消費者問題等に関する特別委員会 第6号
- 発言数
- 80 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1995/05/18
会議録
○大石委員長 これより会議を開きます。 物価問題等国民の消費生活に関する件、特に内外価格差問題等について調査を進めます。 本日は、参考人として経済団体連合会経済構造問題委員会企画部会長西村功君、日本商業労働組合連合会会長代行南雲光男君、全国消費者団体連絡会幹事日和佐信子君、日本商工会議所特別顧問中西真彦君、在日米国商工会議所貿易拡大委員会副委員長井出潔君、以上五名の方々に御出席をいただいております。 この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。 本日は、御多用中のところ本委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。 次に、議事の順序について申し上げます。 まず、西村参考人、南雲参考人、日和佐参考人、中西参考人、井出参考人の順に、お一人二十分程度御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑に対しお答えをいただきたいと存じます。 なお、念のため申し上げますが、参考人は委員長の許可を得て御発言を願い、また、委員に対しましては質疑ができないこととなっておりますので、あらかじめ御承知おき願います。 それでは、まず西村参考人にお願いいたします。
○西村参考人 ただいま御指名にあずかりました、私は経団連の経済構造問題委員会の企画部会長をいたしております西村でございます。本日は、参考人といたしまして意見を述べさせていただく機会を与えていただきまして、大変光栄に存じている次第でございます。 内外価格差等の問題に関します経団連の考え方を御説明申し上げたいと存じます。ただし、一部は私の本業でございます民間のシンクタンクの経営者としての私見も交えることをひとつお許しいただきたいと存じまして、一言御了承をお願いいたします。 さて、本題に入らせていただきますが、このところの一ドル八十円台という急激で非常に大幅な円高の進行に伴いまして、内外価格差が一段と拡大しております。我が国の生計費は、食料品とか公共料金などを中心に、国際的に見て割高感が大変強まっているわけでございます。品目によって差はございますが、現時点の為替相場で換算いたしますと、おおむね内外価格差二倍前後割高という計算が成り立っております。 そこで、最近の我が国の物価動向を少し子細に見てみますと、これは資料の一ページに載っておりますが、郵便料金、鉄道、バス、タクシー運賃などの公共料金が最近の相次ぐ引き上げによりまして上昇傾向が非常に強まっておりますほか、医療費、教育費などの個人向けサービスは高どまりの状態にございます。 ただし、その反面で、円高差益の還元や、いわゆる価格破壊が進展したり、企業間の競争激化が非常に激しいことを背景にいたしまして、家電製品などの耐久消費財を中心に、消費者物価の中の商品でございます物の価格は顕著に下落しておるわけでございます。この結果、消費者物価から変動の激しい生鮮商品と公共料金を除いた数字で見ますと、この太い線でございますが、全体としてことしに入ってもずっと下がり続けておりまして、上昇率は前年比マイナスという状況になっております。 また、サービス価格の中でも、不動産の賃貸料や国際航空貨物の輸送費、それから情報サービス、国際電話料金、それからリース・レンタル料などの企業向けのサービス価格は、競争の激しい分野におきましては価格がやはり前年割れというふうになっておりまして、従来にない現象が起こっておるわけでございます。 要するに、最近の内外価格差の拡大しております原因は、一つには、円相場が余りにも急激なスピードで上昇したため国内物価の引き下げがそれに追いついていけないという側面と、いま一つは、一部のサービスや公共料金のように競争原理の働きにくい分野が非常に数多く存在しているというためでございます。 問題は、このような内外価格差が存在しております基本的な背景は何かということですが、私どもは、内外価格差の問題は、実は我が国の経済や産業構造そのものに根差した国内問題であるというふうにとらえる必要があると考えておるわけです。 そこで、現在の大幅な内外価格差は、八ページに示されておりますように、一ドル百八十円という購買力平価と現実のマーケットで形成されております一ドル八十円台という為替レート、この非常に大幅なギャップから生じているわけでございます。このような大きな乖離、ギャップが生じている根本的な原因は、我が国の貿易財部門と非貿易財部門との間に著しい生産性の格差が存在しておる。つまり、内外価格差の問題というのは、産業間の生産性格差を背景としたコストの差、すなわち、これは内外ではなくて内内価格差の問題であるという認識が実は重要ではないかというふうに私は考えております。 このような生産性格差といいますのは、行政による価格介入とか参入障壁などの規制、あるいは流通系列などを初めとするさまざまな商慣行の存在によりまして、競争が抑制され、マーケットメカニズムが正常に機能しないで、貿易や直接投資が遮断されているということから、生産性の低い規制産業の存在が市場のレートというものに反映されずに、非常に割高な国内価格が温存されているというために生じているわけでございます。 ちなみにドイツの例を申しますと、資料九ページをちょっとごらんいただきたいと思います。 ドイツでは、消費者物価基準でいきますと購買力平価が一・六五マルク、市場レートが、ここは一・三八となっておりますが、現時点では一・四三マルクでございます。こういうことで、購買力平価と市場の為替レートとの差が極めて小そうございます。これは言いかえますと、日本と同様にマルクが、自国通貨があれだけ上昇しているにもかかわらず、内外価格差がわずか一・一五倍、そのギャップは一五%というふうに非常に小さいわけでございます。これは裏を返しますと、ドイツにおきましては産業間の生産性格差が極めて小さい。すなわちこれは、規制が少なくてマーケットメカニズムが有効に機能しているということを物語っているわけでございます。 さらに、政府の規制だけではなくて、民間におきましても、非常に多くの段階にまたがる流通機構でございますとか、あるいはもろもろの商慣行などの存在も内外価格差をもたらしている大きな要因であることが従来指摘されてまいりました。しかしながら、価格破壊が急速に進行しているような分野におきましては、実は今申し上げましたような既存のいろいろな商慣行、システム、これを突き崩すような大きな変化が今水面下で生じております。 例えば、大手の小売業によるいわゆる製版同盟、これによりますチーム・マーチャンダイジングというような新しい商売の仕組みのやり方、それからプライベートブランド商品の開発輸入といったような動きが最近の価格革命を象徴しているものでございます。これが従来の卸売業の整理淘汰を通じまして、これまでの我が国の流通システムの変革を実は促しております。そういう中で、リベートとか返品とか建て値制といったような従来の既存の商慣行を実は有名無実化させるという方向に動いているわけでございます。 また、最近の急激な円高は、メーカーサイドの海外シフトの加速によりまして、いわゆる系列取引の見直しを加速させるという方向に至っているわけでございまして、要するに、競争が制度や慣行の変革を実は促しているというふうに申し上げて差し支えないと思います。 以上のことを踏まえまして、それではこの内外価格差をどのようにして縮小させていくのかということになるわけでございます。私どもでは、一ドル八十五円産業と二百円産業という産業界の二重構造というものを是正して、市場レートと購買力平価をできるだけ近づけるという努力をすることが内外価格差の是正につながるというふうに考えております。 具体的には、一ドル百八十円という購買力平価を、国内物価を引き下げることによりましてより円高の方向に持っていくということがまず何よりも必要であると考えております。そのためには、生産性の低い規制産業に競争原理を導入いたしまして、生産性の飛躍的な引き上げを図るということがどうしても不可欠でございます。そのためには、申すまでもございませんが、思い切った規制の緩和、場合によっては、もう規制緩和ではなくて規制の撤廃が必要であるというふうに考えております。 また、我が国の巨額の対外不均衡を是正することによって、ファンダメンタルズからかなり大幅に乖離をしております現在のやや異常ともいうべき行き過ぎた円高を是正することも、内外価格差の是正には不可欠でございます。今申し上げました対外不均衡是正のためには、輸入アクセスの改善など市場開放を徹底的に進めていくということと同時に、黒字の根底にある我が国の貯蓄超過体質、また投資不足体質というものを変えていくことがどうしても重要でございます。 それには、国内投資をふやしていくということがどうしても必要になってまいります。具体的には、公共投資の分野におきましては、情報インフラとか医療、福祉といった未来型の社会資本を充実させるための公共事業を思い切って拡大していくということが必要でございます。 これに加えて、企業のサイドにおきましては、新商品とかサービスの開発、また、新しいマーケットの開拓というイノベーティブな企業活動をこれからますます強化していかなければならないということでございます。そういうイノベーティブな企業活動にインセンティブを与えるためにも、大胆な規制の緩和、規制の撤廃ということが欠かせないというふうに存じます。 今申しましたように、規制緩和は、企業間の競争とかイノベーションを促進することを通しまして、内外価格差の是正、ひいては真に豊かな国民生活を実現していくための最有力な手段であるというふうに位置づけられるわけでございます。それだけに、短期的にはたとえ産業界の一部に非常な痛みを伴うということがあるとしても、その痛みを和らげる手段を一方では講じつつ、不退転の姿勢でこの規制緩和、規制撤廃に取り組まなければならない課題であるというふうに考えます。 次に、内外価格差の是正に向けての経団連の取り組みについて少し御報告を申し上げます。 経団連では、九〇年三月に「内外価格差に関する報告書」というのを取りまとめました。規制緩和の断行と企業行動並びにもろもろの商慣行の見直しと改善、消費者の啓蒙などが不可欠であるということを指摘いたしました。 そこで、まず企業みずからが、自由かつ公正で、十分プライスメカニズムが働くような真の市場経済を実現するために、自己責任原則を確立する必要があるという認識に立ちました。そこで、九一年に「企業行動憲章」を制定いたしました。企業行動と商慣行の基本的なあり方を示して、この憲章が守られるように会員企業に積極的に働きかけておる次第でございます。 また、具体的な商慣行としての先ほど申しました建て値、返品、リベート、それが外から見て透明性を欠いたり競争制限的に働くようであれば、これは非常に大きな問題でございます。そこで、十八業種の商慣行について調査いたしましたことに基づきまして「商慣行の現状と今後の課題」という提言を行いました。各企業、各業界団体における製造、流通、販売等、各段階での企業の行動の透明性、また開放性というものを一層向上させるとともに、保護育成を目的に行われてきたもろもろの規制あるいは行政指導の徹底的な見直しということをその中で求めている次第でございます。 今申し上げましたような企業みずからの意識改革と行動改革を行った上で、現在、内外価格差是正のキーファクターである規制緩和を経団連活動の最重要課題として掲げまして、全力を挙げて今取り組んでいる次第でございます。 そこで、規制緩和を本当に実行していくためには、国民全体の意識改革がどうしても必要であり、多くの国民がそれを強く求めるということでなければ実現しないという認識に立ちまして、経団連の経済構造問題委員会を中心といたしまして、昨年十一月に「規制緩和の経済効果に関する分析と雇用対策」という提言をまとめまして、世の中にアピールをした次第でございます。 しかるに、そういう中で、去る三月三十一日に公表されました政府の規制緩和の推進計画は、例えばその中の一環として四月十四日に成立いたしました電気事業法の改正におきまして、卸売電力市場が自由化されたり、保安規制とか料金制度の見直し、こういった三本柱の改革がなされておりますが、これは電力料金の内外価格差の縮小とか競争原理の導入による業界活性化の第一歩として、私どもとしては大変評価させていただきたいと思います。また、その他、経団連がかねて主張した点が多く盛り込まれております。 しかしながら、市場開放あるいは市場の透明化ということを通じて内外価格差の是正の原動力になるような規制緩和の目玉となる分野では、残念ながら、私どもが求めていた改革の多くが先送りされたままになっているということでございます。 例えば流通分野では、大店法の段階的廃止ということが見送られてしまっております。通信分野における第一種事業者の参入規制の緩和につきましては、手続の透明化をうたっているだけで、規制そのものの緩和は先送りされております。また農業分野では、食管法は廃止され、新法に移行いたしますものの、価格規制は基本的に手つかずのままでございます。その他各種の価格支持制度の緩和も見送られておるということでございます。 経団連といたしましては、かねてから主張しております各種の業法に基づく需給調整の視点からの参入規制や設備規制、さらに価格規制、輸入規制など、市場経済に対する規制につきましては、その撤廃に向けて一層の緩和を働きかけていきたいと思います。また、政府の作業を監視いたします第三者機関である行政改革委員会にも、その進捗状況を厳正に監視するという視点から、その機能に大きく期待をしているわけでございます。 あと残りました時間で、それに加えまして、この際ぜひともお願い申し上げたいのは、公共料金の引き下げということでございます。 先ほど申し上げましたとおり、消費者物価が全体として低下傾向にございます。特に競争市場における商品価格は、国際市場との価格差が解消するほど、あるいは国内の価格の方がむしろ安くなってしまっているというほどの状態になっております。これは十二ページの表でごらんいただけばわかると思いますが、そういう中で公共料金のみが上がり続けているわけでございます。 公共料金を中心とする規制市場での物価の上昇は、内外価格差の主因というだけでなくて、生活者にとっても企業経営にとっても基礎的なコストアップに直結するわけでございまして、そのマイナスははかり知れないほど大きなものがございます。私どもで試算いたしましたところ、本年に入ってからの軒並みの公共料金の引き上げによりまして、一兆八千億円の実質増税に相当する負担を国民と企業に与えているわけでございます。 日本の公共料金の平均的水準は、今、アメリカ、英国、ドイツ、フランスの四カ国平均に対して大体五割も高くなっております。その引き下げがどうしても不可欠でございます。公共料金を引き下げるためには、公共部門の非効率性あるいは低生産性の是正が前提となりますが、そのためには、公共料金を設定するシステムの基本的な仕組みの改革をぜひともお願いいたしたいというふうに思います。 民間企業におきます価格設定は、初めにマーケットプライスありきという考え方でございます。そのマーケットプライスは、今は国際市場で通用する値段であります。その値段の中にコストを抑えることができなければ、企業は消えていくのみであります。そこに懸命のコスト革命と生産性向上が生まれてくるわけでございます。 公共料金設定の基本的な考え方は、総括原価主義、すなわち、コストを積み上げて料金を決定する、つまり、初めにコストありきの考え方ということでございますが、これではやはり非効率を温存する温床になることは避けられないと思います。もちろん、公共性の強い分野は、マーケットプライスだけで割り切ることができないということは、私どもも十分承知をいたしております。また、単純に公共料金を国際比較するだけで割り切れないということも、これも当然だと思います。 どの国も公共料金を完全に自由化しているような国。はないわけでございます。そのことはよく存じておりますが、しかし、基本的には、公共サービスの質と料金に対してユーザーが本当に満足しているかどうかという、いわばカスタマーズ・サティスファクション、顧客満足度という視点を導入していただき、かつ、先ほど電力市場で申し上げましたようなある程度の競争原理を活用すること、さらには経団連が要望しております上限価格制度ということの導入も含めた価格決定方式の改革によって、公共料金の引き下げに本気になって取り組んでいただきたいというふうに存じておる次第でございます。 内外価格差の縮小を通じまして、基礎的な生活コストの引き下げ、あるいはそれによる実質所得の向上ということが可能になれば、つまり、市場レートと購買力平価とのギャップを縮小することができれば、個人も企業も真の豊かさを実感できるようになり、円高を恐れる必要のない、むしろそれを歓迎するというような経済社会の体質を構築することができると思います。その方向に向かって、やはりこれから官民が歩調を合わせることがどうしても必要であるというふうに存ずる次第でございます。 これをもちまして終わらせていただきます。大変ありがとうございました。
○大石委員長 ありがとうございました。 次に、南雲参考人にお願いいたします。
○南雲参考人 おはようございます。ただいま御指名を受けました。連合を代表いたしまして、日本商業労働組合連合会の立場から、問題提起を受けました内外価格差に対する基本的な考え方を申し述べてみたいと思います。 したがいまして、私は、労働組合という存在そのものが生活者の視点に立って行動しなければならない団体だというふうに考えているわけでございますので、そういう視点から、経営であるとかあるいは単なる消費者というようなことではなくて、広い意味の立場から発言をお許しいただきたいと思います。 もちろん、労働組合でございますから、そこに働く人の雇用を守るということは、最大の福祉としてとらえなければならないことは現実の姿でございます。私が所属しております商業労連は、まさに顧客との接点にある産業でございますので、日々、消費者であるお客様の声を聞いて、適正価格にして良品廉価のものをいかに提供するか、こういうことを通じて消費社会に貢献をしていく企業軍団でございます。 しかしながら、日本の小売流通産業全体を考えますと、先進主要国から比較しますと、皆様方御存じのように、いわゆるパパママストアと言われるような形で事業を営んでいる中小零細企業が圧倒的に多いことは事実でございます。そういう意味で考えますと、流通の近代化は、中小企業の振興と相まって同時にそれを達成しなければ、そこに働く一千二百万人の雇用というものがかなり危機にさらされることは、既に御承知一のとおりだと思います。 そんな意味から、私ども連合といたしまして幾つかの視点をまとめさせていただきました。お手元に配付した二ページからがその内容でございます。 まず連合が、来週行われますけれども、「政策・制度要求と提言」というものを国会並びに各省庁に、熱海の集会以降、結論を出してお願いに上がりたいと思っていますけれども、この中で、特に最近の経済運営につきまして大きな視点を論じているわけでございます。 その第一は、規制緩和の推進ということでございます。これはまさに、規制緩和を推進することによって、今問題提起されております内外価格差の是正につながるという信念のもとにそれを出しているわけでございます。そして、そういうような基本的な考え方を受けながら、特にこの内外価格差の問題は物価そのものの問題だろうというふうに私は考えております。 したがって、現在、物価そのものは高位安定といいますか、大きく物価上昇率が伸長するという芽はございませんけれども、やはりこの上昇卒を限りなくゼロに近づけるというのがことしの連合の基本政策でございます。そして、ゼロにするためにどうするかという問題といたしまして、円高差益の還元、内外価格差の是正、経済規制の緩和、商慣行の是正、公正な競争の推進、そして公共料金のあり方の再検討、こういうもの五つぐらいを大きな柱にしまして、消費者物価の引き下げあるいは安定に政策誘導していきたいというのが基本になっております。 それを受けまして、細かい方針といたしまして、委員の皆様方にお渡ししてございます政策・制度提言の中の「物価・消費者政策」、これは大きくはそこに記載のとおりでございますので、一つ一つ説明申し上げなくても、皆様方がお読みいただければ十分わかるところでございます。ただし、強調しておきたい点だけを幾つか御紹介させていただければ幸いに存じます。 まず、内外価格差の問題はまさに日本の物価政策そのものの問題であるという認識に立ちますと、第一に掲げなければならないのは、流通機構の近代化あるいは効率化、そして輸入制限措置の見直し、さらには独禁法の厳正な運用などを通じて公正な競争条件の確立を促し、そのことによって物価を引き下げ、内外価格差の縮小と円高差益の還元を促進するということをもってこの政策の遂行に当たるべきだというのが基本でございます。 以下、そこに細かいことはございますけれども、三つだけ強調させていただきますと、一つは、やはり公正な競争の阻害要因というものをどのように除去するかということが大事であります。 さらには、現在、日本の経済運営の中で最も輸入卒の高いのは食料品でございます。その次に石油といいますか、そういうオイルでございますけれども、約二兆円強の食料品輸入がございますので、輸入の促進をさらに進めるということが極めて大事だということでございます。 さらに、二番目の柱でございますけれども、この商品の価格はどのようなコスト形成によってなされているのかという情報の公開といった問題をさらに進めることによって、消費者の選択を自由にするということが大きな問題だというふうに考えています。 さらに、次のページにございますけれども、何といっても国民の多くの願いは物価の問題にございます。そして、日々の生活の中で、生鮮食料品を中心とした価格の適正化と安定な供給というものを求めているわけでございまして、どうしてもこの分野における流通システムの改善を図らなければならないということでございます。 以上、連合の問題につきましては以下お読みいただくことにいたしまして、連合といたしましても、この内外価格差是正の問題につきましては、ほぼ学識経験者並びに各界各層の団体等の意見に合意するものでございます。そういう意味では、今まさに国を挙げて内外価格差の是正に取り組むことは、国民の合意として可能だろうというふうに考えているところであります。 そこで次に、私は商業労連という、まさに冒頭御紹介させていただきましたように、流通産業に働く者の立場から、現場の声というものを率直に申し伝えてみたいと思います。 私どもが二年に一回、組合員を対象にいたしまして意識調査をやっております。ここに年齢別、男女別、あるいは一般職、あるいは管理職、未婚、既婚、パートタイマーも含めてさまざまな調査をしてございますけれども、どの層をとっても、今一番生活の中で不満に思うことは何ですかという中で、最近少し大きくなっておりますけれども、税金と物価の問題で四八・二%を占めています。特にここ最近、九二年度は物価は一六・六%でございましたけれども、九四年、昨年度では二一・四%と大きくその不満の声が上がっているわけであります。 これはもちろん経済全体の不振、バブル経済後の不振ということもございますけれども、そういう中にあっても物価そのものが下がらないということに対する私は働く者の声ではなかろうか。しかも、それを男女、年齢別に見ましてもほぼ同様に余り差異がないということを見ますと、まさに物価の問題は内外価格差に対する解決の大きな問題であるということが言えると思います。 さらに、この内外価格差問題から延長して、二十一世紀の暮らしやすい生活とは何かということを質問しておりますけれども、一番問われておりますのが高齢化対策でございます。そして資源エネルギー問題ということで、特に高齢化対策の場合には、年金生活者が物価が高い中で生活をしていくことがいかにつらくなるかということを意味しているわけでございまして、そういう意味では、今まさに内外価格差の是正を図らなければ二十一世紀になったときにそのツケが回ってくるというふうに考えるから、このような意識の結果が出ているのだろうというふうに思うわけであります。 そこで、話をまとめに入りたいと思いますけれども、まず結論から申し上げますと、内外価格差を是正すべきか否かにつきましては、是正すべきであるということは言うまでもございません。 そして、その大きな原因は何にあるかという原因を三つ挙げるとするならば、私は、日本の経済、生活全体の実力以上に高い急速な円高ということが一つあるのだろう。そして二つ目には、それぞれの商品の生み出される過程における商品コスト、すなわち、原価の不透明さというものが第二にある。そして第三に、行き過ぎた公的規制というものがさまざまなひずみを生んでいるということ、これをこの内外価格差の主たる原因というふうに表明したいと思います。 それでは、この内外価格差を縮小するためにはどのような課題があるかということでございます。私は、五つ表明したいと思います。 第一に申し上げたいのは、もちろん要因の裏返しになるわけでございますが、円高の適正水準というものを確保するということが大事だ。 そして、経済的規制についてはさらなる緩和を推進する。なぜ経済的規制という経済的という言葉を入れたかと申しますと、すべての規制を撤廃する、緩和するということを言っているわけではございません。いわゆる社会的規制、公的、公共的、あるいは私たちの安全、衛生、環境、資源、こういったものに対してはむしろ規制を強化すべき。人間が安全に生きていくために必要な規制はむしろ強化をし、そして自由な貿易、自由な競争によって生み出される付加価値というものに対してはむしろその規制を緩和するという意味で、経済的規制のさらなる緩和ということを申し上げました。 そして第三に、価格、品質、サービスのバランスのとれた新しい価格体系の構築ということを申し上げたいと思います。 私も労働組合運動を通じてさまざまな国を訪問する機会がございます。私もたまたま産業の特性から、ニューヨークの五番街でこういうネクタイを買ったりいたします。確かに一見同じように見えますが、織り方であるとか糸の打ち込みであるとかデザインとか染め方であるとか、必ず違います。同じブランドであっても、値段は二千円から一万八千円まであるわけであります。したがって、比較する場合に怖いのは、表面だけの比較でなくて、素材と品質とそれに対する付加価値というものを比較しなければ、実は間違った結論がそこに生み出される危険性があるという意味で、コストの問題を第三に挙げたいと思います。 そして第四番目は、まさにメーカー、卸、小売のトータルないわゆる流通構造の改革ということを主張したいと思います。そしてその際に、雇用問題というものをしっかりと念頭に置いた対策でなければならないということです。 この課題の中の最後の五番目が、私は一番大事だと思います。消費者の多様な選択を可能にするということであります。 すなわち、消費者が画一された価格を選択するのではなくて、いろいろな業種、業態のある中で自分の所得や自分の生活に合った業種や業態を選択し、価格を選択するということでございますが、国内の一物一価ではなくて、いろいろな質だとかあって、選択の自由というものを認めることによってむしろ価格に競争力が生まれてくる。単一価格であるものほど高いものはないわけであります。例えば公共料金がそうでしょう。電気あるいは高速道路、国内の飛行機の運賃、JR、さまざまなもの、単一価格というのは決して競争を生み出さない。そういう意味で、消費者の選択の自由を商品価格においてはむしろ進めるべきだということであります。 以上が五つの課題であります。 それでは、その課題に向かって私たちは今どういう構造改革を進めているかということを参考までに申し上げてみたいと思います。 まず第一に申し上げたいことは、内外価格差を縮小するために流通業全体の構造改革を進めたい。特に働く者の立場からは、労使関係において、適正な価格で商品提供をしているかどうかというチェック機能を労働組合が持つということです。もちろん安全もあります。 その結果、ここ数年の状況だけ報告申し上げますと、確かに売上高は前年を割っております。しかしながら客数、入店客数でございますが、客数はわずかながら微増しております。そして、客数が微増して売上高が前年を割っているということは、掛け算をすると出てくるわけでございますが、価格は低下をしているということであります。この価格低下は、まさに消費者の選択によって起こっているということを意味するわけでございまして、そういう意味では、むしろ多様な選択を可能にするということこそ内外価格差是正の第一の施策であるというふうに考えます。 そこで、最後に申し上げますけれども、いろいろな一つ一つの問題を解決するということだけでは、実は内外価格差の是正は私は不可能だと思います。すなわち、根本的な問題として社会システムの構造改革に手をつけざるを得ない。 それでは、その社会システムの構造改革というのは一体何かということでありますが、最後に書いてございますように、一つは私は土地問題だろうと思います。すなわち、地価であります。すべての物事がつくられるときに、その土地に建物を建て、そして販売をする、あるいは物をつくるというこの根っこにあるものの解決がなければ、実はそこから出た枝のものというものは、基本的には国際競争力にそれほど劣っているものではないわけであります。したがって、この地価の問題をどうするかということは、最大の私は内外価格差の是正の問題になってくるだろうと思う。 それから第二に申し上げたいものは、選択の幅のない、しかも輸入することが不可能なものが意外と高いということです。その代表的なものは公共料金でしょう。それから、輸入をされない米であるとかあるいは教育であるとか、そういうものであります。すなわち、輸入不可能なもの、そして選択が消費者が自由にできないもの、この分野を絞り込んで内外価格差是正に取り組めば、私は生活の仕方が一変するというふうに考えております。まさに今後来るべき二十一世紀の高齢・少子社会の中で、どうしてもその人たちの選択権がない分野というものが起こるわけでありまして、そこのところを解決する。 すなわち、まとめて申し上げますならば、内外価格差の問題は物価そのものの問題であろう、しかし、物価そのものを大幅に引き下げていくとするならば、必ずデフレ下の経済になっていくでしょう。デフレ下になったときに日本の社会はどうなのかということになりますから、何もかも内外価格差を是正するのではなくて、選択をできないもの、そして輸入できないもの、こういうものにターゲットを絞っでそのことを進めることによって、民間活力によって結果として全体が下がっていくという又トーリーを私は持つべきだろうというふうに思うわけであります。 そして、最後につけ加えますが、価格そのものは日本は必ず下がっていく。なぜならば、アジアの国々の成長によって水は必ず低い方に流れる。そういうものを考えますと、日本は輸入を拡大することによって生活関連商品は必ず下がっていく、上がる余地はないというふうに申し添えておきたいと思います。 以上、極めて雑駁で簡単な御報告に終わりましたけれども、いずれにいたしましても、この問題は物価問題として取り上げて御検討いただくことを切にお願い申し上げまして、私の意見にさせていただきます。御清聴ありがとうございました。
○大石委員長 ありがとうございました。 次に、日和佐参考人にお願いいたします。
○日和佐参考人 全国消費者団体連絡会の日和佐でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 内外価格差問題について、消費者としてどういうふうに考えているかということをお話しさせていただきたいと思っております。 ここのところ急激な円高ではあるのですが、この円高傾向というのは、もう既に昨年の七月あたりから百円を割っておりまして、ほぼ円高基調というのは固定しているといいますか、安定的というと変ですが、安定的な形で円高基調で事態は進んでいるわけですね。ここのところ急激に円高という状況なんですけれども、実際に日常生活をしておりますと、その円高というものが日常生活に対して、ああよかったなというメリットがあるということについては全く実感できない。 これは円高の経過、歴史的なとらえ方としてもそうなんですが、当初円高ということになったときに、ああこれで少し物価が下がるんじゃないか、輸入品が下がるんじゃないかと非常に大きな期待を抱いたわけですけれども、結局それは、目に見えて本当によかったというぐらいの感じての下がり方を常に常にしてこなかったわけですね、今まで。それで消費者のところでは、円高というと、海外旅行に行けばそれで海外旅行はいいな、その程度の価値判断でしかなくなってきているというのが現状ではないかと思います。 内外価格差問題も円高問題と呼応して浮上してきたわけですが、この内外価格差問題に対する考え方も、当初の円高の具体的な反映、還元という観点からだけではなくて、現在では非常に構造的な問題であるというとらえ方をされるようになってきておりまして、単に円高のみが内外価格差問題を生んでいるということではないという、一つ一つ細かな要因についての検討がされるという状況になってきております。 資料で、お手元にあると思いますが、一ページについては、「東京とニューヨーク、ロンドン、パリ、ベルリンの内外価格差」の現状でございます。これは経済企画庁の資料。 その次の二ページに資料を提出しておりますが、「内外価格差の推移」、これは一九八五年から一九九四年までを比較したものですが、一向に解消されていない。完全に解消するということは難しいことなんですが、縮小、是正されていないという状況がおわかりいただけると思います。さらにその価格差の幅は広がっている。円高が進んでいるから当たり前という見方もありますが、単にそれだけではない。円高によって内外価格差が生じる部分ももちろんありますが、それだけではないというふうに考えますと、日本の経済社会構造が競争原理の導入を言われながらも一向にそのことが機能していない、競争原理の導入がスムーズになされていないという、そういう状況であるというふうに考えざるを得ないと思っております。 一方、ここのところ、一九八五年当初と比べますと、社会状況、経済状況は非常に激変しておりまして、長期化する厳しい低成長時代というのを迎えているわけですが、その中で消費者の低価格志向というのは大変強まっておりまして、定着している。言ってみれば、一時バブル成長期、爛熟期といいますか、そういう時代には、価格の高いものが買えるということが一種のステータスのようなとらえ方もされた時期がありましたけれども、現在それはもう全くなくなってきているというふうに思います。 その中で、価格への意識が深まる中で、物価がどうなっているんだろうかということの、消費者の物価問題に対する関心というのは非常に強く、深くなってきているわけです。正直なところ、海外生活を経験なさる方もふえてきておりまして、そういう方たちの情報から推察してもやはり日本の物価は高い。この物価が欧米並みならどんなに暮らしは楽になるだろうか、言ってみれば豊かさを感じられるのにというのが率直な、切実な願いであります。 具体的に価格差がどういう分野で大きいのかという資料を用意してまいりました。三ページにあります。これは購買力平価に比較して日本の方が高いという分野が一目瞭然でおわかりいただけると思いますが、食料品、被服・履物、エネルギー・水道、家賃というような資料です。 その次に、四ページに各都市に対する東京の倍率、これはいろいろなところで出ておりますので、皆様御存じでいらっしゃると思いますが、ごらんいただければと思います。 それからその次に、五ページではなくて、何ですか突如としてけさから風邪を引いてしまいまして、何となく鼻声になってお聞き苦しいかと思いますが、七ページです。この七ページは第一勧業銀行の総合研究所で調査いたしました資料を使わせていただいているのですが、これはニューヨークとかロサンゼルスだとかロンドンとかで実際に暮らしていらっしゃる方、暮らしてみた場合、どういうものを買ってどういうふうにして暮らすかというのがありますけれども、実際に暮らした場合と日本で実際に暮らしている場合、その具体的な消費支出を東京と各都市とを比較したものでして、大変おもしろいデータだと思ってきょう持ってまいりました。 これで見ましてもやはり公共料金、先ほどから出ておりますが、公共料金分野の価格が日本は断然高いということがおわかりいただけると思います。その後は食料品の分野ですね。個別には、先ほど経済企画庁のデータにもありましたように、住宅だとか衣服だとか新聞等も高いというデータがいろいろな資料からもうかがえます。 ただし、この食料品や公共料金、住宅だとか、うんと細かい衣服や新聞等が高い要因というのは一様ではないわけで、それぞれにその要因というのは異なっているわけです。 これは、非常に土地が高いから設備投資がどうしても高くつくというような、本当にどうしようもない、日本というこの狭い土地のところで有効に利用しなければいけないというどうにも逃れようのない条件というものもあったり、あるいは公共料金という形での価格設定の仕方の問題もあったり、それから具体的に調べていきますと、流通が非常に多段階で、そのことによって流通コストが高くなってしまうというような要因、またもう一つ商習慣、先ほどからも出ておりますが、一リベートだとか協賛金だとか、あるいは建て値制度だとか事後調整だとかというような商習慣の問題もあります。 もちろん円高調整のおくれもあり、もう一つ生活習慣の違いというものもあると思うのですね。余りその生活習慣の違いのところを強調しますと、消費者がそういうことを強調するのは幾らか問題だなんて言われそうなんですが、確かにそういう部分もあります。 例えば、アメリカと日本との買い物の仕方というのを比較した調査があったのですが、アメリカの場合はまとめ買いをする。一週間に一回大量にまとめ買いをするので、例えばお肉を買うにしても塊でどんと買ってくる。 ですけれども、日本の場合は基本的に、なかなか今は仕事を持っている女性の方もふえておりまして、女性だけが家事をするというわけではなく、男性も女性も一緒にということなのですけれども、まとめ買いをするというケースもありますが、でも、基本的に言えばやはり毎日買いなわけですね。仕事の帰りにスーパーマーケットに寄るということで、スーパーマーケットの営業時間がどんどん九時、十時まで延長されるという状況ですから。そうしますとやはりバック買いになる。小さいパック買い。なおかつ塊ではなくてスライスということになるわけですから、どうしてもそのところで個別の商品の経費は高くなっていくということがあります。 それから包装材料にしても、ばら売りではなくて、私もこれはびっくりしたのですけれども、グレープフルーツを買いましたならば、二つ売りだったのですけれども、座布団のようなものに乗っかっていて、なおかつそれがトレーの上に乗っかっていて、なおかつラップしてある。どうしてこんなにしなければいけないのだろうか。これは消費者が望むからだと売る側は言いますけれども、私たちはそんな包装材まで買いたくはないと思っているのです。鶏と卵の議論になってしまうのですが、やはりそれはどこかで断ち切っていかなければならない。 やはりそういう売り方自体も、一つ一つの商品の価格をどうしても上げる要因になっている。毎日買いという生活習慣、そういう暮らし方のパターンも両方相まって、なかなか流通コスト等を引き下げ切れないという要因があるのではないかと考えられます。 多段階流通についてなのですが、このところ価格破壊商品というのが随分出てまいりまして、それのプライベートブランドでの価格構造の資料が六ページに出ております。ごらんいただきますとよくおわかりいただけると思いますが、これはナショナルブランドとプライベートブランドとの商品の原価構造を比較したものです。いかに流通経費がプライベートブランドでは縮小されているか。販売管理と販促費ですね、そこのあたりがいかに縮小されていて、こういう百円も違う価格が実現できているかということがおわかりいただけると思います。 非常に日本の流通経路は多段階でして、多段階による流通経費の増大というのは大きな問題になっております。ちなみに、私が個人的に所属しております生活協同組合という組織がありますが、そこでは現在やはり低価格商品というのを開発しておりまして、通常価を下げるという戦略なのですが、そこではメーカーから直接集配所に配送するということで流通経費を非常にダウンさせることができて、そこが大きな要因になって低価格商品ということが実現できているという状況があります。 次に、内外価格差縮小への対策なのですが、要因が非常に複雑で、なおかつそれが複雑にかかわり合っているという状況ですから、これはこうやればこうなると非常に単純にいく問題ではない。このことが今まで内外価格差の縮小、是正が叫ばれていながらなかなか実現できなかった要因でもあるわけです。 ですが、その中でやりやすいところからぜひやってもらいたいと私は思っておりまして、その第一は公共料金です。公共料金は国がかかわっておりますから、これは政策でできるわけですね。ですから、これはもうぜひ積極的にやってほしいと思っております。ここのところ物価は下がり続けているにもかかわらず、公共料金だけが上がり続けているわけですね。これはもう本当に消費者としてどう考えても納得がいかない。どうしてこういうことになるのかということは非常に納得がいかない問題でありました。 直接私も物価安定政策会議のところで幾つかの公共料金の値上げの審議に参加いたしましたけれども、基本的に言いますと、これを公共料金という範囲に置いておいていいのかなという公共料金にかかわる事業があります。例えばタクシー等ですね。もっとタクシー等については民営化した方がいいのではないか、どうして公共料金という範囲内に置いておくのであろうかと考えざるを得なかったことです。 もう一つ、高速道路料金の値上げの問題にも参加いたしましたが、これはもう既に高速道路は建設するということが決定されているわけですね。決定されている上で道路公団が価格をどうしましょうかということになるわけですから、いかに料金を圧縮するかという議論にしかならないわけです。もっとその前の、これだけの経費をかけてこの高速道路を建設することが、果たして本当に必要なのかどうなのかという議論のところにはいけないという仕組みに物価安定政策会議のところではなっているわけですね。 こういうふうに問題が非常に大きいことにつながる料金については、そのもとにさかのぼってもう一度、高速道路を建設することが今の時期この地域で必要なのかどうかということを、それは単純に言えば便利になった方がいいですというのはもちろん当たり前なのですが、地域の環境の問題等、それだけでははかり知れない価値観というのも今は生まれてきています。ですから、ある一部の人の意見だけではなく、そういう総合的な議論をもう一度繰り返すというような弾力的な姿勢が必要ではないかとつくづく感じました。 ですから、公共料金の政策について討議をする場合に、それはどうやって上げようかという議論だけなんですね、どうやって上げようかというのは変なのですが。ですから、いかに値上げ幅を圧縮するかという議論だけで、どうして下げたらいいだろうかという議論は一切ないというのが大変大きな問題だと思っております。 NTTの値上げ問題にもかかわりましたけれども、これは消費者にとっては非常に不透明な値上、げでありました。基本料金と公衆電話、番号案内、それから普通の家庭用の通話料、その分野がそれぞれで独立会計方式をとっているわけです。ですから、ほかの分野が黒字になっていても、基本料金のところで非常に大きな赤字を出していれば基本料金を上げていく、そういう構造になっているのですね。 なおかつ、基本料金という分野に一体どういう部分の経費が具体的に含まれていて、どの分野が具体的に赤字なのかという情報提供をお願いしたわけですが、大まかな太くくりの数字しか出てきませんでした。ここのあたりも情報の公開を含めて非常に不透明なところが多い、わかりにくいということを感じました。 ですから、もちろん価格設定方式の見直し、総括原価方式を見直していくということは基本的に必要なことで、それは鋭意やっていただきたいと思っておりますけれども、もう一つ、経営のチェックシステムをぜひ導入してほしいと考えています。 これは、公開されていますさまざまな情報等を見ましても、その事業そのものの経営が本当にちゃんとなされているのかと言うと変なのですけれども、コスト削減する部分がないのかどうか、むだな経費を使用しているのではないかというような経営のチェックシステムはないわけでして、これは素人が見ても判断ができない範囲ですから、専門家、なおかつ第三者によるそういうチェックシステムをぜひ導入してほしい。 そのことによって経営自体がどうなのか、経営者としての努力がなされているのかどうかというところにまで情報の公開がされることを期待して、やはりそこで透明性がないと、消費者としては非常にブラックボックス的な感じで公共料金というものを見るし、なおかつ値上げに際してはそういうとらえ方をせざるを得ないと思っております。これはいろいろな分野で特に国がかかわってやれることですから、積極的にやってほしいと思います。 時間も迫ってまいりましたが、あとは企業努力、納得のいかない商習慣で価格がなかなか下がりにくいということがまだまだあります。先ほど商習慣の是正について積極的に努めるというお話がありまして、非常に心強く思ったわけですが、やはり企業努力としてここは頑張っていただきたいと思います。 それからもう一つ最後に申し上げたいのは、独占禁止法の強化です。現在、再販制度の廃止は予定にはされているのですけれども、十年先という予定で、これはもう十年先と決めたら十年先まで動かさないのですわ。こういう状況なんだから前倒しにしてほしいと思いますし、課徴金も低い限度で決定されております。運用の強化ももちろんですが、そういう制度も含めて独占禁止法の運用の強化が有効な手だてになるのではないか。そして、規制緩和ももう一つ有効な手だてになるのではないかと考えております。 ありがとうございました。
○大石委員長 ありがとうございました。 次に、中西参考人にお願いいたします。
○中西参考人 日本商工会議所特別顧問の中西でございます。まず、きょうのような席を与えていただきましたことに対して、厚く御礼を申し上げます。 それでは、二十分ほど、商工会議所の考えております内外価格差問題についての基本的なストーリーを申し上げたいと思います。 まず、バブル崩壊後の我が国経済は、国内物価は極めて安定的に推移しておりますが、国内の消費財やサービス価格は依然諸外国と比較して非常に割高であると指摘をされております。特に、最近の急激な円高によりまして、為替レートと購買力平価との関係から、その格差がさらに拡大する傾向を示しておることは御承知のところであります。 もとより、為替レートは金融的要因や投機的な思惑によって変動するものでございまして、今日の円レートが必ずしも適正水準だとは考えておりません。また、製品の品質、性能やサービス内容の違い、どこで購入するかといった違いによって価格差が生じることがあると思います。しかしながら、こうした点を前提といたしましても、我が国の物価が他の先進国と比べてかなり割高なものとなっていることは否めない事実でございます。このことが我が国により高コスト体質の経済をもたらして、国民が豊かさを実感できない要因となっていると考えております。 ところで、今回の円高は、我が国企業の適応力をはるかに超えるものになっておると言っていいのじゃないかと思います。とりわけ輸出関連中小企業にとってはまさに死活問題となっておりまして、商工会議所が毎月末に行っております早期景気観側調査、いわゆるLOBO調査でも、四月期の結果は円高の影響によりまして景況が急速に悪化しておりまして、窮状を訴える声が各所から今上がってきております。 ただ、円高が経済に与える影響には、御案内のようにプラスとマイナスの両方の面がございます。輸出企業で国際的な価格競争力が急速に低下する一方で、輸入価格の下落等を通じて企業、消費者にメリットをもたらすことも、またこれは事実であります。 こうした中で、内外価格差の是正は国民生活の向上、豊かさの実感につながるものでありまして、さっきから皆様方がおっしゃっておられるように、我が国が官民挙げて積極的に取り組むべき課題であると私も考えております。また、産業界の視点からは、内外価格差が産業の高コスト構造を形成し、国際的な競争力の低下を招いて、産業の空洞化に結びついていることもございまして、産業活力維持の観点からもその取り組みが必要であると考えております。この意味で、内外価格差の是正は、企業が円高問題を乗り切るためにも必要であると言えると思います。 次に、この内外価格差発生の要因について、少し取りまとめてみたいと思います。 そもそも、こうした内外価格差が生じる原因としましては、さまざまなものが考えられるわけでございますが、以下のような点が指摘されておるところであります。 その第一点は、厳しい国際競争の中で高い生産性を実現したいわゆる貿易財部門がある一方で、国際競争にさらされないために相対的に生産性が低い非貿易財の部門があるということでございます。二つに分かれておるわけですね。 しかし、この点で注意を要するのは、我が国の為替レートは国際的な競争力を持つ貿易財の影響を強く受けまして、為替水準が経済全体として見ると過剰に評価された水準になっている面もございまして、とりわけ非貿易財の分野で諸外国に比べ割高なコスト負担を強いられることによりまして、内外価格差が過剰に拡大していると言える側面もあるわけでございます。 俗に内外価格差と言われております見かけの内外価格差の中で、半分は円高バイアスによって過剰に円が評価された結果、四割程度がそれに基づくものであって、六割程度が構造的な要因としてのいわゆる生計費ベースでの購買力平価が非常に高いというところから、為替レートで割るとかなり高い割高な内外価格差になっておる、こういう仕組みになっておるわけでございます。 第二点は、輸入そのものが制限されておりまして、海外から安い資材や製品が全く輸入できないか、あるいは輸入しにくい分野があるということでございます。これは言われておるように、畜産物とか食料に関連する農林水産業の規制の網でこういうふうな結果が生まれております。ガソリンなんかもそうでございますね。 第三点は、もろもろの規制によりまして、市場における競争原理が必ずしも十分に機能していなくて、民間活力を阻害している分野が多いということでございまして、これはいわゆる特殊法人とかいろいろな官の規制の網にかけられた分野の事業が多いということでございます。 第四点は、土地のように、そもそも国際的に移動できないために高コストの負担を強いられておる分野があるということでございます。 最後に言えるのは、為替レートの変動が十分に国内価格に反映されるまである程度の調整時間を要しますから、最近の急激な円高でその調整が追いつかないで、内外価格差がより拡大しているという側面もあると言えると思います。 内外価格差の発生の要因については、主に今述べましたような点が指摘されておりますが、我が国が産業構造の円滑な転換を図り、国際的な競争力を維持することによりまして、豊かさを実感できる国民生活を実現するためには、内外価格差の是正に向けた確たる取り組みが必要であるということは、まさに皆さんがおっしゃったとおりでございます。 次に、内外価格差是正のために望まれる施策という点を二、三申し上げてみたいと思います。 これら内外価格差を是正するには、基本的には、市場メカニズムを生かして、自由闊達な競争によって民間活力を十分に発揮させることが必要だと考えます。そこで、まず求められるのが、経済の活力を阻害しているもろもろの規制を思い切って緩和することでございます。それによって、規制されている部門に残る非競争的体質の是正と生産性の向上を図ることでございます。 私、実は行政改革委員会の規制緩和小委員会のメンバーでございまして、毎週三時間ほど意欲的に既にもう四回ほど取り組んでおりまして、今後一年間、これに向かって努力をしてまいる所存でございます。 冒頭申し上げたのですが、この間決まりました政府の規制緩和推進五カ年計画は、各省庁から出てきておりますが、一言で申し上げますと、それなりの意味もございますが、いかにも小骨が多い。もっと大骨がいろいろあるわけでございまして、その辺を今後我々も議論をしていっていいかということを当初議論をいたしました。規制緩和五カ年計画をただトレースするだけならば総務庁殿にやっていただけばいいわけであって、我々がやる場合は大骨に向かって取り組もうということを申し上げまして、大体そういう姿勢で取り組んでいくということになります。 それから、飯田委員長の基本スタンスは、総理大臣に向かって答申するのももちろんだけれども、国民の方を向いて議論をしていこう、また国民の声を吸い上げていこうという基本姿勢でございますので、先ほど消費者代表の方のおっしゃった例えば公共料金の問題なども、我々もこれに対しては意欲的に取り組んでまいりたいと思います。 先般も公取の部長をお呼びして御意見を拝聴したのですが、公共料金絡みのものは公取の領域ではない、こうおっしゃるのですね。なぜならば、各省庁の許認可に入っておりますから、公取の適用除外領域ではないわけであって、公取の手は及ばぬということですね。これはやはりきょうお見えの政治の先生方と我々民の方が、いかにしてこの公共料金の規制の網を外していくかということになると思います。 もろもろの価格維持制度の見直しなども非常にあるわけでございまして、さっきも話が出ております許認可、料金、価格維持制度というのはいろいろあるわけですね。タクシーもそうですし、砂糖もいまだにそういった価格維持がされておりますし、こういうものがやはり思い切って緩和されなければならぬと思っております。 日本の経済、GDPの五〇%にこの規制の網がかかっておると言われておりますから、口の悪い学者に言わせますと、日本の自由主義経済社会はまさに規制過剰型自由主義経済で、もう一つ言えば社会主義経済と言ってもいいような側面があるわけでございます。この規制過剰型社会を転換して、真の自由主義市場経済社会に向けて、政と官と財がまさに力を合わせて、今後この規制緩和問題に取り組んでいく必要があると私は痛感をしております。 例えば、産業界の視点で言いますと、今構造転換をなさねばならぬのが大命題でございますね。ところが、構造転換にはどうしても、ずばり言って金と人が必要です。金は、御案内のとおり、バブルがはじけまして資産デフレが起こっておりますから、担保価値は激減しておりますね。そうなると銀行は、これは間接金融ですから、いまだに土地本位制で、ほとんど担保があるなしで金を貸し付けます。お聞きのように、中小企業や産業界は、これはもう当然金融力がどんと落ちているわけですね。 したがって、これはどうしても直接金融の、ちょうどアメリカのNASDAQのような証券市場を活性化していく。そしてベンチャーのような、生まれたばかりの幼児から少年期にそれを育て上げて、それをNASDAQに持ち上げて、日本の産業が活発な活力を持つように持っていく、そういった直接金融の規制緩和を思い切ってやらなければいかぬわけですね。 ところが、ずばり申し上げて、大蔵省殿は非常にスタンスがかとうございます。若干店頭市場の登録基準の緩和をこの夏に向かって検討されておられるようでございますが、私は、余り目の覚めるようなものは出てこないのじゃないか。この辺も政民が一体となって強く今後綱引きをやっていく分野だと思っております。 それから人の問題も、いわゆる今産業界の構造転換とは何ぞや。要するに自動車や家電のリーディング産業が海外に出ていって、もう一つ言えば、ASEANにこれは譲るということですね。そうすると、それにかわって日本が何をやるか。もう第三の産業を起こさねばならぬ、こういうことなのです。それがなかなか大変なことでございまして、これを企業のミクロベースで言いますと、やはり商工会議所でアンケートをとりましたところ、新しい事業に取り組むときに、それをやれる技術を伴った人材がどうしても欲しい。これがないとできないのですね。 私は、自分でリストラクチャリングをやりましたからよくわかっておりますが、例えば私が山の猟師で生計を立てる企業であったとします。このリストラクチャリングとは、単に合理化ではなくて、例えば海に出て、海の漁師で生計を立てるようなことを第二の創業としてやらねばならぬ、こういうことなのですね。となると、これはやはり操船の技術者あるいは海洋気象を読める技術者、そういう者がいないと、嵐に遭って今からがら逃げ帰るのが落ちでございまして、これは事業が成功しません。どうしても新しい分野の事業部門をやる場合には人材が必要になる。 ところが、大労働移動ともいうべき労働需給調整をやらねばならぬときに、これまた官の網がかかって、御案内のように職業安定法というものがございまして、これはILO九十六号によって官がやる、国がやるということですから、民はこれはやらないんですね。労働省に言わせると、いや二十六業種許しているよ、例えば弁護士とか通訳とか芸能人とか許しているよ、こうおっしゃるんですが、職種は三千ございますから、二十六なんというのはスズメの涙でございまして、まさに官の網がかけられておる。 じゃ、職安が非常に活発に利用されておるかというと、さにあらず。いわゆる二割職安と悪口を言われまして、職安は失業保険をもらいに行くところ、こうなっておる。 産業界の仕事というのは非常に細分化して高度化していますから、この辺の人材を、例えば大企業でコンピューターのソフトをやっていた管理者を、中小企業は今後情報通信化を進めなければなりませんから、どうしてもコンピューターのソフトの管理者が必要だ、これを持ってきたい。その辺のジャストミートさせる、マッチングをさせる需給調整は、民にやらせたら見事にできると私は思うのです。だから、即刻規制を緩和して民にやらせる。職安ももちろんあっていい、だけれども民にも原則自由にしろと。先進国でこのILO九十六号に残っているのはたった三カ国なんですね。ほとんどもう入っていない。 ですから、これはそうやるべきだと言うんですが、この間の規制緩和五カ年計画の中間回答に労働省から返ってきた答えは、措置不能であるということ。措置不能というのは、私どもはネガティブリストでやれ、要するに原則自由にする、これとこれとこれは官が押さえておくというのがいいんじゃないか、こう申し上げたら、それはILO九十六号に抵触するから措置不能である。じゃ一歩譲って、ポジティブリストでこれとこれとこれを緩和するということでいいよ、そのかわり毎年三百ぐらいふやしていけということを申し上げたら、平成八年中に検討するという答えが返ってきましたが、平成八年中に検討したら、実施するのは平成十年ぐらい。 もう今生きるか死ぬかで産業界が困っておるときに、そういう答えとは一体何事だということで、私は非常に腹を立てまして、連合の鷲尾事務局長にもお話しして、会議所の中に、連合の鷲尾さんも、労働経済学者の島田先生ですか顧問に入っていただいて、全国の会議所のメンバーを集めまして、これに労働省の職業安定局からだれか人を出してくれ、通産省も入ってもらう、これでひとつ開かれた議論をしていこうじゃないかということを実は今やっている最中でございまして、この辺について政治家の先生の絶大な御支援を今後お願いいたしたいと思います。 これはやはり労働省の死活問題になると思うのですね。国が雇用調整をするというのが一つの基本理念ですから、それを壊すということは労働省の雇用促進事業団にも大きく影響してくるんですね。ですから、全力を挙げて抵抗すると私は思いますね。ですから、話がちょっと飛びますが、結局、いろいろ話が皆さんから出ておりますけれども、許認可と特殊法人と密接に関係しているんですね。特殊法人はある意味では官の第二の人生ですから、彼らは全力を挙げてこれに対して抵抗する、こういうことになっているわけです。 私は、この間、某新聞の取材に申し上げたんです。例えば職業安定事業を民間に自由化する。そして商工会議所のようなオフィシャルな、決して商工会議所は女衒のように人を売り買いするような悪いことはしませんから、官の方々の定年になられたというか、外に出ていかれる方の受け皿をつくって、そこを通して全国何百万とある中小企業の構造転換にどんどん持っていけば、官の方はある意味では非常に優秀ですし、それで年も若い。例えば、今教育の場が荒廃しておる。こういうところへ、年にかかわりなく、優秀な例えば外務省で国際経験豊かな方をどんどん持っていけば、これは非常にいいことになる。産業界も望むところだ。この辺の構想をぜひひとつ政治家の先生の御理解と御支援をいただきたいと思います。 この辺は私のアドリブで、事務局が書いてくれたのはすっ飛ばして、こちらの方に熱が入りましたが、時間がそろそろ参りましたので、また後の質疑応答で申し上げたいと思います。 どうも御清聴ありがとうございました。
○大石委員長 どうもありがとうございました。 次に、井出参考人にお願いいたします。
○井出参考人 私は、米国商工会議所を代表して、内外価格差の問題ということを中心にお話ししたいと思います。もちろん時間が許せば規制緩和その他の処方せんということに関しでもお話ししたいと思いますけれども、内外価格差ということだけでも非常に大きなことだというふうに思っております。 また、先週、今週で、諸先生方のお手元には、私が考えていたと同じ統計がわんわん行っておりますので、統計でお話しするより私自身のビジネス、私自身が一九六〇年から現在まで、大学そのものも国際基督教大学ですからちょっと国籍が不明なようなところがございますけれども、ほとんど外国の企業が日本でどういうふうに活動するかということにかかわってまいりました。ですから、一九六〇年から一九九五年という三十五年弱の経験、特に食品の経験を通じて発言をしたいと思います。 その前に、在日米国商工会議所を簡単に申し上げますと、一九四八年に日本で設立されて、一九五五年に通商産業大臣より商工会議所の名称の使用許可を受けた会員制の任意団体でございます。現在、会社としては七百五十、そのうち六五%が米国系、二〇%が日本系でございます。一五%がその他の国というふうになっておりますので、米国と日本にかかわるビジネスのことに関心がある人はみんなメンバーだというふうに考えてくださればありがたいと思います。 それで、先ほどの私自身に戻って、内外価格差をとらえようということを申し上げましたが、一九六〇年のときの日本円の価値というのを皆さん御記憶があるでしょうか。私が一番最初に計算をさせられたのが、英国ポンドが千円、今百五十円か百七十円ぐらいだと思うのでございます。それからオーストラリア・ドルが四百円、今七十円でございます。それからアメリカ・ドルが御承知のとおり三百六十円、それが今は八十から九十円の間をふらふらしている。それだけ円が高くなっているというのは、長期的な傾向の中で紆余曲折ありましたけれども、短期だけを見て考えないで、長期に見て考えていった方がいいんじゃないかなという気がいたします。 私ごとで恐縮でございますが、私が五十歳のときにロンドンで有名な洋服屋に行きまして、自分の誕生日に絹のレインコートを買いました。非常に高かったのを覚えております。それで、去年六十歳になりましたが、同じ店に行って、レインコートを取りかえようと思いまして同じレインコートを買ったら、十年前のときと同じ円を使いまして、そのレインコートどきょう着てまいりましたこのブレザーと、それからこのネクタイと、このワイシャツと、このズボンと靴下が買えたのです。 それで、私は実感として、ああ円というのは強いんだなと思いました。お店の人に、あなたはこういうふうに買い物をするのをどう思うと言ったら、クレージーだ、自分がロンドンに住んでいる立場からいえば、あなたはおかしいと。でも、きょうは誕生日だから許してくれと言いましたけれども。それだけ日本の円が強くなったということが、日本人が外国に行かないで、日本でそれを享受できるかどうかということで内外価格差を見ると、いろいろな問題が出てくると思うのです。 お手元に非常に簡単な趣旨を差し上げましたけれども、私はACCJ、在日米国商工会議所をACCJと言わせていただきますが、ACCJのほとんどの人は、価格というものは日本のマーケットで決めるということを言っています。例えば、チョコレート一グラムは外国製であろうと日本製であろうと同じ値段であるか、どっちがが安ければ競合力がある、そういう考え方です。 それから、ある化粧品会社は、日本で八百円で売っている女性の口紅、それをすべての活動をやめてただ単に安くするという問題だったら、二百円で売れると言うのですわ。ところが、二百円ですと、業界言葉でざる盛りと言うそうなのですけれども、それは本当かどうかわかりませんが、化粧品店の外にざるがありまして、そこのところにぽかぽかと突っ込まれてしまうわけですね。そうすると、二百円になってしまったら全然売れない。八百円できれいに並べれば非常によく売れる。そうすると、そこはやはり消費者に問題があるのじゃないかと思うのです。だから価格は市場が決めるということ。 それからもう一つは、日本にまだないような製品で新しい製品を導入すればすごく成功するのじゃないかというふうな例は、古典的な例でいえばインスタントコーヒーでございます。一九五八年から六〇年ぐらいのときにかけてインスタントコーヒーが爆発的に売れました。当時レギュラーコーヒーを自分のうちで入れるという習慣はなくて、コーヒーはコーヒー屋さんに行って飲む。一番安くて三十円、三十円から百五十円だったと思います。それが自分のうちで十円で飲めるという技術が入ってきて、それを売りに出したわけですね。そうしましたら爆発的に売れて、問屋さんが輸入元の倉庫までとりに来るというふうなことまで起こるわけです。 そうすると、二番目の問題に入りたいと思うのですが、内外価格差というのは、私どもみたいな事業者にとっては順風じゃないかと思うのですね。価格の乖離があるのだから輸入がもっとふえる、ビジネスチャンスがたくさんあるというふうにとらえたいのですが、みんなの共通の意見としては、日本で事業展開するのはコストが高いということでございます。 そのコストの高さを統計的な資料でとらえるのはもう既に言っておりますから、私はここに書いてある輸入の(a)仕入れコスト、(b)輸入発売元、(c)流通コストということでとらえていきたいと思うのです。 例えば、ここに百円の商品、チョコレートでも何でも結構でございます、百円の商品があったとしますと、大体仕入れコスト、港に入ってくるまでの値段、これはドル建てですから変動しております。それが百円の中の三三%ぐらいだというふうに見てください。輸入発売元が販促費、それから自分たちの固定費、営業費というもので約三分の一、三三%、流通コストで三三%。 そうしますと、為替レートが八十円になったらば、その(a)の仕入れコストの三三%分が六円六十銭安くなるわけでございますね。それにあと建て値というものが、みんなパーセントで下までずっとやっていただければ理想的かもしれませんけれども、その商品は七十二円二十銭で売れるはずなのです。量をふやすかなんかわかりませんけれども、七十二円二十銭で売れるはずなのですが、現実は変わらないか、この二〇%の円高によって出てくる原資というのは、先ほど申し上げました輸入コストの六円六十銭、それを全部消費者に還元しましても百円の製品が九十三円四十銭にしかならない、これが現実だと思うのです。 これをどのように解決していけばいいかということで、輸入拡大に向けて我々はいろいろなことを考えているわけですが、一つぜひ強調したいと思うのは、もうこのごろ日本を単一の市場で見るのはやめようということが米国のビジネスマンの間で、日本にいるビジネスマンが考えておるのです。 例えば、九州はGDPで見れば台湾と一緒でございます。台湾に進出するつもりで九州に行け。関東はフランスと同じです。そういうふうに、非常に有力なマーケットが意外に独立して展開している市場というものにアプローチしようじゃないか。それから、もう既にでき上がっているマーケットの中にすき間を見つけて入ってくるよりも、新しい市場を自分たちでつくり上げ、拡大しようじゃないか。これが先ほどのインスタントコーヒーの例でもありますし、それからつい最近は携帯電話の例ではないかと思います。 それで次に、輸入に関しても、それから輸入元に関してもあるいは流通に関しても節約を図る。この節約というのは、規制緩和だとかそういうことも関係しますが、自分たちが節約しようという考え方を持たなければいけないと思うのです。 その中で私が一番言いたいのは、日本はジャスト・イン・タイムの発明元だというふうになっていますけれども、外国人がよく言って笑うのは、ジャスト・イン・タイムを支えるためにジャスト・イン・ケース、御注文をいただいたらすぐ対応しなければいけないという。在庫を持っていなかったらもう出入り禁止でございますから、その不安を抱えたジャスト・イン・ケースというコストというものが非常に大きなものになると思います。 日本向けの特別な輸入品をつくって日本に持ってきている場合には、このジャスト・イン・ケースということを考えると、在庫は十六週から十七週ぐらい持っていないと非常に危険だ。それは船の上や原産国も含めてですけれども。これをもっと流通と輸入元とメーカーが話して、こういうふうなもので発注していきますよという事前受発注システムというものの普及を図れば、非常なコストの削減が行われると思います。それが必ずしも流通システムの破壊につながるとは私は思わないのです。 一番下の方に書きましたが、今、目覚めている卸業者は、情報化を伴う物流と金融の機能というものをうまく組み合わせまして、合理化をどんどん進めております。その人たちがいませんと、小売業は在庫を持たないからジャスト・イン・タイムするわけですね。しかし、アメリカでは小売業は在庫を持つわけです。だから、そういうふうな新しいものができてくるのをどんどん育てていきたいというふうに思う次第です。 それで、よくこのごろ米国人の中だって、最後の、日本は魅力ある市場かということがささやかれます。事実、米国系の会員が減っております、手前どものACCJの中で。その人たちは東南アジアに行ったりなんかする。ただし、ふえているアメリカ人もございます。それが非常な希望だと私は思います。その人たちは、まだ若い、三十代あるいは三十前の人たちかもしれません。非常に勉学心に燃えていて、日本語がうまくて、それでビジネスを学ぼうという前向きの気持ちがございます。 そういう人たちとの人的交流というものが、かつて日本が若い人たちを外国に送って、その人たちが帰ってきていろいろなものを事業に展開したと同じように、アメリカ人の若い人たちが日本のことをよくわかってもらって、それで、その人たちが何か将来持っていくということが非常に役に立つのじゃないかと思います。 日本は魅力ある市場かということになると、購買力ではプラスが三つ。内外価格差というのは、先ほどの私の洋服の例で言いましたから、プラスを四つくらいつけたいと思うのですけれども、それができないということからプラス一くらい。外国の価格というものの競争力の発揮のしやすさということは、残念ながらマイナスとつけざるを得ない。それから日本のマーケットの成長力というのは、物を選べば確実にプラスのファクターもあると思います。ただ、相対的に言えば、皆さん会員全体の気持ちの中では、マイナスをつけざるを得ないかと思うんです。 その上にあります新しい小売形態の追求、小売業態間の競争の促進というものに参画する外国企業も出ております。それから、無店舗、ボーダーレスの販売、これがどんどんふえております。 有名な話は、パソコンを買うのに通信販売でアメリカにファクスで注文すれば、大体一週間か二週間で手元に入ります。それで支払いはクレジットカードでやれば、自然にそのままドルの安さを享受できるわけです。パーツも同じようにして、これが欲しいと言ったらば、月曜日にこのパーツを欲しいと言えば金曜日にはもうアメリカから届く。届いたパーツが何と日本製だということまであって、日本の代理店に聞いたら二週間かかると言っているんですね。ですから、そういう競争力がある販売をサービスとして提供するということも起こりつつある。 それから、もう個人を最終ディストリビューターとして、訪問販売なりあるいはパーティー形式なりいろいろなものでやっているというのは、私どもはオフィスにいると見えませんが、主婦の間ではすごい勢いで伸びております。そのときに、かつてそういうものというのは、製品、品質がまやかしものなんじゃないかということを思いましたけれども、彼らも、それでは長続きしない、初めて買うよりかリピートのお客さんを持った個人のディストリビューターの方が強いわけですから、品質に対しては厳格な管理をしております。それによって新しい販売方法、ディストリビューションの形態というものがふえております。 私どもは、そういうふうな何が今できるかということをビジネスマンとして一つ一つ取り上げて、それに対してチャレンジしていこうと思っております。 毎年ACCJでは日米貿易白書というものを出して、そのときの問題点、提案というのをして、それをいつも見直しております。これを今後も続けていくつもりでございますので、米国企業は努力していないんだという一般論はぜひどこか棚に上げていただいて、努力しているやつは努力しているんだということをお伝えしたいと思います。 ありがとうございました。
○大石委員長 ありがとうございました。 以上で参考人からの意見の開陳は終わりました。 —————————————
○大石委員長 これより参考人に対する質疑を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小此木八郎君。
○小此木委員 参考人の皆様こんにちは。私は自由民主党の小此木八郎と申します。大変参考になる御意見をちょうだいいたしましたことを心から感謝を申し上げます。 円高の問題、内外価格差の問題、いろいろ日本を取り巻く現在の経済状況というのは非常に混乱をしている。もちろん日本だけでないことでありますけれども、我々の生活というのは、明治のころや大正のころ、あるいはもっと昔から比べれば確実に生活水準というのは上がっていて、私なんか昭和四十年の生まれでまだまだ若輩でありますが、そういう中でも、昔の方々のいろいろな苦労された話、そして今の状況というものを比べてみますと、本当に非常に幸せな中で暮らしているということを実感をいたします。 その中で、やはり日本というのは金持ちの国である、だけれどもなかなか豊かさの実感がない、これはそれぞれの皆さんの価値観でもありますけれども、確実にそういうことを言われているのも現実であります。 その中から、重複する部分があるかもしれませんけれども、私が考えてまいりましたことにそれぞれの皆さんからもう一度御意見を伺わせていただきたいと思います。いろいろなお話が出ました。規制緩和のこと、公共料金の話、あるいはこれは税金の話にもかかってくるかもしれません。 まず、公共料金のことについてお伺いをいたしたいと思います。 先ほど言われましたけれども、電話料金あるいはタクシーの料金、高速道路の通行料ですとか公団の家賃というものがことしに入って値上げがされたわけでありますが、今挙げた項目だけでも、約〇・二%の物価上昇を招いたという民間からの分析結果というものを聞いております。昨年の物価上昇率が〇・七%ということを聞いておりますけれども、そのうちの三割が公共料金の値上げで占められているということであります。 このことについてそれぞれの皆さんから御意見をお聞かせいただきたいと思います。
○大石委員長 発言の順番でやってよろしゅうございますか。
○小此木委員 はい。意見を申された先ほどの順番でお願いいたします。
○大石委員長 はい、わかりました。それでは、最初に西村功君。
○西村参考人 今御指摘がございましたように、公共料金は、一般物価が下がっている中で公共料金のみが実は上がっているわけでございます。こういう状況を続けていきますと、公共料金とそれから特に規制をされているような産業の分野というのは、我々にとっては実は生活の基礎コストをなしている部分が非常に大きいわけであります。しかも、産業にとりましては、経営の基礎的なコストをなしている面が非常に大きいわけでございます。したがって、先ほども、ことしになってからの公共料金の引き上げたけで一兆八千億円の実質増税の負担がかぶってくるということを申し上げましたが、そういう意味で、公共料金の引き下げということが私はぜひとも必要であるというふうに思うわけでございます。 しかしながら、公共料金をただ単に引き下げろ引き下げろと申しましても、それじゃ一体どうして引き下げるんだということになると思いますが、一つは、先ほども消費者団体の参考人からもお話がございましたように、何でもかんでも公共料金の範疇に入れたらいいのかどうかということでございまして、もちろんこれは規制を撤廃して、価格規制を撤廃すれば、当然のことながら公共料金から外れてしまいまして、当然民間の競争している企業と同じマーケットプライスで値段が決まるということになるわけでございますから、したがって、必要でない価格規制をまず撤廃するということが必要だと思います。 それと同時に、やむを得ず参入規制とかあるいは価格規制を適用しなければならないような公共料金の種類につきましては、やはり公共料金の価格設定の方式をまず変えるということが何より必要であろうというふうに思います。
○南雲参考人 私は、消費者物価指数の問題だと思うんですけれども、〇・七%の上昇に対して、その中に占める公共料金は〇・二だということでございまして、実は消費者物価の算定基礎になるもの、また、今の生活に果たしてその指数とかウエートづけが合っていみのかどうか。ある意味では消費者の自由な選択がありますから、例えばその時期に決めたものを買わないでバーゲンのとき買うとか、いろいろなことがあるんですね。もうちょっと実際の生活実態に合った物価指数というものをあらわすべきだろうと思うんです。 ある民間の調査によりますと、物価は昨年下がったというものが出ているんですわ、生活の実態からして。そういうものは労働運動にとっては余りいい数字じゃないものですから使いませんが、公共料金のウエートづけといっても、そういう意味があるのだろうというふうに思います。
○日和佐参考人 先ほども申し上げましたけれども、公共料金にかかわる事業として、そのままこの公共料金という枠組みの中に現在のものが置かれていることの見直しといいますか、洗い直しというのをまず基本的にされるべきではないかと思っております。具体的にはタクシー等ですね。それからあとは、公共料金というのは、それそれによって違いはありますけれども、基本的には選択ができないわけですね。例えば違う電力会社から電気を買うということはできませんから、消費者にとっては。 もちろん独占的な事業なわけですから、どうしても競争が起こりにくいというのが基本的な特徴なわけでして、そこの中にどうやっていろいろな形での競争の原理を導入することができるかということを工夫していただきたい。それは可能なわけです。新規参入もそうですね。大きなことは、一つは新規参入、それと価格設定方式の見直したと思っております。
○中西参考人 まあ公共料金といった場合に、非常に広い意味にとりますと、公的な価格規制とか参入規制とかあるいは設備規制とかいった網が過大にかかっているものということに理解していいんじゃないか。一番の問題は、民の場合はもう過酷な自由競争にさらされているわけですね。私どもは事業を何十年やっていてわかりますが、この間となたかが値を上げればいいじゃないかとおっしゃったのだけれども、値を上げるということは至難のわざなんですね。要するに、値を上げればたちまちにして売り上げ、受注が落ちるんですね。この二律背反に実は民間企業は血の出るような努力をするわけですね。だからコストを下げざるを得ない。簡単に値上げに持っていけないというところに難しさがある。 ところが、公共料金というのはそのコストがまずあって、これは余り競争されてないコストですね。そこにみずからの事業体のほどよい適正利潤を乗っけて、はいこれが価格よという論理、そういう算定方式がありますから値が上がるわけですね、このディスインフレーションの時代に。ですから、国民が非常にこれに対しては憤慨し、かつ疑念を持っているのは当然のことだと思いまして、やはりここに競争の原理を導入すべきであると私は思います。 これはもう電気・ガス、水道、もう一つ言えばガソリンなんかもそうですね。これなんかも、公共料金じゃございませんが、大きく参入規制がかかっていますから、二十六社しか元売、精製はできないということになっておる。今度規制緩和ができましたけれども、これは私は半分まやかしみたいなところがある。 なぜならば、七十日の備蓄義務が新規参入者には課せられる。だけれども、七十日の備蓄義務を今どき、どこの場所にどれだけのタンクをつくれるかということは、これは至難のわざでございまして、私は大手商社の社長に、友達ですから、あなたならやれるかねと言ったら、いや、うちでも首をかしげるね、こう言っていましたから、大手商社でできぬことが普通の企業には参入できません。だから事実上参入規制をそのまま継続しておる、こう言わざるを得ない。したがって、ガソリンはアメリカの三倍も四倍も高い、こういうことになっておるわけですから、何としてもこの辺を規制緩和をして値を下げないと、産業界全般に対する中間投入財がコストが下がらぬのですわ。 私どもは、例えば今こういう時代ですから、円高ですから、資材をどんどん海外から買い付けろといって、いろいろ南米、ヨーロッパ、ありとあらゆるところを調査させる。そうすると、非常に安いのがありましたとそれを持ってくる。横浜に持ってきて、乙仲の経費を入れて、そして陸送をして工場まで持っていくと、何のことはない高いものになるのですわ。日本の例えは港湾の乙仲の費用とかあるいは内航海運の費用とか陸送の費用は非常に高いですね。これで結局のところ同じことになる。 この辺も、産業界の活力維持のためには、中間投入財の引き下げ、コストの引き下げという意味で、ぜひとも公共料金とともにこの辺の規制緩和をもう一歩踏み込んでやらぬと。やはりこれは民も悪いのですね。業界も癒着しているのですよ。業界も、規制に守られているとその業界はメリットがあるのですよ。ここが大事なんです。だからこれは一気にやってもいかぬでしょうが、やはり長い目で見て、官民ともに、国家的視点からはそういうものは規制をじりじりと緩和していくということをやるべきであると思います。
○井出参考人 私は、輸入者あるいは新規事業者にとって、公共料金が上がったということはプラスとマイナスがあるという、ちょっと変な考え方を持ちました。 まず最初にマイナス面ということからいえば、今、中西さんがおっしゃった物流のコストが上がるということは、輸入品のコストの中で円建て部分が上がるわけですから、内外価格差を拡大することにはなれ、縮小することにはならないということははっきりしております。それから、新しい事業体としてふえている無店舗販売、ダイレクトマーケティング、個人のディストリビューターという人たちには、通信及び郵便が物すごく重要な役割を果たしているわけです。そのコストが上がるということは、やはり事業展開にマイナスの要素になると思います。 ところが、エネルギーが上がるということも、これは非常に大きなマイナスでございますけれども、もうこうなったら、ビールやなんかのアルミの缶がございますね、あれの中身を入れないで持ってきて、アルミ缶を向こうから買ってきて、空気を運んで、それで日本で詰めたって、日本の缶メーカーから買うよりは安いということも起こるという皮肉なことも起こっていると思いますが、まあそういうときには中にビールを入れて持ってくれば、安いビールも飲めるんじゃないかとも思っております。 以上でございます。
○小此木委員 ありがとうございました。 その公共料金もいろいろな見方があると思いますが、先ほど中西参考人がおっしゃいました電気・ガスのことであります。 本来、円高差益によってそういったガスや電気の公共料金の値下げをすべきであるという意見もありますけれども、一方、こういう考え方もあると思うのですね。今後もし円安や原油価格の高騰、こういったことがあった場合に、その値上げを今度はしないために値下げ分をストックしておいて、例えば電線の地中化みたいな町の安全確保のためにそういったストック分を充てるというような考え方もあると思いますけれども、そういう考え方についてはいかがでしょうか。同じように順次お答えをいただきたいと思います。
○西村参考人 今のお話に対して私が考えておりますことは、もちろん電線の埋設、これは都市の美観のためあるいは安全という点から、当然のことながら進めていかなければならないこれからの大きな課題だと思います。 しかし、それと、為替レートが下がったためにコストが安くなった、これを一体どういうふうな形で還元していくかということとは、実は別問題ではなかろうかというふうに私は考えているわけでございます。つまり、為替レートが非常に円高になったことによって輸入のコストが下がってくる。これを直接料金にそのまま幾らというふうに計算していきますと、今までの経験からいって、そんなに大きな違いは出てこないわけでございます。 例えば昔、前の円高のときに豆腐の値段を下げるべきだという話が出てまいりまして、そのときに、それじゃ輸入大豆のコストが下がったのが豆腐幾らに換算できるかというと、わずか二円とか三円ということですね。百円の豆腐の二円か三日本当に下げるかどうかという問題になるわけでございまして、原料だけ見ると実際はそういうことになるわけです。したがって、私は、その原料だけの下がり方をそのままストレートにそのまま直接下げるという意見よりは、むしろそういうことも全部含めて、公共的な事業における効率化というのをどうやっていくかということだと思うのですね。 実は、ちょっと話が飛ぶかもわかりませんが、今自動車で相当な価格革命が行われております。昨年から自動車の売れ行きが台数としてかなり回復しております背景には、従来と同じレベルの車あるいは従来よりもっと高いレベルの車の値段が大幅に下がったということが消費を刺激しているという面があるわけなのですが、それでは一体そういう車の値下げがなぜ可能になったかというと、これは新車の開発の経営革命を行ったから下がってきたわけでございます。 恐らく御承知だと思いますが、自動車一つつくるのに大体二万点の部品がございます。今までの新車の開発の場合は、大体四年間くらいかかるというのが常識でございました。四年かかって二万点の部品をみんな一から、技術屋さんがそれこそ腕によりをかけて、うんちくを傾けてその部品の開発をして、それで四年かかって開発する。アメリカの自動車会社も日本の自動車会社もヨーロッパの自動車会社も、大体開発期間はそれくらいかかるというのが常識でございましたから、したがって、そうやってかかった開発コストにある程度適正利潤を考えて、これくらいのプライスであれば何とか売れるだろうというあたりで競争が行われておったわけでございます。 しかしながら、これがすっかり変わってきた。開発期間をこんなに長くかける必要ないじゃないかということです。つまり、二万点の部品を一々全部開発するのではなくて、今まで開発した今使っている部品の中で本当にいいものは全部使っていこう、資材も全部使っていこう、それからいろいろな車種の部品を全部共通化していこう。ゼロベースから本当に開発しなければならないのは、例えば燃費の問題、それから環境に対する問題、それから安全に対する問題、安全のスペックをどう変えていくかということなのですね。 それだけに絞って重点的に開発した結果、自動車の新車の開発期間が今までの四年間から大体半分の期間に変わってきているわけでございます。それによって大幅なコストダウンが可能になってきたということでございまして、これは先ほど私が申し上げましたように、今民間ではもうグローバルなマーケットで、このグレードの商品、このグレードのサービスであればこれくらいの値段でなければお客さんは満足して買ってくれないだろう、お客様はこの程度の価値についてはこれだけの値段しか払われないであろうというところからマーケットプライスが決まってまいりまして、それに対して、それではコストをどうやっていくかということが問題になってくるわけでございます。 そういう意味では、私は、電力料金とかそのほかにつきまして、確かに円高によってコストが下がってくる、これはできるだけ還元していただく必要があると思いますし、また、その分をこれからの地下の埋設のために使っていただくということも必要でございますが、本当に地下の埋設をするための膨大なコストを賄うとすれば、円高による還元だけではなくて、経営全体の革命をやっていかなければ、そのコスト革命をやっていただかなければ、実はそれはできないのではなかろうかというふうに思います。 したがって、円高による差益還元は、全体としてのコスト革命の中のごく一部にしかすぎないというふうに私は考えておるわけでございます。しかし、もちろんそれはやっていただく必要があると思いますけれども、大切なのは経営革命であり、コスト革命だというふうに考えております。
○南雲参考人 円高差益還元は、電力においても私はやるべきだというふうに思います。もちろんまた石油の一バレル幾らという上がりがあるが、その調整で。それはなぜかと申しますと、電力は、消費されるものと企業運営やさまざまな工場に対してコストとして使われるものが圧倒的に多いのですね。だからそういう意味では、消費者の立場からしてもあるいは企業の競争力という立場からも、円高差益は還元すべき。 それから今、小此木先生からありました電柱を埋設するというのは、私は前々から発言していまして、大変いいことだと思いますし、これは私は町づくりの発想だと思いますね。むしろ新公共投資的な発想に持っていくべきでありまして、円高差益をためておいてそれでやるという発想でなくて、むしろ新しい高齢化社会に対応したノーマライゼーション社会における町づくりとして、むしろ新公共投資の一助に格付をして積極的にやるべきだというふうに思いますので、ストックには余り賛成できかねます。
○日和佐参考人 電線の埋設工事の計画が、たまたま円高で設備投資ができるからということで浮上してきたのかどうかということが問題だと思っています。ですから、基本的にどういう政策を持っているのか、どういう経営方針を持っていたのかということとのかかわりですね。たまたま円高によって得られる利益というのは、努力しないで、まあ言ってみれば棚からぼたもち式に得られるものなわけです。たまたまそういうものがあったから、その費用をストックしておいて埋設工事をしようという発想なのか、基本的な経営の方針として、埋設工事に対してどういう考え方を持っていたのかというところが明確でないといけないと私は思っています。 こういうふうにたまたま利益があるからストックして、ではこの事業にしようという非常に安易といいますか、何かそういうことについては消費者は非常にうさん良さを感じるわけですよね。透明じゃないのです。ですから、そういう意味も含めて、これはきちっと分けるべきで、たとえ一カ月十円であろうとも、棚からぼたもち式に得た利益は消費者に戻してほしいと思います。
○中西参考人 この間、某シンクタンクの調査によりますと、日本の産業界、いろいろな職種で生産性が高い順にずっと並べてある表がございます。一番生産性の低い、悪いのが公共料金関係ですね。電力とかガスとか、そういう公の規制の網のかかった業種、企業が非常に生産性が低いですね。ですから、私はこの問題は、円高差益を単に還元するという小手先のことではなくて、公共企業のあるべきコスト体質というもの、生産性を引き上げるという抜本的な戦略構想を考えるべきであろう、こう思います。 ということは、もう一つ突っ込んで、電力業界の方には差しさわりがあるかもわかりませんが、例えば九電力体制というのが日本にあります。これは戦後できました。物の見事に日本の戦後の急成長、拡大均衡の時代を支えた大きな功績があったわけですね、あれはあれで。だが、ここへ来て大きくそれは変わってきていまして、日本の電力料金は非常に高い。さっきどなたかおっしゃいましたが、電力の缶詰のアルミなんというのは到底日本はもう海外に太刀打ちできないほどになっておりまして、その他の産業でも電力は中間投入財として非常にコストに占める割合が大きいのですね。 ですから、最近コージェネレーションというのがございます。コージェネレーションを使いますと、紛れもなくこれは下がるのですね、かなり下がる。ところが、やはりもろもろの事情があるようでございまして、このコージェネレーションが余り普及しないのですね。この辺に問題があると私は考えております。この辺にメスを入れて、下がるものならば下げる方向に向かって戦略的な手を打っていく必要があるのではないか、こう思います。 もう一つ、危機管理の問題ですが、御質問にそういう意味があったと思うのですけれども、エネルギーはもう危機管理が非常に大事だと私は思うのですね。日本はガスでもほとんど今もう海外に依存しております。そして、シーレーンは今までアメリカの庇護のもとにこれを守っておったのですが、御案内のように東シナ海あたりでも、南沙諸島で中国が軍事力をどんどん出してくるということで非常にきな臭くなっておりますし、ロシアはロシアで、ああいうことでどんどん問題を起こしております。 となると、日本はやはりエネルギー危機管理という観点で、ガスの問題は今LNGが主流ですが、LNGを全く一〇〇%海外に頼っていただけでいいかという問題は、大きな問題として一つあると私は思うのですね。 それから、小さな問題は、さっきの備蓄の問題ですが、私は備蓄はやはり必要だと思いますよ。ですが、過去の既成の二十六社が強大な力を持っている。そこが七十日の備蓄をしているから、したがって新規参入もイコールフッティングで七十日持てというのはいかがなものか。これはやはり新規参入をしやすいようにすべきであって、七十日備蓄そのものは、危機管理という観点から私はぜひ必要だと思います。 それから、大きい課題では、こういうことをまだどなたも余りおっしゃっておられないのですが、某通産省の工業技術院の、そのセクションはわかっておるのですが、日本近海に膨大な量のガスハイドレートが眠っているんですね。これは水分子にLNGの天然ガスが溶け込んでいるのですね。これはまだ調査の段階で、どうも眠っているらしいということがわかっているのです。これに政府が本格的な予算をつけて、全力を挙げてこの辺の調査をやられたらいかがか。 まさに無資源国日本の中に膨大なエネルギー資源が大陸棚に眠っておる、とにもかくにも一応そういうことが見えてきているわけですから、先見力のあるすぐれた政治家殿がもしそういった政治戦略構想を打ち出されて、よしこれをやろうということで、かつてのアメリカのケネディのNASA計画のような思い切った政官民挙げての取り組みをやれば 技術者は、私がこういう意見を言いますと、中西さん、これは三十年、五十年先の話だ、こう言うのですね。 だけれども、私はそこですぐ反論するんです。ケネディはソ連に宇宙開発でおくれをとったときに、全力を挙げてNASAをやったんですね。そして、ソ連に追いつき追い越した。それは三十年というスパンと言われたことをものの七、八年でなし遂げた。政治家殿が旗を振られて、政官民で力を合わせれば、私は三十年のスパンの技術の壁は恐らく十数年で突破できるのじゃないか。 もしそれをやり遂げたら、これは世界がいかなるエネルギー危機になろうとも、日本の近海に膨大なクリーンエネルギーのガスハイドレートがあるわけですから、これにこしたことはないわけでして、こんなことを言うとおまえは突拍子もないことを言うということになりますが、御参考までに、私の情報にありますので申し上げておきます。
○井出参考人 私は経済学者ではございませんけれども、先ほど申し上げましたように、三十年間、三十五年間のことを考えますと、円高は長期的にずっと続いてきたと思います。そうしますと、それがどのくらいのレベルでまだ続くのかということはわかりませんが、続くという仮定であるならば、今御発言がありましたように、生産性の低いところを上げる、つまり、公共サービスの生産性の悪いところを上げるということによって、今後の価格を上げることをとどまらさせることができるのじゃないかということと同時に、場合によっては下げることができるのじゃないかということを期待しております。 例えば、米国において種々の電話サービスがございます。情報の交流というのが爆発的に拡大したのは、電話に関する自由化が起こったわけですけれども、それによって電話の交流量がふえた。同じ設備でふえればそれだけ料金を下げられるわけです。そのことが実際に起こったということは、やはり参考にされるべきではないかと思います。 また、日本はいろいろな現地化ということがありますけれども、情報システムをもっと安価に使うことができれば、本部を何も東京に置いておくことはない。コストの非常にいい、人的資源もある、僻地とは言いませんけれども、今人口が減っているようなところに持っていっても、電話料というものはもう一回つくってしまったら同じなのですから、そういうふうな考え方に立って下げていって、需要をふやしてほしいということが一番の願いでございます。 それから郵便料金では、実際日本でも、私どもいろいろな経済団体と一緒に、郵便料金の多様化、第三種とかいろいろなあれがありますが、その多様化によって割引率を拡大したところ、郵政省の収入がふえたんですね。赤字だったのが黒字になって、また赤字になっているから今少し上げようかというときに、同じような考え方で、需要をふやす方向によって何とか値上げを延ばすことができるんしゃないか、それは郵便のサービスの種類の向上ということで行えるのではないかということを、手前ども在日米国商工会議所のダイレクト・マーケティング委員会が真剣に論議して、各省にお願いしている次第でございます。 ありがとうございました。
○小此木委員 ありがとうございました。 それでは次に、税金、法人税の話でありますけれども、非常に高い今の日本の法人税であります。実効税率でただいまは四九・九八%ということで、他の先進国やアジア諸国に比べましても大変に高いものというふうに言われております。この高い法人税率が産業の空洞化やあるいは今議論をしております内外価格差の原因になっている。この点に関して政府税調も、これは聞いたところによりますと、法人税率の引き下げについて検討に入ったというふうに聞いておりますけれども、法人税についての皆様方の御意見を伺いたいと思います。 そして、もう一つ最後に、円高、日本の黒字減らしのためには内需拡大をしなければならない。内需拡大をしなければならないということは、今財政赤字ということもあって、今度は増税に頼らざるを得なくなってくるということも考えられます。負担と受益の関係で、国民負担率というものは大体どの程度にすべきかというところも、あわせて最後にお聞かせをいただきたいと思います。
○西村参考人 所得税、法人税を含めて日本の直接税の負担が非常に高い、直接税と間接税との比率から見れば、直接税に明らかに負担がかかり過ぎているというのは事実でございます。特に、法人税につきましてはずっと減税が行われておりませんし、しかも、地方の事業税も加えて法人税の負担が非常に高いことは事実でございまして、これがいわゆる空洞化の原因になるおそれが多分に出てきたということは言えると思います。 実は最近、東京金融マーケットの空洞化ということが非常に懸念されているわけでございまして、今から数年前に日本の東京の金融市場は世界の金融マーケットになるということで、外国からたくさんの証券会社あるいは金融機関がかなり日本へ入ってこられたわけですが、最近では日本からの撤退が相次いで起こっているということでございます。 この撤退の最大の原因は、やはり規制が多過ぎる。はしの上げおろしまでいろいろ行政指導で介入が行われる。非常に商売がやりにくい。こんな商売のやりにくいところであれば、もう外へ出ていく方がいい。今は何分マルチメディアの時代でございます。通常の情報処理というのは、すぐ瞬時にして世界どこでも、いつどこでもそれが処理ができるということでございます。本当に東京でなければならないインフォメーションだけを獲得するのであれば、そんなにたくさん人数は要らない、通常の事務は全部出ていってしまえということになってくるわけでございます。 その空洞化の第二の原因が、やはり税金の問題でございます。税金の問題とオフィスのコストの問題でございます。 どこへ出ていっているかというと、香港とかシンガポールというアジアの金融市場にだんだん流れていっているということでございます。今、商業地の値段が世界一高いのは香港でございます。東京は大分落ちてまいりましたから、東京はもちろん高いですけれども、香港の方が高いのです。ですけれども、なおかつ香港へ出ていくというのは、税金が非常に安いということ、それから規制が全くない、非常に自由な商売ができるということが魅力で出ていっているわけでございます。 日本でもし金融市場の空洞化を防ごうと思えば、規制をまずやめるということが必要でございますが、同時に、やはり直接税の高さということをどうしても改善していく必要があるということです。法人税の本税の税率を引き下げ、かつ租税特別措置をできるだけなくしていくということによって、法人税の体系をもっとすっきりさせることが必要であるというふうに私は考えております。
○南雲参考人 税の問題、とりわけ法人税の問題は、私は内外価格差の問題にも非常に大きな意味を持っていると思うのです。 ということは、国際競争社会における公平性という視点から考えますと、日本国だけが少し高過ぎる。あるいはよその国が安いのかわかりませんが、いずれにしても、できるだけ同じ水準にしていくということがなければ、日本の企業は法人税の低い例えば香港に本社を移すとか上海に移すとか、そういうことは必ず起こってくるでしょうし、一方では海外から日本に進出をしてきたいという企業を拒むことにもなるということで、水準の問題はとやかく言いませんが、いずれにしても国際競争上できるだけ統一していくということだと思います。 もう一つの質問の中にありました税の負担、私は、税だけでなくて税と社会保険料、これを合算して国民負担率あるいは企業の負担率というものを考える時代だと思います。とりわけここ数年、企業の法定福利費は相当ふえています。そして私たちサラリーマン個人も、減税もございましたけれども、税と社会保険料というものを合算しますと非常に負担率は上がってきております。ボーナスからも一%取る。したがって、事業主が〇・五、サラリーマンが〇・五ということでございます。 ですから、税だけの論議でなくて、これから来るべき高齢化社会に対応したシステムとして、税と社会保険料を合体して企業の負担率がどれぐらいならもつのか、競争に公平であるのか、あるいは国民一人一人がそういう負担に耐え得るだけの所得と支出のバランスができるのかということを見るべきであろうというふうに思っております。 連合は四〇%ということを出しておりますけれども、最高で二〇二五年に五〇%にとどめる。まだ見解だけで詳しくはありませんけれども、今のところ四〇%にとどめるべきだというのは連合では出しておりますが、もう少し精緻なものを考えていくべきであると思っております。
○日和佐参考人 法人税の問題と内外価格差の問題、産業空洞化の問題はかかわりがありますが、内外価格差の問題と法人税を引き下げるという問題とを余りタイトに考えるというのは、私は反対です。 個別の商品の税金の高さというのは個別商品によってありますが、そこは見直す。例えばガソリン税とかそういう部分については見直す必要があるとは思いますが、単純にだから法人税を引き下げるという議論にはならない。税制の問題は税制の問題として、赤字法人だとかみなし法人だとかさまざまな問題があるわけですし、直間比率の問題というのもいろいろありまして、単純に五〇%がいいということではないわけですけれども、税制の問題は税制の問題として別に議論をすべき問題ではないかなと考えております。 それから国民負担率の問題ですが、これは単純に負担率ということでとらえることはできないと思っております。社会保障、老後についての社会的な整備、そういう問題がどの程度であるかということともかかわっできますし、先ほどおっしゃいましたように、税金だけではなくて社会保険料ももちろん含まれての負担ということになりますが、単純に何%がいいという数字であらわせる問題ではないと思っております。
○中西参考人 今の御質問は非常に問題の深いところ、重要な問題を御指摘だと思うのです。 私、きょうここに円高、内外価格差ということで参上したのですが、そもそも内外価格差を論じるときに、今、小此木さんが御指摘のように、日本の貿易黒字、大幅な経常収支の黒、これをどうするかという問題と深くかかわっているのです。ですから、これは今議論がございまして、要するに自動車交渉をやっていますが、輸出を抑制しろとか輸入をふやせとかいわゆる水際作戦というのがあるのですが、これだけでは問題は解決つかぬというのが財政学者の大方の意見でございます。 いわゆるISバランス論というのがございまして、要するに貯蓄性向が日本は高過ぎる、だから投資と貯蓄が変わらぬ限り、このマクロバランスが変わらぬ限り、幾ら政策的に輸出入を抑制しても、両方とも同じ方へ連動しますから意味がないという意見があるのです。きょうの日経ですか、野村総研のリチャード・クー氏が言っていますけれども、やはりこれは貯蓄の問題、アメリカの貯蓄が低くて日本の貯蓄が高いということだけではなくて、もっとISバランス論に縛られないで考えるべきじゃないかというふうな意見を彼は言っています。 日本の通産省でも大蔵省でも今のこのISバランス論に縛られて、私も同感ですが、打つべき手がないと。G7で幾らやっても、日本だけが幾らどんな政策をやってもこれはだめなんだ、日本の貯蓄性向が高くてアメリカの貯蓄性向が低いのだから、これはどうにもならぬのだ、打つ手なし、今こう言われておるのですが、私はそうじゃないと思います。やはりリフレーションの政策を思い切ってやれ。今の問題にかかわってくるわけですが、したがって、リフレーションを官民挙げて三%ぐらいやったらどうだ。その後財政も出動するし、税制も思い切って変えるということをやらぬと、時間がないですから一言で言えば、日本はこのままいくと沈没する。 結局、これに対してインフレがどうのこうのという意見がすぐ出てくるのですが、マイナス成長のときに、まずデフレを抜け出ることが問題であって、ここで三%のリフレをとることに対してインフレを大きくするなんというのは、私から言いましたら、頭はげるぞ、それは心配し過ぎだということです。 ですから税制も、私、実は政府税制調査会のメンバーでございまして、先週第一回をやりまして、これから鋭意十日に一度ずつ法人税と資産課税の問題をどんどんと突っ込んでいきます。基本的に私は、御質問に対しては、法人税は引き下げるべきである、それから資産課税も、今言ったリフレーション政策の一環として思い切って引き下げろ。 要するに、もろもろの資産課税は土地基本法に基づいているのですね。土地基本法は海部内閣のときにできたのです。あれはバブルの真っ最中です。どういう趣旨でできたかというと、地価の抑制をすること、それから土地を持てる者と持たざる者とのアンバランスを是正するためにあれはできたのですね。ところが、今時代はまさにデフレです。とどまるところを知らぬでどんどんいっている。日本はこのままいくと沈没するということですから、やはり土地税制も大きく変えざるを得ないということです。 今、税調で、学者先生の中には、消費税、間接税を導入したから、要するに持たざる者の逆進性が加速したから、金持ちから取れ、したがって資産課税は強化すべし、こういう議論が一つあるのですが、これをやったら産業界がつぶれる。 よく言われるのですが、産業界と消費者とは相矛盾すると言われて、すぐ消費者論理が出てくるのです、きょうも日和佐さんお見えですが。これは大事なことを皆さん忘れておられる。日本の中小企業の従事者は約五千万。五千万は父ちゃんです。その裏に母ちゃんが消費者としてついている。言うなら、要するに産業人といっても消費者といっても、一人の国民が二つの顔を持っているということです。 ですから、産業がだめになれば消費者もだめになります。賃金カットされ、残業をカットされ、雇用調整されたら、たちまち消費意欲はなくなります。消費も投資もできなくなる。これはただひたすら貯蓄だけ上がっていきます。そうすると、ただひたすら経常収支が黒字になる。そうすると、どんどんと円高が進む。円高になればまたぞろ不況に落ち込む。要するにそういう悪循環のサイクルにあるわけですから、私は、政策としてリフレーションをやるべし、法人税に関して言えば下げるべし。 そして、企業の大競争時代に、ASEANは大体三五から四〇ぐらいですから、日本は実効税率五〇ですから、これはとても勝てません。今既にタイに日本は一千社ぐらい出ています。この間も某大手電機メーカーの半導体の最高責任者と食事をしましたが、中西さん、自動車、家電だけじゃなくて我々半導体も海外へ出ていきます、こう言っておりました。日本ではできませんと。このままでいくと完全に空洞化するのではないでしょうか。 以上です。
○井出参考人 法人税の問題ということに直接的なことだけを申し上げたいと思います。 米国企業は努力が足りないということは、もう耳にたこができるほど聞かされることでございますけれども、ある米国企業家のグループでは、それは本当かと思うのです。私が経験したのは、投入した資金の回収を十八カ月で期待しているというような物すごく大きな大衆医薬品の会社もあります。それは私は例外的だと思うのです。 米国では、投入資金の回収というものは三年あるいは五年というくらいのスパンで考えられると思いますけれども、日本で活動しております米国企業で非常に積極的なところは、一九六〇年代では投資した資金の回収というのは五年でできました。七〇年代では八年、九年です。八〇年代になりますと十五年ぐらいかかっております。それで九〇年代になったら、下手すると永久的に戻せないのじゃないかという恐怖があります。ですから、拡大再生産に必要な資金を国内で自立的に回収するということから考えると、法人税の四九・九%というのはやはり高いというふうに思います。それが一つ。 もう一つは、今言いましたように投資をするわけですね。投資をして、申告所得上のロスというものは初年度からずっと出ます。そのロスの繰り延べというものが、前は五年、今は七年でございますか。それが今度規制緩和でもっと長くなるかもしれないのですけれども、これが非常に投資を積極的に進めているほかの先進諸国の場合のように、十五年とかあるいは永久にやらせていいというふうなことになりますと、やはり形として日本に投資をするということが起こり、我々外国系の企業がいいものを日本に提供できる土台ができるというふうに思います。 つまり二つ。拡大再生産に必要な資金を国内調達するには四九・九%は高過ぎる。それから、ロス・キャリー・フォワード、申告所得の損の繰り延べというものをもっと長くしてほしいというふうに思います。 ありがとうございました。
○小此木委員 時間が過ぎましたが、貴重な御意見をありがとうございました。さらに勉強させていただきます。
○大石委員長 鮫島宗明君。
○鮫島委員 新進党の鮫島宗明でございます。きょうは参考人の方々、お忙しい中国会までおいでいただきまして、大変貴重な御意見を聞かせていただきまして、厚く御礼申し上げます。 特に、余り統計資料にこだわることなく、皆様方の御体験なりあるいは皆様方の感性に基づいて率直に人間的な御意見をお述べいただいたのは、大変印象を深くいたしましたけれども、そのような流れを尊重する意味で、私も余り統計資料にこだわることなく、むしろ直感に基づいて質問をさせていただきます。やや失礼な面に及ぶかもしれませんが、御容赦いただきたいと思います。 順序不同でお一人ずつお伺いしたいのですけれども、アメリカの商工会議所の井出さんに。 私どもふだん余りなじみがないものですから、先ほど七百五十社がメンバーとして参加をしておられるということでしたけれども、この商工会議所は、アメリカの政府、州政府並びに在日大使館などに対して、対日商工業、経済金融政策等についてどの程度相談を受けたり発言したりという機会があって、どの程度の影響力を持っているところだというふうに考えればよろしいのか、ちょっとお教えいただきたいのです。
○井出参考人 ACCJの宣伝をする機会を与えていただきましてありがとうございました。 まず、私ども商工会議所あるいは米国のビジネスマンの態度と政府あるいは官の関係というのが、日本の場合とやはり違うと思うのです。 これはまた感性のお返事をしてしまって申しわけないのですけれども、日本の場合には、官がこういうふうに、だからこっちはこういうふうにと、面と面とが向き合わさっているような関係だと思うのですけれども、米国の場合には、自分たちが自立する、自由な競争だということであるので、背中合わせで積極的にこうやるのです。そういう関係だというふうに前提したいと思うのです。ですから、言いたいことは言う。それで、米国の政府機関、それから議会、これを年に一回ドアノックというものをして、この白書を説明に行きます。それで皆さんに関心を持っていただくということもしております。 それから、州政府は非常に積極的に在日米国商工会議所のメンバーとして人を送り込んでおります。ですから、例えばワシントン州の場合のリンゴ、あの場合には私の委員会の仕事でございましたからよく覚えておりますけれども、意見を我々と一緒に出そうということなどをしております。それと同時に、アメリカ大使館と一緒に、または全然独自に、日本の特に政財界及び政府というものに接触しようとしております。これは、米国政府あるいは米国大使館とは全然独立して、我々の考え方で接しようというふうに考えております。
○鮫島委員 どうもありがとうございました。 ちょっと話は変わりますけれども、先ほど日本は魅力ある市場かというテーマの中で、ややメンバー数が減少しているのが気になるけれども、新しい体質を持った、言葉をかえれば、日本文化あるいは日本の社会システムを大変よく理解している体質を持った企業は、日本の中で十分ビジネスを展開できるポテンシャルを持っているというような御発言だったと思います。いわゆる日本の中でビジネスが上手なアメリカの企業の特徴といいますか、余り時間がないので一つ一つのお答えは手短にお願いしたいのですけれども、それをちょっと教えていただければというふうに思います。
○井出参考人 成功しているアメリカのビジネスというのは、よく考えてみますと一九五〇年から成功しているのですね。 それで、成功とは何かということで考えなければいけないのですが、新しく入ってきている方たち、それは特に情報産業とかそういう方たちが多いのですが、その人たちはやはり自分たちの特徴を売るのが非常にうまいということです。それからまた、そういう人たちは自分たちのコスト意識が非常に高くて、日本で生活費の高いのをいかに乗り越えていかなければいけないかということまで考えて、本当に努力している人がたくさんおります、小さい会社でございますが。 その人たちは、あなた方、六本木のそばのマンションに住んで、紀ノ国屋で買い物をしているようなアメリカ人が何で日本がわかるかというふうな人たちじゃなくて、私が言いたいのは、そういう人たちは我々の住宅地のところに住んで、米国からもらいますから日本と同じくらいの給料あるいは日本の給料よりか低い給料、それで生活実感を持って、その中でビジネスチャンスを見つけている人が多いと思います。
○鮫島委員 日本で上手なビジネスを展開しておられる企業あるいは十分な利益を上げておられる企業にとっては、今の円高という環境はある意味では大変好ましい環境であって、ある種の圧力としては、この円高をもっと進めてほしいというモチーフが、これはいい悪いの問題じゃなくて、当然ビジネスマインドとしてはそういう気分が働くのではないか。 特に、日本で生産している例えば半導体なんかのアメリカのメーカー、あるいは日本とジョイベンのメーカーもありますけれども、そういう企業にとっては、この円高というのは大変好ましいビジネス環境だというふうに一般的には考えられますけれども、それはそういうものだというふうに考えていていいでしょうか。
○井出参考人 米国系の企業及び米国と日本との合弁企業で、国内生産をしておりますときの円高の問題点というのは、日本の企業と同じだと思います。(鮫島委員「輸出している場合」と呼ぶ)ええ、輸出している場合には。 それから、日本国内向けのコストの問題ということになりますと、今海外調達に、つまり、日本から出ていくというふうな現象が起きております。だけれども、海外調達したものを安く、あるいは海外の自社の工場のものを安く持ち込んでくるという立場からいえば、円高というのは非常なメリットになるわけですが、その中でやはり物流コストが一番問題になっております。
○鮫島委員 ちょっとこういうことは言いにくいんですけれども、今のこういう情勢ですから触れざるを得ない問題として、WTO体制というのは大変世界じゅうの国々が苦労して、日本でも昨年けんけんがくがくの議論をして、やっとそのWTO体制というのが承認されたわけですけれども、せっかく多国間での紛争処理の仕組みができたにもかかわらず、アメリカがこのたび日本の高級車に対して一〇〇%の輸入関税をかけるというような決定をしたということは、大変私どもにとっては、このWTOの意義を失わせる不思議なビヘービアであるというふうにしか受け取れないのです。 先ほど、商工会議所はいわば発言のフリーハンドを政府に対しても担保していると。また、恐らく井出さんと大使とは時々食事をされたりする機会もあると思いますけれども、そういうお立場で、今のこのアメリカの日本の高級車に一〇〇%の関税をかけるという決定についてどんな印象をお持ちか、お伺いしたいんです。
○井出参考人 非常に難しい、けれども出るだろうなと思って、宿題だなと思って用意していたわけでございますけれども、まず、ACCJの基本的なステートメントというものは、まだ出しておりません。ですから、ACCJの立場でこれをどういうふうに見るかということを公式的に述べるものをここに来るまでに僕の手にくれと言ったんですけれども、まだ出ておりませんので、公式的なものは申し上げることはできません。 ただ、私は、ACCJの活動を通じてブッシュ政権のときからずっといろいろなトレードトークの話を聞いていたときに、カーラ・ヒルズさんが通商代表だったときに、相撲のことを例えて、同じ土俵で勝負をさせてほしいということがアメリカの希望であると。実際、相撲協会の中でも、同じ土俵でアメリカ人がやっていて勝っているじゃないのということがあったので、そういう意味での同じ土俵というものが崩れていくような状態というのは、私、個人的な意見でございますが、望ましくないなというふうに思っております。
○鮫島委員 井出さんのおられますアメリカの商工会議所は、大変私は重要な民間外交の一翼を担っているのではないかと思うものですから、経済的な摩擦が日米間でこれ以上生じることのないよう双方の触媒役としての機能を十分発揮していただくと同時に、また、日本でビジネスがしやすい環境をつくるために政治のセクターとしては何をしたらいいのかということについても、これから積極的な御提言をいただきたいというふうに思います。 次に、消費者団体の日和佐さんにちょっとお伺いしたいのです。 消費者の消費行動あるいはライフスタイルというのがやはり随分状況によって変化している。バブル期はバブル期で非常にブランド志向が強くて、高かろうよかろうというような態度が非常に強かったと思いますけれども、今は、先ほどのお話ですと非常に価格に対して敏感になってきている。これはある意味では時代的な変遷というか、社会状況による購買行動の変化ということだと思いますけれども、もう一つ非常に大きくあるのが、恐らく世代間の意識の違い、消費スタイルの違いというのが、特に若い人たちの最近の暮らし方なり買い方というものを見ていると大きくあるのではないかというふうに感じます。 例えば、結論的に言いますと、従来型の、政府とか政党にこういう制度を変えるべきだというようなお願いをしたり、要請をするというのも大事な消費者団体としての活動だとは思いますけれども、より賢明な消費者になる、あるいはより強い消費者になるための直接行動、例えば先ほど井出さんからお話がちょっとありましたけれども、直接輸入というようなものをもっと消費者団体として進めるというようなお考えはお持ちなのかどうか、ちょっとお伺いしたいんです。
○日和佐参考人 並行輸入ということですか、それとも……(鮫島委員「個人輸入」と呼ぶ)個人輸入ですね。私たちの消費者団体が、消費者の皆さん、さあ個人輸入しましょうというふうに、特にその分野について運動を展開するという計画は持っていません。ですから、情報として提供するということの範囲だと思います。
○鮫島委員 内外価格差の解消を阻害しているさまざまな要因の中で、きょう皆さん共通してお触れになったのは、海外の安い商品を日本に持ってきても、なかなかそれだけでは安くならない。いわゆる日本的固定費とでもいうような部分が非常に価格形成に大きく影響を与えていて、そのために価格差のメリットが生かせないということが割合共通の問題意識として出たと思います。 そういう日本的固定費というのは、恐らく非常に高い地価、あるいは固有の税制といいますか、利益が一銭でも出たら決して見落とさないという緻密な税制といいますか、あるいは高い人件費、それから、やや違うかもしれませんけれども、独特の人間を幸せにしない日本というシステムといいますか、規制に代表されるようなそういうもろもろの要因で、実際に物財を日本に持ってきても価格がなかなか安くならないということをお触れになったと思います。 そういう意味で、先ほど日和佐さんが首都高の高速道路の問題に触れられたのは、大変私は的確な御指摘じゃないか。こういう間接税、目に見えない税金としてとらえているような部分が大変多い。 実は、東京都なんかでも今世界都市博の開催が問題になっていますけれども、一度役所の側がバブル的プロジェクトを始めると、そのプロジェクトをスタートするときの条件と現在の条件が百八十度変わっているにもかかわらず、官僚は間違いをしないという大前提のもとに、決してとまることなく進んでしまう。このしわ寄せは全部結局、東京都の場合ですと都民の税金として来るというようなことがあって、やはり見えない物価高の一因でもあるこういうむだな地方税とかという問題についても、厳しい監視をしなければいけないのではないかという気がいたします。 例えば高速道路についても、まだ日本の資本蓄積が不十分のころは、いわゆる大都市と大都市をつなぐような高速道路しか発想できなかった。本当ですと、ドイツのアウトバーンのように、大都市を離れた地価の安い過疎地域をストレートで通して、それから都市がアクセスしやすい道路を派生させていくというのが効率的な高速道路の設計思想だと思います。 日本はやっとここへ来て、今度の湾岸、外環というようなルートができたように、ややそういう方向に向かいつつありますけれども、首都高の料金というのは、本来でしたらもうただになっていなければいけないのに、いまだにその値段が上がり続けている。これはある意味では、道路公団が全国ネットで一本化してやっているものですから、かつての国鉄と同じように赤字路線を黒字のところでカバーする、しかもそれを全国一律でやるという構造をとる以上、いつになっても首都高はただにならない。むしろ上がり続ける。 今その首都高の料金は、走行料金ではなくて渋滞のための駐車料金ではないかというふうに言われているぐらいですけれども、こういう道路公団が全国一律でやるのではなくて、あるいは地域ブロックにしていくというような考え方について、これは日和佐さん個人のお考えかもしれませんけれども、ちょっと御見解を聞かせていただければと思います。
○日和佐参考人 今の価格設定方式はプール方式といいまして、全国、価格は一律で、建設費も、既に償却しているところを通っても、今後建設が必要であるという建設費の部分も負担して走っている、そういう形式になっているわけですね。ですから、おっしゃるようにプール制を改めて、もう少し地域格差があっていいと思います。地域的な料金の格差があっていい。やはり受益者負担という形での価格、全国一律の価格でなくてはいけないということはないのではないか、もう少し考え直してもいいのではないかというふうに思います。 でも、もう少し言えば、その前に、本当にそういう高速道路の建設が必要なのかどうかということの検討のし直しというのがやはり必要だと思うのですね。新たに高速道路を建設しなくても、従来ある道路でミニ高速のような形でできないか。今、太い高速道路がわあっと通っても、それと地域あるいは近隣をつなぐシステムというのが十分じゃないという実情もあるわけですから、自分の地域をどういう形にすれば便利でみんな利用できるのかなということを、これはもう住民参加で考えなければいけないと考えておりまして、もう一度見直す必要があるのではないかと思っています。
○鮫島委員 ありがとうございます。 次に、南雲さんに二点ほどお伺いいたします。 一つは、これは労働組合の抱える絶対的な矛盾というようなことかもしれませんけれども、内外価格差解消の運動を効果的に進めていくと、先ほど規制緩和とかいろいろ五点ほど御指摘くださいましたけれども、こういう方向で進めていくと、その行き着く先は、結局は賃金コストの削減あるいは人的リストラ、雇用不安。 今、規制関連で生活している労働者が約二千万人いると言われていますけれども、このいわば労働組合の抱えておられる絶対矛盾という、規制緩和を一方で進めなければ内外価格差は解消しない、しかし、それを進めると、それまであった労働市場が失われて雇用不安が生じるという問題について、どういうふうに、いかなる運動方針を持って組合員の心をつかもうとしておられるのかというのが第一点です。 それから、先ほど中西さんがちょっとお触れになったのだと思いますけれども、競争原理の導入を一般のマーケットにおいてももっと進めなければいけないという同じ考え方の中で、労働市場においても、ある一種の競争原理なり流動化をもっと進めなければいけないという御指摘があったと思います。この点についてもどうお考えなのか。 この二点についての御見解を伺わせていただければと思います。
○南雲参考人 二つの質問にお答え申し上げます。 私の考え方、あるいは連合内で議論をしている過程の中で考えられておりますのは二つございます。 一つは、内外価格差を是正する、その結果、現在はやり言葉のように言われています価格破壊、価格破壊が行き着くと賃金破壊、要するに、価格のコストに労働コストが必ずどんな職業でも入っているということですね。結局、価格破壊を喜ぶ人たちは、自分たちの賃金破壊を喜ぶ人につながるわけです。 それで、労働組合としてそれを矛盾でないようにするためにどうするかということでありますが、キャッチアップ時代の労働運動は収入をふやすための運動だったと思います。すなわち、ベースアップ、賃上げ。しかし、これからの時代の中で、収入をふやすだけの運動から支出を減らす運動に参画をしていく。その代表例が昨年の減税だったろうと思いますし、それから内外価格差を引き下げて物価を下げるということであります。 すなわち、組合員に対して言えることは、自分の収入から支出を引いたその格差が豊かさであるということを訴えていかない限り、今までの延長線上では連合も労働運動も行き詰まるというふうに思っています。したがって、内外価格差是正にしても、さまざまな政策・制度というものを念頭に置いた労働運動に転換せざるを得ないというふうに私自身は思っています。これが第一に対する答えです。 それから二つ目の、いわゆる競争の問題でありますが、労働市場の流動化。日本の就業構造は、かつてから日本は年功序列で終身雇用であると言っておりまして、定年まで働くということが保障されているが、現実の姿は、学校を出て入社して六十歳まていたという人は、今まで一%なのです。一%しかいないのですね。それから、少なくとも学校を出て、少し若いころ職業の選択を誤って、二十代になってから、二十八歳か九歳で決めた一つの会社、それで定年まていたという人が一〇%です。 したがって、日本人の行動は、労働の流動化は過去からもあった。そして、今後はまず若い人たちがかなり流動化をする。それからもう一方で、五十歳代とかそういった中高年が第二の人生だとかいろいろ考えまして、もう一回流動化するということ。多分、労働市場は若者たちの流動化と中高年の流動化となってきますから、その結果、企業の就業構造は大きく変化すると思います。すなわち、ストック型社員とフロー型の社員の組み合わせになっていくでしょう。 とりわけ流通サービス業の実態を申し上げますと、フルタイマー対パートタイマーの比率は、チェーンストアあたりで大体パートタイマーが六割、六〇%、フルタイマーは四〇%、百貨店業という業種で申し上げますと、これはフルタイマーの方がまだ多いですが八〇%、そしてパートタイマーは一律二〇%。しかし、もう一度店舗なら店舗で働いている構造を見ますと、さらに派遣社員であるとか契約社員であるとか、あるいは取引先から応援店員とか、さまざまな構造があるということですから、私は、労働市場の流動化はこれからも起こる。したがって、その起こったことに対して個人に与えられた社会保障的な福祉が維持できるかどうか、それをセットさせていきたいというのがこれからの連合の大きな課題になるというふうに思っています。
○鮫島委員 どうもありがとうございました。政治の側で何をしたらいいかについて、今後とも的確な御注文をいただきたいというふうに思います。 商工会議所の中西さんに次にお伺いいたします。 数々のユニークな御提言も含めて御指摘をいただきましたけれども、時間も余りありませんので一つだけ問題点を絞りますと、先ほど日本的な固定費の高さという中に税金のことを私ちょっと言いましたけれども、相続税の問題ですね。 特に、東京でこの相続税の中小企業の経営に与える影響というものについては、なかなか皆さん所得のすべてを明らかにしないというようなことがありますから、調査が難しいのですけれども、ある大手銀行の調査によると、東京の中小企業の中で、経営主といいますか家長が亡くなった場合、その後の経営が可能な中小企業は四割というふうに見積もられておりまして、つまり六〇%の中小企業の方は、家長が亡くなると相続税で取られて、その後の経営ができなくなる。 この相続税というのは日本の税収の約一〇%。もう一つの特徴は捕捉率が一〇〇%ということでして、死んだ場合は非常に広い社会的告知をしますから、これは隠しょうがない。オウムのような場合はちょっとわかりませんけれども、一般的には必ずわかりますから、相続税というのは非常に捕捉率が高い。 戦後の焼け跡の中から営々として築いて、やっと町工場を持って、しかも今のこの円高と闘いつつある経営主の方々が、高い相続税のためにもう自分の代までしか経営が続けられなくなるという方が六割もいるというのは、私は大変残酷な制度ではないかと思うのですけれども、この問題について商工会議所で何か語られておられるのかどうか。 それから、この問題に限らず、政治の側にこれだけはぜひしてほしいということがありましたら御提言をいただきたい。先ほどのISバランスの話で、打つ手なしということを言う大蔵省、通産省関係の方は大変多いのですけれども、私どもは、政治は政治の側で打つ手は多々あるというふうに思っております。その辺につきまして具体的な御提言をいただければと思います。
○中西参考人 まず相続税の問題ですが、日経新聞の「経済教室」がございまして、過日私がそこに執筆をした中に、資産課税の中で特に相続税問題を取り上げて書きましたのですが、その基本的なタイトルは、日本のこういう世界一高率な相続税は日本の産業界の企業家精神をなえさせるということを申し上げたわけです。 ただ、この問題は非常に難しゅうございまして、政府税調でもいろいろ議論の分かれるところでございます。社会正義とは何ぞや。話はちょっと難しくなりますが、要するに、公平が一つの大きな社会正義であるという考え方があるのですね。これは特にソシアリズム、社会主義者の人はそうなのですが。 税制もこの公平の原則というのが一つの非常に大事な原則なのですね。そうなると、国家権力で相続時に富の偏在を直して、そして公平化を図るというのは社会正義であるという考え方が財政学者、税制学者の方に結構多いのですね。したがって、フローのフラット化は是認できるけれども、ストックのフラット化は是認できないという意見が非常に強いのです、私はこれに対して反対の議論を展開しておるわけです。 カナダとオーストリアあたりは、もう既に相続税ゼロですね。アメリカも非常に低いです。フランス、ドイツ、この辺も大体三五か四〇ぐらいではないでしょうか。日本だけが断トツで七〇。高いのですね。 ですから、これはおっしゃったように、紛れもなくもう事業を承継する人がいなくなるような気配がいろいろ出ていまして、既に通産省の統計では、廃業がはるかに起業を上回っているのですね。業を起こす人が少ないというのはほかにも理由がありますが、こういうことをやっても魅力がなくなった。やはりアメリカはアメリカンドリームがいまだにありまして、日本も戦後、本田やソニーが零細からあそこまではい上がったといういい意味でのジャパニーストリームがあったのですが、今はもう全然ないですね。 ですから、相続税に対しては、会議所は事業承継問題特別委員会というのをつくりまして、ここへいろいろな反対派の学者先生や賛成の方々、あるいはいろいろな官の方々に来ていただいてお話を伺って、鋭意この問題は大蔵省に物申してまいろう、私はこう考えております。
○鮫島委員 どうも済みません。だんだん時間がなくなってきたものですから。 次に、経団連の西村さんに対してお伺いしたいのです。 皆さん共通して、やはり日本の土地の問題について、それぞれ角度は違ってもお触れになっておられると思います。土地に異常なといいますか高い信用をつけて、それですべての金融を成り立たせるという日本の構造が今問われているのではないかと思います。 この地価をある意味では抑制ぎみに誘導すると、逆に今のデフレがもっと進行するといいますか、あるいはBIS規制をクリアしにくくなったりということで、ますますお金の回りが悪くなるということも懸念されるわけですけれども、経団連としては、あくまでも土地に信用をつけることを基本にした、俗に地本主義と言われる金融の基礎についてどんなお考えをお持ちなのか、ちょっとお伺いしたいのです。
○西村参考人 経団連として、土地本位制といいますかを中心として経済を運営していくというような現在の体制に対して、とうという公式な見解を述べているわけではございませんが、ちょっと私の個人的な考え方をここで申し上げさせていただきたいと思います。 まず、土地の値段についてです。日本の土地が確かに高いということは事実でございますが、この内外地価差ですね、きょうは内外価格差が問題でございますが、内外地価差はだんだん縮小していくと思います。 といいますのは、例えば大都会周辺の住宅地に関しては、住宅地は貿易財ではございませんから、なかなか代替がききませんので、したがって、過密な大都市周辺では国際的に見て相対的に値段が高いということは、これはある程度やむを得ないと思います。しかしながら、大都市の商業地に関しては、もう既に相当値段が下がっております。しかしながら、まだそれでも外国の商業地に比べて相対的には高こうございます。 しかし、先ほど来ずっとお話を申し上げておりますように、今やもうグローバルなマーケットでの競争の時代でございまして、コスト革命をしなければ、コスト革命を本当にやっていかなければもう商売が成り立たなくなっているという時代でございまして、したがって、この高い土地を前提にして商売は成り立たなくなってきている。もし土地が非常に大きな商売上のネックになれば、そういう企業は、今の為替相場の中ではだんだん外国へシフトしていかざるを得ないということでございます。 そういう意味で、ロングタームで見れば、日本の土地の値段はだんだん国際的な水準にこれからずっとさや寄せされていく。つまり、内外の地価差は縮小する方向に行くということでございます。 それを前提にして考えれば、土地を担保として、土地本位制で銀行の信用をふやすという孝之方は、もはや成り立たなくなってきているということでございます。もともと日本の銀行は、担保というのはあくまで最終の、ラストリゾートとしてそれをとって商売をしてきたわけで、昔は担保を処分するということは、銀行員にとってはこんな大きな恥はなかったわけでございます。むしろそれよりは、その事業の素質あるいは経営者の考え方、これをきちっとつかみ、また、会社の内容を本当に綿密に調査をして、それで融資をするというのが昔の銀行の姿でございまして、今、日本の銀行もそういう体質改善の方に大きく動き出しておるということを申し上げたいと思います。
○鮫島委員 経団連は大変大きな組織ですから、当然その経団連メンバーに銀行も入っていれば証券も保険もみんな入っている。ぜひ経団連の内部で、そういう金融の担保の考え方、土地に全面的に依存するのではなく、もうちょっとプロジェクトファイナンス性を強めるという考え方を、銀行の方々も含めて、そういうコンセンサスを図っていただきたいというふうに思います。 このことは実は公共料金の問題でも、電力会社、ガス会社あるいは情報通信、そういう分野も主要なメンバーとして経団連にいるわけでして、まず経団連として、公共料金は下げるべきだという組織としてのお考えをお持ちだったら、そのメンバーに対しては、当然電力会社については円高メリットは吐き出すように経団連として決定をする。それからまた、先ほど電話料金等の話が出ていました。井出さんだったと思いますけれども、あれはみんなある意味では消費者をだます価格になっています。一度ネットワークができれば、遠距離だろうが近距離だろうが、本当は電話料金というのは同じなのが当たり前なのに、非常に消費者をだますような価格になっている。 こういうことも、経団連の内部に最大手のメンバーとしているわけですから、自助努力ということをおっしゃいましたけれども、まず経団連の内部でできる問題は取り組んでいただいて、さらに政治の側に要望があれば要望を出していただきたいというふうに、私どもとしてもこの場でベストを尽くす立場から御要望する次第でございます。 きょうの朝刊に出ていましたけれども、村山総理も、労働界も経済界も規制緩和、規制緩和と言うけれども、では具体的に政治の側として何をやればいいでしょうかと聞いても、具体的な答えは返ってこないということを嘆いておられました。この辺は、与野党立場を変えて、私ども政治の場にいる人間として大変もどかしく思っていることでございます。 先ほど公共料金の一角を形成している電力の話が出ましたけれども、やや電気事業法が緩和されたとはいえ、まだ自由に売る、いわゆる売電事業者を参入させるということが決まっておりません。例えば、電気事業法の抜本的改正によって売電事業者の新規参入を認めるということについて、経団連はどういうふうにお考えでしょうか。
○西村参考人 経団連は、先ほど申し上げましたように、今回の政府の規制緩和五カ年計画につきまして、まだまだ生ぬるいというふうに考えておりまして、電力の市場参入につきましても、基本的にこれから原則自由という立場で規制緩和を求めるという姿勢を貫きたいということでございます。
○鮫島委員 もう一つだけ。車検制度については、やはり抜本的な規制の緩和を経団連としてお望みでしょうか。
○西村参考人 国際的な常識から外れたような制度につきましては、国際的な常識をもとにして規制緩和を求めていくという姿勢でございますので、車検制度についても全く同様でございます。
○鮫島委員 多分経団連の会長もそういう御意見だろうというふうに拝察いたします。 大変失礼なことをいろいろ申し上げましたけれども、私ども、とにかく日本の基本的な意思決定のシステムなり構造の骨格部分をかなり変更していかない限り、俗に一九四〇年体制と言われる官僚主導型の中央集権的な体制というのは、戦時中は戦時中で戦争目的のために有効に機能し、また、復興のときは復興のために有効に機能し、高度成長のときも、打って一丸となって日本人が動くというときはそのシステムが有効に機能したと思います。 けれども、今社会が消費型に変化し、またサービス社会へと変わっていく中で、この一九四〇年体制というのは、むしろ大変マイナスの存在になっているという深い危機感を持っておりますので、ぜひ各セクターのきょうおいでになった方々も同じような状況認識になっていただいて、我々と相連携しながら、何が疎外的に働いていくのか、その正体を見きわめながら、日本の持続的な成長を将来的に可能にする新しいシステムの構築に向けて努力したいというふうに思っています。 いろいろ失礼なことを言いまして申しわけございませんでした。ありがとうございました。
○大石委員長 竹内猛君。
○竹内(猛)委員 参考人の皆さんには、大変お忙しいところをありがとうございました。 私は、日本社会党・護憲民主連合を代表して質問をします。時間が短いから、時には失礼なことを申し上げることもあるし、それはまあお許しをいただきたいし、それからお答えの方も、ひとつ結論だけをお話をしていただきたい、こういうふうに思います。 まず最初に、自分の歴史を言いますと、私は終戦直後から農民組合の仕事をして、社会党の中で農業政策を中心にやってきました。昨年までは農林水産委員長でガットの仕事をしてきたし、現在は、きれいな水と美しい緑と安全な食糧を守る議員連盟の座長ということで、やはり農業問題に打ち込んでおります。 先般、三人の参考人のお話を承り、きょうもまた皆さんから貴重なお話を承っておりますけれども、どうも内外価格差というものを考える場合に、外国に安い食料があるから、規制を緩和して自由競争の場に出して、そして大いに生活を豊かにする。何か農業問題が中心に据えられている。その割には農民の代表がここへ来て話をしないのも残念で、これはひとつ委員長、農業団体あるいは農業者、こういう者の意見も聞くようにしてほしい。 この際、ひとつ御出席の皆さんから一人一人、農業及び食料に関する内外価格差について御意見をお聞きしたいと思います。
○西村参考人 私は、農業問題につきましては素人でございますが、素人なりの考え方を申し上げます。 農業及び食料問題は、これは非常に重要な、国の基本的な安全保障にも関連する問題でございますから、したがって、農業を完全自由化しろとか、そういう乱暴なことを決して我々は主張しているわけではございません。どの国も農業につきましては、できるだけ市場原理は活用するけれども、完全自由化というのは、例外はあるかもわかりませんが、ほとんどないと思います。私はそれでいいと思います。 しかしながら、今日に至るまでの日本の農業政策が、あるいは農業経営のあり方が、例えば昭和十七年の、第二次大戦勃発後制定されました戦争遂行のための食糧管理法がいまだにずっと続けられてきたという中で、そういう基本的な条件の中で本当に近代農業としての育成が行われてきたかというと、決してそうではなかったというふうに思います。 しかしながら、私は、農業、アグリビジネスというのは、これは本来先進国が最も得意であるべき産業ではなかろうかというふうに考えております。現に今、アメリカにせよヨーロッパにせよ、世界で農業の最も生産性の高いのは、実は先進工業国であるわけでございます。先進工業国が同時に農業の高生産性の国でございます。 したがって、これからは、抽象的な言い方で申しわけございませんが、いかにアグリビジネスとしての日本の農業を育てていくか、それによって生産性を高め、品質のよい農産物をつくり、かつ生産性を高めることによって農産物の内外価格差、食料品の内外価格差を縮小していくか、そういう時代に入っているのではなかろうかというふうに考えております。
○南雲参考人 連合といたしましては、農業問題は、食料品と農業とは区分しております。 特に食料品につきましては、安全と備蓄と自由化ということで、今日本で輸入が一番多いのは食料品の分野であります。したがって、今後とも食料品については、輸入を中心にせざるを得ないというふうに思っています。 それから農業につきましては、特に米作の問題が中心になると思いますが、連合といたしましては、やはり農家の近代化、そして農協の近代化、それから農林中央金庫のあり方、それから農協の共済のあり方、こういうものをやって、真に農民が米づくりを通じて社会に貢献し、環境保全を保ちながら、日本の主食であるもののそれなりの安全をキープするというような考え方であります。ですから、農業と食料品はちょっと区分して私は考えたいというふうに思っています。 以上であります。
○日和佐参考人 食料品については触れません。農産物について申し上げます。 国内自給率を上げるということは、どの国にとっても責任を持ってやらなければならないことだと考えております。なぜかといいますと、将来的な人口増加ということを考えますと、世界的に見ても、各国が自国の自給率を上げて、自分の国の人口の食料を確保するという努力はせざるを得ないというふうに考えるからです。 それと価格差の問題なのですが、これは規制を強化すればいいということにはならなくて、そうはいっても、自給率を上げることと同時に、やはり農産物のところでも競争の考え方を入れていかなければ、農産物の生産者、それから流通、価格、ともに自助努力をしないということになっていく。 規制があったがゆえに、守られていたがゆえに、今の農業生産というのは非常に問題を抱えておりますけれども、そういう事態を招いたと考えておりますので、農産物の分野といえども生産コストの削減等、流通でも流通の問題の改革等、競争をしていくような仕組み、それによって日本の農業が力をつけていくという方向性ではないかと思っております。
○中西参考人 皆様の御意見と共通の点もございますが、シンクタンクあたりの統計資料によりますと、やはり内外価格差の最も高いところに位置しているのが食料品でございまして、これは規制緩和を行って、もう少し値段をじりじりと、激変緩和措置を用いながら徐々にならしていくということが必要ではなかろうかと思います。 それから、農業については皆さんおっしゃったのと全く同意見でして、戦後一貫して食管法がありまして、日本の農業の近代化が非常におくれてきているのは皆様認めているところでございます。やはり産業という広い視点で、米をつくる工業といいますか、そういった視点から近代化をぜひやる。そして、いい米を低コストでつくれば、これは工業として、企業として十分採算に乗るわけですね。そして、コシヒカリのようないい氷なら、消費者は選択して、高くともそれを買う、安くてまずい米はまたそれでよしという自由市場の選択肢に問いかけていけばいいわけでございます。そういう意味で、ぜひとも農業の近代化を推し進めていただきたいと思います。 以上です。
○井出参考人 私は、米国商工会議所の食品と農業小委員会の委員長でございますので、まさに言いたいことを言わせていただきます。 私は、現在日本の総カロリーの中に占める外国からの輸入というものが六三%、これはお米の異常がありましたから六三になったと思いますが、五〇%を超えてしまっているという事態を無視して物は考えられないと思うのです。同時に、これが他の国より高いということに関するいろいろな不安があるということはよくわかります。問題は、やはり農業と食品とを分けて考えさせていただきたいと思います。 農業という場合、私ども米国系の企業は、今までは日本への輸出というのは、原料、付加価値の低いものが多く入ってきているわけでございます。それを付加価値の高い食品となって入ってくるというふうにすることによって輸入の拡大につながるし、農業と食品がバランスのとれた輸入、輸出という関係がつくれるのではないかと思います。 そのことを考えるときに、食品加工業というのは、実は日本で非常に中途半端な立場にいるわけです。農水省の管轄でございますけれども、農水省は原料の確保のための農家の保護その他に関しては非常に注意を払いますけれども、加工業というものに関しては考えないわけです。考えないというのは少し言い過ぎですけれども、非常に力を入れない。言うなれば、もし加工業というものが産業であるならば、通産省に入っていた方がよっぽどよかったのではないかと思われます。つまり、材料供給業者と使用者が同じ省の中にあるということによる矛盾がいろいろなところで出ていると思います。 私は先ほど、どういうふうにして内外価格差を下げるべきかということの中で、仕入れコスト、日本向けの製品の生産というものを何かもっと合理化することができないかということを言いましたが、加工食品に関する関税というものは下がっておりません。それは、農産物価格維持制度に連動して高いということで、これは必ずしも輸入業者だけでなくて、国内の食品加工業者も問題にしている点ですので、このことは今後の規制緩和の中で強く訴えていく所存でございます。 ありがとうございました。
○竹内(猛)委員 日本の食料の海外からの輸入の状況については、四月二十一日にまとめた一九九四年の食料輸入総額は、前年度比率一七・三%、四百七十一億二千万ドル、現在までで最高の輸入であります。そして、現在の方式で調査をした場合に、九一年以来初めて輸入が二けたの伸びを示している。 それから、食料の自給率に関しては、今カロリーによって四七%まで下がり、それから穀物でも二九%を割るうとしております。その輸入の総額が三兆八千億、大体農林省の予算以上の額のものが輸入されている。 そういう中で、世界の食料の中で日本が輸入している額というものは、これは円、ドルの関係で、かなり努力をしたけれども、その割には、百九円というのが一応の農村の努力の目標であったわけですけれども、今八十円台になると、どうにも価格差というものはさらに広まってくる。 農業というのは、工業と違ってそんなに一瞬の間にできるものではありませんで、その点では農家についてはこれは非常に大きな問題になっているし、それから、安全と安定と安心という、この日本の一億二千四百万の人口に対して約二千五、六百キロカロリーを供給するためには、これは大変難しい事態に今あると思うのですね。老齢化し、婦人化し、そして跡取りがないというこの実情というものが非常に問題になっている。 そういう中で、私はこの間ドイツヘ行ってきまして、ドイツの農林省の高官と、それから農民運動の代表と別々に会いましたが、ドイツの場合は高度工業国家でありますから、ガット及びWTOについては抵抗を感じない。そのかわり、農業の方からすれば、農地というものを守るために、温存するために、肥料をやらない、農業をやらない。これは減収しますから。それから減反の政策をとっている。それから三つ目が、景観を保持するために水と緑を守る。 その三つが大きな方針であって、そして収入の格差については、これは不利益地域というものをつくって、工業で上がった利益の一部を農村に還元する。これがドイツのデカップリング方式であり、ヨーロッパではこのデカップリングというのは各地域で盛んに行われておりまして、スペインでもフランスでもそれをやっています。内容はそれぞれ違っておりますけれども、農家の所得というものを考えている。 日本の場合には農家所得というものが不安定だから、若い者が農学校を出ても、農業に従事しないでみんな加工業の方に行ってしまう。こういう状態を直さない限り日本の農業の将来というのは非常に危険だ、こういうふうに考えているわけです。 そういう中で、この中でもいろいろお話を聞いているのですけれども、農業の持っている価格的な面だけ、物の価格の高い低いということだけが常に問題になっていて、もう一つの、先ほどから農業と食料と分けてお話がありましたが、私は農業、食料、それから環境というものは分けてはいけないと思うのですね。これは一体のものだ。 つまり、水田は、米をつくる人がいなくなったときには、これはもう環境ぽ保全されない。それから、緑とかあるいは水とかというものは、きれいなものを守るためにはどうしても人手とお金が必要だ。こういうことから、緑の議員連盟でもことしの四月二十九日を目標にして、今まで青い羽根の自主的な募金をしていたけれども、これを議員立法で法制化して、何とかして市民の皆さんにも緑というもの、山というものに対して理解をしてもらいたい、こういうふうに考えている。 参考人の皆さんの話を聞くと、農業というものを物と物との比較で見ているが、物と物との比較だけではなくて、そこには安全性という問題と生活環境を守るという問題があるわけですね。その環境に対する考え方というものについては、これは経団連の方から、それから連合の方からお聞きしたい。
○西村参考人 環境を保全するということは、これは極めて重要な問題でございまして、環境保全のためのいろいろな努力、またそれに対する企業としてのルールといいますか、これについて経団連としても万全の対策といいますか、行動のルールを決めてやっているわけでございます。 ただ、今お話のございました農業と環境の問題、これはもちろん関係は大きいとは思いますが、先ほどドイツのお話がございました。 工業から出てくる収益の一部を農業の方に補てんする、そういう考え方もできると思いますが、こういう所得の移転といいますか所得の再分配については、やはり国民全体のきちっとしたコンセンサスがなければ、これは成立しないわけでございます。恐らくドイツの場合は、農産物あるいは食料品とその他の工業製品、その内外価格差がほとんどない。つまり、内内価格差もほとんど、もちろん多少はございますが、内外価格差が非常に少ない、また内内価格差も非常に少ないという中で、そういう環境を守り、あるいは農業を守るための所得の再分配を行っても、それは妥当であるという国民のコンセンサスができているのだと思います。 そういう意味でも、やはり日本でそういうコンセンサスを得るための前提として、農業の生産性をもっと高めて、内外価格差を小さくするということがむしろ前提になるのではなかろうかというふうに私は考えております。
○南雲参考人 連合といたしましても、環境問題につきまして、農業それから林業で次のように方針を打ち立てておりますので、御紹介を申し上げたいと思います。 国土保全・自然環境保全・水資源確保など公益的機能を発揮するために、民有林・国有林を一体とした「流域管理システム」の確立・定着をはかり、森林の機能類型(水資源涵養、国土保全、自然維持、森林空間利用、木材生産)に応じた森林経営を展開するとともに、治山・林道・都市緑化事業・農業を含めた就労体系の確立をはかること。ということで、今御指摘いただきましたように、やはり環境という視点を決して忘れることはできないということは、連合としても同感でございます。
○竹内(猛)委員 そう余り考え方は違っていないわけでして、食管法の問題も、今度食管法はやめる。それで新しい食料の取り扱いのシステムをつくって、十一月からこれは出発するのでございますわ。だから、余り食管法、食管法と敵視しないように、ひとつこの際お願いします。もう知っているはずだから、食管法を余り敵視しないようにひとつ。食管法はもう任務を果たした、これから新しい制度のもとにいろいろ進めていくということです。 それからもう一つ、ここで規制緩和と情報公開という問題が強くうたわれていますが、農家で生産に使う農機具というのは大体生産費の二三%ぐらいある。労賃が約四一%、それから農業と肥料が二〇%。こういうことで、この農機具の原価を聞きたいということで、ずっと全農や関係者と話をした。農林省でも話をする。そうすると、これは企業秘密だから言えないと言う。 自動車にしてもそうでしょう。鉄の製品を原料にする製品というものは、最終価格だけがわかっていて原価がわからない。原価がわからなくて最終価格だけがわかっていたとしたならば、これは結局経営者がたんまり利潤を上げて、それこそ情報は公開をしない、企業秘密だといって逃げちゃう。あとのことだけは全部明らかにする、そんなばかな話はない。情報公開するのだったら、鉄の原価だってはっきりすべきですよ。それは電力にしても肥料にしてもそうなんです。えさにしてもそうです。そういうことは伏せておいて、それは企業秘密だから言えません、あとのことは最終価格でやれ、そんな話はおかしい。それはどうですか、経団連。
○西村参考人 今の考え方と私の考え方とは全く逆でございます。 といいますのは、コスト積み上げ方式で価格が決定されているような商品に対しては、これはやはりコストの情報公開ということがある程度求められてもやむを得ないと思います。しかしながら、価格がマーケットプライスで決まるものにつきましては、これは物すごい競争の中でマーケットプライスが決まるわけでございます。消費者がそのマーケットプライスで一応、完全に満足かどうかわかりませんが、それで買っておるわけでございます。 したがって、その中のコストというのは、このコストを一体どういう経営革命によって改善していくかというのは、それこそ企業経営の、経営革命の本当に機微のあれでございますから、それは容易には公開できない面があります。 しかしながら、企業は、全体としての収益、企業全体としての売り上げ、コスト、これは全部公開しております。ただ、一つ一つの商品について、物すごい競争の場で価格が決まっているような商品につきまして、個別の商品についてコストを全部公開するということは、これはできないと思います。
○竹内(猛)委員 もう時間が来ましたから一つだけ言っておきますが、今のお話は話として聞いておきます。我々は、規制緩和、情報公開ということを前の方で訴えているときに、そこだけは企業秘密だから勘弁せい、競争はまた別のところでやれということでは、これはいかぬ。 私は、農産物にしても何にしても、同じ力を持った者が同じ条件で争うということが公正の原理だと思うのですね。日本はアメリカの農地の百五十分の一、それからカナダからすれば四百五十分の一ですね。しかも地価が高い。地価はアメリカの九十四倍です。そういうような条件のもとで一ヘクタールなり二ヘクタールというような経営をしていて、そこで競争しようといったって、それは小錦と赤ちゃんと争うようなものだ。そういう競争の仕方というものは、これはなかなか難しい。 お答えは要りませんが、そういう点で、私は農業問題で経済界との話は引き続いてこれからまだもう少し時間をかけて相談もしたいし、日米関係、そっちの方の業界との話もしないといけませんから、これからまたしばらく皆さんと話をする機会をいただきたいと思います。 もう時間が来たから、これでありがとうございました。
○大石委員長 矢島恒夫君。
○矢島委員 参考人の皆さん、本当に長時間にわたって御苦労さまでございます。私が最後でございます。あと十五分でございますから。 今までの参考人の皆さん方、いずれも内外価格差問題と円高というのは切っても切れない縁、そういう問題でいろいろとお話をいただいてきたわけですけれども、最初に中西さんにお聞きしたいのです。 今、中小企業の皆さん方は異常な円高の中でいろいろ深刻な打撃を受けておると思うのです。私、調査したところによりますと、洋食器や繊維や刃物などを回りました。それから地場産業のところへも行ってまいりましたが、二十四時間機械を回してもどうも採算がとれないんだという話だとか、もうばからしくて仕事をやめたいなどという話も伺いました。こういう点は中西さん、もうよく御存じだと思うのです。 こういう中小企業に対しまして、私どもは、一つには、一般会計からの利子補給で無利子ないし超低利の緊急融資制度を創設することだとか、あるいは倒産を避けて経営と技術を保全していくという意味から休業補償制度というようなものの創設、それから下請二法を厳正に適用するということ、あるいは中小企業基本法の第二十二条の発動ということ、そしてさらには、官公庁の中小企業に対する発注率を思い切って引き上げるというようなことを提言し、要求しているわけです。 そういう中で、皆さん方も通産大臣に対して、あるいはまた、先ほどお話がありましたけれども、商工会議所として「景気・円高対策に関する緊急提言」ですか、こういうようなものを発表されていらっしゃいます。 そういう中で、やはり今の円高、異常な円高というのは、結局のところ、業者の皆さん方を対象にして言えば、中小企業に対する下請の単価の切り下げ、そして国際的な競争力を増大させる、貿易黒字が増大する、そして円高が進むという、いわゆる野村総研の言うところの悪魔のサイクルの繰り返し、こういうような状況で、これを何としても断ち切っていかなきゃならないんじゃないか。 そういう意味もあって私どもこの問題に取り組んでいるわけですが、我が国の経済の根底を支えて重要な役割を果たしているのは中小企業ですから、この人たちに今のこの円高、異常な円高の中で政府としてこういうことをやれという御要望などありましたら、まずお聞かせいただきたい。
○中西参考人 今、円高に苦しんでおる中小企業に対しまして、支援措置として私は二つあると思いますが、一つは短期的な問題、一つは中長期的な視点に立っての支援政策、こういうことになると思うのです。 短期的には、きょうも午後三時から中小企業庁長官と会議所で懇談をやるのですが、我々もう昨年からいろいろ通産にも申し上げまして、きめ細かい、ありとあらゆる今先生がおっしゃったようなもろもろの諸施策、支援策が中小零細に対して出ております。これは多いにこしたことはございませんが、財政にも限りがあるわけですから、あとは自助努力もやるべきだというふうに思いますけれども、根本的に、今おっしゃったように円がもう八十円台ということは、自助努力の限界を超えておると言い切ってもいいと思いますね、すべての業種で。 ほんのわずかな、差別化された特別な技術を持って世界のマーケットに幾らでも値上げができる、競争相手がいないという商品は、これはいかようにも値を上げればいいわけですから、ドルベースで上げていけばいいわけですから問題ないのですが、ほとんどの中小企業はもう耐えられないというのが実情だと思います。 それで、今の御質問に対してお答えしますと、今、率直に申し上げて、会議所へ入ってくる声は、つなぎ資金とか運転資金、金繰りが苦しいからというのはもちろんあるのですが、それよりも仕事がない、仕事をくれという声の方がむしろ多いようですね。御案内のように、どんどんと自動車や家電が空洞化、外へ出ていっていますから、ゼロにならぬまでも、二割、三割と売り上げが、受注が減ります。企業にとって三割売り上げが落ちるということは、完全に採算は、仮に黒字企業であっても今度は赤字に転落しますね、固定費負担がどんと上がりますから。 ですから、私さっき冒頭の陳述で申し上げたように、この際政府も、打つべき手がない、要するにISバランス論で今回の円高はもうどうにもならぬのだということではなくて、もう明快に言ってリフレ政策をとるべきだ。そのリフレ政策のために、思い切った財政出動も税制も金利の引き下げも、もろもろの政策を、まさに日本経済復興計画といいますか、さっき新進党の方がおっしゃいましたが、超党派でそれほどの思い切った取り組みを官民挙げてやっていただきたいというのが私の要望でございます。
○矢島委員 井出さんにお聞きしたいのですが、昨年十月二十日に、ACCJのトーマス・ジョルダン会長を初めとして専務理事の皆さん方、私どもの方の党本部へ参りました。そして、不破委員長と約一時間にわたって懇談したわけですけれども、その中で、規制緩和の問題だとかあるいは内外価格差の問題についていろいろとお聞きしたり、また私たちの考え方等も申し上げました。 井出さんも御存じかと思いますけれども、ACCJの会員さんの中にも、いわゆる中小企業の方もたくさんいらっしゃるとお聞きしております。日本の国内で生産しているそういう方々は、円高の影響を今のお話のように同じように受けていると思うのです。 私どもは本来の日米友好を一貫して追求しておりますし、双方の経済主権の問題、尊重、平等、互恵、こういう日米経済関係を確立していくことが重要だと考えております。また、この円高問題は日米貿易不均衡の問題で、これは両方に、日本にもアメリカにもいろいろと原因があるんだ、責任があるんだ、こういうことを考えておるわけです。 そういう意味では、日本はいわゆる黒字減らしのための市場開放あるいは規制緩和、これをどんどん進めるというアメリカ側の要求が強いわけであります。同時に、アメリカ自身が基軸通貨ドルというものに対して、本当にこれをきちんとやっていこうという責任を感じているのかどうか、それに対する不信といいますか、つまりアメリカ経済の構造的矛盾というものがある。双子の赤字の問題などです。ですから、この克服というものを真剣にアメリカも考えるべきじゃないか。 また、アメリカ政府は、ドル相場維持の問題でも、外為市場での介入などということは行っていませんし、むしろ円高というのがアメリカにとってはいろいろな面で利益があるのだというような発言もあります。ですから、そういう問題も含めて御意見ございましたら、お話しいただきたいのです。
○井出参考人 今、矢島先生が御指摘のとおり、手前どもの幹部が十月二十日に党本部に伺いましてお時間をいただいた、それは非常に感謝しております。その席上でこれを差し上げて、ぜひ読んでいただきたいということで読んでいただいたということも知っております。また、共産党の機関紙である赤旗の記者の方も、いろいろなことで手前どもの企業その他に非常にいい取材をなさったということも知っております。 それで、まず日本における米国企業というのは、往々にして非常に誤解されるのですね、巨大企業だというふうに。ところが、手前どもここで独立採算してやっている会社は中小企業なんです。それで、今まではもう円安でさんざん泣きました。もう本当に円が利益が出なくて、だけど日本には可能性があるだろうといって残ったところが残っているだろうと思います。 そういうときに、御存じのとおり、米国で非常に不景気のときがございましたですね。それで今立ち直って、米国は自分の国内企業が、アメリカンドリームも含めまして調子いい。ただし、高額者と低所得者の乖離という問題も全部含めて、社会的な問題が起こっております。そういう状況の中で、手前どもの団体として言える唯一のことは、そういうことをオープンに話し合おうということで示させていただくより方法がないと思うのです。 それから、円高を放置しているのじゃないかとか、あるいは円高を放置しておいて制裁をすれば、こっちでたたいてこっちでたたいてうまくいくというふうないろいろな考え方があるかと思いますけれども、これは一時的なもので、お互いの信頼というものを確立する別の世界というものは、民間のビジネス対ビジネス、あるいは民間の団体、先ほどの竹内先生のように環境の問題だったら環境の問題、アメリカでも環境問題が農業問題に結びついているということがありますので、そういうレベルでの話し合いをもっともっと積み重ねていく必要があるのではないか、そういうふうに考えております。
○矢島委員 南雲さんにお聞きしたいのですが、規制緩和というのは何でもかんでも規制緩和しゃないんだというお話、私もいわゆる経済的な規制につきましては、国民生活や経済発展の障害になって、もう古びてしまって使っでないような官僚的な規制なんというものは取っ払うべきだと思います。しかし、環境規制だとか安全規制、こういうようなもの、いわゆる国民生活に役立つ規制というものもあるわけですから、この二つを考えていかなければならないのじゃないか、このように思います。 そうした中で、先ほど農業問題あるいは食料問題が出ましたけれども、今現在いわゆる食品衛生法、括弧づきの改正だろうと思うのですが、変えよう、こういうことで法案が出ているわけです。これによりますと、いわゆる天然添加物など安全検査をしなくても使用できるようにするとか、あるいは国際基準に基づいてポストハーベスト、こういうものについても残留農薬基準というものを緩和する方向が進められている、そういうような状況が国会内にあるわけです。 先ほどいただいた連合の政策・制度要求というものの中にも、「食品の安定供給と安全性確保の施策を強化する」という項目がございました。私ども、規制緩和という中で、こういう問題は国民の命と健康、安全を守る上で非常に問題だと危倶しているわけなんですけれども、御意見をお聞かせいただきたいと思います。
○南雲参考人 今、連合だけでなくて、国際労働運動でも、WTOの問題から発しまして非常に大きな問題なんです、ヨーロッパとアジアの労働組合の発言のニュアンスが少し違っていたりしまして。 ただ、連合、特に日本の労働運動の中ではっきりしておりますのは、一つは、労働組合は何物かというと、やはり人間集団ですね。人間のために存在する。利益集団ではないわけであります。そこが企業集団と違うわけでありまして、そう考えますと、人権、基本権、民主主義、自由、民権とも言いますけれども、これを基本にしながら、そして後半に安全、衛生、環境、こういうものがつくわけですね。そういう意味で、食品衛生法につきましても、食品の安全基準は何をもって安全かという議論はすべきだと思うのですね。 それから、今までこういう規制がある、それを緩和すれば安全が損なわれるのか損なわれないのか。ただ緩和することによって企業の活動がしやすくなるというだけの単純な議論ではなくて、安全が人の今、例えば十年間食っていても大丈夫なのか、二十年食ったらだめなのか、そういうものが実は情報公開されないわけですね。 ですから、基準というのは、安全については生涯の問題だと思うのですね。一回限りだったら安全だ、しかし三回ならだめと。それはあくまでも使用目的と使用の回数と、どれだけであるかというのはセットされた中で基準というものを明確にしなければ、私は国民生活が不安定になるというふうに思っております。 意見としては大体同感であります。
○矢島委員 時間になってしまいました。日和佐さんには独禁法の問題点でちょっとお聞きしようかと思いましたけれども、申しわけございません。また後の機会にやらせていただきます。 終わります。
○大石委員長 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。 参考人各位には、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時五十六分散会