内閣委員会 第3号
- 発言数
- 179 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1994/11/01
会議録
○委員長(岡野裕君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る二十七日、池田治君が委員を辞任され、その補欠として中村鋭一君が選任されました。 また、昨十月三十一日、吉田之久君が委員を辞任され、その補欠として直嶋正行君が選任されました。
○委員長(岡野裕君) 国家公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。武村大蔵大臣。
○国務大臣(武村正義君) ただいま議題となりました国家公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 我が国におきましては、二十一世紀を活力ある高齢社会とするため、雇用、年金のあり方を人生八十年時代にふさわしいものに見直していく必要があります。このため、政府は、厚生年金保険につきまして、制度全般にわたり所要の見直しを行うことを内容とする法律案を別途提出しておりますが、国家公務員等共済組合法の年金につきましても、公務員制度の一環としての役割等に配慮をしながら、公的年金制度の一元化を展望し、基本的に厚生年金保険の見直しと同様の措置を講ずる必要があり、本法律案を提出した次第でございます。 以下、その内容を御説明申し上げます。 第一に、六十歳代前半の国家公務員の退職共済年金につきましては、その年金の額を報酬比例部分相当額とし、平成十三年度から二十五年度にかけて現行の仕組みから段階的に切りかえることといたしております。なお、職域部分の取り扱いにつきましては、公務員の身分上の制約や職務の能率的運営の必要性等に配慮し、従来どおり公務から退職すれば支給することといたしております。 第二に、厚生年金保険と同様の改正事項として、標準報酬の再評価を実質的賃金の上昇率に応じた方式に改めることとするほか、加給年金の対象となる子等の年齢要件の改善、退職共済年金と遺族共済年金の併給調整の改善等を行うとともに、新たに期末手当等を対象として特別掛金を徴収することといたしております。 第三に、日本鉄道共済組合及び日本たばこ産業共済組合に対しましては、年金給付の見直し等の自助勢力を前提として、他の公的年金制度から被用者年金制度間調整事業による財政支援が行われておりますが、このたび平成七年度以降の両共済組合の財政事情等を勘案し、自助努力の一環として標準報酬の再評価の取り扱いにつき所要の特例措置を講ずることといたしております。 以上がこの法律案の提案の理由及びその内容でございます。 なお、今回の改正に伴い、雇用と年金の連携を図るとの観点から、国の行政機関におきましても、民間における高齢者雇用施策を視野に入れ、行財政改革の要請に十分配慮をしつつ、定年後の公務員の雇用問題に取り組むことといたしております。 また、本法律案は、衆議院におきまして修正がなされておりますので、御報告をいたします。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(岡野裕君) 次に、本案の衆議院におけみ修正部分について、修正案提出者衆議院議員石原伸晃君から説明を聴取いたします。石原伸晃君。
○衆議院議員(石原伸晃君) ただいま議題となりました国家公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案に対する衆議院における修正部分につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、政府原案におきましては、退職共済年金等の受給権者が組合員である間に受給する年金と当該組合員の給付との併給調整の基準額を二十万円としておりますのを、高齢者の就業促進の観点から、衆議院において二十二万円に引き上げることといたしました。 次に、政府原案におきましては、六十五歳未満の退職共済年金の受給権者が雇用保険法に基づく失業給付を受けている間の支給の調整は平成八年四月一日から、高年齢者雇用継続給付を受けている間の支給の調整は平成九年四月一日から行うこととしておりますのを、衆議院においていずれも平成十年四月一日から行うことといたしました。 また、政府原案におきましては、施行期日が「平成六年十月一日」と定められておりますが、既にこれを経過しているため、施行期日を「公布の日」と改めるほか、所要の規定の整理を行うことといたしました。 以上が衆議院における修正の概要であります。 よろしくお願い申し上げます。
○委員長(岡野裕君) 以上で趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は、これを終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○栗原君子君 私は、国家公務員等共済法改正案につきまして数点質問をさせていただきたいと存じます。 まず、共済年金の独自性についてお伺いをいたします。 厚生年金法は民間労働者を、また共済組合法は主として国家公務員を、そして国民年金法は自営業者等を対象としているわけでございます。そこで、公的年金制度といたしまして生活の安定と福祉の向上に寄与するという目的は共通しておりますけれども、共済組合法の第一条にはこれに加えまして職員の公務の能率の向上に資するという目的が挙げられているわけでございます。この規定を踏まえまして大蔵省は、公務員共済年金制度は他の公的年金制度と比較いたしましてどのような特徴を持つとお考えでございましょうか、簡潔にお願いします。
○政府委員(武藤敏郎君) ただいま御指摘されましたように、共済年金は公的年金としての位置づけのほかに、公務員制度の一環といたしまして退職後の所得保障を行うことによりまして、在職中厳正な職務規律のもとで職務に精励させる、と同時に人材の確保あるいは適切な退職管理を可能にするといったような役割を担っていると理解しております。 このため、退職者に支給する共済年金につきましては、報酬比例の年金として厚生年金相当部分に加えまして、いわゆる職域部分がプラスアルファとして給付されるという設計になっているところでございます。 さらに、今回の改正に際しましては、こうした職域部分の性格にかんがみまして、六十歳代前半の別個の給付におきましても報酬比例部分に合わせまして職域部分も支給するという従来の取り扱いを維持したところでございます。
○栗原君子君 続きまして、この間ずっと問題になってきております鉄道共済につきましてお伺いをしたいと思いますが、鉄道共済年金の標準報酬の再評価につきましては、今回平成元年度分をさらに六カ月繰り延べることとするとともに、平成六年度に再度五年間繰り延べることとしています。鉄道共済年金が他の被用者年金制度から財政支援を受けている現状からこのような措置を講じることとしていると思われますけれども、受給者にとっては何の責任もないことであります。このような措置は、単に鉄道共済年金受給者ばかりでなく、広く国家公務員共済年金受給者や組合員にもまた共済年金に対する不信感を助長することになると思うのでございます。 年金の改革は、何よりも合意と信頼の上に進めていくことが必要であろうと思います。 実は、去る十月二十五日の衆議院の大蔵委員会における修正で平成元年度の分の六カ月繰り延べ措置は解除されることとなりました。しかし、鉄道共済年金につきましては、平成六年度分の標準報酬の再評価が再度五年間繰り延べられる措置がとられるとされているほか、職域部分の三階部分が支給されないなど、他の共済年金との格差がますます拡大していると思います。このような状況は決して放置できるものではないと思います。 十月二十五日の衆議院の大蔵委員会におきましても、修正とともに附帯決議がなされております。この附帯決議につきましてどのように大蔵省としてお考えでいらっしゃるのか、お伺いをいたします。
○政府委員(武藤敏郎君) 鉄道共済年金は、制度間調整事業による他制度からの財政支援を得てようやく年金の支払いが行えるという状況にありますので、拠出側の制度の理解を得るということが肝要ということと考えておりまして、今御指摘のありました保険料率の引き上げとか平成元年分の標準報酬の再評価の繰り延べ等の自助努力等を行っておりまして、これを前提として平成六年度末までの鉄道共済年金対策スキームというのが合意されていたわけでございます。 平成七年度以降のこの再評価の取り扱いにつきましては、引き続き拠出側の制度の理解を得る必要がございますので、公的年金制度の一元化に関する懇談会というもの、これは各公的年金制度の代表者の方などから成る懇談会でございますが、この御了解をいただきました上で平成六年分の再評価の実施を法律上次の財政再計算期まで繰り延べるということにしておるわけでございます。 ただ、このような鉄道共済の自助努力といいますものが現在の組合員にとりましては大変ある意味で負担になっておるのも事実でございまして、今後この問題につきましては、ただいま申し上げました一元化に関する懇談会というところで公的年金制度の一元化問題というのが議論されるわけでございますので、その公的年金制度の一元化問題の中でこの問題も検討されるべきものというふうに考えております。
○栗原君子君 今、鉄道共済年金にかかわって一元化の問題にも少し触れていただきましたけれども、これらは具体的な姿は現在のところまだ明らかになっていないわけでございます。 社会保障制度審議会の年金数理部会は、平成四年九月の中間報告で三つの案を提示しているわけでございます。これら等含めまして、現状の鉄道共済年金の問題とともに公的年金の一元化に向けてどのような検討をこれからなさろうとしていらっしゃるのか、大蔵大臣にお伺いをしたいと思います。 八四年の内閣の閣議決定の中では九五年度をめどに一元化するということを決定していらっしゃいますけれども、これらとあわせましてどのようにお考えでいらっしゃるのか、お伺いいたします。
○国務大臣(武村正義君) 御指摘のとおり、公的年金制度全体の安定とか整合性を図っていくために、将来、制度の一元化は大変重要な課題であるというふうに考えております。 今、政府委員からもお答えがございましたような一元化に関する懇談会等の場で精力的な検討が進められているところでございまして、こういう中でぜひ制度間の違いを乗り越えて合意形成を図っていくべきだというふうに考えております。 国家公務員共済としては、一つは、産業構造の変化や行政改革、地方分権の要請等にこたえるなどによりまして、特定の職域の現役加入者数が減少をして個人の年金負担増をもたらすのは制度分立に伴う不合理と考えられ、こうした運営の不安定化を回避する必要がありますし、もう一つは、共済年金制度は公務員制度の一環としての役割を担っていることも留意しなければならないというふうにも考えます。こういう観点に立ちながら今後適切に対応してまいりたいと考えております。 九五年めどというのは、その方針で内閣としても取り組んでいきたいというふうに思っております。
○栗原君子君 ぜひ早急にまたこの取り組みの方を検討していただきますようにお願いをいたします。 次に、育児休業期間中の給付についてお伺いいたします。 さきの第百二十九回国会におきまして雇用保険法の改正が行われ、育児休業中の者に対して賃金の二五%相当額が支給される制度が創設をされました。人事院は、去る四月二十八日、大蔵省に対しまして国家公務員共済組合制度の中で同様な制度を設けるよう申し入れを行いました。 ところで、この申し入れに対しまして、大蔵省の検討状況というのはいかがでございましょうか、イメージをお聞かせいただければと思います。
○政府委員(武藤敏郎君) ただいま御指摘のありましたように、民間におきましては、雇用保険制度の中で育児休業給付の制度が平成七年度から導入されるということになりました。国家公務員につきましては、雇用保険制度というものが適用されないという事情がございますので、人事院の方からは共済組合制度の中で給付水準あるいは実施時期等を含めて、民間の育児休業給付に見合った給付を行うことが現実的かつ適当という考え方をお示しいただいたところでございます。 現在、私どもといたしましては、この人事院の意見の申し入れを踏まえまして、共済制度におきます短期給付の中で措置するという場合にどういう具体的な仕組みや問題点があるかという観点から鋭意検討しているところでございます。
○栗原君子君 皆さんがこれはどのような方向で進むのであろうかと、特に女性の公務員労働者の人たちも関心をお持ちでいらっしゃいますので、早い時期に出していただきますようにお願いをいたします。 次に、外国人の問題につきましてお伺いいたします。 今回の改正で外国人脱退者に対する一時金の支給を新たに定めたことは、全くの掛け捨てとなっておりました従来からすれば大きな前進であると思います。これらは高く評価できるものと思います。しかし、三年間分の一時金で頭打ちにこれはなっているわけでありまして、長期にわたる加入者が生じることを前提としていないのかどうか、また上限を三年間分とした根拠につきまして大蔵省のお考えを伺いたいと思います。
○政府委員(武藤敏郎君) 外国人の脱退一時金の問題でございますけれども、共済年金につきましては厚生年金の改正にあわせて今回このような改正をさせていただこうとしているものでございます。 共済年金の例といたしましては、国立の大学あるいは研究機関などの教員とか研究者といったようなものが典型的な例として考えられるわけでございますけれども、ただいま委員御指摘のように三年以上保険者期間がある場合についても三年分を限度とすると、そういう形で一時金を支給するというのがどういう理由がということでございますが、基本的に厚生年金と同じ考え方で共済年金も改正しておりますので、厚生年金の考え方を御説明申し上げることにもなるわけでございますけれども、一つは、この脱退一時金というものはあくまでも特例的、例外的な措置であるということでございまして、これを長期的なものとして考えるというのは適当でないのではないかというのが基本にあろうかと思います。 それから第二番目には、現在期間が定められている在留資格期間というものの最長期間は三年以内ということになっているという事情もございます。 それから第三番目には、実際問題といたしまして、この一時金の対象となります出国者の大部分が、大体九〇%ちょっと強のものが三カ月以内ということにとどまっているというような事情がございまして、このような観点から三年分を限度とするというようにさせていただいているものでございます。
○栗原君子君 時間が刻々と迫るのでございますけれども、私は今回の年金改正につきまして多くの働く人たちの声も聞かせていただきました。そして、私の方の事務所にもたくさんの陳情書とか要請書などが参っているわけでございます。そして、これは改正になるのか改悪になるのかということを聞きましたら、ほとんどの人たちがこれは改悪になると、このように理解をしているようでございます。私も出されましたものをおいでくださった方にも説明するわけでございますが、なかなか納得をしていただくわけにはなっていないわけでございます。 ここに一枚の要請書を持ってまいりましたけれども、これは一つには六十五歳への繰り延べは行わないこと、二つ目には年金の掛金の大幅引き上げとボーナスからの徴収をしないこと、三つ目には年金水準の切り下げとなる年金額の算定を可処分所得としないこと、四つ目には国庫負担を増額し基礎年金を充実すること、五つ目には雇用保険失業給付の併給は維持すること、こういったことをこの要請書ではうたっているものでございます。 これらにつきまして、これは改悪でなくして改正であるというようなことを多くの働く仲間に年金の今回の審議を通しまして私も伝えていきたいと思いますけれども、大蔵省の方から、どういう言葉で言えば納得してもらえるのか、できましたら大臣からもそういうことをお聞かせいただければと思います。 私は頭も悪うございまして十分に皆さんに説明することができなくて困っておりますので、よろしくお願いします。
○政府委員(武藤敏郎君) ただいま委員が御指摘になりました問題は、いずれも大変大きなかつ基本的な問題であろうかと思います。 それにつきまして一つ一つこの場でまたお話を申し上げますことは大変時間の制約もありますので控えさせていただきますけれども、まず基本的な考え方は、年金制度というものは長期的に安定した制度で国民の信頼を得なければならないということかと思います。 もちろん、もらう方から見ますと、給付水準がより高ければ高いほど望ましいということは一般的には言えるわけでございますが、その裏には必ず負担を伴うということかと思います。この負担につきまして、現在は御承知のように現役の保険料という形で成り立っておりまして、そこに三分の一の国庫負担が税金から投入されているという仕組みになっておるわけでございます。したがいまして、給付水準を維持しようと思えば、ただいま御指摘のありましたような年金の司処分所得スライドをやめて今までどおり高いアップ率を認めていこうということになりますと当然保険料率を高くしなければいけない、あるいは国庫負担もふやさなきゃいかぬということになるわけでございます。 そこで、結局この問題は、あくまでも年金というのは保険でございますので、受益と負担というもののバランスをどう考えるかということになろうかと思います。現在、我が国の年金水準といいますものは、これは改めて申すまでもなくかなり高い水準になってまいりまして充実されてきたわけでございますので、それを前提に今後の二〇〇〇年を越えます二〇二五年に高齢化のピークを迎えるといったような指摘があるわけですが、そういう欧米にはないような大変速いスピードで大変高い水準に六十五歳以上の高齢化率がなっていくということを考え合わせますと、今回のような改正が受益と負担のバランスをとるためにぜひ必要と、こういうことを長期的に考えていく必要があるということであろうかと思います。 なかなか十分な御説明ができなくて大変恐縮でございますけれども、また今御指摘の一つ一つの問題についてどういうふうに考えるかということにつきましては時間をいただければ改めて十分御説明をさせていただきたいと思いますが、非常に一般的で恐縮でございますけれども、そういうことかと思っております。
○栗原君子君 現在の日本の年金というのが大変私は信頼度を失っている、特に国民年金あたりはそのように思うわけでございますが、そのために若い人たちが掛けないとかあるいはまた滞納者が多いとか、それも大変な額になっているわけでございます。やっぱり年金というのは、安心社会をつくるためにまずその信頼度回復が第一番であろうと思います。 今後とも御尽力いただきますようにお願いを申し上げまして質問を終わります。ありがとうございます。
○猪熊重二君 非常に素朴な質問で恐縮ですが、今の政府の答弁にも関連するんですが、年金受給権というものはどういうものなんだろうかということについてお伺いします。 今回の改正案によれば、国家公務員は、現行の満額共済年金受給年齢六十歳を平成十三年から三年ごとに一年ずつ繰り下げられていく、最終的には六十五歳にまで繰り下げられるということになるわけです。しかし、今勤めている公務員にしてみれば、六十歳になれば満期の年額を受給できると期待しているわけです。ところが、一遍の法律改正によってこの期待権が消えていってしまうということに関してどうも私自身も納得がいかない。 そこでお伺いしたいのは、共済組合法に基づく国家公務員の政府に対する年金の受給権というものは法律的にはどういう性質の権利であるというふうに認識しておられるわけでしょうか。
○政府委員(武藤敏郎君) 国家公務員につきましては、一定年限勤務して掛金を納め、退職して、かつ支給開始年齢に到達するという条件が整いますと、国家公務員等共済組合法によりまして退職年金を受けることができる、これをただいま委員の方から年金受給権というふうなことで御指摘があったものと理解いたします。 こういう公的年金制度につきましては、掛金の納入期間が非常に長期にわたる、そういうことから、加入者がその間に掛金を掛け続けるということによりまして自分が将来御指摘のような年金受給権があるという一定の期待を持つといいますか、そういうことは十分に私どもとしても理解できるところでございますが、この年金の受給権と言われるものがどういうものかということになりますと、私どもとしては法律に、国家公務員であれば国家公務員等共済組合法に定められました社会保険制度でございまして、強制加入ということになっておりますし、掛金、給付が、そういう仕組みが法律で決まっておるということでございまして、いわゆる私的な契約という意味での権利義務ではないというふうに理解しておるわけでございます。 結局、この法令に定められた中身でございますけれども、年金受給権者が将来自分が受け取る給付に要する費用のすべてを負担されるということであればまた事情はあるいは違ってくるのかもしれませんけれども、現在はどういう制度になっているかと申しますと、現職者の負担、それから事業主の負担、それから公経済の主体としての国の負担ということに大きく依存しておるわけでございまして、年金を受け取る側について見ますと、給付内容につきましても、社会経済情勢の変動であるとかあるいは現職者の負担のバランスといったような観点からいろいろな制度の改正が行われ、年金水準が変動するということは当然想定される性質のものであるというふうに考えるわけでございます。
○猪熊重二君 どうもはっきりしません。 要するに、伺いたいのは、共済組合法に基づく公務員の法的立場というのは、締結が強制されたからといって中身自体は保険契約には違いないんじゃないでしょうかということが一つなんです。 要するに、国というか政府と国家公務員との間の保険契約であって、その限りにおいては私的な保険契約である。ただし、その保険契約が加入を法律によって強制されている。ですから、契約締結が強制されているという側面においては全く自由な契約ではないけれども、しかし契約締結が強制されているということを除外すれば政府と国家公務員との間の保険契約にすぎないと私は思うんです。その点が一点。 それから、次長さんが今おっしゃった言葉の中で、共済保険給付の負担者がどこにあるかということはそれほど重要なことではない。なぜかといえば、国がそれを負担するといっても、憲法二十五条に基づくかどこに基づくかは別にして、それは国が社会保障制度としてやるべきものと憲法的に義務づけられているものを負担しているだけの問題であって、国が負担しているから、だからこの契約が全く国の自由で結構というわけにはいかぬのじゃなかろうか。 今、私は二点申し上げたんです。というのは、次長さんが今おっしゃったようなことを究極的に突き詰めていけば、今回の共済組合法は平成十三年から先三年ごとに一年ずつ繰り下げるというから、まあ大分先の話だからみんなすぐしりに火がつくわけじゃないけれども、もしあなたがおっしゃる理屈を極端に押し詰めて言えば、来年からもう急に六十を六十五にするということも、いろんな財政的な事情とかそういうものはあるけれども、それだって可能になるでしょう。公務員の共済年金受給権というものはそんなにあやふやなものなんだろうか。 その辺をもう一度簡単でいいから説明してください。
○政府委員(武藤敏郎君) ちょっと繰り返しになるかもしれませんけれども、第一点の保険契約ではないかという御指摘でございますけれども、私どもはいわゆる私法的な契約上の保険契約ではないというふうに考えているわけでございます。法律に定められた社会保険制度というものであるわけでございますけれども、保険契約上の権利義務が国なり共済組合なりと加入者との間で発生するものではないというふうに考えておるわけでございます。そういう仕組みにもなっておらない。現にそういう法制にもなっておらないわけでございます。 第二点の国の負担があるからといって勝手に変えていいものではないというのは、それは大変私ども舌足らずで恐縮でございましたが、私どももそういうものではないという点はそのとおりだと思います。 ただ、申し上げたかったのは、国の負担もそうなんですけれども、現役の負担あるいは民間の厚生年金であれば事業主の負担といったようなことでそれぞれの関係者が拠出し合うという制度でございますので、そういう意味ではそれぞれの関係者の負担のバランスといったようなものが当然問題になるのではないか。そういう中から受給される方の年金の水準も変動があって当然なのではないかということでございます。 これがあくまでも個人の契約のように初めからきちっと自分の責任において費用を負担してその範囲内で受益を得るといったようなものであれば、御指摘のようにそう簡単に変えられないということだと思いますけれども、今委員から御指摘のあった大変極端な例でありますとまたいろいろ議論があるかもしれませんが、結局すべては法律に基づいて仕組まれておる、すべての変更が法律、国会の審議を経て実行されるという意味においてきちっと公平公正な姿が担保されているのではないかというふうに考える次第でございます。
○猪熊重二君 この問題は、私は勉強不足ですから、また勉強していろいろお伺いしたいと思います。 ただ、今最後に言われた、法律で決めるから、だからそれでいいんだということじゃないんです、私が言っているのは。例えば、私が勤めていて、来年六十になるからもうこれで年金もらえるわいと思っていたら、極端に言えば、法律を一遍変えられて五年先へぽんと行かれてもそれでも構わないんだというふうな実態というんだったら私の立場は一体何なんだということ。これについて私自身ももう少し勉強してまた質問します。 次の質問に移りますが、もし最終的に六十五歳の満額支給というんだったら、六十歳の定年を平成十三年から一年ずつ繰り下げていく、それに合わせて六十一、六十二、六十三というふうに定年もそこまで持っていったらそんなにいろいろ心配する出来事は起きないと思うんですが、その辺は検討されたんでしょうか。どうして検討しないか。満額支給の年齢を繰り下げるのと同じように公務員の定年もそれに比例して下げていくということはなぜできないんでしょうか。
○政府委員(武藤敏郎君) 定年年齢とそれから支給開始年齢との関係でございますが、この問題は支給開始年齢の引き上げというものがどうして必要かということにまずなるわけでございますけれども、これは先ほどもちょっと触れましたような年金財政全体を考え、今後の高齢化の状況を考えると、負担と受益のバランスという観点から引き上げることがぜひ必要だということになるわけでございます。それならばなぜ定年年齢を引き上げないのかということでございますが、結局六十歳代前半の雇用と年金の連係というのをどう考えるかということであろうかと思います。 定年制の延長につきましては、これは厚生年金の方の問題がまずあるわけでございまして、そちらの方ではまず定年六十歳は今の社会経済情勢の中で据え置きまして、六十歳代前半の雇用については、定年年齢六十歳を前提に事実上の雇用延長等を考えていくということでございます。私ども、国家公務員共済組合、公務部門におきましては同様にその考え方と同じような考え方に立ちまして高年齢者の雇用の問題について考えておるわけでございまして、これは去る三月に高年齢者雇用問題についての基本方針が閣議決定されておるところでございまして、共済年金との連携を図りつつ、所要の準備期間を経て段階的に高齢者雇用を進めるということになっております。 その場合に、共済年金の支給開始年齢の引き上げにおくれないように実施するというところがポイントでなかろうかと考えておりまして、こういうことをまず念頭に置きまして、現在、公務部門における高齢者雇用問題検討委員会というのがございますが、ここで具体的な検討が行われるというふうに承知しております。
○猪熊重二君 今の問題に関連して二点伺います。 確かに、厚生年金の方で定年の問題をどう処置するかというのは、私企業の問題ですから非常に難しい側面がある。しかし、いい悪いは別にして、日本の労働関係において公務員制度というものがある意味において指導的な、先行的な役割を果たさなきゃならぬ。例えば労働時間にしても、土曜日の休暇にしても、いいか悪いかは別にして、日本的風土でやむを得ないことなんです。 そういうふうな観点から見れば、厚生年金の方の定年の問題がいろいろあるからといって国家公務員の方の定年もそれに右倣えする必要はないんじゃなかろうか。もちろん、社会から公務員の方だけどうのこうのという批判はあり得ますよ。しかし、公務員の方は定年を六十一、六十三、六十五と、こうやっていくことが世の中の定年制に対する影響というものにも日本的風土の中で非常に有効じゃなかろうか。そういう意味だったら、厚生年金横並びで向こうがやってないからうちだけやるわけにいかぬというふうな発想を転換したらどうか、これが一点。 それから、定年をそういうふうに六十五まで直ちにするわけにはいかないよと、こうおっしゃっても、結局は満額の共済年金受給の六十五歳に至るまでの間、別個の給付として満額の共済年金の約半額強のものを支給しているという財政的な状況から見れば、別個の給付が半額だからという面はあるけれども、それにしてもそんなに定年を繰り下げることと財政的にそれほど支障はないんじゃなかろうか、この二点について。
○政府委員(杉浦力君) 今のお話のうちの第一点について、まず私どもで担当いたしておりますのでお答え申し上げたいと思っております。 定年年齢の繰り上げの問題でございますが、先生御案内のように、今も大蔵の次長さんからお話がございましたが、公務員の基本的な考え方は、大前提といたしまして民間の状況がいかにあるかというのが第一点。そしてもう一つは、高齢期に達した方々の職業に対する意識、早く引退したいという人もおるかもわかりませんし、あるいはさらにということもあるかもわかりません、そういった意識の問題。あるいは業務運営でどういう格好で高齢者のための新しい業務を生み出していくかとか、こういった点等を含めまして考えますときには、現行におきましては現在ございます定年制をまず第一前提として維持する方が適当であろうということに至ったわけでございます。 したがいまして、この定年制を維持した段階でもなおかつ公務部内で定年を迎えました方々につきましての雇用については、政府は積極的に対応しようということが先ほど次長のお話にございました閣議決定の中にもございます。そして、さらにその中には、現行の八時間勤務という勤務以外にも、例えば短時間勤務もできるような制度を導入したらどうかというような提言というんですか、そういうことも閣議決定の中に書き込みまして、今後具体的にどうしたらできるかということを検討させていただきたいと思っております。 そして、現在検討委員会が動いておりまして、各省におかれましてもその面の検討に入っていただいておるということになっております。
○猪熊重二君 私の質問はあと一分しかないから、特別保険料について、これを一%、それは少なくていいんですけれども、なぜ一%なのか。これを年金額に反映、年金と給付と無関係という処置にしたこと、これについて一言だけお答えください。それで終わります。
○政府委員(武藤敏郎君) 国家公務員共済組合におきます特別保険料一%といいますのは、厚生年金の考え方との権衡を図るということで決めたものございまして、ただいまの御質問に対しましては、厚生年金ではどうして一%になったのかということについてお答えすることになるわけなのでございますけれども、現在、厚生年金の保険料につきましては、月収のみを保険料の算定の対象としておりまして賞与等は対象としていないわけでございますけれども、保険料の徴収対象を拡大するということによりまして、月収だけの場合には高くなるべき保険料がその場合には抑制されるという点が一つあります それからもう一つは、これは実際にあると言われておるわけでございますけれども、保険料負担というものを回避するために月収をどちらかというと抑制いたしましてボーナスを増額する、そうしますと保険料負担が低くて済むといったような現象もあるわけでございまして、負担の公平の観点に立ちまして新たに賞与等からも保険料を徴収するということになったわけでございます。 なぜ一%かということにつきましては、一つは、この特別保険料が給付には反映されないということがございます。そういうことから低くしたわけでございますが、一%という数字につきましては、今ありますのは政管健保という、これは医療保険の方でございますけれども、賞与等から保険料率一%を徴収しているというような実態がございますので、それを参考にして決めたというふうに伺っております。
○猪熊重二君 終わります。
○聴濤弘君 今度の年金改革は、年金の支給開始年齢を六十歳から六十五歳に繰り延べしたこと、それから年金給付水準の引き下げ、その一方で将来保険料の二倍の引き上げといったような点で大きな改悪だと私は考えます。時間が限られておりますので、年金の六十五歳支給問題についてのみ絞ってお聞きしたいと思います。 最も基本的な質問なので大蔵大臣に御答弁をお願いしたいんですが、六十五歳支給になりますと当然五年間の空白というものが生まれ、雇用と年金の空白というものが生まれてくる。これをどういうふうに保障していくのか、この点についての基本的な考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(武村正義君) 今までの御質問で政府委員からもお答えをしていることの繰り返しにもなりますが、年金システムを人生八十年時代に対応したものに再構築していこうというのが今回の改正の基本姿勢でございます。その結果、六十歳代前半は賃金とあわせて生活を支える年金を支給し、六十五歳以降は年金を中心とした生活設計が行える体制をつくっていこう、こういう観点に立つ改正でございます。 具体的には、六十歳代前半の退職共済年金につきましては、報酬比例部分に相当する額の年金を支給することにしまして、御承知のように平成十三年から二十五年にかけて現行の仕組みから段階的に切りかえていきたいという考えでございます。 この際、公務員の定年が六十歳であることから、今も議論がございましたように公務部門における六十歳代前半の高齢者雇用が大きな問題になってまいります。この点につきましては、民間における高齢者雇用施策も視野に入れながら、雇用と年金との連携あるいは行財政改革の要請にも配慮しながら、この六十五歳までの雇用に積極的に取り組んでいくという基本方針に立っております。閣議決定もなされているところでございます。 この閣議決定に基づきまして、公務部門における高齢者雇用の推進方策について、公務部門における高齢者雇用問題検討委員会なるものが設置をされて既に始まっておりまして、今後この委員会の具体的な検討にまちたいというふうに考えている次第でございます。
○聴濤弘君 少し具体的なことをお尋ねしたいと思います。 今、大蔵大臣も、この六十五歳までの間によく言われる部分年金ですね、これを支給していくという考え方を述べられましたが、私は大蔵省にお願いして調べてもらったんです。この部分年金のことなんですけれども、共済年金に三十五年加入した場合の試算をしてみました。九四年度をとって試算をしてみました。そうしますと、年金の月額は二十一万五千九百円、そのうち定額部分が七万九千四百円、部分年金である報酬比例部分は十二万二千三百円、つまり部分年金は本来支給される額の半分強ですね。こういう結果が大蔵省の資料によって計算して出てまいりました。 簡易保険局の調査によれば、夫婦の老後に最低必要と考えられる生活費は月二十三万八千円ということになっております。これでは退職者の生活水準というのは一体どうやって維持できるのかという問題が当然起こってまいります。どんなふうに考えておられるのか、質問を具体的にいたしたいと思います。
○政府委員(武藤敏郎君) 年金の支給開始年齢の引き上げに伴いまして、これは二〇〇一年から三年ずつ、御承知のような一歳ずつ引き上げるという十三年間かけて六十五歳までいくという長い計画なわけでございますけれども、その間に少しずつ少しずつ定年と年金との間に年数があくわけでございますが、そこに別個の給付として報酬比例相当部分と職域部分を合わせたものが国家公務員の場合には支給されると、こういうことでございます。 それが十分でないという御指摘につきましては、私どもといたしましては先ほどからも御議論があります六十歳以降の、六十歳代前半の雇用というものをこれからきちっと充実してまいりまして、年金と雇用による給与と合わせて生活をしていく。六十歳代までは給与だけで生活をし、六十五歳以降は年金中心の生活になるわけですが、六十歳代前半におきましては年金と雇用の連携という形で生計を立てるというのが基本的な考え方かというふうに思います。
○聴濤弘君 問題はその雇用なんです。ちゃんと雇用できればそれでいいんだけれども、現状というのはこれもまた調べてみますと、これは一九九三年度ですけれども、公務員の場合九千三百六十四人が定年退職されている。そのうち勤務延長されたのが百四十人、新たに再任用された者はわずか十名、任期を更新され引き続き再任用されたのが十名、こういう状態なんですね。 だから、部分年金と雇用でもってやっていけるんじゃないかということなんだけれども、民間は大変だし、公務部内においては私が今言ったような数字で、これはもう少し将来の話だというようなことを言われるかもしれないけれども、少なくとも現状はこういう状況である。これではやっていけないということは明確なんじゃないかと思うんですね。 ですから、先ほどの大臣の御答弁にもありましたけれども、公務部内における高齢者雇用についての閣議決定が行われている、それから人事院もこういう点について九三年度に勧告を出している、これは全部私知っております。しかし、現状はこうなんです。今言ったとおりなんです。どうやって具体的に雇用を保障していくのか、公務部内で三の点について具体的なことをお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(杉浦力君) お答え申し上げます。 現在の状況につきましては、先生が今おっしゃったような状況になっております。と申しますのは、現在は年金的には五十九歳あるいは六十歳でいただけるわけでありますので、特別に新しい仕事をつくりまして雇用拡大するということにはなっていないわけでありますが、将来につきましては、先生おっしゃいますように年金がいわゆる半額になっちゃうということになりますと新しい職場を開拓せざるを得ない。そういう点を踏まえまして、先生御案内のような閣議決定の中で積極的に雇用を確保すると、そのためにも一日働けない人のための条件とかいろいろなことも今後検討しようということで決めたところでございます。 まだ、具体的にこういう仕事がある、これだけの人が雇えるあるいは参加できるという数字まではいっておりませんが、そういった点を検討委員会を通しまして具体的な議論に入らせていただきたいと思っております。
○聴濤弘君 今おっしゃったことについては、ちょっと結論的なところで申し上げたいと思うんですけれども、もう少しまたこういう問題もあるんですね。 雇用がそもそも難しいという方がいらっしゃる。例えば病院の看護婦さんです。それだとか気象に携わる人、管制に携わる人、海上保安に携わる人、こういう方々の今の労働というのも相当きついもので、特に看護婦さんなんかそうで、大体六十歳まで働けるかどうかということ自体が問題だというような職場におられるわけですね。これをもう六十でぽんと切ってしまう。再雇用どころじゃない、こういう状況にある方々。それからもう一つは病弱者、それからあえて身体障害者とまでは言いませんが病弱な方々、こういう方々は六十以後働けないですよ。六十まで働くのがやっとのはずですよ。そういう人たちには、年金は半分でひとつやってください、あとは雇用は当然できないわけで、そういう方々は。それでは六十五歳までどうやって暮らすんだという問題が起こるわけですね。これはどうお答えになりますか。
○政府委員(杉浦力君) お答えを申し上げます。 ことしの春に閣議決定いたしました中にも、基本的に本当に今先生おっしゃるような職種として非常に再任用が困難な職種があるかどうか、あるとすればどう対応するかという点につきましても検討するというのが一応テーマの一つに入れでございます。そして今お話のような、例えば看護婦さんがそのまま看護婦さんをやるのは大変だというのであれば、ではほかの職種でできるものがないか、そういう開発はどうかとかいうようなことも含めて今後の検討の課題としてやっていきたいと思っております。
○聴濤弘君 大蔵大臣に質問したいんですけれども、今の答弁で非常に明らかになったことは、すべて検討するということですね。再雇用の問題についても検討をしていく、言葉だけは積極的というのはあるんだけれども、検討していくと。それから再雇用が非常に難しいところ、難しい方々、それは他の職を見つけるように何とかしたいと。これもともかく検討をしたいということなんですね。 大体、半分年金出して半分は再雇用ということで六十五歳まではやれるはずなんだという前提でこの改革がやられている。ところが、半分の再雇用の問題についてはすべてこれから検討すると、どうなるのかわからないというのが実際の現状だ。ところが、六十五歳での支給、要するに六十歳から六十五歳に上げちゃうと、繰り上げてしまうということだけはもう決めてそういうふうにやりますよということになっていると。これだけ先行させるということは、これはやっぱりむちゃだと私は思うんですね。 国家公務員の共済制度の目的それから趣旨に照らしても、こういうやり方は私は合致しないと思う。国家公務員法の百七条には、共済年金というのは退職金制度と位置づけ、退職後の適当な生活を維持するためのものである、こういうふうに規定されているわけで、今度の改革のやり方はこれに私は反するというふうに思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(武村正義君) 先ほどの栗原委員の最後の御質問にもかかわる話でございます。 結局、全体としてある意味ではすべての国民にかかわる負担と給付の年金というこの巨大なシステムをどう考えるか、しっかり守っていこうという姿勢に立つことがまず基本であります。この制度を崩さない、守るということを基本にしながら、さまざまな給付条件等々ややおっしゃるとおりに厳しい改革になっているわけでありまして、全体を守るためにはやむを得ないと言ってしまうと余りにも単純な言い方でございますが、問題はそこにあるというふうに思っております。 それは、国庫負担で全面的に基礎年金に対する負担率等を上げる等によって財政、会計の厳しさをカバーしていけるならこれは別でございます。それが国家財政の現状からいっても難しい。厚生年金ももちろんそうですが、別の違った意味で同じことが言えるわけですが、そういうことに立ちますと、やはり長期的な制度であるということからいきましても、どうこれを基本を崩さないで安定的に維持していくか、その一点に目を向けながら各般の議論をして今回の改正を提案いたしているところでございます。 ですから、今の問題も確かに個々に検討していきますと現在時点では難しい課題がたくさんあるのは十分承知をいたしております。問題点を鋭く御指摘いただいているというふうにも伺いました。幸いといいますか、平成十三年から順次支給年齢を上げていくことでございますので、この数年間の余裕の中でこの問題に取り組んでいきたい。公務部門だけならこれは政府の中の話でございますが、民間部門全体を含めた話でございますから、本当にそういう意味では日本の雇用をめぐる社会経済的条件を大きく変えていく、あるいは変わることを期待する前提に立っていることを十分認識しながら、問題の広さ、深さを十分認識しながらこの問題に政府としては真剣に対応をさせていただきたい。現在時点では検討検討というお答えになるのはそういう意味でお許しをいただきたいというふうに思っております。
○聴濤弘君 全体の財政その他大きな問題を抱えながら全体的に見ていかなきゃならぬということを大臣言われたと思うんです。 働く者の側から見れば、毎月毎月たくさんの保険料を積み立てているわけですね。その積み立てた金というのは、大蔵省の資金運用部というんですか、そこへ行く。そこからいろいろなところへお金が回されている。今手元に細かい数字を持っておりませんけれども、何十兆、何百兆という金が積み立てられている。これはみんなが保険料として払ったものです。これをきちっと運用したら絶対にできるはずだと普通なら考えるものですよ。ところが、その資金運用部でもってその金がいろんなところへぐるぐる運用される。 こういう全体の構造もまた我々国民が十分知りながらこの問題を考えてみなきゃいかぬと思うんです。もちろん、そのためには安全で碓実なところに運用しているから大丈夫だと、大体大蔵省はそういうふうにお答えになるんだけれども、これだけの大改悪だ、私に言わせれば。それをやるに当たって、そういう大蔵省の資金運用部の透明度というのをもっともっと高める必要があると私は思います。この資金運用部の情報の公開、これを私は強く求めたいと思いますが、大蔵省の見解、いかがでしょうか。
○政府委員(武藤敏郎君) 財政投融資のあり方につきましては、各方面からいろいろな御意見を寄せられております。私は直接の担当でないので大変恐縮でございますけれども、できる限り透明度を高めるべく、これは理財局が担当でございますが、いろいろ努力しておるというふうに理解しております。今後ともそういう方向で引き続き努力をするということまでお答えをさせていただきたいと思うわけでございます。 最初に委員の方から御指摘のありました、保険料が積み立てられていてそれで年金が将来十分もらえるということにつきましては、実は現在の保険料といいますものは将来の給付のすべてをカバーしていない、いわゆる積立制度になっていないということでございます。専門的には修正積立制度だと言っておりますけれども、単純な賦課制度ではない。今の現在の受給者に渡すお金の掛金を一〇〇%現在の人が負担するというのが賦課方式ですが、一部積み立て一部賦課するということで、現在、受給されている方は実は御本人が積み立てて適正に運用されたもの以上に受給しているというのが実態でございます。 これはちょっと資金運用部の制度と離れますけれども、そういうことも現在の制度の実態であるということを御理解いただくために補足させていただきました。
○聴濤弘君 最後です。 ともかく四十数年にわたって働き続けて六十歳になられる。その後は老後の不安なくどういう人生を送ったらいいのかというのは本人がやはり自由に選択できる。六十五歳までは絶対に働かないきゃどうにもならぬのだというようなそういう選択肢だけが六十歳の人に突きつけられる。そんなことじゃなくて、働き続けるかあるいは六十歳で安定した老後に入るか、それはやはり四十数年働き続けた人々の最後の自由な選択ということこそ立派な高齢化社会だと私は思うんです。そういう点では、今回の改革というのは国民の生存権、これを侵害するものだというふうにも言わざるを得ない内容を持ったものだと私は指摘したいと思います。 この点を指摘して私の質問を終わりますが、大臣に、もしか何か御感想があればお願いをいたします。
○国務大臣(武村正義君) 特段ありません。拝聴させていただきました。
○聴濤弘君 終わります。
○委員長(岡野裕君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時八分休憩 —————・————— 午後一時開会
○委員長(岡野裕君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、直嶋正行君が委員を辞任され、その補欠として都築譲君が選任されました。 —————————————
○委員長(岡野裕君) 行政改革委員会設置法案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。山口総務庁長官。
○国務大臣(山口鶴男君) ただいま議題となりました行政改革委員会設置法案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 我が国の経済社会の構造を新たな時代にふさわしいものに改革していくに当たり、行政改革は避けて通れない緊急の課題であります。 このため政府は、行政改革推進本部を中心として、規制緩和を初め行政改革の推進に積極的に取り組む所存であります。 今般設置しようとする行政改革委員会は、臨時行政改革推進審議会の最終答申等の趣旨を踏まえ、国民の視点に立って政府による行政改革の実施状況を監視するとともに、行政情報の公開に係る制度について本格的な検討を行い、行政改革に関する諸般の方策の着実な推進に資するものであります。 次に、法律案の概要について、その内容を御説明申し上げます。 行政改革委員会は、許可、認可等行政の各般にわたる民間活動に係る規制の改善の推進その他行政の制度及び運営の改善の推進に関する施策の実施状況を監視するとともに、行政情報の公開に係る制度について調査審議し、その結果に基づいて内閣総理大臣に意見を述べることを任務としており、委員会の意見については、内閣総理大臣はこれを尊重しなければならないこととしております。 また、委員会は、規制の改善の推進に関する意見を受けて講ぜられる施策に関し、必要があると認めるときは、内閣総理大臣または内閣総理大臣を通じて関係行政機関の長に勧告することができることとしております。 委員会は、行政の改善問題に関してすぐれた識見を有する者のうちから両議院の同意を得て内閣総理大臣が任命する委員五人をもって組織することとするとともに、委員会の事務を処理させるための事務局を置くこととしております。 また、委員会は、行政機関の長等に対して資料の提出、意見の開陳、説明その他の必要な協力を求めることができることとしているほか、特に必要があると認めるときは、みずから行政機関等の運営状況を調査することができることとしております。 なお、委員会は、政令で定める本法律の施行の日から起算して三年を経過した日に廃止されることとしております。 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要でありますが、この法律案につきましては衆議院において修正が行われたところであります。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同くださるようお願いいたします。
○委員長(岡野裕君) 次に、本案の衆議院における修正部分について、衆議院内閣委員長田中恒利君から説明を聴取いたします。田中衆議院内閣委員長。
○衆議院議員(田中恒利君) ただいま議題となりました行政改革委員会設置法案の衆議院における修正につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。 近年、情報化の進展や行政機能の拡大等を背景として、公正で民主的な行政を推進する等の観点から、行政の透明性の一層の向上が強く求められているところであります。そのためには、行政情報の公開に関する法制の確立が急務となっています。 原案における行政改革委員会においては、行政機関の保有する情報の公開に係る制度について調査審議することとされておりますが、この調査審議の内容をより明確にするとともに、三年という設置期間にこだわることなく、速やかに結論を得ることが必要と考えます。 衆議院における修正は、行政機関の保育する情報を公開するための法律の制定その他の制度の整備に関する事項の調査審議を行政改革委員会の所掌事務として明確に規定するとともに、その調査審議した結果に基づく内閣総理大臣への意見具申は、この法律施行の日から二年以内に行うものとすることとしております。 以上が、修正の趣旨であります。
○委員長(岡野裕君) 以上で趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○狩野安君 よろしくお願いいたします。 村山総理は先日の所信表明演説で、「行政改革の断行こそ、この内閣が全力を傾けて取り組まなければならない課題であります。」と、改めて行革に対する決意を表明されました。しかし、それに先立って政府・与党の首脳連絡会議で了承された行政改革を進めるに当たっての基本方針ではその内容は抽象論に終始し、特殊法人改革、歳出削減効果の明記といった点で原案に比べて大きく後退したとの批判がございます。行革を実行していくということが口で言う以上に難しいということはよくわかりますが、ここはひとつ総理と所管大臣である総務庁長官の強いリーダーシップで何としても行革をなし遂げてほしいと思います。 総務庁長官は前回の内閣委員会で、江田三郎先生の「強い心がなければ生きていけない、優しい心がなければ幸せは得られない」という言葉を引用して行革への決意を語っておられますが、強い心と優しい心というのは使い分けが大切ではないかと私は思います。行革について、どんな障害にも負けない強い心で取り組んでいくんだという決意をいま一度お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(山口鶴男君) お答え申し上げます。 過般、当委員会で発言いたしました私の言葉を引きましての重ねての御質問をいただきまして、大変恐縮をいたしております。 私が強調いたしたかったのは、行政改革は委員御指摘のとおり。さまざまな障害がございますし、極めて難しい課題であるということは私も認識をいたしております。したがいまして、そういった極めて難しい問題を、しかも村山総理は内閣の最大の政治課題だと、こうおっしゃっておられるわけでありますから、その総理のお考えを実行に移すためにはこれは相当な決意が必要であるというふうに認識をいたしております。したがいまして、その認識をあらわす言葉として先輩であります江田先生の言葉を引かしていただきました。強い心がなければ行政改革は推進できないという気持ちを込めて申し上げた次第です。 ただ、問題は、それぞれ特殊法人にいたしましても、その特殊法人に勤めておられる一般の働く皆さん方もおられるわけであります。あの国鉄改革のときも雇用の問題が大きな問題になりまして、やはり働く人たちに対しては手厚い施策を講じなきゃいかぬということが当時の国会での御意思であったというふうにも私は記憶をいたしております。そういったことも念頭にございましたので、優しい心がなければ国民に信頼される政治は実現できないという意味で申した次第でございまして、行政改革の推進は強い心で進めていきたいと考えている次第でございます。
○狩野安君 よろしくお願いいたします。 行政改革の中でも、一番進んでいるのが規制緩和と言えます。ところで、規制緩和推進五カ年計画の策定に当たり、行革推進本部に民間人を入れた規制緩和検討委員会を設置することにしておりますが、その位置づけをめぐって政府内で認識の違いが表面化しているようです。同検討委員会のあり方については、五十嵐官房長官が十月二十五日の記者会見で、作業部会は大臣が出席して形式的なものになりがちだった、十分時間がとれ実効の上がる検討委員会にしたと説明しております。これに対して、山口総務庁長官は、意見は十分聞くが、それをどうするかは政府として決めていくというルールを守ると、政府主導で取りまとめる考えを示していると報道されております。 そこで、同検討委員会が民間の意見を取り込んだ五カ年計画にするのか、聞くだけにとどめるのか、官房長官と総務庁長官に検討委員会の位置づけについてお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(山口鶴男君) 私、この規制緩和につきまして決定をするのはこれは総理大臣が本部長でございます行革推進本部であるということを申したわけでございまして、決めるのは政府の責任において決める、しかし決める前には各界の御意見を素直に率直にお聞きするということは当然でございまして、そういう点では五十嵐官房長官がおっしゃられたような気持ちは私自身も同様に持っているわけでございます。したがいまして、決め方の方にちょっとウエートを置いて発言したのが何か食い違いのようにとられたのかもしれませんが、考え方は私は五十嵐官房長官と全く同一であるというふうに認識をいたしております。
○国務大臣(五十嵐広三君) 今、総務庁長官のお話しになりましたとおりでございますが、やはり向こう五カ年間の規制緩和に関しまして、この際しっかり年度中に決めていこうという大事な折でございますので、実効の上がるような検討委員会の運営をしていただきまして、短期間に集中的に民間等内外に意見をいただくということでございますので、そういう意味ではこの検討委員会を中心にぜひ積極的な御検討をいただきたいと思いますし、総務庁といたしましてもそういう方針で作業をお進めいただいているようでございます。 御検討をいただいて、それの取りまとめ、具体的な政策化については、これはやはり政府側の方でやらせていただくということはもう申すまでもないことでございます。御趣旨を体しまして努力はしていきたい、このように思います。
○狩野安君 やっぱり言葉がちょっとあれだったと思いますけれども、よろしくお願いいたします。 次に、法案関係についてお伺いいたします。 これまで、臨調は調査会、行革審は審議会という名称を用いてきましたが、今回の行政改革委員会については委員会という名称が付せられています。このことは何か理由があるのでしょうか。あわせて、国家行政組織法八条の機関には、審議会、審査会、調査会、協議会というようにさまざまな名称を持つものがございますけれども、名称の区別に何らかの基準のようなものがあるのでしょうか。ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(陶山晧君) 御説明申し上げます。 今回御提案を申し上げております第三者機関は、関係行政機関への調査権に加えて規制緩和について勧告権を有するなど、通常の審議会に比べまして強い権限が付与されているところでございます。こうしたことにかんがみ、そのような機関であることを名称上も明らかにするために委員会の名称を付与することが適切であると判断したものでございます。 国家行政組織法第八条に基づく調査審議機関は、ただいま先生も御指摘になられましたように、その名称としては通常、審議会、調査会、委員会といった名称が用いられております。この名称区分について必ずしも明確な基準があるわけではございませんが、例えば審議会につきましては調査、諮問的機能を持つ機関の典型的な名称であるということでございますし、調査会につきましては調査、諮問的機関であって、いずれかといえば特に調査的な業務が多い場合に使用されることが多いということでございます。また、ただいま申し上げましたように委員会という名称につきましては、審議会に比べて調査権、勧告権等の強力な権限が付与されているなど、特殊な性格を有する機関に使用されることが多いというふうに申し上げられると思います。 いずれにしろ、その名称につきましては、その機関の所掌事務、権限等に照らしてそれぞれ適切な名称が付与されているということでございます。
○狩野安君 私も、委員会という名称が用いられた理由の一つには、行政改革委委員会が三次にわたる行革審と違って監視という機能を重視しているところにあると思っております。そして、第四次行革審はつくらない、諮問を受けて答申を出すということはもう十分にやってきた、これからは実行の段階なんだという考えがその根底にあることを示していると理解しておりますけれども、この点、総務庁長官はどうお考えでしょうか。臨調・行革審という行政改革の流れの中での行政改革委員会の位置づけという点から御答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(山口鶴男君) 委員御指摘のとおりだと思っております。臨調以来十二年にわたる答申等によりまして広範な改革が提起され、相当程度その改革が実行に移されたと認識をいたしております。 政府といたしましては、今後行政改革を進めるに当たりまして、基本的には行政改革推進本部を中心として、内閣のリーダーシップのもとに政府が主体的にこの改革を進めていくというふうに考えておりますが、そのためにも、御指摘のように従来の臨調・行革審のような広範に及ぶ行政改革課題に関する改革方策の調査、審議、提言を基本的な任務とする審議会ではなくて、政府による規制緩和を初めとする行政改革の実施状況の監視と、それから情報公開についての調査、審議を任務とする行政改革委員会を設置することが適当であるという判断のもとにこのような法案を御提起申し上げたということでひとつ御理解を賜りたいと存じます。
○狩野安君 次に、第二条で、行政改革委員会は「許可、認可等行政の各般にわたる民間活動に係る規制の改善の推進に関する事項」と、「その他行政の制度及び運営の改善の推進に関する事項」に関して講ぜられる施策の実施状況を監視することになっています。規制緩和については、現在総務庁は行政監察制度を活用して実施状況のフォローアップを行っているようですが、行政改革委員会の監視というのは具体的にはどのような形で行われているのでしょうか。
○政府委員(陶山晧君) 委員会におきます監視業務の具体的な運営につきましては、その監視業務の具体的な実施方法を含めまして、委員会が発足をいたしました後、委員会として自主的に検討され御判断をされる問題であろうというふうに考えております。 なお、一般論で申し上げますならば、そのときどきの行政改革の重要な課題につきまして臨調とか行革審の行った答申あるいは国民の意見、要望等に照らして政府における実施状況が本来の目的にかなった内容となっているかどうか、また所期の成果が上がっているかどうか等について委員会として検討されることになるのではないかというふうに考えております。
○狩野安君 また、第六条では委員について、「優れた識見を有する者」とありますが、具体的にはどのような分野からどのような手段で選任されるのでしょうか。 また、この点については、委員から官僚OBを排除すべきだという強い主張がございますけれども、このことについても総務庁長官はどうお考えでしょうか、お聞かせいただきます。
○国務大臣(山口鶴男君) この委員の任命は、申すまでもなく総理大臣が選任をいたしまして、国権の最高機関たる国会の御同意を得た上で任命する、こういう手続をとるわけでございます。そういった手続を決めましたのは、各界の方々の中で最も国家的な視野で識見のすぐれた立派な方をお願い申し上げたい、そういった趣旨に基づきましてただいま申し上げたような手続になることだと思います。 したがいまして、どういう方云々ということはこれはもう総理大臣が総理大臣としての御見識のもとにどのような方をお願いするかということをお考えになって、しかも国会の御同意を得てということでございますので、こういう方はどうというようなことを今私が申し上げる立場にはございません。最高の任命の形式を踏むということで、委員の方々はすぐれた方にお願いを申し上げたいという願いを持っているんだということでひとつ御理解を賜りたいと思う次第でございます。
○狩野安君 官僚のOBを排除するということは。そういう意見もあるということですけれども。
○国務大臣(山口鶴男君) そういった御意見がございますことについては私も承知をいたしております。しかし、これはあくまでも総理大臣がこの委員会にはどういう方がふさわしいかということをお考えになって、その上で両院の御同意をお願い申し上げるということでございますので、私がこれについてとやかく申し上げることは今控えさせていただきたいと思っている次第でございます。
○狩野安君 行政改革委員会では二人以内の常勤の委員を置くことができることになっておりますけれども、行政改革にすぐれた識見を有する人材を常勤として確保するためには、第九条に定める給与その他の面からも適切な人材が十分に得られるでしょうか。大変それを案じておりますけれども。
○政府委員(陶山晧君) 行政改革委員会の委員につきましては、委員会の任務に照らして事務局との密接な連携のもとに濃密な調査や専門的な検討を行っていただく、そういう業務も予想されるところでございます。そういう観点から、法案の上では二人以内の常勤委員を置くことができるということにしているところでございます。 ただいま狩野先生から給与等についての御心配をちょうだいいたしましたが、この常勤委員を置く場合のその常勤委員の俸給につきましては、この法律案が施行されますと、通常の特別職の常勤委員と同様、各省の外局の長並みの俸給が支給されるということになっておりまして、適切な人材の確保という観点からはそれに困難を来すことはないというふうに考えているところでございます。
○狩野安君 すぐれた識見を有する者ということで大変すばらしい方を専任されると思うんで、何かちょっとそういう方がこの給与の中で得られるかどうかというと大変不安に思っております。 行政改革委員会が所轄事務として規制緩和及び行政制度、運営の改善の監視のみならず情報公開法制定について調査審議することとされていることを考えれば、委員五人というのは第三次行革審の委員数九人と比べて少ないのではないかという印象が否めないのですが、この点どのように理解したらよいでしょうか。 また、両分野にわたる有識者というのはいるのでしょうか。一部の新聞では委員長に平岩経団連名誉会長の名前も挙がっているようですけれども、差し支えなければお聞かせいただきたい。
○国務大臣(山口鶴男君) 三年間という限られた期間の中で能率的にその任務を遂行していくということを考えますと、余り大勢の方々よりは比較的少数の方々の方が能率的に任務を遂行し得るのではないだろうかという点を考慮いたしました。 それからまた、答申でもオンブズマン的な機関をという表現もございました。御案内だと思いますが、ヨーロッパ各国等にございますオンブズマン制度、オンブズマンの数は一名あるいは三名というのが多いのではないかと私は記憶をいたしておりますが、そういったオンブズマン的な性格ということも考え合わせますと、余り大勢よりはむしろ能率的に御論議をいただくのには五名程度がよろしいのではないだろうかという考えでこのような御提案を申し上げたということで御理解を賜りたいと思う次第でございます。 それから、具体的な人名の問題でございますが、私どもひたすらこの行政改革委員会設置法を一日も早く成立させていただきたいということをこいねがっておるわけでございまして、今、人選どうこうということは全く考えておりません。まして委員の任命は、先ほど来申し上げたようにまず総理大臣が総理大臣の御見識の上においてどのような方が適当かということをお考えになる問題でございますので、したがいまして今法案の成立だけこいねがっているわけでございまして、具体的な人名等については全く白紙でございます。全く考えておりません。
○狩野安君 これはマスコミが先行しているわけですね、本当に困った問題だと思います。 次に第四条では、行政改革委員会は、必要があると認めるときは、規制の改善事項に係る意見を受けて講ぜられる施策について内閣総理大臣及び関係行政機関の長に勧告することができるとされており、監視機能を十分発揮するため強い権限が与えられると言えるでしょう。しかし、幾らよい勧告をなされても、それに沿った措置がなされなければ意味がありません。 この点、平成四年に設置された証券取引等監視委員会の場合、勧告の尊重義務と勧告に基づいてとった措置について報告を求めることができるといった勧告を担保する規定が置かれています。行政改革委員会についてはこのような勧告を担保する規定を置くことは考えられなかったんでしょうか、お聞かせいただきます。
○政府委員(陶山晧君) 証券取引等監視委員会につきましては、ただいま先生の御指摘のとおり、同委員会が大蔵大臣に対し、勧告に基づいてとった措置について報告を求めることができるということが設置法の上で規定されているわけでございます。これにつきましては、個々の当事者に対する個別の措置に関して立法当時の検査・監視体制の見直しの趣旨である行政面での対応の厳正さを保つということを法文上明確にするためであるというふうに説明をされているところでございます。 一方、ただいま御審議をいただいております行政改革委員会につきましては、政府の行政改革の実施状況について監視し、また行政情報公開制度について本格的な検討を行い、その結果に基づき内閣総理大臣に対し意見具申を行えるということになっておりますが、この意見具申については、総理は意見を尊重しなければならないということが規定されております。さらに、規制緩和について総理に対して具申した意見が関係行政機関の個別の行政に反映されていない、あるいはいまだ不十分であるという委員会としての御判断がある場合に、総理または総理を通じて関係行政機関の長に勧告を行えるということになっております。 このように、行政改革委員会の勧告につきましては、内閣総理大臣の尊重義務のある意見具申を前提とした第二次的な手段であるというふうに理解をしておりまして、またこの委員会が関係行政機関の長に対して資料提出、説明聴取等の必要な協力を求めることができるということにもなっておりますので、必要があれば勧告に基づいてとった措置について報告を求めるということは十分可能でございます。 つまり、内閣総理大臣の尊重義務のある意見具申を前提とした第二次的手段であること、それから資料提出、説明聴取等の権限に基づいて報告を求めることが十分可能であること、こうしたことから特に担保規定を設けなかったということでございます。
○狩野安君 今回、衆議院において、行政情報を公開するための法律の制定その他の制度の整備に関する意見具申は施行の日から二年以内に行うという修正がなされました。人間は弱いもので、時間があると思えばつい甘えてしまいます。したがって、何か事をなそうとするときに一定の期限を区切るということ自体はよいことだと思います。 ただ、このような重要な問題について二年という短い時間の中で結論を得ることは難しいのではないでしょうか。この点、行政改革委員会ではなく、情報公開法制定について調査審議するための審議会なりを別個に設けて、そこでもう少し時間をかけて重点的に検討を行っていく方がよいのではないかという意見もあります。 この件については、村山総理自身が、情報公開法制定のための私的諮問機関の設置を一たん表明しながら取りやめたということもあります。総務庁長官はこの点についていかがお考えでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(山口鶴男君) 村山総理が私的諮問機関を設けたらどうかというようなお考えをお持ちになったということにつきましては、私もその後承知をいたしております。その後総理にもお会いいたしましていろいろお考えも承ったわけでございますが、要は総理としては、かねがね社会党としましては情報公開法の制定が必要であるということを主張し続けてきたという経過も踏まえまして情報公開法を速やかに制定すべきである、そういう熱意を示すという意味においてそういった方法もいかがであるかということを実は私は考えたのだというようなお話も承りました。 したがいまして、私といたしましては、今行政改革委員会設置法という法案を御提起申し上げている、そうしてこの委員会の中で情報公開の法制化についても専門的立場で御検討いただくということになっておりますということを御報告申し上げまして、その趣旨で大いにやってほしいと。そうして、三年という期間が法律には書いてあっても、事、情報公開に関しては三年いっぱいということではなくて、なるべく速やかに法制化の意見をまとめてもらうように総務庁長官としても努力すべきではないかという御意見も承りまして、委員会におきまして設置期間は三年であるけれども、事、情報公開に関してはなるべく早くひとつ法制化の御努力を賜りたいという考えを総務庁としては持っておりますということをお答え申し上げてきた経過もございます。 そういう点でひとつ御理解を賜りたいと存じます。
○狩野安君 本案では設置期間が三年となっておりますが、一方で政府は規制緩和五カ年計画を年度内に策定することにしております。この点、五カ年計画に見合った設置期間が必要と思われますけれども、これはいかがでしょうか。
○政府委員(陶山晧君) 大臣からも先ほど一般的に御答弁がありましたが、行政改革の推進に当たりましては、継続的な努力の積み重ねが重要であると考えております。 その場合、一定の年限を目標として掲げまして、その間に集中的かつ具体的に進めていくということが効果的であるという考え方から、委員会を時限の機関として設置するということにいたしたわけでございます。この時限の機関につきまして、政府が現在取り組んでおります行政改革に関する施策の監視等々委員会に課された課題を総合的に勘案して三年の間に集中的に活動していただくことが適当であろうと判断したものでございますが、五カ年の規制緩和推進計画との関係につきましては、委員会の設置期間の三年間の期間内にはこの規制緩和の推進の道づけをしていただけるであろうというふうに考えているところでございます。
○狩野安君 今ずっと長官の答弁を聞いておりまして、行政改革というのは強い心と優しい心が本当に大事なんじゃないかなというふうに感じました。特に、規制緩和によって埋もれる中小企業の方たちに対しても優しい心、そしてまた行政改革に強い心と、本当に両立させてやっていくのは難しいと思っておりますけれども、どうぞよろしくお願いをいたしまして私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○久保田真苗君 法案について伺います。 第三次行革審の最終答申の趣旨から見ますと、この委員会の機能というものほかなり限定的であるという感じを受けます。しかし、限定的でありかつ規模が小さいということは、それなりの迅速性とか機動性といったようなメリットもあると思います。ただ、私が気になりますのは、この行政改革というテーマが政府にとって非常に特殊なテーマだということなのでございます。つまり、自分の座っているいすは自分では持ち上げられないということが真理である、そういうテーマなんだと思います。 〔委員長退席、理事板垣正君着席〕 そこの点に着目いたしますと、幾つか質問にお答えいただかなければならないと思うことがあります。 まず問題は、第二条の「委員会は、次に掲げる事項に関して講ぜられる施策の実施状況を監視する。」ということになっていまして、その一は規制、その二は行政の制度及び運営です。これについて監視するんですが、この「講ぜられる施策」というのは、恐らく政府の本部が講ずるところのアクションプログラム、五カ年計画といったようなものであると思います。 そういたしますと、この委員会はその政府のつくったプログラムに即して実施状況を監視する。つまり政府施策の番人であるということがすべてなのか。それとも私が希望いたしますように、意見を内閣総理大臣に言うことができるわけでございますが、その意見の中には政府の施策そのものの中にある不十分あるいは欠陥、そういったものをも指摘していくことができるのか。当然それが期待されるはずだと私はこのテーマの特殊性から見て思うんです。いかがでしょうか。
○政府委員(陶山晧君) 必ずしもただいまの先生の御質問に的確なお答えになるのかどうかちょっと疑問がございますが、御指摘のございましたように、法案の規定では所掌事務として、「次に掲げる事項に関して講ぜられる施策の実施状況を監視」ということになっておりまして、その監視の結果総理大臣に対して意見を述べることができる、総理はそれを尊重しなければならない、また規制緩和についての勧告権、こういう仕組みでございます。 そこで、この「施策の実施状況」ということでございますが、一つがいわば民間活動に係る規制の改善、二つ目に、その他行政の制度、運営の改善の推進……
○久保田真苗君 時間の関係で、質問に答えてください。
○政府委員(陶山晧君) はい、わかりました。 したがって、ただいま先生の御指摘の点は、言ってみれば法案の解釈として当然含まれるというふうに理解してよろしいのではないかと思います。
○久保田真苗君 大臣にお伺いしますが、つまりこの委員会が意見を具申する場合には、政府の講じた施策そのものの不十分や欠陥をも指摘するということを期待されるわけでございますね。
○国務大臣(山口鶴男君) そのとおりであります。
○久保田真苗君 私は、この行政改革は特段に内閣総理大臣と総務庁長官のリーダーシップを必要としていると思います。その意味からいいましても、この委員会がそれを支援するための意見を言えるということは極めて大事だと思うので、その点はぜひそのようにお取り扱いいただきたいと思います。 次の質問でございますが、行政改革と経済改革の関連でございます。 近年、特に経済構造を転換する必要ということが痛感されております。一口で申しますならば、生活者重視の経済への転換ということが叫ばれてきたわけでございます。従来型の生産者本位の経済は確かに日本の経済を速く走らせるという意味においてメリットがあったと思いますが、今やそのような時期は過ぎでその欠陥が目立ってきているわけです。 それが一番集中的にあらわれているのが内外価格差という問題だと思います。日本の物価は高い、しかもそれは食料とか住宅とか公共料金とかいったような逃れられない生活必需の部分について高いという大きいゆがみを持っているわけでございます。このようなことを放置しておきますと、やはりいろいろな悪循環に陥って日本の経済が回っていかない。このことは今詳しく申し上げません。 しかし、私が特に希望したいのは、経済改革との関連において価格に対する規制、なぜ価格が高いのかというこの分野についてのメスを優先的に、そして最も重要視して入れていただきたい。そしてできるならば迅速に入れていただきたい。もちろん物によっては時間をかけなければならないものもございますけれども、しかし全体としてこのことを重視して行革をお進めいただきたいと思うのですが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(山口鶴男君) 今、委員が経済企画庁長官として御活動されました際の経験も踏まえまして御指摘されました内外価格差の問題は、御指摘のとおり極めて重大な課題であると認識をいたしております。 そういった認識のもとに、私どもとしては規制緩和、先ほど来申し上げておりますように年度内に五カ年間の規制緩和推進計画というものを打ち立てまして、そして御指摘の点の改善のために全力を尽くしたい。 また、先ほどお答えしたわけでございますが、行政改革委員会が設置されますならば、どのような監視をやっていくかということはまさに委員会自体が委員会運営の問題として自主的に御決定いただく問題だと思いますので、先ほどお答えいたしましたように、委員御指摘の問題につきましても、単に政府が決めた推進五カ年計画の範囲内だけでということではなくて、委員会がこれは必要であるということを認めた点において意見を言う、あるいは勧告を行う等々の問題が当然あってしかるべきだと考えておる次第でございます。
○久保田真苗君 次に、特殊法人の問題でございます。 これは今年度中に具体的なプログラムをお出しくださるということになっております。これは政府の案でございますね。それに対して一つ御注文がございます。それは、特殊法人の扱う入札制度等に関連してしばしば不祥事が明るみに出るということがございます。例えば公共事業の入札に絡まる談合、それから輸入食糧の売り渡しに関する談合、それからODAの受注に関する談合、いずれも印象に新しいところでございます。 そこで、もちろんこれらの問題の調査摘発、それ自体は公取委に期待するものでございますけれども、しかし政府の足元でこのような不祥事があるということはこの行革全体が全く示しのつかないものになっていくというおそれがございますし、民間への規制緩和というようなことに関連しても大きい影響があるはずだと思います。 そこでお願いしたいのは、政府の扱うプログラムの中で、こうした談合や汚職あるいはむだ遣い、こういった悪例、不祥事をひとつ過去の経験の中からくみ上げていただいて、そこにいかなる問題があっていかなる運営あるいは制度の改革が必要なのか、そこにメスを当てていただきたいということでございます。いかがでございましょうか。
○国務大臣(山口鶴男君) 特殊法人の見直しにつきましては、もちろん委員御存じだろうと思いますが、現在、各省庁におきまして特殊法人の見直し作業を進めていただいております。そして、十一月の下旬には見直し状況についてその内容を総務庁の方に報告をいただく。そして、さらにそれぞれの省庁におきまして作業を進めていただきまして、見直しのいわば結論につきましては二月の上旬までに総務庁の方に報告をいただくということで今作業を進めております。また、特殊法人に対する各界の御意見、御要望につきましては、ここにおいての五十嵐官房長官と私とが各界の有識者の皆さん方から特殊法人に関する御意見等も謙虚に承るという作業も進めていきたいと考えておる次第でございます。 そういう中で、今御指摘のように特殊法人の中に談合というような極めて不適切な事案があるということの報道も私も拝見をいたしました。特殊法人ばかりではなく認可法人、それから特殊法人にそれぞれ出資いたしました会社等がたくさん周りにあるわけでございまして、それが会社であったりあるいは公益法人であったりというケースもございます。 したがいまして、そういった問題を含めて各省庁はひとつ見直し状況について、単に特殊法人だけについてどうこうということではなくて、特殊法人にかかわる問題についてもひとつ見直しをしていただいて、その状況を総務庁に報告をいただくというふうにお願いをいたしてございます。 もちろん談合等々の問題につきましては、公正取引委員会がその立場において厳正な立場で審査をすることはもとよりだと思いますが、この特殊法人等の見直しの中でも遺憾な点について御指摘を受けることのないように、そういった問題も含めてひとつ点検し見直しいただいて報告をいただくようにお願い申し上げているということで御理解を賜りたいと存じます。
○久保田真苗君 今申し上げましたようなこと、大臣がお答えくださいましたような事柄を各省庁から上がるのをまとめるということではこのたぐいの問題は非常に難しいんじゃないかと私は老婆心で思うのでございます。 したがいまして、この点につきまして、総務庁にはさまざまの監察の報告書がパイルアップされているわけでございますから、こうしたものを総務庁の側で御審査いただくということがどうしても必要だと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○国務大臣(山口鶴男君) 総務庁といたしましては、御指摘の監察計画を立てて監察を実行いたしております。 ただいま御指摘のございました点も含めて、監察をきちっと実行していくように心がけてまいりたいと思っております。
○久保田真苗君 次はこの委員会のリポートについてでございます。 この委員会は一定の時期に報告書を出す予定がございますか。
○政府委員(陶山晧君) 委員会の意見を述べられるその形式なり時期なりということは現段階で私どもから申し上げられる問題ではございませんが、先生のお尋ねは、報告というのが例えばこれまでの審議会のように一年に一回とか二回とかまとまった形で行われるかどうかという趣旨であるとするならば、本来この委員会が意見を述べられるのは、随時であれあるいはある程度まとまった形であれ、それは全く制限はないというふうに理解をいたしております。
○久保田真苗君 たびたび迅速に出していただいて、国民の注目にこたえるようにしていただきたいというのが私のお願いでございます。 そして、そのリポートをつくる場合に、簡潔にして明瞭そして迅速にということをお願いしたい。特に、私は明瞭というところに重点を置きたいんです。なぜかといいますと、過去の経験からしまして重要な事項ほど玉虫色になるという、そういう傾向がございました。 私、自分の経験からしましてもですが、平岩研究会というのがございました。これは非常に簡潔でいいレポートだったと思うんですが、重要な部分、つまり社会資本の充実について後世代に負担を残さない財源の確保を前提としてこれはやるんだというような表現になっています。この表現については、一体これがどういうことを意味するのか、だれがお答えになれるんでしょうか。 つまり、この委員会におられた三人のエコノミストが三人とも、むしろ社会資本は後世代に裨益するのだから建設国債でやるということが後世代の負担にはならないと積極論を述べられたのでございますが、このような玉虫色の結果になったわけでございます。委員の方は非常に遺憾に思われて、その後二冊も著書が出てその経緯を述べられている。こういうことは政府として非常に遺憾なことではないかと思うわけです。遺憾以上に国民にとってはわけのわからない部分が、特に重要事項について自分はどういう負担になるかということについてあるということは迷惑なことでもございます。 したがいまして、私はこのリポートを委員の意に沿った明確なものとするために、つまり政府は自分がアクションプログラムをつくるわけでございますから、この委員会は委員にお任せになって、強烈な事務レベルからの圧力、根回し、そういうものを事前に禁止する禁止令を出していただきたい。あらかじめこれは出してないといけません。それを大臣にお願いしたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(山口鶴男君) 御指摘の点は極めて重大な問題だと認識をいたしております。 過般、与党の行革プロジェクトチームでいろいろさまざまな御議論がございまして、行政改革あるいは特殊法人の整理合理化ということがテーマになりますと、その関係する省庁が、すべてではないと思うんですが、もちろん幾つかしかそういう不届きな例はないと思うんですけれども、ややもしますと官庁の方が手を回して、そして関係業界・団体等を集めて集会を開く、あるいは陳情行動を展開するというようなことがなきにしもあらずであったと。もちろん、憲法で保障されました請願というものは国民の皆さん方のこれは厳粛な権利でございますから請願をすべて悪いというようなことを私は申すつもりはありませんけれども、ややもすれば官庁の肝いりで動くような集会行動がなきにしもあらずであったと。したがいまして、そういったことについては厳に慎むように政府として指示してもらいたいというような要望もございまして、ここにおいての五十嵐官房長官がその点を各省庁に対して注意を喚起いたしたところでございます。 したがいまして、今御指摘をいただきました点は重大な問題であると認識いたしまして、我々としても遺憾のないようにいたしたいというふうに考えておる次第でございます。
○久保田真苗君 それから、先ほど狩野議員のお聞きになりました官僚のOBを入れないでほしいというお話で、余りはっきりしたことを承っておりません。ただ、この問題はほかの問題と違う、これは政府が自分で身を削らなければならない場面が幾つも出てくるという、そういう問題でございますから、私はあらかじめけじめをつけておくということは非常に大事なことだと思うんです。禁止令を出していただく。それとあわせて、私は当然のことながら官界からのOBはこの行革の問題には入らないということが全く常識であり良識であると思うわけでございます。 総務庁長官は、もちろん今決定的なお答えはおできにならないかもしれないけれども、でもこの考え方についてはどういうふうに思っていらっしゃるんでしょうか。
○国務大臣(山口鶴男君) 私が総理大臣であればこうだということをお答えできるかと思うんですが、私は総務庁長官でございまして、先ほど来お答え申し上げておりますように、委員はどういう方にお願いをするかということは総理大臣が御判断をされる。あるいは場合によりましては私にどうだろうかという意見を求められる場合があるかどうか、その辺はわかりませんけれども、結局私の方はそういった受動的な立場だと思います。したがいまして、今ここでこういうものはいかぬとか、こういうものはだめだとかということを申し上げることはひとつ控えさせていただきたいと思います。 要は、再三申し上げておりますように、村山内閣として行革は最大の政治課題である、こう総理がおっしゃっておられる。そうして総理が判断する高度の人事でもある。しかも国権の最高機関であります国会の御同意もいただかなきゃならぬ、こういう手続もあるわけでございますから、私はそういう意味では国民の皆さん方に、ああこの人ならば本当に立派にやっていただけるだろうという期待される人事が必ず実行されるんではないだろうかというふうに期待を申し上げている次第でございます。
○久保田真苗君 先ほど五年計画に対する三年の委員会の寿命という点が指摘されたのでございますけれども、余り御答弁になってなかったと思うんです。これはだれが考えたって、五年計画のものを三年の寿命しかない委員会がやる、これは実行段階の監視ですよ、監視が後の二年のところは空になるというその心配はあるのじゃございませんでしょうか。 大臣としては、一体ここの間隙をどのように理解して御提案になったんでしょうか。
○国務大臣(山口鶴男君) 私が総務庁長官に就任いたしましたのは六月三十日でございました。その際、既に行革推進本部におきましては年度内に五年間の規制緩和推進計画をつくるということが決定をされておりました。また、行政改革委員会設置法につきましては、さきの内閣でこの国会に御提案いたしまして、それで衆議院において継続になって、そうしてこの継続案件は村山内閣としてもこれは継承して国会に御付託申し上げるということも決まったわけでございます。 そういうわけでございまして、五年と三年の時間的な食い違いにつきましては御指摘の点は私もよく認識をいたしておりますが、経過としてはそういう形で、片や五カ年計画、片や三年という設置法が御提案申し上げられておるということだったわけであります。 しかし、当然この三年間は監視の業務をきちっといたしまして、しかも五カ年計画というのは年度末に打ち立てるわけでございますから、さらにこの監視が必要であるという事態になれば、当然そのことを念頭に置いて法律改正等々の問題が内閣として検討されるであろうし、また行革を監視いただいております立法府である国会の方からもその間の時間的なずれがあることはおかしいではないかという御意見が出てくれば、当然その場合の十分な手だてが講ぜられるものと私は期待を申し上げておる次第でございます。
○久保田真苗君 それはぜひそうしていただかなければなりませんが、審議をできるだけ促進していくという意味合いの効果はあるいはあるのかもしれません。 ところで、情報公開でございますけれども、臨調が最終答申で情報の公開をうたいとげた、そうした政府の実現ということをうたいとげたのは昭和五十八年の三月なのでございます。それから見ますと十一年半もたっているわけでございまして、この情報公開ということは私は政府が最も積極的になりにくいテーマの一つではなかろうかという印象を持ってきたわけでございます。 したがいまして、今度のお仕事は非常に大変なわけでございますけれども、そうした見地から私は、衆議院からお出しになりました修正案でサンセット方式、それを二年間でやっていく、あるいは立法化というような目標をうたっているということはもう大変結構なことだと思っております。大変なことでございますけれども、ひとつ頑張っていただいて、短い期間にこうしたこともめどを出していただきたいとお願いいたします。 それでは次に、今度は官房長官にお伺いしてまいりたいのでございます。それは主として官房長官がこの週末に訪韓されました、そのことについてでございます。 私は金泳三大統領とも会談されたということを伺いまして、野党時代から大変戦後の問題について活動をやってこられましたところから大変御期待をしているわけでございます。そこで、訪韓の成果について、あるいは出た問題点についてお伺いしたいのでございます。 第一は、北朝鮮への軽水炉の支援についてでございます。これは米朝会談において最悪の事態は回避されたということでございまして、プルトニウムでない軽水炉への転換を支援していくということは、私は私どもの立場からも推進しなければならないことだと思っておりますが、この問題についてはどのようなお話し合いがあり、どんなことが成果として見られたでしょうか。
○国務大臣(五十嵐広三君) 久保田委員今お話しのように、週末の二十九日の日に、ちょうどサハリン残留韓国・朝鮮人問題議員懇談会を超党派でつくっているわけでありますが、ここで発刊をした記録集が韓国語で今回出版を見たものでありますから、その記念の集まりがございまして、本院の原議長さんがこの懇談会の会長をしておられます。私は事務局長という立場でございますので、二人で、衆参両院の御了承もいただきまして、土曜、日曜に訪韓をさせていただきました。この折に金泳三大統領ともお目にかかりまして、表敬の意味と、あわせて当面の若干の問題点等について懇談をいたしてまいったような次第でございます。 御指摘の北朝鮮の軽水炉転換支援問題につきましてもその折に話題になりまして、この折には、いわゆるこの前の米朝会談の前進を踏まえてこれについての支援体制をそれぞれ国際的な支援組織を設けてお手伝いしていこうと、こういうことになっているわけでありますが、韓国を中心にしながら、末日など、あるいはG7も含めてこれらの各国がそれぞれひとつ御協力をしていこうではないかと。殊に韓国を軸にし、日本との間でもいろいろ協議をしながらこのことについてひとつ十分な努力をしていこうと、こういうことに関して大統領の御意思表明がございまして、私も全く同じ意見なものでございますが、一致したことがございました。そのようなことをこの機会に御報告申し上げておきたい、こういうぐあいに思います。
○久保田真苗君 次に、日朝の国交正常化の問題でございます。 これは米朝関係がどちらも改善に向かいたいという風が出てきまして、そうした中で私は、朝鮮半島が冷え込んだまま五十年という状態であること、したがって日本の立場としては賠償問題も未解決どころか未着手だというそういう悲しむべき、そしてまた不名誉な状態を何とかこの際解決できたらということを願っているものでございます。 そこで、これはもちろんだれかがこうした糸口をつかんで正常化の交渉をしていかなければならない。それは政府であることはもちろんなんですが、私は地ならしをする意味で与党の議員団が行かれることも大変結構なことじゃないかと思っている次第でございます。しかし、村山内閣になりまして戦後の問題というのがだんだん動いてきたという印象はだれしもお持ちになると思うのでございます。来年は終戦の五十年、そして国連創設も五十年でございます。そうした節目に当たって、ぜひ今の機会を逃さずお進めいただきたいと思うのですが、この点について金大統領とどんなお話し合いがあり、そしてどんな結果がございましたでしょうか。
○国務大臣(五十嵐広三君) この問題につきましてもお話の中では話題になりまして、これにつきまして私どもの方から申し上げ、また大統領も同感でございましたのは、いずれにいたしましても日朝間の接触を進めていくという場合には日韓間の話も十分にしながら進めていくということが必要なことだということでございまして、これは私も全く同感のところでございます。 いわゆる与党における北朝鮮との接触につきましても、最近そういう話が検討されているというふうに私も承っておるところでございます。この辺は全体の状況をよく把握しながら、注意深く、かつ政府といたしましては、政府ともよく御協議を、連絡をいただきつつ、かつ今申しましたように韓国との連携も配慮に入れながら御努力をいただきたいものだと、こういうぐあいに思います。 しかし、何にいたしましても約半世紀に及んで日朝間の国交が不正常なことになっているという点は、これはやはりこのままでいつまでもいいなんということではないというふうに思いますし、かつ朝鮮半島における平和的な関係維持というような意味から考えましても大事な問題でありますので、こういう点につきましては十分に韓国等との連携をとりながら我々としてもしっかりと見詰めていきたいものだと、このように私は思う次第であります。
○久保田真苗君 ぜひこの際、来年は大きい進展が見られますようにお願いいたします。 次は、サハリン残留者問題でございます。 これにつきましては、官房長官が一定の提案をなさったと伺うわけでございまして、またその提案の具体的なことも報道されておるようでございます。この問題についての進展、大統領の方の受けとめ方、そしてどんなような結論が生まれてきているのかということをお聞かせください。
○国務大臣(五十嵐広三君) サハリン残留の韓国朝鮮人問題は、私どもとしてはこれはもう我が国の政治家にとって歴史的な一つの責任のある問題であろう、こういうぐあいに思っておりまして、超党派の議員懇談会でも力を合わせて今日まで努力してまいったわけであります。 おかげさまでここ数年大変前進を見ておりまして、戦争が終わりましたときに大体四万三千人ぐらいサハリンに残されたわけでございましたが、そのうち特に今日取り上げて優先的に解決すべき問題と思う第一はまず一時帰国の問題がございまして、今まで母国にも行けない、肉親とも会えないという状況が長く続いたわけでありますから、そこでサハリンとソウルとの間を直行便でつないで、最近は非常に順調に一時帰国が実現を見ておりまして、およそ総勢で六千人を超える方々がこのやや三年ぐらいで一時帰国をすることができました。これはもう少し、もうあと一年半か二年ぐらい続けますと一通りの一世を中心にした一時帰国が終えることになるわけであります。 今最大の問題になっているのはこの問題とあわせて永住帰国の問題が出てきておりまして、殊に一世の高齢の方々にしてみると、とにかく国に帰って死にたい、こういう非常に切々たる声が多いわけでございまして、この点を今実は我が国外務省が積極的にまた韓国外務部と話し合いをいたしているところであります。 〔理事板垣正君退席、委員長着席〕 議員懇談会としてみても、それを側面的に御支援を申し上げて、事態がなるたけ早く促進できるように努力をしているところであります。最近はその意味でロシアを含めての協議が必要なものでありますから、日韓間それから韓ロそれから日ロというそれぞれの二国間の話し合いが一方では進められておりまして、日ロの話し合いは実はこれからなのでありますが、これは恐らく今月の前半ぐらいのところでは第一回目の話し合いがモスクワで行われるのではないかと、こういうぐあいに思っているわけであります。 そこで、金泳三大統領との懇談の折には、こういうことを踏まえまして、我が国としてさまざまな永住帰国に対する御支援を申し上げる気持ちはあるんですが、大事なのはやっぱり具体的な実務上の詰めがその前提として重要なわけになりますので、そういう意味におきましては、例えば永住帰国したときにどういう老人ホームが必要なのか、あるいはアパートのようなものがあった方がいいのかとか、それに関しては韓国政府側はどういうような体制をとっていこうとするか、あるいは居住の場所ができましても生活の問題があるわけでありますから、これを一体どういうぐあいにするのかというようなこと等について今実務的に一生懸命詰めておりますので、来年はお話しのように戦後五十年でありますし、この機会にしっかり協議を進めてこれに対応していかなくちゃいかぬと、こういうぐあいに思っておる次第であります。 政府といたしましては、一応予算の上では概算要求で五億余の永住帰国に関する調査費を計上いたしておりますので、予算の折にまた十分に検討しつつ、いよいよこれを具体化するということになろうと思います。これらの話を大統領に申し上げてきたということでございます。
○久保田真苗君 どうもありがとうございました。 歴史的な責任を果たせるということを私もともに希望したいと思います。 次が、元従軍慰安婦問題でございます。 これはさらに複雑で大変な問題なのでございます。この点につきまして官房長官の方からはどんな御提案をなさり、どんな大統領の受けとめがございましたか、まずそれをお聞かせください。
○国務大臣(五十嵐広三君) 従軍慰安婦に関する韓国政府側の見解は今まで一貫しているのでありまして、この問題に関しては、一番大事なのは十分な調査をしてほしい、そしてその事実を明らかにしてほしい、それがもう最大の問題だということですね。そして続いては、これに対する明確な日本側の謝罪の表示が欲しいと。さらに、こういうことが二度と繰り返されないように、両国間の平和が安定的に続くように、そのための歴史的なこのことを後に伝える手だてというものをしっかりしてほしいということが最大のこの問題に関する韓国政府側の御意思でございます。 今回、大統領とお目にかかりました折にも、まさにそういうことで歴史的な事実を明確にするということが一番大事なことだと。従軍慰安婦に例えばお金で補償するというようなことについては韓国政府側としては考えてない。それは韓国政府側としてはみずから、韓国政府自身で元従軍慰安婦の皆さんにそれぞれ一時金やあるいは月々の一定の生活支援の経費は支出しているのだと。だから、日本政府に金銭的なことを求めるのではなくてもっと歴史的な事実をはっきりさせる、あるいはそれを後の世にもしっかり伝えていってもらって二度とこういうことが起こらないようにしてもらうということこそ韓国側の求めるところであると、こういうことでございました。 私の方からは、さらに今、日本側でいろいろな団体等で、この際やはり来年は戦後五十年でもあるし、国民が参加しながら従軍慰安婦の皆さんに対する償いを示したいという声も随分ある。そこで、このたびの総理の八月三十一日の談話におきましてもそういうことを踏まえて一定の言及がなされているのであるが、こういう民間の協力と、そして政府もお手伝いをしながらこれについて一つの償いの気持ちを示す方法というものがとられることについて今いろいろ検討をしているところであります、こういうようなお話を大統領には申し上げさせていただいた、こういうことであります。
○久保田真苗君 伝えられております基金の構想ですね、私はそれも一つの方法だろうと思います。 ただ、私は相手方の政府だけではなくて、その被害者自身が何を求めておられるかというところはやはり一番のポイントだと思うんです。ですから、これはこうすべきだとかこうすべきでないとかということよりも、私どもは耳を傾け、相手の方がどうすれば少しでも納得し満足していただけるのか、あるいはそれは金銭的なものにもかかわってくるのか、そうでなくてもっと励まし合うような場が欲しいのか、それから医療や住宅のケアとかそういうことが求められているのか、私はそういうことを当事者からいろいろと話を聞いていただきたく思うんです。もちろん私どももいたします。その上で、一番納得に近い線にさまざまな解決を探っていくということが大事だと思います。 この方たちは、地裁とかあるいはジュネーブの人権委員会にも提訴されているわけでございまして、国際的な裁定を受けるのもこれも一つの方法かもしれない、後世のためにはそれがいいのかもしれないと私も思いますけれども、しかし時間との関係もございますしいろいろな関係がございます。来年は北京の会議もございますので、私どももジャカルタの会議で起こったように数カ国から発言をされるというようなことは二度とない方がよろしい。そういうことは余り友好に貸さないのでございます。そのつもりで来年をぜひお迎えいただきたいと思うのでございます。 それから最後に、私は時間がなくなったんですが、ボスニアの問題について一言意見を言わせていただきたいと思います。 これは十月二十八日に安保理に決議案が提出されたんです。これはイスラム勢力に対する武器禁輸を解除しようというねらいがあるものというふうに聞きます。今後もいろいろ曲折はありますでしょう。しかし、私はこの経済制裁の実施というものを議員の調査団などから聞きますと、例えば赤十字では経済制裁が起こってから炊き出しか激増したとか、日本に来たい留学生が来られないとか、経済制裁は一般国民に対して、特に弱者に対して厳しく、指導者に対してはその割に響かないというものでございます。その中で、その経済制裁をそのままにしながら武器だけ禁輸を解除するというような不道徳なことを国連がやるということは、私は日本の立場からまことに賛成しがたいことであろうと思っております。特に、日本は通常兵器移転に関する登録制度というものを国連に導入して誇るべき実績を持っているのでございますから、その立場からしてもこういうものに賛成していくわけにいかないと思いますが、一言で結構です、官房長官の御意見を伺いたいと思います。
○国務大臣(五十嵐広三君) 我が国として、ボスニアに対するいわゆる武器禁輸解除の問題に関しては、いずれの勢力に対するものであっても戦闘をさらに激化させるおそれがあるものであって慎重に対処すべきものではないかと、こういうぐあいに考えているところであります。国連安保理でも、例えばイギリスだとかフランスだとか中国だとかロシアだとかはかなり慎重な意見のようでございますし、そういう点では今のような考え方に立って我が国としても機会を見てアメリカなど関係の国々にも日本の考え方を伝えてまいりたいと、こういうふうに考えているところであります。 以上であります。
○中村鋭一君 新緑風会はこの法案に対して賛成でございますので、その立場から二、三質問をさせていただきます。 実は、理事会でいただきました質問時間は八十分でございました。しかし、我々もこの法案に賛成でございますし、改革の大義においてはこれは与党も野党もない、翼賛あってしかるべしと、こう考えておりますから、審議促進の立場上、私も簡明直截に質問をさせていただきますから、長官初め政府委員におかれましては修辞を排して簡明直截に、骨のいい部分だけをしっかりとひとつお答えをお願い申し上げたいと思います。 初めに、本法案に対しまして長官の決意といいますか、期待といいますか、それからまずお伺いをさせていただきます。
○国務大臣(山口鶴男君) 行政改革は村山内閣の最大の政治課題である、かように認識をいたしております。その最大の政治課題である行政改革を進めるに当たって、学識経験の豊かな方々によるこの行政委員会が監視あるいは意見具申し勧告をするという形の中でその行政改革を適切に遂行していく、そのための委員会、極めて重要な委員会であると認識をいたしております。 したがいまして、ただいま大変ありがたいお話も承ったわけでございますが、速やかに成立させていただきますようにお願いを申し上げる次第であります。
○中村鋭一君 これまでも臨調それから行革審、何次も設けられたわけでございますが、これまでありましたこういった組織と今回この法案に基づいて設置されます行政改革委員会、そのキャラクタリスティックな違いといいますか特色といいますか、どういう点が特徴的なものであるか、それをひとつお願いしたい。
○政府委員(陶山晧君) まず、組織につきましてはいずれも総理府に設置される八条機関でございます。 次に、機能、運営面での相違という観点で申し上げますならば、今回の行革委員会については規制緩和、その他の行革の実施状況の監視及び情報公開制度調査審議、そういうテーマに焦点が絞られているということでございまして、従来政府からの諮問に応じて調査審議するという諮問答申型の活動ではなくて、委員会の自主的な判断に基づく監視とか意見提示とか勧告といった能動的な活動を基本としているということが今回の委員会の特色であるというふうに考えております。
○中村鋭一君 さあ、そこですが、実は旧連立与党でございますね、そのときには山口長官も、お見えの山元代議士も、我々と一緒になってこの行革委員会設置法について討論をいたしました。私も小委員会に所属しておりまして、そのときに社会党さんも我々も一緒になって討論した一番やっぱり大きな問題点は、これを三条なのか八条なのかということで、最も熱心にこれが八条機関であらねばならないということを主張されたのは実は社会党の皆さんであったと私は理解をしているわけでございますが、どうなんでしょう、八条機関とした理由についてひとつ明確に教えていただけませんか。我々三条三条と言っていたんですよね。
○政府委員(陶山晧君) 行政改革の推進ということにつきましては内閣が中心となってその責任のもとに取り組むべき課題であるというふうに考えておりまして、内閣からの独立性が極めて高い三条機関にこれをゆだねるということは適当でないというふうに考えております。 第三者機関に求められる役割につきましては、公平中立の立場から政府に対して適切な提言を行うということでございますから、このような機能を担う機関としては組織法八条に基づく行革委員会を御提案しているということでございます。 なお、この行革委員会は、委員会として活動する上で十分な機能と中立性を備えたものになっていると私ども考えております。
○中村鋭一君 その辺はやや私は見解を異にしておりますが、審議促進の立場もありましてこれ以上は申し上げません。 第二条の所掌事務にあります「監視」、これは具体的にどういうことを考えておられるんですか。
○政府委員(陶山晧君) 法案第二条の「監視」でございますが、端的に御説明を申し上げますけれども、いわば委員会として意見具申を行うまでの一連の委員会の活動という視点でとらえましたときに、まず一点、政府の行革の実施状況について資料収集、説明聴取、調査実施等によって実態を把握するということがございます。二つ目に、臨調・行革審の答申とか国民の意見、要望等に照らして、政府における実施状況が本来の目的にかなった内容となっているかどうか、所期の成果が上がっているかどうか等について評価を行うということがございます。三つ目に、これらを踏まえて、実施状況が不十分な場合において必要な改善方策の検討を行うということがあろうと思います。以上のような一連の委員会の活動を総称して「監視」というふうに御理解をいただきたいと思います。 なお、この監視に係る活動の結果に基づいて委員会は意見具申を行うということになります。
○中村鋭一君 そこで、衆議院ではこの二条の2が修正された。これは修正案を提出されたわけでございますが、御苦労さまでございます、山元議員の方からその理由等についてひとつ御説明をお願いいたします。
○衆議院議員(山元勉君) 衆議院の山元でございます。修正案を提出いたしました自民党、さきがけ、そして社会党を代表いたしましてお答えをさせていただきたいと思います。 中村先生も十分御理解をいただいておりますように、公正で民主的な行政を推進するという立場から行政の透明性の一層の向上が今求められております。行政情報の公開に関する法制の確立が急務となっておるわけでございます。 原案においては、行政改革委員会は行政機関の保有する情報の公開に係る制度について調査審議することと、こうされておりましたけれども、その調査審議の内容をより明確にするとともに、三年という設置期間にこだわることなく速やかに結論を得ることが必要だというふうに考えたわけであります。 そこで、衆議院における修正は、行政機関の保有する情報を公開するための法律の制定その他の制度の整備に関する事項の調査審議を行革委員会の所掌事務と明確に規定するとともに、調査審議した結果に基づく内閣総理大臣への意見具申はこの法律施行の日から二年以内に行うということにしたものでございます。
○中村鋭一君 この修正は私も非常に妥当なものであるとは思います。思いますが、この「内閣総理大臣に意見を述べる」という部分の「意見を述べる」というところの意味するところ、それからその結果それがどのような効果をもたらすものかという点について。また三条には意見を「尊重しなければならない」となっているわけですが、その辺の具体的な意味するところについて、せっかくこうやって修正案も出たことでございますから、その辺について説明をお願い申し上げたいと思います。
○政府委員(陶山晧君) 大臣もたびたび申されておりますが、行政改革は内閣総理大臣のリーダーシップのもとに行うことが必要であるということでございまして、このためこの委員会は内閣総理大臣直轄の権威の高い第三者機関として総理府に設置するということにいたしております。 そこで、内閣の首長の立場も有する総理大臣に対して行政改革に関する意見を具申するということによりまして、政府全体として行政改革の具体的推進を図ろうというのがまず意見具申の趣旨でございます。 二つ目に、一般的に審議会等の意見について政府はこれを尊重すべきことは当然のことではございますが、行革委員会の任務の重要性にかんがみて内閣総理大臣がこれを尊重すべきことを特に明定したものであるというふうに御理解をいただきたいと存じます。
○中村鋭一君 法律にそういう言葉があって、「意見を述べる」とか「尊重しなければならない」とかありましても、実態が伴わなければそれは単に法律の条文にそのように書かれたということで終わりますので、その辺はひとつ当局におかれても本法案が実施された場合は言葉の意味するところを正確に国民にわかってもらえるように、そういう法律の運用をひとつ強くお願いしておきたいと思います。 第四条にあります「勧告」ですが、これもやはり解釈によってはいろいろ考えられるわけでございますが、内閣総理大臣が委員会の意見を尊重すれば勧告する必要はないということになりますかね。改めてその「勧告」という言葉を設けた理由についてお伺いをさせていただきます。
○政府委員(陶山晧君) 先ほど申し上げましたように、内閣総理大臣の意見尊重に加えて第四条において勧告を行えるということを定めました理由は、特に規制緩和につきましては、一つ一つの個別の事項の改善、これの積み重ねが総体としての規制緩和の推進として極めて重要であるというふうに考えております。 そこで、内閣総理大臣に対して具申した意見が関係行政機関の個別の行政に反映されていない、あるいはいまだ不十分であるというふうに委員会が判断をされた場合に、内閣総理大臣または内閣総理大臣を通じて関係行政機関の長に勧告をすることによりまして、その実施を確実に確保しようという趣旨でございます。
○中村鋭一君 これも委員会が関係行政機関の長に勧告できるのは「規制の改善の推進に関する事項」と、こうなっているわけですね。そのほかの制度とか運営の改善の推進には勧告は含まれていないと私は理解をしているんですが、こうした場合に行革委員会が行う意見具申の実効性というのは十分に担保されるんでしょうか。
○政府委員(陶山晧君) 規制緩和についての勧告権の趣旨については先ほど御説明を申し上げました。 規制緩和以外の諸般の改革課題につきましては、内閣の首長の立場も有する総理大臣に対して委員会の意見について尊重義務を規定しているところでございまして、総理のリーダーシップのもとに政府全体としての施策を取りまとめ、その実施を推進していくことが期待されることから、委員会の意見の実効陸は十分に確保されるものと考えているところでございます。
○中村鋭一君 ちょっとまとめてお伺いしますが、委員数五名になっていますが、この五名で十分職員は果たせますか。 それから、前の臨調・行革審のときは委員は非常勤だったんですね。今回、常勤の枠をつくるその理由はどの辺にありますか。 また、常勤の委員に官僚出身者、これは久保田先生もお尋ねでございましたが、官僚出身者はお入りになるんですか、それともそれは排除されるんですか。以上三点をお願いします。
○政府委員(陶山晧君) それでは、実務的な面のみを私から申し上げます。 まず、臨調・行革審の委員が非常勤であったが、今回常勤を設けた理由ということでございます。今回の行革委員会につきましては、その任務に照らしまして濃密な調査あるいは専門的な検討を行っていただくということが必要な状況、事態が予想されるわけでございまして、このために適材が得られる場合には、委員のうち二人以内は常勤とすることができるという規定を置いたものでございます。 それから、委員会の委員数五名ということでございますが、これは大臣から先ほども御答弁がございましたように、限られた期間内に能率的にその任務を遂行し得るようにするためにできるだけ少人数の委員で組織することが適当という判断でございます。なお、情報公開制度等を専門的に調査審議するテーマについては、別途専門部会等を設置して検討していただくことになろうと考えております。 人事、人選の問題については大臣から御答弁を申し上げます。
○国務大臣(山口鶴男君) 五名の点は政府委員からお答えしたとおりでございますが、先ほども申し上げましたが、オンブズマン制度も念頭に置いてという答申もございましたものですから、その点を念頭に置いて五名ということにさせていただいたと御理解を賜りたいと思います。 それから、常勤の委員の問題でございますが、これはもう委員全般についてお答え申し上げているわけでございますが、総理大臣が村山内閣最大の政治課題である行政改革、これを進める、これを監視し、意見具申をし、場合によっては勧告をなし得る、こういった権威あるこの委員会のメンバーとしてはどのような方がふさわしいか。当然立派な方々にお願いをしなきゃならぬということで慎重に人選をなされるんじゃないかと思います。しかも、あわせまして衆参両院の御同意、国権の最高機関である国会の御同意もいただく。こういう手続によって任命するということでございますから、私はもう御懸念をされるようなことなく、出身云々ということではなくて、やはりそれにふさわしい立派な委員を総理大臣が任命いただけるものというふうに思っておりますので、そういう点で御理解をいただければありがたいと思っている次第でございます。
○中村鋭一君 それは現在の総理大臣は村山さんでございますから、私は村山総理が私心を捨てて十分に国民の理解を得られる立派な人選をなさることは疑いませんが、しかし人物がそういう方だから信頼されるという部分と法律の条文に書かれたものは、この人はいい人だからとか、この人は正直な人だからやることが間違いなかろうというような考えが介入する余地は少なくしておかないと、法律というものは運用が不可能になりますので、その辺が少し心配なものですから長官にお尋ねをさせていただいた次第でございます。委員の任命については、今お伺いしたそれでもう大体選考方針もわかりました。 次に、事務局を三年ということになさいましたが、これは三年が五年が七年がといろいろな考えがあるんでしょうが、私はどうも三年というのはちょっと短過ぎやしないかなとも思うんですが、その辺についてのお考えをお聞かせ願えますか。
○政府委員(陶山晧君) 設置期間の三年間ということでございますが、行政改革の推進につきましては継続的な努力の積み重ねが重要であるということはたびたび申し上げているところでございますけれども、その手法と申しますか、対応の仕方として一定の年限を目標として掲げて、その期間内に集中的に進めていくということが効果的というふうに考えられるところでございまして、この委員会を時限の機関としてお願いをしているわけでございます。 この三年間ということについては、委員会に課された任務を総合的に勘案いたしまして、三年の間集中的に活動していただくことが適当というふうに判断したものでございます。 なお、これまでの三次にわたる行革審も三年間の時限機関ということで設置をされていたところでございます。
○中村鋭一君 第十条に、関係行政機関の長等に対して資料の提出、意見の開陳、説明その他の必要な協力を求めることができる、こうされておりますが、この関係行政機関の長等とは具体的にはどういう方を意味するんですか。
○政府委員(陶山晧君) ただいまのお尋ねの点につきましては、この法文に言う行政機関とは国家行政組織法三条第二項に規定いたします府、省、委員会及び庁を意味しております。したがって、これらの長である内閣総理大臣、各省大臣、委員長及び長官を意味いたしております。
○中村鋭一君 わかりました。 第三次行革審のときに、特殊法人の方が協力は拒否いたしますとか、ちょっとその資料はお渡しするわけにいきませんとか、無視されたり非協力であったりということを聞いておりますが、今回の法案ではこの点とうなんですか。いわば、行革される側の皆さん等々から全き協力が得られると。例えば、この法律が現実のものになりまして行革委員会ができれば、その点は十分担保されているとお考えなのか、あるいはもしそのようなケースがあった場合にはこのようなペナルティーを考えておりますというようなお考えがあるのか、その辺をお聞かせをお願いいたします。
○政府委員(陶山晧君) 本法案の第十条第一項に基づきます行政機関等に対する資料の提出、説明聴取等の協力要請、それから同条の第二項に基づく調査の実施につきましては、正当な理由なくこれを拒否することはできないというふうに解されるところでございます。いわば、言葉を変えますと、行政機関等はこれに対して対応する義務があるというふうに解されるところでございます。したがって、各省庁等からきちんとした御協力がいただけるものと理解しておりまして、特に罰則等のペナルティーは法文上規定していないということでございます。
○中村鋭一君 私は今ペナルティーと申し上げましたけれども、今考えておられないということですが、あなたがおっしゃるように本当にそれが杞憂にすぎないことを私も心から念じております。もしこれが杞憂にすぎないじゃなくて、こんな行革委員会ができたにかかわらず、特殊法人は協力はしないわ非協力だわ無視するわというようなことがあったら、そのときはやっぱり政府の意思において、また我々国会の意思において、そのようなことではだめだということをしっかりと国民の皆さんの前でわかるような手段を講ずることも念頭に置いていただきたいと思います。 私に与えられた時間は五十六分までで、長官あと六分ありますから、これは予算委員会でも再三各委員からお尋ねがあったことでございますが、当面推進しようとしておられる行政改革における特殊法人の見直し、その位置づけ等々現実のスケジュール、いつまでにどうだということをあと六分ありますから明確にひとつ長官からお伺いさせていただきまして、私の質問を終わります。
○国務大臣(山口鶴男君) 特殊法人見直しの問題につきましては、当初の計画は二年間に見直しを行うということでございました。しかし、与党の皆さん方の御議論もあり、また村山総理の行政改革は最大の政治課題だという御主張もあり、それらを勘案いたしまして、前倒しをいたしまして、年度内に特殊法人の見直しは行うという方針を政府として決定いたしました。そうして、これを推進いたしますためにはまず関係省庁に所管内の特殊法人について洗い直しをしていただきまして、見直しの状況について年内、特に十一月二十五日までに総務庁に報告をいただきたいということを確認いたしました。そしてさらに当該省庁としては見直しを進めまして、省庁としてはこのようにいたしたいという見直しの結果について二月十日までに総務庁に報告をいただきたいということにいたしました。各省庁の見直しにだけ頼っておっていいということではないと思います。 したがいまして、官房長官と私とが二人の官房副長官も含めまして、各界の有識者の方々から特殊法人に対する考え方、またこれはこのようにしたらいいんじゃないかという御提言等々を承るという機会を設けたらどうかということにいたしまして、十一月七日を第一回といたしまして稲盛さんにおいでをいただきまして、特に行革審において特殊法人の問題を専門的に中心になって御議論をいただいた方でもございますので、稲盛さんに御出席をいただきまして、そしてお考え方を十分にお聞かせいただきたいということを計画いたしております。 これを皮切りにいたしまして、経済界、労働界さらには学者、ジャーナリスト、こういう方々から率直な御意見を承りたいということを計画いたしております。そうして、この行政改革推進本部といたしましても特殊法人についてはどのように対処するかということを総務庁を中心にいたしまして検討もいたしたいと思っております。そして、これらを総合いたしまして年度内に特殊法人については具体名を挙げて、これはかようにすべきであるという結論を出すということにいたしたいと考えております。 そして御案内のように、特殊法人は法律に基づいて、法律に根拠があるわけでございますので、場合によりましては法律改正を必要とする事態も出てくるかと思います。したがいまして、その点は年度末に具体的な結論を出しました場合、必要とする法律改正につきましてはその後政府部内におきまして検討いたしまして、法律改正案を国会に対して御提案申し上げるということになる場合もあり得るかと考えておる次第であります。 いずれにいたしましても、この特殊法人の整理合理化の問題が、昭和六十三年以来現在の九十二法人のままで来ておるわけでございまして、それだけにこれを整理統合するということは極めて難しい問題が数々あるということは認識をいたしております。それだけに、与党の皆さん方にも御協力をいただかなきゃなりませんし、与党ばかりではなく、この問題に対しては必要であるということを御主張いただいております野党の皆様方にも大きな御協力をいただく。そして衆議院の場では、野党の方から与野党で一致して行政改革に対する十年計画もひとつ考えたらどうか、こういう御提起もいただきました。 これは、いわば政党間といいますか与党、野党の間で御議論をいただくべき課題であると思っておりますが、そういった形の国会挙げての御協力もいただく、そういう中で政府といたしましては先ほど申し上げたスケジュールに沿いまして懸命に努力をいたしてまいりたい、かように決意をいたしている次第でございます。
○中村鋭一君 ありがとうございました。終わります。
○猪熊重二君 いろいろ質問通告を申し上げておいたんですが、先ほどの政府側の答弁で非常に私は理解しにくい答弁があったので、その点からお伺いしたいと思います。 先ほど久保田委員の質問で、この行政改革委員会は要するに政府の施策の単なる番人なのか、それともそれ以上の権限を持っているのかどうかと、こういう質問に対して、会議録、速記録を見てないから私はわかりませんけれども、何か局長の答弁は、単にそういう政府の施策の監視というふうなこと以上に、行政改革一般あるいは規制緩和、こういう問題に対する調査なり政府に対する提言なりができるというような趣旨の答弁があったと思うんです。その辺をもう一度明確に御答弁ください。
○政府委員(陶山晧君) 御質問の御趣旨を正確に理解しているかどうかということについて若干の疑問がございますが、改めて申し上げたいと存じます。 要すれば、法律に言う委員会の権限、それに基づいた業務をやっていただくということでございます。したがって、この法案に言うところの委員会の所掌事務が、法案に規定する事項について政府が講ずる施策の実施状況を監視する、それに基づいて意見を具申し、規制の改善の推進に関する事項についてはその意見具申が十分に実現されていないと判断をする場合に勧告をする権限を持つ、そういう仕事が行革委員会の所掌事務であるということでございます。
○猪熊重二君 そうすると、さっき言ったこととちょっと違うんじゃありませんか。 さっき久保田先生が聞かれたのは、まさにこういう所掌事務を見ると、情報公開の問題は別ですよ、情報公開の問題を別にすれば、規制緩和ないし行政の制度運営の改善、これに関しては政府の講ずる施策の実施状況を監視するんだということが所掌事務なんだと。だから極端に言えば、政府の行政改革推進本部がいろいろ施策を実施している、その実施状況を監視するという意味における単なる監視の番人なのかという質問に対して、そうじゃないと。規制緩和に関しても、あるいは制度の運営改善の推進に関してもいろいろ調査して提言ができるというふうな趣旨のことをおっしゃったから、そうするとここの法案に書いてある所掌事務をはるかに超えることになる。 私は本当はその方がいいと思うんですよ。本当はその方が、まさに行革審の答申にあるように「政府による行政改革の実施を厳しく監視するし、それが一つの仕事、さらに「国民の意見を政府の施策に的確に反映させる」、こういう二つの目的を持ったオンブズマン的な役割を持つ権威ある第三者機関を設置しろということになるので、その意味では、私は先ほど局長が言ったのを聞いていて、ああ、それじゃこの行革審の答申と同じようなことを言っている、ただ法文はそうじゃないねと、こう思ったわけです。 もう少し、そこのところは重要なところですよ、あなた。
○国務大臣(山口鶴男君) 久保田委員の御質問に私がそのとおりでありますと、こうお答えしたわけですが、それはこういう御質問だったと思うんです。 規制緩和に関してこの行政改革委員会が監視し、意見の具申をし、勧告をする、それは政府が年度内に作成する五カ年間の推進計画、その計画に対してのみ、それを対象として活動するのかというお話でございましたから、そうではございませんと。この規制緩和は、政府が決めた推進計画の中だけで、これは不十分だ、これは監視をしなきゃいかぬ、意見具申だ、勧告だということではなくて、政府がつくりました推進計画以外の規制緩和の問題についてもこの行政改革委員会が、この規制については緩和すべきではないか、廃止すべきではないか、ここは改善すべきではないかという形で監視をし、意見を具申し、そして場合によっては勧告をするということは、これは当然あってしかるべきですという考え方から、決して政府が作成する五カ年間の推進計画の枠内ではありません、それ以外の規制緩和全般の問題について行政改革委員会が高い立場で対処いただくということで結構でありますというふうに実は私はお答えをしたつもりでございます。
○猪熊重二君 そうすると、私は別に絡んで言っているわけじゃないんです。本当はその方がいいんだけれども、私の通常の感覚からいったら今のような法文解釈は出てこないんです。なぜかというと、ちゃんと本文の第二条一項をごらんになれば、行政改革委員会は、文章をそのとおりうまく読めば、規制緩和の改善の推進に関する事項に関して講ぜられる施策というんです。この場合の「講ぜられる施策」というのは、政府が現に講じている施策なんです。だから、現に講じている施策だから、それがどのように実施されているかの実施の状況を監視すると、こう書いてあるんです。 ところが、今の長官のお答えだと、この日本語の文章として読めば、委員会は次に掲げる事項に関して講ぜらるべき施策の不実施の状況を監視するとでも読まない限りには出てこないと私は思うんです。この文章からは、一口に言って、政府が講じている施策がどんなふうに実施されているかどうか、その実施状況を監視しろというんだから、実施されていないものなんか見ようがない。だから、もし実施されていないけれどもそれも監視できるんだということになれば、講ぜらるべき施策の不実施を監視するとでも読まないことには今のような結論は出てこないと思う。もう一度お答えいただきたいと思います。
○政府委員(陶山晧君) 先ほど番人というお言葉がございましたが、いわゆる日本語で言う番人というのは、ウォッチャーという意味でかなり狭い幅の意味合いになろうかと存じますけれども、私どもの理解では、「講ぜられる施策の実施状況を監視する」というこの委員会の所掌事務については、先ほども御説明を申し上げましたように、まず実態を把握し、それを既往の臨調・行革審の答申等との観点から十分であるかどうか、あるいは国民の意見要望等の観点からどうかというような観点での評価をし、そして今後あるべき姿についてその評価をもとに検討を行うという、ある意味でかなり幅の広い活動としてこの監視という所掌事務の内容をとらえているわけでございます。 先ほど先生の御指摘の、例えば規制緩和のアクションプログラム、五カ年計画との関係で申しましても、大臣が先ほど申されましたように、この五カ年計画の内容についてそれが委員会のお立場で不十分である、不足がある、あるいは欠点があるという御判断があるとすれば、それは委員会の監視活動の一環として御指摘をいただくということは十分可能であるというふうに理解をいたしております。
○猪熊重二君 そうすると、例えば今政府が実施している規制緩和策、これに対して、いや、この点は不十分だというふうなこと、だからこういう規制緩和をするべきであるというふうなこと、この辺まで提言できるということですか。
○政府委員(陶山晧君) ただいまも申し上げましたように、政府が講ずる施策の実施状況を監視と、そういう観点からただいまの御指摘のように政府がやっていることが不足である、欠点がある、もっとこういう方向で対応すべしという意味の御提言として、つまり意見具申なり勧告なりという権限の対象としてそういう御判断があるとすればそれは可能であろうというふうに考えます。
○猪熊重二君 そうすると、結論的に言えば、「実施状況」という用語の中には、現に実施している実施の状況のほかに実施した方がいいだろうと思うような状況、こういうものを頭の中で考えてそれを監視する、こういうことになるわけです。ありもしないものを監視するということになるわけです。
○政府委員(陶山晧君) ありもしないものというのは少しく誤解を招く御発言かと存じますが、言ってみれば、政府が講ずる「施策の実施状況を監視する」という言葉の解釈として、例えば規制緩和につきまして、これは個別の一つ一つのいわゆる許認可等の改善の問題もございますれば、制度として規制緩和の全体の仕組みなり、あるいは見直しのルールの問題なり、一般制度的な問題もあれば個別の問題もあるというふうに大変幅広い対象であろうと思います。 そういうことについて政府としてこれをどういう方向に改革の道づけをするかということについて、その実施状況を監視するということでございますから、いわば一つ一つの個別の規制緩和云々というよりも、かなり広い土俵の上で政府としての規制緩和の推進状況を見ていただく、監視していただく、こういうことになろうかと思います。
○猪熊重二君 もうこれ以上はしつこくなるからやめますけれども、そうだとしたらもう少し法文の書きようがあると思う、私は。もし今あなたがおっしゃるような内容をこの文章に含ませるんだとしたら、普通の人が読んでもわかるような文章にする方が妥当だと思う。 なぜかというと、これは「実施状況を監視する」という用語の中に、規制緩和の施策に関する調査、それからこのような規制緩和がいいだろうというような意見、これをまた内閣に対して具申できるというふうなことだったら、「監視する」なんていうんじゃなくて別の用語が当然にあると思います。というのは、二項を見てみなさい。二項は、委員会は情報公開に関する制度に関する事項を調査審議する、そして調査審議した結果について意見を内閣総理大臣に述べると書いてあるんです。 これなら、日本語で読んだって、情報公開に関して政府原案として、情報公開制度を調査するんだな、いろいろ検討審議するんだな、そして何らかの意見が出たものに結果について内閣総理大臣に意見を述べるんだなということがだれが読んだってわかるんです。一項なんか読んだって、「講ぜられる施策の実施状況を監視する」という仕事なんだから、その中に規制緩和に関していろいろ調査したり、この辺が足りるとか足りないとかこれがいいだろうとかなんということをいろいろ調査検討して、その結果を内閣総理大臣に具申するというんだったら、もう少し用語の問題が検討されるべきだと思います。 ただ、政府としてそこまでこの法文からそういうふうに立法者としては読むんだということなら、それはそれで大いに結構なことで、この第三者機関というものが実効を持っていろいろ監視機関として、監視機関だけじゃなくしてむしろ調査提言機関として立派な仕事をやってもらえるとすれば、それは非常に結構な話でございます。 次の問題に入ります。 委員の問題について山口長官も非常に慎重にいろいろ言っておられるんですが、私はやっぱりこの委員会が本当に成果を上げられるかどうかというのは委員の人選にかかっていると思います。そして、その委員の人選に、やはりいろいろ規制に携わっていた官僚のOBは除外するべきであるというふうなほかの委員の御意見と同じなんですが、長官は、それは私が決めることじゃない内閣総理大臣が決めることだと、こうおっしゃるんですが、しかし内閣総理大臣が決めても国会の人事同意案件なんですから、結局国会で不同意だということになれば内閣総理大臣としての責任まで、結局は内閣としての連帯責任ということにもなるわけです。 というふうな観点から、所掌大臣としての国務大臣としての山口長官から、やはり官僚OBは除外する方が私としてはいいと思うというふうなことは言っていただけませんかね。
○国務大臣(山口鶴男君) 私も社会党の国会対策委員長を四年半ばかりいたしました。この間やっぱり政府の関係する国会承認人事というのが何回かございました。その際は、やはり内閣官房を通じまして、野党の国対委員長でありました私の方にも大体こういう方を御提起申し上げたいと、国会同意人事でもあるので党としての御意向を承りたいという話がございました。私は、国権の最高機関たる国会で御同意をいただく人事であるということは、当然これは総理大臣が任命するに当たりまして、各党の御意向というものは十分踏まえました上で総理大臣として考え方を決めるというのは、これは今までもございましたし、今後もそういうことであろうというふうに考えている次第でございます。 したがいまして、そういった経験を踏まえ、しかし人事はやっぱり総理大臣がお考えになることでありますから、しかも国会の御同意もあるということをお考えいただければ、それで立派な方々をお願い申し上げるということになるのではありませんかということを申し上げている次第でございまして、この点はひとつ私の考え方を御理解を賜りたいと思う次第でございます。
○猪熊重二君 次に、委員会の運営と情報公開の問題についてお伺いしますが、委員会の審議内容と審議経過、これをどのように国民に内容を公開するかという問題に関して、例えば毎委員会終了後において委員長が記者会見においていろいろ当日の経過を発表するとかあるいは適宜な段階で委員会の会議録を公表するとか、このようなことに関しては委員会の決定があればその決定に対して政府として特別にとやかく言うことはないんでしょうか、いかがでしょうか。
○国務大臣(山口鶴男君) 実は、私が提案者となりまして、成立をさせていただきました法律に国会等の移転に関する法律というのがございます。私が提案者で衆参両院に趣旨説明も申し上げ、御質問に対してお答えもいたしまして、一昨年成立をさせていただきました。 その際、この調査会を公開にすべきである、また議事録は公表したらどうか等々の意見がございました。私は、やはり国会等の移転というまさに世紀の大事業でございますし、国民の理解と協力なしにはできない事業だと思います。 ただ、問題は、調査会の運営規則というものは委員会自体の問題として調査会が協議、決定いただく問題である。したがって、私が提案者であってもこうすべきであるというようなことをやはりお約束するわけにはまいりませんと、調査会自体の自主的判断で決定される問題でありますと、しかし問題が問題であるだけに、国民の皆さん方からやはりガラス張りの運営であるというふうに理解されるようなひとつ運営のあり方をやっていただきたいという希望の表明は当然いたしましょうということは申しました。そういう中で、国会等移転調査会は関経連の宇野さんが会長に就任をされましたけれども、結局調査会は公開ということではございませんでしたが、調査会が行われますたびに会長である宇野さんが、議事の経過についてはマスコミの皆さん方に詳細に御報告を申し上げるという形で運営されているということを伺っている次第でございます。 したがいまして、この点は委員会自体がお決めになることでございますけれども、当然今申し上げましたような経過を踏まえて立派な方々が委員になられることでございましょうし、またそういう委員の皆さん方の見識のもとにおいて運営規則は決めるべきものであるということで御理解を賜りたいと思います。
○猪熊重二君 いろいろほかにも質問通告させていただきましたけれども、ほかの委員の方からの質問と大分重複しておりますし、時間も節約した方がよろしいと思いますので、最後に、政府とするとこの第二条二項の情報公開に関する部分についての修正は余り気に入らないかどうかわかりませんけれども、しかし私は情報公開法の制定そのものを急ぐべきであるというふうに考えている立場にもありまして、情報公開法の制定に関する事項ということになっておりますが、長官から一言御意見をいただいて終わりたいと思います。
○国務大臣(山口鶴男君) この法律を審議する際ではございませんでしたが、衆参のたしか内閣委員会だったと思いますが、情報公開については三年という期間にこだわらずもっと急ぐべきではないかという御意見がございました。当時私は、御意見はごもっともだと思いますと、したがって委員会の設置期間は三年ということでありましても、情報公開に関する法制化の作業はぜひ三年ということじゃなくて、それよりももっと短い期間でひとつ御努力をいただきたいというお願いは、政府として委員会ができました場合はお願いも申し上げるつもりでございますということをお答えいたしました。そういう意味で、今回の修正につきまして政府として異議はございません。 行政改革委員会で、国民の期待にこたえて情報公開の問題については精力的にお進めをいただきたいと思いますし、また総務庁といたしましては、情報公開に対する準備室も実は庁内に設置をいたしまして、委員の皆さん方への御協力につきましても万遺漏なきを期したいと考えておる次第でございます。
○猪熊重二君 終わります。
○聴濤弘君 行政改革というのが本来、不要不急の部分をなくし効率のいい民主約な行政をやっていく、これが本来の行政改革だというふうに思いますし、それは常に必要なことであり、今また特に必要なことだというふうに私は思います。結局はしかし、問題は中身の問題であります。 それを具体的にどういうふうにするのかということでありますけれども、今度の行政改革委員会設置法案、今審議しております法案は、提案の趣旨説明にもありますように、臨時行政改革推進審議会の最終答申の趣旨を踏まえやっていくということが趣旨説明にも述べられておりますし、きょうも長官はそれをお読みになりました。 ちょっと初めにいろいろ申しますけれども、この趣旨に沿ってやっていくということになると、これは非常に大きな問題を幾つもこの最終答申の中に持っております。昨年十月二十七日に提出されました最終答申がここにありますが、これは第二臨調以来進めてきた福祉切り捨て等々の第二臨調以来のいわゆる行革をずっと引き継いで、今の状況のもとでそれを推進していこうという基本的な内容になっております。 先ほども、今までの臨調行革と今度の場合どこが特徴点として違うのかという質問がありましたけれども、この最終答申を私は読みましたけれども、幾つかの点で非常に重要な、重大なといいますか、そういう原則的態度が出ております。 一、二挙げてみますと、一つは、国民は自立・自助、自己責任の原則に基づいて行動すべきこと、こういうふうに出ております。これは四ページに出ておるんですが、国民に対してはそういうふうに自立・自助、自己責任の原則で行動せよ。 それから地方分権のところで、地方に対してはどういうことを言っているかというと、国は外交、安全保障を初め国の存立にかかわる課題により重点的な取り組みを行っていく体制を築いていく必要がある、それで地域の問題、住民の選択と住民の生活にかかわっているんですね。それは主として地方自治体が主体的に取り組めるようにしていく必要がある。 それからまた、三番目には、冷戦構造が終結した世界での日本の国際的地位に見合った積極的役割と分担ができるような方向での行革が必要であるということも、この原則として述べられております。 そしてまた、こういうことをやっていく上では行政府が非常に強力な指導力というか権限、これを持つ必要があるということで、行政の総合調整機能というところでは特別に内閣総理大臣の強力な指導力ということをうたい、またさらに数名の国務大臣が国政を決定していけるようなインナーキャビネット制をつくっていく必要がある。 それからまた、そういう行政をやっていく上で今の省庁を六つの省庁に統合する必要があるというアイデアまで検討すべきであるということが、これはこうせよと言っているわけじゃないんですが、今ちょっと誤解があるといけないと思いますが、六つに統合していくようなことも検討すべきだというふうに出ております。 最後に、全体としてこういう行革をやっていくために政府がどういうふうな方向で、こういう線てやっているのかどうか、この実施状況を監視する第三者機関、そういったものも設置が必要である、大筋そういった行革の基本方向というものをこの最終答申は述べているわけです。 これに沿った形でもって今度の委員会を設置しいろいろなことをやっていこうという、こういう趣旨でありますから、これは単純に今行政が肥大化していくからそれを簡素化しなきゃならぬ、あるいはもっともっと卑近に言えば消費税問題がある。消費税の税率アップを行政改革やらずにやるのはけしからぬということに対して、早く行政改革やろうじゃないかといったような次元のレベルとは随分違った、日本の国づくりの基本方向をこういうことでやっていこうじゃないか、そのための行政改革なんだ、そのための委員会なんだという、こういう位置づけが最終答申に出ている、私はそういうふうに思います。これはやはり簡単にどこかの特殊法人をどうするかこうするかというだけの、この問題は後で私は触れますけれども、そういっただけの問題ではないというふうに私は思います。 まず第一の質問は、こういう点で山口長官はどのような御認識をお持ちなのか、そして最終答申が述べているような方向というのを是認されるのかどうか、この点についてまずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(山口鶴男君) 私ども行政改革を進めていくに当たりましては、社会党、自民党、さきがけ、三党による連立政権樹立に関する合意事項、この事項を中心として諸般の施策を進めていきたいというふうに考えている次第でございます。当然その一つとして行政改革の問題もあるわけでございまして、私ども、自民党、社会党、さきがけ、三党の連立政権樹立に関する合意事項の冒頭には、憲法の理念を尊重して我々はこれを進めていくんだということを明確にいたしております。 今いろいろ御指摘ございましたが、行革審、結論として出していないでイメージとして例えば六つの省庁というようなこの部分が御答申の中にあることは私も承知しておりますが、それをせよ、そういうことに持っていくということを結論として出しているわけではないと思います。 したがいまして、私どもは、先ほど来申し上げました三党の合意事項というものを基本といたしまして、平和憲法を尊重するという理念を堅持して、そして国民のための行政改革をどのように積極的に進めていくかという観点で私どもこれに対処するという決意でございます。
○聴濤弘君 この答申に私が例を出しました六つにしたらどうかというようなことが書いてある。幾つもあるのを六つにしたらどうかというこういう点、六つだか七つだかあるいは五つになるのか、そういうことは実際やってみなきゃわからぬことで、そういうことを特別に私は取り上げているわけじゃないので、そういうアイデアですね。 それから、さっき言いました首相の権限を、強力な権限を持たせるようにする必要があるとか、あるいは国はもう外交と国防と、国は基本的にはそれ以外やらないという方向だとか、そういった方向づけというもの、これを出している。憲法違反かどうか、それは別個の問題でございますから、今これが憲法に反するか反しないか、それは別で私は議論しなくてもいいと思っているんですが、そういう方向でひとつ行革をやりなさいと言っているのが答申だと思うので、趣旨説明にもある最終答申の趣旨を踏まえというのは、今の長官のお言葉ですと、余りこれは考慮せぬでもいいと、簡単に言うとそういうふうにとれるんですが、そうでもなかろうと思うんですが、その点はいかがでございましょうか。
○国務大臣(山口鶴男君) 先ほどお答えいたしましたように、行革審の答申を私ども踏まえていく必要はあると思っております。同時に、先ほどお答えいたしましたように、これを進めるに当たっては自民党、社会党、さきがけ、三党による連立政権の合意事項があるわけでございますから、この合意事項に沿って行政改革を進めていくということであろうと思います。そういうことでございますので、御理解を賜りたいと思います。
○聴濤弘君 それでは、ちょっと具体的に局長にお伺いしますが、ここにある自立・自助の原則、これは具体的に言いますとどういうことになるんでしょうか。
○政府委員(陶山晧君) まことに申しわけございませんが、直接私は答申の意味合いについて必ずしも承知しているわけではございません。 ただ、この自立・自助というような表現は、さかのぼれば臨時行政調査会の今後の行政改革の基本的な物の考え方という議論をされましたときに、基本的な物の考え方の一つとして自立・自助という原則が掲げられていたと承知をいたしております。行革審においても、基本的には臨調のときの物の考え方をいわば踏襲しつつ議論が進められたということでございますので、基本的には臨時行政調査会のときの物の考え方がベースになっているというふうに理解をいたしております。
○聴濤弘君 私などは、よくこの自立・自助の原則というのは、例えば国民が行政に対して、福祉の問題だとか、きょうも午前中で議論になりました年金の問題だとか教育の問題だとか、もっともっと国なり公共団体なりにお願いをしたいと国民が思うと、それはよろしくない。基本的には自助自立だ、そういうような原則だと、こう理解するのであります。 そしてまた、第二臨調以来ずっとやってきたことを時間があればずっと申し上げてもいいんだけれども、臨調というのは結果的にそういうことで、この自立・自助のところではそういうことがやられてきた。ですから、具体的にはそういうことなんじゃないかと私は思うんですが、もう一度局長、いかがですか。
○政府委員(陶山晧君) これは聴濤先生も御案内のとおりでございますが、たまたま手元に第三次答申を今持っておりますけれども、官主導から民自立への転換ということが基本的な物の考え方として掲げられているということでございまして、この中には官主導かつ中央集権的な特徴を有する諸システムの変革が求められている。官主導の社会経済システムを民間部門が自己責任の原則のもと、その活力を十分発揮でき自立的かつ主体的に活動していくことができるものに変えていく必要がある、こういう考え方で公的規制の緩和とか政府事業、特殊法人等の改革を進める必要がある、そういう論理を述べられていると承知いたしております。
○聴濤弘君 それでは、先ほども触れました地方に対して述べている、国は外交、安全保障を初め国の存立にかかわる課題に重点的に取り組むようにする、そういう体制をつくるというのはどういうことを具体的に意味するんでしょうか。
○政府委員(陶山晧君) 答申について、具体的な内容を私が承知しているわけでもございませんので、大変申しわけございませんが、その意味内容について逐一御説明を申し上げることは不可能でございますけれども、国と地方の関係について、これまた臨調以来の一貫した臨調・行革審を通じた基本的な考え方は、住民に身近な行政はできるだけ住民に身近な地方団体において処理をすべきである、これがまず第一の基本でございました。 そして、国と地方の関係について、いわば国の機能、役割を、地方団体との関係においては国が対応すべき行政の機能についてはできるだけいわば企画的な仕事を中心とし、地方団体で対応できる、処理できる仕事については極力地方団体において処理できるようなそういう考え方を前提にした国と地方の関係をつくっていくべきである、そういうことが臨調以来の一貫した考え方の一つの原則であったというふうに理解をいたしております。
○聴濤弘君 余り具体的にはよく知らないんだと言われると大変困るんですよ。ともかくこの法案そのものは、この審議会の最終答申の趣旨を踏まえてつくるといってあなた方は提出されたんですから、その中身を余りよく知らないんだなんて言われたんじゃ、これはもうひどい話だということになりますよ、この最終答申の中には、今の意味はどういうことかと具体的に説明していますよ、地方交付税の問題、補助金の問題等々。 例えば、補助金のところなんかはどんどん見直していく。見直していくというのはカットしていくことで、ちゃんと書いてある。国の負担を義務づけた法律を見直す、補助事業も見直していく、要するにどんどんカットしますよということをちゃんと書かれているんですよ。だから、こういう方向での行革ということが一体国民のための行革なのかどうかという、そういう問題を問われると思うんですね。 私は、別にわざわざ比較をするわけじゃないのですが、私はやはり非常に危険性を感じるので申し上げますが、小沢一郎氏の「日本改造計画」を読みますと、その中で、国政改革の第一歩は、国民生活に関係する分野を思い切って地方に一任することだ。その結果身軽になった中央政府は、強いリーダーシップのもとに国家として真剣に取り組むべき問題、例えば国家の危機管理基本方針の立案などに全力を挙げて取り組むべきだ、これがこれからの時代を日本が国際社会で生き抜いていく唯一の方法だというようなことを「日本改造計画」の中で小沢氏は書かれている。この最終答申は何かそういうのと非常に酷似している。ということは、私は変な比喩はしたくないけれども指摘したいというふうに思うんです。 ですから、行革ということについて言えばそれは国民がみんな賛成だ、期待しているということになると思うけれども、内容的に見ると、こういう日本の国づくりの方向に行革がずっと行くということは非常に危険なことだと。それの歯どめというのはない。なぜならば、この最終答申の趣旨を踏まえてこの法律は設置するんだということが説明されているわけで、私はこの点で非常に重大な法律なんだというふうに言わざるを得ないというふうに思います。 次に、私は中の幾つかの問題についてお伺いしたいと思いますが、その中身というのは、例えば規制緩和のことだとか特殊法人の問題などです。 第一に規制緩和についてですけれども、これは一つ基本的な点ですので山口総務庁長官にお尋ねしたいんですが、若干私の考え方を申し上げるのでちょっと説明が長くなるかと思いますけれども。 規制緩和の基本的な考え方なんですが、私は、一つは明治以来に日本にあるいろんな官僚主義的なそういう規制、これは当然取り払わなきゃならぬものだというふうに思います。何も明治以来だけじゃなく、その後にできた非常に官僚主義的な規制というのは多々あると思うんです。よく出る例ですけれども、バスの停留所をちょっと向こうまで持っていくのに、五十メートルほど先へ持っていくのに物すごい許可制度があって何重ものチェックが要るというようなのはその一つの例だと思うんですが、そういうものはこれはやはり廃止していかなきゃならぬ。たくさんそういう例はあるんだと思います。 しかし、同時にもう一つは、よく国際的にも言われるんですが、日本はルールなき資本主義だということがよく言われます。長時間過密労働等々それから環境への無配慮などがヨーロッパと比較して非常におくれている、そういう点でヨーロッパやなんかからルールなき資本主義というようなことが言われることがある。 私はここに、文芸春秋のおととしの二月号にソニーの盛田会長が「日本型経営が危い」という論文を書いておられるのを持ってまいりました。これは財界の側からの指摘なんだけれども、大変興味を持って私は読んだところなんですけれども、この中で日本企業の特殊なやり方ということが非常に詳しく書いてある。日本の企業は猛烈なコストダウン競争をやる、そのために日本で独特の経営の形態ができているということで何点か指摘をされておる。 その第一が、労働者の労働時間と給与水準の面での欧米との格差が非常に大きいということを盛田氏は指摘している。それから株主への配当の異常な低さということをこの盛田氏は言っている。これはヨーロッパに比べてですね。 それから次に、部品供給企業の対等、平等性の欠如。これは下請企業が親企業に部品を提供している、つくっているその状況は全く対等、平等性を欠いていると、こういう指摘をされている。 それから、もう一つ日本企業の特徴として、地域社会への貢献度の低さ、アメリカと比べて大変貢献度が低いということも指摘している、こういうことをやって価格を低くし猛烈な競争力をつけているんだと。こういうのは異常であって、これが内外価格差を生み、また貿易摩擦を生み等々今の国際間の問題を起こしている。ここで、日本の経営が今考えなきゃならぬ時期に来ているということをソニーの会長が指摘しているんですね。それでもう一つ、会長は今挙げた以外に環境問題に対するやはり配慮を企業が行うべきだということも指摘しております。 こういうふうに見ますと、一番最初に申しました非常に官僚主義的な統制のこういうもの、これは緩和していかなきゃいかぬ。しかし、今挙げているような問題、これはやはり緩和するんじゃなくて、こういうところがきちっとルールがないものだから現在非常に大きな問題を起こしているんだとソニーの会長は言っているわけで、こういう部分というのは逆にきちっとしたルールをつくらなきゃならぬ、そういうふうに思うんで、規制緩和と言ってもその両面があるというふうに私は思うんですが、こういう考え方についてどんな基本的な考え方をお持ちになるか、長官の御意見をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(山口鶴男君) 先ほど委員が御意見をお述べになりました。 実は、衆議院でも松本さんからこの問題について委員会の場で質問があり、私が答弁をいたしました。そのことと相通ずる問題ではないかと思うんですが、私は実は総務庁長官に就任いたしましたのが六月三十日でしたが、翌日が七月一日、総務庁ができて十周年の記念式典でございました。そしてパーティーもあったんですが、そのときに私は率直に申しました。 かつて鈴木内閣時代に第二臨調ができ、第二臨調の答申がなされて、そして行革法案が国会に提案された。これを審議するための行革特別委員会が設置をされて、そのときの委員長は金丸さんであり、自民党の理事の皆さんは海部さんを初めとして早稲田大学雄弁会の出身の皆さんがずらっと並んだ。それに対して、当時党の役員の皆さんから、おまえが行って社会党の筆頭理事になれと、こう言われて私はその委員会の理事に就任しました。そうして、百時間を超える徹底的な慎重審議を実は要求をいたしまして、当時としてはレコードである慎重審議の記録を打ち立てた次第であります。 なぜ、それでは私どもがそうして反対して徹底的な慎重審議をお願いしたのかといえば、当時あのときの行革法案は、御指摘のとおり補助金をカットすることが主たる内容の法案だったわけであります。生活保護の補助率も切り下げるというような冷たい内容であった。私ども、当時行政改革というのはそういった弱い者いじめの行革であってはならない。それより委員が御指摘をされた、日本は余りにも中央集権的な制度であり過ぎる、したがって地方分権を徹底して地方公共団体の自主性というものをもっと強化しなきゃならぬ。住民の身近な地方公共団体で国民にかかわる問題は処理できるようなそういう制度を打ち立てるべきではないのか。それからまた、高級官僚が天下りする受け皿になっている公社公団等特殊法人の見直しについてもこれは徹底的にすべきである。しかるに、そういった内容が含まれておらずに補助金ばかりカットするような内容であるから我々は反対であるということで、当時徹底的な反対をいたしました。 年変わり星移りまして、その後、とにかく今御指摘がありましたように行革審の答申もそれは細かな点を指摘すればいろいろあるかもしれませんけれども、私どもは行革審答申を踏まえるといっても、これは何も日本改造計画に沿って日本を改造しようとかあるいは普通の国を目指そうとか、そういうことを我々は考えているわけではありません。そうではなくて、先ほど言ったように平和憲法のいわば理念をきちっと踏まえてやっていく。ですから、憲法二十五条にもありますような国民の健康にして文化的な生活を我々は営む権利を保障していくということをきちっとしてこれからの行革に対しても対処することは当然だというふうに思っております。 したがって、結局、私どもはかって第二臨調の答申に対しては反対しましたけれども、当時これをすべきだというふうに主張してきた規制緩和でありますとか地方分権であるとか、そういうことを推進することが今や行政改革の重要な課題になっております以上、私どもとしては三党の政権樹立に関する合意事項を踏まえまして、そして行政改革を我々は推進していくという立場であることはひとつ御理解を賜りたいと思うのであります。 そして、御指摘のありましたソニー会長さんの論文、当時大変反響がございまして、私も読みました。あの内容については幾らか記憶もございます。あそこのいわばルールなき日本の資本主義、こういった点のルールが必要であるという御提起は私はすばらしい御提起ではなかったかというふうに思っている次第であります。 したがいまして、労働時間の格差の問題にしろ、それから株主に対する配当が著しく低いという問題にしろ、さらには地域社会に対する貢献が大変少な過ぎるという御指摘の問題でありますとか、下請企業に対する平等の問題でありますとか、あるいは環境の問題でありますとか、こういった御提起はまさに私ども十分考慮しなきゃならぬ問題であるというふうに認識をいたしております。 したがいまして、私ども、経済的規制につきましては原則自由、しかし労働条件の問題でありますとか環境の問題でありますとか、株の配当の問題はこれはルールで、法律で規制するというふうな問題ではなくて、これはまさに企業みずからがちゃんとしたルールをつくるべき課題だと思いますが、いずれにせよそういった社会的な規制の問題については、私たちはやはり必要な規制はきちっと守っていくということは当然である。また、そういったことを念頭に置いて私どもはこの規制緩和の問題に取り組んでいくつもりであるということはひとつ御理解を賜りたいと存じます。
○聴濤弘君 今の文脈の中で、私が提起している規制緩和のことについて、一つだけ具体的な問題で質問をさせていただきます。 これは大店舗法の問題なんですけれども、これをどんなふうに考えられるかということです。 これは前の国会でおもしろいやりとりがあるんです。それは公明党の大久保委員が、この大店舗法の廃止については慎重にやるべきじゃないかという質問をされて、当時、石田総務庁長官が、そういう意見はたくさん聞いていると、何でもかんでもみんな全廃しろと言ったんではこれは大変なんで、そういう一方的なことをやるべきでないという意見もよく知っていると言われて、最後に貴重な御意見ではないかというふうに思いますと、大店舗法を撤廃してしまうというふうなことをしない方がいいんじゃないかという意見を、そうだとはおっしゃってないけれども、貴重な御意見ではないかと思っているというふうに言っておられるんですが、こういう立場で山口総務庁長官も臨まれるのか、ひとつお伺いしたいと思います。
○国務大臣(山口鶴男君) 御指摘の大店舗法の問題につきましてはとりあえず規制緩和でと。今、奥様方もお勤めになっている方が大変多いわけでございまして、お買い物をするのに、余り早く閉店時間ということであってはお勤めの帰りにお買い物ができないと。したがいまして、この大店舗法の規制は撤廃ということは直ちにしないけれども、とりあえずは営業時間について、当面ある程度午後七時とか午後八時とかそういう形で延ばすべきではないかという形の規制緩和を行ったことは御理解いただいていると思います。 私は、いずれにいたしましても一つの町の歴史と繁栄のために非常な苦労をしてきましたその土地の中小企業の皆さん方のお立場というものはこれは十分配慮しなきゃならぬというふうに思います。したがいまして、当面はこの大店舗法の規制は緩和いたしましても営業時間を延ばすというところにあるわけでございまして、直ちにこれを撤廃するということを今私ども御提起申し上げているところではない。 そうしてまた、今後大店舗法をどうするかということを考え、規制緩和を進めていく場合には、やっぱり一面考えなきゃならぬのは中小企業に対する援助、振興、これを一体どうするかということを考えると同時に、いま一つは独禁法の運用を強化する、余りにも自由競争になって弱肉強食、強い者だけが生き残るというようなことであってはならないわけでございますので、そういった意味での独禁法の運用を強化していく。公正取引委員会の例えは職員の機構や定員をどうするかという問題はまさに総務庁がかかわる問題でございますけれども、実は公正取引委員会の委員長にも、そういう意味では私は公正取引委員会の機構を充実することは賛成です、公正取引委員会の定員、機構等の強化については私ども十分公正取引委員会とも話し合いをするつもりでありますということも申し上げております。
○聴濤弘君 規制緩和のことについて局長にお尋ねしますけれども、学者の中で、専門家の中でいろいろ意見が出ていて、ただ何でも規制緩和ならいいというわけにもいかない。今まで総務庁長官と質疑してきたことですけれども、規制緩和すれば何でもいいというわけじゃないんだという意見を述べている専門家は非常にたくさんいます。 それで、規制緩和の基準、何をもって規制緩和をするのかしないのか、その基準というものをやはり明らかにすべきじゃないかというふうに思うんです。原則自由だ、あと例外があるんだということが基準だと言われてもどういうことなのか。何か国語の辞書を読んでいるような感じでよくわからぬのですが、その点についてどんな考え方をお持ちなのか。
○政府委員(陶山晧君) ただいま御指摘の点については、従来から学者の先生方を初め各界においていろいろな御議論があったことは私どもも承知をいたしております。 規制緩和の推進について私どもがある意味で物の考え方のよりどころ、先生のお言葉は基準という表現でございましたが、そういうことを含めた一つの考え方のよりどころという意味で申し上げるとすれば、それこそ古い時点で言えば第二次の臨時行政調査会でも基本的な規制緩和についての物の考え方というものが提示をされておりますし、一次から三次にわたる行革審においても基本的な物の考え方というものは答申の中でうたわれて、いわば考え方自体はこの行政改革の申し上げたような審議会でほぼ出尽くしているというふうに考えてもよろしいのではないかというふうに思っております。 ただし、これは一般的な物の考え方ということでございますから、先生がただいま御指摘をなさいましたように個々具体的な規制緩和の進め方に当たっては、諸般の条件整備でございますとか、関連する諸般の問題についていろいろと検討しながら着実に進めていくという考え方でこれまで対応してきたところでございます。 基準という意味で、最近の時点のものを申し上げれば、本年の七月五日の閣議決定で、今後における規制緩和の推進についてかなりまとまりのある政府決定をいたしました。その中に、今後の規制緩和に関する見直しの基準というものを掲げているわけでございます。これは各省庁において所管行政に係る規制の見直しをするということを政府決定として決め、その基本指針という形で示しているわけでございまして、言ってみればこうしたことが規制緩和に関する政府部内の実務的な取り組みの基準であるというふうに御理解をいただきたいと存じます。
○聴濤弘君 もう時間が来ましたので最後に一問、特殊法人の見直しのことについて長官にお伺いしたいと思うんですが、特殊法人の見直し、これが必要であるという全般論については私も同意見でありますが、自民党と社会党とさきがけの三党の合意の中にも特殊法人の見直しという問題が出ておりますが、さきがけがこのプランを発表されております。その中にはここまでやってしまったんじゃこれを行革と称することが一体できるのかと思うようなものがあります。 例えば、住宅金融公庫、住宅・都市整備公団、高速道路公団、商工組合中央金庫、これを民営化するというのがさきがけのプランであります。また、労働福祉事業団、日本育英会、心身障害者福祉協会など、これは廃止はしないが事業の縮小の対象とするという非常にたくさんのプランがあるんですが、それがずっと注意深く読んでおりますと、住宅公団というもの、それから住宅金融公庫、これも民営化してしまうというようなことになりますと、一体こういうものが行革なのかというふうに言いたくなってくるわけであります。日本育英会ももう事業を縮小しても構わないんだと、学生の奨学金どういうふうにしていくのだという問題もあるわけです。ですから、行革行革と言って何でもいいから廃止してしまうというのが行革でもなかろうと私は思うわけです。 具体例を挙げたのは今突然のことですので、長官として住宅公団はどうだこうだ、こういうふうに全部答えてくれというふうには申しませんが、これではやはり大変だというのが率直な私の意見なんですが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(山口鶴男君) 御指摘のさきがけの案は、これはさきがけが自主的な立場でいろいろ御検討いただいて、そしてさきがけの案として御提示されたものというふうに承知をいたしております。 問題は、自民党、社会党、さきがけ三党によりますところの行革プロジェクトチームというのができております。このチームの中ではさまざま議論はあったようでございますが、結局さきがけのこの案を取り上げて実行しようというような結論にはなっておりません。与党三党としての結論は、特殊法人については二年間で見直しということであったけれども、それでは幾ら何でも少しテンポが遅いのではないか、前倒しをして年度内に特殊法人に対する整理合理化は行うべきである、そのために政府は全力を挙げるべきであるというのが結論でございます。 したがいまして、私といたしましては、先ほどお答えをいたしましたが、十一月二十五日までに各省庁がみずからの省庁の特殊法人等に対しまして見直しをしていただいて、その状況を総務庁に報告をいただく、そして三月十日には見直し結果について総務庁に報告をいただく。また政府といたしましては、官房長官と私とが中心になりまして各界からの意見も十分聴取をする。そういう中で、年度内に具体的な特殊法人を挙げて、これは統合すべきであるとか、これは縮小すべきであるとか、これは廃止をすべきであるとか、どういう形になるかわかりませんが、具体的な整理合理化案をまとめたいということで今進めているわけでございまして、御指摘の住宅・都市整備公団等に対してそれをどうするというふうな考えは今私は全く白紙の状態でございます。
○聴濤弘君 終わります。
○委員長(岡野裕君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡野裕君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○聴濤弘君 私は、日本共産党を代表して、行政改革委員会設置法案に反対の討論を行います。 本案は、提案理由説明でも臨時行政改革推進審議会の最終答申を踏まえてと述べられているように、第二臨調以来の福祉・教育の切り捨て、軍拡などの行革路線を引き継ぎ、第三次行革審の答申を実施するためのものであると言わざるを得ません。 昨年十月二十七日に提出された最終答申は、国民に対しては自立・自助、自己責任の原則を説き、また地方に対しては、国は外交、安全保障を初め国の存立にかかわる課題に取り組むとし、住民生活にかかわる問題は地域の問題として地方自治体の責任に押しつけています。 これは国民生活や教育、福祉、医療への国の責任を放棄するものであり、国民に新たな負担を押しつけることにつながるものであります。こうして身軽になった政府が積極的かつ強力な国際貢献を行うなども日本の方向づけとしております。また、これを推し進めるために、首相の強力な指導力や少数の閣僚によるインナーキャビネット制などの重大な提言も行っているところであります。 このような第三次行革審の最終答申を踏まえてつくられる行政改革委員会は、国民が期待する行政改革の名に値するものではないと考えます。 本来、行革とは、不要不急部分をなくし、むだや浪費にメスを入れ、簡素で効率的かつ民主的な行政運営を確立するところにあります。この立場に立つならば、今行うべき行政はこれまでの臨調・行革路線の転換にあることは明白であります。このことを強調し、私は本案に反対するものであります。 以上です。
○委員長(岡野裕君) 他に御発言もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡野裕君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 行政改革委員会設置法案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(岡野裕君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡野裕君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時四分散会 —————・—————