大蔵委員会 第4号
- 発言数
- 103 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1995/02/17
会議録
○尾身委員長 これより会議を開きます。 先ほど付託になりました内閣提出、阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律案及び災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。 順次趣旨の説明を聴取いたします。武村大蔵大臣。 ————————————— 阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律案 災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○武村国務大臣 ただいま議題となりました阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律案及び災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及び内容を御説明申し上げます。 まず、阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律案について御説明を申し上げます。 政府としましては、阪神・淡路大震災による被害が、広範な地域にわたり、同時、大量、集中的に、かつ平成六年分の所得税の申告期限前という特殊な時期に発生したこと、及び大震災が神戸港という我が国の貿易拠点を直撃し甚大な被害を引き起こしたこと等を踏まえ、被災者等の負担の軽減を図る等のため、緊急に対応すべき措置を講ずることとし、本法律案を提出した次第であります。 以下、その内容を御説明申し上げます。 まず、所得税につきましては、今回の大震災により住宅や家財等について損失が生じたときは、平成六年分の所得において、その損失の金額を雑損控除の適用対象とすることができる特例を設けるとともに、住宅や家財について甚大な被害を受けたときは、その雑損控除の特例との選択により、平成六年分の所得税について、災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律による軽減免除の適用を受けることができる特例を設けることとしております。 また、雑損控除の特例との関連で、今回の大震災により事業用資産等について損失が生じたときは、その損失の金額を平成六年分の事業所得等の金額の計算上、必要経費に算入することができる特例を設けることとしております。 次に、関税につきましては、今回の大震災の被災者に係る関税の納期限を延長する等の特例を設けることとしております。 また、今回の大震災の被災者に対する救援物資等を執務時間外に通関する際の臨時開庁手数料等を免除する等の特例を設けることとしております。 次に、災害被審者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律の一部を改正する法律案につき、御説明申し上げます。 政府としては、阪神・淡路大震災の被災者を含む災害被害者の負担の軽減を図るため、本法律案を提出した次第であります。 以下、その内容について御説明申し上げます。 所得税の軽減免除または徴収猶予等の適用対象となる者の所得限度額を現行の六百万円から一千万円に一・七倍程度引き上げるとともに、全額免除等の対象となる所得限度額についても同程度の引き上げを行うこととしております。 また、阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律案との関連で、この改正は、平成六年分の所得税から適用することとしております。 以上が、二つの法律案の提案の理由及び内容であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○尾身委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○尾身委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。谷口隆義君。
○谷口委員 新進党の谷口でございます。 あの忌まわしい阪神・淡路大震災から本日はちょうど一カ月が経過いたしたわけでございますが、本日現在、五千三百人を超える方がお亡くなりになり、また負傷者が三万四千人を超えるというような状況になっておるわけでございます。 また、二十一万人を超える方々が現在も避難生活をなさっておられるというような状況にあるわけでございまして、一刻も早くこのような状況を改善し、普通の生活に戻っていただけるようなことをやらなければいけないというように強く思うわけでございます。まさに今政治が問われておるわけでございまして、政治家が強力なリーダーシップをとって、このような大震災を乗り越えるために頑張っていかなければいけないときであるな、このように強く思うわけでございます。 また、昨日から確定申告の受け付けが始まったわけでございまして、昨日のニュースを聞いておりますと、神戸の方では当初予定よりも若干少ないというようなことをおっしゃっておったわけでございますが、これはわかるわけですね。というのは、まだ今回のこの法案が上がっておりませんから、今現在来られる方はほぼ納税される方が中心であるということでございますので、今現在、災害のやんだ日から二カ月というその延長があるわけでございまして、そういうことで少ないのではないかというように思うわけでございます。 先ほど大蔵大臣のおっしゃった趣旨説明をお聞きしたわけでございますが、今回のこの二法案、一つは、災害減免法また雑損控除について前倒しの処理をしようという法案であります。また、もう一つは、災害減免法の対象所得を拡大していこう、こういうような法案であると理解しております。私、また我が党も、この法案については一刻も早く成立させていただきたい、こういうような観点、賛成の観点から若干質問させていただきたい、このように思っております。 今回の阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律案ということでございますが、先ほど申し上げましたように賛成の立場で申し上げたいのでございますが、若干細かいことになりますが、雑損控除がございます。この雑損控除は、今まさに現場では混乱いたしておりまして、当委員会でも私、以前に申し上げたわけでございますが、書類も何もない、領収証も源泉徴収票も何もないというような状況で来られる方が多いわけですね。そういうような状況に対応するために、雑損控除におきましては簡便法をお使いになるというようにお聞きいたしております。 その簡便法と申しますのは、具体的なところまで聞いておりませんが、例えば家屋が全壊したとか半壊したとか一部損壊したとか、そういうような状況に応じて、時価を積み上げて積み上げた結果で控除するというのが本来でございますが、現場の対応はそういう簡便法をお使いになるというようなことを聞いておるわけでございます。 この雑損控除について簡便法をお使いになるということでございますが、今回はまたそれと別に、災害減免法に基づく減額というのが講じられておるわけでございます。この災害減免法に基づく減額の場合にも同じように簡便法をお使いになるのかどうかということをお聞きいたしたいと思います。
○堀田政府委員 お答え申し上げます。 今先生からお話しございましたように、本来、損害額の算定につきましては、時価を基礎として個々に積み上げるというのが基本でございますけれども、今回の震災につきましては、そうした形で個々に損害額を計算することはなかなか難しい場合が多いであろうということで、大阪国税局におきまして、納税者の便宜を考慮して簡便法を考えたいということで現在作業をしておりまして、今夕にも発表したいということでございます。 その簡便法の中身をちょっと申し上げますと、住宅と家財とに大きく分けまして、住宅につきましては、その住宅の構造とか建築時期に応じて時価額を求めまして、それに延べ床面積を乗じ、さらに先生おっしゃいました住宅の被害割合、全壊ですとかあるいは全壊に準ずるとか半壊ですとか、割合を乗じて計算する。家財につきましては、所得金額に対応する部分とそれから同居親族の数に対応する部分があるだろうということで、その両者の部分を想定しましてその合計額を出しまして、これも同じように家財の被害割合を乗じて計算するということにいたしたいと思っております。 それから、今回は特に自動車についての被害が多いと言われておりますので、家財の中から自家用自動車を取り出しまして、それは別途損害額を計算するということでやりたいなと思っているところでございます。 それで、御質問の災免法の損害額の算定にこの簡便法を使えるのかどうかというお話でございますが、災免法で二分の一以上の損害を受けた者がその対象になるということでございまして、その判定をするときの計算にはこの簡便法をお使いいただいてもちろん結構だということでございます。 ただ、この簡便法自体は専ら納税者の便宜のためにという趣旨で考えるものでございまして、こういった簡便法による計算が実情に合わないという方が当然おられると思いますので、そういう方は本則に戻って個々に積み上げ計算をしていただくということでも結構だということでございまして、その辺は、納税者の立場に立ちましてよく御相談を申し上げていきたいと考えております。
○谷口委員 今、災害減免法におきましても簡便法を使っていいというようなお話でございました。 また、もう一つお聞きいたしたいのですけれども、今回の震災におきまして大変な被害に遭っておられるわけでございまして、今の現行法の範囲で、所得がありますけれども、その所得から、当然大きな被害がありますからそこから控除するわけですね。そうすると、控除し切れない金額は翌年に繰り越しますね。現行は三年まで繰り越してもいいということになっておるわけでございますが、この三年まで繰り越して、かつまた引き切れない金額が残る可能性が非常に高いわけでございまして、そういうような場合に、この繰り越しの三年間を例えば五年に延長するというようなことを検討していらっしやるのでしょうか。
○小川(是)政府委員 損失の繰越制度につきましては、所得税、法人税を通じてですが、所得が期間計算で行われるということから、一年限りで所得と損失を見合わせて計算をするということには無理があるだろうということから繰越制度というものを設けているわけでございます。 他方におきまして、やはり課税関係は、できるだけその税の本質から各期ごとに確定をしていくという要請もございますし、税収の安定性という面もございますし、また各種の書類を保存しその事実を遣いかけていくという、確認という作業もあるわけでございます。そうしたことからいたしますと、やはりこの損失と所得の控除という制度は、当年のほか三年間これを繰り越して行うということが、安定性という観点から見ましても、また通常のこれまでの例から見ましても、おおむねそうした対応で、被害者の方に対する税制上の配慮としては妥当な線として行われてきているというふうに考えておりますし、今回の件につきましても、こうした現行の三年繰越制度という制度に乗って対応をしてまいりたいと考えている次第でございます。
○谷口委員 いや、主税局長、私が申し上げたのは、三年から五年に延長できないかということを申し上げたわけでございまして、今それが検討されておるのかどうかということをひとつお答えいただきたいと思うのです。 それで、その前にもう一つお尋ねいたしたいことがございます。 今回は法人税でございます。私、先日も申し上げたのですけれども、震災地の企業の法人税について、そういう税の対応を考えていただいておるのかどうかということをお聞かせいただきたいと思います。 具体的に申し上げますと、私前回も申し上げたのですけれども、多分、今事業年度が欠損金が出る企業がほとんどだと思うのですね。事業が行えないとか、いろいろ震災関連の資産を除却するなり償却するなりしまして、欠損企業が多いということでございますので、本来欠損金の繰り炭しというのは、傘とめられておるわけでございますが、その欠損金の繰り戻し還付ということを検討していただきたいというように申し上げておったわけでございます。それ以外でも結構でございますが、このような法人税における検討を今どういう形でなされておるのかということをお聞きいたしたいと思います。
○小川(是)政府委員 まず、所得税の三年繰り越しを延ばすことを検討する考えはないかという点でございます。その点につきましては、現状では、個人の場合には各種の所得がございます。したがいまして、そうしたこれからの経済活動、生活の中から生ずる各種の所得から全体合計したところでこの繰越額が控除できるということからいたしまして、現行の三年を今回に限って延ばすということはこれまでのところ考えておりません。 第二点の法人税関係でございます。法人税の関係につきましては、一つは現行法の枠内で、既に国税庁で、災害損失の関係の特別勘定を設けるとか、あるいは一定の見舞金についてはこれを交際費にしないとかいう扱いを定めて公表をいたしております。 法律の改正を要するのではないかと思われる点が、今御指摘のありました欠損金の繰り戻し還付、現在停止しておりますが、本来は一年間繰り戻し還付ができるという制度になっております。これを今回の震災について解除をするかどうかという点については、現在検討をまさにいたしております。 そのほかにも、法人税の関係につきましては、各界、経済界あるいは地元からたくさんの御要望が寄せられております。例として申し上げますと、土地を売却したときの圧縮記帳であるとかいうものについての特例を望まれる、また投資をしたときの新たな投資に対する対応といったような御要望もございます。現行制度でかなり幅広くいろいろな特例が認められておりますので、その活用でカバーができないかどうか、もしカバーができないときにさらにこれに特例を認める余地があるかどうか、全体の税制の中で、被害状況をお聞きしながら、現在検討をしているところでございます。
○谷口委員 ぜひ被災された方々また被災企業の立場に立って、今私が申し上げたような三年から例えば五年に引き延ばすことであるとか、また法人税関係におきましても最大限の考慮をお払い願いたいというようにお願いいたします。 その次に、今のことにかかわることでございますが、地方税関係についてお聞きいたしたいと思います。 地方税で本日また法案が上がっておるようでございますが、地方税も所得税も本来一体ではございませんので、地方税は地方税の考え方でやられるわけでございますが、地方税におきましても、無用の混乱を避けるという意味で簡便法で行われるのかどうか。また、私先ほど申し上げたように、地方税の場合は還付という制度はございませんから、前年の所得に対して本年の六月からの所得割が減額するということになると思うわけでございますが、この損失も三年間繰り越す制度があるわけでございます。これについて地方税の方で延長されるようなことは考えておられないのでしょうか。
○折笠説明員 お答え申し上げます。 まず第一点の、雑損控除の適用関係ということだろうかと存じますけれども、先生御案内のように、地方税の個人住民税におきましてもやはり雑損控除という制度がございまして、国税と同様に、同じ算式で控除することになっております。したがいまして、今回の計算をどうするかということにつきましては、国税の所得税と地方税で取り扱いが不均衡になることはないようにしなければならないと私どもも考えておりまして、現在国税庁とも密接に連絡をとりながら、また地方団体に対して適切に助言あるいは指導をしてまいりたい。それから、地方団体におきましても所管の税務署と十分に連絡をとってやるように、こういうふうに指導をいたしておりまして、納税者の方々の申告事務が円滑に行われるように努力してまいりたい、こう考えておるところでございます。 それから二点目の、繰越控除の関係でございますけれども、これにつきましては、所得税と同様の考え方で現在三年となっておるところでございますので、これにつきまして最初の年を含めて四年間、それからその前年の災害減免というのもございますことから、現在のままでさせていただきたいと現時点においては考えておりますので、御理解を賜りたいと思っております。
○谷口委員 早急にこの法案を成立させていただいて、早急に施行していただきたいと思うわけでございます。 この法案が成立しますと、還付を求める方がたくさんいらっしゃるのではないかというように考えるわけでございますが、現在国税当局も万全の体制をしいて、応援部隊も入れて、そのような準備をされておるということをお聞きいたしておるわけでございます。 ここで一つお願いいたしたいことがあるわけでございますが、今回の確定申告期間に、被災された方々の激励、また国税当局の、これまた大変精神的、肉体的負担がございますので、この期間中にぜひ大蔵大臣に現地に行っていただいて激励をお願いいたしたいなというように思うわけでございますが、いかがでございましょうか。
○武村国務大臣 近々また現地へ行こうと思っておりましたし、ぜひ税務当局もその際には激励をいたしたいと思います。
○谷口委員 ありがとうございます。 そういうことで、本当に一刻も早くこの法案が成立することを望んでおるわけでございます。 その次に参りまして、今回非常に被災地で大変な状況に遭っておられる企業が多いわけでございますが、手形の決済についてお聞きいたしたいと思うわけでございます。手形決済の特例が現在行われておって、決済期日が来ても延長されておるということをお聞きいたしておるわけでございますが、そうしますと、手形を受け取った企業が非常に資金が枯渇して、それに対する何らかの融資をやる必要が当然あるわけでございますが、それについてお聞きいたしたいわけでございます。 現在神戸の手形交換所において持っておられるこのような手形の枚数、または、できましたら、どのくらいの金額をそういう形で持っておられるのか、お聞きいたしたいと思います。
○西村政府委員 今回の震災に際しましては、手形債務者が被災し決済されなかった手形につきましては、支払い銀行が阪神・淡路大震災が原因であると認めた場合には、まず手形交換所は、通常ならば機械的に行っております不渡り報告及び取引停止報告等の処分を猶予いたしまして、さらに関係銀行において話し合いの上善処するとの対応が行われております。また、手形の所持人が被災者である場合には、通常ならば支払い呈示期間に呈示していない手形については手形交換所に持ち込むことができないわけでございますけれども、阪神・淡路大震災により支払い呈示期間を経過した手形等についても手形交換に持ち込むことができるとの対応が行われております。 その結果、現状でございますけれども、手形交換再開後の一月二十四日から一月末までの間、震災が原因で決済できなかった手形は、割合で恐縮でございますが、総交換高の一・六%。すなわち、残りの九八・四%は通常どおり交換されているという状況でございました。さらに、二月に入りましてからは状況が改善の方向に向かっておりまして、二月一日から二月十六日の累計で見ますと、震災が原因で決済できなかった手形の割合は一・一%に減少いたしております。 こういうことで、状況としては改善の方向に向かっておると思うのでございますが、御指摘のように、手形の決済は結局のところ経済活動の資金繰りの問題に帰着するわけでございます。今回の震災に関しましては、金融面で、民間金融機関、それから政府関係金融機関双方において、いろいろな方法で金融の円滑化を図るよう対応策を講じておりますので、今後ともそのような努力を続けてまいりたいと考えております。
○谷口委員 済みません、もう一つお聞きしたいのですけれども、もう解除期間のことについて一部言われておるわけでございますが、解除をいたしますと倒産が顕在化すると申しますか、一部支払い不能に陥る、不渡りになる企業が出てくると予想されるわけでございますが、このような解除期間について今現在どのようにお考えでございましょうか。
○西村政府委員 現在の措置は、大蔵省及び日銀からの要請に基づきまして手形交換所が行っているものでございますが、手形交換所においては当分の間、現在の措置を継続する意向であると伺っております。
○谷口委員 経済に与える影響が大きいわけでございまして、今私がお聞きした回答になっていないのですけれども、十分周りの状況を配慮しでそのような解除期間も設けていただく。また、先ほども申し上げたように、資金が枯渇するところが出てくるわけでございまして、低利で融資する等万全の対策を講じていただきたいというように思うわけでございます。被災企業の立場に立って万全の対策を講じていただきたい、このように強く思うわけでございます。よろしくお願いします。 時間がちょっと迫ってまいりましたので、次の質問に移らせていただきます。 これは法務省関連でございますが、先ほど私が申し上げたことにも若干関係するわけでございますが、法人が破産するという原因に、一つは支払い不能、一つは債務超過というような原因が考えられるわけでございます。 そこで、その支払い不能に陥った法人が破産宣告する、これは債権者も債務者もそのようにできるわけでございますが、今被災地は大変な状況になっておるわけでございまして、この震災の影響で例えば債務超過に陥った法人が一定期間破産宣告をできないことにするような、これは債権者から多分するんだろうと思いますが、そういうことができないような措置をぜひ講じていただきたいわけでございますが、このようなことについて、現在法務省の方はどのようにお考えでございましょうか。
○菊池説明員 お答え申し上げます。 大震災によりまして債務超過になった法人につきまして、御指摘のとおり、債権者からの申し立てがあれば裁判所の方ですぐに破産宣告を受けるということではお気の番でございますし、再建ということもできなくなってしまいますので、そのようなことにならないよう、一定期間は破産宣告をすることができないという方向で特別の立法をすべく現在検討を急いでいるところでございます。
○谷口委員 聞くところによりますと、関東大震災の折には二年間の措置が講じられたということを聞いておるわけでございますが、ぜひ二年程度の措置を講じていただきたいというように申し入れをさせていただきます。 また法務省関連の問題でございますが、実は、平成二年の商法改正におきまして、株式会社におきましては資本金が一千万、有限会社におきましては資本金が三百万というような最低資本金制度が決められたわけでございまして、それから五年間の経過措置があって、いよいよ平成八年の三月三十一日にこの猶予期間のリミットが来ておるわけでございます。それで、その期間内に増資をすればいいわけでございます。ところが、被災地におきまして数多くの企業がございますが、このような企業も同じようにこれはやらなければいかぬわけでございますが、やれるような状況にない企業が大変多いというように聞いておるわけでございます。 本来、この増資をする手続と申しますのは、一つは利益の資本組み入れの増資という場合と、法定準備金の資本組み入れという増資と、あとまた通常の新株発行による増資というふうに大きく三つのパターンに分かれると思うのでございますが、利益の組み入れによる増資を行う場合には、株主総会を開会しなきゃいかぬ。定時株主総会でやる場合が一般的に多いわけでございますが、そのような総会を開会できないような状況にある被災企業が多いというように聞いておるわけでございます。 このような状況の中でこの平成八年三月末までに増資を行うということは、非常にこれはもう大変な困難な状況に陥っているということでございますので、これにつきましても、延長をしていただくような措置、これを現在法務省の方でお考えいただいておるのかどうか、お聞きいたしたいと思います。
○菊池説明員 最低資本金についてのお尋ねでございますが、御指摘のとおり、定時株主総会の決議を必要とする場合につきましては、あと一回しかチャンスがないわけでございます。しかし、今回の大震災の被災地にあります会社につきましては、あと一回の手続で法律で定められたことをすべて完了するというのは現実には困難であろうと私ども考えておりますので、被災地にある会社につきましては、必要な手続をとるための時間的な余裕を認めるという方向で、特例として、あと一年余りの猶予期間を若干延長するということを、先ほどの破産とあわせまして、現在鋭意検討しているところでございます。
○谷口委員 ありがとうございました。 いずれにしましても、法務省の御見解は、前向きにやっていただくというようなことで進んでおるということでございますので、できるだけ早くそういう対応をお願いいたしたいというように思います。 今回、本当に大変な被災を受けたわけでございますので、被災者の立場に立って早急に本両法案も成立をしていただき、また、私が今お聞きしたようなことも被災有の立場でやっていただきたいなというようにお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○尾身委員長 次に、北側一雄君。
○北側委員 新進党の北側一雄でございます。 今かかっておりますこの法案は、阪神・淡路大震災の被災者の方々の平成六年の所得からも雑損控除や災害減免法の適用を認めていこうとすることを内容とする法案でございまして、こうした納税の特例措置を設けて被災者の負担を軽減し、復旧への一助にしていこうという趣旨だというふうに理解をしております。まだ被災地の方は大変な状況でございまして、こうした被災の中での今回の申告でございます。その実情をよく踏まえていただきまして、ともかく一番大事なことは、被災地の納税者の便宜を図るということを最優先にして今回の執行に当たっていただきたいとお願いを申し上げる次第でございます。 まず最初に私がお聞きをしたいことは、被災地域での還付申告者数の見込みでございます。税金をお納めになる納税者の方の申告は、恐らくこれはゆっくりされるだろうと思うのですけれども、還付を受ける方は、相当早い時期に還付申告は集中するのではないかというふうに私は思うわけでございます。特にサラリーマンの方につきましては、源泉で税金が既に徴収されております。そういうサラリーマンの方々の大半、多くの方々が今回還付付申告をされるというふうに思います。この被災地域での還付申告者の数の見込みにつきまして、大まかで結構でございます、どの程度を予想されておられるのか、まずお聞きをさせていただきます。
○堀田政府委員 お答えを申し上げます。 今回の大震災では多くの方々が住宅や家財に被害を受けておられますので、この御審議中の法案を成立させていただきまして施行されたということになりますと、たくさんの納税者が還付申告に来署されるだろうと予想をしております。しかし、実際にどのくらいの数に上られるんだろうかというのは、私どもいろいろな形で推計はしているのでございますけれども、なかなか確定的にはよくわからないというのが実情でございます。 参考にちょっと申し上げますと、今回国税庁の告示におきまして地域指定をしまして申告等の期限延長を行っておりますけれども、その十八市町に所在する会社等の雇用者の方々、サラリーマンの数は約百五十万人ということでございます。それから、被災地にあります十三税務署で去年収受しました還付申告書が二十八万枚ということでございます。この二十八万枚がどのくらいふえるのかということでありますけれども、そこがなかなかわからないということでございます。 結局、個々の納税者が実際にどの程度の被害を受けておられるのか、特に所得金額の十分の一等の足切り計算もありますので、それを上回ってどのくらいの方が被害を受けられて申告してこられるのか、ちょっとよくわからないということでございます。 ただ、いずれにしましても、どのような事態にも対処できますように、人員なり場所の確保等につきましては大阪国税局におきまして精いっぱいの準備をしておりますし、国税庁としてもバックアップをしておるということでございます。
○北側委員 今の御答弁にございましたように、通常でも今十三税務署で二十八万の還付印皆がある。それでこの二十八万には、サラリーマンの方は普通は還付申告、確定申告なんかしないのですよ。ということは、この二十八万にプラス、先ほど百五十万とおっしゃいましたけれども、この百五十万人、もちろん皆さんが還付申告するわけじゃございませんが、この中のかなりな相当な数の還付申告がプラスして今回被災地の方では申告をなされるという状況にあるわけでございまして、なおかつ、普通は還付申告というのは申告を早くした方が早く還付を受けられるということなわけですから、この法案について、成立しましたら施行は来週の月曜ぐらいに予定をされておるというふうに聞いておるのですけれども、そうすると、もう来週の施行後はかなり早い時期にこの還付申告が一挙に集中するのではないか。そういう意味で、税務の現場が混乱しないようにぜひ配慮をしっかりしていただきたいと思うわけでございます。 先ほど、同僚委員の質問にもございましたが、簡便な方法によって損害額を算定していくということでございます。ちょっとその点でお聞きをいたしますが、住宅について、住宅の損害額の算定に当たって、全壊と全壊に準ずるもの、半壊、一部損壊、この四つの被害の程度の区別の基準を設けるというふうに私聞いております。この全壊、半壊、それから全壊に準ずるもの、一部損壊、この四つの区別の基準、大まかで結構でございますので、どういう基準によってこの四つを分ければよろしいのか。
○堀田政府委員 現在細部を詰めておるということでもございますけれども、先生おっしゃいますように、住宅の被害割合については大体四つのジャンルを想定したいと考えております。それは、主要構造物の柱とか外壁ですとかの損壊の割合がどれぐらいになるか。全壊と申しますのは、いずれにしましても、補修をしてももう使えない住宅ということになりますので、そういった住宅が多いだろうとは思いますけれども、あと全壊に準ずるもの、半壊、一部損壊、今申し上げましたような主要構造物の損壊の程度とか面積の割合とかいうことで分けて考えていきたいということでございます。
○北側委員 現場では、全壊、全壊に準ずるもの、半壊、一部損壊、これは簡便法ではあるのですが、相当これは混乱を生じるのではないのかなというふうに思うわけでございます。 もう一点ちょっとお聞きしますが、細かい話ですが、家財についての簡便法では、先ほどのお話で所得額と家族構成、この二つの要素を組み合わせて家財についての損害額の簡便法をつくっていこうというふうにされておるというふうに聞いております。例えば年収八百万の普通のサラリーマン、家族が女房と子供二人という四人家族、この場合の簡便法による家財の損害というのはどの程度なんでしょうか。
○堀田政府委員 具体的な数字はちょっと今持ち合わせておりませんので、計算いたしまして後刻側説明させていただきますけれども、考え方は、先ほど申し上げましたように、個別に積み上げないとすれば、家財という一つのジャンルをつかんで、それは所得が多い人は所得に比例して出てくる部分があるだろう。それから同店している親族の数、それは大人の場合、子供の場合と違うでしょうけれども、それに応じて所有される部分があるだろう。その二つの要素を合計いたしまして、それに先ほど申し上げました四段階の被害割合を掛けて算定することを考えております。 それから、特に今回考えなきゃいかぬなということで措置したいと思っておりますのは、今回の災害では二次災害として火災の被害が非常に大きかったということでございますので、火災となりますと、家財の被害というのはまた通常の災害とは違ってまいります。焼失する、あるいは水がかかるということにもなりますので、そこは非常に大きく被害割合を認定していきたいというふうに考えております。
○北側委員 いずれにいたしましても、今回の雑損控除であったり災害減免法の適用であったり、申告者の方は自分の損害がこれだけありますということを申告していくわけでございまして、その際に、この被災地域の方では、義援金の支払いをするときとかさまざまな融資の申し込みをするときなどに罹災証明書の発行を求めるんですね。罹災証明書を持ってこいというふうに使うわけなんですが、今皆様のお手元に、私の方で資料を持ってまいりました。ちょっとごらんになっていただきたいと思うのですけれども、これは、きのう私が調べた。罹災証明書がどの程度発行されているかの数なんです。 これは全部の被災自治体が入っているわけじゃないのですけれども、例えば神戸市の東灘区、一番被災の大きいところでございます。ここは恐らく、東灘にお住まいの方はもう全所帯がそれなりの損害をこうむっておると思うのですけれども、全世帯数が七万七千余りある。にもかかわらず、きのうの時点で罹災証明の発行がなされているのは八千三百しかないんです。一〇%強しか罹災証明は発行されておりません。 以下、ずっとごらんになっていただいてもわかるとおり、罹災証明書というものは現実には現時点では被災者の家庭にそんなに交付されているんではないんだという実情を、出向の現場ではよく踏まえていただきたいということをきょう私は一番申し上げたいわけでございます。 二ページ目をちょっとごらんになっていただきたいのですが、これは神戸市の罹災証明神なんです。これは極めて簡単な罹災証明書でして、自分自身の被害の程度を詳しく書く欄なんてないわけなんです。「り災程度」というのは全壊、半壊、一部破損、この三つしか、それをチェックするだけの証明書なんです。次の三ページ目、これは芦屋市の罹災状況報告書、罹災証明書なんですけれども、こちらの方は、「り災状況」の欄に詳しく自分の家屋または家財の罹災状況というのを書こうと思えば書ける欄があるわけなんです。 というふうに、一言で罹災証明書といっても、自治体によって内容も全くまちまちであるということも国税当局はぜひ御理解をお願いしたいのです。 今被災地では、義援金の交付の問題だとか公的な融資の申し込み、民間機関、銀行の融資の申し込み、それから支払いの延期、そういうことでもすべてこの罹災証明書を持ってきなさいよという話になっておるわけなんです。罹災証明書が発行されるのが遅いわ、おくれているわで現場は非常に混乱をしておる。 今回還付申告が多分一気に集中してくるでしょう。そのときに税の現場で、罹災証明書ありますか、ああないんですか、じゃ、とってから来てくださいなんというふうなことはしないと思うのですが、そういうことはくれぐれもないようにしないと現場では大変な混乱が起こってしまうと私は思うのです。 そもそもこの罹災証明書というのは法律上の根拠があるわけでもないわけでございますし、また納税申告とか還付申告のために罹災証明を自治体が発行しているわけでもございません。そういう意味で、この罹災証明書の持つ意味、今回の納税申告の中で罹災証明書の持つ意味というのは、大きな意味を持たせない、単なる一つの資料にすぎないのだ、申告された方がいまだに罹災証明書を受け取っていないならば、それは御本人の申告をよく聞いていただいて、その聞き取りで還付申告を受け付けるようにぜひ取り扱いをしていただきたいと思うわけでございます。 また、罹災証明が実際に発行されている場合でも、この神戸の罹災証明書をごらんになったらわかるとおり、これに基づいて建物の損壊状況の判断なんかできないわけですね。だから、あくまで本人の申告を尊重していただきたい。聞き取りを最優先にしていただきたい。そういう指導を、被災地の税務署で頑張られる職員の皆さんに指導をお願いしたいと思うわけでございます。
○堀田政府委員 雑損控除等の適用に当たりましては、通常の場合、個々の損壊について、例えば火災でありますれば火災により滅失したことを証明する、今お話がございました罹災証明書を提示していただきまして、それをベースに判断を行っているという運用をしております。今回の震災につきましても、原則としては、通常の雑損控除の場合と同様に、罹災証明書が出るわけでございますのでその罹災証明書の提出を基本的にはお願いしたいと思っております。 ただ、実情を見ますと、なかなか罹災証明書を早く受けられないという方もおられますし、そもそもどこの地域に住んでおられたのかということでもその罹災の状況が明らかな場合もありますし、仮設住宅に住んでおられるということでおのずから住宅の被害の程度がわかるということもございますので、そういう方についてまで罹災証明書の提出を求めることは余り意味がないだろう、また提示がないからといって雑損控除の適用を認めないというのはおかしいだろう、適当ではないと思っております。例えば罹災証明書の写しかすぐにとれないという方は後で送っていただくというようなことも、そういう対応も考えていただいてもいいなということも思っております。 それから、お話にございました。罹災証明書の内容が公共団体によって区々であって、その中身をどう判断するのかという問題がございますけれども、先生お話にございましたように、罹災証明書が別に法律上の要件になっているわけでもございませんで、私どもが判断する際の重要な資料の一つという位置づけでございますので、罹災証明書がない場合、あるいは罹災証明書の内容が例えば不満な納税者が、被災者が来署された場合というようなときには、個々に納税者と十分御相談をしまして、被害状況等を十分聴取してまいりたい、納税者の立場をよく考えながら適切に対処してまいりたいと考えております。
○北側委員 罹災証明書を出すことを基本とするというふうな言い方で現場の方に指導されると、現場は困ると思いますよ。自治体の方だって嫌で出さないわけじゃないわけなんですよ、各自治体も。その罹災証明の発行自体がさまざまで困難であるからこういう現状になっているわけなんですね。来週の月曜日から始まりますよ、わっと還付申告が。そのときに現場で、罹災証明書を出してください、ありません、それを出してから一緒に申告をお願いしますとなってしまったらどうなるかといったら、みんな自治体の方へ罹災証明を発行しろと行きますね。そうしたら、自治体は困ってしまいますよ。 だから、この現実の状況というのをよく踏まえていただいて今回の申告には当たっていただかないと、私は現場では大変な混乱が起こるということを改めて指摘をしておきます。その点よく配慮をしていただきたい、お願いを申し上げる次第でございます。 時間が余りございませんので、これは御答弁は結構でございますが、先ほどの冒頭の話でございましたように、今回の還付申告の数が百万いくのかいかないのか、ともかく大変な数になることは間違いない。そういう中で、被災地での税務の執行体制をしっかり確保していただきたい。これは被災者の便宜を図る面でも必要でございますし、職員のことを考えてもそうでございます。 この人員の確保ということをしっかりとお願いするとともに、国税職員の皆さんもここでしっかり頑張っていただくわけでございますが、職員の皆さんも被災者でございまして、税務署、団体も被災に遭っている、そういう中で今回の大変な申告を受け付けようとしているわけでございまして、その辺の職場環境への配慮もぜひしていただきたいと思うわけでございます。 これは答弁は結構でございますが、ぜひその辺は念頭に置いていただきたいと思います。 最後に一問、ちょっと税の問題でお聞きをさせていただきます。 今回の被災に遭われた事業者の中で、消費税の簡易課税とか、それから課税事業者、その選択をする届出書の提出が今回の地震の被災のために遅滞してしまった。本来提出しようと思うときよりもおくれて提出をされてしまった場合に、この被災事業者に不利益にならないような特例的な取り扱いをぜひお願いしたいと思うわけでございます。いかがでございましょうか。
○小川(是)政府委員 確かに消費税の各種、例えば課税事業者選択届出書といったような届出書は、本来適用を受けようとする課税期間の直前まで、直前の課税期間の末日までに提出をしていただくことになっております。ただ、今回の震災による現地の状況等から見ますと、届出書の提出ができないといった事態も当然あり得ると思います。 そこで、提出が可能になったら速やかに提出をしていただくこととして、それにどのように対応をしたらよろしいか、現在検討をしているところでございます。その点につきましては、不都合の生ずることのないように対応をいたしたいと考えております。
○北側委員 もう既に確定申告は始まっておるわけでございますが、今回のこの両法案につきましては私どもも大賛成でございます。速やかに成立をさせて、早く施行すべきであると考えております。執行に当たりましては、今私が質問させていただきましたように、被災の中の申告でございます。そういう実情をよく踏まえていただきまして、被災者の、納税者の便宜を図る、これを最優先にしてぜひ取り扱いをよろしくお願いしたいと思うわけでございます。 最後に大臣の御答弁を求めまして、終わりたいと思います。
○武村国務大臣 震災直後から主税当局で検討を始めまして、ようやくこうした法律として御提案をさせていただくことになりました。もう申告が始まっておるわけであります。ぜひ被災者の納税者としてのお立場を御理解もいただきながら、この法案に御賛成をくださるようにお願いを申し上げます。
○北側委員 以上でございます。
○尾身委員長 次に、佐々木陸海君。
○佐々木(陸)委員 私は、きょう提案されておりますこの二つの法案、阪神地区の被災者の便宜、利益ということを考えた法案として賛成するものでありますが、その立場から若干の質問をさせていただきたいと思います。 先ほど、住宅や家財に対する損害額の簡便な計算、これはまさに納税者の硬貨のためにということで説明がありましたが、今から十数年前、一九七七年の名古屋での水害で名古屋国税局が行った簡易計算というものがあります。そのときは、建物に対する損害額は、固定資産税の課税標準額を一・五倍した金額に被害割合を掛けて算出するということがありました。 今回は、そういう固定資産税の課税標準額というような面倒な額をとってこないで、家屋の構造それから建設した時期、そして延べ床面積、こういったものを基準に簡単に計算できるようにするという、この点では、十数年前のやり方とは違う新しい方法をとっているということでよろしゅうございますか。
○堀田政府委員 お答え申し上げます。 御指摘のとおりでございまして、名古屋国税局が往時使いました手法は、固定資産税の課税標準額をベースに計算をしたものでございます。今回は、時価にかかわる部分は課税標準額ではなくて、建築統計といいますか、実際に兵庫県で建築をするのにどのくらいのコストがかかっているかということをベースに計算をしたいと思っております。 それは、一つは、固定資産税の評価額ですと、一々納税者の方が公共団体に問い合わせる必要も出てくるわけでございます。今回のように一定の数字を示しますと、もうそれだけで済むということがございます。それから、絶対的な数字を見ますと、固定資産税の課税標準額は見直しか行われておりますけれども、その評価が上がるようなときは上げない、携え置くというような運用を、自治省といいますか地方公共団体はとっておりますので、やはり相対的には低い数字になっているということがあると思っております。 そういう意味でも、現地の実情を考えた場合に、そこは入れかえた方がいいなというふうに考えたものでございます。
○佐々木(陸)委員 それは一つの改善だろうと思います。 家財の損害額の計算の問題ですが、これも七七年の名古屋の例で見ますと、前年分の総所得金額が二百万円までの者に対しては家財の額はその五〇%というふうに計算する、それから二百万円を超え三百万円までは四〇%と計算するというような表ができておりまして、そして、生計を同じくする同居親族、本人も含んで、一人につきこれに三十万円を加えるというような計算がなされるようになっていたということでありますが、今回これはどんなふうな数字になるのか、全容でなくても結構ですけれどもお示しを願いたいと思います。
○堀田政府委員 今回は、先ほど申し上げましたように、所得に関連する部分と同居親族に関連する部分と、まあ観念的な話でございますけれども、両方想定して合計していこうということにしております。 まず、全体の家財の保有額というものを想定する必要があるわけでありますけれども、これは、家計調査といいますか、消費者の調査から計算をしておりまして、それで大きな枠をつくりました上での話でございますけれども、その所得金額に関連する部分につきましては、先生が引用されました名古屋方式の一番高い部分、五〇%という数字を掛けようと思っております。 それから、本人、同居親族の数にかかわる部分につきましては、名古屋国税局が適用しました時期に比べまして、その後、物価、賃金が上がっておりますので、それにスライドして上げていきたいというふうに考えております。
○佐々木(陸)委員 きょうこの法案を通すということで、月曜日からはもう既に実行するということなのですから、何かまだ検討しているとかなんとかということではなくて、ここで明確な数字は出せないのですか。例えば、前年の総所得についてその五〇%を計算するのは幾らまでのところだ、そして家族一人については何十万円加えるんだということをはっきりさせていただきたいと思うのですが。
○堀田政府委員 総所得金額に応ずる家財の額を計算する際の所得の限度は、今回は一千万円を限度にしたいというふうに考えております。 それから、本人、同居親族の数に乗じます一人当たりの単価でございますけれども、大人は百万円、子供は六十万円ということで、先ほど申し上げましたように、その後の賃金の上昇等を織り込んで見直しをしたということでございます。
○佐々木(陸)委員 そうやって家財の額を簡便に計算した上で、それに被害の割合を掛ける。一〇〇%被害に遭った人は一・〇を掛ければいいわけですが、それが例えば七割とか五割とか四割とか三割とか、これは大変複雑な計算になってくると思うのですが、そこのところはどう簡単にするのか、その簡便方法を説明していただきたいと思います。
○堀田政府委員 住宅も家財も、共通といいますか、まず住宅の被害割合を四つのグループに分けたい、全損というグループと全損に準ずるもの、半損、一部破損、という四段階に分けたいと思っております。それで後、それに応ずる被害額が、全損でございますと一〇〇でございます。半損でございますと、そこは五〇になる。家財につきましても、さっきちょっと申し上げたのでございますけれども、地震要因に基づく家財の被害については同じ割合を適用したい。 ただ、今回は、二次災害として火災が起きまして非常に大きな被害を与えておりますので、火災の場合はまた被害割合は違うだろう、もっと高くする必要があるだろうということで、火災要因につきましては全部一〇〇というふうに、つまり住宅が一部破損の状態でも、火災が起きていれば家財の価値はゼロになったというふうに計算しょうと思っております。
○佐々木(陸)委員 先ほども同僚議員から出ておりましたけれども、そういういろいろな計算をして納税者の便宜を図るということなのですけれども、罹災証明書を持っているかいないか、あるいはその内容、こういうものを絶対化しないということをここで確認しておいていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。簡単で結構です。
○堀田政府委員 先ほど申し上げましたところでございますけれども、できますれば罹災証明書、被災証明書は、提示できる方は提示していただきたいと思います。ただ、では、できない場合にどうかというと、できないから全部認めないとか、また後日にしてくださいということを申し上げるつもりはないので、そこは実情に応じて、どの地域に住んでおられたかとか、あるいは現在どこに住まわれておられるかとかという実情を見て、そこは適宜判断をしていきたい。ないから認めないということは申し上げておらないつもりでございます。
○佐々木(陸)委員 もう時間ですから、最後に大臣にお伺いしますが、本当に、被災者の申告を重視して、それを尊重して事を運ぶということが肝心だろうと思いますし、そして現地で、この法律が通った後、速やかに納税者全にこのことを、こういう措置がとられるのだということを徹底すること、そしてまた、現地で納税の事務に当たる人たちに、本当にこの被災者の立場に立ってやるべきだということを大いに徹底する必要があると思うのですけれども、その点についての決意を伺って、質問を終わりたいと思います。
○武村国務大臣 未曾有の災害に対して、今回こうした異例の措置をとらせていただくわけであります。あくまでも被災者のお立場、お気持ちに立って、親身な気持ちで対応をしていかなければいけないというふうに思っております。
○佐々木(陸)委員 終わります。
○尾身委員長 これにて両案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○尾身委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 まず、阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○尾身委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 次に、災害被審者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○尾身委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○尾身委員長 ただいま議決いたしました両案に対し、村上誠一郎君外四名から、自由民主党・自由連合、新進党、日本社会党・護憲民主連合、新党さきがけ及び日本共産党の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。村上誠一郎君。
○村上委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、案文を朗読し、趣旨の説明といたします。 阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律案及び災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。 一 本法の執行に当たり、被災者である納税者の実情等に十分留意して、税務相談・広報の充実を期する等、その円滑な実施に特段の努力を行うこと。 一 今般の阪神・淡路大震災が広範な地域にわたり、同時・大量・集中的に発生したこと等を踏まえ、被災者・被災企業の生活・事業を早急に旧に復させその継続性を確保する等の観点から、本法による所得税の緊急対応等に引き続き、税の制度、執行両面にわたり、可能な限り迅速、適切かつ有効な対応を行うこと。 一 税務執行面においては、今般の緊急対応等の迅速な実施を含め、変動する納税環境に的確に対応するため、今後とも国税職員及び税関職員の処遇改善、定員確保等、税務執行体制の一層の充実に特段の努力を行うこと。 以上であります。 何とぞ御賛成を賜りますことをお願い申し上げます。 以上であります。
○尾身委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○尾身委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。 本附帯決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。武村大蔵大臣。
○武村国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨に沿って配慮してまいりたいと存じます。 —————————————
○尾身委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○尾身委員長 御異議なしと認め、そのように決しました ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○尾身委員長 内閣提出、平成七年度における財政運営のための国債整理基金に充てるべき資金の繰入れの特例等に関する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、これを許します。平田米男君。
○平田委員 新進党の平田米男でございます。 大臣、今回の財政のやりくり、なかなか御努力をいただいているという見方もあるわけでございますが、このやりくりの説明を大臣が事務当局から受けられたときには、どういう感想をお持ちになりましたでしょうか。
○武村国務大臣 夏にシーリングの方針が決まりまして、十二月までの間が予算編成の時期と申し上げていいのかもしれませんが、細川内閣のときもかなりのやりくり算段がされたということをおぼろげながら覚えておりますし、宮澤内閣もそういう意味ではいろいろなやりくりがあったなということも思い出しながら、ことしは一層厳しくなる中で、できたらやりくり算段はしないで予算がつくれないかというのが私は頭の中にありました。 しかし、結果的には六兆円前後の、ここでお示しをいたしておりますようなやりくり算段をさせていただいて、やっと収支均衡の予算を、ある意味では赤字国債だけは回避する予算を、こうして提案をさせていただいておるわけであります。 やりくり算段をせざるを得なかったということについては、大変心に残るものがございます。
○平田委員 いや、端的に、説明を受けられたときにどう思われたでしょうかというふうに私は伺っているのであって、最後こういうことになりましたという御説明はもう十分わかっているわけでございます。 もう一度お伺いいたしますが、事務当局からこういうやりくりをせざるを得ません、こういう説明を受けられたときにどのような感想を持たれましたでしょうか。
○武村国務大臣 ちょっと最後の言葉を落としたのですが、その夏以来の作業の中で随時出てきているわけです。最後、予算が編成される寸前に一覧表が来て大臣こうですよというわけじゃないのです。一つ一つ、では自賠責から何千億借りようとか、では国債整理基金の定率繰り入れをとめよう、そうすれば三兆二千億だ、そういうのを予算編成の中で真剣に議論をしてきておりますから、これもやむを得ないのか、これもやむを得ないのかという感じで受けとめておりました。
○平田委員 やむを得ないのではないかという感想を持ったというお話でございますが、新聞報道によりますと、大胆の感想といたしましてこういう報道がありました。君たちはいろいろ操作をするのが当たり前と思っているようだが、その感覚こそ不健全なのではないかと。その感覚こそ不健全なのではないか、大臣がそういう感想を発言されたという報道があるのですが、これはいかがですか。
○武村国務大臣 君たちはという表現ですか、新聞記者に対して言っているわけですか。内部でも外部でも私は、君たちなんという表現は使わないのですが。 そういう発言をどこでしたか、余り記憶にありません。でも、ある意味では内容的にはあってもおかしくないというか、私の気持ちからいえば、こういうやりくり算段はできるだけ避けたい、絶えず、ずっとそういう気持ちがありました。 藤井大臣だって恐らく同じであると思うのですが、そういう中で、しかし六兆円も結果的にはやはりやりくり算段をせざるを得ないのかという残念な気持ちを持って最終は締めくくって発表をしているわけでございますから、これは当たり前というような気持ちではだめだぞというような気持ちは当然私にあったから、だれかに言ったかもしれませんし、恐らく大蔵省主計局も、そんな安易な気持ちで、当たり前なんて思っているのは一人もいないと思うのですよ。 しかし、問題は歳出をどこまでカットできるかによるのですけれどもね。もっと歳出がカットできるなら、それはやりくり算段はもう一兆円も二兆円も減らすことができたかもしれない、そんな思いであります。
○平田委員 今大臣は、心の中ではこういうやりくりは絶対避けたい、こういうふうに思っておられた。こういうふうに御答弁をされたわけでございます。絶対避けたいと思われた感覚というのは私と共通しているものでございまして、正常な見識なのではないか。 新聞報道の存否については言及されませんでしたが、まさに新聞報道の内容が大臣のお心とは一致したというふうに評価できるのではないかというふうに思うわけでございますけれども、絶対避けたい、こういうふうに心の中では思っておられたその根拠、いろいろ操作をして財源をひねり出してくることの問題点、この点については大臣はどのようにお考えだったのでしょうか。絶対避けたいと思われていたその理由というものを少し述べていただけますでしょうか。
○武村国務大臣 私は、絶対といういう言葉は余り使わないようにふだんもしておるわけで、できるだけ避けたいというふうに申し上げているわけでありますが、それは、倫理観としては絶対という言葉を使っても決しておかしくないと思うのですよ。そのくらい強い思いを持っていても私はいいと思っております。 しかし、先ほども申し上げたように、ここ何年間かの我が国の財政、もっと言えば何十年と言っていいんでしょうかね、国債が発行されたのは昭和四十年でしょうか、そもそも国債発行に対する姿勢が出発点にあると思うのです。税か国債か。いやこれはもう立派な資産をつくるんだからやはり将来世代の人も一緒に負担した方がいい、こういう論理が国債を肯定してきたわけですね。 その後、経済論議としても、絶えず国債の増発をめぐっては賛否が、ずっと先輩の政治家も闘わしてこられた経緯がございます。その論理がどうであるかということは別として、結果として我が日本財政はぐんぐん国債をためてきた。そして今や二百十二兆円という、GDPの半分を超えるような、世界でもトップクラスの国債現債高になってしまったということの責任をみずから見詰めなければなりませんし、それはある意味では、過去の我々の政治の、先輩の批判をするつもりはありませんが、過去にまでさかのぼってそこを見詰め直す必要があるのではないか。 昨今も議論をしておりますと、昨年の予算編成もそうでございましたが、歳出増に対する要求というのはやはりストレートにどんどんおっしゃっていただく、これは当然だと思うのです。しかし、それに見合う財源、あるいは歳入増については、余り大胆な御提案は出にくい。これは国民世論がそうですからね。今回の震災ですら増税はなかなか言いにくい。建設国債、赤字国債でいいではないか、こういう論理になるわけでありまして、こういうことの延長がこういう今の財政をつくった。 そうすると、我々はよほどこれは頭を切りかえるというか、発想を大転換しなきゃいけない。そのことを、私就任直後からそのことは感じておりましたし、そもそも九年前に国会議員にならしていただいたときも、自民党の中に財政研究会というのがありまして、大蔵省の人が中心でありましたが、これは消費税、反対のグループだなというのを後から知ったのですが、私はまじめにこの赤字国債、財政体質の問題を議論するところだと思って、割合青臭い意見かもしれませんが、こんな財政じゃだめだということをしゃべったことがあるのを思い出しております。 それをもっとさかのぼれば、私がたまたま滋賀県の県政の責任を預かったときに、もう二十年超えますが、県が大赤字でございまして、その財政町建から県政の仕事をスタートしたことがありまして、そんな思いがあるものですから、一層国家財政を私なりに見詰めておりまして、大臣になる前もそうですが、大臣になってから一層、国の財政に対する、ある種の私は倫理観だと思うのですけれどもそれが政治の中に出てきて、こんな不健全な財政は早く転換しよう、健全な姿に変えていこうというこの合意が与野党を超えて政治の中にも出てこなきゃいけない、それが生まれてこないとますます矛盾は大きくなっていくという深刻な心配もいたしますし、大蔵大臣としては責任を痛感をいたしている次第であります。
○平田委員 ちょっと私語を少し御注意いただきたいと思うのでございます。答弁をやっているすぐ横で私語をされますと非常に困ります。委員長にぜひ御配慮いただきたいと思います。
○尾身委員長 御静粛に願います。
○平田委員 大臣の今の御発言というのは私もまさに共感するものでございまして、今の財政のあり方についての問題意識、危機感は共通なものがあると思っております。 端的にどういう問題点があるかについてはお答えがありませんでしたが、御発言の趣旨というのは、恐らくこのような模作をすることによって財政の現状というものが余りはっきり見えなくなってきている、そして借金がふえ、また、隠れ借金と言われておりますが、こういうやりくりによる見えない借金というものがふえていって、財政がますます悪化をしていく、こういう御指摘ではないか、このように理解をしたわけでございますが、結論としてこういうやりくりをされたということでございますけれども、ぜひ私ども、大臣がそういう認識を持っておられたならば、ここでまさにリーダーシップを発揮をしていただいて、新たな財政政策というものを打ち出していただきたい、いただくべきではないのか、こういうふうに思うわけでございます。 そういう観点からお尋ねをするわけでございますが、大臣が心の中で、絶対にという言葉は、最初使われましたが後でできるだけというふうに表現を少しソフトに言われましたが、しかし、今のような問題意識のもとで、こういうやり方はよくないとお思いになっておられた大臣がそのリーダーシップでもって転換することができなかった。結論としてこのようなやりくりをせざるを得なかった原因は何なのでしょうか。
○武村国務大臣 財政をめぐる政治も長い歴史がありますから、そういう積み重ねの上に今日があるわけでありますし、また財政の作業には、ほとんどの国会議員さんも各政党も大きな関心をお持ちをいただきながら真剣に参加をいただいているわけであります。そういう中で、どうしていったらいいのかという点については、率直に言って、平成七年度の予算編成においては、大きな財政改革に取り組んでいくには時期がよくないという判断がまずありました。 なぜかといいますと、それは景気対策であります。言ってみれば、財政再建をしなきゃならないそういう厳しい状況にもかかわらず、今提案をしております予算の中には五・五兆円の減税という、つなぎ国債を前提にした異例の財政対応が入っております。また、これだけ借金があり、建設国債を増発しているにもかかわらず、五・一%増ということで示しておりますような公共事業については、景気対策としてかなり意欲的な姿勢を出しております。これは間違っていないと思います。 日本の景気がこういう低迷状況にあって、ようやく不況を脱出しようという状況ではありますが、まだ本格的ではありません。この緩やかな回復基調がぜひ本格的な回復基調に乗るように、政府としては全責任を負う時期だと思っておりまして、減税とか公共事業というのはこれは避けて通れない。しかし、そういう景気対策、今度の予算の柱になるようなことが結果としてまた借金を上積みする。借金を減らさなきゃならない、隠れ借金どころか表の国債そのものも減らしていかなきゃならないという考えからいたしますと、私の思いに逆行をしているわけであります。 G7の会合でも最近よく議論になりますが、やはり景気が本格的によくなったときに我が国の財政の問題は、大蔵省としましても、あるいは各政党や国会のレベルにおきましてもそれこそ最大の課題として真剣に論議をしていかなければならないのではないか、そんなふうに思っております。
○平田委員 ちっとも私語が終わりませんので、もう一度注意をしていただけますか。 それから、与党側の席が非常に空席が目立ちます。私は、野党の方が多いんじゃないかなというふうに思うのですが、今まさに私と大臣は日本の財政のあり方を真剣に議論しているわけでございまして、その席で与党が数が少ない、しかもおいでになっている方が委員長の注意を受けながらも私語をやめられない、こういう態度はどういうことなんでしょうか。 委員長、ぜひこの辺の状態、改善をしていただきたい。お願いを申し上げまして、質問はまた続行させていただきます。 大臣、憲法八十三条、財政民主主義というのがうたわれているわけでございまして、国会の議決を財政については得なさいという表現ではありますけれども、これは国民の主権を代表する国会の意思に従って財政を行いなさい、すなわち、国民の意思に従って財政を行いなさいと言われているわけでございまして、国民の意思によって財政を行うためには、これは国民に財政の状況がよくわかっていなければ、国民はその意思を示すことさえできないわけでございます。 そういう意味で、いろいろな権利が保障されておりますが、情報がきちっと国民に提示される、知らされる、すなわち、情報が公開されるということが国民主権の大前提にあると思います。これは特に異論がないかと思います。したがいまして、私は、情報公開というのをきちっとやっていない財政、国民に仮に情報公開をやっていると育っても、国民の目からは非常にわかりにくい財政というものは、憲法八十三条の規定には合致しているかもしれませんが精神には合致していない、こう思うわけでございます。 その点、いかがでございましょうか。
○武村国務大臣 およそ政治や行政の中で、一年間の仕事を、財政という、しかもこれは数字で具体的に表現する仕事、これほど大きな、大事な仕事はないと思っています。当然そういう意味では、編成の段階から、あるいは成立した後におきましても、我が国財政の中身を国民の皆様に政府は積極的に周知徹底を図る責任があると思っております。 政府がそういうことを怠っているとは思っておりませんが、何といいましても、一つは財政規模が巨大になっている。七十兆円という数字もそうですが、何兆円という議論になってきますと、何千億でもそうですね、国民の皆さんの生活からはもうほど遠い、天文学的数字に映りますし、企業の経営者でも何十兆円というのは恐らく実感はないのではないかというふうに思いますと、非常に巨大な大きさになったということが一つわかりにくさを示している理由だし、もう一つ、大変中身が複雑になっているということも御指摘のとおりあると思います、 意図的に複雑にしているものではありませんが、一般会計があって、ここにも款項目といういろいろな分類がありますが、あわせて特別会計があり、財投があり、そういう仕組みそのものが大変複雑だという、したがってわかりにくい。専門用語がたくさん出てきますし、ましてや今回特例措置というのは、その特別会計等の間でやりくりをしておりますから一層わかりにくくしている。これはもう一覧表をつくって国会にも出していますし、記者会見でも説明をしたり発表したりしているわけで、隠れ借金ではないのですけれども、それでもわかりにくいから、隠れ借金、こういうふうにニックネームがつかざるを得ぬ残念な状況であります。しかし、一層わかりやすい財政のための政府の努力が必要だと認識はいたします。
○平田委員 これは各委員が大蔵省から説明を受けたときのぺーパーでございますが、大臣も見ておられると思いますし、各委員も見ておられると思いますが、これはぱっと見ただけではわからないですね。三十分、一時間、時間をかけて説明をいただいてようやく納得をする。国民は全く納得のしょうがないような今の財政のやりくりです。現実には財政が赤字になっている。赤字になっているということをやはり明確に示さなければ、国民の皆さんの財政に対する危機感というものは、また政治家としての責任感の深まりというものは、私はないのではないかというふうに思うのです。 赤字国債を発行することを避けたいと大蔵当局はお考えでございますが、しかし、それを維持することによって国民に財政の状況を明確に知らしめることができない。それによる害悪というのははかり知れないものがある。大臣が冒頭に、絶対避けたい、できるだけ避けたいと、こう思われた精神こそ国民の意思に合致している。その精神から、素直に今の財政のあり方を国民に知らしめ、改善の方途を見つけようとするならば、私は、今回のような繰り入れ特例法を提案するのではなくて、端的に赤字国債を発行すべきだったのではないか、こう思うのですが、いかがでございましょうか。
○武村国務大臣 私どもは、総合的な判断をいたします限りは、赤字国債の発行は、確かに単純明快とおっしゃるかもしれませんが、より安易な道だと、事態を一層悪くするという判断をいたしました。 なぜかといえば、これまでの経験が物語っているわけでありますが、一たん踏み切れば、それはもう一たんでいいじゃないか、翌年からやめればいいということですが、これはぐんぐん広がっていく。要するに、赤字国債というのは一般財源と同じですから何に使ってもよろしい、建設国債は辛うじて対象がまだ絞られておりますが、何に使ってもいいということでありますから、金が足りなければ赤字国債でいいじゃないか、絶えずそういう論議になってどんどん増発の方向に向かってしまった。これを減らしてゼロにするのが大変な努力であったということを経験しておりますだけに、ゆめゆめ赤字国債の発行というのは二度と考えてはならないという、これはある意味では財政関係者を含めたまじめさだと思うのですね、それがそうさせていると思いますね。 論理的には、こういうわかりにくい特例措置よりはシンプルでいいじゃないかというのは、私もよくうなずけます。 もう一つお考えいただきたいのは、わかりにくいということは別として、このやりくりは特別会計の間等々あるいは基金の間等々でやっていますが、赤字国債のように六十年間かけて償還するというふうなものもありません。単年度であったりごく短い期間のやりくりですから、しかも財政の中の話ですから、いつまでもほっておけないという意味では、このやりくりに対する責任といいますか対応も、そう遠くない時期にきちっと始末をしなければならないという責任があります。 繰り返して申し上げますが、仕組みの複雑さ、わかりにくさという点では議員の御主張をお認めさせていただきながら、あえて赤字国債はもっと我が国財政を悪い方向に進めていきかねないという意味で、私どもは同じ内容のものとは思っておりません。
○平田委員 今大臣がお話しになったのは、これまで財政当局が説明をしてこられた根拠でございます。 私は、そこの発言の中で非常に悲しい思いをいたしました。これは、財政当局の事務方の御発言としてはそういう御発言もいいのではないかと思いますが、私は、政治家たる大蔵大臣が御発言なさることではないのではないか。なぜかならば、一たん赤字国債の発行に踏み切れば、ぐんぐんふえていって増発の方向に行ってしまう。しかし、増発させるかさせないかはまさに政治家が決めることではないのでしょうか。これまでの政治家が歳出ばかりに一生懸命であって、歳入についての真剣なる議論、そして行動というものが、また責任を示すということがなかった。私たちは今それについて深く反省をしなければならないと思っておりますし、大臣も冒頭の質問に対してはそのようにお答えをいただきました。 財政当局に財政の立て直しを任すのではなくて、我々政治家自身が財政の立て直しについて真剣に取り組まない限り、立て直しなどというのは私はできないと思います。せいぜい官僚ができることというのはこの程度のやりくりでございます。しかも、財政の中期展望によりますと、八年度、九年度、十年度も、いずれも十兆円余りの要調整額というのがもう既に示されているわけでございまして、しかも今回のやりくり算段は、もうほぼ限界に来ております。 赤字国債を発行すると、政治家は無責任だから次から次へと増発をして大変なことになるからやめましょうなどということを政治家自身が言っていたならば、財政の立て直しというのは百年たったとしてもできない。赤字国債は赤字国債として発行し、これだけの負債をどうしていくのか、政治家も国民も真剣になって議論をして初めて財政の再建というのはできるのではないかと思うわけです。 そういう意味で、今の大臣の発言について、旧来の大蔵省の発言とはいえ、今の危機的な状況の中でやむを得ない措置であるという言い方としては、納得しがたいものだ、政治家としてとりわけ納得しがたいものだというふうに言わざるを得ません。 既に財政の専門の学者等からも、今のやり方については、大蔵省の毎年のやりくり、これは大変努力をしてやっておいでになるけれども、しかし赤字を結果として隠してしまっていることはかえって財政の効率化をもう既に阻害しているんだ、こういう厳しい指摘があるわけでありまして、それは言葉を返せば、政治家がいかに無責任か、こういうふうに厳しく叱責をされているわけでございます。我々は、与野党関係なくこれは厳しく反省をして、財政立て直しに向かっていかなければならないと思うわけであります。 今の日本の財政状況については、既に大蔵省がお示してございますが、平成七年度の未では表に出ている借金だけで三百十七兆円あります。そして、約四十二兆円の、今後処理を要する措置として挙げられている、いわゆる隠れ借金があります。合わせますと三百五十九兆円、約三面六十兆円です。三百六十兆、これのGDPに対する比率を計算をいたしますと、七三、四%になってしまうわけであります。アメリカは一九九三年、その時点で七一・一%の負債を背負っていることを公表しております。今私たちは九三年におけるアメリカの比率を超えてしまっているわけです。 そして、そのアメリカは今何をしようとしているのか。憲法を修正して赤字をゼロにしよう、財政の赤字をゼロにしよう、そのために憲法を修正しましょう、そこまでの決断をして今努力をしているわけでございまして、既に下院は一月二十六日に憲法修正条項案を可決したそうでございますし、上院本会議も二月には可決をする見込みである。あと州の三分の二の同意を得れば憲法修正が通るということになっています。 アメリカは自分たちの財政の現実をこのような形で克服しようとして努力をしているわけでありますが、我々は、悲しいかな、この繰り入れ特例法で目先を乗り越えようとしているにすぎません。このツケは次の世代ではなくて、今私たちの現実、私たち自身に降りかかってくるわけでございます。 そういう状況の中で、今日本の財政の最高責任者である大蔵大臣として、どのような対応をとられるお考えなのか。中期的な財政計画を立てて、今の赤字体質をいかに克服するのか、何年間のうちに今の状況を克服できるような体制にもっていくのか、明確に示すべきではないかというふうに私は思います。 今中期展望を出しておりますが、これは単なる展望でございまして、毎年十兆円の要調整額を出しながら、最後は赤字はきれいに消えておるわけであります。これは大蔵省のマジック、まさに今回の法案でございます。このような何の拘束性もないような展望の発表であったならば、いつまでたっても財政の再建の緒につくことさえできないと私は思う。どうですか、大臣。
○武村国務大臣 展望としてお出ししておりますものは、いわゆる計画、中期の財政計画ではありません。財政単年度主義でございますが、それにしましても、こういう厳しい状況の中で将来を展望して、どういう問題があるかを知っていただくために出しているものでございます。仮定の上に計数処理がなされておりますから、最終的には、おっしゃるとおり、公債の発行は財政審答申のような五%という目標に達しておりますが、要調整額が大きく残るということに示されておりますように、この要調整額をどう乗り切っていくのか、毎年毎年の予算編成の中でこれをどうなくしていくのかという答えは用意できておりません。 もちろん経済成長がどうなるか、税収の見通しか毎年どう変わっていくか、そういう不確定要素もたくさんあるわけであります。また、税制改革の論議が、見直し条項もございますが、どういうふうになっていくのか、経費削減にかかわる行財政改革がどこまで進展するか、そんなこととの相関で最終は決まってくるという意味では、まさに不確定な要素がたくさん前提にありながら、一応数字としては整理をさせていただいたということであります。 先ほど来お話がありますように、世界の先進国の中で比較をいたしましても、先般、トロントでG7がございましたし、その前、マドリッドでございましたが、七カ国の経済状況を報告するIMFの専務理事、各国がなり詳細に報告をいたしますが、日本のところへ来ると、前々回から財政の状況というものをかなり強調をしてくるようになりました。それまでは、一年ほど前までは、財政再建、赤字問題といえば、アメリカを先頭にしてヨーロッパも含めて、日本以外の国のテーマでありました。ところが今や、アメリカもまだ改善したとは言えません、一生懸命やろうとしています。ヨーロッパはかなり改善しつつあります。そんな中で、日本が逆にぐんぐん赤字体質を悪くしている、G7の中で際立って目立ってきている、そういう残念な状況でありまして、それが、GDPの比率に限らず、もう明確なのは、利払い費率という、過去の借金の利子を払う当該年度予算に占める比率だけを見ても一七・何%と、世界で一番になってしまっております。 結局、貴重な税金を国民の皆さんからちょうだいしても、かなりの部分は過去の借金の返済に回ってしまうということになってきていることを考えますと、この現債高というのはまさに容易ならざる状況になっているというふうに見なければなりません。 そういう中で、平田議員から真剣な問題提起をいただいたことに敬意を表しながら、ぜひ私どもも、財政の責任当局としてこの問題に一層真剣に立ち向かっていきたいと思っております。各党、国会におかれても、我が国財政の健全化の問題に一層御関心をいただくことを期待をする次第でございます。
○平田委員 私の提案に対しては何のお答えもなかったわけでございまして、大臣、国民は、言葉はもういいと、震災対策でも現地の人たちはそう言っております。お見舞いや激励はもういいと、具体的に何やってくれるんだと。 それは神戸の人たちだけではありません。国民も今、政治が一体具体的に何をしてくれるんだ、何を実行してくれるんだということを期待をしているわけであります用意気込みだけの政治家の発言は、もうだれも耳を傾けません。具体的に何をやるのかというのを明示していただきたいのですよ。きょうお答えできなければ、私の提案に対して真剣に検討をする、こういう姿勢だけでも示すことはできないのでしょうか。どうですか、大臣。
○武村国務大臣 既に真剣に論議が始まっているわけでありますし、大蔵省のお出しした展望もそのことを明らかに数字で示しているわけであります。御指摘があったように、このままでは要調整額が十兆円も残りますよ、そういうことでありますから、決して逃げているわけではありません。 御質問とおっしゃったのは、中期長期の財政計画をつくってはどうかという提案だと思うのですが、それは今の財政単年度主義の現実から考えますと、計画としての中期計画、長期計画をつくることは大変難しいとお答えせざるを得ません。
○平田委員 今、赤字国債を出さない、建設国債ならいい、それで何とか国債発行のペースを、枠をつくって抑えているんだと、こういう大蔵当局の御説明がございます。 しかし、平成七年度の予算案を見ますと、科学技術庁の予算の中に、五百四十万円、建設国債の対象の枠を広げる調査費が計上されております。仄聞するところによれば、どうも研究開発費を出資金の名目で出すことができないかという検討をこれからしようと、こういう考えのようでございます。研究開発費というのは人件費がほとんどでございます。そういうものを、出資金という形だったらば建設国債を出せるではないか、こういうような発想で、今回調査費まで計上しているわけであります。 こういうやり方で建設国債の発行対象を広げるというようなことを考えていきますと、もう何が建設国債であり何が赤字国債なのかわからなくなってしまうわけでございまして、今の大蔵当局の考え方、これはもう完全に破綻をしつつある、こう言っていいのではないかと思います。 私は、そういう意味では、もう国債の発行の総長の規制というものをしていかなければいけない、これが建設国債、これは赤字国債などというような分け方では、もう国債の発行を抑えることは財政当局の力ではできない、こういうように思うわけであります。例えば、歳出の八割は税金で賄う、あと二割は国債でもいいだろう、このぐらいの明確な総量の基準というものを打ち立てて初めて財政再建の緒につくものだ、私はこう思いますが、大臣、お考えいかがですか。
○武村国務大臣 今後軽々に建設国債の発行対象を拡大していくという考え方はとってはならないと私は思っております。 今、財政規模の二割ぐらいとおっしゃいましたが、先ほどお答えしたように、財政審の建議は五%という数字をお出しをいただいておりまして、二割といいますと、ことし、一般会計が七十一兆弱でございますから、十四兆、十五兆ぐらいはよろしいと、こうなりまして、今より建設国債、ことしは九兆何千億ですから、ことしの予算の国債の発行額を上回るということになりますから、もう少しこれは詰めた検討が必要だろうと思います。 しかし、いずれにしましても、予算全体の中で国償をどうするか、どのくらいのウエートで考えていったらいいのか、長期的な我が国財政の健全化の方向の中で、そういった議論を真剣にしなければいけないというふうに思っております。
○平田委員 次に、東京協和信用組合と安全信用組合の関連の質問をさせていただきます。 この二つの借用組合に対して、平成五年七月に検査が行われているかと思いますが、検査は東京都が行ったというふうに聞いておりますが、東京都の要請で大蔵省もこの検査に参加をしている、したがって共同で検査をした。このように伺っておりますが、その事実の存否についてお答えください。
○西村政府委員 両信用組合の監督は東京都が保行っているわけでございますが、両信用組合につきまして、大蔵省は、東京都の要請に基づきましてこれまで二回の検査に対し応援を行っております。昨年と一昨年でございます。 金融システムの安定性維持の観点から、両信用組合の指導監督について適宜意見交換を行うなど、都と協力をしてまいっておるところでございます。
○平田委員 予算委員会に東京都から提出をされた資料を見ますと、東京協和信用組合の平成五年の報告書を見ますと、平成五年三月末の預金残高は八百五十一億円で、対前年度比一七・〇六%の増加を示している。都内地域組合の平均増加率は二・四四%であって、これを大幅に上回っているということを指摘をしております。 また、安全信用組合についてもほぼ同様の指摘がありまして、平成五年三月未の預金残高は八百二十二億円で、対前年度比二三・一六%増である、こういう指摘がなされております。 それから、資産内容につきましては、東京協和の方につきましては、不良債権額は六百十億円で、前年は百二十六億円である、それに比べて著しく増加をしているという指摘がございます。そして、不良債権のうち回収困難と見込まれる金額は好五十億円で、前年に比べて百三十億円増加をしている。前年は二十億だったのが百五十億まで増加をしてしまった。 また、安全信用組合の方もほぼ同様でございまして、不良債権額は七百九十一億円で、前年は百二十四億円である。これも著しく増加をしている。回収が困難と見込まれる金額は三百四十四億円であって、前年よりも二百九十九億円、要するに三百億円も増加をしている。こういう指摘が既に五年度の調査の際に報告をされているわけであります。去年の調査ではありません。 にもかかわらず、その調査のときから一年半も経過をした後にこの両信用組合の再建計画を明らかにされた。もう既に平成五年の時点で、異常な状態にあるということは検査の結果によって明確に明らかになっているわけであります。 まずお伺いしたいのは、この五年の調査、検査の結果、どのような認識を持たれ、どのような対応をとられたのか、答弁をいただきたいと思います。
○西村政府委員 二回にわたる検査は東京都のもとに行われたものであり、私どもは応援という形で参加したわけでございますが、その内容については一緒になって解明に努めたわけでございます。 五年度においても、この信用組合の経営状況が非常に憂慮すべき事態にあるということを感じてはいたわけでございますが、その対応策という点につきましては、東京都が主となって担当するものという考え方で受け取ってまいったものでございます。
○平田委員 今の答弁によると、東京都に対応は任せて、大蔵省は何もやらなかったというふうに伺っていいのですか。
○西村政府委員 そういうことを申し上げておるわけではございませんで、借用組合の監督権限につきましては、中小企業等協同組合法等の規定によりまして都道府県知事に機関委任されているところでございます。これは、信用組合の性格といたしまして、地域性、協同組織性が強いことによるものであると理解しております。 このように、大蔵省は信用組合の直接的な監督官庁ではございませんが、しかし金融システムの安定性の維持を図る観点から、信用組合の経常問題についても都道府県との間で適宜意見交換を行うとともに、その検査について支援、協力を行うなど、緊密な連携を図っておるところでございます。 ただ、個別の信用組合の監督、その経営問題に対する具体的な対応という点につきましては、あくまで都道府県が主体であるということで、都道府県の意思、判断を尊重すべきものと考えておるわけでございます。
○平田委員 大臣、今の答弁は極めて無賃任な答弁ですよ。ああいう答弁をさせておいていいのですか。検査をやって、私が今報告書を申し上げたとおり、極めて異常な状態であるのにもかかわらず、東京都にお任せしておりましたという答弁なわけです。何もしていなかったのかと聞きましたら、そうではないと書いながら、結局は何もしなかったという答弁なわけです。 どういう具体的な協議をしたのか、どういう具体的な指示をしたのか。当然大蔵当局としてやるべきことがあったはずだと思いますが、何もしてこなかった。そして一年半たって、慌てて今度は共同銀行をつくりましょうと。もう被害は甚大になっているわけであります。一年半放置をしてきた責任というのを、私はもっと明確に率直に大蔵省としては認めなければならないのではないかと思うのですが、今の答弁は極めて無責任だ。納得できません。 大臣、明確に、どうですか、大蔵省に怠慢があったと率直にお認めいただくわけにはいかないのですか。
○西村政府委員 金融システムの安定性の維持を図るという責務を私ども負っておりますので、そういう意味におきまして決して責任を回避するというつもりはございませんが、先ほど申しましたように、二回にわたり検査に協力、応援をいたしましたが、当初の段階においては、いわば個別信用組合の監督、その経営問題に対する対応という形で、東京都が主体になってお考えになることが適切であろうかと考えておったわけでございますけれども、昨年の六月に検査を、再度応援を求められまして私ども御協力を申し上げました。 その一昨年からの推移ないしは昨年夏の時点における状況に照らしますと、これは一信用組合、個別信用組合の経営問題というだけでは対応がし切れない事態になるのではないか、私どもが責任を持ちます金融システムの安定性の維持ということに大きく関係してくる可能性があるのではないかということで、その後、東京都と、さらにいかなる方策をとるかということについて緊密な連携を図ってまいったということでございます。
○平田委員 そうすると、平成五年の検査の結果では、信用秩序の維持については特に問題がないというふうに大蔵省としては見られた。こういうふうにお考えになっていたということでいいのですか。
○西村政府委員 それぞれの行政官庁の監督責任の中で対応をしていくべきものと考えたわけでございます。
○平田委員 結論を問いていてもしようがありませんからね。どうしてそういうふうにお考えになったのか。 私はちゃんと報告書に基づいてこういう具体的な数字を挙げているわけですよ。異常に預金量がふえている、何やっているんだろうと調べるのは当たり前ですよ。それにもかかわらず、回収困難額が著しく増加をしている、これはだれが考えたってめちゃくちゃな経営やっているのじゃないか。それが、信用秩序の維持の最高責任者である大蔵省が、東京都にお任せします、こういう決断を、判断をされた。その根拠を明らかにしてください。
○西村政府委員 先ほども申し上げましたように、信用組合の監督権限については、中小企業等協同組合法等の規定によりまして都道府県知事に機関委任されております。そして、信用組合の経営破綻ということは、今回が必ずしも初めてのケースではございません。場合によっては預金保険が協力しながら解決に当たってきた例というのが今までにも何回かございますけれども、いずれの場合におきましても、都道府県がその対応策に責任を持ち、場合によっては預金保険の協力を得ながら、あるいは地域の金融機関の協力を得ながらその収拾に当たってまいったということでございます。
○平田委員 今の答弁では、この後、質問を続行することはできませんですよ。全然答弁ないのですから。なぜ一年半前にこのような事態がわかっていながら大蔵省が手を施さなかったのか。そして今、一年半後に、国民、皆さん、こんなやり方では困るというようなとんでもないやり方をされたわけですから、このような答弁では、私はもう質問は後、続けることはできません。
○武村国務大臣 局長がお答えをいたしておりますように、この問題は機関委任されているということに、いろいろな、共通の認識の上で論議がしにくい、やや食い違いが出ているというふうに思います。 率直に言えば、機関委任をしておりますから、大蔵省の側には遠慮があるわけですね。だから、こうしなさい、ああしなさいと上下関係のように都道府県知事さんに物を言ってはいけないという、これは何も信用組合に対する機関委任の仕事だけでなしに、数多くの仕事がそうでございます。ましてや地方分権、地方自治がこれだけ強調されていて、機関委任事務自身もうやめよう、廃止すべきだという議論も起こっているぐらいのときでありますから、そういう実態が機関委任全体にあるということはぜひひとつ御理解いただきたい。 もちろん大蔵省は、機関委任をしておりましても地方自治法上の指揮監督の責任はあるわけですし、また信用秩序維持という責任も負っているわけでございますから、これはこのことに対して恐らく重大な関心を持ってきて今日を迎えたんだと思うのですよ。 しかし、あくまでも東京都が、検査にしましても、大蔵省に向かってぜひ共同してお願いしますという要請があって初めて入っていくということになっていますし、今回ももう、局長が申し上げているのは、ほかの信組の例のように、普通は都道府県知事が行政指導を行って解決をしてきている、ほとんど今日まではそれで解決ができているわけです。都道府県知事が出資をするとか、あわせて預金保険機構が発動されてそこからも援助の手が入る、あわせてどこかの信組が、金融機関が合併吸収するとか、そういう形で終わっているわけです。今回はもうそれすら道がないといいますか、救いの道がない状況の中で、大蔵省、日銀に相談が上がってきて、こういう特殊、異例な措置をとらせていただいたということであります。
○尾身委員長 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○尾身委員長 速記を起こして。 平田君の本日の質問時間は終了いたしましたので、本日はこれにて終了させていただきまして、本件につきましての取り扱いは、別途理事会で協議をさせていただきたいと思います。
○平田委員 この問題は、国民が大変注目しております。信用秩序の維持ということは大事ですが、わけのわからぬ状況の中で多額な金が、しかも国民の税金、東京都からすれば国民の税金が出ていくわけでございまして、また公的資金も出ていくわけでありまして、そのときに大蔵省が明確な答弁をしない。これは無責任のそしりは免れないわけでございまして、質問時間がなくなったとおっしゃいましたが、これは大臣が答弁時間で消費をされたわけでございまして、私は納得できておりません。 国民が納得されるような取り扱いを、すなわち、なぜ一年半前に大蔵省はきちっとした対応ができなかったのか。単に機関委任事務などというような、かえって機関委任事務だからこそしっかりやらなくてはいけないという、機関委任事務だと責任がないなんという、国民をごまかすようなそういう答弁ではなくて、国民が納得できるような答弁をきちっと御説明いただきたいことをお願いいたします。 以上でございます。
○尾身委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時四十八分散会 ————◇—————