産業・資源エネルギーに関する調査会 第3号
- 発言数
- 108 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1994/11/11
会議録
○会長(三重野栄子君) ただいまから産業・資源エネルギーに関する調査会を開会いたします。 産業・資源エネルギーに関する調査を議題とし、エネルギー供給の課題と対策に関する件について、まず政府から説明を聴取いたします。 説明に当たりましては、資源エネルギー庁、科学技術庁の順でお願いしたいと存じます。 それでは、資源エネルギー庁、お願いいたします。川田資源エネルギー庁長官。
○政府委員(川田洋輝君) 資源エネルギー庁長官の川田でございます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。 それでは、エネルギー供給の課題と対策(資源エネルギー関係)と書きました資料をお手元に差し上げておりますので、この資料に即しましてポイントを説明させていただきたいと存じます。 まず、一ページをおあけください。 第一は、エネルギーをめぐる国際情勢についてでございます。 現在、国際エネルギー情勢は比較的平穏に推移いたしておりますけれども、中長期的に見ますといろんな問題をはらんでおるところでございます。 今後のエネルギーの需要を見てみますと、全体としてはこれまでに比較し伸び率は若干低下するわけでございますが、発展途上地域を中心にエネルギー需要が増大をしていくということが予測をされております。一ページの上の表をごらんいただきますと、今後のエネルギー需要の見込みが書いてございますが、一九九一年から二〇一〇年にかけて世界全体では年率二・一%の伸びでございます。すぐその上にその他地域とございます。これが発展途上国を中心とする地域でございますが、これは年率四・二%で伸びていく、こういうことでございます。 一方、供給面について見ますと、中長期的には石油供給の中東依存度が再び上昇していくということが見込まれております。一ページの下の表をごらんいただきますと、IEAにおきます世界石油供給の展望でございますが、中東及びベネズエラというのが一九九一年の三〇%から二〇一〇年には五割近くに上昇をするという見込みがなされているところであります。 次に、二ページをお開きいただきたいと思います。 我が国のエネルギー需給の現状及び見通しについて御説明申し上げます。 まず、現状でございますが、需要面につきましては、八七年度以降、好景気などを背景に高い伸びを示しましたが、近年は再び伸び率が鈍化しております。この上の表でございますが、特徴的なことは、オイルショック時にはかなり伸び率が低い、省エネルギーが進んだ、こういうことでございまして、それが八六年度から九一年度にかけてはかなり大きく伸びた、こういうことになっているところでございます。 それから、供給面では、石油危機当時と比べますと石油依存度がかなり減ってきております。しかし、それでも六割近くが石油に依存している、こういう状況でございます。石油依存度の低下分は天然ガス、原子力といった石油代替エネルギーの比率が向上してまいっております。二ページの下の表をごらんいただきますと、一九七三年度、第一次オイルショックの年でございますが、このときの石油依存度は何と八割近く、七七・四%という高さでございます。これが一九九二年度、三年度のところを見ていただきますと五八、五六という数字が出てまいります。これを補っておりますのが天然ガスと原子力、こういうことでございます。 それから、三ページをお開きいただきたいと思います。 長期エネルギー需給見通してございますが、最近のエネルギー情勢の変化、内外における地球環境問題への取り組みを踏まえまして、総合エネルギー調査会で本年六月に四年ぶりに長期エネルギー需給見通しを改定いたしております。その内容が三ページの上の表でございます。 消費につきましては、二〇〇〇年度の欄の右のところあるいは二〇一〇年度の右のところにございますが、全体として一%程度ということで、これは相当の努力を要するかと思いますが、こういう数字に持っていきたい。 供給面では、石油依存度の低下をなお今後とも追求していきたいということで、天然ガス、原子力あるいは新エネルギー、そういった分野での増強を、需給見通しの中で努力目標も含めまして策定をされたところであります。 これを法律の仕組みの中で位置づけましたものがその下の石油代替エネルギーの供給目標でございます。これにつきましては、長期エネルギー需給見通しを踏まえまして、九月に閣議を開いていただきまして決定をさせていただいております。今後、二〇一〇年度までに一次エネルギー供給に占める石油代替エネルギーの割合を、九二年度の四一・八%から二〇一〇年度には五二・三%に全体として増大をするということを目標として掲げておるところでございます。この一つ一つのエネルギーの中身については下の表にあるとおりでございまして、これの具体的な数字は上の長期エネルギー需給見通しと一致をするということでございます。表示の仕方が下は原油換算ということで表示をしておる、こういうことでございます。 次に四ページ、こういうエネルギーの世界及び日本の状況を踏まえてこれからどういうエネルギー政策を展開していくかということでございまして、これをこれから御説明申し上げます。 まず、エネルギー政策の政策課題でございますが、これは三つございます。一つは、エネルギーの安定供給を確保していく、これは基本的な課題でございます。二つ目には、地球環境問題への対応ということが近年非常に大きな問題として浮かび上がってきていることは御高承のとおりだと存じます。また三つ目には、エネルギーの安定供給は確かに大切であるが、それとともにできるだけ低廉な、そして消費者選択の幅の広いエネルギー供給ということで、エネルギー供給体制を効率化していく、こういう課題がこのところこれまた強く出てまいっておるところでございます。この三つがこれからのエネルギー政策の基本的な課題であると受けとめておるところでございます。 以下、それぞれについて御説明申し上げます。 まず第一のエネルギー安定供給対策でございますが、石油について備蓄、自主開発を一層推進していくこと。備蓄の増強の数字がここにごらんいただきますように、第一次オイルショック時には五十七日分でございましたものが、現在百五十日を超える水準になっております。これを維持してまいりたい、あるいは増強に必要な国家備蓄のウエートをふやすなどの充実を図っていきたい、こういうことでございます。 LPGにつきまして、これも国家備蓄制度をひとつ始めたいということで所要の調査に着手いたしておるところであります。 LNG、これは天然ガスの開発導入を進めていくための最近の情勢にかんがみまして、公的支援システムを拡充させていただいたところであります。 石炭につきましては、今後、やはり石炭はエネルギー資源としては大変大切な資源でございまして、これを使っていくための環境問題を初めとするいろんな対応が必要でございます。 原子力につきましては、まさにこれから基幹的なエネルギーとして必要でございまして、各般の施策を講じることが必要でございます。 新エネルギーにつきましては、現在それほどの水準になっておりませんけれども、将来の問題としてこれに我が国として積極的に取り組むことが必要であるということから、新エネルギー導入大綱の策定などに向けて努力を進めているところであります。 次に、五ページをお開きいただきたいと存じます。 廃棄物発電、これも広い意味ではこれからのエネルギーということで位置づけておりまして、現在、一般廃棄物からの発電ということでは百二十三カ所、三十九万キロワット程度、それから産業廃棄物関係が四十七カ所で十万キロワットというオーダーのものがございますが、今後、技術面の支援なども含めまして、この充実発展に努めていきたいと思っております。 それから、コージェネレーション、電気と熱を一緒に発生させるいわば効率のいいエネルギー利用でございますが、これにつきましては、現在、民生用四十万キロワット、産業用千百五十万キロワットでございまして、これも今後の方向としてはふやしていくべきものという位置づけをいたしておるところでございます。 次に、二次エネルギーについて見てみますと、電力につきましては、これから電力化率、一次エネルギーの中で電力に使われる比率というのは現在四割程度まで増大をしてまいっておりまして、今後ともこれがふえる見込みでございますので、省電力対策、あるいは電気は生産と消費が瞬時に行われるということから、需要の山をできるだけ低くして平均して使われるようにしていく、こういうことが大切でございまして、負荷平準化対策が必要でございます。また、電源開発を着実に進めていくということも必要でございます。 都市ガスにつきましては、地方都市ガス事業の天然ガス化の推進など、これについても努力をしていくことが必要と思います。 熱供給事業でございますが、平成六年八月、七十一事業者、百十六地区において導入をされております。これもこれから増大をしていくことが見込まれますので、必要な施策を講じていくことが必要でございます。 省エネルギーの問題、これはこれからも大変大切でございまして、エネルギー消費機器の効率向上、あるいはいろんな社会システムなども含めました省エネルギーへの取り組みを強めていくことが必要であると考えております。それから、物流・交通円滑化などの交通システム全体としてのエネルギー消費効率の向上、これも大切な課題であろうというように考えております。 それから、次の政策課題でございます地球温暖化問題でございますが、本年三月二十一日に気候変動枠組条約が発効するに至っております。この条約に基づく国別行動計画の通報は第一回目のものを本年九月に行ったところでございますが、今後とも、国際的動向を踏まえながら、我が国としてのできる限りの努力、そして世界的な意味での貢献、こういうことも考えていくべき分野であろうかと存じます。 最後に、六ページでございますが、エネルギー供給体制の効率化について御説明申し上げます。 ガス事業につきましては、既に第百二十九回通常国会でガス事業法改正案を成立させていただきまして、現在、来年三月の施行に向けた準備を進めておるところでございます。内容としては、大口需要家に対する料金規制あるいは需給規制を緩和させていただく、こういう中身のものでございます。 第二番目に、電気事業につきましては、三つの点をポイントに電気事業審議会で検討を今具体的に進めております。第一は、卸電気事業についての許可の原則撤廃、入札制度の導入によります発電部門の活性化、それから需要家への直接供給について新たな制度をつくり出すなどによります効率的な電力供給システムのあり方、これが第一であります。第二は、電気工作物に係る国の直接的関与の見直しなどの保安規制の合理化であります。そして三つ目が、安定供給、事業者の経営効率化などの観点を踏まえました今後の電気料金のあり方。この三点について検討を進めております。 次に、石油製品に関してでございますが、安定供給と効率的供給の要請との適切なバランスをとった石油製品の供給のあり方につきまして、石油審議会において検討を進めておるところでございます。 六月に石油政策基本問題小委員会で中間取りまとめをしていただきまして、品質制度及び備蓄制度についての手当てを講じた上で、特定石油製品輸入暫定措置法、特石法と言われておりますが、これを期限どおり廃止するということがポイントになっております。これを受けまして、現在、具体的な制度のあり方について、作業部会を設けて年内取りまとめという目標を持って進めておるところであります。 最後に、エネルギー政策の国際的展開について御説明申し上げます。 エネルギー問題はもともと国際的な広がりを持つ問題でございますが、特に最近のいろんな情勢はこの国際的展開を強めることを求めているように思われます。エネルギーの安定供給、地球環境問題への対応の観点から、省エネルギー技術支援、クリーンコールテクノロジーの国際展開などを引き続き推進していくことが必要であろうと思います。また、IEA、国際エネルギー機関、あるいはAPEC、アジア・太平洋地域の協力などの国際的な場を通じた多国間協力も大変重要になってまいっているところでございます。こういった施策を今後力強く総合的に推進してまいりたいと思っております。 どうぞよろしくお願い申し上げます。
○会長(三重野栄子君) 次に、科学技術庁にお願いいたします。科学技術庁石井科学技術政策局長。
○政府委員(石井敏弘君) 科学技術庁の政策局長の石井でございます。 お手元のエネルギー供給の課題と対策という資料でございますが、前段部分が我が国におけるエネルギー研究開発、二番目として資源の総合的利用、三番目といたしまして二十一世紀に向けた原子力開発利用ということでございまして、私の方からはこの一番と二番について御説明をさせていただきます。 一ページにございます我が国におけるエネルギー研究開発についてでございますが、エネルギーの研究開発というものは広範な分野を対象といたしまして、長期にわたりまして膨大な研究開発のための資金あるいは人材ということが必要でございまして、このため研究開発全般にわたりまして計画的、重点的、効率的に推進するということが極めて重要でございます。 このため、政府といたしましては、政府が中心となって推進すべきエネルギーの研究開発につきまして、昭和五十三年八月にエネルギー研究開発基本計画というものを内閣総理大臣が決定いたしたところでございまして、これに基づきまして関係各省庁それぞれが研究開発を進め、その着実な推進が図られてきておるところでございまして、平成三年七月にはこの基本計画の第九次の改定が行われたところでございます。 現在、この平成三年七月に定めました基本計画に基づきまして、各省庁におきましてそれぞれ研究開発を進めておりますが、この基本計画の中身は、一つがエネルギーの安定供給の確保、二番目といたしまして省エネルギー型社会の構築、三番目といたしまして地球環境問題への対応、四番目が国際社会への貢献といったような基本的な考えを示しますとともに、各分野の重要研究開発課題を提示いたしておるところでございまして、参考といたしましてこの基本計画の概要が六ページに添付してございます。 六ページを見ていただくとわかりますように、この重要研究開発課題は、エネルギー源の多様化のための研究開発といたしまして、原子力でございますとか自然エネルギー、化石エネルギー、こういった研究開発を進める。また、エネルギー利用の効率化のための研究開発課題につきましては、燃料電池等の研究開発を進める。また、環境に対する負荷低減のための研究開発につきましては、二酸化炭素の回収でございますとか固定化に関する研究開発を進める。こういった課題等を重要研究開発課題として提示し、関係各省庁においてそれぞれ精力的に研究が行われておるというような内容でございます。 次に、一ページの中段に戻らせていただきますが、現在のエネルギー研究開発基本計画は平成三年に定めたわけでございますが、三年経過したというようなことで、この間エネルギーをめぐります状況にも変化が見られる、また研究開発もそれなりに進展しているといったようなことから、この情勢変化に対応していくということで、ことしの九月に科学技術会議の政策委員会におきましてエネルギー研究開発基本計画を改定するということが決定されまして、現在、科学技術会議の場におきましてその作業が進められておるところでございます。 次に、科学技術庁におきますエネルギーの具体的な研究開発への取り組みということでございますが、科学技術庁におきましては、これまで原子力の開発利用を進めるといったほか、波力発電でございますとか風力発電あるいは地熱発電といった非常に初期的段階の研究開発といったような先駆的、基盤的なエネルギー研究開発を行ってきたということでございまして、このような先駆的な研究の成果というものが各省庁でさらに実用化を目指した研究開発につながっていくというような形でこれまで行ってきております。 今後も長期的視点に立脚した先駆的なエネルギーの研究開発を進めていくということが必要でございますので、このため科学技術庁といたしましては、海洋エネルギーの利用技術の研究開発でございますとか光合成科学研究といったような先駆的なエネルギーの研究開発を積極的に展開していくことといたしておるところでございます。 次に、二ページでございますが、資源の総合的利用ということでございます。 科学技術庁の調査審議機関といたしまして資源調査会というものがございますが、この資源調査会におきましては、資源の総合的利用の推進といった観点から、これまで食料資源でございますとかエネルギー資源あるいは知的資源、微生物資源といったような各種の資源問題について調査審議を行ってきておりますが、特にエネルギー資源につきましては、現在エネルギーの最適利用社会システムのあり方といったことについて調査審議を行っておるところでございまして、ことしの六月にはこのエネルギーの最適利用社会システムの一環といたしまして「家庭生活におけるエネルギーの有効利用に関する調査報告」というのを取りまとめたところでございまして、この中身は七ページに概要が参考としてつけてございます。 さらに、現在は、このエネルギーの最適利用社会システムのあり方の家庭生活に続く次のものとして、都市、地域の種々の社会基盤の配置やその規模を最適化するための評価・解析手法といったようなことで、エネルギーの最適利用の社会システムといったような観点からの検討を進めておるところでございます。 以上でございます。
○政府委員(岡崎俊雄君) 引き続きまして、同じ資料の三ページ以降を使いまして、将来の原子力開発利用計画について御説明をさせていただきたいと思います。 三ページでございますが、我が国の原子力委員会は、我が国の原子力開発利用を計画的に進めるために、その設立当初より十年以上先を見通して長期計画をつくってまいりました。本年六月、七年ぶりにこの長期計画を改定いたしまして、新しい長期計画を定めたところでございます。 この策定に当たりましては、もちろん多くの専門家の参加を得、さらに本年に入りましてからは国民から直接意見を求めまして、その意見をも十分この審議に参考とさせていただいた上、検討した結果をこの六月に取りまとめたところでございます。 その結果、地球的視野に立って、二十一世紀に向けての我が国の原子力開発利用の果たすべき役割とその推進方策を明らかにしたところでございますので、その長期計画に沿いまして今後の原子力開発利用のあり方について御説明をさせていただきたいと思います。 2のところで、その際の基本的認識といたしまして、二十一世紀の地球社会を見通しましたときに、例えば二十一世紀半ばには百億人にも達しようという世界の人口の増加とそれに伴いますエネルギー消費の増大の問題、さらには化石エネルギー資源の有限性の問題、あるいは地球環境問題の深刻化の問題、こういった基本的課題に直面しつつ、今後の地球社会をどのような形で乗り切っていくかということについて、原子力の果たす役割について述べたわけでございます。 三ページの一番下に書いてございますとおり、既に原子力発電は世界の総発電電力量の一七%を占めるに至っております。今後とも、生活基盤の維持、形成を保障する不可欠なエネルギー供給を担うものと期待をされておりますとともに、今後とも化石エネルギー資源をできる限り温存し、地球環境と調和した社会を形成しつつ持続的発展を図る観点、あるいはそういった地球的問題の解決を通じ国際社会の安定化にも貢献をすべきと、こういった観点から原子力の果たす役割は大変大きいと、このような認識のもとに我が国の開発利用のあり方について提言をいただいたわけでございます。 その目標として、3のところに書いてございますとおり、基本的な目標として、我が国のエネルギーの安定確保と国民生活の質の向上に資することは、当然のことながら、我が国のみならず人類社会全体の福祉の向上へも寄与する、こういう観点も重視しつつ原子力開発利用を進めるべきである。ただし、その際、我が国原子力基本法の理念にのっとりまして、これからも原子力の平和利用の堅持と安全の確保というものを大前提としつつ、次に述べます四つの基本方針に基づいて具体的な計画を展開すべきと、このように提言をいただいておるわけでございます。 その第一は、原子力平和利用国家としての原子力政策の展開でございます。 御承知のとおり、平和利用の厳格な推進者として進めてまいりました我が国は、今後ともより一層の核不拡散体制下の義務の厳格な履行と、さらに自発的な核不拡散努力によりまして、国際的な信頼を一層確保していくということが大変重要である。このために、例えば現在審議が進められておりますプルトニウム利用の透明性を高めるための国際的な枠組みづくりに積極的に努力をしていきたい。あるいは国際的な原子力安全の向上であるとか、こういった問題についても日本は貢献すべきである。さらに国内にありましては、「国民とともにある原子力」、こういった認識のもとに、情報公開、情報の提供ということに努めていくべきであるという点でございます。 第二点、五ページに移りまして、今後とも相当長期にわたりまして原子力発電は軽水炉が主流となると予想されておるわけでございます。その際、もちろん万全の安全の確保ということ、さらには放射性廃棄物の処理処分であるとかあるいは将来の原子力施設の廃止措置を含めたバックエンド対策の強力な推進、あるいは原子力施設の立地の促進、こういった点を踏まえつつ、②のすぐ下に書いてございます将来の二〇一〇年に七千五十万キロワットというこの目標を達成すべく努力をしていきたいと思っております。 三点目は、将来のエネルギーセキュリティーの確保に備えまして、資源や環境を大切にし、また廃棄物の処理処分を適切なものとする視点からも、使用済み燃料を再処理し、回収されたウランとかプルトニウムといったものを再び燃料として使用する、すなわち核燃料リサイクルというものを原子力政策の基本としておりますけれども、今後とも研究開発を初め所要の施策を講じていきたいと考えております。 その際、余剰プルトニウムを持たないとの原則の堅持をし、核燃料リサイクル計画の透明性をさらに向上させながら、この枠内に書いてございます高速増殖炉以下、こういった具体的な施策の展開に着実に努めてまいりたいと考えております。 第四点目、四番目のところでございますけれども、幅広く原子力科学技術の多様な展開と基礎的な研究の強化ということについても充実をしていきたい。 例えば、現在兵庫県で建設中の大型放射光施設であるとか、あるいは放射線医学総合研究所で建設を進めております重粒子線がん治療施設など、こういった放射線利用であるとか、あるいは二十一世紀半ば以降のエネルギー源として期待されております核融合についても、国際熱核融合実験炉計画に積極的に貢献していくなど、こういった基礎的な分野についても取り組んでいきたい、このように考えております。 以上が原子力開発利用の長期的な計画のあらましてございます。 ありがとうございました。
○会長(三重野栄子君) 以上で説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○野村五男君 御説明ありがとうございました。 きょうの朝日新聞でありますが、「地球温暖化対策さらに強化促す 各国科学者が報告書」というふうに書いてあるわけでございますが、それぐらいに重要な問題でありますので、順次三十分ぐらい質問させていただきます。 通産省にお伺いいたしますが、最近のエネルギーをめぐる状況はどうなっているのか、まずお伺いします。
○政府委員(川田洋輝君) お答え申し上げます。 まず、国内情勢につきましては、需要面で、省エネルギー対策が進展をしております産業部門の伸びに比べまして、民生、運輸部門の需要の伸びが高い状況になっております。 日本のエネルギーは、大体半分が産業用、そして残りの半分のうちの半分、全体の四分の一が家庭用あるいは業務用に使われる民生用でございます。それから、残りの四分の一が旅客、貨客から成る運輸用のものでございます。この後ろの二つの民生部門と運輸部門の伸びがこのところ大きくなってきておる、こういう状況でございます。 それから供給面に関して申し上げますと、原子力、新エネルギーといった非化石エネルギーの導入が予定よりも少しおくれておりまして、これを反映いたしまして、近年石油依存度が、先ほど長い目で見るとかなり下がってきたと私申し上げましたが、このところちょっと下げどまり、石油依存度低減の状況が少し停滞ぎみな傾向が見られます。それから天然ガス、これは環境に優しいエネルギーということでこのところシェアが伸びつっございます。 しかしながら、我が国のエネルギー供給構造を見てみますと、エネルギーの対外依存度、これは八四%という高いものでございます。それから石油依存度、低くなったとはいえ六割近いものでございます。依然として脆弱なエネルギー供給構造にあるということを言わざるを得ないと思います。 また近年では、国民生活の豊かさの追求の観点から、エネルギー供給体制の一層の効率化への要請が高まっていることにつきましては先ほど御説明をさせていただいたところであります。 一方、国際情勢について見ますと、当面の石油需給は安定的に推移するという見込みがなされておりますが、中長期的には発展途上国を中心にいたしますエネルギー消費の大幅な増大の見込みから、国際的に需給逼迫の可能性も指摘をされておるところでございます。 そして、今先生お触れになりましたように、近年は地球環境問題への内外の関心が高まってきておる状況につきまして、先ほども私申しましたが、大変大きな問題になってきております。特に、従来のいわゆる公害とは違いまして、これから気候温暖化の問題になりますとCO2発生をどうして抑制していくか。CO2というのは炭素分を含んでおりますエネルギーを消費いたしますと必然的に出てくる、こういうことで大きな問題になっておるところであります。 こういう情勢を踏まえまして、今後のエネルギー政策としては、引き続いて石油、石炭、天然ガスの安定供給確保に万全を期していきますとともに、原子力、新エネルギーの導入を促進するということが最も重要な課題ではなかろうかというように考えております。 また、非化石エネルギーの開発導入、省エネルギー対策、こういうことを進めていくことによる地球環境問題への対応に万全を期することも重要な課題でございますし、先ほども触れさせていただきましたエネルギー供給体制に係る規制の見直し、これも大事な政策課題ではないかというように位置づけさせていただいているところでございます。
○野村五男君 今説明が入ってはおりましたけれども、長期的なエネルギー需給対策の確立に当たりましては、エネルギーベストミックスを図りながら総合的なエネルギー対策を講じていく必要があると思いますが、先般改定がなされました長期需給見通しの基本的な考え方についてもう少し詳しく説明を願います。
○政府委員(川田洋輝君) 今回改定されました長期エネルギー需給見通しは、地球環境保全にも十分配慮しながらエネルギーの安定供給の確保と経済の持続的発展を図るという課題に向けた、二十一世紀初頭における我が国のエネルギー需給の望ましい姿を示していただいているものというように位置づけております。 これを達成していくためには、需要面では省エネルギー対策の強化を図りながら、これは先ほども申し上げましたように、大体今後一%程度の伸びにエネルギーの消費を抑えていくというか、その程度にしながら進めていく、こういうことでございますので、相当の対策の強化が必要かと思います。 一方、供給面では、我が国社会が一生懸命努力して省エネルギーを進めてもなお必要とするエネルギーについて安定供給の確保をしていくことが必要だ、その際に地球環境問題に十分対応していくことが必要だ、こういうことでございますので、環境負荷の小さい原子力、新エネルギーなどの非化石エネルギーあるいは天然ガス、そういったものの導入を進めるということによるエネルギーベストミックスを構成するといった需要面、供給面、両面から成る総合的なエネルギー対策が必要だと思っております。 私どもといたしましては、積極的にこの総合エネルギー対策を進めてまいりたいと考えているところでございます。
○野村五男君 先ほど原子力の問題も御説明なされましたが、エネルギー供給の長期安定の確保を考える上で原子力発電の役割は非常に大きいと言えますが、今回の需給見通しにおける原子力の位置づけと今後の展望について御説明をお願いします。
○政府委員(川田洋輝君) 我が国のエネルギー需要は、先ほど来御説明申し上げておりますように、中長期的に見て国民生活が一層豊かになっていく、そういうことを考えますと着実な増加が見込まれるわけであります。これに対してエネルギーの安定供給を確保するということは国としての重要な課題だと思います。その際に、二酸化炭素の発生などの環境影響にも十分な留意が必要である、こういう位置づけになるわけであります。 こういう状況にかんがみまして、原子力発電につきましては、長期エネルギー需給見通しの中において、今後とも電力の安定供給、エネルギーセキュリティーの確保、地球環境問題への対応といった観点から、ベース供給力の中核を担う電源として位置づけられております。 現在四十八基、三千九百六十四万キロワットが稼働中でございまして、建設中のものが六基、五百八十九万キロワットございます。四千五百五十三万キロワットというものが稼働あるいは建設中でありますが、これを長期エネルギー需給見通しの中では、二〇一〇年度には七千五十万キロワットの設備出力を維持確保することを目標といたしておるところでございます。 私どもとしては、この長期需給見通しを踏まえまして、先ほど科学技術庁からも御説明がございましたが、徹底した安全の確保、平和利用の堅持、これを大前提といたしまして、国民の皆様方の理解と協力を得ながらこの目標達成に向けて努力をしてまいりたいと考えておるところでございます。
○野村五男君 先ほども出てまいりましたが、地球温暖化問題が大変な重要な問題になっておりますが、地球温暖化対策の観点から新エネルギーの導入、促進は非常に重要であると考えておりますけれども、政府の取り組み方はどのようになっているのか御説明を願います。
○政府委員(川田洋輝君) これからのエネルギーの大きな構図を考えていった場合に、我が国としては石油依存度を今後とも低下させていく、あるいは地球温暖化への対応という重要な問題が出てきておるということを考えてみますと、新エネルギー導入の政策的意義というものは大変高まってきているのではないかというように私ども位置づけております。 しかしながら、新エネルギーの導入につきましては、現在原油価格が比較的低位安定に続いております状況の中では、どうしてもコストが高いということが導入制約の主な要因になっておるところでございまして、一九九二年度現在、エネルギー総供給の中に占めます新エネルギーの割合は一・二%という低い水準に、このところずっと一%そこそこと、こういうことで推移をしてまいっております。これをどう増大させていくかということがポイントになるわけでございます。 こういう状況を踏まえまして、私どもとしては、低コスト化、コストをやはり安くしていくということを中心とする技術開発、あるいはその技術開発の成果を踏まえた初期需要の創出、標準化、規格化などの導入に重点を置いた施策を強力に推進していくことが必要であるというように認識をいたしております。 この新エネルギーの導入目標に関しては、本年六月に開催されました総合エネルギー調査会需給部会で策定をいたしておりますが、具体的には新エネルギーのエネルギー総供給に占める割合を、先ほど現時点一・二%、一%そこそこと申しましたが、これを二〇〇〇年度において二・〇%、二〇一〇年度において三・〇%まで高めたいということで、当面はその実現に向けた努力を進めてまいりたいと思っております。新エネルギーはその後ろのエネルギーとして私ども重要視をしなければならないのではないか、こういうふうに位置づけておるところでございます。
○野村五男君 ただいま新エネルギーの問題も出てまいりましたが、この新エネルギーの導入、拡大のためにはもちろん技術開発が重要と考えられておりますが、これまでの技術開発の成果及び今後の取り組み方についてもう少し詳しくお願いします。
○政府委員(平石次郎君) 工業技術院長の平石でございます。本日はよろしくお願いいたします。 ただいま資源エネルギー庁長官からお話がございましたように、新エネルギーは太陽光発電を初めといたしましたクリーンな石油代替エネルギーということでございまして、その普及、拡大が非常に重要でございますが、そのためには技術開発の推進が極めて重要であると認識しております。 私ども通商産業省におきましては、石油危機を経験いたしまして、昭和四十九年、サンシャイン計画によりまして新エネルギーの技術開発を鋭意推進しているところでございまして、この間、例えば民生用の太陽熱ソーラーシステムなど多くの成果をおさめてきておるところでございます。 特に、太陽光発電に使用いたします太陽電池でございますが、その価格はサンシャイン計画を始めました昭和四十九年から現在までの二十年間の間におよそ三十分の一となっております。また同時に、その発電効率も向上するという大きな成果を上げておりまして、今後さらに一層の低コスト化等の研究を推進していきたいと考えております。 新エネルギーの研究の大きな目的は、新エネルギーの普及、拡大に資することでございますので、私ども技術開発をするに当たりましては、その基本的な技術を確立するところだけにとどまらずに、新エネルギーのコストの低下に資するための技術開発、あるいは社会的に導入しやすい形の技術の開発といった視点も取り込みながら、総合的に技術開発を進めていきたいと考えております。 また同時に、国が行う研究開発でございますし、民間企業が独自に行うことが難しいような中長期の研究期間を要します革新的な技術開発につきましても、国の研究所と産学の協力のもとで着実に進めていきたいと考えておるところでございます。
○野村五男君 地球温暖化問題に配慮しつつ、原子力に次ぐ重要な石油代替エネルギーである石炭の導入については政府としては今後どのように取り組んでいくのか、御説明を願います。
○政府委員(川田洋輝君) 石炭につきましては、今先生御指摘のとおり、すぐれた供給安定性と経済性を持つエネルギーとして私ども今後とも重要な石油代替エネルギーの一つであるという認識を持っておるところでございます。 資源的に申しますと、現在掘り出しておる量と、確認埋蔵量と言って見つけております量とを比較、今と同じように掘れば何年分あるかと、こういうことを示す数字でございますが、石油についてはこれが四十五年分あるということでございます。天然ガスは六十四年分ある、こういうことでございますが、石炭は二百十九年という数字でございます。現在と同じように掘れば二百十九倍あるということでございますが、こういうことで資源的には大変恵まれた、かつ地域的偏在性のないエネルギーでございまして、これをどう使いこなしていくかということが我が国としても、あるいは国際的に見ても大変重要な課題であろうというように考えておるところでございます。 一方石炭は、石油、天然ガスに比べますと単位当たりのCO2発生量が多い、あるいはそのほかのSOx、NOxあるいはすす、粉じんといった問題、それから固体でありますからどうしても液体に比べると使い勝手がよくない、こういういろんな問題があります。特に、CO2発生量が多いというあたりはこれからの問題として大きな課題になっておるところでございます。 今後、石炭導入を進めていく、あるいは石炭を世界全体として使いこなしていくというためには、エネルギー効率の向上によりますCO2の排出低減といったようなことに相当な努力をしていくことが必要ではないかというように思っておるところでございます。 私ども政府といたしましては、加圧流動床燃焼技術といったような石炭をクリーンに使うクリーンコールテクノロジーの開発導入を積極的に進めていくことによりまして、先ほど来申し上げました重要な石油代替エネルギーの大きな柱である石炭の使用ということを促進してまいりたいというように考えておるところでございます。
○野村五男君 エネルギー価格の低減に資するため、政府は規制緩和を検討していると聞いております。現在、電気事業審議会において検討されている電気事業法等の改正を前提とした規制緩和及び競争原理導入策についてどのような経済効果及び社会効果が見込まれるのか御説明願います。
○政府委員(川田洋輝君) まず、我が国の電気事業、これを大きく見ていただきますと、現在まで我が国の経済成長を電気の供給によって足を引っ張るといいますか、そういう経済成長に障害になってきたということはなかったと思います。そういう意味では、安定供給の確保ということには十分な実績が上がってきておる、あるいは石油代替エネルギーの導入あるいは公害問題への対応などの環境対策、こういった面ですぐれた実績を上げてきているという評価は一方ではできるのではないかというように思っておるところであります。 他方、最近円高が進展をしてまいりますと、電気料金が高いのではないかという、内外価格差について各方面から、特に産業界から産業空洞化問題などとも関連をして指摘されておるところでございます。また、電力供給は安定供給との関連で独占性が非常に強い、こういう位置づけにもなっておるところにもいろんな御指摘をいただいておるわけでございます。現行の供給システムを見ますと、確かに競争的な要素というものが少のうございます。 そこで、新規事業者の参入が可能な分野についてはできる限り競争原理を導入していくということで、効率化を図っていくことが必要ではないか、こういう観点から、この六月に電気事業審議会において見直しの基本的な方向について取りまとめをしていただいたところでございます。 具体的に申し上げますと、需要地ですぐに供給できるような小さい型の分散型電源というものの導入可能性が拡大をしている中で、こうした潜在可能性を十分活用していくために、電気というのは電気を発電して、これを送電して、変電して、配電ということで需要家に、その一番もとの発電の分野についてはできるだけ競争原理を導入していいのではないだろうか、こういうことで卸電気事業についての許可を原則撤廃するとともに、卸発電部門に入札制度といったようなものを導入することによって、電気事業者以外の事業者、新しい電気事業者の参入を促進したいというように考えております。これが一つのポイントであります。 また、需要家に直接供給する一番最後の段階でございますが、これにつきましては、やはり供給義務ということの関連でそれほど自由というわけにはまいりませんけれども、既存電気事業者の送配電ネットワークを補完するようなサブシステムとして効率的な供給を行い得る事態が考えられるのではないか、こういうことでその新しい事業者が参入できるような制度をつくり出していきたいというのが二番目のポイントであります。 三番目は、近年におきます技術進歩、保安実績の向上などを踏まえまして、保安規制のあり方を合理化していくことが必要ではなかろうかということで、これもあわせ検討をいたしておるところであります。 こういう新規事業者の参入、競争原理の導入を通じて、既存の電気事業者を含めました電力産業全体としての効率化、活性化というものを進めてまいりまして、これによりまして消費者、産業界などの需要家にメリットがもたらされるということを期待いたしておるところでございます。 現在、先ほど御紹介を申し上げました見直しの基本的な方向の取りまとめをもとに、具体的な制度の詳細についての検討を進めておるところでございまして、目標としては本年末をめどに取りまとめを行いたいと考えておりまして、その成果を来年の国会に提出するような運びに持ってまいりたい、こういうことを考えておるところでございます。
○野村五男君 最後の質問にさせていただきますが、石油審議会においても、特石法は平成八年三月をもって廃止することが適当である旨の答申が出されておりますが、本措置を講ずるに当たりましては、その生じる課題は何なのか、また本措置の実施に向けての検討状況を最後にお伺いします。
○政府委員(川田洋輝君) 本年六月二十日に石油審議会の石油政策基本問題小委員会から、国内石油製品市場に輸入品との競合による市場原理を一層導入し、産業効率を一層高めるという観点から、特定石油製品輸入暫定措置法を平成八年三月の期限切れをもって廃止することが適当であるという中間取りまとめをしていただいたところであります。ただし、この取りまとめにおきましては、特石法、特定石油製品輸入暫定措置法の廃止に伴いまして、備蓄及び品質に関する適切な措置を講ずるべきことがあわせて指摘をされております。 具体的には、備蓄制度について、みずから精製能力を有しない製品輸入者も含めてすべての生産、輸入主体による緊急時対応に適した相応の備蓄義務の分担の実現を図るべく、その具体的内容について検討を行うことが必要とされておりますし、品質制度につきましては、環境問題、安全問題等につながる品質に関し十分管理されるべく、適正かつ現実に担保可能な法制度の構築に向けて具体的内容の検討を行うことが必要という指摘をされておるところでございます。 こうした指摘を踏まえまして、現在、石油審議会のもとに作業部会を設置いたしまして、品質制度及び備蓄制度の具体的なあり方につきましても本年中に最終取りまとめを行い、必要な法律を来年の国会に提出させていただきたいというもくろみで今仕事を鋭意進めさせていただいているところでございます。
○久保田真苗君 最近、経済にかかってくる環境からの制約というものを大変実感するわけでございます。 初めに、長官にお伺いしてまいりたいんですけれども、その背景の一つは人口であり、もう一つの大きい要素はエネルギーではないかという感じがいたします。そして、エネルギー問題というのは、エネルギーの供給源が枯渇するかしないかというだけではなくて、それも問題ですけれども、それを使った場合の温暖化とか生態系とか、それからオゾン層とか、そういった問題からの制約がかからざるを得ない状態になっております。 最近、UNCEDそれから人口会議というような大きい会議がございまして、そこでは、発展途上地域でもって非常にエネルギー消費も伸び率が高いわけでございますけれども、私どもが持っている今の生活水準を途上国が持つべきではないとか、エネルギー消費を私ども並みにすべきではないとかというような不道徳なことは決して言えないわけでございます。そういたしますと、今やっている先進工業国が一つのモデルをつくっていく、そのために自分の軌道修正に必要なものがあればして、そのモデルをつくっていくという役割が非常に大きいのじゃないかということを思うわけです。 私、最近、ドイツのボンで「経済と環境」という会議に出席したんですが、なかなかおもしろかったんです。それで、その点について恐縮ですが御意見を伺いたいなと思うんです。 その一つは、一つの考え方の問題として、労働の生産性ではなくて資源エネルギーの生産性を主体にすべきだと、こういう議論なんです。それはドイツは失業率が高いからそういうことを言うのは当然だと思いますけれども、日本の場合も必ずしも対岸の火事とばかりは言っていられない、そういうことが認識されております。 それで、資源エネルギーの生産性ということに着眼いたしましたときに、ドイツが一生懸命やっているのは超低燃費カーをつくるという、これは一つの本当の例なんですけれども、私、通産省を中心に省エネ、省資源、それからいろいろなことをやっていただいていることは一応は承知しておりますけれども、日本としてこうした資源エネルギーの生産性を高める、つまり、ただ節約するというだけじゃなくて、同じものから公害のない相当程度の効率を上げるということについてはどんなふうな考え方で進めていらっしゃいますでしょうか。
○政府委員(川田洋輝君) 大変高いところからの問題点の指摘、提起を行ったと考えておりますが、問題意識につきましては私どもも全くそのように思っております。 私、先ほど来省エネルギーという単語をたくさん使ってまいりました。しかし、省エネルギーという言葉で律し切れない部分、エネルギー使用の効率化というのを広く使うべきなのかもしれません。むだに使っているエネルギーをできるだけ使わなくするという意味の省エネルギーというのはもちろん大切でございますけれども、エネルギーの持っている価値をできるだけ有効に使っていくという、今お話しのエネルギー生産性とでも申しましょうか、言葉を変えて言うとエネルギー使用効率、これを上げていくということが大変大切なことでございます。 我が国は第一次、第二次オイルショックを契機といたしまして、このエネルギー使用効率の大変いい社会を築き上げてきております。例えば一億円の生産をするのにエネルギーをどれだけ使うかということで申し上げますと、三十数%という大変いい形の数字がございます。世界の水準で見ても最も高いという水準にこれはあるわけでございます。 ただ、これを各国がそれぞれそういうことを求めていくと同時に、これから発展をしていく国にも同じようにできるだけエネルギー使用効率を高めていただきたい、こういうふうに思っております。アジア・太平洋地域はこれからの世界の成長センターと位置づけられておりますが、現時点におけるエネルギー使用効率は大変悪い地域でもございます。したがって、こういったところに我が国のすぐれた、すぐれたといって威張ってはいけませんが、努力をみんなでしてきたこの効率のいい機器あるいはシステム、制度、そういったものをできるだけ各国それぞれの主権を尊重しながらも移転をしていくということは非常に大切なことだというように思っております。 先進工業国でエネルギー使用効率を高めていってモデル的なことをしていくと同時に、これから発展をしてエネルギーをたくさん使っていかれる国々にその技術を上手に移転していく、こういう問題が大切なことであろうと思います。エネルギー使用効率というのは、これからエネルギー政策を進めていく場合に大変重要な課題であるという位置づけをさせていただいております。
○政府委員(渡辺修君) 今、先生ドイツの自動車の低燃費の例を引かれまして御質問がございました。その点につきまして一言御説明申し上げたいと思います。 御承知のように、御指摘ありましたように、ドイツの環境大臣が十月でございましたか、ステートメントを発表いたしまして、二〇一〇年までにリッター当たり二十五キロメートルぐらい走れるような低燃費の車を開発すべきである、こういうことを言ったというのが報じられております。 これにつきましての我が国の考え方でございますけれども、低燃費自動車の開発につきましては、御承知のように昨今の地球環境、エネルギー問題への関心の高まり、それから、昨年の一月でございますか、国会におきまして通していただきました省エネルギー法に基づきますがソリン乗用車の燃費目標の策定等のこういった新たな動きを受けまして、民間自動車でも大変積極的に燃費効率のいい自動車をつくろう、こういう研究が今行われております。 通産省といたしましても、こういった民間の努力を支援、促進したいということで、一つは希薄燃焼、空気をたくさん混ぜましてそれで燃焼する、薄いガソリンの比率で燃やしまして、それによって熱効率をよくしよう、こういう希薄燃焼による一層の燃費低減と排出ガスの低減、そういたしますとNOxがたくさん出るものでございますから、それをうまく分解して、トレードオフの関係になるのをうまく分解できる触媒の開発をしよう、こういう研究を今実は基盤技術研究促進センターというところから出資いたしまして技術開発に取り組んでおります。 それから、もう一つが自動車用セラミックガスタービンの開発ということで、非常に高温度のセラミックスを使いましてガスタービンで燃費効率をよくしよう、こういったような二つの、これは特別会計の方から助成を行って技術開発をしておるわけでございますが、いずれも民間の低燃費自動車開発への努力を国の面で積極的に支援しておる、こういうことでございまして、現在でも我が国の自動車はドイツあるいはアメリカよりもリッター当たりの燃費効率が非常に高いわけでございますが、さらに将来に向かってそれを促進していきたい、こういう努力を支援しておるところでございます。
○久保田真苗君 国会の都合でちょっと時間をカットされましたので、質問を束ねて申し上げますので、よろしくお願いします。 一つは、同じ会議でPLからELへというかけ声があったんです。PLというのは、私も最近PL法が成立して恥をかかずに済んだんですけれども、ドイツの方はEL、エコロジーライアビリティーということで、商品の設計から最後のリサイクル、廃棄、そしてごみとしての処分、そこまでを一貫した製造者の責任にしようという動きがありまして、このために例えばOA機器など、そういったものは例えば耐用年数が五年だとしますと、それをリースにする。事務機器などはもうリースにする。そして、リースだということはつまり最後を引き取らなきゃならないわけですね。その体制を確立するための社会的な組織が必要だというようなことがございましたけれども、通産省はどんなふうにお考えなんでしょうか。
○政府委員(齊藤眞人君) 製造物が使われました後、できるだけそれがリサイクルされまして、資源として有効利用されるというような観点から、私どもは製品の設計段階からリサイクルができるような構造をできるだけ組み込んでいこうというようなやり方を今導入しようとしております。特にリサイクル法におきましては、自動車、テレビ、電気冷蔵庫といいますような大きな製品につきまして、材料、構造等の工夫に努めようというようなことにしてございます。 さらにこの七月には、産業構造審議会の廃棄物処理・再資源化部会というところから意見具申をいただきまして、先ほど申しました自動車、テレビと似たような製品といいますか、オートバイであるとか自転車であるとか、あるいは大型の家具とかスプリングマットレスといいますような製品につきましても、製造業者みずからが製品設計の段階からリサイクルが容易になるような仕掛けをずっと入れていく、そういうようなガイドラインを示しております。こういうようなガイドライン、さらにリサイクル法によります処置によりまして、リサイクルという面から物がよく循環していくような対策というのをとっておるところでございます。
○久保田真苗君 私、例えばリース制度なんというのは、命令しなくても自然にそうなるという意味で一考に値するものかななどと思っておりますけれども、やっぱり製造者の一貫責任ということは、今後追求されるべきことだろうと思っております。 それから次に、ソーラーの問題なんですが、同じ会議で大変ソーラーに傾斜していまして、私それはとても結構なことだと思うんですけれども、ソーラー技術を途上国に輸出していく国はそれはドイツだろうというようなことを聞きました。それは、EUでまずやり、そしてそれを途上国が技術移転を受けて、ソーラーエネルギーというものが世界じゅうどこにでもある資源でございますから、それでやっていくということに大変意気込みを感じて、エネルギーの将来にとって、私たちとしても希望が持てる方向だをということを痛感したのでございます。 日本の技術については大変敬意を表されておりまして、特に低公害とかそれから脱硝、脱硫、こういったパイプエンドのお話はあるのでございますけれども、新エネルギーという点から見ますと、通産省の資料で拝見しましても、二〇一〇年までいって新エネルギーのシェアがたった三%、今が一・二%というふうに書かれておりますが、日本はそういう意味で新エネルギーでは非常に立ちおくれているんじゃないかという、私はそういう印象を持つんです。それは非常に残念なことだと思います。日本は無資源、無エネルギー国ですから、その面でリードして、同じような途上国を助けていく上で最も有資格だと思うんですが、どうしてこんなにおくれているんでしょうか。
○政府委員(川田洋輝君) これもなかなかお答えするのが難しい質問の提起でございますが、私は、日本の新エネルギーについての官民挙げての努力というのはかなり大きいものがあったのではないかと思っております。 第一次オイルショックが終わりました昭和四十九年度からサンシャイン計画という大変すぐれた包括的な技術開発、新エネルギーに関する技術開発の計画を持ち、これをNEDOというような大きな組織をつくって力強くこの二十年間推進をしてまいってきております。これは世界の中でもこれだけの国家資金を投入して技術開発を進めてきているという点では、私はかなりな水準にあるという位置づけをいたしておるところでありますが、導入の状況につきましては、残念ながらそれほど大きな数字が出てきていないことは先ほど来御説明をして、また委員からも御指摘をいただいたところでございます。 どうしてもコスト比較という面で、日本の場合には発展途上地域と比べますと従来のエネルギー供給システムがいわばかなり完成をしているところでございますので、新しいエネルギーができる場合には既存のエネルギーと競争関係がどうしても強くなってくる、こういう側面があることは否み得ないところであります。 今やっております努力は、太陽について申しますと、三つのポイントがあります。一つは、低コスト化のための技術開発をこれからもなお進めていく。二つ目は、公共施設その他への試験的な設置事業、フィールドテスト事業と呼んでおりますが、これらについて推進をしていくことで、事業者が設置をする場合の支援になる。あるいは三つ目に、商用電力系統との連係ガイドラインといって、普通の電力供給網と太陽光発電から来る電力のつなぎ込みを円滑にしていく、こういう制度的な整備、そういうのを図っておるところであります。 平成六年度からはさらに、こういうことではまだまだ不十分ではないかということで、新しい事業として個人住宅への太陽光発電システムの設置費補助事業を始めたところでございます。住宅用太陽光発電システムモニター事業という形でこれを設置させていただいて、今円滑な滑り出しをさせていただいたところでありまして、平成七年度にもその拡充を図りたいというように思っております。 これはドイツもたしか似たような制度を少し前から始めておりますが、我々もそういう努力をしていくことで、当面、コスト条件その他から飛躍的な拡大ということが望めるわけではございませんが、こういう努力をやることによりまして、いわば量産化してまいりますとコストが下がってまいります。そういうことでこれから普及に勢いがついてくる、こういうことを私ども期待をいたしておるところであります。 それから、今が先生お触れになりましたドイツも、海外の発展途上地域に太陽光発電その他の技術をODAのような形で積極的に移転しようとしております。我が国でもNEDOの業務を最近拡大をさせていただいたりしておりまして、海外にそういう事業を従来よりは積極的にできるようにいたしておりまして、そういう動きも出てまいっております。 発展途上の地域では、日本に比べますと従来のエネルギー供給網がネットワークとしてそれほど整備されておりませんので、太陽光発電などの導入が日本よりはやさしいという状況はあるわけでございます。しかしながら、まずは国内でできるだけ導入をしていくということで、海外へ移転をできる力を持つということが大切なことだと思いますので、鋭意施策を進めてまいりたいと思っておるところでございます。
○久保田真苗君 科学技術庁の方にお願いします。 六ケ所村の核燃料サイクルの工費というのが私、どうもっかめないんですよ。それで、話では一兆円を優に超すというふうに言われているんですけれども、どういう状況なんでしょうか。
○政府委員(岡崎俊雄君) 御指摘をいただきました青森県の六ケ所村におきまして核燃料サイクル施設の計画が進められております。その一つとしてはウラン濃縮工場、それからもう一つは低レベルの放射性廃棄物の埋設の事業。さらに、この二つが今もう運転を開始しておるわけでございますが、先生から御指摘いただきました再処理工場につきましては、昨年の五月から建設に着手をいたしております。 その資金につきましては、当初の見積もりは約八千四百億円ということではございました。ただし、この建設費については、現在この事業者である日本原燃株式会社が今鋭意見直しを進めておるところでございまして、その見直しの結果を見守っていきたいと思っております。現在まだその数字は出ておりません。
○久保田真苗君 非常に巨額な費用を必要とするものですからね、やっぱり乱そういうことはよく調べてちゃんと公表していただきたいんです。 それから、もう一つ伺います。先ほどの御発言の中に、四番目ぐらいでしたけれども、国際社会への貢献という御発言がございました。私は、このエネルギー問題というのは、国際社会への貢献というのでは日本のできる最大の恐らく貢献かもしれないと思うんです。ところが、いろんな今の国際情勢の中で、プルトニウム再処理がどうだとか軽水炉ならどうだとかというお話がございます。 どうなんでしょう、日本では、核燃料サイクルで再処理をやり高速増殖炉をやりと、こういう技術を非常に安全だとおっしゃってやっていらっしゃる。私は安全のことは今伺いません。仮にもし何かあったとしても、それは私たちはもう自業自得なんですから。それよりは、国際社会への貢献度から見て、このプルトニウム発電というのはどのぐらい貢献できるものなのでしょうか。
○政府委員(岡崎俊雄君) 先生御指摘いただきました最初の再処理工場の経済性の問題、建設費も含めまして、その点につきましては広く皆さん方の御理解をいただくようにさらに努力をしていきたいと思います。 さらに、第二点目の国際貢献の点でございますけれども、最初に私の説明でも申し上げましたとおり、原子力発電というのは広くやはり世界のエネルギーの安定供給に資する、こういう点で大変意義があろうかと思います。その中にありまして、我が国がこの分野でどのような貢献をなすべきかということについては、例えば安全性の問題だとかあるいは旧ソ連地域に対する支援の問題だとか、いろんな場面があろうかと思います。そういった点も踏まえながら慎重に検討をすべき問題があろうかと思います。 特に、先生から御指摘いただきましたプルトニウム利用に関する国際協力の問題につきましては、これは現在は、例えばアメリカでありますとかフランスであるとか、こういった日本と同じようなレベルにある国に対してはそれぞれ二国間協力協定を結びまして協力を進めておるわけでございますけれども、さらに広くこれ以外の国、特に途上国との協力等の問題につきましては、今後それぞれの国の原子力開発の状況であるとかあるいは核不拡散の問題、こういった点を十分踏まえながら、それぞれの国に適した協力のあり方について検討していくべきものと、このように考えております。
○久保田真苗君 私、少なくとも日本の途上国へのエネルギー支援という面から見ましたら、プルトニウムはその可能性がほとんどないと思うんですよ。科学技術庁がどんどん実験をなさるのはいいけれども、つまり製造物責任と同じなんです、一番最後のところまで考えていただかないと。ぜひ私は今度それを伺わせていただきたいと思うんです。 それで、環境庁に伺います。きょうは環境庁をお呼びしたんですけれども、私は皆様が環境の視点を十分入れてやっていただいているということはよくわかるんです。ただ、環境庁というものがあって、そして環境の視点を経済に統合するという観点からは、やっぱり環境庁がそれなりに頑張っていただかなきゃならないものですから、私は、きょうはぜひ環境庁をとお呼びしました。 もう時間が余りないんですけれども、一つ伺います。環境の視点から見た物質とエネルギーの循環にある問題点とそれから解決の方向、これについて環境庁としてはどういう方向を、あるいはどういう施策を勧告なさるのか、その点を伺いたいんです。
○説明員(一方井誠治君) ことしの環境白書でございますけれども、我が国の経済活動でもってどれほどの資源が使われているか。これは自然界からの採取というのもございますし、輸入するようなものもございます。また、そういったものが最終的に有用物としてどの程度国内に蓄積されて、あるいは不用物として排出されるか。そういう総合的な物質収支、これをマテリアルフローと言っておりますけれども、そういう計算をいたしました。 それによりますと、全体的に資源の採取とその排出の関係、歴史的に大分変わってきておりまして、二十年前と比べますと資源の使用総量、これが一・四倍になっておりますけれども、その間に不用物の排出量が一・八倍、すなわち資源の総使用量に比べてその不用物の排出、これが非常に大きくなっているということがございます。 こういった不用物の排出はいろいろな面で環境に負荷を与えているという点で非常に心配をしておりますが、それをどのように直していくかということでございます。これにつきましては、やはりその負荷を小さくしていくということが大事でございますけれども、一つは質の面で、不用物を出していく際に、もちろんこれが安全なものであることはもとよりですけれども、できるだけ自然界に戻りやすい、分解性の高い、そういうものにして返していく。もう一つは、やはりそれだけではなくて、排出総量を減らしていく、そういう努力をするということ。これはもちろんリサイクルの話もございますし、そもそも物を長もちさせて使うというようなこともございます。そういったいろいろな総合的な施策を動員して不用物の排出総量そのものを減らしていくという努力が必要だと思っております。 あとエネルギーの関係でございますけれども、こちらの方も環境の観点から非常に問題と思っておりますのは、これは技術のある意味では限界でございますけれども、そのエネルギーの中で最終的に使われておりますのは全体の三割強でございます。エネルギーのうち七割近くが不用物として環境中に排出されて、それが温暖化の原因となったりしているわけでございますけれども、これをできるだけ効率的なものにしていく、先ほど資源エネルギー庁長官の方からもお話がありましたけれども、それが大事だと思っております。 そのためには、例えばでございますけれども、今コージェネレーションシステムの普及というのがございます。こういったものの普及も大事でございますし、あるいはごみ発電、これ自体も非常に資源エネルギーの効率化に資するわけですけれども、これに後からもう少し熱源をつけることによってさらにその効率が上がるということでございます。これはスーパーごみ発電と申しておりますけれども、そういったような新しい技術、考え方も含めてエネルギーをさらに有効に使っていくという余地があるのではないか、最終的に環境の負荷を減らしていく余地があるのではないかと思っております。 このような点につきましては、現在環境基本計画というものをつくっておりまして、その中でも重点事項として今各省庁と御相談しながら策定に努力しているところでございます。
○久保田真苗君 ありがとうございました。
○星野朋市君 資源エネルギー庁にお伺いいたしますけれども、この二〇一〇年までの需給見通しの改定が三年余で改定されたわけですけれども、前回の見通しとそれから今回の見通しで最終的にどのくらいの違いがあるか、総エネルギーですね。それをお答え願いたいんです。――じゃ調べておいてください。 私の記憶では、要するに最終見通しについて、結局のところ新エネルギーを削減して、それから石炭を一億四千万トンから一億三千四百万トンにして、それからLNG、天然ガスの割合を少しふやした、こういう形になっているはずなんですね。調べがついたらちょっとお答え願いたい。
○政府委員(川田洋輝君) 失礼いたしました。 まず、必要なエネルギー需要を算定させていただきまして、その需要を満たすためにどういうエネルギーで供給をしていくかということをいろんなエネルギーの状況を踏まえた上で算定するものでございまして、今お触れいただきましたように前回見通しとの違いで申しますと、例えば二〇一〇年についての消費量は、石油換算で前回が四億三千四百万キロリットル、これが今回は省エネルギー努力を一生懸命いたしまして、四億二千三百万キロリットルということでございます。 これに対する供給面では、前回との違いは、原子力については少しふえるというか、ほぼ横ばい程度、天然ガスについても少しふえるというようなこと、石炭が少し減少をする、こういう数字に相なっております。概要はそういうところかと思います。
○星野朋市君 私は前からこれはずっと申し上げていることなんで、今回もその失敗を恐れているんですけれども、これは通産省がなかなかお認めにならないんだけれども、要するに前の計画はGNPの伸び率三・五%、それからあれを作成した以前の一九八〇年代の日本のエネルギーの成長率に対する弾性値〇・三八という数字を使って、そして二〇一〇年の最終では石油の依存率を五〇%以下にするという、こういう制約のもとでつくったはずなんですね。 それで、その弾性値〇・三八というのは主として企業の省エネによってこれはなし遂げられた、これは実勢値ですからそうなんですけれども。それは省エネだけではなくて、日本の産業構造がその時代にかなり軽薄短小に切りかわった、こういう産業構造の変化があったはずなんですけれども、この観念がこれに導入されない。要するに、今回も省エネということを中心にして、弾性値というのをなかなか使いたがらないんだけれども、年率一%の需要アップという形でつくられているんですね。 それで、私は前にちょっと調べたんですけれども、今回は個々のエネルギーについて積み上げ方式でやったから間違いがないんだと、こういうお答えなんです。ところが、いみじくもさっき長官の御説明の中に、日本の資源の効率は非常によくて、一億のものを生産するのに〇・三幾つだと。ということは、要するにまだこの基本計画の中にエネルギーの弾性値を〇・三ないし四で見込んでいる、こういうふうに私は解釈しているんですけれども、いかがですか。
○政府委員(川田洋輝君) まず、エネルギー需給見通しを論議する場合に、エネルギー需要見通しの分とそれをどう供給していくかというのとはかなり違いがございますので、その違いは分ける必要があるだろうと思います。 それで、エネルギーを使う需要想定の部分でございますが、これにつきましては、私先ほど第一次オイルショック、第二次オイルショックでエネルギー価格が大変高くなったのに応じて産業界の省エネルギー努力が非常に進んだということを申しましたが、さらにつけ加えて言いますと、今先生の御指摘のとおり、日本の産業構造が、従来のエネルギーをたくさん使うエネルギー多消費型産業よりは、エネルギーを比較的使わない量産加工型産業のウエートが高くなってきたという産業構造の変化もかなり大きな要因であったと思います。それから最近の状況では、先ほど触れました産業用のウエートが小さくなりまして、民生用、運輸用のウエートがふえてきつつある、そして今後これが大きくなっていくであろうというようなことを申し上げましたが、そういうエネルギー消費構造の変化がございます。 今お触れになりましたけれども、エネルギー弾性値というのはいわば結果として出てくるものではないかと私は思います。そして、一つ一つの分野においてエネルギーを使う場面場面ごとにどういう指標をとるかというのはいろんな論議があろうかと思いますけれども、産業用はこういう需要になる、民生部門ではこういう需要になる、運輸用ではこういう需要になるということを一つ一つ積み上げた計算をして、それを合わせたものが総需要として出てくる、こういうふうに思うわけでございます。
○星野朋市君 まさにそこが論議の分かれ道になるわけですけれども、恐らく今調べてみれば日本のエネルギーの弾性値は一・一を超えていると思います。特に今お答えの中にありましたように、民生用の需要の伸びというのが相当大きいわけです。 それで、確かに単位当たりのテレビとか冷蔵庫、こういうものほかなり省力化しましたけれども、かなり大型化されたことによってやはりその分は帳消しになっているんです。先ほど自動車のエネルギーのお話がございましたけれども、調査をされればわかるんですが、日本の自動車の燃費の一番よかったときは平均してリッター当たり恐らく十三キロまでいったはずです。今は乗用車の大型化その他を含めまして、十キロを割って九キロぐらいになっていると思いますね。こういうような問題というのがたくさんあるわけです。 それで、今産業用と民生用と分けて、産業用の方はかなり低下しているということだけれども、これは経済の実態が成長率ゼロ%程度で動いていますから、そんな中で全体のエネルギーの消費量は確かにそういう形で抑えられていますけれども、もしこれが可能な成長率という形で伸びていった場合、私は三・五というのは、おとといの論議でも、ちょっと無理だということ持論を持っておるんですけれども、そのときに、今言ったようなことからすると一%の伸び率というのはかなりの努力をしないと難しいんじゃないか。というのは、要するにそういうことによってここで示された計画以上に例えば石油の依存率はもっと高くなるんじゃないか。 この供給基地の様子を見ても、例えば一番最初に中東及びベネズエラと書いてありますね。これはOPECの加入国ですけれども、ベネズエラというのは有名なマラカイボの油田、これはもう既に枯渇しつつありますね。あと残りは未開発のオリノコ地域というのがありますけれども、要するにベネズエラを除いてもうほとんど中東に依存してしまう。ソ連の原油はまあ可能だという期待感はあるんですけれども、現状ではもう一億トンを割っておる。中国は既に輸入国に転じた。 そうなると、一番伸びるであろう環太平洋地域の石油の需要というのはかなり高まる、まして石油の供給というのがちょっと不安な状態になったときには各国が備蓄を始める、こうなったらどうなるか。それからもう一つは、中国が石油の輸入国に転じて、それで南沙諸島に採掘可能な地域が出てきた、こういうことになったときに日本のシーレーンの問題にかかわってくるわけです。私は再三そういうことで申し上げているんですけれども、やはり石油の問題というのはこの計画以上に日本の需要は多くならざるを得ないと思うんです。安全保障の問題と絡んでエネルギー庁はどうお考えになっているか。
○政府委員(川田洋輝君) まず、需要面で先生お触れになりましたように、これからを一%程度の需要の伸びに抑えるというのは大変難しい、相当の努力を要するということについては私どもも同様の認識を持っております。今まで以上の省エネルギーについての官民を挙げての努力というのを相当やっていかないとこの目標にはなかなかいけないんではないか、こういうふうに思っております。 やはり我々は、経済成長というのは必要なことでございますからそれは満たしながら、エネルギー消費がそれほど伸びない社会をいま一度努力をしていかなければならない。これを努力いたしませんと、先ほどお話がございましたように、環境問題その他から考えますとなかなかいろいろ難しい問題が出てまいります。そこで、省エネルギーを進めることでああいう需要を考えていきたい。 それから、ただいまお触れになりました石油の世界の需給問題、これは大変大きな問題だと思います。御指摘のとおり、中国は既に純輸入国に転じておりますし、日本の周りで石油生産大国でございますインドネシア、これも今世紀中には輸入国に転ずるのではないかというように予測をされております。 それから、供給面で見ますと、お触れいただきましたように中東以外の国の石油供給力というのは増大はなかなか期待できないのではないかというふうになってまいりますと、中東依存度が非常に大きくなるということで、世界の石油のマーケットというのが大変タイトなものになっていくということを考えざるを得ないのではないか。この中で、日本の周りのアジア地域の経済成長に伴う大きな石油需要の高まりが出てくる、こういうのが私どもとらえておる認識でございます。 一方、質問としては最終的にお触れになりました日本のエネルギーの需給でございますけれども、現時点で石油依存度が六割弱のところで、オイルショック時からいうとかなり低くなったけれども、このところそれが動かないような水準にあるということも再三説明をしてまいったところであります。 これがこれからどうなるかということでございますけれども、できるだけエネルギー供給のベストミックスを考えていくことで、まずは非化石エネルギー、原子力あるいは新エネルギー、そういうものへの努力をしていく。それから、化石燃料の中でも天然ガスというのはやっぱり環境面でいいエネルギーでございますので、これを増大させていく。それから、石炭についても、私きょう強調させていただいておりますように、これを国際社会全体としては上手に使いこなしていかなければならない。 こういう努力をやりながら石油依存度は日本としては低下をさせていくということで、二〇一〇年度に四七・七%まで下げるということを目標として持っておるところでございますけれども、これについては省エネルギーの努力と、それから先ほど来申し上げておりますほかのエネルギーの供給増のための努力を相当やりませんと、これまた御指摘のように、そう円滑に下がっていくということは言えないのではないかというように思っております。ここでもまた努力が必要であろうというように認識をいたしておるところでございます。
○星野朋市君 この策定計画に対してマイナスの面ばかり申し上げましたけれども、じゃ、どうしたらいいんだということでは、やはり来世紀の後半にしか確立されないであろう核融合のつなぎまではどうしても原子力に頼らざるを得ないと私は思っておるわけです。 それで、前回の計画と今回の計画の間に、最終的な数値はほぼ同じなんだけれども、二〇〇〇年まではかなり低く抑えてありますね。その後、二〇一〇年までの間に急角度で増強計画があるわけです。これは、実態的に恐らく二〇〇〇年までは無理だろうということでそこを修正されたと思うんです。そうすると、二〇一〇年までに七千五十万キロですか、七千二百五十万キロという数字もあるんですけれども、これに実際に対処するためにはもう既に取りかかっておらないとそういう形にはならないと思うんですが、これに対しての対策、それをお聞かせください。
○政府委員(川田洋輝君) 先ほども数字で少し説明を申し上げましたが、原子力発電につきましては、現在運転中のものが四十八基、三千九百六十四万キロワットございまして、六基、五百八十九万キロワットが建設中でございます。したがいまして、運転、建設両方の原子力発電所を合わせますと、五十四基、四千五百五十三万キロワットというのが供給力として見込み得る数字になっておるところでございまして、これに現在動いております幾つかが加わって二〇〇〇年度の供給力は形成されるわけでございますが、リードタイムの長さから申しまして、やはり二〇〇〇年度でこれをふやすというようなことは、これは現実問題としてできない相談だと思います。 私ども、二〇一〇年度に七千五十万キロワットの原子力発電の設備出力で、年間発電電力量としては四千八百億キロワットアワーということで、ちょっとお触れになりましたように七千二百五十でございましたので、キロワットにつきましては従来の計画より少し減っておりますが、アワーについては最近の稼働率の上昇も見込みましてこういう数字に相なっておるところでございます。 ただ、この四千五百五十三万キロワットの現実の運転、建設中のものと七千五十万キロワットの間には二千五百万キロワットというかなり大きい数字があるわけでございます。これを実際に達成していけるかどうかということでございますけれども、幸いというか、このところ各地で個別地点において動きが出てまいっておりまして、私どもこの点について実現できないという数字ではないというふうに思っておりまして、ぜひこれをまた電気事業者、それから地元の方々の理解と協力を得ながら、七千五十ということを一つ一つの地点を確実に進めさせていただくことによって達成をしてまいりたいというように思っておるところでございます。
○星野朋市君 ことしの夏の猛暑で東電は実際ピンチに立ったわけです。それで相当買電をしたはずなんですが、要するに東電に対して余剰の供給能力があったということは、原子力発電をやっていたということなんですね。こういう実態というのがなかなか国民にはわからないですよ。東電は、要するにパンクを起こしちゃしょうがないから、ピーク時は限度いっぱいやって、さらに買電をしてようやく電力供給をやっていた。こういうことがなかなか一般国民にはわからないんです。こういうことは、原子力の問題を控えてやはり大いにPRをしなくちゃならない問題だと思います。 それから、原子力の安全性の問題についてはあの安全基準六段階ですか、それで日本の今まで生じた、私は故障だと思っている、事故とまでいかないと思っていますけれども、ここら辺の問題をもう一度やはりエネルギー庁、それから科学技術庁ともども国民にわかりやすく説明する、そういうことをお願いしたいんですが、いかがでございますか。
○政府委員(川田洋輝君) まず、ことしの夏の電力需給、九電力がもう今つながっておりますから、九電力大で申しますと、八月四日の二時から三時の時点で一億六千六百十五万キロワットという高さになりました。過去の新記録は、平成四年の九月四日に一億五千二百七十六万キロワットでございました。このピークとピークの差は千三百三十九万キロワットございます。これはやはり大変な数字でございまして、我が国で申しましても第四番目に大きい九州電力と五番目に大きい東北電力の間の数字という、非常に大きい千三百三十九万キロワット、原子力発電所にして、百万キロワットですと十三個分と、こういうことに相なるわけでございますけれども、こういう大きいものについて、九電力大では融通をし合うことによって供給支障を起こすことなく円滑な供給がなされました。 確かに、これだけ上がりますと、そう簡単にできるわけではなくて、それぞれの電力会社が持っております古い石炭、石油火力も全部動かしましてそういう事態を乗り切ることができた。もちろんベースに原子力発電所というものもあるわけでございますけれども、これで全体として乗り切ることができた。ちょうどそのときの北海道電力は少し裕度がございましたけれども、そのほかの八電力につきましては、余力というのは三%台から五%台という大変少ない水準でございました。しかし、それでも供給支障は生ぜずにやれたということは言えるわけでございまして、関係者の努力はそれなりに多として、かつその融通のシステムが円滑にワークしたということは言えるのではないか。 ただ、これだけの量がふえるということについては、一つは省電力、それから山でございますからこれをできるだけ低くして平均して使われるような努力をすることという負荷平準化の努力、これも必要でございますが、一方で、やっぱり電気をつくる努力がこれからも必要だということを意味していることだというように思っておりまして、そういう努力をしなければならない。 そして、その際の有力な電源として原子力発電を位置づけているわけでございますので、今御指摘のございましたように、安全性についての信頼というのは最も重要なファクターだと思います。これについて我々、これまでも努力してきたことだと思いますけれども、ぜひ御理解いただけるような情報の提供をきちっとしていく、こういうことは大変大切なことだと思いますので、そういう努力を積み重ねていって、また現実の原子力発電の運転というものが安全に行われるという実績、そういうことを含めて、原子力発電に対する信頼感を得ていただきながら、先ほど申し上げましたような数値の達成に向けて努力をしてまいりたい、こういうことでございます。
○星野朋市君 それでは、これは科学技術庁、工業技術院の方がおいでになっていますので、どちらかでお答えいただきたいんですが、新エネルギーについて、先ほども御説明がありましたように、私は一番進んでいるのは太陽光だと思いますし、その次が燃料電池だと思っているんです。 それで、太陽光につきましても、要するにパネルの価格は確かに三十分の一になって非常に安くなった。だけれども、これだけでは実際電気は起こらないですね。周辺の機器の問題というのが、要するに量産化に伴う問題なのか、それから技術研究の成果なのか、そこら辺判然とはしませんけれども、実際に家庭で使われる太陽光の設備はおととしから去年あたりに比べてかなり安くなり、小型化しましたから、大体今六百万を割るぐらいになりましたか。それで、そのうちたしか政府が七百戸について半額補助というような制度を打ち出しましたね。確かにいいことなんですが、問題はインバーターであるとかそれからパネルの架台であるとか、この周辺の問題についてもっとコストダウンを図らないと普及は進まないんじゃないか。 それからもう一つは、太陽光のパネル自身は三十年ぐらいの耐用年数があるというんですが、普通の鉄の架台でやりますと、三十年たったらこれはもう崩れちゃうわけですよ。それから、家への組み込みというのがあるんですが、日本の木造家屋は平均して二十五年ぐらいでぶっ壊されているんですね。これは木の育ち方が約四十年から五十年といいますから、その半分ぐらいでもって日本は相当リフォームしている。資源のむだ遣いが多いんですけれども、そういうことを含めると周辺の問題が実はコストの大部分を占めている、こういう考えなんです。 いろいろの新エネルギーをやっていますけれども、限られた予算の中では大体方向づけを決めて、研究投資は傾斜配分すべきだ。そうしないと、いつまでたってもなかなか実際に実用価値が出てこない。太陽光だって、実際は今どのぐらいなんですか、全部で五万キロぐらいですか。百四十万キロぐらいにならないとツーペイにならないんですよね。そういうことで、これからの予算配分または研究投資を可能性のあるものに傾斜配分すべきだという考えですけれども、いかがですか。
○政府委員(平石次郎君) 新エネルギーの技術開発につきましては、私どもニューサンシャイン計画という新たな装いのもとに、太陽光発電あるいは燃料電池、風力発電、さまざまな基礎的なところからかなり実用化に近いようなものまで進めているところでございますが、御指摘のとおり、それぞれのテーマによりまして技術的な難易度もございますし、また経済的、社会的な導入の可能性につきましてもさまざまなバラエティーがあるかと思います。 円滑な新エネルギーの導入に資するような技術開発の予算案をつくるようにめり張りをつけながらやるということが、今先生仰せのとおり非常に重要なことであると考えておりまして、毎年予算の要求に当たりましては、めり張りのつけ方につきまして鋭意努力しているところでございます。 具体的に申し上げますと、例えば先ほど申し上げました民生用の太陽熱利用技術、これにつきましては、私は技術開発の段階は国のレベルを離れて普及の段階であるかと思っております。それで、現在は太陽光につきましては光発電技術、また燃料電池につきまして非常に可能性の高いものと見て、重点的に推進しているところでございます。
○政府委員(川田洋輝君) 太陽光発電については、現在導入実績としては残念ながら三千六百キロワットという低い水準でございます。研究用のものが中心で、一般用ということではまだ普及はいたしておりません。これを私ども二〇〇〇年度には四十万キロワット、二〇一〇年度には四百六十万キロワットに持っていきたいと思っております。 御指摘のように、太陽光発電のパネル部分と、それからその周辺機器の両方ともにコスト低下が必要でございまして、量産という動きでいい循環系に乗っていきますとコストは幾何級数的に安くなってくると思うんですけれども、そういう軌道に乗せていくということが非常に肝心なところだと思っております。 したがって、現在初期需要をつくり出す努力を、この補助金制度などを使って弾みをつけてやっていけるようになれば大変いいんじゃないかということでやり始めておるところでございまして、これをある程度何年か続けていって、そういういい循環が生まれてくるということにぜひとも持っていきたいものであると考えております。
○星野朋市君 終わります。
○広中和歌子君 質問する時間が大変限られておりますので、御答弁の方もよろしく御協力をお願いいたします。 現在、我々のエネルギー多消費型の生活、ライフスタイルを維持するためには原子力発電を抜きにしては考えられない、しかも環境面あるいは資源の枯渇の点で原子力発電への依存度はますます高まるであろう、そういう前提に立ったといたしまして、今後原子力発電所の新規の設置、まずその予定と、そしてそういうことが可能であるのだろうか、住民の理解が得られるんだろうかということについての見通しについてお伺いいたします。
○政府委員(川田洋輝君) 数値につきましては、先ほど来申し上げてきております二〇一〇年度に七千五十万キロワット、現在建設中、稼働中のものが四千五百五十万キロワット、したがって二千五百万キロワッ十分についてこれから新増設、既存発電所の増設あるいは新規の発電所の新設、こういうことで進めていくということでございます。 私どもこういう目標を立てます時点では、当然それぞれの地点における可能性といったようなものは、個別地点を明らかにすることはなかなか難しい側面があるわけでございますけれども、そういう面も考えながら、努力をして達成が可能である、こういう位置づけで七千五十万キロワットという数値をつくらせていただいておりまして、ぜひともこれを国民全般の方々、それから発電所立地地域の方々の理解を得ながら達成をしてまいりたい、こういうことでございます。
○広中和歌子君 次に、核燃料リサイクルヘの取り組みについてなんでございますけれども、日本が核兵器製造可能なレベルのプルトニウムを保有することで、核兵器に転用されるのではないかといった懸念が内外ともに存在いたします。 これは九月八日のニューヨーク・タイムズ、それからこれはワシントン・ポストでございますけれども、この報道によりますと、日米共同プルトニウム燃料プログラムというのがございますんですか、それのもとにプルトニウムの技術移転が日本に行われたことに対して、グリーンピースという環境団体がアメリカのエネルギー省に抗議を申し込んだ。これは核不拡散法に違反するんではないかといったような質問書を提出し、それに対してアメリカのエネルギー省は六十日以内に返答しましょうといったような回答を寄せているそうでございます。 この事実についてご存じなのか。そしてまた、こうした懸念が表明され、しかも大きく新聞に取り上げられた、しかも世界的に読まれる新聞に取り上げられたことに関してどういうふうな対応をおとりになってきたのかお伺いいたします。
○政府委員(岡崎俊雄君) まず最初の、我が国が核燃料リサイクル政策を進めるに際して核兵器転用あるいは核兵器開発をするのではないかという疑念に対してでございますけれども、これはもう先生方十分御承知のとおり、我が国は国内的には原子力基本法に基づきまして現に平和利用に厳しく限って進めてきております。また、国際的には核不拡散条約、NPTにも加盟をいたしておりますし、そのNPT下の責任と義務を忠実に果たしてきております。 このような観点から、我が国が核兵器開発を行うということは全くないし、そのような考え方もなければそのような状況にもないということについて、これからもいろんな場面において理解を求めていきたいと思っております。 具体的に、我が国がプルトニウムをこれから利用する際には、特に海外からの疑惑が生じないように、我が国において計画に必要な量以上のプルトニウムは持たない、すなわち余剰プルトニウムは持たないし、さらに日本の計画について広く海外にも御説明し、その透明性を高めていく。さらに、こういったプルトニウム利用計画についてお互いに透明性を高めるような国際的な枠組みをつくろう、こういうことで今関係国は寄り集まってその仕組みについて鋭意協議をしております、我が国もその具体的な提案はいたしておりますし、こういった仕組みをつくることによって広くこの透明性を高めていきたい、こういった動きについて機会あるごとに説明をしていきたい、このように考えております。 それから第二点目、先生が御指摘いただきました日本とアメリカ、特に特殊法人でございます動力炉・核燃料開発事業団がアメリカのエネルギー省との間におきまして高速炉燃料の再処理に関する共同研究というものを実施しております。この共同研究に関連をいたしまして、先生御指摘の新聞等におきまして、この協定下においていわゆる機微な技術が移転されたのではないか、こういうグリーンピースの指摘があったことは確かでございます。 この点につきまして私どももあるいはアメリカのエネルギー省もともに見解を明確にいたしておる点は、少なくともこの共同研究は、政府間の日米原子力協力協定のもとで実施しておるわけでございまして、大もとの日米原子力協定も当然のことでありますし、具体的なエネルギー省と動燃事業団との間の取り決めの際におきましても機微な原子力技術は移転しないということが明確に記されております。こういう中で共同研究が実施されてきておりますので、機微な技術が移転されていないということについて私どもも確認をいたしております。 なお、このグリーンピースの指摘に対応しましてエネルギー省が、先生も御指摘いただきました六十日の間にこの機微技術の移転の問題を広く検討するということのアナウンスメントを九月にいたしたようでございますけれども、現在のところその検討結果についてまだアメリカのエネルギー省から公表されたということはございません。 以上でございます。
○広中和歌子君 あらゆる機会を通じて今おっしゃったようなことを広めていきたいというふうにおっしゃいましたけれども、例えばこんなふうに新聞に出たのであれば、当然新聞に投書をなさるといった形で対応なさってもよろしかったんじゃないかな、そういうふうに思います。特に、我が国のプルトニウムに関しては自信をお持ちでいらっしゃいましても、よその国が同じようなプログラムを始めるということに関しては私どもでさえ懸念を持ってしまうというようなこともあるわけで、どういうチャネルでPRをしていらっしゃるのか私はよく存じませんけれども、ぜひこういう問題は新聞とかテレビなども一つの媒体だと思いますので、今後とも御努力をいただきたいと思う次第でございます。 次に、別の質問でございますけれども、地球温暖化防止行動計画、これは平成二年十月に関係閣僚会議で了承されたものでございますけれども、新聞の報道などによりますと、日本ではその目標に達せない、つまり西暦二〇〇〇年までに一九九〇年レベルのCO2排出に到達しないというようなことが報道されておりますが、事実でございましょうか。
○政府委員(川田洋輝君) まず、端的にお答え申し上げますと、事実ではございません。 先生御承知のように、地球温暖化防止行動計画では目標を二つ設定いたしておりまして、一人当たり二酸化炭素排出量について二〇〇〇年以降おおむね一九九〇年レベルでの安定化を図る、これが一つで、これが厳密な意味で言うと目標としてきちっと設定をされているものと関係者間で受けとめているところでございます。 もう一つは、さらに太陽光、水素などの新エネルギー、二酸化炭素の固定化などの革新的技術開発などが今後予想される以上に早期に大幅に進展することにより、二酸化炭素排出量が二〇〇〇年以降おおむね一九九〇年レベルで安定化するよう努める、これがもう一つの目標でございます。 私どもが策定をさせていただいております、そして、先ほど久保田先生でございましたかお話がございましたけれども、環境庁とは相当こういう問題では一緒に仕事をさせていただいておるつもりでございますが、その中では、今回のエネルギー需給見通しのあの数値が達成されるならば、これがそうたやすくないことは先ほど来の御議論をお聞きのとおりでございまして、官民挙げて相当な努力は必要ではございますが、あれが達成されれば、二〇〇〇年以降一人当たりの二酸化炭素排出量についておおむね一九九〇年レベルでの安定化を図るということは達成できるというものでございます。 したがいまして、我々としてはまずきちっとそれの実現に向けて努力をしていくとともに、もう一つの要素でございます絶対量についてもできるだけ一九九〇年レベルの安定を図る、この二つ目の目標もあわせて達成できるような努力はしていく必要がある、こういう位置づけをしておるところでございます。
○広中和歌子君 省エネは、企業にとりましては即コストダウンにつながることですから、かなり熱心な取り組みというものを今までにも行ってきたし、これからも行うだろうと思います。しかしながら一般の生活者はより豊かな、よりエネルギーを消費する生活に対する志向というのはますます強まるんではないか、そんなふうに思うわけでございますが、一般の人に対するPRというのも非常に必要だと思いますので、お答えは結構ですけれども、これについてのお取り組みをエネルギー庁の方からもよろしくお願いしたいと思います。 それで、日本はCO2削減その他省エネ技術に関しましては非常にすぐれたものを持っているわけですけれども、さらにそれを国内で高めようとするときのコスト効果よりも、我々の技術を海外に移転することによる実際のコスト効果というんでしょうか、地球温暖化の視点からの効果というのはより大きなものではなかろうかと思います。そういう意味で、技術移転、途上国援助というのがこの技術面で非常に必要だと思いますけれども、実際にどのような規模で行われているのか。 そして、ジョイントインプリメンテーションという考え方がございますね、これはいわゆる共同実施というんでしょうか、発展途上国は一般に反対のような方向でございますけれども、私は先進国同士が話し合いつつ、やはり全世界を視野に入れて、どういう形で先進国が発展途上国のCO2削減その他に協力をするかといったようなプログラムを先進国だけでも別途つくる必要があるんではないか、そんなふうに思っているわけですが、御意見をお伺いいたします。
○政府委員(川田洋輝君) ただいま委員御指摘の点、私も全く同感でございます。まず、二つお話がございましたが、我が国の省エネルギー技術をできるだけアジア・太平洋地域などのこれからエネルギーをたくさん使っていくことになる地域のエネルギー利用効率化のために役立てていただく、こういう努力は大変大切なことではないかというように思っております。国際的に日本として貢献のできる分野ではないかという位置づけを考えておりますし、またエネルギーの消費大国、輸入大国である我が国としては責務ですらあるのではないかと私は思っておるところでございます。 特にアジア・太平洋地域は、先ほども触れましたが現在エネルギー消費効率が大変悪うございますので、日本でこれから努力をして省エネルギーを進めていくよりは、中国その他日本の近隣諸国でのエネルギー利用効率を高めていただくことの効率のよさというのは大きいのではないかとすら思っております。できるだけ我々として努力をしていく必要があるだろうということでございます。 それらに関連をいたしまして、今お触れになりました気候変動枠組条約におきます共同実施の問題、これはなかなか議論が進みませんで、私どもとしてはぜひとも日本としてそういう考え方で世界の気候温暖化防止ということに全体がつながっていけばいいわけでございますので、共同実施の議論をもっともっと進めていきたい。どういうやり方があるのかは、いろんな組み合わせなり、あるいはいろんな場が考えられるかと思うんですけれども、積極的に考えていきたいと思っております。
○広中和歌子君 環境ODAということで非常に多くの予算が計上されているわけでございますので、具体的な点につきましては今回は質問する時間がございませんけれども、ぜひよろしくお願いいたします。 それから、先ほどから同僚議員がいろいろ御質問になりました新エネルギーについてでございますけれども、例えば太陽光発電、新しく導入されたシステムでの補助制度ですか、それが大変人気があると伺っておりますけれども、まだまだ広がりというか、コスト面で問題があるとおっしゃいました。コストを下げていくためには、ほかの電気製品なんか見てもわかりますように量産が非常に必要なわけでございますけれども、量産に導くような誘導政策というのが必要なんではないかと思います。技術開発ということも大切でございますけれども、技術はもう既に十分あるんだ、あとは政策であると。それを使って実際に、ともかく個人にしても会社にしても使わすようなそういう方向に誘導していく、そういう政策が必要なんだと。 それから、予算面でも必要なんだというようなことが言われております。例えば、原子力に関して地球環境的な視点から非常に大きな予算が割かれているわけでございますけれども、同じようにクリーンエネルギーという視点に立つならば、この面に関してももっともっと大がかりな予算措置とか、さまざまな補助制度というんでしょうか、そういうのが必要ではなかろうかと思いますけれども、お取り組みについて決意をお伺いしたいと思います。
○政府委員(川田洋輝君) 新エネルギーの開発導入、特に現実の導入ということに向けて相当な努力を必要とすると思います。 平成六年度からは、住宅用の太陽光発電システムのモニター事業ということで新たな補助金制度をつくらせていただいておりまして、既に募集を終了して、すべての都道府県から申し込みがございまして、二十億円の予算を上回るような要望が出されてきておるということで、それなりに滑り出しをさせていただいておるところでございますが、こういった技術開発である程度のレベルになりましたものの初期需要創出のための努力ということは必要だと思います。それから、制度的な整備も必要だというように思います。 そしてもう一つは、官民挙げて、あるいは政府全体としてそういう取り組みをしていく、こういうことが必要ではなかろうかということで、来月を目途に新エネルギー導入大綱といったようなものをつくらせていただいて、政府が全体として、あるいは地方自治体も参画を願って、新エネルギーの導入にこういうターゲットで進もうではないかというようなものを決めさせていただいて、みんなの努力を結集していく、こういうことも考えていきたいと思っております。 新エネルギーの導入に向けては、そういうことで相当努力をしていって、先ほど申しましたように量産に結びつく、そういうことをこれから努力をしていくことが必要だというように思っております。
○広中和歌子君 最後にお伺いいたしますけれども、先ほど久保田委員の御質問に対して環境庁からのお答えがございましたけれども、例えばエネルギーの有効利用にいたしましても三割であって、残りの七割は何らかの形でむだになっているというようなことを伺いました。 九つの大きな電力会社が我々に電力を安定的に供給している。その点では文句はないわけですけれども、これからのいわゆる新たなエネルギー有効利用の取り組みなんかに関しましては、もっと小回りのきくことが必要なんではないか。アメリカのように二千も三千も電力会社があるというのは問題でございますけれども、日本はどちらかというともっともっと小回りのきく、そして地域地域に根差したような電力会社みたいなものもあってもいいんじゃないか、そういう意味で規制緩和がぜひぜひ必要なんではないかということを最後に要望いたしまして、私の質問をこれで終わらせていただきます。時間なので、お答えはまた別途お伺いできれば幸いでございます。
○立木洋君 原子力についての新長期計画、これも先ほど来問題になっておりますように、二〇一〇年に七千五十万キロワットというような急速な伸びを目指しておるというふうな数字が出ておりますし、特にこの中で将来を展望した核燃料リサイクルの着実な展開ということで、ウランの可採年数というのは八十九年だけれども、核リサイクルをやると千年だというふうなことまで出しておられるわけですけれども、この問題についてこれまでこの調査会でもいろいろ議論があったことはもう御承知だろうと思うんです。 きょうは、これらの問題を全般的にお尋ねするにはもう時間が極めて限られておりますから一点だけ、高速増殖炉の「もんじゅ」の問題についてお尋ねしたいというふうに思います。 「もんじゅ」が五月の二十日から試験を開始されたというわけですが、結局それによって問題は炉心の反応度が設計どおりか否かということを試すために行われた。私はこの反応度というのが原子炉の性能と安全にかかわる最も基本的な指標であるというふうに承知しているわけですが、結果を見てみますと、設計では〇・〇三七から〇・〇五七だった予定が、結局実測値というのは〇・〇三二ど、反応度が非常に設計と違って低い、少ないというふうな結果が出ておるというふうに新聞で見たわけですが、これは炉心の設計に問題があったのかどうなのか、今の段階ではどういうふうにとらえられておるのか、その点についての若干の経過と今のとらえ方について最初に御説明いただきたい。
○政府委員(岡崎俊雄君) 将来の高速増殖炉開発におきますこの「もんじゅ」、原型炉と称しておりますけれども、これは大変重要なプロジェクトだと認識しております。 おかげさまでこの「もんじゅ」は四月五日に初めて臨界といういわば一つの完成の時期に達したわけでございますが、先生御指摘のとおり、この五月からいわゆる性能試験に入っておるわけでございまして、現在も順調にその性能試験を実施し、貴重なデータを取得しておると聞いております。その過程におきまして、先生御指摘のとおり、炉心の反応度が低い値を示しているのではないかという指摘はそのとおりでございます。 その理由につきましては、実は当初の「もんじゅ」のスケジュールは、先ほども申し上げました初めての臨界がことしの四月ではなくて平成四年の十月、すなわち一年半近く諸般の事情でおくれたわけでございます。燃料の中に存在しておりますプルトニウムは実は年とともに変化をしてまいります。特に今御指摘いただいた反応度に極めて関連の深いプルトニウム241というのはまさに年とともに変化をし、アメリシウム241というものに変わっていくわけでございまして、この一年半の間にその燃料の組成というものが実は変わってまいりました。 その結果によりまして反応度が低い数字を示しておるということでございまして、決して設計のミスであるとか、あるいはましてや安全上に支障がある、こういうことではございません。
○立木洋君 計画より初臨界が一年半近くおくれた、だからプルトニウムが変質したと言われるわけですけれども、「もんじゅ」にあるプルトニウム241というのは一〇%ですね、含まれているのが。そしてこれの半減期というのは十四年だというふうに聞いております。そして、初臨界が一年半おくれても、その間プルトニウム241がアメリシウム241になる率は七%じゃないか。そうすると、一年半おくれてプルトニウムが変質した、だからこういう状況になっているので設計上ミスがないというのは、私はいささかいただけないんじゃないかと思うんです。 私はこの問題については、アメリシウムがこういうふうになったからといってそれが直ちに安全上重大な問題をもたらすということを言おうとしているんじゃないんです。そうではないんだけれども、しかし問題を徹底して究明しないといけないんじゃないか。だから問題は、この設計に関して安全を確かめる当局が、つまりクロスチェックをきちっとやってあるのかどうなのか、そういう点には問題はなかったのかどうなのか。設計された、目算された数値と違ったことが事実上出てきているんですから、これはやっぱり設計上問題がなかったのかどうかということも確かめる必要があるんじゃないかというふうに思うんですが、その点についてはいかがでしょう。
○政府委員(岡崎俊雄君) 安全局長の答弁の前に、ちょっと私の方からその間の事情についてさらに追加で御説明をさせていただきたいのでございます。 確かに、プルトニウム241というのは「もんじゅ」の中の燃料の約一〇%である、あるいはプルトニウム241の半減期は十四年であって、一年半では約七%が崩壊する、それはまさに先生のおっしゃるとおりでございますけれども、一点、241というのは反応度に対する寄与が非常に高い。具体的には239の反応度に対する寄与に対して約一・五倍でございます。したがって、今先生御指摘のプルトニウム241の組成が実は大変大きく寄与しておるという事実をぜひ御理解賜りたい。 それからもう一点、もちろん動燃事業団は、この性能試験を実施していく過程におきまして常に計算値と実測値が果たしてどうなっているかということを十分照合しながら進めておるわけでございまして、現在のところ私ども聞いている範囲におきまして、動燃事業団が計算に使っておりましたコードでありますとか計算の仕方であるとか、こういったものは十分実測値ともよく合っておるし、設計に用いた計算の方法であるとかその計算値というものが信頼性のあるものであるということは、今までの試験の経過からいきまして十分それは信頼に値するものであるということだけ、恐縮ですが説明させていただきたいと思います。
○立木洋君 その問題については安全に直接影響するかどうかという問題はあるにしても、やっぱり今まで大変な、当初の計画から七千億という莫大なプロジェクトでお金を使っているわけですし、だからそれをきちっと、本当に安全がどうなのかということを設計の問題にまで立ち入って徹底して検討していただく必要が私はあるだろうということを重ねて申し上げておきたい。 それから、「国民とともにある原子力」との認識のもとに情報公開、情報提供を促進したいということが強調されているわけですが、実は日本原子力研究所で働いている研究者の方からお伺いしたんですが、今度の場合の炉心の計算を試みてみようと思った方が、実際には計算コードや過去のデータが全く公開されていないと、「もんじゅ」については。どうして公開されていないのか。情報が公開されるというのが原則ですから、そうするといろんな角度から研究者が検討して、ここに問題があるんじゃないかというようないろんな、国民とともに歩む原子力であるならばそうあってしかるべきだと思うんですが、その点はいかがでしょう。
○政府委員(岡崎俊雄君) いわゆる情報公開すべきではないかというその点につきましては、もう先生御指摘のとおり、原子力の開発利用を進めるに当たりましては住民あるいは国民の皆さん方の御理解とか御協力がなくてはなりません。その観点から、情報を積極的に公開し、御理解を賜るように努力をしないといかぬことは申すまでもございません。 「もんじゅ」に関します試験計画あるいは試験結果につきましては、これまでも例えば日本原子力学会誌であるとかそういった専門誌等においても十分発表してきたと聞いておりますし、今後の炉物理試験の成果等も含め、適時的確に公表していくようにこれは指導してまいりたいと、こう考えております。 それから、今先生御指摘いただきました専門家からの情報公開が不十分じゃないかという御指摘についても、そういった先生方にも十分御理解いただくように御説明をしていきたいと思っておりますが、ただいかんせん、例えばこういった反応度計算のもとになりますコードとかいったものは大変詳細な膨大なデータでございますので、こういったものをどういった形で御理解いただくのがいいのかということについてはさらに工夫を重ねていくべきではないかと、このように思っております。
○立木洋君 国民とともにということであるならば、結局おたくの方でいろいろこれはこういう状況でここに問題があったんだというふうに発表される。しかし、実際にはその問題についてはデータ等が事実上公表されていないとなると、いろいろと疑惑が持たれるような状況というのはどうしても生まれてくるんです。だから、本当に情報公開をやって、そういう研究をするというふうなことが十分にやられるようなことをやらないでやると、これはやっぱり三原則から照らしてみても適切だとは言えないというふうに思うんで、その点はぜひとも改めていただきたいということも重ねて申し上げておきたいと思います。 最後になりますけれども、「もんじゅ」は半年ごとに燃料を交換する炉心設計になっておりますね。この「もんじゅ」の燃料交換に当たっているのは、「もんじゅ」のプルトニウムが製造されてきたのは東海村のプルトニウム第三開発室でこれが行われてきたというふうに聞いております。ところが、このプルトニウム第三開発室というのがこれまでつくったプルトニウムが装置にまだ付着している、いわゆる工程内に滞留している。これは今年だけで終わらなくて、来年度もこの付着したものを取り除かなければならない工事というのが予算化されて計画されているんですね。そうすると、「もんじゅ」のプルトニウムは交換する場合どこから持ってくるのかというふうなことまで問題になるのに、依然として「もんじゅ」は問題なくてこれを進めるんだというふうなやり方というのはいかがなものかという疑念がどうしても残るんです。 私は「もんじゅ」をうまくやってくれという不うな、その点はちょっと意見が違うんですけれども、だけれども少なくともこういう問題点があることについては、きちっとやるということが建前ならば当然きちっとやるべきではないか。やらないであいまいにしてそれを進めるというのはおかしいんではないかということにならざるを得ないので、最後の問題について、私はきょうは意見の違う立場から問題を展開したのではなくて、あなた方が主張されている内容からいかがかということを問いただしているわけで、その点について最後にお答えいただきたい。
○政府委員(岡崎俊雄君) これから「もんじゅ」の試験を引き続き実施していくわけでございますけれども、その際も当然のことながら安全の確保というのが大前提でございます。決して安全をおろそかにして試験は成り立ちませんので、その点については十分留意をしながら動燃事業団はやっていただくものだと、このように理解しておりますし、そのように指導していきたいと思います。 それからもう一点、製造過程において少し付着があったんではないかという点も先生御指摘のとおりでございます。製造工程の中は非常に複雑な施設になってございます。その過程においていささか量が多く付着してしまったという事実はございますが、これは国際原子力機関とも相談をしながら、ぜひ二年間ほどのうちにこの付着物をできるだけ取り除いていくという努力を鋭意進めておりますので、今後ともそういったことが余り起きないように努力をしてまいりたい、このように思っております。
○会長(三重野栄子君) 本件の政府に対する質疑はこの程度にとどめます。 政府委員の皆さん、御苦労さまでした。 なお、本日、政府側から提出いただきました説明資料のうち、発言内容把握のため必要と思われるものにつきましては、本日の会議録の末尾に掲載させていただきたいと存じますので、御了承いただきたいと存じます。 午後一時四十分まで休憩いたします。 午後零時四十九分休憩 ―――――・――――― 午後一時四十三分開会
○会長(三重野栄子君) ただいまから産業・資源エネルギーに関する調査会を再開いたします。 休憩前に引き続き、産業・資源エネルギーに関する調査を議題とし、エネルギーの有効利用と新エネルギーの開発に関する件及び技術開発と研究体制の整備等に関する件について、参考人から意見を聴取いたします。 本日は、お手元に配付の参考人の名簿どおり、明治学院大学国際学部教授竹内啓君、京セラ株式会社代表取締役専務山本貞雄君、東京大学総長吉川弘之君に御出席をいただいております。 この際、参考人の皆様に一言ごあいさつを申し上げます。 本日は、御多忙中のところ本調査会に御出席いただきまして、本当にありがとうございます。 参考人の皆様からは、エネルギーの有効利用と新エネルギーの開発及び技術開発と研究体制の整備等について忌憚のない御意見をお述べいただき、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。 また、本日は、当初午後二時から参考人の方々から御発言をいただく予定でございましたところ、都合により予定を繰り上げ、時間を早めることになりました。この点につきましても御快諾をいただき、御協力ありがとうございます。重ねて御礼申し上げます。 議事の進め方といたしましては、初めに、エネルギーの有効利用について竹内啓君から、次に、新エネルギーの開発について山本貞雄君から、次に、技術開発と研究体制の整備等について吉川弘之君から御意見をお述べ願いたいと存じます。 それでは、まず竹内参考人からお願いいたします。
○参考人(竹内啓君) 初めにちょっと自己紹介をさせていただいて、お話をさせていただきたいと思います。 と申しますのは、私はエネルギー問題の特に専門家というわけでは必ずしもございませんので、今、明治学院大学におりますが、その前は東京大学経済学部に定年までおりまして、そこで経済学の問題あるいは統計学などを専門にしていたんですが、さらに七年ぐらい前から東京大学にできました先端科学技術研究センターというところに定年までおりまして、そこで社会と科学技術との関係というようなことについて勉強してまいって、その中でマクロなど申しますか、地球全体に関する科学技術と自然環境と資源とのいろいろな関係の問題というようなことも関心を持って勉強してまいりまして、いろいろな方々と共同研究やらシンポジウムやら、いろいろやってまいりました。その一部は幾つかの本にあります。最近は大蔵省の財政金融研究所で地球環境問題と持続可能な発展に関する研究会というようなことをされておりまして、そこの私は座長などをさせていただきまして、その報告の結果が本になってまとまっておりまして、会長のところにも一部お届けしました。 そういうわけで、エネルギーの問題も非常にマクロな観点から考えております。ある意味ではエネルギー問題というのは二十一世紀のいわば人類社会の、大げさに言えば科学技術文明とか人類文明とかいうことの一番基本的な問題になるだろう、あるいはエネルギーと人口との関係というようなことが一番基本的な問題になるだろうと思っておりまして、きょうはいささか広過ぎるかもしれませんが、そういうマクロな観点から若干お話をさせていただきたいと思います。 そういうわけで、そこにちょっと簡単に箇条書き的に書いた資料を用意させていただきましたので、ごらんいただければ幸いです。 とにかく、エネルギー問題というのを考える基本的な観点として、まずエネルギー問題は世界的な、全人類的な視点で考えなければならないと書いてありますが、やはりエネルギー問題というのを日本だけの問題として考えたんではだめだということでありまして、もちろん日本は多量な輸入エネルギーに頼っているわけでありますから、当然日本だけで考えて、いわば自給自足というわけにはとてもいかないわけです。例えばそれを、単に日本が外国からエネルギーを買えるだろうかということだけで考えてはやはりよくないので、全世界的にエネルギー需給のバランスがとれるだろうかということを考えなければいけないということを思っております。 その場合に、エネルギー問題あるいは石油とかその他エネルギー資源の問題と、それから最近非常にやかましくなってまいりました地球環境問題というものは表裏一体である。つまりエネルギー資源というものに制約がなくて、例えば石油資源が仮に今思われているよりはるかにたくさんあって、いわば無尽蔵に使うことができるとしても、しかしそういう形でエネルギーを無限に使ってしまえば地球環境の上で非常に重大な問題が起こるということは明らかでありまして、それは必ずしも石油あるいは一般に化石燃料を使ってCO2がたくさん出て、それが温暖化をもたらすということだけではないわけであります。それは例えば、これはちょっと夢のような話でありますが、仮に常温核融合というようなことが可能になったとして、いわばエネルギー資源について事実上無制限な使用ができることになったとしても、そうすると今度は本質的な熱汚染というような問題が起こるかもしれない。非常に地球上の温度が、CO2のような意味でなくて別の意味で温暖化してしまうという可能性もあるというようなことがありますから、常に環境問題と資源問題は裏表の関係にある。 そして、いずれにしても地球にある有限の資源。あるいは環境というのは当然に成長の限界というのがあるわけで、その成長の限界がどこにあるかということは、もちろんいろいろな方の議論がありまして必ずしも確定的なことはわからないのでありますが、恐らく多くの方々の一致するところとしては、遅くとも二十一世紀中にはそれは現実化するだろう、さらにその中の多くの方が大体二十一世紀の前半にはそれは現実の問題として非常に重大なことになるだろうと思っておられるようでありまして、私も大体そういうふうに思っております。ローマ・クラブが初めて成長の限界という言葉を出しまして、それでローマ・クラブの中の一部の人は、実はその成長の限界はもう過ぎてしまっているのであって、今のレベルも維持することは不可能だという議論もありますが、それはある意味ではちょっと悲観的過ぎるかもしれません。しかし、いずれにしても二十世紀後半にずっと世界が非常に急速に経済発展を遂げてきた、そういう傾向をそのまま二十一世紀まで続けていくことは絶対できないということについては多くの方が一致しているところだと思うのであります。 といいましても、一部の方が言われているように現在すぐゼロ成長、成長をストップしろというのは全く非現実的でありまして、もちろん人口はしばらくはまだ成長することは避けられない。この間カイロで国連の世界人口会議がありましたけれども、人口をとにかくある程度抑制しようということについて世界の世論の意見が一致したとしても、今の二倍ぐらいまではどうしても伸びていくだろうということであります。そうすればどうしてもその人たちを食べさせていくために経済成長は必要である。のみならず、実は最近はアジア諸国の経済成長、工業化の発展の勢いは非常に目覚ましいものがあるわけでありまして、中国ももはや発展の軌道に乗りつつある。それは、そのこと自体としてはある意味では大変結構なことでありますけれども、しかし中国、インドのような人口大国が日本並みの工業国になったらどういうことになるかということを考えますと、これは資源、環境問題の観点からすれば非常に重大なことになるわけでありますが、といってそういう発展の勢いをとめるということはできない。 というわけでありますから、持続可能な発展ということが最近よく言われておりますが、持続可能な発展ということは、ある意味ではその言葉自体が語義矛盾みたいなところがあるわけでありまして、非常に困難な問題でありますけれども、しかし何らかの形でそれを実現しなければ、やはり二十一世紀の人類社会はもっていかないということも確かであって、むちゃくちゃに発展すれば資源や環境がだめになってしまうかもしれませんし、といって今のまま、貧富の差が非常に激しいままで成長がうまくできなくて、しかも人口はふえて世界じゅうで飢えた人がふえるというような状況であれば、今度は世界の社会秩序が崩壊するというようなことになりますから、社会的な条件と自然的な条件を両方とも両立させるということが持続可能性ということの前提でありますと同時に、それがなければ人類の文明は崩壊せざるを得ないだろうということであります。そういうことで考えますと、持続可能な発展を実現するための中心的な課題は、結局人口をいかにうまくコントロールするかということと、エネルギーを適正かつ有効に利用するかというその二つのことに尽きるというふうに思います。 人口問題についてはちょっと問題の外でありますからここでは触れないことにいたしたいのですが、結局エネルギーの問題というのは、地球上に太陽からエネルギーが入ってきて、それがまた地球から宇宙空間の中に放射されるわけで、そういう定常的な流れがあるわけですが、結局その定常的な流れの中で人間がその流れを利用して生活していくということにすることがいわば持続可能性の前提でありまして、その流れを乱してしまえば地球上のある部分が非常に温暖化したりあるいは気候変動が起こったり、いろんなことが起こるわけであります。 結局、環境破壊というのは基本的に言えばエネルギーの流れが乱れることから生ずると一般的に言うことができるのではないかと思うのであります。そういう意味で、地球上におけるエネルギーの流れを安定化して、それをその流れの中で最もよく効率的に利用していくということがエネルギー問題の一番中心的な課題だというふうに考えられるわけであります。私はエネルギーの有効利用という問題をそういうふうな観点から考えるということが非常に大切ではないかと思っているわけであります。 そこで、したがってエネルギーの有効利用をいかにして実現するかということが今後の非常に重要な問題になる、課題になると思うわけであります。その場合に、エネルギーの有効利用ということについてはいろんな面、いろんな技術、いろんなレベルということがあるわけでありますけれども、そして具体的に、例えばその中で新エネルギー技術というものにどういうことがあるかということにつきましては次に山本さんの方から御発言があると思いますが、そういうことを全部ひっくるめまして、やはり多くの面を統一的に扱う必要があるということが非常に強調したいところであります。 つまり、個々のエネルギー効率を高める。例えば自動車の燃費を高めるとか、いろんな電気製品やなんかのエネルギー効率を高めていく。それはそれぞれ大事なことでありますけれども、しかし恐らくより大事なことは、社会経済システム全体がエネルギーを有効に利用するような形になっているということであります。あるいはそれをさらに突き詰めて、ライフスタイルとか生活上の価値観というようなものもエネルギーを有効に使うという方向で統一されていくということが大事であって、そのためにいろんな政策が整合的になっていなければいけない。ある部分では一生懸命省エネルギー技術の開発とかあるいは省エネルギーの実現ということを推進しながら、別の面では結果としてエネルギーをむだ遣いするようなことを大いに助長するようなことをやっているということになっては困るわけでありまして、そこのところが非常に重要なことだと思います。 具体的にお話ししたいこともあるんですが、ちょっと時間がありませんので、具体的なことはもし御質問いただければ後でもう少しお話ししてもよいと思います。 実は基本的な観点とすると、結局、二十世紀アメリカ型の技術文明というものを世界全体に普及するということは不可能である。もしそれが全世界的な規模に普及すれば、それは絶対持続可能ではないということになることだと思うのであります。つまり、いずれは二人に一台の自動車というようなことが百億の人口について五十億台の自動車ということになったら、これは何が何でもだめであるということはほとんど明らかでありますし、それから現在のアメリカのような使い捨てライフスタイルをやって紙を使い捨てるとかエネルギーも使い捨てる、水もじゃんじゃん使うというようなやり方は、これは世界全体の人々がそれを採用するということは恐らく物理的に不可能だということであるわけであります。しかし、といって、現在の状況を見ているときに、それじゃそういう文明生活というのはアメリカかあるいはひょっとしたらヨーロッパ及び日本ぐらいまでに限られて、あとの人たちはそういうものはもうだめだといって締め出すということは絶対不可能なわけでありまして、やはりそこで何らかの意味でもっと新しい科学技術文明のあり方、あるいはそういう文明生活のライフスタイルというものをつくり上げなければならないということが持続可能な発展ということを可能にする恐らく絶対的な前提だという気がするわけであります。 エネルギー問題と絡むということはそういう非常に長期的な観点から考えなければいけない。つまり、持続可能な発展を実現するための政策というものは長期的な観点から総合的に考えなければいけないということを私はいつも強調したいと思いますし、特にこういう場でそういうことを議員の先生方などにお願いをしたいと思うわけであります。そういう意味では、狭い意味のエネルギー政策とかエネルギー技術の政策ということではなくて、産業政策、交通政策、科学技術政策、あるいは外国に対して国際協力の観点から外交、国際協力の政策等を通じて総合的に考えなければいけない。あるいは政策手段としても、財政支出あるいは租税政策あるいは公共投資計画というようなことについて、長期的に見てエネルギー効率のよい社会システムというものを実現することを考えなければいけないと思うわけであります。 そういう点についてもう少し具体化しますと、例えば居住システムを全体として合理化する必要がある。住宅もそうでありますし、住宅だけではなくてもう少し広い範囲での、例えば都市とかそういうもののあり方も考えなければいけない。例えば太陽光発電につきましては、この次に山本さんがお話しされると思いますが、の問題とか、あるいはコージェネレーションの問題、あるいはその中で運輸交通というのをどういうふうに合理的につくるかというような問題があるわけで、幾ら自動車を合理化しても、そのたくさんの自動車が現在の東京のように右往左往してしょっちゅうつかえながら走っていたのでは、これは全く全体としては非効率になってしまう。システムの合理化を図るために長期的な投資が必要だということであります。 その点では、私は公共投資の長期的計画というようなことを、もう少しそういうエネルギーの有効利用あるいは環境保全というような観点を考慮して合理的に考えるべきではないかと思うのでありまして、六百何十兆とか、何か非常に大きな額が言われておりますけれども、それだけの額をうまく使えば相当いろいろいいことができるはずでありますが、それが何か個々ばらばらの目的に使われてしまっては、結局合理的なシステムをつくり上げるということはできなくなるのではないかということで、その辺のところが非常に重要だと思います。 それからもう一つ、例えば租税の体系というようなことについてもこの観点を入れる必要があるという気がいたしまして、環境税とかあるいはエネルギー税とか炭素税とかいろんな形があって、どういうのがいいかどうかというようなことについては私はここでは詳しく立ち入りませんが、いずれにしても何らかの意味でそういう税金を入れるということは望ましいことだと私は思うんですが、それをほかの租税体系と別個のものとして、環境目的のためだけのものだとして別個に考えるというのは全く間違いだと私は思うのでありまして、それは租税システムの中でそういう観点をどういうふうに入れていくかということが非常に重要な問題であるし、やはり私は、例えば間接税の中には、間接税の一部として間接税体系全体の中でそういうエネルギー有効利用の観点あるいは環境保全の観点をぜひ入れるべきではないかと思うんです。 それから、私の全くの当面のちょっとした思いっき的意見でありますけれども、例えば一般消費税が何%になることになるのか、これは政治的な問題もありますから難しいと思うんですが、その場合に、もし仮に一般消費税を一〇%にする必要があるんだったら、やはり少なくとも半分は何かの意味でエネルギー税か炭素税がそういう形にした方がいいと私は思うのでありまして、何もかも一律に今の間接税をかけるよりはそういう選択的な税率を適用した方がエネルギーの有効利用ということについて長期的に非常に効率が高いだろうというふうに思うわけであります。そういうふうなことは技術的には詳しくいろんな問題があると思いますけれども、総体的な観点が必要であるというふうに私は考えているわけであります。 後ろについている資料は今のことを申し上げたのに関連するごく簡単なことでありますが、五ページをちょっと見ていただければありがたいんですが、エネルギー消費のGDP弾性値というのは期間によって非常に違うわけでありまして、例えば一九六五年から七三年まで、高度成長期の末期には大体GDPの伸び率よりもエネルギー消費の伸び率の方が高くて、エネルギー弾性値は一・二九であった。ところが、オイルショックから、これは七九年、八六年と分けて書いてありますが、七三年のオイルショック後は非常にエネルギー消費の伸び率が減って、特に八〇年代の前半はGDPは伸びたにもかかわらずむしろエネルギー消費は減って、弾性値が計算の上ではマイナスになる。七三年から八五年ぐらいまではほとんど横ばいだということであったわけです。ところが、八六年からその後は今度はまたGDPの伸びと最終エネルギー消費の伸びがほとんど比例的になってきて、エネルギー弾性値がまた一に近くなりつつある。一よりちょっと低いですが、一に近くなりつつある。 これははっきりしていることは、エネルギーの価格が六五年から七三年は安かった。ところが、オイルショックでエネルギーの価格がうんと上がった。八六年から以降は、また世界的にエネルギー価格が安定しているだけでなくて、円高になったために日本の国内ではエネルギー価格が下がったということで、むしろエネルギーが使われるようになったということであります。この一つを見ても、ある意味では長期的には価格関係ということによってかなりエネルギーの消費は影響されるところがあるし、そしてそのことは、単に市場価格の変動だけに任せておくのではなくて、適切な租税政策とか、あるいはほかの形でもいいですが、そういう政策をとることによってエネルギー効率をよくしていく余地もあるということだと思うのでありまして、そのことを数字としてはあらわしていると思うわけであります。 そういうことで、いろんな面がそのほかありますけれども、時間が二十分ということでいただいたと思いますので、この辺でやめさせていただいた方がよろしいかと思いまして、とりあえずこの程度にいたします。
○会長(三重野栄子君) どうもありがとうございました。 次に、山本参考人からお願いいたします。
○参考人(山本貞雄君) 山本でございます。 新エネルギーの開発ということでございますが、本日は地球温暖化防止に最も効果のございます太陽光発電の開発と普及に焦点を絞りまして意見を述べさせていただきます。 けさの新聞に、世界の科学者がさらに地球温暖化対策の強化を促すという記事が載っておりました。人類や動植物の生息条件を根本的に変えてしまうことになります地球温暖化の防止の問題は、現在の世界の最重要課題の一つとなっていると思います。この問題につきましては、既に国際条約が発効しており、また我が国においては一足先に行動計画が決定されますとともに、これと整合性を持たせるためのエネルギー需給の長期見通しの見直しが行われております。 問題は、それを達成するための具体策であります。私どもは第一次石油ショックの直後から太陽光発電こそが地球温暖化防止にこたえることのできる最もクリーンなエネルギーであり、また将来のエネルギー資源問題にこたえることのできる無尽蔵なエネルギーであると考えまして、この二十年間その研究開発及び普及に真剣に取り組んでまいりました。その結果、結晶系シリコンの太陽電池の変換効率は実用レベルで既に一二ないし一六%で、欧米に比べまして全く遜色のない高いレベルに達しております。そして、本年から系統連係や電力会社による余剰電力の買い取り制度も始まっておりまして、太陽光発電は技術的には完全に実用化段階に達したと言い切ることができると思います。 次に、太陽光発電による莫大な石油節減効果とピークカットによる大きな投資節減効果について申し上げたいと存じます。 我が国のエネルギー需給の長期見通しによりますと、二〇一〇年度の我が国の太陽光発電は全体で四百六十万キロワット、石油換算四十五万キロリットルとなっております。しかし、太陽光発電システムの導入可能量、これはこれよりはるかに大きなものでございます。すなわち、いわゆるNEDOの調査報告によりますと、我が国における太陽光発電システムの導入可能量の推定値は約七千万キロワットでございます。さらに、これに含まれておりません耕作放棄農地を加えますと、一億キロワット以上となります。そして、今後これに変換効率の向上により面積当たり一・五倍の発電が得られるようになりますと、設置可能量は全体で一億五千万キロワットになります。これによって得られる年間発電量は約千五百億キロワットアワーとなり、二〇一〇年時点における石油による火力発電量であります千百億キロワットアワーをはるかに超えることになります。そして、それによる年間の石油節約効果は、単純に石油を燃やしたときのカロリー換算ベースで計算いたしますと、千四百六十七万キロリットルとなります。太陽電池の寿命は二十五年でありますが、控え目に二十年と見て計算いたしますと、その間の石油節約量は二億九千三百四十万キロリットルとなります。リットル当たり五十円といたしますと、十五兆円の節約となります。しかし、石油の発電効率は三九・七%でありますので、この発電効率を考慮した石油節約効果は実にこの二・五倍となります。 二番目の点でございますが、御承知のとおり我が国は夏の昼間のピーク時の電力使用に合わせまして火力発電所を整備いたしましておりますために、電気代は世界に類のない高額なものとなっております。 もし二〇一〇年において、この一億五千万キロワットのクリーンなエネルギーでございます太陽光発電の導入と蓄電池の併用によりまして、真夏日の午後の最大電力使用量と午後七時の電力使用量の差、すなわちおおむね一九%をピークカットすることができたとしますれば、合計四千五百万キロワットの発電設備、すなわち百万キロワット級の発電所四十五基分の設置が不要となります。そして、一つの発電所の現在の平均建設費を約三千億円として推計いたしますと、その投資節減効果は実に十三兆五千億円という巨大なものとなります。 すなわち一億五千万キロワットの太陽光発電は、地球温暖化防止の効果のみならず、以上の二点だけでも二十八兆五千億、発電効率を考慮いたしますと約五十一兆円近い節約効果があると考えられます。 しかしながら、我が国における太陽光発電の普及はまことに遅々たるものでございます。すなわち、一九九三年度の我が国における太陽電池の生産量は一六七万キロワットであります。このうち電力用太陽電池は〇・六八万キロワットの生産量の結晶系シリコン太陽電池が中心でございまして、そのうちの三分の二以上が先進国への輸出用に回っておりまして、この二十年間の太陽光電池の発電の国内の累積設置量は一万キロワットにも満たない微々たる状況でございます。 このように、我が国において太陽光発電が普及しない最大の原因は、そのコスト高にございます。太陽電池モジュールの価格は、この二十年間で三十分の一に下がりました。しかし、現在の標準的な三キロワットの住宅用太陽光発電システムの市場価格は六百万円となっております。そして、これによる電力の発電単価はキロワットアワー当たり百六十四円と試算されます。これは現在の家庭用電力の売電価格約二十五円と比べまして約六倍と割高となっております。 我が国では、一昨年から公的施設の太陽光発電システムの価格の三分の二を助成する制度が発足いたしました。今年度の予算規模は約十億円でございまして、助成対象件数も十一件と小規模なものでございます。また本年度から個人住宅用の太陽光発電システムに五〇%の助成をする制度が発足いたしました。本年度の予算規模は計〇・二万キロワット約二十億円にすぎず、五百七十七件が助成対象となりました。 私どもは、国が太陽光発電普及のため助成制度をスタートさせましたこと自体は大変大きな進歩であると考えますが、現在の予算規模は余りにも小さく、政策効果から考えましても、少なくとも一けた以上小さ過ぎるのではないかと考えております。米国では、太陽光発電普及のためエネルギー省が、一九九〇年十月にソーラー二〇〇〇計画を発表し、二〇〇〇年までに米国製太陽光発電システムを国内に九十万キロワット、海外に五十万キロワット、合計百四十万キロワットを普及させようとしております。 今後、世界の文明の発達、特に発展途上国の急速な経済発展に伴いまして、地球温暖化の原因となります化石燃料の使用量は急速に高まっていくものと考えられます。これに対しまして、世界にぬきんでて高い技術力と経済力を有する我が国が、太陽光発電を急速に導入、普及させることを通じまして、地球温暖化防止の面で世界に対して先導的役割を果たすことが大変重要であると考えます。 このため、後ほど述べますとおり、今後太陽光発電普及のために約二千億円の財政資金が使われるといたしましても、決してむだ遣いではないと考えます。しかも、これによりましてスケールメリットの効果が働き、太陽光発電システムによる発電コストが急速に商用電力の売電価格に近、づき、間もなく国の助成を必要とすることなく自立することが可能となり、やがて先ほど述べました将来的な設置可能量である一億五千万キロワットの自立的な達成に結びつけることができますならば、その財政資金はまさに生きた金と言うことができると思います。 先ほどの本年度から始まりました個人住宅用の太陽光発電システムの助成制度を受け付けております代理店から聞いた話でございますが、助成の申請を行ったある定年退職をした人が次のように言っておられたそうです。今、自分の手元に退職金の一部として三百万円が残っている。預金金利が大変下がっているので、銀行預金にするよりは、これで地球環境保護にも役立つ住宅用太陽光発電システムを設置した方が、年間電力料金が約十万円近く節約できるので、三%以上の利子に匹敵する。今回の助成対象にぜひ選ばれたい。このように、個人でもたとえコストが高くても地球環境保護を重視する人がいらっしゃることに大変感銘を受けた次第でございます。 最後に、以上の基本的な考え方に基づきまして、三つの普及策につきまして簡単に意見を述べさせていただきます。 まず、太陽光発電を急速にコストを下げつつ国内に普及させますためには、分散電源としての特色が生かせ、かっ大量の需要に結ひつく個人住宅用太陽光発電システムの導入につきまして、思い切った助成策をとることが最も効果が大きいと考えます。現在の家庭用電力料金に見合った発電単価といたしますための標準的な三キロワットの住宅用太陽光発電システムの価格は九十万円程度でございますが、今後の商用電力料金の上昇、建材一体型の導入、環境保護に対する国民の理解の深まりなどから、将来のこのシステムの自立的な価格は百五十万円程度であろうと考えております。 この価格を達成するためには、年間十万戸程度の需要が必要でございまして、これは三十万キロワットに相当いたします。したがいまして、これを二〇〇〇年に達成することを目標とするのが適当であると考えます。 このためには、早期に大きな初期需要をつくり出す助成制度が不可欠でございます。またこの場合、助成が行われております期間におきましては、助成の割合や助成の全体規模が市場の全体規模を決めることになりますので、太陽光発電関連企業はそれに合わせて前倒しで設備投資を行う必要があり、特に原料シリコンの手当ては数年先行して行う必要がございます。したがいまして、二〇〇〇年までの国の具体的な助成計画をお示しいただくことが、システムの市場価格の百五十万円への引き下げを早期に達成し、急速な普及を確実にいたしますとともに、行政依存の状態を早く脱却して国家の財政負担を最小にする道であると考えております。 以上の目標を達成いたしますためには、資料第七表にお示しいたしましたような年次割りの導入戸数と補助率で計算いたしますと、五年間の期間中の補助金総額は千四百億円となります。なお、その際、総額六百三十兆円の公共投資基本計画にその自由枠三十兆円の一部を活用して織り込んでいただくことが財源裏づけを確実なものとするため重要であると考えております。 次に、今後地球環境保護の観点から、国民の間に実用化段階に達した太陽光発電を早急に普及させますためには、身近な地方公共団体の学校、公民館などの公的施設に大型の太陽光発電システムを広く普及させますことが最もデモンストレーション効果が大きいと考えます。 したがって、この際、国家の基本方針のもとに、各地方自治体に二〇〇〇年までの公共施設太陽光発電システム導入計画を策定していただき、国家の承認を得て国の補助と地方債を認める新制度を創設することが有効であると考えます。その導入規模は、二〇〇〇年に個人住宅用の約半分の十五万キロワットを目標とするのが適当かと考えます。 このような観点から、第八表のように、経年的に助成対象数を増加させつつ、補助率を五〇%から三〇%として推計いたしますと、一九九九年までの五年間の期間中の助成総額は約四百億円となります。 一方、商用電力網の導入が比較的困難な分散した村落が多い発展途上国の地域に対しまして、分散電源としての特色を生かした太陽光発電システムを学校、診療所等の公的施設や村落電化などの集団施設に対しましてODAの対象として積極的に導入、普及を図っていくことが大変有意義であると考えます。 しかしながら、現実の導入実績を見てまいりますと、一九九二年度の我が国のODA総額は一兆六千九百九十億円と世界第一位を占めておりますにもかかわらず、太陽光発電システムにつきましては皆無に等しい状況となっております。これは、ODAが基本的に要請ベースとなっておりますために、どうしても経済発展に直接結ひつく大規模なインフラ整備やプラント建設のプロジェクトが中心となり、特に環境関係のものや小規模なプロジェクトに対しましては余り要請が行われないのが実情でございます。 私は、このためにはまずODAの中に環境ODAのジャンルを確立し、その性格上要請主義の例外といたしましてオファー主義の導入が検討されるべきであると考えております。そして、第九表のようなさまざまな標準システムとメニューを確立し、太陽光発電システムの導入につきまして積極的なオファーをし、相手国の理解を得まして要請に持ち込ませる努力が必要であると考えます。 また、その導入規模は、先ほどの米国の例に見られますように、国内の導入規模の約半分に匹敵するような規模、すなわち二〇〇〇年におきまして二十万キロワットを目標とするのが適当であると考えます。この考え方による二〇〇〇年までの六年間のODAの累積金額は使用機器も含めまして約五千億円となります。そして、これにつきましての基本的考え方はODA大綱に盛り込まれるべきであると考えます。 以上、簡単でございますが、意見を述べさせていただきました。
○会長(三重野栄子君) どうもありがとうございました。 次に、吉川参考人からお願いいたします。
○参考人(吉川弘之君) 吉川でございます。 技術開発と研究体制の整備等ということで、今のお二方のエネルギー問題とやや視点が異なりますけれども、そちらの研究体制といったようなことのお話をさせていただきます。 一口に言って、我が国は今まで技術立国というようなことで高度成長をなし遂げてきたという面がございます。しかしながら、今までの方法では空洞化が起こるとか、あるいはアジア諸国の日本化というようなことで、日本が持っているいわゆる高品質の製品を低価格で生産するということによってたくさんの製品を輸出するという形で日本の経済を維持するということはほとんど不可能であるということは、これは世の中で言われておりますように非常に難しくなってきております。 そのために、今後は独創的な人材による創造技術を開発するということで、少なくとも技術的な面で国際貢献をし、かつ日本が発展していくためにはその方法しかないだろうと、こう言われているわけでありますが、そういう観点から、現在日本が持っている資源としての研究能力、それを生かすものとしての研究体制、これをどういうふうに考えたらいいかということについて若干お話ししたいと思うわけであります。 まず、大変貧弱な資料で申しわけないんですけれども、お配りいたしました一枚紙の研究機関、研究者、研究費等と書いてあるこの順に沿って大体お話ししようと思います。 まず、我が国の研究機関がどういうふうになっているかということで、これは既に御存じのとおり、いわゆる研究機関と呼ばれるものは国立の研究機関、公立の研究機関、民間の研究所、さらに大学があり、一つ落としてしまったんですが、この後に産業というのをつけ加えていただかないといけないわけでありますが、そういった産業の中で研究も進めておりますので、そういったものが研究機関というふうになっております。 さて、これを非常にマクロに我が国の研究機関の状況というのを見るために、これが一体どういうふうな研究費がそれぞれのセクターで使われ、かつどれくらいのパーセントの研究者がそこに存在するかというのを簡単に見てみるわけですが、いわゆる国立、公立の研究機関の研究者が全体の五%。我が国は研究者と呼ばれる人は全体で五十万人おりまして、研究費は十四兆円使われているというふうに言われております。まずそのパーセンテージでいきますと、国立、公立まぜて研究者が五%、研究費が八%、民間研究所は研究者が二%、研究費が四%、それから大学でありますが、研究者が二七%いるのに対して研究費が一一%使っている。そして産業でありますが、産業は六六%の研究者がいるのに対して研究費を七七%使っている、こういうような流れになっているんですね。 これで全くマクロに見るとすぐ理解いただけますように、これはとにかく大学というのは人ばかりいて金がない、こういう印象をまず受けるわけでありますが、これはどういうことなのかということですけれども、例えばアメリカを見ますと、アメリカでは産業に人が七四%いて、研究費を七〇%使っている、それから大学には人が一四%いて研究費は一五%使っているということで、大体研究者の数に比例して研究費を使うというのが普通なんでありますが、我が国の場合はややここに異常な状況が見られるというのが一つの特徴であります。 さてそこで、我が国がこういった過去における技術開発を中心とする産業立国というようなことで、あるいは技術立国ということでやってきたということと関係があるわけですけれども、産業の力というのが非常に強く、そこで研究が行われているというふうに言われて、これは最近アメリカなどから大変批判を受けていることで、民間で行われた研究というのは外へ出ていきませんから、外から見ようとしても見にくいので、いわゆるエクイタブルアクセスというものが非常に難しいと言われる点でありますけれども、そのことを考えなくても、最近のいろいろな調査によれば、この次の役割と書いてありますけれども、結局、基礎研究というのは大学あるいは一部の国立、公立の研究所でしか行えない。その他はほとんど応用研究だということになりますと、我が国の研究は際立って応用研究に志向しているということを言わざるを得ないというふうに考えられるわけであります。 そこで、相互関係ということになりますが、これは共同利用研とかあるいは国立研とか人の流動問題、これは後で触れますけれども、そういったことで現在の体制の中でも随分こなせることはありますけれども、現状ではそういった相互関係が必ずしも強くないということで、今申し上げたような数字というのはかなり確定的な性格を持っているのではないかと思われます。 さて、そういうことで、今度は研究者ということなんですけれども、我が国の研究者は少なくとも質的に言うと非常にすぐれているということはこれは指摘していいと思います。と申しますのは、大変優秀な初等中等教育であるとか、あるいは大学進学率が非常に高いとか、いわゆる教育熱が非常に盛んであるというようなことで、研究能力というものを身につけるという意味では大変有能である。事実、論文数であるとかそういったものは米国に次ぐ非常に大きな研究成果を上げておりますし、実際に今そういったことで優秀性というのは世界的に結構認められているんです。 しかしながら、ここでまた数の問題になりますが、研究者というのは先ほど約五十万人ぐらいいると申し上げたんですが、先ほどのパーセンテージで見ると産業には三十数万人、大学が十四万人、そのうち国立大学が八万人と言われるんですが、その大学八万人のうち、実は二万人が博士の学生ということで統計がとられているわけで、言ってみればこれは学生ですから、博士の学生というのは授業料を納める立場で給料をもらう立場じゃないんですね。したがって、お金を納めながらしかも研究に貢献しているというまことに不思議な集団がそこにいるということになっているわけであります。 そういったこともありまして、もう一つの問題は、大学に関して研究補助者というものが非常に少なくなっておりまして、一九七〇年には一人の研究者に対して〇・五人の補助者がいたんですけれども、九二年では〇・一四人ということで約四分の一近くに下がってきてしまっている。これは、現実には国立大学の場合には定員削減の影響を受けて、これは大学の責任だと思いますけれども、削減をそういった補助者に集中して行ってしまったということで、研究を実体的に進めるためには非常に大きな制限、すなわち補助者が必要な研究ができなくなっているというような状況が出てきてしまっている特徴があります。 それから供給という点では、最近大学院重点化ということが、特に国立大学中心に行われまして、この点で研究者の養成ということについては大変着々と準備が進んでいるということが言えます。 ただ、問題は次の流動性でありまして、研究者ができても大体において卒業生がその大学の研究者になるというような形があるために大変流動性が低い。これは何とかその流動性を拡大しませんと非常に難しいということがあります。あるいは流動性というのはそういった国内の問題だけではなく、例えば外国人をより多く研究者として雇用する問題とか、さらには、特に女性の教官が現在は非常に国立大学では少ないのでありますけれども、こういった問題にも非常に重要な配慮をしなければ、現在の質的な構成という意味ではとてもいい構成とは言えないというような状況になろうかと思います。 それから研究費ですが、これは少ない、少ないと書いてありますけれども、要するに研究費と呼ばれるものは、産業が出しております研究費まで入れれば、例えばGDP比で言うと、これはほとんど国際級というか、このGDP比でとりますと大体どの国もみんな似ているんですけれども、むしろ問題なのは国費負担問題であって、自分たちの出している研究費、日本の場合は十四兆円でありますが、欧米で言えば自分の研究費の三〇%から四〇%が国費、国庫負担ということになっておりますけれども、我が国では現在これが一七%ということで、この面でも非常に大きな産業依存ということがある。 もう一つ簡単なことで申し上げますと、先ほど産業が研究者六六%を擁しているというお話をしましたが、しかも産業が七七%使っていると申し上げましたが、基本的には産業というのは自分でお金を出して自分で使っているという形の研究が行われているわけで、ここにその応用研究、目的研究という特徴があると言えば言えますけれども、基礎研究がどうしても量的には少なくなっているということが言えます。 それからもう一つ、今、額のお話をしましたが、種類について言うと、種類が比較的指摘されていないんですが、種類が少ないというのは我が国の問題かと思います。 例えば科学研究費というのが、これは文部省の管轄のもとで支給されているわけですけれども、他の省庁の研究費というのは大学の人間にとっては使えない、科研費は民間からはほとんど使えない。こういうふうにいわゆる省庁を越えたクロスファシディングがないということは、いわば非常に研究財源というものがある特定の研究者、それが民間であっても大学人であっても決まってしまうんです。決まってしまうということは、言ってみれば一つの財源からしかもらえませんから、日本的な感じで言うと比較的横並び、去年上げたからことしはやめよう、こういうふうになりまして、比較的COE、集中投資ということができにくい構造になっております。 そうではなくて、複数のところが独立にいい研究者に研究費を出すというようなことになれば、結果的にはそれは社会的な評価が成立して、いい研究者がいい研究環境を獲得するというCOEの発生、センター・オブ・エクセレンスの発生ということが可能になるんですけれども、現在はそれが非常にしにくくなっているということが言えます。 それからもう一つ、使途の問題がありますが、使途というのは、国立大学は当然国の財政法に規定されておりますので大変現状では無理なんですけれども、最近は大学の設置基準の大綱化ということが行われて、それぞれ個性ある教育研究を行えということになっているわけです。 そうしますと、例えばある大学はしばらく対外的な調査ということを大いにやって将来計画を立てようというような時期があるとすると、教官の活動というのは、例えば外国にいろいろ調査に行くというようなことがふえるということもある。ある年はそれを研究資材に投資して実験を集中的に行う。こういったような大学ことによって、金額の大小だけではなくて何に使うかということで個性を持たざるを得ないと思うんですけれども、しかし現実にはそういうことは現在できないようになっておりまして、少なくとも国立大学の場合には、その使途に関しては非常に厳格な枠というのがあって、これは財政法上やむを得ないんですけれども、こういったことが大きな問題になるというような状況がございます。 幾つか申し上げましたけれども、こういう中でちょっと今のようなデータで考えますと、先ほど研究者が五十万人と言いましたけれども、アメリカは約九十五万人いると言われておりまして、そのうち大学の人間は十四万人なんですね。そして、日本は五十万人、約半分というのはこれはいい数ですけれども、五十万人のうち大学人がやはり十四万人いるということになりますから、大学に非常に多くの研究者を抱えながらその大学人には余りお金を上げない、こういうような形が非常に日本を特徴づけているということになります。 しかし、逆に言えば、これは大学にまだまだ活用可能な頭脳が存在しているということで、これを遊休頭脳と私は呼んでいるわけでありますが、遊休施設ではなくて遊休頭脳で、これは一種の財源であるというふうに考えれば、ここを非常に活性化するということで、最初に申し上げた我が国の独走的人材による独走技術というものが可能になるんじゃなかろうかという気がいたします。 さてそこで、現状の大学が一体どういう可能性を持っているかということが非常に大きな問題になるわけでありますが、それはまず今申し上げましたように大学の数が多いということ。それから、大学にいい人間が集まるというのは、これは非常に今日本を特徴づけておりまして、日本の大きなパワーというのは、国民的パワーとでもいいましょうか、そのうちの一つは、かつて数十年前の豊かになりたいということよりも、現在では子供にいい教育を受けさせたい、これは極めて大きなエネルギーであろうと思います。これは受験過熱であるとか受験戦争であるとか、悪い面を幾つも露呈はしておりますけれども、日本の国民が非常に勉強したがっている。親も子供に期待しているということは、これはやはり一つのエネルギーでありまして、これを使わなければいけないということになります。 それから、制度として我が国はほかの国にない国立大学と私立大学、国立大学は九十八あり、私立大学は約五百ありますが、こういったものが相携えながらうまい形でバランスして存在しているというのは、問題点もありますけれども大変すばらしいということも言えるわけでありまして、この形をうまく使わなければいけない。 それから、我々が身近なところで考えるものとしては、若者は依然として大学の教師になりたがるんですね。こういった幾つものことを考えると、私たちはやっぱりかなり大きな潜在的なパワーというものを大学の周辺に研究という観点から見て持っているんじゃなかろうかという気がいたします。 そこで、ここから先はちょっと提案になるんですが、どうやら我々はここで技術立国というものに加え、我が国は教育立国ということをこれからうたっていいんじゃなかろうかという気がいたします。教育立国というのは、今言ったように明治以来大変すばらしい初等教育から大学高等教育までやってきた経験、しかも教育によって国の経済をよくした国の一つの非常に典型的な例、あるいは政策によって教育というものを高度化し、それによってうまく国力を強めた国の例であるというような意味で、教育立国と言うに大変ふさわしい国であると思いますし、また現在我が国が国際貢献をしようといったときに、技術による国際貢献の限界が日に日に見えてきているというようなことであるとすれば、これはやはり教育、もちろん技術による貢献というのは今まで以上にする必要はありますけれども、それに加えて、例えば留学生を、現在は十万人計画というのがありますが、より多く引き受け、それに対して国費を投入し、さらに留学生の勉強環境をよくするといったようなことをしながら国際貢献をする。さらには教育の輸出、教育方法の輸出というようなことも含めてやはり大学を中心に国際貢献をすることが非常に多いんじゃないかという気がいたします。 さらに、きょうの話題の技術開発という観点からいえば、大学の一部を研究機関と位置づける。現在、大学というのは基本的には教育機関と位置づけられているわけですが、研究機関というふうに位置づけまして、これはもちろん国立も私立も含めてでありますが、そういった形で役割分担を明らかにしながら、大学の研究機能というものを非常に大きくしていく。そしてまた、研究というのはただ単に技術開発だけではなくて、そこでは教育の方法に関する生産、新しい方法を考案するというようなことも含めて、大学の機能が多様になっていくというような必要があろうかと思われるわけです。 そこで、先ほど来申し上げていることの中で何回か触れましたけれども、こういった基礎研究における国庫負担が欧米に比べて半分であるということ、また同時に、高等教育に対する国庫負担も、これも御存じと思いますが諸外国に比べたらちょうど半分なんです。そういったことがありますので、この分野の国庫負担というものを倍増することによって、現在日本が持っているやや偏った妙な構造、大学にたくさんの人間がいるにもかかわらずそこが活用されていないというようなことの活用に向けて一歩が踏み出せるんじゃなかろうかというふうに考えます。 そこで、あと四、五に研究課題であるとか産学協同というのを書きましたけれども、時間もございませんのでやや省略して申しますと、現在の学問というのは十七世紀にできたと言われているわけですけれども、我が国としてはそれを十八世紀、十九世紀に輸入し、そうして今百何十年ということで定着しているわけですけれども、研究課題としてはいろいろな環境条件の変化であるとか人口の増加を中心とし、環境問題等も含めていろいろな環境が変化する中で、現在実はあらゆる学問が改変を迫られているという状況がございますので、そういった学問というものを、ここにございますような領域、新領域を創出するというような努力も含んで大学が新しい学問をつくっていく。実は日本は新しい学問をつくったという経験が少ないので、そういった意味での貢献はほとんど国際的には皆無なんですけれども、ほとんど借り物の学問で今我々が教育もし、研究もしているんですが、新しい学問を日本が中心になってつくるというような投資も含めて、我が国が国際貢献をしていくというような課題に関しても現在力をようやくつけてきまして、こういった新しいことができるということが可能になっていると思います。 また、産学協同ということは、これは今までの話とやや関係があるんですけれども、実は産業というのが非常に進んだということは、産業の中にこれからそれを学問化するような一つの種、たくさんの種というものが我が国の産業に潜在的に含まれている。そういったことで、産学協同を通じてそういったものを抽出しながら、伝達可能で将来に継承可能な体系化された学問として、日本の戦後のいわば社会的な経験というものを教育可能なものに構成していくという努力も同時に必要であろう。そういったことに対する投資というのは、少なくとも現行の研究費あるいは研究体制という中ではなかなかしにくいということがありますので、今申し上げたような幾つかの改変を通じて、現在あるパワーとしての、資源としての頭脳、これをどういうふうに生かすかということをやはり政策的に実現していかなければいけないのではないかということを申し上げて、御報告を終わります。
○会長(三重野栄子君) ありがとうございました。 これより参考人に対する質疑に入りたいと存じますが、本日は、あらかじめ質疑者等を決めないで、委員の方々に自由に御質疑を行っていただきたいと思いますので、質疑を希望される方は挙手をし、私の指名を待って御質疑をお願いいたします。 なお、質疑及び答弁とも御発言は着席のままで結構でございます。 それでは参考人に対する質疑に入ります。 質疑のある方は挙手を願います。
○関根則之君 いろいろお教えをいただきましてありがとうございました。 竹内先生に一つ教えていただきたいと思いますけれども、確かにエネルギー資源が幾らあったって使えるというわけにはいかないよ、マイナスも出てくるから消費そのものに限度があるんだ、こういうお話でございました。そのとおりだと思いますけれども、お話の中で、常温核融合が仮にできたというような場合におきましても本格的に熱汚染の問題が起こる可能性がある、こういうお話がございましたけれども、もちろん考え方としてはわかるんです。核融合が成功してどんどんエネルギーが供給されて、そいっをどんどん使えば大変な熱量になるとは思いますけれども、何か実証的に大体このくらい使うとこのくらい上がるというようなものがおありになるのかどうか、その辺のところをお教えいただけるとありがたいと思います。 それから、吉川先生にちょっとお尋ねをしたいんですが、お話を伺っておりまして大変心強く思いました。特に大変進学熱が盛んになるということは、一種の教育の振興であるとかあるいは研究開発とか、そういうことを考えた場合にエネルギーとして理解できるんじゃないか、そんなふうに受けとめさせていただきましたけれども、そういうものが確かにあるというふうに思います。 したがって、研究者の供給サイドも大分希望者があるから大丈夫だ、こういうお話でございますので、その点は大変心強い限りなんですが、一方で、このごろは理科離れがどうも進んでいて、特に自然科学系の研究者に必ずしも優秀な人材が集まらない。特に子供たち、中学から高等学校、その程度の子供たちの間に理科離れが大変進んでいるんだ、将来の研究者の体制づくりの上で心配だ、こういうことが識者の間に言われておりますが、そういうものに対して先生はどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか。 確かに社会のシステムが、日本は教育もそうなのかもしれませんが、特に役人の組織なんかを見ますと文科系が優遇されておりまして、全体の統括的な責任を持っているのは文科系が多いというようなこともあるわけですね。そういった処遇の面で、単に金銭的な面ばかりじゃなくて、地位でありますとか責任の問題でありますとか、そういう面で問題がないのかどうか、そういう問題があります。 それからもう一つは、せっかく研究所などで試験研究に従事して新しい特許を取ったり発明をしたりしたときの一種の知的所有権、そういうものが組織にばかり重点的に打っちゃって、このごろは少し個人に留保されるような制度ができているようでございますけれども、その辺の何かうまいシステムみたいなものをこしらえていく必要がさらにあるのかどうか、お考えを教えていただければありがたいと思います。 以上です。
○参考人(竹内啓君) 常温核融合と熱汚染の問題についての御質問ですが、常温核融合をやったときにどれだけ熱汚染が起こるかということについての実験的な研究というのはもちろんまだないと思うんです。ただ、簡単な計算によりまして大体のある種の見当はつくところがあると思うんです。それは、今人間が使っておりますエネルギーは、太陽から地球に入ってくるエネルギーの一万分の一のオーダー、一万分の一掛ける何倍か程度のオーダーだと思うんですけれども、このくらいのエネルギーは直接的にはそれで温暖化するということにはならないわけです。つまり、それだけのエネルギーを太陽から入ってくるエネルギーに対してさらにつけ加えたとしても、それで地球の温度が上がるということは大したことはないわけで、CO2による温暖化というのは、それとは別のメカニズムによるものであるわけですが、しかし、これが二けた上がりまして百分の一掛ける、つまり何%というオーダーになりますと、これは地球上の温度をかなり上げるという計算になり得るわけですね。しかも、それは地球全体の平均についてですから、一部はもっともっと上がる。 つまり、常温核融合があったとしてもエネルギーは決して地球上で一様に使われるわけではないわけで、どこかに集中して使われることになるわけですから、その集中したところでは非常に高くなるおそれがあるわけで、東京あたりでは現在の程度でもかなり、もう既にヒートアイランド現象というので局所的には非常に温度が上がっていることが起こっているわけですから、やはり相当大変なことになるという感じがあるので、百倍というのは少し乱暴な議論のように思われるかもしれませんけれども、しかしエネルギーが非常に安いということであれば、エネルギーの消費量が二けた上がるということもあり得ないことではないわけでありまして、そういう面から考えまして、つまり常温核融合があればエネルギー資源の問題が解決するしCO2も出ないから、すべて問題が解決だというような考え方は間違っているということをちょっと考えているわけであります。
○参考人(吉川弘之君) 二つのお話だったかと思います。 最初は理系離れという問題でありますが、事実これは統計によると進んでいるということがわかっています。そして、実際にそれじゃ若者は理科が嫌いなのかということでいろいろな実験教室なんというのをやってみると非常に若者が熱中いたしますので、理系離れはないんだという人もいますけれども、結果的に好きなんだけれども理系へ進まないというようなことが起こるのがむしろ問題かということであります。 私は思うんですけれども、これはいろんな理由がありますが、まず第一に、受験が厳しいことは私は結構だと思うんですが、受験のやり方というのが非常に記憶主義、それからいわゆる文章主義というものが出てまいりまして、そういう中で実験を行うということが極めてしにくくなってきている。現在の中高の指導要領でも実験というものはどうしてもやる余裕がないというようなことになっておりまして、ここに非常に問題があります。ですから、これはやはり現在の高等学校の先生とか中学校の先生に要求しても非常に無理なので、私は制度的な面が少しあるんじゃなかろうか、制度というよりは一種の社会習慣と言った方がよろしいのかもしれません。 私は、受験生というか子供たちが十八歳で大学受験をするということが非常に厳格に社会的に定着しているということに問題があるんじゃなかろうかと思います。やはり子供たちというのは、ある子供たちは遊びながら勉強したい子もいるでしょうし急いで勉強したい子もいるだろう、すなわち、子供たち一人一人には固有の勉学の歩幅というものがあるだろう、その歩幅というのが社会的に受け入れられていないということが、いわば子供たちに非常に優しくない受験体制をつくっているんじゃなかろうか、こう思います。 実は、国立大学協会とそれから高等学校協会というのがあるんですが、その人たちを組織しましてその問題について少し話をしよう、こういうようなことを今始めております。これは非常に時間がかかる問題なんですけれども、今勉学の内容を多様化するということをやっております。もう一つは時間的にも多様化していこう、子供のスピードに応じていろんなことをやろう、そういう中で実験の好きな子はどんどん実験ができるようなカリキュラムを準備するということがやはり基本なのかなという気がしております。 それからもう一つ、これも関根先生から御指摘のありました技術系の地位がどうしても余り高くないと。これはなぜかというと、やっぱり理由があるんだと思うんです。これは既に明治の終わりのころから大正にかけて宮本武之輔という人が一冊の厚い本を書いていて、この人は技官だったんですけれども、技術系の地位がなぜかくも低いのかというのをいろいろ分析なんかしているんですが、それを紹介するつもりはないんですが、簡単に言うと理科の学問というのは非常に細分化しているんですね。細分化しておりますから非常に深く特定、専門については突っ込みますけれども、ゼネラルに世の中を見られない。そういうことでやっぱり世の中を動かすのは文系だというのは、今後も今の状況では変わらないという気がいたします。 そのことと、今後地球でいろんな問題が起こってきて理系の人間がたくさん必要なんだということをどういうふうにうまく今度は政策的というか制度的に実現していくのかというのが非常に重要なんですが、私ども大学としては理科と文科の差というものに必ずしもこだわらない学生を育てるということが一つの方法かなと。といいますのは、やはりこれは学問の再編成ということになるんですけれども、理科と文科を余り分けない、こんなことができるかどうかわからないんですけれども、そういった学問的な方法で幾らかは緩和していけるんではないかというふうに考えております。 また、それから次の問題ですけれども、これも関係ありますけれども、例えば知的所有権というものが一体どういうふうな状況にあるのかということですが、これは諸外国ではほとんどその発明者が恩恵を受けるような制度になっているんですが、我が国はお金を出した人が恩恵を受けるようになっているんですね。ですから、アイデアよりも金が大事だと。しかし、考えてみると、金を幾ら出したってアイデアなんか出ないんで、やはり金を出した人ではなくて、本当はアイデアを出した人を評価しなきゃいけないと思うんですが、これも言ってみれば独創的な技術、考え方を評価するという社会的な習慣が余りない我が国の一つの状況かと思いますので、この点についてはぜひ法律的な改正を行って、知財権というものが発明者の所有になるようにということを期待しようと。しかし、現実に国際共同研究をやりますと、これはすぐ問題になりまして、最近私の関係した国際共同研究で、日本の知財権に関する、特に政府の出資した研究に対する知財権の取り扱い方が違うために、アメリカの多くの会社がプロジェクトに入れなかったというケースがあるんですけれども、これは大変なマイナスですので、やはり法改正をぜひやっていただきたいというふうに考えております。
○関根則之君 ありがとうございました。
○山口哲夫君 三人の先生のお話、大変有意義で非常に感謝をしております。 それで、三人の先生にぜひお答えというよりお教えいただきたいと思うんですけれども、竹内先生のお話を聞いておりまして、これはエネルギー問題というのは世界的な全人類的な視点で見なければいけない、全くそのとおりだなというふうに聞いておりまして、そういうときに、例えば太陽光発電の問題なんかもその中では非常に大きな地位を私は占めていくんじゃないかなということを実は考えておりました。 たまたま山本先生の方からその後すぐお話がございましたけれども、この間テレビを見ておりましたら、報道も随分されておりますけれども、発展途上国などでは森林が随分伐採されて燃料に全部使われて砂漠化しているという、地球環境的な立場から見たら大変な問題が今起きているわけですね。ですから、先ほど御提言ありましたけれども、そういったことをODAの中でも当然考えていくべき問題ではないだろうかなというように実は考えておったわけでございますけれども、そういうことについてが一つでございます。 それからもう一つ、山本先生の太陽光発電。太陽光発電に非常に関心を持っておりまして、午前中もクリーンエネルギーの問題が随分出ておりまして、その中ではやっぱり一番まず着目しなければならないエネルギーだろうというように思っておりました。非常に具体的な御提言をいただいて勉強になったわけですけれども、この中で、二千億円あれば売電価格と同じくらいのものができるんだというお話がありまして、二千億というのは大した金ではないですね。実は一昨年ですか、私、地方行政の方をやっておりますけれども、市町村、特に山村地帯の森林政策というのが今非常に大きな課題になっておりまして、そういう小さな町の森林を抱えているところで森林政策をもっとやって、過疎化を何とかしようではないかというお金が千八百億交付税で特別につけられたわけです。翌年も少し上がりまして、やっぱり千八百億台ですけれども、全体から見たら大した問題じゃないですね、一年間でぽっと千八百億つくわけですから。 そういうことから見ると、もっと重大なこういう政策になぜ今まで金がつけられていないのか。これは恐らく通産省あるいは政府とも随分お話もされていらっしゃると思うんですけれども、一体政府の方として今までどういう反応があったものかというようなことも、政府の人があればむしろそっちの方から聞きたいんですけれども、そんなふうに思っておりました。 それから、同じように吉川先生のお話を聞いておりまして、これも随分報道されておりましたけれども、国立大学の研究室というのはまことに外国人には見せられないほど恥ずかしい、テレビなんかで見ておりましても汚らしい、よくこんなとごろで研究できるものだなと思う。特に化学薬品なんか使っているところなんか、こんなところで爆発でも起きないもんかななんて思うくらいひどいところなわけですね。なぜそういうところに金がつぎ込まれないのかまことに不思議に思っていたんです。 そんなようなことを考えておりましたときに、一体この責任はどこにあるのかと思っていたんですが、これはすべて私ども政治家一人一人の責任であると同時に政府の責任であろうと思うんですけれども、今までこういった具体的な御提言をされている中でそれが実現できない問題は一体どこにあるのか、率直にひとつお聞かせをいただければありがたい、そんなふうに思っております。
○参考人(竹内啓君) 私にどの部分をお聞きになったのかということについて、私、別にそんなに殊さら区別しなくてもよいと思いますので、今御質問なさった幾つかの点についてお答えさせていただきたいと思います。 ODAを特にエネルギー、環境問題に関して使うべきだということについて私は全くそのとおりで、そういうふうにするべきだと強く思っております。もちろん太陽光発電というのは、直接エネルギー政策あるいは環境保全に役立つことにプラス援助すべきだということは当然そのとおりだと思うんですが、直接そうでないことに関しましてもマイナスの援助をしないように、いわばエネルギー環境アセスメントをちゃんとやっていくべきだという面もよく考えております。 例えばこういうことを考えているわけですが、中国なんかでもこれから交通運輸インフラストラクチャーをつくるということは非常に重要な問題だと思うんですが、これをどういうふうな形でバランスさせてそういうシステムをつくっていくかということについて十分考えませんと、やはり手っ取り早いのは自動車をふやすことである。自動車をふやすと道路が足りないというので慌てて道路をつくる。道路をふやしたらまた自動車がふえる。また道路をふやす。じゃまた自動車のプラントをつくろうというようなことで、どんどん自動車と道路をふやしていって、ある時期になって本当に中国が日本並み、アメリカ並みにモータリゼーションなんかにしてしまったらこれは非常に大変なことになる、エネルギーの問題から見ましても環境問題から見ましても大変なことになると思うんです。ですから、そういうときに、例えば当面道路が必要ではないかというようなことだけから援助してしまうということは非常に危ないという面があるわけです。 そういうことを考えますと、やはり総合的に考えていくということが直接エネルギー、環境政策に関係ないところでも重要で、そういう点の評価を十分した上でODAなんというのをやっていただくということが非常に大事ではないかということを申し上げたいと思うんです。 それから、こういう問題に関するお金の問題というのは非常に不思議だと思うんですが、確かに二千億というお金は大したお金ではないとおっしゃって、ある意味ではそのとおりだと思うんです。ところが不思議なものでして、お金というのは小さいお金ほど出にくくて大きいお金ほどぱっと簡単に出るという面も結構あるわけでして、そういう研究費というのはとかく小さい方のお金になるんですね。確かにおっしゃるとおりで、この間たしか農業の対策費でも六兆円ぐらい出たはずなんですね。別にあのことの悪口を言うつもりもありませんけれども、六兆円エネルギー対策を考えたらいろんなことができるはずだという気がしますので、やっぱりそういう点もお考えいただきたいと思います。 それからついでに、私も国立大学のひどい建物に大分いましたので、ひどい建物の件も一言申し上げたいんですけれども、一つは、制度上問題があると思いますのは、国家の建物というのは制度上資産勘定がないので減価償却が認められないということがあります。したがって、幾ら古くなってもそれを改めて建てかえるためには新規予算をあのけちん坊の大蔵省からもらってこなきゃだめだということになりまして、減価積み立てでやるわけにいかないということになるわけです。 これは国立大学だけではありませんで、文部省なんかへ行っても、どうして虎ノ門の一等地にあんなぼろい建物が建っているんだろうと思うんですが、あれは国立大学の人が文部省にお金をもらいに行ったときに、文部省の役人がおれたちだってこんなひどいところに住んでいるんだと言われるともうそれ以上言えなくなるというシステムになっているのかなという気がしないでもないんですが、やっぱりそういうところにそういう制度上の問題があると思うんですね。もし償却勘定が認められればもうとっくに東京大学なんか全部建てかえできているはずであります。ですからそういう点でも、これは私の全くの私見でありますけれども、例えば大学の法人化というようなことも考える必要があるのではないかとちょっと思っています。 いろいろ御質問がありましたので、私の本来お答えすべきところから逸脱したかもしれませんけれども、お話しさせていただきました。
○参考人(山本貞雄君) ただいまの山口先生のおっしゃるとおりでございますが、率直に申し上げまして、私は財政資金の拠出はすべての場合に極力抑えるべきである、そういう基本的な考え方を持っております。しかしながら、この場合は最小限の財政資金を出すことによって初期需要をつくり出し、そしてスケールメリットによってコストを大幅に下げ、自立可能な価格に早くさせて、そしてそれによって財政依存を早期に脱却する、そういう政策目的が正しいのであれば、かつ緊急であればそうするのが適当であると基本的に考えまして三点の御指摘を申し上げたわけでございます。 山口先生御指摘のうち、まず個人住宅や公的施設につきまして、そういう助成を民間企業等が提言しておるにもかかわらずどうして国が採用しなかったのか、こういうお話でございますが、私どもはそういう提言はやってまいったわけでございます。公的施設につきましては三年前から、そして個人住宅につきましては本年から行われるようになりました。それはそれで大変な進歩であると評価をいたしておるわけでございますが、しかし政策効果から見ますと、先ほど申し上げましたように少しけたが違うのではないか、こういう率直な意見を持っております。 それからODAのお話でございますが、私は、このODAの問題につきましてこれまでほとんど皆無に近い状態でございました点につきましては三点ほど理由があったのかなと、こういうふうに思います。 第一点は、先ほど申し上げましたようにODAが原則要請ベースになっておるものでございますから、どうしても経済発展に直接結びつくインフラ整備あるいはプラント建設、そういうことが中心になるわけでございます。よく言われておるわけでございますが、特に途上国が急速に産業化をいたします場合に、プラント建設につきまして借款要請がありますと、通常は本体の建設費に対しまして公害防止だとかあるいはそういう環境の観点からは三割ぐらい、七、三の割合で本来必要である。ところが途上国サイドから見ますと、ただでくれるなら、余分にくれるならともかく、その三割は余分のことである。そういうことがよく言われております。 したがいまして、どうしても環境関係のODAあるいは小規模のODAは要請ベースでは出てこない可能性が現実でございますので、私はやはり環境ODAという分野を確立すべきではないか。それは単に太陽光発電にとどまりませず、環境一般のODAという分野を確立すべきではないか、こういうふうに考えるわけでございます。 第二の点が、先ほども申し上げましたように第一次石油ショックで太陽光発電に力が入りましてからかれこれ二十年でございますが、太陽電池のモジュールのコストは三十分の一に下がりました。しかし、現時点におきましては、自立可能な商業電力価格に対抗いたしますためにはまだ六倍でございます。やっと射程距離に入ってきたということでございまして、ここでダッシュするのが一番効果的ではないかと思っておるわけでございます。 そういうことで、非常に高い時点におきましてはODAといいましても絵そらごとになるわけでございますが、いよいよ地球環境問題が国連の環境サミットを初めとして世界全体が非常に強い関心を持ってきておるわけでございますし、現実の射程距離に価格面からも入ってきておりますので、そろそろこの時点でODAの方に組み込んでいくべきではないか、こういうふうに思います。 それから最後の三点目でございますが、太陽光発電は原則二十五年間メンテナンスフリーでございます。メンテナンスフリーではございますが、現実にはいろいろメンテを要する部分もあろうと思いますので、いわゆるメンテの体制をどうするか。現実に日本国内から出しました場合にもちろん企業がアフターケアをするわけでございますが、しかし行く行くは各途上国に自国の技術者を養成して、そして簡単なことでございますが、メンテを行っていく。そのために、もしできるならば各国一カ所ずつぐらいの技術者養成のセンターがあってもいいのかなと。これは極めて安い、簡単な、職業訓練所にもが生えた程度のものでございます。そういうものがあれば、人を養成することによってさらにメンテの体制、技術者の養成も行われていくのかなと。そういう条件整備を通じまして、この地球環境、太陽光発電のODAをさらに推進していく、そういうことがいいのではないか、こういうふうに思うわけでございます。
○参考人(吉川弘之君) 先ほど山本先生から御指摘ありましたように、まだ国立大学の中には大変劣悪な研究環境というのがありまして、これは危険でもあるんですね。そういったことで、最近ちょっといただいております補正予算の関係等でいち早くこういうところを解消しようとしているんですけれども、まだまだ全面解消ということはなかなかできないので、毎朝私起きますと、きょうも爆発がなくてよかったというようなことで目を覚ますというような状況が続いているんですけれどもね。 なぜそういうふうになってしまったかという御質問ですが、私はそのことについて一つの解釈を持っておりまして、日本の高度成長時期にいわゆる日本の得意とする効率というものが、あるいは生産性といってもいいんですが、それが社会を非常に風靡したわけであります。恐らくその考え方が大学の中にも風靡しておりまして、いわば最小投資で最大の教育効果あるいは研究効果を上げる、そういうようなことがまさに実践されたのではないかという気がするわけであります。 結果的には、日本というのは明治にある意味では大変ぜいたく過ぎるような大学を国立大学に限らず私立もつくりまして、建物等も非常にいい建物もあり、またこれは単にハードウエアだけではなくて、大学というものが一種の社会的なステータスを認められるものとして、ソフト的にも精神的な意味でも大学というものが社会における一種の財産というか、蓄積された財産であったというふうに思っていいと思います。これは、建物も設備も、人的構成あるいは精神的に人々が大学をどう評価するかという意味においても大変いいものだったと思います。 それは一種の財産だったんですけれども、高度成長時期というのはあらゆるものをフロー化、いわゆる蓄積、ストックというものをできるだけ早くフロー化していくという経済だったような気がするんですが、そういった意味で、我々は持っているものを全部吐き出してフローにすることによって経済はどっと拡大してきた。その中にやはり大学も巻き込まれたために、今から思いますと、極めて少ない研究投資でたくさんの研究成果や教育を行ったということが言えます。 その端的な例が、建物で言えば一人当たりの割り当て面積というのを減らす、そして建物をつくる、それからさらに、建物の単価を非常に安くして、コンクリートの砂を海から持ってくるというようなことで、こんなことをやれば寿命が短いのはわかり切っていたんですけれども、そういう安普請の建物の中で高度な教育を行って、この高度成長を支えた人材を大量に育成してきた。明治以来のそういった大学にかかわるいろいろな意味での財産というものを、ストックというものを食いつぶして、それをフローに変えてきたという図式があったんだと思います。 しかし、数年前になってあっと気がつきますと大変なことになっている。いわば劣化度というのが非常に大きくなってきて、これはどういうふうに評価していいかわからないんですけれども、先ほど竹内先生が減価償却はないと言いましたが、もし減価償却というようなことで考えれば、その額は多分何兆円かぐらいに達していたんではなかろうか。現実的に、現在の劣化した国立大学の建物を修復、建てかえ等をすると何兆円もかかるというふうに言われているんですけれども、そういったのを手当てしてこなかったということが既に問題になってきているというわけです。 そういったことで、我々は鋭意そういった投資を新しくしなきゃいけない。そういったことが起こったのは、恐らく先ほど来申し上げている効率主義とそれから生産性というものを単年度的に見る、投資するとその年に何がやられたかと見るというようなことでやってきたわけです。もし教育に生産性というものがあるとすれば、教育に投資した結果というのはやはり何十年先、少なくとも十年、さらには百年後に実を結ぶ。例えば明治の投資が今生きているとすれば、そういった性質を持つわけですから単年度的な効率というのはやはり排除して、非常に長期的なことを考えなければ、教育というものを経済の側面から論じることはできないだろうと思います。 したがって、最近よく言われますように、やはり教育というものを、新社会資本というんでしょうかあるいは未来の若者の頭脳への先行投資とでもいうんでしょうか、そういった一つの投資としてとらえ、二十一世紀が知恵の必要な時代だとすればそれに今から備えておかなければ恐らく手おくれになる、こういう気がするわけです。その意味で、教育に対する投資というものの考え方を変えていただくことが非常に根幹として重要なことではなかろうかというふうに思っております。
○野村五男君 吉川先生にお伺いします。 私、先ほど先生のお話を聞きながら、研究費とか研究者の数とかいろんなお話が出てまいりました。それに、持続可能とか維持可能というお話が出てまいりましたのでお聞きするわけでありますが、私は、この持続可能などか維持可能なという言葉に出会ったのは、たしか二年か三年前にブラジルのブラジリアの環境問題について出席しましたときに、国際化社会の中でこれからは研究とか開発とか環境とかそういうものは同時進行すべきであるから、世界がそのように流れていくというような話を聞いてまいったわけでありますが、先ほど先生の話の中に研究費というものも出てまいりましたのであえてお伺いするわけです。 特に、予算がもし増額された場合に、資金を有効活用するにはそれなりの方策、例えば地震については科学技術庁それから防災科学技術研究所、国土地理院の共通業務部分の合併や、東京大学地震研究所あるいは幾多の民間研究機関から成る一大コンソーシアムの形成など、官・学・産の連携強化とともに研究者の流動化等のシステム化が必要ではないかと考えるのですが、その際、大学は十分に対応し得るのか、まずその一点をお伺いしたいんです。
○参考人(吉川弘之君) 今のようなお話でございますと、二つの側面からお答えしなければいけないと思うんですが、一つは維持可能というような新しい課題ですね。今までのそれぞれの学問割では対応できない新しい課題が出てきたということかと思います。 恐らく、その維持可能ということは、もちろんエネルギーというのは非常に大きいんですけれども、エネルギーだけではなく例えば物質ということについて考えましても、現在の製造業というのは資源をどこかから持ってきて、それを加工し製品にして売ってしまう、それを製造業と呼んでいるわけですが、維持可能な製造業というのは一体何かというと、それを使った製品の資源を一〇〇%回収して全部再利用してまた新しい製品をつくる。したがって、そこは閉ループになりまして物質は一滴も漏らさない、外から一滴も入らない、これが理想的な維持可能な製造業なんですね。そういった製造業というのを考えたときには、現在の製造業を支える諸学問では対応できないということが明らかになっています。 したがって、そういうことで今御指摘になりました新しいコンソーシアムというようなことが必要になり、恐らくこれは大学で言えば小さいところでは学問を担当する学科の再編につながるでしょうし、大きなところでは研究所が再編したり協力する。さらには、省庁まで私が言及するのはおかしいと思うんですが、そういったいろいろな社会的な組織というものは、これから人類が対応しなきゃならない課題に対して再編成を必要とされているということだと思うんです。 逆に言えば、その再編成の方法は見えているわけで、人類にとってどういう課題が起こっているのか。例えば、維持可能なという新しい概念が入ってきたとすれば、それに対応した我々の側の研究あるいは管理、あるいはいろんな運営のための組織というものもそれに対応して変わっていくということで、いわば再編ということの方向が見えてくると思うんです。 ですから、御指摘いただきましたように、こういった省庁あるいは研究所、そういったものの再編とかコンソーシアムの作成ということがいわば維持可能という問題に対応してできるということが非常に重要なことかと思います。
○野村五男君 もう一点だけお願いしますが、規制緩和による研究活動の活性化という問題について質問させていただきます。 大きな問題の一つに研究開発環境の問題がありまして、具体的には、国立研究機関の研究員の活動がスムーズに展開できない理由の一つに、公務員法や予算の区分等の問題が指摘されているところでありますが、今日産業界では規制緩和の動きが生じ、国も腰を上げつつありますが、研究者と国の間の規制緩和、つまり研究者から見て研究をやりにくくしている規制を撤廃したり緩和していくことが研究者の質の向上や環境の改善となり、ひいては産業界や大学との連携をスムーズにすることにつながるとの声もありますが、この点についてお伺いしたいと思うんです。
○参考人(吉川弘之君) 現在、大学で議論しておりますことを申し上げたいと思うんですけれども、これも御存じのように、大学には設置基準の大綱化ということがこの二年ほど前に行われまして、各大学は個性を持て、研究、教育において個性を持って自由にやってくれ、こういうことが決まりました。 しかしながら、それは伝統的な意味で大学の自治みたいなものが教育、研究によって非常に緩くなってきた、大学の裁量が大きくなってきたということなんですが、もちろん大学というのはこれは主として国立大学のことを申し上げますが、実は依然として基本的には財政的に全く自由度を持っていないわけで、これは国の法律の中で運営されているものだということになるんです。 現実の問題として、例えばカリキュラムを自由にしていいといいますと、例えばこういう教育をするためにはこういう人が必要だということになるわけでございます。ところが、こういう人が必要だというのは人間の組織論になりますが、この組織論は予算事項だということで大学の自由にはならないんですね。そういったことで既に矛盾を生じておりまして、大学設置基準の大綱化、教育、研究を自由にやれということに一歩踏み出しますと、今御指摘のあったような不自由さというのが途端に目立ってきたというのが現状です。 したがいまして、いわゆる組織の改編あるいはいただいた予算の額の範囲内での使途にある程度の自由さ、そういったものについての規制というか法律の緩和というものが行われれば、さきに施行されました設置基準の大綱化に大変よろしい関係にある組織論が展開できるのではないかというふうに我々議論しているので、ぜひこれは実現していただければ恐らく大学の力は倍増するのではないか、こう思っております。
○立木洋君 竹内参考人にお尋ねしたいと思うんですが、エネルギー問題について国際的に見るという問題だとか、エネルギーの効率的な利用というのを総合的に考えるというような問題について大変興味を持ったんですが、参考人が前に書かれていたのを読ませていただいたんですけれども、例えばアメリカなんかの場合では石炭の第一次エネルギーとしての消費量が二四%を占めている、中国なんかの場合でも第一次エネルギーとしては石炭が七八%を占めて、今後この石炭の利用の問題というのは大きな問題になるだろう。 確かに今、石油の問題というのは、大体これについては抑えていくというふうな方向が出ていますけれども、石炭の問題については、日本の場合には三百億可採埋蔵量があるというふうに言われているんだけれども、これはアメリカで開発中だと言われるクリーンコールテクノロジー、日本もそういうことを努力していけばアジアの開発途上国における石炭の利用なんかについても国際的に貢献ができるんではないかというふうな観点があるんです。 それとあわせて、先ほどちょっと同僚議員が質問しましたけれども、核エネルギーの問題について、いわゆる今度の新長期計画によってもやっぱり急速に伸ばすというふうな方向なんですね。特に、今度強調されているのは核燃料のリサイクルという問題が問題になってきているわけですけれども、将来を展望した場合の、総合的に見た、国際的な視野から見た核燃料のリサイクルという問題をどのように位置づけられるのか。 それから、石炭なんかのクリーンコールテクノロジー等の問題についての開発をやっぱり日本も重視すべきじゃないか、それは自前の石炭が使えるわけですから。そういうふうなことをどう総合的にお考えになっているのかという点についてお尋ねしたいと思います。 それからもう一つは、吉川参考人にお願いしたいのは、先ほどずっと聞いておりますと、研究費、これが外国と比べて国費の負担の比率が非常に低いわけです。それから、今から三年ほど前でしたか、東大を初め幾つかの大学でいろいろお話を聞いたり見せていただいたりしたんですけれども、先ほど言われた山口議員と同じような印象もあるんです。それで、当時学長が有馬先生でしたか、少ない研究費を集めるのにもう奔走せぬと困るんだというふうなお話も聞いたりしました。 いろいろな応用の問題、資金の協力の仕方はあるでしょうけれども、こういう研究費の貧困な状態が続いていきますと、これから大学における基礎研究というのは実際にどうなっていくんだろうか、ある意味では大変じゃないかという危機的な感じもするんですけれども、長期的に見て基礎研究の重要性、それから研究費が今のような状態で本当にどうなるんだろうかというふうな感じがあるので、そこらあたりのお考えを率直にお聞かせいただきたい。
○参考人(竹内啓君) まず、石炭の問題からちょっとお答えしたいと思うんですが、確かに御指摘のように、例えば中国においては今後しばらくの問というか、あるいはもうずっと将来、見通しができない先の方で全く新しいエネルギー資源が出てくる場合は別としまして、そういう意味では、見通せる限りの間においては石炭が非常に重要なエネルギー資源にならざるを得ないということはほとんど明らかだと思うのであります。 その場合に、石炭の利用の仕方が非常に問題でありまして、現在中国のエネルギー効率は非常に悪いわけであります。GNP当たりのあるいはGDP当たりのエネルギー消費量というのを日本と形式的に比較しますと十倍以上使っているという形になっております。ただ、中国のGDPそのものが非常に過小評価だという話がありますので正確なところはよくわからない面もありますが、少なくとも非常に効率が悪いということは確かでありますし、同時にまた、それが非常にいろんな公害の原因にもなっております。特にSO2かなんかの排出量は日本より何けたも上だというぐらいになっております。これを効率よくして公害をなくすということは同時に行えることでありまして、それは非常に重要なことで、そのためにむしろ日本側として大いに協力すべきであるということは、私は専門家ではありませんが、専門家から伺ったところでは、それは非常に重要なことであるように思われます。 そこで今度は、日本にある石炭資源の利用ということでありますが、これも確かに利用可能かと思われるのでありますが、一つ重要なポイントは、日本にある炭鉱は今のままでは非常に危険が多くて、あれを掘り出すのは非常に大変であるということです。この点については、統計を振り返ってみますと、まだ日本で盛んに石炭を使っていたころに石炭の事故で死んだ人というのは実は非常に多いわけであります。あのころは労働災害の率が全般的に今よりずっと高かったからあれでも社会的に許されていたんだという感じがしますが、今ああいう危険な状態では恐らくだれも石炭の山の中へ入る人はいないし、仮にいるとしても社会的に許されないような状態ではないか。 したがって、安全に掘り出すというやり方をもう一度考えるとなると、これはやはり相当コストがかかると思います。こういうことももっと研究を進めていくべきだとは思いますが、現実的にいつそれが利用可能になるかについては私はちょっとまだよくわからないという気がいたします。それよりも、当面の問題としましては、中国が石炭をもっと有効にかつクリーンに利用できるように技術を開発し、かつその技術を実際に中国で適用するために協力するということが非常に大きな問題ではないかというふうに思っております。 それから、核エネルギーでございますが、核エネルギーについては非常に難しいと私も思っております。難しいという意味は、これは非常に意見が分かれていることは皆様もよく御承知のとおりでありますが、非常に危険だという人と絶対安全だという人がある。 それからもう一つは、使用上は、現在非常に注意深くオペレートしている限りは安全である、そしてその点では日本の原子力発電所は非常に安全だという人もおりますが、仮にそれが非常に安全であるとしても、例えば使用済みの発電所をどうやっていくかということについて、それをいつまでも危険な廃物として残してしまうということは非常に問題であります。 それから、今御質問のリサイクルですが、これはもし全くリサイクルをしないでプルトニウムを利用するという形にしなければ、恐らくウラニウム資源が足りなくなってしまうということはもうはっきりしているわけでありまして、そういう点でリサイクルの必要性というのは起こってくるかもしれない。しかし、プルトニウムというのは御承知のようにいろんな意味で非常に危険なものでありますから、やはり簡単にそういうことに踏み出すことは問題があるというようなことで、非常に難しいと思うんです。 それからもう一つは、これは日本で仮に細心の注意を払って非常に安全なように原子力を運用することをこれからも続けていかれるとしても、そういうものがまた世界に広がったときにかなり無責任にやる国がなくもないと、そういう可能性があるという危険性もあるわけで、そういう場合に、例えば日本でやっていて、おまえの国は危ないからやっちゃいかぬというのはなかなか外交上も言えないところがありますから、そういう問題もあります。 私は何かお答えを避けるようで申しわけないんですが、ただ私としまして一つ申し上げたいことは、やはり核政策というのをどうするかということについては、これはある意味では、政治的な決断としておやりになるときははっきり政治的な決定として責任を持って政府とか国会とかにやっていただきたいという気がするわけです。これは、つまり政府や国会が原子力の関係者に、どうか安全については最善の注意を尽くしていただきたい、そして住民とも十分話し合いの上、住民の納得の得られる形で開発を進めてくださいというような、第三者的立場でやられるというのは非常によくないと思うんですね。 時々日本政府はそういう態度をとるということがありますが、やっぱりそれは政府が責任を持って安全だ、責任を持ちます、だから協力してくださいというふうに国民に呼びかけるべきであって、そのときもし本当に危険だったら、それは政府のそのときの代表者が腹を切ればいいわけでして、腹を切るというのは変な言い方ですけれども、ちゃんと責任をとるというやり方をすべきであって、そういう第三者的な立場からやるというのはよくないと思うんですね。そして、しかもそういう場合に、エネルギーを開発するのは通産省の責任です、それからその基本的な技術は科学技術庁の責任です、安全の方はまた別のところの責任ですというようなことで、何かどこが本当の責任の主体なのかよくわからないままにやって、国会も、原子力については十二分以上に安全に注意しながら推進されたいというような決議をしてお逃げになるようなことはおやりにならないようにしていただきたい。 国会の方でもその辺についてもうちょっと議論していただいてもいいんじゃないか。つまり、例えば非常に危険だと言う人と非常に安全だと言う人、それからその中間の人もたくさん参考人としてお呼びいただいて、これは私らの専門じゃありませんから、専門の方をお呼びいただいていろいろ徹底的に討論をしてもらって、それをよく聞いて判断していただくというようなこともやっていただく必要もあるんじゃないか。ちょっと余計なことを申し上げましたけれども。
○参考人(吉川弘之君) 先ほどのお話で基礎研究ということについてだけお話ししたいと思いますが、確かに基礎研究がどうなっちゃうのかということは本当に私自身も二つの意味で心配しておりまして、我が国は基礎研究を盛んにしなければどうしてもいけない状況に置かれているということ。しかし一方、基礎研究に対する費用というのが国民的な支援でどこまで出てくるのかということがはっきりしないということです。 これはなぜかというと、我が国は基礎研究、基礎研究と言っておりますけれども、実は本当の意味での基礎研究というのはまだやった経験がないんじゃないかと思うんです。それは、例えば物理学とか化学とかそういったいろんな伝統的な学問があって、それを領域と呼ばせていただければ、領域内の基礎研究は日本でもやっているわけであります。 その領域内の基礎研究は日本でもやり、ノーベル賞もとるというようなことも起こっているわけですが、例えば物理学をつくる、化学をつくる、これも実は領域をつくる、新分野開拓の基礎研究という分野がありまして、これは我が国はやったことはないわけで、現在私たちがやっているのはみんな人からもらった学問なんですね。そんなものは昔にできちゃったんだからもうできないんだという人もいるんですけれども、実はそうではなくて、最近どんどんそういう分野は生産されておりまして、例えば生命科学とか情報科学とかあるいは人工知能といったような分野がどんどん出てきているわけです。私は、恐らく次の分野は環境科学だろうと、こう思っておりますが、そういったものをつくるためには本当の意味の基礎研究、実はそれは短期的に見るとかなりむだになるような研究投資も必要でしょうし、もちろん非常に独創的な人をそこに集めてこなきゃならないという人材の問題もありますが、そういったことについて私たちはまだ非常に幼いというか、必要十分ではないという気がいたします。 そのためには、実は何といってもこういった新分野開拓といったような問題はとても民間産業なんかには任すことはできないので、やはり国がやらなきゃいけない。すなわち、基本的には国立大学とか国立研究所がやる仕事だと思います。そのために研究費が本当は倍になっていただかなければ困るわけですが、こういったことをすることが必要なんだということで人々が喜んで税金を払える、こういうふうな図式をつくれると私は信じているわけで、そういう主張が余りに少ないと思うんですね。結局、こういうことをしなければやはり日本国民というのはどこかで損をしていっちゃうわけですから、損をしないためにも基礎研究という形に自分たちの収入の一部を割こうと、こういうような風潮がまずできてこないとだめだと思うんです。 そのためには基礎研究の必要性というものを、これは我々の責任でもありますが、やはり世の中に説いていくという努力も必要だろうというように考えております。
○長谷川清君 山本参考人に、きょうは集中的に太陽光のお話を伺いまして、居並ぶ人たちはもう本当に太陽光に対する期待に胸が膨らんで、私もそれは同感でございます。同様にいたしまして、地熱あるいは風力、波力あらゆるクリーンなエネルギーのそれぞれについて、最大限何とかこれの研究開発を進めて実用化させると、このことの中における太陽光という点において私はもう本当にありがたい話を聞いたと思います。 さはさりながら、この太陽光の場合には一つはコストの問題があると同時に、それとも関連するでしょうが、非常に大きな広い面積、スペースという問題、それからいま一つは日照率という問題がございますから、今現在、一番進んでいるところは大体中東、北アフリカだと思います。既にもうここで九百四十一万キロワットぐらいが太陽光、二番目がサハラ砂漠の方、アフリカであります。ここが七百二十六万キロワットぐらい。それに対して我が国は今一・六七キロワット、本当に小さい。今政府は二〇〇〇年に向かいまして全体のエネルギー供給力の三%ぐらいにまでこの太陽光という分野を広げよう、こういうことでございますから、胸は膨らむんだけれども、そういった全体という中における個々の短所を克服して長所を生かして、多種多様な電源エネルギーをベストミックスで最善のものにして実用化しよう、こういう全体があると思います。 したがいまして、聞きようによっては何か太陽あるいは風力、波力、地熱、そういったクリーンなエネルギーが、ハードと思われるみんなが嫌う原子力にとってかわれるような、ともするとそういうイメージにとられがちではありますが、そうではないのであって、全体の中のここの部分を今ここまで上限を求めて頑張ろう、こういうことであろうと思うのでありますが、その点についてひとつ御感想を聞いておきたいと思う次第であります。 それから吉川先生に、過日行われました経済同友会のシンポジウムの中で先生がおっしゃっております。大学は優秀な教師をどんどん高額で雇って自由競争的な原理を取り入れていったらどうか。こういう点については、私は実際のところを言うと今まだ決断していないんだと、こうおっしゃっておりますが、きょうの段階では決断されたかどうか。今大学の持っておりますいろんな問題点、これらについて今後いろんなマネジメントができ得るかどうかお聞きしたいと思います。 もうお帰りになりましたけれども、先ほど冒頭にも関根先生や山口先生が言っておりましたが、私も非常に問題意識は不安なものを持っておりまして、特に工業高校クラスのところ、ここを卒業してくる人数が非常に少なくなっています。約十年ぐらいの間に四十万人ぐらい減ってきているんですね。ところが、実際、社会の中では大卒の理工系を出た人よりも、そのクラスのところが原子力のいろんな運転、保守の直接のスイッチに携わっているわけです。そういったことをいろいろ考えますと、この電源におけるハードな部分の設備という問題、設備だけではなかなかエネルギー。は継承できません。いま一つは人材です。優秀な技術を身につけた人材が質、量ともどもこれが備わって初めてエネルギーは次の孫の時代に継承していける、こう思うのでありますが、そういった視点に立って、いわゆる理工系を含めた、特に技術系の高校クラスのそういうものの質と量をどう今後において大学という領域でお考えいただけるか、そういった点をお聞きしておきたいと思います。時間の関係でお二人に絞らせていただきます。
○参考人(山本貞雄君) ただいまの先生の御指摘でございますが、基本的には私もそのように思います。ベストミックスを考えるべきである、まさにそのとおりであろうと思います。ただし、風力とか温度差発電というのは、御案内のとおり非常に限界があり、また技術的にもまだまだ未解明の点、実用化の段階に達していないということは御案内のとおりでございます。 それから、設置可能量でございますが、先ほども申し上げましたように、政府の予定では四百六十万キロワット、二〇一〇年がそうでございますが、御指摘いたしましたようにNEDOの設置可能量では一億五千万キロワットということでございます。はるかに何十倍の可能性があろうと思います。 それから面積でございますが、これも御案内のとおり、日本の現在の総エネルギーをすべて賄うという観点からいたしますと、一平米でもし百ワットといたしますと、ちょうど百キロの面積、国土の二%。百五十ワットといたしますと、八十キロの面積が要るということでございます。それはすべてを太陽光発電で賄うということでございますが、先ほど申し上げましたように、NEDOの設置可能量からいたしますとはるかに少ない量でございますが、しかし、それにもかかわらず政府の予定の何十倍という一億五千万キロワットでございます。そういうことで、先ほど申し上げましたように、仮に一億五千万キロワットの太陽光発電を設置したといたしますならば、二〇一〇年における電力構成、そのうちの水力発電あるいは石油発電を相当上回る発電が太陽光発電で可能になるということは数字で申し上げました。 それから天候の点でございますが、確かに昼間の、しかもそのときの天候あるいは季節、そういうことで影響を受けるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、太陽光発電の設置とそれから蓄電池、これは大量に普及いたしますと相当安くなるわけでございますが、それの併用によりましてその利用を平準化して、そしてピークカットを一九%にすることが可能でございまして、太陽光発電の特性を生かしながら、蓄電池と組み合わせることによって大変なピークカットあるいは石油の節約が可能になる、このように私どもは考えております。
○参考人(吉川弘之君) 大学教官を有能な人は高額で雇うべきかどうかということは、確かに私はあのときもちろんまだ考えられないというふうに申し上げたわけですが、この問題は私も非常に関心がありまして、できれば導入したいというふうに考えているわけです。 あれ以後も、ほかの国の諸大学でどういうことが行われているのかといろいろ聞いたんですが、結論的に言いますと、少なくとも大学の中で、あるいは社会的にも評価をできるところが上手にそういった給与の差というものを導入しているということなんですが、現在の国立大学では一人一人の能力の評価というのは、ちょっとこれは余り大きな声で言えないんですけれども、全く評価していないということですから、とてもそういうところに踏み切ることは現状ではできないということです。 私は、評価ということは、アメリカのように学部の先生を学部長が評価するというようなことは、今の日本では多分できないと思うんです。日本的な評価の方法というのは、上手な発明ができれば給与の差というものは導入できるというふうに考えておりまして、恐らくそちらの方向へ何らかの形で進んでいくだろうということは考えております。私としては、東京大学ではまず学科の評価というようなことを始めて、次に教官個人の評価というところにいくのかというふうに考えているわけでございます。 それからもう一つ、これは原子力なんかも含めまして運転、保守を担当するような工業高校クラスがいなくなるという問題もございますが、これは大変不幸なことだと思うんです。私は、むしろ若者を世の中に送り出す立場として見ますと、それを引き受けてくださる世の中の方のこういう人たちに対する正しい処遇が行われていないということに問題があるような気がいたします。 その一つの典型的な例が実は大学の中にありまして、こういった運転、保守を行うような実験研究補助員というのがいるんですけれども、これが実は行政職の技官というのに位置づけられておりますが、この人たちが大学の中では非常に低い給与に抑えられているんです。そのためになり手が今次第になくなってきている。この人たちは大学出もいますけれども、伝統的には工業高校出というような人が多かったんですが、非常によくない職場だという風潮が立っておりまして、簡単に言いますと、定年時には給与が教官の半分以下になってしまうというようなことで、非常に低いんです。これを何とか制度的に変えなければいけないということを実はもう十数年やっているんですが、どういうわけかなかなかできないということがあります。世の中がこういう運転、保守といった人たちが非常に重要なんだということを待遇面においても考えていくということの必要性が非常に大きいのじゃないかと思います。 私は、この工業高校の人たちが担当するような仕事というのが、実はその人たちがいれば非常に便利だからその人たちを使ってやるんだという、いわば社会の中で低く見られた職だというのが非常に問題だというふうに思いまして、その人たちをもし機械で置きかえるとすればという研究をずっとやっているんですけれども、そうすると、実は大学出の有能な人を自動化するよりももっと高度な技術が必要になるんです。 例えば機械をメンテナンスするというところをロボット化しようと思うと、それは現在得られる最も高度なロボットを適用しなければいけない。したがって、その人たちは実は非常に難しい仕事をしているわけなんですが、どういうわけか社会的な評価が低いというようなこともございまして、例えば技術化するとすれば非常にそれはハイテクなんだというようなことで、そういった人たちの職というものを社会的に明らかにしていくというようなことも努力してはいるわけですけれども、どういうわけかその点はまだまだ未解決に残されているということでございます。
○長谷川清君 ありがとうございました。
○会長(三重野栄子君) 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○会長(三重野栄子君) 速記を起こしてください。
○久保田真苗君 山本先生に伺います。 私、膨らんだ胸がしぼむのは情けないと思うんです。ベストミックスの中に二〇一〇年になってやっと新エネルギーが三%だというのは余りベストでもないんじゃないか、そういう気がいたします。 それで、非常にプラクティカルなことを伺いたいんです。なぜならば、量産しなければコストが安くならない、でも使わなければ量産にならないわけです。使うためにはどうしたらいいか。私、前に住宅会社の社長さんに伺ったことがあるんですが、ソーラーを取り入れると電気、調理、それから給湯、冷暖房、そして場合によって電気自動車のチャージまでできる、こういうお話を伺ったんです。本当にそうなんでしょうか。もしそうであれば、みんな利益をはっきり知りたいわけです。 それからもう一つのポイントは、ドイツで聞いた話なんですけれども、ソーラーのために農地をつぶすなんてとんでもない。そうじゃなくて、全部ビルの屋上なんだと。今使っている例えば十万個をビルの屋上へつけるだけで、同じ数ですけれども、その場合に個人住宅や公共施設ももちろん含むでしょうけれども、普通の会社のビルとか工場なんか、そういうものの数は非常に多いと思うんです。そのかわりある程度市街地への車規制をするように国の政策誘導がなければできませんね、そこまで。その点についてどうお考えになるかということなんです。 そして、そういうふうにやった場合に、建てかえるということはそれ自体が環境の負荷だから、既存の建物に取りつけられるような設備を開発する、それが目標なんだというふうに聞いたんですが、そういうことが可能でしょうか。その点をお教えいただきたいと思うんです。
○参考人(山本貞雄君) ただいま久保田先生から四点ほどの御指摘がございましたが、私がベストミックスにつきまして、それは基本的にはそうでありますというふうに申し上げましたのは、決して膨らんだ夢をしぼませる意味で申し上げたわけではございませんで、基本的にはそういう考え方でいくべきでありますが、先ほど申し上げましたように、政府の我が国エネルギーの長期見通し、これの見直しによりますと、確かに二〇一〇年における太陽光発電のウエートは四百六十万キロワットとか、あるいは新エネルギーがしかじかと、こう出ておりますが、先ほど申し上げましたように、NEDOの推計でまいりますと二〇一〇年には四百六十万キロワットではなくて一億五千万キロワットであると。これが何十倍になるかは明らかでございますが、そういう意味で大変大きなウエート、可能性としては可能でございます。それで、それも農地をつぶしてやるということではございませんで、そのうちの七〇%は現在使われていない住宅の土とか壁とか、そういうことでございまして、そういう点が第一点でございます。 それから、御案内のように新築の場合、間もなく実用化段階に入りますいわゆる一体型、建物の屋根とか壁に太陽光発電のモジュールを上に乗せるということだけでなくて、いわゆる屋根がわりになる、壁がわりになる、それが太陽光発電のモジュールである、そうすることによっていわゆる壁代、屋根代に取ってかわる。こういうことでございますので、相当そういう面からのコストも下がってまいると思いますし、もちろん屋根とか壁の上につけていくということも可能になるわけでございます。 それから電気自動車あるいは太陽光発電を活用したソーラーカーでございますが、私どもも研究開発を進めておりますが、現在の段階におきましては普通の電気自動車には四百五十ワットの太陽電池の搭載が可能でございまして、晴れた日には四十キロメートル走行ができる電力が一日駐車しておるだけで、あるいは走っておりましても電気が充電されるわけでございますが、そういう充電が可能でございます。したがいまして、通勤車両であれば五〇%を太陽エネルギーで賄える車両も現段階で可能になっておる。技術の発展は、ソーラーカーに関しては今そういう段階にあるということでございます。
○久保田真苗君 ソーラーのそういうモジュールの家を建てた場合、電気それから冷暖房、給湯、そして電気自動車まで一切賄うことが可能なんでしょうか、今の技術で。
○参考人(山本貞雄君) それは基本的に可能である。数字的に御参考に申し上げますと、東京電力管内の一世帯当たりの平均年間消費電力量は三千六十三キロワットでございまして、一方、三キロワットの先ほどの住宅用発電システムの一年間での発電電力は平均三千十九キロワットアワーでございます。 したがいまして、商用電源と系統連系いたしまして、昼間は余剰電力を売り、夜間は商用電源から買う、こういうことで九九%賄うことが可能になります。さらに、太陽光発電だけではなくて太陽の熱を利用する太陽温水器その他とも組み合わせることにすれば、もっともっと家庭において使う電気あるいはエネルギーに対応することは十分可能である、そういうことになります。
○広中和歌子君 三人の参考人の方々から、それぞれ将来を見据えたすばらしい御指摘をいただきまして本当にありがとうございました。 ただ、御説明の中にどういうわけかなかなかできないという言葉がたびたび使われるわけでございますけれども、本当にできない理由がごまんとあったり、検討中ということであったりということで、なかなかいい提案がアクションに結びつかないということ、それは私ども政治に携わっている者として本当に無力感も感じますし、また申しわけないと思う。そして、私たちに何ができるかということを具体的に教えていただければ、御協力して何かできないかという思いでいっぱいでございます。 それで、竹内先生にお伺いしたいんでございますけれども、先生が在所なさいました財政金融研究所の御報告の中で、持続可能な社会を築いていくための具体的な方法として、誘導策として経済的手法を使うことが絶対必要であるというような踏み込んだ書き方をしていらっしゃいますけれども、それがどういう形で官庁、政府に受けとめられているのかということをちょっとお伺いしたいことが一点。 それから、吉川総長にお伺いしたいわけですが、総長として、またその前も副総長として東京大学で長年研究だけではなくて行政にも携わっていらしたわけで、そういう御視点から大学改革への問題提起をいろんなところでなさっていたと思います。すぐれた御提言だろうと思いますが、それがどういう難しさに遭って、どこがネックになっているかということでございます。 将来に向かっての教育に関する提言ですけれども、日本国民の教育意識は高いということは言われますが、普通の一般の国民が教育熱心なのはせいぜい大学受験まででございます。本当に高度な研究あるいは将来新しい研究分野への提言、分野を切り開いていくといったようなことに対するビジョンなんというのは、国民に持てというのが無理だろうと思うんです。そういう国民のコンセンサス、支持を得て先生のビジョンを実現していくためには、やはり大学の中で先生だけじゃなくて同僚の先生方の協力、そして一体となった行動が必要だろうと思います。どういう形で今まで文部省に働きかけていらしたのか、あるいは政治家に働きかけていらしたのか、あるいは外圧を御利用になったのか、それも一つの方法だろうと思います。ともかくアクションに結びつけるようなことの何かお考えがございましたら、そして私どもが御協力できることがありましたら、どうぞおつしゃっていただければありがたいと思います。
○参考人(竹内啓君) 今、広中先生の方から政府がどういうふうに踏み込んでいると考えているかとの御質問がありました。私も政府というものがどう考えているのかよく知らないのですが、あの大蔵省の発表のレポートを聞いたときに、ある人が、大蔵省がこういうことにまで踏み込んで考えるようになったのは大変感心であるというようなコメントがあって、またそんなふうに見えるのかなとちょっと思ったんですけれども、私はこのエネルギー問題や環境問題を考えてみましたときに一番感じますことは、実は日本には省庁はあるけれども、政府はあるのかなという気がすることがあります。つまり環境庁は環境庁で一生懸命やっておられますが、通産省とか、それから農林水産省とがあって、またそれぞれに環境問題とかなんとかそれぞれ一生懸命やっていることはやっているんですが、さてそれを取りまとめる政府というものはどこにあるんだろうということになりますとちょっとわからないという気がします。そこが一番重大な問題点ではないかと思っているんです。 ちょっと脱線して申しわけありませんが、先ほどベストミックスのお話がありましたけれども、私は、いろんな技術的な可能性を追求するということは結構だと思うんですが、じゃ、それをどれもこれもまんべんなく取り入れて総花的にやるのがベストミックスかというと、そういうことでは決してないのであって、やっぱりこれが一番いいという方向がわかれば、それにどんとお金も人もつぎ込んでやるということでなければとても持続可能な発展というようなことはできないと思うんです。 ところが、例えば山本さんが引用されました長期エネルギー需給見通し、通産省でつくった見通しなんかでも、私もちょっと端の方で関係したからわかるんですけれども、これは基本的に現在のトレンドをそのまま延ばしたものでしかないわけですね。これはそうならざるを得ないわけでして、なぜならこれはそれぞれに各省庁いろんなところに利害が絡んでいますから、これは何でおまえ、あそこだけは十倍になっておれのところは二倍にしかならないんだという議論がすぐ出てきますから、みんなほどほどにしかならないわけです。だから、これは一応の試算として見るのはいいと思うんですけれども、これが決してベストな状態ではないということを申し上げたいです。 そしてまた、この場合にこういう予測は非常に保守的にならざるを得ないというのは、実はこの途中でオイルの価格は少しずつ上がるけれども、決してオイルショックのようにばんと上がることはないという前提になっているのですが、私は二〇一〇年までの間にオイルショックが来る可能性というのは非常に高いと思っています。そういう場合には、例えば今の太陽光発電と石油による、重油による発電とのコスト差が六倍なんというのはたちまち二倍ぐらいまで減ってしまうという可能性もありますし、もしそのときに既に太陽光発電の方が半分になっていれば、もうそれで十分競争できるということになる可能性があるわけですから、そういう可能性はいろいろある。 ただ、それはあくまで可能性ですから、こういうことの前提にそういう可能性を入れるわけにいかないというのも、役所のレポートとしては私たちもよく理解できるので、オイルショックがあったらなんて書いたら、じゃ通産省はオイルショックを起こすつもりかとかなんとかまた批判が来ますから、そういうことはやれないというのはよくわかるわけです。 ですから、私が申し上げたいことは、ちょっと脱線して申しわけありませんけれども、やはりそういう意味で政府としての決定をあるときにやるということは非常に必要であるし、それをあるところでうまくやれば、先ほど山本さんからよく御指摘いただいたように、例えば太陽光発電の可能性は四百六十万ではなくて一億五千万という、三十倍以上になるという可能性は十分あり得るであろうということでありますので、その点について、むしろ政府を構成していらっしゃる議会の方の御努力の方をお願いしたいと思います。
○参考人(吉川弘之君) 広中先生から大変本質的な御指摘をいただいたわけですけれども、私としては、大学のいろんなことをやるべきだということを決断し、しかし現在の大学としてなかなかそれができない。そのできないという状況は一体何が原因なのかというふうに考えてきたことが、事実私が今まで数年過ごしてきたそのものであるわけですけれども、現時点でそれはいろいろな難しさがあると思います。 それは理由を挙げればもう数限りなくあって、日本の教育の歴史性とかいろいろありますけれども、そういうことは一切抜きにいたしまして、今何をすべきかということなんですが、まず大学側が何をすべきかということは、先ほど同僚というお話がございましたけれども、まず私は大学の同僚に対しては、大学として社会に貢献するということをどう考えていくのだろうかという問題提起をしているわけなんですね。そして、もちろん一人一人の専門家としての教官たちが社会のそれぞれの分野で何か役に立っている、これは当たり前のことなんですけれども、それがなぜ一つの大学という場をかりて集まっているのかということを考えたとき、一つはもちろんそれは教育ということですが、もう一つやはり社会に対する貢献というのがあるだろう。そういうことで大学が思想を一つにすることなんかもちろんできませんが、一つの統合された行動をするというような場面がやはりなければいけない。 非常にいい例は、例えば環境に対して大学は何が貢献できるんだろうかと考えたとき、一番基本的には、先ほど既に申し上げたわけですが、やはり環境学というものをつくり、それを世の中に広め、また次世代に継承していく。我が国のあるいは世界の経験というものを学問という中に集約して、それを人類に継承するという役割があるんじゃなかろうか。そうしたとき、大体今の法学部、経済学部、工学部というふうな構成だけでできるのかという問題になってまいりまして、やはり環境学というプロジェクトないしプログラムを学内につくろうということを呼びかけ、それを今やっている。 しかし、そういう中で、これはある程度大学人の難しさというのがありまして、大学人というのは非常に自分自身で一種の学問的な自治を持っていて思想の影響を受けないということがありますので、そこをどうやってバランスするかということについてかなり今厳しい議論を学内で展開しているという状況がございます。 私は思うんですが、そういう議論が余りに日本の大学で今までされてこなかったということで、私はやはり大学として社会に貢献するという形の問題を一歩でも進めたい、こういうふうに考えているわけで、具体的には人事を全学でやるとか、研究費を全学の相談で使っていくとか、そういう方向へ今進んでおります。 それからもう一つは、若者が大学受験までで後は疲れてしまうんじゃないかということですけれども、これは明らかにその状況は今ありますけれども、これも結局はそういう大学のするべき責任というものを学生にまで敷衍させて、共同体としての意識を持つことによって幾らでもそれは目を覚まして行動してくれるんだろうと私は信じているわけです。そういったことは大学院へでも行かないとなかなか起きないんですけれども、少なくとも大学院生になってくればそういうふうな意識が出てくるということで、これは受験戦争の緩和と、今言ったような大学の一体化、共同体としての意識というのを車の両輪のようにして進めれば可能なのではなかろうかという気がいたします。 そういったことで、私たちが政治というものに期待するとすれば、それは例えば環境問題であれば、環境という問題に対して国際貢献も含めて我が国がどういうふうな方向で行くのかというシナリオをむしろ書いていただきたいんですね。私たち大学というのはそれに従うということではありません。もちろん、それに対していろいろな意見を言うということでありますけれども、国が実行する場としての政治というものが、そういった一つのシナリオを持っているということが実はすべての大学にとって非常に意味のあることでありまして、それを示していただくということが我々にとっては非常に大きな力になりますし、行動を可能にする非常に大きな条件だというふうに考えておりますので、できるだけ実行可能なプログラムとしての計画が書かれていることを期待したいというふうに思います。
○乾晴美君 あと一分しかありませんので簡単に申し上げたいんですけれども、せっかくの参考人の御意見を全然聞かせていただけなくて、ちょっと質問が唐突かもわかりませんが、地球の環境問題を論じるときに、しばしばオゾン層の破壊ということが言われるわけなんです。私たち人間が多く住んでいる陸地は北半球の方に七割以上あると思うんですけれども、北極より南極の方がなぜオゾン層の破壊が進んでいるのでしょうか。そこら辺がわかったらどなたからでも結構ですから、教えていただきたいと思います。
○参考人(吉川弘之君) 大学の責任で答えなきゃいけないのかもしれませんですが、今はその答えは出ないんじゃないでしょうか。そういったことについての研究が気象学という形で急速に進んでおります。 どういうことをやるかというと、それは一種の地球気候のシミュレーションをやって、大きなコンピューターをたくさん動かしまして、そしてそういうことが起こるかどうかを解明していこうという研究は進んでおりますが、今の非常に重要なことについては簡単にはお答えできないというのが学問の状況かと思います。
○会長(三重野栄子君) まだ御質疑もあろうかと存じますが、予定の時間が参りましたので、以上で参考人に対する質疑を終了いたします。 参考人の皆様に一言お礼申し上げます。 参考人の皆様には、長時間にわたり有益な御意見をお述べいただきまして、本当にありがとうございました。ただいまお述べいただきました御意見につきましては、今後の調査の参考にさせていただきたいと存じます。本調査会を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。どうもありがとうございました。(拍手) なお、本日、参考人から御提出いただきました参考資料のうち、発言内容把握のため必要と思われるものにつきましては、本日の会議録の末尾に掲載させていただきたいと存じますので、御了承をお願いいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時十一分散会 ―――――・―――――