安全保障委員会 第1号
- 発言数
- 13 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1995/02/02
会議録
○神田委員長 これより会議を開きます。 議事に入るに先立ちまして、去る一月十七日発生いたしました兵庫県南部地震によりお亡くなりになりました方々とその御遺族に対し、深く哀悼の意を表します。また、負傷された方々を初め避難生活を続けておられる方々に心からお見舞いを申し上げます。 ここに、お亡くなりになりました方々の御冥福をお祈りし、黙祷をささげたいと存じます。 御起立を願います。——黙祷。 〔総員起立、黙祷〕
○神田委員長 黙祷を終わります。御着席願います。 ————◇—————
○神田委員長 この際、一言ごあいさつ申し上げます。 このたび、安全保障委員長に就任いたしました神田厚でございます。 さきの兵庫県南部地震に見られましたように、自衛隊の災害派遣活動などのあり方等、多くの問題が山積しており、また、今日の国際情勢のもと、我が国の平和と安全を確保するため、本委員会に課せられた使命は重大であります。 このときに当たり、委員各位の御支援、御協力を賜りまして、円満がつ公正なる委員会運営に努める所存でございます。 何とぞよろしくお願いいたします。(拍手) ————◇—————
○神田委員長 この際、お諮りいたします。 去る一月二十日の議院運営委員会における理事の各会派割当基準の変更等に伴い、理事の辞任及び補欠選任を行います。 まず、理事の辞任の件についてお諮りいたします。 理事山崎拓君から、理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○神田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 ただいまの理事辞任による欠員のほか、委員異動による欠員並びに私の委員長就任に伴い、現在理事が三名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○神田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 それでは、理事に 愛知 和男君 岡田 克也君 及び 菅 直人君を指名いたします。(拍手) ————◇—————
○神田委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。 国政に関する調査を行うため、本会期中、国の安全保障に関する事項について、衆議院規則第九十四条の規定により、議長に対し、承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○神田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————◇—————
○神田委員長 次に、国の安全保障に関する件について調査を進めます。 防衛庁長官から防衛政策に関して、また、外務大臣から我が国の安全保障政策について、それぞれ説明を求めます。まず、玉沢防衛庁長官。
○玉沢国務大臣 防衛庁長官の玉沢徳一郎であります。神田委員長を初め、委員各位に謹んでごあいさつを申し上げさせていただきます。 まず最初に、さきの兵庫県南部地震で亡くなられた方々とその御遺族に対し、深くお悔やみ申し上げますとともに、けがをされた皆様、そしてすべての被災者の皆様に、心からお見舞いを申し上げます。 兵庫県南部地震災害に対する初動における自衛隊の活動状況を御説明いたしますと、自衛隊は、地震直後から、中部方面隊隷下の部隊に非常呼集をかけるとともに、ヘリコプターによる状況把握、第三六普通科連隊による伊丹市及び西宮市での救援活動、輸送艦「ゆら」及び護衛艦「とから」の派遣など、可能な限り迅速な対応を行ったところであります。 午前十時に災害派遣の要請を受けた後は、直ちに姫路所在の第三特科連隊による災害派遣を行ったほか、福知山所在の第七普通科連隊等の部隊からも派遣を行い、災害発生当日中に海上自衛隊の艦艇五隻を被災地へ急行させるとともに、航空自衛隊の輸送機七機による輸送支援を行ったところであります。このように、自衛隊は、当時の状況に照らしましてでき得る限りの努力を行ったところであります。 また、自衛隊は、昨日現在で、人員約一万六千九百名、航空機百七十三機、艦艇十八隻、車両約三千五百四十両、その他艦船、航空機等による支援に約七千七百名の人員を投入して、精力的に救援活動を行っております。 救援内容につきましては、現地の状況の変化に応じ、初期の人命救助を主体としたものから、既に、自衛隊阪神病院における患者の受け入れ、救護所の設置及び巡回診療等による累計約一万二千百人に上る被災民の方々への医療支援、同じく宿泊等のための天幕約千張の設置、給水支援、炊飯支援及び十一カ所における入浴支援、倒壊家屋や瓦れきの除去及びその輸送など、被災者の方々の日々の生活に役立つ支援等を主体としております。今後、このような活動がより一層重要になっていくと考えられますが、各地方自治体と緊密に連携しつつ、柔軟に対応していく所存であります。 同時に、今後全国で起こり得る災害に対して、自衛隊としてより迅速かつ効果的な救援活動を行っていかなければなりません。そのためには、例えば、東海地震及び南関東地震について策定されているような、自衛隊と地方自治体とが協力することによって、災害に係る自衛隊の行動等を詳細に定めた防災計画を作成し、その計画に基づいて、平素から自衛隊を含む関係行政機関と関係公共団体が実のある訓練を行うなど、密接な関係を確保することによって、自衛隊の救援活動の効果的な運用を図っていくことが不可欠であります。 さらに、防衛庁といたしましては、今回のような大災害においては、被災状況を迅速に政府レベルで取りまとめ、いち早く国家的な取り組みを開始することが肝要ではないかとの御指摘があることも踏まえ、情報を迅速に防衛庁長官、内閣総理大臣に伝達させるとともに、関係機関と連携しつつ、大災害発生時の情報伝達のあり方等についても検討してまいりたいと考えております。 次に、我が国の防衛政策について、私の所信を述べてまいりたいと思います。 現下の国際情勢は、冷戦の終結により世界的規模での戦争の可能性は遠のきましたが、さまざまな地域紛争の危険性が増大するなど、依然として不透明、不確実な状況にあります。また、我が国周辺地域は、地理的、歴史的な面などで多様性に富み、各国の安全保障観がさまざまであることから、複雑な軍事情勢となっております。冷戦終結後も、この地域においては、朝鮮半島や南沙群島、北方領土などの諸問題が未解決のまま存在しております。 このような状況下において、我が国の平和と独立を確保していくためには、引き続き、日米安保体制を堅持するとともに、効率的で節度ある防衛力の整備に努めていくことが肝要であります。 まず、我が国がみずから防衛力を有するということは、自分の国は自分で守り抜くという決意のあらわれとして、我が国の安全保障の中核をなすものであります。 今国会で御審議をいただいております平成七年度の防衛関係費につきましては、一段と深刻さを増している財政事情等を踏まえ、対前年度〇・八六%増の四兆七千二百三十六億円と、極めて抑制したところであります。かかる厳しい状況のもと、修正された中期防衛力整備計画の最終年度として、防衛力全体として均衡がとれた態勢の維持整備を図るための必要最小限の業務が推進できるよう、配慮しているところであります。 具体的には、正面装備については、老朽装備の更新等を基本としつつ、後方分野については、隊舎・宿舎等生活関連施設整備の充実、基地対策の推進等の諸施策を重点的に実施し得るよう配意したほか、安全保障対話の充実等に関する施策を推進することとしております。 また、現在、国際情勢の変化や将来における我が国の人的資源の制約の増大等に的確に対応するため、今後の我が国の防衛力のあり方について、防衛問題懇談会の御報告の内容も一つの参考としながら、信頼性の高い効率的な防衛力の維持と質的改善を目指して、幅広く検討を行っております。本年は、その結論を得るという意味で極めて重要な年になると考えており、先生方の御支援、御鞭撻を得つつ、全力を傾けてまいりたいと考えております。 防衛力の整備と並び、我が国の防衛の骨幹をなすものが、日米安全保障体制であります。 日本と米国とが密接な同盟関係を有することは、我が国の安全保障にとって極めて有益であることはもとより、アジア・太平洋地域、さらには世界全体の安全保障関係の重要な基盤となるものであります。防衛庁、自衛隊は、従来から、間断なき対話の実施、共同訓練、技術の双方向交流の促進、接受国支援を初めとするきめ細かな施策を実施しているところでありますが、私は、今後ともより一層この日米安全保障体制の信頼性の維持向上に努めてまいりたいと考えております。 沖縄の基地の整理統合につきましては、さきの日米首脳会談におきまして意見交換がなされ、これを踏まえ、村山総理大臣から、本年は戦後五十年の節目の年に当たることも考慮しその推進に一層の努力をされたいとの御指示がありました。また、整理統合の円滑な推進に当たっては、地元の住民の方々、沖縄県当局等の協力を得られることが不可欠でありますが、先般、総理が沖縄県知事に協力を要請されたことは、本問題の推進に大きな契機となるものと認識し、期待しております。私といたしましても、安保条約の目的達成と地域住民の要望との調和を図りつつ、いわゆる三事案を中心に、一つでも多く、できるだけ早期に問題解決の道筋をつけ、戦後五十年の節目にふさわしい成果が得られるよう、最大限の努力をしてまいる所存であります。 また、冷戦後の世界におきましては、国際社会の平和と安全の維持を図るため、国際連合の役割が一段と重要になってきており、日本もその責任を果たすことを強く求められるようになっております。先般、モザンビーク国際平和協力業務と、我が国として初めての人道的な国際救援活動であるルワンダ難民救援国際平和協力業務を終了いたしました。これらの業務は、我が国が国際社会の抱えている課題にみずからも積極的に取り組んでいく意思のあらわれとして、また、自衛隊部隊の真摯かつ優秀な活動ぶりから、現地におきましても、国際社会におきましても、非常に高い評価を得たところであります。このように、国際社会で積極的な協力を行っていくことは、世界全体の平和と安全に寄与し、ひいてはみずからの安全の確保にも資するものであります。 さらに、我が国の平和と繁栄を今後とも維持していくためには、諸外国との強固な信頼関係を築き上げることが肝要であり、そのためには、安全保障問題について、周辺諸国を初めとする諸外国との密接な対話を行っていくことが極めて有益であります。私は、これらの施策についても万全を期してまいる所存であります。 最後に、国の防衛はもとより、自衛隊に与えられた数々の任務を遂行していくためには、やはり国民の理解と支持に支えられることが必要であります。我が国の安全を脅かす企てに対しましては断固として立ち向かい、災害等の国民の危急に際しましても持てる能力を最大限に活用して万全を期す所存でありますので、神田委員長を初め委員各位におかれましても、我が国の安全保障について幅広く議論される場である当委員会での御審議を通じ、より一層の国民の理解と支持が得られますよう、御指導、御鞭撻を賜りますことをお願いを申し上げまして、私の所信表明とさせていただきます。 ありがとうございました。(拍手)
○神田委員長 次に、河野外務大臣。
○河野国務大臣 神田委員長初め委員各位に謹んでごあいさつを申し上げ、我が国の安全保障政策についての所信を申し述べたいと思いますが、右に先立ちまして、十七日に起きた兵庫県南部地震で犠牲になられた方々とその御遺族に対し謹んでお悔やみを申し上げるとともに、負傷された方々及び被害に遭われた方々に心からお見舞いを申し上げます。また、諸外国からも多くのお見舞いと支援の申し出をいただいていることを報告し、あわせてこれらの国々に謝意を表したいと思います。 私は、我が国の安全保障政策の立案及び遂行の任に当たる者の一人として、また、安全保障会議の議員として、その使命と責任を全うすべく全力を尽くす決意であります。 我が国を取り巻く安全保障情勢につき簡単に申し述べたいと思います。 ソ連邦の解体により東西冷戦は終了し、地球的規模の戦争の可能性は大幅に減少いたしました。また、昨年のSTARTIの発効に見られるような核大国間の軍縮への努力が進展するなど、国際社会において国際協調に基づく新しい世界の構築が模索されております。しかしながら、国際社会は依然として流動的要素を抱えており、旧ユーゴスラビア、チェチェンに見られるような民族及び宗教を原因とする地域紛争や、核兵器を初めとする大量破壊兵器の拡散の危険といった重大な問題に直面しております。 我が国が位置するアジア・太平洋地域においては、域内各国の著しい経済発展をも背景として、政治的、社会的な安定性を増しているという側面はありますが、北朝鮮の核兵器及びミサイル開発問題、朝鮮半島における軍事的対峙、南シナ海諸群島の領有権問題など未解決の問題や不安定性をも内包しております。 このようにさまざまな不確実性、不安定性が存在する中にあって、我が国が非核三原則を堅持し、必要最小限の防衛力を保持しつつ、平和と繁栄を享受していくに当たり、日米安保体制の存在が重要であります。また、日米安保体制は、国際社会における広範な日米協力関係の政治的基盤となっており、また、アジア・太平洋の平和と安定にとって不可欠の要因である米国の存在を確保する役割をも果たしております。日米両国は先般の村山総理の訪米において、このような日米安保体制の重要性を改めて確認し、両国の関係を一層強固なものにするため、安全保障面においてさまざまな対話と協力を強化することにつき、合意いたしました。我が国としては、今後とも日米安保体制を堅持し、このような対話と協力を促進するとともに、米軍駐留経費負担を含め、その円滑かつ効果的な運営に努めてまいります。 アジア・太平洋地域の平和と安定のためには、以上の日米安保体制及び米国の存在を前提として、次のような努力を多角的、重層的に行っていくことが重要であります。 第一に、個々の紛争及び対立の解決を図り、地域の安定を確保していくためには、それぞれの状況に応じて二国間ないし利害関係を有する関係諸国間による対話と協力を推進することが重要であります。北朝鮮の核兵器開発問題については、日米韓を中心とした努力により昨年十月の米朝合意の成立に至りましたが、この合意の着実な実施はまさに我が国の平和と安全に直結しているものであり、我が国としては、今後とも米国、韓国などの関係国と緊密に連携し、最善の努力を行っていく考えであります。さらに、私は、中長期的観点から北東アジア地域の安定に向けた関係国による対話と協力を進めていくことも、重要な課題であると考えております。 第二に、アジア・太平洋地域において各国の政策の透明性と相互の安心感を高めるため、政治。安全保障対話を推進していくことが重要であります。私は昨年七月にバンコクで開かれたASEAN地域フォーラムの第一回会合に出席をいたしましたが、我が国としては、今後ともこのような対話と協力を積極的に推進していく考えであります。 第三に、域内各国の経済発展に向けた協力を通じ、地域の政治的安定性を高めていくことも重要であります。この点では特にAPECの重要性が高まっておりますが、我が国としては本年の議長国として、大阪での非公式首脳会議・閣僚会議に向け、APECの一層の発展に積極的に取り組んでまいります。 さらに、冷戦後のグローバルな課題である地域紛争への取り組み、軍備管理・軍縮・不拡散への努力を推進していくことも、我が国を含めた世界の平和と安定を確保するという観点から重要であります。昨年、我が国はエルサルバドル、モザンビークにおける国連の平和維持活動に参加したほか、ルワンダ難民に関しては、我が国として初めての大規模な人道救援活動を行ったところでありますが、今後とも我が国の国際社会における地位や責任に照らし、国連平和維持活動や人道的救援活動に積極的に貢献していく所存であります。また、軍備管理・軍縮・不拡散問題については、特に、核不拡散条約の無期限延長、全面核実験禁止条約の早期妥結などに向けて積極的に取り組んでまいります。また、さきに述べた北朝鮮の核兵器開発問題に関する米朝合意の着実な実施を確保していくことは、グローバルな核不拡散体制にとっても極めて重要であります。 我が国は、今や、これからの国際秩序の基本にかかわる問題に大きな影響力を持つ存在になりました。私としては、平和憲法の理念に基づき、このような我が国の責任と役割を自覚しつつ、全力で努力してまいる所存であります。この重責在十分果たせますよう、今後とも皆様の御協力をお願い申しあげます。 ありがとうございました。(拍手)
○神田委員長 以上で説明は終わりました。 次回は、来る七日火曜日午後零時五十分理事会、午後一時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時三十五分散会