建設委員会 第10号
- 発言数
- 184 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1995/03/15
会議録
○遠藤委員長 これより会議を開きます。 国土行政の基本施策に関する件について調査を進めます。 この際、半島振興法の一部を改正する法律案起草の件について議事を進めます。 本件につきましては、先般来、理事会におきまして御協議を願ってまいりましたが、お手元に配付してありますとおり起草案を作成いたしました。 まず、起草案の趣旨につきまして、委員長から御説明申し上げます。 半島振興法は、三万を海に囲まれ、幹線交通体系から遠く離れ、平地に恵まれず、水資源が乏しいなど国土資源の利用の面における制約から、産業基盤、交通基盤等の整備の面で他の地域に比較して低位にある半島地域の振興を図るため、建設委員長提案により、昭和六十年六月、十年間の時限法士して制定されたものであります。 この十年間、本法に基づき二十三の地域が半島振興対策実施地域に指定され、半島振興計画に基づく各種の施策が講じられてきたことにより、各分野で着実に成果を上げてまいりました。 しかしながら、半島地域においては、交通基盤や生活環境等整備の必要な分野がなお多く、依然として人口の減少、高齢化の進展、所得水準の格差などの課題を抱えております。 その一方で、半島地域は、豊かな自然環境や農林水産資源に恵まれるとともに、すぐれた古典芸能や伝統文化を継承するなど、地域の特性を生かした発展に向けての大きな可能性を秘めております。 人口、経済、情報、文化等の大都市への集中が進む中で、半島地域が地理的制約を克服し、その豊かな資源を活用して地域の活力を増進させることは、国土の均衡ある発展を実現する上でも極めて重要な意味を持つと考えるものであります。 地域住民の主体的な取り組みに基づき、半島地域の抱えている諸課題を解決しその振興を図っていくためには、半島振興法の法期限を延長し、半島振興計画に基づきさらに充実した施策の展開を図っていく必要があります。 このような観点から、本案は、現行の半島振興法の有効期限をさらに十年間延長して平成十七年三月三十一日までとするとともに、半島地域の新たな課題に対応できるよう、半島振興計画の内容を拡充し、あわせて、情報の流通と通信体系、高齢者福祉、地域文化等に関する規定の新設等を行おうとするものであります。 以上が、本起草案の趣旨の説明であります。 ――――――――――――― 半島振興法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 ―――――――――――――
○遠藤委員長 この際、本起草案につきまして、衆議院規則第四十八条の二の規定により、内閣の意見を聴取いたします。国務大臣小澤潔君。
○小澤国務大臣 本法律案の提出に際しての委員長及び委員各位の御努力と御熱意に対し、深く敬意を表するものであります。 政府といたしましては、半島地域の社会経済情勢にかんがみ、本法律案については特に異存はないところであります。 この法律案が御可決された暁には、その適正な運用に努め、半島地域の一層の振興を期してまいる所存であります。
○遠藤委員長 これより採決いたします。 半島振興法の一部を改正する法律案起草の件につきましては、お手元に配付してあります草案を本委員会の成案とし、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○遠藤委員長 起立総員。よって、そのように決しました。 なお、ただいま決定いたしました法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○遠藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ――――◇―――――
○遠藤委員長 次に、内閣提出、河川法の一部を改正する法律案を議題といたします。 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 本案審査のため、本日、参考人として日本下水道事業団理事長中本至君の出席を求め、意見を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○遠藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ―――――――――――――
○遠藤委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。広野ただし君。
○広野委員 どうもありがとうございます。 河川法に関連する問題としまして、下水道のことについて取り上げさせていただきたいと思います。 河川の水質汚濁を防ぐために、生活排水等の流れ込み、これが河川汚濁の一番大きな理由に今やなっております。昔は工場排水ということだったと思いますが、現在はそういう面では生活排水。これを抜本的に改善をしていくためには、下水道の整備充実というのが一番大事なことだというふうに考えるわけです。そしてまた、私たちの生活の面から考えましても、水回りのところですね、トイレ、台所あるいはふろ場、こういうところを非常に近代的あるいは非常に清潔なものにしていくためにも、下水道というのは非常に不可欠なものだということで、私もこの下水道をどんどん進めていこうということを考えているわけであります。 この下水道の整備というのはいわば国民的な課題であって、早く普及率も八〇%、九〇%という欧米並みのものにしていかなければいけない。現在、政府では第七次下水道整備計画ですか、十六兆円ぐらいを投入して、平成七年度を最終年度としてまさに実施中であります。 そういう中にあって今回の下水道談合事件、まことに残念なことであります。このことについて質問をさせていただきたい、このように思うわけですが、昨年の三月から公取が立入調査をして、今回電機メーカー九社を刑事告発した、こういう経緯があるわけですが、公取当局からそのことについて、余りだらだらということではなくて、簡潔にこの告発の経緯とねらいについて説明いただきたいと思います。
○中川説明員 お答えいたします。 公正取引委員会は、お尋ねの件につきまして、平成六年三月二十四日に立入検査を行いますとともに、関係者からの事情聴取を行うなど慎重に審査した結果、株式会社日立製作所ほか八社につきまして独占禁止法に違反する犯罪ありと思料し、告発を相当とする事実が認められましたことから、平成七年三月六日、検事総長に対し告発を行っております。 本件行為は、我が国の代表的な重電機メーカーらが、全国の自治体からの委託によって日本下水道事業団が発注する電気設備工事につきまして入札談合を行っていたものであり、平成二年六月に公表いたしました独占禁止法違反に対する刑事告発に関する公正取引委員会の方針に照らしまして、国民生活に広範な影響を及ぼすと考えられる悪質かつ重大な事案である、こういうふうに判断いたしまして告発することとしたものでございまして、本件告発は、今後入札談合を抑止する上で大きな意義を持つものである、こういうふうに考えております。 それから、本件行為には事業団の担当者がかかわっていたことが審査の過程で認められ、公正取引委員会としましては、今後事業団に対して、入札談合の防止の徹底を図るための措置を求める必要がある、こういうふうに考えております。 その具体的な内容につきましては、本件関係会社に対する行政処分についての検討とあわせまして検討していく、こういうことになります。
○広野委員 ただいまお話ありましたとおり、下水道事業団が関与していたというのが公取の考え方であります。 それで、このことについて下水道事業団理事長は、記者会見の話なんですが、そういうことについては否定をしておられるわけなんですね。そして、「極めて残念だが、どっちを信じるかというと担当者の言うことを信じるしかない」、こういうことを言っております。「公取の言っていることは間違いか」という追及に対して、「担当者は実直な技術屋。彼らの人間性からも信用せざるを得ない」、こう言っておられるわけですが、事業団理事長、この点についてもう一回お答えいただきたいと思います。
○中本参考人 お答えいたします。 私ども日本下水道事業団は全国的な下水道の支援をしておりまして、その中で、今回問題になっております工務部の幹部というのが、先生おっしゃったとおり技術屋の中で非常に実直な方でございまして、これらがそのような談合にかかわったかという問題に対して、私どもいろいろ事情聴取しました。その中で、関与をしていないということでございまして、私どもは、非常に厳正なる今回の公取委の刑事告発あるいは捜査当局のこれからの調査にゆだねているということでございまして、先生おっしゃったように、今のところは私どもは、そのおっしゃった謹厳実直な工務部幹部のことを信じる、そういうことでございます。
○広野委員 理事長、これは去年の三月から公取が調査をして、いわば一年近く調査をしているわけであります。公取というのも大変な機関なわけですね。そこが自信を持って告発をしている。事業団の場合は、政府関係機関ですからそういうわけにはいかない。だけれども、それを信じることができないというのは、これはどういうことなんですか。
○中本参考人 。お答えします。 公取のことを信じないと言ったことは一つもございませんで、私ども非常にこの公取委員会の立場を重要視しておりまして、公取委の告発に対して厳粛に受けとめております。そういうことでございますから、私ども公取委を信じていないということは一つも考えていないわけでございます。
○広野委員 では、ここの記者会見で、どっちを信じるかというと担当者の言うことを信じる、これはどういうことなんですか。
○中本参考人 お答えします。 私どもは公取委からのいろいろなお話は聞いておりませんので、その点で、信じるとか信じないということではなくて、担当者というのはもう毎日顔を合わせておりますから、その言葉を信じざるを得ない。決して公取委を信じないということは申しておりません。厳粛に受けとめております。
○広野委員 私は、ここのことで水かけ論的なことを言い張るつもりはないわけであります。談合が官製談合であったのかどうかとか、ドラフト会議というプロ野球のああいうような話まであるわけですね。それとか、大手のシェアを七五%、中堅を二五%。これは、昔は大手が八〇%だった、それを中堅に配慮して下げていくということで七五%の二五%にしたというようなこと等、いっぱいいろいろなことがうわさされております。 確かに、今司直の手で捜査が行われていることですから、今軽々に言えないということはある程度わかりますけれども、一番大事なのは、こういうことが二度と起こらないようにすること、これがやはり一番大事なことだ。またもう一つ、火のないところに煙は立たないという言葉もあります。やはり疑惑を招くようなことがあってはならないのですね。これから下水道をどんどんやっていかなければいけない、そういう国民的な課題に、国民の信頼が揺らぐような行政であってはならない、こういうふうに思うわけなのですね。 だから、そういう中で、理事長はどういうような改善措置をみずからされたのか。そしてまた、この事業団の中にはたくさんの建設省OBがおられるのです。まず、役員の数のうちどれぐらいおられるのか、それを言っていただきたいし、部課長の中にどれぐらいおられるのかということも言ってもらいたい。そして、そういう中でなれ合い的にみんなをかばい合うということではなくて、本当に大事なのは、国民の側に立って本当に公正な事業をやっていく、自由な競争をやっていく、そして効率的な下水道事業が進められるようにやっていくことが一番大切なわけですね。そういう点について、理事長、どういうようなことをやっておられるのか、お答えいただきたいと思います。
○中本参考人 先生のおっしゃいました、こういう疑いをかけられたことに対して私どもは検討いたしました。まず第一点は、事業団におきまして、入札・契約制度の一層の競争性、透明性等を高めるために、既に平成六年七月から、一般競争入札方式、公募型指名競争入札の導入及び入札監視委員会の設置等、これを柱とする入札・契約制度の大幅な改善等を行いまして、現在この制度の着実な実施に努めているところであります。 しかしながら、やはり今回の問題につきましていろいろさらに検討いたしまして、電気設備工事につきましては、業務運営のより一層の適正化を図るため、種々検討を重ねてきました。建設大臣の御指示に従いまして、電気設備工事の発注に関して競争性、透明性を高めるため、次のような改善策を決定し、実施することといたしました。 まず第一点は、大型電気設備工事の対象業者数の拡大でございます。現在A等級というのは十四社ございます。これを二十社以上にし、定期的にまた見直すということが第一点でございます。 第二点は、一般競争入札となる大規模工事、これは二十四・三億円以上でございますが、これを除くすべての電気設備工事について公募型指名競争にしよう、現在は七億円以上が公募型になっておりまして、それ以下は指名競争入札になっておりますけれども、これも以下はすべて公募型にしようということでございまして、技術審査ではねられる以外は希望者は全部指名をするということでございます。 それから第三点目でございますが、工事関係情報の事前公表の充実、徹底、例えば業者団体の説明会には出席しない、あるいは事業団職員に対しまして民間企業へのより一層厳格な対応、例えば複数の職員や間仕切りコーナーで応対するとか、そういうものを徹底していこうというのが現在大臣からの御指示に従ってやろうとしていることでございまして、この点がなり改善したということを御理解願いたいと思います。 先ほど、なれ合い、かばい合いというお話がございましたけれども、今回の電機メーカーの事案に関連して当事業団担当者の関与を指摘されることについては、非常に重大に受けとめております。当事業団としましても、権限ある捜査当局の捜査の結果を待つことといたしますが、今後捜査協力に最大限努力するとともに、具体的な関与の事実が判明すれば、厳正に対処する所存でございます。 それから御質問の、建設省から役員、部課長が相当来ておるのではないか、その御指摘のとおりでございまして、私物め副理事長、さらに総務担当理事、工務担当理事、これが役員としては建設省から参っております。さらに部長といたしましては、総務部長それから計画部長、業務部長等でございまして、課長はまだかなりおりますけれども、それは省略させていただきます。 そのようにかなり来ておりますけれども、いつも申し上げておりますように、天下りとかいうのは、やはりそういう適材適所ということを考えながら参っておりますので、決してこれがそういうかばい合いということでないようになっていると信じますが、なおさら先生御指摘のように、今後も十分注意したいと思います。 以上でございます。
○広野委員 まさに事業団の中枢は理事長初め、理事長も昭和六十三年に事業団に来られて、今回の問題になった工務担当の理事をやられた、そしてまた副理事長も経験され、また理事長にも昨年からですか、なられたわけですね。ですから、下水道部長からですから、まさに下水道のドンと言われるくらいの方だと思うわけです。しかも、下水道事業団の中枢はほとんど建設省のOBだ、こういう事態ですね。ですから、内部監査とかだけでは業務改善は行われないと私は思うのです。外部から人を入れて外部監査をやらないと、決して公正で透明な入札とか、そういうことにはなかなかならないのではないか、こういうふうに思っているわけです。 そこで、建設大臣も大臣談話、コメントを出されて、私もこれを見させていただきました。しかし、具体的な関与の事実が判明すれば厳正に対処したい、こういうことでは、なかなか百年河清を待つような話で、ちゃんとしたことがやれないのじゃないかと思うのですね。業務改善命令というのは直ちに出されたのですか、どうされましたですか。大臣に。
○野坂国務大臣 お答えをいたします。 広野先生が御指摘になっておりますように、これは以前からの問題でありまして、私は九月に新聞を見て、事態を重視いたしました。早速に理事長をお呼びいたしまして、この内容の調査を徹底してやってほしい、したがって、調査委員会をつくってそれによって調査を推進してもらうということで、折々にその結果を聞いておりますが、十七回もやったけれども、そのような事実はないという御返答でございました。広野先生が、非常に手ぬるいではないかという御指摘でございますが、先生方から見ればそのようにお感じになるであろうと私も思います。 それで、いよいよ公取が刑事告発をするという段階の前に、そういう情報もありましたので、もう一度お尋ねをします、最終段階ですということでお聞きしましたら、事実はない。しかし、六日の日に公取は九社の業者を告発したわけでありますし、そして、これらの問題については事業団が関与しておるということが委員長談話で発表されておる。この事態はやはり重く受けとめなきゃならぬ。 ただ、私は、おしかりを受けるかもしれませんが、私どもの職員、政府の職員及び事業団の職員は一生懸命にまじめに働いておると私は信頼をしております。信頼がなければ仕事の能率も上がってこないというふうに考えております。しかし、天下の公正取引委員会が六カ月も七カ月も調査をした上で結論を出したわけですから、これ以上に重たいものはない。したがって、君は、こっちを信じ、こっちを信じと言うが、一体どっちなんだというふうに追及されれば、私は今捜査権は持っておりませんが、いわゆる検察側に捜査の手は移ったわけでありますから、検察側の、事実は一つしかないと思いますので、そのことが明確になってくれば、その上で厳重な処断をしなければならぬ、これが私の基本的な考え方でありまして、非常に不明確なものをそのまま罰するということはできない、これが第一点。 第二点としては、どういう改善命令を出したんだということでありますが、今理事長が申し上げましたように、いわゆる一般競争入札は二十四億三千万以上はすることに建設省はしております。それ以下のものであっても、公募的な透明性のある指名競争入札をやる。いわゆる手を挙げれば、資格に入っていけるという人たちは全部入れよう、そして、十四社という指名競争入札ではなしに二十社以上にしよう、いわゆるメーカーだけではなしに普通の電気工事をできる業者も含めてやっていこうというふうに考えております。 そして、工事の公表等については、新聞記者に発表する以外はやらない、それで、執務室には業者には入ってもらわない、そして、どうしても話をしなければならぬ場合は、いわゆる仕切りがしてある応接間といいますか、応接のところで、一人ではだめ、二人以上で業者と話をしなさい、こういうふうに一応業務命令を出しております。 そして、あの告発をされた段階で、建設省は三カ月の指名停止、それから事業団は六カ月の指名停止、こういう措置をとって、将来の展望としては、改善の措置はそのようなことをやってまいっておるというのが現状でございます。 後は処分問題は、捜査の結果を見て処分することが適当であるというふうに判断をいたしております。
○広野委員 メーカーのこともさることながら、あるいはそれの指名停止とかそういうこともさることながら、公正取引委員会が事業団の関与を言っている、これはよほどのことなのですよ。普適役所関係というのはそういうことをやらない、よほどのことがあるからこういうことなのですね。 それで、きょうは私は、公正取引委員長にも来てもらって大臣の前でそこのことをきちっと言ってもらいたかったのだけれども、この委員会の関係でそうなっていませんけれども、公正取引委員長の言葉を当局が言っているわけです。先ほどお聞きになったと思います。事業団の関与をきちっと言っているのですよ。信じる信じないじゃないのですよ。しかも事業団は、理事長を初め中枢は建設省OBというような形でなされている。まさに官製談合、官庁が中心になってやっている、そういうことなんですね。 二年前にゼネコンスキャンダルがありました。その中で建設省は入札制度の改善等を徹底的に今やってきている、そういう中で建設省への信頼がまた戻ってくる、こういうところだと思うのですよ。この中でまたこんなことをやっていたら、また、建設省というのはそういう官庁なのか、こういうことになってしまうのですね。だから、ここは厳正な措置をきちっとやって、私は、事業団の理事長の責任というのは非常に重いものがあると思うのです。今まで、そういう工務担当のところもやってこられた、副理事長も全部やってこられた、そういう中で、やはりきちっとした、これはただヒアリングだけじゃだめなんですよ、そういうことでは。ちゃんとした業務改善をやっていただきたいと思います。 そして、私は言いたくはないけれども、また新聞でこういうことが出ているのですね。これは一人の人生にかかわるから私は言いませんけれども、事業団理事長のお子さんが総選挙に出る、平成五年のときですね。それで政治団体をつくる、そのことについても、建設省OBの兄事業団理事長がそこの会長になって政治資金集めをやっている、こういう話まであるわけです。私は、政治家を望まれる方だから、名前まで言いません。だけれどもそんなことがささやかれている。しかも理事長は、仙台の市長の問題のときに、仙台のゼネコン汚職、市長のことでありました、そのときに、仙台の下水道関係に関して検察の事情聴取も受けているでしょう。 だから、私は、いろいろなことがたまってきている、これは非常に問題だと思うのです。ですから、私は、大臣が厳正な措置をされる、あるいは理事長自身がきちっとした、自分を含めての責任問題というものをきちっとやっていくことが必ず信頼を戻す、事業団に対する信頼を戻すことになる、そしてまた建設省の信頼を戻すことになる。そして、一番大事なのは、こういう不祥事が起きなくて、再発が防げて、下水道事業がどんどん広まっていくこと。そしてまた、国民の皆さんが八〇%、九〇%という普及率を早く待っているわけですから、そういうことをきちっとやっていただきたい、こういうふうに思うわけであります。 そのことについて、最後、大臣の決意を。
○野坂国務大臣 お申し越しの点については重く受けとめます。 そして、事業団がというふうに広野先生お話しになりましたが、委員長のお言葉では、事業団の担当者の関与があるというふうに言っておられますので、理事長に向かって私は、担当者ということになると限定をされておるのだから、その担当者に十分聞いてほしいということを申し上げました。しかし、そういう事実はないということでありましたが、建設省は捜査権なり検察権は持っておりません。同じように、理事長にそう報告し、私には違ったことを言うというようなことはなかなか容易ではなかろうと思っております。 したがって、今検察の動きを見て、早晩にこの問題は明らかになるだろう、そのときには、あなたがおっしゃるように、あなたがおっしゃる以上に、私どもも重大な決意をして厳しく処断をしていかなきゃならぬ。もちろん監督責任も問うということになろうと思います。
○広野委員 それと、私は、明日の内閣、政権準備委員会の行政改革担当もやっているものですから、予算委員会でもこの間も大臣にもお話をさせていただきましたが、この下水道事業団は特殊法人九十二の中に実は入っていないのです。事業団となっているけれども入っていないという経緯があるのですけれども、それ以上に大切なのは、今、地方における下水道終末処理場の三分の一を下水道事業団がやっている。これを民間でやってもらえばいいのですよ。コンサルティング会社あるいは設計会社、ゼネコンもいますし維持管理会社もある。民間の活力をどんどんやっていくということで、民間の補佐役に事業団が徹していく。 三分の一も占めると、これはもう公取に聞けばわかるのですが、そういう鉄鋼業界でも何でも、シェアが三分の一以上になってくるとだんだんそこが支配していくというようなことになるわけであります。ですから、私は、事業団の業務の縮小あるいは民営化ということについて要望をしておきたいと思います。 それともう一つ、時間の関係で、河川法のことについて少し急いでやらせていただきたいと思いますが、この今度の河川法の、土地利用、立体的、合理的に活用をする、そういうことで治水事業が円滑に進む、こういうことは非常にいいのですよ。非常にいいのですけれども、地下河川がどんどんふえてくる、こんなことになってしまったら大変なことになるのですね。 今、計画では、地下河川あるいは地下調節池の事業化というのを百カ所以上でやろう、こういうことであります。やはり河川というのは、川というのは水辺が大切だし、そこに市民の人たちが集まって、その河川の空間というものが非常に大切なわけですね。そしてまた、鳥だとか魚だとか、そういう自然の生き物というものがやはり河川にいるわけですから、そういうことについては、地下河川がふえていくのでは何にもならないわけなんですね。 ですから、私はこの点、東京においても、千川通りというのがありますけれども、その下に千川を埋めてしまった。せっかくのあのすばらしい千川がもう見えなくなってしまったわけですよ。そんなことが全国各地で起こってしまっては何にもならないわけなんで、この河川法の改正によって確かに治水事業等重要なことが進むでありましょう、だけれども、その大事なところを失わないようにぜひ考慮をしていただきたいと思います。 最後の、河川のところについてお答えいただきたいと思います。
○豊田(高)政府委員 お答え申し上げます。 先生御指摘のとおり、河川は、特に都市部におきましては、水と緑の貴重なオープンスペースとし、また、今回の地震でもわかりましたように、防災空間としても重要な役割を果たしておるというふうに認識しておりまして、従来からこの河川空間の機能の維持向上に努めてまいりました。 一方、都市域におきましては、近年の洪水被害の発生状況から見ますと、治水対策上どうしても緊急性があるにもかかわらず、土地利用が大変高度化しております。稠密化、さらに権利関係が大変複雑化しております。さらに、地価の高騰等に加えまして、地権者が代替地を欲しいという代替地の取得等、用地取得が大変困難になっておりまして、地上での河川拡幅を行うことが大変困難な状況である場合が多いわけでございます。 そこで、このために、地上での河川の拡幅等による都市機能への影響の大きさ、治水事業の緊急性、経済性等を十分に考慮した上で、やむを得ない場合に限って地下河川化を図るということにしておりまして、貴重なオープンスペースの機能を有する地上河川を原則として残す方針は変えておりません。地下河川化した場合でも、地表の従前の河川を廃止縮小するということは考えておりませんで、さらに、従来の機能をあわせ発展させて河川空間の機能の維持向上に努めてまいりたいと思っております。
○広野委員 質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○遠藤委員長 次に、沢藤礼次郎君。
○沢藤委員 河川法に関する質問に入る前に、一つだけ建設行政の基本にかかわっての質問を申し上げたいと思います。 ここ二、三年、私たちは政治改革に真剣に取り組んできたわけでありますが、本来、政治改革の真の目的は金権腐敗政治の一掃にあったはずであります。一連の金権腐敗の事件の中でも、ゼネコン汚職は、公共事業費、つまりこれは国民の税金であるわけでありますが、公共事業費をいわゆるやみ献金に回すという点で大変問題の多い事件だったと思うわけであります。今回の談合の問題とあわせまして、所管官庁である建設省に厳正な対応が求められていると思います。 そこで、質問に入るわけですが、今行われようとしておる地方自治体の各種選挙、その選挙に当たってある地方自治体、まあ岩手と申し上げてしまってよろしいかもしれませんが、ある地方自治体で建設業関係の団体が、数名立候補を予定されております候補の中から一人を推薦を決定した、そのときの理由に次のようにコメントしております。これは地元の岩手日報紙に載っておりました記事を引用するわけでありますが、推薦する理由として、業界の課題解決のためにも建設省とのパイプが必要である、その点で同省、建設省で活躍してきた○○氏の存在は大きいなどと、○○氏推薦を決めた理由を述べたと出ております。これは多くの問題を抱えていると私は思います。 今のコメントを言葉をかえて表現すれば、建設省出身者を地方自治体の首長に据えれば建設省とのパイプができる、県内、地方自治体内の業者業界の課題解決に役立つということになるわけであります。これは、中央省庁と地方政治との関係あるいは地方分権との関係からしても看過するわけにはいかない考え方ではないかと思うのですが、建設省はそのような業者側からの期待に対応するということについての考えがあるのかどうか、大臣の基本的な考えをお示し願いたいと思います。
○野坂国務大臣 先生の御指摘は、地方選挙等に絡んでいろいろな動きがある、当時、ゼネコンの汚職とか政官業の癒着構造というようなことが問題になっておる、建設行政の信頼回復に向けての大臣の所見ということに分けて申しますと、そういうことになるだろうと思っています。私どもは、先ほどもお話がありましたように、公共工事をめぐる汚職事件は建設行政、ひいては政治に関する国民の信頼を大きく損なうものだ、まことに憂慮すべきことであるというふうに考えております。したがいまして、政官業はそれぞれの真摯な自己改革の徹底を期さなければならぬと思っております。まず発注元あるいは受注者の側ともに襟を正すことが基本的な問題でございます。 しかし、今お話がありましたのは、建設省とのパイプを結ぶためにこの人が必要である、この人があれば建設省とのパイプがようけになって事業も多くなるだろうというような意味ではなかろうかと思っておりますが、そのようなことは建設省としては考えておりませんし、私からそれぞれ、次官や官房長に対しても、選挙に対しては公平公正でなければならぬ、要らざることをすべきでない。ただ、業者の団体が自主的にどうやるかということについては、どこまで我々が介入できるかということは問題を惹起しかねない、こういうふうに考えております。 それで、公共事業は、御案内のように国民の税金を使って行うわけでありますから、疑惑を持たれるということはできない、そのことが献金になっていくというようなことは断じて許されない。したがって、我々は、先ほどを言いましたように、基本的には発注、受注の皆さん方の襟を正すということでありますが、いわゆる不正の起きにくいシステムをつくって、指名競争入札から一般競争入札へ、指名競争入札の場合は透明性のある、皆さんが納得できる競争方式というものをとっていこう、こういうことを決めておるわけであります。 そういう意味で、これからの問題については十分対応していかなければならぬと考えておりますが、もしそのような事実があればペナルティーをかけて、従来にも増して厳しい措置をしていかなければならぬと思っております。総じて国民信頼の回復のために、建設行政としては襟を正しながら進めていくということを申し上げておきたいと思います。 特に先生に申し上げておくべきかどうかは、私も内心じくじたるものがありますが、私どもの入札というのは、御案内のように地方と中央とに分けますと、発注件数は、建設省などいわゆる中央は一に対して地方自治体は九である。発注金額については、中央は三で地方は七である。だから、愛知県とかあるいは茨城県とか仙台とか、地方自治体に問題が起きておるということで、自治大臣とも相談をして自治省からも厳しい通達を出していただいておる。これは付言でございますが、余分なことでありますが、申し上げておきたい。 建設省としては、今申し上げましたように、整々として選挙運動その他については厳に慎み戒めるように指示をし、もしそういうような事実があれば、お聞かせいただければ幸いだと思っております。
○沢藤委員 発生件数の比率についてはいろいろ論議があると思いますが、中央地方を通して、やはり建設省の所管する公共事業費は全体の七割を占めておるという非常に大きな役割を果たしておるわけでありますから、国民の期待と関心も建設行政に集中しているということを御自覚願いまして、どうぞひとつ厳正にして信頼を寄せられる建設行政を進めていただきたいということをお願いしておきたいと思います。 河川立体区域制度の創設の必要性とその効果について、簡単にお願いします。
○豊田(高)政府委員 お答え申し上げます。 近年の市街化の進展に伴いまして、都市におきます計画的な治水対策が強く求められておるわけでございますが、そういった中で、事業用地の取得の円滑化を図るということが大変大事でございます。なお、さらに適正かつ合理的な土地利用、この両方とを図りながら、河川の整備と河川管理の適正化を推進することが必要となっておるわけでございます。 しかしながら、現行の河川法におきましては、河川管理施設に係ります河川区域は上下空間に及ぶということでありまして、工作物の設置等の行為規制が及ぶことになるわけでございますことから、地権者が従前に近い条件での土地の利用を確保することはできず、その土地を、地下を利用することの理解を得ることが大変困難な状況になっておるわけでございます。 こうしました状況を踏まえまして、自然公物を念頭に置きました従来の河川区域の特例処置として、地下に設けられました放水路、調節池等の河川管理施設につきまして、河川区域を一定の立体的な範囲に限る河川立体区域制度を創設することとしたわけでございます。河川立体区域制度を活用いたしますと、地下の河川等の整備が促進されるということによりまして、中小河川の当面の目標であります一時間降雨量五十ミリに対応することができる河川整備が一層促進することと思っております。 例えばと申しますと、東京都の代表的な中小河川であります神田川では、頻発します浸水被害の解消が緊急の課題となっておるわけでございますが、調節池として一部供用する環状七号線の地下に河川を建設中でございますが、こういったものを初め本川、支川に設置されております調節池群の整備によりまして、時間雨量五十ミリに対します治水安全度の確保に大きく寄与することとなるというふうに確信しておるところでございます。
○沢藤委員 さっき広野先生の御発言にもあったんですが、私は川自身の立場からすれば、やっぱり伸び伸びと流れたい、空気のいいところを大地と接触しながら、野原とか林とかそういったところに語りかけながら流れたいというのが川の本心だろうと思うんです。このことについては機会を改めて川そのものについての論議をしたいと思いますが、きょうは河川法関係ということで進めさせていただきます。 次の質問は、この地下河川の深度、深さについてであります。地上の構造物との関係もあるでしょうし、あるいは地震災害等の地上での事故との関係、安全性とかいろいろな要素があると思うので、そうした要素を検討した上での深度は大体何メートルくらいの範囲が考えられるのか。河川保全立体区域における行為の制限ということもあることですから、地表部の土地利用の権利との関係に問題はないか、このことについてお示し願いたいと思います。
○豊田(高)政府委員 今先生がお話しになりました河川の理想像につきましては、私たちも豊かな河川をつくってまいりたい、理想の河川づくりを目指して一生懸命努力してまいりたいと思っているところは全く同じ考えでございます。 さて、地下河川の深度はどれくらいかという御質問でございますが、一般的に地下に構造物をつくります場合には、当然ながら深さが大きくなりますと工事の難度が増してくるわけでございます。さらに、構造物の部材が大きくなること、仮設の規模が大きいということなどによりまして工事費が増加いたします。また、一たんたまりました水をポンプで排水する必要があるわけでありますが、その維持管理費用が増加することとなります。こういったことから、できる限り地下の浅い位置が望ましいわけでございまして、事業実施や管理面から地下の浅いところが望ましいというのは当然であるわけでございます。 しかしながら、一方、都市部では、地下河川の設置によりまして、特に既設の地下構造物、例えば地下鉄だとかいろいろな下水道施設だとかいった地下の構造物あるいは地上の構造物のいろいろた利用があるわけでございまして、これらの利用計画に支障を与えないような一定の深さを確保するということもまた必要だと思っております。 さらに、土かぶりが大きくほぼ均一な地盤中におきます地下トンネルは、今回の地震でも比較的安全であった、地盤の振動と同じような振動をするということで、地震の影響は大きくないものというふうに考えられております。このため、別個の一つ一つの施設、個別の施設ごとにこれらの条件を総合的に考えまして深さを決定することになるわけでございまして、地下河川等の深さは一律にこうだというわけにはなかなかまいらない、一つ一つ慎重に検討してまいらないといげないと思っているところでございます。 それから、河川保全区域のことに御質問ございました。この河川保全立体区域の規制についてでございますが、現行の河川保全区域につきましては、自然河川のみならず人工放水路、いわゆる放水路につきましても、近隣に河川が存在することによる所有権の内在的制約というふうに考えておりまして、河川保全区域の規制を行うことができるということになっておるわけでございます。したがいまして、河川管理施設を保全するための河川保全立体区域におきましても同様に規制を行うことは、制度上整合がとれておるというふうに考えておるわけでございます。 しかしながら、実際の運用に当たりましては、土地所有者などに対しまして過度の規制とならないように、これは十分注意しなければならないわけでございまして、河川保全立体区域の指定範囲をこれは必要最小限に限るというふうに考えておるわけでございまして、また、許可制度の運用面でも十分配慮してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○沢藤委員 大変ありがとうございます。ただ、私の持ち時間、かなり限定されていますので、答弁の方もひとつなるべく簡潔にお願いしたいと思います。 さてそこで、この河川立体区域制度のうちで、地下河川型のほかに建物内設置型というのがあるわけですが、これは何か事前に説明をお聞きしたときには、そばにある河川本川の堤防を低くして水を調整する池、調整池というのですか、建物の中とかあるいはその土地の下とか、それへ誘導するという構想のようでありますが、堤防を低くしてかなり大量の水が溢水してくるということを予想した場合に、キャパシティーに大きな問題があるんじゃないかという気がするんです。私、アイオンのときに直接水害を真っ正面から受けた経験を持っているものですから、水の勢い、水の量、水の怖さというのは身にしみているわけです。この点について私は少し不安を感じているんですが、その地域に降った雨水がなかなかほかに移動しない、それを地下にためて、後ほどそれを排水するなり流すなりということであれば理解できるんですが、河川本川からの水も予想する、あるときには支川からの内水も予想するということになれば、これは大変なことだなと思うんです。むしろ私は、本川あるいは支川等々を考えた場合の対策の一つの大きなポイントは、内水対策事業ではないかという考えを持っているのです。 私は北上川のそばに住んでおりますからよくわかるんですが、岩手を例にとれば一関の吸川、北上市であれば大曲川、そして検討中の広瀬川、花巻の後川あるいは地方河川でありますが、薬師堂川というようなところが該当するんですけれども、設置していただいた箇所の救急内水対策の施設を見ますと、これこそがという感じがするわけです。非常に信頼性が高い。そして一秒一トンの水を吐き出す排水管が四本も五本も並んでいるということは大変効果的でもあるし、これこそが重要な事業ではないかなという感じがするんです、本川、支川との関係も含めてですね。それについてのお考えをお聞かせ願いたいと思いますし、ぜひこの事業の拡充、推進をお願いしたいということであります。 同時に、なおお願いするんであれば、可搬式ポンプということでスタートしたんですけれども、一定の離れた場所に待機させておいて、それを今度はこっちだ、こっちだというのはタイムラグもありまして、やはり実際的ではない。私どものすぐ近くにある施設は、すぐそばに置いておくというふうに変えていただきまして非常に機能的だなという感じがするのですが、このことについてのお考えもあわせてお願いしたいと思います。
○豊田(高)政府委員 降った雨を可能な限り地表の川で堤防をつくって流すというのは一番の原則でございますが、先ほど御説明申し上げましたように、都市では限界があって、もうこれ以上どうしても土地が広げられないという場合に限って地下を利用するわけでございまして、地下を利用するには二通りありまして、トンネルを掘って海まで流す場合と、ため池のようなものを地下につくって一時的にためて、川の洪水が引いた後にそれをくみ出して海まで流すという二つの方法があるわけでございます。 ただ、こうした場合でも、その河川の周辺の土地に内水がたまる場合がございます。内水がたまる場合は、都市に限らず地方地方に至るところで被害が出ておるのは先生今御指摘があったとおりでございます。例えば一昨年の鹿児島、昨年の宮城県の例にも見られますように、まだまだ低いということで内水被害が出ております。 今先生御指摘のありました救急内水対策事業につきましても、これは大変大事な事業と考えておるわけでございます。特に床上浸水が起こりますと、体の悪い方だとか、経済的にいわゆる災害弱者と言われていらっしゃるところに被害が集中するわけでございまして、床上浸水対策というのはどうしても緊急に対応しなければならないということで、平成七年度から新たに床上浸水対策特別緊急事業というのを創設いたしました。 さらにきめ細かく行うために、地域地域での比較的小規模な可搬式ポンプ、今お話ありましたような可搬式の排水ポンプを設置いたしまして、機動的かつ効率的に内水排除を行います救急内水対策事業というものを、これは昭和六十三年度に創設をいたしまして、現在、平成五年度末のデータでございますが、全国で七十二地区、合計毎秒百八十一トンの整備済みでございます。先生の地元の岩手県におきましても三地区整備でございまして、その成果が上がっておるというふうに思っております。今後とも、こういったところに力を入れてまいりたいと思っているところでございます。
○沢藤委員 ぜひこの点については充実、前進を図られますようお願いをしておきたいと思います。 質問の最後になると思うのですが、河川法制定以来もう何十年になるのでしょうか、明治以来ということになるわけですが、旧法以来、常に水と住民との関係というのは、極めて地域にとっても個人にとっても関係の深い水利の問題等があったわけであります。このことについて、本当は河川法全体、あるいは河川管理における水利権の問題、慣行水利権、許可水利権の問題、あるいは河川管理の区間を限っての管理という区間主義でいくのか、水系を一本にした水系主義でいくのかという論もあるわけであります。素人的な考え方からすれば、川にはここから先、何々町でとか、ここから先、国管理とかという色分けがないものですから、やはり水系一貫という考え方を基本にしながら河川管理に当たっていただきたいということを前提にお話を申し上げるわけであります。 例を一つ取り上げますと、私のところに国管理の湯田ダムという大きなダムがあります。このダムが完成する前は、その地域を流れる川の取水、簡易水道にしろ農業用水にしろ、これは余り難しい問題はなかったのですよね。ところが、ダムができた、ダム管理が国になる、そのダムに注ぎ込む川ということになりますと、自由にそこから取水できないという制約が出てきますね。これは、県管理の部分に行ってここから簡易水道の水をとらせてくれ、いや、これは県の方に相談に行かなきゃならぬ、県に行けば、この下流にあるダムの水計画との関係があるから県だけでは判断できない、国の方の判断あるいは許可が必要だ、しかし実際問題とすれば、慣行水利権は生きているけれども、新しい許可水利権となるとなかなか動きがとれないというふうな問題もありまして、ダム地域の住民にとっては、ダムのできる前よりもできた後の生活が不自由な面が出てきているわけです。 確かに、考えてみれば、ダムというのは下流のためには働くけれども上流のためには余り働きませんよね。下流のためには、農業用水だ、工業用水だ、生活用水だ、その他というすごく大きな利益をもたらしますけれども、ダムのためにその土地を追い出された人あるいは上流地域にしがみついて頑張っている人たちというのは、ダムの恩恵というのは余りないのです。やはりあるとすれば、ダムをつくるときの建設省の説明あるいは県の説明にすがってきたのですが、ダムができれば通年の観光が可能である、人も来る、あるいはボートその他のスポーツ施設もできるというふうなリゾート、スポーツ等を含めた地域のプラス面というものをいろいろ説明を受けて、それで泣く泣くといいますか承諾して、それを引き受けて移転していった人も多いわけです。 ところが、実際ダムができてみると、多目的ダムなものですから、水位の操作、ダムの管理規則ですか、その規則によって水位の上げ下げが決まってしまう。地元が期待している六月、七月、八月、九月、十月というスポーツシーズン、観光シーズンはとんと水位が下がって、底が出てきて、ヘドロが出てきてにおいがして、蚊が出て、ハエが出てと。あそこは錦秋湖、錦の秋と書くのですが、地元の人たちは近くにおう近臭湖だという別名を奉っています。これは笑い話ではないのであって、私は河川管理の一つの哲学だと思うのですよ。上流と下流との関係。 そして、確かに下流はいつも水害その他で問題になります。そこには堤防を築く、いろいろな施設をする、それも大事ですが、それを起こさないような上流の水源の手当て、森林、あるいはダムももちろんそうですが、そうしたものとの関連で、今度の災害だってそのとおりですね。水というのは蛇口をひねれば出るものじゃない、そういうことがわかりかけてきたのです。そういう意味で私は、上流の、特にダム地帯の地域住民の願いというものにはこたえていくというのが必要だろうと思うのです。ですから、ダム操作規則がこうなっている、ああなっているということもわかりますけれども、たしか地元からごく最近建設省に対して陳情書が出ていると思います。大臣あてに平成六年十二月二十六日付の「環境保全ダムの建設促進に関する陳情書」というのが出ているわけです。 そういったもの等も参考にして、地域の要望そして福祉の増進のために知恵をおかし願いたい、このことをお願いし、見解をいただいて終わるわけですが、幸い、私どもの地域は東北地建も岩手工事事務所も河川に関して大変熱心に問いかけていただいておりまして、こういう立派なパンフレットをつくって、こうこうこうだ、このことについてはどうだろうかという返信用のはがきまでついて住民との対話を深めようとしているわけです。 私はこの姿勢が建設行政の中に欲しいと思うのです。規則がこうなっている、河川法の解釈はこうだという、地球が誕生してから四十六億年で、人間が出てきたのはごく最近ですからね、そのずっと後から出てきた人間のつくった法律、法則、規則でもって余り身動きのできない状況をつくるのじゃなくて、どうぞひとつ、建設行政の中に温かさ、そして幅広さ、哲学というものを取り戻していただきたい。時間になりましたので、このことを含めて締めくくりにひとつ御答弁をお願いしたいと思います。
○豊田(高)政府委員 水は自然のことわりに従いまして上流から下流に流れる、これは万国共通でございますが、おっしゃいましたように、下流の繁栄は上流に支えられておるということを忘れてはならないと私たちも常々考えておるところでございます。 特にダム関係につきますと、水源地域の振興ということがあって初めてそのダムが下流に役立つということが生きてくるのだろうというふうに考えております。したがいまして、水源地域の発展のためにどうしたらよいかというようなことを、これは建設省だけでなく政府全体におきましていろいろと処置がされておる、今後ともいろいろな角度から水源地域の振興のために努力してまいりたいと思っております。 具体的に、今先生がおっしゃいました湯田ダムにつきましては、私どもも地元から御陳情を受けておるということを十分承知しておりまして、聞いてみますと、なるほどもっともな御要望でございます。私たちも、せっかくつくったダムを地元のために役立つように、いろいろと知恵を絞ってまいりたいと思います。地元の方と一つ一つ細かく協議を申し上げながら、地元の役に立つようなものをいろいろ一生懸命検討してまいりたいと思っておるところでございます。 以上でございます。
○沢藤委員 大変ありがとうございました。今後の御努力、御検討を心から期待を申し上げまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○遠藤委員長 次に、中島武敏君。
○中島(武)委員 私は、きょうは河川法の一部を改正する法律案について、最初に幾つかお尋ねいたしたいと思います。 今度の改正で、河川管理者が河川予定立体区域を指定することができるようになっています。これは端的に言いますと、ある日突然、河川管理者が一方的に民有地に網をかけて私権を制限することになるわけですから、そういう点からいいますと、これはやみくもにやるというのではなくて、やはり事前に住民の皆さんの意見も聞き、合意も得てやる、こういうことが必要じゃないかと思うのですけれども、実際にはどうなさるおつもりですか。
○豊田(高)政府委員 お答え申し上げます。 改正法案におきましては、河川予定立体区域の指定というものにつきましては、現行の河川予定地と同様に、河川工事を施行することが当該河川工事の実施の計画から見て確実となった日以後でなければならぬということでございまして、今御指摘のように、知らない間にかかる、河川予定地になっておる、あるいは河川区域になっておるということは全く考えておりません。これは、河川予定立体区域の指定というものが私権の制限ということにつながるわけでございますので、公益と私権とのバランスを考える上からも、河川管理者は、河川工事の施行が計画上も予算上からも確実であるということで一方的にしてはならないということになっておる、そのとおりやっていきたいと思っておるわけでございます。 それから、いずれにいたしましても、河川予定地指定に当たりましては、地権者の過度の制限とならないように、これは的確に運用してまいらなければならないと思っておるところでございます。
○中島(武)委員 では次に、もう一つお尋ねします。 河川立体区域についてのお尋ねなんですけれども、現行法では、河川区域に指定された場合に、私有地であっても、建築物の新築や増改築等について、河川ということで厳しい制限がある。ですから、実際には河川管理者の許可がおりない。ところが、今度は改正されて、今度の改正で規制が緩和された。ですから、河川立体区域であっても、土地の所有者が、河川管理施設等に対して、土地を区分所有させるということをやれば、マンションやビルディングを建設することもできる、こういうふうになったわけであります。 さて、そこで非常に問題になるのは何かというと、これは、今度規制緩和することによって河川管理施設の安全に影響を与えるということになると、これはまたこれで大変だと思うのですけれども、この辺についてのお考えはどうなっているのでしょう。
○豊田(高)政府委員 お答え申し上げます。 この河川立体区域制度に係ります河川管理施設の構造につきましては、その上部の空間等の利用を考慮いたしまして、設置される場所の地質、地形、設置される深さ、地震力の影響等に加えまして、現在あるいは将来その土地で想定されます土地の上部の建物の荷重等、そういうもろもろの影響を見込んで、河川管理施設自体の安全性が確保されるように設計するということになっておるわけでございます。 また、この制度に係ります河川管理施設の整備に当たりましては、今お話ありましたように、区分地上権の設定契約におきまして、その地下にそういう構造物があるということを前提に土地の利用をしていただく、そういう土地の利用を前提として区分地上権を設定するということになるわけでございますので、両方とも安全に確保されるのではないかというふうに考えておるわけでございます。 なお、その上部の建物につきましては、それはそれ自体で建築基準法等の別途の法令により安全性は確保されるものというふうに考えているところでございます。
○中島(武)委員 もう一つお尋ねいたします。 それは、この法五十八条の三に係る問題なんですけれども、「河川保全立体区域の指定は、当該河川管理施設を保全するため必要な最小限度の範囲に限ってするものとする。」と、「するものとする。」、どうも舌をかみそうな表現なんですが、とありますけれども、必要最小限の範囲というのは一体、具体的にどのようなことなのか、この辺について簡潔に御説明いただきたい。
○豊田(高)政府委員 この地下河川区域自体は、その地質の状況、深さの状況、上部の土地の利用状況等によっていろいろ条件が異なりますので、深さ等は一概に申し上げられないわけでございます。そのような関係で、今御指摘の河川保全立体区域というものもなかなか一律に幾らというわけには定められないわけでございまして、一つ一つの構造物に、ただいま申し上げましたような地質だとかいろいろなことを慎重に検討して設定することになるわけでございますが、考え方の基本は必要最小限ということでございまして、当然ながらそんな大きい範囲に及ぶというようなことは考えておらないわけでございます。 それから、その河川管理施設が、地下の河川管理施設がどういう影響を受けるかということにつきましても、その河川管理施設自体の構造によってその影響の受け方が違うわけでございます。例えば、トンネルのようなものでございますと、トンネルの壁を保全しますために、いろいろなこういう鋼棒を出して、地山と一体化するわけでございます。この鋼棒の範囲は当然保全区域にしなければなりません。それに影響のあるような範囲は保全区域にしなければなりませんということで、構造物だとかその設計によっていろいろ違うわけでございます。それから、先ほど申し上げましたように、地質が軟弱であるとか、地質、地形の状況というようなこと、いろいろなことを勘案しながら決めるわけでございます。 いずれにしましても、必要最小限ということでしてまいりたいと思っておるところでございます。
○中島(武)委員 まだいろいろお尋ねしたい点もあるのですけれども、実はきょう下水道事業団の方も呼んでおりますので、そっちの方を次にやらせていただきたいと思うのですね。 公正取引委員会は、去る三月六日、日本下水道事業団発注の電気設備工事の入札談合事件について、独禁法第三条違反として、日立製作所ほか重電機メーカー計九社を検事総長に告発しました。私は、これは典型的な談合事件だと思うのです。それで、既に検察当局が捜査を行っております。 この事件の特徴は、日本を代表する大企業が受注調整、すなわち談合を行っていたことにとどまらず、下水道事業団の関与が指摘されていることであります。先ほど私のさきに質問をされた方がこの問題についていろいろ質問を行い、問題にされました。私からも、この問題についてまず最初に公正取引委員会にお聞きしたいと思っています。 それは、事業団の関与ということを明確に指摘した、こういう報道があるのですけれども、これは事実なのか。そしてまた、既にその証拠をはっきりと握っておられるのか、この点についてまず最初にお尋ねいたします。
○楢崎説明員 御説明いたします。 私ども、本件審査の過程におきまして事業団の担当者がかかわっていたということは認められたところでございますけれども、その内容につきましては、告発に係る事件の内容にかかわる事項でございますので、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。
○中島(武)委員 下水道事業団は、今の公取の答弁、これを認められますか。
○中本参考人 お答えいたします。 確かに先生おっしゃいましたように、電気設備工事で独占禁止法違反の容疑で九社が委員会によりまして検察当局に告発されました。その際の記者会見において、それに関連して事業団の担当者の関与が指摘されたことは極めて遺憾であります。非常に重く受けとめております。 ただ、先ほど公正取引委員会の方からもお話ありましたけれども、具体的な内容はまだ明らかにされておりませんし、また、事業団のこれまでの調査においても、職員の関与の事実は確認できないという現状でございました。やはり具体的な事実関係につきましては今後検察当局においての捜査が行われていく、この段階で事業団としてもその捜査に協力してまいりたいということでございます。
○中島(武)委員 ちょっとおかしいね。捜査には協力するけれども、事業団が関与したということについてはまだ認められないというお話でしたか。 私、もしそうだとすれば、調査をちゃんとしっかりやっていらっしゃるのかなという疑問が、公取はまさか証拠のないことを言うわけではないと思うのですね。その点どうなのか、ちょっと答弁がはっきりしなかったな。
○中本参考人 お答えいたします。 私の申し上げたいのは、先ほども申し上げましたように、公取委員会の内容が私どもに伝わっておりません。そういうことでございますから、公取委員会は非常に権威のあるところでございますから、これは十分私どもも公取の意見は信用します。 ただ、先ほども申しましたように、やはり事業団の関与した職員に何度も調査したけれども、その関与がないということで、そちらの方を私どもは信じている、そういうことでございます。決して、公取委員会を信じないとかそんなことは申しておりません。
○中島(武)委員 事業団の職員の皆さんを信用する、こういう話ですな。
○中本参考人 これは重ねて申し上げますけれども、その関与の具体的な内容がわからない段階でございますから、これがどういう関与がわかりますといろいろまた調査の方も違いますけれども、今のところその内容はわかりませんから、職員を信じる、そういうことを申し上げている次第でございます。
○中島(武)委員 どうもこれは押し問答になってしまいそうなので先へ進みます。 建設省から提出された事業団の電気設備工事契約実績によりますと、その他というところを除きますと、これは重電機メーカー五社と中堅四社のシェア配分が平成二年から四年まで五社おおむね七五%、それから四社が二五%と見事に配分されておりますけれども、これは受注調整がされていたのではないかという疑問を事業団の方では感じられませんでしたか。事業団自身が、これは工事配分をしていたのじゃないのですか。
○中本参考人 お尋ねの下水道事業団が発注する電気設備工事に関してこういうシェア、これが事業団で知っていてやったのではないかということでございますが、実は私ども、このような大手五社と中堅四社のシェア割等というのは認識が全くなかったわけでございまして、これもやはり今後検察当局等の捜査段階で事業団としてその捜査に協力せざるを得ない、その推移を見守るとしか私どもは言えないわけでございます。
○中島(武)委員 それじゃもう一つ、今度は大臣に聞きたいと思っているのです。 それは何かというと、昨年の九月に「下水道事業団が談合指導」、非常に大きな活字が新聞に躍りました。毎日新聞です。その際、建設大臣は何て言っておられるかというと、「事業団の談合指導が事実であれば厳重な態度を取る」、こういうふうに発言されたとこれまた報道されております。この点についてなんですけれども、大臣の方では直接この事件について、疑惑について調査をされましたか。そしてまた、その結果はどうであったかということについてお答えいただきたいのです。
○野坂国務大臣 委員御指摘のように、昨年の九月に新聞の報道がなされまして、直ちに理事長に建設省に来ていただきまして、この事態は重大に受けとめておる、したがって、今はゼネコン談合の問題等が世間を騒がせておるさなかであるから、この内容について精査をしてもらいたい、その結果を御報告願いたい、こういうことをお願いを申し上げまして、理事長は直ちに調査委員会を設置をされまして、十七回に及ぶ調査をされました結果、別段報告をすることはない、ないといいますか、事実がないということでありました。 その後、三月の六日には公取の方から刑事事件として告発をするという情報を得ましたので、その前にお呼びして、こういう状況になっておるように我々は思料しておるけれども、どのような状況なのかと言ってお尋ねをしましたら、理事長は、私は、担当者と書いてある、担当者と言われておるとおのずから限定されるのではないか、担当者にも直接お聞きになったようでありますけれども、そのような事実はないということでございました。したがいまして、私どももそれ以上の、検察力を持っておりませんので、そういうことはやっておりませんが、今広野さんにもお答えを申し上げましたように、公取も相当の確信があって告発をされたと思いますので、そのことも重大に受けとめて、理事長には、下水道事業団は、捜査当局に対して積極的に協力をしてその真相を明らかにするように努力し、協力をしてもらいたいということを申し上げております。 したがって、現在は、公取がお話しになりましたように、司直の手にかかっておりますので、その真偽はいずれ明確になってくるだろうと思います。そのまま、このような状況は疑いがあるということだけで処理、処断をするということについては問題があろうかと思いますので、捜査当局の状況の推移を眺めて、その結果を見て結論を出したい、厳正な処分をしたい、こういうふうに思っております。
○中島(武)委員 今大臣のお話を聞いておりますと、下水道事業団それから担当者などについてどうなのかということについての報告を求められた、まあいわば事情を聴取をされたわけなんですね。 私は、今の話で疑問を持つのです。なぜ建設省は事業団に対して調査に入らないのか。事情を聞くだけじゃなくて、みずからその調査にどうして入らないのかなということについて私は疑問を感じるわけです。なぜならば、日本下水道事業団というのは建設省の認可団体です。そして、日本下水道事業団法の四十二条によりますと、建設大臣の監督権限がある、それから命令もできます。また、四十三条では立入検査ができる規定もあります。何で立入検査をみずからおやりにならないのかということであります。しかも、もしこの談合に直接事業団が関与している、積極的に関与しているということになるならば、これは非常に重大な問題でしょう。なぜ大臣の権限を発動されないのか。みずから飛び込んで調査をするべきじゃないか、私はこう思うのです。 それで、私も調べてみたのです。そうしましたら、事業団の職員のうちの十数%が建設省出身者ですね。それから、理事長、今理事長いろいろ答弁なさっているけれども、理事長もそれから副理事長も建設省の出身ですね。それから、常勤理事五人のうち二人が建設省の出身ですね。ですから、大事な幹部はみんなこれは建設省出身者で占めているのです。だから、痛くない腹を探ることになるかどうかわかりませんけれども、痛い腹を探ることになるか、これはわかりませんが、これは私は率直に言って遠慮があったのではないかなという気がするのです。大臣は権限がある。あるにもかかわらず行使しない。なぜかといったら、調べてみた結果は私が今申し上げたとおりなんです。 やはりみずからが自浄能力を発揮するということが非常に大事なんじゃないかと思うのですね。ここが非常に大事だと思うのです。もうゼネコン事件以来、みずから飛び込んで全部調査をやればいいんです。やらないんですね。それで、司直の手に任せているとか、すぐこんなことを言っちゃって、これに協力するように、これじゃだめだ。みずからただす、この姿勢が必要なんじゃないかと私は思うのですね。そういう点で、もう一度ひとつ大臣の答弁を願いたいと思います。
○野坂国務大臣 中島さんの御意見、一見識だというふうに思っております。重く受けとめなければならぬ点も多々あると思っております。 公益法人である、認可法人であるこの下水道事業団、その最高責任者に対してそのことを要請をし、調査委員会を設置して十七回にわたる調査を行った結果、事実が出ない。それならば建設省として独自で調査をしたらどうか。それは下水道事業団を私は信用しないということになりますね、裏を返せば。したがって、疑惑があるから調査をするということは一見識だというふうに重く受けとめなきゃならぬと思っておりますが、現在告発をされて司直の手に渡ったという段階では、それに最大限協力をして事実の判明を急ぐということの方が建設省としてはやるべき行為ではなかろうか、こういうふうに考えて全面協力をしてほしい。 そのかわりに、罰しないけれども、改善策としては、下水道事業団の理事長がおっしゃったように、また私が広野さんに答えたように、そういう改善策をやり、事業者に対しては厳罰といいますか指名競争入札の指名は停止をするというような処罰をしておいて、これからの検察の動きを見て決めたい。 ただ、それでは手ぬるいじゃないか、足の裏を靴の上からかいておるのかというような厳しい意見でございますが、それらについては、現段階としては検察当局の捜査を見守ってそれに協力をするというのが現在の私の心境であり、行動としてはそれ以外にないではなかろうか、こういうふうに思っております。
○中島(武)委員 今はもう既に告発をされて司直の手に渡ったから、そういうふうにも聞こえるのです、大臣の発言は。だったら、なぜその前にみずから飛び込んで権限を発揮して調査をされなかったのかという問題が残るのですよ。その点については一体どうなのかということ、これが一つ。 それからもう一つは、司直の手に渡ったからといって調査をやらなくていいものじゃないのです。そのときでも私はみずからやるべきだという主張ですけれども、もう一つその手前のものを聞いておきます。それじゃ、なぜ司直の手に渡る前にやらなかったのですか。一つの見識だくらいじゃだめですよ。
○野坂国務大臣 そういう考え方もあろうと思っております。 ただ、私は先ほども広野委員にお答えしましたように、建設省の職員や外郭団体の職員を疑惑の目で見ておるということはありません。信頼をしております。信頼をしなければ業務は効率や能率が上がってこないというふうな考え方からであります。したがって、そこの長である理事長に対してそのことを命令し、指示をし、そしてその結論が出ないから、おまえはよけておれ、おれがやるという格好でやって、何も、御本人等は理事長にも糾明をされて絶対事実はないと、公取では一体どうなったんだ、三人も呼ばれたそうだがどうなんだ、こういうふうに聞いても、三人ともそういう事実はありません、こういうふうに言っておられるわけでありますから、それ以上のことはでき得ないなというふうに私が判断をしたということでありまして、いろいろな御意見ということについては、今後の問題として重く受けとめておかなければならぬと思っております。 今は司直の手でありますから、その方が二十四時間でも四十八時間でも拘束をしてどんどん詰めができるわけでありますけれども、建設省としては検察権を持っておりませんので、そこまではなかなか容易ではないというふうに思っておるわけでございます。
○中島(武)委員 ちょっと私は時間が厳しくなってきたものですから、次の問題をはしょって公正取引委員会に伺いますから、あるいは幾つかのことをお尋ねいたしますから、お答えいただきたいと思うのです。 公正取引委員会に元公正取引委員で宮代力さんという人がいましたか。何年まで委員を務めておられましたか。この人はもともと高松及び釧路の検事正を務め、公正取引委員になった人であります。委員辞任後弁護士となって、今回の下水道談合の被告発会社の一つである富士電機の代理人を務めていたのではありませんか。そして、この人は公正取引委員会の審査部長、調査課長とたびたび会っていたのではありませんか。 実は、ある人が公正取引委員会の組織係長と広報担当に確認しましたが、確かに会っている、こういう返事が返ってきております。そこで情報を得ていたんじゃないかというふうに思われるのですけれども、どうなのか。 この宮代さんという人は、メーカー各社の代理人の実質的な中心的役割を果たしておりました。しかも、この人は、業務用ラップ事件では三菱樹脂、埼玉土曜会事件では清水建設、大型電光掲示板事件では松下電器の代理人を務めておりました。いわば告発をしようと審査している当事者の代理人と公然と公取の幹部が会う、私はこのこと自身が問題ではないかと思います。この点について、はっきりした答弁と、そしてまた調査を要求したいと思うのです。 さらにもう一つ、やはりこういう検事上がりの人を、公取の枠を設定して入れるということについて一体どうなのかということについてお尋ねしたい。 以上です。
○楢崎説明員 御説明いたします。 先生御指摘の宮代元委員でございますけれども、正確な日時はちょっと承知しておりませんけれども、たしか昭和六十年から平成二年八月まで公取の委員をされていたというふうに記憶してございます。 宮代元委員と私ども公正取引委員会あるいは審査部の人間と接触していたという御指摘でございますけれども、私まだ詳細存じておりませんけれども、仮にそういうふうな接触があったとしても、審査の内容あるいは公正取引委員会における事件審査の状況あるいはどういうふうな処理になるかにつきまして、審査中の事柄について詳細に漏らす、情報を与えるということはあり得ないことでございます。 ただ、宮代元委員がどのような事件につきまして、代理人、弁護士として接触している過程で、審査の状況については、関係者の弁護士なりなさっているわけですから、そういった審査の流れというものは知り得る立場にいらっしゃる、弁護士とか代理人というふうな形で活動していらっしゃるとすればそういうふうなことはあり得ることだなというふうに一般論としては言えるのではないかなとは思いますけれども。
○中島(武)委員 もう時間がないからきょうはこれでやめざるを得ないのですけれども、私はこういう点は公明正大に、どこから聞かれても絶対大丈夫、こういうふうにしなげればうそだと思うのです。公正取引委員会自身が疑われるというふうなことになったら、私は本当に事は重大だと思うのですよ。 私は、きちっとした調査に基づいて今のことを発言いたしております。ぜひひとつ、お帰りになったらはっきりと調査をしてください。このことを要求して私の質問を終わります。
○遠藤委員長 次に、大矢卓史君。
○大矢委員 民主新党クラブの大矢卓史でございます。 同僚議員の質問がございまして、下水道の問題につきましてはできるだけ重複を避けながら質問をさせていただきたいと思います。私ども十分という限られた時間でございますので、答弁者にも御協力をお願いいたしたいと思います。 先ほどから大臣の今の見解というものはお聞きいたしてまいりました。そこで、このたび大蔵大臣が大蔵省の官僚に対する処分をお決めになりました。このことについての大臣の御見解をまず承りたいと思います。
○野坂国務大臣 大蔵省における二つの信用組合の関連する問題であろうと思っておりますが、次長の中島さんや田谷税関長のことか、こういうふうに理解しておりますし、一連の処分について重いか軽いかというようなことについては、大蔵省当局の問題でございますし、大蔵大臣が審査をされ、調査をされ、聞き取りをやられた結果、決断をされたことでございますから、私からのコメントは差し控えなければならぬ、こういうふうに思っております。
○大矢委員 先ほどから言われておりますように、すべての結論が出なければ大臣としての見解は言えないということでございますので、大蔵省との違いというものをまず大臣にお伺いいたしましたけれども、これまた大蔵省は大蔵省だということであります。 そこで、昨年からこの事件の内容が報道される前に既にその動きは御存じだったと思いますけれども、建設省として、官房長なり都市局長はどういう調査をされましたか。
○近藤(茂)政府委員 昨年の九月に新聞報道で、日本下水道事業団発注の電気設備工事に関しまして、いわゆる官製談合という言葉で報道されました。その時点で、直ちに建設大臣は日本下水道事業団の理事長を呼ばれまして、調査委員会そして業務適正化委員会、この二つの委員会を設置することを指示されました。そして、調査委員会において調査の結果を報告するようにということを指示されたわけでございます。その後、調査委員会の報告を大臣に報告されたわけでございますが、既に事業団の職員を去っておられた方も含めまして、関係者に対して委員会として事情を聴取された結果を大臣に報告されたわけでございますが、そういった事実は確認できなかったということでございました。 その後、新聞報道でいろいろ報道されたわけでございますが、大体、シェアを示すとか、あるいは予算価格を示すとか、あるいは天の声を出すとか、あるいはまた、委託者である公共団体から要請を受けてそれを企業側に伝える、こういった、大きくこの四つの類型に分けられる新聞報道がされるたびごとに、大臣、私ども、事業団の方から調査の報告を受けたわけでございます。それぞれの段階において関与の事実が確認できなかった。 この三月六日に公正取引委員会は企業に対して刑事告発をしたわけでございますが、その前段階において、情報が入った段階で大臣は再度理事長をお呼びされた。そして、そこでも確認できなかった。それに対して大臣は、捜査協力に対して今後最大限努力するように指示をすると同時に、今後の問題として、電気設備工事の発注に関しまして、競争性、透明性を高めるための具体的な改善措置を指示した。これが今までの対応の概要でございます。
○大矢委員 これはもう大臣から御答弁があったことで、建設省としては何もやっておらないということだと思います。 そこで、新聞報道によりますと、検察の方で事業団並びに事業団の幹部宅を家宅捜索されたということですけれども、どことどこでございますか。
○中本参考人 お答えいたします。 私どもの元、前、現工務部次長宅でございます。その三者でございます。
○大矢委員 下水道事業団もされましたか。
○中本参考人 下水道事業団においてもされました。
○大矢委員 そこで、談合の事実があるなしにかかわらず、何か処分をしたということが報じられましたけれども、どういう処分をされましたか。
○中本参考人 職員に対する処分のお話かと思いますけれども、まだこれから捜査が進む段階でございますから、それを待たないと、非常に貴重な技術者でございますから、私どものところはそれを待っていろいろ考えたい、そういうことでございます。
○大矢委員 業者処分の問題です。
○中本参考人 業者処分につきましては、九社に対して指名停止六カ月をかけたわけでございます。
○大矢委員 先ほどの家宅捜査を受けられましたのは、現在の、横浜市から出向しておられます岩崎美行さん、そして、その前任者でございます、これも横浜市から出向してこられました西川富一さん、そして、その前の、東京都から出向してまいりました岩崎臣良さん、この三者がやられたということでございます。そして指名停止が行われた。 今までの発注状況から申しますと、社団法人日本下水道施設業協会、これに正会員として加盟しているところ、九社がほとんどの仕事をしておられた。そして、それ以外に賛助会員というものが、ここで三社なり、またそれ以外で一社という形で、一〇〇%の仕事をしておられた。そういうところしか技術的にはないんだと言われましたけれども、ここがもしなくなりましたときに、大臣おっしゃっておられたように、非常に幅を広げるんだということですけれども、従来、ここしかできないということで、この仕事をしている人たちがすべて、厳重な審査のもとに団体をつくって、そこしか仕事ができないような、そういうことのシステムそのものがやはり談合につながることだと思います。そういうことで、その問題が全然、今まで言っておった説明が大うそであるということがまずわかりますし、ここにも一つ問題があろうと思うのです。 そこで、この下水道事業というものはこれから大いに伸ばしていかなければならぬことであって、下水道事業、思われることは、中本理事長さん、これは余人にかえがたいほど努力してまいられました。広島大学を出られて、そして五十六年の六月に公共下水道課長をされて、そして、下水道のトップでございます、五十九年の六月に下水道部長をされて、そして六十三年の六月に下水道事業団の理事をされたとき、たまたまそのときに、既に一つのシステムがあったろうと思うのです。そして、あなたがいろいろなことを考えて、人の三倍も努力をして働いて下水道のトップにつかれたということについては、私は非常に敬意を表しておりますし、また、下水道事業団に行かれましても大変な努力をされたということもお聞きをいたしております。 そして、このときの理事が工務担当の理事ということで、これら家宅捜査を受けられました三人の方、この方々は、たまたま出向して、その窓口として交渉に当たっておられたということで、これは自分だけの判断でできる仕事ではございませんので、やはり一つの、俗に言われておりますシェアを決めたという、七五%、このことにつきましても、あなたが就任をして、そしてあなたがやられる時期に合っておるわけであります。 そして、それからいろいろなことがあり、この副理事長職務を、これを決定するところでありますので、本来でございますと理事長さんというものはこういうものに関与しないものでありますけれども、引き続いて、あなたは六年の四月から理事長さんということで、これまた全般を仕切ってこられた。それだけの情熱を持ってやってこられたことはわかります、非常に努力をされたこともわかります。 しかし、あなたの意図とは違って、違う方向にこの事件が発展をしてしまった。非常にその中心的な役割を果たしたのがあなただと、新聞報道等ではあなただということを言われているわけです。その人に大臣は相談をして、そしてその結果が、皆さんがノーだと言っておると。事業団も家宅捜査をされ、そして三人の、私から言わせますと非常に気の毒な三人の電気担当のそういう方々が家宅捜索までされた。そして、これから強制捜査を受けられる立場にあられるわけであります。 しかし、この問題がただ単に業界の、業界に言わせますと、これは官製で決められたそのシェアの中で割り当てられたもの、これをただそのとおりにやっていっただけだというふうに言っておるようでありますけれども、それは、やはり報道なりすべてのものを動員してその真実をつかみながら、やはりこれから下水道事業を伸ばしていかなければならぬ、そういう大きな使命を持っておる建設省でありますし、また下水道事業団であると思います。その点について、時間が参りまして非常に申しわけないのですが、理事長並びに大臣から再度、私の申しましたことも含めてお答えがございましたらお願いいたしたいと思います。
○中本参考人 先生のおっしゃる点、もっともな点がございますけれども、ただ申し上げておきたいのは、先ほど施設業協会のお話が出ましたけれども、私どもは常に、Aクラスというのは十四社ございまして、これらを組み合わせながら指名しておるわけでございまして、決して施設業協会に入っておるからそこが非常にとったとかということではございませんことを一言申し上げておきます。 それから、私の経歴、先生おっしゃったように、これはそのとおりでございますけれども、例えば副理事長というのは契約職でございます、指名委員会の委員長でございますから、これがこのような問題にかかわるというのはまず考えられない。 それから、さらにこのシェアの問題も出されましたけれども、事業団にとってこのシェアというのはどのような有利性があるかということを考えますと、このシェアというものを事業団が出すということは考えられないということでございまして、この点は先生ひとつ御理解のほどをお願いしたいと思うわけでございます。 その他の点につきましては先生のおっしゃるとおりでございますが、その三点については先生御理解願いたいと思います。
○野坂国務大臣 お話がありましたように、現在、下水道の普及率というのは四九%でありまして、お話がございましたように、中本理事長の手腕、力量によって受注するところが非常に多くなってきた、その功績は認めるということでございました。私どもも、そういう効率を上げられたことについては非常に評価をしておりますけれども、今回の問題については極めて重大と受けとめ、信頼をして調査委員会をつくり、十七回にもわたっていろいろと議論をし、そして、お話がありましたように、お三人の皆さんにも直接お話しになっておるという事態も承知をしておるわけでございますから、現在の段階では検察当局にお任せをする、公正取引委員会も、担当者が関与する疑いというふうにおっしゃっておりますので、それらについても相当の名前その他が挙がっておればまた別でありますけれども、そういう疑いがあるということでございますので、したがって、検察当局に積極的に、最大限協力をして、一日も早く真相を解明し、国民の前に明らかにしながら厳正に対応していかなければならぬ、そういう決意をいたしております。 先生がお話になったり、中島先生や広野先生からもお話がございましたが、九月から今日までの対応の措置は手ぬるいというおしかりもちょうだいしておりますが、私どもも、信頼をしておるという前提に立っておりますので、それらの点については十分重く意見を受けとめて、今後の参考にしなければならぬというふうに考えております。
○大矢委員 もう時間が来てしまいましたので、申しわけございませんが、最後に私申し上げたいのは、事業団の中に調査委員会を持つのでなしに、建設省の中にやはりこれはこれなりに独自に持っていただきたい。そして、大蔵省が法に触れなくとも処分をといいますかそういうものをしたように、やはり建設省は建設省として、これから頑張っていく事業団の職員の皆さん、そして建設省の皆さん方に対してもこれは明らかにして、やはり処分をするべきはすると。裁判の結論を待ってするのでなしに、やはり建設省の中でそういうものを持ってやってもらいたいということを申し上げて、終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。
○遠藤委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 ―――――――――――――
○遠藤委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 河川法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○遠藤委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 この際、建設大臣から発言を求められておりますので、これを許します。建設大臣野坂浩賢君。
○野坂国務大臣 河川法の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって可決されましたことを深く感謝、お礼を申し上げます。 審議中における委員各位の御高見につきましては、今後その趣旨を生かすよう努めてまいる所存でございます。 ここに、委員長を初め委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意をあらわし、ごあいさつといたします。ありがとうございました。(拍手)
○遠藤委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○遠藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕 ――――◇―――――
○遠藤委員長 次に、内閣提出、参議院送付、宅地建物取引業法の一部を改正する法律案及び都市緑地保全法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。 順次趣旨の説明を聴取いたします。建設大臣野坂浩賢君。 ――――――――――――― 宅地建物取引業法の一部を改正する法律案 都市緑地保全法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 ―――――――――――――
○野坂国務大臣 ただいま議題となりました宅地建物取引業法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 我が国の不動産取引市場は、近年のいわゆるバブル経済において見られたように、その閉鎖性や不透明性を今なお十分には払拭し切れていない状況にあります。こうした問題を解決をし、消費者利益の増進を図るためには、取引関係者が多数の物件情報を共有することにより、最適の取引相手を迅速に見出せる場を整備し、その場を通じた取引の拡大等を図ることが必要かつ緊急の課題となっております。 また、最近における不動産取引の実情等にかんがみ、宅地建物取引業者等の適正な業務を確保する措置の充実が求められている一方、宅地建物取引業に係る各種規制については、その簡素合理化を図るという今日的課題に対応する必要があります。 この法律案は、このような状況にかんがみ、媒介契約制度の改正及び指定流通機構制度の整備を行うとともに、業務に係る禁止事項等の追加、契約成立前に説明すべき事項の充実・合理化等を図るほか、免許の有効期間の延長等所要の措置を講じようとするものであります。 次に、その要旨を御説明申し上げます。 第一に、専任媒介契約を締結した宅地建物取引業者は、契約の相手方を探索するため、当該契約の目的物である宅地または建物につき、一定の事項を指定流通機構に登録しなければならないこととしております。 第二に、指定流通機構の指定は、登録業務を適正かつ確実に行うことができると認められる公益法人であること、その他一定の要件を備える者について行うものとするとともに、その業務の適正な遂行を確保するため、所要の監督規定を整備することとしております。 第三に、宅地建物取引業者等の業務に関する禁止事項として宅地建物取引業に係る契約の締結をさせ、または解除等を妨げるため、相手方を威迫する行為等を追加することとしております。 第四に、契約成立前に説明すべき事項の充実及び合理化を図るため、法令に基づく制限に関する事項等一定の事項について、契約内容の別に応じて政令または省令で定めることができるようにすることとしております。 第五に、宅地建物取引業の規制の簡素合理化等を行うこととし、免許の有効期間を三年から五年に延長するとともに、一定の届け出事項の廃止等を行うこととしております。 その他、これらの改正に関連して罰則規定の整備等所要の改正を行うこととしております。 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようにお願いを申し上げます。 次に、ただいま議題となりました都市緑地保全法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 緑豊かで美しい町づくりを推進し、安全で良好な都市環境を形成するためには、都市における緑とオープンスペースを確保することが極めて重要であります。 このため、従来から、都市公園の計画的な整備、緑地保全地区の指定等による緑地の保全、公共施設の緑化等により、緑とオープンスペースの整備及び確保を図ってきたところでありますが、今後は、住民等の発意に基づく都市の緑の確保に対する取り組みについても、これを積極的に支援していくことが効果的であります。 この法律案は、このような状況にかんがみ、土地の所有者と地方公共団体等との契約に基づく市民緑地制度を創設するとともに、都市における緑地の保全及び緑化の推進を目的として設立された公益法人を緑地管理機構として指定する制度の整備、緑化協定制度の拡充等所要の措置を講じようとするものであります。 次に、その要旨を御説明申し上げます。 第一に、地方公共団体等は、良好な都市環境を確保するため、土地の所有者からの申し出に基づき、当該土地の所有者と契約を締結し、当該土地に住民の利用に供する市民緑地を設置し、管理することができることとし、緑地保全地区等における行為制限の特例を設けることとしております。 第二に、都市における緑地の保全及び緑化の推進を図ることを目的として設立された民法第三十四条の法人で、都道府県知事が緑地管理機構として指定したものは、市民緑地の設置及び管理、緑地保全地区内の緑地の買い入れ等の業務を行うことができることとしております。 第三に、住民の合意による緑地の保全を促進するため、緑化協定制度を拡充し、緑地の保全を図るための事項を協定に定めることができることとしております。 その他、これらに関連いたしまして、関係規定の整備を行うこととしております。 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決賜りますようにお願いを申し上げます。 以上であります。
○遠藤委員長 これにて両案の趣旨の説明は終わりました。 午後二時より委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十一時四十九分休憩 ――――◇――――― 午後二時二分開議
○遠藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 建設行政の基本施策に関する件及び国土行政の基本施策に関する件、特に震災問題を中心として調査を進めます。 本日は、参考人として京都大学工学部教授土岐憲三君、東京大学生産技術研究所教授岡田恒男君、慶應義塾大学大学院教授伊藤滋君、以上三名の方々に御出席をいただいております。 この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。 本日は、御多用中のところ本委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。 阪神・淡路の震災問題につきましては、本委員会におきましても、被害に対する救済並びに今後の復興について活発な審議を行っているところであります。震災問題における当委員会の使命は、一方では、生活道路等の公共施設の復旧や仮設住宅を初めとする市民生活の安定を確保することであり、他方、将来においては、災害に強い都市の建設であります。 こうした見地から、本日、都市計画、建築、耐震工学の分野で著名な先生方の意見を拝聴いたしますことは、当委員会にとってまことに有意義なことであります。先生方におかれましては、何とぞ忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。 なお、議事の順序でございますが、まず、各参考人からそれぞれ二十分程度御意見をお述べいただき、次に、委員からの質疑に対してお答えをいただきたいと存じます。御発言は着席のままで結構でございます。 それでは、上岐参考人にお願いをいたします。
○土岐参考人 御紹介いただきました土岐でございます。 このたびの地震に際しましては、五千四百余名の方々のとうとい命を失ったことはまことに痛切の思いがいたしておりますし、また、多くの構造物や施設が損傷や損壊を受けまして、社会経済的な面からも多大の被害、損失を受けるに至りましたことは、その分野にかかわりを持つ者の一人といたしまして、まことに残念であり、かつ申しわけないという思いをいたしております。 私自身は、地震工学あるいは耐震工学と呼ばれる分野を専攻してまいりましたが、ここしばらくは、地震に限りませず、もう少し広く災害一般を、どうすれば軽減できるであろうかとか、あるいは、一九九〇年からは国際防災の十年というのが始まっておりますが、そういうものが始まる前から、これをどういうふうにすれば国際的な場で推進できるであろうかというようなことにかかわりを持ってまいりました。そういう立場の者からいたしまして、今回の地震がどういうことであったのかということを、これから四つの点に焦点を絞りまして意見を申し述べさせていただきたいと思います。 まず第一点は、何が今回の地震をしてこういう大きな災害とならしめたかということであります。 この問題につきましては、いろいろな分野の方々あるいはいろいろな方々が、さまざまな観点からお考えになり、あるいは議論を展開しておられるわけでありますが、私が考えますには、これは、戦後五十年の間、非常に大きな都市というものが次々と発展をし、かつ既にあった都市が変貌を遂げたわけでございますが、その都市化の過程において地震の洗礼を受けなかった、地震によってそういう都市がどういう欠陥を持つのか、こういう複雑な大都会になりますと必ずやいろいろな弱点を持っておるわけでありますが、特に地震に対してどういう弱点を持っておるかということが露呈をするチャンスが全くなかったということが、こういう事態になった大きな理由の一つであろうと思います。 一九四八年に福井で地震がございました。これはまさしく福井という都市を襲った地震ではありましたが、戦後まだ三年しかたっていない、皆さんがそれぞれ自分のことにかまけていた時分でありまして、そこから何を学び、都市というものを考える場合に地震との関連においてどうしなければいけないかというようなことを反省をするよすがに、とてもなり得たものではなかったと思います。 ところが一方、風水害というのは日本でもまたもう一つの大災害でありますが、この場合には、今でもそうでありますが、一年に何回かは台風が国土を襲います。三回、四回は上陸いたします。戦後ももちろん同じことでありまして、毎年のようにジェーン台風だとかカスリン台風だとかいろいろな名前のついた台風が来るたびに、何千人もの命が失われました。しかしながら、その場合には、毎年のことでありますがゆえに、我が国土のどこにどういう欠陥があるかということを学習をし、また手当てをする、さらに強いものにするという機会がいわば与えられたわけであります。 食べるものを十分に食べない状態ででも、我が国は治山治水と申しますか、そういうことに先人たちは鋭意努力をしてきたわけでありまして、当時は国家予算の多分一〇%以上を使っていたと思います。今でも四、五%は災害対策、治山治水も含めてでありますが、使っているはずであります。こんな国は世界じゅうにどこにもないはずであります。そういう努力が実りまして、昭和三十四年の伊勢湾台風、これは四千八百名余りの命が失われたわけでありますが、それ以後、風水害による人命というのは極端に失われることが少なくなりました。 ところが、翻って地震の話になりますと、先ほど申し上げましたように、福井地震、昭和二十三年以来五十年間なかったわけです。新潟地震というのはありました、一九六四年です。しかしながら、これは海岸から三十キロほども離れた日本海で起こった地震でありました。一九七八年の宮城県沖地震で仙台及びその周辺がいろいろな被害を受けました。これも七十キロ、八十キロ遠くで起こった地震でありまして、都市の直下で起こった地震ではございません。あるいは、マグニチュードその地震が直下で起こったこともあります。それは長野県の西部の地震でありましたが、これは幸いにも山岳地帯等でございました。 そういう意味で、申し述べましたように都市が、大都会が直下の地震に襲われるという経験が全くなかったことがこういう大きな被害に至った一つのというか、私にとってみれば最大の理由ではなかったかと考えております。 したがいまして、これほどの地震の大被害という経験はめったにないことでありますからして、私どもは今度の経験は決して一過性のものとしてはいげないわけでありまして、国としては当然のことながら、さらにはいろいろな自治体あるいは企業その他の団体、ひいては一人一人の個人のレベルでも、この地震から自分たちが何を学ぶべきか、そして次の備えはいかにあるべきかということをいろいろと考えるべきであるし、そのための大変いい機会ではなかったかというふうに思っております。 第二番目の問題は、直下型の地震という問題であります。 この直下型地震というのは、実は科学的な表現ではありませんでして、地震には直下型という形はございません。しかしながら、一般にそういう言い方をした方が話が通じやすいものですから、きょうはそういう言い方をさせていただきますが、この直下型の地震というのは、これも最近言われます内陸にあります活断層が動くことによって生ずる地震で、より浅い地震であるというふうに言えるかと思います。マグニチュードという言葉はもはや皆さんおなじみだと思いますが、マグニチュードも七前後の地震というのが直下型の地震では多うございます。 それに対するものとしては、海洋で起こるような地震でありまして、三陸沖だとか房総半島、さらには東海沖、さらに南海道、こういったあたりでプレートが日本列島の下に沈むところで起こる地震だということは既によく御承知のとおりでありますが、この辺の地震は一けた大きくて、マグニチュードが八ぐらいの地震であります。 それで、私どもがこれまで構造物や施設の設計をする、耐震的な配慮をするという場合に一体どうしてきたかと申しますと、結論から申しますと、この直下型に対する地震というものは余り配慮をされていなかったと申し上げるべきであろうと思います。 それは理由がございます。先ほど申し上げました海洋型の地震というのは、一つの場所に注目をしてみましても、七十年、百年、百二十年というくらいのサイクルで起こることが大体わかっております。人の今から見ましてももちろん長うございますが、長くて二回分の人生ぐらいのものです。ところが、直下型の地震というのは、先ほど申しましたように活断層が引き起こすわけでありますが、これは、一つの断層に注目をしますと、五百年とか五千年に一回しか起こらないというわけなんです。 ところで、私どもが物をつくるというときには、百年、二百年ぐらい使おうかというスパンで物事を考えます。五百年、千年という形では到底考えることはございません。そうなりますと、五十年、百年、二百年ということになりますと、内陸で起こる、活断層による直下型の地震というのは余りにも可能性が低いということになります。いろいろな確率計算をするわけでありますが、そういう算術をいたしますと、計算をいたしますと、そちらの方はかすんでしまうわけであります。結果的には海洋で起こるようなマグニチュード八ぐらいの地震ということになってまいります。それだけだとは決して申しません。もちろん、直下で起こる地震に対しても安全であるかどうかということを検討はいたしますが、問題は直下ということであります。 地震の影響の強さというのは、大ざっぱな話としまして、距離の二乗に反比例すると言ってもいいと思います。したがって、例えば距離が半分になれば強さは四倍になると考えなければいけないわけでありますが、直下の地震ということは、都市の直下ということはもう距離がほとんどないということでございますから、極めて強い地震になるということであります。 したがって、直下の地震を考えましても、これも後で申し述べますが、断層のすぐそばでの地動などというのはこれまで余り私どもに知られていないわけです。観測ということが余り行われていないわけでありまして、よくわからないから、どうしてももう少しわかったところのものについて配慮するということになってしまいます。そういういろいろな理由があるわけでありまして、なかなか内陸の直下の地震というものに対しての配慮というのが少のうございました。 例えば、今度の神戸の地震で地域の防災計画をつくるときに、ああいう六甲山のふもとにたくさんの活断層があるにもかかわらず、なぜそれを考慮しなかったのだと言って後で責めることは非常に簡単でしょう。しかしながら、神戸で、じゃ一体どういう活断層が、どういう直下地震が過去に起こったかということを調べてみますと、一九一六年にマグニチュード六の地震が一回起こっております。死者は一名であります。 それから、ずっと日本の地震の歴史をさかのぼってまいりますと、神戸の付近で大きな地震が起こっておりますのは、西暦八百四、五十年ごろであります。約千二百年前であります。その当時の記述ですから今日のような科学的な計測はありませんが、換算をしてみますとマグニチュードが七を超えていたということですから、今回の地震程度かもしれません。そういうものが千二百年前にしか起こっていないわけです。千二百年起こらなかったものを、今対策を立てようというときに、地震防災計画をつくろうというときに、考えたさいといったってそれはなかなか、千二百年なかったのだからまあ来年もないのじゃないかとだれしも思いたくなるのじゃないかと私は思うわけです。 かといいまして、私はそれでいいと言っているのじゃなくて、こういう経験をしたからには、今回のような経験をしたからには、やはり私どももこれからこれまでの考えは少し改めなければならないかもしれない。 申し上げたいのは、五百年間起こらないかもしれないけれども、一たん起こりますと何千人の命が失われるような、あるいは大変な経済損失を伴うような災害が起こるという事例を知ったからには、やはりこれは、これまでよりはもう少しそういう地震に対する配慮を深めなければいけないのではないか。かと申しましても、どんな活断層がどんな動き方をしたって絶対に被害が起こらないようなことをするなんということは、これはできっこありません。しかしながら、これまでとは少し違って、もう少しそういう地震に対する配慮というものを考えなければいけないのではないかと考えております。 第三番目の問題でありますが、今度は再発防止に対してどうするかということであります。災害の再発でありまして、もちろん地震の再発ではございません。 先ほども申しましたように、私どもは、過去五十年間大変静かな、地震学的に言って静穏な、極めて恵まれた五十年間でありました。こういうことは過去の歴史にも繰り返し起こっていることのようでありまして、地震学の専門家に言わせしめますと、東南海あるいは南海道あたりでマグニチュード八ぐらいの大地震が起こるときには、その前後数十年の間にマグニチュード七くらいの、今回の地震程度のものが何回か起こっておる。 例えば、一九四四年の東南海、それから一九四六年の南海道地震、立て続けにマグニチュード八で起こりましたが、その二年後には先ほど申しました福井地震が起こりました。一九四三年には鳥取地震がありましたし、二七年には北丹後の地震というのがありまして、これも三千人近い生命が失われております。こういうことが繰り返し日本では起こっているということだそうであります。 そして、先ほど申しました一九四四年、四六年の大地震はどうもエネルギーを全部吐き出してはいないようである、そして、百年、百二十年を待たずして、七、八十年で南海道あたりで地震が起こりそうだということを地震学者は申します。ということは、残りあと二、三十年しかないわけであります。二、三十年の間に今回のような地震が数回起こるという可能性が高いというわけであります。それは、これまでの繰り返しの状況を見るとそうだということであります。となりますと、そう時間があるわけではありません。すなわち、今回の地震でも、地震に対する配慮が十分でないものあるいは古い基準でもってつくられたようなものが多く損傷、被害を受けたわけでありまして、そういうものは我が国のほかの地域にも多々残っております。そういうものをいち早く調べ出して、足らざるものについては補うということを急いでやらなければならないのではないかと私は今考えております。 そういう問題につきましては、ただいま申し上げましたのは関西地方、近畿地方での地震活動との関連でありますが、日本の国の他の地域にも似たようなところがあるのではないか、そこのところは私は詳しくは存じませんが、あるかもしれない。 関西あるいは近畿地方での例を申し上げますと、阪神間の被災があったということで、今度は大阪府です。大阪府が、自分のところの所管のインフラストラクチャーにつきましては全面的にこれを再検討をする、見直しをする、そして地震に対して不十分なものについては幾らお金をかけてもそれを必ず安全なものにしましょうということを一大決心いたしました。そういう準備を始めております。そういう考え方、そういう活動というのが、大阪府のみならず、いろいろなところに広がるであろうことを強く期待しておる次第でございます。 こういう耐震の観点からの補強、見直しというようなことは、実はカリフォルニア州では既に行われました。一つの例として、都市内の高架道路のことを申し上げますと、一九八九年のロマプリータの地震で高速道路が崩壊をしまして、一カ所で六十数名の生命が失われました。これは大変だということで、カリフォルニア州の道路局は管内の高速道路を見直しをし、点検をいたし、そして補強の作業を進めておりました。御存じのように、昨年、すなわち四年半ぐらいでしょうか、経過した後で再び、場所はもっと南ですが、ロサンゼルス近郊で地震が起こりました。このときには、補強をしたところで崩壊したところがわずかに一カ所であった。全部で大きくつかんで六カ所ほどで高速道路が崩壊いたしましたが、対策をしたところは一カ所だけであった。あとは、対策の順番待ちであったとか、あるいはこれは必要ないという判断をしたところで崩壊した例はありますが、対策した例では一カ所しかなかったという例があります。したがって、そういう努力というのは報われるという事例は私どもも知っておるわけであります。そういう努力をこれからしなければいけないのではないかと考えておる次第であります。 最後の問題は、地震観測の重要性ということであります。 これは、今までの三つとはにわかに違ってえらく細かい話のようにお耳に達するかもしれませんが、決してそうではございません。皆様のお手元にこういう赤や黄色や緑の丸のついた地図をお届けしてございますが、これは今度の地震で観測されました地動の最大値でありまして、丸の中に二十七というような数値がありますれば、これにゼロを加えていただければ二百七十という数字になりまして、これがその地点での加速度の最大値をあらわしております。随分たくさんあるではないかとごらんになるかもしれませんが、実はこれは最大値しかわからないもの、あるいは企業なんかが自分のところの目的にかなっためだげの地震計というようなものもありまして、後々の検討や解析というようなものにたえられるのはこの半分ぐらいしかございません。 ところで、一般の方々あるいは皆様方は、私どものような技術にかかわる人間に対して、地震に対して安全なものをつくれと言われます。あるいは、直下型地震に対しても壊れないものをつくれとおっしゃいますのでは、直下型地震というものが一体どういうものなのか、直下型地震のときに土地がどういうふうに揺れるかということを私どもが知っているかと申しますと、知らないんです。そんな記録はないんです、今まで。私どもの手元にないわけです。断層のすぐ近くで、一キロも行かないところで、すぐそばでどういうふうに土地が動くかなどという記録は、今まで日本ではとれていないんです。 そういう地震が土地を動かし、物を壊すわけですから、その大もとのことを知らずして安全にせよといったって、それはなかなか難しい話なんです。人の顔を教えないでおいて人を探してこいと言っているのと同じようなことです。したがって、私どもが今までやってきていることは、目をつむって顔をなでて、こういう人かなということをやっているぐらいの話です。したがって、地震の観測ということは、やはり科学的な研究、検討、技術を高めるという問題になりますと、最初のステップなんであります。それがない。 皆様方既にテレビや新聞で御存じのように、今度の地震で震度が七であったというところ、この細長い阪神地域のベルトが即頭に浮かぶと思いますが、ああいう幅広い長いベルトの中で、一体今度の地震できちんとした地震記録が何カ所でとれているとお思いでしょうか。この絵を見ればたくさんありそうに思われるかもしれません。実は一カ所だけなんです。JRの鷹取という駅がございますが、そこでとれた記録が唯一でございます。もちろん、そのベルトから離れた地点ではほかの記録もいろいろとれております。だけれども、皆さん方がおっしゃる、私嫌いですから余り言わないんですが、震度七という地帯でとれた地震の記録は一カ所なんです。それほど地震の観測ということはお粗末なんです。 先ほども申しましたロマプリータの地震の際には、失礼、ノースリッジですね、昨年のロサンゼルス近郊のときには、土地の運動をはかるためだけの地震記録でも百十九地点でとれているわけです。日本でいうと二、三十しかないです。要するに数分の一しかないわけです。そういう状況を私どもは手をこまねいていたわけではございません。 ここから先は、ひょっとしたら自慢話に聞こえたらお許し願いたいんでありますが、私どもは、関西といえども遠からずして大きな地震が来るに違いない、そのときにこういう地震の観測の体制では後世に対して記録も残せない、技術を高めようといったって何もできない、それではならないということで、地域の自治体であるとかあるいは国の皆さん方にも、もっと地震の観測をきちんとやろうではないかということをいろいろ働きかけましたけれども、だれも耳をかしてくれません。しかしながら、必要だという考えだけは採るぐわけもありません。結局どうするかと申しますと、企業の方であるとかあるいは建設関係の会社の方々にお話をして、るる説得をして、その人々からのカンパでもって機械を買っている。そして、私どものネットワークはやっと十カ所に機械を置くことができました。昨年の四月から観測を開始しておりまして、このたびの地震でも記録が得られました。その皆様方のお手元の資料の中に用意させていただきましたけれども、詳しいことはもうやめますが、そういう記録はとれております。 こういう活動は、本来であれば国なり自治体たり、そういうところがやってしかるべきことではないかと私どもは思います。私どもが人様にお願いをして、頭を下げて、そして物もらいのようにしてお金をいただいてやらなげればこういう記録がとれないということは、甚だ恥ずかしいことではないかと私自身は思っておる次第であります。したがって、私どもに安全なものをつくれとおっしゃるからには、私どもにそういう物事を勉強する機械なり道具なりも与えていただきたいということを申し上げたいわけであります。 JRであるとかあるいはガスの会社、電力の会社というようなところも、そういう努力は彼らなりにしております。JRは記録は出してくれませんが、ガスや電力の会社の人々というのは、彼らの費用で賄ったものであっても、技術の発展、研究のためならどうぞ使ってくださいということで使わせてくれますが、国の研究機関はそういうことはさせてくれません。国の費用でそういうものは観測しておっても、そういうものは私どもに提供はしていただけません。もちろん全部ではなくて、出していただけるところもあります、語弊があってはいけませんから申し上げますが。そういう体質というのはいかがなものか。 最初の話に戻りますが、こういうめったにない地震の経験をするということは、そこで得られたものは自分たちだけで抱え込むというようなことではなくて、やはりそれはみんなが全体の財産としてこれからの技術なりなんなりの発展に活用するべきであるし、さらには今後起こるであろう地震に備えましても、その次の世代の技術の発展あるいは物事を明らかにするというためにも、こういう地震の状況を把握するという意味での観測ということはもっと大いに進めなければならないことではないかと私は考えております。 最後は少し理屈っぽい話になって申しわけございませんでした。与えられた時間も超えてしまいましたので、とりあえずここで終わらせていただきまして、また後ほど機会があればお話しさせていただきます。失礼いたしました。(拍手)
○遠藤委員長 貴重な御意見をありがとうございました。 次に、岡田参考人にお願いをいたします。
○岡田参考人 御紹介いただきました東京大学の岡田でございます。 私の現在の心境も、先ほど土岐先生が冒頭にお話しになったことと全く同じでございます。さらに、私は建築の耐震という問題を専門といたしておりますが、今回の阪神・淡路の大震災に際しまして、木造住宅を主とする建物の倒壊並びに火災、この原因により多数の死者を生じたということに関しまして、建築に携わっております関係者の一人といたしまして、これを最も重要に受けとめている次第でございます。今後とも、私どもといたしましては、被災地の支援、復旧、復興はもとよりのこと、そのほかの地域の地震防災に関しましてできるだけの努力をしていきたい、かように考えておりますことを、この場をおかりいたしまして最初に申し上げたいと存じます。 土岐先生から地震工学あるいは防災工学全般についての御説明がございましたので、私は、自分の専門の範囲で、建物についてのお話をさせていただきたいと思います。私のお話は、主として今後建築物の耐震化にとって何が最も急がれているかという点、あるいは少し長期的にどんなことをしなきゃいけないか、こういうことについてお話を申し上げたいと思います。 その前に若干時間をいただきまして、今回の震災でどんな建物がどんなふうに壊れたのかということを簡単にまとめさせていただきたいと思います。 この辺はいろいろ報道されている内容と特に異なったものではございませんし、また、被災いたしました建物の数が大変多うございます。大ざっぱに申しましても、小破も含めますと十六万棟以上の被害だと言われておりますが、何せ多いために、現在もまだ調査、集計というのが行われている最中でございます。それで、数字に関しましては若干大まかな話になりますが、建物の被害を要約すると三点になるのではないかと私は考えております。 第一点は、先ほども申し上げましたように、木造住宅、特に古くなった木造住宅の倒壊でございました。倒壊と、それから大破と申しておりますが、これは多分修繕できないだろうと考えられる程度の被害を合わせますと、少なくともその数は八万棟を超えているのではないか、かように推定されております。 二番目は、その次に被害が大きかったのは、一九八一年に建築基準法施行令の中の耐震基準が改正されておりますが、それ以前につくられたいわゆるビル物と呼ばれております建築物の被害でございます。その中でも、一九七一年にやはり建築基準法施行令が一部改定をされておりますが、それ以前に建てられたものが非常に多く被害を受けているということでございまして、木造住宅の場合と同じように倒壊と大破を合わせますと、少なくともその数は千棟を超えているという状況にございます。 三番目は、一九八一年の建築基準法施行令の中の耐震設計の部分が改正された以降、すなわちいわゆる新耐震設計を採用して以降の建物でございますが、これにつきましては、木造住宅あるいはビル建築も含めまして、前者二つに比べますと被害は大変少ない、かように申し上げていいのではないかと思います。 それで、私どもは、このような状況を受けまして、さて、建築物をこれからつくっていくときに、あるいは被災地の復興に向けてどんな施策が必要であるかということを議論してまいりました。この辺につきまして、私の現在の考えを申し上げたいと思います。 もちろん、最も急がれます施策は、ただいま申し上げましたように被災地の復旧と復興でございます。ただ、それと同時に、土岐先生が先ほどお話しになりましたように、まだかような地震を受けていない場所が日本にはたくさんございます。その辺の地域の対策でございます。その中で、一番急がれますのはこの二点ではないかと私は考えます。 一つは木造住宅の密集している地域の防災対策をいかにするか、二番目は古い耐震基準で建設された既存の建物の対策でございます。これにつきましては、後で申し上げますが、耐震診断とか耐震補強という手段が必要になります。橋梁につきまして土岐先生がアメリカの例をお引きになりましたが、これと相通ずるものでございます。 それで、古い基準でつくられました建物につきましては、いろいろなスタディーがございます。経験もございます。その結果によりますと、これは古い基準で建てられたものが全部危険だということでは決してございません。しかしながら、ある割合で地震に対して危険な建物があるということは、例えば一九六八年に起こりました十勝沖地震あるいは一九七八年に生じました宮城県沖地震などの被害を見ても明らかでございまして、それらから予測されていたことでございました。 これらの教訓を受けまして、一九七〇年代から、既に古い基準で建ててしまった建物の耐震診断、あるいはその結果危険だと判定されてしまったものの耐震補強のやり方の研究が開始されました。それらの成果を受けまして、一九七七年には鉄筋コンクリートの建物につきまして耐震診断基準というのが公表されました。私もこの策定には中心的にかかわってまいりました。引き続きまして、鉄骨造の建物あるいは木造についても同じような努力が払われました。 しかしながら、このような方策は、これは基準と申しましても法的に強制力を持っているものでは決してございません。建築基準法は遡及いたしませんので、あくまで勧告あるいは行政的に指導していただくという形で全国への普及をやっていた最中でございました。しかしながら、残念ではございますが、東海地震対策を行っている静岡県あるいは東京近郊、首都圏と申し上げていいかと思いますが、それらの公共建築には大分普及をしてまいった段階でございます。しかしながら、その他の地域、今回の震災を受けました阪神地域も含めまして、その他の地域並びに建物の中で大多数を占める民間の建築には、ほとんど普及してない状況が続いておりました。 例えば、静岡県におきまして、これは恐らくこの対策が一番進んでいる地方だと思いますが、鉄筋コンクリートの建物を例にとりますと、静岡県の人口は三百七十万ぐらいだと記憶しておりますが、建物が約四万棟ぐらいございます。そのうちの公共建築は一割、四千棟でございます。これらの公共建築につきましては、約十五年をかけて、ほとんどの建物の診断を終わりました。その結果、約一〇%の建物につきましては、つまり危険の程度が高いという公共建築につきましては、建てかえあるいは補強の対策が進んでまいりました。しかしながら、またこれで完璧というわけではございません。静岡県におきましても、一番対策の進んでいると考えられます場所におきましても、八〇%から九〇%を占めます民間建築についてこういうことが行われた例はごくわずかでございます。 今回の例を見ましても、旧基準でつくられました民間建築の被害が非常に大きかったということでございます。それで、ぜひ先生方にもお願いしたいのでございますが、私どもも努力はいたしておりますが、この耐震診断と耐震補強というのを、ぜひ全国に普及すべき施策としてお取り上げいただきたいということでございます。 しかしながら、特に民間建築につきましては、その数が多いこと、それから費用負担をどうするかということがこの施策の進まない非常に大きなネックになっております。この二つにつきまして、すなわち費用負担をどうするか。既に公共的に補助ができないかという議論も沸き上がっております。並びに、耐震診断を実施する技術者の養成の問題がございます。この辺につきましては後でお話し申し上げたいと思いますが、現在、こういう技術者を養成し、かつ全国的に診断のできる機関をつくっていくというネットワークづくりを私どもも進めているところでございます。 以上が、まず急がれる当面の対策というふうに申し上げてよろしいかと思います。 さて、今回の震災を受けた後、それでは現在の建物の耐震基準はどうなんだということが各方面から寄せられております。これにつきましての私の考え並びに今後の施策、対策について、述べさせていただきます。 先ほど述べましたように、現在の耐震設計基準による建物の被害はそんなに多くはございませんでした。その結果を受けますと、現在の基準が大きな地震に対して、これもどの程度の地震かというのが実はクリアでないところが大変弱点ではありますが、そういう大きな地震に対して、ある程度の損傷は許容するが崩壊は防ぐということでやってまいりました。この観点からしますと、この目標は一応今回クリアできたのではないかと私は考えておりまして、現在すぐ大幅な改定を行えと言う必要はないのではないかと申し上げてまいりました。 しかしながら、いろいろ調査が進みますと、数は少のうございますけれども、現在の基準で設計された建物にも被害を生じたものがあるということが判明してまいりました。これらを現在なぜであるかということを調査しているところでございますが、多くの調査をされた方から寄せられている意見では、いわゆるピロティー構造と私ども呼んでおりますけれども、二階以上には壁がたくさん入っている建物でございますが、一階が柱だけで、例えば駐車場になっているというような建物でございまして、こういう建物に被害が出ているという報告が寄せられております。 実は、一九七八年宮域県沖地震が起こりました際に、これは旧基準で建てられた建物ではございますけれども、こういう種類の建物の一階がつぶれるという被害が大分ございました。そのことから、一九八一年の建築基準法施行令の改定に際しましては、こういう構造物に対しましては特別の規定を設けております。耐震性を上げるという規定が設けられました。しかしながら、かような被害が出ているということでございまして、現在、これらの規定を強化することが必要なのかあるいはそうではないのか、ほかの手があるのかということで、詳細な調査を行っているところでございます。 そこで、差し当たりは、こういう特殊な架構の建物につきましては、設計、施工に十分注意して行うというような指導がぜひ緊急に必要なのではないか、かように考えている次第でございます。 それからまた、これは、今回の災害があってもなくても本来守らなげればいけないことでございますけれども、国で定めております耐震基準と申しますのは、最低限守らなければいけない基準を定めているのだと私どもは理解してまいりました。実際の条文を読んでみましても、これ以上にすべし、あるいはこの範囲を超えてはならないとかいうようなことでございますが、残念ながら、その最低基準が設計の目標になるというような事態なきにしもあらずでございます。経済性を考えればさような行為が行われるということもあながち否定できないのかもしれませんが、最低基準が最終目標になっているという事態がなきにしもあらずということを御指摘申し上げたいと思います、残念なことではございますが。 そういう観点から申しますと、私は、現在、次の三原則を守ることをぜひ周知徹底させる必要があるのではないかと考えております。 第一番目は、余裕のある設計を行うこと。言いかえれば、無理のない設計をすること。私ども、できるだけ単純な形の建物が耐震的であるということを常々申しております。二番目は、丁寧な施工を行うことでございます。並びに、綿密な検査をすることであります。三番目は、良好な保全と申しますか、メンテナンスでございます。時間がたては建物は傷んでまいります。それに対する修理、修繕。この三点の励行を、この際ぜひ周知徹底さす必要があるのではないかと考えております。 やや短期の施策に移りたいと思います。 ただいまのは緊急の対策という意味で申し上げましたが、やや短期の対策としては、二つの点を申し上げておきたいと思います。 一つは、例えば静岡県で既に行われているような施策でございますが、特定の地域の地震の危険度がもし高いということがわかったといたしますと、その地域に限り耐震のレベルを高めていくという施策が必要ではないか。その次は、これもやはり同じように一部分では導入されている考えでございますけれども、建物の種類、用途によってランク分けをするという概念の導入が必要ではなかろうかと思います。これは、用途係数あるいは重要度係数という言葉で長年議論されてきたことでございます。 しかしながら、市役所の建物と自分の住宅とどちらが重要であるかということを議論するのは、大変難しい問題でございます。どちらも重要だ、それでは全部高めようかという際限のない議論が二十数年繰り返されてまいりました。その結果、今のところ重要度係数というのを本格的に取り入れるということは、日本では一部分を除き行われておりません。しかしながら、今回の被災地を見ますと、例えば病院が先につぶれてしまった、これは大変なことであるということで、やはりこういう重要度係数あるいは用途係数という概念の議論を早急に始めて、何らかの施策にこれを反映さす必要があるのではないか。この二点を現在考えているところでございます。 特に、この二番目の重要度係数の問題に関しましては、建物は建物、土木構造物は土木構造物あるいは港の施設は港の施設というふうに、それぞれの構造物ごとに閉じた形で議論されたのでは私はだめでなかろうかと思います。きょう御専門の伊藤先生もお見えでございますけれども、都市計画的な見地からマクロにこれを議論し、またこれを一般の国民の皆様方へも周知徹底し、コンセンサスを得て進めていく、こういうプロセスが重要なのではないかと考えております。 このような短期の対策にあわせまして、私は、長期の施策としてやっていかなければいけないというものを最後に申し上げたいと思います。 それは、今回の被害の分析に基づく基礎研究を重ね、耐震基準の新たな改定へと進むプロセスを踏むことではなかろうかと思います。時間がかかるかもしれません。しかしながら、これへ進む必要があろうか。私が考えておりますこの次の改正に向けてのイメージと申しますのは、専門用語で申しますと、性能設計法というものの採用でございます。 現在の耐震設計法の一つの問題点は、耐震基準に従ってでき上がる建物の性能がどのくらいであるのかということを明確に表現できないという点にございます。例えば、現在の耐震基準でつくった建物がどのくらいの地震にもつのだと聞かれましても、正直申しましてはっきりしない部分があります。大まかに申しますと、例えば、新しい基準であれば震度六にある余裕度がついているからと、この程度の表現しかできないわけであります。今回震度その地域におきましても大丈夫だった建物があったということは、この余裕度があるからもったということでございますが、この余裕度というのは、基準の中に入っている余裕度もあります、設計者が考えている余裕度もあります。しかしながら、この余裕度の幅が明確になっていないということであります。 そこで、今回の震災に関しましても、今回くらいの激震に対してはある程度の損傷はやむを得ないだろうという専門家の判断と、まさかこのような被害が出るとは考えてもみなかったという建物に住んでいる住民の期待感に大きな隔離が生じた場合も多々ございました。これは、現在の耐震設計法が残念ながらその耐震性能を十分示すことができていないというためであろうかと考えます。 そこで、私が申し上げております性能表示型耐震設計法と申しますのは、かなり理想の姿ではございますが、こういうふうに設計すればこのくらいの地震にはもつのだ、それから先もっと大きいのが来ると、もしかしたらこの辺が壊れるかもしれないということを明示できるような設計法でございまして、これは国際的にも大変今注目を浴びている分野でございます。既に我が国におきましても、研究者のレベルでは研究が開始されております。それを基準のレベルまで持っていくには、なお相当の防災工学あるいは耐震工学の研究の積み重ねが必要であろうかと思いますけれども、ぜひこの方向で次の世代の新しい耐震設計法を完成させたい、かように考えているわけでございます。 最後にもう一つだけ、その他の急がれる施策の例について申し上げたいと思います。 それは、地震の直後に余震による二次災害の防止を目的として行われております応急危険度判定のための判定士の制度を全国的に普及することであります。 現在、静岡県と神奈川県におきましてはその制度がございます。私も実はお手伝いをしました関係で、静岡県の判定士の資格を持っております。今回の震災に関しましても、国並びに各地の行政とタイアップいたしまして、判定士の方々が活躍いたしました。しかしながら、その数には限りがあるということで、急速講習をいたしまして、全国のボランティア建築士の支援もいただきました。この辺につきまして、ぜひ全国的に普及すべき施策とお考えいただければ幸いでございます。 お手元にパンフレットを一つお配りいたしましたが、これは今回ボランティア建築士を派遣するために、急遽、地震の発生いたしました十七日の午後組織いたしました被災度判定制度支援会議というもの、私が議長をやっているわけでございますが、そこが建設省の住宅局の監修のもとに作成したものでございまして、耐震診断あるいは耐震補強あるいは被災度の判定、被災した建物の復旧の技術を普及しようということでつくったものでございます。これも全国的に配布いたしまして、普及を支援したいと考えているわけでございます。 終わりに、若干抽象的ではございますが、私が今回の震災で得ました最も重要な教訓と考えておりますことを一言申し上げて、終わりにしたいと思います。 それは、地震防災の問題で最も重要なことは、情報を常に公開するということではなかろうかと思います。地震に対する我々の対策には限界があります。この限界があるということも含めて情報を常に公開し、それらの情報に基づき、社会のコンセンサスを得ながら、できるだけ高いレベルの地震対策を早く進めていくということではなかろうかと思います。 どうもありがとうございました。(拍手)
○遠藤委員長 まことに貴重な御意見をありがとうございました。 次に、伊藤参考人にお願いをいたします。
○伊藤参考人 私は都市計画の領域からお話をさせていただきます。 今回の阪神地域の災害で私が一番気が重い、非常に深刻だと思いましたのは、四千五百人に及ぶ死者のうちの多分九割以上が建物の破壊、木造住宅の破壊ですね、倒壊で圧死したというお話です。その九割の中の多分七割、三分の二以上はお年寄りじゃないかと思っております。この問題を抜きにして地震災害のことは語れないと思っております。 率直なところを申しまして、古い住宅が倒壊して死者が出た、そしてなおかつ、そこのお年寄りの方が罹災されたということによって、県の皆様方、市の皆様方は、その罹災された人たちの毎日毎日の生活をどう面倒を見るかということにほとんどの時間を使われていたと思うのです。ですから、すぐれた建築の技師、土木の技師あるいは都市計画の技師がこの町をどうしたらいいかということは全く役に立たないで一カ月過ぎたのじゃないかと思いますね。 こういうことを考えますと、日本の都市で地震のときに一番重要なのは、木造の住宅をつぶさないということ。もし、木造の住宅がつぶれなくて、圧死されたお年寄りの方が幸いなことに今の一割くらいで済むとすれば、それこそ市役所の技術者、県の技術者は、ライフラインですとか道路とか、そういうものの復旧に物すごい勢いで全力投入できたのではないか。要するに、都市の中の特定の建造物が集中している、特定というのは古くて質の悪い市街地があったがために、本来公的な組織に属する専門技術者がやるべきことが大変阻害された、こういうことは次々とこれから起きてくると思います。 皆様方、今ジャーナリズムで非常に不思議な議論があると思うのですが、何となく地震はまた東京で起こさせたいというような雰囲気が新聞やジャーナリズムにありますね、新聞のつり広告なんか見てみますと。どうしてまた東京なんだ。非常にこれはおかしいので、今必要なのは、東京もさることながら、それなら広島はどうなの、博多はどうなの、北九州はどうなの、そういう町の防災性能を都市計画的に検討することの方が多分大事なんじゃないかなと思うのですね。どうも日本人は自虐的で、物事を深刻にすればそれで何とかおもしろくなるというとんでもないそういう雰囲気があるのじゃないかなと僕は思っていまして、ちょっとこれは余談なんですが、申し上げたいのです。ですから、私は、先ほど岡田さんがおっしゃいましたけれども、古い木造住宅が密集している市街地に対して公的補助を徹底して入れていただきたい。 これはついでながら申し上げますが、東京でどういう地震が起きようと、直下型であろうと何であろうと、私たち都市計画の方から見ますと、どういう想定をしても、すさまじい建物の破壊とそこでお年寄りの圧死が起きる場所はわかっております。非常に明快に出ておりますのでは、それに対してどれくらいの公的政策が行われているかというと、全くちょろちょろとしかやられていない。 私はだんだん憤慨して非常に興奮してきていみのですけれども、公害という問題に対しては政治家の皆様方もそれなりのことを一生懸命御議論なさいますけれども、地震とか自然災害に対しては、多分半年もたったら政治の話題にならなくなるのじゃないか、私はそういう危惧の念を非常に持っております。ですから、これは町づくり全体にかかわることですが、古い木造の住宅が密集しているところ、そこに対しての徹底的な財政援助、これをやっていただきたい。これでもう地震災害は画期的に新聞紙やテレビのマスコミのえじきにならないで済む状況になります。これが一点でございます。 それから第二点は、これも都市計画的に申し上げますが、これからの町づくりでぜひ考えていただきたいのは、小さい質の悪い住宅や商店建築をつくっていただきたくないということです。 今の建築は、十坪でも、三十平米でもうちが建ちます。五坪、敷地十五平米でもうちは建つんですね。それなりに設計をすると、三階建てぐらいの建物は、岡田先生はつくらないと思いますが、一応できるのですね。これはとんでもないことでして、実は敷地という感覚が全く日本の我々都市に住む人たちにございません。 三十年ぐらい前までは敷地というものに行儀作法があったのです。例えば、建ぺい率というのがありますね。敷地が百坪で建ぺい率六〇%といいますと、皆様は六十坪の建築面積で建物を建てればいいだろうと今は思いますね。ところが、昔はそうじゃなくて、百坪から十坪引いた九十坪の六〇%、五十四坪しか建てられない。こういうふうに、敷地に対してそれなりの配慮をしていたんです。 それが、戦争直後の皆様方の建築活動は大変活発なものでございまして、違反建築続出でございましたので、この十坪がなくなりました。そのために、都市計画の方ではもう本当に言い知れぬ苦労をして、なるべくいい町をつくろうとしたのですが、敷地はだんだん分割されました。敷地が分割される限りは絶対にいい住宅は建ちません。ですから、ぜひこの敷地の最小限の規模、これはこの間の建築基準法で条例で決めるということになっているのですが、ほとんどの皆様方は御存じないと思います。 重要なのは、非常に質の悪い木造の建物が密集しているところで敷地の最小限規模を決めていただくということをしていただく。しかし、そういうところで敷地の最小限規模を決めてうちを建てなければならないとなると、所得の低い人に非常に大きいしわ寄せがいきますから、そこに対する救済措置をきちっとしなければいけない。こういう基本的な行儀作法がどうも抜けていたまま都市づくりをしてきたという点では、私のようだ技術者もそうなんですが、行政も政治のお立場の方も、どうもそこら辺はぴりっとした危機感がなかったんじゃないかと思いますね。そこがひとつ二番目に申し上げたいことです。 それから三番目でございますが、神戸の場合、水の問題がございました。これは、私たちは大震火災のときに何が一番重要かということを十数年前から東京の場合をとって議論しまして、落ちついたところは水だったのです。とにかく水があれば、これは当たり前なんですが、水があればみんな二日や三日、文句は言いますけれども、心理的にも肉体的にも危機的状況にならないでいられるわけです。この水を町の中にいろいろな工夫をしてどれぐらいためておくかということが一番重要でございます。下水の問題から、例えば非常電源の問題から、水抜きには考えられないわけですね。 そうすると、例えば現在消防で耐震貯水槽がつくられておりますけれども、そのほかに、皆様方御記憶あると思いますが、昔は市街地の中に堰というのがありまして、特に地方都市は、そこで御婦人の方々が大根なんかを洗っておられましたね。ああいうふうに町の中に水が流れていた。そういう町をもう一回復活していただく努力をしていただきたい。ですから、何でもかんでも都市を乾かしてしまうのではなくて、都市の表面を湿らせていく。水路を切り開くのもいいと思いますし、堰をつくるのもいいと思いますし、運河を入れるのもいいと思います。水を入れていきますと、汚い、きれいというのがはっきりわかるのですね、水のところにごみが寄れば汚いのがわかりますし、水質が悪くなればにおいがしますし。 ですから、これはもう運輸省とか建設省とか厚生省とかそういう役所に関係なく、水をとにかく町の中に入れて備蓄する。例えば、最近電力会社が二十四時間の、夜の電力料金を使ってお湯をつくるという仕掛けがありますね。ああいうようなものも水を使いますね。それから、耐震貯水槽もありますね。とにかく、水についての御配慮を徹底的に政治におかかわりの方も考えていただきたい、これが三番目です。 もうこれで終わりますが、最後に、非常に大きい地震災害あるいは水害、全部自然災害が都市を襲ったときに共通している問題は、お金のある人のところは災害は通り過ぎます。お金のない人のところに徹底的に災害はいじめに入ります。これだけは御記憶いただきたい。そういう観点から都市を眺め、そういう観点から都市をよくするということをお考えいただきたい。 以上で、とりあえず私の話を終わらせていただきます。
○遠藤委員長 ありがとうございました。 以上で参考人からの御意見の開陳は終わりました。 ―――――――――――――
○遠藤委員長 これより参考人に対する質疑を行います。 この際、委員各位にお願い申し上げます。 質疑につきましては、理事会の協議によりまして、一回の発言時間はなるべく三分以内でお願いしたいと思っております。委員各位の御協力をお願いします。 なお、質疑のある方は、挙手の上、委員長の許可を得て御発言をいただきますが、その際は、恐縮ですが、所属会派及び氏名をあらかじめお告げをいただきます。 それでは、質疑のある方は挙手をお願いします。藤井さん、どうぞ。
○藤井(孝)委員 三先生から大変貴重な御意見を拝聴いたしまして、まことにありがとうございました。 それぞれの先生方にお伺いをしたいのでございますが、今委員長のお話がありましたように三分以内ということでございますので、またそれぞれの先生方から御質問があろうかと思いますが、私からは伊藤先生に御質問させていただきたいと思います。 今お話ありましたように、先生は都市計画の方の専門家でございますが、その観点から四つ御質問させていただきます。 まず一つは、今度の災害において、産業の復興について、これが第一点。それから次は、今先生のいろいろなお話がありましたが、災害に強い町づくりをどうしていくか、これが第二点目。第三点目は、その町づくりの推進に当たっての具体的な方策について。四点目は、そうしたこれからの新しい都市計画に基づく町づくりの中で、やはり環境問題というものも重要視されてくるのではないか。この四点についてお伺いをいたしたいと思います。 まず一点目の産業復興につきましては、御承知のとおり、私も現地へ参りましたけれども、大変な災害だということに驚きを禁じ得なかったのですけれども、例えば大企業の場合ですと、自分たち、自力である程度復旧、復興ができる、また産業を興すことができる、再興できるということがあるかもしれませんけれども、御承知のとおり、例えば一つの例として、あそこのケミカルシューズ、地場産業でありますが、これは大変零細、中小企業というより零細企業がほとんどでございます。こうした独力で復興することが困難と思われるそういった中小零細企業に対する産業の復興について、どういうことをしていかなければならないかということが簡単に言えば第一点の問題であります。とにかく、今回のこの問題、神戸というのは日本の経済にとっても大変大きな影響力を持っている地域ですから、とりわけ、そういった産業復興についての先生のお考え方をお伺いしたい。 それから二点目でございますが、災害に強い町づくりについて、御承知のとおり、あそこの地域というのは前が海で、陸に上がって後ろ側が六甲山脈、非常に細長い東西の都市でございます。そこで直下型の地震が、また非常に不幸にもその町に沿って西から東へと縦断するような形で直下型地震が起きて大変な被害になったわけです。そうした特殊の地域でありますけれども、やはりこれからの災害復興を考えますときに、今先生が提言されておられますけれども、例えば運河ネットワーク、水の問題、あるいはガスの問題にいたしましても、ライフラインが切断されますと、それを復旧するのは、高圧、中正、低圧ということでまた大変な時間がかかる。ですから、そういったセンターコントロールというものを分散させた方がいいのではないか。 あるいは道路につきましても、残念ながら東西の道路しかなかったのですけれども、あそこで南北の道路を考えますと、新神戸トンネルのあたりですと被害が少なかったということを踏まえますと、やはりそうした総合的な災害に強い町づくりを進めていかなければならないということで、災害に強い町づくりについての御質問をさせていただきたいと思います。 それから、その中でまたこれを具体的にどうやって推進していくかということですが、先般被災市街地復興特別措置法は成立させましたけれども、これに基づいてまたいろいろな施策が進められていくと思いますけれども、けさのたしかNHKのニュースで、芦屋市の町づくりの問題についていろいろ報道されておりました。これは先生もお話があったと思いますが、やはり町を、具体的に都市計画を進めていくに当たっては、その地域に住んでいる人たちの意見と、いわゆる市当局といいましょうか、行政当局との意見の乖離と申しましょうか、そういった問題、きょうのニュースでもその点が報道されておりましたけれども、これから被災地をみずからの手でやっていこうという気持ちを持つ市民と行政側の立場との乖離と申しましょうか、その辺をどういうふうに融合させるといいますか、コンセンサスを得て進めていかなければならないか、これも大変大きな、重要な問題ではないかなと思います。 そういう中で、先ほど先生水の問題とかさまざまな問題をおっしゃられましたけれども、地下空間と申しましょうか、今回いろいろございましたけれども、やはり地下が安全であるということは私は言えるのではないかなと。地下の空間、今先生のお話がありましたように、例えば東京都でもやっておりますけれども、公園の下に遊水地を設けるとかいろいろな形で今行われておりますけれども、そういった地下空間と申しましょうか、そういった利用等を含めた町づくりの具体策についてお伺いしたい。 それから四点目は、先ほど申しましたけれども、いずれにしましても、環境問題というものは防災と同時にやはり町づくりの中で重要なファクターを占める。そういう意味におきまして、先生の都市環境についての、町づくりについての、都市計画についての考え方をお聞かせいただければと思います。 以上でございます。
○遠藤委員長 それでは、伊藤参考人お願いします。
○伊藤参考人 産業の問題でございますが、これは私は、率直に申し上げまして、零細中小企業の方に対するバックアップを徹底しておやりになるということが必要かと思います。 と申しますのは、零細中小の企業は余り国際競争力とかそういうことに関係ない御商売が多うございます。皆さん大体お年寄りの、御年配の方がやられておりまして、そういう方に対するバックアップというのは、むしろ経済復興というよりも、広い意味での高齢者に対する社会福祉的な観点というものを入れざるを得ない。こういう話題は既にこういうふうに地震が起きる前から、中小企業庁なんかかなり手厚い、質のいい資金を特に中心市街地なんかへ配慮されておりましたし、あるいは私は、広い意味で日本の農業政策もそういう考え方があったのではないかと思うのです。 ですから、私のこの経済復興に対する考え方は、それなりの力のある人に対する、神戸をこういう町にしようという夢、将来の方向を与えることも重要ですが、それよりももっと、そこの世界に入れない人たちに対する資金的な手当て、これは多分資金回収できないと思います、できないと思いますが、資金回収できないことを覚悟にする公的な助成というのはほかにもあるわけでございますから、そういうことをやっていくということが一番重要がなと思っております。 それから、災害に強い町、これは土岐先生、岡田先生の領域に及びますので、私だけの分野じゃないと思いますが、私は、災害に強い町というのは、先ほど申しましたように生命ですね、人間の生命に対してなるべく危険性の少ない状況で人間がつくったものが壊れるというのが一番いいと思うのです。だから、建物が壊れないとか土木工作物が壊れないということではなくて、人間の生命に対して決定的な危険を与えないように建物が壊れれば一番いい。 住宅で申しますと、例えば住宅が半壊ぐらいでございますと、普通の四十男、五十男でしたら、ある程度冷静になれば、とにかく火のもとを点検するぐらいのことは昔から教わっているわけですから、当然やるわけですね。ですから、そういう点で考えれば、全壊ではなくて半壊ぐらいで、そこで奥様や御主人が火のもとを点検するということで、随分私は火災の問題は救えると思います。ですから、そこの点は、これから新しい、特に住宅についての考え方を技術開発に伴ってやっていかなければいけないと思います。 もう一つ申し上げたいことは、先ほどの御質問にもございましたように、町をつくるということは、一度壊れたものをどういうふうに速やかに直すかということも結果として災害に強い印なのです。そうすると、そのマンパワーを、被害を受けた市街地にある、隠された能力のあるマンパワーを災害復旧に向けてどんどん使っていくということをやらざるを得ないわけです。 私、今回の場合も、それからほかの大火の場合も、ずっと体験しながら感じておりますのは、市役所とか県庁とかいう公的組織に対して全部依存する、そういう行動はもう大体限界が見えているのではないか。ですから、むしろ市役所、県庁に対して要求することは、インフラストラクチャーとか病院の維持とか、そういう根幹的なことに対して責任を持つべきであって、そして、みずからの生活の再建ということは、民間同士の中で隠された才能、あるいはこれまで考えられなかった市民同士のつながり、そういうものを掘り起こしていく、そういう運動をこれからやっていく必要があると思います。 そのためには、例えば町づくりというのは、建築士というのも非常に重要なお仕事ですけれども、ただ建築士だけではなくて、都市計画家という新しい自由業がもう成立しつつあります。あるいは区画整理というのも民間でやるために、これも一つの職業として出てきております。それから、不動産鑑定士とか弁護士さんとか、こういう人たちが、世の中で自由業として存在している人たちが市民に直接問いかけていく。 この自由業の専門家が市民の話を聞き、相談に乗りながら、それを市役所とか県庁につないでいくということがこれから一番重要じゃないか。そういうことは、これまで必要だ必要だと言われていながらなかなかできなかったのです。まさに神戸は、これからの新しい都市づくりに対して本当に、私たちのそういう今まで言っていたことを展開する、ある意味で大変教訓をここに示してくれたのではないかと思っております。 それから、環境の問題でございますが、これは、災害の問題は、地震に強いということだげのために、あるいは避難のためにだけ、例えば地下の構造物をつくれとか公園をつくれということは絶対成り立たないわけでございますから、常日ごろその町をきれいにし、快適にするように公園がある、その町の市民に対して非常にいいサービスをするために地下の施設がある、それが結果として大地震に対してあるいは大火災に対して極めて役に立つ。そういうように環境問題と災害問題をくっつけていきませんと、お金はそうございませんのでうまく使えない。そういう知恵は、今私たち専門家はつくりつつあります。ぜひそういう情報をお酌み取りいただいて、いい町をつくるように政治家の方にお願いしたいと思います。
○藤井(孝)委員 ありがとうございました。
○遠藤委員長 よろしゅうございますか、藤井さん。
○藤井(孝)委員 はい。
○遠藤委員長 それでは、先ほど手が挙がっている田野瀬さん、お願いします。
○田野瀬委員 自由民主党の田野瀬でございます。 土岐先生にお聞きをしたいと思いますが、先生のお話の中で、これだけ大きな災害になった理由は四つある、その一つに、直下型地震であったということのお話でございました。直下型というのは活断層が動いて起き局地震である。二つ三つ質問があるのですが、ちょっと一つずつやらせていただきたいと思います。 活断層という地震以外に、さすればいろいろな種類の地震があって、そして、ほかの地震はそんなに大したことないのかということをちょっとお聞きしたいのですが。
○遠藤委員長 土岐参考人、お願いします。
○土岐参考人 私の説明が悪かったのかもしれませんが、海洋で起こるような大型の巨大地震ですね、これだって、もちろんのことながら活断層が動いているわけですね、動いて起こるわけです。したがって、そういう意味では、地震を起こす断層すべて活断層と言うべきであります。 したがって、私が申し上げたかった直下の地震というのは、内陸ですね、我々が住んでいるような内陸で起こる直下の地震ということでございます。したがって、それは非常に地表から浅い、五キロであるとか十キロだとか、そういうところでの地殻が動くような地震だというふうに御理解をいただければいいのではないでしょうか。
○田野瀬委員 じゃ、地震は、すべて活断層が動いて地震が起こる、こういうことですか。
○土岐参考人 はい、そうです。
○田野瀬委員 それと、先生のお話の中に、次の活断層が動いて地震を起こす非常に大きな可能性を秘めているのは、この二、三十年以内に南海道で起きる可能性があるというお話がございました。その南海道とはいかなる地区を指すのか、ちょっとお聞きしたいのですが。
○土岐参考人 私はいつもスライドとか絵を使って話をする癖がついておるものでございますから、ついいつもそれがあるような気がして、なしでお話ししてしまってまことに申しわけなかったのですが、南海道と申しますのは四国の土佐沖でございますね。(田野瀬委員「高知ですか」と呼ぶ)はい、土佐の沖、五十キロ、百キロぐらいのあたりで大地震が起こる地域がございます。そこを南海道の地震と申します。一九四六年に起こりましたマグニチュード八・一という地震もそのあたりで起こりました。 それで、東南海と申しますのは、もう少し東に参りまして、紀州ですね、紀伊半島の沖合で、あるいはそれからもう少し東あたりを東南海と申します。そういうところで起こった地震が一九四四年の地震でございます。
○田野瀬委員 あと一点。 ということになりますと、大体おおよその見当がつくわけですね。大体五百年から千年のタームで動くんだということだったのですが、日本列島、もうそれこそ数多く活断層がある中で一つ一つ点検していくと、二、三十年あるいは四、五十年あるいは五十年から七十年というふうに、そういう可能性がおおよそ見当つくとすれば、一度そういうデータをきちっとしていただいて、それを天下に公表していただくというようなことも大変必要なことじゃないかなと私は思うのですが、いかがなものでしょうか。
○土岐参考人 私の話の中でも申し上げましたように、これは私自身が地震学の専門ではございませんので、私どもの周辺にいる地震学者の言を踏まえて申し上げたわけでございますが、彼らの申すことによりますと、今度の神戸の被害を起こした地震の近く、すなわち少し西へ参りますと姫路の方に参りますが、そのあたりに山崎断層という断層があります。それが一つの候補だと彼らは申します。もう一つは、今度の地震が今度は東の方に参りますと豊中の空港がございますが、あの辺からずっと京都の方に向かって有馬-高槻構造線というのがございますが、これも次の候補の一つではないかというふうに彼らは申します。 ただ、彼らは、地震学者がそういうことを公にしたがらない理由が一つございます。それはいつだと必ず皆さん方がお尋ねになるのですね。彼らにとっては、いつということは言えないわけです。要するに数十年以内に数回というくらいのことしか言えないです。御存じのように、東海沖の大地震の予知をするために何十年もかかって予知の研究をしておっても、なかなかわからないわけです。それが、五百年、千年に一回しか動かない地震のことを、いっと何十年のオーダーで言えと言ったってこれは言えないです。ですから彼らはそれを、いつだと言われるからためらって言わないわけです。それで、それがすぐに起こらなかったら、何だ、言ったって起こらないじゃないか、これを言われるつらさがあるからなかなな言わないのです。ですから、私に言わせしめれば、地震学者に物を言わせたければ、余り責め立てないでいただきたい。彼らの言うことだけをそっと聞いてやっていただくわけにはいかないでしょうか。そうすれば、彼らはもう少し物を言うようになると思うのですね。
○田野瀬委員 そういう環境づくりをすればそういうことも可能であるということですね。
○土岐参考人 そうです。
○田野瀬委員 以上でございます。ありがとうございました。
○遠藤委員長 満遍なくいきたいと思いますので、安倍さん、少し待ってくれますか。それから、斎藤さん、ちょっと待ってください。 では、さきに挙がりました広野さん。
○広野委員 二点お伺いさせていただきたいと思います。 最初の方はどなたにお答えいただけばいいのかちょっとわからないのですが、サンフランシスコ地震のときに政府でも調査団が行って、日本ではこういうときに高速道路等の被害は想像できないのではないかというような話がレポート等に載っているわけですね。しかし、今回高速道路等軒並みやられたということで、そのことをとやかく言うわけではございませんが、阪神高速道路等の橋脚ですね、こういうところの耐震設計について、従来のものであっては、やはりああいう直下型では大変だというふうに見ておられるのかどうかという点が第一点です。 それと、第二点が、建物の一九八一年の基準法見直しで、以降のものほかなり倒壊を免れていたということなんですが、さらに新基準に基づく基準の設定というようなことを岡田先生がおっしゃっておられるわけですが、そういう新基準を適用いたしますとさらに頑丈になるということなんでしょうが、そのコストの点でもまたいろいろなことがあろうかと思うのですけれども、八一年基準ではなお不十分であるという意味なんでしょうか。その二点をお伺いします。
○遠藤委員長 最初に土岐参考人からお願いします。
○土岐参考人 それでは、第一点目の御質問についてお答え申し上げます。 阪神高速道路公団の橋梁、高架道路がたくさん損壊を受け、あるいは倒壊いたしましたが、それらの多くのものは、既にもう話り尽くされましたように、古い基準でつくられたものでございました。古い基準と申しますのは、例えば一九八〇年に新しい道路橋の示方書というものに変わっておりますが、それまでは、とにかくどれだけの地震力というのをかけて、それに対してもてばいい、こういう単純な考え方でございましたが、新しい基準では、ただ力で耐えるということだけではだめであると。さらにもっと大きな地震力を作用させまして、それの状態においても粘り強さを発揮しなければならない、そういう基準に改まっております。 それで、今回多く倒壊したような高速道路というのはいずれもそういう新しい基準ができる以前の、すなわち昭和四十年代の初めぐらいにでき上がったものが多うございます。そういう観点から見ると、現在の時点、技術から見てやはり足らなかったものだというふうに申し上げるべきだと思います。 したがって、非があったとするならば、それらに対して気がついていなかったかと申しますと、決してそうではございません。今の基準から見れば足りないということはわかっておりました。それに対して、では強くしなければいけない、補強をしなければいけないということに気もついておりました。そういう行為も既に始めてはおりました。ところが、それが余りにも遅過ぎたと、まだ大丈夫ではないかという気の緩みがいずこにもあったということは否めないのではないかと私は思っております。
○遠藤委員長 それでは次に、岡田参考人にお願いします。
○岡田参考人 二番目の質問についてお答えいたします。大変、ちょっと答えにくい問題、質問なんでございますが……。 基本的には、私は、八一年の基準をちゃんと使いこなしてちゃんとつくっていけば大丈夫であると思っております。ただ、いろいろな形の建物が世の中につくられますので、これを全部基準でがちがちに決めるというのが、これはもう規制緩和の時代でございますが、非常に難しゅうございます。そこで、ちょっと基準をつくる側で思ってもみなかったようなものが出てくる可能性もありまして、そういうことがなければ、つまり素直に余裕を持って設計すれば私は大丈夫だろうと。 それで、さっきちょっと新しい基準でも壊れたものがあると申しましたのは、やはりちょっと特殊な形態で、これは基準を強化してそういうものが今後出ないようにできるのか、あるいは技術者が、本当は技術者が気をつければわかるんじゃないかと私は思っておりますので、そういう指導というとちょっとおこがましゅうございますが、技術レベルのアップで大半は私はカバーできると思っております。 ただ、一つちょっとこの際申し上げさせていただきたいのは、土岐先生が先ほど、土木構造物では強さだけじゃなくて粘りを付加してとおっしゃいました。建築も全く同じ考えに今立っております。最近の基準では土木関係と建築関係の呼吸が非常によく合っておりますが、粘りを持たせるということはどういうことかというと、大きな地震が来ると、例えばひびが入るとか若干の損傷が出る。出なければ粘りは発揮できないんであります。ですから私どもは、多少そういう損傷は出ても仕方がないなと思って基準のレベルを決めているのですが、お住みになっている方は、ひび一つ出ないだろうという期待感でお住みになっているところのギャップがあるところが非常に問題であったかなというふうに私申し上げたのでございます。多少の損傷はやはり出ます。全部じゃございませんけれども、大きな地震が来ますと。
○遠藤委員長 広野さん、いいですか。
○広野委員 はい、ありがとうございます。
○遠藤委員長 では、先ほど手が挙がっていた太田さん。
○太田(昭)委員 太田です。きょうはありがとうございました。 伊藤先生に先ほどに関連してお伺いをしたいのですが、神戸は、去年どこかの新聞社か何かの調査によれば、日本で一番住みやすいところはどこかという調査がありまして、一番は神戸であったと。また、神戸株式会社というふうに言われたりするのですが、昨年ぐらいまではこれはポジティブな意味でかなり使われていたような嫌いがあると思います。 先ほど先生が、古い建物を徹底的にやり直すといいますかそういうこと、あるいは違法建築をなくす、水への配慮、こういう話をされましたが、日本のこれからもう少し大きなレベルから見ますと、あそこは非常に山があって、細いところに動線がもう幾重にも通っているというところがあるのですが、日本の都市をつくる場合に、例えばドイツのアウトバーンみたいなように、いろいろなところからいろいろな角度で道路網をつくるとか、そういうようなもう少し広域的なライフラインの整備であるとか、そういうようなものがこれから都市をつくるという中で大事だというような感じも私はするわけなんですが、先ほどの建物の問題、敷地の問題、水というよりももうちょっと広い意味で、都市をどのようにつくるということが今度の教訓であったのかということでお考えを教えていただければありがたいのですが。
○遠藤委員長 では伊藤参考人、お願いします。
○伊藤参考人 神戸の場合に私すぐ思いましたのですが、中国縦貫道が実はうまく機能していればよかったと思いますが、伊丹のところでトラブルがございましたね。私は、今の段階で考えますと、やはり中国縦貫道に対してもう少し京都方面からしっかりした国道が来て、インターチェンジがあって、要するに、ああいう基本的な高速道路に対しては、格子状の網目を都会に近いところではもう少し細やかに置いておくということで、幾つかの高速自動車道路のような幹線道路があったときの一つは完全に助かるというようなことはあってよかったかと思います。 したがいまして私は、これからの国土計画を考える面でも、こういう広域の高規格の自動車道路、これについては、これは大変デリケートなんですが、やはり国土全体に対しての、ドイツ型といいましょうか、どこかがやられても、どこかを回れば必ず高規格の性能の道路で、あるいはもしかすると鉄道もそうかもしれません、それで到達できる、そういう組みかえ、そういうふうに国土の交通幹線は考えていくべきだということは重要かと思っております。 それから、それに関連しまして今度は都市の問題でございますが、これは、今回の話題は、ネットワークというシステムと、それから、ネットワークがありながら、片一方で自分の地域だけである程度何とか自分自身の地域社会の工夫で頑張れるという、そういう自給自足型というのですか、ある程度の自己完結型、こういう地域社会とネットワークというライフライン系ですね、これとの組み合わせということが大変重要になるかなと思いました。 ですから、もちろんガスについても三ランクぐらいあるというふうに私伺っております。非常に高い高圧のものと、中圧とそれから低圧。高圧、中圧というのは完全にネットワークとしてしっかり守るということは、これは技術者としては絶対にやらなければいけないことですが、低圧のところについては、場合によってはある程度そこがネットワークから外れましても、ガスの末端のエネルギー供給は、場合によっては緊急にプロパンガスで提供するとか、あるいは場合によっては、もっと簡単に言えばこのごろボンベの携帯用のガスコンロがございますね、ああいうようなもので二、三日うまくやっていくとか、そういう自給自足的な備蓄も入れて生活が維持できるような、そういう都市づくりというのが必要になってくる、その組み合わせの問題が重要かと思っております。 それからもう一つ申し上げたいことは、都市計画は、道路を地表面で二本を三本にしろとか四本にしろというほかに、実は私、立体的にもそういうことを考えていいんじゃないかと思っております。もちろん、高速道路、高架の道路は相当被害を受けましたけれども、だからといって、あつものに懲りてなますを吹くということではなくて、高架でいい場合は高架をおやりいただいて高速道路をつくるということも必要でしょうし、場合によっては、地下でかなり深いところに土木的なライフラインとかいろいろなものを入れていくと。要するに、地下から地上まで全部立体的にデュアルの、二重系統のシステムを入れていくということを考えざるを得ない。それが今の日本の都市地域の重大課題ではないかと思っております。
○遠藤委員長 それでは、大変お待たせしました。安倍さん、どうぞ。
○安倍(晋)委員 岡田先生にお伺いしたいと思うのですが、特に防災の観点からお伺いしようと思います。 今回の大震災から、先ほど伊藤先生が、そのほとんどが家屋の倒壊で亡くなられたというお話があったのですが、ですから、防災ということに関しては、建物が倒れないようにというところに重点を置かなければいけないと思うわけです。また、先ほど岡田先生のお話の中からは、八〇年以降の建物については、新しい建物についてはそれほど顕著な倒壊というのはなかったというお話でございますから、であるならば、問題は、八〇年以前に建てられた建物をどうやって補強をしていくかということが私は大きな問題だと思います。 しかし、特にその中でコストの面がやはり大きな障害になるのではないかと思うのですが、そういう意味から、耐震の診断と補強、これがどれくらい信頼ができるかどうかということで、ではひとつやってみようかということにもなると思うのですが、その技術の最近十年間くらいの、八一年からさらに十三年間たっているわけなんですが、どの程度またさらに進歩したのか、またコスト面においてもどれくらいの進歩があったかということが第一点。 第二点は、問題は、これは補強が不可能であるという診断がなされたり、あるいは補強すべきであるという診断が当然なされると思うのですが、先ほど先生は情報公開というのが大変必要であるということもおっしゃっておられたのですが、多少の公共性があるビル、もちろんプライベートなビルであっても、テナントが何軒か入っている、あるいは人が何人か出入りするビルであれば、そのことは公開をするべきである。そのことによって、問題になる補強不可能あるいは補強すべきであっても補強しないビルの新築を促すという観点からも必要である。またその方法があるのかどうかもあわせてお伺いをしたいなと思います。
○遠藤委員長 では、岡田参考人、お願いします。
○岡田参考人 お答えを申し上げます。 耐震診断とか補強の技術レベルの問題に関しましては、これは建築だけじゃなくて、先ほど土岐先生おっしゃいましたように、土木の方面でも重要なテーマになっておりますし、それからアメリカの方でも大変重要な課題になっておりまして、この点でのいろいろな日米の共同のシンポジウムが開かれたりということで、この二十年ぐらい続けてまいりました。 そこで、現在私どもが考えております、まず耐震診断のレベルと申しますのは、これをつくりましたときがちょうど今の新しい設計基準を考えている時期とほぼ同時でございましたので、大体今の新しい設計基準と同じぐらいのレベルを基準値としております。それより低いものについては補強をお勧めするとかというようなことをやっております。 それから、実際その補強の技術に関しましても、これはまだこれからいろいろ研究しなければいけないところもございますが、ある程度のところまではできるようになっておりますが、今回の震災なんかを見ておりますと、ビル物はまだまだよろしいのですが、木造住宅に関してもうちょっと簡易な補強方法というのが、簡易と申しますか費用のかからないものあたりも開発できないものかというふうに考えている次第であります。 それから、情報公開につきましては、この建物は危険であるという、建物を特定して公開するところまで踏み切れるかどうかというのは、私、ちょっとまだ決心がつきかねるところであります。私どもがこの十数年公開してきましたデータというのは、例えば一九七八年の宮城県沖地震で仙台ぐらいの地震が来たとすると、鉄筋コンクリートの建物では全国平均で五%ぐらいが大破になるであろう、中破を足すと一〇%ぐらいであろう。それで、今回の地震の被害、まだ集計できておりませんが、ちょっと地震動が仙台より大きかったようでございますので、それと調和的に被害率はもうちょっと高いようでございます。 この程度のマクロなデータはずっと公開してきたつもりであります。その辺に従って各地の地震の被害の想定なんかのデータにも使われているのですが、個々の建物をどうするかというのは、ちょっと私自身、きょうそこまで踏み込んだ方がいいのかどうか判断しかねるところでございますので、できましたら、補強するとか取り壊すとかいう対策がもう決定した段階で公表するとか何かの手が、危ないけれどもほっておくというのが一番つらいのかなという気がいたします。
○安倍(晋)委員 あと一点だけ、八一年にも基準がおありでしょうから、その八一年の耐震のチェック基準、診断基準の結果と、今度の震災の結果のチェックというのは今後なさるわけでしょうか。
○岡田参考人 ぜひこれは、今後それをチェックしていくことがいろいろな意味で重要だと思っておりますので、計画しております。
○安倍(晋)委員 ありがとうございました。
○遠藤委員長 では、斎藤さん、どうぞ。
○斎藤(文)委員 自由民主党の斎藤でございます。 土岐参考人、それから岡田参考人に一点ずつお尋ねをしたいと思います。 今回の地震の特徴といいますか、これは都市直下型であったということが一番大きな特徴なのかなと思うわけですけれども、昭和二十四年に気象庁が震度階級を改めて初めての震度七を記録したということでございますけれども、この規模の地震というのは、今まで過去何回も我が国でもさまざまな地震が起きているわけですけれども、また海外でも昨年のノースリッジ地震とかいろいろあったわけですけれども、この地震のほかの特徴といいますか、今まで過去に起きた地震、大体この程度の地震だったんじゃないのか、そういったような特徴というのは、もしおわかりでしたらお教えいただけませんでしょうか。 それから、岡田参考人にお尋ねしたいのですが、我が国の耐震基準、世界でも有数の地震国と言われておるわけですけれども、ほかの国と比較してこの耐震基準の水準というのは今どういうふうになっているのか。それから、先ほど来お話を伺っておりますと、一九八一年に改定された新しい耐震基準を急いで見直す、そう大きく見直す必要はないのかな、そういうふうに理解してよろしいのでしょうか。その辺、ちょっとお尋ねしたいと思います。
○遠藤委員長 最初は、土岐参考人からお願いします。
○土岐参考人 それでは、第一の御質問についてお答え申し上げます。 お尋ねは、今回の地震は果たしてどういう特徴が過去のものに比べてあったかということだと思いますが、地震の特徴と申しますことを考える際には、三つの点に分けて考えなければなりません。まず第一は、地震の起こり方であります。どういうところでどういうふうにして地震が起こったかということ。第二は、そういうところで起こった地震の波動が、遠くで起こった地震がどういうふうにして伝わってきたか、それが第二点でありまして、第三は、人や物があるところで土地がどういうふうに動いたか、その三点に分けて考えなければならないと思います。 そういう観点から見まして、今回の地震というのは、地震の発震機構と申しますが、地震が断層で起こるわけですが、その起こり方ということから見ますと、全く極めて通常の地震だというふうに言ってよかろうかと思います。断層の幅が大体四十キロぐらいです、厚さが、幅も二十キロほどであります。大体真ん中あたりから両側へ向かって破壊が伝わっていたということであります。破壊の走る速さも大体毎秒三キロぐらいでございますから、破壊が続く時間が六秒とか七秒とかでございます。地震の記録を見ましても、確かにそんなものでありまして、十秒以内で楽に破壊は終わっておるということがわかります。さらには、今度の地震は右横ずれと申しまして、こういう鉛直な断層面がずるっと水平方向にずれるというような、典型的な右横ずれ断層というものでありまして、決して上下方向にずれるというような地震でもございませんでした。そういう意味から見ますと、特に変わった地震だというふうには考えなくてよさそうであります。 それでは、どういう特徴があったかということを無理に考えますと、これは最後に申し上げた、三点目ですね、地震を受ける側によって地震の波というのはえらく変質するものでございますが、先ほど私の最初のお話のところでも申し上げましたように、私どもこれまでやってまいりました観測のネットワークでとれた記録というのがお手元の資料に入っておりますが、どれを見ていただいてもいいのですが、一番上にありますのは神戸大学の山の中でとれた、トンネルでとれた、岩盤でとれた地震の記録であります。これは十数秒で振動が終わっております。ところが、どれか下の方の、真ん中あたりのやや下でしょうか、例えば「SAKAI」とか「TADAOKA」というような地名を書いたものがございますが、これは大阪の方なのでありますが、こういうところでは非常に長い間ゆらゆらと揺れております。一つの同じ地震でありながら、大阪の南の方の町と神戸の出とでは随分違う、 これはなぜかと申しますと、北は六甲山、南は紀淡海峡の和泉山脈のあたり、あるいは東は生駒それから西は淡路島、こういう山地で囲まれます大阪湾の、盆地になっておるわけでありまして、そういうところに一たび地震の波が取り込まれますと、なかなか外へ出ていかない、中でゆらゆら揺れる。要するに洗面器の中の水が揺れるようなことが起こっておるわけでありますが、そういう事柄が今度の地震で起こっておるということも、こういう記録から読み取ることができます。 しかし、そういう意味では、あの地域での全体の話でありまして、神戸だけで起こったことというのは、格別特殊な地震動であったというふうには私どもは理解はしておりません。
○遠藤委員長 それでは、次に岡田参考人、お願いします。
○岡田参考人 お答え申し上げます。 日本の耐震基準のレベルをほかの国と比べてどうかというのが最初の御質問だったと思いますが、このレベルというのが実は二つございまして、一つは、考えている地震の大きさという意味のレベルをまずお答えさせていただきます。 これは、大きな地震の起こる可能性の高いところは高くしなきゃいけないし、そうでないところは下げてもよろしいということでありますが、世界的に見て、日本の基準とそれから例えばアメリカのカリフォルニア、一番地震の多いところでございますが、その辺で考えている地震動の強さのレベルは、大体合同じレベルだと私は考えていいと思います。 この辺も、ここ二十年くらい、日米の共同のいろいろなプロジェクトが行われまして、一つの合意点と申したらあれでございますが、こんなものかなというのが双方の現在の段階でございます。ですから、日本は八一年に基準を変えましたが、アメリカの方も八八年くらいに大体同じくらいのレベルにそろっております。 それから次は、その中で、そういう地震を設定して設計のやり方とか何かがどのくらい上手にできているかというレベルがございますが、これも日米を比較しますと、いろいろ気持ちが合ってまいりまして、大体同じ考え方に基づいて設計法が組み立てられております。ただ、若干違いますのは、アメリカの場合は、技術者の裁量による範囲が日本より広うございます。そのために、でき上がってくる建物は、これは私の個人的な考えでございますが、日本の方がちょっと規制が強いので、最低限は割合そろえやすい。アメリカの場合は設計者の自由裁量の余地が広うございますので、いいエンジニアがつくるといいものができるし、そうではないとぐっと下がるという、ちょっと幅が大きいかなというのが私の感想でございます。 それから、八一年の日本の現在の基準の手直しの問題がございますが、さっき申しましたように、建物というのは基準だけでできるのじゃなくて、その基準を技術者がどう使いこなしていくか、どんな建物を建築家がお考えにたるかといういろいろな複雑な要素で、最終的にでき上がってくる建物の耐震のレベルが決まります。そういうことがございますので、私は、いわゆる基準というのはこのくらいにしておいて、それを十分使いこなせるような環境をつくっていくといいますか、技術レベルをずっとそろえて高めていくというのがまず第一にやることではないかな。そうでないと、今回ちょっと被害が出たような少数のものをつかまえて大丈夫なように基準の側でやっていくために、本当の規制型のこういうものをつくらなくてはいけなくて、せっかくいいものまでだめにするのじゃないかなという危惧がございまして、その辺の議論をもうちょっと進める必要があるかなと思っております。
○遠藤委員長 よろしいですか。 それでは、根本さん。
○根本委員 斎藤先生の質問に関連いたしますけれども、私は高速道路の橋梁が倒壊したということにつきまして、土岐先生に、その原因、そして耐震基準の問題についてお伺いしたいと思います。 日本の高速道路、非常に安全だ、こう言われておりまして、私も今回倒壊したことについて、何で落ちたのかとよく質問されるものですからお伺いしたいと思うのですが、先ほど土岐先生の方から、古い基準だったから落ちたんだ、そういうお話がありましたけれども、今回の倒壊の原因としては、直下型地震だったとかあるいはビルツ工法というものをとっていたところが落ちたんだとか、いろいろとありますけれども、先ほどの補足になると思うのですが、先生としてどのように今回の原因を分析されておられるのか、その点についてお伺いしたいと思います。 それから、もう一点は、日本の耐震基準が大変評価が国際的に高いというお話がありましたけれども、今回の倒壊の要因分析を踏まえて、耐震基準を見直す必要があるのかどうか、あるいは見直すとすればどのような視点から見直すのか、この点につきましてお伺いしたいと思います。
○遠藤委員長 では、土岐参考人、お願いします。
○土岐参考人 お答え申し上げます。 まず第一点の、古い基準だから壊れたんだというふうに申し上げましたが、倒壊したものの大多数は古い基準であったということは間違いないと思います。そうしますと、先ほどビルツという言葉もお使いになりましたが、これはドイツからやってきた技術に伴ってついておった名前でありまして、特殊な工法の名前を言っておるわけでありますが、これもやはり昭和四十年代の初めにできた構造物だと私も聞いておりまして、現在の基準でもし設計しておれば、ああいうことにはなっていなかっただろうと私は思っております。 それで、さすれば新しい技術でつくったものが一切何らの損害を、損傷を受けなかったかと申しますと、決してそれは事実ではありませんでして、部分的には被害を受けております。ただ、全体がひっくり返るというようなトラスチックなごとではないわけでありますが、部分的にはあります。 なぜかと申しますと、高速道路というのは、これは神戸市内にあります通常の高速道路のようなものだけではなくて、阪神高速の場合でしたら、湾岸線と申します、もう一つ海側にも橋があるわけですが、道路があるわけですが、そういうところでは、割合新しい規格でつくられたものがあります。そういうものが部分的に損傷を受けています。 そういうものが一体どうしてそういうことになったかということを考えてみますと、そういう海を渡るようなあるいは大きな川を渡るような橋というものは、非常に多くの部分から成り立っておるわけでございまして、決して我々の目につく、上部構造と申しますが、スチールやコンクリートでできているその部分だけではありませんでして、それを支えるところの橋脚があったり、あるいはその上部構造と橋脚の間をつなぐ、私ども支承と申しますが、そういう部分があったり、あるいは目に見えない下の基礎の部分があったりいたします。そういったくさんのパーツから成り立っておるものですから、その一つの部分がだめになっても、結局はそれが引き金になって次々いろいろなところに影響が及んでいって、最終的にはその橋は使えないということが起こってまいります。 そういう意味で、私どものこれまでの技術というのは、そういう最も主要なところについては、最大の注意を払ったり検討を詳細に重ねてつくり上げるということをいたしますから、そういうところはなかなか損傷を受けたり被害を受けたりしないのですが、それを支えるところの、非常にマイナーな部分という言葉はいけないのかもしれませんが、メーンでない部分があります。そういうところに対する配慮が欠けていたところがあるのではないかという反省があります。そういうところを今回の災害というものを反省して見直していくということは、私は必要であろうと思っております。 それから第二の、耐震基準を見直す必要があるのかということであります。 これは岡田先生のお話にありましたが、建築物も同じであろうと思いますが、やはり大体が十年単位ぐらいでこれまでも見直しをしてきているわけですね。橋梁の場合にも一九七〇年、次は一九八〇年というぐあいに、その都度その都度、基準を新しいものに変えてきております。そういう観点からいたしましても、数年前に新しくさらに、道路橋の設計をする部分が多少手直しをされております。 しかしながら、一回目のお話で申し上げましたように、直下で起こるような地震というものに対しては、私どもはやはり十分な配慮はこれまでしていなかったと私は思っております。そういう観点からいたしますと、直下の地震だからすぐに上下動を大きくしなければならないというところに結びつくかどうかは別でありますが、これまでに考えていないような挙動を構造物がする可能性もやはりあると思います。 したがって、この点につきましては、これは、まだ何しろ地震が起こって二月やそこらでありますから、にわかにここで私の考えを申し上げるほど自分自身もまだ勉強してはおりませんが、いましばらく時間をかけて、どの部分に対して地震に対する配慮が足りなかったのかということがおいおい明らかになってまいると思います。その時点で基準を見直すということは必要であろうと思いますし、現時点で、既にこの阪神高速の場合なんかは、復旧工事をしなければならないということで、今鋭意新しい設計にかかっておるようでありますが、そういうところでは、これまでにはしていないような新しい配慮、検討を行っているはずであります。 そんなところでよろしゅうございましょうか。
○遠藤委員長 根本さん、いいですか。
○根本委員 はい。ありがとうございました。
○遠藤委員長 それでは、松本さん、どうぞ。
○松本(龍)委員 社会党の松本です。お三方に一問ずつ端的に質問をさせていただきます。 土岐先生にお尋ねをいたしますけれども、いみじくも一番最初に、地震の洗礼を受けなかったというお話をされまして、本当に重く受けとめているところですけれども、私たちは、関東大震災にも耐え得るという神話のようなものがあって、あのころはいわゆる高速道路も超高層ビルもないわけで、まさにそこのところで、なかなかシミュレーションのしようがなかった。しかも、ロサンゼルス地震といいますけれども、あれは、ノースリッジはロサンゼルスから三十五キロぐらい離れたところで、まさに、インフラが成熟をした、人口が密集した都市で起こった地震としては、私は、関東大震災以来じゃなくて、世界で初めての経験ではなかったかというふうに考えているわけです。 そういったところで、今までシミュレーションをされてきてここが大きく違った、そして、こういう貴重な経験をして、この都市型地震に対して日本が受けた教訓を、まだ情報が足りないとおっしゃいますけれども、世界にこの教訓をどういうことから発信をしていきたいかということをまずお尋ねをしたいと思います。 岡田先生にお尋ねをしたいのは、先ほど種類、用途でランク分けをして重要度係数というふうな話をされまして、都市計画的なマクロ的な視野でというふうに言われましたけれども、その重要度係数と、短期的なものと長期的なもので新たな耐震の改正が要るなというふうな発言をされたと思うのです。つまり、重要度係数が高いものから耐震基準というものを変更できるのか。そういった、前倒しに、公共構造物であるとか病院であるとか学校であるとか、そういったものの重要性にかんがみて、まずこの辺からしっかりした耐震基準をつくるということが可能であるのかということを先生にお尋ねをしたいと思います。 伊藤先生、最後ですけれども、先ほど藤井理事も尋ねられましたけれども、町づくりはある意味ではタイムレースだと今回は思っております。しかも住民の合意形成というのも一方で重要なことで、都市計画の確定に向けて大変今、市でも、各地域でも混乱が起こっているようですけれども、本当の防災都市、あるいは高齢者に優しい町づくりをするためには、行政としてはこういうことをやってほしいんだ、あるいは、住民の皆さんには、私権制限あるいは私権保護等々ありましょうけれども、こういうことをお願いをしたいということがありましたら、お願いをしたいと思います。 以上、三点です。
○遠藤委員長 それでは、順番に、土岐参考人からお願いします。
○土岐参考人 では最初の御質問にお答え申し上げますが、今度の地震の被害を受けて、それから何を学んで何を世界に発信するのかというお尋ねであったと思います。 先生の御指摘のように、これだけの大都会がこれだけのインテンシブな被害を受けた例というのは、私も、おっしゃるとおりこれまで例がなかったと思います。ノースリッジの件をお出しになりましたが、その四年前のロマプリータの地震も、これはサンフランシスコの町から見ますと数十キロ、ずっと南で起こったものでございましたし、被害の額にしましても、今回の地震の被害の一けた小さいものでございました。そういう意味からしても、今回の被災、被害というのは有史以来と申し上げてもいいのではないかと思います。 さすれば、それは何を世界に向かってこうであるということを言えるかと申しますと、これは私に言わせしめれば、これだけの大都会が、すなわち、あの地域に百五十万近い人が住んでおったはずでありますが、それだけのところがああいうすぐそばに、本当の直近に断層が起こって、そして大被害を受けたということ、そのことだと思います。それで一体何が起こるかということを、つぶさに世界じゅうの人々にお知らせしなければいけない。 一九八〇年にアルジェリアで大地震が起こりまして、しかし、それは砂漠の町の真ん中のようなところでございました。そこで断層のずれが、これは上下にずれた断層でございますが、数メートルずれた断層でございました。私はそこにも国の調査団の一員として参りましたけれども、これは町から三十キロほど離れておりました。 そのときに思ったことは、こんな断層が日本の都会で起こったら一体どんなことになるのだろうかという、本当にそのことはそら恐ろしい思いがいたしましたし、そのときのスライドもたくさんあります。一般の方々に対して講演するときに、いつもそのスライドをごらんに入れてまいりました。こんなことが皆さんがお住まいの都会で起こったらどうでしょうか、ぞっとしないでしょうかということを申し上げてきました。まさにそのことが今度起こっておるわけです。 したがって、神戸の、阪神地区のような、あれだけ人口が、あるいは物資の、あるいは交通機関にしましてもインフラストラクチャーの稠密に発達したところで、そしてその真下で断層が起こったらこんなことになるんだということを、それこそ世界じゅうの方々に知っていただいて勉強していただく。我々はそういう情報を発信する義務があると思っております。
○遠藤委員長 それでは、岡田参考人、お願いします。
○岡田参考人 お答え申し上げます。 重要度係数という言葉を私申し上げましたが、これは実は現在でも、今の基準は先ほど申しましたように最低基準ということでつくられておりますから、それに上乗せしていけばできるわけであります。例えば、先生が御自分のお宅をつくられるときに倍ぐらい強くしたいということになれば、それでできるわけです。ただ、ちょっと費用がかかります。事実、公共建築とか、あるいは静岡県ではもう県の条例でそういうものを指定するとかということが行われておりますので、任意にとにかくできます。 ただ、一つ検討しなければいけないと思いますのは、横並びに見て都市計画的にと申しましたのは、建物だけではなくて、橋というのはどのくらいがいいのかな、やはり病院はこのくらいに、少しアップしておいた方がいいのではないかとか、こういう横並びの議論をしながらコンセンサスを得てつくっていくというプロセスさえ踏めば、今の基準でもできます。 これをどのくらいのレベルで法律化するかというのは、私ちょっとよくわかりませんけれども、法制化しなくてもできる話ではあるのでございますね。 それから、伊藤先生とよく議論していて、まだちょっと誤解があるので、きょう私初めてわかったのですが、住宅と病院とどっちが大事だという議論をよくしていたわけでありますが、根底にありますのは、住宅も人が死なないという手だてはしなければいけないという前提で私は重要度係数を申し上げてきたということでございますので、その点は、済みません、ここで会話を交わしましたが、今のお答えの一つとして発言させていただきます。
○遠藤委員長 それでは、伊藤参考人、お願いします。
○伊藤参考人 私、実は太田理事の御質問のところの前半をちょっとスキップしたので、それに絡めながら松本理事にお答えしたいと思いますが、神戸は確かにいい町だと言われていたわけです。それは事実なんです。というのはどういうことかというと、私、兵庫県と神戸市のお役人がだめだということになれば、地方分権なんて何の役にも立たないと思うんです。都市計画では、神戸市の皆様方の仕事に対する能力とその才能、センスのよさというのは率直なところ大変高く評価していたんです。 しかし、問題は、その都市計画全体にあるかもしれませんが、これは神戸市であろうと大阪市であろうと東京都であろうと、基本的にその答えがもう技術の範囲、行政の範囲でできない領域について非常に限界を感じながら仕事をしていたために、先ほどから言っている古い木造住宅市街地というのは残されちゃっているわけです。これはもう仕事の限界というのがございまして、そこはお役人を私は責めないんですね。そこの枠組み、仕事をやる枠組みを政治側がお変えになっていただければ、かなりのことを神戸市の能力のある吏員の皆様方はやられていたと思うんですね。その辺を一つ申し上げたいと思います。 ですから、神戸で起きた話というのは、実は大阪でもございますし、東京ではもちろんありますし、あるいはもしかすると広島でもあるかもしれない。ということは、日本の既存の都市の中にまだまだ戦後五十年たって全く解いていない、非常に深刻な市街地を残して我々は生活をしているということなんですね。 それから二番目に、松本理事の行政と住民の分担ということでございますが、私は市民の皆様方の持っている町づくりに対する情報量は物すごく大きくなっていると思います。これはよく私実際に町づくりをやっている方といろいろお話をしますが、そのときには私の知識よりも超えてすごい知識のストックを持っている方いっぱいおられます。それから、町はこうしたいという御判断の鋭さも私たちよりずっと鋭い判断をされている方がおられます。 そこに対して行政が、とかくこれまで市民の判断についてはまだまだ十分でないんじゃないかというそういう形骸を、戦後からの形骸をしょってきたんじゃないか。これは今後ろに役人の方おられますから気をつけながら言っているんですけれども、そういうにおいが多分にあるんじゃないか。ですから、そこのところは、もう要するに町をつくるのは、役人の方が過保護なママ、教育ママのようなことをやる時代は終わった、いい町をつくるのもよくない町をつくるのも皆さんの腕次第、皆さんの協力次第でできるんだよ、それを一度やってみなさいという時代に入ってきたんじゃないかと思っているんですね。 行政は何をやるかというと、行政は、基本的にはそういうところでこたえられない、例えばお年寄りの問題とかあるいは今出てきました病院の問題とか、それから決定的にここはもうどういう努力をしても民間ではできない、例えば今回神戸は大変ある意味で状況が助かったのは風がなかったんです。風があれば、必ずこれは延焼火災になったはずですね。そのことは物すごく危険で、あれでとまったのが当たり前と思っちゃいけないんです。 そうすると、それは何かというと、道路の幅が、ある一定の幅あればもしかすると延焼火災を食いとめられます。ですから、そういう点では、今都市計画法でしたか、基準法でしたか忘れましたけれども、これからは道路は六メーターを原則とするということになっていますね、道路の幅員。とりあえず、だけれども既成市街地では六メーターにできませんから、四メーターでもやむを得ないということになる。本来道路は六メーター。 しかし、今度の場合にいみじくも出てきたのは、道路が八メーターあれば風がないときは見事に延焼は食いとめています。ですから、そうなりますと道路の幅員が決定的に少ない、込んでいるところは思い切って、これは住民の方に申しわけないんですが、父親的都市計画で、道路はもう六メーター以下のものは絶対認めないとか、本来八メーターで通すとかそういうことをやっていただく、そういうふうに行政のやることを非常に明確にしていただいて責任を持ってやっていただく。そのかわり、それ以外のことはもう住民に任せる、そういうことをやる必要があるかと思います。
○松本(龍)委員 どうもありがとうございました。
○遠藤委員長 では、沢藤さんどうぞ。
○沢藤委員 私は岩手県に住んでいるんですが、岩手第二の都市といっても、盛岡に次いで人口は十万足らずなんです。この前のような震災が我が郷土に起きた場合を考えた場合、空間はたっぷりある、水はどこにもある、ガスはボンベで運搬というふうなことからして、非常に様相が違ってたんじゃないかという気がするんです。私は、過度に集中し過ぎた大都市、都市構造というものの欠陥をこの際反省し、検討してみる必要があるんじゃないかと思っているんですが、どなたかに感想をお聞きしたいと思うんです。 というのは、それも日本の場合は、御存じのように全国総合開発計画、全総から始まりまして、新全総、三全総、四全総という大きな流れの中で、拠点開発都市だ、全国交通高速ネットワークだ、そして今度は地方の時代だ、多極分散だというふうなったい文句がずっと続いてきたんですけれども、事実は逆行して、太平洋ベルト地帯に人口集中していますよね。過疎は過疎なりの大変な問題を抱えている、過密は過密としてのこのような欠陥といいますか、弱点を露呈した、これが私たちに課せられた大きなこれからに向けての考えるべき課題かなという感じがしているんです。 そのことについてのお考えをお聞きしたいということと、それと裏腹の関係で、都市と農村との関係で、食糧というのは一番大事なものですが、今回は局地的な震災ということですから、日本の各地からいろいろな食糧なり救援物資が集中するということもあったんですけれども、これが地震だけの災害じゃありませんで、全国規模の災害が起きた場合一体どうなるんだろうか、あるいは地球規模の大災害ということになった場合どうなるんだろうか。 先日発表になった数字を見ますと、日本の食糧自給率はカロリーベースで四〇%を割りましたね、三七%。穀物ベースで二二%。これは災害対策として最も何か弱点じゃないかという気がするんです。別に私は大都会の方を敵視しているわけじゃないんですけれども、全体的にいえば、頭でっから、都市先行型、そして農業、林業というふうなものは何か時代おくれみたいな日本のムードの中にありまして、しかし、考えてみますと、人間というのは車がなかったり石油がなかったりした時代も人類は生きてきたんだけれども、人類が生きていく上には絶対なければならないものは空気と水と食糧でしょう。 これを確保し、あるいはつくってきたといえば、これはやはり森林、山林、農業だという基本を置き忘れて二十一世紀を迎えたら大変なことになるんじゃないかなという、後輩、子孫に対して私は何となく済まないような気分になってきているんですが、そうした環境と食糧、生命、健康ということと関連して、今の日本のこうしたアンバランスというんでしょうか、農業、林業に対する配慮の薄さ、浅さ、そういったものがさっき冒頭に申し上げたことと裏腹の関係で考えさせられるんですが、以上のことについて御感想をお願いしたいと思います。
○遠藤委員長 では、伊藤参考人。
○伊藤参考人 国土に起きるいろいろな危機というのは、もちろん地震だけではございませんで、食糧危機もございますし、あるいは気候温暖化に伴う危機もございます。 質問は二点おありだったと思います。一つは、青森でございますと、青森、八戸、弘前、こういうような町、そこでは地震に対して、神戸で起きるような決定的な話題がないではないかというお話ですが、ひとつお考えいただきたいのは、地震のときの住んでいる方の御不満ですね。これは常に相対的なものだと思います。ですから、例えば八戸で地震が起き、仙台でこの間地震が起きた、宮城県沖ございましたね。あのときに、ライフラインの問題が一番深刻であったんですが、一番皆様が不平不満を言って非常に気持ちが高ぶったのは、下水が使えない、四階建ての普通のマンションの上でお暮らしの方が、これはとんでもないことだ、そういうことが大変大きい話題になったわけですね。仙台の場合には食糧はどうだとかあるいは子供がけがをしたのを病院に連れていけ、これはなかったのですが、そうすると不平不満は、神戸の場合にはマイノリティーであった下水が使えないということが仙台では非常に高い位置を占めてくるわけですね。 ですから、災害が起きたときのいろいろな住んでいる方の問題というのは、絶対的にこれがうまく解けたからいいではないかという問題ではなくて、常に相対化される問題だと思います。そういう点では、私たちは、都市災害というのは、中小都市に起きる都市災害、それから五十万ぐらいの都市に起きる都市災害、百万、全部違うと思っております。その違い方は今言ったように極めてソフトな問題ですね、心理的な問題、それにかかわるかと思っております。 それから、都市の規模の問題でございますが、これは非常に難しゅうございますが、例えば、極めて深刻な都市災害が起きたときに、けが人あるいは死んだ方、そういう方に対しての配慮をきちっとできて、そしてなおかつ一定量の例えはちゃんとした食糧を供給できる、そういうような都市はどれぐらいかということになると、もちろん十万の都市ではそれなりのレベルで供給ができると思いますが、しかしもう一つ、特に病院の問題なんか考えでみますと、きちっとした総合病院、それがあるところは当然必要になってまいりますし、場合によってはそれなりの工場があるというところも必要になってまいります。そういうふうに考えていきますと、私は、やはり人口が三十万から五十万ぐらいの都市、これがしっかりと機能できるということが地方にとって一番重要ではないか。 もう一つ申し上げますと、災害が起きたときに、そこの災害が起きた都市の中ではいろいろなものをみずからつくれない状況になります。神戸でもそうでございました。そうすると、そこへ品物を送ったり人を送ったり、あるいは病院をこちらへ持ってきたり、そういうことをやるための健全な都市が必要なわけですね。その健全な都市があるかないかによって、被災を受けた都市の回復が決定的に違うわけです。極めて幸いなことに、神戸は大阪がございました。だから、大阪の悪口言っていますけれども、何とか大阪がサポートしたのです。そういうふうに考えていきますと、やはり県の中にしっかりした、人口三十万から五十万ぐらいの都市がきちっとあるという重要性は大変大きいかと思います。 それから、三番目の食糧の問題でございますね。この問題極めて重要でございますが、一つ、ドイツでは農耕地は減らさないで極めて粗放型の農業をやっております。これはもう御存じのとおりです。粗放型の農業をやっていることに対して、これは土地利用上、環境的にも粗放型の農業はいいわけですから、それに対してドイツは国庫補助を与えています。ですから、日本の場合に、農業の従業者が少なくなったということと農地面積が小さくなるということは、私は切り離して考えていいのじゃないかと。ドイツのような粗放型農業を展開すれば、それ自体がいい国土保持になりますね、環境的に。 それから、もう一つ申し上げたいことは、農業従業者を今までのように土地持ちの農家からではなくて、農業に対してもっとオープンに公募、農業市場を公開された方がいいのじゃないか。それで随分農業のイメージが変わると思います。ついこの間、私、北海道の十勝の大規模な農業経営の問題を議論してきたのです。そこで起きました問題はまさにそうでございます。農家というものが農業を経営するという時代は過ぎた、まさにそこでは、十勝においても新しい企業型の農業をやらない限りは、日本農業の先が問題だという議論をしておりましたので、それだけ申し上げておきたいと思います。
○遠藤委員長 よろしいですか。 それでは、玄葉さんどうぞ。
○玄葉委員 ちょっと時間があるみたいですから、半分感想になるかもしれませんが。 今回の震災で私も考えさせられたことの一つは、まさに先ほどおっしゃったような、地震が人を殺したのじゃなくて、建物が人を殺したのだというふうに思います。ですから、その意味では、建物の耐震性という問題にはどうしても注意を払わなきゃいけないというふうに思います。 そこで、きょうずっと注意をしてお聞きしたかった、また聞いていたのですけれども、全国どこでもどんな建物も全部建物を丈夫にするということになれば、大変なマネーコストがかかるのだろうなという気持ちがありましたから、さあ、どこを、しかもそのどこのどの建物をという気持ちでずっと聞いておりました。 その中で、先ほど岡田先生が東海は結構進んでいるのだ、我々、委員会の中でこの間法律が通りましたけれども、東海は単純延長というかさせて、いわゆる学校とか医療施設などを財政補助していることもあって多分進んだのだろうと思うのですね。そういう意味では、市街地の真下に活断層が走っているようなそういう地区などは、もう恐らく優先度が高い地区としてこれから相当配慮をしていかなきゃいかぬのだろうなと思いながら聞いておりました。 また、何をという意味では、先ほどお二人で議論されているように用途の問題、あるいは伊藤先生は何より恐らく古い密集住宅地だということなんだろうなというふうに納得しながら聞いていたのですけれども、先ほど来からお話あったマネーコストをできればわかりやすく端的に聞きたいのですね。つまり、補強したときにどのぐらいかかるのか、あるいは新しい建物をつくるときに、通常の建物を建てるときよりもいわゆる今回の震災に耐え得る建物を建てるとしたら例えば一割増しぐらいかかるのだとか、五%増しなんだとか、その点をお聞きしたいということが一点目です。 もう一つは、私も沢藤先生と同じで、もう一つ考えさせられたのは、まさに国土政策も反省すべきだなと率直に思いました。その意味では町づくりもまさにそのとおりですね。伊藤先生おっしゃったように、敷地を確保しろというのは全くそのとおりだなというふうに思いましたし、分散政策の必要性というのも改めて感じました。 また、同時にもう一つ、これは質問になるかどうか、伊藤先生マスコミはどうも東京に地震を起こさせたいようだというふうに最初におっしゃっておられましたけれども、私もちょっとマスコミの論調はそういう部分があるかもしれないけれども、一方で、危機管理という意味ではもちろん博多だって広島だってすごく大事なんだけれども、危機管理という面から見れば、やはり議論はむしろ起こしていくのも必要なんだろうなと。 震度八に耐えられる建物をつくっても震度九が来たらどうしようもないというところがありますので、保険を掛けるという意味で、国会議員が大事なわけじゃなくて、やはり国の体制として大事な部分はありますから、そういう意味では危機管理の面から東京の対策というのはより重要になってくるのはやむを得ないのじゃないか、そのように思います。 若干感想めいたことで恐縮ですが、お願いします。
○遠藤委員長 岡田参考人お願いします。
○岡田参考人 補強などをするときのコストの問題についてお答え申し上げます。 建物ごとによって違うかと思いますので例を申し上げますと、例えば学校建築を補強する、旧基準の学校建築を今の基準のレベルまで上げるというときに、極めて大ざっぱでございますけれども、新築をする、取り壊して新しいのをつくる費用の一五%から三〇%ぐらいかけますと大体今の基準ぐらいに直せます。そんなことでありますので、これも大ざっぱに言いますと、一棟建てかえる費用で古い校舎が三棟分とかレベルアップができる、こんな感じかなととらえております。 それで、普通の民間の建築などですと、補強に新築の五割以上かかるとなると、大分古くなっているから、それじゃ頑張って新築するかとかいうような判断もされるようでございまして、おっしゃったように、補強のコストがどのぐらいかかるかというのが補強するかどうかということの非常にキーポイントになろうかと思います。
○遠藤委員長 伊藤参考人お願いします。
○伊藤参考人 私は実は木造住宅の専門家ではなくて都市計画の専門家なんですが、これも岡田さんに質問しながらということになるのですけれども、木造住宅は私はそんなに二割も三割も防災性能を上げるために金がかかるとは思えないのですね。それこそ、木造住宅を地震に対して強くすることはやったけれども、最終的なコントラクターとの契約価格は今と同じぐらいということだってあり得ると思うのですね。ですからこういう問題は、一律に何%上がるのではなくて、むしろこれから、性能のいい、耐震性の高い住宅に、今までの古い、問題のある建物をどういうふうにして速やかに建てかえさせていくかということが重要じゃないかと思います。それはかなり行政的な問題になりますね。 私は、それからもう一つ、維持管理の問題がございます、木造住宅では。ですから、維持管理をいかにしてきちっと建物のお持ち主の方にはしていってもらうか。これは多分保険の問題にかかわってくるんじゃないかと思いますね。きょうまだ議論が出てないのですが、質のいい住宅、長もちする住宅ですね。今までの日本の住宅は、大体三十年ぐらいでもう次建てかえるかとか、木造住宅ですが、そういうことが多いのです。それは、家族構成が変わるとか、いろいろ御事情がございますね、敷地をまた二つに分割して売るとか。そうじゃなくて、やはりこれからの、特に私は木造住宅を思っているのですが、日本のいい住宅は、できたらもう七、八十年もつ、そういう住宅にすべきだ。それを皆さんがうまく売り買いしながら使っていくということをやらなければいかぬ。そうすると、この維持管理の問題が極めて重要になってくるのですね。 この間、ドイツのベルリンの不動産業者の人と、いい不動産業者の人と議論をしていたときに、彼らが非常に素直に、何で日本は、これだけ環境問題に対して大変だ大変だと言っていながら、住宅は三十年ぐらいで壊しているんだと。ドイツの場合は百年もつようないい住宅をつくっているんだぞと言ったので、私は、それは西ベルリンの問題であって、東ベルリンはどうだと巻き返したのです、ちょっとこれはまぜ返しなんですけれども。しかしやはり、長もちする、防災性能の高い、そういう住宅をどういうふうにして庶民の町の中に入れていくかというときに、ある程度の補助を私はやっていいんじゃないかと思います。 それはどうしてかといいますと、戦後、都市で大火が極めて深刻であった場合がございました。御存じのように、鳥取の大火とか能代の大火とか、大変な大火が多かったわけです。そのときに、やられるのが大体町の真ん中でございますから、これは建設省の古い、もうリタイアしたお役人の方たちが、こんなに焼かれて、せっかくの国民の財産が灰になってしまうのは大変だから、町の中の商店街のところだけは不燃化しよう、コンクリートにしようと。そうすると全部焼けないで、真ん中に商店街があれば、半分焼けて半分残るかもしれない。そういう建物に対しては、大した金額じゃないのですけれども、つかみで補助金をやったことがございます。 それから最近も、これは防災不燃化促進事業というので、これは国もやっていますし、墨田区とか東京都もやっていたと思いますけれども、地震のときに燃えて非常に危ないような場所を指定しまして、そこの木造住宅が、例えば二軒共同してちょっと燃えにくいコンクリートの住宅になるというときには、つかみで、利息相当分ですから百万か百五十万ぐらい、それをやるよ、だから建てかえなさいなんということをやったことがございます。しかし、これも建設の、こういう都市行政の中ではもう大変マイナーなものでございまして、ほとんど皆さんお気づきにならないうちに仕事が終わりかかっているときに、神戸が起きたのですね。大体行政というのはそうなんです。 だから、ぜひそこのところは政治家の皆様方もお気をつけになって、割合いいそういう個人の財産に対して補助金をやるとはけしからぬという、何かそういうしゃくし定規じゃなくて、その建物をよくすれば周りに御迷惑をかけないというときには、それなりのお金をやっていいんじゃないかと。そうすると、古い建物の密集している、大変何とかしなければいけないというところの建てかえも促進できるかな、そう思っております。
○遠藤委員長 では中島さんどうぞ。
○中島(武)委員 日本共産党の中島武敏です。 三人の先生方、本当にきょうは御苦労さまです。また、先ほどから御意見をいろいろ拝聴して、大変啓発される御意見をいただいてありがとうございます。私、幾つかお尋ねしたいと思っておりますが、まず最初に岡田先生に伺いたいのです。 岡田先生が、新しい耐震基準ができても遡及しないんだというお話をされて、これはぜひ遡及するようにさせたいということを非常に強調された、私、非常に賛成であります。 それで、その場合なんですけれども、民間の建物にストレートに遡及させるということになりますと、これはなかなか難しい面もあろうかと思うのですが、だけれども、少なくとも公共の建物、これはやはりちゃんとそういうふうにしなければいかぬのじゃないかという気がするわけですね。さっきから学校の例だとかいろいろな例が挙げられておりますけれども、まあ学校をつくる費用だって、年間の予算で申しますと、アメリカ軍に対する思いやり予算の方が学校を整備する予算よりも上回ってしまったのです、先生御存じだと思うのですけれども。私はそういうのは、やはり日本は地震国なんですから、最大の安全保障は、これはもう、地震に強い都市づくり、国土づくりをやる、こういう観点で、ぜひひとつ公共の建物の方から、隗より始めよで、大いにやるべきじゃないか、これが先生にお尋ねしたい一つでございます。 それから、私だけというわけにもまいりませんので、ほかの先生方にもちょっと伺いたいのですが、伊藤先生に伺いたいのです。 先ほどからマンパワーを大変強調される、私も非常にそのとおりだと思ってお話を承っております。阪神の復興、この問題も、パワーはどこにあるかといえば、やはり被災地の住民の皆さんにあると思うのですね。そして、しかしそれは、どういうときにそのパワーが発揮されるかといえば、やはり住民参加と住民合意だと思うのです。それを抜きにして、踏みつけて、上から何かいろいろなものをお仕着せをやりますと、これはなかなかパワーは発揮しませんですね。 そういうことからいうと、私、非常に残念に思っておりますのは、きのうですか、もう二週間の縦覧期間を終えたということで、都計審で都市計画を決めるという措置に出たのですね。私は、こんなことになっては大変だと思って、きのう実は建設大臣にも申し入れをしたのですよ。それは、朝日新聞なども社説を書いたり論説を載せたりして、ちょっと早過ぎるじゃないかという厳しい批評を出しておって、私は、今阪神の状況というのは、まだまだ被災地、避難地で生活しておられる方々もいるし、それから神戸を離れてしまっている、あるいは被災地を離れてしまっている、そういう方々もたくさんいるのですね。そういう状況のもとで、いや、こういう都市計画にするんだといって何か手紙を出したとかいったって、今、きょうの生活のこともわからないときに、あしたの復興のことといったって、とてもそんな気持ちじゃないのですよ。 だから、そういう実態に合わせて、権利制限だって二年間できるというふうになったのですから、私は、やはりこの際、しっかり期間を延長して住民のエネルギーを大いに酌み取るべきじゃないか、そして、そういう中からあすの神戸なり、あすの芦屋なりをしっかり築いていくというようにするべきじゃないか。どうも、まあ率直に申しまして、これは先生方に言う話じゃないのだけれども、何とも歯がゆい思いをしているわけなんです。先生の率直な御意見もこの点でお伺いしたいと思うのですね。 それから、伊藤先生にもう一つ伺いたいと思っておりますのは、所得の低い人に結局しわ寄せになるよというお話、そのとおりだと思うのですね。今補助のお話をされた。僕はこういうのはやったらいいと思うのですよ。個人の住宅だって何だって、やはりどんどん使うべき国費は使っていくというのがやはり地震に強い町づくりになるわけでありまして、私はそう思うのですね。例えば、東京でいえば東白鬚の経験もあります。等床交換ですよね、等床交換。等価交換じゃなくて等床交換で再開発の住宅に入るという場合もあるわけですよ。いろいろなやり方はあると思うのですね。 ぜひその点で、これは話は別なんですけれども、あの向こうの、阪神の地域、特に六甲の方に向けて全部斜面になっているものですから、その擁壁の崩れ、それからがけ崩れ、塀の崩れ、すさまじいですよね。これは、私は何とかしてくれという要求を物すごく受けているのです。なかなか全面的にやりましょうという政府の答弁は残念ながらまだもらってないのですよ。私は、こういうのも地震が原因なのですから、やはりきちっとやることによって復興のエネルギーを大いに引き出すことができるのではないか、ちょっと生臭い話ばかりですけれども。 それから最後に、土岐先生に伺いたいのですけれども、活断層法というのをロサンゼルス地震と思いましたけれども、アメリカでつくりました。阪神が危険地域として予知連絡会が指定しましたのは、もう今から二十五年前、一九七〇年ですよね。これに対して何もしないできたという政治の責任は私は大きいと思います。そういうところだからというわけでもないのですけれども、日本なんかでやはり活断層法のようなものをつくって対策を講じる、そこにはやはり原発なんかつくらせない、立地しない、あるいは都市計画も制限をするというようなことが必要なのではないかなと思うのですけれども、その辺のことについての御意見を伺いたいと思います。 以上です。
○遠藤委員長 それでは、順番に岡田参考人からお願いします。
○岡田参考人 お答えを申し上げたいと思います。 私は、建築基準を一般論として遡及させる必要があるというふうに申し上げたつもりはないのでございますが、耐震基準だけに限って申しますと、これは法律的にどんなふうに運用していくというのは、私ちょっと専門ではないのでわからない部分がございますが、実質的に古い建物、古い基準でつくったものは今の新しい基準のレベルくらいまでとにかく持っていく、こういう施策をぜひ進めるべきだというふうに申し上げたのでございまして、おっしゃいましたように、公共建築からそういうのを手をつけていく、私も大変結構だと思います。 ただ、数から申しますと民間の方が多うございますし、今回も大分民間がやられておりますし、私ども研究者としては、そういうことが一体どうすればうまくいくのだろうか、技術的ではない部分、私自身もよくわかりませんけれども、何かみんなで知恵を絞って、公共建築だけでなくて民間の方にも、特にマンションとかそういうのもいっぱいございますので、そういったものにも普及させる手をみんなで考えていく、特に政治家の先生方にどうすればいいというのをいろいろ知恵を絞っていただきたいというふうな気持ちでございます。
○遠藤委員長 伊藤参考人、お願いします。
○伊藤参考人 私は、非常にきのうの都市計画決定の話をされて、そこのところは前から思っていたことに当たった質問でございますので、私なりの答えを申し上げたいと思います。 私は、都市計画というのは一種の市民に対する権利制限が基本でございます。その権利制限は公共の目的のために必要な権利制限ですね。今回神戸市や兵庫県が行った都市計画決定は、まさにお役人の立場からいえば、神戸市が地震が起きたときに二度とこういうことにならないような公共の目的のために最小隈必要な権利制限をするからということで決められたと思うのですね。私は、そこは公的セクターが権利制限やって、それに対して民間側が得るところ何もなければ、もらいをうんと多くしてもらおうじゃないか。もらいは大きい。だから、スピードアップして権利制限決めたなら、それだけもらいは平常時の自乗くらいもらおうじゃないか、そういうふうに考えていいと思うのですね。 そのかわり、時間をかけてお役人に関係なくやっていくところは、これは伸びやかに住民同士の相談でやっていくわけですから、ここは変な要求を出してもそれはお役所に通らないよと。それはまさに伸びやかな自由を謳歌しながらやっていくわけですから、それは、そこで金よこせというのは筋が違う。何かそういう整理の仕方があるのじゃないかと思うのですね。そこに今の所得の低い人の場合の判断事項と、それからたまたま大火災になったけれども、金持ちのところが火災になったときの判断事項、それが一種の、岡田さん流に言えばソフトな地域係数でかかって公共的サポートの量が決まるというふうになるのじゃないかと思っているのです。 ですから、そういうふうに考えれば、あしたぐらい県の方で決まるであろう都市計画決定にかかわる方は、積極的な町づくりの提案をどんどんと市と県に出して、もらいを大きくするということをやった方がいいのじゃないかと思っています。
○遠藤委員長 それでは、土岐参考人、お願いします。
○土岐参考人 最後の御質問でありました活断層法、アメリカでカリフォルニアにあります。そういうものが日本でいかがかというお尋ねだったと思いますが、これはもう日本とカリフォルニアとでは国土の広さ、こういう点から考えてみましても、まるで条件が違います。したがいまして、日本で法でもって、ここは住んではいけないというようなことが果たしてできようかと私は非常に疑問に思います。その点は先生方の方がよく御存じかもしれません。 そういう意味で、私は、日本の場合にはそういう法でどうこうというよりは、事実として、ここにこういう断層があるのですよということを一般の方々にもわかるような形で知っていただくということでいかがかと思うのですね。これまでそういったような災害にかかわる危険性、これは地震に限りませんが、火山でも風水害でも同じことですが、こういうところではこういうふうな危険度がありますよということを行政なり何々が明らかにいたしますと、例えば、そういうところの地価が下がるとか何だというようなことがあって、いろいろな苦情等があるというようなことで、なかなか公開がしづらいという面がある場合も過去にはあったということであります。 しかしながら、御存じのように、いろいろな面にわたる情報を公開をしようという御時世でもあります。ましてや、自然の災害にかかわる科学的な事実なことですから、それをどう受けとめるかは、そこのところの受けとめ方まで立ち入らないで、事実はこうなんだということを広く知っていただくということが私は重要でないかと思います。その上で、各人が各様に御判断いただくというふうな方法が日本の国の大きさあるいはそういうハザードマップをつくる信頼度の問題、いろいろなことを考え合わせますと、現時点ではその辺のところがいいところではないかと私は考えます。
○遠藤委員長 中島さん、よろしゅうございますね。
○中島(武)委員 いや、見解の違うところはもちろんあるのですけれども、ありがとうございました。
○遠藤委員長 それでは、太田さん、どうぞ。
○太田(昭)委員 土岐先生と岡田先生にお尋ねしますが、私、神戸に行きまして、こんなに木造家屋がぺちゃんこに、もう跡形もなく崩れるものかという非常に鮮烈な印象と、それから中高層のRC、これが四、五階がぺちゃんこになる。五、六階のマンションは、先ほど岡田先生だったと思いますが、駐車場等があるところがつぶれる。特に中高層については真ん中が、四、五階がつぶれる。それから、ポートアイランド等の液状化現象で1メートルぐらいの段差ができたりする。高速道が落下する。それぞれに大変印象深かったのですが、この木造家屋につきましては、耐震基準とか、きょう話に出ましたそういう問題以上に、これから我々の国民意識も変わる。どういう建物をつくるかというような観点で、これは教育、宣伝の部分も非常に大きな要素があるし、先ほど伊藤先生がおっしゃったように、いろいろな補助とかという形をとるということは大変きょうは参考になりました。 私お尋ねしたいのは、中高層の真ん中がつぶれるということで土岐先生が土木学会で発表されているという新聞報道を見ましたけれども、〇・八から二秒の周期の構造物、これがちょうど建物でいうと十階前後の中層ビルあるいは長さ二百メートルぐらいの橋、この周期と一致をするということが今回はかなり大きな破壊の原因であったという新聞報道を見ました。 一方では、建築の方に聞くと、建物のちょうど自由度の真ん中の、人間でいうと腰の部分だから四、五階がつぶれるという話も聞きました。あるいは、地面から今度は縦の振動というのが非常に大きいので、突き上げていて戻る。そのぶつかったちょうど真ん中のあたりがつぶれるという話も聞きました。 今度は、地盤自体の問題でいうと、同じようなことなんでしょうが、活断層がずれるということにおいて、その波が六甲山脈に当たって戻ってきて、活断層上が危ないというよりは、その地震波の行って戻ったぶつかりの中で、非常にそこに、これはいわゆるなぎさ理論というのかどうか知りませんが、そういうようなことで、縦の問題だとか、縦揺れが今回は大きいんだとかいろいろな論議があって、今日までちょうど二カ月が経過したと思います。 中高層の真ん中が、現在は技術的にどういう分析をされて、つぶれたという分析をされているのか。あるいは、建物の固有振動数というものがこれに本当にどのようにしたのか。なぎさ理論と言われるような、それは一体学名によって違うのかどうなのか。 それから、現在のこの耐震基準は、きょうの問題にも一番出ておりますが、一九二三年の関東大震災ということで、小田原の相模湾からのいわゆるプレート理論からくるものでありますから、やはり東京の本郷の四百ガルということを中心にすれば、これは当然水平振動ということについての基軸があるわけで、縦揺れがそのまま大きく起きて、それが直下型であるゆえに縦と横が一緒になって揺れてくる。私が向こうで聞いたことによれば、空中を舞うような感じがした、縦の揺れと横の揺れとが合わさって回るような感じがしたというのはいかにも実感としてはあり得るなと思ったのです。 耐震基準の中で、関東大震災というものを基軸にした今のものの中に、プラスして、現在の耐震設計基準でいわゆる地域係数や重要度係数やあるいは地盤係数というのを掛けていって、それでいいんじゃないかということだろうと思う。私も要塞型の都市をつくるということはいかがなものかというふうに思っておりますので、それはいいんですが、この縦の振動ということについてもう一遍、今回初めての経験というならば、ここの基準というものをどのように考えるかということについて、どちらの先生にお答えいただくかわかりませんけれども、今の問題についてちょっと御教示をいただきたいと思います。
○遠藤委員長 では、岡田参考人お願いします。
○岡田参考人 大変数たくさんの御質問をいただいて、ちょっとまだメモができていないところがございますが、もし忘れていたら御指摘いただきたいと思います。 それでは、私は建物の中層が壊れる話について申し上げたいと思います。 今御指摘のように、地震直後からいろいろな学説が出ておりましてあれでございますが、まだ決定的な答えが出た状況ではないということをまず申し上げたいと思います。 それから、次は私の感触でございますが、建物によっても多分きいている原因がいろいろ違うのではないかと思っております。それから、こういう破壊は、私の知っている限り今回初めて出たのではなくて、例えば一九八五年のメキシコ地震でもそういうことがあります。それから、一九二三年の関東地震のときも四、五階建ての建物の二階、三階が壊れたという例がございます。それから、四八年の福井地震で煙突が真ん中とか上の方でぽきぽき折れたという例もございます。 この辺を見ますと、建物ごとにいろいろな理由が一番きいているという説がいろいろ今出ている状態だと思っておりますので、二戸ずつ、今の腰折れで多分きいたのも僕はあると思います。それから、もともとちょうどあの辺で強さが変わっている建物もございますので、それは腰折れしたのかもともとあそこが弱かったのかという問題もありますので、この辺今建築学会あたりでも個別に少し調査しているところでございますので、あれは全部これだという答えは多分最終的にも僕は出ないという感じがいたしております。
○遠藤委員長 土岐参考人、どうぞ。
○土岐参考人 私は、上下動の影響の問題となぎさ現象というお話がございましたが、この二点についてお答えさせていただきます。 まず、上下動のお話でありますが、上下動につきましては、きょうたまたまでありますが持ってまいりました、皆様方の封筒にも入っていると思いますが、下の方に「最大加速度距離減衰」と書いた絵があります。実はこの絵は、詳しいことはやめますが、黒丸が要するに水平方向の揺れの最大値でありますし、白丸が上下動の最大の加速度です。それが、横軸が距離なんでありますが、断層線から距離が離れるに従ってどのくらい強さが小さくなるかということを示しております。 ごらんいただいたらおわかりのように、上下動と水平動を比べてみますと、やはりこれまでのいずれの地震でも同じでありましたように、水平動の方が振幅は大きいわけです。上下動の方が小さい。ジャーナリズムなんかでも上下動が非常に強かった強かったというふうに、体験した人たちもそういうふうにお述べになるわけですが、計測をしますとこういうことでありました。 必ずしも、水平の揺れよりは上下の方がよく揺れたということは、観測の限りにおいては事実ではないと私は思います。しかしながら、これまでに上下動の影響というのは水平動に比べて扱いが少しばかり少なかったということは私は否めないと思います。 では、それは量的に今後どれだけ上下動の影響を見込むのかと言われましたら、現時点で私自身はよう数量的にはお答えできません。しかしながら、自分自身が現地のいろいろな被災の起こり方、被害の起こり方を見た上で感じましたことは、どうもこれは上下動が悪い影響を及ぼしたに違いないという種類の被災の状況があったことも事実です。したがって、これから私どもの技術者の仲間で議論をしていく上では、やはり上下動の影響というのを全くこれまでと同じでいいというふうに私は言わないつもりでおります。 それからもう一つは、なぎさ現象ということがあったのではないかということをお話しになりました。このなぎさ現象というのは、非常に言い方が上手なんですけれども、必ずしも物事を正確にあらわしているとも限らないのですね。なぎさというのは、要するに皆さん方がイメージでお持ちになるのは、水の波が押し寄せてきて岸辺に当たってはね返ってくるというわけですが、そうすると、やはり波が高いのは沖合よりは浜辺じゃないでしょうか。 先ほどの太田先生の御指摘のように、今回の地震では、何も六甲山の山すそではなくて、もう少し町の方に行ったところ、かといって、さらにそれが埋立地の海岸の方に行ったところではまたかえって小さくなっているというところで、あるゾーンがよく揺れているということは事実のようでありますね。 では、結局それがどうして起こったのかということになりますと、これは諸説があろうと思いますが、私の観測では、土地の揺れ方というのは、それぞれの土地に非常に揺れやすい周期というのがあります。ある部分では一秒間に三回くらい揺れやすいところがありますし、あるいは一秒間に二回くらいのところもありましょうし、一秒に一回しか揺れないところもあります。そういうふうに、六甲山の山から海の方に行きますと、揺れやすい周期というのがだんだんに変わってまいります。 ところが、やってくる波は岩のところ、下の岩盤から入ってくるわけですから、いろいろな周波数の成分を持っておるわけですが、そのうちの特にどの部分をよく振動させやすいか、そういう振動させやすい周期成分をいろいろな部分持っているわけですが、たまたま一秒間に二回よく揺れるような成分を持った地震がやってきますと、そういう周期の揺れやすい土地のところがよく揺れてしまう。山の方は揺れない、また海の方も余り揺れない、たまたまそこだけが揺れてしまうという現象は、これはもうこれまでの地震でもしばしば観測されることであります。 さらに、地震の後、地震工学の人たちが、常時微動といいますが、土地が常時揺れているわけですが、そういう観測をいたしました。そうした人たちの言によりますと、やはり大きな被害を受けたあたりの揺れやすい周期というのは、一秒間に三回ぐらい揺れる周期で土地がいつも、年じゅう揺れておるということのようでありました。だから、そういうところに、たまたま一秒間に三回のような成分をたくさん持った波がやってきたのではないかというふうに私は考えております。
○遠藤委員長 それでは、長時間にわたりまして大変有意義な討議をさせていただきましたが、予定されております時刻が参りましたものですから、この辺で閉じたいと思いますが、よろしゅうございますか。 それでは、大変ありがとうございました。 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。 参考人の先生方には、公務御多忙のところ、当委員会に御出席をいただきまして、また、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。 当委員会といたしましても、本日の御意見を参考に復興に取り組んでまいる所存であります。委員会を代表いたしまして、お礼の言葉とさせていただきます。(拍手) 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時一分散会 ――――◇―――――