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132回国会衆議院1995/05/30

商工委員会 第11号

発言数
55
登壇者
9
会派数
4
開催日
1995/05/30

会議録

白川勝彦自由民主党・自由連合

○白川委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律案を議題といたします。  本日は、参考人に対する質疑を行います。  参考人は、ごみ減量システム研究家松田美夜子君、経済団体連合会専務理事内田公三君、早稲田大学理工学部教授永田勝也君、東京都清掃局長小豆畑孝君、以上四名の方々でございます。  この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、御多用のところを御出席いただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、ただいま議題となっております本案につきまして、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。どうぞよろしくお願い申し上げます。  次に、議事の順序について申し上げます。  まず、参考人から御意見をそれぞれ十五分程度お述べいただき、次に、委員の質疑に対してお答えをいただきたいと存じます。  それでは、まず松田参考人にお願いをいたします。

松田美夜子ごみ減量システム研究家

○松田参考人 皆様のお手元に川口市のデータがございます。これを使いますので、よろしくお願いします。それでは、どうぞよろしくお願いいたします。  私は、ごみのリサイクル川口方式という取り組みを市民と行政で実践している埼玉県の川口市に住んでいます。そして、この川口方式のシステムづくりに市民としてかかわったのがきっかけで、それ以来、全国各地のごみ処理の現場を訪ね、専門誌に「あの都市・この町」を連載するようになりました。既に五百カ所以上の町を訪ねましたので、日本のごみ処理の実情がわかるようになりました。また、自費でドイツやフランス、オーストリアなど欧米の十三カ国に環境先進国の廃棄物政策を学びに出かけ、その取り組みを生活文化の視点から日本に紹介する活動を続けています。  そのような体験を通して、きょうは、国民の一人として、この法案に対する私の考えを述べていきたいと思います。  まず、自治体がリサイクルに取り組むとどのような実績になるのか、平成六年度の川口市の実績を見てください。川口市は、全国のリサイクル推進都市の中でも、厚生省のクリーン・リサイクルタウン第一回選定都市に選ばれた人口四十五万人の東京の近郊都市です。現在、瓶、缶、PETボトル、牛乳パック、衣類、紙類、金属などの分別収集を行い、市民と行政の役割分担を明確にすることで品質のよい資源をメーカーに再生原料として供給しています。包装廃棄物リサイクル法が施行されると、恐らく全国の市町村がこのようになっていくのではないかと思われるリサイクルの先進都市です。  では、データを見てください。平成六年度の瓶、缶、紙などの資源化量は二万一千三百七十八トン、これらは市内の業者さんに売却されます。その売却代金が七千五百一万円となっています。平成六年度の一トンのごみ処理費を川口市では三万一千五百七十二円と算定していますので、ごみを焼却せずに済んだお金、つまりごみ処理費の節約は六億七千四百九十六万円になりました。  このシステムが昭和五十五年に全市域に実施されてから平成六年までの十四年間の累計は、ちりも積もれば山となると申しますが、次のように なっています。十四年間の実績は、瓶、缶、紙などの資源化量が十九万三千二百四十七トン。これは、川口市の現在のごみ量が十七万トンですから、川口市民が一年四カ月間ごみを全く出さなかったのと同じだけの莫大な地球の資源を回収したことになります。  さらに驚くのは売却代金です。川口市は、他の先進都市に比べて売却代金は決して高くないのですが、それでも瓶、缶、紙などの資源化物の売却代金が、何と九億九千七百三十一万円、約十億円になりました。これによるごみ処理費の節約は、一トン当たりのごみ処理費を三万円として、五十七億九千四百七十一万円に達しています。  もしこのシステムを十四年前に川口市がスタートさせなければ、川口市は、十九万トンという地球の大切な資源、しかも市内の業者さんが十億円で買っていく値打ちのあるものを、わざわざ焼却炉に運んで五十八億円かけて灰にしてしまったことになります。  川口市は、このシステムが始まる以前は、ごみを早く片づけていくため、最新式の焼却炉を建設し、何もかも一緒にまとめて出す一括混合収集でした。瓶も缶も紙類も、すべて生ごみと一緒に焼却するシステムでした。その方法をやめ、資源循環型の理想的なリサイクルシステムに転換したことにより、十四年間で六十七億九千二百二万円のむだを省くことができたのです。  このデータは私たちにいろいろのことを教えてくれます。ごみをどんどん出すと、ごみ処理費に莫大なお金がかかり、資源が大量に捨てられていきます。ところが、市民と行政が力を合わせてよいリサイクルシステムを築いていけば、ごみが減り、ごみ処理費が節約できます。  このような取り組みは、現在、全国各地の自治体で始まり、分別、再生のシステムづくりが進んできましたが、自治体によっては、集めた資源の引き取り手がないという悩みも出てきました。企業が確実にリサイクルするというのであれば、自治体は安心してこの取り組みを推進できるのですが、その保証がないので、システムづくりをしたいけれどもできないという自治体も出てきました。  そのような悩みを持つ自治体とリサイクル社会を願う私たち国民にとって、企業がリサイクルの責任を持つという法律の誕生は、循環型社会を築くためにはどうしても必要な法律です。企業は、自治体が分別収集したものについてリサイクルする義務を有するという役割を担うことによって、初めて、みずからの製品の容器や包装について真剣に考えるきっかけを得るに違いありません。企業はリサイクルの責任を果たさなければならないということになると、きっとごみにならない包装材へと素材転換をしていくはずです。今まで全くそのことを考慮せず、大量に使い捨ててきた日本では、それだけでもごみの減量効果は十分に働くと思います。現場をよく知る私には、この法律は、大変よく考慮された仕組みを、日本の特性を生かしてつくろうとする画期的な法律だと思います。  分別収集により自治体の負担が多くなるのではないかという指摘がされていますが、私は川口市の例をもう一度引いて、私の意見を述べたいと思います。  川口市は十五年前、これまでの一括混合収集を、川口方式と言われる素材ごとに市民が分別して出す分別収集に切りかえました。その際、新しい収集システムをもう一つ別に新設するのではなくて、従来からある収集システムを再構築することでスタートしました。  具体的には、焼却ごみから約二万トン、一三%のごみが分別され、資源になるのですから、焼却ごみがそれだけ減量します。その分、収集量が減りますから、ごみの収集回数を見直し、収集ルートを再点検し、組合と相談して、収集作業員を編成がえしてリサイクル作業員に振り分け、人をそれほどふやさずにスタートすることができました。また、パッカー車を一台買うのをやめて、そのお金でトラックが二台買えますから、トラックを二台購入し、資源回収専用車にするなど、工夫をしました。  今のシステムをいじらずに新しいシステムをつくるとコストはかかりますが、今ある制度を再構築していけば十分に乗り切れるはずです。これからは、自治体にもそういう考え方が求められていくべきだと思います。そのことがごみの減量につながり、ごみの焼却量が減少し、ごみ処理費が浮き、埋立地が長く使え、焼却炉の故障が少なくなり、焼却施設の耐用年数も長くなるという大きな成果に結びつきます。  確かに自治体は、新しいシステムをつくるときに、施設整備などに当初少しお金がかかります。しかし、市民のごみ出しの段階で素材ごとの分別をきちんとするシステムをつくっておけば、過剰で巨大なリサイクル施設などは必要ありません。ごみの減量効果のことを考えると、すぐに吸収できるコストだと思います。  それには次のようなデータが参考になります。現在、公害対策をきちんとした焼却炉をつくると、一トンのごみを焼却する施設建設費に一億円とか八千万円かかる時代です。二十万人の町なら、焼却工場の建設費だけで二百五十億円かかっていく時代です。その町の一般会計の予算が六百億円くらいですから、全予算のほぼ半分がごみを焼くためだけに使われていくのです。そのことを考えると、リサイクルのシステムづくりをすることの方がずっとごみ処理費は安くなります。このことは、川口市のデータが実証しています。  そして、川口方式には思いがけないもう一つの成果が生まれています。人々の意識の変化です。最近は、使い捨ての包装材はごみをふやすというコスト意識が市民の間に育ってきて、買い物の仕方が変わってきています。テレビのコマーシャルを見て、使い捨ての容器でコマーシャルをする企業を、おくれていると通信簿をつける人も出てきました。町もきれいになりました。リサイクルの実践が定着している町に住むと、実践を通して、人々の意識がリサイクルから発生抑制の意識へと変わってきているのです。  そしてこの春、川口市は、黒いこみ袋をやめ、半透明と透明な袋をごみ袋として使うことを決めました。四月からスタートして、まだ一カ月過ぎたばかりですが、市民の協力度は九五%以上。指定ごみ袋の導入により、一カ月で焼却ごみが何と九・七%、約一割減量し、資源化物の分別状況がさらに徹底され、ルールが守られたすばらしい町になりました。市当局は、ことしはごみ袋の指定制度のスタートにより、年間四億五千万円のごみ処理費が節約できると市民に発表しました。  私は、ごみの分別という社会システムによって地域社会にコミュニティーが生まれ、町に温かさが生まれてきたことを、市民としてとてもうれしく思っています。川口市のスタッフは、ごみ袋の指定は包装廃棄物リサイクル法の施行を先取りするものと意欲に燃えています。私は、この新法の波及効果と相乗効果の大きさを肌で感じ、この法律の誕生によって、日本は二十一世紀の新しい文明の創造に向けて循環型社会のスタートを切ることができる、この法律がその礎になるのだと思っています。  企業が民間主導でつくる代行機関は、多数の企業に成りかわって自治体の分別した資源をリサイクルするところですから、この法律の重要な役割を担っています。この代行機関があるので、自治体は、各自治体の個性を生かしたリサイクルの取り組みが安心してできます。そして、そのシステム、づくりは、それぞれの町が、そこに住む人々とともにつくり上げていくのです。私は、新法をこのように理解しています。  ドイツを中心とするヨーロッパは、環境政策を自国の産業保護政策と位置づけ、国内の環境基準を輸入品にも適用するという強い方針を打ち出しています。循環型社会への転換は、日本の産業界が国際社会の中で生き残れるかどうかという課題とも深くかかわっできます。法律が成立すると政令や省令が決められていきますが、どうぞ、それらの政令や省令は、国際社会の環境政策への厳し い基準を見据えた上で、運用を公平にしてください。あわせて、代行機関の運営が早く軌道に乗るよう、国は御尽力ください。  私たち国民は分別に協力します。市町村は分別の責任によってシステムをつくると思います。企業はリサイクルの責任を果たして、お互いに役割分担をしながらリサイクル社会を構築しようではありませんか。循環型社会を築いていく土台となるこの法律が先生方のお力添えで今国会で必ず成立することを、私は心から願っています。  どうもありがとうございました。(拍手)

白川勝彦自由民主党・自由連合

○白川委員長 松田参考人、どうもありがとうございました。  次に、内田参考人にお願いいたします。

内田公三経済団体連合会専務理事

○内田参考人 経団連の内田でございます。  近年、廃棄物の排出量の増大に伴いまして、最終処分場が逼迫するなど、廃棄物の問題は量的にもまた質的にもますます深刻化しておりまして、廃棄物の減量化とリサイクル化の一層の推進が必要となってきております。  経団連におきましても、かねてから、環境保全型の経済社会システムの構築という観点から、廃棄物問題に積極的に取り組んでまいりました。一九九〇年、五年前ですが、発表しました廃棄物対策に関する意見書におきましては、廃棄物の対策というものを今後の企業経営上の重要な課題として位置づけた上で、「環境に過大な負荷を与えない、持続可能な社会経済システムの構築に向けて、産業界・行政・消費者がそれぞれの機能・役割を果たしながら共同して廃棄物問題に取り組む」べきであるという考え方を述べております。そしてその後も、経団連といたしましては、各業界による廃棄物問題への取り組み状況及び改善策を毎年フォローアップしまして、各業界が廃棄物の減量化、再資源化に向けてどう取り組んでいるか、その取り組みを強化していただくための参考資料として提供しております。  特に、これは産業廃棄物の問題になりますが、一九九二年に厚生省の御協力のもとで、産業廃棄物処理施設の整備を促進するために産業廃棄物処理事業振興財団という、これは施設建設の際の債務保証を主たる事業とするものでございますが、そういう財団を設立しまして、その基金の造成、事業活動の支援にも取り組んでまいっております。  さらに、本日のテーマでございます容器包装などの一般廃棄物の減量化、リサイクル化の推進に関しましても、経団連には環境安全委員会というのがございまして、環境安全委員会の廃棄物部会におきまして検討を重ねてまいりました。この部会では、九三年に欧米に調査団を派遣いたしました、私も参加いたしましたが。さらに、専門家から成るタスクフォースを設けて検討を重ねまして、その結果を昨年の六月に提言としてまとめております。この提言は、経団連の基本的な考え方として五つの点を指摘しております。  第一は、廃棄物問題の解決に当たっては、事業者、国民、行政が一体となって、公平な役割分担のもとに、自主的かつ積極的に取り組むことが重要であるという点。  第二は、事業者は、製品の環境影響評価の推進などによって、生産、使用、廃棄の各段階で、処理コストや環境負荷の少ない製品の製造や使用に一層努めるべきであるということ。  それから第三は、国民は、ごみの処理処分は多大なコストがかかるという認識を持って、まずごみが出ないように努めることが必要不可欠であるという点。したがって、そのためには、ごみの有料化を通じて国民一人一人がコストを自覚するとともに、ごみ問題に対する理解と費用を負担することの必要性を認識することが重要であるということを述べております。  第四は、地方自治体は、国の協力を得つつ、一層の分別収集の徹底、リサイクル化の推進を図っていくことが望まれるということでございます。また、広域処理を含め、自治体による収集、処理の合理化、効率化を図る必要があるということ、さらに、民間企業への事業委託を一層推進することもごみ処理の効率化につながるであろうと提言しております。  第五番目の点といたしましては、リサイクル化の推進に当たっては、廃棄物の排出、回収、処理、再生資源化、再生物の買い取り、再利用という一連の流れを一つのシステムとしてとらえ、トータルとしていかに社会的コストの安いシステムを構築していくかが重要であると指摘しております。  こういう経団連といたしましての廃棄物問題についての基本的な考え方を踏まえて、このたびの法律案についての私どもの意見を述べさせていただきます。  ただいま申し上げたとおり、私どもとしては、社会的なコストを最も安くリサイクル率を上げていくということが肝要だと思っているわけでありますが、そのためには、まず家庭からの排出の段階できちんと分別されて排出することが基本であると考えております。また、事業者は、消費者の理解を得ながら、包装の簡素合理化、製品の長寿命化、包装容器の規格の統一化等に努める必要があります。さらに、回収、処理の段階においては、自治体が中心的に取り組むべきであると考えております。  これに対しまして、今回の法律案は、消費者に分別排出の責任を、市町村に分別収集の責任を、事業者にリサイクルの責任をそれぞれ課すものでございまして、公平な役割分担という私ども経済界の考え方とも基本的に一致しておりまして、一般廃棄物問題の解決に向けて大きな一歩を踏み出すものと評価いたしております。基本的に本法案を支持するものでございます。  この法律案が成立いたしますと、容器利用事業者と容器製造事業者は、リサイクル率が三〇%の段階で年間一千億円強の負担を強いられることになります。また、容器の素材メーカー等も無関係ではございませんで、再生物の利用の義務を課されることになります。御承知のような厳しい経済情勢のもとで、我が国企業は血の出るようなリストラの努力を続けておるわけでございまして、関連の業界にとってはまことに重い負担であるとは思いますが、持続可能な経済社会を築いていくためには、この法案に協力していかなければならないと考えております。  次に、運用に当たっては、既に法案の中に盛り込んでいただいているものもありますが、以下の七つの点に配慮していただきたいと思います。  第一に、容器包装に係る分別収集及び再商品化を総合的かつ計画的に推進するための基本方針と分別収集計画の策定に当たっては、分別収集量と再商品化の可能量との間に過大なミスマッチが生じないように、十分御留意願いたいと思います。  第二に、再商品化のシステムを効果的に運用するための研究開発の推進及び関理知識や技術の普及へ向けて、適正な措置を積極的に講ずる必要があると考えます。  第三に、消費者に対しても、むだなものは買わない、過剰包装を求めないなどの意識改革や、廃棄物の収集、処理やリサイクルについての知識の普及啓発を行い、同時に廃棄物処理等に関するコスト意識の一層の徹底を図り、事業者が処理コストなどを円滑に価格転嫁していけるための社会環境づくりを進めていただきたいと思います。  第四に、容器包装廃棄物問題に対する事業者のより効果的な取り組みを支援するため、リサイクル可能な新素材や新たな廃棄物処理方法などの開発を促進するための環境整備を行うことも肝要でございます。  第五に、特定事業者からの委託を受けて分別基準適合物の再商品化に当たる指定法人につきましては、リサイクルコストの削減や効率的な運営を目指した極力スリムな組織にする必要があると思います。  第六として、制度がうまく機能していくためには各業界の事情を十分に勘案したものとすることが必要であり、関係者の意見が反映される仕組みとしていただきたいと思います。  最後の第七としては、事業者がどのような方法で回収、処理を行うか、つまり自主回収を行うか、あるいは指定法人を通じて義務を履行するか、あるいはさらに独自のルートを開発するか等々につきましては、事業者の自主的な判断に任せるようにしていただきたいと存じます。  最後に、環境基本法並びに環境基本計画に示されておりますとおり、国、地方自治体、事業者、国民といった社会を構成する各主体が、社会における廃棄物にかかるトータルコストをできる限り少なくするように、公平な役割分担のもとで廃棄物問題に取り組むことが、持続可能な循環型の社会経済システムをつくっていく上で最も重要になってくるのではないかと思います。  以上、簡単でございますが、経済界の考え方を述べさせていただきました。ありがとうございました。(拍手)

白川勝彦自由民主党・自由連合

○白川委員長 内田参考人、どうもありがとうございました。  次に、永田参考人にお願いいたします。

永田勝也早稲田大学理工学部教授

○永田参考人 早稲田大学の理工学部の永田でございます。  本日は、衆議院商工委員会において、容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律案について所見を述べさせていただく機会を賜り、御礼申し上げます。  まず初めに、本法案の意義について触れさせていただきたいと思います。  一般廃棄物問題の中でもウエートの高い容器包装廃棄物に対して、まず第一に、社会を構成する各主体が果たすべき役割を具体的に示していることがこの一つの意義として挙げられます。また、再商品化費用を価格に反映する旨を明記した上で、環境コストの内部化を打ち出した点も重要であります。これらによって、社会経済システムの中に廃棄物の発生抑制やリサイクルの促進を制度として組み込んだところに大きな意義があると思われます。持続的発展を目指した、環境負荷の少ない循環型経済社会の構築に向け、新たな時代に突入したことを国民各層に告げるエポックメーキング的な施策として評価されると思います。  本法案の性格や効果について次のことが言えると思います。  リサイクル可能なものの回収を促進させることで、自治体にとっては、廃棄物処理、特に焼却処理における負荷の軽減に寄与するものであり、かつ最終処分場の延命化も期待できるものであって、社会的便益の点から評価されるものであります。一方、特定容器、包装の利用事業者や製造等事業者に対しては、そのリサイクルにかかる費用を製品にビルトインさせ、リサイクル容易な素材の選択等への配慮を求めることによって、環境負荷の低減や資源の有効利用に大いに寄与するものであります。このような手法は、環境問題解決のための経済的手段として注目されており、環境基本法や環境基本計画でもその活用が考慮されているものであります。こうした手法を効果的に適用しようとするのが、本法案の趣旨の一つと理解することができます。  役割として見ますと、消費者の分別排出を含めて、自治体及び民間部門のそれぞれが応分の役割を担っているということになりましょう。現在、約半数の自治体が廃棄物処理の有料化を実施あるいは実施検討中と言われております。また、最近の厚生省の調査では、国民の約半数が廃棄物処理のために何らかの形での有料化を受け入れてもいいということを申しております。こうした現状からは、リサイクルにおいても対象によって費用の負担の生じることを理解してもらえる機運が、既に我が国では高まっていると判断することができます。廃棄物処理の有料化は、消費者に分別排出へのインセンティブを与える意味からも重要なことであります。  次に、素材製造から販売を含めた製品製造、さらには製品の使用、廃棄までのいわゆる社会動脈系と廃棄物の回収、収集、再生の社会静脈系に関係する各主体に今後どのような対応が求められるかについて述べたいと思います。  本法案の趣旨に沿ってリサイクルが進めば進むほど、使用、排出に関与する主体には、物質循環のつながりから、再生品の利用の促進が求められることになります。また、素材や製品の製造、販売に関与する主体には、その生産物に関して、製造や流適時はもちろんのこと、使用、廃棄後のリサイクルまでも視点に入れた、環境負荷の少ない物づくりが要請されることを指摘しておきたいと思います。  さらに、本法案のように、社会静脈系の役割が強調され、社会に認知されればされるほど、リサイクルにかかる費用の低減のため、システム並びに技術についての高効率化が求められることになるでしょう。したがって、再商品化にも競争的なシステムの導入が要請されますが、しかしながら、この際には、廃棄物、すなわちバッズとしての特徴も理解しておかなければなりません。その特徴というのは、グッズと異なりまして、バッズは物と金銭の流れが同一方向にあるという点にあります。こうした場合、適正なリサイクルに対するチェック機構が働かない状況が往々にして生じ、これに対処することも含めて第三者機関の役割があり、また主務大臣による認定の必要があると理解されます。  環境のためなら幾ら費用がかかってもよいということにはならず、これまでの社会動脈系がそうしてきたように、高効率化、高機能化、低コスト化の方策を模索しなければなりません。残念ながら歴史が浅い社会静脈系ではこうした点が不十分であって、技術開発やシステムの整備等に、国や社会動脈系との連携協力を深めながら、より一層の努力が求められることになりましょう。  本法案を円滑に導入し、機能させるためには、既存の回収・リサイクルシステムとの整合を図ることが重要であります。ドイツのように分別回収の仕組みを新たに設ける等、極端なこうした変更は、従来のシステムを破壊する可能性もあることに留意しておかなければならないと思います。また、回収量の極端な増加は、ドイツのDSDでも経験されたように、再生とのミスマッチから生じるさまざまな問題を生じさせる点に注意する必要があります。回収量を極端に上昇させますと、需給の関係から逆有償化の程度が高まります。これを改善するには、新規の用途開発並びに再資源化の技術開発やシステムづくり等によって需要の創出を図ることが重要であり、また、既存の再生システムの維持には、分別基準の設定にも十分な配慮が要請されます。  最後に、本法案は、いわゆる環境ビジネスの発展、展開につながることを指摘しておきたいと思います。基本的には、社会が価値あるものと認めるところにビジネスが生まれるのであり、環境ビジネスの成長発展は環境問題への社会の価値観の指標とみなすことができます。こうした価値観の醸成にも本法案は有効に寄与することと思います。健全な環境ビジネスの発展は、新たな雇用を生み出すとともに、輸出戦略としての意義も大きいことが指摘されております。  本日は、このような機会を与えていただきまして、まことにありがとうございました。(拍手)

白川勝彦自由民主党・自由連合

○白川委員長 永田参考人、どうもありがとうございました。  次に、小豆畑参考人にお願いいたします。

小豆畑孝東京都清掃局長

○小豆畑参考人 東京都清掃局長の小豆畑孝でございます。  本日は、衆議院の商工委員会にお招きをいただきまして、全国のあらゆる自治体が注目をしておりますこの法律案について、地方公共団体で清掃事業を担当している者の立場から意見を述べさせていただく機会をいただいたことを、厚く御礼を申し上げます。  清掃事業に直接携わっている者として、まず、東京におけるごみ問題の現状について少しく申し上げます。  東京のごみ量は、八百万人を超える二十三区と三百六十六万人の多摩地区を合わせまして、昭和五十八年、十年前のごみ量が四百七十一万トンでございました。活発な都市活動を反映いたしまし て、平成五年度には五百六十九万トンとなりまして、約百万トン、二〇%ごみが増加をしております。ちなみに、この増加した量は、政令指定都市であります名古屋市の平成五年度のごみ量九十五万トンを上回るものでありまして、いわば東京都の中に名古屋市規模の政令都市一つがつくられたということになるかと思います。  こうしたごみの著しい増加の要因としては、事業系のごみについては、オフィスから出される紙ごみが急増したことが挙げられますが、家庭系のごみにつきましては、ライフスタイルの変化に伴いまして、廃棄物のうち缶あるいはプラスチック等の容器包装の割合が年々高くなってきております。現在の大量生産、大量消費という社会構造、また使い捨て製品の増加など、利便性を追求する私たちの生活様式がごみをあふれさせ、その結果、最終処分場の逼迫を招いているなど、東京の経済活動や市民生活にも重大な影響を与えかねない現状になっております。  このような東京のごみ問題を解決するために、東京都は、年間約四千億円を超える予算を投入いたしまして、清掃工場の建設や最終処分場の延命に全力を尽くすとともに、ごみ減量、リサイクルを促進するために、大規模事業所に対するごみを減量してくださいという指導、あるいは事業系ごみの有料化、さらには缶やPETボトルなど飲料の容器につきましてはデポジットのモデル事業を実施するなど、積極的に取り組んできているつもりであります。  都としてはごみをできる限り発生させないという、ごみの発生抑制や再生利用を徹底するために、この考え方を基本といたしまして、今回の法案についての意見を以下述べさせていただきます。  申すまでもなく、廃棄物の処理は、従来から市町村を中心といたします地方公共団体が責任を持って行ってきたものであります。しかし、生産、流通、消費という物の大きな流れから切り離されて、現実に廃棄された後で、後追い的に、地方公共団体がいかにごみ処理に効率的なあるいはまた積極的な取り組みを行ったとしても、ごみの減量やリサイクルにはおのずと限界があると申し上げなければなりません。生産、流通、消費など、ごみとして廃棄される以前に、市民、事業者、行政がそれぞれの役割と責任を適切に果たしていくことが肝要かと考えます。  その中で、事業者については、事業活動に伴い排出するごみの減量化を徹底することはもとより、まず再利用の容易な製品の開発や、みずから製造、販売した製品から生ずる廃棄物の回収、再生利用について、応分の責任を果たすべきだと考えております。すなわち、従来地方公共団体が主に負担してまいりましたごみ処理やリサイクルのコストを生産、流通、販売の各段階で内部化するシステムを導入いたしまして、ごみ減量のための経済的なインセンティブが働くようなシステムをぜひっくり上げていただきたいと考えます。そして、リターナブル製品の普及を初めとしまして、生活の様式や現在の経済の仕組みを見直していただきまして、我が国の社会経済システム全体を循環的な仕組みに変えることが、ごみ問題を解決するためにはどうしても必要だと思います。  また、我が国と同様に最終処分場の確保に悩んでおりますドイツやフランスにおいても、既に飲料容器のデポジット制度や事業者による回収、再生利用を基本としたシステムが導入されていると聞いております。  こうした状況のもとで、今国会において、容器包装廃棄物について、製造、販売した事業者が応分の責任を果たすことを基本とした法案がまとめられたことは、しかも現実に御審議に入っていただいているということは、資源循環型の社会システムの構築に向けて大きな第一歩をしるすものだ、私どもとしては大変ありがたいものだと考えております。  次に、この法案が市町村のリサイクルにあるいは清掃事業にどういう影響を与えるかについて申し上げたいと存じます。  この法案の基本的な考え方は、まず市民が包装容器の廃棄物をきちんと分別して出していただくということであります。それを第二段階で、市町村が収集し、選別を行うことになります。また事業者は、市町村が集めたものを再商品化、いわゆるリサイクルする、この三つの過程を経るものだと伺っております。  現在、私ども二十三特別区と多摩地域を合わせた東京都全体のリサイクル量は、集団回収や資源ごみの回収を含めまして、平成五年度は約四十一万トンでございまして、資源化率は六・八%でございます。前年度の約三十七万トンに比べて約四万トン、〇・七ポイントの増でありまして、リサイクルの進展は極めて遅々たる歩みしか遂げておりません。しかしながら、最終処分場を取り巻く現在の厳しい現状を考えますと、どうしても私たちはこの取り組みを強化しなければならないと思っております。  東京都も含め、ごみ減量やリサイクルに対する市町村の取り組みにもかかわらず、それがはかばかしく進まない原因の一つとして、逆有償の問題がございます。紙類やスチール缶などの回収しました資源物が、市場の動向によりましては有価物として売却できずに、逆に市町村が処理料金を支払って業者に引き取ってもらうというような、いわゆる逆有償の事態が生じており、これがリサイクルを進める上での大きなネックでございます。資源物として回収いたしましても、それを実際に再生資源業者などに引き渡すときにコストがかかるということでございますと、リサイクルの拡大について市民、都民、区民の理解を得ることはなかなか難しいのが現実でございます。  今回の法案は、市町村が回収した逆有償のものについても、事業者が引き取り、再生利用を行うことやコスト負担を担うことなどが具体的な目的とされているものであり、今までのリサイクルの隘路に対する非常に効果的な解決策になり得るものだと考えており、東京都としても大いに期待をしているところであります。また、そうしたリサイクルの取り組みを促進することによりまして、最終処分場に与える負荷をできる限り軽減させたいと考えております。  この法案を地方公共団体の立場から見た課題としては、事業者の回収責任がこれでよいのか、あるいは、市町村の分別収集の徹底がまず求められておりますので、市町村に対する財政負担がどの程度増大するのかというような心配がございます。また、基本的に包装容器、特に飲料容器がリターナブルを基本とするという点がもっと強調されてしかるべきかと考えております。  しかし、そういう問題はありますけれども、これまで述べてまいりましたように、この法案は、市民と事業者と行政のそれぞれがみずからの役割と責任を果たすことを基本として、ごみ減量、リサイクルの進展に向けた日本での初めての具体的な枠組みを提示しているという点で、資源循環型の新しい社会システムの構築に向けた晴夫になる法案だと期待をしております。  そうした観点から、東京都としてもできる限り早期の制定を望むものであります。東京都の持っております東京港の中央防波堤外側約二百ヘクタールの最終処分地は、あと一年数カ月で尽きます。法律の成立が少しでもおくれますと、都民生活はもとより、東京の都市機能についても大きな支障が生ずることを危惧しているものであります。また、全国約六百六十の市で構成をしております全国都市清掃会議も、今月二十五日の大会でこの法律の早期制定を緊急決議をしており、さらにまた、十三の政令指定都市で構成しております十三大都市会議でも、再三再四この法律の早期制定を各方面にお願いをしているところでございます。  今後、この法案の審議に当たりましては、早期制定はもとより、財政上の支援措置など、地方公共団体の要望にぜひ十分耳を傾けていただきますよう特段の御配慮をお願いを申し上げまして、意見の締めくくりとさせていただきます。  本日は、このような機会を設けていただきまし て、まことにありがとうございました。(拍手)

白川勝彦自由民主党・自由連合

○白川委員長 小豆畑参考人、どうもありがとうございました。  以上で参考人の意見の開陳は終わりました。     —————————————

白川勝彦自由民主党・自由連合

○白川委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。  質疑者にあらかじめ申し上げます。質疑の際は参考人のお名前をお示しください。  なお、念のため参考人各位に申し上げますが、発言の際は委員長の許可を得ることになっております。また、参考人は委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、あらかじめ御承知おきを願います。また、時間の制約がございますので、お答えはなるべく簡潔にお願いいたします。  それでは、質疑の申し出がありますので、順次これを許します。野田聖子君。

野田聖子自由民主党・自由連合

○野田(聖)委員 自由民主党の野田聖子でございます。  本日は、参考人の皆様、お忙しいところ本当にありがとうございました。また、この容器包装リサイクル法案に関しまして、前向きなお話をいただきまして感謝しております。私もこの容器包装リサイクル法を推進する立場の一人として、この法律ができる前に少しばかり私なりに疑問があったり心配事があったりしますので、それについて御意見またはお考えを聞かせていただきたいと思います。  まず初めに、小豆畑参考人にお尋ねいたします。容器包装リサイクル法案と地方自治体の既存の取り組みの関連について、お伺いしたいと思います。  国レベルでのリサイクルの取り組みに先行して、既に内容的にもより大胆な取り組みを展開している地方自治体が幾つかあります。例えば、本日の参考人のお一人の東京都清掃局長の小豆畑さんがいらっしゃいますが、東京都は昨年秋に、品川区と大田区の二つの地域に限定したデポジット制度のモデル事業を行っています。  御存じのとおり、デポジット制度では、缶入り飲料などの容器預かり金を上乗せして販売し、返却時にそれが返金されるので、売り手と買い手の間に自治体が介在することなしに、直接使用済み容器が収集される仕組みになっています。消費者は自分の排出したごみとそれにかかるコストを実感できるわけで、環境政策の論議でしばしば論じられる汚染者負担原則をより忠実に実行した試みであると評価されています。  ところが、リサイクル法が施行をされますと、この先駆的システムの運用にマイナス効果が生じることが予想されます。つまり、消費者はリサイクルのコストが転嫁された少々高目の商品を買うことになりますが、わざわざみずから店頭に出向いて五円そこそこの上乗せ金を返してもらうという煩雑さからは免れるわけです。ごみ収集はやはり自治体にやってもらった方が楽でいいということになりかねません。環境を汚染した当事者が第一義的な責任を担うべきという廃棄物をめぐる環境行政の基本原則、あるいはそれについての自覚とか認識が損なわれる心配もあるわけですが、この点について小豆畑参考人の御意見を承りたいと思います。

小豆畑孝東京都清掃局長

○小豆畑参考人 お答えいたします。  御指摘のとおり、私どもは、品川区と大田区の二カ所においてデポジットの試行をいたしました。極めてさまざまなネックがございまして、日本最大の小売業にも御参加をいただけず、難行苦行でありましたが、四カ月にわたるデポジットの実験を二カ所で終えてみて、やはりやってよかったなと思っております。特に、八潮団地では八割近い回収ができまして、市民の関心も、この制度をもっともっと拡大して実施すべきだという力強い回答をいただいております。  今回の法案との問題点でございますが、私どもは、法案の中にもこのやり方と別の三つのルートを明示していただいておりますし、自主回収ルートを強化することが私どもとしては一番早道であると考えておりますので、法案を推進する立場と私どもが行う自主回収ルートの強化は、決して矛盾するものではないと思っております。  また、アメリカ並びに北欧を中心とするヨーロッパの現状を見ましても、これが極めてうまく並立的に運用されていると聞いておりますので、私どもとしては、この法案の成立、それと私どもが従来から推進しております自主回収、あわせて積極的に進めていきたいと考えております。

野田聖子自由民主党・自由連合

○野田(聖)委員 どうもありがとうございました。  続きまして、松田参考人にお尋ねしたいと思います。  この法案が有効なごみ対策につながるかどうかは、実際にどれほど適正に分別収集が行われるか否かにかかっていると私は思っています。  では、その見通しはどうなのか。厚生省の資料によりますと、平成五年六月一日現在で、資源ごみの分別収集を実施している市町村は千三百四十二で、全体の四一・五%にとどまっているということです。内容別では、缶、瓶については三割前後、牛乳パックでは一割、そして発泡スチロールトレーやPETボトルに至ってはまだ一から二%の市町村でしか分別収集がなされていないというのが、残念ながら我が国の現状です。また、先ほどお話がありました東京都とか、そして松田参考人からお話がありました川口市のように、先進的なリサイクル対策に積極的に取り組んでいる自治体があることもまた事実でございます。  つまり、私が申し上げたいのは、この分別排出や収集の当事者となる消費者や地方自治体のレベルで、既に歴然としたリサイクル格差というものが存在していると言えるわけで、法案をめぐり関係省庁の対立という構図のもとで関係製造業者の利害が論じられた反面、私たち消費者や自治体の役割についての議論は、必ずしも十分活性化されなかったように思われます。  リサイクル活動全般を自治体や消費者の自主性にゆだねるべきなのか、または全国一律でリサイクル関連対策を義務化すべきであるという意見もあります。地方分権の推進が法律として成立し、確認された中、この点も含めて、これからどのように取り組んでいけばより有効的な分別収集並びにリサイクルへの道がつながっていくか、お考えを聞かせていただきたいと思います。

松田美夜子ごみ減量システム研究家

○松田参考人 とてもいい御質問、ありがとうございました。  私は現在、毎月十五カ所くらい全国を飛び歩いているのですが、市町村が非常に熱心になってきましたのは、平成三年にリサイクル法とそれから廃棄物新法が、新しい廃棄物処理法、改正ですけれども、あれができてからなんです。それまでは、全部、分別といっても、燃えるごみと燃えないごみと分けていて燃えないごみを捨てているというのを分別と言っていたのですけれども、新しい廃棄物処理法で分別、再生が決まったから、これからスタートしていこうといって手ぐすね引いて待っている自治体はたくさんあります。  それから、あと一つ私心強いのは、あの法律の中でごみ減量推進員という制度が始まったのですけれども、全国各地に本当にすてきなごみ仲間というか、ごみのことについて地域社会の中で参加したい、それも地域社会の中で自分の町に合ったやり方を考案していきたいというような方が大勢出ておりまして、この勢いは破竹の勢いです。そうしますと、この法律ができてまいりますと、引き取りのところの再生の保証ができてくるわけですから、みんな安心して取り組めるということで、意識ががらっと変わっていくと思います。  だから、御心配のこともいろいろちょっとあるかもしれませんが、まず動かしてみて、そしてまた考えて、先生方の御意見を聞きながら考えて、先ほど小豆畑さんの言葉で胸がきゅんとなったのですけれども、東京はあと一年で困ってしまうというため息を聞きますと、とにかくこれは通して考えないとという気持ちになります。大丈夫です。国民は頑張ります。

野田聖子自由民主党・自由連合

○野田(聖)委員 大変力強いお答え、ありがとうございました。  ちなみに、私近くの親しい女性の皆さんにお尋ねすると、分別って面倒くさいわねという声が随分出てきたことも事実であります。今まで分別していても、もっと細かくしなければならない。これはかなり女性に負担がかかることも事実なので、男性の協力も必要だなということを実感しているところであります。  最後に、永田参考人に、この法律そのものについてのお考えを改めて御質問させていただきたいのです。  私は、この本法案の目的とか基本理念というのは、先ほどお話がありましたとおり、環境基本法の制定を受けて昨年末に閣議決定されました環境基本計画の中で既に示された道筋に沿うものだと理解しています。参考までにもう一度申し上げますと、基本計画は、廃棄物・リサイクル対策の考え方として、「第一に、廃棄物の発生抑制、第二に、使用済製品の再使用、そして第三に、回収されたものを原材料として利用するリサイクルを行い、それが技術的な困難性、環境への負荷の程度等の観点から適切でない場合、環境保全対策に万全を期しつつ、エネルギーとしての利用を推進する。最後に、発生した廃棄物について適正な処理を行う」との方向性を打ち出しております。  また、この基本計画は、昨年国連大学が始めたゼロ・エミッション研究構想、すなわち、工場や流通過程から出る廃棄物をゼロにする生産方法の開発を目指した取り組みにも合流してくるのではないかと評価できると思うわけです。  実は、今回に限らず、法案審議の過程では、法案の不十分な点とか突っ込みの足りない点などが追及、批判されるわけです。しかし私は、このリサイクル法案というのは、まずは出したごみを再利用ないしリサイクルすることから始めてみることが大切なんだ。そして、先ほど申し上げたとおり、国民の間に大きなリサイクル格差が存在するのが現実ですから、できることは、足元の改革から手をつける以外現在のところ方法はないと思っています。ただし、次の段階には不要なごみは出さない、さらには、商品の大量生産、大量消費、大量廃棄といったライフスタイル全体を見直すという方向へ、私たちの意識と行動の両面での前進を続けていくことがとても重要だと思うのです。  その点、そのような発展を促すために、私としては、できればこの法律案の前文において、廃棄物をめぐる根源的な論点、つまり先ほど申し上げた廃棄物ゼロを目指すゼロ・エミッション的な国家理念と申しますか、国として明確に打ち出しておくべきではないかということを考えております。それについてどういうふうにお考えになっておられるか。  もう一つは、この容器包装リサイクル法ができることによって、確かに今まで参考人の皆様方には非常に将来夢のあるお話を聞かせていただいたのですけれども、うがった見方をすれば、逆に産業界にとっては、この容器包装リサイクル法の中で事業者負担、リサイクルにかかる費用を負担するわけだから別に減量しなくてもいいのじゃないか、自分たちは払っているのだから減らすことは別にいいのじゃないかという、免罪符のような形になってしまうのではないかということが非常に心配です。ごみ減量化というのは、必ずしもこのリサイクル法案で事業者が負担することによって減るということではなくて、やはり意識の改革がまず初めにありきということを感じておるわけですが、これについて。  この二点。ゼロ・エミッションという大変高い志の理念になってしまうわけですが、それについてやはり改めて私たちは最初に理解するべきではないかということと、二つ目には、この容器包装リサイクル法案が逆に産業界にとって、費用負担するのだからごみを減らす工夫とか努力は免れるのではないか、そういうふうな方向に走らないためにはどういうふうな取り組みをすればいいかということについて、お答えをいただきたいと思います。

永田勝也早稲田大学理工学部教授

○永田参考人 まず第一点の、ゼロ・エミッションの思想といいますか、廃棄物ゼロを目指すということを法案の前文のところに入れるべきではないかというお話でございました。  私も、ちょっと御紹介申し上げたように、環境基本計画あるいはその前の基本法におきましても、こうした思想はもう十分に述べられているのかなというふうに思っておりました。私、法案の成立の過程の中でそうした位置づけがどういうふうに取り扱われるかというのは、専門でございませんのではっきりしたお答えを申し上げるという立場にはおりませんが、国民の意識の中には十分そうしたものがもう根づいてきているのではないかなという気がいたしております。  それから、産業界の対応でございますが、この法案ができますと、産業界の方では先ほど申しましたように再商品化に対しますインセンティブといいますか義務が出てくるわけでございまして、こうした中でできるだけリサイクルしやすい製品、この場合には主体は素材の選択というようなことになろうかと思いますし、またあるいは、そうした素材を組み合わせてつくる過程での工夫というところにもつながっていくかと思います。  そうした点から、決してお金だけを払えばいいんだという思想には向かわずに、全体的に、できるところ、産業界として担当すべきところに十分対処していくということがこの法案のねらいとして定められ、またそうした動きにつながっていくのではないかなというふうに思っている次第でございます。

野田聖子自由民主党・自由連合

○野田(聖)委員 どうもありがとうございました。

白川勝彦自由民主党・自由連合

○白川委員長 次に、竹内猛君。

竹内猛日本社会党・護憲民主連合

○竹内(猛)委員 私は、日本社会党・護憲民主連合の竹内でございます。  本日は、参考人の皆様にはお忙しいところ御出席をいただき、貴重な御意見をありがとうございました。  私は衆議院の環境委員会に属しておりまして、連合審査でありますから、環境委員会の立場から御質問をいたします。時間が限られておりますので十分な質問にはならないかと思いますけれども、要点だけを申し上げます。  現在の社会は、市場開放、競争の原理導入、あるいは内外価格差の圧縮から縮小へ、規制緩和、行財政改革、そして情報公開というような慌ただしい動きの中にあります。そうした中で、快適な国民生活と深い関係のあるところの、産業廃棄物については既に法律がつくられて、国と産業界において実施をされておりますけれども、もう一つの一般廃棄物に関連をしては今度の法律によって処理をしよう、こういう形になっておるわけです。  その中で、問題は、大量生産、大量消費、それからこれの大量放棄という今までの現状に関連をして、環境基本法ではこれについて四つの問題を提起をしております。一般廃棄物等々は、生産の過程でできるだけこれを抑制をする。第二番目は、再利用ができるものはこれを極力再利用をする。三つ目は、その再利用不可能なものについてはリサイクルによってこれを資源化していく、資源利用型の方向をとる。なお、それもできないものについては適正な処理をする、こういう四つの問題であります。  一番と二番はなかなか今実施をされておらないし、法律の中では書かれておりません。三番と四番に関連をして進められているわけでありますが、一方において、快適な生活環境ということと、それから産業への奉仕という問題あるいは発展に寄与するという問題に関連をしては、そこにはいろいろの矛盾がある。その場合に、この法律において、参考人の皆さんは全部賛成だ、私も賛成なんですけれども、まだまだ追求すべき部分があるんじゃないか。  早稲田大学の永田先生から、ひとつ御意見をいただきたいと思います。

永田勝也早稲田大学理工学部教授

○永田参考人 私も最初に申し上げましたよう に、この法案、日本でこれまでの歴史の流れを、特に廃棄物問題に関しましては変える意味があるというふうに理解している次第でございます。  こういう法案が成立いたしますと、先ほども申し上げましたように、いろいろなところでその役割を果たすための活動が求められるわけでございまして、今予想されます事態、こうしたものへの対処ということは、今後も含めまして十分検討していかなくてはいけないわけでございますが、かなり大きな変革でございますので、予想できないあるいは予想したところを超えるような事態も起きるのかなというふうに思っております。  私が専門としておりますところの廃棄物処理技術という点で見てまいりますと、油化の技術、これがプラスチックの再商品化の中では非常に重要な位置づけを持っているわけでございますが、まだまだこれの高度化というものが必要かと思います。また、こうした再資源化技術というものは、全体的に、レベル的に見ますと、動脈系の技術と比べますと劣っております。こうした点につきまして、さらなる努力も必要かというふうに思っている次第でございます。

竹内猛日本社会党・護憲民主連合

○竹内(猛)委員 一般廃棄物、特に再利用が不可能なものは資源化するという、そのためには相当のコストがかかる。また、そのかかったコストが、さらに再生産をされたものが活用されるためには、これを活用してもなお採算がとれる、こういう形でなければいけないと思います。  内外価格差、競争の原理、効率化ということが第一義的になると目的に反することになると思いますけれども、一般廃棄物の処理の問題について、環境保全とコストに関連をして、経団連の内田参考人から御意見をいただきたいと思います。

内田公三経済団体連合会専務理事

○内田参考人 例えば紙なんかでも、再生紙の方がいわゆるパージン紙よりも高いというようなことで、単純に市場原理に任せておくと、高いものより安いものを買いますから、せっかく再生利用しようとしても売れないということになるという問題が確かにございます。その問題をどうやって解決するかというのは非常に難しい問題で、いろいろな対策が必要かと思いますけれども、一つは、例のごみの有料化、逆有償というか、ごみを出すときに、処理処分なり再資源化のコストも含めて、そのコストを排出者が負担するという形にしていけば、再生品の市場流通も可能になってくるんじゃないかというふうに考えております。  それから、第二の内外価格差是正というのは今の日本の国家的使命でありますが、それとの関連はどうかということでございます。これは、一方において、市場開放して諸外国から安くてよいものを円高をフルに活用して国内に輸入することによって国民生活を豊かにしていくということは、私はこれはやらなければいけないことだと思いますが、その問題と国内で廃棄物を再資源化していくという問題とは決して矛盾する問題ではない、両立する問題だというふうに考えております。  以上です。

竹内猛日本社会党・護憲民主連合

○竹内(猛)委員 産業廃棄物は生産者と国によって処理をされております。一般廃棄物の問題は、自治体、すなわち市町村によってこれを進めなければならない。この場合に、各自治体が条例などをつくって努力をされておりますが、環境保全型の持続的なそれをつくっていくためには、東京都でも大変努力をされていると思いますけれども、この場合の財政と事業体制、運営の体制について、従来のような人員だけではなかなか進まないじゃないのか。それには必要な人間とそれから財政あるいは税制上の考慮も必要ではないか、こう考えますけれども、これについて東京の小豆畑参考人にお願いします。

小豆畑孝東京都清掃局長

○小豆畑参考人 先ほども申し上げましたが、私ども、ここ数年、約四千億の予算を投入して東京のごみ処理に、これも二十三区だけてありますが、当たっているわけであります。しかも、先日ある県庁所在都市の市長さんとお会いしましたときにも、清掃工場、地元の反対を説得して二百八十億投入して二つ目をつくったという苦労話を伺いました。清掃工場をつくる上での財政負担は極めて大きいものがあります。特に、東京というような大都市でごみ処理をします上で、清掃工場に投入する金額の三割前後、面積で四割が今や公害防除施設に要する経費であります。このことをないがしろにいたしますと、東京においてごみを焼却するあるいは中間処理をするという区民の、都民の理解は得られません。  したがって、私ども、最大限環境保全には注意をし、都市計画決定の手続あるいは環境アセスメントの手続、地元説明会等々、一つの清掃工場をつくるまでに数十回、さまざまな経過を経て建設をしているわけでありまして、一方では、ごみを焼却するだけでは能がないではないかという市民団体の指摘があるのも事実であります。しかし、今現時点の水準で申し上げれば、残念ながら焼却することが一番環境的にもあるいは財政的にも負担が少ないと考えております。ただ、願わくは日本における研究なりあるいは企業の努力でもっと安価にこみ処理ができるような体制をつくってほしいというのは、従来からの念願でございます。

竹内猛日本社会党・護憲民主連合

○竹内(猛)委員 清掃の仕事といいますか、一番汚いもの、一番嫌なものを処理している皆さんにやはり温かい気持ちで対応していっていただかなきゃならないし、そのためにはやはり生活、労働条件というものも豊かにしなきゃいけない、こういうふうに考えます。  瓶、紙、缶等々、人手と金をかけなければ、それと消費者の協力がなければなかなかうまくいかないものばかりであります。資源を再利用する、有限な資源というものを有益に使うためにはそれぞれの努力が必要だと思いますけれども、これをするために第三セクターまたはある者に委託をする場合に、そこに企業だけでなしにそれぞれの代表が参加をする、こういうような方法をとって、みんなが一つになってこの仕事を成功させるということについては、これは経験者ということで、松田参考人の方からお伺いしたい。

松田美夜子ごみ減量システム研究家

○松田参考人 私たちは、もう瓶と缶と紙を素材別に分けていかなければ気持ちが悪いというくらいに習慣化されています。それから、ヨーロッパの方に行ってみますと、分けることが趣味です。分けて素材ごとに出すことで私たちは地球に対していいことをしているんだというような学校教育をきちっと受けていきますので、そういう配慮もこれから日本の中で必要だと思います。  一つの法律の中で全部盛り込んでしまって、教育のことまで盛り込んでしまうのはちょっとなかなか難しいので、それはまた別の教育の分野で、この法律にのっとった教育の見直しというのをぜひやっていただきたい。戦後五十年、缶は缶だから考えてこなかった中に、この法律が誕生することによってそういう波及効果と相乗効果がある、だから早くこの法律を私は誕生させてほしいなと思っております。

竹内猛日本社会党・護憲民主連合

○竹内(猛)委員 私は去年フランスに行ってきました。パリでも、あるいはアルプスの山の方の小さな集落においても、大変環境がきれい、ごみの処理もうまくいっています。また、ことしはドイツへ行ってきましたが、大変ドイツもそれが整っている。  先ほどドイツのお話がございましたが、これはひとつ永田先生の方からの御意見を伺いたいわけですけれども、日本は日本的な、資源のない国で、しかもこれだけ経済が成長しているところで、やはり有限な資源を有益に使うという立場において、ドイツ型あるいはフランス型、それらのいいところを取り合わせて日本型の方向をとるのか、その辺についての御見解をお伺いしたい。

永田勝也早稲田大学理工学部教授

○永田参考人 本法案に限って申しますと、先ほどもちょっと御紹介しましたドイツの包装容器法から生まれましたDSDという、これは民間の組織でございますが、こうしたものをドイツでは誕生させたということになるわけでございます。これは、デュアルシステムと言われるように、地方自治体でやっている収集、回収ルートとは別にも う一つルートを民間で設けるということになっておりまして、かかっている費用が莫大なもので、収集、回収の方のコストが集めた金額の六〇%ぐらいを占めるというような話もございまして、非常に非効率であるという一般の意見がございます。  その後を受けまして、フランスではエコアンバラージュという方式で、これは今考えられています法案とかなり似たところがございまして、地方自治体の力を収集、回収の方では使わせていただくようなシステムになっております。こちらの方は、おいおい加盟する自治体の数がふえていくというような状況で、まだまだ試行的な段階かと思いますが、ドイツよりもすぐれているとフランスの担当者は言っておりました。  全般的に申しまして、ドイツの環境政策、理念先行型というふうに言われております。現実にも市民の意識が高いということがありまして、その理念を受け入れられる素地ができ上がっているかなと思います。ただ、私は決して日本がそれにおくれているというふうには思っておりません。  例えばごみの問題一つ取り上げましても、日本の焼却率はよく七五%というふうに言われております。これは非常に国土が狭いということが原因で、いち早く衛生的な処理のために焼却を導入したということになろうかと思います。一方、ドイツではたかだか二〇%程度というふうに見られておりまして、従来、大分埋立処分されていた、その残りのほとんどは埋立処分というふうに理解してもいいかと思います。埋立処分されていたわけでございまして、今考えてみますと、果たしてその埋立処分が適当であったかどうか。特に、合併して以後のドイツで東の地区におきましては、従来ヨーロッパ地区でのごみ捨て場的な扱い方でその処理処分がなされていたというふうなところもございまして、その修復には多大の費用がかかっているというところもございます。  そうした流れの中で、日本的な廃棄物処理のシステムを根づかせていくという努力、これは今般の法律、あるいはさきに制定されましたリサイクル法であるとか、あるいは廃棄物処理新法というようなものが十分機能していることになろうかと思いますし、今後も機能していくというふうに理解しております。

竹内猛日本社会党・護憲民主連合

○竹内(猛)委員 終わります。

白川勝彦自由民主党・自由連合

○白川委員長 次に、山本幸三君。

山本幸三新進党

○山本(幸)委員 新進党の山本幸三でございます。  きょうは大変有益な御意見をお聞かせいただきまして、本当にありがとうございました。いろいろ勉強させていただきました。  その中で私は、全員の皆様方に共通な認識は、この日本の社会から少しでもごみを減らしたい、そして環境への負荷を減らしていきたい。ごみを減らし、そのごみの、出てきた廃棄物について再資源化、リサイクルを図り、有効活用をすることによって第一次資源というものの消費を減らしていこう、社会全体としてごみを減らす循環型システムをつくっていこう、そういう気持ちで一致していると思います。私も全く同感でございまして、ぜひそういう社会をつくっていかなければならないと覚悟しております。  それで問題は、それではそういう共通の願いに対して、今回の法案がどれだけそういう願いに対応したものかということが問題になるわけですね。私は、今回の法案の試みというのは一つの大きな前進も見えると思っています、ただ問題も多々あると。一歩前進かもしれないけれども、せっかく二歩、三歩前進できるものならぜひそうやるべきだというような思いでいるわけでございまして、そういう意味から、少し問題点を指摘しながら皆さん方の御意見をお聞きしたいというように思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  まず、こういうシステムをつくるときに、いろいろな方から御指摘がございました社会全体としてのコストをトータルとして下げていかなければならない、そういうものでなければこんなシステムをつくる意味がないのですね。お金を幾らかけてもいいのだったら何でもできるのです。しかし、そういういいシステムをつくり、ごみを減らすということをやりながら、同時に社会全体のコストも下がっていくということがなければ、それは前進ではないと私は思います。  そこで、それでは、そういうコストを下げていくにはどうしたらいいかということになるわけですが、私は、そういう行動を人間がやっていくためには、ごみを出そうとする意欲を減殺するしかない。できるだけどのレベルの方々もごみを減らそうと認識するようにするために、コストを意識させないといけない。そうでなければ、私は決して減らないというふうに思います。その意味で、私は、すべての事象を経済的な観点からしか考えませんけれども、そういうことが徹底しなければ決して減っていかないというふうに思いますね。  その際、ごみを出せばコストがかかるという意識を徹底することによって、事業者も消費者もごみを減らしていこうということが、インセンティブが起こると思うのですが、今回の場合、そこのところが実はあいまいになっている。確かに、出たごみについて、その一部、再資源化、再商品化計画にのる対象物については事業者がリサイクルコストを負担するということで、事業者の負担が明示されました。そして、それは恐らくその製品の価格に転嫁されていくでしょう。一部は事業者の負担になるし、一部は消費者の負担になる。それは需要曲線と供給曲線の傾きによって決まるわけですが、そういう分担が行われる。  問題は、その流れが市町村のところで切れてしまう。市町村のところでは、分別収集は市町村の事業だということで、これは一般的な税金でやることになってしまいます。そのことがいいかどうか、これは政策判断でありますが、しかし、そのことによって、事業者も、物をつくる人も、あるいは消費者も、そういう容器を使えばコストがかかりますよというところが一部分しか認識されない。市町村の分別収集でかかるコストのところは一般的な税金、それは一般的には消費税の値上げにかかっていくのかもしれませんが、そういう形で分散されてしまう。このことは、そもそもこういう環境問題を考える際に十分に注意しておかなければならない。一つの原則を通すか、それとも、原則はあいまいにして、できるだけお互いが利害の調整ができるところで手を打つという妥協の産物になるか、その違いが出てきているのではないかと私思います。  そこでお伺いいたしますけれども、例えば永田先生、先ほどドイツ、フランスの御指摘がありました。私は、ドイツのやり方は、確かにおっしゃるように日本ではなかなか難しいかなという気もいたします。その場合、フランスですね。フランスは、同じように分別収集については市町村にやってもらう。ただし、その分別収集をやることによって増したコストについては、その分ははっきりと明示して事業者が負担するという形になることで、そのシステムは一貫した原理原則が通っている。これに対して日本は、形としては似ているけれども、その原則は一貫してないという気がするのですが、その点についてはいかがお考えでしょうか。

永田勝也早稲田大学理工学部教授

○永田参考人 おっしゃられるとおり、費用負担の問題に関しましては、地方自治体に対する対処、エコアンバラージュと今回の日本の法案とでは違います。ただ、やはりごみ処理につきましては、それぞれ国により、あるいは日本の中でも、先ほどのお話にもございましたように、行政単位によりまして大分違っております。特に、資源化物の回収という面におきましては、日本の場合には、かなり市民団体の役割というのが今まで大きかったというふうに理解しております。集団回収等を含めまして、かなりのごみがそうしたルートを通じて集まってきているわけでございます。こうした点につきましては、地方自治体が従来からその積極的な推進を図るためのさまざまな手段を打ってきているところではございます。そうした 流れも一つは大切にしていきたいということで、行政と分別排出あるいは分別収集という問題、これは一つ切り離せないところがあるのかなというふうに理解しております。  それからもう一つ、今回のような法律ができますと、地方自治体のシステムも大分変わってくるかと思います。ただ、そのときにどれだけの費用がかかったのか、また、システムが変わると同時に、恐らく、我々技術屋の立場から見ますと、そこで使われる機材であるとか輸送方法であるとか、こうした点にもいろいろ工夫がこれから出てくるのかなというふうに思います。  一方で、地方自治体にとってみますと、分別収集されたものが抜けていくわけでございますので、処理の立場からいたしますと、焼却への負荷、焼却にかかる経費が減ってくる、あるいは埋め立ての経費が節減できる。これは焼却の灰も埋め立てしなくてはいけません、これの分も当然減ってくるわけで、そうした効果が考えられる。あるいは、焼却炉の延命化といいますか、焼却量が減り、十分に燃焼負荷の点で運転できるというようなこともございまして、延命化が図れる可能性も高くなる。あるいは、人口がふえたり、ごみの排出量が今のままですと若干増加、一人当たりでも増加ぎみでございますので、いずれそういう都市では新しい焼却炉をつくらなくてはいけない。あるいは、従来の焼却炉を建てかえる必要が出てくるというようなことも起きます。それから、最終処分場の延命化も図れる。こうした、我々の言葉で言いますとアボイデッドコストといいますが、回避できるコスト、この部分の算定というのは非常に難しいものがあろうと思います。  ですから、一概にその分別収集のところだけ取り上げてコスト負担といいましても、それによるメリットがいろいろな形でごみ処理行政の中で及んでくるという点も考慮に入れていかなくてはいけない。ですから、今回の法律案の中で出てくるようなそうした効果というのは、やはり総合的に評価して見ていかなくてはいけないのではないかなというふうに思っている次第でございまして、一概に分別収集コストという形でその費用負担を云々できるような体制に今の日本のごみ処理体制というのはなってなく、もっと複雑な要素を含んでいるのではないかなというふうに理解しております。

山本幸三新進党

○山本(幸)委員 おっしゃることはそのとおりだと思います。  ただ、そういうアボイデッドコストも含めて、プラスとしてかかる、余分にかかる費用が幾ら、それから、そのことによって焼却炉の経費が節減できる、あるいは延命化が図れるということによってアボイデッドコスト、これがどれぐらい出てくるか、この点はやはりはっきり我々に示してもらう必要がある。透明にしていかないと、何のためにやるのかということになる。それがきちっと評価できて初めて、このシステム全体がまさによかったということが言えるかどうかが決まると思うのですね。  そこで、私はできればフランスのようにしたいと個人的には思っていますが、しかし、今すぐには無理でしょう。事業者に突然今の倍ぐらい負担をしろと言っても、それは無理かもしれない。環境についてまさに世論が盛り上がらなければそんなことはできない。しかし、少なくとも、そういう分別収集のコストでプラスは幾ら、あるいはアボイデッドコストで節約は幾らということだけは示してもらわないと、本当に努力している市町村は一体どこなんだ、本当に、市民団体に協力してもらって、市町村のコストの節減をどれだけ図っているかという、頑張っている市町村とそうじゃない市町村との比較もできない。  少なくとも、これから社会全体のコストを下げていくという大前提があるならば、最低限このコストのところは明示してもらう必要があると私は思います。その点について、松田先生、いかがですか。

松田美夜子ごみ減量システム研究家

○松田参考人 私、全国の自治体を五百カ所以上見ました中で、今までの自治体の廃棄物の計算値というのが非常にあいまいだったということに気づいています。ですから私は、今回のこの法律の中でいろいろな基本計画が出ていくわけですから、ここで初めてデータベースがとれるだろうと思います。ですから、その後で考えないと、今やってはちょっと急ぎ過ぎかな、データが出てきたところで学者の先生方にきちっと分析していただかなければいけないだろうと思います。  と申しますのは、沖縄とか石垣島のタクシー代が大体三百六十円ぐらい、そして東京はもう六百六十円というような、タクシー代でも差があるということは、人件費のお金も物すごく差があるわけで、その出てきたコストを一律に足し算引き算をして、高い安いと言うのも、自治体にとってもとても酷なことのような気がします。そのあたりはこれからの課題として、もっと経済学の先生とかそれから環境学の先生方に、廃棄物の分野だけでなくて、環境コストというものは学問的な体系がほとんどまだできていないとは思っています。これは今回の法律の問題とはちょっと違うかなというふうにもとらえております。

山本幸三新進党

○山本(幸)委員 そこのところ、私は先生と見解を異にするのですが、そのコストがどれだけかかるかということを明示することは、これは非常にこの法案の死命を制するぐらいのものだと思います。もしそれが不透明であれば、これは社会全体として本当に安いシステムができるかということは言えない。よりコストの高いシステムになるかもしれないのですね。これは、地方自治体の財政コストがふえるという心配をしておられる小豆畑さんにされても、あるいは事業者の負担にいずれかかってくるであろう経団連の内田さんにされても、非常に関心を持つべきことだし、そうでなければおかしい。  実際、政府はこの案のときに、市町村の分別収集でコスト増は千百七十七億円ですか、かかると言っているのですから、ちゃんと根拠はあるのですよ。根拠がなければこんな数字は出てこない。そうであれば、そういうコストを各市町村ごとに一体どれだけかかったんだ、自分のところは確かに人件費は安いですよと、人件費も示してくれればいい。  例えば、市民団体が一生懸命努力していれば、市町村はそれほどかからないかもしれない、コストは低いかもしれない。これは市民団体の努力の結果です。あるいは、例えばもっと具体的に言えば、通常、地方公共団体、市町村が清掃事業で資源回収する、そのときの清掃事業者のトラックに乗るのは三人の乗務員。ところが、これは民間に委託しますと二人なんですよ。ある市では女性二人でやっている。これに対して、市町村がその事業をやると男三人でかかる。当然コストはかかっているはずですね。  そういうことが透明にされて評価できるというシステムにしなければ、私は、我々がみんな目指している、こういうシステムをつくって社会全体のトータルコストを下げていかなければいけない、同時にごみを減らしていかなければいけないという目的に適合しないような気がいたします。その点、経団連の内田さん、いかがですか。

内田公三経済団体連合会専務理事

○内田参考人 お答えします。  トータルコストをいかにしてミニマムにするかがポイントだというのは、全く先生のおっしゃるとおりで、私も先ほどの陳述でそのことを言ったわけですが、その点からしますと、確かに今回の法案は一〇〇%完全なものかというと、必ずしもそうではないかもしれません。  特に自治体の段階であいまいになるというのは、これは公共サービスの本質的な限界というか、公共サービスには市場メカニズムが貫徹しませんから、私どもから見て、一体本当に合理的に、効率的に自治体が廃棄物の処理処分をやっているのかというのはわからないわけであります。そういう点で、先生の御指摘は非常に大事な点をついていると思います。  実は私、先ほどちょっと陳述のときにそこまで触れなかったのですけれども、経団連の提言の中 でも、その点については、ごみ処理費用を現在自治体では一般会計の中で一緒くたに扱っているところが多いというか、ほとんどそのようでございますけれども、それを例えば特別会計に移して、廃棄物処理処分のコストベネフィットというか、透明性を高めるということが必要ではないかということを私どもは求めておるわけであります。  さらに、この点は先ほども申し上げましたが、民間企業へ事業委託するのも一つの効率化の手法ではないか、この点は先生が既に触れられましたけれども。その点は全く同感でございますが、しかしながら、それからさらに敷衍して、事業者に対してさらに分別収集、分別コストまで持たせるべきであるという御主張については、私どもは反対でございます。  一つの理由は、やはり何だかんだ言っても、生活廃棄物については、現行のシステムでは地方自治体が収集して処理するというのが建前になっているわけであります。しかし、そういう議論をしていたのでは前進しないので、私どもは関係者がみんな一緒になって、一歩でも二歩でも前進しようではないかということで考えておるわけでありますが、そういう点が一つ。それから、ごみがなるべく出ないようにするということ。そのためには、やはりごみを出す直接の消費者に対して、そういうインセンティブというか、つまりこれはごみの有料化ということになってくるわけでありますが、そちらの方がきくのではないか、あるいは本命ではないかというふうに私は考えております。  いずれにしても、要するに自治体が分別収集をさらにやる、そして再商品化については事業者がその義務を負う、費用負担も進んで負担するということが環境基本計画においても国民的合意というか、閣議で決定されてそういうことになっているわけで、それをともかくまず出発点としてこの問題に取り組む。つまり、この現在の法案の形でまずとにかくそれに取り組むということが必要ではないか。  ちなみに、例えば再商品化を事業者に義務づけるというのは、結局つくった物については、つくった物がどういうものかというのを一番よく知っているのはそれをつくった事業者なわけですね。ですから、その事業者にそれの再商品化、再資源化を考えさせる、やらせるというのが一番これは適当なわけです。何もわからない消費者とか自治体にどうしろこうしろ言っても、これは無理なわけであります。  そういう点で、再商品化等について関係事業者に義務づけ、費用負担を求めるというのは妥当性があると私は思いますけれども、分別収集についてまで事業者に拡大するのはいかがかというのが経団連の考え方でございます。  以上です。

山本幸三新進党

○山本(幸)委員 大変ありがとうございました。  私も全く同じ考えでありまして、本来ならばこのごみ収集の部分は、一般会計でごっちゃにするのではなくて、特別会計なりあるいは別途経理なりをして、きちんとどれだけかかるのか、プラスになる部分と、あるいは先ほど永田先生が御指摘になった節約される部分と、そういうことがはっきりわかるようにすることが大事ではないかなと思っています。  実は私どもは、最初はそういう中身まで踏み込んだ対案を提示したいと思って準備もしておりました。ただ、そこまでいきますと、地方自治法の体系、会計処理までかかってくるものですから、この一カ月ぐらいの間にはできなかった。  私はアメリカのビジネススクールで勉強したことがありますが、アメリカでは公共事業体の会計学というのがちゃんとあるのですね。そして、きちっとした民間企業の会計処理と並ぶぐらいに、公共事業体あるいは公益団体、公社、公団の会計処理はこうあるべきだというのがちゃんと学問的に確立されて、そういうものがきちっとしている。だから、いろいろなことが透明になってわかる。ところが、日本の場合は残念ながらないのですね。これは非常におくれている部分だと思いますので、私は将来的にはやらなければいけないことだろうと思います。そういうことによってはっきり出てくるのが本来の筋ですね。これはまあ間に合わなかった。将来の課題ですね。しかし、少なくとも、この分別収集を新しくやるということによって市町村のコストがどうなるのかということだけは示してもらいたい。  おっしゃったように、事業者の負担は大変だという気持ちはもちろんわかります。あるいは、事業者から取らないで、完全にその分は有料化して、市民から取る方がいいのかもしれない。ドイツはそうですね。そういうふうに有料化して取っていた。それで、事業者の、DSDをつくった、コストを内部化した全体のコストが、自分たちが有料化で取られるコストよりは、そっちの方に転嫁されてきても全体としてのコストは低いから、あの面倒くさいシステムをドイツ国民は選択したわけですね。だから、日本の場合も、すぐ事業者にいかなくても、本来ならば消費者から取るような有料制というのがその部分は筋だという議論も、当然あり得ると私は思うのですね。これは長期的な検討課題としてぜひとも考えなければいけない。  そうしなければ、ごみを減らそうというインセンティブは、どうせ出したって税金でみんなやってくれるんだからいいやという考えにどうしてもなりがちになると私は思うのです。教育で一生懸命やるということも当然必要です。しかし、社会全体のシステムとしては、その一貫したコスト意識というものを貫徹していくようにしなければ、なかなか私どもの共通のねらいが実現しないのではないか。  将来的にはそういう負担のことは考えるにしても、頑張っている市町村はどこだ、そうじゃない市町村はどこだ、なぜそこでコストが安いのかということが評価できるように示してもらう必要だけは最低限あると私は思います。そのことがなければ、先ほどから何度も申し上げているように、これは全体のコストが安くなるかどうかということは言えないし、検証のしょうがない。したがって、そこだけはぜひともこの法案では修正してもらわなければいかぬというふうに思っております。  それから、そのコストに関係して、私はちょっとこういうふうに思っているのですが、政府の法案を提出したときに参考資料として、事業者の負担が約一千五十何億ですか、かかる、その費用の負担の部分の大宗はプラスチックの処理のところにかかるという数字が出ています。私はこの数字を見て、大変失礼だが、通産省や厚生省の方々は経済学がわかってないのじゃないかと思いました。なぜなら、こんなことが起こり得るはずがない。なぜ起こらないか。  経済学のミクロの基本的な原理は、限界費用均等の法則ですよ。それぞれの商品について限界費用が等しくなるところで均衡が達成される、そうでなければ安いところがどんどん動く、そして均等になったところでバランスがとれる。これは、私は、大学で学んだ経済学のミクロ理論の基本的な原理だと思って、そのことであらゆる問題をミクロの問題は考えております。  その理論から考えると、プラスチックの処理で、これはプラスチックの油化装置とか何かをつくった後にしか起こってこない話として想定されていますが、それだけコストが上がるのだったらだれがプラスチックを使うのですか、事業者で。使う人なんかいない。一単位当たりのコスト、七倍も八倍もほかのものよりかけてするような者がどうして使うのですか。そんな社会が実現するとしたら、これは経済理論は全くあり得ない世界だ。恐らくコスト以外の強制的な力が働いていなければ、そんなことは起こり得ない。したがって、この試算は経済理論的に考えて実におかしい。  そういう世界になったら、再処理コストがプラスチックに強烈にかかるという世界になったら、プラスチックなんか消えてしまいますよ、どうし てもできないところを除いて。どうしてもできないところは、幾らコスト、金を払ってもいいという人がいるときにしかできない。そういうプラスチックのところで大半のリサイクルコストがかかるというなら、恐らく全部容器はほかのところにいくと私は思いますけれども、その点、永田先生、いかがですか。

永田勝也早稲田大学理工学部教授

○永田参考人 いわゆるプラスチック系の廃棄物というものの処理処分、日本ばかりではなく、海外でも苦慮しているところでございます。こうした問題の背景には、プラスチックの効用といいますか、これが非常に安定的であり、また加工性にもすぐれているというような、あるいは使う側から見ましても非常に使い勝手がいいというような、そうした視点があったわけでございまして、この効用に見合うだけの処理処分費といいますか、この負担というものは効用との間の関係で考えていかなければいけないのかなという気がいたしております。  そうした視点から、今回のような法案がどういう影響を及ぼしてくるかというのは、これは非常に興味を持って見られるところだとは思いますが、現実にドイツでも、かなりプラスチック系のものは処理費用が高い状況があるかと思います。それによりましてどういう動きが生じたか。二年の間に全体として百万トンぐらい包装廃棄物が減ったというような実績もあるようでございます。そうした中の内訳等を調べながら今後の予想を見ていきたいとは思いますが、日本でも、そうした包装廃棄物全量としての減量化、その中での素材転換といいますか、素材の内訳の変更というのが起こってくるのではないかなというふうにはある程度予想しております。

山本幸三新進党

○山本(幸)委員 おっしゃるとおり、まさに効用、つまり限界効用と限界費用が一緒になって、それが各製品で均等化してバランスがとれる、そういうふうに社会は進むと思うのですね。ところが、このプラスチックの場合は、現状は確かに効用が高い、しかし、処理コストはかかってないのですね。これはもうただ。全都市町村が税金でやってくれる。ところが、そういうところでバランスがとれている状況から、これから油化施設、どこがつくるのか知りませんが、莫大な投資をやるでしょう、油化施設をつくるのに。政府がやるのかもしれない。それを念頭に置いているのかもしれない。物すごい、相当な投資をせざるを得ない。投資をした結果、リサイクルできるようになった。そして、リサイクルできるようになって、そのリサイクルのコストが強烈にかかる。それが事業者にばんと上乗せされる。そのときに事業者は、限界効用に比べてその限界コストの負担を、格段に上がったコストについてそれを選択するか、私はしないと思いますね。  つまり、ここは二重に損失が出てくる、経済学的に考えると。油化施設をつくるということについて莫大な投資をせざるを得ない、その投資コスト。投資した後に、リサイクルがそれによってできるようになりました。油化施設を持ってくれば、リサイクルできるようになりましたから、リサイクルをしなさいといって話が進む。そのリサイクルの費用は事業者が負担しろという形になる。それが九百三十四億ですか。そういう状況になったときに、事業者はそんなことは選択しない、そんなコストを負担するぐらいだったら。強烈に限界効用が高い何かがあれば別ですよ。そうじゃなければ、瓶や缶や紙パックに移行できるのであれば、当然そちらに移る。そうすると、油化施設はできたけれどもだれも使わないという状況が起きてくる。私は、経済的に考えるとそういうふうにいくんではないかと思います。  そのところはこれだけにして、次にちょっと進みたいと思いますが、今回の法案のもう一つの問題は、これは小豆畑さんが御指摘になりましたけれども、いわゆる市町村が分別収集したものと再資源化、再商品化するもののミスマッチングが起こる可能性が出てくる。つまり、市町村は一生懸命分別収集した、市民の協力も得て一生懸命やりましょうということで、今まさに多くの市町村でそういうふうに頑張っていますね。ところが、市町村で分別収集するという実績あるいはそういう意欲とは別に、この法律では、その前に国の基本方針が出て、それに基づいて再商品化計画というのができる。恐らく、それは現状で再商品化が可能なものということで、事業者の動向を聞いて決めてくるでしょう。市町村はそれを受けた形で分別収集計画をつくらなきゃならぬという形になっている。  私は、そのことは、本来市町村が一生懸命頑張ろうとしていた、分別収集をやろうとする市町村の独自の努力に再商品化計画というのはマッチングするようになかなかならないと思う。つまり、市町村は頑張って集めて分別収集したけれども、再商品化計画で持っていってくれるものは限られている。かなりの部分が、分別収集はしたけれどもまた焼却場に行かなきゃいけないという現状が出てくるんではないかと懸念します。したがって、できれば市町村の分別収集計画、このことをむしろ再商品化計画は反映するようにすべきだ。そういう再商品化計画をつくっていかなければ、市町村の努力も反映されないし、大きなミスマッチングが起きてくる、そういうふうに思いますけれども、小豆畑さん、いかがでしょうか。

小豆畑孝東京都清掃局長

○小豆畑参考人 市町村の立場に立ちますと、御指摘のようにさまざまな心配があります。例えば、現在持っている市町村のごみの選別能力とどううまくかみ合うのか、あるいは分別収集したものをどの程度の頻度で回収していただけるのか、あるいは分別収集した中身がどのレベルのものでなければならないのか。例えば瓶で申し上げますと、白い瓶、緑の瓶あるいは茶色の瓶と区分した場合に、どの程度の混入率ならば許容されるのかされないのか、そういう細かい点についてさまざまな問題点を持っていることは確かであります。  しかし、同時にまた、特に東京を中心としている大都市の立場に立ちますと、問題点は含みながらも、最終処分地の逼迫、清掃工場の建設の困難性を考えますと、正直申し上げまして、私ども、あと一年数カ月で最終処分地が満杯になってしまう。仮に新しい処理技術ができ、新海面処分場ができ、あるいはこの法律ができということが期待されない限り、都民生活はもちろん、東京都の都市機能にも重大な支障が生ずる。したがって、問題点は幾つかありながらも、ぜひこの際、この法律を日の目を見させていただきたいと心から考えております。私どもは毎日毎日が勝負でありまして、地方公共団体の立場から希望もあり、夢もあります、望みもあります。しかし、一日たりともごみ処理をないがしろにするわけにはいかない。しかも、最終処分地が逼迫している。  それで私どもは、ことしの秋ごろ都議会にお願いをして事業系ごみの有料化に踏み切りたい、その実施は早ければ来年の四月からというふうに考えておりますが、その際必然的に、ごみを有料化しますと、各事業者は経済的な負担を少なくするために、分別してごみを出すことになります。段ボールは段ボール、瓶は瓶、新聞紙は新聞紙というふうに出していただけることになると思います。これは、実験の結果でもそのようになっております。そのことを考えますと、私どもは、この法律のいかんにかかわらず、今のような三つのごみに分けた収集は早晩改めなければいけない、さらに細かな分別をしなければいけない。それで、事業系ごみの有料化が都民の理解が得られるならば、次のステップとして家庭系ごみの有料化も考えたいと思っています。なおのこと東京における分別収集は進むと思います。東京が進めば、口幅ったい言い方で恐縮でありますが、これは短い時間に全国に波及すると思っております。  そのことを考えますと、私は東京の清掃行政を預かる立場からいたしますと、今度の法律案は、俗な言葉で言えば渡りに船であります。そういう意味で、重ねて申し上げますが、法案の進展を期待しております。

山本幸三新進党

○山本(幸)委員 本当にお気持ちはよくわかります。ただ、東京の処理場が一年数カ月で逼迫して しまうということになれば、これはこの法案は救いようにもならないですね。この法案の施行は二年後ですから、それ以降でしか働いてこない。したがって、東京都の問題というのはこの法案の成立いかんにかかわらずやらなきゃいけない話ですね、おっしゃったように。  そうすると、じゃそれをどうするかと私お伺いしようと思ったら、もう答えていただいたんですが、もうまさにコストをかけるしかない、そして排出量を減らすしかないんですね。だから、有料化を進めるということしかない方向に行くんだろうと思います。まさに、おっしゃったようにそういう形でコストを上げる。ごみを出せばコストがかかる、したがって、コストを上げることによってごみを減らすというシステムでしか減らないと思うのです。  ただ、東京都は本当にそういう逼迫した問題であって、そのとおりだろうと思うのですが、ちょっと皮肉な言い方を全体として言いますと、この法案を提出するときの理由として、最終処分場が逼迫している、全国であと七・八年しかない、首都圏では四・何年ですか、こういうことをしきりにおっしゃっておられる。大体、二十年前から五年から十年くらいしかないと言っていたようでありますが、これはまた経済学的に考えるとちょっとおかしい。つまりコストの観念がない。できないというのは、東京都みたいに物理的にできないということになったらこれは問題ですが、要するに、反対とか、あるいはそういうような処分場をつくったときにその地域に負担金を払わなければいけないとかいうコストが相当上がる。したがって、その負担に耐えられないからもうこれしかできませんということだろうと思うのですね。しかし、コストをかければ、私はこれは何年でも延びると思いますよ、全体として考えれば。  問題は、そのコストをだれが負担するかということになってくる。今の日本のこういう全体のごみ処理のシステムでは、単位を市町村、あるいは東京都では各区ごとでそういう処分をやるということになっている。実はそこが大きな問題なんですね。  世田谷区なら世田谷区で処分場をつくって何かやらなければいけないというので、世田谷区の中で処分場をつくる。トラックも走り回る。その隣の区だったら、それに大いに反対する。各田舎の市町村に行けば、その市町村で何とかしなければいけないから困っている。私は、ここのところは、そのこと全体をもう一度政府として考え直して、もっとごみの処分場なり焼却場なりがより広域化したことができるというようにシステムを変えることの方が先決じゃないか。そのことが東京都の問題だって解決するようになるし、そういうふうに大きく処理した方が、またごみ発電とかという有効利用にもつながるのですね。  私はアメリカの例を聞いていますが、アメリカのある会社、民間企業でアメリカの各市町村と契約をして、そしてアメリカ全土からごみを深夜のうちに汽車で集めて、今までアメリカの鉄道会社はっぶれかかっていたのだけれども、そのごみの会社のおかげで生き返った。夜中にごみを全国各地から運んでしまう。だれもわからない。においもしない。そして、そこでいろいろな分別をし、発電をし、そして出てくるものを再商品化して、それを売って完全にペイしている。そういうことができている。  むしろ日本も、ごみ処理の問題というのは、そういう各地方公共団体一つ一つの責任をというようなこと自体を考え直す。そういうことをやって、この処分場、同じような数字をいつもいつも言うのじゃなくて、やることも一つの手ではないかなと思います。しかし、だからといって、ごみ処分場をたくさんつくればいいというふうに言っているわけじゃありません。もちろん、こういうシステムを持っていかなければいけないということで、同じ問題意識を持っているわけです。  そこで、どうも市町村のやろうとしている、努力していることと再商品化計画というものがうまくかみ合うのか、整合性がとれていくのかというところは、依然として疑問が残ります。私は、もちろん無理なことはできないけれども、当然市町村の最大限の努力は尊重するように再商品化計画というのを考えていかなければ、事業者との間でこれしかできませんということで、先にそこから始まるようでは、これは社会全体のシステムとしてはおかしいという気がいたします。     〔委員長退席、鳩山(由)委員長代理着席〕  そこで、次にお伺いしますが、じゃ、この制度は現在いろいろなところで成果を上げているリターナブルについて一体どういう影響を与えるのだろうかということを、ちょっと参考の意見をお伺いさせていただきたいと思います。  これまでリターナブル、瓶の回収というのを事業者並びに市民の皆さん方の努力である程度行われてまいりました。これはまさに実に希有な努力でありまして、経済的なインセンティブというのはそれほどあるように思えない。デポジット制度ということを導入してやれば、それは市民に対してありますが、しかし、事業者にとってはかなりの負担を覚悟でやってきた。私は、そのことを非常に高く評価し、本来こういうものがより助長されるものをシステムとして確立することが一番いいことではないかなと思うのですね。  それじゃ、この法案ができて、もうリサイクルというのは社会全体の責任として、市民も責任を分担し、市町村も責任を分担し、事業者も責任を分担するということになります。今までは、リターナブルをやっている事業者は、ある意味でいうと、ほかの事業者に対して我々はそういう努力をしているよというプライドというか、社会的な評価を受けるということで努力してやっていったのだろうと思いますね。ところが、これからは容器保存については事業者全部がやるのだ、おれたちだってリサイクルはちゃんとやっているよということになってくる。そうなったときに、リターナブルは一体どうなるか。このリターナブルを優先するとまでは言わなくても、少なくともほかのリサイクルをしているというものと同程度の価値がある、そういうふうにしなければ、リターナブルはこれからは全体のリサイクルをやるというこのシステムの中に埋没してしまうのじゃないかという心配があります。  つまり、リターナブルの場合というのは、中身の価格と容器の価格、流通費用、回収費用、洗浄費用、これを全部事業者が負担しているのですね。つまり、これは全部事業者が負担して成り立っているシステムです、リターナブルは。それが既にある。そのときは、これは事業者が本当に希有な、なぜそこまでの負担をするのかといえば、まさに社会的評価が高い、それだけの市民からの賛美も得られるという動機でやっているのでしょう。ところが、これからはみんながリサイクルに入ってくる。そういう評価が、リターナブルをやっているからあなたは偉いと言えるようになるか。いや、おれだってやっている、同じだというようになってきた場合に、それでもリターナブルをなおやりましょうという気になるかどうか。これは、私たちはこういうシステムを考えるときによく考えておかなければいけない。  リターナブルはさっき申し上げたような全部の費用を事業者が負担するわけですが、ワンウエーは、中身の価格と容器の価格と流通費用、これだけを事業者が負担する。あとは市町村がやってくれるから、ただということである。したがって、やはりワンウエー容器というのがどんどんふえてきた。これは事業者が負担するコスト差があるからですね。  ところで、じゃ今回の法案でどうなったかというと、そのリターナブル容器において事業者が負担していたものについて、ワンウエーの方もそれと同程度に費用負担がなるかというと、そうならない。確かに再商品化費用というところはプラスである。しかし、分別収集費用のところはやはり依然として抜けている。こうなると、全体としてリサイクル社会ということで、本来リターナブルが求めていた理想を社会のシステムとして導入し たのだけれども、しかし、その分別収集費用というところは市町村が税金で負担するということによって、事業者から見ればやはりワンウエーには補助金が出ているという形になる。事業者はそういう場合でもリターナブルを本当に第一の優先順位として選んでいくのだろうかという心配があるのですけれども、この点について、松田先生と内田先生にちょっと御意見をお伺いさせていただきます。

松田美夜子ごみ減量システム研究家

○松田参考人 私は現場主義です。それから、政治というのも現場主義でないと、理想を追い続けていると足元が動かないということを先生方よく御存じだと思います。  私がつくづく感じますのは、戦後五十年間の政策の中に国民に対して廃棄物に対する教育が全くなかったので、五十歳の年代の方たちも、まだごみというのは邪魔者とか汚いものとか思っている方が多いです。私自身が十六年前この問題にかかわるまで、私でさえ、ごみを燃やしたら灰が出ることさえ知りませんでした。そういう環境ですから、今私もいろいろなことを勉強しておりますけれども、パーフェクトなものというのがなかなかなかったら、動かせるところから動きながら、周りから、環境教育や環境学習というところで二本立てで攻めていかなければ、先ほど申しましたようにこの法律というのは育っていかない。  私はむしろ、今産みの苦しみを味わっているのですけれども、私自身が運動家なものですから、川口というところの先ほどお示ししました実績、この実績がもし日本全体となってくれば、自治体というのは公共サービスという面をとても大事にしておりますので、コストだけで割り切れない部分というのがあると思います。コストだけに行き過ぎるとぎすぎすしてくる部分を自治体が補完してこの世の中をつくってくれているし、私たちの生活を保障してくれているわけですから、今までコストをかけ過ぎてきたこの清掃のシステムの中の一部のものは、先ほど小豆畑さんがおっしゃったように、清掃工場が小さくなったり、プラスチックだってこれから油化の方にいけば、そうしたら焼却炉のダイオキシン対策は要らないというところでお金が浮くという、バランスの中の仕組みづくりしか仕方がないと思います。  ですから、リターナブル瓶も、ずっと日本じゅうを歩いておりますと、自治体の環境問題の勉強会に出席した人が初めて、ああそうだったんだな、私はあすからビールは瓶で飲みますという方たちがたくさんふえてきているのです。この法律は二年後のスタートですから、もう今から私たちはこの法律を考え方の中では意識の中に入れていくわけで、先ほど先生の方が二年たつまでに間に合わないと言いましたけれども、私たちは今現場で一生懸命に、瓶に戻すという暮らし、瓶の方が環境にいいんだということを言い続けています。これがデータで出てくるのはもう少し時間がかかるかもしれませんが、先生方もきょうからはどうぞビールは瓶で飲んでいただきたい、そしてこの政策を応援してください。  理屈は頭のいい方たちはだれでも考えるのですが、現場にいますと、やはり法律の枠があるかないかによって物すごく違います。それは先ほどの廃棄物処理法が、あの法律もかなり専門家の方からは御批判をいただいた法律だったのですけれども、私は歩き出せば変わると思っておりましたら、全国の市町村が物すごく分別をきちっとしてくれるようになりました。ここで見てきて、ああ余ったなと思ったので、余っているところの引き取りの保証さえしていただければ、そこで知恵は出てくると思います。五十年間のツケを私たちは生活の中でこれからみんなで反省しなければいけないので、そういう方向で行きたいと思います。  ですから、とにかくこの法律だけは通していただきたい。先生、ぜひお願いいたします。

内田公三経済団体連合会専務理事

○内田参考人 お答えします。  ただいまの先生の御質問は、この法律ができることによって、今まで善意というか、社会的使命感に燃えて非常に進んで取り組んでいる人がかえってはかを見るというか、そういうようなことについてどう考えるかというような御趣旨に私はまず理解いたしました。  まず、今回のこの法律ができるかできないかにかかわらず、あるいは現在既にある再資源化法ですか、これができる前から、産業界では再資源化をやらなくてはいけないということで取り組んできておるわけであります。経団連でも、関係の委員会の場で定期的に——関係の業界、紙パルプなんというのは非常に進んでいるわけですけれども、その他いろいろな業界の担当者を集めて、再資源化の度合いがどれだけ進んでいるかというようなこと、それから関連した業界の間でいろいろ連絡をとり合うと、案外A業界の廃棄物はB業界にとっては有用資源だなんということもあるわけです。そういう総合的な取り組みということが経団連の場で可能になるというようなことで、そういう自主的な努力というものを産業界は既に、決して十分だとは申しませんが、やってきているわけであります。法律ができて、何か規制されないとやらないということでは必ずしもないということを申し上げたいわけでございます。  したがって、このリターナブルにせよ何にせよ、これまで既に積極的に取り組んでいるところは、この法律ができたからどうということはなく、引き続きあるいはさらに一層、ごみの減量化なり再資源化なり循環型経済の確立に取り組むべきであるし、取り組むだろうというふうに私は信じておるわけでございます。  それからまた、非常に冷静に考えてみましても、今度の法律ができますと、今までそれほど熱心にやっていなかったところも、容器利用業者あるいはその他の関係の業者は、再資源化の義務を負わされることになります。そうすると、今まで負担していなかったコストというか、そういうものを負担することになります。そうすると、その点だけを見れば、今まで非常に善意で自主的に取り組んでいた業者と必ずしもそうでなかった業者との相対的な競争関係はどうなるかというと、今まで余り熱心でなかった人もある程度強制されてコストを負担しなくてはいけなくなるという点で、善意でやっていた業者にとってその競争関係はむしろ幾分か有利になるということも考えられるわけでございますので、この法律ができたからよくやっている者がどうこうということはまずないというふうに私は考えております。  以上です。     〔鳩山(由)委員長代理退席、委員長着席〕

山本幸三新進党

○山本(幸)委員 ぜひそういうふうになってもらいたいと思いますが、先ほど申し上げたように、まさに善意とか教育の効果とかいうのは大変大事だと私は思いますけれども、物事を考えるときに、一つの基準にしているのは、経済原則が人間の行動を原則として規定するという前提で議論をしているものですから、そういうことで考えるとそうなるのかなという危惧は依然として残る。  例えばリターナブルで、リターナブルをやっている人が得をすることがあるとすれば、こういうときですね。つまり、リターナブルで八割、これは政省令で決まる基準ですから、役所のさじかげん一つですが、そのさじかげんもまだはっきり示されていない。この法案の最大の問題はまたそこでもあるのですが、本当の実態のところは全部政省令に移されていて、何もわからないままに我々は議論しているというところが相当ある。推測するに、例えば八割以上リターナブルしていればその業者はリサイクル義務を満たしたというようにしましょうという場合には、一〇〇からその八割以上の、十何%かの部分についてはメリットとして出るでしょうね、リターナブル業者は。  問題は、リターナブルをやっている、しかしその率が十分にいかない、政省令で決まる、例えば八割で決めるとしますと、八割までいかない、七七、八%までしかいかなかった事業者はどうなるか。この人は、リターナブルということでもともとコストを負っていますよ。それから、当然その人はリサイクル、再商品化義務が生じますから、プラスしてそのコストが上乗せになる。上乗せに なるというのは正確ではない、本当は一〇〇なのだけれども。そういう人がリターナブルを選択するか、私はしないと思う。そんなことならリターナブルをやめて、もうみんなと一緒の再商品化コストの部分だけやればいいでしょう。  リターナブルというのは、その費用、金銭的な費用のほかにいろいろな手間もかかっている。洗ったりあるいは輸送したりということもかかるというようなことになれば、そっちの方が楽だ。私は、経済原則にのっとるとそういう選択をするのではないかという危惧が非常にあるのですね。だから、そこのところはぜひ皆さんよく考えていただきたいというふうに思います。この点は、この法案の一つの大きなはっきりしていない、むしろ効果はよりマイナスに働くというおそれのある部分だと思います。  それから、松田先生おっしゃったように、私も何もこういうものをつくることに反対しているわけではないのですよ。やらなければいけないと思っているのです。しかし、法律や制度というのは、一たんできますと今度なかなか変えにくい。そして、一たんできたことによって物事が動き出す。そうしたら、ほかの考えを入れるというのはなかなか難しいのですね。だから、つくるときには十分によりよいものにしておきたいし、将来よりよいものになるような最低限の足がかりだけはきちっとしておきたい、これが我々の願いなのですね。それが、先ほど申し上げたように、コストを透明にきちっと出してもらいたいというところも入っているわけです。  そこで次に、この法案の大きな問題として指定法人というのがあります。このことについて私はちょっとお伺いしたいと思います。  当初私は、私どもの対案をつくっているときに考えていたことは、ドイツやフランスの方式を念頭に置いていましたから、事業者がコストを負担する場合に、その事業者のコストの分担あるいはその処理のやり方についてどこかで考えなければいけない、そういう場合には何らかの第三者機関というものが要るのかなという考えがありました。  しかし、今回の法案を見てみますと、指定法人というのは一体何をやるところかというと、実体は何もない。そういう業者の分担義務とかそういうことをチェックし、計算してやるところでもないのですね。それは国がやるのです。国がそういう権利義務に関係するところは全部やってしまう。指定法人は何をやるかというと、この法案の指定法人の意味するところ、私どもは指定法人を取っ払ってしまえと思っていますから、それで克明に調べた。一条一条調べて、どこに指定法人のポイントがあるか、指定法人のエッセンスというのは一つしかない。それは、事業者が指定法人と委託契約を結んだときには、その事業者は再商品化義務を果たしたものとみなす、このみなし規定なんです。ここだけです。あとは、指定法人のエッセンスはほとんどない、何もない。何もないにもかかわらず、いろいろなことを決めている。役員に守秘義務まで課して、全部ベールに包んでしまおうという意図さえ見える。  そうすると、何をやるかというと、この指定法人は、要するに事業者とそれからリサイクル業者の間に入ってさやを抜くだけだ、まあ悪い言い方をすれば。本来、事業者がリサイクル業者と契約してやれば済む話を、間に一つの何らかの機関を置いて、その機関は特段変わったことを何もするわけでもない。単に事業者との間で委託契約をして、それに基づいてリサイクル業者を選定してやりましょうということをやる。さや抜き機関としか私には思えない。  そうすると、何が起こるかというと、また経済学的に言うと、じゃそういう第三者さや抜き機関が成立し、存続していくためには、ほかの選択がなされないようにならないとなかなか難しい。というのは、当然さや抜き機関だから、その指定法人の運営コストというのがかかりますよ。つまり、事業者とリサイクル業者が直接契約するよりもプラスの経費がかかるはずです、経済学的に考えると。そうでなければおかしい、やっていけない。じゃ、リサイクル業者と事業者が直接やる場合よりもプラスのコストがかかるようなシステムが動き出すためには、事業者がリサイクル業者と直接事業をやるところがうまく働かないということがない限りそのシステムは動かない。  そこで、よく見ていくと、この法律の建前は、選択できると書いてある。建前が書いてあります。そう書いてあります。そうでしょう。問題は、さっき言ったリターナブルのように、自主回収をやってもよろしいですよ、そのときはもうそれで義務を免除したことに見ましょうという規定で、それでいい。しかし、それは、先ほど申し上げたように、その部分がどんどん大きくなるかどうかということは、システムとしてでき上がってないから疑問がある。  そうすると、もう一つは、事業者がリサイクル業者と直接委託してやってもいい、あるいはみずから再商品化するということをやってもいいという規定が当然あります。その事業者が直接リサイクル業者とやってもいいという規定と並行する形で、指定法人を通じてやるということが選択になっている。先ほど申し上げたように、指定法人というさや抜き機関が生き残るためには、コスト面で最低限対抗できるか、あるいは一方の方に何らかの困難さが伴ったときにしか動かない。この事業者が直接リサイクル業者とやる場合には、主務大臣の認定というのが必要になる。事業者がこの業者とやりますよということについて、この業者はいいですかということについての認定を主務大臣がすることになっている。  その場合に、経済学的に考えれば、一方のシステムが動くためには、ここのところですぐに認定してしまったらこんなものは動かない、私から言わせれば。あるいは、何らかの客観的な基準があって、例えば資格試験か何かあって、宅建の試験があって、試験に合格している人はもう自動的にオーケーですよというようなことでフリーに決められるということならいいけれども、そうではない、主務官庁の裁定が働くようなシステムにしている限り、そこのところで何らかの困難性が伴わなければこっちは動かない。認定が非常に厳しいか、あるいは申請する事務が極めて複雑で過度の負担になるか、そういうことがなければ指定法人のところは動かない。  それで、指定法人というのは何をやるかというと、単に契約の間に入っているだけですよ。そのほかに事業者の市町村との間の権利義務がどうのこうのとかいうようなことを決めるわけでも何でもない。ただ間に入って、そこを通しさえすればやったものとみなしてあげますよということによってインセンティブを持たせようとしている、その働きだ。私は、この点は非常に大きな問題を抱えていると思わざるを得ない。  いや、それは中小企業なんかは大変じゃないか、そこを指定法人がやるんだという議論ももちろんあります。しかし、中小企業に適用されるのは、二年後に施行されてそれからまた三年後、当初は大きな事業者からしか動かない。そういう大きな事業者にとっては直接やること、それだけで十分ではないか。そして、将来そういう中小企業者が入ってくることになったときにどうするかということは、私は、こんな指定法人なんというものはつくる必要は全然ない。必要だったら民法に基づいた法人をつくればいいし、あるいは商工会議所がその役をやればいいし、あるいはそういう業者が自分たちの団体を使えばいい。そういうことに比べて、考えられるデメリットが非常に大きいのではないか。その規模にしても、運営やいろいろなことが全く不明確なままに指定法人というのが突然出てきておる。  役所は言います。いや、この指定法人がいろいろなリサイクル業者を並べてみて、そこで競争が起こるからコスト削減の努力は行われますと言いますが、そんなことなら指定法人なんか要らない。事業者が直接やればよろしい。それについて多くのリサイクル業者が競争するでしょう。しかし、指定法人が入ることによって、さっき申し上 げたように、指定法人の制度が動くようにするためには、一方の方は事実上難しいということでないと動かない。そうなってくると、指定法人の方が動き出して、結局リサイクル業者は指定法人の顔色をうかがわなければ何もできないということが将来出てくる。これは行革や透明性が求められている時代にふさわしいとは私は到底思えない。  そこで、この点について、永田先生のお考えと、事業者、直接関係するであろう内田先生のお考えをちょっと聞かせていただきたいと思います。

永田勝也早稲田大学理工学部教授

○永田参考人 指定法人につきましては、お説のとおり、必要最低限のできるだけスリム化した組織が望ましい。こういう社会便益を考えてみれば、新しく導入するのはそうしたシステムになるべきだろうという議論は当然かと思います。  ただ、これがなくてもいいのかという話になってまいりますと、処理といいますか、再商品化のところで今回も三つほど自由度を持たせてあるわけでありまして、そのうち、先ほど議論のありましたリターナブル瓶に関連するような自主回収をちょっと除いて考えてみますと、指定法人ともう一つある独自ルートということになろうかと思います。  先ほどもちょっと議論ございました中小企業等の問題もあるかと思いますし、また、大企業であっても、その地域地域にかなりこうしたリサイクルの分野というのは企業として存在し、また全国展開しているようなところでも、その地域の特性を生かしたリサイクルというのが考えられるのかな。もっと大規模にして一カ所に工場をつくってリサイクルするなんという話になってきますと、これは、その過程の中での輸送の問題というのがまた大きく浮かび上がってまいりまして、そのコストは大変ばかにならないものになるだろうということ。  そうした点を考えてみますと、一つの会社が再商品化をお願いするような企業といいますか、再生を実施する事業者というのはかなりの数になるのかなというふうに思っておりまして、これをまた一々やっていますと事務管理の費用がかかるということで、結局、先ほど先生の言われたような社会コストとして最低の条件におさまってこないというようなこともあろうかと思います。そうした点を代行し、非常に情報も多く持っているということで、指定機関というのが有効に機能するというふうに私は理解しております。  それから一方で、先ほども申しましたように、リサイクルといいましてもこれは処理の仕方がさまざまでございますし、また、不適切な処理をやりますと、将来に禍根を残すことになります。環境コストという言い方で申しましたが、これは、現時点の環境コストだけじゃなくて、あることをやりまして、それが不適切な処理だと将来にわたっての環境コストが莫大なものになるということになろうかと思います。  この将来の視点というのは、常に頭に入れておかないとこれからの環境問題というのは対処できないかなというふうに理解しておりまして、そうした点を含めて、適正な処理が実施できる業者、またそうしたことが起こらないように常に監視していただく、あるいは立入検査を実施するとか、そうした手続あるいは実行も必要になってくるかなと思います。指定機関がそうした役割を担っていっていただけるものというふうに期待しております。

内田公三経済団体連合会専務理事

○内田参考人 私の考えを述べます。  先生の指定法人をめぐるお話を伺っていますと、何か本当にちょっと心配になってくるような大変鋭い御指摘だったと思うのですが、それであるからこそ、実は冒頭の陳述のときに、七番目の希望としまして、事業者がどういう方法で回収、処理を行うか、つまり、自主回収を行うのか、指定法人を通じて義務を履行するのか、独自のルートを開発するかについては事業者の自主的な判断に任せるようにしていただきたい、こういうことを申し上げたわけでございます。  しかし、これは、今ここでこういう希望を口頭で申し上げたからといって、実際に法律ができて運用された場合に果たして一体どうなるのかというのは予断を許さないわけでありまして、先生の御指摘のようなことにならないように、この指定法人の運営を本当にこの趣旨に即したものになるようにする必要があるというふうに痛感した次第でございます。  しかし、何といっても、この法律が成立しますと、対象企業は聞くところによると約十九万社という見積もりだそうでございまして、十九万の企業が個別に処理事業者を探して処理を委託するというのはちょっと非現実的かなという気がいたします。したがって、やはりこういうお世話する組織が、一つか二つか知りませんが何かできて、それがこの法律の運用が効率的に行われるように機能するということができれば大変いいかなと考えておるわけでございます。  以上です。

山本幸三新進党

○山本(幸)委員 指定法人の問題というのは、私はかなり大きいものだと思っております。先ほど申し上げたように、余分のコストがかかる、あるいは指定法人の御機嫌を伺わなければリサイクル業者というのは今後生きていけない、そういうことになってくる可能性がある。その意味で、私は通産省がどうしてこういうシステムを容認したのかよくわからない、厚生省はよくわかりませんが。  というのは、これから新しい産業分野をつくるというときには、まさにこの静脈産業というのは一つの大きな分野なのです。そこではいろいろな創意工夫がなされるようにさせてあげなければいけない。そういう活動分野をより自由で広く与えることが私はこの静脈産業をいろいろな意味で育てていくことになると思うのです。そのためには、こういう指定法人などができて、そこで指定法人の意向を伺う、その土俵のもとでしか事業展開ができないというようなことにするよりは、そんなもの取っ払ってしまって、実態は変わらないのでしょう。私が先ほど申し上げたように、もう調べた。一条一条調べた、一言一句。指定法人は実体的な意味はない、さような機関でしかない。そうであれば、そんなものは入れないで、自由に事業者がリサイクル業者とやり合う。  中小企業の問題は確かにございます。しかしそれは、そのために商工会議所もあるし、中小企業の団体もあるわけでしょう。しかも、そういう機関をつくって多大なコストをかけるよりは、そういう情報機関なりを経団連が努力してやっていただければ一番いい。そして、事業者は自由に事業活動ができるようにすることの方が、長い目で見て私は創意工夫をする情報産業が大いに育っていくというように思います。その意味で、今後この点についてはぜひ政府案も考え直してもらわなくてはいけないと私は思っております。  最後にお伺いしますが、実はこの法案では、中小企業のところに特別の便宜が図られております。一つは、小規模事業者は七千万以下の売り上げについては、この七千万というのは変わり得る可能性がありますが、そもそもこの法律の対象になっていない。特定事業者の定義のところから既に外れている。まず、小規模事業者はそもそも法律の対象じゃないよという形にしてしまった。そして附則で、中小企業基本法に言う中小企業者については、平成十二年三月三十一日までは猶予しますということにしております。私はこの猶予はある程度しょうがないかと思っておりますが、一つの疑問は、そもそも法の対象から外すというようなことは、特殊な、たとえ小さいからといっていいのだろうかという疑問があります。  この点は、この法案が出された後、新聞の論調でも指摘をされています。実態は変えなくてもいいですよ、すぐにはそんなことをやれといっても無理かもしれない。しかし将来、ごみの問題というのは、いや、小規模事業者の出すごみの方が大変だよというような話になってくるかもしれない。あるいは、世論が盛り上がって、そういう負担も当然考えるべきだというような話になるかも しれない。ということであれば、当分の間それは外したとしても、法の対象自体にはしておいてもいいのではないか。当分の間というのは永遠になる可能性もあります。戦後つくった法律、当分の間というのは、いまだに当分の間続いている法律はたくさんあるわけですから。しかし、原理原則としては対象にすべきではないかなという気もするのですが、この点について最後に内田先生と永田先生にお伺いして、終わりたいと思います。

内田公三経済団体連合会専務理事

○内田参考人 先生のお話の御趣旨は大変よくわかります。本来それは、規模の大小を問わずあらゆる事業者が対象とされるべきところだと思いますが、やはり現実論として、百万を超えるという小企業、零細企業から委託料を徴収するというようなこと、その徴収コストを考えると、かえって徴収コストの方が高くなってしまうというようなことになるのじゃないか。つまり、全体として、トータルとしてミニマムの再資源コストにするというこの趣旨からいってもどうだろうかというふうに考えるわけであります。  しかし、小規模事業者も排出者としては適正な分別排出の努力はもちろんあるわけですから、そういう形でこのスキームに協力すべきことは当然だと思います。  以上です。

永田勝也早稲田大学理工学部教授

○永田参考人 廃棄物問題、先ほどからもなされておりますように、社会を構成しております各主体がみんなで努力しなければ片づきませんという問題であるというふうに理解しておるわけでございます。そうした意味から、小さな企業であっても、そうした中で応分の努力はしていく必要があろうかと思います。  そういう考えと、一方に、私、大分長い間、大気汚染の問題で規制に関係するようなところで委員会に参加させていただいたことがございます。そのときに、基本的に、例えば大気汚染物質の排出量、日本全体のうちで八〇%捕捉できますと、一つには、大部分規制対象に入り、また低減効果も十分あらわれてくるなということになるわけでございます。今回お話を聞いておりますと、今考えられておる範囲内で、八七%ですか、それぐらいの範囲内の捕捉率になっているということ、これは、今までの私の経験からしますと、随分高い値にはなっているなというふうに認識しております。  また一方で、中小企業の方もそうした組織の中に自分で積極的に参加したいと思えば利用できるということも言われておりますので、総体としまして、国民各層がより一層の努力をしなければならないという意識の中で積極的な活動を、今回直接的に法律の中で盛り込まれない部門でも担当していかなくてはいけないだろうというふうに理解しております。

山本幸三新進党

○山本(幸)委員 どうもありがとうございました。途中で大変失礼な言葉遣いがあったかもしれませんが、本意ではございませんので、ぜひお許しいただきたいと思います。  本当にありがとうございました。

白川勝彦自由民主党・自由連合

○白川委員長 次に、吉井英勝君。

吉井英勝日本共産党

○吉井委員 新しい法案をつくる上で、参考人の皆さんから御陳述をいただき、質疑をするということは、法案の審議の上で大変大事な意味を持っていると思います。  私はきょう、持ち時間は一分間ということであります。そこで、三つの質問を固めて、少し早口で申し上げたいと思いますが、ぜひ参考人の皆さんにはよろしくお願いいたします。  第一の質問ですが、厚生省の廃棄物減量化・再利用専門委員会の委員でもありました松田、小豆畑両参考人に伺います。  昨年十月の報告書で、「特に廃棄物の減量化を効果的に進めるためには、製品の開発から再生利用に至る各過程において、排出抑制・再生利用を促す仕組みを整備する」ことが大事だということと、さらに、製品アセスメントの問題などについても盛り込まれておりました。ここには、ドイツ方式の理念、つまり一つは、環境汚染についての汚染者負担の原則、製造者等事業者に汚染回避の責務を課すというこの理念というものが、十分ではないにしても、好意的に読めば入っていたというふうに思うわけです。今度の法案では、廃棄物の発生抑制の視点が欠落をして、分別収集と再商品化促進、ここになってしまっておりますが、法案作成にかかわってこられた両氏の御意見なり御感想を伺いたいというのが第一の質問です。  それから二つ目に、フランス式の問題として、これは松田、永田両参考人に伺っておきたいのですが、回収は自治体だが、費用負担についてはエコアンバラージュ社が自治体に直接支援を行う、また、包装材メーカーが自治体から買い取る際の素材の最低価格を保証する問題など、ここは製造者に汚染回避の義務を課すという考え方がやはり入っているというふうに思うわけであります。法律案では事業者の引き取り義務化とうたいながら、自治体負担が大きいという問題がありますが、これは、当初伝えられていた厚生、通産合意案では、自治体の必要な施設建設、整備などに支援措置を行うということがあって、それが最終的な政府案では削除ということになっている。こういう後退についての感想なり御意見なりがあれば、伺っておきたいと思うのです。  最後の三点目ですが、汚染者負担の原則という点で、きょうは時間がありませんから一例のみにとどめておきますが、リターナブルなガラス瓶がワンウエーのPETボトルにかわる。その場合、これは事実上、消費者には選択できない場合が多いというのが実態ですね。素材メーカーと製品事業者の側に廃棄物排出の責任があるというのは、やはりこの点では明らかだと思うのです。この真の汚染者に負担の原則が求められるということ、このことを明確にすることがこの廃棄物の減量化ということを考えるときのやはり出発点になるのではないかと私は思うのですが、この点いかがお考えかということと、このことを明確にしないならば、製品価格への安易な上乗せの問題やあるいはごみ収集手数料の徴収という安易なやり方につながっていくという問題があります。  この三点についての参考人の御意見を伺っておきたいということで、私の質問といたしたいと思います。

松田美夜子ごみ減量システム研究家

○松田参考人 三つ言われてしまったので、全部答えられるかどうかわからないのですけれども、最後ですので、私の考え方を述べます。  実践をしていく中で変えていくということを私は一番のスタンスにしています。ですから、頭で考えるといろいろな不安なことがあるのですけれども、動いているうちに動き出すということがあります。  今回の日本の法律というのは、ドイツやフランスのことを比較されますけれども、日本の時代背景の中で出てきた日本に一番ふさわしい方法であって、ドイツのシステムやフランスのシステムは参考になるけれども、日本のシステムをつくり出したという喜びを私は思います。  それから、ドイツの場合はうまく機能していますが、フランスの場合は十年の間にというすごいスパンの中で、私現場に行きますと、これは世界の中で言われているほど普及しないだろうという感覚を持っております。やはり日本の方が早くなって、この日本方式が国際方式になるかもしれないと思います。  それからあと、きょうのお話の中で、事業者の方たちの気持ちをよく分析した話がありました。これは商工委員会の性格だと思いますが、一人一人は国民なんです。国民というのは、これから環境型の循環社会をつくっていきたいと願う国民です。そうすると、国民だから実践をしなければいけないのです。  つくづく反省しますと、私は今までそういうことは余り考えてこなかったお母さんだった。こういうお母さんが日本にいっぱいいます。そうすると、まず消費者が反省をしなければいけない。消費者というのは、国民一人一人が、あすから、これは環境にいいか、これは環境に悪いかということを考える消費行動をする。そのときに、代行機関の問題もそうですが、ああいう機関があると駆 け込み寺みたいに相談に行ける。三千三百の市町村が本当に困ったときにどこに行きますかといったときに、そこがバックボーンで、ちゃんと公的認可を受けてあるということがとても大事です。それは、第三者機関はドイツもフランスもありますし、代行機関というのは頼りになるところだと私は思います。  私は、もう十年前からいいお母さんをやってきたのですけれども、あすからも、いい女性たち、環境に優しい、そういういいごみ仲間というのに男性にも女性にもなっていただきながら、日本のこの法律をこれからもっと育てていきたいと思います。先生方の御支援をよろしくお願いいたします。

小豆畑孝東京都清掃局長

○小豆畑参考人 二点お尋ねをいただきました。  まず一点ですが、発生抑制についての御指摘はそのとおりだと思います。ただ、立法技術的に一体どういうことが現時点で可能なのかということを考えますと、理念の域にとどまるのかな、国レベルではそうなのかなと理解をしております。  ただ、私どもの方では既に製品アセスメントのガイドラインを発表して、御自分のところでおつくりになった製品は一体、廃棄物になったときに再利用できるそういう材料をお使いになっていらっしゃるのかどうなのか、あるいはまた、最終的なごみになったときにそれがまた再利用できるものなのかということを各企業にお示しをしていますので、いずれそれは国のレベルでもお取り上げいただける問題だろうと考えております。  二点目でございますが、確かにいろいろワンウエーの問題ございますが、私どもは、リターナブルがやはり基本だ。例えばビール瓶で申し上げますと、十年前に八〇%瓶であったものが、今や四割になっております。どんどんワンウエーの缶がふえてきております。そういう風潮を一体国民が、都民が、市民がどう判断するのか。したがって、行政や政治にだけ責任があるのではなくて、これは市民生活そのものを、今の生き方自身を本当に根底から考え直さないと日本が、東京がどうなるかという問題でありますので、これは最終的に市民の選択に属する問題だと私は思っております。  現実問題として、お酒については五百ミリリットルの普及が進んでおりますし、あるいはまた、生活協同組合を中心にいたしまして、しょうゆだとか酢の瓶の統一、リターナブル化の運動が進んでおります。そういう国民の、都民の動きと合わせて、国の法律もまたしかるべき時期に見直される時期があろうかと考えております。

白川勝彦自由民主党・自由連合

○白川委員長 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。  参考人各位におかれましては、お忙しい中を長時間にわたり御出席を賜り、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。  この際、申し上げます。  厚生委員会、農林水産委員会、環境委員会との連合審査会は、明三十一日水曜日午後一時に開会いたしますので、御承知おき願います。  なお、次回は、来る六月一日木曜日午前九時三十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時四十分散会

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