災害対策特別委員会 第12号
- 発言数
- 17 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1995/06/08
会議録
○日野委員長 これより会議を開きます。 災害対策に関する件について調査を進めます。 地震防災対策特別措置法案起草の件について議事を進めます。 本件につきましては、先般来理事会等で御協議を願っておりましたが、協議が調いましたので、委員各位のお手元に配付いたしましたとおり委員長において起草案を作成いたしました。 本起草案の趣旨及び内容につきまして、委員長から御説明申し上げます。 地震防災対策特別措置法案は、地震防災緊急事業五カ年計画の作成及びこれに基づく事業に係る国の財政上の特別措置、地震に関する調査研究の推進のための体制の整備等を定めみことにより、地震防災対策の強化を図り、震災から国民の生命、身体及び財産を保護し、社会秩序の維持と公共の福祉の確保に資することを目的とするもので、その主な内容について御説明いたします。 第一は、地震防災緊急事業五カ年計画の作成等についでであります。 都道府県知事は、地震により著しい被害が生ずるおそれがあると認められる地区について、地震防災緊急事業五カ年計画を作成することができることとし、計画を作成しようとするときは、関係市町村長の意見を聞き、内閣総理大臣と協議しなければならないこととなっております。 なお、この場合、内閣総理大臣は、関係行政機関の長の意見を聞かなければならないこととなっております。 第二は、地震防災緊急事業五カ年計画の内容についてであります。 避難地、避難路、医療機関、公立の小中学校、地域防災拠点施設等の整備及び老朽住宅密集市街地に係る地震防災対策等であって、主務大臣の定める基準に適合するものに関する事項について定めるものであります。 第三は、国の負担または補助の特例等についてであります。 地震防災緊急事業五カ年計画に基づいて実施される事業の経費に対する国の負担または補助の割合を引き上げるものであります。 第四は、地方債及び財政上の配慮等についてであります。 地方公共団体が実施する事業に要する経費に充てるために起こす地方債についての特別の配慮、地震防災対策の強化に必要な財政上及び金融上の配慮を行うものであります。 第五は、地震調査研究推進本部の設置及び組織 についてであります。 地震に関する調査及び研究の推進を図るため、総理府に地震調査研究推進本部を設置し、その所掌事務に関し、関係行政機関等に必要な協力を求めることができることとするものであります。 また、その組織については、本部長には科学技術庁長官をもって充て、内閣総理大臣が任命する本部員で組織し、本部に政策委員会及び地震調査委員会を設置することとしております。 第六は、地域に係る地震に関する情報の収集等についてであります。 本部長は、気象庁長官に対し、地域に係る地震に関する調査または研究を行う関係行政機関等の調査結果等の収集を要請することができることとし、気象庁及び管区気象台は、その事務を行うに当たっては地域地震情報センターという名称を用いることとするものであります。 第七は、関係行政機関等の協力についてであります。 本部長は、その所掌事務に関し、関係行政機関の長その他の関係者に対し、資料の提供等必要な協力を求めることができることとするものであります。 第八は、国の調査研究の推進等についてであります。 国は、地震に関する調査及び研究のため体制整備に努めるとともに、地震防災に関する科学技術の振興を図るため必要な研究開発を推進し、その成果の普及に努めなければならないものとすることであります。 また、国は、地方公共団体が行う研究等に必要な技術上及び財政上の援助に努めなければならないこと等となっております。 なお、この法律は、公布の日から起算して二月を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものであります。 以上であります。 地震防災対策特別措置法案 ————————————— 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○日野委員長 この際、発言の申し出がありますので、順次これを許します。稲葉大和君。
○稲葉委員 今回提出されました地震防災対策特別措置法案の起草に際し、自由民主党・自由連合、日本社会党・護憲民主連合、新党さきがけを代表いたしまして、一言申し述べさせていただきます。 地震防災対策特別措置法案は、地震防災対策の強化を図ることにより、国民の生命、身体及び財産を保護するため、地震防災緊急事業五カ年計画の作成及びこれに基づく事業に係る国の財政上の特別措置について定めるとともに、地震に関する調査研究の推進のための体制の整備等について定めようとするもので、総合的な見地から防災対策を推進することを目的とするものであります。 阪神・淡路大震災を初め、サハリン地震などの大規模な地震が頻繁に発生している状況下、我が国全土における地震対策の強化を図ろうとする本案については、国は、各都道府県知事の策定する地震防災緊急事業五カ年計画の防災施設の整備等の推進を支援し、地震に関する情報等を収集、地震の予知や防災対策の強化を図るとともに、科学技術庁長官を本部長とする地震調査研究推進本部を設置し、地震に関する情報収集等を総合的に行うことは、まことに時宜に適していることと考える次第であります。 しかしながら、世界有数の地震国である我が国は、ユーラシア大陸の東縁に位置し、北東から南西に約三千キロメートルにわたって広がる弧状列島であり、多数の活断層が存在しており、近年、地震活動が活発であります。阪神・淡路大震災及びサハリン地震は、活断層による直下型の地震で、国民にひとしく恐怖を与えたものであります。これらのことから、阪神・淡路大震災及びサハリン地震は、行政にとって、また一般市民にとりましても、その惨状と教訓はまことに重いものであります。 こうした状況を踏まえ、これらの地震を教訓として、今後は、地震予知のための観測、測量、調査及び研究の強化の推進に努めるとともに、都市型地震を含めた地震災害に対処するために、避難地、避難路、医療機関、公立の小中学校、地域防災拠点施設等の整備を行い、地震活動に関する調査研究推進体制の一元化を図るとともに、必要な調査及び研究費等の充実を図り、大きな被害を生ずるおそれのある地域における地震防災対策を可及的速やかにかつ計画的に実施することが必要であります。 なお、これらに要する財政措置を講ずるとともに、防災に強い町づくりに万全を期すべきであります。 こうした認識のもとに、国は、国民の生命、身体及び財産を保護し、防災対策の万全を期する上からも、地方公共団体、防災関係機関及び住民に対し地震対策等の周知徹底を図り、人的、物的被害を最小限に抑えることを目指すべく、都道府県と連携を密にし、地震防災緊急事業はもちろんのこと、今後発生が予測される直下型地震を初め、それ以外の地震対策事業についても、財政措置を含めた法的整備等必要な見直しなどを行いつつ、引き続き事業の重点的かつ効果的な推進に努めるべきではなかろうかと考える次第であります。 以上であります。
○日野委員長 次に、白沢三郎君。
○白沢委員 地震防災対策特別措置法案の起草に際し、新進党の意見を申し述べます。 周知のごとく、我が国は世界一の地震多発国であり、そのため、ある程度予知が可能で大規模災害が心配される南関東と東海地区の二カ所については、観測強化地域に指定し、観測体制を強化するとともに地震対策整備事業に財政上の配慮を行っております。 しかし、本年一月十七日に起きた阪神・淡路大震災は、行政と住民の油断を直撃し、五千五百人を超える死者、十万戸に及ぶ倒壊家屋という想像を絶する被害をもたらし、大都市における直下型地震の恐ろしさを、被災地域の人々だけでなく、日本国民全員にまざまざと見せつけました。 日本には至るところに活断層があり、最近は日本列島下のプレートが活動期に入ったとも言われており、それゆえ、全国的な規模での防災対策の強化は緊急かつ最重要課題となっております。その意味で、本法は、地震に強い不安を抱いている国民に対し安心を提供するものとして評価されるべきものと考えております。 新進党は、阪神・淡路大震災が発生した当日、直ちに対策本部を設置し、明日の内閣の国土・交通担当が現地入りをし、被災地の復興、復旧を支援するため、現地本部を設置して、被災者の目線に合わせた対策を講じてまいりました。また、全国三千三百の自治体にアンケート調査を行うなど、防災対策のあり方を抜本的に検討しております。 今次の災害の教訓と幾多の議論の結果、本法を起草するに当たり、新進党は次の事項を強調しておきます。 まず第一に、地域住民の生命及び身体の安全を確保し、地震発生時の迅速な対応と、復旧、復興の核となるような総合的な防災活動拠点の整備は極めて重要であるということです。その拠点施設は、平時においては防災のシンボルとして住民の防災意識を高め、また安心感を与えてくれます。 第二に、災害時には高齢者や身体障害者など社会的弱者の被害救済には特段の配慮が必要であり、特別養護老人ホームや盲学校、聾学校、養護学校などの関係施設に対しては十分な防災対策を強化しておく必要があります。また、離島や僻地などにおいては診療施設が重要な役割を果たすことが期待され、その耐震化など防災対策が望まれます。加えて、国際化の進展に伴い、外国人滞在者にも配慮したきめ細かい対策を行うべきであります。 第三に、本法にある地震防災緊急五カ年計画の各事業については、十分な事業費の確保が必須の要件であり、積極的な財政措置の確保のために特段の努力をすべきであると考えます。 とりわけ、地域防災拠点施設整備事業については、国民の生命と身体の安全に直接的にかかわるものであり、都道府県ごとに最低限一カ所から二カ所整備し、そこには無線装置、救助用資機材、非常用食糧などを整備し、住民の避難所として十分に機能する拠点地とするため、その国庫補助率についてはおおむね二分の一となるように予算措置を講ずる必要があります。 以上申し述べまして、新進党の意見といたします。
○日野委員長 次に、穀田恵二君。
○穀田委員 私は、ただいま趣旨の説明がありました地震防災対策特別措置法案の起草に際し、日本共産党を代表し、意見を表明します。 去る三月十四日の地震防災対策強化地域における地震対策緊急整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律の一部改正に当たって、私は、阪神・淡路大震災を踏まえ、全国的に地震災害に関する防災基本計画を抜本的に強化するとともに、これまでの国庫補助事業の拡大や補助率の引き上げを初め、国による財政援助措置を飛躍的に強化することが緊急に求められておりますと述べ、全般的対策の強化についても触れました。 一九七八年九月に発表した「震災予防対策強化のための日本共産党の提言」でも、震災予防事業を国民的、国家的課題として計画的に推進することを提唱し、無秩序な開発優先の国土計画、都市開発ではなく、国の防災事業を震災を未然に防ぐ予防事業に重点を置いたものに転換するよう主張してまいりました。 今年度予算並びに補正予算の審議に当たっても、こうした見地から、抜本的組み替えを要求したのであります。 起草案は、全国的に地震防災緊急事業五カ年計画を作成し、それに基づく施設等の一部についての国の財政援助措置を規定したものであり、当然の措置であり、賛成するものです。 同時に、起草案の趣旨を生かす上から、以下の点について一層の充実改善を図るべきです。 その一つは、地震防災緊急事業五カ年計画の策定や事業の実施に当たっては、住民の参加を保障することです。また、都市計画などとの関連で、災害の危険要因を増大させるような開発計画に対する規制を強化することが不可欠です。開発を野放しにしたままでは、防災緊急事業も後追いになってしまう危険があります。 第二は、国の負担、補助の特例が、最初に作成された五カ年計画に限定されている点です。これでは計画そのものが五カ年間で達成できるものに矮小化されかねません。地震防災対策事業の重要性を考えれば、当初の五カ年計画に限定するのでなく、地震防災対策を充実する上から改定された計画や第二次、第三次計画などに対しても特例措置を継続すべきです。さらには、補助率の引き上げや対象事業の拡大なども実態に即して積極的に行う必要があります。 第三は、地震調査研究推進本部の設置についてです。本部の運営に当たっては、測地学審議会や地震予知連絡会など現に機能している機関との調整はもとより、一部の知見を政府が公認するような結果になることがないよう留意するとともに、全国的観測体制の強化や観測データの公開を進め、地震研究全体を推進することです。 最後に、被災者の救済、生活の再建のために、災害対策基本法や災害救助法、災害弔慰金の支給等に関する法律など関係法律の抜本的改正によって、自立自助など従来の発想を改め、生命と財産を守ることこそ政治の要請と位置づけ、個人補償制度の創設を実現するよう要望して、私の意見表明といたします。
○日野委員長 これにて発言は終了いたしました。 この際、本起草案につきまして、衆議院規則第四十八条の二の規定により、内閣の意見を聴取いたします。小澤国土庁長官。
○小澤国務大臣 本法律案の提出に際しての議員各位の御努力と御熱意に対し、深く敬意を表するものであります。 政府といたしましては、本法律案については特に異存はございません。 御可決いただきました暁には、その御趣旨を体して適切な運用に努め、地震防災緊急事業五カ年計画に基づく事業が円滑に実施されるように、関係省庁と密接な連携をとりつつ、地震防災対策の一層の推進を図ってまいる所存であります。
○日野委員長 お諮りいたします。 地震防災対策特別措置法案起草の件につきましては、お手元に配付しております起草案を委員会の成案とし、これを委員会提出法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○日野委員長 起立総員。よって、そのように決しました。 なお、ただいま決定いたしました本法案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○日野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○日野委員長 次に、本法案の提出に際しまして、地震防災対策の強化に関する件について決議をいたしたいと存じます。 本件に関しましては、各党問において御協議願っておりましたが、協議が調い、案文がまとまりました。 便宜、委員長から案文を朗読し、その趣旨の説明にかえたいと存じます。 地震防災対策の強化に関する件(案) 地震防災対策特別措置法を施行するに当たり、政府は、次の諸点について適切な措置を 講ずるとともに、その運用に遺憾なきを期するべきである。 一 本法は、地震による災害から国民の生命、身体及び財産を保護することを目的としていることにかんがみ、地震防災対策の円滑かつ速やかな実施を図ることは、現下の緊急かつ最重要課題であり、政府は地震防災対策の実施に万全を期すること。 二 地震災害発生の際に、国民の生命及び身体の安全を確保し、災害応急対策の拠点として機能する地域防災拠点施設の整備に係る事業の実施が極めて重要であり、地震防災対策を推進する上で不可欠なものと考えられる。 このため、政府においては、本事業の積極的な推進を図るべきである。 右、決議する。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。 お諮りいたします。 ただいま読み上げました案文を本委員会の決議とするに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○日野委員長 起立総員。よって、本件は本委員会の決議とすることに決しました。 この際、本決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。小澤国土庁長官。
○小澤国務大臣 ただいまの決議につきましては、その御趣旨を十分尊重して、政府として地震防災対策の一層の拡充強化に努めてまいりますとともに、地域防災拠点施設につきましても、その整備を積極的に進めてまいる所存でありますので、議員の皆様の御支援をよろしくお願い申し上げます。
○日野委員長 お諮りいたします。 本決議の議長に対する報告及び関係政府当局への参考送付等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○日野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午前九時五十四分散会 ————◇—————