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131回国会参議院1994/10/26

地方分権及び規制緩和に関する特別委員会 第3号

発言数
101
登壇者
23
会派数
5
開催日
1994/10/26

会議録

小林正新緑風会

○委員長(小林正君) ただいまから地方分権及び規制緩和に関する特別委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  去る二十一日、川橋幸子君が委員を辞任され、その補欠として岩崎昭弥君が選任されました。     —————————————

小林正新緑風会

○委員長(小林正君) 許可、認可等の整理及び合理化に関する法律案を議題といたします。  本案につきましては前回既に趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。

野沢太三自由民主党

○野沢太三君 野沢でございます。  先日趣旨説明をいただきました許可、認可等の整理及び合理化に関する法律案について若干の質疑を申し上げます。  活力のある経済社会を構築し直しまして、国際的にも開かれた国としてさらに日本が伸びていくためには、規制緩和という事柄は非常に重要であると考えるわけでございますが、この事柄が我が国の行財政改革の中でも重要な柱として挙がっているわけでございます。このたびの法律では百七十七事項、四十法案が廃止あるいは緩和または合理化ということになっておりまして、前国会で個別法で既に通っております成果と合わせますと一定の前進が見られたということでございます。  これによります行政改革効果と国民生活に及ぼす影響という観点からどのように評価をされるか、長官ひとつよろしくお願いします。

陶山晧総務庁行政管理局長

○政府委員(陶山晧君) 若干実務的な御説明を申し上げたいと存じますので、私から御説明申し上げます。  この一括法及び先生ただいま御指摘の前通常国会での個別法等を通じまして、規制緩和に関する効果という観点で申し上げれば、一つは競争の促進、価格の弾力化という点がございます。二つ目に、輸入の促進に寄与するという点がございます。三つ目に、手続の簡素化等によりまして申請者等の負担軽減に利するという面がございます。  いわゆる行革効果という観点でございますが、例えば担当する公務員という観点で申し上げれば、許認可等に携わっております職員は、通常の場合は専ら当該許認可の事務のみに携わっているわけではございませんで、複数の仕事の一部として当該許認可等の仕事を処理しているということが通常でございます。  という観点から、この許認可の整理合理化によります経費削減とか職員数に与える影響とかについて、いわば厳密にその効果を算出する、算定するということはなかなかに困難であるということは、ひとつ御理解をいただきたいと存じます。

野沢太三自由民主党

○野沢太三君 確かに複雑な仕事の中の一部を合理化あるいは廃止、緩和と、こういうことでございますから、なかなか計数的な判断というものは難しいかと思いますが、今までの議論の中では、規制緩和をやればよくなるということを大変強くアピールしているわけでございます。その意味からしますと、この法律で整理しようとしている事柄はまだ序の口だと言わざるを得ないわけでありまして、去る七月の閣議で決まりました四分野にわたります今後の規制緩和がより重要であると認識をするわけでございます。  これにつきましては、相当具体的な内容が伴っておりますので、これの推進に関する政府の取り組みについて、これは長官ひとつ、方針でございますから、よろしくお願いしたいと思います。

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合総務庁長官

○国務大臣(山口鶴男君) お答え申し上げます。  御指摘のとおり、去る七月の閣議におきまして住宅・土地関係、情報・通信関係、輸入促進・市場アクセス関係、それから金融・証券・保険関係、四分野における二百七十九項目の規制緩和方針を決定いたしました。これを着実に私どもとして実践をいたしてまいりたいというふうに思っておりますが、こればかりではいかぬわけでございまして、この二百七十九項目を加えまして約一千百項目の規制緩和を決定したことになるわけでございます。  さらに、今後とも国際的な要請にこたえるという面もございます。また、我が国の企業を活性化するという問題もございましょう。また、消費者の皆さん方の期待にこたえるという面もあるわけでございまして、十月を目途に各方面の規制緩和に対する要望を把握いたしまして、十一月におきましては総理大臣を本部長とする行政改革本部、これを開催いたしまして、内外からさらに御意見を承りたいと思っております。  そういった努力を重ねました上で、年度内に五年間を期間とする規制緩和推進計画を決定いたしまして、さらに規制緩和の推進に努めてまいる、かような決意で進めているところでございます。

野沢太三自由民主党

○野沢太三君 大変内容的に難しい問題も含んでいるかと思いますが、どうかひとつその手順によりまして、これはやはり政府のリーダーシップというものが非常に重要であると思いますので、私どもも議会の立場からできる限りの御支援を申し上げながら進めていかなければならぬと思っております。  ただ、これをやみくもにやるだけでなくて、どの程度の効果を予測しているのか、期待しているのか、これがまた大事だと思いますが、今回の規制緩和に関する中長期的観点から見ました経済効果につきましてどのような勉強をしておられますか。これは企画庁ですね、よろしくどうぞ。

原田泰経済企画庁総合計画局計画官

○説明員(原田泰君) 経済企画庁でございますが、規制緩和の中長期的な経済効果につきましてはただいま御説明もあったところでございますが、規制緩和により内外の自由で活発な競争が行われますことは、新たな事業活動の展開が可能になること、また多様なサービスの供給を通じて消費者の選択の自由度を高めるとともに、内外価格差の是正を通じまして国民の実質的な所得を高め、新たな需要をつくることになるというふうに考えております。もちろん、産業によりましては一時的な摩擦が生じる場合もあろうかと思いますが、規制緩和は創造的な事業活動の展開をもたらし、活力あふれた経済社会の形成に資するものと考えております。  規制緩和の国民経済に与える効果を定量的に把握するということにつきましては、非常に難しい問題でございますが、現在経済企画庁内に楽市楽座研究会という総合計画局長の研究会を設けて、ここで何か工夫ができないか勉強しているところでございます。これについては近々中間的な報告を取りまとめたいと思っておりますが、考え方の整理にとどまっているだけではないかという御指摘は受けるかと思います。

野沢太三自由民主党

○野沢太三君 ぜひひとつ成果を上げたら御報告もいただきたいと思うわけでございます。  この中で今回は輸入促進効果を考えた柱が一つございます。これについてどのような成果を期待しているか、これは通産省お見えですね。

上野裕通商産業省貿易局輸入課長

○説明員(上野裕君) 側説明をいたします。  輸入の促進を図るという観点から、外国の事業者あるいは外国製品などの我が国市場への参入をいろんな面で阻害をしていると思われる規制について改善を図っていくということは大変重要なことだというふうに認識をいたしております。  去る七月の閣議決定におきましても、広い意味での輸入促進に関連をした項目ということで、輸入促進・市場アクセス改善・流通関係といった分野で百二十七項目について規制緩和の措置がとられるということが決まったわけでございます。  これらの措置による輸入促進効果についてでございますけれども、非常に規制緩和の分野が多岐にわたっております。例えば、JISの規格の国際規格への整合化の問題ですとか、あるいは食品ですとか動植物検査手続の電算システム化と通関の電算システムとのインターフェース化の推進、あるいは自動車についての型式指定を受けた車両の完成検査の弾力的運用による型式指定取得の円滑化、ちょっと一部例を申し上げましたけれども、大変多岐にわたっておりますし、個々の措置についてもそれぞれについてなかなか計数として定量的にその輸入促進効果を直ちに把握するというのは大変困難だというふうに認識しております。ただ、これらの実施自体は、それぞれの分野において輸入の障害を除去するという意味で、着実に輸入の拡大が図られるというふうに認識をいたしております。  通産省としては、こういった規制緩和の推進を一層進めるということに加えまして、従来から講じてきておりますいろんな面での税制、金融等々におきます輸入拡大策というものをさらに強力に進めるということで、あわせて輸入の促進を図ってまいりたいというふうに考えております。

野沢太三自由民主党

○野沢太三君 仕事をするときには、やっぱりやりっ放してはなくて、それがどのような効果を上げたか、成果を上げたか、その評価に基づいてさらに前進を図る、これが非常に重要ではないかと思います。その意味で、マクロ的な勉強、分析とあわせて個別の分野での成果、これを絶えずやはり確認しながら進めていただきたいと希望をする次第でございます。  その意味でちょっと振り返る話になりますが、昭和五十七年に発足いたしました市場開放問題苦情処理体制、OTOというものがこれまで相当仕事をしてきていただいておりますが、発足当初は八十八件と年間こなしていたのに、昨年、平成五年では十八件ということで四分の一くらいに縮んでしまっているということで、うまく機能しているのかどうか心配です。これについてひとつ、これは企画庁になりますか、お願いします。

小田克起経済企画庁調整局調整課市場開放問題苦情処理対策官

○説明員(小田克起君) OTOの活動について御説明申し上げます。  まず、今、御指摘がございました苦情の受け付け処理状況でございますが、OTOは発足以来五百十九件の苦情を受け付けており、その九割以上に当たります四百八十四件を既に処理済みとしております。処理済みといたしました苦情のうち約六割は、改善措置を講ずることまたは誤解の解消により輸入の拡大に結びついているものと考えております。  苦情の受け付け件数が減ってきているのではないかという御指摘なんでございますが、確かに苦情の件数そのものは御指摘のとおり減ってきております。ただ私ども、二年前から新しいプロセスを開始しておりまして、そちらの方のプロセスでの問題の処理というものが進んでいるかと思います。  そちらについて御説明させていただきます。  OTOには、民間の有識者から成りますOTO推進会議というものがございまして、この推進会議において外国人事業者などからの問題提起を受け、我が国の基準認証制度などについて必要な政府としてとるべき対応というものを報告書に取りまとめ、政府に提言するということをしております。  これまで、平成五年四月に二十六項目、平成六年五月には二十一項目の提言を報告書に取りまとめておりまして、政府としては、この提言に沿った具体的改善策を決定しております。また、これらの一部は本年七月に政府として決定いたしました規制緩和策の中にも盛り込まれておるところでございます。  今後とも、こうした苦情の受け付け処理あるいは問題提起プロセス、こうしたOTOの活動を通じて市場のアクセスの改善に努めてまいりたい、このように考えております。

野沢太三自由民主党

○野沢太三君 せっかくできて成果を上げてきたにもかかわらず、ちょっとしりつぼみの感がございますので、ぜひひとつその活性化を図り、かつ、苦情の申請者の半分は外国の方から、特にアメリカ等を中心に来ている事実を考えまして、英文のパンフレットなりそういったものも用意してPRをする等の努力が要るんじゃないかと思います。特に、日米包括協議のやりとりを見ますると、日本の制度に対する理解が十分でないということが摩擦の大きな原因の一つになっていると思いますので、このようなシステムを十分活用していただきたい、かように思います。  次の質問に入ります。  公共料金のあり方が今、問題になっておりますが、これに関しましてさまざまな対応の仕方がありますが、規制緩和を一つの有力な手段として、公共料金の合理的な決定、そして比較的割高とされる日本の公共料金のあり方についても考えるときが来ているのではないか。その一環として上限価格制ということも言われておるわけでございますが、これについての政府の考え、見通しについてはいかがでしょうか。

浜野潤経済企画庁物価局物価調整課長

○説明員(浜野潤君) 公共料金につきまして、上限価格制いわゆるプライスキャップ制を導入すべきだという議論がございますことは私どもも承知をいたしております。  上限価格制につきましては、通常、規制当局が規制対象事業者の料金改定率に上限を設定いたしまして、その上限の枠内であれば事業者は自由に毎年でも料金改定ができる、そういう制度でございます。  この制度には、例えば事業者にとりましては経営合理化のインセンティブが働きやすいといったような長所が指摘されておりますけれども、他方で競争分野と非競争分野とで差別的な価格が設定される可能性があるといったような短所も指摘されておるところでございます。したがいまして、我が国への上限価格制の導入ということについては、いろいろな面からの検討が必要ではないかというふうに考えております。  いずれにいたしましても、今、先生から御指摘がございましたように、公共料金の中長期的なあり方につきましては、私どもとしましても今後とも検討を深めてまいりたいというふうに考えております。

野沢太三自由民主党

○野沢太三君 ぜひひとつこういった御研究を進めまして、地方の主体性、特に中小企業等では地方限りでの許認可もできるものが多いわけですから、そういった面あるいは受益者負担、さらなる情報公開の進展ということで適切なる公共料金の決定ができるよう引き続き努力をしていただきたいと思うわけでございます。  次の質問に入ります。  規制緩和の一環として、地下の利用の仕方というのが大きな課題であろうかと思いますが、いわゆる地下街の開発に関する規則がございますけれども、この規則が昭和五十年前後から大変厳しくなりましてなかなか建設が進まない時期がございました。この規則をひとつ緩めまして、実現が可能なところまでこれは緩和をすべきではないか。  昨今、私も欧米の地下街の実態をつぶさに見学をするチャンスがありまして、見てまいりますと、大変その辺が合理的に運用されているように拝見をしてまいりました。建設省さん、この点についてのお考え、いかがでしょうか。

澤井英一建設省都市局都市計画課長

○説明員(澤井英一君) 地下街の御質問でございますけれども、御指摘のように地下街整備というのは、一つは安全性の確保、それからまた道路の下というような極めて公共性の高い空間を使う、こういう二つのことを基本に据えまして、基本方針に基づきまして、かなりたくさんの関係省庁がございますが、その間で連絡調整を進めてきているところでございます。  こうした中で、昭和六十一年には幾つか事例も積み重なってきたということ、それからまた、これは先生の今おっしゃったことにつながると思いますけれども、都市全体の健全な発展を図る中で地下街は非常に重要である、こういった認識も踏まえまして、地下街の設置が必要やむを得ないという基本的なスタンスが従来よりあったわけですが、そういった場合がどういう場合かということを一つは明確化したということがございます。  それからその後、補助金あるいは融資制度、こういった助成制度の創設あるいは拡充を図ってきたということで、今日におきまして、必要な地域において地下街の整備というのはそれなりに進展してきているのではないかというふうに認識しております。  今後、最初に申しました安全性あるいは公共性ということを踏まえつつ、一方で地下街整備に対するニーズというものを踏まえながら、必要な地下街整備ができるだけ円滑に進むように関係省庁とさらに検討してまいりたいと考えております。

野沢太三自由民主党

○野沢太三君 静岡のガス爆発以来、大変厳しくなり過ぎて、結局角を矯めて牛を殺しているというふうに思わざるを得ないわけでありますが、地上交通の緩和とか歩行者の安全、さらには積雪寒冷地における快適な町づくりという面で大変地下街は有効であると私思いますので、ぜひともひとつさらに踏み込んだ緩和策を御検討いただきたいと思います。  それから、今回の計画の中で大都市地域の容積率を見直しまして高度利用を進めようということがうたわれておりますが、これは大変効果が上がると思いますが、今後の進め方、対応の方策についてのお話をいただきたいと思います。

澤井英一建設省都市局都市計画課長

○説明員(澤井英一君) 容積率規制は、申すまでもなく、すぐれた市街地をつくっていく上で極めて基本となる非常に重要な規制であると考えております。したがって、こうした本来の目的がよりよく実現するような方向で、この規制を運用、活用していくということが重要だと思っております。  例えば、一律に容積率を緩和するというようなことをいたしますと、環境の悪化ですとか交通混雑の増大といった悪影響が懸念されると思っております。したがって、従来から一定の敷地内空地を確保したり、あるいは住宅供給を特に促進しようというようなすぐれたプロジェクトについて、容積率の特別な割り増しを行うような制度を一生懸命活用してきたところでございます。  ことしの七月の政府の決定の中で、やはり良質な住宅の供給の促進等のため、容積率などの規制の見直しを行うということも決定されておりますので、今後地域の実情に応じた質の高い町、づくり、あるいは住宅供給の促進等に資する規制の的確な見直し等について、さらに検討を進めてまいりたい、こう考えております。

野沢太三自由民主党

○野沢太三君 実態としては、まだ容積率の活用という点では東京の都心地区でも半分か、あるいはそれを少し上回る程度ということでございますので、これは全般的解除というよりも、やはり個別・具体的に可能なところをできるだけひとつ考えながら進めるということが大切ではないかと思います。今後とも、この容積率を上手に活用して住みやすいいい町をつくるということが、通勤緩和の問題であるとか、あるいは都心地区の空洞化対策という面でも大変効果が上がると思っておりますので、これはぜひひとつ血の通った対応をお考えいただきたいと思います。  ちょっと時間が厳しくなりましたが、もう一問だけお願いしたいと思います。  鉄道事業法の見直しで、いわゆる特別車両料金の届け出制というのを今回うたっておりますけれども、これはひとつそれだけでなくて、料金というものについては、特急料金も含めましてもうみんな届け出制でいいじゃないか、そういった考えを私としては持つんですが、いかがでしょうか。

岩崎勉運輸省鉄道局業務課長

○説明員(岩崎勉君) お答え申し上げます。  鉄道事業の分野におきましても、御承知のとおり、社会経済情勢の変化ということで利用者の方々のニーズも高度化あるいは多様化しております。このようなニーズへの事業者の自主的あるいは機動的な対応を可能とするために、利用者の利益の保護に支障を生じない範囲内におきまして今回の規制緩和措置を講ずるということとしたものでございます。  このような観点から、例えば今、先生御指摘の特別車両料金、グリーン料金につきましては、利用者の方々にとりまして選択の余地の大きなサービスの対価たる料金ということでございます。利用者の御判断によりまして、これにかわるサービスの利用が可能であるということでございますので、認可制を届け出制といたしましても、今申し上げました利用者利便の確保の観点から、特段の問題を生ずることがないというふうに考えております。  しかしながら、旅客鉄道事業は国民生活に密着したサービスを提供しておりますし、かつ中長距離都市間輸送等におきましても、新幹線を初めとして、そのスピードといいますか、あるいは供給輸送力といいますか、他の輸送機関と比較して強い競争力を有しております。  このような旅客鉄道事業の特性、路線実態ということを考えますと、やはりその独占的な地位というものに着目せざるを得ない。そういう意味合いにおきまして、運賃、料金の設定ということに関しまして、すべてこれを市場原理にゆだねるということには不適切な面もあろうか、こう考えております。  したがいまして、標準的な新幹線あるいは在来線の特急料金につきましては、現行の認可制を維持することが必要であると考えております。

野沢太三自由民主党

○野沢太三君 今や競争が相当な範囲まで及びまして、むしろ割引合戦をするというくらいの状況があるわけでありますから、私は、これは自由化しても余り利用者に迷惑をかけることにならない、むしろサービスの行き届いた多様な料全体系というものができ上がるんじゃないかということを期待しているわけでありますので、一層のひとつ御研究をいただきたいと思います。  なお、鉄道営業法というのがございますが、ここで今回一つ緩和が出ております。届け出を、単に定めるということになっております。この営業法自体にも大変時代に合わなくなっている事柄が出てきております。  例えば二十六条、「鉄道係員旅客ヲ強ヒテ定員ヲ超エ車中ニ乗込マシメタルトキハ三十円以下ノ罰金又ハ科料ニ処ス」。新宿あたりで毎日押し込んでいる人は、あれは三十円の罰金なんですね。これはいかにも時代に合わない。片仮名で書いてある法律にはこういうのがいっぱいあると思いますので、一遍ちょっとこの時点で見直してみたらどうかというふうに思います。これはもう返事要りませんから、ひとつ検討課題としてください。  以上で私の質問を終わります。

溝手顕正自由民主党

○溝手顕正君 自由民主党の溝手でございます。野沢先生に続きまして、若干の御質問をさせていただきたいと思います。  御承知のように、規制緩和の問題というのは大変長い歴史を持っておりまして、振り返ってみますと、昭和五十六年の三月ということですから、今からもう十四年近く前に土光会長率いる第二次臨調が発足して以来堂々めぐりを続けているような感じを持っております。以来、土光さん、大槻さん、それからお亡くなりになりました鈴木さんと、その間内閣は中曽根以来もう数限り知れず、出てきた法律案はちょろっとということで、これは大変難渋をきわめた過程があると、このように受けとめております。  一つの見方は、自由民主党が内閣を組織している間は規制緩和はできないんだという御批判をいただいた時期もございましたが、今回は村山内閣の発足でございます。また、行革担当大臣が山口長官ということでございますので、今度はそういったそしりを受けるようなこともなかろうと期待をいたしておるわけでございます。そして、政策転換であるとか公約違反であるとか、大変御批判も多い消費税の問題がございますが、これの免罪符というのはまさに行政改革であろうと私は考えているところでございます。  そういった意味で、不退転の決意でぜひとも大臣に行革を推進していただきたいというまず要望と、また後ほど決意をお聞きいたしたいと思います。また、その中におきまして、この問題は私としてはいわゆる総国会と総官僚の対決であるというような認識も持たないわけではないところなんですが、このあたりについて大臣の御見解、決意をお伺いいたしたいと思います。

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合総務庁長官

○国務大臣(山口鶴男君) 村山総理は、所信表明演説におきまして、行政改革は村山内閣の最大の政治課題である、このように言明をされました。また、たび重なる閣議の際にも、行政改革、規制緩和あるいは特殊法人等の整理合理化、地方分権の推進等々について、各閣僚に対しましてリーダーシップを発揮して推進するようにという強い指示もなされているわけでございます。  したがいまして、総務庁をお預かりいたしました私といたしましても、御指摘のございました規制緩和につきましては、各方面の御要望というものを十分承りまして、国民の期待にこたえて規制緩和を推進する、こういう決意で努力をいたしたいと考えておる次第であります。  具体的には、先ほどお答えもいたしましたが、十月中に各方面からの要望、意見を十分聴取いたしまして、十一月には行政改革推進本部、二回程度これを開催いたしまして、内外の意見を聴取する。国内の各種団体からの意見を承ると同時に、EUあるいはアメリカの経済人の方々の意見等を聞く機会も持ちまして、そうして国際的な要望にこたえる、消費者の皆さん方の期待にこたえる、国民の各層の皆さん方の御要望にこたえる。こういう形で今後五年間の規制緩和推進計画を年度内には策定いたしまして、さらに強力に規制緩和を推進する、こういう決意でありますことを御理解いただきたいと存じます。

溝手顕正自由民主党

○溝手顕正君 ぜひとも頑張っていただきたいと思いますが、先ほど申し上げましたように、数次にわたる臨調なり行革審の答申がございます。それから数え切れないほどの閣議決定をやってまいって、まだ実施ができないというのが現状だと私は理解しておるわけですが、残すところは実行あるのみという受けとめ方をいたしております。ぜひとも強力なる推進をお願いいたしたいと思います。  さて、きょうの朝刊を見ておりますと、行革本部のもとに規制緩和の検討委員会を設けるというような記事が出ておりました。経済界、学識経験者等の民間の参加を決めている、それを閣議で了承されたという報道が出ております。これを見てみますと、ちょっと若干疑問に思うんですが、先ほど申し上げましたように、議論はかなり尽くされているという感じ。それから現在衆議院で審議中でございますが、行政改革委員会の設置が決まっていると屋上屋を重ねることにならないんだろうか。豊田経団連会長がおっしゃったからそんな検討委員会をつくるんだろうか。実際にどういう意義づけを持つんだろうか、疑問に思っております。  行革というのは言うまでもなく不断のものでございます。絶えずやっていかなくてはいけない。今回の検討委員会は常設を考えていらっしゃるのか、そうでなければ行政改革委員会とどこがどう違うのか、このあたりをすっきりさせる必要があるんではないかと私は思っております。  また、今回の行政改革委員会の設置法案というのは、規制緩和の継続的な推進を確実なものにするため、民間有識者等から成る強力な第三者的な推進機構、いわゆる規制緩和オンブズマンを設置するという鈴木行革審の答申に基づいたものであるだけに、今回の動きがどういうものなのか。そして、この答申の動きを十分に反映しているものなのかどうか、この御見解を伺いたいと思います。

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合総務庁長官

○国務大臣(山口鶴男君) ただいま衆議院で御客議をいただいております行革委員会設置法案、この行革委員会は、御指摘のございましたように、行革審で第三者機関、すなわちオンブズマン的な役割ということも念頭に置いての答申を受けて作成をいたしました法律案でございます。  五名の委員の皆さんより成る委員会を設置いたしまして、そうして行政改革の推進に関して内閣総理大臣に意見具申をする機能もお持ちだと。もちろん監視をする、そうして場合によりましては勧告を行う権限もお持ちである、こういう機構でございます。これは行政改革委員会の法律に定めました機能を持ちましてきちっとした監視、行動をやっていただけばよろしいと思っております。  それとは別に、先ほど申し上げたように、年度末に策定しようと思っております五年間の規制緩和推進計画、これはもう着実にただいま進めていかなきゃならぬ問題でございますので、それに対する意見は先ほど申し上げたように今内外の意見を集めつつございます。十一月には先ほどお答えしたような内外からの意見聴取の機会も設ける。  同時に、さらに具体的な意見についてお聞きをする機会をつくった方がいいんではないか、こういう判断もございまして、経団連からの要望があったからというわけではございません、各団体からの御意見もありましたので、お話しございましたような行革推進本部のもとに民間の専門委員を含めた規制緩和検討委員会、これは仮称でございますが、これを設けてお話を十分聞く機会を設けようではないかということを、昨日の閣議後の懇談におきまして官房長官の方から発言をいたしまして、それを設けていこうではないかというふうにいたした次第でございます。  したがいまして、この検討委員会は今申し上げた当面五カ年間の推進計画をつくるための御意見を承る。行政改革委員会につきましてはさらに地方分権の問題やあるいは情報公開の問題や、さらに広い分野におきまして監視をいただく、それから意見具申もいただく、勧告もいただくという形で行革推進に強力な支えとなっていただきたいというふうに考えておる次第でございます。

溝手顕正自由民主党

○溝手顕正君 今の行革委員会の問題でございますが、オンブズマン制度として五人の委員ということになっておりますが、五人の委員を果たしてどういう考え方で人選をしていくのか、あるいはわずか五人で十分な監視が、あるいは今後の推進ができるか疑問に思われる点もございます。  そういった中で、当然これには事務局、答申にも出ておりましたが、強力な推進事務局、独自の事務局を持つ、こういう構想が出ておりますが、この事務局がまた官僚出身で構成をされますと、一〇〇%官僚に近い構成になりますとまた何のことをやっているかさっばりわからない。わずか五人でそういったことが果たしてチェックが可能か疑問に思っておるわけです。特に事務局の機能というのがこれから重要になろうかと思います。  そういった意味で、行革委員会の人選の考え方並びに事務局に対する構成の考え方について長官の御意見を伺いたいと思います。

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合総務庁長官

○国務大臣(山口鶴男君) 行政改革委員会のメンバーは五名であります。そのうち常勤の方は二人以内ということになっております。したがいまして、常勤の方が一名の場合もあれば二名のこともある。それ以外の方は非常勤、こういうことになろうかと存じます。  先ほど来お話のございました土光臨調、このときはメンバーの数は九名でございました。その後、第一次、第二次、第三次行革審がございましたが、第三次行革審が九名、それ以外は七名ということだったと記憶をいたしております。  数が多いのがいいか少ないのがいいかといろいろ議論もあろうかと思いますが、やはり専門的立場で、高い視野で意見を取りまとめるのには余り大勢の人数というのはいかがかと。ですから、外国なんかのオンブズマン制度を見ますと、オンブズマンの数は一名という場合もあれば三名という場合もあるということで、比較的少数でオンブズマン制度というのは成り立っていることは先生方も御存じであろうかと存じます。そういうことも勘案をいたしまして、委員の数は五名。  総理大臣が任命するわけでございますが、その場合は国権の最高機関であります国会の衆参のいわば御同意を得て、その上で任命する。いわば最高の任命の仕方と申しますか、そういう形でございますので、したがって国民の皆さん方を代表する国会の御承認が必要なわけでございますから、そういう意味では国家的立場で立派な方をお願い申し上げることができるのではないかというふうに考えております。  事務局の方はどうかということになると思いますが、これはやはり総務庁ができるだけお手伝いを申し上げるということが当然であろうかと思っております。現在、総務庁には、行政改革委員会が発足いたしました場合、まず情報公開について法制化のお仕事をいただくということになっておりまして、そのための準備をお手伝い申し上げるということもありまして、準備室も今、既に設けでございます。  したがいまして、高い視野の委員の皆さん方五名、総務庁ができる限りこの委員の皆さん方を支える体制で事務局をつくってまいりたいと考えておる次第でございます。

溝手顕正自由民主党

○溝手顕正君 今の点が一番重要だと思いますが、各省庁からの出向社員で固めた事務局なんというのはあってなきがごときだと私は大変警戒をいたしております。総務庁がその行革推進の使命感を十分認識されまして、大いなる成果を上げていただきますことをぜひとも期待をいたしております。  次に多いりたいと思いますが、さまざまな研究会の報告の中に、地方公共団体に対して政府に準じ規制緩和を積極的に推進するように要請するという文章が出てまいります。この問題が国会での整理に至りますと、それは自治省がやることだ、自治省から各地方公共団体にお願いするんだということでさっと片づけられてしまっているというように思います。これは私は極めて問題があるんではないだろうか。国会の立場において、中央の行革を進めるに際して、地方に対しても自治省任せで自治省から地方に要請をする。もちろん地方自治体という特殊な立場もございますが、やはり地方自治体も巻き込んで総務庁で行革推進のアイデアというか企画をぜひともおやりになるべきではないか、こういう見解を持つところでございますが、いかがでしょうか。

陶山晧総務庁行政管理局長

○政府委員(陶山晧君) 規制緩和の推進に当たりまして、国と地方が全体としてもろもろの規制を緩和していく、そういう姿勢で取り組むということが極めて重要であるというふうに考えております。その点につきまして、ただいまの先生の御指摘はごもっともな御指摘であろうというふうに実務的にも考えておるところでございます。  国として直接実施しております規制は、当然のことながら国が直接その緩和に当たっての具体的な衝に当たるわけでございますが、地方公共団体の長に機関委任して実施されているものも多々あるわけでございます。いわゆる機関委任事務でございますが、機関委任事務については国の責任として規制緩和については積極的にこれまでも進めてきたところでございますが、地方公共団体が独自に所管しておられると申しますか独自に規制をしておられる分野、行政事務の分野、これの見直しにつきましては、ただいま溝手先生も御指摘のありましたように、地方団体の自主性の尊重、地方自治の尊重という観点もございまして、直接国がそのことについて口を出すということがなかなかに慎重な判断を要する面があることもまた御理解をいただきたいと存じます。  本年十月七日に自治省から地方行革のいろいろな諸課題についての指針というものを地方団体にお出しになりました。その中にもこの地方公共団体の独自規制の見直しについて一項入っておりまして、これについては適正手続の整備を図るとともに、住民の負担軽減や行政事務の簡素化の観点から廃止、緩和等を含めその見直しを図ることという内容になっているところでございます。  いずれにいたしましても、地方団体及び国の所管する規制全体を通じて緩和を進めていくべきであるというふうに考えているところでございます。

溝手顕正自由民主党

○溝手顕正君 大変な問題であるということは御理解いただいたと思うんですが、まず公務員の数を比べていただきますとよくわかるわけで、地方がいかに多いかと。中央なんかわずかなものでございます。そして、中央にはこうやって行政推進本部をつくったり委員会をつくったりして一生懸命やっているのに、地方は何もやらない。これは何とか知恵を出すべきではないかということを痛切に感じております。私自身地方の自治体の出身でございますので、より切実に感じておるわけです。  規制緩和が幾ら進みましても、地方分権が幾ら進みましても、市民や町民にとりまして規制というのはどこがかけても同じ規制なんです。国の規制と地方の規制が色がついているわけではないからわからないんです。ですから国全体として、地方を含めて規制緩和すべきだということをぜひとも要望しておきたいと思います。  最後に、特殊法人の見直しの問題でございますが、これは総務庁と総理府で特殊法人や認可法人の合理化の問題に手を差し伸べるということで、最近も新聞報道で公益法人等についても手を伸ばす、こういう報道がされております。結構な話ではないかと思うんです。ぜひとも推進をいたしていただきたいと要望いたしておきます。  そういった中におきまして、ともすればこういった法人が天下り先である、あるいは中央官庁の権益を保護する隠れみのであるという観点から行革なりあるいは規制緩和という対象にされてきたという傾向があります。私は、もう一つの観点を考えるべきではないか。というのは、そういった問題ではなくて、払うべき税金はちゃんと払うということも立派な行政改革ではないか、こう理解をいたしております。その中には公益法人の現在の法制そのものが果たしていいのかどうか。大きな意味での公益法人には当然宗教法人も入ります。宗教法人の規制がこれでよろしいんだろうかどうだろうか。  そういったいわゆる世論の問題点といいますのは、こういった公益法人であると、利益を上げたように、あるいは金が入ってくるように世間的に思われることに対して何ら課税がなされない、あるいは税の優遇措置があるというところが問題点でございまして、そういったところからしっかりいただけるものはいただくようにするということは、私はすばらしい行政改革であるし、当然の動きだと思っておるわけです。  そういった観点からもぜひ公益法人の問題にメスを入れていただきたいという要望を持っておりますし、これに関しまして、直接の管掌ではないと存じますが、いわゆる行革担当大臣としていかなる御見解をお持ちかお伺いをいたしたいと存じます。

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合総務庁長官

○国務大臣(山口鶴男君) 衆参両院の予算委員会におきまして先生が御指摘されましたような問題が議論の対象になりましたことは、私もよく承知をいたしております。  ただ、私ども今、特殊法人等の整理合理化ということで進めておりますのは、特殊法人及び認可法人、特殊法人は九十二ございますし、認可法人は八十ございますが、そのほかに民法上の公益法人が中央、地方で約二万ほどあるわけでございますが、この民法上の公益法人も含めてやはりこの際検討する必要があるということを私はしばしば閣議でも強調いたしてまいりました。  御指摘の宗教法人につきましては、これは民法上の公益法人ということの枠からは外れるわけでございますので、今私たちが行革の対象として考えております点からは除外されるという点はひとつ御理解を賜りたいと存じます。  私どもとしましては、いわゆる公益法人については、これは総務庁所管ではございません、総理府所管でございますので官房長官の方で所管しているわけでございますが、しかし、先ほど来、私も閣議で強調いたしました点もございまして、公益法人等指導監督連絡会議というものを総理府の中に設けましていわゆる民法上の公益法人については対処をいたしているという点を御理解いただきたいと思います。  民法上の公益法人以外の公益法人についてこれをどうするかという問題は、これは率直に言いまして総務庁の所管外と申しますか、これはやっぱり国会等で御議論をいただく課題ではないだろうかというふうに存じます。

溝手顕正自由民主党

○溝手顕正君 ありがとうございました。  最後の点、強調だけいたしておきますが、民法上の公益法人のみにメスを入れるのはこれは公平を欠くものではないか、すべての公益法人に特権がある限り当然メスを入れるべきであるというのが私の見解でございますので、申し添えまして終わらせていただきます。   ありがとうございました。

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合総務庁長官

○国務大臣(山口鶴男君) 承りました。

小島慶三新緑風会

○小島慶三君 私、新緑風会の小島慶三でございます。本日は山口長官、御苦労さまでございます。  私、前の細川内閣、わずか八カ月でございましたが、細川内閣におきまして規制緩和の仕事、この推進に骨を折ってきたわけでございますが、細川内閣としても行政手続法という難物の法律を初めといたしまして、規制緩和の具体的な分野についての取りかかりということはスタートいたしました。  その火の手が消えないうちに、また前内閣におきましても、地方分権及び規制緩和に関する特別委員会で許可、認可等の整理及び合理化に関する法律案、これが提起されておりまして、私どももその成立に全力を尽くしたわけでございますが、今国会にずれ込むという形になりました。この法律はもうぜひとも通過をさせたいと思っておりますので、できる限りの御支援をいたすつもりでございます。  ただ、若干この場をかりまして、与えられた時間のうちに要領よく御質問申し上げてお答えをいただきたいというふうに思います。よろしくお願いします。  初めに、これはもう野沢先生、それから溝手先生が御指摘になったことでございますからあえて重複しないように努めたいと思うのでございますが、せっかく火の手の上がった、そしてレールの敷かれようとしている規制緩和の問題が、何か新聞その他の評で見ますと、ともすれば新内閣ではスローダウンするのではないか、そんなことが書かれております。先ほど来の御説明のように、年度末までに、年末までにある結論を出して、そして五年間の計画で先へ進めるということで、私もぜひそう進めていただきたいと思うんですけれども、それにつきましても先送りではないかというふうな批評もあります。  それから、先ほどもちょっと問題が出ましたけれども、行政改革、省庁その他特殊法人の整理統合といったような問題についても、これもさきがけから出された案について必ずしも自民党さん、社会党さん賛成でないというふうなことで、これもいつのまにか埋没しそうになっているという記事も散見するわけでございます。  そこで、この場をかりまして長官にお願いいたしますが、そういうことは絶対にない、今まで以上に強力に加速度的にこの問題に対処していくという御決意をぜひ御披露いただきたい。よろしくお願いします。

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合総務庁長官

○国務大臣(山口鶴男君) お答え申し上げます。  今私たちが進めようとしております村山内閣としての行政改革は、大きく分けまして、一つは規制緩和であり、それから特殊法人等の整理合理化であり、地方分権の推進であり、それから省庁の簡素化の問題であり、さらに情報公開の問題であるというふうに認識をいたしております。  細川内閣以来、またその前の宮澤内閣からもこれらの問題は提起がございまして、特に十月一日施行になりました行政手続法は宮澤内閣のときに提案をされ、それが成立をいたしましてこの十月一日に施行になったという経過もございます。  したがいまして、それぞれの内閣がそれぞれの努力をされてきたわけだと思いますが、特に村山内閣としては行政改革が重大な政治課題だということを認識いたしまして、例えば特殊法人等の整理合理化の問題は、さきの内閣では二年間の間にこの整理統合をやろうではないかという計画でございました。それを与党三党の皆さん方とも十分打ち合わせをいたしました結果、これは前倒しをして年度内にひとつ特殊法人の整理合理化は達成すべきであるという結論をいただきまして、今現在進めているわけでございます。  それから、情報公開の問題につきましては、行政改革委員会の法制化をお願い申し上げるという形で今法律が出ているわけでございますが、しかし三年と言わず情報公開については二年以内ぐらいでひとつ法制化のための努力をした方がいいのではないかという与党の皆さん方の御意見もございまして、私どもはできればそういう方向で、これも前倒しをして進めたいものというふうに認識をしてやっている次第でございます。  したがいまして、規制緩和の問題も含め、地方分権の問題も含めまして、私どもとしては決して前の内閣が設定をいたしましたスケジュールを後退させるというものはございません。前倒しできるものについては前倒しをして積極的に推進するという姿勢で対処いたしておるということをひとつ御理解賜りたいと存じます。

小島慶三新緑風会

○小島慶三君 どうもありがとうございました。そういうかたい決意でぜひ今後も推進をお願いいたします。  それから、この法律は大変広範な法律でありますけれども、内容的には、例えば廃止される法律が三件か四件、それからあと許可を認可に、認可を届け出にするといったような、そういった技術的な改正が二十件ということで、必ずしもいろんな大きな問題を取り込んでいるわけではないと思うわけです。それで残された問題としては、例えば各省に、通産省におきましても厚生省におきましても、それから運輸省におきましても、各省のそれぞれ抱えている大きな規制緩和の問題が恐らく多分に残っているんだろうと思うのであります。そういう意味においてはこの法律は全くの、何といいますか、先駆的な意味を持つものであろうというふうに思っております。  それで、その残された問題というのを今後ピックアップして、そして五年間に対象を決めていくわけでありますが、その辺の総務庁としての取り組み方、例えば各省にはこういう法律が残っているじゃないかとか、そういういろんなあれもあると思うんですけれども、その辺の各省とのすり合わせはどういうふうにおやりになるのか。  それからもう一つ、規制緩和の大きな問題として独禁法の適用除外がまだかなり残っていると思うのでございますが、この辺の進め方。  それから三つ目には、さっき溝手先生が御指摘になりました地方の問題。恐らく手続が緩和されましても、例えば届け出の段階になったものでも、届け出を受け取る、取らないで問題が簡単に片づかないという点がかなりあると思うんですけれども、この三つの側面についてどういうふうにやっていかれるか。これからの手順その他をひとつお教えいただきたいと思います。

陶山晧総務庁行政管理局長

○政府委員(陶山晧君) 実務的な観点からただいまの小島先生の御質問に御説明を申し上げます。  まず最初に、大変恐縮でございますが、ただいま御審議いただいております一括法案は、昨年九月の緊急経済対策及び本年二月十五日閣議決定のいわゆる行政改革大綱、この二つの閣議決定の中に盛り込まれております規制緩和事項のうち、法律改正を要する事項が多々ございました。このうち一括整理法として取りまとめられるもの、一定の基準に基づいて内閣法制局で御審査をいただき一括整理法に取りまとめられるものを今回御審議をお願いしているものでございまして、法律改正を要する事項はこれ以外にも多々あるわけでございますが、これはこの一括法以外に単独法で各省庁から前通常国会に所管の委員会に提出し、所管の委員会で御審議の上ほとんど成立を見ているというふうに承知をいたしております。  なお、この一括整理法のうち、事項数のベースでは、廃止するものは真二十四事項で三十二法律というふうになっておりますが、その他緩和とか合理化ということを含めて百七十七事項の四十法律という内容、内訳になっておるわけでございます。  そこで、今後の進め方についての手順という意味でのお尋ねでございます。  まず、各省庁との関係につきましては、ただいま各省庁において所管のいわゆる規制事項と申しますか、所管をされております規制すべてについての見直しの作業をやっていただいております。これは本年二月の行革閣議決定において、各省庁においてすべての規制事項の見直しを行うということが定められているところでございます。これを受けて本年度内に策定することになっております五年間を期間とする規制緩和推進計画に今後の各分野の規制事項についての進め方についての内容を盛り込んでいく、そういうことになるわけでございますが、各省庁から私ども総務庁に御報告をいただいて、全体的な取りまとめ調整は私どもの方で各省庁と御相談しながら進めさせていただきたいというふうに考えております。  二つ目に、独禁法の関係でございますが、このことについてもここ一年の間に三回にわたる規制緩和に関する閣議決定をいたしておるわけでございますが、いずれの閣議決定においても独禁法の適用強化という観点からの内容が盛り込まれているところでございます。今後の規制緩和推進計画の内容にも独禁法の適用強化の方向での事項を盛り込むということが当然のこととして私どもは想定をしているところでございます。  三番目に、地方の問題でございます。  ただいま御指摘の届け出等々の手続的な側面の問題は、必ずしも規制の緩和ということと直結するような内容の面ばかりではなかろうかと存じますが、特に手続的な側面という意味では、ただいま大臣からも御答弁がありました行政手続法が今年十月一日施行されておりまして、審査基準の策定、公表であるとか、処分理由の当事者に対する提示等々の関係当事者と行政庁との関係について公正、透明な手続を定めたルールが法律上きちんとしかれたわけでございます。  このことが、ただいま小島先生御指摘のような一般国民といわゆる役所の窓口との関係におけるいろいろ御批判のあったような問題について、今後相当役所の側の意識も変わってまいると思いますし、国民のサイドの意識もだんだんと変わっていくであろうということを、私どもそれをまた念じているわけでございますが、そういうことを通じてこれまでもろもろの御批判のあったような問題はかなり克服をされていくのではないかというふうに実務的には考えているところでございます。

小島慶三新緑風会

○小島慶三君 ありがとうございました。  次に、規制緩和というのは、これはプラスの面とマイナスの面と恐らく両方含んでいるんだろうと思うのであります。プラスの面につきましては、資源の効率的な配分とかあるいは新商品市場の創出ですとか、あるいはさらにイノベーションまでいくようなこともあるかと思いますが、そういうふうなことで二〇一〇年までの過程で三百六十七兆円、その市場が創出される。それから五百十万の雇用が期待される。後でこれは時間がありましたら通産省の方にもこの内容をお伺いしたいと思うんですけれども、反面、規制緩和によって、これは三菱総合研究所の計算ですけれども、四百二万の失業者が出るということが報じられております。  そこで、これは労働省の方にお伺いした方がいいのかもしれませんけれども、五百十万の就業者が出ても片一方では四百三万という失業者が出るということになりますと、その間のマッチングが一体どうなるのか。これは時間的にはかなり雇用が出てくる方がおくれるでありましょうから、その辺のギャップ、これをどう考えるのか。労働再配置といったようなことで、労働省としてはこれから先のそういった問題についてはどういうふうにお考えか。  職業訓練であるとか、あるいは新しく就業した就業機会が前の職場に比べて非常に不利な扱いになるような、給与上の問題とかあるいは年金の問題とかいろいろあると思うんですけれども、あるいは住宅の問題とかいろいろ出てくると思うんですけれども、そういうふうな大変大きな労働力の流動が出てくるわけでありますので、この辺についてはどんなふうにお考えになっておられるか、これひとつ承りたいと思います。

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合総務庁長官

○国務大臣(山口鶴男君) 私の方から原則的な考え方だけ申し上げたいと思うんですが、御案内のように、規制緩和の対象といたしましては経済的規制とそれから社会的規制とございます。私どもは、経済的規制につきましては原則自由という立場をとりたいと存じます。しかし、社会的規制につきましては必要最小限度の規制はやっぱり守っていくということは当然考えなければならないというふうに思っている次第です。  御案内のように、経済的規制は、緩和をしていきますならば、新規企業の参入でありますとか起業機会の拡大でありますとか、あるいは内外価格差の是正でありますとか消費者利益の向上でありますとか、そういった利益が期待されると思いますが、同時に、御指摘のような中小企業にとりましては大変困難な事態が起きることもあろうと思います。  したがいまして、私どもは、やはり規制緩和をいたします場合、局長も強調いたしましたが、独禁法の適正な運用ということをきちっとしなきゃならぬ。同時に、中小企業の育成あるいは振興策というものは積極的に進めていく必要があるというふうに考えておるわけであります。  また、社会的規制につきましては、安全、健康の問題、環境の保全あるいは災害の防止という観点の規制は、これはやはり国民の暮らしと健康と安全を守るためにも必要であるという認識は持っている次第でございます。  御指摘の点は十分配慮しなきゃならぬという認識については、御指摘のとおりであろうと存じます。

上村隆史労働省大臣官房政策調査部総合政策課長

○説明員(上村隆史君) 規制緩和と雇用の関係でございますが、先生から今お話がございましたように、雇用の面に関してはプラスの面とマイナスの面が予想されます。雇用の安定は国民生活の重要な課題というふうに考えておりまして、そういう点で規制緩和によって労働移動が必要となるような場合、そういった労働者につきましては、できる限りそういった失業の期間を経ることなく新たなところに移動できるようにということで、労働力の需給調整機能の強化や先生から今お話がありましたような能力開発の支援、そういった施策を充実していく必要があるだろうというふうに考えております。  なお、労働条件、特に給与につきましては、先生からお話がございましたが、基本的には関係労使の中で決められるべきことだと思っておりますので、そこら辺は注意して動向を見守る必要があるとは考えておりますが、職業訓練につきましては、円滑な転職、職種転換の訓練が行われますように各種の助成金等の施策の充実、そういったことを図っていきたいというふうに考えております。  それから住宅の問題もございますが、これにつきましても、従来から地域を移動して就職する、転職されるような方に対します施設として移転就職者用宿舎、雇用促進住宅と言っておりますが、というのを設置してきたところでございますが、今後ともその制度の趣旨に即した活用を図っていくことにより対応していきたいというふうに考えております。

小島慶三新緑風会

○小島慶三君 どうもありがとうございました。  大臣からも経済的規制と社会的規制の関係について明快なお話がございましたので、この辺の点も十分今後御注意いただきたいと存じます。  それから、もう一つお伺いしたいのは、規制緩和の一つの目的が内外価格差の縮小であるということが言われております。確かに、内外価格差が縮まるということによって購買力が起き、消費需要が喚起されるということも期待できるわけでありますが、その反面非常にそのテンポが速いと、価格破壊というのが最近言われておりますが、そういった現象が価格デフレというふうなことになって、あるいは今まだ整理のついていない資産デフレとか円高デフレとか、こういったものと絡み合ってデフレ経済になるのではないかということが一部では言われております。一方では、もちろん、景気が上向きになってまいりましたので、そういう心配との綱引きということになるのかもしれませんが、この辺、経済企画庁の方にお伺いしたいと思うんですけれども、どういうふうに見ておられますか。

吉川薫経済企画庁物価局物価調査課長

○説明員(吉川薫君) お答えいたします。  規制緩和は、輸入の促進、市場アクセスの改善、流通の効率化等を通じて国内市場における競争を促進し、物価の安定に寄与すると認識しております。さらに、生産流通部門における高コスト構造の是正、内外価格差の是正、縮小につながるものと期待されるわけでございます。  プラス面としましては、やはりそういった形で価格の引き下げによりまして消費者の実質購買力が上がるということはあると思います。  ただ、御指摘のありましたマイナス面につきましては調整課長の方から。

野村誠経済企画庁調整局調整課長

○説明員(野村誠君) 景気対策等を所管しております立場からお答え申し上げます。  規制緩和あるいは内外価格差の縮小ということにつきましては、今、物価調査課長から話がございましたように、マクロ的には価格面を通じていろんないい効果、これは消費のみならず生産者のコスト引き下げという面も含めてプラスの効果があることは事実でございます。ただ、ミクロ、すなわち個別の企業なり産業なりという立場から見れば、プラス面ばかりでないことは御指摘のとおりでございます。  このため、こうした規制緩和等による構造的な事業環境の変革により影響をこうむる中小企業等に対しましては、これまでの累次の経済対策等を通じましても、新分野への進出の円滑化ですとか事業の高度化を支援するための金融、税制上のさまざまな措置を拡充してきたところでございます。引き続きこれらの施策の着実な実施に努めてまいりたいと考えております。  先生御指摘のとおり、価格デフレ的な要素とそれから実態面での景気の回復というものの綱引きになっているわけでございますけれども、政府としては、本格的な景気回復に努める一方で、産業雇用構造の転換の円滑化に十分意を用いつつ経済構造の改革を強力に実施していくことが必要だと考えております。

小島慶三新緑風会

○小島慶三君 その辺の手順、それから手綱を締めたり緩めたり、その辺のテンポのほかり方等につきましては総務庁の方でひとつよろしく御監察をいただきたいと思います。  それから、これは最後になりますが、大蔵省の方にお伺いしたいんですけれども、規制緩和ということで一番期待されるのは、意欲を持った創造的な企業の市場参入ということだろうと思うのであります。これが実ってこないと規制緩和も本当の効果を果たし得ないというふうに思うのでありますが、それについてどうも、これも世評でありますけれども、例えば株式市場の第二市場といいますか、そういうところへの進出が登録されたりあるいは仕事が認められたりという、その手続の面でどうもそういう点がおくれがちになるというふうな話があるわけでございます。  そういった点で、恐らく新しく仕事をしようとする企業はやはりそれほどまとまった手金があるわけではございませんから、どうしてもそういった株式市場からの資本あるいはそれがだめならば銀行融資とか、できれば社債市場で資金を調達するとか、そういうことがまず必要になってくるんだろうと思うんでございますが、現在のそういった資本市場、株式市場の規制といったようなことについて、あるいは上場基準とかそういった意味の条件整備といいますか、そういった点について何かお聞かせいただくことがあれば、これは大蔵省の方からお願いしたいというふうに思います。

藤原隆大蔵省証券局証券市場課長

○説明員(藤原隆君) お答え申し上げます。  日本の株式市場には、御案内のように全国の証券取引所のほかに店頭市場というのが存在いたしておりまして、主にこういう市場がベンチャービジネス等にとりましては長期安定的な資金調達の有効な場ということで機能しておりますし、また投資家にとりましては新たな投資機会の場ということで機能いたしております。  我が国の店頭登録基準と申しますと、これは投資家保護上、新規公開企業の経営の健全性等の面でいわば最低限の充足すべき基準を定めておるわけでございますが、この水準と申しますのは、いわば店頭市場の先進国でございますアメリカのNASDAQ市場、これはアメリカの店頭市場でございますが、これとほぼ同水準のものとなってございます。  他方、私どもは、ベンチャービジネスを含めました企業の資金調達ニーズ、これにでき得る限りこたえることは資本市場の重要な機能の一つというふうに認識いたしておりまして、本年六月からは、それまで新規公開が従来週二、三社というような新規公開のペースでございましたが、それを週三から五社というようなペースアップをするよう関係者間の調整を図ったところでございます。これによりまして平成六年の新規公開会社数は約百六十社ということになりまして、これを仮に一月からやった場合、平年度ベースで考えますと約百八十社というふうに大幅に拡大いたしております。ちなみに過去最大の公開会社がありましたのはいわばバブル最盛期の平成二年、これが約百四十社ございましたが、それを上回るペースで拡大しているというようなことでございまして、過去最大の数字でございます。  私どもといたしましては、今後とも店頭市場を含め、これを初めといたしまして資本市場の発展に努力して、このような中小企業なかんずくこういうベンチャー企業の資金調達に対応してまいりたいというふうに存じております。

小島慶三新緑風会

○小島慶三君 どうもありがとうございました。  以上で終わります。

山口哲夫日本社会党・護憲民主連合

○山口哲夫君 山口大臣には、村山内閣の中で大変大きな政治課題であります行政改革、中でも大変難しいと言われている規制緩和の問題、地方分権の問題、こういった大きな課題に連日取り組んでいらっしゃることに心から敬意を表し、大きな成果を上げられることを期待いたしております。  二つだけ基本的な考え方についてお尋ねをしてみたいと思います。  まず規制緩和でありますけれども、先ほど長官から年内に規制緩和の推進計画をつくりたいというようなお話もございました。規制緩和は、景気刺激の問題あるいは行政改革の立場からも極めて重要な課題でありまして、私もこれは積極的に進めていかなければならないと考えております。  ただしかし、いろいろな事業活動の中には、やはり規制をきちっとして国民生活の安全を守らなければならないし、また快適な町づくりも進めていかなければならない、そういう必要も非常にあるのではないだろうか、そう考えます。  例を二つだけ挙げてみたいと思いますけれども、一つは、ことしの一月十二日に日本消費者連盟の方から厚生大臣に要請書が出されております。これは、化粧品の表示の規制緩和に反対し、全成分表示を求めるというような内容でございます。  一部の化粧品の輸入業者の中から輸入に当たって薬事法による表示の規制緩和が求められているわけでありますけれども、欧米諸国では化粧品の成分表示というのは消費者の保護の見地から法的に義務づけられておるわけであります。それから、輸入化粧品の中には日本では使用を禁止している薬品も含まれているというようなことで、非常に注目をしていかなければなりません。そういう立場から申しますと、消費者の安全という立場から、こういった規制というものは緩和すべき対象にはならないだろうというように思います。  それから、もう一つの例でありますけれども、これは経団連の方から大変たくさんの具体的な要望事項が出されております。その中に、先ほども質問の中にありましたけれども、中高層階の住居専用地区、この指定を行う場合に容積率を大幅に引き上げていくべきだというような要望が実は出されているわけであります。  しかし、この容積率の緩和というものは、町づくりに当たってはよく注意をしていかなければならない問題だ、そう考えます。特に欧米諸国、先進国では容積率を非常に低く維持いたしまして、そして地価の上昇をできるだけ抑えていこうという政策をとっているわけでありまして、我が国の場合には容積率が少し甘過ぎるんではないか、そういう面で都市計画上に大きな欠陥をもたらしているというように言われておりまして、住環境をよりよくしていくためにもこういう面での緩和というものは必ずしも好ましいものではない、そんなふうに思っております。  さらに、規制緩和の対象になっております法律の中に、食品衛生法あるいは大気汚染防止法、水質汚濁防止法、自然環境保全法、騒音規制法、振動規制法、労働基本法、職業安定法、道路交通法、割賦販売法、消費生活用製品安全法、いわゆる社会的な規制に関する、先ほど長官もお話ししておりましたけれども、こういう社会的な規制に触れるようなものまで一応検討の対象にされているわけでありますけれども、今申し上げましたような法律というのはいずれも消費者の保護を目的にしている法律であるということを考えますときに、規制緩和の大義名分のもとに規制を弱めてはいけない問題ではないだろうか、そのように私は考えるわけでありますけれども、規制緩和をこれから進めていく長官の基本的なお考えについて御見解をお聞きいたしたい、こう思います。

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合総務庁長官

○国務大臣(山口鶴男君) お答え申し上げます。  先ほどもお答えいたしましたが、私ども、経済的規制と社会的規制につきましてはおのずから区別を考えながらこの問題には対処をしていくべきであると考えておる次第であります。  今、規制緩和につきましては、内外からの意見をくまなく聴取するための努力をしているわけでございますが、その中の一つに総務庁の出先機関であります行政監察局、各ブロックにございます。そのブロックで規制緩和推進懇話会というのを開催いただきまして、その地域の各団体からの規制緩和に関するさまざまな御意見、御要望を承るということをいたしております。私も東京と福岡と二カ所の会合に出席をいたしまして直接お話を伺いました。その際に、やはり単なる経営者団体ばかりではなくて、労働団体もございますし、それからまた中小企業団体、さらには消費者団体、さまざまな階層の皆さん方の御出席をいただいて、そして意見を聴取いたしてまいりました。特に福岡の会合では、今山口委員が御指摘されたような人の命と健康にかかわる規制緩和については慎重であるべきであるという御意見も率直にございました。私たちはやはりそういった各方面の意見には謙虚にやはり耳を傾ける必要があると思います。  したがいまして、先ほどお話がございました五カ年間の規制緩和推進計画、年度内にこれはまとめるということにして今作業をやっているわけでございますが、意見を聞くためにひとつ作業部会を設けてほしいということが経団連の方からお話がございました。私は、やはりそういった作業部会というような形で意見を聞くことは余り好ましいことではないのではないか。と申しますのは、規制緩和を決めるのは国の意思を決めるわけでございまして、そういった意思決定をいたします際は、これは政府の責任において行うべきものだ、作業部会というような形で民間の方も入れて方針を決めるということは、そういう意味では問題があるのではないかという観点から、先ほど申し上げたような規制緩和検討委員会という形で、作業部会とは違った形で御意見は承るということにいたした次第であります。  ですから、私といたしましては特定の団体だけの御意見を尊重してやろうとは思いません。国民各方面の御意見を謙虚に承る中で、経済的規制、そして社会的規制、それぞれ国民の皆さんからの御要望があるわけでございますから、そういう点を踏まえてこの問題については推進をしていく。しかし、進めるべきものについてはやはり断固進めていく、こういう姿勢は堅持をいたしてまいりたい、かように考えておる次第であります。

山口哲夫日本社会党・護憲民主連合

○山口哲夫君 社会的な規制についてはそれぞれ各省庁で担当されている面が非常に多いわけでありまして、今長官が申されたような基本的なお考えを各大臣にも十分ひとつ浸透させていただいて、そのようなお考えで進めていただきたいと要望しておきたいと思います。  せっかくの機会でございますので、もう一つ地方分権についてお尋ねをしたいと思います。  年内には地方分権推進基本法の制定に対する大綱をまとめたいというような方針が示されておりまして、目下行政改革推進本部の地方分権部会で作業を進めているというように伺っております。  そこで、私は地方分権の推進基本法をつくるに当たって、地方分権を進めるためには絶対に欠かせない大きな三つの柱があるだろうと思います。  その一つは、まず国と地方自治体との仕事の分担を法律できちっと定めていく、それがまず一つであります。もう一つは、そういう考え方で地方分権を進めていくための強力な権限を持った機関を設置するということが第二。そして三つ目には、その機関によって具体的に地方分権を進める推進計画をつくる、この三つを欠いては地方分権は一つも進んでいかないだろうというふうに考えております。  こういう考え方を織り込んで大綱をつくるべきであろう、私はそういうふうに考えますけれども、長官としてのお考えをお伺いしたいと思います。

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合総務庁長官

○国務大臣(山口鶴男君) 地方分権の推進に関しましては、行政改革推進本部の中に地方分権部会というのを設けまして、関係閣僚ばかりではなくて都道府県の代表の方、そして市町村の代表の方、さらには学者、文化人の方々、さらには経済団体、労働団体の代表の方という方も専門委員としてお願いを申し上げて、既に六回会合を重ねている次第でございます。  これとは別に、先生御案内のように、総理大臣の諮問機関でございます地方制度調査会で地方分権の問題に関して議論をいたしまして、中間報告を取りまとめていただきました。近く最終答申をおまとめになるだろうと存じます。それから、地方六団体におきましても専門部会を設置いたしまして、学者の方々を中心にして御議論をいただきました。  そういった地方制度調査会並びに地方六団体の御意見をこの前地方分権部会で拝聴いたしたのでございますが、そこの中で先生御指摘の地方分権の理念、それには国と地方の役割分担を明確にすべきである、さらには行財政の配分も当然検討すべきである、そしてこれを推進するための機関を設けるべきであるという点につきましては、地方制度調査会及び地方六団体の御意見というものは共通しておりました。  今、地方分権部会がこれらを踏まえまして議論を展開しているところでございますので、今御指摘のような三つの点をそのまま織り込みます、こう私がお答えするのはいかがかと思っております。しかし、今私が申し上げましたように、地方六団体並びに地方制度調査会の御意見も十分聴取をいたしたわけでございますし、それを踏まえて私ども地方分権大綱を決定いたしたい、こう考えておるわけでございますので、そういう点でひとつ御理解を賜りたいと思う次第でございます。

山口哲夫日本社会党・護憲民主連合

○山口哲夫君 これからいろいろと各省庁の意見もまた聞いて地方分権の方針を決めていくという作業も残っていると思います。先ほども質問の中にありましたけれども、いわゆる官僚に任せるということになりますと、かつてのパイロット自治体のように、せっかくいい方針をつくっても全部骨抜きにされてしまうというようなこともございます。今長官からお話があったように、ぜひひとつこういう基本的な考え方だけはきちんと踏まえて、この方針を動かすことのないように、そういう中で具体的な作業をこれからも進めていただくようにお願いをいたしまして終わりたいと思います。  ありがとうございました。

岩崎昭弥日本社会党・護憲民主連合

○岩崎昭弥君 最初に、規制の仕組みと問題点について質問いたします。  規制には、お話がありましたように、産業を保護育成するための経済的規制と国民生活の安定確保のための社会的規制がございます。  経済的規制では、参入規制と価格規制の二つの規制方法がとられることが多いのであります。参入規制は、その事業を行おうとする者のうち一定の資格基準を満たさない者を排除して業界の安定性を確保し、また過当競争による弱小な事業者の共倒れを防ぐことを目的として設けられたと思うのであります。一方、価格規制は、基本的には独占性が強く公共性が高い事業、例えば電気・ガス事業や鉄道事業等でありますが、これらの料金を政府による認可制にすることでその事業の安定性確保と消費者利益の保護を目的として設けられたものと思うのであります。  こうした経済的規制は、経済が未成熟で十分な発達を遂げない時期にはその必要性と有効性が認められました。しかし、日本が経済大国と呼ばれるまでになった今日、これらの規制がむしろ経済の発展にとって阻害要因となっていると指摘する意見が多くなっているのは事実であります。産業保護を目的としていたはずの規制が既得権益の保護に変質し、新規事業者の参入や自由な価格設定を目指す事業者の活動を許さない保守的な経済体質をつくった源泉になってしまったというのがあるのであります。  一方、社会的規制は、国民の健康と安全を確保するために課せられた規制でありますから、今日でもその必要性は変わりません。しかし、社会的規制にも問題があります。それは、社会的規制の中で実質的には経済的規制に転化してしまっている規制が存在することであります。例えばタクシーの例を見るとよくわかるんでありますが、タクシー事業における免許制は利用者の安全性確保のために不適格な事業者の排除を目的としておりますが、これは結果的には参入規制という経済的規制になっている格好であります。  以上のように、現在の社会状況に合わなくなってしまった規制がいまだにそのままにされていることが問題であるというふうに言われております。  我々も、規制緩和は規制の仕組みを正しく理解しないとこれから十分に対処できないと思うのであります。今や規制緩和はそういう意味で重要な課題であります。規制緩和に関する世論の関心もこれまでになく高いと思うのであります。ところが、緩和されるべき規制そのものに関する理解は、その規制の利害関係者を別にすれば国民の間に余り考えが進んでいないというのが現状だと思います。  しかし、規制緩和を考えていく上で、まず規制にはどんなものがあるか、また規制の仕組みはどうなっているかということを十分に理解し、そして規制緩和の実現のために我々が努力するということになろうかと思うのであります。  許認可等による公的規制は御承知のように一万一千四百二件、これは平成五年の三月三十一日現在の総務庁の調べによります。今、お話を聞いておると、そのうちの二百七十九件が規制緩和されたということであります。これら多くの公的規制を把握して理解することはいわば不可能に近い話でありますが、しかしその仕組みを理解することによって規制に十分にメスを入れることから国民の期待にこたえる規制緩和をしなければならぬというふうに思うのであります。  許認可等事項数をちょっと見ますと、例えば公安委員会は百三十四件持っておりまして、風俗営業の許可、運転免許、交通事故の報告などを扱っているのであります。大蔵省は千三百八十七件ありまして、銀行の営業権の免許、酒類の販売免許などを扱っています。文部省は三百二十三件、教科書の検定や博物館の登録、国宝の指定などをやっているんですね。厚生省は千二百二十一件、病院等の開設の許可、食品の営業許可などをやっています。農林水産省は千四百二十七件もありまして、農地等の権利移動の許可、米の販売業者の許可などをやっているのであります。建設省は九百十件、建設業の許可、建築物に関する届け出及び検査等をやっておると思うのであります。  そこで、規制緩和をめぐる最近の状況をちょっと振り返ってみたいと思うんです。  これは平岩委員会の報告からでありますが、細川政権は、規制緩和の実現のために首相の私的諮問機関として経済改革研究会、通称平岩委員会を設置し、平成五年十一月八日にはその中間報告が発表されました。  平岩委員会は、この中間報告の中で、今後の公的規制のあり方について、経済的規制の原則廃止と社会的規制は最小限にとどめることを提言いたしております。これは今までに提出されてきた規制緩和に関する援言等と比較しまして、公的規制の抜本的な改革を目指すことをより明確に宣言したものとなっているのが特徴だと思うのであります。  そして、平成五年十二月十六日にはその最終報告が提出されました。この中で規制緩和の当面の重点対象として以下の五項目が挙げられました。一つ、土地・住宅及び関連分野の規制緩和による土地の有効・適正利用と住宅建設の促進。一つ、流通等の非効率産業分野の規制緩和による内外価格差の縮小。一つ、農業における生産・流通の規制緩和による市場メカニズムの活用。一つ、輸入関連の規制緩和による輸入の拡大。一つ、情報・通信分野など新規産業の創出を刺激するような規制の緩和。さらに、規制緩和の実効を上げるためとして、勧告権を有しかつ独自の事務局を持った強力な第三者機関の立法化を提案しているのであります。  第三者機関の設置はこの委員会でも質問が出ましたが、先ほども話もありましたが、内容がいま一つ明確になっていないような気がするわけであります。  総務庁は、規制緩和を経済政策と行政改革においてどの程度の改革を行おうとしておられるのか、ちょっと踏み込んだ意見をいただきたいと思うのであります。  また、平成五年十二月十六日の平岩委員会報告の重点五項目をどの程度実行に移そうとしておられるのか承りたいと思います。

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合総務庁長官

○国務大臣(山口鶴男君) お答えを申し上げたいと思います。  御指摘ございました平岩委員会の五項目の対象事項、一つ重要なものが抜けているんじゃないかと私は思っております。というのは、金融・証券・保険に関する規制緩和というのがこの平岩委員会の五項目の中にはございません。どういうわけなのか私はわかりませんが、この点はやはり欠けているところがあるんじゃないかというふうに私は認識をいたしております。  したがいまして、平岩委員会が提起されました五項目につきましては、当然私ども検討対象にいたしますが、同時に、金融・証券・保険の規制緩和の問題につきましても、私どもは十分これについても進めていかにゃならぬという観点で対応いたしたいと考えておる次第でございます。

岩崎昭弥日本社会党・護憲民主連合

○岩崎昭弥君 次に、「政治、行政、経済の三大改革実現に向けた規制緩和の断行を求める」という、これは経済団体連合会がことしの五月十三日に提出した要望でございますが、それに基づいて質問したいと思います。  第一番目は、「趣旨」ですね。「規制緩和の四つの効果」というものを挙げているのであります。  明治以来の官主導・中央集権型の社会経済システムは大きな転換期を迎えております。二十一世紀に向けて新たな発展の道を開き、国際社会における責任を果たしていくために、政治、行政、経済の各分野における改革を断行し、民主導、地方分権のシステムを構築することが急務となっていますと書いてある。規制緩和はこれら改革のかなめであり、不可欠の第一歩だというふうに位置づけています。  そして、規制緩和は、一、内外価格差の是正や商品・サービスの選択の幅の拡大により豊かな国民生活を可能とするとともに、二、新しいビジネスチャンスをもたらし、企業家精神の発揮を推進力とした経済構造の変革に道を開くと言っています。三、また、国、地方を通じた政府部門の合理化、スリム化を促進し、社会経済情勢の変化に対応した新しい行政サービスの提供を可能とすると言っています。四、さらに、自由競争を活性化させ、経済社会の透明性を高め、我が国と国際社会との調和の実現に資する。  以上四点を挙げまして、経団連では、このような観点から先般改めて全会員にアンケート調査を実施し、その調査結果に基づきここに要望書を取りまとめたので、その実現を推進することを強く要望すると言っております。  第二番目は、「規制緩和の三つの基本」をうたっているんです。  本要望は各般にわたるが、基本は以下の三点である。  その一、規制緩和の検討対象はすべての公的な関与、介入が必要であると言っています。規制緩和を検討する際、その対象を狭く許認可等のみに限るべきではない。行政指導、市場メカニズムを制限する価格支持制度、さらには関税を含め、輸入促進や市場アクセス改善の妨げとなっている諸制度等、国、地方を通じた国民生活や企業活動に対する公的な関与、介入全般とすべきである。  その二、経済的規制は原則自由・例外規制、こう言っています。経済的規制は原則自由・例外規制を基本とすべきである。とりわけ需給調整の視点からの参入規制、設備規制、輸入規制は速やかに全廃すべきである。  その三、社会的規制は必要最小限と言っています。社会的規制は自己責任を原則とし、本来の政策目的に沿った必要最小限の内容、範囲にとどめるべきであると、こう言っています。この辺については、私も大分疑問を持っておりますし、先ほどの山口先生の意見と同じ部分も持っておるわけですが、こういう指摘をしています。  第三番目は、「規制緩和の三つの原則」、この趣旨、要望を実現するに当たっては、以下の三原則を確立していく必要がある。  その一、ゼロベース原則。政府はすべての規制についてゼロベースに立って見直し、廃止、縮小の目標と手順を五年ごとに策定するアクションプログラムにおいて明確にする。アクションプログラムは毎年度更新し、五年経過後も規制が存続せざるを得ない場合は、その根拠を明らかにした上で次期アクションプログラムにおいて廃止、縮小の方向に向けた手順を示す。  その二、サンセット原則。規制の新設に当たっては、一定期間、最長五年経過後に廃止あるいは見直すこととする条項を盛り込む。  その三、公開原則。規制の新設を含む法律案の国会審議に当たっては、利害関係を有する者からの意見聴取を義務づける。また、政省令、通達等の行政立法に当たっても、事前に案文を公開するとともに、公聴会の開催を義務づける行政立法手続法を制定する。こういうふうにガラス張り行政を主張しておるんです。この辺は、私は細川政権時代と行政改革の姿勢が多少変わったことに対する経団連の不満があらわれているんじゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。  第四番目は、「政府が早急に取り組むべき三つの課題」というのを言っています。  その一、行政改革委員会の早期設置。行政改革委員会設置法案の早期成立を図り、同委員会を速やかに設置すべきである。内閣総理大臣が委員を任命するに当たっては、委員会の設置趣旨にかんがみ、官僚並びにその経験者を排除すべきである。これは民間主導型の主張だろうと思うんです。また、委員会は許認可制度に限らず、民間活動に対するすべての公的な関与、介入につき自主的、主体的に勧告権を行使すべきである。こういうふうに言っています。この辺のことは、去る十月二十四日の朝日新聞の記事とちょっと関係する部分があるんじゃないかと思うんです。  その二、規制緩和推進計画等の早期策定と言っています。これは、規制緩和に民間の声が必要だという主張だろうと思うんです。さきのゼロベース原則にのっとった規制緩和推進計画を速やかに策定し、実施に移すべきである。とりわけ需給調整の視点からの参入規制、設備規制、輸入規制については五年以内に確実に廃止するとともに、価格規制についても必要最小限とし、幅価格制、上限価格制等を導入することを明確にする必要がある。また、当該計画の進捗状況については、毎年度国会並びに行政改革委員会への報告を義務づけるべきであると言っています。  その三には、先ほどお話がありました地方分権基本法を早期に制定せよと言っています。  そこで、二十四日の朝日新聞の記事、規制緩和計画に民間の声を聞く場を一転して総務庁が設けた、こういう意味の見出しで、「政府は来年度から五カ年の「規制緩和推進計画」をまとめるに当たり、民間の意見を聴くための場を新設する方針を固めた。経団連などの要請に押し切られた格好で、二十五日の閣議後の閣僚懇談会で決める方向だ。ただ、政府の意思決定に影響を与えうるものなのか、単に聞き置くだけの形式的なものなのか、性格付けはあいまいなまま。「官主導」「消極的」といった批判は避けたいものの、民間の意見にも縛られたくないという官僚の思惑がにじんでいる。」こう言っています。設置か否かでもめたせいですね。記事によると、「結局、園田博之官房副長官をとりまとめ役に、経済界、労働界、学識経験者など数人をメンバーとして、十一月中旬ごろから五、六回程度、会合を開いて意見を聴く」ということになっておるようですが、この辺は極めて消極的なように見えます。  昨今の常識では、規制緩和計画に民間の声を聞くのは当然の筋道だと思うのであります。経済界、労働界、消費者、学者等に広く門戸を開放して、規制緩和の功罪を多角的に議論する中から結論を出すべきだと私は思うのです。規制緩和は、社会的にも、また業界、国民にとっても、先ほども御指摘がありましたが両刃の剣でありますから、徹底した議論が必要だと思うのでありますが、この辺についての総務庁の見解を承りたいのであります。

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合総務庁長官

○国務大臣(山口鶴男君) お答え申し上げます。  新聞の記事等を指摘されましてお尋ねがあったわけでございますが、先ほど来申し上げておりますように、規制緩和の問題について一体どこが決めるかといえば、これは行革推進本部、本部長を総理大臣とする全閣僚を含めた行革推進本部がこの意思決定を行います。しかし、要するに閣僚だけで決めるということではなくて、意見はさまざまな階層の方々から率直な意見を承りたい。ですから、今、御案内だと思いますが、総務庁は全国に五千人の行政相談委員というものをお願い申し上げております。これらの方々はすべてボランティアで活動いただいておるわけでございますが、国民の皆さんに直接触れて、行政に対する苦情、注文等をお聞きいただいているわけです。  その際に、この規制緩和に関する問題については総務庁の方に行政監察局、行政監察事務所を通じてお寄せをいただいております。そのほか、先ほど申し上げましたが、規制緩和推進懇話会という形で各界の皆さん方にお集まりをいただいてお話を承っております。  もちろん関係省庁からも意見を聞くことは当然だろうと思いますが、同時に、この十一月には大体二回を予定しておるんですが、行革推進本部が、総理大臣以下全閣僚そろいました上で、各種団体、何も経団連からだけ私どもお話を聞こうとは思っておりません。経団連を含めた経済団体あるいは労働団体あるいは消費者団体等さまざまな団体から意見を聞くと同時に、アメリカあるいはEUの経済団体からの御意見も国際摩擦の解消という意味で承るということも私どもいたしたいと思っておるわけでございまして、そういった幅広い方々の御意見も承る。  そうしてさらに、経団連の方からのお話もございました。作業部会を設けたらどうかというお話でしたが、作業部会はいかがかということは先ほどお答えを申し上げました。そうではなくて、園田官房副長官をヘッドとする検討委員会というものを設けて、そしてこれは何回かの会合を開いて各方面の皆様方の意見も承ろう、こういたしたわけでございまして、私どもは決して独善的に物事を運ぼうとは思っておりません。意見は幅広い皆さんから御意見を承る。そうして決める際は行革推進本部の責任においてこれは決定をいたしたいというふうに考えております。決して私ども後退はいたしておりません。  村山内閣は、総理が常々おっしゃっておられるように、行政改革こそ村山内閣の最大の政治課題である、この認識で私どもはこの問題についてはやるべきものはきちっとやるという決意で対処をいたしておるということでぜひ御理解を賜りたいと存じます。

岩崎昭弥日本社会党・護憲民主連合

○岩崎昭弥君 次に、規制緩和、行政改革に関する行政相談委員からのアンケートについて意見を申しながらお尋ねしたいと思うんです。  行政相談委員の活用については先ほど長官からも二回ほど御紹介がございました。実は、たまたま岐阜の行政相談委員協議会というのがありまして、そこに私どもの知人も入っているわけですが、そこでは規制緩和、行政改革に関するアンケートを今やっているところです。  その中身をちょっと紹介しますと、趣旨は、総務庁においては、国民負担の軽減、行政の簡素・効率化を図る観点から、「今後における行政改革の推進方策について」ということしの二月十五日の閣議決定に基づいて行政改革の着実な実施を推進することにしております。また、その推進に当たって、地域で働き、地域で生活する方々の御意見を十分に踏まえ検討することが極めて重要であると考えられます。つきましては、御多忙中恐縮ですが、国民生活、経済活動等の面でさまざまな不便、支障が生じている、もしくは非効率を招いている、または事務処理の簡素化、迅速化、効率化等が必要と思われる事項について御意見をいただきたい、こう言っているわけです。  実施期間はこの八月から十月いっぱいです。アンケートの提出を十一月七日としているわけであります。  設問の対象範囲は、行政全般を対象とするが次の事項に重点を置きますと。一つ、規制緩和関係、手続の簡素化も含む、二番目に縦割り行政による弊害の是正関係、それから三番目に地方分権関係、こう言っています。  提言方法は、御意見を別紙のアンケート用紙に御記入の上、岐阜行政監察事務所または行政相談委員に提出してください、こう言っているわけです。岐阜県の行政相談委員は県内に百十九人います。全国では大臣御説明のように五千四十六人いるわけです。  それで、私が聞いたのは主として建築関係だけでございました。  その設問をちょっと申し上げますと、建築基準法、その確認制度について制度改革を尋ねておるわけです。  二番目に金融公庫法。これは公庫法そのものではなしに、公庫法の中の技術的基準、つまり建築技術を規定しているわけです、その緩和方法について聞いております。  三番目に高炉セメント。これはもう今はもうほとんど使いませんが、その高炉セメントの使用についていいか悪いかという、行政指導上の要望があるかどうか聞いているわけです。  四番目に建築資材機器品質と価格について。これも行政指導とそれに対する要望に関して尋ねている。  それから五番目に建築基準法。これは今山口先生からお話がありましたように、用途地域内の建築制限、高さだとかボリューム、容積、日照権もいろいろありますが、そういうものの行政指導の要望も聞いている。  それから六番目が農地法の改正について。これは規制の改善が必要かどうか。  七番目に事業所税について。事業所税というのは、私は地方行政部会で話したことがあるんですが、岐阜の例をとりますと、岐阜は事業所税がかかる。隣の大垣はかからない。その隣の大垣市に大企業がいっぱいあって、しかもついこの間まで不交付団体だったんです。ちっぽけな業者のある岐阜で事業所税がかかる。そういうものの税制の見直し等を聞いているんだと思うんですが、こういうことを聞いているわけです。  たまたま政府委員には提出しましたが、この回答を見ていると大変おもしろいんです。そして、実際に現場といいますか、市民の方が感じていることが本当によくにじんでいるというふうに思って、おもしろかったと思うんです。  そこで、これからお尋ねですが、行政相談委員は長官御説明のように法律に基づいて民間有識者の中から委嘱して国民と行政のパイプ役を担っていらっしゃって、五千四十六人いらっしゃるわけです。規制緩和についても、業界や有識者の意見だけでなく、長官そういうことは十分御承知で今も説明がありましたが、広く国民的な意見を聞くという意味で、全国の行政相談委員からアンケートをとったらどうかと、私はこのアンケートを見てそう思ったんでありますが、そういう意思がおありかどうかを聞きたいのであります。

田中一昭総務庁行政監察局長

○政府委員(田中一昭君) 今お話しのように、総務庁では行政相談委員活動を通じまして幅広く国民の意見とか要望をくみ上げまして行政の制度運営の改善に役立てておるところでございます。  今お話しのアンケート調査でございますが、岐阜行政相談委員協議会が自主的に行っておるものでございまして、自主的にさまざまな取り組みをしていただくことはおっしゃるとおり非常に結構だと私どもは思っております。  これを全国的に推奨するかどうかについては、岐阜の実施状況を見つつ検討する必要があると思いますし、また行政相談委員が、先ほども大臣も申し上げましたように、ボランティアとして行政相談業務に従事していただいておるというところでもございますので、行政相談委員の関係団体とも十分相談してまいる必要があると考えております。  ちなみに、総務庁ではこの八月から九月にかけまして、これも大臣からお話がございましたが、規制緩和推進懇話会を全国十九都市で開催しておりますし、またファクス、郵送等によりまして意見、要望を全国的に受け付けており、国民からの意見、要望を幅広く聴取しておるところでございまして、こうした努力もしておるということを十分御理解いただければありがたいと存じております。

岩崎昭弥日本社会党・護憲民主連合

○岩崎昭弥君 次に、住宅対策の充実を求める提言について、これも経団連の要望でございます。  ちょっと時間がないので説明するわけにもいかぬのですが、中身は、一つは豊かさを実現する都市基盤の整備と規制緩和について提言があります。  二番目に、景気回復と住宅の質的向上に資する規制の合理化をやってほしい。住宅を建設いたしますと、その波及効果、経済的効果は二・一七倍強になると言っているわけです。これは大変な影響力でありまして、住宅建設は二・一七倍、公共事業が一・九八倍、新社会資本二・ニ倍、こうなっているわけですね。新社会資本というのは電子通信機器の関係でございますが、こういう提言をしておる。  それから、宅地供給量の推移と新設住宅着工の推移も実は説明したいと思ったんですが、こんなことは建設省十分御承知の上でありますから釈迦に説法みたいなものですが、大変状況は好転しているというふうに思うんです。  四番目に、マンション分譲価格と所得の乖離の状況について述べています。これは政府の生活大国五カ年計画、九二年六月のものですが、勤労者世帯の平均年収の五倍程度で良質な住宅が取得できるようにという具体的な目標を揚げていました。ところが、地価がピークに達した九〇年には、首都圏のマンション分譲価格は勤労者世帯の平均年収の八倍にまで高騰したのであります。近年、地価が下落しまして、九三年には平均年収の五・一倍と数字の上では上記の目標を達成したことになるわけですが、しかし、現在販売されている分譲マンションは四千万円台の比較的専有面積の小さいもので、政府の定める誘導居住水準というのがあるんですね、これは四人家族で九十一平米程度の住宅のことでありますが、これには及ばぬ、こう言っておるわけです。  それで、そういうものを時代に合うように改善をしてほしい、その行政的手当てを求めているわけでございますが、そのために特に要望があるんですね。  その要望は、一つは土地住宅関連の税制の見直しです。これは物すごい項目がありますが、御承知のとおりです。それから、住宅金融制度の拡充です。業界は、民間の金融機関にやらせろと言っておりますが、私は必ずしもそうではないというふうに思っています。これは住宅金融公庫も十分使ってもらわにゃいかぬわけでございますね。そう思っておりますが、そういう意見がある。それから、中古住宅の流通やマンションの建てかえの促進をやれ、こういうことを言っておりますので、これに関連してかいつまんで御説明いただけるとありがたいと思います。  以上で終わります。

山本繁太郎建設省住宅局住宅政策課長

○説明員(山本繁太郎君) 建設省の住宅政策課長でございます。  住宅政策の基本についての、特に経済団体連合会の要望に関連してのお尋ねでございます。  最近の地価の状況を特に背景といたしまして、大都市圏の分譲マンションの価格、それを年収で比較してみた場合の年収倍率が一時期よりは、先ほど数字を引用していただきましたように、非常に低下してきております。一番大きな理由は、何といってもやはり地価の動向でございます。  そういう観点からは、今後の姿勢といたしましては、総合的な土地対策をきちんと進めていくということとあわせまして、住宅金融公庫の融資、それから税制、そういった誘導施策を改善するということを通じて住宅取得能力を向上させる。それからもう一つ、省として非常に大事に思っておりますのは、上物の住宅建設コストを何とかして低減していく。それから、御指摘にもございましたけれども、住宅に関連する基盤をきちんと整備していく、そういった基盤整備、町づくりと一体となった住宅宅地を供給する。そういったような施策を全体的に一生懸命進めることで今のような課題にこたえていくというのが住宅政策の基本的な姿勢でございます。

小林正新緑風会

○委員長(小林正君) 午後一時十五分に再開することとし、休憩いたします。    午後零時十七分休憩      —————・—————    午後一時十七分開会

小林正新緑風会

○委員長(小林正君) ただいまから地方分権及び規制緩和に関する特別委員会を再開いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、小島慶三君が委員を辞任され、その補欠として寺澤芳男君が選任されました。     —————————————

小林正新緑風会

○委員長(小林正君) 休憩前に引き続き、許可、認可等の整理及び合理化に関する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

続訓弘公明党・国民会議

○続訓弘君 私は、午前中、野沢、溝手、小島、山口、岩崎の各先生方から熱心な御議論がございましたので、重複を避け、あるいは視点を変えながら、以下数点にわたって基本姿勢について大臣の所見をお伺いさせていただきます。  ただいま議題となっております許可、認可等の整理及び合理化に関する法律案につきましては、私たちが細川、羽田両内閣時代に推進してきたものだけに賛成の立場でございます。しかしながら、今回提案の一括議案は規制緩和のほんの第一歩にすぎないと思います。時代の要請と消費者・生活者重視の立場から、今後勇断を持って強力に推進していただきたいという願いを込めて、以下数点にわたって所管大臣に御質問申し上げます。  その第一は、山口長官の規制緩和推進に対する基本姿勢についてであります。  私は、昨年五月二十日の地方行政委員会で、規制緩和、地方分権に関して当時の村田自治大臣に、今や議論の段階ではなくて実行の段階ではないでしょうかとただしました。そして、政治家として村田大臣の決意をただしたわけであります。  そのときの村田大臣の答えは、現在一万九百余件に上る各種の規制を三年以内に五千件に減らしたい、そうしないと日本はよくならないと真情を吐露され、積極的な答弁がございました。  村山総理は先日の所信表明で、「行政改革の断行こそ、この内閣が全力を傾けて取り組まなければならない課題」であると明言され、続けて「官と民との関係では、国民生活の向上はもとより、経済の活性化や国際的調和の観点に立って規制緩和を断行することが不可欠」であると、強い決意を表明されました。  そこで、村山総理の決意を受けて、担当大臣である山口長官の不動の姿勢についてお伺いをさせていただきます。

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合総務庁長官

○国務大臣(山口鶴男君) 昨年の、当時の村田自治大臣に対する御論議の経過を承りました。私も実は昨年、今や地方分権の時代ではないか、したがってこの際衆参両院で地方分権推進に関する国会決議をやるべきであるということを考えまして、当時の自民党の三塚政調会長に話をいたしまして、それから衆参両院の地方行政委員会において与野党間の話し合いがなされて、衆参両院で地方分権推進に関する初めての本会議決議が実現いたしましたこと、私も非常にうれしかったわけであります。  したがいまして、地方分権を推進しなければなりませんし、同時に御指摘の規制緩和につきましても、お話もございましたが、現在各省の許認可事項が一万一千四百ばかりある。国と地方公共団体との関係の問題もございますが、国と民との間の許認可事項ということになりますと届け出等を除いても約六千件あると言われております。また、約七割は法律事項だということになっているそうでありますが、今日まで歴代の内閣の御努力でこの七月の閣議決定、二百七十九項目を含めて約千百件ほど規制緩和の事項を決めてまいりました。  これで十分でないことは委員御指摘のとおりであります。したがいまして、国際的に調和のとれたものとすると同時に、市場原理を生かしまして、自由で創意工夫にあふれた経済社会を築き上げていくという意味におきましても、規制緩和、わけても経済的規制につきましては原則自由という立場を堅持いたしまして積極的に推進してまいりたい、かように考えておる次第であります。

続訓弘公明党・国民会議

○続訓弘君 第二点は、規制緩和推進計画に関連してでございます。  十月二十四日の日経新聞によりますと、先ほども議論ございましたけれども、豊田経団連会長は経済界の意向を受けて、担当の山口長官に対し、規制緩和推進五カ年計画作成のため、学者、企業トップ、欧米関係者、政治家、官僚で構成する作業部会の設置を要請されたとのことであります。しかし、官僚の壁は厚く、せっかくの要請が事実上骨抜きになるだろうと報じておりました。  確かに時間の制約があることも理解いたしますが、要は今や国民的課題であります規制緩和の方策が名実ともに国民の期待と時代の要請に十分にこたえ得るかどうかにかかっていると存じます。そして、これまで野党時代の社会党は常に国民が主権者などの立場から政策論争に当たってこられました経緯を踏まえ、かつ社会党の実力者のお一人でもある山口長官なるがゆえに、官僚の厚い壁を打ち破る強力な政治的リーダーシップを発揮されるものと国民は期待しております。そしてそれを信じております。この点に関する長官の御所見をお伺いいたします。

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合総務庁長官

○国務大臣(山口鶴男君) 日にちはちょっと忘れましたが、就任いたしまして後に、経団連の豊田会長以下副会長の方々四名、そして規制緩和の問題を担当しております委員長さん初め数名の経団連の役員の皆さん方とお目にかかりまして、そうして、九月二十一日でございましたが、行政改革、規制緩和等に関する私の意見を申し上げました。また、経団連側からの要望もお伺いをいたしました。そのときに経団連側からたしか、御指摘ございましたように、規制緩和に関しては作業部会を設置してほしい、こういう要望があったことは事実でございます。  私そのときに、もちろん経団連側からの御要望については十分承る用意がある。先ほど岩崎委員も御指摘されましたように、経団連におきましてはさまざまな御提言をされておる。したがいまして、そういった事項を十分踏まえて私ども作業を進めたいと思うけれども、これも先ほどお答えしましたが、あくまでも規制緩和に関してこれを決定いたしますのは総理大臣が本部長である行政改革推進本部であります。したがいまして、これは国の意思決定機関でございますから、そこで決めさせていただく。  しかし、私ども総務庁としては、これももうここで何回も申し上げましたが、五千人の行政相談委員の皆さん方を通じての御意見を承るとか、あるいは規制緩和推進の懇話会へ私も出向きまして直接お話を承るとか、さまざまな作業をやっておるわけでございます。そういう御意見を集約すると同時に、経団連の皆さんからの御要望であれば、経団連のみならず他の経済団体あるいは労働団体あるいは消費者団体等、さまざまな団体の皆さん方から意見を集約的にお聞きすることは私ども決していとうのではございませんということを実は申し上げまして、そういう中で、昨日、閣議後の懇談の席で官房長官の方から、先ほど申し上げましたが、検討委員会を設けまして、そうしてさまざまの団体からの御意見を承るということにいたしたわけでございます。  どのような新聞が社説でお書きになっておりますか私もつまびらかに承知はいたしておりませんけれども、決して私ども規制緩和に関して後退をするというつもりはございません。あくまでも国民の皆さん方の要望するところの御意見、これを踏まえまして、そうして経済的規制については原則自由、そして社会的規制につきましてはそれぞれの事情というものを十分点検いたします中で対処をいたしてまいりたい、かように考えておる次第でございますので、ぜひ御理解のほどをよろしくお願い申し上げます。

続訓弘公明党・国民会議

○続訓弘君 第三点は、規制緩和による経済的効果の予測についてでございます。  午前中の野沢委員の御質問に対して経済企画庁は、まだ試算の段階だ、こういうお話がございました。私はここに昨年十一月、通産省の産業構造審議会基本問題小委員会中間提言での試算を持っております。それによりますと、労働生産性の向上につながる規制緩和を実施し、内外価格差がおおむね是正され、競争促進等が実施されるという前提に立ては、西暦二〇〇〇年までに物価は四・五%低下し、成長率は二・一%高まるだろうとの予測をしております。規制緩和が国民経済にはかり知れない好影響を及ぼすんだという試算でございます。  先ほど大臣も御答弁ございましたように、今各省庁が握っている規制は一万一千四百二件ということでございます。  ある著名な外国の学者がこんなことを述べておられました。日本における各種の規制緩和は、これからの日本が生き延びるための歴史的必然であるという所見でございました。  そこで、今申し上げました規制緩和がもたらす経済効果予測と、日本が生き延びるための歴史的必然論について長官の所見をお伺いいたします。

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合総務庁長官

○国務大臣(山口鶴男君) 我が国が戦後のあの荒廃の中から今日の経済的繁栄をもたらすに当たりましては、現在ございます一万一千四百ものいわば許認可権限というものがある程度有効に機能をいたしたということは、これはどなたもやっぱり認めているところだろうと思います。  また、何といいますか、ある程度官庁がリードをいたしまして、各業界が一致結束をいたしまして、そうして経済の成長のためにお互い努力をしてきたということもその一つの役割を果たしたということでありましょう。  しかし、今日になってこのような我が国が世界第二の経済大国になってまいりますと、今日までのこういった成長をもたらしてきたこの許認可というものがむしろ足かせになっている、こういう事実を率直にやっぱり認めなきゃいかぬ。  結局、船団方式と申しますか、みんながまとまって進んでいくという方法で来たことは確かにメリットがあったと思いますけれども、これからはそうではなくて、規制を外してそれぞれがやっぱり自由な立場で競争していく、また国際的な競争にも耐え抜いていくということが必要であるということは、私もそのとおりであると認識をいたしております。  したがいまして、御指摘ございましたような立場でこの規制緩和は何としても進めていかにゃならぬ。今日までその規制があったためにそれぞれの関係業界、団体等がある程度ぬるま湯につかっておったような状況にあることも事実でしょう。したがって、今までの既得権を失うということに対しては、これは官庁も抵抗があるでしょう。業界によってもさまざまな意見があることは私も承知をいたしておりますが、しかし今はそういって甘えている時代ではない。この際は、やはり経済的規制については原則自由という立場で、これは苦しくともやっぱりこれをやり抜いていかなきゃならぬということだろうと思います。  したがいまして、私ども決して官庁の皆さん方の意見でこの問題を左右しようとは思いません。内閣自体が、政治家自体がやはりリーダーシップを握ってこの問題に対処をする、そういう決意でありますことを申し上げておきたいと存じます。

続訓弘公明党・国民会議

○続訓弘君 せっかくの御努力を期待申し上げます。  続いて、地方分権について御質問申し上げます。  午前中、山口委員が御自分の豊富な経験から三点にわたって推進策の視点についてお述べになりました。私自身も実は三十八年間都庁に勤めておりました。したがって、地方分権の推進についてはとりわけ私は関心を持っております。そんな立場から、長官に対して基本姿勢を一点、そして要望を一点お願い申し上げたいと存じます。  先ほど長官もお述べになりましたように、昨年の衆参両院はそれぞれ全会一致をもって地方分権の推進に関する決議を議決されました。それによれば、国民の期待にこたえ、国と地方の役割を見直し、国から地方への権限移譲、地方税財源の充実強化等地方公共団体の自主性を図り、二十一世紀に向けた時代にふさわしい地方自治を確立することを現下の急務とし、地方分権を積極的に推進するための法制化を初め、抜本的な施策を総力を挙げて断行していくべきであるというものでございました。私は、この衆参両院の全会一致の議決に万感の思いを禁じ得ませんでした。  と申しますのは、十七年前の昭和五十二年九月二十九日、議案第二百二十六号をもって、地方自治法第二百五十条は地方公共団体に地方債発行の自由を認めず、これを自治大臣の許可に係らしめているのは、日本国憲法が保障する地方公共団体の財政自主権を著しく制限するものであり、違憲、無効なものというべきであるとして、最高裁判所に起債許可制度の撤廃を求める訴えの提起を東京都議会に求めました当時の私は責任者であります。この議論は、東京都議会においても今なお続けられております。  実は、長官の後輩に当たります社会党の大場暢子さんが本年の三月十八日に都議会でこれに関連した質問がなされました。これをここで御紹介させていただきます。  従来より私どもは、地方自治の確立、拡充、発展のためには財政自主権の確立が前提であり、それが不可欠であると主張してまいりました。起債の発行を例にとっても、地方自治体は国の強力な関与とコントロールを受けているのが現実でございます。特に起債の許可権については、法律で当分の間と規定しながら、それが四十年以上も続いているのが実態です。まことに不可解だと申し上げる以外にはありません。そして、このことは地方分権の推進という今日的状況にそぐわないと思います。これが大場さんの質問の要旨でございました。  村山総理は所信表明演説で、地方分権の推進は今や時代の大きな流れであり、国と地方の役割分担とそれぞれの行政のあり方を見直し、権限移譲、国の関与の廃止、緩和を進めることが必要であるとして、政府としても地方分権の推進に関する大綱方針を年内に策定し、これに基づき速やかに地方分権の推進に関する基本的な法律案を提案すると明言されました。  各地方団体は、今回こそは長年にわたる悲願が達成できるだろう、されるだろうと熱い期待を寄せております。この際、山口担当大臣から地方公共団体の期待に必ずこたえますよという、そういう力強い決意の表明をお聞かせいただければと思います。

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合総務庁長官

○国務大臣(山口鶴男君) 私が国会に籍を置きましたのは一九六〇年、昭和三十五年でございました。当初は地方行政委員会に所属をいたしまして、約十年間地方行政委員あるいは地方行政委員会の理事、そして地方制度調査会の委員等もいたしまして、したがって私の国会活動の原点は地方行政でございました。続委員は長らく地方行政に携わり、身をもって体験せられた貴重な経験をお持ちなわけでございます。私はそういう立場ではございませんでしたが、地方行政を国会活動の実は原点、こういたしている次第でございます。それだけに、御指摘ございましたこの地方債の発行が地方自治体の自由にはならない。自治大臣、大蔵大臣の承認が必要であるということになっている点は問題ではないかということは、当時国会で私も何度も実は問題にいたしました。  結局、当時の政府の言い分は、今、政府資金、財投の枠というものがある、したがって、低い金利のこの政府資金を各自治体の要望にこたえて配分するためには、自由というようなことになったのでは強力な自治体だけが起債を多く確保するということになって、財政力の弱い町村の場合は不利になるのではないかとか、ある程度の配分というものをしないと不公平が生まれるのではないかとか、そういうふうなことで一定の許可権限というものが必要であるというようなことを終始言っておったと記憶をいたしております。  しかし、いつまでもそういったことが続くことはいかがかというのが、当時も私考えておりましたし、現在もその点については同じような認識を持っております。  したがいまして、それを解決するためには国と地方とのいわば仕事の権限というものを明確化する必要がある。かつては道州制という議論もありましたが、現在の地方制度調査会あるいは地方六団体の御意見もおおむねそういうことはなくなりまして、国と都道府県と市町村、こういう形でおのずからそれぞれの事務を明確化していく必要があるのではないか、それに従って税財政についても再配分をすべきではないか、そうしてそれを進めるための推進機関というものも当然考えなきゃならぬ、こういう点ではこの地方制度調査会と、それから地方六団体の意見はおおむね一致しておるのではないかと思っております。  そういったものを踏まえて、今、地方分権部会で議論をしているわけでございますが、御指摘ありましたように、年内に大綱方針を策定いたしまして、そうして政府内の意見を取りまとめたいと思います。そういうときにはやはり内閣がリーダーシップを握って取りまとめをいたしまして、そして総理が申し上げておりますように、できれば次の通常国会にこの地方分権推進に関する基本法案を提案申し上げたい、こう言っておられるわけでありますから、私も自治大臣とともにそれに向かって全力を挙げたい、かように考えておる次第であります。

続訓弘公明党・国民会議

○続訓弘君 次に、長官に御要望申し上げます。  ただいま長官から強い決意の表明がございました。大変ありがたいことだと存じます。地方分権推進に関する大綱方針が大臣の手元で策定されるわけでございますけれども、ぜひただいまの地方自治法二百五十条の廃止に向かって、このことを大綱の中に取り入れていただくように御要望申し上げたいと存じます。  なお、私は先日の第二十四次地方制度調査会の場においてもこのことを強く要望いたしました。そして、このことが地方自治のあした、戦後の地方自治にけじめをつけることだということを御要望申し上げました。ぜひ御理解を賜りたいと存じます。  以上で質問を終わります。ありがとうございました。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 規制緩和一般について、後で議論に加わりたいと思っておりますが、端的に言えば、私どもはまさに時代おくれの不必要な規制とか不合理な規制とか、そういったものは当然撤廃をしたり緩和をしたり正さねばならぬというように思っております。しかし、今規制緩和という声が内外ともに非常に多くとうとうと伝えられておりますが、挙げて今の風潮になっている規制緩和を強力に推進するということだけで果たして日本の経済の将来や国民生活にとっていいのであろうか。その点については、効果の点なりあるいはそれが及ぼす影響と国民生活の度合いなりについて厳密な検証と検討をしていかなくちゃならぬのじゃないかという、そういう態度が私は必要であると思うのであります。  長官から、今度の五カ年計画の策定については検討委員会も設け、内外ともに国民の意見も含めて意見を十分聞きたいというお話がございましたが、それを聞く姿勢というのは、規制緩和をやれやれという、そういうムード的な風潮に押し流されるようなことではなしに、政府が自主的な判断をしていく上で必要な厳密な検証も含めてきちっとやっていくべきだというように私はまず思うんですが、その点の姿勢はいかがでしょうか。

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合総務庁長官

○国務大臣(山口鶴男君) もう午前中からこの問題につきましてはお答えを申し上げたとおりでございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 規制緩和という問題が我が国でも大きな議論になって政治課題になっておりますが、既に七〇年代の後半から、イギリス、アメリカにおいて規制緩和問題が大きな問題として言われてまいりました。いわゆるサッチャリズムやレーガノミックスと言われる、そういった中に規制緩和が中心的な位置づけを持っておりました。長官はEUやアメリカからも意見を聞きたいというお話でございますので、私はアメリカの事例も含めながら、これらの問題について反省的な立場で議論をさせていただきたいというように思っておるわけであります。  言うまでもありませんけれども、アメリカは一九七八年の航空自由法、これを皮切りに航空業界の完全自由化を行いました後、七八年は天然ガス、七九年は石油、八〇年はトラック運輸、八〇年鉄道、さらに八二年電信電話、金融が八二年、ケーブルテレビが八四年、こういった分野で規制緩和を推し進めてまいりました。そのアメリカの規制緩和がアメリカ経済とアメリカ国民生活に描かれていたようなバラ色の結果を果たしてもたらしたのだろうかという、そういう問題であります。  カーター大統領は、七八年十月の航空自由法、これを行った際に、すべての人々がこの法案がもたらす健全な競争でサービス、価格といった恩恵を受けるでしょう。大都市ではなく小さな都市、そしてまた村も航空産業の伸長によって恩恵を受けるでしょう。消費者と航空業界にとってこの法案は偉大な一歩になるだろうと称賛をいたしました。ところがその実態はどうか。これを御存じと思いますが、文芸春秋八月号で、「規制緩和という悪夢」というレポートがございました。それをたどってみますと、私はここでは重大な問題がやっぱり出てきたということを認識せざるを得ないのであります。  まず第一に、デンバー大学の教授のポール・デンプシーさんという方がありますが、この人の調査によりますと、採算の合わない中小都市の路線が次々に切り捨てられていった。最初の一年で七十の小都市が路線を完全に失い、さらにその数は百以上にふえた。規制緩和以前は、路線の撤退については、公共交通機関として政府の規制がありますから、そう簡単に撤退できない。ところが、自由化になって不採算部門を切り捨てるという企業要求が全面に出て、そういった不採算部門としての運航が切り捨てられていった。こういうわけで、一九八七年までに交通の手段を失った小都市の数は百四十三を超えているという、こういう報告があるわけであります。  運輸省はこういう実態について御認識がございますか。

岩崎勉運輸省鉄道局業務課長

○説明員(岩崎勉君) 御答弁申し上げます。  運輸省鉄道局でございますけれども、鉄道事業に関する規制緩和の問題を検討いたしますときに、もちろん諸外国事例も勉強しておりますけれども、やはり我が国の鉄道事業の特性ということを十分に踏まえながら対応しているつもりでございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 これは航空の方ですからそういう答弁になるのかもしれませんが、そういう実態があるということ。  じゃその運輸関係について言いますと、バス規制改革法がアメリカで一九八二年に通りまして、地方の過疎地帯を含むバス路線で、アメリカの広大な国の中の四千五百の町がバスによる交通サービスを失ったという、こういう状況も報告されているんですね。そして、鉄道規制改革法で、これ八〇年、これが通って千二百以上の町が鉄道サービスを失ったという、こういう報告もレポートとして出ているんですね。これは大変なことなんですけれども、こういう実態について何かお聞きになっていますか。聞いているか聞いていないかだけで結構です。

岩崎勉運輸省鉄道局業務課長

○説明員(岩崎勉君) 恐縮でございますけれども、鉄道局ということでございますので、その詳細については承知しておりません。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 長官、私が指摘したのは、今お話しした文芸春秋のレポート論文で出てくるものでありますが、これはぜひ一度お読みいただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合総務庁長官

○国務大臣(山口鶴男君) 私も丁寧に読んだわけじゃありませんが、毎月、文芸春秋はとっておりますので、さらっとそういう記事があったということだけは記憶をいたしております。  私がアメリカやEUの意見を聞くと申しましたのは、何もアメリカの制度のまねをしようとか、あるいはEUのまねをしようとか、そういう意味で意見を聞こうというのではございません。今、日米貿易摩擦あるいは日米包括協議という形で日米間の協議が行われ、また日本とEUとの間の協議も行われているわけでございますから、そういった問題に対していつまでもぎくしゃくしているということは決して日本の国益には沿わないと思います。そういう意味で、これらの問題を解消するものの一環として、私どもとしてはアメリカあるいはEU関係の経済人の意見を聞くことも必要である、こう認識をしているわけでございまして、この点はひとつ誤解のないように御理解を賜りたいと存じます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 今おっしゃった点はそれなりに理解をするつもりであります。  それで、もう一つ私が注目をしたのは、自由化によりまして競争が激化する中で運賃はどうなっていったかという問題であります。  その点で報告されているところによりますと、新しい航空会社の参入ということも可能になりましたから、運賃競争は非常に激化をいたしました。そういう中で初めは運賃が下がったというんですね。ところが、そういうふうに運賃は下がったけれども、今度は大手航空会社が自分の飛行機に乗客を満杯にするために、格差運賃をつくって、搭乗日より早く購入する分は割引をして、だんだん割引率が減って、搭乗日当日に買う運賃についてはノーマルということにするというシステムをつくった。それを全国的なコンピューターシステムで売り出すものですから、中小の競合する航空会社はとても施設的にも体制的にも太刀打ちがいかなくなって、膨大な赤字を抱えて倒産したという事例が出てきておる。  こういう航空会社の倒産というのは大変なものでありまして、このレポートによりましても、航空業界で大手五社の市場占有率は九二年には約八〇%であったのですが、それが大手十社で見ると占有率は八八%だった七八年から九九%、こうなったというんですね。しかも、御存じのようにパンナムが倒産をする、こういうことで大手も含めて倒産がふえたという状況が出ておるわけですね。  そして、しかもこのことによって今度は、言うまでもありませんけれども大変な失業を生み出すということになりまして、このレポートによりますと、規制緩和以降一九九一年三月までに百九十六社が倒産消滅をして、そして規制緩和当時、業界四位のイースタン航空、五位のパンナム、こういった会社も倒産をして結局三万人以上の関係労働者が職を失う、こういう状況になった、こうなっておるわけですね。  しかも、それだけリストラをやって航空会社の利益及び健全な財政がいっているのかというと、この三年間でアメリカの航空会社全社の赤字総額が一兆円にも達した。これは一九二〇年代に商業航空が始まって以来の最大の赤字である。デルタ航空が九五年までに一万五千人を整理せざるを得ないと発表している、こういう状態であるといいますね。  ですから、経済的規制は原則自由ということの中で、市場競争に過当な今日の巨大な企業競争を生で放り込んでしまうならば、こういった結果も招きかねないということが一つは重大だと思うんですね。  それから、私はアメリカの銀行が次々倒産したという例を前から注目しておったんですが、このアメリカの銀行の倒産も、金融業界の規制緩和ということで出てきたことは大臣もよく御存じと思いますね。  アメリカでは一九八〇年と八二年に金融の規制緩和が行われまして、その結果、金融機関の金利の上限が撤廃され貸付先の制限も撤廃されて全く自由な競争に入っていくということの中で、貯蓄金融機関のセービングズ・アンド・ローンズという名前のようですが、これが大銀行に伍して、競合する市場の中で、まさに市場競争の原理の中で大変な貸し付け過剰に陥って次々と倒産をする、こういうことになっている。預金者の保護のために何とアメリカ政府が一九九一年までに必要とした資金が約八百億ドル、十二兆円だ、こういうんですね。  ですから、こういうことを考えますと、規制緩和ということがまさにパンドラの箱と言われる説があるように、十分に慎重に検討していかないことには、日本経済と国民生活に重大な結果を及ぼすという状況がアメリカの例から見てあるわけですね。  だから、したがって私は長官に申し上げたいことは、意見を聞くということはそれなりに結構ですが、こういった問題についてきちっと実情を正確に把握し、日本の今後の規制緩和問題についての検討の材料にするという幅広い検討を政府としてもおやりになる必要があるのではないかということを痛感して申し上げておるんですが、いかがでしょうか。

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合総務庁長官

○国務大臣(山口鶴男君) 御指摘の点は承りました。  私どもといたしまして、規制緩和を進めていきます場合、一方におきましては独禁法の適正な運用というものがやはり必要である、かように考えております。したがいまして、総務庁は各省庁の定員を所管しているわけでございますが、規制緩和の推進状況と見合いまして、独禁法の適正な運用をするために、公正取引委員会の定員等の問題につきましては配慮をしなきゃならぬというふうにも実は考えている次第であります。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 長官がおっしゃったことは確かに大事な一つの問題点なんですね。アメリカでも独禁法の体制強化ということとの関係抜きには、規制緩和は手放してはやっていくわけにいかないという議論が学者の間であったのも事実ですね。  ところが、私が言いたいのは、長官、独禁法の仕組みはもう御存じのようにアメリカは我が国よりもはるかに強力で罰則も厳しいし、日本の比しゃないんですね、スタッフ数からいっても。それほど厳しいアメリカの独禁法体制のもとでなお、アメリカのレーガノミックスのもとにおける規制緩和で各業界、例えば航空業界、運輸業界、金融業界も含めて寡占体制が非常に進んでいった。この寡占体制が非常に進んでいったということがアメリカの規制緩和を進める経済学者のまさに最大の誤算であったというように言っている学者がいるんですね。  ですから、我が国のような独占禁止法体制がアメリカに比べてはるかに弱いところで長官がおっしゃるようにやっていくとすれば、よほどの覚悟で独占禁止法の運用とスタッフをきちっとそろえていくという、このことが実体をもって備わっていきませんと、容易なことでないと思うんですね。  そこで、議論を次の問題に移してまいりますけれども、この問題で先ほどからも議論の一つに出ましたのは、失業の増大にどう対処するかという問題であります。これについての試算は、新しい雇用拡大があり、マイナスの雇用不安も生ずるが、ソフトランディングを目指して円滑にやっていきたいというお話もあったんですが、正確に五カ年計画を進めていく上でどれくらいの失業が予想されるのか、明確な試算が今は可能ですか、できておりますか。

陶山晧総務庁行政管理局長

○政府委員(陶山晧君) 実務的な観点で申し上げますが、五カ年計画そのものの内容をこれからつくり上げていく段階でございますし、ただいま先生が御指摘のような、その結果に伴う各種の試算というようなデータを私どもは今持っているわけじゃございません。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 そう思います。まさにこれからなんですね。だから、まさに今ある話は、規制緩和というムード的、そういった風潮がどんどん自己目的的に先行しているんではないかという心配をしながら質問をしておるわけなんですね。そういうことの中で失業への対処ということも一つありますが、もう一つは、国民生活の安全という分野でもこの点について厳しく検討していかなくちゃならぬということを思うわけであります。  その点で、食品の安全という問題について話を移していきたいと思うんですが、経企庁が食品の安全問題について調査をなさった調査記録があると思うんですが、国民の意識が食品安全問題についてどうなっているか、おわかりでしょうか。ちょっとこれは質問通告していませんでしたから……。

原田泰経済企画庁総合計画局計画官

○説明員(原田泰君) その件につきましては質問をいただいておりませんでしたので、手元に持っておりませんので、後ほど用意させていただきます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 時間がないので簡単に言いますと、その結果、国民意識としては、日本の国民の皆さんは食品の安全について非常にシビアな意見を持っていらっしゃるということが調査から出ているんですね。例えば、牛肉の自由化がありました。価格が安くなるのは結構だという意見がある。だがしかし、高くても、安全への信頼、それから味の問題もありますが、日本の肉を食べたいという国民の意識を分析しますと、安全のへ信頼というのが非常に大きいウエートを占めていることがわかるんですね。  確かに食品の安全という問題は国民生活の日々にかかわる重要な規制ですから、長官のおっしゃる社会的規制の重要な部分をなすわけですが、この食品の安全問題が最近はアメリカの要求等もあって次々と規制緩和の方向に進んできているということを私は非常に心配をして見ておるわけであります。  国際的基準に日本の安全基準を合わせるという方向が、これが政府の方針としてもう確立しているのかどうか、まずこの点いかがですか。

陶山晧総務庁行政管理局長

○政府委員(陶山晧君) ただいま先生御指摘の食品関係のみならず各種の基準につきまして、国際基準に可能なものは極力合わせていこうという考え方は従来から各方面であったわけでございますが、第三次行革審の議論におきましてもそういう答申が出されまして、それを政府として最大限尊重してこれまで対応してきたという経緯でございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 そこが問題なんですね、最大限国際基準に合うように検討していこうと。  私は、ちょっと資料で見てみますと、国際基準には日本政府が使用を禁止している農業を容認している部分もある。例えばクロルデンというのは日本は使用禁止ですが、〇・〇二ppmまで結構だという基準が出ている、こういうことがありますでしょう。しかも、これだけじゃありませんで、度合いについても、例えばフェニトロチオンというのは、これは日本は〇.二ppmまでしか許しませんが、国際的には一ppmまでよろしいという基準になっている。だから、こういう意味では日本の何倍もの基準緩和というのが国際基準であるんですね。  できるだけ合わすというようにおっしゃいましたが、できるだけ国民の高い食品安全意識と必要性にこたえるためには、これは厳格にやっていく必要があるという部分の問題だと思うんですね。だから、国際基準にできるだけ合わせるというその考え方が果たして正しいかどうか、私はしっかりとやっぱりこれは考え直していただきたいと思うんですよ。  今度のガットの問題でも、衛生植物検疫措置の適用に関する協定ということで国際基準に適合するということが協定上義務づけられるということになって、私は一層問題は深刻だ、こう思っておるんですが、しかし今私が指摘したような国民の命と安全にかかわる問題、残留農薬の問題、食品添加物の問題、これは命にかかわる問題ですから、日本政府としてはきちっとこれはまさに真剣な検討をして、国際基準にできるだけ合わせるというようなそういうことが先行しないように厳密にやってもらいたいと思いますが、長官いかがでしょうか。

陶山晧総務庁行政管理局長

○政府委員(陶山晧君) 先ほどの御説明を若干補足するような形になるかもしれませんが、本年七月に二百七十九事項の規制緩和項目を閣議決定いたしました際にも、橋本先生御指摘のような食品関係についての項目も入っておるところでございます。閣議決定でございますから、政府全体としての意思決定ということでございますが、このいわば実施の内容につきましては、例えば食品の規格・基準の国際的水準への整合化というふうな観点についてある程度個別の品目を掲げておりますけれども、その実施については食品衛生調査会においてその議を経て具体的な規制緩和の方向を決めるということが閣議決定の別表の中に明記されておるところでございます。  要は、それぞれの個別の品目なり基準なりの個々具体的な規制緩和の方向については、それぞれ専門的な観点からの議論を詰めた上で国際基準との関係でどの程度の規制緩和が可能か、そういう議論を進めていくということが基本的な手順になろうかと考えております。

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合総務庁長官

○国務大臣(山口鶴男君) 実は私、福岡の規制緩和懇話会に出席しましたときに、主婦の代表の方から、この食品衛生に関しては特に命と健康のことを考えてやってほしいという要望も承りました。各地区でもそういう意見は出ていると存じます。  今局長からお答えしましたように、食品衛生調査会において検討するというやっぱり歯どめもっけているわけでございまして、こういった問題は化学的な問題でございますから、厚生省なりあるいは関係の有識者の皆さん方が検討した上で判断をしていただければ、私は日本人の健康を守る、命を守るという点で適切な対応をしていただけるものと考えておる次第でございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 時間が参りましたので終わりますが、要するに国際基準に適合させることだけが目的にならないように厳密な検討をお願いして、その他の問題ありますが、また後に譲ります。  ありがとうございました。

小林正新緑風会

○委員長(小林正君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小林正新緑風会

○委員長(小林正君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  許可、認可等の整理及び合理化に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

小林正新緑風会

○委員長(小林正君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小林正新緑風会

○委員長(小林正君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

小林正新緑風会

○委員長(小林正君) 地方分権の推進及び規制緩和に関する調査を議題といたします。  斎藤君から発言を求められておりますので、これを許します。斎藤君。

斎藤文夫自由民主党

○斎藤文夫君 私は、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、新緑風会、公明党・国民会議の共同提案による規制緩和の推進に関する決議案を提出いたします。  以下、案文を朗読いたします。   規制緩和の推進に関する決議(案)  我が国経済社会を取り巻く内外の諸情勢は極めて厳しい。長期不況、貿易問題等の諸課題の解決とともに、国民が豊かさを実感できる二十一世紀へのさらなる発展の道を拓くため、世界有数の経済成長を支えてきた仕組みがいま、試練のときに立たされている。当面の総合的な経済対策に加え、我が国経済社会を柔軟で活力に満ちた強靱な体質に改善するとともに、国際的に調和がとれ一層開かれた市場とするための本格的な改革が求められている。  よって、政府は、第三次臨時行政改革推進審議会、経済改革研究会等の提言を踏まえつつ、官民の役割を明確にし、次の諸点に留意して、国民の理解と協力の下に実効ある規制緩和の推進に積極的に取り組むべきである。  一、「規制緩和推進計画」の策定、実行に当たっては、実行方策、手順等を明確にし、規制緩和による諸影響に配意しつつ、可及的速やかに実行に移すこと。  二、行政指導や輸入手続等を含めた公的な関与についても、規制にわたるものについては改善、撤廃を図ること。  三、開かれた市場にその本来の機能を発揮させるため、独占禁止法の運用強化を図りつつ、企業倫理の確立が図られるよう必要な措置を講ずること。  四、規制緩和により影響を受けることが予測される中小企業、雇用等に万全の対策を講ずること。  五、消費者利益を増進するため、情報提供態勢及び消費者被害の未然防止・救済制度の改善等、消費者行政の充実強化を図ること。  右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。

小林正新緑風会

○委員長(小林正君) ただいまの斎藤君提出の決議案の採決を行います。  本決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

小林正新緑風会

○委員長(小林正君) 多数と認めます。よって、本決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、山口総務庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。山口総務庁長官。

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合総務庁長官

○国務大臣(山口鶴男君) ただいまの決議につきましては、その御趣旨を尊重し、今後とも規制緩和の積極的な推進に努力を払ってまいりたいと存じます。

小林正新緑風会

○委員長(小林正君) 本日はこれにて散会いたします。    午後二時十五分散会

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