商工委員会 第4号
- 発言数
- 88 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1995/02/21
会議録
○白川委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、特定事業者の事業革新の円滑化に関する臨時措置法案、中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法案並びに小規模企業共済法及び中小企業事業団法の一部を改正する法律案の各案を議題といたします。 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 本日、参考人として中小企業事業団理事長島田春樹君の出席を求め、意見を聴取することといたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○白川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決まりました。
○白川委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山田英介君。
○山田(英)委員 最初に、いわゆる事業革新円滑化法案につきましてお尋ねをしたいと思います。 十七条関係でありますが、「大学等との連携協力の円滑化等」、そこで、「文部大臣及び通商産業大臣は、特定事業者の事業革新の円滑化を図るため必要があると認めるときは、特定事業者と大学等との連携及び協力が円滑になされるよう努めるものとする。」こうございます。 去る今月七日の大臣所信に対する質疑でも私は冒頭申し上げましたけれども、産業空洞化を回避するためにはいろいろな視点がある、いろいろな対策を講じなければならない。その幾つもあるなすべき対応の中の一つに、やはり既存産業の高度化あるいは競争力の強化という観点がある。それに対応する法案として、この事業革新円滑化法案、こういう形で出てまいりました。また、転廃業率が非常に高い中、新しい可能性を秘めた技術のシーズを持ったそういう企業をどうやって育てていくか、支援していくか。これは、中小企業創造法案、促進法案、これで対応しようという形で法案が提出されました。ベンチャー育成もこの中に明確に位置づけられておる。 そこで、我が国の空洞化を避けるために、技術力のより一層の向上、言いかえれば、競争力を強化しなければならないというふうに考えましたときに、私は、産学官、この協調あるいは共同研究、こういう分野、方向性というものは極めて重要であると認識をいたしております。したがいまして、事業革新円滑化法案で大学との連携等という形で出てきたということは、所管の皆様も意欲的に進めていこうというその決意のほどがうかがわれるわけでありまして、非常に歓迎をしております。 そこで、法案ではこのような表現で書かれておりますが、大学と産業、大学と通産省、この辺の協力関係、これは具体的にどういうイメージになってくるのか、そこのところをお話しいただきたいと思います。
○牧野政府委員 事業革新を行う場合に、今御指摘がございましたように、技術開発あるいは研究開発が非常に大事でございます。ただ、既存の企業がこれを行う場合には、やはりいろいろ従来とは違ったこともやらざるを得ないということもありますので、大学あるいは研究所等と協力をいたしまして、それをスムーズに行うということが非常に大事でございます。そういう趣旨から、今委員御指摘のように、本法十七条において特に大学との協力関係の規定を盛り込んだわけでございます。 そこで、具体的なイメージでございますが、私どもの調査によりますと、特にこの事業革新を行おうとしております企業で、例えばエレクトロニクスでありますとかバイオテクノロジーというものについて、ぜひ研究所あるいは大学との協調、協力が欲しいという声が非常に強うございます。具体的にはそういうものをイメージしているわけですが、その内容といたしましては、例えばどういう格好で協力を開始するか、あるいはその成果をどう扱うか、どう分配するといいますか、どう扱うか。あるいは大学、研究所、これは特に国立あるいは公立の場合、出向等をしていただくわけですが、その間の公的な研究員等の資格がどうなるのか、あるいは戻ったときの処遇がどうなるかといったようなことについて、できるだけその協力事業をスムーズに行うようにいたしたいということで文部省とも十分に話し合っていきたい、こういう趣旨でございます。
○山田(英)委員 ぜひ意欲的に進めていただきたいと思います。 つい数日前、新聞によっては一面トップで報道されておりましたが、四年ぶりに中教審が再開される、そこで、文部省にあってはその検討項目の一つにマルチメディア教育も取り上げていく、こんなことが出ておりました。 この技術革新とか技術力を向上させるということを考えましたときに、今産政局長御答弁でございますが、やはり今後の一層の目的達成へ向けての対応としては、いわゆる大学の理工学部の学生の数が年々減少しています。これは大変なことです。産業界を担う、特にまた技術というものの担い手、これが年々低下をしておる。今五万人台、六万人前後、これがさらにこの五年、十年の間に数が減ってくる。それから、ソフトウエアクライシスで先般も話をちょっとさせてもらいましたけれども、理工学部の学生の数が大学、大学院ともに減っていく。これに対するやはり文部省との協議あるいは文部省の規制緩和、学生数とか教授数の枠とか、この辺は極めて重要です。 それから、質の面もあるのですね。これは私も、通産省が大学の理工学部の研究施設等について新社会資本整備の一環として積極的に支援をしてきたという御努力というものはよく存じ上げております。したがいまして今後ともに、結局は、大学を出た、そして理工学部、大学院を出た、じゃ最終的にどうなのかといえば、いかに社会の発展のために役に立つのかという話になるわけですから、極めて重要な話だと思っております。 その質の面ですけれども、これは、例えば基礎技術、基礎科学、それから応用技術、応用科学、大きく分けて二つあるのだろうと思います。要するに、この基礎研究の分野が今の状態のままでいいのかどうか。各企業がそれぞれ、基礎研究そして応用研究のそれぞれ研究所なりを抱える、景気が後退する、したがって、まず基礎研究のところがコスト削減の対象になってくる。それはすぐに企業の競争力に影響を与えるという分野では基本的にないわけですから、基礎科学というところは。そこが非常に不安定になってくる。そこをむしろもっと安定した資金というか、要するに、安定した基盤の上で基礎科学なり基礎技術の研究というものはつくっていくべきではないのか。 各企業が抱える、例えば研究所とかそういうものと大学の理工学部との交流とか、口で言うのは簡単ですけれども、なかなか大変な問題もあろうかと思いますが、そこまでやはり踏み込んでいくというぐらいの気迫でやりませんと、なかなかここの隘路というものは開けない、開くことができない、こんなふうにも考えておりますので、大臣また産業政策局長、その辺もぜひまた、なお引き続き積極果敢な政策の御推進に当たっていただきたい、かように御要望申し上げます。 産業空洞化が強く懸念されるようになった背景は何かと言えば、それは円高です。大蔵省、おいでいただいていると思いますが、九三年一、二月から始まったこのいわば超円高、この背景、原因についてお尋ねをいたします。
○藤本説明員 お答え申し上げます。 為替相場につきましては、さまざまな要因を総合しました市場の需給によって決まるものでございまして、為替相場の動きの原因につきまして、これを明確に特定するということはなかなか困難ではございます。 しかし、九三年以降の円高の進展の背景には、日米両国におきます経常収支の不均衡の問題、そして世界各国の経済、金利動向等を背景といたしましたさまざまな要因が反映しているものと考えられております。また、最近の世界的な為替相場につきましては、今後の米国経済の動向及びインフレ圧力の落ちつきに関する見通し、そしてメキシコの通貨危機に関するさまざまな思惑、欧州におきます各国通貨の動向、我が国におきます経済動向等々、さまざまな要素が指摘されているところでございます。
○山田(英)委員 そういう分析、御説明では納得できません。経済企画庁長官に同じ御質問をいたします。
○高村国務大臣 納得できないと言われたので答えにくいのですが、大体大蔵省と同じ見解であります。 九三年については、やはり我が国の経常収支黒字の拡大を背景に、思惑的な取引もあって、夏場にかけてまさに急速な円高が進んだ、こういうふうに理解をしております。九四年については、基本的にはドル安といいますか、アメリカのドルが欧州通貨を含めて他国の通貨に対して安くなる、その反射光として我が国の円高が進んだ、こういうふうに理解をしております。それで、最近の円高は、まさに十二月のメキシコ通貨危機、そのことによるマルク高・ドル安、それにつられて日本の円高も進んだ、こういうふうに理解をしております。
○山田(英)委員 恐縮ですが、お手元に四枚ほどペーパーを差し上げてございます。資料一、この図表につきましては、平成六年度の年次経済報告に掲載されたものでございます。 高村長官、この「均衡為替レートの推移」の中で、均衡為替レート、貿易財の購買力平価に基づく円ドルレートと現実の為替レート、これの七〇年代から八〇年代、そして九三年まで分析をされております。私も、最低五回以上は読ませていただきました。極めて明快な分析がずっとなされております。 なぜ均衡レートから現実のレートが近づいたり乖離したり、そしてまた近づいたりしているのかという点につきましては実によく分析をされておりますが、最後の九二年から九三年、このグラフでいきますと九二年でクロスしているんです、現実の為替レートと均衡為替レートが逆の動きをしている。ですから、なぜ逆の動きをしているのかとずっと読んでいきますと、そこは物すごく期待を持たせるんですね、年次報告では。ところが、何かそこで思考がとまっちゃったみたいに、この九二年、九三年のいわゆる逆の動きというところについて全く分析されず、そして記載されていない。ここのところはちょっと厳しいんじゃないですかと率直に私は申し上げたいと思います。まさに、なぜ九二年から九三年にかけてこのグラフによる均衡レートと現実のレートが逆の動きをしたのかというこの分析がもうちょっとはっきりと、そしてまた明確に記述できる範囲で記述をすべきであるというふうに思います。 先ほど大蔵省の答弁、経企庁長官の答弁、半分はそのとおりなんです。私もそう思います。日本の膨大な経常黒字あるいは貿易黒字、そしてそれが累積をしておるということ、これが九三年以降の大きな円高の非常に主要な原因の一つであると、私もそう認識をいたしております。ただ、もう一つあるんじゃないんでしょうか、もう一つそれに匹敵するぐらい大きな原因というものが。ですから、経常黒字の存在、これは今御答弁でなさっておられますから、最低限それは書くべきです、この逆の動きはこういうことだ、まず。 もう一つは、どうなんですか、結局バブルがはじけたんですよね。バブルがはじけて、いわゆる日本の機関投資家がドルを買えなくなったわけですよ、ドルを買えなくなった。国内では信用創造ではなくて信用収縮なわけです、銀行がリスクをとれなくなる。それから、海外においては生保とかあるいは簡保とか、当然邦銀も含めて、それまで八〇年代の特に後半から八九年、九〇年にかけて、日本勢が要するに米国債あるいはドル建ての資産というものを貿易黒字、経常黒字を上回る勢いで買っていたわけです。八九年からバブル崩壊の兆しが見えできます。九三年三月末までにBIS規制が発効します、我が国にも適用されますという状況の中でドルの安定的な買い手がマーケットから消えるわけです、国際マーケットから。 要するに、そこのところも明確に書くべきです、それは。明確にそれは年次経済報告、後ほど通産大臣にもお伺いいたしますけれども、貿易白書にも明確にそこは分析すべきですね、分析をして書くべきなんですね、それは。大蔵省の先ほどの答弁はそういう答弁ですけれども、別のところでいろいろ突っ込んで聞きますと大蔵も認めているわけです。邦銀も、日本の機関投資家がドルを買わなくなった、それはもう一つの重要な、今回の九三年以降の超円高の背景、原因というものであると。長官、どうでしょうか。もう一つのポイントです。
○高村国務大臣 先生がおっしゃったような要因も当然一部にあると考えておりますが、さらに詳しくは政府委員より答弁させます。
○山田(英)委員 結構です、政府委員の答弁は。 それで、私が申し上げたいのは、ちょっと限られた時間なものですから、いろいろやりたかったんですが、済みませんが、先に申し上げます。二つの観点があるんです。 一つは、例えば高村長官のところでは、いわゆる企業の採算レートは百十七円というのは昨年の一月発表しているんですね、百十七円。それを突破して円高が進行すれば企業は赤字になります、採算とれませんというラインを、経企庁が百十七円と出しているんです。一言だけ。ことしの一月はまた何か出しているんですか、採算レート。いや、出してなければいいんです。大体百十七円でしょう、そんなに変わるわけないんですから。
○大来政府委員 最近時においては、その百十七円以降そういった数字を作成しておりません。
○山田(英)委員 いいんです。百十七円なんです、均衡レートは。そうすると九十七円台ですね。九十七円まで来ている。それをわかりやすく言うと、百二十円にしましょう、採算レートを。それでこの直近の平均を百円としましょう。そうすると二十円の差がありますね。ドル二十円。例えば対米貿易黒字六百億ドル、百二十円採算レート、仮定してですよ。そうすると七兆二千億円なんですよ。それが百円になりますと、六百億ドルの百円ですから六兆円です。一兆二千億吹っ飛ぶわけですよ。これは大変なことですよ。輸出企業、かかわる企業にとっては、これは悲鳴ですね。七兆二千億円が六兆円になっちゃうわけですから。二十円採算レートを割り込むというのはそういう意味です、一兆二千億円手取りがなくなっちゃうということです。 ですから、極めて権威のある政府の刊行物、しかも年次経済報告ですよ。我が国の金融からすべての経済全般について分析をして対外的に公表する。みんな見ているんですよ、それを一生懸命。何でこうなっているんだ、何でこんなに。プラザ合意以降の百円、百二十円、円が高くなったというのと違うんです。これも大変だったけれども、バブルではという側面もありましたけれども、内需が拡大してましたから、それは何とかクリアできた。ところが、ぎりぎり百二十円ぐらいまで来て、そこから二十円。そこから二十数円というのは、額からしたら百二十円と二十円の差かもしれませんが、もうぎりぎりのところなんですね、これは。 だから、みんな読むんですよ、年次経済報告で政府はどう分析をされているのか。何も、何もと言ったら語弊があります。何もとは言いません。ただ、経営者の皆さんは言いますよ。何も知りたいことにこたえてくれてない。貿易白書、もうちょっと、九三年以降の円高についての背景はもっと踏み込んで分析しようとしてますよ。読み比べてみればわかりますよ。行間ににじみ出てますよ、それは。ただ、大蔵、経企庁、通産省、こういう政府間で調整しなければならないからトーンが抑えられちゃう、表現が。ですから、通常の円高・ドル安、通常のドル高・円安のそういう一般的な分析にしかならない。日本の経営者は悲鳴を上げている、どうなっているんだ、この急激な円高は。これが一つあるんです。 もう一つは、私は、これは橋本大臣との今度やりとりになりますけれども、やっぱり通商政策の戦略あるいは大方針というものが必要なんじゃないのか。 私は、そういう意味では橋本大臣も、ベンツェン財務長官ですか、よくお話しなさっておられることも伺っておりますけれども、例えばどういうふうに大臣おっしゃっておられるのですか。もしアメリカが、クリントン政権の対日通商戦略として内需拡大を求める、市場拡大を求めると同時に円高もその戦略の中に入っているとしたらどうですか、これは。その中身が、いい悪いというのはこの際こっちへ置いておきますけれども、いい悪いは別として、アメリカのクリントン政権には対日通商政策についての強固な意志をそこに感じてならない、私は。位置づけが国家戦略ですから。こちらはただ単に、ただ単にと言うのもまた語弊がありますけれども、受け身ではだめですよね。 大変恐縮に存じますが、米財務長官などと我が橋本通産大臣がお会いになったときに、例えばこの円高という問題についてどんなふうにお話をしていただいているのでしょうか。
○橋本国務大臣 クリントン政権が誕生いたしまして、議会でまだ各ポストの承認が得られておりませんでした一昨年の正月、フランクフルトでG7カウンシルという会合が開かれました。その時点で、アメリカ側の参加者の中から、私は大変そのときショックを受けたのでありますけれども、民主党政権と共和党政権の違いが何だか知っているかという問いかけを受けまして、要するに、共和党政権に比して民主党政権は自国の通貨の価値に余り重きを置かないと思えという助言を受けました。むしろ、共和党政権の場合にはドルの価値を必要以上に維持しようとする動きが出る、民主党政権はその道さ。その話を聞きましたときに、実は、私はそんなばかなという受けとめをいたしました。しかし、その後の状況を見ておりまして、あるいはその観測が正しかったのかなという思いを持ったことも事実です。 ですから、昨年、ナポリ・サミットの折、また九月にワシントンに参りました折、ベンツェン財務長官初めアメリカ側の方々に私がよく議論をいたしましたのは、円高が対日武器となると思っていればそれは間違いだと。先ほど委員もお触れになりましたけれども、日本の投資家はかって随分米国債に対して投資をしてきている、しかし、昨年の九月の時点の私の言い分です、七月から九月の時点の言い分です。円高のつもりでいるかもしれないけれども、むしろドル安じゃないのかね、ドルはヨーロッパ通貨に対しても弱含んでいるよ、それを放置しておいた場合、日本の投資家たちは当然のことながら米国債を手放すよ、その場合には、逆にアメリカは自国通貨の価値を維持するために利上げの必要性が生まれるだろう、しかし、それはアメリカ経済にプラスかね、そんな議論を随分いたしました。 私が言いたかったことは、為替をおもちゃにするのはやめろ、そして、為替を武器にする、それはもろ刃の剣であって、我々も傷つくかもしれないが、アメリカ自身も傷つくそ、素直に言えばそういう議論をしてきたということであります。
○山田(英)委員 要するに、その御努力は私は歩といたします。 ただ、もう一つ通産大臣に頭のどこか片隅に入れておいていただきたいなと思います点は、そうなってくると、今度は、今おっしゃいましたアメリカ経済運営の、アメリカ政権のやはりそこに意志があるわけですよね、戦略あるいは大方針というものが。例えばそれは、九八年までにクリントン政権は巨額の財政赤字を三千二百五十億ドル削減するという議会の承認を受けた法案を通しているわけです。そうすると、九八年までそれは有効なクリントン政権の強力なまた一つの大方針です。 失礼な言い方になるかもしれませんけれども、橋本通産大臣からベンツェン財務長官にもろ刃の剣だよと、米国にとって決してプラス面だけではないんだよというふうに言われたとしても、向こうは巨額の財政赤字を削減するという大方針のもとで、公定歩合を初めとする低金利政策というものは長期化をさせるというもともと戦略を持っているわけですから、クリントン政権は。 月例経済報告なんか、日銀や大蔵から伺っていますけれども、アメリカにインフレ懸念はない。非常に気にされていますね。仮にインフレが危険水域に来たということになれば、当然、大臣おっしゃるように金利を上げなければなりません。いつまでもドル安を放置しておいたらインフレになりますよ、だから金利を上げなければならないでしょう、おたくの経済傷つきますよ、こういう理屈なんですが、それはそれで、クリントン政権のやはり国内経済の基本的な運営の大方針というのがある。 そして、いわばポスト冷戦といいますか、ソ連邦が崩壊する、日米安保条約と日米経済関係というものはブッシュ政権の時代からこれは変わってくる。経済は経済だ、対等な日本とアメリカ、安全保障上の日本の役割というものをそんたくをして、米国の経済上の利益というものを抑制してきたブッシュ政権と違うのだというところですよね。そこまでの話になってくるわけです、いずれにしてもこの話は。 それから、資料の四でつけておきましたけれども、これもちょっと受けとめておいていただきたいのです。実質実効為替レート、これは米財務省の国際金融レポートからいただいたものなのですが、これは確かにマルクに比べてドルは安いです、円に比べてドルは安いです。ただしかし、この一五二というポイント、指数が示すものは、これは円の独歩高です。ドルの全面安ではないのですよ、ドイツ・マルクと比べても。そういうところもあるものですから申し上げておるのですけれども、いずれにしてもその両方があります。 例えば、商工委員会における橋本通産大臣の答弁、高村経企庁長官の答弁、国会における大蔵大臣や大蔵省の官僚の方々の答弁、これは議事録で公表されているわけですから、それはアメリカ大使館を通じてかどうかわかりませんけれども、そんなのはもう全部チェックされているわけですよ。どういうふうにこの円高をとらえているのか、どういうふうに議論されているのか。こういう御認識で議論されているのですか、されていないのですか。それが政府の刊行物にも明確な分析とともに、国民に対してそれが開かれていない、周知されていない。これはきついんですよ、その政権に、日本の政府に力があるかどうかという話になるわけですから。 それは、国民の理解とか国民の共感とか国民の支持を取りつける形で通商外交というのをやっていかないとかなうわけないんですよ、これは。向こうは国一丸になってやっているわけですから。それが必ずしもいいとは言いませんよ。ただ、失礼ですけれども、サンドバッグみたいに打たれっ放してはだめだという話を僕はしているわけです。 そのためには卑近な、卑近なと思われますけれども、大蔵、経企庁、通産が本当にもっと腹を据えて九三年以降のこの超円高の背景と原因について分析して、白書にきちっと書く。そうしなかったら一層足元を見られますよ。例えば方ないな、この政権に求心力ないじゃないかとアメリカが分析したらどうなります、またかさにかかってきますよ。 大臣、済みません、御無礼な言い方があったらおわびしますけれども、ぜひ私が申し上げたいことは、貿易白書、それから高村長官のところでは年次経済報告、この超円高の分析、背景について、次回からはもうちょっと親切なそういう記述をお願いを申し上げたいと思います。 両大臣の御答弁を伺いまして、質問を終わります。
○橋本国務大臣 確かに、今委員が配付をしてくださいましたその資料の限りにおいて、私は委員の御論議を否定はいたしません。ただ、九三年一月でこの指標は切れております。そしてこれは、残念ながら我々は野党でありました細川内閣の時代の数字でありまして、その後の状況が変化していることも御理解をいただきたいと思います。先ほど私が申し上げましたのは、昨年のナポリ及び九月時点のワシントンでの議論を申し上げました。 そして、補足をして一言つけ加えさせていただきますならば、その時点でグリーンスパンさんと政権内部との間に明らかな議論の違いもありました。一般論と断りながら、グリーンスパンさんは、ドルが一般的にもっと強いことを期待するという発言をされ、むしろその点では実は大分差異があるということを私は感じました。そして、その後の論戦を闘わせてきたことも御承知のとおりであります。 そしてまた、私は、ここ数日の急激な為替の変動は今非常に心配をいたしております。しかしこれは、どちらかというならば、欧州におけるマルクのひとり立ちといいましょうか、他のヨーロッパ通貨に比して非常にマルクの動きがきつい、これにむしろつられたという感じが私にはありますけれども、むしろファンダメンタルズを反映したものではないこの動きというものが景気回復に悪影響になりはしないかと心配をしておりまして、通貨当局により一層の努力を求めたい気持ちでいっぱいであります。 なお、白書に対する御注意は我々としても真剣に検討させていただきたい、そのように思っております。
○高村国務大臣 先生からお示しになった表は九三年までしか出ていないわけでありますが、私も先ほど答弁したのは、九三年夏までの急激な円高は日本の経常収支の黒字をバックにしたものである、こういうことを申しました。むしろドル安であると言ったのは九四年以降の話でありますので、御理解をいただきたいと思います。 それから、先生が御指摘になったような分析につきましては、「平成六年経済の回顧と課題」、昨年十二月ごろ経済企画庁で発表したものでございます。十分とは言えませんが、先生が言った趣旨に触れさせていただいているつもりでございますが、今後ともそういった点に注意して検討させていただきたいと思います。
○橋本国務大臣 大変申しわけありません。今、一点訂正させていただきます。 九三年一月、すなわち宮澤内閣のときから始まってきているその流れの中と、先ほど私は細川内閣と申し上げましたが、そこは訂正させていただきます。
○山田(英)委員 終わります。
○白川委員長 次に、森本晃司君。
○森本委員 非常に限られた時間でございますので、私の方もポイントを絞って御質問をさせていただきたいと思います。 その前に、委員長初め関係者の皆さんに、私の質問の時間を与えていただきましたことに感謝申し上げる次第でございます。 私としては、今回の阪神・淡路大震災に関連した中小企業対策についてお伺いをさせていただきたいと思います。 この災害の状況については、各委員もまた通産大臣も大変心を痛めていただいているかとは思いますが、十七日に災害が発生いたしまして、私も二十二日の日、秘書と二人で現場に入らせていただきました。そして、かつての神戸の町を私自身の足で歩いていろいろと見てみたわけでございます。そこには、よく訪れた神戸の町の商店街が跡形もなく崩れ去っているあるいは焼けただれてしまった。それから、神戸の地場産業でもありますし、また、私たちのまさに足元を固めているケミカルシューズを多くつくっている長田地区が見るも無残な状況になっておりました。 私は、そういった惨状を目の当たりにいたしまして、その場で痛感いたしましたことは、日本の経済の発展等々を考えても、この災害に遭われた中小企業の皆さんをどう国が最大の応援をし、また、そういった方々が一日も早く経済活動ができることは極めて大事だなということを痛感した次第でございます。 かつて商工委員会で中小企業問題を私のライフワークとして取り組んできた一人として非常に胸を痛める思いをしたわけでございますが、私はかねてから、その中小企業の体質強化を図るためには何といっても、いろいろな施策がありますが、中小企業事業団が都道府県とタイアップして行っている高度化事業を今日まで高く評価もしてまいりましたし、さらに推し進めていっていただきたいと思います。 今、いろいろな兵庫の自治体から、これは既に中小企業庁もその問題に取り組んでいただいているとは伺っておりますが、早く営業が復活できるように仮店舗あるいは仮工場などを早くつくって、そこに極めて安い、また無利子の融資をして、そして営業活動ができるようにすることが大事ではないか、それがまた、本格的な復興につながるではないかという声が寄せられております。私も全くそのように考えているところでございますが、中小企業庁として、こうした点を踏まえてどのような支援を講じようとされているのか、また今日までどのような支援を講じてこられたのか、大変恐縮でございます、時間がなくて申しわけございませんが、ポイントでの御答弁を願いたいと思います。
○中田(哲)政府委員 大震災で被災いたしました中小業者の事業再建のため、私どもも高度化事業を最大限に活用してまいりたいというふうに考えております。このため、従来から制度としてございます災害復旧高度化事業につきまして、これは貸付割合九割、無利子の制度でございますけれども、これにつきまして、据置期間の延長等の特例措置を既に講ずることとしたところでございます。 また、これとあわせまして、被災いたしました中小業者の操業の早期再開を支援するために、第三セクター等が設置いたします仮設工場、仮設店舗等につきまして賃貸方式でこれを実施するという制度を新しく設けたところでございます。補正予算が成立し次第、直ちに事業が実施できるように準備を進めているところでございまして、県、市におきましても用地選定等々の御準備をされているところでございます。 また、商店街の復旧や組合等の各種共同施設の設置あるいは修繕等につきましても高度化事業を御活用いただけるのではないかというふうに考えておるところでございまして、地元とも十分に連絡をとりながら事業の推進を図っていきたい、かように考えているところでございます。
○森本委員 ぜひ中小企業庁の全面的支援をお願いしたいと思います。 中小企業庁の支援にあわせて、実施部隊である中小企業事業団、私は、姫路の関西校を基地にしていろいろと事業団が早くその対策に当たっていただいているということを伺って大変心強く思っておるところでございます。 きょうは、大変に御多忙の中、急に理事長におみえいただきまして恐縮でございますが、これまで事業団がこの災害に対してどのように取り組んできたのか、また、今後どのように考えておられるのかをお伺いしたいと思います。
○島田参考人 お答え申し上げます。 中小企業事業団といたしましては、今回の阪神・淡路大震災の翌日に職員二名を現地に派遣いたしまして、被害状況を把握させると同時に、それをもとにいたしまして事業団内部に阪神・淡路大震災の対策本部をつくると同時に、片一方、今先生からお話がございました、姫路の近くにあります中小企業大学校の関西校に現地支援の本部を設けまして、後方支援に当たらせておるわけでございます。また、被災されました中小企業者の相談に当たるために、中小企業庁が神戸市に中小企業総合相談所を設置されたところでございますが、これにも事業団から小規模企業共済事業等の担当者を派遣いたしまして、被災されました中小企業に対する相談に当たっておるところでございます。 また、高度化の関連では、被災されました中小企業者の被災状況の把握のために、高度化事業の担当職員を現地に派遣いたしまして、中小企業庁と連携をとりながら、特に被害の大きかったケミカルシューズ、商店街等の調査に当たらせますとともに、また別途、高度化事業に対する復興対策を早期に実施するために、兵庫県、神戸市と打ち合わせを行っているところでございます。そのほかに、兵庫県の要請に応じまして、高度化事業の診断、指導の専門家を派遣したところでございます。 事業団といたしましては、これまで現地の実情の把握に努めるとともに、円滑な復興を支援するように努力してきたところでございますが、今後とも中小企業庁と緊密に連携をとりながら万全の体制で臨む所存でございます。
○森本委員 事業団がそうしていろいろと中小企業のために頑張っていただいているということでございますが、何といっても先ほど申し上げました高度化事業が極めて今効果的だと思うわけでありますが、この高度化事業は、同時に診断、指導と、そして融資とを組み合わせた制度であります。私は診断、指導を行う場合、地元の兵庫県なりあるいは神戸市などに余りたくさんの診断・指導員がいないと伺っております。私のもとで認識しておりますのは、兵庫県で十一名そして市で七名、合計十八名という状況でございます。これは災害のないときの状況でございまして、これだけでも手が足りないという状況でございますが、今回のような災害が起き、高度化事業を推進していこうと思えば多くの診断・指導員を兵庫に派遣する必要があるのではないか。 伺いますと、事業団には六十七名そういったノウハウを持っておられる職員の方がいらっしゃると伺っておりますが、効果的に発揮するためにも事業団はこういった方々を積極的に活用していただきまして、いち早く中小企業の復興に向けて支援すべきであると考えておりますが、理事長の御意見を伺いたいと思います。
○島田参考人 お答え申し上げます。 今先生御指摘のように、高度化事業は資金助成と診断、指導とを一体的に運用することによって中小企業の体質強化を図るという事業でございます。今御指摘になられましたように、兵庫県、神戸市は、今回のこの震災によりまして、恐らく短期間のうちに多数の高度化事業の実施ということが予想されるわけでございますが、そうなりますと、現在の地元の指導体制ということでは迅速に処理をするということはなかなか難しいというおそれも考えられるわけでございます。 今お話ございましたように、事業団は団内に多数の専門スタッフを擁しておりますほかに、必要に応じまして外部の専門スタッフも活用する体制をとっております。したがいまして、今回の事態に対応するためには、今申し上げました団内の専門スタッフそれから外部の専門スタッフ、そういった専門スタッフと組織を最大限に活用いたしまして、全面的な支援協力を行ってまいりたいと考えております。 先ほど申し上げましたように、現時点でも兵庫県の要請に応じまして、とりあえず専門家である職員を派遣しておるところでございますが、今後の情勢の推移に応じまして、さらに現地に長期にわたって常駐させるというようなことも含めまして、積極的に支援体制を強化することを検討してまいるつもりでございます。 いずれにいたしましても、今回の大震災は容易ならざる事態であると考えておりますので、罹災されました中小企業の円滑な復興を支援するために、中小企業庁とも緊密に連絡をとりながら、この事業団の目的であります中小企業の振興、経営の安定ということを果たすためにも全力を尽くして今後当たりたいというふうに考えておるわけでございます。 以上でございます。
○森本委員 そこで、私は本格的復興に向けて高度化制度を積極的に活用すべきであるということを申し上げておりますが、従来からも商工委員会で、私はこの中小企業施策についていろいろなことを御指摘申し上げました。その中でもよく主張させていただいたのは、要するに中小企業施策がいろいろあって、では果たしてそれを使おうと思うと、どれが適しているのか、どれがどうなのか、右のそでは通るけれども左のそでは通らないという形のものが余りにも多くある、もう少し中小企業施策を整理すべきではないだろうかということを主張してまいりました。 今度の高度化融資事業だけでも見てみますと、私の手元にそれに関する資料がございますが、その中でずっといろいろな制度ができております。しかし、それは一体何が、どこが、どう違うのだろうかということが余りわからない。例えばここに集団化事業がございますが、これは工場等集団化事業、その次に店舗等集団化事業、貨物自動車ターミナル集団化云々、倉庫集団化云々という事業がございます。これは助成の割合もあるいは金利も全部同じなんですが、いろいろ分かれている。これは何で分かれているかというと、四十二年にその法律ができたか四十三年にできたかくらいしか分かれ方がないのではないだろうかと思うほどであります。 そのほかに、情報化促進事業に際してもいろいろと分かれておりますが、一体何が中小企業の人たちが求めているものに適しているのかということはなかなかわかりにくくて、利用しにくい問題である、この際こういった問題を一本化していくあるいは統合化していくということで、中小企業の皆さんの利便性を考える方が大事ではないかと思いますが、中小企業庁の御見解をお伺いしたいと思います。
○安本政府委員 高度化融資制度を含みます中小企業施策につきましては、中小企業のさまざまなニーズ、これに対応いたしましてきめ細かく対応せざるを得ないという面がございますが、御指摘のとおり、反面、大変わかりにくいあるいは複雑だというふうな御批判があることも事実でございます。 一昨年六月に取りまとめられました中小企業政策審議会の基本施策検討小委員会の中間報告におきましても、施策の骨太化あるいは重点化、もっとわかりやすくすべきだというふうな提言がなされております。こういった提言を踏まえまして、今般御審議いただいております中小創造法におきましては、創業及び中小企業の研究開発あるいはその成果の利用あるいはその成果の利用に必要な需要の開拓まで総合的に支援する法案として立案いたしまして、内容的にもこれとかなり重なっているというか、包含しております技術法、融合化法を同時に廃止するというような骨太化を図っているわけでございます。 私どもといたしましては、こういった高度化融資制度を含めまして、今後とも施策をさらにわかりやすく、また骨太化をしてまいりたいというふうに考えております。
○森本委員 時間が参りまして、最後になりますが、これは通産大臣にお伺いしたいと思います。 大臣も中小企業問題については十分取り組んでいただいておりますが、言うまでもなく、我が国の産業の基盤は何といっても中小企業であります。中小企業庁や事業団は、今回の法律改正を踏まえまして、従来以上に中小企業の皆さんの声に耳を傾け、そして施策の効率的な実施に全力を挙げていただきたいと念願するところでございます。 また、行政改革の問題がいろいろと議論されているところでございます。特に特殊法人の問題が議論されているところでございますので、こういった立場にある事業団、さらに襟を正して全力で取り組んでいただきたいと思います。私は、必要なものは必要と存続させて、必要でないものは廃止させるべきだ、そのように考えているところでございますが、事業団においては、どうぞ中小企業のためにじっくりと腰を据えて取り組んでいっていただきたいとお願いをするとともに、中小企業政策というのは国民の生活にも直接開運する重要な政策でありますが、中小企業施策の中核的な推進機関としての役割を期待されていることを十分御認識いただきまして、今後もそれぞれの事業に当たっていただきたいと念願するところでございます。 中小企業対策を打ち出す立場におられます大臣、今回の阪神大震災をも踏まえまして、中小企業対策をいかように考えているか御答弁いただきまして、私の質問を終わりたいと思います。
○橋本国務大臣 先ほど御注意をいただきました、中小企業対策が詳細に走り過ぎてよくわからない、そしてもっと利用しやすいものにする努力をすべきであるという御指摘は、非常に大切な御意見としてちょうだいをいたしました。その上で、今特殊法人の改廃問題にも触れられ、中小企業についての考え方というお問いかけであります。 私どもは、今回の災害というものにつきまして、被災地のライフラインの早急な復旧とともに、中小企業を初めとする企業がどれだけ早く事業を再開できるか、そのためにも産業インフラの整備が重要であると考えておりまして、その早急な実現のために全力を尽くしてまいりたいと思いますし、そうした施策を進めてまいりますためにも、県、市と連携をしながら地元の産業界の御意見も十分承ってまいりたいと考えております。 それで、中小企業庁長官の方から具体的な施策につきましては既に御説明を申し上げておりますが、私どもとしては、全力を挙げて中小企業が早急な立ち直りができますような支援をしていく、そのためには資金調達の円滑化やきめ細かい経営の御相談まで十分に応じていきたいと考えております。 なお、特殊法人につきまして、通産省としての考え方は既に世に公表いたしておりますが、私どもは全特殊法人を対象として真剣にこの内容を検討いたしました。そして、中小企業に関連いたしますそれぞれの特殊法人もその役割を十分に果たしてもらうべく業務の点検を進めながら、これからも活躍をしてくれると私は信じております。
○森本委員 ありがとうございました。
○白川委員長 次に、吉井英勝君。
○吉井委員 私は、まず事業革新円滑化法案について、その基本的な問題から質問に入っていきたいと思うのです。 今回のこの法案というのは、自動車、家庭電器、鉄鋼、化学、繊維など、我が国製造業の約三割を対象業種と想定して、しかもその業種に属する世界有数の巨大企業をも軒並み特定事業者として、それら企業の行う事業革新計画を支援していこうとする、そういうところがあります。これは、これまでのさまざまな産業育成法とか支援法などに比べてみまして例を見ないというのが一つの特徴だと思うわけです。 これまで国の方から支援を受けて、今まさにこれら企業、産業が異常に強い国際競争力を生み出してきたということ、それから日本の貿易黒字が国際的に問題にされているというときに、こうした法案を制定することが果たして許されるのだろうか、これは果たして妥当なものであろうか。また、この新たな法律を制定して許認可をふやしていくということは、これまで大臣も言っておられた自由な経済活動への政府介入は好ましくない、こういう言動と照らしてみてもこれは矛盾するものではないかというふうに思うわけですが、まずこの点について簡潔にお答えをいただきたいと思います。
○橋本国務大臣 簡潔にと仰せられましたけれども、なかなか簡潔にお答えのできる内容ではないように思います。なぜなら、委員のお考えと我々が考えました土台には相当食い違いがあるように思うからであります。 今委員は、幾つかの業種を例示で挙げられ、そしてそうした業種に対しての支援に問題があるかのごときの御発言がありました。しかし、現実に日本の経済をお考えいただきますとき、いわば今日までリーディングカンパニーとしてあるいはリーディングインダストリーとして日本経済を引っ張ってきた主役が、時代ごとにかわりながら、そのときそのとき我が国経済を支えてきた事実は、委員も否定はされないと思うのであります。同時に、これらの産業に非常に多くのすそ野分野としての中小企業、零細企業が付随し、それが業種全体の趨勢の中で我が国経済を支えてきた側面というものも否定はされないであろうと思うのであります。そうしたことを考えますとき、我々は既存の産業が成熟してしまい、新たな分野に転換しようとする意欲が減衰していることに懸念を抱きます。また、設備投資が伸び悩んでおります状況、研究開発投資の伸び悩んでおります状況にも懸念を持っております。 そして、二十一世紀を間近に控えた我が国経済の中で、新たな分野に新たな業が起こることを期待し、それを支援すると同時に、いかにして既存産業が成熟してしまい停滞した状況の中から新たな分野でみずからを積極的に立ち直らせていくか、さらに業としての活動を続けてくれるか、こうした製造業の行く末には、我々は全力を挙げて支援をしたい気持ちの方がまさっております。この点では委員と問題の認識を大変大きく異にするようでありまして、大変残念に思います。
○吉井委員 新しい研究開発であるとか事業の展開であるとか、そういうことはそれぞれのところで当然なされるものであって、今一番問題になっているのは、自動車、家電などにおきまして、ここが従来から議論しております悪魔のサイクルと言われるようなそういうやり方を進めて、そして今産業空洞化に進んできている。 その中には、例えば第一条の「目的」のところで触れられておりますが、「この法律は、内外の経済的環境の多様かつ構造的な変化に対処して特定事業者が実施する事業革新を円滑化するための措置」というふうになっておりますが、この「内外の経済的環境の多様かつ構造的な変化に対処し」というのは、これは一ドル百円から大体九十八円だとか、そういう最近の円高、企業の海外進出、海外生産の拡大、それに伴う国内生産と雇用の減少、こういう空洞化の進んでいっている、これらの現象をやむを得ないものとしてそれを前提とした対策を講じるという、これがこの目的で掲げているところなんでしょうか。
○橋本国務大臣 前提としてと言われるのであれば、私どもは、通貨当局に対して今の為替の水準というものが日本経済のファンダメンタルズを反映したものになるような一層の御努力を願いたい、こうした要請を繰り返しております。そうした意味では、前提としてと言われることは必ずしも正しくはないように思います。
○吉井委員 最近の円高は行き過ぎたもの、国内生産と雇用の減少を当然視するものという立場ではないけれども、しかし、現実の円高と高コスト構造のもとでは、こういうふうな法案でこういう対応の仕方が、この対策が大体不可欠なものというふうな、そういう発想に立っていらっしゃるように思うのですが、この点はどうでしょうか。
○橋本国務大臣 工学部出身の委員は非常に厳密に定義をされる、それが今率直な感じであります。しかし、我々は今この為替の水準を是認するものではありません。今も申し上げたとおりであります。また、我々は現実に雇用を真剣に心配をいたしております。そして、労働省等にも御協力を心からお願いを申し上げております。 しかし、そういうことと同時に、現実を踏まえた対策を用意することもまた我々の責任であります。そして、現状においてこうした施策が必要と私は判断をいたしました。
○吉井委員 前提としてと見るかどうかは別として、その現実を踏まえてという点では、現実を踏まえてこの法案を出したということでありますが、最近の円高は行き過ぎたものという立場にはもちろん立っていらっしゃるわけですが、この法案は結局、最近の異常円高を前提として、それが現実のものとしてあるんだというところから、それに対処するものとして出てきているというところに私は一つの問題があると思うわけです。 昨年の六月に出されました産業構造審議会総合部会基本問題小委員会の報告書、参考資料として配付させていただいております資料の一、これがありますが、「購買力平価の推移」という大変興味深いデータです。そこで、通産省からパックデータをもらったわけですが、パックデータによりますと、一番右端の数字を見ていただいたら、九三年第四・四半期の円ドルレートは一ドル百八円。これに対して、同じく輸出価格による購買力平価は九十三円、卸売物価による購買力平価は百六十四円、消費者物価による購買力平価は二百五円というふうになっています。 これは、最近の異常な円高が異常に強い輸出価格競争力を反映したものであって、国民の懐ぐあいや国民経済の実態、実力から大きくかけ離れたものであるということを示しているというふうに思うわけですが、この点についての評価についていかがお考えでしょうか。
○牧野政府委員 今委員の御指摘になりました数字でございますが、私どものとらえ方はむしろ、要するに現在の円レートの中で製造業が非常に厳しい競争を強いられている。しかしながら、国内の非製造業のサービスの物価でございますとかそういったものが非常に高くなっているというふうにとらえております。したがいまして、問題はいかにして円のいわば輸出価格と国内価格、この二重レートを解消していくか、そのために、例えば国内のサービス業あるいはその他の非常に弱い産業の合理化を進め、要すれば生活費を下げていくということが非常に大事であるというふうにとらえております。
○吉井委員 今の議論というのは、非効率的産業分野の存在、ここに問題ありとか、従来から言われております農業、流通、サービスなど非効率的な分野、ここが多くの問題を持っていて、その結果外国に比べて我が国の物価水準が高いんだ、内外価格差が大きい、こういう議論がよく展開されているわけです。 そこで、二の方のデータを少し見ていただきたいのですが、日米間の為替レート、国内総生産ベースで見たときの購買力平価、内外価格差、これを経済企画庁の資料で歴史的に見ていきますと、一九八〇年から八五年までの六年間の平均では日本の方がアメリカより物価水準が低くなっております。それがわかります。それが八五年のプラザ合意による円高・ドル安政策への転換によって異常円高になり、内外価格差も拡大してきた。これは右から二番目の欄ですね。物価水準、アメリカを一〇〇としたときのこの数字などでよくわかるわけですが。八五年から九三年への変化を見ていきますと、為替レートの方は二百三十八円五十四銭から百十円二十銭。それから購買力平価の方で見ていきますと、これはこの間二百十九円から百八十八円へ。アメリカを一〇〇としたときの日本の物価水準は九一・八が一七〇・六。つまり、購買力平価はわずか円高になったにすぎないというのが、これは左から三つ目の欄を見ればわかるわけでありますが、為替レートが一一六%も円高になってしまった結果、物価水準が急速に高くなった、これがこのデータから読み取ることのできるものだと思うのです。 法案の出されてきている前提として、我が国の高価格構造ということが挙げられておりますが、内外価格差が拡大して外国と比べて我が国の物価水準が高くなったのは、まさにこの異常な円高によってつくり出されたものである。ここのところをきちっとやはり押さえて、異常円高というところ、これをふまえて考えていかなきゃいけないと思うのですが、この点はどうでしょうか。
○牧野政府委員 内外価格差の大きな原因が円高にある、一つの大きな原因が円高にあることは委員御指摘のとおりであろうと思います。ただ、私どものその間のいろいろな調査によりますと、内外価格差が生ずる要因といたしまして、円高のみならず各種の公的規制や取引慣行といった要因が非常に大きな要因であるということは各企業からの指摘も受けております。こういった認識に基づきまして、規制緩和、これは推進五カ年計画が間もなく策定をされますが、規制緩和あるいは競争制限的な取引慣行の是正、輸入促進等が非常に大事であるというふうに思います。 なお、この円高につきましては、これを所与の前提にするかどうかは別といたしまして、先ほど大臣が申し上げましたように、それが大きな原因であるとしても、そういった現実を前に対策を打っていくということが必要だろうということでございます。
○吉井委員 内外価格差の問題については、昨年の七月二十九日に経済企画庁の物価安定政策会議の内外価格差問題研究委員会報告書というのが出ておりますが、その中などでも、内外価格差が拡大しているのは為替レートの上昇が余りにも急速かつ大幅であったことの影響が大と考えられるということを指摘しながら、為替レートと輸出価格の関係について、 円レートの動きは、輸出産業の購買力平価の動きに対して、より相関が高い。これは、為替レートが輸出競争力の差を調整するように変動するからである。アメリカやドイツなどの欧州諸国では、輸出品の構成には、目立った偏りはみられず、為替レートも製造業全体の購買力平価からそれ程大きくは乖離しないが、日本では、一部の機械産業の価格競争力の向上が著しく早く、これが為替レートを製造業全体の購買力平価から大きく乖離させている可能性が高い。このような日本の輸出構造が、為替レートを通じて、日本の相対物価水準を傾向線から大きく上方に乖離させる背景の一つになっているものと考えられる。 これは経企庁の方の政策会議の見解でありますが、この中でも触れられているように、私もこの委員会でこれまでも議論をいたしましたように、自動車とか電機などの一部の輸出産業が異常な輸出競争力を強めていったこと、それが円高になるとまた入減らしあるいは下請いじめという、トヨタのように、昨年はコストダウンと言っていたと思うと、昨年の秋にはスーパーコストダウンという名前が出てくるような、いわゆる野村総研の研究員が言っている悪魔のサイクル、こういう中でこうした異常な事態が生み出されてきたと思うわけであります。ですから私は、そういう現状を前提としてということで追認するだけではなしに、やはりここに根本的なメスを加えていく、少なくともそういう姿勢というものが求められると思うのですが、いかがでしょうか。
○牧野政府委員 先般来、委員の御指摘になっておられます、いわゆる悪魔の循環というのですか、そういったものが全くないとは言えないと思います。ある局面から考えればそう言うこともできるかと思います。ただ、我々が今直面しております問題を基本的にかつ総体的に考えますと、最大の問題は、要するに国内における貯蓄と投資のバランスが大きく崩れている。いわゆる貯蓄超過になりまして、これが経常収支の黒字になり、大きな経常収支の黒字が円高をもたらしているということであろうかと思います。こういった問題に対して総体的に取り組みをいたしませんとこの問題は一向に解消しないというのが私どもの考え方でございます。 これに対しましては、当然のことながら、良質な公共投資を大幅に行うことによる内需の拡大、あるいは企業の活性化を図るために内外価格差の是正でありますとか規制緩和を行うといったような、先般来るる御説明しておりますような総合的な対策を効果的に打っていくということによってこの問題に対応するべきであると考えております。
○吉井委員 次に、資料の三をごらんいただきながら話を進めたいと思うのです。 今いろいろおっしゃったわけですが、同じくこれは経済企画庁の資料によるものですが、OECD基準の消費購買力平価で比較しますと、購買力平価と実勢レートが大きく乖離しているのは日本だけです。各国の対ドルレートを一〇〇として計算しますと、消費購買力平価は、日本は二〇六、ドイツは二一六、フランスは一二二で、イギリス八五。これは、この間も歴史的に見ても大きな変動はヨーロッパ諸国はないわけですね。日本だけがこういう異常な事態になっているわけです。これは、日本においては一部巨大企業の競争力は世界一強い、しかし、国民の懐ぐあい、物を買う力が劣っているということを示していると思うわけです。 ですから、自動車、電機などの巨大企業を支援するというその前に、まず大企業に対して賃金であるとか下請取引条件の大幅な改善の指導とか、異常円高を適正な水準に是正して、国民の消費、内需を拡大して景気回復をさせていく、産業空洞化を防ぐという、この道こそ今産業政策として進めていくべきときじゃありませんか。
○牧野政府委員 国内におきまして効率的な産業あるいは非効率な産業が併存をしているというところに大きな問題があることは事実だろうと思います。したがいまして、私どもが先ほどから申し上げておりますように、こういった経済構造を合理化して変えていくということが大きな課題であるというふうに思っております。 それからなお、一つつけ加えておきますが、委員は先ほど来、競争力の非常に強い自動車でありますとか家電でありますとか、こういったものを何か助成をするような法案であるというふうに受けとめられましたが、この法案全体をよく読んでいただきまして、かつ自来の我々の説明を聞いていただければわかりますように、本法は、あくまでも構造的な原因によって雇用なり生産が非常に減退をしている、こういった産業の活性化を求めるものでございまして、アプリオリといいますか、前提としてこの競争力の強い産業を強化するというようなことは一向に考えておりません。そこはひとつ御理解を賜りたいと思います。
○吉井委員 本委員会でも何度か御紹介しましたが、ソニーの盛田前会長の日本型経営批判をしばしば引用しておりますが、この盛田さんは、朝日の九二年十二月二十日付のインタビューで、ルールは同じでなくてはいけません、時間短縮や賃上げによって競争力は一時的に落ちても、円高と同じで必ず回復できますと述べているわけですね。 円ドルレートは、この三年間だけでも、一九九一年の一ドル百三十四円七十一銭から現在の百円へと三五%も円高になってきているわけです。これは極端な例になりますが、わかりやすい数字に置きかえてお話ししますと、人件費や下請工賃など、これら製造コストが輸出価格の仮に七割として、それで大企業が三年間に賃金や下請工賃を一斉に五割引き上げたとしたらどうなるかというと、輸出価格は三五%上昇するという計算になります。単純にこれですべて割り切れるというものではありませんけれども、一つのわかりやすい例です。今日の円高にならずに、国民生活は向上して、内需も拡大して、貿易黒字は縮小する、不況も克服できるという、よい方の循環に進んでいった可能性というものを考えることもできるわけです。ですから、こういう点で悪魔のサイクルに終止符を打つということが急務である、この点を指摘しておいて、もう少し具体的な問題に移っていきたいと思うのです。 法案は、第五条の事業革新計画の承認基準というところで、「従業員の地位を不当に害するものでないこと。」として、第十六条で、「失業の予防その他雇用の安定を図るため必要な措置を講ずるよう努めなければならない。」こういうふうにしております。法案の対象業種と想定される鉄鋼、自動車、電機などの大企業は、工場閉鎖、縮小を含む大規模な人員削減計画を既に発表しておりますし、現在も実行しております。この法案が成立したときにこの大量の入減らし計画にストップがかかることになるのかどうか、ここのところはなかなか大事なところだと思うのですが、これでストップできるかどうかお答えいただきたいと思います。
○牧野政府委員 この法案におきまして、雇用の安定につきまして、非常にいろいろな箇所でこれをリファーしていることは御指摘のとおりでございます。雇用の安定、雇用の確保ということを法の非常に大きな目的の一つに掲げているところでございます。 それで、これによって今の首切りその他がストップがかかるかというお尋ねでございますけれども、それぞれの企業はいろいろな大きな事業を行っておりますし、またいろいろな問題を抱えていると思います。私どもは、この法案によりまして既存の各企業が事業革新を図ることによって、少なくとも雇用の減退にストップをかけ、場合によってはそれが増大することを期待をいたしますが、今申し上げましたように大企業はいろいろなことを行っておりますので、この法案のみで雇用の減退にストップがかけられるかどうか自信を持って答えると言われましても、今ここではそう確言はできませんが、この法案の目的とするところ、私どもの期待は今申し上げましたところでございます。
○吉井委員 期待はするが歯どめをかけられるとは言えない、なかなか正直な御答弁をいただいたと思うのですが、実は八年前の一九八七年二月に、前回の円高不況のときに、産業構造転換円滑化臨時措置法、いわゆる産転法というのが提出されました。その提案理由には、「大幅な対外不均衡の是正を図り、我が国経済の中長期的発展基盤を確立していくためには、我が国産業構造を国際的に調和のとれたものに転換していくことが極めて重要でありこういうふうにして、「産業構造転換の進展に伴って生じつつある産業活力の低下、雇用問題の発生、地域経済の悪化等に対し適切な対策を講ずることにより産業構造転換を円滑化することを目的として」ということで、このとき立案されました。 そういうふうに書かれているわけですが、事業革新円滑化法案の提案理由と非常によく似ているわけです。そして、この法律では今回、「失業の予防その他雇用の安定を図るため必要な措置を講ずるよう努めなければならない。」と明記してあるわけですが、法律の最大の対象業種は、産転法のときは鉄鋼であったわけですね、あのときは。それは法律に基づく計画の承認状況からしても明らかですが、八六年度の粗鋼生産は一億トンを割り、鉄鋼大手五社の経常利益も赤字に転落したときでした。そして、八七年にはこの産転法が制定され、高炉、転炉、圧延設備などが特定設備に承認されたわけです。 そして、鉄鋼大手メーカーは一斉に新分野進出などに取り組んだのです。その結果、経常利益が大きく回復したのと対照的に、これは昨年の予算委員会のときにも取り上げましたが、雇調金が莫大な金額に上るなど、その一方で大量の入減らしが行われたというのが実態であったと思うのですが、事実関係、こういうところだったのじゃないですか。
○牧野政府委員 詳細はちょっと今ここでは承知をいたしませんが、全体的には今委員が御指摘の、大体概要はそのとおりだろうと思います。これは設備処理を行いましたので、当然それに伴う雇用の減少はあったというふうに思います。
○吉井委員 それで、これは偶然の結果ではなくて、八七年の一月に、当時新日鉄の武田社長はこういうことを社内で訴えていました。「当社経営は存立にかかわる最大の危機」だ、こういう訴えをして、八七年二月には高炉の休止を含む一万九千人の大合理化計画が発表されました。大手五社全体で約四万五千人の人員削減計画が発表され、実行に移されました。 そこで、通産省提出の資料で経過をずっと見ていきますと、実は鉄鋼大手五社で、経常利益の方はこの八七年度には早くも実は黒字に転換して、八八年、八九年は史上最高の利益を更新しております。その一方で従業員の数は、八六年三月の十九万人から九〇年三月には十六万六千人へと二万四千人も減っているわけです。この間出向者がふえたのでこの出向着分も引くと、稼働実人員では十七万人から十二万一千人へと激減をしているわけです。この結果、「失業の予防その他雇用の安定を図る」との条項が全くの空文句にすぎなかったという実態が出てしまいました。 現在も、実は鉄鋼大手五社は約二万六千人の人員削減計画を発表して、実行しております。自動車、電機、繊維などでも同様の事態が進んでおります。事業革新円滑化法案で、産転法の場合と同じように、一方では大企業の大量入減らしを促進するということにならざるを得ないのではないか、それともこの入減らしに歯どめをかけるという保証が本当にこの法律できちっと歯どめがかかるかどうか、私はこの法律案を評価し審議していく上でこれは一つの大事なポイントでもあると思いますので伺いたいと思うのです。
○牧野政府委員 今御指摘のように、鉄鋼の例を挙げられましたけれども、これはやはり鉄鋼が非常に大きな余剰人員を抱え、その中で設備調整をせざるを得なかった、その過程で、今申し上げましたように、残念ながらかなりの雇用調整があったということは事実だろうと思います。 ただ、現在私どもがこの事業革新法でねらっておりますのは、こういう状況の中で各企業が、鉄がもし対象になるとすれば鉄も含めてでございますが、こういう既存企業が新しい事業を起こすことによってできるだけ雇用を確保し、これを維持していこう、こういう努力を助成をしようというものでございます。 それから、当時と比べまして本法におきましては、先般も御説明をいたしましたが、これは労働省の非常に大きな協力がありまして、雇用調整助成金を企業間を移動する場合にも適用するということ、これは活用事業者という概念を今この法案で用いておりますけれども、そういう場合にも適用するという大きな踏み切りを、新たな政策の厚みを増してもおります。 それから、これは多少余計なことかもしれませんが、いわゆる雇用者の中で恐らく、いわゆる何といいますか、現場の労働者といいますか、ブルーといいますか、今こういった方々の余剰感というものはむしろなくなってきている。むしろ中間管理層といいますか、ホワイトカラーといいますか、そういった方々の余剰感というのは現在なおあると思いますけれども、そういった方々も含めて、事業革新によってあるいはこの法律による活用事業者への雇用者の移転ということによって全体の雇用の維持を図りたいというのが本法の目的でございます。
○吉井委員 前回の産転法の場合には、「労働組合と協議」するという条項が入っていましたね。今回はこの条項も削除され、「雇用の安定を図る」という訓示規定だけということになっているわけです。それで、やはり大量の入減らしということ、これは生首を切られる側の身になって考えるということも——私は、新しい事業を開発するとか研究、私も昔は研究をやっておりましたから、それが悪いなんと言う気は毛頭ないわけです。しかし、生首を切られる側の立場に立って、大企業はこの間莫大な内部留保も蓄えてやってきたわけですから、社会的責任をきちっと果たしていく、そういうことを求めていく場合に、単なる訓示規定だけではなしに、やはりそういう歯どめというのがきちっとしたものが必要だと思うのです。 私はこういう点では、前回あった法律からそういうものも削除したというのは、これはかなりあなた方の方のお考えが変わったのじゃないかと思うのですが、これは余り聞くつもりは最初なかったのですが、一応これも聞いておきたいと思います。
○牧野政府委員 気持ちは全く変わっておらないところか、雇用の安定についてより一層の配意をしているつもりでございます。詳細、繰り返しませんが、法目的あるいは計画を承認いたします。その計画の内容につきまして雇用を十分に配慮するという条項になっております。 それで、今委員の御指摘のように、いわゆる産業構造転換円滑化法においては労働組合への協議があるのに、これがないのはなぜかということでございますが、この産業構造転換円滑化法におきましては、直接的につまり特定設備の処理、設備の処理というものを大目的にした法律でございますので、この設備にかかわる雇用者に対して直接影響が及ぶということがございました。そういうことがあったために、労働組合への協議というものを法定をしたという経緯があります。 ただし、今申し上げましたように、本法におきまして雇用の安定につきまして随所に規定をしておりますし、現実の問題として、この十六条ですか、労働者の協力と意見をよく聞くという条項が入っておりますので、実際上、組合の意思を無視してあるいはそれと意思のそごを来したままでこの事業革新計画が進むということは実態的には全くあり得ないというふうに承知をいたしております。
○吉井委員 次に、この事業革新円滑化法案の最大の支援策の一つがどこにあるかと見ていきますと、これは別途、租税特別措置法の改正で追加されている、一定の要件を満たす特定事業者に対する増加試験研究税制の特例というのが見受けられます。いわゆる増加試験研究税制は、試験研究費が基準年度である一九六七年度から適用年度の直前の事業年度までの試験研究費のうち最も高い額より増加した場合には、増加した金額の二〇%相当分を税額控除、こういうことになっていたわけですが、この税額控除は実質的に補助金と同じであります。試験研究費がこれまでは右肩上がりでどんどんふえていっておったから、その最大のところよりも必ず増加するからこの税制の特典が受けられたわけですが、ところが最近は状況が少し変わってきているわけですね。 そこで、今回追加される特定事業者への増加試験研究税制の特例のポイントはどういうところにあるのかということを伺いたいと思うのです。そして、二十数年間一貫して増加し続けてきた民間の研究費が九一年度をピークに九二年度、九三年度と連続して減少してきていると思うのですが、この点は事実確認をしておきたいと思います。
○牧野政府委員 増加試験研究の税額控除でございますが、これは委員御指摘のとおりの制度でございまして、増加をした分について税額控除を行うということでございます。これは、過去、日本の民間企業の研究開発費が増加をしておりましたので、かなり使用といいますか活用されておりましたけれども、一九八九年をピークに企業の研究開発費が伸びが減少してまいりまして、さらにむしろ九二年以降は絶対額まで減ってきている、こういう状況で、増加研究費のこの税制が活用されていないという状況にございました。 昨年末の税制改正によりまして、このベースを、つまり平成五年をベースといたしましてそこからふえているものについてこの税制を適用するというふうに税制を改正いたしました。その結果、これがボトムであることを期待しますが、これから一番低い段階から研究費が伸びていくと思われますので、この増加研究税制が今後活用されていくというふうに期待をいたしております。 さらにつけ加えますならば、我が国の研究開発費、これは八割以上を民間が担っております。こういった研究開発が事業の革新なりあるいは今後の産業構造の革新なりに非常に大きな役割を果たす、これがひいては雇用にも好影響を及ぼすわけでありますから、諸外国の例を見ましても、こういった企業の研究開発に対しまして税制でこれをサポートするというのは極めて意義のあることであるというふうに思っております。
○吉井委員 いただいた資料をずっと見ておりますと、民間企業の研究費が最高を記録した九一年度に比べて九三年度で七・一%減少しているわけですね。その中で、同じ期間に法案の対象となっている特定事業、鉄鋼の研究費は二〇・五%減少、自動車が一五・六%減少、電機が一〇・七%減少、総合化学、化繊七・二%減少というふうに、民間の平均より大幅に減少しているというのを読み取ることができます。 基準年度の六七年度を九三年度以降に二十六年ぶりに変更するこの増加試験研究税制の特例を設けるのは、まさにこれら業種が、これまで輸出ラッシュをかけて、そして円高を生み出してきたこれらビッグビジネスが税額控除を受けられるように支援するもの、結局そこが一番のねらいというか一番のポイントというふうにうかがうことができると思うのですが、この点はこういうことでよろしいか。
○牧野政府委員 ただいま申し上げましたようにこの税制は研究費が減れば使えないわけでございますから、これはふえている企業が使うということでございます。 それで、冒頭来申し上げておりますように、この法案の目的は、別にアプリオリに大企業でありますとか輸出企業を応援しようということではなくて、あくまでも、構造的な理由によって現在雇用、生産も減退を余儀なくされている産業、しかもこういった産業に連なる下請中小企業あるいはそれに働く雇用者ということを考え、その事業革新を行うことによってこういった方々の職場も確保する、あるいはひいては日本の産業構造の革新に役立てる、こういう趣旨でありますから、結果としてそれが大企業であろうと私どもといたしましてはこの税制が適用されることについて何ら問題はないというふうに考えます。
○吉井委員 それで、国税庁の方からもらっております統計、「税務統計から見た法人企業の実態」、これによりますと、九一年度の税額控除額は千九百七十七億四千万円、うち資本金百億円以上の法人分が七六・一%の千五百四億三千万円、資本金一億円未満の中小企業は二一・四%で二百四十四億九千万円、こういう状況ですが、減税の恩恵を受けているのはビッグビジネスが圧倒的です。それが九二年度の税額控除額は千二百九十四億五千万円となった、うち資本金百億円以上の法人分が八百四十億三千万円に減少した、こういうことで、今回設けられる増加試験研究税制の特例というのが、研究費を大きく減らした自動車、電機、鉄鋼など巨大企業に巨額の税額控除を受けられるように配慮していこうというものであることは明らかだと思うのです。その点は先ほどの御答弁でも認めていらっしゃるから。 問題はそれだけじゃなくて、事業革新円滑化法案とセットで提出されてきている中小企業創造法案、こちらを見ると、これまでですと中小企業技術開発促進臨時措置法と中小企業融合化法、これまでのこの法律を吸収するものでありますが、中小企業技術法が制定された一九八五年、このときに基盤技術研究円滑化法も制定され、基盤技術研究促進センターというのが創設されました。このときのこの基盤技術センターというのは、研究開発会社が行う技術開発事業への出資、それから条件つき無利子融資事業というのを行ってきております。 そこで、ここでちょっと聞いておきたいのですが、一九八五年から十年間、基盤技術センターの技術開発事業への出資額、中小技術法に基づく認定件数と補助金額はそれぞれどういうふうになっているかというところです。 それで、答弁していただきやすいようにといいますか、こちらから数字を申し上げまして確認をいただきたいのですが、基盤技術センターの技術開発事業への出資額は千七百九十七億円、それから中小技術法の認定件数二百一件で、こちらの方の補助金額は三十四億五千二百万円、こういうものであるように思うのですが、この点はこれでよろしいか。
○牧野政府委員 そのとおりでございます。
○吉井委員 この十年間のデータで比べてみますと、基盤技術センターの出資額というのは中小企業への補助金額の五十二倍、こういう大きな数字を示しております。 これは、中小企業関係の資料をいただいたときにも勉強させてもらったのですが、例えば基盤技術センターの技術開発への出資事業というものですね。シンクロトロン放射光利用技術研究開発というのがありますが、次世代LSI製造に利用する小型シンクロトロン放射光発生装置の開発ということで考えられてきました。これは十年計画で約百五十億円投ずるというものですが、株式会社ソルテックという会社経由で日立、東芝、NECとか、それから富士通、三菱電機など十三社へ出資金の配分をここからやっていますね。九〇年九月末で資本金七十六億円のときにその七割の五十三億を配分し、昨年末、九四年十二月末で資本金は百三十六億円に膨らんで、それで配分額は九十五億円へと、こういうふうに、この基盤技術センターのときにもやはりビッグビジネスには非常に手厚いものであったわけです。 このように、ほとんどが事業革新円滑化法案の対象となる大企業向けに考えられてきたものであったわけですが、税の面でも、それからこうした出資という形をとった補助金の面でも、実質的な補助金という形で大企業への支援策は極めて厚いものになってきた。これと対照的に中小企業への支援策というのが非常に寒いというのが問題の一つだと思うのです。 最近のどの調査結果を見ましても、大企業の方はことしの三月期決算で大幅増益が予想されておりますが、中小企業、中小業者の方は景気回復からは取り残されたという状態です。中小企業の開業率が近年低下しているというだけにとどまらないで、昨年の中小企業白書でも指摘されていますように、まさに自動車や電機、日本経済を支えてきた下請中小企業、都市型中小企業が今崩壊の危機に直面しているという、こうした中小企業の置かれた厳しい実態に照らして見たときに、中小企業創造法案の関連支援策は余りにも貧弱であって、そして一方ビッグビジネスに対しては手厚いという問題があります。この中小企業支援策については、私はやはり抜本的な拡充というものを今考えていかなきゃいけないと思いますが、この点についても伺ってみたいと思います。
○安本政府委員 中小創造法につきましては、産業空洞化の懸念でありますとか国内産業の成熟化等、日本経済の構造的な変化が背景にあって、その中で日本経済そのものの活力が低下してきているのではないかというおそれもあるわけで、これから創造的事業活動を支援していくことによって日本経済の地平を拡大しよう、あるいは活力をもっとつけようということで、中小企業者の企業家精神に富みました中小企業の創業でありますとか研究開発あるいはその成果の利用、事業化というふうなことを支援いたしまして、中小企業を助けるとともに、日本経済そのものを地平を拡大しようというものでございます。 そのためにいろいろな施策を用意しているわけでございますが、金額といたしましては、例えば技術改善費補助金、信用保証協会基金補助金等の七十億円かの予算が平成七年度でございますし、また設備投資減税あるいは試験研究関連税制等の減税規模で百億円程度、その他いろいろな融資でありますとかあるいは保険というふうなものを考えられておるわけでございまして、私どもとしては、中身としても施策の内容としても非常に思い切った施策を今回講じさせていただいたというふうに考えております。
○吉井委員 もう時間が参りましたので終わりたいと思いますが、ちょうど一昨年になりますか、中小企業新分野進出円滑化法のとき、あのときには過去三年以内の生産額が一〇%減少が認定の要件でした。今度は五年程度において生産が五%減少ということで、随分認定要件も緩やか。私は、こういう点で、中小企業に対して、本当に今度もビッグビジネス、大企業の方は随分手厚いわけですが、中小企業は今塗炭の苦しみにある中で、そちらに対してもっと十分な配慮がなされるべきである、このことを最後に指摘をいたしまして、時間が参りましたので質問を終わります。
○白川委員長 次に、牧野聖修君。
○牧野委員 民主新党クラブの牧野聖修です。 私は、本院最小会派の一員でございますので、質問時間は二分くらいだと伺っておりましたが、委員長並びに他の委員の皆さんの御了解をいただきまして、十五分という時間をいただきましたので大変ありがたく、感謝をしております。 それでは、早速質問に入らせていただきます。大勢の委員の皆さんが中小企業の振興を願って数々の質問を続けてきたわけでございますが、私も中小企業対策、とりわけ今回建設業におけるところの中小企業政策について若干の質問をさせていただきたいと思います。 最初に、現在、建設大臣の諮問機関であります建設産業政策委員会が、建設産業の今後のあり方の根幹を決めるために、三月の末をめどに建設産業政策大綱というものをまとめております。その中間取りまとめが去る一月十日に発表されました。私もその文をすぐに読ませていただきましたが、たび重なる不祥事で失った業界の信頼を回復する、あるいは新しい競争環境をつくっていく、あるいは体質改善をする等々、それは結構な内容がたくさん盛り込まれておったと思います。 ただ、私が大変驚きましたことは、その中間取りまとめの中に中小企業政策に対する認識が私とは若干違うところがあったものですから、質問をさせていただきたいと思います。 その中間取りまとめの中に「元請企業の責任強化と体質強化」という項目がありますが、その中の(2)に「中小元請建設業における体質強化」というところがありますが、その中に次のような一節があります。「行き過ぎた中小企業保護政策を見直し、体質改善を進める優良な中小企業を行政が支援していくというメリハリの効いた中小企業対策へと転換してゆく」ことが必要である、このように書かれているわけでありますが、私は今まで、建設産業の中の、とりわけ中小企業対策で行き過ぎた保護政策があったとは決して認識しておらないわけでございますが、建設業の当事者である建設当局の認識には実は驚いているところであります。 そこで質問をさせていただきます。建設省にもお越しをいただいておりますが、今まで行った政策の中のどれが行き過ぎた保護政策であったのかをまずお答えをいただきたいと思います。
○竹歳説明員 お答えいたします。 現在、民間の建設市場が大幅に落ち込みまして建設業界の競争が非常に激しくなっておりますが、あわせて一般競争入札の採用など入札・契約制度の改革が進められておりまして、このような新しい競争的環境の中でいわゆる弱肉強食によって中小企業が淘汰されていくのではないか、こういうような不安感が中小企業の方々にございます。 このため、建設省におきましては、先生今御指摘のように、建設産業政策委員会というのを設置いたしまして、この場で新しい競争的環境におきます建設産業の今後の基本的なあり方と建設産業政策の基本的視点について御議論いただいているところでありまして、ことしの一月に中間取りまとめが行われたということでございます。 今御指摘の行き過ぎた中小企業保護政策についてでございますが、実は中小企業向けの公共事業の発注の中には、実際は自分で元請としての仕事をしないで仕事をとってそのまま大手に丸投げをする、これを建設業界では上請と呼んでおりますが、こういうものや、例えば自分では仕事をしないで利益配分だけにあずかる実体のないジョイントベンチャー、こういうものが残念ながらあるわけでございまして、こういうものにつきましては真の中小企業対策の観点からは疑問があるのではないか、こういうような御指摘が本中間取りまとめであるわけでございます。 申すまでもなく建設業者の九九%は中小建設業者でございます。そして、多くの方は額に汗をして現場でまじめに働いておられるわけでございます。また、政府におきましては、毎年閣議で中小企業向けの契約目標を定めるなど中小企業の受注機会の増大に努めているところでございます。 したがいまして、この中間取りまとめにおきましては、まじめな中小建設業者、こういう方を育成するためには、中小企業保護という名のもとに入ってくる不良・不適格業者、こういうものを的確に排除していくことがやはりまず必要ではないか、そういうような観点からこういう指摘がなされたわけでございまして、今後さらにこの委員会におきまして具体的な方策について検討されていくということになっております。
○牧野委員 どんな業界にも、どんなところにも行儀の悪い方はきっといる、こういうふうに思っております。お医者さんの世界でも悪い方もいますし、弁護士の中にも悪徳弁護士と言われる方もいるわけです。今建設省の方で説明したことを取り上げてみれば、それだけでもって今までの建設業界への中小企業対策が行き過ぎた保護政策であったという表現に私は当てはまらないと思うんですね。 今大変厳しい状況なんですよ。建設業者、特にその下請になっている中小企業者というのは、今日ほど政治の力といいますか、何とか助けてもらいたいなという気持ちを持っているときはないと思うんですね。そういう状況の中で、本当にばさっと切って落とすような、行き過ぎた保護政策ということで断じていくということは私は問題があるんじゃないかな、こういうふうに思います。 そこで中小企業庁にお伺いをさせていただきますが、中小企業の応援団という立場だろうと思いますので、今の建設省の答弁を踏まえ、私が先ほど指摘しましたことをどのように考えておられるか、お答えをいただきたいと思います。
○中田(哲)政府委員 建設業につきましては我が国の経済社会で大変重要な役割を果たしてきているというふうに考えておりますが、特に中小建設業につきましては、事業所数で見ましても、建設業約六十万のうち九九・九%と非常に大きなウエートを占めているところでございまして、当庁といたしましてもその振興にこれまで努めてきたところでございます。 御指摘の「建設産業政策委員会中間とりまとめ」におきまして、行き過ぎた中小企業保護政策の見直しと指摘されております点につきましては、表現の問題はあろうかと思いますが、中小企業向けの公共事業の受注活動の中に中小企業の振興という観点からは疑問のあるものも含まれている、これを是正すべきだというような趣旨だというふうに私ども理解をしているところでございます。 当庁といたしましても、適正な形で中小企業に対しまして実質的に受注機会が確保されていくということが大変に重要だろうというふうに考えておりますので、今後ともその方向で努力をしてまいりたい、かように考える次第でございます。
○牧野委員 私が一番心配をしておりますことは、その中間取りまとめの中に、今建設省の方も答弁された表現と同じようなことが書いてあるわけです。 最近十数年の建設業者数の推移をみると中小元請建設業者数が大・零細企業を圧して大きく増えている。その背景には、公共事業における中小企業対策もあって、中小規模の公共工事が増加していることがあると考えられる。そしてまた次に、もし仮に行政が従来のような受注機会の配分に重点を置いた政策を取り続けるとすれば、元請建設業者数を今後とも増加させ、その業者数に対応するためにさらなる対応を求められるという悪循環に陥ることとなる。こう書いてあるわけです。このことを私は一番心配しているわけです。 毎年閣議でも決定されますし、また本年度の場合には六年七月十五日閣議決定されました「平成六年度中小企業者に関する国等の契約の方針」、先日も他の委員が指摘しましたけれども、その中の「指名競争契約等における受注機会の増大」、その用の「特に、中小工事等に係る発注及び中小企業官公需特定品目に係る発注に当たっては、できる限り中小企業者を指名するなど、特段の配慮を払うものとする。」この趣旨がもしかすると今後の政策大綱の中でだんだんにないがしろにされるような社会的状況もありますし、そんなことが意図されているのではないかなという感じがいたしますので、私はそのことを今あえて質問をさせていただいているわけです。 時間もありませんので通産大臣にお答えをいただきたいと思いますが、大臣は、大勢の委員の質問に対して、本当に熱意を持って中小企業の振興ということ、そういう観点から答弁をされてきたと思います。たしか逢沢委員の質問に対しての答弁だったと思いますが、中小企業の大切さについては強調してもし過ぎることはないだろう、こういう答弁をされまして、私も一瞬心の動く思いをしたことがございます。 どうぞ、そういう立場でございますので、閣議等におかれましても建設大臣にもいろいろお会いすることもあろうかと思いますので、今私が申し上げていることの心配のないように、さらに中小企業者をやはり守っていただくそういう立場で振興していただきたい、こう思いますので、大臣のお考えを最後にお聞かせをいただきたいと思います。
○橋本国務大臣 通産省の立場からは先ほど中小企業庁長官が御答弁を申し上げました。今委員から再度の御指摘であります。私どもといたしましては、中小建設業についても、やはり関係省庁と連携をしながら、健全に発展できるように今後とも適切に施策を講じていきたい。今御注意のありましたような事実、十分に私も受けとめておきたいと思います。
○牧野委員 十五分という時間は大変短い、こういうふうに思っておりましたが、的確な、気持ちのこもった御答弁をいただきましたので、ぜひ中小企業のためにもさらに御尽力くださいますよう心からお願いをいたしまして、質問を終わります。
○白川委員長 これにて各案に対する質疑は終局いたしました。
○白川委員長 これより討論に入ります。 各条中、特定事業者の事業革新の円滑化に関する臨時措置法案並びに小規模企業共済法及び中小企業事業団法の一部を改正する法律案に対し、討論の申し出がありますので、これを許します。吉井英勝君。
○吉井委員 私は、日本共産党を代表して、特定事業者の事業革新の円滑化に関する臨時措置法案並びに小規模企業共済法及び中小企業事業団法の一部を改正する法律案に対する反対討論を行います。 まず、事業革新円滑化法案であります。 本法案に反対する理由の第一は、事業革新の名のもとに、自動車、電機、鉄鋼などのリストラ合理化を合法化し、大企業による大量の入減らしを容易にし、余剰人員を人為的につくり出すものだからであります。 第二に、今日の異常円高を前提にして、主要産業の多国籍企業、大企業による大規模な海外生産・展開を野放しにしたまま、国内産業の縮小、下請中小企業や地域経済への犠牲の転嫁を容認するもので、産業空洞化の歯どめとならないからであります。 第三に、試験研究税制の特例、金融等の各種の支援措置など、別途提出される租税特別措置法改正案とも相まって、特定大企業に対して極めて大きな恩典を与えるものだからであります。労働者、中小業者、地域経済に重大な犠牲を押しつけるこうした大企業を支援することについては容認できません。しかも、何ら新規産業育成の保障はないものだからであります。 次に、小規模企業共済法の一部改正案です。 本法案は、日本経済を支える小規模事業者を対象にした共済金制度ですが、低金利時代を口実に現行の共済金支給水準を引き下げるものであります。それは共済制度を一層魅力に乏しいものにし、その存続の危険すら生じかねないものであり、反対いたします。 共済事業への出資や運営費補助を大幅に拡充するなど、制度の抜本的な改善を要求するものであります。 以上、両案に対する討論を終わります。
○白川委員長 これにて討論は終局いたしました。 —————————————
○白川委員長 これより採決に入ります。 まず、特定事業者の事業革新の円滑化に関する臨時措置法案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○白川委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 次に、中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○白川委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 次に、小規模企業共済法及び中小企業事業団法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○白川委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○白川委員長 この際、ただいま議決いたしました各案中、特定事業者の事業革新の円滑化に関する臨時措置法案に対し、甘利明君外四名より、自由民主党・自由連合、新進党、日本社会党・護憲民主連合、新党さきがけ、民主新党クラブの五派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 まず、提出者より趣旨の説明を求めます。河合正智君。
○河合委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。 特定事業者の事業革新の円滑化に関する臨時措置法案に対する附帯決議(案) 政府は、本法施行に当たり、現下の内外環境の変化に伴う産業空洞化の懸念に対処するため、内需中心の適切な経済運営と規制緩和等の一層の推進に努めるとともに、製造業等の事業革新を雇用の維持を図りつつ円滑に行うことが重要となっていることにかんがみ、特に次の諸点について適切な措置を講ずべきである。 一、特定業種を主務省令で定めるに当たっては、近年の内外の経済環境の変化が多様で急速であることにかんがみ、機動的に行うとともに、事業革新計画の承認に当たっては、特定事業者の創意工夫や主体性が確保され、事業者の経済事情等が十分配慮されるよう弾力的に行うこと。 二、内外価格差の調査に関しては、対象品目の選定、調査の方法及び実施・公表時期等について、整合性にも留意しつつ、関係省庁連携の下積極的に取組むこと。 三、事業革新計画に基づく事業革新の実施に当たり、労働移動が伴う場合においては、労働者の意見聴取等を通じて、その理解と協力を得つつ円滑に行うよう指導するとともに、雇用安定助成金の活用、職業訓練及び能力開発の推進、雇用者の再就職の斡旋等の雇用安定施策を積極的かつ適切に活用するよう主務省庁は労働省と協議連携を深め、関係業界団体等を含め周知徹底等に努めること。 四、特定事業者の事業革新の円滑化に資する見地から、教育、研究の場における産官学の研究交流等の環境整備に努めるとともに、特定事業者が事業革新を行うに当たって、新たに必要となる知識及び技術の修得を促進させる観点から、商工会議所等における普及活動、大学等における再教育等を積極的に推進すること。 以上でございます。 附帯決議案の内容につきましては、審査の経過及び案文によりまして御理解いただけるものと存じますので、詳細な説明は省略させていただきます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。(拍手)
○白川委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○白川委員長 起立多数。よって、本案に対し本動議のとおり附帯決議を付することに決まりました。 この際、橋本通商産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。橋本通商産業大臣。
○橋本国務大臣 ただいま御決議をいただきました附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重いたしまして、本法案の適切な実施に努めてまいる所存であります。ありがとうございました。(拍手) —————————————
○白川委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました各案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○白川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決まりました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○白川委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時十六分散会