P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
132回国会衆議院1995/03/14

国会等の移転に関する特別委員会 第2号

発言数
68
登壇者
10
会派数
5
開催日
1995/03/14

会議録

中山利生自由民主党・自由連合

○中山委員長 これより会議を開きます。  理事辞任の件についてお諮りいたします。  理事山岡賢次君から、理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中山利生自由民主党・自由連合

○中山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  引き続き、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。  ただいまの理事辞任に伴うその補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中山利生自由民主党・自由連合

○中山委員長 御異議なしと認めます。  それでは、理事に青山二三君を指名いたします。      ――――◇―――――

中山利生自由民主党・自由連合

○中山委員長 次に、国会等の移転に関する件について調査を進めます。  参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  本件調査のため、本日、参考人として九州大学理学部教授松田時彦君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中山利生自由民主党・自由連合

○中山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――

中山利生自由民主党・自由連合

○中山委員長 この際、松田参考人に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、御多用中のところ御出席をいただき、まことにありがとうございます。何とぞ忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。  なお、議事の順序でございますが、最初に三十分程度御意見をお述べいただきまして、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。よろしくお願いいたします。  それでは、松田参考人、お願いいたします。

松田時彦九州大学理学部教授

○松田参考人 おはようございます。松田でございます。  今回の兵庫県南部地震では、活断層が動いて大震災となりました。このようないわゆる直下の地震というのは本当に未曾有の大震災でしたけれども、実は、活断層が動いてその直上で被害の出た地震というのは決してまれではない。明治以後だけでも、濃尾地震以来、今回のように地表で断層が動いたのが観察された例だけでも八つもございます。百年足らずの間にそのくらいありますので、平均しますと十年か十五年に一度はこういうことが起こっていたわけであります。ただ、真上に近代的な都市があったという点で、今までの例とは違っていたわけであります。きょうは、その活断層のことをお話しして、御参考になれば幸いと思います。  ちょっと地震のことから御説明いたしますけれども、御存じのように、地震というのは断層というものから起こります。断層というのは岩盤の中にあります境目みたいなものでして、二つの部分が接している。そこで、その両側の岩盤がずれ動いたとき、そのときの地響きが地震であります。そのずれ動いた面のことを断層と言っております。本当は断層面というものなんですけれども、その面を省略して断層と言っております。  面ですから、それが地表まで届きますと地表面との交線になりますので、線になります。それで私たち、よく断層、断層と言っていますけれども、今申しましたように実は面である。だけれども、その面の位置を示すときには、地表との交線、線を一本書きまして、これが断層だと言っております。実はそういうわけで、その線のところから地下に断層面が延びている、そういう関係にあるわけであります。それで、断層の長さと申しますと、それはその断層面の差し渡しみたいなものですけれども、便宜上は、それが地表を切っているときの地図の上でのその線の長さを断層の長さと申しております。  それで、一つの地震、ある地震が起こった場合に、それに関与した断層のずれた面、その面の大きさはさまざまです。本当に小さな地震の場合には小さな範囲が少し動いただけ、大地震の場合には広い範囲で大きくずれた、そのときの地響きで、その地響きを発生した断層面の大きさとずれの大きさによって地震の大きさが決まるというわけです。  ごく大ざっぱに言いますと、マグニチュード八、濃尾地震がそうでしたけれども、そういうものでは、長さが八十キロとか百キロ前後、それから奥行きというか深さ方向には十キロとか二十キロとか、そういったスケールです。ですから、マグニチュード八ですと、百キロ掛ける数十キロ、そういう範囲の岩石がお互いにずれ動くというわけです。  マグニチュード七でも大被害地震になります。今回もマグニチュード七・二でしたけれども、そうですと、普通は長さが二、三十キロの範囲で、奥行きの方も二十キロぐらいですか、そこで一、ニメートル岩盤がすれ違うと、マグニチュード七と言われるようなエネルギーが出てくるというわけです。今回もマグニチュード七・二で、長さが三十キロとか五十キロ、ずれた量が一メートルとかニメートルと推定されますけれども、そういう意味では大体標準的な地震だったわけであります。  それで、今お話ししたのは断層のお話です。断層一般の話ですけれども、その中で活断層という、活という言葉がついた断層がございます。日本には広い意味で断層というものはもう至るところに無数にあります。その中には、地質学者である私から見てもずっと過去に動いただけで、最近では、地質学的な意味でもう全然動いていない、まるで死んでしまった、将来のことを考えるときにはもう考えなくてもいいというような死んでしまった断層もあります。  実はその方が多いと思いますけれども、そういう死んでしまった断層に対して、広い意味でいえば、現在も生きている断層がある。つまり、割に最近の過去に繰り返し活動しておりまして、したがってこれから先も同じ調子でまた活動するんじゃないか、活動というのは先ほどのずれ動くことですけれども、そう思わせる、そういう証拠を持った断層もあります。そういうものは今後も動くかもしれないと考えられるわけですから、活断層、生きている断層だ、今おとなしくてもそれは実は生きているんだという意味で、そういうのを活断層と呼んでいるわけです。  この活断層という言葉は、何か最近よく言われるようになりましたけれども、実は、我々の仲間では一九二〇年代に、ですからもう今から七十年以上も前にアメリカから輸入されたもののようですね。アクティブフォールト、アクティブというのを活というふうに訳したわけです。しかし、一九六〇年代、今から三十年前になって日本の地震予知計画というのが立てられまして、そのとき、予知に有効な調査項目の一つとして活断層を調査するという項目が載ったわけであります。ちょうど私もそのころ地震研究所に勤めておりまして、私の専門に近いものですから、結局、そういう地震予知計画の一つとして活断層の調査に携わってきましたし、そういう世の中の動きに応じて活断層の調査が進んできたわけであります。三十年も前から我々の仲間では進めてきたわけであります。  一九七〇年代になりますと、十年ぐらいたちまして世の中でも活断層という言葉が、言葉というか内容が問題になりました。例えば、原子力発電所の安全問題だとか、一九七四年の伊豆半島沖地震で活断層が動いてということを新聞が報道したりしましたもので、活断層というのは何だということでちょっと世の中の注目を浴びまして、それで我々活断層をやっていた者が、余り連絡が悪くてもいけないというので連絡をとり合って活断層研究会というものをつくりました。  それで、全国の活断層を一定の基準で、カタログのようだ、戸籍簿みたいなものをつくろうというわけで、七〇年代の後半から数年かけまして、一九八〇年に全国の地図帳みたいな、百数十枚に区切ってありますけれども、全国の活断層の分布図をそういう形で出版いたしました。これが、現在改訂版が出ておりますけれども、日本の活断層の分布とそれに関するデータを盛り込んだ分厚い本になっているわけであります。  一九八〇年代になりますと、大体七〇年代でそういうふうに分布がわかりましたので、八〇年代はどういうことをやっていたかというと、そのわかった活断層について、地面を断層のところで掘りまして、その地層に記録されております過去数千年間のあるいは数万年間の活動の様子を、掘ったその地層の断面から読み取ろうという作業が始まりまして、活断層の活動の歴史をより具体的に知るようになってまいりました。  それから、分布がわかりましたし、そういう性質がある程度わかりましたので、それを使って地震危険度図をつくろう、それはいろいろの人の考えによって何種類もありますけれども、そういう危険度図を発表する人々が出てきたわけです。  それから、先ほど言いました分布図というのは、全国を百何枚の地図に分けてありますけれども、やはり自分の町のどこを通っているとかという場合にはよくわかりませんので、町の中、市街地図の中でどこを通っているかを私たちがわかる範囲でそれを図示して、せめて自治体などにはお知らせしておくべきではないかということでつくり始めております。それは作業中でございます。  そういうわけで、一九八○年代が終わったところでこの大地震にたったわけであります。  そういうわけで、大体一九八○年代の初めに日本の活断層の分布の様子がわかりまして、その本によりますと二千くらいもある。その二千に一つ一つ名前がつげてあったり、長さがどうだ、過去の活動の様子はどうだと書いてあるわけです。最初の地震予知計画の意図としては、どこにどんな活断層があるのかを明らかにするのがまず精密な地震予知の観測に必要だという趣旨ででき上がったわけですけれども、二千も、そんたにたくさんあるのじゃどうにもならないと余り評判がよくたかったのですが、自然界にそのくらいあるのですからやむを得ないと思っております。  お手元に資料があるかもしれませんけれども、二千のうちの主だものをこういう小さな日本列島の地図に示すと、主なものだけ書きますとこの程度で、二千というふうにはありませんけれども、百くらいにまとめることはできます。  さて、地震というのは地下のそういう岩盤の切れ目がずれ動くと申しましたけれども、すべての地震でその地下てずれ動いた結果が地表まで届くとは限りません。どういうものが地表に届くかといいますと、ある程度地震の規模が大きくないと、地下てずれ動いても岩石というのは結構融通がきくらしくて、地表まで来る間にだんだん消えてしまうのですね。消えたいと、どこかで動いたらもう全地球まで及んでしまうわけですけれども、そういうものじゃなくて、岩石は融通がきいて途中で消えてしまう。  だから、断層にも大小さまざまあるし、それから地表まで届くのはある程度大きくずれてくれないと困るわけで、大きな地震の跡を地表で見ることができる、それを我々は活断層と言っているわけです。大きくても何十キロとか何百キロの深いところだとちょっとだめですので、今回の地震くらいの十キロとか二十キロくらい、そういう大きくて浅い地震の跡を我々は地表でつかむことができるわけで、それを観察することによってさっきのような分布図をつくったわけです。  大きくて浅い地震といいますと、つまりこれは被害地震です。ですから、活断層の分布を知っだということは、過去の浅くて大きな地震の跡、つまり被害地震がどこで起こったかということを知ったということであります。逆に言いますと、マグニチュード六クラスでもローカルには被害が出ますけれども、六クラスだと、ちょっと活断層だけ見ていますと見落としてしまうということになります。今我々が活断層を手がかりにしようということは、マグニチュード七クラスか八、まあ七クラス以上であるということで、万能ではないわけですね。もう特に大きなマグニチュード七とか八の証拠を我々はつかみつつあるというわけであります。  どうして過去にその断層が繰り返し繰り返し活動していることを知ったかといいますと、それは、例えば丹那断層の例をよく引くのですけれども、伊豆の熱海と三島の間のちょうどJRのトンネルの真ん中に南北に丹那断層という断層があって、それが昭和五年の北伊豆地震のときに二メートルほど動きました。つくりかけのトンネルが二メートルちょっとずれてしまったわけですね。そこを調査しますと、ずれた方向と同じように、つまり熱海側が北の方に二メートルほど動いたのですけれども、千メートルも昔のものはずれている。昔の地形だとか地層は、千メートルもずれているのですね。ですから、昭和五年のときに二メートル動いたけれども、これは、千メートルというと五百回分同じ方向に動いた跡なんだろうということになります。  では、千メートルずれたのは、何年前真っすぐだったものが今千メートルずれているのかというと、地質学的には五十万年前くらいだろうという見当、あるいは三十万年くらいかもしれませんけれども。五十万年としますと、五十万年の間に千メートル、ニメートルが千メートルですから、五百回ずれたということになるわけですね。五百回というのが五十万年の間だろうとすると、割り算しますと、千年に一回二メートル動けば、そういう自然界の証拠を説明することができるというわけですね。  そういうことがわかったために、新幹線トンネルをつくるときに、活断層をぶち抜いてつくるべきか、在来線のそばにつくるべきか離すべきかという議論のときに、その知識によって、千年に一度というものが昭和五年に動いたばかりだから新幹線トンネルつくっても当分大丈夫だろうということで、また活断層をぶち抜いてトンネルができているわけであります。  それで、今の積もり積もって千メートルと言いましたけれども、五十万年で千メートルですけれども、断層によっては、同じ期間をとっても千メートルじゃなくてその十分の一の百メートルのオーダーのこともあるし、それからさらに十分の一の十メートルのこともあります。つまり、断層によって、その実績、つまり過去の活動度が一けたも二けたも大小さまざまあるということです。一番活発なものが、割り算したときに平均千年当たりメートルで動いている。  さっきの丹那断層でいいますと、五十万年に千メートルということは、千年当たり二メートル動いていることですね。それで、メートルというけたにたったものをA級の活断層と呼んでおります。千年当たりメートルになるようなものがA級でして、それより一けたのろい、千年当たり数十センチの割合で過去何十万年の間動き続けてきた活断層はB級と言っているわけです。この資料にあります。C級と言っているのは、さらに一けたのろいものです。そういうように、活断層といってもさまざまあるということであります。A級、B級、C級で、けたが一けたずつ違うくらい活動の程度が違うわけであります。  それでは、活断層の性質をちょっと列挙しておきます。そういう調査の結果わかりました性質を言いますと、まず第一は、活断層というのは全くふだんはじっとしているということです。間欠的にしか動かない。ふだんは地震観測をしても、精密な測量をしても、何の異常もない。トンネルをつくっても、何の異常もございません。ただし、動くときが来ると、そのときだけがばっと一メートルだ、何メートルだと動くわけですね。そのときがマグニチュード七あるいはそれ以上の大地震になる。ふだんは何にも動いていない、間欠的に動くという性質。  それから二番目は、今申しましたように、同じような性質のずれを繰り返し行っていてもとに戻ることはありませんので、それが積もり積もっているということでありますね。その積もり方によって過去の活動の程度が、さっき言いましたようにA、B、Cに分けられているということですね。  それから三番目ですが、その間欠的に起こるということはどのくらいの間欠的かというと、一回にメートルで動くのが、今回もそうですし丹那断層のときもそうでしたけれども、マグニチュード七ですね。ですから、千年当たりメートルで動くようなA級の活断層についていえば、メートルで動くようなものは千年平均だということになります。よく活断層は千年に一度動くと言いますけれども、それはそういう意味ですね。平均しますとA級の活断層では、千年当たりメートルというA級では、逆に言えば、メートル的た事件が千年に一度の平均で起こるということであります。  平均と言いましたけれども、実は地層を掘ってみて、平均というとばらばらでも平均すると千年ということがありますけれども、本当に千年ごとに起こっているといってよさそうであります。丹那断層の場合には、実は千年じゃなくて七百年ぐらいごとに、平均じゃなくて、ごとに起こっているということがわかりました。  それから、もう一つ大事なことは、断層はいつも同じ調子で起こしているという性質があるようです。平均して千年ではなくて、さっき言いましたように、自分は千年ごとにマグニチュード七を起こしてやってきましたという断層と、私は五千年ため込んでからマグニチュード八を起こしますという、まれだが大地震を起こす、そういう種類のものもあるし、それから、もともといつでも私はのろまに、まれにしか動きませんというような、とにかく個性があるということですね。そういう規則性があるということ、気まぐれでないということが地震の予測、予知問題に役に立つ重要なことであります。  それではそのくらいにして、地震の予知というか予測に役立つ性質を今の性質からちょっと拾い上げますと、まず、活断層というものは浅くて大きな地震、つまり大被害地震の発生源でありますので、そのことをしっかり知れば、例えば、関東地方の近くでいえば群馬県よりも神奈川県の方が絶対大被害地震がより多く頻繁に起こりますよ、そういうことが言えるわけですね。時期はとにかくとして、頻度は活断層の多いところで余計であるということです。  実際に明治以後の大被害地震をプロットしてみますと、本当に活断層の多い地域、この資料の二枚目にありますが、その黒く塗ってあるところでは非常にたくさん起こっているのですね。この黒いところで起こる可能性の方がそれ以外のところよりも四倍可能性が高いのです、今までの明治以後の起こり方を見ますと。ですから、今後も、この黒いところがそういう起こりやすいところだたと思っていいのじゃないかと我々の仲間に言っているわけです、どうせ精密な観測をするならこの黒いところでやったらどうでしょうと勧めているところであります。  群馬県よりも神奈川県と申しましたけれども、関西の方でいえば、岡山県なんというのは活断層は少ないですね。その隣の兵庫県は、今回のように活断層の多いところですけれども、岡山県は本当に少ないところです。そういう場所ごとに随分断層の分布の有無、密度が違うということですね。  それから二番目は、今のは場所の予測の問題ですが、規模の予測もある程度できます。というのは、先ほど申しましたように、大きな地震は長い断層が関与してエネルギーを出す。だから、今度は逆に、長い断層を見つけた場合には、これは大きな地震を起こすことができるんだなというふうに我々は見ます。ですから、長い断層のある地域は大きな地震を想定しなければいけないということになります。  それで、濃尾地震の場合にはマグニチュード八でしたけれども、八十キロの断層が動きました。根尾谷断層ですね。そのくらいの長さの断層は日本全国でどこにあるかといいますと、この二枚目の資料の右上にありますように、中部地方と近畿地方なんですね。だから、その地域ではマグニチュード八までは覚悟しなければいけない。逆に言いますと、その他の地域では八まで想定しなくてよろしい。特にマグニチュード七というようなところもございますので、つまり、そういうようなところでは余り長い断層がないのですね。ですから、七まで想定すれば十分じゃないかなというような、そういう規模の予測というか、規模の差も日本列島の中にございます。  それから三番目は、断層は自分の個性で動いているんだと申しましたが、その性質を使いますと、先ほどのように千年ごとに動いてきたという断層を見つけたら、例えば昭和五年に動いたばかりだから当分大丈夫だという、そういう当分大丈夫だ、いわば安全な活断層と、それから千年目あるいは五千年目がそろそろという、そういう要注意の断層とを区別することができるわけです、資料がある場合には。そういうことで、十五年ほど前に私が当時の資料でもって要注意の断層を幾つか挙げておいた、そのうちの一つが今回の有馬―高槻―六甲断層帯だったわけですね。そういうように、活断層のうちでも当分大丈夫だろうという断層と要注意の断層とある。  ここでちょっと申し上げますけれども、千年に一度でしょう。今問題になっている東海沖とか南海地震というのは、大体、今までの起こり方を見ていますと、歴史時代の記録を見ても、百年に一度ぐらいですよね。それでもプラス・マイナス十年ぐらいの誤差があって、来年起こるかもしれないけれども二十年先かもしれないなんて言っておりましたけれども、それでもプラス・マイナス十年となるとこれだけ社会が準備しております。それで、今私のお話ししているのは千年に一度の話ですから、そうしますと、当然我々の調査も十分でもないし、それから自然界もそれほどきちんといきませんから、千年に一度だったら、先ほどの百年でプラス・マイナス十年だったら千年のものはプラス・マイナス百年ぐらいは当然ある。百年以上あるかもしれません。ですから、来年かもしれないけれども百年先かもしれないわけですね。要注意断層というのはそのくらいの意味の要注意ということですね。  来年かもしれないけれども百年先かもしれないなんて私が言うと、そんなこと心配していたってしようがない、そんなのは予知なんて言わないぞとしかられたのですけれども、でもとにかく百年だってあっという間にたちますし、こういう首都圏の問題は百年のことを考えておられると思いますので、ぜひその活断層のプラス・マイナス百年を、私はしばしば笑われてきましたけれども、恐らくちゃんとまじめに受けとめなければいけないことじゃないかと思います。  その資料の右下に関東地方の分布図がありますけれども、それで見ますと、立川断層とか荒川断層とか伊勢原断層とか関東地方の活断層があります。大概、今わかっている限りでは当分大丈夫ではないかと言える断層ですが、一つだけ残っているのが、国府津-松田断層と書いてありますが、小田原の北の方、神奈川県西部にあります断層はそろそろ、さっきから言っていますけれども、そろそろというのが百年だと言って笑われたわけですけれども、そういう状態にある要注意断層は、東京の近くではこの国府津-松田断層ではなかろうかと思っております。  そういうことで、プラス・マイナス十年が今までの扱いかもしれないけれども、これからはプラス・マイナス百年の活断層のことを御注意いただきたい。  今、日本の地震予知というのは直前の予知に非常に力を入れています。逆に言うと直前しかやっていたいようなもので、東海地震の場合でも直前のために非常に詳しい観測網を張っております。それで、千年に一度活断層が動くときにも当然その直前の予知が必要なわけです。  それで、今までの、千年ぶりにいよいよ活断層が動き出すときのその直前にどんなことが起こったかを見てみますと、例えば、明治より少し前の、最近の百五十年ぐらいの間に十ぐらい内陸の活断層が動いた地震がございます。善光寺地震が一八四七年ですが、それから安政の伊賀上野地震、それから明治の濃尾地震、それ以来十ありますけれども、そのうちの半分が、その活断層のそばに住んでおられる方々が地震計がろくにたい時代でもその一週間前あるいは二、三週間前からおかしいおかしいと言って、例えば明治二十九年の陸羽地震では、秋田県、岩手県の間ではもうみんながおかしいおかしいと言って、村長さんが村に大地震の前ぶれかもしれないから注意したさいという告示を出したということもあります。  それから伊賀上野地震でも、古文書というか当時の記録を見ると、みんなおかしいおかしいと言っていた。  それから根尾谷の濃尾地震でも、近くに住んでいる人は何かこのごろどかんどかん音がすると。それで、これは、各務原という陸軍の演習場がございましたね。そこで何か訓練でも始めたんだろうかなんて言っていたら、当時測候所が岐阜にできまして、その記録を見ましても、そのころばかばか起こっているんですね。今から見るとずっと頻繁に起こっていて、やっぱり濃尾地震もそういう前兆があった。  それから北伊豆地震の場合も、丹那断層ですね。先ほどのトンネルが食い違った周辺の部落では、おかしいおかしいというんで家を補強したり、ある家ではおばあさんが夜庭に出て御飯炊き始めたんで、おばあさんちょっと狂っちゃったのかななんてみんな言っていたら、おばあさんはやっぱり危険を感じて御飯を炊いておかなければと思ったらしくて、その夜明けに丹那断層の北伊豆地震が起こったわけですね。  そういう地震計もないころに十例のうち五例が、三河地震もそうなんですが、ありました。その他の五つの例は、今回の地震も含めてどうも前兆らしいものはなくて突然やってきたわけですね。今回は地震計があったんだけれども、地震計のない時代も含めて、五〇%がそういうもう明らかにおかしいと普通の素人でも思うようなことが起きております。今やいい観測設備を持ってますので、その五〇%が七〇%、八〇%になるかもしれない、これからの地震については。ですから、千年に一度でプラス・マイナス百年があっても、その活断層のところを集中して注意していれば、そういう直前の予知の成功率は随分いいんじゃないか。決して私は悲観は、内陸は地震の予知は難しいと言うけれども、そんなことないんじゃないかと思っております。  そういうわけで、なるべく要注意断層か安全断層かの区別をしたいわけですが、なかなか調査はし切れません。とりあえず、もし起こったときの被害のことを考えますと、地方の山の中よりはやっぱり都会、活断層のあるそういう都市について注意を払うべきだと思います。  そういう意味で、皆さんの資料にあるかもしれませんが、既にわかっている活断層で都市の直下にある断層、それを書き出してみましたら、主な都市八十、それはある基準できちんと選んだわけじゃありませんけれども、かなりの数の断層が市の中心部から五キロ以内のところに、既に出版されている我々の活断層分布図によると断層があるわけですね。特に、五キロ以内どころかもう市街地の真下に断層がある都市というのも二十ぐらいあるわけです。しかも、その二十のうちの半分の十一は府県庁所在地だということですね。  そのうちの一つの神戸が今回やられてしまったわけですけれども、そういうわけで、県庁所在地だけ見ましても、半分ぐらいは周辺には全然活断層はなくて直下なんか考えなくてもいいという町もありますし、本当に役場の下、すぐそばに活断層が埋もれている、その真上に都市ができてますよという都市もあるわけでして、そういう点も考慮されて防災を考えたらいいんじゃないかと思っております。  以上でございます。

中山利生自由民主党・自由連合

○中山委員長 どうもありがとうございました。  以上で参考人からの意見の開陳は終わりました。     ―――――――――――――

中山利生自由民主党・自由連合

○中山委員長 これより質疑を行います。  質疑につきましては、理事会の協議によりまして、一回の発言時間は三分程度ということになっておりますので、委員各位の御協力をお願いいたします。  なお、御発言は、委員長の許可を得てお願いいたします。どうぞ。

坂本剛二新進党

○坂本(剛)委員 今、最後の話で約五〇%ほど前ぶれがあったというお話ですが、地震予知連絡会では前ぶれ、兆候というのはどの程度一応参考というか、重要視しているんでしょうか。半分は起こらたかったわけですね。今回も何の前ぶれもなかったわけですね。よく昔は、例えば島とか小動物がどんどん陸地の奥へ海部から逃げていくとか、ナマズがどうのとかいう話がありましたけれども、こういったのは予知連絡会としてはどの程度参考にしながら研究を続けているんでしょうか。

松田時彦九州大学理学部教授

○松田参考人 先ほど私の申し上げました前ぶれの実体は地震ですね。前ぶれの地震なんですが、外国ではよく動物が前ぶれにいろいろ異状を示したという例があるんですが、日本の歴史でそれが主として手がかりにたって前ぶれであるとして役立ったという例はなかったと思うんです。今の地震予知も、動物のことは信用できないと思っているのか、余り問題にしておりません。

坂本剛二新進党

○坂本(剛)委員 雲が天にあらわれるとか、いろいろなお話がありますが、全然それは参考にしていないわけですね。

松田時彦九州大学理学部教授

○松田参考人 そうですね。学問的にうまく説明ができないものですから。

永井哲男日本社会党・護憲民主連合

○永井(哲)委員 活断層は千年なり二千年なりその積み重ねがあるということは、今活断層として認められたいということになれば、そこにはそういった直下型が起こる可能性は非常に少ないということになるんでしょうか。そういう断層が全然認められないところに突然断層ができるというか、初めて起きるというようなことは考えられるんでしょうか。地球の歴史はもう何十万年もありますけれども。

松田時彦九州大学理学部教授

○松田参考人 考えられることなんですけれども、地球の歴史というとちょっと大げさですけれども、そのうちの今活断層の過去を、繰り返し繰り返しというその過去を私たち問題にしているのは大体数十万年なんです。それはもうだから地球の歴史のうちの、あるいは日本列島の歴史のうちの一番最後のほんのちょっとの短い期間なんですけれども、その期間の中でも数十万年あるいは百万年ぐらい前に日本の活断層は大体生まれまして、それでその後は、我々が問題にしているような狭い時間の中で突然立派な断層が新たに出現するということはちょっと考えられない。理屈ではあり得るかもしれないけれども、そういうことは余り心配してないというか、むしろ我々の調査不十分のために活断層がないと思っていた、見逃していたものが動く、地震を起こすということはあり得る。  先ほど申しましたように、マグニチュード七以上であればどうやら今までの例で地表に跡を残していますので、とらえられるわけですけれども、七でも時には跡を残さない場合もある。今度の神戸側ではどうも余り断層として跡が残ってないわけで、あそこだけ調査しているとちょっと見逃しちゃうおそれもあったわけですね。そういうマグニチュード七以上に関しても見逃しているかもしれないし、七に達しないマグニチュード六クラスの、割に中型の直下地震は跡を残さないものですから、したがって、我々が昔のことはわからなくて、何にも活断層がない、跡がないから大丈夫かと思っていると、マグニチュード六クラスのものはそこでも起こるかもしれない。  それで私たちは、原子力発電所もそうだと思うんですけれども、活断層がなくてもマグニチュード六クラスのものはどこに起こってもおかしくないというか、活断層だけを見ているんだったらそれ以外のどこでも起こり得ると思ってください、そう申し上げているんです。ですから、被害地震は活断層がないところでも起こる。ただし、マグニチュード七以上の顕著なものは、先ほどちょっと統計みたいな図がありましたけれども、大部分は活断層のある地帯で起こっている。大部分はということなんですけれども。

永井哲男日本社会党・護憲民主連合

○永井(哲)委員 活断層というのは基本的には地表面に出たところを判断するということになるわけですね。

松田時彦九州大学理学部教授

○松田参考人 繰り返し繰り返しという証拠は地表面の観察でなものですから、そうなってしまうわけですね。

永井哲男日本社会党・護憲民主連合

○永井(哲)委員 それでは、ある程度地下の部分というか何かそういう部分を科学的に、地表には出ていないけれども地下にあるかもわからないという部分は、検査といいますか把握することはできるのでしょうか。

松田時彦九州大学理学部教授

○松田参考人 それは、そのつもりになって、この地域、この町の下にあるかどうかと割に地域を限定して地下の調査をすれば、断層があるかないか、それからあったとすればその断層がどこの時代までの地層を動かしているか、そういうことがつかめますので、都市単位ぐらいの広さであればその気になれば地下の構造の調査、地質構造の調査は可能ですし、いろいろな目的で、石油の探査だとかやっていますああいう手段で地下のことは知ることができます。

永井哲男日本社会党・護憲民主連合

○永井(哲)委員 そうすると、ある重要な建物、例えば原子力だとかそういったようなものなり、限定された部分の直下にあるかどうかというのは現在でもある程度判断はできるということですか。

松田時彦九州大学理学部教授

○松田参考人 そうです。原子力発電所みたいな大事なものの場合には、非常にもう厳密にあるかないか、あるとすればどんな活断層かということを調査しておられるようです。

中島武敏日本共産党

○中島(武)委員 松田先生、きょうは大変御苦労さまでございます。  松田先生の書かれている書物も少しは読ませていただいております。また、先生がおつくりになった「日本の活断層」の地図も拝見させていただいております。  その上で端的なお尋ねなんですけれども、ここは国会移転特別委員会でありまして、ここならもう安全だ、そういう地域というのはあるのでしょうか。  それからもう一つ、それと関連して伺いたいことがあるのは、東京は、地図によりますと活断層は大体ないみたいになっておりますね。だけれども、ある人に言わせると、非常に活断層が深くて地表まで余りあらわれていないのだというのですけれども、本当にそれはそうなのだろうか。どうもその辺がよくわからないものですから、幾つか先生にお尋ねしたいと思うのですけれども、最初にお聞きしたいと思うのはそういうことなんです。

松田時彦九州大学理学部教授

○松田参考人 今おっしゃった最初の方、本当に安全と言える断層があるのかということでしたね。  先ほど丹那トンネルの例で申しましたけれども、自然界は、規則正しいとはいえ、きちんと千年なら千年というわけじゃなくて、あるときには五百年ぐらいで起こるかもしれないと思うのですね。ですけれども、七百年ごとに起こるという断層が昭和五年に起こったばかりだから当分大丈夫じゃないかと、私たち専門家としてじゃなくて普通の人として、七百年ごとに今まで起こってきたのでまあ安全なんじゃないかなというその程度でございまして、それでも私は怖くてあんなトンネル通れないという人がいればそれはそれで安全でないわけで、それでもいいのですけれども、その程度でございます。もう絶対に物理的に起こり得ないなどということは言えないわけです。  それから二番目の、東京とか関東南部の問題ですけれども、活断層は今わかっているのは本当に少ない。その少ない理由は、東京付近はやわらかい地層が厚くあるから見逃しているのじゃないかという説がありますけれども、私はむしろ実はその点はそう思いませんで、本当に少ないのだと思うのです。  沖積層、いわゆる下町みたいな低平なところというと、荒川沿いとか利根川沿いの本当に低いところですね。そういうところは活断層は見つけにくいのですが、関東平野の大部分はいわば武蔵野とかああいう山の手に当たるわけです。下総台地だとか大宮台地だとか狭山丘陵とか武蔵野とか、そういうのが広い面積を占めておりますので、その下に活断層があれば見逃さないでつかまるはずなんです。そういう意味でつかまっているのが立川断層です。荒川断層は、荒川沿いのわからないところで両側から見るとどうもあるのじゃないかなという推定をしている程度です。ですから、私は本当に少ないと思っております。  ただし、それじゃ安全かというと、活断層と関係のないもっと深いところで起こる地震が東京ではある。ほかの内陸ではないのですけれども、東京付近は、沖合の太平洋プレートとかフィリピン海プレートが東京の真下で寄り集まってきてこすれているという特殊なところなんですね。ですから、普通ですと活断層が表面になければまあそれで安心できるのですけれども、東京の場合には、本当に表面に近い活断層は少ないのだけれども、余計に深いところで起こる地震がある、僕はそういう状態だろうと思うのです。

中島武敏日本共産党

○中島(武)委員 それではちょっと続けて。  先ほどのお話を伺いましたら、六甲系活断層ですか、今度の阪神の大震災。六甲系と言うのが正 しいのですか。

松田時彦九州大学理学部教授

○松田参考人 系とか帯とかというのは何か一まとめにしたときに使うので、実際には何本もあるのですけれども、まとめ方ですから、六甲のところだけまとめて六甲断層帯と言ってもいいし、あるいは高槻もそばにありますので、有馬―高槻―六甲というふうに一括して何とか断層帯と言っても、系と言ってもよろしいです。

中島武敏日本共産党

○中島(武)委員 今度、その活断層がずれ動いたということで阪神の大震災が起きた、大きな地震が起きた。近畿地方には非常にたくさんの活断層が集中いたしておりますね。そうすると、阪神で起きたから今度は、阪神は大丈夫かもしれないけれども、もう近畿全体が大丈夫、こういうふうに判断することができるのかどうか。そうじゃなくて、近畿の別の活断層が動く可能性もあるのかどうか。そういう点についてはどんなふうに考えたらよろしいでしょうか。

松田時彦九州大学理学部教授

○松田参考人 大体は、今度の被害地付近では地震のエネルギーが出てしまったわけですね。ですから、同じような地震があそこで近いうちに起こるということは考えなくてよろしいと思います。  それで問題は、まだエネルギーを出していない活断層が、すぐ近くの有馬―高槻もそうですし、京都、奈良、大阪付近にもたくさんございますので、そちらの方がどうかということになるわけですね。神戸付近でエネルギーが出たから隣のそういう断層はどうかというと、神戸付近では岩盤が動いたわけですから、その影響がプラスに作用する場所とマイナスに作用する場所とがあるのですね。岩盤が動いたために力がたまった場所と少し楽になったところがあるので、それが理論的にどうだこうだと言ってはおりますけれども、とにかく多少ディスターフされたわけですので、安全なところもできたかもしれないけれども、多少危険度が高まったところもあるのではないかと思います。  ただ、多少高まったにしても、続けて起こるのか、または何十年も先か、何百年ということはないと思いますけれども、時間についてはよくわからない、周りについては何とも言えないということです。

中島武敏日本共産党

○中島(武)委員 先生先ほどのお話で、要注意の断層として六甲断層を指摘された。これに対して、先生方がいろいろ指摘をすれば、政治の側というのは当然それを取り上げてそれに対する対策をとるというのが本当なんですけれども、実はそうはなっていなかった。そういう先生方の研究と、それから政治のずれですね。これについてどんな御感想をお持ちか。言っておったのに、警告しておいたのに何で対策をやらないんだ、こういうお気持ちをお持ちじゃないかなという気が私はするのですけれども、率直なところを、もしよかったら聞かせてください。

松田時彦九州大学理学部教授

○松田参考人 確かに、十五年前に当時の資料で言えることとして、あの地域は要注意ではないかと申しましたけれども、そういうのはいわゆる科学論文に発表したり学会で発表して、当時、ある新聞がそれを報道してくれたりしたのですが、そのときの偉い先生のコメントは、そうは言うけれども、百年、千年先かもしれぬ、そう心配することはないよなんてコメントがついているわけで、実際に私たちの仲間でも私がそういうふうに発表しても、私に限らない、だれか一人が発表しても、それはその人の意見である、ほかの見方もできる、そういうのが学者の世界の普通なんですね。  どんなに偉くても、一人の方がある説を言っても、すぐにそうだそうだというふうにならないのが学者の世界なので、私自身も当時の資料で言えることを言っただけであって、また、資料のないところは安全とも要注意とも言えない断層がたくさんあるわけで、この次に起こるとしたらその要注意のところから起こるはずだとは必ずしも言えないわけですね。  ですから、そういういろいろな条件つきで発表しておりますので、知る人ぞ知る、これをまともに受け取ってくださる学者や自治体や国、評論家がいれば大変ありがたいとは思うけれども、何でおれの説を無視するのかといって怒るほど、自分自身も切迫感というか、熱心さが足りたかったんじゃないかと今から思えば思いますし、言われるかもしれませんけれども、私としては、まさか私が生きている間にあそこで起こるとは、真剣にはそう思ってなかったわけで、私も正直なところびっくりしたぐらいです。百年先かもしれない、来年かもしれないけれどもというのが、本当に起こってみるとびっくりしたという状態で、本人がそうなんですから、本気になって現地の自治体やあるいは防災の方に熱意を持って説き回るということはいたしませんでした。私の責任かもしれませんけれども。

玄葉光一郎新党さきがけ

○玄葉委員 東京で、特に霞が関や国会周辺と言ってもいいのかもしれませんが、東京で地震が起こる可能性というのを考えたときに、先ほど国府津―松田断層あるいはプレート型の話なんかがありましたけれども、かつてある本で、例えば江東デルタのようなところは地盤が脆弱だから恐らく震度も大きいものになるぞというようなことを読んだことがあるのですが、そういういわゆる岩盤の強さと断層の関係というか、その点ほどうなっているのか。  また、そういうことも含めて総合的に見て、この国会周辺とか霞が関周辺で地震が起こる可能性というのはどんなものなのか。断層だけじゃなくて、先ほどおっしゃったようなプレート型あるいは岩盤の強さ、先般来起こった阪神大震災クラスの地震が起こる可能性というのは総合的に見てどの程度なのか、まずそのことをお聞かせいただきたいと思います。

松田時彦九州大学理学部教授

○松田参考人 一つは、起こった場合に、その岩盤でどういう影響があるかということでしたけれども、江東地区とかああいう地盤の低いところは、やわらかい地層、沖積層があったり盛り上が多かったり埋立地が多かったもので、今までの経験からいいますと、そういう東京のうちの低いところは、遠くの方で起こったあるいは深くで起こった地震でも、大きな被害を受けるだろう、こういう高台のところはそうでもないだろう、これが一般的な常識であります。それは、大正の関東地震のときもそうだったわけですね。  ただ今回、神戸の場合は、必ずしも低いところがひどくなくて、れきが多い、砂利の多い、割にいいところで一番ひどい地帯が走っておりまして、それがどこかわきのところで起こった地震で、地盤とか地下の地形のせいでそういうひどいところができたのか、本当にそのひどいところの真下に断層があったためなのか。きのうも何かシンポジウムをやっていましたけれども、もう二通りあるいは三通りの意見が出まして、要するに、地盤のせいなのか真下に隠れていた断層があったのかは今もってよくわからないというところでございます。常識的に、低いやわらかい地層の多いところで被害がひどくなるというのが、ちょっと今回は通用しなかったわけです。  それから、もう一つの御質問は、そういう地震がどのくらいの可能性で起こりそうかということでしたが、それは、私の方の専門である活断層からいいますと、さっき申しましたように、わかっている範囲では国府津―松田断層が要注意であって、さっきのような言い方でいえば、来年かもしれないけれども、百年先かもしれないという程度に要注意である。  その他の、例えば立川断層はまあ当分大丈夫。五千年ぐらいに一度起こっていた断層で、千何百年前に大地震を起こした形跡がございますので、まあ当分大丈夫だろうということですね。あと三浦半島の断層とか房総半島にもありますけれども、よくわからない。荒川断層についてもよくわからない。埼玉県にもたくさん活断層はありますけれども、この図にありますけれども、それについても余り資料がないです。だけれども、何度も言いますように活断層は、埼玉県、神奈川県はちょっとありますけれども、東京付近では直下では活断層の地震はそんなに心配ないというか、まず余り起こらないのじゃないかと私は思っています。  問題はそれより深いところでして、それに関しては、私の専門とする活断層が手がかりにならないわけです。そうしますと、つまり、地表で直接の証拠をつかめないものですから、地震計を用いたり細かい地下の動きを知る測量だとか、私がこんなことを言ってはあれですけれども、私の専門外の分野、今一生懸命地震予知のためにいろいろ設備にお金を使っているその分野の方々に私は期待せざるを得ない。私としては、その深いところについては何とも言えない。  ただ、先ほど、千年当たりメートルになるのがA級であって内陸の活断層の活動度の代表と申しましたけれども、プレートの境界は、プレートとプレートがこすれ合う速度は年間にセンチメーター、太平洋プレートなどは十センチに近いのですね。ということは、先ほどの千年にメートーというのは、年当たりミリメーターになるわけですね。だから、内陸の地震では平均すると年当たりミリメーターの割合で動く断層が代表的だけれども、プレート間では年当たりセンチメーターあるいは十センチメーターですから、十倍以上の活動性を持っている。だから千年に一度というものが百年に一度になるわけです。そういうプレートが、だから一けた以上も速いものがお互いにこすれ合ったその真上に我々がおりますので、活断層の頻度に比べますと、一けたもそれ以上も頻繁に地震が起こってよろしいところではないかと思います。

玄葉光一郎新党さきがけ

○玄葉委員 専門外のこともお聞きして申しわけないのですけれども、活断層とあるいはそういうプレート、そのほかのいろいろな要因も含めて、先ほど中島先生が、ほかに安全な場所があるのかなとおっしゃった。多分ちょっと質問を取り違えてお答えになったのじゃないかなと思うのですが、このマップにもありますけれども、できれば具体的に安全な場所と言えるようなところというのはどこなのか、そのことも。

松田時彦九州大学理学部教授

○松田参考人 済みませんでした。私のお答えがちょっとピンぼけでありました。  資料をごらんになりながら、資料のまず一枚目に日本列島の活断層の分布図がございます。この中で、太平洋側は活断層が少ない。太平洋に近い地域は、北上山地、阿武隈山地それから東京付近、それから赤石山地から紀伊半島、四国、九州にかけて南側の海に近い部分は活断層が少ないので、その意味では直下型の地震は安全というか少ないと思いますけれども、この図に出ていない沖合にプレートの境界がございますので、その影響を考えますと決して地震の少ない安全な場所だとは言えない。言えるとしたら、太平洋とかの沿岸ではない内陸で、つまり、沖合の地震の起こる場所から離れた内陸で活断層の少ないところを見ればいいということになります。そうしますと、これでごらんになって、概して中国地方、瀬戸内海を含めた中国地方から北九州も含めてその地域と、北海道の北部というか中部というか、その辺は活断層が少なくて、実際に歴史時代の大被害地震も少ないところです。  それから、もうちょっと東京の近くということでいいますと北関東ですね。南関東は先ほどのように下にプレートが来ていますので、北関東の西半分というか北西というと、ちょっと先ほど例に言いました群馬県から長野県の佐久とか、長野県の長野市とか松本の方へ行きますと活断層がまた入りますので、群馬県から群馬県に近い長野県、八ケ岳の周辺から甲府あたりにかけては割に活断層が少なくて、沖合の地震の影響の少ないところと言えるのではないかと思います。  そういうように活断層を考慮しますと、地点によって、活断層がそれぞれ自分のペースで地震を繰り返し起こしているという過去の様子がわかりますと、計算することができるわけですね。その地点で震度五になる頻度はどのくらいかというのを計算した例が次のニページ目の右の真ん中にございます。震度五以上を受ける頻度を活断層の資料から、つまり、その地点にとってどんな活断層がどのくらいの距離のところにあるかによって計算しますと、この図のように活断層の非常に多い中部地方で頻繁に起こります。先ほど申しましたように、中部地方を中心にして中部日本から近畿にかけて頻繁に震度五を受ける地点があるわけですね。それから外れたところが白くなっております。そこのABCは、震度五を受ける頻度が、Aは二十五年より短い間隔で震度五以上を受けるだろう、Bのところは五十年、それからCだとそれ以上、Cとも書いてない白いところは百年以上待っても震度五以上になることはないでしょう、そういう結果になっています。  ただ、余りこれは信用していただかなくてもいいというか、活断層の資料がそれほど十分ではありませんが、とにかく日本列島でこのくらい差があるのだということですね。絶対値で五十年に一度というけれども実際はどうかというふうにとらないで、場所によってこんなに差があるのだという例としてごらんいただきたい。どこが安全かという御質問に対してはストレートに答えにくいのですけれども、こういうのをごらんくださって御判断いただきたいというところなのです。

中山利生自由民主党・自由連合

○中山委員長 ほかにございませんか。

坂本剛二新進党

○坂本(剛)委員 私から一点。  今度の地震は直下型で、一メーターから二メーターのずれということから津波の可能性はなかったですね。プレート型の地震になりますとかなり大きな沈み込みがありますから、相当な津波の危険性があるということも考えられるわけですね。よく地震が誘発されるなんという話を聞きますけれども、直下型とプレート型が二、三日、一週間内外の範囲内で同時に発生したときに、これは例えば、今の神戸の一週間後に四国沖のプレートが動いた、大きな津波が発生して海の水が神戸市に入り込んだら、さらに大きく被害が拡大されたと思うのですね。人畜に対する被害というのははかり知れないものがある。こういう可能性というのは全く考えられないというふうに見ていいのですか、あるいは十分あり得ると見ていいのですか。

松田時彦九州大学理学部教授

○松田参考人 一つの問題は、そういうことが起こった場合に津波がどの程度内陸の都市に来るかという御質問だとすると、安政のときに沖合で安政の南海地震が起こって津波が紀伊水道をさかのぼってきまして、大阪で随分津波の被害を受けております。明治のちょっと前ですけれども。神戸のことについては、ちょっと私の記録がありませんで、記録は安政のことだからあると思うのですけれども、大阪であれだけ淀川に沿って海の水がわっと逆流してきて随分被害が出たので、恐らくそういうことが起これはまた大阪はそういうことになるし、神戸だって、近くですから同じじゃないかと思います。内陸の地震では浅いですから、大阪湾で起こっても大した津波にはならないと思います。  それから第二番目は、内陸で大地震が起こって、続けて被害の復旧もならないうちに沖合で起こる可能性はということですが、可能性もないわけじゃない。つまり、半分独立してそれぞれが地震を起こすと思うのですけれども、それがたまたまフェーズが合ってしまう。たまたまという可能性が一つと、それから今までの起こり方を見ますと、どうもたまたまじゃなくて、沖合が百年に一度大地震を起こすその百年目の少し前の数十年間には、内陸で割に頻繁に内陸の直下地震が起こっている、西南日本という広い範囲で。  例えば、昭和から平成にかけてのこの数十年間、百年近くの間にさっき平均したら明治以後十五年に一度ぐらいとか言いましたけれども、昭和の二十何年までの前半にもう数年置きに、先ほどの北伊豆地震、その数年前には北丹後地震、それから十年後には鳥取地震、それからその数年後に三河地震、その数年後に福井地震。福井地震と三河地震のそのころに南海地震、東南海地震も起こったのですけれども、今から見ますと、そういう東南海地震とか南海地震が昭和二十年前後に起こった、その前ぶれで相次いで起こったのかなという気がするのですね。それが起こってしまったら、それ以後は昭和の後半から現在まで静かだった。  そういう意味で、今回内陸でしばらく静かだったのが起こり始めだというのは、またばたばたと起こって、それであと何十年かで南海道地震の百年目の時期が来ますので、その準備というか、相関関係が始まったのだろうかと言う方もおられますね。その程度の因果関係で、否定もできないのですけれども、割に活動が高まるということはあると思います。内陸が盛んに起こりますと、それが将来の沖合の地震の前ぶれであるらしいという例があるという程度です。

坂本剛二新進党

○坂本(剛)委員 危機管理ということを考えますと、いわゆる内陸型の、直下型の地震だけ考えておったのでは危機管理にならぬじゃないかという意見もあります。複合災害といいますか、集中豪雨とか台風とか、あるいはプレート型、津波発生型地震とか、一度に集中的に来たときに、今度のあの神戸地震だけを参考にして地震対策やその後の防災対策をとっておってもこれはいかんのじゃないか、そういう考え方もあります。ですから、なおさら海と陸の同時発生というのが非常に気になるところなのです。

松田時彦九州大学理学部教授

○松田参考人 昭和の海の地震から百年目が近づいてきていますので、そうしますと、今のように、内陸の地震も盛んになるという例が昭和の初めにあったわけですから、そういう意味では、そういう可能性をどっちにしろこれから考えなきゃいけない。今お話しのように、地震だけじゃなくて、その他の災害も考えなきゃいけない。ただ、今までは、内陸の直下の地震についての考慮が比較の上でちょっと少なかったのじゃないかという気はいたします。

久保哲司新進党

○久保委員 今の話で、ちょっと坂本先生のお話ともダブるのですけれども、日本人というのは熱しやすく冷めやすい部分も多々ありまして、神戸の地震があったとなると、一般市民も含めて、それこそ活断層という言葉だけがだあっと入っておって、それがすべて地震の原因のようになっています。かといって、一方で余り不安ばかりあおるわけにもいきません。  地震というのは、活断層によって起こるものとプレートのずれ、その他の原因、先ほどおっしゃった関東ではもっと深いところにあるのじゃないかということも含めて、防災地図といいますか、そんなものが一つは必要じゃないかということが考えられます。そういった意味では、先生方の、それぞれの専門分野がおありなのでしょうけれども、より広い分野で、国を守るといいますか、町を守るというか、人命を守るというか、そういう観点からの協調体制というものもお願いをしたいなと思います。  一方、この委員会自体が国会等の移転という、国の中枢機能をどこかに新しいところを求めようという、そういう委員会でもありますし、そういった観点からは、先ほど中島先生の方からもありましたけれども、どこか、より安全なところはあるのかということに関しても、ぜひ先生方の調査の結果といいますかお知恵をおかしをいただきたい、そんなことを痛切に感じる次第です。  そこで一つ。最近は科学が発達し、地震計等によってさまざまな予知ができるようになっているということですけれども、過去、いろいろな話を聞きますと、桜島の噴火のときには、それこそ山におるいろいろな動物が、一週間前、十日前にどんどん下へ下ってきてあっちこっちへ逃げ去ったというような話があります。  また、外国ではそういったものも参考にしておるような事例が結構あります。先ほど先生が、日本では余りないですねとおっしゃいましたが、逆に日本は、狭いところを全部コンクリートかアスファルトで覆ってしもうているから、自然動物が生息する場所がなくなってしもうて、それを参考にすることができへんようになってしもうているのかな、そんな気もしないわけではございません。  僕は大阪の片田舎に住んでおるのですけれども、そこでお百姓の人たちがよくおっしゃるのは、ハチが巣を木の上の方につくりよるか下の方につくりよるか、それを見たら、その年に台風が来るかどうか大体わかるというわけです。木でも家でも、ハチが低いところに、地表から近いところに巣をつくっておるときというのは、結構強い台風が来る。上の方につくっておる年というのは、まず台風が来る心配がない。それによって作物の作付とか、そういうことも考える。こんなことをおっしゃっていました。  事実、この間の神戸のときでも、スイスから犬がやってきて、それで人が下敷きになっておるかどうかを調べていった。神戸の現地の人の話を聞きますと、人間がだあっと見て回っただけやったら身内としては非常に不安だけれども、犬が来て、最後、その犬が、あきらめてと言うとおかしいですけれども、ここもうおらへんでという感じで別のところへ移っていったら、そこを探してほしいと思っておった人は安心しはったというのですね。それだけ人間が、人間の一方での弱さを知っていると同時に、動物には人間にない嗅覚なり聴覚なり、そういったすごいものがあるということを本能的に知っているんだと思います。  そういった意味では、確かに科学そのものの見地からの研究というものもぜひ進めていただきたいと思いますけれども、一方で、動物といいますか、人間にはないものを持っておる、それらを参考にされることも大いに必要なのかな、そんな気がするのです。  具体に何を質問というのじゃないのですけれども、御感想がありましたらぜひお聞かせをいただきたい、そんなふうに思います。

松田時彦九州大学理学部教授

○松田参考人 外国で、地震の前兆みたいに動物がそういう異状を示すという例がありますけれども、つまり、恐らく動物は、普通の人間が感じないことも、例えば小さな地震を感じる能力は人間以上にあるものもあるんじゃないかと思うのですね。ですから、人間は何にも気がつかなくても、動物だけが気がつく異状というのはある。  断層の直前の動き方、断層が動くときには人間は気がつかないけれども動物だけが気がつくということもあり得る、そういう中間の、そういうような地震もあるんじゃないか。そういう例を我々が持っていれば、そういうのが語りぐさになって我々もっと実例として知っているかと思うのですけれども、我々にとって、たまたま人間様はわからなかったけれども動物だけがわかったという中間の小さな前兆を示すような例にまだ出会っていないのかもしれないですね。現在はかなり機械の精度がよくなっていますので、その動物の感じにかなり接近しているかもしれないけれども、まだ及んでいないかもしれません。よくわかりませんけれども、そんな感想です。

田野瀬良太郎自由民主党・自由連合

○田野瀬委員 首都を移すときに、より安全面、まあ地震のないところにこしたことはないのですが、そういうことになってくると、本当に限られた地区になってきますね。  これを今見ておりますと本当に限られた地区で、地震がないというのも首都を移転するときのいろいろな選定基準がある中の一つなんですが、これを一〇〇%考えると本当に限られた地区になってくる。ということになってくると、この活断層を見て、地震の可能性のあるところ、あるところというより、地震が起こらない地区を選ぶということがどれだけの重要度があるのか、ちょっと表現がおかしいですが、先生はどんなふうに思われますでしょうか。  これはもう安全なところにこしたことはたいのですけれども、それを一〇〇%勘案してしまいますと、本当に限られたところになってしまう。むしろ、十分地震は起こるという可能性を感じつつ、防災に強い首都をつくればいいんだとか、あるいは防災訓練をちゃんとしておけば、それはもう心配要りませんよ、少々活断層の上であってもとか。こんなことを言い出したら新幹線もつくれないことが起こってきますので、その辺のところを先生はいかがお考えでしょうか。

松田時彦九州大学理学部教授

○松田参考人 地震が一〇〇%起こらないような安全なところを探すというのは無理というか、さっきもありましたけれども、日本はほかの種類の災害が、台風が来たり洪水が来たりどこにいたっていろいろあるわけですから、それと同じような意味で地震も、台風だとか洪水だとか山崩れだとか火山だとか、もうある程度はそういういろいろな自然災害の中の一つの要素として取り込んで考えていくというよりほかないんじゃないでしょうか。地震だけを考えて完璧な安全なところを探すというのは、絶対に台風が来ないようなところを探すとか、洪水が来ないところを探すというのと同じことであって、無理というか、もうある程度日本は覚悟して住まなきゃいけない。  ただ、そのときに、洪水だったら百年に一度考慮するのか、地震だったら千年に一度のものも考えるのか考えないのか、それはもう科学の問題よりは防災の問題になると思います。

田野瀬良太郎自由民主党・自由連合

○田野瀬委員 この防災面をきちっとさえしておけば、少々、マグニチュード七ぐらいが来ても災害を起こさずにいけますでしょうか。

松田時彦九州大学理学部教授

○松田参考人 今回の神戸の場合には問題があるわけですけれども、七が起こるとしたら本当に断層の真上というか断層に沿ってだと思うのですね。ですから、断層の位置をしっかりつかんでおけば、七対策としては、細長い部分だけとか、どうしても横切らなければならない大事なものの部分だけとか、そういう場所をうんと限定することはよく調査すればできると思うのです。七になり得るような場所というのはかなり押さえられると思います。

古屋圭司自由民主党・自由連合

○古屋委員 今の田野瀬先生の関連なのですけれども、私も、この地震というものは、いわばいろいろある災害の中の一つというふうにとらえるべきではないかなと思うのですね。現に今度の阪神の地震でも、最新の技術を駆使して建造された構築物についてはほとんど被害が起きていないということも聞いているわけでありまして、そういう意味では、仮にマグニチュード七あるいはそれ以上、今度の阪神大震災以上の規模の地震であっても、それに耐え得るような構築物をつくる、いわば新首都の建設というのは技術のオリンピックでもあると思うのですね。ですから、そういう意味では、そういった構築物をつくるということが今の技術上十二分に可能だと私は思うのですけれども、まず、この点についてお伺いしたい。  それともう一つは、仮にそういう地震が新首都で起きた場合、いろいろな緊急対策あるいは緊急復興対策等々ございますけれども、それ以外に、こういうことだけはしておかなければいけないのだと、何か地震学の専門家としての御意見があったらちょっとお伺いしたいなと思います。

松田時彦九州大学理学部教授

○松田参考人 済みません、初めの方の御質問は……。

古屋圭司自由民主党・自由連合

○古屋委員 ですから、地震が起きることは仕方がないわけですね、全国どこでも地震が起きるわけですから。したがって、その地震に耐え得るような構築物あるいは新首都というものは、ちょっと先生の畑が違うと思いますけれども、今十二分にそういう対策というのはやれるのかどうか、それがまず第一点。それから、仮に起こった後の問題です。

松田時彦九州大学理学部教授

○松田参考人 場所を限定すれば、それなりの防備をお金をかけて丈夫につくることはできるわけですね。ですから問題は、場所を限定できるかどうか。全国同じように強いものをつくるわけにはいきませんので、場所を限定できるかというと、活断層の知識があれば比較的にできるわけで、例えばどこかの地域を選ばれて私がそれをもし伺ったときに、どうせならばそこは避けた方がいい場所なのになという場合と、まあいろいろ考えるとどこも日本じゅう安全なところがないのだから、ほかのファクターを考えて選ばれたのもごもっともというか無理もないなと思う場合とあると思うのですね。  ですから、私の方から言いますと、わざわざそんなところを選ばなくてもいいのにというような場所を選ばれないようにしてくださればいいと思うのです。できるならば、活断層が市内を通過しているような町にわざわざ移転することはなかろうという気がします。ある程度は活断層からの地震を考慮しなければいけません。それでもやむを得ないときには、活断層の真上にまたがって大事なものをつくるようなことはやめて、どうせならばその断層の両側何十メートルか、百メートルでもいいから、そこはちょっと避けて都市計画をしていただければいいのじゃないかと思います。  それから、起こった後で何かという、起こった後というのは結局次の地震の前ということで、はっきりしたその土地の活断層を含めた地下の状態をよく調べておくということが必要だと思いますね。今度の神戸地区も、地下の地層がどうなっているかとか、断層がああいう海岸沿いにあるのかないのかということを結構わかっていないみたいでしたので、ある程度候補がかなり絞られてきたら、ぜひそのための調査をあらかじめされておいたらいいと思います。

村田敬次郎自由民主党・自由連合

○村田(敬)委員 村田です。松田先生のお話、先ほどから承っていて大変参考になりました。  私は中座しましたので、あるいはそのときに御質問が出たのかもしれませんけれども、江戸、東京の地域というのはまさに地震多発地帯なのですね。元禄大地震、安政大地震、それから関東大震災と、三百年足らずの間に、あるいはその間だけとれば二百年足らずの間に三回起きている。したがって、地震の専門家の話を今まで聞いたところでは、東京地域に二十一世紀初頭には起こる可能性が非常に多いですよ、こういうことを言っていたのですね。これは人によって違うのでしょうが、先ほど松田先生のお話は、これは私は学者としては当然だと思うのですが、千年ぐらいの頻度でしか正確な推定はできないと言われました。  私が聞きたいのは、東京のこの地域に二十一世紀初頭ぐらいには地震が起こるということが今まで言われているし、また、関東大震災のときは死者、行方不明者だけで十四万人を超しているのです。だから、今度の阪神大震災で亡くなられた方よりもはるかに多いのですね。そういう意味で、二十一世紀初頭にそういう今まで言われていたような大震災がこの東京あるいは東京周辺の地を訪れる可能性が非常に大きいのではないかと思うのですが、その点、松田先生、どう思われますか。

松田時彦九州大学理学部教授

○松田参考人 今のお話で出てきた元禄地震それから大正の関東地震、そういうものの再来は当分先で、ないと思っております。それは私の地学の方の地表の観察からなのですけれども、元禄地震のときには房総半島が一遍に四メートルも五メートルも隆起したのですね。そういう事件は、過去を見ますと六千年間に四回しか起こっていないのですよ。その四回目が元禄に起こっていますので、同じような、元禄地震みたいなものは当分先だと思っております。  それから、今の元禄地震というのは外房を中心にしたのですけれども、大正の関東地震は相模湾の中です。そのときの地殻変動も、過去の様子を見るとこれも数百年に一度なので、これも大丈夫ではないかと思っているのですね。その続きである国府津―松田断層は要注意と言っているのですけれども、それは別として。  それから、その二十一世紀の初めにというのは、それ以外のところで起こる地震のことを心配されているのだろうと思うのですね。その二十一世紀の初めに起こるだろうと言われている方も、恐らく元禄地震だとか大正の関東地震の再来を考えていらっしゃるのではないと思うのですね。  どういう根拠で言われているか。私が思うに、それは今までの江戸の歴史を見ると割にこういう間隔で起こっているから、次がもうそろそろ、また数十年の間に起こってもいいのじゃないか、それが二十一世紀の初めなのじゃないかという推定と、もう一つは、地殻変動が、少しずつ地面というのはゆがんでいるわけですけれども、そのゆがみがある限界を超えると岩石というのはついに壊れて地震になるわけで、今の調子のゆがみの速度を外挿していくと、あと何十年、二十年か三十年かで限界に来るだろう、そういう根拠じゃないかと思うのですね。  私は、そういう、どこだかわからないけれどもとにかく割に頻繁に起こってきたし、地面はゆがみを続けているという点で、二十一世紀の初めでもいいし、中ごろでもいいし、あるいは二十一世紀になる前だっていいというか、根拠は大してないですけれども、どちらでも起こり得るのじゃないかとは思っています。

村田敬次郎自由民主党・自由連合

○村田(敬)委員 私は、神戸に住んだことがかつてあるのです。それで、神戸で今度のような大地震が起こると想定した人は少なかったと思うのですね。事実、あれだけきれいな国際都市ですけれども、防災的な設備は非常に少なかったと言われています。そこへ来たから、先ほどのお話を裏返すと、今神戸へ首都移転すれば非常に安全なのじゃないかという裏の論理も出てこないことはないのですけれども、東京の場合は神戸よりはるかに地震が起こるだろう。そして、こういう巨大都市ですから、東京圏だけで一千二百万、もっと幅広くとれば三千万ぐらいですから、ああいう大震災が起こったらもっともっと大きな災害になりますよ。これはもう当然考えられると思うのです。  鈴木東京都知事は新宿にお建てになったとき、相当防災施設をつくっていますね。私は以前に視察に行きましたが、よくできていると思います。しかし、まだまだあれでもとても不十分で、東京の町づくりというのは、こういうときによほど考えていかないといけないなということを痛感していて、阪神大震災が起こってから、プレスのいろいろなインタビューでも、こういうことが一極集中の東京へ起こったらということに非常に今関心が国際的に集まっているのですね。  そういったことも含めて、これからの東京都を、私は首都移転は当然遷都ですべきだと思っているのですが、そういうふうにするとすれば、特にどういうことを注意しなければならないかというようなことについて、御所見があれば承りたいと思います。

松田時彦九州大学理学部教授

○松田参考人 先ほど申しましたように、歴史に残るような大地震というのは、つまり元禄地震とか大正の地震とか、そういう大地震は当分起こらないのじゃないかと私は思っているわけですね。地面を急に隆起させるとか、そういうような跡を残すような大地震は余り起こらないのじゃないか。  けれども、結構明治から大正にかけてローカルな、横浜地震とかなんとかという町の一部分がひどくやられる、京葉、京浜のそういう一部分がやられるような地震は割に頻繁に起こっていますし、それは地学の方の証拠が残らないものですから、どのくらい頻繁に起こっていても何ともわからないわけで、私が想像するのは、そういう結構深いのですけれども中ぐらいの被害地震は割に頻繁に起こるだろう。明治、大正の様子から見ると、数十年に一度起こったっていいのかもしれない。ただ、大正十二年より前に、割に頻繁に起こっているのですね。それ以後は静かになりましたので、当分関東大地震みたいなものは、私は来ないと思っています。  したがって、その点も静かな時代がもうちょっと続くのかもしれないという気もしなくはないのです。当分大丈夫でしょうということは余り声高く言いにくいことですから言いませんけれども、心理的にはそれほど心配しない。東京には壊滅するような大地震というのは、余り自信はないですけれども、とにかく外房はもうエネルギーを、数千年ぶりの事件を元禄に出している。それから、内房というか相模湾内部は大正十二年に出している。そのすき間にまだエネルギーが残っているかとか、今のはプレートのちょうど境なんですけれども、見逃しているかどうかという不安はございますけれども、明らかに見逃さないで注意というのが、さっきから言っている外房、内房の延長である神奈川県西部の陸上ということになってしまう。それだけを私は一番気にしているのです。

村田敬次郎自由民主党・自由連合

○村田(敬)委員 もう一問だけ。  先生の御意見は大変関係者を安心させる意味もあるだろうと思いますが、ただ、先ほどのお話を聞いていて、家康は浅草とかあの辺を盛んに埋め立てたのですね。それで、起こる可能性があるのは山の手の方に割合あるんだということを先生がさっきおっしゃったでしょう、直下型は。

松田時彦九州大学理学部教授

○松田参考人 直下型は、立川断層と荒川断層と三浦半島というのは東京の近くですね。

村田敬次郎自由民主党・自由連合

○村田(敬)委員 だから、東京の辺にはしばらくは地震は来ないだろうという推定は、関東地方全体を含めて言えることなんでしょうか。

松田時彦九州大学理学部教授

○松田参考人 私がしばらく来ないだろうと言ったのは、本当に大きなやつです。七・九とか、元禄地震は八ですか、とにかく八クラスのものは起こったばかりという感じがするのです。八ですから、範囲が広いですから、そう見落としていないのじゃないかと思うのですけれども、安政の地震程度の七クラスかそれより小さな地震はもっと頻繁に起こっていますし、過去にどういう割合で起こったかの証拠、歴史時代よりもっと古い活動の様子もわかっていないものですから、その点は不安というか、それは起こるかもしれないとは思います。

中島武敏日本共産党

○中島(武)委員 地震は確かに自然現象ですから、これは避けることはできないと思うのですね。ですけれども、被害を最小限に防ぐのは、これは政治の仕事ですから、やり方によってはできるわけですね。そういう点では、私は、非常に地震に強い都市づくりとか国土づくり、あるいは起きたときに必要である消防力の強化とか、さらにもっと言えば予知・観測体制、これをもう本当にしっかりつくり上げる必要があると思っています。  それで、そういう点から先生は随分苦労していろいろやっていらっしゃるのですけれども、活断層の調査なんかをおやりになるときに、費用はどれぐらいかかるのですか。そして、それはどこから出るのですか。国からですか。

松田時彦九州大学理学部教授

○松田参考人 国です。私、今もそうですけれども、国立大学におりましたせいか、国以外には私自身は調査費をいただいたことは余りありません。  そういえば、東京都で一九七〇年代の初めに、何か防災会議が南関東の活断層を調査するということで、その結果ここに出ている立川断層だとか深谷断層が見つかったのですけれども、そのくらいを思い出すぐらいで、あとは普通の研究費でやっております。  活断層の調査にどのくらい費用がかかるかという御質問は、活断層の調査の仕方によるのですけれども、今までのところは、地表の地形だとか地層がどう食い違っているか。特にあの厚い本をつくりましたときには、地層の観察というと現地に行かなければわからないのですけれども、地形ですと、全国の空中写真を見れば地形がよくゆっくり見えますので、それを十何年にわたりまして研究費を少しずつ、一遍に買ったって全国一遍に見えませんからちょうどいいのですけれども、少しずつ日本の全国の空中写真を買いまして、あのころ一枚五百円だったのですけれども、それが何万枚でしょうか。その程度の費用で、それを十年というようなスケールでそろえまして、あの本ができたようなものです。あと、念のために肝心なところは現地に見に行くという旅費程度で、一九八○年代の初めまではそういうような仕事が主だったわけです。それはもう国とか科学研究費ですね。要するに国のお金です。  それで、八○年代以後は、今度は現地で土を掘って地層の記録を読む。そうなりますと、ユンボだとか土地を借り上げるとかちょっと大きくなりまして、一カ所掘るのは業者にお願いすると一千万円を超えるのですね、一ケ所掘る見積もりをとりますと。でも、予算はそれより一けた小さかったものですから、それなりに業者にも勉強してもらったり、我々でできることはなるべくして、とにかく数百万円をいただきながらやっております。

中島武敏日本共産党

○中島(武)委員 今、一千万円を超えるというお話なんですけれども、実際には数百万円の範囲でおやりになっていらっしゃる、そういうことでございますね。

松田時彦九州大学理学部教授

○松田参考人 一ケ所、トレンチと言っていますけれども、地面の断面を数メートル見るためには……。

中島武敏日本共産党

○中島(武)委員 先生の話を伺っていると、物すごく大事な活動をやっていらっしゃるのですね。だから、もっと政府は、地震に強い国土をつくるという上からいっても、先生方のような大事なお仕事をしているところにうんとお金をつける必要があるんじゃないかなということを、私はきょう先生のお話を伺いながら、非常に実感いたしました。  それからもう一つ、時間が許せばお尋ねしたいと思っておりますのは、アメリカで、ロサンゼルスの地震があってから後に行われたものだと思うのですけれども、活断層法という法律をつくって、そして原発の立地を許さないとか、あるいは都市開発も制限をするとか、そういうことも含めていろいろ厳しく何か制限をされておるというお話を聞いております。  話を聞いている程度で、私、これを実は全然読んでおりませんので、どんな内容なのかなということを思いますのと、やはり日本でもこういう活断層法のような法律をつくる必要があるかどうか、その辺についても、あわせてひとつ先生の御見解をお伺いしたいと思います。

松田時彦九州大学理学部教授

○松田参考人 大変大事な仕事であるとのお言葉をいただきまして、ありがとうございます。だからもっと調査を進めるべきであると。  また、法律の問題も、法律となりますと、調査をどうしてもちゃんとやらなければいけなくなる。ですから、お金とか法律の前に、私が思うのは、もしお金がどかっとついた、あるいは法律ができた場合に問題になるのは、研究者の数なんですね。  今、私のような、つまり私のようなというのは、地震計とか機械を使わない、さっき空中写真を買うお金と申しましたけれども、そういった歩いて目で見る現地調査で活断層を調査して地震予知に役立てようという、そういう研究者の数が極めて少ないのですね。また、地層を掘ったときに正しくそこから昔の地震の様子を読み取るというのになれている方も非常に少ないわけです。  それはなぜかといいますと、私は、機械を使わない地質学者として地震研究所におったから、そういう方法で調査をするのが当然だったわけですけれども、現在の日本の大学制度では、第四紀という、地質学的にごく最近の時代の地殻の動きを主として研究する講座だとか研究部門がないと言ってよろしいわけです。  分野からいいますと地質学とか地形学ですけれども、そういう方々は、もっと広い範囲の地質学や地形学の素養、実力は持っておられますけれども、本当に地震、将来の地殻運動を予測するための仕事をしておられない。実際に地震予知にかかわっている方もごくわずかです。  つまり、地形学や地質学は、ほかにもやることがたくさんあるものですから、何も地震予知に関与しなくても仕事はあるし、お金もどうせたくさん来るわけでもないから、よほどやれと言われなければやらなくても済んでしまうわけですね。ところが、地震学者という方々は本当にたくさん機械が要りますし、地震の研究をするということがそのままイコール予知につながるわけで、そういう立場もちょっと違うのだと思うのです。  ですから、私が百年の計を持って内陸の地震のことを考えると言う裏には、人材養成から考えていかたければいげないのではないか。法律をつくるのもいいけれども、百年先の法律を考えてもしょうがないので、つくるとしたらやはりこういう機会だと思うのです。  その場合には、今、大学にそれに応じたちゃんとした講座がなくて、私立だとかいろいろなところに散らばっている野にある関連の学者を有効に動員できるような、そういうものを組織しておかないと、法律だけあるいはお金だけが先走ってもよろしくない。  なれない人がむちゃなことをやって、例えば地層の記録を掘っても、自然破壊をして、また埋めて、結果だけひとり歩きして、後、ほかの人がその結果が正しいかどうか、あるいはもうちょっと詳しく調べたいとかチェックができないわけですね。埋めてしまう、地主さんにもとどおり戻すという約束で掘りますものですから。ですから、いろいろな制約がございます。  ですけれども、今、本当に無神経に病院や学校が断層の真上につくられていたり、それから全世界の地震予知の体制を見ますと、こういう地震計を使わないような地質学的な面からの地震予知をやっている度合いの低さにおいては日本は一つの特徴的な、逆に言えば、それ以外の部分を非常によくやっている、そういう地震予知の一つのスタイルでやってきたと思うのですね。必ずしもそれがいけないとも言えませんけれども、こういう事態になってみますと、ちょっと片方が人材不足でもあったし、したがって研究不足であったという感想は持っております。  ぜひ何らかこの機会に社会的な意味で活断層を、今だと、ただ識者が叫んでいるだけで終わってしまいますので、これではまた何年かたつともとのもくあみになるので、そういうことのないように何らかの緩い法律でも、あるいは抜本的な地震予知とか防災の見直しをこの機会にするとか、濃尾地震とか関東大地震のときをきっかけにして日本の地震予知とか防災はがくんと進歩したというか、エポックメーキングなことだったわけで、今回の機会にやはり抜本的に見直して、具体的に言えば、活断層も社会的にちゃんと認知されるような、ただ言うだけではなくて、何か制度をつくっていただきたい。まあそれが法律かもしれませんけれども、私はそう思います。ただし、法律の場合には実現可能な、弊害を伴わないような形で考えていただきたいと思いますけれども。

中島武敏日本共産党

○中島(武)委員 ありがとうございました。

永井哲男日本社会党・護憲民主連合

○永井(哲)委員 先ほど、学者によっていろいろな見方ができる、これを千年というふうに見る人もいればそうじゃないというふうに見る人もいる、そういうようなこともおっしゃったと思うのですが、その中で、同じものを見ても見方がいろいろだということであれば、その要因というのがどういうところにあるのか。  例えば、プレート型の理論というのはもう既に確固たるものだと思うのですけれども、直下型の場合にはその起こるメカニズム自体にいろいろな意見があるのか、それとも、メカニズム自体の理論は一致しているのですけれども、いろいろな要因のとらえ方といいますか、そういったところでいろいろな見方があるのか、そういったところをお聞きしたいと思います。  そして先ほど、これは千年ぐらいというのがありましたけれども、例えば千年か千二百年か千五百年か、そういう、どのくらいの期間がというのはどんなふうに決めるのか、その二点をお聞きしたいと思います。

松田時彦九州大学理学部教授

○松田参考人 最初の点ですけれども、メカニズムが沖合の地震と内陸の地震で違うかというと、私はそう思っておりません。  問題は、例えば沖合の場合には百年ごとに起こっているというのが歴史の記録からよくわかっているわけですね。ところが、内陸の場合には、千年に一度ぐらい、二千年かもしれませんけれども、その千年ごとという記録が書かれた古文書がなくて、我々が知るのは地層とか地形から読み取らなければいけない。百年であるということを前提にして今予知が進んでいますけれども、その前提になったことが、内陸の場合には千年か、それが人によっては二千年か三千年かという問題があるわけです。  それは、書かれた歴史だったら問題はないのですけれども、自然界から読み取るということですね。その読み取るということができる、なれている人間が、今まで地震予知をやってきた地震計とか古文書を見ていた人とは全然違う方向、そういう人たちが相手にしたものとは別の、地層というもの、地形というものから読み取らなければいけない。そうすると、地形や地質を扱っている人間は多いのですけれども、地層から地震を読み取るということに経験のある人間が余りいない。また読み取り方が難しいから、あるいは年代測定の問題もあって、千年だったり二千年だったりする。  それから、一つの断層でも何十キロと続いているのに、掘るというのはその中のある一地点だけですから、もうちょっと何カ所か掘って本当の結論を出したいと思うのですけれども、そういう点で大きな対象物のごく端っことか真ん中の一地点だけでその断層全体のことを言わなければいけない場合もあるわけで、とにかくなれた人間が少ないために、いろいろな見解が出てくるのではないか。大勢の人が断層の多くの地点で資料を得たら、おのずからフィックスしてくる、収れんしてくるんだろうと思っています。  今、沖合で百年というわかり切ったことを、内陸で千年だという、それを読み込むための人間が少ないという段階で、それで、百年ごとである、百年の誤差があるということがわかれば、そうすれば今までの地震予知体制がそのまま使えるわけですね、さっき言いました直前予知をとらえるために。ただし、百年間の覚悟でということなりますけれども。

永井哲男日本社会党・護憲民主連合

○永井(哲)委員 もう一点お聞きしたのは、今のお答えでいいと思いますけれども、千年か千二百年か千五百年かというようなところは、やはり歴史である程度特定するというような形になるわけですか。

松田時彦九州大学理学部教授

○松田参考人 歴史というのは、書かれた歴史ではなくて、地層ですね。千年前に堆積した地層、二千年前に堆積した地層はどうなっている、三千年前はまたぐしゃぐしゃになっているから、これは三千年前と二千年前の間に事件があったのだろうとか、要するに、そのころにできた地層の解読、古文書の解読ではなくて地層の解読ですね。

中山利生自由民主党・自由連合

○中山委員長 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。  この際、参考人に一言お礼を申し上げます。  松田参考人には、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表して厚くお礼を申し上げます。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午前十一時五十四分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗