予算委員会 第3号
- 発言数
- 435 件
- 登壇者
- 44 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 1994/10/18
会議録
○委員長(坂野重信君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 予算の執行状況に関する調査を議題といたします。 昨日に引き続き、質疑を行います。楢崎泰昌君。
○楢崎泰昌君 本国会はいろいろと重要法案がかかっております。その中でも税制改革という大事業が本国会において重要な議題としてあるわけでございます。近く提案されるというぐあいにお伺いをしております。 税制改革の内容としましては、所得税の減税とともに、平成八年から消費税の増税を伴う極めて意欲的かつ歴史に残る大改革を断行されるというぐあいに伺っております。しかし、税制改革は課税の公平、税の適正執行というものが前提となる問題であると思います。きょうはそのような点から政府の御見解等を承りたいと思っております。 その前に、けさほど米朝間において、核問題、これについての動きがあったというぐあいにニュースで報道されておりますが、政府としてはどのような事態というぐあいに認識を持っておられるか、まずお伺いをいたしたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 昨晩遅く、ジュネーブにおきまして核開発問題についての米朝代表団間で暫定合意に達したという連絡がございました。両代表団は、本合意については本国の了承を取りつける必要があるということで、合意内容自体についてはいまだ発表はなされておりません。 この合意につきましては、我が国もこの核問題に関して対話による協議を通じて解決が図られたことを基本的に歓迎したいというふうに考えておりまして、今後とも米国あるいは韓国などと連絡をとり合いながら本問題の解決に努めてまいりたい、かように考えております。
○楢崎泰昌君 まだ詳細な内容がわからないということでございますが、私どもにとりまして北朝鮮の核問題というのは極めてシリアスな問題だというぐあいに思っております。ぜひ政府としてもこの問題をフォローされ円満な解決に向かって努力を尽くされたい、かように思っております。 さて、本題に戻らさせていただきますが、先ほど申し上げましたように、税につきましては課税の公平、課税の適正な執行というのが重要でございますが、その一端として実は三年ほど前に世間を騒がせましたルノワール絵画疑惑事件というのがございます。 御存じだというぐあいに思っておりますが、この事件は、平成元年でろ三菱商事が画商の立花というところからルノワールの絵画二点を三十六億円で買い付けた。しかし、その三十六億円の行方について疑惑が持たれ、脱税が生じたということで検察庁がお調べになり、かつ起訴をされ、最近判決が出ているように伺っておりますが、その概要についてお話をいただきたい。
○国務大臣(前田勲男君) 刑事局長よりお答え申し上げます。
○政府委員(則定衛君) お答えいたします。 いわゆるルノワール絵画取引等をめぐります事案につきまして、検察当局が国税当局からの告発を受けた上、平成五年六月十六日に、美術品の販売等を目的とする株式会社立花ほか一社の二法人及び両法人の役員それぞれ一名を法人税法違反により、また絵画取引の仲介に関与しました会社役員ら三名を所得税法違反により、いずれも東京地方裁判所に公判請求しております。 法人税法違反で起訴されました二法人及び二名につきまして一審で有罪判決が確定しておりますけれども、所得税法違反の被告人らにつきましては、裁判中死亡しました一名を除きまして、一審で有罪判決が出されたものの、被告人側の控訴により現在控訴審係属中でございます。
○楢崎泰昌君 三菱商事が三十六億円で立花から絵画を購入したということで、今おっしゃったのは訴訟の概要でございますが、資金の流れについて詳細な御説明をお願いしたい。
○政府委員(則定衛君) 検察当局が捜査をいたしまして公訴を提起し、かつ裁判所が有罪認定をしたという事実につきまして私どもとしては御報告申し上げられるかと思います。 既に、先ほど申しました公判請求事件の中で株式会社立花に係ります法人税法違反事件が確定しておりまして、その公判におきまして検察当局は、株式会社立花がルノワールの絵画二点を約二十五億円で仕入れて商事会社に三十六億円で売却したこと、それから株式会社立花はこの売買で生じた差益約十一億円のうち八億円を立花及び関係した仲介人の間で分配したことを主張、立証しておるものと承知しております。
○楢崎泰昌君 要するに、三菱商事から立花に三十六億円の金が渡った、そのうちいろんな使途が判決等を通じて明らかになっているわけですけれども、三億円の不明金があるという事実がございます。この三億円の不明金について世間を騒がせたわけですが、これについての法務省の御認識はいかがでしょうか。
○政府委員(則定衛君) 御指摘のように、これらの脱税事件ではルノワールの絵画の取引をめぐります所得の隠匿工作が公判におきます審理の対象になっておるわけでございますが、御指摘のように、絵画取引で生じました全体の差益の一部につきまして検察官が、起訴された被告人らの収入とは主張していない部分があるわけでございます。 ただ、これらのお尋ねの点につきまして法務当局から、御指摘のような報道の真偽はどうか、それらにつきましてコメントするのは起訴していない事実について言及するということになりますので、詳しいことについてはお答えいたしかねるわけでございます。
○楢崎泰昌君 いずれにしても、検察当局の調査では三億円は未解明であった、少なくとも起訴事実の中にないということを確認したいと思いますが、いかがですか。
○政府委員(則定衛君) 問題となっております脱税事件の対象にはなっていない、こういう点は御指摘のとおりでございます。
○楢崎泰昌君 御答弁によれば、三億円は未解明であると。我が国検察当局というのは最強の調査能力を持った役所でございますが、三億円についてはわからないよというぐあいにおっしゃった。 ところで、私の手元に今、三菱商事株式会社の平成三年度株主総会で株主に配付した資料がございます。これは、本日の株主総会において絵画取引について御説明をしますというフレーズのもとに、「「事実関係」は次の通りでございます。平成元年三月、当社は、創価学会の八尋副会長から、「フランス人所有のルノアール絵画二点を、三十六億円で代理購入して欲しい」という依頼を受けました。取引当日は、決済条件として指定された額面一億円の無記名、無横線預手三十六枚を、同副会長にお渡ししこ、同副会長というのは創価学会の八尋副会長を指しているとも思われますが、「引換えに、絵画二点と、フランス人名の領収書を受け取りました。」。要するに、創価学会の八尋さんと相対して三十六億円の預手をお渡しし、そして絵画を受け取りました。これ、だれから受け取ったか書いてないんですけれども、状況的にはどうも想像ができます。「絵画はその場で、東京富士美術館にお預けし、高倉副館長から寄託品預り証書を受け取りました。」。その場ですぐ東京富士美術館にお渡ししたわけですね。「絵画は当初の約束通り、一年半後の平成二年九月、金利と手数料を含めた四十一億円でこ、すなわち五億円の手数料ということで、「東京富士美術館に売却致しました。以上が絵画取引の事実関係であります。」というのを株主総会で御配付になった。 この御配付になったのは、極めて三菱商事としては重要に考えられて、副社長を委員長とする常務以上の委員会において事実解明をした結果を御報告申し上げます、こういう文書が株主総会で配付されました。 この事実は法務当局は御存じですか。
○政府委員(則定衛君) 御指摘のような報道がなされておりますことは承知しておるわけでございますけれども、先ほど申しましたように、関連する事件がいまだ公判係属中のものもございますし、またどのような事実について検察当局が捜査過程で掌握しておるかということにつきましては、捜査の秘密でもございますので、今のお尋ねの点について直截にお答えするのは差し控えるべきであろうと思っております。
○楢崎泰昌君 捜査の秘密で個別の問題はなかなか難しいというお話でございますが、これについて関心をお持ちでしょうか。
○政府委員(則定衛君) 検察当局といたしましては、事件捜査に関連いたしますもろもろの事象について関心を持って通常捜査を進めてきたということでありますし、またなお公判も係属しておるということでありますので、それなりの関心を持っているものと承知しております。
○楢崎泰昌君 実にここは重要な問題を含んでいるというぐあいに思います。 すなわち、三菱商事の御説明によれば、これは繰り返して申し上げますけれども、常務以上の委員会をこしらえて事実関係をきちっと御説明なさったんだと思います。信用ある会社ですから、恐らく信用ある事実関係の解明を行ったんだというぐあいに存じますけれども、もしそうであるとすれば、実はこのルノワール絵画疑惑事件というのは、この説明によれば三菱商事と創価学会の八尋副会長との取引になってくる。 しかも、記しておりますように、三十六枚の預手ですね、これは一億円の預手を創価学会側の御指定によって用意したというぐあいに述べられておりますけれども、その三十六枚の預手を創価学会の八尋さんにお渡しになった。そして、ここから先は想像でございますけれども、普通常識的に考えますれば、八尋さんが三十六枚の預手をどういう形か知りませんけれども御処分なさったというぐあいに思われるんです。そうなってくると、三億円の使途不明金というのは実は預手が三枚分について解明できなかったんですね。ということは、どうもそこら辺に本当は問題があるんだなと。 判決はそうじゃなくて、三菱商事が立花に三十六億円渡したというような前提のもとに書いていますけれども、この前提は少し違うんじゃないでしょうか。法務省、いかがでしょうか。
○政府委員(則定衛君) 検察当局は、法人税法違反あるいは所得税法違反ということで、それぞれの金の動きにつきまして、その金額、日時、それから性格等について捜査を尽くしたわけでございまして、検察の認定といたしましては、それぞれが売買代金ということでそれぞれの売り主に帰属したという認定のもとに起訴したものと承知しておるわけでございまして、そこは御指摘のようなお考え方を検察当局としてはとっていなかったというふうに御理解いただければと思います。
○楢崎泰昌君 法務大臣、ルノワールの疑惑をめぐっては、そもそも相当多額の脱税事件がもとになって判決が下ったわけですけれども、さらになお三億円の疑惑が残っている。その疑惑についてはどうなっているのか。最強の調査機関である検察庁が調査なさってもなかなかわからなかったということでありますが、私は何らかの意味の壁があったのかなという印象も持っております。 本件についてなおこういう疑惑が持たれている以上、法務御当局としてはなおいろいろ考えるべきところがあるんじゃないかというぐあいに思いますが、大臣の御所見いかがでしょうか。
○国務大臣(前田勲男君) 先生お尋ねの件でございますが、個別事件の捜査処理につきましては法務大臣として所見を述べることは差し控えなければなりませんが、一般論として申し上げれば、脱税事件というものは国家の租税収入を害し、税負担の公平、また健全な納税意識を大変損なうものでございますから、検察当局はこれまで国税当局と密接に連携をとりつつ厳正に対処してまいったところでございまして、今後とも厳正に対処するものと思っております。
○楢崎泰昌君 ぜひ、税制改革の法律案が出てくるというときでございますので、税の執行については適正かつ国民の納得のいくような措置がとられなければならないと思います。 なお私は、宗教団体が、宗教目的のためあるいは信徒の情操育成のために、美術館をつくったりあるいは絵画を購入したりすることを何ら問題視しているわけではございません。しかし、宗教活動の一環として行われているとしても、疑惑が残っていることについては極めて残念に思っているわけでございます。 また、若干蛇足ではございますけれども、この二枚の絵画が富士美術館により購入されておりますけれども、まだ展示がないということも残念に思っていることをつけ加えさせていただきたいと思っております。 さて局面を変えまして、私は、創価学会の世界日蓮正宗創価学会、略称は創価学会インターナショナルという団体、さらに略してSGIという団体があると承知しておりますが、実は先日、衆議院におきまして同僚議員がこれのいろんな性格について御質問をなさっておられますが、どうもはっきりしないところがありますので、ひとつ文部省の方から、これはどういう団体であるのか、お聞かせを願いたいと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) SGIについては、それがどのようなものかは承知はしておりません。文部大臣及び東京都知事において規則の認証をしておりませんので、宗教法人にはなっておりません。
○楢崎泰昌君 この団体は、御存じだと思いますけれども、海外における創価学会系統の宗教法人の活動を統括する団体であるというぐあいに新聞報道等では見られているわけでございますが、文部省としてはその団体の詳細については御承知ない、これはどうも宗教法人じゃないと、こういう御答弁でございました。 宗教法人でないということになると、すなわち普通の任意団体、人格なき社団ということに相なってくるわけですが、そのように解してよろしいでしょうか。
○国務大臣(与謝野馨君) SGIというものがどのようなものかは承知はしておりませんけれども、それが宗教法人法に基づいて宗教法人になり得る宗教団体であったとしても、宗教法人になるかどうかは当該団体の意思にゆだねられている、そういう建前になっております。
○楢崎泰昌君 極めてあいまいだと思います。宗教法人であれば、実はいろいろな法律上の保護、特権といいますか、そういうものがあるわけでございます。宗教法人であるのかないのか、これははっきりさせなければならない。 信濃町に非常に大きな殿堂をおつくりになったり、幾つかの活動をなさっておられます。その点についてはっきりさせなければいけないと思いますけれども、大臣、こういうあいまいな関係が宗教法人の周辺に起こっているということ自体は、実は創価学会が東京都の所管法人である、国の所管法人ではないというところに起因をしているのかとも思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(与謝野馨君) それはどこが所轄庁であるということとは実は直接には関係のない問題でございまして、宗教法人法は憲法の信教の自由、政教分離の原則にのっとって制定されておりまして、宗教法人の所轄庁には民法法人に対する監督権及び調査権のような権限はないと解されておりますし、また宗教法人法では宗教法人に対しましてその宗旨について所轄庁への報告を義務づけてもおりませんし、また宗教法人についてはその宗旨を公表することが義務づけられてもおりません。公表するかどうかは宗教法人の意思にゆだねられている、それが宗教法人法の建前でございます。
○楢崎泰昌君 宗教法人法の建前は文部大臣のおっしゃるとおりだと思いますけれども、実はこのような大きな団体が法的位置を明らかにしていないということは、宗教法人法の問題であるとともに、同時に創価学会にとっても大変名誉でない話ではないか。私はこの点を明らかにしていく、ないしは明らかにされる必要性があるんだというぐあいに思っております。 いずれにしましても、本件について課税関係その他が生ずる余地が非常に大きいわけですから、今後その点について注目はしていかなきゃならぬ、かように考えている次第でございます。 さらに、ルノワール事件で見るごとく非常に巨大な金が動いております。また、証券市場においていわゆる損失補てんというような問題が出ているわけですが、実は宗教団体で株の損失補てんを受けた団体が一つだけあります。それは創価学会でございます。 証券業界の平成三年七月三十一日の発表によりますと、損失補てん先リストを発表されております。顧客先は創価学会、金額は四億五千七百万円。これは一端でございますので、それに数倍する巨額の金額が運用されていると思います。 私は、どうも金融資産の運用についてとかく週刊誌等々で問題になっておりますが、一般的に公益法人の資産についてこれをどういうぐあいに課税対象としていくかということが問題になっているように思うんです。 公益法人については、御存じのように、公益部門と収益部門とに分かれまして、収益部門については課税対象になっております。公益部門については所得税その他非課税になっております。宗教法人、これは宗教法人だけじゃなくて公益法人も同じでございますけれども、本体の公益法人の公益事業について国として関与すべきものでないことは明らかでございますけれども、その運用について、資産の運用、これは経済行為ですから、宗教活動じゃないんですから、その運用について非課税ということが行われて、巨大な金額が何かしらのたうち回っているということについて問題があるなと思っております。 税調の答申等もあるようでございますが、大蔵大臣、その点についていかがでしょうか。
○国務大臣(武村正義君) 御指摘のように、宗教法人を含む公益法人等の資産の運用収益のうち、公益部門に属する資産の運用収益については法人税は非課税とされてきております。 公益法人等の金融資産収益につきましては、経済的には金銭の貸付業等の事業から生ずる収益と同じでございますし、課税すべきではないかという意見も出てきております。また、公益法人等には基本財産の運用収益だけで運営されているところもあり、金融資産収益についてまで課税するのはいかがであろうかという意見もございます。 いずれにしましても、金融資産収益を含め、公益法人等に対する課税のあり方につきましては今後とも真剣に検討をしていかなければいけないと思っております。
○委員長(坂野重信君) 楢崎君、もう時間が来ておりますから。
○楢崎泰昌君 いずれにしても、税制改革の大断行をなさろうとしているところでございます。さらに、将来において総合課税の問題も出てきております。そのようなことから申し上げますと、公益法人の金融資産運営についてはやはり課税の対象とすべきかどうか。私はすべきということを今言っているわけではありません。すべきかどうかということを厳密に御検討なさる必要があると思うんです。公益法人のいわゆる公益部門あるいは収益部門の区分について、実は収益部門の中で金銭債権に対する収入は課税になっているんですね。そういうことも考慮をしていただきたいと思います。 時間が大分過ぎておりますので、以上、宗教法人等の金融資産の運営あるいはあり方等について御質問申し上げましたけれども、最後に総理から何らかの御感想があればお述べをいただきたいと思います。いかがでしょうか。
○国務大臣(村山富市君) 宗教法人の場合には、憲法の信教の自由、政教分離の原則にのっとりまして制定されたものでありまして、所轄庁等においてその運用が適正に行われるよう努力しているというふうに私は承知をいたしております。 宗教法人の今後のあり方につきましては種々の議論があることは承知をいたしておりますけれども、宗教法人に関する制度は憲法の信教の自由、政教分離の原則と密接に関係するものでありまして、その取り扱いにつきましては慎重の上にも慎重を期する必要があるというふうに思います。 また、公益法人等につきましても、これらは公益的な活動を目的とするという組織でありますから、営利活動を営む一般の法人とは異なる性格を有していることに着目いたしまして、収益事業から生ずる所得に対しましては、先ほど委員御指摘のように、課税がされまするけれども、その税率を軽減する等の措置を講じているというふうに思っております。 したがいまして、公益法人等に対する課税のあり方につきましては、その活動実態をつぶさに検討し、その実態を踏まえて今後とも引き続き慎重な検討を要する問題ではないかというふうに私は考えています。
○楢崎泰昌君 総理の御答弁のとおりだと思いますが、なお十分政府部内でも御検討を願いたいと思います。 以上をもって質問を終わります。
○委員長(坂野重信君) 以上で楢崎泰昌君の質疑は終了いたしました。(拍手) —————————————
○委員長(坂野重信君) 次に、竹村泰子君の質疑を行います。竹村泰子君。
○竹村泰子君 最初に、ODAの問題で少しお伺いをしたいと思います。 これは九月七日の各社の報道ですけれども、「ODA機材で談合疑惑 大手商社など三十数社 公取委立ち入り検査」、「ODA暗部にメス」とか「「寝耳に水」驚く外務省」とかいろいろと報道がされております。 ODAの問題は以前からいろいろと言われておりますけれども、こういった公取のメスが入ったというのは初めてのことだと思いまして、貴重な国民の税金を使いますので、やはりODAの問題は今きちんと見直す必要があるのではないか。この問題につきましては、私はきょうは時間がありませんので次に譲りたいと思います。 実は私ども五人の超党派の国会議員、自民党、日本新党、それから社会党が三人でございますが、八月九日から十三日まで、初めて東チモールを訪問いたしました。これは外務省の担当の方にはもう既に報告書のようなものをお出ししておりますけれども、大臣はごらんくださいましたでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) いただいております。今ここに持っております。
○竹村泰子君 それは後刻ゆっくりとごらんいただきたいと思うんですけれども、私どもは日本のODAによってつくられた電波監視局なども見てまいりました。全く何といいますか、使われていない、まさにODAのむだ遣いを、さびついたままであるような状態のODAのむだ遣いを見てきたわけであります。 御存じのように、旧ポルトガル領東チモール、これは一九七五年にインドネシアが軍事侵攻をしておりまして、八回の国連決議を無視しております。九一年の十一月には、墓地にデモ行進をした数千人の学生や住民の列にインドネシア軍がいきなり発砲、多数の死者、行方不明者二百人余りを出したというニュースが世界に衝撃を与えました。オランダ、カナダ、デンマークはインドネシアに対する新規の援助を凍結いたしました。アメリカは軍事援助の一部を停止いたしました。 日本はインドネシアヘの最大の援助国なのですけれども、総額は幾らでしょうか。それからインドネシアヘ各国から出しております援助のうち、それは何分の一に値しますでしょうか。
○政府委員(平林博君) 事実関係の御質問でございますので、政府委員から御説明申し上げます。 国際比較ができる一番最近年は九二年でございます。この年におきまして、支出の純額ベース、実際に支出された金額からインドネシアが供与国に返した金額を差し引きました純額ベースで申し上げますと、インドネシアの受けたODAの全体額は二十一・〇億ドル、このうちインドネシアの受けた二国間の協力、全体額が十九・七億ドル、またインドネシアが日本から受けた供与額が十三・六億ドルでございます。 これを計算いたしますと、インドネシアの受けたODAの全体の額の中で日本から受けた供与額の割合が六四・五%、それから二国間の協力だけに限りますと、インドネシアの受けた二国間協力の中で日本の占める割合は六八・八%、そういうことになっております。
○竹村泰子君 非常に多額の援助をしているわけでありますけれども、私たちはこういう人権侵害が起こっていることを余り知らないという状況もありまして、とても残念に思います。 湾岸戦争後、政府はODA四指針というのをお出しになりました。それをちょっとお読みいただけますでしょうか、外務省の方。
○政府委員(平林博君) ODAの四指針でございますが、九一年四月十日でございます。お読み申し上げます。 今後、我が国政府開発援助の実施に当たっては、上記の従来からの考え方を踏まえ、 開発途上国は、自らの経済社会開発のために自国の資金、人材その他の資源を適正かつ優先的に配分し、活用することが望まれるとの観点から、被援助国における軍事支出の動向、国際社会における核兵器等の大量破壊兵器及びミサイルの不拡散努力を強化するとの観点から、被援助国におけるこれらの兵器の開発、製造等の動向、 国際紛争を助長しないという観点から、被援助国の武器輸出入の動向、被援助国の民主化の促進及び市場指向型経済導入の努力並びに基本的人権及び自由の保障状況、 といった諸点に対し、十分注意を払いつつ、二国間関係、被援助国の置かれた安全保障環境も 含めた国際情勢、被援助国のニーズ、被援助国の経済・社会状況等を総合的に判断。総合的に判断して実施する、こういうことでございます。
○竹村泰子君 外務大臣、今読んでいただきましたけれども、特に軍事支出とか兵器開発とか武器輸出とかというのは、当然のことながら四番目にあります民主化促進努力、基本的人権の保障状況など注意を払う、このようなことがきちんとうたわれている。これはもうODAに対する基本姿勢として画期的なことであったと私どもは評価しているわけですけれども、インドネシアにおけるこういったひどい状況がある国に、しかもその国を援助することによって東チモールなどの、私たちも見てまいりましたけれども、非常に貧しい状況なんですね、そこへはちっとも行っていない。そういう国に援助を最大にしている。このことをどうお考えになりますでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 私どもの政府開発援助は、国際的に見ましても、開発途上国、そして懸命に自助努力をしておられる国のそうした努力を支援するということに役立てなければならないと思っております。 議員も御承知のとおり、インドネシアはアジアの人口からいえば大変大きな国としてその社会基盤その他のために大変困難な状況にいるということも事実でございまして、このインドネシアに対する支援というものは我々として大変大事な支援であるというふうに思っているわけです。他方、今御指摘のような人権問題というものがあるという指摘もございます。 そこで、この人権問題に対してどういうふうに対応するかということについてでございますが、確かに御指摘のように、九一年にございましたディリ事件の後、我が国から、ODA指針と申しますかODA大綱、私どもODA指針に若干のものをつけ加えてODA大綱と申しておりますが、ODA大綱の観点からもインドネシア政府に対して遺憾の意を表しております。と同時に、こうした事件が再発しないことなどについて申し入れを行っているわけでございます。 我が国のこうした働きかけ、申し入れもあって、そればかりではないと思いますけれども、そうした申し入れの後、インドネシア政府は軍人を実際に処分するという対応を行っておりまして、我が国といたしましても、再発を防止する、あるいは事件に関与した人間の処分、あるいはでき得る限り事件についての問題を公表するというようなことの努力が行われているということを肯定的に評価するという考えでございまして、評価していいものだというふうに考えておるわけでございます。 我が国といたしては、今後ともインドネシアの人権状況の進展を見守っていく所存でありますが、このような状況において、ODA大綱の原則に照らして対インドネシア経済協力方針について現在変更の必要があるとは考えていないという立場でございます。
○竹村泰子君 今、軍人を処分してというふうにおっしゃいましたが、処分されたのはほんの一部分で、しかも何カ月かの謹慎を命じられただけでございまして、そのときサンタクルス墓地の事件で捕らえられた学生たちはまだ拘留されているし、人権問題の運動家たちはたくさん収容されているわけですね。 それで、私、これはきょう言うのをどうしようかなと思いましたけれども、いろんなところを見てまいりまして、逐一ここで御報告できないのが残念で、総理と外務大臣には後ほどゆっくりと御報告申し上げたいと思いますけれども、一つは通訳の問題があったんです。 私たちは四人通訳を同行させていただきました。しかし、向こうの日本の大使館の方で非常に流暢な方がいらっしゃいまして、ほとんど全部通訳をしてくださったんです。インドネシア語とポルトガル語ですから私たちは全然わかりません。 それで、その通訳をしてくださったテープを起こしてみますと、外務大臣、この中に対訳が全部入っております。私たち全部これを訳しまして対訳にいたしました。何と考えても故意に意訳をなさっている、あるいは私たちの言い分を伝えてくださらない、それから向こうの言っていることをわざと違って答えていらっしゃる、御自分の意見を言っていらっしゃる、そういう残念なことがございました。これはほかのケースでもその方が訳されてそういうことが起こるのであれば、外交上非常に大きな問題になります。 私たちも、記者会見をした意見が違うふうに訳されて向こうの新聞に発表されておりますので、日本の国会議員はうそつきだというふうに、日本に帰ってきて違うことを言っているというふうに言われているんです、事実。ですから、そういうことが起きますので、この問題はいずれ折を見まして、どうしたらよいか、そしてお願いに上がりたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。 時間がありませんので、私は最後に、APECにおいでになります外務大臣に、アジア・太平洋の安全保障に関するセッションで、ほかの国からもたくさん東チモールに関する意見が出ると思います。アムネスティ・インターナショナルは今、インドネシア・キャンペーンをやっております。そのような中で、ぜひ提案してほしい。 インドネシア軍の兵力引き揚げ計画、これは来年中に二大隊計画があるんですが、それを歓迎する、支持する。それから国際監視団の受け入れを要請したい。それから併合反対派の政治指導者グスマン氏を含む政治犯の釈放。それから人道援助を行う日本のNGOの長期滞在許可などなどでございます。 お答えは結構でございますけれども、ぜひ参考にして検討していただきたい、APECで発言をしていただきたいというふうにお願いをしておきたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 竹村委員を初め調査団の方が大変熱心にあちこち見ていただいたということは伺っております。今いろいろ御指摘がございましたが、通訳の問題その他はよく皆さんのお話も伺った上で考えさせていただきたいと思います。 余計なことでございます、申し上げることがいいかどうかと思いましたが、東チモールの問題はインドネシアにとっても極めて重要に考えて、恐らく議員のインドネシア訪問の際にも、アラタス外務大臣がお会いになって種々インドネシア政府のお考えはお伝えになったことだろうと思います。インドネシア政府にはインドネシア政府としての見解があり、従来のいきさつの上に立ったお考えがあるのだろうと思います。これは私、ASEANの外相会議のときにアラタス外相からも聞いております。 そして、議員は議員としてのお考えを述べられるわけですから、それについて私がどうこう言うことは差し控えますが、インドネシアの国内の法律に基づいて軍人の処分その他をやっているわけで、そのことが軽いか軽くないか、あるいは軍を処分することがインドネシア政府にとってどのくらい大きな問題であるかというようなことも、当時、外務大臣から私にるる御説明がございまして、私は外務大臣の御説明を十分理解できるものとして当時間いたのでございます。 APECの問題については、御指摘のことはよく頭に置いて参加したいと思いますが、APECはもともと経済問題の会議でございまして、政治問題が議題になるというふうには聞いておりません。しかし、今の議員の御指摘はよく頭に置いておきたいと思います。
○竹村泰子君 では、次に移ります。 村山内閣は、戦後五十年問題、原爆被爆者援護法問題と並んで、水俣病問題の解決を最重要課題の一つに位置づけておられます。 そこで、水俣病問題の解決に向けた総理の決意のほどをお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(村山富市君) 委員御指摘の水俣病問題につきましては、私自身も、これはもう長い間の課題でありますから、この内閣が取り組む一つの大きな課題ではないかということの認識はいたしておるつもりでございます。 これまでもこの認定業務の促進や水俣病総合対策事業等の実施等さまざまな施策を講じてまいっておるところでありますが、被告として裁判で争っている経過等からもいろいろ難しい問題はあるんではないかというふうに思われることがございます。 しかし、私といたしましては、こうしたこれまでの経過も踏まえながら、これはもうこの内閣の看板として人にやさしい政治ということを標榜しているわけでありますから、そういう政治を進めていく立場から、関係者の置かれておりまする状況に深く思いをいたして、特に年齢もだんだんとっておりますし、早急にこれは何らかの片をつける必要があるというふうにも思われますので、何とかこの水俣病問題が解決できるように、そうした問題も検討しながら一層努力をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○竹村泰子君 一層努力をするという総理の今のお言葉に期待をして、早期解決に向けてぜひ御尽力くださるようにお願いしたいと思います。 それでは、五十年問題に移りたいと思います。 ことし八月三十一日、村山総理は、戦後処理に関する問題、この気持ちを国民の皆様に十分分かち合ってもらうため幅広い国民参加の道をともに探究していきたいと発言をなさいました。これは昨年八月四日、当時の河野官房長官のおわびの気持ちをどうあらわすかという発言を受けたものと考えてよろしいでしょうか。
○国務大臣(村山富市君) 今の委員御指摘、昨年八月に発表されました当時の官房長官の談話を受けたものというふうに私は承知をいたしております。
○竹村泰子君 五十嵐官房長官に対する質問は後に回しまして、去年の七月十五日、東京地裁で、元日本軍人・軍属の石成基さん、陳石一さんの補償を却下するという判決が出ました。この判決は、国籍差別の当否についての判断を回避し、立法不作為の状況にあると指摘し、いわばボールを国会に投げ返したものと言えるのではないかと思います。 日本人として徴用され軍属となった陳さんは、船で軍需物資を運ばされていましたが、敗戦直前の一九四五年四月に連合軍機の攻撃を受けて左足切断の重傷を負いました。戦後、戦傷病者戦没者遺族等援護法により元軍人・軍属に給付される障害年金を請求いたしますと、日本国籍がないことを理由に拒否されました。 サンフランシスコ条約に伴い、韓国、台湾など日本の旧植民地出身者は日本の国籍を失ったことになりました。条約発効を待つかのようにその二日後に施行された援護法は、日本国籍がない人には適用しないということになっているわけでございます。陳さんは五月、心待ちにしていた判決を待たず亡くなってしまわれました。 この問題について、河野外務大臣にお伺いをいたします。 裁判の過程で、東京地裁に原告側より提出されました韓国外務省の外務部長官の見解があります。どなたか外務省の方、これを読んでみてください。
○政府委員(川島裕君) 若干長いものですから、最後の結論のところだけ読ませていただきます。 以上のように、在日韓国人(戦傷者)の補償請求権は一九六五年請求権協定の解決対象に含まれていない。戦争犠牲者の補償請求権とは、国家の服務義務の賦課による義務者の役務提供という公法的勤務契約関係において、個人が被った被害及び犠牲に対し国家から補償を受ける権利として補償適用要件を充足させる被害者に対し、国家は一種の行政債務を負うものであるので、在日韓国人戦傷者は日本政府に対し、援護補償を請求することができるものと判断する。
○竹村泰子君 今お読みいただいたところの前にもいろいろと解説がございまして、日本は完全かつ最終的に解決されたと言っているわけですが、この協定二条二項によりますと、そうではないのだということを韓国の外務部の公式の文書でそういうふうに言っておられるわけですね。 それによりますと、在日韓国人の戦傷者は日本政府に援護補償を請求できるということに韓国側はなっているわけです。これは明らかに日本政府と韓国政府の間で日韓請求権協定の二条二項についての見解が食い違っていると思うのですが、河野外務大臣、どうお考えになられますでしょうか。
○政府委員(折田正樹君) 法律的な考え方について御説明させていただきたいと思います。 私どもの理解するところでは、韓国側の見解は、日韓協定二条二項で完全かつ最終的な解決の対象から除外されている財産、権利及び利益が、法律上の根拠に基づき財産的価値を認められているすべての実体的権利を言うということを含めて、日韓協定そのものの解釈について我が国政府と異なるということではございませんで、日本の、我が国の国内法上、在日韓国人のいわゆる補償請求権が法的根拠を有する実体的権利に当たるかどうかという日本法の解釈が異なっているわけでございます。 しかし、日本法を有権的に解釈し得るのは日本側であるわけでございますので、韓国側の見解により日本政府の立場が影響を受けるものではないというふうに考えております。 私どもといたしましては、在日韓国人のいわゆる補償請求権は日本の法律上の根拠を有する実体的な権利ではないので、この問題は協定により日韓間では完全かつ最終的に解決されたもの、その中に含まれていると考えております。
○竹村泰子君 そういう日本側の態度とそれから韓国のこういう態度との間で、はざまでこの方たちはどこからも救いかないわけです。 厚生大臣、厚生省は陳さん、石さんの請求を二回にわたって却下しておられますね。どういうお考えでしょうか。
○国務大臣(井出正一君) 今、委員の御質問、最初に去年の七月十五日と言われましたが、ことしの七月十五日ですね、あの裁判。
○竹村泰子君 ごめんなさい。間違えました。
○国務大臣(井出正一君) 却下した結果、裁判に訴えられて、それが七月十五日、判決が出たのでありますが、国籍条件が設けられているという点がキーポイントであります。 これは一つには、遺族等援護法が恩給を停止された軍人等を救済するために国籍要件を有する恩給法に準拠して制定されたものであること、もう一つは、ただいま御議論ありました当時の背景として、サンフランシスコ平和条約において、朝鮮半島や台湾などいわゆる分離独立地域に属する人々の財産請求権の問題は帰属国との特別取り決めの主題とすることとされていたことによるものであります。 対韓国との間では、財産・請求権問題に関する特別取り決めとして、昭和四十年に日韓請求権・経済協力協定が締結されて、補償の問題は在日韓国人を含めて法的には解決済みとなっているという認識のもとで却下したわけであります。
○竹村泰子君 外務大臣、この日韓両政府の条文についての見解の食い違いというか、見解の違いといいますか、これと東京地裁の立法不作為の状況というこの判決を踏まえて考えるならば、私は政府として独自にこの問題解決のための手だてを講じるしかないのではないか、あるいは日韓請求権協定三条にあります仲裁を申し立てるべきであると思いますけれども、外務大臣それから厚生大臣に御見解を伺いたいと思います。 このわずかの人数の方たちです、十二人足らずです、今わかっているのは。この方たちを救う手だではありませんか。
○国務大臣(河野洋平君) 竹村議員のお気持ちは私は十分理解できます。 ただ問題は、法律的には、先ほど外務省条約局長から申しましたように、国家間の問題としてはこれは終わっていると。問題は、国家間でやりとりをする問題ではなくて、他の角度から何か考える方法があるかどうかということになるのではないかというふうに思います。 外務大臣の立場としては所管外の問題というふうに思いまして、これ以上私の立場から申し上げることは控えたいと思います。
○国務大臣(井出正一君) 私個人としても、実はあの判決、心に残るものはあるのでございますが、遺族等援護法の解釈、運用を超える問題でありますので、厚生省として意見を申し上げる立場にないことを御理解いただきたいと思います。
○竹村泰子君 そんな血も涙もないような答弁でよろしいのでしょうかと官房長官にお聞きしたかったのですが、まだお戻りじゃありませんので。 これは外務大臣、国連人権小委員会でも三人の委員から国籍差別が指摘されておりますことは御存じだと思いますけれども、私は総理に一言感想を伺いたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 竹村議員が御指摘の問題は、昨年十月二十七日及び二十八日、市民的及び政治的権利に関する国際規約、いわゆる国際人権B規約に基づき設置されているB規約人権委員会において、我が国政府が提出した第三回報告について審査が行われて、この審査の席上三人の委員から、これはたしか十八人ぐらいの委員だったと思いますが、そのうちの三名の委員からこの問題について指摘があったという問題でございます。 これらの問題について質問があったということは承知をいたしておりますが、一般論として申し上げれば、不合理な差異を設けることを禁じていると。これは不合理な差異を設けることを禁じているものであって、内外人の取り扱いについて合理的な差異を設けることまで排除しているわけではないというのが公式見解でございます。
○竹村泰子君 合理的であるかどうかはそれは見解が食い違うところだと思いますが、最後に私は提案を少し申し上げて終わらせていただこうと思います。 八〇年代以来、三人の閣僚が歴史認識で辞任しております。そこで私たちは、今、世界でも有数の経済大国である日本が国際社会においてそれにふさわしい存在としてあるためには、過去を直視した歴史の重みを背負っていかなければならないと考えますが、いかがでしょうか。 そのためには、日本のイニシアチブで関係諸国からの研究者の参加を得て、五年くらいをめどに、さきのアジア・太平洋戦争にまつわるあらゆる角度からの歴史研究、調査活動を展開します。資料収集、分析はもちろん、高齢化が進む強制連行、従軍慰安婦等被害者からの聞き取りも実態把握の作業を急ぎ、きちんと行います。明年の戦後五十年は一つの歴史の節目であり、きっかけにすぎず、その取り組みを契機として日本国政府は、国民がきちんと過去を直視し、その誠意で向き合う姿を全世界に息長く見せる必要があると考えます。 総理、議論をお聞きになっていて、最後に一言御感想、御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(村山富市君) 私は、さきの大戦におきまして、これまでも繰り返し申し述べましたように、我が国が過去の一時期に行った侵略行為や植民地支配が国民に多くの犠牲をもたらしたのみならず、アジアの近隣諸国に対しましても、また国民の皆さん方に対しましても、今なお大きな傷跡を残しているという認識に立って厳しい反省をしなければならぬという立場はそれなりに踏まえておるつもりでございます。 そうしたことも含めて、我が国は不戦の誓いを新たにしながら恒久平和に向けて努力していかねばならぬという国民的な大きなやっぱり役割を担っておる。さきの大戦に対する私のこのような認識については、恐らく国民の皆さんも御理解をいただいているというふうに思いますけれども、そうしたものも踏まえてこの五十年を契機に、今、御指摘にありましたような歴史を直視しながら各国との交流も深めて、そしてこの歴史をしっかり踏まえた上で、二度とこうした過ちが起こらないようにしていくのが我が国に与えられた課題ではないかというふうに考えて、これからもそういう決意で取り組みをしていきたいというふうに思っているところでございます。
○竹村泰子君 終わります。
○委員長(坂野重信君) 以上で竹村泰子君の質疑は終了いたしました。(拍手) —————————————
○委員長(坂野重信君) 次に、野間赳君の質疑を行います。野間赳君。
○野間赳君 自民党の野間赳でございますが、よろしくお願いを申し上げます。 日米包括協議につきましては、ことしの二月に細川元総理とクリントン大統領との会談が大人の関係ということで決裂をいたしまして以来、再開をされなかったのでありますが、七月のナポリ・サミットにおける村山総理とクリントン大統領との会談の結果を受けまして本格的な交渉が再開をされました。今月初めに、河野外務大臣、橋本通産大臣の御努力によりまして、政府調達、保険、板ガラスの三分野につきまして一応の決着を見ましたことは、日米の信頼関係にとりまして大変喜ばしいことであると思っております。 しかし、問題がここまでこじれてまいりましたのは、米側の主張してまいりました結果重視の姿勢が数値目標の設定を要求したことによるものでありますが、今回の交渉の結果、これはどういうように解決が図られたのか、再び紛争の火種となるような懸念はないのか、両大臣に交渉の経緯と成果についてお尋ねを申し上げたいと思います。 また、総理には、今回の結果をどのように受けとめられ、今後の日米関係をどのように進めていかれるおつもりか、お尋ねを申し上げたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 御承知のとおり、日米包括経済協議は、昨年の夏、宮澤・クリントン会談を受けてその交渉がスタートをいたしました。お話しのとおり、二月には一時中断という極めて残念な事態になりましたけれども、再開され、その後も引き続き協議が続けられていたところでございます。 私どもといたしましては、十五カ月に上ってこうした平行線をたどり、日米両国は政治、安全保障その他さまざまな面で協力関係がスムーズにいっているにもかかわらず、この問題だけがどうしても平行線でまとまらないということを極めて残念に思っておりましたし、それはただ残念だけではなくてさまざまな影響がございますので、何とかしてこれは協議をまとめたいという気持ちでおりました。 さらに、ヨーロッパ、アジア、世界各国から日米の経済協議については関心が高まりまして、二国間で何かまとめてしまうのではないかというような指摘もございましたので、この問題については日本がかねてから主張している幾つかの原則、例えばこの問題で合意したものはただ単に日米両国だけの問題ではなくて世界各国に均てんされるものでなくてはならないとか、あるいはガバメントリーチ、つまり政府ができる範囲内のことについてしか協議はできないというような幾つかの原則を踏まえて、この原則は我が方として曲げられないということを主張しつつ、しかし日米両国の合意のための最大の努力をしてみようということで協議を続けておりましたところ、先般九月三十日に、政府調達部門、それから保険部門、後ほど通産大臣からもお話があると思いますが、ガラスについては、原則的合意というんでしょうか、幾つかの部門で合意ができたということでございます。 このことは私どもは、日米関係にとって好ましい環境をつくる、あるいは好ましい状況をつくり得る一つの種に必ずなるだろうというふうに思っております。しかし、まだ包括協議はこれ以外にも品目はたくさんあるわけでございまして、今後ともこの種の協議は続けていかなければならない点も残っております。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、副総理の方から御報告がありましたものに私の方から補足をさせていただきます。 私は、何と申しましても今回一定の前進を見ることができました大きな要因として、公共投資基本計画を政府・与党が一体となり方向づけをしていただきましたこと、並びに税制改革における方向づけをお進めいただきましたことがその土台にあったということは、まず御報告をいたしたいと存じます。これについては私は、総理初め関係閣僚に、また与党の関係各位に心からお礼を申し上げます。 その上で、板ガラスにつきましては原則合意ということで現在事務レベル会合が継続され、近く一ランク上げた交渉が最終的な議論を煮詰めるために行われることになっております。また、包括協議、経済協議全体につきましては、現在十項に近い非優先分野の協議というものが進んでおるわけでございます。そのほかに、米国の輸出振興、競争力強化について、これは完全な合意を得ることができました。 しかし、自動車及び自動車部品の分野につきましては、アメリカ側から補修用部品につきまして三〇一条に基づいた調査開始の決定の通知がありましたことを私は非常に残念に存じております。これに対して、一方的な措置がもし講じられるような場合には日本としてはあらゆる措置をとる権利を留保しているという姿勢で今日も臨んでおり、今後もそうした方向で努力をしたいと考えております。 また、先般、紙及び林産物につきまして、アメリカが将来スーパー三〇一条による優先外国慣行として特定する可能性の高い慣行という位置づけをいたしました。これは私どもとして大変不本意でありまして、現在、アメリカ側の意図を確認しておるところでありますけれども、協議が進展しておりますさなかの措置としては非常に私は一方的な対応であると思っております。 紙につきましては実は十月の二十日にワシントンにおいて、またガラスにおいては、十月の二十六から二十八日にかけてガラスでの交渉が行われることになっております。 これはひとつ御参考まででございますけれども、今回、スーパー二〇一のいわゆる優先外国慣行ということで特定をされました木材の場合、木材に換算いたしますと、現在、日本の国産材、外材の供給状況を調べましたところ、国産材の供給は二三・六%のシェアでありまして、米国からの輸入材、これはさまざまな製品を木材に換算したものでありますが、この比率は二五・六%。日本の国産材の自給率を超えてアメリカから輸入しておりますものがこうした指定を受けますことは、私としては非常に不本意であり、今その理由を確認しつつあるところであります。
○国務大臣(村山富市君) 今、両大臣からも御報告がございましたけれども、これは十五カ月間にもわたって交渉が行われた大変厳しい困難な問題もあったかと思います。しかし、日本の政府が、大幅な減税をするとか、あるいは規制緩和をやるとか、あるいはまた公共投資の見直しをするとか、言うならば内需を拡大するためのマクロ経済にまともに取り組んでおる。こういう日本政府の姿勢に対してアメリカ側のやっぱり理解もあったんではないか。だから、この政府とまともに交渉して何とか話をつけたい、こういう気持ちになってくれたんではないかというふうに私は思うんです。 同時に、そうした困難な問題を解決するために、これはもう当然の話でありますけれども、外務省やらあるいは通産省やら大蔵省等々関係省庁が緊密な連携をとりながら一体としてぶつかっていったということがこの困難を打開する一つの大きな要素になっておる、私はそういうふうに理解をいたしております。 何といっても日米関係は、単に日米関係だけの問題ではなくて、これから開発されるアジア・太平洋全体の問題としても極めて大きな役割を果たすわけでありますから、お話しのこの合意を基礎にして、今後、一層そうした関係を強めていきたいというふうに思っておるところでございます。
○野間赳君 残念なことであったわけでありますが、自動車部品につきましては合意に至らなかったのでありますが、通商法三〇一条の発動によることになりました。通産省ではこれを受けて、来年度、自動車の部品の流通実態調査を行うことを決定されておられるようでございますが、これはどういうふうな意図でおやりになるのか、お伺いをいたします。 問題は、日米とも私企業としての部品購入であるわけでありまして、日米の包括協議の対象になじむのかどうかということであります。こうした管理貿易的発想では日米の合意はかなり困難なことになるわけでありまして、政府はこの交渉打開に向けてどのような対処をなされるおつもりか。 もう一点。また、包括協議の後、日米両国の業界と政府関係者が集まった日米自動車部品会議が開かれた様子でございます。政府はどのような形で参加をされたのか。また、どのような結果が得られたのか。 合わせて三点、通産大臣にお尋ねを申し上げます。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今回、スーパー三〇一条の対象になりました自動車補修部品の分野は、自動車の安全性確保という観点から運輸省が定められております技術安全のルール、すなわち重要保安部品の制度にかかわる問題でございます。そして、私は運輸当局は非常に御努力をいただいて漸進的な方向を出していただいたと考えておりましたが、制度の廃止から議論を組み立てられましたアメリカ側との間にどうしても合意点が得られなかったというのが実態でありました。 これは多少答弁が長くなることをお許しいただきまして、その整備という問題について、それが交通事故にどう影響しているかの数字だけひとつ私はお聞きをいただきたいと思うのであります。 日本の場合に、全交通事故の原因の中に占めます整備不良の率というのは〇・〇三五%というのが警察庁の統計であります。ところが、アメリカは州によって制度が異なりますために一概のルールがございません。しかし、アメリカの会計検査院の数字を調べてみますと、全交通事故の中に占める整備不良を原因とする事故の発生率は〇・五%から三・五%、有意に日本との開きがございます。私は、これはいろいろな意味で日本政府のとってまいりましたその方策というものが、国民にとって煩雑な部分はありましても、それだけ事故件数を下げているという事実は認めてもらいたい。これがアメリカ側との議論のポイントでございました。 そこで、これから先の議論になりましてどうするかという御指摘でありますが、委員御指摘のように、確かにこれは基本的には民間ビジネスの問題でありまして、政府の役割としては、民間企業間の取引が拡大発展するための環境整備に努めることがその役割であろうと考えております。 そして、今回もいろいろな議論をしてみますとアメリカ側の数字にもいろいろな数字が出てまいりますために、次年度の予算要求の中に自動車・自動車部品市場流通動向調査という予算要求を我々としてはいたしました。これは外国車の流通形態でありますとか販売形態につきましての現状、あるいはディーラーにとって輸入車を扱う場合の課題などを調査しておきたい。また、外国製自動車・自動車部品の輸入量等に関するデータの収集、あるいは非常に今、市場規模等不明確な部分が多いものでありますから、アメリカ側の数字も二転三転しております。その補修用部品の流通形態の調査、こうしたものをぜひ行っておきたい。これによって我々が今後議論をしてまいります上での一つの足場を持ちたいというふうに考えておるところであります。 また、今御指摘をいただきました会議と申しますものは、アメリカ側の部品サプライヤーに対しまして、日本の自動車メーカーの部品調達の仕組み、サプライヤーの売り込み方法に関して幅広い理解を得るための活動として通産省とアメリカ商務省が共同で開催してきたものでありまして、一九八七年の五月に第一回を開催いたしまして以来、今回で五回目になります。 今回は十月の十二、十三の両日、デトロイトにおいて開催をされたわけでありまして、日本側からは自動車メーカー及び部品メーカーから約百五十の方々が参加された、アメリカ側からは部品メーカーから約二百五十名が参加されたと報告を受けております。会議におきましては、日本メーカーとのデザイン・インをいかに行うか、あるいは米国メーカーの部品メーカーとしてのコスト削減のあり方などについて非常に幅広い議論が行われた。意見交換だけではなく、これはアメリカの部品メーカーと我が国の自動車メーカー、部品メーカーの相互理解の促進に非常に寄与しているものと私どもは考えております。 問題は、我々はこうした漸進的なアプローチをとることが必要だということをアメリカ側に力説してきたわけでありまして、民間の企業の自主的な計画に政府が強権を振るうようなことを求められてもこたえられない、むしろこうした漸進的なアプローチを繰り返していくことによって事態を解決してまいりたい、そのように考えております。
○野間赳君 次に、中小企業対策についてお伺いをいたします。 日銀の発表では七月の中旬、経企庁の月例報告におきましては九月に、景気の状況は緩やかな回復の方向に向かっておるという事実上の景気の回復宣言がなされたのでございますが、この根拠と今後の見通しについてまずお尋ねを申し上げます。
○国務大臣(高村正彦君) 御指摘のとおり、緩やかながら回復の方向に向かっている、こういうふうに景気判断を変更させていただいたわけであります。これは必ずしも景気が本格的回復軌道に乗ったということではないわけであります。 回復という言葉をこの局面で初めて使った根拠でありますが、従来から住宅投資あるいは公共投資が堅調であったことに加えて、個人消費が持ち直しの動きが見られた。これは猛暑、減税効果があったということと自動車の買いかえ需要が顕在化してきた、こういうことがあったわけであります。また設備投資、これはまだ依然としてよくないわけでありますが、それでも若干上方修正の動きが見られた。それから鉱工業生産でありますが、一−三、四−六に続いて七−九月期も増加が見込まれるようになった、企業マインドも若干の改善が見られる、こういうことで回復という言葉を初めて使わせていただいたわけであります。 これからでありますが、個人消費の持ち直しが本格化する、そういう状況の中で企業マインドがさらに改善される、それが設備投資等の回復にもつながる、そういったことで本年度中に本格的回復軌道に乗る、こういうふうに考えているものであります。
○野間赳君 中小企業が景気を引っ張るということは昔から言われておることであるわけでありますが、今回は大手企業に大変おくれをとってしまっておるというのが今の現象、逆転現象になっておると私は感じております。中小企業の景況には明るさが全く見えていないということであります。これは大手企業のリストラの波をもろにかぶっておるということでありまして、そのしわ寄せを再転嫁することができぬという姿でなかろうかと私は考えております。 そういうふうな中小企業の状況をひとつ御説明をいただきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、経企庁長官から御説明がありましたような全体の流れの中で最近の中小企業の景況を考えてみましたときには、確かに若干の改善を示す動きは見られますけれども、幾つかの点で懸念すべき材料が存在しておることは委員が御指摘のとおりであります。 すなわち、過去の生産回復局面と比較しまして中小企業の生産回復の動きが遅いこと、また在庫調整の進展が過去の回復局面や今回の大企業の動きに比べても鈍いということ、さらに設備投資が製造業、非製造業を問わず極めて低水準で推移して立ち上がりが見られていないということであります。 殊に、従来どちらかといいますと回復局面におきましては大企業よりも中小企業の設備投資の立ち上がりが早く見られたわけでありますが、現段階でその傾向は見られません。そして、為替の水準等につきましても、引き続き私どもにとりましては非常に注意すべき材料となっております。 こうした中では、委員の御指摘のように、企業の海外展開などのリストラの進展なども影響していると考えられますし、私どもといたしましても企業の海外展開などが中小企業に及ぼす影響につきまして現在調査をいたしておるところでありまして、こうしたものをまた今後の施策に参考にしてまいりたい、そのように考えております。
○野間赳君 中小企業の立ち上がりが大変弱い、おくれておるということは今の大臣の御答弁でよく理解ができたわけでありますが、今後、具体的な支援、指導がどのように行われるかということが大事なことでなかろうかと思っております。具体的に御説明をいただけるものがあればこの際お聞かせをいただきたいと思うのであります。 戦後十回このような不況の波が私はあったと思うわけでございますが、ほとんどの場合は中小企業から立ち上がってきて不況の克服がなされておると私は感じておるわけでございますが、具体的な支援策、指導、そういった面がございましたらお尋ねをいたしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今申し上げましたように、現在その実態の把握を再度繰り返しておりますので、その結果を受けまして多少変える部分はあるかもしれませんが、こうした状況の中で、今まで通産省といたしまして、中小企業新分野進出等円滑化法、これに基づきます努力を行ってまいりましたものが一つございます。承認件数は九月三十日現在で八百六十八件になりました。 また、緊急経営支援貸付制度を創設し拡充してまいりましたが、これも相当程度の活躍をしてくれております。さらに中小企業運転資金支援特別貸付制度、これも相当な成果を上げて動いてまいりました。 そうした中で、今月中にその調査を終わりたいと考えておりますけれども、そうした中で新しい分野に活路を見出そうとする企業が非常に多いということが目立っております。さらに、自社製品の付加価値をより高める方向での努力を考えておられるそうした企業も多数ございます。来年度の概算要求の中におきましては、前年度に比べて約二百二十三億円増の要求を中小企業対策予算として出しておるところでありますが、そうしたことよりも、中小企業者などによる技術開発とその成果の事業化の促進のために、資金調達、技術情報提供の円滑化また販路開拓の支援など、法的措置を含めた対策を新たに立てたいと考えております。 こうしたものがまとまり次第、また国会に御相談をしお知恵を拝借することになろうと思いますが、もう一つ大事なこととしてこの際問題を提起しておきたいと思いますのは、今いわゆるベンチャービジネスのような資産を持たずにスタートしようとする企業が立ち上がりの時期における資金をどこから調達するかという問題が投げかけられており、これに対して十分な答えが我々としては提供できておらない状況でありまして、これは例えば店頭市場等を含めました企業の新規調達の道をできるだけ広げていく努力を通産省以外にも各分野においてお願いをしていかなければならない、そのように考えております。
○野間赳君 次に、渇水の問題につきましてお尋ねを申し上げます。 ことしの長期予報では、去年に続いて冷害は恐らくニカ年続くであろうというような予想がなされておったと思います。しかしながら、今日の渇水の状況は、上水道はもとより、工業用水、農業用水と、西日本全般を覆ってきておるというのが今の情勢でなかろうかと私は考えております。 私の地域は四国の愛媛県というところであるわけでありますが、松山におきましては、現在、十九時間断水、五時間の給水というのが約二カ月余り続いておるというような毎日であります。その見通しもいまだに立っていない、この状況は恐らく年越しをするであろう、こういうふうな情勢であるわけであります。 そういうふうに長期予報が、ことしの場合は早くお出しをいただいてそのことが大幅に狂った形跡があるわけでございますが、私は、気象庁の方にこの辺の成り行きの御説明がいただけましたらと思って質問をさせていただきました。
○政府委員(二宮洸三君) お答え申し上げます。 三月十日に発表いたしました暖候期予報では、夏の六月から八月につきましての気温は、北日本、東日本では低く西日本では平年並み、梅雨期間の降水量は全国的に平年並みと予報したわけでございますが、これは御指摘のように、的中いたしてございません。四月から六月につきましても、毎月二十日に発表をいたしましたけれども、先ほどとほぼ同じ内容の予報をやってまいりました。その後、七月二十日の発表の三カ月予報におきまして、八月については気温は全国的に平年並みでありますが、西日本では高く、降水量は全国的に少ないというふうな予報を初めて発表いたしております。 現在、残念なことでございますけれども、長期予報は世界的に見ましても技術開発の途上にございまして、現段階では十分な精度があるとは言えない現状でございます。 ことしの夏の場合でございますと、太平洋高気圧が例年になく早い時期から日本付近で発達いたしました。このため、晴れて暑い日が長期間続きまして、特に西日本におきましては非常な少雨の状態が続いております。現在の技術水準ではこのような太平洋高気圧の動向を的確に予報することが困難な場合がございます。
○野間赳君 小澤国土庁長官にはわざわざ愛媛を御視察いただきまして、大変その節には御苦労さまでございました。 石手川ダムその他の水がめをごらんいただいたわけでございますが、政府としてどのような対策を講じているのか、まず長官から御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(小澤潔君) お答えを申し上げます。 本年は、春先からの少雨及び梅雨期の期間が沖縄地方を除きまして平年に比べて非常に短かったこと等により、東日本から西日本にかけてかつてないほどの広い範囲にわたり厳しい渇水が発生をいたしたところであります。 野間先生は愛媛県出身と承っており、非常に今回の渇水に対しましては御心労を煩わしたことと思いますし、また東奔西走、何といっても松山市、今治等々考えても、非常に水行政、御心労を煩わすとともに、また御支援をいただいたところであり、その御報告も承っております。長官といたしましても、最高の敬意と感謝を捧げるものであります。 私も政府の調査団の団長といたしまして八月十一日に松山市の厳しい渇水の状況を視察したところでありますが、現在もなお四国の一部、先生の出身の地でありますが、そしてまた北部の九州等では厳しい状況が続いておることも事実であり、産業や国民生活に大きな影響を及ぼしていると認識をいたしております。 このため政府といたしましては、関係十三閣僚による会合や関係十四省庁による担当局長会議を適宜開催するとともに、国土庁を事務局とする関係省庁渇水連絡会議をこれまでに八回開催いたしたところであり、渇水情報の収集、交換等の体制の整備、発電用水やダムの底水の生活用水等への緊急利用による水源の確保、渇水の厳しい地域に対する機資材等の支援体制の整備、各事業者への節水指導、国民への節水PR等、広報活動等の取り組みを行ってきたところであり、引き続きこれらの施策の推進を通じて渇水対策に万全を期してまいりたいと考えております。
○野間赳君 大変御苦労さまであったわけでありますが、市町村におきましても対策本部をつくってこれの対応に懸命に努力をいたしておるわけであります。 生活用水の確保、低利融資の制度、その他もろもろ助成の措置もでき得る限りのことができておると思っておるわけでありますが、中小企業は今、先ほどから申し上げておりますように、大変厳しい状況の中にあります。用水の確保ができないために生産ラインを一〇〇%停止しなければならないという工場も相当出ております。また、農林業におきましてもミカンの生産に大変大きな影響が出ておるというようなことでありますので、厚生大臣、農林大臣、通産大臣、それぞれのお立場でこれが対応についてお尋ねを申し上げます。
○国務大臣(井出正一君) お答えいたします。 今回の渇水により、六月初旬からこれまでの間に全国四十一都道府県の延べ五百十六水道事業において断水等の給水制限が行われ、延べ千五百万人以上の国民の皆さんに影響を与えたところであります。 厚生省としては、ダム等の水源開発や水道広域化の促進あるいは海水淡水化などによる水源の多様化、また漏水防止の推進を図ること、さらには既存の水資源のより合理的な利用、雨水や排水の有効利用などの施策を総合的に進めてまいるつもりであります。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 工業用水におきましては、九月初めのピーク時におきまして全国の約三〇%近い六十四の工業用水道事業で取水制限をいたしておりました。現在もなお中国地方、四国地方におきまして、三十六の工業用水におきまして取水制限を加えている状況であります。 これに対しましていろいろな対策をとっておりますが、例えば中小企業ということでまいりますなら、渇水対策融資相談窓口をつくりまして、中小企業金融公庫、国民金融公庫、商工組合中央金庫等で対応いたしておりますが、愛知県、三重県、岡山県、広島県、香川県、愛媛県、福岡県の七県が対象でございます。 こうした対応を現在行いますと同時に、長期的には引き続き海水淡水化に関する技術開発、普及というものに努力をしてまいりたいと考えておりまして、今後ともに御協力をいただきたいと思っております。
○国務大臣(大河原太一郎君) 異常な干ばつに伴います農林水産関係の被害につきましては、十月七日現在で千百九十億という被害額に達しております。 干ばつの進行中におきましても、営農対策なりあるいは既往制度資金、貸付制度資金の償還猶予とかあるいは共済金の早期支払いというような手段を行ったところでございますが、全国各地で町村あるいは土地改良区で行われておりますかんがい応急対策事業、井戸を掘ったりあるいはポンプの設置、これは相当規模にわたっておりますので、これについても国の援助について前向きに検討しておるところでございます。また、天災融資法等につきましても、被害額が今申し上げましたとおり大変な金額になりますので、これについても被害額の確定を待ちまして前向きに対応いたしたい、さように存じております。 なお、恒久対策等については、申すまでもなく、かんがい排水施設の整備とかあるいはむしろ農業用水の合理化によって多部門の水需要にこたえるための合理化対策、さらには基本的に水資源の培養としての森林整備事業の積極的な推進というような点についても今後推し進めたい、さように考えております。
○野間赳君 完全断水というところまで行きました。デッドウォーター、まあ死に水というもの、まがっちゃならぬ、とっちゃならぬ水でありますが、建設省の御指導を得る中でその水をくみ上げなければならないというぎりぎりのところまで来たわけでありますが、愛媛、高知、両県知事の会談によって人道的な配慮をここにいただくことになりまして、完全断水は免れることができて今日に至っておるという状況であります。 人間は大昔から水にかかわります争いというのは絶えないものがあるわけでございますが、ここにきて人道的な問題、緊急避難的な措置の問題、水をどのように融通し合うかということがこれから水行政の大変大きな問題として出てくるのでなかろうかと私は思っております。 この問題につきまして国土庁長官に、どのような見解をお持ちであるかお尋ねいたしたいと思います。
○国務大臣(小澤潔君) お答えをいたします。 先生御指摘のとおり、本年夏の渇水に対処するために、政府といたしましては関係省庁による連絡会議を適時開催いたしたところですが、この中で、水源の有効利用、緊急的な水の融通につきましては、利水ダム等の枯渇に伴うダムの底水の有効利用、発電用水の上水等への緊急利用、そして地域における渇水対策会議等における利水者間の取水の調整等を進めてまいったところであります。 今後とも、渇水時における水の融通につきましては、関係機関、地域の利水者の合意を前提に、人道的、緊急避難的な立場から進められるようた体制の整備に努めてまいりたいと考えております。
○野間赳君 水源の確保ということがこういう事態になりますとまず言われることであるわけでございますが、節水型の都市づくりということもこれからは並行して考えていかなければならない問題でなかろうかと思っております。 雑排水の利用をどのようにしていくか、海水の淡水化はどのような利用方法があるか、中水道の利用をどのようにやっていくか、そういうふうな施策も今後の私は大きな課題として水資源の確保と並行してやっていかにゃならぬ問題であろうと思っております。 一人当たりの水の使用量というのが大体四百ないし五百リットルぐらいでたかろうかと思っているわけでございますが、水の使用量が文化のバロメーターのごとく言われておる時代もあるわけです。また、湯水のごとく水を使うというような表現もそういうところにあらわれてきておるわけでございますが、節水を心がけてやっていかなければならない時代にもなってきておると思いますので、そういうふうな認識をどのようにお持ちになっておりますか、国土庁長官にお伺いをいたしたいと思います。
○国務大臣(小澤潔君) 私も、この夏に実際に中水道を利用している東京ドーム、そしてまた両国の国技館等を建設大臣とともども視察をさせていただきました。水資源の有効利用の見地から、引き続きこのような雨水や排水を利用した中水道を推進する必要があると認識をいたしております。 また、離島や半島等におきましては海水淡水化も有効な対策であろうと思います。 ダム等の水資源開発とあわせてこれらの多様な施策を推進するとともに、森林の保全等を通じまして水源の涵養や厳しい渇水にも耐えられるような町づくりなど総合的かつ計画的な水資源対策に取り組んでまいりたいと考えております。
○野間赳君 最後に、総理にお尋ねをさせていただきます。 人にやさしい政治を標榜されておられます村山総理には、今回のこの渇水の状況をどのように受けとめておられるのか、お願いをいたしたいと思います。
○国務大臣(村山富市君) 野間議員御指摘のように、水というものが人間の生活あるいは農業、中小企業等々、産業の各分野にわたって極めて貴重なものであるということはもう申し上げるまでもないと思います。今度のこの渇水問題が、議員指摘のように、そうした分野に対して深刻な影響を与えておるということについても厳しく受けとめて認識をいたしております。 したがいまして、今、各関係大臣から御答弁もございましたように、それなりに緊密な連携をとりながら万全の対策を講じてきたつもりでありますけれども、この経験を生かして、今度の渇水の教訓に学びながら、いかにして水資源の涵養を図っていくか、そのためには森林の保全も大事だし、同時にまた水というものを新しく開発していくような意味で技術的にどういうことが考えられるかというようなことも含めて、しかもそうした水の涵養とあわせて、むだな水は使わないように節水に対してもこれからやっぱり対策を講じていく必要があると思います。特にダムの活用等については、そうした分野を含めて総合的な見直しもしながら考えていく必要があるというふうに思いますから、各般から今度の渇水という教訓を基調にしてこういうことが起こっても心配のないようた対策が講じられるというぐらいのことはしっかり推し進めていく必要があるというふうに考えておるところであります。
○野間赳君 以上で終わります。
○委員長(坂野重信君) 以上で野間赳君の質疑は終了いたしました。(拍手)
○委員長(坂野重信君) 次に、佐藤静雄君の質疑を行います。佐藤静雄君。
○佐藤静雄君 自由民主党の佐藤静雄でございます。 審議促進のため時間を限られておりますので、環境問題、エネルギー問題に限って御質問をいたします。 農業問題で通告をいたしておりました農水大臣、それから自治大臣、まことに申しわけございません、割愛をさせていただきます。 まず、エネルギーの需給についてお伺いをいたしたいと思います。 御承知のように、人類は原始の時代に火を発見して以来、これはギリシャ神話にプロメテウスの神話がございます。これ以来今日まで、水力、石炭、石油、そして天然ガスというふうに化石燃料を主として使ってまいりましたが、さらに今日では原子力の利用、エネルギーを高度に利用するということを通じまして産業を興し、そして生活文化を豊かにするという営みをしてまいったわけでございます。人類にとってこれまでも、そしてこれからも、エネルギーは必要不可欠な財でございます。 このようなエネルギー利用は、産業革命以降の二百年足らずの間、これは人類が生存した期間を考えますとほんの瞬きの瞬間の時間、人類の悠久な歴史ではそういう時間において爆発的に飛躍的にこの利用が増大してまいっております。 具体的には、一人当たりのエネルギー消費量は、十九世紀半ばのイギリス産業革命のところで約八万キロカロリーというふうに言われておりました。現在、アメリカではそれが二十数万キロカロリー、約三倍となっております。この間、人口は十億人から五十六億人、五倍強に増加しておりまして、全地球的なエネルギー消費量は総量においてほんのわずかな期間に十五倍強というふうなことになっておるわけでございます。 一方、御承知のように、世界のエネルギー資源埋蔵量でございますが、九三年一月の確認可採埋蔵量は、九二年ベースで計算しても可採年数は石油ではあとわずか四十五年、天然ガスでは六十四年。もう五十年たつと石油もなくなり天然ガスもたくたるという時代がやってまいります。石炭については比較的可採年数は長く、これからも二百二十年ほど使えるだろうというふうな報告になっておりまするし、また好むと好まざるとを問わず使わざるを得ないウラン、このウランの可採年数もわずかに七十四、五年という報告になっておるわけでございます。ここに核燃料リサイクルの重要性、そういうものが浮き上がってくるものというふうに私は考えております。 世界の人口は二〇五〇年には現在の約二倍の百億人に達するものというふうに見通されておりますことから、エネルギーの消費量は幾何級数的に増加していくものというふうに見られるわけでございます。エネルギーを使うことによって地球の環境保全の問題も出てまいります。しかしながら、人類の生存から考えますと、このエネルギーをクレバーに使って、深刻な問題を乗り越えていかなきゃいかぬというふうに私は考えるわけでございますが、まずここから総理の御認識からお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(村山富市君) 今後のエネルギーの需給及び利用の問題等につきましては、今、委員御指摘のとおりだと私は思います。 これは先進国と途上国とのいろんな違いがありますから、国際的にも一律に考えるわけにはいかない面もたくさんあるかと思うのですけれども、特に今、委員御指摘のように、地球環境保全の面での配慮とかあるいは資源の安定供給の確保を十分に念頭に置きながらそうした各般の立場に立って適切に対応していく必要があるのではないかというふうに思いますけれども、こうした環境対策や国際協力の観点も十分に踏まえながら全体として我が国のエネルギー政策を展開していく必要があるというふうに考えておるところでございます。
○佐藤静雄君 途上国と先進国のエネルギーの使い方の問題についてこれからお聞きをしたいと思ったのでございますが、総理の方がお考えが深くて先に答弁をされたわけでございます。 御承知のように、世界銀行で調査したところによりますと、一九八八年の一人当たりの世界のエネルギーの消費量でございますが、これは一・五石油換算トンというふうになっております。しかしながら、これを分析すると先進国は一人当たり四・八トンを使っている。ところが、途上国におきましては○・五トンでございます。何と先進国の我々が途上国の人たちの十倍もエネルギーを浪費している。ここに問題がございます。世界人口の四分の一にすぎない先進国が、四分の三の途上国の人たちに比べて、今申し上げましたように、総量で十倍も浪費をしている。ここに私は大きな問題があろうと思います。 これから途上国の人たちはどんどんやはり経済成長を遂げたい。我々と同じようなエネルギーの浪費をするならば地球はもうもたない。そういうことを考えますと、むしろ我々の方で、先進国の側でエネルギーの消費を控えていく、そういう覚悟をとっていく必要があると私は思うわけでございます。 このままでは地球環境が非常に深刻な問題を迎えてくる、途上国と先進国のせめぎ合いが出てくる、そういうことを考えますと、今申し上げましたように、先進国の一員である我が国が他の先進国に呼びかけて、このまま化石燃料の大量浪費をしていいのかどうか、そういうことをひとつ訴える必要がある。これは鉄砲を担いでルワンダヘ行く、そういう問題も大切かもしれませんが、それ以上に人類あるいは地球的問題としては極めて重要な問題でございます。したがって、それはサミットの大きな問題にもしていただきたい、あるいは大きな機関のレベルで話し合っていただきたい、こう思うわけでございますが、総理の御所見をお聞きしたい。
○国務大臣(河野洋平君) 議員御指摘のとおり、この問題は極めて重大であり、緊急性を持った問題であると思います。 今御指摘のサミットでこうした問題を取り上げるべきではないかという御意見はまことにそのとおりだと思いますが、既にサミットでもこの問題は再三取り上げられております。過般、この七月でございますが、イタリーのナポリで開かれましたサミットにおきましてもこの問題は議論のテーマとなっておりまして、たしか最終的に取りまとめられました声明の中にもこの点指摘がございます。さらに、国連で行いました私の演説の中でも、環境問題はこれから大きな問題になるという指摘をいたしております。これは私がしたということを申し上げるつもりはありませんが、国連総会その他でも各国からこの問題についての指摘はございます。国連のUNCEDでこの問題が特別に取り上げられたことも記憶に新しいところだと思います。 議員の御指摘は極めて重要だと考えますので、これから先もこの問題は我々大きな関心を寄せてまいりたいと思っております。
○佐藤静雄君 急増する地球のエネルギー需要に対応していくためには、もちろん省エネルギー、これを一層推進しながら、太陽エネルギーであるとか風力であるとか波力であるとか、あるいはごみ発電であるとか、こういう新しいエネルギーを求めていかなきゃいかぬというふうに思うわけでございますが、悲しいかな新しいエネルギーのロットは非常に小そうございます。小さいばかりか、今の段階では既存のエネルギーと比べて莫大なコストの差がございます。したがって私は、この新しいエネルギーを国を挙げて総力を挙げて開発を推進しなきゃいかぬというふうには思います。思いますが、やはり今申し上げましたように、現状の技術では自然エネルギーあるいはそういうソフトエネルギーは供給規模あるいはコストの面で限界があります。 したがって、石油あるいは石炭などの化石燃料は地球環境保全面に十分配慮していかなきゃたらぬ。さらに、今申し上げましたように、枯渇を念頭に置くべき資源でございます。そのような観点から物を考えていきますと、技術集積度が既に高くて産業活動も大きい、そして少資源であるという我が国においては、当面のエネルギー源としてはどうしてもやはり安定的に確保ができるという意味で、安全に慎重な上にも慎重に留意しだから原子力発電を推進していかなきゃならぬ。むしろこれは技術先進国である日本の責任でもある、義務でもあるというふうに私は考えております。 私は、従来から、原子力推進の立場からその必要性を訴えるとともに、県庁の職員を四十年やってまいりまして、その現場で幅広く推進のための努力をしてまいりました。今、国民にとっても、いや人類にとっても原子力の問題は重くて極めて重要な問題でございます。しかし、政府でそのコンセンサスが統一されていない場合は、無用な不安を醸成するなど原子力推進に影響を与えるおそれがございます。 総理は先般の国会答弁において、国民にとって必要な新増設については前向きの御答弁をいただいたと思っておりますが、原子力推進についての総理のお考え方並びに所管大臣である通産大臣のお考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今の委員の御指摘に対して、本質的に私は異論はございません。殊に、やはり徹底した安全の確保、そして平和利用の堅持というものを大前提にして、我々は国民の理解と協力を得たがら原子力発電というものを推進していくことが必要であると考えております。 本年九月、閣議決定をいたしました石油代替エネルギーの供給目標に沿いまして、二〇一〇年度におきまして七千五十万キロワットの設備出力という原子力発電の設備の達成にこれから努力をしていかなければなりません。 現在運転中の原子力発電所は三千九百六十四万キロワットであり、建設中のものが五百八十九万、合計四千五百五十三万キロワットでありますから、いずれにしてもこれから先、我々はこの二〇一〇年に向けての計画を実現するだけでも国民に非常に御協力をいただきながらさらに安全性の確保に努めていく責任があると、そのように考えております。
○佐藤静雄君 今の御答弁にもございますように、既に我が国では現在四十五基、三千九百万キロワットの原子力発電が稼働中でございます。これは電力総量に対して三〇%を超えております。エネルギー総供給量の一〇%を超えております。ということになれば、もう既に原子力エネルギーは基幹エネルギーであるというふうに考えてもいいと思います。 総合エネルギー調査会の需給部会の報告によれば、先ほど大臣からお話があったように、二〇一〇年までに七千万キロワットの開発が計画されておるわけでございます。 しかし、御承知のように、原子力発電立地、これは私は今、原子力発電地帯から出ておる議員でございますが、極めてリードタイムが長い。計画してから十年あるいは二十年かかるものもある。したがって、この計画を実現するためには地域住民の理解をとりつけ、あるいはその他の地域のコンセンサスなどをとるために一生懸命やらたきゃいかぬ。これを一電力会社だけに任せておくということでは、到底こんな目的は達成できない。 もちろん現在も、国も自治体も真剣な努力をしているというふうに思います。思いますし、私自身もやってまいりました。国は、電源立地促進面で三法交付金、それを拡充していただいておる。それぞれの努力はされておるわけです。しかしながら問題は、原子力発電所を誘致するだけで地域が振興するという決め手になっておらぬ。原子力発電所の誘致はそれが地域振興であるというふうな決め手になっておらないところに問題がございます。 資源小国である我が国において、先ほど来申し上げておりますように、原子力発電推進、これが当面とり得る根幹的な解決方策であるということを考えれば、原子力立地はナショナルプロジェクトとして位置づけてもらわなきゃいかぬ。単に通産省だけの施策である、あるいは科学技術庁だけの施策である、そんたことではとても推進なんかできない。ナショナルプロジェクトとして位置づけてもらわなきゃこれは絶対進んでいかない。 例えば、せっかく四全総で日本の国土がバランスある、均衡ある発展を遂げるために高速ネットワークに一時間以内に日本各地を到達させよう、そういう計画をお出しになった。私のところではまだ高速道路も延びていない、新幹線も来ておりません。こんなことで国が本気になって原子力立地を促進するなどと言えますか。ちょっとそれはやはりそれなりによく考えてほしい。 高速道路の整備あるいは鉄道網の近代化。私のところはまだグリーン車もついておらぬ。世界から総理大臣級の方々が世界一すぐれた原子力発電所を見学に来られる。グリーン車がないんですよ。どうしますか。しょうがないからずっと地域が離れている郡山なり福島におりていただいて、そこからタクシー、車で来られる。そんなことをさせておいていいのかどうか、よく考えてほしい。 そういうことで、本当の地域の振興というのは、その地域に内在する資源なり、あるいはタレント、才能を自発的に内発的に伸ばしていってその地域を振興する、それが本当の地域振興であります。この地域振興に少なくともお国は手をかしてほしい。余計な手は要りません。インフラの整備くらいは国の責任においてやってもらいたい、そのように考えております。 原子力を円滑に推進していくために省庁の垣根を越えて国家レベルの支援をなお一層充実する必要があると思いますが、これについては総理大臣からお答えをいただきたい。
○国務大臣(村山富市君) 地元のことを御心配になって切々と訴えられておる議員の気持ちはよく理解できるところであります。 原子力発電の立地というのは、私はやっぱり慎重の上にも慎重を期してやる必要がありますし、とりわけ受け入れる地元の住民の皆さんの理解やら、あるいは県、市町村の理解とか協力がなければなかなかできないことでありますから、ある程度の日程が要することは、私は安全性の確保が第一だという意味からすればやむを得ない点があると思います。 ただ、先ほど通産大臣からもお話がありましたように、日本全体の電力の需給関係というものは二〇一〇年までの計画というものがもう立っているわけでありますから、その計画が達成されるように各省協力し合って努力していくことは当然だと思いますが、とりわけ今、委員からも御指摘がございましたように、それだけの重荷をその市町村には背負っていただくわけでありますから、それに関連をしてその地域の開発のためにさらに努力をしていく。そして、やっぱりそういったものに協力しただけの価値があったというぐらいのことになるような施策の推進というのは心がけてやるべきものだというように私も思いますから、これまでの経験に学びながら、皆さんの意見も十分聞いた上でさらに一層検討をさせていただきたいというふうに思うところでございます。
○佐藤静雄君 次に、省資源、省エネルギー、リサイクルの推進についてお伺いをしたいと思います。 これは一番初歩的な基礎的なことでございますが、人間が天然資源の利用、自然に働きかけ自然を利用する、これによって進歩発展してきたということは先ほど申し上げたとおりでございますが、今日我々は、自然の処理能力を超えた資源の大量消費、大量浪費、大量廃棄、その壮大な浪費を今やっておるわけであります。これは次世代に対する良好な環境あるいは生存に必要な資源の継承、そういうことを考えますと、まさにこの際、抜本的な対策を講じなきゃいかぬというふうに思うわけでございます。 この大量浪費という消費活動が、環境面では、かつては公害といえば産業が起こした、しかし今むしろ社会問題化しているのは都市型あるいは生活型の公害、それが問題でございます。公害の形が変貌してきている。しかし、これは人間が生活していく上ではどうしても出なきゃならぬ問題でございますので、これは何とか人間の英知で処理をしていかなきゃいかぬなというふうに思うところでございます。 例えば大量の廃プラスチックあるいはペットボトル、紙、空き缶、そういうようなもの、生活から生ずるごみ処理の問題、これについてやはり政府は真剣に努力をすべきだと思いますが、環境庁長官あるいは厚生大臣、通産大臣あるいは科技庁長官の(「もうやめなきゃいかぬ」と発言する者あり)それでは通産大臣に代表してお答えをいただきます。
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは私どもの主管部分に限定してお答えを申し上げたいと思いますが、委員の御指摘は私もそのとおりに思います。そして、お互いが環境を破壊する可能性を少しでも減らす努力はしなければなりません。 通産省といたしましては、リサイクル法などによりまして、ガラス瓶、スチール缶あるいはアルミ缶等につきまして再資源化率の目標などを事業者に示してリサイクルヘの取り組みを促すと同時に、省エネ・リサイクル支援法によります金融・税制上の支援措置を進めてまいりました。また、本年七月、産構審から、空き缶や空き瓶等の包装材について新しいリサイクルシステムの構築が必要という御提言をいただいたところであります。 私どもといたしましては、今後、厚生省を初め関係各省庁と御相談をしながら、どうすれば一番いい対応ができるかに全力を挙げて努力してまいりたいと考えております。 なお、御参考までにスチール缶の再資源化率を見てみますと、平成元年には約四四%でありましたものが、現在、平成五年度で六一%にまで参りました。あるいはアルミ缶につきましては、四三%でありましたものが、現在約五八%まで参っております。 こうした努力を地道に続けていくことによって、次の世代につなぐ我々の生活環境をよりよいものにしていくために全力を尽くします。
○佐藤静雄君 最後に、十四日のこの委員会において野末委員から質問が田中長官になされました。田中長官は、追って調査の上答弁する旨の御回答がございました。 本日、答弁の御用意ができておられましたたら、この席でお答えをいただきたい。
○国務大臣(田中眞紀子君) お答え申し上げます。 その前に、佐藤先生には原子力政策に大変理解を示していただきましてありがたく思っております。主人も先生と同じ浜通りで、原発地帯を選挙区にしておりまして、毎日、高速道路が必要であるというふうな話を陳情されております、家庭内におきましても。私も閣内におりまして、総理やらまた建設大臣等にもよく陳情申し上げておきたいと思います。 ただいまお尋ねくださいましたこの間の十四日の野末先生の件でございますけれども、時間の関係も多分ございますと思いますので、後ほど野末先生がお尋ねのときにもちろんできる範囲のことはお答え申し上げますが、基本的には、私は何の事前通告もなく唐突にあのような質問がされたことに本当に戸惑いを感じました。 こう見えましても私もまだ、大臣なんかにしていただきましたけれども、当選して一年ちょっとでございまして、主婦でございます。本当に普通に娘時代を過ごしまして、子供を育てて、そして主人の選挙を手伝っておりまして、ですからそういう中で自分で自分なりの志もございますけれども、こういう企業マターのことにつきましては、専門家に任せたり、また家の中では男の人がやってきたものでございまして、自分が疎いものですから大変戸惑いを感じましたけれども、午後、野末先生からお尋ねがございますときに、わかっている範囲、できる範囲のことはお答えを申し上げさせていただきたいというふうに思っております。
○佐藤静雄君 終わります。
○委員長(坂野重信君) 以上で佐藤静雄君の質疑は終了いたしました。(拍手) —————————————
○委員長(坂野重信君) 次に、西岡瑠璃子君の質疑を行います。西岡瑠璃子君。
○西岡瑠璃子君 今国会は農業国会と言われておりますけれども、私は大変時間が短くて十分な討論ができないのを残念に思っていますけれども、その前に、冒頭に大蔵大臣にお願いがございます。 実は、武村蔵相は今月の十二日の記者会見におきまして、食料品の税率軽減について、二年後の消費税引き上げの際に食料品については据え置いて低所得層に配慮をするという案につきまして、一つは適用範囲を絞るのが大変難しい、そしてもう一つは納税事務が煩雑になるという大変消極的な御発言でございましたけれども、与党の税制改革大綱におきましては、社会保障の歳出や行財政改革の結果次第で税率を再検討する二年後の見直し規定とあわせて今後の検討課題というふうにされております。 この案は、私はぜひとも政治的御決断をもって実現の方向へ御努力をしていただきたい、そのことを武村大蔵大臣にお願いをいたします。いかがでしょうか。
○国務大臣(武村正義君) 食料品の軽減税率の問題でございますが、過般お答えをいたしました。 公平、中立、簡素というこの消費税の特色を大きく損なうわけにはいかないということや、食料品全体に軽減税率を導入しますとかなり大きくなってまいりますから、逆にその他の消費税率を上げなきゃならないというふうな問題等がありますという指摘をして、いろいろ与党の中でも議論をいただいた結果、今回は見送りという結果になったことを御報告申し上げたわけであります。 改めてお尋ねをいただきまして、大蔵省としましては、食料品の非課税あるいは軽減税率の問題につきましてはそれ自体、今お話をいたしましたように幾つかの問題がございますが、そしてまた今の状況でこれを採択するのは大変難しいという認識を持っておりますが、それにしましても、今回の見直し規定の問題というよりはむしろ消費税のあり方の問題として将来とも検討課題であるという認識で対応させていただきたいと存じます。
○西岡瑠璃子君 期待しております。 それでは早速ですが、ガットの問題に移らせていただきます。 ガット・ウルグアイ・ラウンド交渉の結果、新たにWTOの来年一月一日設立に向けて年内の批准が迫られております。しかし、聞くところによりますと、アメリカにおきましては十一月に中間選挙を控え、ウルグアイ・ラウンドの実施法案の採決が、下院では十一月二十九日、そして上院では十二月一日まで先送りされているということです。また、EUにおきましても欧州委員会とEU加盟各国が交渉権限をめぐって議論が激化をいたしまして、途上国でも難航しているということでございます。 多くの国がまだ批准に関して議論中であります。世界最大の食糧輸入国の日本が他国に先駆けて、私は余り拙速に批准することはないと思うわけですけれども、ガット批准の審議は慎重に行うべきではありませんか。 アメリカの議会や各国の批准の動向、そして今後の見通しについて、外務大臣に伺います。
○国務大臣(河野洋平君) 西岡議員御指摘のとおり、他国におきます議会の審議の状況は、米国におきましては、十一月二十九日に下院で、十二月一日に上院でそれぞれ本会議で採決が行われる予定である、これは予定であるというふうに聞いております。この予定でございますけれども、かなりその日にちにやることにしておるというコメントもついております。 また、ヨーロッパにおきましてはWTO協定の年内受諾に向けて最大限の努力をしておる。例えばイギリスあるいはドイツは既に必要な国内手続を終了しているというふうに報告されております。 また、その他の国について申し上げれば、十月十七日の時点で、メキシコあるいはマレーシアといった国々を中心として二十五カ国の国及び地域がWTOの協定を受諾しているというふうに聞いております。 本協定につきましては、アメリカ、ヨーロッパ、欧州連合などの主要国が締結を完了していない段階で我が国がいち早く締結手続を完了させることはいかがか、こういう御指摘、御懸念があるということは私どもも承知をいたしております。今、議員御指摘のように、拙速で事を運ぼうというつもりはございませんが、しかし国会での十分な御審議をいただいてこれは年内に成立をさせていただきたいものと私は考えております。 政府といたしましては、先般、総理からも御答弁が衆議院でもございましたが、WTOの発足に当たってはこれら諸国の参加が極めて重要だと考えておるので、同協定の締結について国会の御承認が得られた場合においても、これら諸国の締結がどうなっているかということも十分見きわめた上で我が国として締結手続をとるようにするというのが総理の御答弁でございました。ぜひひとつ、そうしたことを念頭に置いて御審議に協力をいただけると大変ありがたいと思っております。
○西岡瑠璃子君 もちろん、総理が衆議院で、世界の情勢を十分見きわめて締結手続をとらなければならないと述べられたことは私も承知しております。 それで、仮にWTOの発足がおくれた場合に、WTOへの影響または我が国がこうむる影響について、外務大臣、お示しください。
○国務大臣(河野洋平君) もう議員十分御承知のとおり、WTOは多角的自由貿易体制を維持強化するということを目的にしているわけでございまして、多角的自由貿易体制の中核的役割をこのWTOが果たすということになると期待をされているわけでございます。 したがいまして、御指摘のように、その発足がおくれれば多角的自由貿易体制に対する各国の信認を危うくし、一方的措置あるいは二国間主義、地域主義への傾斜を招くおそれがあるという感じがいたします。 また、WTOの発足によりまして、物の市場における関税引き下げだけにとどまらず、サービス貿易、知的所有権などの新しい分野における規律の策定、ダンピングの防止あるいは紛争解決といった分野における規律の強化を初めとした多大の利益がもたらされることになっているわけでございまして、この発足がおくれれば我が国としてこうした利益を速やかに享受することができなくなるということがございます。 こうした認識に立ちまして、WTO協定の来年の一月一日の発効に向けて早急に協定及び関連法案を本国会に提出し御審議いただきたい、こう考えているわけでございます。
○西岡瑠璃子君 総理大臣に伺います。 各国の、特にアメリカの批准状況について十分に把握をいたしまして、国民の食生活と食糧の需給にかかわる重大な決定を慎重な姿勢で私は臨んでいただきたい。御決意をお伺いします。
○国務大臣(村山富市君) 今、外務大臣からも御報告がございましたように、御指摘のような委員の懸念というものは十分想定されるわけでありますから、そうした諸外国の状況等も十分踏まえて、日本だけが先走ってやることもないわけでありますから、批准後の手続については、御指摘のように、慎重に配慮しながら取り扱っていきたいというふうに考えております。
○西岡瑠璃子君 では次に、米の管理見直しの基本姿勢について伺います。 「新たな米管理システムについて」の骨子が十月四日に農林水産省から出されております。その結果、新しい米管理の方針は、消費者への米の安定供給、そして生産者の体質強化、経営体質の強化など、国民の要望、視点に立ったものと理解しておりますけれども、農林水産大臣、いかがですか。
○国務大臣(大河原太一郎君) 米の新しい管理システムにつきましては、現行食管制度と現実との乖離が甚だしいと、その視点なりあるいは生産者たり消費者の自主的な選択その他を配慮いたしまして制度の組み立てをしたわけでございまして、もちろん需給の調整あるいは価格の調整を図ることによって米の安定供給、これを確保する制度の枠組みを現在制度化しようとして法案化を進めておるところでございます。
○西岡瑠璃子君 ガット関連法案のうちの新しい米管理法案であります主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律案について伺います。 この新法案は、従来からあった食管法の改正と米の市場開放を受けての対応、対策という二つの側面を持っているわけですけれども、伺いたいのは、米市場開放に関するドゥニー調整案受け入れを決めた際に、ミニマムアクセス導入によって米の減反を拡大させるようなことはしないと閣議で確認していることです。 この新法でこの閣議決定が遵守されるのかどうか、確固たる担保があるのかどうか、農林水産大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(大河原太一郎君) 西岡委員御指摘のとおり、昨年十二月十七日の農業合意の受け入れに当たりましては、閣議了解といたしましてミニマムアクセスの受け入れによって減反を加重することはない、減反面積を引き上げることはないということが確認されておりまして、それに基づきまして今後、村山内閣におきましても運用方針としてこれを続けるつもりでございます。
○西岡瑠璃子君 もう一つ農民の方が心配していることは、市場開放によりまして米が暴落しないかということです。ミニマムアクセスが年々ふえる一方で、仮に生産調整が一〇〇%達成されたとしましても、ことしのように豊作が続きますと過剰になるわけです。これまでのように事実上無制限買い入れ的に政府買い入れ米価による下支えがあれば米価は暴落しないと思いますけれども、新しい法律にはその担保はないと思いますしっかりした暴落対策を打つべきではないでしょうか、農林水産大臣。
○国務大臣(大河原太一郎君) お答え申し上げます。 御案内のとおり、新しい管理方式におきましては自主流通米を主体とする流通に相なるわけでございます。したがいまして、需給事情その他によっての価格の変動、これが考えられるわけでございますけれども、その変動が甚だしい場合には生産者の皆さんあるいは消費者の皆さんに対して大きな影響を及ぼすわけでございます。 これにつきましては、委員もお触れになりましたけれども、今度の制度におきましても、国が基本計画を樹立してそのもとにおける需給見通しを立てる、さらには計画制度のもとにおきまして生産調整なりあるいは備蓄の運営ということによって全体需給の調整を図るということにしておるわけでございますし、また自主流通米の価格につきましても、その需給事情を的確に反映すること、さらには値幅制限を価格形成のシステムにおいて行うというようなことによってその安定を図りたいというわけでございますし、また御案内のとおり、生産調整協力者からは政府が買い入れを行うということに相なっておりますので、その価格が一つの下値支えの役割を演ずるというふうに考えておるところでございます。
○西岡瑠璃子君 ミニマムアクセス米の主食への売却は国内生産に与える影響が非常に大きい、そういうことで慎重に私は対応していただきたいと思うわけです。 次に、米の備蓄、ミニマムアクセスについて伺います。 備蓄は国が責任を持って実施することが基本であります。国産米が中心となるわけですけれども、自主流通米が流通の基本となりますので、民間でも備蓄をするわけですけれども、コストは国が負担することが前提となるわけですね。民間にはどのように対応されますか。
○国務大臣(大河原太一郎君) このたびの制度の大きな目玉と申しますか、役割を期待するのは備蓄制度でございます。したがいまして、備蓄そのものにつきましては国が責任を持ってこれを行うというわけでございますが、今度の法案等で言っている自主流通法人という全国的な需給調整ができる法人等については、これについても民間的な在庫調整、備蓄等も協力をお願いする、これについての金利、倉敷料等の助成は当然国が行うべきものであるというふうに考えて、補完的な民間備蓄と在庫調整と両々相まちまして需給調整も行いたい、さように考えております。
○西岡瑠璃子君 備蓄米は百五十万トンというふうに聞いておりますけれども、ではこの備蓄水準でもって輸入米はどの程度となさいますか。
○国務大臣(大河原太一郎君) お答え申し上げます。 西岡委員が百五十万トンというお話でございますが、百五十万トンというのはこれは一つの基準でございまして、上の方にも幅を持つと。いろいろの御議論が、成案の過程で与党の真剣な御検討の中でも御提案があったことも承知しております。したがって、必要があれば百五十万トン以上の在庫も持ち得るというふうに考えております。 したがいまして、ミニマムアクセスに伴う輸入米については、これはやはり主食たり加工用米として用途に応じた市場流通を図るということでございまして、輸入米についてどのくらい備蓄に予定するかという点については、率直に申し上げましてお答えしにくい問題でございます。
○西岡瑠璃子君 私も消費者の一人でありますから、消費者の立場から、次に安全性について伺っていきたいと思います。 農林水産省と厚生省は、ことし前半までの約二百五十万トンの緊急輸入におきましては特別に厳格な安全性検査体制をとったと言われておりますけれども、ミニマムアクセス分についてはこれからどうするおつもりでしょうか。現行検査制度に変更がございますか。
○国務大臣(井出正一君) お答えいたします。 昨年の緊急輸入米につきまして、二百五十五万トンでございますが、残留農薬の検査についてはすべて終了しておりまして、食品衛生法上は問題はございませんでした。ただ、カビ発生等の事故品の検査についてでございますが、これももうほぼ終了しておりますが、約七千トンを廃棄または食用以外の用途として措置いたしました。 ミニマムアクセスにより輸入される米に対する対応につきましては、このたびの緊急輸入米の検査の経験も踏まえ、食糧庁とも連携をとりながら安全対策に万全の対応をしてまいるつもりでおります。
○西岡瑠璃子君 万全の体制をとる、そしてもう対策は終了したとおっしゃいましたけれども、この前の米不足のときに緊急輸入した中から農業のパラチオンがアメリカ産米と中国産米から出た、いもち病に用いられるイソプロチオランというのが中国産米からも検出されたと、こういうふうに伺っておりますけれども、この七千トンの中にこれが入っているわけですね。
○政府委員(小林秀資君) お答えいたします。 中国産のお米の中にパラチオンが入っていたと今、委員から御指摘がございましたが、私どもの資料ではパラチオンは検出されておりません。 以上でございます。
○西岡瑠璃子君 時間がありませんから、そういうふうにおっしゃっていますので信じましょう。ただ、マスコミ報道にもございませんでした。ちょっとこれは残念ですね。 では、米の流通と価格について聞いてまいります。 自主流通米の価格形成に当たりましては、市場実勢を的確に反映した運営を図り、需給実勢を考慮した価格とする、そして緊急時には確実な集荷制度や配給制度を初めとする所要の措置を適用するということでありますけれども、政府米と比べて国の管理の程度が弱い自主流通米については安定供給をどういうふうに図っていくか、農林水産大臣、お答えください。
○国務大臣(大河原太一郎君) お答え申し上げます。 先ほども触れましたように、今回の米管理につきましては、全体としての需給等についてはやはり国が基本計画を立てる、そのもとにおける計画制度といたしまして生産調整なりあるいは備蓄の運営等々を行う、自主流通米に対して政府米の操作を通じても需給なり価格の安定を図るという、そういうシステムになっておるわけでございます。 流通については、先生御案内のとおり、計画流通制度としてやはり計画流通米というものを流通の対象にいたすというようなシステムを考えておるわけでございます。したがいまして、我々としては、米の今日の流通の実態に即し、しかも安定的な供給を確保し得るものというふうに考えております。
○西岡瑠璃子君 この新しい食管法で、現行の食管法違反の不正規流通米、つまりやみ米なんですけれども、これが相当の数量に上っていると言われておりますが、この解消はできますか。
○国務大臣(大河原太一郎君) ただいま申し上げましたように、計画流通米を主体とする、これはもちろん現行食管制度のような、第三条の御案内の、政府に対する強制的な売り渡し義務を課して一定の流通規制を要求するというものではございませんが、計画流通を図るという意味で、やっぱり国の一つの指針と、あるいは自主流通法人等の中央で需給調整に当たるその組織が末端の農家まで計画流通を呼びかけてそれによる流通を図るというふうなシステムで行うということになっておるわけでございまして、その関係において計画外の米については、何と申しますか、制度としては従来の観念のような不正規流通というものはなくなるわけでございまして、計画流通外の米ということでございますが、御案内のとおり、特別栽培米その他の例外的な流通になるというふうに考えております。
○西岡瑠璃子君 備蓄後、輸入米の余剰分を国際貢献策として途上国に回すということを新聞で拝見しました。これは輸出市場の反発を買うおそれはないかと思うのですけれども、外務大臣、いかがですか。
○国務大臣(河野洋平君) 結論から言えば、我が国への米輸出国の反応について十分考慮を払う必要があるというふうに思います。 ウルグアイ・ラウンド農業合意に基づく外国産米の輸入などによりまして備蓄余剰米が生じた場合、その一部を食糧援助に利用することについてやってはどうかという意見があるという報道がございました。しかし、このことは我が国が行いました国際約束との整合性、他国による食糧援助の状況、我が国の米に対する開発途上国の需要状況、そういったものを考えますと、十分慎重に検討をしていかなければならぬものだというふうに考えております。 他方で、食糧難で極めて悲惨な状況にある国があるということの報道に接して、非常に内心複雑なものがございますが、慎重な検討を要するというふうに現在考えているところでございます。
○西岡瑠璃子君 米流通ルートの複線化だと規制緩和を進めます一方で、緊急時のお米の配給制の実施など政府が強権発動ができる内容となっているようでありますけれども、ことしのような豊作で米余りが深刻化することは考えられるわけですが、その逆の場合、私も戦中派と言われる世代でありまして食糧に不足をしたので、配給制度なんというのが新聞に出ますとちょっとびっくりしたんですけれども、そういうふうなことを想定なさっていらっしゃるわけですか、農林水産大臣。
○国務大臣(大河原太一郎君) お話にもございましたように、基本的な主食としての米について、異常な不作なりその他の関係から需給が緊迫する。というような事態においてもやはり制度としては用意しておくことは必要ではないかということでございまして、今般の新しい管理方式に関する法律制度におきましても、取り扱い業者等に対する緊急の指示とか、あるいは生産者における政府売り渡し義務が現行食管法にはあるわけですが、それを残すとか、さらにはこれは配給制まで考えなければならない。それは需給の緊迫の度合いによってそれぞれの段階を踏んで措置するという最後のとりでは残すようにいたしたい、さように思っております。
○西岡瑠璃子君 次に、ガット批准に関して、国内農業対策、とりわけ中山間地域対策について伺いたいと思います。 我が国の国土の約七割を占める中山間地域は、農家の戸数、そして耕地面積、また農業粗生産額のいずれにおきましても全国の農業の約四割を占めて、農業のみならず国土と自然環境保全等においても重要な役割を果たしております。しかし、中山間地域は過疎化、少子化あるいは高齢化の急速な進行、そして就職機会の不足、就業機会の不足、あるいは生産基盤、生活環境の整備の立ちおくれなどもありまして依然厳しい環境に置かれております。 今回のウルグアイ・ラウンド農業合意の影響を受けるのは、ほかならぬこの中山間地域であると思うわけです。私の県にもたくさんございますけれども、しかしこの八月の農政審議会報告におきましても、生産と切り離された所得補償、いわゆるデカップリング政策の導入については引き続き検討をするというふうにされて先送りをされてまいりました。この課題は九二年六月の政府の「新しい食料・農業・農村政策の方向」、いわゆる新政策に基づく昨年の特定農山村法案審議におきましても議論されたものの、結局は先送りされてしまっております。 デカップリングについて、いつどのような形で御検討されるつもりたのか、具体的に農林水産大臣にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(大河原太一郎君) 西岡委員には、高知でおられるから、この問題については深刻な御認識と政策の御提案をなさっておると思うわけでございますが、EU型の直接的補償対策については、これは我が国内でも大変議論があったところでございまして、国内対策の指針を求めようとする農政審議会の委員会においても多くの御論議をちょうだいしたわけでございますが、結論としては、委員ただいまおっしゃられましたように直ちに採用すべきものではないというような結論が出たわけでございます。 いろいろな意見がございましたが、やはりEU型の直接補償方式を見ますと、ちょっと粗っぽい言い方ですが、戸当たり年間十四万円というような程度で、これが果たして地域の活性化とかあるいは所得補てんに十分たるかどうかというような御議論とともに、その地域内における他の産業従事者との均衡の問題等も指摘されたところでございます。また、そういうばらまき的なあれよりも、もっと地域の活性化のための基盤を、生産及び生活基盤を充実するような施策の方に重点を置くべきだというようなことでございまして、国土保全たりあるいは環境保全としてのこの中山間地域の大きな役割については十分認識した上で総合的な対策を講ずべきであるというのが結論でございまして、今般の、今決定しようとしております国内対策の大綱においても、その趣旨によって中山間地帯、農山村地域の対策を樹立いたしたい、さように考えておるところでございます。
○委員長(坂野重信君) 西岡君の残余の質疑は午後に譲ることといたします。 午後一時四十分に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十三分休憩 —————・————— 午後一時四十一分開会
○委員長(坂野重信君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 予算の執行状況に関する調査を議題とし、休憩前に引き続き、西岡瑠璃子君の質疑を行います。西岡瑠璃子君。
○西岡瑠璃子君 午前中に続いて、途中で中断されておりますので、デカップリングの導入のことから続けてまいります。 財政負担を伴うEU型のデカップリングの導入に財政当局を筆頭にいたしまして大変消極的な政府でございます。そういうわけで、既に大分県とかあるいは宮崎県、山口県を初め複数の県でデカップリング的な策が先取り実施されているわけです。我が高知県はまだそれができておりませんけれども、本来、国が取り組むべきであるのに県が独自で取り組むというのは、それだけその県の事情は厳しい厳しい現実があると思います。 こうした県単での取り組みを、農林水産大臣、いかように認識していらっしゃるか、伺いたいと思います。
○国務大臣(大河原太一郎君) お答え申し上げます。 西岡委員の選挙区である高知県、あるいは宮崎県等々におきましては、中山間地帯の対策として第三セクター等を活用した対策をせっかく努力をたさっていることについては十分承知しておるところでございますが、午前中の御質問に対してお答え申し上げたとおり、国の制度としてはいろいろな意見がございましてなお検討を要するということになっておるわけでございます。したがって、今後については、国として措置するのか、あるいは地方財源の充実等に配慮していただいて独自に地域にかなったいわゆる日本型デカップリング等を取り入れるか、そういう今後の検討の問題があるというふうに理解しております。
○西岡瑠璃子君 お聞きいたしましたけれども、単純な公共事業の前倒しとか他省庁の概算要求の組み込みでは十分な対策とは受けとめられないと思うわけですね。 それで、時間もありませんので、ガット農業合意後の対策につきまして、国内法の整備、そして国内対策、批准の三点セットでなければ農業者や国民の不安にこたえられるものではないと思うわけです。このことについて確認をさせてください。農林水産大臣、お願いいたします。総理にも伺いたいです。
○国務大臣(大河原太一郎君) お答え申し上げます。 西岡委員御指摘のとおりでございまして、協定の批准なりあるいは関連法案の承認等々と並行してこの対策大綱、それの中に盛り込まれております施策の総合的、的確な実施に必要な財政措置、これについては御指摘のとおりであるというふうに考えております。
○国務大臣(村山富市君) 今、もうずっと農水大臣から答弁がございますけれども、西岡議員御指摘のように、私はやっぱり中山間地域における農業をどうするかというのは極めて大事な問題だと思います。これは単に農業というだけの視点ではなくて、水の問題やら環境の問題やら公益的に果たしている役割というものもありますし、このままほうっておいたらもうだんだん若い人がいなくなって廃村になってしまう、こういう状況も見られますから深刻に受けとめなきゃならぬというふうに思います。 同時に、ウルグアイ・ラウンド受け入れ後の日本の農業というのは、やっぱり国民の食糧をどう守っていくかという視点からすれば極めて大事な問題ですから、先般のウルグアイ・ラウンドの受け入れに対して閣議の了解事項もございますし、その後の経緯もございますから、十分踏まえた上で日本の農業と農村を守るためになる対応に万全を期していきたいというふうに考えているところであります。
○西岡瑠璃子君 来年度予算編成で別途配慮することになったラウンド対策予算についてですけれども、今月の二十一日、もう目前に迫っていますけれども、別途考慮するというそのラウンド対策予算の内容の骨格や概算ぐらいはもう明らかになっているんじゃありませんか。ちょっと教えていただけませんでしょうか。
○国務大臣(大河原太一郎君) 事柄についてまず御説明申し上げますが、ラウンドの実施に伴う国内対策については、先般、十月の初めに決定いたしました大綱骨子に基づき、これを基本方向といたしまして具体的な施策を盛り込む大綱を近く決定するところでございますが、そこにおいては、実施期間と申しますか対策期間と申しますか、その期間を通じた財政的な措置について我々としては明らかにしていただきたいということで政府部内の理解を求めておるところでございます。 シーリング関連の概算要求につきましては、これはそのうちの一部をなす平成七年度予算の編成においては、予算の編成過程において別途考慮するということに相なっておるわけでございまして、まず全体の計画期間を通ずる財政措置、それの一環としての明年度予算の措置、そういう関係になっておることを申し上げて、それそれについては極めて重大な問題でございますので力を尽くしたい、さように考えております。
○西岡瑠璃子君 二十一日に決まるわけですね。 それでは続いて、ウルグアイ・ラウンド農業合意関連大綱の骨子でも言っております第四次土地改良長期計画の着実な進捗を図るためには、予算と事業量の確保、そして他方では農家の土地改良負担金を軽減することが重要だと思うわけです。 政府は、骨子では負担金対策を拡充すると述べておられますけれども、具体的にはどのような施策を講ずることになるのでしょうか。
○国務大臣(大河原太一郎君) お話しのとおり、効率的、安定的な経営体を育成する、担い手を育成する、そのためには基盤整備事業が最も中心にたる事業でございます。 この負担金については、この七、八年来負担金の償還問題が高まりまして、政府としてはこれについては各般の施策を講じております。一千億の資金を用意して土地改良負担金の総合償還制度とか、あるいは圃場整備事業等についての補助率の引き上げとか、あるいは負担金の一部に無利子資金を導入するとか、各般の施策を講じてきておるところでございますが、この方向に沿いましてさらに政策大綱におきましては土地改良負担の軽減ということに努めたい、さように思って、現在具体的な検討を進めておるところでございます。
○西岡瑠璃子君 大蔵大臣にも同じ質問をお願いいたします。 二十一世紀に向けた活力ある農業政策の推進を具体化するための財政措置についてどういうふうにお考えか。
○国務大臣(武村正義君) 先ほど来御議論がございますように、大綱骨子から大綱にまとめる作業が今週も精力的に行われているところでございまして、そういう中で、二十一世紀といってももう六年後であります。ちょうどミニマムアクセスの期間と一致するわけでありますけれども、今から始めて六年後ぐらいには、より厳しい面もありますけれども、新しい時代の扉をあける姿になっていかなければいけないというふうに私は思っております。 規模が集約化されるにしましても、経営の状態がどう変わるにしましても、この国がありこの民族が生きる限り、土に生きる農民がしっかり営々として農業を守っていただける状況を目指して努力をしていかなければいけないというふうに思っております。
○西岡瑠璃子君 国内対策に万全を期すと政府はずっと言ってこられましたので、ぜひそのようにお願いしたいと思います。 最後に、私は、年々減っていた農業志望者の子供たちがことしは前年より百人もふえたという、そのうれしいニュースを聞きまして、日本農業に未来はあるのか、日本農業に希望はあるのかと本当に悲しかったんだけれども、今、武村大蔵大臣もおっしゃったように、とにかく希望のある農業政策をつくることによって日本の農業の荒廃を防いでいかなくてはならないというふうに思うわけです。何といっても日本農業の再建は食糧の安定的確保のために自給率を高めることであり、水資源の涵養や環境保全をするということでございます。 今日、民族繁栄の条件としての国土基盤は本当に深刻きわまりたい状態になっていると思います。政治に課せられた責任が大変大きいことを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。 —————————————
○委員長(坂野重信君) 以上で西岡瑠璃子君の質疑は終了いたしました。(拍手)
○委員長(坂野重信君) 次に、渡辺四郎君の質疑を行います。渡辺四郎君。
○渡辺四郎君 実は、だんだん時間が短くなってまいりまして、ほげられまして、当初よりも三分の二ぐらいになりました。きょうも衆議院のああいう本会議が入ったものですから、どうも予算委員会のけつの方が大変遅くなるということで、毎日大変御苦労をかけておりますし、お疲れですから、できるだけ私の主張を申し上げて、そして政府の答弁の方もひとつ簡潔にお願いを申し上げたいというふうに思っております。 まず私は、政治改革問題についてもう一度ここで総理の御見解をお聞きしておきたい。 それは、昭和六十三年に発覚をしましたリクルート事件以来、国会の重大な政治課題として今日までさまざまな議論の中で改革案が提起をされ、かなりの法律ができ上がってまいりました。私は、この一連の政治改革には二つの流れがあったのではないか。その一つは、衆議院の選挙制度の改革問題で、政治不信の元凶がやはり今までの中選挙区にあるんだと、これを何が何でも改正をしないことにはということで、小選挙区比例代表並立制の導入によって政治腐敗をなくしていこうというのが一つの流れでありました。これが多数を決めていったわけです。それからいま一つは、政治腐敗とは不明瞭な金の流れが政治をゆがめているというようなことで、この視点に立っての抜本的な改正を主張する流れがあったというふうに思うわけです。 こういう段階の中で今回の国会で区割り法案が成立をいたしますと、大体法案関係については一応の完結を見るのではないか。 問題は、この機会に総理にぜひお伺いしておきたいわけですが、一つは、新しい選挙制度になりまして二つの制度が併存するという制度になってくる。と申し上げますのは、当然のことですが、小選挙区比例代表並立制ですから、一つは二大政党制があるいは多党制がという全く正反対の二つの政党体系といいますか、そういうものが惹起する要因を併存しているのではないかというふうに私自身は考えるわけです。 そういう中で総理は、並立制のもとで穏健な多党制ということで今までもいろいろとお話を聞いてまいりましたが、これから後の政治の進め方として、幾つかの政党が二大グループをつくって、非常に多様化しておる国民の価値観に報いるためにも、こたえるためにも、幾つかの政党が二大グループに分かれて、そして政権運営をやっていくというのがこれから先のやはり日本の政治のあり方ではないかというふうに私自身は総理の意向を受け取ってきたわけですが、そのことについてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(村山富市君) 今、渡辺議員が申されましたように、小選挙区制度になりますと一つの選挙区から一人の議員を選出するわけでありますから一番大きな政党が当選をするのではないか、だから大きくなることはいいことだ、こういう形で政党が再編成されていくということは、今お話もございましたように、これだけ価値観が多様化しているときに、上から二つの政党しか選ぶものはありませんよと言って提示することは民主主義の原則に私は反するのではないかと思うんです。 ですから、一つの選挙区で一人の議員が選ばれるにしても、やっぱり幾つかの政党が競い合う、同時に、競い合いが無理ならば選挙協力でもやって、そして政策を明示して争い合うというところに私はいいところがあるんだと思いますし、同時に政治を運営していく上からも、そういう幾つかの政党が連立政権を組んで、そして価値観の多様化した国民の声がその連立政権の中を通じて民主的に反映されていく、そういう運営が私はやっぱり当面は期待されておる政治のあり方ではないかと。 将来、ずっと先はどうなっていくか、それは有権者の選択によって変わっていくことでありますから今ここで断定はできませんけれども、しかし七月の総選挙以後、国民の意識というのは、やっぱり日本の政治を変えてほしい、こうした国際情勢の変化や国内情勢の変化の新しい時代に十分対応できるような政治の姿に変えてほしい。とりわけ、選挙制度もそうですけれども、腐敗防止を徹底させて、そして政治に対する信頼というものがもっとしっかり国民の中に根づいてほしい、こういう期待がやっぱり私はあると思いますから、そういう期待にこたえて、お互いに切磋琢磨して努力していくことは大変大事なことだし必要なことだというふうに思っておりますから、私はある程度の多党化が続くことはやむを得ないし、これからしばらくは連立政権というものが国民の期待にこたえて果たしていける大きな意義があるんではないかというふうに考えています。
○渡辺四郎君 今、総理のお考えをお聞きしたわけですが、その中でもありましたように、腐敗防止の問題について今度の国会でも与野党いろいろ大変な努力をして、国民のいわゆる批判にこたえるためにも徹底した腐敗防止をやらなきゃいけないということで大変な努力をされておるわけです。 実は、前の政治改革法案の審議の段階でも大変議論になりましたいわゆる企業・団体等の献金の禁止についての問題ですけれども、これについてはさきに改正された政治資金規正法の附則の第九条で、この法律の施行後五年を経過した場合、資金管理団体への寄附の禁止の措置を講ずるとなっておるわけです。 ですから私がここで申し上げるのは、当時の審議の段階でも直ちに寄附は禁止をすべきだという御意見もありました。あるいは五年とは長過ぎるという意見もありましたし、五年待って措置を講ずるということでなくて、五年経過したら直ちに禁止をすべきだ等々の意見もあったわけです。 考えてみれば、昭和五十年に当時の三木総理のころ政治資金規正法の改正を行っておる。その段階でも、政治資金の個人による拠出を一層強化する、そのためにさらに検討を進めるということになっておったわけです。ところが、そういうふうに法律ではたっておりましたけれども、なかなか個人献金の方についての検討が進まずに、残念ながらその後のああいう状況が続いてきた。 ですから今、与野党の皆さんも一生懸命になって腐敗防止の問題に取り組んでおるわけですから、ここではこの措置を講ずるLということについて、前の国会からの流れもありますし、前の総理も決意を申し上げておったようですけれども、私はもう措置を講ずるということは禁止をする、五年経過をしたら禁止をする、こういう決意で臨んでいただきたいと思うんですが、総理の御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(村山富市君) 今、委員御指摘のように、このたびの改正におきまして、企業等の団体献金は政党、政治資金団体並びに資金管理団体以外のものに対しては一切禁止するということになってきたわけです。これだけ制限が強化されたわけでありますが、さらに御指摘のように、改正法の施行後五年を経過した場合には、資金管理団体に対するものは禁止措置を講ずるとともに、政党、政治資金団体に対する献金のあり方についても、個人による拠出の状況を踏まえ、政党財政の状況等を勘案して見直しを行う、これは附則第九条にあるわけでありますが、今、委員御指摘のように、これは政党に対する交付金制度もできたことでありますから、したがって廃止を含めて積極的に検討されるべきものだというふうに私は思っております。
○渡辺四郎君 大いに廃止をすべきという方向でひとつ臨んでいただきたいということをお願い申し上げておきたいと思うんです。 ちょっと質問の順番が行ったり来たりしますが、私はきょう、中心は財源問題について大蔵大臣にお聞きをしたいというふうに思っております。その前に、国連改革の問題について外務大臣にお伺いしたいわけです。 いろいろ議論されてまいりました。今日、我が国の国連常任理事国入りについて、日本の力量が増すにつれましてかなりの多くの国々から期待もかげられておる。このような状況の中で、問題は、やっぱり日本が常任理事国問題にどう対応していくか。現行の国連憲章では、昨日もありましたように、当然理事国にはなれないわけですが、そういう状況の中で、日本の外交の理念、いや姿勢が現在問われておるというふうに私自身は思うわけです。 そこで、現在の安保理の体制にも民主化が必要だということを外務大臣もおっしゃっておりましたが、お尋ねしたいのは、日本が常任理事国入りを前提としてこれからどう改革を国連の中でなさっていこうというふうに、あるいは決意があるのか、お考えがあるのか、お聞かせ願いたいと思う。
○国務大臣(河野洋平君) 創立五十年を目前にした国連は、何回も申し上げていることでございますが、創設時五十カ国を少し超える程度の加盟国であったものが、今や百八十カ国を超えるという大変大きな世帯になったわけです。そこで、国連を改革すべしという声が国連の中で大変強くたりまして、国連改革、とりわけ、なかんずく安保理の改組ということについて議論が出ているわけでございます。作業グループがつくられて、その作業グループの中で繰り返し各国が意見を述べ合って、今さまざまな意見を収れんさせる努力が続いているわけでございます。しかし、まだその作業には若干の時間がかかるというふうに見られております。 さて、我が国がそれにどう対応するかということでございます。 私は、国際社会の中のよき一員として日本の国が、振り返ってみますと、あの大戦が終わった直後、疲弊した我が国に対して国際社会が示してくれたさまざまな好意というものも思い起こして、今、我々が経済的に立ち直り、いや国際的に御存じのようた力を持つに至ったということを考えれば、国際社会の中でまだまだ開発途上国あるいは非常に悲惨な状況にある国に対して我々が貢献で一きる資金的、技術的援助というものを積極的にやっていってしかるべきというふうに考えております。 他方、国連を通じて、国際社会の平和と安全というものを考える上で、国連を舞台に例えば外交によって信頼を醸成していくということによって、国際社会の安定あるいは新しい秩序といってもいいかもしれませんが、そういうものをつくっていく、その舞台に国連がたっていってほしい、こういうふうに思うわけです。 したがって、国連を舞台に軍縮を議論するあるいは核の不拡散について議論をする、こういったことも当然必要だと思いますし、また地球規模、つまり二国間ではとても処理し切れない地球規模の環境問題でございますとか人口問題、難民問題、こういった問題についても国連を舞台に大いに議論をして、この地球上に生きとし生ける人たちが安全に平和に、そして繁栄を享受できる方向に進んでいくべきものだ、こう考えております。
○渡辺四郎君 今、大臣の方からいろいろお話を聞きました。 私、さきの外務大臣の国連での演説で示された諸課題が国連や加盟国の中で今どのように評価をされているかにかかっているというふうに実は思うわけです。そういう点で、確かにそういう国際的な問題もありますが、問題は、やっぱり今後の日本の進路にかかわる重大な決定となるという点から見て、先般来のマスコミの世論調査でも、賛成が二五・五%、慎重に検討すべきが五二・一%という数字も出ておりましたので、ぜひひとつこの問題については国内での議論を深めて、そしてやっぱり国民的合意を得て最終判断をすべきだというふうに私は思うわけですが、総理と外務大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 世論調査について御指摘がございました。 確かに世論調査の中にはいろいろな数字がございまして、御指摘になられました数字は日本経済新聞の比較的新しい数字だと思います。この日経の数字、賛成二五、他国に推されるならいいじゃないかというのが一〇、合計して三五。これに対しまして、慎重に検討すべきだというのは五二という、非常に質重論が強うございます。しかし、他方、毎日新聞あるいは産経新聞、東京新聞の調査によればその数字は全く逆転しているわけでございまして、世論調査は、これはいろいろその設問の仕方その他があろうかと思います。 ただ、私がすべての世論調査で着目をいたしておりますのは、日経新聞で言えば、わからないとか答えないという数字が非常に少なくなりました。これは、かなり関心が高まって議論が進んで、理解が進んでと申しましょうか、慎重にやるべしという意見を持つようになった、あるいは賛成だという、それぞれ意見を持たれるようになったということではないかと思います。 日経新聞の調査によれば、反対という人は五%でございます。慎重にやれという人の一割。慎重にやれ五十数%に比べると、反対と答えられた方はわずか五%という数字でございます。私は、この答えない、わからないという人の数が非常に少ない点、それから反対という答えが非常に少ない点でこの日経新聞の調査、私なりに非常に注目をしているところでございます。 残念ながら賛成の数字が他の新聞社の調査に比べて少のうございまして、これがどういう理由かについては私も今、興味を持っているところでございますが、今申し上げたように、他のアンケート調査によればまたかなり違った、つまりこの日経の調査と全く逆転する数字の答えが出ているというところもあるということを踏まえて、しかしなお一層国民の理解を求める努力は続けなければならないというふうに思っているところでございます。
○渡辺四郎君 それでは次に、大蔵大臣を中心に私は財源問題についてひとつこれからお聞きをしていきたいと思うんです。 先般来、十月七日ですか、六百三十兆の公共投資基本計画を経企庁が発表いたしました。私は、この基本計画の中に二つの目標があるんじゃないか。一つは、高齢化社会を目前にした中での社会をどう築いていくかというのが第一点。それから同時に、公共投資によって日本経済の内需主導型への移行が進めば貿易黒字の縮小にもつながるのじゃないか。こういう点からの公共投資の拡大ということで、この二点については私も評価をしておるところでございます。 きょうで三日目ですが、この委員会の中でもそうですけれども、問題は、たくさんの社会資本を含めた要求がある。こんなに経済大国と言われながら、余りにも今までの社会資本の整備がおくれてきておったひずみが今、一挙に出ておるのじゃないかという気もします。そうでもない、進んだところもあるわけですけれども。 問題は、この公共投資の基本計画の中にも挙げられておりますけれども、一応新計画の中では具体的には下水道ほか生活環境とか、あるいは福祉・文化の機能の分野、あるいは国際空港を含めた重点項目が掲げられておりますし、それからこれまでの産業基盤の重点主義から生活福祉重点に改めていこうという考えが実は出されておるわけです。問題は、こういうふうな提起をしてはおりますけれども、今日までの公共投資の配分比率をいろいろ口では見直す見直すというふうに歴代の内閣は言ってまいりましたけれども、なかなかそれがやっぱりできない。省庁別あるいは事業別の比率はほとんど固定化しておるというふうな現状であるわけです。 そこで私は、この際、この新計画を達成するためにも、重複投資などの弊害も目立った省庁別の縦割り予算編成、大変難しいと思うんですが、これは内閣の責任で各事業別の優先順位を決めていくとか、あるいはそれに沿った事業分野での横断的な予算編成をやるとか、こういう仕組みに変えていかなければなかなかまたお題目で終わっていくんじゃないかという私自身の危惧があるわけです。そこらをひとつ、各省庁の垣根を越えた横断的な予算編成、そして事業ごとの配分目標、比率の目標ですか、こういうものをやっぱり内閣で定めていく、こういうリーダーシップを握って予算編成に臨むべきではないかという気がいたしますが、いかがですか。
○国務大臣(武村正義君) 大変大事な点の御指摘をいただきました。 我が国の財政が、言葉で申し上げる以上に数字の面では大変経験したことのない事態に入ってきているのは紛れもない事実であります。国債の残高でもそれは表現することができますし、国債比率とかあるいは利払い比率とか、これは先進国と比べましてももうトップランクになってまいりました。ここ二、三年、特に景気対策によって四回にわたるこれは建設国債を中心にした公共事業補正予算を組ませていただいたことが一層国債の額を押し上げておりますし、また、ことしから始まったつなぎ国債による減税三年継続も、これまた財政を一段と悪化させております。 私であろうとだれであろうと今この国の財政の責任を預かると、一体本当にどういうふうに今後財政再建を頭に置きながら予算編成に対応させていただいたらいいのか、一瞬茫然とするような厳しい状況であります。 その中で今回は税制改革は第一歩をしるすわけでありますが、何といいましても、入るをはかって出るを制すという言葉がありますが、どっちかというと、出るを制する議論というか努力がもう少し政治全体でもあるいは国民論議のベースでも必要ではないか。 きのう山本先生のお話を伺っておりまして、今ごろ感想を言ったらしかられるかもしれませんが、大変大事な点を全部、全部じゃない、かなりたくさん御指摘をいただいておりましたが、しかしその午後の大塚先生の農政に対する予算のお話、それから福祉、ゴールドプラン、エンゼルプラン、そこヘノーマリゼーションプランもございました、堀先生の。全部大事な御指摘なんですね。 そこへ山本先生にかわって、自衛隊の隊員の処遇も大事だと、まずここから始まりまして、文部省の高等教育機関、文化事業、最後は、行革も大事だがやっぱり削るばかりじゃだめだ、ふやすところはふやさなきゃいかぬという話で終わったんですが、どれ一つ反論の余地はありません。答えられればごもっともとお答えせざるを得ないわけでありますが、これは国民の需要、願いからいって必要なことを全部国民の声を代弁しておっしゃっていただいているんで、私ども一つずつ真剣にこれに耳を傾け、予算を捻出してでも精いっぱいの努力をさせていただかなければいけないと思っております。 しかし片方で、どこを削ればいいんでしょうかと、私としてはそういう言葉が出てくるわけですね。そういう削るべき具体的な提案を同じぐらいで出していただけないでしょうかという、これは大変生意気な言い方に聞こえるかもしれませんが、もうこれは、ふやす減らすということでは財源の面ではほとんど余裕がありません。どこか削らなければ新しいものに回せない状況にきておりますから、どこを一体、まあ減らすのも、行革の論議にありますように、全くむだたところというのは余りたいと思うんです。国民から見れば、本当に国会議員の歳費だとか数を減らせというこんな論理にすぐ結びつくぐらいで、なかなかないわけですけれども、しかしそれでも時代の役割を終えつつあるものとか、やっぱり費用と効果の関係で、これはもう少しより優先順位の高い、もっと効果の高い方向に回そうじゃないかということになると思うんですが、当然波風が立ちますし、抵抗は出てまいります。 最後に、お答えに戻りますが、公共事業の見直し、去年、細川政権のときも先生方に御苦労いただいてこれに取り組んでいただいて、漁港など少し目を向けようとしましたが、これでも相当な反発がございましたし、またそのことが本当に正しかったかどうかという議論はもちろんあるわけで、そういう中で、しかし予算のやり方に問題があるんではないか、各省別、縦割りで予算編成をやっているから問題だという御指摘は貴重な御意見として拝聴させていただきました。 主計局の中にも三次長を置いたりしながら、単なる縦割りの省庁別の主計官だけでなしに、関連を見たり全体を見たりするそういう努力もいたしているところでございますが、ぜひ来年度予算案の編成におきましても一層この点で関心を持たせていただきたいと存じます。
○渡辺四郎君 この公共投資の新計画が発表されても、マスコミの中でも、根拠、財源があいまいだと、大きい見出しで。大蔵大臣も財源確保が非常に厳しいということを、下の方にちょこっと出ておりましたけれども。 今、大臣おっしゃったように、国債だけでも二百兆を超しておる。国民から見れば地方債だって借金なんですね。地方の借金だって百兆を超しておる。言葉は悪いわけですが、いわゆる隠れ借金と言われる部分だって六十数兆円ある。あるいは国鉄の借金だって二十六兆を超しておる。そうしますと、国民から見れば合わせますと大体四百兆を超すような借金。いろいろ性格は違いますよ、変わっておりますが。 公共投資のこの計画に「後世代に負担を残さないようた財源の確保を」云々と、こう書いております。きのう厚生大臣がおっしゃったように、年金の現行の制度だけでいつでも十年後には倍にたるというようなお話もありました。これにはない財源ですけれどもね。そうしますと、国民に訴えて、国の財政はこうなんだ、だからこういうところでやっぱり財源をお願いしたいということを大きくアピールしたければ大変な厳しい状況が続くんじゃないかと最後に申し上げて、私の時間が来ましたから終わらせていただきます。
○委員長(坂野重信君) 以上で渡辺四郎君の質疑は終了いたしました。(拍手) —————————————
○委員長(坂野重信君) 次に、直嶋正行君の質疑を行います。直嶋正行君。
○直嶋正行君 外務大臣、最初に、ちょっと通告をせずに恐縮でございますが、けさも話が出ました米朝協議のその後の合意内容について新たな情報が入っていますでしょうか。私の手元にいろいろ外電も届いておりますが、もし新たな情報が入っておりましたら、その内容なり評価をお聞かせいただければと思うのであります。
○国務大臣(河野洋平君) けさ申し上げたこと以降、実は詳細な報告がまだございません。 けさ申し上げましたように、暫定的な合意ができたと。しかし、これはいずれも本国の了承を得る必要があるので、本国の了承取りづけのために時間がしばらく必要だということでございまして、それ以上の詳細だ、何といいますか、説明はまだ入ってきておりません。
○直嶋正行君 例えば私の手元にございますがルーチ大使の会見要旨というのを見ますと、その中の一項目でありますが、「交渉当事者として政府に調印を進言する。合意は北朝鮮の核計画の過去、現在、未来の側面に触れており、広範囲に受け入れ可能で前向きな文書だ。」こういうものがございます。 また、その後のファクスを見ましても、その合意内容の項目の一項目として、北朝鮮はNPTに完全に復帰し、すべての核施設に対する国際原子力機関の査察を受け入れ、南北対話を再開するし、こういう内容が流れておりますが、このあたりについてもまだ未確認ということでございますか。
○国務大臣(河野洋平君) 未知認でございます。 我が方としては、その内容の詳細な報告を受けるまで推定でこの事柄を申し上げるにはいささか問題が重大過ぎるというふうに考えております。
○直嶋正行君 それでは、ぜひ従来の原則どおりの日本政府の方針どおりで対処されますことを要望申し上げて、この質問を終わります。それからもう一点・次に国旗・国歌の先日の政府統一見解についてお伺いしたいと思います。 まず文部大臣に伺います。 先日出されました国歌・国旗に対する政府としての統一見解は、私は至極当然の内容だというふうに思うのでありますが、文部大臣はこの統一見解に基づいてすべての学校において国歌の斉唱、国旗の掲揚を教育指導上の立場から進めていくということでありますね。これは確認させていただきたいと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) 御指摘の見解は、今月十二日の衆議院予算委員会における山田宏議員の質疑に関する総理と私の国旗・国歌に関する答弁内容を整理したものが衆議院〕算委員会理事会に提出されたものでございます。 私どもとしては、各学校に丁いて学習指導要領に基づき国旗・国歌に関する指導が適切に行われるよう従来どおり指導してまいる所存でございます。
○直嶋正行君 次に、総理にお伺いしたいと思います。 先日の総理の衆議院予算委員会における発言でございますが、指導を受ける側がどう受けとめるか心の問題であり、それを強制するには慎重な配慮が必要だと、こういう御発言を答弁の中でされております。この総理の見解を受けとめれば、例えば生徒の中に国歌の斉唱・国旗の掲揚に反対の者があった場合、それに配慮して学校としてはそれを取りやめるか、あるいはその人を除外して国歌の斉唱、国旗の掲揚を行うかということになるのではないかと思うのでありますが、この点いかがでございますか、総理。
○国務大臣(村山富市君) 統一見解は、今、文部大臣が答弁したとおりでありますけれども、私は、例えば何か式がございまして君が代を斉唱するという場合に、全部それに合わせて歌っておるかということから考えますと、やっぱり中には抵抗を感じて歌わない者も幾らかあるのではないかと思いますね。そういう、歌わないでおれはいるという、その人の心の中にまで入って、おまえ絶対歌わなきゃいかぬといって強制できるようなものではないんではないかと。これはあくまでもやっぱり教育をする場ですから。 したがって、もしそれが間違いだとするならば、指導要領に基づいて子供に対して至れり尽くせりの教育の指導をしていくということがむしろ大事ではないかというふうに考えておりますから、歌わない者はこの式場に入らぬで出てくれというようなことをすることは決して教育にとってふさわしい、いいことではない、私はそういうように思いますから、あくまでも指導と教育を通じてまとまっていけるような姿をつくっていくということが何よりも大事ではないかというふうに考えています。
○直嶋正行君 ちょっとはっきりしたい。教育現場での対応が混乱すると思うのでありますが、この問題についてはきょうはこれでやめておきます。ただ、この問題については、今の御答弁も含めて、私どもとしてまだやはり腑に落ちない部分がございますので、今後また場を改めて御質問させていただきたい、このように思いますので、きょうはその点たけ申し上げておきたいと思います。 それでは、続きまして公共料金の問題について、きょうはあと御質問させていただきます。 まず、七月二十六日の閣議で村山内閣は、羽田前内閣が公共料金の年内凍結を決めてからわずか二カ月で、年明け後に公共料金の値上げを認める方針をお決めになりました。私は、民間企業がリストラで生き残りをかけて頑張っている時代に、しかも物価が全体として下降をしている中で、こうやすやすと公共料金だけ上がっていくというのはちょっと異常とさえ言えるんではないかと思うのであります。 羽田内閣のときは、安易な公共料金の値上げを防止するだけではなくて、きのうもちょっと総理、答弁の中でおっしゃっていましたが、料金の設定方式やその料金にかかわる情報をできるだけ開示をして、そして料金引き上げのメカニズムが国民から見えるようにしていきたい、そのことによって国民が納得を得られるようにしていきたい、こう思って凍結をしたわけでございますが、残念ながら九月二十日に政府はその第一弾として道路公団の値上げを認可されました。 この後、高速道路料金だけではなくて、公団住宅だとかNTTだとか、公共料金の値上げはメジロ押しなんですが、まず総理に、今回の高速道路料金の引き上げの判断と、今後の公共料金の改定に関する総理としての考え方及び方針についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(村山富市君) 公共料金の扱いにつきましては、今、委員御指摘のように、さきの内閣で公共料金年内引き上げ実施見送りの措置を決めたんです。年内の見送り措置を決めましたけれども、年が明けてからどうするかという方針については何も決めていないんですよ。ところが、料金を値上げするにはそれぞれやっぱり値上げをする側からすれば根拠があって値上げをしておるわけですね。それが見送られたままではこれは仕事ができませんと、こういうことになっていくこともこれは私はやむを得ないと思います。 そこで、私どもはその年内は凍結するという方針を引き継いだ形で、なおかつなぜ値上げをしたきゃならぬのかということをもう一遍各事業ごとに見直してもらうということで徹底的に洗い直して、そして削減できるものは削減する、同時に多くの皆さんの声も聞き入れて、そして公明性を高めた中から合理的に皆さんが納得できるような結論を出していこうという努力を今しているわけですよ。 確かに高速道路の料金は四月から上げることにしましたね。それもやっぱり十二月まで凍結したものを、今申し上げましたような経過を経て、そしてやむを得ぬから四月から上げようと。このことについては後で建設大臣の方から詳しく答弁をしてもらいますけれども、そういう措置をとっているんですから、決して安易に理由なくして上げているわけじゃないんですよ。 それぞれ事業ごとに見直しをして、そして徹底的にリストラもやらせ、同時に削減できるものについては削減をしてもらって、そして客観的に判断をしてこれはやむを得ないというようなものから順次検討していこう、こういう段取りをしているわけでありますから、そういうふうに正しく御理解を賜りたいというふうに思います。
○国務大臣(野坂浩賢君) お答えをいたします。 先生は自動車会社の出身ですから特に詳しいということはよく承知をしております。我々は公共料金を値上げしたいと思ったことは一度もありません。 去年の十一月、建設大臣の五十嵐さんが一千百八十四キロメートルの高速自動車道路の実施を発令した、そして本年の四月二十六日には日本道路公団が値上げの申請をした、こういう経過ですね。五月二十日に羽田内閣は年内凍結という方針を打ち出しました。その際に建設大臣が特に発言を求めておられますが、内容的に事務的には粛々として作業は進めていきたいとか、いつでも実施ができるような体制だけはとっておきたいとか、こういう討論の経過を踏まえまして私もそれを引き継ぎました。 引き継ぎまして、道路の千百八十四キロメートルと料金の値上げとはリンクをしておる、しかし当初は料金の値上げと同時に実施をするという意見もありましたけれども、どうしても値上げはなかなか困難である、しかしこの九カ月間オンしてはたらぬ、その上に上乗せをしてはならぬ、こういうふうなことを考えまして、四月十日に料金の値上げは行うと。四月一日という話も随分ありましたけれども、転勤の問題もありますし、あるいは学生等の入学の問題もありますし、そこまでは配慮しなきゃならぬだろう、こういうふうなことを考えました。そして、九月二十日にそれぞれ千百八十四キロメートルの施行は直ちに実施をするように、こういう考え方で日本道路公団の方に命じました。 その間にいろいろな事情がございまして、私は六月三十日に就任しましたが、七月六日に鈴木日本道路公団の総裁をお呼びして、ぜひリストラをやってほしい、できるだけの合理化を図ってほしい、十分検討していただきたい、期間は一カ月、こういうことを申し上げまして、きのうも答弁しましたけれども、四百八十億円の建設費の節減、それから年間四十一億円の維持費の節減、こういうことを報告してまいりましたので、省内で十分検討して経済閣僚懇談会に提示をし、そして来年四月十日実施、直ちに本年九月二十日以降千百八十四キロは現実に作業は進めていくということで仕事に取りかかっておるというのが現状でございます。 以上です。
○直嶋正行君 それでは、総理にお伺いしたいと思うのでありますが、今それぞれ一つずつ厳格に見直しをするということでございましたが、例えば先般出されました七つの公共事業体の総点検の結果報告を拝見しました。この中で、今の道路公団ですね、及び住宅・都市整備公団、この二つは具体的な経費の削減数値も含めて報告がなされています。しかし、それ以外は残念ながら具体的な削減数値は入っていません。中長期的な人員計画等は入っています。しかし、金額の数字はございません。そういう意味で私は、後ほど御質問させていただきますが、この道路公団の内容もまだまだ問題があると思っておりますが、そういう意味では道路公団は努力された、このことは認めたいと思います。 総理にお伺いしたいのは、今後とも個別の認可に当たっては、先ほど御答弁にあったように、本当に合理化の部分まできちっと数字を押さえて認可をされるということに変わりはないのかどうか。 それからもう一点は、これは将来の話としてでありますが、もし今後、公共事業体等が合理化によって場合によって値下げが可能になったときには、逆に値下げも考えるのかどうか。 この二点についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(村山富市君) 先ほど来申し上げておりますように、これは単に道路公団だけの話ではなくて、公共料金を抱えている事業体は同じように全部見直しをして、そして可能な限り削減のための努力をしてもらうということの点検をしてもらっているわけですから、今、点検の過程にあるところもあると思いますから、ここで今どことどこが何ぼになったということは申し上げられませんけれども、それは厳しく私の方からも要請してありますし、その作業は進めてもらっておるというふうに思います。 その結果によって、今、建設大臣からもお話がありましたように、どうしても幾らか改定しなきゃならぬものがあるかもしれませんし、また値下げが可能だというような結論が出れば、それはそんなことをすることもやぶさかではない。これはもうまさに結果の判断によるというふうに申し上げる以外にはないと思います。
○直嶋正行君 ということは、今の総理の御答弁をお伺いしますと、この総点検結果というのは最終版ではない、またこれを具体的にやっていく、こういうことで受けとめてよろしゅうございますね。
○国務大臣(野坂浩賢君) お答えしますが、その問題もさらに深く掘り下げて十分検討して、先生の御期待に沿うように努力したいと考えております。
○国務大臣(高村正彦君) 総点検は総点検たりに一応最終結果を出したものでありますけれども、その後も引き続き合理化努力は進めていく、こういうことであります。
○直嶋正行君 今の経企庁長官の答弁は、合理化努力は進めていく、さっき建設大臣がおっしゃったように、新たにまだやっていくと。ということは、引き続きこれらについて次の結果が出たら当然公表もされるということになるわけですね。今、経企庁長官の答弁は、何かそれぞれ個別に努力だけしていくように聞こえたんですけれども、そうじゃないということですね。
○国務大臣(高村正彦君) 努力をするということは、努力だけする、結果はどうでもいいと、そんな話じゃありません。努力をして、そして経企庁としても厳正に、それぞれの所管の官庁が審査をするのを私たちもそれなりに相談にあずかっていく、こういうことであります。
○直嶋正行君 報告もしていただけるわけですね、報告も。
○国務大臣(高村正彦君) それぞれの事業体、そしてそれぞれの所管官庁、できるだけ情報を公開していくように経企庁からもお願いしてまいります。
○直嶋正行君 あと一点、総理に私、提案がございます。 きのうも総理は答弁の中で、料金の決定については、いわゆる内容等について役所だけで考えるのではなくて、もっとそのあり方も含めて幅広くいろんなところから議論したい、このようにおっしゃいました。 私、現実に公共料金の決め方を見ていまして、例えば今、話題になりました高速道路料金で言えば、道路公団総裁の私的諮問機関の料金検討委員会が議論をして申請するんですよ。これはどうしても内輪での議論になるんですね、私的委員会ですから。こういうやり方でいくと、やっぱりなかなか従来の、総理がきのうおっしゃったような枠組みというのは打ち破れないと思うんです。 私は、やっぱりこのやり方を変えていく。例えば今のやり方を改めて、公共料金を継続的にいろいろ点検審査するような第三者機関とかそういうものをつくっていくべきだと思うのでありますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(野坂浩賢君) お答えしますけれども、総理の前に、担当でございますのでその前に申し上げます。 公聴会等をやる必要があるではないかというお話がありまして、我々もそのことは十分に配慮いたしまして、公聴会を開いてその意見を十分に反映してまいりましたつもりです。 さらに、公共料金の引き上げを来年四月十日から実施にいたしました。一〇・六%の要求でありましたが、七・二%でスタートいたしました。したがって、物価に影響する問題についても配慮しなきゃならぬということで、経済企画庁の方とも十分連絡をとりましたが、〇・〇二%だけ影響があるんではなかろうかというのを一般論として、これはそこを使わない人はそうじゃないんでしょうけれども、影響ありませんけれども、使う人から考えて全般的には概念的にそういうことであろうということで、この公共料金を引き上げたと同時に、公団の総裁を呼んで、四百八十億と四十一億という維持費の節減だけでは物足らぬと。したがって今後内部でも十分検討する必要があろう。今はリストラの時代、行政改革の時代である。したがってこの委員の中には建設省は入ることはならぬ。そして日本道路公団も入ってはならぬ。学識経験者やそういう方々十人で十分一つ一つを検討してもらいたい。その上でやるべきことはさらに強く進めてまいりたい。こういう考え方でございまして、お説がありましたように、公聴会等は開いて十分討論した結果でき上がったものであるということを御了承いただきたいと思っております。
○国務大臣(村山富市君) これは今、建設省から道路公団の例を挙げてお話がありましたけれども、各省庁が持っている公共料金につきましては、今、委員もお話がありましたように、それぞれ審議会にかけて、その審議会の議を経て各省決めているわけです。 その審議会が内輪のものだから余りよくないじゃないかというような意見や批判はあるのかもしれませんけれども、しかしそれなりにやっぱり人を選んで審議会で諮って決めているという手続はとっているわけです。 その上に、さらに今度は経済企画庁が総合調整をするという意味で、必要な場合に必要に応じて学識経験者などに集まっていただいて、そして御意見を聞いた上で最終的に決めていく。さらに今お話もございましたように、必要なものについては公聴会も開いて意見を聞くという、こういう慎重な段取りを経てできるだけ公明性を高めて、多くの声が反映できるような形でもってこれは公共料金ですから決めていくというような手続というものはこれまでもとってきておると、私はそういうふうに思っております。
○直嶋正行君 もう一点、総理、簡単にお話ししたい。 今、建設大臣が、リストラの時代だ、こうおっしゃったんです。私は、私の提案が完全かどうかは別にしまして、やっぱり従来の枠を破るような、従来の発想を打ち破っていくような、そういう考え方を取り入れていかないといけないと思うんです。この点に関してどうですか。
○国務大臣(村山富市君) この内閣が行政改革ということを盛んに強調して、規制緩和も加えてこの内閣の使命としてやっていこうということを閣議でも申し合わせをいたしておりますけれども、それは単に行政だけの問題ではなくて、そうした公社公団も含めて今御指摘のような努力は十分にしてもらう必要があるというふうに思っていますし、それはそういうものを対象にして私どもも検討を加えていかなきゃならぬというふうに思っております。
○直嶋正行君 それでは、ちょっと高速道路料金の話について建設大臣にお伺いしたいと思います。 さっき御答弁がございましたが、そうすると建設大臣は、今回の高速道路料金の改定は利用者に十分理解と合意を得られる内容である、このようにお考えですか。どうでしょうか。
○国務大臣(野坂浩賢君) お答えします。 利用者の皆さんにも十分御理解を得ておると確信をしております。
○直嶋正行君 時間がありませんので、まとめてちょっと申し上げたいと思いますが、私はこの高速道路料金の今回の改定について三つ問題点があると思います。 一つは、高速道路の利用者間に大変大きな不公平があるということです。二つ目は、今回の料金改定の算出積算根拠というのが、かなり資料は出されていますが、まだ依然はっきりしない点が多いということ。三つ目は、そもそもこの料金の設定基準とかその考え方が不明確な部分、あるいは時代の変化によってこれから変えていかなきゃいけない部分、これがあるんじゃないかというふうに思っています。 一つ目の不公平の問題でありますが、これは代表は特に大口利用者向けの料金別納割引制度でございます。これについてちょっと建設省、概要と昨年実績を教えていただきたいと思います。
○政府委員(藤川寛之君) お答えいたします。 この制度の仕組みでございますが、高速道路の一カ月間の利用額の合計が一万二千円を超える利用者に対しまして、その利用額の区分に応じて段階的に五%から三〇%の割引率を適用しているものでございます。この三〇%の割引率の適用をしている利用額につきましては、六百万円を超える部分にやっているということでございます。 具体的に平成五年度のこの別納割引でございますが、全体の料金収入が一兆四千六百七十四億円ございますが、そのうち別納の利用者からの料金収入は四千三十二億円でございます。
○直嶋正行君 割引額は。
○政府委員(藤川寛之君) 割引額につきましては、千四百五十億円でございます。
○直嶋正行君 今お話がありましたように、平成五年度の実績で見ると割引額のトータルは料金収入の約一割なんですよ。割引率も平均二六・五%たんですよ。さっき大臣は七・二%とおっしゃったですが、段階的にやって最終的には九・七%上がるんですよ。だから一割近い料金値上げを利用者にお願いするんですよ。 何でこの割引制度を丸々残しておかなきゃいけないんでしょう。私、これは本当におかしいと思いますよ。どうですか、大臣。
○国務大臣(野坂浩賢君) お答えいたします。 今、事務当局が説明したとおり、一兆四千億程度の収入があり、割引額が千四百五十億円あると。これについてはいろいろ議論があるところでございまして、審議会等もこの割引料金については若干の問題があるので十分討議をしてほしいということでございますので、この次の道路審議会にはかけるつもりでございますけれども、確かに割引率というのは二六・五あったと。今までは五%から三〇%、六百万円でございましたけれども、今度改定になりましたので七百万円にすると。 学割とか通勤定期等も考えてみますと若干の、毎日動く自動車についてもそれだけの料金がありますので、そういう荷主間の今までの定着をしておるこの実態というものについては改めて次の道路審議会にはかけますと。しかし、今のところは急速な値上がりで、特に中型車、大型車は大きく上がってまいりますので、激変緩和の意味で約二年間の猶予期間を設ける。こういう措置をそれぞれのところに配慮をして行いましたということを申し上げたいと思います。 以上です。
○直嶋正行君 今後検討されるということは前より少し前向きなのかもしれませんが、今、激変緩和とかいろいろおっしゃいましたが、私、何で今回これに手をつけられたかったのか、本当によくわからないんですよ。 今、千四百五十億という、仮に丸くして千四百億としましょう。これを例えばこのうちの半分ぐらい仮に手をつけたとします。そうすると、この間、道路公団が出された、いろいろ経費削減をしてこれだけの経費を削減して、料率を例えばもともと一三%のものを一〇・六にするとか、こういうデータがございます。このデータの削減の金額とその結果得られる割引の料金率の引き下げ幅、こういうものからちょっと私が推定計算しますと、半分ぐらいやれば恐らく今回は料金改定はほとんどなくなるんじゃないかと思うんですよ。どうなんでしょう、こういう検討というのはなされたんでしょうか。
○政府委員(藤川寛之君) 今回の料金改定におきまして、別納割引の割引率、それから割引内容の見直しということについても検討はいたしました。 しかし、先ほど建設大臣からもお話しさせていただきましたが、今回、車種間の料金比率の是正というのをやろうということになっておりまして、この是正によって中型車と大型車という特定の車種が著しい負担増になるということでございます。また、この中型車とか大型車、それから別納割引等の御利用になっておられる方というのは中小企業の方が大変多いということもございまして、そういう社会経済的な影響を勘案いたしまして今回の料金改定では割引率の見直しはやらなかった、ただ月額の割引対象区分の修正を行ったということでございます。
○直嶋正行君 私の質問にお答えになっていないんですよ。半分ぐらい削れば上げなくていいんじゃないでしょうか、こういう検討はされたんでしょうかとお聞きしているんですよ。 もっと申し上げれば、全部丸々なくせば、今、業界のいろいろ激変緩和だとおっしゃいましたが、例えば従来から懸案になっている車種間比率の是正もできるかもしれません、料金は上げずに。ですから、こういう検討はされたんですかとお聞きしているんですよ。 大臣、ちゃんと答えてくださいよ。
○政府委員(藤川寛之君) 今お話がございましたように、この別納割引を完全になくすれば、先ほどお話しいたしましたように、千四百億くらいの増収になるということでございますが、実質的にはこの別納割引の割引率等の見直しをやることが、先ほど申し上げましたように、中型車とか大型車という特定の車種に対する影響が大変大きい、これはいろいろ社会経済的にもやはり問題だということで今回はこの見直しを見送ったということでございます。
○直嶋正行君 私は業界に迷惑をかけると言ってないんですよ。要するにそれをやればもともとの値段を上げる必要ないんじゃないですかと、こう言っているんですよ。 それから今の話で、手元に論文がありますから、ちょっとこの一節を御紹介して大臣に評価していただきたいと思います。 流通にかかるコストを考え、トラック輸送に対して割安の料金を設定していることを理解はする。とはいっても程度の問題で、現在は大型トラックをはじめ、トラック運送を優遇しすぎだ。仮に、大型車の通行料が二倍に値上げされだとすると、東京−西宮間で片道一万五六〇〇円の値上げになる。これを積み荷一キロ当たりで割ればわずか一・五六円にしかならない。多小の余裕をみても二円、一〇キロで二〇円の運送料値上げた。東京から大阪へ、毎日一個ずつ一〇キロの荷物を送ったとしても、三〇日で六〇〇円の値上げにしかならないのだ。これは実は月刊社会党四月号、大臣の属されている社会党の機関誌にこれ載っているんですよ。よくこういうのは検討してほしいんですよ。いい意見だと思うんですよ。 私は何が言いたいかといいますと、高速道路料金というのはそもそもは受益者負担なんですよ。この高速道路を使うことによって便益を受ける人が払うものなんですよね。今、中小企業のお話が出ました。例えば仮に百歩譲ってそういう政策が必要だとすれば、これは本来、国の政策として別途政策経費を上げてやればいいんです。問題は、そういうものも突っ込みにして要するに料金に反映する。そうすると業界の方はいいですよ。一般大衆はどうなるんですか。それまで料金でかぶってしまうわけです。こういう仕組みはおかしいんじゃないですかというふうに申し上げているんですよ。どうですか、大臣。
○国務大臣(野坂浩賢君) お答えします。 先生のような見識のある考え方もあろうと思っております。ただ、公共事業である道路事業をやる場合、拡幅とか舗装とか、生活者重視ということが人にやさしい政治のあり方でありますから、まだまだ整備しなければならぬ国道、県道、地方道、主要地方道等がたくさんありますので、そこに重点的に国政の税金というものは使っていきたい。 一つは、高速自動車道路というのは、御案内のとおりに、先生は私が言う必要はたいほどよく御存じですけれども、歩行者はほとんどおらない、ほとんどというか全然いたい。一定のスピードで走ることもできる。したがって交通災害も交通公害も比較的少ない。ないと言ってもいいだろう。したがって一定の速度で走ってまいりますから燃費の節約にもたるだろう。あるいは荷物も傷まだい、自動車も傷まぬと。 だからできるだけ、三十年の償還というのが当初決められておりましたけれども、幅を広げて、道路というものについては償却の必要がないわけでありますから、四十年で借金は返していくという方式をとってそれを進めていく。そして、受益者というものの負担をできるだけ軽くするために、十七兆円もある借金というものについての利子は一定程度の保証をしたから、そしてそれを仕事として進めたい。 そして、目標がありました一万一千五百二十キロ、現在は四九%しができ上がっておりませんけれども、さらにこれを進めていくということになりますと、この料金を国税で全部賄うというのは容易ではない。まだまだ生活者重視という立場で、歩行者が歩いていくところ、そういう弱い人たちの立場に立って考えていくならば、高速自動車道路は料金制をとらざるを得ない。 もし、これを国税でやっておるということを積算してみよということで指示をしました際には、でき上がったものの五千五百キロの一〇%しかできておらぬだろうというのが事務当局の私に対する報告でございましたので、大体高速自動車料金というものはそういう姿で当分の間は進まざるを得まいと、こういうふうに考えております。
○直嶋正行君 ちょっと大臣、私は何も国税で、税金で全部つくれと、こう言っているんじゃないんですよ。今議論しているのは高速道路料金のあり方について議論している。それが不公平が著しければだめだと、こういうふうに申し上げているんですよ。 私は、今、大臣がおっしゃったように、まだまだ日本の高速道路というのは整備がおくれているんだと思うんですよ。大体欧米に比べて三十年おくれていると言われているんですよ。計画路線だってまだ半分しかできてないんですよ。しかも、今いみじくもおっしゃったように、これから地方の道路整備をやっていかなきゃいけないんですよ。まだ道半ばたんです。しかも、これからは効率の悪い道路なんですよ。それをやらなきゃいけないんですよ。それをやる上において、国民の理解を得る、あるいは利用者の理解を得ようとすれば、今までのようなやり方ではなくて、やはり公平な料金、公正な料金設定というものを従来以上にきちっとやっていかなければいけないんじゃないでしょうか。私はそれを一番申し上げたいんですよ。 ですから、きのうも議論ありましたように、道路公団を民営化したらどうだなんという話が出るのは、今、私が申し上げたようなことを含めて高速道路料金のあり方、今、大臣がおっしゃったような償還期間だとかあるいは国費の投入の問題も含めて、それに対して国民がやっぱりどうもおかしいんじゃないか、高過ぎるんじゃないかと、こういうふうに率直に思っているからこういう声が出てくると思うんですよ。私は、このままほっておくと、むしろ日本のこれからの高速道路整備についてマイナスになると思うんですよ。そういう心配をしていますからきょう申し上げているんです。 これは大臣、さっき審議会でなんておっしゃいましたけれども、来年の四月までまだ時間がありますし、ぜひ建設省の中で真剣に議論していただきたいんですよ。これからが本当に大事なんです。そのために国民の理解を得られたければだめなんです。 もう時間がありませんので、あと、今言われた国費の問題等、一部ちょっと簡単にお聞きをしたいと思います。 この今回の料金改定の中に、ちょっと私よくわからなかったのは、積算根拠の中に平成六年度の国費の増加分まで多分入っていると思うんですが、平成七年度も概算要求で国費二百十六億円でしたか昨年に対してプラスですね、一五%アップで入っています。私は、こういうふうに国費を一部導入して利子補給していけば本当はこの料金がもっと安くたるんじゃないか、このように思っていますし、それから本来もう少し国費を導入していくべきだと思っておりますが、この国費の導入について大臣の御見解をお伺いしたい。
○国務大臣(野坂浩賢君) お話しのとおり、昨年よりも二百十六億円程度保護をしております。それは借入金が非常にふえておりますし、したがってそれの値段をある程度抑えるための方向として、国がかかわりを持つ日本道路公団でありますから利子補給をいたしておるというのが現状でございまして、今後、お話がありましたように、先生の意見というものを十分に重く受けとめて審議会等で議論の対象にしていただきますようにお願いしたいと、こういうように思っております。
○直嶋正行君 あと二点、簡単に建設省にお聞きしたいと思います。 一つは、これは担当の方で結構ですが、今の車種区分の中に、一人でしか走れない二輪車と軽四輪が一緒にたっているんですが、これはやっぱり私は本来分けるべきだと思うんですけれども、この点とういうふうにお考えか。これは事務局の方、答えてください。
○政府委員(藤川寛之君) 今、お話がございましたように、軽四輪と二輪車というのは同じ料率にしているところでございます。 この料率の考え方につきましては、道路を占有する面積と、それから建設とか管理にかかる費用、その影響度合いがどうかということ、それから受益の度合いがどの程度あるかというようなこと、そういうことを総合的に勘案いたしまして、これらの数値が二輪車と軽自動車はほぼ同じだったというようなことで同一料率にしているわけでございますが、御指摘のように、やはり二輪車と軽四輪が同じではおかしいじゃないかという御意見も私どもお伺いしているわけでございます。 この問題につきましては、今後さらに私どもとしても検討してまいりたいというふうに考えております。
○直嶋正行君 建設大臣、あと一点お伺いしたいんです。 さっきお話の中に出ましたが、今回から償還期間を従来の三十年から四十年にと。これは何で四十年なのかよくわからないんですよ。というより、高速道路が将来ただになると思っている国民は今ほとんどいないんじゃないですか。これは多くの方がそういうふうにおっしゃっていますよ。私は、ですからこういう償還期間じゃなくてもう永久有料だと、将来とも有料なんだと、こういうふうに割り切って計画もあるいは料金も設定した方がよりリーズナブルなものができるんじゃないかと思うんですけれども、この点についてはどうでしょうか。
○国務大臣(野坂浩賢君) 住宅とかその他の建物とは違いますので傷みの度合いが少ないという御議論であろうと思いますが、従来、これを一番初めに実施した昭和四十七年ですか、そのときに三十年償還でこの道路についてはかえるということで、三十年というものが基本になって今日まで続いてまいりました。 私は、あなたのような意見を半分取り入れて、半分といいますか取り入れて、三十年の償還は四十年償還に延ばしても別段支障がないではないか、修繕費その他維持費というものをかけても十分だと。したがって、下げていくためには三十年を四十年にするというような判断に立ちまして、一応四十年ということでございましたが、例えば首都圏の方や大都会の方はやっぱり料金の独立採算制ということが考えられるんではないかということでありますけれども、そういうことをのみ込みますと地方の方は非常につくりにくいという点もございますので、あえて四十年という格好で、申請の一〇・六というものをスタートラインは七・二にしたい、そのための四十年ということだというふうに、極めて基準としては不明確ではないかというおしかりがあるかもしれませんが、前進をする道として段階的にそういう措置をとったということでございます。
○直嶋正行君 ちょっと大臣、今の四十年にしたのは、本来、計算したら四四%上げなきゃいかぬと、こういう数字が出たのを下げるために四十年にされたんですよ、今回。私は何も取り入れていただいて十年延ばしてもらおうなどと思っていないんです。むしろ、今申し上げたのはもっと、そういう期間を設定するんじゃなくて、将来とも有料だということで、制度そのものを見直したらどうですかと、こういうふうに申し上げたんです。 もう私、時間ございませんので、最後に、今のやりとりを聞いて感想をちょっと総理からお伺いして、あとは野末議員の関連質問に移りたいと思います。
○国務大臣(村山富市君) 公共料金ですし、特に高速道路については、先ほど建設大臣からもお話がありましたように、これはやっぱり均衡ある国土の発展を期すという意味からしますと、財政力の弱い、おくれた地域に対しても高速道路をつくってくれという声は大変高いわけですね。 したがって、そういうことから考えた場合に、いろんな意見があると思いますけれども、そういういろんな意見を総合してみて、そして全体としてなるほどと納得できるようなやっぱり仕組みというものを考えていくことが大事なことだというふうに思いますから、今それぞれ大臣から答弁もあったような方向に、意見も含めて私ども十分検討させていただきたいというように思います。
○直嶋正行君 ぜひお願いします。
○委員長(坂野重信君) 関連質疑を許します。野末陳平君。
○野末陳平君 私は、行革のことを聞きたいんですけれども、前回の積み残しが残っておりますから、関連の時間の中でまずそれを聞いて、残りは主質疑に時間を使うということにします。 総理、先日は失礼しました。通告がないということでお答えいただけなかったんですが、改めて通告させていただきましたので、奥様がお持ちの平和というパチンコ会社の二千株はどこの証券会社のどこの支店でお買いになったかを答えていただいて、そしてそれを裏づける買い付けの証明書のようなものを見せていただけるかどうか、それを改めてお聞きします。
○国務大臣(村山富市君) お尋ねは、平和株の方につきましては先般御質問がありました。それに対して私がお答えいたしますと言った部分だけ答えさせてもらいたいと思いますけれども、私は、平和という会社はどういう会社なのか一切承知しておりませんし、一切関係ありません。これは妻も同じであります。公開された株を証券会社の職員から勧められて妻は購入したものであるというふうに聞いておりますから、これはあくまでも正当な商行為であるというふうに私は考えています。
○野末陳平君 まさにそのとおりですから、それならばその証券会社をと、こういうことです。(発言する者多し)それでしたら、これはちょっと保留ということにしておきますから。 それから田中長官についても、前回、私の不十分たる質疑通告によって答えていただけなかったので、まずあなたが資産公開で公表されておるハルシヨンという会社ですけれども、これは機能していないファミリー企業のようであるが、東新開発という会社の株式を所有しているというところまでは前回お答えいただいたわけたんですが、その後の調査でわかったことの中で、この会社はだれがつくったのか、どういう目的だったのか、資本金など、それについてお答えいただけますか。
○国務大臣(田中眞紀子君) お答えいたします。 先ほど佐藤静雄先生にお答えを申し上げた続きになるかと思いますけれども、基本的には、担当いたしました税理士や弁護士さんに相談をいたしました結果、すべては適切に処理をされているということでございますので、具体的なことは申し上げられません。ただし、ハルシヨンにつきましては、十四日の日に私はあの段階でわかっていることを申し上げました。 先生の質問状の中で、今回いただきました中で、設立目的は何かというのがございますが、これは定款にあるとおりでございます。それから資本金の内容、これも公開されているとおりでございますから、これは自己資金でございます。 それから東新開発につきましては、私、先生からいろいろと何だ何だと、時期だの目的だのいろいろ週刊誌的なことをお聞きになったものですから、先生の議事録を取り寄せさせていただきました、速記録を。つぶさによく見せていただきましたけれども、先生はこれをお尋ねになりながら、東新開発について全部御自分で中身を答えていらっしゃるんですね。ですのに、なぜまた再び私に同じことをお聞きになっているのか、私はちょっとそれを凝ります。 私は、国会議員の皆様は目的がおありになって諸先輩いらっしゃると思いますけれども、参議院に四期目を迎えていらっしゃる大先輩がどういう意図を持ってこういうふうな質問をなさるのかということを私、まず疑問に思いました。幾らで、どこから、詳細はどうなっているか、適正に処理されたかどうかと、いろいろおっしゃっていますけれども、これは適正に処理されております。 そして、私が先日お答えを申し上げました中で、先生はマスコミ等世間に流布されているものをもとに発言なさっているのかもしれませんがと申し上げましたらば、先生はそうではないと、御自分で事実を調べているとおっしゃいましたですね。それは事実でございますか。(「どっちが質問しているんだ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)いや、これは別に私が、これは事実ではありません。例えばハルシヨンが(発言する者あり)いや、事実ですから、大事な面ですからよくお聞きいただきたいと思います。落ちついてください。ハルシヨンが所有している東新開発の株は、先生はこの間五〇%とおっしゃいましたけれども、これは四〇%でございます。 そのほかはもう適切に処理されておりますので申し上げられませんが、ここで私は、先生の議事録の中で、疑惑、疑惑、疑惑と、何だか疑惑という言葉が十三回も出てきておりまして、何の疑惑かと思いましたら最後のころでおっしゃったのが、疑惑もあなたは一緒に相続していることとなるということをおっしゃったわけでございまして、これは何を意味していらっしゃるのかと思います。 要するに、この中でもお尋ねにたっていらっしゃいますけれども、十四日に、信濃川の河川敷、今は千秋が原と申しますが、昭和四十年代後半のことを言っていらっしゃるのだと思います。それはその実情を御存じでいらっしゃるのでしょうか。事実に基づくとおっしゃるのであれば、それは私が伺いたいと思います。多分御存じないと思いますので、今から正式に。 これは大変重要なことでございますので、ちょっとお時間をいただきたいと思いますけれども、きちっとこれは記録にとどめていただきまして、これ以上ちまたの週刊誌で、あるいは雑誌、月刊誌等で揣摩臆測に基づいて、ただ売らんかなの営利目的、あるいは私を個人的に、政治的にかどうかわかりませんがダメージを与えようとか人格攻撃をするような、そういうふうなことを戒めるためにも事実をはっきり申し上げます。 これは裁判がございまして、百五十人ほどの関係者の方が農地を売られまして、そのうちの二名の方が、政治的な背景もあったようでございますが、訴訟を起こされたのです。それは昭和五十年でございまして、その第一審の判決が昭和六十三年六月十五日、二審の判決は、平成五年三月二十六日に判決がございました。いずれも企業側が完全勝訴をしております。 その理由の一つは、不動産鑑定士が認定をいたしました当時の坪五百円でしたかの値段は正当な価格であった、正当な売買であったということが認定されました。 二つ目。それは企業と個人は別であるということが認定されて今日まで来ております。ですから、何を根拠にしてマスコミや先生も疑惑と思ったのかわかりませんけれども、法律的にこういう形で進んでいることをはっきりと申し上げたいと思います。 それから三つ目。これも先生は事実とおっしゃいますが、事実この現場へいらしたことがおありでしょうか。現在この土地は、公立大学、美術館、産業交流会館、県立健康管理センター、それから病院等が、冒頭申し上げました大学とか美術館とか産業交流会館、これはバイブと申しますけれども、それらはもう建設されて皆様に使っていただいておりますし、現実に。そして、今後は日赤病院やら県立の健康センター等が建設予定でございまして、これらは極めて公益性が高くて住民の皆様に大変喜ばれているということが実情でございますので、こういう実情を御存じであれば、週刊誌等に基づいたような、そうでないとおっしゃいますけれども、少なくとも疑惑ということは二度と言っていただきたくないというふうに思っております。 それからハルシヨンについては、先ほど申し上げましたように、持ち株も間違っておりますし、そのほかは適正に専門家によって処理をされておりますので。 以上でございます。
○野末陳平君 信濃川の河川敷について疑惑ということを追及はしておりませんが、私が前回角栄疑惑の中で信濃川河川敷と言ったのと現在がさま変わりにたっていることは知っておりますよ。しかし、それについて疑惑だと言って追及してたいんで、私はハルシヨンという会社についてお聞きしているわけですから、まず前回は私が一方的にしゃべりましたのはそちらがお答えがないからで、ですから反論もどうぞ間違っているところは訂正してくださいと、こう申し上げた。 そこで、東新株五〇%というのはあなたのおっしゃる四〇%が正しいようで、私は間違いですから訂正させていただきますから。 さて、それから改めて質問をします。 あなたは、たしか記者会見だったかと思いますが、ハルシヨンという会社は父のつくった会社で、それを相続したんだということをおっしゃったように聞いておりますが、それはどうでしょうか。
○国務大臣(田中眞紀子君) そうは申し上げておりません。
○野末陳平君 そういう記事がありましたので、それについては確認しただけです。 さて、適切に処理されているというお言葉なんですが、その適切に処理されているということを私が実はもう少し詳しく聞きたい。なぜならば、資産を公開した以上、その資産の中に不明な部分があった場合にはそれを補足説明する義務がある、そういうふうに思っているからなんですね。 そこで改めて聞きますけれども、四〇%の東新開発という会社の株をあなたの一千万円のハルシヨンという会社が取得したという、この取得の形態は何ですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) これは企業マターでございますので、お答え申し上げません。
○野末陳平君 企業マターといっても、あなたはまさに御自分の会社のハルシヨンという会社を資産公開できちっと天下に公表なさっているわけですね。そうなると、その会社の内容に関することですから補足説明をしていただいてもいいと。企業マターということだけで、一般人と同じようなお答えで、それで終わるというわけにはいきませんですが、それはどうですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 民間人と違うとおっしゃいましたので、資産公開もいたしておりますし、税理士さんを信頼をいたしております。
○野末陳平君 ですから、公開の中身がわからない点を補足説明していただきたいというのが私の質問の意図なんです。 それから税理士さんを信用しているというのは、これは通用したいと思うんです。あなたがどういうふうに処理しているかということを、御自分の会社のことですから、これはわからないというわけにはいかないんで、税理士に任せてある、信用している、適切に処理していると聞いている、だから何の質問をされる覚えもたいというのはおかしいと思うんですよ。
○国務大臣(田中眞紀子君) 資産公開の要件は十二分に満たしていると思いますので、お答えをする義務はないと思います。
○野末陳平君 じゃ、角度を変えますけれども、そうなりますと、あなたのお父さん名義の、つまりこれは個人名義でございますから、個人名義の東新開発という株式を、これは非上場ですが、あなたのハルシヨンという会社になぜ移したんでしょう、四〇%を。これが通常の経済行為としてそういう名義変更があったのか、それともどうか。少なくも移したという事実はお認めになったんですから、その辺をもう一度聞いておきます。
○国務大臣(田中眞紀子君) 専門家にお任せしてございますので、私からはお答えを申し上げられません。
○委員長(坂野重信君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(坂野重信君) 速記を起こして。
○野末陳平君 お答えがないようで、角度を変えてお聞きせざるを得ないんですが、本当は私も行革とかやりたいんですけれども、ちょっとこういうふうになりましたのでここでやめるわけにいかないのであえて聞きますが、あなたはハルシヨンという会社の目的は書いてあるとおりだとおっしゃいましたから、今これを謄本を見ますと、不動産の売買、賃貸、管理及びその仲介、あるいはゴルフ会員権の売買及びその仲介並びにあっせんとか五項目ありますが、そういう仕事は専門家の宅建業の取引主任なり、そういう人がいなければ成り立たない会社ですから、そういう人を雇っていない、ただのぺーパーカンパニーであるんでしたらば、そういう会社を持つことはあらぬ誤解を招くのではないかな、政治家として。ということだけ聞きます。
○国務大臣(田中眞紀子君) 事業展開につきましては準備中であるというふうに聞いております。 なお、再三のお尋ねでございますが、野未先生、法律とか政治倫理で要求されていることはすべて私も公開してお答えをたしております。 それから先生がたびたび先週おっしゃった、この疑惑疑惑とおっしゃいますが、私も父と別人格でございますし、自分で志を持って立候補をしております。そして私は、自分が常に有権者からどのようなことを負託されて今日あるか、この一年間があるかということを常に考えておりますし、有権者の皆様は今こうしている間もいろいろな物価の問題とか景気の問題でありますとか、それから食糧の安定供給とか世界貢献とか福祉とか考えておりますので、そういう面で御指導をいただきたいと思います。
○野末陳平君 これは予算委員会の場ですから、余り関係のないことをいろいろとやっていただきたくない。それと、父と私は別人格とおっしゃいますけれども、父親譲りの財産を相続する以上、別人格であるという逃げ口上は通用しないんですね。ですからその辺は、やはり親子一体であるという。あなたの反論は虚妄の反論ということになる。それでもう、ですからいいです。もうこれ以上水かけ論をすると大事な時間がたくなりますから、国税庁に聞きます。国税庁、来ていますか。 一般論として聞きますよ、まず。 こういう土地や株など含み資産の多い非上場の株式がありますね。それをまた別の非上場のファミリー企業に持たせる、こういうやり方は世間一般では好ましからざる節税だということで、国税当局もそういう認識で今までにもこういう手法に対しては節税封じとか抜け穴ふさぎとかいろんな手を打ってきたと思うんです。簡潔に言ってください、それを。
○政府委員(松川隆志君) 個別の事柄については申し上げるわけにいかないわけでございますが、一般的な制度ということについて解説いたしますと、個人所有の土地や株式を会社に出資いたしまして類似業種比準方式を適用することによりましてその株式の評価を下げるなどの行き過ぎた節税策が特にバブル期に見受けられましたので、これらはおよそいわゆる制度の趣旨でございます事業承継の視点から配慮する必要がないということから、これに対する是正措置を講じたところでございます。 すなわち、土地や株式の保有割合が高い会社につきましては類似業種比準方式を認めず、純資産価額方式で評価することとしております。
○野末陳平君 まさに昔は非常にこれが目立ったんですが、最近は昔ほどは節税はできなくたった。 そこで国税庁、このケースですが、少なくも今までのお答えでわかったことは、適切な処理はされているんだが、ファミリー会社の会社を非上場間で株を持ち合っているという、これを政治家が適切な処理のもとに企業マターであるといってやるということは好ましくないという印象を与えると思うんですが、当局はどう考えますか。
○政府委員(松川隆志君) 国税庁といたしましては、その評価の適正化という観点から通達を発しまして、全国統一的にその評価のルールを決めているわけでございまして、そうした観点からの判断しかいたしておりません。
○野末陳平君 ですから、まさにその点で御本人に、この東新開発という株式をハルシヨンが取得したのがどういう形態が、売買なら売買であると、その場合はどのくらいだということがわかれば国税当局の言う適正な評価というところの判断がつくんですよ。 ですから国税庁、もう一回聞きますけれども、要するにこのハルシヨンいう会社が東新開発の株を取得した、このときの譲渡価格が時価あるいは、すなわちその適正な評価である場合にはいいんですが、なかった場合には、当然これはかなり意図的な節税になるというふうに見られてもしょうがないと、こういうふうに思うんですね。どうですか。そういうふうに思ったらば、いずれこういう件は税務調査の対象になり得ると思うんですがね。
○政府委員(松川隆志君) 個別にわたる事柄につきまして答弁することは差し控えさせていただきたいと思います。 なお、税務調査につきまして一般論で申し上げますと、税務調査を行うかどうかにつきましては、個々のケースに応じて具体的に判断しているところでございます。
○野末陳平君 これはまさに個人的な問題ですから、このままにしておいて次回に譲りますからね。 そこで行革、やっとですけれども、一分ですからもうだっと行きますが、臨調あるいは行革審の答申以来ずっと懸案でありました例の国土三庁の合同案ですけれども、これが何となくトーンダウンしちゃいまして、実はこれはもう行革の目玉だと思っていたんですよ。これをやらなければもう消費税もだめというぐらいの気持ちで私はいたんですが、どうも論議がこの予算委員会、低調である。 そこで、国土庁と北海道開発庁、沖縄開発庁のこの合同問題について、今、担当大臣はどうお答えなのか、それぞれの担当大臣と、そして総務庁長官、あるいは総理がこの問題については今どういうスタンスをお持ちか、それを聞いて終わりにします。
○国務大臣(小澤潔君) お答え申し上げます。 国土庁等三庁の統合問題につきましては、これまでの閣議決定においても、その検討に当たり、それぞれの機関の担当する行政及び地域の特殊性に十分配慮するものとされているところであります。 国土庁といたしましては、総務庁初め関係省庁と密接な連携を保ちつつ検討してまいりたいと考えております。
○国務大臣(小里貞利君) お答え申し上げます。 時間の関係もございますから、先生の質問に答えとして要点を整理して申し上げたいと思うのでございますが、ただいま先生もお話しございましたように、数次にわたる臨調、この問題につきましても一つのいろいろな整理をいたしまして答申なりあるいは意見をお聞かせいただいております。読み返してみますと、平成元年、その前後が一つの強い指摘があったかな、こういう感じを持ちます。 先生も御承知のとおり、その当時の答申を受けました内閣は、すなわち平成元年一月二十四日と同じ年の十二月二十九日でございますが、約十二カ月間のうちに二回閣議をいたしております。 その閣議の要点は、簡単に申し上げますと、すなわち関係機関はその担当する区域あるいは行政について十分勘案をしながら、しかもその地域、行政の中身の特殊性を勘案しながら中期的課題として検討しなさい、こういうことを要約いたしておるわけです。したがいまして、これを受けましたときの内閣が閣議で決定をいたしておりますことも御承知のとおりでございます。 この基調にのっとりまして、歴代内閣、そしてまた内外議論を進めてまいっておられるところでございまして、しかも近いところ、昨日の本委員会におきましても関係大臣がこの延長線上でその基調の抱負をお述べになった、私はさように考えておりまして、当然この問題は私どもにとりまして当該官庁として深い関心と検討を寄せさせていただいておるところでございます。 以上です。
○国務大臣(山口鶴男君) 昨日、片山先生の御質疑にお答えいたしました、中期的な課題として慎重に検討すると。もちろん今、三省庁が関係行政機関もつくりまして、そうして三省庁の連携については現在進めているところでございますが、我々としては、統合の問題につきましては中期的な課題として検討するということでございます。
○国務大臣(村山富市君) 今、それぞれ各担当大臣から答弁がございましたけれども、行革審にもありますし、その行革審を受けての閣議決定もございますし、そうした経緯も踏まえた上でこの内閣は行政改革はやりますと言って取り組んでいるわけですから、その経過を踏まえた上で中期的な課題として慎重に検討させていただきたいというふうに思います。
○野末陳平君 終わります。
○委員長(坂野重信君) 以上で直嶋正行君の質疑は終了いたしました。(拍手) —————————————
○委員長(坂野重信君) 次に、武田邦太郎君の質疑を行います。武田邦太郎君。
○武田邦太郎君 新緑風会の武田でございます。 〔資料配付〕
○武田邦太郎君 お手元に配っていただきましたペーパーは、昭和三十五年に始まった国民経済の高度成長下に農業がどういう変貌を遂げたかということを一覧にしております。 数字は細かいですから、下の方をごらんいただきますと、この間に耕地面積は九十万へク減っております。その減りかげんは今なお年間三万へク、四万へクと耕地が減り続けております。農家戸数は二百三十六万戸減っております。基幹的農業従事者は四百八万戸減りました。後継者は百三十二万人減りまして、昨年の一月一日現在で農家九十七軒に一人しかおりません。しかも、注目すべきことは、米どころほど後継者がおらない。横綱の新潟県では三百三十一・七戸に一人しかおりません。あきたこまちの秋田では三百三・二戸に一人しかおりません。ササニシキの祖国である宮城県では二百十五・六戸に一人しか後継者がおりません。 こういう状況の中で、このペーパーには書き落としましたが、昭和三十五年ごろには穀物の自給率は八〇%前後ございましたが、平成四年の食料需給表によりますと穀物の自給率は二七%、八〇%から二七%に落ちております。これは需要がふえたせいと生産が減ったせいと両方でありますが、いずれにしましても穀物の自給率は二七%。そのほかに肉類を百八十万トン輸入しておりますから、これを穀物計算して勘案しますと二二%にすぎたい。これは戦乱に追いまくられている途上国を除けば、かくのごとき国家は世界じゅうにありません。 これが高度成長下における農業の変貌の実態でありまして、後でゆっくりと上の表をごらんいただきますが、こういう趨勢は今なおとどまろうとしておりません。いよいよ加速するという側面さえございます。 そこで、今、政府では重大な決意のもとに大綱を近く決定するようでありますけれども、耕地面積は一体どれぐらいに行けば減りどまるのか、これは食糧自給においては決定的重要問題であります。百軒に一人しか後継者がいないのでありますけれども、農家というものはどれぐらいになれば安定するのか、したがって後継者は毎年どれぐらい入ることが望ましいのか、こういうことがこのたびの大綱において決定される必要があると思います。 そういうことで、仮に自由化されても農家が安定的に存在し得る、こういう状況を確定しますには六年間ではもちろんできません。したがって私は、こういう農業農村の崩壊状況を、政治家の皆さんは一生懸命やるんですが、肝心の農家がどれだけこういう崩壊状況を知っているか、市町村単位にこの数字をつくるべきだと思います。幸い来年は農業センサスの年でありますから、市町村単位につくろうと思えばこの表はつくれるわけです。平均して市町村単位後継者は十五名しかおりません。こういう状況を農家は知っておるのか、農協は知っておるのか。まず知らないと思います。 そういう農業の全面的崩壊状況を政治家が必死になって安定的なところへ持っていこうとするのに、農家は燃えない、農業団体は足を引っ張る。これが現実であれば、これは日本の農業の前途は暗たんたるものと言わなきゃなりませんが、私は政治家の先生方の努力は必ず実る、こう確信しております。 その諸条件は、もう規模拡大しようと幾らでもできるわけですよ。カリフォルニア第一級の稲作農場である国府田さんのところでも一人当たり四十町歩しかやっていないんです。単収は五百キロです。大したことはありません。こういう状況において、農業は弱いから保護した結果がこうなったのであって、保護すれば農家が何とかやっていけるという考え方をこの関頭において完全に払拭しなければならない。強くすることはできる、規模拡大もできる、基盤整備への技術も高い。 農家自身が自分の力を自覚していないけれども、アメリカの農家よりも腕はあります。単収は上げるし、稲に対する接触は生き物を育てる姿勢があります。アメリカやオーストラリアの農家は生き物を育てる姿勢はありません。しかも、工業あるいは三次産業が発展して、農機具であろうと農業であろうと肥料であろうと最高級の物を供給する力がある。しかも、国内に一億二千四百万のレベルの高い食べ物のマーケットがありまして、しかも雨はよく降る、太陽はよく照る。これ以上の何を求めますか。 時間が来ました。非常に残念です。またチャンスをいただきましょう。 そこで、農水大臣も御苦労さんですが、そういうことを踏まえてやってください。 それから文部大臣は、大学出、農業高校出が農業に入らない、それに十分の責任を感じてもらわなければならない。農林省と文部省が力を合わせてくれることが大事です。こういうときには研究、教育が大事なんです。研究、教育、ぜひお願いします。 終わります。
○委員長(坂野重信君) 以上で武田邦太郎君の質疑は終了しました。(拍手) —————————————
○委員長(坂野重信君) 次に、白浜一良君の質疑をおこないます。白浜一良君。
○白浜一良君 質問に入る前に、外務大臣、一問だけお伺いしたいんですが、米朝高官協議が暫定合意をしたと。先ほども質問が出まして、詳細は承知していないと、こういう答弁でございましたですね。
○国務大臣(河野洋平君) はい。
○白浜一良君 そうでしたね。ただし、暫定合意とはいえ、これは非常に画期的なことでございますし、我が国の外交にも随分影響もあるわけでございまして、アメリカと連携もとらなきゃならないし、これを受けて今後の対応をどういうふうにされていくか、これだげまずお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 先ほども申し上げましたように、暫定合意ができたという連絡はいただきました。そして、ちょっと繰り返しになって恐縮ですが、本国に了承を求めるというのが今の状況でございます。そこで、両国本国が了承すれば改めてそこで合意ができるということになるだろうと思います。 大枠において、かねてからアメリカを中心に米日韓といいますか、三国は緊密な連絡をとりつつございました。我々も韓国もアメリカに対して、アメリカから報告を受け、我々は我々の主張を述べてきたわけでございまして、大枠において我々が主張してきたあるいは協議を行ってきた方向で合意をされたものと、こう考えておりますが、詳細がまだわかりませんので、これ以上のところは何とも申し上げられません。
○白浜一良君 連携はとられないんですか。
○国務大臣(河野洋平君) もちろん、これからアメリカから報告が我が方へ来ると思いますのでそれを待って、その報告を受けてこれから次のステップ、次の仕事をどういう形で進めていくかあるいはその内容についての分析検討に入るということにたろうかと思います。 〔委員長退席、理事伊江朝雄君着席〕
○白浜一良君 総理、私、公明党の白浜と申します。面識がございませんので、よろしく。 私、きょうはまず最初に議論をしたいのは、この間衆議院の予算で論議されていたわけでございますが、従前は社会党として自衛隊は違憲である、こういうお立場でございまして、憲法違反だということですから憲法のどこに違反しているんだということで、この条文に違反していると言ってもらいたいと、こういうやりとりがございまして、総理は前文だと、こういうお話が答弁されておりました。 そこで、法制局長官、伺いたいんですが、憲法違反という場合、前文というのはそれは理念とか精神があるでしょう。しかし、具体的にこの条文に違反しているんだということが、これが一般的じゃないですか、こういう認識の仕方が。
○政府委員(大出峻郎君) ただいまの御質問は、憲法の前文でございますが、これの規範的な効力というものはどういうものであるか、こういう御趣旨の質問と承りましたが、一般論として申し上げますというと、憲法前文は、その憲法制定の由来とか目的とか制定者の決意などを宣言するために個々の条文の前に置かれるものでありまして、そこでは憲法の基本原理だとが述べられるのが通常であると思います。 日本国憲法の前文の性質につきましては、学説としてはいろいろな考え方がございますが、法規範としては一般的に言えば個々の条文が重要な意味を持つものでありまして、他方、日本国憲法前文はそれぞれの条文を解釈する場合の解釈上の指針としての意味を持っているとするのが、これが学説における通説的な考え方であろうかと思います。 政府といたしましても、従来からそのような理解をしてきておるところであります。
○白浜一良君 総理、聞いていただけましたですか。 だから前文というのは、それはその条文を裏づけるものだと。だけれども、やっぱり具体的にその条文、この条文に違反しているというのがこれが一般的なんですよ。だからそういう面でいえば前文のいわゆる平和主義でしょう、前文の言わんとする。 条文で言うたらどこなんですか。これ明確じゃないですか。どこに違反していたというふうに認識されますか。
○国務大臣(村山富市君) 今、法制局長官からもお話がありましたように、この憲法の前文というのはそれぞれの条文を解釈する場合の解釈上の指針となっておる、憲法の基本的な原理が述べられたものだと、こういう説明がございました。 私もそのとおりだと思うんですが、この憲法の前文に書かれておる理念というものはしっかり踏まえた上で社会党は護憲政党として今まで頑張ってきたわけです。 なぜそれでは変わったのかという理由です。
○白浜一良君 それはまだ聞いていません。
○国務大臣(村山富市君) ああそうですか。 そういうことであります。
○白浜一良君 わかりますよ、前文のそういう原理というのはわかりますのでも違憲と言うんですから、具体的に自衛隊の存在という面で言えば九条なんでしょう、九条の条文に違反しているということなんでしょう。そこをはっきり言ってくださいよ。
○国務大臣(村山富市君) 私は、衆議院の予算委員会でも述べてまいりましたけれども、社会党がこれまで取り組んでまいりました護憲活動、自衛隊は違憲であるというふうに申し上げたのは、憲法の全体を貫いておる、とりわけ前段で示されておる理念を踏まえて主張してきたことでございます。
○白浜一良君 それがあいまいなんですよ。 九月三日に臨時党大会が行われましたね、社会党の。そのときに県本部からいろいろ意見が出ている。私も拝見させていただきました。いろんな意見がございましょう。しかし、非常に原理的に、九条のいわゆる非武装、そういういわゆる個別自衛権ですら戦力は持ってはいけないんだという、そういう意見書も出ていますし、いや個別的自衛権はあるんだけれども、要するにそういう範囲の中に今は自衛隊の戦力はないんだ、もっと大きくなっているんだと。大体そうですよ、意見は。これが一般的な社会党としての御意見じゃないんですか、その二つの意見がございますが。
○国務大臣(村山富市君) 憲法解釈については、あなたも御存じのように、学者の中にもいろいろ意見がありますよね。それだけに、党の党員について個々にいろんな意見があることはそれは当たり前のことだと思うんですよ。だけれども、私は党の委員長として、こういう理解と解釈のもとに今まで自衛隊は違憲だということを申し上げてまいりましたと、こう申し上げているんです。
○白浜一良君 いや、だから憲法のどの部分をどういうふうに認識を変えられたのかということを私は伺いたいんですよ。今まで違憲であって、それが合憲になったと。憲法のどの部分をどのように認識を変えられたのかということを聞きたいんですよ。
○国務大臣(村山富市君) 先ほどあなたは法制局長官に憲法前文の解釈について質問がありましたね。それに対して長官が答えられたわけですよ。そういう憲法前文に書かれておる日本国平和憲法全体を貫いておるその理念に立って、日本社会党は護憲政党として自衛隊は違憲であるということを申し上げてきたんです。 しかし、その前文を踏まえた上で、国際情勢等々展望した中で、冷戦構造も崩壊してもう軍拡競争というのはたくたったと、これ以上自衛隊が太ってそして大きくなっていくことはないだろうというようなこともございましたし、同時に国内的にももうイデオロギーの対立もなくなって、お互いにこうして政策の議論を競い合って、国民のために何が一番いいのかという政策の選択をするような状況になってきた。同時に、もう今、国民の中にもこの程度のバランスのとれた自衛隊はあってもいいんではないかという世論の帰趨もある。そういう全体の判断をした上で政策的に自衛隊は合憲であるというふうに変えたんですと、私はこう申し上げているんです。
○白浜一良君 おっしゃっていることは、要するに単なる政策変更じゃないんですよ。憲法に違反しているか合憲かという最も大事な問題だから私、お伺いしているわけですよ。 だから、今いろいろ御説明されていますけれども、冷戦構造が終わったと、状況変化は説明されています。それは私もわかります。国民のコンセンサスも大体できてきた。わかります。だから憲法に対する違憲か合憲かという認識はどのように変わったかという、そこの論議を聞きたいんですよ。
○国務大臣(村山富市君) いや、あなたはあなたの立論に立って私を攻めていますけれども、それは無理があるんですよ、無理が。 私は、先ほどから言っていますように、憲法の前文に書かれておる平和憲法全体を貫いておる理念をしっかり踏まえた上で政策的に憲法に違反をするという自衛隊政策をとってきたんですと。だけれども、先ほど来申し上げておりますような情勢の変化もあるし、いろんな条件も違ってきたわけですから、その条件の違った中で政策的に変更することがあり得るのは当然のことじゃないですか。私はそう申し上げておるわけです。
○白浜一良君 いや、それは違うと思いますね。 要するに憲法解釈をこう変えたんだというふうに、それは前文はわかりますが、法制局長官がおっしゃったように、前文と条文は一体なんですから。前文というのは条文を裏づける原理なんですから。だから、憲法違反と言う以上はこの条文に違反しているということは当たり前じゃないですか。そういうものに対する認識変化というものが説明されないと、状況が変わったから要するにそれを合憲と判断したんだ、そういうことであれば、状況がまた変わったらまたその解釈が変わるんですか。
○国務大臣(村山富市君) これはこれまで随分長い間社会党は、今、私が前段で申し上げましたような立場に立って護憲・平和政党として自衛隊は違憲だという立場をとって運動をしてきたんですよ。これはもうずっと一貫して運動してきたわけです。しかし、国際情勢が変わる状況の中でこれでいいのかという立場から、党内ではずっと前からいろんな議論をしてきているんですよ、議論を。 その議論の経過も踏まえて、これだけ情勢も変わったんだから自衛隊に対する政策を変えたんですよ。自衛隊は憲法に反するという社会党の政策、その政策を、こういうことになったんだからもう自衛隊は合憲と認めようといって政策を変えたんですよ。私はそう言っているわけです。
○白浜一良君 いや、だから私の聞いているのはそういうことじゃなくて、情勢によって政策として変えたと言うんだったら、状況がまた変わったら変わるんですかというふうに聞いているんです。
○国務大臣(村山富市君) 私は、そんなに政策がごろごろ変わるべきものではないと思います。やっぱり戦後もう五十年近く社会党はやってきて、この歴史の中から変えたわけですから。ですからそう簡単に、あなたがおっしゃるように右から左にいつも変わるような性格のものではない、私はそう思っています。 〔理事伊江朝雄君退席、委員長着席〕
○白浜一良君 いやいや、それはそうでしょう。それはそれだけ大きな立場でおっしゃっているんだから。だけれども、それは論理的にはそうなるんですよ。それはこれだけ大きく変えたんだから、そう簡単に変えられない、ころころ変えられない、それは当たり前ですが、論理的に私は話をしているんですよ。 もう一つ言いますよ。この間の衆議院のやりとりの中であなたはこうもおっしゃっているんですよ。国際情勢の変化、国内の変化、連立政権を組むという状況の中で、社会党が自衛隊の憲法解釈を変えたと言っている。社会党が自衛隊の憲法解釈を変えたと言っている。ここは解釈とおっしゃっているんですよ。これはどう変わったんですか。ちょっと説明してください、解釈は。
○国務大臣(村山富市君) それはちょっとその言葉の中で誤解があるかもしれませんけれども、ずっと後から一貫して読んでいただければわかると思うんです。私は、そういう憲法の理念に立って社会党が自衛隊に対する政策の方針を変えたんですと、こういうことを一貫して申し上げていますから、そこだけ取り上げて言われると誤解されますから、全体を流れて私が説明していることをそのまま御理解をいただきたいと私は思います。
○白浜一良君 それはだめですね。それは総理が答弁でおっしゃっている文言の説明を私は求めているんですよ。自衛隊の解釈を変えたと、そういうふうにあなたは答弁されているんですよ。(「言葉じりとらえたらあかんで」と呼ぶ者あり)ちょっと黙ってて。ここの説明してくださいよ。
○国務大臣(村山富市君) ですから、憲法の前文を踏まえて、憲法全体を流れておる理念の立場に立って、社会党は護憲政党として今まで自衛隊は違憲だから拡大しちゃいかぬと、戦争しちゃいかぬと、自衛隊が武器を持って海外へ出ることはいかぬと、こう言ってずっと一貫して反対してきたわけですよ。 しかし、もうそういう心配が解消されてきたという状況の変化の中で、社会党はこれはもう自衛隊に対する方針を政策的に変えたんです。そして、お互いに共通の土俵に立ってこれから安全保障をどうするかといったようた問題についても大いに議論していこうじゃないか、こういう立場に立った社会党に変わったんです。そのことを私は申し上げているわけです。
○白浜一良君 今のお話を聞いていましたら、要するにそういう自衛隊が海外に派兵されるような心配はなくなったんだ、だから認めるんだ、こういうお話ですね。そうでしょう。そうしたら、もともとの自衛隊というのはそういう危険性があったから反対されたわけですか。それはいわゆる状況変化なんでしょうか。
○国務大臣(村山富市君) それはこれまでの経過の中ですから。 ですから、振り返ってみていろいろ思い起こしていただければわかると思いますけれども、やっぱり安全保障問題というのは国会の中でも花形ぐらいにいろいろ議論をされた経過がありますよね。その議論の中では、やっぱり最近でもそれは、もう普通の国になってどんどん出ていったっていいじゃないかという意見も国内にはあります。ですから、そういうものは潜在的にずっと歴史の中であり得たんです、あったんです。したがって、これは憲法の枠を守って、そんなことをしちゃいかぬのだという意見の対立があって、国会の中では真剣に今まで議論された経過があるじゃありませんか。 そういう長い経過を踏まえて今日の情勢はつくられてきておると、私はそう思いますから、そういうふうに御理解をいただきたいと思うんです。
○白浜一良君 要するに、なぜそういう心配がたくなったんでしょうか、総理の認識として。従来心配されたことがなぜ心配がなくなったんですか。どういうことなんですか。
○国務大臣(村山富市君) これは例えば、これまでも私は申し上げてまいりましたけれども、そうした論争の経過を踏まえて、経過を踏まえて日本国民の間に文民統制も徹底するし、専守防衛という意識も定着をするし、徴兵制の不採用。とか、あるいは自衛隊の海外派兵の禁止とか、あるいは集団的自衛権の行使は憲法に反するとか、あるいはまた非核三原則の遵守とか武器輸出の禁止、こういった原則がそういうお互いの議論の中から確立されてきたんです。定着してきたんですしこういう状況を踏まえて、私どもはもう自衛隊に対する方針と政策を変えていこうというふうに変わったということを私は申し上げているわけです。
○白浜一良君 よくわかりませんね、私は。理解できません。 では、ちょっと角度を変えて伺いますが、二年余り前PKOの法案を、本院でも随分激烈な議論があったわけでございますが、そのとき社会党としては反対を、本当に牛歩戦術で徹底した反対をされたわけでございますが、そのいわゆる反対された理由は何たんですか。
○国務大臣(村山富市君) あのときの議事録をひもといてごらんをいただければわかると私は思いますけれども、湾岸戦争というそういうものを背景にして、そしてこのPKOが議論されたわけです。 その議論の中では、自衛隊が後方支援とかいろんな議論がありましたけれども、やつぱり武力を持って自衛隊が海外に出ていく道を開くのではないか、こういう懸念があったことは私は肯定し得ないと思います。護憲政党の立場に立って、そんなことを許しちゃいかぬ、これはもう大変なことにつながる危険があると。だからお互いの中では、自衛隊でなくて別組織をつくったらどうかという話もあったことを私は思い起こしますけれども、そういうことも踏まえていろんな議論をされた経緯があるわけですから、私はそういうふうに御理解をいただきたいというふうに思います。
○白浜一良君 湾岸戦争は確かにございました。ございましたけれども、先ほどからの要するに総理の答弁から引用しましたら、一九九二年というのはもういわゆる冷戦構造の崩壊は一応完了してますよね。状況変化はもう既に起こっているわけですよね。それはどうなんですか。先ほどから冷戦構造は崩壊したんだといろいろ説明されているけれども、この時点では終わっているんですよ。
○国務大臣(村山富市君) 冷戦構造が崩壊して、これはどなたも私はお認めになると思いますけれども、あの米ソ超大国としては冷戦の時代には、やっぱりそういう体制の中で地球規模の紛争が起こる、戦争になるんじゃないかという危険性だって全然否定し得ないものがあったわけですよ。私は、少なくとも冷戦構造がなくなってソ連も崩壊した、東ヨーロッパも解放された、こういう状況の中で、そういう意味における危険性というのはなくなったと思いますね。しかし、まだまだやっぱり地域的な紛争というのはあっているわけですよ。したがって、その地域的な紛争というものと、大きく地球規模で戦争が起こるかもしれないということと、それは全然やっぱり私は状況が変わってきていると思いますよ。 同時に、先般、これはノーベル平和賞もいただいたあのイスラエルとPLOの和解なんという話も、私は、やっぱりこれからは軍縮と平和と協調の時代に変わってきておるということはどなたもお認めになることではないかというふうに思います。
○白浜一良君 今、いわゆる大きな戦争と地域紛争とおっしゃいましたけれども、地域紛争という意味では今でもやっているんじゃないですか、ルワンダの内戦もございましたし。その状況は同じですよ、総理、そういう意味では。
○国務大臣(村山富市君) だから、そういう意味の地域紛争というのはありますよ、現在でも起こっているところはあるわけです。いいですか。しかし、それが大きく世界を包むような紛争に発展する危険性というのはないんですよ。 同時に、それだけにやっぱり国連が平和のための機能というものを発揮するような時代にたって、そして全体ができるだけ紛争はなくしていこう、そして話し合いでもって解決していこうじゃないか、もし紛争の原因になるようなものがあるとすればみんなで取り除いていこうじゃないか、こういう状況に変わりつつあるということも私はしっかり踏まえて、そういう世界にするために社会党が貢献できるなら大いに貢献していこうじゃないか、そのために社会党の政策は変える必要があるといって社会党は政策の方向を変えたんです。
○白浜一良君 ですから、要するにPKO法案を審議した一九九二年という年はまさしくそういう年、今と一緒じゃないですか。(「それは違うよ、それは違う」と呼ぶ者あり)いやいや、そうでしょう。
○国務大臣(村山富市君) ですから、あのPKO法案を審議するときの背景というものがやっぱりあるわけですから、したがって私どもはその背景を十分踏まえた上で、その危険性があると思いましたから反対していったんですね。 しかし、もう今この法律が制定されておる現状の中では、その法律が憲法にのっとって過ちのないような施行をしてもらわにゃいかぬというんで、私どもはそういう立場に立って今は認めているわけです。
○白浜一良君 今の説明ではわかりませんね。一九九二年と今と状況がそんなに変わっているように思えませんね。冷戦が崩壊して、まあこれは水かけ論になるからもうやめますけれどもね。 そうしたら、今の段階で総理として、PKOの法案は全体にもう賛成されているわけですね。
○国務大臣(村山富市君) これはもう国会で成立をした法案ですから、私は認めます。
○白浜一良君 いや、それは法律として存在しているのは私もわかっておりますよ。でも、そのできている法律そのものに対して賛成されるお立場ですかということを。
○国務大臣(村山富市君) 法律は多数で決められたんです。あなた方も賛成をされて決められたわけです。決められて法律は存在しているわけですから、その法律が法律どおりに原則に基づいて正しく施行されるように進めていくのは当然の話じゃありませんか。
○白浜一良君 そういうふうにおっしゃったらこれまた同じことで、何であれだけ反対されたのにこんな簡単に賛成されるのかというふうに伺わなきゃならぬわけで、これまた水かけ論争になりますからね。 では私、一つ具体的に伺いますが、今、凍結されているPKFがありますね、凍結されているPKFが。あれは、総理、七月一日の総理にたられてからの記者会見で、憲法の許容範囲外だと、こうおっしゃっているんですが、憲法の許容範囲外だと、PKFは。外という、そういうふうに総理は記者懇談会でされているんですよ。これはどうですか。
○国務大臣(村山富市君) 私は、これ正確に申し上げますけれども、この会見をした、PKFについて再度質問に答えてこう言っているわけです。PKFに踏み込んでいくことについては政府としては考えていませんということを申し上げたわけですと、こう言っているわけです。だから、誤解があるといけませんから後でまた私は解説して言い直しているわけです。もう一遍言いますよ。PKFに踏み込んでいくことについては政府としては考えていませんということを申し上げたわけですというふうに説明しているわけですよ。 これは凍結されているわけですから、凍結を解くか解かないかは議会で決めることですからね。それを私がもういいんですというようなことを言うのは越権行為になりますから、私はそういうふうに申し上げているわけです。
○白浜一良君 いや、だから解釈をおっしゃっても、総理の発言は社会新報をもとにしているんですよ。社会新報の記事として総理の発言として、「(PKF)への参加は「憲法の許容範囲にない」と明確に否定した。」、これは社会新報ですよ。私が恣意的に言っているんじゃないんですよ、別に。これを釈明してください。
○国務大臣(村山富市君) いや、それは社会新報にどういう記事があるかは知りませんけれどもね。 ちょっと待ちたさいよ、私が記者会見で言っていることを正確に申し上げているわけですから。これはもう記者会見でした記事はちゃんとあるわけですから、そのある記事を私はもとにして御答弁申し上げているわけですからね。そういうふうに御理解を賜りたいと思います。
○白浜一良君 いや、間違いはあるでしょう。あるかもわかりません。だけれども、これは村山総理が委員長をされている社会党の機関紙ですよ。そこの記事だから私は言っておるんですよ。ですから、この記事が正確さを欠いているとなったらこの記事は欠いているんだと、社会新報の記事は。はっきり言ってくださいよ、それなら。
○国務大臣(村山富市君) いやいや、その社会新報の記事は、これは私があのとき確かめてそして書いたものでもなければ、ただ記者会見を聞いて、その記者が恐らく取材されたんだと思います。しかし、私はここに今、記者会見をやったときの議事録を取り寄せておりますけれども、はっきり言っているわけですから。これは言い直しているんです、私は。前に言ったことが誤解があるといけませんからね。 したがって、PKFに踏み込んでいくことについては政府としては考えてはいませんと、こう言ったのは、さっき言いましたように、凍結されているものを政府が勝手にもう解除しますとか踏み込んでいきますとかいうことは言えませんからね。これは議会で解除するかどうかはお決めになることですから、私はこういうふうに訂正しているわけですよ。 恐らくその新報の記者は、前にちょっと誤解されるようなことを言っていますから、それを取り上げて言ったと思うんです。私は後で、これはいかぬと思いましたから訂正をしてわざわざ断ったんです。その断っておるこれが私の真意ですから、そのように御理解をいただきたいと思うんです。
○白浜一良君 それは総理、今いろいろ全体をおっしゃっているからそれは正しいかもわかりません。(「それでいいじゃないか」と呼ぶ者あり)いやいや、機関紙にこういうふうに書いてあるわけですから、これはそういうことじゃないじゃないですか。だから正確さを欠いているというふうに明言をしてくださいよ、この記事が。そういうことをおっしゃっているんでしょう。だからはっきり明一言してくださいよ。
○国務大臣(村山富市君) いやいや、その記事が正確性を欠いたか欠かないかということを私がここで論評するには、もう少し書いた本人に確かめて事実をきちっとしてからでなければ、それはやっぱり私はここで軽々に申し上げることではない。ただ、私が記者会見でやったことについては、るる説明していますように、これが私の趣旨でこういうことをはっきり申し上げているわけですから、それをここで私は責任を持って答弁しているわけですから、そのように御理解をお願いしたい。
○白浜一良君 今おっしゃいましたように、これを書いた記者とお話ししていただいて、しかるべく返事をください。それはいいですね、今おっしゃったんやから。しなきゃならないとおっしゃったんやから。
○国務大臣(村山富市君) そんなことを言っているわけじゃないんですよ。 ただ、私がここで言っておるのは、ここでその是非について問われてみても、書いた記者に聞いたわけでもないし、そんなことは確かめずにここで軽々に返事することではありませんと、こう言っているんですから。何も私は調べてから返事をしますとは言っていないんですよ。そういう性格のものだと、こう言っている。
○白浜一良君 何もできない、こんなのでは。
○委員長(坂野重信君) 白浜君、質問を続けてください。——白浜君、質問を続けてください。
○白浜一良君 もう時間が随分過ぎまして、ちょっとテーマを変えたいと思いますが、政治倫理について若干お伺いしたいんです。 きのうも本予算委員会で運輸大臣とのやりとりがございまして、私もいろいろ伺っておったんですが、衆議院の審議もございまして、ちょっと私腑に落ちない点が一点ございまして、理解できないことが。それは、いろいろ友人を取りまとめられたと、善意だとおっしゃって、人助けだともう一貫しておっしゃっていましたけれども、それで衆議院では十七人とか十八人とかおっしゃったり、十六人、十七人とかおっしゃったり、昨日は十数人と、こういうふうにおっしゃいましたですね。 ところが、運輸大臣みずからが平成元年十月に、これは後援会の方にあててですか、何かお便りされている中、これを拝見いたしましたら数名と、こういうふうに明記されているわけでございます。数名、ここでは数名と。この辺ちょっと釈明していただきたいんで、ここから同僚の木庭議員に関連質疑をお許しいただきたいと思います。 まず答弁してください。
○国務大臣(亀井静香君) お答えをいたします。 本当に衆議院から参議院、同じようなことばかりお尋ねいただいておるわけですが、某宗教団体が証券会社に、無理矢理がどうか知りませんが、株の損失補てんをさせたような事案とは違うわけでございまして、(「違わない」と発言する者あり)いや違うわけでございまして、私の友人と池田氏との間のまさに個人的な商法上の契約、これを私が間に入って円満に履行させたという事案でございますから、したがいまして、私はその関係者全員と面識があるわけでももちろんございません。そのうちの数名の者と私は、数名いきませんね、私は面識があるわけでございまして、その友人のまた友人という形の中で、恐らく十六名か十七、八名かわかりませんが、私の当時の記憶ではその程度関係者がおったということで申し上げておるわけでございまして、その関係者、私は全員と友人関係にあるとか面識があるわけではございませんので、そのように御理解をいただきたいと思います。
○委員長(坂野重信君) 関連質疑を許します。木庭健太郎君。
○木庭健太郎君 少し整理して伺いますので。 まず、今おっしゃった五億円と言われている問題でございます。問題というとまた何かおっしゃりたいかもしれません。五億円のことで聞きます。 この株は、当時、仕手株主言われたシロキとオーミケンシですね、この三十八万株の問題の方です。大臣はこれまで答弁で、この三十八万株の問題については、大臣の友人が池田氏から相対取引で勧められて元本保証で買ったと、そういうふうにおっしゃっています。いわば大臣は買うときにはタッチしていなかったというような答弁になっております。 ところが、私たちがわからないのは、相対取引で元本保証までするようなある意味では池田氏と親しい大臣の友人が、今度は買い戻させるという段になって、大臣の答弁によると、池田氏と深いつき合いのない、面識がある程度の大臣の方に突然仲介をお願いする。極めて不自然に普通の人が見たら見えると思います。 むしろ大臣自身、これは読売新聞のインタビューですけれども、読みます、そのまま。インタビューでどう答えられたか読みます、このことについて。大臣の発言です。「池田会長が絶対にもうかるというので、私の仲介で支持者の会社社長や親類ら三、四人が株を購入し、暴落で大損したと苦情を持ち込んできた。池田会長を紹介した責任上、高橋志郎秘書に指示して買い戻しの交渉をまとめさせた」と、こうインタビューではおっしゃっているようになっているんです。このインタビューが本当なのかどうか、この点をはっきりしていただきたい。
○国務大臣(亀井静香君) 私は、先日のあれで申し上げましたように、その記者との中でいろいろと説明をしたこと等について報道された中身が極めて私にとっては心外な報道内容になっておったということもございましたので、先日申し上げましたように、私は本来であればこれを告訴したい、そうした気持ちを当時強く持ったわけでありますが、それをいたしますと私に依頼をしてきた友人等に対して、これは公判廷で全部証明せにゃいけませんから、迷惑がかかるということで私は耐え忍んだという経過がございます。 そういうことでございますから、その記者が新聞紙上に書いていることについて、私が言ったことだというように即断をされては私は非常に迷惑であります。 先ほど申し上げましたように、また先日の委員からの御質問に対して申し上げましたように、私と池田氏との関係というのは、取っかかりというのは、建設会社の、これは一部上場のちゃんとした大きな会社でございますが、それからの依頼で、私にどうにもならないので、私が警察出身だからということもあったんだと思うんですが、ぜひひとつ相手の池田氏に対してこのお話をしてくれということで、それで私、初めて会ったというのが経緯なんです。 そうした過程のいろいろな中で、私と池田氏との共通の友人といいますか知人が存在をしたことも事実でありまして、そうしたことでございますから、私と池田氏とのそうした関係とは別に、私の友人と池田氏との間でいろんな関係が恐らくできたかあったかわかりませんが、そういうことは私のこれは関知をしないところでありまして、しかしある日突然その友人が、そういう形で約束を守ってくれぬので困っておるんだということをもう切々と言ってきたものですから、それじゃ池田氏に約束なら守ってやれということで、じゃおれの方から話をしてみるということで話をしたわけでありまして。 池田氏の名誉といったらおかしいですが、それで私が言うわけじゃありませんが、私に対してはそのときに、それは確かに約束をしておったので、それはもうとにかく全力を挙げて損をされた分をどうにかするように自分としては努力したいと思いますからということで、だものですから私は友人に、そう池田氏が言っておるから、会ってこのことをちゃんと話をして解決したらどうだということであれしたところ、両者等が会って協議をしたようですけれども、一応調ったということで、それで関係者が多いわけですからその友人とあと十何人がよく知りませんが、その関係も非常に親しいという関係者の人ばかりじゃなかったようでありますし、金の問題でありますから、まとめてひとつ、亀井先生ついでにその金の処理等についてひとつ便宜を見てもらえませんかと言うものですから、私はうちの事務所に言って、その友人とそれじゃあれをしてちゃんと処理をしてあげるようにと。 それで大和銀行の衆議院の口座へ払い込んで、それをその友人とうちの事務所の者が協力して関係者にあれしたということでございまして、その中身について、どの株がどうだどうだというようなことは私は承知をしておる立場じゃ全然ございませんでしたので、何ですか、シロキが何だとかそういうようなことは、私は何も池田氏と話をするときに、これはこれだけ下がっておって損しているじゃないか、これをというようなことは私は言っておりませんし、全体的な話をしたわけでございますので、そのように御理解をいただきたいと思います。
○木庭健太郎君 そうすると、とにかくこの五億円の問題では大臣は、途中友人から、突然首つらにゃいかぬという話でしたかね、もう暴落して苦しくて友人のお一人は何か首をつらなくちゃいけないみたいな話をされたような気がするのですけれども、そういう状況の中で、とにかく義を持って中へ入ってこられた。だから直接この株の取引には最初からタッチしていないということでよろしいですか。どうぞ。確認です。
○国務大臣(亀井静香君) そのとおりでありまして、私の関与するような立場じゃございませんでした。
○木庭健太郎君 今、知り合ったきっかけを建設会社の依頼でとおっしゃいましたけれども、これは東海興業のことでございますか。
○国務大臣(亀井静香君) これは既にいろいろ雑誌等に名前が出ておりますから私は申し上げてもいいと思いますが、そのとおりでございます。ただ、これはうまくいかなかったということで、もちろん東海興業は被害者の立場でございました。
○木庭健太郎君 皆さんわからないんですよ、どういうことか。何でこれ、東海興業と池田さんの間に立ってどういうことで労をとられたのかというのを説明しないと皆さんはわかりません。
○国務大臣(亀井静香君) これは当事者のいろんな関係についてまで私はここで明らかにするというわけにはまいりません。 簡単に申しますと、池田氏の方が東海興業の方の株を取得されておって、それを東海興業側としては、経営者の責任としてやはり自分たちの方で買い戻すなり適切な形で処置をしたいという強い意思を持っておられていろいろ努力をされたようでありますが、そういう過程の中で、私、実はそれまで東海興業の社長さんとは一面識もございませんでした。お調べいただければこれは明らかなことでございまして、ある人から、非常に困っておるんで、社長が困っておるので相談に乗ってやってくれないかということで私は初めてお会いいたしました。そういう経緯でございます。 ただ、中身のどういうことかということは私がここで、当時承知しておったことで記憶しておることもございますが、申し上げるわけにはまいりません。
○木庭健太郎君 そうすると、あなたは池田氏と赤坂プリンスホテルの喫茶店で二、三回お会いになったということですか。これはこの東海興業のこと、内容はともかく東海興業のことでお会いになったと、池田さんと。ということでしょうか。
○国務大臣(亀井静香君) もう七、八年前の話ですか、六、七年前ですか。
○木庭健太郎君 六十一年です。
○国務大臣(亀井静香君) 六十一年ですか。何年か前がとにかく非常に古い話ですので、私自身メモをつけておるわけでもございませんので足かな記憶はございませんが、私の記憶では、依頼を受けた最初のあれですね、それに関して池田氏に会って話をしたという経緯もございます。 ですから、時期がいつかというのが、そのあたり定かじゃございませんが、それと、私の友人からのこの件についての相談を受けた後、池田氏に対して、それはどうにかしてやったらいいんじゃないですかということを話をした。そういうようなことで、赤プリの新館ですね、新館の下のロビー兼喫茶室みたいなものがございますね。あそこで私は池田氏と会ったという、これが二回だったか三回だったかちょっと記憶が定かじゃございませんが、彼と私が会いましたのはその場所でございます。
○木庭健太郎君 記憶をちょっとよみがえらせていただいて、きのうもちょっとお聞きしたんですけれども、新宿京王プラザホテル、何か四十五階の割烹、記憶ないですか。
○国務大臣(亀井静香君) 私は、京王プラザの上のあれがありますね、フランス料理店がありますね、あそこを私、個人的には使ったことはございますけれども、池田氏とそういうところに行ったこともございませんし、割烹があそこにあるなんということは私は承知をしておりませんけれどもね。
○木庭健太郎君 もう一つ、ホテルオークラは記憶ございませんか。
○国務大臣(亀井静香君) これは昨日も申し上げましたが、最初の例の建設会社の社長から依頼を受けたときに初めてお会いしましたのがホテルオークラでございます。
○木庭健太郎君 さて、次は翌年になるんですけれども、昭和六十二年の話なんですけれども、タクマ株という問題です。中身は覚えていらっしゃらないということたんでしょうけれども、ともかく十三億四千万円、五十九万一千株の買い付け代金が大臣の口座に振り込まれているという件でございます。 これは事実ですか。十三億四千万円が理由はともかく大臣の口座に振り込まれたということは事実ですか。
○国務大臣(亀井静香君) これも衆議院の予算委員会の段階、また昨日も一貫して私が申し上げておりますように、先ほども申し上げましたように、仲介といいますか、まあそうしてやったらいいんじゃないかということで、池田氏も全体的にそういう努力をしますということでまとまった話でありますから、私のそうした口座も使用することを含めて関係者へ池田氏が、補てん分か何かそういうことだろうと思いますけれども、それを送金し、それを関係者に配付する事務について私の事務所が全面的に協力したということは間違いございませんから、恐らくそういう処理の過程の中でそうした手形等が介在をし、うちの事務所がそれに対してきちっとしたという事実は私はあると思います。 あと、ただ私が具体的にどの手形についてどうだこうだというような、そういう記憶は私自身にはございませんけれども、全体としてはそういうことは私はあると思います。
○木庭健太郎君 大臣、ちょっと確認したいんですけれども、二回あるんですよ。五億円というのはその後の話なんです。その前に十三億円ということが起きているんですよ、十三億円というのは。
○国務大臣(亀井静香君) ですから、私自身の資産の変動だとか、私自身が損をしたり得をしたりする話ではございませんので、あとは先ほどから何回も申し上げますように、事務的に衆議院の口座に振り込まれ、それを私の事務所とその友人が関係者に対して配るといいますか、そういう事務をやったわけでございますから、いつの時点でどういう形でなされたかということを一々私に報告をされ、私が采配をするような性格のものではございませんでした。
○木庭健太郎君 御友人の方が相談されたのが二回ありませんか。一回だけですか。
○国務大臣(亀井静香君) これは一回でございます。 それで、先ほど申し上げましたように、それを受けて池田氏と私は話をいたしました。当時、池田氏は相当何かいろんな面で資金繰りその他で大変な状況であったように私は伺いましたけれども、しかしお約束したことですから全力を挙げて相手の方、私の友人と会って、できる限りの努力をいたしますということを言って、以後、友人とその池田氏が会って関係者の、恐らく十数名だと思いますが、そういう人たちの間にまた友人が立ったり行ったりいろいろしたと思いますけれども、まとめた話でありますから、二度私が同じ問題について友人と協議することはなかった、このように思っています。
○木庭健太郎君 ただ、この十三億円の振り込まれた時期が六十二年の八月なんですよ、十三億円の方は。五億円は今度は翌年の六十三年の二月。半年ぐらいたっていますね、大体。ちょっと時期が違うんですね。ですから普通のケースでいえば、一回十三億円の問題でも相談があった、五億円の問題でも相談があったということになるのがこれは自然だと思うんですけれども。
○国務大臣(亀井静香君) 委員、私にそういうことを聞かれてもそれはわからぬ話でありまして、全体として池田氏がどうにかするということで友人と話して決めたことですが、それは一括で一遍にそういうことが処理をされたのか、あるいはいろんなことでそれが二度にされたのか三度にされたのか、私に委員が聞かれたってわからぬことでございますのでお答えのしようがございません。
○木庭健太郎君 いや、口座にそうやって分けた時期で入っているから、大臣が友人から相談を受けたのは半年も離れているわけです、処理したのが。タクマ株の場合は六十二年の八月ぐらいで、次が六十三年の二月なんですよ。物すごく離れている、半年間も。 だから当然普通考えるのは、まず一回目十三億円の問題で多分大臣に相談があって、友人からね、池田さんと一生懸命やったと。半年たった後もう一つ問題が起きちゃった、だからこれをまたやったと考えるのが半年あいていれば普通だと思うでしょう。
○国務大臣(亀井静香君) これは私の推測でありますけれども、二回に分けて、恐らく池田氏の資金繰りその他を含めて一挙に処理できないのでそういう形になったのではないかなと、私、これは推測する以外はございません。以後、友人も非常に私にそのとき本当に感謝したわけでありますから、私は全体としてうまくいっていたと、このように思いまして、個々に中身がどうだこうだと言って私が友人や池田氏から聞くような状況じゃございませんでした。
○木庭健太郎君 五億円の問題のときは確かに株が大暴落した後だんですよ、大暴落した後。だから大臣がおっしゃるように、確かに物すごく下がって損失補てんもせざるを得ないような状況だったと思うんですよ、五億円の問題は。 ところが、その前に多分、じゃ一回しか御相談されていないからその前だとすると、タクマ株の前のときに多分友人と御相談されたんだと思います。そうなるとその時点、暴落前ですよ。株の大暴落の前なんです。しかも、タクマ株というのは残念ながら暴落しておらないのですよ。暴落していない。 しかも、ちょっと一応言っておきますけれども、この十三億円というのは六十一年当時、株価を一株当たりに換算すると、タクマの株でいくと平均単価が二千二百六十八円になりまして、大臣が、大臣が直接やられたのかどうか知りませんけれども仲介して、いわゆる池田さんが返した額が二千二百六十八円。これは当時のタクマ株の最高値の二千二百二十円なんですよね、当時。そうすると最高値よりもまだ高いお金で払っているわけ、池田さんが。 これは人助けとおっしゃるけれども、首をくくるような状態じゃないわけですよ、この人たちは。首をくくるような状態じゃない、全く。逆に言うと、この結果どういうことになったかというと、タクマ株に関してはもうかってしまうんですよ、わずかながらでも。もうかっちゃうんですよ。だから大臣め言われていることが、五億円じゃないですよ、十三億円の話をしているんですからね、この件、全く大臣が言われていることと矛盾してしまうんですよ。
○国務大臣(亀井静香君) 私が友人からそうした深刻な相談を受けましたのは、記憶もこれは定かではありませんけれども、夏前か夏か、秋口か、とにかくそのあたりだったと思いますけれども、友人が私に、それは友人がタクマを買っておったか、先ほど言ったようだシロキを買っておったか、いろんなほかの株を買っておったか私は知りませんけれども、彼らがその事態でああ大変だ大変だという気持ちがないのに私に対して池田氏と話をしてどうにかしてくれというようなことを依頼をするはずが私はないと思うんですね、それだったら。 ですからそのことについて、私はどの株で損をしたとか得をしたか、その十七名のうちの、十八名か知りませんが、そのあたりの人たちが個々にどういう状況であったかということはわかりませんが、私の友人が言うには、とにかくもう大変な状況たんだということで、(「大変じゃないんですよ」と呼ぶ者あり)いや、わからぬですよ、そんなこと、あなたがおっしゃったって。だってそうなんですから。大変な状況だということで私のところへ来たわけですから。それに従って私は、そういうことで、じゃ損はさせぬからとにかく万一の場合はあれで買い取るからという話であなたしたのならちゃんとしてあげなさいよということで私が言ったという、これが真実ですから。後の中身のことについて私におっしゃいましても、私が取引したことじゃございませんから。 なお、何度も申し上げますように、このことについては、既に当時、新聞社が報道したことを含めていろんなマスコミ等が一部またねじ曲げた形でも報道いたしました。しかし、そういうことがございましたので国税の方から照会もございまして、私の担当税理士がそういう過程を全部これは御説明申し上げて、金の流れを含めてそれを全部、今あなたがおっしゃっている十三億幾らとか五億を含めて。そうして関係者の名前も、これは国税でございますから、これは守秘義務もございますからある意味では安心をしながら税理士が具体的にも説明をし、また国税の方でもそれに関しては恐らく調査もされたと思いますけれども、そういう過程の中でこれはきっちりと御理解もいただいておることでございまして、私がそういうべらぼうなことをやったというような、何かあたかもこの間からそういう質問ばかりですけれども、これは真実に反するわけでありますから。 ただ外形的な、私の口座を使って振り込んでそういう形とたっている事実だけをもって某新聞社も書いたわけですけれども、その新聞記者は私にこう言ったんですよ。亀井先生は別に悪いことはしていたい、人助けしていますねと言って、それなら記事になりませんわいと言ったんですから、そのとき。これは複数の記者ですよ、これは。だから私は記事にたらぬと思っていたらああいう形で、私が告訴できないことを足元を見てやられちゃった。 だから私は、申し上げておりますように、この間、草川議員にも申し上げましたけれども、一方的に私は弁明する機会がなかった。公明党のおかげで私はこれを天下に説明することができるわけですから、そういう面で私は感謝しています。ただ、いつまでもしかし人を見れば泥棒と思えみたいな形で私に対して追及されても、真実は一つでございますから、ある意味では迷惑でございます。 以上。
○木庭健太郎君 やっぱり外形的事実が残ったと。それで大臣の言い分では、管財人の交渉も円満に終わったし国税も調べたから、あなた大丈夫よ、そんな心配せぬでいいわと、こうおっしゃるんですけれども、一体十三億円及び五億円、これがどこに行ったかというのを証明するものが何もないんですよ。個人の名前を言えとは私はまだ言っていませんよ。 私が言いたいのは、じゃ渡した人数すら、十六、七人ぐらい、それは事務所で調べればわかる話じゃないですか。二回も質問しているんですから、一体この十三億円は何人の友人に渡されたのか、それから五億円、翌年の五億円は何人の友人にお渡しになったのか、人数ぐらい国会に明らかにするのはこれは当たり前の話です。人数を明らかにしてください。
○国務大臣(亀井静香君) もう何度も申し上げますように、私の事務所の例えは資産を運用したとか経費をあれしたということであれば、そのあたりのことは私は記録にも残っておると思いますし、これは明らかになると思いますけれども、先ほども申し上げましたように、これを私の友人が、友人自身が直接知らぬ間接もいたわけですから、そういう人で、十六人か、私の当時の記憶で言っているんですよ、十六、七人だったかなというふうに私は彼らが言っておったことで記憶しておるんですけれども、それに対していわば補助的に事務的にうちの事務所の者が友人のそうした金を渡していく、そういうことについて当時手伝っただけの話でありますから、どこのだれべえにその金が返っていったかというようなことについて、私の事務所なり私に覚えておらぬのはおかしいとか記録が残っていないのはおかしいと言われましても、これは無理強いというものだと私は思います。
○木庭健太郎君 今は取り扱いになっちゃったんですけれども、さっきは取りまとめされたとずっとおっしゃっているんですよ、前から。だから、私は名前を言えとかなんて言っていない、何人なんだと。人数だけはっきりしてください。
○国務大臣(亀井静香君) あなたね、言葉じりをとらえてとらえられても困りますよね。私の友人がやることに対して、うちの事務所は一貫して手伝うといった立場しかなかった。それがいわゆる取りまとめの仕事だと思いますね。そういう意味では取りまとめ……
○木庭健太郎君 人数だけと言っているんです。名前は聞いていたい。
○国務大臣(亀井静香君) いや、だからそれは何度も申し上げましたでしょう。私もわかりませんと言っているんです。十何名全部が私の友人じゃありませんから。せいぜい数名ですよね、私の知っているのは。(「そんな話は信用できないよ」と呼ぶ者あり)信用するしないというのは自由、それはあなたのあれです、それは。げすの勘ぐり言われても困るわけで、それは困ります。
○木庭健太郎君 もう一回聞きますけれども、友人数名はよく御存じなんですね。そうすると、国会に対して大臣は、やっぱりそれが要するに全部友人に行ったとおっしゃっているんですから、人数だけでも表明する義務がありますよ、最低限人数だけ。
○国務大臣(亀井静香君) 先ほども申し上げておりますように、私は政治倫理上間違ったことをやったと思っておりませんから。私が重大な政治倫理上の疑いがかけられており、その疑い自体が客観的な妥当性があることであれば、それはあなたがおっしゃるように、そういうことについて私が疎明をする義務があるかもしれませんけれども、何度も申し上げますように、これはまさに私人間の商行為について、私が善意でそれについて仲介をし、うまくいったと、話が。しかも、関係者は後ほど管財人等に対して金を返還しておるんですね。だから全体としてその十数名の友人というのは恐らくもうかっていないだろうと思うんですね。これも推測ですよ。そういう状況のまさに民間人同士のことについて、私がたまたま送金事務その他について協力したとかその前段階について仲介をしたからということをもって、その民間人の個々のプライバシーにわたるようなことを私が明らかにするわけにはまいりません。
○木庭健太郎君 だからプライバシーと言っていないでしょう。人数を言えと言っているんです。わかりますか。人の名前を言えとか、そういうことまでするとあなたはプライバシーになると言うから、一体どうなんですか、それくらい確認する義務はあるんじゃたいですかと言っているんです。
○国務大臣(亀井静香君) それでは、私は十数名だと思いますけれども、当時何名おったのかということを友人等に確かめて聞いてみることはいたします、これはですね、聞いてみることは。何名ぐらい、じゃ関係者がいたのかということぐらいは、それは友人に聞いてもそれがプライバシーに大きな影響を与えないと思いますから、と思います。
○木庭健太郎君 本当は大臣、僕らは一番大事なのは、亀井さんの衆議院の口座にお金が代理で入っちゃった。これはあなたは人助けでみんなに渡したんだとおっしゃる。でも、それを事実として証明するものがないから、事実としてですよ、口座に十何億というその株に関するお金が入っているのは事実なんですよ。これを証明するものが、その後の行き先がないから。ただ、それをやると名前が出てしまうという問題もおっしゃっている。それなら、本当は大臣みずから名前を隠していいわけですよ、これは十八億ぐらいのお金ですから。それは亀井さんからその友人の方に渡せば、友人の方は当然受領書を亀井さんのところにお渡しにたられるでしょう。名前が見えちゃまずいというのなら名前を隠して、きちんとやりましたよという本当は物的証拠がないとここではわからないわけですよ。確かにおっしゃるとおり、言われているけれども、我々はそれを確認できないんです、ここで。 だから、私は今、人数のことを言いましたけれども、本来は亀井さん自身がやっぱりその行き先というのを、それは名前を伏せても構わないから、こうやりましたという証明はすべきだと私は思っております。
○国務大臣(亀井静香君) これは私、何度も申し上げておりますように、私自身がそうした政治倫理にもとることをやったと思っていないんですから、私自身は。いいことをしたと思っているんですから。それをあなたは、あなたの方は悪いことをしたんじゃないかと思って(発言する者あり)いやいや、だけど、この間から疑惑だとかなんとかということを(発言する者あり)いや、ですからそうであれば、私がそういうように政治倫理上もとることがたいということをはっきり申し上げているわけですから、そしてしかもこれは私人間に関することでありますから、そういう問題について説明申し上げる義務は私はないと思うんですよ、本来これはですね。 私は、政治家だからといってプライバシーに関することを、友人に関することを、興味を持たれたからすべてそれを詳細に御説明申し上げるという義務はないと思いますよ、基本的に。そのあたりを無制限に、じゃこの予算委員会であなたこの問題について全部説明しなさいといって、具体的な疑惑もないのに次から次質問して、それに対して全部閣僚が疎明をしていかなげればいかぬということは私はないと思いますよ、それは。
○木庭健太郎君 じゃ、もう一歩譲ってたとえ大臣の言われるとおりだとしても、どういうことが残るかということです。 相対取引とおっしゃいました。でも、あなたは少なくとも外形上の事実として、池田氏がかかわった六十一年の東海興業、これは何か社長さんとの関係で一応仲介された。次にタクマの十三億円の問題が出てくる。その次に今度は五億円のシロキの問題。三回あるんですよ。 しかも、ちょっと聞いてください、そのうち一回は、相対取引であったとしても事実上は損失補てんということをおっしゃったでしょう。実質的には私人間の損失補てんの形になったと。もう一回のタクマは損失補てんでもないんですよ、高値買い取りですから。あなたは知らないかもしれないけれども、結局高値買い取りになって、要するに市場の値段よりも高い形で友人に買い戻させてしまったという結果が残っているわけですよ。その意味では私は政治家としての道義的責任はあると思います。 それを申し上げて、また今後に残したいと思います。 終わります。
○国務大臣(亀井静香君) それは私はおかしいと思いますよ。それは残されるのは結構だけれども、何度も申し上げますように、いいですか、私人間のこれはあれですよ。宗教団体が証券会社に損失補てんをさせたことじゃないんですよ、これは。私が公権力を背景にして証券会社にかけ合って損失補てんをさせたなんという事案じゃないんですよ。また、先ほど言いましたように、私人間のその問題は裁判所もきちっと承認をした上で管財人との間で円満に解決をしておるんですよ。 そうした問題をなぜ、しかももう六、七年前の話ですよ。そういう問題をこうしてずるずるずるずる何で、私について何か疑惑があるんじゃないか何か疑惑があるんじゃないかというようなことで私は質問をされることはまことに不愉快です。
○白浜一良君 もう時間がございませんので、最後に総理、軍縮についてちょっと基本的な考え方をお伺いしたいんですが、まず防衛庁長官にお伺いします。 総理が非常に軍縮という基本理念をいろいろおっしゃっておりますが、防衛庁としてはそういう総理のお考えをどのように受けとめていらっしゃいますか。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 軍縮についての問い合わせでございましたが、自民党、社会党、さきがけ、三党の新しい連立政権樹立に関する合意事項におきまして、まずもって、近隣諸国間の信頼醸成活動に力を入れつつ軍縮を進める、こういうことがあります。
○白浜一良君 防衛庁としてどういうふうに。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 防衛庁としましては、したがいまして、やはりこの東西冷戦終結の後におきましては世界の軍縮の傾向その他もございます。しかしながら、軍縮を進めるという意味におきましては、やはり近隣諸国間の信頼関係というものがあって、その信頼関係を確立しながら相互信頼のもとに軍縮を進めていく、こういうことが正しいのではないか、このように考えております。
○白浜一良君 総理、社会党固有のお考えだと思いますが、上原副委員長ですか中心になっていろんな案をまとめていらっしゃいますが、例えばイージス艦やP3C、こういうようなものは削減の余地があるのではないかと、こういうこともおっしゃっているわけでございます。上原副委員長がおっしゃっているわけですが、これ総理、どうですか。
○国務大臣(村山富市君) 個人が発言していることについて一々ここで取り上げられて私に見解を問われても、これはちょっと想像のしようがありませんけれども、少なくとも本年度予算については社会党は賛成したわけですから、したがって予算に入っている分については社会党は賛成ですと申し上げる以外にはないと思います。
○白浜一良君 最後に、防衛問題懇談会が答申されて、それを総理としてどのように扱われるかということを伺いたいのと、つい先日の観艦式で、自衛隊の人数削減を考えていいんじゃないかと、こういう御発言をされたような報道がされておりますが、いわゆる内容的にそういう部隊の縮小とか自衛隊の隊員数の減少とか、そういうことに対してどういうお考えを持っていらっしゃるかお伺いして、終わりたいと思います。
○国務大臣(村山富市君) 防衛問題懇談会から御報告をいただきました。私はそのときに、これは前の内閣のときにつくられて、そして内閣が求めたものでありますから、せっかく皆さんが御審議をいただいたんですから、これから防衛計画大綱見直し等について参考とさせていただきますというふうに申し上げておきました。 それから観艦式で私があいさつしたといったって、人員を減らすとか、そんなあいさつは一言半句申し上げておりません。ただ、国際的に軍縮の傾向にあるというような言葉は使っておりますけれども、個々の自衛隊に対してどうするこうするというようなことは一切申し上げておりません。誤解のないようにお願いいたします。
○白浜一良君 終わります。
○委員長(坂野重信君) 以上で白浜一良君の質疑は終了いたしました。(拍手) —————————————
○委員長(坂野重信君) 次に、有働正治君の質疑を行います。有働正治君。
○有働正治君 私は、新ゴールドプランの内容をめぐって質問いたします。 まず第一は、老人福祉施設の人件費などの運営費についてであります。厚生省に尋ねます。 老人福祉施設の養護老人ホーム及び特別養護老人ホームの運営費に対する国、地方自治体、入居者からの費用徴収、この総事業費の中で構成比は十年前の一九八四年、十年後の今日どのように推移していますか。
○国務大臣(井出正一君) お答えいたします。 一九八四年においては、総事業費三千二百二十五億円のうち、国庫負担が二千四百二十七億円で七五・三%、地方負担が六百七億円で一八・八%、費用徴収分は百九十一億円で五・九%となっておりました。 一九九四年においては、総事業費が七千四百八十九億円でございますが、国庫負担が三千百七十八億円で四二・四四%、地方負担が同額で四二・四四%、費用徴収分は千百三十三億円で一五・一二%となっております。
○有働正治君 私は、ここに見やすいようにグラフに示しました。ごらんいただきたいと思います。(資料を示す) 国庫負担率は七五%から四二%に急落です。それから地方負担率というのは一九%から四二%に急上昇、費用徴収分も六%から一五%に、構成比で見ましたらばこういう変化があるわけであります。これは八五年度以来の臨調行革あるいは地方行革による結果でありますが、私から言わせれば地方自治体、地方住民に国の負担に比して地方の負担が大きくたっているということを示しているんではないかと考えるわけであります。 総理は地方議員も体験された、そういう点から見ましてこの事実関係をどういうふうにごらんになりますか。感想を求めます。
○国務大臣(村山富市君) これはまだ、地方分権問題も今議論されて、国の果たす役割と地方自治体が担うべき役割といったようなものも議論されておりますけれども、恐らく国と地方の役割分担に基づいて費用負担の見直しを行って、したがって補助金で出しておったものを一般財源の交付税に振りかえるというふうなこともあり得ると思いますから、ですから総体的に見て判断をしていただかないと、補助金が減って負担がふえたからということだけでは私はなかなかここで回答はできないんじゃないかと思うんですね。 それからもう一つは、今グラフにありましたように、入っている人の個人負担ですね。これはやっぱり在宅で面倒を見てもらっている人、それから施設に入っている人等々の公平な負担というものを考えた場合に、それなりの負担のできる方にはそれなりの負担をしていただくというのもあるいはやむを得ないことではなかったのかというふうに私は思っています。
○有働正治君 いわば当然だと言わんばかりの発言、私は驚きました。そこに問題があるわけであります。確かに補助率等を引き下げて現在五割に恒久財源化されてまいりました。ところが、国の実際の負担割合はどうかと申しますと五割を切っているんです。ここが問題なわけです。 私、例えば川崎、大阪の枚方、こういう地方での特養ホームあるいはホームヘルパー、デイサービス事業に占める国の負担割合を調べてみました。数表で示したとおりです。川崎の場合、総事業費の中の国庫負担の割合は、ホームヘルプで二三・一%、デイサービス二九・五%、特養ホーム三八・三%。二割から三割というように本来規定されているものよりもはるかに低いと。枚方の場合も二九%にすぎないという状況であるわけであります。これでよしとするわけにはいかないという実態がある。 厚生大臣、こういう事態をどう認識されておられますか。
○国務大臣(井出正一君) お答えいたします。 老人福祉法によりまして、市町村が行う措置に要する費用につきましては、これを負担した市町村の長が入所者本人またはその扶養義務者からその負担能力に応じて一部または全部を費用徴収できることとされております。法令上、国の負担は市町村が行う措置に要する費用から費用徴収額を差し引いた額の二分の一とされていることでございますから、適正なものであると認識しております。
○有働正治君 費用徴収を引いてその半分と、それになっていないのが問題だということなんですよ。 厚生大臣、どうですか。
○政府委員(阿部正俊君) ちょっと御説明をさせていただきたいと思いますが、最初お取り上げになりました国庫負担、地方負担、それから利用者の支払い分、これについての比率の問題でございますが、総理から、また大臣からも御答弁ございましたけれども、経緯を若干申し上げますと、十年前と今日では補助の体系そのものが大きく変わってきております。 当初、生活保護などと同じように、老人福祉施設に入所した場合でも国が八割を負担しましょうと。逆に言いますと国の責任の事務範囲というのは非常に広かった、こういうことでございますが、法律改正をいたしまして現在ではこれが二分の一になっております。この間には地方公共団体の事務の範囲というのも変更されているわけでございまして、それが第一点。 それからもう一つ、入所者についての費用の徴収分がふえておる、こういうことを御指摘でございますが、総理が申されましたように、入所した場合とそれから在宅の場合との一つのバランスといいましょうか公平という観点ももちろんございますけれども、それ以上に大きいのは十年前と今日では、十年前はどちらかといいますと所得の低い方の入所が多かったわけでございます。したがいまして徴収金も全体としては少ない、こういうことがございますが、最近ではかなり所得のある方もお入りになっておられますので、そうなりますと入所の経費というのも多くなってくるというふうな事情があるということを御理解願いたいと思います。 それからただいま御指摘になりましたホームヘルパー等の地方の実額と補助基準額との違いということだと思いますけれども、確かに一部そういう現象はございます。ただ、ホームヘルパー等の補助基準額といいますのは現在の仕組みの中では全国一律にやっておりますので、都市部と地方で実態が違うのに一律ということで、特に御指摘のありました川崎市等はその違いが大きいという現象はこれはあろうかと思います。ただ、私どもといたしましては、そういったふうな補助基準額と実勢との間に差があるということでもって、何というんでしょうか、超過負担といいましょうか、ということだからけしからぬということには一概には言えないのではないか、こんなふうに認識しております。 以上です。
○有働正治君 一部そういう事実があるということを認められた。これは重要でありますしかと厚生大臣にも認識しておいていただきたい。 特養ホームについて申しますと、寝たきり老人や痴呆性老人など重度の高齢者が増加しておりまして、国の配置基準では対応できない、各自治体が独自にプラスして職員の加配をしているという実情であります。東京都の加配の例は資料のとおりでありまして、特養で十三人、養護老人ホームで三人という状況です。この改善が全国の自治体、施設関係者から求められているわけであります。 こういう実態、厚生大臣はどう認識しているのか。当局も事実はあるということを認めたわけで、私は改善を求めたい。
○国務大臣(井出正一君) お答えいたします。 今、委員御指摘の特養ホームに必要な職員の配置でございますが、入所者の処遇の向上と職員の勤務条件の改善を図ることは施設サービスの質を高めるために重要なことであると認識しております。 従来より、職員の配置基準については運営の実藤を見たがら必要な職員配置を定めるとともに、勤務時間の短縮や年休の取得促進のための経費等の確保に努めてきたところでございます。さらに、入所者の重度化等に対応するため、一定以上の重度の痴呆性老人が入所をしている施設等に対しましては常勤寮母を加配するなどの措置を講じてきてはおりますが、確かに今、委員御指摘の点はございます。したがいまして、今、折り返し地点になっておりますゴールドプラン、我々はそれを新ゴールドプランに持っていきたいわけでございますが、等でさらに改善をしてまいりたい、こう考えております。
○有働正治君 大臣は事実があることも認めて、改善を図る意向も示されました。 職員の配置基準が実施時期と今日どのように変わったか、高齢者人口が実施時期と今日どのように変わって、総人口比の比率はどう変わったか、事実関係を求めます。
○国務大臣(井出正一君) まず職員の配置基準の方から申し上げますが、厚生省令の職員配置基準においては、置かなければならない職員の種類及び入所者に対する直接処遇職員の数等が定められております。 昭和四十一年と現在を比較しますと、昭和四十一年度においては入所者六人に対して寮母が一人でございましたが、平成六年度においては、寮母のほか看護婦等も含めた直接処遇職員全体の総数として、入所者四・一人に対して一人、寮母の割合は入所者四・五人に対して一人の職員が配置されているところであります。 また、六十五歳以上の人口及びその総人口に対する比率でございますが、一九六六年に最も近い国勢調査の年であります一九六五年の六十五歳以上人口は六百二十四万人、総人口に対する比率は六・三%でございました。それが一九九三年の六十五歳以上の人口は一千六百九十万人、総人口に対する比率は一三・五%となっております。
○有働正治君 総理、ちょっとお尋ねしたいのであります。 つまり、厚生大臣の説明によりますと、職員の配置基準はこの三十年間で六人が四・一人、率にして三割アップなんです。それに対して高齢者人口というのは三倍近い上昇で、総人口に占める高齢者比率は二倍以上の急上昇であるわけです。片や二倍以上、三倍、片一方の配置基準は三割しかアップしていない。三十年間そう大きな変化はないわけであります。 総理は、この問題について、やはり高齢者対策という点で大臣も改善の必要はあるということを認めたわけですから、積極的に対応していただきたい。
○国務大臣(村山富市君) 今、ゴールドプランが、先般も申し上げましたように、市町村が主体になって新しい福祉計画もつくっておりますし、そうした福祉計画を全部国の方で集めましてそれを土台にした新ゴールドプランというものをつくろう、こういたしておるわけでありますから、そういうゴールドプランの編成の中で十分検討させていただきたいというふうに思います。
○有働正治君 次に、第二の問題は特養だと建物建設に係る地方自治体の超過負担です。 私は幾つかの県の状況を調べました。その結果は資料のとおりでございます。これは各県の報告による超過負担であります。私が恣意的にやったのではないものであります。三割から六割、地域差はございますけれども、超過負担が出ています。私、これもグラフに示しました。(資料を示す) 北海道、秋田、岩手、ここが五割の線ですけれども、五割を超えているところも相当あるわけです。建物の超過負担は非常に大きいということがこの中にも示されているわけであります。 そこで、自治大臣にお尋ねします。こういう事情、社会福祉関係の仕事にもかかわっておられる自治大臣として、地方自治の大きな改善の要望でありますけれども、どういう認識が、改善の決意を求めたいと思います。
○国務大臣(野中広務君) お答えいたします。 今、委員から御指摘ございましたいわゆる特別養護老人ホーム等社会福祉施設にかかわります国の負担と自治体の建築費あるいは措置費、そういうもろもろの問題につきましてはそれぞれ地方公共団体からも要望のあるところでございます。したがいまして、私どもはそれぞれ予算編成の際には各関係省庁に対しましてその人員あるいは予算の割り当て、適正な負担額等につきまして毎年要望をしておるところでございまして、本年度も平成七年度の予算編成に対しまして、七月二十六日、それぞれ関係省庁に要望をいたしたところでございます。 ただ、今、平成六年度には、特に社会福祉関係施設につきましては、大蔵、自治、厚生の三省がその施設の負担等につきまして実態調査をすることになっております。そういう経過を見定めながら、国、地方の財政秩序の確立の問題、さらには地域にそれぞれ困難を抱えた福祉施設をどのようにして活力あるものにしていくかという問題を的確にとらえながら、私ども自治省といたしましても、地方交付税、地方債等をもちまして十分地域のニーズにこたえられるように努力をしてまいりたいと存じます。
○有働正治君 厚生大臣、この特養ホームの建設の基準等の改善についての対応を求めます。
○国務大臣(井出正一君) お答えいたします。 その前に、先ほど委員、人口が六十五歳以上約三倍、比率が二倍になっているのに職員が三割しかふえていないじゃないかと、こういう御指摘でございましたが、そうも言えますが、また六十五蔵以上の皆さんが全部特養に入らなくちゃならぬという方々ばかりじゃございませんから、この比率を直接あれされるのはいかがかな、こんなふうに思うところであります。 特別養護老人ホーム等の老人福祉施設の整備につきましては、標準以上の面積や仕様での建築によって実際の費用が国庫補助基準額を上回ることもあり、このようなものについてはいわゆる超過負担が生じているとは一概に言えないと考えておりますが、また老人福祉施設の国庫補助単価につきましてはこれまで随時引き上げを行ってきており、平成六年度においても実勢単価を勘案の上、物価上昇分の改善とあわせ九%の引き上げが行われたところでございます。 今後とも建築単価の動向を踏まえて適切に対処してまいる所存であります。
○有働正治君 抜本的な改善を求めます。 それから厚生大臣、もう一点。小規模特養ホームがつくれるよう基準を改正していただきたい。この点、答弁を求めます。
○国務大臣(井出正一君) お答えいたします。 東京二十三区などの都市部におきましては、地価の高騰により特別養護老人ホーム建設に必要な広さの土地の確保が困難なため、特別養護老人ホームの整備が進まない状況にございます。しかも、その都市部には寝たきり老人や痴呆性老人など特別養護老人ホームの入所待機者が多い状況であることも事実でございます。 このようなことから、土地取得が困難な都市部の特殊性を考慮して、平成七年度概算要求におきましては、都市部においても小規模特別養護老人ホーム、三十床を考えておりますが、の建設を認めることを盛り込んでいるところでございます。 よろしいでしょうか。
○有働正治君 一昨年、大蔵大臣が査定でこれを削ったという経緯があるわけで、こういう実態の実情を考慮して大蔵大臣も積極的に対応していただきたい。大臣の見解を求めます。
○国務大臣(武村正義君) 今のお話のように、厚生省の方は概算要求にお出しいただいているようでございますから、真剣に詰めをさせていただきます。
○有働正治君 総理、最後にお尋ねします。 今、私が申しました一連の問題、それぞれの大臣、それぞれの立場から積極的に対応するという意味を含めた答弁もありました。事実関係も幾つか認められたわけであります。総理として、この老人保健福祉計画、新しいプランについての超過負担等、積極的な対応を求めたいと思います。
○国務大臣(村山富市君) 超過負担の実態というものは、まだ私自身にはつまびらかになっておりませんので今ここで即断できませんけれども、いずれにいたしましても、先ほど御答弁申し上げましたが、新しいゴールドプランというものも今、作成中でありますから、その作成の中で十分検討させていただきたいというふうに思います。
○有働正治君 ここで関連質問をお願いいたします。
○委員長(坂野重信君) 関連質疑を許します。聴濤弘君。
○聴濤弘君 国連の常任理事国入り問題について質問いたします。 昨日の審議で重要なことが幾つか明らかになりました。その一つに、軍事参謀委員会が責任を負う戦略的指導の問題、これについても非常に重要な点が明らかになりました。外務省の折田条約局長は私の質問に対して、国連軍の戦略的指導の具体的内容に関して協議、決定が必要になった場合、我が国自身もその協議、決定に参画することになるわけですと、こういうふうにお答えになりました。これは憲法に反するのではないでしょうか、外務大臣。
○国務大臣(河野洋平君) 議員のお尋ねは、あくまで我が国が安保理常任理事国になったという前提の議論の中で出てきたというふうに解釈をいたしたいと思いますが、安保理の常任理事国となれば、その席においてそうした議論に我が国が参加をするということはあると思います。 もう議員御承知のとおり、四十七条三項の問題であろうと思いますが、四十七条三項には軍事参謀委員会についての二つの重要なことが記されております。それらについての問題を御指摘なのだろうと思いますが、もしそうであるとすれば、我が国が常任理事国となっておれば常任理事国として発一言をするということはあり得ると思います。
○聴濤弘君 大臣のおっしゃるとおりなんです。きのうの私の質問は、常任理事国になって軍事参謀委員会に入って、そのときにこういう国連軍結成というようなことが起こった場合に一体どういうことになるのかという、全く大臣言われたようた筋のとおりです。 もしそうなった場合に、この戦略的指導の協議、決定に日本が参画をするというふうに言われた、それは憲法と合いますかという質問なんです。
○国務大臣(河野洋平君) 本当にこれは繰り返しの議論になってしまうわけでございますが、軍事参謀委員会が何をするかという問題は、四十七条三項に書いてございます軍事参謀委員会は、安保理の自由に任された兵力の戦略的指導をするというのがまず一つ書いてございます。 しかしながら、安保理に任された兵力、すなわち国連軍、七帝国連軍と申しますか、国連軍というものはいまだかつて編成されたこともない。つまり編成するための特別協定も全くできていないという状況でございますから、つまり来年は国連創設五十年になるも、この五十年間全く特別協定もできていない。したがって、国連軍、正規の国連軍も編成をされたことがない。そういう事象について、そうなったときにどうするかということをお尋ねになりましても、そういう状況にはならないだろう。 それは私は政治家の立場としてもう少し申し上げますと、なぜ国連軍、正規の国連軍が存在しないかといえば、それは今申し上げた特別協定がないということがまず最大の大きな理由の一つでございますけれども、常任理事国、これは私、政治家としてあくまで申し上げるので、法律論でないことを御了承いただきたいと思いますが、私は政治家として現在の状況を見ておりまして、アメリカがこの国連軍の編成について今まで合意したことがないということも一つの理由であろうというふうに思います。
○聴濤弘君 特別協定のことを言われましたけれども、特別協定がたくても常任理事国に入れば日本は軍事参謀委員会に入るんです。これは特別協定は別です。特別協定というのは兵力を提供するかどうかという問題なんですね。入るというのは、特別協定がなきゃ入れない、入らないということじゃないんで、それは一つはっきりさせておきたい。 それで非常に重要なのは、仮定の問題だ、まだ国連軍はできたこともない、そういうふうにおっしゃるけれども、しかし国連憲章というのは現に存在するわけです。日本国憲法というのは現に存在するわけです。これは仮定で存在しているわけじゃないんです。その関係を問うているわけですから、これは仮定の問題だからお答えできないが通用するとは私は思わない。しかも、その常任理事国に入ろうということが今問題にたっているわけですから、今のお答えではこれは通用しないと私は思います。 それから盛んに政治家ということを言われましたけれども、それならば政治家の立場で言えば、今、ガリ事務総長、これは軍事参謀委員会を大いに活発化しなきゃならぬ、「平和への課題」の中にそう書いてある。この前、エリツィン大統領は、ちょうど河野外相が行かれた国連総会で、これまた軍事参謀委員会を大いに活発化しなきゃならぬ、こういう演説をしています。これ現実ですよ。
○国務大臣(河野洋平君) 私は、常任理事国に日本の国がなったと仮定してということをまず冒頭に申し上げてお話をしているわけでございますが、私は常任理事国に入ること、したがって軍事参謀委員会の構成メンバーになることと特別協定に関係があるなどということを申し上げているのではありません。ただし、特別協定があって国連軍ができたければ軍事参謀委員会が国連軍に対する戦略的指導はできないでしょうということを申し上げているわけです。 ですから、常任理事国になって軍事参謀委員会の構成メンバーにだったとしても、それはそこまではなるでしょう、今のままでもなります。しかし、特別協定があって、四十三条の特別協定が各国と結ばれて、その結果国連軍というものが創設を仮にできたと、そのときに初めてそれに対する戦略的指導はあるのであって、それがなければ戦略的指導はできませんよということを申し上げているのですから、そこは誤解のないようにお願いをしたいと思います。 それから議員がおっしゃるとおり、国連憲章が現実にあることは事実ですし、日本国憲法があることも事実です。しかし、国連憲章に沿っておよそこの五十年間そうした事態がないということも、少なくとも過去においてきょうまでなかったということはお認めいただげると思うんです。 それは確かにエリツィン大統領がいろいろおっしゃったということも私も承知しております。それも事実でございます。しかし、それはエリツィン大統領がそういう演説をなさったけれども、これもまたそのとおりにはならない。これは一大国がどうか知りませんが、常任理事国の一人が言ったというにすぎなくて、常任理事国の他のメンバーが拒否権を、ノーと言えばそれはできないわけですから。したがって、私は政治家として、どうも常任理事国の中には、特定の国の名前は適当でないかと思いますから申しませんが、先ほどのアメリカというのを取り消させていただきますが、常任理事国の中でそういうものをやることに消極的な国があるとすれば、それは結果としてできない。それが恐らくここまでできなかった一つの理由であろうということを申し上げたわけです。 そこで、少なくとも過去ここまでできませんでしたということになれば、今の時点では少なくともできていたいわけですから、今の時点についてきちっと議論はしてもおかしくないし、これから先どうたるかわからぬじゃないかと議員おっしゃいますが、これから先の問題は、これから国連改革が行われるわけですから、これから先の問題についてはいろいろ新しい状況は出てくるかもしれませんね。これはわかりません。わかりませんが、そういう可能性はあると言っていいだろうと思います。 しかし、それはそれでちょっとこっちへ置くとして、別の問題として、少なくとも現実に四十七条三項の規定を見る限りにおいては、軍事参謀委員会は安保理が自由になる兵力の戦略的指導を行うということが一つ規定をされていて、それとまた別に、兵力の指揮をするというものがありますが、この兵力の指揮については、つまり後でこの問題についてははっきりさせますよと書いてあって、後ではっきりさせますよという部分についてはその後何にも処理はされていないという事実があります。 したがって、ここでまず我々が考えますのに、軍事参謀委員会がなすべき仕事は、恐らくいろいろ考えてみてもそれは戦略的指導までのことであって、それから先のことが、つまり兵力の指揮というものまでがそうであるかどうかについてはまだわからない、あるいはそうではないだろうというふうに解することもできるというふうに私は思っているわけです。 しかし、いずれにしても現在、議員がおっしゃったように、国連憲章と日本国憲法との間に矛盾がないか、あるいは矛盾といいますか、我が国憲法のもとで常任理事国になることが憲法に違反しないかどうかというストレートなお尋ねだと思いますが、それは今、私が申し上げたようなことから見て憲法には全く違反をしたいというふうに私は思います。 なぜなら、軍事参謀委員会の構成メンバーにだったとしても、それは戦略的なものについて発言をする、安保理のメンバー何カ国かが集まってそれについての協議をする一員になるということであって、どういうふうに申し上げればいいのかわかりませんが、実戦を指揮するとか軍事的な指揮をとるとかということとは違うというのが最も有力な学説だと。つまり、なぜ学説だと言うかというと、現実に今ないわけですから学説をとるわけでございますが、そういうふうに私どもは考えております。
○聴濤弘君 相当の交通整理が要るんですけれどもね、たくさんの前提がありますから。しかし、現在の国連憲章というもの、言われたこのことに限って、仮定の問題一切こっちに置いて、先ほど河野外相は指揮の問題というのは別だというふうに言われた。 この問題非常に重要なのでお聞きいたしますけれども、指揮のことは後で改めて協議する、決定する、確かにそう書いてありますね、こっちには書いてある。ところが、指揮とは別だと言っても、指導は何の指導をするのかといえば武力行使の指導をするんですよ、国連軍の指導をするんですから。指揮というのは、戦役の地域で司令官が自国の軍隊にどういう指令を与えるか。これは別個にやりましょうというんで、中間報告という中に書いてありますよ。四十七年に五カ国が集まってそこでいろいろ出た。指揮というのは軍事を直接、この指導というのは武力の行使を指導する、一層高いレベルで指導するんですよ。ですから指揮とは別だと言ったって、この理屈は成り立たないと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 誤解が後に残ってはいけませんからそこははっきりさせておきたいと思いますが、四七年、すなわち一九四七年にそういう議論が一部であった。しかし、その一九四七年のそうした議論は全く安保理でも合意をされていなければ総会でも合意をされていない。そういう、つまり一つの提案、提議があったというだけであって、その提案、提議は全く根拠を、現在法的な根拠というものを持たないものだということははっきりしている。つまり一九四七年、昭和二十二年のことでございますから、我々も思い出せば、大戦が終わった直後そういう議論があったと。しかしそれは、それ以来もう四十六、七年間、それ以後全くそうした議論はないということだけは明確にしておきたいと思います。
○聴濤弘君 仮定の話だというので、少し現実に戻したいと思うんです。 ここに私、湾岸戦争のときのシュワルツコフ司令官の回想録を持っております。ここの多国籍軍に対して出した戦略的指示というのはこの本の中に載っております。多国籍軍というのは国連軍のもう本当に一歩手前だったんですね。このシュワルツコフ回想録に出ている戦略的指示、これと戦略的指導というのは、私調べたら英語で全く同じなんですよ、ストラテジックディレクションという。ここでは明確にイラクの何を攻撃すべきか、その施設、工場、国家指揮系統、みんなここに挙がっておりますよ。これが戦略的指導なんですよ。これで戦争全体を指導する、これが戦略的指導なんです。これが国連軍のものじゃないといつだって、ほとんど国連軍のあと一歩というところでできたものがこれですよ。どうなんですか。
○政府委員(柳井俊二君) ただいまイラクの侵攻の際、いわゆる湾岸戦争のときのことに触れられたわけでございますが、確かに英語は同じかもしれませんけれども、この国連憲章という文脈の中で使われている戦略的指導という言葉と、アメリカの軍の中で使われているそういうアメリカの意味するところとが一致するとは限らないと思います。 これまで大臣からも何度か御答弁がございましたけれども、戦略的指導の憲章上の意味につきましては憲章上特定の定義はございません。ただ、学説によれば、安保理による政治的決定に軍事参謀委員会が軍事的専門的知見を活用して大局的な方向づけを行うというふうに解されているところでございます。これがまた指揮とは別のものだという点につきましても先ほど大臣の御答弁のあったとおりでございます。 それからいわゆる湾岸戦争のときの多国籍軍、これは国連軍の一歩手前というようなことをおっしゃったわけでございますが、非常にこれは性質の違うものだと思います。 多国籍軍というのは、御案内のとおり、当時アメリカが中心でございましたけれども、多数の国がそれぞれの自国の軍隊を派遣いたしましてそれぞれの国の指揮に従った、こういうことでございまして、国連との関係につきましては、当時、安保理決議六七八号という決議によりまして各国が、武力行使を含むと解されておりますがあらゆる必要な措置をとることができるということを、国連が各国の兵力にそういう措置をとることができるということを容認したというものであって、国連が組織した軍隊だったわけではございません。
○聴濤弘君 政治的指導だけに限定できると、そういうふうに断言はできますか。
○国務大臣(河野洋平君) 今、政府委員から御答弁申し上げましたように、そういう解釈が最も今、多数意見だということを承知しております。
○聴濤弘君 もう一回はっきりさせておきますが、軍事的指導であったらば、それに参画することは憲法に反しない、あるいは反するか、どっちなんですか。
○政府委員(柳井俊二君) ただいまおっしゃいました参画するということの意味いかんにもよると思いますが、先ほど来あるいはきのう以来出ております議論は、この戦略的指導というものの具体的内容はまだこれまで国連で決められたことがないと、ただ学説としては先ほど申し上げたようなふうに解されているということでございます。 そこで、将来の問題といたしまして、その具体的内容をどうするかということが仮に議論されることになって、そこの議論に我が国が参加するということ自体が憲法に違反するということには私はならないと思います。私、憲法の有権的な解釈をする立場にはございませんけれども、常識的に見まして、そういう議論に参画するということ自体が憲法上問題になるということではないだろうと思います。 憲法上問題になるのは何かといえば、それは憲法が禁ずる武力行使をすることになるか否かということでございまして、そういう議論に参画することが憲法上禁じられた武力行使になるということにはならないと思います。
○聴濤弘君 武力行使の指導をするところに参画をすることが憲法違反にならないというような理屈は通らないと思います。 総理、いかがですか。最後にそれを総理に聞きたいです。総理に伺って、私の質問を終わります。
○国務大臣(河野洋平君) 議員の御質問は、時々、戦略的指導の議論をしていると軍事的指導と言葉が変わったり、いろいろ変わるように思うんですが、今、議論をしているのは、軍事参謀委員会における戦略的指導についての御議論だというふうに私は思います。今、政府委員から御答弁を申し上げたとおりだと我々は理解しております。
○委員長(坂野重信君) 以上で有働正治君の質疑は終了しました。(拍手) —————————————
○委員長(坂野重信君) 次に、島袋宗康君の残余の質疑を行います。島袋宗康君。
○島袋宗康君 総理は昨日の答弁で、日米安保の性格が軍事面より経済的、政治的に大きなウエートが移ったというふうな答弁をなされまして、それで安保を堅持すると言われました。 冷戦終結後も、日米安保の軍事的側面であるいわゆる在日米軍基地、とりわけ沖縄の軍事基地の実態に全く変化がないわけでございます。沖縄県民に基地との共生を押しつけるということであり、例の防衛施設庁長官の宝珠山発言と何ら変わらないと思いますが、総理の御見解を承りたいと思います。
○国務大臣(村山富市君) 今、御指摘のありました沖縄の軍事基地の問題ですね。これは私は、総理になる前に何度か沖縄にも参りました。ああいう何といいますか、沖縄のど真ん中に基地があって、そして絶えずジェット機が飛んでいるといったようなその騒音も聞いてまいりましたけれども、本当に私は大変なことだと思います。 沖縄県民の皆様に戦中戦後を通じて多大の犠牲と御苦労をおかげしていることにつきましては大変申しわけなく思いますし、同時に沖縄県民の皆様方の御理解と御協力に対しても心から感謝を申し上げたいという気持ちでございます。 ただ、お話もございましたように、日米安保体制というのは、それだけのことではなくていろんな意味におけるアジア・太平洋全体のやっぱり平和と安定のための大きな基軸になっているという価値からして、これが住民の理解も得ながら、しかも安保条約によって円滑に運用できるような、そういう調整というものをこれからしっかり考えていかなきゃならぬというふうに思いますけれども、沖縄の基地も含めて、そうした整理縮小といいますか、あるいは円滑な運用にかかれるような、そういう視点から十分検討していく必要があるんではないかということを私は考えています。
○島袋宗康君 次に、安保そして地位協定について、その見直しについてお伺いしたいと思います。 総理も外務大臣も、冷戦終結後は日米安保の軍事的ウエートが軽くなったというような点では一致しているんじゃないかと思います。また防衛庁長官も、防衛力のあり方について検討したいというような答弁をなされました。 それでお尋ねいたしますけれども、軍縮の時代にふさわしい安保にするために、安保、地位協定等の見直しをされたらいかがでしょうか。 なぜなら、米軍の事故が発生するたびに訓練の中止や施設の使用条件の見直しを要求いたしますと、外務省からは、安保条約に基づく地位協定であり、訓練の中止までは求められないというような回答が戻ってまいります。にもかかわらず、思いやり予算の負担増の問題では地位協定の見直しをどんどんやっているわけです。 基地の使用条件の見直しや訓練ルートのいわゆる変更そして廃止等についても、冷戦後に対応した安保、地位協定の見直しを実施したらどうだろうかというふうなことが今、私たち県民の大きな願いであります。外務大臣、この見直しの問題についてどういうふうなお考えなのか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 冷戦後の国際情勢について、それはもう昨日来、総理からも御答弁がございますように、冷戦のさたかと冷戦後では国際情勢には変化があったということは申し上げたとおりでございます。ただ私、申し上げましたが、ヨーロッパにおける大きな劇的な変化に比べるとアジアには問題がまだ残っているということもまた御理解をいただきたいと思います。 先生御指摘の問題につきましては、つい先日も米軍機が墜落事故を起こすというようなこともございまして、住民の方々には大変ショックを与えたということがございました。私どももアメリカに対しまして、こうした事故がないようにということを申し入れをして注意を喚起しているところでございます。 一方、在日米軍は在日米軍としての責務、役割というものが当然あるわけでございまして、日本の安全その他、在日米軍が持つ役割というものを果たすための、その責務を果たすための訓練というものも一方で欠かすわけにはいかないというのが米軍側の主張あるいは我々に対する答えでございます。それもまた、その責務を果たすためにそういう返事も先方の考え方からすれば当然かと思いますが、我が方は我が方で一般善良国民に事故による被害が出るということはあっては困るわけでございますから、これについては十分に注意をしていただかなければならぬということを申し上げているわけでございます。 地位協定についてのお尋ねでございますけれども、現在のところ、かねてから沖縄の皆様方からも基地の整理統合等についての御主張がございます。今、総理から御答弁がございましたように、沖縄の現状を見ればそうした御意見が出るのはよく理解できるところでございますが、こうしたお考え、こうした主張を踏まえまして、米軍ともこれから話し合いをしなければならないというふうに思っております。米側の主張にも安全保障の側面が大きな任務としてあるわけでございますから、双方の理解を求めるための話し合いを引き続きいたしたいと思っております。
○島袋宗康君 私は、その見直しが必要であると。 沖縄では陸、海、空域とも県民の権限によって使用されないんですよ。全く米軍の勝手次第。そういうふうなことについては、非常に県民の生活が安定しないわけですからどうしても見直しが必要である。だから、これは日本の立場としてどういうふうに考えているかということを質問しているんです。聞いているわけです。米軍との相談というふうなことじゃなしに。
○国務大臣(河野洋平君) 繰り返しの御答弁になって恐縮でございますけれども、日本の安全ということを考えますれば、日本の安全は米軍と日本の自衛隊と、これが車の両輪のような形で我が国の安全を支えているわけでございますから、そうしたことも日本の国の安全という意味で考えなければならないと思います。 しかし、繰り返しになりますが、先生御主張のとおり、沖縄の方々がこの長い間、半世紀にわたって大変な御苦労、御苦心をいただいているという事情も十分よくわかっておるわけでございますから、そこは協議を続けたいということを申し上げているわけでございます。
○島袋宗康君 いろいろな御答弁がございましたけれども、要するに村山政権の基本姿勢は、安全保障に関しては軍縮の方向であるというふうに理解してよろしいかということの私に対しての御答弁をお願いしたい。 それから、さっきの報道によりますと、米朝合意も成立しましたし、軍縮の環境は整いつつあります。したがって、例えばアメリカ議会では一九九五年度国防歳出認定法というのが最近可決されました。それに基づいてアメリカ政府に在日米軍基地の調査報告を求めている法案であります。 我が国も冷戦終結に対応し軍縮を実行する施策の前提として、在日米軍基地に対する軍事、経済、環境的視点を含めた総合的な調査が必要ではないか。これはアメリカのこの国防歳出認定法に基づいて、当然日本国もこれに対応して、在日米軍の基地の問題についてどういうふうに整理縮小させていくかということも検討する時期に来ているのではないかということで御質問しているわけです。
○国務大臣(村山富市君) 国際的な軍縮の流れ、傾向といったようなもの、同時に日本の周辺の国々の理解、そういった全体のものを踏まえたがら、当然軍縮というものはこれからやっぱり考えていかなきゃならぬ問題だというふうに私は理解をいたしております。 それから日米安保条約のもとにおける米軍の施設やらあるいは区域を提供している地域の皆さんがどんなにお困りになり御迷惑をこうむっているかということについては、本当によく理解できるところであります。 それだけに、この地域住民の気持ちというものを大事にしながら、ある意味では米軍にも、いろんな事情、報告を求めたり、あるいはまた市町村の意見を聞いたりなんかして、全体の事情というものをできるだけつまびらかにつかめるように努力をしているところでありますが、今、島袋委員の意見は承っておきまして、さらにそういうような面についてもこれから一層そごのないように、地域住民とそうした施設等が円滑に運用できるようた条件というものをしっかりつくっていくようにこれからも気をつけていきたいというふうに思っております。
○国務大臣(河野洋平君) 総理の御答弁のとおりでございます。
○島袋宗康君 アメリカの認定法、それはどうしますか。どういうふうに日本は受けとめるんですか。
○国務大臣(河野洋平君) 一九九五年の米国防歳出認定法に基づく点についてのお尋ねでございますが、在日米軍施設・区域の提供は日米安保体制の効果的運用にとり極めて重要でございますが、他方、周辺住民にいろいろな御迷惑をかけていることも承知をいたしておりまして、従来から、個々の施設・区域につきそれぞれに特有の事情に応じて、要すれば米側より説明を受けたり関係市町村と連絡をしつつ、可能な限り当該施設・区域についての諸般の状況の把握に努めております。 一方、在日米軍施設・区域全般について御指摘のような総合的調査を行うということにつきましては、米軍の運用の詳細に立ち入ることになりまして、このことは極めて困難な面もございます。政府としては、従来同様、個々のケースごとにきめ細かく状況把握に努めていきたい、こう考えております。
○島袋宗康君 ありがとうございました。
○委員長(坂野重信君) 以上で島袋宗康君の質疑は終了いたしました。(拍手) —————————————
○委員長(坂野重信君) 次に、西野康雄君の残余の質疑を行います。西野康雄君。
○西野康雄君 新党・護憲リベラルの西野康雄でございます。 田中金脈を随分と追及なさっておられる。田中金脈を追及するならば、国民としてはやはり小沢金脈もきっちりと追及をしてもらうということが、国民としての疑惑というんですか、そういうふうなものの疑問に答える部分じゃないだろうか、そんな思いもいたしております。 政治家のいろいろな疑惑に対してきっちり追及していくということは正しいことではあると思いますが、今、グランディーの問題が随分とやかましくなってきております。北茨城あたりの、とあるゴルフ場の認可をめぐってのいろいろな巨額のお金のやりとりだとか随分と出てきております。 ところが、一線の検察が藤波判決によって少し腰が引けていると、そういうふうなことも承っておりますが、法務大臣として、質問通告もしておりませんですけれども、しかし疑惑をきっちりと追及していくという、そういう姿勢というものを秋霜烈日のバッジが恥かかないような、そういうふうな叱咤激励をひとつお願いをしたいなと思うんです、答弁で。
○国務大臣(前田勲男君) 先生からお話がございました点につきましては報道では承知をいたしておりますが、検察といたしましては、いずれにいたしましても、法と証拠に基づいて厳正に対応していくものと確信をいたしております。
○西野康雄君 十月十六日の毎日新聞です。cIAの献金問題の中で立花隆さんが、 CIAの日本での活動が、かつては直接、カネを渡すことだったが、七〇年代の後半から本来の諜報活動に戻ったということ。本来の諜報活動とは、日本の政治・経済情報を知ることであり、日米関係の中でその情報を利用することだ。外交交渉の場で、日本がどんな対応を取るか知っていたとか、農業問題の交渉では日本側の最終案は知っていたという。CIAの諜報活動は相当変わり、今では産業スパイや外交交渉のスパイもやっている。 今、CIAが使う武器は必ずしもおカネではない。一つは情報だ。価値のある情報を無警戒に受け取ることの危険性もある。小沢氏(一郎・新生党代表幹事)は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の核開発問題について「すでに核を開発している」とか、「根拠があって言っている」とか話している。小沢氏自身が情報を得るわけがないのであって、小沢氏に情報を流し込んでいるのはCIAではないか。 こういうふうな疑問を提示になっておられます。 そして北朝鮮の問題では、武村さんをやはり新生党の山岡さんが随分と批判をなさっておられる。しかし、こういうふうな人脈というのは、文脈を見ていくと、ある種イメージダウンだけをさせようという、政策論議だとかそんなものがないというふうなところがあるかと思うんです。 だから、そういうふうな、立花さんのがすべて正しいかどうかはわかりませんけれども、しかし国家の情報がどんどん流れていくということはこれはゆゆしき問題なわけですが、その辺ちょっと総理の御見解なり外務大臣の御見解なりがあったらお願いしたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 御指摘のとおり、情報というのは一番重要だと思います。ある人によれば、政治は情報戦争だとまでおっしゃる方があるわけで、情報をどう管理するかということが一番重要だと思います。 しかし、情報の中にはいい情報もあれば悪い情報もあり、本当に重要な情報もあればそうでない情報もあって、その情報をどう区別するか、分析するかということもまたあるわけでございます。 私どもは、国家の機密に属する情報というものは大事にしていかなければならぬ、その一方でやはり国民には情報を公開していくということも必要であるというふうに考えておりまして、この情報の取り扱いについては最も気をつけなければならないところだと思います。
○西野康雄君 小沢一郎氏がCIAのエージェントのごとき書き方ともとれるわけでございますから、こういうふうな部分においての厳密な調査というものをお願いしたいと思います。 君が代の問題というので、ちょっと私は社会党に助け船を出させていただこうかなというふうな思いもしているんです。 古典を愛している一人として、君が代を素直な意味で素直に受け取ってもらいたいたというふうなことがあるんですが、君が代というのは古今和歌集の中で、題知らず、詠み人知らずでした。最初の古今和歌集では賀の部でしたけれども、「我が君は千世に八千世にさざれ石の巌となりて苔のむすまで」、こういうふうなことが最初だとされております。そこから藤原公任の和漢朗詠集、祝の部、「我が君は千代に八千代にさざれ石の巌となりて苔のむすまで」。朗詠という以上は朗々と詠じたんですわね。 そういう中で鎌倉時代あたりから、「我が君」では、一体、我が君の何なのかというのがわからないので、君の年寿という意味で、よわいという意味で「君が代」というふうに変わっていきました。本来は「我が君は千代にましませ」、「ましませ」という動詞がないと何の意味がわからない。その「ましませ」を強調するために、今度「八千代」というのを入れてきたわけでございます。 本居宣長が古今集遠鏡というところでこの解釈はどうするのかというと、「細かい石が大きな厳になって苔の生えるまで千年も万年も御繁盛でおいでなされ、こちの君は」、「こちの君」は、その祝賀を受ける人を指したので、決して天皇を指しているということではないということを本居宣長が言っておるわけです。 ところが、こういうふうな歌が、昭和十年代のころになりますというと軍国主義化とともに一般的な長寿奉祝の歌が随分意味が変わってくる。昭和十年代の小学校国定教科書では、君が代は日本の国歌です、国民は君が代を歌って天皇陛下の御代万歳をお祝い申し上げます、そういうふうにちょっと変わってきているんですね。 そのずっと流れが、例えば文部省、昭和六十二年の参議院の決算では、君が代の歌詞は「象徴であられる天皇陛下を中心として日本国あるいは日本国民というものがとこしえに繁栄するようにという歌詞の意味である」と、これははっきり教える必要があるとか、そういうふうなことに変わってきております。 社会党が君が代というものを認める上において一番大事なポイントは、この昭和十年代から「君」のところに「大君」という意味合いが加えられてきて軍国主義化にたってきたというそこの部分をきっちりと押さえていくことと、それから一般的に申すと、これは一九九二年の荒木博之という方のあれですけれども、不特定の人の長寿を祝い祈る歌であるというふうなことで見解もはっきり出ているわけでございますから、そこら辺のところをしっかりと踏まえておいたならばいいんじゃないだろうか。 そんな思いをするんですが、総理、最後にどうですか。
○国務大臣(与謝野馨君) 先生は大変君が代の歴史にお詳しいので、私から今さら申し上げるまでもないと思いますが、君が代の「君が代」というのは「我が君」と言われた時代もございますし、いろいろ時代とともに解釈も歌い方も変わってきたわけでございます。 日本の国歌ということになりましたときに、君が代の「君が代」ということを一体どういうふうに解釈するか、こういう問題でございますが、それぞれの時代の時代背景に基づいて「君が代」というものを解釈すべきだと思います。古今集が出ましたころの1君が代」はその当時の政治のある種の体制でございますし、明治憲法のもとでの「君が代」は明治憲法のもとでの「君が代」であり、また現在の「君が代」は平和憲法のもとでの「君が代」、このように私どもは解釈しております。
○国務大臣(村山富市君) 西野議員の歴史的な勉強された御高見を拝聴いたしました。
○西野康雄君 与謝野晶子の後輩でございますので、いつでも議論には応じます。 ありがとうございました。
○委員長(坂野重信君) 以上で西野康雄君の質疑は終了いたしました。(拍手) これにて質疑通告者の発言はすべて終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午後六時五分散会