世界貿易機関設立協定等に関する特別委員会 第7号
- 発言数
- 137 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 1994/12/08
会議録
○委員長(矢田部理君) ただいまから世界貿易機関設立協定等に関する特別委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日、風間昶君、市川正一君及び谷本巍君が委員を辞任され、その補欠として和田教美君、林紀子君及び山口哲夫君が選任されました。 また、本日、青島幸男君が委員を辞任され、その補欠として西川潔君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(矢田部理君) 世界貿易機関を設立するマラケシュ協定の締結について承認を求めるの件、著作権法及び万国著作権条約の実施に伴う著作権法の特例に関する法律の一部を改正する法律案、特許法等の一部を改正する法律案、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法の一部を改正する法律案、繭糸価格安定法及び蚕糸砂糖類価格安定事業団法の一部を改正する法律案、農産物価格安定法の一部を改正する法律案、関税定率法等の一部を改正する法律案、主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律案、以上八案件を一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○笠原潤一君 自民党の笠原潤一でございます。 いよいよWTOの審議も今回が最後の委員会になってまいりました。君に忠ならんと欲すれば孝ならずと、平重盛、ハムレットの心境であります。前におられます総理大臣初め各閣僚の方々も、国会で衆参で六回の決議がされました、あのことを思い合わせ、昨年の今ごろ、十二月十三日、細川元総理大臣がついに米の部分自由化を受け入れたわけであります。したがって、私どもにとっても、また総理大臣初め各閣僚にとっても、考えてみれば前政権の、それは外交は継続しなきゃならぬ、世界の大勢には逆らえない、こういうことで苦渋の選択をされた、こう思っております。 そもそも、東京ラウンドの後、ウルグアイのプンタデルエステでガット・ウルグアイ・ラウンドが開催され、そして今日七年越しの交渉の結果いよいよファイナルを迎えようとしておるわけです。二十一世紀に向け日本の将来を占う試金石というか、かけというか、今国会における年金法、税制改革法案はもとよりでありますが、政治改革法案とそれから小選挙区・比例の各法案、先般参議院で可決されたわけでありますが、それときょうを迎えようとしておりますWTO法案は、果たして日本の今後に吉となるか凶となるか。私は分岐点になる、戦後、いや今世紀最大の国運をかけた重大な案件であると思っております。 ゆえに、この法案の今後の推移いかんによっては、重大な危機感と同時に一大転換期ということにどう対処していくのか、ひしひしと身に戦慄と責任の重大さ、とりわけ審議に参画したことの使命と責任を痛感している昨今でもあります。 村山総理は、私は世界に通用する風貌を持っておられると思うんです。愛称はトンちゃんと言われますけれども、いや、私はそれよりも村山富市つあん、トミー村山さんの方が世界に通用すると思うんですよ。本当に総理の顔は、アメリカ中西部へ行っても、あるいはフランスやドイツやあるいはスペインの田舎へ行っても、あなたと同じような風貌の人に会うんですから。そういう点では私は、国際会議に行かれても非常に親しみのある顔だと思って、ああ、これからやっぱりトミー村山さんの方がいいなと。かつては総理とか日本の首脳で、何々さんとか首脳でお互いに名を呼び合った方がありますが、私はやっぱりそういう点では、これから総理がそういう意味で国際場裏で通用する政治家である、そういうことで私は非常に親近感を持っております。 それと同時に、総理が御就任になったときに、私はあの総理の記者会見を聞いておりました。そして、あの記者会見の中で国旗や国歌について、そして、前の細川総理や羽田総理大臣がおっしゃったあの侵略戦争に対するあなたの考え方も、やっぱりあなたは大正末期から昭和の一けた時代、戦中戦後を生き抜いてきた。そして、その中で胸に何かあなたは持っていらっしゃる。それが社会党という、あなたは国会の中に籍を置かれたけれども、それ以上に日本人だなという気持ちも私はひとしお痛感したんです。ですからそういう意味で、あなたのこのウルグアイ・ラウンドに対する気持ちも、そして日本の農業がどうなっていくか、私はその点ではあなたの胸中を察して余りあるものがあると思います。 私そのものも、これは本当は重大で、心は反対だけれども、これは実はしかし賛成しなきゃならぬという、本当に自民党の皆さん、ほとんどの皆さんもWTOは賛成なんですよ。多国間貿易でたくさんの物は動き、サービスがいろんな分野で行われていく、そして世界経済もブロック経済からいわゆる世界経済になっていくんですから、これは日本にとっても喜ぶべきことであります。日本はもちろん自由貿易国家ですから、貿易で立国しているわけですから、私どもにとっては一番大事なことであります。 その点では私は何らWTOに対しては反対はしないし、心から賛意を表しながら、そしてこれからヨーロッパはEU、アメリカはNAFTA、そういう地域ブロック化が進んでくる。今、本当にそういうことで、下手をするとAPECだって、東南アジアだって、そういうブロック化の経済にどう対処していくかということは、私はやはりそういう意味でこの世界貿易機関ができることは非常にいいことだと思っているんです。 しかし、農業を一緒にされた。農業を一緒にしたことについて私は甚だ残念である。そういう点が一番心に残ることなんです。農業というのはもともと別なんです。私は自分も農家の出ですから、田んぼを走るもあぜを走るも一緒という言葉がありますが、長い間農業をやってきた。農業の基本というのは何か、それはやっぱり農業というのは家族労働だ、これが一番基本にあるんです。 かつて、アメリカだってそうだったんです。トーマス・ジェファーソンが「土を耕す者は神のしもべである」、これは脈々とアメリカの中に生きていますよ。アメリカの州立大学、農学部というのはみんなランドグラントといって、そこからアメリカは発展してきたんです。清教徒がイギリスからアメリカヘ来て、そしてフロンティアヘ向かっていった、西部へ向かっていった。しかし、そこはみんな農業なんですね。そういうことからいえば、本当に農業とは一体何か、家族で働く。 私はよく言うんですよ、ちょっと話がそれるかもわかりませんが、日本人は大抵パリヘ行ってルーブルヘ行きます。何を見に行くか、一番最大の皆さんが見たいものは何か。三つあるんですよ。一つはモナリザです。これはもうそれはすごいきれいなあれですから、だれでもモナリザを見たがる。それからミロのビーナス。しかし、もう一つあるんですよ。これはミレーの「晩鐘」なんです。あの夫婦が本当に一日の農作業を終えて、あのアンジェラスの鐘が鳴る教会に向かって敬けんな祈りを捧げるあの美しさというのが農業です。それは人間の心、万国に通用する心だと私は思っているんです。 したがって、その農業というものを一緒にされた。一緒にして今度のウルグアイ協定を結ばなきゃならぬ、マラケシュ協定を結ばなきゃならぬ。非常に残念です。どうしてこんなことになったのか。 私は、先般、外務大臣がカイロの人口会議においでになって、そして世界の食糧の問題、飢餓に苦しむ問題、そういう問題を討議なさったわけです。本来言えば、今から十年ぐらい前、もっと前がもわかりません、世界が飢餓に苦しんだころ、ローマ・クラブというのがあって、そしてFAOというのが本当に世界の大きな主要な役割を果たしてきたんです。これは国連の一機関にすぎないけれども、それがここ十年来このFAOの話が聞かれなくなってきた。どうしてだろうか。私は、そういう点では非常にこれは異常な事態。そして、何か時代ごとにいろんな移り変わりがあります。変遷があります。しかし、この農業、ウルグアイ・ラウンドで、貿易の中で製造品とか工業とかと同じような分野でしかこの農業の問題が扱われなかったことに対して、私は非常に遺憾に思っています。 そういう点で、村山総理、今回実は大江健三郎さんがストックホルムヘ行かれてノーベル賞をおもらいになった。(「あっちに行ったりこっちに行ったりしている」と呼ぶ者あり)いや、これは大事なことですからね。その前に川端康成さんが「美しい日本の私」、今回は「あいまいな日本の私」と、これだけ違ってきたんですよ。どうしてでしょう。 日本が高度経済成長をやった。みんな歓迎したんです。私は、河野外務大臣のお父さんがお亡くなりになった後で、日本青年館で、大臣もあのときにはまだ政治家ではございませんでして、廊下のところでお立ちになっていたことを今でもまざまざと思い浮かべておりますが、あのときにだれだったか、こういうことを記念講演の中でおっしゃった人があるんです。所得倍増はいいんだ、しかし物価は四倍になるだろう、犯罪は八倍になる、こうおっしゃいました。日本はそのとおり歩いてきました。 この過去三十年間、あの高度成長をやってきた三十年間、この三十年間は非常な勢いで伸びてきた、日本の国は。しかし、その頂点が何だったでしょう。バブルだったんです。そしてバブルは今消えてしまった。世界の個々の歴史からいえば、三十年かかって上昇してきたものは必ず三十年でついえていく、私はそう思っています。 したがって、今、本当にこれは重大な運命の時期だと思っています。下手をしたら大変なことになってしまう。日本は今後上昇を続けていけるだろうか、繁栄していけるだろうか、そういう意味で今、大きな分岐点に立っておると私は思っています。 そういう点で、古い例を持ち出したいわけじゃありませんけれども、私は商業経済国家というのは必ず衰亡していくんだという考えを持っています。フェニキアしかり、ローマしかり、カルタゴしかり。かつては英国もそうだった。今や日本もそうなっていきはしないだろうかと非常に心配なんです。 ですから、私はそういう意味で、特に村山内閣総理大臣初め、自民党それから社会党、さきがけ、三党組んでいます。今、大きな分岐点、転換期に立っているこの時期に、私は総理としてこのWTOに対して今後のこの問題、それから日本の農業が誤りなく、そして危殆に瀕しないような形で続けていかれることを望んでいますから、その点について総理大臣の所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(村山富市君) 農業を営む心は万国に共通するものがあると、ミレーの「晩鐘」等も例に出しながら農業がいかに大事かということをお述べになったそのお気持ちはよく御理解はできます。 お話もございましたように、ウルグアイ・ラウンドで何とか関税化を阻止しよう、国会決議は守らにゃいかぬと、こういう立場から当時の政府もいろいろ頑張っていただいたと思いますが、ミニマムアクセスは受け入れざるを得なかったと。したがって、そのミニマムアクセスを受け入れた後の日本の農業を一体どう守っていくのか、国民の食糧をどう確保していくのかという観点から万全の対策を講ずる必要があるということが一つです。 もう一つは、しかし貿易というのは、経済というのは、これは農業だけで成り立っているわけじゃありませんから、とりわけ農業立国である日本の場合には、やはり国際的な多角的貿易自由化がどう維持強化されていくかということも必要なことですし、国際経済全体が秩序ある、信頼が持てるような体制というものをつくっていくことも大事だというようなことから、これは全体として受け入れざるを得ないという立場で受け入れをして、今、皆さん方に御審議をいただいているわけでございますが、これは使い方によっては、今、委員からもかつてのローマや英国等々の歴史も振り返りながらお話がございましたけれども、やっぱりこれからの活用の仕方によって日本には大変大きな影響があるというふうに思いますから、これをよりよいものにしていくためのいろんな対策を講ずる必要があるということは申し上げるまでもないと私は思います。 今、委員御指摘のあった点を十分踏まえて、今後の対策に遺憾のないように努力をしていく必要があるということは大事なことだというふうに考えております。
○笠原潤一君 総理から非常に決意のあるお言葉をいただいて大変喜んでおりますが、カントリーが滅びることはよくないし、農村が荒廃することは必ず国土の崩壊につながる、こういうことでありますから、どうか農村が本当にすばらしい農村であって、日本の農村というのは心のふるさとですから、ふるさと回帰論というのは日本人の心ですから、国破れて山河ありですから、そういう点でひとつよろしくお願いをしたいと思います。 続きまして外務大臣、実は、アメリカ議会のことは先般から御承知のとおりです。アメリカの議会というのはおもしろいところでありまして、アメリカ議会と行政府の関係というのは絶えずお互いにせめぎ合いをしています。行政府と立法府との長い間のいろんな問題は、アメリカの二百年の歴史の中で議会と行政府の問題はいつもあるわでして、今回は共和党が圧勝いたしました。その裏には私はレーガン政権というものが、あるいはブッシュに続いてこの十数年間、長い間かかってこのレーガノミックスというのは成功したと思うんです。アメリカは一時的に農業もだめになり、製造業もだめになって失業が多くなってきた。犯罪もふえてきた。しかしこれじゃいけないということで、レーガンさん、何といったってああいう一つの主義主張をやって、そして一応アメリカの経済が復興してきて、今、アメリカは非常に失業が減ってきました。それには日本企業もどんどんどんどん行ったわけですから。 そういう点でいって、外務大臣、先ほどの話に関連いたしますけれども、あなたがこの前カイロヘ行かれまして、ああいう人口会議で一生懸命お取り組みなさったと同じように、日本はやはり何といっても将来のリーダーシップを発揮する国ですから、この貿易協定は当然それは結ばなきゃならぬでしょう。しかし、これから農業の自立とそれから世界食糧をどうするかという問題は、これは二十一世紀を見据えていきますと本当に食糧は欠乏してくるんです。中国の例を引くまでもありません。今、サハラ砂漠はどんどん進行している。ですから、そういう点からいって、世界食糧機構というものは国連の中で独立した、そしてそういうものがなかったらこれは大変なことになると思うんで、その点について外務大臣、ひとつ所見をお伺いしたいと思いますし、決意のほどをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 笠原議員からいろいろと御指導をいただいておりますが、私も議員と同じように、将来、地球上のさまざまな問題が我々の前にやってくるけれども、予測できる範囲で我々が大変な問題と認識しなければならないのは人口問題であり、それと同じ問題意識を持たなければならないのは食糧問題だと思います。 御指摘がありましたFAOは、食糧・農業問題を扱う唯一の国際機関でございます。このFAOが設立以来、人類の飢餓に対して最も深刻に、そして最も正面からこの問題に立ち向かって今日までこられました。さまざまな情報を集め、統計をとり、提案をし、いろいろと努力をしてこられたFAOの活動に敬意を表したいと思いますが、今御指摘のとおり、ともすれば貿易という大きな波の中で、この食糧問題というものはややもすれば声は小さいという感じなきにしもあらずでございます。しかし、FAOはFAOで問題意識は非常に深刻に受けとめておられて、最近もその機構を改革しよう、活動の場をもっと広げなきゃならぬということからFAOの改革が提案をされているところでございます。 先々月でございますか、FAOの事務局長、ディウフさんという方が日本へ来られました。セネガルの御出身の方でございますが、このディウフさんに私もお目にかかりまして、FAOの改革等についてのお話をお伺いをいたしました。私は事務局長に、我が国としても大いに改革を支援したいということを申し上げておきました。私は、FAOがこれから国連の場、国際社会の場で大いに発言をされて、活性化をしてほしい、そしてそのFAOの発言がさまざまな国際機関に大いに影響を与えてほしいものだというふうに考えております。 WTOにおきましても、御案内のとおりまず最初に環境と貿易の問題について委員会ができて議論をすることにもなっておりますので、そうした場で我々も大いに努力をしたいと思っております。
○笠原潤一君 ありがとうございます。 実は、これから農林水産大臣、通産大臣、大蔵大臣、文部大臣それから自治大臣にいろいろとこの問題についてお伺いしようと思いましたが、たった二分しかありません。 考えてみますと、大蔵大臣にはこの農業合意の六兆百億円、自治大臣には一兆二千億円、これは必ず約束してお互いにやってもらいたい。いや、実はそれだけでは私は足らぬと思っているんですよ、日本の農業の将来を思えば。しかし、問題は財政の問題ですから、そういう点でひとつよろしくお願いしたいし、大蔵大臣にはもう一つ、実はかつてはシティーからニューヨークに移り、ニューヨークから東京へ来たこの金融の中心が、今や本当に証券は香港あるいは金融はシンガポールヘと行こうとしていますよ。これは何とか食いとめなきゃならぬわけです。それはいろんな問題があるわけです。それについてお伺いしたいと思いましたけれども、時間がありませんのでまた後日、この次の機会にやりますけれども、本当にこれも日本が金融の中心から外れできますと大変なことになるんです。ですから、そういう点で言えば非常に心配、懸念がありますので、その点についてお伺いしたいのと、政治も政治ゲームに明け暮れたり、私は連立のことを言うわけじゃありませんが、昨年の細川政権のときには余りにもああいうことだけになっておって、どうも経済の問題とかそういうことを余りにもなおざりにしておったことが大きなツケになっているんじゃないか、私はこう思っております。したがって、いろんなことについて申し上げたいけれども、時間がありません。 それから文部大臣、農業後継者の問題。これも実は本当に農業後継者が夢を持てるような、やっぱり農業高校から、そしてかつては東大にも農学部の実科があったけれども、これもなくなってしまった。そういうものを復活しながら、私はすばらしい農業後継者が出てくるようなそういう教育の制度をつくってもらいたい、こう思います。 それから通産大臣、もう一つ。実は産業の空洞化の問題が大変でありますから、先般来いろいろと論議がされてきました。産業が空洞化をして、日本はWTOの協定は結んだけれども、産業がどうにかなって中小企業もおかしくなったということじゃいけませんので、その点、通商産業政策をひとつ思い切って多角的に展開していただきたい、こう思います。 自治大臣には、ふるさと創生で。日本の農村がついえ、国土が消えていくことは非常に残念です。農村が消え去ってしまうことは大変残念ですが、その点をひとつよろしくお願いいたしたい。 農水大臣には、もうしょっちゅうやっておられますからよくおわかりだと思いますので、その点をお願いしながら、時間が参りましたから、これで私の質疑を終わります。 どうもありがとうございます。
○村沢牧君 昨年の今ごろは、ガットのドンケル調整案をめぐって政府も国会も、与党も野党も緊迫した情勢でありました。あれから一年間、私は党の農林水産部会長として、また連立与党の農業問題責任者の一人といたしまして、ガット後の農業対策に真剣に取り組んできたところであります。 本日は、日本社会党・護憲民主連合を代表して締めくくりの質問をさせてもらいたいと思いますが、時間がありませんから簡潔に御答弁を願いた いと思います。 まず、国会決議と政府の責任であります。 米は国内生産で完全自給の方針を堅持するという本院の決議を尊重することができなくて、細川元総理の決断によって農業合意を受け入れたことは私は謙虚に反省しなければならないというふう に思います。もっとも、ウルグアイ・ラウンド交渉は自民党政権当時からずっと続いてきたことでありますから、自民党政権が続いておったとしてもこういう結果になったであろうというふうに私は思います。しかし、連立与党の第一党の社会党も苦渋の選択をした。そして、私も当時政務次官であって非常に迷惑をかけた。責任もとらさせてもらった。そんなことで済むことじゃありません。しかし、ミニマム・アクセスを受け入れたけれども、日本社会党そして私は、主食は国内生産で自給をしていくんだというその基本と精神を失 っているわけではありません。 そこで、総理にお願いしたいのでありますけれども、国会決議の尊重ということと、主食は国内で自給をしていくという総理のお考えを聞かせてください。
○国務大臣(村山富市君) 昨年の十二月、ちょうど委員は農政の政務次官をされておりまして、このミニマムアクセス受け入れについて大変御努力をされ、御苦労、苦悩された姿を今思い起こしたわけでありますが、同じように社会党も二晩も徹夜をして衆参両院で議論をしながら、最終的にはやはり連立政権に参加しておるという立場や、あるいは経済全体の立場を踏まえた場合にやむを得ないという苦渋な選択をしたことを思い起こします。 それだけに、日本の農業をどうするか、農業が国際的に立ち得て、しかも国内で自給できるような食糧の確保、しかも安全な食糧が安定的に国民に供給できるようなそういう農業というものをどうつくっていくかということについては、お互いにやっぱり責任を感じ合って、可能な限り国会決議を外した立場で今後の農政というものも推し進めていく必要があるというような決意で今日取り組んでおるということについては十分御理解をいただきたいと思います。 こうした国会の審議を通じて、国民の皆さんにもよく御理解をいただきながら、これは単に農業だけの問題ではなくて内閣が一体となって取り組むべき課題である、こういう決意で今後も頑張っていきたいというふうに思っておるところでございます。
○村沢牧君 政府はもとより、与党であれまた野党であれ、国権の最高機関である国会の決議を尊重することは当然のことであります。本院の本会議で三回、また本院は農林水産委員会で五回も決議をしているんです。しかし、この決議は米の自由化反対をうたっているだけではない。自給力の強化、安全性、再生産の確保、所得の保障など農業の体質強化を政府に求めているんです。 村山内閣が外交の継続性で、WTOで農業合意を決意しなければならなかったことは、これはまあやむを得ないといたしましても、米の部分開放、ミニマムアクセスはやむを得ないとしても、その他の国会決議も尊重して政策の充実を図っていく、そうするべきだと思いますが、改めて決意を聞きたい。
○国務大臣(村山富市君) 今、委員からお話もございましたように、この国会決議というのは、食糧の自給力の強化、安全性の確保、再生産及び所得の確保等について決議がされておりますから、その決議を踏まえてそして可能な限り今後の農政に反映できるようにしていくということは当然なことだと私は思います。 ウルグアイ・ラウンドにおける日本側の立場というのは、やっぱりこの決議を踏まえた立場で、関税化はどうしても受け入れられないという立場から特例措置としてミニマムアクセスを受け入れざるを得なかった、こういう経過もあるわけでありますから、その経過も踏まえた立場で、今御指摘のございましたように、可能な限り自給力を高めながら努力していくことは当然でございますし、何よりも安全な食糧を安定的に供給できるような日本の農業というものを考えた場合に、やはり農業に魅力があって、生産をしていけば十分その所得も裏づけられるというようなものもきちっと確立する必要があると思います。 この国会決議というのは、これでもう消えてしまったわけじゃありませんから、その国会決議をしっかり外した上でウルグアイ・ラウンド後の農政というものに対して取り組んでいく必要があるし、その国会決議が生かされるような方向でさらに努力をしていく必要があるということについては、いささかも変わるところはないというふうに申し上げたいと思います。
○村沢牧君 農民・農業団体の一部には、政府がWTOの批准をすることについて不安と不信があることは否定することができません。これにこたえるためには、政府が責任を持って今後の農政に取り組んで実効性のある政策をつくる、その実績を示して、村山政権はよくやるんだ、よくやったんだということを理解してもらうことが必要だと思う。総理の決意を重ねて伺いたい。
○国務大臣(村山富市君) 今、委員御指摘がございましたように、ミニマムアクセスを受け入れた後、閣議了解事項もございますし、それから農政審の報告もいただきましたし、同時に政府の緊急農業農村対策本部におきましてもその後の大綱を決めて、これからまた予算編成にも入るわけでありますが、具体的に国際競争に勝ち得る、競合し得るそういう農業というものをどうつくっていくか。 同時にまた、農業というのは単に食糧を増産するというだけではなくて、先ほど来お話がございますように、環境問題やら水問題やらあるいは国土の保全問題等々、公益的な役割というものも持っておる。伝統的な農業の持つ役割というものがあるわけですから、そういう点も十分踏まえた上でその趣旨を十分体して、日本農業を守るために閣内一体となって全力を挙げて取り組んでいくことにつきましてはいささかも変わりがないし、その決意で今後も努力をしていきたいということだけは申し上げておきたいと思います。
○村沢牧君 外務大臣に伺いたい。 APECの首脳会議で村山首相は、貿易・投資の自由化を進めていくには農業問題等種々の困難な問題があり、人口・食糧問題等への配慮と調和のとれた形で進めていくことが大切であると、こういう発言をされている。私も賛成するのでありますが、外務大臣はどのように考えますか。
○国務大臣(河野洋平君) APECの非公式首脳会議におきましては、インドネシアのスハルト大統領のイニシアチブで、APECは自由化に向かって進んでいこう、こういう御提案がございました。それについて各国はさまざま国内事情等もございましたけれども、村山総理からは、今、議員が御指摘になりましたような問題点をあえて非公式首脳会談で発言をし、主張をなさいました。私ども非公式首脳会談には出席はいたしておりませんが、外側におりましてもこうした御発言に共感する方々もおられたというふうにお見受けをいたしました。 しかし、ボゴール宣言におきましては大きな政治的な方向性を示すということでございまして、これからボゴール宣言をどういうふうに進めていくかについては、その分野あるいはその方法等については今後のことだということになっておりまして、明年、我が国はAPECの議長国ともなるわけでございまして、各国の事情もよく打診をしながら、村山総理の御発言の趣旨を体して努力をしたいと思っております。
○村沢牧君 WTOの農業合意の内容は、率直に言って輸出国に有利であり、輸入国には不利なものがたくさんあるわけです。先般来論議をされておりますように、世界の人口増加の問題だとか食糧問題の不安については何回も指摘されており、大臣からも答弁を受けている。 そこで、外務大臣、WTOに各国の農業の維持発展を可能とするような新たな農産物貿易ルールをつくることを国際的に我が国は努力すべきだと思うが、その見解を伺いたい。
○国務大臣(河野洋平君) 議員も御案内のとおり、WTO協定はその前文を初め数カ所にわたって非貿易的関心事項についてというくだりがございます。この非貿易的関心事項は、我々は食糧安全保障を初めとして食糧の問題、環境の問題等、あるいはまだほかにもございますけれども、そうした問題があると認識をいたしておりまして、これらの問題はWTO協定下でも環境と貿易に関する委員会等が設立されることになっております。そうした委員会の中でまずは議論をするということから始めることが適当ではないかというふうに考えております。
○村沢牧君 そういう議論をすることは当然であるけれども、日本国としては、新たな農産物貿易ルールを国際的につくっていこうと我が国からひとつ提案をしていく、その努力を求めているんです。
○国務大臣(河野洋平君) いよいよWTOが明年、これから実施のための会合が本日ジュネーブにおいて開かれるわけでございますが、その会合の結果を踏まえてWTOスタートの日にちを決めるということになっておりますが、そういうことになりますれば、今申し上げましたようにまず環境と貿易の委員会というものが開かれます。私どもは、そうしたさまざまな場面におきまして、今、議員御指摘の趣旨を十分踏まえて努力する決意でございます。
○村沢牧君 ぜひそのことを日本政府はしっかりやってください。 それから、ウルグアイ・ラウンドの農業合意関連対策大綱は六年間の当面の対策である。これをもって農業を持続的に発展させるための抜本的な対策と言うにはほど遠いと思います。食糧・農業の国際化が進められて新たな事態を迎えておるとき、農政審も農業基本法の見直しを指摘しているんです。私は農基法の見直しだけでは不十分だと思う。したがって、新しい基本法をつくるべきだと。 その基本法の趣旨は、基礎的食糧の自給率の向上によって安全な食糧を安定的に供給すること、農林業の持つ国土や環境保全の問題、社会的公益機能の維持発展あるいは地域社会の活性化、これに対する農業・農村の役割を位置づけて農業者の所得や担い手の確保を図る、こうしたことを主要とするこの基本法、我が党は食料・農業・農村基本法を制定することを提案しているんです。 総理並びに農水大臣の見解をお聞きしたい。
○国務大臣(村山富市君) 今お話しのございました農業基本法の制定につきましては、先般の政策大綱におきましても「新たな基本法の制定に向けて検討に着手する。」ということも言われておりまするし、今、委員から御指摘のございましたように、今後の農業生産や農業経営の視点に加えて食糧の安定供給や消費者の視点、あるいはまた食品流通・加工なども含めた食糧という視点の導入、農業・農村の有する多面的な機能の位置づけなど、今、委員からお話しのございましたような視点を踏まえて十分今後検討して、いく必要がある。新たな農業基本法の制定に取り組む必要があるというふうに考えています。
○国務大臣(大河原太一郎君) 基本的な考え方はただいま総理が申し上げたとおりでございまして、新しい基本法の制定のための検討に着手する、そういう姿勢でございますが、取り上げられる項目についても、委員ただいまいろいろ具体的な御提案がございましたが、それらは一つの取り上げられるべき項目であるというふうに思っておるところでございます。 ただ、一言申し上げたいのは、今回の国内農業対策は、やはり今後の農政の方向とそれの裏づけとしての事業、施策を盛り込んでおるわけでございまして、今後の新しい農業基本法の制定においてもやはりその方向に合致し、また取り込まれるべきものであるというのがただいまの認識でございます。
○村沢牧君 農林水産大臣、私の提案したような考え方のもとに今ある農業基本法を見直すのではなくて新しい基本法をつくっていくんだと、その気持ち、私の提案についてはこれはお認めになりますか。
○国務大臣(大河原太一郎君) お答え申し上げます。 食糧の安定供給なり消費者の視点とか地域対策とか、そういう問題については現行の農業基本法は必ずしも盛り込んでおりませんので、やはり食料・農業・農村基本法的な構想を持って取り組むべきものだと思うわけでございまして、委員の御提案の方向と一致しているものではないかと思います。
○村沢牧君 我が党は与党として、また他の与党にも話をしてそういう作業を進めてまいりますから、政府でも真剣に取り組んでください。 そこで、六兆百億円をめぐっていろいろと今まで論議をしてまいったところでありますが、この際、私はこれをやっぱり確認しておかなければいけない、明確にしておかなければいけないと思うんです。 これは、政府の統一見解にもありますように、また我が党と政府との話し合いにありますように、従来の農林水産予算に支障を来すものではない、あるいは正しい仕事だ。これは別枠であるかどうかは別として、平成七年度の農林水産予算の概算要求を見ると前年対比〇・一%の増だと。あるいは公共事業重点化枠要望を含めても三・六%の増にすぎない。ゼロシーリングが開始をされた昭和五十七年度と平成六年度の予算を比較してみると、国の一般歳出は二九%ふえているけれども、農林水産予算は八%の減であります。こうしたこともあって、農林水産物の保証価格は昭和五十年初頭の水準になっているんです。 大蔵大臣、何でこんなに農林水産予算が減ったのか。農業が極めて厳しい情勢にあるときに、予算の数値と現状はこういう実態でありますから、農林水産省の概算要求は私は満額認めるべきだと。大蔵大臣が予算の査定権を持っていることは承知しているけれども、農林水産関係にはガットの関連予算があるという理由で従来の予算だとか概算要求を厳しく査定する、絞り込む、そういうようなことがあってはならないと思うが、どうですか。
○国務大臣(武村正義君) この時期の農林水産予算に対する御認識を承りましたし、今日までもたびたび六兆百億円の六年間の扱いについて厳しい御指摘を承ってまいりました。今、予算編成真っただ中でございますし、この六カ年の対策費につきましては、総理が答弁をいたしております方針に沿って、たがわないように全力を尽くさせていただきたいと思っております。 ただ、御指摘のように満額確保というお気持ちはわかりますが、政府全体の財政状況のらち外に農林予算があるわけではありません。財政環境全体が尋常ならざる事態を迎えておりますことはぜひ御理解を賜りたいし、そういう中で農林予算も精査をさせていただきます。農林予算をいたずらに削って、概算要求の予算を削って、その予算を新しい事業に振り向けるという考えは決して持っておりませんので、そこはよろしく御了解いただきたいと思います。
○村沢牧君 六兆百億円はばらまき予算だなどといって、もうそれは族議員の指導で予算編成が進んだと、あんなことをマスコミは報道している。とんでもないことだと思うんですね。連立与党は、我が国の農業の体質強化を緊急に図るため、長い時間かかって熱心に検討して各種の施策を政府に要求して、その積み上げによってウルグアイ・ラウンドの関連対策大綱並びに予算を政府も認めたということなんです。ところが、この内容についてこういうことが言われることについては私は極めて遺憾だと思う。 そこで、政府の対策本部としてもなぜこういう対策を講じたのか、その事業費の内容はどうだと、もっと国民の前に明らかにして農民の不安を取り除くとともに国民の理解を得る政策を講ずるべきだと思うが、官房長官、いかがですか。
○国務大臣(五十嵐広三君) 今回の対策は、ウルグアイ・ラウンド農業合意の実施など新しい国際環境に対応いたしまして、力強い農業構造や農業経営の実現、それから住みやすく活力に満ちた農村地域の建設を期するという見地に立って、これからの六年間で必要な対策をむしろ集中的、重点的に取りまとめたものでございまして、決してはらまきであるというようなことは考えていない次第であります。むしろ国際化の中で大変な生産者の御努力をいただきながら、あわせてこのような措置によって、これを契機に農業改革を実現していこうと、こういう意欲に満ちた内容であるというふうに思っている次第であります。 御指摘のように、このような施策の具体化、目標の実現のためには、農業者はもとよりでありますが、国民全体の御理解と協力が不可欠のことでございますので、今後とも機会をとらえて積極的に、これを国民各層に御理解いただくために、パンフレットの作成あるいは各種のメディアの利用等によりまして国民各層への浸透を図るように努力してまいりたいと考えている次第であります。
○村沢牧君 大蔵大臣に伺いたい。 大綱に盛られた事業の内容と予算は従来の予算と異なるものだ。つまリ既存の事業を衣がえした衣がえしたものではない。大蔵大臣も内容は御承知だと思いますので、はっきりこれを答弁してもらいたい。
○国務大臣(武村正義君) これは、まさにガット・ウルグアイ・ラウンド合意という農業にとりましては大変厳しい状況に対処し、この状況を乗り越えて新しい日本農政の展望を開いていくための事業が中心になっているというふうに認識いたしております。
○村沢牧君 今、答弁があったように、ガット対策費にあるからといって、従来の予算概算要求を特別に厳しく絞り込むことはない。それから、ガット対策は新たな事業であるということは大蔵大臣も認められた。とすれば、別枠という言葉は使わなくても増額することは当然だ。 御承知のとおり、私ども与党が書記長幹事長会議にも持ち上げて、私どもも随行して総理以下そこにおられる首脳と長い時間かかって、未明までかかって論議をしたことである。したがって、この予算は、六兆百億は完全に実施をしていくんだ。しかも、単純に言うならば、六年間事業費六兆百億円だとするならば、少なくともその六分の一は本七年度において従来の予算に積み上げなければならない。これは単純なことですよ。 そのことを強く要求するんですが、私ども与党が、これは積み上げるものだ、別枠だという理解をしているんです、プロジェクトにおいても。もう一回、大蔵大臣に答弁をお願いしたい。
○国務大臣(武村正義君) この新しい事業については、しっかり予算措置をさせていただいて確保していきたいという考えであります。 六年間の事業予算でございますから、各年度とう対応するか、その数字までは決めていないわけでありますが、初年度はこうして最大の御関心を持たれているということも十分認識して、初年度が極端な結果にならないように、そこは責任を負わさせていただきます。
○村沢牧君 総理、最後は与党幹事長とそれから政府首脳との会議で、総理の決断によって私たちのこういう積み上げたものを認められた。したがって、このとおり実行するかどうかというのは、まず平成七年度の予算にかかっているんです。総理の決意を聞きたい。
○国務大臣(村山富市君) 今、委員からお話のございましたように、政府・与党一体となって厳しい議論の中から出された結論でございますし、今、大蔵大臣から答弁もあったようなことも十分踏まえた上でこの予算編成に取り組んでいきたいという決意には変わりはございません。
○村沢牧君 自治大臣に伺いたい。 地方単独事業は、総理の要請によって自治大臣が決断したものと聞いているが、これは私は高く評価しているんです。 そこで、この交付税措置は、メニューは自治省が示すのではなくて、地域の自主性、創意工夫を生かした事業、例えば中山間地対策事業もあるし、基盤整備はもちろんのこと、第三セクターの設置だとか、伝統文化、地域の特産物の振興など幅広く認めていくべきだ。私たちは、農業は上から押しつけてくる霞が関農政ではだめだということを今まで指摘してきたんです。やっぱり地域の創造性を生かした事業をさせるべきだ、この事業はそういうところに使うべきだと思いますが、重ねて答弁をいただきたい。
○国務大臣(野中広務君) ただいま委員から御指摘ございましたように、総理の指示によりましてこのたびのウルグアイ・ラウンド合意に基づく地方単独事業を考えた次第でございます。その中におきましても、農山漁村ふるさと事業につきましては、あくまで地方の自主性、自立性に基づいて行うものでございまして、私ども自治省があるいは県がとかくこの事業について指図をすることはございません。 さらに、農山漁村の今日までやってまいりました事業の拡大につきましては、特に今回深刻な影響を受けます農山漁村地域に対して、各省の連携をとりながらこれを組み合わせ、集落排水事業とかあるいは定住促進事業とか簡易水道事業とか農道、林道あるいは山林の公有化等、さらに充実して地域の活性化に役立てていきたいと存じておる次第でございます。
○村沢牧君 その他の農業に対する個別問題、生産調整、備蓄あるいは流通、全部聞きたいと思いましたが、やっぱり今度の法律や予算は、官僚主導ではなくて、私たちが、与党が一体となって政府に要求してつくらせたものである、そういう自信を私は持っておりますし、内容は全部承知しておりますから質問いたしません。 いずれにしても、政令や省令が多い法律である、その都度与党プロジェクトチームに相談をして決めていく。農林水産大臣、結論をちょっと答弁してください。
○国務大臣(大河原太一郎君) 国内対策を初め、ただいま審議を願っております新食糧法案を初め関係法案、それらについての政策の樹立なりあるいは立案の過程におきましては、連立与党等関係方面の御意見を十分ちょうだいしながら、その意見を取り上げて制度化し、対策を樹立したところでございます。 したがいまして、運用等に関する政省令の制定においては、今回の国会論議の内容はもちろんでございますが、それぞれの関係方面の御意見を承りながら誤りなきを期したいというふうに思っています。
○村沢牧君 本委員会には加工原料乳法案と繭糸価格安定法の改正案が提出されています。いずれも国家貿易品目に指定をされたために、畜産振興事業団だとか蚕糸砂糖事業団の事業内容を充実して、ガットの影響をなるべく少なくしようとするものであります。 この事業団についてはいろいろな意見がありますが、事業団の果たす役割、その機能を充実しなければならないと思うが、農林水産大臣の見解はどうですか。
○国務大臣(大河原太一郎君) ただいま国政として重要課題でございます行政改革の一環として、事業団、公団等の検討がその視点からも進められております。ただいまお話がございました私の所管の蚕糸事業団あるいは畜産振興事業団については、それぞれ固有の価格安定機能を従来から持っておるわけでございますが、このたびの農業協定を受け入れるに伴いまして、そのショックを緩和するために国家貿易機関としてそれぞれの調整、差益を徴収したりあるいは国内の価格の安定を図るとかそれぞれの機能を行うことになっておりますので、その機能は非常に重要なものであるというふうに認識しております。
○村沢牧君 規制緩和、特殊法人の統廃合、私も知らぬわけじゃありません。総理、官房長官、官邸で今度は何か指示をするようですけれども、農林水産大臣の今言ったことをよく耳に置いて対処してもらいたいというふうに思います。 そこで、このウルグアイ・ラウンド関連対策は、農業施策だけでなくて、生活環境だとか情報通信、医療、福祉、教育、文化、消費者との連携、国際協力など各省庁に及んでいます。総理は、各省庁ともしっかりやってくれという指示をしておるようであります。 そこで、七年度の政府予算が編成された後、政府は、緊急農業農村対策本部としてこういう対策を講じ良したということを国民にわかるように、まとめてこれは発表してもらいたいと思うんです。 官房長官いかがですか。こういうことを各省庁もやりましたということをただここで言っておったって、各省並べておったって、何をやったかわからない。そのことを要求しますが、いかがですか。
○国務大臣(五十嵐広三君) そのような御趣旨で努力したいと思います。
○堂本暁子君 おはようございます。 きょうは前向きに質問させていただきたいと思っていますが、WTO協定によって地球環境の悪化あるいは生存権それから健康権が妨げられてはならない。今後、WTOに貿易と環境委員会ができるわけですけれども、日本国はそこでイニシアチブをとる、リーダーシップをとるおつもりかどーシップをとるおつもりかどうか、総理にまず伺わせていただきます。
○国務大臣(村山富市君) 今、委員からお話がございました貿易と環境に関する委員会は、ウルグアイ・ラウンドにおいては正式な交渉対象ではなかったのでありますが、各国から貿易と環境に対する強い関心が示されたことを受けまして、WTOの一般理事会の第一回会合において設立されることになるものでございます。 我が国といたしましては、貿易と環境の問題は非常に重要であると認識しておりまして、貿易政策の目標と環境政策の目標が相互に調和のとれた形で実現されるよう、これからも委員会の中で積極的に取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。 ちなみに、先般開かれましたインドネシアにおけるAPECの会合におきましても、日本政府の方から、経済成長と環境とエネルギー、言うなれば三Eというものが調和のとれた形で進められていく必要があるという問題提起もいたしたところでありまして、委員お話しのございましたように、環境問題、健康問題等は重要な問題としてこれからも積極的に参加をし、提言をしていきたいというふうに考えています。
○堂本暁子君 大変積極的にという御答弁ですので、ではどういうふうに具体的に積極的にかかわるかという問題になりますが、環境基準は南北の格差が大変にございます。エコダンピングを招きかねない。輸入国の側で関税を使った措置をとることもあり得るのではないか、そういうインセンティブを使えるのではないか。あるいは、熱帯林などの一次産品の貿易について、先進国の間で持続可能でない方法で生産されたものについては輸入を慎むといったような紳士協定を結ぶことも、途上国あるいは地球環境を保全することになるのではないかと思いますが、その国際的インセンティブとして関税措置を使えるかどうか、大蔵大臣に御質問申し上げます。
○国務大臣(武村正義君) 今、総理が申し上げました貿易と環境に関する委員会に大蔵省としても積極的に参画をしてまいります。地球環境保全という立場もしっかり踏まえて、関税を含めた貿易措置がどのような役割を果たし得るのか、今、委員御指摘の御趣旨も踏まえながら今後努力をさせていただきたいというふうに思います。
○堂本暁子君 外務大臣に伺います。 例えば、紳士協定あるいは新しい条約化ということも必要になってくるかもしれません。その点で外務省の対応について伺いとうございます。
○国務大臣(河野洋平君) 環境問題の重要性というものを十分考えて取り組みたいと思っております。環境問題が、先ほど総理御答弁になりましたように、非常に重要だという認識は、残念ながら今回のWTO協定に具体的に書かれている部分は少のうございますけれども、貿易と環境の問題はこれからやろうということでございます。前向きに努力したいと思います。
○堂本暁子君 地球サミットとウルグアイ・ラウンド、両方担当された赤尾大使も、これからのグリーンラウンドが本当に大事だとジュネーブでおっしゃっていらっしゃいました。 そして、環境庁長官、環境庁としてはいかがでいらっしゃいますか。
○国務大臣(宮下創平君) お答え申し上げます。 今、総理大臣並びに大蔵大臣等からも御答弁あったように、環境と貿易の問題はこれから大きな国際的な課題であろうかと思っております。 先生御承知のように、リオで、アジェンダ21でもその精神はきちっと述べられておりますし、何よりも今度のWTOの実施に関してマラケシュで環境と貿易に関する委員会をつくるということは私は非常に画期的なことだと存じますので、このWTOの中の委員会を通じて、環境庁としてもこの問題への取り組みにイニシアチブを発揮するようにひとつ努めたい。今、省内に勉強会もつくって、環境と貿易の問題を研究中でございます。
○堂本暁子君 国際的にはもうどの省庁もすべて、総理を初めとして積極的に取り組んでくださるという姿勢をお示しくださったわけですけれども、だからといって私は、たくさんこの委員会で出ていたように、日本の国土が疲弊し、そして農業が疲弊していくということはやはりあってはならないというふうに思います。 大変小さな例を出させていただくわけですが、先日、宮城県の伊豆沼へ参りましたら、二万羽のガンが一気に飛び立つわけですね。こんなことが十年前、二十年前にあったわけではございません。ツルでもガンでも日本じゅうに来たからこそ、さおになり、かぎになりというような言葉も残っているわけですけれども、今では田んぼを次々と埋め立て、そして休耕になるためにガンが もういるところがなくなってしまったというわけで、最後の飛び立つ場所は北海道の美唄市の宮島沼というところですが、もうそこしか行くところがなくなってしまったわけです。ですから、三万五千羽行く。これでは、地元では今度は麦を食べられて被害が出ている。ところが、オランダですとかフランスとかデンマークは、こういった国際上の条約、ラムサール条約もございます、ワシントン条約もございます、そういったものと、それからやはり農業の振興ということを大事にしているその証拠だと思うんですけれども、ちゃんと国が補償しているんですね。 渡り鳥は、日本でもし宮島沼から追い出されたらもう渡れなくなります。そういうことに対してきちっと農業を補償し、そして国際的な条約を守る、日本もそういうことをすべきだと思う。もう御答弁いただく時間はございませんので、これは総理を初め各大臣、特に農水省、微々たるお金です、ただ姿勢の問題でございます。公共事業だけでは足りないということは私はるる今まで先輩方の質問で思っておりますので、本当に農村をどう活性化するかということを新しい理念でお考えいただきたい。篤とお願いをして、安全基準の方に移ります。 食品の安全に関する国際基準の策定過程において、情報の提供、関係の消費者、事業者等の意見の反映などその実質的な参加の確保に努めること、それから次に国際基準の改善向上に努めつつ一我が国の基準がそれを下回る場合は向上に努めるとともに、国内基準を審議する食品衛生調査会などの委員は消費者、事業者等の意見が反映されるように任命し、透明性、公平性を確保すること、以上二点、ぜひ総理に確認させていただきとうございます。よろしくお願いします。
○国務大臣(村山富市君) 今、委員お話しございましたように、食品の安全に関する国際基準の策定過程において、情報の提供に努めることはもとよりでありますが、関係の消費者、事業者等の意見が十分反映されるように努めてまいりたいと考えています。同時に、我が国の基準が国際基準を下回るような場合には、実態を踏まえて科学的根拠に基づいて適切な措置をとることは当然でございます。 同時に、今お話のございましたように、食品衛生調査会の委員の任命等につきましては、やっぱり透明性、公平性といったようなものを確保することが何よりも大事だというふうに考えておりますから、委員の任命に当たりましては、そうした御指摘のございました点を十分踏まえて検討させていただきたいというふうに思います。
○堂本暁子君 終わります。ありがとうございました。
○都築譲君 おはようございます。各大臣の皆様には本当に連日御苦労さまでございます。いよいよ最後のWTO特別委員会におきます質疑の場と いうことになりました。 今回のWTO協定でございますけれども、自由、無差別、多角的な貿易体制を築き上げていくということで、しかも物だけでなくてサービス分野とかあるいは知的所有権、こういったものも含めてそういう自由な貿易体制を築き上げるということで大変意義のあることだと、こういうふうに思うわけでございます。またもう一つ、今回のWTOの設立につきまして非常に意義があると思いますのは、七年にわたって議論を尽くしてまいりまして、その中で日本が相当な役割を果たしてきたんではないかと。ここに至るまでに関係者、交渉担当者の皆さんの本当に御努力がたくさんあったことだと、こういうふうに思うわけでございます。 〔委員長退席、理事梶原敬義君着席〕 と申しますのも、日本の場合、明治の開国以来諸外国から、欧米列強でございますが、不平等条約を押しつけられて随分難渋をした記憶があるわけでございまして、最近でもいろんな分野で随分苦労させられる。 例えば、簡単な例を引きますとオリンピックのノルディック競技、こういったものでも日本のジャンプの技術が大変すぐれたから、今度は距離の方を延ばして日本が余り勝てないようにしようじゃないかと、こんな動きもあったり、若い人の間で人気のあるF1でございますけれども、こういったものもいわゆる電子噴射装置みたいなものを日本の技術がどんどん開発して強くなっていくと、そういったものの規則を変えて日本の企業が勝てないようにしてしまうとか、そういった状況がある中で、今回WTOについては非常に大きな役割を世界の中で果たしてきた、そして世界の国々の多様性を反映させるような形で大きな貢献をしてきたことに対して、政府当局の皆様方の御努力に本当に敬意を表するわけでございます。 ただ今回、この協定がいよいよ実施されるということに当たりまして、評価しているだけではなくて、今後国内の必要な対策をどう講じていくのか、そしてそれに伴って国民の理解をどういうふうに得ていくのか、こういった問題がございますし、またこれですべてが完結するわけではなくて、世の中が変転するわけでございますから、今後の対応をまたどういうふうにしていくのか、こういった課題があろうかと思うわけでございまして、その点について各大臣の御見解を伺っていきたい、このように思うわけでございます。 まず最初に、国内の対策とそれから国民の理解をいただくことについてでございますけれども、一つはこの協定の実施に伴う経済効果とそれから国内対策の費用の関係でございます。 これにつきましては、この間の最初の総括質疑でもお聞きしまして、その中で総理からもあるいは通産大臣、大蔵大臣からもいろいろお話がございました。例えば、この六年間で六兆百億円あるいは自治省の関係で一兆二千億円上積みして七兆二千百億円と、こういうふうなお話が六年間の必要な対策ということで講じられる、こういうことでございますけれども、それで果たして日本の農業とか農村といったものはどういうふうに変化をしていくのか。 六年たった状況で、果たして例えば七年後からはミニマムアクセスについて、これを関税化することになるのか、それとも実は追加のミニマムアクセスの譲許をしなければならないことになるのか。そこら辺については本会議でもお聞きしたところ、今後慎重に検討したい、こういうふうなお話だったと思うわけでございますけれども、そういったところを見越した予算として、日本の農業を強化するというふうな形になっているのかどうか。そこら辺についての御見解をまず農水大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(大河原太一郎君) しばしば申し上げておりますように、このたびの国内対策は、農業協定の受け入れに伴う影響を最小限度に食いとめ、さらに二十一世紀に向かって農業農村の自立と持続的成長を確保するという観点からの対策でございます。 別室言い方をいたしますれば、しっかりした担い手によって農業生産が営まれる産業としての農業の確立、あるいはそのような体制のもとにおける食糧の安定供給、また消費者の視点におきました良質な安全な合理的な価格による食糧の供給とか、特に地域としての中山間地帯等における地域の活性化と国土の均衡ある発展というような姿を想定いたしまして、その実現のための対策を講じようとするものでございます。したがいまして、対策は六年でございますが、その効果等については、やはりその対策以降においても発現するものと考えるわけでございます。
○都築譲君 ありがとうございました。 それでは、そういう予算として講じておるわけでございますけれども、実は国民の皆さんに対する説明が不十分ではないかというふうなことを感ずるわけでございます。最近の新聞の論調等でも予算をばらまく族議員は納税者の敵だというふうな形でやっているわけでございまして、幸い私はまだ族議員になっておりませんので、なれないところもあるかもしれませんけれども、なるつもりもない、こういうふうに考えておるわけでございます。ただ、本当にそこのところをどういうふうに国民の皆さんの理解を得ていくのか。 例えば、ガットの事務局の試算で、今後世界の所得を二〇〇五年までに年間で二千三百五十億ドル引き上げると、こういう数字があったと思います。ところが、先月、新しく出された数字だと、それは五千百億ドルにはね上がっているわけでございます。五千百億ドルというと物すごい数だなと思いますが、今のレートでいったら五十一兆円です。 それでは、日本ではどれぐらいの効果があるかということになるわけですが、これは通産大臣がお答えになりましたけれども二百六十七億ドル。そうすると二・六七兆ということでございます。日本の今の国民所得が平成四年で約三百七十兆でございますから、今後十年間でどれだけ伸びるかわかりませんけれども、それからいったらどうでしょう、○・五%ぐらい国民所得を押し上げる効果があると期待されることになるわけですが、それに対して六年間で六兆円もつぎ込まなきゃならないのかと、こういう議論もある。むしろ、それよりも既存の農業予算をもっと洗い直せと、こういう論調になっておるわけでございますけれども、そういった点についてどういうふうにお考えになるのか。 それから、実は農業というのは一たんつぶしてしまったらこれはなかなか再生が本当に難しい産業、自然環境に与える影響というのは非常に大きい。例えばダムの代替効果があるとか、あるいは自然環境保存の効果があるとか、いろんな効果があるわけでございます。例えば民間の試算ですと、これが二兆円とか十一兆円とか随分ばらつきがあるようでございますけれども、そういったプラスの効果があるのだよということをもっと強く訴える必要があるんではないか。 あるいはもう一つ逆の、逆のというわけでもございませんけれども、例えばこのWTOなかりせば一体どうなっていたのかというふうな議論もあるわけでございまして、単に所得を、わずか〇・五%国民所得を押し上げるというだけではなくて、それがなかったら国民所得がもっと大きく減じてしまうんではないか。 だから、こういうことについて、日本独自に今回の協定実施に伴う経済効果というのを積算してこなかったのはおかしいんではないか、こう思うわけでございますけれども、そういったものについて、これは大蔵大臣の御見解をお伺いできますでしょうか。
○国務大臣(武村正義君) なぜそういう計算をしなかったのかということについては私どもの所管ではありませんが、ガット事務局にしましてもいろんな仮定の上で粗っぽく計算しているというふうに私は見ておりまして、容易な作業ではありません。今おっしゃった二千億、五千億ドルの話も、そういう意味ではどこまで信頼に足り得るのか、問題がいろいろありそうな感じもいたします。 ウルグアイ・ラウンド全体については、いずれにしましてもこれは今後の日本経済にとっては明るい話という受けとめ方で私は間違ってないと思います。しかし、農業分野についてはこれは大変厳しい話である。 したがって、この厳しさをどう緩和していくのか。その基本には、どんな時代になろうとどういう状況になろうと日本の農業はしっかり守っていくというこの柱を置く限り、この厳しい状況をどう乗り越えて新しい展望、と申し上げているのは、先ほどおっしゃったように、そういう状況の中でも農業に希望を持って、サラリーマンよりは農業をやる方がいいんだと、若い担い手が生まれてくるような農業をどう興していくかと、このことだと思うのであります。その第一歩というか、この六年間を基本にしてとらえたものが六兆百億円であるというふうに私どもは認識をいたしております。
○都築譲君 ありがとうございました。 それで、今、大蔵大臣が言われたことでございます。魅力ある農業ということでございます。 いよいよ農業対策をこれから本当に真剣に政府において実施していただく必要があるわけでございますけれども、新しい時代に向けた農業づくりについて、先ほど農水大臣おっしやられました、今回のウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策ということでいろいろ対策が講じられることになるわけでございますけれども、やはり私が本当に農業関係者などのお話を聞いてみますと、やはり人並みの生活ができるようにならないととてもじゃないけれども農業を専従でやっていくわけにはいかないんだと、こんなお話がございます。それについてのしがらみがいろいろあるようでございます、仕入れ面で抑えられているそれから販売面も抑えられているような話があるとか。だから、その中で生産者が何をするかというと、やはり生産技術の向上しかない。 この間、十一月二十三日、勤労感謝の日に私も明治神宮会館の方に優秀農業関係表彰者の表彰式に参列させていただきまして、本当に皆さんが尽力されてすばらしい技術を競っておられるということに改めて感銘を覚えた次第でございますけれども、WTO関係の農業合意が実施されることに伴いまして本当に今回の対策で魅力ある農業づくりをつくっていくことができるのかどうか、そこら辺について農水大臣の御決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(大河原太一郎君) 簡潔にお答え申し上げますと、今回の対策の主眼はやはりしっかりした担い手、それによる農業生産なりまた地域の農業構造ができる、それがやはり魅力ある農業の基本だと思うわけでございます。 それにつきましては、生涯所得が地域の他産業従事者と匹敵する、あるいは労働時間、これが大体千八百時間から二千時間でございますか、現時点のあれではそうなりますが、そういうような労働時間においても他産業従事者と匹敵するというような主要なメルクマールにおきまして、農業経営に従事する意欲が燃えるというような経営をつくりましてやっていきたい。それを目指しての対策が今回の対策でございます。
○都築譲君 それから、実は食糧需給の問題でございますが、きのうの星川委員の話にもございましたように、先進工業国は大体もう自給率、米国については一〇〇%を超えるような状況なのに対して日本の場合は二九%、こんな状況になっている。ただ、米についてはきちっと自給できるような状況になっているわけでございます。 ただ、今後、日本だけではなくて、世界の食糧事情がどういうふうになっていくのか。例えば、人口は途上国を中心に非常な増大を見ております。ところが一方で、これは試算でございましょうけれども、焼き畑式農業とかあるいは熱帯雨林の崩壊とか、こういうふうな形で荒土になるようなそういう部分が、耕地面積というのが毎年六百万ヘクタールぐらいずつ表土が喪失している、流れていく。こんなような状況もあるわけでございまして、こういう状況を考えていくと、中長期的には世界の食糧需給というのは非常に深刻な状況になっていくのではないかなというふうに思うわけでございます。 そういった中で、果たして日本の農業がどういうふうな形で役割を果たしていくことができるのか。それと同時に、農業技術協力ということをひとつ十分お考えいただく必要もあるのかなと、こう思うわけでございます。これだけ日本の優秀な農業技術、こういったものを途上国の飢餓問題あるいは砂漠化問題、こういったところに対して大いに貢献をしていく役割というのがあるのではないかと、こう思うわけでございますけれども、農水大臣のお考えを聞かせてください。
○国務大臣(大河原太一郎君) お答え申し上げます。 前段については、世界の食糧需給問題、これは中長期に見ると極めて不安定な状況になるだろうと。もちろん、いろいろな関係機関の見方によってもいろいろな意見が出ます。非常に深刻だというのと、まあ不安定とか、不安定懸念があるとか、いろいろな結びがそれぞれの計量的方法に基づいてお話がございますけれども、とにかく今お話しのような人口の急増、これは事実でございまして、供給力の減退、制約、これも事実でございますから、それを前提としたものを考えなくてはならないというわけでございます。 したがって、我が国においては、今回の対策にも盛られておりますけれども、優良な農地を整備するとか、あるいは水を確保するとか、あるいは高い技術を確保するとか、しっかりした担い手で担ってもらうとか、それぞれの施策を通じまして食糧供給力の強化をいたすという点が最大の課題だと思いますし、さらにお説のように開発途上国等における自給力の強化、国内資源を最大限に活用して自国で食糧を賄う体制のために我が国のすぐれた技術協力を行うべきであると。現に、技術協力は農林水産関係でも行っておりますけれども、さらにそういう努力を強化すべきであるという点については、御意見を同じくするものでございます。
○都築譲君 それでは、農業対策でもう一つ重要な点は、従来から議論がございますけれども、中山間地域の活性化の推進でございます。 高齢化の進行とかそういった問題も同時に進行しておりまして、今回の農業合意の影響がさまざまな面で、特に不利な状況に置かれております中山間地域に甚大な影響を及ぼすのではないか。こういう中で、政府が十月二十五日ですか、緊急農業農村対策本部の合意ということでつくられました中に、農山漁村の振興という観点が盛り込まれております。これについて、本当にこれから生活環境の整備とか交通アクセスの確保とかいろんな分野で総合的な対策をやはり実施していく必要があるだろう、こういうふうに思うわけでございます。 そういった面について、特に自然環境の保全の面もございますし住民の利便の面もございますし、それから他の国民にとっても、また本当に美しい日本の自然を維持していく、あるいはそういった地域が果たす、洪水を防止するとかいろんな役割があるわけでございますから、そういった面での活性化といったものをどういうふうに進めていかれる決意なのか、それを農水大臣にお聞きしたいと思います。 また、中山間地域と言っておりまして、何もそれが農業だけであるいは林業だけで独立しているわけではなくて、これはやはり自治体ということで市町村の中で取り組みが行われるわけでございまして、自治大臣先ほど農山漁村ふるさと事業ということで御説明はございましたけれども、本当に市町村が十分な主体性を持って、活力を持ってそういった地域の活性化を促進することができるように積極的な御支援をいただけるようにお願いをしたいと、こう思います。 また建設大臣には、特にそういった地域がやはり陸の孤島のような形で切り離されていくことがますますそういった地域の過疎化を進めていくような形になるわけでございますから、そういった地域へのアクセスの問題をどういうふうにおとらえになるのか、そこら辺のところのお考え、そして決意をお聞かせいただきたい、このように思います。
○国務大臣(大河原太一郎君) 中山間地域は現在でも過疎その他非常に停滞しておるわけでございます。 〔理事梶原敬義君退席、委員長着席〕 この地域についての農林業を初めいろいろな関係において、特にウルグアイ・ラウンドの農業協定の受け入れに伴う影響が厳しいということで、一般的なそれぞれの対策以外に、特に中山間地域に対してはその地域の状況にかなった施策を集中するということで、ただいま委員もお話がございましたように主体は農林業が主産業であることは間違いございませんから、その振興、さらに多様な所得機会の増大、あるいは生産基盤と生活基盤を一体にした整備とかございますが、お話しのように幅広く交通アクセスの改善なりあるいは医療、保健、福祉等の問題とか、あるいは上下水道等の整備とか各般の施策を総合的に講じようということで、内閣に設けられております緊急農業農村対策本部におきましても、関係大臣がそれぞれの所管部門によって。その対策を強化いたしたいということで明年度予算等にその裏づけを求めておるというところでございます。お話しのように、総合的な、重点的な実施によって本来の目的を達したい、さように思っております。
○国務大臣(野中広務君) ただいま農水大臣からお答えがございましたように、今日でも中山間地域におきましては人口問題あるいは環境問題等深刻な状況にありますために、自治省といたしましてはそれぞれ農山漁村の対策を講じてきたところでございます。 特に今お話がございましたように、農水省所管の集落排水事業あるいは農道、林道等は、農水省みずからがその許認可をすることによって、私ども自治省は地方債を充当して元利補給をする等、あるいは建設省所管の地方道等につきましても、その許認可を建設省が持ちながら自治省が地方債を充当し、そしてその事業につきましてそれぞれ所管される省庁との組み合わせを十二分に立てながら事業の促進をやりまして、地方債充当分の元利補給をやる等の措置をいたしてまいりました。若者の定住促進事業等もそうでございます。 こういうさまざまな事業をやってまいりましたけれども、今回のガット・ウルグアイ・ラウンド農業合意はさらに中山間地域に深刻な影響を与えるわけでございますので、総理の指示によりまして農山漁村ふるさと事業、さらに従来続けてまいりました農山漁村対策を充実いたしまして、これにさらに積極的に活力を与えていこうという考え方に立って進めておるわけでございます。 本年度も、現行の中山間地対策といたしましては地方財政制度におきまして三千九百億を組んでおるわけでございまして、今後はこれに先ほど申し上げました六年間の一兆二千億を組み合わせまして、そのうちのハード事業につきましてはあくまで市町村の自主性、自立性を基本といたしましてやってまいりたいと存じておるところでございます。
○国務大臣(野坂浩賢君) お答えをいたします。 先生がおっしゃるように、中山間地帯を陸の孤島にしてはならないと、だれもがそう思っておるだろうと思います。ガット・ウルグアイ・ラウンドの条約批准に当たって、これらについては十分国内対策をやらなきゃならぬ。特に総理大臣が農業農村対策本部長でありますから、縦割り行政ではなくて、自治省や農水省や建設省はよく協議をして、経済効果のある効率性のある施策をするようにという御命令でありますから、それに応じて協議をしながら詰めております。 特にお話がありましたように、我々は国土の保全なりあるいは環境の整備なりそういうことをしていかなきゃなりませんし、農業については基盤整備事業三兆五千五百億を組んでおられますが、我々は農村の安定のためにどうするかということの課題があります。したがいまして、地域高規格道路というものを取り合わせておりますが、農林水産物というようなものについてはどういうふうに流通経路を出すか、したがってそういう道路を整備するということも一つは必要であろう。あるいはふれあいトンネルというものを出しておりますが、隣村との交流をもっと短くして、生活圏の拡大をして、そして定着率が高くなるような方法を考えていこう。そして小さな足も十分に目を配って安定した、安心をしてできる農業体制ができる農村づくりのために全力を挙げて今度の予算についても相当額のものを要求しておる、こういう実情でございますので、御了承いただきたいと思います。
○都築譲君 ありがとうございました。 それで、いよいよ今後の対応の方向に移っていきたいと思いますが、質問の順番をちょっと変えまして、まず前提となる今回のWTO協定とそれからアメリカの通商法三〇一条の関係をもう一度やらせていただきたい、こういうふうに思っております。 この間の外務大臣の御答弁で、アメリカの通商法三〇一条なり、今回のウルグアイ・ラウンド実施法の関係について、いやそれはWTO加盟国以外の国に対して三〇一条というのは有効だというふうな議論がございましたし、あるいはWTOの紛争解決手続に乗った上で通商法の三〇一条が発動される可能性がある、こういうふうなお話とか、あるいは基準額に達していないからそれは大丈夫だとか、こんな御議論があったんだろうと思います。 ただ、今のままの三〇一条がそのまま残るというふうなことになれば、それはやはりWTO協定の十六条四項との関係では明らかにおかしいのではないか、こういうふうに思うわけでございます。むしろ、そういうふうな協定の十六条四項を考えるのであれば、そして外務大臣が言われたようなことであれば、WTO加盟国への適用は除くとか、あるいはWTO協定の紛争解決手続に従った上で発動しますよとか、そういう制限規定をつけ加えて修正を行った上で三〇一条が残るということであればこれは理解できるわけでございますけれども、今のままの十六条四項では何かおかしいような気がいたします。 そして、外務大臣が大変信頼を申し上げておられる連邦判事五人による監視委員会でございますか、そういう監視委員会ができるのだったら、最初の仕事としてこの三〇一条がおかしいのじゃないかというのを諮ってもらったもどうかと、こういうふうな気がするわけでございますけれども、その辺についての外務大臣の見解を改めてお伺いをしたいということと、それから今後のアメリカについて、それはやはりガットの自由貿易の精神に反するものだというふうなことであれば、今後アメリカに対してどういうふうな働きかけを行っていかれるつもりなのか、その点についての御見解を伺いたい、こういうふうに思います。
○国務大臣(河野洋平君) しばしばのお尋ねでございますので、少し整理してお答えを申し上げておきたいと思います。 今、議員からお尋ねのWTO協定十六条の四項、すなわち「加盟国は、自国の法令及び行政上の手続を附属書の協定に定める義務に適合したものとすることを確保する。」と、こう十六条四項で定めているわけでございます。 そこで、WTO協定において同協定の対象となる事項について、これは今、議員お話しになりましたように、我々が考えておかなければなりませんことは、WTO協定に加盟していない国に対して対応する、それからWTO協定の対象とならない事項というものがあるということも頭に入れておかなければならないと思います。 そこで、同協定の対象となる事項について、WTOの紛争解決手続を経ることなく一方的措置をとることは、これはWTO協定で禁止されております。また、今般アメリカ議会で承認されたアメリカのウルグアイ・ラウンド合意実施法案には、三〇一条手続のもとにおいてもWTO協定の対象事項についてはWTOの紛争解決手続に従うことが定められております。今回の実施法案についてはそういうことになっております。 したがいまして、三〇一条の存在自体が、これは繰り返しになりますが、WTO協定に存在自体が違反するということにはならないと思いますが、アメリカがWTO協定の対象となる事項について、三〇一条などに基づいてWTOの紛争解決手続を経ることなく相手国の利益を侵害するような一方的措置をとる場合にはWTO協定違反となる。しかし、これは考えてみれば、こういうことをやればそれはもうアメリカの法案自体にも触れてしまうということにきっとなると思いますので、そういうことは今は考えにくい、常識では考えにくい、こう考えてよろしいかと思います。 そこで、そういう状況であったら我が国はどうするか。我が国はそうしたことについてアメリカに対しても何かアピールすべきではないか、これが議員の御趣旨だろうと思います。我が国としては、WTO協定が今申し上げましたような一方的措置を禁止しているということにかんがみれば、そうした措置をあたかも想定しているような三〇一条というものは、明らかにWTO協定の精神に照らして問題がある、こういうことは言えると思います。 したがいまして、私どもといたしましては、これまでもアメリカに対してこうした精神に照らしておかしいということはしばしば既に言ってきているところでございまして、今後もそうした立場を明らかにし続けてまいりたい、こう思っております。
○都築譲君 大分時間がなくなってまいりましたので、あと大変恐縮ですが質問を省略いたしまして、今後世界の中で日本が積極的な役割を果たしていく、現在の地位にふさわしい役割を果たすということでWTOの、例えば今のガットの事務局の職員については日本人職員がわずか一人でございますか、そういったことについて御議論があったわけでございます。 例えば、今の日本の置かれている状況あるいは日本人の今までの活動の実績、こういったものを考えていきますと、国際機関で活躍するというのはなかなか難しい。明石国連事務次長のような方はいらっしゃいますけれども、本当に言葉の問題とかあるいは大変厳しい人間関係とか、そういった中で生き延びていく。 さらに、以前だったら、例えば一ドル三百六十円というふうな時代であれば処遇条件は大変向こうの方がいいということで、それに引かれて行く方もいらした、やりがいがある仕事だということもございますけれども。ただ、今の日本のこれだけの円高が進んでいる状況の中では、労働時間の問題は別といたしまして、日本の方がかなり恵まれているような状況になるわけです。しかも、雇用関係もかなり安定をしている。国際機関だと、どうしても嘱託とか非常勤の雇いとか有期の契約、そういったものを繰り返し繰り返してようやくパーマネントな職員になっていくというような状況の中で、日本人というのはやはり安定性を志向するわけでございます。 それから、もちろん職業のあり方も、向こうはやはり就職ということで、自分がこういう専門家としてエコノミストとしてやっていくんだと、こういうような形で職業を選ぶ。それについては、ヨーロッパの企業で働こうがアメリカの官庁で働こうが国際機関で働こうが、これは全く全然無差別なわけでございます。ところが、日本の場合はなかなかそういう事情にはないだろう。こういうふうなのがあるわけでございますから、なかなか日本人の職員をふやすというのは難しい状況があるだろうと思うわけです。 ですから、例えば現在の国連における分担比率からいったら日本人の割合はどれぐらいにならなきゃいけないのか。そういった状況を踏まえますと、もっと日本人をふやす方法として、例えば企業とかあるいは官庁にも優秀な人材がいるわけでございますから、そういった者を三年とか五年のサイクルで出していくことでも、それぞれの国の立場に立って活動することはできないにしても、多様性のある国際機関でございますから、もっと日本の国際的な役割をそういった中で果たしていくことができるし、コミュニケーションも非常に疎通がよくなるわけでございますから、そういった観点から民間企業とか官庁の出向制度の活用とか、こういったものをお考えにならないのか。そこら辺について外務大臣の御見解を聞きたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 今の議員の御提案は私は大変意味のある御提案だと思います。民間その他からの出向、そうしたことも十分視野に入れて考えなければならないと思います。 一言だけ申し上げますれば、もう議員十分御承知のとおり今度のWTOの事務局に我が方としても人を入れたいというふうに実は思っておりますが、これは御案内のとおりガットからWTOに事務局の人間はほとんど引き継がれていくであろうと。今、ガットの事務局に四百五十人いるようでございますが、その中でいわゆる専門職と言われる人は百七十名前後、今回新たに採用するとしても恐らく二十名程度ではないかと言われておりまして、そこに五百名以上の希望者が現在いる。つまり、アメリカだけでも数百人の希望者がいるらしいというふうにも言われておりまして、その二十名の枠の中に入るということもまず難しい。それから、希望者を国内で見つけることもなかなかそう簡単なことではないという状況でございます。 今、議員御提案のように、民間あるいはその他地方団体等の出向なども視野に入れましてその点考えたいと思っております。
○都築譲君 ありがとうございました。 いよいよもう時間がなくなりましたので、最後の質問でございます。 先ほど私は、族議員になるつもりはないと、こういうふうに申し上げでございます、どなたがやじを飛ばされたのかわかりませんけれども。特定の団体とか特定の利益を誘導するような今までの既成の政党というのとは違って、いよいよ二日後に新進党が結成されることになるわけでございますけれども、より広い視野に立って国民の利益のために、国のために我々は活動していくということでございまして、そういった観点から、農業問題についても族議員の立場ではなくて農業の重要性というのを訴えてきたつもりでございます。 ただ、もう一つの視点として考えられますのは、実はやはり人づくりの問題、雇用の問題というのが非常に重要な問題でございます。人づくりなくして国づくりなしというのは鳩山前労働大臣が言われた名言でございますけれども、現実に今起こりつつあるのは何かというと、農業をつぶして商工業化を進める、そして今、商工業が空洞化して国が滅びつつあるのではないか。というのは、日本のほとんど唯一の資源と言えるのは優秀な人材でございます。極めて勤勉意欲の高い、そして教育水準の高い、そういった人的資源が日本の財産でございます。 だから、そういったものが産業が空洞化することで全く浪費されてしまうということになりかねないわけでございまして、今回のWTO協定が完全実施されていよいよ劇的な変化がもし起こるというふうなことになれば、本当に農業をつぶしてしまって商工業化を図って、商工業をまた空洞化させて国が滅びていくというふうなことになりかねない、こういうふうなことを考えるわけでございます。 ぜひそういうことのないように各般の対策をしっかり講じていただくということで、総理の御決意を最後にお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(村山富市君) WTOがこれからの日本経済全体にいろんな意味でプラスがあるということは、これまでの議論の中で十分皆さん方にも御認識をいただいていると思うんですが、ただ農業に対する厳しい環境がつくられていくということも当然これはあり得るわけですから、その厳しい環境の中で日本の農業をどう守っていくか、あるいは国民食糧をどう確保していくかということも重要でございますし、とりわけ中小企業につきましては、円高の問題やあるいは投資の問題等々も含めて空洞化が懸念される。 そこで、どうしてこの中小企業の育成を図りながら空洞化を防いで雇用の新しい拡大を図っていくかというようなことも関連してこれからの重要な課題になってくることは当然でありますが、その中で、今お話のございましたように、人的な資源というものをどういうふうに確保して教育水準を高めて、日本が世界の中でハイレベルの技術指導ができるような体制をつくっていくかということも極めて重要な課題であるということも、真剣な受けとめをしながらこれから取り組んでいきたいという決意には変わりございませんということを申し上げておきたいと思います。
○都築譲君 御答弁のなかった大臣には大変失礼申し上げました。どうもありがとうございました。 終わります。 ―――――――――――――
○委員長(矢田部理君) この際、委員の異動につ いて御報告いたします。 本日、山口哲夫君が委員を辞任され、その補欠として谷本巍君が選任されました。 ―――――――――――――
○刈田貞子君 公明党の刈田でございます。 先日、この委員会である方の御発言がありました。記者の方がWTOというのは何と聞かれた、こういう発言があったんですけれども、マスコミの方がWTOというのは何ということですから、私どものような主婦はもっとこれは何なんだろうということがあるだろうと思います。先ほど官房長官も、こういうものについてもっと国民的なPRをしていくということをおっしゃっておられましたので、このことはぜひよろしくお願いしたいと思います。 あわせてそのときに、このWTOを受け入れることによってさまざまな影響を受けるところの人たち、つまり大きな影響を受ける農業関係はもちろんですけれども、中小企業とかあるいは食品安全性の確保の問題とか、こういうものがこの委員会を通じてずっと明らかになってきておりますので、そうした対応、あるいはどんな形で今後変えていくのかというようなこと、対応しながら変えていくのかというような事柄についても親切に私は国民に知らしめていく必要があると思いますけれども、総理はいかがでしょうか。
○国務大臣(村山富市君) 今もお話を申し上げましたけれども、また委員から御指摘もございましたように、WTOというのは一体どういうことなんですか、何ですかと。できるだけ日本語を使って世界貿易機関だ、こういうふうに言ってみても、世界貿易機関というのは一体何をするところですか、こういうことになろうかと思うんですね。しかし、この委員会の審議を通じでできるだけ皆さん方に御理解もいただくということも大事なことでございます。 このWTO協定を受け入れることが日本の経済全体にとって非常にプラス面もあるということは、たびたびここで議論されておりますから御理解はいただいておるというふうに私は思いますけれども、しかしその反面、またこの委員会で深刻な議論もございましたこれからの農業問題やら、あるいは先ほども申し上げましたように、円高の中で中小企業が非常に苦しんでおるとかあるいは空洞化が進んでおるとかいうような状況の中で、単に中小企業だけの問題ではなくて、雇用問題等も含めてこれからいろんな難しい問題も起こってくるわけでありますから、WTO協定を受けることによってどのようなプラス面があるのか、どのようなマイナス面があるのか、そのマイナス面をどのようにカバーしていこうとしておるのかといったようなことについて、可能な限り国民の皆さんにもよく理解していただけるように、これからやっぱりいろんな手段を通じて方法を講じながら御理解をいただくことは極めて大事なことだというふうに受けとめております。
○刈田貞子君 ぜひ御努力いただきたいと思います。 それから皆さんお触れになりましたけれども、六兆百億の問題についてちょっと申してみたいというふうに思うんです。 今回のこのWTOの受け入れによって日本の農業というのは大きな影響を受け、そして変化を遂げなければならないのではないだろうかというふうに私は思うわけですけれども、大きな農業の転換期に当たって、日本の農業がどんな歴史を繰り返してきたのかということを調べてみました。 実は、今ここに写しを持ってきておりますけれども、我が国では法律に基づいて毎年農林水産白書を出しておりますけれども、その第一号が昭和三十二年に出たんですね。その昭和三十二年の農林白書を読みますと、そこでは日本農業の五つの赤信号ということを挙げております。そして、その五つの赤信号とは何かと申しますと、農業所得の低さ、国内食糧自給の低さ、国際競争力の低さ、兼業化の進行、そして農業就業者の減少、これを五つの赤信号とくくって農林白書の第一号で論じておるわけでございます。私はこの要素を見て、今日に類似しているというふうに思いました。 考えてみますと、この三十二年以降、我が国では農業に対して多大のいわゆる投資をしてきたわけでございますけれども、しかしながらこれはやっぱり日本の農業が抱えている基本的な課題なんだろうかというふうにも思うわけです。だから、この基本的な課題を本当に今この時点で転換していくことが必要であるとすれば、この六兆百億という、またどこが真水かなどとも言われておるこの六兆百億の六年間の予算を有効に使っていわゆる新農政に沿った新しい農業の展開に努めなければならないというふうに、これは私、深刻に思っておりますけれども、総理の御決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(村山富市君) 今、三十二年の農業白書を例にとって、所得の低さ、自給力の低さあるいは競争力の弱さ、兼業農家がふえていく、そして全体として減少傾向にある、こういう視点の指摘がございましたが、これはやっぱりこれまでもずっと持ち続けてきている問題ではないかと思いますね。これはそれほど農業というのは経済全体から考えてまいりますと極めて厳しい難しい問題を抱えておるということを半面私はあらわしておると思うんです。 しかし、何といっても食糧というのは、単に生産農家だけのためではなくて、国民全体がどういう状況に置かれようとも安全な食糧を安定的に供給してもらえるような体制をつくるということは国の責任でもございますし、とりわけこれから、先ほども議論がございましたように、人口と食糧というものを国際的視野から考えてみてもさらに深刻な状況が想定されておる。こういうことも含めて私は、この日本の農業がどうあるべきか、国民の安定的な食糧の供給がどうすれば確保されるかといったような問題については大きな課題であるということも前提にして今回の農業対策というものが講じられておるわけでありますから、これを内閣一体となって推し進めていくことによって、何とかそうした問題点を克服して、そして持続的に継続的に発展できるような農業基盤というものをしっかりつくらなきゃならぬという決意で取り組んでおるということについては御理解を賜りたいというふうに思います。
○刈田貞子君 次に、ウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策大綱というものが出されておりますけれども、この大綱の中に、講ずべき施策ということで「農業・農村の維持・発展に大きな役割を果たしている女性や高齢者の地位向上、能力発揮等を図る。」という大変な部分がございます。 私は、これまでしばしば農村における女性の役割について質問をしてまいりましたけれども、その労働力は農村に大変有能に働いているんだけれども女性の地位は依然として低いというような場面があるやと思いますが、ここで地位向上等をうたわれました。 御存じのとおり、日本の農業はその主力な部分六割を女性が支えているという現状があります。そして私が思いますには、もしかするともっと女性のウエートが高くなっていくのではないかというふうにさえ私は思っているんですね。この農村女性は生産に従事するとともに、家庭を管理しあるいは高齢者を助け、そして健全な農家生活の運営に大きく貢献をしている。つまり、そのことが農村の社会を維持し安定させている大きな要因だと私は思っています。そして、こういう元気な女性が農村にいればこそ農村は活性化していく、こういうふうに思うんですね。 しかしながら、こうした農村女性に対してさらに大きな期待をここで与えてくださるのならば、私はどうしても働きやすい環境をもっと強化してほしい。農村女性の労働条件は大変なものであることは総理も御存じだと思います。働きやすい環境をつくっていかなければならないだろうと思います。それからまた、年金に象徴されるように老後の問題を農村の女性は大変心配しております。こうした課題も解決していかなければならないというふうに思います。 こういうことをめぐって、総理から農村女性にひとつ温かい抱負を述べていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(村山富市君) 今、委員からお話がございましたように、農村の現状、とりわけ中山間地域の農村の現状等を見ますと、だんだん若い人がいなくなる、年齢は高齢化していく、少子化が進んでいく、こういうことからだんだん寂れていくような傾向というものがあちらこちらで見られるわけですね。そういう状況の中で女性が受け持っておる分野というのは大変大きなものがございまするし、とりわけ農業の担い手として今、女性が果たしておる役割というものは大変大きいものがあると思うんです。したがって、女性がそういう担い手となって十分やっていけるようなそういう農業・農村というものをどう構築していくかということは、私は極めて大事なことだというふうに思っております。 このため、現在、農協等地域の方針決定の場へ女性ができるだけ参画できるようにする、農協の役員なんかにもどんどん女性がやっぱり出ていっていただく必要があるのではないかというようなことやら、あるいはまた研修等を通じて女性の能力を開発していくというような手だても講ずる必要があるというふうに思いまするし、何よりも今お話もございましたように、女性が主体的に仕事に携われるようなそういう環境というものをどうつくっていくかということも大事なことだと思いますから、そういう各般の施策を講ずることによって女性の地位が確保され、同時に、本当に担い手として安心して働いてもらえるようなそういう条件というものを整備するために、これからも施策を十分考えて講じていく必要があるというふうに認識をいたしております。
○刈田貞子君 通産大臣にお伺いをいたします。 このWTOの発足によって世界の貿易の自由化が促進されるということは、貿易量が大変ふえていくことになるだろうというふうに思います。その中で、我が国にとってみれば輸入もふえるでしょう、しかし輸出もふえるでしょうということがあるわけですね。その中で、輸出がふえた場合には、また貿易収支のインバランスみたいな問題を起こして新たな国際的なターゲットにされかねないというような思いも持たなくはないのですが、こういうことはいかがでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 委員が御指摘になりましたように、これが成立をいたしました段階では間違いなしに世界的に貿易は拡大をいたします。その中で、日本にとりましては輸出のチャンスもそれだけふえていくわけでありますが、輸入のチャンスもそれは間違いなしにふえてまいります。 そういうことを考えてまいりました場合に、例えば、この委員会におきましても、国内産業の中で輸入品との競合によってむしろ弱い立場の産業についてどうするかという御心配が非常に強く出されておりました。そして、その問題を我々は決して否定をいたしませんし、その被害を最小限に食いとめる努力もしてまいりました。 私は、このWTO協定のスタートというもので貿易収支の黒字が増大するかどうかということは、これはなかなか想定のしづらいことだと思います。そして、これは例えば海外への技術移転が今後も行われていきました場合に、当然のことながら資本財の輸出がふえていくわけでありまして、その製品がまた日本に輸入で戻ってくるにいたしましても、委員が御指摘になりましたような懸念が全くないとは私は申しません。 しかし、それよりもやはり私は、日本の貿易収支を考えました場合には、短期的には一つ大きく考えていただかなければならないこととしての為替のレートの問題、また原油価格、我が国のエネルギーの中枢を占めております原油の価格というものは非常に大きな影響を持ってまいります。そして、世界経済全体の動向というものに影響されるわけでありますし、こうした要素の方が要因としては大きいと思います。 同時に、中長期的に考えました場合には、マクロの貯蓄と投資のバランスなどの要因がはるかに大きな影響を占めるであろう。そして今、私どもが公共投資基本計画の見直しを進めてまいりましたゆえんというものも、この投資と貯蓄のバランスというものに着目し、日本の黒字幅を意味のある縮小につなげていきたい、そうした観点から組み立てておることである、これを御理解いただきたいと存じます。
○刈田貞子君 本委員会でWTOの問題をずっと審議してくる中で、食品の安全性に関する問題が非常に多く論議をされましたし、これはまた国民の皆さんの全員の危惧の一つであるというふうに私は思っております。 そこで、食品の安全性についてはSPS協定によって何とかこれを担保できるのではないかという話がずっと出てきたわけで、つまりSPS協定第三条の科学的正当性を使って、そして紛争処理委員会に持ち込んで我が国の正当性が保証されれば、そこで我が国の食品行政を担保していくことができるということは、厚生省の専門家からの御説明でもありました。 これは私は本当にそうかなというふうに思うのは、かつて私どもは、食品の安全性の問題だけではなく、ガットの機関においても我が国の主張をするためにパネルにかけてまいりました。しかしながら、そこで我が国の主張が入れられなかった場面は多々あったわけです。ですから、これから紛争処理機関にこのSPS第三条を使って我が国の科学的正当性を主張して、そして私どもの健康や食の安全を守ろうということが本当にできるのかどうかということは今、一つの疑念として残っているわけであります。 今後、この問題について積極的にそうした手法をおとりになって、この紛争処理委員会等に持ち込むというような決意を本当に持っておられるのかどうなのか、これが一点です。 それから、しかしながらそうした機関に持ち込んでも、今申し上げたように、ガットでは勝てなかった場面もありますよ、こういうことでございます。その場合には、やはり協定本文の十条に改正することもできるという道があけてあります。しかしながら、よく読んでみますと大変厳しい条文になっておるわけですね。でも、この委員会で参考人の方々をお呼びして伺ったときに、まずければ今後の折衝の中で直していくことができるということを南山大学の先生がおっしゃられました。 したがって、私は、今後どうしても我が国の立場が主張できないときには改正をするような、そのつもりもやっぱり持ってこうした貿易機構とかかわっていかなければならないというふうに思うんですけれども、外務大臣のお考えを伺います。
○国務大臣(河野洋平君) 議員がもう既にお調べをいただいているように、第十条ですか、改正については確かに条項がございますけれども、その改正をするためには三分の二の合意がないとできないということになっておりまして、これは非常に厳しい。それは三分の二で改正ができるくらいなら最初から我々の主張は通る可能性が非常に多いわけでございますから、そこは実はなかなか難しいと思うんです。 しかし、先ほどから御議論いただいておりますように、科学的正当性、これはあくまでも科学的な主張というものは科学的に判断をしてもらわなければならないわけで、私はそうした科学的正当性、それはもちろん国情というものがいろいろあって、その国は主食たるものを他の国に比べればはるかにたくさん食べるとか、嗜好があって例えばリンゴはよその国に比べればはるかに摂取する量が多いとか、そういう問題も一方にあるわけですが、いずれにせよ、我が国として最新かつ最適なデータに基づいて科学的正当性について説明をして、我が国の主張が理解が得られるようにまず努力をするということがこの協定の中で一番オーソドックスなやり方であると思います。 もちろん、議員御指摘のように改正の条項がございますから、その改正の条項にのっとった作業というものを全く想定しないとか、頭からそれはもうそういうことはと言うつもりはございませんけれども、まずは科学的正当性の主張ということに問題が起これば全力を挙げるということが筋だというふうに思います。
○刈田貞子君 私も消費者運動をやってきて、こうした問題をずっとやってきた者の一人として、日本の国の食品行政は大変に厳しくできております。それは添加物の数一つとっても日本の国は非常に厳しくて少ないわけですね。よその国は多大な数があるわけでございますから、これをどっちに寄せるかの話になっていくのが今ここに出ている話のことなんです。 そして、我が国の立場を主張するとすれば、本当にここではそれこそ年じゅう紛争処理委員会に持ち込まなければならないぐらいのことが出てくるだろうし、そのくらいの決意を持たなければ、やはり国民の多くの皆様が心配していらっしゃることに対して私はこたえられないのではないかというふうに思いますので、この点については重々のやはり覚悟をして当たっていただきたい、このように思います。 それから、外務大臣に重ねてお伺いをするのですが、世界の地域主義とWTOの関係のことでございます。これもこの委員会でいろいろと出てまいりましたけれども、経済ブロックに関する問題とWTOの関係というのは、実は大きく掘り下げて論議をしなければならない問題がたくさんあろうかというふうに思います。したがって、深くは入り込めないわけですけれども、当面こうした問題を我が国としてはどのように考えておられるのかという点が一点と、それからもう一つは、EAECに加盟をするかしないかという問題がいま一つあります。経団連等でも積極的に参加をしたらというような声も上がってきている中で、この問題もひとつ考えていく課題だろうというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) WTOは、もう議員十分御承知のとおり、世界共通の貿易のルールをつくろう、物ばかりでなくサービスの分野に至るまでルール化しようという目的を持って、百二十五の国と地域が参加をして合意をして、いよいよスタートをしよう、こういう状況でございます。これらは世界共通のルールづくりというところに意味があるのであって、我々はその意味を十分体していかなければならぬ。 我々が参加をし、これを積極的に進めていきたいと考えておりますAPECは、まさに地域主義を排して開放的な自由貿易体制というものを目指そうということを考えているわけでございまして、このこととWTOとも矛盾がない、むしろWTOを補完するあるいは強化する、そういうものにしていこうという意欲を持って取り組んでいることをぜひ御理解いただきたいと思います。 そこで、EAECの問題でございます。 EAECを我が国としてどう見るかということについては、何度がお答えを本院でも申し上げたと思いますが、現状では、まだEAECが何を目指すかということについて十分な理解がEAECの外側の国にございません。我々が今一番心配しておりますのは、EAECがAPECを分断してしまうような、つまりAPECの中にまたいわば党中党ができるというようなことになることを一番心配しておりまして、EAECが何を目指しているか、そしてまた、その目指すものがEAECが呼びかける他の外側の国に理解が求められるかどうかということを一番心配しております。 我々はEAECの方々に、とにかくEAECがスタートをするときにはみんなから拍手を浴びてスタートできる、そういう状況にならなきゃいけないということを申し上げているわけでございまして、もうしばらくEAECの方々の主張、考え方、そしてその理解を求めるための努力を見守りたい、こんなふうに思っております。
○刈田貞子君 WTOと南北関係の問題もここの委員会でいろいろ出ました。今後、新たなやはり南北問題というような形のものが出てくることも想定されますけれども、我が国としてはそうした問題あるいは傾向に対してどういうふうに対応していかれるというふうにお思いになられますか。
○国務大臣(河野洋平君) 先ほど申し上げましたように、共通のルールで貿易をしようということになりますと、南北間の格差がさらに開いてしまうのではないかという心配がございます。しかし、考えてみますと、APECで自由化の方向に向かって進もうという提案をなさったのはインドネシアでございます。つまり、いわゆる南の地域から非常に元気のいい自由化に向けての提案が出ていることも事実でございます。 これはOECDの試算を見ても、もしWTOがスタートをしていくとすれば、WTOをやらなかったときに比べて二〇〇三年とか五年の時点を想定すると相当貿易量がふえる。その貿易量が一番ふえるのは、むしろ途上国で貿易量がふえるという試算もございます。 しかし、一方でやはり環境の問題その他心配な点もございます。したがいまして、私どもとしては技術支援、協力関係というものをさらに進めていかなければならないと思います。 また、たびたびAPECの話で恐縮でございますが、APECの席上村山総理から、南々支援といいますか、先進国が途上国を支援する、これは従来のパターンでございますが、途上国と途上国が相談をし合って協力関係をつくる、あるいは先進国同士が相談をして協力して途上国の支援をする、さまざまな組み合わせの支援を、協力をするという形をつくろうという御提案を総理はされましたけれども、そんなことも含めて大いに技術支援あるいは経済的な支援を進めてまいりたいと思っております。
○刈田貞子君 世界では政治的なイデオロギーの対立がなくなった、しかし経済的な利害関係が新しい対立を生むかもしれない状況が世界にはあるというふうに私は思います。そういう中にあって、WTOの設立というのは大変大きな意義があろうというふうに思っております。 これによって世界貿易の自由化が促進されるということは間違いないわけでございますけれども、この委員会を通じて、我が国にとっては極めて有効であるという御答弁が重ね重ね出てきたわけでありますけれども、私は、この批准によって打撃を受けたところの方々に大いなる対策をして、そして初めてそれが有効だということになるんだというふうに思うんです。したがいまして、格段の政治的努力を今後に望んで、質問を終わります。 ありがとうございました。
○立木洋君 限られた時間ですから、総理にお伺いいたします。 総理、この委員会で質疑をお聞きになっておわかりのように、農業合意を受け入れて大変よかったというふうな質問は全くありませんでした。それどころか、この農業合意というのは大変な問題がある、この工業と農業を一緒にして貿易のルールでくくるなんというのは間違いだと。そして、農業が一たん破綻したならば、とてもじゃないけれども再建なんというのはもう大変なことになるんじゃないか。今のような国内対策で本当に農業がどうなるか。もう危機いっぱいの声が厳しい批判として質問の中で寄せられたというのが実情だと思うんです。政府の方もその答弁は、いや農業合意はよかったんですという答弁は私は聞きませんでした。苦渋の選択だと、苦しんでそうしなければならなかったんだと言われたんです。 私は、全くおかしいと思うんですよ。国会の中で、全部がこれはよくないと思っていることが堂々と通るようになる。これは全く不思議なことなんです。だめならばこれはやっぱり拒否すべきなんです。そういう意味で言うと、やむを得なかったんでは私はないと。アメリカだとかヨーロッパの国々が自分たちの死活にかかわる重要な問題に関しては自由化を絶対に許さないという立場を貫いたにもかかわらず、日本の場合は、この農業の問題、極めて主権にかかわるこの重要な問題を我々としては絶対に受け入れることができないという態度を貫くべきだったと私は思うんです。 そういう意味で言うならば、これは苦悩な選択だったというふうな意味合いではなくて、戦後を考えるならば幾つかの問題がありますけれども、この農業合意を受け入れたということは戦後における最大の誤りの一つだということを私ははっきり申し上げたいと思うんです。 総理は先日の質問の中でこう言われました。ほかの方が聞いたら、日本は、いや農業だけではないんだ、ほかの分野もあるんだ、だから苦渋の選択として、貿易立国としてこれを受け入れなければならなかったんだという趣旨のことを言われたんです。 しかし、問題はそうじゃないんですね。日本の食糧問題というのは、食糧の問題だけではなくして、国土の保全から、国民の健康問題から、文化の伝統の問題から、あらゆる問題にかかわる重要な主権の問題なんですね。もし日本の食糧を日本が守らなくて、日本の政府が責任を持たなくて、一体どこの国が日本の食糧を守ってくれるのか。日本の主権は日本が守らなければならないんです。ほかの国に日本の主権は守ってもらえないんです。これは政府の責任なんですよ。だから、貿易立国だから、農業は一分野だからというような言いわけは私は全く通らない。 外交の継続ということもおっしゃいました。外交の継続というのは、誤った外交を引き継ぐというのが政府の態度であってはならないと思うんです。外交の継続ということを言われるならば、その外交の誤りを本当に正すことこそ新しい内閣の責任であるべきだと、私はこのように考えるんです。 そういう幾つかの問題について今述べましたけれども、これらの観点に関して、この農業合意を受け入れたということはやっぱり重大な誤りだというふうにお考えになるかどうか。この誤りに対して、今後、政府としてはどういうふうにそれを改めていく責任ある態度をとっていかれるのか、この点について総理のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(村山富市君) 外交を継続するということを申し上げました。外交を継続するということは、誤った面は正すという姿勢が当然なくちゃならぬじゃないかと。そのとおりだと思います。もし誤っている点があれば、それは正していくことについてはいささかもやぶさかであってはならないと。当然だと思います。 ただ、ウルグアイ・ラウンドでミニマムアクセスを受け入れたということにつきましては、これはもうたびたびここで議論がございましたように、やはり食糧というのは食糧安全保障という観点もございますし、単に食糧をどうというだけの問題ではなくて、環境保全の問題やら国土保全の問題やらあるいは水の問題やら、多角的に多面的に農業の果たしている役割というのは大変大きいものがあるわけですから、したがって何としてもこの日本の農業だけはしっかり守っていきたいという態度を、これはもうたびたび国会決議もされているわけでありますし、態度を堅持して頑張ってきた。 特に、この委員会でも御議論がございましたように、食糧というのは輸出を前提にして農業経営をやっているところと、我が国のように国内自給だけを前提としてやっている農業とは大変な違いがあるわけです。そういう立場の違いというものもやっぱり出し合って私は議論をされてきたものだというふうに思っております。 ただ、最後までぎりぎり粘って頑張ったのは、強いて言えば日本と韓国ぐらいの国だったというふうなことも聞いておりますけれども、しかし食糧問題のミニマムアクセスを受け入れない、断固反対だということになれば、これはガットそのものから日本は脱退するというようなことにもなりかねないので、これはやっぱり日本経済全体のものも考えなきゃならぬという立場からするならば、ぎりぎり頑張って、これはもうここまで来ればやむを得ないのではないかという意味では苦渋の選択をしたと、私はそういうふうに申し上げているわけです。 ただ、それだけに、これからもたらされてくる課題というものは大変大きいものもあるわけですから、したがって閣議でも了解しておりまするし、同時に当時の政権も緊急農業農村対策本部というものも設置をして総理みずからが本部長になって取り組んできている、こういう経緯もありますから、その経緯も十分踏まえた上で今後の農業農村対策については万全を期していこうというので、たびたびここでも議論がございましたようなことも踏まえて、政府は一体となってこれから取り組んでいこう、こういう決意も申し上げておるわけでありますから、その点についてはよく御理解をいただきたいというふうに思います。
○立木洋君 今の総理の答弁ですけれども、理解するわけにはまいりません。結局、アメリカでもヨーロッパでも死活にかかわる主権の問題に関してはあくまで自由化を拒否するんです。それによってガットから追放されるなんということは全くありません。それほどの状態に日本の経済力はあるのではないということも私は述べておきたいと思うんです。 今までの日米関係の経過を振り返ってみますと、私は幾多の問題があったと思うのは、特にアメリカの不当なあの三〇一条ですね。この問題について調査が開始される、あるいは提訴される、さらには制裁の発動が行われる、そういうまさに繰り返しでした。そういう中で、一方的な制裁によるおどかしの結果として場合によっては譲歩しなければならなかった、こういう経過については私はここで詳しく申し上げる時間がありません。だけれども、そういう問題があったんですね。 だからこそ、今度の問題の中では世界の貿易ルール、これを公平公正にやらなければならないということで、そういう一方的な制裁措置はとってはならないというふうなことがWTOでも問題になってきたわけですね。ですから、この中においてはそういうふうな一方的な制裁措置というふうなことが行われないように、またそれに反するような国内法についてもそういうものについてはWTOに適合させるようにというふうになっているわけです。 ところが、実際にここで今議論してきた内容を振り返ってみますと、アメリカは国内法にちゃんと明記をして、三〇一条というのは何らWTOの影響は受けない、制約は受けないと。そして、さっきも言いましたように、カンター代表なんかの発言等についても、正確に言えばいろいろあります、その枠外の問題だとかあるいはそれに加盟していない国の問題だとか、さまざまな問題があります。しかし問題は、もしかWTOにかかわる問題であっても、それでアメリカが一方的に発動してきた場合、二十八カ月間かかるんです、制裁を受けている期間が。その企業は、産業はお手上げになるんですよ。こういう重大な事態があって、本当にそういうことをしてはならないというその縛りさえアメリカに対してはかからなかった、現実的には。こういう問題になっている。 私は、その詳しい内容については河野さんと外務委員会で幾らでも議論ができますから、きょうは限られた時間なので総理にお聞きします。 この問題、アメリカのそういう身勝手な横暴なやり方について、そういうふうな問題について総理はどのようにお考えになるのか。こういう問題について、日本が主権ある国であるならばアメリカのこういうような横暴なやり方について今後どういうふうに基本的に対処しておいきになるのか、総理の見解をお伺いしたい。
○国務大臣(河野洋平君) ちょっと一言だけ私から先に。
○立木洋君 時間がなくなるんです。
○国務大臣(河野洋平君) では一言だけ。 確かに、WTOの規定どおりやっても二十数カ月かかる、これはもう議員の御指摘のとおりです。しかしながら、WTO協定なかりせばもっと時間がかかる。WTO協定は、もっと時間がかかっていたものが少なくとも改善をされたということだけはお認めいただかなければならないと思うんです。 日米関係、アメリカに対する姿勢は総理から御答弁があると存じます。
○国務大臣(村山富市君) 今度のWTO協定の中での紛争処理規定というのは、以前から見ると相当改善をされていると私は思います。したがって、先ほど来お話がございますように、米国が三〇一条を持っていること自体がWTO協定に反するかといえば、そんなものではない。今、お話もございましたように、対象外のものやあるいはWTOに加盟していない国に対してはこの発動ができる、二国間の関係になると思いますから、それ自体をもって違反しているとは言わないと思うんです。ただ、WTO協定で決められておるものに違反をするような場合は、これは当然やっぱりその協定に基づいて手続をとって、そして問題の処理に当たらなきゃならぬのは当然の話だと思いますね。 私は、これはアメリカがアメリカ国内問題として三〇一条をつくっているということについては日本政府からとやかく言う筋合いのものではないと思いますけれども、しかし日本とアメリカとの関係でWTO協定に反するような三〇一条の扱い方ということについては、これは当然反するわけですから、その限りにおいては日本政府が毅然たる態度で対応していくというのは当然だと思います。
○立木洋君 この基本的な点については、アメリカのこういう態度についていわゆる国際的にもそのまま放置しておくならば、世界の公正公平な貿易秩序の確立の妨げになるという問題点については、私ははっきり指摘しておきたいと思うんです。 それから最後の質問になると思いますけれども、農業協定の再交渉を私たちは強く要求しました、総理も御承知のように。これではだめなんだと。それについては、少なくとも今の時点で、こういう国会で批准しているような状況の中でどうして再交渉ができますかというふうなお話もございました。あるいは国連海洋法条約の場合の問題を提起したことについても、この問題でも同じように、いわゆるあれは少なくない国がいろいろ意見を持っていたからああいうふうになったのであって、日本だけが今農業の問題を主張してもそれはなかなか無理だろうと、そういうことは先刻御承知でありながら質問されているんじゃないかというふうなことも言われました。 そこで、私は言いたいんです。日本の国の主権というのは日本でないと守れないんです。ほかの国には守ってもらうことができないんです。どんな困難な状態があろうとも、どのような問題があろうとも、日本の主権は日本の政府が守らなければならない責任があるんです。 私は言いたいんです。千島列島、戦後日本はやむなく放棄したと言いました。あれは間違って放棄したと私は言いたいけれども、しかしあの千島列島が大変な問題であって、やむを得なかったと言いながら、日本政府はそれを返せと言って今要求しているじゃないですか。そうでしょう。ほかの国が理解しなかった、だけれども一生懸命外国にも訴えて、千島列島を返せと言って主張しているじゃないですか。 どんなことがあろうとも、日本の主権というのは日本が守らないとだめなんです。農業の問題というのは、日本の主権、日本の民族のこれからのあり方にかかわる根本問題なんですよ。これを日本が主張しないでどこが主張してくれるんですか。外国の顔色を見ながらやるのは外交じゃないんです。外交の責任というのは何かといえば、主権を守るということが根本的な責任なんです。そのことを放棄しては、どのような意味でも本当の国々の友好関係や連帯の関係は生まれない。主権を放棄したらそれは従属国になるんですよ。主権を守るということこそ大切なんです。 そういうことを考えるならば、先ほど言いましたWTOの第十条においても修正が可能です。これから努力を尽くして、民族の農業問題について、徹底的にこれを改めていく再交渉をやるべきだということを私は重ねて総理に要求したいんですが、総理のその問題についてのお考えを述べていただきたいと思います。
○国務大臣(村山富市君) 何か委員の意見を聞いておりますと、いかにも主権を守っていない、主権を放棄しているというような印象を受けるような発言がございますけれども……
○立木洋君 印象じゃないんです、守っていないんです。
○国務大臣(村山富市君) いやいや、そんなことはないです。そんなことはないですよ。やっぱり主権はその国自体が守らなきゃならぬことは、それはもう言うまでもなく当然なことですよ。 ただ、今の世界というのは、これだけ国境がなくなって、経済の交流もするし文化の交流もするし、いろんな面で助け合って協力し合って理解を深めていこうと、こういう状況の中ですから、それぞれの国が理解し合って協力し合うような体制があって初めてその国の主権も守られていくという面もやっぱりあるわけですから、したがってそういう面から考えてまいりますと今度のWTOの協定というものは、世界貿易の維持をするためにもあるいはまた強化していくためにも、多角的な自由化が促進される、そして国際経済秩序をしっかり守ってお互いの信頼を高めていくという意味では大変大事なことだし、必要なことだと。そういうことを通じて各国の主権が守られていくと、私はそういうふうに思っておりますから、若干あなたとは見解を異にする点があるかもしれません。 しかし、冒頭に申し上げましたように、その主権はその国がしっかり守るというのは当然の話でありますから、主権を守る立場から、日本の政府として必要なことはあらゆる機関を通じて日本の意見を反映させるための努力はしていくというのは当然でございます。
○西川潔君 時間が短いので早口で御質問申し上げますが、よろしくお願いいたします。 今回のウルグアイ・ラウンド農業合意によりまして、日本の米市場の一部開放が決まったことによりまして、農業の後継者不足や担い手の高齢化といった問題を抱える農村地域をいかに活性化していくかが日本農業の存続にとって一層切迫した問題となっておると思います。 今、日本の社会は全体として高齢化への道を確実に歩んでいるところでございますが、しかしその速さは都市に比べて農村地域の方が一歩も二歩も前進をしております。日本全体の高齢化社会を見据えたときに、既に高齢化社会に直面している農村地域においてどのような姿の高齢化が好ましいあり方であるか、その経験の中から学び取ることができるのではないかと私は思うわけです。言いかえますと、ここ数年間の農村地域における高齢化社会の姿が将来の日本全体の高齢化社会像に結びつくものではないかと思うわけです。 その意味におきましても、ここ数年間の農村地域における高齢化対策は非常に大切な課題であると考えるわけですが、総理大臣はどのようにお考えでございましょうか。
○国務大臣(村山富市君) 日本の社会全体が急速に高齢化が進んでおるということはもうたびたび議論されておるとおりでありますし、とりわけ今お話のございましたように、農村の高齢化というのは、都市に比べて若い人がいなくなるとかあるいは少子化とか、いろんなことも含めて急速に高齢化が進んでいるという現状はそのとおりだと思います。 したがって、年をとってからやはり社会のために役立っておるという生きがいを感ずる意味では、その健康に応じて何らかの働く場所も必要だろうし、同時に、医療やら年金やら、そういうものももっと完備させて、そして不安のないような状況をつくっていくということについては当然だと思いますから、総合的に内閣一体となってその対策を講じていく必要があるということについては強い認識を持っておるということだけは申し上げておきたいと思います。
○西川潔君 続いて、やはり農村の方は全国平均より二十年も早いペースで高齢化が進んでいるということでございます。農村地域では、寝たきりなど介護を必要とするお年寄りの数も相当多くいらっしゃるというふうに見込まれております。農家の老人介護の負担が今後ますます増大することによりまして、農業・生活活動に支障が生じるのではないかという心配があるわけです。 しかしその一方で、農村部には都市部の生活の中で失われつつあります人と人との結びつき、生活面での助け合い、いろいろと声をかけていただいて、せんだっても兵庫県のいろんなところへ行ってまいりましたが、支え合う精神が本当に強く地域の中で機能しております。そして、お元気なお年寄りが多いわけです。都会の方も元気な方が多いんですけれども、その元気の質が少し違うというんですか、僕らにはそういうふうに映るんです。活躍のできる場がやっぱり広い範囲で地方の方は多い、そういうふうな印象を受けます。 そういったよい面を生かしつつ、お元気なお年寄りができる限り働くことができる場の確保、そしてまた病気になったり介護が必要になったときには医療や福祉の面で家族の負担をできる限り軽くしてあげる、生活活動に支障が生じることの不安を少しでも解消することが我々の仕事であるともまた思います。そのためには生産活動と非生産活動の両面から支援対策が必要であると思うわけですから、今後の農村における高齢化について政府といたしましてどのような対策を講じていただけるのか。また、来年度策定されます農山漁村の高齢化に関する中長期ビジョンの方向性も含めて、これは農林水産大臣にお伺いしたいと思います。 医療、保健、福祉対策については厚生大臣にお伺いしたいと思います。せんだっても、参考人としてお越しいただきました宮崎県の西都市長さんもおっしゃっておられました。現状の地方財政では高齢者福祉、そういうふうなことの一〇〇%のケアはできないというような御意見でございました。こういう面も含めまして厚生大臣に御答弁をいただきたいと思います。 地域活性化については、建設大臣にお願いします。
○国務大臣(大河原太一郎君) お話しのとおりでございまして、二十年先行して高齢化が進んでおる。これに対して、また一方では農業なり農村におきましては高齢者の方々の生産活動や社会活動に対する参画が容易である、また環境もよろしいというような、いろいろ問題がございます。それに着目いたしまして、高齢者の方々の知識、技術あるいは経験等を生かした農業生産への関与を図っていく。またそれらの方々の社会活動、生産活動というものに利便な施設を整備するという方向でございまして、お話しのビジョンについては一年ぐらいかかりまして、急いで作成しようと思って、ただいま検討中でございます。
○国務大臣(井出正一君) 農山村地域において進んでおります高齢化対策のために、保健医療・福祉サービスの提供体制の整備が急務であると考えております。厚生省といたしましては、今やっておりますゴールドプラン、さらに今後策定しようと考えております新ゴールドプランに基づいて、基盤整備の着実な推進や僻地医療対策の充実に取り組んでいかなくちゃならぬ、こう考えております。 具体的には、保健福祉対策につきましては、農山村地域においても整備が円滑に進むように、小規模な事業でも展開できるように、例えば特養なんかは入所定員五十人が普通でございますが、これを三十人でもいいとか、あるいは小規模デイサービスセンター、これも一日利用十五人程度、こう考えておるのを八人でも結構だと、こんなような小規模事業。また、過疎地域等におきましては、生活不安のある方に対する住居や、地域住民との交流の場とともに、給食とかあるいは入浴とか生活指導等のデイサービスを一体とする高齢者生活福祉センターの整備も促進をしようと思っております。 また、医療の確保につきましては、現在第七次僻地保健医療計画に基づいて、中核病院とか診療所とかあるいは勤務医師の確保等さまざまな施策を行っておりますが、これは七年度で終わります。したがいまして、八年度以降につきましては、現在無医地区の実態調査を進めております。また、二十一世紀に向けた総合的な僻地保健医療対策について、十月から検討会を持っていただいて鋭意検討を進めていただいておりますから、その結論を踏まえて万全を期していきたい、こう考えております。
○国務大臣(野坂浩賢君) 中山間地帯をどう活性化させるか。建設省としては、つかさつかさでそれぞれやるわけでありますが、十分農水省や厚生省とも連絡をとってやります。 都築委員の際にお話ししたんですが、例えば地域の高規格道路もつくる、ふれあいトンネルもつくる、定住促進対策もやる。基盤整備と同時に河川の整備等も行って、住みやすい、環境の整備された、そういう安定した中山間地帯というものをつくるために、我々としては今度の予算についても総額約一兆円に近いものを提案してお願いしておる。そうでなければより過疎化になるではなかろうか、こういうふうに考えて、整備促進のための対策を講じておるところでございます。 以上です。
○西川潔君 ありがとうございました。それぞれの大臣に前向きな御答弁をいただきました。 私の質問あと一分になりましたのですけれども、私は質問の通告を出しておりませんが、久しぶりに橋本通産大臣に一言お伺いしてもよろしいでしょうか。 いろいろ福祉のことを、実は大臣の中で公約を守っていただいたのは三人ぐらいで、僕はここへ来てタレント議員と言われて、何かしなければということで二つ三つやらせていただいたんですけれども、大蔵大臣のときもお願いに上がりましたし、厚生大臣のときもそうですし、今、通産大臣でもありますが、いろんな閣僚を体験されて、これからの高齢化社会、財政等々を見まして、今、僕が質問をさせていただきましたようなことは、安心して日本のお年寄りが、また農業も漁業も含めて生活をしていける夢や希望を持っていけるものなんでしょうか。 総論というのでしょうか、言いただけたらと思うんです、総理に大変御無礼でございますけれども。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、それぞれの閣僚が答弁をされました内容、それを踏まえてお互いが力を合わせていかなければならない。その中で国の仕組み、地方の仕組みだけではなく、地域社会の中でどれだけお互いが助け合える気持ちを持った仕組みをつくり出せるかがそのかぎだと思っております。
○西川潔君 ありがとうございました。地域の支え合い。大変御無礼いたしました。
○西野康雄君 新党・護憲リベラルの西野康雄でございます。 政治改革特別委員会のときでしたでしょうか、首相と外務大臣に対してある本を出して、ソ連から社会党は金もろうとるやないかと、CIAから自民党は金もろうとったやないかと、その本の著者を事実でなかったら訴えたらどうやというふうな御質問をなさった方がいらっしゃいますけれども。この本は「アメリカ殺しの超発想」というニューヨーク市立大学教授の露見芳浩さんという方の本でございます。「包括協議強要、モトローラ日本占領、湾岸戦争協力費カツアゲ、コメ騒動、防衛費水ましなどで国を売ったのは誰か」というふうなことで、中身のところに、 日本のフィクサー小沢一郎の腹の内は、アメリカは全部お見通しだ。日本では、いっぱしの国土きどり、コワモテで通っている小沢氏が、アメリカで一体何をやってきたのか。アメリカに対して見えすいたゴマをすれるだけすり、誉めさえすれば面倒をみてくれると思い込み、国の主権まで売り渡し、そしてなおかつそれで私腹を肥やした男。こういうふうなことが書いてある。それが事実でなかったならば訴えたらええなと私自身そう思うんです。ぜひともこの本、お読みください。 もう一冊、いい本があるんです。「ビジョン・オブ・ジャパン」という本でございまして、この著者は絶対に総理大臣になるべき人だと思うんですが、橋本龍太郎という方です。 EC統合や北米自由貿易協定といった地域統合の動きも、域内の障壁を減ずると同時に域外との障壁も低くするものであれば、世界経済に対してプラスの影響を与えるものとなり得るでしょう。 しかし、その運営のいかんによっては、閉鎖的なブロックを築いてしまう懸念も残されています。そうなれば、地域の内外を問わず経済効率の妨げになるばかりか、これから発展しようとする国々のチャンスを狭い限定域の中に閉じ込めてしまい、世界経済の発展にとってマイナスの影響を及ぼすことになります。域外に対する門戸の開放度を高め、開かれた地域統合にすることが肝要とされるゆえんです。というこの一節がございます。 インドネシアのボゴールで開催されたAPECでは、まず経済先進国に限り十年早い二〇一〇年に、そして続いてその十年後の二〇二〇年までに世界最大の自由貿易地域を打ち立てるという声明がなされました。ドイツーFO研究所理事で欧日経済センター所長のヘルムート・ラウマー氏は、この大胆なビジョンが現実のものとなるか否かは加盟諸国の関心に大きな行き違いがある事実を見れば大いに疑問である、こういうふうな疑問を呈しておられます。二〇一〇年の貿易の完全自由化を達成するもくろみも、日米貿易摩擦が過熱化を繰り返している現状下では甚だ非現実的と言えよう、こういうこともおっしゃっておられます。 WTOの機能を十二分に生かすには、APECの貿易完全自由化の達成というものが必要と思います。達成のために外交の面では何が問題なのか、通商の面では何が問題なのかということを、お考えがあればお答えをお願いしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 外交の面につきましては副総理からお答えをいただくとして、私の立場から申し上げたいことは次のようなことにかかると思います。 そのAPECの中に不協和音がないといえばこれはうそになります。そして、アメリカはアメリカ型の経済開発を考えて物を言いますし、一方ではEAEC構想のようなものも存在をしておるわけであります。 しかし私は、その中でボゴール宣言がまとめられたその意義、そしてその中で途上国と先進国との間に時間差を置いた、それを先進国も了承しこれがまとめられた、この意義は非常に大きいと思います。それだけに、今後進めていかなければならないものの中で優先的に取り組むべき順位がおのずからそこにはあろうかと思います。 それは一つは基準認証あるいは知的所有権保護制度の整備、そして国際基準などとの調和、こうしたことを積み重ねていく。ことによりまして、貿易、投資に関する制度、それぞれの国の違いを整理しながら調和を進めていくこと、これが優先的に取り組むべき課題と、そのように考えております。
○国務大臣(河野洋平君) 通産大臣は不協和音という言葉で表現をされましたが、APECが極めて重要視しておりますことは多様性を認め合うということでございます。開放性、多様性、これがまさにAPECの最も重要なところでございまして、さまざまな意見があるということをお互いに認め合って、しかし一つの目標に向かって進むという点で合意ができるということが大事だと思います。 確かに議員が御指摘になりましたように、自由化に向かって進むためには、経済の発展の度合いの違いというものは非常に問題があると思います。通産大臣が御指摘になりましたように、このボゴール宣言は、しばしばここで申し上げましたが、先進国の提案であればきっとまとまらなかったと思います。それがホストカントリーでもございますインドネシアの提案だったというところにまとまる大きな理由があったと思います。しかし、我々としては、経済の発展の度合いをできるだけその差を縮めていく。通産大臣は基準・認証を例にお挙げになりましたが、私どもとしては、さらにさまざまな支援をすることによってそのギャップを縮めていく努力をするという必要があろうと思います。 来年、我が国がAPECの議長国になりますが、冒頭申し上げましたように、その多様性、開放性というものを大事にしながら一つの目標に向かって歩むということを考えなければならぬ。しかも、アジアにはアジアのテンポがあると思うんです。そのテンポを無視して余り速いテンポを押しつけるというようなことがあると、それはなかなか難しくなる。しかし、さらばといってそれは流れないということではないということも考えながら、来年のAPECの会議に取り組みたいと思います。
○西野康雄君 私がなぜ「ビジョン・オブ・ジャパン」という著書の中の一節を読み上げたかといいますと、APECのボゴール宣言にある二〇一〇年あるいは二〇二〇年の貿易の自由化というこの文言なんですが、域内の達成ということを意味しているのか、世界に向けたものなのかということが非常に明確ではございません。そういう批判もございます。 一体、その貿易の自由化ということは域内なのか、それとも世界に向けて達成をするという意味なのか、その辺の批判に対しての所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 今、開放性というところで私は御説明を申し上げるつもりでおりました。これはAPEC加盟国が相談をして行うことではありますが、外に向かって開放的な体制をとるということであろうと思います。
○西野康雄君 質問通告はしておりませんが、最後に総理に、WTOの特に農業問題に関して農家の方は大変に不安に思っておられます。ですから、きっちり日本の農業を守っていくんだ、そういうふうな御決意をお述べいただければと思います。
○国務大臣(村山富市君) もうたびたびこの委員会で議論をされてお答え申し上げておりますように、WTO全体は日本にとって大変プラスの面がある。しかし反面、農業問題尊厳しい問題も抱えておる。これから日本の農業が国際競争の場裏にさらされる。特にまた、太刀打ちできないような中山間地域を抱えておる。こういう農村全体を見た場合に、単に食糧だけの問題ではなくて国民的な課題として日本の農業をどう維持発展させていくかということは大事なことだと。したがって、その責任も十分感じながら、これまで十分議論をされておりますような経過も踏まえて、農業を守るために内閣一体となって取り組む、こういう決意を申し上げた次第でございます。
○西野康雄君 ありがとうございました。
○委員長(矢田部理君) 以上で質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(矢田部理君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○立木洋君 私は、日本共産党を代表し、マラケシュ協定外五件に反対、特許法及び著作権法改正案には賛成の立場で討論を行います。 本協定は、特に農業を初め、我が国の経済や国民生活に甚大な影響があります。しかし、必要な資料さえ提出されず、外交日程に合わせての審議の打ち切り、採決などは国民の反対の声を全く無視するものであります。多くの問題が未解明であるのに審議を打ち切り、採決を行うのは断じて容認できません。 本協定は、各国の主権を制限する重大な欠陥を持つものであり、結局、多国籍企業の利益優先の世界秩序をつくるものと言わなければなりません。 特に、日本農業に与える影響は重大であります。三度にわたる国会決議を踏みにじり、選挙公約もほごにしてこの協定を批准することは、議会制民主主義の破壊、国民に対する背信行為そのものではありませんか。 稲作農業は民族が営々として築いてきたものであり、国民食糧の確保は言うまでもなく、国土の保全、伝統と文化の基礎をなすものであります。米輸入自由化はやむを得ないなどというものでは全くなく、正当な主張によって協定の対象から除外すべきものであります。 また、我が国の鉱工業品の関税引き下げは、今でもアメリカなどより著しく低いのに、さらに先進国中最も低い水準となり、繊維や皮革など多くの関連産業において中小企業を破滅の危機に追い込むものであります。 さらに、食品の問題についても、国民の安全を基準としたものではなく、貿易拡大を優先させ、国民の生命と健康を危うくするものであります。 とりわけアメリカは、通商法三〇一条を含む国内法が協定に優先するという身勝手な態度をとり、三〇一条の発動が維持され、規制されていないことは、最も重大な欠陥と言うべきものであります。こうしたアメリカの経済覇権主義の横暴は、日本のみならず世界各国からも非難の対象となっていることは根拠のないことではありません。これでどうして公正公平の世界貿易が進むのでしょうか。 最後に、日本共産党は、WTO協定の修正を求め、公正公平で平等互恵の原則に立った世界貿易秩序を確立し、国民の利益と主権を真に擁護する立場で速やかに再交渉を行うよう強く要求して、討論を終わります。
○委員長(矢田部理君) 以上で討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(矢田部理君) 御異議ないと認めます。 これより採決に入ります。 世界貿易機関を設立するマラケシュ協定の締結について承認を求めるの件について採決を行います。 本件に賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(矢田部理君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。 次に、著作権法及び万国著作権条約の実施に伴う著作権法の特例に関する法律の一部を改正する法律案の採決を行います。 本案に賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(矢田部理君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、特許法等の一部を改正する法律案の採決を行います。 本案に賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(矢田部理君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法の一部を改正する法律案の採決を行います。 本案に賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(矢田部理君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、繭糸価格安定法及び蚕糸砂糖類価格安定事業団法の一部を改正する法律案の採決を行います。 本案に賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(矢田部理君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、農産物価格安定法の一部を改正する法律案の採決を行います。 本案に賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(矢田部理君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、関税定率法等の一部を改正する法律案の採決を行います。 本案に賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(矢田部理君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律案の採決を行います。 本案に賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(矢田部理君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、北澤俊美君から発言を求められておりますので、これを許します。北澤俊美君。
○北澤俊美君 私は、ただいま可決されました加工原料乳生産者補給金等暫定措置法の一部を改正する法律案、繭糸価格安定法及び蚕糸砂糖類価格安定事業団法の一部を改正する法律案、農産物価格安定法の一部を改正する法律案及び主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、新緑風会及び公明党・国民会議の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 以下、案文を朗読いたします。 加工原料乳生産者補給金等暫定措置法の一部を改正する法律案、繭糸価格安定法及び蚕糸砂糖類価格安定事業団法の一部を改正する法律案、農産物価格安定法の一部を改正する法律案及び主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律案に対する附帯決議(案) 我が国の農業は、国民の食生活等に不可欠な農産物の供給や地域経済の活性化等の面で重要な役割を果たしているばかりでなく、生産の場である水田や畑は、森林ともあいまって、国土・自然環境の保全、緑の景観の維持等多面的な公益的機能を発揮している。 このため、国際化時代の進展に対応して、農業の生産基盤を整備し、農産物の需給の安定を図り、もって国民生活と国民経済の安定を期することは、国の重要な責務である。 よって政府は、世界貿易機関設立協定に関連する農業関係法の施行に当たり、ガット・ウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策予算について従来の農林水産予算に支障をきたさないようにする等国内対策を誠実に推進し、農業者の不安を払拭するとともに、次の事項の実現に万遺憾なきを期すべきである。一 カレント・アクセス等によって輸入される乳製品、生糸、繭、でん粉及び小麦の国内市場への供給については、国内産品の需給や価格に悪影響を及ぼさないよう適切に対応すること。二 乳製品については、需給の安定に努めるとともに、酪農経営の体質強化を図るため、生産基盤の整備、負債対策の充実、担い手の確保等総合的な施策を推進すること。三 生糸・繭については、先進国型養蚕業の早期確立・普及等生産対策に万全を期するとともに、最近における生糸価格の低迷に対処して適切な対策を講ずること。四 でん粉については、コーンスターチ用どうもろこしと国内産でん粉との抱き合わせ制度の適切な運用等により、でん粉原料である甘しょ及び馬鈴しょの安定的な需要の確保に努めるとともに、生産対策の充実を図ること。五 新たな国際的規律の下で国民に対する主要食糧の安定的供給を確保するため、米穀の需給及び価格の安定に関する基本計画を定めるに当たっては、国民生活の安定を期するとともに、生産者の意向を十分踏まえ、農業経営の中・長期的安定に配慮すること。六 生産調整の重要性にかんがみ、その実施に当たっては、生産者の自主性を尊重しつつ、行政と農業団体等が一体となって取り組むとともに、需給調整が円滑に行われるよう米穀の生産力、流通・在庫量、消費量等を的確に把握し、かつ、営農の安定にも配慮して生産調整目標面積を決定すること。 また、生産調整助成金については、生産調整の実効性確保の観点を踏まえ適正に決定するとともに、政府買入価格については、需給動向等を反映させつつ、再生産が確保されるよう決定すること。七 ミニマム・アクセスによる輸入米については、国産米の需給及び価格の安定が確保されるよう、新たに加工用、海外援助用などへの活用を真剣に検討するとともに、国産米との品質格差等を適正に勘案して売渡価格を設定すること。 また、平成五年産米の凶作に対処するために緊急輸入した米穀についても、国内産米の流通に悪影響を及ぼさないよう適切に処理すること。八 米穀の備蓄制度の重要性にかんがみ、政府が第一義的責任をもってその運営を行うとともに、備蓄数量については、百五十万トンの確保を基本としつつも、需給及び価格の安定を図る見地から余裕をもって弾力的に運用すること。また、備蓄に伴うコスト負担につき国民の理解が得られるよう努めること。九 計画流通制度の運営に当たっては、生産者ごとに定める計画出荷基準数量について生産者の意向を十分反映させるとともに、出荷契約について作況変動等による事情の変化を反快させる仕組みとし、あわせて計画出荷米が安定的に供給されるよう米穀の生産者等に対し適切な助成措置を講ずること。 また、計画出荷米以外の米穀の売渡しに係る生産者の届出制度については、米穀の安定供給に支障をきたさないよう運営するとともに、その手続について極力簡素化すること。十 流通規制の緩和に当たっては、産地間の過当競争、流通の混乱、不当な価格操作等不測の事態が生ずることのないよう十分に配慮するとともに、小売業者等販売業者の業種転換や体質強化等が円滑に図られるよう、その対策に万全を期すること。 また、万一の緊急事態に備えるため、配給等を実施し得る体制の整備に配意すること。十一 米穀の品質、安全性等に対する国民の関心の高まりに対応するため、国営検査がこれまで果たしてきた役割に配慮し、必要な施設、効率的体制の整備を促進するとともに、農産物検査制度の在り方について検討すること。 また、年産・産地品種銘柄などの表示については、消費者の商品選択のよりどころとなるばかりでなく、米穀の適正かつ円滑な流通を確保する上で不可欠であることから、一層の整備を図ること。十二 豊作等により米価が著しく低落する場合等においては、備蓄の運用と自主流通法人が行う調整保管を適切に関連付けて実施するとともに、調整保管の暴落時対策としての重要性にかんがみ、国も必要な支援措置を講ずること。 また、自主流通米価格形成センターについては、自主流通米の取引の指標となる価格が適正に形成されるよう、公正な運営に努めること。十三 国際化時代に対処し、米穀の生産力の向上を図るため、生産基盤の整備の促進、担い手の確保等必要な諸施策の充実に努めること。 また、米の需要を拡大するため、米についての正しい知識の普及、新しい米加工品の開発等を促進すること。十四 畑作地域における輪作作物、水田における転作作物等としての麦の重要性にかんがみ、国内農業における麦作の位置付けを明確にするとともに、品質の改善と生産振興対策を充実すること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(矢田部理君) ただいま北澤君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(矢田部理君) 多数と認めます。よって、北澤君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、大河原農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。大河原農林水産大臣。
○国務大臣(大河原太一郎君) ただいま御決議いただきました附帯決議の趣旨を尊重し、今後最善の努力をいたしてまいります。
○委員長(矢田部理君) なお、各案件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(矢田部理君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(矢田部理君) これより請願の審査を行います。 第三号ガット・ウルグアイ・ラウンド協定の承認反対に関する請願外百六十九件を議題といたします。 これらの請願につきましては、理事会において協議の結果、いずれも保留とすることに意見が一致いたしました。 以上のとおり決定することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(矢田部理君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。 これにて散会いたします。 午後零時九分散会