規制緩和に関する特別委員会 第5号
- 発言数
- 119 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1995/03/15
会議録
○塚田委員長 これより会議を開きます。 規制緩和に関する件について調査を進めます。 本日は、本件調査のため、参考人として、午前中、行政改革推進本部規制緩和検討委員会専門委員、消費科学連合会事務局長伊藤康江君、同専門委員、慶應義塾大学経済学部教授島田晴雄君、同専門委員、株式会社ベンカン代表取締役社長中西真彦君、同専門委員、オリックス株式会社代表取締役社長官内義彦君、同専門委員、日本労働組合総連合会事務局長鷲尾悦也君に御出席をいただいております。 なお、午後は、行政改革委員会委員長代理竹中一雄君の出席を予定しております。 この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。 本日は、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位には、規制緩和に関する問題につきまして、忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。 なお、議事の順序についてでございますが、参考人にそれぞれ十分程度御意見をお述べいただき、次に委員からの質疑に対してお答えいただきたいと存じます。 それでは、まず伊藤参考人にお願いいたします。
○伊藤参考人 御紹介いただきました伊藤でございます。 私は、三十年間ぐらい消費者運動をしているという立場で、消費者の立場から今回発言させていただきます。時間がありませんので、早口になるかもしれませんが、申しわけございません。 レジュメに沿って申し上げたいと思っておりますが、まず第一は、規制緩和推進に当たっての論議の進め方について申し上げたいと思います。 私ども、細川連立政権が唱えられた一九九三年からいろいろ論議が進められているようですが、それはすべて政治家の間だとか経済界だとか学者の間でなされているように解釈しております。私どもが初めて公式の場で規制緩和について発言させていただきましたのは、去年の十一月、規制緩和検討委員会が初めてでございます。本来なら、規制緩和をどう考えるかということは、広く国民に問いかけて、そして成り立つものだというふうに解釈しておりますが、そこが不十分ではなかったかというふうに思っております。 しかし、今回の検討委員会に、私、初めて昨年入りまして非常に感じたことですが、とにかく最初からもう、規制というのは悪いことなんだ、だからなくしてしまわなければいけないんだという雰囲気が濃厚でございまして、その点についてもやはり疑問を持っておりました。 次に、規制についての考え方でございますけれども、私たち国民も、二重規制とか手続のむだとか特定の事業者が利益を得るというふうな規制に関しては、早急に廃止した方がいいと考えている人たちは大変多いのだと思っております。しかしながら、安全性とか品質保持とか環境とか地域保全、そのようなものについてはやはり慎重に対処すべきだというふうに考えておりました。総じて、規制に関しては全体的に、緩和とか検討とか存続とかいうふうに分けながら考えるべきではないかと思っております。当然ながら、規制は要るか要らないかということを論議するに当たりましては、経済原則、市場のメカニズムだけで考えられていいのかどうか、日本の国民の生活全般にわたって考えなければいけないのではないかと思っています。 それから次に、規制緩和推進に当たってですけれども、これは、消費者団体はすべての規制に反対しているかのような学者の方とかジャーナリストの発言がございますけれども、決してそうではないということをここで強調したいと思います。私どもは、規制緩和論議が始まる前から、化粧品などの再販制度がございますが、これには強く反対しておりました。それから、環衛法に基づく、例えばクリーニングとか美容院の価格の問題ですけれども、これも早くから反対をして、廃止してほしいというふうなことを申し上げておりました。それから、食糧管理法も、これは形骸化している、実態と合わないということで、改正を要求してきたという経緯がございます。 私たちが主張しているのは、緩和とか検討とか存続というのを、やはり規制の中身を分類してから考えていただきたいということです。それに当たっても、環境の整備が前提になるのじゃないかと思っておりますし、例えば公正取引委員会の活動が活発にできるように、環境整備そのほかの保証が要るのではないかというふうに思っています。 それから、四番目ですけれども、消費者の自己責任と選択の拡大ということが非常に言われております。消費者の自己責任の強調や選択の幅が拡大するという主張は、規制緩和に当たっての環境が整備されてから初めてそう言うことができるのではないかというふうに思っています。 消費者の自己責任に関しましては、消費者教育とか消費者啓蒙活動は私たちは長い間やってきました。ですけれども、社会の変化になかなか即応できない、次から次へいろいろ問題が出てくるという実態がございます。それと、あとは消費者教育、自立の運動を進めてきたのはだれかということも考えていただきたいと思っています。例えば豊田商事事件のようなことは御承知と思いますけれども、そういう物すごい、消費者が自己防衛できないような悪徳業者も出てくるわけです。そういうことも考えますと、消費者の自己責任や自立ばかりを強調し過ぎますと、例えばそれにだまされた人とかは、消費者の落ちこぼれだとか勉強不足だとかよく調べないからだとか、そういうふうなことが言われがちなので、やはりぜひ環境整備が必要だと思います。 それから、選択の幅が拡大するということがよく言われますが、商品の選択の前提にある消費者ニーズというものは、企業マーケティング論の常識であり、常にそういうことが言われているわけですから、消費者の本当の要求がどうかをやはり真に考えなければならないというふうに思っております。 それから次に、余り時間がございませんので、申しわけないのですが具体的な項目について入りたいと思います。お断りいたしますが、私は、これは消費者運動の中で特に重点的に取り組んだ問題と、消費者として関心の深い問題に絞らせていただきます。 まず、酒類と医薬品ですが、これはほかの商品と非常に違った側面がございます。お酒で言えば致酔性ということがございますし、それから医薬品で言えば健康に非常に重要な影響があるということなので、規制緩和に当たっては慎重にあるべきだというふうに思っています。それから、これは参入規制と社会管理は別という論議がございますが、特にお酒については、多面的に社会管理をしていかなければならないと思っております。規制緩和の要求の中に、コンビニで薬を売ってもいいのではないかという論議がございましたけれども、私は、例えば母親としてそれから主婦として、同じかごの中に食品と薬が入っているということについてはぞっとする気分がいたしました。 それから、農産物のことですけれども、農産物というのは、ここに書いてございますが、食糧というのは言うまでもなく人間の生命の根幹にかかわる問題ですが、これは自然環境というものが相手なので、そこは普通の経済論理で考えていいかということがございます。それから、国際競争力をつけなくてはいけないという立場にあれば、日本ではかなり大規模な北海道の畑作農業などは伸ばしていかなければならない。伸ばしていくためにはどういう政策が必要だというふうに考えたときに、やはり価格政策もその一つではないかなというふうに思っています。 それから、食糧庁が二月二十一日に発表いたしましたけれども、米の検査・表示に関する研究会で報告を出しましたけれども、この中では、私ども納得できないことはたくさんあります。例えばお米の検査を、新食糧法になったにもかかわらず、国家公務員である国が検査をする、こういうことは私どもとしては、消費者としては納得いかないわけでございます。ですから、農水省関係についても、大切なものとそうでないものを、やはりきちんと整理して政策を立てていかなければいけないと思います。アジェンダ21というのは、開発と環境に関する国際会議でございますが、これは、各国は自分の国の食糧は自給するんだという目標に立とうということも入っておりますし、各国はそのように努力しているように思いますけれども、日本はまだそういう政策が見られません。規制緩和論議は、この視点からのアプローチこそが必要だというふうに思っています。 それから、「論議の公開と政治の責任」と書きました。検討会に参加しておりまして、かなりいろいろなことを書かれましたけれども、私は一度も取材を受けたことがございません。どこから、どういうふうに情報が流れてきているのかもわかりませんけれども、非常に誤解されているというふうなことを感じておりますので、検討に当たっては情報公開をしていただきたいというふうに思っております。 それから、ちょっと時間が過ぎて申しわけないのですが、今回の規制緩和の中で、非常に矛盾のある、おかしいではないのという問題をたくさん感じております。 例えばEUが、製造年月日を表示することは避けるように行政指導をしてくださいと書いてあるわけですね。それで農水省は行政指導をすることになっております。かねがね、私どもは行政指導という閉鎖的な行政のやり方というのはやめてほしいというふうに思っていますし、海外の方もそういうふうに思っていらっしゃるのだと思うのですが、それなのにそうしてほしいというEUからの要求というのは納得できません。 それから、これはアメリカなのですが、食品添加物は今日本はポジティブリストです。ヨーロッパもアメリカもそうです。だのに、アメリカは日本のそのポジティブリスト制度をやめよというふうに要求してきております。これも、自国ではやりながら日本はやめてほしい、こういう内容になるかと思いますが、そこのところも納得いきません。 ですから、今回の五カ年計画を作成されるに当たりましては、規制緩和というのは国民に重要な影響を与えるということを念頭に、またかつ海外から、それからいろいろなところから出されている要求については、本当に国民のためになるものなのかどうか、自分たちの利益だけで述べられているものもあるのではないか。政治家の責任は非常に重要だと思いますし、私ども国民も理解しております。 少し延びまして申しわけございません。以上でございます。(拍手)
○塚田委員長 次に、島田参考人にお願いいたします。
○島田参考人 島田でございます。皆様のお手元に四、五枚の私の意見のレジュメがございますので、それに沿って申し上げたいと思います。 まず、総論について、二、三ポイントがございますが、今伊藤先生が御意見を陳述された印象を伺っていて、伊藤先生はちょっと誤解があるのではないかと思いますものですから、二番目から入りたいと思います。 伊藤先生は、検討委員会に入られて、規制緩和は悪だとみんなは思っている、そういう印象を受けられたというのですが、私は全くそういう印象を受けておりません。何かの誤解だろうというふうに思います。世間にそういう議論があることは事実です。しかし、検討委員会の先生方は、伊藤先生を含め、皆さん事情をよく熟知されている方々です。そんな単純な発想ではない。問題は、社会生活の安全、品質、衛生、環境、こういったもの、あるいは市場条件、市場競争の枠組み、こういったものをきちっと守るための法的規制は非常に重要であるということは全員が承知しておりますし、現実にもそういう規制はかかっておりますし、我々は皆その意義を認めておる。その上で、過度に市場の行動を規制して自由競争を阻害する、こういう規制については撤廃していこう、こういうことでございます。何か誤解がおありだったのではないかと思うので、あえて申し上げさせていただきました。 それでは、競争を制限するような規制はなぜいけないのかということなのですが、基本的なことは、今の経済をどう認識するかということなのですね。現在、だれも知っておりますように、内外価格差が四、五割という膨大なものになっております。これは、国民が自分の働きに見合った豊かさを自分で享受できない、こういう問題。それから、企業家は著しく国際競争条件が不利になって海外へ脱出しなければならぬ、こういう状況に迫られております。これを何とかして変えていかなければならない。どうしたら変えられるのかといえぱ、規制緩和は最も重要な戦略的政策になります。これをすることによって、海外の安い財・サービスが国内に導入されて物価が下がってくる。それから、自由な国内市場での競争によって企業が筋肉質になって、そういう物価値下げに対応できるようになる。こういうことによって内外価格差を縮小して、これが、実は長い目で見ると消費者の利益になる。 つまり、物価が下がるということは消費者が豊かになるということですね。それから、競争が促進されますから、経済の活力が生まれる。そして、物価が下がって、活力の生まれた経済というのは成長いたしますから、新しい産業が出てくる。こういうふうに日本経済を生まれ変わらせなければならない。今それをしませんと、日本経済はこの内外価格差のもとで最も競争力のある部門が海外へ出ていってしまいまして、国内は空洞化してくる、こういう問題がございますので、そこに私どもが、規制緩和は非常に重要ではないかと言っている最大の戦略的主眼がございます。伊藤先生のおっしゃられていることは全部当然のことでございまして、それを認めた上での戦略主眼だ、こういうことでございます。 ただ、その議論をきちっとやるためには、私どもに与えられた時間は余りに乏しかった。規制緩和検討委員会では、百何十という重要なテーマを三回、部会が二つ、それぞれ三回ずつヒアリングとわずかなディスカッションをして、最後にフリーディスカッションを一回だけ、こんなことで産業や国民生活を左右する重大な問題を十分に吟味できるのか。私は不謹慎だと思います。十二月に会合を開けとさんざん言ったのですが、先生方の都合がつかないから開かぬというお話でした。だれがつかないのだ、その忙しい先生というのはだれなのだ、名前を教えてくれと私は言いましたが、一番忙しいのは私だったろうと思うのですね。しかし、私も時間はあった。恐らくお役所にその情報を提供して、こなせるテーマを選んでおられたのじゃないか、そんなふうに勘ぐりたくもなる。 そして、今回検討状況の中間発表というのが出されましたが、後ほど鷲尾委員が示されると思うのですが、こんなものですよ、二十幾つの封筒が送られてきた。けさまで必死で読みました。その要点は申し上げますけれども、あれだけの人材を抱えておって、いきなりぼんと出して。私ども検討委員会でちゃんと項目を絞って意見を出しているのですよ、大小をつけて、ウエートをつけて意見を出している。それに対して、前々からいろいろなものが寄せられてきた。それについて一つずつだあっと書いて、積み上げて、ほい読みなさい。私は、言葉は悪いけれども、まぐさをぶつけられたという感じがしたのですね、もちろん中には金の糸が二、三本入っていると思いますが。そういう態度がありますか、フルタイムで仕事をしている、国の給料をもらってやっている人たちが。やはり私は、けしからぬと思う。非常に不謹慎だと思います。 ですから、先生方が本当に頑張っていただきたいのは、このまぐさの中から金の糸をえり出して、日本を変えるのはこれだというふうにまとめ上げていただきたいというふうに思います。 各論に入りたいと思いますが、三枚目でございますけれども、この中で扱いますのは検討委員会で扱われたいろいろなテーマの中の比較的主要なものでございます。そして、日本を構造改革していく上で重要と思われるものでございます。 まず、「市場開放を促進するもの」に関連して言うと、基準・認証、基準の国際的整合化、手続の簡素化。これはお役所の皆さん、予定しておるという数行の答えがだあっと返ってきておりますが、先生方、ぜひ、何を予定されているのか調べていただきたい。予定だけで、できていると思わないでいただきたい。 それから建築資材、JIS、JAS基準、これも措置予定。ある程度進んでいるのは事実でございますが、中身をよく見ていただきたいと思います。 農業については、経営判断を生かした選択的減反制、出荷・販売業者の参入障壁の引き下げ、これも措置予定ということになっておるのですが、本当に意欲のある農家が参入して頑張って農業をやれるということになっているかどうかを、先生方、しっかりつかんでいただきたい。そういたしませんと、日本の農家は衰退してまいります。 それから、農産物価格支持制度の緩和、これは、農政の根幹であるからというので、門前払いでございます。どういうことかというと、農家の所得を維持する、同時に消費者の家計の安定を図るというものです。値段を下げないことが家計の安定を図ることになるんでしょうか。ぜひ、農林省に厳しく追及していただきたいと思います。 それから、金融・保険関係。四ページ目ですが、これについては、業務の免許制から登録制への移行、これは門前払い、バツでございます。金融の店舗規制、運用規制、検討中だ。証券店頭市場の活性化のための実質基準の透明化というのがありますが、実質基準はないというふうに大蔵省は答えています。あるから言っているのです、我々は。知っているから言っている。ですから、これはむしろ規制強化の問題だろうと思うのですね。つまり、形式基準があるのに実質基準をやっている、二重基準になっているわけですが、私はこういうことは厳しく規制強化していいんだろうと思うのですが、それはやめろということを言っております。 それから、「サービスの向上と価格引下げ」の電気通信。これについては、第一種事業者の参入規制、これは過剰設備なんだという規定であると言っていますが、そんなものはだめだ、門前払いだ。第二種事業者の事業領域区分の撤廃、これも門前払い。なぜかというと、もう既にたくさん業者が存在していろいろやっているということで、短い説明で門前払いでございます。我々が求めているのは、最もクリエーティブな、つまり通信というのはグローバルな世界、台所の中ですらもうグローバルになっていくというネットワークがつながっております。その中で、自分がクリエーティブなことをしたら世界市場がすぐ手に入るというような領域の撤廃をしませんと、本当の活力は生じてまいりません。ですから、これは郵政省に反省を促したいところでございます。 運輸、鉄道、その他、時間がございませんので、重要な項目ですが、触れるだけにいたします。エネルギーの価格引き下げについては、さまざまな工夫が相当程度行われているというのは、私も認めたいと思います。しかし、さらに進めていただきたい。 それから、最後に重要なのは、日本の産業経済を支える大きな意味でのインフラでございますね、土地、これについては実施中だ。土地の有効利用についてはいろいろなものを予定しておる、ぜひ中身を精査していただきたいと思います。 建築規制、これは最近、建築基準規制が過度に強化されるおそれがなきにしもありません。阪神大震災がございました。絶対壊れない家をつくれ、ピラミッドなら壊れないのです。しかし、ピラミッドじゃ使えない、日本経済もだめになります。そうじゃなくて、あれだけの地震が来たら壊れるのはしょうがないけれども、人が死なないような都市設計ということを考える必要がある。 そして、非常に重要な点は、雇用でございます。今回、初めて問題になりましたが、民営有料職業紹介事業の原則自由化ということでございますが、これは門前払いでございます。御案内の方も多いと思いますが、マッカーサー改革で女工哀史を繰り返してはいかぬということでこれができたのですが、もうその時代は終わっている。 今重要なのは、これから高齢化していく社会で、多様な労働需要が出てくる。そして、多くの人がいろいろな形でサービスを供給したい。これをマッチングする、つなげる仕事は、情報ネットワークを使って新しい産業で育てていかなきゃいかぬ。しかし、今はポジティブリストで、二十職種ばかりの許可された職種にしか、例えば、看護婦さんとか配ぜん人とかマネキンですね、そんなものしかできないことになっている。普通のいろいろな職種に応募したいと言うと、門前払いです。ところが、労働省の説明はそうじゃない。求職者を保護するために資格を審査する。当たり前です、それはした方がいい。しかし、労働省の実際にやっていることは門前払いなんです。そこのところ、誤解するように書いてございますので、注意していただきたい。 ILOの条約があるからだめだ、国が求めているのに、国民が求めているのに、国際条約があるからだめだ、そんなことが言えますか。ドイツは、このILOの規制については脱退しました。国民のニーズを考えるからです。そんなことで、形式でやっておってはならない。実は私は、きょうは申し上げません、公開の場ですから。裏に理由があるからそういうことを言っているのです。 そのほか、環境、危険物、競争政策、これについては伊藤委員と私は意見は全く同じで、むしろ行政介入によって競争を制限しながらコントロールするという方式をやっていると日本は滅びるので、競争は全く自由にして、社会的な規制、基準は厳しくチェックする、こういうポジティブリストで基準はきっちりチェックして、そしてクリエーティブな事業家が思う存分日本市場、世界市場で活躍できる、そういう環境をつくることが日本を救う基本ではないか、このように思います。 しかし、まぐさのようなこんなものが出ておりますので、先生方本当に大変だと思いますが、あとは政治家の先生におすがりする以外にないのです。我々の役割はこれで終わりました。ですから、ぜひ頑張って、石ころの中から玉を見出して、五つでも十でもいい、それだけで、日本を本当に変えるのはそういう戦略的に重要な項目なんです。それを選び出してやっていただきたいと思います。 御健闘を心からお祈りいたします。(拍手)
○塚田委員長 次に、中西参考人にお願いいたします。
○中西参考人 中西でございます。 時間が限られておるようでございますので、各論は後の質疑応答のところに回しまして、私はこの規制緩和というキーワードで言われております問題の特に総論、基本問題について、少し突っ込んで意見を申し述べたいと思います。 まず規制緩和の必要性ですが、今我が国経済にとって最大にして喫緊の課題は、産業構造の大転換でございます。産業を根底から構造転換して活性化するためには、ぜひとも必要なことがこの規制緩和でございます。この公的規制の結果、新規参入を阻んだり、市場メカニズムや企業家精神が抑制されたり、あるいは内外価格差や非効率な部分が温存されておるというマイナス面が顕著にございますので、ぜひともこの公的な経済規制は緩和していくべきである、こう思っております。特に、我が国産業の最近の競争力の低下の大きな要因は、高騰した人件費や地価以外に、公共料金を初め各種規制によって社会全体が高コスト化していることでございまして、このままでは多分ASEAN諸国との競争にも敗れて、日本の生命線である貿易立国の存立すら危ぶまれるというふうに私は考えております。 許認可などの政府規制は、九四年三月末において既に一万九百四十五件に上っておりまして、これは膨大な数字がかかっているわけです。今まで製造業に関しては若干規制の網が緩和されておるところもございますが、金融、通信、流通、運輸などのサービス業の分野においては、参入と価格の両面において、ありとあらゆる規制の網が現在張りめぐらされておりまして、これを合計しますと、日本のGDPの五〇・四%が現在規制されたセクターによるものとなっておるという調査が出ております。この数字は、我が国経済の規制の過剰性を明らかに物語っております。イタリアの某政治家が、日本は世界で社会主義国として成功した唯一の国だということを言ったということがありますが、一つの社会主義的な計画経済的なところに軸足が余りにもかかり過ぎておった結果ではなかろうか、こう思っております。 そこで、緩和の必要性は以上のようなことでございますが、ただ、この規制緩和の問題を基本問題に掘り下げていきますと、非常に難しい問題がそこに介在しております。 どういうことかといいますと、しばしば経済的規制は全廃すべきであるという声が聞かれますが、これは言うならば徹底的な自由競争の推進でありまして、そうなりますと社会生活の安定とか社会全体の調和という見地から、要するに自由競争というのは強者をますます強者として、弱者をますます弱者にするわけですから、勢いそこに貧富の格差ができまして敗者も生まれるわけでございまして、この辺が非常に難しいところではなかろうか。無制限に規制を緩和していっていいというわけには、経済の原則から見てもまいらぬのではないかという気がしております。 したがって、当然この規制の緩和や撤廃を主張する声に対して、一方で社会的公正は一体どうなるのかという声が出てくるのは、そういうところからではなかろうかと思っております。経済的規制の中にも、むしろ市場において大企業と中小企業の間の、企業間の適正な競争関係を維持することによって、社会全体の利益や経済全体の活性化に寄与しているものもあるという声があるわけでございまして、これは例えば分野調整法などがそうでございます。 これらの声を無視して徹底的な自由競争を促進すれば、これは当然過当競争をもたらして、共倒れや寡占状態を招来することになりまして、逆に品物やサービスの安定供給に支障を来すということも起こり得るわけでございまして、私はアメリカ流の、競争こそ善である、規制は悪であるという、いわゆるレッセフェール流の論理をそのまま日本に持ち込んで果たしていいかどうかということに対しては、若干そこは考えるべきだというふうに思っております。要するに、この問題の難しさは、自由競争による社会的弊害と、規制による経済的弊害のいずれをより重視すべきかという問題にあると思います。一方の弊害が若干でも大きくなってくると、すぐ一方から反対の声が起こる、こういうことになっておるのではなかろうかと思います。 この問題を掘り下げていきますと、やはり根底には、難しくなりますが、哲学の領域に踏み込めば、結局は自由か平等かというこの二つの理念の対立に起因するんではなかろうかというふうに私は思っておりまして、自由だけを、自由競争をマグナカルタにしますと、アメリカのようなことになりまして、とことん競争の結果、弱者と強者の差がどんどん開くことになりますし、逆に平等だけをソ連のようにマグナカルタにしますと、これは経済競争が、経済の発展が阻害されまして、停滞しまして、国家がああいうようなことに、崩壊するようなところまで行ったわけでございまして、結局はこの辺をどういうふうに日本が、両理念の間をうまくバランスをとって政治なり行政を運営するかということにあると思いますし、そのことがこの規制緩和の問題、撤廃問題にも深くかかわっておると思います。 この規制緩和の問題は、もう一つは、普通は生産者と消費者という視点から言われますが、商工会議所あたりは九〇%中小企業の団体でございまして、弱い生産者、流通業者と、強い生産者、流通業者という視点でやはりとらえていく必要もあるやに思います。 例えば、大店法なんかがクローズアップされている問題でございまして、これは私どもも原則はやはり規制緩和を絶対に推し進めていくべきであると思っております。一気にこれをやりますと、十階からいきなり一階に飛びおりるということになりますと、多くの中小業者を殺すことになりますから、この辺は激変緩和措置を講じながら徐々にソフトランディングさせていくというふうな意見を申し述べておるわけでございますが、我々は弱者であるとみずから決めつけて弱者支援を要請して、そしてその政府の支援だけで生き残ろうと、こういうことは私は許されないと思いまして、やはりそういう弱者もよく努力をしていただいて、自助努力をしていただいて、新たな道への展開を図るということで、この問題は、これは徐々に規制緩和を基本的には進めていくべきだ、私はこう思っております。 問題は、やはり計画経済手法と市場経済、要するに悪魔の手か神の手かということで、どちらにゆだねるかということでございますが、私は、やはりこれは市場メカニズムにゆだねるべきであって、規制が余りにも、日本は自由主義経済というよりは規制過剰自由主義経済と言っていいほどの規制の網がかかっておりますから、ここもとはやはり思い切って規制緩和の推進をやるべきである、こう思っております。 中小企業の中にも、進取の気性に富んだ中堅・中小企業は、もうどんどん規制も撤廃してくれ、自分は新しい分野にどんどん進んでいくという声もあるわけでございまして、現に電話機とかああいう携帯電話なんかは、撤廃、緩和された結果、物すごい勢いで中堅・中小企業が参入して、品物も豊富になるし、値段も下がるし、需要も倍増するという大変な効果が出ておるわけでございまして、これは何も電話機やこういう電信関係じゃなくて、いろんな分野でやはり参入できる分野があるわけですね。今問題になっております下水道分野でも、限られた大手がここもう十数年来きちっとカルテルを組んでやってきたわけです。あの辺もやはり参入をさせれば、非常に多くの中堅・中小企業が入っていって、仕事も活性化しますし、価格も下がるし、いろんないい点が私は出てくるのではないかというふうに考えております。 最後に、この質疑応答で、私、特にこの検討委員会でも御意見を申し上げた点が、我が国産業の今後の喫緊の課題は、やはり産業の活性化に人材の移動がどうしても必要なんですね。御案内のように、新日鉄や日産が何千人、万単位のダウンサイジングで人の雇用調整をやる。逆に中堅・中小は、通産省が言うように、新しい事業に進出しないと生きていけないですね。要するに自動車、家電がどんどんASEANにリプレースしていますから、空洞化していますから、そうすると新しい技術者なり新しい人材が必要になる。 その辺の流動化を、さっき島田先生もおっしゃいましたが、職業紹介は女衒ややくざが利用するからあくまで官がやるんだというそのポジティブリストじゃもう通らぬわけでございまして、これは労働省等にぜひともネガティブリストで、原則自由、これとこれは国が管理するというふうに変えていただきたいということを後ほど詳しく申し述べたいと思うのですが、私の方から意見が申し上げられませんので、ぜひ質問をいただければこれに対してお答えしたいと思います。 もう一つは、証券市場ですね。要するに日本のバブルが崩壊しまして、ほとんど中小企業は担保価値が下がりました。したがって、銀行は金を貸してくれない。そうすると、間接金融ではどうにもならぬわけですね。そこで、今後この不況の中から、あるいは新しい構造転換に向かって中堅・中小企業が仕事を進めていくためには、どうしても低利の安定した資金が必要になる。それを直接金融である証券市場からぜひとも調達さすべきだ。 一説によりますと、国民の貯金というものは一千兆あると言われているのですね。この辺をいかにうまく、アメリカのNASDAQのように証券市場に誘導するか。その金が新しい産業の開拓に立ち向かう中堅・中小企業に回れば、これは大きく産業の活性化につながるものと私は思いまして、この辺も大蔵省の規制がNASDAQあたりと比べまして、形式基準はほぼ同じと言われていますが、実際の実質基準は、公開された企業の数字を定量化してとりますと、アメリカの十倍から二十倍の高さにバーがあるわけでございまして、これでは活性化のしょうがないわけですね。この辺も、ぜひともひとつ政治家の先生方に踏み込んでいただきたい点であると思います。 以上です。(拍手)
○塚田委員長 次に、宮内参考人にお願いいたします。
○宮内参考人 ただいま御紹介にあずかりましたオリックスの宮内でございます。本日は、規制緩和の問題につきまして意見を述べさせていただく機会を与えていただきまして、まことにありがとうございます。 実は、過去当院で何度か、規制緩和の問題につきまして意見を述べさせていただきました。本日は、この機会にお願い申し上げておきたいのは、この私どもの考え方が実際の行動となって世の中を動かしていく、そういう実体を伴った形にぜひ先生方の御努力でつくり上げていただきたいということでございます。 規制緩和の目的とか必要性につきましては、さまざまな立場からこれまで主張されてまいりました。私ども規制緩和検討委員会のまとめました報告書、ごらんいただきましたら、るる述べられております。規制緩和の必要性につきましてここで再度述べることは避けたいと思いますが、総論につきましては、行政依存体質が強く残ります団体などの方を除きまして、反対する人はほとんどない世の中の世論というふうになっているかと思います。 それにもかかわりませず、規制緩和が余り進まないのは、議論が具体化すればするほど総論賛成、各論反対的な傾向が強くなるからではないかと思います。特に、規制の結果、競争のない世界で守られてきた人たち、既得権を持つグループ、そういうところの各論反対の声は極めて声高でございまして、かつ強力な反対運動が組織的になされている。これを打ち破らないといけないというのが、現在の問題ではないかと思います。そのためには、実質的にこの規制緩和を進めていくためには、先ほど申し上げましたように、政治が強いリーダーシップを発揮して、既に確立されている規制緩和の原理原則を、いわゆる聖域というものを設けることなく、具体的規制に当てはめてこれを動かしていくということが必要ではないかと思います。 この原理原則といいますのは、第三次行革審の最終答申とか経済改革研究会、平岩研究会の規制緩和などで既に指摘されております。また、昨年十二月の閣議決定でもされておりますとおり、経済的規制については、原則自由、例外規制とすることであります。具体的には、各種業法に基づく需給調整の観点から行われている参入の規制とか設備規制、あるいは価格規制を早期に廃止することであります。 二、三、例を申し上げます。 需給調整の観点から行われている参入規制は、現在、酒、米、たばこの小売販売とか電気通信等の分野で行われております。設備等の新規増設規制では、銀行等の店舗規制、バス・タクシー事業における台数規制、あるいは大店法の規制などがこれに当たるかと思います。たばこの小売価格とか生産者・消費者米価、電気・ガス料金や鉄道・航空運賃等の価格規制、これらにつきましては、公共料金ということでありまして、すべて自由化することには問題があろうかと思いますが、何らかの規制を行うにいたしましても、規制の方法として、幅価格制とか上限価格制という新しい考え方を導入すべきであると考えます。 他方、いわゆる社会的規制につきましては、自己責任原則というものをもちまして必要最小限にすべきであろうかと思います。社会経済環境は時代とともに変化し、技術も日進月歩で進んでいるわけでございますから、不断の見直しが必要となります。その際のキーワードは、自己責任でございます。これまで何か事故等が発生すると、すぐに国民が行政の監督責任を追及し、マスコミもこれに追随する傾向が強く、これが官庁に民間活動へ介入する口実を与えてまいりました。したがいまして、今後規制緩和を進めていくための最も重要なかぎは、国民や企業の自己責任原則の確立てあり、ぜひとも今後は、安易な行政依存体質を正していくことが求められます。 このような観点から、三月十日に各省庁から公表されました規制緩和の中間報告でございますが、この中身を見ますと、言葉は悪うございますが、評価しがたい内容ではないかというふうに思います。なお一層の御努力を今後お願いしたいと思います。その際には、少なくとも、広く公約したことを遵守することを政府に強く望みたいと思います。と申しますのは、政府では、昨年十二月二十五日に閣議決定いたしました行革大綱「当面の行政改革の推進方策について」におきまして、既往の規制緩和策については、一、実施時期の前倒し、二、実施時期の明確化、三、実施内容の具体化等により早期実施を推進する、こういう方針を公にしております。 例えば、昨年の七月五日に閣議決定されました二百七十九項目の規制緩和策には、実施時期が「中期」とされるなど時期が明確になっていないもの、あるいは内容が不明なものが多く含まれております。お手元の資料をごらんいただきたいと思いますが、その際「中期」とされました十九項目のうち、今回の中間報告では、大店法とか酒、米の需給調整の観点からの参入規制など九項目は、依然実施時期が明示されておりません。また、四項目につきましては全く記載がございません。霞が関の常識では、中期的見直しも十分に時期を明示したことになるかもしれませんが、私は、世の中の常識では、中期的見直しというのは単なる先送りということではないかと存じます。したがいまして、少なくとも閣議決定のとおり、見直しの時期などを明確にするのが最低限の責任であると存じますので、立法府の先生方には、あらゆる場面を活用いただきまして、政府の作業を監視していただきたく、よろしくお願い申し上げたいと思います。 次に、規制緩和検討委員会の議論に参加した立場から、個別の規制緩和の問題につきまして若干のコメントをさせていただきたいと思います。 第一は、競争政策についてであります。 経済的規制の緩和が進めば進むほど、消費者の利益を守り公正な競争を行っていくために、独占禁止法の果たすべき役割はますます重要なものとなります。特に我が国では、本来市場経済にゆだねられるべきでありながら、独占禁止法の適用除外や各種の業法によって自由な競争が制約されている分野が多く残されており、透明、公正で内外に開かれた市場をつくるためにも、これらの適用除外や業法による実質的な適用除外を払拭していくことが、今回の規制緩和の重要な課題の一つであると存じます。 その中で、公正取引委員会が新たな規制官庁となることのないよう、独占禁止法についても不要な規制を思い切って整理し、市場原理を確保するために必要なものに全力を注ぐ必要があると考えます。とりわけ独占禁止法第九条に定める持ち株会社の禁止は、競争秩序に何ら悪影響を及ぼさないものまで一律的に禁止するもので、欧米には例を見ない規制であり、海外の企業やEUからも、日本に対する進出を困難にする規制として見直しが求められております。 日本経済の活力を再び取り戻すためには、新たな産業を起こし、産業構造の転換、企業のリストラクチャリングを急ぐことが求められている中、経営戦略を専らつかさどる本社機能のもとに、それぞれの事業部門を独立させ、全体として柔軟な運営を進めていくための仕組みとしての持ち株会社の活用が今後期待されるわけであります。これは、戦前の財閥の復活とか系列の強化とは全く違うものであります。持ち株会社の一律的禁止を、独占禁止法本来の趣旨に立ち戻り、競争秩序に悪影響を与えるもののみを禁ずる弊害規制に改めるべきであり、少なくとも、政府として早急に検討に着手すべきことを規制緩和推進計画に盛り込むべきであると存じます。 もう一点申し上げさせていただきたいと思います。金融、証券、保険でございます。この分野につきましては、大蔵省が示した中間報告では、それなりに「措置予定」あるいは「検討中」とする回答が寄せられておりますが、基本的な問題についての対応は極めて不十分であると言わざるを得ません。 例えば、証券業の参入に関する免許制から登録制への見直しについては、検討委員会では相当な議論を尽くした上で報告に盛り込んだものでありますが、大蔵省は「措置困難」としております。預金者保護や保険契約の実行が不可欠な銀行、保険と証券業では、同じ金融分野でも規制のあり方が違うのは当然であり、金融・証券市場の空洞化が現実の姿としてあらわれている中で、証券分野の規制緩和を早急に進める必要があろうかと存じます。また、金融分野の規制緩和を考えていく上で、公的金融制度のあり方全体についてあわせて検討することも不可欠であろうかと思いますが、そもそも規制緩和のテーマにはなじまないとしてこれまで扱われておりました。 郵便貯金、簡易保険については、臨調、行革審の場で、官業は民間事業の補完に徹すべきことが明確に打ち出されていながら、いまだに抜本的改革への着手がされたとは言いがたいと思います。郵便貯金の残高が昨年十月末で百九十一兆円と個人預貯金の三分の一に達しているなど、公的金融の規模は、市場原理に基づく金融自由化の発展を阻害しかねないところまで肥大化しております。また、このような入り口の拡大に伴い、財政投融資の規模も四十兆円を超えようとしており、政策金融が真に必要な分野を逸脱して自己肥大化し、民業の圧迫となっております。各分野の政策金融が今まで果たしてきた役割は評価すべきであっても、経済社会の一層の発展のためには、金融市場においても市場原理を貫徹していくことが求められる中で、第二の予算と化した巨大な財投のあり方につきまして、根本的な見直しが不可欠でございます。 この際、公的金融システムについて、入り口から出口までを徹底的に見直すべきであり、また、我が国全体の中で公的金融が果たすべき役割を明確に限定していくことは、行革の重要なテーマの一つである特殊法人の改革にみずからつながるものと思います。政府・与党では、政府系金融機関の見直しについて月内に結論を得るとしておられますが、入り口の見直しにもつながるような抜本的な改革案が打ち出されることを期待しているものでございます。 なお、規制緩和検討委員会が提出いたしました報告書では、規制緩和を検討するための常設機関を行政改革推進本部に設けるべきことを全員一致で提案しております。この提案に対しまして、行政改革委員会があるからそのような組織は必要ないという意見もあるようでございますが、もちろん行政改革委員会がみずからの問題意識で規制緩和問題を検討し、政府に意見具申を行うことはまことに結構であり、ぜひとも積極的に取り組んでいただきたいと考えております。 しかしながら、規制緩和を実行するのは一義的には内閣の役割であり、総理を先頭に内閣が責任を持って規制緩和を計画的、継続的に推進すべきであります。その作業を第三者機関に全面的にゆだねるのは、政府としての責任放棄ではないかと存じております。行政改革推進本部と行政改革委員会という二本立ての組織を提言した第三次行革審や平岩研究会の報告の趣旨も無視したものであると考えております。この点につきましても、皆様方の御理解をちょうだいしたいと思います。 時間がございませんので、私の申し上げたい点、二、三含めまして、以上とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○塚田委員長 次に、鷲尾参考人にお願いいたします。
○鷲尾参考人 鷲尾でございます。時間もございませんので、時間内に簡潔に申し上げたいと思います。 まず、今回の規制緩和検討委員会の取りまとめを参考にしていただきまして、規制緩和五カ年計画の策定に向けて、各省庁並びに当委員会を初めとしてたくさんの議論がこれから行われるということに対しては、大変大きな期待を持っていたわけであります。しかしながら、過日発表されました各省庁の、規制緩和検討委員会の検討経過も踏まえた省庁の中間取りまとめについては、私はさまざまな点で問題があると思います。 これ見よがしに資料を持ってきたわけではありませんが、十日の段階でこの大部の資料が、先ほど島田先生もおっしやいましたように、私ども規制緩和検討委員会のメンバーに届けられました。その内容は、ざっと計算するだけでも、項目の数を計算するだけでも一、二時間かかるものでございまして、おおむね千七百件から千八百件にわたる項目が、この各省庁の報告には出されているわけであります。 一方、規制緩和検討委員会の資料をごらんになればおわかりになると思いますが、各論部分についても幾つかの項目について取り上げております。また、規制緩和委員会が発足した冒頭にも、どのような項目を取り上げるかについての、委員と事務担当であります内政審議室との間でやりとりもございました。したがいまして、私どもとしては、本来であれば、膨大にわたる規制緩和の項目についても、これまでもさまざまな議論がされてきた。そしてその内容をできるだけ絞って、短い時間の中でできるものをきっちり整理しようというのが検討委員会のスタンスであったわけでありまして、その意味でいいますと、今回の規制緩和検討委員会の報告は百六十八項目に、これも約でございますが、わたります。 そのうち、省庁が出しました内容とチェックをいたしますと、措置済みが七十六ということでございまして、この点からいいましても、各省庁が出しました措置項目については不十分だと言えるわけでありますが、それ以上に、先ほど島田先生も冒頭おっしゃいましたように、この多くの内容を出すことによって、この百六十八項目の中で七十六以外の残りの九十項目以上について、前向きな検討といいますか、我々としてはぜひ検討すべきではないかという提言にもかかわらず、千七百、千八百を出すことによって我々は何となくごまかされているような気がする。この点については、ぜひ注意をして当委員会の先生方にもチェックをお願いしたいということをまず冒頭申し上げまして、発表の仕方並びに内容については不十分であるということを申し上げたいと思うわけであります。 規制緩和推進五カ年計画、この中間取りまとめ、各省庁の中間取りまとめもベースにいたしましてこれから検討していただくわけでありますが、ただいま申し上げましたように、私は各論を申し上げる時間がございませんので、規制緩和の推進五カ年計画策定に向けては、規制緩和検討委員会の総論並びに各論は大変、自画自賛でありますけれども、立派なまとめだと思っております。ぜひこの規制緩和検討委員会の中身、例えば規制緩和推進の必要性やあるいは基本的な考え方については委員の中にもたくさんの意見がございましたが、いわば多数の合意形成ということでこの総論部分はまとまったわけでありますから、ぜひ規制緩和検討委員会の検討結果が反映されるべきであると思います。 そして私は、よく総論賛成、各論反対という話がございますが、総論の趣旨が徹底できていれば、本来であれば各論は反対できないはずなのでありますが、総論の趣旨が徹底できてないがゆえに、あるいはそれがきちんと認知されていないがゆえに、各論のところに反対が出ますと反論が総論の側からできない、こういうことに原則としてなってくるんじゃないかと思います。したがって、私は総論というのは、総論部分だからさらっと流すのではなくて、総論という部分についての基本的な理念というものを合意形成に努めるということが大変重要なのではないか、こういうふうに思うわけであります。 また、各論については、各項目は申し上げませんが、検討中というものがこの省庁の部分でも約三百五十項目、実施困難が四百五十項目というふうに挙がっております。検討中というのは、今までの省庁のスタンスからいいますと、検討中というふうに挙げてくださるだけでも前向きかな、こういうふうに思わないわけではありませんので、ぜひこの検討中のものについては、省庁に対して吟味をするように要請し、必ず期限の明記をするということを決断をしていただきたいと思います。また、実施困難という四百五十項目については、政治の側から国会の審議を通じて、ぜひ政治のリーダーシップで検討していただきたい、このように考えます。 その上で、繰り返しになりますが、規制緩和を推進する際の基本的な考え方について幾つか申し上げておきたいと思います。 まず第一番目に、この規制緩和というのは、日本の現在の社会や経済の動向というものは大きな構造転換に立ち向かっている。構造転換を進めるためには、既存の枠組みというものをある程度再チェック、再検討し、壊すべきものは壊した上で新しいものを建設するということが基本原則であります。しかしながら、その際には、大きな枠組みとしてのインフラの、広い意味でのインフラの整備というものがないと、場合によると弱者にしわ寄せが行く、あるいは混乱を起こすということがございますので、ぜひその点においてのインフラの整備というものは大切であるということを強調しておきたいと思います。 そして、そのインフラの整備の中には、いわば、規制を緩和し、あるいは必要な規制を残すということを決定づけるための環境条件というものも整備する必要があると思います。これは冒頭伊藤先生がおっしゃったのについて、環境を整備しなければいけないという言葉については私は賛成でございます。そして、この環境整備という問題は、私は、規制をすべき、残さなくちゃいけない問題についても、数値的な基準というものはできるだけ排除し、そうした基準を決めるルールというものを枠組みとしてつくるということが原則ではないかと思います。いわゆるそれぞれの基準を固定的に考えることによって新しい事態に即応できないということでありますから、話し合うルールあるいは合意形成のルールというものを、国のさまざまな諸機関との間でどのような枠組みをつくっていくかということが大切ではないかと思います。 その意味からいいますと、社会的にこれから育成をしなければいけないノン・プロフィット・オーガニゼーション、NPOというような組織を有効活用した上で、商品の安全性や健康安全あるいは雇用の問題等々については、その中でルールを決めていくということが必要である。そして、そのような第三者的な機関をつくることによって、決定のプロセスを明示し、そして情報公開もできますしチェック機能も働かすことができる、このように考えておりまして、環境整備というものは、その基準をつくるための社会的な合意形成を、単なる省庁が決めるのではなくて、広く国民の間で決定づけるようなメカニズムをつくるということが大切なんではないか。そういうメカニズムさえつくれますと、そこでつくりました数値的な基準というものは、新しい時代に対応して変更させることは十分可能である、このように考えます。 いわばパーキンソンの法則ではありませんけれども、ある種の基準をつくりますとそこに人がつく、人がつきますとその人たちはその既存の権益を守ろうというふうにするというのは、私どもについても当てはまることでございまして、できるだけこの点については避けなければいけない問題である。そのためのダイナミズムを確保するためには物事を決めるルールを決めるということが大事であって、その結果を問題にすべきじゃないというふうに思います。 次に、私の立場からいいますと、雇用創出や円滑な雇用移動のための有効な施策を一方では準備することが必要ではないかと思います。そういたしませんと、雇用、労働というものは特殊な商品でありますから、この商品が完璧に自由になるということについて被害をこうむるという危険性もある、こういうふうに思います。また、労働者や消費者の被害防止や救済、補償制度についても一方では拡充をすることによって、具体的な、先ほど申し上げましたように数字の基準というものについてはできるだけ避けていくということが大切なんではないかと思います。 四点目に、公取委の機能強化については諸先生方もおっしゃっておりますので、私はあえて申し上げない。公取委の権限を、機能を強化するということは非常に大事ではないか、チェックという意味からいっても大事ではないかと思います。 それからもう一つは、最後に申し上げたいのは、サンセット方式の導入であります。時限を切り、ある陳腐化した基準については常にサンセット方式で再検討するというルールを決めるということが大切なんではないかと思います。 最後に、規制緩和推進五カ年計画を策定する推進体制については、今、宮内先生もおっしゃいましたとおり、私は、行革委員会とあわせて常設的な検討委員会の設置というものがぜひ必要ではないか。何せこれだけの項目というのは、一つ一つを取り上げますと、あらゆる業界やあらゆる役所が大勢の人数をかけて一項目、一項目は練り上げたものでありますから、これを検討するためには同じぐらいの時間と手間がかかるということを考えなきゃいけないというふうに思っております。したがって、常設的な検討機関と事務局の設置をぜひ要請をしておきたいと思います。 以上でございます。(拍手)
○塚田委員長 ありがとうございました。 以上で参考人の御意見の開陳は終わりました。 —————————————
○塚田委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松前仰君。
○松前委員 各参考人の皆様方、大変お忙しいところを来ていただきまして、本当にありがとうございました。短い時間で十分な説明をするというのは、規制緩和の作業と同じように大変だと思いますけれども、大変示唆に富んだお話をいただきましてありがとうございました。そこで、私も質問をいっぱい予定しておりましたけれども、今お話を聞いて、ポイントを絞って全く違った形に、私の今まで考えていたのと違う質問になってしまうかもしれませんが、よろしくお願いしたいと思います。 これから規制緩和を進めるに当たって、島田先生おっしゃいましたように、我々の仕事というような感じで大変責任を感じておりますが、これまでは項目を出してくる、それを出させるというような、そういう作業も非常に多かったわけで、千七百項目、千八百ぐらいの項目、その中の選別というのがあって、そしていよいよ整理に入って実行、実際にそれをやらせるという、非常に大変な行政の方の立場の仕事、それから国会の仕事があるわけでございます。そういう観点に立って、ちょっと質問をいろいろと考えてみましたけれども、時間がございませんので、お一人もう本当に三分ぐらいしかお答えの時間がないと思いますけれども、簡単にお答えいただきたいと思います。 まず伊藤先生ですけれども、先ほど一番中心になる事柄は何かと思って、いろいろ聞いておりましたけれども、国民の意見を聞くというようなお話があったと思います。国民の意見を聞いて、それに基づいて具体論に入っていくのが筋である、現在はそうなっていないというようなことがございました。そこで、大変失礼かもしれませんが、これから私ども仕事を進めるに当たって何か具体的な方法というもの、こういうものがあったらいいんじゃないかというようなことがもしありましたら、お聞かせいただきたいと思います。
○伊藤参考人 その件につきまして、私も少し先ほどの話の中で述べたわけですけれども、今具体的にどういう方法がいいかということを考えたときに、私どもこの検討委員会に入る場合、内政審議室の方から、何か規制緩和についで意見がありましたら出してくださいというお話だったんですね。 正直な話、消費者団体では、関心はありながら経済活動しているわけでもありませんし、事業活動しているわけでもないので、どこにどんな規制がどのように存在するかというのが国民にはよくわかりません、生活者には。それで、例えば車検が二年に一回とか、これは大変だねというような話とか、それからパスポートの話、この程度のことだったらわかるのですけれども、やはり企業活動と経済活動の中身みたいなことについては余りよくわからないので、できたらどこにどういう規制があって、それは目的はこういうふうになっているけれども、こういう点で緩和しなければならないというふうに言われているけれども、その件についてどういうふうに思うか。おんぶにだっことまたしかられそうなんですけれども、そういうお問いかけがあれば国民というのは答えられるかというふうに、自分の方からどれをどう緩和してほしいかと言われると、非常に困難があろうかと思います。 その方式については、全国的に消費者団体ありますので、できるだけそういうところへお問い合わせをするというのも一つの方法かというふうに思います。
○松前委員 いろいろディスカッションをしたいわけでありますが、今おっしゃったことについてまたいろいろ参考にさせていただきたいと思います。 島田先生、先ほどポイントかどうか、私の頭に入ったのは内外価格差、この問題について非常に強くお触れになられました。確かに内外価格差、これを是正して消費者のためになるというような方向がこの規制緩和の一つの大きな方向である、そういうふうに思いますけれども、内外価格差といっても、私は何か受け身のような感じがしてしょうがない。すべてじゃありませんけれども、かなりの部分が、全部外国がこうなっているから日本もこうしろというような形。しかし、よく考えてみますと、外国と日本との間で、これまでのよって来るゆえんのいろいろな環境がございました。そういう環境の中ででき上がってきた内外価格差でございますから、これをいきなりぼんとオープンにしてしまうというか、同じにしてしまうというのは大変難しい内容だし、これからも国会の課題であろうと思います。 そこで、受け身ということなんですが、最近、通産省がEUに対して、抽象的な製品安全基準の改善を求める要望を提出したということがありました。これは、どっちかというとEU、米国あたりから我々に規制緩和の要求が来るけれども、それに対して、やはり率直に我が国の要望を示したという点では一つ評価できるんじゃないかと思いますが、我々ももう少しこういう仕事をやっているならば、外国に対してもぴちっと物を言うというところもこの規制緩和の一つの重要なポイントであろう、我々の仕事になってくるのじゃないか、そう思いますが、いかがでございましょう。
○島田参考人 先生のおっしゃるところ、まことにそのとおりだと思います。一方的に言われるだけということでなくて、お互いに言うべきことはしっかり言うということは必要だと思います。 今EUに対して安全規制の改善の要望を通産省が出したという新聞記事を引用なさいましたが、通産省の例について私が知っている観点で申し上げますと、不公正貿易報告書というものをここ数年出しておりまして、これはアメリカが日本の貿易慣行不公正だというのに対して、アメリカにもあるじゃないかということでやっておりまして、こういうことは対等にしっかりやるべきだ、賛成です。 ただ、一つつけ加えたいのは、内外価格差の問題、受け身とおっしゃられたのですが、あれは受け身の問題ではなくて、あれこそは我々自身の問題で、外国に言われるからどうかという話ではなくて、我々消費者があの膨大な価格差があるために働きに見合った生活を、豊かさを実感できない、あるいは日本の企業がいたずらに非常に不利な状況に追い込まれる、これを打開することだと思うのですね。この問題は受け身の問題ではないのではないか。 そして、諸外国に規制緩和の要望を提出をお願いしたわけですけれども、諸外国からいろいろ集まった。これは私は、こういうふうに考えてみる必要があると思うのですね。自分の信頼する友人に自分について忠告をお願いしたら、こちらに聞く用意がある、それを十分検討する用意があってやりませんと、いたずらに不信感を募らせます。今回の、今時点までの政府の対応は、私はちょっとその危険があるのではないか。 ですから、ぜひこれは先生方にお願いしたいと思いますが、先ほど鷲尾委員もおっしゃられましたし、宮内委員もおっしゃられたことですけれども、規制緩和検討委員会ではこれは唯一のテーマでございましたが、全く全員一致して規制緩和の検討委員会を行革推進本部の中に常設委員会として設けてくれ、そしてそれを十一月の末に呼びかけてぱっと三回でやるというような話ではなくて、四月の冒頭から一年かけて誠実にやってくれというのが全員一致の要望でございましたので、ぜひ先生方にこれは踏まえていただきたい。 行革委員会があるじゃないかと言いますが、あれは監視の委員会でございますから、監視をする人と実行する人を分けて切磋琢磨をしていくというのがあるべき姿なんで、今の議論ですと、監視委員会の中に小委員会をつくればいいんじゃないの、そこら辺を落としどころにしようよという議論がちらほら聞こえてまいりますが、ぜひ先生方におかれましては、それは本末転倒の議論であるということで、常設の委員会をつくり、鋭意時間をかけて、誠意を持って国民、産業界、消費者、皆さんの要望にこたえていくという仕掛けをつくっていただきたいと思います。
○松前委員 今の御意見、大変貴重な御意見だと思います。 実は私ども、この規制緩和特別委員会に参加しておりますけれども、この委員会の役割自体が全くはっきりしない。委員長に申し上げておきたいのですけれども、これは規制緩和の総合的な、今の日本の国としてやっている仕事の中に、先ほど監視というお話がございましたけれども、この位置づけにもなろうかと思うし、国民の意見を反映させる場所でもあろう。党派の、党と党の対立じゃなくて、政治改革委員会がありましたね、あのようなスタイルをとって自由にここで議論ができる、ぜひともそういうふうにしていただきたい、そう思っているのです。 そこで鷲尾参考人にお伺いをしたいのですけれども、国会の役割、行政委員会の役割、今おっしゃった常設というようなことも含めまして、もう一度御意見をちょうだいしたいと思います。
○鷲尾参考人 私は、今松前先生がお尋ねになりましたこととあわせて、聞いていただいているわけではありませんけれども、伊藤先生にお聞きになった、その仕組みとしてどうかというようなお話がございました。 私は常々思っているわけでありますが、行政と国民との間、あるいは政治と国民との間には、ルールとしては情報の公示や意見開陳をするチャンスがあるように見えますけれども、一個人と行政や政治というのはなかなか難しいというのは、松前先生御案内のとおりではないかと思います。 そういう意味合いからいいますと、一つ例え話を申し上げますが、私どもの仕事でございます雇用、労働に関して言いますと、労働基準法というのがございまして、その中に幾つかの具体的な基準が決められている。例えば、女子の深夜労働の禁止であるとか、あるいは、別の法律でありますけれども労働時間の最低基準の問題について別途考えるとか、いろいろな基準が決められています。ある種の最低の社会的基準として法律に書き込むこと自体は、これはこれで必要な部分がございます。しかし、これをすべて法律に書き込んでしまいますと、法律改正ということをしないと新しい環境条件に対応できないということになります。 一方、私どもは労働組合というのがございまして、労働組合が企業との間で交渉をして最低基準やいろいろな基準を決めるというルールがございます。この労働組合を守る法律として労働組合法がございます。したがって、労働関係の基準に例をとりますと、労働基準法的なものについては新しい時代に即応してできるだけ自主的に決めるということがあってもよろしい。しかし、社会的規制は社会の規制でなければいけない。いわば物事を決めるときに、そのような相手というものが、第三者機関というものがちゃんとあるかどうか、そして公取委や行政改革委員会のようにチェック機関があるかどうかというのが、こういうものを決めるためには非常に大事なんじゃないか。 そうした意味合いからいいますと、労働組合の雇用や労働基準の問題で労働組合法があって、組織として守られ、話し合いのルールがそれによって規定づけられていると同じように、伊藤先生の分野であります消費者団体についても、あるいは生活者という立場でのいろいろな生活協同組合の問題についてもさまざまな組織としてのルールがございますから、新しい時代に即応した安全基準や衛生基準や環境基準を決めるような話し合いの場所をつくるということが大事なんじゃないか、こんなふうに思っております。 例えば、商業関係では、中西先生がおられます商工会議所は商工会議所法というのがあって、その組織的な基準が決められておりますが、そうしたものをできるだけ範囲を広げていくということが国民的合意をつくるためには大変重要なんじゃないか、こういうふうに思っております。
○松前委員 ありがとうございました。 端的に私ども感じているのは、力の弱い者というものが規制緩和によって大変いろいろな問題を抱えてしまうという今日の現状。我々、あのたくさんの項目ではなかったが、もう一つ前の段階のほとんど全部チェックをいたしましたけれども、非常に対立するところが多いというのがありました。ですから、これからは十分国民の意見を聞く場をつくってやりたいと思って、そういう提案をこれからもしていきたいと思っておりますし、実行していきたいと思っております。 それから、中西参考人よろしいでしょうか。先ほど、規制緩和というものをやったにしても、これが実際の経済活動やら日本の国の国力の高揚ということに資するには、やはり人材の問題とか教育の問題があるというお話がありました。その辺について中西参考人の御意見がたくさんあるようにお聞き受けしましたので、ぜひともその辺のお話を聞かせていただきたいと思います。
○中西参考人 御質問の点についてお答えします。 さっきも触れましたが、今構造転換が行われておりまして、これは個々の企業でも当然必要でございます。例えば、御案内のようにこの円高で、特に最近すごい円高でございまして、自動車、家電なんという在来産業の大手は皆ASEANにシフトしていますね。そうすると、私が住んでおります京浜工業地帯、これは中小企業の集積地ですが、今、声もなく廃業していくところがどんどんふえているのです。これは、例えば仕事がいきなり一気に三割ぐらい減れば、会社はたちまち採算が悪化いたします。かつ、ここのところ不況が続いておりますから、企業がかなりのところで財務体質が弱まっておりますから、いわゆるラクダの背に最後の一枝を置いてラクダの背骨が折れるというふうなところに来ておるわけですね。 結局、廃業するか、しからずんば新しい事業に転出するか、挑戦をしていくか、この二者択一なんですね、中小企業は。ところが、廃業させたんじゃ日本の国の前途はもうないです。そうすると、どうしても新しい分野に中小企業を叱咤勉励して挑戦していかなければいかぬ。 ところが、御案内のように、私ども自分でやっているからよくわかるのですが、例えば山の猟師で生計を立てておった企業がある日突然海の漁師になってたちまち生活ができるかというと、さにあらず。これは、船の操船がわからない、天候が読めない、それは漁の技術がないということで、とてもじゃないが船を沈没させて命からがら逃げ帰るのが落ちになるわけでございまして、当然ベテランの熟達した技術者をそこに必要とする。こういうことでございまして、企業が在来型のものならもう知り尽くしておるわけですが、新しい事業分野に進出しようとしたときに必ず必要なのが、そういう事業に精通した謀臣といいますか技術者、技術を伴った人材がぜひとも必要になるのですね。 一方、大企業は御案内のように、さっきも触れましたが、新日鉄さんあたりが七千人もこれから三年かけてダウンサイジングで調整していくということのようですが、この中には、例えばコンピューター技術者とかいろいろな技術者がおられるわけですね。自動車も、例えば設計技術者で優秀な技術者がおられる。 私どもも、変な話で自分の会社であれですが、今まで重厚長大のエネルギー関連の配管機材をつくっておったのです。ところが最近、この五、六年リストラクチャリングをやりまして、要するに半導体をつくる超精密なバルブをつくる方へ挑戦したのですね、七、八年前に。そのときに、私どもの重厚長大でやっておった技術者というのは、これは言うなれば冶金の技術者でよかったのですね、工学でいえば。ところが、そういう超精密なバルブをつくろうとしますと、その設計技術者が必要になるのです。そこで、自動車メーカーのエンジンの設計をしておった設計者をスカウトしてきまして、ここに投入したのです。そういう人材の移動が全産業において私は必要だと思うのです。 ところが、御案内のように、日本の人材の移動は職安法で縛られております。そして我々が、島田先生も私もこの検討委員会で声を大にして、総花でいろいろなことを言っても仕方がございませんから、証券、金融問題どこの人材、労働移動問題に重点を絞って、再三にわたって申し上げたのです。ですけれども、中間発表で出てきた労働省の資料は、ただ一言、ILO九十六号に抵触するからこれはできませんという一言ですね。一体これは何だという思いを、私は今実は持っておるわけでございまして、全然討論と交流がないじゃないか。 だから、私は今、島田先生ともささやいておったのです。これはやはり公開の場で議論をすべきだ。ILOにどうして抵触するのだ。世界は、ILOは大体もう半分脱退していますよ。だから、ILO自身がある程度形骸化しているわけですから、この辺を公開の場で労働省と議論をしたいというのが私の希望でございまして、国会でもしそういう省庁別で設営していただければ、まことにありがたいと思います。 以上です。
○松前委員 時間が大分なくなってまいりましたが、今の教育のお話、私はもう一つ踏み込んでいただいて、現在の教育制度そのものの問題点まで踏み込んでいただけると思って期待をいたしておりましたが、またそれは別の機会に議論をさせていただきたいと思います。 それから、オリックスの宮内参考人には、価格上限制ですか、その辺についてお聞きしたかったんですが、ちょっと時間がございませんので、大変申しわけございません。 それから、島田先生には、官僚がこういうものをやることについての問題点というものをちょっと議論したかったわけですが、またどこかの機会でぜひとも御教示いただきたいと思います。 どうもありがとうございました。
○塚田委員長 五十嵐ふみひこ君。
○五十嵐(ふ)委員 さきがけの五十嵐ふみひこでございます。与党の立場からでございますけれども、与党も野党もございませんけれども、この問題について質問をさせていただきます。 今回出されました政府側の案というのは、あくまでも官僚側の答案でございまして、私はこれから政治の側がこれをさばいていくという認識でおります。それで、きょうは大変貴重な御意見を各先生からちょうだいをいたしまして、大変ありがたいなと思っているところでございますけれども、ぜひ私どもと先生方と共闘をさせていただきたい、そういうふうに思っております。 日本はとにかくお上頼りの社会でございまして、これは国民の側にも問題がございます。しかし、そのお上を頼りにさせることによって自分たちの組織を肥大化させるという、官側の習性が強くしみついている社会でございます。これを除いていかなければ規制緩和もできないし、活力ある社会も生まれないと思っているわけでありますけれども、それにはまず情報公開がスタートになるだろうと私は考えております。消費者の立場から伊藤先生にお話を伺いましたけれども、この情報公開がなければやはり消費者は守れないんではないかと私は思いますし、特に規制緩和に関しては情報公開を強く求めるという視点が必要だと思いますが、その点について、濃縮した御答弁をいただきたいと思います。
○伊藤参考人 私どもは、情報公開法まで含めたものがぜひ必要だというふうに思っております。ただ、情報公開法みたいなものをつくる場合、適用除外が多くて肝心なものがわからないというふうな内容では、やはり役に立たないんではないかと思っております。 それから、法律だけではなく、情報公開というのはやはり、例えば不正をした企業を事前に公表する、そういう制度も私どもとしては欲しいというふうに思っています。といいますのは、被害の拡大を防止するためには、やはりそういう企業名の公表というふうなことが必要ではないかと思います。できるだけ消費者被害を防ぐためには、事前防止ということが大切で、例えばPL法などというのは事後の問題になってくるわけで、事後も大切ですけれども、できるだけ事前防止が必要だというふうに考えております。
○五十嵐(ふ)委員 ありがとうございます。 それから、島田先生の「諸君!」の三月号も読まさせていただきました。全く同感でございます。とにかくめり張りをつけて、マクロの目でもって規制緩和を見ていかないと、いきなり細かいところへ入っていってしまうと、それだけで迷路に迷い込んでしまうと私は思います。今まで日本は、規制を強化すべきところを強化せず、緩和すべきところを緩和しなかったというところに問題があると思いますので、優先順位をつけて、めり張りをつけていくということが非常に重要だろうと思います。 私は、先生がおっしゃる空洞化対策では、やはり金融・証券、あるいは先ほど申された職業紹介といった面での自由化がまず第一に来なければならないだろうと思います。 その点についての再度の御質問と、それから今回の、先ほど共闘と申し上げましたけれども、ノー、だめだという方の理由をはっきりとさせる、そしてそこを官僚との間できちんと往復のやりとりをしていくということが大事だろうと思います。ノーの理由を明らかにするということで、共闘ということを特に申し上げたつもりでございますけれども、その点について、島田先生から一言お話を伺いたいと思います。
○島田参考人 五十嵐先生のおっしゃるとおりでございます。めり張りをつけて、国を救うことを本当に進めていきませんと、日本丸はもうじくじくと沈みつつあるんじゃないかというのが私の認識でございます。 それで、特にどこが重要かというと、おっしゃるとおりで、日本の産業、経済を支える大きな意味でのインフラ、ソフトのインフラですね、それは一つは金融でございます。今、日本の金融は、これまで護送船団方式の中で、ある意味でぬるま湯の中で守られてきましたから、世界の厳しい競争の中へほうり出されたらほとんどやっていけないだろうというのが、当事者の皆様方の自己認識でもあるようでございます。これを何とかして、いきなり出せばがたがたになりますけれども、一刻も早く、適切な規制緩和をしながら筋肉質の力をつけていただく。同じことは、先ほども触れましたが通信にも言えるわけですね。あるいは航空産業というようなインフラにも言えます。 そして非常に大きいのが政治、行政だ。大変失礼な言い方でございますけれども、情報公開法も必要ですし、さまざまそういう権限も必要です。国会議員の調査権も十分に活用されなければなりませんが、政策形成力に結びつけるために、人材がいないんですね。先生方御自身は非常にお忙しいから、非常に整理された、濃縮された情報を受け取るのが精いっぱいだろうと思うんですが、先ほど鷲尾委員が示された大きなもの、あれの中から玉を探してみるということは容易な作業じゃない。しかも玉がどういう構造になっているのか、容易な作業じゃございません。これは相当の専門家でないと見抜けないですね。 霞が関には二万人のスタッフがおって、世界最強のシンクタンクなんですね、ある意味では。それに対して政治が対等な政策形成力で闘うためには、二万人は要らないと思いますが、恐らく数百人の非常に有力なスタッフを抱えてやっていかなきやいけない。ぜひそういう政策形成力をつけていただきませんと、公開法ばかりできてもなかなかうまくいかない。こんなことで、頑張っていただきたいと思います。
○五十嵐(ふ)委員 ありがとうございます。私も、政治が力をつけることが第一だろうと思います。 中西参考人にお伺いをしたいと思うんですけれども、表の規制緩和をすると役人がまた裏で規制をするんじゃないかという不安を、私は一抹持っているわけでございます。いわゆる行政指導という形で、目に見えない規制に移行するのではないかという不安でございますが、その点についてお考えがございましたら、お話を伺いたいと思います。
○中西参考人 その点に関して、証券市場の活性化という視点で規制緩和委員会で申し上げた結果、日本証券業協会に過日私は呼ばれまして、各社のそうそうたる方がおられたわけですが、そこの実際上の専務理事は大蔵省から来ておられる方ですね。そこでいろいろ、るる意見の交換を申し上げたんですけれども、その例を申し上げますと、御案内のように、日本に店頭市場というものがございます。これは、アメリカのNASDAQに匹敵する、JASDAQと言ってもいいんですかね。アメリカはすごい勢いでベンチャーが伸びてまいりまして、アメリカの再びの産業界の活性化は、このベンチャーの興隆で果たしたわけですね。その資金源は、やはり一都市場というよりは店頭だったんですね。店頭の扱い規模は、今やもう一部を抜いておるということでございまして、何で日本の店頭市場が活性化しないか。扱い量はアメリカのそれこそ何十分の一でございます。 その原因は、いろいろ聞いていきますと、公開基準が高いんじゃないかということでいろいろ詰めていきますと、公開基準は決してアメリカのNASDAQより高くないんですね。例えば純資産は幾ら幾ら、純益は幾ら出す企業でなければならぬ、売上高は幾らという基準がございます。この形式基準は全くNASDAQと同じなんですね。 ところが、そして私が規制緩和委員会で、どうも大蔵省が後ろに、これは行政指導があるんじゃないかということを率直に申し上げたら、証券局の返事は、そんなことはございませんと、こういうことだった。じゃ、アンダーライターがやっているのか、あるいは日本証券業協会が何らかのそういうことをやっているのか、こういうことでいろいろ申し上げたんですが、ともかくそういうことはしていない、こういうことですけれども、じゃしからば論より証拠だということで、これは三和総合研究所あたりが調べたことで、はっきりした数字ですけれども、この一年ぐらいで店頭に上場した会社がございます。これの実際の純益なり純資産なり売り上げなりをぴしっと定量化したのですね。そうすると、これが何と実質的な公開基準、形式基準の数値を上回ること十倍、二十倍の高さでないとクリアできないような仕組みになっておる。これは、紛れもなくどこかにそういう公開を渋る実質基準がある。 これは私の推察で、大蔵省から怒られるかもわかりませんが、私の推測では、なぜそういう高いバーになっておるかというと、これはやはり投資家保護という在来の基本理念を、大蔵省がどちらかといえば重視されておられる結果ではなかろうか。決して悪いことではないですね、投資家保護は。だけれども、投資家保護の軸足だけでは今やこれは大変なことなので、何か事件が起こるとすぐ大蔵省あるいは証券会社ということでかみつかれますから、勢いその辺に対するやはり防衛本能が働いてそういうことになるのであろうと思います。 今、我が国にとって最大急ぐべき課題は、産業の復活ですね。それには資金が、要するに金融、銀行が御案内のように大変な債務を抱えて、そしてかつ担保の土地がもう下がっていますから、なかなか中小企業はここから資金を手当てすることにまいらぬのですね。そうすると、どうしてもやはり証券市場の活性化が喫緊の課題だと私は思っておりますので、そのように御理解願いたいと思います。
○五十嵐(ふ)委員 そのとおりであろうと思います。 私の友人でも、LANの会社を起こして倍々ゲームで仕事をふやしているのですけれども、お金が借りられないという時点でこれが大変なネックになっている。十兆円産業になるだろうということは予想されながら、銀行は金を貸してくれないわけですね。こういうことにやはり問題があるのだろうと思います。イノベーションがなければ我が国の将来はないと私は思っているわけです。 そういう面でも、郵貯の問題は、民営圧迫という問題が大変大きな問題になってくると思います。宮内先生に郵貯、簡保のあり方について、もう少し踏み込んでこうすべきだということを、簡単で申しわけないのですけれども御説明、御提案をいただきたいと思います。
○宮内参考人 金の世の中がどういうふうに動いているかということの中で、やはり郵貯というところが、競争条件がないにもかかわらず、民間を上回る条件で商品をつくる。一般庶民からいいますと、こんな結構なものはないということで条件のいい方へ持っていく。金の流れが市場メカニズムに全然反して、最も信用の高い国が最も有利な商品を開発して金を集めでしまうということで、まず日本の金融の大きな市場メカニズムがそこで乱されている。その量が三分の一というのは、実に膨大な金額でございます。 ですから、残りがやっと民間のところへ流れている。その民間のところも、日本は御承知のとおり間接金融が中心でございますから、間接金融というのは市場の裁定が余り行き渡らない。金融機関と行政当局とが非常にネットワークを組んでおりますから、そこにも非常に強いコントロールがいっている。そうすると、金の世界で本当に市場原理が動いている部分というのは極めて小さい。それが資本市場であるわけなんです。この資本市場がまた、言われているように完全に空洞化しているということで、日本の金の流れというのがマーケットの裁定というものと関係なく動き始めた。その最も大きな元凶が、私は郵貯だと思います。 したがいまして、郵貯はもとの機能、すなわち本当に零細、ローカル、民間も行かないようなところの預金を預かるということで、国民の金融資産の預貯金の三分の一というのはとんでもない話 であって、例えば三%とか五%を郵貯が持つというのが社会的意義があろうと思います。そういう意味で、郵貯は大幅に小さくしていくか、もし今のような三分の一の規模でございますと、民間と競争するように民営化ということ、このどちらかをやらないと根本がだめである。 もう一つは、間接金融から直接金融へということで資本市場を育成する。この二つが日本の金融市場を——これだけ世界最大の貯蓄率を誇りながら、金融市場におきましてはロンドン、ニューヨーク、シンガポールにも全部任せてしまうという情けないことになっている。それによって経済の効率がまことに低下しているということでございますので、日本の産業の中で一番早く手を入れないといけない部分がここではないかというふうに憂慮しております。 以上でございます。
○五十嵐(ふ)委員 ありがとうございます。 私は、鷲尾参考人には過当競争の問題を伺おうと思っていたところでございます。二兼農家が、ある意味では非効率なんだけれども、雇用という面では非常にいい制度だとドイツから言われたりしているわけでありまして、同じように規制というものは、ある意味では古い雇用を守るという面では大変効果的である。ただ、古い雇用から新しい雇用、新しい産業の分野に移っていかなければいけないのだけれども、古い雇用を守ろうとすれば、ある意味では規制が大事だという話も出てきてしまいかねない。一方では、日本はほとんどの業種で過当競争体質というものを持っているわけですから、この過当競争の問題を解決していかないとなかなかそう簡単に割り切れないという部分も出てくるのではないかと思います。 一言だけ、過当競争についてどうお考えか、伺いたいと思います。
○鷲尾参考人 時間がありませんから申し上げますが、基本的な考え方については五十嵐先生のおっしゃるとおりだと思います。したがって、過当競争をどのように社会的にセーブをしながら、そして新しい雇用にいかにうまく誘導するかというのが大事だと思います。以上です。
○五十嵐(ふ)委員 時間が参りましたので、終わります。ありがとうございました。
○塚田委員長 岡田克也君。
○岡田委員 新進党の岡田克也でございます。時間も限られておりますので、手短に進めていきたいと思います。 まず、皆さん規制緩和検討委員会のメンバーでありますけれども、先ほど島田参考人の方から規制緩和検討委員会の運営について大変厳しい御意見がございました。大変限られた回数で限られた時間の中で多くのものを審議させられて、十分な検討もできなかった、こういうお話でございましたが、この点について中西参考人、どういうふうにお感じであったか、お聞かせいただきたいと思います。
○中西参考人 私も、規制緩和検討委員会の第一回の初日に申し上げたのですが、ともかく日本の官庁の規制の数は一万を超える、そして規制緩和の問題はテーブルに上がっているだけで何百とある。これを、たしかあれは一月から二月の初旬にかけて、せいぜい正味四回か五回でやる。それも二時間足らずで、そのうちの前半はほとんど官の説明だということで、これは一体何なんだと、私、厳しく藤井室長に申し上げたのです。一体何をどういう目的でしょうとしているのか、悪くとればジェスチャーでこういうことをやるのかというふうなことを申し上げたのですが、結局今でき上がってみると、先生方の御努力で、この意見書というのはそれなりにいいものになっておると思います。 問題は、これは島田先生さっきおっしゃいましたが、飯田委員会がありますけれども、やはり今後これをどういうふうに官に実施させていくかということが、フォローアップが非常に大事だと思うのですね。 だから私は、例えば労働省の問題一つとっても、さっきも申し上げましたが、ぼんとただ一言、ILOの何号に抵触でこれはできません、そんなばかな話があるか。我々に言わせれば、ここから議論をしたいわけですね。そのILOというのは一体どうなんだ。もう既に諸外国の半分はILOから脱退しているのですね。それから、ILOの、人材移動の職安法に関しては、今世界がボーダーレス経済で物すごい勢いで動いていますから、結局、何といいますか、職安の権限は官が善で民は悪であるという考えを変更しろということを、ILOが逆に宣言しているのですね。そういう実情になっているのだから、労働省の、これはやれないという論拠が非常に薄弱だと私は思うのですね。 この辺を、今後この常設委員会を続けていただいて、これはワンサイドゲームだとどうもよろしくないので、私は例えばここへ政府の権限で労働省の職安局長をお入れいただく、通産省の産業を振興するための産業政策局の局長をお入れいただく、それから産業界も、我々会議所も出る、日経連も出るということで、そしてこれをある意味では公開するということでやられたらいかがか、こう思います。
○岡田委員 ILOのことはさておきまして、鷲尾参考人に同じ質問をしたいと思います。この検討委員会の運営について御意見がありましたら、お願い申し上げます。
○鷲尾参考人 感想としては全く同じでございまして、非常に時間が短い、こういうふうに思っております。 そして、今中西参考人が労働省の問題を申し上げました。これは一つの例えなのですが、一つ一つにおいてもかなりの時間をかけて、バックグラウンドがあるものでこういう規制がかかっているということは事実でございます。私は、超楽観的に言うと、世の中に存在しているものは全く合理性がないものは残らないと思いますので、残っている以上は一部の合理性はあるのだろうと思うのです。したがって、そうしたものを、合理性があるものを突き破っていくためには、ほかの合理性をきっちりと示して、合意形成をしなければいけないと思います。したがって、今回の検討委員会は検討委員会として参考にしていただいて、これからの五カ年計画をどう推進していくかというところに今の反省をカバーしていただけばありがたいな、こんなふうに思っています。 もう一言つけ加えさせていただきますと、ここのところ、さまざまな政府の審議会、委員会というのはそういう傾向が非常にございます。ここで愚痴を述べるのは適切ではありませんけれども、昨年からことしにかけて同じようなことが二回ございました。一つは地方分権の部会について、私も部会の委員でありましたが、この部会の取りまとめが全く無視された政府の案が出ました。また、今回の規制緩和検討委員会についても、これはそういう機能ではございませんけれども、まだこれは結論が出ておりませんが、せっかく短い時間でまとめたものが全く違ったものになるのであれば、もう委員をやりたくないなというのが規制緩和検討委員会のほかの先生方の感想ではないかというふうに、代表して申し上げます。
○岡田委員 先ほど来、各参考人の方から、この規制緩和検討委員会の常設化という話が出ております。報告書の中にも、全会一致でそういうことを求めるという話になっておりますが、伊藤参考人の方からは、先ほどの御説明では出なかったような気がするのですけれども、同じ御意見でしょうか。
○伊藤参考人 常設化のことですか、どういうふうに思うか。 これは、島田先生が言われましたように、全員一致で結論が出たということは間違いございません。私も消費者団体の事務局をしながら、これは余計なことなのですが、主婦でございまして、この検討委員会には時間のなさに本当に参りました。朝八時半から来まして十時半、ほぼ十時ごろ終了するわけで、それが一週間置きにあるわけです。その間、いろいろとファクシミリで通信は来ますし、こちらから出す書類はワープロで打たなければならない。皆さんから見れば本当にささいなことかもしれませんけれども、一人の労働者として見た場合非常にきつうございまして、私は本当は、もう少しこういうことも言いたいのだというのはありましたのですが、それを発言してほかの委員の方に聞いていただく時間もないというような状況だったことを御報告いたします。
○岡田委員 五人の参考人の皆さん全員が常設化ということをはっきりとここでも明言されたわけでございますので、与党の委員の先生方もその方向で、政府に対する働きかけの方をぜひよろしくお願い申し上げたい、こういうふうに思います。 それでは次に、この十日に各省庁の方から中間取りまとめが出てまいりました。いろいろ各論については各参考人の方からそれぞれ御意見いただいたわけでありますが、国民にわかりやすいという観点から、現時点でこの中間取りまとめに点数をつけるとすると、百点満点で何点ぐらいになるか。そして、この中間取りまとめが実際の五カ年計画にほとんど変わらずそのまま最終的なものになった場合に、一体どういう影響が出てくるのか。 先ほど島田先生、一言おっしゃっていただいたわけでありますが、そういった問題につきまして、島田参考人と宮内参考人にそれぞれお聞かせいただきたいと思います。
○島田参考人 一言で申し上げると、日本丸が沈みつつある、我々は大急ぎで千メートル歩まなければならない。私は、お役人の皆様方が一生懸命努力なさっているのは知っています。しかし、残念ながら彼らの歩みは五センチ刻みなんで、その前に日本丸は沈んでしまうだろう、こういう印象でございます。(「点数」と呼ぶ者あり)点数ですか。ですから、五点ですかね。点数じゃなくて、これはスピードで考えさせていただきたいので、千メートル進まなければならないときに五センチずつ進まれているというのは、これは点数はつけようがないですね。 そして、このままで報告書にはならないと思いますけれどもね。千何百ページの報告書というのは、村山首相も読めないのじゃないでしょうか。理解できないと思いますね。ですから、仮に何らかの形でこのままの状態でなったとしたら、まず第一に、国民生活が本当に求めている物価の競争的な引き下げというのが十分に進まない。それから、企業は競争力を回復することが難しくて、経済の活力は出てこない。そして、経済はそれでなくても弱い状態にございますから、悪くすると衰退していくのじゃないか。 そして、外国はかなりの不信感を募らせると思います。それは、昨年九月に村山総理が内外に呼びかけて要望をとられました。膨大な要望を出した。皆さん一生懸命考えて、書いて出したのです。それについて、この程度の評価しにくい結論ということになりますと、何をやってくれているのかと。これは国際的な信頼関係、日本というのは言うこととやることと全然違う国だ、そういう印象になるのじゃないかと思います。役人の皆さんが一生懸命やっているのは知っているのですよ。しかし、何分動きが五センチ刻みだということが残念でございます。
○宮内参考人 島田先生のおっしゃったことと全く同感でございますが、それにつけ加えてということで申し上げさせていただきますと、採点をするというと、及第点はちょっと差し上げられないというふうに申し上げたいと思うのです。 それで、実は私は前の行革委の豊かなくらし部会の委員をさせていただきまして、今度の検討委員会の委員もさせていただきまして、二度、何とか日本のために我々在野の人間でもプラスになることに加わりたいと思って一生懸命やったつもりでございますけれども、二度目の挫折感を持ったという感じでございます。したがいまして、私は行政に対してそのシステムを、あなた方のシステムをお変えなさいということは非常に限界があるのじゃないかなという感じがいたします。 この規制というのは、行政当局も何も、法的な裏づけの何にもないものを勝手に規制しているというわけではないと思います。もちろん拡大解釈の部分が非常に多いわけでありますけれども、根のところへ持っていきますと、四〇年体制と言われますように、戦時中の総動員体制のころからでき上がりました法律、業法などがいろいろな制限を設けることを認めているわけであります。その業法の、例えば需給条項というようなもののある条文を変えれば、その他の規制というのは全部飛んでしまうという部分がたくさんあるわけでございます。 そういう意味で、どの業法のどこを変えれば、あとどれだけ規制がなくなるということは、もう先生方にはおわかりの部分が大分たくさんあると思います。ぜひ与党、野党ということでなしに、与野党御一緒になって、この四〇年ごろにできましたたくさんの法律のそういう規制を与えている部分を改正していただきたい。議員立法でおやりいただくということで、規制の非常に大きな根っこがなくなるのじゃないか。最後の望みはそれしかないなというぐらいの、先般来の発表をいただいた感じでございます。
○岡田委員 今、宮内参考人からは合格点は与えられないということと、それから島田参考人からは千メートル歩むのに五センチということですから、点数にすれば十万分の五点ということになるのかもしれませんが、そういうお話がございました。 これは、今まで内外の各種団体に村山総理みずから要望を出してくれということをおっしゃって、そして出てきているにもかかわらず、もしそれで十分な回答がまとまらない、五カ年計画として十分な内容のあるものがないということになりますと、これは村山総理御自身だけではなくて、政治そのものに対する信頼性の問題になってくるのではないか、私はそんな気がしております。 特殊法人の問題とかそういう事案が続いているわけでありますけれども、しかし今回は、外国の政府に対しても正式に要望を出してくださいということで進めてきた話でありますから、このことでもし五カ年計画が内容がないということになりますと、いろいろな影響が出てくるのではないか。例えば、最近の円高の問題一つとりましても、そういうことも一つ背景にあるのではないか、そんな気がしているわけでございます。私は、別に村山総理を批判しようとして言っているわけではなくて、ぜひ、残すところ十五日間ありますので、総理のリーダーシップで、これから五カ年計画の中身についてさらに内容の濃いものにしていただきたい、こういう趣旨で発言をしているわけでございます。 さて、競争政策についていろいろ御意見ございました。公正取引委員会の機能強化ということを何人かの参考人の先生方おっしゃったわけでありますが、具体的にどういうことが必要であるというふうに考えておられるのか、鷲尾参考人にお聞きしたいと思います。
○鷲尾参考人 今回のような規制緩和の問題が我々が望むように進んだ場合には、いわば競争は非常に激化する側面があると同時に、逆に言いますと、競争激化というものを前提にいたしまして、カルテルその他の行為が行われるという可能性も十分あり得るのだと思います。したがいまして、従来の公正取引委員会の機能は、過当競争というものを見据えながら、いわばカルテルその他のいわば私的な結合、規制についてチェックをかけるというのは、大変重要な項目になるのではないかと思います。その意味からいいますと、現在の公正取引委員会の機能自体は非常に事務局機能自体も不十分でございまして、また、私は常々問題にしたいと思うのは、公正取引委員会自体が国民に対して議論というものを吸収する機能が余りない、これは非常に問題だと思うのですね。 一方、さまざまな業界団体やあるいは規制にかかわるような省庁の場合には、全国至るところにネットワークがある。一方、公正取引委員会は本部機能で手足を持たない。こういうことでございますから、これは公正取引委員会自体の機能を、人数だけふやせばまた行政改革に逆行するという側面はありますけれども、ただ単に公正取引委員会の事務局員をふやすのではなくて、国民ネットワークの中から情報が吸収できるような仕組みというものをつくることが大事なんじゃないか。この仕組みはどういうやり方があるのか、ぜひ先生方にも御検討いただければありがたい、こういうふうに思っています。
○岡田委員 同じ質問を、島田先生にしたいと思います。
○島田参考人 私は、今までの日本の行政というのは、国民の安全を考え、公正を考えるために、企業活動、事業活動に完全に網をかけて、そしてその目的を達成しようとしてきたということだと思うのですね。これは、アメリカとかヨーロッパの先進国を追いかけて発展しようというキャッチアップの時代には、政府が資源配分について大きな力を持っておりましたから、認められる方向だったと思います。しかし、今日本の生産コストはアメリカよりはるかに高い。日本人の一人あたりの名目所得ですが、恐らく二割以上アメリカ人より今高くなっています。 そういう状況の中で、自由な競争の中から活力を生み出さなければならないという場合に、そういうやり方をしておりますと活力が出てこない、創造性が出てこない。ですから、競争は思い切って自由にするけれども、弊害ももちろん出る可能性がございます。これについてはさまざまな基準とルールを明確にして、その上で厳しい取り締まりを行う、こういう競争の徹底的な自由化、そして同時にルールの明確化と取り締まりの強化、こういう形に転換しなければいけないのではないか、このように考えております。
○岡田委員 私も、公正取引委員会の機能強化、行革の問題も当然ありますけれども、人員の強化、それからもう少しきちんと遇するというか、例えば、公正取引委員会に事務局長というポストがありますが、役所でいいますと局長ポストであります。次官ポストでは決してございません。もちろん機構の問題はあるわけですけれども、その上に委員長があり、公正取引委員がいるわけでありますけれども、その込もう少し考えていくべきではないか、そういう気がしているわけでございます。 さて、先ほど国会あるいは政治家のリーダーシップに期待をするというお話が鷲尾参考人の方からございました。我々も規制緩和特別委員会でいろいろ議論をしているわけでありますが、この規制緩和の問題というのは、実は政治家がもっともっと積極的に取り組んでいかなければいけない問題ではないか、こういうふうに思っておりますが、そういったところにつきまして、鷲尾参考人の御意見を改めて聞かせていただきたいと思います。
○鷲尾参考人 少し立ち入った答弁になるかもわかりませんが、ここに、規制緩和に関する特別委員会に属している先生方はそういうことはないだろう、こういう委員会に入るわけですから、ないだろうと思うのですが、ややもすると、国民の目に映る先生方の行動パターンというのは、既存の集団や企業や団体に所属している、いわば族議員というものがはびこっているというふうに国民の中では認識されていると思います。したがいまして、その族議員たる者は、ある種の団体、集団の利益を代弁するためにどうしてもこれは法的な規制に頼る、また、既得権益を維持しようという行動になりがちである、この点については私ども懸念をしているわけであります。 しかしながら、そうした国民の一般的な風評、私はないと信じますが、その風評をはね返すためにも、規制緩和についての国会、政治家のリーダーシップがあることによって、健全な国民の政治に対する関心はいやが応にも盛り上がる、こういうふうに思うわけであります。 そうした意味合いからいいますと、従来の風評を打ち破るためにもぜひ国会の中で、私は、先ほど伊藤先生が自分自身が検討する時間もないということでありますけれども、規制緩和に関する特別委員会、どういうルールになっているかわかりませんけれども、十日に出された資料についても、いわば定例の委員会で半年なり一年間、休会中もございますけれども、やったならば、午前中なら午前中いっぱい使いますと一省庁分ぐらいは十分点検できますから、そうした個別の取り上げ方をしていただいて、ぜひチェックをし、それが当然国会の審議でございますので議事録に載るわけですから、国民の議論に供するようにしていただきたい。また、これを政治的なイシューとして、それぞれ先生方は地元に密着しているわけでありますから、地元の皆さん方の意見も吸収するチャンスに使っていただければ大変ありがたい、こういうふうに思います。
○岡田委員 同じ質問を中西参考人にしたいと思います。
○中西参考人 これは中間発表でございますから、まだ各省庁、例えば労働省でもどのようなお考えをお持ちなのか、断定はしがたいですから少しその辺は配慮しなければいかぬと思いますが、どうも今の感じでは、検討中というと、在来の役所のやり方はずっと先送りという感じなきにしもあらずだと思いますので、私はどうもこれを前へ進めるのは、やはり官を制する。 民は官に弱いですね、官に強いのは政ですから、せっかくこういういい特別委員会をお持ちでございますので、この場に私ども、忙しさをなげうってでもはせ参じますから、私はやはり、例えば今鷲尾さんも触れられましたが、労働省なら労働省の、職安問題なら職安問題に限って、それを例えば半日使ってやればかなり突っ込んだ議論が出ると思うのですね。これに学者先生と財界も、やれどこだここだと変なことを言わないで、日経連も商工会議所も同友会も全部呼ぶ。まず財界を呼ぶ。それから労働組合を呼ぶ。これに労働省の職安局長も来ていただく。それから通産省の局長あたりも来ていただく。そういうようなことで議論をする、そこで議論をやりとりする。例えばILOに本当に抵触するのかしないのか、今の国際情勢がどうなっておるのか、今女衒が、また人買いがまかり通ってよろしくないのか、その辺の議論を本当にやらぬと、私は前へ進まぬと思います。
○岡田委員 同じ質問を伊藤参考人にしたいと思います。国会に対する何といいますか、期待ですね。
○伊藤参考人 私はきょう八時から、衆議院の厚生委員会だったと思いますが、食品衛生法の改正についてどういうふうに思っているかということで行ってまいりましたけれども、たった十五分なんですね。それで、厚生委員会の中で食品衛生に関して専門的にやっていらっしゃる方がおられないというようなこともお聞きしまして、私どもは、たった十五分で何がわかるのかなというふうな印象を受けました。 やはり国会の場の方も十分専門、専門に分かれまして、オーソリティーがいらしてリードしていただかないと、例えば、私も厚生省の食品衛生調査会に入っておりますけれども、とてもその中で国民一人の発言というのは難しいわけです。よほど勉強していかないと、それでないと官がずっとリードしていくということになるのではないかと思いますので、ぜひ先生方も十分勉強して、国会の場でそれを発言していただき、国民にその内容を知らせていただきたいというふうに思っています。
○岡田委員 宮内参考人、いかがでしょうか。
○宮内参考人 先ほども申し上げましたように、やはり経済システムというものをつくる、いわゆる社会システムも同じでございますけれども、システムをつくるのはやはり政治の力しかないと私は思います。 行政というのは、命じられた範囲内でその運営に当たるということは、これはイロハのイみたいなことでございますけれども、こういう規制緩和の動きをやってまいりまして、結局感じましたのは、最も原則的なところに立ち返って、やはり規制というようなものは経済社会のシステムづくりの問題である。こうなると、やはり政治のリーダーシップしか、今しか、政治にしか頼るところはないのだろう、こういうふうに私は思っております。 もちろん行政側も、自分たちがさらに社会的なファンクションを強めるために、変えるべきところは変えようという動きは確かにございます。行政が全部後ろを向いているというふうには思いませんけれども、どうしても行政というのは目先のことを考える、そういう機能を託されているわけでありますから、それ以上の大きな日本経済全体のビジョン、国際社会の中における日本の経済情勢、今後の日本の活力というような、そういう大きなスケルトンづくりというのはもともと行政には向かないと私は思います。これは政治家がお考えになって、自分のイデオロギーに基づいてシステムをつくるということだと思います。そして、私は、そのシステムを今つくり変える時期に来ていると思います。 そういう意味で、まさに政治のリーダーシップ以外にないと、先ほど申し上げましたことを繰り返させていただきます。
○岡田委員 それでは、島田参考人、お願いします。
○島田参考人 よろしくお願いいたします。まことに重要な問題なので、ぜひ先生方に申し上げたいと思います。 先ほど私は、今のこの十日の政府の中間発表は、十万分の五点と申し上げましたか、そういう表現はしなかったと思いますが、評価にたえないと申し上げました。実は、検討委員会に参加しておりますときに、私はかなり検討委員会の運営の仕方について批判的でございまして、もっとちゃんと議論させてくれということを申し上げ続けてきたのですが、今となってはあそこで残された報告書、中間意見、これは私は評価せざるを得ない。全然だめだと思っていましたけれども、あの政府の中間発表に比べたら、これははるかにいい報告だと言わざるを得ない、まことに残念ですけれども。私は、あれには六十点をつけたいと思います。慶応大学で六十点というとCでございますけれども、落第はしません。ですから、内政室長は卒業できるのじゃないか、こう思っております。余計なことですが、これは失礼ですけれども。 それで、私は今の中間発表が政府の答えだというふうにはとりたくない。あの程度の表現の仕方、内容、吟味の仕方で答えだと言ったら、私は日本の政府の国際的な信頼性、信用性を失うと思います。ですから、ここは特に与党の先生方にお願いしたいと思いますけれども、これを一参考資料というふうに受けとめて、骨太の本当の改革案を、あと十日ぐらいしかございませんが、ぜひ鋭意やっていただきたい。国際社会はそれだけを見ればいいんだというふうなところへ持っていっていただきたいと思います。それでないと、日本は本当に危ない。 なぜ、そういうことになるのかということですが、実は行政改革の問題なのですね、午後のテーマかもしれませんけれども。やはりきようの参考人の先生方がるるおっしゃられておったことですが、我々ははっきり言って情報不足、時間不足、力不足。そして、霞が関は二万人のスタッフを抱えて、原局を持って、業界を全部取り仕切ってやっておるわけです。ですから、これは巨人とアリの戦いみたいなもので、これは対抗できるはずがない。 ですから、本当に国会の先生方はお気の毒だと私は思います。選挙があってお忙しい、それでもこうやってお仕事されている。しかし、これは戦いになりません。ですから、本当の行政改革というのは何だったのかというと、官僚機構が大きな政治をして、政治家の先生方が小間使いをさせられるというような、ゆがんだ仕組みを直すことに本来の行政改革の趣旨があったはずです。それがいつの間にか金目の話になって、そのうちに数合わせの話になって、最後には輸銀の話になった。国民はもうあきれ切っている。 そうじゃない、もう一回戻してください、行政改革を。ということは、霞が関の二万人、あれはあんなに要らない。あのうちから五千人ぐらいを国会のために引きずってきて、国会の独立の調査機関として切磋琢磨するようにする。そして、先生方がそれを指導していく。霞が関は別途にある。この調査能力の対抗性をつくることによって、本当の行政改革ができるはずだったのですね。それが意図されていたのです。そのことによって、鉄の三角形を破ろうという一環はそれだったのです。ですから、きょうの午後、そのことについてもぜひやっていただきたいと思います。 ただ、行政改革委員会はたった五人の民間委員、役所からは一人か二人ですか、それで出向の方が二、三人ですか、これで二万人の霞が関にどうやって対抗できるのですか。ぜひこの辺をもう一度、国民は待っておりますので、行政改革の本旨に戻って、そして本当の規制緩和をしていただきたい。これは対になっております。よろしくお願いいたします。
○岡田委員 今、我々政治家にとって、本当に反省しなければいけない御発言が続いたと思います。 この特別委員会も、この国会あるわけでありますけれども、例えば十日の中間報告についても、政府の方は外国政府も含めて説明をしているわけでありますが、この委員会でその説明があって議論をするということは現実にはないわけであります。そんなことを考えますと、よほどこの委員会がもっと頑張って、規制緩和の推進に向けて与野党一致してやっていかなければいけないのじゃないか、そんな思いを強くしております。 そこで、これは委員長に要望でございます。先ほど松前委員の方からもお話がございました。与党の委員も同じ思いなのだなということで私は聞いておりましたけれども、五カ年計画ができるということは、これはスタートにすぎないと私は思います。したがいまして、その五カ年計画について、各省庁ごとにこの委員会で取り上げて、徹底的にその規制緩和項目について議論をする、そういう運用をぜひ理事の皆様と御相談の上でしていただきたい、このように要望を申し上げておきたいと思います。 以上、私の質問でございます。時間もちょっとございますが、ここで終わらせていただきたいと思います。
○塚田委員長 ただいまの岡田委員の御提案につきましては、理事会で諮っていきたいと思います。吉井英勝君。
○吉井委員 島田参考人が二十分には出られるというふうに伺っておりますので、約十分間ほどで基本的な議論というのは物理的に無理な話であります。ですから、それは少しおいておくといたしまして、最初に、まず島田参考人に幾つかのことを伺っておきたいと思うのです。 きょういただきましたレジュメのところでも、規制緩和について、物価引き下げを通じての問題とか、種々一ページのところでまず述べていらっしゃって、それから「緩和や撤廃の対象となるべき規制は、そのうち自由な競争を妨げる規制である。」そういう御趣旨に続いて、こういうやり方が世界最高コスト国となったという御指摘ですね。ですから、やはり規制緩和を十分やっていないからコストの高い国になっていったという、余り短絡的にそこをつないで言うと、それはちょっと誤解だよというお話があるかもしれませんが、時間が限られておりますので、ずっと読んでいきますと、大体そういう御趣旨というふうに理解するわけです。 それで、実はOECDの調査によると、これは日本のGDP購買力平価と物価水準という資料を私はきょう持ってきているのですが、米国の物価を一〇〇としたときに、一九八二年から八五年の間、実は日本の方が九二から九六なのですね。これは、アメリカよりも日本の方が物価は低かったわけです。あのプラザ合意の前ですね。プラザ合意の後の円高政策の問題が出てきて、状況は随分変わったわけです。ですから、この円ドル為替レートと消費者物価による購買力平価で見たレートというのは、当時は一致していたわけです。八五年のプラザ合意の後円高が進んで、政策的にも進んだわけですが、価格差が約二倍になっている。 これは出ているわけですが、これはつまり規制がふえて円高になって価格差が拡大したというふうには、とてもそういう理由づけはできないわけであって、ですからその規制で最高コストの国になったという論は、これはちょっと事実に合わないというふうに思うのですが、もっともその前段の部分を短絡して言われては困るというあれもあるかもしれませんが、この点について最初に伺っておきたいと思います。
○島田参考人 ありがとうございます。 一点だけ先生に、私の差し上げたレジュメについて誤解があるように思います。それは、二ページ目の一行目に書いてあることですが、私は「そうしたやり方が世界最高コスト国となった日本の構造的ゆきづまりをもたらしている」、こう書いているのですね。これは因果関係は、規制がコストを高めたということではないので、最高コスト国となった日本というのは、まさにおっしゃるようにプラザ合意以降の、円高以降の日本の姿です。そうなった国が以前と同じ規制の構造を持っていますと構造的行き詰まりが出てくる、こういうことを言っているのです。 ですから、おっしゃるように、プラザ合意で一年半で一〇〇%円がドルに対して切り上がりました。このために日本は最高コスト国になったのですね。ところが、そういう状況になったらどうすればいいかというと、合理的な経済主体のいる経済であれば、円が強いのですから外の物を買えば安くなる。そうすると、外の物をどんどん導入していきますと国内の物価が下がっていって購買力平価が上がってまいります。どこまで上がるかというと、為替レートのところまで、一致するところまで上がる。そうすると、コストは下がってくるのですね。そういうことをしない構造だから行き詰まってしまった、それで日本丸が沈みつつある、こういうことを申し上げているので、規制がコストを高めたということではない。 つまり、私は差し上げた論文でも書いておりますように、戦後一貫して規制はあるのですね。ふえている傾向にあるか、そういう部面もあろうかと思いますし、また減っている傾向のところもあろうかと思います。しかし、規制構造はずうっと維持されている。物価が急に上がったのは国際経済、そんなものは国際経済だからほっておけということでおきますと、日本が空洞化してしまう。それが国民生活をむしばんでしまう。 だから、今日本の構造を変えなくてはならない。つまり国際経済の状況が変わったので、我々の骨格、筋肉構造を変えなければいけないというところに来ているということなのです。ですから、簡単に引き戻せればそんなことをすることはないのかもしれない、しかし選択の余地は恐らくないのだろうと思います。
○吉井委員 はっきりしていることは、今もおっしゃっておられたように、規制がふえたから最高コストの国になったわけではないし、では規制を緩和すればこれは是正されるというものでもない。そこは、あなたと私と見解が違うところです。 次に円高の問題、やはりこの場合はメスを入れておかないとうまくないわけで、これはほかでも議論しておりますので余り詳しいことはやりませんが、例えば野村総研の研究員の方は悪魔のサイクルという表現をしておられますし、それからせんだって、今回の急激な円高について京セラの稲盛さんは、コスト削減でやってきたやり方に、この悪循環にやはり歯どめをかけなければいけない、そういう指摘もしておられますし、ソニーの盛田氏などは、「日本型経営が危ない」の中でも、これまでのように人減らし、合理化をやる、下請いじめをやってコストをうんと下げる、それで価格競争力をつけてどんどん輸出する、しかし貿易黒字がたまって円高にはね返ってくる、円高だからということでまたそれを繰り返すという、この悪循環はもう断ち切らなきゃいけないと言う。 これは、日本の経営者の中でもかなり今進んでいると思うのです。ソニーの盛田さんなんかは、ですから逆に労働時間の短縮とか、それから下請いじめなんかについての規制で、逆に下請への工賃を引き上げる問題とか、そういったことなども触れておられますが、やはり私は、この円高の問題について悪循環を断ち切るということに進まないと、規制緩和をやった、コストが下がった、この論理に取り込まれている限り、結局円高というこの根本問題に切り込んでいくことはできないというふうに思うわけです。 プラザ合意までは、OECDの発表の購買力平価の水準から大体この為替レートというのは離れずにいっているわけですね、多少上下はあるわけですが。プラザ合意以後は、国際通貨制度そのものがもうおかしくなってきているわけですね。基軸通貨であるドルの地位は維持しようとするけれども、しかしアメリカ政府の方は国際通貨制度の安定については責任をとろうとしてこない、これが最近の傾向でありますし、果たさない。ここにやはり問題があるわけで、これはFRBの議長だったポール・ボルカーという人が指摘しておりますが、貿易に伴う取引というよりも、高い投資収益を求めて移動する巨額の資本取引に支配されて、為替相場はこの資本フローに敏感に反応する。 ですから、言葉をかえて言えば、いわば背広を着た博徒、ギャンブラーですね、これが一日一兆ドルという巨額資金を使ったやり方で異常な為替相場を生み出している、やはりここに根本的なメスですね、その背広を着たギャンブラーに大量の投資資金、いわばばくちの資金みたいなものを金融機関が流していく、そういうところにも本来根本的にメスを入れなきゃいけないわけで、そこのところを言わないで、内外価格差の拡大ということだけ言っておりますと、少し本筋からは離れるおそれがあるといいますか、離れる問題にもなってくると私は思うのです。この点について、内外価格差論を規制緩和ということだけで、どうもお聞きしているとそう伺われるのだけれども、やはりそれは根本的なメスを入れなきゃいけない、そういう点について御見解を伺っておきたいのと、何かもう出かけられるということで、もう一言だけ出られる前に。 雇用に関するアセスメントの問題ですね。大体従来、新しいリーディングカンパニーを生み出すと雇用が何百万人創出されるとか、そういう議論がよくありました。しかし、現実には必ずしもそうなっていないのですね。それで、今回も経団連の規制緩和の経済効果レポートという中では、九百三十四万人が減少するとか、日経連の永野氏は昨年夏に、千数百万人の雇用の減少が見込まれるとか、いろいろな数字を言っておられますが、雇用の減少ということは消費購買力の後退であって、これは消費が伸びるということには必ずしもつながらないわけですね。 ですから、本当の意味でのアセスメントというものは、規制緩和による雇用の分野でのアセスメントも必要になってくるし、それから何かこれをやればビジネスチャンスがふえるという議論がありますが、しかし自動車なんかの場合はすそ野産業が非常に広いのですね。これは鉄鋼もあれば化学もゴム産業も、同時に直接自動車に部品を供給する下請産業に至るまですそ野は非常に広いわけですが、こういうものが空洞化したときに、ビジネスチャンスだといって新たなものをと考えてみても、省エネ、省力化も進めて考えていくわけですから、雇用がこれまでの自動車などに見られるような、あるいは電機に見られるような大規模な雇用の創出ということは余り期待されない。すべてがないと、私は決めつけて言うわけじゃありませんが。 ですから、そういう点についてもやはり具体的な評価というものをきちんとやらないと、何か議論が上滑りになるのじゃないかというふうに思っているわけです。この点についての御意見を伺っておきたいと思います。
○島田参考人 大変貴重な体系的な御意見と御質問をいただきまして、ありがとうございました。 基本的に先生のおっしゃられた観点、賛成でございます。この規制緩和というのは非常に重要な戦略的な政策ですが、これがすべてではもちろんない。私が行政当局にも先生方にもぜひお願いしたいのは、総合的な日本の構造改革政策の中の重要な一環として進めていただきたいということでございます。 先生は、この企業の行動のやり過ぎということを鋭く批判なさったわけですが、私は企業をそういう意味で批判するには人後に落ちないつもりでございまして、自動車業界について厳しい批判を労働組合と一緒に数年前にやって、ILOでも大いに話題になったことがございます。その当時、私は日本の企業は本当にやり過ぎだ、こう思っておりました。これは、三十年、四十年前の日本は、政府と企業と一緒になって一生懸命やってきた。これは、やり過ぎと言えなかったと思うのですね。日本を発展させるために頑張ってきた。 しかし、そのことが国際金融市場に反映して、生産性が高くなった日本が、円が高くなってきたのですね。それが突如として、八五年に時代の転換点を迎えた。あの国際金融市場が日本へ投げかけてきたシンボルを、日本は真摯に受けとめるべきだったのですね。それについては、企業も盛田さんがおっしゃったような行動をとる必要があったでしょうし、行政も実は企業と一緒になって、行政指導でそれ行けどんどんでやってきたわけですよ。 この方向を、もっと国民生活を基軸としたところへ重点を変えなきゃいけなかった。そして、これまでの規制でがんじがらめの経済を、規制を緩和することで円高差益を合理的に圧縮できるような方向にしなきゃいけなかったということで、総合的な政策が求められているという意味では全く賛成でございます。 そして、先ほどギャンブラーとおっしゃられましたけれども、ギャンブラーはソロスさんぐらいだろうと思うのです。本当の多額のお金は、ギャンブラーがやっているのではなくて、日本のあらゆる金融機関そして事業会社までが、まじめに一生懸命やっているのがそういう結果になります。 なぜかというと、日本に黒字がたまっている。黒字は、日本経済が強いからたまっているのではなくて、不況だから、十分に輸入を伸ばせないから、それで黒字がたまるわけですが、この構造が変わらない限りはどうしてもドル買いには動けない。かつてはドルが買われました。というのは、バブルの余りをアメリカヘ投資していましたからドルが買われましたが、その力がなくなってきていますから、そういうことにならざるを得ない。ですから、構造を変えなきゃいかぬということですね。 そして、最後に申し上げたいのは、大変重要なことは、規制緩和は市場開放と競争強化にこれは役立ちますけれども、もう一つ重要なのは、雇用を中心に置いた、新産業雇用創出計画と私は呼んでいますが、これを積極的に推進していただきたいということですね。もし、なんでしたら、私は詳細にそのアセスメントをいたしましたので、本をお届けいたしますけれども、これは六つのポイントがございます。 つまり、物価が下がったら実質所得が上がっていき、そして消費がふえ、生産がふえ、雇用がふえるという、そういう経済の持っている自律回復能力の側面について、政府が明快なアセスメントをすることが必要なんです。これはできます。日本の霞が関はその能力を持っています。ただ、役所が縦割りだからなかなか効果的な結果が出てこないのであって、ちゃんとやればできるはずなんですね。これをやる。 そして、経済が弱いときにはめり張りのある財政をやる。財政は、所得減税というようなものではなくて、むしろ将来の筋骨、神経になるような、日本経済を力強くするような公共投資、そして、そうしますと産業が興っできます。その産業の成長を妨げないようなピンポイント型の規制緩和が必要だ。そして、労働者の自己改革のための、私は自己啓発優遇税制というのを唱えておりますが、そういうこと。そして最後に、高コスト国ですと資源が外へ流れますが、技術も一緒に流れてしまいます。そのままにしておくと、日本は貧血になります。日本の国内の骨髄の中に新しい血をつくり出すというような基礎的な研究開発の支援は、これは政府がやらなければなりません。 こういう総合的な対策の一環として規制緩和が力を発揮するのであって、ぜひそういうことで考えていただきたいと思います。そういう意味では、先生おっしゃられた広範な問題指摘は、基本的に賛成でございます。
○吉井委員 二十分に出られるということを伺っておりますので、島田参考人への質問は以上にさせていただきたいと思います。 それで、中西参考人のお話を伺っておりまして、私はこの規制緩和というものが、トラやライオンだけが力強く生き延びられてシマウマやウサギが食い殺されてしまうようなものであってはならないわけで、そういう点では、本来社会にあってはシマウマもウサギも生きていける、そういう経済社会をつくっていかなければいけないと思うのです。 その点で、中西参考人のお話を伺っておりまして、私なかなか共感するところがあったわけです。例えば中小企業の事業分野を確保する法律であるとか、あるいは建設業法などで下請、孫請いじめに対するそのときの規制の問題とか、さまざまなやはりシマウマやウサギを保護するそういう法体系は法体系であるわけでありますが、これらについては、あるいは労働基準法なども含めて、国際水準から見てかなり日本の場合は低いものです。これらについては、きちんとそれを守ったり、あるいは逆に強めていくということも必要であるというふうに思うのですが、この点について伺っておきたい。 時間があと三分か四分ほどになってまいりましたので、伊藤参考人にも伺っておきたいと思うのですが、先ほどのお話を伺っておりまして、私は特に、消費者とか国民の目線で見ていくということがすごく大事だというふうに思っているわけです。そういう点で、伊藤参考人のお話と共感するところがあるわけであります。 この中で、「総じて、規制に関しては「緩和・検討・存続」と分類すべき、と考えていた。」ということがありますが、私は同時に、中には強化すべきものですね、それは、例えば先ほどおっしゃった食品の安全の問題を考えたときに、本当に私なども東京におりますと、自分で買い物に行って物をつくりますから、いつ生産されたかという生産の年月日と、それからいつまでは可能かというものと、そしてできるだけ有害な添加物はとらないように心がけておりますから、やはりきちっとそれが表示されること、その有害な添加物については表示されるとともに、原則的に安全が確認されるまではやはり使わせてはならないというふうに思います。そういった点では、この「緩和・検討・存続」とともに強化すべきものもある、やはりそういうことで考えた方が実態としては合ってくるのではないか、それが本来規制緩和の議論の中でやはり必要なのではないかというふうに思うのですが、この点についての御意見を伺っておきたい。 それから、阪神大震災の中で、耐震設計基準の強化などということとともに、これは本当は島田参考人がいらっしゃったらその議論をしたかったのですが、防災空間を確保するということがやはりこれから必要になってくるということが、かなり明らかになったと思うのです。そうすると、農地の都市的利用の転換などで農地をどんどん宅地化するのではなくて、逆に防災空間としての役割も見ながら、都市近郊農業を発展させる。それは、言っていらっしゃるこの農業の問題とも違うところからの追求でありますが、そのアプローチはかなり一致するところもあると思うのです。 そうした都市農業とか、町づくりとか、耐震設計基準とか、ああした阪神大震災の経験に照らして、土地利用とか、あるいは消費者がマンションや住宅を買うときのことを考えたときに、もっと普通の素人の市民にも安心して買えるようなという点では、むしろきちっとした規制の強化とか検討の必要なものもあるのではないかと思うのですが、この点について伺いたいと思うのです。 時間が参りましたので、会議録の公開についてだけ各参考人の方の御意見を伺って、終わりたいと思います。
○伊藤参考人 余り時間がないので詳しくは申し述べられないと思いますけれども、確かに規制を強化しなければいけない部分と、それから見直しをしないといけない部分というのがあると思うのです。 特に私は、お話の中で防災だとかいろいろ建築基準法の話も出てきましたけれども、余り強く取り組んでいないもので食品について申し上げれば、今輸入食品がどんどんふえてきております。そして、日本ではこれまでやらなかったポストハーベストというように、収穫後に農業を使うという話も出てきているわけです。そういった面で見れば、私ども今、食品衛生法の改正では残留農薬基準もポジティブリストにしてほしい、原則禁止して、そして日本で許可されたものだけはきちんと流通するというふうにしてほしいという要請をしております。食品添加物は今その方式です。アメリカは残留農薬基準もポジティブリストです。そういうことを考えれば、ぜひ日本もそのように法改正で持っていっていただきたいというふうに思っております。 ですから、国際化ということがどんどん進めば、それに対応する法改正というものが必要ではないかというふうに思っているんですけれども、政府の今回の食品衛生法改正は、規制緩和のために改正するというふうなことになっておりまして、規制緩和がこういうところに使われてはならないというふうに思っております。
○中西参考人 今の御質問は、非常に重要な、規制緩和の基本問題に踏み込んだ意見だと思いますね。 理念論でいきますと、私は、やはり政治の基本課題というのは、一つは社会の安定ですね、公正、安定を確保するということ。一つは経済の活性化、この二つが大命題ですね、政治の。結局、この二つにかかわるわけですね、この規制緩和の問題も、詰めていきますと。 アメリカは、これはさっきも言いましたけれども、自由競争と規制緩和を徹底してやりましたから、その結果、経済はあれだけの成功を見ておりますが、結果は、社会は完全な病理現象ですね。これはもう新聞に報じられておるように、社会の原単位である家庭の離婚率五〇%、これは事実上崩壊ですわ、社会の。ホームレスもふえる、いろいろ暴動が起きるというようなことになっていますから。だから、この辺が一つ問題なんですが、私は、日本の現状の規制の状態がどうかといいますと、これは限られた時間でミクロ的に話をし出すと切りがないんですが、マクロ的に言って、これは野村総研あたりも調査していますが、GDPの五〇%以上に規制の網がかかっているというのが日本の現状ですよ。 それから、明治以来、日本の官の存在が問われたことはないですね。官があって当然、官があるところに規制あり、こういうことですから。これは例え話で言えば、極端に右足が前に出ておる、規制の網のかかったね。ここで、思い切って一遍左足を前に出すべきである。比喩的、象徴的言い方をすればそういうことですね。右足が必要ではないと言っておるんじゃないんだ。右足が前に出過ぎているから今度は規制緩和の左足を前に出すべきである、それが今の日本の現状である、そして産業を活性化すべきである、こう思います。 ただ、そのときに、あなたのおっしゃったように、やはり日本の産業界の企業数の九〇%が中小企業ですし、サラリーマンの数でも八〇数%中小企業ですから。特に、零細も結構多いんですね。だから、この辺のやはり行き方を配慮をしながら、いわゆる今ある分野調整法とか、あるいは下請代金支払いに対するある程度の配慮とか、あるいは公取の適用除外カルテルだとか、もろもろのそういった弱者に対するある程度の配慮というものは、これは必要である。そこをにらみながら、やはり規制緩和を進めていくべきである。 しかしながら、そういうことがあるがゆえに規制緩和はやる必要ないんじゃないかという議論は暴論である、こう思います。
○塚田委員長 以上で午前の参考人に対する質疑は終了いたしました。 参考人の方々におかれましては、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。 午後二時から再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時三十三分休憩 ————◇————— 午後二時開議
○塚田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 ただいま御出席いただいております参考人は、行政改革委員会委員長代理竹中一雄君であります。 この際、参考人に一言ごあいさつを申し上げます。 本日は、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。参考人には、規制緩和に関する問題につきまして忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。 なお、議事の順序についてでございますが、竹中参考人に二十分程度御意見をお述べいただき、次に、委員からの質疑に対してお答えいただきたいと存じます。 それでは、竹中参考人にお願いいたします。
○竹中参考人 御紹介いただきました行政改革委員会委員長代理を務めさせていただいております竹中一雄でございます。 本日は、規制緩和に関する特別委員会にお招きいただきまして、発言の機会を与えていただいたことに心から感謝いたしております。この機会に、先生方からいろいろ御教示を賜ることができればと思って参上した次第であります。 私ども行政改革委員は、昨年十二月に国会両院の御同意をいただきまして、十二月十九日に内閣総理大臣から委員の辞令をちょうだいいたしまして、それ以来、今日まで八回にわたって行政改革委員会を開いて討議を重ねております。二月までは、主として、我々の目指すべき社会というものはどういうものか、そういう社会にふさわしい行政のあり方はどういうものか、それに向かって我々委員会はどのような活動をすべきであるかといったことを、委員相互の間で徹底的に討議を重ねました。 私ども委員五名、いずれも民間人でございまして、かねてから面識はございましたけれども、行政改革について特別突っ込んだ議論をしたことはございませんものでしたから、二月までは委員相互の間で忌憚のない意見の交換、討論を行いまして、五人の委員の意見が一致いたしましたので、二月二十三日に私どもの一致した考え方、「行政改革委員会の当面の活動方針」を国民へのメッセージという形で発表させていただいたところであります。 きょうお招きいただきまして、私は、ここで私ども行政改革委員会の今後の取り組み方について御報告申し上げて、いろいろ御批判や御意見を承りたいと思う次第でありますけれども、二つの点について御報告申し上げたいと思います。一つは、委員会の活動の目標をどこに置いておるかということであります。いま一つは、行政改革委員会が当面どのような活動をしようとしているか、活動方針、この二点について御報告申し上げたいというふうに思います。 私どもの委員会の一致した考え方では、私たちがこれから目指していかなければならないのは明るい生き生きとした社会だ。行政改革というと、とかく一部には、後ろ向きに暗いイメージでおとりになる向きもないではないのでありますが、そうではなくて、行政改革というのは、このメッセージの言葉でいいますと、国民に笑顔を、みんなが生き生き暮らせる社会をつくるのだ、そのための行政改革だ。つまり、国民が安心して生活できる、その基盤の上に多様な生き方、選択肢がたくさんあって、国民一人一人が自分の責任で自由に選択ができる、かつ、公正で活気のある社会をつくるのだ。 そのためには、やはり行政が責任を負うべき分野と、あるいは民間活動と市場メカニズムにゆだねて民間が責任を負うべき分野と、あるいは個人が責任を負うべき分野、こういう区分けがやはりはっきりしていないとそうはならないだろう。民間でできることは民間でやる、民間でできないことはみんなで税金を出し合って行政でやる、こういう区分けは、これはもう時代時代によってどんどん変わってくるわけでありますけれども、今の時代にふさわしい区分けをきちんとさせていく、そういう観点から四つの目標ということを確認いたしました。 第一は、公的な部門の守備範囲が適正になっているか。つまり、民間でできることまで行政が過剰に民間の活動に介入していないだろうか、行政が過剰に民間に介入したり関与をして国民に無用の負担を強いてはいないか、あるいは民間の活動領域を侵しているようなことはないだろうか。もちろん、民間にゆだねるといっても、勝手にやっていいということではなくて、そこには責任ある公正な民間活動が行われるような社会的ルールが当然必要であります。そういうことを念頭に置きながら、行政の守備範囲が果たして適切になっているかどうかということが第一点であります。 第二点は、国から地方へと言われますけれども、国から地方への分権が適切に進められているか。これは今、この国会で地方分権の推進に関する法律が御審議されるようでありますけれども、そういうことをよく拝見しながら、国から地方へということも第二番目の目標ということであります。 第三は、行政がその本来の目的に沿ってきちんと適切に運営されているかどうか。時代が今大きく変わっている。時代が大きく変わるということは、一方では新しい社会的ニーズが次々と出てくる。その一方で、時代おくれになったといいますか、昔は必要であったけれども今はもう時代おくれになっている古い仕組みや制度、これがそのまま残っていないか。そういうものが残っていると、当然税金のむだ遣いが起こる。こういう、行政がその時代の国民のニーズにこたえて、総合的にといいますか、効率的にといいますか、適切に運営できるような状況になっているかどうか、これが第三点であります。 第四点は、行政改革というのは、これは絶えず進めていかなければならない。時代が変われば民間の企業もみずから体質を改革していく、個人も生活のあり方を変えていく。当然行政もみずから改革していかなければならないわけでありますけれども、こういう行政改革をみずから進めていくメカニズム、自律的に進めていくメカニズムを行政組織の中にビルトインできないかどうか、これが第四番目の目標であります。 こういうことを目標にしながら、私どもの行政改革委員会は、情報公開に関する法律、制度を準備する調査審議と、それから規制緩和を初め行政改革の進め方について監視をする。これは、今までの臨時行政調査会や臨時行政改革推進審議会とは違った、監視という任務があるわけでございます。 私どもは、これまでの臨調や行革審の答申、政府が御決定になった行政改革の施策、こういうものが目的にうまく沿っているかどうか、先ほど申し上げたような目的にうまく沿っているかどうか、あるいはそれが的確に実施されているかどうか、こういうことを一つ一つ具体的に監視していく。資料を収集する、あるいは関係者、関係の国民の方々やあるいは関係の省庁の方々に来ていただいて説明を聴取する、疑問点を徹底的にただす。あるいは、必要があれば委員会みずから調査を行う。こういう監視活動の上に立って、総論ではなくて、抽象論ではなくて、具体的に意見を、改善策を総理に具申する、申し上げる、こういう活動をこれから行っていきたいということであります。 第二の、当面の活動方針でありますけれども、当面私どもは三つの分野で活動をしなければならないかと思っております。 第一は、先ほど申し上げました行政の民間への過剰な介入、関与がないかということでありますが、規制緩和の問題であります。規制緩和について、既に今までいろいろなところでたくさんの御議論や努力が行われているわけでありますけれども、私どもは三つの視点、一つは、経済的規制については原則自由、例外規制、社会的規制については政策目的に沿った必要最小限、こういうものにするというのが閣議でも決定されているわけでありますけれども、実際の問題になりますと、なぜこれは例外とすべきなのか、これは例外として規制を続けるよりも、また別の方法でその政策目的をカバーできるのではないか。あるいは、社会的規制の必要最小限といいましても、何をもって必要最小限というのか。もちろん、必要最小限を上回っていればそこまで緩和しなければいけませんし、あるいは、逆に必要最小限も満たしていないような規制がもしあるとすれば、これはそこまで高めていかなければならないわけであります。そういうことを具体的に明らかにしながら、経済的規制については原則自由、例外規制、社会的規制については必要最小限、こういう原則をできるだけ徹底させていきたいということが一点であります。 第二は、この規制緩和政策をさらにスピードアップしていく。規制緩和というのはある意味で時代の流れでありまして、例えば、かつては外資の導入や外国企業との技術の提携も全部厳しく規制されていた。今は全く自由であります。金利も、かつては規制金利にがんじがらめになっていたわけでありますけれども、今は金利は自由であります。あるいは、かつては米の市場というのは海外に対して全く開放されていなかったわけでありますけれども、今は一部開放されている。こういうふうに時代の流れではありますけれども、この流れのままに進んでいたのでは、今の国民のニーズの変化や、あるいは日本の置かれている国際的な環境からいって間に合わない。もっとスピードを速める必要がある。これが第二のポイントであります。 第三のポイントは、規制緩和方策の決定過程をオープンにする、透明性を必要とする。私どもは、いろいろな案を検討なさるときに、素案の段階でこれを広く内外に公表して多くの人々の意見を聞く、その上でどうしても必要だ、規制を続ける必要があるというものについては、国民が納得できるものでないと困る、納得できないものはやめてもらう、こういう透明性を求めていく。 こういった三点をポイントにいたしまして、現在政府が三月十日の中間取りまとめをもとに、多くの方々から意見をお聞きになって最終案をおまとめになる、最終計画をおまとめになる。それがまとまりましたら、直ちに私どもは強力な監視活動を始めて、これを今後の規制緩和計画の改善に役立てていきたい、反映させていきたい、こういうふうに考えております。 第二の当面の活動方針の分野は、特殊法人の改善合理化の問題であります。これも、政府が今いろいろおやりになっている。残っておりました政府系金融機関についても近く決まる、こういうことでありますので、これが決まり次第直ちにヒアリングを開始いたしまして、この特殊法人の整理合理化の取り組みに当たりたいというふうに思っております。 特殊法人の問題は、大変関連する分野が大きくて、いろいろな問題が関連してまいります。言ってみれば、お金を集めてくる郵貯、簡保、こういうところから、それを配る財政投融資計画、それを使う特殊法人、あるいは政府系金融機関を含めて特殊法人等、すべてかかわるという要素がございます。私どもは特殊法人の問題から取り組みますけれども、そういう広い視野を持って取り組んでいきたい。 同じ政策金融、公的金融のあり方といいましても、これもやはり時代によって役割が変わってくる。民間に資金の不足の時代から資本があり余る時代、あるいは国際化が全く進んでいなかった時代と国際化が大変進んでいる時代の公的な金融のあり方、あるいは規制金利の時代の公的金融のあり方と金利自由化された今日のあり方、すべて時代とともに変わってくるわけであります。そういうことも視野の中におさめながら、特殊法人問題に取り組んでいきたいというふうに考えております。 第三は、行政のディスクロージャー、行政情報の開示の問題であります。先ほど、行政自身がみずから改革していくメカニズムをビルトインすべきであるということを申し上げましたけれども、ディスクロージャーはまさにその一つの有力な方法でありまして、これによって公務員の緊張感を高める。公務員は国民の目に見えるところで仕事をする。そうなれば当然行政のスタイルも大きく変わってまいりますし、行政情報が公開されれば、規制緩和も特殊法人の問題もさらに取り組みが前へ進む、こういうわけであります。 私ども委員会といたしましては、行政情報の公開に関する法律の制定や制度の整備に関して専門的な観点から検討を行うということで、行政情報公開部会ということを設けまして、これは来る三月十七日に発令をいただいて第一回の会合を開く予定になっておりますけれども、私ども委員会とこの専門部会が一体になって、この行政情報公開の問題に取り組んでいきたいと思います。 この行政改革委員会の活動というのは、総理のお言葉にもありましたけれども、国民の目となり可となって活動をしろということでございますので、当然国民の広い支持、応援がないと仕事ができないわけでありまして、そういう意味で、既にファクスを常置いたしまして、手紙やファクスでどんどん国民から意見をいただく。あるいは東京だけではなくて地方へ出かけていって、地方の方の御意見を聞く。五月には名古屋まで出かけることにいたしております。 こういうことが、私ども行政改革委員会の当面の活動方針であります。今後、私どもが活動していく上で、規制緩和に関する特別委員会の先生方からは、いろいろと御支援、御指導をいただくことが多いかと思いますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。 どうもありがとうございました。(拍手)
○塚田委員長 ありがとうございました。 以上で参考人の御意見の開陳は終わりました。
○塚田委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松前仰君。
○松前委員 大変御苦労さまでございます。非常に大きなお仕事を責任を持ってやっておられるということ、敬意を表するわけでございます。今お話をいろいろ伺いまして、幾つか質問させていただいて、行政改革の今後の成果が上がるように考えなければいけない、そう思っておる次第でございます。 私たちは規制緩和の関係をずっとやっているわけでありますが、先ほども参考人からいろいろお話を伺いました。規制緩和一つ一つといいますか、もう千幾ら、二千近くの項目が出てきておりますけれども、それを一つ一つ検討をして実際の行動に移すということになりますと、我々は、やはり理想論を語っているわけではなくて、実際に規制緩和をきちっとやり遂げるということを考えているわけなのでありまして、そこまでやるには、理想論やら紙の上での言葉やら紙の上での文章やらですべてが事足りるわけではなくて、やはり実際に行動できなければいかぬ。 そうなりますと、この中で私、どうしてもよく読めないのでありますが、一番問題は、行政改革がきちっとできていなければいかぬ。この行政改革という中の縦割り行政、この縦割り行政というものがここではきちっと述べられていないように思います。また、その辺の取り組みについて、縦割り行政の打破ということ、その辺をどのようにお考えになって行政改革委員会としては行動計画の中に盛り込んでほしいと考えておられるのか、その辺をちょっとお伺いしたいと思います。
○竹中参考人 御指摘の点はまことにごもっともでありまして、私どもの国民へのメッセージといいますか、活動方針の中にも、行政の施策というものがその本来の目的に沿って展開されているかどうか、そのために総合性、効率性というものがきちんと確保されているかどうか、こういう問題意識は非常に強く持っておりまして、まさに私どもが、政策がそれぞればらばらではなくて総合性を持って展開されているかどうかというのは、御指摘の縦割り行政の問題点というのを念頭に置いて考えているところでありまして、当然これは私どもの委員会の念頭にいつもとどめておくべき重要な問題だ、こういうふうに考えております。
○松前委員 実は、一番のネックはその縦割り行政の弊害なんですね。このこと一つによって、例えば規制緩和一つとっても、ある項目、具体的な項目はちょっと今持ってきておりませんけれども、こちらの省庁では規制緩和をやるといっても、ほかのところでは利害の関係で絶対ノーと。農水あたりとほかとの関係なんか特にそうですけれども、そういうような縦割り行政、お互いに連携をとり合うということは、今の状況ではほとんどできないような感じなんですよ。 ですから、ここに思い切って手を突っ込んで、内部まで調べ上げて、そして行政機構の改革という大仕事をやるようなことをやっていただかないと、何をやったって、規制緩和なんというのを幾らやったって、これはもう今出ているような、官僚にすべて、千何百項目出させて、そしてそれを見てどうのこうのと言うだけにすぎない。結局、官僚中心の仕事しかできないということになるのです。国民のためにといろいろおっしゃいますけれども、国民の声が来たって、それを実際の行政改革、規制緩和に応用できていかないということになってしまうのですよ。 ですから、私は思うに、ぜひとも強くこの縦割り行政の打破ということ、打破と言ってはあれかもしれないけれども、行政の改革ですね、本当の改革、そこに中まで突っ込んでいただく。私なんかいろいろなところへちょっと行きますと、各省の中の各局でもまた縦割り、こういうような状況では、本当に古い体質ですから、そこに手を突っ込んでひっかき回さないといけない。やけどするかもしれない、そのくらいの覚悟でぜひ強くこの辺については要望していただきたいな、後でその辺の感想もお聞きしたいと思っております。 それから、行政情報の開示なのですけれども、これも先ほどずっと御説明いただきました。目指すべき社会の議論をされたというようなこともあるし、これから先、改革の仕事も公開していくということでありますけれども、ぜひとも国民の目となり耳となりということでもって公開をしていただきたい。これは具体的に、まあファクスとかこういうものはありますけれども、もっと具体的な、国民に本当にこれでわかるというような、興味のわくようなやり方という具体像というものはお持ちでしょうか。
○竹中参考人 いろいろ御指摘ありがとうございました。 私どもも先生のおっしゃるようなことを念頭に置いて、当面、規制緩和なり特殊法人の問題から仕事を始めるわけでありますけれども、おっしゃるようなことで、具体的に縦割り行政というのが規制緩和の障害になっているということであれば、当然それは大きな問題として、監視の結果、そういうことが具体的に提起できれば、当然そういうことについても意見を申し上げていくということになろうかと思います。この縦割り行政の問題は、行政改革、ずっと昔からいろいろ議論が行われておりますし、公務員制度の一括採用の問題であるとか省庁間の人事異動の問題とか、いろいろなことは議論されておりますけれども、今の時点で成果を上げるためには具体的にどういう方法をとったらいいのか、これはやはり重要な研究の課題だというふうに私は思っております。 それから、国民から広く意見を聞いていくといっても、そのためには我々の活動が国民にわかりやすいことがまず大前提でありまして、わからないことをいろいろやっていても国民の声をうまく吸収できないということであります。私どもは、委員会を終わりましたら、必ず委員長がみずから記者クラブで会見を行いまして、本日の主な議論の展開を御説明する、同時に議事概要をつくりまして配付する、こういうことをやっております。やはりできるだけ国民にわかりやすい議論をしていくということが、国民からいろいろな意見をお聞きする前提だと思いますので、委員会の公開性といいますか透明性ということは、特に心を配ってやっているところでございます。
○松前委員 今おっしゃった、わかりやすいというお話がございました。わかりやすいということは、やはり国民の側から見ると、これは非常に自分たちの身の回りのことを一生懸命やってくれているのだなという、本当に具体性のあることになっていかなければいけないのであります。 どうも私、ちょっと申しわけないのですけれども、きょうのこのお話を聞いておりますと、何かまだまだ机上の検討といいますか、言葉の遊びと言ったら失礼かもしれないけれども、例えば「国民が笑顔で、活き活きと暮らせる社会」とありますけれども、「活き活き」とは何だという具体性は全く見受けられない。そういうようなことで、もう一つも二つも突っ込んでいただいて、ぜひとも成果を上げられるように。 そして縦割り行政、私は、これは前からといいますか、今一番の大きな問題だと思っておりますので、そこについて何とか改革の手がかりをつくっていただきたいということで、行政改革委員会の皆さんにお願いをしたいと思っておるわけです。情報の公開の問題も、その縦割り行政のために、どこで何がどう決まっていくかということが今ほとんど目に見えないですね、国民の目から見ても。それから、同じように行政改革委員会、この委員会自体も、どこでどのように決まっていっているのか。例えば規制緩和にしても、千八百項目のうちから絞り上げていくというのは、だれがどういう手続でやっているのだということも、国民の目には見えないということもあります。 ですから、人のことばかり言ってないで、内の方のものもやはり公開といいましょうか、国民の目にわかる、興味深いやり方をとっていっていただかなければいけない。このような委員会もどんどん活用していただく。そういうように感じておりますけれども、どうかその辺の御決意なり、御決意なんて、私たちもやらなければいけないけれども、これからやられるということなんで、その辺の御決意というか、それをお伺いしたいと思います。
○竹中参考人 どうもありがとうございました。 おっしゃるように、やはりわかりやすいということが大前提でありまして、規制緩和といいましても、じや、この規制緩和によってどれだけ内外価格差が縮小するのか、あるいはこの規制緩和によってどれだけ新しい投資、新しい雇用機会がふえるのかとか、この規制緩和によってどれだけ新しい企業活動の分野が広まるのか、これはもういろいろな要因が絡んでまいりますから、規制緩和だけでどれだけというふうにはなかなか算定するのは難しいのですけれども、具体的に国民の生活にどう結びついてくるかということを議論しないといけないというふうに思っております。 それから、今お話しのように、これから規制緩和の問題は、私どもの委員会の最優先というか最重点の課題として取り組むわけであります。これは今ちょうど委員会の内部で議論している途中なんでありますけれども、例えばこの四月にも規制緩和の、仮に言えば小委員会と申しますか、民間の方々に参与というか小委員ということになっていただいて、そこで恒常的に民間の方々から御意見を聞く、関係省庁の方々から御意見を聞く、徹底的に疑問点をただす。それで、この規制緩和の問題を専門に取り扱う、仮称でありますけれども小委員会というのを設けて、この次の計画の改定のときには国民の意見が必ず盛り込まれるように、これから全力を挙げたいというふうに考えておりますので、御指摘の点にこたえられるというふうに思いますけれども、引き続き御批判なり御援助をいただければというふうに思います。
○松前委員 大変心強いお話を聞きましたので、ぜひとも頑張っていただきたい。私たちも一生懸命応援して成果を上げたいということをお約束申し上げたいと思います。 それで、例えばEU、ヨーロッパ、これの統合について、もう五十年ぐらいかけておりますけれども、二歩前進、一歩後退というような形で、一歩一歩少しずつ前進を続けて、大きな動きとして、まだ問題ありますけれども、動いているわけであります。ここでいつでも言われるのは、スピードアップとかこういう話がどんどん出てくる。スピードアップだけじゃとても大改革にはならぬような気がする。行政を変えるというのは、これは相当大がかりですから、組織も相当きちっとして、いろいろな人を動かして、世論を動かしてという形になりますので、あのEUなんというのは大変見習うべきところがあるのじゃないか、私はそういうような感じがいたしておりますので、ぜひともこれから御活躍をいただきますよう、よろしくお願いを申し上げる次第でございます。 ちょうど時間となったようでございますから、これで終わります。どうもありがとうございました。
○塚田委員長 五十嵐ふみひこ君。
○五十嵐(ふ)委員 さきがけの五十嵐ふみひこでございます。 行政改革委員長代理の竹中さんには大変御苦労さまでございます。 私どもは、この行政改革委員会設置に当たりまして、いろいろなことを言わせていただきました。その一つは、これに本来監視という名前をかぶせるべきだということを申し上げました。監視機能というものを重視しようという姿勢からでございました。それは名前には入らなかったわけでありますけれども、実質的に監視機能を重視した中身になったかと思っています。 もう一つは、これは誤解を生んでいるわけですけれども、官僚対民間という形でこれは本来ぶつかっていく性質のものであるということから、官僚主導にならないように、事務局にとかくこういう問題については主導されがちだ、支配されがちだということから、事務局長も民間人から出してくださいというお願いをしておりました。 私は、実は第二次臨時行政調査会、いわゆる土光臨調のときの担当記者でございました。そのとき私の主なる取材対象だったのは田中一昭さんで、第二臨調第四部会の主査でいらっしゃいました。よく覚えているわけでございますけれども、この方は私の大変尊敬をする優秀な官僚のお一人でございまして、官僚の中から選ばれるのであれば、私は田中イッショウさんと申し上げておる、イッショウさんが一番いいということはずっと申し上げていたわけです。官僚に煙たがられる官僚だったからであります。しかし、それはどんなに田中さんが優秀であろうと、さきがけとしては、監視する側が監視される側と同じ人間というのはまずいではないかという発想から、できるだけこれは民間の人を登用してくださいというお願いをしたわけであります。 しかし、なかなか適当な人材が得られなかったということで、私どもは、ある意味では官僚の中から選ばれるのであれば当然田中一昭さんになるべきだと思っておりましたが、それはそれで結構なわけでありますけれども、その官僚主導というものを避けていかなければいけない。これは厳正中立な運営によほど本委員の皆様が御努力をされなければできないだろうと思っているわけです が、あの土光臨調ですらなかなか思うに任せなかった部分もあるということも承知しております。どういうぐあいにそこのところをさばいていかれるのか。 私は、情報を国民の側からとるということ、情報公開をするということが一つの大きな決め手ではないかなと思うのですが、そのことも含めて、改めて官僚主導にさせないための決意というものを、竹中委員長代理からお伺いをしたいと思います。
○竹中参考人 御質問ありがとうございました。 最初の御指摘の事務局長人事でございますけれども、おっしゃるようにこの委員会は民間委員だけで構成されておりまして、先ほど申し上げた、二月末までは委員相互の間で徹底的に議論して、民間主導ということが確立したというふうに私は思っております。これは、さきがけさん初め皆さん方の御援助があったからそうなったのだというふうに理解しておりますけれども、ちょっとそう言うと大変申しわけないかもしれませんが、ほかの審議会等とは違って、完全に民間主導で行われている委員会だということを最初に申し上げたいと思います。 そういうことで、民間主導ということが確立をいたしましてこれから具体的な仕事にかかる。そうしますと、委員の手足になって動くと言うとちょっと事務局の方に失礼なんですが、この手足になって動くいい事務局長がやはりどうしても必要だ。事務局長の空席になっておりますのをできるだけ早く埋めていただきたい。やはり委員会が民間主導でありますと、事務局は、行政の実務に明るいといいますか、特に行政管理とか行政監察の経験の豊富な方が一番適任だ。 これはちょっと国が違うので一概に言えないのですが、例えばアメリカのように、ポリティカルアポイシティーのポストが非常にたくさんある。これも長所、短所、両方あるわけですが、そういうときには政府の行政を経験された方が民間のシンクタンクにもごろごろたくさんいらっしやるということなんですが、日本の民間のシンクタンクはそういうふうにはなっておりませんで、民間に行政に堪能な方がいらっしゃらない。そういうこともありまして、やはりここは行政管理なり行政監察の経験の豊富な立派な方を事務局長に空席を埋めていただきたい、こういうお願いをして決まった次第でありまして、これはさきがけさんにもお礼を申し上げないといけないのですが、民間主導の委員会ということがはっきり確立したから可能になったんだ、こういうふうに理解をいたしております。 当然そうなりますと、お話の後段にございました情報公開というのは、委員会をガラス張りでやっていくということは、これはやはり民間主導を保障する一つの重要な方法でありまして、十分その点も心がけてやっていきたい、こういうふうに思っております。
○五十嵐(ふ)委員 時間が余りありませんので急ぎます。 会計検査院というのがございますが、会計検査院は、会計法上合っているかどうかということのみに目が向けられる。今、委員長代理がおっしゃったとおり、行政監察がずっと長い伝統があって大変いい仕事をされているというのもわかるわけですが、これも、重箱の隅をつつくけれども、重箱自体のゆがみはなかなか目につかないというようなところがあって、外部監査というのが必要なんじゃないかなという発想がありまして、そういう意味からも行政改革委員会に期待するところは大きいと私は思います。この目に見えないところにやはり目を届かせるというのは非常に大切、あるいは行政の中に入り込まないで外から大胆な発想で行政全体を見ていくということが必要なことなんだろうと私は思います。 先ほども、午前中にも申し上げたんですけれども、我が国の官僚はきちっとしていまして、表の方はきちっとなっているわけです。ところが実際には、裏で行政指導とか、見えないところで規制がかかったりなんかしているということはよくある。先ほども、店頭上場の場合の実質基準の問題が出ていました。表向きは、そういう基準なんかはないんです、ちゃんとやっています、外国並みにやっていますというんだけれども、実質基準というのはやはりあって、我々は肌で感じるわけですけれども、そうした目に見えないコントロールが実質的になされているということがあるわけで、その紙背、紙の裏に通じた鋭い目というのが行政改革委員会に求められていると思います。 そういう点で、どの範囲で、いわゆる行政から上がってきた資料の範囲内で物を見ていくのか、そうでないのか、もっと大胆な発想で、民間の発想でやっていくのかということを、もう一度お伺いをしたいと思います。
○竹中参考人 御指摘のありましたような民間の発想でやっていくというのが基本でございます。ディスクローズというのは、まさにオープンにしてやっていくわけでありますから、これは密室で何か決めるというふうにはできない。 御指摘のような、規制はなくなったけれども行政指導が残って非常にあいまいな形で何かあるんではないか。これは、御指摘のように大変大きな問題でありますけれども、御承知のとおり昨年十月から行政手続法が施行されておりますので、そういうあいまいなことがあればちゃんと行政手続法に基づいて書面で内容を明らかにさせることもできるし、また、行政指導というのは従う義務はないわけですから、また従わないからといって不利な扱いをしちゃいけないということになっているわけですから、この行政手続法をもっとみんなが徹底して活用するということになれば、御指摘のような不安も私は大幅に減らしていくことができるのではないか、こういうふうに考えております。
○五十嵐(ふ)委員 もう時間がなくなりましたけれども、最後に一つだけ。 先ほど午前中に、規制緩和に関しまして、規制緩和検討の常設機関が必要であるというのが検討委員会の方から出されていて、これに対して行政改革委員会の方は反対をされているようなお話がありました。実際のところどうなのかということをお伺いをして、質問を終わりたいと思います。
○竹中参考人 行革推進本部で、規制緩和検討委員会のようなものを常設機関にするというお話は伺ってはおりますけれども、これは私どもの決めることではなくて政府がお決めになることでありまして、それについて私とやかく言う立場にないわけですが、私どもとしては、先ほど申し上げたように規制緩和の問題を当面の最優先、最重点の課題として、民間の声を十分聞きながら監視活動と改善策の提案に取り組んでいきたい、こういうふうに考えているところであります。
○五十嵐(ふ)委員 終わります。
○塚田委員長 斉藤鉄夫君。
○斉藤(鉄)委員 竹中委員長代理、きょうはお忙しい中をお越しいただきまして本当にありがとうございます。新進党の斉藤鉄夫でございます。 時間も余りありませんので、早速御意見をお伺いしたいと思います。 まず、行政改革委員会の基本的な性格についてでございますが、きょう御説明いただきました。それで、監視が最大の使命である、これは当然なんですけれども、国民の期待は、行政改革委員会が行政改革に対して明確な、国民にわかりやすい目標を示す、そして政府はそれに向かって努力をし、それをまた行政改革委員会が監視する、そういう目標を提示するということにも大きな期待があるわけですけれども、そういう性格はないのか、行政改革委員会の基本的な性格についてお伺いいたします。
○竹中参考人 私どもの行政改革委員会の設置法によりますと、政府が進めている規制緩和や行政改革の実施の状況を、目的に沿ってきちっと運営されているかどうかというのを監視をして、それに改善案といいますか、もっとこういうふうにやった方がいい、こうやれという意見具申をしるというのが法律によって与えられた我々の仕事だと思います。 しかし、人間何をやるにしても、当然自分自身の目標なり展望を持っていないとできないわけでありまして、先ほど申し上げたように、私どもは目標として四点を挙げましたけれども、こういうことを念頭に置きながら具体的な監視活動をやっていく、こういうふうに考えております。
○斉藤(鉄)委員 その四点というのは、公的部門の守備範囲、それから地方分権、行政施策が本来の目的に沿って展開されているか、また行政みずからが適切な改革を行うことができるか、この四点ではないかと思うのですが、いま一つわかりにくい、はっきりしないというような気がするわけです。 例えば、国民が期待しているのは、省庁の統廃合であるとか、それから規制緩和についての具体的な数値目標であるとか、そういうものをやはり行政改革委員会が設定して、政府に任せておくといま一つ、何といいましょうか、官僚と妥協したような目標しか出てこない。しかし、行革委員会が理想的な目標を設定して、政府がそれに向かって実行するのを監視する、これを期待しているのですけれども、そういう機能は期待できない、こういうふうに理解しなければいけないのでしょうか。
○竹中参考人 そういう目標をはっきり掲げてこうやっていくというふうにおっしゃるのはやはり政治のお仕事、政党のお仕事であるし、内閣のお仕事でありまして、私どもは、先ほど申し上げたような認識で、そういう目標に沿ってうまくちゃんといっているかどうかということを監視して、意見を具申する、こういうことだと思います。 やはり私ども民間人にもいろいろありますし、官僚にもいろいろな方がいらっしゃる。それぞれいろいろな方がいらっしゃるわけですが、幸いに私どもの委員会全員民間人でありますし、事務局も全員行政改革に非常に積極的な方々で事務局を構成していただいておりますので、おっしゃるような政党や内閣にかわって目標を掲げるということはもちろんできませんけれども、私たちが具体的に監視をして意見を具申していくということを積み上げていけば、おっしゃるような方向に何かお役に立つ結果が出てくるのではないか、こういうふうに思っております。
○斉藤(鉄)委員 よくわかりました。 次に、規制緩和についていろいろ御意見をお伺いしたいと思いますけれども、行政改革委員会として、国会、立法府に何を期待されているか、これは行政改革全般です。それから、規制緩和に関連して、この規制緩和特別委員会、衆議院にも参議院にもございますけれども、この委員会に何を期待されているか、そういう点についてお聞きしたいと思います。
○竹中参考人 先生方はまさしく国民の代表でいらっしゃるわけでありますから、この規制緩和問題あるいは行政改革全般でありますけれども、大いに積極的に方向を決め、政策を打ち出していただく、あるいは法案を審議していただく、こういうことがやはり我々の行政改革委員会の活動にとって非常にやりいいわけでありまして、行政改革委員会といっても、結局世論の支持がないとこれは仕事ができない。しかし、それは同時に、やはり国会から強力なバックアップをいただかないと仕事がやりにくいわけでありまして、この規制緩和に関する特別委員会が立派な大きなお仕事をなされば、それだけ私どもも大変仕事がやりやすくなる、こういうことではないかというふうに理解をしております。
○斉藤(鉄)委員 そうしますと、我々が国会の場で大いに議論をして規制緩和なり行政改革の目標を定める、それに対して政府が努力をする、その監視を行政改革委員会の先生方にやっていただく、こういうふうな理解になろうかと思います。お互いに共闘して一生懸命頑張っていきたい、このように決意をする次第でございます。 任期が三年ということでございますが、この三年の任期の中で規制緩和、行政改革委員会の最も大事な仕事が規制緩和だというふうに先ほどおっしやいましたけれども、この規制緩和について、三年の任期の中でどういうタイムスケジュールで仕事を進めていこうとされているのか、それについてお伺いします。
○竹中参考人 とりあえず規制緩和が最優先、最重要な課題として取り組むわけですが、さっきも申し上げたように、できるだけ早い機会に規制緩和に関する小委員会といいますか、名前はまだちょっと論議している途中で決まってはいないのですけれども、それぞれの分野について、民間人で専門的な知識を持って、かつ広い視野があって、各省庁の方々とも対等に徹底的に議論できる、そういう方で小委員会をつくりまして、この年度末に規制緩和五カ年計画が決まれば、それを徹底的に監視していくといいますか、資料を集めて、事情を聴取して、疑問点をただして、さらに必要があれば独自の調査もやって、できましたらこれを、次の計画の改定時には、我々行政改革委員会の意見が規制緩和五カ年計画の改定に十分反映されるようなタイミングをねらって意見を具申したい。この意見を具申すれば、法律によりますと、総理はこれを尊重なさるということになっておりますので、その後、その結果いかんによってはさらに勧告もできるということになっておりますので、そういう活動を続けていきたいと思います。 それで、いろいろ規制緩和は非常に分野は広いのですけれども、これによって内需が拡大する、あるいは輸入が拡大するとか、投資がふえたり雇用がふえるとか、あるいは内外価格差が小さくなるとか、国民の自由な選択肢がふえるとか、いろいろな分野が関連しておりますので、その中で国民のいろいろな意見をお聞きしながら、やはり優先順位といいますか重点を決めながら取り組んでいきたい。恐らくこれは、三年間続けてそういう活動をやることになるのではないだろうか、こういうふうに思っております。
○斉藤(鉄)委員 非常によくわかりました。 一つ、ちょっと懸念いたしますのは、規制緩和の計画は五カ年計画、それから行政改革委員会の任期が三年ということで、ずれがございます。先ほどの五十嵐委員の質問とも関連いたしますけれども、このずれがあるということで、規制緩和については行政改革委員会の中のそういう部会的なものではなく、五年なら五年程度の任期を持った常設の検討委員会また監視委員会を設けた方がいいのではないか、こういう意見もあるわけでございます。その三年、五年のずれと関連して、その点についてどのようにお考えでしょうか。
○竹中参考人 私は、規制緩和というのは三年で終わりとか五年で終わりということではなくて、やはりどこの国の規制緩和の歴史を見てもそうですけれども、十年、十五年、二十年と続く課題でありまして、三年たったら終わりとか五年たったら終わりというふうにはいかないと思います。また同時に、状況もどんどん変わりますから、規制緩和の重点分野もやはり時代とともに変わってくる。 そういうことで、私どもは任期三年、これはやはり三年間全力投球すると、三年もたつと少し疲れてくるだろうということかもしれませんが、一つ考えておりますのは、行政自身の中に行政改革を自律的に進めるシステムを何とか三年の間にビルトインしたいということが、一つ私どもの希望でありますが、同時に、三年たった時点で必要だということであれば、また政府がいろいろお考えになるでしょうし、あるいは国民がどういう御意見をなさるか、国会でどういう議論をなさるかによってかかってきますけれども、私どもはそういう趣旨で、法律に基づいて三年間の任期で仕事をする、こういうことになっております。
○斉藤(鉄)委員 規制緩和検討委員会が二月二十四日に意見報告をしました。また、三月十日に各省庁の規制緩和推進五カ年計画の中間報告がございました。 この規制緩和検討委員会の意見報告及び各省庁の三月十日の中間報告、この間はその中間報告の後のもう一段の中間報告といいましょうか、こんな分厚い資料が部屋に届けられて、私はまだ全然目を通しておりませんけれども、それにつきましでどういう感想、評価を持っていらっしやるか、お聞かせ願えればと思います。
○竹中参考人 今回発表なさいました中間報告というのは、私どもがさきのメッセージの中で、素案の段階で公表して広く内外の意見を聞くべきである、こういう趣旨に大変合っているわけでありまして、最後まで外部に公表しないで決まってから公表するという行き方よりも、これは大変な前進だというふうに私は理解しております。 この内容、この中間報告をもとにさらに内外から意見を聞いて、いろいろ伺っておりますとさらに前進した最終計画をまとめる、こういうことで今週、来週と御努力なさるということでありますので、私どもはその経過を十分見ながら、計画がまとまったら早速に監視活動に基づいて具体的な意見を申し上げていきたい、こういうふうに今は思っているところでございます。
○斉藤(鉄)委員 よろしくお願いいたします。 新聞報道をもとにいろいろ御意見を聞きたくはないのですけれども、新聞報道によりますと、二月二十三日に発表された活動方針、また国民へのメッセージについて、委員会の内部で議論されたことよりも、官僚がその取りまとめに入ってかなり後退した内容で発表されている、こういう報道がされております。社説にも「早くも「官」に譲歩した行革委」というふうな表題で、大きく報道されたりもしております。実際どうだったのでしょうか。
○竹中参考人 そういう事実は全く事実無根でありまして、新聞もちゃんと取材して書いていただきたいなと思っているところであります。 私どもの委員の五人の顔ぶれを思い浮かべていただいただけでよくわかると思うのですが、もしそういうことが仮にあれば、直ちにそういうことを暴露するというか公におっしゃる方ばかり五人いるわけでありまして、その五人とも何も全くおっしゃってないというのは、まさに我々自身でつくったメッセージでありますからそういうことになっているわけでありまして、おっしゃるようなことは全く根拠はない新聞報道だ、こういうふうに申し上げていいかと思います。
○斉藤(鉄)委員 安心いたしました。今後ともよろしくお願いいたします。 先ほどの御説明の中に、行政が責任を持つべき分野と、民間が責任を担うべき分野、それから個人が責任を持つ分野、行政、市場メカニズム、個人、その仕分けが必要だ、それをまた明確にしなくてはいけない、こういう意見陳述をされたわけでございますが、どういう観点、理念、基準でその仕分けをされようとしているのか。既に行政改車委員会の中で議論が行われていれば、教えていただきたいと思います。
○竹中参考人 基本的には、民間でできる仕事は民間でやる、民間でできない仕事を行政がやる。民間でできることは全部民間でやって、民間ではできない仕事を税金を出し合って、その税金を使って行政がやるというのが基本だと思います。 ただ、行政といっても、また同時に、これは地方の行政がやるべき仕事なのか、国の行政がやるべき仕事なのか、この仕分けももちろんあるわけでありますが、これも基本は、地方でできる仕事は地方でやる、地方でできない仕事は国がやる。国は地方や民間でできない仕事を重点的に、総合的に、効率的に取り組む、こういうことだと思います。 ただ、これは時代によってどんどん変わってくるわけでありまして、電気通信、今は民営化になっているわけですけれども、例えば明治や大正や昭和の初めに電気通信を民間でやれと言ったってこれはできない。民間で資金がどれだけ蓄積されているかとか、民間にどれだけ技術があるかとか、技術革新の可能性がどれだけ大きくなっているかとか、あるいは国民の知識レベル、所得水準がどう変わってきているか、そういうことと関係してこの境目というのは変わってくるわけでありまして、今の時代にふさわしい区分けの仕方というものを考えていかなければいけないな、こういうふうに思っております。
○斉藤(鉄)委員 まさに議論の最も大事なところではないかと思います。国民が何に価値を置くかということとも関係してくると思います。 例えばアメリカは徹底した自由競争社会、しかしアメリカの国民の価値は、とにかく用意ドンでスタートするスタート地点は一緒、機会均等、しかし後は努力によってその差が出てくるのは当然、その機会均等こそ最大の価値であるという考え方。これも一つの考え方でしょうし、逆に日本の社会は、ある意味で結果としての平等というふうなものに、そしてみんなが仲よく楽しく暮らす、和気あいあいと暮らす、そういう結果に価値を置く、そういう国民であるんじゃないか。それが談合だとかいろいろな面にも出てくると思うわけですが、そのどこら辺にこれからの社会の本当の価値を置いたらいいのかというのがまさに行政改革、また規制緩和の議論の本質だと思うのですが、そういう議論は既に行政改革委員会の中でなされましたでしょうか。
○竹中参考人 大変重要な御指摘なんですけれども、そういう問題はあらゆる問題にみんな関係してきておりまして、何をやるにしても国民の感情、国民の価値観というのは非常に大きなかかわり合いがあるわけでありまして、まさにそういうことを踏まえて政治も行われていくということだと思いまして、当然私どもも念頭には置いているわけでありますけれども、これもやはり時代とともにどんどん変わってくる、価値観もどんどん多様化してくる。 同じ価値観で全部同じという時代ではだんだんなくなってくる。所得水準が高まれば高まるほど選択肢は多いほどいいということになりますし、非常に貧しいときは、画一的でもいいから最小限保障してほしいということになりますし、やはり時代時代によって変わってまいりますので、その点も十分念頭に置いて、これは別に行政改革に限らず何事も考えていかなければいけない問題ではないかというふうに思います。
○斉藤(鉄)委員 今後の規制緩和、私たちが今議論している規制緩和は、その価値観を結果としての平等から機会均等へという方に、アメリカ的な価値観へ徐々に移していく。アメリカ並みにまでする必要はないというふうに私は思いますが、しかしそちらの方向に動かしていかなければいけない、こういう議論なんだろうと思います。 競争が激しくなる、自由競争になって競争が激しくなったときに一番大切なのは、ルールにのっとって競争するということになるかと思います。そのルールをつくり、監視するのはまだ公正取引委員会だと思いますが、公正取引委員会の機能強化、拡充、これも規制緩和と同時に非常に大事だと思いますが、その点についての御意見をお聞かせ願えればと思います。
○竹中参考人 大変重要な御指摘でございまして、民間が自由にやるということは、何でも好き勝手やっていいということではなくて、ちゃんと社会的なルールにのっとって責任ある行動をとるということですから、おっしゃるようなことは当然考慮に入れなければならない問題だと思います。 ただ、競争といってもこれはいろいろな面がございまして、単に機会均等でさえあればいいかというと、やはり敗者復活戦も必要でありましょうし、あるいはハンディキャップを負っている方々への手厚い配慮ということも必要でありますし、単純に出発点さえ機会均等であればいいというふうにはいかない問題だと私も思いますけれども、これはいろいろな複雑な面が絡んできている。 例えば競争といっても、一面からいうと激しい競争が一番弱者の保護になる。例えて言えば、私のようなささやかな一消費者が巨大な自動車会社と対等につき合えるというのは、巨大な自動車会社が競争してくれるから対等につき合えるわけであって、もし競争がなくて、昔の共産圏諸国のように独占だったり国家統制だったら、これは弱者はとても巨大な自動車会社とは対等につき合いできない。競争があるから弱者が守られるという面もあるわけでありまして、これは非常に複雑な要素が絡んでおりますので、そういうことは十分念頭に置きながら、先ほど申し上げたように自己責任で、自分の責任で、かつ公正というか社会的ルールの守られる社会、こういうことになるのではないか、こういうふうに思います。
○斉藤(鉄)委員 きょうは本当に参考になる御意見、ありがとうございました。 これからの行政改革委員会の大活躍を期待して、質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○塚田委員長 吉井英勝君。
○吉井委員 私は、先ほどの竹中参考人のお話の中で、時間が十分ということですので、総論的な議論というのはとても無理ですから、具体の問題について幾つかお聞きしておきたいと思います。 特殊法人の関係と行政情報の公開問題、そこらを中心に二、三お聞きしたいと思うのですが、まず特殊法人改革についての視点を整理するというふうなことでありますが、例えば九十二の特殊法人の中で役員の方が約八百人、その半数以上が高級官僚の天下りというふうに言われているものですし、また渡り鳥、高額退職金問題というのが国民的な批判の的になっているわけですね。そこで、これがまた政官財癒着の大もとにもあるわけですが、せんだって総務庁長官の答弁で、今のこの状況、半分にしたいというふうな答弁もありましたけれども、まず特殊法人改革の中で天下り問題について、どういうふうにメスを入れるといいますか、切り込んでいくといいますか、その辺の視点の整理をやっておられるか、ここら辺から伺ってみたいと思いますが。
○竹中参考人 御指摘のようなことが問題があるということは承知いたしておりますけれども、委員会ではまだそういうことは議論いたしておりません。 政府の特殊法人の整理合理化についての決定、あと政府系金融機関のことが決まれば全部出そろうわけでありますけれども、それが終わりましたら、詳細に監視といいますか調査をいたしまして、それから私どもの考えをまとめていきたい、こういうふうに思っております。
○吉井委員 今おっしゃったことにも少し触れますが、例えば大蔵事務次官の方が、ある人は輸出入銀行く天下っていく、あるいは開発銀行く天下っていく。そうすると、これは合併しますとポストが半分に減るわけですね。ですから、出てきてからの議論というのは、本当はちょっと逆じゃないか。そこの一番抵抗する部分、そこにどういう切り込みを入れていくかという、その辺の皆さんの方の視点の整理というのが、出てきてからよりもむしろ先じゃないかなというふうに思うわけです。 特にこの点、一つにしますとポストが半分になるということだけに、これは何もトップのポストだけではなくて、全体にそれは広がるわけですから、相当な抵抗があることは当然予想されますし、それは別な視点から見ますと、例えば開発銀行の場合、実は融資先が、融資額の九七%はビッグビジネスですね。それで、一般に比べて一%の金利安、つまり一%分のいわば補助金を渡すのと匹敵することにもなるわけですね。その原資は何かといえば、国民の郵便貯金ですよ。 ですから、国民の資金を使ってやるところについて、天下りの問題とともに、そこのそういう構造をどういうふうにチェックしていくのかという、私は、これは出てきてからというより、やはりその点の視点の整理というのが先に必要じゃないかと思うのですが、改めて伺っておきたいと思います。
○竹中参考人 私どもの先ほどのメッセージにも書いてありますけれども、おっしゃるように今、日本の公的金融のあり方というものが根本的にやはり問われているといいますか、考えなければいけない、そういう問題意識を持ちながら特殊法人問題に取り組まないと、ただ目の前にある特殊法人だけを取り上げたのでは、全体の政策金融のあり方ということと結びつけてやらないと、本当のいい改善策は出てこないのではないか、こういう問題意識は持っております。 そういうことを含めてこれから監視活動に入るわけですけれども、もうおっしゃるように、お金を集めてくるのは郵貯なり簡易保険で集めてくる、配るのは財投計画なり資金運用部で配る、それを使うのが政策金融機関あるいは特殊法人である、こういうふうにばらばらになっておりますと、果たして総合性、効率性という点からいって一体どうなのか。それから同時に、状況は昔と大変違ってきておりまして、昔は規制金利の時代だったけれども、今は御承知のとおり金利は自由化されている。 これは委員会で別に議論しているわけではなくて、全く私のエコノミストとしての本業からの意見にすぎないわけですけれども、金利が自由化するとどういうことが起こったかというと、どこの金融機関も預金の利息と貸し出しの金利の差額で飯がだんだん食えなくなってきた。だから、だんだん周りの関連業務といいますか、払込手数料とかあるいはいろいろな取扱手数料で収益を上げるというふうに変わってくる。そうなると、入り口のところがそういう機能は余りない、限られている。そうすると、金利が規制金利ならいいですけれども、金利が自由化しておりますと、民間金融と公的金融の線の引き方というのは根本的に考え直してみないとどうもうまくないのではないか。そういうことも実はあるものですから、これは別に行革委員会で今すぐどうこうということじゃないのですが、念頭に置きながら特殊法人の問題も考えていきたい、こういうふうに思っております。
○吉井委員 政策金利の議論はまた別な機会にやりたいと思うのですが、ただ、今申し上げました輸出入銀行それから開発銀行の場合にしても、開銀の一%低利で実質的にそれが一%分の補助金を供給するような形に、別な視点から見ればなるわけですね。こういうことは、例えばNEDOなどでも結局ビッグビジネスへの、大企業への補助金を供給する機構、そういうふうな役割を持っているというものもあります。 ですから、特殊法人が巨額の公金を使いながら、そこを動かしながら国民の監視がうまくいかないという今のシステム、これは国会での予算、決算の審議や承認とか、あるいは国民への情報公開が十分なされていない問題とか、そういうところにも特殊法人の、さっきは天下りの方ですが、今度は特殊法人のあり方の問題としてやはり切り込んでいくべきところがあると思うのですね。この点についても一言何かコメントがあれば、伺っておきたいと思うのです。
○竹中参考人 私どもの国民へのメッセージの中で、情報公開ということが非常に大切だ。一見、情報公開についての調査審議とそれから行政改革についての監視というのは、何か別の仕事のように見えるけれども、実はそうではなくて、これは本当のところ一つの、言ってみればつながった仕事だ。情報公開が進めば進むほど、特殊法人の見直し、合理化も規制緩和も進みやすくなる。 御指摘のように、情報が公開されていれば特殊法人のあり方についてももっと広く国民的な議論ができる。規制緩和についても同じでありまして、御指摘のように、行政情報の公開というのは、特殊法人の場合も非常に重要なテーマだというふうに考えております。
○吉井委員 それで、通常の行政の場合ですと、国会審議などを通じて、答弁ということもあれば資料の提供等もあるわけですね。しかし特殊法人になりますと、ワンクッション置いてしまっているものですから、出てこない。 一例を挙げますと、例えば動燃事業団など、FBRという高速増殖炉の開発をやっておりますが、ドイツやフランスやアメリカで大体高速増殖炉のやり方はもうだめだということでやめてしまっても、どんどん進めていく。そういうことが、大体トータルして一兆円近い規模のプロジェクトになるわけですけれども、しかしこれが、きちんと国会にすべての情報が提供されて、そして国会で予算、決算を伴うそういうふうな審議という対象にならない。しかも一方、法律では、自主、民主、公開という原子力の法律があって、本来公開をうたっているわけですね。しかし、公開されないというふうな問題というのは特殊法人の場合にあって、むしろ通常の行政であればある程度は明らかになるものが明らかになってこない。そういうふうな問題というのは、特殊法人の場合、かなりあるということを私は問題にしているわけです。 ですから、一般的なメッセージではなくて、ここについてはこういうものを具体的なこういう形できちっと提起していきたいとか、あるいはそういう情報公開に関する法律、制度についても、こういうふうなメッセージにとどまらない打ち出しをやりたいとか、その辺、時間が参りましたので、最後に一言お聞きして、質問を終わりたいと思います。
○竹中参考人 御指摘は大変重要な問題でありまして、もちろん行政改革委員会でも念頭に置いて考えるわけですが、しかし、それは何よりも国会の大問題でありまして、国会というまさに国民の代表のお集まりになっているところで、これは御議論なり方向をお決めになるべき問題ではないかというふうに理解をしております。
○吉井委員 では、終わります。
○塚田委員長 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。 参考人におかれましては、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時二十三分散会