決算委員会 第3号
- 発言数
- 76 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1995/04/13
会議録
○石井委員長 これより会議を開きます。 平成四年度決算外二件及び平成五年度決算外二件を一括して議題といたします。 総括質疑を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。稲垣実男君。
○稲垣委員 私は、自主民主党・自由連合の稲垣実男でございます。 村山総理には、当委員会に初めて御出席をいただきました。私は、率直に言いますと、村山総理とは、かつて社会労働委員会当時、時としては真剣な議論をさせていただいたことがございますが、当委員会では初めてでございます。日ごろから大変優しい政治を目指しておられますし、本当に人間味のある方であられますし、特に庶民、大衆の立場に常に立って物を考える、こういうこともよく言っておられました。自分に極めて厳格な人であろうと思いますし、特に潔癖さと情熱をあわせ持つ人で、大変尊敬しております。そういう人であるだけに、私は、決算という審査は非常に厳格なものでございますので、村山総理に冒頭まず決算の審査に対する総理としての御所見を承りたいと存じます。 御承知のように、本委員会は、憲法第九十条に基づきまして国会に提出される決算を、国会の議決によりまして成立した予算が執行において適正かっ効率的にされているかどうか、行政効果はどんなふうになっているか、あるいは経済効果等について国会の財政監督権の立場から審査を行っておるのでありまして、その結果を将来の財政計画あるいは予算編成及び行政執行に反映させることにその目的があると考えております。 しかしながら、従来の審査は、一会計年度の決算を議了するには、諸般の事情もありまして相当の年月がかかっております。決算審査の結果を次の予算編成にどう反映させるかそのために、国会に決算が提出されたならば速やかに審査を行うことが本来の姿であると考えておりますので、私が委員長のときに分科会による審査を提案いたしましたところ、いろいろな議論がありましたけれども、各党の全員の賛同を得まして、平成二年度、平成三年度の決算審査から実施したところであります。 そこで、村山総理は決算審査というものに対しましてどのようなお考えを持っておられるか、及び決算審査結果を予算編成へどう反映させていくか、そういったことについてどのように考えておられるか御所見をまずお伺いしたいと思います。
○村山内閣総理大臣 冒頭にごあいさつがございましたように、稲垣委員とは社会労働委員会等御一緒していただきまして、御交誼をいただき、御指導をいただいてまいりましたが、今御指摘のございましたような点につきましては、初心を忘れず、そういう心がけでこれからも取り組み、頑張っていきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。 今決算審査の扱い、その結果の取り組み等についての御指摘がございましたけれども、決算は予算の執行の実績が問われる、予算で決められた項目がどのように国民に対して効率的、効果的に、有効に活用されたかというようなことが審査をされる。その審査の結果に基づいて次の予算が編成されるというのは当然でございまして、会計検査の報告なりあるいは決算が国会の決算委員会で御審議をいただく、そうした御審議を通じて出された皆さん方の御意見というものが十分次の予算の編成に当たって反映されるべき性格のものであり、貴重なものであり、大事なものであるという受けとめ方をして取り組んでいくことが大事ではないかというふうに認識をいたしております。
○稲垣委員 次にお尋ねいたしたいのは、平成二年度また三年度の決算で本院が既に指摘をいたしました委員会の審査及び国政調査活動に対し十分にその画的が達成できるように政府の積極的な協力についてということと、公共事業等におきます類似事業の適切な、有効的かつ効率的な事業執行について、こういったことにつきまして、四項目に対し、内閣からこういった措置が本年二月に報告されたところであります。これによりますと、今後もなお改善の努力をされるとのことでありますが、決算の議決は私は極めて重いものと考えております。 そこで、内閣のこういった措置が単に一回の報告だけで済まされることがないように、議決した指摘事項の趣旨を将来にわたって予算編成、行政執行にさらに反映していく必要があろうと思いますが、重ねてひとつこの点につきまして総理の御所見をお伺いしたいと存じます。
○村山内閣総理大臣 今御指摘もございましたし、私の方からもお答え申し上げましたように、予算の適正かつ効率的な執行に留意していくためには、決算の審査における審査の経過あるいはそこで反映をされました皆さんの意見等々が十分踏まえられて、次の予算編成に反映をされていくということが極めて重要であるということについては、これはいささかも異議を挟む余地はないので、当然のことであるというふうに考えておりますから、その趣旨を体してこれからも全力を挙げて取り組んでまいりたいというふうに考えておることを申し上げておきたいと思います。
○稲垣委員 今国民の皆さんが大変心配しております問題は、いろいろございますが、特にバブル経済の崩壊後、円高等の影響がますます深刻になってまいりまして、我が国の経済の立ち直りも二転三転、そして長期間低迷を続けております。そういったことから、景気の見通しすら現実の問題としてわからない状態と言えるのでありますが、政府はもちろん、景気回復を図るべく平成四年、五年には多額の公共事業を投じる、そして景気を刺激しておられますが、その回復効果はちっとも認められぬじゃないか、こういう声がございますし、税収も当初予算から見て著しく不足する結果となっておるのが現状ではないかと思います。 ちなみに、平成四年度の決算では一兆五千四百四十七億円、平成五年度の決算では五千六百六十三億円の決算上の不足を生じており、二年連続して決算調整資金からその不足額を補てんする状態となっております。平成六年度においてもなお景気の回復は十分とは言えませんし、さきの阪神・淡路大震災の影響などもあって、まさに我が国の財政状況は極めて厳しい状況にあると認められます。 そこで、もう三月も終わったところでございますので、平成六年度の決算見通しをお伺いしたいと思います。また、これに対する総理の所見を承りたいと思います。
○村山内閣総理大臣 今出納整理期間中でございますから、現時点で歳出歳入のいずれについても具体的な見通しを立てることは困難であるということについては、御理解をいただきたいと思うのです。歳出につきましてはこの三月三十一日で大体けじめがつきますけれども、歳入につきましては、特に法人税等につきましては七月ぐらいまでにならないと結論が出ない、こういう状況でございますから、その点については御理解を賜りたいというふうに思います。 しかし、いずれにいたしましても、今御指摘のございましたように、必ずしも経済の動向というものは楽観を許さないものもございますし、とりわけ法人税等を中心とした税収というものに対する極めて厳しいものがあるということも十分踏まえておりますから、そういう点も十分勘案をしながら、この六月以降の歳入歳出にわたるけじめはしっかりつけて、そごのないようにしていかなければならぬというふうに考えておるところでございます。
○稲垣委員 財政当局の大蔵大臣、どのように考えておられますか。
○武村国務大臣 今総理がお答えをいたしましたように、御承知のように、税収で大変大きなウエートを占めます法人は三月決算が多うございまして、その三月決算の確定申告は五月末ということになっております。そういう意味で、確たる見通しを今申し上げることは難しいということで御了解を賜りたいと存じます。 税収動向そのものも、私ども最終補正で挙げております数字を期待しているところでございますが、今申し上げました確定申告の動向、五月末に申告されて、七月初めごろに通年でございますと大体全容が見えてくるという状況でございますが、ただ、昨今のこの為替相場、株安、こういうものが大変急激でございましたから、どの程度マイナスの影響を与えるかは心配いたしておるところでございます。
○稲垣委員 時間がございませんので、先に続けて申し上げたいと思います。 そこで、政府におかれては、さきに行政改革の推進方策を示されまして、我々としてもその確実な実行、効果あるものを期待しているところでございますが、さきに述べましたように、厳しい財政状況や今後の高齢化社会、その対策などを考えてまいりますと、なお一層の行政改革を進めていく必要があるのじゃないかと思います。 そのためには、行政の効率化や活性化を図って早期に財政を健全化させる、と同時に、さらに思い切った規制の緩和、国民の皆さんがやったな、やったぞというふうに、そう思うものをひとつ実現してもらいたいと思うのです。やはり実感がわいてこないといかぬ。どうも今やっておることは余りわいておらぬじゃないかということが一般的なことでございますし、活力ある日本の経済、実感として本当によくなったなというようなものを築いてもらいたいなとだれもが思っておりますので。 そこで、今後の行政改革、規制緩和について総理の強い決意を、お考えをお伺いしたいと思います。
○村山内閣総理大臣 御指摘のございましたように、行政改革につきましては、現行の国内外の情勢の変化に対応して、簡素にして効率的な行政を執行するということは当然のことでございまして、この内閣の最重要課題として取り組んできたところでございます。 特に規制緩和につきましては、先般閣議決定もいたしましたけれども、五カ年計画を策定して、そして年次を追って見直しをしながら国民の御期待におこたえできるように、内外の声も反映させながら進めていきたいというふうに考えております。特に、設置をされました行革委員会の中に規制緩和の部会も設置をして、そして特に民間人の各層からの代表に入っていただきまして、毎年毎年規制緩和に対する見直しも点検もしていただいて、勧告を受けながら適時適切に対応していきたいというふうに考えております。 特にまた、特殊法人の見直し等につきましても三月末までに決着をつけ、同時にまた、地方分権につきましてもこの国会で御審議をいただいておりまするけれども、規制緩和と特殊法人の整理、そして地方分権、情報公開といったようなものをこの行政改革の大きな柱として、これからも間断なく効果の上がるように推進をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○稲垣委員 残余の質問がございますが、前田委員にひとつ交代いたします。
○石井委員長 次に、前田武志君。
○前田委員 今、稲垣委員からの決算委員会の意義づけ、また総理の御答弁がございました。やはり総括しての委員会というのは数少ない。この決算委員会はその一つでございまして、先ほど総理から御答弁ありましたように、この決算、歳出面についての審議、そしてそれを予算に反映させる、またそういったことを通じて行財政改革というものも進めていくというこの委員会の大きな意義があると私は思います。そしてまた、審議の促進については、先ほど御指摘あったように、先年度から随分とその面でも進歩を見たところでございます。 さてそこで、円高でございます。この十日ぐらいの間に急激に進みました。八十円に近いというようなことでございます。これは、特に今回の場合には独歩高と申しますか、要するにマルクもドルもそれぞれにおいては別に困ってない。これは長期に見ればいろいろ問題はございましょうが、円だけが独歩高ということで、アメリカの経済も好調でございますし、そしてドルの基軸通貨としてのあり方、円との関係はこれありでございますが、ドルの主な支配圏である北米、中南米、そういったところも含めまして、恐らくアメリカにおいてはそれほどのドル安というような危機的な、そんな受け取り方はなされてないといったようなところだと思います。 けさの新聞をたまたま見ておりますと、「主要企業百社の円高対策」ということで新聞社がアンケートをとった中間発表が載っております。そのどういう対策がという上位三位。「合理化の徹底」、まずこう載っているのですね。「海外資材調達の拡大」「海外生産の拡大」、これは主にメーカー主体だろうと思うのですけれども、大体これで七〇%ぐらいになっております。 「合理化の徹底」、これは当然新卒だとかそういう雇用の方にいくでございましょう。肩たたきにもいくでございましょう。相当の雇用の問題が出てまいります。「海外資材調達の拡大」、下請、孫請、中小企業、こういったところにもろにきいてまいります。こういうところを中心に大変なまた不況あるいは倒産等が出てまいりましょう。「海外生産の拡大」、当然でございます。もうこれがいわゆる空洞化だろうと思うのですね。急激にこれでまた進むのじゃなかろうかこう思います。 政府におかれましてはあした緊急円高対策を御発表になる、こう聞いております。後ほど総理にお聞きすることにいたしまして、橋本通産大臣はお時間がおありだ、こういうふうに承知しておりますので、ぜひこの問題について、通産大臣と申しますよりも、私は、この内閣における経験といい御実績といい、その今までの——財政金融政策についてはまだ後ほど大蔵大臣にお聞きすることにいたしまして、国務大臣橋本先生にお聞きをしたいなと思うんです。 要するに、土地もどんどんどんどん下がりまして、不良債権問題等もございます。民間金融機関については、これはもう要するに、担保の問題等で土地が下がれば金融機能の麻痺というものがどんどん進むわけでございまして、株安、たしか平均一万五千円を下回りますと、銀行においてもそれから生保においてももう含み資産は全部消えてしまってマイナスになっていくというふうに聞いております。こういった中では、もうどんどん企業体質も弱体化していくわけでございますから、当然内需縮小ということになっていく、これがまた円高につながっていく。いわゆるビシャスサイクルというか悪循環に陥っているんじゃないかなと思います。日本経済の私は危機ではないかなと。 この辺について橋本大臣はどういうふうに御認識されているかお伺いをしたいと思います。
○橋本国務大臣 今私は通産大臣という立場で、その立場から今この状況を極めて深刻に受けとめております。もともと、昨年二月十一日に細川首相とクリントン大統領の日米会談が、いわゆる大人の関係というお言葉一言で経済関係を非常に苦境に陥れられた後、御承知のように為替の状況が一変をいたしました。 ですから、私は就任直後、七月でありますけれども、全国の輸出関連の中小企業を中心に、その時点における状況を調査をさせていただきました。その当時採算分岐点は百十三円対ドルということでありましたし、この時期におきましては、なお為替と現実との乖離が非常にありましたけれども、中小企業の方々は非常に積極的にこの事態を迎え撃つという姿勢を持っておられたわけであります。すなわち、輸出中心でありましたそれぞ札の製品を国内にウエートを移す、あるいは付加価値を高める、さらに新製品の開発に挑む、こうしたお答えが相当部分を占めておりました。 ところが、この三月八日以降、これはまあ円高と申しますよりも、御承知のようにメキシコの関係からドルが崩れたわけでありますけれども、この瞬間、事態を非常に深刻に受けとめまして、再度同様の調査をいたしました。そうして、なおこれを迎え撃つ決意は大変強いものがありますし、私は日本の中小企業というものはすばらしいと思いましたのは、昨年の七月から本年の三月の調査までの八カ月の間に採算分岐点は百十円まで上昇しておりました。これは大変なことだと私は思います。 ところが、その努力というものが水泡に帰すような為替の変動幅というものに対し、有効な対応策なしというお答えが二五%を占めておりました。また、この状況が続くなら転廃業やむなしというお答えは八・九%に上っております。 なお、昨年七月の時点では、為替の影響なしとお答えになりました企業がそれでも数%ございました。今回はそういう企業は一社もありません。全部が影響を受けております。 それ自体非常に深刻なことでありますし、私どもは、昨年来進行してまいりました円高の中で、なお中小企業がそれぞれの創意工夫を生かして持ち前の企業家精神を発揮していただけるように、中小企業創造法を御審議を願い、成立をさせていただきました。また、既存の大企業それぞれの事業の転換が図れるように、事業転換革新法といったものも御審議を願い、成立をさせていただいたわけであります。ですから、我々としては、まずこれを前倒しして四月早々から実施に移させていただく。同時に、三月三十一日をもって終了する予定でありましたつなぎ資金等に対する支援措置、これもそのまま継続をさせていただいております。 また、これは労働大臣に大変御苦労を願いましたが、雇用調整助成金につきましても、この状況の中、雇用は心配でありますから、これも継続をしていただく方法をとりました。 現在、総理の御指示を受け、この円高に対応する対策の取りまとめをいたしているさなかでありますが、この詳細はまだ決定をしておらない部分であり、具体的に申し上げられるところまではいっておりません。しかし、総理からも内需を拡大し、振興せよという一つの柱をいただいておりまして、当然のことながら、五月、ゴールデンウイーク明けできるだけ早い時期に、阪神・淡路大震災の復旧、復興に関連する経費だけではなく、これは総合的にはまとまるのが大分後になりましょうから次の補正ということになりましょうが、その中のできるだけの部分とあわせまして、この円高に対応する施策というものを中心に補正予算の編成を大蔵大臣にお願いをいたしております。 そして、私としては、その財源について、既定の組みかえとかいった手法あるいは増税といった手法で対応するのではなく、これは国債によらざるを得ない財源の性格を持ってあろうと、個人的にはそのような思いも持っております。なぜなら、それによって経常収支の黒字の縮小に政府が歩み始めたという方向を一つ立てる必要があろうと思っております。 同時に、今委員からも御指摘がありましたが、別途私は、日本の経済の活気を取り戻すためにも、証券市場活性化対策というものは昨年来繰り返し大蔵当局にお願いをしてまいりました。店頭市場等随分改善を図っていただいております。しかし、より証券市場に一般の投資家が戻り得るような施策をこの機会にあわせて行っていただきたい、また、金融機関の経営が安定するための措置というものについても御考慮をいただくべきではなかろうかそのようなことを議論をさせていただいております。
○前田委員 ありがとうございました。通産大臣、結構でございます、お時間がおありだということですから。 今通産大臣からも非常に厳しい認識があったわけでございますが、総理にお尋ねいたします。 要するに、世界の市場が、特に金融というものは一体化してきておるわけでございますし、特に投機筋の動きというのは、実際の貿易の決済等で動くドルといいますか、外貨の多分何十倍。たしか全体で一兆ドルぐらい動くうちの貿易決済はせいぜい二から三%というふうに、要するに、九五%以上が投機といいますか、そういう目的で動いているというふうに聞いております。それがマーケットを通じて動くわけでございます。そして、そのマーケットというものは五年、十年前とは性質が違うのですね。多分、社会主義経済が崩壊して、要するに自白百場というものですべてのマネーが動く、それが結局は各国の経済の一番の血液になっているわけですから。しかも、そのマネーの動きというものは、この情報化社会の中でもうあっという間に、大げさに言えば、五十五億人の人たちがそれぞれ持っている価値観というものがマーケットに映るというぐらいのこと、そういう時代に来ていると思うんですね。だから、マーケットそのものの持っている意味というのは私は随分違っていると思うんです。株の世界でも、特に金融のマーケットというのはそういったぐいのものだろうと思います。 したがって、日本としては、やはり日本の経済をどういうふうに変えていくのか、内需を拡大するのか。持っている日本の活力をいかに活性化させて、そして日本の市場をオープンにして、広げて、そこに世界にも参加してもらうと、そして、透明性、公平性ある市場をやっていくんだというそういうメッセージを、パンチのきいた政策パッケージを出さないと、目先のことではマーケットはもう織り込み済みというふうに思うわけであります。 その辺の認識も踏まえまして、あしたの円高緊急対策について総理の御所見をお伺いいたします。
○村山内閣総理大臣 先ほど通産大臣からも御答弁がございましたし、また委員からも御指摘がございましたように、最近のドル安・円高というこの急激な変化というものが相当深刻な様相を呈してきておるということはもう否定し得ない事実だと思いますし、これは為替レートが変動相場制に変わってから、為替の変動に対応できるような体質をそれぞれやはりそれなりに持ってきておるという点も私はあると思いますね。したがって、それほど日本の輸出が減っていないというようなことについては、それなりの対応能力を持っているところが、企業があると私は思うのですけれども、しかし、それだけにまた下請やら中小企業というものは深刻なやはり打撃を受けて、もう転換もできない、行き先もない、こういったような厳しい状況に置かれている現状については、先ほど通産大臣からも答弁があったとおりですね。 これは、今委員からも御指摘がございましたように、思惑と投機でもって動いている部分が大変大きいというようなことが、それぞれの国の持っておる経済的な諸条件を正当に反映した上での相場の変動ではないというところにまた私は問題があると思いますが、しかしそれは、そういう現実は現実として、それに対してどう為替レートの正当に持っている力が可能な限り反映できるような安定したものにしていくかということについては、それぞれ関係国がやはり協調し、協力し合うということも大事なことだと思いますし、そういう面はこれからも一層努力をした話し合いもしていかなきゃならぬと思います。 しかし同時に、もっと恒常的にそういう変動相場制、為替レートの変動に十分対応できるような日本経済の体質というものを構造的にどう変えていくかというようなことについても、もっとやはり厳しい検討が必要ではないかというふうに考えております。先ほどお話もございましたように、この七年度の予算の執行についても、そういう点に十分留意するとともに、同時に阪神・淡路の震災復興等だけではなくて、そうした御指摘のございましたような点も踏まえた上でできるだけ早く補正も提出をして、そして予算執行面も通じ、あるいは行政の各般を通じてそうした構造的な体質の変化ができるような、そしてこうした為替レートの変動を十分乗り切っていけるような、そういう経済体質をどうつくっていくかということが当面課せられた緊急の課題であるというふうに考えておりますから、そうした各般のものを十分検討しながら、総合的な対応について十四日くらいまでにまとめて何としても出したい、こういう決意で今取り組んでおるところでございます。
○前田委員 後ほど続けさせていただくことにして、一たん終わります。
○石井委員長 次に、稲垣実男君。
○稲垣委員 次に、予備費についてお伺いをいたしたいと思います。 予備費につきましては、御承知のとおり、昭和五十四年ころまでは予算総額の大体一、二%が計上されておりましたが、予備費計上額の妥当性等について国会でいろいろ議論されているところでございます。このこともありまして、最近では予備費は毎年度三千五百億円、このほか国庫債務負担行為が一千億円を計上するに大体とどまっております。 そのことは十分理解できますが、しかし、さきの阪神の大震災のこともあったことでもありますので、これからどんな事態が起こるかわからぬ。東京を中心とした大震災が起こった場合に、一体この程度の予備費額、その時点の予備費使用残額では緊急の事態に十分対応ができません。新たに予算措置が必要となります。しかし、大震災が国会閉会中に起こった場合には、さきの阪神大震災でも見られましたように、交通機関が広範にわたっていわゆる麻痺のような状態になってしまう。議員を国会に召集できずに、もちろん補正予算の審議のための臨時国会すら開くことができないこともあります。 したがって、起こり得る緊急の事態に対応するに十分な予備費額を計上して、その上で、例えば三千五百億円を超える分については何か歯どめというか、その使用に何らかのそういった措置をするなども考えられます。時に、総理の速やかなそういう場合におきます——予備費のことばかり考えておってもいかぬですが、今回のようないろいろなことが言われておるわけでありますから、速やかな決断と強い実行と、また総理自身の指導力が私は必要だと考えております。 現行の予備費計上のあり方についてもっと検討する余地があると私は思いますが、総理の見解を伺いたいと思います。
○村山内閣総理大臣 予備費制度は、予算の事前議決の原則の例外として認められた制度でございまして、その使用は、予見しがたい予算の不足に対して充当していくという限られたものでございます。その予算計上額につきましては、御案内のように、国会の御審議との関係からもやはりできるだけ抑制的に計上していくべきものだというように思っておるわけです。 ただ、この予備費の使用につきましては、原則として閣議の決定を得ることとなっておりまして、手続の厳正を期すると同時に、私も含めて内閣の意思が的確に反映されるというようなものでなければならぬというふうに思います。 先ほども御指摘がございました今回の大震災に対しましても、例えば仮設住宅についての予備費の使用やあるいは六年度第二次補正予算の編成など、内閣として適時適切に対応してきたところでございまするけれども、これは憲法でも規定されておることでもございまするし、予備費の性格というものも十分踏まえた上で、今委員から御指摘ございましたような点も踏んで、今後十分内閣全体の意思と同時に国会の意思、国民の期待におこたえできるような反映の仕方をしていきたいというふうに考えておりますので、御理解をいただきたいというふうに思います。
○稲垣委員 次に総理に、私は、平成七年度補正予算ということが既に想定されておるということでございますので、この点についてお伺いしようと思いましたが、ちょうど前田先生の質問の中で触れられました。しかし、これは非常に国民の関心の深いところでもありますし、一体政府はこの隣どういう考え方でおるかということに非常に関心がございますので、ひとつあえて重ねてお伺いをいたしたいと思います。 この補正予算の編成に当たりましては、当面の課題としては、さきに発生した阪神・淡路大震災の復旧やあるいは復興対策がどう決まってくるかということでありますが、私も実は自民党の地震対策特別委員会におきまして、今後の震災計画の見直しとその対策、長期的なものと当面緊急にやらなければならぬことといろいろある、そこでその施策としていろいろと立案させていただきました。とにかく全国の国民の皆さんが今本当に安心と安全に暮らせるのかという、このごろはちょっと別な意味におきましてサリン問題等が起こっておりますが、日本のような安心と安全を一番表明しておる国でありながら、一番根本がどうも、日本は安全ではないぞ、不安なところだというような懸念もあるわけでございますので、どうしてもこういったことについてひとつ強い対応措置をお願いしたいと思います。 それからまた、今お話ありましたとおり、一ドルがまさに八十円に近づこうとしておる円高への的確な、速やかな対応がされ得るであろう、予算にはそういったことが織り込まれるぞというふうに伺っております。特に円高対策につきましては、政府においては従来から各種の対策を講じてこられたところでありますが、結果から見てまいりますと、どうも十分でない。この際、ひとつ思い切った措置が必要であろう。総理がそういう思い切った措置でびちっとされることが、実は非常に安定して——特に円高の問題なんというのは、今お話もあったけれども、私は心理問題じゃないかなと。強い姿勢で日本の政府は考えておるぞと言うと、先ほどの思惑でやっておるようなことも、これは相場というものですからどういうふうに展開していくかわかりませんけれども、やはりおじけづくんじゃないかな、そういうところに私は効果が非常にあると思うのです。 そこで、今度の予算編成に当たって、そういった点を踏まえた基本的な考え方、あるいは円高是正への総理の決意をこの際ひとつまたお伺いしたいと思います。
○村山内閣総理大臣 平成七年度の補正予算を今国会中に提出をするということについてはもう表明いたしておりまするし、今その作業を鋭意進めているところでございます。 その中身につきましては、先ほど来お話もございますように、やはりこの阪神・淡路の復興について具体的に予算を計上して軌道に乗せていくということは当然でございますし、とりわけ震災に強い、災害に強い都市づくりをするということを視点にしてやっていかなきゃならぬというふうに思っていることが一つです。 それから、それを一緒にする、せぬはこれからの話でありますけれども、とりわけ、先ほど来お話がございますような、円高による中小零細企業に対する影響をどう防止して、そして経営を守っていくかということも大事なことでありまするし、ただそれだけではなくて、今は若干デフレ的な傾向も見られる。せっかくバブルから脱却をして緩やかながら回復の基調を見せつつあった日本経済に対して、円高というものが相当大きな影響をもたらしてきておるということも十分踏まえた上で、景気をどう盛り上げて、そして明るい展望を開いていけるかというようなことについて、思い切ってやるというような政策をきちっと明示するということが大事ではないかというふうに考えております。 そういう視点から、今関係閣僚で十分検討していただいて、そして明確な方向が出せるように段取りをしようというので努力している過程でありますから、今ここで具体的に申し上げることはできませんけれども、そういう決意だけは表明をしておきたいというふうに思います。
○稲垣委員 時間が余りないと思いますので、国民が非常に心配をし、全般的な問題として、将来の日本の社会の展望ということを見てまいりますと、高齢化社会にどう取り組んでいくかそれからまた少子化対策、こういったことを含めまして、私が最近いろいろと選挙区を回ってみたりいろいろしている、そういう声などもありますので、そんなことで、関連を持って質問したいと思います。 村山総理は特に社会福祉政策とか高齢化社会対策に大変な御理解と高い見識を持っておられまして、常に人間の幸せとは何だとか、あるいは、温かい人間の心を持っておられる人でありますから、これからますます超高齢化社会になっていく過程の中でいろいろとお考えを持っておられると思います。 最近の人口統計、推計などを見ていますと、出生率は一・五を切って、むしろ一・四六とか四五というような状況であります。二〇〇八年から一〇年ごろには日本の人口はピークとなる、一億二千八百万人ぐらいではないか。その後人口が急激に減って、一方高齢化のピークも、二〇二〇年から二〇二五年ぐらいでは到来する。その先はもっと超高齢化時代。少子化時代と絡み合って日本経済はますます活力を失っていく、そういう見通しもあるわけであります。 最近、いわゆるニューゴールドプランも見直しをされて、介護の問題も自助から社会で、全般で考えるいわゆる共助、さらに国もしっかりした公助をする、そういうような対策が講ぜられておるわけでありますが、安心のできる、将来老後は大丈夫だよ、こういうようなことを国民の皆さんは心配しておられるわけであります。 もうこれで私らの老後は安心だな、大丈夫だなという実感のわいてくるような、そういうような気が果たしてするだろうかというと、地元へ帰っていろいろな人に聞きますと、ちょうど適齢期になったお年寄りにお聞きしますと、私もいろいろな国の施策はこうなりますよ、ああなりますよといろいろ説明するのですが、先生それは本当かな、第一金があっても面倒見てくれる人があるのかね、あなたが説明するような、そんなうまい調子にいくのかなと首をかしげておるというのが現状であります。特に憂えておられますのは、寝たきりになった場合、それから痴呆性老人になって人に迷惑をかけるということはいかぬな、そういうふうに思っておられる。 また、わしの家では子供が一人しかおらぬし、しかも遠くへ今働きに打っちゃっている。今はいいが、もっと年をとってから、わしも家内が頼りの介護だけれども一体大丈夫かな、病気になったときに困っちゃうな。自分の経験では、寝たきりの親の面倒を見てきたが、本当に言われるようなことは、やはり経験した者でなければその苦労はわからぬじゃないか。おやじのときにはちょうど特別養護老人ホームというものが町にもできて、早速申し込んだけれども、なかなか入れてもらう余地がない。介護してくれる人もよくやってくれるけれども、どうも気が合わなくてうまくいかぬようだ、そういうことも聞いておる。今八十の人でして、奥さんが七十五歳、それが頼りだから、先を見ていくと、田舎ですから大きなうちがあるわけです、うちの世話もしなければいかぬ。庭もそのままのわけにはいかぬし、手入れも大変だ。稲垣さん、しっかり国の方で、ひとつ政治の方で解決してくれよ、頼りにしているよと随分言われております。そういったのが本当の姿であります。 時間がありませんので、そこで、政府のこれからの財政の負担と財源の確保について。二つ目は、介護医療、今言ったような介護を必要とする、あるいはまた医療の国民負担について。最近介護保険など検討されておりますが、そういったようなこと。三つ目は、日本人の高齢者は退職しても死ぬまで働きたいと強い希望を持っておられます。そういう高齢者の就労対策等について。そういったことなど、率直なお考えを、国民の皆さんが安心できるような、ちゃんとこういうのでやるんだよと、総理、おれは責任持つんだ、政府が責任持ちますよ、心配するなといったような声を聞きたいと思いますので、よろしくひとつ御答弁願います。
○村山内閣総理大臣 具体的な中身につきましては、必要があれば担当大臣から御答弁をいただきたいと思いまするけれども、今お話がございましたように、これから急速に高齢化が進んでまいりますし、逆に、今一・四六ぐらいの出生率だと思いますけれども、少子化がどんどん進んでいく。したがって、社会を支えていく生産年齢人口というものが減少していく、こういう人口構造になっていくことが大変心配されているわけです。 したがって、そうした場合における負担と給付のあり方というものがどういうふうにあることが一番妥当なのかというような観点から、臨調やら行革審等の答申を見ましても、一番ピーク時に税金と社会負担等とを合計した国民負担が五〇%を超えない範囲にとどめるというような方向も示されておりますから、そういうものも踏まえて、これからなお一層綿密に給付と負担のあり方について検討をして、合理的な結論を出していく必要があるというふうに私は思うのです。 ただ、これから高齢化が進んでいく中で、高齢者の介護問題等についても、例えば家庭介護という際と、それから入院をして治療を受ける必要のあるようなお年寄りの方と、それからまた社会福祉施設、老人ホーム等にお入りをいただいて介護を受ける、こういういろいろな方法があると思いますけれども、それぞれの分野において、そうした状況に十分たえ得て、そして安心して老後が過ごせるような条件というものをどう整備していくかというのが、市町村でつくっていただきました福祉計画ですし、それからそれを集約をして政府が持っておりまする新しいゴールドプランではないかというふうに私は考えております。そうしたものを、今お話がございましたような視点も含めて、老後に不安のないような、安心できるような条件をこれからどう整備していくかということが一番大きな課題であるというふうに思って、今真剣に検討も加えておるところであります。 それから同時に、六十歳定年というようなものが現代常識的になっておりまするけれども、しかし、相当若返っておりますから、これは単に財政的な問題だけではなくて、健康上の問題、生きがいの問題等も含めて、やはり健康な間は何らかの仕事もしていただいて、そして仕事を通じて我々は社会的に生きる価値を見出していく、こういうことも必要ではないかというように思いますから、雇用の延長といったようなものもあわせて考えていく必要があるのではないか。 そういう総合的な対策を十分各省検討し合って、連携をとり合いながら当たっていくことが大事ではないかというふうに考えておりますから、今御指摘のございましたような点も踏まえて、老後に不安のない、安心して過ごせる社会的条件というものを整備するために、これからも全力を挙げて取り組んでいきたいというふうに思っております。
○稲垣委員 続いて厚生大臣や労働大臣からもお伺いしたいと思いましたが、総理のしっかりした決意といいますかお考えをお聞きしましたので、先に質問を続けさせていただきます。 かつて、昭和六十一年から六十三年までの間に、自民党の高齢者対策、当時は私が特別委員長をやっておりました。そのときに、学者の先生やそういった人たちに集まってもらって、健康な高齢者の人たちが将来寝たきりにならぬように、そしてまた自分たちで自助努力して、楽しく生きがいを持って暮らせる、何かそういった長寿村コミュニティーをこれからつくる必要があるのじゃないかなということで、当時、私が党に懇談会をつくりまして、その成果として、これから求められるべき二十一世紀の新しい高齢者像というものをつくってもらいたい、そのために、今言ったように、日本型の長寿村コミュニティーというものを実は提言したことがございます。 これは、ちょっと概要を簡単に言いますと、太陽エネルギーといったようなこれから自然エネルギーを十分取り入れた、余り化石エネルギーを取り入れずに、環境にも十分配慮したもの。それからまた、コミュニティー内で高齢者でも簡単に作業ができる、働くことのできる場がやはりほしい、お年寄りに聞いてみると、みんなそうですね。もう死ぬまで自分は働きたいという人が非常に多い。そのためにキノコ栽培とか自然栽培の農場、そんなものがあるといいな。それから運動施設も、温水プールといったような、余り冷たいプールというものは好みませんので、そういったものを何か自然熱源を得てやってみたらどうだ。 それから、ゴルフ場も決して今日ではもうぜいたくではなくて、やはり運動用施設としてそういうことも必要である。しかし、安くできないとこれはお年寄りにとってみるととても払い切れませんので、自分たちでそういったミニゴルフ場みたいなものをつくれば意外とうまくやれるのじゃないかなと思うし、それからまた、そこでは高齢者の長い人生経験を生かして、そして新たな高齢者としての情報の発信地となるようなこと。それからまた、国際的に高齢者の交流の場となれば、それでまたできれば世界にそれをどんどん展開していく、そしてそのことによって国際貢献ができる、こういうようなことが必要だなと実は私考えました。 きょうその当時の古い本を、ちょうどゆうべいろいろ見て、ああ、これつくったことがあるなと、これはまた後で一つ差し上げますのでよく読んでいただきたいなと思うのです。 そして、高齢者に最も必要なことは、何といっても生きがいを持って、なお社会に参加して貢献したい、社会に貢献したい、こういう場をつくっていくことが、提供していくことがやはり必要だなと私は思うのです。こういった構想で、積極的な政府の支援が必要でありますし、また健康な人が先ほど申し上げたように寝たきりや痴呆性にならないようにしたい、こういうことであります。 そしてまた、あわせて少子化対策ということが、お年寄りと子供と一緒になって生活する場というものがやはりこれから必要じゃないかなと思うのですが、今日までの日本の社会の歩みを見てまいりますと、いわゆる核家族化が余りにも進んできたのではないか。特に農村部から都市への人口の移動、これは日本の産業構造の進展とともに、国の政策からも推進し、助成をしてきたと思うのです。特に住宅事情がそうでありますが、狭い場所、大体二DKが標準であって、ようやくこのごろでは三LDKぐらいが広いと言われるくらい。しかし、欧米と比べるとまことに話になりません。 子育てをしておりますから、共働きでありますから、やはり保育園に預けなければならぬ。また、このごろはやはりみんな塾に通いますから、教育費が非常にかかる、これも大きい。親は、せめて子供には大学教育をと、より高等教育を願っておるような現況でありますし、それにしては児童手当も大変少ない。こういうことからいくと、どう見ても子供をもう一人産みたいなという気にはならぬようですね。やはり二人か三人ぐらい産んで育てようというような気を起こすことが非常に必要だ。そのことが前に申し上げたように高齢化対策にもなると私は思うのです。だから、少子化対策というものと高齢化対策というものは一体のものじゃないかなと思うのです。 そこで、一般社会の風潮も一人息子や一人娘というのは当たり前だという状態で、今言ったように少子化対策というものはまことに決め手がない。そんなことからいきますと、おじいさん、おばあさん、そして働く若い親たち、その子供、いわゆる孫、いわば三世代が一軒の家に住んでいくということが日本の、伝統的に見ましても、夕べに一家が団らんしてまことに楽しくてほほ笑ましい日本のよき伝統の家庭というものを想像してみますと、本当に私は、これが将来の道じゃないかなということを考えてみますと、三世代の人たちが一つに住むというようなことを積極的にこれから進めていく必要があるんじゃないか。それにはまず、住宅の建設を大家族が住めるようなものを推進していかなきゃならぬと思うのです。 実は私の選挙区に岡崎というところがありますが、三世代が住むようにということで一軒のうちを百五十坪ぐらいに区画をしまして、そしてそこへ住宅金融公庫の貸し付けもしていただいて申し込みを募集したら、何十借というほど申し込みがあったというんです。非常に驚いているんですよ。ところが、それには、環境の整備やあるいは土地の制約や融資条件や、制約が余りにもある。ですから、政府がひとつ音頭取りで積極的にこれを推進するということが必要ではないのかな。そのことが、今言われておる内需の拡大や景気浮揚や高齢化対策、また介護の問題、少子化対策、もろもろのものが一挙に解決していくような感じが私はしてならぬ。いわゆる相乗効果というものが得られますので、どうかひとつ、今言ったような問題を総合的に、相乗効果が得られるようなものを総理はぜひ推進してもらいたいと思います。 そういうことで、活力のある社会の構築を私どもは期待をしておりますので、そういったことにつきましてひとつ総理の御意見をお伺いをいたしたいと思います。
○村山内閣総理大臣 今あらゆる角度から、これから展望される社会の問題点について御指摘がございました。 高齢化の問題につきましては先ほども答弁したとおりでありますけれども、少子化の問題も、これはやはり大変大きな重要な問題でありまして、高齢化を支えていく生産年齢人口というものがどういうふうに均衡のとれた形でもって構成されていくかということは極めて大事なことでありますから、やはり平均三人近くの子供さんを持っていただくということは社会の構成からすれば極めて大事なことだというように思いますけれども、しかし、今お話もございましたように、教育費に金がかかる、できるだけ少なく産んで立派な子供に育てたい、こういう親の気持ちから少子化が進んでいっているのではないか。また、子供さんをお産みになっても、共働きが大変多いので、なかなかそうもいかないというような経済的な事情もあろうかと思います。 それからまた、最近の状況を見ておりますと、職場と住宅というのが大変遠距離になりますから、通勤時間にもう一時間も二時間もかかる。そうしますと、仮に五時に引けても家に帰るのはもう七時過ぎだ。そうしますと、夕御飯を食べてテレビでも見たらもうそのまま休むというので、家族が団らんする時間というのが極めて少ない、親子の対話もできない。こういったようなことがいろいろそうした家族的ないい意味における雰囲気というものを壊しておるというようなことも言えるんじゃないかというふうに思いますから、そういう点でもこれからやはり総合的な対策を立てていくことが大事だというふうにも思います。 それから同時に、私は、東京の最近の子供さんの状況を見ていますと、これはもう遊ぶ相手が少ないんですね、少子化によって。ですから、友達がいなくて、僕らが子供のときには先輩、後輩からしかられたり、こづかれたりしながら共同で育ってきた、そういうふうな雰囲気が大変少ないというようなところにも、これは社会的な意味における問題があると思いますね。しかし一面、核家族化するということは自立心も養成するという意味では評価できる面もあると思いますから、一概に悪い面だけではないと思いますけれども、しかし、社会全体がそういう意味ではやはりお互いに支え合うという社会構造からすれば、考えなきゃならぬ点はたくさんあるんではないかというように思います。 とりわけ、最後にお話がございました三世代が同居するといったような、そういう家族構成が維持されていくということも大事なことだと思いますので、これは、住宅金融公庫の制度の中ではそういった面における優遇やらあるいは優先的に入居できるような優先権等々も配慮しながら、そういう点もこれからさらに強化して進めていく必要があるのではないかというふうに考えております。 今お話もございましたように、やはりあらゆる角度から総合的に対策を講じて、そして効果の上がるような、そういうものにしていく必要があるというふうに思いますから、御指摘の点も十分踏まえて、内閣一体となって連携をとり合いながら取り組んでいきたいというふうに思っていることを申し上げておきたいと思います。
○稲垣委員 今総理から大変総合的な、まことに人間味に満ちた温かいお考えを拝聴いたしました。こういった複雑社会においては、やはり複合的な、相乗効果を生むような政策をひとつ展開をしていただきたいな、いいことはどんどん政府が先頭になって進めるということでお願いいたしたいと思います。 先ほどのこの本は、またいずれ説明に伺いますので、よろしくひとつお願いしたいと思います。 以上で私の質問は終わります。
○石井委員長 次に、前田武志君。
○前田委員 続けさせていただきます。 要するに円高の問題なんですが、先ほどの議論の中でもございましたように、何といっても日本の経済というものをもっともっと活性化させていく必要があるわけです。 日本のこの社会というのは、まだ十五年、二十年、潜在活力のある時代だ、こう言われております。しかし、逆に言うと、日本に残された活力ある時代というのは、ここ五十年、百年の中ではまあこの十五年あるいは二十年ぐらい、この時代しかないのではないか、まさしく日本が峠を越えていく時代ではないかこういうふうに言われております。それは、ある意味では、二〇〇八年ぐらいに日本の人口が一億二千八百万ぐらいでピークになって、後は急激に人口減少、そして高齢化という時代になってくるというふうなことからも想像されるわけなんですが、そういう中で今現実にどうなっているかというと、日本の潜在的な経済成長力というのがあるのに、それをあらゆる面で、制度的にも、あるいは今までの経緯からいいましても、あるいは政策の運営からいってもむしろ冷やしている、押し込めてしまっている、そういったところがある、私はそう考えているわけでございます。 そういった意味でも、内需を拡大して日本の市場をどんどん拡大していく。要するに、企業に利潤を与えにゃいかぬわけです。今は企業の利潤というのがどんどん減っていって、もう雇用を維持するだけでも大変といった、既にそれを超えているような状況でございます。そしてまた、国民に利益をどんどん与えていかにゃいかぬ。本当にそういった経済社会にならないと、言っているような、日本の経済が本当に活性化して、市場が大きくなって、オープンになってということが実現できないわけであります。そのための財政金融政策というのは非常に大きいと思います。 先ほど総理との御議論で申し上げたように、この三年、五年の明確な方向性を持った、日本のそういった経済活性化のための政策パッケージ、それを打ち出す、パンチのきいたものを打ち出す、その中のかなり大きなものは私は税制だろうと思うのですね。 それは、先ほど総理もデフレ傾向にあるということをちょっと言っておられましたが、言ってみればまさしくデフレなんですよ。日本の経済の基本にあるそういう信用力というものが今はもうほとんどなくなっている。それがいわゆる不良債権の問題であり、それが今予算委員会等でも問題になったあの信組の問題にもつながっていくわけなんですけれども、それはまるでバブルで、あれは関係ないよというようなことを考えていたら大間違いで、要するに資産デフレに陥ってしまって、そのために金融が全然動かなくなり、それが実体経済そのものを巻き込んでどんなに景気を悪くして、見通しを立たなくしているかこういうことです。 時間がないのでそういう前段ははしょりまして、そういう中で、金融政策というのは私はやはり非常に大きいと思うのですね。特に金利の引き下げというのは、日本の金利は結構低い、こう申されますが、円高が進む中で、実際には卸売物価なんというのは下がっていくわけです。実質金利は、公定レートというか、要するに金利マイナス物価上昇率でございますから、日本の場合には金利よりも実は実質金利の方が高いということで、これはアメリカの金利に比べると日本の実質金利の方が——アメリカはまだインフレですから、金利は日本に比べてかなり高いように見えますが、そこからインフレ率を引くと実質金利は非常に低いわけで、日本の方がはるかに高いわけですよ。 そういう意味では、もう余り申し上げませんが、本当に財政金融当局のやり方、対応の仕方というのも非常にそういうところがパンチがきいていない。こんなものは小出しにしたらだめなんであります。そして、金利を下げたら実質金利が下がってまいります。当然これは円安の方にも振れるわけですし、それから銀行の利ざやを広げるわけです。これは要するに資産デフレなんですから、銀行の利ざやを広げてやって、不良債権に対する対応ができるようにしてやらなければいかぬわけですよ。 株価、これだって、このままほっておけばもう生保までやられるというようなことであります。金利を下げれば、当然そういったことについてもプラスの方向に動いていくと思います。設備投資ももちろんふえてくる。そういった意味でのこの金融政策というのは非常に重要な意味合いを持っている、複合的に今重要な意味を持っている時期だ、こう思います。 あわせて財政です。これだって、今年度の予算、ちょっと節約して阪神に持っていこうだとかそういうけち臭いことを言っている場合じゃないのです。どんと建設国債を発行して、あんなものは即やる。 神戸港、後でちょっと運輸大臣にお聞きしようと思うのですが、こんなものも、今すぐあらゆることをやってしまわないと、時間の問題です。時間が遅くなれば、ハブ港としての神戸港は東南アジアに持っていかれます。 そういうことも含めまして、あらゆる面で今財政金融政策というものをすぐ発動すべきである、こういう時期でありますが、大蔵大臣、いかがお考えでありましょうか。
○武村国務大臣 同感するところも多いわけでありますし、事実私どもも、あれは十三日でございましたか、財政金融に対する、この状況に対する考え方を発表いたしているところであります。 あした取りまとめる緊急経済対策におきましても、財政金融の方針がそれなりに大きな柱になることは十分自覚をいたしております。決してけちる気持ちはありませんし、阪神大震災に対しましても、今回の円高事態に対しましても、精いっぱいの財政金融出動をしなければいけないという考え方であります。 一つ問題は、円高対策ということに焦点を絞りますときに、従来何となく、内需振興、それは財政出動だ、公共事業の補正予算だ。これは、ここ二、三年も、四、五回の補正予算によって四十五兆円ほどの建設国債大量発行による財政出動をしてまいりました。このことの、いわゆる円高といいますかあるいは輸出の拡大という視点からの評価も改めてきちっとしなければならないと思います。それはそれで大変大事な手段だということは十分認識しておりますが、それだけに期待する考え方ではこの異常な状況は打破できないという思いも片方にあるし、ではどこに問題があるのかということを考えてまいりますと、私どもは経済のファンダメンタルズを的確に反映していない最近の為替動向という見方をして、こういう事態の異常さに対しても、これはG7を含めた対外的な努力の必要性も痛感をいたしているわけであります。 しかし、ただ一つある意味では日米間に横たわるファンダメンタルズとしてはこの十数年来ほとんど変わらないと言われております日本の側の一方的経常収支の黒、貿易の黒、アメリカでいえばアメリカ側の赤、この状況にやはり目を向ける必要があるし、この一方的な黒字をどう削減していくかここにひとつ非常に議論の焦点も向けていく必要がある。どうしたら輸入を拡大できるか、それは内需拡大だ、公共事業だ、こういう単純な発想だけで済むのか。もちろん、輸入が拡大できるための規制緩和、市場開放措置も必要でありますし、さらに各業界の御努力も必要だし、あらゆる努力を展開して、そして具体的にこの貿易の黒字を減らしていく、この努力を世界に示していくことが基本ではないかという思いを強くいたしているところでございます。あわせて、円高メリットの還元についても具体的な政策を展開していく必要があると思っております。
○前田委員 内需拡大は単純な発想ではございませんでして、内需拡大こそまさしく日本の経済そのものが大きな目標として追求すべき課題でありまして、そのための規制緩和であったり、市場のオープン化であったりということになるか、こう思います。 それからもちろん、ファンダメンタルズ云々がありました。こういう投機的なものはどんどん動く。たしかエール大学のトービン教授、あのノーベル賞学者がそういう外為の取引税を取ったらどうかというようなことが、既に次のサミットの課題になるのじゃないかというような新聞記事も報道されておりましたが、これは世界各国共通に今非常に対応に苦慮されているところだろうと思います。しかし、一つのマーケットですべてのものが動くというこの世界経済の時代において、世界が協調してこういうものに対してどういうような対策をとっていくか、その中で日本がしょう役割が非常に大きいんだということは、私は認識をしておく必要があると思います。 それからまた、大蔵大臣からはそのパッケージの話、これはなかなか税制の話、お答えしづらいと思いますので、お答えがなかったのは結構でございます、概論をやらせていただいておりますので。ただ私は、世界に対して日本の税制を、内需拡大、市場を大きくしてオープンにしていく、そのためにはこういう税制のパッケージを考えますということは、メッセージとしては非常に大きなメッセージで、それをやることによって、円高といったようなことについても相当の効果が出てくると思います。 それは、先ほど来言う例えば土地取引、要するに土地が動かない、株が下がる、どんどん資産価値が落ちていって、信用そのものが縮小していく。それを反転させて回復させるには、例えば土地の譲渡課税についても一応三二・五%にはされましたけれども、土地税制あるいは土地の取引、そういったものをどんどんもっと動くようにしてやる必要があるわけですね。税制その他いろいろあります。 それから、先ほど大蔵大臣もお触れになった、このためにいかに日本の市場をオープンにしていくか。最初のときに私が申し上げた、日本といいますかマーケットの持っている意味合いというのを、実は我々政治家も、それから行政も、ちょっと認識がずれていると思うのです。今のマーケットの持っているそのメカニズムというものを認識しないものだから、東京、これだけ黒字を持っていながら、金融市場というものが逃げていってしまう、これだけの大きな経済力でありながら、日本の証券市場というものから逃げていってしまう。それは政治も行政も本質的に理解をしていないところがあるのじゃないのかな、こう思うのです。そういう観点に立ては、いかにこのマーケットというものを公正、透明、そしてアクセスしやすいというふうにするかという観点からこそ、規制緩和であったりあるいは情報公開であったり、そういったものが非常に重要だと思うのです。 そういう意味で、御担当の山口大臣に、そういう観点で規制緩和、行政改革、行政改革委員会というものをつくり、そこで情報公開についてもやっておられるわけですから、そういう観点のお取り組みもやっておられるかということを含めて、御決意のほどをお聞きいたします。
○山口国務大臣 お答えいたします。 御指摘の点は、私ども十分念頭に置きまして対処すべき問題であるというふうに認識をいたしております。 御案内のように、規制緩和につきましては、先ほど総理からお答えになりましたが、三月三十一日に五カ年間の規制緩和推進計画を決定いたしました。特に、JIS、JAS等、国際規格に国内の規格を合わせるような努力もいたしておりますし、また、輸入手続の簡素化等につきましても織り込んだ次第でございます。 御指摘のように、行政の透明化の上で行政手続法は極めて画期的な法律であったというふうに認識をいたしております。これをやはり周知徹底するための努力をいたさなければなりませんし、地方自治体に対しましてもこの行政手続法に準じた形で行政の透明化を図るように、今努力をいたしている次第でございます。 そして、情報公開につきましては、昨年衆参両院で御議決をいただきまして成立をいたしました行革委員会におきまして、特に情報公開部会を先日つくりまして、鋭意情報公開に対して作業を進めていただいておる次第でございます。その作業を待ちまして、二年間のうちに何としても情報公開法を制定すべく、政府としても全力を挙げたいと存じます。
○前田委員 円高問題については時間でございますのでこの辺にいたしまして、最後に運輸大臣にお願いを兼ねてお聞きしたいのですが、阪神大震災の例の港の復興の問題でございます。 もう多くは申しませんが、とにかくあの神戸港の機能ということを考えますと、神戸にとどまりませず、阪神間の港の機能の復旧というのは非常に大きな意味合いを持っております。阪神、関西のみならず、日本そしてアジアとの関連におきましても大きな意味を持っております。 一つは、緊急といいますか、地震でございますから——あれは五百年に一度ぐらいの地震だと私は思います、地震のエネルギーがたまってきて破裂したわけですから。今後五百年ないとは申しませんが、あのクラスのものがここ十年、二十年の間にあるかというと、それはないだろう、これは私は言えると思うのですね。したがって、非常に堅固な、ああいうものに耐え得る堅固なものはもちろんっくらなければいかぬのですが、まず第一ステップとしてスピードでございます。とにかくもうこの半年ぐらいにあの機能を回復するぐらいの、誤解を恐れずに言えばバラックでもいいのですよ、そのぐらいのつもりで、とにかくスピードを上げて復旧をしていただきたい、その次にそういう将来を踏まえて堅固なきちっとしたものをつくっていただきたいというのが一点。 そして、約一兆円近い港の施設が被害を受けておりますが、プライベートパースが結構多いわけでございます。そして、その民間の埠頭で扱う荷揚げ高というのは大体あの神戸港の四〇%近くを占めているという、非常に大きな役割を持っております。既に開銀の融資ということでお手当てをいただいているという御努力も承知しております。しかし、それを超えて、公共の方についてはもう至れり尽くせりと言ってもいいぐらいの対応ができるのですね。しかし、考えようによれば、公共というのは不特定多数だとおっしゃるが、あのクラスの港になってくるとユーザーというのは特定多数なんですね、世界的に。そして、プライベートパースというのは特定少数にすぎないわけでありまして、経済社会において持っている役割を考えれば、いろいろなお手当でいただいた、開銀融資をいただいたとしても、非常に厳しい状況にあります。ぜひ知恵を出していただいて、神戸市とも話し合いをされているやに聞いておりますが、ぜひ大臣の実力と知恵で、もうできる限りの御努力をいただきますようにお願いを申し上げます。
○亀井国務大臣 お答えいたします。 委員御指摘のように、これは荷が大変シフトをいたしますので、時間との競争の問題がございます。それと、委員からバラックでもという表現がございましたけれども、御承知のような近代港としての機能を果たすためには、やはりクレーンの問題等を含めまして、そう簡単に応急的なということだけでは機能が回復しないという面もございます。しかし、私は、委員のおっしゃる意味はよくわかるわけでございますので、この間の第二次補正に基づく発注、三月末に相当分は終えておりまして、現在応急復旧と将来世界に冠たる神戸港をつくるという、具体的に言うと十五メートル水深の十バースというような極めて大型な港建設を、二年ちょっとかかると思いますが計画しておりますが、これは鋭意やっていきたいと思います。 委員の御指摘の中心は、民間のバースの問題。これは実は非常に頭の痛い問題でございまして、完全に私有の形態について国が補助金をつぎ込むということになりますと、これは御承知のように他の被害企業との関係も出てまいります。とはいいましても、公共的な性格も非常に強く持っておるということもございまして、市の方と協議いたして詰めておりますのは、余りいい知恵はないのですが、今考えておりますのは、一応の応急復旧をまず所有者についてやっていただいて、壊れたまま市に移管するという形になりますとこれは問題が生じできますので、一応それをして、それを市に移管をして、そうして市が国と責任を持って本格復興をするというやり方でございます。これを、中身について民間の負担能力その他も考えながらそのあた力をやってまいりたい、このように今努力をしておる最中でございますので、また御指導賜りたいと思います。
○前田委員 ありがとうございました。 終わります。
○石井委員長 次に、若松謙維君。
○若松委員 新進党の若松謙維でございます。 決算委員会の総括質疑でございますので、過去の決算の数値を総括的にどのように今後の高齢化社会、少子化社会に対してお考えなのか、こういった観点から質問させていただきます。 いわゆるGDPに対して一般政府総支出、この比率が、昭和五十年が二六・七%、そして六十年が一二・八%、そこからずっと横ばいになって、平成四年が三二・九%、平成五年が三四・六%、恐らく平成六年さらに上回って、平成七年さらに上回るのではないか。こういうふうに、明確に今の政府支出割合がGDP比率で大きくなっている。これは、当然その裏には、財政の増加、肥大化、さらには民間経済の縮小、民間活力をそがれる、こういった面が否定できないと思うのですけれども、政府といたしまして、この一般政府総支出の割合の増加、これについてどういうお考えなのかどういうふうに御理解されているのか、この点について質問いたします。
○武村国務大臣 政府支出のGDPに占める比率が最近上がっているという御指摘でありますが、確かに若干増加傾向にあります。 理由はいろいろあると思うのですが、やはり、先ほども議論がございましたが、景気対策として補正を組んできたことによって、特に公共事業の推進ということが政府の総支出を膨らましているということが一つでございますし、もちろん、高齢化対策として年金、医療など社会保障給付が、これはもう趨勢的な増加でありますが、ふえ続けているということも理由であります。加えて、日本経済の景気が低迷したことによってGDPの分母が大きくならなかった、こんなことも関係をしているのではないかというふうに思っております。 問題は、大きな政府か小さな政府がというお尋ねでございますが、これはかねがねこの場でもいろいろ御議論がございますが、何を基準にして大きい、小さいを判断するかという問題もございます。国民の納得といいますか理解を基準にして、大き過ぎるかまた小さいか、こういう判断もあります。これも主観的な問題でございます。各国との比較等もあるわけでございますが、いずれにしましても、さまざまな状況を総合する中で国民みずからが選択をいただくという大変大事なテーマであります。我々は、その国民の意思を受けて、真剣に議論していかなければならないと思っております。 しかし、基本的には、国民負担率は一定の状況の中で抑制をしていく、少なくとも半分を超えることのないようにしていこうというのが私どもの大まかなコンセンサスであるというふうに思っております。
○若松委員 今大蔵大臣の答弁で、国民負担率が五割を超えない、そういうお話がありました。総理のお考えはいかがでしょうか、この財政増加傾向に対しまして。 まさに財政肥大化、例えば数字的にはやはりふえていく傾向にある。国民のいろいろなニーズがある。高齢化社会、少子社会をどうするか経済構造の変化をどうするかそういったところでさらに財政需要が大きくなると思うのです。それに対して、国民はやはり財政、今の赤字的なところも心配している。じゃ、本当に政府としてどういうふうになるのか、関心は高いと思うのですけれども、そういった観点から財政、特に国民総支出、日本の経済に占める財政というところが大きくなってくるのか小さくなってくるのかどうあるべきなのか、そういった点についていかがでしょうか。
○村山内閣総理大臣 今大蔵大臣からも答弁がございましたけれども、GDPという分母に対して総支出という分子の関係、これは、景気が停滞して税収が伸びない、むしろ税収が減っていく、こういう状況の中で分母は縮小される、にもかかわらずいろいろな社会的諸条件から、景気対策のためにもとかあるいは高齢化、少子化のためにもとかいろいろな財政需要が膨らんでいくというので分子が大きくなっていく、こういう傾向にあることは否めないと思いますね。しかし、これは、やはり分母と分子の関係というものは絶えず均衡のとれた形でいくことが一番安定していいわけでありますから、そういう視点から厳しく検討していかなければならぬ課題だというふうに思っております。しかし、その関係、もっと言えば大きな政府か小さな政府がとかといったような問題との関連等もあるわけでありまするけれども、これは、国民がどういう選択を求めていくかという国民の期待と声というものについても十分しんしゃくする必要がございますし、一概に結論を出せない問題だと思います。 いずれにいたしましても、分母を大きくするためには、景気浮揚を図って税収の伸びを図っていくということもこれは積極的に取り組んでいく必要がありまするし、同時に国民的な財政需要に対しても十分こたえ得るような力を持っていくということも大事なことでありますから、そういう視点に立って、今後やはり真剣に取り組んでいかなければならぬ課題だというふうに理解と認識をいたしておるということを申し上げておきたいと思います。
○若松委員 この点非常に大事ですので、これから過去の決算の数値を照らし合わせながら今後のあるべき日本の財政、これの議論につなげていきたいと思っております。 時間の関係上、次の質問に移らせていただきます。 今回の阪神・淡路大震災のいわゆる危機管理体制、そういったところで、実際にさらに財政支出という観点からは国の支出三割、そして地方七割、大変地方財政の支出割合がふえている。これからさまざまな日本の問題、先ほどの危機管理も含めて、やはり地方自治体の受け皿をどういうふうに強化するかこれも重要だと思います。そのために、中核都市とか市町村合併とかまた政令都市化とか、こんな支援も実は大事ではないかと考えております。かつ、今国会でも御存じの地方分権推進法案、これがいよいよ成立の見通しになってきた。大変喜ばしい話ですけれども、この地方分権をやるに当たって、やはり今の三千幾つもある自治体、これは確かに多過ぎる。そういうことで、これから市町村合併というのは進めていかなければいけないのじゃないか。 幸い、昨年六月、当時石井委員長が自治大臣のときに、市町村合併を自治省としても推進する、そういう積極答弁が出たわけですけれども、この市町村の合併推進というのは行政効率化に寄与するのかどうかこういった点からはいかがでしょうか。きょう、自治大臣が何か来られないということで、政務次官、いらしたら御答弁をお願いします。
○小林(守)政府委員 お答えいたします。 市町村合併の推進が地方自治体の行政効率化に寄与するのではないかというような御指摘の御質問でございますけれども、地方制度調査会の答申でも提言されておりますように、市町村の合併は、地域の一体的な整備、それから市町村の行財政基盤の強化、豊かな高齢社会を迎えるための社会福祉等住民に身近な行政サービスの充実等を図るための有効、適切な方策であると考えているところでありまして、このような意味で市町村の合併促進は行政の効率化にもつながる、このように認識いたしております。
○若松委員 今明快に市町村合併の推進は行政効率化につながるという御答弁ですので、ぜひこれを積極的に推進していただきたい、そう念願いたします。 それではさらに、今度は、市町村合併の大型化、いわゆる百万都市ぐらいの政令指定都市、これの推進自体は地方自治の主体性強化につながると考えておりますけれども、そういう理解でよろしいでしょうか。
○小林(守)政府委員 お答えいたします。 政令指定都市の推進ということでございますが、これが地方自治の主体性強化につながるかどうかというような御質問でございます。 御承知のように、昭和三十一年に創設された制度でございまして、現在十二市が指定をされているところでございます。政令指定都市制度は、社会福祉、保健衛生、都市計画、土木行政等市民生活に直結した事務を都道府県から大都市に移譲するとともに、あわせて行政監督上の特例を設けて、現行都道府県制度のもとにおける大都市行政の合理的・能率的処理、市民の福祉の向上を図ろうとするものであります。 したがいまして、市民生活に直結した事務の移譲が行われることによって、その実情に沿った個性あふれる行政を積極的に展開できることになるということで、その自主性や自律性を強化するものになる、そのように認識いたしております。
○若松委員 それでは今度は、行政効率化という観点から政令指定都市化の推進、これは行政効率化に寄与するかどうかそのお考えはいかがでしょうか。
○小林(守)政府委員 お答えいたします。 政令指定都市化が行政効率化に寄与するかというようなことでございますが、大都市における市民に直結する事務を一元的に処理できることになるものですから、大都市の行政運営の合理化に、行政効率化に寄与するものと認識いたしております。
○若松委員 それで、先ほどの地方分権推進法案成立見込みということで、具体的に、大宮、与野、浦和にまたがります、十七省庁が移転されますさいたま新都心、これは二兆円プロジェクトで、国家プロジェクトになると思います。大変大きな地方分権の目玉になるものと確信しております。そういったさいたま新都心の受け皿、これは政令都市の方がいいのか現在の三市ばらばらの方がいいのかそれはいかがでしょうか。
○吉田(弘)政府委員 さいたま新都心の受け皿のお話でございますが、政令都市につきましては先ほど政務次官からお答えしたとおりの考え方でございます。 その政令指定都市の指定の要件でございますが、これは、法律上は単に人口五十万以上の市と規定しているだけでございまして、ほかに明文の定める要件はないわけでございますけれども、立法の経緯とか事務配分等の特例を設けた趣旨からいいまして、人口その他の都市としての規模、行財政能力等について従来の政令指定都市と同等の実態を有するものと認められる都市を指定していくべきものと考えているところでございます。 それと同時に、やはりこの具体的な指定に当たりましては、行政の円滑な執行を図るということが大切でございますので、当該市の意向はもちろんのこと、その都市を含む都道府県の意向にも配慮して処理すべき問題であると考えております。指定に当たりましては、具体的な事案に応じまして、これまでの考え方に沿って検討をし、適切に対処をしてまいりたいと考えております。
○若松委員 具体的には御答弁されませんでしたので、自後に移します。 それで、市町村合併を推進するために、ことしの四月一日から、いわゆる住民請求、これがいわゆる住民の五十分の一で合併協議会を設置する、こういった権限が住民側に与えられたわけです。 具体的に、これは全国最初になると思いますけも、上尾で住民直接運動が今行われております。そうしますと、先ほどの地方分権の目玉となるさいたま新都心について、今地元では、四市一町のYOU And Iプランがいいのか先ほどの三市の合併がいいのかという、三市ですと約九十五万人、四市一町ですと百二十万人、自治省の観点からはどちらがお望みでしょうか。
○吉田(弘)政府委員 地域の市町村合併の問題でございますが、市町村の合併につきましては、これは地方制度調査会の答申でも指摘されておりますように、関係する地域の将来、あるいは地域のアイデンティティー、さらには住民の生活に大きな影響を及ぼす事柄でございますので、その推進に当たりましては、やはり住民の共同生活意識の醸成や、関係する市町村また住民の自主的な判断が前提とされるべきものと考えております。 御指摘の地域の合併につきまして、その状況について私どもも詳細に承知しているわけではございませんが、自治省としては、そういったような自主的な合併という意味からも、どのような合併を行うことがよいかにつきましてはまず関係市町村や関係住民の方々に十分検討していただく必要があると考えているところでございます。
○若松委員 ちょっと時間がオーバーして恐縮です。 最後に、総理、市町村合併、政令都市化の推進、これは総理として積極的にお進めになられるかどうか、ぜひ決意なり見解をちょうだいしたいと思います。
○村山内閣総理大臣 市町村合併につきましては、これはやはり、住民の行政需要に応じ得る行政的・財政的能力を持つというような意味では、一定の規模が保持されることは大事なことだというふうに思いますけれども、しかし、実質的にはやはり住民自身がどう判断をされていくか、住民の意思によって決められることだというふうに思います。 しかし、地方分権推進法がこの国会でも審議されておりますように、分権を進めていくという前提に立ては、その分権を受け入れて十分行政、財政的にも応じ得るような規模はある程度必要ではないかというふうに思いますから、そういう視点から、できるだけ合理的な行政組織が仕組まれていくような町村合併というものについては進めていきたいというふうに考えています。
○若松委員 以上で終わります。ありがとうございました。
○石井委員長 次に、和田貞夫君。
○和田委員 戦後五十年、節目の年であります。そこで、村山政権も行政改革を歴史的な使命とされておるわけでございますが、平成四年度、平成五年度の決算の審査に当たって、まず決算報告書の取り扱い、あるいは会計検査院の独立的機能強化の問題、そしてこの決算委員会にもう少し重みを持たせるというそういう観点に立って、私は私なりの考え方もあるわけでございますので、そのような視点に立って総理に質問をさせていただきたいと思います。 新しい憲法では、憲法の八十六条で、「内閣は、毎会計年度の予算を作成し、国会に提出して、その審議を受け議決を経なければならない。」これは、旧憲法の当時は、国会の協賛を経るということになっておった。これが新しい憲法では、「審議を受け議決を経なければならない。」そういうように義務づけておるわけであります。 ところが、この予算の執行結果を示す決算につきましては旧憲法の規定と変わらない。依然といたしまして、憲法ではその提出の目的に関して何の文言も付されておらない。国会における決算の取り扱いも、財政上の報告事項と同様の処理をする慣行になっております。 しかし、憲法で文言を付されておらなくても、決算というのは極めて大事な問題でありますから、これを報告事項として従来の慣行によって取り扱っていくかあるいは議案として取り扱っていくかということは、これは国会と内閣にゆだねられておる問題であろうと思うのです。したがって、私たちも国会側としても十分検討をしていかなくてはならぬと思っておりますが、内閣の方もそういう意味でぜひとも検討をしてもらいたいということをまず申し上げておきたいと思うわけでございます。 そこで、検査院の独立性の強化と機能強化という観点に立って質問いたします。 まず、会計検査院が独立機関であるということには違いないわけでございますけれども、しかし、独立機関として直接決算報告を国会に提出する権利はないわけですね。内閣を通して、内閣が決算報告書を付して決算を国会に提出する、こういうことになっておるわけであります。 しかも、会計検査院の検査官の機能、これは独立機関であるにもかかわらず、外から見たときに、公正取引委員と同じような見方で国民が見られるのではないか、官僚の古手のポストの一つになっておると。なぜ民間人をその三人のうちの一人でも登用するということをやらないかという問題がございます。今まで会計検査院の院長が三十一人がわっておられるわけですが、会計検査院のプロパーとして勤められた方が検査院長になっておるのは、その中でわずか十人。これでは、独立機関としての形はあっても、機能自体がこれは大蔵の官僚の古手の行きどころである、こういうふうに思われてもいたし方ないではないですか。 そういうようなこととともに、会計検査院の実務に当たる、検査事務に当たる職員の皆さんが、どうも各省庁に遠慮なさっておるんじゃないか。なぜならば、会計検査院自身が特殊法人を持っておらないので、天下りをする場所がないから、各省庁のお世話になって天下り先を探してもらわなくちゃならぬのじゃないかというように、はたからは見ておると思うのです。 私は、そういうことがないということにするためにも、幹部職員を五十代で肩たたきするのでなく、人事院の規則を改めて、会計検査院の職員は、幹部職員を含めて、六十歳で定年でやめさせてしまうというのじゃなくて、せめて六十二、三歳まで定年を延長して、後顧の憂いのないように会計検査事務に当たってもらうようにすることによって、会計検査院というものは独立機関としての機能を果たせるということになり、また余計なことでマスコミや国民の皆さんから見られるということを防ぐことになるのでなかろうか、こういうふうに思うわけでございます。 その点について、私たちも検討いたしますが、内閣もぜひとも検討してもらいたいと思います。ひとつ総理の考え方も聞かせてもらいたい。
○村山内閣総理大臣 いろいろな角度から今の会計検査院制度についての御指摘があったわけであります。 これは、憲法で予算は議決事項になっておる。しかし、決算は報告を提出するということになっておる。これは提出案件になっているわけですね。したがって、御審議をいただきながら承認を求めるという予算と決算の性格上の違いがあると私は思いますから、今の制度でもって別に不都合はないのではないかというふうに思いますし、これは決算審査の結果を十分尊重するかせぬかというだけの内閣の姿勢の話だと思いますから、先ほど来申し上げておりますように、その御審議の経過については十分尊重して、次の予算に反映できるようにするのは当然であるというふうに私は申し上げておるわけであります。 ただ、会計検査院が行政に左右されない独立した機関としての機能を十分発揮できるようにするためには、検査官の選任等についても、OBでなくてもっと考えたらどうかこういう御指摘でございますが、ある程度行政や法制度やいろいろなものについて精通しているということもまた大事なことだというふうに思います。問題は、そういうことによって独立性が損なわれる、機関としての機能が損なわれるというようなことがあってはならないので、これは当然、国会が同意をしていただいて検査官の選任をすることになっておりますから、そういうことがないように十分これからも配慮していく必要があるということは、もう御指摘のとおりだと思います。 それから、職員の定年制の延長の問題については、今は大体六十歳になっていると私は思うのですけれども、これはさっきも申し上げましたように、社会全体の高齢化と少子化といったような問題等々考えた場合に、できるだけ定年制が延長されて、少なくとも六十代の前半ぐらいまでは十分社会的な経験を生かして働いていただけるような、そういう仕組みというものを考えていく必要があるというふうに思います。これは、単に会計検査院だけの問題としてではなくて、社会全体の雇用の延長といったような視点から検討する必要があるのではないかと思いまするし、とりわけ今御指摘のございましたような会計検査院の独立した機能というものを考えた場合に、これからも慎重な検討をさせていただきたいというふうに思います。
○和田委員 ぜひともひとつ、はたから見て、各省庁に遠慮しておかぬと、天下り先を世話してもらわなきゃいかぬからというような見方をされぬように、会計検査院の職員については、六十二歳、六十三歳ぐらいまで定年延長して、そういうお世話にならなくても十分に後顧の憂いのないように勤務ができるというようにしてやってほしいと思います。 もう一つ、せっかく審査要求制度というのがあるのですね。地方自治体では住民の監査請求というのが行われるわけですね。ところが、この審査要求制度というのは国の会計に限られておる。特殊法人だとか補助金を申請しておる団体の審査要求は枠外なんです。国民に権利が与えられておらない。しかも、審査要求できる人は利害関係のある者に限られておる。税金を納めた国民がひとしく、どのような政策効果がその税金を使って上がっておるか、また上がっておらないか税金がむだ遣いされておるかということを審査要求をする権利がないわけなんです。これは法律さえ改正すればできる問題でございますので、我々国会の方でも検討させてもらいたいと思いますけれども、内閣の方もぜひともひとつ検討してもらいたいと思うのであります。 国民の権利を生かすために、そういうような考え方についてはどうお思いでありますかということを総理の方からお答え願いたいと思います。
○村山内閣総理大臣 今御指摘がございましたように、地方自治体の場合には直接請求ができる、会計検査院の審査制度の中では、三十五条の規定によりまして、国の会計事務職員による会計経理の取り扱いについて、利害関係人からの審査の要求があった場合に、これを審査し、是正の要、不要等について判断することになっておるというように私は承知をいたしております。 この審査要求件数は近年それほど多くないというふうに私は聞いておるわけですけれども、これは、審査の要求に該当する事態そのものが少ないということにあるのか、あるいはまた、そうした事態があった場合に、利害関係人が直接行政機関に対して不服を申し立てると、当該機関において迅速に是正の処理が行われ、会計検査院に対して審査要求を行うまでに至らないといったような事情もあるのではないかというふうに思われるわけであります。 いずれにいたしましても、要求人が利害関係人でないなど審査の要件を充足していないケースについても、その多くは検査を実施してもらいたいという内容になっておりまして、検査情報の提供として意味があることから、それ以降の検査の重要な資料として積極的に活用しているというように私は聞いておりますので、現状の中で、住民の直接監査請求制度というものがいいのかどうなのかというようなことについては、もう少し慎重な検討が必要ではないかというふうに思います。 しかし、この国会で御審議を煩わしておりまする地方分権推進法の中には、二年以内に情報公開制度をつくる、二年をめどにということもございまして、情報公開をする制度がつくられたそういう状況の中で、会計検査院の行政の検査報告に対する今の制度の仕組みでいいのか、あるいは直接住民の請求権を保障するというようなことが必要なのかというようなことについては、そういう全体の動向の中からもう少し慎重な検討が必要ではないかというふうに思いますから、そういうふうな考え方でこれから対応していきたいというふうに思っております。
○和田委員 国民の皆さんは、会計検査院に数字が間違っておるか合っておるか調べてくれというような期待をしていない。これは間違っていることはない、合わすのですから。要は、税金を納めている国民の側としては、政府が政策を立てられる、その政策に裏づけの予算を組む、予算の執行によって政策が進められる、その結果、決算によって政策にどのような効果があったか、あるいはその効果が上がっていなくて税金がむだ遣いであったかどうかというところに関心を持っておるわけです。だから、業務の監査というものに会計検査院はもっと重点を置いた会計検査をやってもらわなければいかぬ。 そこで、それが不十分だとするならば、税金を納めておる国民の権利として、当然審査要求制度を納税者が平等に、ひとしく要求できるような制度に改めるということが、これは主権在民の基本的な問題ではないですか。それが曲げられておる今の審査要求制度なのです。これは法律を改正すればできるので、我々も検討しますが、ひとつ政府の方も検討してもらいたいということを強く要望しておきたいと思うのです。 そこで、時間がなくなってきましたので、私は個々の問題についてはまだ質問を個々にさせてもらいますが、閣僚の皆さんがおられますので一つ申し上げておきますが、建設省の公共事業だけではなくて、各省の物品の購入、受注、発注、すべて談合的な性質が現状の姿ではあるわけなのです。そのことも私は指摘をしていきたいと思うのです。 例えば建設省が、役人が自分で設計をして、そのことによって積算額が自分の懐の中にあって、そして業者に発注するのであれば、ゼネコンには情報が行かないはずです。ところが、設計自体を設計事務所に委託してしまえば、そこで積算ができて情報が漏れるのは当然じゃないですか。私は、この工事については設計事務所がどこだということがわかったら、これはどのゼネコンに落ちますよということを答えてあげますよ。そういうような仕組みになっておるのだ。このことを改めない限り、公共事業の公正な発注ということにならない。 あるいは法務省の、刑務所の看守さんの制服、制帽あるいは受刑者の作業衣。まあ郵政省の方はもう既に今改められておりますが、防衛庁の制服、制帽あるいは農水省の、林野庁職員の制服、制帽等の入札には、「入札公示」というものの中で、ナイロンであればナイロン、麻であれば麻、綿紡であれば綿紡による原糸から織物までに一貫して生産できる能力のあるものでないと入札する資格が与えられていないところに問題があるのです。JRの場合は国内で縫製をされぬでもええということになっているのですよ。海外で縫製したものでもええということになっておる。 ところが、国内では各省庁そういうことになっておるから、いわゆる中小の縫製の業者が入札することができない、これが実態であります。そういうようなことを直してもらわない限り、各省庁とも、公共工事だけでなくて、具体的に申し上げることはきょうは時間がありませんが、談合的な体質があるということをひとつ閣僚の皆さんに頭に入れてもらって、その点の是正についてもぜひとも努力してもらいたいということを申し上げさせていただきまして、私の質問を終わります。
○石井委員長 次に、錦織淳君。
○錦織委員 平成五年度の決算検査報告の三百四ページ以下に、「特に掲記を要すると認めた事項」として、国営土地改良事業の大幅な内容変更ないしは中断について報告されております。最近、この例に限らず、巨大公共事業ないしはプロジェクトというものが社会経済情勢の変動によって中止あるいは大幅な内容変更、そういったことを余儀なくされるということが相次いで議論されております。 そこでお尋ねいたしますが、最近、東京都青島都知事、大阪府横山府知事という衝撃的な事件がございました。青島都知事の方は、臨海副都心あるいは都市博、そういったものについて中止ないしは大幅な見直しというような趣旨のことを述べ、あるいは検討されているように聞いております。もちろん、このことは東京都の決すべき問題ではありますが、これらについては国としてもさまざまな協力をしてきた問題であるというふうに理解しております。したがって、この問題について、政府として、国としてどのように対応すべきだと考えておられるのか。また、そのようなプロジェクトを中止した場合に、費用の清算の問題が起きてまいりますが、このことについて、国の側の費用負担ということについて問題はないのかあればそれについてどのように対処するお考えであるかということにつきまして、総理ないし官房長官のお答えをちょうだいしたいと思います。
○五十嵐国務大臣 世界都市博覧会につきましては、その国際性やあるいは政策的意図にかんがみまして、政府としてもこれまで、平成五年十一月に「関係行政機関は必要な協力を行う」、こういう閣議了解を行ったほか、税制面でも、出展参加者に係る出展準備金制度、地方税の免除などの税制上の優遇措置等を講じてきたところでございます。 本博覧会の見直しあるいは中止の問題につきましては、基本的には東京都の問題でございまして、今後新知事のもとにおいて東京都及び都議会において論議が当然なされるものと考えられますので、政府としてはそのような推移を見守りたい、こういうぐあいに思っているところであります。 その際、本博覧会につきましては、もうかなりの内外の都市、自治体、企業等の参加が見積もられているわけでございまして、しかもオープンまでに一年間を切ったというような現在でありますので、かなり開催に向けての準備というのは進んでいるという実態から見て、仮に本博覧会が中止されるような場合には、各関係方面に相当な影響があろうというふうに思われますので、そういう点ももちろん念頭に入れつつ、東京都におきましては慎重かつ十分な議論が行われることを期待したい、こういうぐあいに考えている次第であります。 さらに、もう一点御指摘の東京都の臨海副都心計画につきましてでございますが、東京都において事業がもちろん実施されているところでありますが、副都心の一つとして整備をするという考え方を受けて、国としても関連の整備を推進しているところでございます。国の財政負担につきましては、これまで新交通システムの整備、下水道整備、公営住宅の建設等にそれぞれ協力をいたしているところであります。仮にこれを中止した場合どういうことかという御質問もございましたが、この際、東京都の新たな考え方が示されれば、その段階で国としては東京都と十分に協議しながら対応していかなければならないであろう、こういうぐあいに考えている次第であります。
○錦織委員 私の記憶に間違いかなければ、かつて、一たん行政を信頼して契約関係、法律関係に入ったものあるいは事実行為に着手したものが、行政の側の都合で何かそれが変更されたあるいは中止されたという場合に、行政の側に賠償責任、補償責任を認めるという趣旨の判例があったかのように記憶をしております。 そうしますと、先ほどの都市博の問題等についても閣議了解がなされているということで、支援を国の側、政府の側も決定をしておるということになり、そのことを信頼をして、例えばさまざまな事実行為や金銭的な負担、そういうものをした人、企業等からそのことに伴う、つまり国の支援があるということを信頼したことによってその賠償、補償というような問題が仮に起きかねないというふうにも考えられるわけであります。もちろんそのような主張が法律的に通るかどうかということはまた別だと思いますが、そういう議論の余地が出てくるということは一応念頭に置いておかなければならないと思います。 そうしますと、当然そういった場合に、これは東京都が決めることだからということだけで済むのかどうかという問題もございます。したがって、東京都の方針の決定に当たっては国もきちっとその準当事者として関与すべきではないかこのように考えますが、いかがでございましょう。
○五十嵐国務大臣 これは、きのう副知事など都の幹部の説明等を新知事は受けて、いろいろ検討を始めているところなようであります。 今御質問で御指摘になっているようなさまさまな波及する問題等につきましては、当然新知事といたしましても十分に念頭に置きながら判断をなされるというふうに思っているところでありまして、今検討が始まっているこの段階で、私どもとしてはその判断をまずしっかりと見守りたいというふうに思いますので、御了承いただきたいと思います。
○錦織委員 いずれにしろ、十分に協議をしながら最終的な結論に至れることを望みたいと思います。 与えられた時間が少ないので、次に移ります。 先ほど引用いたしました国営土地改良事業、平成五年度の報告書に出てまいります。これは、一つは、農地が耕作放棄地等によってその必要とする需要、こういったものが変化している。経済情勢の変化というようなこと、あるいは予期せぬ漁業補償の問題の深刻化というようなことでいろいろ難しい問題が出ているというふうにここには書いてございます。 さらに、より大規模なものとしては、例の長良川の河口堰問題がございます。この問題については、現在円卓会議を開いておるということでありますが、この点についても経済情勢の変化、特に工業用水が必要とされる事情に変化が起きているかどうか、あるいは環境問題についての国民的な関心の高まり、こういったようなことから時間の経過に伴ってこういった問題を見直そうということはこれからもしばしば起きてくると思います。特に、バブル経済の崩壊というようなことから、基本的に物の考え方が転換をしつつある時代を迎えておりますので、いろいろこういった問題が出てくるのではないかと思います。 私の地元であります島根県におきましても、例の宍道湖淡水化事業の凍結というようなことがございましたが、これは猶予期間を経てさらにその中海の干陸化の問題という問題を抱えております。これらはいずれも巨大公共事業ないしプロジェクトを社会情勢の変動によってどうすべきかという大変深刻な問題であると考えます。私が思うに、これらについてはそういった情勢の変動というものを率直に受けとめて、かつて決めたからこれはどうしてもやらないというふうな考え方に立つのではなくして、その情勢の変化というものを正面から受けとめるというようなこと。それからまた、当時計画策定時にはそれほど深刻に予期していなかった問題が新たに提起された、そしてその問題提起には十分な合理的根拠がある、こういうような場合には、それらも十分に受けとめる。それからまた、関係当事者、地元、そういった方々の意向をまず十分に尊重するというようなことが必要ではないのかな、このように考えます。 ただ、問題はいつでも、先ほどの例でも同じでございますが、中断をした、中止をしたあるいは事業目的を大幅に変更したという場合に、さまざまな財政負担の修正あるいは費用の清算という問題がございます。そのことが問題の解決をこじらせている例をたくさん知っておるわけですけれども、そういった場合に、まずお聞きしたいのは、考え方としてどのように基本的な原則で臨むのかということについて、幾つかのメルクマールといいますか要素がございましたらお聞かせ願いたいと思います。
○野坂国務大臣 一般論につきましては官房長官からお答えをいただきたいと思っておりますが、先生が質問の中で、あなたの中海、宍道湖の問題と今問題になっております長良川の河口堰問題について触れられましたので、その点に絞って私から先に答えておきたいと思っております。 御案内のように、先生が御指摘のように経済の情勢の変遷があると、重く受けとめなければならぬ、私もそう思います。そして、地方住民の意向というものをまず聞け、そしてその天下の流れに勇断を持って対応するようにということでございます。 中海なりあるいは宍道湖の問題につきましては、当時増反をしなければならぬ、昭和三十年ごろです。したがって、それが減反に変わってきたという経済の変遷がありました。しかも、あれは利水のみの状況でございましたので、私どもも地域の住民もこれについて間門を閉じるということは拒否するというのが天下の大勢になりました。したがって、農水省もそういう措置をとりました。 今度の長良川河口堰につきましては、三月三十一日に結論を出すという予定でありましたけれども、一致点は見出せたけれども、円卓会議の中でスタンスがそれぞれ違うという格好で結論を出すことができなかった。調査委員の皆さん方は、もうしばらくやったらお互いに一致点が見出せるではないか。時の変遷は、あれは四十三年、その後五十一年にも大水害が出て、利水と治水、そういう二面性を持っておりますが、それぞれ各地方自治体あるいは工業地帯の工場群、そういう人たちとも十分話し合っての処置と聞いております。 したがいまして、円卓会議といいますか話し合いを続けておりますが、三月の十二日から三月三十一日まで四回やりましたけれども、学者先生方からもう少しという要望がありましたので、五月の二十日までは、四月いっぱいは協議をしてもらう、その上で、十日間程度は十分私が判断をして判断をしたい。おっしゃるように、経済の流れなり地元の意向というものは十分にそんたくして間違いのない結論を出していきたい、こういうふうに考えております。
○五十嵐国務大臣 今建設大臣からもお話がございましたように、非常に規模の大きい公共事業の場合に、設計段階から完成までは相当長期間の年月がかかるというのが通常でございます。これはやはり、工事の状況から見て年々相当な事業を、しかも長期の年月を積み重ねてでき上がるというような事業でありますから、相当な長期間を要するということはやむを得ない面があろうというふうにも思うのであります。 問題は、しかし、その間に社会的な、あるいはいろいろな価値観の変化だとかさまざまな状況の中で、その事業の必要性について議論が出る場合も確かにあろうというふうに思われるわけであります。そういう場合大事なのは、何といいましても、やはり地元の県あるいは市町村等の自治体の意見というものをよく尊重しながら、かつ事業の重要性、必要性等についてよく吟味をしつつ、税金が効果的に使われていくことを常に念頭に入れていかなければならぬわけであって、そういう意味では、このことに対応する論議として一つ、各省庁がみずからしっかり取り組むことは言うまでもないが、この際そういうことを独立してしっかり見詰めて常に検討していくというような機関があってもいいのではないかという意見もあるわけですね。これは、そういう意味では行政監察あるいは会計監査等も含めながら、どういうようなことが一番有効であるかということの検討もあっていいのではないかというふうに思います。 それから、この種の事業で常に問題になります点では、やはり環境との対立といいますかこういう点であって、この点に関しましては、建設省も先年、例えばの話でありますが、環境政策大綱というのが設けられまして、環境と建設は対立する概念ではなくて、環境というのはむしろ建設の目的の一つだ、内部目的であるという考え方を明確に打ち出しまして、そういう方向での事業の取り組みをしているということは一つの解決の方向ではないかというふうにも思う次第であります。
○錦織委員 それでは、時間が超過いたしましたので、費用の清算についてもお尋ねしたかったのですが、これについては次回に譲りたいと思います。 どうもありがとうございました。
○石井委員長 次に、正森成二君。
○正森委員 私は、大蔵省の綱紀粛正の問題について伺いたいと思います。 御承知のように、ことしの五月号の雑誌「現代」に「大蔵省高官たちが溺れた「京都の宴」」こういう論文が出ました。御関心のある方はお読みになられたと思います。私どもはこれを非常に重視いたしまして、我が党の機関紙赤旗の記者がこの筆者である岩瀬達哉氏に直接面会し、詳細に事情を伺い、かつ一定の範囲で独自の調査もいたしました。それに基づいて、よく政府・自民党もお使いになる言葉ですが、国家国民のためにもこれは放置することができないということで質問をさせていただきたいと思います。 今直接取り上げるのは、この間、香港へ高橋氏の自家用のジェット機で招待を受けたということで一定の処分を受けた田谷氏でありますが、この人は、香港へ行くだけでなしに国内でも京都に招待を受けておる。この京都へ行くのは、高橋氏自身は行っておりませんが、高橋氏の政界での交際の指南役である、皆様御承知のIBM社員で経営コンサルタントの窪田邦夫氏、この人の誘いで行っておる。ちなみに申し上げますと、香港のときに友人の紹介で行ったと言われましたが、その友人というのが窪田氏でありますから、窪田氏と高橋氏との関係は熟知しているはずの人物であります。それが行きまして、日付も全部調査してわかっておりますが、私どもが知っているのでは、九三年の六月ごろから九四年の七月ごろまでの間、日取低五回行っております。 それを設営したのは、窪田邦夫氏と地元京都在住の不動産会社社長である法沢、法沢と書いてのりざわと読みます。この法沢氏というのは、佐川の下請もやっておりまして、やくざや暴力団と親しい企業舎弟のような人物であります。 そこでもちろん、行って、第一次会に行くのですが、一次会というのは、これは南禅寺の瓢亭や祇園の生兵衛あるいは自分の宿舎であるブライトンホテルというようなところであります。これも芸者がはべってなかなか盛大なもののようですが、しかし、それが目的ではないのですね。一番お目当ては二次会でありまして、二次会は人目に余り触れない祇園の近辺へ行く。そしてそこには、法沢氏などが手配したようでありますが、明らかにやくざ、暴力団の一員と見られる人物が女性を連れてくる。その設営は、大体接待する人数のほぼ倍に近い女性を連れてきて、そして、そのやくざもともに三十分ぐらい一緒に酒を飲んで、自分の気に入ったのを横へはべらして、その女性と一緒にホテルヘ引き上げるということを繰り返していた。それで、二次会のホテルの中まではこれはわかりませんが、一次会については明白な証人がいる。 例えば、たくさんやっておりますが、九四年三月八日の接待では、これは三月八日というのは、ちなみに言っておきますが、火曜日で、ウイークデーであります。夕方の四時ごろの新幹線で行きますと京都に六時半までに着きますから、宴会は通常七時前ぐらいに始まる。それで相当やりまして二次会へ行く、こういう順番になっているのですが、このときには、田谷氏の同期、四十二年入省のようでありますが、通産省出身の京都府の副知事が同席しております。京都府の副知事の名前は鴇田勝彦氏であります。この人が明白に証言しております。これから二次会に行くというので、自分も一緒に行きたいと言うたら、あんたは京都で顔がきき過ぎて目立つからあんたは連れていかないということで、わざわざ鴇田氏を置いて、それで二次会に遊びに行って、女性と遊んでおるということをやっているのですね。それで、一晩泊まりまして、翌日は七時あるいは八時ごろの「のぞみ」に乗れば、十時ないし十一時過ぎに帰ってくるから、素知らぬ顔で自分の座席へ引き返しておるということをやっておる。 大蔵大臣に聞きますが、綱紀委員会か何か知りませんが、おつくりになったようですが、こういうことまではなかなか本人は言わないと思うのですね。しかし、私は申し上げたいのですが、これは、二次会に出る直前までは京都府の副知事も一緒だったし、初めのうちはへんぴなところでやっていたけれども、九四年の五月三十日、これは月曜日でありますが、定宿であるブライトンホテル、ここの二階にムーンシャイナーというメーシバーがある。ここで二次会をやった後、自分の部屋へ繰り込んでおる。ムーンシャイナーというのは有名なところですから、あら大蔵官僚が来ておるといって、みんな話題になった。そこにやくざ、暴力団が女性を連れてくる。傍若無人というが……。 それで、このブライトンホテルというのは、非常に高級な旅館で、カードキー管理なんですね。ですから、力ードキーでチェックインすると、それをポケットヘ入れれば一々出るときに預けなくてもいい。また、このホテルは、全部屋がリビングルームとベッドルームで必ず一部屋ワンセットになっているので、リビングルームで九時、十時、十一時というように会議が行われたり人が来ることがあるから、ホテルは、人が入ってきて部屋へ行くときに一々チェックしないという便利なことになっておる。それを利用して、我々の調査によれば、一次会が終わった後、九時ごろに入って、女性と何をしたか知らぬが、遊んで、女性だけは十二時ごろ帰る、それで自分は七時か八時の新幹線で帰ってくる。 しかも、彼はこのときに主計局の総務課長ですよ。鴇田氏の証言によれば、鴇田氏は、田谷氏から一緒に来ぬかと言われて行ったというのです。主計局総務課長から誘われて断るわけにいきませんからなといって行ったということがこの雑誌にも書いてあるし、また我々が独自にいろいろお聞きしたことでもそうなっている。言語道断じゃないですか。大体それだけでも、ウイークデーに行って、翌日は遅刻して来るから職務専念義務違反だけれども、信用失墜行為じゃないですか。 大蔵大臣、この女性はやくざの組織売春の女性ですよ。そんなものを大蔵省の高級官僚が世話されて、それも一遍じゃない、何遍も。大蔵省の次官とかそういうことになり得る立場の人だ、もし、重要なポストについて、やくざあるいはやくざの依頼を受けた人から、これをばらすぞといっておどされたらどうなるのですか。それで大蔵省の公正な行政は保証されますか。それについて大蔵省の見解を聞きたい。
○武村国務大臣 今委員お話しの、やくざ、暴力団あるいは売春婦というふうな話は初めて伺いましたが、信じられない気持ちで伺っておりました。そこまでは事実を確認されているのかどうかわかりませんが、もしそんなことがあれば、これはもう本当に幹部公務員としては、たとえプライベートであるとはいえ、逸脱も甚だしいというふうに私は思います。 しかし、私が本人からヒアリングをしたときには、まあ高橋氏との関係が中心でございますから、過去数回ぐらい飲食をともにしたと思いますと。飲食一回一回、検事じゃありませんから、時とか場所とか状況まで聞いたわけではありません。ゴルフ一回とそれから例の香港行き、こういう事実を前提にして先般の処置をとっているわけであります。大蔵省としましては、まあ事実の詳細はともかくとして、いずれにしましても、たとえ私的なかかわりであるとはいえ、世間に誤解を招く可能性が強いし、やはり常識からいって、節度からいって超えているという判断をいたしたわけであります。 訓告が軽い、重いという御批判がありますが、やはり、少なくとも現職の職を解任して官房付に合いたしているところでございまして、むしろ、このことからどう学んで、大蔵省全体としても反省をしてあしたに備えていくかということだとも思いますし、規律保持委員会をつくりながら、省全体も深く反省をする気持ちで事実関係の点検もして、合弁護士を入れていたしておりますが、同時に、大蔵省全体のあるべき綱紀のあり方、規律のあり方を今真剣に詰めているところでございます。
○正森委員 今一定の答弁がありましたが、それは、せいぜい前の予算委員会等の事実関係のもとで、こういう雑誌「現代」の「京都の宴」というのが出て、しかも、それを調査して。私がこういうぐあいに指摘するという時点よりはるか前のことであります。私は、厳正に措置されないと、大蔵省だけでなしに、国民にとっても非常に大きな被害を起こす可能性があると思います。 次に、総理に伺います。 総理の秘書官には岩下という秘書官がおられるようでありまして、そしてこの間も、見ましたら「首相秘書官も京都旅行」ということで、節度を超えるものではなかったということが言われております。しかし、これは遺憾ながら、本人は一回だけだ、それも土曜日だと言っておりますが、私どもの調査では本人は二回行っておる。しかも、土曜日ではない。土曜日にまたがっておりますが、金曜日の夕方から土曜日にかけてだ、二回とも。だから、金曜日は職務を早くやめて行っておるというように私どもの調査ではなっております。しかし、事実は調べてみなければなりませんが……。 そして、本人は一次会だけだというように弁明しているようですが、我々の調査では、田谷氏同様二次会に行っておる。また、少なくとも管理売春をやっているやくざと同席して一杯飲んで、その周りに女性がおったということは間違いのない事実だと私どもは承知しております。 そうなれば、総理、事実かどうかわからぬ、あるいは調べてみるとおっしゃるかもしれませんが、田谷氏がそういうぐあいにやっている同じグループが岩下氏を招待してそういうことをやっておるということになれば、一国の総理の秘書官、しかも首席秘書官が銀行局の調査課長か何かのときにそういう接待をつい最近まで受ける。私どもが調べておるのは、一昨年の春ですね。それはゆゆしいことじゃないですか、日本国のためにも。そういう人物が総理の秘書官、いわんや首席秘書官になっていることは、日本国のためにもふさわしくないと私は思います。 総理が節度を超えるものではなかったと言われたというのは新聞等に載っておりますが、新しい事態のもとにやはりお調べになって、官僚の中には優秀な人が多々いるわけですから、特にこういう人を選んで首相秘書官あるいは首席秘書官にする必要は毫もないというように私は思いますが、いかがですか。
○村山内閣総理大臣 御指摘のような記事が報道されたことについては本当に遺憾に思っておりますが、大蔵省初め各省庁に対しまして、いやしくも公務員として国民から不信を抱かれ、疑惑を抱かれるような行為については一切慎んでほしいと、厳しく綱紀の粛正について閣議でも申し入れをいたしておるところであります。 今御指摘のございました岩下秘書官につきましては、二年前の四月に一回京都に行った、しかもそれは休みの日であって、仕事とは一切関係ないプライベートなものであるというふうに私は報告を聞いておりますし、確認をいたしております。しかし、そういう不信を抱かれるような行為については今後注意するようにという厳重注意を本人には申し伝えてありまするけれども、私の承知している範囲ではそれだけだというふうに聞いておりますから、したがって厳重注意で終わっておるわけであります。 しかし、今各般にわたってのいろいろなお話がありましたけれども、やはり綱紀の粛正についてはそうした点も踏まえてこれからさらに一層引き締めて、いやしくも不信を抱くことのないように厳正にやっていきたいというふうに思います。
○正森委員 これで終わりますが、この時期は九三年の四月から九四年の七月ごろまでで、両信組は非常に経営危機になって、大蔵省の調査が入っているときなんですよ。そんなときに、大蔵省のキャリア、自分はたとえ銀行局の局長とか審議官でなくても、大蔵省のキャリアというのは人事異動でどこへでも行くオールラウンドプレーヤーじゃないですか。自分の同期もおれば上司もおれば部下もおる、そういう者が、調査を受けているときにその調査を受けている銀行の理事長あるいはそのコンサルタントみたいな人とこういうことをやる。だから、九三年あるいはもっと早く処理すればあんな事態に至らなかったのに、一年有半にわたってずるずる延びてあんな重大な事態になったんじゃないか。あれが処置できなかったのはこういう接待を受けていたんじゃないかという新たな疑惑が起こっているのですよ。 そのことを申し上げて、時間ですから、私の質問を終わらせていただきます。
○石井委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時十四分散会