厚生委員会 第11号
- 発言数
- 159 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1995/05/12
会議録
○岩垂委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、参議院送付、食品衛生法及び栄養改善法の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山本孝史君。
○山本(孝)委員 おはようございます。新進党の山本孝史でございます。本日の議題に入ります前に、冒頭、阪神大震災への取り組みについて二、三お伺いをさせていただきます。 マスコミでは、オウムだ、サリンだということで、阪神大震災への国民の関心が随分薄れてきているのではないかというふうに心配をしております。きょうで震災から百十七日目を迎えておりますけれども、この七日の日曜日に私も現地を再び訪れてまいりました。 建物の解体が進んでおりまして、空き地が随分目立つようになってきましたけれども、一方で、傾いたビルがあったり、あるいは壊れたままの家屋も非常に多い。避難所でお暮らしになっている方がまだ四万人近くもおられるという状況がございます。この避難所におられる方々、口々におっしゃるのですが、自衛隊が解散式を行って撤退をしました。ボランティアも数が随分減ってきましたことで大変に心細い思いをしておられます。 そこに、五月三日の朝日新聞で、避難所暮らしの人には生活保護は認められない、こういう記事が出ました。その理由として、厚生省は、「公費で食事や生活物資が支給されている避難所は憲法二五条に定められた「健康で文化的な最低限度の生活」が維持」されている、そういう判断からだというふうに書いてあります。避難所の生活がそんな状態でないことはだれの目にも明らかでございます。避難所暮らしの方々は口々に非常に怒りの言葉を発しておられる。厚生省にも言い分がおありになるのだろうと思いますけれども、その御見解をお伺いをしたいと思います。
○井出国務大臣 避難所で生活されている方々はその生活が長期化し、大変御苦労されているものと思っております。厚生省といたしましては、地元の自治体と一体となって、避難されている方々が一日も早く避難所を出て平常生活を取り戻せるよう、全力を挙げて取り組んでいるところでございます。 生活保護の問題でございますが、災害救助法に基づく避難所は、災害に際して居住の場を失い、または安全な場所に避難する必要のある被災者に対して応急的に救助を行うために設置されるものでございまして、もともと永続的な生活の本拠として考えられていないことから、保護費を支給して生活を保障しようとする制度である生活保護の適用は想定していないところであります。 避難所で生活しておられる方々については、食事の給与、あるいは被服、寝具その他日常生活用品の給与等、生活各般にわたり御不自由のないよう、といってもなかなか難しい面もあることは確かでありますが、生活全般にわたり万全を期しているところでありますから、ぜひ御理解をいただきたいと思うところであります。
○山本(孝)委員 法律の建前というのがあると思いますけれども、あとでもう一度お伺いをさせていただきたいと思いますが、避難所の状況というのは極めて厳しい状況がございますので、ぜひ温かい御配慮をお願いをしたいと思います。 実は、私が関係しておりますあしなが育英会というところで病気遺児、災害遺児の進学を支援しておりますけれども、今回、この震災遺児の応援にも積極的に取り組みをさせていただいています。このたび震災で父や母を亡くした子供たちの作文集、「とってもくやしい」というこの小さな作文集ですけれども、発刊をさせていただいて、大臣にもお届けをさせていただきました。ぜひお読みいただければというふうに思ったわけですけれども、もし御感想があれば一言お聞かせをいただきたい。 そして、厚生省、今後ともに被災者の救援には全力を挙げて取り組むという思いを、今の生活保讃の法の建前はありますけれども、大臣の被災者への思い、きっとおありになると思いますので、お聞かせをいただきたいと思います。
○井出国務大臣 お届けいただきましてありがとうございました。読ませていただきました。 全く突然お父さんやお母さんを失ってしまった無念さ、あるいは優しかった両親への追慕の心情など、切々と胸に迫るものがありまして、私も思わず熱いものを感じたのであります。ただ、この子供さん方、そういう中でも思いのほか大変前向きなことを書いていらっしゃるというのには、これはきっと周囲の励ましの結果がな、こんなふうにも思いました。そんな意味で、こういう支援活動を進めていてくださるあしなが育英会の方々に心から敬意と感謝を申し上げたいと思うものでございます。 少し外れますが、私は実は、ちょうど戦後翌年小学校へ入学した世代でありまして、クラス五十数名のうち、父親を戦争で、何らかの形で失ってしまった友人が十二名おりました。大変優秀だったにもかかわらず、家庭の事情で義務教育だけで就職をしていった連中が非常に多くて、私にとりましては、この前もちょっと申し上げたかもしれませんが一つの戦争体験だったのですが、彼らがその後大変経済的にも苦労したのを、私も少し遠くからですが見ておりました。時代が変わってもおりますから、あんなことを再びこの遺児や皆さんにさせてはならないし、また、しないようになるとは思いますけれども、そんなことを二重写しに、この本を読みながら感じた次第であります。 それからあわせてこの新聞もいただきました。大変厳密な調査をしていただいて、これもありがたいことですが、私どもの承知しておるあれは、実は十八歳未満の子供たちといいましょうか、についてなのですが、両親が亡くなった子供さんたちが八十八人、片親だけになってしまった子供さんがほかにもたくさんいらっしゃるもので、合わせると三百六十九人であります。こちら側のあれですと、六百四十一人というのはきっと不明の方とか、あるいは大学生なんかまで入っている数字かな、こう理解しております。 今孤児たちの多くは親戚の関係の皆さんのもとに移って生活されておりますが、行政としても、そういうことのできない皆さんには養護施設への入所など、生活の確保に万全を期しているところでありますし、また、御家族を亡くした家庭に対する災害弔慰金や遺族年金等についてもその早期支給に努めているところであります。親御さんを失ったつらい状況の中ではありますが、これらも活用して、学業の中断などなく、安心して暮らしていただきたいと心から願っているところであります。 また、このような子供さんたちに限らず、いまだ三万八千人の方々が避難所で生活されているわけでございまして、被災者の置かれている状況はまことに厳しいものがあります。地元の知事さんや市長さんあるいは同僚議員を初め、いろいろな方々から再三お話も伺っておりますし、私も五回ほど現地をお訪ねして、直接そういった皆さんからのお話も伺いました。そのたびに、被災者の方々の生活の支援に全力を挙げなければならないという決意を新たにしてきたところでございます。今後とも、地元の方々の生活の状況や御要望を十分踏まえて、一日も早い日常生活の回復、復興に向けて努力してまいりたい、こう考えております。 改めて、こういう活動をやってくださる皆さん方に御礼を申し上げる次第であります。ありがとうございます。
○山本(孝)委員 実は、私の地元の八尾市にも二百九十戸の仮設住宅が建っております。東灘から電車で一時間半ぐらいかと思いますけれども、駅も買い物も学校も全部五百メートル範囲内ということで、大変に利便性の高い仮設住宅になっています。ボランティアの世話役の方がおられて、実は入ってこられるところから一人一人お世話をさせていただいている。入居されている方々は、本当に天国みたいですという思いを実はおっしゃいました。住みなれた場所を離れたくないという思いが被災者の皆さんに強いということはよくわかりますけれども、この遠隔地の仮設住宅、片っ方で天国のようですとおっしゃる方たちもおられるわけですね。そういうお声を、今仮設住宅に入っておられる方の声を被災者の皆さんに、入居をためらっておられる方にぜひお伝えをしていただきたい。 また、ずっとそこに住んでいないと、すなわち神戸の町中に住んでいないと、例えば今度公営住宅の募集があったときにその公営住宅に応募する資格がなくなるのではないかという意味合いでその場所を離れたくない、あるいは住民票を移したくないという思いでずっとおられるわけですね。これは建設省の所管事項になるかと思いますけれども、今度公営住宅が募集をされるときは、その場所に住んでいなくても、離れた仮設住宅に入っていても応募ができるような、その両方に資格を持っているのだというような形で、ぜひ建設省の方でそういう対応をしていただければ、ここのところ、仮設住宅への入居も進むのではないかと思います。 食わず嫌いというわけではありませんけれども、見ないことにはよくわからない。今は任意募集になりましたから、実際皆さん、浜の方の仮設住宅を見に行ったり、北区の鹿の子台へ行かれたり、あるいは私どもの八尾まで来られて、一番自分の都合のいいところを今探してお入りになっているわけですね。選択の自由が出てくると、割と不平不満の部分もなくなってくるのではないかと思います。そういう意味でもぜひPRをしていただきたいし、建設省に、そういう声があるということを、きょうもお呼びすればよかったのですが、お時間もありませんので、厚生省の方からぜひお伝えをいただきたいというふうに思います。
○井出国務大臣 最近、サリンあるいはオウムの関係の、マスコミの記事はそちらでいっぱいになってしまっておりますが、せっかくの機会ですから、きのう現在の、ちょっとその面の新しい数値を申し上げさせていただきたいと思います。 現地からの報告によりますと、避難所はいまだ五百二十五カ所、避難されている方が三万八千二百二人、きのう現在いらっしゃいます。それから、応急仮設住宅ですが、四万戸の目標のもとに、発注済み三万九千二百四十一戸のうち三万八千四百四十六戸が完成し、三万三千八百六十二戸については入居決定し、二万五千八百三十三戸の皆さんに、かぎ渡しというのでしょうか、入居と一応整理しておりますが、されているところであります。 仮設住宅の実情をよく知っていただくという点につきましては、今委員おっしゃったように、入居者に対する説明会あるいは現地見学会等を実施して、入居促進につながるよう、地元自治体はそれなりに努力しているようであります。実は私も現地へ伺ったときに大阪の前の知事さんからお話を伺う機会があって、大阪の方で、来ていただいた方々は大変喜んでいらっしゃるというお話も直接お聞きいたしました。ただ、いろいろな御心配があってなかなか、自分の近くのところにというお気持ちの方も現実にいらっしゃることは事実であります。 ただ、市外の仮設住宅へ入居したような場合に公営住宅の応募資格がなくなるのではないかという御心配につきましては、建設省も、そのようなことはなく、被災地の公営住宅に入居できる資格は当然あるという指導をしているとお聞きしておりますし、厚生省としても、この点も含めて被災者に十分説明するよう、兵庫県を指導してまいりたいと思っております。 今後とも、完成した応急仮設住宅への入居促進を図り、一日も早く不自由な避難所生活が解消されるよう努力を傾注してまいりたいと考えております。
○山本(孝)委員 言わずもがなですが、現地を回ってみまして、市役所の職員の方たち、あるいは応援で各県から市役所の職員の方たちが来られているのですけれども、やはりなかなかコミュニケーションがうまくとれていない部分がありました。行政が上から何かしてあげるということではなくて、やはり被災者の方たちの同じ目線にまでおりてきて、役所から外へ出ていただいて、よく声を聞いていただく、そして一緒の立場で相談に乗ってあげる、そういうことがないと、なかなか皆さんのお気持ちも静まらないし、うまく行政が進まないのじゃないかというふうに思います。そういう意味でも、ぜひ外へ出ていただいて、いろいろな声をこれからも聞いていただいて施策を立てていただきたいというふうに思います。 今回の食品衛生法と栄養改善法の関係の質疑に入らせていただきたいと思いますけれども、今回の法律改正が、規制緩和の流れやWTO協定への対応であるということは否めない事実だというふうに思います。一方で、米の緊急輸入に関する残留農薬の問題、あるいはアレルギー症状を訴える人たちが非常にふえている、コンビニエンス食品が出てきてそういう需要が増大しています。したがって、その裏側では、食品添加物の摂取量が当然ふえてくる、そういう状況もあります。健康への関心の高まりなどを背景にして、食品の安全性に対する消費者の関心というのは極めて高くなってきている、そういうふうに思います。 例えば遺伝子操作によって害虫に強い穀物をつくるとか、あるいはパンがよく焼けるような酵母菌を遺伝子操作によってつくり出していく、チーズの発酵をよくするバクテリアというようなものを研究してみるというような形で、今、食品の製造技術にかかわる部分の技術革新というのが極めて急速に進んでいるわけですね。 そういうことを、今申し上げたような背景をいろいろ考え合わせていきますと、食中毒による危害を防止するといった観点からの食品衛生法ということではなくて、食品の供給における国民の生命と健康を省庁の壁を超えて政府全体として総合的施策により守ることを目的とする食品安全法、これは私が適当に言っているわけですけれども、そういう統合的な法律が必要ではないかというふうに思います。 これまでの答弁をお聞きしていますと、この法律でも食品の安全を確保すると読めるというような、総理大臣を初めとして非常に苦しい答弁が続いているように思うのですね。私たちは、もっと積極的に、食品を原因とするものから国民の健康を守るというために、生産、流通、それから販売というそれぞれの段階を踏まえて、食品の安全性について新しい観点から取り組む統一的な法律をつくるべきじゃないかというふうに思うわけです。 これは、この前の改正、四十七年の改正のときの附帯決議にも実は第一項目に出てきていますし、アメリカで一九五八年にフード・ドラッグ・アンド・コスメティック・アクツというのを改定した際に、初めて「政府」、「安全」という言葉がこの法律の中に盛り込まれてきている。イギリスでも九一年一月からフード・セーフティー・アクト、食品安全法というのが施行されていますけれども、その中でも、「安全性の確保は国の責務」と明確に位置づけをしておりますし、消費者保護の観点に立った法律の立て方になっているのですね。 最初に申し上げたように、時代の流れが非常に急速に変わってきていますから、その意味でも、改革すべきことは迅速に改革していく、それに対応していくというのは政治の責任であろうというふうに思います。 今回、食品衛生法を勉強させていただいて思ったのですけれども、国民の食の安全を確保するということについて、これは厚生省だけではできないということは明らかだと思うのですね。例えば、基準のない、すなわちデータとして持っていない農業が使われている産品が入ってくるとする。そうすると、それは検査に大変な時間と費用がかかってしまう。はっきり申し上げて検査不能だと言える状況だと思います。そういうふうに、入ってくるものを例えば検疫所で水際作戦で防ぐということだけではなくて、生産地でどういう農業が使われているかということを現地調査するぐらいの気構えがないと、本当の安全性の確保というのは無理なのだろう。そこでは多分農林省だとか外務省というのがかかわってくるのだと思います。 摂取する農業とか食品添加物をできる限り減らすということについては、どなたも異論がない点だと思うのですね。でも、例えば農業についていえば、厚生省にいろいろ御質問申し上げたら、国内での農業の生産量や使用量等については把握はしていないというふうにおっしゃる。それは農林省の仕事だというふうなお考えなのでしょうけれども、そこに厚生省の極めて消極的な姿勢を私は見てとるのですね。それでは食品への残留農薬はやはり減らないというふうに思います。 札幌市の学校給食栄養会とか横浜市では、学校給食に輸入の果物は使わないというふうな方針で臨んでおられるそうです。東京都は食品の品質表示で国よりも厳しい基準制度を持っているわけですけれども、あわせて独自の基準で食品を輸入する団体等もある。これらの皆さんはWTOの協定違反になるのではないかという心配をなさっておられるわけです。 この点についてはこれまでの答弁の中で、それらの独自にやっておられる点については衛生規制ではないからSPS協定が規制の対象とする衛生植物検疫措置には当たらない、そういう解釈を示しておられる。すなわち今までどおりにやっていけるんだという御見解を示していただいているわけですけれども、この点についてもやはり御質問を申し上げたら、学校給食の原材料としていかなる食品を用いるかについては厚生省の所管にかかわる問題ではないというふうに御答弁をいただいたのですね。それは学校給食だから文部省がやることだというお考えなのかもしれません。 しかし、つらつらおもんみるに、やはり縦割り行政の中でこういうふうに、これはどこの仕事だ、うちの仕事じゃないという話をしていると、本当に国民の健康が損なわれてしまうというふうに思うのですね。だから、ぜひともこの縦割り行政を打破するような統合的な食品安全法を検討していただきたい、検討するべきだ。四十七年の附帯決議についているものが今まで一体どうなっていたんだというふうにやはり私は思わざるを得ないのです。その点についてぜひ大臣の御見解を、一番基本にかかわる部分ですから、ここをまず教えていただきたい。 あわせて、もしお答えいただけるならば、今カロリーベースで随分海外に日本の食糧が依存をしているわけですね。例えば、全体的にいえば、昭和四十年に七三%でしたけれども、今平成五年では三七%しか国内でカロリーベースでは自給率を持っていない。すなわち、七割以上は海外に日本の食は依存をしているわけですね。もともと低いのですけれども小麦で二八%が今一〇%しかない。大豆が一一%、これも低かったですけれども、今二%しかありませんね。九八%の大豆は全部外国に依存をしている。我々が常に国産品を食べていたというふうに意識をしていた例えば果物でも、今五四%しかない。牛肉が四四%、豚肉が六九%。あれだけ鶏がいるのにと思うのに、鳥肉に至ってもやはり七七%しかない。すなわち、二割、三割、四割、五割というふうに、物によってはずっと外国に依存をしているわけですね。 そうすると、当然そこに残留農薬の問題であれあるいは保存料の問題であれ、いろいろな問題が付随的についてくるわけですね。基本的には日本の食をどうするんだ、日本のこの低い自給率をどうしていくんだということを、実はこの食品衛生法を考える中ではどうしても考えざるを得ないわけですね。 そういう意味では、農林省と実はこういうやりとりはしなければいけないのかもしれません。しかし、きょうは厚生委員会の食品衛生法で厚生省の皆さんにお伺いをするということなので、話をさきに戻して、この四十七年の附帯決議にもついている統一的な食品の安全性を確保するための法律、アメリカでもイギリスでもそういう流れになっている。日本もそういう意味で、食品衛生法じゃなくて食品安全法というのをつくるという方向に行くべきだ。役所ができないなら、これはやはり政治の責任として我々がやるべきだというふうに私は思うのです。 つらつら申し上げました。御見解はいかがでございましょうか。
○井出国務大臣 最初の御質問の方でございますが、国民にとって安全な食品が安定的に供給されれることが重要であることはもとよりであります。このような国民のニーズのうち、安全性の面については厚生省が、食料供給の面については農林水産省がそれぞれ現在担当していることから、これを一元化すべきだというような御意見にもつながると思うのであります。そのことは、私もそういう御意見のあることは承知しております。 ただ、国民の健康や食品産業政策といった観点から見れば、やはりそれぞれ専門的な官庁、省庁により総合的な行政を行うという現行の役割分担には、それなりの合理性がまたあるのじゃないかなとも思うのであります。要するに政府全体で取り組まなければならぬことは、これは当然であります。 したがいまして、こうした体制のもとでも食品衛生法をその趣旨、目的に沿って適切に運用するとともに、必要に応じて各省庁間で十分な連携、確かに私自身も、給食は文部省、あるいは農業は農林省といったことはあるのですが、もうちょっと各省庁のそれぞれの担当者同士で密接な話し合いなり協議をすべきだ、こうは思うわけでございます。したがって、そういうことをより一層連携を深めながら効率的かつ総合的に施策を実施することは、やり方によっては可能ではないかな、こんなふうに考えておるところであります。 自給率が大変低下してきてしまっておりますことにつきましては、私も大変心配しております。歴史を考えても、農業を軽視した国は余り長い間繁栄していない。ローマにしても、あるいはポルトガルとかスペインだってそう言えると思いますし、産業革命以降食糧は植民地でいいやと言った一時期のイギリスだって、その後大変苦労しているわけでございますから、そういった轍は日本も踏んじゃいけない、こうは思います。しかし、正直なところ、向上というよりも低下傾向に歯どめをかける努力で今農林当局は精いっぱいということも、一方で厳しい現実としてはあるわけでございますから、やはりそのためには、国際競争力に対抗していけるような強い農業を政府あるいは生産者団体一丸となってつくる努力は当然これからもしていかなければならぬ、こう考えるところであります。
○山本(孝)委員 厚生省に検討してくださいと言うよりは、本当は政治家の側が検討してちゃんとしたものをつくらなければいけないと思いますね。やはり厚生省だけでできるものは限りがあるように思う。受け持ち分担があって専門官庁がやるというのは、それは一つの考え方だと思うけれども、それがやれるような法律をやはりひとつつくっていくという検討をぜひやらないといけないなというのが、結論めいた話ですけれども、今回の食品衛生法の内容を見ていてつくづくと思う話です。 大臣は後で退席されるので、少し質問の順番を入れかえて、大臣の御答弁だけ先にお伺いをさせていただきたいと思いますけれども、この基準の内外格差の問題です。 日本国内と外国との間で、策定されている基準が違う。それで、この残留農薬基準と国際基準を比較したときに、六六%が一緒であって、二一%は日本の方が厳しくて、一二%は日本の方が緩やかであるという状況があります。基準が日本の中と外国とで、コーデックス委員会でつくられているものとが違う。 この差について、これまでの答弁で大臣は、我が国の基準は、専門家から成る食品衛生調査会の慎重な審議を経て策定されたものであり、科学的に正当な理由があるというふうに日本の基準についてはおっしゃっている。その一方で、基本的には国際基準により国民の健康が確保できるものと考えておりますというふうにも答弁をされています。一体どちらの基準が望ましいと思っておられるのか、この辺がよくわからないのですね。 それで、総理もあるいは厚生大臣も、協定によって国民の健康確保に支障を及ぼすような安全基準の緩和をすることは考えていないという答弁をされています。そうすると、一体今日本の国内にあるこの現行の安全基準を緩和するのかしないのか、その辺の姿勢がよくわからない。国民の健康確保に支障を及ぼすようなというところが極めて強調されていて、及ぼさないんだったら何でもいいんだというふうにも逆に言えば読めてしまう。 そういう意味で、とにかく基準を変えるのか変えないのか、どういう姿勢で臨んでいくのかというところをまず明確に御答弁をいただきたいというふうに思います。
○井出国務大臣 さきの国会で承認されたWTO協定の中の衛生植物検疫措置の適用に関する協定、いわゆるSPS協定でございますが、これでは、原則として、各国の衛生植物検疫措置と国際基準との調和を図ることが規定されているわけでございます。とともに、科学的に正当な理由がある場合等においては、国際基準よりも厳しい措置をとることも認められているわけであります。 この国際基準すなわちコーデックス規格は、第一に消費者の健康の保護を目的として作成されているものでありまして、我が国においても、基本的にはこのような国際基準を採用することとしているわけでございますが、その一方、食習慣の違いなどによって大変摂取量が多くなってしまって、それによって安全基準を超えてしまうような場合には、国際基準よりも厳しい措置を採用するという方針も、これまたとれるわけでございますから、そういう方針をとることによって国民の健康を確保することとしているところであります。 したがいまして、この協定の締結によって、国民の健康確保に支障を及ぼすような食品の安全基準の緩和をしなくちゃならぬということはないと考えています。
○山本(孝)委員 今の御答弁を確認しますと、今ある日本の基準は当面変えることはない、将来にわたって変えることがないということですか。
○井出国務大臣 将来にわたって絶対ないと言えと言われると、この場で絶対ありませんとはちょっと申し上げられませんが、今のところそういう要請も来ておりませんし、またその必要も感じておりません。
○山本(孝)委員 要請が来て変えなければいけないということになる、要請が来て、そこで初めていろいろ状況が出てきて、それで日本の基準をどうするかという話になるわけですね。そのときに、申し上げたように二一%は日本の方が厳しいわけですから、その部分について、国際基準はこうなんだからこれに合わせるために日本の基準をすっとおろすということはないわけですね。ここのプロセスをはっきりとしておいていただかないといけないと思います。
○井出国務大臣 その際は、食品衛生調査会において十分な科学的な検討をしていただくつもりであります。
○山本(孝)委員 食品衛生調査会で科学的な検討をしていただいてということですから、今度は情報公開の問題にどうしても触れてくるわけですね。それは後の方にもう一度聞かせていただきたいと思います。 今も御答弁の中にありました。我が国が主張する科学的な正当性ですね。米は主食だから厳しい基準にしたというふうに反論をしたとしても、科学的正当性がないというふうに却下されることがあるのではないかという心配の声が随分強いわけですけれども、我が国が主張する科学的な正当性は国際的に認知されるとお考えでしょうか。イエスまたはノーでお答えをいただきたいと思います。
○井出国務大臣 いわゆるSPS協定に言う「科学的に正当な理由がある場合」に当たるものと考えておりますから、国際的にも認められると考えております。
○山本(孝)委員 そうしますと、今の御答弁を統合しますと、日本の基準は科学的な正当性があってつくられているわけだから、それを簡単に変えることはない、これでまず正当性を主張していくんだというふうに御理解をさせていただきたいと思います。 そうすると結局、先ほど申し上げた情報公開の問題なんですね。いろいろな報告書でも指摘されていますように、「消費者等の輸入食品や加工食品等に対する安心感は必ずしも確保できていない。」、これは私が言っているのではなくて、報告書がそういうふうに書いております。その原因の第一として、消費者は危険の度合いについて判断することは非常に困難な立場にある、それにもかかわらず「科学的に安全性を示す資料等の情報が消費者の要望に応えられるほど十分に、かつ利用しやすい形で提供されていないことこがあるというふうに思います。情報公開というのが極めて大切な部分になってくるわけです。 大臣は、この点については、疑問や不安に対して一般の消費者の立場に立ってわかりやすく、あるいは科学的な情報提供を行わないといけない、消費者の意見も十分に伺っていく必要があるというふうに、これまでの審議の中で御答弁をされておられます。消費者と規制官庁が対決をするということではなくて、協力し合うことが極めて大切だと思うのですね。消費者教育もその点で極めて重要だと思います。少しでもあったらだめなのかという話も、なかなかこれは正当性として難しいだろう。しかし、どこまでが安全かということについてはやはりきちんとした情報が提供されないといけないと思います。 これまでの御答弁の中で、衛生調査会の各部会の報告とかを、中間的な取りまとめを行った段階で、その関係資料を公開するということを検討するのだとおっしゃっていますし、それから諮問や答申等の状況についても説明の場を設ける、あるいは国民の意見を聞く、そういう場を設けるというふうにこれまで御答弁されておられるのですね。この点について、もう一度はっきりとした御確認をしていただきたい、情報公開というものについて積極的にやるんだと。これは出してあげるということじゃなくて、消費者を保護するというか、消費者の権利を認めて、きちんと判断材料を提供していただくということですから、その点、しっかりとした姿勢で臨むということを御確認をいただきたいと思います。
○井出国務大臣 おっしゃるとおり、消費者の皆さんと監督官庁と対決するような事態は決しで望ましいことではございませんし、むしろ協力していくような状況ができなくてはならぬ、こう思っております。その意味でも、食品衛生行政に消費者や生産者など広範な国民の皆さんの意見を反映させることは大変重要でございます。 今回の法案策定に当たりましても、各種の説明会等を行いまして、消費者団体等から広く意見を伺う努力はしてきたつもりでおります。現在、基準値等の決定のため食品衛生調査会の審議に用いられた資料については、審議が終了した後、原則としては閲覧可能という取り扱いになっておりますが、この法改正を契機として、これからは調査会の審議が終了した後ではなく、節目といいましょうか、部会報告など中間的な取りまとめの段階で、知的所有権に配慮しつつ、関係資料を公開することについて今具体的に検討しているところであります。 また、消費者の皆さんたちに対してよりわかりやすい形で情報提供を進める必要もございますから、コーデックス委員会の活動状況とかあるいは食品衛生調査会の諮問、答申などの状況についての説明の場もこれまた設ける必要があると考えますから、これにつきましても今具体的な検討をして、その実現に努力をしてまいるつもりでございます。
○山本(孝)委員 最後のところで努力してまいるとおっしゃったので、大丈夫かなというふうに思うのですけれども、これはお約束として必ずやっていただきたい。それがやはりこれからの生活者主権であれ、あるいは国民の側に立った本当の政治をするときには極めて大切だ。この情報公開、なかなか今苦労していますけれども、その線に沿ってぜひやっていただきたいというふうに思います。 実は、この十一日に横浜検疫所等を見させていただいて、横浜の輸入食品・検疫検査センターにも行かせていただいて、現状をつぶさに見させていただく機会をつくっていただきました。 そのときにいただいた資料で、日本に入ってくる食品あるいは農産物の件数のうちで、検査をしているのは届け出件数の七分の一なんですね。全数検査というのは、もちろんお金の問題からしてもあるいは時間の問題からしても無理でしょう。今の検査体制というのは、極めて危ないと思われているところについては全数やります、その他これまで違反件数の多いところについてはきちっとした検査をしていますという形で、七分の一程度の検査状況になっているんだと思います。 私のおります大阪のあたりは、大阪空港にしても港にしても、実は七分の一ではなくて十分の一しか検査してないのですね。検疫所によって随分ばらつきがあるような気がします。全数やってくれとは言いませんけれども、もう少し検査率を高めた方がいいのではないか、七分の一じゃなくて、もう少し上げるということを考えた方がいいのではないかというふうに率直に思いました。 そのためにも、輸入食品の増大だけではなくて、さっき申し上げたようないろいろな状況もありますし、それから食肉などの動物残留医薬品の問題、肉にいろいろな医薬品が残るという問題もありますし、申し上げた、バイオテクノロジーの発達によっていろいろな食品がつくられてくる、遺伝子操作という新しい領域もある。そういうことを考えると、もう少しやはり調査研究機能というものについてこれを充実をしていく必要があるだろうと思う。七分の一の検査率を上げるためにも、あるいはもっと早く確実な検査体制をつくるためにも、この輸入食品・検疫検査センター、今二カ所だけですけれども、こういったところの機能の拡充とか整備というのがやはり必要なんじゃないかというふうに思います。 こういう点について、実際に見させていただいて率直に思う意見なんですけれども、どういうふうにお考えでしょうか、お伺いしたいと思います。
○井出国務大臣 食品の規格基準や国際基準の策定等におきましては、科学的研究成果に基づく安全性評価が最大の根拠となるわけでございますから、食品と健康に関する調査研究を推進することは極めて重要であるわけでございます。 このため、今後さらに試験研究機関の機能の充実を図りつつ、特に有害物質による健康影響の実態をより正確に評価する研究とか、あるいはバイオテクノロジー応用食品の安全性評価に関する研究など、食品と健康に関する調査研究を一層推進していく必要がございます。 また、輸入食品の安全を確保するために、従来から、横浜——御視察いただいたようでありますが、及び神戸に輸入食品・検疫検査センターを設置して、残留農薬あるいは抗菌性物質等の高度な検査の実施体制を整備してきたところでありますが、この横浜及び神戸の検疫検査センターをより充実したものにしてまいるつもりであります。 いずれにせよ、増大する輸入食品に対応して国民の健康を確保するためには、この検査体制の一層の充実が必要であることは十分認識をしておるところであります。
○山本(孝)委員 ぜひしっかりとしたお取り組みをお願いをしたいと思います。 あと少し、細かな点についてお伺いをさせていただきたいと思います。 先ほど、農薬の残留基準の問題については今の日本の国内基準を変えるつもりは今はないというお話でございましたけれども、やはりもう少し農薬の数を上げて、計画的にこの基準の策定を進めていくべきだろうというふうに思います。世界で主に使われている二百種程度を目標に二〇〇〇年までに計画的に策定をするというふうに大臣おっしゃっていますけれども、ということでいけば、五年間に毎年二十農薬ぐらいをやっていくというような感じになるのでしょうか。そういう計算の仕方が正しいのかどうか知りませんけれども、二百種程度まではいくんだ。 そうすると、策定されるまでの間は、未策定の農薬を使っていてもこれはフリーパスで入ってくるわけですね、基準がないから規制ができないというわけですから。そうすると、やはりこの基準の策定というのを急がなければいけない。そういう意味で、これからの五年間に二百種程度という話ではなくて、早急にアメリカ並みの三百種まで基準を設定すべきではないかというふうに思いますけれども、この点についてはいかがでしょうか。
○小林(秀)政府委員 今先生が御指摘のように、残留農薬基準の決められない農薬の入った食品については流通の規制をすることはできません。そういう意味からも残留農薬基準の策定が急がれると、私どもも同様に考えております。 それで、アメリカ並みの三百農薬まで基準を策定すべきではないかという御指摘でございますが、残留農薬基準の策定につきましては、農薬の毒性試験成績等安全性に関する資料、それから農作物への残留性に関する資料等の入手や、それから食品衛生調査会における科学的な検討とこれに先立つ事務レベルのチェック等、相当の労力と一定の時間が必要でございます。厚生省といたしましては、今回の法改正に当たり、検討いただいた懇談会の提言を踏まえ、二〇〇〇年までにまず二百農薬に基準を策定することを当面の目標といたしておりまして、引き続き今後も、食品に残留する農業についてできる限りカバーするよう残留農薬基準の整備に努める所存でございます。
○山本(孝)委員 確かに毒性とか残留性検査に時間とお金がかかるというのはおっしゃるとおりだと思うのですね。ですから、まず二百種を当面の目標、ますと、当面とおっしゃっているので、ぜひこれはできるだけたくさん策定できるようにしていくというのが必要だと思うのですね。こういうところにやはりお金をかけていかなければいけないというふうに思います。 あわせて、可食部分に限って検査をするようにという働きかけが恐らく業界から来るのではないかというふうに僕は思います。残留農薬が皮に残っていても、例えばバナナですとかは日本人は食べませんので中の部分だけ検査をすればいいじゃないかという話になってくるのじゃないか、あるいはリンゴの皮はどうなんだろう、ミカンはどうでしょうかという話にきっとなってくるのではないか。厚生省として、この可食部分の検査だけでいいという主張に対してどういうふうにお考えになっているのか、そこをお聞かせいただきたいと思います。
○小林(秀)政府委員 現在の残留農薬基準は、例えばバナナの場合、通常食されると考えられない皮における残留量まで摂取するものとして一日摂取量を算出し、これが一日許容摂取量を上回らないように基準を策定するという方法をとってきております。ということから、食べない皮のところについておる農業まで食べたと計算してなお安全であるかということを見ている厳しい基準になるということですね、そういうことを今までやってきております。 しかしながら、近年欧米諸国、FAO・WHO合同残留農薬専門家会議等では、通常食されない部分等による摂取量の減少を考慮し基準を設定すべきと報告をされております。また、食と健康を考える懇談会におきましても、「将来的には、食される部分の安全性をより的確に確保するため、我が国の食物摂取の実態をさらに反映したものとなるよう検討すべきである。」という御提言をいただいておりますので、今後の検討の問題だ、このように思っております。
○山本(孝)委員 慎重に御検討いただきたいと思います。 繰り返しになりますけれども、その検討の途中経過、あるいは最終的に決められるときは必ず情報公開していただいて、みんなの意見を聞いて決めていくという形をぜひともにとっていただきたいというふうに思います。 今回天然添加物についても規制の対象になる形になっています。そこで一つ御提案なんですけれども、この千五十一の天然添加物、従来から食物として使ってきたものもある、あるいは香料、あるいはその他のいろいろな分野の区別はありますけれども、今後その安全性の確認をされるわけですね。この安全性が確認されるまで、現在の天然添加物のリスト、これをぜひ、未検査リストあるいは暫定リスト、これは適当に私がつけているだけですけれども、そういう名前、すなわちまだ検査の終わっていない、安全性の確認されていない天然添加物であるという形でわかりやすいようにしていただきたいのですね。確認され次第それが、確認リストというのか、これは確認されましたという形で、こちらの方のリストがこっちからあっちに移るとか、あるいは同じリストの中でもこれは確認しましたよというふうにはっきりとわかるような形で国民に公表をしていただきたいと思うのです。 「食品添加物の使用基準便覧 日本食品衛生協会」、こうやってつくっておられますね。この中にも食品添加物の一覧というのがありますけれども、そこに、いつ策定しました。いつ指定しましたという日にちが備考の欄に入っているわけですね。もちろん、これは未確認なものはここには出てきませんから全部日にちがついているわけですけれども、今度天然添加物の場合、同じように考えれば、こういう表がつくられて、それで備考欄にそういう指定の日がなければそれはまだ検査の終わっていない天然添加物なんだというふうに、国民の側にわかるような形でぜひ公表をしていただきたいと思うのですけれども、この点についてはいかがでしょうか。
○小林(秀)政府委員 現在食品に使用されている天然添加物につきましては、長い使用実績がありますし、人の健康確保にとって問題があるという個別具体的なデータは今はありませんので、今回の法改正でも、引き続き使用を認めているのでありますけれども、既存の天然添加物については、従来から行っている毒性試験を充実強化すること等により安全性を速やかに確認するとともに、安全性の問題が明らかになった場合には、随時、流通を禁止する等の必要な措置を講じる考えであります。 天然添加物の安全性の見直し結果につきましては、いろいろな形で消費者の方々に公表してまいりたいと考えておりまして、その中で、十分な情報の提供に努めてまいる所存でございます。
○山本(孝)委員 正直申し上げて、役所から出てくる資料というのは極めてわかりづらい部分がありまして、いかに国民のサイドにわかりやすい公表の仕方をするかというところも検討の課題になると思うのですね。一遍にこうやってわかるというのも、これは一つのやり方です。これは厚生省がつくっているのじゃなくて、日本食品衛生協会がおつくりになっている話だから我関せずかもしれませんけれども、やはりそういう形の、これはもう本当に御相談なり指導という形でできるわけですから、そういう姿勢でもって臨んでいただきたいというふうに思います。 天然添加物は、これまで使ってきてずっと毒性がないからいいじゃないかという話になるのでしょう。天然と合成品の話は違いましょうけれども、チクロが結局だめだった。長年親しんできたものが、やはり途中で毒性が発見されるわけですね。衛生調査会の伊東委員長のところでもDHAがだめだという形で、いろいろな発がん性のものが見つかってくるわけですね。 だから、これまで使ってきたから安全ということはないわけで、疑ってかかるというのが本当は姿勢としては一番いいのだと思います。業界に対して大変な負担をかけるからだめだということではなくて、食品の安全性を確保するのが国の責任であると私は思いますけれども、そういう法律であるというふうにこれが読めるというならば、やはりそこは天然添加物についてもきっちりとした対応をしていただくということが一番必要だと思うのですね。こういうリストにするとき、そういうふうにお話をするのは難しいですか。
○小林(秀)政府委員 まず、今先生の御質問の中にありましたチクロでございますが、チクロは天然添加物ではなくて合成の添加物であるということですから、従来の規制どおり、今後も続くということであります。 天然添加物につきましても、香料だとか食材料というもの、例えばお抹茶の粉ですね、そういうものは、今回でも規制の対象とは関係ないところで別にしてありますけれども、天然添加物の中でも、検査を要して、見ていくというものは約四百ほどあると思っておりますのですけれども、従来、今までは天然添加物すべて安全というところから、今回の法改正でもって、天然添加物でも、今までのものより、今後出てくる、例えばバイオでつくられるものだとかそういうものに対応するということが、我々今回の法改正の主眼であるわけであります。 ただ、それ以前のものでも、先生がおっしゃるとおり、絶対安全かと言われるとそうでもないし、そこは科学者の意見を聞いて、危険性があると考えられるものから優先度を決めて順次検査をし、そしてその結果は公表をして、国民の皆さんに御理解をいただいていくということで十分対応ができているもの、私はこう考えているわけであります。
○山本(孝)委員 チクロが化学的な食品添加物であることは承知をしております。私が申し上げているのは、長年使うことになれ親しんできたものであっても実は危険性が潜んでいるということがあるわけだから、そういうふうな対応でしてくたさいということをお話し申し上げているのです。 その点に関して言えば、今回の情報公開の中で、知的所有権に配慮して、できるものはやるというふうにおっしゃる。この知的所有権に配慮してというのが常に前振りとしてつくわけですね。そうすると、知的所有権に配慮しているから、それは配慮したからだめなのだという形になると、ここからなかなか物がでてこないというか情報が公開されないという話になる。いろいろお伺いしていると、やはり企業の企業秘密にかかわる部分がある。あるいは化学合成式にしても、極めて特許に近いような部分があるから、何でもかんでも公開するわけにはいかないのだという説明を受けると、うん、なるほど、知的所有権に配慮するとはそういうことかというふうに理解はするのですけれども、繰り返しになりますけれども、消費者の側としては、そこまでの科学的な知識は実は持ち合わせていないわけで、それを実際、こういう合成式だから大丈夫だと言われても、これはなかなか難しい話なのですね。 そういう意味でも、やはり情報公開という意味でいけば、わかりやすい形で、そしていつでもそのお問い合わせに応じられるとかアクセシビリティーの高い情報公開の仕方、わかりやすい情報公開というものをぜひやっていただかないと、ここは絵にかいたもちに終わってしまうのではないかというふうに思います。食品衛生調査会の中でも、あるいは懇談会の中でも、もちろん厚生省の中でも、その辺をよく検討していただいて、実際に消費者側にわかりやすい形はどうなのだということを、ぜひ意見を聞いていただいてこれからの方策を決めていただきたい、こういうふうに思うのですね。 最後の質問になりますけれども、その食品衛生調査会についてです。 この食品衛生調査会に消費者、生産者を参加させるということが言われています。報告書にも、「より広い範囲の学識経験者の中から任命すべきである。」というふうにしておりまして、前回の食品衛生法の改正の折にも、衆参両院の社会労働委員会の附帯決議で、「食品衛生調査会に一般消費者の意見も反映するよう配慮すること。」ということなどが議決をされています。それにもかかわらず、実は現在まで実行はされていない。先ほどの統一的な食品安全法についても、実は附帯決議にあるけれども、それは守られていない。そこは非常に残念に思います。 御答弁の中で、厚生大臣としては、食品衛生調査会に今は消費者代表として一人しかいないけれども増員をするという方向性を示す御答弁をされているわけです。この食品衛生調査会にこれから具体的にどのような形で消費者側の代表が入っていくのか、入っていくようにしようとお考えなのか、そこのところをお聞かせをいただきたいと思います。
○小林(秀)政府委員 食品衛生調査会につきましては、法改正成立後速やかに検討を行い、今年度中に、消費者等の御意見を取り入れられるよう広い範囲の中から委嘱を行う予定にいたしております。 なお、人数につきましては、消費者と生産者のバランスや調査会における専門的な審議事項とのかかわりなど調査会全体のあり方にも関係する事柄でございますので、調査会の委員長等にも相談をして検討を進めていきたい、このように思っております。
○山本(孝)委員 この審議を終わりますと、また附帯決議をつけさせていただくというか書かせていただきますけれども、今回はぜひともにそれは守っていただく附帯決議にしていきたいというふうに思います。尊重しますとか努力しますということではなくて、やはりきっちりした対応をとっていただかないと、何のために審議をしているのかわからなくなってきますので、そこのところははっきりとこれから姿勢を示していただきたい、そういうふうに思います。 もう時間がありませんので、最後、繰り返しになりますけれども、いろいろ考えていて、これは厚生省だけではやはり無理だ。自分の領域じゃないから、学校給食は文部省だから違います、農業の部分は農林省だから違います、外国でどういうものがつくられていても、それは今はもうなすすべもない。今回、中国からお米を輸入されるときに、私たまたま北京の日本大使館におりまして、そこへ農杯省の方が来られておりました。どんな農業を使われているかわからないから、言われているように、本当に検査のしょうがないというのが彼の本音でしたけれども、実際やはりそうだと思います。 そういう意味でも、厚生省だけではなくて、申し上げたように、生産と流通と販売とそれぞれの段階を踏まえながら、新しいテクノロジーに対応できるような形の統一的な食品安全法というのをやはり考えていかなければいけないと思います。小手先で法律を改正、改正と重ねるのではなくて、やはり抜本的に考え直すという姿勢でぜひ臨んでいただきたいというふうに思います。 佐野援護局長には阪神大震災の方の問題、これはもう長期戦ですから、被災者の皆さんも二年や三年は優に覚悟されておられますし、それに対して行政側が何かしてやっているのだということではなくて、やはりここもきっちりと情報公開をしてあげて、説明をしてあげて、よく意見を聞いてあげて、一緒になって悩んであげるとか、一緒になって考えてあげるという姿勢でないと今の状況は全然改善されないと思います。 そういう意味でも、ぜひ外へ出て動く行政システムであっていただきたい。国民の声をぜひちゃんと受けとめてやっていただく、もちろん国会の決議もきちっと守っていただく厚生省であってほしい、あらなければいけないということを最後に申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○岩垂委員長 鈴木俊一君。
○鈴木(俊)委員 自由民主党の鈴木俊一であります。私は与党の立場から、今回の法改正につきまして、時間も限られておりますので、項目的に基本的な部分について質問をいたしたいと思います。 〔委員長退席、荒井(聰)委員長代理着席〕 まず、食品衛生法についてでありますけれども、今回の法改正は、前回昭和四十七年に行われた法改正に次ぐものでありまして、この間実に二十三年という年月が経過をしているわけであります。この二十三年間、国民を取り巻く社会経済、あらゆる分野にわたりまして大きく変化をしたわけでありますけれども、今回のこの法律にかかわりのあります食品の問題につきましても大きなさま変わりがあると思います。 例えば輸入食品一つをとりましても、当時に比べますと今日、輸入食品というものは大変に増大をしている。これは、量的面のみならず種類においてもふえているわけでありますし、またその中には、最近はグルメブームというようなこともございまして、例えば天然の添加物、昆虫などを素材にした添加物というものも出ているというような、そういうような種類も変化をしております。そしてまた、輸入先というものを見てみましても、世界のあらゆる国、あらゆる地域から輸入をされているということでありますから、輸入食品一つとってみましても、言いかえるならば、今日我が国にはあらゆる種類のものがあらゆる地域から、国から、しかも大量に流入しているというのが現実の姿ではないか、そんなふうに思うわけであります。 また一方、消費者の立場に立ってみましても、最近は、健康志向でありますとか、その前提となります安全な食品を求める気持ち、そういうものも大変大きくなっておるわけでありまして、食品保健行政の役割というものは大変大きなものに今日なっている、そういうふうに認識をしております。そういう中での今回の法改正でありますから、大変重要な意味を持つ法改正である、そういうふうに思います。 そこで、順次個別の問題について質問をさせていただきたいと思いますが、初めに農薬の問題について質問をいたしたいと思います。 今回の改正によりまして、農薬の残留基準を作成する際に、農薬の安全性に関する資料を農林水産大臣に対して提出を求めることができるという規定が今度つくられようとしているわけであります。先ほど申し上げましたとおり、今日、消費者の食品の安全性に対する関心というものは大変高いわけでありまして、その中で、特に残留農薬についてはこの問題性というものが指摘をされております。 そういう中で、農薬の残留基準というものの策定が急がれるわけでありますけれども、お聞きするところによりますと、現在対象となっております農薬は百三の基準があるということでありますけれども、これを今世紀中に二百まで拡大すみというのが厚生省の方針である、こういうふうに聞いております。これを進めるためには、今回新たに設けられようとしている規定、すなわち、農水大臣に対する資料の提出要求というものはぜひ創設をしなければいけないものである、こういうふうに思っております。 そこで、農薬の残留基準については、一部には、現行の規制ではなくてポジティブリスト化をすべきである、こういう意見があります。私といたしましても、最終的にはすべての農薬を対象にするような、包含するような、そういう意味で究極的にはポジティブリスト化をとるということも一つの選択肢であるとは思うわけでありますけれども、現状のまま直ちにそういう形に移行いたしますと、リストに記載をされていない農薬がわずかでも検出をされますとその食品の流通は禁止をされるということになりまして、安全性を求めるという消費者の立場もありますが、一方において、やはり消費者として多くの食品を求めたいという気持ちもあるわけでありますから、食糧の安定供給の見地からしますと多大な問題点もここにあるのではないか、こんなふうにも思うわけであります。 このポジティブリスト化の問題につきまして、厚生省の見解をお伺いしたいと思います。
○小林(秀)政府委員 平成五年度データによりますと、我が国の海外に依存している食品の割合は六三%ということでございまして、たくさんの量を外国に依存をしているわけでございます。また、農産物に使用が認められている農薬は世界で約七百と言われておりますが、一方、現在食品衛生法上の残留農薬基準は、先ほど鈴木先生がおっしゃられましたように百三農薬についてしかまだ設定ができておりません。 このような状況において、基準が未設定の農薬が残留する食品の流通を一律に禁止をいたしますと、先生がお話しされましたように国民への食糧供給が極めて困難になることだとか、それから、国際的にも完全なポジティブリスト制を採用している国は主要国ではアメリカのみと承知をしておりまして、このアメリカは食糧自給国でありまして、かつ三百農薬程度につき基準を整備しているなど、我が国とは事情が大きく異なっておりますことから、現時点では日本はポジティブリスト方式への移行は困難、このように考えております。 また、将来のポジティブリスト制への移行については、相当程度の基準を策定した段階で、国内外で使用される農薬数の推移だとか残留農薬規制の国際的な動向、また我が国の食糧自給の程度、そういうものを勘案して検討すべき問題と考えておるわけでございます。
○鈴木(俊)委員 農薬の問題につきまして、消費者の関心の高いものといたしましてポストハーベスト使用の農薬の問題があると思います。ちょうど一昨年でありますけれども、我が国が大変な冷害に見舞われまして、お米の緊急輸入というものが行われました。そして、昨年ガット・ウルグアイ・ラウンド農業交渉の受け入れということでありまして、これから外国からのお米の輸入というものが継続的に行われよう、こういうことになるわけであります。 こういうときに議論になりましたのが、農業者の立場もさることながら、消費者の方々からの指摘といたしまして、船などで運ぶ際にカビが生えないようなそういう薬の問題でありますとか、あるいは刈り取り後の農薬、まさにポストハーベスト使用の農薬について大変な懸念が示されたわけであります。 お米の問題に限らず、今後世界各国から農産物が一層幅広く輸入されようという現状におきまして、厚生省といたしましては、ポストハーベスト使用農薬の問題、どうやって国民の健康を守ろうとされておられますのか、この点についてお伺いをしたいと思います。
○小林(秀)政府委員 お答えいたします。 農作物等に対する収穫後の農薬の使用、いわゆる農薬のポストハーベスト使用は、国際的に広く認められた使用方法でありますが、食品衛生法上は、食品の安全性の確保という観点から、食品への農薬の残留ということが問題でございまして、その農薬が収穫前に使用されたのか、または収穫後に使用されたのかということが問題であるとは考えておりません。 農薬が残留する食品の流通規制を適切に行うためには、食品衛生法の残留農薬基準を策定することが必要であるため、収穫後に使用された農薬を含め、国民が食品を介して摂取する農薬の量が、科学的に安全なレベルである一日摂取許容量、いわゆるADIでございますが、それを上回ることがないよう、国際基準等を参考に我が国の食品摂取の実態を踏まえ、残留農薬基準の策定を行ってきたところでございます。 厚生省といたしましては、今後とも農薬の使用時期が収穫前か後がを問わず、残留農薬基準の計画的整備に努めるとともに、基準に違反するような食品が流通しないよう輸入食品検査体制の充実等に努めることとし、国民の健康の確保に万全を期したい、このように考えております。
○鈴木(俊)委員 次に、WTOと食品の安全性の確保の関係についてお尋ねをしたいと思います。 WTOの協定と申しますのは、原則といたしまして、各国の安全基準というものをできる限り国際基準と整合性を持たせよう、こういうものと理解をしているところであります。しかし、それぞれの国が持っております基準と申しますのは、食品につきましては、やはり食文化と申しますか食習慣と申しますか、それぞれの国々の持っているものに左右されるのではないか、そんなふうに思うわけであります。 例えば、我が国はお米をたくさん食べる民族でございますから、恐らく一年間のお米の摂取量というものを考えてみますと、欧米人のそれに比べますと大変な差がある。日本人はそれだけたくさんお米を食べる民族でございますから、そういうところに同じ基準を画一的に使用するということが、これが国民の健康を守る上で現実的なことなのか、そこに問題を生じるおそれがないのか、そんなふうに思うわけでありまして、こうした食習慣の違いから来る各国の基準と国際基準の問題、これについては整合性をどのように図ったらよいのか、この点についての見解を伺いたいと思います。
○小林(秀)政府委員 さきの国会で承認されましたWTO協定の中にSPS協定というのがございまして、その中では、原則として、各国の衛生植物検疫措置と国際基準との調和を図ることが規定をされておりますが、食品の安全性に関しては、FAO・WHO合同食品規格委員会、いわゆるコーデックス委員会が策定する基準を国際基準とすることと、まず、されております。 またSPS協定では、科学的に正当な理由がある場合には国際基準よりも厳しい基準をとることができることも規定されておりまして、御指摘のように、食習慣の違いによる国際基準よりも厳しい基準値を採用することは、この科学的に正当な理由がある場合に当たるものと考えております。 したがいまして、例えば我が国においては米やリンゴの摂取量が多いことから、仮に国際基準と同一の基準を採用したとすれば汚染物質等の理論的な摂取量が健康に影響のない水準を超えてしまうような場合には、国際基準よりも厳しい基準値を採用することはSPS協定においても認められているところでございます。 こうしたことから、この協定によって、食習慣の違いを無視して画一的に国際基準に合わせて食品の安全基準の緩和を行う必要はないものと考えておりまして、厚生省としては、今後とも国民の健康確保を第一に考えて対応してまいりたいと思っております。
○鈴木(俊)委員 今回の改正の背景の一つに、国際化の変化に対応した食品の安全の確保ということがございまして、その中に、輸入届け出制のペーパーレス化を図ろう、そのためにコンピューターを活用していこう、こういうことが一つの改正の点になっているわけであります。 この輸入手続の電算化でありますけれども、これは一面におきましては行政改革にもつながることにもなると思いますし、規制緩和にもつながることであろうかと思いまして、大いにこれを進めていただきたいと思うわけでありますけれども、しかし、この電算化に変わる中で検査水準というものが落ちてはいけないわけであります。 今回進めようとされていますこの電算化につきまして、その概要と、これによって一体どういうような効果が上がるのか、その辺についてお伺いをしたいと思います。
○小林(秀)政府委員 お答えいたします。 輸入手続の電算化につきましては、今回、食品の輸入手続を書面によらずにコンピューター端末より行うことを可能とすることといたしておりまして、さらには、将来的には厚生省のこのシステムと税関の通関情報処理システム、NACCSと言っておりますが、それと回線で接続することによりまして輸入監視の効率化と手続の迅速化を図ろうとするものであります。 具体的な効果といたしましては、まず輸入食品の監視の面におきましては、検疫所の審査事務の一部を電算化し、食品衛生法の違反事例や輸出国からの情報等のデータを活用して、輸入される食品の違反の蓋然性を個別にきめ細かく評価することによりまして、より的確かつ効率的な検査の実施が確保できるものと考えております。過去の事例で違反をしたメーカーさんが送ってこられるものについては、それだけの疑う余地があるわけですから、そういう過去のデータ、そういうものをきちっとこれからためておいて、そして検査をより効果的にしよう、こういうことでございます。 また、輸入手続の迅速化においては、輸入者が輸入の都度輸入届のために検疫所に来所する必要がなくなりまして、輸入手続に要する時間が大幅に短縮されるとともに貨物の保管経費等の軽減が図られるもの、このように思っております。
○鈴木(俊)委員 次に、今回の改正によりまして、欧米で導入されつつある高度で多様な衛生管理システムHACCP、ハサップというのでしょうか、これの承認制度が新たに設けられるということでありますけれども、このハサップの導入の趣旨につきましてお尋ねをしたいと思います。
○小林(秀)政府委員 今回導入する衛生管理の手法はハサップといいまして、これは、アメリカのアポロ計画で宇宙食の高度な安全性を保証するシステムとして開発がされたものでございます。そして、近年欧米諸国において衛生規制として取り入れられつつありますし、またWHOやコーデックス委員会においてもその推進が図られているものでありまして、具体的には、食品の製造過程で生じる衛生上の危害を事業者みずからが調査分析し、その分析結果に応じて、危害が発生するおそれのある工程に重点的に安全対策を講ずるものであります。 このハサップの承認制度では、食品の製造過程において、ハサップの手法により安全対策が総合的に講じられることを厚生大臣が確認した場合は、従来の法第七条第一項による食品ごとの一律の製造基準の適用を除外することといたしております。したがいまして、メーカーさんにはハサップとそれから従来方法と両方の製造基準がある、それを選択するということができるようになるわけであります。食品衛生規制の弾力化となるこの制度の導入によりまして、食品の衛生水準を維持しつつ、ハサップによる衛生管理方式を活用し、事業者ごとの多様な方法による製造、加工が可能になるものと考えております。
○鈴木(俊)委員 このハサップですけれども、具体的にどの分野から導入を図っていくおつもりなのか、お伺いしたいと思います。
○小林(秀)政府委員 ハサップを導入する食品につきましては、現行の食品衛生法第七条第一項の規定に基づき、製造または加工の方法の基準が定められている食品、だから基準があるものですね、その基準があるものでありまして、本制度の導入が必要かつ可能なものから優先的に定めることといたしておりまして、具体的には、まず乳それから乳製品、食肉製品を対象とする予定といたしております。 また、現行の食品衛生基準により生産された食品との安全性の比較につきましては、ハサップによる衛生管理方式を活用して製造された食品は、その製造過程が現行の製造基準に従った方法と同等の安全が確保されているものでありまして、また最終商品につきましては、他の食品と同様、法第七条第一項に基づく食品の成分規格を満たすものとされているところでございます。 このようなことから、HACCPによる食品は、現行の基準により製造された食品と同等の衛生が確保されるものと考えております。
○鈴木(俊)委員 時間が参りましたので、何か質問が途中になってしまいましたけれども終了しなければなりません。 そこで、今回の法改正、もう一つ栄養改善法というものがあるわけではございますけれども、これにつきましても、これは国民の食生活、それから健康づくりを推進していく上で大変重要でございまして、食品の栄養成分表示制の確立ということをこの法改正によってきっちり進めていただきたいと思います。この基準の策定に当たりましてはぜひに消費者でありますとか製造業者の皆様方の御意見を十分聞いていただきまして、本当に、真に実効ある制度にしていただきたい、そのことを最後に申し上げまして、時間が参りましたので私の質問を終了させていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○荒井(聰)委員長代理 福島豊君。
○福島委員 新進党の福島豊でございます。 医食同源という言葉がございます。薬と食べ物、これは人間が摂取する化学物質であるということで、その根っこの部分は一緒である。私も医学を学ぶ中で、食べ物というのは人間が摂取する最大の薬であるというような意味のことを学んでまいりました。健康に大きな影響を与える。 日本食は現在、人間の健康において大変大きな価値があるということが見直されつつあります。その中にあって、日本の食生活はかつての食生活とは大きな変化を遂げているわけでございます。何回が御指摘ありましたけれども、今日本人が摂取する食品の六三%、カロリーベースでございますけれども、これは輸入した食品になっている。 そういう中で、我々国民の健康を考える場合に、この食品の安全性というもの、これを真剣に追求していかなければならないと思います。今回の法改正は、そういった。国民の健康のために食品の安全性をどう確保するのかという意味ではまことに大切な改正でありますし、これを何としても国民にとって最良のものにする必要がある、そのように認識いたしております。 まず初めに、残留農薬の問題についてお聞きしたいと思います。 今回の改正案のポイントの一つは、残留農薬の基準の策定についての対応であろうかと思います。現在、食品衛生法第七条の食品等の規格及び基準を根拠に、各農産物に残留する個々の農薬の限度として、百三農薬について残留基準が設定されていることは周知のことでございます。しかし、世界では七百の農薬がある。日本は世界じゅうあらゆるところからさまざまな農産物を輸入しているわけでございます。そしてまた、日本国内ではそのうち三百のみが登録されているというごとでございます。 食と健康を考える懇談会の報告書では、「当面、」「二百農業程度まで基準を定めることを目標に、計画的に基準策定を進めるべきである。」そのように述べられております。そしてまた、現実に、基準を定めるために夜を徹しましてその作業が行われているというふうにも伺っております。 まず最初に、今まで何回か委員から御質問があったところでございますけれども、その残留基準の策定に向けてどのような計画を策定し、これを進めていくつもりであるのか、また最終的にはどの程度の農薬について基準を策定する予定であるのか、この点についてお聞きしたいと思います。 とりわけ報告書では、残留農薬基準に適合したもののみ流通を認めるべきであるとの意見に対しては、百三農薬についてのみ基準が設定されている現状では困難である。さまざまな農産物の輸入をとめなければならないようになってしまう、ですからそれは認めざるを得ないということであろうかと思いますけれども、そうしますと、最終的には現在流通している食品に係るすべての、あらゆる農薬の残留基準を決めなければいけないということに論理的にはなろうかと思うのですけれども、その点についてどのようにお考えなのか、厚生省の認識をお聞きしたいと思います。 〔荒井(聰)委員長代理退席、網岡委員長 代理着席〕
○小林(秀)政府委員 お答えいたします。 残留農薬基準の整備につきましては、二〇〇〇年までに、使用量が多いもの等優先順位は専門家の意見をお伺いをいたしますけれども、二百農薬につき基準を策定することを当面の目標として努力してまいりたい、まずこのように思っております。それで、このことによりまして、国内外で使用される使用農薬の大部分を規制対象とすることができると考えております。 流通している食品に残留するすべての農薬について基準を作成すべきではないかという御質問でございましたが、二百農薬は当面の目標であり、世界的に約七百の農薬の使用が認められておりますので、今後国内外で使用される農薬がどのぐらいになるのか不確定要素もございますので、今の段階でいつまでにはと明示はできませんけれども、食品に残留する国内外で使用される農薬についてできる限りカバーするよう今後も引き続き努力をしてまいりたい、このように思っております。
○福島委員 できる限り頑張っていきますということでございますので、また現実に、農薬の使用状況というのは世界の中でも刻々と変わっているということも事実だと思いますし、残留基準一つを定めるということもこれは大変な作業だということもよく存じ上げておりますが、しかし途中で、二百になったから、もう数年たちますと議論も下火になりましてうやむやにしてしまうというようなことは決してないように私はお願いしたいと思います。 二百の農薬について定めれば大体カバーできるということでございますけれども、現在は百三でございますね。そしてまた、海外で使われる四百の農薬については、わずか十七しかそのうち基準が決まってないということなんですけれども、膨大な食品が輸入されているわけですが、現在の残留基準ではそのうちどの程度の割合のものがきちっと基準が定まっているということになるんでしょうか。その点について資料がもしあればお聞かせいただきたいと思います。
○小林(秀)政府委員 お答えします。 もし質問を聞き間違えていましたら再質問をお願いしたいと思いますが、今御指摘の十七農薬というのは、日本で使用されず海外のみで使用されているものの数でございますが、日本及び海外で使用されている六十九農薬を含め、輸入食品に使用される農薬については全部で八十六農薬に残留基準を設定をいたしております。これらの基準によりどのぐらいの輸入食品をカバーしているのかということでございますが、それは推計が困難でございます。 それで、そのかわり、現在基準策定済みの百三農薬により、世界における農薬使用量の約二〇%程度、それから我が国の使用量の三五%程度を占めているという試算があるということをお答えをしたいと思うのであります。 また、二百農薬まで設定をしたと試算をいたしますと、その二百農薬の選び方にもよりますが、今後の、あとの百ぐらい使用量の多いものを優先的に選んでいって、二百農薬を基準をつくったといたしますと国内外の農薬使用量の八〇%から九〇%をカバーできるのではないか、このように今は試算をいたしておるところでございます。
○福島委員 推計でございますから、恐らく八〇%から九〇%、二百農薬に拡大すれば、平均的にさまざまな食品を輸入すると仮定すればそういうことが可能である、そういうふうなことかと思います。 そういうことをお聞きしまして若干安心はいたしたわけでございますが、今後この残留基準を定めるに当たりまして、国内で使用されているものについては農林水産大臣からいろいろと情報をお聞きするということに今回の法改正で定めるということになったわけでございますが、国外で使用されているもの、これはいろいろなものがあろうかと思うのですけれども、その情報をどのように収集されるつもりなのか。これは、厚生省もマンパワーの制限があろうかと思いますので、なかなか大変な作業がと思うのです。 先ほど、やはり現地まで行って調べるべきだ、それもそのとおりだなというふうに私も思うのですけれども、今後どのようにしてこの収集を進めていくのかということについて御見解をお聞きしたいと思います。
○小林(秀)政府委員 専ら外国のみにおいて使用される農薬業につきましては、外国に居住する農薬製造業者等に資料提供を要請する規定を国内法に定めることは困難でございます。したがいまして、国内の関係業者等に対し、従来にも増して積極的に安全性の資料等の提供につき要請をしていくというのが限界であろうかと思っております。 なお、仮に、資料の入手が困難である場合であって、公衆衛生上の観点から基準の策定が必要である場合においては、厚生省として必要な試験の実施を国立衛生試験所等において実施することを考えておりまして、その所要の経費を本年度予算に新規計上したところでございます。
○福島委員 業者から資料を基本的にいただく、その方が簡便性においてはすぐれているかと思いますけれども、直接に試されるといいますか、その視点というのは非常に大切だと思いますね、そのデータがどういうふうにして出てきたのかという問題もありますので。ですから、できるだけみずからの手で私はチェックしていただきたい、そのようにお願いいたしたいと思います。 次に、農水省の方がきょうおいでになっておられるかと思いますが、今回の法改正におきまして、農林水産大臣に協力を求めるということが法文に示されたわけでございますが、今後新たに残留農薬基準を設定するに当たりまして、どのような姿勢でこれに協力していかれるお考えであるのか、お聞きしたいと思います。
○吉村説明員 御説明申し上げます。 食品衛生法に基づきます残留農薬基準の設定につきましては、農産物の安全性を確保するという観点から極めて重要なものという認識を持っておりまして、農林水産省といたしましては、従来から厚生省とデータの提供等、協力連携を図ってまいったところでございます。 農林水産省といたしましては、今後とも残留農薬基準の設定に当たりまして、必要な資料の提供等を通じて積極的に協力をしてまいる所存でございます。
○福島委員 ぜひしっかりとよろしくお願いいたします。 続きまして、輸入食品の残留農薬についての検査体制、これは現状におきましてどのようになっているのかということにつきまして簡単に御説明いただきたいと思います。
○小林(秀)政府委員 検疫所の輸入食品検査体制につきましては、全国三十カ所の輸入食品監視窓口において二百九名の食品衛生監視員が、輸入届け出の審査、輸入者に対する指導、食品の検査等の業務に従事をいたしております。特に、残留農薬、抗菌性物質等の高度な検査につきましては、輸入食品・検疫検査センターを横浜及び神戸に設置して集中的に実施をいたしているところでございます。
○福島委員 若干確認したいのですけれども、この専門の検査センターは横浜と神戸だ、そうしますと、それ以外のところで輸入される、通関の措置をとられる食品は神戸なり横浜なりに全部送られて検査をするということになるのでしょうか。
○小林(秀)政府委員 通常の検査はそれぞれの検疫所でできますが、高度な検査につきましては、神戸及び横浜に試料を送って検査をいたしております。
○福島委員 となりますと、なかなかこの残留農薬といいましても、量的には二カ所、要するに二カ所ということになるわけですね。能力の問題があるんじゃないかなというふうに私は思うのです、その試料を検査するに当たりまして一日何検体ぐらい検査ができるのかという。 先ほども御指摘がありましたけれども、輸入届け出件数に対してどの程度検査しているのか。これは九三年度のデータですね、行政検査が五・二%、指定検査が八・五%、外国などの公的検査機関が二・三%にとどまっている。これは、輸入検査手続の流れでは、まずその審査の段階があって、検査するかしないかということをまず仕分けるということで数字がこの程度になるのかなというふうにも思うわけなのですけれども、この審査の基準というのが実は、私ずっと勉強させていただいてよくわからないのですね。この食品に関しては検査しなくてもいい、この食品に関しては検査した方がいい、そのあたりの区別を一体どうしているのか、検査しなければわからないわけですから、その点についてお聞きしたいと思います。 残留基準が設定されても、検査しなければわからないわけですから意味がないということになるわけでございまして、十分な検査体制がないといかぬわけですね。報告書にも、監視体制の拡充、摂取農業量の実態調査を充実すべきであるというような意見が記されておりますけれども、この点について厚生省の御見解をお聞きしたいと思います。
○小林(秀)政府委員 輸入食品の輸入検査につきましてはどれを選ぶのか、こういうお話でございますけれども、過去の違反事例だとか、それから輸出国からの情報等を勘案をいたしまして、まず違反の蓋然性の高い食品につきましては全数検査を実施をいたしております。その他の食品につきましては、科学的、計画的にモニタリング検査という、ランダムサンプリングで選んで検査の品物を決めております。 特にこのモニタリング検査につきましては、平成七年度予算において、その充実強化を図るために、検疫所の輸入食品の検査実施経費として対前年度比で六五・七%増の予算を措置したところでございます。 また、輸入食品の安全を確保するためには検疫所の検査体制の一層の整備を図ることが重要と考えておりまして、従来より神戸、横浜にセンターを設けて実施をいたしておりますけれども、食品衛生監視員を過去五年間で倍増しておりまして、そうやって検査体制の充実強化を図ってきたところでございます。そういうことで頑張ってきましたということでございます。
○福島委員 モニタリング検査というのは非常に大切だと思うのですね。要するに、違反しそうだなとかそういう業者は最初からひっかける、そうでなくて、普通にやっているんだけれども、やはり残留農薬というものは普通の使い方をしていて残るものだと思うのですね。ですからこれに関しては、すべてのものにといいますとあれかもしれませんけれども、やはりできる限りやらないと意味がないんだろうなというふうに思うのです。 モニタリング検査というのは、輸入の届け出が一つありますね、それに対して必ずするということになるんでしょうか。
○小林(秀)政府委員 輸入手続の簡素化のために、一部については外国の政府にお任せして、そこで検査して大丈夫と言われたものについてはフリーパスで入れるとか、それからずっと一定、同じ工場からいつも同じものが入ってくるというものについてはこれをフリーパスにするとかという、その手続の簡素化、安全がもう過去のデータから見て絶対大丈夫だと言われるものについては簡便にするというものを除けば、その他のものについてはモニタリング検査を実施する、こう考えていただいて結構でございます。
○福島委員 ぜひしっかりとよろしくお願いいたします。 それから、先ほどからも何回が御指摘がありましたけれども、ポジティブリスト、これはとれない、現実問題としてなかなかとれない、それもそうかなというふうに思うのですね。また、残留農薬基準ということに関しましても、国際的なハーモナイゼーションということからはやはり国際的な基準と合わせていく必要がある、それもそうかなというふうに私は思うのです。 ただ、残留農薬基準、これは科学的に設定されるわけですけれども、それ以下であって全く何も起こらないのかということは、絶対起こらないのかということは科学的にこれは言えないだろうと思うのですね。いろいろチェックした中では起こらなかったというだけのことだというふうに思うのですね。 そうしますと、そういうことに対して懸念を抱く人は当然いる、嫌だという人がいると思うのですね。また、残留基準が定められていなくて流通しているものに関して、やはりこれは嫌だと思う消費者はいると思うのです。それに関して、先ほども情報公開ということが何回も言われているのですけれども、私は国際的な制度のハーモナイゼーションということはどうしても必要になると思うのですけれども、最終的な判断の、これは嫌だという権利を消費者の人に与えるということが非常に大切だと思うのですね。私はこれは買いたくない、その判断をする材料をやはり与えるということが非常に大切なのだろうと思うのです。制度はハーモナイゼーションしても、個々のレベルでは消費者の判断にゆだねることができるような仕組みがやはり必要なのじゃないかなというふうに思うのです。 では、具体的にどうするのかといいますと、これはなかなかいい知恵が私も浮かんでこなかったのですけれども、どういう形で公開するのか。例えば、残留農薬がありますよというシールを張るのかというとなかなかこれも大変な話ですけれども、逆の意味で無農業野菜というようなものもあるわけですけれども、そういうふうな形の、どうやって消費者に情報を与えるのかということについて厚生省としてどんなふうにお考えでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。
○小林(秀)政府委員 国民の皆さんが農薬の入っているのは嫌だとかということから、農薬の表示ということに対して御期待されるというのはよくわかるところでございますけれども、食品中に残留する農薬の表示を行うという場合、まず、農薬は個別の農家等により使用されるものでありまして、使用された農薬をすべて把握し、さらに流通の各段階を通じて管理した上で残留農薬を正確に表示するということは、実務上大変困難であるということでございます。 それからまた、国際的に見ても、添加物については表示を義務づけているものはどこもございませんし、残留農薬に関する表示を義務づけているところは見当たらないのであります。そういうことから、すっと思い浮がぶ案ではありますけれども、なかなか実行できない案だ、かように考えておるところでございます。 なお、国民の皆さんが御心配されますので少しつけ加えさせていただきますと、厚生省の方では、食品を介して国民が農薬の摂取量がトータルとしてどのぐらいになるのかというマーケットバスケット方式による調査をした結果がございます。それによりますと、農薬の摂取量は科学的な安全レベルであります一日摂取許容量の一%程度にすぎないと報告が出ておりまして、食品中の残留農薬が人の健康の確保の上で問題があるというふうには考えていないところでございます。
○福島委員 私もずっと勉強しまして、それはそのとおりかなというふうにも思うのですが、マスコミ等で非常に散発的に報道される報道がありますね。例えばお米に虫をつかせたら虫が死んでしまったとか、そういう意味で非常に不安をあおるような報道というのは多々あるわけですね。ただ、なかなか正確な情報というのは伝わらないというか、そういうこともあろうかと思うのです。今おっしゃられるようなことは確かに学問的にはそうかなというふうにも思いますし、正確な情報というものをできるだけ国民に伝えるような努力をしていただきたいというふうに思います。 次に食品添加物、今回の法改正では天然添加物にも規制を広げようということで、私はそれは非常にそのとおりだなというふうに思っているわけでございますが、この点について何点がお聞きしたいと思います。 まず、現在使用されている天然添加物というのはどのくらいの種類があるのか、またその安全性について確認されているのはどの程度になるのか。先ほど、ずっと昔から使っているから大丈夫だという話もあったのですけれども、例えば一九六八年、天然添加物は二百十四種類しかなかった。九四年には千五十一品目にふえている。昔から使っているというふうに決して言えないものはたくさんあるのだというふうに私は思うのですけれども、その点についてちょっと厚生省の御認識をお聞きしたいと思います。
○小林(秀)政府委員 お答えします前に、先ほどちょっと間違ったか誤解するような答弁があったので、直させていただきたいと思いますが、表示の話ですけれども、国際的に見て、添加物についての表示の規定は外国にございますけれども、残留農薬についての規定はございませんということでございますので、直させていただきたいと思います。 天然添加物として現在使用実態があるとして報告されたものは千五十一品目でございます。先生お話しのように、最近大変ふえたのじゃないかというお話でございますけれども、この天然添加物の中には食材料というのがありますし、この食材料ですと、例えばお抹茶の粉だとかそれからオレンジの色だとか、そういうものも入っていますので、それは国民の選択が広がってきて、それから一方、天然添加物は安全ということで食品衛生法上も何の規制も受けなかったからたくさん出てきたというふうに解釈できるのではないか、こう思っております。 その千五十一品目の中で、法改正後も指定制度の対象としない天然香料や、食品として使用されているものが含まれておりますので、これらを除きますと、約四百品目というものが安全性の確認をする対象になるのではないか、このように考えております。 これらの品目につきましては、人の健康確保にとって問題があるという個別具体的な知見の報告がないことから、その安全性に大きな問題があるとは考えておりません。しかし、添加物の安全性の確認につきましては、今後専門家の御意見を聴取し、できる限り早期に作業を進めることといたしておりますが、欧米における指定状況等から見ますと、約四百品目のうち三百品日程度につきましては、新たな試験をすることなく文献調査等により安全性が確認できるのではないか、このように考えておりまして、当面一つ一つ調べるというのは百品目ということになろうかと考えております。
○福島委員 安全性について問題があるという報告がない、ないから大丈夫だというのは、これは余り論理にはなっていないと思うのです。 私ずっと勉強していまして、例えばサボテンにつくカイガラムシからとった色素のコチニールなんというのがこの天然添加物にあるそうなのですけれども、カイガラムシというのは一体何なんだ、こう思いまして、こういう全然わけのわからないという言い方をすると多分語弊があって、こちらが知らないというだけなのかもしれませんが、まれなものもきっとあるのだろうなというふうに思うのですね。それは、まれなものを一々調べて報告書を書く人はいない可能性もあるわけでございまして、ですから、ないから大丈夫だという論理は、これはないはずで、当面百品目調べるということになるのでしょうか。 この点について、例えば先ほどの、食と健康に関する懇談会の報告書では、添加物の新規指定や規格基準の迅速化、透明化のため、ガイドラインの制定等を行うべきであるというふうに述べられておりますけれども、この点についても、どういうスケジュールで厚生省としては取り組んでいかれる予定であるのか、お聞かせいただきたいと思います。 また、迅速化を図らなければいけない、確かにいろいろなものがたくさんありますから、早くやらなければいけないということも事実ですが、単純に迅速化が簡略化になる、そうなってはやはりいかぬだろうというふうに思うのですけれども、その点についても御見解をお聞きしたいと思います。
○小林(秀)政府委員 既存の天然添加物の安全性の見直しにつきましては、対象としては四百品目になるものと考えておりますが、実際には百品目をきちっと調べるということになろうかと思います。これらの添加物は、人の健康確保にとって問題があるという個別データは今のところ我々も聞いておりませんが、専門家の協力を得つつ、できるだけ早急に安全性の確認ができるよう、まず努める所存でございます。 具体的には、天然添加物について専門家の協力を得てます文献調査を行い、良経験の少ないもの等安全性の確認の必要性の高いものを優先的に選定したいと考えております。先ほども述べましたように、文献調査だけでなく試験が必要なものは百品日程度でございますということでございます。 次に、これらの品目について、反復投与毒性試験や変異原性試験等基礎的な毒性試験を実施することになりますが、できれば五年程度を目途に、基本的な安全性の確認に努めたいと考えております。 次に、食品添加物の新規指定等に関するガイドラインについて、指定手続等の迅速化及び透明化を図るため、平成五年三月、食品衛生調査会にその策定を諮問したところでございます。 その具体的内容につきましては、本年次中に成案を得ることができるように現在調査会において審議されているところでありますが、新規指定添加物の要請の手続、それから要請の際に添付すべき資料の範囲、安全性試験の標準的な実施方法というものから成るものではないか、こう承知しておるところでございます。 このガイドラインの整備によって、添加物の新規指定を要望する者にとっては、試験の実施方法等が明示されますので、結果として、必要な資料の収集の迅速化ができるということと考えております。 一方、個々の要望に添付された資料に基づく厚生省における審査は従来どおり厳正に行うものであり、ガイドラインの作成により、より一層科学的な評価ができるものと考えておりまして、安全性評価がおろそかになるものではないと考えておるところでございます。
○福島委員 ぜひしっかりとよろしくお願いいたします。 また、情報公開ということを先ほどから繰り返して指摘されております。天然添加物についても新しく再評価をするわけですが、安全性試験の結果などにつきましてどのように情報を公開していくのかということにつきましても、御認識をお聞きしたいと思います。
○小林(秀)政府委員 食品添加物の新規指定を含め、食品衛生調査会の決定の根拠となった安全性に関する資料等につきましては、従来より閲覧に供してきたところでございます。添加物の安全性に関する資料等の情報公開につきましては、今後とも、知的所有権に配慮しつつ、可能な限り対応するとともに、法改正を契機として、食品衛生調査会への諮問、答申の状況について説明の場を設ける等十分な情報提供に努めてまいる所存でございます。
○福島委員 続きまして、添加物の指定に当たっての考え方、何をもって指定するのか。一つは安全性ということですね。安全でなければいかぬ。それからもう一つは、それを使うことによって消費者にとってメリットがある。四十年の基準でその二つのポイントがきちっと定められているわけですね。四十九年の基準、また五十六年のガイドラインで、安全性ということについてさまざまな観点で、こういうことはチェックしなさいよということが定まったのだというふうに私は認識しているのです。 ただ、最近利点ということに関して、本当にこういうものを認めて消費者にとって利点があるのかというものがあるのではないかという気もするのです。これはもう既に通達で改善されているということは事実なのですけれども、例えば、刺身の色が悪くなるからそれを防ぐ鮮度保持剤であるとか、それから化粧野菜という話がありましたが、見ばえをよくするとか、そういう添加物。確かにきれいに見えるからいいじゃないかという話もあるのですけれども、それはむしろ売る側の論理であって、消費する側の論理ではないような気がするのですね。 ですから、天然添加物を今回新規に指定していくわけですけれども、その指定するに当たって、本当に消費者にとってメリットがあるのかないのかということについてしっかりと判断していただきたいと私は思うのです。その点について、厚生省のお考えをお聞きしたいと思います。
○小林(秀)政府委員 食品添加物の新規指定の際の基準につきましては、昭和四十年七月の食品衛生調査会の答申によりまして、一つとして、安全性が確認されること、二つ目に、添加物の使用が食品の腐敗を防ぐ等消費者に何らかの意味の利点を与えるものであることと定められております。 現在、食品衛生調査会において、食品添加物の指定手続等に関するガイドラインに関する審議の一環として、指定の基準についても議論がされているところでございますが、この基準については基本的な変更がされることはなく、消費者に利点を与えるものという基準は今後とも維持されるものと考えております。
○福島委員 消費者の観点で、ぜひともよろしくお願いいたします。 次に、安全性の評価ということで一点お聞きしたいのです。 黄色四号という添加物がありますね。勉強しましたら、これはアスピリンぜんそく患者へのアレルゲンとなる可能性が指摘されているのだそうですね。私は、原著になる論文を見ていないので詳しいことはよくわからないのですけれども、例えば、化学物質に長期間暴露されていることによってアレルギー疾患が起こるのではないかということを指摘する学者もいますね。ですから、安全性評価の中で慢性試験というのがあるわけですけれども、従来の慢性毒性試験ではなかなかわからないようなところもあろうかと思うのです。アレルゲンとしての性格、例えば免疫学的な検査、そういうことも取り入れていく必要があるのじゃないかなというふうに思うのですけれども、この点についての御見解をお聞きしたいと思います。
○小林(秀)政府委員 食品添加物とアレルギー疾患との関連につきましては、今先生がお話しされましたように、いまだ明確な結論が得られておりません。まだ基礎的な研究が行われている段階と承知をいたしておるところでございます。国際的にも、食品添加物のアレルギーを含む免疫系への影響について検査するための試験方法については、これもまた、いまだ明らかになっていないところでございます。 厚生省といたしましては、従来よりアレルギー疾患につき厚生科学研究等の研究課題の一つとして取り組んできたところでありますが、今後とも本分野における国際的な研究の動向等情報収集を含め、アレルギー疾患の発症機序や食物摂取との関係等の解明に努めてまいる所存でございます。
○福島委員 確かに学問的にといいますか、科学的に難しい点があるかなと思うのですけれども、ぜひとも研究に力を注いで進めていただきたいというふうに思います。 それから続きまして、添加物の表示の問題でございます。添加物の表示が九一年から全面的に行われることとなりましたけれども、それに対してさまざまな御意見が現実にはあるようでございます。例えば原材料と添加物の区別がつかないとか、表示免除が多いとか、一括表示されていて細かいことがわからないとか。 それから警告表示の問題でも、これはちょっとどうかなと思うのですけれども、例えばアメリカでは、サッカリンが使われている食品に対しては、サッカリンは動物実験で発がん性が確認されている。——これは、発がん性はないんだという意見もありますから、どちらが正しいのかというところは若干クエスチョンマークなのですけれども、この製品を使うことはあなたの健康に有害であるかもしれないと、これは要するに警告表示がなされているというわけです。 それからアスパルテーム、これはL—フェニルアラニンが含まれているわけです。ですから、フェニルケトン尿症の人は摂取したらあかんわけですね。今の表示では、アスパルテームというのは、「甘味料 アスパルテーム L—フェニルアラニン含有」としか書いていない。それに対してはきちっと、なぜいかぬのかということで、フェニルケトン尿症の方は使用しないでくださいときちっと書いた方がいい、書くべきであるという意見があるようでございます。 こういうふうに、たばこにも警告表示があるわけでございますけれども、クエスチョンマークがつくような添加物、例えば日本生活協同組合ではZリストなるものをつくって、これはやはりやめた方がいいのじゃないかということを主張しているわけですが、そういう指摘があるものについては警告表示なりをつけ加えるべきではないかというふうにも思うわけなのです。 いろいろと述べましたが、これらの点につきまして厚生省の御見解をお聞きしたいと思います。
○小林(秀)政府委員 食品添加物の表示につきましては、先生御案内だと思いますが、平成三年度より、天然添加物を含め全面的な表示を義務づけたところでございます。 そこで、原材料と添加物の区分だとか、一括表示の問題だとか、警告問題について今御発言をいただいたわけですけれども、警告表示についてお答えをいたしますと、警告表示の問題につきましては、医学的な問題でもあり、個別に慎重に検討すべきものだ、このように考えております。いずれにいたしましても、添加物の表示につきましては、今後とも国際的な動向に留意しつつ、慎重な検討をしてまいる所存でございます。 なお、サッカリンにつきましては、当方が承知している段階でいきますと、人に対する発がんの危険性はないと国際機関において評価されているというふうに聞いております。 それから、アスパルテームの問題につきましては、フェニルケトン尿症の方にはこれは有害にたるわけですけれども、これにはフェニルアラニンを含むというふうに表示をすることになっておりまして、当然フェニルケトン尿症の患者さんにはフェニルアラニンと書いてあればそれでわかるわけですし、フェニルケトン尿症の患者の方には禁忌ですよという表示を書かなくともわかるということなんでしょうか、現にフェニルケトン尿症の関係の方から特にこれに関する御要望はないというふうに承知をいたしているところでございます。
○福島委員 では続きまして、今度は残留動物用医薬品についてお聞きしたいと思います。 先ほどの、食と健康を考える懇談会の報告書では、「抗生物質、合成抗菌剤は従来食品の規格基準として、食肉、魚介類などに含まれてはならないと規制されており、今後ともその規制を維持すべきとの意見もあったが、近年科学的知見の集積により、安全性評価に基づく残留基準値の設定が可能」となった。中略「他方、ホルモン剤、内寄生虫用剤などについては、現行では残留基準値が設定されておらず、必ずしも適切な規制がなされていない。」というふうに述べられておりまして、残留基準値を積極的に設定すべきであろうというふうな報告になっておるわけでございます。 抗生物質や合成抗菌剤は食品に多々使われているというふうにもお聞きしております。この点につきまして、動物用医薬品の使用状況について農水省の方にお聞きしたいと思います。今どの程度使われているのでしょうか。また、例えば歴史的な動向ですね、ふえているものなのか同じような状況なのか、その変化ですね、その点についてお聞きしたいと思います。
○青沼説明員 御説明申し上げます。 動物用医薬品の使用状況及びその変化でございますが、動物用医薬品の販売高につきましては、畜産業の発展に伴いまして順調に伸びてまいったわけでございますが、昭和五十年代後半以降伸びが鈍化しておりまして、近年は、平成三年の八百十二億円をピークに、以降減少傾向となっております。平成五年度の販売高は七百四十一億円というふうになっております。動物用医薬品のうち抗生物質につきましては、平成二年の三百五十九億円をピークにいたしまして、平成五年度の販売高は二百九十五億円まで減少しているという実態でございます。
○福島委員 額ですのでなかなかよくわからないのですが、単価の問題と使用量の問題とを掛け算するわけですから、実際にそれは使用頻度が減ってきているのだというふうに考えていいのでしょうかね、その数字は。なかなかはっきりしないかもしれませんが。
○青沼説明員 御説明申し上げます。 先生御指摘のように額でやっておりまして、数量について定かに調査いたしておりませんが、物によっていろいろ変化がありますが、抗生物質等につきましては、ふえて、また減ってきているというような状況にあるのじゃないかというふうに思います。
○福島委員 それで、農水省が今まで医薬品の使用についてどのように監督されてきたのかということについてお聞きしたいと思います。 九一年度に、動物用医薬品等に関する行政監察結果報告がなされておりますが、その中でどういうことが述べられているかといいますと、残留調査、これは厚生省が担当したわけでございますけれども、抗菌性物質が五・一%から発見され、廃棄処分とされている。また、なぜ発見されたかということですけれども、追跡調査をすると、使用禁止期間中、要するに出荷する前に余り使ったらあかんわけですね、残るわけですから。その使用禁止期間中に使うなどの、使い方が正しくないということがわかった。食糧事務所の飼料の使用状況に関する巡回点検では、禁止期間中に与えるなどの農家が七・五%あった。これは指導によってだんだん減ってきておるということも事実のようなんですが、ただ、指導状況に関しては、地方農政局は食糧事務所の巡回点検を集計、分析して、家畜保健衛生所などの指導に役立てることにしているが、ほとんど活用されていないというふうなことが述べられているわけでございます。 この点につきまして、だんだん改善はしてきているのかなというふうには思うのですけれども、現在の状況、その後の農水省の対応ということにつきましてお聞かせいただきたいと思います。
○青沼説明員 御説明申し上げます。 過去において動物用医薬品の不正な使用が見られるとの行政監察結果報告がありましたが、その後の改善状況についていかがかという御質問でございます。 平成元年の行政監察におきまして、食肉中への抗菌性物質の残留が認められたことを踏まえまして、医薬品等の使用適正化についての指導のあり方、食肉衛生検査部局と家畜生産指導部局との連携強化及び要指示医薬品制度の遵守指導の徹底についての勧告がなされたところでございます。 農林水産省畜産局といたしましては、この勧告を踏まえまして、畜産局長通達等によりまして、動物用医薬品・飼料の適正使用に関する指導の徹底、残留検査体制の充実、それから衛生部局との連携強化等につきまして都道府県を指導したところであります。 また、これらの指導とあわせまして、生産者団体による自主的検査の奨励、獣医師の要指示医薬品の指示書の発行の適正化等、関係団体に対する動物用医薬品等の適正使用についての指導の徹底も図ってきたところであります。 このような対策によります生産者の衛生意識の向上等によりまして、これは厚生省の調査でございますが、厚生省が実施しております畜産物、水産物の食品中の残留有害物質モニタリング検査、この結果によりますと、検査が開始されました平成二年度の残留の割合、陽性率は一・六%でございましたが、以降残留陽性率は年々低下してまいりまして、平成五年度には〇・〇七%と著しく低下した数値となっております。
○福島委員 着実な対応がなされているとお聞きしまして、安心いたしました。 しかし、若干また気になる点がございまして、それは平成五年度の屠畜検査ですね。豚の場合に、屠畜検査頭数千九百十九万頭に対しまして、全部廃棄、全部捨ててしまうものが二万一千頭ですから○・一%ですが、非常に少ないことは確かなんですけれども、一部廃棄ですと千二百五十四万頭ですから六五%という数字になるわけですね。私、この数字、高いのか低いのか判断しにくいわけですけれども、やはり高いのかなという気がするのです。どうしてこんなに廃棄処分になるような豚が存在するのかということにつきましてお教えをいただきたいと思います。農水省の方、よろしくお願いします。
○青沼説明員 御説明申し上げます。 豚の屠畜検査における廃棄頭数の御指摘でございますが、屠畜検査成績を見ますと、一部廃棄のものは平成五年には六五・四%、それから全部廃棄のものが〇・一一%というふうになっておるわけでございます。 廃棄の原因を東京都の食肉衛生検査成績で見ますと、肺炎、胸膜炎等の呼吸器疾病及び肝炎、胃腸炎等の消化器病が大宗を占めておりまして、これらで全体の八六・三%を占めているというふうになっております。この原因といたしましては、家畜の飼養形態が大きく変化しておりますが、多頭化、集団化等の密飼いというような状況になっておりますが、これに伴いますストレス等の増大によりまして疾病に対する抵抗力が低下している、それで、従来は余り問題を起こさなかったような病原体の感染による日和見感染や混合感染、このようなことによる疾病ではないか、このように考えておるところでございます。 なお、屠畜場でのこのような廃棄頭数が多いという実態にかんがみまして、これまで都道府県の家畜保健衛生所等を中心としまして、畜産農家に対しまして、肺炎等の廃棄の主要疾病の要因となっているストレス防止のための、一つの場所にたくさん飼う密飼い等の解消や、清掃や換気を初めとする畜舎管理の適正化等飼養環境の改善、あるいは的確、効果的なワクチンの使用について指導をしてきているところでございます。 さらに本年度からは、新たに食肉衛生検査情報、屠場の情報等を家畜衛生分野の方にも迅速につなぎまして、その結果を見まして早期に診断する、あるいはそういうものの衛生検査指導体制を整備するというような事業、さらには抗生物質への依存を抑えた新しい衛生管理システム、こういうものの確立を図る事業を実施することといたしております。 これらの事業を通じまして、今後さらに疾病の効果的な発生予防対策が講じられるように指導してまいりたい、このように考えております。
○福島委員 大変な環境の中で豚を飼っているということになるのかなと思うのですが、先ほど、残留基準を定めようという話が、密飼いで肺炎になった豚を安心して抗生物質を使って治して出そうという話になってしまうところに話が逆転するのだろうと思うのですね。むしろ、基準は決めるとしても使わなくて済むようなといいますか、できる限り健康な豚、確かに豚は病気に弱いというふうに伺っているのですけれども、健康な育て方をしていただくというのがやはり本筋の論理ではないかなと思いますので、ぜひともその点、よろしくお願いしたいと思います。 それからまた厚生省にお話を戻しますが、この残留基準に関しましてどういうスケジュールで検討していかれるのか、その点についてお聞きしたいと思います。
○小林(秀)政府委員 残留基準と申されましたが、動物用医薬品の残留基準についてお答えすればよろしゅうございましょうか。(福島委員「はい」と呼ぶ) 厚生省では残留動物用医薬品基準の見直しにつきまして、安全性評価のために必要な資料が整備されたものから順次、食品衛生調査会での意見を聞き、所要の手続を経て基準値設定を行うことといたしております。昨年一月から、現段階で安全性評価に必要な資料が整備されたと考えられるオキシテトラサイクリンなど七物質について食品衛生調査会における審議が進行中でありまして、年内には基準値設定を行いたいと考えております。
○福島委員 また、国内の食品についてもそうでございますが、例えば九二年に東南アジアから輸入したエビから抗生物質が検出されたというようなことがあったようですが、輸入食品中の抗生物質のチェックについてもどのように行われているのかということにつきまして、先ほどと繰り返しになるかもしれませんが、お願いしたいと思います。
○小林(秀)政府委員 輸入食品については、輸出国からの情報等を勘案をいたしまして違反の蓋然性の高い食品は、輸入届に指定検査機関等による抗生物質等の検査結果を添付させるよう指導することによりまして全数検査を実施をいたしております。それ以外の食品についても、抗生物質等に関する科学的かつ計画的なモニタリングを実施をいたしております。 これらの検査の結果、抗生物質を含有してはならないと規制されていることから抗生物質が検出されたものについては、積み戻し、廃棄等の措置を行い、輸出国政府に対しても原因の解明と残留防止対策を要請をいたしております。
○福島委員 では、次に栄養表示基準制度の改正について若干お聞きしたいと思うのです。 今回の改正で栄養学的に重要なカロリー及び四つの主要栄養成分の含有量が示されるようになったということは、飽食時代と言われる現代におきましては非常に適切な改正であるというふうに私は考えております。ただ問題は、消費者が栄養情報を的確に判断することができるのかどうかということが非常に大切でございまして、栄養教育、国民の健康づくりということにおきましては、その点が非常に大切ではないかと思います。昭和四十五年から全国の保健所で保健栄養学級が実施されているというふうに書いてありましたけれども、この栄養教育ということにつきまして、今後どのように充実し、また展開していくつもりであるのか、厚生省のお考えをお聞きしたいと思います。
○松村政府委員 昭和四十五年から保健所におきまして実施してまいりました保健栄養学級でございますが、これは平成二年に、対象を組織活動のリーダーや成人病に対して特別の指導を必要としている方から拡大をいたしまして、地域一般住民、こういう方々も加えることとしたところでございます。名前の方も新たに「食と健康教室」といたしまして、地域特性に応じました。地域住民の日常生活に即した指導を行ってきておるところでございます。今回の改正によります栄養成分表示の啓発につきましても、今後この「食と健康教室」の中に取り込むこととするなど、その内容を充実させてまいりたいと思っております。また、今後の展望ということでございますが、実は平成六年に地域保健の見直しの一環といたしまして栄養改善法の改正が行われまして、一般的な栄養指導につきましては住民により身近な市町村で行う、こういう改正が行われたところでございます。今後、国民の多様化したニーズに対応するために、専門的な栄養指導を行う保健所、これと連携をいたしまして市町村に管理栄養士等の配置を促進いたしまして、市町村保健センターを中心としたきめ細かな栄養指導がなされるよう努めてまいりたいと考えております。
○福島委員 時間も残り少なくなりましたので、最後に大臣に一点お聞きしたいと思います。 戦後五十年、日本は大変経済的に発展いたしました。しかし、得るものも多かったけれども失うものも多かったというのも事実ではないかと思います。例えば、白砂青松と呼ばれるような日本の大変美しい国土、今は探さないとないという時代になってしまいましたし、そしてまた大変健康にいいと言われました日本食も、今の日本の食品を見てみるとその六三%は輸入品であるし、そしてまた、その食品の中には残留農薬の問題もあれば添加物の問題、さまざまな問題があるわけですね。飽食時代だというふうに言われます、豊かだと。 今回の法改正でさまざまな、安全面とか一定の前進がなされるのだろうと思うのですけれども、しかし本当にこういうことでいいのかな、我々は豊かな食生活をしているのかなというふうに時々自問自答するわけでございます。この点につきまして、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○井出国務大臣 日本人の食生活、私自身の幼心のころに比べて、あるいは時々外国へ行く機会もあるのでございますが、質量ともにこんなに豊かでいいのかなと思うくらい豊かになったことは私は事実だと思います。しかしその一方、今福島さん御指摘のような輸入食品の増大や食品の安全性の問題の複雑多様化など、食と健康をめぐる諸状況が大変変化してきておりまして、そんな中で、国民の皆さんが食生活に対し十分な安心を得るに至ってはいないのではないかという懸念も感じるところでございます。 さらにまた、例えば果物とかあるいは野菜あるいは魚介類についても言えるかもしれませんが、何か季節感がなくなってしまいまして、いつでも口に入る。本当にうまいという印象に残っているのは、むしろあの非常に物資が乏しかったころやっと口に入れることができたときの方が、私自身、何か印象強いものが残っているということを考えると、やはり確かに飽食の時代ではありますが、これでいいのかいなと思うこともまた一方、事実であります。
○福島委員 では、以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○網岡委員長代理 五島正規君。
○五島委員 まず大臣にお伺いしたいと思うのですが、大臣は先日WHOの総会に御出席なさったわけでございます。御苦労さまでございました。 今日、食品中に多数の化学物質が残留農薬や汚染物質として残っている。それに対して、国民が大変不安を持っているわけでございますが、この化学物質の安全評価について、国際的な協力の枠組み、またその中で我が国の果たす役割、具体的に言えば、物質の毒性の評価などにおいて我が国がリーダーシップをとる必要があるのではないか。そのことがやはり期待されていると考えるわけでございますが、この点について、WHOからお帰りになりました大臣の御見解をお伺いしたいと思います。 〔網岡委員長代理退席、鈴木(俊)委員長代理着席〕
○井出国務大臣 ジュネーブで今月の二日から開催されておりますWHOの総会に政府を代表して出席してまいりました。与えられた十分間の演説だったのでありますが、その中でも、このWTOスタートに伴い、いよいよWHOの役割は重くなった。頑張ってほしいという激励も、また期待も表明してまいりました。 それはそれといたしまして、食品に残留する添加物や残留農薬等の化学物質の国際的な安全性評価につきましては、国連の食糧農業機関、FAOと世界保健機関、ただいま申し上げましたWHOの共催によりまして、毒性等の専門家から成る委員会が定期的に開催されております。我が国からも国立衛生試験所やあるいは大学の専門家の先生方が参加する等、化学物質の国際的な安全性評価に協力してきた。またしているところでございます。 厚生省といたしましては、引き続き、我が国の専門家のそういった国際会議への派遣に協力するとともに、食品に残留する化学物質の人体に与える影響に関する調査研究等を推進して、その成果を国際的な場へ提供するなど、国際的な安全性評価に一層の貢献を行っていく責任があるし、またやらなくてはならぬ、やっていくつもりでございます。
○五島委員 残留農薬の問題、あるいは汚染物質や重金属の問題等々が食料品にはあるということに対しての国民の不安は大変大きいわけでございますが、そうした中で、今回の改正あるいは厚生省の方針としても、この残留農薬の問題についてどのように規制していくのかということが大きな問題となっているわけでございます。 参議院におきましても、この法案の審議の中で附帯決議が出されておりまして、そして、残留農薬基準の整備について要請があるわけですが、その中において、具体的に「将来的に環境が整えば、現在、食品添加物の規制で導入されているポジティブリスト制の導入を検討すること。」という附帯決議が参議院でつけられたわけでございます。 具体的にどういう環境が整備されたらそうできるかということがこれからの問題かというふうに思うわけでございますが、各国を見ましても、この残留農薬の規制方式につきましては、アメリカなどでは、基準設定農薬数は、約三百の農薬について基準設定をしており、その基準設定がされていないものについては基本的にその流通を一部規制するという、いわゆるポジティブ方式という方法を採用しておりますし、またカナダの場合も、二百八十の農薬について基準設定を行い、そしてそれ以外については、基準未設定の農薬について〇・一ppmを超えて残留した食品については流通を規制するという、いわゆるポジティブリストを採用しているわけでございます。 我が国におきましても、やはり我が国の農薬の基準値がないものに対して、それが野放しになるということの不安が大変強うございます。したがって、我が国においてもこのポジティブリストを採用するようにと多くの消費者団体等が主張なさっているわけでございますが、厚生省の方は、これは困難である、当面二百程度の残留農薬を策定するのだというふうにおっしゃっているわけでございます。しかし、現在我が国には百二の基準設定農薬数がございますし、あるいはそのほかにも、いわゆる登録保留基準値を持っているもの、あるいはコーデックスでADIが設定されているという農薬もあるわけでございます。 そういうふうなものをあわせて考えてまいりますと、国際基準と我が国の登録保留基準とが非常に大きく食い違うもの、あるいはまだその両者の間の、我が国も持っていないし、あるいはコーデックスのADIも設定されていない、あるいは登録保留基準にもないといったようなものを中心としてその二百の残留農薬を設定していくとするならば、そのポジティブリストを採用することが十分に可能でございますし、それにカナダ方式の足切り方式というものをつけ加えるとするならば、まずポジティブリストに近いものを現在でも作成することは不可能ではないと考えるわけでございます。なぜそれができないのかということは、だれもが考える大変な疑問だろうというふうに思っています。 そうしたことを考えてまいりますと、例えばこうした方法が採用できないのは、現在の農薬取締法上、その前提となっている我が国のADIの評価に問題がある、あるいはその定期的見直しかできていないといったような問題点があるのかな、あるいは農薬の残留基準値で有意の値が決められているものの中で非常に厳しいもの、あるいは非常に緩やかなものの間における、諸外国との間の落差が大き過ぎるというふうなことがあるのかなという疑問も出るわけでございますが、その点についてはどのようにお考えでしょうか。
○小林(秀)政府委員 お答えいたします。 登録保留基準とか国際基準、それからカナダ方式を組み合わせて、残留農薬の規制方式としてポジティブリスト方式を導入できるのではないかという御質問でございますが、それぞれにつきまして問題点がありますので、順次お答えをさせていただきたいと思います。 まず、登録保留基準を残留基準として採用することにつきましては、農薬取締法の登録保留基準は、国内で使用する農薬について、農薬製造業者等から申請のあった国内における適用作物、使用方法を前提として、一日摂取許容量、ADIを上回らないように、またできるだけ低い値を設定するようにされていると聞いております。 一方、食品衛生法の残留農薬基準は、公衆衛生上の観点から、国内外における農薬の一般的な使用方法を考慮し、食品に残留しても安全な量を設定するものであり、違反するものは国産品、輸入品にかかわらず、残留する食品の流通を禁止するものであります。 したがいまして、登録保留基準をそのまま残留農薬基準として採用することは、同基準が国内の農薬使用を前提としており、国産、輸入品を問わない食品の安全性確保の観点から策定されたものではないので、食品流通を規制する基準としては基準の性格上不適切であること、それから食糧輸入の障害となり、食糧の海外依存度がカロリーベースで平成五年度で六三%となっている日本の現状では、国民への食糧供給を困難にすることなどから適切ではない、このように考えております。 また、国際基準をそのまま残留農薬基準として採用することにつきましては、我が国としても、農薬の安全性等につき科学的に評価する必要があると考えていること、それから我が国の食品摂取の実態が、例えば米やリンゴの摂取量が多いなど、国際的な食品摂取の実態と大きく異なることなどから、国民の食品を介した農薬の摂取量が、計算上科学的な安全レベルである一日摂取許容量を上回ることも多いことなどから、農業の安全性等に関する評価を行わず、直ちに国際基準を採用することは適切でないと考えております。 さらに、カナダにおいて採用されている、基準がない農薬については一律に○・一ppm以下という基準を設けることにつきましては、現に基準を設定している百二農薬のうち、四十二農薬について〇・一ppm未満の値や不検出の基準を設定していることから、個々の農薬ごとに安全性等を評価せずに基準を設定することは適切でないこと、またカナダは食糧自給国であり、かつ主要農産物をカバーする二百八十農薬に基準を設定した上でその他の農薬について〇・一ppm以下の基準を設けており、百三農薬しか基準のない日本の現状でカナダ方式を採用することは、食糧供給や安全性の確保に問題があることから適切ではないと考えております。 このようなことから、厚生省としては、欧州で多くの国々で採用されている現行方式にのっとり、少なくとも二百農薬程度まで基準整備を行うことによって主要な農薬について規制を行い、食品の安全確保に努めてまいる所存でございます。
○五島委員 ちょっと今の説明は誤解があるのではないかと思うのですが、残留農薬基準については百三あるわけですが、このうち国際基準と同じものは約六六%ですね。そして、国際基準より厳しいものが二二%、国際基準の方が厳しい、すなわち日本の方が緩やかなのが約一二%あるわけで、我が国のADIの設定の仕方によってここに格差が出てくるのは当然でございます。 ADIというのは基本的に一日摂取の無作用量の百分の一ということで決められているわけですから、その登録保留基準もADIで決められている限り、食生活の変化その他において見直しというのは当然あるわけですが、そういうふうな手直しかきちっとされているとするならば、登録保留基準でやったとしても、それは一応暫定値としては十分有効であるはずだし、そしてそれが余りにも国際基準とかけ離れているものがあれば、そこのところについてきちっと見直しをやっていけばいいのではないかというふうな理屈になるだろうというふうに思います。 それからまた、今おっしゃいましたが、じゃアメリカは何ぼの基準値を設定しているかといったら三百農薬だと。カナダは、今小林さんがおっしゃったように二百八十の農薬について基準値を持っている。日本の場合は百三の農薬しか、いわゆる食品衛生法に基づくところの基準値は設定していないわけですが、今厚生省がおっしゃっている二百の農薬を新たに設定するとするならば、若干この百三の中の見直しの部分も入るかもわかりませんが、三百ぐらいの農薬になるわけでございまして、十分ポシリストを採用することが可能ではないかというふうに思うわけですね。 それで、今の小林さんのお話であれば、じゃ参議院の附帯決議に出されました。環境が整えばポジリストに移行しろということについては、その参議院の附帯決議の言う「環境が整えばこというのは一体どういうものとしてお考えなのか、そこのところをちょっとあわせてお伺いしたいと思います。 えらいもたもたしているようですが、後で答えてもらって結構ですから。時間がございませんので、次の質問の方から、できるだけ小林さん以外の方にお答えいただくところから質問をさせていただきます。 今各地の衛生研究所などで実測されている残留農薬濃度と、それから残留基準値の間にはかなり大きな格差がある場合があるわけです。その実測値をもとにしてこのADIというものをもう一回見直す必要があるのではないかというふうに考えるわけです。 とりわけ、もう一つ、このADIというのは何かの科学的な根拠が医学的にあるかと言われたら、もうお互い困るわけでして、これは一般的に無作用量と言われている、無作用量自身も非常にあいまいな概念ですが、百分の一ということで設定されているわけですが、物質によっては、やはり乳幼児であるとか、あるいは妊娠中の女性に対しては百分の一でなくて千分の一という数字を用いるということが必要ではないかという議論もあるわけでございます。それで、安全性あるいは遺伝子に対する催奇性、まあ発がん性とイコールと考えてもいいかと思いますが、それらの問題を考えた場合、こうしたADIというものを大人から子供までえいやっと一本で決めてしまうというやり方で、果たして消費者の不安感が解消できるものだろうかと私も考えるわけでございますが、その辺をどうお考えなのか。 さらに、食品や飲料水の中における発がん物質のコントロールというのは総合的ながん対策の中でどのように位置づけられているのか、この辺について保健医療局長の方からお答えいただきたいと思います。
○小林(秀)政府委員 お答えいたしますが、たくさん質問されましたので、ちょっと私の方で質問がよく理解できなかった面がありますので、間違っていましたら、また……。 まず最初に、先ほどの附帯決議との関係で、どういう段階になったらポジティブリスト化できるのかというお話でございますが、私どもとしては、まず残留農薬基準があるものが実際との程度使用されているのか、そういう問題、それから内外で使用される農薬がどんなふうに国際的に動いていくのか、それから外国の規制もどうしているのかとか、それからもう一つは我が国の食糧の自給というものがどういう状況かということを勘案して検討していくべき問題だ、このように考えておるところでございます。 次に、各衛生研究所で残留農薬濃度が出ます、それと実際の残留農薬の基準との間に格差があります。そういうことからいきますと、実測値をもとに基準値を見直すべきではないか、こういうお話かと思いますが、先生御指摘のとおり、市場で販売されている農産物に残留している農薬の量は、基準値に比べますと相当低いものと考えております。このような結果が得られているのは、残留農薬基準の整備に伴う検疫所における輸入農産物の検査や、それから農林部局による国内における適切な農業の使用方法等の徹底等によるところもあるのではないかと考えております。 しかしながら、残留農薬基準は、科学的な安全レベルである一日許容摂取量を上回らないように農薬を適切に使用した場合の農作物への残留量をもとに策定することが国際的に採用されており、我が国においても同様の方法によっているところでございます。 それで、先生が申されました一日許容摂取量、ADIの話でございますけれども、ADIにつきましては、これは日本であれ海外であれどこであれ、これは農林省さんがおやりになられたとしても厚生省がやったとしても、全部動物実験からやるものでございまして、世界みんな同じやり方で同じデータになる、私どもはこのように考えておるところでございます。問題は、後のADIと残留農業基準の乖離のことは、各国によっていろいろ違いますけれども、ADI自体は各国共通だと我々は考えて対応しているところでございます。
○五島委員 いや、そうであるから、その登録保留基準の農薬につきましても、先ほど局長がおっしゃったように、ADIに基づいて決定されていて、もちろん食生活が変わればトータル一日摂取量がその食品にどれだけ許容できるのかというのは変わってくるわけですから、その辺の見直しが必要なのは言うまでもないと思いますが、少なくともADIを軸としてその安全率を見込んだ形で決められている。その枠の中に入っているものであるとすれば、例えば具体的な例を挙げれば、日本の場合は米をたくさんとる、したがって、米を通じて入ってくるある種の農薬についてその割合を大きくとっていくとすれば、当然そのほかの小麦その他については厳しい基準値を設定せざるを得ない。これは当たり前なわけですね。 そういう形の中で、登録保留基準も決められているとした場合、それは基本的には、考え方としては残留農薬基準の考え方とそれほど大きな違いがあるわけではない。残留農薬基準値の場合だって、国際基準と比較して、今私が言ったような理由から高いものもあれば我が国の方が非常に緩やかなものもあるわけでございまして、そういう点からいえば、とりあえずの間、登録保留基準を準用したりしていくということが非常に問題があると私は必ずしも思わないし、またその数値が国際基準との間において余りにも大きくかけ離れているものがあるならば、そこのところはもう一度きちっと見直せばいいじゃないか。そうすれば、ポジリストしていくという前提のもとにおいて、現在百三ぐらいの農薬ですが、あとそういう形でいけば十分な農薬の登録というものが、基準値の設定ということが可能なのではないか、そのように申し上げているわけですが、その点はどうなんですか。
○小林(秀)政府委員 先ほどの答弁の繰り返しになるかもしれませんけれども、登録保留基準の考え方が、私は、先生がおっしゃっているのと実態とは違うのではないかという感じがします。 といいますのは、登録保留基準はいわゆる申請主義なんですね。だから、農薬メーカーさんが、 農薬をつくりました。このつくった農薬をこういう使用方法で使います、そうすると作物にどの程度の農薬が残ります、こういうことに基づいて申請をされるわけです。それで、受け手の方の農林省の立場から言われれば、その農業のADI、ADIは動物実験で出せますので、まずADIを測定をして、このADIに沿って数値を決めるのではなくて、ADIを超えない範囲、それは当たり前なんですね、危険性のある農薬でしたら、これはもともとADIより上に行ってしまうかもしれません。しかし、農薬を開発するときには、当然ADIよりはるかに低いことを期待をしてつくられるわけですから、農薬メーカーさんから見れば、結局ADIよりはるかに低い使用量でもって、そして作物に残っている状況で保留基準が決められる。 ですから、この保留基準というのは、国内の登録された農薬を日本国内で使うという、日本の場合、そんなに暑くもない、管理も行き届くようなところでつくった場合にうまくいくというときの保留基準ですから、これを食品流通の、我々が流通だとかいうのを規制するときの残留農薬の基準として使うということは、いい農薬であればあるほどここは乖離があるわけでございまして、それを使うというわけにはまいらないというふうに先ほど御説明申し上げたわけでございまして、何とぞ御理解をいただきたいと思う次第です。
○五島委員 登録保留基準、我が国で登録保留されているもののうちで国際基準のあるものが幾らぐらいあって、そして国際基準値よりもはるかに厳しいもの、それから同じもの、あるいはほぼ同じもの、あるいは非常に緩やかなもの、その比率というのはわかりますか。
○小林(秀)政府委員 厚生省では今のところ持ち合わせておりません。
○五島委員 厚生省がそのデータがないということじゃ困るわけで、そういうふうなことがないままに今局長が言われたようなことをおっしゃったのでは、これは消費者の皆さんは、なぜ厚生省は安全を軸にしたポジリストを採用しようとしないのかという不信を持たれることになると思いますので、今データがないとおっしゃっているものを言っても仕方がありませんが、それは早急にそこのところをきちっと整理した上でデータを、私どもだけでなくて国民にも見えるような形で、そこのところの情報というのはきちっと公開していただきたいというふうにお願いしておきます。 データがないとおっしゃるので、時間もありませんので次の質問に行きます。 先ほど福島議員の質問に対してもお答えになっていたわけですが、私はちょっとアバウトな質問になるかと思いますが、魚肉や食肉に残留する抗菌性物質について私の方からも少しお伺いしたいと思うのです。 魚肉や食肉などの抗菌性物質の残留基準をつくる場合に、確かに残留基準をつくるという考え方は農薬と同じように入ってくるわけでしょうが、これは何から入ってくるかといえば、ほとんどの場合飼料などに混入された抗菌性物質が出てくるわけですね。 ただ、この抗菌性物質の性質からいえば、基本的に、よほど一部のものを除けば、投与されてから後、一定の時間がたては排せっされるというのが基本だろうと思うわけです。それが排せっされていないということは、やはり食用に供される直前までずっと投与されているのか、あるいは不必要に極めて大量に投与されているのか、そういうことがあるのではないかと思うわけですよね。そのあたりは当然農水省の方も具体的に畜産業者なんかに対して指導しておられるのでしょうが、なぜ、食肉や魚肉の中に残留基準をつくらないといけないようなほど、それが残留するようなそういう飼育の方法を認めておられるのか、そこのところを何らか改善していくということは不可能なのかどうかということについてお伺いしたいと思います。
○青沼説明員 御説明申し上げます。 畜産物、水産物に使用される抗菌性物質の適正な使用についてでございますが、現在、畜産業、水産業に使用されている抗菌性物質は、病気の治療、予防を目的といたしました動物用医薬品と、先ほど先生からお話ございました。飼料が含有している栄養成分の有効利用の促進等を目的とした家畜の飼料添加物である抗菌性物質等がございます。これらは、食品衛生法に基づきまして、食品の規格基準において食肉や魚肉、魚介類等の食品中に含まれてはならないということになっております。 このために、抗菌性物質のうち、抗菌性動物用医薬品につきましては、まず、製造承認申請に際しましては、残留に関するデータを添付させまして、中央薬事審議会における厳密な審査を行いまして、適切な使用方法の設定等を行っております。また、動物用医薬品のうち病原菌に耐性が生じやすいものにつきましては、やはり薬事法の規定に基づきまして要指示医薬品として指定しておりまして、これは獣医師の処方せんの交付または指示書がなければ販売ができないというような規制になっております。 さらに、畜産物の安全性を確保する観点から、抗菌性動物用医薬品につきましては、薬事法の八十三条の二という規定でございますが、これによりまして、使用できる対象動物、それから用法、用量、使用禁止期間など、使用者が遵守すべき基準を定めて、使用者に適正な使用を義務づけております。 いずれにしましても、以上の規制措置を遵守させることが実は極めて重要でありますことから、薬事監視員によります動物医薬品販売店等に対する立入検査、あるいは家畜保健衛生所職員による生産者に対する巡回指導等によって徹底を図っているところでございます。 農林水産省といたしましては、安全な畜産物、水産物を国民に対して安定的に供給していく観点から、引き続きこれらの規制措置を的確に運用していくとともに、動物用医薬品等の適正使用が図られますように指導徹底をしてまいる所存でございます。
○五島委員 先ほどの福島議員の御質問に対する回答の中でも、大量の豚の廃棄というものが指摘されたわけですが、それが結果的には、やはり飼育方法に問題があり、それによっての家畜の健康障害あるいはストレス、あるいはそれの予防のためとしか考えようのない形でのそういう飼料の中に含まれている等々の問題があるのだろうと思いますが、肝臓疾患といったようなことが原因だという指摘なわけですね。 そういう家畜の飼育、あるいは魚などもそうでしょうが、そういう畜産なら畜産方法の中における問題点というものが、どの程度まで整備することによってこうしたものを減らすことができるかという観点から、やはり一定の指導がないと、肺炎であるとか胸膜炎であるとか、あるいはそういうふうな不潔な飼育の中で疾病がふえてくるとすれば、それに対してますます抗菌剤を投与しないといけないというふうなイタチごっこになることは当然であって、その結果として、結果的にそういう食肉やあるいは魚肉の中にそうしたものの残留がふえて、それの残留基準をつくっていくというふうなばかげたことをしなければいけないのだろうというふうに思うわけなので、その辺についてやはりきちっと、それをできるだけ避けることができるような飼育方法ということを考えていただかないと、いわゆる製薬メーカーやそういうふうなところだけの問題ではないように思うわけです。 ついでにちょっとお聞きしておきたいのですが、動物に投与している、これは肥育や何かの目的もあるのでしょうが、ホルモン剤、これはちょっと抗菌剤なんかと違いまして、ひょっとするとこれは、それを摂取する人間にも影響があるかもしれないという危険性もはらむかなという感じを持つわけですが、動物に投与しているホルモン剤を天然型と合成型に区分して規制しているわけですが、ホルモン剤を天然型と合成型とにわざわざ区分しているその理由は何なのか、お伺いしたいと思います。
○青沼説明員 御説明申し上げます。 ホルモン剤には、家畜や人の体内に存在いたしますホルモンと全く同一のものでございます天然型のものと、天然には存在しない合成型のものがございます。薬事法上、動物用のホルモン製剤につきましては天然型と合成型のものを区分して規制いたしている事実はございません。 なお、動物用医薬品については、薬事法に基づきまして個々の品目ごとにその有効性と安全性について中央薬事審議会の審議を経た上で承認いたしておるわけでございますが、現在我が国で動物用医薬品として承認されているホルモン製剤の中で、治療用を除けば、卵胞ホルモンと黄体ホルモンを成分とする天然型の肥育用ホルモン製剤のみでございまして、一方、合成ホルモンの製剤につきましては、我が国においてこれまで承認の申請がないという状況でございます。
○五島委員 外国から入ってくるものについてもそれは分けてないのですね。
○青沼説明員 御説明申し上げます。 外国から来るものも分けてございません。
○五島委員 次の質問に移りますが、我が国の残留基準値というのは、もちろん国際基準に比べて厳しいものもありますし、緩やかなものもあるわけですが、ハウス園芸食品等についてはヨーロッパの水準や国際基準に比較して、比較的緩やかなものとなっていると思うわけです。これはADIという概念で見るならば、一日の摂取総量の中におけるそれぞれの食品からの摂取ということですから、そのことをもって日本の方が危険だとかたんとかということにはならないという理屈はわかるわけです。 ただ問題は、そういうある特定のものに対して国際基準より物によってはかなり緩やかなものに、五分の一とかいうようなものもあるわけですが、あるいはこれは農薬の残留基準ではありませんが、重金属等についても日本の場合、国際基準に比べると緩やかなものもあるわけですけれども、そういうふうなものが存在することによって、国際的な取引の中で欧米間において取引できないというふうなものが、日本はそれを認めているということで日本に出回ってくるということによって、結果的に日本の消費者や生産者にダメージを与えるということが起こるという心配があるのではないか。杞憂に終わればいいわけですが、そういうふうなことも心配するわけでございますが、その点はどうでございましょうか。
○吉村説明員 御質問の、国際基準と国内の基準が、国内基準の方が緩かった場合に、その基準の差を利用して海外農産物の流入があるのではないかという、これは仮定の問題としてでございますが、私、大変お答えしにくいわけでございますが、今のところ、国際的な農産物の輸入を左右する要因として農薬の残留の内容が問題になっているということはございませんので、そのことをもって国際的な農産物の流入が加速されるということは、今のところ余り——ほかの要因の方が大きいのではないかというふうに考えております。
○五島委員 今のところそういうことはないということですが、やはり将来的な問題としてその観点からの監視も続けていただきたいと思います。 もう一つ、質問を変えますが、WTO協定のうちSPS協定に基づいてコーデックスの持つ意味が著しく重要となってきているわけですが、コーデックスの会議資料というのは外交上の秘密文書ではなくて、公開文書がほとんどであると承知しているわけです。こうした文書はどのように公開されるのか。 それから、あわせてもう一つ、食品衛生調査会で結論が得られた後には、食品衛生調査会での資料の閲覧が可能であるということは承知していますが、多くの消費者団体は、こうした食の安全という問題について言えば、調査会が結論を出す前、それ以前の段階での情報の公開というものも大変求めているわけでございまして、最終段階の結論ではなくて、その前の研究会とか部会とか、結論が出る前にそうした論議の内容というものを消費者に周知して、消費者の意見が聞けるというふうな方法も考えるべきではないかというふうに思うわけですが、情報公開の問題に関連して、その点についてお伺いします。
○小林(秀)政府委員 WTO協定のSPS協定において、各国の衛生植物検疫措置を、原則として、コーデックスが策定する国際基準に調和させる等とされたことから、コーデックスの重要性が増大していることは先生御指摘のとおりだと承知しております。 コーデックスの会議資料につきましては公開する取り扱いとされているところであり、厚生省においても、希望があれば閲覧できるものとしてきたところでございますが、消費者の関心の高まりに対応し、さらに情報の入手が容易になるように情報提供を推進する必要があると考えております。 また、先ほどもお答えをいたしましたが、食品衛生調査会の件でございますが、その審議に用いられた資料については、今までは審議が終了した後、原則として、閲覧可能な取り扱いをしてまいりました。しかし、法改正を契機として、今後は調査会の審議が終了した後でなく、その前の部会報告など中間取りまとめの段階で、知的所有権に配慮しつつ、関係資料を公開することについて我々としては今具体的に検討をいたしておるところでございます。 また、消費者等に対しましては、よりわかりやすい形で情報提供する。このことは、情報はありましたよ、印刷、これを見せて、当然これで消費者は知っておって当たり前というような態度をとってはいけないということから、よりわかりやすい形で提供し、そしてコーデックス委員会の活動状況や食品衛生調査会の諮問、答申について説明する場も設けることについてさらに努力してまいりたい、このように思っております。
○五島委員 中間段階で消費者団体にもそういう情報が提供されるように努力されるというのは非常に歓迎したいと思うわけですが、もう一つ、やはりこのコーデックスや食品衛生調査会などの細かい専門別に区分されたそういう議論というのは、非常に消費者にとってはわかりにくい場合もあり得るかというふうに思うわけです。 そういう意味では、状況状況によって違うでしょうが、年に一回とか二回、食品の安全についての活動状況というものについて行政が報告して、また消費者の意見を聞くといったそういうふうなシンポジウムというようなものを、これはやはり食料品というのはだれにとっても一番根源的なものですから、それの安全性について消費者団体からの意見を聞き、また消費者の信頼をから取る、そういう意味からも、このWTOの協定によってこれから大きく変わってくる時代においては、予算もかかることでしょうが、持つべきではないかというふうに考えるわけですが、その点についてどうお考えか。 それから、あわせてもう一つ、これはお答えいただきたいのですが、たしか食品衛生調査会へ消費者代表を委員に割り当てるというふうな方向を厚生省はお決めになったと聞いておりますが、その割り当て数や選定時期、どういうふうにお考えになっているのか、この二点についてお伺いします。
○小林(秀)政府委員 食品衛生行政に消費者や生産者などの広範な国民の意見を反映させることは大変重要と我々も考えておるところでございまして、今回の法案策定に当たっても、各種の説明会等を行い、消費者団体等から広く意見を伺うなど、努力してきたところでございます。今後も、法改正を契機として、消費者等に対し、よりわかりやすい形で情報提供を進めるため、コーデックス委員会の活動状況や食品衛生調査会の諮問、答申などの状況について説明の場を設けるなど、さらに努力をしてまいる所存でございます。 また、食品衛生調査会への消費者代表の参加についてのおただしてございますけれども、この食品衛生調査会への消費者代表の参加につきましては、法改正成立後速やかに検討を行い、今年度中に消費者の御意見を取り入れられるよう、広い範囲の中から委嘱を行うことといたしております。 なお、人数につきましてでございますが、消費者と生産者のバランスや、調査会における専門的な審議事項とのかかわりなど、調査会全体のあり方にも関係することから、調査会の委員長等にも相談をして検討してまいりたい、このように思っております。
○五島委員 当然でしょうが、実際に消費者の意見がこの食品衛生調査会に反映できるように、その点は十分に御配慮をお願いしておきたいというふうに思います。 今回のこの食品衛生法の改正ですが、もちろんこの改正そのものが現状を悪化させるような内容というのは一つも見られないわけですが、お話を聞いていても、参議院において与野党一致して、質問者のお話を聞いてみると、ポジリストの問題等について御指摘があるわけですね。そこにやはり、何か日本の中において国際化していく中において最も根源的な食を通じての健康という問題に不安が残るのではないか、そういう消費者の不安というものを代弁した形で、皆さん御質問なすったと思うわけです。 そういう意味でいえば、ポジリストをつくればそれがすべて解決するとは決して私は思いません。しかしそこには、やはり消費者としては一つのきちっとした。日本が自国の国民の安全というものは第一義的に守っていくんだということを明確にできるようなことが、システムの上でほしいというあらわれだと思います。 そういう意味では、その点について、私は、先ほどの小林局長の御説明では十分消費者が納得できるような内容ではない。やはり、参議院の附帯決議にもあるように、早急に具体的にそれができるような環境は何なのかということを御検討いただきまして、その方向を進めていただきたいと思います。 最後に、もう一度大臣にお伺いいたしますが、先ほど大臣も御指摘になっておりましたが、コーデックスはFAOやWHOの合同で運営されているわけですが、厚生省としては、WHO側に対してどのように、その強化策といいますか、WHOのそうした面における活動の強化策を講じて」られたのか。また、WHO、あるいは二国間のレベルにおける食品安全の国際協力というものが個々にこれから大事になってくると思います。そういうふうなことについての基本的なお考えをお伺いしたいと思います。
○井出国務大臣 お答えを申し上げます前に、今五島委員御指摘の国民の皆さん方の不安が一掃されるように、我々一生懸命努めなければならぬということをあえて申し上げておきたいと思います。 さて、SPS協定の締結により、コーデックスの重要性は一層増大してまいったわけでございますが、これに対応するため、厚生省といたしましても、コーデックスヘの取り組みをより強化していく必要があると考えております。このため、今年度末にはコーデックス アジア地域調整委員会を東京で開催することといたしました。さらにまた、WHOのコーデックス事務局に、SPS協定の発効を機に、実は昨年の年末、十一月から十二月にかけてでございましたが、二名の厚生省職員を出向させる等、積極的な貢献といいましょうか、対応を今行おうとしておるところでございます。 さらに、二国間協力についてでございますが、これは、我が国のみならず世界の人々のための食品衛生を向上するという観点から、現在国際協力事業団を通じて、タイに対する食品衛生強化プロジェクトを実施、協力しているほか、国際厚生事業団を通じて、開発途上国からの食品衛生に関する研修生を受け入れしたり、あるいは専門家を先方へ派遣したりしておるところでございます。今後とも、WHO等の国際機関を通じて国際協力を推進するほか、二国間における国際協力についても、食品衛生水準の向上、国際的な向上に積極的に貢献してまいりたいと考えております。
○五島委員 終わります。
○鈴木(俊)委員長代理 岩佐恵美君。
○岩佐委員 自国の食糧は自国で賄う、これは常識であります。国際的にもそうなっていると理解をします。 農水省に伺いたいんですが、食糧自給率、カロリーベースで、アメリカ、カナダ、フランス、ドイツ、イギリス、オーストラリア、これらの国々がどうなっているか、お答えをいただきたいと思います。 〔鈴木(俊)委員長代理退席、網岡委員長 代理着席〕
○中川説明員 欧米諸国の食糧自給率についてのお尋ねでございますが、供給熱量ベース、いわゆるカロリーベースで見まして、一九八八年では、農産物の輸出国でありますオーストラリアが二五一%、フランスが一四三%、カナダが一四二%、アメリカが一一三%となっております。また、その他の国としまして、ドイツ、これは旧西ドイツの数字でございますが、九四%、イギリスでは七三%となっております。
○岩佐委員 日本の食糧自給率は、先ほどからも論議がありますが、九四年は米不足で三七%にまで下がっております。その前年も四六%と、先進工業国の中で最低であります。しかも欧米の最低の七三%に比較して格段に低いわけです。WTO協定絡みで日本はお米の自由化を決め、段階的に輸入量をふやす、いわゆるミニマムアクセスを受け入れたわけですが、このことによって日本の自給率はどう変わるのか、農水省の試算はあるのでしょうか。
○中川説明員 お答え申し上げます。 ウルグアイ・ラウンドの農業合意の実施に伴いまして、今後我が国の農業及び農産物貿易に新たな枠組みが設定されることになるわけでございますが、このような状況の変化も踏まえまして、現在、農政審議会の需給見通し小委員会におきまして、平成十七年度を目標年次といたします新たな農産物の需要と生産の長期見通しの策定につきまして検討を行っているところでございます。本年秋ごろをめどに取りまとめたいと思っておりますが、その中で、食糧の自給率の見通しにつきましても明らかにいたしたいというふうに考えております。
○岩佐委員 現在でも欧米諸国に比べて食糧自給率が最低であるのに、主食であるお米を自由化をする、この問題について、日本の食糧自給率が将来的にミニマムアクセスを受け入れたらどうなるかということを試算もしないで、既にその自由化を受け入れてしまったわけです。農政審議会にその点を指摘をされて、今試算をして、ことしの秋にどうなるかというのが出るということですから、本当に私はこの点、どうかしているというふうに思います。 食糧自給率引き上げ、特に主食を守ること、このことは国の主権を守ること。また安全保障面からも、また食の安全性確保のためにも、食糧自給率の向上は欠かせないことだと思います。大臣にその点、厚生大臣というだけではなくて、閣僚の一員として、本当に政府の無責任な態度だと私は思うんですね、試算もしないでお米の自由化を受け入れてしまったわけですから。こういう問題について、本当に自給率向上のために相当な決意をしていただかなければならないというふうに思いますけれども、その点、お伺いしたいと思います。
○井出国務大臣 先ほど福島委員の御質問にもお答えしたところでございますが、御指摘のように、我が国の食糧の自給率は、先進国のうちで最も低い水準となっていること、これは今後の我が国の農業あるいは国民の食生活を考えたときに、決して望ましいことではございません。やはり食糧の自給率の向上については、国を挙げて努力しなくちゃならぬ、こう思います。 ただ、農林大臣も国会の答弁で、可能な限り国内生産を維持拡大し、自給率の低下傾向に歯どめをかけることを基本として政策展開に努める、こう答弁をされているように、この傾向が大変厳しいものがありますから、今、自給率のこの低下傾向に歯どめをかけるということに全力を政府としては挙げようとしておるわけでございます。しかし、一方また農林大臣答弁の中で、やはり食糧の供給力、これを強化する、結果として自給率を高める、そういう考え方で政府としては進んでおるところであります、こうも述べていらっしゃるところでございます。そういった意味では、やはり国際競争力に耐えられるような強い農業をつくることに全力を挙げる必要がある、こう考えるところであります。
○岩佐委員 お米の自由化へのアメリカなどからの外圧と同時に、安全性についても規制緩和の圧力がますます強まってきているわけです。食の安全については、国民の健康と命を守る重要課題であります。国際化という名目での規制緩和は、私は絶対に許されないことだというふうに思います。 日本で認められている化学的合成食品添加物は現在三百四十八品目あります。FAO・WHO合同食品添加物専門家委員会、いわゆるJECFAがA(1)リストにランクをして、日本で使用が認められていない品目は百二十一あります。これはコーデックスで規格を決めているA(1)及びA(2)の食品添加物でありますが、この中で日本で使用されていないものは七十九品目あります。百二十一のくくり方にするのか、七十九のくくり方にするのか、いずれにしろ、外国が、これはもうこういうことで認めているんだからということで日本も認めよということを言ってくる可能性が高い品日数であります。 食品添加物については七二年の国会決議で、「極力その使用を制限する方向で措置すること。」こういうことがありますけれども、この点、私は国会決議を厳格に守るべきだと思いますけれども、その点いかがでしょうか。
○小林(秀)政府委員 一九七二年、昭和四十七年の国会附帯決議につきましては、添加物の指定について化学的に厳格な安全性、有効性の評価を行うことなどにより、その趣旨を尊重してまいってきたところでございますが、今後ともその精神を堅持しつつ対応してまいりたい、このように思っております。
○岩佐委員 極力制限的に使用する、この点もきちんと入っているわけですけれども、その点もあわせて守っていかれるわけですね。
○小林(秀)政府委員 そのとおりでございます。
○岩佐委員 今度の法改正では、天然添加物についても今後指定制をとることになります。しかし、現に使用されている天然添加物一千五十一品目については、全部検査なしで添加物リストに加えることになります。しかし、天然添加物だからといって安全とは言えない。これは先ほどから論議があるところであります。だからこそ厚生省は、年十品日程度ずつ天然添加物のいわゆる変異原性テスト、スクリーニングテストですか、これを行ってきているわけであります。 本来、食品添加物については、人の健康を損なうおそれがないものを大臣が指定をしてきました。しかし、天然添加物はこれまで規制なしで、野放しにされてきたものであります。今まで天然添加物を野放しにしてきたそういう行政の怠慢の責任は重いと私は思います。本来、個々に安全性を確かめてからリストに載せるのが国民の安全を考えた当然のやり方だ、そう思いますが、その点どうでしょうか。
○小林(秀)政府委員 今回国会で御審議いただいております食品衛生法改正で、天然添加物についても今までの合成品たる添加物と同様の扱いをしようというふうに法案で書いているわけでございまして、そういう意味では、今先生が言われたように、添加物というものの安全というのは大変大切なんですということに基づきまして、天然といえども今後についてはきちっと見ていきたいというふうに考えたわけであります。ただ、今まで使われてきた天然添加物について先生のお考えと我々の考えとが若干異なっているのではないか、このように思っている次第であります。
○岩佐委員 要するに現状を追認するというやり方、これは結局は添加物の指定拡大につながるということで、私は、安全性をチェックをして要るもの、要らないものを振り分けて、それでリストに載せていくのだったらまだしも、全くそっくりそのまんま、現状で使われているから、はいどうぞとリストに載せてしまうやり方というのは大変乱暴なやり方だ、こういうことは保許されないというふうに思うのですね。 その点について、四百品日程度について安全性チェックをやりますというふうに言っておられます。この安全性チェックをどのようなスケジュールでやるのかということ、それからどういうやり方でやっていくのか。四百あるわけですから、今まで慢性毒性などというのは年間三品目から四品目ぐらいしかできないということですね。さっきの天然添加物のスクリーニングテストでも十品目ぐらいしかできていない。そういう状況でありますから、四百というのは、そういう基準からしたら天文学的数字になってしまうわけですね。その四百について、一体いつまでに振り分けをしながら作業を進めていくのか、その点についてスケジュールがあるのかどうかということをお伺いしたいと思います。
○小林(秀)政府委員 今の四百品目についての具体的スケジュールについてでございますけれども、まず、専門家の協力を得て安全性の確認上優先度の高い品目を選定をいたしていきます。次に、これらの品目について反復投与毒性試験や変異原性試験など基礎的な毒性試験を実施することになりますが、これらの試験については、本改正法案が成立し次第できる限り早期に着手をしてまいりたいと思います。 安全性の見直しに当たりましては、約四百品目の対象品目のうち百品日程度につき試験が必要ではないかと考えられること、これは文献等から見て考えられることであります、それから試験検査機関の能力の現状から、実施できる試験数は実際上年間二十品日程度が限度かな、こういうふうに考えておりまして、それを五年程度を目途に基本的な安全性の確認に努めたい、こう思っておるところです。
○岩佐委員 百歩譲って五年程度で、とにかくしっかりそこは消費者の不安がないようにきちっとこたえていく、そして危険なものがあればどんどんリストから外していく、あるいは不要なものがあれば外していくというような厳正な態度をとるべきだというふうに思います。 次に、農薬について。残留基準を新たに設定した百二農薬のうち、ポストハーベスト農薬は何種類あるでしょうか。
○小林(秀)政府委員 現在、食品衛生法の残留農薬基準を策定しておる百三農業のうち、国際基準やアメリカの基準において農薬のポストハーベスト使用が明示されているものは十九品目でありまして、これらの品目がポストハーベスト使用される可能性があるものと承知をいたしております。
○岩佐委員 この十九品目は、従来日本の使用方法にはない、いわゆる農作物の収穫後使用、ポストハーベストであります。収穫後使用ですから、規制基準の設定というのは当然緩いものになります。 例えば有名なバレイショの除草剤のクロルプロファム、この残留基準というのは五〇ppm、従来の日本の登録保留基準〇・〇五ppmの一千倍となっています。あるいは小麦や落花生に使用する殺虫剤マラチオン、これは残留基準が八ppmで、保留基準〇・五ppmの十六倍高い、そういう基準に設定をされております。しかも、マラチオンについては、基準設定時には農薬取締法による登録がなかったものであります。つまり、日太では使用されていなかった。こういうものであります。アメリカ産ジャガイモのクロルプロファムの残留値は、通常○・八ppmぐらいという実態だったと理解をしています。それが、アメリカの基準値に合わせて一千倍にしてしまった。これでは余りにも自主性がなさ過ぎるというふうに思います。 このように、外国の基準やあるいは使用実態に合わせて規制を緩めていたのでは国民の安全は守れないと思います。カナダは、購入者からの要望がない限り、収穫後の農薬処理は行わない、そう言っているわけですね。ですから、何も外国の都合に合わせて基準をつくったり、特にポストハーベストを認めたりというようなことをしなくてもいいというふうに思います。私は、日本の国民の健康第一のきっぱりとした態度をとるべきだと思いますけれども、その点いかがでしょうか。
○小林(秀)政府委員 御質問にお答えする前に、今御説明のありました中にクロルプロファムとジャガイモの関係の話がございましたが、食品衛生法の残留農薬基準が登録保留基準の一千倍であるというお話でございましたのですが、先ほども御答弁申し上げましたように、登録保留基準とそれから食品衛生法の残留農薬基準とは、その目的、それから規定の仕方が違いますので、それを単純に比較されるというのは我々は国民に誤解を与えるものではないか、このように思っておることをつけ加えさせていただきたいと思います。 そして、先生のカナダの話でございますけれども、私ども、先生の御指摘に従いまして、東京都生活文化局消費者部が平成元年度に東レリサーチセンターに委託した、アメリカ、カナダ、イギリスなどの収穫後使用の農業に関する調査を拝見いたしました。その中には各国のポストハーベストの現状として、「カナダ産の穀物は購入者からの要望がない限り、収穫後の農薬処理は行わない。」との記載がございましたが、一方、「カナダにおいても、ポストハーベスト処理用の農薬のみを規制する法令はない。」とも記載されており、これは法的な規制ではなく、商習慣など別の要因によるものであろうと考えております。 また、同文献には、我が国へのカナダからの穀物輸入につきましては、お互いに国が北の方にありまして、熱帯地方を通らないため「ポストハーベスト処理を行う必要はない」とも記載をされておりました。 なお、農作物等に対する収穫後使用、いわゆる農薬のポストハーベスト使用は、国際的に広く認められた使用法でありますが、食品衛生法上は、食品の安全の確保という観点から食品への農薬の残留が問題であり、その農薬が収穫前に使用されたのか収穫後に使用されたのかということが問題であるとは考えておらないところでございます。
○岩佐委員 登録保留基準と残留基準の関係ですけれども、登録保留基準というのは、さっき局長が説明されたようにメーカーの申請主義で決まるものですね。それで、残留基準と登録保留基準を比べてみると、これは従来、登録保留基準の方が緩いのですよ。それがもう圧倒的に多いわけですね。今度も、厚生省にちょっとお出しいただいた資料でも、大体登録保留基準と同一の残留基準設定あるいは登録基準よりも緩い設定、これが九八%近いわけですね。そういう点でいうと、大体、農薬の基準設定が非常に緩んできているというふうな理解をするわけであります。そういう点で、この登録保留基準と比較したからけしからぬとかというのではなくて、むしろ残留基準があればもっと厳しくて、それと比較したらもっと倍数がふえるかもしれないというふうな理解すらするわけであります。 それから、ポストハーベスト農薬についていえば、これはいわゆる輸出国が長期に保存したりあるいは輸送したり、そのために必要な農薬の使い方ですね。だから、国内では使ってこなかったわけですから、外国がこういう点について柔軟であり、輸出国が欧米諸国のかなりを占めているわけですから、そういう点でそれが国際的に基準だということで大手を振っているという実態があると思うのですね。 その点はその点として、農水省にちょっと伺いたいのですが、厚生省の農薬の残留基準設定に伴って農薬の使用基準を緩めることがあるのかどうか。それから、ポストハーベスト農薬を新たに認めてそのポストに合わせて使用基準を緩めていくことがあるのかどうか。その点について端的にお答えいただきたいと思います。
○吉村説明員 御説明申し上げます。残留農薬基準は、各種の毒性試験の結果に基づきまして化学的な評価を行った上で安全性が十分確保される範囲で設定されているものというふうに私ども考えております。 一方、農薬につきましては、その適正かつ安全な使用を確保いたしますため、農薬取締法に基づいて農薬について登録制度を設けておるところでございます。当該農薬につきまして残留農薬基準が設定されておる場合にはその基準に合致する形で登録を行っておるということでございますが、残留農薬基準が緩和された場合において使用方法等について登録変更申請がなされた場合には、当該基準に合致するものであれば、その使用時期が収穫の前か後かということにかかわらず登録の変更を認めることになると思います。
○岩佐委員 結局、諸外国の基準を日本が取り入れていくということになるのですよね。従来ポストハーベスト農薬の使用をしないで済んできたものが、そういうことを想定した残留基準を決めていけば、それはもう、使用者は外国との競争がありますということで、厚生省が安全だと言ったのだから使用基準を拡大しろ、こういうふうになってくるのは当然だと思うのですね。だから問題なのですよ。 農薬について言えば、これは厚生省の課長補佐の方の論文があります。「食品衛生を守る立場から、ほかの要素をまったく考えずにいうとすれば、農薬はいわゆる食品の汚染物質である。すなわち、農薬は本来、食品のなかに含まれているものではなく、散布などにより人為的に食品を汚染するものである。この観点に立ては、汚染物質はないにこしたことはないので、農薬もないほうがよいということになる。」これは当然の考え方ですね。だから、日本は残留基準を決める、そしてそれだけを認めるという格好で、いわゆるさっきから議論になっているポジティブリスト、その考え方をとってきたわけですね。 ところが今度は、百三農薬もそうでしたし、今後二〇〇〇年に向けて二百の農薬、つまり九十幾つですか、それをどんどん外国の基準に合わせて認めていきましょうということになると、これはもう残留基準が拡大をされていくということになるのですね。ですからかつての日本の対応のように、本来農薬は残留してはならないものという厳しい考え方で臨んでいくのがいいのではないかと、いうふうに思うのですね。食品添加物と同じようにポジティブリスト制にすべきだということなのですが、その点いかがですか。
○小林(秀)政府委員 我が国はカロリーベースで六三%の食品を海外に依存をいたしておりまして、また農産物に使用が認められている農薬は世界で約七百と言われておりますが、一方、現在、食品衛生法上の残留農薬基準は百三農業についてしか設定がされておりません。このような現状において、基準が未設定の農薬が残留する食品の流通を一律に禁止すると国民への食糧供給が極めて困難になること、それから国際的にも完全なポジティブリスト制を採用している国は主要国ではアメリカのみと承知をしておりまして、そのアメリカは食糧自給国であり、かつ三百農薬程度につき基準を整備しているなど、我が国と事情が大きく異なることから、現時点ではポジティブリスト化への移行は困難と考えております。 また、将来的なポジティブリストヘの移行については、相当程度の基準を作成した段階で、国内外に使用される農薬数の推移とか、それから残留農薬規制の国際的動向、我が国の食糧自給の程度などを勘案して検討すべき課題と考えておるところでございます。
○岩佐委員 動物用の医薬品の残留基準設定について次に伺いたいと思います。これまで厚生省は、抗生物質、抗菌剤、合成抗園剤、ホルモン剤の移行残留、これはゼロ基準である、つまり残留してはならないという考え方をとってきました。それは、これらの物質が食品にとって何らの必要もなく、食品は本来健全でなければならず、微量といえども食品を通じて不必要な摂取は避けるべきであるとしてきたからであります。これは厚生省の見解ですが、そういうことだったからです。それをコーデックスの基準に合わせて残留基準を設定する、こういうことになると、ゼロ基準のもとでの検出限界値、この値を大幅に緩めてしまう、そういうことになるのではないか。こういう危惧があるわけですけれども、その点いかがでしょうか。
○小林(秀)政府委員 抗生物質や合成抗菌剤については、現在は含有されてはならないと規制しているものです。これは当時の研究水準では、細菌の抗生物質に対する耐性の獲得や人の消化管内の細菌に対する影響など人の健康への影響が懸念されたため、当時利用できる検査法の検出限界値による保規制をしたものでございます。 しかしながら、近年における科学的知見の集積により、安全性評価に基づく残留基準値の設定が可能となったものがある一方、分析技術が高度化し、これまでの検出限界値による規制の科学的妥当性について問題が指摘されているところであります。このため、安全性評価に必要な資料が整備されたものから順次、食品衛生調査会において基準の見直しを行うこととしたものであります。 現在食品衛生調査会において、昨年一月からオキシテトラサイクリンとガルバドックスについて安全性に関する検討をいただいているところでありますが、コーデックスに合わせて基準値を設定するのでなく国民の健康を第一と考え、科学的に慎重な審議を経て行ってまいりたいと考えております。
○岩佐委員 厚生省が食品衛生調査会に基準値設定を諮問しているホルモン剤のゼラノール、ドレンボロンアセテート、これはアメリカ、オーストラリアでは使用されていますが、EUでは使用禁止になっているものです。そして日本でも現在使用されていないものであります。これらの基準をつくるということは、結果的に外国の使用実態の現実を受け入れるばかりでなく、日本での使用促進に道を開くのではないか、そういう心配がされるわけですけれども、その点いかがでしょうか。
○小林(秀)政府委員 現在、ホルモン剤につきましては食品中の残留に関する規制がありませんので、動物用医薬品としてホルモン剤を使用した輸入品については法的根拠を持った規制ができない状況にあります。このため、厚生省では動物用医薬品として使用されるホルモン剤の食品中の残留基準値を設定するため、昨年一月に食品衛生調査会にホルモン剤二剤について諮問をし、食品衛生調査会の食品中の安全性に関する評価を行った上で残留基準値を設定し、食品の検査を行っていくことといたしております。 このように、残留基準値の設定は国民の健康を守るために設定されるものであり、ホルモン剤の国内での使用を推進しようとするものではないということでございます。
○岩佐委員 農水省にその点伺いたいと思いますけれども、生産者から、農業と同じですけれども内外同じ土俵でやっていかなければ経済的に成り立たなくなる。厚生省が残留基準をとにかく決めてくれた。今までは使わないで来たけれども、これからはその基準値以内でとにかく使いたいというふうなそういう申し出があり、そして使用基準を決めてほしいというようになれば、これは認めていくことになるのじゃないかなというふうに思うのですけれども、その点いかがですか。
○青沼説明員 現在、厚生省におきまして抗生物質等七成分の動物医薬品に関する畜産物、水産物食品中の残留基準値の設定について食品調査会に諮問し、調査会で審議が行われているというふうに聞いております。 農林水産省といたしましては、厚生省が畜産物、水産物食品中の残留基準値を設定しました場合には、動物医薬品の使用基準につきまして、これとの整合性を中央薬事審議会の意見を聞いて図ってまいりたいというふうに考えております。 いずれにいたしましても、農林水産省といたしましては、安全な畜水産物を国民に対して安定的に供給していく観点から、引き続き、国内生産において使用基準が遵守されるように、より安全な畜水産物が生産されるように、動物用医薬品の適正使用の徹底を指導してまいりたいというふうに考えております。
○岩佐委員 結局、抗生物質や合成抗菌剤、ホルモン剤などの残留基準値を設定するというのは、今まで野放しであった。検出限界でやってきたというようなことを整理をする、そういう点もあるのかもしれませんけれども、むしろ外国の使用実態に合わせてその基準を決めていく、あるいは作業をしていくということになりますと、外国の実態をそのまま認めるということになるわけですね。 それだけじゃなくて、国内で今まで使ってこなかったそういうものまで使うように誘発をしていく、そういう可能性が、危険性が非常に高いわけですね。その点、私たちは非常に心配をしているわけです。動物用医薬品について、あるいは農薬について、そういうことがゆめゆめないように、きちんと対応していくべきだというふうに思いますけれども、その点いかがですか。
○小林(秀)政府委員 厚生省としては、国民の健康を犠牲にするなんということは絶対に考えていないので、まず健康を守るということを考えているわけでして、その健康を守るために食品衛生法を適正に運用していくということをお話し申し上げたいと思います。
○岩佐委員 次に、検査体制の問題であります。 輸入検査率は九三年度で一四・七%、うち、指定検査機関は八・五%、外国公的検査機関が二・三%、行政検査率はわずか五・二%にしか過ぎません。しかも、検査フリーパスの継続輸入、これは八九年では三万七千二百二十八件でありましたが、九三年には六万九千三百七十七件と倍近くふえているわけであります。去年の三月からは輸入食品等事前確認制度、こういう制度が取り入れられ、いわゆる輸入の検査省略、この品目はまた増えていく、そういう可能性が強まっております。その上、今回の法改正では、業者に行わせる検査をさらにふやすということであります。 昨年四月にマイコトキシン検査協会が行った検査で中国産落花生が農薬ダミノジットに汚染されていた。そのデータが公表されなかった。あるいは厚生省も知らなかった。こういう事件があったと聞いておりますけれども、民間のこうした検査機関任せで本当に安全が確保できるのかどうか、その点について伺いたいと思います。
○小林(秀)政府委員 御質問の件は、財団法人マイコトキシン検査協会が残留農薬基準を超えるダミノジットを検出したにもかかわらず、厚生省にそのデータを報告しなかったと本年一月に新聞等で報道された事例ではないかと承知しておりますが、それでよろしゅうございましょうか。——その件でございますね。厚生省においては、本件について調査をいたしましたところ、その経緯がわかりましたので、御説明させていただきます。 昨年四月に検疫所が中国産落花生において残留基準を超えるダミノジットの検出を確認したため、輸入時検査を強化をいたしました。このため、輸入者の方では現地よりあらかじめ少量の先行サンプルを入手して検査を行い、ダミノジットが検出されないもののみを輸入するよう自主的に措置をしたものでございます。今回報道されました検査データは、この先行サンプルのものであります。輸入された落花生についてはすべて基準値以下であることが判明をいたしました。 厚生省としては、従来から指定検査機関に対し、販売等を目的とした輸入食品に関する検査データは報告をさせることといたしておりますが、今回のように輸入者が購入するか否かを判断するための少量の先行サンプルなどの検査データについては、食品衛生法上の規制の対象ではなく、報告の対象にもなっておりません。 なお、行政がみずから輸入食品の農薬などの残留実態を把握することは重要であると考えておりまして、検疫所におけるモニタリング検査については、平成七年度予算においては、検査経費として対前年六五・七%増の二億七千万円余を確保しており、これにより残留農薬分析の拡充や指定検査機関のデータのクロスチェックなどを進めていくことといたしております。
○岩佐委員 先行サンプルから検出されたことを厚生省が把握していなかった。そういう点は問題だったと思いますし、再発防止のために手だてを尽くすということでありますから、その点は大いにやっていただきたいというふうに思います。 現在、動物検査官は二百六十三人おられます。それから、植物防疫検査官は七百六十一人です。それに引きかえ、食品衛生調査官は二百九人です。余りにも少な過ぎると思います。民間が行った検査を、今言われたようにクロスチェックをするためにも、あるいは行政検査率を上げるためにも、検査官を大幅に増員する、そのことが求められていると思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○井出国務大臣 輸入食品の安全を確保するためには、食品衛生監視員を確保するなど、検疫所の検査体制の整備を図ることは極めて重要であります。先生御指摘のように、現在二百九人でございますが、この五年間にそれでも倍増はしてきたところであります。 近年の検査技術の高度化あるいは食品の加工技術の高度化さらには多様化に対応するため、技術研修を実施する等、数だけじゃなくて、その資質の向上にも努めているところでありますが、しかし、決して十分だとは思っておりません。今後とも、増大する輸入食品に対応し、国民の健康を確保するため、マンパワーの確保は極めて重要でありますから、引き続き、食品衛生監視員の確保及びその資質の向上に努力をしてまいりたいと考えております。
○岩佐委員 厚生省は先ほどからの論議で、ADI、一日摂取許容量をクリアしているから大丈夫、そういうことで食品添加物や農薬や動物用医薬品などを次々と認める、こういうふうな態度になっているわけですけれども、これでは国民は複合汚染にさらされるばかりだと思います。また、ADIというのはあくまでも平均値であって、お米を食べる人、あるいは日本は今パン食も普及してきていますから、小麦を多目にとる人だとかいるわけですね。 現に厚生省の調査でも、皮膚、呼吸器、目、鼻のアレルギー症状のいずれかがあった人は全体の三四・九%に及んでいます。また、アレルギー疾患の既往症がある三歳児未満の子供は三八・九%、うちアトピー性皮膚炎は三一・二%と多くの子供が病んでいます。最近はアレルギーよりも低いレベルのより広範な物質が原因となる化学物質過敏症、これが急激にふえてきています。 本来汚染物質はない方がいい。これが食品添加物、農薬、抗生物質、ホルモン剤など動物用医薬品規制の基本的な考え方だと思います。日本の国民の健康、安全を守るそのことこそが厚生省の仕事であります。だから、外国に合わせて規制を緩めるなどということではなくて、日本の国民の健康状態をよくつかんで守る立場で、むしろ規制を強化することこそ必要だと思います。 先ほどの論議で、アレルギーを研究課題の一つとして取り組んでいくという答弁がありました。アレルギーの研究は、もちろん必要でありますし、私たちも求めてきたところであります。研究結果が出るまでは何の対応もしないというのでは手おくれになります。厚生省として、この点についてきちんと総合的に対応していくべきだと思いますが、最後に大臣のお考えを伺いたいと思います。
○井出国務大臣 近年、アトピー性疾患が大きな社会問題化するなど、アレルギー疾患対策の重要性が大変増大してきておると認識をしております。厚生省といたしましては、平成四年度からアレルギー総合研究事業を行いまして、食品とアレルギー疾患との関係等について調査研究を行っているところであります。 一方、食品とアレルギー疾患に関する研究につきましては、アレルギー疾患には、食品のみならずハウスダスト等の住環境の問題や、あるいは個人の体質的な問題等さまざまな要因が関係しておるということ、またモデルとなる適切な実験動物がなかなか得にくいといったことから、大変困難な面もあると聞いております。 しかしながら、先般厚生大臣の懇談会であります食と健康を考える懇談会においても、食品とアレルギー疾患との関係等、食品及びその成分の健康影響の解明に関する研究等を推進すべきであるという提言をちょうだいしたところでありまして、厚生省といたしましても、食品とアレルギー疾患等の食品と健康に関する調査研究をさらに一層推進していかなくちゃならぬと考えておるところでございます。
○岩佐委員 終わります。
○網岡委員長代理 次回は、来る十七日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時五十三分散会