消費者問題等に関する特別委員会 第7号
- 発言数
- 157 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1995/05/30
会議録
○大石委員長 これより会議を開きます。 物価問題等国民の消費生活に関する件、特に内外価格差問題等について調査を進めます。 まず、内外価格差問題について、経済企画庁及び公正取引委員会より説明を聴取いたします。高村経済企画庁長官。
○高村国務大臣 我が国の内外価格差問題につきまして、その現状と要因を御説明するとともに、価格差の是正、縮小に向けての所信を申し述べたいと存じます。 我が国経済は、物価の安定に関しては総じて良好な成果をおさめてまいりました。しかし、物価水準で見ると他の先進諸国と比べても割高となっており、このことが内外価格差問題として国民が生活の豊かさを実感できない大きな要因となっております。また、生産面から見ると、内外価格差問題は我が国の高コスト構造と表裏一体をなしております。 去る五月二十六日に公表いたしました経済企画庁で実施している生計費に係る内外価格差調査によると、東京の物価水準は、一九九四年十一月時点で、ニューヨーク、ロンドン、パリ及びベルリンと比較して、四割から五割程度割高となっております。東京の物価上昇率は各都市に比べおおむね低く推移しているため、生計費で見た購買力平価は着実に向上しておりますが、為替レートがそれ以上に大幅な円高となっているため、内外価格差は拡大してきているのが現状であります。このように内外価格差の拡大している背景には、最近の為替レートが経済の基礎的条件から大幅に乖離して推移していることが大きいと思われます。 我が国における内外価格差の特徴は、全般に内外価格差が拡大しているということだけではなく、分野ごとの内外価格差のばらつきが大きいことが挙げられます。特に衣食住という基礎的な消費にかかわる分野、また、中間投入の分野でもエネルギー、産業向けサービスなどにおいて内外価格差が大きくなっております。 内外価格差を是正、縮小させるためには、まず、貿易財にかかわる輸入を制限している諸制度や各種規制等を排除することによって、より多くの貿易財の価格水準を国際価格に近づけることが必要であります。加えて、国際的な競争が起こりにくいため、海外との価格差が大きくなっている非貿易財についても、貿易財とともに内外価格差を極力是正、縮小することが不可欠であると考えております。 今後の内外価格差の是正、縮小に向けた対応に当たっては、我が国の物価のより一層の安定を通じ、購買力平価を着実に向上させていくことが重要であります。そのためには、産業ごとのコスト構造の違い、産業間の生産性の格差、諸外国とのこれらの比較等を踏まえ、我が国経済が抱える高コスト構造や競争環境のゆがみ等の個別分野ごとの要因を明らかにし、その見直しを図っていくというミクロの観点からの対応が必要となっています。 こうした観点から、昨年九月以来、物価安定政策会議の物価構造政策委員会において、住宅、衣料・化粧品、食料品、サービス、エネルギー、物流、建築・土木、生産財全体の分野について、内外価格差の是正、縮小のための具体的な対応策を検討していただいているところであります。 政府としては、こうした検討も踏まえ、消費者・生活者重視と同時に、我が国経済の高コスト構造是正の観点から、個別分野ごとに内外価格差の実態調査を進め、その要因を明らかにしつつ、競争環境の整備や輸入拡大に向け、規制の緩和や独禁法の厳正な運用、競争制限的な取引慣行の是正等の具体的な対応を進めてまいります。 また、公共料金につきましては、国際的な観点 から、コスト構成等の検討を行いつつ、規制緩和を推進する中で、一層の生産性向上に努めることが必要であり、今後とも公共料金の内外価格差の実態把握に努めるとともに、公共料金の適正化を図ってまいります。 内外価格差問題は、国民が生活の豊かさを実感できない大きな要因であるだけでなく、現在の日本経済が直面する構造問題のあらわれであり、広範な取り組みが必要であると考えます。 本委員会の皆様の御支援と御協力を切にお願い申し上げる次第であります。
○大石委員長 小粥公正取引委員会委員長。
○小粥政府委員 公正取引委員会における内外価格差問題への取り組みについて御説明申し上げます。 当委員会といたしましては、内外価格差が生じる要因として、公正かつ自由な競争を阻害する独占禁止法違反行為がある場合には、同法を厳正に運用してこれを排除するとともに、政府規制等の見直しを通じて市場メカニズムが有効に機能する分野を拡大することが、内外価格差の是正を図る上で重要であると考えております。 このような観点から、当委員会は、従来から内外価格差問題に積極的に取り組んできたところでありまして、先般策定された緊急円高・経済対策においても、独占禁止法の厳格な運用を行うこと等が盛り込まれたところであります。当委員会といたしましては、今後とも、次のような施策を講じることにより、内外価格差問題に取り組んでいくこととしております。 まず、内外価格差の要因となり得る輸入制限、並行輸入不当阻害、価格カルテル、再販売価格維持、入札談合等の独占禁止法違反行為に対して厳正に対処することが重要と考えております。このため、本年三月に当委員会の審査部に輸入制限、内外価格差問題等を専門的に担当するタスクフォースを設置したところであり、同タスクフォースを活用することにより、輸入制限行為や内外価格差の要因となっている独占禁止法違反行為の積極的排除に努めていくこととしております。 また、内外価格差の要因の一つとして競争阻害的な民間取引慣行が指摘されているところでありますが、当委員会は、従来から流通・取引慣行や企業間の継続的取引に関する実態調査を行い、これに基づき、競争政策の観点から問題点を指摘し、その是正を図ってきており、現在、消費財の販売実態、中間財の企業間取引等について調査を行っているところであります。 さらに、独占禁止法違反行為の未然防止を図るため、ガイドラインを作成、公表することが重要と考えており、平成三年七月に公表いたしました「流通・取引慣行に関する独占禁止法上の指針」等の各種ガイドラインの一層の周知徹底に努めてまいります。また、「事業者団体の活動に関する独占禁止法上の指針」の改定作業を進め、平成七年中に新たな指針を策定し、参入制限行為等を含め、事業者団体による独占禁止法違反行為の未然防止に努めることといたしております。 政府規制制度の見直しにつきましては、従来から公的規制に係る経済実態についての調査を行い、政府規制等と競争政策に関する研究会を開催し、競争政策の観点から、規制の見直しを含め規制緩和のための所要の提言を行ってきております。現在、同研究会において、流通に係る政府規制について検討が行われているところであります。また、規制緩和後におきまして、当該分野における独占禁止法の厳格な運用を図ることは当然のことでありますが、規制にかわって競争制限的な行政指導が行われることのないよう、平成六年六月に公表いたしました「行政指導に関する独占禁止法上の考え方」の趣旨を踏まえ、関係省庁と事前に所要の調整が行われるよう図ってまいります。 また、個別法に基づく適用除外カルテル等制度について、平成十年度末までに原則廃止する観点から見直し、平成七年度末までに具体的結論が得られるよう取り組むとともに、その他の適用除外カルテル等制度についても引き続き必要な検討を行ってまいります。再販売価格維持制度につきましては、平成十年三月末までに、すべての指定商品について取り消しのための所要の手続の実施を図り、また、再販適用除外が認められている著作物についても、その範囲の限定、明確化を図ることとしております。 当委員会といたしましては、以上御説明しましたような施策を実施することにより、引き続き内外価格差の是正に向けての取り組みを強化していくとともに、先般決定された規制緩和推進計画にありますように、我が国経済における公正かつ自由な競争を一層促進することにより、我が国市場をより競争的かつ開かれたものとするとの観点から、競争政策の積極的展開を図っていく所存であります。 今後ともよろしく御指導のほどお願い申し上げます。
○大石委員長 以上で説明は終わりました。 —————————————
○大石委員長 次に、質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小野晋也君。
○小野委員 本日はちょうど消費者の日ということに当たります。これは、昭和四十三年五月三十日に消費者行政の基本法というべき消費者保護基本法が公布されたことにちなんだものでございまして、以来、きょうで二十七年の年月を経てきたということでございます。ちょうどこの日に当たりまして、現在の日本の消費者問題の中で最も大きな課題と考えられております内外価格差問題を中心に、当委員会で取り上げていくということに不思議な御縁を感じますと同時に、これまで長い間にわたりまして消費者行政にお力を注いでこられました皆さん方に深く敬意を表しておきたいと存じます。 さて、この消費者保護基本法第一条でございますけれども、「目的」として次のようなことが記されております。第一条 この法律は、消費者の利益の擁護及び増進に関し、国、地方公共団体及び事業者の果たすべき責務並びに消費者の果たすべき役割を明らかにするとともにその施策の基本となる事項を定めることにより、消費者の利益の擁護及び増進に関する対策の総合的推進を図り、もつて国民の消費生活の安定及び向上を確保することを目的とする。そして「国の責務」といたしまして、第二条には国は、経済社会の発展に即応して、消費者の保護に関する総合的な施策を策定し、及びこれを実施する責務を有する。となっておりまして、この点の具体的な施策といたしまして、第七条には「危害の防止」、第八条には「計量の適正化」、第九条には「規格の適正化」、第十条には「表示の適正化等」、そして第十一条には「公正自由な競争の確保等」というような各種施策を国がとっていくことを求めているわけであります。つまり、国は消費者の安全を守り、さらに自由公正な商品選択を行えるような状況を整備し、そして、消費者の利益をできる限り増進させていくということについての責務を負っているという基本法の精神であります。 ここで消費者行政の主務大臣に当たります経済企画庁長官に、改めまして、今も決意のほどごあいさつにございましたけれども、消費者対策行政に向かわれる御決意をお伺いしたいと思います。 加えまして、一度にちょっとお伺いさせていただきたいのですけれども、先ほど来問題になっておりました内外価格差問題でございます。一九九四年十一月時点において、一ドル百二円のときでありますけれども、ドルベースで購買力平価が百五十五円、その後円高が急進をいたしまして、現在約八十五円ということであろうと思いますけれども、この状況で購買力平価を評価すれば、恐らく今百七十円くらいの購買力平価になるのではなかろうかと思います。 このあたりを考えますと、日本の消費者はアメリカ人に比べて同じものを七〇%も高い値段で買わなくてはならないという状況に置かれているわけでございますが、消費者保護の観点から考えまして、非常に大きな問題であると言わざるを得ないだろうと思います。この点に関しましても経済企画庁長官の内外価格差問題についての御認識をお伺いさせていただきたいと思います。
○高村国務大臣 今、国民一人当たりの名目所得が世界第一位になった、そういうようなことも言われますが、国民がそれにふさわしい生活の豊かさを感じないということが大きな問題であります。そういう中において、生活者重視、消費者重視の経済社会をつくっていくということは大変重要なことで、消費者保護基本法の精神を実現していくということはますます大切なことだ、こういうふうに考えております。 ことしの七月に製造物責任法が施行されるわけでありますが、消費者の自己責任というのは、そういう状況の中でますます必要になってくると思うのです。やはり自己責任といっても、それなりの自己責任を負うだけの資質を消費者が持たなければいけない。そういうことで消費者教育ということも必要でしょうし、どんなに資質があっても、情報が提供されないで責任だけ食えと言われても、消費者はたまったものではないわけでありますから、そうした自己責任ということが特に言われるようになった今、国がやるべきことの最も大きなことは、消費者教育とかあるいは個別の情報提供とか、そういうことが大いに必要になってくるのだろう、こういうようなことを考えております。 それから内外価格差でありますが、為替が高くなったから購買力平価が百七十七円になった、これはちょっと私は理論的に違うのだと思いますが、為替が高くなったことによって内外価格差が広がったことは御指摘のとおりだと思います。為替が急速に円高になったのにふさわしいだけの物価の下落が見られない以上、内外価格差はそれだけ広がったということは事実であります。 内外価格差がなぜ広がるのか。日本の物価は世界の中で一番安定していると言っても間違いないぐらい安定をしております。そして購買力平価もそれに伴って改善をしているわけであります。それにもかかわらず内外価格差が広がるというのは、その購買力平価の改善をはるかに上回るスピードで円高が進むということでありますから、一つには今の為替を反転させるということが内外価格差を縮めることになるわけでありますが、為替を前提として考えれば、やはり円高が進むのと同じスピードで購買力平価を進める、これはなかなか大変なことでありますが、そういった方向の努力をしていかなければいけない。 何がその阻害要因になっているかといえば、それは市場で自由な競争ができない、自由な競争環境が整えられていないということが価格硬直性をもたらしているのだと思いますから、そういった原因になっている規制の存在だとか、あるいは独禁法違反行為の存在だとか、あるいはそういった競争制限的な取引慣行、そういった要因を取り除く努力をしていかなければいけない、こういうふうに考えております。
○小野委員 先ほど長官が言われましたとおり、これから自由な市場というものを目指していくということを考えてまいりますならば、これは当然のこととして、社会の中における構成員の自己責任、また自己判断というものが尊重されてくるわけでございますから、消費者の教育の問題、また情報提供の問題、非常に消費者行政というのも広範にわたる行政分野の一つかと存じますが、その取りまとめの官庁として、またその大臣として御活躍をお願い申し上げたいと存じます。 それで、先ほど、市場で自由な競争ができるだけ行えるようにというようなことでのお話でございましたけれども、これを取り締まっておられると申しますか、一般市民の立場で判断をされて、自由で公正な市場が形成されるように、消費者自身が努力もしなければいけないわけですけれども、おのずからこれには限界があるわけでございまして、その取り締まりを公的公平な立場で行っていただく立場の官庁が公正取引委員会ということになろうかと思います。 同趣旨の質問になるわけでございますが、公正取引委員会委員長におかれまして、独占禁止法による取り締まり等を通して消費者保護に取り組まれていかれるその御決意について、最初にお伺いをさせていただきたいと存じます。
○小粥政府委員 ただいまいろいろ御議論がございましたけれども、我が国経済が、申すまでもなく国際的にも大変大きな地位を占めているわけでありますが、国民一人一人が豊かさとゆとりを実感できるように、ただいまも再三御指摘がありました消費者を重視した経済社会の実現を図ること、これが最も重要な政策課題となってきているわけでありまして、私ども、そのためにも、公正かつ自由な競争を促進することは消費者の利益を確保する上で基本的な条件になるものと考えておりますし、先ほどの御質問にもございましたように、消費者保護基本法におきましても、消費者の保護に関して国が講じるべき基本的施策の一つとして、公正自由な競争の確保を明示しているところでございます。 また、御案内のように、昭和二十二年にできた独禁法でありますけれども、独禁法の第一条の目的規定には、公正自由な競争を促進することによって、それが消費者利益の確保に結びつくんだということを、これも高々とうたいとげているわけでございます。 そこで、先般閣議で決定されました規制緩和推進計画の中でも、これも御案内のように「競争政策の積極的展開」、これが重要な項目として特に掲げられているわけでありまして、いろいろな意味で競争政策の果たすべき役割が大きくなっていることを端的にあらわしているものと理解をしております。 このため、私ども公正取引委員会は、円高メリット等の還元と豊かな国民生活の実現を図る観点から、国民生活に密接な分野における独占禁止法違反行為の積極的排除に努めてきているつもりでありますけれども、ごく最近、この一環といたしまして、先ほども御報告申し上げましたが、輸入阻害や内外価格差の原因となるような独禁法違反行為を積極的に排除するための取り組みを一層強化するために、この三月でございますが、輸入制限、内外価格差問題などを専門的に担当するいわば機動班と申しますか、タスクフォースを設置して活動を開始したところでございます。 また、商品、サービス、その販売方法、これが大変多様化している昨今でございますけれども、消費者に提供される情報の内容の適正化を図ること、これはただいま企画庁長官の御答弁にもございましたが、私ども極めて重要と考えておりまして、公正取引委員会といたしましては、御案内のように、景品表示の適正化を図るための特別法も私どもは所管をしておりますけれども、消費者の適正な商品選択を妨げるような不当な表示を積極的に排除してまいりたい、こんなふうに考えております。 以上、概括的に申し上げましたが、このような取り組みを含めまして、今後とも、一般消費者の利益を確保する観点から、競争政策の適切な運営を図ってまいりたいと考えております。
○小野委員 消費者行政をめぐります法の番人の公正取引委員会の皆さん方でございますので、御活躍をお祈りを申し上げたいと思います。 実は、この質問に立つに当たりまして、幾人かの有識者の皆さん方、また企業の皆さん方が内外価格差問題に対していろいろな影響を受けている部分もあるだろうということで、私ども企業の皆さんにも御意見の聴取をさせていただきました。 その中で、私自身が当たったそれぞれの方から感じましたのは、内外価格差問題に対する痛みを余り日本国民は感じておられないのではないかということでございました。 具体的に申し上げますと、ある輸出関係の企業の方でございましたけれども、輸出に当たって、円高がどんどん進行するということは輸出品が売れなくなって困る、また、日本の国内における生産の価格を大幅に引き下げる努力が大変だから困る、こういう視点の意識は非常に強いものがあるわけでございますが、内外価格差が生まれていることに伴って、自分たちの生活がどういうことになっているかというような部分については非常に意識が薄いというのが率直な感想でございました。 先ほど申しましたとおり、購買力平価について、長官からは百七十という評価はいかがなものかというお話がございましたけれども、日本における平均物価がほとんど横ばいの状況であって、円高の方が十数%昨年の十一月から比べて上がってきていることを思いますならば、恐らく百七十に近い購買力平価が今計算したら出てくるのではないかというのが私の感じでございます。そうなりますと、アメリカに住む人から見てみれば、日本の国民は七〇%に近い消費税を支払っているのと同じような実感になるのではなかろうかというように思えてならないわけであります。 数年前の選挙等では、三%の消費税を導入するということに際して、これは非常にアレルギーがあったからそれだけの反発が生まれたということではありましょうけれども、非常に物価という問題に対して国民は強い感情を抱いているにもかかわらず、このような問題、本当に七〇%近い、これはくどく言って申しわけないのですけれども、高い値でいろいろなものを買わなくてはならないという状況に対して、意識がそれほど高まらないのはなぜだろうということを考えましたときに、幾つか思いついた点がございます。 一つは何かと申しますと、日本の物は他国の生産品に比べれば品質がいいだろうから、多少値段が高いということについては仕方がないなというような日本国民の思い込みがあるだろうと思います。 例えば、米問題等で示されましたように、外国産米が幾ら安い値段で入ってきても、やはり国内産の米を食べたい、国内産の米の方が農業使用等に関しても安全なはずだ、こういうような意識があって、多少の値段の高さというものを許容する意識というのが日本国民の中にあるのではなかろうかという気持ちがいたしました。 そして二つ目には、日本国内的に見ると、長官御指摘のとおり、このしばらく物価が非常に安定をしておりまして、物によっては下落をしてきているものも見られているというような状況でございますから、給料が下がるわけでなければ、今すぐに自分たちの生活を圧迫する要因にはなっていない、だから静観しているという部分もあるだろうと思います。 それから三つ目には、日本の流通ないし税制というものが非常に複雑である。そしてまた、外国産品を日本に入れる場合に、いろいろな仕様の調整というような問題も伴っているということを端々理解される皆さんが多いわけでございまして、そういうものが実体の内外価格差問題というものをはっきりと認識させない要素になっているのではなかろうか、こういうようなことをそれぞれ思ったわけでございます。 しかしながら、これらすべてを考え合わせてみましたときに、基本部分には何が欠けているかというと、やはり情報不足という問題は否めないだろうという気持ちがしてなりません。海外で買うとこの値段のものが日本の国内で買うとこんなに高くて、しかも、この高い部分はこれぐらいまで安くできるんだというような部分についての情報が欠けているからこそ、内外価格差問題に対する国民の関心がそれほど高まらないのではなかろうか。 こういうことを考えましたときに、ある程度象徴的に問題を取り上げながら、この内外価格差問題を国民に説明していく必要があるような気持ちがしてならないのでございます。 そのときに当たりまして、化粧品ですが、ブランド商品のようなものがよく取り上げられますけれども、これは多くの国民が使用するものというよりも、非常に嗜好性の強いものでありますから、ああいう高級品は自分たちには関係ないという認識を持たれる方も多いわけでございまして、もっと生活に密着したところで、しかも金額ベースで見ましてもそのボリュームが非常に大きな分野において、この内外価格差という問題がこれほど日本の経済に、また消費者の皆さん方に大きな影響を及ぼしているものだということを述べなくてはならないのではなかろうか、こう思う次第でございます。 そこでお尋ねを申し上げたい点は、国民経済の総体から見て、内外価格差というものが非常に大きな影響を及ぼしていると考えられる分野につきまして、具体的に三分野を取り上げて御紹介をいただきたいというわけでございます。
○高村国務大臣 経済企画庁が実施している生計費に係る内外価格差調査、これは平成六年十一月時点でありますが、東京は欧米主要都市と比較して物価水準が高いわけであります。三分野とおっしゃいましたけれども、もうちょっと多く言いますと、その中で特に食料品、被服・履物、エネルギー・水道、家賃、こういったものが内外価格差が大きいものであります。
○小野委員 今御答弁いただきました分野については、私どもの生活実感とちょうど合致する分野だと思います。 それでは、その具体的な分野についてなぜ内外価格差というものが大きく出てくるのか。特にエネルギー分野ですとか住宅分野ですとか、こういうところにおいてはドルベースで考えて約二倍近い差があるだろうと思いますけれども、その内外価格差が生まれている理由について、それぞれの分野について御説明をお願い申し上げたいと思います。
○高村国務大臣 まず食料品についてでありますが、人件費だとか原材料等の生産コストが割高なこと、関税等によって輸入原材料が割高になっているものがあること、諸外国に比べ消費者の品質、鮮度志向が強いこと等が挙げられると思います。 衣料品については、消費者が多様な品ぞろえや附帯サービスを重視していること、リベート、返品等の商慣行が見られること、地価、店舗賃貸料、人件費が割高であること等が挙げられると思います。 エネルギーのうち石油製品についてでありますけれども、多段階の流通経路があること、一部の石油製品については輸入業者が事実上精製業者に限られてきたこと、電気料金については、負荷率が低く設備の利用効率が低いこと、厳しい環境保安基準に適合させる必要があること、人件費が高いこと等があると思います。 家賃については、地価が高いこと、住宅建築費が高いこと等があると思います。
○小野委員 この分野につきましては、時間が許されればもう少し議論したい点はあるわけですけれども、きょうは総合的な議論をしようということですから、立ち入りは避けたいと思います。 それでは、原因についても御指摘があったわけでございますが、経済企画庁自身で判断できる分野だけではなかろうかとは思いますけれども、総合的に内外価格差をとらえて判断され、また分析されている官庁といたしまして、それらの原因に対していかなる取り組みがこれから考えられるのでございましょう。そしてまた、これは非常に難しい問題でございますが、その取り組みを進めることによってどの程度の内外価格差の縮減が図られるということをお考えでございましょうか。
○高村国務大臣 内外価格差については、その要因等を具体的に調査しているわけでありますが、その明らかになった要因の中で仕方がないという要因もないわけではないと思うのですが、不合理な要因は断固取り除いていく。 類型的にどういうことが考えられるかといえば、先ほど言いました内外価格差の要因となっていること、規制の存在とか、あるいは独禁法違反行為の存在とか、あるいは競争制限的な取引慣行とか、そういったものがあるわけでありますが、そういったことについてはできるだけ取り除いていく。規制の中には、それは安全性等でやむを得ないものもあるかもしれませんが、できるだけ不合理なものについては取り除いていく、こういったことが必要であろうかと思います。
○小野委員 経済企画庁の中におきまして具体的な研究がかなり進められていると私どもも聞いておりますので、その研究をさらにお進めをいただきまして、具体的政策として内外価格差を縮減できる手を一刻も早く打ち出していただきますことをお願い申し上げたいと思います。 引き続きまして、先ほど来少し議論になっている購買力平価の問題でございます。ドルベースで議論をしてまいりましたが、これは単にアメリカのみならず、ほかの都市のデータを見ましても、パリだとかロンドンだとかこういうものも出しておられましたが、昨年十一月の段階でほかの国々と比べましても、やはり日本の場合の購買力平価は五割方高いというような結果が出ております。 私自身の実感といたしましても、海外旅行をしてみますと、確かに日本の物価は高いというのが率直な気持ちでございます。実は先日、中国に後援会の皆さんとともに旅をしてまいったわけですけれども、そのときの夜の宴会費を旅行業者に聞いてみますと、日本円にして一人当たりわずか五百円だと言われるのです。その料理の内容はどうかというと、十品ほど中華料理が次から次へと火皿に乗って出てきておりますし、またビール等の酒類も飲み放題でございますから、日本でこのような宴会を持つとすれば、安くても五千円、高ければ数万円するような宴席であっただろうと思います。 そうすると、中国の物価から見れば、やはり日本の物価は十倍ないし二十倍という値段であるというようなことを感ずるところでございまして、こういう経験を行うにつけましても、購買力平価を引き下げていくといいましょうか、より実体の為替レートに近づけていくというような努力が必要だろうと考える次第でございます。 そこで、目標値でございますね、どの程度の購買力平価というものを想定をされながらこれからの消費者行政を展開されようとしておられるのか。大変難しい質問かどば思いますけれども、御答弁いただける範囲でお願いできたらと思います。
○高村国務大臣 委員が難しいとおっしゃるとおり難しい問題、というよりも定量的に申し上げるのは不可能に近い、こういうことだと思うのです。 政府が経済に関与するのはその環境整備でありまして、私たちはグラウンドキーパーみたいな仕事をしていまして、クラウンドキーパーでグラウンドが完全によくなったからといってエラーが幾つ減るかとか、それはプレーヤーの話でありますから、そこまで結果としてどうなるかということについて定量的に申し上げることは非常に難しいと思います。 それから、先ほど委員が御指摘なさったことについてちょっと感想でありますが、物価について中国と比較しておられましたが、所得水準がこれだけかけ離れている国と物価を比べるというのは余り意味がないのではないか。私たちは、ある程度所得水準等が似通った欧米諸国と比べて、それにもかかわらず四割から五割の差があるね、これは何とかしなければいけないね、こういうことを考えでいかなければいけない話だ、こういうふうに考えております。
○谷(弘)政府委員 ただいまの購買力の話とそれから内外価格差の目標値というお話でございますが、これについて技術的にちょっと事務的に御説明をさせていただきますと、購買力平価につきましては、委員御指摘のように、去年の十一月の東京とニューヨークを比べますと五割方日本の方が高い。 その根拠は、購買力平価というのは、要するに日本の生計費とニューヨークの生計費を比べますと、ニューヨークで一ドルぐらいの生活をすると日本では百五十五円かかっちゃうということでございますが、一方で為替レートが百二円ということでございます。そういうことで百二円と百五十五円の間に五割の差があるということで、これが内外価格差でございます。 最近の為替レートが八十円台ということで、為替レートの方が百二円から八十円台に二割弱でございますけれども円高になっているということで、購買力は百五十二円近辺にあるわけでございますが、為替の方が今二割ぐらいずっと円高になっております。そのために仮計算いたしますと内外価格差としては七割ぐらいになってしまうということで、内外価格差が広がっているということかと思います。 それから目標値でございますが、今御説明いたしましたように、内外価格差には為替の動きとそれから購買力と二つの要因があるわけでございますが、もちろん為替は人為的にあるいは政策的に動かす変数ではございません。それから購買力の方は、ニューヨークの方の物価の動きと日本の物価の動き、この二つの兼ね合いで決まってくるものですから、数字の目標を出して、ニューヨークの物価をこの辺におさめる、あるいは為替レートをここにという、こういうことは実質的に不可能だということと、それから、国内の購買力を上げていく上で、今大臣からも御指摘ありましたように、市場経済でございますので、自由に政府の方でここまで物価を下げるというような形で進めるのは非常に難しいということで、目標値については、これはなかなか政策手段にはなり得ないだろうと考えております。
○小野委員 大臣の御答弁に対して一言私も感想を述べさせていただきたいと思うのです。 先ほど大臣は、グラウンドキーパー役を行政が行えば、あとプレーヤーは自由にプレーしていただくしかないのだというお話でございましたけれども、消費者行政というのは、単に見て楽しめばいいというプレーではなくて、そのプレーによって利害を大きく左右される多くの国民が周りについているプレーなんですね。 ということは、考えてみれば、サッカーくじの導入問題も今議論されておりますけれども、サッカーくじを買わざるを得ない国民がいる。しかも、あるチームのサッカーくじしか買えない。ところが、実際にはそのプレーヤーが余りいいプレーヤーじゃなくて、試合をやるたびにみんな負けてしまう、こういうような状況になれば、なかなか国民というのですか、その勝負にかけている国民は、全部無理やりかけなければいけないし、しかも、かけたものが全部負けだということではおさまらなくなるわけでございます。 環境整備という意味でのグラウンドキーパー役ということが必要であると同時に、余りにもプレーヤーのプレーが稚拙であれば、そのプレーヤーに対して警告も出すし、また教育的指導というようなことも当然行いながら、損害ばかり国民に与えられないというような状況をつくっていくことも消費者行政の大きなポイントの一つかと存じますので、ぜひその点についてまた御配慮いただきながらの対応をお願い申し上げたいと思います。 御答弁ございますか。
○高村国務大臣 確かに、公正取引委員会等でイエローカード等を出していただくこともあるわけでございますが、基本的に自由な経済の中で環境整備、グラウンドをならす、そこがでこぼこであればいかようにも国民から御批判をいただいてしかるべきだ、こういうふうに考えているわけであります。 今、国民、消費者は観客であるようにおっしゃいましたが、国民、消費者もプレーヤーの一人、事業者だけがプレーヤーではない、私はそういうふうに考えております。
○小野委員 消費者もプレーヤーだという御意見は私も賛成でございまして、ならば、アメリカのサッカーのグラウンドの広さと日本のサッカーグラウンドの広さをぜひとも同じ大きさにしていただきたい。これが恐らく消費者の皆さんの声だろうと思いますから、その点に御留意いただいた対応をお願い申し上げたいと存じます。 引き続きまして、内外価格差問題を取り上げてきているわけでございますけれども、この要因をいろいろ先ほど長官の方からも御説明をいただいたわけでございますが、割合をきちんと評価をしていきますと、恐らく国内要因の占める割合がかなり大きくなるだろうという気持ちがいたしております。 先般、五月十八日、当委員会で参考人意見聴取をさせていただいたわけですけれども、そのときに在日米国商工会議所貿易拡大委員会副委員長の井出潔さんという方でしょうか、こちらにお見えになられて、なかなか輸入品の値段が安くならないという理由について御説明をしておられました。 模式的にその中でお話をされましたのが、消費者の手元に届くときに、その商品を構成するコストを分析してみると、大体仕入れコストが三三%、つまり、外国から日本に入ってきた段階の販売価格に占める割合は三分の一程度だ。それから、輸入販売元が間接経費だとか宣伝費だとか、こういうものを使用することに伴って三三%ぐらい経費がかかるんだ。そして、その先の中間卸だとか小売だとかこういうところで三三%さらに経費がかかってくるということになってまいりましたときに、円高に伴うコスト低減がどこに起こされるかというと、仕入れコストの三分の一の部分だけにしかきいてこなくて、あとの総販売元の経費だとか流通過程でかかる経費だとか、これは国内で行う以上、固定費だと考えざるを得ない。だから、円高が進行したからといって販売価格は安くならないのです、こういうようなお話をされておられました。 恐らく、この国内の固定的に見ざるを得ない経費の中において、人件費要因というものが非常に大きいだろうと私どもは推察せざるを得ないわけでございます。 そうすると、内外価格差をこれからだんだんと縮減をさせていかなくてはならないということで、私どもも要望して、経済企画庁の皆さん方が企画を打ち立てていただけると思っているわけでございますけれども、この内外価格差縮減ということは、とりもなおさず国内におけるさまざまな人件費縮減につながる問題だ。その人件費縮減というのも、最低賃金もございましょうし、今渡している給料を下げるということはまだ社会的な合意になっておりませんから、この経費を縮減していくということは、すなわち、失業者をこの分野から出さざるを得なくなるということにつながってくる問題だろうと思っております。 これもなかなか御答弁いただきにくい質問になろうかと思いますけれども、現状の為替レートを一応の基準にして、購買力平価を下げていくという努力をこれから行っていくとして、どの程度の失業者がこの日本の国内にその作業を通してあらわれてくるのだろう。この分野の研究をしておられますならば、もうこれは概略の数字しか難しいと思いますけれども、御答弁をお願いを申し上げたいと思います。
○高村国務大臣 私たちは、内外価格差を縮めるために失業者がふえてもいいんだというふうには考えていないわけであります。ただ、内外価格差を縮める中で、規制によって守られている分野について規制を緩和する、その中である程度雇用に影響が出るということは、実態としてあり得るだろうと思うのです。 しかし、自由で活力ある経済をつくる中で、ほかで新たな雇用が創出されて全体として雇用数が少なくなる、失業者が多くなるという方向にはいかないだろうと思いますし、いかせてはいけない。ただ、若干そこのミスマッチみたいなものがあり得るかもしれないわけでありますが、そういったときに、できるだけ労働力の移動がスムーズにいくような環境整備をするということが政策として必要なことだ、こういうふうに考えているわけであります。 委員の直接の質問の数字等については、これも困難というより、不可能に近いということで御理解をいただきたいと思います。
○小野委員 先ほどお話ございましたとおり、失業者が出てこないという対応を進めることが、国内経済総体として、また治安問題だとかさまざまな社会要因を考えましても極めて大事なことでございますから、この問題を取り上げる際に、今後の検討課題として労働者問題というものを、経済企画庁のみならず労働省とそれから通産省も関連してくると思いますが、共同で御検討をいただきながら、円滑にこの内外価格差問題が解消されるような施策を進めていただきますように、これは御要望を申し上げておきたいと思います。保引き続きまして、生活実感の方の問題へ移らせていただきたいと思うのですけれども、内外価格差問題を考えた場合に一番私は問題だと思いますのは、やはり実質的購買力がどのレベルにあるかということだろうと思っております。 つまり、名目的に日本人が収入において世界一の収入を得るようになったですとかそれから内外価格差が幾ら数字の上で出てきているとか、こういうことではございませんで、実質的にこの日本の国で生活をされている人、その人がとりもなおさず消費者ということになるわけでございますけれども、この人たちが実質的な部分でどれほどの豊かさを享受しながらこの日本の国の中で生活しているのかということに対して、この点はやはりきちんと評価をしながら取り組んでいかなくてはならない問題だと思うわけでございます。 我々の所得一つを取り上げてみましても、税金ですとか社会保障費ですとか住居費、義務教育費、食費、それから基本的な医療費、こういうものは基礎的生活を支える上になくてならないものでありますから、こういうものを除いていただいた実質的な意味での可処分所得というのが一体いかほどあるものだろう。そして、その実質的な可処分所得をもって今の日本の国内で物を購入したときにどれほどのものが実際に買えるのだろう。 それは他国と比べてみた場合に、例えばアメリカの人が実質的に自分のポケットマネーで好きに買えるもののそのボリュームと、日本の国民がポケットマネーとして買えるようなもののそのボリュームと、果たしてどちらの方が上なんだろうかということについては、国際的に比較をしながら日本の国の豊かさの評価をしていかなくてはならないと思うわけでございます。 御質問でございますけれども、この評価をした実質的な購買力において国民生活レベルを判定されるならば、一体どの程度に日本の国がなっているのか。国際的な比較というのは限界があるかもしれませんけれども、もしもその比較ができるものならば、大体このあたりにあるということについての御示唆をお教えいただきたいと思います。
○高村国務大臣 OECDの資料によりますと、為替レートで換算した日本の一人当たり国民所得は一九九三年時点で二万六千九十五ドル、これは名目ベースでありますが、主要先進国の中で最も高い水準にあるわけであります。そして、内外価格差を考慮して経済企画庁で算出した生計費ベースの購買力平価で換算してみますと、フランスやドイツと大体同水準、それからアメリカの〇・八七倍の水準にとどまっているわけであります。 これは余りはっきりしたデータに基づかないのですが、私の感想で言いますと、全体的に言うと、アメリカの〇・八七倍の水準でありますが、日本よりアメリカの方がはるかに所得は、何というのですか、上と下で離れているわけでありますから、一般の国民でいえば〇・八七倍ということじゃなくて、やはり同水準ぐらいにはいっているのではないかという、これは私の感じ方であります。
○小野委員 それに関連いたしまして、私どもが政治活動をやっております中で肌に感ずるところの御指摘をさせていただきたいと思うのですけれども、実は、私どもも座談会を持ちながらいろいろな有権者の声を聞かせていただいております。 その中で、御質問はありませんかとお尋ねしますと、いろいろな方から指摘をされますのは、今のお話に関連してくるわけでございますが、日本の国は世界一の経済大国だと言われる。一人当たりの所得を調べてみても先進国中で一位であったとマスコミを通して自分たちは聞いているけれども、どんなに考えてみても自分たちの生活がそんなに豊かだとは感じられない。毎日毎日一生懸命あくせくと働いて、それで気づいてみれば何の豊かさも身近なところで感じられないんだけれども、これは一体どういうことなんでしょう、こういうことを言われまして、私も理論上の話はいろいろと申し上げるわけでございますが、なかなか質問された方々に得心のいくお答えになってないなというのが実感なんですね。 そこで、高村長官が同じような場面に遭遇されたとして、どういう御答弁をされるのだろう。私ども後進のためにぜひ御指導いただきたいと思うわけでございますが、一つには、若いサラリーマン家庭でまだ収入の少ない人たちに対してはどういうお答えをなされるだろう。そして、子供を大学にやっているころの熟年サラリーマン家庭ですね、これもかなりの割合がおられると思いますが、こういう人たちに対してはどういう御答弁でしょう。そして、年金だけを受けながら生活している年金生活者家庭、それぞれの皆さん方から同じような質問を受けられたらどのように御答弁されますか、お尋ねいたします。
○高村国務大臣 余り説明がうまくないので選挙に弱いわけでありますけれども、三つに分けないで、全般的に言えることは、やはり名目では断トツであっても、内外価格差があって、そして実質的には大体同水準しかいってないんだよということが一つあるだろうと思うのですね。 それからもう一つは、それでもその同水準のアメリカやヨーロッパの人に比べて同じぐらいになっているとはとても思えない、アメリカやヨーロッパの人がどのくらいの水準だかよくわからないけれども、何となくそう感じるというのがあるのでしょうが、それはやはり豊かになってからの年数が違うんだと思うのですね。ずっと前から豊かだった人と、今やっと収入が追いついて追い抜いたかというところだと、ストックの違いが猛烈にある。だから社会資本の整備といいますか、国民が真に豊かさを感ずるための社会資本の整備、ストックが全然まだ違っている。 そういうことで、昨年の十月に公共投資基本計画、十カ年計画をつくらせていただいて、二十一世紀初頭には国民が豊かさを感じるのに必要な社会資本の整備をおおむね終わりたい、そのためにこの十年間でどれだけのことをすればいいかということで、六百三十兆、それから内容についても生活重視の方向の公共投資基本計画をつくらせていただいたわけでありますが、現時点ではまだまだストックにおいて大きな差がある。この委員会の主要テーマである内外価格差でない方に行ってしまって大変申しわけありませんが、そういうことを答えさせていただきたいと思います。
○小野委員 参考にさせていただきながら、これからまた座談会に臨ませていただきたいと思うのですが、ただ一点、よくこういう話が出てきますと、日本の国は非常に金融資産において他国に比べて大きなストックを持っているんだという議論が出てまいります。恐らく一般家庭においても、数百万円、恐らく一千万円近い貯蓄が今あるわけでございましょうし、また、日本の企業等が蓄えている金融資産はかなり膨大な金額になっているという状況でございましょうけれども、これが実際の生活の方になかなか反映してこないというようなことについて、もう少し研究が必要なのではなかろうかという気持ちがいたしております。 昨日も聴取に来られた方には、シルバーコロンビア計画はとんざしたけれども、同類の発想がもう少しあっていいのかもしれないねということを実は申し上げました。これだけの資産を持っていて、しかも円高がどんどん進行するということは、その皆さんが蓄えられている貯蓄というものが、何も働かずして毎年毎年国際的な市場においては何十%という割合で膨らんできているわけでございますから、その金融貯蓄資産というものがもっと日本国民にとってうまく生かされる方法というものを研究されれば、豊かさに結びつく答えが出てくるのではなかろうかと思います。この点はまだこれからの検討課題になろうかと思いますけれども、答弁いただけますか。
○高村国務大臣 人間それぞれ生き方の選択の自由というのがあって、貯金通帳の高がだんだんふえていることで生活の豊かさを感じる人も中にはいるかもしれませんけれども、一般的にはそうではないのだろうと思うのですね。まさにそういった世界で断トツの個人金融資産を本当に国民の豊かさを実感できるような社会資本の整備にかえていく、そういうことが必要だということで公共投資基本計画もつくらせていただいたわけであります。
○小野委員 この点につきましては、また機会がありましたときにお願い申し上げたいと思います。 引き続きまして、公正取引委員会委員長にお尋ねを申し上げたいわけでございますけれども、今輸入品をめぐりましてはいろいろと国際的にも話題が出てきている中でございまして、とりわけ日米間の通商問題については、これからハリファクスのサミットに向けていろいろと協議が進められてくる問題になっておりますが、日米間の波高し、そしてヨーロッパとの間も事あるたびに問題が噴き出しております。また、アジア諸国も必ずしも、日本に対して貿易赤字を抱えておられる国がほとんどでございますから、快く思っていないというような状況が生まれている中で、日本としては海外の商品をこの国の中に輸入をしていくということが必要な段階に来ている。これはもうかねてから言われていることでございますが、とりわけこのしばらくまた大きな課題になってくるだろうと考えております。 このような問題が起こりますたびによく指摘されますのが、米国、西欧諸国から特に指摘されるわけですけれども、日本の国は公正で自由な市場が本当に形成されていないのではないかという疑念でございます。それとともに、日本の消費者は、海外から見て閉鎖的な市場によって非常な不利益を受けているのではないかということも言われているわけでございます。 そこで、このような商品の輸入に当たりまして、この国の中で取引を阻害するような独占禁止法違反、それから、並行輸入等の輸入チャンネル拡大の動きに対して、法律違反とは言えないけれども何か不当な阻害要因になっているというようなことに対しては、先ほどの当初のごあいさつの中にもございましたけれども、厳正な対処を行っていきたいというのが公正取引委員会の姿勢だと思います。それならば、この厳正な対処というものに対して、どのような事例があって、そしてそれにどのような対処をこれまでなさってこられたのか、この点をお尋ね申し上げたいと存じます。
○小粥政府委員 お答え申し上げます。 先ほども御説明申し上げましたように、私ども、端的にこの内外価格差問題発生の背景には、我が国の市場におきまして公正かつ自由な競争が残念ながらまだ十分に定着していない、したがって、これまでにも内外価格差問題の原因と考えられるような、例えば輸入制限問題等あるいは独占禁止法に直接違反をする行為、あるいは違反のおそれのある行為、こういうものをいろいろな形で指摘してまいりました。 ただいまのお尋ねは、それでは具体的にどういうものがあったのか、あるいはこれから想定されるのか、そういうお尋ねであろうと思いますので、これまでに私どもが具体的な措置をとった事例を踏まえながら、とりあえずパターンとしてこういうものがあり得るということを申し上げてみたいと思います。 一つは、製造業者による輸入数量あるいは輸入経路等を制限するカルテルでございまして、私どもの具体的な審決例もございます。例えば、ソーダ灰の輸入業者についての共同行為、カルテルの例が従来の摘発例としてございますし、類似のケースもいろいろ見られたところでございます。 それから、輸入総代理店によるいわゆる並行輸入の不当阻害、この問題がいろいろとございまして、私ども過去に具体例も経験をしております。例えば、昭和五十年代、輸入ウイスキーにつきまして、並行輸入品を取り扱ったりあるいは標準小売価格を著しく下回って販売する業者に対して、商品を納入しないように特約店に対して指示をした輸入総代理店に対する私どもの法的な措置、こういう例でございます。 それから、輸入業者等の団体によるアウトサイダーの行う輸入に対する妨害、こういう市場アクセスを不当に阻害する行為、具体例は省略をさせていただきますけれども、これも独占禁止法違反行為として私どもが取り上げたものでございます。 さらに、もう一つの類型といたしまして、内外価格差がいろいろ指摘される商品がありますけれども、その商品についての価格カルテルあるいは再販売価格維持行為、これは典型的な独占禁止法違反行為であります。 総括して申しますと、いわば価格形成の伸縮性を阻害する行為、こういうもの等が私どもの従来の経験として取り上げたものでありますし、それから、これらの行為に対して私どもが排除措置、カルテルでありますと課徴金の納付命令、そして場合によれば検事総長に対する告発、そういう対応をそれぞれの違反行為の内容に応じてとってきているわけであります。 これらの措置は、今後このような端的な輸入妨害行為あるいは内外価格差の原因となるような違法行為を行おうとする事業者に対して、もしそれが発見されれば非常に強い制裁あるいは事業者に対する負担措置が講ぜられるということをもって、抑止力、抑止効果が大変大きなものがある。 そして、これはまた、私どもがそういういわば指摘、取り締まり的な行為を行うということだけではなくて、先ほど来御議論がありますように、従来は必ずしも十分に定着をしておりませんでした競争政策あるいは独占禁止法についての考え方が、この日本の経済社会でもようやく今定着しようとしてきている、そしてまた世の中の一般的な考え方が、競争政策をもっと徹底すれば、御議論になっております内外価格差縮小にとっての大きな手がかりになるのではないか、そういう意識が非常に強まってきていると思います。 こういう環境の中で、こういう一般的な要望を背景としながら、私どもが今後私どもの持っております人的資源を最大限に効率的に活用いたしまして、このような行為に対して厳正な措置をとっていくということが一層必要であろう、また私ども心してそれに当たっているつもりでございます。
○小野委員 最後になりますけれども、円高問題についての大臣の所見をお伺いさせていただきたいと思います。 このしばらくの円高というのは、私どもから見ておりましても大変異常なものでございました。その異常さというのは、購買力平価に比べて大きくかけ離れたレートが設定されてきているということも当然でございますけれども、それのみならず、余りにも急激にレートが乱高下をするというような問題について、企業家の立場から耐えられないという声が強く出されてきているのでございます。 このあたりの実情を聞いておりますと、実需に伴う為替取引というもの以上に投機的意味合いの強い為替取引がこのしばらく非常に膨大なものになってきていて、実需ではこれほどの大きな動きはないけれども、投機筋の方々がしかけてくる取引によって円高が急激に進んでいったり、または下がったりするというようなことが言われるわけでございます。この現象を評して、カジノ経済だから仕方がないんだというふうに言われた方もおられました。 しかしながら、ここで私どもが留意をしなければいけない問題というのは、確かに投機的なものによって自由に市場が形成されてくるということは、一つの理はあると思います。しかし、カジノであれば、カジノに入る人は、自分が得をしようが損をしようが、それはみずから得心のもとにカジノに参加をして、損をしたといっても自分の責任だから仕方がなかったということで済むわけでございますけれども、国家経済というものを考えてまいりましたときは、企業の皆さんにしても、また国民一人一人にしても、自分たちはかけごとの中に人生を生きているという気持ちは決して持っておられないと思うのです。 一生懸命毎日汗を流して働いて、働いた成果によって少しでも自分たちは豊かになりたいんだ、その働いたものに見合うものを求めながらやっているわけでございまして、それが投機筋の思惑によって多くなったり少なくなったりということは、国民感情を考えると許容できないものではないだろうかと思うところがございます。 私自身の考え方といたしましては、国際金融の市場のあり方というのが、自由だ自由だということを強調し過ぎるがゆえに、異常な、いびつな発達を遂げてしまったというような感想を持っているわけでございまして、もっと実需を中心にして、実体経済を背景にした取引市場というものを形成する必要があるのではなかろうか。そのためには、余り急激な為替レートの変動というものを許容しないような制度づくりが必要ではなかろうかと感じている次第でございます。 このしばらくの円高の進行に伴っていろいろな問題が生まれてきておりますが、国民の消費生活を所掌される大臣として、このような為替レートが乱高下する現象について、自分のお考え、御所見をぜひお教えをいただきたいと思います。
○高村国務大臣 委員御指摘のように、確かに今の為替水準が経済の基礎的条件を反映した水準であるとは思っておりませんし、こういう乱高下が実体経済に大変悪い影響を与えているということも、そのとおりであるというふうに考えております。 しからば、こういう状態を許容しておいていいのかという話でありますが、これならうまくいくよという制度がなかなか見つからないというのが現状だと思うわけであります。固定相場制度がだめであるから変動相場制に移ったという歴史もありますし、それから、欧州など目標相場圏的な制度をっくっているわけでありますけれども、それがEUの通貨統合を目指しながら必ずしもうまくいっていない。そういう通貨統合を目指すような環境にあるところですらうまくいっていない。 では、どういう手があるのか。今の乱高下する状況が決していい状況だとは思っておりませんので、これから検討課題として、余り角を矯めて牛を殺すような、資本移動の自由化を阻害してしまうようなことがあってもいけないでしょうし、どうやったら一番いいのか、もう既に検討も始めておりますが、これだといういい案、世界に対して示して、どうぞ賛同してくれと言える案がなかなか我が国でも見つかっていないし、よその国も自信を持って国として提案している制度というのがなかなかない、こういう状況であるということであります。
○小野委員 以上で質問を終了させていただきます。 なお、自由が最良の価値であるということについては、やはり一考すべきときを迎えつつあるような気持ちがいたしますので、いろいろな御検討をさらに進めていただきますことを御要望させていただきます。ありがとうございました。
○大石委員長 岸本光造君。
○岸本委員 日本の物価は非常に安定をしておるわけでございます。物価が安定しておるというのは、政治が安定しておるし、官僚機構がしっかりしている。この辺はまた問題があるのかもしれませんけれども、非常にしっかりしておる。そのおかげをもって安定をしておるということであります。 しかし、残念ながら物価水準が非常に高い。これは先ほどから、あるいはまたいろいろなところで指摘をされておるとおりですが、そのために国民の生活で国民は豊かさを実感できない。実感できないのみならず、産業の競争力が低下して、産業空洞化現象が起こってくるというようなさまざまな弊害も今日起こっておるわけであります。このためには内外価格差をなくしていかなければいかぬ、そのためには規制緩和をしていかなければいかぬ、さまざまな論議はみんな大体そうわかっておるわけですが、規制緩和ができない、内外価格差を縮めることができない。阻害をしている決定的な要因は、一言で言うと一体何でありましょうか。
○高村国務大臣 やはり規制に守られている方はその規制の存続を要望する、こういうことなんじゃないでしょうか。
○岸本委員 そうしますと、その規制の守りを解除しなければいつまでたっても実感ができないということになるわけで、それを破るためにはどうしたらいいか、一体それは何か、考えがありましたらどうぞ。
○高村国務大臣 一部の人が守られていることによって国民経済全体が損害を受けていることがあるとすれば、内外価格差の原因になっている規制の中でも、国民全体の安全のためだとか必要なものもあるだろうと思うのですが、そうではなくて、一部の人の既得権のために全体がマイナスになっているものについては、これはなくしていくのだという国民の合意を得ていくことが必要だろうと思うのです。 ただ、そのときに、先ほどからちょっと問題になっていますように、一部のところであってもその限りで摩擦、場合によっては雇用の喪失ということが起こりますから、その雇用の喪失をほかで吸収できるような形をつくっていく。それをできるだけスムーズにするような環境整備を行っていくことが必要だ、こういうふうに考えております。
○岸本委員 御活躍を願いたいと思います。 それでは、個別の問題でお話をお伺いします。 人間生活で一番大事な食料なんですが、この食料問題、日本は非常に高いと言われております。いろいろ資料を見ますと二〇%から三〇%、かなり日本は割高になっておりますが、その食料の内外価格差の現状と理由を簡潔にお答え願いたいと思います。
○岡島説明員 お答え申し上げます。 食料品の内外価格差につきましては、各国固有の食習慣がある、あるいは品質、規格、流通形態に差があることがありますから、厳密に比較することはなかなか難しいわけでございますけれども、農林水産省の方で東京及び海外の各都市で一般的に購入できる食料品等の価格についてその水準を比べたところによりますと、東京に比べて海外の食料品の価格は七割程度の水準ということになっております。 それから、次にその理由でございますけれども、まず我が国の食料品を高くする要因の一つは、急峻な国土条件、高い地価、エネルギー価格、人件費といった農業内部の努力のみでは解決できない制約があり、土地利用型農業を中心に農産物がある程度割高とならざるを得ないこと。 二つ目には、消費者の新鮮良質志向等々がありまして、食料品の流通、加工コストが相対的に高くなっていること。これについては、先ほどの地価要件であるとかエネルギー要件あるいは人件費要件もきいてくるかと思います。 それから三点目に、やはり為替レートの問題がございまして、農業の生産性向上は着実に進展しているものの、近年の急速な円高がそれを上回る速度で進行してきたこと、こういったことが要因がと思われます。 以上でございます。
○岸本委員 私は、農業というのは食料の問題でありますから、これは内外価格差だけでとらまえる性格の問題ではないということを考えておるわけでございますけれども、令言われましたように、これからボーダーレス時代になって食料がどんどん入ってくる。そのときに日本の食料供給の諸活動がどのようなことになっていくのか、非常に関心を持っておるわけです。 今の答弁以外にも、農業は国土の保全とか環境の保全とかいろいろな機能を持っております。したがって、農業というものは価格差だけでとらえられることのできない性格だと私は思うわけです。これについていかがでしょう。長官、ちょっと参考までに聞かせてください。
○高村国務大臣 そういう面はあると思っております。ですから、国民全体の判断として、何が大切であるか、何が合理的であるか。先ほど言った、国民のコンセンサスとして不合理なものは排除していく。ただ、国土政策だとか環境だとか安全だとか、そういったものをどれだけ合理的な要因であると考えるか、こういうことなのだろう、それに尽きるのだろう、こう思います。
○岸本委員 この内外価格差を農業生産の上で完全に解消、これは非常に難しい問題ですが、もしできたとしたら、今後日本の農業はどのような方向をたどっていくか。 それともう一つは、これはどこの国でも、特に先進諸国においてはそうなのですが、食料の自給率というのが非常に高いわけであります。八〇から一〇〇パーが先進諸外国なのです。日本はカロリーベースで三〇前後だったと思うのですが、そんな状態で非常に自給率が落ちているということなのです。 だから、この内外価格差と農業の将来の見通しと自給率の問題で、どなたか答弁できる方があったらどうぞ。
○岡島説明員 お答え申し上げます。 食料品の内外価格差が解消した場合の我が国農業や食料自給率への影響についてどう見るかということにつきましては、為替レートの問題でございますとか、あるいは国民の食生活が今後どう変化していくか、あるいは生産の動向をどう見るかによっていろいろ変わってくるものですから、なかなかお答えしにくい面があるかと思います。 いずれにいたしましても、農林水産省といたしましては、新政策及び農政審報告に示されている方向を踏まえ、農業・農村の多面的機能にも十分留意しつつ、今後とも構造政策の一層の推進による生産コストの縮減、品質の向上に努め、流通、加工面における一層の合理化、効率化を図り、適正な価格で食料を安定的に供給し得る体制を整備する必要があると考えております。 また、御質問の今後の食料自給率につきましては、現在農政審議会の需給見通し小委員会において、平成十七年度を目標年次とした新たな農産物の需要と生産の長期見通しを取りまとめるべく検討を行っているところでございまして、その中で自給率の見通しについても明らかにしていきたいというふうに考えております。 以上でございます。
○岸本委員 次に移ります。 農産物の輸入の問題で、報道などもされておりますが、消費者の間で若干トラブルがあるわけです。青果物の一般品質表示ガイドラインというのがあって、そこで原産国の表示をするようにということを求めておるわけですが、それがなかなかされていないので、小売店などでトラブルがいろいろ起こっておるという話が報道されております。これについてはどうでしょうか。
○大隈説明員 お答え申し上げます。 青果物につきましては、平成三年四月に施行されました青果物の一般品質表示ガイドラインによりまして、産地、原産国の表示ということを指導しているわけでございます。 平成五年度に行いました調査では、産地、原産国の表示がされている店舗の割合というのは、品目別に見ますとかなり差がございまして、物によりまして三割から七割の間という状況でございます。あくまでもガイドラインでございますので、義務はございませんが、努めて表示がされるようにしていきたいと思っております。最近の傾向としまして、やはり青果物の輸入が増加しつつあるということで、消費者の選択の幅を広げるためにも、産地、原産国表示の充実強化ということの要請が強まっております。 他方、青果物の流通構造というのは大変複雑でございまして、流通実態を十分踏まえていくことも必要であるということから、昨年秋以降、流通の実態等につきまして実務的な勉強を進めてきたところでございますが、さらにレベルを上げまして、食品表示問題に関する懇談会などによりまして政策的な議論を深め、これを踏まえた結論を出していきたい、かように考えておる次第でござい ます。
○岸本委員 お願いをいたします。 それから、ついでに輸入農産物についてお伺いしたいのです。 成田に空輸された野菜の場合は、病害虫の駆除、それから残留農薬の検査、この二点はかなりしっかりと行われているようでありますが、寄生虫の検査が行われていない。これは新聞報道によっても、「現代日本に宿る寄生虫にご用心」というような見出しの記事も載っておりますけれども、寄生虫の検査が行われていない。消費者もこれは非常に心配である。現状はどうで、これの手だてはあるのかどうか、お伺いしたいと思います。
○高原説明員 御説明申し上げます。 寄生虫卵によります寄生虫症の発症でございますが、これはいわゆる熟成をしていない人ふんを用いた肥料により汚染された土壌を介して一般的に野菜が汚染されるわけでございますが、現在のところ、レタス、トマト、キャベツ等、生食いたしますような野菜につきましては、そういう生の人ふんを使っている途上国からはほとんど輸入されていないというふうな現状が一つございます。 また、地方自治体の方で輸入野菜、これは国内野菜も含めてでございますが、野菜にかかわる寄生虫卵の検査を実施しております。その結果を見ましても、寄生虫卵は国内産にも輸入野菜にもいずれも発見されていないということでございます。 また、保健所等で調べております日本人全体の寄生虫の保有のパーセンテージ、これも十年前に比べて半分程度に減ってきておりますので、今のところ、そういう輸入野菜と寄生虫という点におきましては憂慮すべき状態ではないと考えておりますが、まだ今後やはり開発途上国等からの生鮮野菜の輸入も予想されるわけでございますし、引き続き情報収集、また各都道府県との連携を強化してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○岸本委員 この新聞記事によりますと、「輸入・有機野菜 回虫の運び役?」こう書いております。いろいろこれに書いてあります。もう時間がありませんから読みませんけれども、今大体年間三十万トンから四十万トンの野菜が、それぐらいの幅だと思うのですが、輸入をされることになると思います。したがって、今の答弁のように、全く楽観してこれを放置しておくわけにもいかないと思うのです。残留農薬とか病虫害については物すごく厳しい規制をやっているようですが、やはり寄生虫なんかもチェックするように何らかの形で今後は方策を見出していただきたいな、こう思う次第です。これは要望にしておきます。 次に、円高差益についてお伺いいたします。 特に電気・ガス事業についてなんですが、円高差益がかなりあると思うのですが、新聞報道以外のニュースは我々は持ち合わせておりません。電気・ガス、石油など円高差益はどれくらい蓄積されてきているか、聞かせていただけたらと思います。
○谷(弘)政府委員 ただいまの電気・ガスにつきましては、一昨年の十月以降、円高差益の暫定還元ということをやっております。これは、その時々の原油価格あるいは為替のレート、これを事前に前提を置きまして、これに基づいて一年ずつ暫定引き下げをやっていくということで、今二回目の暫定引き下げを去年の十月からやっております。 この暫定引き下げにつきましては、したがいまして、九月いっぱいで暫定引き下げの一年間が終わるということで、十月以降また改めて為替のレートあるいは原油価格というものを想定いたしまして、暫定引き下げを本格化するのかどうかという検討も含めてやるということでございましたが、最近の円高は急速に進んでおります。そういう中で、通産省として、電力業界の方から、この円高の暫定引き下げを少し早目に検討しようということを今打ち出しておるところでございます。その検討結果は、大体六月の為替の動き等を見ながら早急に結論を出したいということのようでございます。 ただいまの実態を申しますと、今までやっております暫定引き下げにつきましては、為替の動きはかなり円高の方に動いておりますが、原油の方が想定より少し高目に動いておる。十八ドルないし十九ドルぐらいのところに来ておりまして、その分だけ差損が出ておるという状況でございます。その辺も勘案して今検討に入っているというふうに聞いております。
○岸本委員 差益が、損失のある部分もあるんでしょうけれども、全体でどれぐらい見積もられているのか、それがわかれば教えていただきたい。それから、還元の方法が実感できるような還元の方法ではないわけですね。だからもっと還元すべきではないかな、こう思うのです。この二点はいかがですか。
○市川説明員 お答え申し上げます。 先ほど経済企画庁の方からも御答弁ございましたように、従来から燃料費におきまして、例えば円高になるなりあるいは油の価格が下がるというような場合におきましては、これを暫定的な引き下げという形で、臨時的に料金を引き下げるという措置を随時講じてきたわけでございますが、現状を申し上げますと、平成六年十月から暫定引き下げ措置を一年間の予定で実施してきております。 このときにおきます予想の差益でございますが、約二千五百四十億円の差益を見込みまして、これを料金面で需要家に還元するという措置を講じてきておるわけでございます。しかし、その後、先ほど御説明ございましたように、予想した水準から見ますと、石油価格の上昇もございまして、暫定引き下げ措置自身はずっと引き続き実施してきているわけでございますが、結果的には差損の状況であったということも事実でございます。 しかしながら、一方におきまして円高の相当な進展もございまして、差益還元についての国民的な要請ということも一方であったわけでございます。そういうようなことの結果、四月十四日の閣議決定におきまして、相当額の差益が継続して発生する状況になった時点で適切に対応するということが決められたわけでございます。 このような方針を踏まえまして、通産省としましては、五月十二日に方針を発表いたしました。暫定引き下げにつきましては、現在、平成六年十月から一年間の予定で実施しております暫定引き下げ措置でございます。これは予定では平成七年の九月をもって終わるわけでございますが、その終期を待たずに、直近時点でもう一度、油の価格なりあるいは為替レートの動向を踏まえました上で、さらに追加的な措置が可能であれば、そのような追加的措置をベースとして暫定引き下げ措置をさらに続けるということを方針として考えているわけでございます。 それで、現在どういう状況かと申し上げますと、五月末まで為替の動向及び油の価格の状況をぎりぎりまで見きわめまして、それをもちまして今後の為替レートの水準なり油の水準を決めまして、それによって差益の総額を算定し、それによって具体的に可能であればどの程度の引き下げ措置を講ずるかということを決めていきたいというふうに考えております。 そういう状況でございますので、この具体的な措置が決まりますまでにはもうちょっと時間がかかりますので、暫時お時間をおかし願いたいというふうに思っております。
○岸本委員 お願いしておきます。 それから、ガスの話で二点ばかりお伺いをし、お願いもしたいのですが、国内ガスの料金が非常にばらつきがあるようであります、一立方平均で、単価が東京ガスが百円八十一銭、大阪ガスが百五円二十銭、それから黒石ガスというのがありますが、これは三百八十八円八十一銭、松本ガスが四十二円三十四銭、非常なばらつきがあるのですね。だから、これはガスによって質が違うのかなと思うわけでありますけれども、この辺がどうなっておるのか。このようなばらつきは是正ができないのかどうか。 それともう一つ、昨年の九月に新宿のマンションの爆発事故がありました。その原因は、引き込みのガス管の腐敗が原因であったというふうに見られているわけですが、今度の阪神大震災を見ましても、本管から敷地を通って個人の家へ引き込む引き込みラインが、昭和四十年以前に入れられたもので腐敗が激しくて、非常に危険な状態にあるという指摘が各紙あります。これなんかは個人の敷地内に旧式のガス管を引いておる。これはちょっとした地震でまた破裂して、昨年の新宿のマンション爆発みたいなことが起こるかもしれない。だから、こういうものも円高差益の中で何か還元の方法でできたらいいなと思うわけです。 以上二点についてガス問題でお答えいただきたいと思います。
○寺坂説明員 御説明申し上げます。 先ほど国内のガス事業会社での料金の差の御指摘があったわけでございますけれども、ただいま御指摘いただきましたガス料金、立米単位当たり、全くおっしゃるとおりでございます。ただ、たくさんガス会社が、我が国には二百四十四社ございますけれども、熱量の違いがございますので、そういった点を考慮する必要があります。ただ、そういうことを考えましても、ガス料金につきましては全国的にばらつきが存在するということは、これは御指摘のとおりでございます。 そのようなばらつきがある事情でございますけれども、二百四十四ガス事業者があります中では、例えば原料が会社によって違いがございます。新潟県とかあるいは千葉県のように国産天然ガスを使っておりますガス事業会社もございますし、それから御案内のとおり、LNGを海外から輸入しているようなガス会社もございます。さらにはLPGを主原料としておるガス会社もございますので、そういった原料の調達事情が違うといったような事情が一つございます。 それから、ガス事業者の場合、需要家の中に大口の産業用需要を抱えているところとそうでないところ、それから地域特性と申しますか、例えば北海道なんかの場合は灯油を非常に多く使われますので、一件当たりのガスの販売量が違ったりいたします。そういったガスの販売量一件当たりを見た場合に違いがあるとか、そういったことで経営の差といいますか、経営効率の差が出てくるということでございまして、そういった事情もございまして、結果として国内のガス事業者間に料金で差が生じておるというのが実情でございます。 このような差があるわけでございますが、外的環境の相違があるわけなので、直ちに解消するとか、あるいはこれをそのまま数字だけで比較、評価するといったようなところには注意をする必要があるかと思いますけれども、私ども昨年の十月から、円高の進展あるいは内外価格差問題、そういった公共料金全般をめぐる議論の高まりの中で、ガス事業者の経営の効率化、これをより一層促すための新たな料金制度の検討を行っているところでございます。 したがいまして、こういった新制度の運用を通じまして、ただいま御指摘があったようなことも考えながら、ガス料金全体の低廉化の要請というものを十分踏まえまして、国内での料金差の問題につきましても適切に対応を図ってまいりたいと考えておるところでございます。 あと保安の面、引き続きお話をさせていただきます。
○浜谷説明員 お答えさせていただきます。 通商産業省といたしましては、事業法に基づいてガス導管につきましては三年に一度のガス漏えい検査を行うということと、それとあわせて計画的な導管の取りかえというものを指導いたしております。また、内管漏えいを発見するためのマイコンメーターというものも、あわせて積極的に設置を促しているところでございます。 しかしながら、敷地内にあります導管、いわゆる内管につきましては、所有権が需要家の資産であるということ、それから敷地内にあるということ、それから取りかえ費用については需要家負担であるということ等がございまして、今後とも需要家の御理解を得つつ、積極的に取りかえを実施するよう事業者を指導してまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。
○岸本委員 事故を起こして亡くなったら、そんなことを言っていたってこれは話にならぬわけですから、できるだけ円高差益で、もしやれるものだったら活用してやっていただきたい、こう思います。 円高差益の問題でもう一つ。製紙パルプ業がことしになって値上げすると載っているのですが、これは円高差益は全然関係なかったのですか。ちょっと答弁を短くやってください、あと二、三点聞きたいから。
○橋本説明員 紙の原料でありますパルプにつきましては、昨年初頭以降、欧米諸国を中心とする世界的な紙需要の大幅増大によりまして、価格が世界的に高騰しております。一年前と比較しても、ドルベースでパルプの価格は五割以上値上がりしております。このため、円ベースで見ましたパルプの輸入価格も、円高分を差し引いてもなお相当程度値上がりしております。また紙製品価格も、世界的な紙需給の逼迫を反映しまして、世界的に値上がりしております。例えば米国では、過去一年間に品種によっては二五%から七〇%も値上がりしております。 欧米の主要紙生産国において紙の需給逼迫によって紙の輸出余力が低下し、価格上昇が起こる一方で、日本国内におきましても、昨年秋以降紙需要が非常に顕著に増大しているため、国内の紙製品価格も上昇しております。
○岸本委員 つまり、それは原料がなくなっているから円高差益関係なしに上がっている、こういうふうに理解していいわけですな。
○橋本説明員 理由は二つございまして、一つは原料のパルプ価格が非常に高騰している、二番目が紙の需要が増大したために紙の需給が逼迫している、この二つでございます。
○岸本委員 次に、もう最後にしますが、例えば東京からニューヨークヘ電話をする、これは非常に高い。ニューヨークから東京へ電話をかけてくる、これは非常に安い。そうすると、東京からニューヨークにチンといってベルを打っておいてすぐ切る。ニューヨークから東京へかける。そうしますと、非常に利用者が安い料金で使えるということになるわけです。 ところが、日本のKDDはそうしたら少しも利益にならない。アメリカのAT&T社が大もうけをするということになってくるわけです。こういうのをコールバックサービスと言うらしいのですが、これが非常にこのごろはやってきておる。こういう話があるのですが、これについて関係のどなたか答弁できる人おられますかな。対策があれば教えていただきたい。
○小笠原説明員 御説明申し上げます。 先生御指摘のいわゆるコールバックサービスにつきましては、昨年一月になりますが、KDDを初め三つの事業者の方から、関係諸国との調整、この場合ですとアメリカということでございますけれども、幅広い観点から検討してほしいという旨の要望書を私どもの方へちょうだいしているところでございます。 ただ、この問題につきましては、広く国際機関の場でも議論が行われておりまして、昨年十月に日本で開きましたITU、国際電気通信連合という国際的な機関で検討を開始するという旨の決議がなされているところでございます。その後、ことしの六月でございますから来月になりますが、具体的な委員会というものがジュネーブで開催されまして、この場で広く各国の意見を聞いて検討を開始するということになっておりますので、我が国といたしましてはこうした国際機関の検討の状況を踏まえて適切に対処したい、こういうふうに考えているところでございます。
○岸本委員 終わります。
○大石委員長 伊藤達也君。
○伊藤(達)委員 新進党の伊藤達也でございます。本委員会では初めて質問させていただきますので、要領を得ない質問もあろうかと思いますが、どうかよろしくお願い申し上げます。 まず初めに、高村長官の方にお尋ねをしたいわけでありますが、本委員会でも参考人の方に来ていただきまして、円高の問題についていろいろ御意見を伺ったわけであります。議事録をお読みだと思うのですが、各参考人からは、今のこの内外価格差の問題について一体どういう基本的な背景があるのか、そして、この問題についてどういう対応策を立てていったらいいのか、かなり具体的な御意見をいただけたのではないかというふうに思っております。 多くの参考人の意見の中で共通しておりましたのは、この今回の内外価格差問題については、これはどちらかというと日本の経済やあるいは産業の構造の問題である、国内の問題であるのではないか、こういう指摘がなされていたわけであります。したがって、是正をしていくに当たっても、これはある種の痛みは伴うかもしれないけれども、やはり日本の構造改革に向かって大きな一歩を踏み出していかなければいけない、こういう意見がたくさんあったわけであります。 内外価格差の問題、この内容を具体的に見ていきますと、長官からも御発言がありましたように、特に私たちの衣食住にかかわる分野について非常に大きな格差がございます。この内外価格差の是正、規制緩和の問題というのは決してバラ色の話ではありません。今言ったような分野というのは、ある意味では規制で守られている分野というのが非常に多いわけでありますね。 そこで、規制の中で生計が成り立っているということも言えるかもしれない。したがって、この分野の是正をしていくということになれば、そういう人たちの生活にも大きな影響を及ぼしていくということになろうかと思います。それでも是正をしていくためには、大きな具体的なメスを入れていかなければいけないというふうに思うわけでありますけれども、長官のお考えをまずお伺いをさせていただければというふうに思います。
○高村国務大臣 今委員がおっしゃったこと、おおむね私もそういう方向で考えているわけでありますが、それぞれの方がそれぞれの個別利益を規制によって守られて、全部足すとみんなが損しているというような状況があるとすれば、全体的に自由で活力ある経済社会をつくることによって、その過程において若干の摩擦があるとしてもやっていかなければいけないことなのだろう。 そしてその摩擦は、ただ耐え忍べということではなくて、やはり雇用の場ということは社会の安定のためにも絶対に必要なことでありますから、そこで雇用が失われたのであればほかのところに移れるような、労働移動ができるような環境整備をしていかなければいけない。そしてさらにその前提として、新たな雇用をつくり出すようなこともしていかなければいけない。そういったことに全体の規制緩和が役に立っていくであろう、こういうふうな考えを持っております。
○伊藤(達)委員 続いてもう一度長官にお尋ねをしたいわけでありますが、きょうの委員会の冒頭の長官の御発言の中に、内外価格差の是正に向かって具体的な対応策を取りまとめていくのだ、こういうお話がございました。国民の中からも、今の政治が内外価格差の是正をやっていくのだ、やっていくのだ、そういう声が聞こえてくるけれども、具体的にどうやってそれを是正していくのか、その中身を知りたいという声が非常に強くあろうかと思うのですが、具体策というものをどういうふうに取りまとめられて、いつ発表されるのがその点についてお伺いをしたいと思います。
○高村国務大臣 現在、物価安定政策会議の物価構造政策委員会で個別分野に即して御検討いただいているところであります。来月中にも検討結果が取りまとめられることになっております。 政府として、この検討結果も踏まえて個別分野ごとに内外価格差の実態調査を進め、その要因を明らかにしつつ、規制の緩和や独禁法の厳正な運用、競争制限的な取引慣行の是正等の具体的な対応を進めていくこととしているわけであります。
○伊藤(達)委員 重ねてお伺いするわけでありますが、何か内外価格差を是正していくに当たっての総合的な政策というものを、政府が、あるいは長官がひとつリーダーシップを発揮をされて取りまとめをされる御予定はあるのでしょうか。
○高村国務大臣 今申し上げたように、物価安定政策会議というものがきっちり制度としてできておりまして、その中の物価構造政策委員会で検討していただいているところでございますから、その結果を踏まえて勇断を持ってやってまいりたい、こういうふうに思っております。
○伊藤(達)委員 近々その結果がまとめられるということでありますので、私どももその結果を一日も早く見てみたいというふうに思っているわけであります。 この内外価格差の是正の問題について具体的に進めていくには、これは規制緩和ということがあるわけでありますが、そういう意味からすると、政府の方は先般規制緩和の推進計画をまとめられたわけであります。この計画が具体的に内外価格差の是正についてどれだけの効果を発揮をするのか、あるいは物価を下げることについてどれだけ貢献をしているのか大ざっぱなもので構いませんので、その点についてのお考えをお聞かせいただければというふうに思うのです。 〔委員長退席、実川委員長代理着席〕
○高村国務大臣 定量的に申し上げることは、先ほどから申し上げているように非常に難しいことでありますが、規制そのものは経済企画庁自体が規制を持っているわけではなくて、それぞれの省庁でそれぞれの規制をしているわけで、全体的に今度の規制緩和計画によってどの程度内外価格差の縮小に資するかというような取りまとめた検討は、まだできていないところでございます。
○伊藤(達)委員 本委員会でも参考人の質疑の中で、与党の議員の方からも、今話に出ました規制緩和推進計画についてどのような評価をされているか、率直な意見をお伺いしたい、こういう質問がありました。 それに対してある参考人からは、「やはり規制緩和の精神は原則自由ということであろうかと思います。」「疑わしきは規制するという色彩といいますか、それが非常に強く残っているように感じられます。」こういうお話がありました。また、ある参考人からは、「かけ声、号令だけではなくて、日本の経済というものを今後こういう方向に変えていくんだということでやらないと、またかけ声だけに終わってしまう」というお話もありました。また、ある参考人からは、「従来の枠をただ外したというようなことではないようなものにしていただきたい。」こういうお話があったわけであります。 総じて規制緩和の理念をもっともっと明確にしてほしいと、ある意味では厳しい評価であったのではないかなというふうに思うわけでありますが、この計画そのものについて長官はどのような評価をされているのか。それと、先ほどの答弁の中にも少し触れられていましたけれども、今後どういう課題が残されていると思っておられるのか、お話をお聞かせいただければと思います。
○高村国務大臣 これから自由な経済社会をつくっていくということでありますから、規制というものはそれぞれ理由があってできたものでありますが、もう時代の変化とともに必要がなくなったようなものは当然なくしていかなければいけない。ですから、必要なものだけが規制としてあって、必要でないものは当然なくなる、こういう方向に持っていかなければいけない。 これは自由な経済社会という建前から当然のことだろう、こういうふうに考えているわけであります。そして、その結果として内外価格差の是正に資する点もありましょうし、新たな産業が創出されることもありましょうし、そういった活力ある経済社会が生まれてくるのだろう、こういうふうに考えております。
○伊藤(達)委員 この規制緩和推進計画についてでありますけれども、もう少し私なりの具体的な疑問点が幾つかあります。 政府の方は五年あるものを三年に前倒ししたんだ、そして数も一千百に近い数をまとめたんだ、こういうお話でありますけれども、ただこれは実際によく見ていきますと、内外価格差の是正という観点から見れば、それを具体的に推し進めていく原動力になるような分野については、ほとんど多くの分野は規制緩和ということが先送りにされたのではないかなというふうに思います。 例えば、先ほどもちょっと農業の話が出ておりましたけれども、農業の分野では食管法は廃止をして新しい法律に移行するということになっておりますけれども、価格の規制は基本的には手つかずの状態になっている、先送りの状態になっている。通信の分野でも、第一種事業者の参入規制については、手続の透明性ということについては具体的にうたっておりますけれども、規制そのものについてはやはりメスが入り切らない状態にある、こういうことになっているわけであります。 そういうところにメスを入れていかないと、格差を是正していく、是正していくと言っても、具体的に成果をあらわすことにつながっていかないのではないかというふうに思うわけでありますけれども、その点についてはいかがでございますか。 〔実川委員長代理退席、委員長着席〕
○高村国務大臣 内外価格差という観点だけからいえば規制を取っ払った方がいいけれども、そのほか政治の目的は内外価格差を撤廃することだけではないわけでありまして、先ほど岸本委員からも御指摘がありましたように、例えば農業でいえば国土政策だとかあるいは環境の問題だとか、そういったもろもろの問題のために規制があって、それが結果的に内外価格差につながるということもあるわけであります。そういう中で、それではどっちが大切かということは国民全体のコンセンサスの問題なのだろう、こういうふうに思っております。 ですから、内外価格差の点だけからここはやればいいよと。例えば、私は専門でありませんが、通信の問題にすれば通信主権の問題とかいろいろ難しい問題があって、そういう中で具体的に一つ一つのことについて精査されるべき問題で、これをやれば内外価格差が縮まるね、それならほかのことは一切無視してただやればいいという話ではない。 ただ、全体として、内外価格差の縮小を阻害している規制緩和というのは極めて大切なことであるということは間違いないことでありますが、個々具体的にはいろいろな問題がある、こういうふうに考えております。
○伊藤(達)委員 今長官から御答弁があったことは重々私も承知をいたしております。しかし、一方で、規制緩和の議論をするときには、これは多くの参考人も危惧をされていたのは、総論は賛成、でも各論になるとなかなかいろいろな意見が出て前に進んでいかない、これが今までの経験であったということだったと思います。そういう意味では、やはり規制にはそれぞれいろいろな意味があったことも事実であります。先ほど同僚の委員からいろいろ御指摘があったことも、それは私なりによくわかります。 そういう意味では、もっともっと政府が抱えている情報というものを国民に提供して、先ほど長官が答弁をされたように国民の中で議論をして、そして、どういう選択をするのかという明確な方向性を見出していかなければいけない。そういう意味ではまだまだ環境の整備があろうかと思いますので、その点についての格段の長官のリーダーシップをお願いをしたいと思います。
○高村国務大臣 規制にもいい規制と悪い規制がある。したがって、規制緩和にもいい規制緩和と悪い規制緩和があるわけであります。それを国民レベルで議論をするためには、まさに委員御指摘のように情報公開ということが前提でありますから、そういったことについては私も私の立場で最大限の努力を払わせていただきたい、こういうふうに思います。
○伊藤(達)委員 そうしましたら、少し観点を変えて質問をさせていただきたいんですが、この内外価格差の問題と相まって、価格破壊という言葉が一つ流行語になっておるわけであります。 経済企画庁におかれましては、この価格破壊というものが実態として実際に今の景気に対してどういう形で影響を与えているのか、物価に対してどういう影響を与えておるのか、その辺についてのもし調査のようなものがありましたら、お聞かせをいただきたいなというふうに思います。
○大来政府委員 今お尋ねの件に関しまして一つ例を挙げさせていただきますと、昨年の経済白書におきましてディスインフレについての分析を行っております。このディスインフレと申しますのは、価格破壊を含む物価上昇率の低下がどういう影響を持つかということでございまして、そういう意味では、かなり価格破壊についての今の委員の御質問に近い分析をやっているというふうに考えております。 その内容でございますが、ディスインフレは、企業に対しましては、まず生産の際に企業が買います投入財、原料ですとか中間製品の購入に際しての物価が下がるという意味でプラスに作用をする。それから、家計におきましては実質所得の下支えになる。消費についても、家計のマインドというのは物価が安定しできますと改善をするという傾向がございます。 そういったプラスの面が企業、家計においてあるということでありますが、マイナスの面ももちろんあるわけでございまして、企業の方で見ますと、企業の抱えております負債が価格が下がることによりまして実質的には増加をする、それから企業が抱えております在庫が価格で目減りをする、そういった問題がございますし、それから企業マインドが悪化をするということがございます。 それから、賃金との関係は相対的な関係になるわけでございますが、賃金が下がりにくいという状況でございますと、売り上げの減少というのは、賃金がコストとなっておりますので、そのコストとの関係で企業収益の改善のおくれということにつながっていくというわけでございます。 概して企業の側ではマイナスの影響がございますが、家計の方ではどちらかというとプラスというふうに考えております。全体としては、企業、家計、合わせまして考えますと、プラスの面とマイナスの面と両方ある。どちらが大きいというのはなかなか言いにくいところでございますが、両面があるというふうに認識をしております。 今後もこういった分析を進めてまいりたいというふうに思っております。
○伊藤(達)委員 ありがとうございました。 この価格破壊ということが生活の実感の中で進んでいきますと、我々生活者・消費者というものは、価格に対しての感覚というのがより鋭くなってくるんではないかというふうに思います。 そういう意味からしますと、公共料金の問題については、私たち生活者からすれば、やはり大きな疑問を持たざるを得ない状況に今あるんではないかというふうに思うわけであります。これは、円高が進行して消費者物価というものが全体として低下傾向にあるにもかかわらず、残念ながら、現政権になってから次々と公共料金が上がっていってしまっている状況にある。この間の値上がりというものをある研究所が試算をすると、これも参考人の中から御指摘ありましたけれども、一兆八千億近い負担が生活者や企業に対して強いられている状況になっているんだ、こういうお話がございました。 そういう意味からすれば、この公共料金の問題についても大きなメスをそろそろ入れなければいけない、こういう時期に差しかかっているのではないかというふうに思うわけでありますが、長官としてのこの点についての御意見をお伺いをしたいと思います。
○高村国務大臣 現政権になってから次々と公共料金が上がっている、それはある意味で客観的事実なのかもしれませんけれども、前の政権で公共料金について一括凍結ということをされた。そして現政権も年内一括凍結ということをされて、現政権もそれはそのまま引き継いだ。そして、年が明けた当然の結果としてそれなりに公共料金も上げざるを得なかった。前の政権の後始末的意味もあるということを御理解いただきたいと思います。 公共料金については、従来から、経営の徹底した合理化を前提として、物価及び国民生活に及ぼす影響を十分考慮して厳正に取り扱ってきたところであります。公共料金のうち、円高の進展や技術革新等により引き下げが可能なものについてはその引き下げに努めてきており、先般の緊急円高・経済対策においても可能な限り引き下げ措置を盛り込んだところであります。公共料金に係る規制緩和を一層推進するとともに、事業の内容の透明性を確保し、国民の十分な理解を得るよう情報公開を進めることが重要と考えております。 いずれにしましても、公共料金については、今後とも、昨年十一月に閣議了解した今後の公共料金の取り扱いに関する基本方針に基づき、個別案件ごとに厳正な検討を加え、適切に処理してまいりたいと思います。
○伊藤(達)委員 長官から前政権の後始末的な部分もあったというような御発言でありますが、ただ、今問われているのは、公共料金のその料金を決める基本的な考え方、体系、その決定システム、そこにどういうようなメスを入れるか、それが今まさに政治が問われている問題ではないかというふうに思うわけであります。 ある意味では、公共料金というのはコストを積み上げていく総括原価方式というものをとっているわけでありますから、ここにメスを入れられるかどうかということが、公共料金をただ単にどんどん値上げしていくということじゃなくて、値下げをしていくという議論もできるような状況になるかどうかということではないかというふうに思うんですが、この点についてはいかがでございますか。
○高村国務大臣 公共料金でも値下げしているものもあるわけであります。通信の分野とかそういったもので値下げしている分野もありますし、あるいは電力は既に暫定値下げ中であります。 そういうことでありますが、公共料金だけなぜ上がるという国民の素朴な疑問があるわけであります。一つには、公共料金というのは商品というよりもサービスの分野が多いので、先ほど御指摘があった価格破壊とかなんだとかいう問題については、やはり今の円高ということが非常に影響しているわけでありますが、サービスについては人件費が非常に大きなものを占めるようなことがあって、公共料金にかかわらずサービスは下がっていないわけでありますから、そういったことと比べれば、公共料金だけが特別上がっているかどうかということは疑問な点もあるわけであります。 それともう一つは、公共料金のある程度必然性があるわけですが、競争条件が十分整っていない公共料金ですね。そういう中であっても、どれだけ市場経済的なものを公共料金の中にも入れていくことができるかということが一つの大きな課題である、こういうふうに思っております。 それから、それぞれの公共料金の特性によって競争が制限されざるを得ないことによって独占的に価格が決められる、それだからこそ政府が認可をする、こういう体制になっているわけでありますが、これは今のままの体制で政府が認可しなくて自由にやっていいと言ったら、もっとどんどんどんどん上がるということでありますから、そういう中で今の体制の中でどれだけ競争を入れられるか。 そして、国民に対して先ほどから問題になっています情報公開をきっちりして、公共料金、十把一からげに考えて全部一括凍結とかなんとかということではなくて、個別的に国民が検討して、これは仕方がないかな、これはひど過ぎるよということを十分判断できるようなことをしていくということが必要かと思っております。
○伊藤(達)委員 今御答弁ありましたように、私自身も公共料金をマーケットプライスの視点からだけ考えていくということは、これはもう難しいということはよく承知をいたしております。それから、電力やガスのように、新しい競争原理を部分的であっても徐々に入れて経営の効率化に努めていく、競争原理を入れながら料金が下がるような状況をつくり出していこう、こういうことが行われていることも知っております。 しかし一方で、先ほど言いましたように、昨年来の値上げにおいて一兆八千億ぐらい、私たちやあるいは企業に対して負担を強いていることも事実であります。 その中で情報公開のお話があったわけでありますけれども、昨年来から料金を上げていく公共事業体の総点検をやっていくということで報告書がまとめられて、私自身も読んでみました。私たちの生活実感の中でわかりにくい高速道路の値上げ、これにかかわる日本道路公団の問題について見てみましたら、新規事業の建設費を四百八十億、管理費を二十九億円毎年節減する、こういうふうに書かれているわけでありますけれども、具体的にこの数字がどうやって出てきたのか、これはどう読んでみてもちょっとよくわからないということがあります。 それから、参考人の中の意見にもあったのですが、その方はNTTの基本料金の値上げの問題についての審査に参加をしたんだ、しかし、この料金の値上げについて、なぜ料金を値上げしなければいけないのか、自分の知りたい情報について十分に情報提供があったとは言えない、こういうようなことが当委員会でも述べられている、こういう事実もあるわけであります。 そういう意味からすれば、情報公開というと非常に聞こえはいいですけれども、実態としてはまだまだその部分が十分に行われていないということも事実ではないかというふうに思うわけでありますが、この点についてはいかがでございますか。
○高村国務大臣 私は、一方において公共料金ということですべての公共料金を十把一からげに論ずることは間違いである、一つ一つ個別に論ずるべきだ、こう言っているのと、同時に、そういうことを国民に納得していただくためには、十分な情報公開ができていなければ、国民の側は十把一からげに言う以外にないということも十分承知しております。 そういう観点に立って、現時点での情報公開が、個別的には私申し上げませんけれども、全体的に十分だとは思っておりません。これからさらに積極的に進めて、行政の側が十分な情報公開をしない限りは、国民に公共料金というものはという十把一からげに論じられても仕方がない面はあるか、こういうふうに存じております。
○伊藤(達)委員 そこでもう一度、内外価格差を是正をしていく具体策、この点について政治がどのような提案や提言やあるいは決断を国民に対してできるのかということについて、長官の方にお尋ねをしたいわけであります。 細川連立政権のとき、平成六年度の予算編成に当たっては、当時社会党の方やさきがけの方も一緒になって、内外価格差の問題については五年以内に西欧と同じレベルまで是正をやっていこうじゃないか、そのプログラムづくりをやろう、そういう意味での経済企画庁の予算というものを考えていこう、こういうことが行われました。しかし、これは言葉の表現かもしれませんが、残念ながら現政権下の平成七年度の予算の中では、いろいろ調査をするということにはなっておりますけれども、具体的な目標を上げるということについては、その表現がなくなってしまっているという状況ではないかと思います。 私も予算委員会のときに、長官の方に直接、本年度の予算に当たって、具体的な目標というものを提示をして内外価格差の問題に取り組む必要があるのではないか、こういう質問をさせていただきました。その質問に対しては、そうは言ってもやはり自由経済であるからいろいろな問題があって、具体的な目標を設定するということについてはなかなか難しいんだということで、積極的な御答弁がいただけなかったわけであります。この点についてもう一度私お伺いしたいと思うのですが、いかがでございますか。
○高村国務大臣 購買力平価を改善するという目標を設定することは、困難であってもある程度可能かもしれませんけれども、内外価格差を欧米諸国とないようにしようという目標設定というのは、これは困難というよりも不可能だ、私はそう思っております。 というのは、例えばレーガン政権時代に高金利政策をとって、そのときは非常なドル高ですよね。そのときは内外価格差とすれば、明らかに日本の方が物価が安かったわけであります。為替水準から考えれば明らかに日本の方が物価が安かった。それから急にドル安が進んで、まさに為替の水準によってこうなるわけでありますから、例えば日本の経済が何か壊滅して、めちゃくちゃに安くなった途端に内外価格差がゼロになるかもしれません。だから、内外価格差をなくすことが至上問題で、あとは何でもいいということであれば、それは幾らでもできるかもしれませんけれども、そういうことでは必ずしもないんだと私は思うのですね。 だから今、日本の生活水準を高めていくことは、着実に購買力平価を改善していくことだということは私はよく納得できますし、その購買力平価を改善するためにどのくらいの目標を定めると、これはできるかどうかわかりませんが、それならまだしも検討の余地があるかもしれませんが、内外価格差をゼロにしようとか半分にしようとかいう目標は、為替そのものが全く自由な市場で、それも日本の政策だけで決まるものでは全然ない。そして、よその国の物価がどうなるかということは、これもまた日本の政策で決められるものではない。 だから、我が国の政策だけで決められるものであれば、それはある程度検討の余地があるかもしれませんが、そういう中で内外価格差ゼロという目標を決めたと言って胸を張っておっしゃっていただくことは、何かパフォーマンスにすぎないのではないかな、大変申しわけないのですが、私はそういうような感じを持っております。
○伊藤(達)委員 私の質問の仕方が悪かったからかもしれません。何かパフォーマンス的にそれを決めたということではなくて、私の質問自体も粗かったのかもしれませんが、長官が言われた後段の部分であります。やはり政治の世界がある意味での具体的な目標設定をしながら内外価格差を是正をして、私たちの生活の豊かさというものをどう実感的に感じられるような形をつくるのか、それについて国民にわかりやすいような目標を設定していくことが、ある意味では必要なことではないかというふうに思うわけであります。 それで、政府の方でも経済企画庁が中心になって新経済計画を六月までに取りまとめる。恐らくこれはサミットに行かれる前にある程度日本としての考え方をまとめられるということでありますが、これについて新聞である種の報道がありました。それをちょっと読んでみますとサリン事件など相次ぐ事件による閉塞感は「戦後五十年を支えてきた経済社会のゆがみがもたらしたもの」として、現システムを根本から見直し、新しい経済システムをつくる必要があると指摘。このために四項目の基本理念を掲げ、自由で活力のある経済の創造策として、規制緩和の実行、社会全体の経済コスト削減とその目標の提示、ベンチャー企業を育成し、新規雇用を創出、年金のポータブル化など新しい雇用形態に合う社会保障制度の確立報道だけがちょっと先走っているかもしれませんが、こういうことが報じられているわけであります。 それで、今取りまとめの作業をされていると思いますが、新聞の見出しは「数値目標を設定」、こういうような見出しが躍っているようでありますけれども、実際のところはどういうことになりつつあるのか。これは産経新聞です。内外価格差解消や雇用創出、それについて数値目標を設定をしていく、こういうような新聞記事もあるわけでありますが、今取りまとめの段階だと思いますので、この点についてお答えできる範囲内でお答えをいただければというふうに思います。
○高村国務大臣 今経済審議会の中で、六月十三日に中間取りまとめをしていただくことになっていますしていただくというのは、経済企画庁はその庶務を預かっているわけでありまして、経済審議会の中で審議をしていただいて私どもが取りまとめるということではなくて、平岩会長のもとで経済審議会が六月十二日に中間取りまとめをしていただく、こういうことになっているわけであります。 そして、まだ取りまとめの内容というのは私ども聞いておりません。どんな論議が今までにあったかということはわかりますけれども、どういう方向で取りまとめるかということについては一切報告を受けておりません。したがって、本当に数値目標が入るなどということも一切聞いてないわけでありますし、もし数値目標が入るということであれば、私どもとすれば、例えば内外価格差の数値目標を入れるというような方に議論が進むということはないと思っていますけれども、もしあるとすれば、そういうことについての御意見を申し上げる場はあるかもしれません。 要するに、目標が定まるものについて目標を示すということはいいことだとおっしゃる、私はそのとおりだと思うのですが、現実に定めることが不可能な目標を、不可能かどうか、そこが議論があるのかもわかりませんが、私どもは不可能だと思っていることについて目標を定めるということは無責任なことだ、こういうふうに思っております。
○伊藤(達)委員 もう一度あえてお伺いをしたいわけでありますが、やはり一番議論のあるところは、その目標を設定できるのかどうか、ある意味では後段ではそれはちょっと無責任だということのお話があったわけでありますけれども、ただ、分野によっては、知恵を出せば十分にこういう形で具体的に価格差是正に向けてやっていくということもできるかと思うのですね。その辺についてはもっと長官の方が積極的な御意思というものを明らかにしていただく必要があるのではないかなというふうに思うのですが、あえてもう一度質問をさせていただきたいと思います。
○高村国務大臣 今の内外価格差の最大の原因は為替がファンダメンタルズからかけ離れていることだ、私はそう思っております。ただ、ファンダメンタルズからかけ離れようが離れまいが、現実に為替水準ができたのなら、それに追いつくように購買力平価も改善するということをどうやってつくっていくかという努力が必要であることはもちろんであります。 でありますから、為替水準という為替そのものを考えないで購買力平価がどうだ、それで国内的な要因だけから目標をつくっても、そのときに為替がどう動いたかによって内外価格差というのは全く離れてしまうので、数値目標は無理だ。しかし、数値目標が無理だということを、何か内外価格差を解消、縮小していくことに消極的だととらえたとしたら、それは間違いであります。私たちは先ほどから言っているように一生懸命やっていきたい、こういうふうに思っております。
○伊藤(達)委員 確かに、為替の問題は大きな問題だということは重々承知をしているわけであります。しかし、非貿易財の中でも生産性の低い分野はたくさんあるわけでありまして、長官も後段の部分ではお触れになられていましたけれども、産業や経済の構造的な問題というのは非常に大きいわけでありますから、そこにやはり大きく踏み込んでいかなければいけない。これは与野党ともに議論の分かれるところではないというふうに私は思います。 時間がありませんので、最後に公正取引委員会の機能強化の問題についてお伺いをさせていただきたいわけでありますが、規制を緩和して自由な社会をつくっていこうということになると、公正取引委員会の機能というものをもっともっと強化をしていかなければいけない、こういうことになろうかというふうに思います。 国会の審議の中でも、たしか橋本通産大臣だったと思いますが、この問題についてかなり突っ込んだお話をされていたと思います。今の公正取引委員会の機能では不十分である、少なくても人事院と同じような機構にしていかなければいけないのじゃないか、もっともっと出先の人員というものをふやしていかなければいけない、こういうお話があったというふうに思うわけでありますが、まず長官の方は公正取引委員会の機能強化についてどういうようなお考えをお持ちなのかお伺いしたいと思いますし、時間がありませんので、委員長は大変この問題についてお話はしにくいと思いますけれども、あわせて委員長からもお話をいただいて、それで質問を終わらせていただきたいと思います。
○高村国務大臣 先ほどから規制緩和の問題について申し上げていますが、それとともに競争政策の積極的な展開を図ることは極めて重要なことだと思っています。このためには、競争制限的な行為が行われることのないように独占禁止法を厳正的確に運用する一方、これをつかさどる体制の強化が必要と考えております。 こうした観点から、政府としては、本年三月の規制緩和推進計画及び四月の緊急円高・経済対策において、公正取引委員会の組織、人員面での体制強化を行うことを決定したところであります。 私といたしましても、公正取引委員会の体制強化等により、競争政策の一層積極的な展開が図られることを期待しております。
○小粥政府委員 簡潔にお答え申し上げます。 規制緩和が進展をしてまいりますと、端的に表現をすれば、独占禁止法の適用範囲がそれだけ広がる、こういうことでございまして、特に規制緩和後の市場において公正自由な競争を促進するための一般的なルールである独禁法の厳正な運用が必要になってまいります。 したがいまして、公正取引委員会の事務局体制を組織、人員の面で一層強化する必要性を私どもも痛感をしておりますし、今経済企画庁長官から御答弁がございましたけれども、規制緩和計画の中におきましても、その点は明らかに組織、人員の強化が必要であるというふうに政府決定をいただいたところでありますので、私どもといたしましては、差し当たって平成八年度以降の予算要求におきまして、機構、定員の拡充強化を図るために関係方面の一層の御理解を得られるように努めてまいりたいと考えております。
○伊藤(達)委員 どうもありがとうございました。これで質問を終わらせていただきます。
○大石委員長 午後一時三十分から再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時二十八分休憩 ————◇————— 午後一時三十分閣議
○大石委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。上田晃弘君。
○上田(晃)委員 新進党の上田晃弘でございます。本委員会におきましては二回にわたりまして各界各層の識者の方をお招きいたしまして、参考人の御意見という形で、今私たちが対応しておりますところの内外価格差是正へ向けてどうすればよいのか、それぞれ御意見を賜り、また本委員会の委員から活発な質問もございまして、大変貴重な勉強をさせていただいてまいりました。 この内容は経済企画庁長官も当然お耳に達していることだと思いますが、まことに僭越ながら、私自身、その二回の本委員会の参考人の皆さんのお話等を簡単に整理してみました。 一つには、この実体経済に即していない円高をどう是正していくか、これは先ほど企画庁長官もおっしゃっていたところでございます。これについては巨額の対外不均衡を是正していく、これが大事なポイントではないのか。つまり、総貯蓄に対する総投資、この割合を本当に真剣になってふやしていかない限り、いつまでもこの実体経済に即さない円高圧力というのは続くであろう。したがいまして、海外に向ける投資、また内需拡大、この辺のところは真剣に取り組むべきである、これが大きな柱である、このようなまず一つのポイントが見出されたのではないかと思います。 また、内需拡大という意味では、先ほど来ずっと御議論がございましたとおり、規制緩和の問題、これも取り組んでいかなくてはいけない。また、日本独特の商慣行を是正していかなくてはいけない、原価の透明度をアップしていかなくてはいけない、こういうような問題だと思います。 三点目には、流通を効率化していかなくてはいけない。さらには、自由競争を促進していく施策を講じていかなくてはならないであろう。 また、消費者の皆さん、生活者の皆さんに情報提供をより活発にして、消費者に賢い目を持っていただく、これが大切であろう。さらには、当然自己責任の意識というものも持っていただく、このように啓発していくことが大事であろう。 また、生産性の低い部門の生産性向上ということを図っていかなくてはいけない。そこで当然出てまいります心配としては雇用不安。ところが、生産性の低い部門の生産性を向上することによって余剰の雇用が出たとしても、それは規制緩和に伴う新産業の育成で吸収していくことは十分可能であろう。 さらには、内外価格差の是正ということがやはり必要であろう。 それから、地価問題もお話が出まして、土地ですね、地価問題に真剣に取り組んでいかなくてはいけない。これにつきましては、当然個々に利害が一致しないものではございますが、経済界の識者の方も、そろそろ日本の経済も土地本位制度というものから脱却していかなくてはいけないのではないか、こうもおっしゃいました。 最後に、食料品の問題につきましては、食料の自給という問題、また環境の保全という問題、これはまだその観点からも慎重な審議をしていかなくてはいけない。 本委員会におきましては、党派を超えて委員の皆さんのコンセンサスがほぼ得られたのではないのかなと、こんなような形で私なりには整理させていただきました。 しかも、どなたもおっしゃることは、総論賛成、各論反対ではだめだ。このように内外価格差是正のアイテムは大体出そろったわけでございますので、あとはやるかやらないかだ、いつからどのように手をつけるか、ここが大事だと。 また、自民党の岸田先生の方からもお話がありましたのは、安全供給、安定供給、業界秩序という、いつもながら出てくるこのワードの壁に阻まれてはいかぬ、これを突破しなくてはいけない、こんなような御意見で、大体これは皆さん合意をされてきたのかなと私自身は思っております。 二回の参考人質疑を通じて、今私なりにそのようなつたないまとめ方をさせていただきました。こうした内外価格差是正に向けての取り組むべきアイテムはこんなことかなと思うのですが、まず経済企画庁長官といたしまして、これにつきまして御意見なり、まだ欠けているよというような御指摘等があればお示しいただければと思います。
○高村国務大臣 今委員が取りまとめられた内容については、私は一〇〇%賛成でございます。どこか欠けている点がないかと思って考えていたのですが、なかなか見つからないぐらいすばらしくまとめられている、こういうふうに思います。 ただ、総論賛成、各論反対ではだめだよということもまた総論でありまして、例えば規制緩和の問題、これはすぐれて各論の問題だと思うのですね。だから、各論を個別案件ごとにきっちり、この規制はいい規制である、悪い規制である、したがって、それを緩和することはいい緩和である、悪い緩和である、それは個別案件ごとにそれぞれが論議を尽くしていかなければいけない問題ですし、そのために情報公開といいますか、論議ができるだけの情報が公開されていくことがまた必要である、こういうふうに考えております。
○上田(晃)委員 ありがとうございます。 そこで、今大臣の方から、もう具体的、個別に取り組むときだ、このようなお話もございましたし、また、本委員会は消費者問題特別委員会という委員会でございますので、経済問題についてマクロの論議も当然大切でございますが、せっかくの機会でございますので、私はあえてきょうは生活現場に密着した問題を限られた時間の中でちょっとお尋ねをさせていただきたい、こんなふうに思うところでございます。 大臣といたしまして御答弁いただく部分は御答弁いただいて、あとは関係の政府委員の皆さんからお答えを賜ればありがたい、こんなふうに思います。私もテレビのニュースキャスターみたいに上手に一問一答できないわけでございますけれども、なるたけこちらも簡明に聞かせていただきまして、それに対して簡単に答えていただいて、そのQアンドAを選挙区に戻りまして生活者の皆さんに見ていただいて、非常によくわかる、このような質疑応答になれば大変すばらしい、こんなふうに思っているところでございます。 ということで具体論に入ってまいります。 先ほど配られておりました物価局でおつくりになりました「生計費調査による購買力平価及び内外価格差の概況」、この書類で、午前中も御討議がございましたが、四ページ目の「内外価格差の現状」を見ますと、内外価格差のひときわ大きいものとして目立ちますのは、食料品、被服・履物、エネルギー・水道、そして家賃、こういうことでございます。中でも家賃という部分につきましてきょうは集中的にお尋ねをさせていただきたい、私はこんなふうに思うのです。 なぜ家賃なのか。これはもう当たり前のことでございますが、簡単に倍率だけで同じように見ることはできないというふうに私は思っております。先ほど来公共料金についてさまざまな委員の方がお話しされていましたが、例えばの話、アメリカ・ニューヨークと東京で公共料金が二倍違うと申しましても、一般家庭という意味においては、公共料金、電気・ガス、水道その他が一万円なのか二万円なのか。その差となりますと、日本が二万円でニューヨークが一万円だ、このくらいの差になるのかなというふうに思っております。 ところが、家賃の倍というのは、これはただ倍というだけでは済まされない違いなんですね。これは、首都圏域において家を借りるとなりますと大変な金額がかかっております。こういういろいろな賃貸住宅の情報誌なんかを見ましても、収入の三分の一は当たり前、こういうことでございますね。したがって、二DKぐらいの家を借りょうと若い夫婦がちょっと考えましても、これは十万円台からの話でございます。そうなりますと、五万円と十万円台の差でございますから、実質的な負担増というのは大変な重みになっているのですね。だから、公共料金も大事ですが、実質的な負担の重さという意味では、この家賃の問題は真剣にどこかが取り組んでいかなくてはいけない問題であろう、私はこんなふうに考えているのです。 それからまたもう一つには、節約しようと思っても節約できないのが家賃なんですね。例えば公共料金ですと、水道を節約しよう、おふろに入ったらそのお水で洗濯しようとか、また電気はなるたけ小まめに消しましょうとか、いろいろできます。また、食料品という観点においても、月に一遍家族で郊外レストランに行っていたものを、じゃ二カ月に一遍にしようかとか、消費者・生活者としてのいろいろな自分の努力ができるわけでございます。しかし、家賃というのは言うまでもなく節約できません、一回住んでおりますと。ちょっと今月は家賃が大変なので、一カ月公園で寝ようということは許されないわけですね。したがって、どういう状況であれ、一回借家に入りましたら、またアパートに入りましたら、その家賃はどんなことがあっても節約できない、払い続けなくてはいけない、こういう特徴があると思います。 さらには、参考人の先生で佐々波先生がおっしゃっていましたが、自由市場といいましても、東京に住むのは高いからニューヨークに住もうかということはできないわけですね。 そういう幾つかの特徴的な問題がありまして、家賃の問題というのは内外価格差の中でもとりわけ私は重いテーマなんではないのかな、こんなように思っているのです。 しかも、この後またお尋ねいたしますが、礼金だ、敷金だ、保証金だ、不動産屋の手数料だ、家を引っ越すとなりますと、関東方面で家賃の六倍ぐらい、関西方面ですと十倍ぐらいですか、まず最初に払わなくてはならない。こういう問題でございますので、ここの家賃高いから安いところへ引っ越そうとできないのですね。安いところへ引っ越そうといったって物すごい金を取られちゃう。 したがって、こういうようなとりわけ家賃という問題については、他の食料品、また公共料金、これも大事なのですが、そういう人間の基本的な人権、まあ居住権というものにもかかわる問題なので、どこかが真剣にこれは考えていかなくてはいけない問題だ、こんなように思っておるのですが、大臣の所感はいかがでございましょう。
○高村国務大臣 御指摘のように、東京とニューヨークだと家賃に大体二倍の格差があるわけであります。これは必ずしも大家さんが悪徳だというわけではなくて、やはり一番大きいのは土地の値段、地価がかけ離れているということだと思いますし、もう一つは住宅の建設費が違うということだと思います。 原因がそうであれば、これから土地政策をきっちりやっていく、それから住宅の建築費を下げるために輸入の促進だとか規制緩和だとかいうことをきっちりやっていく、こういうことだと思いますが、経済企画庁としても関係省庁と連絡をとり合って、これからも家賃が国際的に見ても適正な方向に進むように努力してまいりたい、こういうふうに思っております。
○上田(晃)委員 ただいま大臣から大変力強い御答弁をいただいたのですが、まことに失礼なんですが、国際的に見てもということで、私も当然国際比較がされていると思ったのです。どこの課のどなたとか別に申しませんが、ないんだそうです、そういうデータが。いわゆる各国際都市においてどういう形で、収入に対して住居費がどのくらいの割合になっているのか。つまり、食料でいうならばエンゲル係数ですね。この住居にまつわる分野がそれぞれ実質収入に対してどのくらいのウエートを占めているのか、これは国内も何か余りはっきりしたデータがないようですし、ましてや国際的な比較もされていないというお話だったのです。 大変私も唖然といたしまして、そういうことであるならば、審議会の方がいろいろ今取りまとめをされているといっても、どういう資料をもとにされて御議論されて、どういう結論を出そうとされているのか甚だ心もとない感があるのです。その辺についてはいかがでしょう。
○高村国務大臣 どこまで資料があるか、私も今すぐよくわからないわけでありますが、やはり家賃についてやるべきことは土地政策。これは戦後一貫して土地神話のもとに土地の値段が上がって、かけ離れた状況になっているのですから、土地の価格がさらに安定することがまた経済に対してどういう影響を及ぼすかというような、また逆の方の議論もあるわけでありますけれども、しかし、そういう点を考えても、なおかつ全体的に考えれば、土地の値段を安定させなければ家賃が下がりようがないということもあるかと思います。 それから住宅の建築費、そういったことに地道にどう取り組んでいくか。そして、先ほど規制緩和と言いましたが、どの規制のどこまでが合理的な規制でどこまでが合理的でないか、それは各論として建設省等を中心にやっていただきたい。ともかくこれだけ差があるんだから、それを縮めるという観点から考えていただきたい、こういうふうに考えていこう、こういうふうに考えているわけであります。
○上田(晃)委員 国民生活局国民生活調査課というところから一枚の資料を賜りました。これは、私がこの家賃問題で随分うるさいことを言いまして、資料をいただきたいということでいただいた書類なんでございますが、つまり、ざくっと全国平均いたしまして、一世帯当たりの一カ月の平均の支出が三十三万一千七百八十八円である、うち住居にかかわるものはどうなのかというと二万七百八十七円で、支出のうち六・三%しかかかっておりませんというペーパーをいただいております。 これはいかにも不思議な書類でございまして、さらにちょっと調べさしていただきますと、ここで言う住居というのは家賃と地代と設備修繕の維持費を足したものだ。家賃と地代、それから修繕費、これを足して、つまり、四千百万世帯ぐらいでございますから、それで割りますとこんなものだ、こういうお話なんでございます。 じゃ、持ち家の方のローン、もう大変な負担がかかっているわけでございますが、いわゆる住居ということについてローンはこの中に計上されておるのか、こう聞きましたところ、入ってない。ですから、持ち家の方、現在我が国で六割程度でございましょうか、これもある意味では家賃と同じように大変高いお金を払っておるわけでございまして、これが住居にかかわる費用として入れられていない。それで本当に賃貸で借りている方の家賃それから地代、地代というのは安いものでございますから、それを四千百万で割れば二万円だ、こんな国民生活を圧迫するような問題じゃないんじゃないかというような書きぶりの資料をいただきまして、私は正直言って本当に憤りを感じました。 これは大臣に御答弁いただかなくても結構でございます。これについてお話をいただきたいと思います。
○谷(弘)政府委員 私は物価局で直接タッチしてなくて、直接御説明できないんですが、我々今内外価格差問題について、大臣が御答弁なさいましたように非常に重要なテーマとして扱っております。 そのときの基本的な認識では、家計調査の支出額をもとに算出された消費者物価指数、いずれも総務庁で作成されているものですが、そのウエートを見ますと、この中では民営家賃が、家計支出全体を一〇〇〇〇と仮定いたしますと、そのうちの二三四、大体生鮮食品でございますとか魚介類とか、そういったものをまとめたぐらいの支出のウエートになっております。ですから、大変重い家計負担になっておるという認識のもとに今検討を進めておるわけでございます。 多分、ちょっと推測になりますが、その資料は、物価指数の上でこのくらい上がっている、そういう趣旨かと思います、ちょっと中身はわかりませんけれども。物価が今一%とか〇・五%とかそういう中でございますので、その中で家賃の分というのは修繕費も入れてこのくらいの上昇分におさまっている、そういう資料ではないかと私自身思料いたします。
○上田(晃)委員 局長の思いとしては、家賃またはローン、住居費というのは大変重い負担になっているという意識はされているという御答弁でございましたが、恐らくこの書類は変化の指数とかそんなものじゃありません。基本的に、全国で四千百万世帯あって、平均月々三十三万一千円使っている、うち住居でかかっているのはたったの二万七百円で六・三%じゃないか。 だから、何をもとにしてこの一枚のペーパーをまとめられたかわかりませんが、いわゆる国民生活局、ここがこういう問題意識でこういうぺーパーをつくって出してくる。しかも、電話で追加でお聞きしても何かよくわからない。これは本当に経済企画庁国民生活局として、生活者・消費者の暮らしを守るという精神に立って仕事をしているかどうかということが大変私は不可解なんです。どうでしょうか。
○谷(弘)政府委員 今、国民生活局から出ました調査の資料でございますが、私が申しましたのは総務庁の家計支出で、これは標準世帯でございます。これは全体の支出が一〇〇〇〇あるといたしますと、家計簿で調べたものでございますが、民営の家賃というのは二三四あるということでございます。この数字からパーセントでいきますと、家賃は一万分の二百三十四という支出でございます。 ですから、家を建てたりしたときのは家計調査に入りません。修繕費等は入りますので、そういうことで家賃と修繕費、それから地代等は毎月家計簿から支出が出ておりますので、足し上げますと、ちょうど今申しました六・三%ぐらいのものが家計調査でつかまる、家計簿から出ていく支出額としてはその額である、こういうことでございます。 今のローンでございますとか貯蓄関係の生命保険でございますとか、そういうものは家計調査の支出の中には入っておりません。それは資産勘定ということになりますので、いわゆる普通の消費支出の中でとらえておりませんので、別勘定で計算したのだと思います。
○上田(晃)委員 項目として入ってないことは、こちらも先刻承知でございます。 ただ、実質的な生活という視点からさまざまな調査をし、施策をお考えになるお立場でございましょうから、ローンは貯蓄ですと、何か学術的なことを言われても困るのです。基本的に、本当に生活の中で家賃またはローンというものの負担がどのぐらいなのかという庶民の痛みというものがわからないまま、いや、これは項目に入っていませんでは、何も今後政策展開のしょうがないと思うのです。 痛みがわからなければ、私たち立法府の人間もそうでございますが、皆様方行政の方もどういうふうに今後施策を展開するのか、基からこれは国民を愚弄していることだと言われてもいたし方ないと思うのです。したがって、これは今まで入ってないならば、今後そういった実質的なローンの支払い等も調査して、一軒一軒、四千百万世帯がどのぐらいこういった負担にあえいでいるのかということを調査される御用意がありますか、それだけ御答弁ください。
○谷(弘)政府委員 お答えいたします。 ただいま御説明を申し上げましたのは、総務庁がやっております家計調査ベースで出ている数字を申し上げまして、これは国際的に比較いたしましても、ほぼ日本のウエートぐらいで各家賃の支出ということで調べております。 ローンについては家計調査というものはございませんので、それについては総務庁等、全国的にそういう足を持って八千世帯ぐらいを調べているものだと思いますけれども、これをやりますと大変な予算がかかるもので、事例調査等あればそういう調査等を探したいと思います。そういう研究調査もあるかと思いますので、ありますればまた御報告いたします。
○上田(晃)委員 それでは、総務庁がおやりになっても経企庁がおやりになってもこちらは一向に構わないのですが、実態的なものをきちんと把握できる、そういう調査をしっかりやっていただきたいと思います。それで予算がかかるということで予算が必要ならば、それはそれでこちらに提示をしていただければ、みんなでまた審議をする問題でございますので、よろしくお願いします。 次に、時間がどんどんたってしまいますので、各論に入らせていただきたいと思います。 これから多くの皆さんの最大の関心事というのは、高齢化社会がやってくる、これに対してどう対応するか、これが最大の関心事でございます。この高齢化社会への対応、これについては、基本的には在宅介護というものを軸としてやっていこうというふうに国としては考えております。これは私個人としてもその方向が好ましいのであろう、こういうように思っております。おじいちゃん、おばあちゃん、ぐあいが悪くなったら老人病院に入れちゃって死ぬまで帰ってくるな、これは本当に不幸なことでございますから、やはり在宅介護が一番よろしいと思います。ところが、くどいようでございますが、この在宅介護の宅がないのです。こういう問題は深刻な問題です。 先ほど来申し上げておりますが、日本全国四千百万世帯あって、民間の借家にお住まいになっている方は約二六%だそうでございますから、一千百万世帯ですよ。一千百万世帯の方が民間の借家に入っておられる。それで民間の借家というのは、おじいちゃん、おばあちゃんがぐあいが悪くなって寝込んだ、家で介護をしながらホームヘルパーの方に来ていただいて生活できるというような物件はございません。これは私も電話帳みたいな厚いものをいろいろ見ております、私の地域も含めて。 と申しますのは、これはちょっと私ごとになって恐縮でございますが、私も寝たきりの母親がおりまして、在宅で介護をいたしておりました。残念なことに四月四日に亡くなったわけでございますけれども、寝たきりの母親がいて、そこそこ元気なおじいさんがいて、娘が二人いて、私と家内。そうしますと、今住んでおります家屋というのは五LDKで、それでもやはり結構目いっぱいでございます。今度選挙制度も変わりましたことですし、その地域に寝たきりのおばあちゃんも住むことができるような家を探そう、正直なところこう思いました。もう八万手を尽くして探しました。家賃は安くなくてもいい、高くてもいいといって探しましたが、現実ありません。 となりますと、今一千百万世帯の方が借家でお住まいになっている。ところが、国は在宅介護だと言う。では、そういうところの在宅介護の宅というのはどういう問題ですかと、これも厚生省に聞きました。持ち家また公営住宅、社宅、寮、それから民間の住宅、そういったシチュエーションにそれぞれ即したいろいろなバリエーションを考えておるのか。一切考えておりません、宅は宅です、こういうことです。そうなりますと、本当にこれは親孝行をいたしたい、おじいちゃん、おばあちゃんがぐあいが悪くなってきた、一緒に住んで介護してあげたいといっても、住む家がないのです。では、そのときになって家を買おうかといっても、もうそんなお金はないです。これが普通でございます。 となりますと、日本の今後の住宅政策の根幹の問題として、高齢化社会がやってくる、在宅介護が基軸だ、だけれども宅がない、この問題についてどういう基本方針をお持ちになっているのか、お示しいただきたいと思います。
○内田説明員 御指摘にございましたように、高齢化社会に対応した住宅の供給、今建設省で新しい五カ年計画に向けまして住宅宅地審議会で御議論をいただいている最中でございますけれども、大きな柱が高齢化社会への対応だと考えております。 そういう中で、これまで主として公的住宅につきましては、公営、公団等で二世帯同居向けの住宅でございますとか、あるいは近接といいますか、ペア住宅の供給等を行ってきております。 民間賃貸住宅につきましては、一つは住宅金融公庫の融資、賃貸住宅の融資の中で、例えば床の段差の解消ですとか手すりの設置といった、いわゆる高齢者に配慮したバリアフリー化工事についての割り増し融資を行いましたり、あるいは民間の方が借家用に建物をお建てになる、それに対して今申し上げたような融資を補助をいたしまして、それを公的機関が借り上げてさらにお貸しするというような制度も始めたりいたしておりますけれども、率直に申し上げて、公庫融資の民間賃貸の部分でのこのメニューの利用状況は決して高くないというふうに聞いております。メニューに問題があるのかあるいはニーズと合っていないのかこれは今の議論の中で我々としても十分研究してみたいと思っております。
○上田(晃)委員 この問題は本当に深刻な問題でございますので、どうか今後の日本の住宅政策の大きな柱といたしまして、今後とも持ち家制度というものを推進するというのが可能なのかどうなのか、はたまた、もうそうではない、持ち家というものと公営の住宅と民間の良質な賃貸住宅を提供してもらうという、この三本のベストミックスを目指していくという方向にするのかどうか。 そして、今申し上げたように、本当に老後の不安を感ずることがなく生活する、居住権というものがちゃんと基本的人権として守られていくのかどうか。これはひとえに大事な問題です。衣食住の住というのは、先ほども申し上げたように節約できない問題でございますから、これは真剣に二十一世紀へ向けて検討していただきたい議題でございます。よろしくお願いします。 次に、もう一回ちょっと細かい話に戻って恐縮ですが、先ほど大臣の方からも、日本の家賃が高いのはひとえに土地問題、それから建設資材の高さという御指摘がございまして、それは私もそのとおりだと思っております。 そうなりますと、家賃というのは土地の価格並びに建設資材の価格というものできちっと算定されて家賃が設定されているのかとなりますと、これがまたよくわからない分野がすごく多いんです。どうしてこういう価格設定になっているのかという、このコスト計算が示されていないのが多いんですね。まさに先ほど来お話しさしていただいているとおり、日本的商慣行、悪い部分は改めよう、改めなきゃいけないものが実にたくさんあるように私は思っております。長期的には土地政策をやっていただくにしても、直近の問題として、改めるべき商慣行はやはり改めるという指導性をどこが発揮していただけるのかしら、こんなふうに思っておるわけでございます。 実は、中曽根さんが総理大臣をおやりになっていたときに、民活、それから規制緩和の流れの中で、地代家賃統制令が廃止されました。お話によりますと、この地代家賃統制令があったころまでは、まだ家賃というものが適正かどうかということを建設省の方でもお調べになっていたという歴史があるそうでございますが、この地代家賃統制令がなくなってからはどこも調査をされていないのではないか、こんなふうに思います。そうなりますと、この家賃の適正価格というのは本当にどうして決まっているのかな、こういうふうに思うのです。 では、この日本の家賃相場を決めているファンダメンタルズというとちょっと大げさかもしれませんが、どういうふうにお考えになっておられますか。
○内田説明員 基本的に、特に新築家賃につきましては、その土地ですとか建築コストですとかそういったコストがベースになって、さらに基本はやはり市場家賃だろうと思っております。それから特に継続家賃といいますか、かつてからずっと供給されている住宅につきましては、市場の需給の関係の中で価格は決まっていく、こういう側面が多いだろうというふうに考えております。
○上田(晃)委員 具体的に一点お尋ねしたいと思います。礼金、更新料の問題でございます。 これは素朴に考えてみまして、品物を買ってお金を払って、しかも買わしていただいてありがとうと言ってお礼を言ってお礼金を払う、こういう商取引というのはほかにあるんでしょうか。
○内田説明員 ちょっとほかの取引については私は承知いたしておりませんが、住宅についてそういったものがある。ただ、住宅も全国的なものというよりは、むしろ首都圏を中心に存在する慣行として礼金という慣行がある、こういうふうに承知いたしております。
○上田(晃)委員 確かに、関西の方へ行きますと保証金というシステムが多いようでございまして、これも先ほども触れましたように、家賃の約十倍ぐらい最初に持っていかれる。保証金でございますから、当然転居するときには、自分が故意過失によって家屋に傷をつけた分の修繕費だけ差っ引かれて、あとは戻ってこなくてはいけない。これは関東でいうところの敷金も同じでございます。 ところが現実は、ほとんど戻ってきていないというのが実態です。これはやはり借家人の方が知識が少ない。大家さん、不動産屋さんの方が知識が多いわけでございまして、新しい人が住むために簡単に家をリフォームするというのは、これは明らかに次の利潤を生むための設備投資なわけですから、本来ならば故意的に部屋を傷めたとか家を傷めたとかいうこと以外であるならば、それはすべて貸し主の方が直して、敷金や保証金は返ってこなきゃいけない。ところが返ってこないのです。 いろいろ本を見ましても、裁判に持ち込めば大体ちゃんと返っできますよ、だけれども、そんな面倒なことする、まあいいじゃないの、あきらめたら、こういう軽いノリの本が出ているのですね、若い人が部屋を借りるための。しょせんは悪い不動産屋さんに捕まらないようなことと、いい大家さんにめぐり会えたら幸福よね、大家さんとは仲よくしておいた方がいいんじゃない、そういう何というか、今独特の長いものに巻かれちゃって、事を荒立ててもしょうがないというようなこと、ガイドブックなんか大体全部そういうノリです。このリクルートでつくっている住宅情報なんかもそういうノリなんです。家を借りている側の人の権利というものは、公正にきちんと守られるんだということが情報提供されておりません、消費者・生活者に。この辺はどこの担当になるかわかりませんが、いかがですか。
○内田説明員 御指摘のように、不適切な商慣行が改善されるためには、情報が的確に提供されることが必要だと考えております。 私どもとしましては、平成五年に賃貸住宅標準契約書、これは住宅宅地審議会に一年間御議論いただきまして整理をしたばかりでございまして、この中には、例えば敷金については原則は返さなければいけない、こういうものについては差し引くことができる、こういうものと相殺してはいけないということから始めまして、明確に記載をいたしております。平成五年に作成をいたしまして、これの普及をいろいろな団体等を通じて現在行っているところでございます。
○上田(晃)委員 その書類は私も手元に持っております。拝見させていただきました。これで建設省さんとしては、さまざまな行政指導を不動産屋さんとか専門の方にされているのだと思いますが、ここにかいつまんであるものがユーザー、つまり消費者・生活者サイドには提供されておりませんよ、現実に。建設省さんとしては不動産屋さんとか宅建業界へ行って、こうやってやりなさいと御指導されているかもしれませんが、聞いた方は、はい、わかりましたと言って、それを実施しているかどうかは定かじゃない。 現実に不動産屋さんへの手数料の問題も、これは法的に決まっているのか建設省さんの行政指導かわかりませんが、貸し主半分、借り主半分で一カ月分手数料を払うということになっているのだそうですが、現実はもう一〇〇%と言っていいほど借りる側が不動産屋さんに手数料を払っております。こういうふうに不明朗な商慣行が余りにも多い。 しかも、何回も申し上げますが、自由市場で決定されるというのは、これは私は大変に正しくない言い方であると思っておりまして、自由市場で決まるというのは、先ほども申し上げましたように、高いから買いたくない、買うのやめたということが許されれば価格は自由に決まっできます。つまり、極端な話ですが、どこを借りても家が高い、私は公園で寝泊まりします、そういうことはこの国においてはできないのですよ。だからこの商取引においては、やはり土地家屋を持っているという人と借りるという人の間は、ツーイーブンの関係は成り立ちにくい商取引なんです。 であるならば、ましてや規制緩和は当然でございますが、先ほど来ずっと御議論あるように、残しておかなくてはいけない規制、また、しっかりとやらなくてはいけない行政指導の中にすぐれて入る項目ではないかと僕は思うのですが、全然なされていない、こういうことなんですね。 もう一つ、もう時間で、最後になります。この中にもありますが、いろいろな特約条項については、通常、常識的に考えられる特約にしなさいという指導をされております。毒蛇を持ち込むな、当たり前です。それから排水管に硫酸みたいなものを流すな、もうこれは当たり前です。 ところが現実に、最近特約の中で、子供不可、単身老人不可、それから石油ガス機器の使用禁止、全部電気製品でやりなさい、こういう特約が多いのです。若夫婦がアパートを借りて、子供が生まれたら大家から出ていけと言われている、これが世界の中でも有数な先進国、豊かな国だと言われている日本の中で実態として行われている。こんなことは私はもう許しがたい問題だと思うのです。この辺の行政指導を本当に真剣になって取り組まれる気持ちがあるのかどうか、それを聞かしていただきたいと思います。 そして最後に、こういう問題でやはり居住権というのは基本的人権の一番重要な部分だと思いますので、住宅基本法というようなものを今後制定していこうという御意思があるのかないのか、その辺を聞かしていただいて、時間ですから、終わらせていただきたいと思います。
○内田説明員 最初に、例えば老人とか子供の入居を認めないといったような特約条項があるということでございます。 私どもとしては、基本的には、住宅を求める方には適正に入居の機会が与えられるべきだと考えておりまして、もちろん公的助成を受けた公庫融資の賃貸住宅でございますとか、こういったものにつきましてはそういった差別は禁じておりますし、それから民間につきましては、これも間接的になりますが、貸し主の団体でございますとか宅地建物取引業者の団体を通じまして、そういったことをしてはならないということを明確に指導をいたしているところでございます。 住宅基本法につきましては、種々議論のあるところでございまして、まだ内部で方針として出ているものはございません。
○上田(晃)委員 ありがとうございました。終わります。
○大石委員長 大木正吾君。
○大木委員 少しく話題を変えまして、私の方からは最近の経済動向と内外価格差問題について伺ってみたいと思っております。 長官、御存じかもしれませんが、きょう印刷ができ上がったのは、約千二百ページぐらいありますが、通産省の通商白書です。自表紙のうちからいただきまして、ちょっと見せていただきました。 実はこの末尾の方に大変厳しい表現がございまして、「企業活動の国際展開」ということの中に、「産業の「空洞化」の懸念をもたらしている。市場の歪みが国内に存在し、本来比較優位を持たない分野の企業のみが国内に残ることは問題である。市場の歪みは直ちに是正する必要がある。」こういったことがありまして、現在の日本の産業の状態について非常に警告的な文章になっているわけです。 中身を多く申しませんが、内容に入っていきますと、円高問題とか商業慣行の問題でございますとか、さらには非貿易財の問題等のことが書いてございまして、議論してきました内外価格差問題の三点がこの中にも相当大きなウエートを占めて書かれています。 こういった面からしまして、きょういただきました長官のお読みになった長官のあいさつの原文を拝見いたしますと、問題の箇所はほとんど指摘をされております。円高問題はもちろんでございます。ただ、中に、例えば物価安定政策会議という具体的な機構がありまして、そこでもって具体的な対応策が出せるかどうかという問題、私は文章をちょっと気をつけて読ませていただいたのですが、余りはっきりいたしません。そういったこととか、同僚議員の質問と関係いたしますが、例えば、日本的な商慣習に基づく問題について是正をするという話がこの文言に出てきますが、具体的にどういう御見解のもとにこういった文章になったのか。 まず、ちょっと通商白書との関係を踏まえながら、問題は羅列されていますけれども、取り上げ方がソフトといいますか厳しさが足りない、こういう感じがするのです。失礼に当たりますけれども、長官の見解を伺わせていただけますか。
○高村国務大臣 御質問の趣旨が必ずしも一〇〇%わかったかどうかわからないわけでありますが、例えば規制緩和の問題でありますれば、規制を守りたいという方と緩和したいという方、その両方のせめぎ合いはあるにしても、これは政府の問題といいますか国の問題であるわけでありますから、意思決定がそれなりにできるわけでありますが、競争制限的な取引慣行というのは、政府の一存で慣行があるのを変えられるという問題では必ずしもないわけであります。 そういう中で、消費者がバブルのときと違って非常に低価格志向になっているとか、そういうことにこたえられないところは淘汰されるとか、そういった経済環境の中で、経済界みずからが考えて非競争的な取引慣行みたいなものありとすれば、それをやめていっていただきたい。私たちは、そういうものがこういうふうに内外価格差等に影響しているんだよということを要因として国民に情報提供することによって、国民といいますか、消費者に情報提供することによってそういった取引慣行が正されていく、そういったことに資する行動をとっていきたい、こういうふうに考えているわけであります。
○大木委員 公的な規制問題等は主として行政側が指導される問題なんですが、しかし、今話がありましたとおり、商的な日本的な商業慣行になりますと、各省庁並べて見ていきましても、どこの省が指導されるのかということがなかなかはっきりいたしません。あえて申し上げますれば、行政監察等がやるか、あるいは通産省が行政指導として業界と話し合ってやるかとか、そういった問題点等しか出てこないのですが、やはり問題として書くといたしますれば、私は、そういった方向についても、直接の解決策にまで至らないにいたしましても、いわば方向的なものについて、こういったこともあるじゃないかといったことが考えられた上でもって御指摘があったと考えたものですから、伺いました。 もう一つは、物価局長に伺っておきたいと思うのですが、この中に委員会が一つございますね。名前が出てきます。物価構造政策委員会、これが何か一、二、三、四、八まで、主として貿易財じゃないような関係の低生産性分野の問題みたいなものが書いてありますが、これについて対応策を検討しておられる。具体的な対応策ですね、どういうふうな内容になりますか。
○谷(弘)政府委員 ただいま、昨年の秋から物価安定政策会議のもとに、内外価格差問題を構造問題からきちっと対応していかなければいけないという考え方で、物価構造政策委員会というのを館委員長のもとにやっております。 この中で、いわゆる貿易財、輸入をしていくと内外価格差を下げていかれる部分となかなか輸入等ができにくいサービス分野と、二つございます。そういった二つの視点、それからもう一つ、消費生活に直接関係する部分と生産財、中間財等の産業関連の分野、こういう四つどもえの関係がございますが、そういったものをまとめまして、住宅、衣料・化粧品、食料品、サービス、エネルギー、物流、建築・土木、生産財、この八つにつきまして個別に今御検討いただいておるわけでございます。 そこで、横に並べてみますと、やや抽象化いたしますと、一つは、もちろん大きな問題としては余りにも急激な円高があるということでございますけれども、国内で政策的に対応できます問題といたしましては、要するに競争環境を整備して輸入を拡大していくという側面、それから規制緩和あるいは独禁法の厳正な運用、それから今委員御指摘のございました競争制限的な、例えば住宅産業なんかでございますと、町の建設業者と木材でございますとかいろいろな衛生陶器でございますとか、そういうものの資材の取引関係がかなり硬直化しているというような問題が個別に指摘されます。 例えばそういう点でございますけれども、今そういったことを個別に洗って、対策をこれから考えてまとめていただこうというところにございます。
○大木委員 ページ数がまだはっきりしませんけれども、こんな分厚いものがきょう私の机の上にありました。千二百ページの通商白書が来ているのです。 この中で、これは新聞の方から引いたのだと思いますけれども、最近のビジネスの中で価格の低下したものについて、情報サービス分野、国内電気通信、リース・レンタル、外洋貨物、こういったものが挙がっておりまして、コストの高いものとして、銀行手数料、郵便料金、トラック輸送、内航貨物、こういった分別したものが簡単に出ていまして、価格低下のポイントといたしましては、公的規制がないか緩和が進行したもの、こうなっていますね。これははっきりわかります。同時に、外国の企業の参入が容易なものが値段が下がっている、こういうふうになっているわけですね。ですから、幾つか動きが出ていることは間違いないのですね。しかし、トータル的なものはまだはっきりわかりません。 ただ、長官にもう一言伺っておきたいのですが、私自身も今の経済動向に若干の危機意識を持っておりまして、そして、その中の大事なものとして、結果論としましていわば内外価格差の問題が相当ウエートを占めている、そういった見方をしていますので、長官のきょうのあいさつの中の延長線上で、日本の景気について言えば、もうけは減ったけれども大体景気は穏やかな回復基調、こういうような見方に立っているのかどうなのか。 要するに、景気について最近日銀総裁の意見なんかを新聞で拝見いたしましたけれども、余り楽観はしていない発言が出ていました。そういった問題については、新聞記事のこれっぽっちのことを言うつもりはありませんが、率直に申し上げて、今の長官の景気に対する認識について伺わせていただきたいと思います。
○高村国務大臣 景気は緩やかながら回復基調にあるということ自体の認識は変わっておりません。ただ、月例経済報告にもお示ししましたように、急激な円高が景気に悪影響を及ぼすおそれがある、私は今まさに重大な警戒感を持って見ていかなければいけない時期である、こういうふうに思っております。 四月十四日にそういった観点から緊急円高・経済対策を出させていただいて、その予算面の具体化として補正予算を御審議いただいて、成立させていただいたところであります。その時点においてはあれは最善のものであったと私は考えておりますが、経済は生き物でありますから、これからも重大な警戒感を持って見続けて、もし問題ありとすれば機動的に対応していく必要がある、こういうふうに考えております。
○大木委員 景気問題でもう少し伺いたいことがございますが、ちょっと途中で規制緩和問題について、総務庁の方からだれか来てもらっているはずですから伺っておきます。 実を言いますと、私たちも与党として関係を持ってきたのですけれども、千九十一項目の規制緩和項目をやったわけですが、四月十四日の閣議におきまして五カ年を三カ年に短縮する、こういったことも決定されたわけですね。 ただ、私たちはやはり役人の方に弱いのかどうかわかりませんけれども、率直に申し上げて、担当しました省庁の問題を見てみますと、これは今手を入れて規制緩和しても余り意味がないといいますか、実行上実際には進んでしまっている問題等が幾つか見えましたし、同時にもう一つ、一つの慣行としまして、新しい業者がその仕事に参入しようとするときに、いわば課長さんなり課長補佐なり係長さんなりと相当事前の折衝をしていく、大体この辺までいかないとなかなかうんと認めてもらえないという問題が隠然として残っている感じがいたしますね。 そういったもの等も感じながら、本当に千九十一項目、数としてはいいところ出ているのですけれども、しかし、実際の効果をまだ求めることは無理なんですけれども、実際問題これについて、これは経企庁の担当じゃないとは思うのですが、追跡をしながら、半年なり一年ごとにどの程度省庁で法律を改正したか、あるいは省の中のいろいろな省令等を改正したかどうか、実行上どうなっているか、行政上どうなっているか、そういった問題について途中の点検をする用意があるかどうかについて、たしか総務庁から来ていただいたはずですから、お答えいただけますか。
○福井説明員 規制緩和推進計画におきましては、その閣議決定の中において、「計画に定められた各措置の実施状況に関するフォローアップの充実を図る。」ということをうたっておるところでございます。これに当たりましては、行政監察の機能を積極的に活用するとともに、その結果は毎年度行政改革委員会に報告をするということになっております。こうしたことを通じまして各措置の実施状況を的確に把握し、実効を上げるよう努力する所存でございます。
○大木委員 余り答えがはっきりわからないのですね。これは経団連の豊田さんの日経新聞五月二十五日の記事ですね。経団連自身が自分の業界に対しまして規制緩和の点検をやろうということを、相当大きな記事ですからまさかうそはないと思うのですが、やり始めているのですね。 そうしますと、経企庁は横の方からにらんでいれば結構だと思いますが、総理府はやはり各省庁の担当者会議を三月、半年に一遍ぐらいずつ開きながら、そうやって原文を出し合ってもらいながら中間報告をする必要があるし、そのことが結果的には、各省庁お互いに牽制し合いながらある意味では促進し合い、競争し合いながら本物の規制緩和が進んでいく、こういうふうになっていくだろうと思うのですね。 最近の、これは同じく新聞で恐縮ですが、五月二十日にシンガポールの前の総理大臣、リー・クアンユーさんが言っていますね。東アジアに対する貢献という問題と日本の規制緩和の問題について日本に注文していますね。 こういったことを見ていきますと、私たちは、取り組んだ当時は規制緩和というものはほどほどという気持ちが私自身もなかったわけじゃありませんが、しかし実際問題、これほど経済が世界経済の中で孤立化的な方向を深めていきますと、もう黙っちゃおられぬ。経済的規制は全部緩和してしまって、全部立て直したらどうか、こういうふうな気持ちを持ちますよ。 ですから、私はどうしても、財界も始めたのですから、総務庁を中心とした日本の行政関係者も、ぜひこういった問題について中間的な点検といいましょうかそういったことについて取り組んでもらいたいと思います。これが第一点です。 それから同時に、さっき申し上げました日本的な商慣行という問題について言えば、これはお答えいただく方がいらっしゃいませんでしたら長官に面倒でもお願いいたしたいのですが、業界ごとにやるかあるいは行政監察的にやるか、何らかの入り口をつくっていただきまして、日本的商慣行に対する、いわば参入抑制型のといいましょうか、そういったものが参入しにくい問題について点検を一遍してほしいと思うのですね。そうしませんと、商慣行というものの方が規制緩和問題よりも物によっては実質的には重たいものもありますから、そういう点を考えて、ぜひこの二つについては長官の御意見と同時に総務庁の御意見を承りたい、こう考えております。
○高村国務大臣 商慣行の方についてでありますが、先般、円高差益還元問題と関連してスーパーを視察させていただいて、そこでちょっとお話を聞いたのですが、私の方から、円高差益を十分に還元できない原因として、規制の問題もあるだろうし、商慣行の問題もあるだろうが、どっちが大きいかと言ったら、文句なく商慣行の方が大きいとスーパーの方が答えられていたわけであります。マスコミの方もいたのですが、マスコミの方はむしろ規制の問題だけ書いていましたけれども、その場ではそういうことでありました。確かにこの商慣行の問題は大きな問題だと思います。 それぞれ所管の役所が商慣行を強制的にやめさせるとか、そういうことはなかなか難しいだろうと思いますが、こういうことでこういう結果になっていますよ、こういう内外価格差を生み出していますよとか、そういったことをきっちり要因を調べて、そして、経済企画庁でまとめるなりして国民にお示しするということは大切なことだと思っておりますし、そういうことはもう既に取りかかっているわけであります。
○木内説明員 総務庁におきましては、平成七年の一月、本年一月でございますけれども、一月から中小卸売業、小売業に関する行政監察を流適合理化を中心として実施しております。この監察は、中小の卸売業とか小売業に係る流通の一層の合理化、効率化を図ることを目的としておりまして、通商産業省等において実施されております中小卸売業、小売業に対する流適合理化対策の実施状況などを調査いたしまして、関係行政の改善に資することとしております。 商慣行につきましては、流通の合理化等の観点から、その見直しの必要性が指摘されておるところでございます。商慣行について、その改善は基本的に民間事業者が自主的に取り組む問題であるということでございますけれども、この民間の自主的な見直しを助長するための取り組みが関係省庁によってなされておるということでございますので、本監察におきましても、流適合理化対策の一環として、関係省庁が策定しております商慣行に係る指針の浸透状況等についても調査をしているところでございまして、現在、私どもの出先機関の調査結果等をもとに取りまとめを行っているところでございます。
○大木委員 これは総務庁にお願いしておきますけれども、行政面の規制緩和問題ということは表ではっきりわかります。しかし、商慣行というものになりますと、本当に私たちは、身辺にある問題でしょうけれども、全体的な掌握はなかなかできません。ですから、業者の抵抗があるかもしれませんけれども、なるべく業界との話し合い等もしていただき、通産とも協力していただきながら、いわば大体大筋の問題等について資料をちょうだいいたしたい、こう考えていますので、何とかひとつ、忙しいでしょうけれども勉強してくれませんか。お願いいたしておきます。答えは要りません。 次に、長官、さっき若干議論いたしました景気の問題でございます。 少し話が飛んで申しわけないのですが、アメリカとの自動車問題については一体どういうことに、これは橋本さんいませんからちょっと聞きにくいのですけれども、どうもWTOに提訴いたしまして、サミットもその前に終わってしまうという話も新聞に出ていまして、アメリカの国内にも議論があるようです。若干これが円高問題との関係とか、裏の方に行きますと今度は何か大統領選挙に関係するとか、日本の政界の内部にも何かいろいろな関係があるとかないとか、そんなことも話が出ています。余りすっきりしませんけれども、いずれにしても、これは少し円高問題との関係では関係がないとは言えませんので、長官、恐縮ですが一言感想を述べていただけませんか。
○高村国務大臣 担当でございませんので、述べるのは単なる感想としてお聞きいただきたいと思いますが、私は、アメリカというのは基本的にはそれなりにフェアな国だと思って、かねがね尊敬してきたことでありますが、今度のこの問題に関する限り、やはりルール違反であるということは否めないことで、大国の権威のために惜しいことだ、こういうふうに感じております。
○大木委員 いずれにいたしましても、大統領選挙のためとかあるいは日本が自動車問題でうんと言わないから円高にしておくのだとか、余りこういうことを言いたくないのですけれども、どうもそんなにおいがふんぷんとするものですから、もうちょっとすっきりした貿易行動というものについて私たち自身も努力する要があります。それはもう内需の拡大問題一本ですけれども、そういった点でもって努力しなければなりませんし、規制緩和問題もそのとおりです。ですから、いずれにしましても、そういった問題について私たちは一つ一つやはり障壁を除きながら、いわば正しい公正な貿易、同時に内需の拡大等を図っていかなければなりません。 これは、最近二兆七千億円の予算を組んだばかりですから、長官も非常に答えにくい問題で恐縮でございますけれども、一部には二次補正の必要性という問題についても認めるような発言が、ニュアンス的に聞こえないということもないのです。私自身、個人的に端的に申し上げて、今の時期あるいは今から二、三カ月前の時期からのこの円高問題、こういった局面が恐らく九月の決算があるいは八月、九月になるかわかりませんが、日本の景気対策に対して相当な影響をもたらす、こういうふうに感じている一人なのですね。 そうしますと、やはり二次補正問題ということはどうしても起きるというふうに受けとめているわけでございます。これは余りはっきりお答えできないかもしれませんが、私はそういうふうに感じています。先ほど非常に微妙な言い回しをされましたけれども、景気は結果的にはなだらかながら上昇といいますか、少しく上向いている感じはしますが、問題は、この円高問題がその障壁になってどうにもならぬ。 こういう感じから受けとめていきますと、今の自動車問題等ずっと取り上げていきましても、なかなかもって協調介入も難しいし、同時に、円高を変えてドル安を直していく為替問題の解決策はなかなか目に見えてこない。としますと、二兆七千億やりましてもほとんど影響は、もちろんまだ時期尚早かもしれませんが、円高問題も含めてやったはずなのですけれども、ほとんど目に見えてこないという状態でないか、こう感じています。 そういった意味でもって、私自身はどうしても五兆を上回るぐらいの第二次補正をしなければ、日本経済はまさしく腰折れになってしまう、こういう感じがいたしますので、そのことを意見として申し上げさせていただきます。 一つこれは長官に新しい問題の提起をいたしたいのですが、実は去年出されました経済白書の中に、日本において自動車あるいは鉄鋼、電機等に次ぐリーディング産業がなかなか見当たらない、こういう話が出てくるわけです。そういう状態ですと、今の円高状態もそうですけれども、日本の産業になかなかもって明るい傾向ははっきり見えてこないと思うのですね。私はそう考えないので、若干だけれどもそういったものが見えてきつつある、こういう感じがしているのですが、長官の御見解はどうですか。
○高村国務大臣 必ずしもリーディング産業はこれだと政府が決めるものではなくて、民間の経済活動の中から自然に育っていくものであるとは思いますが、先般の緊急円高・経済対策の中でも、経済構造対策のために情報通信関係あるいは科学技術関係に特別の予算を盛った、そういうことも指摘しておきたい、こういうふうに思うわけであります。
○大木委員 政府の中に高度情報通信社会推進に向けた基本方針、本年の二月二十一日高度情報通信社会推進本部決定、こういう資料はごらんになったことはありますか。見たことはありませんか。 この中に、要するに情報通信、最近はやりの言葉で年し上げますとマルチメディア、こうなるわけでございますけれども、これはけさの新聞だと思います、日経新聞を持ってきました。「企業収益けん引役交代」という記事で、これは時期的なものですけれども、結果的に電機から鉄鋼、通信にという状態で、要するに通信関係が相当に伸びてきている、こういったものが出ているわけですね。 私自身思いますのは、やはり電気通信というものは、確かにそれ自身が一つの産業体をなしていくとは思うのですね。同時に、もっと大きな問題というものは、いろいろな鉄鋼とかあるいは建設関係に、全体の産業に対しましてインパクトを与えている、いわば媒介をなしている、こういう感じのものが相当ふえていくと見ているわけですね。ですから、昨年の予算編成のときに大分苦労して、加藤紘一さんに申し上げたこともあるのですが、そういった面で大蔵省も少しく目を開いてきております。 同時に、通信白書、去年宮崎さんがつくったものを拝見したのですけれども、二〇一〇年には、大体これも非常にアバウトな数字でございましょうけれども百二十三兆の市場の問題でありますとか、もう一つ大きな問題が二百四十万の雇用の創出問題です。もちろん時間的ミスマッチは起きてくるかもしれませんね。しかし、私は、やはりそういったものについて経企庁がもう少しはっきりしてもらった方がいいという感じはするのですね。 そうしますと、もうそういったリーディング産業というものは見当たらない。ただ、鉄鋼とか自動車とか、そういった物すごい重厚長大なものが出るかどうか、これは別問題です。しかし、知的な産業等を中心とした情報通信等を中心としながら、そういったものでもある意味では市場的にはリーディング産業になり得るわけですから、そういったことについて長官の御意見と見通しについて伺っておきたい。
○高村国務大臣 内需主導の経済構造を実現し、創造的で活力ある経済社会を構築するために、情報通信の高度化により経済フロンティアを拡大して、新規産業の創出や創造的な事業展開をすることが重要である、こういうふうに考えております。 このため、政府としては、情報通信インフラの整備や公的分野の情報化等を積極的に推進することが必要であるとの認識のもと、本年二月、高度情報通信社会推進本部、これは本部長が内閣総理大臣でありますけれども、ここにおいて高度情報通信社会構築のための基本方針を決定し、さらに、先ほど申し上げましたように、緊急円高・経済対策に基づいて、七年度補正予算に情報通信対策としての所要の経費を計上したところでございます。 政府としては、今後とも、高度情報通信社会の実現を図るために、総合的、計画的な施策の推進に努めてまいる所存でございます。
○大木委員 私が勝手に二次補正ということを申し上げてしまって、長官の方の答えを引き出すことをしなかったのですが、補正のタイプというものは、結果的には五兆と言い、三兆と言いましても、十兆と言ってもいいのですが、量的な面での、例えば道路とかあるいは橋をつくるとかトンネルをつくるとか、そういった形のものから、新しい産業を育成する分野とか、あるいは研究費用でも結構ですけれども、そういった面で、新しい投資をする場合に産業の質的な転換ということを誘導していく、公共投資のあり方についてやはり再検討していく。 こういった問題について、私も与党として二年やってみまして、本当に大蔵省はいつも予算の分配闘争というのは熾烈だということがわかりました、縦筋がありまして。しかし、幸いなことに、経企庁の場合には余り縦筋の方のあれはないわけですね。 ですから、いつも総合計画局長とか物価局長にお願いするのですが、経企庁が少し中に入りまして、そして若干抵抗はありましても、各省庁が文句言っても、リーディング産業の方に、リーディング産業とはっきり言えませんけれども、それらしいものに対して影響というか、予算の枠組みをだんだん五年計画でもって変えていく。ふやしながら変えていくのですから、従来のところは余り抵抗ないと思うのです。ふやし方を変えていけばいいわけですから、そういったことについて相当これは御苦心あってもいい。 と同時に、経企庁御自身はそういったことが言える立場ではないかこう考えるのです。しかも、ポストも割合に経企庁と大蔵省は流通があるわけでしょう。そういった点を考えられましても、こういったときには量的な拡大だけじゃもう同じことですから、量的な中に、長官が考えるようにリーディング産業を育成するような、ベンチャーも含めて育成する形のものをある程度含ませて日本の全産業をリードしていく。 今度の十三日、いわば新しい経済計画方針がどう出るか、私もかつてやったことがありますけれども、結果的に楽しみにしております。恐らくそういったことは入ってくるんじゃないか、こういう感じもいたしますが、経企庁長官のこれからの努力を期待したい、こう考えています。
○高村国務大臣 委員御指摘のような方向は、先ほどの補正予算にかなり取り込まれた、こういうふうに考えているわけであります。単なる機動的内需拡大ということだけでなく、その内容について経済構造改革の方向に向けて一歩進んだ補正予算であった、私はそのように考えているわけであります。 それから、第二次補正ということをおっしゃったわけでありますが、経済は生き物でありますから、これからも警戒感を持って見ながら、場合によっては機動的に対応したいということは、場合によっては震災の復旧、復興のために第二次補正予算が多分されるでありましょうが、そのときに、経済の状況によっては円高、景気対策ということがさらに盛り込まれることあり得べし、こういうことを先ほど言ったつもりでございます。
○大木委員 終わります。ありがとうございました。
○大石委員長 矢島恒夫君。
○矢島委員 きょうの委員会の中で先ほど来出ている問題等あるわけですけれども、とりわけ円高の問題等が論議されております。先ほど来出ておりますが、経済企画庁の物価局から、昨年の十一月の時点での「生計費調査による購買力平価及び内外価格差の概況」という文書がございます。これを見ますと、近年内外価格差が一層拡大しているという状況がよくわかるわけであります。 この要因をどう見ておられるかということを長官にお尋ねしたいわけですけれども、経済企画庁物価局発行の「物価レポート94」というのを読みますと、近年の内外価格差拡大の要因としては、一つとして「円レートの急速な上昇が考えられます。」こうあります。この委員会でも、この間、二日間にわたって参考人の意見などを聞いたわけですが、それらの参考人の御意見の中にも、円高と内外価格差問題、こういうことがるる述べられたわけであります。 最近のさらに急激な円高を考えてみますと、この昨年の十一月時点の生計費調査に比べてさらに上がっておりますので、一層内外価格差は進んでいると思うわけですけれども、その要因がやはり円高ということになってまいりますと、この円高をどう是正するかということが非常に重要な問題だと思うわけです。一部、同僚委員の質問にもありましたけれども、長官のお考えをお聞きしたいと思います。
○高村国務大臣 内外価格差が拡大している最大の理由は、委員御指摘のように、円高が急速に進んでいるということだと思っております。そしてさらに、それと同列というか、それにつけ加えた理由として、その急速に進む円高に購買力平価の改善が追いついていけない。追いついていけない理由は、先ほどから述べているいろいろなことがある、こういうことでございます。 内外価格差だけ縮小するためには、為替が反転してくれればそうなるわけでありまして、そういうことで、先日、OECDでも、私は為替の反転が必要だ、こういうことを各国に訴えてきて、それに対してはだれも反対はなかったわけでありますが、ただ、為替は市場で決まるわけでありますから、政府が直ちに反転が必要だと言っても、なかなか反転してくれるというものでもないわけであります。 縮小傾向にあるとはいえ絶対的に経常黒字が大きいから、そこをどうするとか、そういったマクロ経済対策も必要であろうと思いますし、日本はやるべきことをやって、その上で各国に対して協調を働きかけていく、こういうことが必要であろうかと思っております。
○矢島委員 その点で、今日の状況を考えるときに、やはり根本的な問題にメスを入れていく必要があるんじゃないか。 そこで、まず第一には、この急激な異常な円高の中で、アメリカがいずれにしろこの円高容認という態度をとることに非常に問題があるんじゃないか。この点では、日本政府はアメリカに対して、やはり基軸通貨であるドルというものについての価値の維持といいますか、あるいはその安定のために手を尽くすべきだということを要求していいんじゃないか。とりわけアメリカの経常収支の赤字の問題、それから国家財政の巨額な赤字、いわゆる双子の赤字と言われておりますけれども、これを改善する一つのプログラムを具体的にアメリカは提示すべきじゃないか、そのくらいの要求はしていいんじゃないか、こういうことが一つ。 もう一つは、やはり投機筋による為替投機の問題が非常に大きな問題になっていると思うんです。確かに金融派生商品などの取引が出てまいりまして、いわゆる投機の技術というものがいろいろと進歩してきた。あるいは投機に必要な資金量というものも膨大になってきている。こういう投機筋によるところの為替投機、これが非常に大きな影響を及ぼしている。そういう意味では、この際、実際の需要、いわゆる実需ですね、これに基づかない投機は規制する。八四年の四月に実需原則の撤廃が行われたわけですけれども、当時の状況と今日の状況というのは大きな違いがこの投機問題では出ているわけですから、そういう決意を政府として示したらどうかということ。 三つ目の問題としては、円高の日本側の一つの要因として、約三十祉で日本の輸出の半分以上を占めておりますけれども、この貿易黒字の問題があると思うんです。しかも、円高が進みますと、こういう企業は大体、労働者に対しては長時間や過密労働あるいは低賃金、あるいは下請の企業に対しては単価の切り下げをして、国際的競争力をまた増加してさらに貿易黒字を生み出す、そして円高が進む。これは野村総研では悪魔のサイクルという呼び名をしておりましたけれども、ここの悪循環を断ち切るということが必要ではないか。 この三つの問題に根本的にメスが入れられるかどうかじゃないかと思うんですが、御感想を承りたい。
○高村国務大臣 アメリカとの問題でありますが、手を尽くすべきは手を尽くし、要求すべきは要求している、こういうことでありますが、日本政府の立場を御支持いただきましてありがたいと思っております。 それから投機の問題でありますけれども、これはなかなか難しい問題で、実需と投機を峻別できるかできないか、それから峻別した場合に、資本移動の自由を非常に阻害して、角を矯めて牛を殺すような結果にならないかと、いろいろ問題があると思います。確かに、大きな投機によって汗水垂らしている産業界が対応できないような事態に陥っているという問題点があることは認識しておりますが、直ちに委員御指摘のような方向で対処できるかどうかということについては、そのとおりだと言うことはちゅうちょをさせていただきたいと思います。 それから、あと何でしたか……(矢島委員「野村総研の悪魔のサイクルの問題」と呼ぶ)それも一つの真理だと思いますが、またある意味で雇用を維持するということも必要で、直ちに円高になったから値上げして、そうすると売れなくなるからつくるもの少なくて済むよ、アメリカみたいにすぐにレイオフしてとうという話であればそれができるかもしれませんが、日本は雇用を維持するということがある意味で非常に社会的に重要だ。これは日本だけじゃなくて世界じゅうそうなんですけれども、日本は特にそこを重要視してやっている中で、そことの兼ね合いでどういう方策をとっていくのが一番いいかという問題があろうかと思います。
○矢島委員 雇用の問題が出ましたので、その点でお聞きしたいんですが、規制緩和の点で先ほど来、いい規制と悪い規制といろいろあるわけです。私どもも、既に古びた規制などというのはどんどん撤廃しろ、しかし、国民生活に役立つとかあるいは消費者保護という立場にある規制というものは、これはやはり緩和すべきでない、こういうことでいるわけですけれども、最近のいろいろな発言など、あるいは財界の意見などを聞きますと、何といっても規制緩和だ、これをやれば非常にバラ色の世の中ができる。 例えば、これは平岩報告にもありますけれども、経済的規制の緩和、市場開放と市場競争の活性化、これが円高を是正する、内外価格差を解消する、豊かな国民生活を保障する、そして新しいビジネスチャンスを与えて雇用も増大する、こうずっと並んでいるわけです。 しかし一方、このことについては、これは文芸春秋が「米国の「壮大なる実験」は警告する 規制緩和という悪夢」というので、日米同時取材をした文章が載っているわけです。 「本当に規制緩和によって、物の値段が下がり、消費者の実質的な所得が上昇し、消費者の新たな欲望が生まれ、その欲望を満たす新産業が生まれ、雇用は増大するのだろうか?」こういう問題を投げかけた上で、それらの一つ一つについて、アメリカが実際に一九七八年の航空自由法以来、天然ガスやあるいは石油、トラック運輸、あるいは鉄道、電信電話、金融、次々と規制緩和をやってきたわけです。その結果をずっと分析しながら、実際には倒産の激増とかあるいは寡占化の進行、業界伸長の停止、労働者の辛酸、あるいは少数の経営者への莫大な富の集中とか、こういうことで破綻してきた。 新しい産業が生まれたか。それによって失業者は吸収されたか。この問題でも、例えば失業率の問題などを挙げながら、一九八〇年、アメリカは失業率七・一、一九八一年に七・六、一九八二年に九・七と増大する。ただ、一たん下がります。下がりますけれども、八九年にはまた五・三%からさらに上がって、九三年は六・八%。結局、七〇年代以前の、いわゆる規制緩和以前の失業水準には戻っていないというような分析をしているわけなんですね。 こういう点から考えますと、労働者の転換をうまくやるとか、新しい産業によって失業を何とかしようというのが、実はこの実験で大失敗したんだというのが一つの結論になっているわけですね。そういう轍を踏むなということもこの本の中にはあるわけです。 実際、財界の発言を見ましても、永野日経連会長は、企業の整理、淘汰、これらによって数百万から千数百万といった規模の失業者が出るだろうと、これは日経連の経営トップセミナーでの講演です。それからまた経済同友会の方でも、これは「日本経済の構造改革」というので、昨年の十一月だったと思いますけれども、規制緩和による「改革下の雇用政策は、今までの日本型雇用や完全雇用状態を前提とした政策から、過渡期には失業増加があろうことを前提とした政策への転換が必要となる」、こう述べています。 一時期そういうことがあっても後は大丈夫だよ、こういう財界のいろいろな発言もあるわけですけれども、本当にそうだろうか。アメリカは実際に規制緩和で一時期失業率は下がったわけですけれども、むしろ逆にまた再び上がる。こういうような状況から見ますと、本当にそのことを信じていいのかというのがあるわけであって、この規制緩和ということと失業問題ということは真剣に取り組まなきゃならないけれども、経済企画庁としてはこれらの問題、経済のかじ取りとしてどういうふうにお考えか、その点を承りたい。
○高村国務大臣 規制にはいい規制と悪い規制がある、したがって、規制緩和にもいい規制緩和と悪い規制緩和があるということについては委員と同じ見解でございますが、ただ、日本は全体的に規制がまだまだ非常に多い国である、全体的とすればもっと自由な経済活動が行われてしかるべきである、私はそのように考えております。 そして、規制で守られている産業について規制緩和をすれば、そこでそれだけの雇用の喪失が生まれるということは、それは容易に想像できることでありますが、それは全体的に見れば、不合理な規制が緩和されたことによって、あるいは撤廃されたことによって新しい産業が興り、そこで全体的には雇用がプラスになる。一時的なミスマッチはあるにしても、そこの労働移動が可能になるような環境整備をしていけば、全体的にすべてバラ色だとは申しませんけれども、全体的にいいことであると私は思います。 それから、経済が非常にグローバル化している中で、世界全体の水準の中で日本が規制が多い国であるとすれば、やはり世界全体の方向に合わせていくということは、これだけ一方で経常黒字がある国において避けられない選択である、そういうふうに考えております。
○矢島委員 労働者の転換がうまくいくかどうかという問題についてもいろいろと触れております。 年間の成長率が五%という全体のパイが広がっていた当時ならば、繊維やアルミニウムなどの産業の転換という状況もうまくいった。しかし、日本の成長は七〇年代のアメリカのようにピークを打っている。全体のパイはこれ以上広がっていかない。こういう状況で果たしてうまくいくか、こういうことであります。 また同時に、結論として 「成長が終わりをつげた日本は、経済が国際化する中、好むと好まざるとにかかわらず、規制緩和をせざるをえない」という点では一致していた。 ただ、その先にあるのが、バラ色の未来でないことだけは確かだ。日本人が営めることになるであろう辛酸は、アメリカの人々が八〇年代に誉めた辛酸よりもさらに辛く耐えがたいものになるという警告もしているわけです。 そういう点も踏まえて、異常な円高によって低下した国際競争力の回復を図るために、働く人たちの人減らしや労働強化だとか、中小企業に下請の単価を削るとか、あるいは過酷なリストラ、合理化、こういう中で海外移転をどんどん企業が進めることに政府が手をかすというようなことがあってはならないので、むしろ低賃金あるいは失業を増大させる規制緩和というのは、これは緩和すべきでないというように私は思います。 時間がございませんので、実は大蔵省も呼んでおりますので、先の質問に移らせていただきます。 公正取引委員会にお聞きしたいのですが、独禁法の第九条の問題が規制緩和推進計画の中に含まれていると思います。持ち株会社の禁止、いわゆる独禁法の事業支配力の過度の集中を防止するという第一条の問題でありますが、これは私、独禁法の大きな柱だと思うわけです。これを「検討を開始し、三年以内に結論を得るものとする。」と推進計画の中では述べています。同時に、経団連やあるいは経済同友会や自動車工業会などからは、この禁止規定の解除、撤廃を要望する意見が次々と出ております。この条文の検討はまさに独禁法の存立にかかわる重要な問題だろう、私はこのように思っております。 公正取引委員会としても重要な問題だということで、この問題は三年以内に結論を出すということですけれども、この点についての委員長のお考えはどうでしょうか。
○小粥政府委員 独占禁止法第九条の持ち株会社禁止規定についての御質問でございますが、ただいま委員の御指摘のように、独占禁止法第九条は、事業支配力の過度の集中を防止するとの観点から、持ち株会社、これはいわゆる純粋持ち株会社でございますが、これを禁止しております。 これは、もう少し敷衍をして申し上げますと、事業支配力の過度の集中が生じますと、公正かつ自由な競争が行われるための前提であります取引先の選択、あるいは取引条件の設定についての事業者の自由かつ自主的な判断が制約されて、市場メカニズムの機能がゆがめられるおそれがある、こういう考え方でございます。そして、私どもといたしましては、従来から我が国におきまして、法人による株式所有が大変広く見られているという実情があります。 それから、それとの関連でもありますが、株式のいわゆる相互持ち合い、また、これが背景になっております系列あるいは企業集団、その存在が例えば参入あるいは投資に対する障壁になっているのではないか、そういう指摘が内外から行われている、こういうこともございます。このような状況等から見て、現在においても株式所有による事業支配力の過度の集中、これを防止する必要はやはりある、こういうことを私ども現在でも考えているわけでございます。 一方、ただいま御質問をいただきましたように、先般政府が決定いたしました規制緩和推進計画におきましては、ただいまのような事業支配力の過度の集中を防止するという観点を踏まえながら、それからまた今私が申し上げました系列あるいは企業集団等の問題にも留意しながら、一方、我が国市場をより開放的なものにする、そしてまた事業者の活動をより活発にするという観点、その観点からのいろいろな議論もあるわけでありますが、このような観点から、この独占禁止法第九条の持ち株会社禁止規定につきまして検討を深める、こういう考え方のもとに現在検討を開始したところであります。 ただいま御質問もございましたけれども、私ども、この問題、なかなか関連するところの広い問題でもあることも承知をしておりますので、三年間という時限を切りておりますが、いずれにいたしましても十分時間をかけて検討すべき問題であると承知をしております。
○矢島委員 通産省の方の諮問機関だと思いますが、企業法制研究会というのがあります。この委員十六名中十名が大企業の役員で構成されておりますが、ここも、現行独禁法における個々の一般集中規制の必要性、合理性は十分に説明ないし論証されているとは言いがたいなどという圧力をかけているようです。 委員長も今申しましたように、いわゆる六大企業集団メンバーの間の株式の所有関係は、総じて半数以上の同一企業集団内メンバー企業の株式を所有していて、その所有率は五五・一六%、こうなっているわけです。これに片側のみの株式所有を含めますと、この六大企業集団平均では株式所有関係数の大体八〇%程度、こういうことになると思うのです。これはアメリカなどとは違う点だろうと思うのです。こういう状態の中で持ち株会社が解禁されれば、事業支配力の過度の集中というのが一層加速されるだろう。 そういう中で実は懸念されるのは、果たして公正で自由な競争というものに対しての支障があるのではないか、あるいは不当な取引制限だとか不公正な取引方法も起こるのではないだろうか。これは内外格差是正とは逆行することではないだろうか、私はそう考えるわけですが、いろいろと御研究を始めたところだと思いますので、ぜひそれらの点もお考えになった上でいろいろと御検討を進めて、慎重にやっていただきたい。このことは要望でございます。 そこで、大蔵省の方がいらっしゃっていますので、実は酒税の問題でお聞きしようと思ったわけです。 六十三年の抜本改正以来、ウイスキーとしょうちゅうの税額の問題でありますけれども、最近の新聞を読みますと、大衆酒であるしょうちゅうの税額とウイスキーの税額が大分違うということで、EUとしてはWTOに提訴する構えを見せているようだという報道がございました。そういう状況の中で、ウイスキーの税額引き下げと引きかえにしょうちゅうの税額を引き上げる。こういうことは内外価格差の是正とは言わないわけですけれども、本当にそういう事態に今あるのか、大蔵省はこの問題についてどう受けとめているかということ。 時間がありませんので、まとめて聞きます。もう一つの問題は、節税ビールという宣伝が盛んにされているわけですが、いわゆる発泡酒の酒税問題です。 これも五月十八日付の日経新聞に出ていたことですけれども、売れ行きを見て、ビールの五%以上の売り上げになったらひとつ税額アップを考えよう、これが大蔵省の考え方だというような報道がなされたわけです。やはり輸入ビールとの関係で、節税ビールということでいろいろと研究され、そして発売されるというような状況が生まれてきているわけですけれども、この発泡酒の酒税引き上げ、これは考えているのか。消費者の声としてはぜひ引き上げないでもらいたいというのが圧倒的なんです。
○渡邊説明員 お答え申し上げます。 二つの点について御質問がございましたので、まず最初にウイスキーとしょうちゅうの酒税の格差について、現在EUからどういう状況になっているかというところでございますが、去る四月の三日に、欧州委員会のブリタンという副委員長がウイスキーとしょうちゅうの税率の問題をWTOに提起をするということを新聞発表を行ったわけでございます。 しかしながら、その後、EUの中で最終的にどういう方向をとるかということについて、十五カ国の合議体でございますので、幾つか手続があるようでございますが、今の段階では正式にどういう形でということについての最終的な決定をしたという情報は私どもの方には来ておりません。 ただ、事務的には五月の五日に部内で議論をいたしまして、方向としては近々提訴をしたいというようなことを決めたという情報はございますけれども、いずれにせよ、これは二国間でまず相手方に対しての通報があってから初めて始まる話でございますので、今の段階でEU側が具体的にこれからどのような手順で、あるいはどのような内容をもって我が国に対して提訴をするかということはまだ判明していないという状態でございます。したがいまして、いずれ正式に何らかのアクションがとられた場合には、そのときに先方の主張等を見て考えていきたいというふうに思っているところでございます。 私どもの酒税についての考え方は、酒が日本の消費者の中でどういうパターンで消費されているかなどを見ながら検討していくということでございますので、幾つか立場の差、意見の髪もございますけれども、そのような点を突き詰めながらこれから私どもの方の考え方を十分に主張して、向こうと議論をしていきたいというふうに考えているところでございます。 それから、二つ目のビールの方の関係でございますが、御指摘のように、発泡酒という今の税法のカテゴリーに該当するものが販売されているわけでございます。新聞に先ほど委員御指摘のように五%のシェアを超えたらというような報道があったようではございますが、そこは私どもは全く関知しておりません。 ですから、現在の段階でどのような形でそういったたぐいのものが売られているか、それは国産品もございますし、輸入品もございます。それをどういう形で飲まれるかということと、それを飲まれる消費者の方がどういうふうに認識しているかということもやはり一つの要素でございます。そういった意味での消費者の行動様式、あるいは酒税というところで税収を確保するという観点もございますので、そういうものに影響が出てくるかといったことを見ながら、税全体としてそれぞれの酒の間に不公平な負担にならないようなことに配慮しながら、これから考えていく必要があろうかということで、関心を持って注視をしている状況でございます。
○矢島委員 最後に長官にお聞きしたいのですが、企画庁の白川一郎さんという審議官の方が「内外価格差 もうひとつの物価問題」、こういう本を出されまして、その中で「洋酒の値段はなぜ下がったか」という項目があるわけなんですね。「内外価格差がはっきりと是正された典型的な例が洋酒の値段である。」並行輸入が認められた、こういうことで述べられています。 ところで、いわゆる大蔵省の酒税についての考え方というのは、今までの税金のかけ方を見てみますと、どうしても嗜好のあるお酒といいますか、よく売れるお酒というものが一つの標的になってきている、こういう歴史的な経過があるのではないか。そういう中で、例えば今の二つのウイスキーとしょうちゅうの問題あるいは発泡酒の問題にしても、税金をいろいろ上げてウイスキーを下げて、まだ考えていない、これからだというわけですが、そして内外価格差の縮小なんというのは、これはナンセンスな話だろうと思うのですよ。こういうのは内外価格差の是正などというものではないと思うのですけれども、御感想がありましたら、ひとつ最後にお願いします。
○高村国務大臣 税制、とりわけ税率の水準は、それぞれの国の全体的な国民の負担のあり方、税体系のあり方等の中で考えるべきものであり、内外価格差の観点からのみ論ずることは必ずしも適切でないと思います。特に、私はしょうちゅう党でありますので、個人的には余り上げてほしくないと思いますが、WTOに提訴するということでありますから、何かガットで決まったことの解釈がちょっと違うようでありますが、多国間の中で論議してもらいたい、こういうふうに思っています。
○矢島委員 終わります。
○大石委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時十八分散会