地方行政委員会,大蔵委員会連合審査会 第1号
- 発言数
- 257 件
- 登壇者
- 27 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1994/11/16
会議録
○委員長(西田吉宏君) これより地方行政委員会、大蔵委員会連合審査会を開会いたします。 連合理事会の協議により、大蔵委員長及び地方行政委員長が交代して連合審査会の会議を主宰いたします。 地方税法等の一部を改正する法律案、所得税法及び消費税法の一部を改正する法律の施行等による租税収入の減少を補うための平成六年度から平成八年度までの公債の発行の特例等に関する法律案、所得税法及び消費税法の一部を改正する法律案及び平成七年分所得税の特別減税のための臨時措置法案、以上四案を一括して議題といたします。 四案の趣旨説明は、既にお配りいたしました資料により御了承願い、その聴取は省略いたします。 これより四案の質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○竹山裕君 自由民主党の竹山裕であります。 総理、お帰りなさいませ。御苦労さまでございました。先ほどお着きで、旅のお疲れをいやす間もなく我が委員会にお出かけをいただきまして、御苦労さまでございます。 御慰労すべきところでございますが、早速質問に入らせていただきます。 お帰り早々でありますので、最もホットなテーマといたしましてAPECの関連のお話を二、三伺わせていただきたい。民族衣装のジャワサラサのまだ着心地も薄れないところで、多忙な日程を精力的におこなしになられまして、テレビを見ておりましても、我々日本国民として本当に誇らしく思っていたところでございます。 APEC首脳会議、非公式首脳会議、そして日米首脳会談等をおこなしになったわけでございますが、昨晩テレビでもじきじきのお話を聞かせていただきましたが、当委員会の場でそれらの事々を含めて、会合に出席された御感想をまず伺わせていただきたいと思います。
○国務大臣(村山富市君) 旅のねぎらいの言葉もいただきまして、どうも本当に恐縮いたします。 私は、もちろん初めてAPECの会合に参加をしたわけでありますけれども、もう皆さん御案内のように、このAPECに加盟している国の中には、アメリカ等を中心としたような先進した国もあればあるいは発展途上の国もある。言うならば多様な国が集まって構成されているわけでありますけれども、それだけに、それぞれの国が持っておる力とよさをどのように出し合って、そして進んだ国もおくれている国もともに手を携えてアジア・太平洋地域全体がどのように経済発展を遂げることができるか、同時に平和と安定の確保ができるかと、こういう問題について真剣な話し合いができる場がつくられているということは、私はある意味では大変いいことだというふうに思います。 これは単に経済だけの問題ではなくて、文化から芸術からすべての分野にわたって交流し合えるような場ができて、そしてお互いに一層の理解を深めていく、そして手を差し伸べ合うということは本当の意味で安全保障面の大きな基盤をつくることになるんではないか。これはもうアジア・太平洋地域全体の平和と安定のためには欠かせないものだというような私は強い印象を持ってまいりましたけれども、平和憲法を持っている日本の国がこれからますます役割を果たせるような時代になってきておるという確信も深めて、責任の重さというものも感じ合いながら、非常にある意味ではいい会合であったというふうに私は思っています。 これは単に、アジア・太平洋地域というものが、例えばEUとかそういう地域と対立した形でもってつくられるというものではなくて、アジア・太平洋地域の皆さん方がそういう協力をし合うことによって世界全体の扉を開いて、そして世界全体の繁栄と平和と安定のためにも大きな役割を果たすことになるんじゃないか、そういう心組みと心がけでお互いに議論をし合えだということは非常によかったというふうに私は考えています。
○竹山裕君 格調の高い御感想をお述べいただきました。 APEC、アジア・太平洋経済協力閣僚会議は、一九八九年、当時のオーストラリアのホーク首相の提唱によって、アジア・太平洋地域の経済協力について話し合う緩やかな協議体としてスタートをしたわけでありまして、このAPECが通商交渉型組織としての性格を持ち合わすようになってき、また今回二〇二〇年までの域内貿易自由化が提唱されております。 新聞情報等では、APEC非公式首脳会議で採択されましたボゴール宣言において、域内の貿易・投資の自由化を西暦二〇二〇年を目標に達成されることが織り込まれるわけでありますが、貿易・投資の自由化を目標として、APECにおける一連の会合の成果を改めて表明していただければありがたいと思うわけでございます。
○国務大臣(村山富市君) 今、答弁の中で申し上げましたように、非常に先進的に進んでいる国もあればおくれている国もある、そういうものを一律にくくってしまうことについては問題があるんではないかと。ですから、先進した国は二〇一〇年なら一〇年を目標にそうした自由化、開放をしていくと。同時に、おくれている国で発展途上の国は二〇二〇年ぐらいを目標にするというようなことが大まかな政治的目標として設定されておる。 しかし、例えば我が国のように、農業問題等については必ずしもそうはいかないわけでありまして、それぞれの国のやっぱり事情があるわけでありますから、そうしたそれぞれの国の持つ事情については十分含んだ上で、一応の目標としてそういう目標を設定して、これからその目標が達成できるように努力をしていこう、こういう宣言の中身だったというように理解しておりますから、個々の問題についてはこれから閣僚レベルやら事務当局レベルの段階でさらに詰めが行われていくということになろうかと思います。
○竹山裕君 日本の特性等もありということでございまして、APECの性格づけについて、緩やかな協議体にとどめるべきだと主張するマレーシアあるいは中国、一方で、制度化を進めてAPECを自由化のための新たな交渉の場とすべきだと考えるアメリカ、オーストラリアあるいはシンガポールなどの間でお話のとおり若干の考え方の相違があるようでございます。 また、APEC内の自由化措置を域外諸国にも無条件で供与すべきであるという考え方がある一方、自由化措置をAPECの域外諸国に対しては条件づきで供与して域内と域外を区別すべきであるというような主張もあるようでございますが、こうしたもろもろの背景を前提にして、我が国として、日本国として、そういう中でどういうスタンス、立場で臨もうと。今後のお考えをお聞かせいただければと思うわけであります。
○国務大臣(村山富市君) 先ほども申し上げましたように、アジア・太平洋地域という地域の中で、加盟の申し入れをしている国はたくさんあるというふうに聞いておりますけれども、やっぱりこれからのアジアというのは発展する地域として非常に注目をされていると思いまするし、話に聞きますと、もう一年ごとに町の様相が変わってきておるというぐらいに早いテンポで発展を遂げておる、こういう地域ではないかと思うんです。 したがって、先ほど申し上げましたように、非常に進んだ国もおくれた国もあるけれども、進んだ国は進んだ国で手を差し伸べるし、おくれた国はおくれた国で見習って協力し合っていく。そして、アジア・太平洋地域全体がレベルアップできるような条件というものをどうして整備していくかということを真剣に話し合って手を差し伸べ合うと。これは私はテレビでも申し上げましたし、ASEANに行っていろんな国とお話をするときも、もうこれからは、自分の国がよくなろうと思えば、相手の国も周辺の国もよくならなければ自分の国もよくならない、そういう関係に今はあるんだという心がけでこれから取り組んでいきましょうというお話も申し上げたわけであります。 これは単にアジア・太平洋地域というだけではなくて、それはEUも含めて世界全体でそういう開かれた状況がつくられていくということが大事ではないか。そんな意味では、ガット・ウルグアイ・ラウンドの合意事項についても、あるいは一月一日から発効が予定されておりまするWTOにつきましても、そういうものとの連関の中でやっぱりアジア・太平洋地域も発展をしていくんだというふうに受けとめることが私は大事だと思いますし、そういう意味における日本の役割というものは大変大きいものがあるんではないかということを自覚しながら会議に臨んでおった次第でございます。
○竹山裕君 日本の役割、立場が明確なイメージとしてわいてまいります。世界の中のAPECであり、またその中での日本の役割の重要性ということで、しかも来年は我が日本が議長国になり、大阪で開催が予定されているやに伺っております。 そういう中で、来年の議長国としてのお立場を踏まえて、日本のますますのAPECの中の中心的な役割について、総理の意向といいますか、御決意のようなものを例えればと思うわけであります。
○国務大臣(村山富市君) インドネシアで開かれましたAPECの閣僚会議におきましては、もう既に外相の閣僚会議あるいは通商産業大臣の閣僚会議では、日本の河野外務大臣や橋本通産大臣が名実ともにそれぞれ議長を務めて取り仕切ってきているわけです。非公式首脳会議というのは、インドネシアのスハルト大統領が議長を務めましたから、来年大阪で開かれる場合には日本がその議長役を努めるということになるわけです。 首脳会議が終わる寸前のときにフィリピンの大統領から、ぜひ来年は日本でやってほしいと、こういう提案がありまして、タイやら韓国やらいろんな国から支持の発言がございました。 それを受けて、アメリカで第一回の首脳会議が開かれ、今回またジャカルタで第二回の首脳会議が開かれた。これはこの会議の状況に反映されておりますように、大変大きな中身を持った、いい成果を生み出す期待のかけられたAPECである。その実績を二つの国でつくっていただきました。その実績を引き継いで、さらに内容のある確実なものにしていくために、ぜひ大阪の会議が成功されるようにこれからも全力を挙げて取り組んでいくつもりでありますから、何分の御指導と御協力をお願い申し上げたいと、こういうあいさつを申し上げましたけれども、そういう心がけでこれから取り組んでいきたいというふうに思っております。
○竹山裕君 大変心強く、来年の大阪での開催が待たれるわけでございます。 もう一点APEC関係になりますが、いろいろマスコミ等を通じて伺っておりますと、参加メンバーの議論の中でいろいろ錯綜している部分もあるようでございまして、域内の貿易自由化についても、総理おっしゃるように、特におくれているといいますか、発展段階の国とアメリカ、先進国との間の考え方の対立という点で、今後、来年以降も含めて、APEC自体のいろいろな先行きの若干の不安もないわけではありませんだけに、我が国もそうした非常にバランス感覚を要する難しい立場だと思うわけでございますが、もう一度その辺の御意向を聞かせていただいて、このホットなテーマは終わらせていただきたいと思います。
○国務大臣(村山富市君) 先ほど来申し上げておりますように、国の事情によっていろんな違いがあるわけです。したがって、個々の具体的な問題をどうするかという議論になりますと、私はなかなかまとまりにくいんではないかと思うんです。 しかし、ガットやらあるいはWTO等々、世界全体の流れというものはもう自由化の方向にずっと向いているわけですから、したがって全体として自由化の方向に向かいながら、具体的な問題についてどうお互いに譲り合って協力し合っていくかというような個々の問題については、個々の問題についてのやっぱり相談をお互いにし合わなきゃいかぬというふうに思いますから、私は少なくとも来年大阪で開かれるAPECは、そうした個々の具体的な問題に対する取り扱いについて青写真をつくらなきゃならぬという段階に入っていくんではないかと。 ですから、ある意味では昨年とことしのAPECの会合というのは、そうした意味における前段の総括的な話ができたんであって、これからいよいよ具体的な話になって難しい時代を迎えてくるんではないか、それだけに責任が大変重いというふうに思います。 しかし、このAPECというのは緩やかな形でお互いに協力し合うというのが前提ですから、十分話をすればそれなりに協調体制はできていくんではないか。協力し合えるような条件をどうつくっていくかということが来年に課せられた日本の役割だというふうに思っておりますから、そういう心組みで準備にかかっていきたいというふうに思っております。
○竹山裕君 帰国早々のお疲れも見せず、総理から力強いAPECそして世界の中の日本の立場を明確に御披瀝いただきまして、重ねて御苦労さまと申し上げると同時に、大きく御期待を申し上げ、今回のお働きの貢献の大きかったことに国民の一人としてありがたく御礼を申し上げる次第でございます。 それでは、本論の税制改革に入らせていただきます。 今回の税制改革は、二十一世紀の少子・高齢化社会に向けての高齢者介護や子育てなどの支援体制の確立、基礎年金の改革等、年金制度の拡充を図るなど、福祉プログラムを推進するために必要な財源の確保に向けて、所得、資産、消費のバランスのとれた税体系を構築するという観点でございまして、二十一世紀の少子・高齢社会に向けての税制改革の第一歩として考えているわけでありますが、今回の税制改革の位置づけについて、また意義について総理の御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(村山富市君) これから日本の社会は急速に高齢社会を迎えるわけでありますが、その高齢社会を迎えると同時に、一方では少子化というのが懸念されておると。こういうこれからの日本の現状というものを考えた場合に、その高齢社会の要する経費というものをだれがどういう形で負担をしていくかということは大変重要な問題だと私は思いますね。しかもそれを支える力というのは、日本の経済なり生産というものがどういう状況で活力を持っておるかということがやっぱり支えになると私は思うんです。 そういうことを前提にして考えた場合に、今の所得税というものについて検討してまいりますと、昭和六十二年に税制改革をやりましたけれども、そのときには比較的所得の低い方々に対する減税を中心にして行われた、そのために税率のカーブが中堅所得者層に向かって大きく上向いてきておると。そういうギャップが生まれてきておりますから、この際はひとつこの中堅サラリーマン層を中心にした減税をしてできるだけ税率構造をなだらかにする、そして平均的なサラリーマンがサラリーマン生活を終えるまでの間に二〇%程度ぐらいの税率でもって終われるような状況をつくることが、生産に携わっている皆さんに重税感を余り感ぜさせずに活力を持って働いてもらえるのではないかと、こういう配慮をする必要があるということが一つです。 もう一つは、その中堅サラリーマン層と言われる人々の年齢というのは大体考えてみますと五十歳前後ですから、子供さんがもう高校から大学に入るという年齢で子供の学費にも金がかかると。恐らく、両親があればその両親も一定の年齢になって介護を要するぐらいのものになっていくんではないかと。そうしますと家庭的な負担も大変大きいわけですから、したがって、そういう方々に大変な重税感があるということも配慮してなだらかな税率に変えていこうというので所得税の改革をやったわけです。 同時に、それだけでもいけませんから、可能な限り所得の低い方々にも配慮するという意味で課税最低限も引き上げて若干の手直しをすると。そして、可能な限り金のかかる福祉の方に充当する必要があるというので、特別養護老人ホームの施設の拡充のために、あるいはまた少子化のために保育所の改善をするとかという面について歳出的な配慮も行っていく必要があるのではないかと。 ですから、よく所得に対する逆進性というように言われますけれども、できるだけ逆進性を解消する努力をすると同時に、歳出面でもってそういう配慮をしていくためのやっぱり税のあり方というものも十分考えていく必要があるんではないかというような意味で今回の税制改革は行われたというふうに御理解を賜りたいというように思います。
○竹山裕君 思い返しますと、細川政権のときに、深夜に突如として国民福祉税という名称に変えた七%の消費税が提案された思いがあるわけでありますが、当時の武村官房長官、今の大蔵大臣すら発表間際までそれを知らされていなかったと私どもはマスコミを通じてそんなふうに伝え聞いておりますが、それに引きかえまして、今回の消費税率の引き上げについての協議は大変オープンなプロセスの中で行われていると思いますが、武村大蔵大臣のそれらのプロセス等についての御感想と申しますか、思いがありましたら。
○国務大臣(武村正義君) ことしの二月でございましたか、当時、細川内閣としては、総理の発表として国民福祉税構想、草案と申しておりましたが発表することになりまして、その直後にまた撤回をするということでありました。 当時を振り返りますと、これだけ国民的な関心事であり、国民の皆様の一人一人の暮らしを直撃する消費税率のアップという大きな政策テーマが一体どういうふうにして決められたのかということに対しては、その後もいろいろ疑問が投げかけられているわけでありますし、前年にさかのぼりますと、政府税制調査会が中間報告を答申という形でされました。それはまさに今回の税制改革の基本をなしている、今総理がお答え申し上げた中堅層以上の税率緩和ということが基本にございました。その答申を受けて政権の内部でも、特に与党の中では議論はされていたわけでありますが、実際に消費税率を上げる上げない、あるいは所得税減税と消費税を一体にするかしないかという判断はどこでもなされていなかったように私は思います。 ですから発表の当日、今思い出しますと、総理とも話をしておりましたが、総理も私も午後までは分離だなと、これは分離でいこうという話でありました。それが夕方から変わっていったわけですが、これは豹変したというよりは、あえて弁解として申し上げますと、三年間インターバルを置く、減税先行で三年置いて平成九年四月一日に消費税を上げる、こういう案でございましたから、後から細川総理と思い出話でありましたが述懐しておられまして、私は三年間のインターバルがあるからこれなら分離でいける、実質分離だと、こう判断したのですということでありました。 細川総理はそういう意味で判断をされていたようでありますが、しかし一本の法律で通常国会に提案をするわけでありますから、まさにその時期の一体処理には違いないわけですから、インターバルがありましても国民からは大変唐突な政策の発表ということに映ったようでありますし、直ちに翌日撤回をするということになりました。 そして今回でありますが、そういう反省の上に立って村山政権も誕生していると私は見ていますし、それだけに三党としては、時間はそうないけれども精いっぱいオープンな形で議論をしていこう、そしてまず三党の担当者を税制改革プロジェクトチームという形で組織をいただきまして、そこでかなり密度の高い議論を進めていただきました。それを土台にしながらだんだん責任者の方へ上げていただき、最終は政府と一体で総合判断をさせていただくという、民主的といいますか、オープンで民主的な手法を精いっぱい心がけていただいたというふうに思っておりまして、そういう意味では、少なくともこの税制改革をまとめる進め方は、私は両方の体験をしながらも、今回はまさに前車の轍を踏むことなくその反省の上に立って立派にお進めをいただいたし、進めることができたというふうに思っております。
○竹山裕君 大変、両方のお立場の体験に基ついた御意見、また示唆に富むお話だったと思います。 そこで、税そのものは国家権がに基づいて強制的に徴収されるものであるだけに、その手法、手続は民主的なプロセスが大事ではないかと思うわけであります。少なくとも、議院内閣制において内閣は国会における多数派を占める政党のもとに成立する場合が大半でありまして、そうでない場合もございますが、政府提出の法律案は、多数決が原理という中で多数を占める与党の政府提出案どおりに成立することがほとんどだと。 こういう現実を踏まえまして、国会での議論はもちろんでありますが、政権党内での、今も三党での与党連絡というのに力を入れておられるというようなお話もございました。これを含めて民主的でなければならないという考え方を強くするわけでありまして、与党内の意見調整に戸惑ったとか、御不満のある筋の説得に時間がかかるということも御批判があるようですが、議院内閣制のもとでの国会の姿を現実としてとらえるならばこうした批判は当たらないのではないかというふうに思うわけでございますが、総理のこれらの過程、プロセスについてのお考えなどをお聞かせいただければと思います。
○国務大臣(村山富市君) 今、大蔵大臣からも御答弁がございましたけれども、私どもも旧連立政権には与党として参加をしておりました。これは本当に唐突、突然に当時の細川総理から国民福祉税という構想を聞かされたわけでありますけれども、私はそのときに、これは率直にありのまま申し上げるわけでありますけれども、余りにも唐突で今出された国民福祉税については賛成できません、これは消費税という名前を国民福祉税という名前にかえただけで、中身は全く同じで税率を七%に上げるというだけのものではありませんか、そういう国民を欺くようなものについては私は同調できません、こう言って拒否したことを思い出すんです。 私は、やっぱり税というのは国民の皆さんに負担をしてもらうわけですから、納めてもらうわけですから、納めていただける納税者の皆さんがよく理解をして、ある程度やむを得ないなというぐらいの気持ちになってもらわないとうまくいかないんじゃないかというふうに思いますから、それだけにその反省も踏まえて、より透明度の高い議論を三党でぜひやってほしいというふうに私はお願いを申し上げました。 三党ではその気持ちも体していただきまして、十分あらゆる角度から議論はする、党だけで議論をするのではなくて三党が集まって議論をする。そして同時に、各団体の意見やらいろんな方々の意見もその三党の会議の中にお入れをいただいて、できるだけ民主的に公平な結論が出るように努力をしていただいた。その経過については私はそれなりに満たしていただいたというふうに思っております。 しかし、それだけでもまだまだ、国民の皆さん方に税率を引き上げるということをお願いするわけですから、やっぱり公聴会も開いたりいろいろな角度を通じて国民の皆さんによく中身について御理解をいただく必要があるという努力もしなきゃならぬと思いまするし、こういう国会の審議も通じて国民の皆さんにはまた理解も深めていただいて、そして、それなりに納得もしていただける努力をする必要があるのではないか。税というものはやっぱりそういうものだというふうに私は受けとめておりますから、これからもそういう心がけで努力をしていきたいというふうに思っております。
○竹山裕君 おっしゃるとおりに、今回の税制改革は所得税の減税のみでなく、必ずしも国民に評判のよくない消費税の税率の引き上げをあえてすることによって財源手当てに対応していこうということでありまして、責任ある政治への評価、敬意を払うと同時に、責任ある政治というのは結果について責任をとるということでありますから、これは選挙という私ども政治家にとっての国民からの洗礼によってその結果が出てくるわけでありまして、政権の座にある者として与党はより政治的に厳しさを求められるわけでありまして、村山政権の消費税引き上げについての御決断、そのプロセスについての厳しい対応があったこともわかりますので、重ねて御決断に至る経緯をお述べいただければと思うわけであります。
○国務大臣(村山富市君) 議論と結論を出す過程の中で、これだけ消費税率を引き上げるということを国民にお願いするわけですから、やっぱり行政も政府も身を削る思いで、これだけのことはやりました、だからひとつ国民の皆さんも納得してくださいという手だてを講じてやることが当然ではないか、こういう意見も随分あったんです。したがいまして、そういうことを踏まえた上で税率を決めるということがいいのではないか、そのためには税率を決めることは先に送った方がいい、こういう意見もあったことは私は率直に申し上げたいと思うんです。 しかし、それではやっぱり責任を先送りにするだけで責任ある態度とは言えないのではないか。だから、詰めて詰めてぎりぎりやむを得ないというところまで議論を深めていって、そして国民の前に政治の責任というものを明らかにする必要があるというので、そういう議論も深めた上で、ぎりぎり抑えて五%ぐらいの税率に消費税を上げていくことについてはやむを得ないのではないか、これはもう責任を持って国民の皆さん方に理解をし、納得していただけるというぐらいの決意で取り組んでいくことが大事ではないかというので、最終的に決断をしたということについても御理解を賜りたいというふうに思います。
○竹山裕君 勇気ある決断をお伺いさせていただきました。 大蔵大臣にお伺いいたしたい。 所得、消費、資産のバランスのとれた税体系を構築するという表現として、今回の税制改革で所得、消費、資産のバランス、所得課税五〇%、消費課税二七%、資産課税等二四%程度となるということでありますが、この所得、消費、資産のバランスについてどのようなイメージというか方向としてお考えをお持ちになっているか、ちょっと伺いたいと思います。
○国務大臣(武村正義君) 御指摘の所得、資産、消費のバランスと一言に申し上げておりますが、私どもはこれを具体的な数字で特定して、こういう比率であればいいんだというふうには、あらかじめそういうものを念頭に置きながら申し上げているものではありません。そのときどき、あるいは税制のさまざまな組み合わせの中で、あるいは経済情勢の変化とともに決まってくるというふうに考えております。 税そのものが大変数多く存在をいたしておりますのも、なかなか一つの税だけでは公平公正な仕組みというのは構築できない。我々の暮らしの中で、まず所得、稼ぎといいますか、稼ぎに対する課税、これが所得税であります。それから、使うときに対する課税が消費税でございます。そしてもう一つは、蓄えるといいますか保有することに対する課税が資産課税でございまして、いわばこの三つの要素をどういうふうに組み合わせていったら今の日本の税制としては一番いいのかということを我々は議論をしなければならないと思っております。 今御指摘いただいたように、今回の税制改革によって所得課税は少し下がりました。正式に申し上げますと、五四%から四ポイント下がりまして、御指摘のように五〇%になりました。片方、消費課税は上がります。二二%から五ポイント上がりまして二七%ぐらいになる。最後に、資産課税のウエートは今まで二五%、約四分の一でありましたものが一ポイントダウンして二四%ぐらい、こういう比率になるわけでございます。 直間比率という議論も片方ございますが、いずれにしましても税の持っている性格、総理もたびたびおっしゃっていただいておりますが、水平的な公平、垂直的な公平という概念もございますが、そういうことも含めてこの問題を今後も理解していきたいというふうに思っている次第でございます。
○竹山裕君 消費税のいわゆる見直し規定があるわけでございますが、この中で行政改革の進捗状況を勘案して消費税率については検討を加えるとしておりますし、さきの閣僚懇談会で特殊法人等の見直しについて、今月の二十五日までに所管法人の見直し状況について総務庁に報告し、来年二月十日までに結果を最終報告する、そして、最終案としては来年三月に閣議決定することを決めておりますが、今盛んに整理合理化の必要性が問われております公益法人も特殊法人等の中に含まれるのでしょうか、いかがでしょうか。
○政府委員(河野昭君) 特殊法人の見直しに公益法人が含まれるかということでございますが、先生今御指摘になりました十月十八日の閣僚懇談会におきまして官房長官から、公益法人については「民間の発意により設立されるもので特殊法人等と事情が全く異なったものでありますが、その適正運営の一層の推進を図るため、いわゆる休眠法人の整理の促進を図るとともに、公益法人設立の本旨に沿ったものであるか、また、行政の代行的機能を果しているものについて、その役割と事業運営及び国の関与の在り方等が適正か、などについて、現在総理府の中に設けられている「公益法人等指導監督連絡会議」において、今後、検討を進めることと致したい」、各省庁の協力をお願いしたいと、そういう御発言があったわけでございます。
○竹山裕君 ということは、入るという理解でよろしいんでしょうか。
○政府委員(河野昭君) 公益法人につきましても、各省、現在自主的に見直しを行っているということでございます。
○竹山裕君 それでは、公益法人の整理合理化も進める必要があるわけでありまして、この際、公益法人の設立許可基準の見直しも考えるべきではないかと思いますが、総理、いかがでございましょうか。
○国務大臣(村山富市君) 特殊法人の見直し、改革につきましては、これはもう閣議でも決めていますし、閣僚懇談会で私も再三、六年度内にすべての見直しをして出してほしいということはお願いをいたしております。 公益法人までその中に含めてまいりますと余りにも範囲が広くなり過ぎて難しい問題も出てまいりますから、そこまでいきませんけれども、しかし今お話もございましたように、当然公益法人につきましてもその全体の見直しはやらなきゃならぬことなので、年度内に見直しをする案を出しなさいという中には含めておりませんけれども、しかし、それと同じような扱いで当然改革の対象としてすべての見直しをしてほしいということはお願いしてありまするし、各閣僚もその気持ちで取り組んでいただいているものだと私は考えています。
○竹山裕君 みずから身を切る思いでという総理の御信念が感じられます。 行政改革はかつて中曽根内閣のもとで積極的に進められた思いがございます。当時は長期政権が持続しておりましたし、これは必ずしも積極的でなかった官僚諸君の協力が得られたということも思い出されるわけでございます。 ついては、村山政権も行政改革を長期にわたってリーダーシップをおとりになる必要があると思うわけでありますが、先日、新聞の囲み記事ではございますが、いつやめてもいいというような趣旨の発言があったような記事もちょっと見かけたのでございますが、これはそういう意味ではなくて、虚心坦懐な覚悟を持って最高責任者としての衝に当たるという意味だとは思いますが、何といってもお食事をされた相手の方も、一年間で四人も総理がかわるんでは困るよというようなことも言ったとか伝えられて、おりますので、どうか総理におかれても、中曽根行革にまさるとも劣らない成果が得られるように、政権維持と同時に行革へのお取り組みについていま一度御決意を聞かせていただければと思うわけでございます。
○国務大臣(村山富市君) こんなことを言っちゃ大変変な話になるかもしれませんけれども、なりたいと思ってなったわけでもないし、だれも想定もしなかった者が忽然として総理の席に着いた。これは私は、ある人は天命だという言葉で私に言った方もありますけれども、やっぱり世の中が変わっていく、政治が変わっていく、歴史の変動期における一つの所産ではなかったかというふうに思いますから、それだけに歴史的に私に与えられた役割と課題というものがあるのではないかという使命感を感じております。したがって、その与えられた使命については全力を挙げて責任を果たしていきたい。その責任を果たした後はもういつ私はやめても結構ですと、こういう気持ちで申し上げたので、その決意を披瀝したというふうに御理解を賜りたいと思います。
○竹山裕君 御本人の口からじかにこうした場でお伺いしまして、安心をいたしましたし、心強い限りでございます。 特殊法人整理合理化論の若干続きでございますが、これはなかなか言うはやすく行うはかたいということも存じている一人でございますが、公務員の天下り先の確保という点で、公務員の定年が六十歳となっておりまして、若干それ以前から退職をせざるを得ない現在の仕組み、この点についても何らかの対応をしていかないと、天下り先の整理合理化を唱えてもなかなか現実問題としては難しいのではないか。公務員の雇用関係を検討、是正していく必要があるのではないかと思います。 確かに、現在採用されている公務員諸君の中には、もう既に天下り先での雇用を前提に就職している者があるようなことも聞きますが、そうなりますと、長期的な視点に立って特殊法人等の整理合理化を進めていかなければならない。単に民営化、統合化程度で済まない問題ではないかな、大きく踏み込んだ改革が必要ではないか、こんな気持ちを持つわけでございますが、総理の御見解をお聞かせいただければと思います。
○国務大臣(村山富市君) 天下りと言われる扱いにつきましては、閣議でもこれまでずっと議論をされてきている問題でありまして、一定の基準と申しますか、そういうものも設けられておるというふうに私は承っております。 したがって、そういう決められたことはきちっと守ってもらうということももちろん必要ですし、同時に、先ほど来議論もありますように、それぞれつくられた時点では必要性があったけれども、一応の役割は済んでもうその必要性はなくなったんではないか、ただ、ある意味では、表現はいいか悪いかわかりませんけれども、惰性としてやっぱりそのまま引き継がれてきておるというようなものも中にはあるんではないかというようなことも含めて、私は全体の見直しをして、そして正すものは正すということが必要ではないかというふうに思いますから、そういう厳しい視点でこれからも検討していく必要があるというふうに考えています。
○竹山裕君 税制改革の大きな柱であります消費税制度の抜本的、な改革、消費税率のアップ等、これは当初大変な国民の批判があった中で導入し、はや五年半が経過したわけでありまして、国民の皆さん方の生活の中に定着しつつあるというふうにも思う一方で、現行制度に対して、中小特例措置についてのいわゆる益税問題、あるいは先ほども出ましたが所得に対する逆進性の問題についてまだ国民の間に強い批判がある、アレルギー的なものもあることも事実でありますが、この点からの消費税に対する総理の現在の御認識を例えればと思います。
○国務大臣(村山富市君) 資産と消費と所得、それぞれバランスのとれた公平な課税を考えていくということがよく言われるわけでありますけれども、しかし、どういうバランスの率になれば公平なのかということについては、私はそれの定説があるとは思っていません。しかし、所得税だけに負担を強いていくことについては、やっぱり働いている皆さん方の重荷というものが一層大きなものになっていくから、それだけに負担をかけていくことについても問題があるのではないか。 しかし、税というのは本来応能負担というものが原則だと私は思いますから、したがって、能力に応じて税金を納めていただくという意味からすれば、垂直的な所得税というものが税体系の根幹になることはやむを得ないのではないか。しかし、それをカバーする意味で薄く広く多くの国民にそれなりの負担をしていただく、そして社会全体を支え合っていくということもある意味では必要ではないかというふうに思われますから、そういう意味から申し上げますと、垂直的な所得税をカバーする意味で、水平的な間接税というようなものもやっぱり必要になっていくのではないかという意味で消費税というものが設けられてきておるというふうに私は理解しておるわけです。 しかし残念ながら、その消費税の中には、同じものを買えば同じ税を負担する、力の強い者も弱い者も、金を持つ者も持たない者も同じものを買えば同じ税金を払うことになるわけですから、それだけ所得の低い方々にはやっぱり同じ金を払っても重みは違うという意味での逆進性というものがあるから、これはできるだけやっぱり改善をする必要があるという意味で、私はその視点も大事にしなきゃならぬというふうに思いますが、ただ、税だけの中で逆進性を緩和するということについては限界があるから、したがってそれは歳出面でもってさらにカバーしていくというような配慮が必要ではないかというふうに私は考えています。
○竹山裕君 いろいろとお伺いしたいこともございますが、時間が迫ってまいりました。いや、ゼロになりました。 今回の税制改革にかかわって論議されている重要な論点、批判をめぐる総理しきじきの、そして大蔵大臣からの見解を伺ったわけでありまして、今後残された課題があることももちろん忘れられないわけでありますが、見直し規定の存在などを含めて、今回の税制改革案は現段階では最良のパッケージになっていると認識してよいと考えております。 今後、資産課税の問題等を含めまして総合的な検討の俎上に上げられる必要もあろうし、消費税率を改正する平成九年に向けて、見直しのタイムリミットであります平成八年九月まで引き続き精力的に行革、福祉への取り組みがなされていかなければならないということは言うをまたないわけでございまして、こういう点につきまして政府の今後の取り組みに大きく期待を持ちつつ、税制改革についての私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(西田吉宏君) 以上で竹山裕君の質疑は終了いたしました。
○鎌田要人君 村山内閣総理大臣、御苦労さまでございました。お帰り早々当委員会の質問を申し上げまして大変恐縮でございますが、私からは地方税法等の一部を改正する法律案を中心にいたしまして御質問を申し上げたいと思います。 まず一番目に、今次の地方税制改正の問題でございます。 今度の地方税制改正は、地方消費税という従来の懸案、長年の懸案でございましたものが実現を見たという意味で非常に大きな意義を地方財政の上でも与えるものでございますが、ここで改めまして今次の地方税制改正の意義と、なお今後に残されました問題点につきまして内閣総理大臣並びに小林自治政務次官の御見解をお伺いいたしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○政府委員(小林守君) 野中自治大臣が別の委員会の方に出席しておりますので、かわりまして答弁をさせていただきます。 今回の税制改革の意義といたしましては、やはり活力ある福祉社会の実現を目指すという大きな課題に対応いたしまして、まず第一点は個人所得課税について、先ほどもお話がございましたけれども、働き盛りの中堅所得層に対してその負担累増感を解消しようというようなねらいがございます。 それからもう一点は、御指摘のように社会の構成員に広く薄く税負担を分かち合っていただく、そういう点で消費税の現行制度を改革いたしまして、税率を引き上げることによって消費税の充実を図ることにございます。 それから、地方六団体の方からも強く要望しておられました地方消費税につきまして、御指摘のように地方分権の時代を迎えているわけでありまして、そのためにも地方税財源の確保というものが最大の課題になるわけでありますが、地方分権の推進、そして少子・高齢化社会に向かって財政需要が増高していく、そのようなことに対応いたしまして、地域福祉の充実という観点から地方消費税を創設することにしたものでございます。 これらの改革は、地方税制あるいは国税、地方税を通じた税制全体にとって大きな意義を持つものであると認識をいたしております。 特に、地方消費税の創設につきましては、地方分権の課題が時代の流れという中で、昨年六月の衆参両院において分権の決議をいただいたものでありますし、その趣旨に沿ったものでございまして、そのことによって地方団体の税収構造も安定性を増しまして、全体としてバランスのよい構造になっていくものと考えられます。この地方消費税の導入によって地方分権に向けての議論や地域福祉の充実にもさらに弾みがついていくというように大きく期待をさせていただきたいと思います。 また、今後の残された課題につきましてでございますが、税制は絶えず社会経済情勢の変化に対応できるように見直しされていくべきものでありまして、このような意味からも、税制改革は今回だけで完結するものではなくて、今後引き続いて検討すべき課題が残されているということでございます。 地方税におきましては、まず一つは、法人所得課税の見直しの一環として、法人事業税の課税標準のあり方、これらが見直しすべきものではないかということが挙げられますし、もう一つは、利子、株式譲渡益等を初めとする資産性所得に対する課税の適正化、これらを図ることが課題になっておろうかと思います。今後ともこれらの課題につきましては、政府税制調査会等の審議を通しまして協議、検討を進める中でこれらの課題についても対処してまいりたいと考えているところでございます。
○国務大臣(村山富市君) もう今、政務次官から答弁があったとおりだと思いますけれども、鎌田議員はこの方の御専門ですから今さら私から申し上げるまでもないと思いますけれども、現行の消費譲与税というのは国税の一部を地方に譲与するというものでありますけれども、今度はそうではなくて、地方独自が持つ税として位置づけられておるという意味では、これはもう純然と地方独自の財源になっていくわけでありますから、大きな違いがあると思います。 私は、税というのは受益と負担という関係ができるだけわかりやすくなることが大事だというふうに思いますし、今もお話がございましたように地方分権というのはもう時代の流れであります。分権をするからには自主的な財源を保障していく、裏づけていくというのは当然でありますから、これから分権が進められていく一つのはしりとして私は大きな意義を持つものだというふうに理解をいたしております。
○鎌田要人君 今、御両所から御高見をお伺いいたしまして、まことに適切な御意見だと思います。どうかこの趣旨で今後とも奮励されることを希望いたします。 次に、地方消費税の創設の問題について入ってまいりたいと思います。 まず、消費譲与税にかえて、消費に広く負担を求める地方消費税を創設することにより、地方税源の充実を図ることとした云々とうたわれておるところでございますが、消費譲与税によっても地方税源の充実が図られるという意見があるのでございますが、この点につきましてどう大蔵大臣お答えいただけますか、お願いいたします。
○国務大臣(武村正義君) やはり譲与税というのは、譲与という言葉の意味で理解ができますように、国が国税として徴収をさせていただいてそれを地方に譲与するということであります。交付税も、これも交付税という税はないのでありますが、三つの、所得税、法人税、酒税を国が徴収してその三二%を地方に交付するということでありまして、一般財源でありますし、実質は最終的に地方に税は来るわけでございますから、余り違わないじゃないか、地方譲与税でもいいじゃないかという考え方が一部にあるかもしれません。 しかし、本当の地方税であるかないかということは大変大事なことで、今回の地方消費税はまさしく地方税源、地方財源として自主独立してその存在が認められたわけでございますから、これは画期的なことだと私は思います。 加えて、やはり受益とサービスの関係もやや今までよりは身近に理解しやすくなってまいりますし、地方でそれぞれ消費が活発になることが、それがその地方の収入につながってくるんだという親近感もあるいは期待もお持ちをいただくことになるのではないか、そんなふうに思っております。 加えて、鎌田議員御存じのように、六年前に料飲税、娯楽施設利用税、電気ガス税等々幾つかの地方間接税が廃止されまして、それが地方譲与税という形になっていったとも言えるわけですが、地方の自主財源が消えて、いわゆる国と地方の税の比率は一層地方に不利な状況になっておりましただけに、今度の改革はそういう意味で一つの地方自治を強化する方向の流れに沿うものだというふうに思っております。
○鎌田要人君 大蔵大臣のおっしゃるとおりでございまして、地方税と地方自治の関係を考えます場合に、税金を使う自由、税金を使う自主権ということだけにとどまりませんで、そもそも税金、税源として調達する面での自由、自治権というものが必要でありまして、両面相まって自由あるいは自治、自主権ということが確立されるものだと考えます。 そこで、地方消費税の中身の議論に入ってまいるわけでございますが、古典的な財政論の中には、消費税は地方税として向かない、消費というのは全国的にあるいは国境を越えて全世界的に広がる税であるがゆえに地方税としては向かないんだ、こういう議論があるのでございますが、このような見解、議論についてどのように大蔵大臣お考えでございますか、お伺いをいたしたいと思います。
○国務大臣(武村正義君) おっしゃるように、財政の論議の中にはそうした議論がございます。理論的には、例えば小売売上税というふうな形にしてこれを地方の消費税にしたらどうかという意見もあるわけでございますけれども、これは税制調査会においても検討されたこともございますが、国の消費税が既にもうできている日本の税の仕組みの中では、さらに小売売上税というようなものをこれに新しく加えるような形で制度化することは大変難しいという結論でございました。 要は、消費に至るまでには多段階の経済取引が行われるわけでございまして、この多段階の消費課税をそのまま地方税として仕組んでいきますと、税の最終負担者でございます消費者が消費を行った地域と、それから税収が帰属する地域とが一致しないということになることも多いわけであります。また、今御指摘のように国境税の調整という問題も出てくるわけでございます。 そういう中で、今回政府として御提案をいたしましたこの地方消費税の考え方は、消費税と同じように広く消費に負担を求める多段階型の消費課税であって、なおかつ、地方消費税の収入は消費に関連する指標に基づき各都道府県に帰属するよう清算されることにより、消費者の負担した税は最終消費地の収入になるという考え方でございまして、国境税調整については国の税関で実施をさせていただく、こういう考え方に立って今回提案をさけていただいている次第でございます。
○鎌田要人君 大変御苦心の作であることはよくわかるのでありますが、我が国の場合、地方分権はまさに時代の要請でございます。そういう地方分権の時代にふさわしい地方税財政制度というものをどういうふうに構築していくか、我々一体となって取り組んでいかなければならない今後の大きな課題だと思います。 そういう中で、地方税の場合に今までとかく言われておりましたことは、直接税と間接税の比率で、間接税が今や一割を割っているわけですね。直接税の方が九割なんです。だから、これをどうしても直接税、間接税のバランスをとらなきゃいかぬ。その問題もありますし、特に地方分権という時代になってまいりますと、地方税源の充実ということをやはり瞬時も忘れちゃいかぬと思うわけでございます。 そういう意味で、大蔵大臣にもう一点お伺いしたいのは、国内の地方消費税、これの譲渡割の配分について「当分の間」ということが入っておるわけですね。当分の間、国が取ってそれを地方にあげますよと。この「当分の間」というのが地方自治制度であなたも御存じの非常に苦い例があるんですね。半永久的に続いている例があるんですね。そういうことにならないように、「当分の間」をできるだけ近い間に地方団体の手で取れるようにしていただきたい。これが一つの希望でございますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(武村正義君) おっしゃるとおり、当分の間はまさに当分の間でなければいけないというふうに思っているわけであります。 前段でお話しのように、これから地方分権の議論を進めてまいりますと、まずは事務、権限をどう地方に移譲していくかということに関心がございます。事務、権限を移譲していくに比例して、当然財源の面でも国から地方に実質移譲が行われなければなりません。交付税とか補助金という道もございますが、事務、権限がふえれば本当は地方の自主的な財政能力、特に収入の面における財政能力が高まることがやはり基本でなければいけないと思うわけであります。 私自身も地方自治の経験をしてまいりまして、鎌田議員も同様ですが、つくづく思いましたのは、歳入の面の自治というのは余り与えられていないというか、あるいはみずからも努力を欠いているという思いでありました。歳出については、何をどう使うかということについてはかなりの権限を持ってきておりますが、当時の地方税法を見ましても、大体制限税率で決まっているのも多いし、標準税率で多少動かせるものもありました。さらには、みずから税目を設定する道も一応は開かれておりますけれども、実際は余り動いておりません。だから、地方自治の歳入の面の自治というのは我が国ではまだ育っていないということを今も思い起こしているわけでございまして、地方分権の議論の中では、そういう意味で地方の財源をどう強化していくか、国と地方のシステムをどう分かち合っていくかということが大変大きなテーマだというふうに認識いたしております。 その中で、この「当分の間」という言葉も、一部例がございますように、百年以上続くというようなことがあってはならないというふうに思っております。
○鎌田要人君 武村大臣の御意見、よくわかりました。その方向で今後とも自治大臣と一体となられて、内閣総理大臣の指揮のもとでひとつ頑張っていただくように、私はエールを送りたいと思います。 そこで次に、地方消費税の税率について、「社会福祉等に要する費用の財源を確保する観点、地方の行財政改革の推進状況、非課税等特別措置等に係る課税の適正化の状況、地方財政の状況等を総合的に勘案して検討を加え、必要があると認めるときは、平成八年九月三十日までに所要の措置を講ずる」旨、改正法附則第十二条で定められております。 私も長い間地方税法の改正作業に携わってきた経験がございますが、こういう規定が設けられたのは初めてであると私の乏しい記憶の中では残っております。そういうことで、このような規定を設けなければならなかった理由はいかがなものであったのかお伺いをいたしたいと思います。
○政府委員(小林守君) 御指摘の見直し条項の件でございますけれども、御承知のように、今回の地方消費税の導入につきましては税制改革全体の姿の中で減税等と相互に関連して決定されたものでございます。すなわち、個人所得課税の累進構造のゆがみをなくすとともに、課税最低限を引き上げることによりまして三兆五千億円規模の制度減税を実施したこと。さらには、緊急に整備すべき老人介護対策等の財源として、国民にお願いをする消費課税の負担をぎりぎりに抑えていきたいというような観点から、地方消費税については消費税と合わせて五%、そしてその中で地方消費税一%としたところでございます。 税負担の水準のあり方については、国民の必要とする地方の公共サービスの水準と表裏一体のものでございまして、それらは国民の選択が行われるべき事柄であるということでございまして、要は今後とも国民的議論を尽くされていくべきであると考えております。 見直し条項の御指摘のことにつきましては、税負担の水準の議論を行うに際しては、地方の行財政改革の推進状況とか、非課税等の特別措置等に係る課税の適正化の状況とか、地方財政の状況等を総合的に勘案した上で行うことが必要でございます。 以上の点を踏まえまして、会、後とも地方消費税のあり方を議論していくことを明らかにするために、今回の法案に地方消費税の税率の見直し条項を設けた次第でございます。
○鎌田要人君 私は、この条文というのは非常に危ないと思うんですよ。抑える方に働くのか、ふやす方に働くのか。そもそもこの条文を条文化したことがおかしいと思うんです。それは、私は財をやっておりまして、税を来年度とうするかということはぎりぎりまで決まらないんですね。ちょっと誤解を恐れず言いますと、ある程度歳入が伸びておりますときは税収は抑え目でもいいんですよ。今日のこんな財政状況の場合には、歳入というのは私は五%で足りない、そのおそれがあると思うんですね。そういうことは法律の条文に書かれなくても、現実具体の大蔵省なり自治省なりそれの折衝の中で決まることで、こういうことを条文に書かれること自体がおかしいなという感じがするんですが、その点、再度恐れ入りますが。
○政府委員(小林守君) いずれにいたしましても、負担と給付保という関係で地方公共サービスの水準と一体のものだということになろうかと思いますが、地方の行財政改革の推進状況とか、それから非課税等の特別措置に係る課税の適正化、このような行財政、税制改革を通してやはり国民の負担をぎりぎりに抑えていきたい、そのような観点の趣旨でこの附帯条項がつけられたものと理解しております、
○鎌田要人君 これ以上この点は聞きませんが、私は非常にこの条文を設けられたことについて疑問があるということを申し上げまして、次の質問に移ります。 次に、道府県は、当該道府県に納付された譲渡割の額及び間から払い込みのあった化物割の納付額の合算額から国に支払うべき徴収取扱費を減額した額について、他の道府県に対し、各道府県ごとの消費に相当する額に応じて案分してそれぞれ支払うものとされております。非常に難しい条文でございますが、ここで「各道府県ごとの消費に相当する額」というのは、条文をごらんになりますとおわかりのとおり、各道府県ごとに、指定統計であります商業統計の最近に公表された結果による各道府県の小売年間販売額と、消費に関連する指標基準として算定したその他の消費に相当する額を合計した額とするということで、一見して読みますと何が何やらわからぬ条文でございますが、この点がまさに今次地方消費税の最大の問題でありますだけに、この点の運用が適切に行われることがこの税の成否を決する大きな要因になると思うのでございますが、この点につきまして政務次官の御意見をお伺いできれば幸せだと思います。
○政府委員(小林守君) 御指摘の、地方消費税についての消費地と課税地との一致を図るために、また税源の偏在を解消するというような意味もございますけれども、都道府県ごとに、消費に相当する額に応じて都道府県間で税収を清算するというようなことになっております。 この清算の基準となる消費に相当する額につきましては、最終消費の状況を都道府県レベルでとらえることのできる正確で客観的な指標に基づいて算定されるというような必要性に基づきまして、指定統計による指標に基づく算定ということになります。具体的には、商業統計、小売年間販売額とその他のサービス等に係る消費に関連する指標によって、各県ごとに最終消費状況に応じて適切な配分がなされるよう努めてまいりたいということでございます。
○鎌田要人君 これからじっくりと時間をかけて検討されるわけでありますが、ただ、この点に関連しまして税務局長にお伺いしたいのであります。 私は生来そそっかしいものですからこの条文を読み違えておりまして、消費が同一の道府県で行われる、その場合はその額をそのまま地方消費税の課税標準にされると。それで、この条文で必要があるのは、数都道府県にわたって製造が行われ、販売が行われ、消費が行われる、その場合を想定してこの条文があるのかなど思っていたんです。 ところが、どうも読んでみますと、同一都道府県内であろうと数都道府県にまたがって生産、消費が行われる場合であろうとも、総じてこの条文保によってそれぞれの府県ごとのやりとりを決める、こういうことになっておるように思うんですが、それで間違いないのか。そこのところをお伺いいたしたいのであります。
○政府委員(滝実君) これは鎌田先生がおっしゃいましたように、基本的にはそういうようなこととして私どもは考えさせていただいております。 国内取引に関する部分は国の税務署が賦課徴収をしていただくわけでございますから、その税務署所在の都道府県に税として収入される、そういうことでございます。それから、輸入取引の部分は税関が賦課徴収をしていただくわけでございますけれども、保税地域の所在する都道府県に輸入取引に係る地方消費税は収入される、こういうことでございますから、地方消費税の税の世界では、その税関ないし税務署が賦課徴収して、その関係の都道府県にそのまま納めてもらったところで完結する、こういうのが地方消費税のまず第一段階の姿でございます。 その後において清算システムを導入いたしておりますので、税の世界とは一応切り離しまして、そこでもって清算をさせていただく、こういうことでございます。その清算の基準が今御指摘になりましたように消費に関連する指標でもって清算をする、こういうことでございますから、特定の県だけが消費に関連する指標で清算するわけではございませんで、四十七都道府県すべてにわたって消費に関連する基準でもってメルクマールをつくっていただいて、それによって四十七都道府県間で清算をしていただく、こういうことでございます。その辺のところが、第二段階のところの読み方として、私どもはそういう趣旨でこの規定を書いているところで、今までにない制度でございますから若干の誤解が生じるおそれがあるわけでございますけれども、先生の御指摘のような格好で私どもは考えさせていただいた、こういうことでございます。
○鎌田要人君 この清算システムの問題は地方税として初めて取り入れられる制度だろうと思うんです。そういうことで慎重な運営を要望しておきます。 なお、もう一つ滝税務局長にお伺いしたいんですが、日本経済新聞に「やさしい経済学」という欄がありますね。あれで「地方消費税を考える」ということで、東京大学の神野先生がこういうことを十一月十一日付の結びの中で書いておられるんです。「地方消費税の創設は、ドイツのように中央政府と地方政府の共同の意思決定機関を持たない日本が選択した、日本型共同税の誕生ということができよう。」、こういうふうに述べておられるのでありますが、これを日本型共同税ということで割り切っでいいのかどうか、私は非常に疑問を持つんですが、この点についての滝税務局長の御見解をお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(滝実君) ただいまの神野教授の見解についてでございます。 まずその前段階として神野教授は、税源と申しますか、課税権を共有するような税の国と地方の分け方について実は三つの類型をその前でお述べになっております。 まず、国が課税権を持つ、地方は持たないという類型が、これは税とは別でございますけれども、いわゆる譲与税あるいは交付税の世界、これは国が課税権を持って地方にその一部ないし全部を分与するというのが一つの形態。それからもう一つは、逆に地方が課税権を持って国に分与するという、日本ではまずない制度でございますけれども、そういう分与の仕方もある。それから三つ目が、問題になっておりますドイツの共同税のように、国と地方が共同で課税権を持って国と地方が分け合う、これが共同税であると。 こういうような三つの分類をした上で、今回の地方消費税は譲与税方式から脱皮するものでありますから、譲与税方式ではない。また逆に、もちろんのことながら地方が取っていくわけじゃありませんから分賦税でもない。そうすると、残りの一つの類型は共同税的なものではないか、こういうようなことをお述べになっているわけでございます。 その中で神野教授がおっしゃっておりますのは、ただドイツの共同税は、今先生がお読みになった中にもございますように、もともとドイツの議会の仕組みが連邦参議院という組織を通じまして、日本の場合とちょっと異なるわけでございますけれども、連邦参議院は州政府の職員が州政府を代表して構成されるところでございまして、州に関連すると申しますか、地方に関連する法案、規則等については連邦参議院の同意を要すると、こういう部分が相当多いわけでございますので、そういう連邦参議院を持つようなドイツにおいてはこの共同税というのがなじみやすい、こういう事情にあるわけでございます。現実にドイツの場合には、法人税、所得税それから営業税、営業税は日本の消費税に近いものでございますけれども、この三つについては連邦と州との共同税とするというのが日本の憲法に当たりますドイツの基本法の中で規定されております。 そういう国柄でございますので、共同税というのがそのまま当てはまるのでございますけれども、その中で神野先生がおっしゃっておりますのは、ドイツの場合に共同税が成り立つのは、連邦と州が対等で意思表示をして、対等の立場でもって物事を決めていく仕組みでございますので、そういう中では共同税が成り立つと。しかし日本の場合には、そういうドイツの連邦参議院のような、国と地方が対等の立場で税の世界で物事を決めていくという仕組みがありませんから、日本の場合には共同税がとり得ない。しかし、性格はこの共同税的な性格を考えるべきじゃないかということは、私どもはこういう受け取り方をさせていただいております。 要するに今回の地方消費税は、結論的に言いますと、共同税という文言は今回全く私どもは使っておりません。使っておりませんけれども、神野先生は恐らくは、国と地方がいわば対等の気持ちでもってこの問題を今後ともお互いに考えていくべき性格の税であるべきだと、こういうようないわば私どもに対する一種の励ましと申しますか、御注意と申しますか、そういう意味でその辺のところを強調されておっしゃっているんだろうと、こういうふうに私どもは受け取らせていただいている次第でございます。
○鎌田要人君 以上で地方消費税の関係は終わりまして、次に、個人住民税の問題でございます。 本税の改正のねらいは、中堅所得層を中心として税負担の累増感を緩和するため、所得割の税率適用区分につきましてそれぞれ改正を加えようとするものでございますが、所得割の課税最低限は既にかなりの高額に達しているものと思われますが、この点についてどう考えられますか、同じく滝税務局長の御意見をお伺いいたしたいのであります。
○政府委員(滝実君) 仰せのとおり、住民税の課税最低限につきましては、特に住民税がその団体における会費的な性格を持つものだという意識を私どもはかねがね強調してまいりまして、そういう立場から申しましても、課税最低限はなるべく据え置いていった方がいい、できるだけ低く抑えた方がいいと、こういう考え方を持っております。 そういうような観点から、今回のこの住民税の改正につきましてもそのような考え方を基本にして、ただし、そうは申しましても税率の適用範囲の拡大だけでは特に所得の低い層の方々のところがなかなかうまくいきませんものですから、そういう課税最低限はなるべく据え置くべきだという考え方を持ちながらでも、やはりそれなりの引き上げをやらざるを得なかったというのが今回の実情でございます。
○鎌田要人君 次に、地方財政法の改正の関係でございます。 地方税法の改正に伴います平成六年から同八年度までの個人住民税に係る減税による減収額を埋めますために、地方債の発行措置を講ずることとしておるのでありますが、減税の穴埋めを借金でやらせるというのは、これはとんでもない話でございます。この点につきまして、村山総理大臣、いかがお考えでございますか、お伺いをいたしたいと思います。
○政府委員(遠藤安彦君) お答えを申し上げます。 平成六年度から平成八年度まで個人住民税それから所得税の減税が行われまして、これに対しまして地方財政としては、所得税の三二%が地方交付税でございますので、住民税及び地方交付税について減収が生ずるということになるわけでございます。 これらについては、平成六年度の場合もそうでございましたけれども、一種緊急的な措置として、個別の地方団体において、特に個人住民税については財源が減少したことによって財政的に非常に運営が困難になるという状況が生ずるわけでございますので、それを回避するために起債、地方債で処理をするということとさせていただくわけでございまして、この措置を平成七年度、平成八年度もとらさせていただくということでございます。これは、地方財政の運営、個別の団体が非常に多くの財政需要を抱えて財政運営に支障がないようにするためには、やはり緊急的にこういった措置をとらざるを得ないということでございます。 しかしながら、今回の税制改革に伴います措置といたしまして、これらの先行減税の部分につきまして、元利償還をする際のその手当てとして、先行減税償還財源として二千六百億を手当てするということにいたしてございます。したがいまして、全体としては減税を地方債で処理をいたしますけれども、最終的には、地方消費税の創設でありますとか、消費税に係る地方交付税を二四%から二九・五%に引き上げるといったようなことの中でその償還財源が賄われるという意味では、将来にわたって地方財政の運営には支障がないように財源措置が講じられるというように私どもは考えております。
○鎌田要人君 これで終わります。どうもありがとうございました。
○委員長(西田吉宏君) 以上で鎌田要人君の質疑は終了いたしました。
○志苫裕君 総理、御苦労さまでした。APECの話もお伺いしたいんですが、時間の関係もありますから、いずれゆっくりお伺いすることにしまして、直接本題に入ります。 まず私の立場を申し上げておきます。私は昭和六十三年の税制改革に際しましては消費税の導入に強く異論を唱えました。それは消費課税一般を否定したものではありませんで、消費課税にはそれなりのメリットもあればデメリットもある。ですが、これは税制のわき役として欠かせないものなのであって、問題は、税制の主役である直接税の改革がなおざりにされておってはいかぬ。これをきっちり納得のいく形にした上でほかの税目と組み合わせる税体系というものを構築しないと、不公平がそのまま温存されてしまって、やがては社会の不公平までつくり上げる。税に対する不信を醸し、政治不信につながることは言うまでもないという立場で強く異論を申し上げたわけであって、その考え方は今も変わっていません。 そこで、次の改正ですが、政府は税制改革と位置づけておられます。経済情勢にマッチをさせて、年度の支出を賄うための現行税制の技術的な修正を一般に改正と言うようでありますが、税体系を変える、あるいは国民の負担状況に大きく変化を及ぼす、こういうことを意図するものを改革というふうに一般に理解をされていると思うのであります。ちなみに、昭和三十二年の減税は歳入予算の一割に当たる大規模なものでしたけれども、これは別に改革とは言わなかったようでありますね。戦後で改革といえば、昭和二十五年のシャウプ税制。そして二回目が、六十二年から三年にかかりますけれども、いわばあの抜本改革と言われるものが改革の二回目。したがって今度は三回目という位置づけになるんです。 ところで、この十年の歳月をかけて大変な物議を醸しながら消費税を導入した税制改革というのは、例のない、税制改革をやるんだよという基本法みたいなものをつくって抜本改革をうたいとげたんですが、率直に言いまして、あれから五年しかたっていない。しかも抜本的な税制改革が行われてその二年後に政府はまた新しい税制改革の諮問をする。それがずっといろいろ内閣の変遷を経ながらどうやら今日まで来たようにも見えるんですが、この今度の抜本改革、抜本というのは抜本なんですが、との絡みで今度の改革の位置づけはどんなものになるんですか。まず、所管の大臣どうですか。
○国務大臣(武村正義君) そうですね。抜本改革、一般改革、改正、いろいろ言葉はあるのでありますから、別に厳格な定義に基づいて使われているわけではないと思います。 ただ今回の税制改革は、私どもの自己評価ではやはり改革だというふうに思っております、なぜならば、単なる減税をやってその財源、おっしゃるように財源探しで一部増税をする、つじつまを合わせるというそういう当面の対応というよりは、まさに日本の行く末をしっかりにらんで、それはもうたびたび議論がありますように大変な迫力でぐんぐん高齢化が進んでまいります。進んでまいりますと言うよりも、もう進んでおります。ついこの間までは一〇%に満たなかった老齢人口がもう一四%を超えるところへ来ておりますし、毎年相当な数でふえてきているわけでありまして、こういう日本の社会の変化を見ながら、十年、二十年、三十年先を見ながらこれにどう税制が対応していったらいいのか。 結局、何回も申し上げておりますように、特定の税目で特定の階層に負担が大きくのしかかるというふうな仕組みはよくないと。特に、所得税法で中堅層以上に、一番金の必要な世代に税がぐっと重くのしかかっているこの状況は、働く人のむしろ相対的な比率がぐんぐん減っていく中で、そういう人たちにしっかり負担をしていただきながら活力ある福祉社会を目指していこうとしますと、これはやはりまず真っ先に直さなければいけないと。そのことによって、世代間の公平もございますし、広く社会の構成員に負担を分かち合う、みんなで支え合う日本の福祉を目指していく、この方向をまずしっかり見据えたいと思うのであります。 ただし今度の改革が、十年、二十年先の福祉もすべて考えて、もう今後一切改革が要らないような、そういうものだとは私どもは思っておりません。大きな第一歩というふうに申し上げておりまして、所得税や消費税の手直しには違いありませんけれども、やはり日本の社会の行方、その中における税制の位置づけをしっかり見ながら、その第一歩をしるす改革だというふうに思っております。ぜひ御理解をいただければと思う次第でございます。
○志苫裕君 ちょっと気になる点を尋ねて、さほどの違いがないのか、何か意味があるのかだけ伺って午前中の質問としますが、私、手元にたまたま抜本改革のときのデータがあったものですから、そのときの議論などもちょっと振り返るんですが、微妙な表現の違いがあるんですね。 どこにあるかということをちょっと申し上げますと、まず第一、租税理念に関しまして抜本改革の文言は、租税は国民が社会共通の費用を広く公平に分かち合うためのものと書いてあります。そういう認識を示しております。今次の改革は、しばしば答弁にもありますし、文言もありますが、社会の構成員が広く負担を分かち合うものと書いてあります。公平という二文字が抜けていますね。ちょっと忘れたという程度のものか、意味があるのかわかりませんが。 それから、税負担に関して抜本改革のときには、全体として税負担の軽減を図るとしておるのに対して、今度の場合にはそういう税負担全体に触れないで、中堅所得層、ある部分の負担の軽減を図るという非常に小範囲な表現ではないかなという感じがいたします。 〔委員長退席、地方行政委員長岩本久人君着席〕 肝心の消費税に関しては、薄く広く負担を求める、薄くというんですね。これはあのとき消費税をとにかく導入しだいですから、いろいろ調子のいいこと言ったのか、いいこと言ったのかどうかは別にしまして、割合に文言には公平理念というようなものをある程度念頭に置いて気を使ったかなという感じがちょっと今度の文言と違うんですが、特別の意味はおありですか。これは実務者からでも総理でもいいですが。
○政府委員(小川是君) 今お尋ねの点につきましては、まず政府の税制調査会で昨年の秋以来議論されましたときに、まさに前回の抜本改革との関係がスタートでございました。 税制調査会の昨年の答申におきましては、前回の六十三年の抜本改革は「公平・中立・簡素の基本理念に基づき、社会共通の便益を賄うための基礎的な負担はできるだけ国民が広く分担し合うことが望ましいとの考え方の下にこ全体の税体系の見直しか行われたといたしまして、「このような考え方は、先般の抜本改革から五年を経過した現在においても基本的に支持しうるものと考えられる。」というのが今回の税制調査会の一番最初の書き出してございます。その上で、「現行の税制が先般の抜本改革で目指した姿となっているかどうか、どこかに不都合が生じていないかどうかについて点検しこ「総合的見直しについて検討を進めたところである。」というところから議論を説き起こしております。 実は、全体の議論に入ります一番最初のところに、どのような考え方で今回の総合的見直しを進めるのかの第一が税負担の公平の確保というところから入ってございます。また、行財政改革の推進であるとかその他細々とその後の考え方が展開されている。今御指摘の点はそういう形で今回の議論の背景に生かされているという事情を御説明申し上げました。
○志苫裕君 総理にお伺いしますが、私がいきなりささいな文言の違いのようなものを取り上げましたのは、実は昭和六十一年の政府税調の抜本的見直しの答申、これは五十八年に中曽根内閣が諮問したものじゃないかと思うんですが、それ以来、租税の基本理念が公正、公平から効率とか中立とか活力とかそういうものに、大体、効率、中立、活力、似たようなことを言っているんだと思うんですが、公正、公平から中立とか効率、そういうものにシフトをしておることに、応能負担原則あるいは最低生活費非課税原則といったそういうふうな原則が後退をしつつあるのかなということに私は強い懸念を覚えるわけです。後ほど政府税調と連立与党、さらに内閣の税制改革大綱の要綱との対比は若干いたしますが、特に政府税調のあれを読んでいると今私が懸念した傾向が大変強くにじみ出てるんですね。 世界的な潮流から見て公平と中立の優先順位というのは、保守主義とリベラルの分かれ目といいますか対向軸にもなっているというふうに思うので、リベラル政権を標榜する我が村山内閣でありますから私の懸念はないのかもしれないが、しかし大きい流れとして少し気になるところがあるものですから、そこのところは総理からちゃんと、そんな懸念は要らぬなら要らぬというふうに確固たる話を伺いたい、こう思います。
○国務大臣(村山富市君) 六十三年の税制改革の際には税制改革法という法律が出されて、その法律の中には、租税というものは公平、中立、簡素ということを基本にするということはきちっと位置づけられておったわけですね。今度の場合には別に改革法というものを出したわけではなくて、所得税法やら地方税法の一部改正案という形で出されていますから、したがってあえて基本になる部分の用語は使わなかったというだけでありまして、租税というものは、委員が指摘されましたように、本来これは公平であり中立性が保持されるというのは当然の話でありまして、税制を見る場合にはできるだけ公平という視点というものを重視して見なきゃならぬことは、ある意味では私は当然だと思うんです。 そういう意味では、今度の改正は、やっぱり税の一番根幹である、能力に応じて負担をしていただくという所得税が根幹であることについては間違いはない。しかし、所得だけに税を課することは、完全に捕捉できるかといえばなかなか捕捉できない面もやっぱりあるというので、必ずしも万全な公平が期せられないという意味からすれば、消費税というのは、間接税というのはある意味では実態に見合って税を負担していただくわけですから、そういう意味における公平というのはある程度確保されるんではないかというので、やっぱり欠陥を補い合って税制全体として公平が期せられるというふうなものにしていくことが大事ではないかというふうに考えております。 委員が御指摘の公平というものは、何よりも大前提として大事なものであるということについては変わりはございません。
○委員長(岩本久人君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時五十六分休憩 —————・————— 午後一時一分開会 〔地方行政委員長岩本久人君委員長席に着く〕
○委員長(岩本久人君) ただいまから地方行政委員会、大蔵委員会連合審査会を再開いたします。 休憩前に引き続き、四案について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○志苫裕君 午前中、どうも私が気になっておる租税理念の転換があるのかなという点につきまして、は、明確な総理のお考えを伺ったところですが、念を押すようですけれども、確かに公平の原理と中立の原理はトレードオフの関係にあって、税制の改革論の議論が分かれるところではありますけれども、やっぱり税制改革の原点は公平であってほしい、目標は公正な社会の構築というところに置いてもらいたいということは総理のお考えと一致しましたので、念願を述べて次にまいります。 気になる傾向というのは率直に言いましてほかにもあるんですよ。正鵠を射ているかどうかはわからぬのですが、すべての道はローマに通ずるというんじゃないんですが、この税財政の世界では最近すべての道が消費税に通ずるというんですね、こういう傾向なきにしもあらず。先ほどもちょっとお話が出ましたが、よくしばしば総理もまた武村蔵相も御答弁になりますが、所得、資産、消費、これのバランスのとれた税体系と言う場合、それはそれなりの意味合いは持つんですが、バランスをとるには消費税を上げる以外にあるまいと、こうすっと話がいくのはいかにも納得ができない。直間比率の是正、それなりの意味があるんですが、間接税すなわち消費税を上げてつり合いをとると、すっとそっちにいく。 それからまた、例えばあれですが、福祉社会を展望すると当然のことながらお金がかかる、その財政需要を満たすには消費税しかない、こういきますね。先ほどちょっとここでもやりとりがあった去っでしたが、例えば今度の消費税の見直し規定にもちょっと気になる文言があるというのは、さっきも出てましたが、社会保障との関連で財源を確保、消費税のところにそう書きますね。消費税の見直し規定のところで社会保障とか社会福祉と書きますと消費税と、その財源はそこから探せみたいな意味合いになっちゃうわけですよ。 話は別ですが、年金改正法案のときに衆議院で修正が行われました。衆議院で行われたのかな、附則がありましたね。そこでも年金の負担率を高めるには財源を確保しと、こうなっています。年金の財源を探せ、社会福祉の財源を探せと。こういきますと、必然的に消費税の方にいくような雰囲気になってしまう。この傾向、最近率直に言って気になるんです。 バランス論に関して言えば、私なんかはむしろ、消費なら消費、資産なら資産、所得なら所得の中に、同じ所得でも事業所得と給与所得のバランスが随分崩れた課税システムになっているじゃないか、そういうもののバランスもちゃんととりなさいよという意味にも、我々はそちらの方にどちらかというとウエートを置いて見る可能性もあるんですが、そういう意味で何か標語のように使われて、財源といえば消費税につながっていくということに非常に懸念を感じています。 言うまでもありませんけれども、税金は一般の人から一般の経費に充てるために、言葉は悪いが権力で徴収するものですから、特定の目的のために取るんじゃないんです、特定の人からちょうだいするんじゃないんです。福祉といえばすべてが福祉なんだ。乱暴な言い方しますが、もう教育だって文化だってあらゆるものが全部福祉なんですから、それに一般的な財源を充てる。どのテーマにどれだけの財源を使うかというのはプライオリティーの問題であって、この問題のために消費税を上げなきゃならぬというそういう誘導が必ずしもないわけじゃない。 気になるところですけれども、これを財政を預かる武村さんと総理からちょっと答えてくれますか。そんな懸念に及ばないなら及ばないと言ってください。
○国務大臣(武村正義君) いみじくもすべての道は消費税に通ずるとおっしゃっていただいて、そんなことがあってはならないと改めて強く感じた次第であります。 確かにおっしゃるように、議論の中にはそういうふうにとられる議論もございます。消費税一〇%論というのも国会の中にも一部あるわけですし、消費税一本でもう所得税はゼロでいいじゃないかというふうな言い方をする人も時々おられます。片方、学者の中には所得税をむしろ強化していいという議論もございます。いやいやもっと資産課税にウエートを移すべしという主張もございます。 これだけのさまざまな税が存在をいたしております。三つの所得、消費、資産というふうな分け方においても、まさに全体のバランスで今後の日本の税体系というものは維持をしていくべきではないかというふうに思っておりますし、午前中の公平の論議も、もちろん公平という価値観も人によってかなり違いがありますから、公平の議論からも所得税をもっと強化していいんじゃないかという公平論もありますし、いや、水平的公平を重視すべきだ、消費税だとおっしゃる方もあるかもしれません。 そんな状況でございますが、所得税は今回も中堅層の減税を提案いたしておりますし、法人税につきましても、どちらかといえば諸外国との比較においては日本の法人税率は一番高い、課税ベースを拡大するにしろ、これを下げるべきだという主張が今強まっております。 これはそれなりの理屈があるわけでありますが、片方、財政当局としましては、何々税をやめたらどうかという、衆議院でも随分そういう、有価証券取引税を初めとしてなくしたり減税の議論はいっぱい出てくるわけでありますが、消去法か何かしりませんが、そういう中で何となく結果として消費税だけが期待される。諸外国に比べて低いということが一つの論拠かもしれませんが、そういう傾向があることは事実でございますが、安易にそんな考え方を肯定するような考え方はとるべきでないというふうに思っております。
○国務大臣(村山富市君) 今も大蔵大臣から答弁をされたことで尽きると思いますけれども、委員御指摘のように、公平な課税を通じて公正な社会を実現させる、言うならば能力に応じた負担をしていただくと同時に、力の強い者も弱い者も公正に生きられるような社会をどう維持していくかというところに私はやっぱり政治の課題があるのではないかというふうに考えております。 これから高齢社会になって福祉にうんと金がかかる、年金をやるのに金がかかるということはだれでも想定されることでありますけれども、これは単に消費税だけを財源にして考えていくということは間違いでありまして、その行政サービス、公的サービスの水準をどの程度に維持することがいいのかということが一つと、それを維持していくための財源というのは、例えば租税負担をどの程度にして保険料負担をどの程度にするのがいいのかと、こういった観点からも十分検討しなければならぬ課題ですから、直ちに消費税につながっていくというものでは絶対にあってはならないということについては、私もそのように認識をいたしております。
○志苫裕君 次に入りまして、今のところちょっと後でまた戻るかもしれませんが。 今次の税制改正あるいは税制改革は、当然のことながら与党の税制改革大綱に基づくものでありますし、その大綱は去年の十一月の政府税調の中期答申あるいはことしの改革答申というようなものが踏まえられているんだと思うんです。 しかしながら、子細に見ますと、税調答申が、所得課税から消費課税へのシフトを図ること自体が税制改革のあるべき方向で、それに若干景気浮揚策としての減税先行を結びつけたというそういうスタンスをとっておるのに比べまして、大綱は大変複眼的であります。所得税の恒久減税と消費課税の規模をともに圧縮をする一方で、所得減税の内容に課税最低限とかあるいは最高税率等々にそれぞれ引き上げないし抑制を盛り込んでもおりますし、不公平是正に向けた検討も強くうたっておりますし、それから、まだわずかでありますが、消費課税の増税に関して使途を社会福祉に支出する等々の内容で、政府税調の答申に比べますと大変目配りのきいた要綱あるいは大綱になっているというふうに思います。 しかし、先ほど大蔵大臣お答えになったようでしたが、中長期的な財政対策としての税制改革はどうやら入口に入ったかなという程度のものなのかもしれないという感じがしないわけでもありません。不公平税制の是正にかかわる重要な課題を初めとしまして、豊かな社会の、福祉社会のビジョンあるいは負担などが検討課題として残されております。とりわけ、所得減税と消費税率の引き上げが時間差を置きながらも一応パッケージになっています。そして、とりあえずの景気対策に配慮をした特別減税をちょっと除きまして、一応平成九年度からので見ますと差し引き増税。今どき財政事情を考えて差し引き減税という選択なんかあるわけはないので、それはそれで結構だと思うんですが。 問題は、所得減税と消費税の増額をパッケージで行うというときには最低限、先ほども申し上げましたけれども、所得税や消費税の税目自体にあるゆがみやひずみや不公平や、そういうふうなものをきれしに取り去っておかないと、パッケージでありますだけに、それが不満の種になっちゃうというふうに私は思いますし、それを大前提にしない限りやっぱりタックスペイヤーの納得は絶対に得られない、こういうふうに思います。 先ほどもちょっと出ましたけれども、確かに直接税の中には、所得の捕捉が困難で、追いかければ追いかけるほど逃げていくのもおるわけです。しかし、そういうものはいっかどこかで何か使うんだから、使うときにちゃんと取れというので消費税をかければ、逃げたやつが幾らかでもつかまるんだから幾らか公平になるじゃないかという論理もないわけじゃないが、しかし、課税当局が最初から逃げていくものを是認するような税制もないものだと思うんです。 しかし、いずれにしましても、そういう論理を使うんじゃなくても、可能な限り消費課税あるいは所得課税の中の問題点は何が何でも直す。それをいずれおいおいとやろうかとか二十、一世紀の課題なんて、二十一世紀というとすぐなんだけれども何となく遠いような感じもしますが、そういうふうに逃げないで、もっと真っ正面からぶつかるという気概をやっぱり国民に向かって鮮明に表現なさるべきだと思いますが、総理、いかがですか。
○国務大臣(村山富市君) 別に逃げているわけじゃございませんけれども、いろんな角度から検討し、いろんな意見もそれぞれあるわけでありますから、聞きながらできるだけ公正、公平、妥当な結論を出していくという意味では、やっぱり拙速でなくて慎重に判断を要するような問題もあるわけであります。気持ちとしては逃げるんではなくて、真っ正面から立ち向かって責任ある態度をとっていくということは大事なことだというふうに思っておりますから、委員御指摘のとおりの認識でもってこれからも取り組んでいきたいというふうに思っています。
○志苫裕君 特にこれは租税当局は承知のところなんでしょうが、消費税と所得税をパッケージにして差し引き増税を図る場合は、両方の税の持っておる特徴からしまして、所得の低い人から所得の高い人が減税財源を取り上げるという構図になるんです。これはもう紛れもないことなんです。パッケージで減税なら緩和できますけれども、パッケージ増税なら必ずそういう形になる。それが今七百万が分岐点だとかなんとかというふうに言っておりますけれども、私ら不勉強のデータですが、所得階層別に見ますと、第一分位、第二分位あたりがやっぱり増税になって、第三分位から第五分位の方が減税になるという構図はこれははっきりしています。 これはもうわかりやすいことなんで、所得税を納めていないような人から消費税という税金をちょうだいをして、比較的所得の高い人の財源に回すという構図なんです。パッケージはそうなるんです。そうであればあるだけに、先ほど言いましたように、消費税なら消費税の中自体、所得税なら所得税の中自体にあるそういうゆがみ、ひずみ、不満、不公平の増幅する材料になるようなものはちゃんと取っておいてほしいということをお願い申し上げまして、先ほどもお答えがありましたからこれは要望だけにいたしておきます。 いみじくも竹下税制のときに、私はやりとりを聞いたんですが、竹下首相六つの懸念というのがありました。六つの懸念はいろいろあるんですが、そこの一つの重要な柱に安易に消費税の税率が引き上げられることのないようにというようなのがどうも入っていたようでありますけれども、その辺は、特にパッケージで増減税をやる場合には、大体税制改革は、基本的には所得階級間の負担割合はあんまり大きく変えない方向で税制を組み立てないとやっぱり対立が起きちゃう。それこそ公平でない。今度の増減税が所得階級間に一体どのような配分割合になっておるのかはまだ大蔵省からデータをいただいておりませんけれども、いずれ見せていただきますけれども、その辺にも十分配慮してほしいと思います。 そこで、今の両大臣のお答えをいただきながら、具体的に私は、三つの現行のゆがみ、ひずみを直すことを逃げておらないでひとつ真正面から取り組みましょうよと。たくさんありますけれども、それぞれの税目で一つだけでいきましょう。 所得税で利子課税、原資の面でもそう小さいものではない。データにはいろいろあるようで本当のデータかどうかわかりませんけれども、正当に課税をされれば三兆あるよ、四兆あるよというレベルのもののようです、地方税も含めまして。そんなようなことになりますと、しかも利子課税について言うならば、利子を自分の所得に加えてもなお税金がかからないレベルの人からもちゃんと一割五分をいただくことになっている。一緒にまとめれば五〇%という税額をもらわなきゃならぬのが一五%にまけてやっておると。しかもその原資が大きいとなれば、これはそう悠長なことを言っておらぬで、あらゆる工夫をしてこれに取り組みませんか。 まず、専門家の話を聞いてから総理の決意も聞きましょうか。私は答弁わかっているんだ。というのは、やっぱり総合課税となりますと、それは譲渡益から何かみんな入ってきますから、そうするとなかなか面倒だということで検討の時間がかかって二十一世紀まで打っちゃうんですが、私がむしろここで提案したいのは、利子課税なら利子課税一つに絞りましてやってみる。なかなか総合課税だとかそういうものについてはアレルギーもあるかもしらぬけれども、何か一つ一つそれを題材にしてやってなれてもらう、工夫してもらうという意味でテーマに利子課税を選ぶ。かつてグリーンカードを取り入れたら、どこその政党は翌年やめちゃったんだけれども、そういう歴史もありまして、利子とればその資金をどこかへ逃げるとかいろいろありますけれども、だめな理由を考えないで、やれることに手をつけてみる。これどうでしょうね。
○国務大臣(武村正義君) もう志苫委員が御承知のことでありますが、こうした利子とか株式等の譲渡益に対しては総合課税の方向でいくべきだと、これが一つの考え方であります。私どもも基本的にはそういう認識を持っております。 ただ今日までは、現在の所得の把握のシステムの中から、実質的な公平性の実現、経済活動等に対する中立性の確保、あるいは制度の簡素性というふうなさまざまな観点から総合的に判断をいたしまして分離課税方式が採用されているわけであります。 所得の把握体制を全体で整備していくということになりますと、どうしてもやはり納税者番号制度の導入、実現が必要になってまいります。私どもは、そういう意味ではこの納審制と言われる番号制度の導入に深い関心を持たしていただいていると。従来、単純に検討という答弁をしてきておりましたが、政府税調も導入を前提に検討というふうに表現が変わってきたんじゃなかったですかね。 今回、政府・与党三党の議論の集約も、二十一世紀初頭という、初頭というのはちょっともう一つ何年という鮮明な目標年次ではありませんが、それでも一応目標も掲げました。そして、住民基本台帳や年金番号制等が先行する気配といいますか、そういう状況にもございます中で、これと一体に税制の番号制導入を真剣に考えていこうと。大蔵省もそういう勉強会を既にスタートさせておりまして、そういうところまで来ている。その中でおっしゃる総合課税の問題に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○国務大臣(村山富市君) 公平という観点から見ますと、確かに一生懸命働いて得た所得に対する税率と、そうでなくて余った金を、余った金と言っては語弊がありますけれども、預金や貯金をして、それに対する税率が一五%で済んでおるというのは、客観的に見ればいかにも不公正ではないか、不公平ではないか、こういう意見は多分にあると私は思います。 ただ、この預金、貯金というものに対する考え方は、単に課税というだけの視点から考えられない面もあります。これはもっと言えば、仮に税金がうんとかかれば、もっといいところに金を回そうといって株式の方に回したりなんかして、言うならば考え方はいろいろまたあるわけですから。 したがって私は、利子だけをどうの、こうのと言うんじゃなくて、総合的に全部所得が把握できるように、やっぱり総合課税方式というものをきちっと位置づけていくようなことを考えていかなければ完全なものにならないんじゃないかというふうに思いますけれども、これからもいろいろ検討させていただきたいと思います。
○志苫裕君 大体予想したお答えなんだけれどもね。百点満点とりたいというのに、総合課税について全然だれも異論ないですよ。しかし、あれは面倒だ、これは面倒だ、こっちはうまくいかぬということを言ってずっと日が延びるわけです。 これは政治の怠慢か租税当局の怠慢かわからぬが、少なくとも六十二年法、六十三年法の附則には利子だ譲渡益だというのを五年目にやるんだよと書いた。国権の最高機関がやると言って書いたんですが、それでもなかなか実現をしないでずるずる来て、じゃ税調の先生方にお伺いしようといったら、そっちも余りよくない、しないということでずるずる来ているわけですね。ですから、ここで百点とらぬでもいいじゃないか。譲渡益もいろいろあるんですが、今非常に課税物件が大きいから挙げたわけですけれども、利子なら利子というものを選んで、名寄せになるか、資産番号制になるかグリーンカードになるかは別として、何かそれだけでも一つ押さえて、ああそういうやり方でいけるんだなという一つの経験にもなるというふうな気構えで取り組んでみてもらえぬかということを言っているんですが、もう一つどうですか、ここのところ、やるとかやらぬとかと言ってくれればそれでいい。
○政府委員(小川是君) 前回の抜本改革のときの見直し条項に基づきまして、今委員御指摘のとおり税制調査会でも大変御議論をいただいたわけでございます。 その結論といたしましては、先ほどから大臣が申し上げているようなさまざまな事情から、当面、現行の分離課税というのも一つの税制としてこれはこれでいいんではなかろうかという御議論であったわけであります。 委員御案内のとおり、幾つも問題がございます。一つは番号をどうやってつくるかということがございます。どれかからスタートができないかという点につきましては、そこが一番難しい問題だと存じます。 つまり、お金はいろいろな貯蓄、資産に動くわけでございますから、グリーンカード制のときの問題もそうでございますけれども、どれかに対して課税が行われる体制をつくるぞということが法律ではっきりしただけで、ほかの金融資産その他の資産にお金が動いてしまうという問題が現実にあったわけでございます。そこで、株の譲渡所得に対する課税、それから利子に対する課税、あるいはこの辺のところは把握の仕方で違うのではないかといったような議論もあるわけでございます。 そこで、御指摘のとおり、番号をどうつくるか、そのコストをどうするか、国民の理解をどう得るかということのほかに、そうした資産の選択あるいは資金の流れにできるだけその影響が小さくなるようにするにはどうやっていったらいいかということをさらに、繰り返しになりますが、より積極的に取り組んでいかなければならない、取り組み始めているという状況でございます。
○志苫裕君 鶏と卵みたいな話ですけれども、経済のアングラ化の動向というのは、また別の面で言えば資産課税の不公平からも来るわけです。しかしどっかに切り口を見つけないと、そのうちにそのうちにと言っているうちにどうも不満だけは募るという気がします。これは、きょうは宿題にいたしますが、ひとつより大胆な取り組みを要請します。 次に、消費課税では一つ取り上げます。 いろいろあるんですが、私は、増税一般を否定しては将来福祉社会は築けない。問題はどんな形でだれが負担するかという論議に移るんだろうと思いますし、そういう意味では消費課税、現行消費税という意味ではありませんが、消費課税のウエートが高まっていくことは容認しなきゃならぬだろう。そうであればあるだけに、消費課税の持っておる逆進性といいますか、これに手をつけなければますますこの税制について、税目についての不満が募るということでありますだけに、いろいろもうやかましく議論されていますが、消費税自体の中にもやっぱり所得再分配機能というぶうなものを盛り込んでいけば、消費税全体の負担が増加をすることは納税者によって容認されると。さっき言ったように所得ととれる部分と関係があるものだから。一方、物価調整がなんかで減税すると、消費税を上げていけば逆にますます逆配分になるということがあるんです。 これはどんな形のものがいいかということは今あえて言いませんけれども、かつて自民党内閣のときに軽減税率一・五%という問題が出て、あのときもこれは賛成していれば通ったのかどうかわかりませんが、つぶれた経緯があるわけです。だから政府においても、やっぱり消費税の持つ性質等にかんがみて、複数税率というものについて、特に最低生活費非課税原則というこの租税法定主義の原点も踏まえながら、これは何とかしようということは喫緊の課題ですよ。 ましてや、将来社会を構想して租税負担割合を総体的に高めていかなきゃいかぬわけでありまして、それの障害になる。これはひとつ大蔵大臣と総理、お答えください。
○国務大臣(武村正義君) 消費税の特色としていわゆる逆進性が問われているわけでございますが、消費税という税の仕組みの中で、逆進性を少しでも緩めていこうという考え方がいいのかどうか。私どもが今までお答え申し上げていますのは、消費税は確かに水平的公平でございますから、問題は消費税以外の税目、したがって税制全体の中でどう逆進性なるものを緩和する努力をしていくか、今回も所得減税の中では課税最低限、これについてはむしろ引き上げるべきでないという主張もかなり強いわけでございますが、約一兆円前後この減税に充てることになっております。これなんか一つのそういう政策であります。 先ほど来御議論のありますような、他の税目も含めた公平という概念もございますが、そういった中で、税制全体の中でどう貫いていくかということが一つと、もう一つは、やっぱりちょうだいした税金を使わせていただくときに、いわゆる財政の面で本当に気の毒な方、所得の低い方にどうさまざまな福祉を中心とした政策を進めさせていただくかと。申し上げたいことは、税制全体なり財政支出全体の中で逆進性緩和の議論というのはやはり基本的には進めるべきではないかというふうに思っています。 生活必需品、特に生命を維持するための食料品、これぐらいはやはり複数税率であるべきだという御主張は、これは真剣に私も耳を傾けているところでございますし、これは国民世論としても強くございますし、諸外国においてもそういう先例は存在します。これからの課題としてこの問題は見詰めなければいけないと思っております。 消費税が欧米よりまだ低いからこの段階ではという議論も確かにありますが、今回の改革においても三党で真剣な議論をいただいて、今回は公平、中立、簡素の観点からも、また、ここで食料品を軽減税率の対象にすることは結果としては消費税率をもう少し上げなきゃならないという論議にも発展することも考えまして、総合的判断で今回は見送ることにさせていただいたということでございます。
○国務大臣(村山富市君) もう今の大蔵大臣の答弁で全部尽きていると思いますけれども、これは消費税が創設された当時、当時私どもは野党でしたけれども、社会党、公明党、民社党、野党一体となって消費税反対の闘いを組みました。そのときに一番やっぱり私どもに訴えられましたのは、一方で減税をする、その減税の恩典を受ける者は、税金を納めている人は減税を受けると。しかし、税金を納めていない人、年金だけで暮らしている人、こういう人たちは減税の恩典がなくて消費税だけひっかぶるではないか、これは一体どうしてくれるんだ、こういう声が大変強く反映されておった。 これはもう常々私どもが心しておかなきゃならぬことだというふうに思っておりますから、消費税の中で持っておる逆進性は可能な限り緩和する方向で検討されなければならぬものだというふうに思いまして、今回も三党の税制プロジェクトの中ではそういう議論も真剣にされてきた。しかし、この現状の中で軽減税率を持ち入れたりあるいは飲食品だけを非課税にするというようなことについてはやっぱり無理があるんではないか、こういう結論に達してこういう合意点になったということについては御理解をいただきたいと思うんです。 あとの問題につきましては、大蔵大臣から答弁をされたとおりだと思います。
○志苫裕君 あなた方の答弁はちっとも進歩していないんだけれども、私はこの消費税というふうなものは、まあ税制のわき役ですけれども、それなりにやっぱり重要な役割をこれから果たすと思うんです。そうであればあるだけに、この消費税というふうなものについてやっぱり国民が安心してなじめるような税金にしないとだめなんですね。一度に抵抗感が起きる。そこのガンは今のところなんですよ。 ですから、そこの部分というものについて、消費税があってもぎりぎりの暮らしにはちっとも支障がないんだと。あとのは少々、洋服だったら二年に一遍でもいいじゃないかと選択ができる。しかし、私らが今指摘している部分は選択性がないんです。消費税の中でも選択のできるものとできないものがある。そこのところを納税者の税に対するつき合いをよくして将来の福祉社会の財源を確保していくと。税制全般にわたってですが。 ここの問題がどうしても焦点になるという意味で、ちょっと今の総理の御答弁も大蔵大臣の御答弁も、まあ同じような気持ちでいろいろやってきたんだけれども今回実現できなかったんだと。実現できなかったから、私はここに立って長い時間をかけて解決を早めるように、促進をするようにもう少し骨折ってもらえぬか、我々も骨を折るがということを言っているんで、もうちょっと何か張りが出るような答弁してよ。
○国務大臣(武村正義君) 何といっても税制の論議でございますから、そうふっと思いつきで、特に志苫議員のすばらしい論旨に感銘してすっと申し上げるわけにはいかないところがございまして、別に役所の答弁をそのまま説もうとは思っておりません。 ただ、先ほども申し上げたように、いつとかそういうことまでしっかり申し上げられないから答弁が締まっていない感じを与えておりますが、このことは、これからも真剣に議論を続けていくべきだし、近い将来のやっぱり大事な課題だという認識は政府としてもしっかり持たせていただきます。
○志苫裕君 これで私の質問は終わりますが、実はもっといい答弁をもらいたかったんだが、まだこの委員会は続いておりますし、今のお二人の答弁は私にとってはなまぬるくて気に入らぬ。幸いまだ審議もありますから、締めくくりの質問くらいまでにはお二人でもっと前へ出るような相談をしておいてください。 要望して、終わります。
○岩崎昭弥君 発言の機会をいただきましたので、持ち時間の範囲内で地方消費税を主体に数点にわたって質問をしたいと思います。 その前に、首相に対して、ジャカルタでのAPECの首脳会議、大変御苦労さまでございました。 地方分権の推進、地域の福祉政策の充実、法人税関係依存の都道府県財政の不安定などに対応して、地方税財政の安定確保に資するものとして地方消費税の新設は私は高く評価できると思うのであります。 多段階にわたる前段階税額控除方式の消費型付加価値税を地方税として導入したことは先進諸国では今回の日本が初めてであり、一九四九年のシャウプ勧告による都道府県付加価値税の提案が、付加価値計算における控除法と加算法の不統一、ドッジ・ラインによるデフレによって価格転嫁が困難となり、企業課税化することを恐れた事業者の反対で延期、廃案となって以来のことでありまして、関係者の御苦労をねぎらいたいと思うのであります。 さて、その地方消費税率の一%の関係であります。 地方消費税は、消費税額を課税標準としてその二五%となっております。地方消費税の税率については、社会福祉等の充実に要する費用の財源を確保する観点、地方の財政改革の推進状況、地方財政の状況等を総合的に勘案して検討を加え、平成八年九月三十日までに所要の措置を講ずるものとするとされており、国税の場合と同様に将来の税率アップも合意されていると理解できないこともないのでありまして、鎌田先生や志苫先生の御指摘にもあったとおりでございます。 地方消費税の税収は、廃止される現行消費譲与税が一兆四千三百億にとどまるのに対して、平年度ベースで二兆四千五百億と見込まれております。消費税に対する新しい地方交付税率二九・五%と合わせて、消費税全体に対する地方税財源の配分割合は三九・二%から四三・六%となります。これは地方財源重視のあらわれと認識していいのか、自治大臣にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(野中広務君) 今回の地方消費税に当たりまして、委員から深い御理解をいただきまして私どもも大変ありがたく存じておるところでございます。 ただいま御指摘がございましたように、今回の税制改革につきましては、所得税、住民税の減税による減収の補てんや、あるいは社会福祉等の拡充に必要な税財源、二兆五千四百億と存じますけれども、これは地方消費税の創設によりまして、今委員御指摘のように、増収額といたしまして一兆二百億、及び消費税に係ります地方交付税率の引き上げに伴いまして一兆五千二百億を増収することになりまして、地方財源といたしましては完全に確保されたと認識をしておるところでございます。
○岩崎昭弥君 今回の税制改革によりまして、地方財政の安定性は増すことになるかどうかということでございます。 今度の税制改革は、個人住民税の減税一兆三千億に対して、地方消費税の創設等による税収増を二兆四千五百億と予定されております。地方の独自税収は大幅にふえたことになるわけでございます。中身は詳しくは省略しますが、これで地方財政の運営に支障を生ずることはなく、将来の財政基盤の安定化という意味では大きな改善がなされたと評価していいのだろうと思うんですが、再度伺いたいと思います。 同時に、他方、今回の措置で財政上に不安定要素が出るかどうか、そういうこともあわせて承りたいと思うんです。
○国務大臣(野中広務君) 今、委員から御指摘をいただきましたように、地方消費税の創設によります増額及び消費税に係る地方交付税の牽引き上げによりまして地方財政対策は一応完全補てんをされ、確保され、かつ安定的な地方財政の運営に資することになったと私ども認識をしておるわけでございます。 けれども、地方財政は今後それぞれ地域福祉やあるいは地域のさまざまな課題を持っておるわけでございまして、さらに今後安定的な地方財政を確保していかなくてはならないと思いますし、わけても都道府県の税は、委員御承知のように、法人課税によりまして景気に左右される部分が非常に多うございますので、今回の地方消費税の導入の持つ意義はまことに大きゅうございますけれども、より安定的な税財源の確保が必要であると認識をいたしております。
○岩崎昭弥君 地方独立税である地方消費税の賦課徴収を今回は国に委託することになりますが、その理由は何かということ、また、国への委託によって地方消費税は独立税とは言えなくなるのではないかという理論上の心配もあるわけです。 御承知のように、今もお話がありましたが、地方分権の推進、地方自治の観点から見て、地方税は地方団体がみずから賦課徴収することが大原則であります。しかし、地方消費税が国税である消費税の仕組みを前提に創設されたことから、基本的に同一の課税方式をとる両税を一括して賦課徴収することが納税義務者の事務負担等の軽減となるということで、当分の間、国にゆだねることとしたとされております。 将来どうするかについては、先ほど消費税の方では大蔵大臣からお答えがありましたが、この当分の間が大変問題でございまして、鎌田先生からの御指摘もありましたが、このことについてお尋ねをする次第です。
○国務大臣(野中広務君) 地方消費税が委員おっしゃいますように地方の独立税であります以上、地方みずからが賦課徴収するというのが建前でございます。しかし、今回の消費税及び地方消費税の性格からいたしまして、それぞれ納税者の事務負担等を考慮しますときに、今申し上げましたように当分の間やはり国に賦課徴収の事務を委託することが適当であろうと選択をした次第であります。 いずれにいたしましても、地方消費税は地方独自の税でございまして、委員御承知のようにこの税は都道府県の議会で条例として定めるものでございますが、ほかにも現在市町村が都道府県民税を委託徴収しておるわけでございまして、そのような例を考えますときに、今回行政改革等が言われるときに国に事務委託をいたしましたのは一つの選択であると私は認識をしておるわけでございます。 しかし、これからそれぞれ地方分権が進んでいく中において、やはり地方が地方独自の税源としてみずから賦課し徴収するというそういう方向、あるいは私は年来のみずからの願いとして、国税だから、地方税だから、それぞれ国が徴収しあるいは地方が徴収するということよりも、むしろ納税者は一つでありますから一体的な徴収が行われるような、そういう組織をより目指していくべきではなかろうかと、一般的に一人の政治を考える者として考えておる次第でございます。
○岩崎昭弥君 よく似た話ですが、都道府県税でありながら国が税率を固定するというのは憲法の精神に反するという説もあるんです。また、今お話がありましたけれども、都道府県が独自に税率を決められない税を独立税と言えるかどうかというそういう問題もあるんですね。地方自治の観点からすれば、税率は地方団体が自由に定めることができることが望ましいのであります。そのことは十分承知の上で大臣はおっしゃったんでありますが、地方税法の第六条、第七条は、その一般的原則を確認し、国による強制を排除しようとするのがその条文の趣旨だというふうに私は思うんです。 しかし、税の性格にかんがみて、地方団体ごとに課税の有無や税率の差異が生ずることは不適切でもありますので、そうした場合に税率を固定することはやむをえないというふうに思うんです。 それからもう一つは、申告のときに地方自治体に申告して、住民がこれは国税だ、これは住民税保だ、あるいは地方税だというふうにわかるのが私は原則だというふうに思いますので、もう一度大臣のお話を聞きたいんです。
○国務大臣(野中広務君) 委員御指摘のとおりでございまして、それぞれ地方の住民がみずからの税としてこれを納めているんだという認識、これを持つことが私ども今回の地方消費税の創設されたまた基本であると理解をしておるわけでございます。
○岩崎昭弥君 それでは、宿題として残っているような感じの問題を取り上げたいと思うんです。それは特別地方消費税のことでございます。 特別地方消費税は、消費税が導入された際にも、課税対象とされている消費行為と地方団体の行政サービスとの間に密接な関係があること等から地方の自主財源として存続することとされてきたのでございます。この税の課税対象となるのは、免税点を超える高額な宿泊や飲食等の利用行為に課税されるものでございまして、十分な担税カもあり、課税範囲の広い消費税や地方消費税とは異なる性質の税金だというふうに思うのであります。 また、この税は、平成四年度で千五百億円余りの税収があり、自主財源に乏しい都道府県において貴重な財源となっておりますとともに、その一部は御承知のように地元の市町村に交付されるのでございます。特に、観光地所在地の市町村の中には、その交付税が税収の一割に相当する額になっている団体もあるのでございます。また、温泉観光地などは、その地方から言えば全国からの来客に、あるいは外国人の来客に、衛生や清掃面で行政のサービスと別段にしている側面もあるんですね。したがいまして観光税的な側面を有していることも事実だと私は思うんです。 このようなことから、特別地方消費税は地方税として存続すべきではないかと私は思っているんですが、自治大臣のお考えを聞かせてください。
○国務大臣(野中広務君) 特別地方消費税のあり方につきまして、私は今までの税制論議の中でき、きょう初めて委員から深い御理解の御質疑をいただきまして、深い感銘を受けておる次第であります。 もう申し上げるまでもなく、委員御指摘のとおり、平成元年度、抜本的税制改正のときにも特別地方消費税としてそれぞれ認められてきましたわけでございまして、地方の行政の果たす役割を尊重されましてこれが残されたわけでございます。 財源の厳しい府県財政を補うに当たり、あるいはその五分の一が市町村に交付されることによりまして、委員が御指摘のように税全体の一割を占めるような町村もあるわけでございまして、これが財源を担保しないで安易に廃止の議論があるというのは、まことに残念に思うわけでございます。 しかし、私どもも消費税、地方消費税、特別地方消費税と、こういう三つの税の呼称の仕方が果たしていいのかどうか、これは連立与党の税制プロジェクトにおかれましてもそれぞれ抜本的な検討を必要とされておるところでございますので、こういう点の税の呼称のあり方、あるいは率なのか定額なのか、こういう面については十分これから検討を加えていただきまして、ぜひ地方の貴重な財源としてお認めをいただき、お残しをいただきたいと念願をしておる次第であります。
○岩崎昭弥君 持ち時間が少なくなりましたので、取り急いで質問したいと思います。 最後に、残された今後の税制改革の課題を申し上げたいと思うのでございます。 税制改革の中期答申の延長線で今後の税制改革がこれからもずっと当然続くはずです。そこで、所得、消費、資産のバランス論、直間比率の是正論を論拠に、所得税の減免による課税ベースの縮小、それを補てんするための消費税アップという構造が不可避的に定着しかねない方向にあります。志苫先生もそのことに大変触れておられました。 先進諸国に比して著しく低い日本の所得税負担をこれ以上軽減する必要があるのかという問題もあります。景気対策上の減税効果は、乗数効果は〇・五から○・六程度と言われておりますが、この計量をきちんと行うなど安易な減税志向を改めて、仮に減税を実施する場合も、所得税自体の課税ベースの拡大とともに利子・キャピタルゲイン課税強化による所得課税の総合課税化の方向等が要求されると思うのであります。 我が国は、総合課税化された所得課税をこれからは基幹税に据えて、資産課税と消費課税をあくまで補完税として税体系をつくるタックスミックス型の税体系を中長期的に維持確立していく必要があるのではないかと私は思うのであります。 項目として申し上げますと、一つは引き続く消費税の改革、そして益税の完全解消、これをやってもらいたい。 二番目に、利子・キャピタルゲイン課税の総合課税化は、政府税調の答申にもありますので、これも重要課題だというふうに思います。 三番目に、相続・贈与税の適正強化。 四番目に、赤字法人の課税、法人税法上の特例措置の見直しなど、法人税のあり方も十分検討いただきたいと思います。 五番目に、租税特別措置法上の不公平税制の是正でございます。 六番目に、社会保険料負担とそれから税負担のあり方を、これは国レベルで十分に検討をいただきたい、そういうことを要求したいと思うんです。 御答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(武村正義君) 今、六点でございましたか、今後の真剣な論議の対象といいますか、改革の項目としてお挙げになりました。それぞれいずれも税制全体の中で真剣な論議をしなければならないテーマであると思っております。御指摘の点を真剣に受けとめさせていただきたいと存じます。
○岩崎昭弥君 終わります。
○山口哲夫君 村山総理、APECの会議、大変御苦労さまでございました。お疲れだと思いますけれども、早朝から委員会に御出席をいただいて感謝をいたしております。 さて、今回の税制改革の中で、国民が一番不満に思っているところは何かと言えば、やはり消費税率三%を五%に上げたということではないかと思います。しかも、総理大臣が社会党の委員長でございますから、社会党は消費税率を上げることについては反対してきたではないかというようなことで、大変不満の声も多いわけであります。 しかし、連立政権でありますから、それは社会党の考え方だけが、あるいは各党の一党だけの考え方が通るものでないことも、これは国民も理解はしていると思います。自民党、新党さきがけ、社会党の三党が真剣にこの問題を論議して、その結果いろいろと譲るべきところは譲って、そしてでき上がったのが今回の三%を五%に上げるという結果ではなかったかと思います。 それにしても、やはり国民においてはどうしても納得できないというようなこともあるんではないかと思いますけれども、そういう国民の意見の上に立って、今回の税法の改正の中で、所得税法及び消費税法の附則二十五条にいわゆる検討、見直し条項というのがつくられました。それから地方税法等の改正の中でも、やはり附則十二条で見直し条項、検討をするということがあります。すなわち、これから二年後、平成八年の九月三十日までにいろいろと検討を加える。租税特別措置法を改正できないかどうか、いろんなことを考えながら、その上に立って税率の見直しを二年後に考えようということでございますので、その点に絞って、四点にわたって質問をしてみたい、こう思っております。 まず第一に、自治大臣にお尋ねいたしますけれども、一番やはり国民が税に対して関心を持っているのは、いかに公平性を確保しているかということだと思います。総理は先ほどの御答弁の中で、一番大事なことは公平性であり中立性であるというお答えをいただきました。全くそのとおりだと思います。そういう点では、やはり国民は、高い税率になっても、しかしこれだけ不公平を是正してくれたということであれば納得していただけるんではないだろうか。今の税制を見ていると、残念ながら不公平な問題が余りにも多過ぎる、そう思うわけでありまして、そういうものを真剣にこれから一つ一つ公平性に切りかえていくような努力をすることだと思うんです。 そこで、租税特別措置法の問題でありますけれども、私も長年この問題に取り組んできたけれども残念ながら歴代の内閣では余り取り上げてもらえませんでしたが、村山内閣になって真っ先にこの租税特別措置法の全面改正を言い出したのが野中自治大臣でありました。大変私は拍手を送ったものであります。 そこで、今具体的に自治省に対して指示もしてこの見直しを検討しているということでありますけれども、簡単で結構でございますので、自治大臣の決意のほど、そしてどの程度進んでいるか、それについて御説明をいただきたいと思います。
○国務大臣(野中広務君) 委員御指摘のとおりに、また先ほど総理も申し上げましたように、税はあくまで公正、公平かつ申立てなければならないと考えておるのでございます。特に今回のように国民に新たなる負担を求めます場合には、初めに増税ありきじゃなしに、大胆に現在の租税特別措置あるいは地方税におきます非課税等の特別措置を見直していくべきであると私は考え、年来の主張としてきておるわけでございます。また、委員が御指摘になりましたように、年来私どもそう考えながらも、その年々の党税調におきましては、むなしく拡大をされ新規採択されていくことを一人の政治家としてむなしい、悲しい思いで見てまいった次第でございます。 それだけに、今回、連立与党のこの枠組みの中で、ぜひ大胆な租税特別措置の見直しや、あるいは地方税におきます非課税の特別措置の見直しか例外なく、そして根本的に見直されなくてはなりませんし、既にもう政策目的を達したようなものも散見をされるわけでございますので、今、それぞれ連立与党の税制プロジェクトにおきましても、先ほど申し上げましたように、大綱に基づいて例外なくこれを見直そうという方針でせっかく御努力をいただいておるところでございますので、その成果が得られますよう私ども心から期待をしておるところでございます。
○山口哲夫君 自治省が先頭を切ってこの租税特別措置の見直しをぜひひとつやっていただきたい。そして、少しでも税源、財源を確保できるようにしていただきたいということを強く期待しておきたいと思います。 そこで、次に見直しの問題で、先ほど志苫議員からもお話がありましたけれども、税制調査会の答申の中で、利子所得あるいは株の譲渡所得とかそういったものを総合課税にするべきだという、そういった答申が出ているわけです。少なくともそういう税制調査会の答申が出ているのに、それを踏まえて二十一世紀初頭なんというまるっきり随分先の話をしている時代ではないと思うんですね。 私も随分細かく検討してみました。数字を相当たたいてたたいて、こんなにきついのではどうかと思うくらい、大蔵省と議論しても絶対にこれは負けないくらいのかたい数字で出した数字で、これは総合課税にしますと国税で一兆六千八百十一億です。地方税で一兆五千六百八十三億です。これだけ大きな財源になるわけです。 総理が先ほどの答弁の中で、利子に課税をし過ぎると株に動くというようなお話もありましたけれども、株の方もやはり同じようにそういう総合課税制度をとればいいわけでして、そういうすべての税制をきちっと改正する中でやっぱりこの総合課税だけはやるべきだと思うんです。二年間の見直し期間があるわけですから、その中で政府としては少なくとも検討する責任はあるんじゃないんですか。大蔵大臣、どうですか、二年間の中で検討してみる余地もないんですか。
○国務大臣(武村正義君) 私どもは、見直し条項の検討項目というよりは、それ以前からある大変大事な税制改革のテーマとしてこの問題を見詰めてきているわけであります。そういう意味では検討もいたしておりますし、既に大蔵省も関係省庁と勉強の会も公式につくって、厚生省、自治省等と勉強を始めているところでございまして、検討はしているというふうに御認識をいただきたいと存じます。 もう今さらここで申し上げませんが、政府税調は時期までは明示をしませんでした。むしろ、この三党の議論の中では二十一世紀初頭という、明確ではありませんけれども一応やっとそこまで目標を設定したということは半歩前進だと思っておりますし、たびたび申し上げておりますような、住民基本台帳の番号制とか年金番号制でもそんなに長い時間を要するテーマではありません。かなり真剣にそれぞれ議論がされているテーマでございまして、それぞれここ二、三年か数年以内に具体化しそうなテーマだと認識をしておりまして、そのときがチャンスだと、納税者番号制の問題と総合課税の問題に取り組めるということから二十一世紀初頭というふうなそれなりの目標を掲げたわけでございます。 ただ、一般論であえて申し上げるとなんでございますが、例えば利子、株式配当等になりますと、税の議論としては、決してこれは私は水をかける意味で申し上げるのじゃありませんが、所得を得たときに所得税を払った、税を払った後の所得で預金している、あるいは株式投資をしている、それに課税する場合は一般の所得とは違ったシステムがあっていいのではないかという理論がございます。これが包括所得課税論あるいは分類所得課税論、最適課税論という、学者の中で随分真剣に論議が今日までも闘わされております。それからもう一つは、最近国際化がどんどん進んでおりますから、やはり世界とのにらみといいますか、そこを考えませんと、日本である分野でうんと厳しい課税をいたしますと海外にシフトするという、いわゆる租税回避の動きがどう出るのか、その辺もやはりきっちり見詰める必要がございます。 もちろん、総合課税による、払う側もいただく側も徴税コスト、納税コストの問題もございます。今回改正の対象になりました所得税の累進税率の問題も、最高税率は五〇%でとめ置いておりますが、総合課税になりますと、これは金持ちだからいいじゃないか、利子であろうと何であろうとどんどん同じ率ていいだろうという議論もあるかもしれませんが、このときには一体それでいいのかどうかという所得税のいわば税率の論議も出てこようかと思います。 あえて消極的に水をかける意味で申し上げているわけではありませんが、ぜひ総合課税を進めて保いくためには、こういう幾つかのテーマをきちっと論議をしながら乗り越えていかなければならないというふうに思っております。
○山口哲夫君 今お話のあったような分離課税論とかそういうものは一応クリアをして、その上で税制調査会としても総合課税制度というものを考えるべきであるというそういう方針を出してきているわけですから、私はそういう一部学者もおることは存じておりますけれども、そういうものは超越した上でやはりもう総合課税化に踏み込んでいかなければならないという世論にもなっているし、そういう時代でもあろうというように考えております。 今のお話ですと、二、三年あるいは数年の間には何とかやる方向で検討していかなきゃならないような御答弁もありましたけれども、とにかく二十一世紀初頭なんということになりますともうこれは村山内閣なんかないでしょうから、少なくとも村山内閣の間にこの問題に真剣に取り組んでいただくということでぜひひとつ頑張っていただきたいというように思います。 次は、脱税の問題に絡みまして、国税職員の増員の問題でございます。 実は、本年の三月二十九日、参議院の大蔵委員会の租税特別措置法の一部を改正する法律案の審議の際に附帯決議が出ております。 その附帯決議は何かといえば、税務の業務量に見合った職員、税務職員をきちっと確保しなさいという附帯決議があるんです。これはもうしょっちゅう出ているんです。要するに、税務職員をもっとふやして、そして脱税なりそういうものをなくするようにやりなさいということだと思うのです。 今どのくらい税務調査をやっているかということを調べてみました。御案内だと思いますけれども国税の時効というのは七年です。ということは、七年間に一回は税務調査をしないと、七年過ぎてしまうともう脱税してあっても無効になってしまうわけです。ですから、きちっとした税務調査をやりなさいということになるわけです。七年間に一回やるということになりますと、一年間に一四・三%の税務調査をやらなければいけないんです。 ところが、今どのぐらいやっているかというと、所得税は八・三%。しかしこれは表の数字であって、電話でもって調査をしたやつも全部入っているんで、実際に調べたのは二%くらいだと言われているんです。そうすると、二%というと五十年に一回しか税務調査をやらなくていいということになるわけです。 それから法人関係はどうかというと、六・八%です。これも限定調査と言いまして、売上額だけを調べる。仕入れ額だけを調べる。こんなの税務調査にならないですよ。そういうことをやって六・八%やったという数字は出ているんです、国税庁では。しかし、十五年に一回しかこれはやってないということになるわけです。そうすると、もう半分以上の人たちは脱税をやっていてもそのまま時効になってしまうという結果になるわけです。 これは、譲渡税では二・七%ですから三十七年に一回しかやられていない。相続税は六・五%しかやられていない。 なぜこんなに税務調査をきちっとやらないのかということなんですけれども、調べてみたらなるほどこういうところに原因があるようです。職員一人当たりの所得申告納税者数は一一一・一%、昭和五十七年に比較して平成四年で一一%もふえているんです。それから法人税が一三%ふえている。源泉徴収義務者に至っては九七%もふえている。相続税は六五%ふえている。譲渡所得は三一%ふえている。こんなにふえているのに税務職員はどのぐらいふえているのかと思ったら、わずかに六%しかふえていないんです。これでは毎年脱税者がふえる一方です。 それで、脱税というのは一体どのぐらいあるのかなと思っていろいろと調べてみました。そうすると、調査是認というのがあるんですが、税務調査をやってこれは是認できる、正しかったというのは五%くらいだそうですね。ですから、残念ながら九五%は脱税をやっているということになるわけです。 そういうことを考えたら、行政改革というのは公務員の数を減らすだけが行政改革じゃないんです。やはりこういう不公平な納得できないような行政をもっと国民が納得できるように公平に行政をやっていく、そのための職員を必要とするならば職員をふやすということが必要でないかと思うんです。そういう考えについていかがですか。
○国務大臣(武村正義君) 大蔵大臣にとりましては大変ありがたい激励をちょうだいいたしました。 必ずしも納税の額に比例してスタッフをふやす必要はないのかもしれませんが、それにしましても、税制改革もたびたびでございますし、そんな中で五万六千数百名の国税庁のスタッフでありますが、いろいろな指標から見ましても大変よく頑張っているというふうに思っております。 全体の行政改革の姿勢が貫かれてきておりまして、御承知のように総定員法で枠を抑え、政府全体としてはふやさないという方針を貫いております。まだ毎年少しずつ国家公務員の数は減らす努力をしております。そういう厳しい定数に対する基本方針の枠の中でございますが、総枠はふやさない、やや減らすという方針の中で、ほかの省庁あるいはほかの事務との関係でやりくりをしながら少しずつ国税職員をふやしていただいているという状況でございます。そういう中でございますが、先生の激励をありがたく受けとめさせていただきます。
○山口哲夫君 やっぱり総理の決意をお聞きしなきゃならないと思うんです。 賦課関係、税をかけたり、それからいろいろと税務調査をやる職員というのは三万七千人いるんです。それでどのくらい一年間で脱税を挙げてきたかというと、一兆三千億円も脱税をちゃんと挙げているんですよ。職員一人で三千五百万の脱税を挙げたことになるわけですね。それで、人件費とかそういうものを引いていきますと、大体一千人ふやせば三百億くらいはふやせる、それから一万人ふやせば三千億くらいという、これは計算上そうなるわけです。 これは、脱税が余りにも多過ぎるから、さっき言ったように九五%くらいは脱税しているだろうというふうなことがはっきり今まで調査の中で言われているわけですから、そういうことを考えると、やっぱり行政の欠陥だけは埋めていかなければならないと思うんです保よ。一年間に百人や百五十人ふやしたからといって、これはもう全然だめですね。 ですから、国民がとにかく納得できるような税制をやってもらいたい。隣の人もちゃんと税金を納めている、だから私も払いましょうと口しかし、隣の人は随分もうけているようだけれども税金全然払っていない、企業でもそういうのあるわけでしょう、これではやっぱり納得できないと思うんです。そういう税の公平さというものをきちっと確保することが、国民に対して税に対する公平感、信頼感を与えるものだと思うんです。 そういう点で、税務職員もふやすときにはきちっとふやして、総定員法のあることは知っていますけれども、そんなことを考えていたら税の公平性というのを確保できないんですから、どうかひとつそういう考え方に立って一度御検討をいただきたい。決意のほどをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(村山富市君) 国民の経済活動が拡大している割合に税を捕捉する税務職員の数が少な過ぎるという御配慮のある御発言に対しましては、心から敬意を表したいと思うんです。ただ、国民は脱税するものだということを前提に物を考えるわけにはいかないので、そこのところは少し若干情勢の認識が違うところがあるんじゃないかと思うんですけれども。 ただ、税務に携わっている職員の皆さんもふだんからいろんな調査をやっているわけです。調査をやっておって、そしてここはどうも危ないと、そういう可能性があるんではないかというようなところを目星をつけて、そして税務調査に入るというようなこともやられておるんではないかというように思いますから、まんべんなくすべての事業体に対して計画的に税務調査をするというようなことにはなっていないんじゃないか、こういう気もいたします。 しかし、いずれにいたしましても、税金を正しくまじめに納めている者もあれば、あるいは節税をしたり、あるいは脱税をしたりして安穏にしている人もあるというようなことは社会的公正を欠くわけですから、そういうことのないようにやっていく必要があるということは委員御指摘のとおりだと思います。 さっき大蔵大臣からも御答弁がございましたように、総定員法があって、一方では公務員が多過ぎるから減らせ、減らせという声もあるわけです。したがって、総体的には減らしていく。しかし、事業の必要に応じて再配分もしながら効率的に効果の上がるような職員配置でもって仕事をしてもらうということは大事なことだと思いますから、議員御指摘のような点も十分踏まえて見直しをし、検討させていただきたいというふうに思います。
○山口哲夫君 終わります。
○野末陳平君 消費税率の引き上げは、これは行財政改革あるいは不公平税制の是正などが前提であるというような話は一時かなり勢いよくありまして、今でももちろんありますが少し勢いが衰えたような感じですから、ここでもう少しハッパをかけようと思うんですがね。 この不公平税制ですけれども、今も質問に出ましたが、総理もかねてからこれはおっしゃっていたわけで、いわゆる不公平税制というのはこの時点であるのかないのか。不公平の中身、いろいろ違いますが、いわゆる不公平税制はあるのかないのか。あるとすれば何と何が不公平で、今後是正しなきゃいけないという総理の認識をまずお聞きしたい。
○国務大臣(村山富市君) 不公平というものに対する理解と認識はそれぞれ逢いがあるかとは思いますけれども、私は、先ほど来議論になっていますように、例えば消費税を考えた場合に、税というものはその能力に応じて負担をしてもらうものだと、いわゆる応能負担の原則ですね、という点から考えてまいりますと、消費税というのは金のある者もない者も物を買えば同じ税金を負担する。百円を負担するにしても、ある者が負担する百円とない者が負担する百円とは税の重みが違うというような意味で不公平があるということもあると思いまするしね。 それから、課税の仕方に対して、例えば租税特別措置法とか、あるいはさっき議論になっておりました利子の分離課税とか株の譲渡益課税とかというようなものについては、一生懸命汗を流して働いて得ている所得に対しては税率が高いと、しかし、不労所得と言われるようなものに対する税率が低過ぎるじゃないかと、こういう意味の不公平というものも私はやっぱり存在しているんではないかというふうに思いますから、いろんな角度から点検をして、そうした不公正ができるだけ是正されるようなことにつきましては、ふだんから見直しをしながら検討し、直していく必要がある問題であるというふうに認識をいたしております。
○野末陳平君 そういう納税者の気持ちに反するような不公平もありますし、それから税制そのものにもあるかもしれませんが、今のようないわゆる不公平な税制を直していくことで財源に結びつくというそういう認識はおありですか。
○国務大臣(武村正義君) ございます。
○野末陳平君 それだったら、大蔵大臣、何を直せばどのくらいの財源に結びつくんですか。
○国務大臣(武村正義君) 私は不公平税制と言われるもの全体を数字で掌握はできておりません。 御承知のように、いわゆる租税特別措置という分野がございますね。それから利子、譲渡益課税の分野についても不公平という論議がございます。そういうことも含めて、先ほど来議論のありますようないわゆる総合課税とか納税者番号制という論議も出てきているというふうに認識をいたしております。
○野末陳平君 計量的に幾らというようなそんな話はすぐできるわけもありませんので、大蔵大臣のお答えはそれで結構なんですが、しかし、今お話しになった総合課税の問題とか租税特別措置、これはやはり財源に必ず結びつくんですね。しかし、すぐにはできないという面もありますから、さっきも質問に出ましたが、これらも含めてこれから質問していきます。 今まで一般の納税者が一番不公平税制と言っていたのは、幾つかありますが、医師優遇税制なんというのもありますね。これはどうでしょうか、かなり是正されてきたんですが、この時点で医師優遇税制というのは不公平の名に値して是正すべきと考えるかどうか、大蔵大臣。
○国務大臣(武村正義君) 個々の措置に対して、今ここで私が価値判断をさせていただくことを避けさせていただきたい。 先ほど総理に対する御質問も、不公平税制はあるのかという御質問もございましたし、これはやはり納税者の多くがそう感じているものを私どもは優先的に取り上げて論議をしていかなければいけないというふうに思っている次第であります。 医師優遇税制については、長年の沿革がございますし、これも累次改正が行われてだんだん厳しくされてきているところでございまして、今の時点でこれが是か非か、議論は十分にさせていただかなければならないというふうに思っております。
○野末陳平君 いや、大蔵大臣、ちょっと認識が違うんで、消費税率を上げるというこの税制改革の前提のような位置づけで不公平税制が論じられたり、行財政改革は当然のことですが、これ不公平税制というのは今回それほど時間をかけ熱心には余り議論されていないように思うので、ここでやらなきゃいけないんです。だから、医師優遇税制七二%まだ残っていると。この残っているのが不公平なのか、これは是正せずにこのままいくのが医療制度のあり方全体から見ていいのか、このぐらいは今言わなきゃだめですよ。
○国務大臣(武村正義君) 私どもは、租税特別措置も二百を超える項目がございまして、最終的にどういう結論になるにしろ、一つ一つこの時期に精査をし、論議をしていこうという考え方でございます。 今医師優遇税制について問われているわけでございますが、不公平かどうかここで私が明確に答えれば、もうすぐにこれは廃止とか是正という結論が出てしまうわけでありますから、それほど単純なものではありません。そのことを政府・与党側としては、この見直し条項を基本にしながら、再来年の九月いっぱいまでにきちっと取り組んでいこうということであります。
○野末陳平君 今まだ不公平税制と国民の間に、納税者の間にそういう声があること自体を政治としてはとっくに解決していかなければならなかったんで、まだまだ解決すべき課題はありますが、医師の問題もここでは本当は何らかの結論めいたものを言わなきゃいけないんですよ。まあ、それはいいですけれどもね。 じゃ、法人の課税ベースを拡大するような、いろいろ引当金の問題とか、法人税法の中の話ですが、これはどうしますか。
○国務大臣(武村正義君) 法人税につきましては、たびたびお答えを申し上げておりますように、課税ベースをむしろ広げていきたい、そのことの結果として法人税率は下げる方向で論議をしていく必要があるという認識でございます。 この引当金の諸制度は、もう御承知のように、いわゆる租税特別措置という扱いにはなっておりません。そのことも認識した上で、あえて法人税の今後のあり方の中で議論の対象にしていきたいという考えでございます。
○野末陳平君 法人税のことも後で時間があれば聞きたいので、もちろんきょうだけじゃありませんけれども、課税ベースの問題はそちらに入れ、租特の中ではもちろん聞きませんがね。 それから、租特の中で言うなら、これは新しい不公平かどうかを議論すべきテーマだと思うんですが、いわゆるお年寄りのマル優ですが、あれもここ数年のいろいろな様子から、果たして今のような枠が本当に必要であるか、かなり豊かになり過ぎたお年寄りにもその枠を認めることがいいのかどうかと、こういう議論が徐々に出てきましたよ。さて、これについてはどうですか。
○国務大臣(村山富市君) マル優制度の今の現状に対して、今御指摘がありましたように、もう相当年金制度もここ充実をされてきておることだし、そういう優遇をする必要はないんではないかという意見もある反面、退職金を預金して、そして退職金の利子の加算されていくことを楽しみに年金で暮らしをしているというような方もある。 そういう場合に、一方的に景気の動向によって金利が下げられると、そうするとせっかく頼りにした利子が下がるというようなことに対して、これはもう全く困ったものだと言って不満を漏らすお年寄りもおられるというようなこともございまして、両面からいろんな意見があるので、今のこの優遇税制の額が妥当かどうかというようなことについても、そういういろんな面からやっぱり検討してみなければなかなか結論が出しにくいんではないかというように思いますので、これは不断にやっぱりそういう公平を期すという意味で検討をする必要がある問題ではあるという認識は持っております。
○野末陳平君 自分の意見も言わなきゃいけませんからね。今の枠は妥当だと思います。それは豊かな老人もいる、それから所得の高い人もいるが、それは総合課税という問題の方がむしろ大事であって、枠の拡大はともかく、縮小は必要ないと思うんです。 なぜこれを言い出したかというと、これが不公平であるという声が一部に出てきて、新聞を見たら、大蔵大臣が枠の縮小、縮減というかそれをやるような、そういうことをどこかの委員会でおっしゃったように聞いたので、それ誤報であれば問題ないんですが、どうですか。
○国務大臣(武村正義君) 私は、枠を引き下げるといいますか、圧縮するようなことに何らかの感触を持った答弁をしたわけではありません。 ただ、少し申し上げたのは、与党の中でも来年の税制改革、改定をめぐってもこの租特の問題は議論が始まっておりますが、私たちの党内でもそうですが、杯そのものはそのままにするにしましても、いわゆる所得制限を設けることは一度真剣に議論してみてもいいんではないかというふうな主張がございました。そのことは、そういう主張もあるということを御紹介いたしたわけであります。
○野末陳平君 それから、消費税の話が出ていますが、消費税のあり方をいろいろ今回も変えて私などが考えていた線にかなり近くなっていますが、やっぱり一つだけ、三千万円の非課税のあそこね、これは諸外国に比べてもかなり甘いというか優遇し過ぎであって、これについては疑問なんですよ。 ちょっと大蔵省に聞きたいんだけれども、三千万円は日本だ、しかしよその国では消費税の非課税のラインを大体、大ざっぱでいいんですがどのくらいに引いているのか、ちょっと説明してくれる。
○政府委員(小川是君) 最近の時点で申し上げますと、日本の事業者免税点が三千万円以下に対しまして、イギリスでは四万五千ポンドと申しますから約七百万円ちょっと、それからドイツにおきましては当年の売り上げが十万マルクと申しますから約六百三十万円ぐらい、フランスの場合には十万フランと申しますので百八十万円ぐらい、なおECの指令に続きましては、五千ECUという単位だそうなんてすが、日本円に直しますと約六十一万円、これ以下のものが事業者として免税になっているということでございます。野末陳平君 制度も歴史も違いますから、単純な横並びで比較するわけじゃないですよ。しかし、やはり一千万円以下が普通ですよ。まあ税率も違いますけれども。 そこで、今回三千万の非課税という免税枠が認められているけれども、これはいろいろ益税を発生する要因はあるけれども、これもそう思われているという意味では、買い物をする消費者に一番わかりやすいというか、密着している部分でもあるんです。ですから、益税のシンボルであるかのごときこれを見送るというのはよくない。三千万で、事業者数がどうと分けてやっていますが、あの考え方は甘過ぎますよ。せめて二千万円ぐらいに今回すべきであり、これが妥当な線ですよ。本当はもっと下でもいいと思いますよ、比較では。しかし、それは何といったって事情がいろいろある。ですから、総理、二千万ぐらいにすべきですよ。どうです。
○国務大臣(村山富市君) 今回の税制改革をするに当たりまして、三党の税制プロジェクトの中では、言われる今の消費税の持っておる欠陥についてどう是正するかというのであらゆる角度から真剣な議論をされてきたと聞いております。 その中で、今御指摘のございました三千万円になっておる免税点、これを引き下げるべきかどうするべきかというのでいろんな意見も聞いたり調査もしたらしいんですけれども、それは俗に言われるように益税として残っておる方もあるかもしれない。しかし、二人か三人ぐらいの家族で商売しておって、そして隣近所の奥さんが買いにくる。もう私のところは消費税なんかかけられぬ。周囲を見たら大きな店があって、そっちの方にお客をとられるというので、私の店は消費税はかけていませんからどうぞ買ってくださいというような形で商売している者もある。しかし、自分のところが仕入れるものについては全部消費税を負担しているというような実態もあったりなんかいろいろするわけです。 そうしたものを総合的に判断した場合に、仮に三千万円の売り上げがあって、どの程度のマージンがあるか知りませんけれども、仮に一割あるとすればこれは三百万円ぐらいしかないわけですから、そういう方々に対して煩雑な事務をかけたりなんかするのもちょっと気の毒だなと、こういう配慮もあったりして据え置かれたんだと私は思いますけれども、全然検討しなかったわけではなくて、今御指摘のあったような面についてはいろいろな角度からも検討し、実態も調査して、今回は見送ろうと、こういう合意に達したというふうに聞いておりますので、その点については御理解をいただきたい。 しかし、これは公平ということが一番大事ですから、これからも不断に検討されなきゃならぬ問題だというふうには認識をいたしておることだけは申し上げておきたいと思います。
○野末陳平君 余り個別事情にこだわりながら税制を考えるのもどうかなという、それには限界がありますから、一応意見だけ言っておきますね。 こればかり言っていると時間もなくなっちゃうので、大蔵大臣、さっきいわゆる不公平税制の是正、いわゆるですよ、いろいろな不公平がありますから、情緒的な不公平まで含めてありますから、それから捕捉率の問題とか広いんですが、いわゆる不公平税制を是正することによって、財源に結びつくとおっしゃった以上、これをやはりやってもらいたい。というのは、これからはお金がたくさん要る。何かというと結局消費税になっちゃうんですね。先ほどそういう質問もありましたけれども。やはり消費税以外の財源を政府が行財政改革でつくった、不公平税制の是正でつくった、これをきちっとすることがやはり今回消費税を国民に理解してもらう一番大きな理由になると思うんですね。それは大丈夫ですね。 それから同時に、もうこれは自治大臣に聞きませんよ、自治大臣は租特に対しての強い意欲を示されたが、これは自治大臣がやる話じゃないから、やはり大蔵大臣のところできちっと仕上げなきゃならない。これも含めて。
○国務大臣(武村正義君) 御指摘いただいたような考え方に立ちまして、政府としましても真剣に対応をさせていただきます。見直し規定による見直し、租税特別措置等の見直しという取り組みと、来年の税制改正の中で何をやるかという見直しと、段階的にはある意味では二段階になりますけれども、真剣にこの問題については論議を重ねながら措置をとっていきたいと思っております。
○野末陳平君 前回は、行財政改革を何とでも断行してもらって、そこからもかなりのお金を出してほしいということを予算委員会でお願いした。不公平税制の是正もそういう線で努力していただけるというので信用していますけれどもね。 法人税、さっき出ましたので、続きを言いますけれども、法人税ですね、今のレベルが高いというのは大蔵大臣もおっしゃったんですが、もう高いと言って澄ましていられない。空洞化の原因の一つにもこれがあったので、これは何年も前から言われていますがね、日本の法人税率の高さは。基本税率も高い、実効税率も高い。そこで、このままの高率では経済にマイナスであって、これはやはりここらで何か近い将来に手を打たなきゃならぬ、こういう気がしますが、どうですか。
○国務大臣(武村正義君) 先ほども申し上げましたが、この問題につきましては今後の税制改正の大きなテーマの一つだというふうに認識をいたしております。日本とドイツが一番高いという状況だったかと思います。これは国税だけでなしに各国の地方法人税を足して比較すると、もう六〇%近い率になります。やはり税制の国際化といいますか、企業の空洞化、海外へのシフトがだんだん進んできている中で、これは日本経済を守っていくためにも見過ごせない大事なテーマだという認識でおります。
○野末陳平君 まさに日本経済の問題なんですね。ですから法人税の減税ということは、一方で課税ベースの拡大などがあるとしても、やはりほっておけない。極端に言うと、平成九年に消費税を上げる、それまでには何らかの手を打ちたいが、そうなると財源問題も出てくるから、そう簡単じゃないから、これはやれやれと無責任なハッパかけませんよ。しかし、非常に重要な課題であるということだけは言っておきたい。 さあそこで、今までのそういう経済問題、そこへ出てきたのが年金問題なんですよ。この年金問題はいろんな角度から論じられますが、法人との絡みで言いますと、これは御承知のとおりで、このまま料率が上がっていきますと個人も法人もきついですよ。個人だって大変なきつさで、今やもう所得税、住民税の源泉徴収税額よりもはるかにこちらの社会保障の負担の方が大きいんですからね。となると、このまま上がっていった場合、法人は、これは年金の料率からいって折半ですから、法人としては人件費の一種ですから、この年金料率の上昇による負担を個人も含めて法人が負担できるか、し切れるかどうかというこういう問題が出ているんですが、どう考えますか、総理。総理ですよ、これは。
○国務大臣(村山富市君) 年金というのは、これは申し上げるまでもないんですけれども、もう国民皆年金で相当普及をいたしておりまして、どの階層の人にいたしましても、老後にはこれだけの年金があるからということが唯一のよりどころになっておるというように、もう年金制度は確立をされてきていると私は思っています。 その年金の給付水準をどの程度に維持することがいいのかというその水準の持ち方と、その水準を維持するために租税負担でどの程度賄ってもらう、保険料負担でどの程度賄ってもらうことが一番いいのか。これは行革審の答申なんかによりますと、国民負担は五〇%以下におさめるようにしてほしい、こういう答申もいただいておりますから、可能な限り五〇%以下に抑えたいという方向で、今努力もいたしておりまするけれども、そういうものだったと私は思うんです。 そこで、今御指摘のように、厚生年金等の場合には労使が折半で負担をするという仕組みになっておりますけれども、一方今度は労働組合の側から言わせますと、折半負担でなくて経営者の負担をもっとふやしてくれ、こういう要求もあるような状況でございます。しかし、それは簡単にいくものではなくて、今の五、五で負担し合うことが一番妥当なのではないかというふうに思っております。法人が負担をするその半分の負担がこれから過重になって、税と保険負担が非常に経営を圧迫して苦しくなってきている、こういう実態があるとするならば、その実態に見合った形で負担をしていただく。そのかわりに給付水準の方をどのように直していくかというようなことに連動してくるものですから、両にらみで考えていかなきゃならぬ問題だというふうに私は考えております。
○野末陳平君 まさに、個人もそうですが、法人の負担もこれはきつくなると。これは想像じゃなくて実際の数字で出てきますからね。となると、やはり国庫負担率というのは真剣に考えなきゃならぬなこう思ってるんです。ただその場合も、例えば今の三分の一を幾つに上げるか。やはり財源というものが必要になってきますよね。その財源がまた消費税だとなるわけです。だから、一部では年金のための消費税という容認説もあるけれども、そう簡単に言っていいかどうか。さっきの、すべての道が消費税に通ずるということになっても安易だと思うんです。だけれども、やはりこれは法人にとっても個人にとっても国庫負担の問題は非常に大きい。大事だ。 そこで、総理に聞きたいんだけれども、総理はかつて本会議でもそういう御答弁なさいましたけれども、国庫負担率をおっしゃったでしょう、国庫負担率は二分の一に引き上げるという主張をなさった。あのときは頭にどういう財源を描いていたんですか。
○国務大臣(村山富市君) 私はずっと社労で年金問題なんか担当してまいりましたから、今の国民年金の実態を考えた場合、これは市町村あたりの窓口で国民年金に携わっている職員の皆さんの意見を聞いてみますと、もう何とか保険料をつないでほしいということで精いっぱいです、もうこれだけ保険料が上がったら、二十五年も掛けて、六十五歳からこの程度の年金では楽しみがないから私はもういいということで、掛け捨てにするような方がだんだんふえてくる。こういう現状を見ていますと、このままやっぱり国民年金基礎年金を維持していくことは無理が出てくるのではないか、基礎から崩れていくのではないか、こういう心配があるものですから、できるだけ国民に最低の保障をするという意味で、基礎年金ぐらいは可能な限り国が負担をして国民の最低生活を賄うという考え方があってもいいんではないかというので、二分の一ぐらいにしたらどうかという意見は申し上げました。 その二分の一にしたらどうかという意見のときは、私は、こういう国民年金の現状ですから、国民すべてにこれだけのものは最低保障します、そのためにはこれだけの金がかかるんですから、このかかる金にこの税金は使います、こう言ってはっきり使途を明確にして皆さん方に負担を求めていけば国民の皆さんも納得してもらえるのではないだろうか、そんな意味ではそのための目的税を設定してもいいんではないかというぐらいの考え方でおったことは、私も正直に申し上げますけれども、そういうことでございました。 しかし、これはだんだん人口もふえていきますし、基礎年金の額というのは膨らんでいくわけですから、そうしますと、この金が足りなくなるとまたその目的税を上げなきゃならぬというので、イタチごっこで税金が上がっていく。こういう状況を想定してまいりますと、これもちょっと困ったものだな、こういう気持ちがいたしておりますから、そこらはもう少し総合的に判断をして、いい結論を見出していくことが必要ではないか、こういう今心境であります。
○野末陳平君 ですから、野党にいると無責任と言えるけれども、そういうことも考えられるし言えるんですよ。政権につくとそう簡単じゃなくなるという、そういうジレンマというか苦しい胸の内だ。年金目的税という考えもなくはないけれども、半端じゃないんですよ、国庫負担率を引き上げることは。あなた政権についてからわかったでしょう。その前は好きなことを言っていたわけだ。 だから、そういう立場の変化で政策を変えるわけにいかないから、私も国庫負担率を引き上げることは大事なテーマだと。財源その他を考えると大変で簡単じゃないが、しかし法人だけに限って言うと、法人が果たして折半で今後十年二十年後までこの年金の料率にたえていけるかどうかを考えると、つらいから、やはりここらで減税ということは至急、その年金の面から見ても大事だ。ですから、大蔵大臣、法人税はやはりかなり減税すべきじゃないですか。
○国務大臣(武村正義君) 国民年金基礎年金の法人の負担を考えて、法人税そのものを軽減していくというお話でございました。それも一つの要素になるかもしれませんが、私どももう少し全体として、先ほど申し上げた国際化の中ということも認識をしながらひとつこの問題は議論を進めていきたいと思っております。 先ほどの答弁で、ドイツと日本が一番高いと申し上げたのはそのとおりでございましたが、六〇%近いと申し上げたのは五〇%近いということでありました。国税だけで見ますと、日本、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、比較いたしますとほとんど違わないというか三〇%前半ぐらいで、日本は三三、アメリカ三一、イギリス三三、ドイツ三五、フランス三三。問題は地方の法人事業税ですね、これが日本は一六・五、ドイツも一三。こういうものがございまして、合算すると実効税率としては日本と西ドイツが一番高いという状況であります。
○野末陳平君 地方の事業税が出たから、ついでにそれも触れますよ。 これは事業税をどうするかよりも、先ほど質疑に出ましたけれども、赤字法人でも事業を営む以上は地域の恩恵を受けているので、そこでそれなりの事業税を負担する、こういうようなことから赤字法人への事業税をどうするか。これどうしますか、自治大臣、最後にお聞きします。赤字法人の事業税のあり方を今後どういうふうに考えておられるか。やはりこれは知恵を使って課税ということも当然考えるべきときに来たのではないか。それだけお答えをいただきたい。
○国務大臣(野中広務君) お説のような意見が今与党税調の中でも行われておるところでございまして、そういう意見の合意を待っていきたいと思っております。
○釘宮磐君 新生党の釘宮磐でございます。 大分県から初の総理である村山総理に、与野党立場は違いますけれども、こうして質問の機会が与えられましたこと、大変私自身も感激をいたしております。 きょうはテレビも入っておりますので、今我が会派の野末議員から技術論は質問がありましたので、私は国民の皆さん方がやはりわかりやすい議論を期待していると思いますので、そういった観点から質問をしたいと思いますので、総理にもできるだけ明快に、そして国民にわかりやすく御答弁をいただきたい、このように思います。 五年前の参議院選を思い起こすわけでありますけれども、当時社会党は消費税反対を唱えられて多数の議席を得られたわけであります、きょうこの中にもたくさんおられると思うわけでありますけれども、当時私も自民党の県会議員として総理と相まみえて参議院選を戦ったわけであります。そのときに私は、我々の子や孫に将来ツケを残さないためにも、今直接税に頼っているこの税率を間接税に振り向けるためにも、何とか消費税を導入することを御理解いただきたいということでこの参議院選では訴えてまいりました。結果は、私ども大分県でも自民党候補は惨敗をいたしたわけであります。しかし、私は今でもこの主張は間違っていなかったというふうに思っておるわけであります。 今、その消費税の税率アップを提案する政府の最高責任者としてここに総理がおられるわけでありますが、改めてその御感想を聞かせてください。
○国務大臣(村山富市君) 先ほども答弁の中で申し上げましたけれども、消費税が創設された当時の国の財政の状況やら経済状況あるいはまた国民生活の状況等々、主体的、客観的条件をお互いに勘案し合って、こういう消費税を導入することについては反対であるといって、当時の野党であった社会党、公明党、民社党すべての野党が一致して反対をしてきたわけです。しかし、多数でもってこれはもう法律が成立をして、現に経済行為の中で、国民生活の中で消費税というのは施行されておるわけです。したがって、昨年七月の総選挙の際には、ここに私は公約を持ってきておりますけれども、こういう公約を申し上げたわけです。 国民生活優先の予算を実現するためにも、安 定的な税収確保の体系は不可欠です。資産と所 得の総合課税化をはじめとする抜本的な税制改 革に努めます。また、八八年の制度改正以来ほ とんど手つかずのまま放置されてきたことによ る所得税の実質増税構造の解消や、飲食料品の 非課税化による消費税の逆進性緩和など、国民 的な要望に責任をもって応えられる取り組みを すすめます。こういう党としての全体の選挙公約をしているわけです。 私は、この今読み上げました公約に照らして、昨年七月の総選挙で日本の政治は随分変わってまいりまして、そして今の新生党や公明党等々の皆さんと一緒に連立政権を組むことになったわけです。その連立政権を組んだときのお互いの政策合意事項というのがありますけれども、その合意事項の中には、消費税の改廃を含めて間接税の引き上げ云々という文言が入っておりまして、それをまた今の連立政権もほぼ引き継いだ形で税制改革に取り組んできているわけです。 こういう一連の経過を踏まえていろいろあらゆる角度から検討した結果、この国会に提案をして御審議を願っておりますような税制改革の大綱をつくり上げたということでありますから、そういう経過については御了解をいただきたいというふうに私は思います。
○釘宮磐君 この議論は村山政権ができてからずっと議論されてきたことでありますので、きょうはここでこれ以上詰めるつもりはありませんが、共産党を除くすべての会派がこの消費課税を認められたということでありますから、将来の我が国の高齢化社会を乗り切る税体系を今後いかにするかという意味で、議論をする共通の基盤ができたというふうに私は大変喜ばしいことだと思っております。 したがって、今こそ国民の理解を得ながら本当に真剣になってこの税制改革をやらなきゃならないわけですけれども、私は今回の政府案を見て非常に残念なことがあります。それは、私どもが昨年与党の時代に、ちょうど今ごろだったと思うんですが、税制改革論議を真剣になって行っておりました、その当時は社会党も一緒におったわけでありますけれども。そのときに私は常に、消費税を例えば何%にする、それであれば福祉はどれだけ皆さん方に給付をしますよ、サービスを準備しますよということを明確に出さないと、少なくとも国民はこれについては納得してくれませんよということを言ってまいりました。あわせて行財政改革もやって、そして血を流すことを我々もするんだということも言わなきゃいけないということも言わしていただきました。 しかし今回の政府案を見ますと、結局、これから検討するとか、それから慎重に国民の声に耳を傾けるとか、非常に耳ざわりのいい言葉が続いておるわけで、確かな福祉ビジョンということを示してない。また、行財政改革の明確な姿も出てきてないわけであります。二年後にこれを見直すというようなことを言われておりますけれども、どうもこのこと自体は私は国民は理解ができないのではないのか、そのように思いますが、総理はこれで国民の理解が得られると思いますか。
○国務大臣(村山富市君) 既にゴールドプランというのはもうつくられておるわけです。そのゴールドプランに基づいてこれまでずっと福祉行政政策は推し進めてきているわけです。しかし、改めて各市町村に保健福祉計画をつくっていただいた。それを厚生省が全部集約をいたしまして、それを踏まえた上で改めて新ゴールドプランを作成しよう、こういう段取りになっておるわけです。しかし、新ゴールドプランができるまで福祉政策は進めないのか、やらないのかといえばそうではなくて、これはもう予算にも計上してありますように、不断に必要なものについてはやっていっておるわけです。 ただ私は、極めて残念でありますけれども、政権を預かってからまだ四カ月しかたってないんです。したがって、これまでの政権のやってきたことを引き継ぎながら新ゴールドプランをつくるという計画もありますから、その新ゴールドプランがつくられることを急がせながら、どれだけ医療や年金や福祉、特に介護等に財源が必要なのかということもきちっと計算をした上で、責任を持ってお答えできるような中身のものにする必要があるというので、その程度の期間はやっぱり必要ではないかというので、八年の九月までには結論を出したい、こういうふうに申し上げておるわけであります。 しかし、その間何もしないかといえばそんなことはないので、これは徐々にやっぱり重要度は増してきているわけですから、したがって今度の税制改革の中でも、平成七年度には一千億円、平成八年度には二千億円、そして消費税率を引き上げるときの平成九年には四千億円の老人福祉のための予算を計上していこうという枠も決めて推進をするような配慮もいたしておるわけでありますから、その点についてはよく事情がわかっていただければ私は皆さん方にも御理解がいただけるのではないか、こういうふうに考えています。
○釘宮磐君 総理はそういうふうにおっしゃいますが、国民は必ずしもそういうふうにおっしゃってないと私は思うんです。それは結局、来年は選挙の年ですよ。特に消費税に反対をされた参議院選挙、つまり皆さん改選期でありますから、この人たちが選挙を戦うときに、これ以上税率をアップすれば選挙が戦えないという読みがあるのではないか、こういうふうに読んでいる向きもあるわけです。 今回小選挙区制度が実施をされるわけですけれども、とにかく選挙が終わったら、やれ公共料金の値上げたとか税率アップだとか、そういうような問題がまたぞろ出てくるんじゃなくて、選挙の前にはっきりと我々はこうするんだということを明確に公約をして、それを国民に選択させるという姿に私はしていかなきゃならないと思うんです。 そうなれば、今回の税率アップというのは、ただ直間比率の問題で所得減税をやるということのみで二%という数字を挙げることによって、細川政権で七%という数字が出たために、それよりは値切ったというようなことで選挙をより有利に戦おうというようなことがあるんではないのか。その辺、私は非常にこういった姿というのはこれからの姿としてはよろしくない、このように思います。 したがって、できるだけ早い時期に新制度によってこの税制の問題をそれぞれの立場を明確にして選挙を行うべきだというふうに私は思いますが、どうですか。
○国務大臣(村山富市君) きょうは、この委員会はテレビで放映されて国民の皆さんが見ていますから、私はお互いに議論は議論として国民の皆さんにわかるようにした方がいいというように思うんです。 今、正直に申し上げますと、来年七月に選挙をされる皆様は、前回の選挙のときには今あなたがおっしゃったように消費税反対ということを訴えて当選をされた方がほとんどなんです。そういう改選をされる議員の皆さんのことを考えた場合、ここで消費税率を上げるということは、これは大変厳しいことだということもかみしめながら私どもは考えてまいりました。それは、その方々の心境を考えた場合には、もうこれは選挙はできないよというぐらいの私は心境にはなっておると思います。したがって、言われるように、選挙があるから税率はこの程度にして、選挙が済んだらまた上げるんじゃないかとか、そういう安易な政治的な気持ちでやったものでは決してないということだけは正しく受けとめておいていただきたいと思うんです。 これはいろんな角度から計算をしてみて、ぎりぎりこれだけのことをするにはこれだけの金がかかる、だからこのことは国民の皆さんも御理解がいただけるんではないかということを真剣に議論しながら、そしていろんな団体の皆さんの意見も聞いたりなんかして出した結論であって、そんな安易な政治的な判断でもって決めるようなことは絶対にやったことはない、そんなことはできないということの責任だけは私は明確に申し上げておきたいと思います。
○釘宮磐君 今の総理のお言葉を私は素直に受けとめることはできません。なぜならば、福祉の財源について与党福祉プロジェクトというのは、七月に村山政権ができてからずっと議論をやってきて、例えば福祉の問題については、今それぞれ介護老人を抱えた人たちは大変だということを十分に理解した中で、新ゴールドプランというものについても与党福祉プロジェクトはここにちゃんと報告書を出していますよね。にもかかわらず、ここに「財源のめどが立たず、やむを得ず白紙要求となったところである。」というようなことが書かれてあるわけですよ。 要するに、必要性は認めておるにもかかわらず、やむを得ず白紙要求となった、しかも財源のめどが立たないというようなことを言っているわけです。これは本当に責任ある政治をやるとするならば、私はそこで議論をして明確に出すべきだというふうに思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(武村正義君) 今御指摘の新ゴールドプランは、素案として福祉プロジェクトチームに厚生省が出したものであります。釘宮委員おっしゃっている福祉全体の展望、財源の議論が一番基本であります。新ゴールドプランはその一部ですね。さらに年金問題については、先ほど議論がありましたように、二分の一にするかしないかという選択なんかも大変な議論です。片方、もう一つ医療の問題もございます。そういう全体の議論をしっかり詰めようと。 おっしゃっているように、国民福祉税のときは、それは議論を全然せずにぽんと発表になってしまった。そこはやはり我々は深く反省をすべきだと思います。その後、細川政権、羽田政権と続きましたが、六月に、羽田政権のときに当時の与党の税調が答申を出されておりますが、そんな福祉に対して数字の面からきちっと締まった答申は出されておりませんし、税率についてもそこは答申全体はぼけております。そういう議論で旧連立与党もなかなか税率の問題と福祉の数字の問題はきちっと詰まらなかった。そういう中で村山政権がスタートをして、わずか二月でありますが、議論をしてこういう集約をさせていただいた。今回は五%でまず一体処理でお願いじょう、そのかわり見直し条項を置いて、二年間真剣にこういう大事な問題をこれから議論を詰めさせていただこうというのが私どもの考え方でございます。
○釘宮磐君 もう時間がありませんので、今の議論についてはまだ後に譲りたいと思いますが、昨年の七月、細川政権が誕生をしました。その際に国民は、政治が変わる、政治が本当におもしろいというふうに言われたわけでありますけれども、最近は国民の政治に対する無力感がまた増大してきていると言われています。 その原因は、国民の意思で昨年の七月に総選挙でつくった細川政権以後、国民が全く参画しない中で永田町だけで政治家がくっついたり離れたりして、そして総理が次々とかわっていった。これは私どもを含めた政治家が大いに反省しなきゃならないと思うわけでありますけれども、過渡期でありますから私はこれはやむを得ないと思います。しかし、そうであるならば、国民が今せっかく政治意識に芽生えてきたこの時期に、私はもう一度総理にお伺いしますけれども、いち早くこれは信を問うべきだというふうに思うんですけれども、そのことについて最後にお聞きしたいと思います、
○国務大臣(村山富市君) 国民が選挙前に想定していなかった政権だというふうに言われれば、これは細川政権もそうですし、羽田政権もそうですね。
○釘宮磐君 いや、違います。細川政権は違うでしょう。
○国務大臣(村山富市君) いや、同じですよ。だれも細川政権ができると思って選挙したことはないですよ。
○釘宮磐君 同じじゃないでしょう、あれは。非自民ができるということについては……
○国務大臣(村山富市君) いやいや、そんなことはない。ですから、そういう意味からすれば私は同じだと思いますよ。ただ違うのは、政治改革をやってほしいという国民の期待にこたえて小選挙区制度という制度がこの国会で成立すれば、初めて制度が変わるわけです。したがって、変わった制度の中で信を問うて政権をつくることが妥当ではないか、こういう意見は私はあると思います。 しかし、それだけでもって選挙ができるかといえば、やっぱりそれは空白をつくるわけですから、今のように緊急の課題を持っておったり、内外に大きな課題を抱えておったりするときに空白をつくることがいいのかどうかという判断もする必要がありますし、同時に、やっぱり国民の選択を受ける以上は、ある程度の政局の展望も開いて、そして国民が選択できるような条件というものを政党として整備して選挙することも必要ではないかというようなもろもろの判断が必要ではないかというふうに考えますから、今のところ解散というものは考えておりませんということを申し上げます。
○星野朋市君 村山総理、大変御苦労さまでございました。 時間がございませんので大蔵大臣に端的にお尋ねをいたしますけれども、今度の税制改革によって消費税が二%上がる。これによって国の税収は幾らふえますか。
○政府委員(小川是君) 消費税率引き上げの実施は平成九年の四月からでございますが、そのときの経済まではわかりません。そこで、平成六年度ベース、現在のところですけれども、で申し上げますと、消費税率一%当たりで約二兆四千億円の税収。したがいまして、二%、半分は地方消費税でございますが、国民負担から考えますと約四兆八千億円。ただし、このうち約七千億円は国や地方公共団体が払う消費税が国や地方公共団体に入ってまいりますから、いわゆる国民負担として見ますとネットで約四兆一千億円、このように試算をいたしております。
○星野朋市君 その四兆一千億円の増収に対しまして、要するに、支出の面では極めて整合性のある単年度の歳入歳出、これはでき上がっているわけですね。その中に、減税が先行しますから、つなぎ公債のいわゆる償還分というのが五千億計上されております。これは何年かかって償還するという計算になっておりますか。
○国務大臣(武村正義君) 一般の国債は六十年でございますが、こうした性格でございますから、なるべく早く償還をしていこうという考え方で二十年でございます。
○星野朋市君 異例の長さなんですね。建設国債は六十年ですからよろしいんですけれども、いわゆる赤字国債が二十年というのはかなり長い期間で、これが私は問題だと思っております。 実は、そのほかに大蔵大臣にお尋ねしたいのは、今年度の経済成長二・四%、今は四−六の分しか出ておりません、七−九は多分少し上がると思いますけれども、二・四%達成は可能だとお思いですか。
○国務大臣(武村正義君) これは経済企画庁の担当でございますが、一−三が割合よくて、四−六がマイナスになりました。まだその後が見えておりませんが、最近の経済のさまざまな指標から見る限りは、おっしゃるとおりプラスになると私どもは予想をいたしております。 年全体を通じてどうなるかは、さまざまな研究所とかエコノミストが今予測をいたしておりますが、まあ一と二の間ぐらいの意見が多いようには伺っておりますが、役所としては、大蔵大臣としてはここでフォーマルに見通しを申し上げる用意はありません。
○星野朋市君 政府の公式な中長期にわたる、長期といいますか、中期にわたる経済成長は実質三・五%、名目五%なんですね。この数字はまだいじられておりません。 そうすると、ほかの指標は実はこの実質三・五%成長というくびきから逃れられない。エネルギー計画もそうですし、労働政策もこれから逃れられない。この数字によっていろんな制約が出てきてしまう。実は、大蔵省の中期の財政計画はこの数字によっておるわけですね。
○国務大臣(武村正義君) 毎年度の経済見通しに加えて、御指摘のように経済計画がございます。生活大国五カ年計画とも申し上げておりますが、これは名目五%、実質約三・五%を目指しておりまして、このことがその後の政府のさまざまな計画の一つのベースになっていることも事実でございます。 しかし、御承知のようにバブルの頂点で議論が行われてつくられた五カ年計画でございますから、昨日私も閣議でこれの改定の発言をいたしたところでございますが、そういうさまざまな政府の計画にも影響を持っているという意味もございますし、国民がこれからの日本経済はどうなるんだろうと一番真剣に考えていただいているこのテーマに対して、やはり政府がここで新しいさまざまな経済諸情勢を基本にしながら経済計画をつくる必要があるという考え方に立ったからでございます。 今御質問の大蔵省の財政中期計画も、私は細かい数字の根拠は知りませんが、恐らく経済五カ年計画の影響がないとは言えないというふうに思っております。
○星野朋市君 この中期計画では名目成長率五%、さらに税収は弾性値一・一というのを掛けて見積もっているわけですね。弾性値一・一というのは、今までの歴年の結果を見ますと大体一・〇九幾つという数字ですから間違いないんですが、そういう形で税収の見積もりがずっと出ているわけです。 それで、歳出、これは公債費を含めて中期の計画を見ますと、今年度は多分二・四%、それでよろしいんですけれども、来年度は実は要調整額というのが八兆円ぐらいあるんですね。そして、八年度も八兆円ぐらいになっていると。要調整額ですからこれは歳入歳出の差額を出しただけであって、公債でもって埋めるのか、その他大蔵省特有のいろいろなやりくりによってここは調整するのかという問題はありますけれども、名目五%の成長に一・一という弾性値を掛けて税収の見積もりをしておりますから、これが今の状態だと完全に歳入不足になることは明らかです。もともとそれだけの高い数字を見込んで、なおかつ要調整額が八兆円も二年続けてあると、こういう状態では、これまたやりくりがつかなければ赤字公債を発行せざるを得ない、こういうことになると思うんですが、大蔵大臣はいかがお考えですか。
○政府委員(伏屋和彦君) お答え申し上げます。 今先生御指摘のように、財政の中期展望におきましては、要調整額、今おっしゃられましたように、算出いたしました歳出と歳入の差額を計上しているわけでございます。 この調整額といいますのは、結局、毎年度の「歳出の削減又は歳入の増収措置によって調整されるべきものである。」というぐあいに記されております。したがって、歳出歳入両面における毎年度の予算編成においてこれは調整していくというものでございます。
○星野朋市君 それはわかっているんですが、もうやりくりがつかぬでしょうと私は申し上げているんです。 それで、要するに大蔵省の歳入の主たるものは個人の所得税、これは大体目測どおり入っている。一番問題なのは法人税、印紙税それから有価証券取引税、これが見込みよりもずっと少ないんですね。大蔵省は、景気に左右される収入というものはできるだけ低く抑えて、そういうことに左右されない間接税でもって税収の大部分を補うと、こういう思想だと思うんですが、この点に関してはいかがですか。
○政府委員(小川是君) 事実として申し上げますと、確かに法人税の税収というのは景気によってよく振れます。振れますが、長い目で見ますとかなり経済の伸びに対して安定的でございます。有価証券取引税とかあるいは相続税、個人の所得税の中でも土地の譲渡所得税といったようなものは、いわゆるバブルの時期に一時期だけ大変大きく上がりました。したがいまして、そういうものが取り戻されて、長く十年、十五年を見ますと、委員がおっしゃられたような形で経済とある一定の関係で大体長い目で税収は入ってまいります。 大変変動する税が税体系の中に入っているから、それをより減らして安定的な消費税にすると、そういった目的で消費税の議論をお願いしているというよりは、やはり税体系というのは、いろいろな税の組み合わせによって変動するものもございますし、非常に安定的なものもございます。その組み合わせによって税というのは税構造をつくっておくということが重要であると存じます。 もとより、所得税と消費税の場合には、消費税の方が景気に対してより安定的であるという特性は持っておりますから、その税構造がより安定的になる結果をもたらすことは事実でございます。ただ、税収構造を安定化するという目的だけで消費税を御議論いただいている、あるいは御提案をしているということではございません。
○星野朋市君 経済成長率はここら辺でかなり曲がり角に至っておる。大蔵大臣が昨日閣議で報告されて、新経済計画をつくるというのもそこに観点があると思うんですが、私は今までのような形の延長線上で物を考えることは間違っていると思います。 最後にお聞きしますけれども、今度の税制改正の中に見直しという条項が入っておりまして、見直しというのが法律になるのは非常におかしいんですが、この見直しの内容について総理とそれから大蔵大臣の見解に私は多少の差があると思うんですが、この内容についてお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(武村正義君) 見直しの内容については、もう法律で明確に見直し項目も挙げているわけでございまして、社会保障にかかわる福祉、それから行財政改革、それから租税特別措置の是正、それから消費税にかかわる課税の適正化、財政状況と挙がっておりますから、この点では総理と違いは全くないと思っております。
○国務大臣(村山富市君) 今、大蔵大臣から答弁がありましたように、附則の条項というのはちゃんと法律に附則をつけて決まっておるわけですから、決まったことを忠実に実践していくという意味で大蔵大臣と違いはございません。
○星野朋市君 終わります。
○白浜一良君 本題に入る前に、最近の金融問題につきまして二点だけ確認をさせていただきたいと思うわけでございます。 御存じだと思いますが、一つは、最近よく言われております金融の空洞化の問題。私もこれは書物で読んだ知識でございますが、日本株の取引がロンドン市場で東京証券取引所の売買高の一三%も取引されているという実態があるわけですね。 〔委員長退席、大蔵委員長西田吉宏君着席〕 それから、東京証券取引所に上場している外国企業、これはピーク時が百二十七社、今は二十社減って百七社、金融の空洞化という一つの実例の現象面でございますが、叫ばれているわけでございますが、総理と大蔵大臣、この現状をどのように認識されているか、まずお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(武村正義君) 御指摘のように、最近、産業の空洞化の言葉と並んで金融市場の空洞化というふうな言葉が使われるようになりました。東京はロンドン、ニューヨークと並んで資本市場における世界三大市場の一つと言われてきたわけでございますが、東証外国部における上場企業数が少し減り始めているということや、ロンドン市場での日本株取引がふえているというふうな現象をとらえて資本市場の空洞化というふうな言い方がなされてきているわけでございます。 率直に今大蔵省もこの状況を調査し分析をいたしているところでございますが、調べてまいりますと、必ずしも一様に空洞化という表現が本当に正しいんだろうかと。一番大きい背景としては、全体としてやはり、こういう資本市場、証券市場の国際化というとうとうたる流れがございます、ロンドン市場で日本株の売買がされても、それは結果的にはほとんどは日本の証券会社を通じて、あるいは日本の証券会社にはね返ってくる取引になりますから、ほとんど取引の面では影響がないという見方もあるわけであります。
○白浜一良君 そうじゃない。
○国務大臣(武村正義君) そうじゃないというのは、こっちの取引が単純に向こうへジフトするならマイナスなんですけれども、たまたま株の場合はディーラーの関係でそういう現象になるんです。また、東証の扱いが減ってきているのもいろいろ精査して調べております。確かに減ってきております。これをどう見るか。 日本の証券市場全体が最近は一日二億株前後ぐらいでございますが、あのバブルに比べれば本当に数分の一、あるいは極端に言えば十分の一ぐらいにダウンしています。そういう状況に対応して外国の企業も扱い量が減っている、あるいは数が減っている、こういう現象ととらえることもできるわけでございますから、何かどんどんもう逃げでいっている、空洞化しているというふうに全部をとらえるのはどうだろうかと、分析の結果、こういう議論をしているところでございまして、いろんな複雑な要因が絡み合っているということを私はあえて申し上げておきたいわけであります。 しかし、この現象面、まだ始まった状況かもしれませんが、ここは重視をして、どういう対策が必要なのか、これから私どもは真剣に考えていかなければいけないというふうに思っております。
○国務大臣(村山富市君) 大体問題点は今大蔵大臣から御答弁があったとおりだと思いますけれども、御指摘のありましたような現象というものもこれは見逃し得ない事実であります。しかし、それは単純にそれだけでなくて、その背景には複雑な要因もあるというふうに私は思いますけれども、そうしたもろもろのことを十分検討した上で、真剣にやっぱり対応していく必要がある問題だという認識は持っております。
○白浜一良君 複雑な要因がある、それはあるでしょう。あるでしょうけれども、東証の取引高が減っているというのは、これはやっぱりお金の流れというのは景気、経済に一番シビアなんですよ。だから、先ほどもいろいろ研究してとおっしゃいましたけれども、いろんなことを指摘されている学者とか評論家の方がいっぱいいますけれども、これはやっぱり重大な問題として大蔵省としては扱ってもらわなければ困ると思うわけでございます。 そこで、いろんなことをおっしゃっている方がいますが、二、三点ちょっと内容的にお聞きをしたいわけでございますが、一つは、東京市場はデリバティブが弱い、こういう指摘があるんですね。日本のいわゆる都銀、長信銀、信託、総資産の一・八倍、東京でのデリバティブの取扱高というのは。ところが、ニューヨークでは上位十行で平均して資産の十四倍と。非常にこのデリバティブが弱いという指摘をされている点があるわけでございますが、この点ほどのように認識されますか。
○政府委員(西村吉正君) デリバティブ取引の国際比較というのはなかなか難しゅうございまして、正確な統計がないのでございますけれども、御指摘のように、我が国の金融機関を初めとする市場参加者が、欧米の市場参加者に比べてこういう手法の活用の程度がまだ少ないという御指摘は十分承知しております。 ただ、これは経営に当たる人たちの判断あるいは日本の金融機関等のそういう分野における特技の程度という非常に難しい問題でございますので、必ずしも行政としてどうするかということにはなじまないかもしれませんけれども、私どももこの問題には重大な関心を払って、こういう問題も含めましてただいま金融制度調査会で検討も始めたところでございます。
○白浜一良君 その程度の答弁でございましょうが、もう少ししっかりしてもらわないと困りますね。 それからこういう指摘もあるんですよ。東京市場は午後三時半にクローズしてその後余り売買に積極的でない、こういうこと。また、正午から午後一時までは昼休みになっている、だから外国の市場から連絡がつかない金融機関もあるんだと。その点、香港とかシンガポール、そちらに随分流れているんですが、非常にいいという面で向こうに流れている要素もあるんだと、こういう指摘もあるんですが、この点はどうですか。
○政府委員(加藤隆俊君) お答え申し上げます。 委員御指摘のように、東京外為市場では市場参加者の間での自主的な慣行といたしまして取引時間制が採用されております。このような制度は現在世界の主要市場では例を見ないものであることから、そのあり方を見直してはどうかという動きも最近市場参加者の間にございます。大蔵省といたしましても、市場関係者の間での自主的な取り組みを関心を持って見守ってまいりたいと存じております。
○白浜一良君 それは自主的にいろいろされるのがいいわけでございますが、こういう問題こそ大蔵大臣どうですか、もっとしっかり商売せいと。金融市場の国際化とさっきおっしゃったでしょう。そういう意味ではやっぱり国際レベルに直したらどうだと、そういう面で善意の御相談をされたらどうなんですか。
○国務大臣(武村正義君) 委員の御指摘もあって、これはぜひ真剣に内部で検討をして、関係の機関とも相談をさせていただきたいと思っています。 空洞化と言われる中には、もろ、恐らくその論文にも書いてあると思いますが、日本の社会経済全体の持っているさまざまな状況といいますか、人件費の問題とか、英語がなかなか通用しにくいとか、翻訳に大変手間も金もかかるとか、地代、家賃が高いとか、プラス有取税の問題や取引所の手数料の問題とか、そういう問題と一体として今の問題も当然指摘されるべき一つの問題だと認識をいたします。しかし、これはやる気を出せば法律改正を要しない問題でございますから、真剣に検討をさせていただきます。
○白浜一良君 今おっしゃいましたけれども、この有取税、これは何年か時間をかけてもう一度いわゆる検討し直すというか、確かに今大きな税収の財源になっているんですね、現状では。だけれども、世界の制度と比べると、日本がこういう税金が特殊にあるということが一つの大きな阻害要件になっているということも指摘されているわけで、もう少しきちっとした期限を決めて検討するというようなことはないんでしょうか。
○国務大臣(武村正義君) 今の段階で有取税をなくするという考えは持っておりません。 ただ、今も指摘をいたしましたように、日本の市場をめぐるさまざまな条件、やはり国際比較も必要であろうかと思いますし、有取税がないから非常に市場がにぎわっているということでもないようでございまして、単純に一つや二つの問題だけで全体が大きく変わるというふうな発想をとるわけにいきません。ただこれは、税としてはやはり数千億ぐらいの貴重な大変大きな財源でございますから、そういう中でやはり判断をしなければならないというふうに思っております。
○白浜一良君 それは、こういう大きな税収ですからそう簡単に云々かんぬんするわけにいきませんが、やっぱりそういう経済の活性化ということも、金融市場の活性化ということも非常に大事なテーマでございますので、しっかり取り組んでいただきたいと思います。 もう一点きょうお伺いしたいのは、銀行金利が自由化になりまして、最近話題になっております城南信金のいわゆる懸賞金つきの定期預金、これがいろいろ波紋を呼んでいるわけでございますが、預金者にとって今大変な人気がある、こういう報道がされております。 それで、これは新聞報道でございますが、日銀の三重野総裁は、金利のつけ方や商品内容を金融機関が工夫するのは自然の流れではないかと非常に理解を示したお話をされているわけでございますが、いろいろ全信協なんかも非常に複雑なそういう感想を述べていらっしゃるわけで、これは当局としてはどういうふうにお考えになっていますか。
○国務大臣(武村正義君) この問題は、やはり金融機関の公共性ということをしっかり踏まえなきゃいけないという認識がまずございます。 そういう公共性を持った金融機関における預金と懸賞のあり方、懸賞であれ何であれ、自由化された状況の中で金融機関の間に競争が促進されることは大変いいじゃないかという見方も確かに一部ございます。しかし、本来競争すべきは、金利の自由化の時代でございますから、金利その他本来の金融サービスを中心に競争が展開されるべきだという主張も当然ございました。 大蔵省としては、率直に言って今回の動きは戸惑っているわけでありますが、しかし戸惑っているだけでは済みません。省内で有識者も含めた議論の場をつくりながら、真剣にこの問題を今検討いたしているところでございます。 金利サービスそのものに入っていくような懸賞制度であれば、これはもう法律に違反するということでありますからよくないという認識でございますが、今後いろんな形の競争が生まれてくるかもしれない。しかしそのことが、先ほど申し上げた公共性を一番だっとばねばならない金融機関本来の金利を中心とした金融サービスそのものの競争よりもそっちの方が目立ってしまう、金融機関の体質そのものをゆがめてしまうというふうなことのないようにしていかなければいけないというふうに思っております。
○白浜一良君 その原則論はよくわかるんですが、日銀総裁はそういう範囲内だと、この城南信金の場合は。そういう範囲内だと、多分これは日銀総裁の判断だと思うんですよ。 私はそういう意味での判断を伺っているんで、原則論はよくわかっているんですけれども、この具体例をどう思われるかということを私聞いているわけです。
○国務大臣(武村正義君) 今回の懸賞は私どももその範囲内である、当然その範囲内であるはずだというふうに思っております。ですから、違法性云々の話ではないと思っております。 今、私があえて申し上げたのは、これから自由化の時代に入っていきますからこういう動きがいろいろと触発されて出てくるかなと、そのことに戸惑いを感じながら、しかし真剣にこの事態を見詰めているということであります。
○白浜一良君 今回の税制改革の内容に入りたいわけでございますが、これはいろいろ衆議院から引き続いて論議されておりますが、いろんな面で私どもは非常に中途半端だなという実感を持たざるを得ないということでございまして、もう時間がございませんが、何点かお伺いしたいと思うんです。 一つは、六月二十九日の現与党の三党合意、この内容を見ましても、要するに税制改革の前提として行政改革を断行するんだ、このように書いてございますし、大蔵大臣が五月十三日の衆議院本会議の代表質問でも、行政改革なくして税制改革なしということを強く訴えたいと、当然そのときはそういうお立場だったんでしょうが、こういうふうにおっしゃっている。 しかし、今回の税制改革、具体的に案が出ているわけでございますが、実際行政改革をやるやると決意は述べていらっしゃいますが、具体的なことは何も出ていないわけで、スケジュールが多少出ているぐらいで、これも特殊法人のことだけです。だから、そういう具体策がないんじゃないか、やっぱりこういう批判を受けてもしょうがないと思うんですね。 大蔵大臣、みずからのこの代表質問での発言もあるわけでございますが、どうでございましょうか。
○国務大臣(武村正義君) 行政改革と税制改革の関係につきましては、基本的に今も同じ考えてあります。特にこれからの税制改革の基本は、やはり日本の高齢化社会の進展、それに伴う福祉の財政需要にどう税制が対応していったらいいのか、ここに一番大きな問題があると私は認識をしてまいりました。これは恐らくどの議員も、国民の多くも共通の認識だろうと思うのであります。 私ども三党の議論もそこから始まったわけでありますが、年内税制改革実現という一つの旧与党の目標であり、新村山内閣も総理みずからが年内実現に努力いたしますと、こうおっしゃったことを重んじながら、どう短時間で全体を整理していくかということになったわけであります。 その結果、非常に中途半端と一刀両断におっしゃっていただきますが、そういう中でまずは減税対応を基本にした五%の一体処理を提案させていただく。しかし、これでは我々も行財政改革の具体的な成果はまだ示すことができておりません。同時にまた、将来の福祉需要に対しても明確な数字の議論が詰まっておりません。そのことは十分認識をする中で、税率を、今回も五%と上げるのを留保して、そしてむしろ今回は分離にして、一年ぐらい置いてから決めようかという主張も随分あったんです。それではしかし年内実現の約束にもとるではないか、また租税法定主義の責任論からいっても、非常に先延ばしするようなそういう姿勢に見られるのではないかと。 そういう論議の中で、やはり今回はとりあえず三・五兆円対応、最終的にはそれにプラス五千億円の福祉財源を見つけることができましたが、そのことを基本にして五%の一体処理の案を御提案申し上げている。しかし、附則にはっきりそのことを書いて、行財政改革や福祉の問題はこの二年間でさらに精力的に詰めて最終の整理をしていこう、こういう考えにまとめさせていただいているわけでございまして、恐らく羽田政権が続いていても、細川政権が続いていても、こういった数字をそう短時間で明確に示すことはできなかったんではないか。事実、六月いっぱいの与党の立場では、当時の与党のまとめがございますね、そこでは明確な数字が上がっていないことを考えますと、私どももそう思っております。
○白浜一良君 総理に具体的に伺いますけれども、これは特殊法人に限って申し上げます。十一月二十五日までに所管の法人の見直し状況を総務庁に中間報告する、こうなっていますね。それで、この二十五日の中間報告で余り芳しいそういう報告がなかったと、今いろんな案を省庁に振っているわけですから、この中間報告が総理から見られてこれは十分じゃない、こういう判断をもしされた場合は、そういう総理のリーダーシップをずっととっていかれますか。
○国務大臣(村山富市君) 総務庁長官からそういう目標を各大臣に指示をいたしております。私の方からは、この年度内に特殊法人については見直しをして結論を出す、そのためにそれぞれの省で決意を固めて取り組んでほしいということを強く要請をいたしておりますから、そのとおりに実践されるものだと、私はそういうふうに思っております。
○白浜一良君 ちょっと違うんですけれども、いいですわ。中間報告が出て、内容が不十分だと思ったらそういう指導性を発揮されますかと私は聞いているだけであって、やめます、それはもういいですわ。 それで、非常に具体的なことを聞いて恐縮なんですが、先日これもマスコミ報道されていたんですが、特殊法人の役員になられている方、これは非常に天下りの人も多いわけでございますが、三年間で二千万のいわゆる退職金が出ているケースがあるらしいんですよね。三年間で二千万、多いか少ないかは非常に判断は難しいと思う。難しいと思いますが、国民の目から見てこういう実態というのはどんなふうに見えると総理は思われますか。
○国務大臣(村山富市君) これは決して国民感情としてはいいものではないだろうというふうに私も認識をいたします。 そこで、特殊法人の役員について、昭和五十四年の十二月十八日に閣議了解で役員選考基準の運用方針というようなものも決めてやっているわけですから、これは以前からずっと問題になってきている問題であるというふうに思いますので、そういうことも含めて私どもはやっぱり見直しをする必要があるというふうに考えて、今検討をやっているところだというふうに御答弁を申し上げたいと思うんです。
○白浜一良君 ちょっと具体的なケースを私聞いているわけで、この二千万の方の話を聞きましたけれども、もう一つは、各法人によりまして在職年数に比べて退職金の額が物すごく違うんですよ。それは固有の歴史があるから違うというのも自然なんですが、政府関係のそういう団体だという面から見れば、それほど極端な差があるのはまずいんじゃないかと、国民から見て。なぜだろうと。要するに、実入りのいい団体と実入りの悪い団体があるのかなど素朴に国民から見て思わざるを得ないものがあると思う。この資料から見ましたら倍近く違うところもあるんですよ。この辺ももう少し、それこそきちっと国民から見てわかりやすいように指導される必要があるんじゃないかと私は思うんですが、これはいかがですか。
○政府委員(伏屋和彦君) お答え申し上げます。 特殊法人の役員は、いわゆる特定されました任期内において法人の経営に対して重要な責任を負うという意味で、民間企業の役員と同じような性格を有しているわけでございます。そういう意味で、それぞれ支給水準につきまして、民間企業役員の退職の支給水準との均衡にも配慮して決定しているところでございます。特に、具体的には昭和五十三年度におきまして、民間企業役員の退職金実態調査の結果に基づきまして約二〇%の引き下げが行われまして、現行の支給水準は、それぞれ勤務期間とかいろんな状況がありまして、一般的に民間の企業役員の退職金の水準と比較いたしまして決して高いものではないと考えております。
○白浜一良君 私はそんなの聞いていないんですよ。高いか低いか、それは国民から見たらどうだと私は先ほど聞いただけの話であって、それはいろんな判断がある。だけれども、単なる民間団体だったらいいですよ。政府関係の特殊法人ですよ。それでこれだけばらつきがあるというのはおかしいんじゃないかということで私言っているわけで、もう少しきちっと整理すべきじゃないかと、総理、そういうことを私言っているんですよ。
○国務大臣(村山富市君) 私が実態を正確に認識しているわけじゃありませんから、今ここで軽々に答弁はできないと思いますけれども、しかし言われている意味は一般論として理解はできますし、これは与党がつくっておりますプロジェクトチームの中でも、見直しをして検討すべき項目だといって今検討もされておるところでありますから、こうした趣旨も踏まえてさらに検討を進めてまいりたいというふうに思います。
○白浜一良君 よくわかりました。今いろいろ検討されている中にもテーマとして入っていると、そう理解します、おっしゃられましたからね。 時間がないんですが、最後、ゴールドプランのことでいろいろきょうも議論されておりますが、大蔵大臣、来年一千億、再来年が二千億上乗せされますね。これは要するに従来のゴールドプランの上乗せ分と、こう考えていいわけですか。そうですね。
○国務大臣(武村正義君) そういう理解もあるかもしれませんが、幸い、御承知のように今地方がああして保健福祉プランを挙げていただいておりまして、その状況をにらんで厚生省が最終的には判断をしていくことになろうかと思いますが、ゴールドプラン、新ゴールドプランに当然かかわる内容でございますけれども、私どもは即断ゴールドプランという認識はとらないで、とりあえず来年は一千億、再来年は二千億という金額をこの消費税施行の一つの前提として予算的に配慮をしていくという決意をいたしているところでございます。内容的には特別養護老人ホームとホームヘルパーに焦点を合わせていきたいと思っています。
○白浜一良君 今の答弁を聞いてもよくわからないんですが、要するに上乗せされているわけですから、わざわざこれは上乗せされているわけですから、来年一千億ですよ、再来年は二千億ですよ、それで新税制になる年からは四千億ですよと、こうおっしゃっているわけだから、これは従来のゴールドプランの上乗せ分と考えるのが私は普通だと思うんです。 ですから、新ゴールドプランは決まってないんです、決まってない。今検討されているというのはよくわかります。だから、将来決まるべきこの新ゴールドプランのこの一部と考えていいわけですね。
○国務大臣(武村正義君) 将来間違いなく新ゴールドプランが確定いたしますから、先行することになりますが、その時期には一部がそういう形で先行実施されているというふうに御理解いただいて結構です。
○白浜一良君 もう一つ確認したい。これは厚生省のマターになるかもわかりませんが、いろいろ地方自治体からヒアリングしましたね、この新ゴールドプランをつくるために全国の地方自治体から。それが要するに計画集計値というふうに集計されているわけですね。これをベースに新ゴールドプランというのは厚生省が試案としてまとめたわけです。まとめたわけです、まだ決まってませんけれども。ですから、全国の自治体からとられたこの集計値というのはやっぱり今後いろいろ新ゴールドプランを策定される場合の貴重なやっぱりデータなんですよね。 地方自治体で私がいろいろ声を聞くのは、データを出したけれども、それがきちっと将来こうなっていくベースになるかということをよく聞くんですよ。新ゴールドプランを策定する場合に全国から聞いたわけですから、当然そういう貴重なベースとしての材料でしょうね。そう考えていいんでしょうね。
○政府委員(阿部正俊君) 若干御説明いたしますが、私どもが考えましたニューゴールドプランといいますのは二つの側面があろうかと思っています。 一つは、先生御指摘のように、地方の市町村が中心になりましてつくりました老人保健福祉計画というものの積み上げ、これをベースにして、現実に動いておりますゴールドプランというのをどういうふうにこれからフォローしていくのかという側面と、それからもう一つは、将来をにらみまして、いわばサービスの水準をよりよくしたりとか、あるいは施設の基準をより拡充したりとかと いうこととか、あるいは今まで入っていなかった項目についてプランの中に取り込んでいくとかということがあろうかと思うのでございますので、必ずしも市町村が計画したものをどうするかということだけではございません。 ただ、私どもとしては、現実にゴールドプランで動いていますので、それをフォローするということはやはり基本的には必要なことではないかと思っています。
○白浜一良君 自治大臣、この点で、通告しておりませんが何か所感ございますか。
○国務大臣(野中広務君) 私は衆議院でも申し上げたわけでございますけれども、細川内閣で編成され、羽田内閣で成立をいたしました平成六年度の予算で、それぞれ地方公共団体あるいは地方の社会福祉法人が要請をいたしまして厚生省のヒアリングを受けました新規採択の分で、平成六年度は補助金が二割より出ておりません。八割は平成七年度に繰り越しということで、まことに福祉に冷たい前政権であったなと私は思っておるわけでございまして、これから私どもはそれを埋め合わせていかなくてはならないという非常に厳しいものを持っておると存じております。
○委員長(西田吉宏君) これにて白浜君の質疑は終了いたしました。
○続訓弘君 具体的な質問に入ります前に、村山総理大臣におかれましては今回のAPEC、大変御苦労さまでございました。 さて、私は実は三十八年間都庁に勤めておりました。この議席を得るまで三十八年間は文字どおり都政一筋でございました。そういう関係から私は地方自治の推進に対して大変重大な関心を持っております。そしてまた情熱も持っております。そんな立場から、村山総理大臣に対して地方分権の推進に関して基本的な姿勢を一点だけお伺いさせていただきます。 昨年の六月に衆参両院で全会一致で地方分権の推進に関する決議がなされました。私はあの決議の瞬間に大変な感動を覚えたわけであります。それはどういうことかといえば、ちょうど十七年前の昭和五十二年九月二十九日に、議案第二二六号をもって、地方自治法第二百五十条は地方、公共団体に地方債発行の自由を認めず、これを自治大臣の許可にかからしめているのは日本国憲法が保障する地方公共団体の財政自主権を著しく制限するものであり、違憲・無効なものというべきであるとして、最高裁判所に対し起債許可制度の撤廃を求める訴えの提起を東京都議会に求めました当時の私は事務責任者であります。自来この議論は今なお東京都議会の中で熱しに続けられております。 この三月十八日の都議会でも、総理大臣の後輩に当たる社会党の大場暢子さんが同じような質問をされました。当分の間と言いながら既に四十年以上も過ぎているじゃないか、地方分権と言いながら今なおこういう制度があるのはおかしい、こういうふうに熱心に訴えられたのであります。 私は、何としても、村山総理が今の総理大臣であるときに、やはりこの二百五十条の撤廃を含めた地方分権の推進に対して情熱を燃やして、この基本法をおつくりになる際にそれをぜひ取り上げていただきたい、このことを強く訴えたいと存じます。総理の所信のほどをお伺い申し上げます。
○国務大臣(村山富市君) 地方分権につきましては、行政改革の大きな柱であり、この内閣に与えられた課題だと受けとめて真剣に取り組んで推進してまいる決意であります。現に、行政改革推進本部の中に地方分権部会というものを設置いたしまして、そしてそこで地方分権の大綱の根幹をつくっていただく、そして次の通常国会にできればこの地方分権を推進する基本法ぐらいは出したいものだと、こういうことを目標にして今一生懸命取り組んでおるところでありますから、御指摘のようなことについても真剣にこれからやらなきゃならぬ課題だというふうに認識をいたしております。 御指摘のございました地方債の問題につきましては、言われる意味はよく理解できるんですけれども、その地方債を地方財政計画の中でどう償還財源を裏づけていくかといったような意味では、国の財政とのかかわり合いもずっとあるものですから、したがって、一方的にもう国とは関係なしに地方で単独に決められるようにするということについては、そう簡単にやれない背景もあるということについては御理解をいただきたいと思うんです。 現に、平成五年の十月二十七日に臨時行政改革推進審議会の方から答申も出ているわけですけれども、その答申を見ますと、「地方債の許可制度を弾力化・簡素化し、その運用に当たり個々の地方自治体の起債に係る国の関与を最小限度のものとするとともに、地方債市場の整備育成を図る。」、こういう答申もいただいておりますから、こうした答申も踏まえてこれからも十分検討しなきゃならぬ課題だというふうに思っております。
○続訓弘君 村山総理も武村大蔵大臣もあるいは野中自治大臣も、それぞれに地方自治に携わられた方々ばかりであります。したがって私は、今総理のせっかくの御答弁ではございますけれども、やはり何としても二百五十条の廃止を強く訴える。そしてそれが地方自治の原点だと。そして、戦後をぜひ終わらせていただきたい、このようにぜひ御努力をお願いしたいと存じます。 そして、先ほど実は鎌田、岩崎両委員の地方消費税に対する質問がございました。その中で、武村大蔵大臣の答弁を聞きながら、総論では確かに賛成だ、しかし各論の分野では若干問題がある、消極だと、こういう意見がございました。 例えば、当分の間、これは一体どのくらいを考えているんだという質問に対しまして、文字どおり当分の間は当分の間だと、こうお答えしながら、百年を超えてはならぬと、こんなお話があったように私は伺いました。それではちょっと大きな問題があるんじゃなかろうか、こんなふうに思いましたけれども、大蔵大臣の所見はどうでしょうか。
○国務大臣(武村正義君) 私が申し上げたかったのは、国と地方の税制全体の議論の中でこの問題については時期が決まってくるんではないか。幸い地方分権、今総理がお答えをされとおりでございます。こういう形で事務、権限をどうシフトしていくか、当然財源をどう地方に移譲していくかという、この議論をきちっと仕上げないと地方分権は成就しないわけでございまして、そのときがもう目前に迫っているわけでございます。 そういう中で、国、地方全体の財源論あるいは税制の相互の分担、そんな議論の中でこの当分の間というのも一定の展望が見出せるんではないかというふうな感じを申し上げたので、前段の、当分の間は当分の間、最後の、百年を超えるようなことがあってはならないと言ったのは、まあ冒頭と最後の私流の表現として御理解をいただきたい。中身、真ん中で申し上げたことが私の基本的なこの問題に対する考え方でございます。
○続訓弘君 ありがとうございました。
○委員長(西田吉宏君) 続訓弘君の質疑は終了いたしました。
○吉岡吉典君 日本共産党を代表して質問を行います。 まず、この法案には見直し条項というのがありまして、この法案をきちっと正確につかんでおかなくちゃならないと思います。そういう点でお伺いしますが、消費税の税率引き上げが実際に施行されるそのときの消費税率は、いつどういう手続を経て、段取りを経て最終的に決定されるかお伺いします。これは総理にお伺いします。
○政府委員(小川是君) 条文ですので御説明をさせていただきます。 今回御提出いたしました法律案におきまして、平成九年四月一日から消費税率を五%として施行するという法律案を提出いたしております。附則第二十五条の「検討」の規定は、それに先立つ半年前までにここに規定されているような検討を加え、必要があると認めるときには所要の措置を講ずる、つまり税率が変わることがあり得るという規定でございます。したがいまして、法律としては確定的に九年四月一日から五%という法律を御提出している次第でございます。
○吉岡吉典君 総理、そうしますと、税率が最終的に何%になるかということが決まるのは平成八年九月三十日だと、そういうことなんですね。
○政府委員(小川是君) 法律の規定といたしましては、平成八年九月三十日までにもし必要があれば所要の措置を講ずるということでございますから、所要の措置が講ぜられれば、講ぜられるか講ぜられないかは必要があるかどうかという判断でございます。八年の九月三十日までには所要の措置によって税率を、この規定によって措置が講ぜられることがあり得るということでございます。 なお、念のためでございますが、当然これは納税者、事業者、消費者、国民にかかわることでございますから、もしも所要の措置が講ぜられるときには、八年の九月三十日までに立法措置が講ぜられて立法が行われているということを想定いたしているところでございます。
○吉岡吉典君 これまで衆議院で論議されてきたところを読んでみますと、五%というのはとりあえず決めだというような答弁もいろいろ行われております、そういうことを見ますとこの法案というのは、結局は何%になるのか、最終的な税率というのはまだ確定しないままのものだというふうに考えざるを得ないわけです。とりあえず決めたということであり、また論議の中では予断はないというような論議も行われております。 私も改めてお伺いしますが、予断というべきか予測というべきか、動かないだろうという予測、あるいは動く可能性があるという予測、そういう何らかの予測はあるんですか、総理。
○国務大臣(村山富市君) 今言われたそういうものをすべて含めて予断は持っておりませんということです。
○吉岡吉典君 そうすると、見直し作業をやって施行の半年前に最終的には決まると。その見直し作業の結果は、予断もないわけですから、上がるか下がるか、そういう可能性は大いにあると。下がる可能性もあるかどうかという議論もやられていますけれども、下がることはないと思います。しかし、法律の建前からいえば動く可能性はある。その動く中には上がる可能性も法律の仕組みとしてはあると、そういうふうに考えでいいですか。これは総理に聞いた方がいいと思うんですが。
○国務大臣(村山富市君) 今お答えいたしましたように、この法律は平成九年の四月一日から消費税率を五%にさせてもらいますということになっているわけです。しかし、本来行政改革やら、あるいはその見直し条項の中に書かれておりますようなものを真剣な議論をやって、それを確定した上で税率というものは決めるべきではないか、こういう意見もあったことですから、そういう点も含めてこれから平成八年の九月までに十分そうした検討も加えた上で結論を出していこうではないかという意味で附則にあの見直し条項を入れてあるわけでありますから、そういう点につきましては私はそのまま素直に御理解いただくことが一番いいんではないかというふうに思っていますから、その見直しの結論については予断を持って私どもは今考えているわけではございませんと、こう申し上げているわけでございます。
○吉岡吉典君 予断はないけれども動く可能性はある、そういう法律になっているということだけは明らかになりました。そうしますと、今の答弁からしても法律の仕組みからしても、この税率というのは上がる可能性を持った法律だと、そういうふうに私は受け取らせて、いただき、質問を進めます。 実施する法律がどうなるかわからない、最終的には今後決まる、こういうことが明らかになったわけでありますが、そういう最終的に何%の税率で施行するか決まらないままの法律というのは、私は少なくとも初めてお目にかかりました。もちろん、一定期間施行した後に見直すという意味での見直し条項を持った法律というのはこれまでもありました。大蔵省に聞いても、こういう施行前に見直す規定の法律というのは知らないとおっしゃっていました。 内閣法制局にお伺いしますが、このような例を持った法案というのはありましたか。
○政府委員(阪田雅裕君) お答え申し上げます。 過去の立法例を私どもつぶさに調べたわけでございませんので、確たることを申し上げるという自信はないわけでありますけれども、少なくとも近年におきましては、今回のこの改正法案にありますように、新しい法律の規定あるいは既存の法律の改正規定に関しまして、それらの規定の施行に先立って広い意味でのいわゆる見直しを行う、こういう趣旨の規定が置かれた例はないというふうに承知しております。
○吉岡吉典君 内閣法制局によっても前例のない法案だということです。 前例がないということがいい方向なら私は問題ないと思いますけれども、この場合には税率が幾らになるかがわからない、最終的にはまだ決まっていない、そういう法案なんですね。それを受け取る側から見れば、一体どこへ落ちつくのかわからない。衆議院段階での答弁では、まだ作業の途中だというような答弁も大蔵大臣はなさっておりますね。それで総理大臣も、見直し作業を終えてからの方がいいという議論もあったし、私もそう思ったが、しかしこういうふうにしたんだと、そういう答弁もなさっております。 そうすると、この五%という数字というのは一体何物ですか。どういう根拠で出されたんですか、総理。
○国務大臣(村山富市君) 今御審議をいただいておりまする税制改革の法案の中身というのは、これはもうたびたびお話し申し上げておりますように、所得税の累進構造の緩和をする。とりわけ中堅サラリーマン層に対して重税感が強いから、そこをなだらかに手直しをして、そして平均的なサラリーマンの減税措置を講じて生産意欲を阻害しないようにしていこうと。これはやっぱり社会を支えていく大きな力ですから、そこのところは一番重点的に考える必要があるというので所得税の累進構造をなだらかにしたということが一つですね。 それからもう一つは、景気浮揚のために一般的に二兆円の減税をやって、そしてさらに継続的に景気が上向きになっていくような措置を講ずる必要があるというので、その規模の減税をやったと。減税をやっただけではいけませんから、したがって福祉に対する配慮もして、それなりのやっぱり手立てを講ずる必要があるというふうなことも考えて、当面考えられる範囲でいろんな角度から検討した結論として出されたのが今回御審議をいただいている法案であります。 それを賄うためには、ぎりぎり詰め切ったところで、国民の皆さんに御無理を申し上げることになりまするけれども、平成九年から消費税率を五%に上げていただくということによって御了解いただこう、こういう意味でこの法案を出しておるわけです。 しかし、これまでの議論もございましたように、国民に消費税率の負担をかける以上は、国も行政ももっとみずから身を正して削るべきじゃないか、こういう強い意見もございますから、そうした国民の声も素直に受けとめて、そして政府もこれから本格的に行政改革も真剣に取り組んでいこうと。その取り組んでいった結果によって、また結論が恐らく変わることもあり得るかもしれませんけれども、現状から判断をした場合には、平成九年の四月から消費税率は五%に上げさせていただきますということでお願いしているわけでありますから、その点はそのように御理解を賜りたいというふうに思います。
○吉岡吉典君 一応五%と出してあるわけですけれども、それは最終的な税率ではないということはもう既にはっきりしたわけですね。だから何%になるかわからない、そういう前例のないもの、内容の固まっていない、確定していない、そういう法案は私は非常に無責任な法案だと思います。先ほど論議がありました。五%だと思い込んで選挙をやった後、見直しをやったらやっぱり上げざるを得なかったという結果も起こる余地を持ったそういう法律ですよね。 先ほど総理は大変声を荒げて反論されましたけれども、意図を私は言うのじゃない。法律の仕組みがそういうことが起こり得る法案、私はこれはやっぱり欠陥法案だと思います。こういう法案は私はもう廃案にするしかないと思います。しかし私は、この問題はそういう法案だということにして、次の問題に進みます。 論議の中でも明らかになったことですが、この法案で確定している具体的な中身というのは税制改革作業の第一段階のものだということでしたね。その第一段階で固まっている中身、これ大蔵大臣。
○国務大臣(武村正義君) 先ほど来おっしゃっておられますが、私どもは、政府委員もお答えをいたしましたとおり、五%でまずこの法案は提案をいたしているわけでございます。この法案を通していただければ五%で確定するということでございます。 しかし、見直し条項を置かしていただいたのは、私は税制改革に取り組む政府・与党の意欲といいますか、姿勢をここで明らかにしている、しかもむしろ大変税制改革全体を長期的な視野から真剣にまじめに取り組もうとしていることがこの附則条項に表現されているというふうに御理解をいただきたいと思うのであります。 なぜならば、先ほど来ずっと御議論もございますように、行政改革は一体どうなんだ、あるいは福祉の将来の財政需要はどうなるんだ、こういう指摘は繰り返しお出しをいただいているわけでありますし、国民の多くもそのことに大きな関心をお持ちでございます。私どもはこの二年間そのことに責任を持って取り組んでいきたい。消費税に関しては上げる要素とむしろ抑える要素、両面ございますけれども、プラス・マイナス両面を真剣に詰めて最終的な判断をさせて、いただきたいというふうに考えているところでございます。
○吉岡吉典君 見直し条項が施行前にあるから問題にしているんですよ。実際施行されるまでにこの数字が変わるかもしれない、わからない、そういう法案だから、今のようなことをおっしゃるのなら、そういう作業を終えてから出すべきですよ。だから私は無責任な法案だと、こう言っているわけです。 今、第一段階の問題についてお答えがなかったから、私の方から大臣に確認を求めますけれども、衆議院段階での論議の中で、今度の法案はさっきおっしゃった一部福祉に上積みする措置もありますけれども、基本は三・五兆円の制度減税、それから二兆円の定率減税、これと、それの財源を消費税の税率引き上げと赤字国債、これは二十年間国民の負担でお願いする、そういう内容を持ったものだと、そういうふうにお認めになっていますが、そう確認してよろしいですか。
○国務大臣(武村正義君) 今のお話で欠けておりますのは、その中で五千億円福祉の財源を捻出いたしているということでございます。三・五兆円の減税、そしてつなぎ国債の償還財源、それにプラス五千億円の福祉財源、こういうフレームで考えてまいりました。
○吉岡吉典君 既に論議の中でも確認されていることでありますが、今も大蔵大臣お認めになったように、第一段階で具体化されているところによれば、一部の四千億円ですか、福祉に充てるという問題がありますけれども、基本は減税の財源をどう生み出すかということが確定して提出されているものですね。 そこで問題になるのは、消費税の上に国民は二十年間赤字国債の分担でこの減税の財源を生み出すことを求められるわけですけれども、その減税がだれに恩典を及ぼす減税であるかということが問題です。それいかんによって、先ほど総理がおっしゃった活力ある社会になるかならないかということにもかかわってくると思います。 この法案の欠陥についてのいろいろな試算が民間の調査機関でも行われておりますし、私どももいろいろな試算を行ってきました。その試算によれば、既に我が党が明らかにしてきたところでありますが、消費税率五%としても確実に減税になるのは一千万円、それ以下の九割を占めるサラリーマンは増税、年収二千万円の人の場合は百六万円も減税になると。ある局長は、審議の中で自分の年収は二千百万円、百十五万円の減税になる、こういうふうに試算を自分でなさった報告も行われておりますけれども、一千万円以上は確実に減税になるが、しかしそれ以下は減税どころではなく増税、こういう結果であります。 そして、これは消費税だけてありますが、それに年金の改革が行われた。年金の保険料、これの引き上げも決まったわけです。これを計算に入れてみますと、保険料が大幅に引き上げられる結果、消費税率がアップされる一九九七年には年金保険料が一七・三五%になり、例えば朝日でも紹介されました住友生命総合研究所の試算だと、年収一千万円以下なら負担増、二千万円なら七十四万円の負担減、これも高額所得者は負担が減るが一千万円以下は負担がふえると、こういう結果になっております。 年金保険料を含めた私どもの新しい試算によると、この住友生命総合研究所の試算と違ってこういうふうになります。年金保険料の負担増は年収七百万円で約八万三千円。ほとんどのサラリーマンはこの保険料の引き上げで減税など吹っ飛んでしまいます。そして、年金保険料を合わせた消費税率五%でも一千二百万円以下は負担増。一千二百万円ですよ、これは負担増です。それ以上にならないと負担が減らない。これが私どもの試算でそうなっています。 そうなると、総理、中堅サラリーマンもみんな負担増ですね。この税制改革の結果、大いにみんな元気出して、活力出して働くということにならないと私は思います。総理も少なくとも今度の税制で増税になる者と減税になる者両方があるということはお認めになると思いますが、どうですか。
○政府委員(小川是君) 今回の税制改正の影響につきましては既に試算をお出ししておりますので、まずそれだけは御説明をさせていただきたいと思います。 確かに、年収四百万円、五百万円クラスの方は、現在納められている所得税、住民税の額からいたしまして、最低税率が既に前回の税制改革で大幅に下がっているといったような事情もございます。したがいまして、消費税率がフルに五%入ってまいりますと若干負担増をお願いしなければならないところでございます。しかしながら、六百万円、摩擦的に若干プラスは出ますが、おおむね六百万円を超える給与収入の方につきましては、お出ししている資料のとおり、消費税率の引き上げが行われましても、全体として見ますと、累進課税の緩和によりまして税制改革としては軽減が行われるという姿になっているわけでございます。
○吉岡吉典君 総理。
○国務大臣(村山富市君) 私は、ここの席でたびたびお答え申し上げておりますように、今回は中堅サラリーマン層の重税感を解消するという意味で三〇%を二〇%に下げていったわけでありますけれども、これは六十二年から三年にかけて税制改革をやりました。そのときには比較的所得の低い層の皆さん方に減税をしているわけですから、その減税の経過を踏まえて全体としてごらんになっていただかないと、今度この部分だけやったことは比較的所得の高い者に減税をして下の者は増税になるじゃないかと、こう言われましても、これは全部減税をすればまたそれだけの金がかかるわけですからどこかで補わなければいかぬので、午前中来議論しておりますように、できるだけ、各層に対して可能な限り公平、公正が期せられるような、そういう税体系というものをつくる必要があるという意味で今回の是正をさせていただいたと。 そのかわりに、やっぱり課税最低限も引き上げでそれなりの方々に対する配慮もする必要があるんではないか。同時にまた、福祉年金をもらっている人やらあるいは児童手当をもらっている人やら等々につきましては、平成九年から消費税が上がりますとそういう手当の上がる分が一年間おくれますから、したがってその分の配慮をするために、そういう方々には一時金ではありますけれども一万円なり、寝たきりのお年寄りに対しては三万円なり手当てもしていこうと、こういう配慮もしておるわけです。 したがって、私は、何もかもそれは安かろうでいけば一番いいんですよ。一番いいに決まっておりますけれども、しかし、これだけ高齢化してあるいは少子化もして社会的に福祉が大きく期待されるような時代になって、だれが一体負担をしていくのかということになれば、可能な限りやっぱり生産意欲を高めることを前提にしながら十分世の中を支えていける力をつけていく、同時に、可能な限り公正、公平な課税をして、社会的に公平を期していこうではないかと、こういう観点からいろいろ検討していただいて出した結論であるということについては、私はぜひ御理解をいただきたいというふうに思っています。
○吉岡吉典君 今回のことでは増税と減税があるという歴然たる事実があるから前回とつながないと答弁ができなかった、これはそういうことだとまず私は申し上げます。 前回と今回とおっしゃった。前回、何回か積み重ねられた税制改革の中で所得税、個人住民税の減税があったことは事実です。しかし、そこだけおっしゃる。そこに問題があるわけです。 その税制改革、今総理がおっしゃった税制改革は、そういう所得税、個人住民税だけでなく、その税制改革の基本は、最高税率の引き下げ、そして累進税率の刻みを少なくすること、最高税率七〇%から五〇%、十五段階の刻みを五段階にして、そしてマル優の廃止、そういうふうなものだったわけです。だから、これは金持ち優遇税制だといって社会党も反対したんですよ、この税制改革には。社会党も反対した税制改革を今総理は持ち上げている。これは私はとんでもない態度だというふうに言わざるを得ません。 増税と減税、それはだれかが負担しなくちゃならないと総理はおっしゃったんですね。今度の税制改革では一千二百万円以上、また二千万、三千万になれば膨大な減税になる。その減税を九百万以下、一千万に満たない大部分の負担がふえる人が、消費税とそれに加えて赤字公債の負担まで二十年間押しつけられる、それで高額所得者の減税を負担する、税率がもし上がって七%になると千三百万円の年収の人でないと負担が減らない、こういうのが私どもの試算です。 それに加えてもう一つ、大蔵省がことし五月一税制改革に関する機械的試算」というのを出された。これと全く同じ方法で計算してみますと、これは二〇〇〇年の数字ですが、二〇二五年にこの間決まった年金の国庫負担の二分の一引き上げを仮に含めて計算すると、消費税率が一八%にならないと赤字と、こういう計算に、これは大蔵省の計算方法と全く同じ計算でなるんですね。 ですから、消費税に頼るということに財政運営の重点を置かれるということになると大変なことになるということを私は申し上げておかざるを得ません。 総理どうですか、こういうの。
○国務大臣(武村正義君) 吉岡委員のお話を伺っていますと、なぜか一千万以上は非常に利益を受けて、一千万以下は、九百万以下は損をするということを強調なさっておりますが、これは政府委員もお答えし、資料もお配り申し上げておりますとおり、私どもの平成十年のプラス・マイナスの試算では七百万、六百万がラインでございます。ましてや、前回、六年前の税制改革を合算してみるときには、もう御承知いただいておりますように、標準世帯四百万の家庭では実に七〇%の大減税、税率の減で見ればですが七〇%の減税になっています。一千万前後ですと三六%ということで、今回と前回の両方の所得税減税を合算してみるときに、低所得者に非常に厚い形の累進税率の緩和、減税になっているということも十分御認識をいただきたいと思うのであります。 したがって、前回の改正を合算してみる限りはすべての階層にとって減税が上回るという計算もあるわけでございまして、そこへ社会保険料のアップも一緒に御議論をいただいておりますが、確かにそのとおりでありますけれども、これはまさに年金という受けるサービスと、そしてそれに対する御負担との関係の問題としてお考えをいただきたい。社会保険料も公共料金も何もかも全部、それは悪い条件を全部足せばどんどん膨らんでいきますので、そこは少し整理して議論をしていきたいと思います。
○吉岡吉典君 前回も今回も課税最低限云々というようなことがありますけれども、これは当たり前なんですね、自然増があるわけですから。ほっておけば増税になるわけです。それをきちっとそのときどきに手当てをしておかなくちゃならない、当たり前のことをやったわけで、そこだけ取り出して減税率が大きいという議論をなさっても話は通じないわけです。 いずれにせよ、大蔵省によっても増税になる部分が大きくある、大蔵省の計算でも七割ぐらいは増税になると私は思います。そういう税制を出しておいて、これは中堅層、中堅サラリーマン減税だ、あるいは高齢者対策だというふうなことを言っても、それからまた総理がおっしゃるように、そういう本当に働くところ、私らの計算では一千万ですよ、それでは生産意欲が出ない税制だと言わざるを得ない。そうなるかならないか、これはこれからの税制改革がどう行われようかという問題の中で一層はっきりしてくることですから、それは引き続いて論議したいと思います。 私は少なくとも申し上げておきたいことは、この法案は第一に公約違反の法案だ、第二に法案の体をなしていない、第三に国民の圧倒的多数に負担を求めて高所得者の減税を支える、そういうとんでもない法案であり、廃案にすべきだということをもう一度申し上げて、質問を終わります。
○委員長(西田吉宏君) 吉岡吉典君の質疑は終了いたしました。
○西川潔君 よろしくお願いいたします。 私は、村山総理に御質問するのは初めてでございますが、どうぞよろしくお願いいたします。 総理大臣、長旅お疲れさまでございました。まずお伺いしたいのは、総理が常々おっしゃっておられます「人にやさしい政治」というのはどういう政治なのかというのを僕は素朴な疑問としてまず一問目にしたいと思います。
○国務大臣(村山富市君) なかなか一口で言うのは大変難しいんですけれども、先ほど来答弁いたしておりますように、例えば、世の中には強い者もあれば弱い者もある、健常者もあれば障害者もおられる。そういう方々がお互いにいたわり合って、そして人間として平等に公正に生きられるような社会、お互いに人間として生きることにぬくもりを感じられるような、そういう社会を目指していきたいものだというふうに考えております。
○西川潔君 私ももう三十年近くずっと老人ホーム、刑務所、そしてまた体の御不自由な方の施設とかを回らせていただいて、村山さんが総理大臣になったときは実はほっといたしました。無所属でずっとこちらの方で二院クラブにお世話になっておるのですけれども、優しい人だな、きっと一生懸命やってくれるだろう、これからの歴史の中で、そしてまた今までの国政を考えて捨て石になって違う日本をつくってくれるのではないかなという期待を持っておりますし、ファンになりました。 今まで見ておりますと、これまでの村山内閣は透明性、国民にとって民主的で透明性、そういうものが我々に本当に伝わってまいります。しかし、その肝心な内容について国民にわかりやすく、朝からずっと聞いておりましたが、答弁もなかなか難しい答弁もたくさんございましたし、考えますと、質問する側もわかりやすく質問しなければいけないんだなということも認識いたしました。 この消費税でございますが、私も当時反対をした一人でございます。現実に今、消費税を廃止できるかどうかを考えてみますと、これはもうできないと思います。むしろ、今後の高齢化社会を迎えるに当たりまして、消費税をそれにふさわしいよいものにすることが現実的で責任ある政治だと僕は考えます。しかしそのためには、消費税は私たちの将来の生活を本当に守ってくれるのだ、納得のいくわかりやすい形を用意するということが今の内閣は必要であると思うわけです。 今回の税制改革ではなぜ所得減税が必要なのか、なぜ消費税率の引き上げが必要となったのか、まずこのあたりをわかりやすく説明していただきたいんです。
○国務大臣(村山富市君) 日本の景気がバブルが崩壊して非常に不況局面を迎えた、何としても景気を回復させなければならない、その景気を回復する手だてをどう講じていくかということが一つの課題でした。それからもう一つは、貿易収支で日本がこれだけ莫大な黒字を抱えて、そして赤字になっている国々からはもっと日本の国は内需を拡大してそして輸入をふやしてほしい、そして均衡のとれた貿易収支のあり方を追求すべきではないか、そのためには規制緩和も大いにやってほしいし、同時に国内消費を高めるためには大幅な減税もやってほしい、こういう内外からの強い要請もございました。 そういう要請にこたえて、大体六兆円規模の大型減税をやっていこうということについては、一応決められた一つの路線にもなっておりますし、約束にもなっておったということも踏まえてことしは五兆五千億円の減税をやった。したがって、来年も同規模の五兆五千億円の減税をする必要があるだろうと。しかし、その財源をどう賄うかとか、あるいは高齢社会を迎えて福祉をどうするのかといったような問題も計算の上にのせて、そして検討する必要があるというようなことから考えて出した、今当面考えられるいろんな条件を総合して判断をした最終的な結論として五兆五千億円の減税と。 減税をやって、また一方で増税をすれば何のための消費の拡大かわからぬではないか、こういう議論も当然あるわけですから、したがって減税はことしからまた引き続いてやるけれども、しかし消費税の引き上げについては平成九年度からにして、そこには若干の間を置いていこうというようなことも配慮してやった結果であるというふうに私は御理解をいただきたいというふうに思います。
○西川潔君 税金を納める一人一人の国民は、一生懸命本当に朝早くから夜遅くまで額に汗して稼いだお金ですから、その中からまた税金を納める。そのお金を何に使うかということですけれども、税金を納めることによりまして今度はどんな恩恵があるのかをはっきりとやっぱり我々としては、国民としては知らせてもらいたい。 二十一世紀に向けて高齢化社会、そして少子社会を迎えるわけですけれども、つまり安心した老後。我々がしょっちゅう聞くのは、政治家の人はいいわ、二期も務めると年金もあるしというようなことで、そしてみんなが元気。西川潔さん、なぜ政治家の人はあんなに元気や、色つやがいいなというふうに聞かれるんですけれども、僕はもう答えるすべがないんです。本当に人間はみんな死んでしまうんですが、若いときから一生懸命働いてきて、不安な老後生活が一番僕は寂しくてつらいと思うわけです。 そのために今、今回のこの税制もしっかり頑張っていただきたいと思うわけですけれども、医療、年金、福祉については国は一体何をしてくれるのか、またどこまで保障してくれるのか、そして不足分については私たちは個々に一人一人がどんな準備をしなくてはならないのか、そういうのをわかった上で、そして納得した上で税金を納めたいとみんなが思っているわけです。 二十一世紀に向かいまして、今言いましたように医療、年金、福祉につきまして、公的な分野と私的な分野の組み合わせをどのようにお考えになっておられるのか、またその方向性についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(村山富市君) 今、委員お話がございましたように、これから高齢社会に入っていく、老後の生活あるいは医療すべてを公的サービスで賄うということはこれは大変なことだと思いますね。したがって、公的にサービスを提供できる範囲は一体どの範囲なのかということもしっかり新ゴールドプランの中では確定してもらう必要がある。 そして、その足らざる分はどうして、家庭的に尽くせる範囲はどの範囲か、あるいは民間のサービスとしていろいろ提供できるような部面はどの部面があるのか、あるいはまた、例えば民間の保険会社のようにいろいろな新しい年金の保険をつくっておりますけれども、また医療のカバーができるような保険制度もつくっておりますけれども、そういう私的な保険によってどの程度の分野を賄っていただければいいのかというようなことをやっぱりきちっとして、そして全体として本人の自助努力も含めて公的サービスの分とあわせて老後が安定できる、こういうような仕組みというものをしっかり考えていく必要があるのではないかというふうに私は思うんです。 しかし、社会保障制度という前提から考えれば、最低の基準ぐらいは公的に保障できるぐらいなのはきちっとする必要があるのではないかというので、給付水準をどの程度に維持するか、それを負担する財源というのはどういう形で賄っていくかということをお互いに真剣に検討して、国民の皆さんが納得できるような結論を出していくということが大事ではないか、それをこれから真剣に八年の九月末日までにやっていこうではないか、こういうことで今政府は取り組んでおるわけでありますから、そういうふうに御理解を賜りたいというふうに思います。
○西川潔君 僕も大臣の目をしっかり見まして今答弁を聞いているわけですけれども、本当に脂っこくないというんですか、ぎらぎらした、さもあれば政治家はそういうふうに見られがちな部分があるんですけれども、そういう力強い答弁をいただいて、本当にしっかりと頑張っていただきたいと思います。 次に、今回の税制改革では減税と消費税率の引き上げという組み合わせとなっているわけですけれども、減税を行ったとしても課税最低以下にある方々にとっては、朝からも出ておりますが、余り恩恵がない、この組み合わせが公平であるとは思えないという方々もたくさんいらっしゃるわけですね。 消費税が何に使われているんだろう、ここに不安を抱きながら我々も納めているわけですけれども、むしろだれが見ても医療や年金、福祉を支えるために社会福祉、社会保障の充実に充てるべきではないか。つまり目的税というふうに僕は常々、前の予算委員会でもお願いしたんですけれども、福祉に使ってもらうという目的税に対しては総理大臣はどうお考えですか。
○国務大臣(村山富市君) 先ほど野末議員の質問に私は答えたんですけれども、例えば国民年金を考えた場合、毎年毎年、年金の掛金が上がっていく。その割合に給付は、六十五歳からもらう金にしては遠い話で、これじゃ余り魅力がないといって掛け捨てになるような方が大変ふえていく。したがって基礎年金の部分についてはある程度国庫負担をふやして、そしてせめて二分の一ぐらいは国庫で見るぐらいのものに改善をしていったらどうか、そうでないと基礎年金は根底から崩れる心配があるのではないか、こういうことを申し上げた。そしたら、政権についてみたらよくわかったでしょう、野党のときには無責任なことだ、こういうお話でしたけれども、決してそんなことではなくて、やっぱりそこは僕はこれからも検討する課題として真剣に考えるべきだと思います。 そして、国民の皆さんにわかりよくするためには、これだけの負担をした、この負担をした金はこういうところに使われておるということが目に見えるようになることが一番いいと私は思うんですよ。思うんですけれども、しかしそういたしますと、その使われる部分の需要がずっとふえていけばふえていった分だけまた負担をしていかなければならぬ、こういう関係がまた生まれできますから、したがってどこまで負担が可能なのかということも考えなければいけませんから、そういう点は総合的に判断をして給付水準と負担の水準というものは見合った形にする必要がある。 しかし、いずれにいたしましても、可能な限り国民の皆さんに納めた税金の使い道がわかるように、理解できるようにするような仕組みというものはこれからも透明度を高めて、真剣に考えていかなければならぬ問題だというふうに私は思っております。
○西川潔君 僕も目的税にすればということの勉強をさせていただいておるわけですけれども、それもわかります。揮発油税等々を見ますとよくわかるんです。 そこでお伺いしたいんですけれども、それでしたらここで一つ、例えば目的税というような形ということで僕はお願いしたいんですが、新ゴールドプランを例えば法制化する。それが担保されると、我々国民にとりましてはなるほどと。地域の中の医療施設だとか福祉施設だとかということに使われる、町の中が目に見えてわかってくる、学校が変わる、ノーマライゼーション、健常者も障害を持った人たちもみんなが町で仲よく暮らせるというような、消費税の目的化をするということで新ゴールドプランを法制化するというような考えを持っていただけないものか。これは総理大臣と大蔵大臣にもお伺いしたいと思います。
○国務大臣(武村正義君) 新ゴールドプランにつきましては厚生省が素案を提案いたしておりますが、これを基本にしながら、今後政府の中で真剣に議論をしていきたいと思っているところでございます。 計画ですから、法制化せよというのはどういう意味か、私どもの頭の中には法制化までは今念頭にないわけでございますが、いずれにしてもオーソライズする、政府が正式に公式にこれを認めるという作業が必要でございます。そのために真剣に詰めをしてまいりたいと思っております。 以上です。
○国務大臣(村山富市君) この新ゴールドプランというのは十カ年を目標にした計画ですね。そこで、これから老人が、寝たきりのお年寄りがどういうふうにふえていくだろう、それから家庭で介護をしてもらう数はどの程度必要なのか。家庭で介護される場合に、それは子供さんがみんな働きに出ていればお年寄りだけ残されるわけですから、したがってそういう全体の動向を見た場合に、ホームヘルパーというものがどの程度必要になるのかというふうなことを積算して十年計画を立てようというわけですから、これを全部法律で決めてしまうというのは、これは世の中も変わっていく面もありますから、なじみにくい面が私はあると思うんですね。 だけれども、やっぱり計画的に物事を進めていくということは大事なことですから、したがって十カ年計画なら十カ年計画を新しいプランとしてつくっていただいて、それを単年度、単年度の予算編成の中で財源を充当していく、こういう作業の詰め方をする以外にはないと思います。しかし、これはやっぱり展望を持たなくてはいけませんから、したがってこれからこうなっていきますよという展望を国民の皆さん方の前に明らかにして、そして希望を持って取り組んでいただけるようなそういう仕組みというものを考えていきたいものだというふうに思っておるわけです。
○西川潔君 ありがとうございます。 全国いろんなところで声をかけていただいてまいりますけれども、そういう要望が多い。目的税というのはやっぱり無理であろうということは私たちも重々わかっているんですけれども、せめてこういう今言いました法制化、新ゴールドプランをというようなことでお願いするわけです。完璧にということは無理でしょうけれども、今答弁をいただいたような形でひとつ進めていただきたいと思います。 本当に現実に、さっきホームヘルパーのお話も出ましたけれども、大変皆さん方が困っておられまして、やっぱり今は人の愛に、そしてボランティアに真心をいただいてというようなお声も多いんですけれども、橋本龍太郎さんが大蔵大臣のときでしたか、質問をさせていただいて、国の制度としてはホームヘルパー制度というものに対してお金は出ておりませんでした。地方自治体では少し異なる部分がございましたけれども、お願いをいたしまして国の制度としておつくりいただいて、そして一時間約八百六十円、そのころでございますが、地方も半額を負担する、そして国も約半額を負担するということでおつくりいただいて、大変全国の皆さんが喜んでおられます。 そしてまた、そういう皆さん方が、ボランティアだけではなかなか出かけることができません。潔さんがそういう福祉のことをおっしゃっているから出かけはしたいけれども、いわゆるパートから得ている収入を捨ててまでは行けない。主人の入ってくるお金はちゃんと家のローンに回して、子供の教育費に回して、私のパートの収入はたまに国道沿いのレストランに出たりとかみんなで娯楽を楽しむということのお金に使うから。でも、これから将来の自分のことを考えますと、福祉も十二分にやりたい気持ちはやっぱりたくさん全国の方々がそういう真心は持っていらっしゃいます。どうぞよろしくお願いしたいと思います。 次に、二十一世紀に向かっての国と地方の役割についてお伺いをします。 政府では、年内に地方分権についての大綱方針を策定することとされておられますが、今後の国と地方の役割分担の見直しをどういった方向性で取り組んでいくお考えであるかお伺いします。
○国務大臣(村山富市君) お互いに責任の分野を明らかにして、国が受け持つ責任の分野と地方自治体が受け持ってやった方がいいと思われる責任分野というものを明らかにする必要がある。地方が責任を持ってやれる分野については、地方が単独に主体的な権限で財源の裏づけもあって仕事ができるようにしていこう、こういうところに私は基本的に地方分権を進めていく考え方があるんではないかと思うんです。 今、現状を考えてまいりますと、これは大ざっぱに言って、例えば六割五分ぐらい国に金が入っておる、地方には三割五分しか入っていない。逆に仕事は、六割五分ぐらい地方がして、そして国は三割ぐらいしかしていない。それが交付税やら補助金等で地方に財源が充当されていく、こういう仕組みというものは是正をして、それぞれの知事なり市町村長も選挙で選ばれている方ですから、ですから地方自治の権限というものをそういう意味でもっと強化して、そしてその地方、地方に応じたローカル的な色彩を持った特色のある町づくりができるようなことにした方がいいんではないかという考え方で地方分権というものが議論されておる。 私は、ある意味ではもう時の流れだと。ですから、今の政府としても、まあ次の通常国会ぐらいには地方分権を推進する基本法ぐらいは出して、そして具体的にこの地方分権が推進できるようなことにしていこうというので、今努力をいたしておるところであります。
○西川潔君 現在、福祉分野を初めといたしまして、住民の生活を支える行政サービスのほとんどは自治体が担っているわけですけれども、住民にとっても地方自治体保が最も身近な存在であることは、これはもう言うまでもありません。 そういたしますと、住民にとってみれば、それそれのニーズに対しましてどういった行政サービスを行っていくかを国で決めてていくよりもむしろそのニーズを自治体とともに住民が考える、これの方が非常にわかりやすいのではないでしょうか。福祉も、二年ぐらい前でしょうか、責任の移譲ということで随分喜んでいらっしゃいます。 そこでお伺いしたいんですが、将来はその費用と負担についても地方自治体と住民によって決めでいくシステムのように考えていってはいかがでしょうか。この点については大蔵大臣と自治大臣にお願いします。
○国務大臣(武村正義君) 本当に大事な点だと思います。負担とサービスとおっしゃいました。今回の税制改革もそういう視点に立って議論が煮詰まってきていると思います。 福祉は、比較的サービスについて全国民の皆さんが理解をしていただきやすいテーマです。なぜならば、もう間違いなくお互い年をとればおじいさん、おばあさんになるわけです。必ずそういう存在になるわけでありますだけに、たとえ四十代、二十代の若い人でも、やはり高齢化社会なり老後ということは自分の問題だと。今家にいるおじいちゃん、おばあちゃんの問題じゃない、自分の将来の問題だという理解を持っていただいて、それじゃどうしたら一番お年寄りが元気で幸せに過ごしていただけるか、人生の最後をどうして幸せに全うしていただけるか、その一点で議論に参加することができると思うのであります。 今回、私は、みんなで支え合う日本と申し上げたり、年をとっても元気が出る日本をつくっていきたいというふうなことを申し上げてまいりましたのも、結局いろいろ議論していきますと、それは最初は金の問題、負担の問題は金持ちから取ればいいじゃないか、大企業から取ればいいじゃないか、そういう議論もあったと思うんです。ある種、高度成長の時代はそういう議論も一面許される面もあったかもしれません。しかし、こういうふうに経済も落ちついてまいりますと、まして特に福祉の問題であるだけに、国民全体の問題としてこれを議論をし、私どもは世代間の公平とか、あるいは社会の構成員が広く負担し合うとかいうちょっと難しい表現を使っておりますが、みんなでどの程度負担してみんなの老後をしっかり支えていくのかという議論になってこようかと思っております。 そういう意味で、今のお言葉、負担とサービスという今の問題指摘を私は受けとめさせていただきました。
○国務大臣(野中広務君) 西川委員から御指摘がございましたように、地域福祉なり地方の実情に合って住民に一番身近なところでやっておる地方公共団体がやはり地域の実情に精通をしておるわけでございますから、そういうところで住民のニーズに合った福祉行政というのはやっていくべきであり、またそれを担っていく責任があると私も存ずる次第であります。 ただ、それを果たしていくためには、それを賄うに足る税財源を必要とするわけでございまして、地方に安定的な税財源が与えられなければ、総理が先ほど申し上げましたように、現在のような税体系で地方が仕事は七割負担をし、あるいは税財源は三割、こういう状況、財源の方は国が七割、地方が三割といういびつな状態というのはこの際変えなくてはいけないと、そう考えましたときに、今回税制改正に伴いまして地方分権なり、あるいは福祉ビジョンの確立の前に地方消費税の導入というのが新しい施策として入れられたことは、私は大きな弾みをつけることになったというように認識をしておる次第でございます。
○西川潔君 短い時間ですので早口になって申しわけございませんが、次に進みたいと思います。 次は、地方消費税についてお伺いいたします。 今回、地方消費税が地方の独立財源として新設されたわけですけれども、ただ一般国民といたしましては、単に消費税率が上がるだけで、中には、五パーの消費税に加えさらに一%地方消費税がつくとほとんどの人は思っていらっしゃるんです。潔さん、余分に地方税としてまだ取られるのといって、僕らしょっちゅうこれを言われるんで、いや、そうではありませんと、私ら本当に内閣の役目を全国でやっております。その意味で、国民には地方消費税ができたとしても単に負担がふえるだけの声が多いというのが本当に事実でございます。 そこで、今回のこの地方消費税の創設意義につきまして、消費譲与税ではなく地方消費税がよりよいものとして考える、つまり違いは何なのかということを自治大臣の方から全国の方にひとつわかりやすいように。
○国務大臣(野中広務君) 西川委員、それぞれ福祉の施設等をお回りになりまして大変温かい行動をやっていただいておることを私ども目の当たりにいたしまして、感謝をしておる次第であります。 そういう点で今の御指摘があったのであろうと思うわけでございますけれども、今度の税制改正におきましては、消費税率四%、地方消費税一%という御理解をむしろいただきたいと思うわけでございまして、従来の消費税の中から地方譲与税として国の税から地方が譲り与えられてきたわけであります。これを今回は地方独自の税として地方消費税として創設をすることになったわけでございます。 これはすなわち地方の独自税源でございますので、地方の都道府県の議会で条例として議決をするわけでございます。けれども、その賦課徴収につきましては、納税者の事務便宜等を考えまして、この際国において一緒に賦課徴収をしていただくとしたものでございます。しかし、税務署からそれぞれの都道府県に国を経由しないでこの税は入ってくるわけでございまして、そしてその二分の一は市町村に交付をいたしまして、それだけでは足りませんのでなお交付税率を引き上げることにいたしまして、地方財政の充実をしていただくことになったわけでございます。 さらに、住民税の減税を考えますときには、なお地方の市町村財政はまだ賄い切ることができないと思いますので、都道府県民税の中から一部市町村に充当をしなければならないであろうというようにも考えて、今回の税制改正を契機に、地方財政の安定的な、特に府県税というのは法人課税に重点が置かれておりますために景気に左右されて非常に不安定な税源でございますだけに、安定性を持ち、伸長性を持った地方消費税が導入されるという意義はまことに私は大きいと考えておる次第でございます。
○西川潔君 二分前になりましたので次の質問に参りたいんですけれども、中途半端になってしまうと思います。 今、自治大臣にも御説明いただきまして、我々も十二分にその部分も把握はいたしておりますが、この二分間を使いまして、皆さんによく聞かれるんですけれども、潔さん、今後払っていく年金なんかは、今払っている年金、将来もらえるんだろうかと。あるところも試算しておりますが、今八歳の子供がずっと大人になり、そして掛金を掛けていきます。自分がいただくときには、例えば百万円掛けるとすると、九十万円しか返ってこないというような試算のところもあるわけでございます。 総理大臣と大蔵大臣そして自治大臣、簡単で結構ですが、これからの日本の見通しと、我々が納めたものが本当に確実に返ってくるのかというのを全国の皆さんに安心できるような御説明をいただいて、私の質問を終わりたいと思います。よろしくお願いします。総理大臣から。
○国務大臣(村山富市君) 西川議員は、きょうもそうですけれども、いろいろ大衆の場に出て物を言う機会が大変多いんで、そういう場を活用してできるだけ正しく認識していただけるように御協力をいただいていることにつきまして、心から感謝を申し上げたいと思うんです。 老後はどうなるのかということに対する不安が一番やっぱり強いと思いますから、先ほど来議論もいたしておりますように、医療と年金と福祉と、あるいは住宅も含めて、しかも健康で働ける問は、単に財政的な問題だけではなくて、健康、気分の問題からも、やっぱりこれだけおれは生きていることによって社会の役に立っておるということも生きがいの一つになると思いますから、そういうことも含めて、総合的に老後が安心できるような世の中をどうつくっていくかということに私どもは大きな政治の課題として取り組んでまいりますということだけは申し上げておきたいと思います。
○国務大臣(武村正義君) 福祉の日本をつくっていくためには、安心のできる日本にしなければなりません。そのためには、国のベースになりますような財政とか税制とか、そしておっしゃるように年金制度とか、そういうものをしっかり構築して、国民の皆さんに将来うそをついたと言われるようなことが絶対ないように私どもが頑張っていかなければいけないと思っております。
○国務大臣(野中広務君) かけがえのない一回きりの人生でございますだけに、生きとし生けるものが生きていることを感謝し、喜び、そしてお互いに支え合える世の中というのを構築していかなければ、口で福祉を幾ら叫びましても、現実に委員がおっしゃったように大変困難な、民族が経験したことのないような高齢化社会を迎えるわけでございます。それを支える人たちは少ないわけでございます。そういう中において私どもは、福祉施策全般について、お互いに痛みを分かち合い、そして血を出し合い、支え合っていく、そういう決意を持たなければ、言葉だけが踊ってはこの世の中を支えていくことができないと、こんな認識でございます。
○西川潔君 期待をして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○委員長(西田吉宏君) 以上で西川潔君の質疑は終了いたしました。 本日の質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。 午後五時十七分散会