予算委員会 第2号
- 発言数
- 409 件
- 登壇者
- 37 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1994/10/17
会議録
○委員長(坂野重信君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 予算の執行状況に関する調査を議題といたします。 質疑に先立ちまして、一言委員長から申し上げます。 各質疑者の皆さんは、質問をする相手方に対しまして、極力事前に質疑内容をお伝えいただきたいと思います。また、発言内容の不穏当だと思われる点あるいは不適切なものにつきましては、理事会において協議の上、委員長において、発言取り消しあるいは説明、または速記録からの削除を求めることもあることを念のため申し上げておきます。また、質問に答える方も、わからないことはわからないとはっきりお答えいただきたい。それだけ申し上げておきます。 前回に引き続き、質疑を行います。片山虎之助君。
○片山虎之助君 私は、自由民主党を代表して、与党の一番手として質問させていただきたいと思います。テレビも入っておりますし、できるだけわかりやすい質問をいたしますので、総理初め皆様もわかりやすい簡潔直截な御答弁をお願いいたしたい、こう思います。 まず、本題に入ります前に、せんだって十三日のスウェーデン・アカデミーの発表によりますと、我が国の大江健三郎さんがノーベル文学賞を受けられた。大変私は喜ばしいことだと思います。我が国ではノーベル文学賞は二人目、アジアでは三人目だそうでございますけれども、我が国もこれからは国際貢献を経済だけでなくて文化で、文化の交流で世界平和に役立っていく必要が私はあると思う。 そういう意味で、日本の文学、文化が国際的に評価され、しかも日本からあるいはアジアから文化の発信ができたということは大変国民的な慶事だと思いますが、総理の御所見をまず伺いたい。
○国務大臣(村山富市君) 大江健三郎さんがこのたびノーベル文学賞を受賞された。これは日本では、御案内のように、もう亡くなられました川端康成さんがお受けになって二人目でありますけれども、日本国民の大きな誇りだというふうに私も思います。 私は、大江さんのすぐれた作品がそれだけ高く評価され認められたのだというふうに思いますけれども、単に作品だけではなくて、最近テレビでも放映されておりますし、きのうまた何か横浜で講演がありましたけれども、そのお話の中身を聞いてみましても、私どもにはやっぱり想像を絶する深いところまで掘り下げて探求していった、しかも子供さんの関係、本当に感激の一語に私は尽きると思いますね。 そういう意味で、私も大変尊敬もいたしておりまするし、そういう目でずっと見続けてきた立場からすれば、これは本当にうれしいことだというふうに思いますが、これを契機に日本がさらに国際的にも、今お話がございましたように、文化的な大きな役割も果たしていくことが本当にいいことだというように思います。 大江さんのこれからの一層の御健勝とさらなる御活躍を心から御祈念申し上げたいというふうに思います。
○片山虎之助君 それでは、本題の質問に入りたいと思いますが、まず総理の基本的な政治姿勢から入らせていただきたい。 総理、このところのマスコミの世論調査を見ますと、ずっと村山内閣の支持率が上がっているんですね。三カ月間これだけ上がったというのは珍しいということなんです。しかも、この一年で連立内閣は三通りあったわけですよ、細川、羽田、村山と。どの連立内閣が一番いいかというと、一番は村山だというんです。村山、細川、羽田になっている。長さに関係あるのかないのか知りませんけれども。 この最近の支持率の動向、推移について、総理はどういう御感想をお持ちですか。
○国務大臣(村山富市君) 正直に申し上げまして、今の連立政権ができたときにはだれも想定しなかったと思うんですね。これだけ長い間対決をしてきた、対立をしてきた政党が一緒になって連立政権を組むということに対する不安と戸惑いというものが私はあったと思いますね。それがこの成立当時の支持率を非常に低めてきたというふうに思うんですけれども、これまでの経緯の中でそうした対立を乗り越えて、今、国民が期待するものは何なのかということをまともにとらえて、まともにこたえようとしておる、その姿というものがある意味では御理解をいただいたのではないかと、私はそういうふうに思うんですね。 今までイデオロギーで対立してきた時代から、これからはどういう政策を選択することが一番国民のためにいいのかということをお互いに虚心に話し合って、政権の運営にしてもできるだけ透明度を高めて民主的に国民の皆さんにわかるような努力をしてきたということがある意味ではお認めをいただいたんじゃないかというふうに思うんですね。 今、課せられた課題というものは大変大きなものがあるわけですから、絶えずそういう視点を忘れずに私は国民の期待にこたえられるような改革を推し進めていくということが一番大事ではないかというふうに考えております。
○片山虎之助君 今、総理が答弁されましたように、最初は私は本当に国民に戸惑いや不安があったと思いますよ、今までけんかばかりしてきたんですから、正直言いまして。しかも、三党合意はありますけれども、その時点では基本的な政策の相違というのは残ったわけですからね。 ところが、この三カ月間、やっぱり国民はこの内閣はちゃんとやっているなと、こういうことになったんだと思うんですよ。その一つは、やっぱり村山総理のお人柄や魅力ですよ。三カ月だけ総理をやっているように見えませんよ。もう二年ぐらいやっているように見える。答弁も大変お上手でございますし、しかもそれで総理らしさが余りないんですよね。素人っぽい、素朴な、そういうところが私は国民に受けているんだと思いますよ。 それから二つ目は、やっぱり与党三党の協力体制が息が合って私は安定していると思うんですよ。もともと衆参で第一党と第二党にさきがけが加わっているんですから、政権基盤が大変強固なことは当たり前。しかも、三党が今、本当に積み上げで政策をすり合わせて、しかも強権的な権力の二重構造じゃなくて、下から積み上げて民主的に物を決めている、オープンに。これは非常にいいと思いますし、また三党は互譲精神がありますよ。これがこの先どうなるかというところはあるんですけれども、今の時点では私は互譲精神はあると思う。 さらに、社会党が基本政策を大きく転換されて現実的ないろんな政策を選択されてきた。例えば日米包括協議だって、大変外務大臣や通産大臣は御苦労されましたけれども、ノーだけで済ませなかったんですから。前の何とかという内閣ではノーだったんですから。あるいは税制改革も取りまとめる、あるいはルワンダのPKO、米の問題、そういう意味で着実に私は実績を上げてきたことを国民が評価していると思うんですね。 ぜひこの体制、この呼吸、この協力を続けていっていただきたいと思いますが、総理を初め、副総理、大蔵大臣、いかがでございましょうか。
○国務大臣(村山富市君) 今、御指摘をいただきましたような視点を忘れずに、私はやっぱりまともに正面から取り組んでこたえていくという姿勢を崩さないことが一番大事ではないかというふうに思っていますけれども、連立政権というのはある意味では大変難しさもあるわけですね。 これは、理念も政策も違う政党が一緒になって共同して政権を担っているわけですから、もともと難しさはあると思いますけれども、私はいつも言うんですけれども、それぞれの政党にはそれぞれの歴史もあるし、持ち味もあるし、よさもある。連立政権を組んでいくことはお互いに譲り合わなきゃならぬ面もあるけれども、しかしどうしてお互いの持っているよさ、持ち味を最大限に国民のために生かしていくかという視点をやっぱり大事にして、そしてできるだけ国民のためにいい政策を選択していくという努力を怠りなくやっていくことが一番大事ですし、その連立政権の運営と中身というものがよく国民の皆さんにわかっていただく、理解していただけるような運営の努力というものも私は民主的政治の基盤として一番大事なことだというふうに思いますから、そういう視点を忘れずにこれからも努力していきたいというふうに思っております。
○国務大臣(河野洋平君) 私ども連立に参加いたしましたときに、自由民主党としては、過去を振り返って、我々が失敗したのはなぜか、我々に足らざるところがあるとすればどこかというようなことについて十分反省をして、そういう反省に立ってこの政権に参加をした。そして今、片山議員お話しのように、譲るべきところは譲る、直すべきところはきちんと直す、そして国民のために政権というものはやはり安定して信頼される政権でなくてはならぬということに十分心を砕きながらやっているということが私は好感を持たれているのではないかと思います。もちろん、景気がよくなったとか、そういう社会的に非常に前向きに物を考えられる状況が出てきたということは我々にとってありがたいことでございます。これは村山内閣の実績といえば実績と言っていいと思います。 さらにもう一点だけ申し上げれば、村山総理のお人柄について片山さんお触れになりましたけれども、横で見ていて国民から支持を受けたいという、何といいますか、こびがないといいますか、支持率を何とか高くしたいといってパフォーマンスをする、そういうことが村山さんにはないんですね。そのことがむしろ非常に好感を持たれているのではないか。政治ですから、ときには国民の皆さんに我慢をしていただかなければならぬこともあると思うんです。しかし、そういうこともきちっと考えてやっているということが逆に好感を持たれていることではないか。今後とも努力をしたいと思っております。
○国務大臣(武村正義君) 改めて申し上げるまでもありませんが、世の中はどんどん変化をしてまいりますし、人間もまた進歩を遂げてまいります。 確かに五五年体制というのは四十年近く続きました。その背景には冷戦がありました。その冷戦が幕を閉じてもう五年になるわけであります。水と油という見方は、まさに過去の自民党、社会党、あるいは両党の関係に対する見方であります。自社政権を頭から否定される、御批判される方々は大変そういう古い頭のままでおっしゃっているなというふうにしか思えません。社会党の大胆な政策転換にしろ、また自民党も党基本問題を含めて真摯な党改革の努力を、まさに自己改革を競い合う状況になってきていることを国民の皆さんも御理解をいただきたい。 私どもとしましても、おごらず高ぶらず精進し、うまずたゆまず努めてまいりたいと思います。
○片山虎之助君 ありがとうございました。三党首の今のお気持ち、御決意で今後とも本格長期政権を目指してしっかりやっていただきたい、こう思います。 ところで、この国会に区割り法が提出されております。早晩審議が始まり、時期はわかりませんけれども、これが通る。通れば一連の政治改革は完了するわけであります。野党は、新しい制度ができたんだからできるだけ早い時期に解散・総選挙をやれと、こういうことを言っています。また与党の方は、政府の偉い人も与党の大幹部もかなり勝手なことを言っていますよね、みんなばらばら。再来年の秋がいいと言ったり来年の秋がいいと言ったり、年明けがいいと言ったりもうちょっとだと言ったり、それはあるいは政治家ですから御自由かもしれませんが。 総理、政権のあり方、今の政治の動向からして、解散・総選挙についてはどのようにお考えですか、時期。
○国務大臣(村山富市君) 今、委員からお話がございましたように、この国会の一つの大きな課題は、区割り法案を成立させて選挙制度を含めた政治改革をなし遂げるということにあると思います。したがって、それができれば解散をして信を問うべきではないかという声があることも私は否定はいたしません。 しかし同時に、一体、日本の景気はこれから本当の意味で安定した成長ができるのかとか、あるいはまた税制改革も含めていろんな課題がありますし、国際的にもまたこれからいろいろ問われてくる課題を抱えているときであります。そうした当面する国内外の課題に対してどう解決をして国民の期待にこたえるかということも与えられた課題だというふうに思いますから、そうした面も含めて総合的に判断をして私は決めなきゃならぬというふうに思っておりますから、今のところこの解散のことについては全く考えていないというのが私の気持ちであります。
○片山虎之助君 総合的に勘案してお決めになる、今は解散のカの字もないと、こういうことですね。
○国務大臣(村山富市君) おっしゃるとおりであります。
○片山虎之助君 そこで、今、野党の皆さんはこの年末を目指して新・新党をおつくりになる。今、新しい統一会派の「改革」というのができておりますけれども、それはどういうことになるのかわかりませんが、できる。一方で、与党三党の自民党、社会党、さきがけで新党をつくったらどうかと、そういう意見も一部にあります。有力閣僚もそういうことを言われているということがいつか報道されておりましたが、総理、これについてはいかがでございますか。
○国務大臣(村山富市君) やっぱり一緒に仕事をしていますと、これは人間同士ですからね、お互いに理解も深まってまいりますし、あああれだけ違うかと思ったけれども、話してみるとそれほど大きな違いはないなというふうな気持ちになることも私は自然な成り行きだと思いますね。 しかし、先ほども申し上げましたように、それぞれの政党には歴史もありますし、いろんな理念も政策も違いがあるわけですから、それが無理やり私は一つの政党にならなきゃならぬということはないと思うんですよ。これからはむしろ、これだけ国民の価値観も多様化しているわけですから、その多様化した国民の意思というものが素直に国政に反映できるようなものにしていくためには、ある程度のやっぱりそういう声を代弁する政党の存在というものがあっていいんではないかというふうに思いますね。 そうしたものが、有権者の気持ちを一番大事にしながらその気持ちが素直に反映できるような連立政権というものは、一体どういう枠組みが一番いいのかということを選択して考えていく時代ではないかというふうに私は思いますから、無理に一つの政党に収れんする必要はないんで、ただ政権をとるために数だけ集めて、そして多数派を形成すればいいというような考え方ではなくて、国民のために何ができるのか、何をする必要があるのか、そのためにはどういう連立政権の枠組みをつくることが一番いいのかということを私はやっぱり真剣に考えていくことが大事ではないかというふうに思いますから、ある程度の多党化した政治の姿というものは、これからも連立政権の時代というものを想定した場合にむしろ私は必要ではないかというふうに考えています。
○片山虎之助君 私も総理の意見に同感でございますが、無理にということじゃないんですよ。一つの政党になるにはやはり自然な流れ、国民の意向、いろんな状況が総合的に加わっていると思いますけれども、もしそういう状況になってきたら、総理としてはそれもよしと、こういうお考えですか。
○国務大臣(村山富市君) 私はいつも自然体自然体ということを申しておりますけれども、自然な流れで、だれもが客観的に見て、ああそれは当然だな、当たり前だなというような状況の中で結ばれていくことは、それはまたあり得てもいいことだというふうに思います。
○片山虎之助君 総理は、所信表明演説のあの中で「人にやさしい政治」を五回使われているんです。下に政治がない「やさしい」というのはもう一回使っているんです。だから六回出てくるんです。これは今や総理のスローガンになって、いい言葉なんですけれども、それじゃ今までの政治はやさしくなかったんですね。何で特にここでやさしさが強調されなきゃいかぬのですか。
○国務大臣(村山富市君) いろんな視点から言い分があると思いますけれども、日本はこれまでずっと開発、経済というものを中心に考えてきた。それはそれで私は、これだけ日本の国の経済が発展したんですから、大きな功績があったというふうに思います。 しかし、それだけに、例えば環境が破壊されるとか、あるいは人間の住環境が本当に人間のために住みよいかといえば、遠方から満員電車に揺られて通勤をして、仕事から家に帰ったときはもうへとへとに疲れているといったような働く皆さんの生活の実態というようなものを考えたり、あるいはまた、これだけ日本の国は経済が豊かになったにもかかわらず国民の暮らしの中に本当に豊かになったなという実感が生まれない、こういったようなことを考えてまいりますと、そういう視点からもう一遍政治を見直してみる必要があるんではないか。ですから、働く皆さんの視点に立って政治というものをもう一遍見直すということをこれからやっぱり本当の意味で考えていく必要があるんではないかという意味でそういう言葉を私は使わせてもらったわけです。 しかし、人にやさしい政治をするからにはどこかにやっぱり無理があるし、犠牲を強いなきゃならぬわけです。その無理と犠牲というものは、これは行政も姿勢を正していく、そしてみずからに厳しくするということでなければ人にやさしい政治はできない。だから、痛みを避けるのではなくて痛みを甘受しながら、そしてより効率的なよりいい政治をつくっていくことが本当の意味で人にやさしい政治が実現できる前提ではないかというふうに考えておりますから、そういう決意でやりたいというふうに思っております。
○片山虎之助君 大体わかりました。 とにかく今までの政治は開発や経済にややウエートがあった、これから環境や生活や福祉や働く者の立場で、しかもそれには人にはやさしいけれども自分には厳しくと、こういうことなんですね。 そこで、総理、レイモンド・チャンドラーという作家がいるんです。「プレイバック」という小説があるんです。その中に彼がつくった私立探偵の有名なフィリップ・マーローというのが出てくる。その人が有名な言葉を言うんです。総理、御存じですか。御存じなら言ってください。
○国務大臣(村山富市君) 今、急に言われるとなかなか思い出せませんから、どうぞよろしくお願いします。
○片山虎之助君 私はちゃんと通告したんですから、内閣参事官室、ちゃんと伝えなきゃだめですよ。 そこで、フィリップ・マーローばこう言うんですね。人は強く、あるいはタフでもいいんですが、人はタフでなければ生きていけない、やさしくなければ生きている資格がないということなんです。私はこれはなかなかいい言葉だと思うんです。 今、総理がいろいろ言われましたけれども、やさしいだけでは改革はできません。税制改革でも行財政改革でも自分には厳しくしてもらわなければいけません、しかし、相手にも厳しく。厳しさやつらさや苦しさをともに甘受しながらという、そこがなきゃ私はいかぬと思うんです。そういう意味では、やさしさには強さがなければ、あるいは何かをやる勇気がなければ、それは弱さだと思うんです。いかがですか。
○国務大臣(村山富市君) 人はタフでなければ生きていけない、人にやさしくなければ生きていけない。さっきまで覚えていたんですけれども、急に忘れたものですから。 言われるとおりだと思いますね。私は、端的に申し上げますと、この内閣に対する一つの大きな課題は、やっぱり人にやさしい政治を実現するためには行政改革も思い切ってやらなきゃならない、しかし口で言うほど行政改革は簡単にできるものではないというふうに思います。よほど内閣が決断をして、本当に自分の身を切るようなつもりで取り組んでいかなければこの行政改革はできないんではないかというふうに思いますから、そうしたものも含めて、今、委員御指摘のとおりの気持ちと決意で取り組んでいきたいというふうに思います。
○片山虎之助君 そこで、政治改革でございますけれども、先ほども申し上げましたが、区割り法案が通過、成立することによって、政治改革の入れ物はこれで一応形を整える。問題は、その入れ物の中にどういう本当の政治改革を盛るかということだと思うんです。 私は、この単なる入れ物、この入れ物自身にも相当異論がある、小選挙区比例代表並立制にも。しかし、とりあえず長い議論の末にそれを選択したんですから、できたものについてどうやるかというのがこれから議論になる。その政治改革についての総理の御決意というんでしょうか、それをお伺いいたします。
○国務大臣(村山富市君) 仏つくって魂入れずというのでは本当に意味がないと思います。したがって、区割り法案が通れば中選挙区から小選挙区に変わるわけです。しかし、小選挙区制度に変わったからもうすべてが解決したということにはならないと思います。小選挙区というもののよさをお互いがどう生かして、むしろ私は、例えば死票がふえるとかというふうな欠陥もあるわけですから、そういう欠陥をお互い政治家としてどう是正をしながら、本当に小選挙区の持っているよさというものを生かしていくかということのやっぱり決意がなければ、私はそれなりの成果は上がってこないのではないかというふうに思います。 そんな意味では、やっぱり政治家の倫理の問題とかあるいは腐敗防止を徹底して、そして本当の意味で政策を中心としたきれいな選挙ができるとかというようなことをしっかり踏まえていかなきゃならぬと思いますが、そんな意味では公職選挙法の改正とかあるいは政治資金規正法の改正とかいうこともこれまでやってまいりましたし、また今度、公的助成を受けるに当たって政党がもっとまともな姿勢にきちっとなるような検討もされておるというふうにも聞いておりますから、そうしたものも含めて、これはもう政治をよくして政治の信頼を持てるようなものにしていくということは、これで終わりというのではなくて、いろんな経験を通じて継続的にふだんからお互いに自覚をしながら努力していくことが大事ではないかというふうに思っています。
○片山虎之助君 総理の言われるとおり、これは政治改革のスタートなんですね。ゴールじゃない。しかと承りました。 そこで、この区割り法、周知期間が一カ月だというんですよ。昔は全然そういう議論はなかったんですな。六カ月だとか三カ月だとか、いつの間にやら一カ月になった。まあみんな知っているからいいじゃないかと、こういう議論がありますけれども、何か世上では悪く言われているんですよ。お金が欲しいからだ、政党助成法の絡みだと。 その点いかがお考えかという点と、それからもう一つ、これは自治大臣にお聞きしますけれども、この新しい制度全般の啓発活動を私は徹底してやっていただきたいと思う。予算等聞きましたけれども、その予算で果たして私はちゃんとやれるのかなと大変心配いたしておりますけれども、いかがでございましょうか。 最初の問題は総理にお願いします。
○国務大臣(村山富市君) 周知期間については、私はやっぱりいろんな見方、考え方があると思いますね。ただ、これまでずっとこの前の国会からこの問題については議論をしてきているわけですし、その議論の経過というのはある程度マスコミ等も通じて国民の皆さんにも御理解をいただいているんではないか。したがって、最近の世論調査を見ましても、相当関心の高さを示してきておりますけれども、そうした全体の状況を判断して、まあまあ一カ月ぐらいあればそれなりの県やら市町村あたりの御協力もいただいてある程度の目的は達するんではないかというふうに私は考えております。
○国務大臣(野中広務君) 委員御承知のように、選挙啓発につきましては大きな改正でございますだけに非常に重要であると存じておるところでございます。 今日まで寄附の禁止等につきまして、御承知のように十六億円の啓発を行ってきたところでございまして、今回の政治改革の関連法案の内容等につきましては、平成五年度の予算におきまして十八億円を組んでいただきまして、これをなお繰り越しをいたしておりますので、関係法案が通りましたらこれを十分に活用いたしまして、パンフレットを配布し、あるいは新聞広告、テレビのスポット等を通じまして十二分にやっていきたいと存じておる次第であります。 さらに平成六年度予算におきましては、御承知のように十八億円を計上いただいておるわけでございます。あわせてさらにこの腐敗防止を含めた啓発に励んでまいりますとともに、また総理府主管の政府広報につきましても、私ども十二分にお願いをいたしまして周知徹底を図ってまいりたいと思うわけでございます。平成六年度予算は二十三億八千万でございまして、これで十分対応できると存じておるところでございます。
○片山虎之助君 しっかりやっていただきたいと思います。 そこで、この区割り法と一緒にこの国会に出てまいっておりますのが腐敗行為防止法、連座制の拡充であります。それからもう一つは、政党への法人格付与であります。 腐敗防止法、今、与党と野党と両方、案が出ておりますが、あるいは一本化されるやにも聞いておりますけれども、この中でその連座制の拡充に組織的選挙運動管理者という仕組みを入れたわけであります。それは、候補者と意を通じてやる、買収や供応をやる、連座制にひっかかる。ところが、相当の注意を怠らなかったときには免責になるというのですよ。私は、この「意思を通じ」も「相当の注意」もかなり恣意的に運用されるおそれがあると思うんです。きつくやれば大変なことになるでしょう。ところが、緩くやればもう抜け穴だらけなんですね。この点、取り締まり当局にちゃんと運用できるかどうかについての御回答をいただきたい。
○国務大臣(前田勲男君) お答え申し上げます。 検察当局におきましては、従来から公正、厳正、公平、不偏不党で取り組んでまいりましたが、今後とも法と証拠によりまして厳正に取り組んでいくという姿勢ております。
○片山虎之助君 ちゃんとやれますね。
○国務大臣(前田勲男君) もちろん、ちゃんとやるということでございます。
○国務大臣(野中広務君) 警察庁といたしましても、今おっしゃるような組織的に候補者が事前に十二分にそれを徹底してあったかどうかという、そういうところになりますと非常に法の適用あるいはこれを検挙するところに難しさがあるのではなかろうかと、私ども自身、今おっしゃったような内容を素朴に感じておるところでございますが、法務大臣がお答えになりましたように、法が一応成立いたしました暁はこれが厳正な執行が行えるように十二分に対応をしてまいりたいと存じておるところでございます。
○片山虎之助君 そこで、例の政党法と政党への法人格付与法なんですが、この法律は悪くはありませんけれども、これは任意なんですね、法人格を受けるかどうか。しかも、それは助成をもらうということがリンクしているだけなんですね。実はこの法人格をもらおうがもらうまいが余り差はないんですよね。 私は、政党は社会的実態としては大変な存在ですね、そういう意味できちっと法的根拠を持つ政党法というのが個人的には必要だと思っております。もちろん政党活動に権力が介入するようなこと、政党活動の自由は保障しなければなりませんけれども、そういう意味で今後はぜひ政党法まで発展していただきたい。三百九億円の金を受けるんですから、とりあえずは。 それから、それがまたいろんなことを政党がやっているんですよ。それが全くこれだけ法律の好きな国で、日本で政党法がないというのが私はおかしい。要らぬ法律がいっぱいあるんですから。こういうものこそきちっとした法律を私はつくるべぎだと思いますけれども、将来の問題ですが、総理、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(村山富市君) この国会に与野党が合意をしてこれは今おっしゃったように交付を受けるわけですから、これは税金をいただくわけですから、したがって政党の法的主体というものをもっと明確にする必要があるという意味で法案を用意しているというふうに聞いておりますけれども、それはそれで私は結構だと思います。 ただ、この政党法という問題になってまいりますと、政治活動の自由とかあるいは結社の自由とか、そういうものとの関連がどうなるのかというようなことについても十分私は議論を深めていく必要があるというふうに思いますから、これからの検討課題として私どもも研究したいと思いまするけれども、国会においてもそういう意味における御議論を深めていただくということを期待したいというふうに思います。
○片山虎之助君 政党が国民に信用、信頼されるためにも、私は何らかの法的整備は今後の大きな課題だと思っております。 最後に、参議院の選挙制度であります。 これで衆議院の選挙制度は区割り法をもって完結する。参議院の選挙制度については八次審で議論はしましたけれども、本気で考えてきちっと答申を出す私はゆとりと時間がなかったと思うんですね、第八次審議会。そこで、衆議院がこれで終わるんですから、その衆議院の新しい制度に対応する新しい参議院の制度を私は議論していただきたい。各党でやっていますよ、参議院の各会派。前の国会でもかなりいいところまでいったんだけれども、結局、異論があってまとまらなかった。逆転区の解消だけして来年の選挙を迎える。しかし、またその三年後に次の選挙が来るわけでありますから、第九次選挙制度審議会を設置して参議院の選挙制度の御諮問をいただきたい。それにはそれに絡む地方の選挙制度についても同様に扱っていただきたい。いかがでございますか。
○国務大臣(村山富市君) 今、委員御指摘のように、第八次選挙制度審議会から答申が出ておりまして、その答申の是非をめぐっていろんな角度から参議院でも活発な御議論が行われたというふうに承知をいたしております。 先般の国会で、一つのできる目安として四増四減を行って、そして若干の是正が行われたというふうに聞いておりますけれども、私は、第八次制度審議会の答申である程度の問題点は提起されているのではないか、その問題点をどういうふうにすることが一番、衆参両院という二院制を持つ日本の国会の建前として参議院のあるべき姿なのかということをこれからも十分御議論をしていただくことが大事ではないかというふうに思いますから、ぜひひとつ国会の中で十分な御検討をいただくことによって何らかの合意が得られるようなそういう御努力をしていただくことが必要ではないか、大事ではないかというふうに思っておりまするし、今、委員の御意見についても、そうした審議の経過の推移というものも十分見ながら検討させていただきたいというふうに思います。
○片山虎之助君 いや、国会の中だけではやっぱり限界があるんですよ。国会の中は国会の中でやるんです。ただ、衆議院の選挙制度がそうであったように、客観的、中立的な学識経験者の御議論もひとつ一方でいただきたい。 私は、八次審が不徹底だったから、だから九次審の必要を今申し上げているわけでありますが、御検討いただけますね、前向きに。
○国務大臣(村山富市君) 今申し上げましたように、この八次答申を受けて、例えば比例制度のあり方はこれでいいのかとか、いろんな問題点が御議論されているというふうに私も聞いておりますけれども、これからもまた各会派でそうした問題についての御審議をしていただけるのではないかというふうに思っておりますから、そういう検討の経緯も十分参考にさせていただきながら、どうしてもやっぱり国会の中だけでは結論が出しにくいというようなことやら、あるいはまたもっと広範な立場からいろんな意見をさらに聞く必要があるというようなことがあり得るとすれば、そういう点も十分総合的に判断をさせていただきながら検討をさせていただきたいというふうに思います。 私は、何分やっぱりこれは国会で決めることですから、したがってこの参議院の選挙制度のあり方、参議院のあり方についてどうすることが一番いいのかということについては、さらにお互い同士の会派の中で御議論も深めていただきたいし、できれば合意点が見出せるような御努力もいただくということが一番大事ではないか。その推移も見ながら、今、委員発言のように、検討をさせていただきたいというふうに思います。
○片山虎之助君 いや、どうもくどいようですけれども、余り積極的でないんですね。私、並行してやればいいと思うんですよ。国会で議論してその後に審議会というのは道なんじゃないですか、議論が。いかがでございますか、並行して。
○国務大臣(野中広務君) 総理が今、答弁いたしましたけれども、第八次選挙制度審議会でそれぞれ候補者の推薦制の導入とか選挙区選挙への一本化の問題、あるいはブロック制の問題、こういう問題が一応提起号されたわけでございます。しかし、残念ながら合意に至らなかったわけでございます。 その後、参議院におかれましてもいろんな検討がなされましたけれども、本年七月の定数是正にとどまったという経緯もございますので、私ども第九次審に熱意がないというわけではございませんけれども、やはりそれぞれ院で、各党各会派で議論をいただき、一定の合意をいただくことの方がむしろ参議院制度の改革はなしやすいんではなかろうかという見地から、第九次審に消極的であるなどという意味ではないわけでございますが、ぜひ参議院の自主性において、問題点の提起は既になされておるわけでございますので、合意が得られるような御検討をいただくことがいいのではなかろうかという意味を総理も申し上げましたし、私どもも今それを考えて念じておる次第でございます。
○片山虎之助君 いや、それは話が違うんですよ。両方やればいいんですよ。お互いにフィードバックしていいものができてくるんですよ。衆議院の場合がまさにそうなんですよ。それは衆議院で、国会でまずやったんですか。その結果、審議会は受けたんですか。違うでしょう。結局は、一部手直しはあったけれども、ほとんど審議会の考え方が制度になったんですよ。だからそういう意味で、後で後でと言わぬで、並行して私は十分やれると思うんですよ。自治大臣とも思えない答弁ですが、もう一度お願いします。
○国務大臣(野中広務君) 今、私ども考えておりますことは、先ほど総理が申し上げ、私が申し上げたことに尽きるわけでございますけれども、先生おっしゃるような選挙制度審議会の検討と、さらに院におけるまた検討とが並行に行われなくてはならないという御意見も十二分に尊重していかなくてはならないと存じますので、また政府部内を含めましてよく検討をさせていただきます。
○片山虎之助君 それでは次に、行政改革の問題に入りますが、政府の所信表明演説なり御答弁で一番大切な問題で最重要課題だと言われたのは行財政改革ですよね。ところが、総論だけで、かけ声ばっかりじゃないかという意見もあるんですよ、具体性に乏しいという意見が。 ただ、所信表明を読みますと、総理は三つのことはかなり具体的に約束されている。一つは、特殊法人の見直しを本年度内にやるということが一つ。二つ目は、五カ年の規制緩和推進計画をつくる、実施する。三つ目が、地方分権のための大綱方針を策定して基本法をつくる。これだけ私は約束されたと思うんですよ。よろしゅうございますか。
○国務大臣(村山富市君) 所信表明演説で述べて、これはある意味では国民全体に対する約束もしておるわけでありますけれども、委員御指摘のとおりであります。
○片山虎之助君 特に一番議論をされている特殊法人については今までの内閣よりずっと前向きなんですよ。前の内閣は二年後にやると言ったんです。それを本年度内に前倒ししたんです、村山内閣は。したがって、私はその姿勢は高く評価すべきだと思いますよ。固有名詞がまだないではないかとこの前質問がありましたが、まだ半年あるんですから、半年の間に固有名詞を詰めていただければ私はいいと思います。 しかし、もしやるならば、総理、官主導じゃ絶対できませんよ。各役所の理屈を聞いたら絶対できません。人にやさしくちゃできません、いや本当に。それは政がリーダーシップを持って相当荒っぽいことをやらないと私は絶対できないと思う。 中曽根内閣が三公社の民営化をやりました。JRは分割になった。私は今まで最大の成果だと思いますよ、その結果がらっと変わったんですから。ぜひそこは不退転の決意でやっていただきたい。 それからもう一つは、日本は空気の国ですから、山本七平の「空気」の研究」というのがありましたよ。日本は、空気、雰囲気、ムードをつくったら、だあっと打っちゃうんですよ。政治改革もそうですよ、そんなことを言っちゃいけませんが。そういう意味で、ぜひこの行政改革、特に特殊法人の改革は、空気を私はぜひつくっていただきたい。空気をつくり雰囲気をつくって、それによって国民のコンセンサスをずっと形成していっていただきたい。 総理、いかがでございますか。以上の私の意見についての御感想を承りたい。
○国務大臣(村山富市君) 委員、今言われましたように、これは口で言うほど簡単なものではない。存在するものを変えるということは、存在するものにはそれぞれやっぱり意義もあるわけですし、存在価値も完全になくなっているというわけではありませんから、したがってそれを守ろうとする力が働くことは当然なんですね。そこにやっぱり改革の難しさがあると私は率直に思います。 それだけに、単に内閣だけが取り組むというのではなくて、議会全体の皆さん方の御協力も必要だし、同時に国民的にも、これだけはぜひやってほしいと、こういう国民の声というものをやっぱりとらえて全体としてこの力が働くような、そういう条件をつくっていかない限りは簡単にはできないものだというふうに思います。 ただ、特殊法人の問題につきましては、先般も私の方から各閣僚にお願いをしてありまするし、同時に閣僚懇談会等におきましても再三各大臣の考え方も出していただいて、そして六年度中にそれぞれ各大臣がその考え方を披瀝をして、そして総合的に内閣として取り組んでいくという、その段取りもちゃんと決めて具体的に進めていきたいというふうに思っておりますから、皆さん方の御理解と御協力もお願いしておきたいというふうに思います。
○片山虎之助君 そこで、特殊法人については年度内に見直して整理合理化計画をつくると、こういうことになっていますね。合理化計画も、総務庁長官、年度内につくるんですね。その中には、この特殊法人は残す、この特殊法人はいじると言ったら語弊がありますけれども、中身を変える、民営化する、統合する、あるいはある部分は切り捨てる、こういうことを書かれるおつもりかどうか。
○国務大臣(山口鶴男君) お答えいたします。 今、先生の御質問を聞きながら先輩の言葉を思い出しました。私が尊敬する政治家に社会党の書記長をやられた江田三郎先生がおられるんですが、よく色紙に「強い心がなければ生きていけない 優しい心がなければ幸せは得られない」と、こうお書きになりました。私は、この行政改革に取り組むに当たって、やさしい心も必要ですが、強い心がなければやっていけないと、こういう決意で取り組むつもりであります。 お話の点でありますが、総理からもお答えがございましたが、年内に特殊法人等、特殊法人九十二、認可法人八十八ございますが、こういった特殊法人等につきましてどこに問題点があるかということは各省庁において洗っていただきまして、その報告をいただこうと思っております。それを受けまして年度内に、お話のありましたように、この整理合理化といいましても、これはなくするというのも一つの方法でしょう、統合も一つの方法だと思います。あるいは経営のあり方について改善をさせるということも一つの見直しだろうと思います。いろいろなやり方があろうと思います。それからまた、特殊法人を認可法人にするとかいうのも一つの方法がと思います。 さまざまな方法があろうと思いますが、いずれにいたしましても、年度内に具体的に特殊法人等につきましてはこのようにするということを各省庁から報告も受けますし、また内閣といたしましても具体的な検討をいたしまして結論を出しまして、年度内に行革推進本部、総理大臣が本部長であります行革推進本部において決定をし、閣議決定をして国民の前に明らかにいたす予定でございます。
○片山虎之助君 今お話しありました、各省庁が出して内閣として決め、さらに本部にもかけるというお話でございますが、こういうふうにするということについてはいつまでにという期限をつけるんでしょうね。いかがですか。
○国務大臣(山口鶴男君) 年度内に必ず決定をいたします。
○片山虎之助君 じゃなくて、統合なり民営化なり。
○国務大臣(山口鶴男君) それは年度内三月ぎりぎりではなくて、二段階あるわけです。年内に一応の方向を出していただいて、そして二月の下旬ないし三月の初めぐらいまでの間に各省庁がこのようにしたいという考え方を示す。もちろん内閣としても具体的にその方法は検討していまして、そして年度内にはということは年度末に必ず方針は決めるということでございます。
○片山虎之助君 長官、違うんです。例えば民営化するなら何年後までにするとかね。廃止するとかいうのはすぐできませんよ。
○国務大臣(山口鶴男君) わかりました。 ですから、これは前回の質問でもお答えしたのでございますが、結局これは政府だけではなくて与党の皆さんの協力も得なきゃならぬし、野党の皆さん方の協力も得なきゃならぬということは、当然特殊法人につきましては法律で設立が決まっているわけでございますから、法律改正を伴う問題でございます。 したがいまして、法律改正をするためには今申し上げましたような各党の御協力をいただくことが前提でございまして、そういう御協力もいただきながら、年度内にはどうするかという結論は出しますが、その上に立って法律改正すべきものについては法律改正案を作成して、そして国会にお諮りを申し上げるという形になろうかと存じます。
○片山虎之助君 それから二つ目の規制緩和なんですが、規制緩和は細川内閣のときに七百八十一の措置を決めたんですね。それからせんだっての七月に、この七月には村山内閣なんだけれども、実際決めたのは羽田内閣ですから。このときには二百七十九の措置を決めたんですよね。これはもう措置済みなんですよ。 これからの五カ年計画は、規制緩和は主としてどういうものをお考えになっているんですか。
○国務大臣(山口鶴男君) 十月中に各方面からの意見を今、聴取するために努力をいたしております。 その方法は幾つかございまして、一つは各省庁から提出させるものがございます。同時に、役所から聞いておっただけではだめでございますので、現在、各ブロックで規制緩和推進懇話会という組織をつくりまして、そして私も福岡並びに東京の懇話会に出席をいたしまして、各方面、各団体からの御意見を謙虚に承りました。そういうことを十月中にいたしたいと思っております。 さらに、十一月には行革推進本部というのが総理大臣を本部長として設けられております。この行革推進本部におきまして、中央における各団体、経済団体もありましょうし労働団体もあろうかと思います、あるいはその他の団体もございましょう、各団体からの意見を聞く。それからこの問題は貿易摩擦とも大きな関係があるわけでございますので、アメリカないしはEU等々からの御意見も承る。そういった意見を承る集会と申しますか、行革推進本部において各方面の御意見を承る、こういった行事もいたしたいと思っております。 そういう中で、内外からの意見を十分聴取いたしました上で年度内に今後五カ年間の規制緩和推進計画を作成するということで現在作業を進めているところでございます。
○片山虎之助君 この規制緩和に絡むんですが、ことしの五月十八日に羽田総理が公共料金の年内一律凍結を言われた。五月二十日に閣議決定された。私はこれは本当に乱暴な、ある意味では、言ってはなんですが、人気取りの政策だったと思いますよ。引き上げを前提に各省が詰めて予算や財投が組まれ、事業計画はきちっとできておったんですから、凍結した後どうするかも何ら見通しを示さずに、本当にこんな乱暴な凍結はないと私は思うんですよ。 羽田内閣がかわって村山内閣になられまして、方針は少し直されました。特に高速道路の料金については、建設大臣おられますけれども、いろんな御苦労をされて工夫を加えられて、先般、九カ月おくれの料金の引き上げが決まったわけであります。 これについて凍結でどういう影響があったか、それにどういう対応をされて今回の結論を得られたか、建設大臣から御答弁をいただきたい。
○国務大臣(野坂浩賢君) お答えをいたします。 御案内のように、四月二十六日に日本道路公団から申請がありました。お話がありましたように、五月二十日に羽田内閣は年内凍結ということになりました。 おっしゃるように、九カ月間実施はおくれましたけれども、経過としては、私の方で内閣の継続性から考えて、今は野党でありますけれども当時は建設大臣は公明党の方からお出になっておりましたので、よく引き継ぎ事項を読んでまいりますと、凍結はするけれども事務的な作業は粛々と進める、こういうふうに書いてありました。したがいまして、作業としては内面的に進めるんだなということを確認しながら継続して進めてまいりました。 したがいまして、料金と事業実施はリンクしておりますので、昨年の十一月、当時の五十嵐建設大臣は千百八十四キロメートルの施行命令を既に出しておる、しかし料金の凍結があるためにそれはとまっておる、こういう状態でございましたので、粛々と進めると同時に、九月に私の方で料金の改定認可をいたしました。 改定をするまでに、国民の期待にこたえるためにもどうして節約をしなければならぬかということで、日本道路公団に命じまして、徹底的な公共料金の値下げをする方針を考えなさいということで一カ月間の猶予期間を与えまして検討した結果、建設費は四百八十億円、それから一年間の維持費は四十一億円の節約の案が出てまいりましたので、それを検討した結果、一〇・六%という要求を第一年目には七二一%で抑える、それによって利用者の負担も軽減をし、事業も九月から執行することができる。執行の時期と料金の改定の時期は違いますけれども、三十年の償還を四十年に延べまして、そうすれば整合性が出てくる。こういう苦心の策で、そのような事業は執行する、料金は抑える、国民の期待にはこたえるという方向で決断をいたしたことを御報告申し上げる次第です。 以上です。
○片山虎之助君 凍結があったからあれだけの努力をされたという点もあるんですよね、一石三鳥のお話が今ありましたが。 そこで、この一律凍結も乱暴だけれども、それじゃ凍結を単純に解除するというのも国民に私は理解されないと思うんです。この機会に公共料金の決定の仕組みについて踏み込んでいただいて、今も建設大臣からいろいろお話がありましたが、ああいうふうな例えばプライスキャップ制なんという仕組みもよその国ではやっている。もっと多様化、弾力化することをこの機会にお考えになったらどうかと思いますよ。いかがでございましょうか、総理。
○国務大臣(村山富市君) 今、建設大臣からも答弁がありましたけれども、安易に料金を上げるというんではなくて、なぜ料金を上げる必要があるのかということを徹底的に洗い直す、同時にその持っておる公社公団の体質というものもそういう機会に見直しをして、そして可能な限りこの節減を回らせると。ぎりぎりまでやっぱりお互いの真剣な検討の結果それでもなおかつ必要だというんであれば、それはやむを得ないということに私はならざるを得ないと思うんです。 ただ、今お話がございましたように、単に役所だけで検討するというのでなくて、やっぱりできるだけそうした中身も公開して、そして国民の目にさらしていただいて、そして国民の意見も十分反映されるという形で決めていくような仕組みというものを考えていく必要があるのではないかというふうにも思いますから、そういうあり方についてはこれからさらに検討させていただきたいというふうに思います。
○片山虎之助君 次に、三番目の地方分権ですが、年内に地方分権の大綱方針をお決めになる、それに基づいて地方分権の基本法をおつくりになると。その地方分権の大綱方針で、抽象論、総論はもう皆、飽き飽きしているんです、地方の関係者も。ぜひ、まあおまえそうは言っても大綱方針だからと、こういうことになるかもしれませんが、具体性や実効性が読み取れる大綱方針にしていただきたい。また、基本法もさっぱりイメージがわかないんですよ。単なる地方分権の宣言や手続だけをお書きになるんなら私は余り意味がないと思う。いかがでございましょうか、総務庁長官。
○国務大臣(山口鶴男君) 地方分権につきましては、現在、行革推進本部の中に設置をいたしました地方分権部会において、地方自治団体の代表者の皆さん、学識経験者の皆さんも加えまして専門的立場から鋭意検討をいただいております。もちろん関係閣僚も出席する合同の会議も開催をいたしております。そのほかに、御案内だと思いますが、総理大臣の諮問機関であります地方制度調査会、こちらも鋭意検討をいただきまして、今、中間報告をおまとめいただいております。近く正式の答申があろうかと存じます。 また、地方六団体におきましても、専門部会を設置いたしまして鋭意検討をいたしました結果につきまして、鈴木全国知事会会長の方から私どもその内容を承りました。もちろん地方自治法に基づく意見書も出ておりますので、議員の皆さん方も御承知のとおりだと思います。 そこにありますのは、いずれも共通して言えますのは、国の事務と地方公共団体の事務を明確化すべきである、同時にこの税財源についてもその点を明確にすべきである、そうしてまた現在ございます機関委任事務については、これは廃止の方向を検討すべきであるというようなことが二つの意見にはほぼ共通して書かれているところでございます。 地方分権部会の方は鋭意検討中でありますから、その中身がどうこうということを申し上げる段階にはございませんが、いずれにいたしましても、二つの御意見というものを十分踏まえた形で地方分権部会も大綱方針をお示しいただけるものと思っております。もちろん私どもといたしましては、そうなりました場合、政府内で十分な検討もいたさねばなりません。また、与党を初め各党の御意見を承る必要もあろうと思います。 そういう中で、年度内にそういった検討を鋭意進めまして、これはいつまでということはなかなか明確には申せませんが、できるだけ早い機会にこの地方分権に関する基本的な法律を国会に御提案申し上げたい、かように考えて鋭意作業を進めているところでございます。
○片山虎之助君 今、総務庁長官が言われたのは、もう何十年来やっているんですよ。国と地方の事務の再配分、機関委任事務の廃止、行財政の自主性確立。いずれにせよ、実効性、具体性のあるものに全部ぜひおまとめをいただきたい、こういうふうに思います。 そこで、十月七日に自治省は、地方行革推進ということで通達を出されました。網羅的にずっといろんなものが書かれてありますけれども、私はその中で三つのものに特に力点を置いていただきたい。 一つは、行政の責任領域の見直し。本来行政の責任で公費でやるべき事務事業というものをきちっと区分していただきたい。最近は市長さんの趣味もあるものですから、本来行政でやる必要のない、税金でやる必要のないようなものまでいっぱいやっているんですよ。この際、自治省は毅然とした方針を示してもらいたい。 それから二つ目は、国と同じで外郭団体がいっぱいあります、地方には。特に赤字の第三セクターも相当ふえている。このものの思い切った整理合理化をやっていただきたい。 それから三つ目は、こういうことを言うとまたいろいろ語弊がありますけれども、私は単独事業なるものの効率化はぜひ必要だと思う。今、公共事業の倍なんですよ、単独事業は。国が八兆で、公共事業が。地方の単独事業は十七兆なんですよ。この単独事業にメスを入れないと私はだめだと思う。箱物をつくらせると日本じゅう同じ箱物をつくるんですよ。それから単独事業も、先ほども言いましたが、大変責任の定かでないような単独事業もある。ぜひこの辺は思い切った単独事業の効率化、合理化、是正に取り組んでいただきたい。単独事業を奨励するだけじゃだめですよ。奨励しながらぴしっと指導していただいて指針を示していただきたい。 いかがでございましょうか、自治大臣。
○国務大臣(野中広務君) 今、片山委員仰せののとおり、地方分権という大きな流れの中で、また国自身が特殊法人を初めとする大胆な行政改革を行おうとしておるときに、地方もまた厳しい態度で自主的にかつ効率的に簡素にいわゆる行政改革をやらなくてはならない。こういう中央の流れに即して地方みずからも自分自身を律する立場でやっていかなくてはならないという意味で、先般その大綱を示して各地方公共団体にお願いをしたところでございます。 今、三点について御指摘がございましたように、地方がみずからやらなくてはならない責任ある仕事ということはお説のとおりであります。また、外郭団体の見直しも、国の関係、特殊法人等と同じように、地方にも多くの外郭団体ができておることは事実でございます。したがいまして、第三セクターのあり方等を含めましてより効率的にこれがやられるように、あるいはそれが廃止しあるいは見直されるように、私どもも十二分に見守ってまいりたいと思っておる次第であります。 単独事業につきましての御指摘も非常に厳しい御指摘でございまして、今日、地方が活力を帯びてきたのは、私はある意味において単独事業が大胆にやられるようになったということであり、地方の生き生きとした発想がそれぞれ出てまいったことを喜んでおり評価しておる一人でございますけれども、お話しのように、非常に箱物がふえてきた。これは単に単独事業だけでなく、各省庁の縦割りもまたいろんな意味においてそれぞれの箱物をつくってきたので、それの管理運営が非常に非効率的になっておるのではなかろうかと思うわけでございます。 単独事業でやりましたものを含め、あるいはその市町村で固有につくらなくても一つの大きなブロックでつくった方がより効率的に簡素にやれるんではなかろうかといったような施設等もあるわけでございまして、それぞれそういうものを大胆に見直しまして、そして料金のあり方あるいはその施設の利用度のあり方等をきめ細かく点検をする中から、地方分権にふさわしい受け皿として地方公共団体がみずからの姿勢を正せるように、私どもも一層今回の指導を通じてその実が生かせるようにやってまいりたいと存じておるところでございます。
○片山虎之助君 ひとつよろしくお願いいたします。 そこで、中央省庁の統廃合になりますと、これは大変難しい問題もあるし中長期的な課題だと、与党三党のこの前の行革チームもそういうことを言われている。私もそうだと思います。 ただ、一つ二つ挙げますと、例えば、本当に申しわけないんですけれども、国土三庁の統合は臨調答申で何度も言われているんです。何度も言われている。国土庁と北海道開発庁、沖縄開発庁。それが一向に前進しない。前進しないんならこの際お蔵に入れて、中長期的な課題にしてしまうのかどうか。 それからもう一つ、食管制度がマラケシュ協定の批准に絡んで大幅に変わる。今、食糧庁、農水省は一生懸命、改革案を農水大臣を先頭にお考えになっている。こうなったときに今の食糧庁というのはどうなるのか。この改組、縮小についてはどういうお考えなのか。これについて、総理、いかがでございますか。簡潔にひとつ答弁願います。
○国務大臣(山口鶴男君) 私から答えさせていただきます。 この問題はもう御案内の経過を経ているわけでございまして、私どもといたしましては中長期的な課題として十分検討させていただきたいというふうに考えている次第であります。また、三庁間の連絡のために三庁の連絡会議等も持ちまして、その間、お互いの官庁が十分連絡をとり合って対処しているということも御理解を賜りたいと存じます。
○片山虎之助君 総務庁長官、こういうことですな。国土三庁の方は中長期的な課題に返す。臨調答申は何度も言っているけれども、それはもう中長期的な課題にしますと、こういうこと。 食糧庁については言及がございませんでしたが、いかがですか。
○国務大臣(山口鶴男君) 私どもは、省庁統合は決して聖域だと思っているわけではございません。真剣に検討すべき課題だということでございますが、今直ちにというお返事は申し上げるわけにはいきませんので、中長期的な課題として今、懸命に検討いたしておる、また検討するというふうにお答えをいたした次第でございます。 食糧庁をどうするかというふうな問題は、これは全体の役所の機構をどうするかという中で考えるべき問題だと思いますが、今のところ、まずはこのマラケシュ協定、それを実施する中で農水省としてどのような形でこの問題に対応するかということを鋭意検討いただき、そういう中でこのような機構にいたしたいというふうになりました場合は、今度は総務庁がその機構の再編については権限があるということでございますので考えるということになろうかと思う次第でございます。
○片山虎之助君 いや、私は食糧庁をなくせなんて一つも言ってないんですよ。食糧庁の機能が大幅に変わるというんですよ。今やっている仕事で必要のないものができるし、今やっていないけれども新しい仕事もできるんですよ。ミニマムアクセスなんてまたそうなんだから。それから今、細かく規制しているコントロールは、かなり外れる。そこのプラスマイナスをどういう結論を出されるんですかと、こういう質問なんですが、農水大臣、いかがですか。
○国務大臣(大河原太一郎君) 片山委員がまさにおっしゃったとおりでございまして、新しい米の管理システム、それに基づきます制度が今や固まりつつあります。国会に法案として御審議を仰ぐところでございますが、その制度の的確な運営のためには組織あるいは定員をいかにするかということで現在検討を進めているわけでございます。もちろん行政改革でございますから、組織の簡素合理化あるいは定員の適正配置、それらを念頭に置いて進めなければならないと思います。 片山委員は、確かにプラスの仕事、マイナスの仕事、それぞれございまするのでそれを繰り返すようでございますが、制度の運営が的確に行われるような組織なりその定員配置をいたしたい、さように考えております。
○片山虎之助君 それからもう一つ行革で忘れてならないのは、地方分権とも絡みますが、国の地方出先機関の整理統合、縮小であります。何度もやってはきたんです。やってはきたんだけれども、一つもはかばかしくないんです。 私は、この際、国の地方出先機関の整理合理化にもう一度取り組むべきだと思います。中央の役所の人は物すごく忙しくてやっていますよ。だが地方の方は、申しわけないんだけれども、私は相対的にはかなり労働生産性は低いと思いますよ。残業時間なんか比べてみればわかる。 そういう意味で、もう一度、地方分権を本気でおやりになるんなら出先機関の見直しをやっていただきたい。総理、いかがでございますか。
○国務大臣(村山富市君) 省庁の統合問題や中央の出先機関をどう整理統合していくかというのはこれまでも、今お話がございましたように、いろんな視点から検討され、ある程度進められてきた経緯もあるわけでございます。 私は、やっぱりこれだけ国際的な情勢も変わったし、同時に国内のいろんな諸条件というものが変わってきているわけでありますから、その変わった情勢にどう対応して、より効率的に、より整合性を持った形でもって、それぞれの行政組織が存在することがいいのかというようなことについては絶えず検討されなきゃならない課題だというふうに思いますし、とりわけ出先機関につきましては、地方分権が進められていって本当の意味で地方自治体がもっと自治権を持つようになってくれば、今まで出先機関が持っておった機能というものが地方に移譲されるというようなことが仮にあるとすればその役割というのはもうなくなっていくわけでありますから、その分権のあり方と進行状態と兼ね合った形で検討していく課題ではないかというふうに思っています。
○片山虎之助君 それからもう一つ、きのうかおとといか大蔵大臣もどこかで言われておったんですが、公務員、特に幹部職員になる上級職の一括採用の問題ですね。これはもう、これまた昔から言われているんですが、なかなか難しい。私は、一括採用が無理ならグループごとに、例えば経済官庁グループだとか内政官庁グループだとか何とかグループだとか、特に技術屋さん中心のグループだとか、何かそういうグルーピングをして、グループでの一括採用というのを検討されたらどうかと思いますがね。 それから人事交流、かなりやっているんですよ。かなりやっているけれども、やっぱり数合わせみたいなところがちょっとあるんです。私は本当の人事交流までなっていないと思います。 その点について官房長官に質問しようと思いましたら突如いなくなられましたので、記者会見ですな。それでは総務庁長官、簡潔にひとつ、簡明直截にお願いします。
○国務大臣(山口鶴男君) 人事交流につきましては積極的に進めているところでございます。特に課長以上の上級幹部職員、こういう人たちは、各省間あるいは地方公共団体との交流を含めまして今、交流いたしました実績は八〇%を超えているという状況でございます。 今後とも、御指摘のとおり、人事交流につきましては積極的に進めまして、広い視野から、各省だけの利害ということではなくて国全体の視野に立って物を考える、そういった幹部職員を養成するということに努力をいたしたいと思っている次第であります。
○片山虎之助君 採用はどうですか、グループごとの採用は。
○国務大臣(山口鶴男君) 採用につきましては、いろいろ御提言がございますけれども、なかなかやはり一括採用ということになりますと、適正な行政執行の確保と大臣の人事権との関係でありますとか、各行政分野における適材適所の人材配置の問題でありますとか、本人の志望や熱意ある人材の確保の問題でありますとか、専門的知識を要する人材の養成、こういった観点から若干の問題があることは御理解をいただけると思います。行革審の最終答申でもこれらの点を指摘いたしているところでございます。 したがいまして、先ほど申し上げましたように、とりあえず国家的な視野に立つ公務員、その養成のために全力を挙げる、それに力を入れるということで対応いたしたいと思っている次第でございます。
○片山虎之助君 答えになっているかなっていないかわからないところがありますが、大蔵大臣、いかがでございましょうか。あなた、旅先で何か言っているじゃないですか、公務員の一括採用。
○国務大臣(武村正義君) とにかく行革というのは本当に幅も広いし奥行きが深くて、総理もおっしゃっているように、一つ一つ小さなことでもなかなか難しいということはお互いよく認識をしているわけですが、そこを乗り越えていくかどうかが大変大事なんで、私は、閣内不統一という、これから議論をしていくわけですからそういうふうにとらないでほしいのでありますが、公務員の採用制度についても今、長官は何点か難しさを指摘されましたが、ぜひその難しさを乗り越えて、三党合意にもございますから、よりいい方向を目指して知恵を出していかなきゃいけないというふうに思っております。
○片山虎之助君 時間の関係もありますので、次に税制改革に入らせていただきます。 今般、与党三党の税調が中心になりまして税制改革の取りまとめが行われました。私も与党税調のメンバーの一人に選ばれまして一生懸命やったわけでありますが、今回の税制改革は細川内閣の国民福祉税騒動とは違いまして、私は四つ違うと思うんです。 一つは、官主導でなくて政の主導、リーダーシップでやったということが一つ。それからもう一つは、民主的な手続で、数人の人ではばっと決めたのではなくて、各党の税調が議論し、与党税調が議論し、政府首脳で議論し、詰めに詰めてボトムアップで物を決めだというのが私は二つ目にある。それから中身は腰だめじゃないんです、今回は。今回はきちっと積み上げた五%なんです。腰ための七%じゃないんです。それが三つ目。さらに四番目は、今度の税制改革はいろんなところに配慮している。例えば将来の行革を視点に入れている、あるいは福祉の充実についてもそのお金を割くようにしている、あるいは不公平税制もそうでございますし、地方消費税という地方分権まで配慮した。 私は、自分が中におったから言うんじゃありませんけれども、八十点以上だと思う。本当は九十点と言いたいんですけれども、ちょっとこれはあれになりますから。 総理、何点と思われますか。
○国務大臣(村山富市君) 何点という点数の評価は、それぞれの立場からその見方と評価があると思いますから、私から点数はつけにくいんですけれども、しかし当面考えられる範囲では最善のものであるということについては率直に申し上げることができると私は思います。 今、委員御指摘のように、これはこれまでの継続として景気対策のために減税は必要であるということは、もうこれは否定し得ない事実としてずっと引き継いでいるわけですから、したがってその規模も大体六年と同じ程度の規模はやっぱりやらなきゃならぬということはもう前提としてあったわけですね。 その場合にその中身について、これは政府税調からの御意見もありましたけれども、全体として見てやっぱり今の所得税の体系の中では中堅と言われるサラリーマン層に一番負担がかかり過ぎておる。 考えてみますと、この中堅サラリーマン層というのは年齢から見て子供さんに対する教育費にも一番金がかかる、あるいは家を建てたローンの返済にも金がかかる、同時に御両親も大体年配になって、そして御両親の扶養もせにゃならぬ、こういう家庭のあり方全体を考えた場合に、この層に対する負担はやっぱり重過ぎるんではないかというので、その軽減を図ることはまず大事ではないか。同時に、そのことを通じて、平均的なサラリーマンが一生を通じて大体一〇%から二〇%の範囲内の税率の負担でおさまっていくような、そういう税の是正というものはこれは大事なことではないか。ある意味では経済の活力をもたらすという意味でも大変意義があるというふうに考えてこの際やらせていただいたわけであります。 それからまた、課税最低限を引き上げて、そして所得の低い層の皆さん方に対する配慮もするとか、それからまた福祉等々にこの財源をできるだけ確保していこう、こういう配慮もする中から出された結論でありまして、私はある程度皆さん方の御理解はいただけるんではないかと、こういうふうに考えておりますから、冒頭申し上げましたように、当面考えられる範囲では最善のものではなかったかというふうに申し上げたいと思います。
○片山虎之助君 最善のものだと。大変ありがとうございます。 そこで、ここ税制改革で大変な議論になったのが増減税の一体処理ですよ、本当に。三年先の増税を今から法律に書くという例はないんですよ。ないんです。しかし、それは大議論があって、総理は踏み切られたんですが、総理はもともと増減税一体処理に最初から賛成だったですか。いつから賛成になられましたか。ちょっとその経緯をお聞かせいただきたい。
○国務大臣(村山富市君) 私は、今お話がございましたように、消費税率を引き上げるという前提として、先ほどからやさしい政治という話もありましたけれども、やっぱりみずからも身を削るというぐらいのことをやった上で、なおかつこれだけ金が足りないんだから何とかひとつ税率の引き上げを認めてほしいと、こういう経路をとることが大事ではないか。そんな意味では、税金というのは、何よりも税金を納めていただく納税者がどういうふうに理解して納得してくれるかということがやっぱり一番大事だというふうに思っておりましたから、可能な限りそういう前段の手だてを講じた上でやるべきものではないか。 だから、平成九年から税率を上げるというんなら、その経過を踏まえた上でどうしてもこれだけは上げてもらわなきゃならぬというときに税率を決めたらどうかという意見もあったことも事実ですし、私も大体そういう意見を持ってずっと来たんです。来ましたけれども、しかし法律をつくる上でそれはなかなか技術的に難しいとか、あるいはまた何か先延ばしして当面を糊塗しようとするような責任逃れの考えではないか、こういうような批判もいろいろありましたので、そういうものも総合的に判断してみて、やっぱり内閣として正直に国民にありのままの姿を見ていただくということが大事ではないか、それがまた責任ある政治のあり方ではないかということも考えましてぎりぎり抑えたところで、まあ五%ぐらいにしていただくことはやむを得ないのではないかという決断をさせていただいたというのが正直なところであります。
○片山虎之助君 今、正直な経緯の御説明をありがとうございました。 そこで、総理も先ほど言われましたが、少子・高齢化社会や恐るべきものがあるんですね。一九九三年というと去年ですね。去年から前の三十年間で、日本の人口は二千九百万ふえているんですよ。その中で生産年齢人口が二十歳から六十四歳ですよ、これが二千四百万ふえているんです。ところが、これからの三十年間では総人口は二百万しかふえないんですよ。前は二千九百万ふえたのに二百万しかふえない。生産年齢人口はマイナス一千万なんです。物すごい少子・高齢化社会なんですよ。高齢者の方々にはどうしてもお金が要りますよ、負担する人はどっと減るんですから。 そういう中で今、国、地方の国債残高、総理、御承知のように、三百兆円を超えている。こういう中でどういう税制が必要なのか、こういうことなんですね。そういう中で模索したのが私は今度の税制改革だと思うんですが、こういう状況の中で、総理は、税制改革の理念としては何かということについてお考えがあったらお聞かせいただきたい。あわせて大蔵大臣もお願いします。
○国務大臣(村山富市君) これはもう三党合意の中にもあるわけでありますけれども、できるだけ課税客体である所得、消費、資産というものに対してバランスのとれた形で課税をしていくことが大事ではないかという議論はずっと今までやられてきているところだと思いますね。 今言われましたように、これだけ高齢社会になっていく、しかも金がうんとかかっていく、そういう負担を所得税だけに大きくかけていくことについてはやっぱり無理があるんではないか。これは社会全体が共通した責任としてお互いに負担をし合うという前提に立ては、水平的な間接税や資産税を中心とした負担に変えていく必要があるのではないかということは、私はやっぱりそのとおりだと思いますね。したがって、可能な限り所得税体系の中にある不公平は見直しをし、是正をする。同時に、消費と資産と所得というその客体に対してバランスのとれた形でもって課税をしていただくことが大事だと。 でさるだけ公平に負担をしていただくというような税体系をつくっていくことがこれからの税のあり方としては大きな課題ではないかというふうに思っておりますけれども、しかし言われますように、この水平的な課税というのは、お互いの負担をする層には力のバランスがあるわけですから、したがって比較的所得の低い方々にできるだけ十分配慮はする必要があるかと思いまするけれども、そういう税のあり方に変えていくことがこれからの方向として大事ではないかというふうには私も受けとめて考えております。
○国務大臣(武村正義君) もう総理のお話に尽きておりますが、とにかく生産年齢人口といいますか、働く人、所得を上げる人に負担がかかり過ぎるこれまでの仕組みを、全国民といいますか、世代間の公平も考えながらみんなが支え合う仕組みに変えていこうということではないかと思っております。そのために今回の税制改革は大きな前進を遂げることになるというふうに思っております。
○片山虎之助君 そこで、所得課税減税の話がありましたが、今回の二階建て減税というのがいろんなお褒めをいただいたりあるいは非難を受けたりしております。何でかというと、五・五兆の定率減税、特別減税をやってきたのに、それを二種類に分けて三・五兆の恒久制度減税と二兆円の特別減税を二階建てにしたからだと。 私は、もともと五・五兆はだれが決めたんだと言っているんです。それは細川内閣のときに決めたんです。私は、制度減税五・五兆というのは多いと思いますよ。多いと思う。というのは、この所得課税の減税、所得税、住民税の減税は六十二年に始まり、六十二年にさらにやり、この間やったんです。三回に分けてやっているんです。六十二年のときに二兆二千億、六十三年のときに三兆三千億、今回が三兆五千億なら九兆円になるんです、所得課税の減税が。 —————————————
○委員長(坂野重信君) ちょっと質問中ですが、御紹介申し上げます。 今般、本院議長のお招きにより来日されましたモンゴル国のバガバシディ国家大会議議長の御一行が、本委員会傍聴のため、ただいまお見えになりました。 御起立の上、拍手をもって歓迎の意を表したいと思います。 〔総員起立、拍手〕 ──────———————
○委員長(坂野重信君) 片山君、質疑をお続けください。
○片山虎之助君 だから、今言いましたように、所得課税の減税は三回に分けてやっているんです。今回は三回目の完結編なんですね。これで全部でトータルしますと九兆円の減税になるんです。今、所得税、住民税合わせますと三十六兆か五兆ぐらいです。九兆円の減税というのは四分の一なんですよ、四分の一以上。それを五・五兆じゃなきゃならぬなんという理屈は私は一つもないと思う。三・五兆で今までの六十二年、六十三年の減税と、その税率構造や課税最低限、全部合わせて三・五兆、組み合わせたらきちっとした理想的なものになりますかということを与党税調で大蔵省にいろいろ作業してもらいましたらなったんです。だから、私は三・五兆の制度減税で十分だと思う。 しかし、五・五兆は、減税が細川内閣のときから進行して国際公約になっているわけです、内需拡大のために。だからこれは下げられない。しかし制度減税は三・五兆で十分だと。すき間の二兆は特別減税、定率減税を続けるしかないんですよ。 そういう意味では、この二階建ては褒められこそすれ、私はけなされるのは大変おかしいと思っている。いかがでございますか、大蔵大臣。
○国務大臣(武村正義君) おっしゃるとおりでございます。 私自身も七月に大蔵大臣に就任をして一番最初に大蔵省の諸君と会話したときに、本当に五・五兆円要るのかという質問であったかなと今思い出しているわけでありますが、何か五・五兆円をもう直せない金科玉条であるかのごとく扱ってしまうと、いわゆる七%増税という道に走らざるを得ない。 この五・五兆円、結果的にはもう皆さん御承知のように、課税最低限に一兆円使わせていただいて、累進税率の緩和、中堅層を中心にした緩和に二・五兆円使わせていただく。国民福祉税のときの五・五兆円は課税最低限に二兆円。これはもう国際的に今の標準家庭の三百二十七万でも世界で一番高いんです。これをぐんぐん上げていくというのは所得課税の実態としては大変いびつになっていくわけですから、これは本当は上げない方がいいという主張もあるぐらい。しかし、逆進性その他の問題もあって一兆円にとめていただいた。これはむしろ私はベターな選択をしていただいたし、累進税率の方も五・五のときは三兆円前後を考えていたのが二・五兆円におさめていただいたわけで、働き盛り減税と言っておりますように、中堅層を基本にした税率の緩和はほぼこの改革で実現ができるというふうに思っている次第であります。 おっしゃるとおり、五・五兆円、全体の減税の方針が内外に発表されておりましたのでどうしてもその差額二兆円は特別減税で埋める、したがって二階建てになったということであります。
○片山虎之助君 そういう意味では、野党の議員さん方が言っている五・五兆じゃないから特別減税附則五条の抜本的な税制改革にならないというのは全然間違いであります。そんなもの減税規模で決めるんじゃないですよ。制度全体の形で決めるんです。しかも、六十二年、六十二年、今回という全体で眺めていただかなきゃいかぬ。私はそう思いますが、いかがでございますか。
○国務大臣(武村正義君) 今も申し上げましたし、片山委員も御説明のとおり、かなり大胆な累進税率の緩和を実現したわけでありますし、片方、消費税の方も、中小事業者に対する特例措置の見直し、それから地方消費税の創設等も含めた中で二%の消費税アップということを決断いたしておりまして、全体としても抜本改革でありますし、附則条項との議論がございますこの減税に関しても抜本改革そのものだという評価をいたしております。
○片山虎之助君 そこで、国民福祉税では七%、今回、今のお話のように五%になったんですけれども、とにかく倍以上に一挙に引き上げるというのはこれはある意味では私はむちゃくちゃな話だと思うんです。民間がこれだけリストラをやっているときに、政府が行財政改革も不公平税制にメスを入れることも後回しにして消費税率だけ三を七にしましょうと。通るわけがない。そんなことなら減税要りません、消費税上げないでくださいというのが私は国民の皆さんの素直な声だと思いますよ、本当に。 それは常識的な線というのがあるんですよ。それが、私は今回の五%だった。しかもその五%は、先ほども言いましたが、無理をしていろんなことを考えて五千億の福祉財源を出したんですよ。細川さんのときの七%で、福祉財源といってあのとき説明を我々聞いたのは八千億なんですよ。七%で八千億なんですよ。我々は五%で、今回の税制改革が五千億の福祉財源を捻出して、さらに前倒しで三千億出すんですよ。八千億と同じじゃないですか。しかも五%でおさまっているんですよ。いかがでございますか、大蔵大臣。
○国務大臣(武村正義君) おっしゃるとおり、七%の国民福祉税もそういう意味では五・五兆円の所得税減税を基本にしてその財源手当てということが基本になっておりまして、しかしその中で八千億福祉の財源が出たと。そのうち物価スライドで二千億ですから、実質は六千億ぐらい福祉に充当できるという説明でありました。 今回の案は、二%に率は半分に下がりましたが、おっしゃるとおり、五千億の福祉財源を見つけて、うち一千億はスライドに回りますから実質は四千億でございますが、いずれにしましても率からいえばややベターな選択でありますし、減税財源充当を基本にしながらも、福祉に対する精いっぱいの努力をしていただいて五千億の財源を見つけ出しているということでございます。
○片山虎之助君 そこで、この消費税でよく問題になるのが益税議論です。中小企業特例についてどうするか。これは御承知のように、免税点と簡易課税と限界控除、こう三つある。実質的には私は今回の中小企業特例の見直しはかなり大胆にやったと思うんです。やったと思うんだけれども、免税点制度をいろんな注文をつけたけれども一応三千万で残したんですね。そこについて議論が起こっておりますが、三千万というと日に十万なんですよ。パパママストアなんですよ。しかも、能力がありませんから、高齢の方が多いから記帳なんかちゃんとできませんよ。むしろ益税じゃなくて担税だという議論もある。いろんな議論がある。 そこで、それはとりあえず手間も大変ですからということで残して、あとは思い切った私は中小企業特例の見直しをやったと思うんですが、これまたいかがでございましょうか。
○国務大臣(武村正義君) 中小事業者の見直しはかなり前進を遂げることができると思っております。 おっしゃるとおり、簡易課税制度は上限四億でございましたが、半分の二億に下げました。限界控除制度はこの際きっばりもう廃止に踏み切ります。そして免税点も、一つは新規資本金一千万以上の企業に対しては今まで非課税でございましたが、これは課税に踏み切りました。そして日本型インボイス方式の導入も、これも免税、益税の問題と無関係ではありません。これを導入することも一歩前進だと評価をいたします。 ただ、三千万円の免税点制度そのものは今回は留保をいたしまして残すことになりました。理由は、確かに消費税にかかわる経済全体から見ても三%ぐらいのウエートでありますし、実態は二人ないし三人ぐらいの中小零細で頑張っておられる方々が大半でございますし、そんなことも含めて今回は現行どおりになりましたが、将来はさらに論議を続けていただくということではございます。
○片山虎之助君 それから今度の税制改革の特色の一つは地方消費税をつくったことであります。これは私も当予算委員会で何度も議論させていただきました。住民税の減税を所得税と一緒にやるんですね。地方の税が細る。それが全部国の金になって、譲与税というか、大抵国から交付金で流れてくる。地方分権を言っているときに地方財源が先細りで国と地方の税がだんだん開いてくる。こんなことはおかしいではないかと。 そこで、いろいろ議論があるけれども、ぜひ地方消費税をつくってほしい、そのためには大蔵省、自治省、汗を流してほしいと与党税調が強く要請しまして、その期待にこたえて大蔵省、自治省に汗を流してもらったわけでありまして、年来主張してきた一人としては大変うれしく思っているわけでございます。 そこでお聞きするわけでありますけれども、そのときの地方側、自治省側の主張は、やはり国から紙と鉛筆でお金をもらうのは困るんだ、自分が額に汗してお金を取るのが地方自治なんだ、それが本来の地方税なんだと。ところが、今回の地方消費税は、御承知のように、国に事務を委託するんですよ。額に汚しないんですよ。ある意味では、振り込んでくるんだから紙と鉛筆より勝負が早いかもしれない。それは過渡的なことであるのだけれども、その辺について自治大臣どのようにお考えか。 将来は国、地方の徴税一元化という議論もあるし、あるいは税だけじゃなくて公共料金を含めて徴収一元化構想というのもあるわけでありますから、そういうことを含めて御意見があれば承りたいと思います。
○国務大臣(野中広務君) 今回の税制改革の改正の中で、従来の消費譲与税を廃止いたしまして地方消費税を創設いただき、お願いをすることになりまして、与党税調の有力な委員として大変片山委員に御苦労をいただきましてこの地方消費税が創設の運びになりましたことを、私ども、地方分権、地方の時代が言われる中でこの地方消費税が創設をされるということが大きな弾みになったと、このように考えて心から喜んでおる次第であり、改めてお礼を申し上げる次第であります。 さてそこで、この地方消費税の賦課徴収につきまして、当分の間、国に委任するということに決定をしたわけでございます。本来、地方の税でございますので地方みずからが賦課徴収するのが当然の筋道でございますけれども、しかし納税者の立場を考え、事務の効率化、簡素化を考えますときに、やはり私は消費税の一%分を地方消費税としていただくにいたしましても今回これを国に委任することにいたしましたことは、先ほど申し上げましたように、納税者の立場を考え、事務の効率、簡素化を考えたときに一つの選択ではなかっただろうかと思っておるわけでございます。 ただし、私自身の考え方をお許しいただきますならば、地方の税だから地方が賦課徴収する、国の税だから国が賦課徴収するという、納税者は一法人であり一個人であるのに税が両方に分かれておるからそれぞれの機関が賦課徴収をやっていくというのは、私はこれは将来必ず早い機会に直して、独立した第三者機関としてそれぞれ税を賦課徴収し、そしてそれを地方に配分し国に配分する、そういう効率的な機関ができ上がらなければ真の改革にならないのではなかろうか、このような考え方を持っておるのでございます。 改めて今回の地方消費税のあり方につきましては、初めて地方が国に事務を委任し手数料をお払いして、従来国から手数料をもらって事務委任を受けてきた地方が初めて国に委任をするわけでございますから、そういう点では地方分権の新たなあり方ではなかろうかと私自身は考えておる次第であります。 以上でございます。
○片山虎之助君 そこで、今回またこの税制改革で見直し規定というのがついているんです、見直し規定というのが。五%にするんだけれども、実施の半年前までに見直して結論を出すという、これは異例の規定なんです、これまた、これについても評価が分かれるんです。しかし、私はこれは入れた方がよかったと、こう思います。大蔵大臣の御所見を聞きたい。 それから当委員会でもせんだって議論になりました食料品などの複数税率については、与党税調では今後の検討課題にしたんです。見直し条項の対象にしてないんです。それはそうと理解してよろしゅうございますね。
○国務大臣(武村正義君) 後の食料品等の軽減税率の問題については、おおむねそういう認識でおります。党としては将来の検討課題として挙げていただきました。見直し条項の消費税の課税の適正化には含まれていないという認識でおります。 見直し条項そのものを置いたことは私も大変よかったと思っておりますし、ある意味では当然でもあったというふうに認識をいたします。なぜなら、今回、先ほどお尋ねのあった一体か分離がという議論の中で、何となく分離という主張が不まじめだと、先延ばしたという印象も持たれたわけでありますが、私は、大蔵大臣としては一体でぜひお願いしたいと言ってきましたが、しかし分離の主張の中にも、一体でいけばもう時間がないからどうしても減税を基本にした決着になる、もし延ばせば今問われている行財政改革の行方もきっちり見詰めよう、あるいは福祉のビジョンもきっちりはっきり固めていこう、不公平税制も数字で詰めていこう、その上できちっと消費税の率を決めればいいという、ある意味ではよりまじめな主張もあったわけでありますから、それが何となく表面だけで、分離はやや不まじめといいますか、先延ばしのずるい考えだというふうな形で報道夫されたことを大変残念に思っております。 しかし、総合的な判断としてはこういうことになりまして、そのかわりにきちっと附則に見直し規定を置いていただくということになった次第林ございます。
○片山虎之助君 そこで総理、総理はこの見直し規定は予断を持たずに結論出すんだと、検討するんだと、こう言われましたね。どうも大蔵大臣は増税の可能性を否定してないんですよ。大蔵大臣ですから税がふえる方がいいに違いないんですけれども、私はこの規定を置いてよかったというのは、この規定はむしろ安易な増税を戒める規定刊と。見直しの際までに死に物狂いで行財政改革お不公平税制に取り組め、安易な増税はいけませんよという趣旨の規定だと私は思っている。総理、いかがですか。
○国務大臣(村山富市君) 先ほども申し上げましたように、税率を決めるがいいか決めないがいいかというような議論をする際に、税率を決めなければそれだけ行政改革やあるいは不公平税制の是正やそういう当面する課題に対する責任を一身に担うことになる、だから決めない方がいいんではないかと、こういう意見もあったことは事実ですよね。しかし、それにしては余りにも無責任過ぎる、先送りし過ぎるという意見もあって五%にね決めをいただいたわけでありますけれども、私は、見直し規定を入れたことは、そんな意味でその見直しをする前提条件がぴしゃっと決められるわけですから、大いに行政改革やりなさい、不公平税制はやりなさい。そして、高齢社会になってくるそのビジョンも示して、どの程度年金や医療や福祉に金がかかる、その金はどう賄っていくんだというトータル的な判断で責任ある決定をきちっとするがいいではないかというんで私は見直し条項が入ったと思いますから、前段のそういう点を思い切ってやるということを踏まえた上で、出る結論は予断を持ってするんでなくて、そういう気持ちで取り組んでいくことがむしろ大事ではないかというふうに思っておりますから、その言動については今も変わりません。
○片山虎之助君 さてそこで、私は所得課税の税構造というのはかなりきちっとなったと思います。今、議論されているのは法人関係税ですよね、法人課税。これは世界で一番実効税率が高いんですよ、御承知のように。所得課税の方は真ん中辺なんですよ、真ん中辺かちょっと上が。法人課税は一番高い。ところが、これが忘れられて所得課税は減税をしていっているわけです。これはいろんな事情があるからやむを得ません。 今、国際交流のこういう国際化の時代になって、各国とも国際競争力を自国の企業につけるために法人課税についてかなりいろんなことを考えているわけですね、あるいはやっている。我が国も私は法人税制についてきちっと真剣に検討すべき時期が来つつあると思いますよ。産業の空洞化が促進してしまう、今のままでは。それについていかがでございますか。
○国務大臣(武村正義君) この点も御指摘のとおりでございます。 租税の国際化という言葉も使われ始めておりますように、これだけ産業そのものが国を越えてシフトをする時代になってまいりますと、そこそこ世界の税制がどういう実態であるか、それと我が国の税制との比較を意識せざるを得ない時代に入ってきたというふうに思っております。 その最たるものは法人課税であるという認識でありますし、これからの方向としては、昨年の秋の政府税調答申にもありましたように、課税ベースを拡大しながら税率を下げる、この基本線で法人税制についても検討をしていかなければいけないというふうに思っております。
○片山虎之助君 もう時間がありませんが、景気との関係でありますけれども、先般、経企庁は景気回復を宣言された。ところが四月−六月期を見るとまたマイナス成長になっているんですね。ちょっと心配しておりますけれども、この減税によって経済にどういう影響があるのか、景気回復にどういう影響があるのか。減税は恒久化によってあと二年続けるわけですから、さらに三年後には増税する、それが景気にどういう影響を与えるか、経企庁長官、御説明いただきたい。
○国務大臣(高村正彦君) 税制改革全体が中期的にどういう影響を与えるか試算をしてみました。GDPで言いますと、平成六年度から平成十一年度、六年間で平均○・四%押し上げる、こういうことであります。また、経済成長のパターンを内需主導型のものにする、それから中堅勤労者の勤労意欲を高める、こういったような効果があるというふうに思っております。
○片山虎之助君 三年後に消費税が増税になる、特別減税がなくなるんですよ。ダブルになるんですよ、消費税が上がって特別減税がなくなるんですから。それは景気にどういう影響を与えますか、逆に。
○国務大臣(高村正彦君) それぞれの年度に分断して計測していないわけでありますけれども、先行的に減税が実施される、そのことの累積効果が、消費税が上がった時点においてもその累積効果の方が大きくて全体的にプラスの効果がある、こういうふうに見ております。
○片山虎之助君 そこで、三年後の特別減税というのは特に景気が好転したら二年でやめるという何かただし書きがついているんですね、税制改革の決めで。私は、「特に好転」というのはどういうことなのかお聞きせにゃいかぬのですけれども、ダブルにしないために一年早く消費税増税の前に特別減税をやめるということがあってもいいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(武村正義君) 最近、景気は明るさが広がってきておりますからやや私どもの見方も前向きになるわけでありますが、このときに議論をいたしまして、「景気が特に」というのは過熱という意味だろうかという見方もございましたが、本格的な回復軌道に乗ったということを私どもは指しているわけであります。ぜひ日本経済がことしと来年ぐらいでそこまでいくように私どもは努力をしていかなきゃいけませんし、そうなることをむしろ期待したいと思っております。 そういう大変良好な状況が出来した場合にはこの「特に」という条文が生きてくる、まだ景気の回復が重いときには目をつむって三年間継続するという考え方でございます。
○片山虎之助君 時間ですから。
○委員長(坂野重信君) 片山君の残余の質疑は午後に譲ることといたします。 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十五分休憩 —————・————— 午後一時二分開会
○委員長(坂野重信君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 予算の執行状況に関する調査を議題とし、休憩前に引き続き、片山虎之助君の質疑を行います。片山虎之助君。
○片山虎之助君 それでは、午後は外交問題を取り上げさせていただきたいと思います。 まず、当委員会でも再三議論になりました国連の安全保障理事会常任理事国入りの問題でございます。 十月七日に総理と副総理と大蔵大臣ですか、お集まりになって、これは立候補の表明ではないということを統一見解でお決めになった。総理は、その後、答弁で、積極でも消極でもないと言われた。外務大臣は、これは覚悟を示したんだ、物事の第一歩だという趣旨のことを言われたというふうに報道されているんです、私が聞いたわけじゃないんですが。 しかし、国民からしてみるとよくわからないんです、本当に。なるほど常任理事国というのは、これは国連なり安保理が改組せにゃいけません。しかも、国連憲章を直すには百八十四カ国の三分の二の同意か何か要る。立候補の仕組みになっていない。だから立候補でないというのは当たり前なんです。しかし国民には、例えば立候補するとかしないとかというのは非常にわかりいいんです。だから今、質問します。 仮に立候補に例えれば、申しわけないんですが、例えば自薦とか他薦とかありますよね、立候補には。あるいは立候補には出たい人より出したい人にというのがありますよね。他薦なんですか。出したい人になりたいんですか。いかがでございますか、総理。
○国務大臣(村山富市君) 端的にそう聞かれるとちょっと返事に困るんですよ。 皆さん御案内のように、あの冷戦構造の時代には拒否権が発動されてなかなか物事が決まらなかった。しかし、幸いに冷戦構造崩壊後はお互いに協調し合うという状況になっておりますから、拒否権の発動もなくて物事が決まっていく。それだけ国連の機能が十分生かされてくるようになったわけですね。したがってその国連が、これからの世界情勢全体を踏まえて、紛争ができるだけ起こらないように、世界全体が平和で安定するように、そのために国連の果たす機能というものがだんだん大きくなってきた。 これは単に平和維持だけの問題ではなくて、環境問題から人口問題から人権の問題から、言うならば麻薬、エイズの問題に至るまで、人間がどの地域に住んでおってもお互いに共生できるような、そういう世界というものをつくっていくために国連は今、何をする必要があるのかというようなことを考えた場合に、やっぱり今の国連の機能と役割というものを十分時代に対応して果たせるような、そういう改組、改革をする必要があるんではないかという一つの問題として安保理のあり方についても問われておるということだと私は思うんです。 そういう状況の中で安保理に対して、私も東南アジア等を回ってみまして、やっぱり日本はそういう役割を果たしてほしい、こういう意味の期待が大きいことも知りました。したがって、そういう諸外国の期待にこたえて日本の国が役割を果たす責任がある、義務がある、こういう気持ちで先般の国連の総会で外務大臣が日本の考えと日本の役割等について虚心に演説でお述べになった。 したがって、仮に改組される場合に、ぜひひとつ日本の国に常任理事国になってほしい、こういう多くの国の声があれば、それは素直に受け入れてその役割を果たすべきだと、こういう気持ちを率直に述べておるということだと私は思います。
○片山虎之助君 いやいや、それが総理、回りくどくてわかりにくいんです。 それじゃ、自分からしゃしゃり出るんじゃない、よその国が出てくれと言ったら受けて立ちます、それだけの用意がありますと、こういうことなんでしょう。他薦なんですよ、それ。出したい国になるんですね、出たい国より。そういう理解がずっとわかりやすい。国民がみんな見ているんですから。
○国務大臣(村山富市君) これは出たいからといって出れるものでもありませんし、そしてやっぱり国連の改組、改革がなされるということが前提ですから。したがって、そういう議論がされる中から、日本の国はこれまで果たしてきた役割から考えてみても当然常任理事国になってほしい、こういう声もだんだん高まってきておると。それを素直に受け入れて、そして日本は対応していきたい、そういう役割も果たしていきたいという積極的な意思も表明しておるというところでありますから、私はそれはそのまま御理解をしていただいた方がいいのではないか、こういうふうに思うんですけれども。
○片山虎之助君 そうすると、消極的でも積極的でもないと言われたけれども、やや受け身だけれども積極的なんですね。
○国務大臣(村山富市君) 今、私が申し上げましたような意味で、日本が国際的に平和と安定のために大いに果たす役割があって、ぜひ役割をひとつ果たしてほしい、こういう期待が大きく高まってきたときには、それに対しては積極的におこたえをしたいと。
○片山虎之助君 そこで、総理は所信表明で、この常任理事国入りには「国民の一層の理解を」と言われた。「一層」がつくところを見ると、今、理解がまだ不十分どお考えですか、国民の。
○国務大臣(河野洋平君) 国民の皆様には、国連改革が一体どういう方向に進むか、あるいは国連改革の中で安保理の改組がどういうふうに行われるかということについてさらによく知っていただきたいという気持ちもございます。 幸いなことに、こうして国会での御議論、さらには新聞、テレビあるいは雑誌などでこの問題がしばしば取り上げられるようになって、国民の皆さんの関心は高まり、理解も深まりつつあるというふうに考えておりますが、さらに理解が深まってほしい、そういう気持ちを持っております。
○片山虎之助君 そこで、国民の理解を深める意味で、この常任理事国入りの我が国にとってのメリット・デメリット、憲法上できることとできないこと、それから同時に、したいこととしたくないこと、これを外務大臣、わかりやすく言ってください、国民の皆さんに。
○国務大臣(河野洋平君) 御承知のとおり、現在国連は百八十四カ国という大変多数の国が参加をいたしております。現在は百八十四カ国という多数の加盟国がございますが、安全保障理事会、この安保理の常任理事国は、御承知のとおり五カ国でございます。五つの常任理事国、さらにそれを取り巻く若干の非常任理事国、このごく限られた安全保障理事会で決められたことが国連加盟国全体の意見ということになっております。 したがって、この安保理の中で議論をすることは、国連に対する大きな考え方を反映させることになる。言いかえれば、安保理に入っていなければ国連に加盟しておってもこちらの意見を国連の意思決定に反映させるということは非常に難しい。さらには、大体の国連の意思決定をしてしまう安全保障理事会が今、何を考えてどういう議論をしているかということを知ることもまた非常に難しいというのが現実でございます。 したがって私どもは、この五つの常任理事国が拒否権を持って国連をリードしているわけですが、これは一九四五年当時の、つまり昭和二十年当時の国際情勢を反映してこういう形がつくられていた。しかもその当時、国連に加盟している国は五十カ国そこそこであった。それが今や百八十を超える国になってきた。世界情勢も変わって、必ずしも世界のグローバルパワーはこの五つだけではないではないか、ほかに国際社会全体に目配りできる国も出てきているのだから、ここは改組されてしかるべきだという議論があるわけです。 次に、議員お尋ねのように、では我々が国連安保理常任理事国に入ってできることは何だという御質問がございました。 今申し上げたように、国際社会の平和と安全のために国連が何をするかという場合にはこの安全保障理事会が国連の意思を決めてしまうわけで、我々がもしその中に参加をすることができるとすれば、御承知のとおり、常任理事国五カ国は全部核保有国でございます。この五カ国は、ちょっと表現が適当でないかもしれませんが、武器輸出も相当積極的にしておられる国々だと。そういう中に入って、我々は武器輸出はしない、原則しないという姿勢をとっておりますし、核保有国でもない。こういう我が国が安全保障理事会に入って、そうして軍縮・不拡散、こういった面で我々は意見を述べる、そしてそういう方向に国連の議論を持っていくための努力ができるのではないかというふうに思います。 さらには、国連がスタートするころ、つまり戦後の我が国は国際社会から多くのお世話をいただいて国の再建に取り組んだわけでございますが、現在は経済力もこうした立派な経済力を有する国になったわけでございますから、そうした面で国際社会にさまざまな貢献ができるという立場である以上、憲法の禁ずるところを除いて我が国でできる国際貢献を積極的にしようと考えれば、安全保障理事会の中で意見を述べ、あるいは安全保障理事会の考え方を体して我が国のなし得る方向での国際貢献をするということが適当ではないかというふうに思っているわけでございます。
○片山虎之助君 外務大臣、いろいろ言われましたが、常任理事国に入りまして、覇権派、武闘派に対して我が日本は同じ常任理事国で、良心派というか知性派というか平和派としてやりたい、そういうことで国連の地位や機能を強化したい、こういうことだと思うんですね。 我が国は国連第一主義なんですよね。国連を強化し、国連を中心に世界のいろんな運営が行われるということ、これが国是である以上、国益に沿うわけです。 しかも、今、外務大臣が言われるように、国連の中で積極的に汗を流す、役割を担う。もうお金もたくさん取られているんですから、どうせ取られるんですから。そんなことを言っちゃいけませんが、私はそういう意味で余りちゅうちょをするあれがあるのかなという気が個人的にはするわけであります。まあそれは置いておいて。 同時に、所信表明演説で総理は、多くの国々の賛同を得てと言われた。相当な国が日本の常任理事国入りに賛意を示しております。ところで、一番肝心な近隣の国々はいかがか。韓国、中国、ロシア、まあ北朝鮮まで入れるかどうかは別にしまして、それらの国々の態度、それに対する我が国の戦略、何かやるのか何にもしないのか。いかがでございますか。
○国務大臣(河野洋平君) 私から御答弁をさせていただきます。 先ほどの総理の御答弁の中でも総理御自身がお触れになっておられますように、先般、総理のアジア訪問では、アジアの国々から日本の国際貢献に対する強い期待が述べられたことは事実でございます。 一方、今、議員がお尋ねのように、中国でございますとか韓国でございますとか、そういった国々はしからばどうだということだと思います。 現在、私どもが知り得ておりますことを若干申し上げますと、これらの国は我が国の常任理事国入りについて賛成だと明確におっしゃっておられるというふうには聞いておりませんが、我が国の考え方に対して理解を示しておられるということはあると思います。 二、三例を申し上げてよろしいでしょうか。 十月六日、私は韓国の外務部長官、いわゆる外務大臣、韓昇洲外務大臣と会談をいたしました。その際、同長官はこうおっしゃったわけです。韓国政府は、日本が新しい国際秩序のもとで国連などの国際舞台において国力にふさわしい役割を担おうとしていることを理解する、こういうふうに述べておられます。 それから中国について申しますと、これは少し前、九月十五日でございますから一月前になりますが、外交部の定例記者会見におきまして外交部のスポークスマンは、我々は日本が国連においてさらに大きな役割を発揮したいという希望は理解できる、これははっきりしている、こう述べておられます。さらに続けて、安保理改革は複雑であり、国連メンバー国の十分で広い意見交換が必要だ、こういうふうに続けておられます。 さらにロシアについて申し上げますと、これは九月二十七日、先月末のことでございますが、タス通信が、エリツィン大統領が、安保理にドイツ、日本及び可能であれば他の国々、例えばアフリカ諸国を加えるために安保理を拡大する可能性を排除しないとして、現在の常任理事国が現在のステータスを維持することを条件に安保理メンバー国を例えば五つふやすことは悪くないと述べたという記事を載せております。 これらは言葉のまだまだ端々と言っていいかもわかりませんが、冒頭申し上げましたように、我が国の考え方を理解するという点では私はその下地が十分あるというふうに見ております。
○片山虎之助君 そこで、今、外務大臣が言われるように、理解からやっぱり賛成に、はっきりした賛成がややはっきりしない賛成がはともかくとして、私はなってもらった方がいいと思うんですが、そのための日本からの働きかけをおやりになるのかならないのか。推されてなるんだ、積極的なんだけれども受け身というか推されてなるんだ、今、こういう趣旨の御答弁があったような気がするんですけれども、それとの関係でどういうことになるのか、その辺を御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 例えば私の国連演説の中で、「武力の行使はいたしません。」、こういうことを言いました。これに対して国内外にいろいろな評価、批評がございますけれども、アジアの国々の中には、日本が改めて武力行使をしないということを明言したということで好感を持った国もあるというふうに私は思っております。 これまでも例えばPKOで、自衛隊がPKO活動のために外地へ赴くということについても多少神経を使っておられた国がもしあったとすれば、あの演説はそうした国々に対して安心感を与えることになったのではないかというふうに私は自分なりに思っているわけで、韓国の外務部長官と話し合いをいたしましたときにも、私はそれらの点についても十分申し述べました。 これらを理解を求めるこちら側の行動と言うなら、それはそういうことだと思います。
○片山虎之助君 それでは、常任理事国問題はこのくらいにしまして、せんだって私は、七月の終わりから八月にかけまして、そこにおられる予算委員長を団長としましてODAの調査にマレーシアとインドとネパールとシンガポールヘ行きました。マレーシアは有償ですね、円借が中心。インド、ネパールは無償、シンガポールは技術協力ですから、それぞれのパターンを見せていただいて大変参考になりました。 そこで、私はODAは詳しくありませんけれども、感じで申しますと、国際的には援助疲れだ、国内的には援助離れだと言われているんですね。援助疲れというのは、東西冷戦が終わりまして戦略援助の必要もなくなったし、みんなお金もありませんし、そう景気はよくありませんから、日本だけなんですよね、ずっと伸びている。世界第一位がもう三年も続いたんでしょうか。百十五億ドルぐらい全部で出している。そこで、やっぱりこの際、ODAは重要ですから国連の中での仕事としても、初心に返ってODAはどうあるべきかということを我が国がトップの国ならば私はリーダーシップを持って議論をすることが必要ではなかろうかと、こういう気がいたしますが、いかがでございますか。
○国務大臣(河野洋平君) 議員お尋ねのとおり、国際社会は援助疲れと言われる状況でございます。 これは御承知のとおり、ここ数年、近年と申しましょうか、政府開発援助に熱心だった国々もさすがに伸びが鈍って前年比マイナスになってしまうというような状況で、上から二十ぐらいの国を見ましても、前年比伸びている国は日本、さらには二十位、二十一位のアイルランドとかルクセンブルクとかこういった国で、それ以外の国は前年を下回るという状況でございます。 しかし、国際社会には極めて悲惨な国々、それから貧しい国々、こういった国々はまだまだたくさんあるわけで、こうした国に対して持てる国が、あるいは先進国がと言った方がいいかもしれませんが、さまざまな援助を行うということは、むしろその必要性は強くなっていると言ってもいいかと思います。冷戦が終わって東西のにらみ合いは終わったけれども、局地的にいろんなもめごとがあるのはやっぱり貧富の差が激しいところからそうしたもめごとが起こってくる、あるいはもう貧しさがゆえにトラブルが起こるということを考えますと、ODAにしっかりと取り組むということは極めて重要だと思います。 今、議員お尋ねのこのODA、初心に戻れと、こういうことは全くそのとおりだと思います。その初心に戻るときに問題が幾つかございます。 一つは、ややもすれば今、ODAは医療とか教育とかそういう方向に割とスポットライトが当たっている。しかし、基本的にはやっぱりもっと社会的なインフラストラクチャーをやるべきじゃないか。港湾とか道路とかそういうものに、あるいは水道とか、そういう基礎的なものをもっとやるべきではないかという議論、この二つの考え方をどちらをとるかという議論が一つございます。 それからもう一つは、タイドかアンタイドかという議論があって、それはもうひもつきでないものにすべきだと。つまりアンタイドにすべきだという議論が一方でありますが、そのアンタイドにするということが、どちらかというと国内のいわゆる何というんですか、援助離れというんでしょうか、そういうものが起こっているではないかという議論、この二つが大きな議論としてあると思います。 確かに私は、最貧国に対しては、これは食料の援助も必要だと思いますし医療の援助も必要だと思いますが、まず基本的に基礎的なものですね、上下水道であるとか道路であるとか、そういったものに対する援助をきちんとやる。これが非常に重要で、これに対して、ややもするとそうしたところよりも別に医療とか教育とかというところに目が向きがちですが、やはりそこはインフラ整備というものにももう一度目をきちんと向けなければならないであろうというふうに思います。 ただ、もう一つのアンタイドをどうするかという議論については、アンタイドだというのは、これはルールに従って我が国もアンタイドの率が多くなって、今、八五%でしょうか、一九九三年ベースで八五%はアンタイドにしておりますけれども、このひもっきでない援助というものが、政府は一生懸命援助するんだけれども、それについて日本の企業がついていけない。 そこで、本来は政府が援助する、日本の企業も一緒になって出ていって技術的なことを指導するとか、そういうこともあった方がいいではないかという議論は一つの議論だと思います。ただし、やはり一方でひもつきでない援助をやることによって、国際社会で競争力のある者がそれをとる、あるいは区別をしないでどこでもやり得る者がそれをやっていくというやり方、これも大事なことだろうと思います。 できる限り広報を徹底して、こういう援助をいたします、ついてはこの援助を現場でやってくれるところは名乗り出てくださいと、こういう広報の徹底がもう一方で必要ではないかというふうに思います。
○片山虎之助君 今、外務大臣からるる御答弁ありましたが、私もやっぱりインフラ整備は最重要だと思いますね。今言われた上下水道やエネルギー、それから交通、通信、そういうものができていませんから、それはもうなかなか大変なんですけれども、ただ外務大臣の言われる教育は、私は、人づくり、人材養成というのはやっぱりインフラと並ぶODAの一つの柱だと思いますので、その点の御配慮をいただきたいと思います。 そこで、今のアンタイド率ですが、円高もありましてどんどんアンタイド率は高くなるんですよね。結局、ODAといっても国民の税金ですからね。国民の税金なんだから、私は悪知恵とは言いませんけれども、いい知恵を出してもっとアンタイド率を下げてもらわなきゃいかぬのじゃなかろうかと思いますよ。今言われましたように、技術協力、技術が高いんですから日本は、それとつなぐとか、無償もかなり出しているんですから、二千五百億ぐらい。無償と円借というか有償をつないでいくとか、あるいは日本の企業が得意な分野の注文、発注をふやすとか、何らかそれはそういう工夫、考案を私はぜひお願いいたしたいと思いますが、再度、いかがですか。
○国務大臣(河野洋平君) 御指摘はよくわかります。ただ他方、外国から、どうも日本は国際貢献などと称して援助を出しながら、それは一方で、自国の利益に皆ひもをつけているではないかという批判が一方で起こることがあってはならないと思うんですね。 今、議員がおっしゃるように、日本が持つ技術を移転するという一つの何といいますか、方法になるというような形で考えなければならぬと。すべてこっちが金を出すからその仕事は日本の企業が行ってやるということでは批判を招くことになるだろう。したがって、それは内外無差別というのが原則でございますが、日本の競争力は非常に強いんですから、先ほども申しましたように、情報を十分提供して日本の企業にもひとつ十分な競争力を発揮してやってもらいたいというふうに私の立場に立ちますと申し上げたいと思います。
○片山虎之助君 それでは次に、ルワンダのPKOについてちょっと触れたいと思いますが、九月十二日に決定されまして、自衛隊員四百七十名ですか、向こうに派遣されることになりました。 ただ、素朴な国民感情からいいますと、我が国からずっと遠い、事情のわからない、言葉なんかほとんど通じない国に何で日本が無理して出ていかなければならないのかという素朴な疑問があるわけですよ。これが今、世界で最大の人道問題だと。よくわかりますけれどもね。 そこで、そういう素朴な国民感情の中で、関係の皆さんが相当苦労して派遣をすることになった。それに対して十分な評価、感謝と言うと語弊がありますが、そういう国際的な評価があるんでしょうか、あるいは現地の受け取り方はいかがなんでしょうか。もうフランスもアメリカも帰ったんですよね。いかがでございますか。
○国務大臣(五十嵐広三君) これはもう委員御承知のように、約二百万人ぐらいの難民がルワンダからザイール方面に出ておって、その実情はまことに悲惨な実態にございまして、今、世界のいわゆる人道問題として差し迫った中では最も重大な状況にあるというふうに我々は思っているわけであります。 そういう中で、国際社会における我が国の地位というようなものから考えましても、当然我が国としては人道的な支援をしなくちゃいかぬ、こういう立場に立って各関係方面とも協議しながら、殊に国連難民高等弁務官事務所の強い要請を受けながら我々はこれに対して支援を決定させていただいた次第であります。 現地での要員に大変な御苦労をかけてやっているわけでありますが、各国の評価ももちろん非常に高いものがございまして、先日、外務大臣がニューヨークに行かれた折にも、各国のそれぞれの代表者から大変な評価とそれからそれに対する支持をいただいているようでございまして、我々はこれにこたえてさらに一層の努力をしたいと、こういうぐあいに思っている次第であります。
○片山虎之助君 そこで、今お話があったザイールのゴマなんですが、治安状況についていろんな説がありまして、日本の一部報道はちょっと騒ぎ過ぎじゃないかというような節もあるんです。 それで、自衛隊の皆さんは医療だとか給水だとか防疫だとか輸送だったですか、そういうことをおやりになると。救助はしないんですよね。もし治安が悪くて自衛隊の皆さんがおられるゴマで暴動が起こったらどうするのかと。あれは本会議だったですかね、防衛庁長官は「義を見てせざるは勇なきなり」と、大変いいお言葉を聞きましたけれども、そういう場合に自衛隊は救助できるんでしょうかね。どういう対応をされるんでしょうか。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 難民救済の仕事でございますので、あくまでも警備だとか治安に対しての仕事はないと。これは、我が国の自衛隊に課せられた任務は御承知のとおりでございますが、医療と防疫、給水、空輸、こういうふうになっております。各国の任務も全部見ましたけれども、やはり人道支援に限っておりまして、警備活動をやるとかそういう任務はないと。あくまでもこれは紛争をしている国ではございませんので、主権国家でございますから、そういうわけでございますので御理解をいただきたいと思います。 ただし、「義を見てせざるは勇なきなり」と、こう申し上げましたのは、つまり義とは人の道であると。人の道を行う、困っている人を助ける、こういう意味でございまして、難民支援の目的もそういうところにある、こういうことを強調したかったわけであります。 以上です。
○片山虎之助君 義の範囲もありますね、義の範囲が大きいのか小さいのか。 それはそうなんですが、総理、不測の事態が起こったら自衛隊の撤退もあり得ると言われていましたよね。その不測の事態というのは起こるんですか。起こらないんでしょうか。
○国務大臣(村山富市君) 今、それぞれ答弁がございましたように、自衛隊がザイールに派遣されておりますのはあくまでも人道的な立場から難民の救援に行くと。その仕事の中身というのは、医療、防疫、給水、輸送ですね、その四つに限られておるわけです。したがって、その目的と任務が遂行できないような事態になればこれはもうこの任務が果たせないわけですから、したがって一時どこかに退避するとか、それから長期にわたってもうどうしてもこれは不可能だということになれば撤収ということもあり得るというふうに私は考えています。
○片山虎之助君 そこで、難民がなかなかルワンダの国内に帰還ができない、紛争が泥沼化する、長期化するという場合が考えられますが、その場合に、自衛隊は三カ月ですから十二月末には引き揚げることになっている。状況がもう一歩も進歩がない前進もないときに自衛隊の皆さんが引き揚げることについて、後をどうするんだ、後どういう手当てをするんだ、始末をするんだといいますと、今、官房長官が言われたように、相当国際的な評価は高い、あるいは無責任に引き揚げたじゃないか、後はどうなるんだと、こういうことが私は大変心配なんですよ。 三カ月で引き揚げることはもう決まっていると思いますが、それの確認と、そういう場合には後をどうされるおつもりでございますか。
○国務大臣(五十嵐広三君) 今、委員のお話にございましたように、実施期間はこの十二月三十一日までと、こういうことになっておりまして、そういう計画はそのとおりにいたしたい、こういうぐあいに思っておる次第であります。 問題は、しかしその後どうするんだということ等もあるわけでありますが、これらにつきましては、国連難民高等弁務官事務所等と十分に協議をしながら、あるいは各国のそれぞれの支援体制という関係もあるんだろうというふうに思いますが、全体としてそれらについては調整をとりつつ、極力心配のないような中でひとつ切り上げたい、こういうぐあいに思います。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) これは正確に理解をしていただくためにあえて立ちましたが、各国ともUNHCRの要請を受けましてそれぞれの国がみずからの範囲でできる救援活動を行う、こういう趣旨でありまして、何か皆、治安の情勢が悪いから逃げ帰ったとか撤退したとかというようなお話が伝えられているようでありますが、これは正確じゃない。各国はそれぞれの要請を受けてそれぞれの救援活動を行う、こういうことでございます。 ちなみに、例えば米軍は七月から八月の一カ月、フランス軍は六月の下旬から九月の末まで、イスラエル軍は七月の下旬から八月の末まで一カ月間、オランダ軍は医療活動で七月の末から九月の上旬まで、アイルランド軍は八月の下旬から十一月の下旬まで、こういうことになっているわけです。 それから先ほどの国際的な評価ということで若干私が感じたことを申し上げますと、アフリカの近隣の諸国が最終的にはやはり責任を持ってみんなで助け合うということをやろうではないか、こういうことをケニアの外務大臣も言っておりましたし、また南アフリカ共和国の国防大臣も言っておりました。やはり近隣諸国の平和なくして自分たちの平和はありませんから。 ただし、ケニアには今、スーダンとエチオピアとソマリアから六十万人以上の難民が来ているのでなかなか手助けできない、どうか日本でひとつ頑張ってやっていただけないか。それからまた、南ア共和国の方におきましても、アパルトヘイトをやめて新しい政権になってから三カ月、黒人の方々の失業率が四七%で、これも国内で手いっぱいでなかなかできない。しかし、将来にわたってこういうような諸問題が出た場合は、フロントライン諸国という言葉を言っておりましたが、あの地域の国々が、安全保障の枠も含めた人道支援ということについても問題があれば我々が解決しよう、それまでの間は世界の国々に御支援をいただかなきゃいかぬ、これはひとつよろしくお願いしますと。 こういうことで、国際的な評価もそういう意味で高まっておるということを御報告申し上げさせていただきたいと思います。
○片山虎之助君 私は、各国の軍隊、我が国の自衛隊もそうですが、ちゃんと任務を果たされて帰っているんで、逃げ帰ったなんて一切思っておりません。ちゃんと任務を果たされている。それは国連の難民事務所もいろいろやっているわけですし、それから今、近隣の国で、防衛庁長官のみんなでということも大変いいことだと思いますが、今かなりここにNGOが入っているんですね、千人ぐらい入っている。日本人は三十人とかなんとかという話ですけれども。 そこで私は、前のODAの話に返りますけれども、このNGOというものの存在を評価して、これを生かすような、活用するようなことをODAでも考えるべきではないか。国民参加型援助というんですか、国民参加型ODAということをODA白書か何かにも書いてありましたが、やはりNGOや地方自治体やいろんな市民のこちらのグループ、そういうものが総力でこれからいろいろ国際的な面倒を見ていく、援助をしていくという方式を私は本当に考えていくべきだと思うんです。だから今回、自衛隊が任務を果たしてお帰りになるのなら後はNGOにも頑張ってもらう、近隣の国にも入ってもらう、難民事務所にも調整してもらう、そういうことがあるべき姿かな、こういう考えを持っているんです。 今の国民参加型ODA、NGOの活用等について、外務大臣、御所見をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 御指摘のとおりだと思います。 NGOの方々は、なかなか政府開発援助では気がつかないといいますかあるいは手が届かない、そういうところにまで細かく入り込んで作業をしていただいて高い評価を受けております。また、地方自治体は地方自治体で、姉妹都市もございますし、それからそれ以外にも地方自治体として環境プロジェクトその他で大変立派な仕事をしておられる部分がございます。 外務省としては、こうした援助にやはり我々は我々なりに支援をしていかなければならぬと。したがって、草の根支援とか、そういう形でNGOとの間のタイアップとか、あるいは地方自治体の方々がおやりになるプロジェクト、例えば研修員の受け入れとかあるいは人の派遣とか、そういった面でも支援をしてまいりたい、こう考えております。
○片山虎之助君 それから最後に、インドの肺ペストの問題、これは今ちょっと下火になっているようですが、八月に起こって九月の中旬ぐらいから十月上旬まで大変流行したようであります。 我が国は、海外に一千二百万人も出ておりますし、聞いてみますと、インドから来られる方、インドの方という意味じゃありませんが、大体三万三千人ぐらいおると。水際の防疫体制はもう終わったのかもしれませんが、十分だったのかどうか、今後どういう対応をお考えになっているのか、厚生大臣にお伺いします。
○国務大臣(井出正一君) お答えします。 今回のインドにおける肺ペストの流行は、在インド日本大使館の情報によりますれば、十月十日現在でありますが、患者数六千四百二十六名、うち真性患者数三百二十二名。真性患者というのは、症状とそれから菌が保有されているのがはっきりしたという方であります。そのうち亡くなった方が五十六名となっておるようであります。全体としての患者の発生は減少傾向にあり、流行が終息に向かいつつあると見られているという情報を受けております。 これを踏まえまして、我が国といたしましては、WHO、外務省からの情報を初めとして各種の新聞情報等も活用して迅速な対応を行っているところでございます。 具体的には、現在、インドから来航する航空機、船舶について機内、船内への立入検査を行い、発熱患者の把握をしております。また、ペスト感染の疑いがある患者につきましては、速やかに隔離収容をすることとしております。また、来航者はすべて六日間、これは潜伐期間六日を見ておけば十分のようでございます。六日間の健康監視を行うよう都道府県等に通知をしております。また、機内、貨物等のネズミ、ノミの検査、駆除を徹底すること等の検疫体制の強化を行っているところでございます。 今後とも、ペストの流行状況に応じ適切に対処して、万全の検疫体制の実施に努めてまいるつもりであります。
○片山虎之助君 もう私の持ち時間なくなってきましたので、WTO協定について一問だけお伺いします。 この協定によってWTOが来年の一月から置かれる、こういうことなんですが、せんだっての自民党の意見集約でも、各国に先立って批准すべきではない、特にアメリカ、EUの状況を十分踏まえて勘案してやるべきではないか、こういうことであったわけでありますけれども、外務大臣、状況の把握と、どういう対応をお考えでございましょうか。
○国務大臣(河野洋平君) アメリカは中間選挙に入ってしまうということがございまして、これはもう中間選挙が終わってからの議会で承認をするということにならざるを得ないだろうと思います。 これは各国ともに国会の会期でありますとか選挙の時期でございますとかいろいろありまして、必ずしも横並びというわけにいかないところがございます。十分アメリカ、ヨーロッパの状況も把握に努めておるところでございます。
○片山虎之助君 それでは、本当の最後でございますが、私学助成についてこの前の予算委員会で、大蔵省、文部省、自治省、三省の統一見解を出していただきました。とにかく平成六年度予算を二五%、高校を中心に私学助成はカットされたわけでありますから、どうするんだと、こういうことの質問をいたしまして統一見解を得たわけであります。 それに基づいて平成七年度の概算要求を文部省はいたしたと思います。その状況と今後の私学助成に対する補助制度の位置づけについて御意見を承りたいと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) 先生の御質問は幾つかのことが含まれておりますが、まとめてお答えをいたします。 平成七年度私立学校等経常費助成費補助金の概算要求に当たりましては、平成六年度においても、国全体としての財源措置が充実されたことに伴いまして各都道府県の実際の助成状況が引き続き改善されつつあることを踏まえ、厳しい財政事情や私学助成の重要性等を総合的に勘案し、最大限の配慮をさせていただいたところでございます。 具体的には、私立高等学校の普通科等の四十人学級を推進するとともに、教育の個性化、多様化等、教育改革への私学の自主的な取り組みを財政面から政策的に誘導する等のため、対前年度七十億円、これは一一%増の七百五億円と大幅な増額要求を行ったところでございます。また、私立大学等経常費補助については、前年度予算額に対し九十二億円増の二千八百二十五億円を要求しておるところでございます。 文部省といたしましては、私立学校の教育研究条件の維持向上や就学上の経済的負担の軽減等に資することができるよう、厳しい財政事情のもとではございますが、今後とも私立学校振興助成法の趣旨に沿って私学の助成の充実に努めてまいりたいと思っております。
○片山虎之助君 総理、私は私学教育は大変重要だと思うんです。大学は私立大学が四分の三ですよ。私立高校はこれは三割ぐらいですけれども、今や高校は準義務教育ですから完全に公立を補完して、私立がなきゃうまくいかないんですね。しかも国公立は、文部大臣、申しわけないんですが、これはやや画一的ですから、生きた多様な教育というのは私は私学にあると思う。 そういう意味では、今後とも私学助成に力を入れていただきたいのと、場合によっては将来は公設民営、教育施設は公がっくるけれども教育はもう民にやらせる、私はそういうことまで踏み出す時代ではなかろうかと思いますが、私学出身で、この前、名誉何とかになられました総理の御答弁をお聞きしまして、私の質問を終わります。
○国務大臣(村山富市君) これまでの日本の教育の中で私学の果たしてきた役割というのは大変大きいものがあることは、もう委員御指摘のとおりだと思います。特にそれぞれ特性と特徴を持って教育をされておる私学の役割というのは、国立や公立てはできないことが可能になるという意味では極めて大きなものがあると思うんです。 そういう意味で、私学の助成につきましては、今、文部大臣からも答弁がございましたが、委員の御趣旨も十分体しでそれなりの努力をしていきたいというふうに思います。
○委員長(坂野重信君) 関連質疑を許します。大塚清次郎君。
○大塚清次郎君 それでは、許された時間の中で、私はガット・ウルグアイ・ラウンド農業合意に関する国内対策に絞ってただいまから総理並びに大蔵大臣、特に主管の農林水産大臣に質問をいたします。 この七年間のガット・ウルグアイ・ラウンド、大変なマルチ交渉でございましたが、三たびの国会決議にもかかわらず、十二月十三日、ドゥニー調整案を受け入れるということでございます。その生々しい当時の模様は今もってその衝撃とともに消えておりません。 細川総理が未明の記者会見で、苦渋の選択をした、断腸の思いである、決して農民に不安がないように万全の国内対策を講ずるというかたい約束があっております。現武村大蔵大臣は、当時、官房長官として深くこれに政府としてかかわっておられます。 実はその後、緊急対策本部ができまして、そして万全の体制をとられたわけでございますが、このガット・ウルグアイ・ラウンド交渉の結果と国内処理については細川内閣からそっくり引き継ぎをなさったわけですか。総理、まず御答弁ください。
○国務大臣(村山富市君) これは内閣の方針として外交は継続するということも申し上げておりますし、特にウルグアイ・ラウンド後のWTOという多角的な貿易自由化というのは日本の経済にとっては極めて大事だと受けとめておりますから、引き継いでやるつもりであります。
○大塚清次郎君 ただいま確かめ、確認を求めたわけでございますが、それでは所管の農林水産大臣にお伺いをいたします。 今度この国内対策ということが近々政策大綱で出てくるということ、私どもは注視をいたしております。去る十一日と十二日の衆議院予算委員会で衆議院の三議員さんからこのことを触れておられますが、いわゆる政策大綱とWTO、食管法の関連法、これは三点セットで同時決着すべきものだと、そしてその政策大綱には金目を入れたものでないといけないが、どう思うかということにつきまして、農水大臣、その線に沿って仕上げを今やっておる、政府部内との調整を急いでやりたいという答えがあったということを漏れ聞いておりますが、まずその手続をこれからごく短時間の時日の中でどうされるか、農水大臣の腹づもりをちょっと聞いておきたいと思います。
○国務大臣(大河原太一郎君) 大塚委員のお話のとおりでございまして、WTOの批准の問題あるいは関連法案の国会承認、それと最も重要な国内対策、その大綱について、大綱自体の内容を最終固めるべくただいま全力を挙げておりますし、当然実施期間における財政的裏づけ、これを確保いたしますようにただいま政府部内において調整中でございます。
○大塚清次郎君 ただいまはっきりしたお答えをちょうだいいたしましたが、実は私が大変気になることがあります。これは財政当局の厚い壁にぶっかっておりはせぬかということでございますが、特に政策大綱に金目を入れること、これには今の現農林予算のスクラップ・ビルドでやればいいんじゃないかというようなことや、あるいは農水省は土地改良負担金や借金利息を棒引きにするつもりじゃないかといったようなことが聞こえてまいります。これはとんでもないことだと思いますけれども、私はこれはそのようなスクラップ・ビルドでできる筋合いのものじゃないと。 したがって、これははっきりした特別枠で六年間なら六年間のものをきっちりあらわしていただきたい。そして、年々非常に農林予算は減っております。格段に減っております。この十年間ばかり見ますと、国の全体の予算規模の中のシェアは一四%あったのが今七%になっておるという事実、それから実額でも三兆七千億円が三兆四千億に今減っておるということ。これに対しまして国際的に農業大国であるアメリカ、EC、こういう国々は輸出補助を含めていわゆる国内保護予算をどんどんふやしておるという事実があります。大変なシェーレがあります。こうした中でスクラップ・ビルドなんてできるはずがない。ですからそういう点で、これは大臣自身が御承知でございまするので、やっぱり金目をきちんと入れた政策大綱にすべきだというその決意を今、農水大臣からお聞きいたしました。 ところで、これは武村大蔵大臣に聞かねばなりません。大蔵大臣はあのガット農業合意受け入れのとき、国会でもいろいろありましたけれども、実はその衝に当たっておられました。特にあの細川総理の十二月十四日未明の記者会見、声涙どもには下らぬだったわけですけれども、非常に心のこもった言葉だったと私は思います、記者会見にいたしましても。それの女房役であられたわけですから、武村大臣もともに非常に痛みを一番わかっておられる。ですからこれは今、政策大綱に金目を入れること一点に焦点を当てて、これは国民が見守っておる、したがってこれはこの際御確約をいただきたい、金目を入れることに。
○国務大臣(武村正義君) 振り返りまして、昨年のウルグアイ・ラウンド合意の決定は、細川総理は苦渋とおっしゃいましたが、まさにそういう当時の政権の決断でありました。進め方についてはいろいろ当時の野党である自民党からも厳しい御批判もちょうだいしましたが、あの時期、世界の百十数カ国が、最終的には農業問題としては日本や韓国の米の問題が最後に残ってああいう形の妥結をせざるを得なかったと、今でも振り返りながらそう思っているわけであります。大変残念だけれども、ああいう決断をせざるを得なかったかなと今でも振り返っている次第であります。 当時、早速に緊急農業農村対策本部を設置をし万全の対策をとるということを細川総理みずからがおっしゃっていただいたわけでありますし、それを今日も踏まえて今御質問のような状況に至っているわけであります。 金、金と、金だけですべて日本の農政が生き返るわけでもないと思いますが、しかし金も大変これはもう決定的に大事な要素であるというふうに認識をいたします。 国家財政も申し上げるまでもない大変厳しい状況の中でありますが、先般本部でお決めいただいた大綱骨子を私も全面的に理解をし認識をいたしている次第でございますし、あの骨子を裏打ちするための議論が真剣に与党の中でもそして政府の中でも進められているさなかでございまして、政府の一員としてぜひこの大綱骨子が数多くの注目している農家の皆さんの期待を裏切ることのないようにしなければいけないと思っております。 大蔵省としては、金の問題は回避をするといいますか、金は入れるべきでないなどという考えを持っているわけではありません。
○大塚清次郎君 どうもその辺になると言葉が少しトーンが落ちるような気がしますがね。実は衆議院の十一、十二日のどなたかの質問の中でも、非常に言い回しがいいんですね。政策大綱に金目を入れて示すには時系列もあってなかなかのことだが、農家に不安がないようにする。これは一体何かと思うんですよ、私は。 そういうものじゃなくて、これはやっぱりこの一点が今、注視されておりますから、村山内閣としてひとつ金目を入れてお出しになる。それには財政当局を率いていかれる武村大蔵大臣、これは責任重いと思いますよ。背信がないように、ひとつ確実に金目を六年のものにしてもその中の単年のものにしても入れでやってもらいたい。 なぜ私がこれにこだわるかといいますと、七月二十九日の閣議了解があるんですよね。あれは、平成七年の国内対策については、平成七年度予算要求の場合、今度の予算編成過程で考えるというようなことが入っておる、だからこれが一つの言いわけになって金目を出すことを渋るんじゃないかということですが、そういうことがあってはならないし、また予算編成過程というのは決して予算編成の終期じゃないということです。だから今度出せるはずですということでございますが、その点どうですか。
○国務大臣(武村正義君) 先ほども申し上げたように、財政当局の責任としても金の問題で逃げる気はありませんという言い方を申し上げたわけであります。まだ金目を入れるか入れないか、六年という単位で入れるか入れないか、事業費ベースで入れるかどうか等々まだ詰まっておりません。ちょうど真剣な議論が始まるさなかでございますからちょっと表現が締まっておりませんが、六年間の事業費ベースで金額についても真剣にやはり議論をしなければならないというふうに認識をいたしております。
○大塚清次郎君 真剣な議論じゃなくして、もう日にちも迫っております。というのは、今度WTO、出すんでしょう。私はWTOはこれにかかっておると思います、政策大綱に、そう思いますよ。食管法の制度だって何だってやっぱりこれにかかっておる。三点セットといみじくも言われたのはそこだと思うんです。
○国務大臣(武村正義君) 真剣な議論をして近々に結論を出さなければいけないというふうに考えております。
○大塚清次郎君 それは金目も含めてのことだということを理解して了承します。ひとつぜひそうしてください。 いずれともやっぱり農民がこれから負う苦痛、これはエンドレスに負うわけですよ。ですから、やっぱりどんな立派な政策大綱ができてもそこで形のあるものでないと、外形だけでは納得しません。したがって、私は特にこれは村山総理を初め緊急対策本部の閣僚の皆さんあるいは全閣僚が連帯して、きちっとした対応をこの際していただきたい。そして、少なくとも六年間の総枠の中で平成七年どうするかということでこの対応をしていただきたいと思うわけでございます。 総理のひとつまとめての御答弁を願います。
○国務大臣(村山富市君) るるお話がございましたように、私も思い起こしますけれども、あのウルグアイ・ラウンドの合意を受け入れる際に社会党も二晩ほど徹夜をして衆参両院議員で議論し合って、そしてこの結論を出した。あの全く苦渋に満ちた結論を出したわけですけれども、その前提として、これを受け入れるかわりに、しかし今後の農業農村対策については責任を持って万全を期してほしいと、こういう強い背景もあって決められたことでありますから、当時の閣議了解事項等々も受け入れた立場で、これは大蔵大臣としてはこれから予算編成するのにどうしますこうしますという答弁ができないのは、これはよく立場は御理解いただけると思います。 財政の裏づけがない政策というのは意味がないわけですから、私どもはそういう経過も踏まえて、与党の皆さん方の意見も十分お聞きした上で、誤りのない結論を出すべく最大限の努力を払っていきたいということだけは申し上げておきたいと思います。
○大塚清次郎君 非常に私が力を込めて質問申し上げますのは、ほかでもありません、もう相当になりますけれども、牛肉・かんきつの自由化がありましたね、東京ラウンドで。今、牛肉・かんきつは大変なんです、実は。 あのときに国内対策を予算を含めて合意するとき、やっぱりセットで出されました。そうして、そのときはどれだけあればいいかということについて、輸入枠の拡大からずっと自由化に至るまでのシミュレーションをしておおむねこれで、不満だけれども、まあこの程度で今後の牛肉それから果実のひとつ日本の振興を図るかというところになったわけですけれども、今、現実にはとてもじゃない状態です。そのときの手だてが今、効果が上がっていない、なきに等しいというようなことですから、私はあのわだちを踏まないためにここでしっかり国内対策を固めて打ち出していかなきゃならぬ、こう思っております。これはとても日本の農業が今の国家貿易品目以外でずっと外国に競争できるわけはないんです。 やっぱり国境措置があるいは国内の政策支持で終生やっていかないと、日本の農業の存立、国土の保全は私は守られないという考えでございますので、ひとつそれに向かって、最後に農水大臣、御答弁を願いたいと思います。
○国務大臣(大河原太一郎君) 段々のお話でございますが、まさに例えに挙げられました牛肉・オレンジの自由化以降の厳しい状況等々を考え、このたびの全面的な関税化等を考えますと、徹底した食糧農業農村対策が必要であり、しかもそれがしかるべき財政的な裏づけによって行われるべきであると、そのように考えております。
○大塚清次郎君 実はWTOの問題でございますが、これは衆議院で保利先生からこの前村山総理に問いがございました。いわゆる国会承認と締結、これについては場合によっては別になるということについての総理の所信が出たわけでございますが、やはり政策大綱を上げて、そしてそれをもとに国民にあるいは生産農家に十分理解を求めながらWTOは対応すべきだ、こういうように私も申し上げまして質問を終わります。
○委員長(坂野重信君) 以上で片山虎之助君の質疑は終了しました。(拍手)
○委員長(坂野重信君) 次に、山本正和君の質疑を行います。山本正和君。
○山本正和君 質問に入ります前に、本委員会は自由な議員の質問の場だと思います。ただ、その発言の中で、これは私ども参議院で議長、副議長ともに全員一致でもって信任をして選んでおる、しかも党籍を離れて議会運営に当たっている議長を持っている、大変私も喜ばしいと思っているわけでありますが、昨日の野末陳平君の発言の中に、副議長に対してあたかも脱税をしたかのような発言がございました。私どもはこれについては十分調査をいたしましたけれども、脱税の事実は全く副議長についではない。しかも、検察庁もこれについてははっきりと結論を出しておる。また新聞紙も、赤桐副議長の問題については他の問題とは別であるという報道がなされておる。それをあたかも赤桐副議長が脱税の疑いがあったかのような発言をされた。これは議院の権威にかかわることです。 要するに、議員がどのような発言をしようとこれは国政の調査の範囲内では自由だと思うんです。しかし、おのずからその発言の中には節度があってしかるべきだと私は思うんです。 そういう意味で、昨日の野末陳平君の発言について、これは本委員会としてどう対処すべきか、これは委員長において十分なひとつ御判断を願いたい、こういうふうに思いますから、まず委員長の見解を伺います。
○委員長(坂野重信君) ただいまの山本君の要求につきましては、後刻理事会で協議いたします。
○山本正和君 それでは質問に入るわけでございますが、私どもの党の議員団を中心といたしまして北海道の地震についての調査に参りました。七日には政府に対し報告をいたしましたけれども、その後の段階で政府もさらに詳しい調査をされたと聞いております。 その状況につきまして、また今後の当面する対応について、冒頭にお尋ねしておきたいと思います。
○国務大臣(小澤潔君) お答えをいたします。 政府といたしましては、直ちに担当官を被災地に派遣いたしました。状況を調査し、応急対策に全力を尽くした結果、被災したライフラインは全面復旧いたしております。 なお、政府といたしましては、今後とも道路、鉄道、河川、港湾、漁港、農林水産業施設等の早期復旧等に全力を挙げて取り組んでまいります。 簡単ですが、以上です。
○山本正和君 現地の方々は今、大変困った状況に置かれておられまして、本委員会における今の国土庁長官の答弁、これまた直ちに具体化するための施策にすぐ移っていただきますよう要望しておきたいと思います。 それで、村山内閣、何かいろんな批判が野党の皆さんから言われております。また、国民の皆さんの中にも村山内閣の性格についてさまざまなやっぱり疑問がある。今から私は、そういうことを含めて、まず冒頭に村山内閣の性格、さらには今から何をしようとしておるか、こういう問題について御質問をしておきたいと思うのでございます。 まず、三党が寄り集まっている、しかも水と油、あるいは氷炭相入れずというふうないろんな表現がございます。しかし、私はそうは思っていないのであります。 というのは、我が社会党は、三十八年間の長い野党生活で、政府を批判すること、また理想を追うこと、これは本当に得意中の得意なんです。しかし、現実問題にどう対処するかということについては正直言いまして大きな弱点を抱えておった。それが細川連立内閣に加わって、まさに苦渋に満ちた一年間であった。突然ぽこんといろんな問題が出てくる、右往左往する、党員全部集めて、国会議員みんな集めて朝まで徹夜で議論する、こんなことの繰り返しだったんです。しかし、与党というものの厳しさ、政権党の厳しさについては本当に嫌というほどみんなで勉強をいたしました。 しかし、最後に、新しく羽田内閣ができたときにも、あくまで政権というのは政策が中心である、したがって我が党としては政策を国民の皆さんの前にはっきりと示す、それによって新しい連立内閣を求めていったわけです。しかも、これは最終的には当時の村山委員長、羽田総理大臣、その他の十派の各党首の皆さんの中ではおおむね合意になろうとしておった。ところが、幹事長・書記長会談の場で突然その合意が破棄された。しかも、政策が一致している部分を認めるんじゃなしに、不一致の部分を拡大してぶつけてきた。まさに当時の野党であった自民党に対して、内部を攪乱し、一人一人引き抜こうとするような企てが行われた。こういう信義にもとる行動に対しては我が党はどうしてもくみし得ない。その中で、自社さきがけ三党が本当に政策問題についての議論をする中から今日の村山内閣ができたというふうに私は思っているわけであります。 ただ、そこで申し上げておきたいのは、そうは言いながら実はまだ大変な誤解がありますから、各三党とも、社会党は従来の万年野党の何でも反対の社会党ではなくなったと、このことをまず冒頭にひとつ村山委員長からお聞かせいただきたい。 それはこういうことです。九月三日に社会党は党大会を開きました。そこで随分いろんな議論をしたんですけれども、私どもは、社会党といえば社会主義の党であるというふうな妙なイメージ、これはもうとうに卒業しておったんですけれども、まだありました。それを完全に払拭して、要するに議会主義に立った日本国憲法の示す社会の理想の実現、これを目指す党としての宣言を行った、こういうふうに私は九月三日の党大会を理解しているんです。これについてひとつ村山総理の御見解を伺いたい。
○国務大臣(村山富市君) 何でも反対という表現は少し、余りにも強調し過ぎたんではないかと思うんですけれども、それなりに私は、私も議員経験を通じて、恐らく百の法案が出ればその九〇%近くは修正するか賛成するかして通してきていますし、もうこれだけはやっぱり譲るわけにはいかぬといったような問題については徹底的に抵抗してきたこともありますし、賛成した部分はもう外には出ませんで、抵抗している部分だけ外に出るものですから、何でも反対する社会党というレッテルも張られたことがありますけれども、それは誤解ですから、私はこの際その誤解は解いておいていただきたいと思うんですね。 私どもは、これまでの野党としての経験を踏まえた上で、今、委員からもお話がありましたように、昨年七月の総選挙以降、与党としての初めての経験もしてきたわけです。そういう経験に学びながら党自体も変わっていくというのはまた当然だと思いますね。それはいい意味で発展をしていくんだという道筋をお互いに探究しながら党自体の改革も図っていく。そんな意味では、社会党だけではなくてこれは自民党の皆さんも同じだと思いますし、さきがけの皆さんも同じだと思うんです。 私はそういう意味で、これまでのような意図的対立ではなくて、国民のために何が一番いいのか、国民のために何をすべきか、こういう視点に立って虚心に話し合う中から政策的な合意を求めていくというこの連立政権のよさというものが今の内閣は私は十分に生かされていっておるというふうに思いますし、そのことがだんだん国民の皆さんにも理解をされて、最近幾らか支持率も上がってきておるという面にあらわれておるんではないかと思うんです。 そこで、私は三党が共通するものとして、やっぱり日本国憲法の理念というものは尊重していくべきものだ、しなきゃならぬと。同時に、多様な価値観の共存するもとにおいては民主主義的な運営、発想というものはやっぱり大事にして一層充実させていく必要があると。そして、平和国家として国際社会において、例えば軍縮の問題あるいは貧困の問題、環境の問題等々さまざまな問題がありますけれども、そうした問題も含めて平和的な解決が図れるようなそういう日本の役割と任務というものも自覚をして、国内、国外等との政策についても一貫した理念をしっかり踏まえてやる必要があるというふうに考えておるところでございます。 ちなみに申し上げておきますけれども、三党が合意した中に、現行憲法を尊重し、生活者のための政治の実現を目指し、地球規模の環境保全と軍縮を促進することを旨とするというふうな合意事項がありますけれども、こうした合意事項もしっかり踏まえてこれからの政権担当に当たっていきたいというふうに考えておることだけは申し上げたいと思います。
○山本正和君 自由民主党という党も、これは本当に長い間我が日本の国政を背負って政権与党として大変な苦労をしてこられた。しかしながら、長い政権の中で金権腐敗の党というふうな批判を受けたりいたしました。また、親分が黒と言えば白いものでも黒だというふうなことが新聞で言われたりしたこともございました。 しかし、それに対してこれは党内でのさまざまな論議の中で自由民主党が新しく生まれ変わるということを宣言された、これが昨年の自由民主党の党大会だったというふうに私は聞いておるわけでございます。すなわち、自由民主党はまさにその名のとおりデモクラシー、民主主義、リベラル、きちんとこれを大切にして追求していく党に生まれ変わったんだ、こういうふうに昨年の党大会で宣言をされたというふうに私は思っているんですけれども、河野総裁、それについていかがでございますか。
○国務大臣(河野洋平君) 我が党は三十八年間にわたって政権を担当してまいりました。その間、国家の運営についてその大筋において間違いはなかった、そういう自負がございます。しかし、残念ながら近年におきまして何度か金銭にまつわる不祥事が起きまして、国民から厳しく批判をされたところでございます。こうした点についてはきちっと反省すべき点は反省をして、そして新しい党風もつくり、日本の政治の責任を担う立場に立たなければならぬ、こういう党員の反省の上に立って、現在、党改革にも取り組んでいるところでございます。 今般、村山政権を支えて三党連立政権、その一翼を担うことになりました。私は、村山総理の所信演説に示された方向を我が党としてはこれを是としてこの政権をしっかりと支えたい、こう考えているわけでございます。国家あっての国民という考え方ではなくて、国民のための国をつくる、こういう考え方を持っておられると私は村山総理のお話を横で聞きながらそう感じているわけでございます。 今、山本議員からもお話がございましたが、日本国憲法、自由、民主主義、基本的人権の尊重、こういった憲法の理念というものを我が党はしっかりと支持してきていることはもう間違いのないところでございます。 こうした考え方に立ちましてしっかりとこの政権を支えてまいりたい、こう考えております。
○山本正和君 三党合意の中身があるわけでございますが、特に新党さきがけが大変な御苦労の中で去年からことしにかけまして政策問題についてのさまざまな提唱がございました。そして、新党さきがけが、接着剤という言葉は余り妥当じゃありませんけれども、三党合意をつくるについて大変な御苦労をいただいたことは私も承知しているわけでありますが、これはまさにさきがけが提唱された基本的な考え方というのは、今も河野総裁から言われましたように、憲法の理想を実現する、こういう目標を目指しての政策検討であり、政策決定であったというふうに私は理解したいのでございますが、さきがけの党首として、大蔵大臣、いかがでございますか。
○国務大臣(武村正義君) 憲法前文には「崇高な理想」という言葉がたしかございました。平和の問題に関しては、そういう意味では平和への崇高な理想を我が国憲法は掲げている、そのことを改めてきちっと認識をして、冷戦が終わったという新しい世界情勢の中ではありますけれども、むしろこの憲法の精神がより生かされやすい、堂々と生かしやすい状況になったということも含めて積極的に取り組んでいきたい。 午前中の議論でもグローバルパワーという言葉、安保理常任理事国入りの条件といいますか、特に日本とドイツを指してグローバルパワーというような表現がございましたが、同じグローバルパワーでもミリタリーなパワーとノンミリタリーというかシビリアンなパワーとあるんじゃないか。我々は憲法によって軍事的なパフーには大きな制約をみずから課しているわけでありまして、それだけに、憲法の禁ずる武力行使はしないということは当然でありますが、そういう否定的な消極的な主張だけでなしに、非軍事的なシビリアンなパワーとして今後の世界に対してもっと積極的な貢献をしていくべきではないか。 今、村山総理から三党合意の文書も紹介いただきましたが、憲法を尊重しながら生活者中心の政治を目指していくと同時に、地球的な規模の環境問題や軍縮に努力していくという表現はそこにあるというふうに認識をいたしております。
○山本正和君 そこで私は、三党それぞれ政党でありますから独自の理念はあると思うんです。しかし、事、村山内閣とこの政府は、まさに憲法の理想の実現を求める内閣なんだということを宣言できると私は思うんです。各党はそれぞれのいろんなものがありますけれども、この内閣は少なくとも憲法の理想の実現を求めていく内閣なんだと。 しかし、そうかといって、単に理想を追うだけじゃなしに現実を直視して、今ある日本の姿、戦後の長い間のさまざまな問題、国際情勢、きちっと現実を認識して、現実から跳びはねたら転びますから、現実から一歩一歩理想を追ってそれを指し示していくために努力する内閣である、こういうふうに私は受けとめたいわけでありますし、国民の皆さんにそのことを、これはもう総理の所信表明演説の中で言っておられますけれども、やっぱりもっとわかりゃすい言葉で、さまざま違っても内閣は一つですよと、そしてそれは憲法の理想の実現を目指して着実に一歩一歩進んでいく内閣ですということをこの場で総理からひとつ宣言をしていただきたいと思いますが、いかがでございますか。
○国務大臣(村山富市君) ああいう長い戦争の経過を経て日本の国は生まれ変わったと。今日のこれだけの経済発展も遂げてきて、それなりに注目される国になっておる。それはやっぱり私は憲法の力が大きかったと思うんです。 その憲法の理念というのは、あくまでも平和と民主主義と基本的人権というものを三本柱にしてつくられておる。その憲法の理念が国内だけではなくて国際的にも実現できるような、そういうものをしっかり踏まえた上で日本の国は努力していく。 だから、今お話がございましたように、理想を掲げながら現実をしっかり踏まえて、その現実の問題の処理の過程の中で一歩でも二歩でも理想に近づけるような方向で努力していく、そういう内閣であるということを宣言したいと思います。
○山本正和君 ひとつ私どもも、総理が今言われたことを国民の皆様の前に、この内閣はそういう内閣であるということを今から言っていきたいと思いますし、それに基づいてさまざまな諸課題の解決にも当たっていきたいと思うわけであります。 そこで、衆議院からずっと質問の中で、これはまさにすべての党、共産党を除くすべての党が公約違反だとかなんとかと言われている税制改革の問題で、少し国民の皆さんにわかりやすいように私は質問していきたいと思うんです。 午前の片山議員の質問の中でかなり明確になったわけです。要するに、現行の消費税というものをそのまま五%にするという誤った印象が国民の間にあるわけです。しかし、これは私も与党の税調の中でいろんな議論をしていることを聞きましたし、部分的には参加したこともあります。大変な苦労の中で、要するに現行消費税の欠陥をどう直すか、一生懸命な取り組みをされた。そして、その取り組みをされた経過、これはもう片山委員から御質問がありましたけれども、ひとつ大蔵大臣、こことこことここはきちっと消費税の言われている部分を直しましたよということをまず言っておいていただきたいんです。
○国務大臣(武村正義君) お話がございましたように、短期日の本当に集中した議論の中でございましたが、与党三党二十名のメンバーが選ばれて真剣な議論をこの夏から九月にかけて進めていただきました。消費税をめぐるありとあらゆる側面について議論をしていただいたわけでありますが、今回の税制改革の中ですべてに結論を見い出したわけではありません。 しかし、例えば平成三年の消費税改革のときと比べてみますと、あれも与野党で随分熱心な議論が行われた結果でございますが、当時は限界控除制度を六千万から一千万下げて五千万にする、今回はこの五千万をもう廃止するという決断を出していただきました。それから簡易課税制度も、前回は五億円を一億円下げて四億円にするということでございましたが、今回はさらに二億円下げて二億円にする、こういう結論であります。免税点は、確かに三千万円は今回は見送りました。最終結論としては見送って将来のテーマにいたしておりますが、今回はゼロではなしに新設法人資本金一千万円以上は課税にするということも改正に加えていただいているわけでありますし、さらにインボイスも、御承知のように、日本型と言われる請求書等を中心にしたインボイス方式を正式に今回導入をさせていただいた。 全体この改正だけで三千二百億ぐらいの増収になるということでもありまして、大きな消費税の中身を見直す第一歩になったというふうに思っております。
○山本正和君 まだ国民の皆さんの中には消費税の悪い部分、特に買い物をすると庶民の感情からいけばやはり百円のものでも三円かかる、いろんな不愉快きわまる状況があるわけですね。それからもう一つは、今、大臣が言われましたように、納めた税金がどこかのポケットヘ入っていく。そういう消費税はけしからぬとみんな思っているわけですよね。 だから極端なことを言うと、議員も選挙のときにはああいう消費税はけしからぬとみんを言うわけですよ。ところがどの議員でも、資産、所得、消費の間にバランスある税制をしかなきゃいけないとこれはみんな言っているんです。ところが選挙のときに言いやすいものだから、消費税反対、こう言えばいいと思ってやってしまう。その辺、政治家も問題があると思うんですけれども、私は少なくとも国政をあずかっていく場合には、消費税のどこが悪いんだ、ここはこう直しましたということをやっぱりきちっと説明していけば国民の皆さんに理解してもらえると思うんですね。 それからさらに、今から取り組もうとしている消費税の欠陥の是正、これは今から二年半、約二年間の検討の中に、現行消費税の中で国民の皆さんから見てどうもけしからぬと思っている部分については直そうとする、そして当然これは今から直す対象となっているんだと、このことは私は聞いているんですけれども、いかがですか。
○国務大臣(武村正義君) 主税局長から答弁をいたします。
○政府委員(小川是君) 今回の消費税率の見直し規定の中には、歳出面で社会保障等に要する費用の財源を確保する観点、行財政改革の観点、そのほかに税制上は租税特別措置等及び消費税に係る課税の適正化の状況、さらには財政状況等を総合的に勘案して検討するとなってございます。 ただいまお尋ねの消費税の問題につきましては、先ほど大臣から御説明いたしました簡易課税制度について、例えばみなし仕入れ率のあり方につきまして今後とも実態の調査を進めていくとか、あるいはもう一つは免税業者につきまして、とかく免税事業者であると必ず益税が発生しているという誤解がございます。免税事業者の方も仕入れにかかる税負担は適正に転嫁をするということが必要でございますし、また逆に免税業者の方は税率いっぱいの引き上げをするというのも不適切でございます。こうしたものをどのように周知をし、適切に指導をしていくかといったようなことが検討課題になろうかと考えております。
○山本正和君 今、主税局長が言われたように、消費税についても、これは見直し条項とは別ですよ、別ですけれども十分に検討していくんだと。また、過ちを改むるにはばかることなかれというのは、これは大臣の好き宣言葉らしいけれども、悪いところは直すのが当たり前なんで、だから消費税も国民の皆さんから見ておかしいというところは直していくんだと、当然これは入っていくと私は思うんですよ。 だから、公約違反公約違反と言われたら何かこう縮こまっているような感じがするけれども、謝るべきときは私たちも謝らにゃいかぬと思うんですよ。国民の皆さんに、あたかも消費税何もかも皆悪い、だから撤廃しますというようなことを言ったと、これは申しわけない、しかし真意はこうです、これはこういうふうに変えていくんですよ、国民の皆さん安心してください、今のままじゃありませんよと、こういうことを堂々と言えばいいんです。こういうことの名人は通産大臣の橋本大臣なんです。この人は前大蔵大臣のときにもう大変な宣伝をやって、消費税の橋本と言われるぐらいあちらこちらで奥様方に受けがよかった。そういうノウハウも入れて、今度の消費税はこういうふうにしたんですよ、これからもこういうふうに国民の皆さん安心してくださいということを広報宣伝すればいいんだ。ちっともそういうことを広報宣伝していないのでどうもおかしいんだけれども、その辺、大蔵大臣の仕事だと思うんですけれども、どうですか。お隣の大臣から教えてもらってやったらどうか。
○国務大臣(武村正義君) いや、橋本元大蔵大臣、あるいは当時は参議院選挙は橋本幹事長であったと思うんですが、あのころのテレビの説明を私も記憶をいたしておりますが、能力が足りませんで申しわけありません。おっしゃるとおり、わかりやすく、より積極的に国民の皆様に御理解がいただけるように私も努力をさせていただきます。
○山本正和君 それでは、税金のことはまた国民の皆さんに安心してもらえるように広報してもらえると思いますから。 次に、またもう一つ国民の皆さんが大変関心のあるのは、これからの日本社会がどうなるのか、年をとっていって安心して暮らせるのかと、こういう心配があります。 そこで、ゴールドプランを新ゴールドプランというふうに名前を変えた。そしてお金も四百二十兆を六百三十兆にした。大変な額の感じがするんですね。だけど、そのことについて国民の皆さんも、これもまたどうも政府は広報が下手なんで、こういう考えですよと、せめて。まだお金は決まっておりませんから、お金もと言うと大蔵大臣からしかられるだろうけれども、厚生省としてはこんな気持ちでやるんですよということぐらいわかりやすく言ってもらいたいと思うんだけれども、ちょっと大ざっぱにここで御説明いただけませんか、あんまり細かいやつじゃなしに。
○国務大臣(井出正一君) お答えいたします。 厚生省、一生懸命PRしておるつもりでございますが、まだなかなか思うようにいかなくて、これから努力したいと思いますが、簡単に申し上げます。 現行のゴールドプランは平成二年度から着実に推進してきているところでございますが、このたび、さらに全自治体が作成いたしました老人保健福祉計画を踏まえて抜本的に見直して新ゴールドプランを策定したいと考えており、さきに厚生省の素案を与党の福祉プロジェクトチームにお示しをしたところでございます。 新ゴールドプランの主な内容は、自治体が把握した実際の地域住民のニーズを踏まえましてサービスの目標水準を大幅に引き上げております。例えばホームヘルパーは現行十万人から二十万人に、デイサービスは一万カ所から二万カ所に、特別養護老人ホームは二十四万床を三十万床にといったような内容であります。また、訪問看護ステーションの計画的整備などの新たな施策を盛り込むとともに、マンパワーの養成、確保など介護基盤を整備していくための支援施策も位置づけて総合的なプランとしているところでございます。 自治体では既にもう今年度から老人保健福祉計画に基づく事業を開始しておりますことから、私といたしましては、財源の確保にも配慮しながらできるだけ早く新ゴールドプランの策定を図りたいと考えておりまして、関係省庁と鋭意協議を進めていくつもりでございます。先生方のまたお知恵とお力もぜひちょうだいしたいと思います。
○山本正和君 正確に言うと大臣の言われるのが正確な言葉なんだろうと思うけれども、もう少しわかりやすく言うと、今までのゴールドプランの中にないもので何があるかといえば、利用者本位の発想がここに加わったと。要するに、福祉を受ける人たちの立場、その立場というものに非常に重点が置かれたというのが新ゴールドプランであるというふうに私は思うんですけれども、もう一遍ちょっとそこだけわかりやすく。
○国務大臣(井出正一君) 御指摘ありがとうございます。 新ゴールドプラン、現行に比べまして理念を明示いたしました。四つございます。 一つは、利用者本位、自立支援と申していいと思うのでありますが、提供者のあれではなくて利用者が選択していただけるというような内容であります。 それから普遍主義といいましょうか、だれでもでございまして、例えば所得とか、あるいは特別な立場にある人はいいんじゃないかということじゃなしに、必要なときにはもうどなたでもその対象になるということであります。 それから総合的サービスの提供といいまして、住宅における自立した生活を支援する在宅サービスを基本として、保健、医療、福祉にまたがる利用者のニーズにこたえるために効率的、総合的に考えていくという内容であります。 もう一つは、地域主義と申し上げていいと思いますが、住民に最も身近な行政主体である市町村を基本として必要なサービスをきめ細かく提供していく体制を整備したい、こんな内容になっています。
○山本正和君 それでは、ゴールドプラン以下関係する福祉政策につきまして同僚議員の堀君の方から関連をひとついたしますので、お許し願いたいと思います。
○委員長(坂野重信君) 関連質疑を許します。堀利和君。
○堀利和君 ただいま新ゴールドプランについて厚生大臣から御説明ありました。私は、これはもう必ず実施しなければならない問題だと思います。そういう点で厚生大臣の決意をお伺いしたいんですけれども、武村大蔵大臣に聞こえるようにぜひ決意をお願いします。
○国務大臣(井出正一君) ただいま御答弁申し上げたこととも関連するわけでございますが、もう既に自治体はことしの三月末に集計が終わりまして、今年度からその計画に基づいて事業を開始しておりますし、大変高齢化社会を目前、あるいはもう入っている地域もございます。そういった意味では、その要望は大変強いものがございます。各市町村長さん方からも私も強く要請されておりますから、何とかしてこの新ゴールドプランをできるだけ早くに策定してスタートさせたいと考えておるところであります。大蔵大臣、よろしくお願いいたします。
○堀利和君 大蔵大臣、新ゴールドプランはこれはもう国民に対してのお約束だと思うんですね。 先週、私は大蔵省から出ているこのリーフレットを読ませていただきました。この中では、全国の老人保健福祉計画を集計した数値、この社会保障対策の中の上積みという表の中では、ホームヘルパーが七万人、特養が五万床、デイサービスセンターが三千カ所ということで、これは新ゴールドプランと中身が違うんですね。この辺についてどうお考えなのか。つまり、新ゴールドプランを実施するためにも来年度のエンゼルプランを実施するためにも、財政、予算措置、どんなふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(武村正義君) やはり福祉に対する国民の皆さんの御関心が非常に強いということと、今回の新ゴールドプランの基本になる各地方自治体からヒアリングをされてその積み上げの中で一つの考え方が浮かび上がっているということなどが、この新ゴールドプランが非常に内外に大きな影響を与えているというふうに思っております。 井出大臣も申し上げておりますように、政府でまだこの内容そのものをきちっと合意ができて正式にオーソライズがなされたものではありません。これは恐らく近々行われるものだというふうに私は思っております。まだ正式に決まっていない前の段階なものですから、非常に言葉としてはややトーンダウンしたような印象を与える向きもありますが、私も、ホームヘルパー十万を二十万にふやす、デイサービスセンターも二万、あれは一万を二万でしたか、これも倍増するということに象徴されるようにかなり大胆なプランでありますし、また日本の将来を考えますと、急速な高齢化の中でかなり思い切った目標を、もう避けることができない目標として立てなければならないという認識は持っているつもりでございまして、ともども政府全体としてこのプラン全体をきちっとオーソライズする中で、その後真剣に取り組んでいきたいと思っている次第であります。 それにしましても、今回の消費税の中でも来年一千億、再来年二千億というふうな、これはゴールドプランそのものではありませんけれども、いわば実質これの先取りになるような形で方針を固めておりますのも今申し上げたような一環であるというふうに御理解いただきたいと思います。
○堀利和君 実は、新ゴールドの場合、国レベルだけでも三千三百億必要だということでございます。 それで、政府として、総理大臣の決意をお伺いしたいんですが、この新ゴールドあるいは子育て支援のエンゼルプランの達成、その後はやはり障害者のためのプランとして、私はノーマライゼーションプランと言わせてもらっていますが、こういった障害者のプランというのも今後必要かと思いますけれども、総理としての御決意をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(村山富市君) それぞれ所管の大臣から答弁がございましたように、ゴールドプランに加えて市町村がそれぞれ福祉計画をつくった、それを全国的に集約をして見直しをして新しい新ゴールドプランが策定されておる。しかも、政府としては公共投資の基本計画の見直しもして、その中で六百三十兆円という枠を拡大して、しかも質についても、これから高齢化、少子化等に十分対応できるような社会を建設するための公共投資というものにウエートをかけていくと、こういう方向も決めておりますから、今、委員御指摘の点はしっかり踏まえてやっていきたいと思うんです。 同時に、障害者に対するノーマライゼーション、これも私は、これは先般、障害者施設に関する新長期計画というものもつくられておりますから、大事なことは、障害者でもお年寄りでも社会生活が普通の人とともにできるようなそういう社会的条件を整備していくということが大事ではないかというふうに思いますから、そういう点は重点的に考えてこれからも積極的に取り組んでいきたいというふうに思っておるところであります。
○堀利和君 一、二年後以内に障害者のプランというのを策定する予定で厚生省も動いておりますけれども、当然そうなると財源措置、予算措置というのがあるんですけれども、大蔵大臣、その予算措置が必要であるということを今、頭の中にインプットしていただけますか。
○国務大臣(武村正義君) 当然もうあらゆる事業には予算がつきまといますし、予算なしには仕事にならないということは十分認識をいたしております。 障害者対策につきましては、既に各般の施策が行われているわけでございますが、当然新しいプランが策定されればそれに見合う財源が必要であるということは認識をいたしております。
○堀利和君 そこで、また総理にお伺いしたいと思いますけれども、本来ですと今回の税制改革の中で福祉ビジョンを示さなければならなかったわけですけれども、与党の福祉プロジェクトの一員としてもそれができなかったということで大変反省もしております。 そこで、福祉ビジョンということについて、今後の福祉政策というものについてお聞きしたいと思いますが、これまで高齢社会と言われてきたわけですけれども、最近、少子・高齢社会というような言い方もされてイメージが大分わいてきたんですが、特に狭く、年金、医療、福祉というような社会保障にとどまらず、雇用の問題、住宅、町づくりあるいは教育といったような広範な概念で福祉というものを考えるようにしなきゃいかぬと思うんですけれども、この辺についてどのような描き方をするのか、スケッチをするのか、総理のお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(村山富市君) 私は、一貫をしてやさしい政治というものを看板に表現しているわけですね。そのやさしい政治というのは基本的にはやっぱり社会的に比較的弱い立場にある人たち、そういう方々が強い人と共生できる、人間として平等に生きられる、そういう社会的公正を確保するという意味で、極めて考え方としては大事なことではないかということを理念的に踏まえておるつもりであります。 したがいまして、お年寄りにとって、これから高齢化になってまいりますけれども、何が一番大事かといえば、やっぱりそれは医療であるし、年金であるし、それから住宅も含め、どうして暮らしが安心してできるような社会的条件を整備するかということと、同時にまた、年をとってもやっぱり社会のために役に立っておるという生きがいが感ぜられるようなことも十分踏まえて配慮していく。 そのためには雇用問題もある意味では大事ではないかというふうに考えておりまするし、先ほども申し上げましたように、障害者等の場合にはそれなりに住宅から街路のつくり方から、あるいはまたいろんな社会的施設が普通の人と同じように利用できるといったような配慮、そういう点もやってきて、普通の人とともに生活ができるし、ともに人間としての喜びも味わえるというふうなことを満たしていくためには何が必要なのかということをやっぱり考えて進めていく必要があるんではないかというふうに考えています。
○堀利和君 障害者のことについてもお触れになりましたけれども、私は高齢福祉政策の基本的なところは障害者の問題だというふうに思っています。私自身が障害者だからというわけではありませんけれども、やはり年をとってくれば目は近くなり耳は遠くなり、体はなかなか不自由になるということを考えても、やはり障害者の問題こそが質の高い高齢社会、高齢福祉政策であろうと思うわけです。 WHOでは、障害というものについて三段階に分けて定義しておるわけでございます。 まず第一は機能・形態障害、第二は能力不全、第三は社会的不利ということで、この第三の社会的不利、いかにハンディキャップをなくすかということがまた大きなテーマだろうと思います。 それに加えて、私は、障害というものを人間という側面から見るとある意味で個性だというふうに思っています。昔はクラスメートに足の悪いのがいたなとか、目の悪いのがいたなと、人間とのつき合いの中ではもう障害というよりは親しい人間関係になってくるわけですね。私はやはり個性としても見えるんだろうと思うんです。 またもう一つは、障害というのは集団という観点から見ると文化だと思うんです。スウェーデンでは、聾唖者、聴覚障害者の第一言語というのはスウェーデン語ではなくて手話なんですね。私の場合はこれは点字ですけれども、視覚障害者にとっての文字文化、これは点字文化なんですね。障害者というのは、そういう意味で文化として見るという観点も私は必要だろうと思うんです。 そういう意味で、これからの高齢福祉政策を進める上でも、文化の面あるいは個性という面、そういった積極面を含めて福祉政策というものを障害者の観点から充実させていただきたいというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(井出正一君) お答えいたします。 堀先生がおっしゃるように、障害者の福祉がいかにあるかによって日本の福祉政策は大きく判断されるんじゃないかと私も考えております。先生がノーマライゼーションの名づけ親だと私はお聞きしておりますが、今後ともこのノーマライゼーションの理念を踏まえて地域における障害者の自立と社会参加を促進していくことが何より重要だと考えておりますし、厚生省も今、省内にその検討会を設けております。近く有識者の皆さんにもお集まりいただいて、来年度きちっとした答えを出して概算要求までには間に合わせたい、今こんな計画でおります。
○堀利和君 そこで、やはり町づくりということも大変大きな課題になろうかと思いますけれども、七三年には福祉元年と言われました。私は九四年を福祉の町づくり元年というふうに呼んでいるわけですけれども、政府としてもかなり取り組んでいただいていると思います。 そこで、まず建設大臣に、その福祉の町づくり対策にどのように取り組むのかの決意をお願い申し上げたいと思います。
○国務大臣(野坂浩賢君) お答えいたします。 先ほど総理が御答弁になりましたように、人にやさしい政治を具体的に建設省で分析をした場合には、福祉と町づくりということになるだろうと思います。 したがいまして、例えば車いすが交差できるような歩道を設置する、あるいは信号については極めて安全な、現在でもやっておりますが、徹底をする、あるいは障害者の皆さん方の住宅につきましては、高齢者も含めてでありますが、段差をなくする住宅政策、そういうことを一つ一つ細やかな心遣いを行いまして、道路の改修なりあるいは不自由のない歩行状態、あるいは家並みの町づくりというものについては、けがをしない、十分配慮を払った建築方式というものを具体的に指導し実施をしてまいりたい、そのように考えております。
○堀利和君 そこで、当然町の中心というのは駅、鉄道駅とかの駅というのは重要だと思うんですね。文明が発展するには大きな川沿いにあったわけですけれども、やはり町の中心というのは大体駅舎ということになるわけですけれども、この交通の問題で運輸大臣に、その取り組み、決意をお伺いしたいと思うんです。 私も、五年前に参議院議員となりましてから二年間は厚生省なり労働省関係の委員に入っていました。二年後、社会参加を進めるためにはやはり交通問題だということで運輸委員会に移ったわけですが、障害を持っている私が何で運輸委員会に入るんだということで周りの方もけげんにされたわけですけれども、やはり私は町を変え障害者が一人の市民として生きていくというには交通問題というのは非常に重要だと思いますけれども、亀井運輸大臣の御決意をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(亀井静香君) お答えをいたします。 委員御指摘のように、今、交通手段はもう日進月歩の速さで大変な変革を遂げております。それだけに、障害者の方々にとってはある意味では危険な場合もございますし、また使いにくくなっている面が私はあろうかと思います。 そういうことで、村山政治の理念を現実化する意味からも、運輸省といたしましては、例えば障害者用のエスカレーターとかエレベーター、そういうものを交通機関等についても積極的にこれを付設することを初め、今、全力を挙げて推進いたしております。残念ながら、本年度予算は補助率一割という形で事業者に出しておりますが、一億二千万程度しかございませんけれども、ぜひこの面の予算もふやしてまいりたい、このように考えております。 以上でございます。
○堀利和君 当然ソフト面の改善ということも重要なんですけれども、やはり町が本当に住みやすくなければ、移動が自由にそして安全に行われなければ、障害者はもちろんですけれども、これからの高齢社会に対応するということも非常にやはり困難だろうと思うんです。 そこで、総理にお伺いしたいと思いますけれども、やはりこういった福祉の町づくりということについては、住宅問題ももちろんありましょうし、道路あるいはさまざまな町のっくりというものを変えていかなければならないと思いますけれども、こういった町づくりについては、私は福祉インフラという概念で、そういう認識に立って行うべきだろうと思いますし、二十一世紀初頭までには、やはり高齢社会を迎えるに当たっては広く社会保障の先行投資というそんな考え方に立って行うべきかと思うんですけれども、総理、いかがでしょうか。
○国務大臣(村山富市君) 先ほど来お答えを申し上げておりますように、人にやさしい政治というものは、そういう比較的ハンディを持っておるお年寄りやらあるいは障害者の皆さんやら、そういう方々が普通の人と同じような生活ができる、そういう社会的条件をどう整備していくかというところに私はやっぱり福祉の重点があるというふうに考えていますから、今御指摘のように、住宅からあるいは街路からあるいは社会的ないろんな施設等々についても十分障害者の皆さんも普通の人と同じように利用ができる、そういう配慮をする必要があるんではないかと思いまするし、先ほど来建設大臣からも運輸大臣からもそれぞれ御答弁もいただきましたけれども、そういう心がけで内閣全体として取り組んでいきたいというふうに思っております。
○堀利和君 ぜひよろしくお願いしたいと思います。 それで、ハードの町づくりという観点はもう当然なことだと思いますけれども、同時にこれから二十一世紀は高度情報通信社会、ニューメディアあるいはマルチメディア時代とも言われるわけです。アメリカでもクリントン政権では情報スーパーハイウエー構想ということで考えてもおりますし、リーディング産業という観点からもこういう問題が論議されているわけですけれども、やはりこれから迎える高度情報通信社会というのは同時に高齢社会ということでもあるわけです。 そこで、たしか九月の二十六日だったと思いますけれども、総理が高度情報社会のための視察ということでNECに行かれて、私はたまたまテレビでそのインタビューに答えられている総理の声を聞いたわけですけれども、改めて御感想をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(村山富市君) 御指摘ございましたように、九月二十六日に情報システムの視察に参りました。 私は、このモデルルームを訪れながら、私自身がそのキーボードを指で操作して、指で突いたところによってアメリカのホワイトハウスが出てまいりますし、それから官邸が出てくるというので、言うならば私の指一本の扱い方によって世界に通ずるというような、そういう意味における技術の進歩にちょっと驚いたんですけれども、これは恐らくこれから急速に教育や医療福祉、あるいは産業のあらゆる分野で国民一人一人に密着した形で情報システムの利便さというものが活用されていくようになるんではないかというふうに思います。 そういうことも受けて私は、私が座長を務めながら内閣に高度情報通信社会推進本部というものを設置して、これからの新しい分野として積極的に政府としても取り組んで開拓していく必要があるんではないかということを位置づけておるわけでありますけれども、視察に参りまして本当によかったという感想を持っております。
○堀利和君 そこで、やはり私がどうしても気になるところは、この高度情報社会というのは、先ほど言いましたように、高齢社会であるわけです。ですから、お年寄りになるとなかなかメカに弱くなるといいますか、技術がどんどん進歩する中で置いてきぼりを食うといいますか、特に情報障害者といいまして、視覚障害や聴覚障害を持った者を情報障害者といいますけれども、そういった情報に非常にハンディキャップを持つ障害者からしますと、技術が進むのは結構なんですけれども、果たしてそういった情報社会の中で置いてきぼりを食うんではないかという非常な不安があります。 そういった点で、郵政大臣、郵政省としてこの辺のところはどんなふうに取り組まれているのかお伺いしたいと思います。
○国務大臣(大出俊君) ただいま堀委員から御質問がございましたが、まさにそのとおりでございまして、いろんな課題がございます。また、堀委員からもいろいろ御示唆もいただいている件もございます。 書いてあるのを申し上げた方が時間がかからぬと思いますので申し上げますが、高齢化社会が急速に進んでおりますから、この中で、特に身体障害をお持ちの皆さん、今も情報障害とおっしゃっておられましたが、これらの問題に取り組み、前に進めることが喫緊の課題だと。 従来、耳の不自由な方のために「めいりょう」という機器がございます。これは電話でございますが、なかなかメカに取り組みにくくなるということなものですから、全部これは図解をいたしまして、耳はともかく、見ればわかるような工夫もしております。この「めいりょう」というのはどういうものかといいますと、音を上げるダイヤルを回しますというと、四段階ぐらいございますけれども、普通の電話の十八倍ぐらいまで音が大きくなります。だから相当骨の折れる方でも大抵聞き取れるというメカでございます。電話でございます。 それから高齢の方が寝ておられる、それも一人であるというような場合に緊急な事態が生じた、御本人の意識もございましょうが、「あんしん」という機器がございます。大きなものではありませんけれども、ボタンを押しますと身寄りの方にすぐストレートで連絡が行く、こっちのボタンを押しますとヘルパーさんへ連絡が行く、かかりつけのお医者さんにもすぐ連絡が行くというふうに、緊急事態に備えて。ただ、これは買っていただかなきゃなりませんけれども。ここに全部図解がございますけれども、福祉機器の普及という形で今、堀先生がお話しの状況に対応いたしまして、そういう状況が今進んでおります。 もう一つ、平成五年九月の身体障害者の利便の増進に資する通信・放送身体障害者利用円滑化事業の推進に関する法律、これは施行されたばかりでございますけれども、通信・放送機構におけるテレビの字幕番組、御不自由な方は、どれとどれとどれに字幕で映りますよということを知らせる方法を講じまして、見ていただくと下に字幕がこう出てまいります。それを見ていただけると用が足りる、こういう研究を今進めておりまして、これをやっておるわけであります。 また、本年五月の電気通信審議会の答申で、「二十一世紀の知的社会への改革に向けて」の中で、高齢者、身体障害者の皆さんのための情報通信技術の開発を図るべきであるという提言がございます。これを受けまして、身体障害者、高齢者のための情報通信システムの開発、研究、これを今、懸命に進めている最中であります。 さらにもう一つ、高齢者の分野について、本年三月から厚生省の御協力をいただきながら、高齢化社会における情報通信のあり方に関する調査研究、これを実施しまして、徘回老人ケアシステム、これはいつの間にか出ていってしまうお年寄りが皆さんの身近にもおられると思うんでありますけれども、非常にみんな困っているんですが、PHS、パーソナルハンディーホンと申しますが、小さいものでございます。色はいろいろありますが、小さい。これをちょっと入れておいていただくと、基地局が非常に近いものですから、出ていかれてもどこにいるかがすぐわかるというシステムでございまして、非常にこれは進んでおります。 それから遠隔健康相談システム。病院と患者さんとを直結しておきまして、まさかのときにそういう対処を行う、こういうふうな分野でございますけれども、つまりマルチメディア化の進展に伴って高齢者、身体障害者等の日常生活において一層身近なものとしてユニバーサル端末の研究開発というような問題もございますが、御不自由な皆さんが入力するのに、声でもいいしあるいは手話でもいいし、何でも通信ができるという研究も進んでおります。 とりあえず、以上御答弁申し上げます。
○堀利和君 時間が来ましたので、最後に総理大臣にお伺いしたいと思いますけれども、高度情報通信社会、マルチメディアの時代において、やはり視覚障害者の場合、独力で情報にアクセスできない場合、変換をしてそれを送るというようなセンターも必要だろうと思うんですね。関西文化学術研究都市というところでは、今年から光ファイバーを使って事業所や家庭に対してのサービスの実験をやっていますけれども、ここにもやはり視覚障害者等の家庭というのが入っていないんです。 こういったことを含めて高度情報通信社会推進本部、総理を本部長のここにぜひ二十一世紀に向けた障害者のこういった情報社会ビジョンについて懇談会といいますか専門部会というものを設けていただいて検討をお願いしたいんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(村山富市君) 私は、先ほども申し上げましたように、これから急速に進むであろう高度情報化社会が単に新しい産業分野を開拓するというだけではなくて、そのことがやっぱり一般の国民の皆さんの、消費者や生活者に十分利便をもたらして、そしてその成果が実りとなって実現していく、こういうものでなくちゃならぬというふうに思います。 その場合に、障害者の皆さんと健常者の皆さんとで受ける恩恵が違うというんではこれはまた社会的にも問題になっていくと思いますから、健常者が十分その情報化社会の中で利便が感じられると同じように障害者の皆さんもそうした利便を受けられるというようなものにしていくためには、そういう意味の検討というものも必要だろうと私は思います。 したがって、本部の中に有識者の会議もつくって、それぞれの分野で検討していただくということになっておりますから、今、御意見のありましたような点も含めて十分そうしたものが反映されるような、そういう議論もこれから大いにしていただこうというふうに考えておりますから、御理解をいただきたいというふうに思います。
○堀利和君 お願いします。 以上です。(拍手)
○山本正和君 堀委員から詳しく御質問をいたしましたが、ここで最後に厚生大臣、新ゴールドプラン、それからエンゼルプラン、今から一体どれぐらい金がかかるのか。これは正確な数字は出ないけれども、大枠でいいんですけれども、これをやる場合にどれくらいの金が要るのか。 それからもう一つ、年金改革を今やろうとしておりますね、年金改革について今からどれぐらいの金が要るのか、そういうものの試算をちょっと報告しておいていただきたいと思います。
○国務大臣(井出正一君) お答えいたします。 九月六日に与党福祉プロジェクトチームに厚生省の案をお示しした中の数字なのでございますが、新ゴールドプラン実施のために必要な経費は平成七年度以降五年間で約三・七兆円、うち国費は一・七五兆円でございます。単年度では約〇・七兆円、うち国費は〇・三五から〇・四兆円と試算されております。 それから年金は、先生、どの程度のことを申し上げたらよいでしょうか。実は今度厚生委員会で御審議いただくことになっております改正案があるわけでございますが、今後、年金給付費は大変急増します。現在でも十・六兆円のものが、二〇二五年には現在の価格でも約二十三兆円と倍増以上になることが見込まれておるわけでございます。
○山本正和君 年金法案もやがて上程されると思いますけれども、ひとつ与党との連携を十分にしていただきまして早く通してもらわないとこれは困るわけですから、ひとつ与党と十分意見調整してもらうように特に要望しておきます。 それから次は防衛庁長官にお伺いしたいんですけれども、これは本当は防衛庁長官というよりも内閣全体の問題だと思いますが、専守防衛という言葉がございます。その専守防衛というものについての概念をめぐってさまざまにとらまえ方が違うように思うんですね。現在、防衛庁としては専守防衛についてはどういう概念を持っているか、これをまずお伺いしたい。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 専守防衛とは、相手から武力攻撃を受けたとき初めて防衛力を行使するという、憲法の精神にのっとった受動的な防衛戦略の姿勢をいうものであり、我が国の防衛の基本的な方針であります。
○山本正和君 防衛白書にそう書いてあると私も思うんですが、国民にわかりやすく言えば、こっちからは絶対戦争をしませんよと。要するに戦争はしない軍事力だと。それは持ちますよ、戦争はしないんです、攻められたら仕方なしに戦わざるを得ない、そのときに使う軍事力だと。これが専守防衛にいう軍事力だというふうに考えてよろしいか。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) よろしいです。
○山本正和君 ということですから、社会党が長い間論議した自衛隊違憲・合憲論も当然卒業できるわけだと私は思うんですね。社会党が今まで自衛隊は違憲であるということを言ってきたのは、戦争に使う危険性があるから違憲だ、こういうことを強く主張してきたと私は思うんです。しかも、我が国が大変な戦争の惨禍を受けたという中で、そのことを強く主張することによって今日、専守防衛の概念が定着したというふうに私は思うんです。 したがって、そういう意味で、総理ももっとひとつ自信を持って、党が新しい認識に立ったと、こういうことを言っていただきたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(村山富市君) 今、山本委員御指摘がございましたように、ややもすると専守防衛の枠を超えて拡大をされる、しかも自衛隊が海外に武装したまま出ていくというようなこともあり得るんではないかという懸念がございました。そういう懸念に対して、我々は憲法の理念を大事にして阻止するために努力してきたという、これまでの社会党の果たしてきた役割というものは私はそれなりに評価すべきものだというふうに受けとめております。ただ、国際情勢も変わってまいりましたし、同時に国内的にもそういう意味における対立というものはなくなって、そしてその分野に関する限りは、合意された事項を見ましても共通の理念に立ってお互いに政策的な議論を進めていこう、こういう状況になっておりますから、私はそういう状況に対応して社会党の方針も変えたというふうに自分では思っております。
○山本正和君 そこで、与野党の政策がどうもはっきりしなくてわかりにくいということがよくマスコミ等で言われます。私は、正直言って与野党の違いが今はっきりしていると思うんです。野党の方の専らリーダーと言われる人の言われるのは普通の国論なんですね。普通の国というのは軍隊を持つんです。戦争をする軍隊を持つのが普通の国なんです。我が国は戦争をする軍隊じゃないんです。戦争をしない軍隊なんです。攻めてきたら戦わざるを得ない。だからその辺はもっと自信を持って、与野党の違いがあるんですよ、この辺は。だから専守防衛ということについて、これは総理からも言われたし防衛庁長官からも言われましたけれども、そういう中でまさにこれが我が国の国民的合意である、自衛隊に対する国民的合意であるというふうに私は思うんです。 あわせて申し上げておきたいんですけれども、そうはいいながら、自衛隊の今の最大の問題点は隊員の待遇ですよ。本当に惨めな状況に追い込まれて、世界の先進国の中でこれぐらい惨めな兵隊さんはいない。これは、やっぱりもうちょっと、歴代の防衛庁長官が弱かったのか大蔵大臣の理解が悪かったのか知らないけれども、これからは本当に専守防衛に立った憲法の認める自衛隊であるという立場にふさわしいような自衛隊の待遇をきちっとしていただく、これをひとつぜひお願いしたいと思いますが、防衛庁長官、決意はどうですか。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 御心配をいただきましてありがとうございます。今回、〇・九%の概算要求の枠の非常に厳しい中でございましたが、隊員の生活向上その他につきましてはまず一〇%をふやす、こういう方針で今臨んでおります。
○山本正和君 今のは正面装備じゃないそうでありますから、ひとつしっかり頑張っていただきたいと思います。 それで次に、これももう午前の片山委員からの御質問でほとんど終わっているわけでありますけれども、やっぱり国連安保理常任理事国についてはこれさまざまに国民的な論議がありますから、もう少し私流の物の言い方でお尋ねしておきたいと思うんです。 要するに、国連安保理事会というのは国連に対して安全保障については一番重要な任務を持つ会議である、機構である。そこに我が国が入るということは、安全保障に対して重大な責務を持つということになる。その重大な責務を我が国は持ち得るのか、こういう懸念が国民の中にあるわけですね。 しかし私は、国連安保理事会の中で、我が国の憲法を認めるということは、いわゆる軍事的な意味は全く持ちませんよということをみんなが認めた段階で安保理事会に我が国が入るんだと、こういうふうに解釈してよろしいかどうか、安保理事会に我が国が入るときはですね。そこのところ。だから私は言いたいのは、安全保障ということは軍事力の行使がなけりゃできないという世界情勢が確かにあるんですね。しかし、そのときに我が国は、安保理事会に入るときにはその部分は我が国は背負いません、しかしその他の部分で大変な苦労をしてでも国際社会のために一生懸命に取り組みます、こういう中で入るんだというふうに理解してよろしいか。
○国務大臣(河野洋平君) 国連が国際社会から期待をされている大きな問題は、議員御指摘のとおり、国際の平和と安全でございます。その国際の平和と安全のために安保理はいろいろな議論をするわけですが、その安保理の議論の中には、新しい時代に新しい議論もこれから起こってくるに違いないと私は思っております。 例えば安全保障については、予防外交と申しますか、ほうっておいたらトラブルが起こる、そういう状況を事前に予知するといいますか察知するといいますか、そしてそうした問題を未然に防ぐための措置をとるというようなことも国際の平和と安全のために重要なことだろうと思います。 さらには軍縮でございますとか不拡散でございますとか、これは現在はジュネーブの軍縮委員会などが行っておりますけれども、しかし安保理の中でこうした議論に付言をすることもあるだろうと思いますし、さらには不拡散の問題、あるいは通常兵器の移転が現在のように、若干言葉は過ぎるかもわかりませんが、安易に行われているのではないかと、こうした点についても議論をするということは今後あり得るだろうと思っているわけです。 御意見はよく理解できましたが、必ずしも安保理の作業が軍事力を伴う作業ばかりであるというふうには思っておりませんし、これからさらにそういう状況でない状況が出てくるだろうと思います。私は、日本の国が果たすべき役割はたくさんあるというふうに実は考えているところでございます。
○山本正和君 要するに、新しい国連の任務等もあるけれども、今のお話では、軍事力以外の部分での貢献ということでの理事国入りである、こういうふうに理解してよろしいですね。それじゃ、もう一遍ひとつ。
○国務大臣(河野洋平君) 国連総会におきまして私が述べましたことは、そういった意味でございます。
○山本正和君 それではここでちょっと、冒頭にゴールドプランのときに六百三十兆とえらい間違えましたけれども、公共投資の見直しを四百三十兆から六百三十兆にする、こういうふうになっておりますが、その見直しをするについてもなぜ見直しをこういうふうにしたのかというその考え方、これについてひとつ御説明をいただきたいと思います。
○国務大臣(高村正彦君) 二十一世紀初頭に高齢化社会がピークを迎えますが、それまでに必要な社会資本の整備のおおむねを達成したい、そういうことを目指して今後十年間でどのくらいの公共投資をやったらいいか、こういうことを目指して行ったものであります。 規模の点は委員御指摘のとおりでありますし、質の面では生活者重視の点に立って生活環境、福祉、文化機能に係るものの割合を六〇%台前半といたしました。今までの計画は福祉という言葉が入っておりませんでして、そして六〇%となっていたのを六〇%台前半といたしまして、より国民生活重視のものになったと考えております。
○山本正和君 従来の建設省が公共投資の中に加わっていろいろやる取り組みと今度の取り組みとの違いが大分あるように思うんですが、特に生活環境づくりという観点から建設省は今までと違った発想を出している。私は、国土軸とかいろいろな重要な問題ありますけれども、こういう新しい観点について建設省はどう考えているのか、ひとつ説明をしていただきたいと思います。
○国務大臣(野坂浩賢君) 簡単にお答えいたします。 先生がお話しになりましたように、生活環境づくり、先ほども堀先生に答弁いたしましたが、福祉の町づくり、そして美しい町づくり、こういうことを我々は考えております。 総理の言う、先ほども申し上げましたように、やさしい政治の中身について簡単に申し上げますと、一例を挙げますと、自然との共生、これが一番。二番目が美しい景観の形成。三番目が緑を活用した多様な余暇空間づくり。市民の参加、協力による緑の町づくり。大体四点に集約をしております。 我々は、例えば大都会の皆さん方の生活環境をよくするためにどうするか。空間は緑で埋め尽くす。これは三割は緑、三メーターの高さの木々は三倍にするというような関係でありまして、上からは太陽がさんさん、下からは緑がさんさん、こういうことで緑の政策大綱、サンサン・グリーンプラン、こういうのを七月に決定をいたしまして、やさしいつくりということを考えております。 第一に、よく土木建築業の皆さん方が口をあけますと三K三Kと言いまして、危険だとか汚いとかきっいとか言いますけれども、私どもは業界の皆さんにこう言っております。これからは三A運動に切りかえる必要があろう。一つは安全だ、一つは明るい、一つは温かな職場だと、こういう三A運動を進めることによっていわゆるゼネコン汚職というものを追放するという姿できれいな美しい町づくりを進めていく、こういう考え方に立っております。
○山本正和君 公共投資の中にはこれからの高度情報化社会、こういうものに対しての組み込みはどうなっているんでしょうかね、これ。先ほどマルチメディアの話が出たけれども、公共投資計画の中でこのマルチメディアの扱い、あるいは双方向通信でもいいんですけれども、そういう問題はどの程度含まれているのか。これはどうですか。
○政府委員(土志田征一君) 公共投資基本計画の社会資本整備のための主要な施策という項目の柱が七本ございますけれども、その中の最後の七本日の柱の中に、「豊かで質の高い生活を支える発展基盤を構築するためこということで「個人のライフスタイルや産業構造の変革等に貢献し、経済社会の諸分野の発展の原動力となる情報通信の高度化について、光ファイバー網の整備をはじめとした民間主体による通信に関連した社会資本の高度化を促進するとともに、必要性を勘案しつつ、行政・教育・医療・福祉・図書館などの公的分野の情報化を進める。」と、こういう施策を主要施策として掲げてございまして、全体といたしましても、先ほどから御議論のあります高齢化に伴う福祉の充実と並びまして高度情報化にも適切に対応する、こういう基本的な考え方が盛り込んであるところでございます。
○山本正和君 計画の中では数字が出ませんけれども、ひとつ数字も含めて今後十分な対応をしていただきたいと思います。 それからちょっとこれは亀井運輸大臣に伺いたいんですけれども、我が国の空港は他のアジアの空港に比べて大分欠陥があるんじゃないか、特にこれからはハブ空港の時代と言われるけれども、ハブ空港としての機能を果たし得るのか、こういう疑問があるように聞いているんですけれども、運輸大臣、この辺の問題についての所見を伺いたい。
○国務大臣(亀井静香君) お答えをいたします。 委員御承知のように、今、関空、また成田空港、それぞれハブ空港として整備をするために取り組んでおりますけれども、私はこの二つだけで日本のハブ空港が足りるとは思っておりません。非常に細長い日本列島でもございますから、中部あるいは九州、将来、これは需要の問題ございますけれども、北海道を含めて、国際化時代においてやはりこれに精力的に取り組むことがもう不可欠なことだと思っております。ただ従来、どうも空港整備というのはユーザーの懐を当てにして、これを財源にして建設するという思想のもとで進んできておるわけでありますが、これでは私はもう追いつかないと、このように思っております。 そういう意味で、来年度予算要求でも関空の着陸料を、ジャンボでわずか五万円程度になろうかと思いますが、下げる処置をとりました。これは必然的に財源として減るわけでございますから整備特会に響いてくるわけですが、それは真水を入れていただくという第一歩にするわけでございますが、今後はやはり公共事業としてハブ空港も地方空港についても整備をしていくということでまいりたいと思います。大蔵大臣も財政当局も御理解を必ず私はいただけるものと、このように確信をいたしております。 以上でございます。
○山本正和君 今、大臣お話がございましたけれども、漁港の予算よりも空港の予算の方が少ないという、こんな国は日本しかないとだれか言っておりましたけれども、実際に明治の最初の政府がやったことは港湾整備ですよね。それが世界に開いた。あれはみんな国のお金でほとんどやっていた。ところが、空港はぜいたく品だと思っておるものだから、それがずっと戦後何十年も続いておるわけですよね。この辺はぜひひとつ運輸省は、これからの我が国の将来を考えて、予算の構造も含めて抜本的な検討をぜひお願いしていきたいと思います。 そこで次は、同時に我が国の将来ということで言いますと一番大事な教育の問題にちょっと移りたいんですが、実は先ほど片山委員からも私学の問題がございましたけれども、高等教育が本当に我が国は情けない状態にある、こう思うんです。 ちょっと文部省に伺いたいんですけれども、一体高等教育にかけている予算は諸外国と比べてどの程度の状況ですか、ちょっと御報告願いたいんですが。
○国務大臣(与謝野馨君) 各国とも公財政支出を高等教育に向けているわけでございますが、例えば欧米諸国と比べてみますと、日本は非常に教育に熱心で非常に予算を重点的に配分しているように見えますけれども、高等教育に支出しているお金というのは対国民所得比で比べますと欧米諸国の半分であるという実情でございます。 そういう意味で、多分、先生御指摘の件は、日本の大学等が古くなった、狭くなったと。これは財政状況が非常に悪かったための結果でございますが、今後は科学研究費あるいは施設整備費あるいは教育研究費等の充実も図っていかなければなりませんし、またそういう意味では、教育は先行投資だという面からも、これはもう財政当局を初め国民の皆さま方の御理解を得られる方向であると思っておりますので、今後は補正予算等も含めまして、またシーリングという厳しい状況の中でございますけれども、高等教育に対する投資を充実させていくということが日本の将来にかかわる重大な事柄であるというふうに認識しております。
○山本正和君 ちょっとこれは国民の皆さんにも実態を言ってもらった方がいいと思うんで、高等教育関係の公財政支出の対国民所得比率、これを一遍文部省、お役所の方で結構ですから。
○政府委員(吉田茂君) ただいま大臣が答弁申し上げたとおりでございますが、具体的な数字で申しますと、これは総計のとり方が国によって必ずしも同一ではございません。厳密に申し上げることが難しいわけでございますが、一九九〇年度について見ると、公財政支出学校教育費のうち高等教育分の対国民所得比は、日本の場合、対国民所得の比率が〇・八%、これは大臣申し上げましたとおり、大体欧米諸国、先進諸国のおおむね半分程度であるという数字でございます。
○山本正和君 義務教育の方は割合よくなっているというんだけれども、義務教育の方は、大臣、いかがでございますか。
○国務大臣(与謝野馨君) 初中教育だけ比べますと、例えばイギリス等と大体同水準でございますけれども、アメリカ等に比べますとまだ低い、こういう現状でございますが、ただ、これはしかしおおむね横並びの水準にいっております。
○山本正和君 実は国立大学へ私もちょっと視察に行ったりすると本当にびっくりするんですけれども、私の県の三重大学でいうと、百万円ぐらいで部品を買ってきて組み立てて、実際は買ったら五百万ぐらいするものをつくり上げるというふうなこととか、あるいは走査型トンネル電子顕微鏡、購入費がないので部品を買ってきてつくるとか、それからもう何十年も前、二十年ぐらい前の古い型式のやつが大学にそのまま置いてあってそれを使っているとか、本当に高等教育がこんなのでいいのかと私は思うんですが、大臣、そういうことについての実態調査をおやりになる決意ございませんか。
○国務大臣(与謝野馨君) 先生が御指摘になられたような状況というのは各大学で発生をしておりまして、私どもとしては大変憂慮しております。やはり科学技術の基礎研究というのは我が国の力の源泉、経済力の源泉になるものでございますから、そういうものの実態を把握しながら適切に対処しなければならないと思っております。
○山本正和君 それからあわせて、これは図書館、あるいはいろんなものを調べるについても、学生の置かれている条件が非常に外国と比べて悪い等の問題もよく聞くわけです。ひとつ高等教育をその施設設備について抜本的に見直すと、こういうふうな計画はお立てになることはできませんかひ
○国務大臣(与謝野馨君) 予算概算要求をいたしますときにシーリングという手法はもう相当長い期間使っている手法でございまして、これはやむを得ない面もございます。しかしながら、国立大学、公立大学等の施設の老朽化あるいは狭隘化が非常に進んでおりますので、これは将来の日本のことを考えますとやはり重点的に国のお金をつぎ込んでいくということは必要であると思っておりますし、特に公共投資の全体の枠が四百三十兆から六百三十兆になるということをお伺いしましたときに、我々は大きな夢を膨らましているところでございます。
○山本正和君 大蔵大臣にお伺いしておきますけれども、公共投資のこの枠の中に高等教育の施設設備の問題等を含めてこれから十分にお考えいただくということでよろしゅうございますか。
○国務大臣(武村正義君) 私も官房長官のときにある大学の総長から詳しく、今、先生が御指摘になったような設備、ソフトも含めて大学の実態がいかにひどいかということをつぶさに伺ったことがありました。今の御質疑も承りながら、一層認識を深めさせていただきました。
○山本正和君 続いて、冒頭、大江健三郎さんの話が出ましたけれども、文化国家日本なんということを一時言った時代があるんですが、大分最近はそれが消えていって、文化庁というのは本当に少ない予算でやっておりまして、これもたしか橋本大蔵大臣のときに私が予算委員会でいろいろと問題提起もしたりお願いもいたしまして、ちょっとあの当時からいえばぴょっぴょっと伸びたんだけれども、伸びてももとが低いものだからまだまだよその国と比べるとうんと悪いんですが、ちょっと外国と比較して文化予算、御説明いただけますか。 〔委員長退席、理事伊江朝雄君着席〕
○政府委員(林田英樹君) 外国との文化予算の比較も各国によりまして制度がいろいろ違っておりますのでなかなか難しいところがあるわけでございますけれども、そのことを前提にいたしまして私どもがとらえられる範囲で申し上げますと、よく引き合いに出されますのが例えばフランスでございますけれども、一九九二年度の文化コミュニケーション省の予算が邦貨に換算いたしまして二千九百六十五億円ということになっておりまして、国の予算全体に占める割合が〇・九八%ということでございます。 日本の場合、一九九四年度、本年度の文化庁の予算は五百九十六億円ということでございまして、国の予算全体に占める割合は〇・〇八%となっているところでございます。
○山本正和君 十分の一ということですが、物価の観点からいったら恐らく二十分の一にも満たないのではないか、いろんなもの買おうと思ったら。この辺ひとつ文部大臣、どういうふうにお考えでございますか。
○国務大臣(与謝野馨君) 日本の社会も世界に向かって芸術文化の面でそれなりの創造性のある情報を発信する、そういう社会にぜひなりたいものだということで、芸術や文化に携わっている方も営々と努力をされてきたわけでございます。 しかしながら、これにつきましてはやはり国として側面的に支援するということも大変大事なことはだれしもがわかっているわけでございますが、先生が御指摘になられましたように、どちらかというと文化庁の予算は小さい、世界に比べても小さいと、そういうことを憂慮しております。 しかしながら、平成七年度におきましては、文化庁の予算は一一%伸ばしまして六百六十一億になりましたので、恐らくこのペースでまいりますと夢の一千億円に二十一世紀中に到達できるのではないかということを期待しております。
○山本正和君 一千億円が夢ではちょっと寂しいので、せめて三千億ぐらいを夢に持ってもらうようにお願いします。 次に、学校五日制が施行されまして大分たってきて、どうやら月二回の話が出てきておりますが、これの国民の間における評価あるいは教育の効果等について文部省は今どういうふうに見ておられるか、お伺いします。
○国務大臣(与謝野馨君) 先生御承知のように、平成四年から週休二日を毎月一回実施してまいりました。それについても、保護者の方々、あるいは生徒児童の立場等々いろいろ私どもも研究をしてまいりました。数年前から全国約七百校において、これは幼稚園、小学校、中学校、高校を含めまして実験的に週休二日月二回というのを実験しております。こういう学校の方々に協力をしていただいて、それが児童生徒に対してどういう影響。を与えるのか、あるいは保護者の生活との関連はどうか、あるいは学ぶべきものとの関係でどうなるのか、こういうデータをとってまいりました。 そのデータが既に集まっておりまして、この十月六日から各界の御専門家、有識者にお集まりをいただいて、そのデータを解析し分析し、そして御判断をいただくという作業をしております。伺いますと、きちんとしたデータがそろっておりますのでそう長時間をかけるという会議にならない模様でございますので、比較的早い段階である一定の方向が出されるものと期待をしております。
○山本正和君 方向としては文部省はどういうふうにお考えでございますか。今は当面月二日とこういうことでございますけれども、将来を含めて議論の方向をひとつ伺いたいと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) 月二回ということに関して結論が出ておりませんので、将来のことを余り予断をもってお話しするということはいかがかと思いますけれども、日本の社会全体の流れとしては、会社、官庁、また中小企業もだんだんそうなると思いますが、月四回、完全週休二日という方向に社会というのはだんだん進んでいくと思っております。 〔理事伊江朝雄君退席、委員長着席〕 そういう中で、教育制度の中でこの週休二日というものをどう消化していくか、こういう問題でございますけれども、月二回までは現在の学習指導要領あるいは教科書等で消化することができますけれども、先生が今お尋ねのところまで進むということになりますと、学習指導要領あるいは教科書、こういう万般を含めていろいろなことをきちんと研究し検討しませんといろいろな面で支障が出てまいりますので、これはやはり中期的な検討課題であると、現時点では。しかし、日本の社会自体は完全週休二日制ということに進んでいるという事実は看過できない事実であると思っております。
○山本正和君 これは質問通告をしてないからちょっと文部省はお答えにくいかと思いますが、大体知っておる範囲でいいんで、もしわからなかったら、委員長が言われたように、わからぬで結構ですけれども、いわゆる先進国の中で学校五日制をとっていない国は日本以外にどことどこがあるか、ちょっとわかりませんか。
○政府委員(野崎弘君) 今、先生お尋ねがあったわけで、ちょっと今その関係の資料を手元に持っておりませんので、申しわけございませんけれども。
○山本正和君 これは先進国の中で日本というのは大変授業時間が多い。子供が学校に拘束される時間がこれはもう問題にならぬぐらい多い国なんです、先進国の中で。これはもう大臣も御承知だと思うんです。 私は、そういう意味で、ゆとりある教育とかいろいろな言葉を使っておりますが、文部省としても検討委員会の結論等も含めてこれからひとつこの制度の問題について十分な検討をしてみたいと、こういうお気持ちはおありにならないかどうか。ぜひお気持ちを持っていただきたいんですけれども、お答えできませんか。
○国務大臣(与謝野馨君) 週休二日、月二回の件につきまして、方向性が出ました段階で次の段階のことを考え始めたいと思っております。
○山本正和君 それでは次に、学習指導要領の問題にちょっと移りますが、衆議院で質疑等がありましてちょっといろいろと議論があったようでありますけれども、今、政府としては学習指導要領というものはどういうふうに受けとめるべきとお考えか、まずそれを承っておきたいと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) 法体系あるいは学習指導要領がどういう法律的な位置づけにあるか、こういうお尋ねだと思います。 憲法があり、教育基本法があり、その下に学校教育法があり、その下に文部省令があり、文部省告示という形で学習指導要領が存在をする、こういう法体系になっております。
○山本正和君 法的なことは法律に書いてあるとおりだと私も思います。しかし、そうじゃなしに教育の問題として、学習指導要領を教育としてはどういうふうに扱うべきかということについて伺いたい。
○国務大臣(与謝野馨君) 学習指導要領に基づいて校長先生、教師の先生に生徒を御指導いただくわけでございますが、学習指導要領そのものではなくて、やはり校長先生のもとで教育課程というものを作成いたしまして、そしてそれに基づいて校長先生、教師の方々に生徒を指導していただく、そういう仕組みになっております。
○山本正和君 今、教育課程と言われた。カリキュラムという言葉で普通使われているんですけれども、教育課程というのはもっといろんな意味が、概念が出てくるんですが、それはちょっと置きまして、要するに教育の場で校長や教員が子供に教えるときに学習指導要領というのはどのような位置づけにあるか、教育の条理としてどのような位置づけにあるか、こういうことを伺いたい。
○国務大臣(与謝野馨君) 学習指導要領というのは大綱的な基準を示すものでございまして、その枠内において地域や学校の実態に応じまして学校や教員が創意工夫を十分発揮できるように配慮しております。
○山本正和君 ひとつぜひ今の最後に大臣が言われた趣旨を都道府県の教育委員会にも十分にお伝えいただきたい、こう思います。 そこで、ちょっと今度は農業の問題に入るんですが、時間が余りありませんが、農林水産大臣にお尋ねいたしますけれども、今後の農業問題というのは、米、ウルグアイ問題に象徴されるいろんな問題が出てまいりますが、実はそれ以外に緑を守る国土保全という観点が非常に重要だと。それからまた人間の命の問題、そういうふうなことも含めて農業の、箱物じゃなしに心の問題等については農林省はどういうふうにお考えでございますか。
○国務大臣(大河原太一郎君) お答えします。 山本委員のお話のとおり、我が国の農業なり農村、これはやはり食糧の安定供給というだけではなくて、国土保全なりあるいは環境、緑の源泉という点で大きな意味があるわけでございまして、今後の農業政策におきましてもその辺を明確にいたしましていろいろ関連の施策をしなければならないというふうに考えております。 それから健康とか安全の面におきましては、当然でございますが、今後の農政の一つとしては消費者その他、国民に対して健康、安全というような視点から十分な施策を講じなければ相ならぬ、さように思っております。
○山本正和君 農林水産あるいは漁業ということについての国民の闇へのいろんな関心、啓蒙、理解を得るための取り組みがどうも農林水産省は少ないような気がしてならないのですが、そういう方面についてはこれからも十分お考えでございますか。
○国務大臣(大河原太一郎君) お答え申し上げます。 政策として行政としてのいろいろな、何と申しますか、広報的なもの、これは横に置きましても、政策といたしましても、例えばグリーン・ツーリズムというような施策、農山漁村について長期滞在型の余暇の活動をしていただくというようなことでその受け入れ体制なり施設の問題、これは漁村も同様でございますが、そういうことからして都市住民の方々を中心といたしました国民全般に対する緑の源泉なりその他各般の多面的機能を持っておる農業農村の理解を進める、そういうことがぜひ必要でございまして、その点での施策を進めたいと。 それからまた、なお積極的に今後の方向といたしましては、環境保全型農業ということで低農業なり低肥料、しばしば有機農業というような言葉で言われておりますが、そういうような農業への方向に重点を置くことも一つの考えであるというふうに思っております。
○山本正和君 総務庁長官に最後に質問しようと思っておったらちょうど行かれたんですが、私は、要するに村山内閣が国民に対して今、何を説明し、何を訴えていかなきゃいけないかということについて冒頭からいろいろとお伺いしたつもりでございます。 ただそこで、一つ国民の間に誤解があるといけないと思うのは、行財政改革ということについて、あたかも行政改革は役人の首切りである、いわゆる特殊法人その他の団体のこれはもう廃止である、国鉄民営化と同じような形態だというふうな印象を与えては非常に危険だと私は思うんです。そうじゃなしに、必要なものは残さなきゃいけないし、もう過去に役目の終わったものはやめなくちゃいけないということなんです。 そこでひとつ、行財政改革、特に行政改革のことで、行革どこの関係諸官庁あるいは法人等に働いている人たちの関係をどういうふうにお考えになっているのか、この辺ちょっとまずお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(河野昭君) 大臣がちょっと席を外しまして大変失礼いたしました。 私ども行革を進めていく上では、いずれにしましても、国民、公務員を含めて皆が生きがいを感じる、そういう方向に進めていくべきであると考えております。簡単でございますが。
○国務大臣(山口鶴男君) 行革は村山内閣の重大な課題として今後とも的確にこれを進めていかなきゃならぬと思っております。 また、定員の問題は、およそ過去十年間におきまして、町家公務員約八十万人でございますが、約四万人近くの定員削減を実現いたしました。約二十分の一程度減らしたわけでございますが、今後とも定員の問題につきましてはその状況を的確に把握いたしまして、もちろん減らすだけが能ではないと思います、必要な場面は手当てをしていかなきゃならぬということは当然でございますが、しかし全体としてはできる限り縮減の方向をとってまいりたい、そういう立場で努力をいたしたいと考えておる次第でございます。
○山本正和君 余り外国との比較ばかりしてはいけませんけれども、我が国の公務員の数ですね、他のアメリカ、イギリス、フランス、ドイツ等と比べて一体どうなのか、ちょっとその辺の数字を示してほしい。
○国務大臣(山口鶴男君) アメリカ、イギリスに比べまして人口当たりの公務員の数は約二分の一であります。フランスの約三分の一というふうに記憶をいたしております。
○山本正和君 私も外国へ行って帰ってきたりしますと、税関ですね、あの職員が大変な重労働下にある。国税庁の職員は徴税事務できりきり舞いしている。本当にその仕事の中で過労死する人も出てくるというふうな状況をよく聞くわけですね。ですから本当に必要な人はふやさなきゃいけない。ところが、まるで何か知らぬけれども、よくマスコミの、一部ですよ、いいマスコミはそんなこと言わないんだけれども、まるで役人天国なんとかいうことばっかり言う人がおるんですね。その辺も実は、総務庁はそういう立場に立って、公務員はこうやって頑張っていますよといって広報してほしいと思うんですよ、本当に苦しいところをね。それについてのひとつ決意を伺いたい。
○国務大臣(山口鶴男君) 私、総務庁長官に就任いたしまして以来、いろんな立場で座談会に出席をいたしましたり、また各界の皆さんとお話しする機会がございます。そういう際に、確かに民間が非常な苦労をして、そしてスリムな体制をつくるためのリストラを努力をしておられるということはよく承知しているけれども、公務員の場合も、先ほど申し上げたように、約十数年間において四万人の定員削減を実現しているということにつきましてはその都度理解を求めておりますし、また先ほどお答えいたしましたように、アメリカ、イギリスの二分の一、フランスの三分の一という状況で我が国の国家公務員の皆さん方は非常な苦労をしておられるという事実はその都度お話を申し上げてまいりました。そういった事実は国民の皆さん方にもよく御承知をいただきたいと思います。 ただ、だからといって安易な姿勢でいつまでもいいということではないと思いますし、また村山総理が行政改革は内閣としての最大の課題であると、こうおっしゃっておられるわけでございますから、そういう意味で、先ほどお答えいたしましたように、行政改革は着実に進めていくし、また定員につきましても必要な場面はふやしております。例えば国立病院の看護婦さんでありますとか、あるいは国立大学の先生でありますとか、あるいは外交官の場合でありますとか、必要な場面はそれぞれ手当てをいたしておるということにつきましても御理解をいただきたいと思います。 同時に、そういう中で私ども努力をしているわけでございますが、やはり国民の皆さん方の理解をいただく意味で、民間の方々も努力をしている以上我々も努力をすると。そして、御指摘のありましたように、特に今、特殊法人等の整理合理化を村山内閣の課題として取り上げているわけでございますが、それは山本委員御指摘のような御批判もあるわけですから、そういう中で努力をしておるということで御理解をいただきたいと思います。
○山本正和君 そこで、今度、産業が大きく構造が変わろうとしているんですけれども、中小企業がいろんな不安を持っている。さらには経営者の方も不安を持っている。二十一世紀に対してどうなるんだ、我が国の産業政策はどうなるんだというようなことについてのいろいろと御心配が国民の中にあるんですね。 通産大臣、ひとつこれから二十一世紀に向けてこういうふうに産業が発展しますよという夢を語っていただきたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、委員が御指摘になりましたように、我が国の企業の海外進出に伴いまして、殊に最近の円高傾向の中での海外進出に伴いまして、その空洞化ということが非常に心配をされております。私自身、野党としての政調会長時代この点を非常に心配をいたしておりました。ところが、通産省に参りまして、むしろ将来に向けて一つの明るい兆しを見たような思いがいたします。 それは通産省が実態を調査いたしました中で、その円高影響というものをほとんど九八%までの方々が影響を認めておられる。しかも、それが採算分岐点を今の水準は超える非常に厳しいものであることを認めておられ、なおかつ自分たちの事業展開について、より付加価値の高い製品の高度化によってこれに対抗するという答え、あるいは現在の自分の企業の体力のあるうちに新たな分野に対して事業展開を図りたいという考え、こうした積極的な考え方が非常に強く出されております。 私どもとしては、これは決して中小零細だけではなく大企業に対しても同じことでありますけれども、いかに新しい分野への展開に対しいわば種の段階から手をおかしすることができれば、そしてそれは新たな企業として育つ時点からお世話をすることができればと、そのような発想で現在施策をまとめつつあります。 もちろん、二十一世紀に向かいましては、情報通信の分野を初めとした産業構造審議会からの答申に出されておりますような多くの分野を抱えておるわけでありまして、それぞれに向けて我々は努力をしていきたいと考えておりますが、この積極的な展開の意欲の衰えないうちに次の施策に移りたい、これが今、率直な感じであります。
○山本正和君 これで終わりますが、ひとつ内閣一致団結して、本当につまらない批判には動ずることなく、国民のために働く内閣であるということで頑張っていただきますよう要望いたしまして、質問を終わります。
○委員長(坂野重信君) 以上で山本正和君の質疑は終了いたしました。一拍手)
○委員長(坂野重信君) 次に、猪熊重二君の質疑を行います。猪熊重二君。
○猪熊重二君 私は、公明党・国民会議を代表しまして何点か質問をさせていただきます。 まず最初に、村山総理の政治姿勢についてお伺いいたします。いわゆる社会党の問題とかそういう問題でなくして、私は村山内閣総理大臣そのものの民主政治に対する見識なり御意見なりを伺いたいと思います。 まず、日本国憲法は、先ほど総理もおっしゃいましたように、国民主権を宣言しております。そこで総理に、日本国憲法にいう国民主権原理に対する総理の認識、見解をまずお伺いしたい。
○国務大臣(村山富市君) 憲法の前文に、「ここに主権が国民に存することを宣言しこと高らかにうたってあるわけです。これは私は国民主権の原理を決めたものだというふうに思います。この国民主権の原理というのは、国家意思を最終的に決定する主権というものが国民にあるということを意味するものだと考えていますが、この憲法の基本理念の一つとして極めて重要なものであるというふうに認識をいたしております。
○猪熊重二君 今、総理がおっしゃいましたように、憲法は国政の最終決定権者が国民であるという国民原理に立っているわけです。しかし、具体的にそれでは、そのような意味における国民が主権者として権利を具体的にどのように行使することができるのかについて憲法はどのように規定しておりますか。
○国務大臣(村山富市君) 国民が主権者としての権利を行使することを保障する制度として、憲法は二つのことがあると思います。 その一つは、普通選挙の保障ですね。これはもう選挙権、被選挙権、被選挙権の場合には年齢とのあれがありますけれども、しかしいずれにいたしましても普通選挙を保障しておる。二つ目は、憲法の第九十六条で憲法改正に当たって国民投票制度というのがありますが、その投票する権利が保障されておるというふうに私は考えています。
○猪熊重二君 今、総理がおっしゃったように、国民主権と言い、あるいは国政の最終決定権者が国民であると言うけれども、その具体的な姿としては、今、総理がおっしゃったように、国政に関する選挙権だけが具体的な国民の主権そのものなんです。ですから、国政選挙における国民の投票権、選挙権というものは最も重大でなきゃならぬと、こういうふうに総理もお考えですし、私もそう思います。 ところで、総理は昨年の七月十八日執行された衆議院議員総選挙に大分県第一区から立候補され、めでたく当選された。この選挙に際して総理が選挙公報に記載した内容は、国民、具体的には大分県第一区の県民に対するあなたの選挙公約ですか。
○国務大臣(村山富市君) 選挙をする制度として法律的にその候補者が選挙公報を出すということになっておりますから、これは私は選挙民に公約するものとして選挙公報というものが存在しているものだというふうに理解をいたしております。
○猪熊重二君 この選挙公報において総理はどのような政治姿勢、細かい政策はよろしいですけれども、去年の七月の選挙で総理が選挙公報において大分県民に対して約束された公約の内容をおっしゃってください。
○国務大臣(村山富市君) ここに選挙公報も持っておりますが、これが私の選挙公報です。 主としてこの選挙公報は、「政治を変え あなたの声を国会へ」ということを基本にいたしまして、その内容としては、「政治改革は必ず実現させます」、「子どもに生きる希望を、老後に安心を、ぬくもりのある社会をつくります」、「安全な食物を安定的に供給し国土・自然を守るため、日本の農業を守ります」、「環境と資源を守る漁業への革新をはかります」、「世界平和と地球規模の環境保全をめざします」、こういう項目を重点に挙げて中身の説明をしてあるというのが私の選挙公報でございます。
○猪熊重二君 いや、一番大切なことは、その前文にまさに当時の政治状況についてあなたがどう書いているかというところが問題なんです。そこを読んでください。
○国務大臣(村山富市君) 間違うといけませんから、正確に読ませていただきます。 第一二六通常国会は、佐川事件に端を発した巨額脱税・不正蓄財事件などの、金権腐敗政治に対する、国民の怒りの声によって、内閣不信任案が可決され、衆議院は解散しました。 この結果、自民党は分裂し、今、自民党政権は音を立てて崩れ落ちょっとしています。今回の選挙結果によっては、大きく政治状況が変わろうとしています。 まさに、「カネがモノを言う政治から、主権者国民がモノをいう政治へ」政治改革を実現させ、日本を蘇らせることが出来る時なのです。 私、村山富市は社会党の国会対策委員長として、政治改革特別委員会での一〇七時間に及ぶ審議に見られるように徹底審議を保証し、政治改革の実現にむけ奮戦してきました。 また、この一七年間、年金・医療・福祉をはじめ、皆さんの声を国政に反映させるため、この道ひとすじに努力してまいりました。 新しい政治を創り出すため、今回も全力を挙げて頑張ります。 皆様の最後までのご支援を、心からお願い致します。こういうものになっております。
○猪熊重二君 「今、自民党政権は音を立てて崩れ落ちょっとしています。」、よろしいですか、そして、「「カネがモノを言う政治から、主権者国民がモノをいう政治へ」政治改革を実現させ、日本を蘇らせる」ということが選挙公約です。 この言葉から見れば自民党の、その前にはちゃんと書いてあるんですから、要するに佐川事件に端を発した巨額脱税、不正蓄財事件の金権腐敗の自民党政治が内閣不信任案が可決されて終わって、まさに音を立てて崩れようとしているということを、国民に、あなたが大分県民に言って選挙を戦ったわけです。 ところが今回、六月二十九日、総理は今言ったその自民党と一緒に政権をつくられた。この政権をつくられたことと、今、選挙公報に書いてある、一口にまとめて言えばいわゆる反自民的あなたの政治的立場とはどのように一致するんでしょうか。合理化できるんでしょうか。
○国務大臣(村山富市君) 七月の総選挙の際に私が申し述べましたことについては、今ありのまま御報告をいたしました。 その七月の総選挙の結果、確かに日本の政治は変わる兆しを見せてまいりました。自民党は政権を離れて野党になりましたし、新しい連立政権が誕生したわけです。その連立政権は大変大きな国民の期待を担って、失敗しましたけれども、いろいろな経過があってこれは羽田政権にまたかわったわけであります。 そういう経過の中で、私は先ほど申し上げましたように、国際的にも変わったし日本の政治も変わってきた。変わった状況の中で、変わったこれからの日本をどういうふうに担っていくかということについては、それぞれがやっぱり厳しい反省を含めて変わってきておる。社会党も変わりました。自民党も私は変わっていると思うんです。 変わった一つのあらわれとして、現に腐敗防止、選挙制度の改革等については与野党一致して国会では成立を見ているじゃありませんか。私はそれがやっぱり政治を変えていこうとする努力のあらわれだというふうに思っていますから、選挙前のこれまでとってきた姿をそのまま想定して考えていくことは誤りではないか。 これからも大いに変わっていくんだ、変えなきゃならぬのだということを前提にして私どもは理解をし、とらえておるというふうに皆さん方にも御理解をいただきたいと思います。
○猪熊重二君 そうすると、あなたがおっしゃる自民党の政治姿勢が変わったというのは、いつからどのような政治姿勢がどう変わったんですか。
○国務大臣(村山富市君) いつからどのように変わったかということを、何日の何時に変わりましたというように私は説明することはできませんけれども、しかし連立政権ができる前に社会党とさきがけと共同してつくった政策があるわけです。新しい政権を樹立するための政策というものを打ち出しているわけです。その政策を御検討いただいて同意をいただいているわけですから、私は政策を中心にして合意をして、そして新しい政権がつくられたというふうに理解しています。
○猪熊重二君 私自身も選挙の公約が四年間の任期中全然変わっちゃならぬなんということを言っているわけじゃないんです。しかし、この公約をだれが変更をみずから認めることができるのかということを総理に聞きたい。もし、もしですよ、自分が約束しておいて、そして状況が変わったからといってどんどん変えていったら約束ということの意味がない。そこのところをどうお考えですか。だれが変更を認めることができるんだと。
○国務大臣(村山富市君) 私は、先ほど御質問がございましたからわざわざ公約の前文も読ませていただきましたし、中身の項目についても御説明を申し上げましたけれども、この連立政権と私が述べたこととは基本的に変わりはないというふうに私は理解しています。
○猪熊重二君 あなたにルソーの言った言葉を差し上げたい。ルソーは、イギリスの代表民主制に関して次のように言っている。イギリスの人民は自由だと思っているが、それは大間違いだ。彼らが自由なのは議員を選挙する間だけのことで、議員が選ばれるや否やイギリス人民は奴隷となり無に帰してしまう。 もし、あなたが自由勝手に公約を変えて、そしてこれでいいんだということになったら、国民は選挙のときだけ主権者であって、その後はもう主権者でもなければ何でもない。まさにルソーが言うように、奴隷であり無に帰してしまう。 このルソーの考えに対して、あなたはどうお考えですか。
○国務大臣(村山富市君) それは選挙のときに公約したことをもうほごにして、そして好き勝手なことをやっているというんでは、これは今あなたが御指摘のことになると私は思います。 だけれども、前から申し上げておりますように、これはわざわざ私は前文も読ませていただきましたし、あなたの御質問に答えてきたわけです。その前文に書かれておる私の基本的な理念と三党合意をした中身とそごがない。ですから、私は公約は守っているつもりですというふうに思っております。
○猪熊重二君 釈迦に説法で申しわけありませんが、民主主義というのは結論じゃないんです。民主主義というのは手続なんです。その手続が保証される、そこに民主主義が民主主義としての意義がある。もし結果だけがよろしいんだったら、議会制民主主義をやめて独裁制をやるのと同じことになってしまいます。 要するに私は、大分県第一区の選挙民がどのように考えているか、このような公約変更に対して本当に国民が許容できるのかできないのか、区割り法案を成立させた後で直ちに国民の意思を問うべきだと思いますが、総理の見解はいかがですか。
○国務大臣(村山富市君) これは大分県だけで選挙するわけではありませんから、私は大分の県民に対して、有権者に対して問うために解散をするなんていうことは、それはおこがましくて到底できることではありません。 ただ、あなたの言われる気持ちは、何といいますか、理解できないわけじゃありません。しかし、やっぱり解散というような問題を口にする場合は、本当に政治全体、国民の意思、意向等々を踏まえて総合的に判断をすることが政権を担当する人としての責任ではないかというふうに私は考えておりますから、慎重に扱うつもりであります。
○猪熊重二君 私は、社会党全体の問題だとか、あるいは同じ社会党の公約変更、公約違反というのがお嫌いならば公約を変更されたそのこと、自衛隊の問題、あるいは安保条約にしろPKOにしろ消費税にしろ、いろんな問題があるけれども、せめて総理は今、選挙公報に書いたこのことを大分県民にわびるべきであると思うんです。そして、大分県民と言ったら、私は大分県民の代表じゃないと言う。国民と言うけれども、この国民の選挙集団は、具体的にはあなたの場合は大分県第一区の選挙民があなたにとっての国民なんです。その辺だけ一つ申し上げて、次の質問に入ります。 次の問題は、誤ったマスコミ報道に基づく国会質問なり、国民の一民間人の人権侵害についてお伺いしたい。 週刊新潮の本年九月一日号に、「大石寺「僧侶」を衝突死させた創価学会幹部」というタイトルのもとに、本年七月二十一日午後六時十分、北海道胆振支庁大滝村清陵の国道上で乗用車とトラックが衝突し、乗用車を運転していた大石寺僧侶が死亡し、衝突したトラックを運転していたのは創価学会幹部という記事が掲載されています。 警察庁、この事故を捜査したと思うが、その捜査した結果の事故状況、特にトラック、乗用車、双方の運転者の事故に対する責任状況についてお伺いしたい。
○政府委員(田中節夫君) お答えいたします。 ただいま委員御指摘の事件は、七月二十一日午後六時十分ごろ、北海道有珠郡大滝村の左カーブの国道上で普通乗用車が右側車線にはみ出し、対向してきた普通貨物車と衝突し、普通乗用車を運転していた男性が亡くなった事故でございます。 捜査状況でございますけれども、北海道警察において捜査しております。詳細については答弁を差し控えますが、いずれも現場での捜査、車両の鑑定、関係者からの事情聴取など、鋭意捜査を行っているという報告を受けております。
○猪熊重二君 要するにこの事故は、乗用車の方がセンターラインを越えてトラックにぶつかった、そして気の毒だが乗用車に乗っておられた僧侶が死亡した、これだけのことなんです。 ところが、これが週刊新潮の記事になるとまさに逆にひっくり返っているんです。このようなまさに事実を逆にしたような雑誌の記事をもとにして国会議員の国会質問がなされている。 まず、この記事に対して、トラックを運転していた運転者の方からこの雑誌社に対する損害賠償訴訟が起こされていると思いますが、最高裁、これについてちょっとお伺いしたい。
○最高裁判所長官代理者(今井功君) お答え申し上げます。 週刊新潮の九月一日号に記載された記事が名誉棄損に当たるということで、株式会社新潮社に対しまして損害賠償及び謝罪広告を求める民事訴訟が本年の十月五日に札幌地方裁判所苫小牧支部に提起されたということでございます。
○猪熊重二君 河野外務大臣にお伺いしたい。 去る十二日、衆議院予算委員会において自民党所属の委員がこの交通事故に関し、週刊新潮の記事そのものがあたかも全くそのとおり真実であるかのごとき前提に立って、そしてみずから何も私は調査しておりませんがということで国会質問をしている。こういう質問をされることによって、間違った報道をそのまま前提にしてやられることによって、民間人、一私人の名誉権、基本権が非常に侵害される。 河野外務大臣としては、自民党総裁という立場でも、このような国会質問の妥当性、正当性についてどのようにお考えか、お伺いしたい。
○国務大臣(河野洋平君) 委員会におきます議員の質問について、閣僚の立場からあれこれ申し上げることは差し控えさせていただきたいというふうに思います。 ただ、強いて申し上げれば、先般の質疑は私も閣僚席で聞いておりましたけれども、雑誌の書いております内容をただすというよりは、この事故の数時間後に「遂に、天罰下る」とかいう内容のビラが配られたことは事実がということを質問しておられたというふうに私は聞きました。 いずれにせよ、議員の質問の内容について私が何な言うことは控えさせていただきたいと思います。
○猪熊重二君 次の問題に移ります。 亀井運輸大臣の株取引をめぐる問題について伺います。 この問題は、暴力団山口組系池田組の組長であった池田保次氏が、昭和六十一年一月十四日、コスモポリタンという仕手会社を設立し、いわゆる仕手戦を展開した。関西一の仕手集団と言われた。このコスモポリタンの仕手戦に関連して、亀井静香氏がその名義で、昭和六十二年八月、代金十三億四千四十万円、翌六十二年二月、代金五億円でコスモに仕手株を買い戻させたという件について伺いたいんです。 この件については、去る十一日、衆議院の予算委員会において我が公明党の草川昭三委員から亀井大臣に伺ったけれども、大臣の答弁は余りはっきりしないで、納得できない。私はさらに明らかにする必要があると思う。 まず、亀井運輸大臣に伺いますが、あなたがこの元暴力団組長、そしてコスモポリタン株式会社の実質的主宰者である池田保次氏を知った時期、いきさつ及びその後の同氏とのつき合いについてお伺いしたい。
○国務大臣(亀井静香君) 委員の御質問にお答えいたしますが、委員の御質問にかかわる話は六、七年前のことであろうかと私は思いますけれども、全体的に申し上げますと、私の友人が選任いたしました弁護士と管財人との間で円満にこれは解決をいたして裁判所がこれを認めておるという、そうした事案でございます。 これと私とのかかわり合いからちょっと最初、委員の御質問にお答えする前に御理解賜る上で申し上げたいと思いますけれども、私の友人から、池田氏から損はさせないということで株を買え買えということで勧めを受けて買ったところ、今大変な状況になったと。このままでは自分ももう首つらねばいかぬし、また関係者十六、七人とか言っておりましたけれども、大変な状況になっているので池田氏とかけ合ったところ、なかなかこれを履行してくれそうもない。ぜひひとつ亀井さんの方から話をしてくれぬかということでございまして、義を見てせざるは勇なきなりではありませんけれども、私は、やはり困っておる人があればこれを助けるというのが私の信念でありまして、私の選挙区も毎週第三土曜日は弁護士、税理士を置きまして生活相談日をずっとやっておりました。私、最近は出られませんけれども、できるだけ出るようにいたしておりますけれども。 そういうことで、私はこのことについて池田氏に、そう約束をして買わせたのなら守ったらどうだということを話をしました。池田氏も、じゃそのようにひとつ努力しますということで、私の友人と会って話が決まったようでございました。 なお、私が口をきいたというそういう立場から、両者から、関係者が多いということもあって、信用の問題もあります、信頼の問題があるので、亀井先生のところでひとつ池田氏からの金をまとめて受け取り、それを関係者に配るということについてぜひ御協力をいただきたいという話がありまして、私もそういう形で口をかけて両者の関係で話がまとまった以上は知らぬ顔はできません。 私、別に悪いことをするわけじゃございませんから、衆議院の私の大和銀行の口座に振り込んだらいいじゃないかということで、私の事務所に命じてその友人とでその後の処理を処置をさせたというのがこの事案でございまして、先ほど委員は何か、マスコミに出た何かうその事実をもって質問するのはどうかとおっしゃいましたけれども、その言葉を私は委員の同僚の委員にそのままそっくりお返しをしたいということであります。 先ほど池田氏といつからということでございますが、昔のことですからそんなに私、定かには覚えておりませんけれども、この契機になりましたのは、これは大手の建設会社でありますが、名前は申しませんけれども、池田氏に株を買い占められて非常に困っておるということでありまして、なかなかこわもての人なので、こちらがこの話をしてもうまくいかない。私は警察出身だからということで頼ってこられたんだと思うんですけれども、どうにか話をするような糸口をつけてもらえぬかという社長からじきじきのお話でございまして、それで私は初めて池田氏にお会いしました。その件についてはうまくいきませんでした。それが私は最初の池田氏との出会いでございました。 そういうことの中で、私と共通の友人からの依頼で、先ほど御質問になられましたような、まだされておらぬかもしれませんが、そういうかかわり合いをその後持ったということでございますので、そのように御理解をいただきたいと思います。 以上です。
○猪熊重二君 念のために申し上げておきますが、私が先ほど申し上げたのは一民間人の名誉の問題なんです。今、私が申し上げているのは、運輸大臣、国会議員亀井静香さんの問題なんです。全然質が違う。その全然質が違うというところにもしお考えが至らないとすれば、まさに政治姿勢、政治倫理の問題で根本が誤っていると私は思わざるを得ない。 それで、私はまず、いつですかと聞いたんだけれども、全然日にちが出てきません。日にちを言ってください。
○国務大臣(亀井静香君) 先ほど申し上げましたように、もう古い話でございますから、何月何日にその建設会社の社長からの依頼で会ったかということについて、私は何月何日までなんて手帳にもっけておりませんし、はっきりした記憶がございません。恐らく、あれはいつですかね、今が平成六年ですから七、八年前の話ではなかろうかなと、このように私は思います。
○猪熊重二君 では、記憶があいまいのようだから私の方からお伺いします。 あなたと池田氏とは何かたまたま会ったような御関係というよりは非常に親密な間だと思うんです。 まず、昭和六十一年十二月三十日昼ごろ、新宿西口の京王プラザホテルで池田氏と会ったことはありませんか。四十五階の割烹でお会いしたと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(亀井静香君) 私は、京王プラザのその割烹がどういう店か知りませんが、そこで池田氏と会ったという記憶はございません。
○猪熊重二君 その八日後の昭和六十二年一月六日、やはり池田氏と赤坂プリンスで会っていることはありませんか。
○国務大臣(亀井静香君) 私は、池田氏とは建設会社の社長さんの御紹介で会った後、本人とそうした面でどうにか、そんな株なんか買い占めてもしょうがないじゃないかというようなことを含めての話はいたしたことはございます。 なお、先ほど申し上げましたような、友人から頼まれまして池田氏に対して、約束したことは守ってやられた方がいいじゃないですかというようなお話はいたしました。そういうときに、赤坂プリンスホテルの新館のあのロビー、下に喫茶店のようなところがございますが、そこで私は会った記憶がございます。
○猪熊重二君 そうすると、赤坂プリンスで会ったことはあるが、それが今、私がお伺いした昭和六十二年一月六日であるかどうかはわからないというふうな趣旨らしいですが、六日に会ったかどうかはわからぬけれども、さらにその三日後の一月九日、同じ赤坂プリンスで池田氏と会っていませんか。
○国務大臣(亀井静香君) 先ほど申し上げましたように、非常に古い話でもございますし、私は手帳をつけておるわけじゃありません。今も私は手帳を持っておりません。政治家になりまして私は手帳とペンを持っておらぬ男でございまして、一切つけておらぬわけでございますが、私はそのことについて記憶がございませんから。 ただ、先ほど申し上げましたように、その件について一回だけで私は決着したと思っておりません。恐らくそのことについて二、三回は赤プリの新館のその何というんですか、喫茶店とあれを兼ねたようなところがございますね、私はそこで会った記憶はございますけれども、それが何月何日だとかというようなことまで私は正確に覚えておりません。このことは私にとって当時いわば相談に乗った一過性のことでございますから、その必要の範囲において池田氏と私は会っておると思います。
○猪熊重二君 赤坂プリンスでお会いになったことはお認めになりましたが、その十日ぐらい後に、昭和六十二年一月十九日、オークラで会ったことはありませんか。
○国務大臣(亀井静香君) 聞き取れませんでした。もう一度……。
○猪熊重二君 昭和六十二年一月十九日、ホテルオークラで池田氏と会ったことはありませんか。
○国務大臣(亀井静香君) 私は、場所はよく覚えておりませんが、先ほど申し上げました、当初、私が池田氏と接触を持つきっかけとなった建設会社の社長とホテルオークラで会ったという記憶はございます。
○猪熊重二君 今、私がいろいろ申し上げたのは、このホテルでお会いになった間に池田氏からあなたに金銭等が交付されたことはありませんか。
○国務大臣(亀井静香君) ちょっと私は委員に申し上げますが、委員は予算委員でございますから何を質問されてもいいと勘違いをされておるんじゃないかと私は思います。そういうことであれば、私ははっきりした根拠に基づいて御質問を願いたいと思います。 私は、一切池田氏からそういうものを受け取った覚えはございません。
○猪熊重二君 いずれにせよ、あなたの先ほどのお話だと、友人が池田氏から損はさせないので株を買ってくれと言われて買ったけれども、どうもうまくいかぬから池田氏と交渉してくれ、こういうことを頼まれたと。 あなた自身が株を池田氏から直接お買いになったことはありませんか。
○国務大臣(亀井静香君) そういうことはいたしたことはございません。
○猪熊重二君 あなたのお話のとおりであるとした場合、あなたの知り合いが池田氏との間で損をした分をきちんと損をせぬように買い戻させてくれということをあなたに頼んだいきさつはどうしてなんでしょう。なぜあなたに頼むんでしょうか。
○国務大臣(亀井静香君) 先ほど御説明いたしましたように、私と池田氏との共通の知人から私は頼まれたわけでございまして、両者の間で当初にこの株を買え、買うなというようなそんな話し合いをしたことに私はタッチしておったわけではございません。
○猪熊重二君 いずれにせよ、そうすると、あなた自身はこの株をコスモの方に買い戻させて、その買い戻し代金として手形二通、合計金額十三億四千四十万円という金額があなたの口座に入金になったということはお認めになりますね。
○国務大臣(亀井静香君) これは私は冒頭においてそのことを申し上げたわけでございまして、私がそういう形で間に入ったという経緯がある以上は、関係者多数ですので、その私の友人が直接知っていなくて間接間接という方もおられたようでございまして、そういう方々に対して池田氏から渡された金を渡していくことについて、やはり私の信用といったらおかしゅうございますけれども、私のところでまとめてやっていただいた方がありがたいということであったわけであります。 先ほども申し上げましたように、これは人助けてありますから、私が別にもうける話でもございませんので、私もばかじゃございませんから悪いことをする気はありませんけれども、やましいことをするのであれば、私だって別の方法をやりますよ、本当に、いや本当に。それは堂々と、人助けですから、私も間に入った以上はということでその口座に振り込んでもらって、それをうちの事務所とその友人があれして関係者にこれをあれをしたということでございます。 なお、先ほどからいろいろ私がというようなことをおっしゃいましたけれども、このことがあるマスコミにでかく報道されました。そのことがございまして国税庁の方から照会もございました。私の税理士がこれについての経過を国税庁に説明をし、また国税庁も独自な調査をやられまして、そうした上でこのことについては十分御理解をきちっといただいておるということでもございますので、委員からあなたの想像に基づいて私にあたかも疑惑があるがごときことを、こうしたテレビ中継を全国にしておるわけでありますから、されるということは、私は政治家として極めて本当に迷惑な話でありまして、この点は私は強く反省を求めます。
○猪熊重二君 株を売った、買い戻してもらった名義人があなたであり、その株の代金としての手形二通を受け取ったのがあなたであり、その手形二通があなたの口座から現金化された。しかし、これは私のものじゃないんだと、人から頼まれたものだと、こうあなたはおっしゃるわけです。だけれども、それが外形的に外から見たら、あなたのものか、あなたがおっしゃるように他人から頼まれたものか、外形的には他人から頼まれたなんていうのは一つも出てこないんです。 だとしたら、あなたとしてはだれもが納得できるような意味において、この株は私の株じゃない、売った代金も私のじゃない、だから私の口座に入ったこの金も私のじゃないというのを、あなたが明らかに他人が納得できるような形でやってもらわなかったら、ただ口でおっしゃっても全然信用性がない。 なぜこういうことを申し上げるかというと、それなりに私の方ではいろいろ調べているんです。だから、あなたがそれを明らかにされたらどうでしょうと、こういうことを申し上げているんです。
○国務大臣(亀井静香君) ですから、先ほど私が申し上げておりますように、この件については管財人の方から私に対しての仮払いという形で向こうで処理されておりましたが、これは当たり前の話なんですね、私のところでまとめてという形になったわけですから。そういうことなものですから、管財人から私の方へ問い合わせがあったんです。それで、私の方も弁護士を立てましてその間の事情を説明し、友人に連絡をし、友人たちが弁護士を立てて向こうの管財人に対して事実関係を説明して、金の流れ等もあれした上で、裁判所の承認を受けて円満に解決をしておるんですよ。客観的にこれは証明されているんです。 それと、先ほど言いましたように、国税庁の方で照会がございました。私どもとして説明いたしました。また、独自に国税庁としては、今、委員が申されました金の流れ全般について詳細な調査をされたはずであります。それに基づいて私の言っていることが理解されておるわけでございますから、これ以上に私が証明することはできません。 ただ、新聞が私にとって極めて不本意な誤解を生ずるような記事を書いたことについて、私の気持ちとしては告訴をしたかったんです。しかし、それをやりますと友人等を全部これ明らかにせにゃいけません。また、関係者について全部公判廷等でこれを疎明していかなければならない。それは私にできない。 そういうことで、私は衆議院の予算委員会で申し上げましたように、私にとっては、このことについての説明をさせていただくいい機会を私は与えていただいたということで感謝を申し上げることは申し上げたんですが、しかしそれを自分の推測に基づいた、私が説明をしないからといってあたかも私が何か悪いことをしているみたいな呼ばわりをされるということは、私は本当に心外でございます。
○猪熊重二君 あなたが今おっしゃった中で、破産管財人との間で話がついている。破産管財人がなぜここへ登場してくるか。あなたの方で買い戻させた十三億四千四十万円が時価に比べて四億円も高いということがあるから、管財人からこんな不当取引をやるわけにはいかないということで、管財人はあなたを相手にして不当に高く買い取らされたものについて清算せいということであなたと交渉されたんです。 だから管財人は、そんなあなたがおっしゃる十人だか五人だか知らぬけれども、ほかの人と交渉したわけじゃない。あなたと交渉したんです。十三億のうち四億近い時価を超えた金額があるから、その問題で管財人が出てきただけなんです。管財人が出てきたから、それで全部決着がついたなんという問題じゃないんです。管財人が相手にしたのはあなたそのものなんです。
○国務大臣(亀井静香君) そう事実関係をねじ曲げて御質問されては迷惑であります。 先ほど私申し上げましたように、池田氏の会社が破産をしたと。その会社の帳簿に、私の友人に対して、全部補てんしたかどうか知りませんけれども、補てんという形での協議が調って金が流れた。それについて、先ほど申し上げましたように、私の衆議院の大和銀行の口座に一括して振り込むということで処理されたということで、亀井に対する仮払いという形で向こうの会社の帳簿に残ったんです。それで、管財人から私の方に対して照会があったということは事実でございます。 それに対して、私の弁護士の方からそれについて説明をし、さらに友人等に連絡をして、友人たちが弁護士を別に立てて、その後その弁護士と管財人の間で折衝がなされて、そうして両者が円満な解決でこれを決着させている。裁判所はそれを中身がおかしいと言っていないということで私は報告を受けたということでございまして、ひとつ事実関係をそうねじ曲げて御質問されることはぜひやめていただきたい。
○猪熊重二君 あなたは私が質問をねじ曲げていると言う。今、私はこのタクマの株の十三億のことをお話ししていますけれども、もう一つ別の株の五億円の問題がある。これはちゃんと裁判所に破産記録があるんです。破産記録によれば、破産管財人はそんなわけのわからぬ人のところへ手紙を出しているんじゃないんです。亀井静香殿に対して、何でこんなに高くあなたのところから買ったんだということになっている。そして、コスモポリタンからの株券の領収書もあなたなんです。それからあなたの方から、これはだから先ほど言ったように、五億円の方の問題ですよ、二億五千万円の手形二通を受け取ったというのもあなたが出している。 私が言っているのはでたらめじゃないんです。全部あなたの名前で株を売って、売った領収書ももらっている。そして株もあなたがもらっている。そしてあなたの口座に入っている。ということになったら、外から見たらあなたの取引と言われても仕方がないでしょうと。それをあなたがそうじゃないと言うんだったら、ただそうじゃないそうじゃないと言っているだけじゃ話にならぬ。むしろあなた自身がもっとみずからの潔白というか、真実を明らかにしたらどうですか。
○国務大臣(亀井静香君) ですから私は、先ほどから申し上げておりますように、私自身の取引じゃなくて、私はそのことについて仲介をし、そうして関係者多数のために私のところで一括をしてということでお願いしたいと言うからすべて私のところで処理したんですから、委員がおっしゃっておられますように、私の名前で一括処理されたことは当たり前でございます。私はそれを全然否定をいたしておりません。 ただ、中身が私の取引ではないということについては、先ほど来るる説明しておりますように、私の友人等の弁護士や管財人との間で折衝する過程の中でこれを明らかにし、それを裁判所が認めておる。また、先ほど申し上げましたように、これは国税庁がこれらの独自の調査を含めてそのあたりの金の流れは全部調査をされておるわけでありますから、私がうそを言ったって通用するわけはございません。 私は、何も私の名前で手形を受け取らなかったとか、私の口座に入らなかったなんということを言っているわけじゃございません。五億円も、十何億ですか十三億ですか、それも入ったということを私は言っているんです。しかし、中身はあくまで私は人助けでやったということを申し上げているわけでございまして、それを委員が違うとおっしゃるんなら、委員自身が違うという事実を突きっけていただきたい。あるはずはございませんけれどもね、真実は一つですから。 私は本当に不愉快です、はっきり申し上げましてもうちょっと本当に良心のここでもちくりと痛いような私は質問をしていただきたいと思います。
○猪熊重二君 あなたは盛んに、私が買ったんじゃない、人から頼まれたんだ、人助けたと、こうおっしゃる。しかしその第三者、あなたに頼んで、あなたが人助けしたとおっしゃる方はどこのだれだか何もわからないんです。しかも、私はそれを何も個別的な名前まで言いなさいなんと言っているわけじゃないんです。どういう人とどういう人から幾らの株を向こうに買い戻させてくれと頼まれたとか、ちゃんと入った金をその人に渡したとかいうのが明らかにならぬかったら、あなたが口で言っているだけじゃわかりゃせぬでしょうと、こういうことを言っているわけです。 しかも、あなたが私はこの人から頼まれたというふうに言ったその人に対して、読売新聞の記者が、あなたがこういう人から頼まれたんだと、こう言う。平成元年十月七日の夕刊には、この読売の記者はあなたがおっしゃった三人の人のところへ行って、こういう話だけれどもどうですかと言ったら、私はそんなことは聞いたこともないし頼んだこともないしと、こういう返事をしているという記事があるんです。 それで、私が言いたいのは、あなたが頼まれたんだという五人だか十七人だか知りませんが、どの人から幾ら頼まれて、そしてこの金を幾ら払っだということが明らかにできないのであれば、資料要求したい。全部読むとちょっと長くなりますので。
○委員長(坂野重信君) もう時間が来ましたので、簡略にお願いします。
○猪熊重二君 この資料を後日提出したいと思います。 要するに、手形が入った、その手形が入った通帳、それから出たその通帳の写しと、それから約束手形四通、この手形の裏書きもしている事実、この資料要求をしたいと思います。
○委員長(坂野重信君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(坂野重信君) 速記を起こして。 ただいまの猪熊重二君の資料要求につきましては、その取り扱いを理事会で協議いたします。
○国務大臣(亀井静香君) 私の友人の件についてお話がございましたが、私は私の名誉のために申し上げております。 私は、新聞記者を含めて関係者に私のそうした友人の名前等を明らかにしたことはございません。ただ、そういう過程の中で、いろいろとこの記者を含めていろんな方々から、ああでもない、こうでもないということがあったようには聞いておりますけれども、私から言った覚えはございません。 なお、私は政治倫理上反することをやっておるとは思いませんし、またこれは完全に民間における、証券会社との関係じゃございません、民間における個人と個人の商取引に関する事案でございますから、それについて仲介したことについて民間人に迷惑がかかるようなことは私としてはするわけにはまいりません。 以上です。
○猪熊重二君 終わります。
○委員長(坂野重信君) 以上で猪熊重二君の質疑は終了いたしました。(拍手) —————————————
○委員長(坂野重信君) 次に、聴濤弘君の質疑を行います。聴濤弘君。
○聴濤弘君 私は、日本共産党を代表して、総理並びに関係大臣に質問をいたします。 まず、公約違反問題についてです。 去る十一日、衆議院で我が党の志位書記局長が消費税問題で総理の公約違反問題を追及いたしました。総理は、それを否定できませんでした。そのため総理は、質問が終わってから記者団に対して、公約を大きくゆがめたなら別だが、少し変わる程度は裁量権の範囲内だ、こう述べております。税率を上げるべきでないというのが選挙のあなた方の公約だった。ところが政権についたらアップする、全く公約とは逆行したことをする、それが自分に認められた自由裁量権だ、こういうことを記者団に語られた。 こんなでたらめな政治が民主主義の名のもとに行われるなどということは絶対に許すわけにはいきません。公約と方針を実行する、その公約と全く逆行することをやるという、そんなことが裁量権なのか、そんな権利をあなたは持っているのか、このことについてしっかりと答弁をしてください。
○国務大臣(村山富市君) 何をもって言われているのかよくわかりませんけれども、先ほど来公約の問題についての質問がございました。 私は、昨年七月の総選挙のときの選挙公約についても、わざわざ御紹介がありましたから中身についても読ませていただいたわけです。私の選挙公報の中には消費税の問題については触れておりません。ただ、党が出しているそのときの文書があります。政策を発表した文書があります。 その中にはこういうふうに書いてあるわけです。「国民が納得できる税制改革を断行します」という見出しの中で、「所得税の実質増税構造の解消や、飲食料品の非課税化による消費税の逆進性の緩和など、国民的な要望に責任をもって応えられる取り組みをすすめます」、こう書いてあるわけです。 この書いてある中身について実現ができなかったということについては、これは私は率直におわびしなきゃならぬと思いますけれども、こういう意見を踏まえて実現できるように三党の合意の中でも議論をし合っているわけですから、その経過について国民の皆さんがわかっていただければ御理解ができるのではないかと、私はこう申し上げているわけです。
○聴濤弘君 その議論は十一日の志位書記局長との論戦で決着済みなんですよ。志位書記局長が、朝日新聞のあの例の七月七日付ですか、あれの社会党の公約、これを見せて、そこに消費税の税率アップはしないと社会党の公約は書いてある。そのことをあなたにお見せしたら、あなたはそれを否定できなかったんですよ。そのことは非常にはっきりしている。全国のテレビでみんな見ていますよ。だからこそ、あなたは公約違反だということが否定できなかったから、その質問の後、記者団にそれは裁量権だ、こういうことを言い出したんじゃないですか。 私が質問しているのは、もう公約違反だとかそういうことじゃないんです。方針と違うこと、公約と違うこと、そういうことをやるのが裁量権なんですかと、このことを聞いているんです。
○国務大臣(村山富市君) 私は、これはお互いに考えなきゃならぬことだと思いますけれども、公約は約束事ですから守らなきゃならぬことだと思いまするし、それはやっぱり民主主義のあり方として大事なことだと思います。いいですか。 ただ、仮に消費税率引き上げに反対します、こういうふうに約束をしたにいたしましても、それが仮にいろんな情勢を判断してみて、これはもうそのことだけでなくて、例えば先ほど来説明がありますように、今度の税制改革大綱というのはいろんな中身を含めているわけですから、その中身を含めた中で議論をする過程の中で、この程度の消費税率の引き上げはやむを得ないんではないかというやっぱりお互いの合意を求められる点はあると思いますよ。その合意を求められる点について、これは責任を持って処理をしたというわけでありますから、政治家自身がこれは許容できる範囲なのか、これは許容できない範囲なのかということはやっぱり判断をしなきゃならぬと思います。それは政治家の責任だと思います。私は、そういう意味で政治家の責任としてこの程度のものはお認めをいただけるんではないかということを申し上げているわけです。 ただ、その経過については、やっぱりできるだけわかるように民主的に透明度を高めて議論をしていくことも大事ですし、また決まった後からも、よく説明をして有権者の皆さんに御理解と納得ができるようにしていただくということはもちろん当然なことだと思いますけれども、一言半句違ったらもうそれは公約違反だというようなことにはなかなかならないんではないか、おのずから政治家として判断をする範囲というものはあっていいんではないか、私はそういうふうに考えています。
○聴濤弘君 三党の合意は政党間の合意なんです。国民に対してのあなた方、あなたの党の責任なんですよ。それは国民に対しては消費税の税率はアップしませんというのがあなた方の公約だったんです。それを国民への公約は無視して、三党の合意だけは重視しますと、そんなことがあっては選挙にはならぬのですよ。 もう一回はっきり言ってくださいよ。私が言っているのは、公約違反かどうかというのはもう十一日のあの論戦で決着がついておるんですよ。だから、あなたは私の裁量権だと言ったんですよ、違うことをやるのは自分の裁量権だと言ったんです。そんなことが許されるのかということを私は聞いているんです。
○国務大臣(村山富市君) 決着がついていると言って、それはあなたの方はそういう主張をしていますし、私は私の考え方で申し上げているわけですから、ですからそのことは十分ひとつ含んでいただきたいと思うんですけれども。 消費税率の引き上げに反対します、しかし上げたじゃないか、これは公約違反だと。それはそういう結果になったことについてはまことに申しわけないという気持ちはありますよ。気持ちはありますけれども、しかしそれは国民の皆さんにお話を申し上げればある程度納得と理解をしてもらえるものではないか、こういうやっぱり政治家の判断はあっていいのではないかと思いますね。私はそういう意味で責任を持ってそういう判断をしましたということを申し上げているわけですよ。 これはやっぱりできるだけ、さっき言いましたように、その決定をするまでの経過と過程というものはよく皆さん方に納得して理解してもらえるような努力はしなきゃならぬと思いますよ。しかし、そのことは一切公約違反だからもうまかりならぬ、こういうことにされたのでは、お互いにやっぱり行政に携わる者として、何といいますか、お互いに認め合える範囲というものは国民の立場に立ってもあり得てもいいんではないかと、私はそういうふうに考えています。
○聴濤弘君 国民に対して申しわけないと思っているかどうかというのは国民が判断することなんですね。そうでしょう。私たちは努力したんだけれどもだめなので、もう国民はそれで私たちを許してくれていますなんて、一体どうやってそれをあなた判断するんですかひ選挙でもやってきちっとやらない限り、そういう判断を国民が下しているかどうかわからぬじゃないですか。そんなことを勝手に答弁されたらたまらぬですよ。
○国務大臣(村山富市君) いや、勝手に答弁をしているわけじゃありませんよ。私は私の気持ちを素直に申し上げているんですよね。 ですから、消費税率の引き上げに反対します、こう申し上げたんだけれども、それが実現できなかった、政治家としてまことに申しわけなく思いますと。当たり前のことだと私は思いますよ。決してそれがよかったとは思っていません。 しかし、おのずからやっぱり政治家としてこれだけの大きな行政に携わってやっているわけですから、いろんな諸条件を勘案してみてこの程度のことはまあ何とか了解してもらえるんじゃなかろうか、こういう判断というのは政治家の責任であり得てもいいんではないかと、またあることはやむを得ないことだというふうに、私はそう思っています。 現に、できるだけ私の地元の大分県の有権者にもそういう点は了解してもらえるようにお願いもしていろいろなお話も申し上げておりますけれども、決してその結果がよかったとは思っていないし、申しわけなかったという気持ちを申し上げることが、あなたの勝手でそんなことを言う必要はないなんということを言われる筋のものでも私はないというふうに思います。
○聴濤弘君 私とのこのやりとりの中で非常にはっきりしたことは、あなたは次のことを言われたんです。あなたの言葉ですよ。私が選挙で言ったことが実現できなくて残念だ、こういうことだとおっしゃるんですね。ですから、公約していたことができなかったということはあなた認められたわけね。そういうことですね。だから、公約はしたけれどもということは認められるわけですね。そこで、もうこのことは決着がついているので私はあなたに言いたいんだけれども、いいですか、そのことはあなた言われたんだから。 それで、裁量権という問題ですよ、問題は。裁量権というのは与えられた権限の中でやることなんですよ。 例えば、行政府がそういう判断権、裁量権というのを持っています。それは与えられた範囲の中で、その範囲の中で許されるところのそういう判断、これを下す、これが裁量権ですよ。この場合で言いますと、消費税の税率アップをしてもよろしいという権限なりそういう負託というのが国民からあったと、その場合に、それをやっていく上で一%あるいは二%の誤差がある、そこは裁量権ということの範囲に属するかもしれない。しかし、あなた方に対しては、消費税の税率アップをしてもいいんですよという権限はだれからも与えられていないんですよ。その負託は国民から与えられていないんですよ。それにもかかわらず上げるということは、これは裁量権を逸脱したことになるんですよ。そういうことでしょう。
○国務大臣(村山富市君) それはあなたと私の見解の違いで、あなたの言い分が絶対正しいというふうには私は受けとめておりません。私は私の政治家としての見識で申し上げているわけですから、そこはやっぱり違いがあると思いますね。 私は、先ほど来、選挙公報やらあるいは社会党が出している政策の発表やら申し上げておりますけれども、たまたま言われていることは新聞のアンケートか何かでお答えしたことを取り上げて言われているんだと思います。しかし、それは事実として私は認めますから、その点は別に弁明するわけではありません。 ただ、消費税率の引き上げに反対しますと、こう言ったけれども、これはできなかった、だからそのことについてはまことに申しわけなく思いますと。しかし、それはこういう経過があって政治家の責任として私が判断したことですからひとつ御了解をいただきたいということは申し上げてありますし、同時にそのことがいいか悪かったかということについては、いずれまた選挙の機会があるでしょうから、そのときに有権者が審判をしてくれることだ、私はそういうふうに思っています。
○聴濤弘君 あなたが今言われたようなことが許されるとなると、これは大変なことですよ。というのは、それなら選挙のときにどういうことを言ったって、その後でどんなことでもやれるということになるんです。 消費税のことに関して言えば、消費税の税率を上げませんと選挙で言って、その後は上げる、それは私の政治判断だ、私の裁量権だ、こんなことが言われたら、以後、消費税については幾らでも税率アップができますよということを宣言しているに等しいじゃないですか。こんな政治は許されないですよ。どうなんですか。
○国務大臣(村山富市君) これは幾ら議論をしてみても同じことしか答弁のしょうがないんですが、何でもかんでもできるとは思っていませんよ。そんなことをしたらこれは民主政治の根幹が壊れますし、何のために選挙のときに公約するのかということにもなりますし、政党が国民に約束し、政治家が国民に約束することなんですから、それを全部を否定してしまうようなことになったら、それはやっぱり日本の民主政治は壊れますよ。 しかし、何でもかんでも許されるというのではなくて、政治家の責任において判断をして許される範囲はあるのではないかという、その決断をするのは政治家の責任です。そのことがよかったか悪かったかという、その判断は選挙の際に有権者が審判を下すということに私はなると思います。
○聴濤弘君 選挙民に対して言ったことと全く違ったことをやって、それが自分の政治の責任だというようなことがまかり通るというようなことは絶対に許せないですよ。 あなたがそういうことを平気で言うというのは、国会とそれから税金、議会と税金という問題を、根本的にこの関係をあなたはわかっていないんです。国家は国民から租税というのをいただくわけですね。徴収するわけですね。租税というのは、私有財産の一部をこうやって国民は国家に税金として納めるわけですね。ですから私有財産の一部を制限するというようなことなんですよ、租税を取るということは。 したがって、それならどのくらいの私有権の制限をするか、それを何に使うかというのは国民の同意なしには絶対にやっちゃいかぬことですよ。ですから租税法定主義があり、予算の承認制度というのはあるわけでしょう。そこに国と国民との間には一つの契約関係というものが結ばれるわけですね。それを裁量権だ、自分の政治の責任だと言う。この関係を壊しちゃってもいいということになるんですね。 これはもう絶対に許せないですよ。それが政治の責任者、政治の判断でできるんだと、こういうことを言っているんじゃ、国会とか選挙とかそういったものの意味が全くなくなってしまうじゃないですか。
○国務大臣(村山富市君) 決して税というものを軽く考えているわけじゃありません。これは国民の皆さんから納めてもらうわけですから、納税してもらうわけですから、したがって可能な限り国民の皆さん、納税者の理解と納得を得ることが必要だということはこれまでも再三再四申し上げておりまするし、そのことも踏まえて与党三党の中では慎重な上にも慎重に議論をし、同時にいろんな方々の意見もやっぱり聞いて、そしてできるだけ透明度を高め民主的な運営を図りながら国民の声を反映させて決めていったという経緯がありますよね。 私は、やっぱり税金というのはそういう扱いを慎重にすべきものだというふうに思っていますから、決して軽く考えているわけじゃありません。そういうことも含めて私の責任としてそういう判断をしたんですということを申し上げているのでありまして、決して軽く考えているわけじゃありませんし、同時に謙虚な気持ちで、約束したことができなかったことについては大変申しわけなく思いますと、しかしこういう経過もあってこういう結論になったんですから、どうぞひとつ御理解をお願い申し上げたい、こういう気持ちで申し上げているわけでありますから、決して軽く考えているわけじゃございません。
○聴濤弘君 主権者の意思を無視して政治の判断だというようなことが通用するというようなことは絶対に許されない。そういうのが総理の席にいるということは許されない。このことを私は指摘して、時間がありませんので次の問題に移ります。 国連常任理事国入り問題ですが、これは日本が軍事大国への道を進むかどうかというかなめになる重要な問題なんです。 そこで、総理にまず第一に伺いますけれども、国連憲章上、常任理事国は国連軍の軍事指導をする軍事参謀委員会に入らなければなりませんですね。
○政府委員(柳井俊二君) 国連憲章に関する問題でございますので、まず私の方からお答えさせていただきます。 御案内のとおり、国連憲章四十七条というのがございますが、この四十七条第一項におきまして、「国際の平和及び安全の維持のための安全保障理事会の軍事的要求、理事会の自由に任された兵力の使用及び指揮、軍備規制並びに可能な軍備縮少に関するすべての問題について理事会に助言及び援助を与えるために、軍事参謀委員会を設ける。」という規定がございます。すなわち、この軍事参謀委員会の任務がこの四十七条一項で規定されているわけでございまして、二項におきまして、「軍事参謀委員会は、安全保障理事会の常任理事国の参謀総長又はその代表者で構成する。」云々という規定がございます。 したがいまして、この軍事参謀委員会は常任理事国の参謀総長または代表者で構成するという規定になっているわけでございまして、常任理事国としては、この軍事参謀委員会にその軍事参謀等を出席させることができる、そういう権利を持ち、またここに参加する義務も負っているというふうに考えております。
○聴濤弘君 常任理事国に入れば軍事参謀委員会に入る義務があるというお答えでありました。 そうすると、日本が常任理事国に入れば軍事参謀委員会に入るということに当然なるわけでありますけれども、総理、あなたは国連の常任理事国入りに関して、憲法の枠内でその責任を果たすということを繰り返し言っておられます。それでは、国連の軍事参謀委員会に入る、それで国連軍の作戦指導というようなことを行う、そういう責任を持っているわけなんですが、それは憲法上許されることなんでしょうか。
○政府委員(折田正樹君) お尋ねは、軍事参謀委員会のいわゆる戦略的指導についてであろうかと思います。 国連憲章第四十七条三項によりますと、軍事参謀委員会は兵力の戦略的指導について責任を負うことになっております。このような軍事参謀委員会の活動は正規の国連軍が編成されることが前提となっておりまして、この国連軍は安保理が加盟国との間で締結する特別協定に基づいて提供される兵力により構成されることになっておりますが、しかしながら今日に至るまで特別協定が締結されたことはなく、またその見通しも立っていないのが現状でございます。 しからば、戦略的指導についてでございますが、憲章上特定の定義はございませんで、学説から判断いたしますと、安保理事会による政治的決定に軍事参謀委員会が軍事的専門的知見を活用して大局的な方向づけを行うということでございまして、具体的な兵力に対する指揮とは異なるものであるとされております。 いずれにしましても、戦略的指導の具体的な内容は、憲章上の国連軍が仮に編成されるようになった場合に、現在その編成の見通しはございませんけれども、その時点で安保理事会によって決定されるものと考えられます。 仮に我が国が安保理常任理事国として軍事参謀委員会の構成国となった場合にも、兵力の戦略的指導が直ちに問題になる事態が到来することはなかなか予想しがたいわけでございますが、仮に正規の国連軍が編成され、兵力の戦略的指導の具体的な内容に関し協議、決定が必要になるような場合には、我が国自身もその協議、決定に参画することになるわけでございまして、我が国は憲法の範囲内で安保理における責任を果たすということでございます。
○聴濤弘君 大変長いお答えがあって、テレビを見ておられる方もはっきりわからぬのじゃないかと思うんですね。 私が質問したのは、国連軍の軍事作戦を指揮することは憲法上許されるのかということを聞いているんです。許されないなら許されない、仮定のことでわからないというならわからない、はっきり答えてください。その点だけでいいですから。
○国務大臣(河野洋平君) 聴濤議員にまず最初に申し上げておかなければなりませんことは、今御議論をされておりますことは、現行の国連憲章について御議論をされているわけでございます。もし仮に、全くもじ仮にでございますが、日本が安保理に入る、常任理事国になるという状況の場合には、国連憲章が改正されなければ日本は常任理事国にはなれません。したがって、そのときに今御議論のあるところまで改定されるかどうか、これはまだわからないことでございますが、現行の国連憲章に基づいて日本が入ったときにどうするかという御議論で断定的に御議論をなさることは十分な議論ではないのではないかと私は思います。
○聴濤弘君 じゃ、現状の憲章のもとで入った場合、それはいけないとあなたはおっしゃるんだけれども、現状の憲章の範囲で入った場合にはどういうことになるんですか。
○国務大臣(河野洋平君) ちょっと重ねて申し上げるようで恐縮でございますが、国連憲章を改正しなければ日本が常任理事国になるということはあり得ないわけでございます。
○聴濤弘君 それはそうですよ。二十二条、ここには常任理事国はこれこれと書いてありますよ、五大国。それで何カ国で構成すると書いてある。そこを改正しなきゃ日本が入れないことは、こんなことはわかっていますよ。だれだってわかっておるんだ。 四十七条、ここがきちっとしない限り、日本が入った場合に憲法に抵触するかどうかわからない。このかなめになるのは四十七条です。四十七条についての改正案というのは、それは改正されなきゃわからないと外務大臣そうおっしゃるんなら、日本は四十七条をこういうふうに改正しようじゃないかという提案を国連に出しておられるんですか。
○国務大臣(河野洋平君) 私が申し上げているのはそういう意味で申し上げているわけではありませんで、余り議員から現行の国連憲章に基づいての御議論があるものですから、こういうこともあるのですよということをお答え申し上げたわけでございます。 今、議員がお尋ねの四十七条の問題については、先ほど政府委員、外務省の条約局長が御答弁を申し上げたとおりでございますという以上に今、私からは御答弁申し上げかねます。
○聴濤弘君 先ほどの外務省の答弁は仮定の問題なのでよくわからないということだったんですよ、一言で言うとそういうことだったんです。まだ国連軍もできておりませんから、仮定のことだから、憲法上どうなるのかということはわかりませんという答えだった。 それなら今度、今、外務大臣が一生懸命お答えになったのは、現状とは別に、今、改革ということが問題になっておるんです。この改革については、じゃ四十七条のところは改革しましょうという提案をしているのかといえば、そうではないとおっしゃるわけです。そうすると、じゃ改革してどうなるかということ、改革してもどうなるかということはわからないわけですね。四十七条をどうするかということを提案されていないわけですから。そうしますと結局残るところは、憲法と両立するという保証はないということですね、わからないんだから。そういうことでしょう。どうなんですか。
○国務大臣(河野洋平君) 私が申し上げておりますことは、先ほど来政府委員から御答弁を申し上げましたように、この問題は国連創設以来一度も現実の問題になったことがないわけです。そしてしかも、例えば正規の国連軍云々というくだりは特別協定を結ぶということになっているけれども、いまだに特別協定を結んだ国は一国もありませんし、こういう極めて非現実的な問題、そしてそれが四十九年間も全く現実の問題としてはないという事実がある。 これはお認めいただけると思うんですが、そういう状況下でおよそ半世紀もそういうことがなかった、そしてこれからもあるとは思えない。そういう状況下で、こうなったらどうするか、こうなったらどうするかという議論は余り、まあ意味がないと言うと少し言い過ぎかと思いますが、そのことだけにこだわって議論を進めないということはいかがかと思っているわけです。
○聴濤弘君 軍事参謀委員会というのは、私に与えられた時間というのはたった十一分しかないんです、ですから具体的にここで全部申し上げるわけにいかない。あした議論したいと思う。 軍事参謀委員会というのがどんな活動をしているかあなた方は知らないんですか。何も現実的じゃないと言うけれども、去年だけで二十三回も会議を開いているんです。湾岸戦争のときには何回も会議を開いている。ですから、いつでもスタンバイができるようになっているんですよ、軍事参謀委員会というのは。ですから、それは現実の問題じゃないなんということは言えないんです。 私は、はっきり言って、あなた方は憲法と両立する範囲内でやると言うんだけれども、どうなるかわからないんだ、こうなってもどうなるかわからないんだというんじゃ憲法と両立するという保証はないでしょう、筋のことからいってそうでしょうと言っている。そのことだけははっきりお認めになるべきです。
○国務大臣(河野洋平君) 軍事参謀委員会が何十回も開かれたという回数だけをここで取り上げて、あたかも軍事参謀委員会が内容のある委員会を開いていたように印象づけることは適当でないと思います。 私どもも軍事参謀委員会が開かれているということも聞いておりますけれども、内容のある委員会が開かれたということは聞いておりません。しかも、一方で私どもは、当然との国も憲法を持っておって、日本もまた我々が大事にしている憲法を持っているわけで、その憲法のもとで我々がなし得る国際貢献をいたしますということを言っているわけで、なし得ないものまで我々がやるということは当然ないということだけははっきり申し上げておきます。
○聴濤弘君 最後に一問。
○委員長(坂野重信君) もう時間です。簡単に。
○聴濤弘君 重大なことは、憲法との両立はしない、憲法と両立する保証はない、そのことについてはっきりしたお答えもないまま、重大なことは、常任理事国に入るということは決定されているんですね。国民に対してこれからどうなるかわからないと言いながら、入るということだけは決定している。ここに極めて重大な問題がある。こういう決定は撤回すべきだということを私は申し上げて、質問を終わります。
○国務大臣(河野洋平君) 誤解があるといけませんから、余計なことかと思いますが答弁をさせていただきます。 私どもは、国連改革が行われて、我々の考える基本的な国際貢献に対する考え方を表明した上で、こういうことであるならば国連改革があるということを前提として安保理常任理事国に入る用意があるということを申し上げているのでございます。
○委員長(坂野重信君) 以上で聴濤弘君の質疑は終了いたしました。(拍手) —————————————
○委員長(坂野重信君) 次に、島袋宗康君の質疑を行います。島袋宗康君。
○島袋宗康君 初めに、去る十四日、高知県の土佐町の早明浦ダム上流において、訓練中のアメリカ海軍機が墜落している事故がございます。これについて政府はどのように対処しているのか、いわゆる調査を進めているのか、あるいはどういう措置をとっているのかということについて、まず質問をいたします。
○政府委員(時野谷敦君) 事実関係にわたる点もございますので、まず私から御答弁をさせていただきます。 先生ただいま御指摘になりました事故につきましては、十月十四日の十五時三十分ごろに、厚木基地を立って飛行中の米海軍の二機のイントルーダーと呼ばれております飛行機のうちの一機が高知県大川村付近の吉野川流域に墜落をしたということでございます。この飛行機に搭乗しておりました乗員二名は死亡いたしましたが、米軍乗員以外の死傷者はないということでございます。現在、米軍と地元警察とが協力をして事故現場の処理及び調査が行われているというふうに承知をいたしております。 この事故が起きまして、十五日、私から在京米大使館のデミング公使に対しまして遺憾の意を表明いたしますとともに、事故原因の徹底究明及び再発防止を申し入れたということでございます。私どもはこういう事故が起こったということを極めて遺憾に思っております。アメリカ側もこの事故を極めて遺憾に思っているということでございます。 今後の政府の対応でございますが、安保条約の目的達成との調和を図りつつ、安全確保に万全を期し、また地元への影響を最小限にとどめるということで何ができるのかということを改めてアメリカ側と話し合っていきたいというふうに存じております。
○島袋宗康君 この件については、あした、安保また地位協定について詳しくお聞きしますので、ひとつ万全な安全対策を図っていくように要望しておきたいと思います。 それで、きょうの質問に入るわけでありますけれども、質問に先立って、この議会が非常に論戦が凡戦であるというふうなことが指摘されております。そのことについては、やはり村山総理大臣が、なぜ社会党が政策変更したのかというふうなことを国民の前に説明、説得力といいますか、そういうようなものが欠けているのじゃないかというふうな気もいたしておりますし、また社会党が政権をとったという積極的な意義というものが国民の前に余りはっきり見えない。そういったふうなことについては、いわゆるこういった論戦につながっていないというような、凡戦であるというふうなことは非常に総理の責任というものがあるのではないか、私はそういった意味で、これから我が国の安全保障政策について何点かお伺いしたいと思います。 まず、総理と外務大臣、防衛庁長官にお伺いいたします。 我が国の安全保障政策は、冷戦の時代と冷戦終結後の今日どう違っているのかということ。日米安全保障条約の果たす役割を冷戦後の今日どのように認識されておるのか。さらに、アジア・太平洋地域における日米両国に対する安全保障上の脅威とはどういうことなのか。その脅威に対し、在日米軍の果たす役割をどのように考えておられるのか。 さらに、社会党委員長である村山総理には、冷戦時代にさえ安保反対だった社会党が、冷戦終結後の現在、安保堅持を主張する理由はどこにあるのか。そういった問題について、まず各大臣からお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 防衛政策の問題でございますので、私の方から答えさせていただきます。 我が国は今日まで、まずもって専守防衛を旨とする自衛隊と、さらにまた日米安保体制を堅持することによりまして、我が国に対する侵略を未然に防止するということを防衛の基本としてきたところであります。 そこで、冷戦終結になったわけでございますけれども、しかし冷戦終結後におきましてもアジア・太平洋地域におきましては不安定、不確実な状況が続いており、このような状況の中におきましては、やはり今後も日米安保体制の堅持とそして自衛隊をもって専守防衛となす、こういう観点におきまして安全保障政策を進めていくということが大事ではないか、このように思うわけであります。 ただ、今後、国際社会におきまして、国連の平和維持活動への積極的な取り組みあるいは軍備管理・軍縮、諸外国との信頼関係の構築といった努力、こうしたものを進めていくということは当然のことでありますが、周辺諸国との信頼関係の構築を進めつつ、今後の防衛力のあり方についても検討を進めていくということは大事なことではないか、このように存じます。
○国務大臣(河野洋平君) たくさんお尋ねでございまして、できるだけ落とさないように御返事をしたいと思いますが、冷戦時代と冷戦後とどこが違うのかというのがまず最初のお尋ねでございました。 確かに、冷戦が終えん、終結をいたしまして国際社会の中には安堵した部分がございます。しかし一方で、引き続き国際社会の中には依然として不安定な要因が残っていることも事実だと思います。そして、国際社会は新しい国際秩序を模索する、そういう流動的な部分もございます。そこで、冷戦時代と終結後とはおのずから違ってはおりますものの、引き続き不安定な要因がまだあるということはぜひお認めをいただきたいと思います。 それから日米安保条約の役割はどうだ、こういうお尋ねでございました。これは私は冷戦時代とは質は少し違ってきたんではないかという意味でのお尋ねだろうと思いますが、外務大臣としての立場から申し上げれば、日米協力関係、これは安全保障の側面もございますし政治的な側面もございます。さらには経済的側面もあろうかと思いますが、日米安全保障条約というものの役割は現在依然として極めて重要なものだというふうに認識をいたしております。 何か脅威があるかというお尋ねがございましたが、これは先ほども申しましたように、まだまだ国際社会が抱えます不安定要因、それは例えば具体的に申し上げれば北朝鮮をめぐる状況などもあろうかと思っております。北朝鮮の核兵器及び長距離ミサイル開発などという問題は我が国にとって無関心ではいられない大きな懸念を有する問題でございます。 在日米軍と日本との関係についてのお尋ねにつきましては、これはまさに米軍と自衛隊、言葉が悪いかもしれませんけれども、日本の安全保障のために、車の両輪と言ったら少し言い過ぎでしょうか、お互いに十分連携をとりながら我が国の安全のために重要な役割を果たしているものというふうに申し上げたいと思います。
○国務大臣(村山富市君) これは内閣を一緒につくっているわけですから、そういう意味の見解というものがそれぞれ違うとは私は思っていませんから重複する点は省かせていただきたいと思うんですけれども、冷戦構造が崩壊した後の世界の情勢というのは、もうだれが考えてみても地球規模における大きな戦争が起こるだろうということを考えている人はいないと思います。これは私はそうだと思います。 現に、核を持っておる国々も核軍縮についての話し合いも進められておりまするし、それからまた、先般平和賞をもらったイスラエルとPLOとの関係等についてもああいう和解の話ができていっている。だから、世界全体としてはそういう平和と協調、軍縮に協力し合う体制というものが徐々につくられつつあると思いますけれども、しかし完全に新しい本当に平和と安定が保障できるような世界秩序がつくられているかといえば、必ずしもそうは言えない。まだまだやっぱり現に火を噴いているところもあるわけですから、そういう地域的ないろんな原因からする紛争というものがまだあり得るんではないかというふうに私は認識をいたしております。 それから日米安全保障条約、日米安保体制についてでありますけれども、これは私は、そういう世界情勢全体の変化の中で日本とアメリカとの関係が持っている意味というのは、単に軍事的な意味はもうむしろ軽くなってきておる。そうではなくて、その他の経済的な面とかあるいは政治の面とか、そういう面におけるウエートがだんだん高まってきているんではないかと私は認識をしております。 現に、ASEANの諸国を先般も訪問してまいりましたけれども、そういう意味における日本に対する期待というものは大変大きいものがあるわけです。ですから、アジア・太平洋地域における平和と安定のために日米関係が主軸になって、そしてそういう関係にあるということがどれくらい大きな役割を果たしているかということも私はASEAN諸国に行ってわかってまいりましたけれども、そういう意味からしますとその関係というものは極めて大事だと。 ですから、単に安全保障といった面だけではなくて、本当にアジア・太平洋地域の平和と安定のために日米安保体制というものが果たしている役割というものは大きいものがあるというような理解に立って私は日米安保体制を堅持したいというふうに申し上げたところであります。
○島袋宗康君 アジア・太平洋地域の脅威について、非常に納得いかないんですけれども、従来はやはりソ連が対象だったわけですね。それが崩壊しているわけですから、そういった意味では今のような説明では脅威そのものが、やっぱり安保条約を結ぶだけの日本に対する脅威というものは恐らく相当ないんではないか。北朝鮮の核の問題あるいは長距離ミサイルの問題はありましたけれども。そういったふうなことで、単に安保条約が必要だというふうな意味ではこれは国民は理解できません。 その辺は食い違いますけれども、単に北朝鮮だけの話でいいのかというふうなことで、もう一遍外務大臣からお伺いします。
○国務大臣(河野洋平君) ヨーロッパにおきましてはどうやら戦後は終わった、ロシア兵も完全に撤収をして完全に終わったというふうに我々は思うわけでございますが、アジアはいささか状況を異にしているのではないか。これはアジア・太平洋地域が最近経済的にも非常な活況を呈しているということも一方でありますけれども、その一方で例えば各国が軍事費をふやしてきているとか、そういったニュースも我々は聞くわけでございます。 ロシアの考え方は一体どういうふうにそれでは変わったのかということについても、我々は完全に納得をするということまでいけるかどうか。これはまだまだロシアとやって外交的にきちんとしていかなければならないという問題があると思います。 私の立場からすれば、これはこの平和を維持するために政治があるいは外交が平和とか安全とかというものを支える大きな役割を果たさねばならぬ、そういう使命感のようなものを私は持っておりますけれども、しかしアジア・太平洋地域の国際状況を見ますというと必ずしもそれだけで十分かどうかということには問題があるのではないか、こう申し上げているわけです。
○島袋宗康君 先ほど総理から、経済的側面あるいは外交の側面というふうなことをおっしゃっておりましたけれども、そのことをこれから問おうとしておるんですけれども、時間がありませんが、残された時間でちょっとお聞きします。 いわゆる村山内閣の防衛費抑制について外務大臣は、防衛費の概算要求は厳しい状況の中で従来よりも抑制したと、それから三党の連立政権の結果であるというような評価をされております。 そこで、いかにも村山政権はハト派軍縮内閣だ、政権だというような答弁内容になっておりますけれども、この防衛費の抑制は防衛現場におきましては、いわゆる米軍の駐留経費と自衛隊の経費、そして基地周辺の対策費、そういったふうなものが非常に予算の配分においてこれから将来、悪く言うといわゆる予算の分捕り合戦になるんじゃないかというふうな気にかかることがあるわけです。 そういった面で、我が国の安全保障の問題として、在日米軍と自衛隊の役割についてどのような関係で認識しているのか、そして在日米軍駐留経費の負担増の実態をどのように評価しているかということと、それから基地の返還も含め基地関係国民の民生安定に対してどのようにお考えなのか、この三点について。
○委員長(坂野重信君) 時間が来ておりますので、答弁は簡略にお願いいたします。
○国務大臣(河野洋平君) 第一点については、議員のお尋ねを承らせていただきます。 第二点、第三点は、それぞれ防衛庁の中で適切に措置されるものというふうに考えております。 駐留経費の問題につきましては、これもまた私ども十分御意見は承らせていただきながら、適切に措置したいと思います。
○委員長(坂野重信君) 以上で島袋宗康君の本日の質疑は終了いたしました。 —————————————
○委員長(坂野重信君) 次に、西野康雄君の質疑を行います。西野康雄君。
○西野康雄君 新党・護憲リベラルの西野康雄でございます。よろしくお願いをいたします。 質問に先立って、今までの第一日目、第二日目の各党の質問の中で、やはり大江健三郎さんのノーベル文学賞受賞に対して祝意を表するというそういう気持ちがなければならないんじゃないか、残念ながら自民党の片山虎之助さんだけであったということが非常に残念であるなと思います。新党・護憲リベラルとしても、大江健一郎氏のノーベル文学賞受賞に祝意を表したいと思っております。 また、大江文学が一貫して訴えてきた戦後民主主義の反核、平和、護憲といった概念が日本で失われて、逆に外国から見直されているということ、いささか残念な思いでございます。受賞自身が反核、平和、護憲の旗を高らかに掲げている人たちに大変に励みを与えたと思います。新党・護憲リベラルも励まされた一員でございます。 大江さんへの祝意というのは文化勲章ではなくて被爆者援護法ではないか、そんな思いをいたしておりますが、総理、どうでしょうか。
○国務大臣(村山富市君) 大江さんが広島に行かれて、そして広島のことについて本も書かれておりますね。そういう大江さん全体の作家としてのこれまでの歩み、書かれたもの、特に子供さんに対するいろんな人間としてなし得ないことをなし得てきた、そういう総体的なものが評価されたんだと、私はそう思っておりますから、心から祝意を贈りたいというふうに思っています。
○西野康雄君 祝意だけで、少し後ろの部分がぼかされたことが残念ですが、恐らく御本意の方は被爆者援護法制定に向けて動いておられるんだろうと理解をいたしております。 さて、KBS京都放送というのが、武村大臣の地元でもございますが、京都、滋賀地区をカバーしている放送局ですが、イトマン事件で、巻き込まれたと言った方がいいんじゃないかと思いますが、随分と経営が悪化をいたしております。社員の皆さん方が一生懸命、また新しい経営陣も一生懸命再建に向けて努力をなさっておられるわけですが、ことしの十月三十日ぐらいで一年間の仮の免許が打ち切られます。 しかし、再建に向かって努力をしているんですから、特に郵政行政というのは少なくとも長い目で免許を与えて再建の機会を与えてやるということが一番大事なポイントではないかな、そういうふうな思いをいたしておりますが、郵政省の今の方針はどうですか。
○国務大臣(大出俊君) 近畿放送、つまりKBS京都ですね。御質問にお答えをいたします。 平成六年九月二十二日に近畿放送の従業員の皆さんが、六億七千万円ぐらいの未払い賃金債権、これに基づきまして京都地方裁判所に会社更生法に基づく手続を開始された。それとまた保全処分、またこれに対しまして競売手続の中止命令の申し立てをあわせていたしたわけでございます。 二番目に、平成六年九月二十八日、今お話しございましたが、近畿放送は平成六年十月三十一日で免許の有効期限が切れますので、そういうことで、同年、つまり十一月一日からの放送局の再免許申請の提出が行われております。 三番目に、平成六年九月三十日、京都地方裁判所は保全処分を決定し、保全管理人を選任しております。十月四日、不動産競売手続の中止を決定いたしました。 そこで、四番目でございますが、現在、保全管理人は会社の財務状況等について鋭意調査を行っている。これが現状でございます。 そこで、いろんな方からお話を承っておりますけれども、事、裁判所の関係もございます。そういうこともございますので郵政省は、同社から出された再免許申請につきまして、裁判所を中心としたこれらのいろいろな状況を踏まえまして、目下鋭意審査に当たっているわけでございますけれども、再免許の見通しという点につきましては、今申し上げましたように、裁判所の関係等々ございますので、答弁は当面差し控えさせていただきますようにお願いを申し上げます。 以上でございます。
○西野康雄君 しかしながら、一生懸命やっていることでございますから、大臣も少なからずとも免許更新に対して後押しをお願いしたいと思いますし、大蔵大臣も地元でございますので、一生懸命後押しの方をお願いしたいと思っております。 続いて自治省にお伺いをいたしますが、参議院の政治改革、午前中に片山先生もお触れになりました。参議院も本当にきっちりと抜本的に改革をしていかなければならない時期にかかってきているんじゃないか。ところが、この間も四増四減で終わってしまいました。四増四減も、平成二年の部分においては逆転区は解消しているんですが、最近は、住民基本台帳、これでは四増四減でも逆転区が生じたというふうなことも聞いております。その辺、詳しくちょっとお知らせください。
○国務大臣(野中広務君) 参議院の制度のあり方につきましては、片山虎之助委員から御指摘がございましたように、いろいろと提言もされたわけでございますけれども、今後なおそれぞれ各党会派で御議論を賜り、私どもまた片山委員にお答えをいたしましたように、新たなる選挙制度等もあわせて考えてまいりたいと思っておるのでございます。 委員御指摘のように、先般の定数是正で四増四減が行われたわけでございますけれども、これは平成二年の国勢調査に基づいて行われたわけでございます。ただ、委員御指摘のように、平成六年三月の住民基本台帳で考えますときには、鹿児島、三重において逆転現象が起きるわけでございますけれども、しかし住民基本台帳の人口と申しますのは基本台帳に登録されたその数をその時点時点で集計したものでございまして、それだけに集計する時点において数値の変更があるわけでございます。 したがいまして、公職選挙法は、御存じのように、いわゆる衆議院あるいは地方議員の定数配分につきましては一定の時期に人口を調査する国勢調査をもってその基準とすると定めておるわけでございまして、したがいまして先般の定数是正のときにも参議院において議論もあったようでございますけれども、現在の参議院の定数のあり方につきましては、やはり衆議院あるいは地方選挙の定数是正の根幹となる一定の時期に一斉に調査が行われる国勢調査を基準とするということが合理的であろうと私どもは認識をしておる次第であります。
○西野康雄君 なるほど合理的は合理的なんですが、私どもの党、新党・護憲リベラルは四増五減ということをずっと申し上げてきました。 それは住民基本台帳等々もそうでございますけれども、いつ逆転区が生じるかわからないというそんな状況ですから、そしてまた国民の皆さんがリストラだとかいろんなことで苦労なさっているのに定数の減すらできない、そういうふうな安易な、そしてまたどう考えても特定の人を助けるようなそんな感じさえするという、そういうふうな改革の仕方ではいかぬのじゃないか。そういうふうなことをはっきりと御指摘申し上げて、愛知補選と低投票率に対する認識ということについてお一伺いをいたします。 大江健三郎さんが読売の夕刊で、 僕は、ロシアのインテリたちは強い緊張と責任を持って国の再建に参加していると期待していたが、ロシアの現状に対する非常に深いニヒリズムとシニシズム(冷笑主義)を感じ、ゾッとしたんです。 それは、日本にも少し感じられることでもある。大きい選挙で投票率が低かったり、新しい内閣ができても、若い人たちの反応を見てると、ニヒリズムというより、シニシズムに近いものがあるんじゃないか。そのことが、僕は一番、気が重い。 確かに日本には、ソ連崩壊の後、ヨーロッパ各国で見られる右翼的、ファシズム的なナショナリズムの動きは、今のところ見られない。それはもちろんいいことです。けれどもシニシズムの次にくるのは、若い人たちのファシズムだと思う。それがこないように努めるのが、私たちの世代の役割です。こういうふうなことを述べておいでになります。 私は、あれを見ていたときにまさに白け切った選挙でなかったか、愛知の補欠選挙は。新聞に新旧与党の負け比べであると、こういうふうなことが書いてあります。私はどっちも勝っていないと思います。それは女性候補と、そしてとある男性候補とを出してきて引いてしまうと二〇%台になってしまうんです。 政治家はばかにされたってそれは本人の責任でしょう。政治をばかにするような世相というもの、世代というものをつくってはならぬと思います。だから、政治に対しての信頼というものをきっちりと回復していく、そういう努力がひとつ必要じゃないかなと思います。 各党の党首として御答弁を願って、私の質問を終えさせていただきます。
○国務大臣(村山富市君) 今、御指摘のございました先般の愛知の参議院選挙、投票率が四二%ぐらいだったと思いますけれども、そういう政治に対する関心が極めて薄い、投票率が低いということについては、政治を預かる者として厳しい受けとめ方をしなければならぬというふうに私は思っております。 したがって、何よりも大事なことは、やっぱりこの国会でも課題になっておりまするけれども、政治に対する倫理の確立とかあるいは腐敗の防止を徹底させて政治に対する信頼を回復すると同時に、もう少し政治がやっぱり国民の暮らしに身近なものになるような、そういう工夫と努力もする必要があるというふうに思いますが、あらゆる観点からそういうふうにして主権者たる国民が何よりも政治に対する関心を高めて反応を示していただくということが政治をよくするための大きな背景と力になるわけですから、そのことのためにこれからも一層努力をしていかなければならぬというふうに思っております。
○国務大臣(河野洋平君) 総理大臣御答弁のとおりのように私は思います。政治に対する白け、こういったものに対して我々がどうしていくかということは深刻に考えなければならぬと思います。
○国務大臣(武村正義君) おっしゃるとおり、政治に対する有権者である国民の皆さんの関心がどんどん下がってくるということであれば、これは大変シリアスな事態であります。私どもみずからが反省することがたくさんあるという認識でおります。
○西野康雄君 ありがとうございました。
○委員長(坂野重信君) 以上で西野康雄君の本日の質疑は終了いたしました。(拍手) 明日は午前九時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後六時六分散会