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132回国会衆議院1995/03/14

厚生委員会 第6号

発言数
56
登壇者
11
会派数
4
開催日
1995/03/14

会議録

岩垂寿喜男日本社会党・護憲民主連合

○岩垂委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、国民健康保険法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  本日は、本案審査のため、参考人として国民健康保険中央会理事長加地夏雄君、日本経営者団体連盟環境社会部長高梨昇三君、日本労働組合総連合会生活福祉局部長佐川英美君、全国町村会常任理事・長野県高遠町長北原三平君、全国商工団体連合会理事小山一郎君、以上五名の方々に御出席をいただいております。  この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、御多用中にもかかわらず御出席を賜りまして、まことにありがとうございます。本案についてそれぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただき、審査の参考にいたしたいと存じます。  次に、議事の順序について申し上げます。  御意見は、加地参考人、高梨参考人、佐川参考人、北原参考人、小山参考人の順序により、お一人十五分以内でお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。  なお、発言する際は委員長の許可を受けることになっております。また、参考人は委員に対して質疑することはできないことになっておりますので、あらかじめ御承知おきをいただきたいと存じます。  それでは、まず加地参考人にお願いいたします。

加地夏雄国民健康保険中央会理事長

○加地参考人 国民健康保険中央会理事長の加地でございます。本日は、本委員会が法案審議の大変お忙しい中を貴重な時間を割いていただきまして、私どもの意見を御聴取いただく機会を与えられましたことに対しまして、厚く御礼を申し上げたいと思います。  私は、この法案に賛成する立場から、二、三コメントを申し上げたいと思います。  御承知のとおりこの法案は、国民健康保険と老人保健法を改正する法案でございます。提案の趣旨等々にもございますように、いずれ国保とかあるいは老人保健、これは抜本的な改革が必要である、そういう時期が必ず来るわけでありますが、それに先立って、当面緊急の手当てをしていこうというのが今回の法案の御趣旨でございます。と同時に、法案の中身は、これも御案内のところでありますけれども、国保あるいは老人保健につきまして、いずれも財政面に着目した改革が中心になっております。  国保についてまず申し上げたいと思いますが、既に国会におかれまして国民健康保険法の改正が二年置きぐらいに行われてまいっております。今回の改正に当たりましても、例えば国保財政安定化支援事業でございますとかあるいは保険基盤安定制度、さらに、いわゆる再保険的なものに対する公費負担の導入というふうなことで既に制度化されておりまして、これが二年間の時限法でございまして、そういう従来のシステムをさらに二年間延長していこう、これが一つの中心になっておると思います。内容的にある種、ある程度の拡充、手直しか行われておりまして、従来よりもさらに一歩前進、こういう形になっておるのではないかな、こう考えております。  それから、ほかの点で申し上げますと、特に最近国保について非常に問題になっておりますのは、御承知のとおり、日本の社会が非常に極端な二極化現象が今進んでおるわけであります。一方において都市化が進行し、逆に過疎地等はますます人口の減少傾向が続いておるわけでありまして、その意味で、国保の保険者である町村、特に過疎地の町村におきましては被保険者の減少が非常に激しいわけでありまして、いわゆる小規模の保険者をどうするか、こういう問題が、従来からございましたけれども、今後ますますこの問題が強くなってくるのではなかろうかという問題が一つございます。  それからもう一つは、そういう中で、いわゆる国保の保険税、保険料でございます。これも長年の課題でございますが、やはり応能・応益がほぼバランスをとれてフィフティー・フィフティーというのが法律の予定したところでございます。しかし、保険者の市町村には財政力の格差等々大変大きな差がございまして、なかなか応益負担を上げにくい、こういう問題が二十年、三十年来の課題になっておるわけでありますが、これについてひとつ政策的にそういう方向を目指そうという考え方が打ち出されておるという点であります。  これは一番最初に書いてございますような、いわゆる現在の六割、四割の減免規定をさらに、応益割合が五〇パーを境に四五から五五ぐらいのところにはさらに二割の減免規定を設けていこう、六、四、二という減免規定を設けようとしております。これはまさに、低所得者の多い国保の被保険者に対してそういう保険料の減免を行っていこうということでありますが、これは逆に申しますと、一般に言われておりますように、国保は被用者保険に比べて保険料が高いという一つの批判がございます。それからもう一つは、一方において、低所得者が多いために、そういう減免措置を講じますと、結局それは、減免を受けないつまり中間所得者にその負担がかぶっていく、こういう仕掛けになっているわけですね。  したがいまして、少なくとも応益負担を少しずつでもいいから、先ほどから申し上げておるような五〇パーに近づくような方向に持っていくことによって中間所得者の負担を少しでも軽減していきたい。しかし、それを上げてまいりますと、さらに減免をしなくちゃいけない世帯がふえてくるというので、いわゆる六、四、二、さらに二割という減免ですね、こういう形をとりながら、今言った一つの方向に持っていこうではないか、こういう今回の改正の考え方は、私は政策的な考え方の一つとして肯定できるわけであります。  以上が国保について申し上げたい点であります。  それから二番目の問題は、老健のいわゆる老人加入率二〇パー問題を暫定的に二二から二四、二六に持っていこうという案であります。  これは、私も国保の代表として老人保健審議会でこの問題で強く国保の主張を申し上げたわけでありますけれども、しかし現状は、御案内のとおり大変な不況の中で被用者保険サイドにおきましても所得の伸びがそうない。それから、財政も相当厳しい状況に立ち至っている。そういう中で、この二〇パーという、言うならば、本体ではない部分的な財政調整措置を取り上げざるを得なかった。こういうことで、現実的な妥協として、次の大改革を目指して、当面の二二からの引き上げについても、ひとつこれはぜひとも諸先生方の力で実現をさせていただきたいということであります。  最後に一言申し上げますが、これはもう既に御承知のところでありまして、これから高齢化社会がますます進む中で、皆保険体制の一環を支えておる地域医療の国保というのは、とりわけ厳しい状況が目に見えておるわけであります。私どもは、それなりの市町村の御努力によりまして何とか現状を維持しておりますが、これからのことを考えますときに、やはりぜひとも老人の介護制度というものを速やかに実現をしていただきたい。この介護制度というのはこれからの問題でございますし、何はおいてもまず法案として国会で御承認をいただかなければいかぬわけでありますけれども、これができます場合には、介護の問題、さらに現行の医療保険、さらに老人保健、こういうものを総合的に見直す大改革をやらざるを得ない、私はこう思っているわけであります。  今回の改正法案はそれまでの間のいわばつなぎ的な意味でおり、大変厳しい財政運営を迫られている国保にとりましては、これは大方の市町村、きょうは北原町長さんも見えていますけれども、保険者の市町村長を含めてぜひとも速やかにこの法案を成立させていただきたいということでございまして、どうか諸先生方の御理解を賜りまして、速やかに法案が成立することをお願い申し上げまして、まことに簡単でございますが、申し上げた次第であります。  失礼申しました。(拍手)

岩垂寿喜男日本社会党・護憲民主連合

○岩垂委員長 ありがとうございました。  次に、高梨参考人にお願いいたします。

高梨昇三日本経営者団体連盟環境社会部長

○高梨参考人 日経連の高梨でございます。  国会の諸先生の皆さん方には、常日ごろから日経連の諸活動に深い理解を賜っております。この機会をおかりいたしまして厚く御礼を申し上げます。  また、本日は、国民健康保険法等の一部を改正する法律案の審議に際しまして発言の機会を与えていただきましたことに対しまして、深く御礼を申し上げます。  今回の改正法案は、大別いたしまして、国民健康保険制度の改正と老人保健制度の改正の二つに分かれておりますので、順次意見を申し述べたいと存じます。  最初に、まず国保制度の改正について申し上げます。まとめの意見を最初に申し上げますと、今日、国保制度は抜本的改正が必要だというふうに考えておりますが、今回の改正は、抜本改正が行われるまでの間の措置としては一歩前進と評価をいたしております。  さて、国保制度につきましては大変たくさんの問題を抱えております。  第一に、低所得者の増加でございます。国保に加入している無所得世帯の割合は、昭和五十一年度に八%であったものが平成四年には二一%となるなど、高齢者の増加という状況の中で低所得者層が増加いたしております。現在、低所得者対策といたしまして保険料軽減制度がとられておりますが、軽減世帯は平成四年度には二五%も占めております。そして、このような低所得者の増加は、それ以外の被保険者の負担を重いものにしているわけでございます。  第二に、応益負担の問題でございます。国保の保険料は応能と応益とで構成され、厚生省では応益割を五〇%とすることを求めておりますが、現状は、応益割の平均は三五%と少なく、低いところでは一〇%というところもございます。この応益割合の低さは、逆に応能割を高めまして、サラリーマンOB等の中間所得者層の負担を重いものにしているわけでございます。  第三に、医療費の地域格差の問題がございます。一人当たりの実績医療費で見ますと、全国平均と比較して〇・四ないし○・五倍という低いところがある一方、全国平均の二倍を超えるところもございます。  さらに第四に、応益保険料の軽減分を公費で補てんする保険基盤安定制度につきましての暫定措置、これが本年三月で期限切れになるという問題がございます。  こうした状況の中で、今回の改正案は、まず、現行では応益割の程度に関係なく一律六割、四割となっている保険料の軽減制度を段階的に改正し、応益割を五〇%に近づけるよう政策的に誘導しようとするもので、その方向は評価できるものでございます。しかしながら、応益割三五%未満についての五割、三割への引き下げにつきましては、当分の間、現行の六割、四割のままとすることができるというように、内容的に不十分な面もございます。  また、医療費の地域格差の是正のためには、基準超過医療費共同負担制度の見直しが必要でございます。これについて、改正案では、基準給付費の一・一七倍へ引き下げることとしております。これは一応評価できます。しかし、もっと引き下げを図るなどの工夫があってもよかったのではないでしょうか。  なお、保険基盤安定制度の暫定措置の継続につきましては、今日の国の財政事情等を考慮すればやむを得ないものと考えます。  いずれにしても、国保制度は我が国の医療保険制度の中で大きな役割を果たしており、そのあり方は、ほかの被用者保険にも大きな影響を与えるものでございます。冒頭に申し上げましたように、国保はさまざまな構造的な問題を抱えており、抜本改正が迫られております。抜本改正に向けての検討が速やかに行われることを期待しているところでございます。  次に、老人保健制度の改正について申し上げます。  近年、高齢化の進展等による老人医療費の増大は驚くべきものがあります。昭和六十年度に約四・一兆円であった老人医療費は、平成四年度には六・九兆円を記録し、その伸び率は医療費全体の伸びを大きく上回っております。そして、老人医療費の膨張に伴い、老人医療費拠出金も増大いたしました。そして、現在の拠出金のシステムでは、高齢化が進んでいる国保の負担を軽減させる一方、健康保険組合等の被保険者の負担を増大させております。  拠出金の推移を見てみますと、昭和六十年度は被用者保険の負担額は約一・三兆円、国保は約一・五兆円でございました。ところが、平成四年度の負担は、被用者保険が約三兆円、国保が約一・六兆円となりました。すなわち、国保の拠出金はほとんど横ばいというそういう状況の中で、被用者保険は二・三倍に急増しているわけであります。  このように、現行の老人保健制度は構造的に多くの矛盾や問題点を抱え、負担が被用者保険サイドに著しく偏っております。健康保険組合の老人医療費拠出金などの拠出金は、現在、保険料収入の約三三%を占めるに至り、中には自分たちの保険料収入の五〇%を超えるところも出てきております。こうした老人医療費拠出金の過重な負担により被用者保険の屋台骨は急速に揺らぎ始め、その度合いは高齢化の進展とともに深刻な事態となることが見込まれるという現状でございます。  また、次に申し上げますような制度の不合理、負担の不均衡、こういう問題を解決すべきであると考えます。  一つには、調整対象とする老人医療費の見直しの問題でございます。すなわち、老人の一人当たり医療費のうち、老人以外の一人当たり医療費の水準を超える部分、この超える部分を共同拠出の対象とすべきという考え方でございます。もしこのような考え方に基づいた改正が行われているとすれば、今回のような二〇%上限撤廃問題は生じ得なかったものと考えます。  二つ目には、計算の基礎となる加入者の範囲の見直しの問題でございます。すなわち、現在は、稼得能力のない子供も老人加入率の計算に組み込まれております。したがいまして、子供等の加入が多い保険者の老人加入率を低下させているという問題がございます。  三つ目には、老人自身の負担する保険料の取り扱いをどういうふうに考えるか、こういう問題などでございます。  こういう状況の中で、老人保健福祉審議会では、老人加入率上限二〇%問題についての審議が行われました。老人加入率上限の撤廃を含む上限の引き上げは、被用者保険へのさらなる負担の増につながります。そこで、私たちは、関係団体と密接に連携をとりながら、歩調を合わせて対処し、上限撤廃に強く反対をいたしました。  ただ、最終的には、一つには、拠出金制度のあり方について三年以内の見直しを行うこと、二つには、老人加入率の上限については、この三年以内の見直しを前提として、影響額が過大とならない範囲で段階的に引き上げを行うこと、三つには、今回の措置によって著しい財政影響を受ける保険者に対しては、実情に応じて財政的支援を行うということになりましたので、改正内容に多くの不満が残りましたが、三年以内の抜本改正までの当面の措置として、老人加入率の上限を段階的に引き上げることをやむを得ず了承をしたところでございます。  私たちは、現行の老人保健制度については、小手先の見直しではなく抜本的な見直しが必要だと考えております。今回の改正は、緊急避難的な当面の対策であり、さきに述べた解決すべき課題や老人医療費の安定化対策といった重要な課題が先送りになっております。こうした負担については、公平性の確保とともに、本来、経済成長に見合った負担のあり方が問われるべきだと考えます。今までのような右肩上がりの経済成長がどこまでも続くという情勢ではなくなっているのではないでしょうか。  また、今後予定される老人医療と密接な関係にある高齢者の介護システムをめぐる議論の中で、老人保健制度のみならず、国保制度をひっくるめた医療保険制度そのものについて抜本的な見直しを行い、人生八十年時代に耐え得るような制度全体の安定化、効率化を図っていく必要があると考えております。  最後に、本法案はいわゆる日切れ法案と聞いております。新年度に間に合うように、速やか、かつ慎重な審議が行われ、改正法が成立後直ちに国保制度や老人保健制度の再構築に向けての検討が開始されることを期待いたしておるところでございます。  御清聴ありがとうございました。(拍手)

岩垂寿喜男日本社会党・護憲民主連合

○岩垂委員長 ありがとうございました。  次に、佐川参考人にお願いいたします。

佐川英美日本労働組合総連合会生活福祉局部長

○佐川参考人 連合の佐川でございます。  初めに、本日お招きをいただきまして発言する機会をいただきましたことに対しまして、委員長初め委員の諸先生方にまず御礼を申し上げたいと思います。ありがとうございます。  私は、国民健康保険法等の一部を改正する法律案に賛成する立場で幾つかの点について述べさせていただきたいと思います。  まず、老人保健制度の改正についてでございますが、今回の改正の柱は、何といっても老人医療費拠出金の算定に用いられる各医療保険の老人加入率の上下限の見直しであります。これにつきましては、先ほど述べられました加地さんや市町村会の方から、老人保健審議会で上限の撤廃という形で問題提起をされておりまして、私が老人保健審議会の委員をやっている間は決着のつかなかった問題でありますが、新しい老人保健福祉審議会が昨年十月できまして、私が委員をおりましたら決着がついた。こういった課題でございます。  この問題の本質は、既に国民医療費の三割を占めるに至っております老人医療費、この割合は、二十一世紀初頭には四割を超え、場合によっては国民医療費の五割を超えるに至るのかなというふうに思われますが、この老人医療費をどうしていくのかということに事の本質があるというふうに思います。  この老人医療費を見てみますと、現在老人保健制度で公費負担が五割になっているいわゆる介護部分というのは一割弱でございますが、仮に長期入院の場合の医療費、例えば、これはあえて区分けをいたしますが、例えば六カ月以上の長期入院患者の老人医療費を介護相当部分というふうに位置づけますと、老人医療費のうち介護に相当する部分は三割を占めるということになります。このウエートは、今後さらに高齢化に伴って高まるだろうと思います。したがって、老人加入率問題の抜本的な解決というのは、介護費用をどう賄っていくのか。現在公的介護保険の創設検討が各方面でなされていますが、新しい介護保障システムの確立というものを抜きにしては抜本解決はあり得ないんだということだけは、はっきりしているんだろうと思います。またこのことについては、老人保健審議会でも合意が形成されているという認識を持っております。  ではそれまで待っていいのかとも言えないだろうというふうに思います。やはり、高齢化の影響をストレートに最も強く受けている国保の財政の現状というものを放置しておくことはできませんし、また公費は今介護基盤の整備に重点的に投入するという政策選択のプライオリティーというものも加味いたしますと、私ども拠出側にとっては大変つらい面もありますけれども、当面の緊急避難的な措置、暫定的な措置というふうに受けとめて、二〇%上限というものを見直すことはやむを得ないというふうに受けとめております。  ただし、その見直しの幅につきましては、私どもはかねてから、被用者保険の保険料率の引き上げにつながらない範囲とするということが前提だというふうに主張してまいりました。今回の改正法案では、平成七年度に老人加入率上限を現行の二〇%から二四%にする、平成八年度以降は二四%以上二六%以下の幅の中で政令で定める傘とされていますが、この保険料率への影響を私ども粗い試算をしてみますと、二〇%から二二%に引き上げた場合、政管健保は千分の○・四一ということになります。組合健保は平均して千分の〇・一五、共済組合は千分の○・二八のはね返りというふうに試算をしております。  今回、二〇%上限の見直しに伴いまして、財政支援がさまざまな名目で行われております。例えば、政管健保には特別保健福祉事業ということで五十五億、共済組合につきましても十一億、健保組合につきましては、給付費等臨時補助金という形で十八億というような見直しに伴う財政支援が行われておりますが、それを加味しまして試算をしてみますと、二〇から二二%に引き上がった場合、政管健保ですと千分の○・三四、組合健保ですと平均して千分の○・一二、共済組合につきましては千分の〇・二三という程度でございます。  また、二〇から二四%に加入率の上限を引き上げた場合には、政管は千分の○・六一、健保組合は平均して千分の〇・四五、共済組合は平均して千分の〇・六五という程度であり、この程度であれば料率の引き上げの直接の影響はないというふうに判断をしております。もちろん御承知のように、政管健保は現在中期財政運営の途中でございますから、来年度から料率引き上げを云々するというタイミングではございませんが、いずれにしましても私どもは許容の範囲だというふうに思います。  ところで、諸先生方に十分御理解いただきたいのは、これはこれとしましても、被用者保険の拠出額がここのところ際立ってふえているということについて十分な御理解をいただきたいと思います。例えば組合健保の場合を例にとりますと、老人医療拠出金は昭和五十八年に約三千八百億円でありましたけれども、平成六年には一兆三千億円、この十一年間で三・四倍以上にふえております。組合員とその家族、これには子供も含めますが、その一人当たりで見ますと、昭和五十八年当時約一万五千円程度の負担であったものが、今日では四万二、三千円の負担、二・八倍の老人医療費負担の伸びになっております。  この間の老人医療費の伸びは、二兆二千八百億円から五兆一千七百億円と二・三倍でございますし、老人保健制度の対象であります七十歳以上の高齢者は七十五万人から百十三万人と一・五倍の伸びでございますから、いかに被用者保険の老人医療費負担の伸びが大きいかおわかりいただけるんではないかというふうに思います。  被用者保険の拠出金の負担というのは、もう能力の限界に近づきつつあるということであります。また、お金を集めるところが使う、逆に言えば使うところが集めるという保険の基本、保険システムとしての基本から大きく今日老人医療費の姿は乖離をしてきているという点から見ますと、もはや老人医療拠出金制度というのは、制度疲労と言っても差し支えない状況に立ち至っているんではないかというふうに思われます。したがいまして、公的介護保険の検討にあわせまして、ぜひ医療保険体系と拠出金制度の抜本的な再検討をしていただきたい。この順序が場合によっては逆になるかもしれないというようにも思われます。  それから、昨年の十二月九日、老人保健福祉審議会が全員一致で厚生大臣に意見書をお出しをしております。その中で、拠出金制度は必ず三年以内に見直すということになっています。先ほど日経連の高梨さんがおっしゃいましたが、ぜひやっていただきたいというふうに思いますし、それからまた、老人医療費は中長期的に公費負担をふやしていくということも全員一致で確認されております。これもしっかり確実にやっていただきたいというふうに思います。  次に国保制度でございますが、このあり方については、私ども連合八百万の組合員のうち、ほとんどが被用者保険でございますが、国保制度のあり方につきましては、老人医療費を拠出している側として、また退職後の受け皿になっている制度であるということからしても、私ども現役の方としましても大きな関心を寄せているところでございます。  今回の改正で打ち出されております全国単位での高額医療に係る交付金事業、これは既に健保組合でももう実施していることでありますし、すぐれて当然のことであります。何で全国単位のこの事業が今までやられなかったのかというふうに不思議に思うくらい、すぐれて当然のことだというふうに受けとめております。また、国保財政安定化のために一般会計から国保の特別会計への繰り入れという暫定措置をさらに二年間継続するということも、今日の国保の財政状況からして当然のことだというふうに受けとめております。  さて、保険料、保険税の負担のあり方についてでございますが、これについては、私ども現役としましても大きな不満を抱いてきたところでございます。一九九二年にゼンセン同盟のOB友の会が国保の保険料、保険税の実態について調査をいたしました。それによりますと、地域格差といいますか、地域の保険料格差というのは一対六から一対七も生じております。この地域格差の中身を見てみますと、確かにその地域地域の医療費の違いというものもあるわけですが、この保険料格差を見てみますと、ただそれだけではない、多くの市町村が均等割部分、応益割合よりも所得割部分のウエートを大きくしている、応能負担の部分を大きくしているという実情が明らかになっております。  被用者年金の水準は国民年金の水準より高いということもありますし、しかも年金の所得というのは非常にしっかり捕捉をされているということもございます。もちろん所得捕捉が公正であれば、応能負担一本、いわゆる所得割一本ということも公平な姿だと思います。しかし、今日、クロヨン、トーゴーサンピンと言われるように所得の捕捉に不公正が存在する、多くの国民が不公平感を持っているという中では、やはり応益割合、均等割部分を引き上げて、少なくとも所得割、応能割部分とフィフティー・フィフティーにするということは必須の条件ではないかというふうに思います。  今回の改正では、当分の間、応益四、応能六のままでもいいよという若干の不完全さが残ってはおりますが、そうした方向への、フィフティー・フィフティーへの方向がなされていますので、一歩前進と評価をしたいと思います。  このほか、保険料率については収納率にも不満があります。厚生省の資料によりますと、平成四年度で見ると、国民保険料の収納率は全国平均で九三・九%であります。問題はその内訳でございますが、退職者の場合には九九%、これに対して一般の場合、退職者以外の場合には九三・一%という収納率の格差があります。サラリーマンは現役のときに一生懸命拠出金という形で負担をし、退職をしてもまじめに国保の保険料を納めている。サラリーマンの一生とは何かということについて、一生を通じて公平な負担とは何かということについて十分目を向けていただきたいというふうに思います。  もちろん、個々の保険料の収納率一〇〇%の市町村も約二百ほどあります。多くの市町村が努力していることは十分承知しておりますが、より一層の経営努力を望みます。  また、今日、国保もある意味では制度疲労という状況ではないかと思います。数千人の規模の市町村が立派に国保財政を運営している幾つかの例は十分承知をしておりますが、保険の単位規模としてはやはり不十分ではないか、基本的には今の枠組みでは無理があるのではないか。これをもう少し広域化をする。都道府県単位の画一的なものが決していいとは思っておりませんが、やはり大きな市町村に最寄りのところを、小規模のところをひっつけるとか、もう少し弾力的なことも含めて必要ではないかというふうに思います。  それから、国保間の赤字の支援事業というものを健保組合は行っています。国保の場合には大規模な公費が投入されておりますから、それが財政調整的な役割をしているからやらないということになっている。そういう考えでやられていないと思いますが、もうここまで来ましたら、国保間の、高額医療費だけじゃなくて財政窮迫国保に対する調整事業というものも必要になってくるのではないかというふうに思います。  これからの被用者保険の体系の再検討の際には、サラリーマンOBは被用者保険の体系の中で考える、もちろん、それは被扶養者という立場じゃなくて被保険者という立場でございますが、そういったことも検討の一つに加えていただければというふうに思います。  最後に申し上げたいのは、ふえ続ける老人医療費をどうするかということは大変大事な問題でありますが、同時に、老人医療費をふやさない努力、健康を確保する、疾病を予防するということを戦略的な対策として位置づける必要があると思います。  その意味では、現在二七、八%、三〇%を割っております健康保険の健診率を飛躍的に向上させるとか、人間ドックを法定給付化するとか、この場合には確かに一時的に健保財政は膨らみますが、これをきちっとやれば、早期発見、早期治療をやれば、長期的なスパンで考えれば民間企業の先行投資と同じようにかえっておつりがくるということにもなり得るのではないか。  これを、むしろ健康確保、疾病予防というものを戦略的に位置づけるということが必要ですし、それからやはり医療費の、社会保障の拠出基盤を拡大をしていく。当面必要なことは、景気回復を確実なものにすること、そして構造転換の中で新規の雇用創出を確実に図っていくということが強く求められると思います。  若干時間を過ぎたかと思いますが、申しわけございません、以上で終わります。(拍手)

岩垂寿喜男日本社会党・護憲民主連合

○岩垂委員長 ありがとうございました。  次に、北原参考人にお願いいたします。

北原三平全国町村会常任理事・長野県高遠町長

○北原参考人 全国町村会常任理事、長野県高遠町長の北原でございます。  本日は、町村の国民健康保険事業等について意見を申し述べる機会をお与えいただきましたことを、厚くお礼を申し上げます。  まず、国民健康保険の改正案が提案され、国会で審議をいただいているところでございますが、このたびの制度改正に当たっては、制度の抜本的改革を行うまでの間における当面の措置としての改正でありまして、私どもといたしましても、国保制度を取り巻く現状を勘案いたしましたとき、やむを得ない改正であろうと存じ、賛成をいたす次第でございます。  国保がそれぞれの町村は一体どんな実態であるかということは、個々の町村まで足を踏み込んでの御検討はなかなかされがたいかと思いますので、ちょうどきょうはこの時間をお与えいただきましたので、人口八千人、世帯数にして二千四百、全国大並のところにあろうかなと思われる私の町を例にとってちょっと御説明を申し上げたいと存じます。  お手元に「平成五年度 高遠町の国民健康保険」という印刷した冊子をお配りしてありますが、私の町における国保の加入状況でありますが、平成五年度末現在で、世帯数が町全体の約五割の一千百十七世帯、被保険者数が約三割の二千三百四十九人となっております。  次に、被保険者数につきまして年齢構成別の円グラフをごらんいただきたいと存じます。七十歳以上は三〇・八%となっておりまして、また六十歳から六十九歳の年齢階層が三五・四%を占めております。したがって、六十から合わせますと六六・二%という大変高い率となっております。私の町では既に超高齢化社会を迎えておりまして、その占める割合は年々増加をしている状況でございます。  次に、二枚目に、国保加入の千百十七世帯のうち、国保税の所得割額を賦課できない総所得金額が三十一万円以下の世帯は、三百十六世帯で約三割を占めております。さらに、そのうち総所得金額のない世帯は約半分の百六十四世帯となっており、高齢者加入が反映し、財政状況の大変な厳しさを示しておるところでございます。  以上、私の町の国保の加入の状況、被保険者の年齢構成、そして加入世帯の所得の状況について御参考までに申し上げたところでございます。  これらの状況を踏まえまして、全国の町村長の立場から、国民健康保険制度等に係る問題点及び制度改革への要望等について申し述べさせていただきます。  まず、国民健康保険制度の現状でございますが、御案内のとおり、国民健康保険制度は被用者保険に比べ高齢者や低所得者の極めて多くを被保険者として受け入れる仕組みとなっておりますので、その財政的基盤は大変に脆弱であり、しかも近年の医療費の増嵩等により保険税の負担は著しく高くなっており、被保険者に対してこれ以上の負担を求められない現状に来ております。  このようなことから、保険者である市町村は、国保会計に対して一般会計から毎年多額の繰り出しを行っている状況であります。その一部については地方交付税による財源手当てがありますものの、一般会計からの繰り出しは既に限界に達してきております。保険になじまない層の占める割合が年々ふえている今日であります。このため、国民皆保険の見地から、各種医療保険制度の一元化の達成など、医療保険制度の抜本的な改善をする必要があろうかと存ずる次第でございます。  次に、老人保健制度の現状及び改正案についてでありますが、老人保健制度に関して申し上げますと、御案内のとおり、老人医療費拠出金につきましては、平成六年度までは、老人加入率がどんなに高くても加入率二〇%、上限を二〇%とみなして計算をされてまいりました。そのため、老人加入率二〇%を超える部分については拠出金額の割り落としかきかず、医療費の実額を負担する状況が続いておりました。私ども町村長は再三この二〇%上限の撤廃を要望してまいったところでありますが、今般老人加入率の上限を段階的に引き上げる方向で改正案が提案されておりますことは、一歩前進したものと存じておるところであります。  私ども、住民生活の安定と福祉の向上にかかわる行政を預かる者といたしましては、今回の国民健康保険等改正案を速やかに成立をさせていただきますようにお願いを申し上げる次第であります。  最後に、国保制度の次期抜本的改正に当たりましては、特に高齢社会の到来を迎え、地域住民が安心して心豊かな生きがいのある生活を送れますように、保健、福祉、医療の諸制度が相互に連携し合い、一貫した運営、運用ができる制度を確立していただきますように、強く御要望を申し上げるところであります。  市町村行政は、地域住民の多様なニーズを反映させながら、限りある財源の中で総合的に展開しなければならないものであります。住民福祉に関する行政につきましては、事業の執行のための財源がなくなったからといって途中で投げ出すこともできないものであります。どうぞ、先生方におかれましては、地域住民の福祉に関する行政が総合的かつ効率的に運用できますように、制度の整備と事業の安定的な継続のために必要な財源の確保に特段の御尽力をお願い申し上げる次第であります。  繰り返しになりますけれども、今回の法案の速やかな成立をお願いを申し上げまして、私の意見とさせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)

岩垂寿喜男日本社会党・護憲民主連合

○岩垂委員長 ありがとうございました。  次に、小山参考人にお願いいたします。

小山一郎全国商工団体連合会理事

○小山参考人 私は、全国商工団体連合会の理事をしております小山一郎と申します。  全国商工団体連合会は、中小業者が営業と生活を守ることを目的として結成している組織で、多くは個人経営であります。また、そのほとんどが国民健康保険の被保険者でございまして、私も東京・北区で家族四人と従業員合わせて六人で小さな畳加工業をやっている自営業者の一人でございます。  本日は、国民健康保険法等の一部を改正する法律案を審議しておられる厚生委員会に参考人として意見陳述の機会を設けていただき、深く感謝いたしております。  さて、私は、本委員会で審議されております国保法の一部を改正する法案について、被保険者の立場から、強く反対の立場で発言をさせていただきたいと思います。  まず、改正案は応益負担を高めることを求めていますが、応益負担比率を高めることは低所得者や所得のない世帯への負担を大きくするものであり、ひいてはその人たちの命と健康を一層破壊するおそれがあるということでございます。御承知のように、国民健康保険の加入者の二四・五%は所得ゼロの階層でございます。また、所得百万円以下の世帯が四五・五%を占めている、これは九二年の調査でございますが、そういう階層を主体とした保険でございます。  したがいまして、このたびの応益負担率を高めるということは、この人たちにとっては大変大きな負担増になるわけでございます。そのために、例えば東京都では応益負担は二八%にとどめています。もしこれを五〇%というように上げますと、最高五三・三%の値上げになります。今回の改正が、低所得者の負担が重く、滞納者が多いことに留意していると伝え聞いておりますが、この処置は全く反対で、低所得者中心の引き上げにつながるわけであります。とても私たちは認められないところであります。  またさらに、自治体によって保険料の軽減比率の差ができることは、国の措置である軽減率が居住地によって異なるのは法のもとの平等に反するのではないでしょうか。  今、全国の中小業者の間では、戦後最長の不況にあわせて、親企業のリストラ等、下請業者への仕事の削減、切り捨て、大型店の無秩序な店舗展開などによって転廃業に追い込まれる仲間が次々と後を絶たないばかりか、健康と命を支えている健康保険料・税、あるいは老後保障のかなめである国民年金保険料さえ支払いたくても払えない実態にあります。  全商連内の女性事業主とその配偶者で結成している婦人部協議会では、結成以来二十年間、三年ごとに繰り返し繰り返し、営業と暮らし、健康の実態調査を行ってまいりました。この調査の結果によりますと、売り上げが伸びているとの回答は毎回毎回減少し、昨年の調査では一五%にしかすぎませんでした。一方、減少した。あるいは非常に減少したは増加の一方で、昨年は全体の五四%に及んでおります。その後の調査によってもさらにこれは進んでおりまして、この数字はもっと高まるものと見ております。  また、私ども、三月九日に東京都に対しまして不況対策の陳情を行いました。そこに参加した人たちから、阪神大震災の影響も受けて、皮革関連業者は円高とダブルパンチで大変な状態に陥っているということが報告されました。  また、商店街は冷え切っている。くしの歯が抜けたようにシャッターを閉めている店がふえている。北区のある商店会では、ついに区に対して商店会としての組織を返上いたしました。そういう商店会さえ今生まれている状態であります。  また、世田谷区のある業者の話では、区内の下請関連業者は、この円高で親企業がさらに海外に行くのではないか、そういう不安を抱えながら、この三年間で下請業者七百件が廃業をした。実に三分の一減った。このように話しておりました。  また、新宿の料飲業をしておる人の話ですが、このままでいけば新宿では料飲業者が二千件つぶれるだろう、既にもう店舗を閉めた店がかなりあるということを報告しておりました。まことに切実な悩みが出されているわけであります。  以上述べたように、中小業者の生活実態というのはこの長期不況の中でますます深刻になってきています。  さらに、私どもは、全国の仲間を対象に毎年集団健康診断を行っております。集団健康診断の結果を見ましても、医師が驚くほどに自営業者の健康破壊が進んでいるという実態が明らかになりました。  一つの例を申しますと、昨年の調査では、受診者のうちの四五・七%が再検査。これをほかの分野と比較しますと、東京都が調べた結果では要再検査は二七・三%でありました。労働省が調べた結果では三二・二%でした。これに比較して、自営業者は四五・七%。非常に高い率で要注意、要再検査の状態になっているわけであります。また、実態を見ますと、受診を受けた人の中で異常なしと言われたのはわずか二三%、健常者であるということ、それ以外はすべて再検査、要注意という数字が出ております。  このように、全国の中小業者あるいは農民、漁民含めてですが、自営でやっている人たちの生活は大変厳しい状態になっております。大企業の方は、この不況のときには支えとして膨大な内部留保を抱えていますが、我々中小業者には少しもそういったものはありません。老後のためにとわずかにためた貯金も、この長引く不況の中ですべてもう既に使い果たしました。ひたすら自治体やその他の緊急融資に今すがっているところであります。  新潟のニットの地場産業の業者は、八〇年代の円高では、低単価の押しつけて、夫婦で二十四時間機械を動かして何とか切り抜けてきた。長時間身を粉にして働き続けた結果、昨年の暮れに夫が倒れ、ことしになって妻も倒れた。機械は二束三文でたたかれ、残ったものは借金だけだった。このような苦悩を話しております。現地では、今の円高ではとても太刀打ちすることはできないと、倒産や転廃業が続出する事態です。こうした事態は決してニット業者だけではありません。そのため、さまざまな形で生活を切り詰めざるを得なくなってきています。  そして、さきに触れた調査によると、国保料をきちんと払っているのは六二・三%、これはアンケートの結果です。苦労して払っている、また、その中には、何カ月かおくれてやっと払っているというのが三四・六%、そして全然払えない、払っていないというのが一・三%ありました。これが今の中小自営業者の置かれている実情だというふうに御理解をいただきたいと思います。  この点、厚生省の調査によりましても、平成五年度の短期保険証の発行世帯数は八万四千二百七十八世帯、資格証明書発行世帯は四万五千八百十九世帯とのことであります。しかし、実際はこの数字を大きく上回っているのではないかと思います。と申し上げるのは、ことしの一月一日現在の北海道の短期保険証発行数ですが、八千六百三十九世帯、資格証明書は四千四百六十九世帯で、合わせて一万三千百八世帯です。これは厚生省の調査、同じ地域での厚生省調査の約倍の数になっておるわけであります。  このほかに、相当多くの世帯では保険証が未交付になっておる。先ほど言った一・三%の人もそうです。この数については、政府も自治体もなかなか調査しようとしておりません。保険証が交付されず保険から除外されている国民が多数おられる事態を把握しようとしない行政は、いかがなものでございましょうか。これを機会に、ぜひひとつ実態把握の調査に努めていただきたいということをお願いをいたしたいと思います。  御存じのように、資格証明というのは被保険者であることを証明するだけのもので、医療を受ける場合には、病院の窓口で保険負担、通常は医療費の保険負担分の七割を含めた全額を一たん支払わなければなりません。どうでしょうか、今のような状態に置かれた人たちが、月々の保険料さえ払えない状態にもかかわらず、病気になるたびに高額なお金をたとえ一時的にせよ支払わなければ医療が受けられない、大変悲しいことであります。  これは、私の仲間の話でありますが、入院をしました。しかし、今の不況の中でやっと一カ月のうちに一週間か十日分だけ回ってくる仕事を手放すわけにはいかない。もし自分が入院して休んでいたらば断る、断ればもう永久にその仕事は来ないだろうということで、病院から数時間夜中抜け出して、そして自分のうちへこっそり帰って仕事をして、二カ月間そういう状態を続けた結果亡くなりました。まことに、経済大国日本の中での国民の一人として、悲しいことではないかと思うわけであります。  これに対して自治体では、全部あなた方は負担するわけじゃないのだ、この資格証明書の場合でも、いずれは還付されるのだからいいじゃないかとか、払わないのだからしょうがないだろうということで責任を回避していますが、しかし、国保は社会保障の一部ではないかと私は思うのです。それが、金を払わないのだから医者に行かれない、こんなことでいいのでしょうか。保険証の未交付世帯では、保険から除外されている、医療を受ける権利が剥奪されている。国民皆保険という原則がまさに踏みにじられているわけであります。憲法二十五条の生存権保障の理念を医療行政での実現を目的にしている国民健康保険制度そのものの否定につながるのではないでしょうか。憲法をじゅうりんしていると言っても過言ではないと思います。健康保険証が受けられず医者に行けず、薬も買えないで病におびえている国民が多数おるという現実をぜひ見落とさないでいただきたいのであります。  また、憲法二十五条の生存権保障の理念に基づいて生活保護法が制定されていますが、この法律によると、私の住んでいる北区の場合でも、標準的な世帯の生活扶助は月二十一万六千円、一年で約二百六十万円です。さらに、働いている場合は約三百万円以下の所得なら医療扶助が受けられることになっています。ところが国民健康保険料は、この基準よりもはるかに低い所得、また所得がなくても膨大な保険料を負担させることになっています。生活保護基準は、最低生活を維持するために必要と国が認めた基準であります。この基準より少ない所得あるいは収入にもかかわらず、生活を切り詰めてようやく暮らしを営んでいる国民に、たとえ医療費であっても負担を強いるのは、経済大国日本のあるべき姿ではないのではないでしょうか。  私たちは、最初に触れましたように、今回の国保法一部改正には断固反対を表明しながら、緊要の措置として、国庫負担を四五%に戻すこと、これは最大の問題であると思います。いかなる事由があろうとも、保険証の取り上げは行わない。資格証明書、短期、それも三カ月などの保険証の発行は断じてやめること。それから、病気や出産で休んでも生活の保障がないために、無理して働いています。これは、先ほど例に申し上げた。入院中に抜け出して働いたという例もそうですが、もし出産手当や傷病手当が国保にもあるならば、そのような悲しい事態を生まなくても済んだのではないか。ぜひ、傷病手当、出産手当の実現についても、強く要請をするところであります。  この改善の財源は、社会保障とは相入れない不要不急の部分、例えば軍事費を大幅に削減するとか、税制や補助金などによる大企業への優遇措置をやめるとか、いろいろな点で財源を捻出することができるわけであります。私たち国民からすれば、私たちの払った税金をどのように国民のために使ってくれるのかというのが本当の腹です。ぜひひとつ、国民の生活、今、健康のために、この予算の配分を十分考えていただいて、御理解をいただきたいと思います。  最後に、私の陳述を終わるに当たりまして、資料としてはきょう幾つか持ってきたのですが、差し上げる時間がございませんでした。必要とあれば後ほど差し上げることにいたしまして、私の陳述を終わります。  ありがとうございました。(拍手)

岩垂寿喜男日本社会党・護憲民主連合

○岩垂委員長 ありがとうございました。  以上で参考人の御意見の開陳は終わりました。     —————————————

岩垂寿喜男日本社会党・護憲民主連合

○岩垂委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。石田祝稔君。

石田祝稔新進党

○石田(祝)委員 新進党の石田祝稔でございます。  五名の参考人の諸先生、きょうはお忙しいところ、大変貴重な御意見をお聞かせいただきまして、ありがとうございました。短い時間ではありますけれども、参考人の皆様の意見陳述をお聞かせいただいて、私の方から何点か御質問をさせていただきたいと思います。  まず、これは根本的な話になるかもしれませんが、国保制度のあるべき姿というものについて、お話の中でもあったかと思いますが、改めて端的にお伺いをしたいと思います。  いろいろな保険制度がございますが、国保制度が今の形でいく以上は、当然、その本質的な問題点というものを内包しながらずっと進まざるを得ないわけでありますし、なかなか難しい問題を抱えながら進まざるを得ない、こういうふうにも思いますけれども、そうでありましても、国保制度自体をやめるわけにもいかない。そういう中で、国保制度のあるべき姿について、どのように五人の参考人の皆さんはお考えか、時間もございませんので、端的にお答えいただければありがたいと思います。  加地理事長から、順次お答えいただければありがたいと思います。

加地夏雄国民健康保険中央会理事長

○加地参考人 御案内のとおり、昭和三十六年に皆保険体制ができたわけでありますけれども、その皆保険体制の仕組みとして、いわゆる地域保険と被用者保険、被用者保険の中には、御案内のように政府管掌と健康保険組合あるいは共済組合等々があるわけであります。こういう基本的なつのシステムが、昭和三十六年に皆保険体制の中で仕組まれたわけであります。  ところが、世の中の大きな変化の中で、国保も当時は何とかその地域保険としての財政運営がやっていける背景なり基盤があったと私は思うのでありますけれども、最近の大きな変化の中で、高齢化がますます進んでまいるということとか、いろいろな事情がございまして、この国保の財政状況というのは、ずっと厳しい状況が続いていると私は思うのです。これはもう御案内のとおりであります。  しからば、これからどうするかという問題でありますけれども、私は、そういう一つの皆保険体制というものを支える国保の財政基盤を安定化させるということが非常に重要ではないか、こう思っております。先ほど申し上げましたように、これからの問題としては、そういう前提に立てはやはり皆保険制度というものを、どういうシステムになるかというのはこれからの問題でございますが、老人介護問題というものを一つ積極的にお取り上げいただくべきではないか。そういうことによって、私は、やはり地域医療が将来にわたって相当の期間、現状でもやっていけるんではないかな、こういうふうに考えております。

高梨昇三日本経営者団体連盟環境社会部長

○高梨参考人 御案内のように、国保制度は、地域医療保険制度としての重要な役割を占めているわけでございます。したがって、被用者保険とのかかわり合いの問題も当然出てまいりますので、その点、国保制度の中だけの問題と同時に、医療保険制度全体とのバランスといいますか、その公平性といいますか、その辺に十分視点を当てたあり方ということが望まれるのかなというふうに思います。現在のシステムにおきましては、どうしても被用者保険の方に負担がかかるようなシステムになっておるという、その辺はやはり、これから抜本改正の場合の焦点の一つとして考えていかなければならない点ではないかというふうに考えます。  それからもう一点は、国庫負担のあり方といいますか、公費負担のあり方の問題についても当然検討されなければならない問題であろうと思いますし、あわせて、国保の中の保険者間のバランスといいますか、そういう問題もあるのかなというふうに思います。  いずれにしても、地域保険制度としての重要な役割を担っているこの国民健康保険制度、これなくしては我が国の皆保険制度というものが成り立たないわけでございますので、その意味で、関係者の合意を得ながら、新しいあり方について検討していかなければならないものというふうに考えております。

佐川英美日本労働組合総連合会生活福祉局部長

○佐川参考人 国保制度は、今回の改正案の趣旨説明の中でも明らかにされておりますように、高齢化の影響を最も受けておりますし、また、低所得層がふえている、しかも保険集団として規模がますます小さくなっていくという状況にあります。  したがいまして、私は、高齢化に対しては、冒頭申し上げましたように、老人医療費と介護の部分というのを区分けをする、これは非常に技術的に困難だということは重々承知をしておりますが、思い切って区分けをして、介護に対する公平な国民の負担というものをやはり考える必要があるだろうというふうに思います。それから、低所得層がふえているということですから、被用者保険に比べますと公費というものが重点投入されるというのは、これは極めて当然であろうというふうに思います。また、小規模化につきましては、現在の保険集団としての単位というものを見直していく、これはやはり広域化ということが必要ではないかというふうに思います。  ただ、こういった国保自体のありようの問題もありますが、やはり高梨さんと同意見でございまして、医療保険制度全体の見直しが必要ではないかというふうに思います。  この場合のポイントは、私どもの方からいいますと、現在の被用者保険の九割給付の水準というのは崩してもらいたくないな、給付水準は今のまま。ただ、各制度によって、また本人と家族によって給付水準に格差があるということは、これは社会保障制度として公正な姿だというふうに思われません。  そこで、この給付水準、誤解を恐れずあえて申し上げますが、例えば、わかりやすくするためにあえて申し上げますが、風邪の場合にはどの保険制度を通じても七割給付とか、例えばがんの場合にはどの保険制度を通じても十割給付とか、そして平均すると九割、今の、現行の被用者保険の水準が維持されるというのも一つの方法ではないかと思いますし、また先ほど申し上げましたように、サラリーマンOBの扱い、サラリーマンOBを地域保険と区分けをして、被用者保険の体系の中で大胆に考える、もしくはサラリーマンOBだけの別個の保険集団というものを考えられないか、ここにももう一つメスを入れる余地があるんではないかというふうに思います。なお、国保自身がより一層の経営努力が求められるということは言うまでもないと思います。

北原三平全国町村会常任理事・長野県高遠町長

○北原参考人 先ほど御要望の中に申し上げたわけでありますけれども、やはり現在の国保は、保険になじまない階層の方が非常に多くふえてきております。それで、単独で町村で国保の運営ということはなかなか、これからさらに難しさが考えられるわけでありますので、これはやはりある程度社会保障的な考えも取り入れた。国を一元化した制度をつくってやっていく以外に方法はないんじゃないかというのが、現在、我々町村長仲間が常に話し合いをしているところでございます。そのような方向でぜひともひとつ御検討をお願いいたします。

小山一郎全国商工団体連合会理事

○小山参考人 小山でございます。  私は、先ほど申し上げましたように、根本はやはり国の負担を四五%にふやすことだ。と申しますのは、先ほど申し上げましたように、約四割の人が低所得者である、また所得なしか全体の二割を占めている、そのほかに保険料軽減世帯が二八・八%あるわけです。こういう人たちのためにも、国がこういう人たちに対しては負担をしていくというのが本来あるべき姿ではないかと思っております。  さらに、現在の保険料でも高いということで、昨年七十三人の私たちの仲間が自殺しました。その自殺の原因を調べてみますと、半分が経営難であります、経済苦。半分が病苦でありました。病気になったらお金がかかり過ぎる、保険の負担も大きいということから、家族に負担をこれ以上かけられないというので、本当は医療を受けて治すべきなのが逆に死んでいくという事態さえ起こっているということでございます。ぜひひとつ、この部分は低所得者、弱い人たちに国の負担で本当の保険をしていくというようにしていくべきだと思っております。

石田祝稔新進党

○石田(祝)委員 どうもありがとうございました。  それでは、続きましてお伺いをしますが、国保制度は、市町村、また特別区が保険者となっておりますが、先ほどから参考人の皆様の御意見をお聞きしておりますと、やはり産業構造の変化等に伴って、地域を単位として発足をした国保制度に非常に無理が今来ているんじゃないか。それで、加地参考人と北原参考人にお伺いをしたいんですが、市町村が保険者としての単位としてこのままいっていいのかどうか、この点についてお伺いをしたいと思います。

加地夏雄国民健康保険中央会理事長

○加地参考人 私は、地域保険の経営主体としては、やはり総合的な自治団体である市町村が適当であるという考え方を持っておるわけであります。  ただ、御承知のとおり、離島、過疎化が進みまして、被保険者の規模が非常に少ない市町村が出ておるわけでありまして、ところがこういうところは、現状におきましては、市町村長が先頭に立ちまして財政運営は順調なんです。順調という言葉はよくありませんが、大変な御苦労をいただいて、財政は何とかなっておるわけでございます。国保の赤字問題というのは非常に大きな問題になっておりますが、その赤字の主要部分というのは、いわば大都市に多いわけであります。これはいろいろな意味の行政的努力が必要だと私は思うのでありますけれども、そういう現状でございまして、しかしこれが将来さらに進んでいったときにどうするか、こういう問題は当然あろうかと思っております。いわゆる地域経済圏の問題とか、それから人によりましては、都道府県単位に広げていったらいいであろうという議論もございます。  責任主体の問題というのがございます。例えば健保組合の許可基準がたしか三千人程度ですね、それから年金の基金の場合でも二千人くらい、一つの経営単位としての適正規模というのがあるわけでありまして、そういう意味では、そういう過疎、離島に対する、要するに小規模保険者に対する手厚い助成なりそういうことを続けることによって、相当の期間現状でいけるのではないかな、余り大きな展望を持たないで恐縮でございますが、私はそう考えておるわけでございます。

北原三平全国町村会常任理事・長野県高遠町長

○北原参考人 現在、国保の運営ということが町村長の一番の悩みであることは御承知のとおりでありますが、その原因は、先ほど来何回か繰り返しておりますように、構造の変化で非常に低所得者層がふえてきた。それで保険になじまない。それじゃ小さいところは集めて、そして一つの規模にしてやったらどうかということでありますけれども、やはり同じような条件を持つところは、集めても、大きくしても、それで成果が上がるかといってもそうはいきません。たまたま担当する事務を扱う人のリストラができるくらいで、その基盤となすところは全く同じですから、それを集めてもうまくはいかないであろう。  そういうことで、じゃ、広域圏を単位でやったらどうなのか、あるいは県を単位にしたらどうなのかとか、さまざまな意見が出ておるところでありますけれども、先ほど来申し上げておりますとおり、根源的に、同じ国民であって何でこう差があるんだ、それはやはり一元的にやるのが政治じゃないかというようなことで、やはりこれは国民皆保険、一元的な制度にしてやっていくべきだ。  今のこの場合、それぞれお互い町村がみんな保険税が違うんです。それで、住民が非常に不信を持っておるのは、同じ国民であって何で保険税に差があるか。これみんな一覧表で出ますから、私の郡も、十の市町村があって、それで応益・応能の比率が三五対六五、あるいは三〇対七〇とか一五対八五とか、みんなそれぞれ町村の考えによって、そしてその財政力によって違うんですけれども、応益の低いところは一〇%前後のあたりに据えてあるところがあります。そうすると、この応益の例えは一〇%というようなことになりますと、平均割八千五百円とか均等割が七千円とかいった。そこへはっきりとしたそういう数字が出てきますから、例えば三五対六五というようなことにすると、少なくとも一万三千円から一万四千円という数字になると、あれっ、こっちは八千五百円で済むものを、うちの町は何で一万四千円も取る、大体うちの町長は福祉に対する考えがおかしいとか、そういうことで、それで選挙のたびにもう徹底的に国保の税率でたたかれるんです。  それで、何としても今応益・応能がフィフティー・フィフティー、本則は五〇、五〇になったら、そこへ五〇、五〇でやってもらっていくのが一番わかりやすいのですけれども、しかし、それぞれの町村長には考えがあって、応益をぐっと抑えているところがある。それに対して、国は保険財政安定制度で六割、四割の負担をしてくれるとか、あるいは将来さらに負担を、応益を上げれば七、五、二ですか、そういう支援もするから応益・応能をある程度そろえろ、こういうような指導もしてもらっているわけで、大変いい方向だと思いますけれども、何としても、同じ国民が何で国保税が違うのかということは、これは本当に住民に幾ら説明してもわからない、納得していただけないところがあります。そういうことはぜひ御理解をいただきたいと思いますが、そういうことで、ぜひひとつ一本化を進めていただきたいと思います。

石田祝稔新進党

○石田(祝)委員 どうもありがとうございました。

岩垂寿喜男日本社会党・護憲民主連合

○岩垂委員長 山本孝史君。

山本孝史新進党

○山本(孝)委員 新進党の山本孝史でございます。  五人の先生方には、きょうお忙しい中お越しをいただきまして、本当にありがとうございました。  皆さん、ほとんど同じような観点で御意見をお述べかと思いますが、一つお聞きいたしたいのは介護保険の問題でございますけれども、厚生省の中でも検討が進んでおります。概要はまだそれぞれ秘中の秘ということなのかもしれませんけれども、今皆さんがそれぞれの立場でお考えの介護保険に対する御意見を順番にお聞かせいただければというふうに思います。

加地夏雄国民健康保険中央会理事長

○加地参考人 私が先ほど、ぜひとも介護保険の創設をお願いしたいということを申し上げましたのは、大変難しいし、これからの問題であろうかと思いますけれども、介護のシステムがないことによって今の医療保険の医療給付にいろいろな影響が出ていることは御承知のとおりだと思います。それで、医療保険全体の問題として考えた場合に、やはり依然として老人医療費が最大の問題なんですね。国保といえども、老人医療費の問題がなかりせばまだまだ若い人たちだけでやっていくとすればやっていけるのではないか、そのくらいの問題であります。  そういう意味から、やはりこの際、どういう形になるのか。日本には既に医療保険と老人保健があるわけですから、さらに新しいシステム、介護制度というのをオンするのかどうかというのは非常に議論があろうと思いますね。しかし、老人の介護問題に公的な機能を積極的に持たせていくことが医療保険全体をこれから将来にわたって支える上で必要ではないか、私はそういう意味でお願いをしたわけであります。

高梨昇三日本経営者団体連盟環境社会部長

○高梨参考人 介護保険の問題がいろいろなところで議論されております。  私ども日経連の内部におきましても検討をいたしておりますが、現在のところ、まだ介護保険のあり方についての日経連としての考え方の整理ができておりませんのでお答えしにくいわけでございますが、いずれにしても、介護の問題というのは、現在における高齢化社会、また二〇二五年を展望した超高齢社会における医療と介護ということを考えたときに、非常に重要な問題であるというふうに認識をいたしております。また、現在の介護保障制度が不十分であるという認識も持っております。  問題は、その財源の問題でございますけれども、しかし、財源の問題に入る前に、介護サービスというものは一体どういうサービスをどの程度、だれに対してどうするのか、また二〇二五年における介護費用というものは一体どれくらいになるのであろうかという、そういう将来展望を見据えた上で財源問題を検討すべきではなかろうかというふうに考えているところでございます。

佐川英美日本労働組合総連合会生活福祉局部長

○佐川参考人 私ども連合は、昨年の秋から年末にかけまして、五十五歳以上の介護等を必要とする家族を抱えている家族に対して調査を行いました。全国から二千四百余りの回答をいただきました。その結果、一言で申し上げますと、社会的な支援の不十分な中での家族介護というのはもはや精神的、肉体的、経済的な負担の限界に達してきているということが明確になったというふうに受けとめております。そういったことからしましても、新しい介護保障システムというのがつくられるというのは、これはもう待ったなしということであろうと思います。  ただ、その場合に、どういう理念のもとで、どういう枠組みでいいのかということについては議論の余地があろうと思いますし、私どもは、現在のお世話をするという理念は転換をすべきではないか。それは、一つは高齢者の自立支援、これは厚生省のシステム研究会報告が打ち出しておりますが、私どもは、それだけではちょっと足りないのではないか。やはり生涯にわたって人間の尊厳が認められる福祉社会を実現するという基本理念が、介護の中に、システムをつくるときに必要ではないかというふうに思いますし、では新しい介護システムはどういう中身であるのか。だれでも必要とする介護サービスが身近で手軽に受けられることとか、みずからの意思に基づいて利用するサービスが選択できること、快適で質の高いサービスが受けられること、サービスの内容、負担が公平であること、やはりこういう基本的なことを確認していく必要がある。  いずれにしても、介護サービスの安定供給といいますか、介護コストの分散といいますか、そして選択の確保ということを考えれば、当然公的な介護保険制度というのは創設に向けて十分検討されるべきであろうと思います。  ただ、その場合の基本的な考え方は、やはり介護基盤の整備は税金でやる。そしてランニングコストは、税金と保険料と利用者負担など幅広い財源で考えていくという立場に立つ。私どもの言い方ですと、いわば公費負担を柱とした介護保険ということが必要ではないか。ただ、その場合であっても、今日の制度疲労を起こしている老人医療拠出金制度のようなああいうものを引き継いたような保険では勤労者として困りますし、また、介護保険を短期保険として仕組むのか、年金のように長期保険として仕組むのか、いろいろな課題があるだろうと思います。  これについては、連合としては、介護保険の創設という方向性の上に立って、十分な、さまざまな諸問題の整理をしながら検討を始めたという段階でございます。

北原三平全国町村会常任理事・長野県高遠町長

○北原参考人 介護保険制度につきましては、高齢化社会の到来の中にあって、その必要性は痛感するものでありますが、その制度の創設に当たっては、第二の国保制度をつくるようなことは決してないようにお願いをいたしたいと思います。  介護制度は、保険財政の成り立つものでなければならないものであって、日本全体において高齢社会にどのように対処するかという観点から国民的課題としてとらえて、国と地方の適切な役割分担が何より必要かと思いますので、よろしくお願いいたします。

小山一郎全国商工団体連合会理事

○小山参考人 私は、保険としての介護制度ではなく、あくまでやはり社会保障としての介護を発展させていくべきだ。既に日本でも幾つかの自治体では、非常に濃密な住民サービスをしている自治体がございます。見学もしてまいりましたが、決して社会保障としてやれなくはないという実情を見てまいりました。ぜひひとつ、この点については慎重に御審議をいただきたいと思います。

山本孝史新進党

○山本(孝)委員 今、介護休業についても法制化をしようということで動きがございます。  高梨参考人と佐川参考人にお伺いをいたしたいのですけれども、介護休業三カ月あるいは一カ月というようないろいろな御意見が出ておりますけれども、それぞれのお考えをお聞かせをいただきたいと思います。

高梨昇三日本経営者団体連盟環境社会部長

○高梨参考人 介護問題というのは、いろいろな側面から協力といいますか手だてを講じていく必要があるというふうに考えております。現在も既に厚生省サイドの施策というものもございます。また、企業が独自で労働契約等に基づいて介護休業制度を実施するというものも既に行われております。若干、大企業と中小企業との間では普及率に差があるという問題はございます。  ただ、介護休業を法制度でやるかどうかという問題につきましては、なかなか現在の経済情勢のもとで非常に難しい側面もあるのかなというふうに考えております。そういう意味では、中身の問題につきましては慎重な対応というものが求められることなのかなというふうに考えているところでございます。

佐川英美日本労働組合総連合会生活福祉局部長

○佐川参考人 介護休業制度は、一つには、今もまだ不十分な介護システムの中で家族介護を余儀なくされている。そういう中で、本来ならやめずに済む勤労者が、女性が多いのですが、退職せざるを得ないという現実がある。またしかし、将来を見ても決して家族介護というのはなくならない。それは、介護される本人や家庭の中で介護したいという家族の思いからして家族介護はなくならないということになりますと、当面重要で緊急であり、しかも、将来にもわたってあってよかったと言われる制度として打ち固めるという意味からも必要な制度であるという認識をしております。  今回、今国会に介護休業法案が出されたということについては、行政府の前向きな姿勢については感謝をし、高く評価をしたいと思いますし、建前は別にしまして法案提出に合意された経営者団体の皆さんにも敬意を表したいというふうに思います。ただ、残念ながら、これを利用する我々の立場から見ますと求めている内容と大分乖離がある、何点かの不満があるということを率直に申し上げたいと思います。  私どもは、介護休業期間三カ月間というのを一年にしなければやはり現状に見合わない。先ほど申し上げましたが、私ども連合の調査でも、介護を必要とする期間は五・八年で、こういうのが大体平均値です。十年を超えるケースがざらにあります。三カ月というのは緊急避難的にもちょっと足りない。  それから、家族一人につき一回に限るのではなしに、何回も症例が出てきますから、それに対応して一症例につき一回にするという修正も必要だろうと思います。  それから、一九九九年からなんて悠長なことを言っておらずに、すぐ来年度からでも、これは待ったなし、それだけ退職に追い込まれずに済む労働者がたくさんふえるわけですから、悠長なことを言っておらずに来年度からでもすぐ実施してほしい。  それから、これは法案の中に盛り込まれていない事項でありますが、やはり生活保障、所得保障、少なくとも育児休業取得時並みの所得保障を手だてをする、いわゆる三つの修正、一つの補強を強く求めたいと思います。

山本孝史新進党

○山本(孝)委員 きょうの北原参考人の、今もう国保の加入者が保険に見合わない人がふえている、今後抜本改正に向かって第二の国保制度をつくらないでほしいというお言葉をしっかりと受けとめて、私たち新進党も、新しい介護制度あるいは保険制度を考えていきたいと思います。  きょうはありがとうございました。

岩垂寿喜男日本社会党・護憲民主連合

○岩垂委員長 網岡雄君。

網岡雄日本社会党・護憲民主連合

○網岡委員 長時間にわたりまして御苦労さまでございます。  私ども、与党の立場にありますので、質問の時間が十分ということになっておりますから、一点だけ御質問を各参考人の方々に申し上げますから、それぞれ御回答をいただきたいと思うわけでございます。  現在政府のもとで進められております定率負担というものが定額で負担を補助をしていくという形になりましたために、各市町村に対する自治体の財政の影響というのは非常に大きいということを私ども自身も感じておるところでございます。愛知県の例をとりましても、平成五年では十五億、それから平成六年では十七億、こういうことでございまして、七年、八年と国の負担をする額が百七十億ですか、八年度は二百四十億ということでふえてまいりますけれども、しかし依然として、そういう形でいきますと地方自治体の負担というのは非常に大きくなっていくことは間違いがないわけでございます。  そこで、こういう傾向を解決をしていきますためには、まずどういう方法をとっていったらいいか。例えば、被用者保険、国民健康保険、それから国家公務員の保険、こういうふうに三つありますけれども、海員組合もございますが、そういう各制度間の保険を一元化していくということも一つの方法だと思うのでございます。この点について、今まで若干個々に述べられておりますが、改めてお考えをお願い申し上げたいと思います。  この場合、制度間の格差があるところを低いところに合わせていくということになれば、これはもう国民の批判に耐えられないことになるわけでございますから、どうしても方法とすれば高い水準に合わせて、そしてその分は国費が面倒を見ていく。一部地方自治体が面倒を見ていくということがあるのかもわかりませんが、それは一つの許容の限界ということの定めがありませんと、なかなかこれも、先ほど言いましたような愛知県におきます状況を見ましても、これ以上の負担には耐えられない状況になっていると思います。  したがいまして、一本化をしていく場合に一つの前提条件というのは、それぞれの保険制度を一元化していく場合に、公費負担というものをかなり相当な金額をやっていかなければならぬわけでございますが、問題は公費の負担増加分というものをどのように捻出をしていくか、担保していくかというところが問題であると思うのでございます。  その公費捻出に当たります方法として、一体どういうことが考えられるか。例えば介護保険というものが、今の医療制度の中から介護だけ切り離すということになりますと、全体のものがそこで減るという状態が起こってまいりますから、全体の費用としてはまた一応、何といいますか、やりくりをしていく一つの方法だと思うのでございます。  そういうようなことも含めて、各参考人の方々から、この一元化を目指していく場合における財源問題、特に公費負担、この二つの問題について御意見を聞かせていただければありがたいと思います。  以上です。

加地夏雄国民健康保険中央会理事長

○加地参考人 医療保険全体の一元化の問題が一つと、公費負担をどういうふうに適正にあれをしていく方法があるか、こういう御質問なんですが、私は、一元化の問題というのは現在、厚生省が数年前に打ち出した考え方で進んでいると思うのですね。これは御承知のとおりだと思います。現在のいわゆる被用者保険と地域保険、この体制を前提にいたしまして負担と給付の公平化を図っていこうと。  負担の公平化というのは、まさに老人保健法の加入者按分率一〇〇%というもので一応のそういう公平化が図られておるという理解であります。給付の問題についても、これは御承知のように、今被用者保険と国保には格差があるわけなんですけれども、理想論としては全く同一水準に持っていけばよろしいのですけれども、給付率に格差がございますね。それは、経営主体の財政力等々の問題もあるわけでありまして、そういう意味で、そういう一元化問題を給付と負担の公平に求めて推進をしていくという流れが一つあります。  それで、これは大変難しい問題なんですけれども、私どもは、伝統的に、国保の保険者の御意向というのは、一元化というのは全国一本にすることであって、それは地域保険に統合することだ、こういう昔からの考え方があるのでございます。  しかしこれは、それぞれの医療保険の長年の伝統で相当定着した一つのものがあるということのほかに、先ほどもちょっと申し上げましたが、経営管理が行き届く一つの規模というのがあるのでございます。特に健保組合なんかはそういう思想で、要するに行き届いた経営管理ができる単位がよろしいという考え方が一つと、それから、リスク負担は被保険者が多ければ多いほどいいというのがもう一つの考え方でありまして、これはなかなか、新しいそういう一元化の中でやっていくというのは非常に難しい状況じゃないか。非常に現実的なお話を申し上げて恐縮でございますが、一元化問題というのはそういう非常に困難な問題を抱えておるということではないかと私は考えております。

高梨昇三日本経営者団体連盟環境社会部長

○高梨参考人 医療保険制度の一元化といいますか一本化の問題でございますが、現在、医療保険制度はそれぞれ分立されておるわけでございます。それぞれの制度がそれぞれの歴史を持っているわけでございまして、その歴史の中で現在の制度ができているのかなというふうに理解をいたしております。  例えば、健康保険組合にいたしましても約千八百ございますが、それについては公費、国庫負担というのはほとんどないわけでございます。若干ございますけれども、五十億弱くらいしかございません。一方、制度の仕組みから、国保については重点投入、また、政管についても国庫補助が投入される、そういう状況でございますので、この辺をどう整合性を持って整理していくかということは、関係者になかなか理解が得られない問題が多いのかなというふうに思うわけでございます。  そういう意味で、現実的な対応といたしましては、負担と給付の公平化、これを一つずつ重ねていくということが必要なことではなかろうかなというふうに考えておるところでございます。

佐川英美日本労働組合総連合会生活福祉局部長

○佐川参考人 まず初めに、医療保険の一元化、私どもは、かつて自民党の単独政権時代に、給付率は八割で統一する、こういう一元化という基本方針を決定したイメージがありますので、一元化という言葉は大変好きでないといいますか、その八割給付化とダブるので、中で余り使っておりません。  ただ、被用者保険と地域保険と二つの体系があるというのは基本的にいいのじゃないか。その意味でもう少し、先ほどいろいろ申し上げましたような整理をしていく必要があるという立場でございます。  もう一つの公費負担増にどう対応していくのかということで、まず申し上げたいのは、老人医療費、国民医療費の伸びは、伸びていくことは高齢化に伴って避けがたいですが、伸びは大きく抑えられるという、まずこれは健康戦略でもあるというその大前提に立って幾つか考えますと、やはりもう少し国民全体で公平な負担とは何かという議論を積極的に展開する必要があるのだろうというふうに思います。  例えば、昭和五十五年から平成三年度までの社会保障及びその財源の推移を見ますと、厚生省の資料を整理をいたしますと、社会保障給付費はこの十一年間で二・〇四倍に伸びております。国民総生産の伸びが一・八七倍ですから、それを上回る規模で社会保障が伸びてきたということは事実でございます。  さて、その財源ですが、財源を見ますと、社会保障費用における租税財源は、この十一年間で一・五三倍の伸びでございます。これに対して、保険料財源の伸びは二・二八倍でございます。問題は、この保険料財源のうち、被用者保険のいわゆる労使の保険料の負担の伸びは二・三六倍でございます。そしてそれ以外の非被用者保険の保険料の伸びは一・七六倍ということになっています。したがいまして、公正な負担は何か、もっと公費負担をきちっとすべきである、それから、もう少し出すべきところは出す必要があるということが言えるのではないかと思います。  そういった意味で、もう少し公平な負担とは何かという議論をすべきであると思いますし、まず当面すぐやらなければいけないことは、やはり行政改革であるだろうと思います。行政改革でしっかりやる、行政改革でどれだけ効率化できるのか、福祉に、医療に回せるお金がどれだけ浮くのか、国民の前において、何ぼ足りないのかということを明らかにする必要があると思います。税制の見直しを九六年の九月までにやることになっていると思いますが、そこへ向けてこうした議論をしっかりやることがまず大事であるというふうに思います。

北原三平全国町村会常任理事・長野県高遠町長

○北原参考人 財源の捻出でありますけれども、地方公共団体は地方財政計画によって措置されますので、まずはこの一元化に要する費用がどれだけになるのか、公費がどれだけになるのか、国と地方の負担はどういう配分になるのかというようなことを踏まえて地方財政計画の中で措置していただかないと、さて財源をどうするといっても出てまいらないわけで、基本的には国と地方がどのように負担をし合い、そして地方財政計画の中でそれをどこに位置づけるかというようなことではなかろうか、このように思います。

網岡雄日本社会党・護憲民主連合

○網岡委員 ありがとうございました。  一元化の問題について私が聞きましたのは、個々のところの問題点を忌憚なくお聞かせをいただいたわけでございますので、私ども、両面にわたってそれぞれ議論があるわけでございますが、国民のあれに耐え得るような保険制度になるように、これからもやっていきたいと思っております。  終わります。

岩垂寿喜男日本社会党・護憲民主連合

○岩垂委員長 荒井聰君。

荒井聰新党さきがけ

○荒井(聰)委員 新党さきがけの荒井聰でございます。もう二時間を過ぎておりまして、参考人の皆さんもお疲れかと思います。きょうは本会議もございますので、簡単に質問をさせていただきます。  私は、さきに本会議で代表質問の形で地方分権推進法の問題について質問をさせていただきましたし、また、地方分権の推進に関して大変関心を持っております。その地方分権推進法の議論を与党の間で二十四回にわたってしたのですけれども、その議論の過程の中で、地方分権推進上需要の高い行政需要は何だろうかということが随分議論になりました。その際に多くの識者から出ましたのが、町づくりの問題、これは特に土地利用の問題だと思うのですけれども、土地利用調整関係が各省庁に非常にまたがっているということが第一点。もう一つは福祉関係の問題でございまして、この福祉関係の点について、地方にさらに徹底的な分権を進めるべきだという御意見を持たれている方が大変多うございました。  しかし一方、国民健康保険の問題について見てみますと、小規模保険者の団体が非常に増加している。昭和四十年で三千人未満の団体というのは多分全体の一〇%以下だったと思うのですけれども、きょうは北原町長さんも来られていますが、現在これが全体で三〇%を超えている、三六%の、小規模保険者の増加という状況になってございます。恐らくこの状況は、現在の二層階層制の市町村行政を維持していくとすれば、この部分というのはさらにふえていくのだろうと思うのです。ふえていくと、国保の財源問題に非常に大きな影響を与えていくという結果につながっていくだろう。  これに対して、推進計画法の中でも大いに議論をしていきたいなと思っておりますけれども、さらに一層広域行政を進めていくべきではないかという議論が非常に強うございます。既に上水道や下水道などでも広域行政を進めるべく、そのシステムを地方自治法の中にも構築いたしましたし、これから進める地方分権推進法の中でも、それを積極的に盛り込んでいくべきだという意見を私は持ってございます。  しかし一方、国保の場合には、これを進めていくとすると恐らくいろいろな障害が、現行の保険の支払いの水準が違うといったような状況、あるいは市町村ごとでいろいろな独特のやり方をされているわけで、これを一遍に広域に持っていくということもなかなか難しいのだろうということも考えられるわけなのです。  このあたり、参考人の、特に佐川さん、北原さん、加地さんに、時間の関係もございますので、さっき短くしろと言われましたものですから、御三方に絞って御意見を賜りたいと思いますけれども、よろしくお願いいたします。

佐川英美日本労働組合総連合会生活福祉局部長

○佐川参考人 地方分権については、徹底して推し進める必要があるというふうに思います。  ただ、福祉、介護という領域を見ますと、市町村がその実施、サービス提供に当たって重要な役割を占めるということと、例えば市町村が保険集団の単位になるということは別問題のような気もいたします。これは議論して一致するかもわかりませんが。それと同じように、地域医療の国民健康保険という地域保険の提供に当たっても、そこのところは重要な役割を果たすということと一つの保険集団を形成するということは区分けをして、もう少し議論していく必要があるのだろうと思います。いずれにしても、さまざまな福祉の領域といえども、かつて福祉八法の改正のときに特養ホームの措置権を市町村におろしましたように、もっともっとこういった領域があると思います。  ただ、全体のお金は国が責任を持って集めていくということも必要でしょう。そういった意味で、何だ、福祉で大きな政府を目指すのかと言われますが、やはり福祉とか教育の分野は、しっかり国の責任に基づいて、国、市町村が連携してやるという形が望ましいのではないか、そういった分権というものでなければならないのではないか。いわば効率的な政府のもとに、しっかり地域住民の、利用者本位の立場に立った市町村という構図の分権システムが必要だというふうに思っております。

北原三平全国町村会常任理事・長野県高遠町長

○北原参考人 地方分権がこれから進められていく過程の中で、これは私見ですけれども、その受け皿はやはり地域、今まで歴史的な経過で広域圏をつくり、きちっと積み上げをしてきておりますので、できる仕事とできない仕事とありますけれども、これからの受け皿というものは、ある程度広域圏がきちっとやって、そしてやっていくような姿にあるいはなるのではなかろうかなという感じを持っております。

加地夏雄国民健康保険中央会理事長

○加地参考人 先ほど私は、国保の受け入れ主体としては市町村が一番適当であると申し上げました。  その考え方の基礎には、今御質問のように、地方分権の形で、そういう形が進んでいく過程で言われておりますのは、受け皿としての市町村の単位規模という問題がございますね。ある人によれば、現在の市の総数が約六百幾らですが、市町村を全国五百ぐらいにすればという意見もございます。私は、確かに分権によっていろいろな市町村が事業を担っていく場合にそういう単位の問題というのはあろうかと思います。そういう意味では、国保の立場から見ましても、そういう形の市町村の単位が大きくなるということは望ましいことではないか、かように考えております。

荒井聰新党さきがけ

○荒井(聰)委員 どうもありがとうございます。  この問題は、市町村の適正規模とか市町村の適正な行政需要の問題とまた非常に密接な関係が出てくると思います。また、地方自治法の上では、市町村合併の問題がまたスケジュール化になっていくのかなというような感じも持っております。今後、国保問題だけではなくて、市町村行政との絡みでいろいろな検討がなされていくべきだろうというふうに考えてございます。  きょうはどうもありがとうございました。

岩垂寿喜男日本社会党・護憲民主連合

○岩垂委員長 岩佐恵美君。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐委員 日本共産党の岩佐恵美でございます。  本日は、参考人の皆様には、大変お忙しい中当委員会にお越しをいただきまして、ありがとうございました。  先ほどからいろいろ参考人の皆様方の発言を伺わせていただいて、本当に国保の将来というのはなかなか厳しいという実態を改めて痛感をいたしました。とりわけ小山参考人の、払いたくても払えないそういう状況があるという切実な訴え、そしてそういう中で国保の保険料を上げていくというふうになったら一体どうなるのだろうか、そういう心配がまた新しく痛感をされるところです。  この問題については介護保険と一体で考えていく、そういうことが言われているし、またきょう参考人の皆様方の念頭にもあるように伺いましたけれども、介護保険とてやはり同じ問題が生ずるのではないかというふうに思います。  そこで私は、先ほど同僚委員からもちょっとお話がありましたけれども、どんな制度にしても社会保障制度でありますから、公費負担、とりわけ国の負担がどうあるべきか、そしてこれはきちっとされていくということが必要であるというふうに思います。この点について、加地参考人、高梨参考人、佐川参考人、北原参考人に改めてお伺いをしたいと思います。

加地夏雄国民健康保険中央会理事長

○加地参考人 私ども国保団体におきましては、国の負担の拡充というものは常に大会を通じてお願いをしてきておるところであります。  ただ、先ほどから申し上げているように、それはどういう形が納税者の立場から見て一番納得を得る方向であるか、こういうことあたりを考えますと、やはりだれもが納得できる形で、例えば介護の問題あたりを中心にやっていただければ結果として国保に回ってくる、こういう形になるので、むしろ当面は介護保険の公費負担によるシステム化をお願いしていこう、私はこういう考え方でおるわけであります。

高梨昇三日本経営者団体連盟環境社会部長

○高梨参考人 御案内のように、老人保健制度におきましては、公費負担は三割というのが原則でございます。しかし、その中で介護の色彩の強い部分につきましては五割、こういうふうになっているわけでございますが、私ども、平成二年だったと思いますが、連合さんそれから健保連さんと連携をとりながら、その当時における七割、三割の引き上げということをお願いいたしまして、現在の五割、五割という部分ができたというわけでございます。  基本的には、特に医療の中での介護の部分につきましては、私どもやはり重点的な公費の投入が必要であるというふうに考えているところでございましで、その意味で、これからもこの介護部分についての公費の重点投入というのが必要なものなのかなというふうに考えているところでございます。

佐川英美日本労働組合総連合会生活福祉局部長

○佐川参考人 介護に関する公費の考え方は、先ほど申し述べましたので、省略いたします。  老人医療費については、少なくとも五割の公費負担を確保すべきだというふうに思います。私ども連合は、高齢化等に伴う社会保障の充実に当たって、その社会的なコストを負担していくということは合意しております。しかしながら、その時点時点ではやはり勤労者として負担の限度というものがございます。それで、私どもは、納得できる負担というのが適正な負担だというふうに理解しております。その場合には、やはり公平性が貫かれているかということも大事な視点でございます。  高齢化のコストは、間接税というものも十分踏まえて議論される必要があると思いますが、ただ、間接税率の場合には、福祉に使う使うといっても本当にそうなのか、どこまであれしたのか、私どもは、すべて国民生活に直結の福祉の分野とかそういうところにしっかり使うという前提条件をいつもつけてまいりましたが、そこのところも十分見きわめて、国民の納得のいくありようということが求められるのだろうと思います。これについては、もっともっと国民的な議論が必要だろうというように思っております。

北原三平全国町村会常任理事・長野県高遠町長

○北原参考人 国民合意を十分得て、そして公費負担が望ましいのではないか、このように私は考えております。  先ほど地方財政措置ということを申し上げたわけでありますけれども、今我々地方譲与税の創設を強くお願いしている立場でありまして、そういうものもすべて、これから国と地方との負担の割合等につきましてそのような新しい措置を考えてもらわないと、地方から何か出せと言われても出せないわけでありますので、それらのこともお考えいただきましてこの福祉財源を生み出してまいりたい、このような考えを持っております。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐委員 最後に小山参考人にお伺いをしたいと思いますけれども、先ほど、国の負担を四五%に戻すべきだというようなことを初め、公費負担をすべきだということを言われました。実態もるる述べられて、本当に身につまされて、これが国保料が上がったらどうなるのだろうということで新たに心配になりましたけれども、きょういろいろ審議を通じて何か言い残したことがあれば、ちょっと時間が余り残されていませんけれども、このことだけはぜひ言いたいということがあったら、お述べをいただきたいと思います。

小山一郎全国商工団体連合会理事

○小山参考人 発言の機会を与えていただいてありがとうございます。  申し上げたいことは大体今まで申し上げたのですが、今の不況が、また円高とかいろいろなことが重なり合って構造的な不況と言われています。が、今の中小業者、自営業者が置かれている立場は、私たち、そういった一定の期間の中の状態だという見方ではないのです。まだまだこれからも中小業者、下請業者というのは苦しい立場に長い間置かれるだろう、日本経済が本当に立ち直るまた確固たる窓口が見えてないわけですから。一部には、幾らか立ち直ったと言う新聞などもありますが、実態としては、今言ったように、おととしよりも昨年、昨年よりもことしの春になってさらに実態は落ち込んでいるのですね。その辺をぜひ皆さん方にも、実際に地元で聞いていただいたり調べたりして、置かれている中小業者の状態その他、一般の庶民がどういうふうな暮らしをしているかということをぜひつかんでいただいて、これからの行政に生かしていただきたい。  先ほどから言っているように、いろいろ国保の改正問題が頻繁に出てきましたが、一貫して、国が国費の負担を減らしていくという方向で審議が続いているわけで、これは私としては大変間違った方向ではないか。特に厚生省は国民の命と健康、環境を預かっている省庁ですから、ほかの省庁よりももっと堂々と予算を要求して必要な措置をとるべきだ、国民の多くはそれを応援すると思います。  最後にこれを申し上げて、ぜひひとつ国庫負担の国保をしっかりとつくってほしいということで結びたいと思います。ありがとうございました。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐委員 本日はありがとうございました。

岩垂寿喜男日本社会党・護憲民主連合

○岩垂委員長 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。  参考人の方々におかれましては、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表して、厚く御礼を申し上げたいと思います。  次回は、明十五日水曜日午後三時二十分理事会、午後三時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午前十一時四十九分散会

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