の問題といたしましては、御指摘のように、いろいろなことを考えてまいらなければならないと存じております。 その一つといたしましては、金融機関が破綻に至らないように検査とか監督体制の充実を図るということもございますし、また預金者のモラルハザード、いわゆるモラルハザードと言われておりますものは二つの側面があろうかと思いますけれども、一つは、預金者サイドに生ずるモラルハザードというものを防止することも重要でございます。そういう意味で、預金者の自己責任原則というものをより求めていくという観点から、そのための環境整備といたしまして、ディスクロージャーを進めていくということも非常に重要なことかと存じております。 ただ、このディスクロージャーに関しましては、今まで株式会社組織の銀行を中心に考えてきたわけでございますが、今回、協同組織金融機関というものについてこのような破綻を起こしました。協同組織金融機関のディスクロージャーというものをどう考えていくかというのは、また難しい問題も含まれておるわけでございますが、私どもとしましてもそのような問題を検討していく必要は感じておる次第でございます。 また、もう一つの意味でのモラルハザード、経営者のサイドに生ずるモラルハザードの問題でございますが、これを防止するという観点からは、今回も出資者責任というものを貫徹する措置も講じましたが、経営者自身につきましても、単に辞任をするということだけでなく、私財の提供等、 さらに民事、刑事両面における法的な責任を含めまして、厳しく経営者責任を追及するというようなことが関係者の間でも検討をされておるということでございます。
○谷口委員 今銀行局長おっしゃったディスクローズについて、早急にやはりこのやり方を出していただきたいと思うわけでございます。私は個人的には、大手の金融機関、都銀、長信銀、信託につきましても、やはり金利減免債も含めてディスクローズすべきだと思っております。また、信金、信組につきましても、やはり不良債権をディスクローズする方法を考えるべきではないか。先ほどのお話で預金保険機構の検査というような話があったわけでございますが、これもできれば第三者の検査を入れてやるべきではないか、このように思うわけでございます。これを早急にぜひお願いいたしたいというように思います。 先ほども私申し上げたように、本当に今回のこの事件というのは大変な乱脈ぶりでございまして、状況を聞いておりますと、例えば、中小企業等協同組合法第九条の八の三項のところに、組合員以外の預金は総額の百分の二十に相当する額を超えてはならないと言うにもかかわらず、これは大口預金が九〇%になっておる。また、同法の十条に、組合員の出資口数は一〇%を超えてはならないというようになっておるにもかかわらず、出資三十億のうち、東京協和は十五億ほどが長銀系の関係会社からであるというような報道がある。また、一企業に対し八億円もしくは自己資本の二〇%以下という規定があるにもかかわらず、これはイ・アイ・イ・グループに対して六百五十億も融資しておる。もうすべてそういうような法規を逸脱しておるわけでございまして、それに対して、わかっておりながら何もできない、何も対策を講じられないということが大きなことじゃないかな、このように思うわけでございます。 先ほどずっとお話を聞いておりますと、信用秩序の維持ということは、結局何もしないことが信用秩序の維持ではないか。行動を起こすと、例えばペイオフをやる、ペイオフをすると非常に預金者の心理に大きな影響を与える、そういうことでいわゆる保護行政を継続してやる。こういうことがいいのかどうかということが今現在問われておるわけでございます。 ですから、従来の大蔵省主導の、例えば規制でやるとか指導でやるとか、従来のやり方で今後もずっと進んでいくということについて国民は大きな疑問を持っておりますし、私自身も、そういうやり方はここに来て大きな転換点を迎えている、このように思うわけでございますが、これについて御答弁をお願いします。
○西村政府委員 その点につきましては、ただいまの御指摘は、私ども金融行政の担当者の問題意識とも全く共通している点かと存じます。 私どもは、最近、特にこの十年間進んでまいりました金融の国際化・自由化というもののスピードは、世の中に考えられている以上に速く、深いものであったと感じております。 かつて規制金利時代、また業界の中も縦割りになっておりました時代に適用されてまいりました金融行政というものが、金利の自由化、業務の自由化・国際化の時代に依然としてそのまま通ずるかどうかという点につきましては、私ども自身も日夜試行錯誤を重ねておるところでございまして、今回の対応策もそのような問題の一つであるというふうに考えておるところでございます。 金融の自由化・国際化の時代におきます金融行政のあり方というものを私どもも真剣に見詰め続けてまいりたいと考えておるところでございます。
○谷口委員 これは昨年私が予算委員会の分科会で質問した折に申し上げたことであるわけでございますが、現在、預金保険機構の責任準備金残高が八千二百億ぐらいですわ。日銀借り入れが五千億ほどありますから、今出動できる金額というのは一兆三千億ぐらいですか。このくらいの金額では、今後また大きな事件が起こったときに対応し切れないのじゃないか、このように思っておるわけでございまして、預金保険機構の責任準備金の残高を積み増ししていただきたい、このように強く御要望する次第でございます。 時間が参りましたので、最後に大蔵大臣に。 先ほど私が申し上げましたように、護送船団方式と呼ばれるような金融行政が、今まで来たわけですね。ここに来ていろいろな問題が起こってきておる。こういう金融行政全般の転換期に今来ておると思うわけでございます。今までの指導、行政と、がんじがらめの金融機関のシステムが、金融システムがこれからも継続するとは思えないわけでございまして、このような観点で大蔵大臣の御答弁を最後にお聞きしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○武村国務大臣 谷口議員のおっしゃるとおりだと思います。 国際化・自由化という動きが日本の金融界全体を覆っておりまして、そこにバブルの崩壊という事態も加わっております。そんな中で、何としても今回のこの二つの東京都の信用組合の問題を今後の金融行政の上では文字どおり大きな教訓にしていかなければならないというふうに思っております。 金融行政のあり方という視点もございます。また、おっしゃるように、預金保険機構についても、改めていい方向に改善をしていく可能性についても真剣に目を向けなければならないと思っております。 そして、御指摘もありましたように、監督官庁を含めたこうした事態に対する対応の仕方も、まさに国民の預金者としてのお考えも少しずつ改めていただく中で、そしてまた経営体の方も極力、信用組合も含めてみずからの経営の実態を透明度を高めて公開をしていく努力をしていただく中で、徐々にやはり変えていくことは避けられないというふうに思っております。 日銀の理事さんも幾つかの方式をお挙げになりました。ペイオフという一つの道があるということを十分認識をしながら、今後の金融行政の中でしっかり取り組んでいきたいというふうに思っております。
○尾身委員長 午後一時三十分に再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時十一分休憩 ――――◇――――― 午後一時三十二分開議
○尾身委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。中村時広君。
○中村(時)委員 新進党の中村時広でございます。 本日は、本委員会に提案されております租税特別措置法を中心にいたしまして、若干その他の問題も踏まえて御質問をさせていただきたいと思いますので、関係各位の御答弁をよろしくお願いをいたします。 まず初めに、この租税特別措置そのものに対する基本的なお考えについて質問をさせていただきたいと思うわけでありますが、本来の税の基本原則、公平、公正、簡素というものを考えたならば、できるだけ例外がない方が望ましいというような結論が出てくるわけでありますけれども、そのとおりにはいかないのが世の常でありまして、当然例外というのも必要な場合がある。ただし、この例外を設けるに当たっては、極めでわかりやすい判断基準がなければならない。 思いつくままに申し上げますと、例えば、一つには社会的な弱者に対する配慮というものもありましょうし、この場合は個人の問題もあるし、また、あるいは同じ土俵の中で競争するには若干ハンディキャップを背負っている中小企業向けの対策もありましょうし、いろいろなケースがあると思うのです。 そのほかにも、災害の場合等も、今回のような場合も当然これに入ってくるわけでありますし、また大きな目で見るならば、マクロ経済というものを考えたときに、ある一定の方向に着地させよう、そのために誘導しよう、そういう場合にも使われるケースがあると思います。そのほかに、これはよく問題にもなる場合でありますけれども、業界の強力な要請、こういうケースで特例措置が設置されることもあろうかと思います。 大蔵大臣、この租税特別措置、特例措置を設ける場合、どのようなものを基準にしているのか、あるいは物差しにされているのか、その基本的な部分についてまずお伺いしたいと思います。
○武村国務大臣 御指摘のとおり、特定の政策目的を実現するための有効な措置として、税制上にこうした特例、特別措置が行われているところでございます。当然、お話しのように、税の負担の公平という立場から考えますと例外措置を講じているということになりますのでありますから、個々の措置については、絶えず政策目的、効果を吟味しながら対応をしていかなければならないというふうに考えます。 毎年租特の見直しは続けられているわけでありますが、その見直しの考え方といいますか、基準についてお尋ねでございます。 税制調査会の平成七年度の税制改正に関する答申で指摘されておりますのは、その目的が現下の喫緊の政策課題に資するものであるかどうか、さらに政策目的達成のための効果的な措置であるかどうか、そもそも政策手段として税制が妥当なのかどうか、利用実態が低調となっていないかどうか、こういう視点がございます。 議員御指摘のように、弱者への配慮とか、あるいは災害とか、マクロ経済への対応とか、そういう個々の政策内容から見る視点もあるわけでございますが、いずれにしましても、こういう個々の特別措置につきましては、例外を設けないで、絶えず全般に目を向けながら、毎年度見直しを進めていくことが大事だというふうに思っております。
○中村(時)委員 今回の改正によりまして、これは数で言いますと、租税特別措置関連は改正前で二百二、改正後で百九十八、内訳は、新しく追加されたのが四、廃止されたのが八、こういう数字になっているわけであります。うち、企業関係も、改正前八十二、改正後七十九と減少というふうな結果になっております。 今国会の財政演説におきまして、大蔵大臣は、課税の適正公平を確保する観点から租税特別措置の大幅な整理合理化を行った、こういう発言をされております。この数、今現在これは妥当な線なのか、あるいは多いか少ないか、あるいは、今回結果的に減少しているわけでありますが、これをどう自己評価されているのか、お伺いしたいと思います。
○小川(是)政府委員 租税特別措置の項目数の今日に至るまでの経過は、今委員が御指摘のとおりでございます。 とりわけ企業関係の租税特別措置につきましては、昭和の終わりから平成四年度ぐらいまでの五、六年間は、実は廃止項目と創設項目が相殺し合いまして、ほぼ毎年とんとん、結果的には八十ないし八十二項目ぐらいで推移してきておりまして、五年度改正では四項目ふえました。六年度改正、さらに今回の改正で、今お話がありましたような廃止をいたしました。その結果、純減少が生じまして、改正後七十九項目となっているわけでございます。 この項目の数が多いか少ないかといえば、全体的な傾向としてはかなり締まってきているといいますか縮小してきている、しかしなお、項目数はやはり相当の数があるというふうに言わざるを得ないと思います。ただしかし、一方で減収額で見ますならば、かってに比べますと、現在の減収額、企業関係租税特別措置の減収額はかなり減少をしてきているというのも事実であると思います。 これからもこうした項目数あるいは減収額双方をにらみながら、毎年見直しを行ってまいりたいと思うわけでございます。
○中村(時)委員 今、かなり締まってきている、しかしながらなお項目数は依然として多いのではないかというお話でありましたけれども、自己満足してしまいますとそこからは進歩はありませんので、ぜひとも常に反省すべき点は反省し、さらに一層の努力をされることを望むわけであります。 そこで問題になってくるのは、先ほどからもお話に出ておりますとおり、要は有効期間という観点から見ますと、これは未来永劫、今後とも存続すべきである項目もありましょうし、あるいはまた、ある一定期間、今はまだ必要だ、しかしある一定の時期が来たらもういいんじゃないかという項目もありましょうし、そしてもう一つ大事なのが、重要になってくるのが、既に役割を終えているんだけれども存続しているのではないかという指摘を多く受けるものだと思うんですわ。これらの整理というのは、大変な困難をきわめる作業だと思うんです。 と申しますのは、昨年の細川政権のときに、税制改革大綱がまとめられましたとき、この租税特別措置の是正という文言が入ったわけであります。そのときに読売新聞は、この税制改革大綱につきまして、「最大の特徴は、不公平税制や租税特別措置の是正にメスが入れられたこと」と表現しておりました。いかにこれを改めていくことというのが困難かを示す記事だと思うんです。 一方、大蔵大臣も、先ほどからも前向きな取り組みということを示されておりますが、昨年の十一月の税制特別委員会でも、すべてが悪いとは思わないが、中には時の流れとともに一定の役割を終えたものもある、絶えず精査して役割や効果について十分論議し、見直しを続けていく、こう発言されております。 現実考えますと、見直し論そのものについては、総論は恐らくほとんどの政治家が賛成という意思を表示すると思うんですが、これが具体的な見直し項目に踏み込んでまいりますと、業界団体からの圧力あるいは呼びかけ、そういった問題も出てまいりますので、各論になってくると反対という立場をとらざるを得ないというふうな流れが強く出てくる可能性もある。ですからこの改定作業というのは困難をきわめるということになろうかと思うんですが、先ほどお示しいただいた、きっちりとした基準、定規をベースにして、今後とも一層の努力を続けていただきたいと思います。 それでは、個々の問題に入らせていただきますが、若干細かい部分もありますので、お許しいただきたいと思います。 初めに、社会情勢の変化への対応ということで示されている問題についてお伺いしたいと思います。 第一に、特定事業者の事業革新の円滑化に関する臨時措置法、いわゆる大規模リストラ法、これは実は、商工委員会できよう審議されているんでしょうか、この成立に伴う特例措置ということになろうと思うんですが、税の世界の話はそう多くの問題はありませんので、法の世界の話をちょっと通産省にお伺いしたいんです。 特定の事業者を認定するわけでありますから、その認定に当たって何らかの個人的な恣意が入ったりするとこれはえらいことになるわけであります。きっちりとした客観基準を設けて、ある意味では数字で、こういう場合に認定されるんだよというルールをつくられているとは思うんですが、そのあたりのルール、それから認定への手続についてお示しをいただきたいと思います。
○中村説明員 事業革新円滑化法におきましては、まず、内外の経済的環境の構造的な変化を受けて、生産等の減少を余儀なくされております業種を特定業種として主務省令で指定いたします。その特定業種に相当程度帰属する事業者のうち、国内生産活動が停滞している者として、これは主務大臣が認定をいたします。この主務大臣の認定を受けた方が租税特別措置法に基づく試験研究税制の適用を受けることができるという形になっております。
○中村(時)委員 きっちりとしたルールが確立されているようであります。 そこで中身なんですが、一つちょっとわからないことがあるのでお伺いしたいのですが、この中に、認定特定事業者になりますと、最近の試験研究費の増加額について一〇%の税額控除を受けられる、こういう規定がございます。これ、お聞きしましたら、最近の増加額ということでありますから、当然、比較になるベースのデータが存在するわけであります。その数字が、大規模リストラ法の場合、平成五年度以降のピーク時との対比という御説明を賜っております。平成五年度以降のピーク時の試験研究費と比べて増加額について一〇%の税額控除、こういう制度であります。 一方、これとは別に、既に増加試験研究税制というのが存在しております。これは似たような内容なんですが、二点違うところがありまして、まず一つは、比較の対象になるその過去の実績が、平成五年度以降のピークではなくて過去すべてにさかのぼったピークとの比較ということになっていたはずであります。もう一点の違いは、この税額控除の率そのもの、増加試験研究税制では、一〇%ではなくて二〇%の税額控除を規定していたと記憶しておりますけれども、要は、この試験研究費の比較対象だけを考えますと、最近は、バブルの以降この試験研究費が相対的に減少傾向にある、あるいは横ばいにある。ですから、過去すべてのピークよりも、今回の大規模リストラ法で規定されている平成五年度以降のピークの方が低いのではないかという想定、予想ができるわけであります。 こういう点では、比較という問題においては今回の大規模リストラ法の方が有利なのかな、そんなふうにも思う。しかしながら一方、税額控除率を考えると、逆に、既存の増加試験研究税制の方が二〇%でありますから、こちらの方が有利なのかなというふうにも考えられる。 これはどっちが有利なのかというのはケース・バイ・ケースであろうと思いますけれども、特定事業者に認定をされた企業からしますと、これは有利な方がいいに決まっている。これはどちらも選択可能になっているんでしょうか、それとも、特定事業者の認定を受けてしまったらこの大規模リストラ法の規定に基づくルールの範囲でしか適用が受けられないんでしょうか、そのあたりの仕組みをお伺いしておきたいと思います。
○小川(是)政府委員 ただいまの、新しい制度と以前からございます増加試験研究費の税額控除制度の適用関係でございますが、今委員御指摘のような違いがございます。そこで、適用対象となりました個別の企業にとって、自分に有利な方を毎年選択して適用することができる。一般的には、今委員が言われましたように昭和四十二年基準での、毎年研究費が増加していかないと二〇%の税額控除の適用がないというのに比べますと、直近の年度をとらえて少しでも上がっていけばいいという方が、適用要件としては大変緩いといいますか有利であると存じますが、適用された後、両方適用されるのであれば二〇の方が有利であるということは、全く御指摘のとおりでございます。
○中村(時)委員 選択可能ということで納得をいたしました。 次に、これも同じような視点の質問ですが、もう一つ新たに商工委員会で並行して審議されております中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法、俗称中小ベンチャー法であります。 この場合も事業者認定という経過をたどっていくわけでありますが、二つお示しいただきたいのは、今の大規模リストラ法のように業種の限定というものは行うのか否かということが一点。それから、認定に当たっては、研究開発率が一定割合以上、恐らく後々、法案が成立した後に省令か何かでパーセントを決められるのではないかと思うんですが、この比率は一体何%ぐらいを念頭に置かれているのか、その辺をお伺いしたいと思います。
○鷺坂説明員 お答え申し上げます。 まず、中小企業創造的事業促進法の業種の指定の関係でございますけれども、中小企業は業種業態的に大変多様でございます。それから、本法のねらいとしておりますのは新規事業の開拓ということでございますので、非常に広範にいろいろな努力をしていただくことがよろしいのではないかという観点がございまして、そういう観点から、この法律につきましては業種を限定することなくすべての中小企業を対象とする、こういうふうに考えております。 なお、海外との競争にさらされておりますような厳しい環境のもとで事業活動が行われております工業等の業種、これにつきましては、創業を支援することによりまして、当該業種の事業活動の活性化が促進され、新たな事業分野の開拓につながる蓋然性が高いであろうということで、本法につきましては、企業種を対象とした支援措置に加えまして、これら工業等の業種における創業者に対しましては特に支援措置を追加いたしまして、設備投資減税とか投資育成会社の特例によりまして支援をしております。 それから、委員お尋ねの試験研究費の割合でございますけれども、一応現在考えておりますのは、売上高に対しまして試験研究費が三%を超えるという中小企業者を対象として支援措置を講ずるということを考えております。
○中村(時)委員 次に、事業用資産の買いかえ特例、これをまとめてお伺いをしたいと思います。 これは、長期所有土地などから既成市街地など以外の地域にある建物、機械などへの買いかえについて、圧縮率を一定割合に設定して認めるということであります。この制度というのは、御案内のとおり、実は従来からあった制度であります。バブルのときに、いわば土地取引が活発化し土地の価格が高騰した、この犯人の一人がこの制度ではなかったのだろうかというような指摘がある中で、一たん廃止した経緯がございます。そしてまた昨年、今度はこれは景気対策の観点から、土地の流動化促進要因になるのではないかということで復活したという代物でございます。 今回、一般については八〇%から六〇%への圧縮記帳卒の引き下げを提案されている。その一方で、先ほどお伺いした大規模リストラ法、それから一昨年十一月に成立しました中小リストラ法での対象者に対しては今までどおり八〇%の圧縮割合を維持する、こういう仕組みになっております。 そのほかにも三つばかり関連した法律がございます。一つは中小企業近代化促進法、それからいま一つは繊維工業構造改善臨時措置法、そしていま一つは石炭鉱業構造調整臨時措置法、この三つが事業用資産の買いかえ特例の内容を盛り込んだ法律となっておりますが、この三つの法律は圧縮記帳卒が六〇%になっているわけであります。 これは整合性の問題なんですが、もし一般が六〇%であれば、この規定というのは自動的に適用されるわけでありますから、今申し上げた三法律については整理の必要があるのかな。あるいは逆に、業界そのものが、構造改善という名前がついておる法律でありますから、ある意味では特定の事業者の認定を受けるであろうと予測される業界なのではないかと思う。そうするとそのときに八〇%になる。そうしましたら、そのときにやはり法律的な整理が必要になってくる。 こういういろいろなことが考えられるのでありますけれども、この今回の一連の事業用資産の買いかえ特例の変更と今申し上げました三法律との関係をどうとらえられているのか、そしてまた、今後もし整理する必要があった場合にはどのようになされていくのか、お伺いさせていただきたいと思います。
○小川(是)政府委員 事業用資産の買いかえのうち、土地から減価償却資産への買いかえに係る圧縮記帳制度は、今委員が御説明いただいたとおりでございまして、平成三年度の改正前には圧縮記帳割合が八割でございました。これを平成三年度に、さまざまな弊害があるということと、土地の売却益についてはその段階で法人税を払っていただくということで、圧縮記帳制度を一たん廃止をいたしました。 その後、中小企業の近促制度あるいは繊維、石炭といったようなものについて六割の圧縮記帳で再び始まっているわけでございます。六割ということは、四割分については売却益について法人税をその段階で納めていただくというものでございます。 こうした特定の業種、あるいは近代化を促進するという目的に従って行う事業者の活動について六割の圧縮記帳をいわば復活したわけでございますが、昨年、平成六年度に至りまして、土地をより動きやすいように、とりわけ企業のリストラを進める上で、土地を売却してこれで工場等を建設するようなときに、この圧縮記帳制度が適用にならないと法人税を納める部分が大きくなるという議論になりました。しかし、それを復活いたしますと、土地税制を長年議論をしてここのところ改革してきましたことがまた意味をなくしてしまうということから、ただいまお話がありましたように、景気対策の観点というのを入れてこの制度を一時的に活用してはどうかということから、いわば当時残っておりましたというか、再び設けられました近促、繊維、石炭といったようなものよりも高い八〇%の圧縮記帳割合で景気対策として設けたわけでございます。 本年、これを延長するか、そのままで期限切れにするかということを議論いたしました際に、やはりこれは景気対策のために促進するという観点からすれば、既にそれに着手された方よりこれからおやりになる方は幾分か圧縮割合が小さくなってもよいのではないか、むしろそういう考え方をとるべきではないかということで、六〇%にしてなお一年延長することにいたした次第でございます。 したがいまして、こうした考え方、こうした制度の経緯、系譜からいたしますと、一年後に期限が参りますときには、基本的には一般的な圧縮記帳制度は廃止をする。そこで残るのは何かと申しますと、この一般的な六〇に加えてリストラ関係を上乗せした八〇ということにしてございますこれと、近促の六〇というものがその時点で残っているわけでございます。 その後について、そうした政策的観点から圧縮記帳制度をどのように活用していくかというのは、また期限が到来したところでの状況で検討を行ってまいりたい、このように考えている次第でございます。
○中村(時)委員 この制度はいろいろ問題があったから廃止されたというお話でありました。ただし、昨年、景気対策の観点から復活したという御答弁もございました。これを変更するということは、景気判断についての変動があったからというふうにも受けとめられるわけであります、 そこでお伺いするのですが、いずれにいたしましても、過去の景気対策として出てきた経緯、あるいは大規模リストラ法それから中小リストラ法でこれが存続されるという経緯、こういったものを踏まえますと、やはり効果的な景気対策としてこの事業用資産の買いかえ特例というものが位置づけられているのだというふうに思えるのです。それはまた逆に明らかだと思うのです。だからこそ、圧縮記帳率を引き下げるということは景気認識が変動したというふうにも言えるということで先ほどお話しさせていただいたわけです。 昨年の十二月に高村経済企画庁長官は、月例の経済報告の中で、緩やかながら経済は回復基調に入った、昨年十二月からこういうふうな認識をされ始めております。 そこで、大蔵省、どうでしょうか、今の景気認識についてお話しいただきたいのです。
○竹島政府委員 大蔵省の景気に対する認識も、経済企画庁と同様でございます。要するに、景気につきましては住宅投資、公共投資というものが、いろいろ景気対策等もございましたけれども、その効果もあって景気の下支えという役割を果たしてまいりましたが、その後、一番大きなウエートを持ちます個人消費が緩やかな回復傾向を示しているということ、また生産活動の方も緩やかながら増加傾向を保っておる、それから企業収益や企業のマインドというものにつきましても改善が見られるといったことから、委員御指摘のとおり、政府としては、我が国経済は緩やかながらではありますけれども回復基調をたどっているという認識に立ってございます。 ただ、政府の経済見通しをつくりまして以降、阪神・淡路大震災という事態が発生しております。その経済に与える影響につきましては、これから十分に留意してまいらなければならぬと思いますけれども、いずれにしましても、基本的には我が国経済は回復過程に入っている、それを本格的な回復に持っていくために今後とも適切な経済運営をしていかなければならない、こういう認識に立っております。
○中村(時)委員 経済企画庁発言と同様のお話であります。当然でありましょう。 しかし、本当にそうなんでしょうか。例えば株式市場というものを眺めたときに、バブルのピーク時にはダウ平均が四万に手の届かんとするレベルまで上昇しました。たしか、当時の株式市場の時価総額は六百兆円というような数字であったと思います。極めて大ざっぱでありますが、現在このダウが当時の半分あるいはそれ以下の水準まで落ち込んできている。となると、時価総額は三百兆。マイナス三百兆がいわゆるバブルの池として、資産デフレとして消えている。 土地はどうでしょうか。土地はたしかあの当時、バブルのピーク時は日本の土地の総価格でアメリカ本土が三つも買えるのだなんというふうな記事が喧伝されたことを思い出すのですが、当時と比べると、現在の時価総額はマイナス八百兆円というふうに言われている。いわばこれは、土地と株だけを足して千百兆円もの資産がここ二年ぐらいの間に一瞬にして消えてしまった。この影響というのはまさにこれからなんじゃないかな、そんな気がするのです。 先ほど、一番大きな点として消費動向ということを挙げられておりましたけれども、これとても、本当に力強い消費の回復なのか、俗に言う価格破壊という現象が今起こっておりますが、これに伴った消費の喚起である側面も否定できないと思いますし、逆にこの傾向が進むとすれば、いかに企業が生産を上げようが、要は赤字で販売する結果にもなりかねない。 一年後に百万円で売ろうとする、そういう計画を立てた品物を八十万円のコストでつくった。年たってみたら、その値段がデフレ経済の中で六十万円でしか売れなかった。在庫するとその負担が響いてくるので、在庫しているよりは売った方がましだ。価格破壊にますます油を注ぐ結果にもなりかねない、こういう危険性もまだまだ消えたわけではない。 ということは、緩やかながらも回復基調に入ったというのは、基調として回復に入ったというのはちょっと認識がどうなのかな、そんな気がするわけであります。そういう観点にもし立つならば、景気対策の手というのはまだ緩める時期ではない。特に長期的、中期的、短期的な対策というものを十分にメニューを取りそろえて進めていく。その中で短期的な課題としては所得税減税もありましょうし、また土地の流動化政策もある。 そういう点から申しますと、この引き下げというのは、私は個人的にはまだちょっと早いのではないだろうかという気がするのですね。いかがでしょうか。
○小川(是)政府委員 一昨年の暮れから昨年の初めにかけましてこの問題を議論いたしましたときには、一つは景気の観点、あるいは企業リストラの観点から土地の流動化の問題が言われました。 考えてみますと、土地がなぜ動かないかというのは、売りたくても売れない、買い手がつかないという状況であって、売らない、売りたくないから売らないという状況ではない。そういうところでは譲渡課税の問題というのはうまくワークをしないというのが一つでございます。しかし逆に、売り手が売りたい、そしてリストラを進めたい、それが経済のミクロの企業、そしてひいては全体の経済の立て直しに資するんだという観点からいたしますと、土地を売ったときの利益にできるだけ課税されないで新しいリストラヘ向かえるようにする、それが当面の景気に資するという考え方も十分あり得る。 それが、両者を合わせたところで圧縮記帳制度を八〇%で設けたわけでございますが、現在御提案している中で、六〇に一年延長の期間中下げるという考え方は、やはり景気対策でつくった特別の措置であるからには、早期にこの制度を活用して進んだ企業に比べて、今お話のありました、景気が悪くなるというよりは地固めをして上へ向かおうかという状況で後から適用を受ける人は、先に適用を受けた人よりはややメリットが小さくなる、そういった形で延長されてもしかるべきではないか。 そこは、制度を最初につくりましたときの議論から見ますと、今のようなバランスをつけてなお一年延長するというのが最も適切な措置ではないかということから、下げてあえて延長をするという御提案をしている次第でございます。これを単純に延長するというやり方は、やはり特別措置のあり方としては極力避けるべきではないかと考える次第でございます。
○中村(時)委員 要は、既にこの一年間で実施をした企業と、それから、これから一年の間に実施するかもしれない企業との間に幾ばくかの差をつけるべきだという観点で六〇%の引き下げということを決められた。理屈の上ではなるほどなと思うのですが、景気対策という観点からすればもう一年ぐらいよかったのではないかな、個人的には私はそう思っております。 続きまして、地震防災対策用資産の特別償却についてお伺いをしていきたいと思います。 この件に関しましては、二月十日の本会議における新進党の井奥議員の質問でもございました。要は、ことしの一月十三日に平成七年度税制改正要綱が決定したわけでありますが、その段階、一月十三日の段階では、地震防災用資産の特別償却は廃止項目にその名を連ねていたわけであります。その後、一月三十一日にこの取り消しを決定されるわけでありますが、この問二週間、非常に政府の動きは鈍かったのではないか、こういう指摘がなされているところであります。 また、この本会議場で大蔵大臣は、地震防災対策用資産の特別償却については「前年の論議で一定の方向を見出していた」というふうな答弁をされております。すなわち、何らかの理由があって議論があって、この防災対策用資産特別償却は廃止をするという議論が存在していたということを言われているわけでありますが、その当時の、当初の廃止に至るまでの一連の議論の内容、考え方、これをちょっとお聞きしたいのですが、大蔵大臣よろしくお願いします。
○小川(是)政府委員 昨年の秋、租税特別措置の全体的な見直し作業を関係各省とも意見を交えてやっておりまして、そのときに、ただいまお話のありました地震防災用の特定の施設の特別償却制度につきましては、制度をつくりましたときには、例えば、大規模地震対策特別措置法で定められている計画を策定させる義務づけをしているといったようなところから、そういった事業者に税制上支援をする、あるいは一定の落下物対策が義務づけられた建物について、これまた過去の建物も対策を講じなければならないというところから税制上何らかの助成をするという形で、それぞれ昭和五十八年度、六十二年度に特別措置として設けられたものでございますが、その後、こういった認識が深まり、現実の適用状況も極めて小さくなってきているというところから、この制度を今回廃止をすることにしてはどうかという議論をいたしまして、一月十二日の税制改正の要綱の閣議決定のときには廃止ということを決めたわけでございます。 その四日後に現在の大震災が起こりまして、正直、部内で、関係省庁とも大変当惑をいたしました。利用状況から見ればもう廃止をしていいのではないかということでそうした意思決定をしたわけでございますが、こうした大震災が生じたことに伴い、改めてそうした事柄の重要性が認識され、あるいは利用されるという可能性もあるということから、あえてこの廃止を撤回いたしまして、二年間延長して、世の中のこの問題に対する関心の度合いあるいは利用状況をいま一度見守る。ことにしようということにしたわけでございます。 十七日の震災が起きましてから、この問題その他、各税の問題を含めまして、部内的に若干検討の時間を要したわけでございまして、最終的には、御指摘のとおり、二十四日の閣議で大蔵大臣から十三日の閣議決定をその部分変更したいという発言をし、三十一日の法案で最終的に閣議で決定をした、こういった経緯でございます。
○中村(時)委員 お答えの中で、利用状況から見て十分もう浸透したし適用件数も少ないから廃止というような論議がなされていたようでありますが、要は、今回の取り消し措置というのは当然のことでありまして、問題はやはり廃止に至る今の議論の経過であろうと思うのですね。 この地震防災対策用資産の特別償却の廃止という議論が今の政府の災害に対する姿勢を如実にあらわしているように思えてならない。こういった経過になってしまったことについて、大蔵大臣に所感をちょっとお伺いしたいのですが。
○武村国務大臣 今局長からお答えいたしましたように、利用状況が少なくなっている、こういう特例措置そのものがそれなりに認識をされたということもあって、与党の中で真剣な論議をいただいて租税特別措置の廃止の一つに決めていただいたということであります。 それは今も説明申し上げたように、この措置ができてから今日までの経緯、今申し上げたようなそうした理由からいってごく常識的な判断であったのではないか。ところが、明けて、法案を提出保するまでにこういう大きな震災がございましたから、そういう意味じゃ、地震に対する備えといいますか認識が甘かったと言われれば、こういう大震災を予期していなかったということも含めてそれは反省をしなきゃならないというふうに思いますが、昨年末のごく静かな論議と冷静な判断の上では廃止が望ましいという結論になったということを、それなりに御理解をいただきたいと思うのであります。
○中村(時)委員 常識的な判断であるということですが、一応認識の甘さというのは反省せざるを得ないところもあるという内容と受けとめさせていただきたいと思います。 それでは続きまして、公共投資十カ年計画についてお伺いをしたいと思います。 この公共投資十カ年計画、これは、振り返ってみますと、この根本というのは日本の巨額の貿易黒字にある、そんなふうに思うわけであります。 一九八五年にプラザ合意がありました。その後、円高誘導が進む中で、恐らくは円高によって貿易黒字というのは減額するんじゃないかという期待があった。しかし、急速な円高が浸透したにもかかわらず、思った以上に、思った以上にというよりはほとんど貿易黒字削減、減額という効果はあらわれなかったわけであります。 アメリカは、この合意の効果に対する幻滅感を踏まえまして、こうした効果を上げるのを妨げたのはひょっとしたら日本の構造的な問題なんじゃないか、こういう視点に変化していくわけであります。そして一九八九年にいわゆる日米構造協議が発足することになる。たしか九〇年でしたか翌年でしたか、発足後一年たって、アメリカから二百項目を超える衝撃的な対日提案が提出された。その項目の中に公共投資の大幅増額問題が取り上げられていたことに端を発していると思うのです。 その後の交渉の過程で、我が国の内需拡大を想定した総額五百兆円という十カ年計画の目標設定を要求してまいりました。これに対して、最終的に落ちついた先が四百三十兆円の一九九〇年から始まった十カ年計画であったと思っております。その後、昨年十月に、今計画となっている、投資規模を二百兆円増額した六百三十兆円の平成七年度からの十カ年計画へと変わっていくわけであります。 こういう経過を踏まえますと、この六百三十兆円の公共投資十カ年計画は、九〇年から始まった四百三十兆円の計画の焼き直し版、改訂版である、こういう認識でよろしいのでしょうか。
○筧説明員 お答え申し上げます。 今回の、昨年十月に閣議了解いただきました公共投資基本計画につきましては、一九九〇年に策定いたしました四百三十兆円計画の改訂版であることは間違いございませんが、本格的な高齢化社会の到来を控え、国民が真に豊かさを実感できる社会を実現するためには、人口構成が若く、経済に活力がある現在のうちに、後世代に負担を残さないような財源の確保を前提として社会資本整備を一層促進していくことが必要である、こういった認識に立ちまして、今後十年間の長期にわたる社会資本整備の基本的方向を示すものとして本計画が閣議了解された、かように認識いたしておるところでございます。
○中村(時)委員 四百三十兆円の計画の改訂版という、そういう言葉が出てまいりました。となれば、今のこの六百三十兆円の公共投資基本計画は、ある意味では外圧にこたえることが出発点であったとも言えるわけであります。すなわち、自主的ではなくて日米構造協議の米国要請から始まったのかな、そんなふうに思えるわけであります。 そこでお伺いしたいのですが、これは対米公約ですか、この金額は。そしてまた、この金額はもうコミットしているものとして受けとめて計画をおつくりになられているのか、このあたりをお伺いしたいのですが。
○筧説明員 今回新たに見直しました公共投資基本計画つきましては、先ほども申し上げましたとおり、今後の本格的な高齢化社会の到来をにらみまして、国民が真に豊かさを実感できるような社会を実現していく上で、社会資本の整備を一層促進していくことが重要と、かような見地に立ちまして、人口構成が若く、経済に活力がある現在のうちに、後世代に負担を残さないような財源の確保を前提として投資を一層促進していく、かような見地からの長期にわたる社会資本整備の基本方針としてこの計画をまとめ、閣議了解いただいたもの、かように認識しております。
○中村(時)委員 役所さんの答弁はそこまででしょうから、重要閣僚として大蔵大臣、この公共投資十カ年計画、六百三十兆円というのは対米公約なのか、コミットしている金額というふうに受けとめて計画を決定されたのか、大臣として御答弁いただきたいと思います。
○武村国務大臣 対米公約としてこの基本計画をまとめたものではないと思います。まさに日本の政府として、やはり社会資本の整備に対する関心は非常に高うございますし期待も大きいわけでございますから、前回、五年前の四百三十兆円を新しい経済状況をも踏まえて見直しをしてもいい時期に来ておりました中で、こうして企画庁を中心にして新しい十カ年のプランとして六百三十兆円をまとめて、日本国民に向かって公表をさせていただいた。 当然内外の外も、アメリカを含めて知るところになるわけでございます。このことで、日米構造協議も私どももかかわってまいりましたが、特にこのことがメーンのテーマになったという記憶はありません。
○中村(時)委員 対米公約、米国とは関係なく国内向けにつくられたというお話でございます。 とするならば、この六百三十兆円という数字は、国内の状況を踏まえての計画でありますから、義務ではない、いわば努力目標なんだと、十年間かけて六百三十兆円、もし事業として消化できなくても、それはもう努力目標だからやむを得ないところがあるのだと、こういうふうに受けとめてよろしいのでしょうか。
○筧説明員 本計画につきましては、社会資本が二十一世紀初頭には全体としておおむね整備されることを目標とし、また経済全体とのバランス等も考慮しながら、計画期間中におおむね六百兆円の公共投資を行い、これに今後の内外諸情勢の変化や経済社金の変容等に対し柔軟に対応し得るような弾力枠三十兆円を加えまして、公共投資総額をおおむね六百三十兆円といたしたものでございます。 したがいまして、ただいま申し上げましたような観点から、本格的高齢化社会の到来に向けて、本計画の考え方を踏まえまして社会資本整備を着実に推進していく必要があると考えております。
○中村(時)委員 質問に対応したお答えはいただけないみたいなんですが、おおむねという言葉でありますから、これは努力目標だというふうに受けとめてよろしいわけですね。もし仮に十年たって財政的な事情等々で六百三十兆円できなかったとしても、それはやむを得ない場合もあるというふうな、一応達成するように努力はするけれどもやむを得ない場合もあると。
○筧説明員 お答え申し上げます。 あくまで来年度から向こう十年間投資すべき公共投資の総額についての長期的な計画事項としては六百兆円と弾力枠三十兆円というものが必要な金額として、おおむねはついておりますが計画事項として決めたものではございます。ただ、その具体像につきましては、今後毎年毎年の経済情勢等を反映しながら弾力的、機動的に運用していくべきものでございますので、そのような形で十年間、この目標といたしました計画投資規模を達成すべく着実に推進の努力を振り向けていく必要があろうかと、かように考えている次第でございます。
○中村(時)委員 これ以上の御答弁はいただけないと思いますので、次に移りますが、歳出の金額の計画よりも、大事なことは中身であります。先ほどからお話の中でいろいろな事業の一端を並べられておりますが、この計画書を見ますと、およそ思いつく事業のすべてが極めて総花的に並べられているな、そんな気がしないでもない。ただし、総花的に並んでいても、よく見ると何かが足りないな。それはやはり都市防災という項目だと思うのですね。今、先般の阪神・淡路大震災を通じて、これはその地域だけではなくて、全国的に都市防災に対する関心というのは高まっているわけであります。一方で、村山総理大臣も幾度となく、防災に強い町づくりをやっていくんだ、こういう強い決意を表明されている。 一応この計画の中でそれに当たるとするなれば、安全な生活基盤というふうなところになるのでしょうけれども、地震とか都市防災とか、そういう項目は載っていないのですね。このあたりはきっちりとこの計画の中に、こういう情勢変化があったわけですから、明確に盛り込むというお考えはありませんか。
○筧説明員 お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、公共投資基本計画におきましては、社会資本整備の基本的方向を示します主要施策を大ぐくりで表記しているところでございますが、その主要施策の一つといたしまして、自然災害を未然に防止するための施設の着実な整備でございますとか、安全な居住環境の確保のための施策の推進でございますとか、「国民生活の基盤となる安全の確保」ということで明記させていただいたところでございます。 この例示の中には、当然関係各省庁ともすり合わせをさせていただきまして、施策の例示をさせていただいたところでございますので、具体的に、先生御指摘のような都市防災という具体的な形では文言そのものは入っておりませんが、当然、委員御指摘の観点につきましては、各省ともどもそういった施策を含めて主要施策として明示させていただいたところでございます。 本計画のこうした考え方に立ちまして、施設の整備を進めることによりまして、地震を初めとする自然災害に強い都市づくりが図られるもの、かように私どもとしては考えているところでございます。
○中村(時)委員 文言は入っていないということでありますから、情勢が変わったわけでありますから、修正することは別に恥ずかしいことでも何でもないわけで、ぜひ御検討いただきたいということを要望させていただきたいと思います。 さて、中身よりさらに大事なことが財源問題であります。これはざっとした計算ですが、現在の公共投資の総額は約四十数兆円、そのうち国の負担が八兆円プラス施設費と称して二兆円、約四分の一。これを当てはめるならば、机上の計算でありますが、この六百三十兆円が十カ年でもし実施されたとするならば、国、一般会計の負担は四分の一、地方が二分の一、財政投融資が四分の一、これくらいの負担配分になるのかなと思うわけであります。四分の一とするなれば、約六百兆の四分の一、百五十兆円、単年度ベースで十五兆円、これだけの金額が必要になる計算になってくるわけであります。 しかし、先般この大蔵委員会でも質問させていただきましたが、この財源問題については、大蔵大臣も、裏づけは、見通しは立っていない、こういう驚くべき発言をされておりました。民間の会社では、財源根拠のない計画は計画とは言いません。それは夢物語であり、まさに絵にかいたもち。しかもこの計画内容を見ますと、明確に、「今後の高齢化の進展を踏まえれば、本計画の実施に際しては、後世代に負担を残さないような財源の確保を前提」とする、こういう文言が入っております。 財政担当者、大蔵大臣からお伺いしたいのですが、この計画を実施するに当たって、この計画の中に挿入されている「後世代に負担を残さないような財政の確保」、これは明言していただけるのでしょうか。
○中島(義)政府委員 公共投資基本計画の財源についてのお尋ねでございますけれども、これについて考えます場合、まずこの計画が十年間という長い計画であるということ、それからその具体的な実施に際しましては、実施主体が国、地方、それから公的企業といろいろ分かれておりますということ、それからまたその時々のまさに経済情勢、財政事情等を踏まえながら行かなければならないといったさまざまなことから、今後の社会資本の整備に関しましては、その性格に応じまして、租税、公債、財政投融資等を適切に組み合わせていく必要があると考えてございますけれども、その具体的な内訳につきまして現在見通すことは困難であることを御理解賜りたいと思います。 しかしながら、いずれにいたしましても、この計画で述べられておりますように、社会資本整備の推進に当たりましては、先生御指摘のように、本格的な高齢化社会を控え、後世代に負担を残さないよう、今後の計画期間においてさまざまな観点から十分検討を進め、そして各時点での経済や財政状況を踏まえて可能な限り公債依存度を引き下げていく、税財源を充当できるよう努めていく必要があるという基本的な考え方があることは事実でございます。
○中村(時)委員 巨額の出費、財源の裏づけの見通しは立っていない、後世代に負担を残さない、何かこの三つというのはどうも並び立つような話ではないような気がするのですね。後世代に負担を残さないとするなれば、じゃ、現世代、現在の人たちで賄うのか、そうすれば増税なのか、そんなふうな感じもしないではない。まあいずれにいたしましても、財源についてはまだ今の段階では極めてあいまいであるということが浮き彫りになったと思うわけであります。 しかし、お話しのとおり、結局のところは建設国債あるいは地方債などの借金に結果的に頼ることになる。しかし一方で、先般からこの委員会でも論議されているように、財政赤字は極めて深刻であります。公共投資といえども安易な借金頼みは許されない御時世。だからこのために増税、財源が不足したからといって簡単に増税するようなことは決してあってはならないし、国民は許さないということを申し上げておきたい。 そしてまた、これから日本の経済そのものがかつての高度成長は望めない、低成長時代に入っていく中で、非効卒な予算を組む余裕がないということも銘記しておかなければなりません。だからこそ、行政改革、予算の歳出項目の見直し、あるいは公共事業のスクラップ・アンド・ビルドの必要性、あるいはこの公共事業そのものの、先般の委員会でも野坂大臣が言っておりましたけれども、談合は現に存在する、こういう発言があった、そういうようなことに対する改革、ありとあらゆる改革は待ったなしで行わなければなりません。 最後に、重ねて、前回でも申し上げましたが、大蔵大臣、本当に、ここはたぐいまれなリーダーシップをぜひ発揮していただきたい。行政改革をもっともっと、最初のお話とおりやっていただきたい。当選三回にして大臣に就任された本当にたぐいまれな政治力をお持ちの大蔵大臣、そのあたりのリーダーシップを遺憾なく発揮されることを望むものであります。 最後に、この点について大蔵大臣から御答弁をいただきまして、私の質問を終わらせていただきます。
○武村国務大臣 厳しい御指摘を賜っておりますが、およそ計画と称しておりますから政府の公的な意思を表明したものであります。その限りにおいては、政治的な責任を伴うものであると認識をいたしております。 また、財源はあえてさまざまな財源手段を組み合わせながら年度年度対応していくというのは、これは経済情勢一つ例をとりましても、社会主義経済の国ですらなかなか十カ年計画というのはうまく達成しませんように、この市場経済の日本でそうコンクリートなものをあらかじめ予想して発表するのは、むしろふまじめなことになりかねないというそんな側面もぜひ御理解をいただきたい。しかし、これからの経済成長率等々も含めてマクロな推計の中で六百三十兆円という数字をはじいて、内外に公共投資整備への政府の意思を表明させていただいているというふうに御理解いただきたいと存じます。
○中村(時)委員 終わります。
○尾身委員長 次に、北橋健治君。
○北橋委員 新進党の北橋でございます。 このたび大蔵委員会の差しかえで質問をするわけでございますが、昨今の大蔵委員会での質疑をよく承知しておりませんで、その関係で部分的に重複をする質問項目もあろうかと思いますが、どうぞ御容赦を賜りたいと思っております。 きょう、租税特別措置法の問題について議論をするわけでございますが、実は武村大臣とは去年の十一月、税制改革特別委員会でいろいろと議論させていただいた経緯がございまして、あのときの大臣の答弁をもう一度読み直してみたのですが、あのときは、行政改革にいたしましても短兵急に判断をしないでほしい、期限を切って、やるものは必ずやるのだという御決意のほども聞かせていただいておりました。そういうことで、新党さきがけは特に、行政改革なくして税制改革はないんだ、そういう主張をされてきたこともございまして、前回の十一月での質疑を踏まえまして、最初に行政改革と税制改正につきまして諸点について質問をさせていただきたい、こう思っております。 最初に大蔵大臣に、今般政府系金融機関を初めいろいろと難しい問題はあるわけですけれども、村山内閣をおつくりになられたときの、行政改革を断行するその不退転の決意というものは今でもお変わりでないかどうかをまずお伺いしたいと思います。 ちなみに、昨年の五月でございますが、衆議院本会議におきまして、当時さきがけは閣外に転じておられましたけれども、新党さきがけの党首として質問に立たれまして、羽田内閣総理大臣に対しましてこう言われております。 新しく税を求める前に、今の税の集め方に問題はないのか、今の税の使われ方に問題はないのかということについて国民の理解を得ることが欠かせません。このため、まず国民の納得できる行財政の思い切った改革の道筋を示すべきであります。まさに「行政改革なくして税制改革なし」ということを強く訴えたいと思います。(拍手)と書いてあります。実は、当時私も武村さんのごの御発言には拍手を送った一人でございます。大臣、今もってこの御決意に変わりはないでしょうか。
○武村国務大臣 拍手をしていただいてありがとうございました。今も変わりはないつもりでございます。また、変わってはならないとみずからも思っております。 当時は、税制改革の挫折をして、将来どういう政権になろうとも税制改革という大変難しい大きな課題を乗り越えなければならない、そんな認識が私に強くありました。結果的には、村山内閣ができて、今の内閣がああした税制改革法案を昨秋提案をさせていただいたわけでありますが、あれもいろいろな議論がありました。結局、三・五兆円という所得税減税を断行する、そのための財源として二%の消費税率アップを国民の皆さんにお願いする。細かく言えば、四千億ほど福祉財源に回す多少の余裕を見つけることができたわけでありますが、基本的には、三・五兆円の減税対応の二%消費税アップという税制改革法案を国会に提案をさせていただいて今日を迎えております。 あの法案の中にも、見直し条項で真剣な論議がありましたように、やはり将来の消費税率は需要の面からいえば福祉という、福祉等と書いていましたかね。だから、きょう先ほど議論がありましたような社会資本の整備なんかもその中には入ってくると思いますが、そういう新しい将来の財政需要、それから歳出歳入に影響を与える側面としていわゆる行政改革、広い意味では行財政改革と申し上げた方がいいんでしょうか、歳出をカットする、あるいは抑制する、減らしていく努力、こうした見合いで最終消費税率は決まっていくという前提で見直し条項が置かれているところであります。 そういう税制改革の動きがございましたが、並行して、村山内閣も細川、羽田内閣の後を受けながら、いよいよ政治改革から行政改革への取り組みを真剣にしなければいけない時期を迎えておりまして、私どもさきがけとか武村個人の立場では、そのことについては当然でありますし、ひときわ真剣に取り組もうという思いがありまして、国会でもそういう発言を申し上げたわけであります。 これから行政改革という課題は、いつも申し上げておりますが、大変幅の広い、奥の深いテーマでございます。また政治改革と比べては、日本の国家権力そのもののありようを問う、国・地方を通じて問うテーマでもありますだけに、短期日にすべての問題が進むとは思いません。 ことしのこの時期はこういうテーマ、あるいは次はこのテーマとか、場合によっては一つの政権でやり遂げられるものではなしに、二つ、三つの政権が継続して取り組んで初めてかなりの行革ができるというぐらいの大きなテーマだと私は認識をしておりますが、まずこの時期、村山内閣の定めた方針に沿いながら、そうした過去の発言を踏まえて、たがうことのないよう、この問題に対するみずからの精進を重ねていかなければいけないというふうに思っております。
○北橋委員 行革を断行するという決意に変わりはないという御答弁でございました。 その中でも、行革、たくさんテーマがありますが、金目の話となりますと、四兆円を超える出資金、補助金が出ているという意味におきまして、特殊法人の改革というのは焦眉の急だと思います。 その意味で、これまで鋭意御検討されてきたと思いますけれども、先般、二月十四日に、総務庁長官から閣議で特殊法人の見直し結果について御報告がされております。私もこれ急いで読んでみましたけれども、村山総理あるいは武村大蔵大臣が昨年秋、消費税の増税法案を通すときに、必ず年度内にやり遂げると言明をされた行政改革のあの意気込みからいたしますと、この程度で本当に済みなんだろうか、そういう感想を禁じ得ないわけでありますが、武村大臣としては、現在の特殊法人の見直しの作業全般につきまして、これでよしとお考えになっておられるのかどうか、まずお伺いしたいと思います。
○武村国務大臣 村山内閣になりましてから、行政改革のテーマは、とりあえずは地方分権と特殊法人の整理合理化と規制緩和、三つに焦点を当てながら今日に至ってきております。 地方分権は、年度内ということを申し上げてきましたので年度内に大綱が決められた、いよいよ分権法を近々国会に提案をさせていただくという状況でございます。 より具体的に、一番最初にやってきたのが特殊法人だというふうにも申し上げられるわけでありますが、年度内という努力目標を内閣みずからが掲げてまいりました。しかし、最初はどうも、政府としては二月十日ぐらいにとりあえず具体案をまとめよう、しかし与党との調整があるから三月いっぱいかかるんじゃないか、こんな思いで二月十日という、それ以前の第一次目標の時期が設定されたようであります、これはまあ後から聞いたのでありますが。しかし、全体としては、政府系金融機関以外は二月十日で一応一定のまとめを終えることができまして、政府系金融機関は年度内を目標にさらに努力を続けているところでございます。 総括的に申し上げて、これで十分かという、そういう御質問ではありませんでしたが、みずからそう問いかけますと、決してこれで十分と私は思っておりません。内閣としては、中にもおりましたが、各省庁あるいは各大臣、この成果につきましても、かなり叱咤激励というか努力をされて、十四法人の統合、五法人の廃止ないしは民営化、数で足すと十二になりますか、そういう成果を上げ得たのだと思います。本会議でも答弁いたしましたように、それなりの成果を上げることができたというふうに認識をいたしておりますが、決して十分だとは思っておりません。
○北橋委員 時事通信社が十九日まとめた月例の世論調査というのが出ておりますけれども、これは首都圏の成人男女を対象に調査をしたものでございます。今回の行革で村山首相の指導力は感じられたか否か。「感じられた」九%、「感じられない」八六%であります。次に、村山内閣で行革はできるか。「できる」と答えた人はわずかに一六・八%、「できない」と答えた人は七四・八%であります。 昨年来、税制改正との関連で、行革は必ずやり遂げると言ってこられた当時の意気込み、また意欲からいたしますと、私どもは率直に、大幅に後退を余儀なくされている、そのように感ぜざるを得ません。 そこで、大蔵大臣に関連するところで具体的にちょっとお伺いしたいと思っておりますが、新聞報道というのは内部でのいろんな、見えない世界の議論をいろいろと透かして書くものですから、どこまで本当か、私ども承知はできませんけれども、当初、武村大臣は、環境衛生金融公庫を初めとして同種類の三つの公庫を統合してはどうかと、具体的な統合案なんかもお出しになられた。ところが、政府・与党の中でそれに強く反発する動きがあって、新聞によると、それは某政党の族議員がつぶしたと書いてあるんですけれども、結局それがだめになってしまった、このように報道されているんですけれども、経過はそうだったんでしょうか。
○武村国務大臣 政府系金融機関に対するお尋ねでございますが、率直に申し上げて、十二月の末の私どもの認識では、多くの政府系金融機関は各省庁にまたがっている、共管だと申し上げてもいいんですが、そういう状況でありますから、各省それぞれ大臣を先頭に特殊法人の改革に取り組んでいくというのが内閣の姿勢でございましたが、それはそれでいいとしても、各省にまたがるものをどうするか。政府系金融機関だけではありませんが、多くの政府系金融機関がそうでございまして、それはやはり内閣全体が省庁を超えて一定の考え方、方針を打ち出して取り組んでいく必要があるというふうに思っておりました。 その後地震が起こりまして、地震のせいにするわけではありませんが、もう二月十日がぐんぐん迫ってくる中で、政府系金融機関は、政府の内部でも、与党の一部にもあったかもしれませんが、年度内という目標の中で、二月十日には全部まとめ切れなくても、二段階で取り組んでいけばどうだろう、こういう議論が始まっておったわけであります。 結果的にはしかし、とりあえず考え方は持ち寄ろうということになりまして、与党の中から、一部の政党で輸開銀の統合というふうな提案も、これは公式提案であるのかどうか私も確認しておりませんが、そういう考え方も浮上をいたしました。もう直前になってですね。 私も、特に大蔵大臣としては、大蔵省専管の金融機関は三つでございますが、他省庁と共管しているのが十余りございまして、ある意味では、政府系金融機関プロパーのものは全部共管をさしてもらっておりますから、そして財投の責任もございますから、ひとつ大蔵大臣の方で考え方をまとめてほしいという官房長官や総務庁長官からの要請もありまして、最終十日の日に、私、大蔵大臣としては、まだ各省庁と協議ができていませんが、政府系金融機関については、この時期の改革としてはこういう考え方が一番いいと思いますということで申し上げたのが、開発銀行と北海道東北開発銀行の統合、今御指摘の国民金融公庫と中小企業金融公庫と環衛公庫の統合、さらに奄美群島振興開発基金を県に移譲するという具体的な案でございました。その真ん中の問題について今お尋ねをいただきました。 この三つのうちの前者二つは、やはり特殊法人改革の政府・与党の基本級の一つには、類似のものは統合すべしという考え方がございました。もちろん民官化がありますし、廃止もあるのですが、統合については、役割、機能が近いものが可能性があるという認識で取り組んでいるわけでございますから、いろいろな案があろうかと思いますが、大蔵省内部で何回か勉強をいたしまして、北東公庫と開銀は、いわゆる地域開発金融融資という、地域が北東は北海道、東北という地域に限定されておりますが、そういう意味ではよく似た役割を担っているわけであります。そういう意味で統合の可能性がある。 あとの三つの公庫につきましては、中小企業、個人事業という分け方は確かにあります。中小企業というのは三百人以下の従業員の企業、個人公業というのは百人以下、こういう一応の分け方はあるわけでございますが、中小、個人、全体でとらえますと、この三つの機関が類似性が高いという認識に立って、三公庫の統合ということを私の案として申し上げたわけであります。
○北橋委員 大臣、きょうは質問したいことがいっぱいありますので、詳しく御説明いただいておりますので恐縮でございますが、これから簡潔によろしくお願いしたいと思います。 三公庫の問題も随分政治的にトラブった、難しいということを私は報道を通じて承知しているわけなのですが、何といいましても、焦点は輸銀、開銀の統合問題であります。 基本的に、私ども特殊法人の問題を考えるときに、二つある、三つあるものを統合すれば確かに数は減りますから、余り事情を御存じない方にとってはこれで何か改革が進んだように思いますけれども、そこで具体的に何かが変わらなければ改革にはならないわけであります。とりわけ民間の銀行業界にいたしますと、開銀、輸銀が一緒になりましても、膨大な銀行がまた出現するわけでありまして、民業圧迫ではないかという批判というのは根強いわけであります。 これは党内においてまだ正式に議決しているわけではございませんけれども、何か政府・与党の中には、目玉になるようなものを統合すればそれで済みだ、そして肝心の、財投という形で国民の税金が使われているわけでありますけれども、その使い方について思い切ってメスを入れる、これは武村さんも言われてきたと思うのですけれども、そんなことは後回しにして先へ延ばす、余り痛みのないところでひっつけて一丁上がりだ、こういうふうな形になっていくのではないかと私は大変懸念をいたしております。 私は、個人的には、開銀、輸銀というものを統合して大蔵省の関係はこれで済みだという考えには直ちに賛同できないという意見でありますけれども、例えば、これは新党さきがけでもはっきり言われております。去年の八月に具体的に特殊法人の改革の具体案を出しておられます。この中で、日本開発銀行というのは九六年四月から、一年置いて民営化すべきだ、このように言っておられるわけであります。そしてまた、輸出入銀行につきましては、海外経済協力基金、ここと統合してはどうか、このようなことをおっしゃっておられるわけでありまして、武村さんが大臣である以上、伝えられておるような、統合してそれで済みだというような方向にはならないと期待はしているのですけれども、御所見を承りたいと思います。
○武村国務大臣 戦後五十年を迎えておりますから、戦後誕生した日本開発銀行、あの当時は戦災の中から日本経済を復興させる、そのための貴重な政策金融機関として開発銀行が生まれたわけであります。いわば、日本の最も大事な基幹産業に対する長期の、安定した、低利の融資を供給するという役割を担ってまいりました。あのころの日本経済、規模だけで見ましても、今日とでは本当に大変な成長を遂げたわけであります。五十年たって今日を迎えたときに、なお開銀は必要なのかという議論がかなり各方面にございます。そういうことが開銀の民営化というふうな主張になってきているのではないか。新進党の案にも民営化が載っておりました。 ただ、現実の開発銀行は、また話が長くなるのを避けますが、九〇%がいわば政策金融といいますか、市場よりはやや低利の融資を供給することによってかなりの需要に対応をしているのも事実でございます。これは、大蔵省がそういうプロジェクトに深くかかわるというよりも、むしろ通産省、運輸省等を初め事業官庁が判断をして、それぞれのプロジェクトについてかかわっていただいているわけでございますが、そういう制度全体の需要からいきますと、やはりこれからも公的資金、いわゆる財投資金を基本にした開銀は必要であるという声が大変強うございます。そういうはざまでこの開銀の民営化論をまだ議論は続けているところでございます。 輸銀につきましては、御指摘のように、生まれたときは輸出山銀行という名前だったそうですね。その後輸入も入りまして今の名前に変わっておりますが、実際は、輸出入からさらに最近は海外投資、いわゆる資金還流ともいいますが、日本の経常収支の黒字の中で、発展途上国を含めて、あるいは中進国も含めて日本のこの準民間的な銀行資金を還流させていくという意味では、大変大きな、あるいは貴重な役割を担ってきている。私はG7にまだ三回行っただけですが、絶えず日本の協力という場合には、もちろんODA等の協力もありますが、この輸銀の融資ということに対する期待は非常に高こうございます。 世銀やアジ銀等と協調する場合もございますし、メキシコ・ペソの問題なんかになりますと、そういう意味ではIMFからも強い要請を受けるということもありますし、昨今はウクライナとかロシアに対する支援でありますとか、北朝鮮の軽水炉の問題がもし言われているような形で具体化をして、日本が一定の資金負担をするということになりますと、これもまた恐らく輸銀という形になる可能性が強いと思っておりまして、国際金融機関の中で世界銀行とアジア銀行の真ん中くらいの資金量といいますか、あるいは貸出量を持つ存在に育ってきているわけでございますだけに、これを単純に廃止するとか分解するという考え方はいかがなものであろうか、これは大蔵大臣として率直にそう思っている次第であります。
○北橋委員 開銀と輸銀の統合というのはなさそうですね、大臣。
○武村国務大臣 二月十日のああした事態を踏まえて、もう一度年度内を目標にして与党を中心に議論をし直そうという、今政府・与党全体としてはそういう取り組みでございます。ですから私は、一たんもう白紙の気持ちで政府も与党ももう一度政府系金融機関の改革は議論を始めよう、そういう考えだと思っております。
○北橋委員 税の議論に早く移りたいので、答弁はできるだけ簡潔によろしくお願いいたしたいと思います。 きょうは内閣の方にもお越しいただいておりますが、新党さきがけの行革のプランの中に、「行政改革が進まない象徴的存在」ということで、特殊法人に対する天下りの問題を取り上げておられます。 そこで、内閣にお答えいただきたいのですけれども、昭相、五十四年に閣議了解をして、特殊法人の役員の管理についてはきちんとした方針を出しているはずなんですけれども、例外があります。きょうは例外の件数を示していただきたい。 まず第一に、全員天下っている法人。役員が全員天下り、その法人は幾つか。それから、渡りは一回にとどめることになっていますけれども、この例外は何件あるか。年齢制限の例外は何件あるか。例外だけの件数を教えていただきたい。
○小幡説明員 お答え申し上げます。 ます、特殊浪人の常勤役員のすべてを国家公務員出身者で占めておるいわゆる独占法人でございますが、平成七年一月一日現在で十四法人でございます。ただ、一件、この二月一日で解消してございますので、現段階では十三法人ということでございます。 次に、五十二年の閣議で決まっております一定の基準の例外でございますが、すべて平成七年の一月一日現在の数字で申し上げますと、いわゆる転任役員の例外は全体で十七名、全特殊法人の常勤役員の二%。次に、いわゆる高齢でございますが、この例外が全特殊法人で十二名、全体の一・四%。次に、長期在職の例外でございますが、これも同じ一月一日現在で十七名、全体の二%という数字になってございます。
○北橋委員 今お話を聞きますと、大変例外が多い。決めたんだけれども守られていないということで、政府・与党としても、これは早急にやはりもう一度閣議決定をやり直すなりして、特殊法人の問題についてはきちんとした改革案を提示していただきたい、その結論が出るのを期待をしたいと思います。 大臣に、財政投融資の問題について先送りされるのではないかという懸念が広まっておりますけれども、端的に所信を承りたいのですけれども、これまでさきがけの行革の方針案あるいは武村さん自身の、報道で知る限り、いろいろなところでのお話でも、単に統合とか統廃合の問題だけじゃなしに、年間四兆円余の出資金と補助金が支出されているのだ、ここに思い切ったメスを入れていくべきだという趣旨の御発言をされておられます。 今回、そういった方向が見えてこないものですから、これはやはりなかなか難しくて先送りになるのではないかという見方も一部にございますが、やられるのですか、先送りですか。
○武村国務大臣 私の考えと政府の考え、まだぴったり一致をしておりませんが、政府としては財政投融資全体の改革に取り組むということがまだ公式に決まっておりません。しかし、政府系金融機関の改革の議論をしていく中で、やはりこれは財投と裏表の問題であるという認識が出てきておりまして、本来なら財投改革の一環として政府系金融機関の見直しをすべきだ、こういう主張も一部にあるわけでございます。しかし、特殊法人については年度内という目標がございますので、とりあえず財投全体の深い論議の前に、一定の政府の考え方をまとめていこうというのが今の割り切りでございます。 そうなりますと、財投そのものは一つ課題として残る。今後この問題をどうするか。何らかの意味で財投に目を向けなければいけないという認識は政府・与党全体にもあると思っておりまして、今後どういう扱いをするかは、政府全体で決めていくことになろうかと思っております。
○北橋委員 行革の問題はこの辺にしたいと思いますけれども、いずれにしましても、昨年秋の増税論議のときに、行革をやらないのは公約違反じゃないですかとお聞きしましたら、大変せっからな結論を出してもらっては困る、こういうお話でした。必ず時間を決めてやるのだとおっしゃっておられたのですが、きょうの一連のお話を聞いている限り、国民が納得できるような行政改革というものは全くまとめられていないように私は感じております。年度末ということのようでございますから、その結論を見守りたい、こう思っております。 さて、税制の議論でございますが、私どもは今回の税制改正全般にわたりまして、やはり日本の景気というのは大変に厳しい状況に置かれているのではないか。一部には明るさが見えてきた。確かに経済企画庁の報告にありますように、長かった厳しい不況から少しずつ脱却をしてきている点は、私ども認識をしておりますけれども、しかし立ち直るにはまだまだ時間がかかる。 日本の産業界、経済は、まだ体力が相当落ち込んだ、冷え込んだままだ、こういう認識を持っておりまして、私ども新進党といたしましても、昨年の末、予算編成に当たって思い切った景気対策を講じなければだめだ、こういう趣旨でいろいろなことを申し上げたわけであります。その中身を見ますと、私どもの御要望したことが実現している点もございますけれども、幾つかの諸点で不十分ではないか、もっと景気対策上強力に講ずるべきではないかという諸点もございます。 そういう趣旨から、以下お伺いをしていくわけでございますが、きょうは経済企画庁の方、お越しいただいていると思うのですが、経企庁の月例経済報告二月を見ると、景気は緩やかな回復基調にある、いろいろと厳しい局面、雇用調整だとか設備投資、あるいは消費についても厳しさはあるけれども全体としては緩やかな回復基調にある、ただし、震災の影響もよく見なければならない、そういう趣旨のことがございますけれども、私ども、やはり相当景気はまだまだ冷え込んでいる、今後震災対策の財源問題を議論するときに、いたずらに増税をするとか減税を圧縮するとか、こういうことになりますと、せっかく立ち直りかけた日本経済がまた大きく冷え込んでしまう。そういった意味におきまして、今日の景気をどのように判断するかという前提は大変重要な問題だと思っております。 経済企画庁は、震災対策については今後どのような影響があるのかは今後の課題だということで、まだ数字には示されないという方針のようでございますけれども、震災対策、日本の経済の頸動脈が切れたようなものでございますから、これまた大変にゆゆしき事態であります。そういったものを含めまして、私どもは、日本の経済というのは相当に冷え込んでいる、ここで景気対策の手綱を緩めてはならないのだ、このような危機感を持っているわけでありますけれども、経企庁はどうでしょうか。
○塚田説明員 我が国経済の現状を見ますと、先ほどの御指摘もございましたけれども、設備投資は一部産業で堅調な動きが見られますものの、総じて低迷が続いております。雇用情勢についても、製造業を中心に厳しい状態にございます。しかしながら、住宅建設につきましては高い水準で推移をしておりまして、個人消費は緩やかながら回復の傾向にあると思われます。このように、いろいろ厳しい状況がございますが、特に企業設備等の調整が続いているといった事情がございますが、全体として見ますと、我が国経済は緩やかながら回復基調をたどっているものと考えております。 今後につきましては、まず個人消費は、所得税減税の継続の実施や物価の安定基調に加えまして、耐久消費財の販売回復が定着すると見られますことなどから、今後回復が本格化してくるものと考えております。また、設備投資につきましては、これまでの企業設備のストック調整の進展に加えまして、鉱工業生産や機械受注等の各種の指標が改善を示しているといったことなどから、全体としては回復力を徐々に強めて、四年ぶりにプラスに転じるものと期待しているところでございます。さらに、公共投資や住宅投資は、七年度予算の措置等により、引き続き高水準で推移するものと見込まれます。 このように七年度の見通しにつきましては、これまで景気を下支えしてきた公共投資と住宅投資が依然として高水準で推移する中で、消費と民間の設備投資が需要の中心となってまいりまして、国民総生産の実質成長率は二・八%となるものと見込んだところは御承知のとおりでございます。ただ、先ほど御指摘がございましたように、阪神大震災の経済に与える影響に十分留意するとともに、引き続き、為替相場の動向を含めまして、内外の経済動向を注視する必要があると考えている次第でございます。
○北橋委員 要するに、九六年の定率減税、二兆円の所得税減税の話であります。これは大変な規模でございまして、原則としてやっていただくというふうに私ども理解をいたしております。 ところが、あのときの政府・与党の基本的な認識としては、景気が予想以上に大きく好転した場合はということで、場合によってはやらない場合もあり得るという表現が含まれているわけであります。私どもはそういった意味で、景気がかなり好転をしてきたということになりますと、じゃやめようかと、じゃ二兆円の財源ができるじゃないかという議論になってしまっては困るわけでありまして、そういった意味で、ことし半年または年末と、日本の経済の動向を的確に見通すことはなかなか難しい点もあるでしょうけれども、とても景気が特に好転をする情勢にはないというふうに私どもは思っております。したがいまして、当然九六年の二兆円の定率減税をやめるといった選択肢はないものと私どもは理解をしたいわけであります。 今日まで、武村大臣もあるいは政府・与党首脳も、震災の復興財源の問題につきましては増税なり減税の圧縮なり、いろいろなことが議論されているわけでございますが、この二兆円の所得税減税に手をつけることはないものと理解してよろしいでしょうか。
○武村国務大臣 九五年度の特別減税は二兆円ということで、今御審議をいただいている当初予算に盛り込んでいるところでございます。今こういう予算審議の中でこれをどうこうするという考えは、当然でありますが持っておりません。 九六年度の三年目の減税については、原則としては、三年間五・五兆円規模の減税を継続していくというのが基本であります。しかし、景気が好転した場合にはといっただし書きといいますか、そういう考え方があることは事実でございます。そういう意味では、ことしの秋から暮れにかけて、平成八年度の予算編成の論議の中でしっかり見きわめていきたいというふうに思っております。
○北橋委員 九六年の定率減税については、大臣のお言葉で景気が好転した場合はまた云々というようなお話がありましたけれども、これは国会答弁では、景気が特に好転した場合ということで、予想を上回って相当よくなった場合のことを言われているわけでありまして、そういう場合には再検討するという含みのようでございます。 それで、私が今お伺いしたいことは、今巷間、震災対策は相当規模の財政の出動が必要になろう、そのときの財源をどう調達するかという議論でございまして、村山総理も、消費税のアップ、増税時期の前倒しはしない、そのことは言明されました。そういうふうにして、幾つかある選択肢のうちで否定をされているものもあるんですけれども、この二兆円の所得税減税、九六年については否定されていないわけです。 今の大臣のお言葉でも、また秋から暮れにかけての予算編成の景気を見ると言うんですけれども、それではお伺いしますけれども、今後、税の世界でも震災対策で相当程度減免措置を講じなければ被災地の復旧は難しいと思っております。また財源問題が出てきます。そういった意味で、いつまでも財源問題を先送りすることはできないわけでありますけれども、いつまでに震災対策の財源というものを確定されるお考えなんでしょうか。 〔委員長退席、村上委員長代理着席〕
○武村国務大臣 それはぎりぎりの、タイムリミットはありません。ただ、既に、近々第二次補正を提案をさせていただく予定でございます。これは年度末ぎりぎりという特異な状況でございますから、建設国債、特例公債を基本にしながら編成をいたしておりますが、新年度を迎えますと新年度予算に対する補正措置という事態が当然来るわけでございまして、そういう前後には財源の問題については一層、国会あるいは政党の中でも議論が深まってくるだろうと私は予想をいたしているところでございます。
○北橋委員 報道によりますと、そのうち、夏には参議院選挙もある、あるいは統一地方選挙もあるということで、先へ延ばそうかという声が与党内に結構あるというふうに伝えられております。私ども、新聞報道ですから確かめようがないわけでありますけれども、これまで大蔵省は、国債の垂れ流しを絶対にしてはいけないんだ、ですから、私どもが与党のときにも、減税をするときにはきちんと財源というものを示さねばならぬ、こういう議論があったわけであります。 今後、財政面、税制面で相当程度の震災対策を講じていくわけでありまして、その意味では、本当かどうかわかりませんけれども、伝えられているように、参議院選以降まで延ばそうとかそういう議論であってはならないのではないか、やはり一定の時期までに復興財源についてはきちんと結論をお出しになるべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○武村国務大臣 特別な政治意図でこういう大事な財源問題の時期を決めていくというのは、私は正しくないと思っております。そういう意味では、先ほども申し上げたように、当初予算の補正がいつになるかまだ定かではありません、ありませんが、その前後には財源問題はかなり真剣にしなければいけないというふうに認識をいたしております。
○北橋委員 そうしますと、先ほどの質問に戻りますが、増税をするのか減税の圧縮が、いろいろな方法があるわけであります。ただ、総理が言われているように、消費税の増税を前倒しすることはない、この選択肢だけは外されております。 私どもは、景気は大変に厳しいものがある、したがって二兆円の九六年の定率減税も含めて減税の圧縮を軽々に打つべきではないと思うのですけれども、大臣、その意見に賛同していただけるのでしょうか。あるいは、場合によっては減税といった、既に約束をしていることについてもそれを圧縮するということも選択肢の中に入っているのでしょうか。
○武村国務大臣 その御質問には、私はあらゆる財源の可能性を検討すべきだということをたびたび申し上げてきておりまして、その中で総理も私も、予算委員会では、このために消費税のアップは考えませんと、ここだけは明確に言い切っておりますが、それ以外については、既存予算のやりくりもいろいろ提案を受けております。 今の減税に対する姿勢も一つの提案かもしれませんが、今御審議をいただいている予算にかかわることでございますから、そういう意味でも、予算が成立していない、一番神経を使っております審議のさなかに、この予算が通りましたら次はこういうことを考えていますということを私が申し上げることは、これはもうしてはならないという思いでございます。 ただ、基本的に申し上げますと、景気が悪いから増税はだめです、減税カットもだめですと、北橋議員はそうすると、結局国債でやるしかないということをおっしゃっているのか。そういう議論に対して私は、時々講演等で申し上げているのは、公債といえども数十年にわたる税負担をお願いすることになりますから、増税か国債かという選択は、増税というイメージは非常に憩うございますから、増税は反対ですと言えば、何となくいいように聞こえますが、国債も利子が加わった増税につながる話でございますから、そういう意味では真正面から、私は増税がいいと言っているんじゃないですよ、むしろ解説をする意味でそういうことを申し上げると、武村大蔵大臣増税を示唆と、こう見出しでいつも出るものですからちょっと気にはしていますけれども、結局、どちらがいいかということをお互い真剣に議論をして最終は決めていくべきだろうというふうに思っております。
○北橋委員 予算が成立するまでは答える段階にないということでございますので、これ以上の質疑はふさわしくないと思いますが、ただ、二兆円の定率減税一つ今例に取り上げましたけれども、景気が特に好転した場合は再検討するということになっておりまして、景気が特に好転するという事態はことしいっぱいはあり得ないことだ。私どもも、地域によって経済、産業の動向が違いますので、いろんな立場があるのでしょうけれども、いろいろと労働団体やあるいは経営者団体のお話を聞いている限り、大変厳しいものがある。したがって、ここには、景気が特に好転をするということはあり得ない。ぜひこれは守っていただきたい、御要望申し上げておきたいと思っております。 租税特別措置に移りますけれども、去年の秋、租特を議論されるときに、与党の中で随分と、進軍ラッパといいますか、相当思い切って徹底的にメスを入れるんだ、こういうふうな意欲というものをマスコミも相当伝えましたし、私どもも相当程度切り込む構えで作業に入られるのではないかこのように思っておりました。その点どうでしょうか。税制改正、租特の改正の作業を一応終わりまして、去年の秋、与党三党で租税特別措置には大胆な整理合理化を断行すると、このようにおっしゃっておられた当時の基本原則からして、十分その目的を果たしたと、そういう内容だとお考えでしょうか。
○小川(是)政府委員 租税特別措置につきましては、今御指摘がありましたとおり、昨年の秋以来の税制改正作業の中で極めて重点を置いて、かつ全般的に見直しの作業を行ってまいりました。その結果、新しいものも政策のために必要なものは講ずる、しかし廃止すべきものは廃止するということで、八項目の租税特別措置を廃止し、新しく四項目を創設いたしました。全体としては四項目の廃止、ネットの減といたしたところでございます。 また、企業関係租税特別措置について申し上げますと、全体の減収額から見ますと約一割程度の規模で減収額を圧縮しているところでございまして、昭和六十年代あるいは五十年代との比較におきましても、かなり思い切った特別措置の整理合理化を御提案しているというふうに思っている次第でございます。 〔村上委員長代理退席、石原(伸)委員長 代理着席〕
○北橋委員 かなり思い切った内容である、そういうお話でございますけれども、例えば租特の中で廃止をされた八項目を見ますと、五年度において適用者がなかった、あるいは一件だけあった、そういったものがかなり含まれております。その中身についていろいろとここでやりとりをする気持ちはありませんけれども、相当程度思い切ってその統廃合をやられたというお話からしますと、少なくとも廃止された項目というのはもう余り使い道がないというようなものが相当に含まれているのではないか。もし反論があれば御答弁いただきますが、そのように私どもは基本的に思っております。 むしろそれよりも、景気対策というもので、かなり犠牲になった、そこで結構財源を稼がれている、そういう世界があるんじゃないだろうか、このように思っておりますが、例えば投資減税をこの時点で廃止をされた。私どもは時期尚早ではないか、このように思っているわけであります。あるいは事業用資産の買いかえ特例は八〇%から圧縮記帳六〇%に下げた、これも景気対策上私ども必要だ、何で八割を六割に値切ったのだろうか、こう思ったりしているのですけれども、そういった意味では、投資減税の廃止あるいは買いかえ特例を六割に下げた、これは景気対策上非常に問題があるのではないでしょうか。
○小川(是)政府委員 租税特別措置を見直しをいたしますときに、ある一定の政策目的を果たしているかという点につきましては、一つのメルクマールはやはり利用状況でございます。利用状況が低下している、あるいはせっかく政策のためにつくってやってもほとんど全く利用されていないまま長年続いている、こういったものはできるだけ優先的に廃止をするということにいたしております。そういった意味で、廃止されました八項目の中に利用状況がほとんどないというものがかなりあるというのは事実でございまして、むしろ見直しはそういう点から行われているということの一つのあらわれでもございます。 他方、租税特別措置の中で投資減税の関係について、期限の到来とともにこれを廃止して、一般的な投資減税に振り向けるといったような措置、あるいは事業用資産の買いかえの圧縮記帳制度について、圧縮割合を引き下げるといったような措置を今回講じております。 前者の、景気対策のために一昨年来とられておりました投資関係の減税措置は、やはり景気対策である以上、ある一定期間に使われる、そうしてそうでなかったならばもっとおくれたであろう投資を誘引するというところにこそ意味がございますので、ある期間を過ぎましたらこれを廃止する、そして一般的な投資促進の税制に戻るというのがやはり特別措置の運営のあり方ではないかと考える次第でございます。 いま一点、事業用資産の買いかえの圧縮記帳につきましては、本米圧縮記帳を廃止していたような土地から減価償却資産への買いかえにつきましては、土地の流動化、それと土地政策、景気対策ということを総合勘案して、昨年一年間の措置として八割の圧縮記帳制度を景気対策として設けたものでございますから、これをいま一年延長するに当たりましては、既に適用を受けてこられた企業とのバランスを考えて六〇%に圧縮割合を引き下げるというのも、これまた租税特別措置のあり方としてむしろそうしたやり方が妥当なのではないかというふうに考える次第でございまして、いずれも現在の景気、経済の歩みに対して、これだけをもってマイナスではないかということはないというふうに考えている次第でございます。
○北橋委員 その点、私どもと見解は相違するところでございまして、基本的なお立場というものは今承りました。 今回の租特の中で、証券・金融市場の不振ということが各方面から指摘されてきておるわけですけれども、有取税の問題について、私どもは、これだけで証券市場が活性化する、そういった問題では決してない、大きな、グローバルな中での経済の現象でございますから、それだけを取り上げてきたわけではないのです。しかし、私どもが税制改正を今議論するときに、景気というものが大変厳しいものがあること、その背景には産業の空洞化という面がやはり否定できない。この国会では労働省、通産省から中長期的な失業なき労働移動を実現するための法律が提案をされておりまして、いよいよ日本経済全体として、行政も含めて、政労使で大きな産業の空洞化という問題に対処しよう、こういうふうになってきているわけであります。 今回の政府の租特法案については、一定の、CP等についての非課税制度を延長するにとどまっておりまして、抜本的な有取税の廃止問題には触れられていないわけでありますけれども、私どもはここで改めて大蔵省の見解をお伺いをするつもりはございません。ただ、例えば通産省所管の産業につきましては、労働省と一緒になりましていろいろと政策的に協議を続けております。そして空洞化というのは一体どういうことなのか、それがなぜ起こり、そしてそのためにどうすればいいのかということを、税制も含めましていろいろと議論を続けてきております。 その点、金融、証券の空洞化という問題は、何をもって空洞化と言うのかについては議論は分かれるところかもしれませんが、少なくとも各省庁いろいろと研究会をつくって専門的な学者も交えた議論をしております。私も、金融と証券の空洞化についてどんなレポートがあるのかを図書館や調査室で調べてみたのですけれども、野村総研だとか三菱総研だとか、そういうシンクタンクを初めといたしまして、多くの学者から、このままでは日本の金融・証券市場の空洞化というのは相当危ないものになっていくんじゃないかということで、今抜本的な対策の検討に入るべきだという議論が結構多いわけであります。 そういった意味で、大蔵省として、今回有取税の廃止問題、見送った理由ではなくて、今後この問題について幅広く、民間のそういったシンクタシクも含めて、金融・証券市場の空洞化という問題に的を絞って、そして思い切った、開かれた議論をされてはどうか、このように思うわけでありますが、いかがでしょうか。
○武村国務大臣 ありがとうございます。 金融、証券を預かっておる大蔵省としましても、この問題については大きな関心を持ちながら、既に証券市場につきましても、店頭市場を中心にした規制の緩和措置に取り組んでいるところでもございますし、また、いわゆる外国株の上場の問題や、あるいは日本の株がロンドン等の外国で取引され始めている問題や、そういったさまざまな問題について何が原因なのか、調べると大変複雑な要素が絡み合っているようでありますが、まず何が原因なのかもきちっと究明しなければなりませんし、どういう対策が有効なのか、そのことを、既に措置をとっているものはとっているわけでございますが、今後とも真剣に目を向けて対応していきたいというふうに思っております。
○北橋委員 大蔵省所管のこういった業界について真剣に目を向けて検討するということでございますけれども、ぜひとも労働省や通産省がやってきたような、幅広く民間の意見も含めてこの問題を議論していただきたい。そうすると、新進党が主張しておりますように、やはり有取税の廃止も含めた思い切った対応が今必要であるという結論になることを私どもは期待をいたしております。 さて、時間が限られてきたわけでございますが、震災対策につきましては、今後さまざまな観点から大蔵省内においても議論を進められると思いますけれども、その中の一つとしてぜひ御検討をいただきたい項目、幾つかあるのですけれども、時間の関係で絞りますけれども、まず、家を艦てる、住宅対策で、非常に被災者の方は困っておられます。一説に、四兆円を超える住宅ローンを残したまま二十万人の人が家がないわけであります。そういうことで、ある労働組合が、組合員の積み立てたお金を原資にしまして、住宅の修繕あるいは建てかえるときに無利子もしくは超低利で融資をして、相互扶助の精神で住宅金融というもので立ち上がろう、こういうことを検討しているわけであります。 ところが、御案内のとおり、フリンジベネフィットの制限がございまして、三%を下回る金利につきましては課税対象になるということでございますが、今回大変お気の毒な被災地域の現状にかんがみまして、やはりフリンジベネフィットの特例を住宅対策で設けていただけないかということを強く要望するわけでございますが、方針がもしございますればお聞かせ願いたいと思っております。
○小川(是)政府委員 会社が、災害等により臨時的に多額の生活資金を要することとなった従業員などに対して、その資金に充てるために無利息あるいは極めて低利で貸し付けた場合には、その返済に要する期間として通常合理的だと考えられるようなものにつきましては、今委員がおっしゃられたケースの例外といたしまして、その利益には課税しないことにいたしております。 問題は、住宅資金のような長期の、しかもその利益の程度が極めて大きくなる、いわゆるフリンジベネフィットに相当するものでございまして、こうした大きな額でかつ長期にわたるベネフィットに対しましては、ただいまお話がありましたように、利率が三%未満のときには経済的利益として課税をしているわけでございまして、このフリンジベネフィット課税にはそれなりの理由があると存じます。 ただ、ただいま御指摘がありました点は、今回の震災のような極めて大きな被害を多数の方が受けているときの、その会社内での助成に対する配慮が、融資の面であるいは税制の面でどの程度バランス上許されるか、合理的と考えられるかという問題であろうかと思います。 したがいまして、他の諸施策との平仄を図りながら議論をしていかなければならない問題であろうかと存じます。一概に何とか考えられるのではないかと言うわけにはまいりせんし、他方において 冒頭申し上げたような考え方もあるという状況を本日のところは申し上げるにとどめたいと存じます。 〔石原(伸)委員長代理退席、委員長着席〕
○北橋委員 時間が参りましたので終わりますけれども、きょうは実は武村大臣に、この初動態勢の立ちおくれという問題についてぜひ率直な御所見を承りたかったわけであります。 それは、ここで責任問題をどうこうする問題ではなくて、これは危機管理システムとなりますと私どもも決して責任がないわけではないわけでありまして、そういった意味では、行政の立場からすると、かつてなかったことでありますから、財源の問題あり、また理論があり、非常に難しいことがあるかもしれませんが、やはり政治家の責任において、トップダウンでこの被災地域の抜本的な救済のために汗をかくべきではないか、そのように思っております。 今後、新進党としても、六十項目を超えるそれぞれの税の項目について精査をいたしまして、ぜひともできるだけ早い機会に被災地域の税の減免措置、そして復旧に必要な税の措置につきまして御決断をいただきたいと思っておりますが、最後にその大蔵大臣の御決意を聞きまして、私の質問を終わらせていただきます。
○武村国務大臣 先般、所得税に対する対応につきましては議会もお認めをいただいたわけでございますが、その他の税目につきましては、現地の状況や税制全体の中で真剣に検討をいたしているところでございます。おっしゃるとおりに、可能な限り早い時期に方針を固めていきたいというふうに思っております。
○北橋委員 終わります。
○尾身委員長 次に、若松謙維君。
○若松委員 新進党の若松謙維でございます。 大蔵大臣、先週は予算委員会で信用組合の件でいろいろとお話をさせていただき、そして先週末、早速札幌で大変英断的な御発言をされたことを高く評価する次第でございます。しかし、やはり行政側としての都の検査の担当の方並びに財務局、さらには銀行局、こういったところの責任がまだ不明確なところは否めないと思いますので、これは今後の集中審議で引き続き議論されると思っております。 今回は、私は一時間の時間をいただきましたので、まずは租税特別措置法の一部を改正する法律案、そして二点目が大震災関係について、三点目は土地税制、さらに四点目は国税通則法関係について御質問をさせていただきます。 まず、一点目の租税特別措置法の一部を改正する法律案についてですけれども、今回の租税特別措置法の改正の主な理由といたしまして、大変批判の多かった租税特別措置のいわゆる整理合理化、さらには円高によります日本の産業空洞化、または分業化とでもいうのでしょうか、こういったことに対応するためのものであると理解しております。 しかし、よく見ますと、まず試験研究費の増加額の特別税額控除制度等の租税特別措置の整理合理化を図っております。いわゆる税額控除の率の縮小です。そして一方、特定事業者、いわゆる空洞化産業、こういった事業者に対する事業革新の円滑化に関する臨時措置法の制定がありまして、一方では租税特別措置の減額、さらには一方では増加の追加ということで、趣旨が一貫していない、そのように見受けられましたけれども、いかがでしょうか。
○小川(是)政府委員 増加試験研究費の税額控除制度と申しますのは、昭和四十二年に創設されたものでございまして、企業、民間の研究開発に対する税制の助成措置として、いわば基幹的なものとして今日も働いているわけでございます。 今回、いわゆる企業リストラ法の関連では、昭和四十二年以降毎年いわば試験研究費が増加しているところはこの税額控除制度の対象になりますが、今回の措置では、その基準年次を直近のところまでずらしまして、それによって今後の増加を見ながらリストラ企業はこの制度の適用が受けられるようにするものでございます。 その中で、今御指摘がございましたのは、基盤技術研究開発促進税制というのが十年ほど前にスタートしております。いわゆるハイテク税制と呼ばれるものでございますが、相対的にこちらの税制上の措置を縮減をして、むしろ今、より重点を置くべきリストラ法関係に新しくプラスの措置を講ずる、まさに政策的な、時間の経過とともに、政策的なウエートの置き方において、バランスと申しますか、一方は見直し、他方において新しく必要なものに措置を大きく講する、こういう姿で御提案をしている次第でございます。
○若松委員 それでは、この際確認をさせていただきたいと思いますけれども、いわゆる今回のこの社会経済情勢の変化への対応という趣旨で、ある意味で日本の経済構造転換、いわゆる技術立国なりを明確にする、そういったところの税制的な側面と考えているわけですけれども、当然こういった御提案の背景にはやはり通産省との連携がおありだと思います。 今回通産省としてどんな働きかけがあって、かつ今回の税制改革にどの程度反映されているか、さらに、将来どのような、経済構造改革のための税制に対してお考えがあるのか、通産省の側から御意見をいただきたいと思います。
○平松説明員 先生御指摘のとおり、既存産業分野の成熟化、円高等によりまして我が国産業の空洞化や企業活力の低下が懸念されております中で、新しい経済分野の開拓を図るためには、試験研究の促進が極めて重要と認識しているところでございます。 こうした中で、私ども通商産業省といたしましては、平成七年度税制改正要望におきまして、民間における試験研究を一層促進するための所要の措置を要望してきたところでございます。その結果、今則の租税特別措置法改正案におきましては、現下の厳しい財政状況にかんがみ、税税特別措置の整理合理化を図るとの基本方針のもと、試験研究税制について所要の見直しを行ったものであります。その一方で、産業の空洞化懸念の拡大等、最近の社会経済情勢の変化を踏まえまして、次のような措置を講じることとしているところでございます。 すなわち、まず試験研究促進のための基本的な税制であります増加試験研究費の税額控除制度本体につきましては、縮減することなくその適用期限を延長することとしております。また、現在国会において御審議いただいております特定事業者の事業革新の円滑化に関する臨時措置法、いわゆる企業リストラ法でございますが、これに関連いたしまして、特定事業者の試験研究を支援するための措置を新たに講じることとしております。さらに、産学官の連携を一層促進するとの観点から、民間企業と大学等との共同試験研究を促進するための拡充を行うこととしております。 こうした措置を講ずることによりまして、全体として民間の試験研究が一層促進される措置がとれるものと期待しておるものでございます。
○若松委員 お話は了解いたしました。 そして、さらにこの社会経済情勢の変化への対応、これからも引き続き対応が必要だと思いますけれども、今後通産省とか、いろいろな御提案があった場合に、大蔵省として、この経済構造変化とかそういった対応のためにさらに御尽力をされるのか、そういった点から御答弁いただきたいと思います。
○小川(是)政府委員 租税特別措置につきましては、一方において政策的な要請があり、他方において税制上の基本的な枠組みを維持すべきという要請があり、そのバランスの中で今日までいろいろの措置がとられてきているところでございます、今後とも、各種の政策上の要請をお聞きしながら、今申し上げたような基本的な考え方のもとに対応していかなければならないと考えております。 ただ、平成七年度の税制調査会の議論、答申にございますが、今日の租税特別措置はいかにも複雑難解で、特定の納税者しかわからなくなっているのではないか、あるいはまた各種の制度は条件が細かくあり、そして所管大臣あるいは大蔵大臣に対する届け出とか許可とかいったようなものに条件がかかり過ぎているのではないか、そのためかえって規制という面を持っているのではないか、こういった点は将来に向けて十分注意をしていく必要があるといったような指摘を答申で受けているところでもございます。こうした点については、将来の課題として十分踏まえていくべきものであると考えております。
○若松委員 続きまして、同じ今回の改正法律案の中で、中小企業の創造的事業活動、いわゆる新製品とか、全く日本でなかった技術の導入、こういった促進に関する臨時措置法、いわゆる仮称ですけれども、これが法律案として導入されております。そして、こういった法律案は、まさに欧米でよく見られる研究開発型のベンチャーキャピタル、特に中小中堅企業が多いという、こういったベンチャーキャピタルを支援する観点としまして非常にこの措置は評価できるんではないか、このように思っております。 しかし、現在、御存じの金融機関の貸し渋り、こういった現状がありまして、確かにこの税制は非常にいいものであると評価できるのですけれども、この税制を適用する前段階としての新規投資を行うための資金調達、これが現実には実際困難であって、すばらしい税制を導入しでもいわゆる資金調達ができない、絵にかいたもちではないか、こう危惧するわけですけれども、この点についてはいかがでしょうか。 まず通産省の方から、その点も配慮されていますでしょうか。
○鷺坂説明員 お答え申し上げます。 中小企業創造的事業促進法におきましては、産業空洞化の懸念、あるいは既存産業の成熟化によるその活力の低下という懸念、こういうものに対応しまして、新たな新規事業の開拓を図るということを目的としておりまして、そのために、中小企業の研究開発、それからそれの成果の事業化あるいは創業というのが極めて大事という認識をしておりまして、このための支援措置を講ずることにしております。 ただ、中小企業は非常に、何といいましても経営資源が乏しい。特に創業初期の企業につきましては、多額の初期投資が必要という状況にございます。そこで、この法律自身としまして用意しました措置としましては、以下のようなものがございます。 一つは、製造業等における創業五年未満の者に対する設備投資減税。それから、研究開発等事業計画の認定を受けた創業五年未満の者の欠損金の繰越期間を五年から七年に延長するということでございますが、法律の関連の措置といたしまして、各都道府県の信用保証協会の信用保証の、無担保、あるいは無担保・無保証人の保証を促進する等によりまして資金調達が円滑に運ぶようにということで、十分措置をしているというふうに考えております。
○若松委員 通産省のお考えは、資金調達はうまくいっている、そういう理解でよろしいわけですね。 それでは、大蔵省からも御確認いただきたいんですけれども、例えば日本の、ベンチャーキャピタルといいながらも大手の幾つかがあるわけですけれども、実際に日本のベンチャーキャピタルの市場というのは、いわゆる会社ができて二、三十年かけて大きくなって、安定も実績もあって、いよいよ店頭公開なり株式公開というこの数年前にこのベンチャーキャピタルの資金提供があるということで、今の通産省の御説明で、本当に十分な資金調達ができているのかという、懸念というのですか、それが抜け切れないんですけれども、大蔵省の立場からはいかがでしょうか。
○日高政府委員 委員御承知のように、いわゆるバブルがはじけて株式市場が非常に低迷をした、その低迷を続ける過程の中で、今おっしゃられました、中小企業等の新規調達の道、いわゆる新規公開という道がかなり制限されてきたことは事実でございます。平成四年五月以降、新規公開の方法が再開をされることになりまして、この一、二年の間にかなり思い切ったペースアップが図られている。現在、一週間当たり三から五社という制限がまだ相変わらず残っているわけでございますが、今御指摘がございましたように、いわゆる中小企業の資金調達の道をできるだけ広く認めていこうということで、本年四月からはこの社数制限を撤廃することを予定して、既にその考え方を公表させていただいたわけでございます。 同時に、今御指摘がございました、いわゆる研究開発型あるいは知識集約型の新期事業についての資金調達が、現行の基準ではなかなか難しいのではないかという御指摘はもっともであり、そういう御指摘は私どもも十分承知をいたしております。 そのような考え方から、そうした新規事業についての資金調達をより一層促進するために、店頭登録制度についての見直しを行うということで、現在、証券業協会の中の研究会をつくってそこで勉強をしていただいているわけでございます。私どもとしては、本年六月をめどに何らかの結論を出していただければありがたいというふうに考えているところでございます。
○若松委員 今、店頭公開の基準の見直しというところのお話がありましたので、この際、もうちょっと突っ込んで証券局に聞きたいのですけれども、例えば、現在、店頭株式公開ルール、これに、最低の条件として、純資産が二億円、そして経常利益二千万円、本当に中堅であれば十分店頭株式公開ができる、そんな要件になっておりますけれども、今おっしゃった、週に今三、四件店頭公開されている、そういったところを見ますと、実際に店頭公開されているのは、純資産が十億円、そして経常利益が三億円ぐらいなんですね、最低。 そうすると、本来の、表の公開ルールと実際のルールというのですか、かなり、五倍から十倍乖離がある。これは一体何なのか。大蔵省のいわゆる内規なのか、結果としてそうなのか。結果としてそうであるならば、ではこの公開ルールというのは何のためにあるのか。当然今見直しというところで、もし見直しされるならばそこまで、原点まで踏み込んでやられるのか、それもあわせて御答弁いただけますか。
○日高政府委員 今御指摘がございましたように、日本証券業協会の店頭登録基準というものは、例えば純資産額であれば、前事業年度末の額が二億円以上とか、あるいは一株当たりの利益が十円以上、そういう形で基準が定められておりますが、この基準は、投資家保護上必要最低限の水準として日本証券業協会が定めたものでございます。 今御指摘がございましたように、では実際の、新規店頭登録をした企業の、今申し上げた基準がどういうふうになっているかということでありますけれども、例えば平成六年中に店頭公開をした企業の平均値で見てみますと、基準では純資産額二億円となっておりますけれども、これは平均では六十七億円ということで、非常に高い。例えばその一番最低のものでありましても十億円を超えるという状況になっていることは、御指摘のとおりでございます。 ただ、この実際の水準というものは、実は私どもが行政の立場から何か言っているというようなことは全くございませんで、実際にそれらの企業の店頭登録を引き受ける証券会社のいわば経営方針、引き受け方針として、そういったものが現実の結果としてそういう数字になっているということを申し上げておきたいと思います。 ただ、先ほど申し上げたように、今後ペースアップが図られ、四月から社数の制限がなくなっていくという過程において、各証券会社がどういう形でこの問題に取り組んでいくか、それはよく見きわめていかなければならないとは思っておりますが、行政の主導でこういう姿になっているということではないことは御理解賜りたいと思います。
○若松委員 それでは、再度確認ですけれども、証券業界の自主的なルールで先ほどの、実際、最低純資産十億円以上、こういう現状ですけれども、この株式公開ルール等が当然、監督指導という立場も持ちながら、店頭市場のマーケットなりで健全性が維持される、そういう御判断があれば、実際の店頭公開で先ほどの純資産十億円以下というところが出ても異議は唱えない、そういう理解でいいわけですか。
○日高政府委員 今申し上げましたとおり、現在の店頭登録基準は、投資家保護上必要最低限の水準を定めたものでございます。個々の証券会社はこの基準を下回らない範囲でそれぞれ引き受けていただくということになるわけでございますから、この最低の基準を下回らない限り、私どもとして、どういう結果になろうとも、私どもが何かそれについて異議を申し立てることは全くございません。
○若松委員 明快な答弁ありがとうございます。 続きまして、特定フロン、これも今回の改正案の中に入っております。特定フロン等の排出抑制・回収設備の特別償却の減額、これについてですけれども、いわゆる特定フロンの排出抑制・回収設備のために、現行百分の十八の、これは減価償却ですね特別償却が今度十六になる。お伺いしましたら、部品の洗浄剤に使われるフロンの排出抑制、回収、これに使われる設備等は大体完備された、そういった背景からこの特別償却が減額された、こう理解しております。そういった意味で今回の整理合理化がされるのであれば大変理解しやすいところだと思います。 この際、大蔵省が、いわゆる公害とかそういう意味ではなくて、地球環境問題というところでどのように今後税制というものを取り扱っていかれるのか。当然大蔵省だけで決められる話ではありません。まず環境庁、通産省、そういった他省庁の働きがあって、では大蔵省としてどうなるのか、こういった関係になろうかと思いますので、まず環境庁の、地球環境問題に関する税金、これについての対応を簡潔に御説明いただきたいと思います。
○一方井説明員 委員御指摘のように、地球環境問題、今環境問題の中でも最大の問題の一つでございます。これまで規制的措置が主流でございましたけれども、税とか課徴金のような経済的手法、こういう新しい政策手法が必ず必要であろうという基本認識を持っております。 環境庁では、昨年の八月でございますけれども、企画調整局に環境に係る税・課徴金等の経済的手法研究会を設置いたしました。これは、座長に一橋大学の石先生、税調の委員もされていると思いますけれども、お願いをいたしまして、現在どのような分野にどのような経済的手法、これは税ばかりではございません、排出権売買でありますとかデポジットとかそういったものも含まれておりますけれども、どういうものが適当かということについて広く検討いたしておるところでございます。
○若松委員 続きまして、大蔵省の地球環境問題に対する考え方について御答弁願います。
○小川(是)政府委員 地球環境問題につきましては、人間の生活あるいは生産活動にとって外延を画する最も重要な課題であるというふうに存じます。我が国だけで解決できる問題ではございません。全地球的な規模で、かつ政府の中では全省庁的な対応をしているところでございます。 したがいまして、私ども税制当局といたしましても、この問題につきましては、一昨年十一月の税制調査会答申におきまして、環境問題への税の対応としては、汚染抑制のための経済的手段としての税制の活用という側面と、内外の環境対策のための財源調達手段としての税制の活用の側面の二つの側面で議論が行われております。今後とも、こうした税制調査会での広い枠組みでのとらえ方、考え方を踏まえながら、内外における議論の進展を注視し、私どもとしても引き続き勉強をしてまいりたいと考えております。
○若松委員 環境税という考え方ですけれども、先ほど検討に入っているということです。 他国を見させていただきますと、環境税ということで一番一般的なのがCO2、二酸化炭素を抑制するための税金、いわゆる炭素税と言われておりますけれども、この炭素税はオランダにおきましては九〇年二月に導入されております。そして、デンマークでは九二年五月、スウェーデンは九一年の一月、ノルウェーは九一年の一月、このほかにも三、四カ国導入されておりまして、特にヨーロッパが中心となっております。 では、日本として、これは地球的な問題ですので本当は今からでもすぐに全部の国が導入するのがいいのでしょうけれども、そうはいかない。そういう状況で、環境国日本と非常に何度も宣言している立場として、果たしてこの環境税の導入、いわゆるアメリカの後を行くのか先を行くのか、また先進工業国の中で先を行くのか、そういった観点から、もう既に数カ国導入しているという現状を踏まえて、大蔵省としてどんなお考えでしょうか。
○小川(是)政府委員 やや繰り返しになりますが、先ほど申し上げましたのは、今御指摘のような環境税といったような一般的な環境保全の観点からする課税をどう考えるかという問題を含めて申し上げたつもりでございます。環境対策のために税金をまけるという租税特別措置もございますが、今委員の御指摘は、むしろ課税をする、それによって環境を大切に保存していく、あるいは環境汚染経済行動を抑制する、あるいは負担を求めるという考え方だと存じます。 この問題につきましては、確かに幾つかの国で現実に税制として導入されているところもございますし、アメリカでもクリントン大統領が一昨年この導入の提案を行い、それは見送られて今日に至っているという経過がございます。 私どもは、こうした考え方がどういう形で生かされるかという点について、経済的手段と財源調達手段という二つの側面から内外の各種の検討、御議論を十分フォローしてまいりたいと考えております。
○若松委員 今、環境税なりの課税とするか、さらには環境改善のための財源とするか、経済手法のいろいろな議論があります。お話を聞きますと、その議論はかなり前からやっているとはうかがえない。結構新しい話なのかな。そうすると、世界のいわゆる環境を考える先進国としてはちょっとおくれているのではないか、そういう認識があるわけです。そういった点、大蔵大臣いかがでしょうか、その日本の対応について。
○武村国務大臣 環境に対する関心は日本は決しておくれていないと思いますし、我が国独自の環境政策は、ああいう二十年余り前の公害を乗り越えて今日に至っておるわけであります。こういう日本の経験も地球全体に広げていく役割も大変大事だと思っております。 環境税の問題は、局長からお答えをいたしましたが、EUで一部導入した国が御指摘のようにありますが、欧米等でまだ議論のさなかでしょうか、ぜひ税制調査会でもまた議論を詰めていただいて、この税に対する考え方も進めていただくことを期待いたしたいと思います。
○若松委員 ほかに質問がありますので、この点はさらに別の委員会等で質問させていただきます。突然の質問で恐縮しております。 続きまして、大震災関係について、ひとつ御提案なんですけれども、御存じのボランティアの参加者を支援する企業または個人事業者、こういった方々に対して税金のいわゆる恩典なりが与えられないか。 特に、メキシコの大震災が数年前あったときに、あのときに大統領が地震発生の一時間後にもう現場に飛んで指揮した。それから二、三時間後に何万人というボランティアの方が大変メキシコシティーで活動していた。ボランティア先進国と言っていいのか私はわかりませんけれども、そんな事例があった。今回の阪神大震災でもおわかりになっていただきましたように、ボランティア活動というのは非常に大切である、必要不可欠である、こんな認識は恐らく一億国民全部思ったと思うのです。 一方、日本の経済というのでしょうか社会の仕組みというのは、やはり会社中心型社会、こういった事実は否定できませんので、企業からボランティア活動に参加しやすくするような環境、これを育てることが大事ではないか、こう考えるわけです。 そうした場合に、これは御提案ですけれども、例えば、ボランティアでうちの会社から十人、延べ十日間出ました、そういうことであれば、その従業員の方、例えば休日以外の場合に、一人一日参加、千円の所得控除の措置、そんないわゆる割り増し給料的な考え方です。そういった考え方を導入して、税制面でボランティアの支援策を導入したらいかがか。 これは確かに税収減になります。ところが、この災害、または地域ですとホームヘルパーとかさまざまなボランティアのニーズがあるわけで、これを全部行政がやるとかなりコスト高になってしまう。最終的にいわゆる納税者の負担になってしまう。であるならば、若干の税制のインセンティブを導入して、それで社会全体としてボランティア活動を提供できる、いわゆる国の立場からすれば、税金は除いて、フリー、無料のボランティア活動を吸収できるような、そんな導入ができないか、こういった御提案についてはいかがでしょうか。
○小川(是)政府委員 現在、企業に勤めておられる社員を企業がボランティア活動に派遣をするという場合には、税制上は、会社がその社員の方に支払われる給料は依然として給料として損金に算入されますし、それから、受け取ってボランティア活動をしておられる方は給与所得課税として扱いますので、給与所得控除を受けた上で課税される。単なる何かサービスの対価として別の課税を受けるというものではございません。 したがいまして、いわゆるボランティア活動として会社から派遣される方の課税問題は、会社サイドも派遣される方にも特段の課税関係を生ずることはないというふうに思うのでございますけれども、それ以上に何か税制上で配慮ということになりますと、これはちょっと別の問題になってくるのではないかという感じがいたします。
○若松委員 ちょっと私も勉強不足で、今おっしゃった、ボランティア活動をやった場合に所得税の控除という制度があるとおっしゃいましたけれども、具体的にどういう制度がありましたか。
○小川(是)政府委員 会社から派遣されてボランティア活動をやられる方が、例えば一カ月なら一カ月、ボランティア活動に従事される。その間、会社が給料を払っているといたしますと、会社が払う給料は、会社においてはもちろん損金、経費で税金がかかりません。受け取られた方は、本来なら、会社に対して働いていて受け取るお金ではありませんから、所得税の課税上は給与所得ではないという考え方もあり得るわけですけれども、現在はそうしたものも給与所得として課税上扱っているわけでございます。 したがいまして、会社にサービスを提供していても、ボランティア活動にサービスを提供していても、会社から給与として受け取っている限りは、御本人は会社に勤めているのと同じ税負担で済んでいるわけでございまして、より重い税負担を受けているということはないわけでございます。
○若松委員 要は、法人税も所得税も考慮しないという御結論ですね。 例えばアメリカですと、チャリティー行動をする場合に、当然アメリカは車社会ですから、一マイル当たり何セントの控除という税制の措置があるわけです。そういう形で、これは個人所得税ですけれども、所得税の世界では、そういうボランティア活動への、またチャリティー活動への支援が税制であるわけなんです。ところが、日本は今のところないと思います。 そういった点から、もうちょっと努力していいのではないか、そう思うのですけれども、いかがですか。
○小川(是)政府委員 おっしゃっておられるのは、個人がボランティア活動に参加した場合にかかった、自分が負担をしたお金があれば、それをその方の別で得ている所得から差し引いてやってはどうかという御趣旨だと存じますが、現在のところは、公益活動に対してお金を出した場合に寄附金として免税にするというところでも手続的に大変難しいところもございます。なぜかと申しますと、その受け取って活動しているところが確かに公益的であるというところを社会的には担保をするということが重要でございます。 しかも、その部分については、公益事業に対する寄附金というのは相当免税制度もございますけれども、それが、締めるつもりはございません、むしろ広げていっているわけですけれども、どこまで活用されているかというところでございます。どうか、現在ある、各種のボランティア活動あるいは公益事業活動へ善意の方がお金を出すという形で協力されたときに、免税制度があるというのをまず御活用いただきたいと思うわけでございます。 ボランティア活動に直接参加された方の要したお金、経費を他の所得から控除するというのは、我が国の税制あるいは今日の社会状況から見ましてかなり飛躍があるというふうに思うわけでございます。
○若松委員 お話をお伺いしていると、今の法人税、さらに所得税、既存のシステムをちょっと離れると、さらに追徴をやるとか損金を認めないとか、何かそんな発想に聞こえるのです。ですから、かなり飛躍があるとおっしゃいましたけれども、私から見たら何かすごく凝り固まっているなという感じにしか見えないのです。 現に海外の場合には、アメリカの場合には、そういったチャリティー活動への費用、個人負担の費用について一マイル当たり幾らと。そこらは実際には自己申告です。 例えば、実際にチャリティー行動なりボランティア活動をやったという認定が難しいということであれば、これもまた提案ですけれども、自治体にオーソライズさせる。自治体がそれぞれ窓口をやって、こういった阪神大震災とか大きな話とは別に、地元でのさまざまなチャリティーにしろボランティア、先ほど言いましたような、いわゆるホームヘルパーが大変少ないわけですからそういった参加者に対して、所得税の減免、またはそれを提供した会社に対するインセンティブとしての損金算入額を一部増加させる。何ら現行制度とは飛躍はないと思うのですけれども、いかがですか。
○小川(是)政府委員 会社が今のように社員のボランティア活動を給与の形で支援をしているものについては、これ以上、社員として会社の収益に直接寄与していないにもかかわらず支払われているものを全社の法人税の課税上、給与として落とすという以上に支援措置というのはちょっと考えられないわけでございます。 いま一つの問題というのは、会社がお金や物でそういった活動に提供するというものにつきましては、それが確かに社会的に見てチャリティー活動である、ボランティア活動であって公益性が高いというものについては、一定の手続の中で損金に算入するという制度が現在あるわけでございます。 問題は、おっしゃっておられるのは、例えば自由業の方がボランティア活動に参加して、そして自分が負担したというものを他の所得から控除ができないかというお尋ねであろうというふうに思うわけでございますが、そこはチャリティーとかボランティア活動を社会的に位置づけると、現在の制度というのは、私どもどこまでも税金を扱っておりますと、個人に対するものを公益性が高いから税金をまけろというのはとてもできない問題でございます。 やはり公益性が高い、今回でも例えば兵庫県であるとか神戸市であるとかいう公共団体を通じて寄附をされると、それは寄附金控除ができますし、ボランティア活動をそこから、寄附されたものからお金で支援されるということであれば、今おっしゃったような形で実質的には税制上配慮ができるわけでございますけれども、個人が直機支出するものを税制上見ろというところには、さっき申し上げたように、とても飛躍があるというふうに申し上げた次第でございます。
○若松委員 お考え、大体わかりました。要は、法人ですと事業の目的に直接関係しないところは本来は損金算入できない、こういうお考えですね。これは正解、不変なわけですね。それについて今の私の提案は非常に飛躍があると。わかりました。 これだけ議論していても終わってしまうので、とりあえずこういう話があったということで、きょうは提案だけにさせていただいて、引き続き、いずれにしても、社会的な要請としてのボランティア活動のさまざまな認知、または促進、そういったところもはぐくまれると思いますので、また改めて機会を見つけて提言なり提案をさせていただきます。 では次に、土地税制についてお話をさせていただきます。 御存じの、いわゆる農地または採草放牧地に係る土地等の地価税ですけれども、今大変議論になっております。そして、都市計画法第七条第一項に規定する市街化区域内にある農地、いわゆる三大都市圏内の近郊地、これについては平成八年度まで地価税が非課税になっております。今地価税の見直し議論が行われておりますけれども、いわゆる平成八年というと来年なわけです。来年までで、再来年になるといよいよ地価税がかかってくる。 そうすると、三大都市、東京、大阪、そして名古屋、こういったところの近郊地の農家の方が大変、平成九年度以降はどうなるのか、地価税の非課税措置は八年度までで九年度以降どうなるのか、こういう危惧というのでしょうかそういった声があります。これについてはいかがでしょうか。
○小川(是)政府委員 地価税の制度におきまして非課税対象としております土地は、極めて公共性の高い土地でございます。その中で農地一般を非課税にしているわけでございますが、これは、農地法において、保有する者がみずからその農地を耕作するということが最も適当であるという基本的考え方のもとで、権利移動が厳しく制限をされている、したがって資産目的で農地を保有するということが排除されているわけでございます。地価税は、こうした、利用に大きく制限があり資産目的での保有が全く排除されているという事情を考慮いたしまして、農地が農地として利用される限り、あえて地価税の負担を求めることはないということで非課税措置を講じているわけでございます。 ところで、今御質問の、三大都市圏の特定市の市街化区域内農地で生産緑地地区内の農地以外のもの、つまり保全すべき農地以外のものは、都市計画上宅地化すべき農地として明らかに位置づけられているわけでございますから、これに対しては、地価税の本質から見て税負担を求めるべきが当然であるというふうに思います。しかしながら、こうした農地は、平成三年度の各種の改革の中で位置づけられたものでございます。そこで、新たに負担を求めるこの税につきましては、激変緩和という観点から五年間に限り非課税としたものでございまして、こうした事情を御理解いただきたいと思います。
○若松委員 いわゆる五年間の非課税措置を強調されましたので、そうすると、では平成九年度以降は地価税の非課税措置はそのとおり執行される、そういう理解でよろしいわけですか。
○小川(是)政府委員 地価税自体、創設されましたときに、少なくとも五年ごとに固定資産税等の評価を見ながら見直すことにされております。 ただいまの農地につきましては、本来課税すべきを五年間に限り非課税というのは、当時の改正で相続税や固定資産税の課税の見直しも行われたという経緯がございます。したがいまして、基本的には五年でこの制度は打ち切りということでございますけれども、もとより地価税の本体につきまして、固定資産税等との関係で今後とも検討をしていくということでございますから、そのときには今の問題も当然その中に含めて検討をしていかなければならないというふうに考えております。
○若松委員 そうしますと、平成八年度というのはもうそんなに、二年もない話で、ところが先ほど、三年半以上前からこの非課税措置を導入して、早く宅地にするのならばそういう処分をしなさい、こういう趣旨はわかりました。 ところが、やはりなかなか、土地に執着というか、実際に行動がとれない方が大勢いらっしゃいます。かつ、バブルがはじけて、それでただでさえアパートとかパーキングも余っている。土地の有効利用もできない。そうすると、このままずるずると平成八年度が終わって、いよいよ平成九年度になる。 ところが、いわゆる担税能力のない元農地です、農地というか生産緑地以外ですから。そうすると、担税能力がないと地価税が万が一平成九年度からかかっても払えないわけです。こういうことが想定されると思うのです。その場合には、やはり先ほどの、税金はしっかりかけなければいけない、これは約束だから。かけるにしても租税能力がない、税金が払えない。 この矛盾をどうするかということで、御存じの相続税の物納制度があります。この相続税の物納制度を、万が一そういった平成九年度以降の地価税の納税に対しても導入されるお考えはあるかどうか、いかがでしょうか。
○小川(是)政府委員 相続税は、一回限り、財産が動いたときに課税が行われますので、基本的には財産の相続を受けられた方が、市場経済ですので金銭で納付をする。しかし、特に理由がある場合には物納ということでございます。 片や、地価税あるいは固定資産税といったような税は、経常的な、毎年、土地を保有している限り課税される税でございますから、基本的にその方の経済活動あるいは日常生活の中からそうした資金を捻出をしていただくという性格の税でございます。 つまり、地価税というのは財産を処分しなければ払えないとか、あるいは財産を処分することを一般的に予定して課税されている税というのとは性格が異なります。具体的なケースにおいては、いろいろな財産事情あるいは資金事情によって土地を処分されることはあろうかと思いますけれども、この税の性格からして、毎年納めていただく地価税をその土地でお払いいただくということは考えられないというふうに思うわけでございます。
○若松委員 明快といえば明快、冷淡といえば冷淡、大変冷たいといえば冷たいというか、やはり一気に三大都市圏の農家の方の意識変化、確かに今具体的な措置というものを提言すると本来の趣旨がまた崩れてしまう、そういったところもあり、大変難しいと思うのです。 ただ、一つの姿勢として、実際、租税能力がない、お金がない、処分したい、ところがなかなかバブルで引き受け手もない、よっぽど下げればいいのでしょうけれども、そういうところで一年、二年、三年、若干延びるという可能性、あえて肯定しているわけじゃないのですけれども、万が一そういった場合に、大蔵大臣、優しい政治を目指される税の執行者として、そういった場合にどうするかというお話はなかなか難しいのですけれども、この平成九年度以降に対してどのような対応をされるのか。先の話なので何とも言えないでしょうけれども、いかがでしょうか。
○武村国務大臣 大変これは技術的な検討を踏まえて申し上げなければならない御質問でございますから、局長の答弁でお許しをいただきたいと思うわけでありますが、しかし、お話を伺っておりますと、いろいろなケースがあるのでしょうね。 そういう意味で、そういうケースに二年後直面される方のことを具体的にイメージしながら、むしろ同情すべきようなケースとして考えるときに、今の小川局長の答弁だけでは余りにも冷たいじゃないかという御指摘だと思うのでありますが、税は、まず制度としては一般的なルールを決めていくわけでありますし、その制度をまた国税庁が執行をしてくれているわけでございまして、税の適用の中で判断のできるものであれば、かなり個々具体的な対応があると思いますが、税制度のあり方論としましては、ひとつ今の見解は見解として御理解をいただきたいと思いますが、見直しという固定資産税と並行した作業の中で、ひとつ今の御意見も貴重な御意見として参考にさせていただきたいというふうに思います。
○若松委員 それでは、平成九年度になりまして、国民も、さらに行政側もともにハッピーな状況で迎えられるように、可能な限りその手当てをしていただきたい、ぞうお願いを申し上げまして、最後の質問に移らせていただきます。 国税通則法関係についてであります。 現在の税務行政の執行、これは当然国税庁に任されているところですけれども、御存じの行政手続法、これが一昨年の十一月に公布されまして、税税の賦課徴収、いわゆる税金の決定、さらには回収、こういった手続について国税通則法の改正があるわけでして、このときにいわゆる運用規定が除外された、そんな経緯になっておりますけれども、実際に我が国の税務行政、特に調査に関して、国税庁の調査を大変納税者としては恐れるところです。 実際にいろいろな職業会計人に聞きますと、大体事前の通知があって、今度いつお邪魔します、そういうのが七、八割。抜き打ち調査が二、三割。この抜き打ち調査にいきなり朝行って、奥様がまだパジャマのときにこう出すとか、人権的にちょっと無理があるな、そんな話も多々聞きます。 そうしますと、今の国税庁が行っております調査等に関する事前手続規定、例えばいつ調査するか、どのくらい調査するのか、その理由、また事前の通知方法、調査の範囲、こういったところは、今日本の法整備はまだほとんどと言っていいほどされておりません。今のままですと、国税庁の絶対的な権限がいきなり納税者にがばっといく。国民の、納税者の権利が何らないわけで、国税庁の一方的な権限が確保されている。 こういう状況は、諸外国の制度としても、ちょっと人権大国としてはおくれているし、また国民の利益を保護するという観点からもちょっと不整備ではないか、そういったふうに伺うのですけれども、いかがでしょうか。
○小川(是)政府委員 国税職員による検査、調査の権限、あるいはその根拠が法律的に不備ではないかという立法上の問題だと存じますので、私の方からお答えをさせていただきます。 質問検査権の行使の要件に……
○若松委員 ちょっと済みません。その前に、私の一方的な理解で言いましたので、ちょっと国税庁の方から実態的な面を説明した上で、お願いします。
○松川政府委員 お答えいたします。 税務調査につきましては、御承知のとおり、租税の公平、確実な賦課徴収を図るという、いわば非常に重要な公益上の目的を実現するために必要不可欠なものというふうに考えております。 非常に少ない国税庁の人員でいわゆる多数の納税者を、そうした意味で適正に調査していくというふうにやるにはどうしたらいいだろうかということで、いろいろ運営を考えているわけでございます。現在の運営といたしましては、事前通知については、今御指摘がございましたように、原則として調査日時をあらかじめ通知することとしておりますが、調査を円滑に行うことに支障があると考えられる事案、例えば特別調査事案とか、あるいは調査に対する忌避が予想されるような事案等の場合には通知しないことがあるということでございます。 また、調査理由につきましては、調査事項を限定するような具体的な理由は開示できませんが、必要に応じまして、例えばこのところ長期間調査を行っていないとか、あるいは同業他社に比べて所得水準が低いとか、そういうような概括的な理由の開示は行うこととしております。 それで、こうしたいわゆる行政手続的な観点についてどう考えるかということでございますが、我々といたしましては、こうした事前通知あるいは調査理由の開示などにつきましては、最高裁の判例などにおきましても、質問検査を行う上での一律の要件とされているものではないというふうに判示が行われております。 以上であります。
○若松委員 そうすると、今お伺いして、かなりディスクレショテリーというのですか、いわゆる自由裁量的な感じでやっている、こういう認識を持たざるを得ないと思うのです。 今度は立法の立場の、立法は本当は国会ですけれども、主税局長、お願いします。
○小川(是)政府委員 確かに法律上は、「調査について必要があるときは」とあるだけでございますが、先ほど国税庁次長から答弁いたしましたように、こうした点についての裁判上の争いでは、最高裁の判決などにおきましても、やはり全く自由に税務職員が裁量を与えられているわけではない。やはり質問検査の必要性とそれを受ける相手方の私的利益との比較考量において、社会通念上相当な限度内という制限のもとに客観的にその範囲が画されているというふうに言われているわけでございます。こうした考え方は考え方としてそれなりに妥当なものだと存じます。これを具体的に当てはめるときに、限度を超えることのないようにということで調査を行っているわけでございます。 今御質問にありました、法律上何か一律に調査等に関する事前手続を定めることができないかという点につきましては、やはり納税者の業種であるとか取引形態であるとか、帳簿等の保存の状況であるとか資料の多寡など、さまざま多種多様の納税者の状況にございますので、これを一律に定めるということは困難だというふうに存じます。税務職員の合理的な判断を磨き、そこにこの法律の限度内で執行をしてもらうのが最も適切ではないかと考える次第でございます。
○若松委員 済みません、時間がオーバーして。 最後に一つだけ大蔵大臣に聞きたいのですけれども、要は先ほどの、検査官の、国税庁の担当者の良識に従う、これは非常に抽象的で、まあ権力というのは幾らでも使われるわけなのです。本質的に民主主義というと、幾らそういった検査官の自由裁量、社会的な通念とかいいながらも、やはり基準があってしかるべきが民主主義制度じゃないのでしょうか。そういう基準なしに全く裁量を認めるという、ちょっといかがでしょうか、民主政治のもと選ばれた大臣。
○武村国務大臣 御意見拝聴させていただきましたが、お答えしておりますのも、やはり原則は事前に通知をさせていただく。例外があり得る。通知をすることによって円滑に調査ができないと判断する場合がその例外でありますが、そういう基本的な立場で各現場の税務官署が対応をさせていただいているということで、個々にまたおしかりをいただいたり、反省をしなければならないようなケースがあればまたお教えをいただきたいと存じます。
○若松委員 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○尾身委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時四十一分散会 ――――◇―――――