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132回国会衆議院1995/02/07

科学技術委員会 第1号

発言数
16
登壇者
4
会派数
2
開催日
1995/02/07

会議録

野呂昭彦新進党

○野呂委員長 これより会議を開きます。  このたび、科学技術委員長に就任いたしました野呂昭彦でございます。  ごあいさつに先立ちまして、委員各位とともに、先般、多大な被害をもたらしました阪神大震災によりお亡くなりになられました方々に対しまして哀悼の意を表するとともに、被災された方々に対し心よりお見舞いを申し上げたいと存じます。  また、本委員会におきましても最善の努力をし、協力いたしてまいりたいと存じます。  さて、今日、我が国の科学技術の発展は多くの分野で目覚ましいものがございます。資源なき我が国にとりまして、今後も、国民生活の向上と経済の安定成長に寄与するとともに、国際社会に貢献していくためには、積極的な科学技術の振興が不可欠でございます。したがいまして、本委員会に課せられた使命はまことに重大であると言わなければなりません。  何分微力ではございますが、本委員会の円滑な運営を図り、その重責を果たしてまいりたいと存じますので、委員各位の御指導、御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。(拍手)      ――――◇―――――

野呂昭彦新進党

○野呂委員長 この際、去る一月二十日の議院運営委員会における理事の各会派割当基準の変更等に伴う理事の辞任及び補欠選任並びに委員の異動に伴う理事の補欠選任を行います。  まず、理事の辞任についてお諮りいたします。  理事甘利明君及び平沼赳夫君から、理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

野呂昭彦新進党

○野呂委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。  ただいまの理事辞任による欠員のほか、委員の異動に伴う欠員一名、計三名の理事が欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

野呂昭彦新進党

○野呂委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  それでは、理事に       栗本慎一郎君    上田 清司君       渡海紀三朗君 を指名いたします。      ――――◇―――――

野呂昭彦新進党

○野呂委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。  科学技術振興の基本施策に関する事項  原子力の開発利用とその安全確保に関する事項  宇宙開発に関する事項  海洋開発に関する事項  生命科学に関する事項  新エネルギーの研究開発に関する事項以上の各事項につきまして、本会期中調査をいたしたいと存じます。  つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

野呂昭彦新進党

○野呂委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。      ――――◇―――――

野呂昭彦新進党

○野呂委員長 科学技術振興の基本施策に関する件について調査を進めます。  田中国務大臣から科学技術行政に関する所信を聴取いたします。田中国務大臣。

田中眞紀子自由民主党・自由連合科学技術庁長官

○田中国務大臣 昨年十二月に発生した平成六年三陸はるか沖地震の復旧のさなかの本年一月十七日早朝、平成七年兵庫県南部地震が発生いたしました。第百三十二回国会に当たり、まず、地震でお亡くなりになった方々とその御遺族に対しまして深く哀悼の意を表しますとともに、負傷された皆様や不自由な避難生活を強いられている方々に心からお見舞い申し上げます。  地震は一たん発生すると、人命はもちろん、社会経済に大きな影響を与えます。私も早速現地を視察いたしましたが、大きな自然の力の前に人間の存在がいかに小さく、現代の社会がもろいものであるかということを、これほど衝撃的に感じたことはありません。科学技術庁としても、できる限り技術的、物的能力を駆使して、一日も早い復旧のために最大限努力してまいります。  今回のような都市直下型地震も含め、地震の発生メカニズムに関する研究等の基礎的研究のみならず、私たちの生活を支える防災科学技術全般を推進し、次の世代に誇りを持って引き継ぐことのできる社会の建設に努めたいと思います。  昨年十月、私は、みずからの職務をいわば未来担当大臣と位置づけ、二十一世紀を問近に控えた今日、人類共通の夢を実現し、新しい世紀の文化や社会を創出するために、積極的に科学技術の振興を図ると申し上げました。  そして、私は今、文化を創造し、知的でダイナミックな未来社会を構築する原動力としての科学技術政策が持つ、未来に対する責任の重さを痛感いたしております。  二十一世紀を目前に控え、いわばその助走の時期に生きる私たちが、社会のバイタリティーを維持向上させ、豊かな生活を実現し、持続的に社会を発展させるために、今、何を残し、何を伝えていけるのか。二十一世紀の扉を開くかぎとして、私たちの子孫への知的な贈り物として、私は、科学技術を積極的に推進いたします。  また、二十一世紀の情勢変化にも柔軟に対応できる行政を実現するために、行政改革を推進することは政府全体としての未来への責務であります。このような観点から、私は、科学技術行政全般について、不断に意を払いながら、特殊法人の見直しなどを積極的に行い、未来に通じる科学技術振興体制の活性化を図ってまいります。  このような認識のもと、科学技術による国際社会への積極的な貢献を念頭に置きながら、平成七年度には、以下に申し述べますような柱を中心として総合的に施策を展開してまいります。  第一に、創造的・基礎的研究の充実強化と科学技術振興基盤の整備であります。  科学技術は創造性豊かな人類の英知の結集であり、我が国が世界に向けて知的な貢献を行う立場からも、科学技術振興基盤を整備強化し、研究者が創造性を十分に発揮できる環境を整えていくことが必要です。  このため、科学技術振興調整費等の基礎研究推進制度を拡充するとともに、特殊法人に対する出資金を活用して、基礎研究の充実を図るための調査を行います。また、研究情報ネットワークの整備、利用の促進や高度計算科学技術の推進等、研究開発の高度情報化を促進いたします。  さらに、若者の科学技術離れ対策等に一層力を入れるとともに、大型放射光施設SPring-8の整備を進めてまいります。  第二に、国民生活に密着した科学技術の推進であります。  この分野で、まず取り上げなければならないのは防災科学技術です。冒頭申し上げましたとおり、防災科学技術は、私たちが安心して暮らせる豊かな社会を構築し、次の世代に引き継いでいくために不可欠なものであります。この分野は、地震予知研究から雪害対策のための研究まで大変幅の広いものですが、海底地震情報ネットワークの整備を推進するほか、特に兵庫県南部地震に関しては、関係研究機関と共同で建築物の被害や地震断層等の調査を実施するなど、積極的に取り組んでまいります。  同時に、生活者の立場を一層重視した科学技術の振興を図るため、生活者や地域社会のニーズに密接に関連した研究開発と、研究成果を生活者や地域社会へ適用するための技術開発を進めます。  健康の維持増進は、いつの時代にも最も切実に希求されるものであります。特に、日本人の死亡原因の四分の一を占めるがんを撲滅するための研究については、放射線医学総合研究所における重粒子線がん治療研究等を進めるほか、高度情報ネットワークを利用した重粒子線高度がん治療推進センターの整備に着手し、重粒子線がん治療法の早期確立・普及を図ります。  第三に、先端科学技術分野の研究開発の推進であります。  科学技術全般の基礎となる知見を与え、また多くの分野の科学技術を先導していくためには、物質・材料、生命現象等を対象とする科学技術や、宇宙、海洋など、人間の活動領域を拡大する科学技術といった先端的な科学技術を推進する必要があります。  このうち、宇宙開発は、向井宇宙飛行士の活躍などにより、私たちに一層身近なものになりました。ようやく欧米の水準に迫る技術的能力を得た我が国は、これを一層活用し、地球観測分野等の人工衛屋の開発、宇宙ステーション計画への積極的な参加を初めとして、将来の無人有翼往還機の技術基盤の確立等、この分野の研究開発を推進いたします。  昨年八月に打ち上げられた技術試験衛星Ⅵ型きく六号のふぐあい原因と対策等につきましては、宇宙開発委員会に設置された技術試験衛星Ⅵ型特別調査委員会における審議の結果が宇宙開発委員会で了承されました。本報告書での指摘を十分踏まえ、今後の宇宙開発に万全を期してまいります。  人間活動のフロンティアを考えるとき、忘れてはならないものに海があります。海は、大航海時代の昔から、洋の東西を問わず、人間のロマンの対象でした。二十一世紀を迎えようとしている今、地球表面の七割を占めるこの海洋が、地球環境に大きな影響を与えていることが徐々に解明されてきております。私は、有人潜水調査船「しんかい六五〇〇」などにより深海調査研究を一層進 めるほか、大型海洋観測研究船の整備、深海掘削船システムの研究開発等を進め、全地球規模でとらえなければならない地球環境問題の解明に努力いたします。  第四は、エネルギーの安定確保があります。  エネルギー資源の八割以上を海外からの輸入に依存し、今後ともエネルギー需要の着実な伸びが予想される我が国にとって、現在及び将来にわたりエネルギーを安定的に確保することは極めて重要な課題です。  このため、今後とも、原子力、核融合のみならず、太陽エネルギーなどの新エネルギーに関する研究開発を進めます。  特に原子力は、供給安定性や経済性、さらには地球環境の面ですぐれており、既に我が国の総発電電力量の約三割を賄い、脆弱な我が国のエネルギー供給構造の克服に貢献する基軸エネルギーとなっております。私は、昨年六月に改定された長期計画に従って、平和利用と安全確保を大前提に、情報の公開、透明性の向上に努めつつ、国内外の理解を得ながら、核燃料リサイクルの着実な展開とバックエンド対策等に取り組んでまいります。  原子力の開発利用を進めるに当たっては、その安全の確保が大前提であり、今後とも一層取り組みを充実いたします。また、原子力の安全確保は、単に国内にとどまらず、国際的な取り組みが極めて重要であり、原子力安全に関連する分野全般における国際協力に積極的に取り組みます。  また、我が国は、今後とも原子力の平和利用を堅持するとともに、世界的な核不拡散体制の充実強化に貢献してまいります。このため、大型再処理施設に対する保障措置体制の整備等、我が国の責務を誠実に履行していくほか、先進的リサイクル技術の研究等への取り組みを強化するとともに、プルトニウム利用計画の透明性向上に向けた国際的枠組みづくりへの貢献などを図ってまいります。  北朝鮮の核開発問題に関しては、昨年十月の米朝枠組み合意の履行を通じた北朝鮮に対する軽水炉提供のための国際的な支援に当たって、平和利用への限定と十分な安全確保を求めてまいります。  さらに、国民生活に密接に関連した放射線利用機器等を対象とする放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律について、安全性の確保に支障を来すことなく規制の合理化を図るため、今国会に同法の改正案を提出し、御審議をお願いすることとしておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。  村山総理大臣は、施政方針演説で、知的資産の創造などの四つの創造を柱とした国づくりに言及されました。これらの課題に取り組むに当たっては、尽きることのない資源である科学技術が果たすべき役割は極めて大であり、私はこの四つの創造を支え、知的未来社会を構築していきたいと思います。  未来への発展基盤である科学技術に課せられた重大な使命に思いをいたしつつ、科学技術行政の責任者として全力を尽くしてまいります。  委員長初め委員各位の御指導、御協力を心よりお願い申し上げます。  ありがとうございました。(拍手)

野呂昭彦新進党

○野呂委員長 次に、平成七年度科学技術庁関係予算について説明を聴取いたします。石井官房長。

石井敏弘科学技術庁長官官房長

○石井(敏)政府委員 平成七年度科学技術庁関係予算の概要を御説明申し上げます。  平成七年度一般会計予算において、科学技術庁の歳出予算額四千九百二十六億三千四百万円を計上いたしており、これを前年度当初歳出予算額と比較いたしますと、二百九十億二千三百万円、六・三%の増加となっております。また、電源開発促進対策特別会計において、科学技術庁分として、歳出予算額一千四百九十六億八千六百万円を計上するほか、産業投資特別会計から、日本科学技術情報センターに対し、三十八億円の出資を予定いたしております。  以上の各会計を合わせた科学技術庁の歳出予算額は、六千四百六十一億二千万円となり、これを前年度の当初歳出予算額と比較いたしますと、四百八億八千二百万円、六・八%の増加となっております。  また、国庫債務負担行為限度額として、一般会計一千五百一億六千六百万円、電源開発促進対策特別会計四百五十七億八千八百万円を計上いたしております。  さらに、一般会計予算の予算総則において、原子力損害賠償補償契約に関する法律第八条の規定による国の契約の限度額を一兆二千七百三十二億円とするとともに、動力炉・核燃料開発事業団法第三十四条の規定により、政府が保証する借り入れ等の債務の限度額として九十二億円を計上いたしております。  次に、予算額のうち主要な項目につきまして、その大略を御説明申し上げます。  第一に、創造的・基礎的研究の充実強化と科学技術振興基盤の整備のため、八百三十六億二千八百万円を計上いたしました。  まず、創造性を重視した基礎研究の推進といたしまして、産学官の連携により重要な基礎研究等を推進するための科学技術振興調整費を大幅に拡充し、百八十五億円を計上するとともに、創造科学技術推進制度等の重要な基礎研究推進制度を充実するほか、基礎研究の一層の充実を図るため出資金を活用する方策について調査を行うこととしております。  また、科学技術振興基盤の整備といたしまして、研究開発の高度情報化の促進に必要な経費として七十六億六千四百万円を計上するとともに、大型放射光施設(SPring-8)の整備等放射光利用の促進を図るため、百五十五億五千九百万円を計上いたしました。  また、日本科学技術情報センターにおける科学技術情報の流通促進等のため、産業投資特別会計から同センターに対し、三十八億円の出資を予定いたしております。  このほか、研究組織、研究分野等を超えた研究交流の総合的推進、国の研究施設の整備、人当研究費の拡充、科学技術系人材の確保養成、科学技術の地域展開等を進めることとしております。  第二に、国民生活に密着した科学技術の推進を図るため、二百五十四億四千百万円を計上いたしました。  これにより、高齢化社会への対応等生活者や地域社会のニーズに密接に関連した研究開発を行うため、生活・社会基盤研究開発制度を創設するとともに、広域深部観測施設の整備の推進等による地震予知研究等の防災安全対策の充実を図るほか、重粒子線がん治療等のがん関連研究、ヒト遺伝子解析等の健康の維持増進、食品成分データの整備等の生活環境の向上、及び人間特性に調和した科学技術の推進を図ることとしております。  第三に、科学技術による国際社会への貢献を図るため、一千七百八十六億八千六百万円を計上いたしました。  まず、宇宙からの地球観測を行うための環境観測技術衛星等の研究開発の推進や大型海洋観測研究船の整備を図ること等により、地球環境問題への取り組みを強化するとともに、宇宙ステーション計画、国際熱核融合実験炉(ITER)計画、ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラム等の国際協力プロジェクトに積極的に参加することとしております。  このほか、アジア太平洋諸国、旧ソ連を初め各国との研究交流支援、さらには、外国の研究者の受け入れ等を総合的に推進することとしております。  第四に、先端科学技術分野の研究開発の推進を図るため、二千九百六十億五千百万円を計上いたしました。  まず、宇宙開発利用の推進といたしまして、将来の多様な宇宙開発活動の安定的展開を図るため、宇宙往還技術試験機の研究開発を進めるとともに、通信放送技術衛星、技術試験衛星Ⅶ型、地球観測プラットホーム技術衛星、光衛星間通信実 験衛星、環境観測技術衛星等の各種人工衛星の研究開発、並びにJ-Ⅰロケットの研究開発、さらに宇宙ステーション計画への参加等の推進のため、一千六百三十九億三千二百万円を計上いたしました。  次に、海洋開発の推進といたしまして、深海環境研究開発、海洋観測研究開発等を行うため、百四十六億五百万円を計上いたしました。  次に、核融合、ビーム利用等原子力研究開発の推進といたしまして、国際熱核融合実験炉(ITER)計画、臨界プラズマ実験装置等による核融合の研究開発、重粒子線がん治療等のビーム利用の高度化、高温工学試験研究等を進めるため、八百三十三億八百万円を計上いたしました。  次に、超電導材料、インテリジェント材料、スーパーダイヤモンド等の物質・材料系科学技術の研究開発の推進のため、百十八億一千二百万円を計上し、また、脳・神経研究等のライフサイエンスの研究開発の推進のため、二百七十五億六千六百万円を計上し、さらに、航空技術等の研究を推進するため、百十九億六千五百万円を計上いたしております。  第五に、エネルギーの安定確保のため、二千十七億二千九百万円を計上いたしました。  まず、核燃料リサイクルの着実な展開とバックエンド対策の推進を図るため、ウラン資源の確保、ウラン濃縮、使用済み核燃料の再処理、高速増殖原型炉「もんじゅ」の性能試験、高レベル放射性廃棄物等の処理処分対策等についての研究開発等を行うとともに、民間における核燃料サイクル施設建設計画の円滑な事業化等を促進するため、一千三百九十七億三千二百万円を計上いたしました。  また、未来エネルギーの研究開発を推進することとし、究極のエネルギー源として期待される核融合の研究開発の推進を図るとともに、新エネルギー研究開発の新たな展開を図るため、三百六十六億四千四百万円を計上いたしました。  さらに、原子力の開発利用に対する国内外の理解の増進と情報の公開を図るため、地元と原子力施設が共生できるよう、周辺地域住民の福祉の向上、地域振興等に必要な施策を講じるとともに、一般国民の信頼感、安心感を得ることができるようきめ細かくわかりやすい広報活動等を展開するため、二百五十三億五千四百万円を計上いたしました。  第六に、原子力安全対策及び核不拡散対応の充実強化を図るため、五百七十三億二千八百万円を計上いたしました。  まず、原子力安全規制行政の充実、安全研究の推進、放射能調査研究の充実等原子力安全対策の充実強化のため、五百十五億六千四百万円を計上いたしました。  さらに、原子力平和利用の確保という我が国の責務を果たすため、保障措置、核物質防護対策を充実強化するとともに、透明性の向上を図りつつ、世界的な核不拡散体制の充実強化に積極的な貢献を果たすため、五十七億六千五百万円を計上いたしました。  以上、簡単でございますが、平成七年度科学技術庁関係予算につきまして、その大略を御説明申し上げました。      ――――◇―――――

野呂昭彦新進党

○野呂委員長 次に、平成七年兵庫県南部地震への対応について説明を聴取いたします。沖村研究開発局長。

沖村憲樹科学技術庁研究開発局長

○沖村政府委員 平成七年兵庫県南部地震への科学技術庁の対応について御説明申し上げます。  まず、政府全体としての対応でございますが、非常災害対策本部への参加あるいは政府調査団への防災科学技術研究所からの研究者の参加を行っております。また、兵庫県南部地震対策関係閣僚会議、兵庫県南部地震緊急対策本部への参画、あるいは兵庫県南部地震復興対策緊急立法検討プロジェクトチームヘも参画をいたしております。  次に、科学技術庁としての対応でございますが、まず、地震予知研究の促進でございます。  大臣が本部長となっております地震予知推進本部の幹事会を一月十八日に開催をいたしまして、この幹事会におきまして、今後の地震予知観測・研究の進め方について、中長期的な観点から、地震予知連絡会とも協力をとりつつ検討を行っていくことを決めております。この地震予知体制図につきましては、(参考2)、四ページでございますが、それをごらんいただきたいと思います。  それから、科学技術振興調整費緊急研究の推進を図っております。  平成七年兵庫県南部地震に関しまして、科学技術振興調整費による緊急研究を実施をいたしております。これにつきましては、(参考3)、五ページでございますが、ごらんいただきたいと思います。ここにありますようなテーマにつきまして、八省庁の十機関が参画をいたしまして、三千万の予算をもちまして現在緊急研究を実施しているところでございます。  三番目に、防災科学技術研究所等による現地調査の実施でございます。  防災科学技術研究所及び金属材料研究所の研究者が、十九日から二十二日にかけまして、被害の実態等の地上の調査を実施をいたしております。また、防災科学技術研究所及び通産省工業技術院地質調査所の研究者が、二十日から二十一日にかけまして、航空宇宙技術研究所が所有をいたします航空機「ドルニエ228」を活用いたしまして、航空写真等による現地上空からの調査を実施をいたしております。  次に、政府全体としての対応に対しましての科学技術庁としての協力でございますが、まず、一万メートル級無人探査機「かいこう」の総合海上試験に備えまして、岡山県玉野に停泊をしておりました海洋科学技術センターの船舶「よこすか」、総トン数四千五百トンでございますが、この「よこすか」につきましては、当初は物資輸送の手段としての利用を国土庁あるいは近隣自治体等に申し出を行っておりましたが、現在は、国土庁を通じまして厚生省からの依頼を受けまして、一月二十九日から神戸港におきまして、地方自治体等から派遣されております被災民への医療活動を実施中の医療関係者の宿泊施設として、これを利用いたしております。毎日五十人程度の方が利用をいたしております。  二番目といたしまして、航空宇宙技術研究所が所有をいたしております航空機「ドルニエ228」の活用の申し出を、国土庁、消防庁等の関係省庁に行っているところでございます。  また、日本科学技術情報センターにおきましては、一月十八日から、インターネットを通じまして義援金等の関係情報を国内外に提供いたしております。現在まで、海外及び国内から約三千六百件のアクセスがございました。  四番目といたしまして、当庁関係機関が保有をしております物資、簡易ベッドでありますとか寝具、防寒具等でございますが、これを提供いたしております。具体的には、国土庁から指定をされました神戸市の兵庫県消防学校にこれを輸送いたしているところでございます。  五番目に、放射線医学総合研究所、日立メディコ、結核予防会千葉県支部によりまして共同開発されましたラセンCT搭載検診車を日本赤十字社神戸病院に派遣をいたしまして、現地の医療活動へ放射線医学総合研究所の医師が参画をいたして実施をいたしております。二十二日から二十九日までに、脳挫傷、脳梗塞等の患者さん六十七名の診断を実施したところでございます。  以上でございます。

野呂昭彦新進党

○野呂委員長 以上で説明は終わりました。      ――――◇―――――

野呂昭彦新進党

○野呂委員長 宇宙開発に関する件について調査を進めます。  この際、HⅡロケット試験機二号機により打ち上げられました技術試験衛星Ⅵ型きく六号について発言を求められておりますので、これを許します。沖村研究開発局長。

沖村憲樹科学技術庁研究開発局長

○沖村政府委員 技術試験衛屋きく六号について 御説明を申し上げたいと思います。  まず経緯でございますが、昨年八月二十八日、宇宙開発事業団がHⅡロケット試験機二号機により打ち上げました技術試験衛星きく六号につきましては、ロケットから無事分離されたものの、衛星のアポジエンジンが故障して十分な出力が出ず、予定した静止軌道に投入することができなくなっておりまして、現在楕円軌道を周回中でございます。これにつきましては三ページの(参考1)をごらんいただきたいのでございますが、ここに掲げております楕円軌道の一番外側、現軌道というところがございますが、この軌道を今周回しておるところでございます。  これにつきまして、宇宙開発委員会において調査審議を重ねてまいりました。宇宙開発委員会では、昨年九月十四日に設置をいたしました技術試験衛星Ⅵ型特別調査委員会におきまして調査審議を行いまして、その結果が昨年末までに二回にわたり宇宙開発委員会に報告されまして、了承されたところでございます。  この具体的内容でございますが、まず、アポジエンジンの出力が十分に出なかった原因につきまして、(参考2)をごらんいただきたいのでございますが、四ページでございます。(参考2)の(1)のアというところからでございますが、打ち上げ飛行時の振動により、アポジエンジン内の二液推薬弁のばねが予期せぬ大きな様変位を生じまして、ピストンとケーシングの間に入り込み、かみ込みをいたしまして、それが宇宙空間の高真空中で摩擦係数が増大し、外れなくなった可能性が最も高いというふうに推定をされているところでございます。  この考え方につきましては、その下の(2)のアからでございますが、このようなばねの横変位は、開発過程で実施されました地上での大きな振動試験のもとでは発生せず、実際の飛行振動環境と同等の小さな振動の緩やかな条件のもとでの方が発生し得るという特異な現象であることが、今回、再現試験の結果判明をいたしております。  また、今回のばねの様変位によるかみ込みは、地上試験での相当の回数の作動等にもかかわらず、その兆候が確認されなかったこと、一般に地上試験は飛行環境よりも厳しい条件で行われること、摩擦係数が増大する宇宙空間の高真空度を模擬した作動試験等が困難であることを考慮いたしますと、宇宙開発事業団が今回の特異な現象の可能性を予見することは困難であったと判断をされております。  しかしながら、二液推薬弁がばねの様変位を防止するという構造になっていれば、ふぐあいは発生しなかったということも推定されておりまして、宇宙での不測の事態に対しまして、今後はより注意深い対応が必要であるということを指摘されております。  今後の対策といたしましては、五ページの(3)からでございますが、類似の弁を使用する場合には、ばねのかみ込み防止策等を十分に検討する必要があること、また開発過程における地上試験につきましては、一般に実際の飛行時よりも厳しい条件で実施するのが基本でございますが、今回の特異な現象のように従来の地上試験では機能が確認されるとは限らない場合がございますので、HⅡロケットの実測データが蓄積されつつある現状にかんがみまして、必要に応じて、飛行環境に近い試験条件を設定し、地上環境試験を実施することも検討する必要があるという指摘をいただいております。  さらに、高真空下での摩擦係数の増大など宇宙空間特有の現象についてのデータを積み重ねるべく、基礎研究の推進が必要であるということも指摘をいただいておるところでございます。  その次に、開発体制についての指摘をいただいておりまして、これにつきましては六ページの(3)からでございます。  宇宙開発事業団を中心といたします開発体制につきましては、まず技術研究本部の要員を増強して専門技術者を養成し、この専門技術者を開発の審査に参加させることなどにより、宇宙開発事業団における審査体制の充実及びこれを支える技術能力の向上、蓄積を図る必要があると指摘をされております。  また、宇宙開発事業団の技術能力の向上を支援し、審査の客観性を確保するために、幅広い分野の経験を有する外部の専門家等のアドバイスを開発の各段階に適時的確に反映する必要があると指摘をいただいております。  さらに、開発プロジェクトの成功のためには、宇宙開発事業団とメーカーの一層緊密な協力とともに、我が国全体の総合的な技術能力の厚みとすそ野を広げていく必要があり、このためには、宇宙開発事業団だけではなくて、メーカーにおいてもインテグレーション技術及び要素技術の能力を高めていくことが必要であるという御指摘をいただいております。  このほかにも、将来の宇宙開発の大規模化、複雑化にかんがみまして、今後、より効率的な技術情報システムの高度化とその活用を推進することの指摘をいただいているところでございます。  以上の報告書をいただきました当庁の対応といたしましては、宇宙開発事業団に対しまして、同報告書で指摘されました点を踏まえまして、速やかに具体的な対策について取りまとめるよう指示をいたしております。  これを受けまして宇宙開発事業団では、具体的な対策について直ちに実施できるものは実施し、また外部の学識経験者等の意見も参考にしながら、開発体制等検討に時間を要するものにつきましても、本年の四月を目途に今鋭意検討を進めているところでございます。  また、きく六号の現在の運用状況につきましては(参考3)のとおりでございますが、きく六号は現在楕円軌道を周回しておりまして、衛星の軌道の違いや運用期間の短縮等から所期の目標はすべては達成できないわけでございますけれども、衛星バス構造体の系統の機器につきましては、アポジエンジンの機能確認、機器の寿命評価を除きまして相当程度の実験が可能であるということ、また通信実験につきましては、制約条件がございますが、三日置きにある程度の通信実験が可能となっておりますのが現状でございます。  なお、今後ともできる限りこの衛星を利用して、実験を行っていきたいというふうに考えております。  以上でございます。

野呂昭彦新進党

○野呂委員長 以上で報告は終わりました。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後一時二十四分散会

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