沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第5号
- 発言数
- 21 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1995/04/27
会議録
○鈴木委員長 これより会議を開きます。 第百二十九回国会、上原康助君外八名提出、沖縄県における駐留軍用地の返還及び駐留軍用地跡地の利用の促進に関する特別措置法案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 本案につきましては、前国会において既に趣旨の説明を聴取いたしておりますので、これを省略いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鈴木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。 ————————————— 沖縄県における駐留軍用地の返還及び駐留軍用 地跡地の利用の促進に関する特別措置法案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○鈴木委員長 これより質疑に入るのでありますが、質疑の申し出がありません。 この際、委員長から修正案を提出いたします。 ————————————— 沖縄県における駐留軍用地の返還及び駐留軍用 地跡地の利用の促進に関する特別措置法案に 対する修正案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○鈴木委員長 本案に対する修正につきましては、先般来種々御協議を願い、先刻の理事会におきましても確認いたしました次第であります。 修正案の趣旨を御説明申し上げます。 修正案はお手元に配付してありますので、案文の朗読はこの際省略させていただき、その趣旨について御説明申し上げます。 第一点は、題名を沖縄県における駐留軍用地の返還に伴う特別措置に関する法律に改める。 第二点は、国は、駐留軍用地の所有者等に当該土地を返還する場合、その所有者等の請求により、当該土地の所在する周囲の土地利用の状況に応じた有効かつ合理的な土地利用が図られるよう、当該土地を原状に回復する措置その他政令で定める措置を講ずるものとすること。 第三点は、国は、アメリカ合衆国から駐留軍用地の返還を受けた場合、当該所有者等に対し、当該返還を受けた日の翌日から三年間を超えない期間内で、当該所有者等の申請に基づき、政令で定めるところにより、国が支払っていた賃借料または土地収用法に規定する補償金に相当する額を支給するものとし、この給付金の額は、年間千万円を限度とし、かつ総額三千万円を限度として支給するものとすること。 第四点は、沖縄県知事等は、総合整備計画の策定等の施策を実施するため、国に対し、合同委員会において返還が合意された駐留軍用地についての調査及び測量の実施に関してあっせんを申請することができるものとすること。 第五点は、国の負担割合等の特例を定める規定及び駐留軍用地跡利用基金について定める規定を削除し、また、国有財産の譲与等の規定を整備するものとすること。 第六点は、国は、駐留軍用地の整理縮小を求める沖縄県民の意向に留意しつつ、この法律の円滑な実施に努めるものとすること。 第七点は、この法律及びこの法律に基づく措置は、日米安保条約及び日米地位協定の円滑な実施を妨げるものではないものとすること。 第八点は、この法律は、平成七年六月二十日から施行するものとすること。 第九点は、この法律は、平成十四年六月十九日限りその効力を失うものとすること。 第十点は、目的、国の責務等の規定について所要の整備を行うものとすること。 以上が、修正案を提出いたしました趣旨と内容であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。 この際、本案について、国会法第五十七条の三の規定により、内閣の意見を聴取いたします。国務大臣小澤沖縄開発庁長官。
○小澤国務大臣 沖縄県における駐留軍用地の返還及び駐留軍用地跡地の利用の促進に関する特別措置法案及び同法案の修正案について申し上げます。 政府といたしましては、原案に対しては反対でありますが、同法案に対する修正案については院議を尊重することといたしたい。 以上であります。 —————————————
○鈴木委員長 これより原案及び修正案について討論に入ります。 討論の申し出がありますので、順次これを許します。宮里松正君。
○宮里委員 私は、ただいま議題となりましたいわゆる軍転法案の修正案及び修正案を除く原案について、賛成の討論を、自民党を代表して行うものであります。 本法律案の原案は、昨年六月二十三日の慰霊の日に、当時の羽田内閣に対する不信任案が国会に提出された後、急選提出されたものであります。しかも、そのことにつきましては、国会に最大の議席を有する自由民主党や政府関係省庁とは、事前に何らの意見調整もなされておりませんでした。これは、本件のような議員立法の場合の立法手続としては極めて異例のことであり、まことに遺憾なことであります。 本法律案の原案は、このように国会提出に至るまでの手続の面では遺憾な点がありましたが、内容的には、従来の同種法律案と違って、日米間で返還について合意した軍用地の跡地利用に関するものであり、また、その早期制定については、沖縄県内の世論がほぼ一致しておりましたので、自由民主党といたしましても、これらのことを考慮し、この際、その制定に向かって積極的に努力することに相なりました。 そして、法律をつくるならよりよいものをつくるべきであるという立場から、政府関係省庁の意見も聴取しながら、相当の時間をかけて検討し、今回の修正案の内容を取りまとめた次第であります。 我々がその際最も重視しましたのは、返還の際の地主に対する補償措置に関する第八条についてであります。 本法案の原案は、地主に対するいわゆる返還後三年間分の地代相当額の支払い保証について、これを土地区画整理事業や土地改良事業など公共事業の対象地だけに限定し、しかも、国の賃貸借契約上の原状回復義務を免除する代替措置としてこれを支払う旨規定しておりましたが、これでは同一の法律関係にある軍用地主の大半を不当に差別することになることや、国の契約上の原状回復義務を一方的に地主の不利益に変更することになることなどの点を考慮し、これを全面的に改め、国有地を除いて、県、市町村有地、個人、法人有地のすべてについてひとしく返還後三年間の地代相当額を支払うこととし、また、国の契約上の原状回復義務は、これを免除しないことにした次第であります。 賃貸借契約が終了し目的物件が返還された後に地主に対して三年間分の地代相当額を支払うというのは、地主を不当に優遇するものではないかという異論があるいはあるかもしれません。 しかし、建物所有を目的としない土地賃貸借契約の期間は、民法上、最長二十年が限度であり、二十年以上契約を継続する場合には、地主に相当額の承諾料を支払って契約を更改することが通例であります。沖縄県の米軍用地は、既に長いものは五十年、短いものでも約四十年を経過し、しかもそのほとんど全部が、米軍によって強制的に接収され一方的に基地にされたものでありますから、そのことを考えれば、軍用地を返還する場合に三年間分の地代相当額を支払う旨約束しておくことは、むしろ当然の措置であると考えます。 ともあれ、本法律案が委員長修正案の形で最終的に取りまとめられ、各党の御賛同を得て可決成立の運びになりましたことは、各党関係者の大変な御努力のたまものであり、成果でありまして、この際、これら関係者の御努力に心から敬意を表し、私の賛成討論の結びといたします。 ありがとうございました。(拍手)
○鈴木委員長 仲村正治君。
○仲村委員 私は、新進党を代表して、本日、軍転特措法を議決するに当たって、意見の一端を申し上げます。 さて、この軍転特措法を制定しなければならない問題は、何と五十年前に発生した問題に起因する事柄であります。 昭和二十年三月二十三日、米軍は沖縄への上陸作戦の攻撃を開始し、六月二十三日までの何と九十日間、雨あられのごとく砲弾が撃ち込まれ、まさに鉄の暴風のような砲火は沖縄県全土を焼け焦がしたのであります。当時の米軍の戦争記録からすると、米軍が沖縄作戦で撃ち込んだ砲弾は、何と三千六百万発であったと言われております。当時の沖縄県の人口は五十万でありますから、県民一人当たり七十発余の砲弾の的にされたということを忘れてはならないと思います。 そして、大東亜戦争という国家行為によって沖縄県全土が米軍に占領され、県民の土地は略奪にも等しい形で米軍に不当に占拠され、そこに米軍基地が構築されてからことしでちょうど五十年になりました。沖縄の米軍基地の成り立ちの歴史的背景を思うとき、戦争という略奪的占領によるものであって、決して合法的手続を経たものではないという事実は、何人も否定できるものではないと私は考えております。そして、昭和四十七年五月十五日の復帰時に、日米安保条約の日本政府の基地提供義務を追認したものであるということを忘れてはならないと思います。 また、沖縄の米軍基地は、復帰前に、日米安保条約とは無関係に、アメリカの極東戦略として東西の冷戦構造の緊張状態絶頂期に構築されたものであるが、冷戦構造崩壊後の今日も、その規模や機能が、全国の国土面積の〇・六%しかない狭隘な沖縄県に、全在日米軍基地専用施設の七五%も超過密偏在し、その占拠面積は沖縄本島の約五分の一、一九%で、しかも、生産性と利用度の高い平坦地を占拠しているため、沖縄県の振興開発を大きく阻害しているのであります。 県民の大多数は、我が国の安全保障政策の基軸ともいうべき日米安保条約の重要性を支持しつつも、沖縄県民だけが一方的に過重な負担を背負い、そして、それを強いられることに大きな不満を抱き、米軍基地の整理縮小を強く叫び続けているところであります。 私自身、一国の安全保障政策は独立国家存立の基本条件であり、しかも、日米安保条約は、我が国の平和と安全の維持と、近隣アジア諸国に安心感を与える不可欠要件であると思っております。しかし、戦後五十年近く続いた東西対決の一万のソ連の崩壊で世界の緊張状態が大きく緩和された今日、今なお沖縄の米軍基地が、旧態依然として同じ規模と機能が存続することは、決して許されることではないと思っております。 しかも、沖縄の米軍基地の今日までの返還のあり方が、五十年近くも地主の意思とは無関係に一方的に使用しておきながら、使い捨て同然に返還されることに強い不満と憤りを抱いてきたところであります。 したがって、今回、各党の御協力と御賛同で軍転特措法案の提案となったのであります。 本日の委員会に到達するには、法案に対する拒絶反応等も加わり、紆余曲折の道のりをたどりましたが、各党の誠意と御理解のおかげで、本日議決の運びとなりました。私は、本法案提出者として、感無量と言うほか言葉はありません。 特に、本法の成立に当たって情熱を傾けてくださいました鈴木委員長の御配慮に対して、深甚の敬意と感謝を申し上げて、私の意見といたします。 ありがとうございました。(拍手)
○鈴木委員長 上原康助君。
○上原委員 私は、日本社会党・護憲民主連合を代表し、ただいま議題となりました沖縄県における駐留軍用地の返還及び駐留軍用地跡地の利用の促進に関する特別措置法案及び修正案について、賛成討論を行います。 冷戦崩壊後の世界情勢は、東西対立から協調へと移行し、新たな国際秩序の構築が模索されつつあります。このような大きな時代変化の中にあって、国土面積のわずか〇・六%にすぎない沖縄県に、依然、全国の米軍専用基地の実に七五%が、冷戦時代と変わりなく、小さい、狭い沖縄に集中しているのは不自然であります。 沖縄県におけるこのような米軍基地の存在は、望ましい都市形成や交通体系の整備並びに産業基盤の整備など、地域の振興開発と県土の均衡ある 発展を図る上で大きな障害となってきております。加えて、返還軍用地の多くが、有効利用されないまま長期間放置され、遊休化しているのでございます。この長期の間、地権者に対する損失補償がなされていないことはゆゆしき問題であると言わねばなりません。 したがって、政府は、沖縄における広大な駐留軍用地の存在を十分に御認識の上、駐留軍用地を計画的に返還し、跡地の総合的かつ計画的な有効利用を促進していくための特別措置を積極的に講ずるべきであります。 これが、いわゆる軍転特措法案の制定に賛成する主な理由でありますが、今回の採決に当たり、以下、幾つかの諸点について申し添えさせていただきたいと存じます。 私は、一九八〇年、軍転特措法案を初めて議員立法として国会に提出し、自来十五年、本法案の制定に微力ながら力を注いできた一人として、委員会採決の時期を迎えるに当たり、少なからず感慨を覚えるものがございます。と同時に、本法制定に向けた各党並びに本委員会の鈴木委員長初め関係者の御努力に対し、心から敬意と感謝の意を表したいと存じます。 次に、修正案の諸点についてであります。 第一に、いわゆる地主補償についてであります。年間一千万円を限度とする給付金により大部分の地主が該当することは評価でき良すが、現在駐留軍用地料に大きく財政依存している市町村にとって、この限度額は、跡地利用計画等を推進する上から重大な影響を及ぼすものであります。ついては、市町村財政への影響を解消する観点から、激変緩和措置としての特別交付金など、有効な措置を政府において講ずるよう強く求めるものであります。 第二に、軍転特措法案の本旨は、あくまでも駐留軍用地を計画的に返還し、跡地の総合的かつ計画的な有効利用を促進していくことであります。修正案は、その趣旨が必ずしも十分でないことは遺憾でありますが、今後、法の運用に際しては、この立法の精神を常に尊重し対処されるよう強く要望いたします。 第三に、いわゆる原案に規定された国の負担割合等の特例、国有財産の譲与等の規定が削除及び不十分な規定にとどまったことは遺憾ではありますが、今後跡地利用計画等に支障を来すことのないよう、特段の御配慮を求めるものであります。 最後に、軍転特措法案の制定が、米軍基地の整理縮小の促進、ひいては平和で活力に満ち、潤いのある沖縄県の実現に大きく貢献できますよう念願しつつ、賛成討論を終わります。 ありがとうございました。(拍手)
○鈴木委員長 荒井聰君。
○荒井(聰)委員 私は、ただいま議題となりましたいわゆる軍転法案について、新党さきがけを代表いたしまして、修正案及び修正部分を除く原案に対して賛成の討論を行うものであります。 御承知のごとく、沖縄県の面積は全国の約〇・六%にすぎませんが、この狭い県土に、戦後五十年を経た今日なお、全国の米軍専用施設の約七五%が集中しております。この広大な駐留軍用地の存在が、良好な生活環境の確保や産業の振興、健全な都市形成、交通体系の整備など、沖縄の振興開発や地域開発の発展を図る上で大きな障害になっていることは御承知のとおりでございます。 さらに加えて、返還された軍用地が有効利用されずに遊休化している現実も存在してございます。 今回、この法案により、駐留軍用地が計画的に返還され、跡地の総合的かつ計画的な有効利用が促進されることが大いに期待されております。本法案は、久しく沖縄県議会や関係市町村議会から全会一致の決議で要請されておりますものであり、県民世論が一致して待望しているところでございます。 戦後五十年の節目を迎えるに当たり、これからの沖縄県の経済社会の発展を図る上で本法案の果たす役割は極めて大きく、心から本法案の成立を願うものであります。 ありがとうございました。(拍手)
○鈴木委員長 古堅実吉君。
○古堅委員 私は、日本共産党を代表して、修正案に反対し、原案に賛成する討論を行います。 原案は、長年にわたる沖縄県民の軍転特措法制定への強い要望が反映され、広範な各関係団体等の意見を集約してつくられた最大公約数的性格を持つものとなっています。県民の圧倒的世論が、原案を最大限に尊重して成立させてほしいという点にあることも疑問の余地がありません。 しかし、共同提出者に加わらなかった自民党からの修正案を基本にしてつくられているこの修正案は、各所にわたり原案より後退したものとなり、その多くが県民の願いに反するものとなっています。 以下、その主要部分を挙げれば、第一に、法案の名称や第一条の目的について、原案では駐留軍用地の計画的返還及び跡地の利用促進を強く打ち出したものとなっているが、修正案ではその部分が削除され、単に返還に伴う特別措置にとどめるものとなっている。 第二に、第三条の国の責務についても、原案は駐留軍用地の整理縮小の促進に必要な措置を講じなければならないとなっているが、修正案はその条項を全部削除している。 第三に、第六条の返還実施計画や第九条の調査及び測量でも、原案の、国は「計画的な返還に努めなければならない。」の部分が削られ、また「調査及び測量が円滑に行われるよう必要な援助をしなければならない。」とした部分を、修正案では単に「国にあっせんを申請することができる。」としている。 第四に、原案の第十六条の跡地利用基金が全部削除され、第十七条の国有財産の譲与等の条項もそのほとんどが削除されている。 第五に、修正案では、日米安保条約及び地位協定の円滑な実施を妨げるものでないとして、原案にはなかった全く不要の日米安保条項が加えられている。 また、修正案は時限立法としているが、これは修正部分に照らしても何ら整合性のないものである。 以上は、日本共産党が反対する修正案の主要点でありますが、修正案中の、賃借料三年分に相当する補償の対象を、公共事業を実施する土地だけに限定せず、原案よりも拡大している点は支持できるものであります。 以上の主要点についての指摘で明白なように、修正案は原案の主要点を大きく後退させ、県民の要求にも沿わないものであり、反対であります。 同時に、修正部分を除く原案については、提出者の立場から賛成であります。 また、本委員会の修正の議決を経て本会議に提出される軍転特措法案の採決に当たっては、原案が大きく後退させられるものになるとはいえ、なお県民の要求が入れられている点もあり、かつ軍転特措法制定についての沖縄県民の強い要望にこたえる立場からも、日本共産党は賛成するものであることを述べて、私の討論を終わります。
○鈴木委員長 これにて討論は終局いたしました。 —————————————
○鈴木委員長 これより沖縄県における駐留軍用地の返還及び駐留軍用地跡地の利用の促進に関する特別措置法案及びこれに対する修正案について採決いたします。 まず、委員長提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○鈴木委員長 起立多数。よって、本修正案は可決されました。 次に、ただいま可決されました修正部分を除いて原案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○鈴木委員長 起立総員。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鈴木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○鈴木委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時二十八分散会