運輸委員会 第5号
- 発言数
- 88 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1995/04/11
会議録
○井上委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、許可、認可等の整理及び合理化のための運輸省関係法律の一部を改正する法律案及び海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。福留泰蔵君。
○福留委員 新進党の福留泰蔵でございます。 私は、議題となりました海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律案を中心として討論させていただき、さらに、関連して海の安全という観点から何点か質問をさせていただきたいと存じます。 まず初めに、海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律案、この法案は、平成二年の十一月三十日に国際海事機関において採択されました千九百九十年の油による汚染に係る準備、対応及び協力に関する国際条約、いわゆるOPRC条約を国内法化したものとのことでありますけれども、このOPRC条約が策定されました背景についてまずお伺いしたいと思います。
○豊田(実)政府委員 お答えいたします。 いわゆるOPRC条約は、各国の防除体制の強化、国際協力体制の確立ということを内容としております。 御案内のように、我が国は原油を初めとする多くの資源を海上を使って輸入し、それを前提に経済活動なり国民生活を維持するということで、海洋への依存度が非常に高い国でございます。したがいまして、海洋の環境保全というものにつきましては、従来からも国際的な動向に歩調を合わせながら努力を続けてきております。 例えば、船舶からの原油、重油等の排出の規制を内容とする海水油濁防止条約を昭和四十二年に 締結しております。それからさらに、昭和五十五年には、陸上で発生した廃棄物の海洋投入処分の規制をする中身とします海洋投棄規制条約を締結しております。また、昭和五十八年には、船舶から排出されるあらゆる汚染物質の排出の規制を内容とします海洋汚染防止条約を締結しております。 このように、これまでも国際的な海洋環境保全というものについては積極的に参画し、対応してきておりますが、今回OPRC条約の直接のきっかけとなりましたのは、アラスカ湾で発生しました非常に大規模な油汚染事故がありまして、これを契機としまして国際的な対応、対策の必要性とか、特に初期の対応の重要性というものが再認識されまして、こういう背景のもとで平成二年に本条約が採択されたということでございます。
○福留委員 このOPRC条約は、採択されましたのが平成二年の十一月三十日ということでございまして、もう四年を経過し五年になろうとしているわけでございますけれども、この間、批准をこれからなされる予定になると思いますけれども、油汚染事故の対応についてさまざまな取り組みを運輸省もやってこられていると思います。この間の運輸省の取り組みについてお伺いをしたいと思います。
○豊田(実)政府委員 お答え申し上げます。 OPRC条約は平成二年に採択されておりますが、先ほどもちょっと触れました、同じような海洋環境保全のための海洋汚染防止条約、この改正が平成三年に行われております。これは、船舶に対して油濁防止緊急措置手引書の備え置きを義務づけるという中身でございますが、これについて平成四年の国会において国内法の改正をお願いしております。 また、同じように、タンカーの構造面で、今申しました海洋汚染防止条約の改正というものが平成四年に行われておりまして、やはりこれにつきましても技術基準の見直しということで、二重船体構造を義務づける内容を平成五年から実施しております。 それから、直接法律、法令等の事項ではございませんが、国際的な地域協力体制の整備ということを進める観点から、特に我が国の主要なオイルルートでありますASEAN海域の周辺諸国、この地域協力体制を我が国としても積極的に支援するということで、いわゆるOSPAR計画というものを実施しておりますが、本年の一月にオイルフェンス等、防除資機材の供与を終わったところでございます。 また、私ども海上保安庁に油防除の専門家チームである機動防除隊というものを本年度スタートさせておりまして、そのほか、日米、日韓等の専門家会合の開催とか、日本から専門家の派遣あるいは相手国からの研修員の受け入れというような技術協力の推進についても積極的に取り組んできておるところでございます。
○福留委員 今、この条約採択後の取り組みについて御説明があったわけでございますけれども、今回の改正の中では、海上災害防止センターの業務として、海外における海上防災のための措置に関する指導及び助言等の国際協力の推進に資する業務を追加することとなっているわけでございます。これは、OPRC条約の内容に沿った改正だと理解できるわけでございますけれども、今、政府委員の方からも御説明がありましたけれども、今後の防除体制に対する国際協力というものは非常に重要になってくるだろうと思うわけでございます。 OSPAR計画の話も今御説明になりましたけれども、これは、一九九二年十月十四日に来日されましたマレーシアの外務大臣アブドラ・バダウィという方が、当時の通産大臣との会談で、マラッカ海峡で海難事故が多発したり、海の汚染が進んでいることに関連しまして、事故や汚染を防ぐため、インドネシアやシンガポールなどの関係国と海峡を利用する日本など国際的な企業との間で何らかの仕組みをつくることが必要だと提案されたとのことでございまして、それを受けてこのOSPAR計画が実施されたように聞いておるわけでございますけれども、このOSPAR計画も本年の一月には完了したというお話でございます。完了して、これからまだまだこのASEAN海域に対する協力というものもニーズはあるはずでございますし、その必要性はこれからますます高まってくるだろうと思います。これでよしということではないと思いますけれども、このASEAN海域における今後の国際協力についてのお考えと、そしてまた、このASEAN海域以外のいわゆるその他の海域における今後の国際協力について、運輸省としてのお考えがあれば、お伺いしたいと思います。
○豊田(実)政府委員 まず、ASEAN関係としましては、機材としては、この一月に一応予定の機材を提供を終わっておりますが、先ほどもお話し申しました研修といいますか、人の面の育成という面で私どもの持っている技術力を十分生かした形でお手伝いをするということで、専門家の派遣とか研修員の受け入れを今後とも続けていきたいと思っております。 また、マラッカ・シンガポール海峡における航行援助施設、これも従来からいろいろな場面でお手伝いをしてきておりますが、今後ともこの航行援助施設の整備等については協力をしてまいりたいと思っております。 それから、全般的な、国際的な協力でございますが、この面の国際機関であります国際海事機関、IMOにおきまして、私ども、海洋国家としての日本の官民が持っております海事関係のいろいろな意味の経験、知識をフルにこの国際機関の議論の場面で生かしていくということで、これまで以上に積極的に参加していきたいと思っております。 それから、ASEAN周辺と別の日本周辺、日本海沿岸等の環境保全につきましても、我が国あるいは周辺諸国にとって非常に重要な問題でございますので、この面でも国際的な地域協力の検討を今進めておるところでございます。 それからまた、海上保安庁自体、いろいろ実施の能力がございますので、その辺の能力を海外の事故において協力するということも考えております。 以上でございます。
○福留委員 今、これからの国際協力の考え方について御答弁がありまして、その中で一点だけ、ASEAN地域以外のアジアにおける日本周辺の環境問題に対する国際協力についてもお考えがあるというようなお話でございました。もう少し具体的にお考えがまとまっているのであれば、御答弁をお願いしたいと思います。
○豊田(実)政府委員 日本海周辺、具体的に言いますとロシアであるとか韓国であるとか、そういう諸国との関係で海洋保全につきましてどういう取り組みをするかということについて、まだ検討の過程でございますが、進めておるところでございます。
○福留委員 今、油の防除体制に対する国際協力という観点から質疑をさせていただきました。油の防除という以前の問題として、海難事故の防止というものが大変重要な問題だろうと思います。海難事故の防止があれば、油の汚染というものも防げることになろうかと思います。そういう観点から、海難事故というもう少し大きな観点からの国際協力のあり方について次にお尋ねしたいと思います。 一九九三年一月のスマトラ沖のタンカー事故というものは、記憶に新しいところでございます。この事故は、マラッカ海峡に面する国々に大きな衝撃を与えたと言われております。それは、この大事故に際しまして各国の対応が十分でなかったということ、何点か具体的に問題点が、課題が指摘されているところでございます。一つは、関係機関による緊密な情報交換システムがなかったためにインドネシア海軍の初動がおくれたということ、また、マレーシアは古くなった油の層を処理できる技術力が不足していたということ、また、タイには海難事故のための組織そのものがないと いったことであります。 また、日本政府の対応についても、その消極的な姿勢について、対岸の火事としか見ていないのではないかというふうな声すらも上がったようでございます。当時の越智運輸大臣の、領海が我が方ではありませんので、向こうから要請がないと、こっちから言うのもどうかとの発言がそれを裏づけていたようであります。 こういう海外の油汚染を引き起こしかねない海難事故に対する現在の運輸省の施策、対応方針があればお伺いしたいと思います。
○松浦政府委員 御説明させていただきたいと思います。 油事故、いろいろな経験を積んできたわけでございまして、過去反省しなければいかぬ事態も多々あるわけでございますが、現在取り組んでおります私どもが具体的にアクションを起こそうとしていることでございますが、まず一つありますのは、実際の事故が起こりましたら、国際緊急援助隊ということをまず組織していくことになると思いますが、そのときに実動の中心になるのは海上保安庁かなと思っておりますので、先ほどもちょっと運政局長からもお話がありましたけれども、今年度、海上保安官自身、職員自身で常々そのための専門に訓練を積んだチームを結成しようということで、今年度から八人で油防除専門のためのチームを結成しております。機動防除隊と申しておりますが、これの訓練に入っております。この八人のチームがまず駆けつけて全体の調整を図ったりすることになると思います。 それから二番目に、何といいましても国内の流出事故なんかの大半に出動しておりまして、あるいはペルシャ湾のときのあの流出事故のときにも政府の援助隊の一員として参加したりして、この分野でのノウハウの一番大きい海上災害防止センターにつきまして、今回の法律改正の中で、この海外への対応ができるようにということで改正法案を出させていただいているところでございます。 それから三番目に大事だなと思っておりますのは、受け入れ国の側の体制、体制というのは物が、資機材があるというだけではなくて、ノウハウも含めまして、あるいは我々との連携の窓口等の設定というのが非常に大事だというふうに思っております。 そういう意味で、先ほど運政局長のお話もございましたように、人材の育成といいますか、相手国側政府の職員の方々を日本にお呼びして研修を受けていただいております。毎年十三、四人来ていただいておりますが、それで各国のそれぞれのコーストガード等の職員を、専門家を受けていただいております。 それからさらには実践の訓練ということで、私どもの海上保安庁の職員自身を現地に派遣してということで、例えば昨年の九月から十月にかけまして保安庁職員と海上防災センターの職員三人をインドネシア政府に派遣いたしまして、講義をしたり、実習というのもございますけれども、OSPAR計画で配備されました資機材なんかを使った訓練を一緒にやりました。それからことしも、この十月にはフィリピンで、今度は私どもの海上保安庁の巡視船そのものも持っていきまして、インドネシアそれからフィリピンと我が国の三カ国の合同訓練をやろうということで、今実務の詰めをやっている。 そんなことで、いざとなったときにそれぞれ担当する人々が連携をどういうふうにやればいいか、そんなようなことで取り組んでおるところでございます。
○福留委員 積極的にその国際協力、さまざまな形の国際協力をやっていらっしゃるということでございます。 それで、先ほどのスマトラ沖のタンカー事故の際も一つ指摘されたのは、やはり要請がないと動けないということでもございます。今回の条約においても、要請がないと他国の領海において発生した油汚染事故に出動できないということになっているわけでございますけれども、これは他国の主権の問題などから理解できることでもございますけれども、油汚染事故の分野における国際協力については、これはもとより先ほど来いろいろ御説明ありましたとおり、海運国の日本でもございますし、また技術的にも先端的な技術を持っている日本でございますので、今後、より積極的にこの問題については日本はリーダーシップを持って取り組むべきだと考えております。 この点について、この法案に関して、最後に大臣の御見解を伺っておきたいと思います。
○亀井国務大臣 今委員御指摘のように、海洋国家、また貿易国家であります我が国にとりまして、海難防止、また海上汚染の防止というのは基本的な任務である、このように思います。そういう意味では、今後とも国際間の積極的な協力を進めるそのリーダーシップをとっていくべきだ、このように考えております。
○福留委員 油汚染以外の環境問題として、最近の海洋環境における問題といたしまして、船舶から排出される排ガスの問題が今国際的に注目されております。きょうは、関連でこの排ガスの問題についてもお尋ねしておきたいと思います。 一九九〇年三月のIMO・MEPC、国際海事機関海洋環境保護委員会の第二十九回委員会におきまして、ノルウェーから、船舶からの排ガスの排出総量等についての報告書が提出されました。それによりますと、国際貿易にかかわる船舶からの排出を概算いたしまして、世界全体の窒素酸化物排出量の七%、硫黄酸化物総排出量の四%を船舶の排ガスが占めているとのことでございます。日本のある財団の調査結果によりますと、窒素酸化物で三二%、硫黄酸化物で二三%というデータもあるようでございます。ノルウェーの国内に限って見れば、ノルウェー国内の排出量のうち、窒素酸化物の四〇%、硫黄酸化物の一四%が船舶からのものであるとの指摘もなされていることでございます。 狭い海域で通航量が多いところほどその影響が懸念されるということでございますけれども、日本国内においても、東京湾についても、船舶排ガスの影響に関するデータがおありだと思いますけれども、それを教えていただき、そして、この問題についての最近の国際機関における議論の状況と、日本政府、運輸省のその取り組みについての考え方、基本方針があればお伺いをしておきたいと思います。
○豊田(実)政府委員 お答えいたします。 私ども運輸省の中でも、この船舶からの排出ガスについて検討委員会を設けまして、いろいろ試算をしてきております。 まず全体的な話を申し上げますと、日本沿岸の百キロメートル以内の海域を前提にしまして、漁船を除く船舶からの窒素酸化物、硫黄酸化物を推定しましたところ、陸上からの排出量も含めまして全体の一七%程度、総排出量の一七%程度が船舶からの排出というように試算された結果がございます。 それからまた、東京湾とか大阪湾というものについて環境基準値との関係での推定値がございますが、これでは、窒素酸化物につきましては東京湾では環境基準値の三%程度、それから大阪湾で四%程度、それから硫黄酸化物の方は東京湾、大阪湾とも環境基準値の七%程度という数字が出ております。
○福留委員 先ほども申し上げたとおり日本は海運国であり世界最大の造船国でもありますし、技術的にも最もすぐれた排ガス浄化技術を持っていると思います。船舶からの排ガス規制についても、これを技術的、経済的に実現可能なものとするために、この条約改正については日本が積極的に実質的にリードしていくべきということを申し上げておきたいと思います。 続きまして、プレジャーボートの問題について、海の安全という観点から何点か御質疑をさせていただきたいと思います。 去る四月二日、千葉県市川市沖の東京湾で、プレジャーボートがノリ養殖用の網に乗り上げて転覆いたしました。二人の方が亡くなられ、三人の 方が行方不明という事故が起きたわけです。バブル景気のころにプレジャーボートが急増しましたけれども、ノリ養殖の網に絡まるトラブルは東京湾で多くなっていると聞いております。この区域で船が網にかかる事故は毎年五、六件あるとも言われております。 これらのトラブルは、不注意が原因であるとともに、ノリ養殖の漁業区域に関する情報不足も一つの原因とも思われるわけです。当然ノリ養殖の漁業区域が明示されました海図は存在するわけですけれども、こういう海図情報の積極的な情報提供が必要なのではないかと思います。 プレジャーボートの事故がいろいろな形で言われているわけでございますけれども、これを防止するためには、今申し上げましたこのような海図情報や気象、海象情報等を含めたさまざまな情報提供サービスがますます必要になってくると思うわけでございますけれども、現在どのようなことを行っていらっしゃるのか、そして今後どのようなことをお考えになっていらっしゃるのか、あわせてお尋ねしたいと思います。
○松浦政府委員 御説明させていただきたいと思います。 先日のサンキチ号の事故で問題になりましたノリの網というのは、底に沈んでおりますから操船者にとっては非常に目に見えにくいということで、これにつきましては従来から灯標といいますか、電灯のついた標を必ずつけるようにということを、東京湾の場合でしたら港則法に基づきまして工事許可のときに必ずつけるようにということで指導するとともに、漁業者御自身でもこれはみんなにPRしてくださいよ、お知らせする努力をしてくださいよと、海の利用者である漁業者とそれからプレジャーの利用者のいわば共生のための手段でございますので、ぜひそのところをPRといいますか、広報をよくやってくださいという指導をいたしておるところでございます。 そのほか、ヨットだとかモーターボートにつきまして日本水路協会からも、定置網だとかにつきましての情報を地図に作成しまして、「ヨット・モーターボート用参考図」という名称でございますが、これを編集しまして、各地の海図の販売所だとか、あるいはマリーナなんかのちょっと大きいところには置かせてもらって売るということで、利用者に手に入りやすいようにいたしております。 それから、マリーナだとかあるいはモーターボートのオーナーなんかが中心になって安全活動をやっている社団法人の関東小型船安全協会というところがございますが、そこからもプレジャーボート用の「東京湾案内図」というのを作成しております。これは湾内のマリーナにおきましてそれぞれ地図を販売しております。 それから、先ほどの漁業者の関係ですが、これも、この間のケースでございますと財団法人の千葉県漁業振興基金というところがございますが、そこから東京湾の中におけるノリの漁場図だとかの位置を示す図面だとか、あるいは接近防止を呼びかけるパンフレットなんかを作成して関係者に配付する、そんなことをやってもらっております。 それから、今度の場合、ちょっとサンキチ号で問題になったのですが、気象、海象のことが余り念頭になかったのではないかというところが事故の原因につながっているのではないかと見ています。そういう意味では、先生も御指摘のような気象、海象につきましても、先ほどの地図と同様、小型船安全協会だとかいろいろなところからも情報を提供しておりますが、海上保安庁自身も各海上保安部署に海洋レジャー行事相談室というのを全国の百十九カ所で窓口を開いております。そこでいつでもそういう情報の提供ができるように、最新の気象情報の提供ができるように、相談に乗っていく窓口を開いております。 さらには、パンフレット類等で先ほどのような地図なんかがございますので、寄り寄りよく利用してください、こんな呼びかけなんかもいたしておるところでございます。
○福留委員 今さまざまな海図情報それから気象・海象情報についても取り組みをなされている様子を伺いましたけれども、これで十分ということはなかろうと思いますので、今後も国民の皆さんがその情報が入手しやすくなるような施策について、より積極的に推進をお願いしておきたいと思います。 これからゴールデンウイークが来るわけでございます。海上保安庁が昨年行っていただきましたゴールデンウイーク期間における海上安全一斉指導取り締まり実施結果によりますと、検挙隻数は五百三十、そのうちプレジャーボートが半数以上の二百七十八に達したとのことでございます。こういうふうな法令違反というものは事故につながるものと思われますし、昨今のプレジャーボートの事故の原因の一つにもつながっているのだろうと思います。 ことしも、これからゴールデンウイークの季節を迎えるわけでございます。いよいよ海洋レジャーのシーズンが到来いたします。これからのプレジャーボートの海難事故の発生が憂慮される状況の中で、事故防止に対する取り組みについてあわせてお伺いしておきたいと思います。
○松浦政府委員 間もなくゴールデンウイークに入るわけでございますが、そのゴールデンウイークの期間中に、私ども二つの観点から安全への取り組みをいたしております。 まず一つは、旅客で大変混難いたしますフェリーだとか、あるいは旅客船なんかにつきましての安全対策というのも一つ大きい柱として全国一斉に取り組んでおるところでございますが、もう一つ、御指摘の海洋レジャーにかかわります全国一斉の安全指導というのを、本年は四月二十七日から五月七日までの十一日間を定めまして、全国一斉に取り締まりあるいは指導をやろうということでこの三月から準備に入りまして、各海上保安本部に指示して、現在準備しているところでございます。 ことしの重点的な目標といいますか、レジャーの関係での重点的な指導項目というのは、自分の位置、船位の確認、この前の事故の場合でも、あれは運転操作している人が自分の位置がちょっとわかってなかったのではないか、そんなところが結構あるのですが、それで網の中に入っているとわからなかったのではないか、そういうミスのケースなのですが、船位の確認。あるいは見張り、きちっと標識を見る。あるいは安全速度、これもよく言われていることですが、基本的なことですが、安全速度を守るということ。あるいは気象、海象の把握。それからもう一つは、よく問題になるのですが、出発前の点検検査、エンジントラブルなんかを起こさないように、そんなようなところを中心にやろうということで、海上保安庁の全組織と、それから民間団体であります小型船安全協会というのが全国にございますが、そこの人たちにも参加していただきまして、一緒になってこの期間集中的な安全対策に取り組んでまいりたいと思っておるところでございます。
○福留委員 プレジャーボートの問題で、もう一つ大きな社会問題ともなっているのが不法係留の問題でございます。 各地においてさまざまな問題が発生しておるわけでございますけれども、私の住んでおります埼玉におきましても、新芝川における不法係留問題というのがここ数年間問題となってきているわけでございます。受け皿がないと法で規制することは難しいというようないろいろな議論もあるわけでございますけれども、埼玉県においては、大場川と芝川にマリーナを建設いたしまして、受け皿づくりを進めているところでもございます。 しかし、この不法係留のボートは、今行政代執行法による戒告を行いながら撤去を進めているところでございますけれども、なかなか難しいという困難な状況もあるようでございます。この不法係留問題については、法規制を検討すべきだという声もあるようでございますけれども、この点についての運輸省のお考えをお伺いしたいと思います。
○豊田(実)政府委員 今お話しのとおり、保管能力が非常に不足しているというのが残念ながら実態でございまして、平成四年の調査でございますが、プレジャーボートは全国で約二十九万隻ございます。これに対しまして、港湾あるいは河川等の水際線にあるマリーナの保管能力というのが、残念ながらまだ五万隻という状態でございます。このほかに、当然陸上で保管するとかいうようなことできちんと許可を受けて係留している船もありますので、いわゆる許可を受けずに不法に係留しているというような状態の船が全国で約十万隻という状況でございます。 私どもとしては、この不法の船舶についていろいろ指導をしてきておるところでございますが、やはり基本的にはその保管場所をもっとふやすという努力をまず最大限やる必要があるということで、私どもの港湾局を初め関係機関と連携しながら、今この保管場所の確保といいますか、収容能力の向上に努めているところでございます。 したがいまして、現時点で一定の法規制をするということについては、まだちょっと時期的に慎重に対応しなければいけないと思っておりますが、問題といいますか、検討課題としては十分私ども認識しておるつもりでございます。
○福留委員 当然受け皿がないと、法規制だけしても混乱が生じるだけということで理解できるわけでございます。保管場所の整備を今後積極的に進めていただきたいと思います。あわせて、地域的には保管場所の整備が順次できていくことになろうかと思いますけれども、地域的な限定をしながらも法規制というものを考えることがあってもいいのではないかとも考えているところでございまして、その検討もぜひ行っていただきたいと思います。 マリーナ整備に当たっては今後積極的にやっていただくということでございますけれども、その際は、先ほど来情報提供ということを申し上げてまいりましたけれども、この情報提供サービスをそのマリーナで確保できるようにしていく。そしてさらに、昨今の事故の一つの原因とも言われます機関取り扱い不良ということも指摘されているわけでございますので、こういうエンジンメンテナンスが可能な施設整備とかインストラクターの導入等もあわせて、そのマリーナ整備に当たっては検討していっていただきたいということだけを申し上げておきたいと思います。 時間がなくなってまいりましたので、最後に、海の日について大臣に御見解を伺って質疑を終了したいと思います。 今国会において、来年から祝日として認められました海の日については、七月二十日、明治初め、東北巡幸を終えた明治天皇が灯台視察船明治丸に乗り、青森から函館を経て横浜に寄港した日に当たり、一九四一年に海の記念日となり、今回、国民の祝日海の日と決定されたわけでございます。 我が国は、四万を海に囲まれ、資源少国でもありますし、その日常生活を支える物資は海外からの海運によっているところが大きいというのはもう申し上げるまでもないわけでございます。また、国内の輸送手段としても海運は大きな役割を担っております。 そもそも海は生命の源であり、各種資源の宝庫とも言われているわけでございますけれども、地球環境の保全という観点からも海は大きな影響を与えているわけでございます。ところが、残念なことに、日々の暮らしの中で私たちはそれに思いをいたすことが少ない。ともすれば海の恵みの大切さをかみしめて海との調和を図る心が不足していると指摘されているわけでございますけれども、今改めて海と私たちの生活のかかわりの深さについて考えるという意味において、海の日の祝日化は意義深いものであろうと思います。この日は、こういう海の恩恵に私たちが感謝し、海から地球環境問題を考え、海の安全に思いをめぐらすいい機会になると思うわけでございますし、そうしなければ祝日化した意味はないのではないかと思います。 そこでまず、来年の第一回の祝日の日は、その趣旨が有効に達成されるよう、運輸省としても各種啓蒙活動、イベントをこの際積極的に展開していく必要があろうかと思います。先ほど来議論をさせていただきました海難事故の防止、油汚染等を初めとする海洋の環境保全の問題、そしてこれからの海洋レジャーの安全啓蒙活動、さまざまなことのその啓蒙活動の日として積極的にこの日を意義づけていく必要があろうかと思います。そういう観点に立って、運輸省としても各種イベント等さまざまなことを考えていく必要があろうかと思いますけれども、現時点で何かお考えがあるのか、なければ今後の取り組みについての御決意をお伺いしたいと思います。
○亀井国務大臣 委員を初め皆様方の大変な御尽力をいただきましてこのたび制定ができたわけでございますが、委員が先ほど来るる御意見も述べておられますように、海洋日本にとってまさに母なる海を愛し、これを大切にしながら活用していく、そのための海事思想の普及を含めて、この海の日を、ただ単なる休みがふえたということだけではなくて、中身のあるものにしていくために今運輸省としてもいろいろと研究をいたしておりますけれども、運輸省だけが考えるということじゃなくて、委員を初め当委員会また国民の方々から、どうやって中身のあるものにしていったらいいかという、ぜひひとつ幅広い御意見、御提案をいただければありがたい、運輸省が官製の中身をつくって御協力いただきたいということじゃなくて、逆に我々がそういうものを吸い上げて取りまとめて実のあるものにしていくという姿勢で取り組みたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○福留委員 以上で質問を終了いたします。 ありがとうございました。
○井上委員長 古賀敬章君。
○古賀(敬)委員 新進党の古賀敬章であります。 福留委員が海洋汚染及び海上災害の防止に関する改正案を中心に質問をされましたが、私は、許可、認可等の整理及び合理化のための運輸省関係法律の一部を改正する法律案を中心に質問を順次させていただきたいと思っております。 この関連、六法案ほどあるわけでありますが、今回のこの法案に関しましては、規制緩和の方向でありまして、私どものまさに目指す方向でございますので、基本的に賛成の立場から質問させていただくわけでございますが、若干気になるところもございますので、質問をさせていただきます。 平成五年四月、省内に事務次官を本部長とされまして許認可事務等改革推進本部を設置され、今日にずっと至っておるわけでありますが、それ以来のこれまでの運輸省の取り組みと、その成果についてどのようにお考えになっておられるか、まずお尋ねをいたします。
○黒野政府委員 先生御指摘のとおり、五年の四月に省内に許認可事務等改革推進本部を設けました。これは私ども、政府全体の動きは動きといたしまして、運輸省独自といたしましても、社会情勢の変化あるいは技術の進歩に対応いたしまして、許認可は極力整理すべきであるという考え方に基づいてつくりましたものでございまして、五年、六年、七年の三年間にわたりましておおむね二割を削減したい、許認可件数として二割を削減したいという大きな目標をつくったものでございます。 その後、着実に件数が減っておりまして、あと一年を残すだけでございますが、この二割は十分クリアできるという目標実態に今ございます。特に、前通常国会で政府全体の一括法をお認めいただきましたが、その中におきまして、例えて言いますと、航空法の改正によりまして営業割引運賃の届け出制あるいは道路運送車両法の一部改正によりまして点検整備の簡素化、さらには鉄道のグリーン料金、寝台料金の届け出制等、いわば国民生活に密着したもの、量だけではなくて質的にも国民の方々からそれなりに評価していただけるものを掲上していると思っております。 去る三月三十一日に、政府全体といたしまして規制緩和推進計画、これを策定をいたしましたが、その中におきましても政府全体で、全部で約千九十件の事項がございますが、そのうち運輸省が約二百二十件を占めるという高い比率を占めております。これからも安全の確保あるいは公害の防止、さらには利用者の利便の確保という運輸行政の大きな目標を守りつつ、規制緩和につきましては精力的に進めてまいりたい、かように思っております。
○古賀(敬)委員 全省を挙げて取り組んでおられるということでございまして、それに対しましては一定の評価をできるものと考えておりますが、一方で、今日まで出されましたものに関しまして、いわゆる大きな目玉に乏しいのではないかなというふうに思われますし、また消費者重視、国民生活重視といった観点からの具体的な検討がなされたという感じは、残念ながらまだまだじゃないかなというふうに思っております。各業種、団体からの要望事項やら要請に対する項目について対応してきた、そういった感がするわけであります。もっと全般にわたって抜本的な見直しという観点からお取り組みをいただく必要があるし、その時期に来ておるというふうに思うのでございますが、その点についてはどうでしょうか。
○黒野政府委員 今御指摘の点、二つあるかと思うのですが、まず一つは、非常に細かいものが主流を占めているのではないかという御批判かと思いますが、私ども、大きなものも小さいものも含めて、いわば聖域を設けずに検討の対象にしたいと思っております。むしろ細かいもの、こんな細かいものがまだ残っていたのかという御批判を受けるのもあるかもしれませんが、そういうものもこの際は極力整理をさせていただきたい。もちろん大きなものにつきましても進めたいと思っております。 二点目は、関係の方々の御意見を十分聞くように、こういう御指摘かと思いますが、私ども、経団連あるいは事業者の団体さらには利用者の方々の意見はかなり率直に今聞いております。経団連等とも常時意見交換をしておりまして、今回の規制緩和推進計画の中におきましても、各種団体等からの、これは諸外国も含めてでございますが、御意見をいただいたものをすべて対象といたしまして俎上にのせた上で結果を出したものでございます。これからも大きなものについて特にねらいを絞って精力的に進めてまいりたい、かように思っております。
○古賀(敬)委員 三月中旬にいわゆる中間取りまとめと申しますか、中間報告が出されて、そのときの見直し基準と申しますか、総務庁が取りまとめた規制緩和等に関する内外からの要望と、あと規制緩和検討委員会の意見報告書について、それと運輸省が独自に把握したもの、合わせて二百四十六件という数が掲上されたわけでありますけれども、運輸省が独自に把握したものというのは、この中でどれぐらいおありだったでしょうか。
○黒野政府委員 今御指摘のとおり二百四十六件が内外の団体からの要望でございますが、運輸省独自のものというのは、具体的なものをちょっと今チェックしておりますが、それに加えまして、数十件のものをその上に上乗せしたものをベースに今回の三月三十一日の規制緩和推進計画に盛り込んだということになっております。
○古賀(敬)委員 規制緩和推進計画の策定に当たってのいわゆる基準をお示しいただきたいと思います。
○黒野政府委員 私ども大きな柱を四つ設けておりまして、まず一つは物流コストの削減、これが一つでございます。二番目が旅客輸送サービスの向上、これが二番目でございます。三番目が国際輸送の競争力の確保、さらに四番目が国際基準との調和、この四つの柱をベースにいたしまして規制緩和項目をまとめてございます。もちろん若干これに当てはまらないのもあるかもしれませんが、それにつきましても対象といたしております。
○古賀(敬)委員 四つの視点、大変結構な一つの基準だと思っておりますが、今お示しいただきました四つの基準というのはいわばたて糸のようなものだと私は思っておりまして、それによこ糸に相当するような基準を設けるべきかなというような気がしておりますね。 例えば、明治に制定されたような法律も現在生き続けておりまして、大変経済状況も変わった今日、例えば二十五年以上たった法律を自動的に見直すとか、そういった視点も必要ではないかな、私はこのように考えておりまして、その点についてはどのようにお考えでしょうか。
○黒野政府委員 外部からごらんいただきますと、運輸省ばかりでなく各省の動きが非常に鈍いような印象を持ってみえる方もいるかと思いますが、私ども、全省挙げましてすべての法律、すべての制度につきまして対象にいたしております。正直言いまして全省の担当者が少々音を上げるぐらいのつもりでやっておりまして、今のように具体的なよこ糸の基準を設けているわけではございませんが、先ほども申し上げましたとおり、例外を設けることなく、すべてについて対象としてやらせていただいているところでございます。
○古賀(敬)委員 すべての法律を見直されたということですか、それともこれから五年間かけてということですか。
○黒野政府委員 今回の規制緩和推進計画を定めるに当たりまして、すべての法律、すべての制度につきまして光を当てて見直した結果でございます。 ただし、率直に申し上げまして、まだ検討中というのもございますから、これで終わりというわけではございませんで、何回も何回も同じ制度について議論を重ねて、まだ規制緩和する余地はないかということを繰り返し繰り返し進めてまいりたい、かように思っております。
○古賀(敬)委員 よくわかりました。 法律に規定してあるものはそういった形で客観的にわかるわけでありますけれども、行政指導などによるいわゆる明文化されていない規制というものも現に存在すると思うのですけれども、そういったものについてはどのように取り扱いをされるわけですか、お聞かせください。
○黒野政府委員 行政指導も同様でございまして、特に、先ほど施行されました行政手続法におきまして、行政指導につきましても一つの明確な枠がはめられたわけでございますから、既存の行政指導あるいは通達等々ございますが、そういうものにつきましてもすべて対象にしておりますし、これからもしてまいりたい、かように思っております。
○古賀(敬)委員 ありがとうございます。 それでは、次に移りますけれども、規制緩和に関する今後のスケジュールを具体的にお示しをいただければと思います。
○黒野政府委員 規制緩和推進計画は五年計画になっておりまして、これはローリング計画になっておりますから、適時また追加をすることになっております。このうち、先ほどお答え申し上げました、私ども二百十九事項が入っておりますが、既に四月一日で実施したものが五十七事項、本年度中に実施するものが八十九事項ございます。したがいまして、約三分の二が七年度中には実施ということになります。残る三分の一がそれ以降になりますが、これにつきましても、五年といういわば余裕をもらったという意識ではなくて、少しでも早く前倒しをしてやりたい、かように思っておりますし、さらには、先ほど来お答え申し上げているとおり、これからの検討によって新たなものを追加できるならば追加してまいりたい、かように思っております。
○古賀(敬)委員 五年という形でその期間を定められておるわけでありますけれども、なぜ五年という形になったのでしょうか。今日、大変な円高が進んでおりまして、まさに日本経済、危機に陥っておると言われるわけであります。その中にあって、現政府はこの円高がアメリカサイドに大きな責任がある、いわゆる双子の赤字に起因する のだというような指摘をしておりますけれども、ドル安に関しましては確かにアメリカサイドに原因があると思うのですね。ただ、円高の原因と申しますか、それはやはり我が国のサイドにも起因するものがあるというふうに私は思っておりまして、まさにこの円高に対する対策の中で規制緩和というものは大きな柱であることは間違いない、これはもう皆さんお認めいただけることと思うのですけれども、内外に示す期間、内容、こういったものがこの円高対策に対して有効に働くとは思えないわけでありまして、もっともっと早くしていくというようなお考えはないのでしょうか。
○亀井国務大臣 政府全体として五年間ということで御承知のように取り組んでいくということでありますが、これは五年丸々かけてという意味じゃございませんで、運輸省が今取り組んでおりますように、できるだけ、即刻緩和できるもの、廃止できるものはどんどんとやっていくということでありますが、また、委員も御承知のように、それぞれの規制なりそういうものは、やはり一応それぞれの理由があってそれぞれ生まれてきたという経緯もあるわけでありますから、それを外すことあるいは緩和することによる影響その他を、やはりきっちりと条件整備、環境整備もしなければならぬということもあろうかと思います。しかしそれは、委員御指摘のように急いでやらなければならない。 ただ、円高の原因が何であるかということについては、さまざまな意見もありますけれども、おっしゃるように、我が国経済の一つの体質的な面もこれにあずかっておるという面もあろうかと思います。しかし、規制緩和することが直ちに、この円高を解消していくということにダイレクトにすぐそれがつながっていくかどうかということも、私は、まだ不透明な面があるのも事実であろうかと思います。そういう意味で、もちろん円高対策の一つとして進めていかなければなりませんけれども、それだけが決め手になるというものでもない面もあろうかな、このように思っております。 いずれにいたしましても、規制緩和というのは、安全面、環境の保護、弱者と強者の実質的な競争力の確保、こういう視点をやはりきっちりと見据えながらやっていかなければならない問題である、このように考えております。
○古賀(敬)委員 確かにいろいろな要因があって、一概に規制緩和だけでという大臣の今の御答弁、よく理解はできるわけでありますけれども、公定歩合を引き下げたことは過去に数回あるわけで、これも余り功を奏していない。規制緩和に関して言わせていただければ、大きくこれを推進したことはまだまだ月日がたってなくて、しかも海外投機筋から見ますと、どうせ日本政府のやることは小手先のことだというふうに見られているのではないかなというふうに感じるものですから、やはりこの時期に来まして、十四日にお示しになるというような話を伺いましたけれども、ぜひとも、そういった小手先だけでなく、本当に投機筋がこれはいかぬぞと思うような抜本的な円高対策をぜひお示しいただきたい、このように要望させていただきたいと思っております。 次に移りますけれども、今回の法改正、六法案、この位置づけ、一連の規制緩和における位置づけをどのようにお考えになっておられますか。お尋ねいたします。
○黒野政府委員 先ほどもお答え申し上げましたとおり、私ども、三年間で二割、もちろんこれを超すことが望ましいわけでございますが、規制緩和したいと思っております。したがって、その段階段階で成案を得たものにつきましては、必要なものは国会にお諮りするというつもりでございまして、今回まとまったものをあわせてお諮りしたというものでございます、中身につきましては、私どもなりには、比較的国民生活にも密着したそれなりの内容を持っているというふうに、少々言い過ぎかもしれませんが、いささか自負しているところでございます。
○古賀(敬)委員 六法案で、国民生活に密着したという話でございますが、確かにこの改正によって遊覧旅客不定期航路事業者の創意工夫が盛り込まれるだろうと予想されますし、水路法の方ですけれども、港湾工事関係者の負担軽減も確かに出てくると思います。そしてまた、航空法の方は旅行業法に一本化されるというわけでありますし、そしてまた、中小造船会社の事務が軽減される。確かにメリットはあるわけでありますけれども、どうも私がこの法案を見たときに、何かもう既に現実の方が先に行っておって、事後追認と申しますか、実態の後追いのような気がしてならないのですね。その点はどのように思われますか。
○亀井国務大臣 私どもとしては、先ほど官房長が申し上げましたように、これだけでいいというふうに考えておらぬわけでありまして、委員御指摘のようにまだまだ、役所の立場からといったらおかしいのですが、目から見た規制緩和というような面がまだ相当残っておるんじゃないかという自戒をしながら今取り組んでおるわけでございまして、事業者の立場、国民の立場から、不可欠なもの以外はやはり思い切ってこれは逐次変えていきたい。 特に、委員も今おっしゃいましたが、手続が非常に煩瑣であるという点、確かに運輸省の許認可行政の中で一つ大きな特徴だというように私は思っておりますので、各項目の整理も大事だけれども、手続面について思い切って簡素化するようにという強い指示をいたしております。また今後、いろいろと委員からの御提言もいただきながら、さらに引き続いてやってまいりたいと思います。
○古賀(敬)委員 ありがとうございます。 道路運送法に関してだけ若干御質問させていただきたいというふうに思っております。 路線バスは極めて地域に密着した公共輸送サービスでありまして、地域住民の交通利便確保の観点から、自治体の意見を聞くことは大変有意義であるわけであります。また、立法趣旨もまさにそこにあったのではないかなというふうに思われるわけでありますが、なぜその規定を廃止されるのでしょうか。そしてまた、この規定を廃止する場合、地方自治体の意見をどのようにして把握されるおつもりなのか、あわせてお尋ねを申し上げます。
○高橋(伸)政府委員 道路運送法九十条についてのお尋ねでございます。 この九十条の制定の趣旨でございますが、昭和二十六年当時、地方公共団体のうち、東京都の区部、大阪市、京都市、名古屋市、横浜市、神戸市、福岡市、仙台市、この八都市におきますバスの交通量というものが非常に膨大でございました。戦後の復興期ということもございまして、バス路線の新設の免許申請が山積している、こういう状況にあったわけでございます。 それで、この九十条によりますと、いわゆる路線バスの事業免許を処分しようとする場合には、その路線が特別区の区域内、または今申し上げた政令で定める市の区域内にあるときには、運輸大臣は当該部知事または政令で定める市の長の意見を徴しなければならない、こういう規定になっているわけでございます。 今申し上げましたように、昭和二十六年当時、法の制定当時でございますけれども、このような大量な免許の処分に当たりまして、運輸行政サイドの体制も十分整っていなかった、また、その都市の地域の開発あるいは輸送需要の見込み、こういったものについて、地区の事情に通じております知事あるいは市長から意見を聞くということが必要であった、こういう事情があったわけでございます。その後、運輸行政の体制も整ってまいりまして、このような知事の意見を徴することなく免許の処分が適切にできる、こういう状況に現在なってきておるところでございます。 むしろ、近年、高速バスが進展するに従いまして、単に高速バスがその当該市を通過するということだけでも意見を聞かなければいけない、その都度大変な手間もかかるということでございま す。行政の簡素化あるいは事業者の事業の効率化、こういった面からの御要請もいただいておりまして、今回、廃止しても差し支えないという判断に立って法律改正をお願いしているところでございます。 今先生御指摘いただきましたように、バス行政を進めるに当たりまして、地元の意向、地域の実情、こういったものを把握した上で行うということは私ども何よりも重要なことだと思っております。特に、地方自治体の御意見というものも十分お伺いしながら進めていく必要があるわけでございます。 こういった観点から、私ども、地方の運輸局単位に次のような組織と申しますか、協議会というものを置いて、地方自治体の意見というものをお伺いする仕組みをつくっておるところでございます。 一つは、地方交通審議会というものがございます。これは、各県ごとに部会を設けておりまして、ここで陸海にわたります地域交通計画を策定をする。この地方交通審議会の会長さんは通常都道府県の知事さんにお願いしておるわけでございます。これが全体の交通計画をまず県単位で策定するということでございます。 それから、バスにつきましては二つございまして、一つは、過疎バスを中心としました対策、これについては地域バス対策協議会というものを設けております。これも都道府県単位でございます。それから、都市バスを中心としたバスの活性化対策につきましては、これも都道府県単位にバス活性化委員会というものを設けております。主として、ここにおきましてはバスの走行環境の改善あるいはバスの利用者の利便の増進、こういった点について御審議を賜っておるというところでございます。 このほか、私ども個々の免許の申請に当たりまして、十分地方自治体の意見もお伺いしながら総合的なバス行政を進めておるところでございまして、今回この九十条を廃止した後におきましても、十分地方自治体の意見というものをお伺いしながら進めてまいる所存でございます。
○古賀(敬)委員 陸運行政における運輸省のいわゆる地方出先と申しますか、組織は決して人員的に十分ではないのではないかなというふうに私は思っておりまして、その厳しい中で職員の皆さん頑張っておられるわけであります。 例えば、中国運輸局におきましても、本局は広島でございまして、あと山口、岡山等、陸運支局という形になっておりまして、大半はいわゆる車検の登録要員と申しますか、その仕事に従事をされて、輸送関係の担当官は、各陸運支局当たりたしか数名でやられているのではないかなというふうに把握をしております。この少ない要員でバス、トラック、タクシーすべてをカバーしておりまして、この要員体制で実際に地域に密着した路線バスの実態について正確な把握は、なかなか難しいのだろうというふうに思っております。 そういった意味で、先ほど来いろいろと審議会等、地方自治体の協力を得て頑張っておられるということはよく理解をされるわけであります。そしてまた、先ほど出ました過疎バスに対する問題も大変地方においては重要な問題でございまして、この欠損補助に対しては自治体が交付をしておるというのが実態であります。以前から地方公共団体にこういった権限を移譲すべきだという議論はあったわけでありますけれども、現在運輸省内でその点についてはどのように議論をされておるでしょうか。教えていただきたいと思います。
○高橋(伸)政府委員 ただいま先生御指摘のように、地方バスの運行につきましては、私ども国とそれから地方自治体とで補助制度を設けております用地方バス路線維持費補助というものでございます。これは第二種路線、第三種路線というものについて行っておるわけでございます。 私ども、第二種路線、これは乗車密度が五人から十五人というものでございまして、こういうものにつきましてはバスを事業として行うことが適切であるというふうに考えて、国としても補助をしておるものでございます。 三種のバス路線、これは乗車密度が五人未満というものでございますが、なかなか採算がとりにくい、こういうものでございます。これにつきましては、原則として三年間補助を行いまして、その間に乗車密度を上げてぜひ第二種に復帰してもらいたい、こういうことでお願いしておるわけでございますけれども、なかなか第二種に復帰するのが難しいといった場合には路線を廃止することもやむを得ないということで、その場合には廃止路線代替バスということで、これも平成六年度まで、私ども国、県、地元の市町村、三者で補助をするという格好をとっておりました。 今先生御指摘のように、この廃止路線代替バスにつきましては、地元の市町村の行政事務といたしまして二十年間これまでやってきておりまして、地元に同化定着した事業というふうに考えておるところでございます。乗車密度五人未満ということでは事業としてなかなか成り立っていく面が少ないわけで、むしろ地域政策的な面、福祉政策的な面でお考えいただきたい、こういうことから、平成七年度の予算におきましては一般財源化ということを行いまして、これは地方交付税交付金でもって国が補てんをしていく、こういう制度をとったところでございます。 そういった意味で、廃止路線代替バスにつきましては、これは地元の方で創意工夫を生かして対応していただくことが適当だというふうに考えております。しかしながら、二種、三種につきましては、やはりバスと申しますのは、これは他の交通機関とも十分連携をとってネットワークを形成しているということもございますので、私ども、やはり事業として成り立つものについては運輸省として担当していくのが適切であるというふうに考えております。
○古賀(敬)委員 ありがとうございました。時間がもうなくなってまいりましたので、この点についてはもうこれで結構です。 最後に、先ほど大臣もお話しいただいたのですけれども、今日までの規制緩和の取り組みに対しましては、私はこのように思っているのです。 いわば規制緩和が省庁任せで自己申告というような形で行われておりまして、規制サイドの論理の域をまだまだ出ていないのではないかな、このように思えてなりません。また、時代の要請そしてまた国民の要望にこたえるためにも、そしてまた実効性を高めるという観点からも、運輸当局、要望側そして第三者から成る一つの組織をつくって着実に実行に移す、そしてまたその進捗度等をチェックをしていく、そういった機関を設けるべきではないかなというふうに思っておるのでございますけれども、大臣の御所見をお聞かせいただければ幸いでございます。
○亀井国務大臣 もちろん、いろいろな形態を考えて国民の方々の御意見、お気持ちを吸収をしていくという努力はしなければならないと思いますけれども、現在の仕組みの中でも、本当に我々行政サイドが謙虚に目を開いて、耳を傾けていけば、私は実態が把握できる仕組みはあると思います。それを、安易にと言ったらおかしいのですが、審議会というような形で役人の本来の責任を何かよそへ転嫁をするような気持ちがあってはならない。やはり、役人はそれで飯を食っておるわけでありますから、眼をきっと開いて、きちっと問題点というのをみずからが把握をしていくという努力をしなければならない。 しかし、委員がおっしゃいますように、それにはいろいろな形態があると思いますから、そこらは柔軟に、そのために有益であればいろいろな形態は考えていいと思います。しかし、要は、役人自身がやはりそうした気持ちで対応すれば問題点は相当把握をできるのじゃないかな、私はこのように考えております。
○古賀(敬)委員 本来ならば、こういった委員会の場で行政と我々委員とのやりとりの中においてそういったものが進展をしていくというのが議院内閣制における本来の姿であろうと私は思ってお るのでございますけれども、昨今どうもいわゆる審議会制度はやりでございまして、その審議会が余りにも権威を持ち過ぎると申しますか、いわゆる一昨年のA、B、Cランクづけみたいな形になりまして、それだけが先走りして、我々国民から選ばれた国会議員の意見というのは全く通らないというようなおかしなひずんだ状況に今の日本の政治そのものがなってきておるものですから、それは我々自身ももっともっと反省をして、きちっと健全野党として、そしてまた責任野党としてやっていかなければならないというふうに自分自身思っておるわけであります。 そういった問題があったものですから、今のお話、審議会と申しますか推進委員会と申しますか、そういったものをつくった方がより早く進むのかなというような気がいたしたものですから、質問をさせていただいた次第でございます。大臣の御意見はよくわかりました。 最後に、運輸省は本当に国民から見たら、これは誤ったマスコミ報道だとか評論家まがいの人がわかったような形でテレビで発言したりするものですから、運輸省という役所はまさに規制の権化のような印象を受けておるわけであります。許認可の件数はトップの座を通産の方に譲ったというふうに漏れ聞いておりますけれども、ぜひとも運輸省サイドとして国民に正しい報道、正確な報道を行うように努力をしていただきたいと思うのですね。 例えば、バス停の問題。これはバス停の位置を動かすだけでもとかいう、これも誤った報道ですね。また、車検制度に関しても正しい形で国民に伝わっておりません。そういった意味で、いわゆるお役所感覚を脱ぎ捨てていただきまして、国民の皆さんに正しい報道、そしてマスコミに対する正しい広報、こういったものをぜひともやっていただきたい。このことを強く要望申し上げまして、質問を終えさせていただきます。 ありがとうございました。
○井上委員長 寺前巖君。
○寺前委員 最初に、事務当局にお願いをいたします。 バス路線の回数とか廃止などについて、地元関係者の意見を十分反映するようにやりたいという問題は先ほどから御説明ありましたけれども、私は、例えば滋賀県の信楽町というところでバス路線を廃止するとかなんかいうようなことで、近畿運輸局ですか、寄せてもらったことがあるのですが、あれは、根拠法というのは、何が根拠になって自治体の意見を持っていくとかなっているんですかな、ちょっと御説明いただけますか。
○高橋(伸)政府委員 バス路線の廃止につきましては、道路運送法の三十八条というのがございます。ここにおきまして、事業の全部または一部を休止し、廃止しようとするときは、運輸大臣の許可を受けなければならない、その場合に「運輸大臣は、当該休止又は廃止によって公衆の利便が著しく阻害されるおそれがあると認める場合を除くほか、前項の許可をしなければならない。」、こういう規定がございます。
○寺前委員 それで運輸大臣の権限だ。その場合に、地方自治体の長の意見を聞きなさいということで、局長がそれを今指導していますのやというような話を昔行ったときに聞いたことがあるのですが、その法的根拠は何ですか。
○高橋(伸)政府委員 バス路線の廃止につきましては、やはり地域住民の足を確保するという観点で十分に慎重な対応が必要とされておるところでございます。 これにつきまして、昭和四十六年に自動車交通局長から鳥取県の知事さんあての回答が出ております。これによりますと、バス路線の休止または廃止に当たりましては、関係市町村等の意向を十分尊重する必要があると答えておるところでございます。
○寺前委員 そうすると、それは取り扱いの指導文書であって法的には何の根拠もないんだ、こういうことになるのですか。それとも、法律上の精神的な規定というのか、何かに基づいてそういう指導をやっているのか。単なる内部指導ですか。
○高橋(伸)政府委員 法律上は、先ほども申し上げましたように、当該休止または廃止によって公衆の利便が著しく阻害されるおそれがないということでございますが、それの判断の一つの基準といたしまして、今申し上げた市町村等の意見を聞くという回答文書を発しておるというものでございます。
○寺前委員 そうすると、この指導文書というのは、自動車局長から鳥取県知事にあてた文書というのは今後も有効ですか。
○高橋(伸)政府委員 私ども、九十条を今回廃止するということで改正をお願いいたしておりますけれども、その休廃止に当たりましては、やはり地方自治体の意見を十分尊重した形で進めていく必要があるというふうに考えております。
○寺前委員 そうすると、総務庁から去年の八月十一日に「規制行政に関する基本調査の結果」というものが出ているのね。これを見ると、「路線変更等については、直接、都道府県民の生活上の便宜とかかわりが少ないので意見聴取を廃止すべき」である。今の話と正反対になってきているやないか。これは一体どういうことなんだろうか。これは意見を聞いたことがあるのですか、地方自治体の長の。総務庁がやっていることと今の局長さんの答弁とが全然違うじゃないか。今後もこれを堅持するのだというのだったら、総務庁のこの見解に対して、違うでということを明らかにしなければいかぬことになるのと違うかな。そこはどうなんですか。
○高橋(伸)政府委員 これは先ほどもちょっとお答え申し上げましたが、九十条制定の趣旨でございます。これは道路運送法制定当時の大量免許処分について地方の知事のお力を得たというものでございます。したがいまして、その関係政令市も八都市に限られておるところでございます。現在、八都市につきまして意見照会、年間に六百件近くございますけれども、その中で具体的な御意見が出てきておりますのが一%から二%の間ということで、もうほとんど御意見は出ていないという状況でございます。 それから、行政監察のお話でございますけれども、行政監察の御意見といたしましては、近年、高速バスの増加等に伴いまして認可に当たっての意見照会が増加しており、事務負担となっておる、したがって、路線変更等については意見聴取を廃止すべき、こういうお話でございますが、これは、法律に基づいての手続としての意見聴取を廃止すべきというふうに私ども受け取っております。いろいろな地域によりまして濃淡の差はあるかと思いますが、基本的に、地元においてやはりその路線の休廃止について御意見があるということであれば、私ども十分にその御意見を伺うことはやぶさかではございません。
○寺前委員 私、運輸省のその態度の方がいいと思っているのです。それは、そんな昔の話でなくて、例えば九一年に東京の杉並ですか、阿佐ケ谷−渋谷間の京王バスそれから都バス、それぞれ廃止をしたり運行回数を三分の一削減するという問題が出て、住民の人が三万五千名の署名を集めておられるのです。やはり住民の意見というのは、東京都内でいうと、二十三区になってくると、残っている人が年寄りの人になってきて、その通過路線でいっぱい自動車が走り回るという中で年寄りはもうバスしか頼るものがないという、そういう実態が現実には起こってくる。 そうすると、経営の面からだけではいけない、総合的な面から路線問題というのは考えてくれなんだら困るのだという住民の声は、新しい事態に対応して都市の内部で起こってくる。そういうときに自治体の見解というのは重要な見解になってくる。だから僕は、精神的には、九十条を廃止する必要ない、今の時点でますます重要や、こういうことを残しておいた方がいいというのが率直な私の感じなのです。 だからさっき、鳥取県知事あての「定期バス路線の一部休止申請の取扱いについて」というのは 生かしていくのだとおっしゃるのだから、それは生かすのならそれで結構だけれども、これは僕は、どうもこの問題については残した方がいいな、削除する必要はないな。むだなことは削除したらいいけれども、これは残しておいた方がいい、私ども率直な感じを持っているのです。むしろ、バス専用レーンなんかが朝行われているけれども、そういうのをもっと強化するとかいうところの方に力点が置かれるように、僕は運輸行政はこの点は強化した方がいい、率直に感ずるのですが、せっかくの機会だからそれを言わせてもらって。 もう一つは、遊覧船事業を海上運送法第四条によって需給調整の対象から外すという問題をめぐる問題です。 これは全国に四百四十五事業所がある。そのうち三百四十四事業所は、七七%になりますね、これは旅客不定期航路事業に大資本が入ってきた場合にはあっという間につぶれてしまうという。私、むしろ中小企業の死活の問題にかかわる問題だから、これは従来どおり残しておいた方がいいと率直に感ずるのです。 ですから、陸上輸送のさっきのバス路線の問題では住民の声が反映されるように、それからこの遊覧船の問題については、中小企業の死活の問題としてそういう権利は保障してやる方がいいというふうに感ずるのですが、間違うてますか。それはどうですか。
○平野(直)政府委員 お答えいたします。 可能な場合には、企業活動に対する制約というものを極力減らしていくというのが政府の方針であるというふうに考えております。 旅客船の運航事業につきまして、今回、定期航路あるいは生活路線というものは別でございますが、起終点を同じくし、かつ途中の寄港をしないというような遊覧航路につきまして、運賃規制等の規制緩和を提案しているところでございます。遊覧航路につきましても、利用者の利便、その他公共の利益を阻害している場合には、あるいは輸送の安全を阻害している場合には必要な措置がとれるということでございます。
○寺前委員 何言っておるのかようわからぬけれども。 中小企業が、大部分一人親方でやっている、船を持っている人とか、そんな人が遊覧船をやっています。リゾート開発だといってだあっと出てこられたら、もうつぶされていくなと。だからそういうのを、やはり従来から持っていた権利を保障してやらなければいかぬのと違うか。そうしたら、この条項は残しておいた方がいいな。大臣、どうですか、そういうふうに思いませんか。私率直にそんな感じ、深く研究したわけやないけれども、感じを持ちますよ。
○亀井国務大臣 何度も申し上げておりますように、この規制緩和を行う場合に、弱者と強者の実質的な競争力をやはり確保していくという視点はきっちりしなければならないと思いますし、また同時に、やはり自由競争社会でもございますから、ユーザーの立場からの、そうした自由競争面でサービスが向上するあるいは料金が適正化をしていく、そうした機能の面もやはり見落としてはならぬ点でもございますので、そのあたりを業界その他の実態を見ながら適切に対応していこうという方針でやっておるわけでございまして、おっしゃるように、大型のそうしたものが弱者を踏みにじっていくというような、そういうことがあってはもちろんならないと思いますので、そういうことについては十分行政指導等を含めて気を配ってまいりたい、このように考えております。
○寺前委員 私は、先ほどから言うように、首都圏等のバス事業の路線等の休廃止に対する利用者と関係住民の意見を反映させる法的根拠の削除や、地方の観光地の地場産業で中小企業の分野である遊覧船事業への大規模資本による観光業への新規参入等を容認することになるので、この許認可のこの件に関しては反対するという態度を表明しておきたいと思います。 それから、海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の問題ですが、この十年間の処理量を見ると、八三年度で百三十一万四千立法メートルであったのが、九二年度では三十二万二千立法メートルと四分の一以下になっている。ここ五、六年はずっと横並びですけれども、これだけ減ってきているというのは、説明によると船の装備の関係も変わってきているのだという話だけれども、果たしてそれだけで済むのだろうか。処理料金を見るとほとんど据え置きだということになってくると、処理業者というのは経営が困難になってくるという問題も出てきているのじゃないだろうか。 そうすると、いろいろ話を聞いてみると、船舶からの廃油が直接陸上の処理業者に渡されているという、いわゆる違法な現状もあるように聞くわけですね。そうなってくると、海上における汚染の防止ということに役立たない方向になるじゃないか。何か実効ある措置をこの分野でとらなかったら、せっかく海上の汚染を防止しようといっておったってあかんということになるのじゃないだろうか。そこらはどういう実態になっておって、どうしようとしているのか、聞かしてほしいと思います。
○栢原政府委員 船舶から発生しますビルジその他の不要な油につきましては、先生御指摘のとおり、海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律によって海域に排出することが禁止されております。また同時に、その法律によって認可された専門業者によって処理をするということが原則になっているわけでございます。 この十年間、ただいま御指摘がございましたように、民間処理業者が処理をする量というのは横ばいで推移をしておりますが、これは、カーゴタンクとバラストタンクを別々につくるといったような、船の構造を変えることによってできるだけビルジ及び廃油等を少なくしようという努力のためであるというふうに承知をしております。 なお、許可業者以外の業者が、陸上の業者が廃油を処理しているというような実態があるとすれば、船舶からの廃油が適切に処理されるように、これは排出者側であります船舶運航者等に働きかけてまいりたいというふうに思います。また実態につきましては、よくその状態を調査をするということにしたいというふうに思っております。
○寺前委員 私、せっかく海上汚染の問題が出たから、最近の震災問題をめぐってのコンビナートについて一言ちょっと聞いておきたいと思うのです。消防庁、来てくれていますか。 阪神の大震災のときに、神戸地区のコンビナートは十四事業所があって、このうち地震計を設置していたのは二事業所だ。ところが、その設置されている事業所でも、屋外タンクの耐震基準が三百ガルになっているのに、二百五十ガルまでしか測定できないものになっている。だから大部分のものが測定器がないままになっておって、あるところでもマグニチュード七クラスのあれに対応するような、そういうものになっていないというふうに聞いておったのですが、これは事実かどうか、どういうふうに改善されようとしているのか、どんな指導をしておられるのか、それが一つ。 それから、三菱液化ガスのLPガスが漏れて、退避させられるという問題が起こっていましたよ。そこで、屋外のタンクの不等沈下等の被害状況は一体どういうことになっていたのだろうか、ちょっと気になるのですね。報告してくれますか。
○桑原説明員 お答えいたします。 最初の御質問の、屋外タンクが所在する事業所に地震計がどのように設置されているかという御質問でございますが、地震計の設置につきましては、これはそれぞれの事業所の自主的な判断にゆだねているところでございまして、私どもの消防法の方で具体的にこういう事業所にはこういう地震計を設置しなさいといったような規定は置いておりません。 それから、今回の地震によりますタンクの被害状況でございますが、神戸市内のコンビナート地区に所在いたします屋外タンクの総数は、全部で 四百十五基ございます。神戸市消防局からの報告によりますと、今回の地震の影響によりまして傾斜いたしましたタンクは、このうち百七基となっております。 以上でございます。
○寺前委員 その屋外タンクの耐震基準が、七七年に基準を決めて、それで八三年にはタンク固有の耐震基準等を加味した新基準をつくって、そして今日になってきているわけでしょう。 そこで、現地にある七七年以前に設置された屋外タンクは何%を占めておって、それから、八三年基準に達していない屋外タンクはどのように補強したのか、ちょっと報告してくれますか。
○桑原説明員 四百十五基のタンクがございますが、そのうち、一千キロリットル以上のタンク、これが全部で百二十五基ございます。設置の年月日を詳細に把握しておりますのはその一千キロリットル以上のタンクについてということでございますが、この百三十五基のタンクのうち、五十二年以前に設置許可を受けておりますいわゆる旧基準のタンクは百二十四基となっております。 これらのタンクにつきましては、五十二年に行いました制度改正の際には、既存のタンクにつきまして、耐震基準を強化いたしましたり、あるいは地盤の強化をするような技術手法等がまだ確立されていなかったといったような事情もございまして、新しい基準の適用は猶予されていたわけでございますが、昨年の七月の消防法関係の制度改正によりまして、こうした五十二年以前の古いタンクにつきましても、この一月一日から、それぞれのタンクの実態を調査した上で、基準に満たないものにつきましては、今申しました昨年七月に設定いたしました新しい基準に適合するよう改修等を進めていただくというふうにいたしておるところでございます。
○寺前委員 時間がないのであれですけれども、問題は、大部分が七七年以前の建設になっている。それで、調べてみたら神戸地区でも圧倒的部分がそうだし、それから、今度の液状化現象が起こっている。それから、その対岸のこちらの方の堺を見たって、八割からのコンビナートの屋外タンクが不等沈下をしている。こういう事態を考えたら、私は、幸いあそこの一カ所だけで避難が出ただけだったけれども、これは果たしてこのままでいいのかどうかというのは、ちょっとやはり今の時点に立って見直しをやる必要があるのと違うのかということ。 それから、これは一月からやる予定やったんや、直すようにやる予定やったんやと。一月から何年計画でやる予定になっているのか。この間ちょっと聞いてみたら、十五、六年かかるのやという。十五、六年もかかるようなことでは、対応に、間尺に合わぬやないか、だからそこもちょっと見直しをやらないかぬのと違うかと。 現実に阪神であれだけのことが起こったんだから、新しく起こった時点に立ってどうあるべきかという姿勢をやらないと、片っ方であなた、法律で汚染をしないように、火災が起こらないようにとかいろいろやっても、法律つくっても、現実の執行の段階のものを見直しをちょっとやっておいてもらわぬと、このままではぐあい悪いのと違うかなというようなことを感じたのでこの際に一言言わさしてもらったんで、いかがですか、それでもう終わります。
○桑原説明員 今回の地震がそれぞれの屋外タンクに与えました影響につきましては、今詳細に調査分析を進めているところでございます。そうした中で、先生今御指摘いただいたようなことについても検討してみたいと考えております。
○寺前委員 ありがとうございました。
○井上委員長 これにて両案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○井上委員長 両案につきましては、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 まず、許可、認可等の整理及び合理化のための運輸省関係法律の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○井上委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 次に、海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○井上委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井上委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。 〔報告書は附録に掲載一
○井上委員長 次に、内閣提出、参議院送付、旅行業法の一部を改正する法律案を議題といたします。 趣旨の説明を聴取いたします。亀井運輸大臣。 ————————————— 旅行業法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○亀井国務大臣 ただいま議題となりました旅行業法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。 近年、所得水準の向上、自由時間の増大等により、旅行需要は年々着実に拡大、多様化してきており、旅行は、国民生活にとって極めて日常的なものとなっております。特に海外旅行については、旅行者数が一千万人を超えるなど急速に一般化が進展しております。これに伴い、旅行業者が海外旅行業務を容易に遂行できるようになるとともに、マスメディアを活用しつつ多様な主催旅行を実施するなど積極的な事業の展開を図る旅行業者が増大しているところであります。しかしながら、一方では、旅行業者に対する旅行者からの苦情が少なからず見られるとともに、旅行業者の倒産時においてトラブルが生じているなど、旅行者の保護の充実をより一層確保しなければならない状況が生じております。 このような状況を踏まえ、旅行業者の行う取引の公正を維持し、旅行者の利便を増進していくため、このたび本法律案を提案することとした次第であります。 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。 第一に、登録制度について、旅行業務の実態を踏まえたものとするため、一般旅行業の登録と国内旅行業の登録を統合して旅行業の登録にするなど、その合理化を図ることとしております。 第二に、旅行業者と取引をした者の債権を保全するための営業保証金について、その額の算定に旅行業者の旅行業務に関する取引額を明確に反映させることとするとともに、旅行者が優先して還付を受けられることとし、旅行者の保護の充実を図ることとしております。 第三に、旅行業者が旅行者と契約を締結しようとするときには一定の書面により取引条件の説明を行うこととするとともに、主催旅行を実施する旅行業者の旅行業約款の認可基準及び主催旅行の広告の表示方法に関する規定を整備するなど旅行業者の旅行業務の適正化を図ることとしております。 以上が、この法律案を提案する理由であります。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
○井上委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 ————◇—————
○井上委員長 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い、現在理事が一名欠員となっております。この際、その補欠選任を行いたいと存じますが、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井上委員長 御異議なしと認めます。 それでは、理事に高見裕一君を指名いたします。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時五十四分散会