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132回国会衆議院1995/06/08

消費者問題等に関する特別委員会 第9号

発言数
74
登壇者
17
会派数
4
開催日
1995/06/08

会議録

大石正光新進党

○大石委員長 これより会議を開きます。  物価問題等国民の消費生活に関する件、特に内外価格差問題等について調査を進めます。  本日は、参考人として株式会社大和総研企業調査第二部長武者陵司君、慶應義塾大学経済学部教授佐々波楊子君、椙山女学園大学生活科学部教授武長脩行君、経済団体連合会経済構造問題委員会企画部会長西村功君、全国消費者団体連絡会幹事日和佐信子君、在日米国商工会議所貿易拡大委員会副委員長井出潔君、以上六名の方々に御出席をいただいております。  この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、御多用中のところ本委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。  次に、議事の順序について申し上げます。  まず、武者参考人、佐々波参考人、武長参考人、西村参考人、日和佐参考人、井出参考人の順に、お一人十分程度御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑に対しお答えをいただきたいと存じます。  なお、念のため申し上げますが、参考人は委員長の許可を得て御発言を願い、また、委員に対しましては質疑ができないこととなっておりますので、あらかじめ御承知おき願います。  それでは、まず武者参考人にお願いいたします。

武者陵司株式会社大和総研企業調査第二部長

○武者参考人 大和総研企業調査部の武者でございます。本日は、このような私どもの意見を申し述べさせていただきます機会を与えていただきまして、大変光栄に存じます。  既に、前回、前々回の会議におきまして、相当程度、内外価格差問題に関しましては議論が深まっているというふうに考えられます。私が本日あえて申し上げることはもう数少ないと思いますが、二つほど、私どもの立場から重要だと思われる点につきまして意見を陳述させていただきたいと思います。  まず最初に申し述べたいことは、今後の日本の政策運営において、産業構造政策を大きく変える必要があるのではなかろうかということでございます。これまで日本が是としてまいりましたフルセット型の産業構造を追求することは、もはや非常に難しくなっているかと思います。むしろ、そういったフルセット型の産業構造を超えて、特定の産業に特化していく産業政策が必要になってくるのではなかろうかということが、私が申し述べたい第一点でございます。  御承知のような国際分業の急速な進展によりまして、世界各国ともに相互依存を相当程度強めております。こういった主要国相互の経済の開放化が、国際経済の発展に大きく寄与しているということは疑い得ない事実であろうかと思います。日本もこのような流れにやはり参入、参加していくべきであろうというふうに考えております。  このような展開をいたしますと、当然に空洞化ということが現実の問題として出てまいります。しかしながら、特定の産業を他国に依存するという空洞化は、これはこのような経済の流れの中で避けられないトレンドではなかろうかと考えております。日本といたしましては、ほかの国にない非常に恵まれた資本がございます。それから、大変教育水準の高い優秀な労働力がございます。こういった資本と高い質の労働力を活用した産業に特化していくということが、日本の今後の産業戦略として望まれる方向ではなかろうかと思います。  考えられる分野といたしまして、非常に高度な資本集約的な分野に力を注ぐ必要があろうかと思います。最も資本集約的分野と考えられますのは、やはり資本投下の懐妊期間が非常に長い技術集約度の高い産業でございます。このような産業が今後の日本の将来を背負う産業として一つ考えられるかと思います。さらに、日本の高い質の労働力も、このような産業において十分に生かされるのではなかろうかと思います。  このような産業を育成していく際に避けて通れない道は、日本の得意でない、相対的に比較劣位にある産業をよその国に譲っていくということでございます。今後の日本において必要なのは、何を捨て、何を選択するかという優先順位の判断ではなかろうかと考えております。  かつて列強植民地時代、帝国主義の時代におきましては、それぞれの列強が世界分割を進める上でフルセット型の産業構造、あらゆる経済資源を自国の領土内に持つということは、これは列強の必須の条件でありました。しかし、今日のような国際協調の時代において、このような考え方は、もはや全く通用しない考え方ではなかろうかと思います。むしろ、そのような考え方を捨てまして、国際分業の中に日本が率先して身を投ずるという覚悟が必要ではなかろうかと思います。  そのような形で相互依存を強めますと、当然に求められるのは、世界の平和、国際協調でございます。日本は、そのような国際協調を先頭に立って実現していくという覚悟が必要ではなかろうかと思います。このような観点から今日の日本を考えますと、これは非常に問題のある状態になっていると言わざるを得ないと思います。  日本は、通常、輸出大国というふうに言われておりますけれども、私から言わせますと、輸出大国というよりは輸入極小国である。日本の輸出そのものはGNPに対しまして一〇%もないわけでございまして、これは諸外国に比べましてもかなり低い水準でございます。日本の問題は、むしろ輸入がGDPに対して極端に低いということでございます。日本の輸入はGDPに対して五%しかございません。これはヨーロッパ諸国の四分の一の水準でございます。このように極めて輸入において閉鎖的な日本の体質を改めて、開放経済体質に変えていくということが、内外価格差問題を是正していく上で極めて重要な課題ではなかろうかというふうに考えております。  このような開放経済に移行して成功した一つの教訓、例といたしまして、私は、一九七〇年代あるいは八〇年代の米国を思い起こしたいと思います。  米国は、一九六〇年代は世界のGNPの五割を占め、鉄鋼生産の六割を占め、世界の工作機械の七割を占めるという圧倒的な工業力を持った超大国でございました。であるがゆえに、米国の巨大な需要を賄うには米国の国内の供給力をもってするほかなく、アメリカという国は、ある意味では極めて自給自足的な閉鎖的な経済を一九六〇年代、七〇年代まで維持していたと思います。このような米国が開放経済に変わり始めたのが一九七〇年代の終わりぐらいからでございます。  その後のプロセスを見ますと、工業製品の輸入依存度といいますのは、一〇%以下であったものが、今日では二四、五%ぐらいのところまで急速に高まってきていると思います。このような市場開放化のプロセスにおいて、米国はさまざまな恩恵を得たと思います。  第一に、輸入品の圧力によりまして産業のリストラクチャリングが成功しまして、そして非常な生産性の上昇を遂げたということがございます。それから第二に、このようなプロセスを経て、海外からの物価圧力によりまして国内の物価鎮静化に大きく成功した、そして賃金の高騰に歯どめをかけたということがあるかと思います。  こうしたことの結果、アメリカでは二つの非常に重要な変化が出てまいりました。一つは、異常に高かった金利の低下でございます。それからもう一つは、異常に高かった労働賃金の上昇の抑制でございます。そして、この安い資本、つまり低金利そして安い労働、この二つは、ビジネスを新しく起こしていくのに際しまして決定的に重要な二大ファクターでございます。  この二大ファクターというのは、恐らくアメリカ経済が開放経済化しなかったら決して実現しなかったであろうというふうに考えられます。そして、このような二つの豊かな資源のもとで、今日見られるように新しいベンチャービジネス、新しいハイテク産業がアメリカでどんどん起こってきている。このように考えますと、やはり開放経済というのは、今日のアメリカの産業の復活をもたらした非常に大きな要素と考えてよろしいのではなかろうかと思います。  今後の日本に望まれることは、どれだけ国内に残せるかというふうなことを考えるのではなしに、どれだけ海外にシフトできるのか、どれだけ海外に供給を依存できるのかという観点からさまざまな政策を考えていく必要があるのではなかろうかと思います。  さて、第二点に私が指摘をさせていただきたいと思いますのは、規制緩和は経済の政策ではなしに、むしろ民主主義の政策であるというふうなことを徹底させていただきたいということでございます。  規制緩和と申しますと、ともすると経済的な要求が前面に立ちまして、消費者の保護の問題であるとかあるいは公正な取引であるとかいうふうなことが無視されがちでございます。あるいは、そのような受けとめ方が往々にしてなされる場合があろうかと思います。しかし私は、民主主義の形骸化を是正する試みとして選挙制度の改正がございましたけれども、その際に出発点になったのが、一票の重みを取り戻そうということがあったように思います。  それと同じように今、日本において問題なのは、一円の重みが極めて違う、あるいは一円の重みを得るのに必要な努力、労力に極めて差があるというこの非公正さであろうかと思います。このように経済的に非公正な状態を公正にしていく、これがまさしく規制緩和のねらいでございまして、そして、これは経済において民主主義を実現していく非常に重要なプロセスではなかろうかと思います。  このような観点から先生方の議論が一層深められ、日本の新しい改革に向けての政策立案がなされることを強く希望いたしまして、私からの意見陳述を終わらせていただきたいと思います。  どうもありがとうございました。(拍手)

大石正光新進党

○大石委員長 ありがとうございました。  次に、佐々波参考人にお願いいたします。

佐々波楊子慶應義塾大学経済学部教授

○佐々波参考人 慶應大学の佐々波でございます。学校の方で国際経済学を講じておりますので、そのような立場から意見陳述をしたいと思います。  今日の日本経済を顧みますと、実質成長率が名目を上回るということは、物価水準は極めて安定し、むしろ低下ぎみである。一昔前ですと、消費者物価問題というのは押しなべて物価上昇の話でした。このような物価安定期に消費者の問題が出てくるというのは、まさに日本経済がここ十年、十五年の間に異常に変質してしまった。日本経済が変質というよりも、国際経済の中で物事を考えなければならない時代になっているというふうに思います。つまり、内外価格差問題こそ今日の物価問題の本質であるということは、物価問題を考える際にも、国内だけで考えることはできなくて、国際経済の視点から考えなければいけないのではないか。  内外価格差問題ということですので、きょうの意見陳述では、一つは、国内の経済にとってこの内外価格差問題がどういう意味合いを持つのかという点を二点と、それから、海外から日本の物価問題というものを眺めた場合にどのような視点、どのような問題があるのかというのを二点、合計しますと二点ずつで四点をお話し申し上げたいというふうに思います。  まず、国内の立場からいいますと、昨今の円高にもかかわらず、国内消費者にとって内外価格差の大きくなっている品目としますと、何といっても食料品であり、エネルギー。通常、主婦の立場からいたしますと、先日いただきました資料でも大きいものを拾ってみましたら、食パン、紅茶といったものが非常に高かったし、それからガソリンが大きい、それから化粧品がかなり高かったように記憶しております。  これらの品目というのは、単に政府規制だけではなくて、いわゆる民間商慣行といったものが円高を消費者価格に反映させるのを妨げているということであろうかと思います。これは単に消費者が円高メリットを享受できないという問題だけではなくて、今日、内需の拡大が必要になってくるときに、消費の拡大の足を非常に引っ張っているということだろうというふうに思います。それが一点。  もう一つは、このような規制や商慣行に守られた分野といいますと特に非貿易財分野に多いわけですけれども、ここで何が発生しているかというと、私ども経済学でよくレントと申しますけれども、これを日本語に訳しますと超過利潤というような言葉になるかと思います。一方では、この円高によって海外からの厳しい競争にさらされている産業がある。これらは従来日本の経済成長を牽引してきた産業であるわけです。  この前の意見陳述のときもちょっと申し上げたのですけれども、人間というのはどうしてもやすきにつく傾向がございまして、この超過利潤の発生している産業があるということは、それだけ日本経済の成長の足を引っ張っている。競争にさらされている産業が海外への移転が進む中で、国内にこのような非競争的な分野を残すということは、今後日本経済の潜在的な成長率を考えていく場合に非常に大きな問題を残すのだ。  したがって、この内外価格差問題の是正というのは、国として取り組むべき問題であって、決して外から言われてどうこうという話ではないというのが、まず最初の国内問題として取り上げた一つの理由でございます。  それから、この内外価格差問題というのは、外から見ても日本にとって大変ぐあいが悪いというのを、以下、二点申し上げたいというふうに思います。  一つは、御承知のように、この一月から従来のガットが世界貿易機関に衣がえいたしました。日本は自由貿易体制のメリットを戦後最も受けてきた国で、秋には大阪でAPECも開催されまして、今後の世界の自由貿易体制のリーダーにならなければいけない。ところが、この夏になって、成田空港を見ましても、日本の貿易インバランスで最も大きなインバランスは何かというと、日本に来る旅行者と出ていく旅行者、もうこれは膨大なアンバランスがございます。  これは何かというと、日本の生活費というものが非常に高くなってしまっていた。せっかく日本のことを知ってもらいたい、来てもらいたいといっても余り来てもらえない。もっとぐあいの悪いことに、入ってきて、一体こんな円高というのは何だというような、円高なのにこれだけ高いコーヒーを飲み、ホテルに泊まりますと、ビジネスホテルでも最近は一万幾らかするようなありさまで、一体この日本は何かおかしいのではないかという、その内外価格差を外から眺めて、これは世界の自由貿易体制のリーダーたる日本として非常にぐあいが悪いのではないか。  二番目に、この旅行者の印象論、日本リーダー説ばかりではなくて、先ほどの武者参考人の意見陳述でもありましたように、アメリカ経済のリストラにとって、いわゆる海外からの企業の役割というのは非常に大きく、アメリカのとった開放的な政策と同時に、海外からアメリカに入ってきた企業の役割というものは非常に大きかったわけです。ところが、日本の場合、事務所を開くにしても、働く人々を募集するにしても、これだけ賃金水準が国際的に見て高くなっておりますと、こういった海外企業が入ってきにくいという事情がございます。  昨今、比喩として、従来からのジャパン・バッシングではなくて、ジャパン・バッシングの時代だなどと、そういう恐ろしげなことが言われていますけれども、海外企業にとりまして日本への立地が内外価格差の存在によって魅力のないものになってくるということは、今後日本経済がグローバルなネットワークから外れてしまうということで、非常にゆゆしき事態なのではないかと私などは憂慮しているのです。  以上、国内的に考えましても、外から見ましても、この内外価格差というものを早急に是正するようにぜひお願いしたいというふうに思っております。  以上でございます。(拍手)

大石正光新進党

○大石委員長 ありがとうございました。  次に、武長参考人にお願いいたします。

武長脩行椙山女学園大学生活科学部教授

○武長参考人 ただいま御紹介にあずかりました椙山女学園大学の武長です。  私も経済学の専門で、公共経済学、消費経済学等の立場で研究しておりますので、きょうは主に消費者というか消費の立場から話すようにということなので、前回と一部重なって、新しい論点があるかどうかわかりませんけれども、一応お話ししたいと思います。  景気がここ何年間がずっと低迷しておりますけれども、最大の特効薬は内需拡大型の経済にすべきであるということは皆さん一致している。内需拡大ということは、当然消費が拡大すればいいわけですけれども、その消費が抑制されているわけで、消費者の側がどうして今消費を抑制しているのだろうかということを考えながら、政策的に最終的には何をすべきかということをぜひ陳述したいと思っております。  消費といった場合、家計と、それから一方で企業間取引も、Aの企業とBの企業の間では生産者と需要者の関係になりますから当然消費ということもあるわけですけれども、ここでは主に家計あるいは個人消費の側からお話ししたいと思います。  しかし、消費者といった場合、前回もお話ししましたけれども、消費者一般でとらえると今の状況の中では余りにも現実と離れていくのじゃないか。例えば、同じ家計の中で、お父さんが今回の円高で利益を得る輸入品産業にいて息子が輸出品型にいた場合においては、実は利害が対立するわけですね。消費者といっても意見が分かれるかもわからない。 ですから、生活者という概念が大分言われていますけれども、生活者という場合は、一日二十四時間、生産と消費の両場面で一人の人間が生きている。これはどなたかほかの方も言われていましたけれども、我々は産業者であり消費者であるということで、両面の性格を持っているということであって、そこには矛盾があるわけですけれども、矛盾の中で我々は生活をしていると。ですから、生活者という考え方は、どちらかといえば消費に近いわけなので、ぐっと消費の方に近づけたいと思っております。しかし、それを考える前提としては、産業者あるいは生産者、供給者であるということも同時に生活者の中に含まれているということを指摘しておきたい。これは前回の繰り返しです。  それから次に、消費のことですけれども、先ほど述べましたように、家計と言っておりますけれども、最近、個計という形で、個人消費という形の多様な消費者像が生まれている。ですから、家計であり個計、個人の個計として消費をとらえて、ミクロなレベルで消費をとらえないと、結局、今の消費に対する抑制を刺激してさらに拡大するにはちょっと弱いのではないか。消費者一般ならともかく、弱いだろう。ですから、どちらかというと、ミクロな消費者像あるいは多様な消費者像ということで私は述べたいと思います。  この場合、多様な消費者は内外価格差に対する期待が違うわけですね。基本的には、それぞれの世代によって生活の課題が違っておりますから、当然それに応じた消費の課題が違いますので、期待が異なってくるだろう。これについて、少し細かく、二、三お話ししたいと思います。  例えば、個計でいうと、若い世代は今回の内外価格差について割合歓迎すると前回言いました。海外旅行には安価に行ける。海外旅行に安価に行って向こうの品物を買うということは、当然外貨を使うわけだから、まあ今非常に輸出をやっていますけれども、それに対して消費というのはいいことなんですけれども、よく考えてみますと、やはり国内は高いということを実は証明しているわけですね。  国内は高いということですから、これからのいわゆる消費のリーダーである若者、シングルズ、あるいはDINKSと言われる子供のない共働き世帯、あるいは共働き世帯等、割合所得があって自由に消費に回せる階層の人たちが、海外の方が安いから海外へ行って買ってしまえばいいのではないかということで、国内消費に対するある種のマイナス効果も与えているのではないか。つまり、こういう人たちがこれから三十代、四十代と、まあ大人になっていくわけですから、日本の物価は高いということを若い時期から植えつけられるということは実はマイナスではないか。  ですから、そういう面では、私は前回、若い層は非常に楽観的だと思いましたけれども、もうちょっと突っ込んでみると、やはり現在の一・五倍とか二倍のようなそういう高い価格に関しては、こういう人たちも実は消費抑制の方に行くのではないかと思っております。この人たちに対してより消費を拡大する形の政策が求められると思います。  それから次に、三十代、四十代、五十代の階層、こういう人たちは基本的には生活が進行していまして、消費に対してよりもむしろ基本的な生活の基礎財、これは企画庁長官の御報告にもありますように、やはり食住衣あるいは公共料金、これらに対する内外価格差の是正をやることが生活を安定していくということの基本だと思うのですね。こういう人たちにとってはそのあたりが重要ではないか。  それから、実はもう耐久消費財等の物は十分ありますので、いわゆる貿易財が安価になってもそんなに購買意欲はわかないのではないか。むしろ豊かな社会というのは、御存じのように消費のサービス化社会ですから、サービスの消費が相当多いわけですね。このサービス消費が実は非貿易財なわけですけれども、これが非常に今高い。そうしますと、そこに消費の意欲はもたらせない。これはやはり三十代、四十代、五十代の、生活を中心に担っている層ではないか。  さらに、高齢者にちょっと触れていきますと、高齢者の層は、日本の貯蓄率は非常に高いと言われておりますけれども、高齢者の中でも所得が高い層がおられるわけですね。それから低所得層も、低所得層というか公的年金に依存される方もおられる。それで高齢者というと、どちらかといえば非常に消費抑制型であります。  近年、金利が低下して利息が非常に低い。老人を中心に、いつも研究されている方たちにインタビューしたところ、こういうことは非常に大問題ではないか、つまり、将来、政党では老人党みたいなものができるのではないかというようなことをおっしゃっていますけれども、そういうことを含めて、やはり非常に将来に対して不安感を持っている。ということは、割合自分の貯蓄あるいは資産があっても、それを消費の方に回そうとしない、あるいは逆資産効果のために資産をそう簡単に処分できないというようなことがあります。  それから、先ほどの公共料金に戻りますけれども、例えば最近、電話代が深夜料金は定額ということになっておりますけれども、実は高齢者に関していえば、高齢者というのは昼間に結構電話を使うわけですね。そういう人たちにとって電話のような公共料金が高いということは、やはり非常に生活を圧迫するような一つの要因でもあるので、電話代等の公共料金は定額にしていただきたいというふうに思います。これは、アメリカ等は既に定額に移行しておりますので、ぜひ進めていただきたいと思います。  このように見ますと、実は各階層ごとに、世代階層あるいは所得階層ごとに非常に対策が違っていくのではないか。ですから、マクロな消費者一般という意味における内外価格差の是正と同時に、ミクロな部分の組み合わせが重要ではないかと思っております。  それから、短期、中期、長期という形で、それぞれの時期に応じて当然分けなきゃならない。緊急的に可能なもの、例えば貿易財等について可能なものと、非貿易財のような一種の生産性格差の是正のような構造的な問題は簡単ではない、しかし、それも当然提示してやっていかなければいけないということですね。  それから第三点に、このような政策というのはわかりやすくかつ目に見える形で提示されるべきではないか。つまり、この間の電力料金が一家庭十四円と。そうすると、十四円下がって、我々は三分か一分で電話だと終わってしまうわけですね。ということは、実は電力料金が下がったとはだれも思わない。トラスチックな形でどこかの分野から明確な形の内外価格差の是正が行われる、それによって政府の側がある種の対応をはっきり持っているということが内外に、国内及び国外に知らされるのではないかと思うわけですね。ですから、政策的には、いわゆるパッチワーク的ではなくて、もう少しトラスチックな形が重要ではないか。  それからもう一つ、前回の話からもありますけれども、消費者の側にとっては情報公開、これはいろいろな輸入品等、流通機構あるいは法律等の情報公開がわかりやすい形で提示されることが必要だろう。一方、消費者の側もそれに対して勉強するというのですか、それを理解する能力を身につける。ですから、教育でいえば経済教育あるいは消費者教育が要望されるのではないかと思っております。  以上です。

大石正光新進党

○大石委員長 ありがとうございました。  次に、西村参考人にお願いいたします。

西村功経済団体連合会経済構造問題委員会企画部会長

○西村参考人 私、経団連の経済構造問題委員会の企画部会長をしております西村でございます。本日は、参考人として再び意見陳述の機会をいただきまして、大変ありがとうございます。  きょうは、次の三点について申し述べたいと思います。  第一点は内外価格差に関する私どもの基本認識、二番目は企業あるいは産業界の全体としての高コスト体質の是正ということ、三番目は消費者の選択の多様性と自己責任原則、この三点でございます。  まず第一の、内外価格差問題に関します私どもの基本的な認識から申し上げます。  まず、内外価格差問題の本質は、産業間の生産性格差を背景とするコストの差、すなわち、内外といっておりますが、これは内内価格差という問題であるというふうに考えております。この点につきましてはもう前回も申し上げましたが、要するに、行政による価格介入あるいは市場に対する参入障壁などの規制とか、あるいは流通系列を初めといたします民間におけるさまざまな商慣行の存在が最大の原因でございます。  また、次に、これが最も重要な点でございますが、実は内外価格差というのはすべての分野で一様に拡大しているというわけでは決してございません。最近の価格破壊と呼ばれるような現象に端的にあらわれておりますように、急速に内外価格差が解消している、なくなってしまっている分野と、一段と内外価格差が拡大している分野に完全に二極分解されておるということでございます。  例えば、テレビとかVTRなどの家電製品とかあるいはパソコンなどの情報関連機器の価格、これは円高とか企業の血のにじむようなコスト革命で価格の下落が非常に顕著でございます。いわば内外価格差どころか逆内外価格差、すなわち、国内価格の方が海外価格よりもうんと安いという現象が一方であるわけでございます。他方、食料品とか公共料金、医療費、教育費などの個人向けサービスの分野では、値段が上昇あるいは高い水準で高どまりしているというのが実情でございます。  つまり、競争が働いている分野では、既存のシステムとか慣行を突き崩してでも値段が下がるという非常に大きな構造変化が生じております。例えば、これまでたびたび批判されておりました建て値とかリベートとか返品というような慣行を続けておっては、もう商売が成り立たないという分野が広がっておりまして、そのこと自体が命までの慣行自体を全くなくしてしまっているということでございます。一方、競争原理の働かない分野では一向に体質が変わらないということでございます。  こういう認識に立ちますと、内外価格差是正のために本当にしなければならないことは、規制の撤廃、緩和によって生産性の低い産業分野に競争原理を導入するということはもちろんでございますが、同時に、それを進めていくために、独占禁止法の適用除外の縮小とか廃止を含めまして、独禁法のより一層厳格な運用を通じて競争制限的な取引とか慣行を排除していくことが必要というふうに考えております。  次に第二点の、企業とか産業の高コスト体質の是正について申し上げます。  規制緩和につきましては前回と重複いたしますのでこれ以上は申し上げませんが、内外価格差是正のために必要ないま一つの施策は、企業の高コスト体質を是正していくことであります。企業の高コスト体質の是正の問題は、最近の急激かつ大幅な円高によって日本の産業が空洞化しかねないというような現状を打破するためにも、これは喫緊の課題でございます。  もちろん、日本の企業の国際的に見てのコスト高という体質は、表面現象としては直接的には円高がもたらしたものでございますが、より本質的な問題は、円高ではなくて制度的、政策的につくり出されたものというふうに私は考えております。その象徴的なものが、一つは公共料金でございます。いま一つは、諸外国と比べましても格段に高い税金だと思います。  公共料金の問題は、前回も申し上げましたとおり、初めにコストありきという従来の発想を捨てて、コスト積み上げ型の料金設定方式を根本から改革すべきであるというふうに考えております。そのためにはカスタマーズ・サティスフアクション、つまりサービスの質と料金に対するユーザーの満足度という視点をこれから導入していく。また、競争原理の活用の工夫、経営努力を促すようなインセンティブシステム、例えばプライスキャップ制などもその一つに入ると思います。こういう三点が重要であるというふうに考えております。  いま一つの税金の問題でございますが、我が国の企業は、法人税、土地保有税など、国際的に見て極めて重い税負担を強いられております。これが事業活動を制約すると同時に、コスト削減の足かせともなっております。  まず、法人税等の企業課税につきましては、経団連としてもかねてから主張、要望しておりますとおり、地方税も含めた企業の実効税率は今四九・九八%、約五〇%でございます。アメリカの四一%、英国、フランスの三三%など、他の先進工業国と比べても著しく高こうございます。したがって、今後は、法人税関連の租税特別措置の整理を前提にいたしまして、段階的にこの法人税率を下げていくことが不可欠だというふうに考えております。  また、地価税を初めとする土地保有税の負担の重さでございます。これは製造業だけでなくて、消費者の生活に密着したサービス産業に非常に過大な負担をかけておりまして、これが結果的にサービス価格の上昇につながっているという側面を否定することはできないと思います。  既に地価に関しましては、住宅地、特に商業地でございますが、非常に大きく下落いたしておりまして、先行きこれからも軟調な地合いが続くというふうに考えられております。こういう中で、バブル期の異常な地価騰貴を抑制することに主眼が置かれました地価税でございますが、もはや時代の役割を終えて、いつまでもこれを続けると、むしろ弊害が非常に大きいというふうに存じます。さらに、固定資産税につきましても負担軽減の必要があるというふうに考えております。  さて、第三に申し上げたいのは、消費者の選択の多様化と自己責任原則ということでございます。  内外価格差の問題を消費者のサイドから見ますと、最も大切なことは、消費者の選択が多様化できるような環境を整備していくということであろうというふうに思います。それには、企業といたしましては、商品の値段、品質、アフターサービス、あらゆる面で消費者の商品選択の幅を広げる努力をしていかなければならないということは、これはもちろん申すまでもない当然のことでございます。しかしながら、そういう企業の努力を妨げるような規制や商慣行がある場合には、これを積極的になくしていくということがどうしても必要でございます。  また、消費者自身も、商品とかサービスの価格が品質とか機能を含めての真のバリュー、価値に相ふさわしいかどうかということを厳しくチェックするみずからの目を持つということが必要でございます。その意味で消費者自身の意識改革が不可欠でございますが、同時に、企業や政府も、消費者の自己責任原則の徹底ということをサポートするための各種の情報のディスクロージャーを一層強化していくことが重要でございます。  先ほど、企業間の競争促進のために独占禁止法の厳格な運用が必要であるという旨を申し上げましたが、独禁法は、単に企業競争の促進というだけではなくて、消費者が自己責任原則に基づいて自由に商品あるいはサービスを選択し得る環境を提供するという観点からも見直していく必要があるのではないかと思います。この点に関して、例えば再販価格維持制度、これは平成十年三月をめどに見直していくということになっているようでございますが、いささか生ぬるいのではないかというふうに考えております。  以上、いろいろ申し上げましたが、経団連といたしましては、先般の経団連の総会決議でも打ち出しておりますように、活力のある経済社会を取り戻すために、規制緩和計画の早期でかつより踏み込んだ実行を求めますとともに、各企業、各業界団体がみずからの企業行動の透明性あるいは開放性を一層向上させるよう努めることによって、真に豊かな国民生活の実現の観点から、内外価格差の是正に向けて一層積極的に取り組んでいく所存でございます。今後とも御理解と御協力のほどを賜りたく存じます。  これをもって終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)

大石正光新進党

○大石委員長 ありがとうございました。  次に、日和佐参考人にお願いいたします。     〔委員長退席、実川委員長代理着席〕

日和佐信子全国消費者団体連絡会幹事

○日和佐参考人 全国消費者団体運絡会の日和佐でございます。前回に陳述いたしました内容とダブることもありますが、強調させていただきながらお話しさせていただきたいと思います。  内外価格差の縮小が急務であるということが言われてからかなり年月がたっわけですけれども、その間もちろん円高傾向でずっと来ていましたから、内外価格差が拡大していっているということもうなずけるわけです。ですが、内外価格差縮小が必要だということが言われていながら、その格差は拡大しているというのが現実でありまして、やはりここに来て、暮らしの面から、物の価格に対する問題意識というのが消費者のところで非常に高まっている。そういう時代に来て、なお一層内外価格差の縮小というのは急務になってきていると思います。  いろいろとその要因についても研究がされ、調査がされ、発表がされて、なるほどということで納得はするのですが、さまざまに検証されているにもかかわらず、事態はちっとも改善されていないというのがこの内外価格差問題の大きな特徴ではないかと思っておりまして、一刻も早く対策について実践に移る、積極的に行動するときであると考えております。  内外価格差の要因とされているものはさまざまでして、まさにどこか一つを解決すれば物事が進展するという性格のものではありません。流通の多段階性ですとか取引慣行、代理店の問題ですとか商慣行の問題、なお構造的に地価が高い、人件費が高いという、そういう日本の国特有の問題もあります。また規制の問題もあります。これらの要因がさまざまに絡み合って、社会構造的な形として内外価格差を拡大しているということはあるのですけれども、一つでもその絡む糸をほどいていくために、できることからやっていくということが大変重要なことでして、国が政策としてできやすいところというのは、やはり公共料金の分野ないし規制緩和の分野であると思います。  規制緩和について、これが競争を促進するという具体的なことを少しお話しいたしますと、特石法の廃止が決まりました。特石法の廃止が決まりましたわけですから、ガソリンの製品輸入への新規参入が可能になったわけで、備蓄義務があるからそこは少しネックになるのではないかという声もありますけれども、これを契機にして、新規参入が実現する前にもう既に価格競争が起こっております。  もちろん、これはいろいろと問題もあることはあるのですが、東京・多摩地域あるいは埼玉地域ではガソリンスタンドの安売り合戦というのが既に始まっておりまして、ガソリン販売業の方たちも非常に危機感を持っております。そして、新規参入が実現して製品輸入がなされるようになった、そういう競争状況の中でどうやって効率的にガソリンスタンドを運営していくかということが業界の中では非常に大きな問題として取り上げられておりまして、さまざまな検討がなされております。  まさに、今までどちらかというと国の保護のもとにあった産業なんですが、そこでも今回の規制緩和を契機にして、本当にしっかりした経営体質をつくり上げていかなければならないということで真剣な議論が始まっているという状況でして、やはり規制緩和が自由競争、市場競争を自由化するということに対してのインパクトは大変強いものがあるということを実感した一つの例です。  もう一つ、内外価格差の中で非常に価格差の大きい分野として公共料金があるわけですが、これは国がかかわっているものでありますから、市場の競争を待つということではなく、積極的に手をつけられる分野なわけですね。ですから、この分野は本当に積極的に取り組んでほしいと思っております。  それで、今般、私鉄大手十四社の運賃値上げが決まったわけですけれども、公共料金とされているものの中で、本当にこういう形で、コストに利潤を積み上げてという形で定期的に値上げがされていくということがいい事業なのかどうなのか、それが妥当なのかどうなのかという、公共料金にかかわる事業そのものが公共料金の対象としてそれでいいのかどうかという基本的な問題がまず最初にあると思います。簡単に言ってしまえば、民営化した方がいいのではないかという事業もあるわけです。  ですから、公共料金の枠組みを基本的にとらえ直し、検討し直すという作業が必要ですし、料金設定の仕組みのあり方、総括原価方式ではない競争が働くような形での料金設定のあり方、また参入のあり方、どうやって競争的な側面を公共料金の分野に投入することができるかというのが、今大変大きな課題になってきていると思います。  ですから、現状の細かい一つ一つのことについて検討することも必要ですけれども、公共料金にかかわる事業の枠組みそのもの、それと基本的なところでの料金設定のあり方、参入のあり方等を根本的に見直す時期に来ていると思っておりまして、これは早急にやるべきだと思います。なおかつ、国がかかわってやれることですから、これは積極的にやれることなわけです。ですから、自然に任せるというのは変ですけれども、自由競争の市場原理に任せるということではなく、先取りしてやれる分野であるから、ぜひやるべきであると思っております。  それから、最後に独禁法について申し上げて終わりたいと思いますが、ここのところの公正取引委員会の活動は、三、四年前に比べると非常に目覚ましいものがありまして、非常に期待しているわけですが、先ほどお話もありましたように指定再販制度の廃止、これはぜひ前倒しで検討してほしいと思っております。それと、まだ検討課題になっております法定再販の問題ですが、これもいろいろな御意見があるのは承知はしておりますけれども、法定再販についても廃止をしていくという方向が望ましいと思っております。  それで、公正取引委員会で行政指導のガイドラインと事業者団体のガイドラインというのを、作業中の分野もあるのですが、策定していらっしゃいますけれども、これは非常に消費者としては期待をするものでして、行政指導によって競争が規制されるというケースが間々あることを実感しております。また、事業者団体が話し合って物事を決めていく体質というのは非常に根強くありまして、これも事業者団体ガイドラインを早く厳しい内容で策定し、それが活用されることを非常に期待しているわけです。  それに加えて、一般の消費者からの情報の提供の仕組みがございますのですけれども、これは余り知られていないわけですね。知られていないのと、情報を提供しても、返事はあるのですが、かなり通り一遍な返事でしかないという意見もあります。これはぜひわかりやすい形で、多くの消費者の方たちが情報を提供できるように広報活動していただきたい。こういう制度があるということで、さらに身の周りの表示の問題だとか価格の問題だとかに消費者は意識を強く持っていくことができると思います。情報を提供することができるということですので非常にいい制度なのですが、知られていないということですので、ぜひ広報活動を強化していただきたいと思います。  独禁法の運用強化がやはり大きな一つの要素だと思っております。人員の増員等も検討されているようですが、今後の公正取引委員会の活躍に期待をしたいと考えております。  以上でございます。(拍手)

実川幸夫新進党

○実川委員長代理 ありがとうございました。  次に、井出参考人にお願いいたします。

井出潔在日米国商工会議所貿易拡大委員会副委員長

○井出参考人 おはようございます。本日改めまして、前回言いそびれたことあるいは言葉が足りなかったことを補足する機会を与えられましたことを非常に感謝しております。お手元に私の意見陳述の骨子をお配りしておりますが、ここで若干強調したいところを述べ、あるいは補足したいところを述べたいと思います。  「内外価格差のとらえかた」に関しては前回申し述べましたのでこれ以上申し上げませんが、「輸入拡大に向けて」というところで、日本を単一市場と考えないでリージョナリズム、つまり、地方分権というものをもっと考えなければいけないのじゃないかということ、これがやはり一つの日本の経済の活性化で非常に重要なことだと思うのです。  先ほど武者先生がいろいろな可能性ということをおっしゃいましたけれども、アメリカの場合に、やはり非常に不景気なときに各州の活性化というものが州の裁量でなされたということ。例えば、鉄の都市であったバーミンガムなどが今は衣料分野の中心に変わっている、それでブームを起こしているというふうなことを考えると、どうしてそれが起こったのかということを見るのは非常に重要なことではないかと思います。つまり、地方分権というものを徹底的に考えるということでございます。  それから、「節約」というところで、優越的地位の乱用の問題、これは後に述べたいと思います。  それから、農産物の価格制度の問題に若干触れまして、私またきょう御質問を受けるというふうに覚悟しているのでございますが、農産物の価格維持制度の根本的な見直しをしなければいけないということ。つまり、農産物の価格維持制度というのは、考えてみれば内外価格差を全部政府がポケットに入れて、消費者は税金を払っているという感覚ではなくて、価格の中で知らないで払っているということはやはり問題ではないかと思います。  それから、当日、在日米国商工会議所と駐日米国大使館、米国政府、米国議会との関係はということを御質問いただきましたけれども、それでお返事申し上げましたとおり、在日米国ビジネスの利益を代表する独立した団体であるということをはっきり申し上げました。  また当日、現在の日米経済関係に関する私ども在日米国商工会議所の公式な見解はないのかと聞かれましたところ、その日の朝の時点で公式の見解はございませんとお答えしたつもりでございます。私、非常に働きかけまして、きょうに間に合うように公式な見解をもらいましたので、資料の(1)として英語、手前どもは英語ができる者が多いので、英語が正でございまして、その次に日本語で、ただいま私どもの日米経済関係に関する問題というものに関して資料を提供いたします。  それから、これに関係いたしまして、補足資料としまして、資料(2)として六月五日のジャパン・タイムズに出た記事がございます。これは、自動車の問題に関して非常に詳しく、いい記事として私どもは認識しております。私どもというのは在日米国商工会議所でございます。これもその英語の次のページに二ページにわたって記事の和訳がついておりますので、ぜひ読んでいただきたいと思います。これは日本で報道されているものと比べて随分トーンが違う、あるいは知らない事実を我々は教わることができたというふうに思っております。  それから、私どもが意見を申し上げたときと今までの間に経済企画庁と公正取引委員会のお話があったというものを、文書を衆議院の方からいただきました。それに関しまして私の本日の第二回の意見陳述の趣旨として申し述べたいと思います。  在日米国商工会議所は、公正取引委員会に対して平成三年七月十一日付「流通・取引慣行に関する独占禁止法上の指針」を改定するように求めております。つまり、この取引慣行のところを、もう時代おくれではないか、あるいはわからない、あるいは問題をカバーしていないということで改定すべきではないかということを述べております。  しかしながら、当委員会におきまして、「独占禁止法違反行為の未然防止を図るため、ガイドラインを作成、公表することが重要と考えており、平成三年七月に公表いたしました「流通・取引慣行に関する独占禁止法上の指針し等の各種ガイドラインの一層の周知徹底に努めてまいります。」とおっしゃっております。私どもがお願いしております、平成三年七月十一日の時点から今世の中が随分変わっておりますので改定するようにということ、これがまだお聞き届けいただけないというのは大変残念に思っております。  このことは、私どもACCJは独占禁止法の強化徹底ということに非常に賛成している立場でありますので、それの具体的な実施の方法のために重要ではないかと思います。日本の社会的な慣習として弱い者が強い者に盾を突くということはしないということは、独禁法上の建前と何かそぐわないのではないかと思います。自分の商売を続けるために嫌でもしぶしぶ従っていくということ、これはやはり優越的な地位を乱用しているのではないかというふうに考える次第でございます。  その具体的なものとしまして添付資料(3)及び添付資料(4)を、新聞発表の部分のみおつけいたしましたが、これを御参考にしていただければありがたいと思います。また、調査そのものについても、私も持っておりますし、もちろん公正取引委員会からお取り寄せ願うということも可能かと思います。  私は最終的に、ジャスト・イン・タイムという日本的な要求は、大規模小売店が要求しております、五時にオーダーをしてその日のうちの十時までに持ってこいというそういう商慣行というものは、コストがかかります。ジャスト・イン・タイムの要求を支えるジャスト・イン・ケース、いつ注文が来るかわからないということの在庫というものは社会的なむだだと思います。また、それが優越的地位の乱用のシンボルである、そのツケは必ず消費者の方に回されるというふうに考える次第でございます。どうぞこの点をお考えいただければ私は大変ありがたいと思っております。  ありがとうございました。

実川幸夫新進党

○実川委員長代理 ありがとうございました。  以上で参考人からの意見の開陳は終わりました。     —————————————

実川幸夫新進党

○実川委員長代理 これより質疑を行います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岸田文雄君。

岸田文雄自由民主党・自由連合

○岸田委員 皆さん、おはようございます。本日は、参考人の皆様方、再度にわたり当委員会に御出席いただきまして、また貴重な意見をいただきますこと、心から感謝を申し上げる次第でございます。  この消費者問題特別委員会、先月から約一カ月にわたりまして、内外価格差問題を中心に据えまして、この問題につきまして勉強をさせていただいたわけであります。私も、この問題は大切な問題であるということはもちろん認識しておったわけでありますが、勉強すればするほど、この問題がいかに日本の経済、日本の産業にとって大きな問題であるか、そしてその原因につきましても、本当に多くの分野、要因を抱えておる大変複雑な問題であるということを改めて認識を深くした次第であります。  そこで、まだまだ不十分ではあるかと思いますが、一カ月間いろいろな議論が積み重ねられたのを私自身聞かせていただきまして、きょう質問させていただくと同時に、今までの議論を少し整理させていただきたいと思いまして、質問の順番をいろいろ考えてみました。ひとつ参考人の皆様方に、また政府の方からも御意見を聞かせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。  それで、この一カ月間、いろいろな議論があったわけでありますが、この内外価格差の原因ということにつきましていろいろなことが言われました。その中の大きな原因としまして、日本の経済、日本の産業において、労働生産性の高い産業と低い産業、この両極端の産業が存在するということがたびたび挙げられたわけであります。そして、労働生産性の低い産業の生産性を向上すること、これが大切だという話、これはいろいろな方からお話がございました。  そして、こういった労働生産性の低い産業の生産性を向上させるためには、規制あるいは商慣行等に守られた世界一高いと言われます日本の賃金、労働者の給料でありますが、こういったものを何とかする必要があるのではないかというような話が出てみたり、生産性を高めるためには雇用調整、雇用の問題にも触れなければいけないというような話も出てきたわけであります。そして、労働生産性の低い産業からあふれ出た労働者を新たな産業によって吸収することによって、全体として産業間の生産性の格差を解消すること、こういったことを考えるべきではないかというようなお話もお伺いいたしました。  そこで思いましたことですが、こうしたスキームを円滑に進めるためには何が必要かということを考えたわけでありますが、産業間でこうした労働力の移動が円滑に行われるためには、労働力の流動化というものがある程度保障されなければいけないということを思うわけであります。  ところが日本の場合、昔から再三言われるところでありますが、終身雇用制というものが欧米諸国に比べまして非常に根深くあって、その点、雇用のあり方がほかの諸国と違うのではないかということが言われるわけであります。実際のところ、日本の雇用の状況を見ておりますと、年金ですとか保険ですとか住宅ですとか、個人の幸せにかかわる部分までも企業に頼らなければいけないといった状況があるわけでありまして、こういった企業、会社べったりというようなことを感じる部分があるわけであります。  しかしその一方で、今回、多くの参考人の皆様方に来ていただいてお話を伺う中で、きょうは残念ながら御出席いただけませんでしたが、労働界の方から御出席いただきました南雲参考人のお話の中で、日本の社会においても、日本の経済においても、労働力の流動というものは昔からある程度は確保されておったというお話があったわけであります。学校を出て会社に入社して六十歳まで勤め上げる人間は全体の一%しかいないというようなお話が、労働界から御意見をお述べくださいました南雲参考人のお話の中にありまして、私は大変意外な思いをいたしました。どうも私の思っておりましたイメージと日本の雇用は違う部分があるのかなというような気もしたわけであります。  しかし、統計にしましても、その統計のとり方によって数字は大分変わってくると思いますし、例えば六十歳まで勤め上げなくても、途中で関係会社に移ったような人間はこの終身雇用の概念に当てはまるのかどうかというようなことも言えるわけでありまして、統計のとり方、見方によりまして、随分日本の雇用のあり方に対する見方も変わってくるのかなというような気もしたわけであります。そして、さらには他の諸国との比較、これがどうしても必要になるわけであります。  きょうはまず最初に、質問としまして、労働省の方に、今私が申し上げました日本の雇用の姿、終身雇用制というものが本当に日本の雇用のあり方を形容するのにふさわしい言葉であるのかどうか、ほかの諸国と比べでどのような特色があるのか、その辺、資料、統計等がおありになればお話しいただきたいと思います。

初谷勉労働省大臣官房政策調査部産業労働調査課長

○初谷説明員 終身雇用慣行につきまして、労働省の賃金構造基本統計調査という調査によって見てみますと、ちょっと場面を限定させていただきまして、製造業、企業規模千人以上、男子、大卒、管理・事務・技術労働者、いわゆるホワイトカラー層について見てみますと、四十五から四十九歳層の方で二十年以上の長期勤続者、この方々の割合を見ますと、平成五年で九〇・四%という数字になってございます。そして、これは二十年前の昭和四十八年に比べますと、このときが七六・四%ということですので、かなりその間上昇が見られるということでございます。  それから、同じ賃金構造基本統計調査によりましてこの四十五から四十九歳層の方々の平均勤続年数を見てみますと、平成五年で二十三・〇年ということでございまして、二十年前の昭和四十八年が二十一・四年でございまして、その間にまた延びてきているというような実態が見られます。  それで、先生のお話にございました六十歳定年、そのときはどうかということでございますが、その段階につきましては、実は私ども適切な資料がございません。それで、近いところということで、同じ調査から五十五から五十九歳層で勤続三十年以上の方々がどれくらいいるかという割合を見てみますと、これが二五二一%という数字になってございます。  それから、お話ございました欧米各国との関係でございますが、これもなかなか実態を把握するのは難しい状況にございますが、OECDのエンプロイメント・アウトルック一九九三年という資料で見ておりますと、フランス、ドイツなど大陸ヨーロッパ諸国においては定着率が高く、勤続年数も長いということで、かなり日本に近い姿が見られるということが言われております。これに対しまして、アメリカ、イギリスなどでは、この大陸ヨーロッパ諸国あるいは日本とは違う形で、勤続年数あるいは定着率が短くあるいは低いというような状況にあるというふうに見られております。

岸田文雄自由民主党・自由連合

○岸田委員 今労働省の方から要点だけお話しいただいたわけでありますが、それを聞きまして感じますのは、確かに五十五から五十九、そのあたりになりますと三十年以上は下がるとはいうものの、やはり四十五から四十九、さらにその下の部分に関しましては随分と高い勤続率ではないかなという気がいたしました。また、いわゆる規制緩和先進国と言われます英米諸国におきましては、日本との違いが感じられるというような話もあったわけであります。  そこで、今のお話を聞かれまして、きょうは労働界の方から御出席になっておられませんことは残念でありますが、経営者ということから西村参考人、またアメリカに大変御縁の深い立場にあられます井出参考人、このお二人から終身雇用制、日本の雇用のあり方、この問題と内外価格差、日本の産業構造の変化、これとのかかわり等でお感じになることがございましたら、御意見を聞かせていただきたいと思います。よろしくお願いします。

西村功経済団体連合会経済構造問題委員会企画部会長

○西村参考人 終身雇用制の問題と産業構造のかかわりについての御質問だと思いますが、私が感じておりますのは、終身雇用制というのは、戦後の日本がいわゆる近代工業社会をずっとつくり上げていったその過程では、かなり有効に作用したと思います。やはり同じ会社でずっと経験を積み上げて、それぞれの労働者なり勤労者の効率が毎年毎年上がっていくということは、工業化社会では非常に有効に作用したと思います。そういう中で、終身雇用制と、それからそれと従来は表裏一体の関係であった年功序列という賃金制度、これが定着していたのだと思います。  しかしながら、終身雇用制が急速に変わっていくとは思いませんが、やはり大きく構造変化していることは事実だろうと思います。  と申しますのは、日本の産業社会の中で、いわゆる工業社会からだんだんポストインダストリアル社会の方に移行しております。特に、これからの産業の大きな成長要因を占めるような高度情報化社会におきましては、やはりプロフェッショナルなスキルを持った勤労者のウエートがだんだん高くなっていく、また、そういう勤労者に対する需要が非常にふえていくということになりますと、同じところでずっと工業化社会の中で経験を積み上げていくという雇用の形態から、プロフェッショナルな腕を持った人間が最も自分の適したところへ動いていくという形の構造にだんだん変わっていきそうだということでございます。  例えば、私、今経団連の構造問題委員会の企画部会長を務めさせていただいておりますが、実は本業は日本総合研究所の副会長をしておりまして、日本総研は、一つはコンピューターの情報処理と、それからもう一つはシンクタンク、コンサルティング部門を持っているわけでございまして、このシンクタンク、コンサルティング部門につきましては、当社におきましては原則としてオール中途採用でございます。新卒からだんだん経験を積み上げていくということじゃなくて、自分は何ができるかという人を雇っているわけでございます。  恐らく、我が社はまだそれでも日本の中では特殊かもわかりませんが、そういうプロフェッショナル集団を持つ会社というのはだんだんこれからふえていくと思いますから、そういう意味で、終身雇用制というのはすぐにはなくならないと思いますが、大きく変わってくると思います。  もう一つは、終身雇用制をずっと続ける会社でも、年功序列の賃金制度というのは、これはやはり現在の激しい国際競争の時代にはだんだん通用しにくくなってくると思います。終身雇用制で、しかも終身雇用を原則としながら、賃金制度は年功序列でなくて職能給、能力給、あるいは年俸制度ということを中心にしたような制度にだんだん変わっていくのじゃなかろうかというふうに私は考えております。

井出潔在日米国商工会議所貿易拡大委員会副委員長

○井出参考人 日本の終身雇用という言葉は、日本に来る米国企業にとっては恐怖としてとらえられているということは確かでございます。  ところが、振り返ってみますと、日本において終身雇用というのは、今、西村さんは戦後のことだとおっしゃいましたけれども、有名な一九四〇年体制あるいは一九三八年体制のころから総動員令によって労働者を囲い込むために始まったことだと思うのです。それまでは、非常に力のある労働者というものは、渡り鳥と言っては悪い言葉ですけれども、自分の思うとおりにいいところを求めて転々と動くということもできたわけです。そういうことを変えて、長く定着していただきたい、私どもの会社に長くいてほしいということで、総動員体制のときにできたものではないか。これは私が言いますよりか、一九四〇年体制の本をお書きになった方の方がいいと思いますので、それまでにいたします。  それでは、アメリカではどうなっているかということを、これも全部を網羅するわけにいきませんけれども、アメリカでも非常に多くの会社で、四十年以上働いているというふうな選択肢もございます。それから、雇用形態において、働き方の、特に工場なんかのシフトの中で、一日十二時間働いて週三回会社にあるいは工場に来るというふうなことが可能になっている州もございます。休日の賃金が高い州というのはそういうことを余りやらないわけですけれども、そうじゃない州にはそういうふうな工場もたくさんございます。  私が考えて、十二時間なんか働いたら死んじゃうんじゃないかと思ったのです。ところが、八時間働いている日本の場合に、通勤に二時間かかる。両方足しましたら、四時間と八時間で十二時間でございますからね。彼らは工場から車で十分ぐらいのところに住んでいるのですよ。  そうすると、週に三回働いて、あと四日間はボランティアをやるとかあるいは勉強をするとかそういう機会を設けられているということ、これは、特にはっきりしてきたのは、自分が流動したいという人たちにとっては非常に魅力がある。つまり、工場の中は自動化されコンピューター化されているので、危ないということが少なくなってきた。そうすると、もっと知的なものを求められているということもひしひしと感じているということで、そういうふうなことも可能になっているということを申し上げたいと思います。  もう一つは、自分たちが自分たちの向上というものを、職業をかえる選択肢をとることによって実現していくという気持ちが非常に強い。また、それを社会が受け入れているということもあると思います。ただ、終身雇用がアメリカにないということは完全に違うと思います。  失礼いたしました。

岸田文雄自由民主党・自由連合

○岸田委員 ありがとうございました。  今雇用のことでお伺いしたわけでありますが、それ以外にも内外価格差の要因としましてさまざまのものが挙げられました。その一つとしまして円高の問題がございます。  円高の問題も、議論をしていきますと本当に切りがないわけであります。これは私自身どう理解していいのか迷っているところがありまして、ひとつ参考のために御意見を聞かせていただきたいと思うのですが、六月二日、経済企画庁の方で「円高メリット浸透状況緊急調査の結果について」という資料を発表されました。この資料はテレビでも新聞でも随分取り上げられておりました。円高のメリットが物価に浸透しておるということを好意的に報じておるような記事が多かったような気がいたします。  そこで、私もこの資料を見させていただいたわけでありますが、この資料を見ておりまして、ふと内外価格差という点で考えましたときに、この資料の中で、一〇%の円高が理論値としまして消費者物価を〇・八%低下させる計算になる。そして、これはタイムラグがあるわけですが、過去二年間を見てみますと、二年間によって生じる円高の物価引き下げ効果、理論値の六割から七割が浸透しておると計算されるということが書かれておるわけであります。  確かに円高メリットの効果が浸透することは大変よいことだと思いますし、評価しなければいけないと思うのですが、ただ内外価格差ということを考えますと、一〇%円高が進んで物価が丸々効果が出たとして〇・八%の低下ということになりますと、確かにいろいろな物品がありますから、そして先ほどのお話の中にも物品によって格差が大きいという話がありましたので、いろいろなものがあると思うのですが、全体を考えた場合に、これは円高によりまして結局内外価格差が広がってしまったという物品の方が圧倒的に多いということになるのではないかな。少なくとも計算上は、この数字を単純に考えた場合、そういう結果になってしまうのではないかという気がしたわけであります。  この資料の読み方、見方、そして評価の問題でありますけれども、円高メリットということでは評価できるとは思うわけですが、内外価格差として見た場合に、私が今申し上げましたような評価、見方というのは間違っているのか、それともそういった見方は一応妥当だということが言えるのだろうか。この辺について経済企画庁の方から一言コメントいただければと思います。

谷弘一経済企画庁物価局長

○谷(弘)政府委員 お答えいたします。  一つは、円高メリットが還元されておる、浸透してきているという調査をいたしたわけで、調査した結果そういう結果が出たわけでございますけれども、内外価格差というものは絶対水準の上ではむしろ広がっているんじゃないか、こういう御趣旨だと思います。  今先生のおっしゃった、まず内外価格差というよりは円高のメリットの進展ということにつきましては、ここでは平成五年一月から直近の時点まで二年数カ月ございます。この間に、五年の前半とそれからことしに入りましての円高と二度大きな円高の局面がございました。  この円高というのはすぐに輸入価格に反映するかというと、それもまた通貨契約がドルであったり円であったりしますので、レートが動きましても輸入価格に動くのはちょっと時間がかかる。それから、今度輸入価格が動きましても、これが加工、流通を通るということで、実態として経済に還元してくるあるいは浸透してくるのに時間がかかるわけでございます。その時間を入れて計算すると、ここの調査結果、六月二日発表させていただいたものでも、円高分がまず一年目に大体二割程度が浸透していく、それから二年目に入りますと大体八、九割くらいが浸透していくという結果に、物価全体を見ますとそういう測定ができます。  それを具体的に個別価格でも今回調査しておりまして、その中で見ますと、六十四品目調べまして、一部の品目につきまして銘柄で百五銘柄まで調べておりますが、この銘柄の中で九十銘柄が輸入価格も完全に下がっております。  この輸入価格が下がったのが小売価格にどういうふうに反映しているかというのを見ますと、実は輸入価格が下がっている九十銘柄のうち、七十一銘柄では小売価格の下がり方の方が大きい。五年の一月から直近まででございます。そういうことで、輸入価格と小売価格との開きと申しますか、その動きというのを直接比べますと、大体八割くらいのものでは輸入価格の低下幅よりは小売価格の低下幅が、二年数カ月とりますと、直近の時点で大きいという動きになっております。  では、それだけ個々の価格ないし物価に円高メリットが入っているのに、どうして内外価格差では大きくなってしまうのかということでございますが、別途内外価格差につきましての調査というのを我々は生計費全体で見ております。  それで、例えばニューヨークと東京について見ますと、この二年間、九二年の十一月から九四年の十一月まで二年間でございますが、この間そういう円高差益の還元ということが着実に行われまして、購買力の上では十二円、円が上がっております。というのは、要するに日本で生活した方が十二円楽になってきているということなんですが、一方で為替レートを見ますと、この間二十五円またこれも円高になっております。  したがいまして、円高と購買力の向上と申しますか改善が追っかけっこになりまして、十二円の購買力の向上というのが価格の今のメリットの還元等で実現しておるのですが、為替レートの方では二十五円また円高になってしまったということで、差し引きいたしますと、この数値で申しますと十三円日本の内外価格差はまた広がってしまっている。簡単に言いますとそういう感じになっております。  したがいまして、購買力平価から見ますと、日本の物価の安定というのはかなりきいておりまして、世界的にも今消費者物価は安定しております。そのために日本の購買力平価というのはどんどん向上しております。ちなみに、ロンドンと東京で見ましても、二年間で十六円向上しております。しかし、この間ポンドでいいますと六十七円、円高になってしまっている。こういうような開きがございまして、これが内外価格差としては、価格の絶対水準としては非常に広がってしまっているということでございます。

岸田文雄自由民主党・自由連合

○岸田委員 今御説明をいただいたわけでありますが、要はこの調査結果自体をどう評価したらいいかということをお伺いしたわけであります。円高メリットが浸透しているから非常にこれは評価できるというような取り扱いをされておったような気がしたわけでありますが、内外価格差ということを考えた場合には一概にこういった状況を評価するのはいかがなものか、問題なしとしないのではないかということを申し上げたわけであります。  そこで、今のやりとりを聞いておられまして、武者参考人、佐々波参考人のお二方に、もし何かコメントがあればお伺いできますでしょうか。

武者陵司株式会社大和総研企業調査第二部長

○武者参考人 岸田先生がおっしゃいましたとおり、円高になることによって国内の物価が当然下がってまいります。しかしながら、そのような物価低下は恐らく内外価格差を縮小するようなことにはならないというのは、単純な計算から明らかになることではなかろうかと思います。ということからいたしますと、やはり日本の経済の当面緊急に解決しなければならない問題がこの内外価格差であるとして、この内外価格差問題を円高、いわば価格調整によって実現していこうというのはそれ自体では無理があるということかと思います。  先ほど来議論になっておりますように、内外価格差の非常に大きな原因といたしましては、やはり日本におきまして非常に生産性の低いセクターがある。そして、それが諸外国に比べても低いし、過去何十年という日本の経済発展の中でも低水準のまま据え置かれている。この低い生産性セクターに割り当てられた高コストこそが日本の高物価の背景であって、そこに内外価格差の原因があるということが明らかにされつつあるのではなかろうかと思います。  というふうな観点からいたしますと、円高という一つの価格環境の変化ということをてこに使うことも重要でございますが、何よりも重要なのは、日本におきましてこのような生産性の低いセクターの生産性上昇を促すような環境をつくっていく、競争制限的な規制を変えていくとか、あるいは商慣行を変えていくということが望まれるのではなかろうかと思います。  それから、そのようなことを考えるに際しまして、私どもは、貿易財は輸入できる、しかし非貿易財は輸入できない、よってそのような国際環境、外部からのプレッシャーを受けにくいのだということを議論してきたかと思いますけれども、しかし、これも考え方によってはさまざまな可能性があり得ると思います。  例えば食料の問題にしましても、それからサービスにしましても、労働力というのは国境を越えて移動することは可能性としてあり得るわけです。さまざまな新ビジネスなどの展開によりましてこれは可能だと思います。例えば情報ネットワークの発達によりまして、日本で行っているサービスを海外から調達するというふうなことも物によっては可能でございます。そのようなさまざまな手だてを通して、日本における高コスト体質を是正していくということが非常に重要なことではなかろうかというふうに考えております。     〔実川委員長代理退席、委員長着席〕

佐々波楊子慶應義塾大学経済学部教授

○佐々波参考人 ただいま経企庁の方から円高が六、七割浸透しているという御報告、それから小売が下がっているという御報告があったのですけれども、これは私の申し上げました、外から見た日本の内外価格差の問題に対して非常に望ましいというふうに思います。  というのは、円高が浸透しないということはそれだけ日本に貿易障壁がある、何かおかしなことをやっているということになりますし、殊に小売というような流通部門というのは、貿易財ではない産業、非貿易財の産業でありまして、こういうところに円高が浸透するということは、それだけ日本の、従来言われている、口の悪いのは暗黒大陸などと言ったのですけれども、わけのわからない分野にもそろそろ競争原理というものが入ってきている。  よく価格破壊というような言い方をされますけれども、こういったことが入ってきているということなので、今後とも、単に貿易財部門だけではなくて、こういった非貿易財の産業でも競争原理が働きますように規制の緩和、それから、けさほどから出ております競争政策の浸透ということが進みますように、今度の調査結果のような結果がさらに、六、七割というのがさらに八割なり十割なりにいきますように政策当局にお願いしたいと思います。  以上です。

岸田文雄自由民主党・自由連合

○岸田委員 ありがとうございました。  それでは、次の質問に移らせていただきます。  内外価格差ということで再三言われたこととしまして、競争原理の徹底の問題がございます。規制緩和を通じまして競争にそれなりの役割を果たしてもらわなければいけない、そういったことがたびたび言われたわけであります。そこで、競争ということでひとつお話を聞かせていただきたいと思うのです。  きょうは消費者団体の方から日和佐参考人にお越しいただきまして本当にありがとうございます。議論でありますので、もし失礼があったらお許しいただきたいと思うのですが、一カ月の話の中で、要は競争の役割、マーケットメカニズムの役割、この大切さが強調されたわけであります。それに対しまして、産業界、企業を初めとして多くの分野で責任を感じなければいけないわけですが、その中でも、特に競争の役割というかマーケットメカニズムの役割、これに対する理解が消費者団体あるいは消費者運動においてちょっと少ないのではないか、もうひとつ不十分ではないかというような話が出たわけでございます。  これはぜひ後ほど反論していただきたいと思うのですが、そういう話が出まして、安全を重視するとか社会的規制を重視する、そういった立場から消費者団体、消費者運動は一生懸命努力しておられるわけでありますが、その一方で、規制緩和等が進んで内外価格差が解消されれば、やはり一番利益を受けるのも消費者ではないかということを思うわけであります。  しかし、リスクかコストかということになると、なかなかどっちを選択するというわけにはいかないわけでありまして、要はバランスの問題ではないかというふうに思うわけです。これは例えが適切かどうかわかりませんが、薬の場合、薬の副作用を問題にし過ぎて薬の使用そのものを控えてしまえば、その薬で多少なりとも命を救われる人間の可能性をも摘んでしまうというようなことがあるわけですが、そのまさにバランスの問題ではないかということを思うわけであります。  アメリカやイギリスにおいて規制緩和が政治的に成功した一つの理由としまして、消費者運動が競争というものを理解したということが大変大きな要素であったというお話を聞いたことがございます。要は、消費者運動が競争というものをしっかり理解してくれたために、消費者運動というものが票に結びつくということで、政治家が議員立法を積極的に行って規制緩和に非常にプラスになった、大きな原動力になったというような話を聞いたことがあるわけであります。  しかし、日本の消費者運動、消費者団体においては、まだ安全重視、社会的規制の重視、そういったところにとどまっておるのではないかという気がするわけであります。ですから、日本においても内外価格差問題、規制の緩和ということを考えた場合、消費者団体こそが競争にしっかりと理解を示していただいて、政治を動かして、規制緩和そして内外価格差解消の動きに大いに原動力となって動いていただくようなことになれば、また状況を動かすことになるのではないかという気がするわけであります。  その点につきまして、従来の消費者運動、消費者団体のあり方についてお考え、御意見、そして今の私の話に対します御反論等あれば、日和佐参考人の方からお話しいただきたいと思います。

日和佐信子全国消費者団体連絡会幹事

○日和佐参考人 規制緩和にかかわって、よく一般に消費者団体は総論賛成、各論反対という形で言われておりますが、私どもは、やはり安全性にかかわること、それと環境の保全にかかわることは規制していかざるを得ないと思っております。それ以外のことについては大いに規制は緩和していくべきだと思っております。  それと、私たちの国の特徴としては、消費者が何か権利を主張するときに、それをバックアップしていく法制度がないというのが非常に特徴的なことだと私は思っておりまして、今回できました、七月一日に施行をされますけれども、製造物責任法、これが言ってみれば消費者が権利を自分たちで主張していく、消費者の権利を担保するための法律として初めてできた法律だというふうに位置づけられるわけですね。  一方で、消費者が権利を主張するという仕組みができていないということが国全体の政策の中では問題なわけでして、そういう中で規制緩和ということが行われる。そのことに反対ではないのですが、そこの規制緩和必要論の中で、ともすれば事業拡大、企業拡大、それだけが先行しての規制緩和というような印象を受けているという面もなきにしもあらずであるということもお考えいただければと思います。  それともう一方では、消費者が権利を主張した場合にはそれを担保する法制度ですね。やっとPL法ができたわけですけれども、今回食品衛生法の改正が可決されましたが、その中での消費者の参加ということは、まだ法制度としてはきちんと中身として盛り込まれなかった事情があります。また、安全性に関して消費者側から申し出をしていくというようなことも、法的にはまだ認められていないということですね、国の段階では、地方自治体では認められるケースが条例ではできてきていますけれども。そういう状況ですから、そちらの消費者側の権利を担保する法制度のところも充実していくということとのバランスではないかと思っております。  それからもう一つは、日本の消費者も、自由市場に参入していくためには、消費者自身が自立して自分の判断でどう自分の消費行動を決めるか、そこが大変大きなポイントになってくると思います。そういう意味では、少し消費者としての自覚が不足していたのではないかという部分も認めざるを得ないなと思います。  例えば、よく例に出されますけれども、曲がったキュウリじゃなくて、きちんときれいに規格化されたキュウリの方を消費者は買いたがる。これはどっちが鶏か卵がという議論にもなるわけですが、そこに入り込みますと長くなりますからやめますけれども、そういう消費行動における合理性、それと、そのことが価格に影響しているんだということをもう少し消費者自身も勉強する必要があると思います。  消費者が買うということ、そのことが一つの選択になっている。買うということで投票しているということですね。そういうことの意識がもう少し強くなるべきですし、そういう行動がそのまま投票のような形であらわれる市場の形成といいますかそのことも非常に大事なことではないかと思っております。

岸田文雄自由民主党・自由連合

○岸田委員 ありがとうございました。  参考人の皆様方、大変熱心にお話しいただいたものですから、いろいろ質問を用意しておったのですが、ちょっと時間がなくなってまいりました。実は武長参考人にもいろいろお伺いしようかなと思ったのですが、ちょっと時間がなくなってしまいました。  武長参考人、消費者ということで先ほどお話がありました。今の私の質問あるいは日和佐参考人のお話をお伺いになられまして、ちょっと一言コメントをいただければと思います。よろしくお願いします。

武長脩行椙山女学園大学生活科学部教授

○武長参考人 私は消費者運動とかそちらにかかわり合っているわけじゃありませんけれども、基本的に消費者が徐々に賢くなっている。賢いというのは、だまされないとかそういう意味じゃなくて、まさに若者なんかはみずから体で、海外旅行なんか行ったりして消費者の選択の目が養われているわけですが、同時に、今度PL法ができましたけれども、ああいう表示なんかについてはよく理解できない問題もあるので、消費者教育というのはまだ中長期に時間がかかるのではないかと思っております。ですから、非常に今後の課題ではないかと思っております。

岸田文雄自由民主党・自由連合

○岸田委員 ありがとうございました。  それでは最後に、公正取引委員会の話がございました。規制緩和等が盛んに言われるわけでありますが、そういった動きを実現するためには、どうしても自由で公正な競争が保障されなければならないということは当然言われるわけであります。こういった時代であるからこそ、独禁法、公正取引委員会の役割は大変大きいということが言われております。ところが、いつもその人員の乏しさ、体制の貧しさ、そういったことが言われるわけであります。  三月三十一日に閣議決定されました規制緩和推進計画、あるいは四月十四日の緊急円高・経済対策、こういった中にも公正取引委員会の組織、人員の体制強化というものが再三うたわれるわけでありますが、どうもいま一つ大きな変化を感じることができないという状況であります。  そこで、もう質問時間がなくなってしまいましたのでなんですが、せっかく公正取引委員会に質問を申し上げようと思って来ていただいておりますので、そういった流れの中で、公正取引委員会の体制、人員といった部分に対する現状を一言お伺いさせていただいて、質問を終わりたいと思います。よろしくお願いします。

山田昭雄公正取引委員会官房審議官

○山田説明員 御説明いたします。  私どもも、公正取引委員会の果たすべき役割はますます大きくなっていくものと認識しております。公正取引委員会の現在の事務局体制は一官房三部という組織、五百二十名という人員でございまして、こういった面で一層強化する必要があると考えているわけでございます。  すなわち、我が国の経済力に見合った豊かな国民生活を実現していくとともに、我が国市場を国際的により開かれたものとしていくためには、内外の事業者の公正かつ自由な競争を促進し、消費者利益を確保する必要があります。また、今後規制緩和が進展いたしますと、規制緩和後の市場において公正かつ自由な競争を一層促進するため、自由経済社会の基本的ルールである独占禁止法の適用範囲が一層広がることとなるわけでございます。また、規制緩和を推進していくためにも競争政策の徹底が必要であると思っております。  これまで公正取引委員会の機構、定員につきましては、政府におきまして行財政改革を推進している厳しい状況の中で、各方面の御理解を得て、毎年その整備充実が図られてきているところでございます。また、三月末には規制緩和推進計画の中でもメンションされている点は、先生御指摘のとおりでございます。公正取引委員会といたしましては、このように増大する行政需要に即応するため、審査部門を中心に人員の大幅増を図る必要があると考えているほか、事務局体制のあり方について検討しまして、これを強化する必要があると考えております。  いずれにいたしましても、政府全体としては行財政改革に取り組んでいる厳しい状況でございますので、これについても十分考慮いたしまして、関係方面の御理解を得られるように努めてまいりたい、このように考えております。

岸田文雄自由民主党・自由連合

○岸田委員 重要性の認識については今お話があったわけであります。公正取引委員会、独占禁止法等の重要性が再三言われるわけでありますが、例えば公正取引委員会の人員、体制を強化しようという話になると、一方で行政改革の流れの中で公正取引委員会だけ人員をふやすのはいかがなものかというような話が出まして、そういう話を聞いておりますと、どうも何か本末転倒のような気がするわけであります。  行政改革にしましても、全体の人員を減らすために規制緩和も行われるわけでありますし、そして、その規制緩和が行われるために公正取引委員会の役割が重要になってくる。そうしますと、ほかの部署においては人員を削減したとしても、公正取引委員会だけは全体の行政改革のために逆にふやすということも、十分理屈として成り立つという気がするわけであります。そういったことをぜひ公正取引委員会の関係者の皆様方にも十分認識していただいて、特にきょう御出席の諸団体の代表の参考人の方の中から、再三公正取引委員会、独占禁止法の重要性について強調される意見が繰り返されたわけであります。その辺をしっかりと受けとめて、これからの努力を期待する次第でございます。  以上、ちょっと中途半端になってしまいましたが、時間が参りましたので、参考人の皆様方に心から感謝申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。きょうはどうもありがとうございます。

大石正光新進党

○大石委員長 青山二三君。

青山二三新進党

○青山(二)委員 新進党の青山二三でございます。  本日は、参考人の皆様には、大変お忙しい中を当委員会にお越しいただきまして、数々の貴重な御意見をお伺いさせていただきまして、本当にありがとうございます。  何点か私の方からも質問をさせていただきます。  先ほども質問に出ましたけれども、政府はこのたび、平成五年二月以降の円高進展に関して、円高メリットの浸透状況について緊急調査を行いました。その結果が去る二日の閣議で高村長官より報告されたわけでございます。それによりますと、輸入品の八割が値下がりをしており、円高メリットの効果が標準世帯、大体勤労者の世帯四人ということで仮定いたしまして、九四年の一年間での円高還元が四万円くらいだ、そのように割り出しておられます。  しかし、実際にはこの円高メリットが余り感じられないわけでございまして、特に私の県内の消費者の間では、日常生活ではほとんど影響が出ていないと感じている人も多く、また、輸入品の値段が下がっていると言われても、個人的には全く実感がない、むしろ円高のデメリットの方が問題である、例えば不景気によるリストラの強化などが心配だと感じているようでございます。  そこで、昨年、公明の栃木県本部で、市町村の女性議員やまた女性党員を中心にいたしまして、県内の消費者に対して、日常生活に欠かせない食料品の円高差益還元に関する意識調査を行いました。これは県内全域の消費者二千名を対象にいたしまして、約一カ月をかけて聞き取り面接調査をしたものでございます。  このアンケートは四つの質問を設定いたしまして、第一問では、円高によって安くなったと思うものを選択してもらいました。結果は、肉と答えた人が一番多くて、次にかんきつ類が続いておりますが、食パンとかめん類など小麦や大麦を原料としたものを挙げた人は非常に少数でした。これと並行して行った価格調査では、輸入原料の値下がりにもかかわらず小売段階では逆に値上がりをしているというケースもありました。  また、第二問の、食料品を主にどこで購入しているかという調査では、スーパーが七八%を占めておりまして、小売店の一四%、デパートの六%を大きく引き離しておりました。  また、第三問では、円高による食料品の値下がりについての実感調査をいたしましたが、安くなったと思わないというのが八九・六%にも達して、ほとんどの消費者が円高の恩恵をこうむっていないと考えていることがわかったのであります。  また、アンケートの最後の設問で第四問でございますが、円高差益対策を進める上での要望や課題については、特に、物の流れが消費者にわかるようにしてほしい、また消費者の声を反映させてほしい、行政はもっと消費者や現場の声を聞くべきだ、物価モニターや消費者モニターの声が国政に反映されていない、どこかで円高差益が吸収されているのではないか、また消費者教育の徹底も必要ではないかという声が寄せられております。  こうした消費者の要望や課題、今六点ほどにまとめてみましたけれども、これらについて参考人の皆様の御所見あるいは御感想をお伺いしたいと思います。一応御発言された方に一言ずつ、全員にお願いいたします。

武者陵司株式会社大和総研企業調査第二部長

○武者参考人 消費者の実感といたしましてなかなか円高が進行するほどは物価が下がらないというのは、私どもも感ずるところではございます。  ただ、今、単純に考えましても、我が国全体で年間で四千億ドル近いドル建ての輸入額があるはずでございまして、昨今の円高によりまして、恐らく五兆円、六兆円といったかなりの規模のメリットが国全体で発生しているはずでございます。それが直ちに消費者に還元されるのか、あるいは、先ほどの経済企画庁の方からの御説明にもありましたように、一定のタイムラグを置いて還元されるのかは別にいたしまして、やはり多大な所得効果がもたらされているということは事実であろうと思います。  これは、昨今のさまざまなデフレ下の経済環境の中で、非常に明るい、景気を下支えする要因になるんではなかろうかというふうに考えております。  ただ問題だと思いますのは、そのような環境のもとで企業収益が極めて深刻な状況になっておりまして、そして企業は、みずから享受いたしました円高のメリットをさまざまなコストを負担するバッファーとして使っているという部分もあろうかと思います。ただし、そのような企業収益の状態というのは、史上空前の水準にあります労働分配率の上昇というふうなことの裏返してございまして、企業がここ数年間非常に収益的に厳しい局面に置かれているということの反面でもございます。  このように、円高のメリットは、消費者に還元されるのか、あるいは中間段階、あるいは企業サイドに留保されるのかという問題はあろうかと思いますけれども、しかし、長い目で見ますと、これが国民生活に一つの大きなプラスの要素になっているということは間違いないと思います。  以上でございます。

佐々波楊子慶應義塾大学経済学部教授

○佐々波参考人 ただいま青山先生のお話を伺っておりまして、第一番目に、円高によって安くなった商品として牛肉・かんきつを今お挙げになって、余り安くなっていない感じがするのが、お米を原料としたものとめん製品というようなことをおっしゃった。これを聞いておりまして、私の長いこと教えております経済学もまんざら間違っていないなというふうに思っております。  と申しますのは、牛肉・かんきつは、御承知のように一九九〇年代に入りましてから自由化の進んだ、いわゆる従来の輸入割り当て制度から価格に基づく制度に変換した商品でして、それが恐らく最も制限的と言われます輸入制限から関税制度、かなり高い関税をかけているんですけれども、これに変わりましたことが今回の値下がりにつながったんだろうというふうに思っております。それに反しまして、お米、小麦というのは、両方とも国家貿易品目という最も厳しい輸入制限をしている品目で、内外価格差も私どものやりました調査では最も大きいものになっております。それが第一点。  それから第二番目は、円高のマイナス、マイナスと言って、円高が景気に及ぼす影響が心配だという消費者の声ということなんですけれども、確かに成長率は非常に低下してしまって不況が深刻だと言われております。事実、失業率の上昇などが心配されているんですけれども、これがどれだけ円高によってもたらされたものなのか。本来、景気循環局面でのバブルの後遺症という面が非常に強いものですから。  ただ、とかく私ども何かぐあいの悪いことは人様のせいにするという習癖がございまして、そのバブルの後遺症というのは非常に国内的な問題を含みまして、経営者の方々その他も、円高のせいにしておいた方が無事というせいもあるのかしらという気がいたしますので、最後の問題点とおっしゃいました消費者の声ですか、今後消費者に、現代の抱えている経済の問題というのを正確に議論するのも私どもの立場と役割ではないかと痛感した次第でございます。  以上でございます。

武長脩行椙山女学園大学生活科学部教授

○武長参考人 前の二先生がいろいろおっしゃっていますけれども、私も、今の肉に関しては、最近デパートなんかでも相当安くなっておりまして、デパートもいわゆる従来のあれから大分スーパー的なことに食料品売り場なんかが変わっているというので、その点の象徴的な例としては肉等があるのではないかと思います。  いわゆる一家の台所を預かる主婦の方の実感というのがこういう形で出ているというのは、ある面では正直な実感なんですけれども、問題は、物の流れ等についてよく見えないといいますけれども、恐らく商品ごとによって流通経路が非常に異なっている。ですから、我々消費者というのは、ある高いものにどうしても着目して、それをとらえて、どうも下がっていないのじゃないかというところもあるので、それも一つ。  それからあと、平均値で見ると下がってなくて個別のある部分では下がっている、そういうものがこういう調査なんかをやりますといつも一緒に混同されるところがあると思いますけれども、どちらにしてもまだ十分でないという実感が八割以上あるということは、そういう実感は事実だと思います。  それからあと、消費者教育という観点で最後に少しおっしゃいましたけれども、これについて、本当にそういう流通機構等についての情報開示の問題は、わかりやすい形で行われることがまさに要望されると思っております。

西村功経済団体連合会経済構造問題委員会企画部会長

○西村参考人 円高差益が還元されているところと還元されていない部分と両方あるということでございますが、私が初めに冒頭陳述のところで申し上げましたように、競争が働いている分野では国内価格の方が国際価格よりむしろ安いくらいの物価安になっておって、片方では依然として物価が上がっておる。  今、全体として消費者物価が少し下がっておりますが、その中で競争的な分野では大幅に下がっております。しかしながら、サービスとか公共料金が上がっているために、全体としてなかなか下がりにくいということになっておるわけでございまして、円高差益の還元の問題につきましても、例えば耐久消費財とか衣料品、こういう分野では、企業が懸命のコスト革命によって、円高の差益が還元されている以上に値段を下げていっているわけでございます。  一方、それでは食料品がどうか。これが一番生活実感として感じられないという分野ですが、先ほどお話がございましたように、例えば牛肉のように規制が緩和され、自由化されている分野では非常に安くなってきております。しかし一方、麦に象徴されるように、いわゆるコストのプール制になっておりまして、政府が全量買い上げて、それで輸入価格は下がっているけれども国内価格と全く一緒にどんぶり勘定にして値段を維持しているという分野については、これがパンの原料になっていると思いますが、円高のメリットが消費者にとって一向に感じられないという、この仕組みをどうしても改めていかなきゃいかぬ。  消費者にとっての一番の生活実感は、食う寝るところに住むところの値段が下がるということでございます。そのためには、やはり食料品の分野について競争原理ができるだけ働くような仕組みに変えていく必要があると思います。ようやく食管法が廃止されまして新法に移るようでございますが、依然として価格支持制度は残ったままになっているということでございまして、私は、これにメスを切り込んでいただくということがどうしても必要だと思います。

日和佐信子全国消費者団体連絡会幹事

○日和佐参考人 円高差益が還元されていないという実感というのは、確かにそうでしょうということで納得できるのですけれども、ただ、円高が進んだら物価全般が下がるというものではもちろんありませんで、下がる分野、下がらない分野、そして、価格に影響を及ぼすには地域差もあるのではないかと思っております。  といいますのは、競争が激しい地域での物価の下がり方、そうではない地域という地域格差もあるわけですね。例を申しますと、静岡のある地域では安値ビールというのはもう一切売られなかった。そういう地域差。そして、それはやはり消費者の購買行動とかかわりがあるのではないかと思っています。  ですから、そういうアンケートをおとりになられて、そのアンケートの中から見えてくるものというのは、非常にいろいろなものが見えてくると思うのです。どうして牛肉やかんきつ類は下がってきたのだろう、どうして小麦を原料としたものは下がらないのかだとかいうものですとか。直輸入品はかなりの感じで下がっていますのですけれども、原材料に使用されているもの、原料のところでの下がり方というのはなかなか。ですから、加工品原材料のところではなかなか下がり切らないという分野もあるわけですね。  ですから、具体的なアンケートをもとにしてどうしてなんだろうということを追求していくように、消費者自身がそれぞれ調査、学習していくということが大事なのではないかなと思います。

井出潔在日米国商工会議所貿易拡大委員会副委員長

○井出参考人 ただいまの御質問の中で、肉、牛肉が下がり、小麦及び米製品が下がらないということは、私たちが非常に強く要求しておりました食品の自由化ができていないということの反映ではないかと思っております。  それに関しまして、規制緩和の検討の際に、経済団体連合会及び規制緩和検討委員会が、「農産物価格支持制度の将来的廃止を含む見直し、当面は支持価格水準を段階的に引き下げ」るというものが「処置困難」とされたということは、私は大変に残念に思っております。  それから、スーパーで買うという方が多いということをおっしゃられましたが、私どもが調べますと、また商売の実感としますと、実はスーパーまたは百貨店という分野は一番固定費が高いわけでございますね。  ですから、小売業態をどういうふうに見るかということで問題になりますけれども、例えば百貨店の中に、今や卸店、問屋さんが自分の小売店をお出しになっているというケースが多く見られるようになりました。それによって非常に品ぞろえもよくなり、値段も安くなる、周りのお店の人も買いに来るようになる、そういうふうな変化が起こっているということは事実だと思います。それは、今申し述べました競争の激しいところではそういうことは非常に起こっていると思います。  それから、価格が破壊的に下がったものは異形態の小売業の激しい競争が直接的な原因で、それに力を与えているのが円高ではないかというふうに思っております。これがますます進むのではないかというふうに考えております。その異形態の競争というものに接することができない地域というのが意外に多い。特に都市圏ではもう既に固まってしまっておりますから、そういうことができないということが往々にして見られると思います。それがもっと進むということを希望しております。  また、私が何回も申し述べておりますが、ジャスト・イン・タイムという、その日に持ってきなさいというふうな制度を支えている、そのような要求にこたえるためのジャスト・イン・ケースというものは、もっと合理的にするべきだという新流通体系が生まれつつある。アメリカから情報産業の手をかりて生まれつつあるということが新しい希望として言えるのではないかというふうに思っております。  以上でございます。

青山二三新進党

○青山(二)委員 それでは、今度は経済企画庁にお伺いしたいと思います。  こうした消費者の声を聞くために、去る二日より物価ダイヤルに円高差益還元一一〇番を設置したということでございますが、この設置された円高差益還元一一〇番を消費者にどのようにPRしているのか、またこの一一〇番に寄せられた消費者の声をどのように行政に反映していくのかをお伺いしたいと思います。こうした消費者の声を聞く円高差益還元一一〇番は、各県に一カ所ぐらいは設置をして、地方の消費者の声も吸い上げて積極的な対応をすべきであると考えますが、いかがでございましょうか。

谷弘一経済企画庁物価局長

○谷(弘)政府委員 今委員御指摘のように、今回の円高差益の浸透という緊急調査をいたしまして、それを受けまして、なお一層円高の差益というものを生活あるいは消費者物価に浸透させていかなければならない、まだ余地はあるというところでございまして、そういうことで、そのために情報提供、あるいは情報をいただき、また業界に返していくというようなことが重要だということで、円高差益還元一一〇番というものをこの二日から早速発足させたわけでございます。  二日というのはちょうど金曜日でございますので、その間、土、日ということで、この月、火、水、きのう、おととい、さきおとといと三日間でございますが、この間にございました苦情等の受け付け状況は十五件ございました。そのうち四件がファクスでいただいております。  内容につきましては、今おっしゃったようないろいろな円高差益が一般的な価格に反映していないという御不満、これが三件ございます。それから、もう少し突っ込んで、再販制度あるいは輸入総代理店制度そのものについて個人輸入等の関係等から苦情が来たというのが四件、それから、差益に関する詳細な情報の一般的な入手というような御依頼が七件ということでございます。  そしてまた、今これをいただいた後これからどうするかというのは、いただいた状況を見ながらやっていくわけでございます。当面、この関係する省庁に一応こういうものが出ていますよという情報を伝えるということをやっております。  それともう一つ、まとめまして、今御指摘のございましたように、全国に四千二百か三百だと思いますが、消費者モニターの方がいらっしゃいます。その方々にもう少し突っ込んで、どのように円高差益について受け取られているか、どういうところにまだ問題があるか、あるいはどういうところではその商品がどうなって、実際にはどう還元していると思っているかというような幅広い調査を少し集中的にいたしまして、それとあわせて、もう少し情報提供という側面でやっていかなければいかぬというふうに考えております。  それからまた、都道府県でございますが、現在、都道府県それから政令都市につきましては、私どもの補助金もございまして、物価ダイヤルというのを置いております。この物価ダイヤルに実際に円高差益還元に焦点を合わせて意見をいただくというような形にしてもらうことが重要だと思いますので、その辺また、都道府県が主体的にやっておりますので相談しながらやっていきたい、こういうふうに考えております。

青山二三新進党

○青山(二)委員 それではもう一点、公共料金についてお伺いしたいと思います。  公共料金の改定といいますと、ほとんどが値上げなんですね。その値上げの決定が大変早い。円高差益に伴う公共料金の値下げの決定は大変遅いように感じられるわけでございまして、これはまことに不公平だと思うわけであります。  本日の参考人の武長参考人も、それから西村参考人、また日和佐参考人もこの点については指摘されておられましたけれども、本当にこの公共料金の値下げについては積極的に取り組んでいくべきである、このように私も思うわけでございますが、その今後の取り組みについてお伺いをしたいと思います。

谷弘一経済企画庁物価局長

○谷(弘)政府委員 ただいま御指摘の公共料金、一方的に上がっているだけではないかというような御指摘、多々いただいておりますが、物価指数の中でちょっと見てみますと、先ほどの円高差益が浸透していくというようなこと、一般商品については平成六年度で〇・七%の下落をしておりますが、サービスは二%の上昇をしております。その中で公共料金は〇・九%の上昇におさまっているということで、公共料金はサービスも多うございますので、今御指摘のところが輸入で直接全部下がるというわけにはいかないというようなことでございまして、その辺で、実際に公共料金は、我々直接指数等を見ている者から見ますと、言われているよりは上がっていない、一般にサービスの料金よりは安定しているというのが実態がと思うのでございます。  しかし、努力をしなければいかぬということで、差益の還元ということが重要なテーマになっておりまして、この辺で、電気・ガスにつきましては、一昨年、二年前から暫定の引き下げというのをやっております。  さらにまた、ことしに入りまして急速な円高がございましたので、四月に取りまとめました緊急円高・経済対策という中で、公共料金の引き下げ等についても、最大限、円高差益が出たものは公共料金の引き下げに盛り込むべきであるという方向を示したわけでございます。  その中で、電気料金につきましては、具体的に円高差益の還元額をもう少し拡大して料金の暫定引き下げをやろうということで、原料としての原油の値段の上昇という側面が一つと、レートの円高の側面と二つございまして、これが逆に今動いておりますけれども、この辺の三月−五月の動きを見きわめました上で、本年の七月から還元の拡大を暫定的に実施したいということで、今の計算でございますと、多分これまでの引き下げ幅よりかなり大きな引き下げができるだろう、こういうふうに考えております。  それからまた、おっしゃったような為替レートあるいは原油価格等の大きな円高差益というようなものが迅速に公共料金に反映しないか、特に電気料金でございます。それにつきましては、一定期間ごとの燃料費の変動を自動的に料金に反映させる燃料調整制度というようなものを新たに導入したいということで、今検討を進めておるところでございます。

青山二三新進党

○青山(二)委員 それでは、内外価格差も重要な問題ですけれども、国内における価格差、私は東京と地元の栃木県を毎週行ったり来たりする生活を送るようになりましてから、特に東京と地方の物価の格差の大きいことを感じる毎日を送っております。例えば、円高で大変安くなったグレープフルーツ一つをとりましても、地方では百円ぐらいで買えますものが東京のお店に行きますと百四十八円、大体一・五倍でございまして、何を買うにも東京は高いな、こんな思いがしているわけでございます。  その他あらゆるものにこの格差を感じますけれども、特に土地と住宅の格差はそれはそれは恐ろしいほどでございます。この原因は東京の地価の高いことによるものでもありまして、一番豊かさが実感できないのがこの住宅で、世界一の金持ちの国日本の住宅はまるでウサギ小屋だと世界から言われるのがこのあたりでございます。しかし、地方に参りますと、豊かな自然の中でゆったりと大きな住宅で生活をしている人も多いわけでございます。  そこで、この過密化した東京の一極集中を分散するために、首都機能の移転について国会移転等調査会から、一昨日でございますけれども、中間報告が出されたところでございます。もし阪神大震災のような震災が東京に起きますと本当に大変なことになるなと心配をするわけでございますが、この東京の一極集中を解消する。先ほども参考人の方から、地方分権を進めて地方の活性化をすべきであるというお話もいただきましたが、ちょうど一昨日、その調査会から中間報告も出たところでございますので、参考までに、本日この委員会にお越しいただきました参考人の皆様から、一言ずつこのことについて御意見を例えればと思いますので、よろしくお願いいたします。

大石正光新進党

○大石委員長 全員にでございますね。武者陵司君。

武者陵司株式会社大和総研企業調査第二部長

○武者参考人 ビジネスという観点から東京を考えました場合に、日本は、アメリカであるとかイギリスであるとかあるいはドイツであるとか、海外の主要国に比べまして、東京における本社集中が極端、異常に集中しているというのが大きな特徴でございます。これはさまざまな要因がありますけれども、やはり行政が東京に集中しているということ、あるいは情報が東京に集中しているということなど、そういった情報の集積の効果ということが大きいかと思います。しかしながら、今日のように情報ネットワークが発達しておりまして、どこにいても瞬時に同等の情報が手に入るという時代になってまいりますと、東京に集中していることの意味がだんだん薄れてまいります。  今後考えられることは、それぞれの地方が、あるいは東京と地方が企業誘致という点においてお互いに競争をして、それぞれの最適な裁定関係が働くような環境整備ということが望ましいのではないか。ということは、やはりさまざまな規制緩和がそのプロセスで必要になってくるのではなかろうかと思います。というふうなことになりますと、恐らく地方と東京とのさまざまな情報格差もなくなってまいりますし、それから文化的な格差もなくなってまいりますし、日本全体が都市化していくという形になっていくのではなかろうかというふうに期待しております。  以上でございます。

佐々波楊子慶應義塾大学経済学部教授

○佐々波参考人 確かに、今青山先生おっしゃいましたように、地方に行くとゆったりした自然環境と住宅があるのに、うちの学校の卒業生も含めまして、どうして東京にばかり就職したがったり、また学校に来るのかしらということを考えます。  いわゆる多様化の時代に、これから地方分権等地方化というのがさらに進むのかなと思うのですけれども、その際忘れてならないのは、今地方の国際化というのが一つのキャッチフレーズにもなっておりまして、いわゆる地方の分権、地方の個性というものですね。今のように情報、交通の発達している時代には、単に日本は一つの国ではなくて、例えば九州から来ている学生が、いや、先生、久しぶりで東京に来たら成田からすごい時間がかかったけれども、福岡空港は非常に近いから、福岡からはここに来るより台湾に行く方が近いんですよなんて言っていたのです。  そのように、地方の分権化というのがさらに近隣諸国との連携、地方の国際化というような視点からも進みますことを、最近実感したお話等を含めまして、そのような視点からも分権、地方の国際化ということにも取り組んでいただきたいというふうに先生方にお願いしたいと思います。  以上でございます。

武長脩行椙山女学園大学生活科学部教授

○武長参考人 私も今、実は名古屋と東京を毎週往復していまして、青山先生のおっしゃる生活の住みよさという面では、名古屋まで行きますと地価も三割ぐらい下がりますし、非常に住みやすいと思います。  じゃ、東京がどういう点で逆にいいかといいますと、国際化もありますけれども、情報化に絞りますと、やはり情報の一極集中じゃないか。つまり、東京から情報が発信されているということで、私もついつい東京から離れられなくて、毎週通ってきたりしていろいろ情報を集めているわけです。  だから、そういう面で、これから二十一世紀、マルチメディア社会が本当の意味で進むとすれば、やはり地方まで情報化が行かなければいけない。実はそれがまだ見えないので、結局マルチメディアといってもまだまだハード中心で、いわゆるソフトというか、情報の発信型都市あるいは多中心型国家みたいなものにいかないと東京の情報一極集中は続くのではないか。私は、これを解消すべきではないかと思います。

西村功経済団体連合会経済構造問題委員会企画部会長

○西村参考人 先ほど武者さんのお話にもございましたように、東京に余りにも行政、経済、情報が集中している。その原因の非常に大きなものは、やはり中央官庁による規制の体系が集中しているということによる一極集中という面が非常に大きいのではなかろうかというふうに思います。  したがって、その規制を緩和することによってその分野が集中しなければ、結局、ビジネスの世界というのは今ますますグローバルに展開しているわけでございますから、世界のどこでそのビジネスをするのが一番効率がよいかというその競争原理によって、当然のことながら、これは日本の内部だけではなくてグローバルに、行き過ぎた集中というのはだんだんに是正されていく。もちろんこれは時間がかかりますが、是正されていくと思います。  いま一つの問題として、先ほど来問題になっております地方分権に関する問題でございます。  実は私どもの日本総研では、今、地方分権ではなくてもう地方主権の時代ですよということをアピールしているわけでございます。  これを産業構造ないしこれからの産業の活性化という観点から申し上げますと、戦後における日本の産業振興というのは、中央官庁と基幹産業がいわば一体になって、新しい分野、それから産業競争力の強化ということに取り組んできたわけでございます。これからの時代は、私はむしろ、それぞれの地方が、それぞれの地方の中での住民、企業が一体になるというとまたこれは官民癒着になるかもわかりませんが、そういう意味じゃなくて、地方がそれぞれ主体になって本当に国際的に魅力のある産業を育てていく、そういう時代が来ているのではなかろうかと考えております。  ちょっと御質問の趣旨から外れたかと思いますが……。

日和佐信子全国消費者団体連絡会幹事

○日和佐参考人 ここのところ東京の人口というのは減り続けておりまして、Iターンを含めUターン希望者というのは非常に多いわけですけれども、ただ、そこに帰っていって仕事がないのが悩みというか、問題ですね。ですから、ぜひ地方分権は積極的に進めていっていただきたいと思っております。  と同時に、地方の活性化といいますと、やはりどこも大体ミニ東京のような形で開発をされる、あるいは同じような建物が建てられるというような開発の仕方をされがちでしたけれども、住民参加によって特色のある地方開発、住民の人たちが特色ある地域をどう開発していくかということで参加をしていく地域開発というものが進められるべきではないかと考えています。

井出潔在日米国商工会議所貿易拡大委員会副委員長

○井出参考人 私は、アメリカ人の友人にたくさん同じ答えをもらったのですが、一体自分にとっての豊かさは何かというと、非常に具体的なことなのですが、職場に近いことという返事が返ってまいりました。職場が近いことというとどのくらいの距離だと言いましたら、長くて三十分だそうでございます。そうすると自分の時間が持てるということで、そういうことがどれだけ自分が文化的に豊かになれるかということの証拠だ。  また、住宅に対しての執着が非常に強いようでございます。ですから、六十平米のアパートで東京で暮らすよりも、機会があれば百二十平米の、富山県なら富山県に行く。ただし、そこに職場があればということになるとは思いますけれども、そういうことが彼らの気持ちの中にあると思います。ですから、私は地方への分権ということを真剣に考えていただきたいというふうに申し上げた次第でございます。  これにはやはり地方に行くという動機づけがなければいけないと思うのですけれども、地方の裁量が少ない、つまり税制においても中央からの交付に頼っているということ。例えば米国では、ハワイに行かれた方はよく御存じだと思いますけれども、ハワイの消費税はめちゃくちゃに高いですね。ですけれども、ほかの州に行くと、ほとんどないところもございます。そういうふうな州の裁量ということによって、州がどんどん独立していくということが必要じゃないかと思います。  ですから、今、規制緩和、ディレギュレーション・プログラムというふうに言われておりますけれども、同じようにディセントラリゼーション・プログラムというふうなものをつくるということが必要なんじゃないでしょうか。  私が一九七五年に日本の企業が進出したある町に行きましたときに、一万人の規模でございました。それは非常に田舎です。首都圏から二時間ぐらい飛行機に乗らなければ行けない田舎でございました。今そこは、九五年で十万人の都市になっております。そういうことが起こるということを確信して、リージョン、地方を興していくことが必要ではないかというふうに思います。  ありがとうございました。

青山二三新進党

○青山(二)委員 参考人の諸先生方には大変ありがとうございました。欲張ってもっともっとたくさん質問を用意しましたが、ちょうど時間が参りましたので、これで終わらせていただきます。本当に皆様ありがとうございました。

大石正光新進党

○大石委員長 竹内猛君。

竹内猛日本社会党・護憲民主連合

○竹内(猛)委員 先日に引き続いて参考人の皆様には御出席をいただき、ありがとうございました。  私は、先日の皆さんからの御指摘のあった農産物を中心とする内外価格差の問題について、関係者の皆さんあるいはまた各省庁に対しても御質問をしたいと思います。多少失礼に当たる言葉が出るかもしれませんが、それはひとつお許しをいただきたい、こういうふうに思います。  委員長が今度のこの質問で取りまとめをされると思いますけれども、その取りまとめに、農業に関連しては価格の面だけで考えることはできないというような方向をぜひ取り入れてもらいたいということを先に主張しておきたいと思います。  その件に関して関係の皆さんにいろいろな考えを交えてただしたいと存じますが、私は、先日も経団連と連合の御意見を聞いておりまして、いろいろとお話をする時間が十分にありませんでしたから、そのときに若干の意見を保留しておきましたけれども、この際はその点についても明らかにしていきたいと思います。なお、きょうここで十分に理解がいかないと思いますから、いずれ別の機会にでもまた話をしていきたいと思いますが、大体七点にわたって一遍に問題を提起いたしますから、この点についてそれぞれお答えをいただきたいと思います。  先日、環境庁が膨大な環境白書を発表され、また農林水産省は農業白書を発表されました。その中心を構成するものは、産業としての農林水産業は、安全で新鮮な食料を一定の価格で確実に消費者に供給すること、同時にまた、日本型食生活を確実にすることとともに、国民の生活環境を守るということと、国土を保全し、きれいな水あるいは緑、それから自然の景観を保持する環境保全土地利用型の農業を家族経営を中心として持続発展させるということだと思います。そういうふうに理解をします。これが第一です。  第二の問題は、参考人各位の御指摘や、六月二日、経団連の永野前会長は、新聞に発表した中で、食料に関連をして、自由化を促進しなければ、価格の据え置きをするなどとしておったならば日本の農業はやがて壊滅するであろう、こういうようなことを強調されました。したがって、規制緩和をし、それから競争の原理を取り入れて大いに努力をしなければならない。日本の農村でも農水省の指導によって大変努力をしてまいりましたけれども、海外と競争するような面積なりあるいは地価なり労賃なりというものがそれぞれの国々とは違っているというところで非常に難しい問題がある。  米はタイ、アメリカに比して何倍高いとかいうようなことを挙げております。そして、日本の農業は過保護であるというようなことも言われておりますが、こういう点に関連をしてもなかなか理解のできないところがあります。  例えば日本の米価は、やがて七月になると米価の季節に入りますけれども、昭和五十一年の米価を今でもそのまま持続をしている。米価というものはもう二十年間動いておりません。麦の価格でもかなり前の価格というものを持続しているわけです。その間に農家自身は十何%にわたるところの生産的な努力をして、価格の引き下げあるいは合理化を進めているにもかかわらず、円高・ドル安というような農業との関係については大変な問題が起こってきて、そのために今日いろいろな世論が形成をされている、こういうのが事実だと思います。  その次の点は、経団連の会長の御意見で先ほど申し上げたようなことがありまして、これに関連をして、六月六日に全国農協中央会から文書によって経団連に申し入れをしている。財界と農業団体が真っ向から対立をするというような状態が出ております。  私はこの間ドイツへ行ってまいりましたが、ドイツでは、農業政策の中で第一が減反、それから減収、それから景観の保持、そして、農業で取れない部分については工業の輸出の利益の一部を農業に還元をしていく、こういう形で、これはドイツの農林省あるいは農業連盟、日本でいえば農協ですね、こういうところ、あるいは経済界もこれに対しては一体となって進んでいるというのが実情であります。にもかかわらず、日本の場合においては、これが対立をするという甚だ悲しい状態が現実に起きている。  その次の問題は、本年二月三日の読売新聞の調査によると、一九六五年、三十年前の生活は、中の上、中の中という答えをした者が五八%あります。中の下以下が三二%。ところが一九九四年の調査においては、前者は七二・六%、後者に至っては二三・一、この残りが上ということになりますが、そのように中流の実感が定着をしている。将来は快適な環境の保全にひとつ努力をしてもらいたい、こういう生活環境ということについて要求をしているのが現状であり、意識としては中流という考え方に定着をしているというのが新聞が報道するところであります。  農業白書は、食料支出は総額六十八兆、これと同時にまた食料関係の市場、労働力は一千二百万人を雇用する大きな市場になっている、こういうふうな発表をしておりますし、食料の供給の質的な変化に伴って、米から油脂、畜産物への移行が行われているとも指摘しています。  そういう中で、食料の需給構造は外国依存型という形になっておりまして、輸入は、日本の農地でつくると現耕地の二・三倍、一千二百万ヘクタールの耕地がなければできないほどの輸入の量になっている。こういうような輸入をしている国は、世界各国、近代国家を含めて日本だけてあります。  それにもかかわらず、財界あるいは一部のマスコミ、評論家の皆さんはなお、外国に安いものがあるから買え、こういうようなことを言うことは、私は非常に残念であり、甚だ遺憾だと考えております。今、カロリーベースで四七%、それから穀物にして三〇%を割っております。後継者が少なく、高齢者が多く、このままでいけば日本の農業は壊滅をしてしまうのではないかという心配さえある。  きのうも長野県の雪深い飯山の市長に来ていただいて、あの山の中でどういう農業をやっているのかということを聞きましたが、大変厳しい中で創意工夫をして大いに努力をしていると、その形が見えました。農林省の指導にもやや問題がありますけれども、ぜひその点について、主要食料は自国で自給する、そして節度ある海外からの輸入をするという、今から数年前のジュネーブ宣言の趣旨というものをやはり生かしていくことが必要ではないか、こう考えております。  なお世界は、中国は十二億の国民がおりますけれども、ここはもう食料に対して非常に心配な状況にある。ロシアもそうであります。北朝鮮も大変米に不足をしている。そういう中で日本はこれから一体どういうようにこの農業というものを持続し、発展をさせるのかということは大変な問題だと思います。  早く整理をしろと言うから整理をしますけれども、言いたいことは全部ここで言って、それから各省からお答えをいただきたいと思いますから、もうしばらく聞いてほしい。  情報公開という問題が言われておりますけれども、先般も申し上げましたが、情報公開ということが私は意味がよくわからない。農家というものは最終価格で物を買っておりますが、鉄の基礎価格について、あるいは肥料、農業等の基礎価格について、基本価格については、これをはっきりしろと言っても、いまだにこれは企業秘密だから言えない。企業秘密というものを残しておいて最終価格で売買をする。これは対等、平等ではない。公正ではない。企業秘密ということがあるならば、これはやはり理解をしてもらわなきゃ困る、こういうふうに私は考えます。  最後に私は、農業が持っている二つの側面を主張したい。  一つは安全な食料、これを消費者に確実に一定の価格で供給する。もう一つは社会的役割、水や緑や国土の保全あるいは環境の整備、こういうようなことについては、これは一つの側面であります。食料生産というのは、これは日本のGNPからいえば二%か三%。ところが、客観的、社会的な水の保全あるいは環境、こういうものについて計算すると三十六兆円ぐらいになると言われている。水田だけでも七兆と言われておりますように、大変な生産をしていることになる。それが無償で供給をされている。  そういう農家が努力をするそのコストというものをお互いに分け合って、そして都市も農村も共生じ共存する、こういうことがこの国の政治としては大事だと思いますが、きょう御指摘の中から、ぜひこの点についてはまず最初に農水省、その次は環境庁、経済企画庁、その後で御出席の参考人の方々へ私の方からお答えをお願いしますので、ひとつよろしくお願いします。

大石正光新進党

○大石委員長 竹内君にちょっとお伺いをいたします。  ただいま御質問でありますが、各役所三省からはそれぞれ答えがあると思いますが、持ち時間が二十四分まででありますから、各参考人六人にということは時間的に無理があると思います。どのようにしたらよろしゅうございますか。

竹内猛日本社会党・護憲民主連合

○竹内(猛)委員 先ほど言ったように、まず農水省、環境庁、それから経済企画庁、それが済んだ後で、私が参考人に対してこの方にお願いします、こういうふうに言いますから、全部六名御出席の方々にお答えをしていただかないことになるかもしれません、時間の関係上。

大石正光新進党

○大石委員長 それでは今、竹内君からの御希望がありましたので、端的にそれぞれお話をいただければありがたいと思います。

渡辺好明農林水産大臣官房企画室長

○渡辺説明員 農林水産省の見解をということでございます。  基本論におきまして、農業をあるいは農山村を経済合理性のみで律するのではない、それから都市と農村、消費者と生産者は共生すべきだという御指摘につきまして、私どもは全く同じ見解を持っております。先生の御指摘にもありましたけれども、ことしの白書でも明らかにしておりますけれども、森林の公益的機能は年間三十九兆円、それから水田と畑で七兆円、これは計算によっては十二兆円という説もあるわけですが、それを年々果たしているわけでございます。こうした公益的機能といいますか、多面的機能をきちんと評価をして位置づけるということがこれからの政策の上で必要ではないかなというふうに考えます。  それから、内外価格差の問題でございます。  たゆまざる努力でコストを縮減し、消費者の安定供給の期待にこたえるということは不可欠でございまして、あぐらをかくことはできないと思っております。ただ、農業内部だけではいかんともしょうがない、そういうふうな制約要因もございます。農地価格はアメリカに比べまして百倍でございます。エネルギーコストは大体三倍から四倍でございます。労賃は多分一・五、六倍になっていると思います。そういうふうな状況の中で、農業外からのそうしたコスト形成要因についても縮減の努力がございませんと、農産物だけにしわ寄せが来るというわけにはまいらないというふうに思っております。  同時に、農家の手取りというのは、最終消費者価格を一〇〇といたしますと大体二〇ぐらいでございます。流通、加工、販売の過程でも、こうした地価なり労賃なりエネルギーの割高なコストを引き受けているわけでございますので、経済全体の構造が変わるということを期待をいたしたいというふうに考えております。

西尾哲茂環境庁自然保護局企画調整課長

○西尾説明員 農業の有する各種の多面的な機能についてのお尋ねでございますが、環境の面からお答えいたします。  もとより、自然豊かな農地や里山といったものは、農業生産の場であるとともに、片方で我が国の多様な自然環境を構成する重要な要素でございまして、千枚田のような田んぼが美しい田園景観を形成しております。また、トンボや蛍などの豊かな生物をはぐくみまして、豊かな生態系を形成するという面でも大きな役割を担うものというふうに認識しております。  このような背景のもとにおきまして、環境基本法におきましても、環境政策の大きな柱として森林、農地、水辺地等における多様な自然環境の体系的な保全を掲げておりまして、また、同法に基づいて策定されました環境基本計画におきましても、自然と人間との共生の確保という観点から、こうした農地等の自然環境の維持、形成を基本的な政策として掲げたところでございます。  私ども環境庁といたしまして、農業の基盤である農地等の自然環境保全機能ということに十分な位置づけをいたし、また、そういう理解が国民に広く浸透していくよう取り組んでまいりたいというふうに考えておるところでございます。

谷弘一経済企画庁物価局長

○谷(弘)政府委員 私どもは、物価を所管しておるものですので、食料品につきまして、欧米諸国との内外価格差は今二倍前後ということで、国民としては食料品が非常に高いという感じを非常に強く持っているということでございます。それで、円高の差益というものを生活ないし消費者に還元していく上で、この食料品の内外価格差を縮小していくということが物価から見て非常に重要な課題であるというふうに考えております。  しかし、農業あるいは農業生産者というもの、あるいはそれらのかかわる環境の問題でございますとか、あるいは消費者の鮮度志向というようなものについては、日本の農業は非常にすぐれた長所を持っている。それからまた、食料品の安定供給という側面でも十分留意しつつ、物価問題にも対応していかなければならないというふうに考えております。

竹内猛日本社会党・護憲民主連合

○竹内(猛)委員 もう時間が来ていますけれども、一つだけ経団連の西村参考人から御意見をいただきたい。

西村功経済団体連合会経済構造問題委員会企画部会長

○西村参考人 先ほど経団連の永野さん、永野さんとおっしゃいましたが、これは日経連の永野さんじゃございませんですか経団連の会長ではないと思いますので。  それはともかくといたしまして、私の今の御質問に対するお答えでございます。  初めに、農産物については、値段のことももう少し考えてもらいたいというお話がございましたが、私の立場から見れば、せめて値段のことをもう少し考えてもらいたいというふうに申し上げたいと思います。といいますのは、内外価格差の中で国際的な値段に比べて余りにも割高になっているのがやはり農産物ということでございまして、そこで先ほど、日本の場合、農業は例えば土地の広さとか規模の問題とか、いろいろございました。確かにそういうハンディキャップはあると思います。  しかしながら、私は、生産性の問題は必ずしも規模の問題だけではないと思います。これからの農業について技術革新という視野、そういう角度が余りにもどうも取り上げられていないという気がいたします。生産性を上げていくためには技術革新が必要でございまして、前回も申し上げましたとおり、私は、農業というのは、アグリビジネスというのは本来最も先進国にふさわしい産業であって、先進国として農業の生産性が国際的に低いということは、実は非常に恥ずかしいことじゃないかというふうに考えております。  それからいま一つは、前回も申し上げましたが、コストのディスクロージャーの問題でございまして、公共料金のようにコスト積み上げ方式で、しかも当局が認可されるような種類の料金については、これはやはり公正なコストのディスクロージャーが必要だと思います。しかしながら、民間の企業は、一般の一つ一つの商品に関する限り、これはマーケットプライスで勝負をするわけでございます。コストの積み上げでは企業は負けてしまうわけでございます。  したがって、初めにマーケットプライスありきで、猛烈なる厳しいマーケットプライスの中で、後で一体どうやってコストをその中におさめるかというのは、これは大変な企業努力の中でやるわけでございまして、この手のうちを全部明かしてしまえば競争に負けてしまうわけでございますから、したがって、初めにマーケットプライスで競争している一つ一つの個別商品について、そのコストがどうなっているかということをディスクローズしろというのは無理でございます。  しかしながら、企業は、企業全体としての人件費が幾ら、原材料費が幾ら、販促費が幾らという情報の公開はきちっとやっているはずでございますので、それ以上の競争商品については、個別商品のディスクローズは簡単にはできないということをお答えしておきたいと思います。  それから、初めにお尋ねになりました、確かに農業が国の環境問題とか安全問題、これと非常に深いかかわりがあるというのは当然だと思います。私どもは、農業について完全自由化をしてほしいということは一言も言っていないということでございます。しかし、私どもが主張しております自由化、規制緩和というのは、あくまでも価格に対する規制、それからマーケットに対する参入の規制でございます。いわゆる経済規制です。その他の社会的な規制である安全規制とか環境規制については、これは当然強化すべきものもあると思いますし、守るべきものもあると思います。  ただ問題は、安全とか環境ということに籍口して、実際は事実上は経済的規制になっているものもかなりございまして、これが国際的に非常に大きな摩擦を起こしている、日本に対していろいろな摩擦の原因になっているということも実は事実でございますが、この規制の中身について、本当に安全のために、環境のために必要なのか、そのためにはむしろ強化しなければいかぬということまで含めて、きちっと規制の中身の洗い直しが必要であろうというふうに思います。  どうもありがとうございました。

竹内猛日本社会党・護憲民主連合

○竹内(猛)委員 もう時間がないために、御出席の皆さん一人一人にお伺いできなくて、大変恐縮でした。また、私の質問について言い足りない面もあったと思います。その点についてはまだ別な場所で時間をかけてゆっくり話をしないと、誤解を生じたら大変恐縮ですから、きょうはこれでおしまいにしますが、委員長、ぜひこの農業というものは価格だけで内外価格差云々ということを言わないように、ひとつこれは価格外の、つまり社会的な面も取り入れてもらうことを強く要請をして、終わります。  ありがとうございました。

大石正光新進党

○大石委員長 矢島恒夫君。

矢島恒夫日本共産党

○矢島委員 参考人の皆さん、二度にわたって本委員会への御参加、本当に御苦労さまでございます。  私、まず日和佐さんにお尋ねしたいのですが、円高差益還元の問題であります。前回の御意見でも、電気料金のいわゆる差益還元の問題では、棚ぼた式に得た利益は消費者に戻すべきだ。私もまさにそのとおりだと思うわけです。  先ほど物価局長からも御説明がございました。電力十社は電気料金については九三年十一月から暫定的な値下げをした、さらにこの七月以降、標準家庭で平均で約十四円追加値下げという発表がありました。どうも局長が言われる相当の還元と言えるかどうか疑問なのですが、その点について御意見があれば。  さらに、今回還元するというこの差益は、九四年以降の計算によるものだ。三月以降円高がさらに進んだのでこのような追加の差益還元を行う、このようですけれども、電力各社はそれ以前の円高差益も相当あるわけですね。九五年三月期決算を見ますと、東京電力、関西電力、中部電力など、いずれも経常利益は相当伸びております。そのことを考えますと、九四年以前の円高差益も消費者に還元すべきだと私は思うのですが、御意見がございましたら。  もう一つは、電気料金というのは、大口需要家、いわゆる大企業向けは割安になっております。家庭用料金との格差が大きいわけであります。そういうことを考えますと、この還元に当たっては、円高の被害を最も直接深刻に受けている消費者だとか中小企業だとか、こういうところに手厚くすべきではないかと思いますけれども、これらについて御意見を例えればと思います。

日和佐信子全国消費者団体連絡会幹事

○日和佐参考人 公共料金の円高差益、これで十分かという御意見なのですが、下げ幅の決定の仕組みが果たしてどうなのかという問題になってくるわけですね。この十四円、ほぼ平均十四円というのが妥当な数字なのかどうかということの判断はなかなか難しいと思っております。  なぜかといいますと、それはたびたび出ておりますけれども、きちんと納得のできる情報の公開がされているかどうかということにかかわってくるわけでして、その分野においては必ずしも十分ではないというふうに思っております。先ほどもお話がありましたが、棚ぼた式の利益がどこかに隠されているのではないかというのは、これは一般の物価のどころではなく、こういう分野で言われている問題ですね。ですから、それはないのだということの納得できる数値を公表してほしい、開示してほしいと思っております。  それと、料金設定の問題で、以前の円高差益も還元すべきではないかという御意見でございました。やはりこのことも今申し上げた情報の開示の問題とかかわっできます。  電力料金の価格設定の問題そのものが今総括原価方式で、コストに利益を積み上げて料金が設定されるということで、常に円高差益という観点では価格引き下げがされるわけですけれども、これは全く料金設定の問題とは別個の問題なわけですね。降ってわいた利益の還元、単純な利益の還元という観点で、それとは別個に価格設定の問題というのがあるわけですね。  その価格設定の問題については、そこのところをもう少しきちんと検討し直す必要があるということで、下げるための議論ということではなく、今までは上げるための議論でしかなかった。これをどうやって下げさせることができるかという議論はされたことがないわけですけれども、そういう料金設定の仕組みについて基本的に考え、検討し直さなければならないと考えております。ですから、これは、全く単純な円高差益で得たものを還元するという問題とまた大きく別個の問題があるということですね。そういうふうに考えております。

矢島恒夫日本共産党

○矢島委員 もう少しお聞きしたいなというのがあるのですが、では次の質問に入ります。  井出さんにお聞きしたいのですが、前回の御発言の中で以前のアメリカの不景気に触れられまして、今は立ち直って調子がいいからよくなった、しかし、高額所得者と低額所得者の差、いわゆる貧富の差、これが拡大しているという問題などがある、こういうふうにお聞きしたわけですが、これまでこの委員会でも規制緩和につきましては種々論議されてまいりました。  それで私、前回、三十日の政府への質問のときにも引用したのですが、ここに「規制緩和という悪夢」という表題で、これは昨年の八月号なのですが、文芸春秋が特集を組んでいるのですね。これは日米同時取材という形で、一九八〇年からのアメリカの不況の問題を取材しているわけです。  時間の関係で全部御紹介できませんが、その中で規制緩和の壮大な実験ということで、一九七八年の航空業界の自由化、これを皮切りにいたしまして、天然ガス、石油、トラック運輸、鉄道、電信電話、金融、ケーブルテレビ、こういった分野で規制緩和を進めていったわけです。ところが、その結果として、例えて挙げられているのは航空業界の問題が中心に挙げられていますので、そこだけ御紹介しますと「予測した事態とはまったく違った驚くべき変化が次々と現れた」、こう書いているわけです。  その一つは、「恩恵をこうむるはずだった小さな都市は、逆に運航が打ち切られ、交通手段を失った。」その数は、百四十三都市にもなった。こういう記載があります。それから、寡占というものが進行する中で、例えばイースタン航空など新規参入の航空会社がばたばたとつぶれた。富の集中が起こる。失業率も、八〇年、八一年、八二年と増大していった。それから一時下がったけれども、結局規制緩和以前の四%台には戻らなかった。こういう記載もあります。  この記事の結論というのは、アメリカが規制緩和をした状況とそれから日本の現在の状況の相違というのは認めながら、「日本人が嘗めることになるであろう辛酸は、アメリカの人々が八〇年代に誉めた辛酸よりもさらに辛く耐えがたいものになる」であろうというのを結論にしているわけです。  そこでお尋ねするわけですが、一つは、アメリカの航空業界を初めとした規制緩和についてどのような印象をお持ちなのかという点です。  それからもう一つは、日本の場合も雇用失業問題が深刻になるだろうと思います。永野日経連会長も、失業者は数百万人から千数百万人といった規模になるだろう、こういう御発言があります。この点についてどうお考えになるかということ。  そして、私はこういうアメリカの轍を踏んではならないと思いますし、規制緩和によって中小企業や庶民が多大の犠牲を受けて、大企業や富める者がほくそ笑むというような事態は招いてはならないと思うのですが、この杞憂、批判についての御意見を承れればと思います。

大石正光新進党

○大石委員長 井出潔君。  なお、井出参考人にお願いいたします。  本日は一時から本会議でございまして、時間的に延長することが不可能のような状況でありますので、簡潔に御質問にお答えいただければと思います。

井出潔在日米国商工会議所貿易拡大委員会副委員長

○井出参考人 私は、貧富の差が広がったとかそういうことは申し上げましたけれども、同時に、アメリカが八〇年代から元気になったということも事実だと思います。  それで、米国の航空会社の問題ということになりますと、おっしゃるとおりさま変わりでございますけれども、アメリカの航空会社を利用する利用客としては、日本の航空運賃に比べてはるかに安いものを運ぶ。それで発着の時間を正確にするというサービスをしている。つまり、交通機関が持たなければいけない基本的なものは提供しているということに徹して、中のサービスはもっと悪くなりましたけれども、そういうことはいいことだと思います。  それから雇用の問題、これはずっと大統領も非常に真剣に考えておる問題でございますけれども、シフトはどんどん起こっていると思います。そのシフトによって今まで高い給料をもらっていたのが安くなるけれども、生きていけるというものは確実に確保しているというふうに思います。  三番目の日本がアメリカの轍を踏まないということに関しては、これはおっしゃるとおりであって、日本は日本なりのものがあると思います。そのことをどういうふうに解決すべきということは、私ども米国商工会議所その他がもっともっと会話を広げていって、それで積極的にアメリカ大使館、米国政府、米国議会に働きかけるつもりでございます。  ちなみに、六月からアメリカ議会その他を訪問して、日本の問題に対して意見を具申するつもりでございます。  以上でございます。

矢島恒夫日本共産党

○矢島委員 武長先生にお聞きしたいのですけれども、前回また今回の御発言の中でも公共料金の問題が述べられました。この間、公共料金の値上げが家計に対しては一兆七千九百億円負担になるというお話も承りました。また、日本とアメリカの公共料金の格差というものもお聞きいたしました。  そこで、今問題になっている私鉄運賃の値上げ問題なのですけれども、今回の値上げ申請というのは、大手私鉄十四社平均で一九・七%と出されたわけです。既に与党内でもそれから物価安定政策会議の特別部会でも、いろいろと条件をつけながらも値上げを認めるという意見を出しております。そしてきょう運輸審議会が答申を出しました。内容は、平均一四・七%、九月一日から実施、こういうような内容だろうと思います。あすの物価対策閣僚会議で決定される方向だということです。  そこで、一つは、公共料金の問題はこの委員会でもいろいろと論議になりましたけれども、この大幅値上げはさらに公共料金値上げを大きく加速させて、国民生活に大きな影響を与えるのではないかという心配があるということ。  それから二つ目は、運賃値上げの理由として、輸送力の増強、混雑緩和対策とかあるいは輸送サービスの質的改善のため、こういう理由を上げているわけですけれども、前回、九一年の十一月に値上げされたときにも同じようなことを言っていました。ところが、その後、混雑は依然として緩和されていないし、今度の申請の資料を見ましても、各社の今後の混雑率を見ますと、来年になるともっと逆に悪化するなんという区間が出てくるわけなのですね。そういう問題があるのではないか。  そして同時に、利用者の立場からいいますと、複々線化するとかあるいは大規模の工事をやるから前倒しで運賃に乗せる、こういう特定都市鉄道整備促進特別措置法というものがあるわけですが、これが問題ではないかと思うのです。というのは、実際に乗る人でその運賃を払っておきながら、せっかく整備できたときにはもう転勤だとかあるいはもう学校を卒業したとか、利用しなくなってしまうわけです。そういうことが多いわけです。そうすると、いわゆる改善路線の利便性というものを受けることができないという不合理があるのではないか。  これらの点について御意見があれば承りたい。

大石正光新進党

○大石委員長 武長参考人にお願いいたしますが、端的にひとつよろしくお願いいたします。

武長脩行椙山女学園大学生活科学部教授

○武長参考人 今の公共料金は、たくさんあるわけですが、基本的に今のこの不景気の中で公共料金を上げるということは、やはりまた消費の、何というのですか一種の抑制効果になるので、少なくともしばらく凍結、あるいはもう少し時間をかけるべきではないか。第一ですね。  次に私鉄の運賃に関してですが、私も地方と東京と往復していまして、地方の私鉄は結構あれはそんなに込んでいないのですね。ですから、東京問題あるいは大都市問題ではないか。とにかくそこにおいてこれだけたくさんの人間が乗っているわけですから、それに関してはもうちょっと待って、景気がよくなった段階ですべきではないか。やはり抑制効果が働くのではないかと思っております。

矢島恒夫日本共産党

○矢島委員 時間が来ましたので、参考人の皆さん方にお礼を申し上げて、質問を終わりたいと思います。  終わります。

大石正光新進党

○大石委員長 これにて質疑は終了いたしました。  この際、委員長から、締めくくりとしてこのたびの調査の概要を取りまとめて申し述べたいと存じます。  内外価格差の是正は、我が国が自由貿易体制のもとにおいて国際社会の一員としての役割を果たしつつ、安定した経済成長と豊かな国民生活を実現していくためには、避けて通ることのできない課題であります。このため、本委員会としては、経済や消費者問題の専門家及び関係団体の方々から率直な意見をお伺いするとともに、質疑を行い、また、経済企画庁長官、公正取引委員会委員長初 め関係省庁に対しても質疑を行ったところであります。  内外価格差が生じている要因としては、近年における急速な円高の進行、公的規制や取引慣行などによる輸入障壁や競争の阻害、貿易財部門と非貿易財部門との生産性の格差などが指摘されました。  また、内外価格差は、産業の空洞化や低生産性産業の温存、長期的な経済成長率の低下など、我が国経済に深刻な影響を及ぼすおそれがあるとの観点から、戦後五十年を経て転換期を迎えている我が国の経済社会システムを再構築する必要があるなど、内外価格差の是正についてのさまざまな考え方や方策が提案され、さらに、内外価格差の是正に伴って生ずるおそれのある賃金、雇用問題や新しい産業による雇用機会の創出、食料品の内外価格差と我が国農業の担う役割などについての発言がありました。  消費者に関しましては、消費者に対する正確な情報の提供とその活用、賢い消費者を育成するための消費者教育の推進などの提案がありました。もとより、消費者といいましても、生産活動に従事する場面では生産者となり得るのでありますから、国民を消費者と生産者とに二分して考えるべきではありませんが、経済の動きなどにも目を配りながら、みずから賢い消費者になるように努めるとともに、みずからの責任でみずから判断するという生活態度を実践することが肝要であるなどの発言がありました。  以上、これまでの調査の概要を申し上げましたが、政府におかれましては、本委員会における論議を踏まえ、内外価格差の是正に向けて今後とも引き続き努力されますようお願いしておきたいと存じます。  また、本委員会といたしましては、今後とも、物価問題等国民の消費生活に関する諸問題について、国民によくわかり、よく見える議論を進めていきたいと存じておりますので、委員各位並びに関係者の御協力をお願いいたします。  最後になりましたが、参考人各位には、御多忙中のところ再度の御出席をいただき、まことにありがとうございました。委員会を代表して重ねて御礼を申し上げる次第であります。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時四十八分散会

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