科学技術委員会 第6号
- 発言数
- 185 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1995/06/08
会議録
○野呂委員長 これより会議を開きます。 科学技術振興の基本施策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。原田昇左右君。
○原田(昇)委員 まず私は、今回、地震防災対策特別措置法というのがつい先ほど災害対策特別委員会で全会一致で可決になり、本日一時からの本会議に緊急上程されることになりました。これについて科学技術庁長官の決意のほどを伺いたいと思うわけであります。 実は、この法律については、阪神の大震災後、全国各地においてこういうことが起こったら大変だ、したがって、少なくとも活断層の調査とかあるいは地震の予知とかいうものについてもっと積極的に取り組みをしなければいかぬ。しかるに、一部の状況を見ますと、阪神の大震災でも、あれを予測した学者がちゃんといるんですね。にもかかわらず、自分のところの知事さんも市長さんも何にも耳をかさない、そして行政も何にもしない、そういうことであの震災が起こったという大変奇妙な結果になっておるわけであります。今振り返ってみまして、こういうことがあってはならない。したがって、あらゆる情報を集めて判定をしてもらって、正確な判断をしてもらって、そしてそれを行政に直結するというシステムをつくらないといけない。 そして、今、八省庁が関係があるということでございまして、みんなばらばらでやっておる。これではいかぬのじゃないか。大いに八省庁やっていただくのは結構ですが、みんなで力を合わせて、それぞれの分野で調査研究を深めて成果を上げていただくということが必要ではないか、こういうことを痛感いたしまして、まず、この地震防災対策特別措置法においては調査研究推進本部というものを総理府につくって、本部長に科学技術庁長官になっていただいて、そしてこの調査研究の総合的な推進をやろうではないか、しかも情報の収集をしていただいて、それを行政に反映していただくということが大事だ、こういうことでやり出したわけでございます。 そのほかこの法律では、地震防災緊急事業五カ年計画というのを都道府県知事に立てていただいて、避難地、避難路とかヘリポート、防災無線あるいは井戸とか貯水槽、こういったものをあらかじめきちっと整備しておいていただいて、緊急事態に備えることにしていただこうというのがこの趣旨でございます。 そこで、科学技術庁長官にお伺いしたいわけでございます。 この法律が恐らく衆議院できよう通って、参議院でも今国会で通るはずでございますので、長官は直ちに、二カ月以内の政令で定める日から実施になりますけれども、この本部長として指揮をとられることになるわけでございますが、科学技術庁長官の御決意のほどをここで伺わせていただきたいと思います。
○田中国務大臣 おはようございます。 今、原田先生からお話しいただきましたけれども、地震防災対策特別措置法案がけさ委員長提案になったこと、本当にありがたいと思って感謝を申し上げます。また、速やかに国会で承認されるだろうということも大変楽しみにいたしております。 阪神大震災のときから、私どもは自社さきがけすべての先生方に、どうしたものだろうか、八つもの省庁の縦割りの中で情報が一元化できないで、結局はすべての情報が我々生活者、国民に還元されないということは、やはり政治がもっと機能しなければいけないのではないかということを委員会でも発言させていただきましたし、また先生方とも御相談させていただきました。その結果、原田先生を初め、一番イニシアチブをとっていただいたのでございますけれども、こういうふうな立法をしましょうということをおっしゃっていただいて、まことに速やかに政治が機能していることは大変ありがたいうれしいことであるというふうに思っております。 これは私などが申し上げるまでもございませんけれども、要するに気象庁に情報が一元化して、予知というものはなかなか難しいということがよくわかってきたわけでございますから、防災等について機能するように体制を強化していくということにほかなりませんので、大変ありがたいことだと思いまして感謝を申し上げます。今後ともまた御指導いただきたいというふうに存じます。
○原田(昇)委員 それでは、もう一つお伺いしたいのです。 学者の方々の予知連絡会というのが国土地理院にございますが、そこで非常にフリーなディスカッションが行われており、大変結構なことだなと私は思っております。そして、こういう方々の活動をどんどん強化していくのがこの法案だと考えて、この法案の立案、取りまとめに大いに推進役を買って出て、我々同憂の士で日本を地震から守る国会議員の会というのをつくったわけです。 その趣旨は、我々は国民から選ばれて国会に送り込まれておるわけですが、阪神大震災を見て安閑としておられぬ、オールジャパンでひとつ日本を地震に強いものにしなければいけないだろうということで、そういうための国会議員の責任を果たさなければいかぬ。こういう観点で私たちはいろいろな問題について討議をして、特に調査研究については大いに促進し、しかも、先ほども申し上げましたように情報を収集してこれを正確に評価し、行政に反映させるということが大事だな、こういう結論に達したわけです。 それについて予知連絡会の一部の学者が、おかしい、我々の仕事がやりにくくなるとかいうようなことを言っておられるということを新聞で拝見して、私は唖然としたわけでございます。国土地理院の方から、国土地理院の方も十分この法案については御意見をいただいておるわけで、賛成しておられるわけでございますから、そういう方々によくこの趣旨をお伝えいただかなければならぬと思うわけであります。国土地理院の院長さん、おいでになっていらっしゃると思いますが、この点ひとつ率直に状況をお聞かせいただきたいと思います。
○小野説明員 お答えいたします、 地震予知連絡会の委員の先生方は、日ごろから地震防災対策の重要性は十分御理解いただいておりますし、また地震に関する調査研究を推進する必要性は常日ごろから主張しているところでございまして、地震に関する調査研究の推進のための体制整備をその目的の一つとしていますこの法案の趣旨に異論があるとは、私ども認識は持っておりません。ただ、地震予知連絡会の委員の先生方は、地震調査研究の具体の進め方につきましては、その学識経験からそれぞれに御意見をお持ちでございます。 国土地理院といたしましては、そういった先生方の貴重な意見を集約しながら、我が国の地震情報を適宜的確に国民に広報するというこの新しい地震調査研究体制が最も望ましい形になりますように、一層努力をしてまいりたいと存じておるところでございます。
○原田(昇)委員 ぜひそういうことで御努力いただきたいし、誤解のないように関係の先生方に十分趣旨を説明していただきたいと思います。 さて、地震の問題はこれくらいにしまして、私は、我が国の科学技術政策を進める上で非常に大事なのは、やはり人材の問題ではないかなと思うのです。 今まで我が国は外国の技術を導入して、あるいは外国人のやった成果を学びながら、今日の非常に高度なハイテク国家というのをつくり上げることができた。これから私たちが世界に向けて貢献するとすれば、我々がすばらしい知的資産というものをつくり上げて、これを世界に向けて発情するということでなくてはならないと思うのです。いろいろな国際協力の仕方があります。しかし、ハイテク国家としてこれから世界に向けてやり得る、またチャレンジしなければならぬのは、知的資産の形成と世界に向けてこれを発信すること、これをぜひやっていくことに我々は使命感を持たなければいかぬと思うわけであります。 これを実現するにはどうしたらいいかということですが、残念ながら現状は非常に憂うべきところにあるのですね。例えば若者は科学技術離れをしておる。また、今度のサリン事件で、優秀な科学者があんなふうになったというのはどういうことかというので問題になっております。教育が悪いのじゃないかとかいろいろありますけれども、とにかく年々科学技術者になろうという人が少なくなってきておる。 それから、せっかく才能を持って生まれてきた、創造的な才能を持っておっても、受験勉強で塾で詰め込まれる。それでないと大学へ入れないんだ。だから丸暗記して、とにかく詰め込み教育を強いられて、それをやらざるを得ないという実情だ。大学の入試の問題ですね。そういうことでせっかくの独創性の芽が摘まれてしまう。大学に入ってからも、才能が育つような十分な研究環境に本当に日本の大学はあるのかな、こういうところが非常に問題ではないか。 しかも、今、日本人はどんどん外へ優秀な頭脳が流出しておるのですね。なぜかというと、アメリカヘ行けば優秀な研究者がいる、そこへ行ってフリーに研究できる。日本にはそれだけの施設がない、優秀な研究者がいない、自由に研究できない。こういうような環境では、言ってみればセンター・オブ・エクセレンシーというか、世界の研究の中核になるような研究施設、研究環境、そういうものが不足しておるということも言えるのじゃないかと思うのですね。 そこで、私は、この問題について少し関係御当局の御意見をいただきたいと思うのです。 まず、十二月に総理大臣に科学技術会議で答申をされて決定された科学技術系人材の確保に関する基本指針というのがあるのです。これについて読んでみますと、非常によくできておると思います。言ってみれば作文としてはすぐれておる。具体的に大変すばらしいことが書いてある。もうあらゆることがこれに盛り込まれておるようでございます。しかしながら、これの中の本当にこれとこれだけはこうやってやっているのだということが大事ではないかと思うのですね。 まず、例えば才能を持って生まれてきた子供の資質を伸ばすには、学校教育の問題がある。先ほど申し上げた入試の問題がある。どういうようにこれを伸ばそうとしておるのか。創造性を伸ばす教育をやろう、そして大学まで貫いてやれるのか、それは文部省どうですか。ぜひ話を聞かせてください。
○近藤説明員 お答えをいたします。 委員御指摘のとおり、創造的な人材の育成のためには、特に高等学校と大学との接続の問題でございます大学入試の改善が大変重要な課題である、私どももそう認識をしておるわけでございます。 これまでも文部省におきましては、大学入学者選抜における学力検査につきまして、単に記憶力のみを検査するような出題は避けて、受験生の思考力でありますとか表現力、そういった能力を総合的に判定することができるような、そういった出題内容でありますとか出題形式について配慮方を各大学に指導をしておるところでございます。大学入学者選抜におきましては、もちろん学力検査も重要な要素ではございますが、これに偏ることなく、評価尺度を多元化、複数化し、調査書でありますとか面接、小論文等を適切に組み合わせて、受験生の能力、適性を多面的に判定するよう各大学に改善を促しておるところでございます。 近年、各大学におきましても、まだまだ不十分であろうと認識をしておりますが、学力検査ばかりではなくて、面接、小論文を実施したり推薦入学等を採用するなど、多様な入試を行う大学が増加をしているということは、望ましい方向に少しずっではあるけれども向かっているのかな、こんなふうに考えているところでございます。今後とも、大学入試の改善につきましては、各大学に対する適切な指導に努力をしてまいりたいと思っております。 また、小中高等学校あるいは大学教育を通じて、主体的に物事をみずからが考え、判断し、表現していく、そういった能力というものを育成をしていく、そういう教育の実現に向けてまた文部省としても今後とも努力をしてまいりたい、かように考えているところでございます。
○原田(昇)委員 立派なことを言われるけれども、実際に東大とか京大の入学試験でそんなこと今やってないじゃないか。
○近藤説明員 先生おっしゃるように、例えば東京大学でも、一応前期、後期と定員をそれぞれ分けて分離分割でやっております。若干そういった入試方法は違いますが、おっしゃるように依然として、まあ後期なんかでは総合科目のようなものを課しておりますが、学力検査重視の入試が適用されておる。 ただ、一例を申し上げて恐縮でございますが、昭和五十三年度と比べますと、面接も当時は四十二大学五十六学部で実施をしておりましたのが、これは国公立てございますが、百二十六大学三百十六学部というように、少しずつではあるけれども全体としてはそういう方向に向かっておるという状況もまた一面ではあるわけでございまして、委員御指摘のとおり、さらに各大学につきまして私どももその改善についての指導をしてまいりたい、かように考えておるところでございます。
○原田(昇)委員 今の御答弁では私は納得しません。 ともかく、入学試験の改革というのは絶対にやらなければいかぬと思うのです。そうかといって、大変難しい問題であることはよく承知しておりますが、多様性をどういうように織り込んでいくか。例えば推薦入学の問題もあるでしょうし、塾へ行かなくても大いに創造力豊かな人材を育てるにはどうしたらいいかということを、もうちょっと大学教育の根本から洗い直して、少しこの問題を、この一片の答申だけじゃなくて、具体的に行政の場で掘り下げてもらいたいと思うのです。その点をぜひ要望をしておきます。本当に独創性のある人材をいかに養成するかということを、もうちょっと文部省の方で真剣に掘り下げてもらわないと大変なことですね、文部省だけじゃないのですけれども。ぜひこれは切実な問題としてお願いしたいと思います。 次に、日本の研究開発をやる研究者を支える研究支援体制というのが非常に大事だということを言っております。これは確かにそのとおりでございまして、これについてハードの面、本当に技術をいろいろ支援してあげるということも大事だし、もう一つソフトの面というか、実際に研究をやってこれを学会に発表したりいろいろなことをするのに、ともかく事務の面が半分ぐらいあるのですね。そういう事務の面でいろいろ研究者をソフトの面で応援する体制、支援体制というのが私は確立しなければならぬ面ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○工藤政府委員 お答え申し上げます。 まさに先生御指摘のとおりでございまして、今言われました答申にも触れられてあるわけでございまして、私どもそれを具体化するために、科学技術振興調整費を活用いたしまして、重点研究支援協力員制度というものを今年度から創設をいたしまして、研究者のニーズに合わせて、研究活動を支援するための協力員を国立の試験研究機関に派遣をするという制度を今検討しているところでございます。 それからまた、新技術事業団の創造科学技術推進制度でありますとか独創的個人研究育成制度、さきがけという制度でございますが、これにおきましては、プロジェクトごとに予算管理等の事務を担当する事務参事というものを設置しております。 そういうことによりまして研究者の事務的な負担を軽減するという工夫をしているところでございますけれども、今後とも、先生の御指摘に沿いまして、研究環境の整備にさらに努力してまいりたいと思っております。
○原田(昇)委員 事務的な面というのはいわば雑用なんですが、これが大変なウエートを占めるのですね。研究者というのは、こういうことをやるのが非常に不得意な人が多いと思うのですね。これを支援してあげれば研究者の負担が非常に軽減され、時間もかなり研究に割き得るということではないかと思います。 日本の学者で海外へ行って研究した人が異口同音に言うのは、向こうには秘書がいて、ちょっと話しておけばすぐ手紙でも何でも書ける、論文でもすぐ書いてくれる。趣旨を言えば帰ってサインすればすぐ発表できる、そういうシステムができておる。日本に帰ってきたら大変なんだ、自分でタイプをたたかなきゃならないくらいですよということを言っていますが、そういうことなんかを十分参考にしていただいて、今のソフトの面の支援システムをぜひ確立していただきたいと思います。 それから次に、世界のひのき舞台で活躍できるような研究者を育てるためには、外国で武者修行させることも大事でしょうけれども、日本に一流の学者を連れてきて、その人のもとに研究者が集まるというようなことをすることも大事だと思うのですね。とにかく今、日本の研究者の外へ出る人と外国から来ていただく人との差は、物すごい輸出超過というか、外へ出る方が圧倒的に多い、入ってくる人は少ない、こういうのが日本の現状なんですよ。 かつてナチス・ドイツがユダヤ人を追っ払ったものですから、ドイツの研究というのはがたんと落ちだと言われている。つまり、研究者が外国からどんどん入ってきて、そして優秀な研究者が集まるようになって初めてその国の研究成果は上がるわけです。アメリカもまさにそういうことが起こっておる。世界じゅうの優秀な研究者がアメリカに行って成果を上げる、それがアメリカの国力につながっていく、こういうことだと思いますね。 ぜひそういう意味で、具体的にどのような対策をもって世界の優秀な研究者を日本に引き寄せるか。先ほど申し上げたセンター・オブ・エクセレンシーというものを確立することも大事ではないか、こういうように思っておりますが、いかがでしょうか。
○工藤政府委員 お答え申し上げます。 具体的な対策としてどういうことをやっているかということを事務的に申し上げたいと思います。 海外の優秀な頭脳を日本に積極的に招聘する、少しでもそのインバランスを是正するということが非常に重要でございまして、まさにそういう観点から、科学技術庁といたしましては、昭和六十三年度に科学技術庁フェローシップ制度というものを設けまして、それ以来、徐々にではございますけれども予算をふやして、外国からの優秀な頭脳の受け入れをふやしてきておりまして、現在までに全体で千二百名の方々が来ておられるということでございます。 さらに、具体的な研究テーマを中心に、海外からの優秀な頭脳を集めて日本の頭脳とともに研究をするということで、国際フロンティア研究システムというものを設けまして、これは現在の状況でございますが、四十大規模の外国人の優秀な方々が来て研究を一緒にしております。 それから、もちろんそれ以外に、外国から来られた研究者のためのいわゆるソフト面といいましょうか、宿舎の整備、あるいは日本語の研修でございますとか生活面のいろいろなコンサルタント、そういったこともいろいろと努力しているところでございます。 そういったことによりまして、徐々にではございますけれども、外国からの受け入れ数も増大しておりまして、国立の試験研究機関で見ますと、平成元年度が六百二十二名であったものが平成五年度では千十名になっているということで、少しずつふえているところでございます。 今後とも、そういう事業を拡充いたしまして、外国からの研究者の受け入れに努力してまいりたいと思っております。
○原田(昇)委員 育成された人材がどのような場で活躍するかということも非常に大事だと思うのですね。 日本の理工科系学校の卒業生がどういう職場で働きたいかという調査をしたのを見ますと、ほとんど大部分が、企業に入って勤め人になってやりたいというのが多いのですね。ところがアメリカのMIT、マサチューセッツ工科大学の調査によりますと、一番多いのは、自分で独立して事業をやる、みずから会社を起こしてやりますよというのが多い。チャレンジング精神が非常に盛んだなという感じがします。 日本の場合は、どうも枠の中で育って、寄らば大樹の陰というのが多いということであります。これはいろいろな原因があるだろうと思いますけれども、このチャレンジング精神というのは非常に大事だ。それには、どうやれば創業のノウハウを与えることができるかとか、あるいは企業を創業した場合の創業資金はどうしたらいいかとか、そういう先ほど言った研究支援のソフトの面の支援が大変大事である。新しい事業を創設するということをこれからやっていかなきゃならない時代に、こういう点は非常に憂うべきことでございますので、これについて通産省、どういうふうに考えておられるか。
○中嶋説明員 経済の構造改革を進める上におきましても、新規の産業分野の開拓を進めていくということが極めて重要だと思っております。 しかしながら、委員御指摘がございましたように、新たな企業を起こすという場合、あるいは中小企業が新たな事業分野で企業活動を展開していく際に、資金調達が容易でないことに加えまして、財務あるいはその販売面での専門的人材を確保することが困難だという状況にあることは、私どもも十分認識をしております。 そのため、通産省といたしましては、本年度から、中小企業の事業起こし、創業でございますが、についての経営アドバイスなどについての補助制度、さらには本年度の補正予算におきまして、中小企業の求めに応じまして、中小企業事業団に登録された企業経営の実務の経験者、あるいは中小企業診断士などの専門家を派遣いたします事業開拓コンサルティング事業というものを創設させていただいたところでございます。現在、その積極的な活用を促進するべく、普及広報活動を行っております。
○原田(昇)委員 時間でございますので、この人材確保の問題、多方面にわたりますが、ぜひとも強力で総合的な施策を打ち出していただきますように期待を申し上げまして、私の質問を終わります。
○野呂委員長 栗本慎一郎君。
○栗本委員 自由民主党・自由連合の栗本慎一郎でございます。 まず、お忙しいようでございますけれども、長官に、科学技術庁が所管をしているといいますかあるいは管轄をしているといいますか、研究の問題について、研究という視点の方からちょっとお伺いしたいと思います。 例えば現在、科学技術庁はエネルギー、原子力、遺伝子工学の分野に関してさまざま御指導あるいは管轄をしていただいているわけですけれども、研究という視点からいいますと、私は現在もなお大学教授なんでございますけれども、原子力の研究も経済史の研究も同じ研究という分野でございます。 そこで、例えば今国が行っている原子力の研究その他は、一体なぜそれを国が行っているのかあるいは援助をしているのか、例えばイギリス経済史の方にはなぜ援助がないのかというふうなことになると、現実にはお金がかかるから、経費がかかるものであるから。それから、恐らく社会にとって、これは推測でございますが、科学というものを非常に狭くとらえまして、人文科学も科学なんですけれども、自然科学の一部、特に理学といったもの、工学は原理じゃないからという形であるようにとらえられております。 もちろん国の方は、そうではない、こういう理由でこうだというふうに出されているはずなんですが、はっきり言いまして、専門の研究者一般にも浸透しているとは言えない。だから、この研究については文部省の方から助成金をもらおう、これについては科学技術庁だ。その領域はどうなっているのか。はっきり言ってかなり不満もあるといいますか、不十分な認知しかないと言えると思います。 それについてもお伺いしたいのですが、原子力というのは、あるいは熱核融合は後にお聞きしますが、お金がかかるからということではなく、原子力の場合には例えば兵器につながりますし、熱核融合の場合はエネルギーです。エネルギーというのは社会の基本であると通常考えられてきている。本来、そのエネルギーは代替エネルギーになるのじゃないかという議論が恐らく今後出そうですが、とりあえず考えられている。だから国の重要施策であるというふうに認知されるべきものではないかと思うのです。 同時に、そういう点からいいますと、お金がかからない研究なんですが、ウイルスの研究、それから遺伝子工学も、これは原子力もそうなんですが、応用という点になりますと、実は原爆一個はそんなに高い値段ではない。遺伝子工学も実際に応用する部分については、原理的にわかっているものについてはかなり安くできる。昨今非常に問題になっております邪教オウム真理教が遺伝子工学的な、これは兵器とは言えないと思いますけれども、機器を買い入れて、これは決して高いものじゃありません。 ウイルスの研究に至っては、原理がわからないからこそ逆にどんどん大学の研究室で反応をしていて、非常に危険なものができる。細菌研究一般と言ってもいいですが、非常に危険なものができても、具体的には全然管理管轄がされていないというような状況であるわけでございます。私としては、遺伝子研究やウイルス研究のようなものも、つまり、金額的に比較的安いけれども、それはこういった段階では国がいわば管轄、指導をすべきものではないかというふうに考えておるのでございますが、一般的な御見解を長官にお伺いしたいと思います。
○田中国務大臣 大変鋭い御指摘をいただいたというふうに思います。 オウムの事件もございましたし、あの事件の中で私もちょっと驚きましたのは、私も視察をいたしました理化学研究所で、一般の研究用にですけれども、細胞とか微生物の提供等もしているというふうなこともありますので、費用の面というふうなことではなくて、こういうDNAとかウイルスの研究というものは、今も先生が御指摘なさったような言ってみれば極めて特殊な研究なわけですけれども、悪用されると社会的な犯罪というふうなことにもつながっていくわけでございますから、そうしたことの安全管理をどうするかということは、やはりこういう事件を奇貨として、国の管理とか指導というものをもう一度見直すべきだろうというふうに思っております。 そしてこういう研究は、言うまでもなく本来は人類の幸福ですとか、それから世界の平和に役立っためにされているわけでございます。 現在は、この資料を見ますと、実験の指針というものが一応作成されておりまして、これは五十四年度に科技庁やら文部省において作成されたものでございますが、一つは安全の確保とか実験区分等、二つ目は取り扱い、三つ目は教育訓練及び健康管理等というふうなことの指針があるわけでございますから、これを周知徹底いたしますが、私もこれについてちょっと不勉強でございますから、もう一度よく勉強いたしまして、国の指導ということについてもぜひ勉強をしたいというふうに思います。 〔委員長退席、上田(晃)委員長代理着席〕
○栗本委員 ありがとうございました。 この問題は、文部省、科学技術庁だけでなく、厚生省その他にわたるわけでございまして、そのことが実は問題なんですが、一般的な要望といたしまして、例えばウイルス、微生物の研究等に関しては、例えば研究資格のようなものを今後は設けるべきではないかと私は大学教授としても考えております。他方で、大学の自由とか大学の自治ということについては、民間におりましたときには強く主張してきたのですが、この問題は別であるということで、国の危機管理という視点からも、科学技術庁を中心にお考えいただいてもいいのではないかというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。 次の質問に移ります。 これはITERの問題なんです。国際熱核融合実験炉の計画というのを大規模国際協力事業として、日、米、EU、ロシアの四極で進めているのは皆様御承知のとおりであり、関係各位の熱意、御努力に敬意を表するものでございます。 この問題も国際協力ということであって、原子力と違いまして直ちに兵器に結びつくというものではないのですけれども、しかし、新しいエネルギーについての機微、機密を一国あるいは一地域が例えば世界的に限定して保有してしまえば、一般論としてこれはまたさまざまな平和安定に対する危機も生じ得ると思うわけです。そういう意味で、単に科学技術というだけでなくて、その推移に関心を持っているわけでございますが、まず、そのITERは今どのように研究といいますか事業として進んでいるのかということについて、経緯と今後の見通しをちょっと簡単に御説明いただきたいのです。
○岡崎(俊)政府委員 ただいま先生御指摘のITER計画と申しますのは、将来の核融合の実用化に向けて大変重要なステップであろうかと思っております。 現在、その実験炉の建設を目指した設計を四極が共同して工学設計活動として行っておるわけでございます。一九九二年に開始をし、九八年までに六年間かけて建設にかかわる決定を下すための必要なデータを得ることを目的とした活動でございます。現在、ほぼ半ば近くに差しかかってきておるわけでございまして、この夏には中間設計というものが共同設計チームから提出をされ、それを評価をして次のステップに進む、こういう段階に至っております。その作業は極めて順調に進展をしておると申し上げてよろしいかと思います。 加えて、こういった設計活動を行うとともに、必要な研究開発もあわせてこの四極が共同して行っております。具体的には、例えば将来使います大型の超電導コイルの製作であるとかあるいは真空容器、こういった大型機器をそれぞれ四極が分担をして工学的な研究開発を進めるというのが一つ。 もう一つは、物理的研究と称しておりますけれども、核融合に関しましては基礎的な研究の積み上げがまだまだ大変大事でございます。この基礎的な研究については、先生も先般御視察をいただきました原子力研究所のJT60、こういった既存の施設を使った研究の積み上げというのが大変大事でございます。 四極とも、そういった既存の施設を使った基礎的な研究の成果を持ち寄って、この工学設計活動をより充実したものにしていく、こういう活動があわせて行われておるということで、九八年の完成に向けて今四極が懸命に取り組んでおる、こういう状況と申し上げてよろしいかと思います。
○栗本委員 全体としては大変順調であるという理解をさせていただいて、まことに私もそれは大変にいいことだと思います。 しかし問題は、例えば四極でこれまでそれぞれ費用がかかる、研究者も必要であるといった場合に、どのような分担がなされてきているのか。それから、ここまでに問題がないとしても、今後現実には実験炉ITERをつくるわけでございますが、これは原子炉と違って危険の問題等は比較的少ない。比較的というより全くないと言っている学者もおりますけれども、少なくとも原子炉等に比べれば、あるいは原発に比べれば少ないということでいいのですし、また、現実に発電等には使わないわけですね。 それならば、実験ならばどこの国にあってもいいのですが、四極でやっているから四地域につくるわけにはいかない。そうすると例えばどこにつくるのだ、そういったことについての決定過程とか、あるいは今後の費用のいわば平等性であるとか、あるいは情報の平等的な配分というものについての担保が果たしてどういう形でなされているのか。これに関してはしっかりやろうというふうなお話しかどうも聞けていないように思いますので、その辺についての御見解をお示しいただきたいと思います。
○岡崎(俊)政府委員 まず、現在進められております工学設計活動の分担につきましては、協定が結ばれております。その協定の中に、必要な資金とか人材等については四極が均等に分担することが原則であるということが明示されておるわけでございます。しかしながら、その分担の方法につきましては、一括して大きな資金をみんなが拠出するという形ではなくて、具体的に申し上げますと、例えばこの設計に必要な人材というのでしょうか、人員についてはそれぞれが四分の一ずつその派遣費用は持つ、すなわち、日本人の派遣については日本側が負担をする、こういった形で四極がその人件費については負担をする。 それから、先ほど申し上げました工学研究開発活動につきましては、具体的に四極でどういった分担でやるかということを話し合いまして、それぞれその分担に従って四極がみずからの責任において研究開発活動を実施する、あるいは大型コイルを製作して提供をする、こういう形で行うわけでございますけれども、それが四極がほぼ均等になるようにこの工学研究開発活動も分担をしていく、このような形で行われておるわけでございまして、したがって、この工学設計活動そのものは四極が均等に分担をしていくという状況で進められておるわけでございます。 ただし、全く問題がないかと申し上げますと、確かに財政状況が大変厳しい国もあるわけでございます。そういった国については、例えば人の派遣が少しおくれておるとかという問題もないわけではございませんけれども、おおむねこの工学設計の趣旨に沿って四極が均等に分担をしながらこの活動が行われていくということが期待される、このように認識しております。 さらに問題になります、今後の実際にITERという実験炉を建設する段階の分担のあり方、あるいは具体的なサイトをどうするかという問題については、まさに先ほど申し上げました、この中間設計が出ましたこういった機会を契機として、今後建設に向けての四極の具体的な協議が始まろうとしております。 その協議に際しましては、先生も御指摘のとおり、資金をどういう形で分担していくのか、あるいは、実際の建設はもちろん一カ所でございますので、それを行いますホスト国というのでしょうかホスト国というのでしょうか、あるいは具体的な建設サイトをどのようにして決めていくのか、あるいはホスト国がどういう負担をしていくのか、さらには、国際共同で進められるであろう建設であるとか運転の主体をどういう形で進めていくかということ、大変たくさん検討すべき課題はございます。これら建設に向けての協議が恐らくことしの半ば以降からいよいよ本格的に開始されるのではないか、こう思っております。 したがって、こういった四極の中の建設協議の過程において、我が国が今後この建設問題、あるいはサイト問題に対してどのように対応すべきかということについてぜひ検討をしてまいりたい、このように思っております。
○栗本委員 時間が限られておりますので、今の四分の一程度でお話ができる。いろいろお聞きしたいので、私の質問より長くお答えいただかないようにしていただきたいと思うのです。 結局のところ、まだどうなっているかわからない。それから、現在問題であるけれども、これが私もお聞きしたい、一言でお答えいただきたいのです、今のシステムがベストなのか、それともやむを得ず緊急避難的にこういう格好でやっているのかというようなこと。それから、問題になっていないようでございますが、国連とかそういったところとのかかわりはどういうふうに考えているのか。それから、IAEAが管理をしている部分があるのですけれども、このIAEAとITERプロジェクトの関係はどうなっているか。 私の理解している限りでは、よく言えば現実的に進行しているのであって、これが実は前例になるのです、こういうことが。ITERの問題だけじゃなくて、ほかの兵器の取り扱いとか開発について、あるいは経済協力等についても、こういう形でとりあえず技術の進展している、まあ大体技術的にそれはできるだろうという国が集まってやって、そこでうまくして、このことはではほかの地域に、国連加盟のほかの国々にどういうふうにするんだというふうなことについてお話し合いがなされているとは思えない。 していないのなら、日本がそれは中心となってやって、しかし、現実には今こういうふうにしかやらざるを得ないじゃないかというふうに、これは私の意見ですけれども、そうなっているべきだと思うのですが、どうも今のでいいんじゃないかとお考えのようなんですが、それを短くお答えいただきたいと思います。
○岡崎(俊)政府委員 まずITERの今の工学設計活動については、まさに設計段階から四極が均等にこの分野について協力をしていこうという、私にとっては極めて理想的な形で大型の国際科学技術協力が進められているのではないか、このように理解しております。しかしながら、今後建設段階を迎えたときに、この四極が均等で進めて本当にいいのかどうか、あるいはほかの国あるいはIAEAとの関係をどうすべきかということについては、まさに広くそういう視点から検討すべき点はあろうかと思います。
○栗本委員 私はこれがベストだとは思いません。現在の状況の中においては、これは現状のベスト、ベターベストだと思うのですけれども、これをほかのものについて前例にしない方がいい。 なぜならば、例えば工学研究開発については、すべてについてまずプロジェクトを認知して、これは国連がかかわらなくても構いませんが、認知して予算を決定して、それに対して日本は幾ら、ロシアは幾ら、ここが均等なら均等でもいいですし、例えば現在財政状態の非常に苦しい国であれば、じゃ日本の三分の一でいいです、あと三分の二は日本が出しましょう。これはさまざまな問題があると言われているODAにかわるぐらいの国際協力、国際貢献になるものでありますが、とにかくそこはそこで決めて、それでそこから予算を配分していく。その予算配分決定権について、IAEAと違う組織なんですから、同じ組織ならそれでいいですけれども、組織的にこうだというふうに決めてやっていくべきだ。 それから、進行してしまって、実際に実験炉をどこにつくるか決まっていないのですが、必ず前の晩あたりに比例代表の順位を決定するようなことが行われるのじゃないだろうかというふうな危惧がございますし、ここで言えなくて実はもう内々うちが権利をとっているのだということが、ないと思いますけれども、あってもいいような形で進行する。これは非常に人類にとっての貴重な先進的な技術とかエネルギーの問題について行われていることだということを認識していただければ、私は少しなあなあで進み過ぎているところがあるのではないだろうか。 日本がむしろ積極的に入って、それについてこういう方向で行こう、ごうしょう。それがもし失敗であれば、運営ですよ、次はこうしようというふうな、それも人類の遺産に残すべき格好でいくべきだと思っておりますけれども、これは御返答を大臣、お願いいたします。
○田中国務大臣 国際協力という問題につきましては、科学技術だけではなくて、あらゆる分野の問題についていろいろ困難やら矛盾が生じているというふうに私は一人の議員として認識をしております。 その判断されるときの経緯等につきましては今原子力局長から御説明を申し上げて、少し長口舌でお話し過ぎて申しわけなかったのですけれども、以後気をつけるように申しますが、熱が入っておりまして、あれだけ科技庁も頑張ってきたわけでございますからお許しいただきたいのですが、おっしゃったように、確かに国際貢献といいましてもそれぞれの国が、今時に東西冷戦がなくなってバランスが崩れてきておりますし、経済事情も違ってきています。 私は、科技庁長官になってからずっとずっと東海村へ行ってみたいと思っておりましたが、今月の末にやっと時間が設定できましたので行ってきまして、その進捗状況とか、それから現場の方々の意見というものはじかに聞いてきたいと思っております。世界情勢が不安定であればあるほど我が国の政権は安定化して、科学技術庁長官が少し責任を持った仕事ができるようにさせていただきたい、そういう環境づくりもぜひ栗本先生にもしていただきたいと思っていますし、次の委員会でまた御報告させていただきます。
○栗本委員 どうもありがとうございました。 世間を騒がせている某教団の疑似国家組織では、科学技術庁は科学技術省になっております。既に昇格しておりまして、文部省よりももっと研究自身の全体を仕切るような形になっています。そこだけはいいんじゃないだろうかというふうに考えております。 では、次の問題でございますが、SPring-8という放射光施設でございます。これも一個の大学、一個の民間の研究所等ではできないので国でという、これも賛成でございますが、できております。例えば姫路ですか、播磨ですね、できておるわけですが、これは、この研究という視点から再び申し上げますと、一個の大学でできない、もちろん一個の研究者、研究室なんかではできない。 東大の理学部の物理学の一つの研究室が年間の運営予算三百万円、この惨状をどうするんだということを私も言ってきたわけでございますか、それがたとえ十倍になっても全く手が出ないわけですから、したがって、これは国が現状では行っていく。それは賛成でございますが、この利用あるいはそれを建設する段階での、当然のことながら、そうした東大といえども国から見た場合には民間の研究者ですけれども、そうした学者、研究者が関心を持ってそれをどう使おうかというような場合に、どのような形でこれが連携がとれているか、その辺のところについての大ざっぱな比率、特に学者さんたちの、その辺も含めましてちょっとお伺いしたいと思います。
○工藤政府委員 お答え申し上げます。 今先生おっしゃいましたように、SPring-8は、まさにいかに広い範囲から有効に利用されるかということが一番大事なことでございまして、まだ建設中ではございますけれども、産学官の研究者から構成されます、利用のための、利用をいかにするかということを検討していくための団体がございまして、全国の大学約百校以上の研究者が参加しておりますが、全体で産学官のメンバー約九百名ぐらいおられます。その割合を申し上げますと、産が約二〇%、学が六〇%、それから官が二〇%ということで、大学が圧倒的なウエートを占めているところでございます。
○栗本委員 その九百人というのは、私は、この分野ということであればかなりの比率じゃないかというふうに考えておりますけれども、その方々を通じて、これは利用者ですね。他方でビームラインというのをつくって、それをどういう実験に使うかということによって若干、形が違ってきたり設計が違ってきたりするのですが、その選定あるいは設計、要するに選択ですね。その場合に、将来利用者が利用するわけですから、要望を具体的にどのような方法で取り入れているかについてお聞きしたいと思います。
○工藤政府委員 利用という面で、利用をいかに有効にするかということで、まず第一に、現在建設中でございますので、どういうビームラインを建設していくかという段階でございますけれども、これにつきましては、まず利用者に広く公募をしていろいろな提案をしていただく必要がございますので、主要な学会誌等にまず公募をいたします。そして、その公募が出てきたものを、これは産学官の専門家を集めましてビームライン検討委員会というものを構成いたしまして、ここで審議して選定していく。できるだけ公平なやり方をとりたいということでございます。 さらにその過程では、これはアメリカ、ヨーロッパでも並行してやっておりますので、海外の研究者、有識者にもその計画を送りましていろいろ御意見をいただく、レビューをするということでございます。 いずれにいたしましても、利用者の御意見を最大限公平に取り入れて進めていくことがかぎだと思っておりますので、そういう努力をしてまいりたいと思っております。
○栗本委員 ありがとうございました。 最大限それを取り入れていただくことがかぎだという話ですけれども、取り入れていただいたらもうかぎも何も、ドアがあいてしまっているというふうに思いますが、そういうことではなくて、もう少しお聞きしたいのは、では、そのビームラインをどうつくるか、どういう利用計画があるかということは、これは概念として、哲学として、国が民間あるいは大学の研究者にその便宜を供与しているということなのか、それとも国がこれを通じてこうした問題について研究を進め、補助し、それをリードしているというふうに考えていることなのか、そのどちらなのかについてひとつお伺いしたいのです。
○工藤政府委員 基本的な考え方としては、幅広く公開、開いて利用者の方に利用していただくという面が主な側面だと考えております。
○栗本委員 ありがとうございます。 それが私のこの質問を開始させていただいた最初の質問にかかわることなのでございますが、今の御答弁だと、要するに、あの近くに例えば姫路工業大学という工業大学に理学部があるという大学がございます。なかなか私は評価している大学ですけれども、しかし、当然あれは公立、県立の大学ですし、大型放射光施設なんかは単独でつくれない。だから、それをつくってあげて使わせてあげるというのはいいと思うのですけれども、それはむしろ半分ぐらいだ。だって全体的に、それはなぜ社会が必要としているんだ、税金を使って行うことですから。 また、実際には、研究という点からいってよりお金のかからない分野、イギリス経済史という名称をたまたま挙げましたけれども、ほかにもありますが、とりあえずそれを使わせていただければ、これは本だけでお金がかからないですよね。お金がかからないから要らないだろうという感じに実際にはなっている面がございます。 いささか、ある部分には国が補助し、ある部分には設備までつくって補助してやる、ある部分では、勝手に本を買え、その本代もありませんよ。某有名大学では、文科系の部分で、出張費等を含めて年間二十万円の研究費をもらっているという大学がございました。これは本当に大きな、物すごく大きな大学、有名な大学ですけれども、その不公平感が例えば研究者の側に出ている。 私は、その不公平感はわかるけれども、逆に、これは国にとって税金を使って行うべき研究だからというものがあるべきだ、そうじゃないものについては手を出すな。借款とかいう別の形で、研究補助というようなものを別の形でやる。つまり、この場合民営化ですけれども、すべきだというふうに考えているわけなのです。それについて、何といいますか、ちょっとこれはここで決定はできないと思いますが、そういう視点を、今の御答弁で全部抜けているような気がするので、ちょっとつけ足していただきたいと思います。
○工藤政府委員 お答え申し上げます。 非常に基本的な考え方にかかわる御質問がと思います。確かにこのSPring-8、大型放射光は、非常にすそ野の広い、非常に幅広い分野での研究に活用されて、しかもそれが次の時代の科学技術に対してブレークスルーしていける、そういう効果の大きな分野であると思っております。しかも非常にお金のかかる施設でございますので、そういういわば公益性の非常に高いものを国が建設をして、一定の料金は取るわけでございますけれども、広く産学官の研究者の方に利用していただく、そういう考え方に立っているかと思います。
○栗本委員 どうもちょっと不十分なあれでありますけれども、また後ほど多分調整の余地がある程度の御答弁と理解させていただいてやめさせていただきますが、最後に御要望をさせていただきます。 これは、例えば技術的な研究、一企業がやっている場合には、企業内発明はその研究者に属するのではなく、特許を取ったような場合には企業に属します。これと同じようなことがこうした問題に関して言えるのではないだろうか。ですから、特許ということではありませんが、特許が出る場合もあります。この場合、国に属するとまでは言いませんが、どういうレベルでやっていくのか。少なくとも最低限、研究成果の一般公開ということについては、必ず担保するような配慮をぜひとも科学技術庁においてしていただきたいというふうに思うわけであります。 と申しますのは、現実には成果が出ませんでしたが、実はこんな重要なものがあります、どこかほかのところに売ってしまいましょうということが今のシステムでは現実にできるからであります。したがいまして、産学官の官の二〇%というのは、ある種、研究コントロール的な、研究管理的な、研究行政的な部分で入っていただくということも重要だと思いますし、先ほど外部評価の中で外国の研究者とございました。これもいいと思いますけれども、日本でそうした研究マネジメントができていくような、それを官の方で配慮していただくような、予算等も配慮していただくような、そういったことをお願いして、時間が参りましたので質問を終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。
○上田(晃)委員長代理 藤村修君。
○藤村委員 新進党の藤村修でございます。科学技術委員会におきまして一般質疑ということで、科学技術全般にかかわる問題を初めての質問でもございますのでたくさんお伺いしたいと考えておりますが、時間の制限の中で簡潔にぜひ御答弁を願いたいと思います。 まず最初には、きょうの最初の原田委員からも御質問ございましたが、地震防災対策特別措置法というのが先ほど午前中の災害対策特別委員会で決まったようでございますし、今国会で決められるということになると思います。私自身は阪神の大阪の方でございまして、北大阪で吹田市というところでございます。ここも災害救助法が適用されまして、当時、この一月、本当に走り回ったり、そして情報収集をしている中で経験したのは、地震関係の予知の問題などの問い合わせで、国土地理院の地震予知連だとかあるいは文部省の測地学審議会だとか、そして科学技術庁へ聞いてみて、たらい回しをされた経験がございました。 この法律の中の目的の二つ目の大きな柱として、地震に関する調査研究の推進のための体制の整備、これが科技庁が中心になり今後行えるようになるのではないか、こういう理解をしておりますし、そのことで国土地理院の方からも御報告がありましたけれども、一部予知学会などの性急過ぎるのではないかというお声もあるようですが、私はこの際、やはり政治がむしろリーダーシップをとって、本当に今国会でちゃんと決めだということが非常に重要だし、大きな前進だと考えておりますので、大賛成でございます。 そういう意味では、この法案ができますと、科技庁長官、田中長官がこの推進本部の責任者になり、科技庁がその事務当局になるわけでございますので、その本部長になられる、法案ができてからの話でございますが、御所見をまずお伺いしたいと存じます。
○田中国務大臣 速やかに法案が成立しそうな方向になっていることも大変喜ばしいと思いますし、今先生からまた力強い御支援のお言葉をいただきまして、本当にありがたいと思っております。 中身等につきましては、先生もよく御存じでいらっしゃるわけでございますから繰り返しませんけれども、要するに、情報が今までばらばらだったものを一元化して、そして観測データやら研究成果というものを一元化していく、そして、いかにそれを機能して速やかに社会に情報を還元していくかということに目的は尽きると思います。要するに防災体制の強化でございます。 ですから、そういうことが今までおざなりになって、言葉が適切かどうかわかりませんが、そういうところがございましたけれども、やはり政治が機能し始めている、即応できる体制をつくろうとしているということは評価できますし、私どももまた先生方のお力をかりて、よい方向に牽引していきたいというふうに思います。
○藤村委員 御所見ありがとうございました。 この法律ができて、地元でこう変わったのだよということをぜひ早くにも説明をしたいと思います。つまり、この法案で今後地震予知など防災対策上で何が目玉になるのか、きょうまでの地震予知の関係でどういうふうに変わるのかという、ある程度短い言葉で、あるいは情報公開はどうするという、その辺のところを少し事務方の方から教えていただきたいと思います。
○沖村政府委員 現在の大臣に本部長を務めていただいております地震予知推進本部という機構がございますが、これに比べまして今回の法案でどういうところが変わったかということを簡単に御説明させていただきたいと思います。 まず、地震調査研究推進本部の所掌事務でございますが、基本的な総合的な施策を企画、立案できるということがございます。それから関係行政機関の予算を総合調整できる、それから具体的な観測計画を決めていくというようなことがございます。それから、先ほど大臣御説明いたしましたように、データにつきましてはここに集中をいたしまして、それを一元的に広報していくというようなスキームが法律ではっきりとしたということでございまして、こういう面につきまして、この法律に従って施策を充実してまいりたいというふうに考えております。
○藤村委員 わかりました。次の質問に移ります。高レベル放射性廃棄物の問題ということで、科技庁の関連でも非常に大きな部分を占める原子力エネルギーの問題関連でございます。 高レベル放射性廃棄物が四月末にフランスから、いろいろ報道された中で第一回目の輸送が終わりました。この問題はこの委員会でも、二月に、その輸送の前の段階で同僚委員からも情報公開の面での質問等々ございました。結果としては、ルートについては、輸送に責任を持つフランスなりイギリスなりとの折衝により非公開となったわけでございました。また、到着のときも若干のすったもんだがあったというふうに認識しておりますが、これら初回の返還輸送の反省点や次回への改善点をどうお考えなのか、御質問申し上げます。 〔上田(晃)委員長代理退席、委員長着席〕
○岡崎(俊)政府委員 先般の高レベル固化体の返還輸送に際しましては、基本的に、安全かつ確実に行うという観点から、日本、イギリス、フランスの三国間で慎重な準備を行いますとともに、国内外の理解を得ていくという観点から、安全性を中心としてできる限り情報は公開していく、あるいはそういった対外的な説明もできる限り関係者が挙げて行っていく、こういう中において先般輸送が無事終了いたしたものと認識しております。 しかしながら、先生御指摘のとおり、例えば輸送ルートが非公開とされたことに関連をいたしまして、輸送全般についての公開性についての疑問であるとか懸念であるとか、こういった観点を抱かれたこと、あるいは輸送の安全性であるとかあるいは最終処分の問題について必ずしも十分な理解が得られていなかったという点が確かにあろうかと思います。 いずれにしても、このような貴重な経験を踏まえまして、今後の輸送に当たりましては、もちろん安全の確保が第一でありますけれども、輸送はもとより、廃棄物問題全般について国民広く御理解をいただくような工夫であるとかさらなる努力を重ねながら、今後ともこの輸送が安全かつ円滑に行われるように努力をしてまいりたいと存じております。
○藤村委員 次に、もう二回目がひょっとしたら本年度内にも行われるかと考えられておりますが、輸送ルートの公表など公開の範囲を次も広げることができるのかどうか。今局長がおっしゃったとおり、姿勢として工夫と努力をする、それはわかります。当然そうしていただかないといけないのですが、私はイギリス、フランスと相談しなければならない点、理解いたします。 ただ、その際の日本の姿勢として、日本は主体的に公開をしますということははっきり常に主張していかないと、何となくそうでないみたいなところが隠密輸送みたいに受けとめられる。これはやはり一般にどう受けとめられるかということも、非常に重要な輸送でございますし、その点、日本の姿勢をはっきりさせることで胸を張ってやっていけるのではないかと思いますが、いかがでございましょう。
○田中国務大臣 輸送につきましては、おっしゃる御趣旨は大変よくわかっておりますし、私どもが情報公開をしたいというそういうスタンスも理解はされておりますのですが、基本的には、国内で処理ができませんで、御案内のとおりフランスに依頼をしてイギリスの船会社に輸送を依頼しているわけでございますから、そうしたチームといいますかチームワークといいますか、そういう中でのお立場もお互いに相互互恵でいかなければならないわけです。ですから、私どものスタンスははっきりいたしておりますけれども、やはりそういう事情があるということも御理解いただきたいというふうに思います。
○藤村委員 理解いたします。 つい先週のことでございまして、この委員会から動燃の東海事業所を視察に行かせていただきました。このときの印象で、地層処分基盤研究施設、これも見せていただいて、地下一千メーターにいわゆるガラス固化体という廃棄物を最終的にはおさめるようにする研究を今からやるのだということでございました。これは、昨年五十嵐官房長官の発言で本委員会でも取り上げられたことでございましたが、北海道の幌延である意味では積極的誘致が起こっているという高レベル放射性廃棄物貯蔵研究施設の問題でございます。 今回、四月の統一地方選が終わりまして北海道知事も新しくなったことから、立地交渉に新しく取り組む必要があると考えます。いわゆる貯蔵工学センターでございますが、現時点での科技庁の考え方をお伺いしたいと思います。すなわち、このセンターの建設について北海道が候補に上がっておったが、どういうやり方で持っていくのかなと計画の見直しは昨年どことしで変わってきたのかどうか、あるいは誘致に熱心な幌延町あるいは北海道と本腰の交渉をもう早急にでもやろうというのかどうか、あるいは地元では研究施設だけの先行着工などの声があるようですが、これに対して今の時点ではどうお考えなのか、お伺いしたいと思います。
○岡崎(俊)政府委員 御指摘の高レベル廃棄物の処分の問題、いわゆる最終処分の問題につきましては、まさに原子力開発利用を進める上に当たっての大変重要な課題であるし、先般の返還輸送に関連しても、いろいろなこの問題に対する国民の解決への期待あるいはそういう問題提起というものがあったわけでございます。我々も十分その辺を認識しながらこの問題に鋭意取り組んでいきたいと思っております。 具体的には、この高レベル廃棄物の処分問題を安全かつ適切に行っていくためには、何よりもまず研究開発を進め、地層処分が十分安全に行えるということを実証し、あるいは確認をしていくことが大変大事だろうと思います。そういう観点からこの貯蔵工学センターというものは大変重要なプロジェクトである、このように位置づけておるわけでございます。 今先生も御指摘いただきましたように、この貯蔵工学センターに関しましてはいろいろな御意見をいただいております。御指摘のとおり、北海道の堀新知事も誕生されたわけでございます。したがって、今にも増して幅広い立場の方々との対話を図りながら、幌延町を中心とします地元の方々あるいは北海道全体の方々、こういった方々の理解と協力が得られるように関係機関挙げてこの問題について取り組んでいきたい、こう思っております。 それから、先生から先行着工という案についても御指摘がございました。もちろんそういった意見についで、あるということも我々は承知をしておりますけれども、この貯蔵工学センターと申しますのは、深地層の研究開発を行うとともに、あわせて高レベル廃棄物の貯蔵あるいは関連する放射線であるとか熱であるとか、こういった利用の研究を行ういわゆる廃棄物の総合研究センターとして位置づけられておるところでございます。したがって、この総合センターを効果的に進めるためにも、人材とかその機能を一体的に運用していくということが大変大事なことだろうと思っております。 また、今後いろいろな新しい視点も加味をしながら、先ほど申し上げたとおり幅広い立場の方々からも御意見をいただきながら、何とかこの計画が全体としてうまく進められるように努めていきたい、このように思っております。
○藤村委員 全体的には話はわかったのですが、幌延のことについて、いよいよ本腰を入れてやるのかどうかというあたりを簡潔にどうぞ。
○田中国務大臣 きょうは幌延の上山町長さん以下皆様も傍聴に来ていただいておりますし、一言発言をさせていただきたいと思います。 私は、一年間、科技庁長官にさせていただいてこの問題をずっと見ていまして一番感じることは、原点が忘れ去られて、どうも政治向きな、町長さんの選挙がどうであるとか、道知事さんの選挙がどうであるとか、その地域の出身の議員さんの都合でありますとか、そういうことがいつもいつも前面に出てきてしまっていまして、原子力の政策というものがどうあるべきか、高レベルの廃棄物の問題はどうあるべきか、それから貯蔵工学センターというものをつくるに当たっては、深地層処分の安全性ということについて科学的に、客観的に確認をしていく、そしてそういうことを国民、我々一人一人がしっかりと情報を正確に得て、判断をして決断をしていく、その決断をしていくのが政治家だと思うのですね。 ところが、いつもいつも不安定政権でして、幌延町長さんは安定政権でいらっしゃるから御同慶にたえませんけれども、それでも、この間来られたのですが、反対派がわっと来られると賛成派がわっと来て、アクセルとブレーキをしょっちゅう交互に踏んでいまして、その地域もローカルな意味ではアクセルとブレーキ、北海道においてもアクセルとブレーキ、中央においてもそうなんですね。そういうことで決めてはならないと私は思っております。 ですが、決めなければならないこともありますし、今先生がおっしゃったように研究施設としてスタートするという方法もあると思いますし、いずれかのときにもう少し集中的に、私もこの問題、大変関心事でございますので、現場も本当は見たいと思っておりますし、あらゆる衆知を集めて、そして適切な時期に判断はしなければならないと思っております。
○藤村委員 私、田中長官の今の御意見に全く賛成でございます。つまり、地元誘致がどうという問題ではない。ちょっと教えていただいたところ、いわゆる使用済み核燃料の累積発生量、これは原子力開発利用長期計画に基づいて試算されておりますが、二〇〇〇年までに約一八万トンですね。一トンが多分ガラス固化体一個になるようですから一・八万個、二〇三〇年ごろにこれが五万とかそういう数になってくる。 私も先週見学させていただいたのは、地下一千メーターに掘って、約五万個を収納するわけですから、二〇三〇年ぐらいをターゲットに考えて進めておる研究だと思います。二〇三〇年というと先のことのようですが、しかしもう三十何年後で、その時点できっちり安全性が確保されて、そこへおさめられるということをそれまでにちゃんと研究を完成させないといけないわけでありますから、余り先のことと言わずに、これは本当に今から研究体制を整える必要があるし、のんきに構えていられないと思います。 ただ、この問題は、例えば幌延やあるいはほかの問題では六ケ所とか、そういう地元と電力会社あるいは日本原燃との間では種々議論があるのですが、どうもまだまだ国民レベルの議論になっていないというのが正直なところだと思います。長官が所信で述べられておりますとおり、「情報の公開、透明性の向上に努めつつ、国内外の理解を得ながら、核燃料リサイクルの着実な展開とバックエンドに取り組む。という姿勢を具体的に示すためにも、単なる一地域の問題ではなしに、これは日本国じゅう国民的論議を起こしていただくということが必要だと思いますが、この点についていかがでございましょうか。
○田中国務大臣 全く先生のおっしゃるとおりでございますし、その方向づけをしていきたいと思います。
○藤村委員 ありがとうございます。ちょっと聞きたいことがまだございますので、次に移ります。 いわゆるプルサーマル計画ということでございますが、四月の未の新聞報道で、一面の記事で大きく、電気事業連合会が原発にプルトニウム混合燃料のプルサーマル導入を五月の連休明けにも原発所在の地元に申し入れをするような動きがあるという報道があって、さらに具体的には、東電が福島と柏崎、関電は高浜、そして中部電力は浜岡、日本原発は敦賀などの地名まで出ておりました。 まず、このプルサーマル計画が日本のプルトニウム利用にとって当面の大きな問題だと私は考えておりますが、どうもまだまだ聞きなれない言葉でございますし、そして少し説明を受けますと、今度は普通の原子炉でプルトニウムの混合燃料を燃やすことへの不安がやはりちょっと高まってくる。そういう意味では十分に国民的理解を得ているというところにはまだ達していないと思います。短くで結構でございますが、科学技術庁としてのプルサーマル計画に対しての考え方、そして特に周知徹底の面で電力会社をどう指導するかなど、お考えをお聞かせ願いたいと思います。
○岡崎(俊)政府委員 御指摘のプルトニウムを軽水炉で利用してまいりますプルサーマル計画というのは、我が国の今後の核燃料リサイクル計画を進める上に当たっての当面する大変重要な課題であろうと思います。 具体的なプルサーマル計画の進め方につきましては、基本的には、昨年原子力委員会がまとめました長期計画におきまして、二〇〇〇年ごろには十基程度のプルサーマル計画を計画的かつ弾力的に広げていく、こういう計画を立てておるわけでございまして、この方針を受けまして、現在各電気事業者が具体的にこのプルトニウム燃料を装荷する炉をどうするか、その時期をどうするかということについて慎重に検討をされていると承知しておりますけれども、またそれを決定したとかあるいは地元に申し入れるという、そういう段階ではないと承知しております。 先生御指摘のとおり、このプルサーマルにつきまして、必ずしもまだ地元の方々、あるいは広く国民の十分な理解を得られていないという点も確かに御指摘のとおりであります。ただし、現在の軽水炉におきましても、このプルトニウムというのは現実に発電所の中で燃料として燃えているわけでございますし、過去において国内あるいは国外においてのいろいろな実証のデータもございます。こういった点について、この安全性を中心として広くまず理解を求めるという努力は何よりも大切だと思います。 電力会社だけではなく研究開発機関あるいは国も、このプルサーマル計画について、あるいはその安全性について、十分理解が得られるように努力をしていくべきだと思っております。
○藤村委員 日本の原子炉で、結局プルサーマルというのは、プルトニウムの廃棄物とウランをまぜて再度使えるという意味では非常に画期的だと思うのですね。ですから、その辺がちょっと難し過ぎるのかもしれません。ただ、日本のエネルギー問題等の将来を考えると、そういう非常に画期的なことを今考えているし、それをもうぼちぼち実現しようとしているということでございますので、これはぜひとも、一方で国際的にもいろいろな公約をされておりますが、むしろ国内的にきっちり周知徹底をするといいますか、国民の理解を得ながらやっていくことは当然のことではございますが、その努力を積極的にお願いを申し上げたいということでございます。 特に、プルトニウムというとすぐに核兵器みたいなアレルギーが当然出てきますし、一方で、日本は高速増殖炉とプルサーマルを利用してプルトニウムの余剰を持たないというのが国際公約でもある。つまり、日本には余分なプルトニウムはないですよ、そのためにやはりこれが必要なのだということも理解をしていただくように努力をお願いしたいと申し上げる次第でございます。 田中長官もいつも原子力の安全をおっしゃっておりますし、私としては、まだまだこのプルサーマルの理解が足りないし、その点ではまだ科技庁の努力も必要であると考えておりますし、一方、また原子力委員会などでもこれはやはりきっちり議論をしていただかないといけないわけです。この辺のこと、中身は二つございましたが、まず長官にその努力をするというかその辺の御所見と、それから原子力委員会での議論のことを少し教えていただきたいと思います。
○田中国務大臣 データ的に申しますと、フランスやドイツを中心といたしまして千体を超える装荷実績というものがありまして、軽水炉におけるプルトニウムの利用というものが技術的に何ら問題がないということは証明されているわけでございまして、そういう認識のもとにMOX燃料の使用ということを考えております。 先生御指摘のように、確かに画期的なことではありますけれども、そのことを一般に御理解いただくような広報活動というものが確かに欠落していると思います。どうも違う方の議論に行くことを少しいつも、科技庁もこれは心しなければいけないのですけれども、正論を堂々と言って、何度も何度も議論をして御理解いただくという努力ではなくて、違う方に行くといけないという、少し憶病になっているところもあるかと思いますので、建設的なことでもございますので、そういう努力をしたいというふうに思っております。 別のお尋ねにつきましては、局長の方から御答弁申し上げます。
○笹谷政府委員 お答えいたします。 先生御質問のプルサーマルについての委員会の議論でございますが、原子力安全委員会において、原子力委員会の長期計画で提唱されております軽水炉によるプルトニウムの利用、こういうものにつきましての安全性についての議論を始めております。これはもう昨年から始めておりまして、現在専門部会で鋭意進めているわけでございます。 具体的にどういうことを議論しているかと申し上げますと、このプルトニウム利用につきましては、日本が計画しているものは、日本ばかりじゃなくて、既に諸外国でも先生御承知のとおり実施されているものでございます。我が国の計画もそういうような国際的な動向を踏まえて実施しているものでございまして、その前提となりますのは、燃料を三分の一程度までMOX燃料に置きかえて使用する場合、こういうことで安全性について検討してございます。 具体的には、炉心、核設計、あるいはこれまでの使用実績、また燃焼後の試験結果、さらには安全評価、こういうものについて、具体的に安全上特段の問題がないかどうかということについて昨年来ずっと検討しておりまして、近々この専門部会の報告を安全委員会に上げましてまとめることになっております。 いずれにしましても、こういうことで安全委員会で今慎重に検討しているわけでございますが、この検討はMOX燃料の実用化に先立ちまして審査の指標を作成するという観点から実施しているものでございまして、実際に原子力発電所においてこの燃料が採用される場合には、各原子炉ごとに事業者から申請が出てまいります段階で個別にその安全性を検討すること、このようになってございます。
○藤村委員 ありがとうございました。 質問は、また次の項目に移させていただきます。 宇宙保険の問題でございます。 この委員会でもきょうまでも取り上げられておりましたきく六号のことで、場合によっては衛星打ち上げに保険を掛けた方がよいと思われるケースがあると考えられると、ややこしいですが、保険のことを考えましょうという話が出てきまして、そして新聞の報道では、四月二十日の記事ですが、「宇宙開発委員会は国の衛星打ち上げには損害賠償保険をかけないという従来の方針を見直す」ということで、この開発委員会の委員長は田中長官でもございますが、そういう記事がございました。 さらに、宇宙保険問題等懇談会設置ということで懇談会ができたということでございますが、まずこの懇談会設置の目的と、それから五月にも二回ほど会議があったということでございますので、その審議の進展というか概要を御説明願いたいと思います。
○田中国務大臣 あの会を設置いたしました趣旨は、まさしくここしばらく委員会できく六号のことがございましてから保険についてのお尋ねが衆参両院で頻繁にございまして、それを受けでこのような会を設けたわけでございます。 そして現在は、具体的には五月の九日と二十二日の二回にわたって会議がされました。九日の日には、現況について、それから保険の種類にどういうものがあるかということについての議論がなされまして、そして二回目は、関係省庁と、それからNASDAから意見を聞いたそうでございます。次は、六月の二十一日に、郵政省等も入っていただきまして具体的に話を詰めるというふうに聞いております。 これが具体的な今の進捗状況でございますが、私の個人的な保険についての考えを申し上げさせていただくといたしますと、国のものにつきましては基本的には保険を掛けないという方向であったことは十二分にわかっておりますが、きく六号だけではなくて、今後の宇宙開発ということの展望を考えますときに、やはりリスクというものが非常にありますし、今は無人ではありますけれども、いろいろな将来的な展望を考えましたら、新しい技術を導入するもの、初めての試みのものでありますとか大規模プロジェクトの場合には、やはり保険というものを掛けることは私は必要だと思います。その理由は、国民の血税を使わせていただいて実験をするわけでございますので、それは新しい時代に即応して、発想として十二分に検討していくべきであろうというふうに考えております。
○藤村委員 過去にも、結局きょうまではとにかく国のもの、国が保有する船舶とか自動車にも保険が掛かっていなかったということを私も聞きまして、その点でいろいろ考えているところで、一概に今長官のおっしゃった、今後すべてのケースで保険を掛けるべきかどうかというのはまだちょっと考えを、懇談会もやっておりますし、詰める必要があるかと思います。 では、きょうまで聞いております範囲では、宇宙開発事業団の衛星三十六機の中で、原則として掛けないと言いながら実は十一機に掛けているので、これは原則として掛けないということではないように思いまして、その十一機を掛けているケースでございます。どのくらい、どういうことのために保険料を払って、結果、きょうまでのところではどういうことであったのか、概要につきまして教えていただきたいと思います。
○沖村政府委員 御指摘のとおり、三十六機宇宙開発事業団が打ち上げましたうち、十一機の衛星につきまして保険を掛けた実績がございます。 この考え方でございますが、三つございまして、一点は、初期のころでありますけれども、米国のロケットで衛星を打ち上げていただいたことがあります。その当時、米国の要請に基づきまして保険を掛けた場合がある、それが第一点でございます。それから二点目でございますが、業務を行っている衛星につきまして、仮に失敗しました場合に、すぐに打ち上げなければいけないという場合に、早急な資金手当てをするために保険を掛けたという例がございます。それから三点目は、宇宙開発事業団と民間、これはNTTとかNHK等もございますが、そういう民間と一緒に開発をしている際に、先方の要請に基づきまして保険を掛けたという例がございます。 御質問の金額の点でございますが、保険料は、衛星の技術的な内容、あるいは保険を掛けたときの世界の情勢等によりまして保険料金が異なっておりまして、今まで一番安かった例が約二億円でございます。一番高かった例が五十億円。これは昭和六十一年に上げました「ゆり」という衛星でございますが、このときは約三割の保険料ということになっております。五十億円でございます。合計をいたしまして、これまで支払いました金額が百三十九億円でございます。 一方、受け取りました金額は、不具合のございました「あやめ」という衛星、それからゆり三号aという衛星のいただいた保険金、それから、無事故であった場合に払い戻しか若干参りますので、それを含めまして、受け取りました保険金の総額は六十八億円ということでございます。
○藤村委員 単純にきょうまでの範囲では、保険を掛けた総額でいうと百三十九億ですね、保険料を支払った。基本的には事故がないものですから、結局保険金の受け取りというのは、返戻金なども入れて六十八億あった。そうすると、きょうまでのことについていえば、掛けなかった方が安くついたんではないか、こういう話になりますよね。 ここはだから難しいところでございまして、やはり今懇談会で議論されているのは、今後どういう考え方で、どういう部分に保険を掛けるか。先ほど局長の方から保険を掛けた考え方を三つほど教えていただいたわけでございますが、この三つだけでいいかどうかというところでしょうね。さらに、私自身は、田中長官はさっき、基本的には掛けるべきだというお考えをちょっと示していただきましたが、丸々掛けるというのは考え方としてちょっと違うんじゃないかと思うのです。 例えば、これはちょっと話が違いますが、銀行というものはみんなが安心してお金を預けます。しかし一方で、この前の東京信組の問題では、銀行が大変なことになったときにいわば国がそこで救済に出てきて、つまり、銀行の最後の頼みとして国が補てんするみたいなものである。保険会社も同じだと思うのですね。やはり国というものは、一番国民がそこに最終的なよりどころというか、最終的な責任、信頼を置く。つまり、国家がそうでなければならないと思います。 だから、今保険の発想が出てきたのは、どうも国が足りないからという、そういうところにつながってきはしないだろうか。つまり、国はみずから特に研究開発、新しいことをやる、大きな投資をする。しかし、それでもし全部パアになっても、それは国というものがある意味でみんなの、国民の意思のもとにやっている。研究は失敗することはあるわけですから、それがだめだったということが皆さんにうまく理解されればいいわけであって、それはやはり国に対する国民の信頼性の問題だと思うのです。 だから、今後の研究開発、特に大きなものには必ず掛けるという発想は出てこないのではないか。もちろん懇談会で先ほどの幾つかの、こういうときには掛けるべきであるとか、こういう問題については掛けるべきであると考えるとしても、基本的に国が何か研究開発することに対しても保険を掛けるというのは、そうすると一体国は何かという、一反間企業に成り下がりはしないかなという考えを私も持っておりまして、その点ちょっと議論のあるところでございますので、長官もぜひお話しをいただきたいと思います。
○田中国務大臣 私の先ほどの発言が舌足らずで、誤解をされているようでございますが、私は、保険をすべてに掛ければいいなんて申し上げておりません。特殊な大型プロジェクトであるとか、それから特別な特殊な研究開発、新しいものであるとかいうときには十二分に議論をした方がよろしいということを申し上げたわけでございまして、今もプラスマイナス結局七十一の出が多くなっているわけでございますから、結果的にうまく成功すればむだだったと。保険というものはそういうものだと思うのですけれども、しかし、何かが起こったとき、殊に有人というようなことを考えた場合に、やはり保険ということを新しい発想の中に組み込んで議論をしていくべきではないかということを申し上げたわけでございます。
○藤村委員 私もそういうふうに考えます。三十六機で十一機掛けていた、掛けた理由はこうこうこういうことであった。百三十九億払って六十八億しか返ってこなかったと考えるよりは、むしろ六十八億も返ってきたんだというとらえ方で、保険というのはそんなに返ってくるものじゃありませんしね。 ただ、おっしゃるとおり、何もかもに掛けるとか、すべてに掛けるという発想はまずないと思います。やはりこの懇談会で、今後の開発の中でどういうときにはここの部分にこういうふうに掛けるという指針をきっちり出していただくことが、この懇談会にお願いをしたい点でございます。 それでは、もう時間も終わりに近いのですが、冒頭の地震防災対策特別措置法につきましては、何とか議員立法でこの国会を通過する見込みでございますが、我々もう一つ、科学技術基本法というものも与野党間でも詰めながら、きょうまでなかったことがむしろ私自身は意外に思いました。科学技術を振興していく、あるいは将来日本も科学技術立国であるということは長年言われてきたことで、その基本の法律がなかったというのも非常に不思議な話でございます。 議論をする中で、何か大分妥協的な法案にはなってきたけれども、とにかくつくりたいという意思でずっと続けてまいりましたが、残念ながらどうも物理的にこの国会に間に合わないようなぐあいでございます。非常に残念なことではございますが、こういう法案、だからさらに次の国会でも挑戦するわけでございますので、ぜひどんな法案にするべきかという科技庁の立場での御希望といいますか、また田中長官の御所見を伺っておきたいと存じます。
○田中国務大臣 これは私が伺っている範囲では、昨年の六月から尾身幸次先生を中心として大変力強く推進していらっしゃって、科学技術政策の基本的な欠落部分といいますか、そういうものを法制的に整えていこうという御努力でありましたし、たくさんの議論をしていただいて、結果ここまで来ましたのに、今国会には問に合わなくなってしまったということは残念でございますけれども、中身から見ましても、法令に基づいて基本方針と計画というものを策定するとか、基盤を整備をする、それから資金の確保等についても、長期的な展望でしっかり確立していきたいというふうな大局的なものが盛り込まれているというふうに承知しておりますので、早期に御議論いただいて成立してほしいというふうに思っております。
○藤村委員 ありがとうございました。 予想以上に長官の方からたくさんの御回答をいただきました。初めての質問でございましたが、また引き続き御指導のほどお願い申し上げます。どうもありがとうございました。
○野呂委員長 笹木竜三君。
○笹木委員 新進党の笹木竜三です。短い時間ですけれども、大きく二点について質問をさせていただきたいと思います。 一点は、地震の際の初期被害の把握についていろいろ積極的に新しい試みをやっておられるわけですけれども、その点についてもう一点は、原子力発電所の耐震あるいは防災上の問題について、その二点についてお聞きをしたいと思います。 まず第一点目、地震の際の初期被害の把握に向けて、例えば強震計も年度内に千カ所科技庁が観測網を整備する、そういった計画も最近出されております。こういった動きについて、まず現状を御説明いただきたいと思います。
○沖村政府委員 ただいま先生御指摘ございましたように、本年度の補正で、防災科学技術研究所におきまして全国に強震計を干台設置をいたしまして、このデータにつきましてはオープンにいたしまして、防災側といいますか、そちらの方に利用していただくということにしたいというふうに考えております。また、地震予知推進本部におきまして、これは大臣が関係大臣に了解をとっていただきまして、強い御指示がございまして、四月二十五日に地震予知推進本部を開催、決定させていただいております。 その中に、オンラインによる気象庁への観測データの集中、それからあるいは観測データ、研究成果、そういったものにつきましてはデータベース化を図りまして、これは既にインターネットを通じていろいろなところに配付をさせていただいておりますが、そういうこともこれから事務的、技術的な準備を今進めさせていただいております。このデータにつきましても、関係省庁の了解でございますが、極力オープンにするということにいたしておりまして、こういうことを防災側に役立てていただくように、きめの細かい対応をしてまいりたいというふうに思っております。
○笹木委員 この事業についてなのですけれども、今までに比べて、例えば具体的に言いますと、災害が起こった、地震が起こった場合に、初期の被害の把握において具体的にはどういう点でメリットが出てくるのかということについても御説明をいただきたいと思います。 さらに、この千カ所観測網を整備して、さらに気象庁に情報を集中する、さらにインターネット等で情報をオープンにする、こういった事業については今後さらにどのような計画が今つくられようとしているのか、そういった点についても御説明をいただきたいと思います。
○沖村政府委員 現状でございますが、先ほどから大臣が申し上げていますように、今まで比較的この種のデータにつきましては各省利用し合う体制になっていなかったということで、今御説明しましたような、利用体制をきめ細かくこれからこの推進本部あるいは今度できます本部におきまして施策を進めてまいりたいと思います。 先生の御質問の趣旨のもう一つは、今度の補正予算におきまして、国土庁が地震防災情報システムというものの予算をとって、その実施に移そうとしております。 このシステムは、地図データをコンピューターに移しまして、それに災害被害想定地図の作成でございますとか、震災の状況を早期に把握する、あるいは復旧計画の策定を支援するといったいろいろなデータをこの地図の上に盛り込みまして、総合的に防災対策に役立てようという施策でございますが、この施策の前提といたしましては、地震情報というものをインプットしなければいけませんので、この点につきまして、先ほど申し上げました強震計のデータあるいは地震推本でこれから各省まとめますデータをここに入れまして、この施策が有効に動くように国土庁に協力してまいりたいというふうに思っております。
○笹木委員 地震が起こった後で何度か大臣にも質問させていただきました。その中で、予知、これはもちろん大事なのだけれども、災害が起こったときになるべく早く被害を把握してそれに対処する、そのことが必要なのだということを何度も主張されておられます。そういった御意見の中でこういった事業が始まっているのだと理解します。非常にいいことだと思うわけです。 今、国土庁のDIS、地震防災情報システム、その前提として今言った観測網の整備もあるのだというお話、そのとおりだと思うわけですけれども、具体的にそういった国土庁の例えは地理情報ですとかを入力をして、コンピューターで見られるようにすることがねらいだと思うわけですけれども、それとこの観測網のデータ、これが連携をとって、いざ起こったときに、例えばコンピューター上でここら辺が大体被害が大きいだろうとか、そういったことがわかるようなシステムにするのが最大の最終の目的かと思います。そういったシステムに向けて、今後具体的に国土庁あるいは気象庁と協力して、相互に一緒になって初期被害の把握を例えばコンピューターの画面上で見られるようにする。 これはアメリカですけれども、例えば地盤の関係、建物の関係で、どこが震度が高かった場合にどこが被害が大きくなるかという図ですね。あるいはこれは、医療機関ですとか防災関係の施設がどこにあるか、そういったものが入力されている。こういったものが全部組み合わさっていって、さらにこの科技庁の地震についてのデータも組み合わさっていって、図面上でなるべく早く、できれば一時間以内ですとか三十分以内ですとか、初期被害を想定できる、そういったシステムの完成が望まれるわけですけれども、そういった動きに向けての国土庁あるいは気象庁との連携を今後どういうふうになさっていくのか、御説明いただきたいと思いますのできればタイムスケジュールというか、どのくらいの期間でということもお願いしたいと思います。
○沖村政府委員 具体的な月日ということまではまいりませんけれども、データの集中につきましては、既に方向としては、大臣の御指導で関係省庁了解をとっていただきまして、集中して提供する、社会に還元するということについては方向としては了解しておりまして、それにつきましては現在研究者レベルで、どの範囲のデータを集めたらいいか、どういうふうに分担していったらいいかというような技術的な詰めを行っておりますので、そのシステムの考え方がはっきりいたしましたならば、とにかく来年の予算要求前までにはきちんと考え方をはっきりして、予算要求に向けていきたいというふうに考えているわけでございます。 また、その際には、もちろん国土庁にもこの地震調査研究推進本部のメンバーに入っていただいておりますので、国土庁、防災側にどういう形でどういうような情報を提供していくかということも、この政策委員会等で議論をいたしまして詰めてまいりたいというふうに思っております。
○田中国務大臣 笹木先生の御指摘なすったことは、私も本当にまさしくそれが、情報一元化という言葉で言っていますけれども、個別にやったものをどうやって機能させていくのかな、現実にやったときが本当にすごい地震だったということでは困るわけでして、そこをいつも私も個人的に心配をしているところでございますので、願わくば早くそういう打ち合わせ段階をクリアして、シミュレーションといいますか、実際に実動体制をとってやってみるというふうなことも可能ではないかと思ったりしております。
○笹木委員 非常にもういい動きで大歓迎なのですけれども、かってあの地震の直後、防災のいろいろな施策を調べさせていただいたわけですけれども、昨年度で九千六百億円ですか、そのくらい使っているにもかかわらず、非常に各省庁がばらばらの施策を以前はやっていたように思います。こういったシステムが縦割りじゃなくて、お互いにデータを持ち寄って総合的なシステムになるように、ぜひ長官のリーダーシップをお願いしたいと思います。 さらに、民間との連携ということなのです。データをインターネットとかに提供するということで民間は見られるわけですけれども、それ以外の連携というか、インターネットに提供する以外の、例えば日常いろいろな小さい地震もございます。そのときに、ガス会社ですとか電力会社ですとか、あるいは交通関係の会社あるいはNTT等は、みずからそういったシステムを持って、いろいろデータを読み取ることにもなれていると思うわけですけれども、そういった民間との、データを提供するということだけじゃなくて、災害が起こったときに連絡をやりとりし合って、早くお互いに協調行動をとれるような連携あるいはトレーニングといいますか日常からの訓練、そういった計画はないのか、お答えいただきたいと思います。
○沖村政府委員 防災対策という面では、基本的には国土庁がいろいろお考えになるということだと思いますけれども、私どもとしましては、先ほど御説明しましたような地震に関する各データ、これにつきまして、現在はそういう電力とかガス会社等につきましてインターネットを通じて配るということでございますけれども、積極的にどういうふうに利用していただけるか、少し勉強してみたいというふうに思います。
○笹木委員 私も驚いたのですけれども、阪神・淡路大震災が起こった後で、こういった先ほどから紹介されているアメリカのシステム、これの先進地などの視察を非常に民間が早くおやりになっている、建設会社ですとかガス会社ですとか電力会社。データをもちろんたくさん国が持っていますし、これから非常にたくさんのデータが集中されると思うわけですけれども、提供するという姿勢だけじゃなくて、ぜひそのデータの読み込み方ですとかそれに対する対応の仕方、いろいろなマニュアル、日常の訓練、そういったことは案外民間が非常に進んでいる面もあると思うわけです。 ぜひ日常から政府系の研究機関ですとか防災機関も民間との積極的な交流、情報の交換、むしろ民間に習うといった姿勢もあっていいと思うわけですけれども、そのことについて大臣の御意見を伺いたいと思います。
○田中国務大臣 いい御指摘だと思います。 数日前に実は磯子にあります東芝に行ってまいりまして、原子力施設、機器を製造していらっしゃるところを拝見し、また若い現場の方たちと、学者ですけれども議論をさせていただきましたが、大変原子力政策一つとりましても意識が高いのですね。 そして、高レベル廃棄物はどうあるべきか、ただ地下埋設すればいい、貯蔵工学センターに置けばいいということではなくて、こういうものの放射線を半減化するためには、加速するにはどうすればいいか、女性ですけれどもそういう研究をしている方とか、いろいろな角度から、企業というものはいろいろな人材を集めて、たくさん資金を投入して前向きにやっているのですね。 私がそこで言った結論、感想は、何て国権とか国は動きが遅いか、古めかしいことをやっているか。やはり民間に、民に学ぶべきなのですね。そのことを本当に私もぜひ役所の幹部にも言いたいじ、ほかの議員さんたちにも申し上げたいというふうに思っておりますけれども、これが原点だと思います。それはコストのことを考えていますし、時間の中でいいものをつくろうと、いろいろなライバルの中で生きているわけですね、民間は、特にメーカーはですね。 それが官という中の人間にはないということが、これが物を動かなくしていますから、この情報の一元化なんという言葉だけの遊びではなくて、実際に機能しなければしょうがないわけです。お料理も、つくり方ばかりABC言っていても、手順をやっても、やってみたらやけどをするかもしれないし、材料が足らないかもしれませんから、やってみる。そうしたら何が足りないかということをまさしくやるべきだというふうに思っておりますから、そのためにも民間から学ぶことは大きいというふうに考えます。
○笹木委員 ぜひそのことをお願いしたいと思います。このシステムがうまくいくかどうかは民間との連携にかかっているんじゃないかと考えますので、よろしくお願いします。 二つ目の質問で、原子力発電所の耐震、防災についてなのですけれども、阪神の地震があった後で、具体的に既存の原子力発電所の耐震、安全性の問題あるいは防災の問題についてどのような検討がなされてきたのか、現状についてまず御説明をいただきたいと思います。
○笹谷政府委員 お答え申し上げます。 阪神大震災を受けまして、まず原子力施設の耐震のこれまでの設計上の考え方、こういうものについて教訓とするべきことがないかどうかということを検討するために、原子力安全委員会に耐震検討会を設けまして、鋭意これまで四回になりますが検討を続けてきております。 また、防災につきましても、国会、先生からもいろいろ御指摘いただいておりますので、私どもこれも安全委員会に防災対策専門部会、具体的にはワーキンググループをつくりまして検討しております。 大まかに申し上げますとそういう検討をしてございますが、もしお時間よろしければ、少し具体的に検討状況を御説明させていただいてよろしゅうございましょうか。
○笹木委員 時間が余りありませんので、特に防災の点について。耐震設計、耐震構造とか安全性についてはなかなか結論が出ていないというふうに聞いておりますので、防災の面については検討項目でも結構です、どのようなことが出ているのかということを御説明いただきたいと思います。
○笹谷政府委員 原子力防災につきましては、阪神の大震災を受けましていろいろな面で教訓とすべきところがございます。まず、現在原子力防災上、今回の阪神大震災でどのような問題点があったのか、こういう情報収集を早速行いました。これが第一点でございます。 それから、あわせて現在原子力立地県における原子力防災に関する問題意識あるいは現状、こういうものにつきましても、早速担当官を派遣いたしまして調査をいたしております。例えば、国会等でいろいろ御指摘いただいているような点を勘案しまして、除染施設とかあるいは防災資機材の整備状況、あるいは初動態勢、また沃素剤の配備状況、それからその分配、そういうものについての考え方、あるいは防災訓練、そういうもろもろのことにつきまして阪神大震災のもたらした問題点といいますか、それを原子力防災に投影いたして改善すべき検討を行っているというのが現状でございます。 具体的な例として沃素剤等についてどういう検討をしているかと申し上げますと、まず備蓄管理体制については、今回の阪神の大震災の経験にかんがみまして、現在の備蓄の考え方が妥当なものであるかどうか、適切な配布が迅速にできるかどうか、こういうような観点から、学校への分散配備はどうか、あるいは個人への配布というものがどうかというようなことにつきまして、例えば学校でございますと校医、学校にはお医者さんの先生がおられますので、そういう方の管理が可能かとか、あるいはそういうようなことを先生にお願いして十分やってもらえるかどうかとか、あるいは緊急時に保健室へそういうようなアクセスできるかとか、あるいはまた個人の場合ですと、医師会とか薬剤師の協力などもございます。あるいは個人に配布するときに添付する注意書きというのはどういうものにするかとか、事細かく今検討をいたしております。 同様な検討を緊急時における配布体制についても今鋭意やっているところでございます。
○笹木委員 いろいろ御検討いただいていることはよくわかりました。しかし、耐震構造とか安全性については、なかなか実際に現状とかを分析するのに時間がかかるのはわかるわけですけれども、防災については、先ほどの初期被害の把握のシステムをつくるということと同じで、最悪に備える。予知で当てることを目的にすると同時に、起こったときにどうするかということを考える。今度の震災での反省というのは、最悪のことを常に想定してそれに対応するシステムをつくる、これが非常に弱かったんだというのが結論としてわかっているわけです。 ですから、防災については、いろいろ御検討を専門家にいただくのも結構なわけですけれども、もう最悪に備えて何が足りないのか、大体わかってくると思うわけです。 一つは、防災訓練をやっていないところがあるということ。これは自治体任せじゃなくて国がもっと強力に指導をして防災訓練、あるいは抜き打ちの防災訓練、これは実施は若干難しいとは思いますけれども、課題はあると思いますので、それを検討する。あるいは沃素剤についても、今言ったように八キロから十キロメートルを対象にして備蓄しているだけでは足りないし、あるいは隣の県に移動してしまってから沃素剤を飲みたい、これは三、四時間以内に飲みたいという場合に本当に間に合うのかという問題、いろいろあるわけです。 そういったことをぜひ、御専門の方々に検討をしていただいて答申を待つんじゃなくて、まず科技庁あるいは大臣の方からこういう課題について特に早く結論を出せ、そういった姿勢で臨んでいただきたい、そう思うわけです。そのことについてコメントを大臣にいただきたいと思います。
○田中国務大臣 まさしくおっしゃるとおりで、私も検討ばかりしていて結果的に手おくれになってはいけないということは言っておりますので、なお一層そのように具体的に行動するように指示をいたします。
○笹木委員 最後に、立地の自治体からのほとんどの要望なわけですけれども、今回の地震の反省を踏まえて、既存の原子力発電所すべてについて、これは耐震基準が出た以前の原子力発電所についてももちろんですけれども、それ以降のものについても、すべての原子力発電所について、その安全性についての検討、その結果の公表をという要望が出ております。これは近畿の知事会からも出ているわけです。 結果の公表という点が特に大事だと思うわけです。これはもう余り時間がないので、これからの立地を考える場合でも、むしろこういうことは検討の結果をすべてについて率直にオープンにしていくのが望ましいと思うわけですけれども、大臣の御意見をいただきたいと思います。
○笹谷政府委員 恐縮ですが、耐震の検討を原子力安全委員会の方でやっております関係上、原子力安全委員会としての本件先生御質問についての基本的な考え方を御説明させていただきます。 原子力安全委員会としては、既存の施設の耐震の安全性についても十分検討し、その結果について公表する、こういう方針で臨んでおります。
○笹木委員 時間が来ましたので、最後に大臣に、すべての原子力発電所についてぜひ公表いただきたいということについて、しつこいようですけれども、再度コメントをいただきたいと思います。
○田中国務大臣 先ほど局長が申し上げましたように、原子力安全委員会でいろいろ確認事項をまた再度チェックしたり尊いたしておりますけれども、その結果につきましては当然公表をさせていただきたいというふうに思います。
○笹木委員 質問を終わります。
○野呂委員長 斉藤鉄夫君。
○斉藤(鉄)委員 新進党の斉藤鉄夫でございます。きょうは巨大科学プロジェクトとその情報管理ということにつきまして、質問、そしてまた提案をさせていただきたいと思います。 この巨大科学プロジェクトと情報管理システム、しつこいようでもう何度もここで質問させていただいているのですけれども、これからの日本の科学技術の発展、また科学技術だけではなくて、その科学技術が先導するところの日本の産業の発展ということについて非常に大きな問題である。ある意味では、日本の産業が世界の中で取り残されるか、また世界の経済と一緒に発展していくかという岐路に立たされているその分岐点の問題であるというふうに私は認識しておりますので、この情報管理システムの問題についてきょう質問させていただきます。 前回の質問で、H-Ⅲロケット、それからきく六号の失敗について取り上げました。もうその問題を蒸し返すつもりは全然ございませんけれども、ある意味で、そういう問題が宇宙プロジェクトで起きてきたので、それを例にとって、情報管理システムの不備、またその不備がもたらすところの大きな問題というところを指摘させていただいたわけです。 そのときに、総合的なシステム、非常に宇宙といいますと部品の数も多い、また部門の数も多い、複雑なシステムが有機的に結合している。それを有機体として本当に効率的な、効果の出る運動をさせる。効果を出すためには、人間の管理能力を超えていて、本当に総合的な情報管理システムが必要だ。その構築を急ぐべきだというふうな提案をさせていただいたのですが、現在のところ、宇宙を例にとってもよろしゅうございますし、そのほかの科学プロジェクトでも結構でございますので、科学技術庁としてそういう総合的な情報管理システム、どういう動きをされているか、まず質問させていただきます。
○沖村政府委員 この科学技術委員会におきまして、先生から情報管埋の問題、いろいろ御指摘をいただきました。 そのときもお答えを申し上げたのでございますが、現在のNASDAでは、総合的なものではございませんが、幾つかのデータベースを持って、信頼情報システムでありますとか技術情報検索システムとか、幾つかの検索システム、情報システムを持ってこの問題に対応しているわけでございます。先生の御指摘のようなNASDA全体の業務、それから宇宙開発事業団がさらに外部に発注をしたり外部の企業等を含めた全体的な情報システムの問題については、現在宇宙開発事業団の方も勉強を進めさせていただいておりますし、私どもの科技庁でも何回か専門家の方をお招きして、勉強を今進めさせていただいている段階でございます。
○斉藤(鉄)委員 私、きょう提案させていただきたいということの結論を先に申し上げますと、CALSと呼ばれている大規模情報システム、これを活用すべきではないかというのが私のきょうの提案なんです。 まず大臣、CALS、これは予算委員会や商工委員会でも取り上げられておりますけれども、この大規模情報管埋システムとしてのCALS、御存じか、またどういう御認識を持っていらっしゃるか、御質問させていただきます。
○田中国務大臣 率直なところ、にわか勉強しかしてございませんが、アメリカの国防省が開発したものであるということでございまして、この具体的な中身について、私ももう少し時間をいただいてしっかり勉強していきたいと思っております。役所の方向といたしましては、積極的に勉強をして取り入れていきたいというふうな方向づけというふうに聞いておりますが、私も時間をもう少しいただきまして検討したいというふうに思っております。申しわけありません。
○斉藤(鉄)委員 大臣はそういうお答えだったんですが、科学技術庁の担当局長さんはどういうふうな御認識でしょうか。
○沖村政府委員 大臣のお答えの繰り返しになってしまうんですけれども、CALS自体を今勉強させていただいている段階では、アメリカの国防省に端を発しまして、だんだん概念が膨らんでまいりまして、ビジネス全体にこのコンピューターシステムを取り入れて、開発、設計、調達、あらゆる面で整合したシステムを組んで、有機的にやっていこうということだというふうに理解をしております。 日本国内の企業もアメリカのボーイングと協力してこういうことに参加したり、また通産省の方でも生産・調達・運用支援統合システム技術研究組合というものをつくりまして、このシステムをどうやって取り入れていったらいいかというふうな検討を始めた段階だというふうに聞いております。 一方、このシステムを勉強している段階で、非常に有効なんでございますけれども、またこれはシステムの標準化とかいろいろなお金のかかる面もございまして、どの程度の企業、どの程度の産業にこういうものを取り入れていったらいいかという勉強課題がまだ非常に多いような感じもいたします。 いずれにしましても前向きに勉強いたしまして、こういう精神をなるべく取り入れて効率的な宇宙開発といいますか、そういう方向を目指したいというふうに考えております。
○斉藤(鉄)委員 私も一生懸命勉強している最中なんですけれども、今各国とも、特にアメリカが中心になって、いわゆる一つの国の命運をかけた戦略としてこのCALSを国を挙げて導入を図っている。それに呼応してヨーロッパ、そしてアジアの諸国もアメリカと協調しながらそのシステムの導入を図っている。ある意味では日本包囲網が今このCALSででき上がりつつあるというふうな危機感を私も持っております。日本だけが導入がおくれている、こういう現状です。 私自身、CALS、非常に複雑な概念なのでよく理解できないのですが、私の理解でいえば、例えば人間という体がある。これは地球全体と例えてもいいですし、日本という国に例えてもいい。今までのシステムは、例えば左手は左手の脳があった。右手は右手の脳があった。それぞれ独立して、それぞれデータも独立して持っていて、それぞれ勝手に動いていた。それで何とか生きてこれた。 ところが、そのCALSシステムというのは、右の脳と左の脳をデータベースを一元化し、一つの脳ではないのですが、人間の脳でいうとシナプスで連結してデータベースを共有する。そうすることによって、これから左手が何をしようとしているかを右手がわかって右手も動く。そうすることによって非常に短時間に効率的に、非常に有効な行動を起こすことができる。こういうことですと、右手と左手別々の脳を持っている人間と、そういう一つの共有した管理システムを持っている人間がけんかすれば、これはもう完全に共有化した人間が勝つのは自明でございまして、これからそういうシステムをアメリカが中心になってつくり上げようとしている、こういうふうに認識をしております。 ゴアさんが提唱したNII、情報スーパーハイウェーですけれども、それはある意味ではハードウェアですが、そのハードウェアの上につくり上げようとしているソフトのシステム、これがいわゆるCALSではないか、こういうふうに思っております。 あともう一つは、このCALSのもとの言葉の中にも出てきておりますけれども、CALSはコンティニュアス・アクイジション・アンド・ライフサイクル・サポート、ライフサイクルという言葉が入ってございまして、一つの製品、企画からそれを設計し、そしていろいろな部品を調達し、生産し、使用し、そして廃棄する、そういう一貫した一つのシステム、そのすべての部門が情報、データベースを共有する、そういうシステム。 ですから、これまではそれぞれの部門が独立をして計画を立て、実行していたわけですけれども、例えば設計や調達と営業、この部門がデータベースを共有することによって、お客さんが何を考えているかということが即、設計にも生かされる。逆に、今どういうものが設計されているかということが営業部門にも即わかって、それが営業に生かされる。全体として非常に効率的に短時間に全体が有機体として動く、そういうシステムでございます。 まさに今これをアメリカが国家戦略として進めておりまして、日本だけが立ちおくれているという現状で、通産省もその現状に非常に危機感を持って、最近研究組合をスタートさせました。その研究組合のスタートのときには建設省と防衛庁も出たということでございますが、科技庁がそこに出席してなかったというのは非常に私は残念に思ったのです。 そういうことで、CALSを少なくとも、科技庁全体というふうにはすぐにいかないと思いますので、一つのプロジェクト、宇宙なら宇宙、原子力なら原子力、それでひとつ科技庁が大臣のイニシアチブで始めていただければ、日本の科学技術の将来、また産業の将来にとって非常にすばらしいことではないかと思うのですけれども、いかがでございましょうか。
○田中国務大臣 何か伺っていると大変すばらしいことだということがわかってまいりましたけれども、何分にもちょっと資料と勉強不足でございますから、もう一度よく勉強させていただいて、そういう方向に行ければありがたいというふうに思います。
○沖村政府委員 お答えの結論は大臣と同じなんでございますけれども、これから一生懸命勉強させていただきたいと思います。 研究組合に私ども参加をしておりませんでしたが、この研究組合は電力でありますとかあるいはコンピューターメーカー、そういった約七十社ほどの会社が集まってこの組合をつくったということで、産業ベースでどう取り入れていくかということの勉強をこれから始める段階だというふうに理解しておりますが、私どもも宇宙とか幾つかプロジェクトがございますので、そのプロジェクトにどういうふうにこの考え方を適用できるかというのを勉強してまいりたいと思います。
○斉藤(鉄)委員 非常にこれはお金のかかることでございます。例えばロケットを例にとれば、そのロケットのいろいろな部品をつくるメーカーがそれぞれ同じデータを共有して、それそれがそのデータの相互互換性を持たせなければいけない。この会社からこの会社へデータを送るというふうなことが必要になってきます。そうすれば当然その前提として、知的所有権の問題をきちっとシステムをつくっておくということが大前提ですが、その上で一つのロケットならロケットをつくるいろいろな部門がデータを共有しながら、データを相互にやりとりしながらということですので、標準化という作業が入ってきます。非常にお金がかかる。 そういう意味では本当に国が主導していかなくてはいけない、そういう問題だと思います。民間に任せておけばいいという問題ではない。だからこそアメリカはゴアさんが先頭に立って頑張って今やっているわけでございますので、科学技術庁でもぜひそういう点を御認識いただいて、世界の孤児にならないように、日本の科学技術プロジェクトが世界の中で取り残された原因は情報管理のおくれにあったということにならないように、ぜひ御勉強いただいて、御検討いただきたいと思います。 それからもう一つ、H-Ⅱロケットの問題です。現在このH-Ⅱロケット、商業ベースとして考えたときに、欧米のロケットに対して非常にコストが高い。一回の打ち上げにかかる費用が高いということで、商業ベースとしての未来が非常に危ぶまれておりますが、これにつきまして現在のお考えを、あくまでも商業ベースに乗せていくのかということについて質問させていただきます。
○沖村政府委員 御指摘をいただきましたように、H-Ⅱロケットの開発コスト、この開発の当初は、コストを低減して国際競争力のあるロケットを目指して進めてきたわけでございますが、開発を始めました当時の為替レートが一ドル二百四十円でございまして、現在一ドル八十五円ということで、現状では国際的に比べても非常に高いロケットになってしまっておるのは御指摘のとおりでございます。 ちなみに、H-Ⅱロケットは現在一機百九十億円でございますが、同じ程度の大きさのアリアンロケット、アリアン4でございますが、大体百億前後ということでございます。これにつきまして現在、国といたしましては、このコストをなるべく下げるということで、五年後の平成十一年度に打ち上げを予定しております運輸多目的衛星、これに使用しますH-Ⅱロケットは百四十億円にするということで、コストダウンを今目指しておるところでございます。具体的には、ロケットの構造をもうちょっと簡単にしたり、あるいは工程も簡略化する、素材等もいろいろ再検討してみるといったようなことをもう一度やりまして、そういうコストダウンを図っていきたいというふうに思っております。 この百四十億円でもまだ商業化ということにはなかなか難しい点もあるわけでございますが、この技術を確立した上で、さらに百四十億円より安いロケットということも少し勉強を始めておりますが、と同時に、ロケットの性能といいますか、安全性ということも加味をいたしまして、このロケットが世界の市場に利用されるということを期待しておるところでございます。
○斉藤(鉄)委員 そのコストダウン、いろいろな方法、いろいろな分野でのコストダウンの努力、これは当然でございますが、私はやはり一元的な情報管理というもの、いわゆるライフサイクル・サポートとしての情報管理というものも非常に大きなコストダウンの要因になるのではないか、このように思います。例えば、ボーイング777の設計から製造までこのCALSのシステムが使われまして、非常にその設計期間が短縮され、かつコストも半分以下になった、こういうことも言われております。 まさにロケットとか、そういうジャンボジェットとか、部品数が百万を超えて、しかし、その一つ一つが安全に対して非常に大きな要素を持っている、こういうシステムの構築については、やはり設計から使用、廃棄まで含めたそれぞれの分野が情報を、データベースを共有して、お互いに協力をするというシステムをつくらない限り、抜本的なコストダウンは図れない、このように思います。このH-Ⅱロケット、商業ベースとしてこれからコストダウンの努力をするという方針でございますので、その情報管理システムの導入という観点からもぜひ御検討をいただきたいと思います。 H-Ⅱロケットを商業ベースとして考える、そのコストダウンの御努力を今いろいろ聞かせていただきましたけれども、その他の努力、例えば発射時期の問題、発射時期が非常に制限されているとかユーザーの確保だとか、そういうことについてちょっと簡単に御報告いただければと思います。
○沖村政府委員 H-Ⅱロケットの商業化を図るには、今先生御指摘いただきましたように、現在年間二回に制限されております種子島の発射時期、これにつきまして検討をしなければいけない一つの要素でございますが、これにつきましては、実はことし、ひまわり三号機を打ち上げました。これは実は二月まで打ち上げ期間があった。漁業者とはそういう約束だったのでございますが、話し合いをいたしまして一カ月間延ばしていただいたりしております。若干フレキシブルになってきたのじゃないかなというふうに考えております。 これは打ち上げの計画が具体的にはっきりしましたならば、それを持って漁業者の方々と話し合いをすれば、まあ話し合いがどうなるかわかりませんけれども、私どもは今まで、この二月、八月の打ち上げ時期以外にも打ち上げる可能性が将来あるということを漁業者と担当課長が会ったときにサウンドしたりしておりますけれども、厳しい拒絶反応がということじゃございませんで、具体化して誠意を持って話し合えば、展開は開けるのじゃないかなというふうな期待もしておるわけでございます。 それから、ユーザーの確保の問題でございますが、このロケットはNASDAが開発したロケットでございますが、NASDAは商売をする機関じゃございませんので、これにつきましては民間企業がロケットシステムという会社をつくっていただいておりまして、発注とかそういう面でコストダウンを図りながら、世界の衛星の打ち上げ機関に対しましていろいろアプローチをしていると聞いております。ただ、今のところ、残念ながらこういうコストの状態でございますので、なかなか話が具体化してまいりませんけれども、非常に熱心にアプローチをしておるというふうに聞いております。
○斉藤(鉄)委員 時間でございますので、最後に大臣にもう一度決意をお伺いして、終わりたいと思います。 先ほど申し上げました大規模情報システム、私はまさに第二次の産業革命に匹敵するだけの大きなインパクトがある、そういうものだと思います。手も足も人間の各部分、今までは別々に司令塔を持って動いていたのが、一つのデータベースを共有して、有機的な判断、総合的な判断の中からこれからの行動を決定していく、そういうシステムへの変化という意味で、本当に第二次の産業革命といってもいいほどのインパクトがある、それが大規模システムだと思います。 通産省もスタートをしました。郵政省も、先日の新聞によりますと、この大規模情報システム、全国の郵便局のシステムに取り入れるかどうか検討を開始するというような記事も出ておりました。科学技術庁も、宇宙でもいいですし、原子力でもいいです、国のイニシアチブが非常に重要な分野でございますので、ぜひ御検討をいただきたいと思いますが、最後にその点についてお伺いして、質問を終わります。
○田中国務大臣 斉藤先生のおかげで非常によく私も理解ができたと思いますが、よりまた積極的に資料をそろえまして勉強をさせていただきます。
○斉藤(鉄)委員 終わります。
○野呂委員長 この際、暫時休憩いたします。 午後零時三十八分休憩 ――――◇――――― 午後一時三十八分開議
○野呂委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。渡海紀三朗君。
○渡海委員 それでは、科学技術の一般的な問題につきまして、基本的なことに要点を絞って質問をさせていただきたいと思います。 まず初めに、科技庁は科学技術政策のかなめでございますけれども、科学技術政策というのもやはり国民の信頼に支えられなければいけないと考えます。これは当たり前のことでありますが、そういう観点で、科学技術の進歩について少し私の意見も申し上げ、大臣のお考えを聞かせていただきたいと思っております。 言うまでもなく、科学技術というのは、その研究開発なりさまざまな成果が人類の幸福につながるというものでなくてはいけないということは、これは当たり前のことでございます。大臣も本年二月、当委員会の所信表明において、生活に密着した科学技術の推進ということを科学技術政策の大きな柱として位置づけておられますけれども、多分これもそういうことをお考えのことというふうに拝察をしておるところでございます。 この小さな地球上に約六十億人の人間が生きておるわけでございますけれども、人類共通の資産である資源を有効に利用し、そして豊かで文化の薫りの高い生活を実現をしていく、また我々の世代だけではなくて、子供たちや孫たちの世代に引き継いでいく、そんなことを考えましたときに、この生活に密着したといいますか、国民の生活の幸せにつながる科学技術の研究開発というものが大変重要であるということは、これは明白なことであろうと考えております。 数例をちょっと挙げてみたいと思うのですけれども、例えば半導体の技術、一番最初に、今世紀初頭、フレミングが真空管をつくりました。その後、たしかベル研究所だったと思いますが、一九四八年にトランジスタが開発をされまして、その後随分とこの技術が発展をしてまいりました。我が国の産業構造の中でも、戦後五十年の経済発展のかなめは半導体技術と言っても過言でないほど大きな役割を果たしたと思っております。また、例えばパスツールの微生物学というのはバイオテクノロジーの草分けでございますけれども、この分野も今大変大きな研究開発のテーマでもありますし、人間の幸せにつながる、また生活の向上につながる、こういった研究が随分今提示をされておるわけでございます。 例えば科技庁のプロジェクトでいいますと、私もちょうど二年前に見学をさせていただいたのでありますが、千葉県にあります放射線医学研究所、これはまさに物理学の成果といいますか、重粒子の加速器ですね、これによってがんの克服をしよう、これはすばらしいプロジェクトであるというふうにも思っております。 午前中の質疑でもあったとおりでございますけれども、地震の問題に関しても随分研究開発が果たす役割も大きいわけでありますし、特に先ほどの衆議院本会議で議員立法が成立をしたわけでございますが、こういうことを考えても、科技庁の果たす役割、ひいては科学技術の果たす役割は大変大きいものがあると考えております。 しかしながら、同時に考えてみなければいけない、心しなければいけないことは、その成果は一歩使い道を誤るとむしろ人類にとって大変大きな脅威になってくる、大きな不幸を起こしてしまうということでございます。 アインシュタインの相対性理論、これはすばらしい理論だと思います。私も高校時代ぐらいに一生懸命、何でこうなるのかなと自分で計算してみた記憶があるわけでございますけれども、この量子力学というのはその後多大な成果を上げたわけであります。エネルギーという問題に関して考えますと、エネルギーの問題を一挙に解決するかに見えたこの量子力学が、実はエネルギーの開放という問題を核爆発という大量殺りく兵器といいますか、そういった形で実現をしてしまったというふうな歴史的な事実もあるわけでございます。 また同時に、今回これは国民の大きな関心事であります、まだ捜査が続けられておりますけれども地下鉄サリン事件、こういうことを考えますときに、我々は、一番最初に申し上げました我々の生活を豊かにする、人類に幸福をもたらすというこういった研究の成果、科学技術の研究開発というものを当たり前の視点ですね、改めでこのことを十分心してかからなければいけない、そんな思いを持つわけでございます。 このことに関して科学技術政策のかなめでございます科学技術庁、また最高責任者であります大胆に、今回の事件の感想など、そして同時に科学技術政策についてやはり国民が信頼を回復する、これは正しい言い方ではありませんけれども、国民の間に信頼か高まる、そういった課題についてどういうふうに取り組んでいこうとされておられるのか、そのことを冒頭まずお伺いをさせていただきたいと思います。
○田中国務大臣 大所高所からの御発言、御指摘をいただきまして、改めてまた原点に立ち返った思いがいたします。殊に先ほどの、ほんの十分ほど前の国会で、大切な原田先生たちが御努力くださった法案も衆議院では成立をいたしましたわけでございますし、当庁だけではなくて、科学技術に携わるあらゆる人々の責任というものも重くなったというふうに、ずっしりと肩に重みも感じました。 と同時に、先ほど午前中の質問の中でもございましたけれども、この科学技術というものが、要するに、究極的には人類の幸せですとか世界の平和に貢献するものでなくてはいけないということは、渡海先生おっしゃっているとおりでございます。 科学技術というものもこの一年間ずっと見せていただいて、あらゆる施設を私も拝見させていただきましたし、今先生がおっしゃった半導体の研究をなさった方にジャパンプライスをお上げするときにお目にかかったり、あるいは東北大の西澤先生にこの間お目にかからせていただきましたりしましたし、また、アインシュタインのことも言及なさいましたが、私は相対性理論は読んだことはありませんけれども、あのベルンでアインシュタインハウスにも参りましたし、あらゆる意味でもって本当にこの一年間、科学技術ということにつかり切りでよく勉強させていただいたな、御指導いただいたというふうに思っております。 でもやはり、きょうの午前中の質問の中でもありましたように、基本は、理科系ということの、文部省との関係もありますけれども、中でも問題が一番起こるのは何かといいますと、文化とか文化的なアスペクトとか人間社会的な面とか、そういう面が欠落した教育を結構受けてきてしまっているのではないかという感じがいたしまして、それは理系のおもしろさ、すばらしさというのは十二分にあると思いますが、そういう社会とか一般教養みたいなものが意外と欠落したまま来てしまっているために、いろいろな問題も起こりがちである。 このオウムの事件というのは極めて特殊なケースでありますし、それは一般の方もわかっておられるわけですけれども、今後の科学技術の進展ということを考えましたときに、やはり人材の育成ということも言われておりますから、バランスのとれた人材をどうやって世の中に輩出していくかというふうな視点を常に持っていなければいけないというふうに感じました。 オウムに関しましては、もう言うまでもなくて、ああいう危険なものとか、あるいは情報というものの取り扱いにつきましては、それぞれの専門の分野で管埋のあり方を適切にしていかなければならないし、こういうふうな事件を反面教師として、確認していかなければならないこと、整理をしていかなければいけないことというのは山ほどあるだろうというふうに思っておりますが、基本的には、最初の私が就任のときから申し上げていますように、生活者に密着した科学技術ということは、要するに地球上のあらゆる人間の将来にわたって、利便、安全、平和に供するような進歩をどのようにして図っていくかということに尽きると思いますので、いろいろまた御指導賜りたいというふうに思います。
○渡海委員 大臣の話にもありましたバランスのとれたということは、私も全く同感でございます。これは文部省の所管になるのかもしれませんが、役所の縦割り行政の弊害というようなことも言われておるわけでございますから、科技庁の立場からも、そういったことについて側面的にというよりも、むしろ直接的にいろいろと意見もどんどん言っていただいて、我々も言わせていただきたいと思いますから、国全体としてバランスのとれた研究開発が促進されるように、今後ともより一層努力をしていただきたいというふうに思います。 次に、科学技術基本法の制定の動きについてお伺いをしようと思っておりました。 実は、この中でも若干そういった議論が出されておるのですね。バランスのとれた人材育成によって研究開発の安全性を保とうというような議論をちょうど我々も今させていただいておるところでございますが、少し一般的なことについてまずお伺いをさせていただぎます。 この基本法の制定をしよう、議員立法で何とか実現をしよう、今こういう動きがあることを大臣はよく承知されておりますか。そういう前提でお伺いをさせていただきます。 長年にわたって関係者の間で努力がなされてきたと聞いております。そして、ちょうど昨年来とみにこの動きが加速をされまして、有志の議員の方々が大変精力的に御努力をされて、現在この議員立法を実現しようということで、与党の中でも、また野党の中でも実は議論が進んでおるわけでございます。この科学技術基本法の動きというものの歴史を見てみますと、これまでの仕組みの中だけではなかなか科学技術のある部分をブレークスルーすることはできないというか、そういった思いが非常に強く実は出ているのではないかな、そんな思いもいたしておるわけでございます。 そこで大臣にお伺いをしたいと思いますけれども、昨年来のこの科学技術基本法制定についての経緯なり、またその動きといいますか内容について、御存じの限りで結構でございますから、どのようにお考えか、評価されているか、お伺いをさせていただきたいと思います。
○田中国務大臣 私が科技庁長官に就任いたしましたときに一番最初にお見えくださったのが尾身幸次先生でございまして、尾身先生がこの構想をおっしゃっておられました。ですから六月の段階、もっと早くから先生はもちろん温めていらしたわけですけれども、六月の最初のときからこの話を伺っておりまして、すごくいい方向にどんどん進んできていて、もちろん渡海先生は大変御尽力なさったわけでございますけれども、土壇場でなぜか挫折といいますか、今回成立てきなかったことは本当に残念だなというふうに思っております。 これだけ科学技術ということが理解されてきておりますのに、基本となるような法律がなかったということはまことに残念でございますし、その基本は、法令に基づいて基本方針と計画を策定するということ、それから、細かいことは申しませんが、基盤の整備をしっかりしていくということ、それから資金の確保というふうなこと、これは必須でございますから、そういうことに大体基本的には力を入れていくことに御努力中というふうに承知いたしております。 これが一日も早く成立してくださることを祈っております。
○渡海委員 残念ながらちょっと今国会に間に合いそうにないという状況でございまして、個人的で恐縮でございますが、私も実は与党のプロジェクトチームの座長をさせていただいておりますが、重要な問題でございますのでなお議論すべき点もあるな。先ほどまさに大臣がお答えになった、安全性ということを確保するために実際どういうチェック機能をつくっていくか等の議論も大変重要な議論だと思っておりますし、これからの推移をよく見守っていただきたいというふうにも思います。 大臣が随分中身についても御存じだということは今の御答弁でよくわかりましたので、これからも、我々も努力いたしますが、科技庁サイドにおいてもよりまたお力添えをいただければ、これは議員立法ですから議員の責任でやりますけれども、そういうふうにお願いをさせていただきたいというふうに思います。 少し地震のことをお聞きしようと思っていたのですが、午前中の質問で出たようでございますので、限られた時間でございますのであと一点、日米協力という問題について少しお伺いをさせていただきたいと思います。 今、経済問題、特に自動車摩擦の問題、双方の国がWTOに提訴するという余り好ましい状況じゃない状況が生じておるわけでございます。日米関係は戦後常に一貫して良好な関係にあったわけでありますけれども、経済問題等で近年ややもすれば多少行き違いがあったり、摩擦が生じているというのは大臣も御承知のとおりでございます。 本来、日米両国、これは世界第一位、第二位の経済大国という関係、歴史的なさまざまな関係からいたしましても、より緊密に協力し合って世界全体のために貢献をしていく、こんな関係がつくられればいいなと思っておるわけであります。特に科学技術分野を考えてみましても、双方の国とも大変高い水準の科学技術力を有しておるわけでございますから、地球環境の問題なりさまざまな問題でお互いが協力して、そして世界をリードしながら世界のために、ひいては地球人類のために貢献をしていく、こんなことができればすばらしいな、そんなふうに感じておるわけでございます。 ちょっとお聞きしたのですけれども、一昨日ですか、日米の包括経済協議の一環としての地球的展望に立った協力、これで正しいのですか、こういうテーマで地球観測に関する情報ネットワークの運用というものがスタートされたと聞いております。また、大臣も出席されまして、日米の関係者がお互いにこれからも協力をしていこうというふうな話し合いも行われたと聞いておるわけでございますけれども、こういった日米協力といったような分野における現在の状況並びに、これは一昨日ですから、近々の大臣の感触なり、それから大臣のこれからの決意なりをお聞かせをいただきたいと思います。
○田中国務大臣 御指摘いただきましたのは地球観測情報ネットワークで、GOINというふうに両国間では略して言っておりますけれども、そのデモンストレーションが初めて六日の夜八時過ぎでしたか、私どもは六本木のスタジオに集まりまして、関係者が数百人集まりまして、アメリカ側はホワイトハウスの中に特設会場をつくられました。そして衛星中継でつなぎまして、ギボンズという大統領補佐官及びNASAのゴールディンという長官などもおいでくださって、約一時間でしたか、意見交換やらそれから学者の方の説明等もいたしまして、大変ビビッドな映像でございましたし、音声も大変よかったですし、海底ケーブルを使った一昔前の海外との電話なんかよりもよっぽどよくて感動いたしました。 その中では、地球環境保全についてお互いにスピーチをし、その後ちょっとお互いに質問し合ったりとかということもいたしましたのですけれども、極めてこういうふうなことができるようになることはありがたいことでございますから、日米間だけではなくて、こういうことがお互いにあらゆる国でもって情報交換ができればありがたいと思っています、まず日米間ですが。 それにも増して、私、地球環境というものの原点をあのとき自分なりに整理をして考えておりましたけれども、中国を初めとして工業化がどんどん進んでいきますれば、エネルギーの需要というものもふえできます。そうするとCO2の問題とか環境汚染の問題が出てきますし、それから、アフリカを中心として人口がふえていって、また森林破壊とか食糧の問題というものが出てきますから、そういうことでもって、地球環境の問題というのは単にアトモスフィアみたいなことだけではなくて、現実に我々が生活している中で、アジアやアフリカが近代化していく中で、人口がふえていく中で、また次の問題が出てくるということはもう目に見えているわけですね。 ですから、そういう国のことをアメリカや日本だけが第三者的に語ったり論じるだけではなくて、むしろそういう国々にも技術協力をしながら、実際に私どもがどうやっていくか、どうやって助けてさしあげて、それを阻止したり、いい方向に位置づけられるかということをむしろアジアやアフリカとやるべきだろう。 殊に今回は戦後五十年ですから、いろいろ文言のことなんか国会でありますが、それはそれで重要でございますけれども、今後のターニングポイントといいますか、新しい情報を日本がむしろ発信していく立場で能動的に動くべきときではないかなというふうなことを、今回のGOINのテストもしながら、デモンストレーションをしながら感じました。
○渡海委員 もうほぼ時間が来たようでございます。あと二、三点実は用意をしておったわけでございますが、今の大臣のお話を聞かせていただいておりまして、やはり先進国が果たしていく役割ということについて、これからの日本はもっと、今までも実はいろいろと議論をされておるわけでございますけれども、さらに我々自身もよく自覚をして、そういった役割を果たしていかなければいけないだろうと思います。 今、中国のお話が出ましたが、ちょうど私は連休に、これはプライベートでありますけれども、中国の石炭の産地でございます山西省へ実は行ってまいりました。現地の大気の状況なんかは本当にひどいですね。昼間歩いているともう本当に苦しくなるような状況ですね。ああいうこと一つ考えましても、これから経済発展をしていく国に対して、環境の先進国だとあえて言わせていただきます。 昔、子供のころは結構日本の環境もひどかったような気がいたします。私の地元にも製鉄所がいっぱいありますが、でも今は白い煙しか出ないのですね。こういった克服をしてきたわけでありますから、そういった事実、これは通産省とか科学技術庁とかいうのではなくて、大所高所から我々ができることをやっていくということが大変重要だと思います。きょうは科学技術委員会でございますから、今後ともそういった視点からも科技庁も頑張っていただきますようにお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○野呂委員長 今村修君。
○今村委員 社会党の今村です。 私は、四月の二十六日、青森県六ケ所港に搬入されました高レベル廃棄物、この問題を中心にしながらお聞きをしたい、こう思います。 当初四月二十五日の予定が一日おくれて、二月にフランスを出港したパシフィック・ピンテール号が六ケ所港に入港し、返還高レベル放射性廃棄物が六ケ所に陸揚げをされた、こういう形になったわけであります。この陸揚げの際に地元知事と国とのいろいろなやりとりがあって、陸揚げが一日おくれた、こういう形になったわけであります。 ただ、この要因を考えてみると、やはり原子力行政を進める際、原発がトイレなきマンションと言われた、後始末を考えないで出発をしてしまったところに結果的にこんな問題が生じたのではないか、私自身こういう感想を持っているわけであります。この点について科学技術庁長官の御見解をまずお伺いをしたいと思います。
○田中国務大臣 今村先生が大変御誠実にいつもいつもこの問題を繰り返し繰り返しお尋ねくださっていることに、私は本当に問題の根深さというものを感じておりますし、また、先日のパシフィック・ピンテール号のことにいたしましても、北村知事とあれだけお話をし、書面を交わしてあったにもかかわらず、木村新知事さんがあれだけ神経質に対応なさっているということも、やはり冷静に見ていて本当に大変なことだということは十二分に私もわかります。 ただ、もうこういうふうな形でスタートしてきておりますので、廃棄物の問題等についていろいろな方々の英知を集めて、いつもいつも同じお答えをして申しわけないのでございますけれども、青森県だけを処分地にしようとか、するとか、そんなことは一切言っておりませんし、そういうことは知事さんにもこの間、知事さんやら県民の皆様の了解なくしてそんな処分地にするなんということは一切しないということは確約もしておりますものですから、その原点を忘れず、御記憶を喚起していただきたいというふうに思います。
○今村委員 日本の原子力行政、これをどうするかというのはこれからの大きな課題にもなるんではないかなという気がしているわけです。特に振り返ってみると、私自身、青森県六ケ所村が核燃料サイクル施設を受け入れる、こういう状況になってからこの問題にかかわらさせていただいたわけです。 ただ、この問題を考えていくときに、国際的視野という部分でいろいろ物を考えざるを得ない、こういう気がするわけです。特に日本の国は、これだけ科学技術が進んでいる、また非核三原則という形で武器に使用しないという大きな一つの原則を持っている、こういう状況にあるわけです。ただ、国際的に見ると、最近特に発展途上国で原発をつくりたい、今、隣の韓国では再処理工場をつくるという動きがあります、中国でもどんどん原発をふやす、こういう方向になっているわけですね。 一方、国際的には、核不拡散という形の大きな課題が世界の大きな課題になっている、こういう状況になっているわけです。ただ、核不拡散という原則を考えるときに、原発がつくられ、再処理工場が世界各国につくられていくという状況が出てきたとすれば、核不拡散とは別だということはどうしても言えないんじゃないか。プルトニウムを取り出すということは、結果として世界のそれぞれの国々が核を持つという状況をつくり出す等、そんな方向に進んでしまうんじゃないか、こんな危惧を持つわけです。 とすれば、私は、この進んだ技術を持つ日本の国は、早い時期に原子力エネルギーの利用から脱却をする、代替のエネルギーをつくりながら原子力エネルギーから脱却をするという道を早急につくるべきというのが、日本のいわば進んだ科学技術に与えられた任務ではないのかなという気が一方でするわけです。それが五十年かかるのか六十年かかるのかわかりませんけれども、できるだけ早い時期に原子力エネルギーから脱却をして、かわりの別のエネルギーを日本は使うという道を選ぶべきだ。 特に、世界で最初の原爆の被害を受けた日本として、どんどん世界各国に進んで広まっていこうとする原発や再処理工場、この状況をその方向じゃなくて別の方向に持っていくべきだ、その主張をできる国は私は日本の国以外化界の中ではないのではないのかな、こんな気がするわけであります。 そういう点では、核不拡散という立場を考えながら、これからの原子力行政を考えるときに、日本の国としては別の新しい代替エネルギーをできるだけ早い時期につくりながらこの道を脱却をする、そういう方向をとるべきではないのかな、私自身そう思っているのですけれども、もし長官、御意見がありましたらお伺いしたいと思います。
○田中国務大臣 御趣旨は大変よくわかりますが、何十年もの間の原子力政策の中で本日の状態に米ているという中で、将来の展望をどのようにして、過去のことを言っても仕方がないわけでございまして、将来どうやってやっていくかということに本当に最大の英知を絞らなければいけないと思っております。 おっしゃるまでもなく、代替エネルギーというものの重要性はわかっておりますし、それから核不拡散ということを守るのは、これはもう当然のことでございますから言うまでもございません。それからまた、新エネルギーというものの開発にも一生懸命当庁は今回力を入れていただいております。 それから、午前中の質問のときにもちょっとお答えしたのですが、数日前に東芝の磯子の工場見学に行きましたときに、本当に原子力政策をやるのであれば廃棄物の問題が出てくることは避けられないということで、民間企業で物すごく研究をなさっているのですね。原子力政策をトータルで物すごく勉強しているのです、予算を投じて、人材がいっぱいいまして。国の方は全然なってないと私はそのときそういう印象を持ったのですが、やはりああいう民間の資本と人材はもう大変なものですから、ああいうところともっともっと交流をしていかないとならないんじゃないか。議論を不ものものにしないで現実に何かを獲得していく。 そして、化石エネルギーと原子力と新エネルギー、新しい代替エネルギー、そういうものすべてをうまくバランスよく使っていって、私どもも世界に迷惑をかけないようにしていくということをやるためには、やはり国会内だけの議論ではだめだなということを痛感してまいりました。 それから、ちょっと話が違いますが、先ほどお触れになりましたアジア等への原子力技術移転の問題でございますが、私は、これは基本的には慎重であるべきであろうと思っています。それはいろいろなメーカーとかいろいろな方のお立場があって、ライバルリー関係があって、早く参入しなければというようなことを思っておられる方もおられるかと思いますけれども、この核不拡散ということは、受け入れる方の側の技術とか能力とか意識とか、それぞれ地理的な条件とか政治経済状態、たくさんありますので、それをよくイシスペクトして、よほど慎重でなければならないというふうに考えております。 ですから、基本的には、私は先生の抱えていらっしゃる悩みとか疑問というものは非常によくわかりますし、それをいつまでもいつまでも青森県の、あるいは北海道の方々の悩みにとどめるのではなくて、私ども日本人一人一人が自分の問題で、生活のごみが出るのと同じようにとらえていって、それを客観的にどのように前へ出して片づけて解決していくか、外国の協力も得るかということを基本的に清算して考えていくべき時点だろうというふうに思います。
○今村委員 長官のお答え、大変私も同感する部分がいっぱいあるわけです。特に発展途上国に原発がつくられよう、あるいは再処理工場がまたあちこちでつくられようという動きが強くなればなるほど大変な不安を感じる。 特に日本の原子力行政を考えてみたときに、かつて、原発を運転をして、再処理工場がつくられ、再処理工場からプルトニウムを取り出して高速増殖炉で運転をすれば、近い将来すぐ簡単にサイクルができ上がって運転できる、こんな形での説明などがあったわけですね。しかし、具体的に進むと、その高速増殖炉というのはなかなかうまくいかぬ。ですから、取り出したプルトニウムはまた軽水炉に戻して燃やさざるを得ない。プルサーマルという計画を改めてつくらなければならない。 こんな話は最初なかったはずなんです。しかし、やればやるほどいろいろな問題が出てきて、なかなか前に進まぬという結果になっている。そのツケが、結果的に最終処分場がなかなかつくられぬ、こんな形で具体的な形で出てくる、こんな状況になっているような気がしますので、そういう点ではぜひともこういう問題があるということを御認識の上に、慎重な上にも慎重な対応をぜひともしていただきたい、こういうことでお願いをしておきたいと思います。 次に、四月二十五日、青森県六ケ所村に高レベル廃棄物が搬入をされる。その際に青森県の知事からは、改めて国に対して確約を求めたい、こういう内容になったようであります。話を聞くといろいろないきさつがあったようであります。ただ、改めて国から青森県知事に対して出された「高レベル放射性廃棄物の最終的な処分について」という文書の性格、位置づけについてお伺いをしておきたいと思います。 この文書は、改めてお伺いするわけでありますけれども、青森県を最終処分地にしないという国の確約書ということで理解してよろしいわけですね。この点をお伺いします。
○岡崎(俊)政府委員 四月二十五日付で科技庁長官から知事あてにお出しいたしました文書の中に、昨年十一月の文書を引用しつつ、「知事の了承なくして青森県を最終処分地にできないし、しないことを確約します。」こう明確に述べでございます。したがいまして、確約を申し上げたということと御理解をいただいてよろしいかと思います。
○今村委員 電力会社からも四月二十四日付で、青森県を最終処分地にしないという確約をいたしますという文書が出ているわけですね。この取り扱いは、特に電力会社から出された文書は、十一月に出された文書とは明らかに違っているわけですね。そういう点では国から出された文書も、十一月に出された文書と今回の四月二十五日付で出された文書とは明らかに違った。そして、国としては青森県を最終処分場にしないということを確約をした、こういう理解でいいわけですね。改めてお伺いします。
○岡崎(俊)政府委員 御指摘のとおり、昨年十一月の文書と今回の文書において、電気事業者等が出した文書においても、確かに異なる点はもちろんございます。この点について、新しくなられました木村知事から、青森県を最終処分地にしないということについて明確にしてほしい、こういう要請にこたえまして、電気事業者並びに国からも、既にお示しのとおりのこういった形で明確に方針を述べた文書を提出したわけでございます。
○今村委員 青森県は原子力行政についてはいろいろな経過があるわけです。 振り返ってみると、原子力船「むつ」という、この定係港をめぐっていろいろなやりとりがされてきた。今回この原船「むつ」が海洋観測船として、世界で有数の観測船として活用されるというのは大変喜ばしいことだと思っています。 ただ、この原船「むつ」をめぐっての経過でいえば、国が約束をした文書で結んだものがほごにされたという経過を持っているわけです。ですから青森県民は、かつての国が約束をしたという内容が本当に守られるのかということについて一面で疑心暗鬼を持っている、こういう内容もあるわけです。そんなことがないということで長官からお答えいただけますか。
○田中国務大臣 処分地というものは、何度もいつもお答え申し上げているから私なんか申し上げるまでもありませんが、実施主体が決めることになっておりますし、その実施主体を指導する立場にあるのが科技庁でございますし、先ほどの文書、四月二十五日、ここにコピーもございますけれども、「知事の了承なくして青森県を最終処分地にできないし、しないことを確約します。」と申し上げておりますので、これはもうこのとおり御理解いただかなければいけない。 ただし、今までにおっしゃったように、「むつ」の事件とかいろいろ裏切られてきたというふうな痛い経験をたくさんしていらっしゃるので、なかなか官に対する不信というものは払拭されずにおられるのかもしれません。であれば、なおのこと政府は誠実に対応していかなければならないというふうに存じます。
○今村委員 ぜひとも国の確約については誠実に履行していただきたい、このことを強くお願いします。 ただ、裏返しに言えば、午前中の議論もありましたけれども、二〇〇〇年までに処分事業の実施主体を決める、その後いわば最終処分地を決定をして具体的な工事を進め、二〇四〇年ごろまでにめどをつけたい、こう国自身は言っていますけれども、いまだこのめどが全くついていないという状況になっているわけですね。事業主体についても、これを引き受ける事業主体というのは本当にどうなのだろう。 それから、具体的な地質の調査をしても、外国の例など聞くと、もう十年、二十年の単位でその地域の地質の調査をしても、なおかつ結論が出ていない、こういう状況があるわけですね。それと今の進みぐあいの中で、本当にこの最終処分場というのはっくることができるのか、この不安を持っているわけです。そして将来、仮に国がつくりたいと言っても、国が希望した場所で拒否をされる、こういう状況になったとしたら、運び込まれてしまった高レベル廃棄物は一体どうなるのだ、こんな心配をするわけです。 特に、我々が結果として今の時代に入れてしまった、しかし処分場がつくられるのは我々の世代ではない、我々が責任を果たせないという形の中でこれができる形になっているわけですね。そういう点では結果として今の世代が将来我々の世代でない人たちにツケを残してしまう、こんな不安を痛切に感じるわけであります。国の段階てつくられない話が、今の時点で言えないということでしょうけれども、我々からすると、できなかったら一体どうするのだ、こういう心配を持っているわけであります。この点についての御免解がありましたら、お伺いしたいと思います。 〔委員長退席、笹木委員長代理着席〕
○岡崎(俊)政府委員 先生御指摘のとおり、高レベル放射性廃棄物の処分問題の解決を図ることは、まさに今の原子力政策に課せられた大きな課題であるわけでございます。昨年六月にまとめました長期計画の審議の過程におきましても、この廃棄物の処分の問題が一つの大きな重要なテーマではございました。 ただし、先生も先般御視察をいただきました動燃事業団の処分の研究の実情等をごらんいただきましても、動燃事業団を中心にこの研究開発に今鋭意取り組んでおるということがございますし、これまでのいろいろな国際的な知見からも、十分この地層処分が安全に行い得るという見通しか得られつつある、こう申し上げてよかろうかと思います。 たまたまこの三月にOECDの原子力機関から、「長寿命放射性核種の地層処分における環境及び倫理の基礎」というタイトルで、幅広く関係各国の専門家を集めた、専門家の意見を集約したものが発表されました。そう長くはないのでございますので、最後の結論のところだけ一点だけお読みを申し上げさせていただきたいと思いますけれども、「結論事項」として「環境及び倫理の両面から、長寿命放射性廃棄物を生物圏から数百年以上にわたって隔離するための地層処分の継続的な開発が正当なものである。」ということの位置づけもいただいておるところでございますし、原子力に取り組んでおる各国が、先生も御指摘いただきました最終処分に向けて、今それぞれの国が鋭意取り組んでおるという実情でございます。 他方、処分の実施主体の問題につきましても、長期計画の中で、実施主体を二〇〇〇年を目安に設立する、こういう方針が示されておるわけでございますけれども、このための準備会が、電気事業者であるとかあるいは科学技術庁、通産省の協議のもとに既に発足をいたしております。この実施主体のあり方、資金負担のあり方、あるいは国民に広く御理解をいただき合意をいただく、そういう手だてをどうするかということについて今準備を進めておるところでございます。 こういった研究開発、あるいは実施主体に向けての作業をさらに督促をいたしまして、長期計画に示されました処分実施に向けての手順が確実に実行されるように、関係者一同、まさに気を引き締めて取り組んでいくべきだろうと思いますし、さらに加えて、単に技術的、あるいは原子力関係者のみならず広く国民の理解を得なければ、この問題の解決はやはり図れないだろうと思います。そのために、得られた情報をできるだけ早く公開をしていく。その中で国民的な議論を進めていただきながら、この処分対策というものに万全を期していく、こういう態度が大変重要ではないか。そのような方向でぜひ鋭意取り組んでまいりたい、このように思っております。
○今村委員 努力するという内容ですから、ぜひとも努力をして解決をしていただきたいと思います。 私も、ドイツで岩塩に最終処分地をつくるという形でいろいろな調査をしている、あの場所を見させていただきました。ただ、あの土地も、これまで数百億の金を使いながら今日までいろいろ調査をしてきたけれども、なおかつまだ調査をしていかないと安全だという結論は出ません、こう言っているわけですね。ですから、あの状況を見ると、今の状況で本当に運び込まれた高レベルガラス体、三十年から五十年の期間内で六ケ所から持ち出すという形になり得るのか、ちょっと難しいんじゃないのかなという不安を感ずるんです。 現時点で、国としてはそんなことは絶対ない、最終処分場がつくられることはないということを明言できますか。この点だけ再度確認をしておきたいと思います。
○岡崎(俊)政府委員 先生、今ドイツの例を出されました。ドイツ以外にもスウェーデンあるいはカナダあるいはアメリカ、こういったところが現実に地下研究所をつくってその成果を得られつつあるし、カナダにおいては、先般その成果を取りまとめて、今国内において広く議論が進められておる。その議論がまとまれば実際の処分場に至る。あるいはアメリカにおいては、ユッカマウンテン・プロジェクトという形で実際の処分場の特性調査等を進めておる、こういう状況であるわけでございます。もちろん、各国とも大変な努力をしていることだけは間違いございません。 そういった点、あるいは専門家が広くこういう国際協力の場で議論をしている過程におきましても、あるいは日本の技術者がこれまで得られた成果というものを評価いたしました点においても、十分技術的に可能である、このように我々も認識をしているわけでございますが、先ほどの答弁の繰り返しになりますけれども、単に技術的な問題だけではなくて、社会的、経済的、あらゆる点からこの問題について御理解をいただかないといかぬと思いますので、決して安易に、あるいは容易に可能だということを申し上げるつもりも私はございませんけれども、必ずやこの問題は解決できるものである、このように確信はしております。
○今村委員 結果として後の時代にそうならなかった、こういう結果にならぬように、ぜひともお願いをしておきたいと思います。 次に、情報公開の問題についてお伺いをしたいと思います。 青森県で核燃料サイクル施設が立地をされる際、青森県は青森県独自として、専門家グループに対していろいろな知見を求めたという形になっています。特にガラス固化体の一時貯蔵問題については、慎重の上にも慎重な対処の仕方が必要だ、こういうものも含めて、こんな内容のものが専門家グループから出されているというものがあります。ちょっと引用だけさせていただきます。 それぞれの前提条件であるガラス固化体の仕様を満足していることが必要であり、ガラス固化体の仕様の確認の方法と実施は極めて重要である。ガラス固化体の長期にわたる安定的な閉じ込め、健全性を確認するためには、固化体の組成、固化体の割れ、固化体の温度、放射線の効果等の検査が必要だ、こういうのが強調もされているわけであります。しかし、こういう情報がなかなか公表してもらえない、こういう結果になっているわけです。 いろいろな経過から、一部のいろいろな資料が公表されるという形にもなったわけです。例えばことしの二月十三日に電事連が参考資料として配付をした「COGEMAガラス固化体について」の資料、これはいずれも固化した時点の資料を二月十三日に出したわけですね。五月十七日の公開のデータは申請時の数値だ、こうなるわけですね。比較できないんですよ、資料そのものが。 ですから、私どもは、こういう資料を公表するにしてみても、安全だと比較できるような内容でのデータを公開をしていただく、こうでないとこれはどうにもならぬ。こういう具体的な点に入るといろいろなことが出てくる。固化体の割れについてもガラス固化体の安全性には大きな影響がある問題だ。しかし、全くこれは公表されない、こういう内容になっているわけですね。 ですから、いろいろな情報の公開という中で、私どもが求めるいろいろな資料についてぜひとも公開をする、こういう立場で対応していただきたいと思うわけでありますけれども、御見解をお伺いをしておきたいと思います。
○岡崎(俊)政府委員 廃棄物関連について、特にその安全性について情報公開というのは大変重要な問題であろうと思います。 特に、今回の返還廃棄物の青森県への受け入れに当たりまして、青森県の方から大変強い要請がございました。その要請を受けて、私どもももちろんのことながら、特に事業者は大変努力をいたしてまいったと私どもは認識しておりますし、その過程において、フランス当局とも相当な交渉をしてきたと聞いております。 その結果、先生も今御引用になりました標準的なガラス固化体の仕様はもとより、輸送容器の表面線量当量卒であるとか表面温度の測定結果といったものであるとか、あるいは個々のガラス固化体の発熱量であるとかあるいはその放射能濃度であるとか、あるいは、特に今回問題となります事業所外廃棄確認申請に当たってのそういった中請のデータについても公表がなされてきた、このように理解をしておるところでございます。 したがいまして、今後とも、ぜひ地元の方を含めて広く一般の御理解、御協力がいただけるよう、この情報公開については引き続き積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
○今村委員 ぜひとも積極的に努力していただきたいし、公表していただきたい。 特に、これも一例を挙げますが、実際に表面の温度は幾らなんだ、中心部の温度は幾らなんだ、これもまた固化体そのものにとって、安全性、健全性にとって私どもは一番大きな問題だと思っているのですね。これすら公表されないのですね。ですから、健全性、安全性にとって最も必要だと思う内容が公表されない。一方では情報公開だ情報公開だと言われますけれども、そういう結果になっていることにいらいらし、不満を感ずるわけですね。そういう点では、ぜひともそういうことがないように、長官、もしありましたらお答えいただきたいと思います。
○田中国務大臣 冒頭からおっしゃっていらっしゃる一時貯蔵の問題にいたしましても、それから今個別におっしゃっている安全性のデータ等につきましても、基本は、いらいらなさる、不信感が募るということも、根本的には正しい情報が自分の納得いく形で提供されていないということにあると思いますね。それから、言葉でもって前言を翻されたりしてしまって、信頼ができなくなっているということにあると思いますので、そういうことがないように、情報は基本的なものはきちっと事業主体も公表するように私どもも指導してまいります。それはお約束申し上げます。 それからもう一点は、やはり皆様にどうしても、青森県や北海道だけではなくて、日本人全体が一番考えなければいけないことは、このエネルギー需要の高まっていく中において、私どもが資源のない国に生まれていて、原子力政策も今こうやって展開してリサイクルをやっているわけですけれども、どうやっていくことが我々の生活を安全に、幸せに、文明度を高く維持していけるかということをみんなが自分の問題としてとらえていかなければいけない。その中でもって廃棄物の問題も、自分のことなわけですから、人に押しつけるとか、何でも拒否するとかということではなくて、やはり客観的に、正確な情報をもとにして判断をしていくことができるようなシステムづくりをぜひさせていただきたいし、またそれに向けて御指導いただきたいと思っております。 先生がいつもいつも同じ質問をみけんにしわを寄せてなさっていらっしゃるのを拝見すると、私も本当に苦しくなりますし、現在のこの青森県の皆様が抱えていらっしゃる心中の御苦労が本当に端的にあらわれているようで、私も、たった一年間ですけれども、この科技庁にいさせていただいている間は本当につらい思いもしておりますし、そういうお悩みが少しでも消えますように誠心誠意努力をいたします。
○今村委員 ぜひともその点はお願いをしておきたいと思います。 特にガラス固化体、これは公表された資料によると、このガラス固化体の表面でガンマ線は一時間に一万四千シーベルト、こういう数字になっているわけですわ。これを専門的な人に書きかえてもらうと、一秒間に三百九十レムだ。致死量を七面レムとすると、このガラス固化体の表面に抱きつくと二秒で人間は死ぬ。一メートル離れていると一分でという形、何か二メートルで三分だ、こうも言われるわけですね。 それだけにこのガラス固化体そのものの仕様というんですか、その管理基準、安全基準、これが当然あってしかるべきだ。ところが、この安全基準や管理基準というのはないんですね。容器に入ったという形でいわば全部処理する。ただ、低レベルの場合はちゃんと管理基準がある、こういうスタイルになっているんですね。こういう点ではガラス固化体の持つ危険性というんですか、こういう内容からいえば、こんな基準があって、その基準に対してこれはこうなんだ、こういうものがちゃんとあって、ああなるほどな、こう理解できるような内容にすべきじゃないのか、こう思うんですけれども、この点はなぜこうなっていないんですか。
○田中国務大臣 いろいろとデータを挙げていらっしゃいましたが、こちらにも原子力安全委員会というものもございますし、局長がおりますので、今先生がおっしゃったデータがすべて正しいかどうかということも私どもチェックできませんので、ちょっと時間の制約もあるかと思いますから、できるだけ手短にわかりやすく局長から答弁をさせていただきたいと思います。
○笹谷政府委員 それでは手短にお答えさせていただきます。 高レベル廃棄物の管理、今盛んに検査を行っているところでございますが、この管理事業を許可するに当たっては、ガラス固化体の仕様そのものを審査するということではございませんで、その中に入れる放射能量、あるいは先生がおっしゃいましたようにそういう影響等、そういうものに応じて周辺環境、すなわち、そこで働く人あるいはその付近に住む人たちが影響を受けないような施設をつくる、こういう観点から安全審査をし、許可をしているものでございまして、個々の固化体そのものについて絶対的に安全を確保するということが、先生、それだけがぽんと出るわけではございませんので、そういう審査にはなっておりません。そういうことで単独に仕様を決めていないというわけでございます。
○今村委員 これもまたいろいろ議論になる部分なんです。仕様というのはある。しかし、実際につくられたガラス固化体がその仕様と比較してどうなっているんだ、これがわからぬ。ですからまたいろいろな疑問が出るわけですね。あるべき姿というのは出ているけれども、実際につくられたものは一体どういう内容になっているんですか、これが出てこない。そしてなおかつ管理していくにはこういう基準とこういう基準が必要ですと、これは当然あってしかるべきじゃないのかなという感じがするんですけれどもね。
○笹谷政府委員 お答えいたします。 安全の確保は、中に入るものとそれを入れるものとの組み合わせで安全が確保されるということが大前提でございます。それで、その受け入れる施設の安全審査の際は、その中に収納する固化体の仕様、これが申請書に書かれてございます。そういうものをおさめるということを前提にして安全審査をして、施設についての許可はおろしております。今、中に入れる固化体がそういう仕様に合致しているかどうかを現地で検査を行っているわけでございます。
○今村委員 ちょっとそれじゃ一点だけ確認しますけれども、ガラス固化体とキャニスター、この健全性、安全性を保証するという人はだれですか。
○笹谷政府委員 保証するという表現は原子炉等規制法にはございません。この施設を許可をし、許可後の施設が許可条件を満たすような運転管理を行っていること、また一年に一度定期検査をして、その都度その施設の安全を確認した上また合格証を渡す、こういう積み重ねで結果として先生がおっしゃるような安全が保証されているということでございます。
○今村委員 これも何度がやってきた話ですけれども、ガラス固化体そのものが仕様と合わせて一体どういう状況になっているのか、それから、ガラス固化体というのはこういう条件以外じゃだめですよ、こういう基準がきっちりあるべきじゃないのかな、こんな気がするんですが、その点だけ指摘をしておきたいと思います。 時間の関係もありますので、今、六ケ所に運び込まれたガラス固化体、このステンレスの鋭敏化が問題になっている、こう指摘をされるわけです。特にNHKでこれは報道されて、一体どうなっているんだ、こういう指摘があるわけです。 それでちょっとお伺いをしますが、最初に確認をさせていただきたいんですが、青森県の動燃でこのガラス固化体、これは何本がつくりましたね。このガラス固化体のキャニスターの材質、日本の場合はどんな材質になっているのか。それから、NHKのテレビでやった際に実験をしたのは、フランスから返ってくるステンレス、これで実験をしていないよ、別な素材を実験して安全の評価をしている、こういう報道がなされているわけですけれども、この二つ、最初に確認をしたいと思います。
○笹谷政府委員 お答えいたします。 動燃の材料はSUS304Lというものでございます。また、事業者が管理施設の申請に添付している資料は、SUH309という違う材料でございます。
○今村委員 日本の動燃でやっているガラス固化体、これはSUS304Lのステンレスである、それから今回フランスから返ってきた固化体、このキャニスターの材質はSUH309、これでいいわけですね。確認します。
○笹谷政府委員 事業者が申請書に添付しております参考資料のデータは、先ほど申しましたように動燃事業団のSUS304Lでございます。
○今村委員 今のお答えでいきますと、フランスから返ってきたガラス固化体のキャニスターの材質はSUH309、しかし実際に実験したデータはSUS304L、こういうことになるということですか。
○笹谷政府委員 動燃が研究開発実施主体として高レベル廃棄物の研究全体を行っているわけでございますが、動燃が製作した固化体、これについての耐腐食性の実験をやった、こういうデータがございます。事業者が青森の管理施設の安全審査のために申請書に添付した資料は、参考資料でございますが、動燃が動燃自体の研究の目的に行った実験の結果を参考資料として添付してございます。
○今村委員 今の説明でいくと、実際に返ってきたガラス固化体のキャニスターの材質の実験はしていないということになるわけですね。これは問題ではないのですか。
○笹谷政府委員 管理施設の申請が事業者からなされますと、私ども安全規制を規定しております原子炉等規制法によって厳密に審査をするわけでございます。その場合に、申請書に記されている参考資料はもちろんでございますが、この審査に当たりましては専門家の専門的な知識、技術的な知見、こういうものを総合的に勘案しまして安全性をチェックし、最終的には許可をしているわけでございます。
○今村委員 実際に実験をしていないのに別なデータをつけて申請をする、こんなやり方はとても理解できないのです。 特に、このステンレスについては、動燃だけじゃなくて電力中研で実験をしていますよね。そして一般的に言われるのは、SUH309というのは熱に強いけれども腐食に弱い、こう言われていますね。そのために日本の動燃ではSUS304Lをキャニスターに使っている、こういう話を聞くわけであります。 特にステンレスの応力腐食割れ、これは一時貯蔵していく上で最も大きな問題だと言われています。そして、これは熱の影響あるいは塩分、湿気、これらによってステンレスのこういう腐食が進む、こう言われているわけですね。これに対応できるステンレスなのかどうかというのが問題になるわけですけれども、実際に実験をしていないやつを別なデータをつけて申請をして、あたかも同じ内容だ、こういう形で申請をして運び込むというのは許されないことじゃないですか。
○笹谷政府委員 ちょっと長くなるかもしれませんが、腐食について御説明させていただきます。 腐食は、全面腐食というものと粒界腐食というものがございます。先生御承知のとおり、全面腐食というのは、徐々に表面から均一に腐食していく現象でございます。粒界腐食と申しますのは、熱によって材質が鋭敏化されて、粒子が結晶化されて、その粒子と粒子の間から腐食していく、こういう二つの腐食の仕方がございます。 全面腐食につきましては、SUHの309、いわゆる返還されてきている材料が非常に強いわけでございます。一方、粒界腐食の方は、カーボンが含まれている量に左右されますから、一般的にはカーボンの量で影響の度合いが変わってきまして、SUS304Lですか、こちらの方がそういう腐食の度合いというものが多くなるということかと思いますが、粒界腐食と申しますのは、先生もおっしゃっているように、周りの環境条件によって腐食が進んだり進まなかったりするわけでございます。 御承知のとおり、この管理施設に収納いたしますキャニスターは、表面については、腐食がしない条件であります水滴等がつかないことに工夫されております。また内面についても、ガラスの熱で水分が飛ばされておりますから、したがって、粒界腐食という状況はこの固化体では考えづらいということ、そういうようなことを総合的に勘案して、全面腐食という観点では返ってくるものの方がすぐれているという特性もありますので、そういうようなことを専門家が技術的に検討いたしまして、総合的に判断をしたということでございます。添付資料だけで判断したということではございません。 〔笹木委員長代理退席、委員長着席〕
○今村委員 ステンレスの一つ一つの内容はいいですよ。問題は、判断するときに実際に返ってくる材質をテストしないで、別な材質のやつをテストしたデータをつけて申請をする、こんなやり方がもし通るとすれば――今回のように詳しい方が指摘をしたから初めてわかったわけでしょう。そうでないと、わからぬままそのまますっと通ってしまうという形になるわけですね。ですから、返ってくる材質なら材質をちゃんとテストして、この結果はこうなっていますよ、それを資料でつければいいだけの話であって、なぜそうしないで別なデータをつけて出すのですか。ですからまた何だと不信が高まるわけでしょう。なぜそういう同じものをつけなかったのですか。
○笹谷政府委員 お答えいたします。 安全審査は、一般的に添付資料、参考資料、先ほど申しましたように専門家の有しております専門的な知識、そういうものを総合的にあわせて審査をするわけでございまして、先ほど来の繰り返しで恐縮でございますが、参考資料としてつけておりますデータ、それだけで判断しているわけでございませんので、この辺は御了解いただきたい、こう思っております。
○今村委員 これはいっの場合も出てくるのですが、実際に実験した生のデータを出してくださいと言ってもなかなか出てこないのですね。評価した結果だけしか出てこないのです。実際に実験したデータがないならないでいいですよ。 それでは、この309というのは、フランスから返ってくる材質のものは、これはテストしたのですか。もしあったらそのデータを出してください。
○笹谷政府委員 私どもそういうデータは持ち合わせておりません。
○今村委員 データがないのに安全だと言われるのです、信用せいと言うのです。こんなでたらめな話がありますか。だから問題だと言うのです。これはフランスで貯蔵しているはずですよ。フランスでデータを持っているはずですよ。電力中研でやったデータがみんなありますよ。いろいろ試験をしてやった結果、日本の場合はSUS304L、これを使うということになったのでしょう。フランスは別だと。これはやはり総合的に勘案して実験した結果、日本の場合はそんな形になっているのですよ。実験もしていないのにそんな形でやるというのは到底認められぬ話じゃないですか。そこは指摘をしておきます。 時間の関係もありますので、後、はしょりながらやりたいと思います。 運び込まれた高レベル廃棄物が入った建屋がありますね、ピットがあります。この建屋とピットは何年もっのですか。一時貯蔵で三十年から五十年だと言い、一たん入れると取り出せないと言う。これは建屋とピットはどのぐらいもつという内容になっているのですか。明らかにしていただきたい。
○笹谷政府委員 お答えいたします。 先生御指摘のとおり、この施設は三十年から五十年冷却のために貯蔵する施設ということで申請され、許可されたものでございますが、この施設では、建物、機器、そういうものにつきましては十分余裕を持って製作され、また建設工事においても入念な施工管理がなされるなど、設計、製作、建設、試験及び検査を通じて信頼性の高いものにするということにしております。 三十年から五十年、この間ガラス固化体の貯蔵を行うに当たっての安全性に、このような信頼性の高いものにすることで実施しておりますので、問題はないと考えておりますが、建屋につきましては、具体的には品質管理の行き届いた鉄筋コンクリート構造物、これは御承知のとおりもう非常に耐久性の高いものでございます。 また、貯蔵ピットの収納管につきましても、九段積みのガラス固化体の荷重とか、あるいはかねてから申し上げておりますような地震への荷重、こういうようなものにも十分耐えるように設計してございます。また、温度、放射線等の使用環境、こういうものも考えた設計となっております。これは設計でございます。 また、運転を開始した後においても、当然定期検査あるいは事業者の自主検査などによりまして、十分この期間中信頼性が保てるような確認をすることになっております。
○今村委員 一般の人は余りそんな難しい話をしてもだめなんですよ。入った建物がどのぐらいもつのだ、あのピットはどのぐらいもつのだ、一回入れて五十年たったらまた使うのか、そうすると百年になるじゃないか、そんなにもつのか、こう思うわけでしょう。いや、一回入れると後は終わりです、後は使いませんよというのであればそう言えばいい話で、いや、二回使います、百年使えるのですというならそう言えばいい話であって、そう面倒な話じゃなくて、簡単に答えてくださいよ。一たん入ったものがそんなにもつのかどうかというのが、これは地元の人にすると心配な話なんです。面倒な話はいいですよ。簡単に答えてください。
○笹谷政府委員 手続上のことを申し上げましたので非常にわかりづらくなって恐縮でございますが、先生御質問のとおり、我々、三十年から五十年間、あの施設については十分安全性、信頼性は確保できるもの、このように考えております。
○今村委員 今答えられなければ、次回答弁をお願いします。 あの施設、例えばコンクリートの建物、これはいろいろな計算の仕方があるでしょう。六十年もつ、百年もつといういろいろな計算の仕方があるでしょうけれども、形あるものですから、いつまでもつのですかと。一、二年入れるという施設であれば話は別ですよ。三十年から五十年、ひょっとすると、最終処分場が決まらないとまた延びるのではないかという不安をみんな持っているのです。ですからあの建物やピットはいつまでもつのだ、この話になるのですよ。そのことをわかるようにお話ししてくださいよ。これは今できなければ後でいいです。 海外から高レベル廃棄物が返ってくる際にいろいろなパンフレットが出ていますね。このパンフレットの中にも、低レベルも返っできますと書いてあるのです。低レベルはいつ返ってきて、どのくらいの量が返ってきて、どこに入れるのですか。最終処分地はどこにするのですか。これもまた明らかになっていないのですね。これはちょっとお答えいただきたいと思います。
○田中国務大臣 この二、三回のやりとりを伺っていまして、いかに過去ずっと具体的な情報公開、資料提供がなかったかということをつくづく感じておりますので、この後でもぜひ質問事項をまとめていただきまして、先生の地元の方もしょっちゅうお見えにもなってくだすっておりますけれども、そのときも中途半端な議論になってしまっておりますので、正確なデータ等を事業主体に私どもも流しますし、科技庁でわかっております、掌握しておりますデータ等につきましては公表させていただきたいというふうに思いますので、先生の方からも質問をまとめていただければありがたいと思います。 なお、まだ局長から答弁させていただいてよろしければ、時間、いかがでございましょうか。
○今村委員 いや、いいです。ぜひともこういう単純な疑問に答えができるようにしてください。 それから、最後になりますけれども、お伺いしておきたいと思います。 今、地元に再処理工場をつくって、核燃をつくっている日本原燃という会社があります。この総会が六月に開かれるという話になっているのですね。この総会の中で、定款が変更になってMOX加工もできるようにする、こういう話がちょっと出ているわけです。内々そんな話が出ているのが、仮に六月に不可能だとしても、その後この日本原燃株式会社で加工するという形になっているのか、やるとすればいつごろからどういう形で始めようとしているのか、この点お伺いをしたい。 もう一つは、あそこに濃縮工場があるのですね。これは最終的には一千五百トンやるという形になっているのですけれども、これは遠心分離方式でやっている。この方式でやっていくと経費が高くつく、こういう話もあるわけですね。何か増設の計画を取りやめをして一千トン程度で抑えよう、こういう話が出ている、こういうお話も聞くわけですけれども、この二つにお答えをお願いしたいと思います。
○岡崎(俊)政府委員 まず第一点目のMOX加工の件でございますけれども、既に原子力開発利用長期計画にお示ししてございますとおり、将来の六ケ所再処理工場の操業を踏まえますと、二〇〇〇年過ぎには年間百トン弱程度の規模のMOXの加工施設の事業化を図ることが必要と明示してございます。 この考え方に沿いまして、現在電気事業者を中心に、国内の民間におきますMOX加工事業化の具体化に向けて検討が進められているところではございますけれども、その事業主体をどこにするか、あるいはそのスケジュールをどうするかということについてまだ決められていないと承知しております。したがって、御指摘ございました六月の株主総会等での話については、そのようなことはないと聞いております。 第二点目のウラン濃縮施設については、御指摘のとおり、現在総量千五十トンSWUパー年分まで事業許可を受けまして建設を進めているところでございますけれども、最終規模である千五百トンSWU規模とすることについて、残りの四百五十トンSWUをどうするか、そこに使う機器、特に新素材の高性能遠心機の開発を進めてまいりましたけれども、その採用も含めて現在事業者において検討が進められておる、このように承知をいたしております。
○今村委員 ありがとうございました。 それから、最後に一つ確認したいのですが、この濃縮工場については、検討した結果千五百トンにならぬこともあり得るということですか。これだけ確認しておきます。
○岡崎(俊)政府委員 現在、事業者において電気事業者と相談をしながら懸命にこの作業を進めておるという段階でございますので、その点について私からコメントすることは差し控えたいと思います。
○今村委員 どうもありがとうございました。 以上で終わります。
○野呂委員長 吉井英勝君。
○吉井委員 原発の推進の人であれ、反対の人であれ、慎重な立場をとる人であれ、原発の危険から国民の安全を守るという点ではみんな一致できますし、一致して取り組まなければいけない課題だと思うのです。 原発の安全性ということを考えるときに、日本で一つの重要な画期をなしたのは、九一年二月の美浜原発二号機の事故ではなかったかというふうに私は思うわけです。それは、加圧水型原発の心臓部に当たる蒸気発生器細管でのギロチン破断が起こったということが一つ。もう一つは、このときに原子炉の中の冷却水温度が飽和温度に極めて接近した。つまりそれは、一時的に核燃料棒のところで膜沸騰が起こったり炉心溶融が起こりかねない、そういう危険な事態を経験したということであったと思うのです。 九一年十一月に関西電力が国に出した報告によりますと、二次冷却水の放射能濃度に有意な変化が認められた場合には原子炉を直ちに停止するとしていました。ところが、それなのに大飯原発二号機では実は直ちに停止していなかったということで、前回これを私は取り上げたわけです。直ちにその後、関電幹部に対して大臣からも直接警告が発せられました。 大飯二号でも伝熱管にピンホールがあいたわけですが、美浜二号ではもっと大きく開いてギロチン破断に至った。だから伝熱管の健全性の確保、この問題というのは大変大事なことで、あのとき原子力安全委員会は原子炉安全専門審査会発電用炉部会ワーキンググループというので調査をして、そして結論の中の一つに、伝熱管の検査技術としてECT以外の検査技術の開発が望まれるというふうにしたわけでありますが、それでは美浜の事故以降、このECT以外の検査技術が開発されているのかどうか、まずここのところを、ちょっと専門的な話になりますが、簡潔で結構ですからお答えいただきたいと思います。
○三代説明員 今、蒸気発生器の伝熱管について御質問がありましたけれども、まず全体的なことを御説明させていただきます。 原子力発電の開発利用を推進するためには、先生御指摘のとおり、徹底した安全確保が大前提でございます。このため、資源エネルギー庁といたしましては、従来から原子炉等規制法及び電気事業法に基づいて、実用発電用原子力発電所の設計、建設、運転の各段階において厳重な安全規制を実施するとともに、各サイトに運転管理専門官を派遣するなど、電気事業者に対する厳しい指導監督を行っているところでございます。 先生御指摘の加圧水型原子炉の蒸気発生器伝熱管につきましては、電気事業法に基づいて約一年に一度行う定期検査の場におきまして、その健全性の確認を行っているところでございます。具体的には、すべての伝熱管の全長にわたりまして渦電流探傷検査を行い、有意な信号を検出した伝熱管については、すべてスリーブによる補修やあるいは施栓等による対策を講じでございます。 また、原子力発電所におきましては、一次系から二次系への漏えいを早期に検知するための装置を設置しておりまして、万が一、二次系冷却水に一次系が入ったときには、原子炉の運転を直ちに停止する措置を講じることとしているなど、安全の確保に万全を講じているところでございます。 先生御指摘のECT以外の方法についてでございますが、ECTの中でもまたいろいろな方法があるわけでございまして、ECTのいろいろなほかの方法、それから超音波探傷等について、今鋭意研究開発をしているところでございます。
○吉井委員 最後のところだけ簡潔にお答えいただいたらよかったわけなのです。要するに、ECTの軸方向とか周方向とか、それは前からやってきて、まだそこから先に進んでいないというのが今のお答えの結論なのです。 まだ新しい検査技術が開発されていない中で、実は大飯原発二号では昨年四月に、伝熱管二百十九本を新たに異常ありとして、栓をして使わなくなったわけですね。施栓年五・二%です。ところが、ことし二月に運転中に、残りは健全だということでやってきたわけですが、その健全管として使っていた一本に穴があいてしまったということなのです。 エネ庁の報告を読ませていただきますと、美浜二号機のときには応力腐食割れは認められなかったとしていたのですが、この大飯二号機では軸方向の応力腐食割れであった。原因は、加工時の残留応力と運転中の作用応力が重畳して生じたと推定しているとしています。つまり、美浜のときと違って、応力腐食割れによるギロチン破断も原発で起こるという可能性を示すものとなったというのが、報告を読ませていただいての印象です。 そこで、これもまた簡潔にすぱっと答えていただいたらいいのですが、応力腐食割れ対策として特にどういう対策をとっていらっしやるか、これを伺いたいと思います。
○三代説明員 簡潔に御説明させていただきます。 まず、大飯二号機のことし二月に起きました伝熱管損傷トラブルでございますが、これについては、まず軸方向の損傷であったということを申し上げたいと思います。こういうような損傷を防ぐために、原子炉水中の水の管理、それから伝熱管の新しい材料の開発等の技術開発を進めております。
○吉井委員 技術開発は今後の問題としても、現実に使っているものについて、今後のものは材質をかえるとかいろいろあるにしても、現実にはこれでずっと来たわけなのですね。それは変わっているわけじゃないのです。 その大飯二号機で、五月に新たに異常の見つかった百八十九本の伝熱管と、予防のために三百四十七本など含めて、新たに五百四十七本に栓をして使わないということにしたわけですね。施栓卒は一年間で四%ふえて九・二%へ、つまり、およそ十本に一本は使っていないということになったわけです。 美浜原発三号機の細管マップというのを私見ておりまして、大臣、これは遠くからではなかなか見づらいでしょうが、これは一年前のものです。ほとんど見えないでしょうけれども、黒いところというのは栓をしたところなのです。ことし新たに栓をした、ことしの方がちょっと見やすいのですけれども、一週にふえたのですね。栓をしたということは、使っていない、使えないということなのです。それで、昨年の検査時に比べて、一遍に七百九十七本もの細管が栓をして使われないということになりました。施栓卒が五・四%から一三・三%への急増です。これは老朽化が一遍に進んだという評価をしていらっしゃるのですか。
○三代説明員 先ほど御説明したとおり、約毎年一回の定期検査において全長の渦電流探傷検査をやっているわけでございます。それで、今御指摘のとおり、大飯二号の施栓卒については、現在九・二%になっております。 今までこのような蒸気発生器からの伝熱管漏えい、国内で十七件起きております。これにつきましては、ある特定の機に集中しているわけでございますけれども、例えば美浜一号が六回、美浜二号が四回、そういうふうになっております。こういうものはやはり古い型の蒸気発生器に多く見受けられておるわけでございますが、これは必ずしも老朽化ということではなくて、むしろ最初の水管理の処理の仕方、そういうのも微妙に影響しているのではないかというふうに考えております。
○吉井委員 古いものに特に特徴的というお話なのです。だから、古いからこそ老朽化ということもあるかもしれませんが、一年間で急速に施栓率が高まっていくというのは、私はこれ自体は非常に異常なことだし、うんと注意を払ってもらわなければならぬと思うのです。何も問題がなければ、もともと栓をすることはないのです。使った方が熱交換の効率もいいし、使うのが当たり前のことなのです。しかし、それを使えなくなっているというのが実態なのですね。 健全管と言っているものの、一次冷却水側の方はECTで検査しているのですが、二次冷却水側の状態がどうなっているかというのは、実は現在は検査の技術がないということなのですね。それで、一年間使っている間に、健全管としていた伝熱管で美浜でも大飯でも穴があいてしまって、放射能漏れ事故を起こしたわけであります。そこで、ほころびを取り繕うというやり方じゃなくて、根本的な対策、安全性の評価の仕方など、私は今根本的に考えなくてはいけないところに来ていると思うのですが、一言でいいですから、何かこの点についてお考えがあれば聞かせてください。
○三代説明員 蒸気発生器の伝熱管からの漏えいを防止することにつきましては、これからも、いわゆる非破壊検査によってなるべく十分に損傷を発見するような機器の研究開発というのは心がけていきたいというふうに考えております。 また、これと同時に、原子炉の運転管理、万が一漏れた場合にはすぐ原子力発電所をとめる、そういう措置を講じることによって原子力発電所の健全性を守っていきたいというふうに考えております。
○吉井委員 すぐとめるというお話、それは大事なところだと思うのですが、実は大飯二号でそれがなされていなかったからせんだっても問題にしたわけです。 私は、もう一つの問題として、炉心溶融について伺っておきたいと思うのですが、今度カザフスタンの試験装置を改造して、二酸化ウランを溶かして実験する炉心溶融の研究をするということになっています。原研で実験もやってきたわけですね。原研の実験装置の大きさなど、大体読んだところからすると、今度のカザフの実験装置と大きさ等ではそれほど違いは見当たらないわけですね。日本にこの実験装置がないのかどうか、これを最初に伺いたいと思います。
○藤冨説明員 お答えいたします。 ただいま先生御指摘のカザフスタンで実施しているデブリ冷却試験についてでございますが、このデブリの試験をする前提となりましたのは、もちろん我が国の設計、建設、運転管理で十分な多重防護をやっておりますので、炉心が重大な損傷を受けるようなシビアアクシデントは現実には起こるわけではありません。しかし、現在電気事業者において、アクシデントマネジメント対策をおおむわ二〇〇〇年をめどに進めているところでございます。 お尋ねのデブリ冷却試験につきましては、このアクシデントマネジメント整備の一環といたしまして、軽水炉のシビアアクシデント時に原子炉の格納容器の中で原子炉圧力容器の中から炉心が万一溶融し、その熔融物、デブリが格納容器の下部に落下した場合を想定して、このデブリの落下状況、それから下にあります、恐らくあるであろう水とそれからコンクリートとの相互反応を見ようとしているものでございます。 過日、私どもが委託契約しております財団法人原子力発電技術機構とカザフスタン共和国のクルチャトフ市にあります国立原子力センターにおいて合意がなされまして、平成六年度よりこの実験をしております。平成六年度には試験計画、設備改造の詳細を決めておりますが、今年度は実際に設備を改造する予定でございます。 先生御指摘の、私どもこの相手方を探すときに、なるべく実態に近いということで、今回カザフスタンにあります装置でやりますと酸化ウランそれからジルコニウムとの混合物で実験ができるということで、そこの施設を使わせていただくということでございます。もちろん、原研におきましていろいろな先進的な実験をされていることも承知しております。
○吉井委員 御丁寧に御答弁いただいたところは、全部わかった上で聞いておりますので、問題は、日本に実験装置があるのかないのか、あるいは改造できないのかどうかということが一番のポイントなのです。 それで、資料をいただいて見ても、今度のものでも大体直径が約一メートル前後のものですね。高さも千五百ミリから二メートルぐらいのものですから、日本の技術でこれができないというふうなものじゃないのですね。それがなぜカザフなのかということなので、結局、二酸化ウランを使う溶融実験で、もし水蒸気爆発などでウランが飛び散ったときに日本だったら問題になるからカザフスタンという、これが結局一番のポイントなのですか。一言で結構です。
○藤冨説明員 お答えいたします。 カザフスタンのこの原子力センターでは、既にLAVA・SLAVAという装置がありまして、そこで酸化ウランについて実験することができる装置ができているものですから、そこを使わせていただきたいと思ったわけでございます。
○吉井委員 それは日本でもそう難しくないものなのですね。そんなに金のかかるものでもなくて、日本でもできるのになぜカザフなのか。それは結局、二酸化ウランを使うから、水蒸気爆発等で漏れた場合に日本国内で問題になるからという、それが一番のポイントじゃないかというふうに思うのです。違うなら違うと言ってもらったらいいのです。 それで、時間がありませんので、大臣に最後に聞く前に、一言関係の方から伺っておきたいのですが、直接実験に当たる人以外に、日本でなら近いから見学に行くことはできるわけですね。簡単なのですが、セミパラチンスクとなると、そこへ行くこと自体が大変なのです。希望する学者や専門家の実験の見学や参加を認めて、実験データの全面的な公開が約束されるのかどうか、これを先に伺っておきたいと思います。
○藤冨説明員 本件だけでなく、原子力発電に関するパブリックアクセプタンスの確保は非常に重要だと私ども思っておりまして、一般の国民の方の原子力発電に対する一層の理解を得るために、私どもでは、いろいろ政府で決めました情報公開基準などの申し合わせに基づきまして、カザフスタンで実施いたしますデブリ冷却試験につきましても同じですが、その報告書は、財団法人の原子力発電技術機構に情報公開のための施設を、平成六年七月から原子力発電ライブラリとして公開しております。今後もこの試験の報告書についてはここで公開していくつもりでございます。
○吉井委員 そこで大臣、なぜ私がこれをきょうお聞きしたいかといいますと、我が国の原子力開発研究というのは、法律によって、自主、民主、公開というのが定められているわけです。しかし、外国で研究するということになりますと、どこまで保障されるかということが明確になってこないのですね。 カザフスタン共和国において行われる。その場合にデータの公開に一定の制約が加えられてきたときには一体どうなるのかとか、日本の学者、研究者がその研究所へかなり自由に行って、見学もすれば、希望して実験に参加させてもらうこととか、日本の国内と大分事情が違ってくるわけですね。そういうふうなときに、日本は公開の原則を貫けるのかどうかということがやはり問題になってくるわけです。私は、ここにまさに政治が今問われてきていると思うのです。 そこで、カザフスタンであっても原子力平和利用の三原則を貫いていく、こういう立場で科学技術庁としては臨んでもらわなきゃいけないと思うのですが、最後にこの点についての大臣のお考えを伺って、質問を終わりたいと思うのです。
○田中国務大臣 カザフスタンで通産省とともにメルトダウンのテスティングをやることは承知しております。正確な日にちは承知しておりませんけれども、いろいろな教訓を得ていくということは原子力安全政策を推進する上で大事なことではございますし、データというものは少しでも多く、あらゆる角度から入手されるということが必要だと思っておりますので、これまたもう少し事務当局とも、また通産省とも話を詰めてみたいと思います。 ちょっとまたもう一回伺わせていただきたいのですけれども、具体的な日にちを聞かせていただいて、委員長、よろしゅうございましょうか。
○藤冨説明員 お答えいたします。 先生の御趣旨を踏まえまして、成果報告書にはデータの細かいところまで十分記載されるように努力していきたいと思っております。
○吉井委員 もう時間が参りましたので、私は、今申しましたように、〔日本の原子力平和利用の自主、民主、公開というこの原則は、本当にきちっと担保されるように、これはまさに政治の問題になってきますので、大臣にこの点で全力を尽くして取り組んでいただきたい、このことを申し上げまして、終わりたいと思います。何か御決意が一言あれば聞かせていただいて、終わりにしたいと思います。
○野呂委員長 次回は、来る十三日火曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時二十三分散会