外務委員会 第1号
- 発言数
- 237 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1994/10/27
会議録
○委員長(田村秀昭君) ただいまから外務委員会を開会いたします。 議事に入るに先立ちまして、この際、一言ごあいさつを申し上げます。 このたび、さきの本会議におきまして、本委員会の委員長に選任されました田村秀昭でございます。 何分にもふなれではございますが、委員の皆様方の御指導、御協力を賜り、本委員会の公正円満な運営に努めたいと存じます。 どうか皆様方の格別の御支援を心からお願い申し上げまして、簡単ではございますが、ごあいさつとさせていただきます。(拍手) —————————————
○委員長(田村秀昭君) 次に、委員の異動について御報告いたします。 去る九月二十九日、永野茂門君が委員を辞任され、その補欠として私、田村秀昭が委員に選任されました。 また、去る九月三十日、井上章平君、常松克安君及び北村哲男君が委員を辞任され、その補欠として野間赳君、山下栄一君及び大渕絹子君が選任されました。 —————————————
○委員長(田村秀昭君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が三名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田村秀昭君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に大木浩君、野間赳君及び矢田部理君を指名いたします。 —————————————
○委員長(田村秀昭君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。 本委員会は、今期国会におきましても、国際情勢等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田村秀昭君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(田村秀昭君) 次に、国際情勢等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○野間赳君 野間赳と申します。外務委員会では初めての質問でございますので、ひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。 まず、米朝交渉につきましてお尋ねを申し上げたいと思います。 昨年の六月二日からという米朝交渉でありましたので、一年五カ月ということにわたります。米国と朝鮮民主主義人民共和国との交渉の結果、今月の二十一日に核問題に関します包括合意文書の調印にこぎつけることになったのであります。 この合意文書には、重要問題の決着の先送り等多くの問題点も含まれておるわけでありますが、北朝鮮の黒鉛減速炉の凍結、解体とNPTへの復帰、IAEAとの保障措置協定の全面的な遵守、同国への軽水炉建設支援、米朝両国の連絡事務所の設置等を盛り込んでおりまして、国連の制裁から軍事衝突へと発展をいたします危機を回避したと。核開発の懸念払拭に役立つという意味で、世界的な核拡散の防止と東アジアの平和と安定に寄与するものであって、大筋におきまして評価できるものと考えております。そうして、我が国といたしましても、この合意内容が達成されるために関係国とともに支援をしていかなければならないと考えております。 そこで、政府のこの合意に対する評価と対処方針をまずお伺い申し上げます。また、この合意につきまして今日まで米国からはどのような報告がなされておるか、お尋ねをまず申し上げておきたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 議員御指摘のとおり、今般合意をされました米朝協議につきましては、私ども、両国の誠実な話し合い、とりわけアメリカの粘り強い交渉に敬意を表しつつ見守っておりましたが、この合意は我々にとって高く評価できる内容というふうに考えております。 今、議員御指摘のとおり、この北朝鮮にまつわります核開発疑惑について、過去、現在、将来にわたってその透明性を確保するということと同時に、北朝鮮の核兵器開発につながるこれらの活動を将来にわたって封じようとするものでございますから、しかもそれを話し合いによる合意によって進めてきたということを我々は高く評価したいと思います。 ただしかし、これはあくまでも今後の完全な問題の解決に向けての道筋について合意したというふうに思っておりますので、この合意が誠実に具体的に実行されるということが必要であるというふうに思っておるわけでございます。 今、議員からお尋ねのように、この交渉に当たってアメリカ側からどういう連絡を受けたかという御指摘がございましたが、この米朝協議のアメリカ側の代表でございましたガルーチ大使は累次にわたって我が国を訪問されまして、この交渉に当たる基本的な考え方あるいは交渉の経過等について詳細に我々には説明をされたところでございます。 もちろん、それはガルーチ大使のみならず、交渉関係者から我が国に対します報告は再三懇切に行われておりまして、我々としてもかねてから、アメリカ、韓国、日本、さらには中国も加えて、緊密な連絡をとりつつこの問題に対処したいという我々の主張は十分入れられていたというふうに考えているところでございます。 さらに、今後これにどう対処するかというお尋ねがございましたけれども、これも今申し上げましたように、基本的には米国、韓国とともに十分な連絡をとり合いながら進めたい、さらには中国を初めとするこの問題に関心を寄せる国々との連携も行っていきたい、こう考えているところでございます。
○野間赳君 この合意では、北朝鮮への軽水炉計画の提供、資金調達のため、米国の主導のもとでコンソーシアムの支援対象として、黒鉛原子炉の軽水炉への転換、その間の代替エネルギーとしての重油の供給、使用済み燃料棒の第三国への移転費用を挙げておられます。また、提供する軽水炉の建設資金については、北朝鮮が長期借款としてバーター返済とし、代替エネルギーとしての重油の提供については贈与となる旨、そういったことを伝え聞いておるのであります。 そこで、このコンソーシアムはどのような目的、組織体になるのか、またコンソーシアムの支援対象、金額及び有償無償、そういった点について政府はどこまで把握をされておるのか、日本の立場を明確にしていただけるものであるかどうか、その辺をお尋ね申し上げたい。
○国務大臣(河野洋平君) この問題、現状を政府委員から御説明させていただきたいと思います。
○政府委員(川島裕君) お答え申し上げます。 まくに先生今御指摘のとおり、米朝合意によりますれば、米国がイニシアチブをとって軽水炉プロジェクトの資金調達及び供給のために国際的なコンソーシアムを組織するということになっております。そして、米国がこの国際コンソーシアムを代表して、軽水炉のプロジェクトを動かしていく際に当たっての北朝鮮との主要なやりとりの相手になるということになっております。そして、米国が国際コンソーシアムを代表いたしまして、黒鉛減速炉を北朝鮮側が凍結するわけでございますけれども、その結果、本来黒鉛減速炉ができていれば得られたであろうエネルギーが失われるわけでございますので、それを補てんするということで、しかるべきアレンジメントを行うということになっております。 それで、このコンソーシアムは言ってみれば国際機関とでもいいますか、これからこのプロジェクトを動かしていくための主体になる組織でございます。それをどうつくっていくか、そしてそのもとで具体的にこの軽水炉建設に向けて段取りをどうするか、あるいはその費用負担をどうするかということは、日米韓のみならずその他関係国、相当数参加することを期待しているわけでございますけれども、これからの課題でございまして、具体的にどういう形で検討、協議を進めるかということは、まだ現時点では決まっていないということでございます。 これは、このコンソーシアムをつくるというのがまさに枠組み合意で動き出した一連のプロセスの最初の段階であろうと思っておりますし、その意味で関係国とも連絡をとりながら作業を急ぎたいと思っております。いずれにいたしましても、この合意を動かしていくに当たって、日本側としても応分の協力をすべきものと考えております。
○野間赳君 ただいまお話しのとおり、今後コンソーシアムを通じて軽水炉計画の支援をしていくということを考えるわけでありますが、コンソーシアムに対する出資方式について、OECFや日本輸出入銀行を通じてコンソーシアムに低利融資をする方法、出資国、国債の方法などがこれもまた報道されておるわけでありますが、我が国が北朝鮮との国交を持っていないということで、これら出資の目的等を勘案してどのような出資の方法が考えられるのか、借款となる場合に返済までのシステムはどういうふうなことになるのか、また財源等、政府の御見解がございましたらお答えをいただきたい。
○国務大臣(河野洋平君) お尋ねでございますが、ただいま政府委員から御答弁申し上げましたように、現時点では詳細全くまだ、報道等はございますけれども、具体的な話はございません。
○野間赳君 我々も報道によるわけでありますが、合意文書調印後にガルーチ大使は、今後一カ月以内にコンソーシアムの第一回目の会合を開く、招集をするということを発表されております。この会合で支援、今後の具体案がだんだん協議をされてくるものと思われるわけでありますが、先ほど申し上げましたように、この合意は東アジアの平和、安全、安定に寄与するもので、我が国の安全保障にとっても大変な重要なことであるわけでありまして、この合意内容達成のために我が国は今後積極的に支援していかなければならないと考えております。 しかし、あくまでもその負担割合ということになりますと、各国ごとの割合は公平でなければいけませんし、適正なものでなければならないと思っておるわけでございますが、これらの問題もまだ不確定なことでありましょうが、どの分野にどういうふうな支援体制ということが考えられるのか、お尋ねをいたしておきたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 議員御指摘のとおり、この米朝合意というものは北東アジアにとっては重大な関心事でございます。もっと申し上げれば、北東アジアのみならず国際社会の大きな懸念であったわけでございますから、この解決の道筋が合意されたということは我々にとっても、ぜひこの道筋をきちんと具体化していかなければならぬと考えております。 私は、米朝合意文書署名の日に、実は私からアメリカのクリストファー国務長官に電話をかけました、その電話は、アメリカの粘り強い交渉に敬意を表すると同時に、話し合いによる合意を評価します、ついては今後の問題、早急に話し合いたいということを私からクリストファー長官に申し上げたところでございます。クリストファー長官との間では、この問題について日米韓三国で緊密な連絡をとろうではないかという提案を私からいたしまして、クリストファー長官からは、全く同意見であるという御返事をいただいております。
○政府委員(川島裕君) 段取りについて若干補足させていただきますと、軽水炉のプロジェクトというのは、敷地を選定するとかエネルギー事情を調べるとか、いろいろその調査段階で大体五年ぐらいかかって、それから建設に五年ぐらいかかるというのが通常のケースのようでございます。 今回その程度かかるのかどうかは別として、まず着手しなければならないのは、まさにそういういろんな調査、設計とか、そういう段取りにまず入るということだろうと思います。それがないと、巷間四十億ドルとかいろいろ言われておりますけれども、そういう詰めた調査、設計をやらないと、その具体的な金額というようなものも実のところ固まらないんではないかという気がいたしております。 いずれにいたしましても、非常に早い段階からこのプロジェクトを動かす一方、北朝鮮の側は現存の黒鉛原子炉を全部あるいは再処理施設を凍結するというのがスタートラインから動き出す早い段階での一連の作業でございます。
○野間赳君 今、北朝鮮では、金正日体制が正式に歩み出そうとしておると思っております。このようなときに今回の合意ができましたことで北朝鮮の門戸が開かれてくる現実的な糸口となる可能性が出てきたのじゃないかと感じております。そうして、与党三党合同の訪朝団の派遣という話が前向きに検討をされるような情勢下であろうと思っておりますが、この際、中断をしております日朝国交正常化交渉を再開して、一日も早い正常化に向けて歩み出すときではないかと思っております。 いろんな問題を抱えておると思いますが、現時点での政府の御見解をお尋ねいたしたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 御指摘のとおり、日朝関係は、両国はそれぞれさまざまな関心事を持っているわけでございまして、話し合う必要があるということはもう間違いがないと思います。一時、両国間で話し合いが持たれておったわけですが、残念なことにこの話し合いが現在中断をいたしております。 私どもとしては、核問題があるから話し合わないという態度をとっていたわけではございませんけれども、しかしこの米朝合意は、いずれにしても両国間の中に横たわっている障害の一つが従来よりははるかに、この問題についても話し合う環境に近づいてきたというふうには見ているわけでございます。 いずれにせよ、議員御指摘のとおり、両国間の話し合いは我々としてはなされていい時期にはもう当然来ているというふうには思っておりますが、これは何せ双方それぞれの考えがあるわけでございまして、先方には先方のお考えもあるだろうと思っております。
○野間赳君 次に、国連に関しましてのお尋ねをさせていただきたいと思います。 我が国が安保理常任理事国としての責任を果たす用意があることは、河野外務大臣、総会の一般演説で述べられたとおりでありまして、そこで我が国は具体的にどのような安保理改組を主張していかれるのか、まずそのことをお示しいただきたい。 特に、安保理の常任理事国及び非常任理事国の数をどのくらいにするのかが問題になるわけでありまして、さきに小和田大使は演説の中で、新たなグローバルパワーの常任理事国入り、非常任理事国の地域的配分の拡大等を主張なされたようであります。具体的に常任理事国の数をどの程度ふやすべきなのか、新たに常任理事国となる国はまた拒否権というものをどういうふうに考えていかなければならないのか、我が国がどのように主張をくれていくのか、お尋ねを申し上げたいと思います。また、作業部会での議論は今期総会でどのようなスケジュールで進められていくのか、お尋ねを申し上げたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 国連に対します国際社会の期待というものが、現在の国連発足時、国際の平和と安全というものに言ってみれば集中していたと言ってもよろしいかと思いますが、もしそうだとすれば今は国連に対する期待は随分変わってきている。もちろん国際の平和と安全というものに対する期待も多うございますけれども、一方で開発とか環境とか人口とかあるいは難民問題とかエイズとか、つまりかつてそう大きな問題だと予測していなかった問題が今や大変大きな問題になって国連に期待をされている、こういう事実があると思います。 他方、国連は発足時およそ五十カ国を少し超える加盟国であったものが現在は百八十カ国を超えるという、大変加盟国の数もふえてまいりました。 こういう状況の中で、今申し上げましたさまざまな国連に対する期待に的確にこたえていけるような体制に国連が今なっているかどうかということについて、加盟国の中で大変な議論が出ているわけでございます。そうした議論を受けて国連は、国連改革なかんずく安保理の改組という問題に取り組むということを総会等で決めているわけでございます。 昨年、我が国は、こうした国連改革あるいは安保理改組の問題に対しまして、意見書を内閣として出しております。その意見書は、今議員が御指摘になりましたような我が国の基本的考え方、すなわち安保理の中で今後どういう点に注目していかなければならないか。つまり、代表性の問題でございますとか、安保理メンバーの地理的配分の問題でございますとか、こうした点を我が国としては意見書の中に述べているわけでございます。 私は、先般、国連総会におきまして、我が国の基本的な国際社会に対します貢献の仕方について述べました。もう御承知のとおり、我が国は憲法が禁ずる武力の行使はいたしません、これから先も平和国家としての行動に徹してまいりますということを申し上げ、さらには憲法の範囲内で国連平和維持活動に積極的に参加をいたします、これはもう既に現実行っているわけでございます。さらには、軍縮・不拡散、開発、環境、人権その他、こうした新たな問題についても貢献をしてまいります。こういうことを申し上げた上で、こうした基本的考え方のもとで、多くの国々の賛同を得て、安保理常任理事国としての責任を果たす用意があることを述べたわけでございます。 そして、この国連改革なかんずく安保理改組については、明年が国連創設五十周年に当たるということもあるわけで、この五十周年を目指してこれらの改革についての作業は加速されることを期待しておりますということを述べてきたわけでございます。
○政府委員(柳井俊二君) 先ほど御指摘のありました手続的な面につきまして、私の方からお答え申し上げたいと存じます。 御承知のとおり、安保理改組につきましては、昨年の総会で安保理改組に関する作業部会が設置くれまして、実質的な審議につきましてはことしの一月からこの作業部会でいろいろな意見が活発に交わされてまいった次第でございます。まだこの作業部会での議論は結論を得ておりませんので、ことしの総会におきましてもこの作業部会を存続し、議論を継続するということが合意されている次第でございます。 先ほど御指摘がありました安保理の理事国数の拡大の幅でございますけれども、この作業部会の議論を見ますと、大体におきまして先ほど大臣から御答弁ございましたように、国連が創設当時に比べまして三倍以上の非常に大きな組織になっているというようなことも踏まえまして、ある程度の拡大が必要であるということについてはコンセンサスともいうべきものかあったと存じます。ただ、これをどの程度ふやすかということにつきましてはまだ議論は収れんしていないのが現状でございます。 概して申しますと、先進国の主張は、ある程度の拡大は必要であるけれども、余り大きな安保理にいたしますと審議の効率あるいは決定がなかなかしにくいというようなこともございますので、小幅な増加にすべきだという議論がございます。一方で、いわゆる非同盟諸国等の中には、やはり開発途上国等の声ももっと反映すべきだ、したがって拡大の幅も大きくすべきだというような声もございます。 我が国といたしましては、昨年提出いたしました意見書におきまして、最大二十カ国前後というようなところまで拡大してはどうかということを言ってございます。現在は御承知のとおり十五カ国でございますが、これを最大二十カ国前後にしてはどうかということを言ったことがございます。いずれにいたしましても、この点につきましてはさらに議論が必要であると思います。 それから、拒否権の問題をどうするかという点につきましては、これまでの議論ではまだ深く議論をされたことはございませんで、これからの議論にまつべきものでございます。 なお、今後のスケジュールでございますけれども、まだ具体的な日取りは決まっておりません。いずれにいたしましても、今後、この作業部会の議論を続けるということになっている次第でございます。
○野間赳君 お話のとおり、多くの国々の賛同を得て常任理事国としてその責任を果たす用意があるという一般演説を外務大臣がなされておられるわけでありますし、また村山総理はASEAN歴訪に当たりまして、マレーシアのマハティール首相から常任理事国入りの強い支持をいただいたというようなお話も聞き賜っておるわけであります。 二国間の会談で既に五十五カ国からの支持の表明もなされておるようでありますが、報道によりますと、先般の国連総会の一般演説においてアジア近隣諸国からの支持表明が全くなかったという報道がありまして、私はこのことについてどういうことになっておるのかなというような気持ちを率直に持ったわけでございますが、政府においては近隣諸国の今日の理解、支持をどういうふうな状況として把握されておられるのか、お尋ねをいたしたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 安保理の改組は当然のことながら国連憲章の改正でございますから、加盟国の三分の二の賛成がなければ実現しないわけでございますから、当然多くの国々の賛同がなければこれは実現をしないわけでございます。 私どもといたしましては、したがいまして多くの国々の賛同を得てそうしたことを行う用意があるということを申し上げたわけでございますが、今御指摘のように、村山総理のアジア歴訪の中でも我が国の立場に対する支持あるいは理解を述べる国はございますし、私もこの四カ月間の間にかなりの国を訪問し、あるいはかなり多くの国の外務大臣との会談を行いましたが、私も国際社会で数多くの国の日本に対する期待というものを実感として持っております。 しかし、今御指摘のとおり、国連の一般演説でそれではそういうことが具体的にストレートに表明くれたか、とりわけアジアの国々がそういう指摘をしたかということになりますと、それは御指摘のとおりございませんでした。それにはいろいろ理由も実はあるだろうと思っております。国連の一般演説は、それぞれの国がそれぞれの国のさまざまな問題について意見を述べるわけでございまして、安保理改組についてどの国がいいか、どの国を入れるべきかということについて述べ合ったわけではないわけでございまして、これらについて特別我が国に言及するものがなかったとしても、私はそれ自体は今の段階、非常に大きな問題だという意識は持っておりません。 二国間の会談でそれぞれの国の考え方を我々は丁寧に現在も聞いておりますし、今政府委員から御答弁申し上げましたように、何カ国が安保理のメンバー、つまりいすを幾つにするかということについての議論がまだ行われている状況でございますから、具体的にどこをどうするかという固有名詞を入れた議論に仮に至らなかったとしても、それはそれで我々としてはまだそういう時期ではないというふうに考えているだけでございます。
○野間赳君 ありがとうございました。私の質問は以上で終わらせていただきます。
○矢野哲朗君 私からは、特に政府の外交、加えて我々議員の外交展開、この連携の必要性十分ありということで、半面、現状大変その連携が希薄だというふうな実情、実感を免れない現実がありますので、その辺で基本的な外交姿勢についてまず質問させていただきます。 来月の下旬に、社会、新党さきがけ、そして自民党、与党三党の代表団が北朝鮮の平壌を訪問するというふうな予定に相なっているようでありますけれども、この件に関しまして外務省事務当局ですか、二元外交になるおそれがあるというふうなコメントが新聞に載っておりました。 しかしながら、外務大臣は、衆議院の安保委員会で、決して二元外交ではない、議員外交が一つの役割を果たすことがあってもおかしくないというふうな意見を述べられた。まさにそのとおりだと思います。議員外交の重要さを外務大臣として認めていただいている。今後も積極的な展開で我々も責任を果たしてみたいな、こう思っているのであります。 また加えまして、先般の参議院の予算委員会で、国連安保理の軍事参謀委員会に参加することは憲法に違反しないという柳井総合外交政策局長の答弁があった。この件について、外務大臣の答弁と温度差が多少あったかなということで、一部閣僚の中からも問題発言ありというふうな指摘があったようであります。この辺での外務省の、突出という表現が適切かどうかわからないのでありますけれども問題ありなと、こういうふうに私なりに感じます。 加えまして、もっと積極的に、もう東西の冷戦が終結した中で国内外ともどもイデオロギーの論争は終結をした、しからば外交は日本の国、国民のためにあってしかるべしというふうな一本の目的のものに展開されてしかるべきだと思うのであります。 そういうふうな観点から、外務大臣の今後の外交の基本的な姿勢、あり方、ひとつ御所見をいただきたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 具体的な御指摘を踏まえて外交の基本方針をお尋ねいただきました。 基本方針を申し上げる前に具体的なことを、これはもう議員もよく御承知の上で御指摘だろうと思いますので、余計なことであるかもしれませんが、一言ずつ申し添えたいと思いますことは、議員外交というものについて外務省事務当局もこの重要性と申しますか、その意味は十分認識をいたしております。これは私も外務省の事務当局を把握するという立場にございますので、その点については全く私の考え方と事務当局の考え方に違いはございません。 例えば、北朝鮮との接触につきまして申し上げれば、こういう国交のない国との交渉というものは、本来議員外交が果たす役割はかなり大きいと考えてよろしいかと思います。つまり、国交がないわけですから政府間の交渉が基本的にはできないわけで、この間、議員が果たす役割は非常に大きい。これは過去、例えば中国、北京との関係で我々の先輩が果たされた役割を振り返って考えれば明らかでございまして、今回の北朝鮮との関係についても議員外交が果たされる役割というものはそれなりに意味があると私は考えておりますし、外務省事務当局もそうした考えでございます。この点については、発言の真意が仮に若干正確に伝わっていなかったとすれば、それはぜひ誤解を解いていただきたいというふうに思います。 北朝鮮については、先ほどもお尋ねがありましたように、これから両国間で政府間の話し合いも始まる可能性もあるわけでございますから、それらも含めて、しかし議員あるいは民間が行き来をしてつくり出す雰囲気というか、あるいは相互理解のためのさまざまな環境づくりというものもまた重要だというふうに私は思っておりまして、このことは外務省も一致して考えているところでございます。 さらに、先般の国会答弁について閣内で御意見がございました問題につきましても、私の答弁を補足する意味で事務的、実務的な答弁を事務当局からさせていただいたわけでございまして、これについても考え方に違いがあるというふうに私は思っておりません。発言のタイミングといいますか、発言の仕方に問題がもしあるということであれば、これは誤解を解く努力をしなければならないと思いますが、基本的に考え方についてそごがあるわけではないということをまず前段申し上げさせていただきます。 さてそこで、我が国外交について私の考え方を少し、できるだけ簡潔に申し上げれば、今日はもう議員も御承知のとおり歴史的な変革期、つまり東西の対立が終わって、冷戦が終えんして、歴史的な変革期にある。その歴史的変革期特有の不安定さ、不透明さというものがこの国際社会の中にはあるわけでございまして、その中で新たな秩序を模索する、あるいは新たな国際社会をつくり上げる、平和で繁栄する新たな国際的な枠組みというものをつくる、そのために我々が何をするかということが今極めて重要だろうと思います。そのために国際社会はみんなで英知を持ち寄り、そして努力を集めるという必要が今求められていると思います。その中で我が国もまた我が国にふさわしい協力をしていくということが何より大事だと思います。 私は、国連でも申しましたように、我が国は今後とも平和国家としての行動に徹していかなければならないと思います。国際社会が抱えるさまざまな問題の中で、平和的解決あるいは世界経済の発展とか繁栄とか、そういった側面に我が国は十分に大きな役割を果たすことができると思っています。国際社会の中で今さまざまなきな臭い摩擦、武力衝突がございますけれども、その原因をたどれば、例えば貧富の差であるとか、もちろん宗教問題とか民族問題とかございますけれども、さらにその奥をのぞけば経済的な格差というようなものもそこには見えてくる部分もあるわけで、そこを取り除く役割を我が国としては果たす必要があるのではないかというふうに考えております。 もちろん、我が国の平和、安全、そういったものも当然我々は考えていかなければなりませんが、大きく言えば新しい国際社会をつくるための貢献というものが必要だというふうに思っております。
○矢野哲朗君 今、外務大臣の答弁で議員外交を大変重要視させていただいていますと、これは省内統一された見解だというようなお話をいただきました。加えて、今後の日本の外交のあり方として一例を挙げれば貧富の差を解消していこう、南北問題の解消ということになりますかね。 その件で、私も一国会議員としての責任並びに自負心を持ちながら、先般、アンゴラに行ってまいりました。長年にわたる内戦状態の中で非常に惨々たる国民生活の状況を目の当たりにしてまいりました。何とかこの国のために日本として役立つことができないのかなと、そう問題を持ちながら帰ってまいりました。 外務当局にぜひとも緊急な援助が必要だぞと、こういう問題を投げかけたわけでありますけれども、それに対しての外務省の対応は非常に熱意が感じられない。一つの資料提供を求めたにもかかわらず、簡単なこの一枚の紙が結果なのでありますけれども、このレポート、答えが約三週間もかかってやっと出てきている。こういう状況を見ますと、今の外務大臣の答弁と違った体質が外務省にうかがえるんじゃないのかなと、その辺を私なりに実感しているところであります。 アンゴラの状況並びに今後の対応、その辺を一つお伺いいたします。
○国務大臣(河野洋平君) 政府委員から答弁させます。
○政府委員(平林博君) アンゴラにつきましては、一たん和平が見えかかったのですが、内戦状態に復帰してしまったために我々としても二国間の援助をやる機を逸してしまったのでございますが、これまで国際機関等を通じましてそれなりの食糧援助、緊急援助等を行ってまいったわけでございます。過去五年間で十七億円程度の国民の税金が先方に渡っております。国際機関を通じた援助でございますが、一応日の丸つきと申しますか、日本からの援助であるということが見えるようになっております。 しかし、また和平の機が熱してまいりまして、近くそういうことになりそうでございますので、今、先生がいろいろ御努力されたこともございますが、できるだけ早期に二国間の援助が再開できるように、ジンバブエの大使館を通じて先方政府と打ち合わせを開始しているところでございます。 先生御一行が行かれたことによりまして、そういった二国間援助再開の機運が出てきたということにつきまして、我々としても大変喜んでおりますが、今後ともよくお知恵をかりながら推進してまいりたいというふうに考えております。
○矢野哲朗君 過去何年かで十七億余の援助をさせていただいたという実績があるにもかかわらず、モコ首相を初め主要閣僚とお会いする機会がありました。彼らから過去において日本に大変お世話になったという一言を聞ければその十七億も生きたかなと、こう考えるところでありますけれども、だれ一人からその話がないわけでありますね。 しからば、国際機関を通じて援助をするという一つのやり方、二国間援助のやり方、この辺でどういうやり方をしていったらいいのかなという方法論の模索でありますね。少なからずとも和平が制定できない、しからば二国間援助が無理だというふうな話もわからないわけではない。しかしながら、状況によっては速やかなる対応をすべきところは対応するというふうなことがあってしかるべきだと思うのであります。和平が制定できた、しからば国連を通じながらみんなでひとつ援助をしようというふうなことが、向こうではみんなで一緒に来てくれたんじゃ一つもありがたくないじゃないかというような反応もあるかもしれない。ですから援助のあり方、その辺ちょっと聞かせていただきたいのであります。
○政府委員(平林博君) 援助に当たりましては、先方のいろいろなニーズに応じてやるわけでございますが、せっかくの日本国民の善意、友情、こういうものが伝わる必要があると私どもは強く考えております。したがいまして、できるだけそういう善意、友情が目に見えるようにするのが本筋ではないかと思います。 今回、アンゴラにつきましては、国際機関を通じてやらざるを得なかったんですが、いろいろと工夫して日本からの援助物資だということでやってもらったんですが、いろいろと先方の内部の事情、国際機関の努力不足、あるいは我々が国際機関にきちんともう少し強く言っておくべきだったかもしれません。そういう反省にも立ちまして、これから、二国間援助はもちろんですが、国際機関を通じる場合にも、例えば日本政府の職員が立ち会うとか、あるいはいつどこで国際機関を通じて日本の援助物資が手渡くれるということを先方政府にあらかじめ通報するとか、いろんなことで日本の国民の善意、友情が伝わるようにこれは努力していきたいというふうに考えております。
○矢野哲朗君 本当に日本の顔の見える援助をやってほしいなと、このことを強く要望する一人であります。 そこで、一兆四千億、国民一人当たり約一万円の膨大に膨れ上がったODAの予算でありますけれども、このODAの援助の基準でありますが、どういう外交的判断で決定されるのか、その基準をひとつお示しいただきたい。加えて、どういうプロセス、過程を経てそういうふうな決定がなくれるのか、その辺ちょっと私なりに基礎知識としてお教えをいただきたい。
○政府委員(平林博君) 日本の経済協力につきましては、いわば政府開発援助大綱というものがございますので、それに従ってやるわけでございますが、人道的な配慮それから相互依存関係、さらには地球環境保全あるいは自助努力の程度、そういったものを総合的に勘案しますが、二番目の相互依存関係と一番目の人道的な配慮ということは、強く各国別の援助政策には反映されると思います。毎年固定した政策というものはなくて常に動いておりますが、これは国会にも御報告しているんですが、主要国につきましては国別援助政策というものをつくりまして、これは政府部内で合議の結果つくりまして、それに従ってやっております。 また、手続といたしましては、援助の形態によっても違いますが、円借款でございますと大蔵省、通産省、経済企画庁、それに外務省が加わりまして、四省庁で全体で協議の上、関係官庁とも御相談しながら援助を実施するということをやっております。 技術協力につきましては、十八省庁にまたがっておりますが、大半は国際協力事業団を通じて実施している。また、無償資金協力は、これは外務省の予算ということになっておりますが、大蔵省と協議の上、それぞれ無償資金のどういうものをやるかによりまして関係省庁の御協力を得ながら決定していると、こういうような手続でございます。
○矢野哲朗君 国会でODAについて盛んな議論が展開されたというふうな記憶が私はないのであります。どうしても追認というふうな形になってしまうかなと、こんな感じが否めない事実。ですから、私の考え方では、この間の決算委員会でも援助基本法制定必要性ありと、こういうことで質問をさせていただいたのでありますけれども、その辺での考え方、外務大臣。
○国務大臣(河野洋平君) ODAが我が国の国際社会に対する貢献の最も重要な柱であることは、議員もよく御承知をいただいております。このODAが透明である必要があるという点も、全く私も議員の御指摘のとおりだと思います。 経済局長から詳細お答えを申し上げればさらにいいかと思いますが、私ども外務省といたしましては、経済援助について毎年政府開発援助白書というものをつくっております。この白書、もちろん議員十分お読みをいただいていると思いますが、この白書の内容を見ていただきますと、極めて透明度の高いものになっていることが御理解いただけると思います。どこの国にどういうプロジェクトを行って、そのプロジェクトは一体どういう人たちの手によって支えられているか、あるいはそれが実行に移されているか、詳細がそこに出ておりまして、毎年これを国会を初め関係なさる方々に提示して、そして御議論をいただくということを考えているわけでございます。 ODAは、今局長から申し上げましたようにさまざまな種類がございます。極めて緊急度の高いものもあれば、あるいは長期にわたるもの、さまざまなものがあるわけでございまして、これらについて大綱を定め、その大綱の中に四つの基本的な考え方を掲げまして、その基本的な考え方に従って実施をするという体制にいたしているところでございます。
○矢野哲朗君 透明度の確保、必要性、大事だと思います。しかしながら、けさのテレビの報道でODAの談合問題が報道されておりました。やはり現状、まだまだ透明度が確保されてない一つの断面だと思いますね。ですから、ぜひとも私は基本法制定が必要だと強く主張したいし、外務大臣以下外務省もそう御判断いただきたいなと、こう考える一人であります。 加えまして最後に一言。アンゴラに限らずアフリカの民主化支援というのは日本としても大変重要な施策の一つだと思います。その点でひとつ前向きな積極的な、我々も日本の国力を考えたときに、まさに貧富の格差を是正するという意味合いからしても、アフリカの民主化を積極的に展開くれたいと強く期待をする一人でありますし、そうやっていきたいと思う一人でもあります。ぜひアフリカ局長、前向きにひとつ熱意を持って対応してください。お願いをいたします。 以上です。
○大木浩君 私は、本日は米朝合意もちょうどできましたので、それを中心にして朝鮮半島のことについていろいろと質疑をしようと思っておりましたが、既に同僚委員からいろいろと米朝合意の内容、それから今後の対応というようなことについてはかなり細かい御質問もありましたので、私はちょっと角度を変えて、アジア外交、特にアメリカの存在というものをどういうふうに、外務大臣も既に何カ月か、前の経緯でアメリカと接触しておられますので、お伺いしたいんです。 きょうの新聞も第一面にイスラエルとヨルダンですか、平和条約の調印ということをいずれも大きく掲げておりますが、大体写真を見ますと真ん中にアメリカの大統領さんがどっかと立っておられるというわけでありますし、先般のPLOとの交渉のときもアメリカが場所を提供したというようなことがありましたし、それから今回の米朝合意でも、米朝合意というのは一体何だろうと実は私ども普通の素人的立場から考えますと、核の問題については一体米と朝が当事者なのかなという感じもしますけれども、米朝合意ということがまず中心になっているわけです。 つまり、いろいろな国際関係を見ておりますと、米ソ冷戦状態というのはなくなりましたけれども、依然として米というものはやっぱり全地球的な立場でいろいろと活動しておる、アメリカが出てこなければ問題が解決しない、あるいは少なくともアメリカが非常に責任ある立場をはっきりしないと解決しないと、こういう状況でありますね。他方、私どもが日米関係というものを見ておりますと、非常に細かいと言っては失礼ですけれども、例えば貿易交渉で非常に個別問題でいろいろと摩擦もある、こういう両面があると思います。 そういうことをひっくるめまして、外務大臣として数カ月既におやりになりましたのですが、アメリカとどういうふうにつき合っていこうかということのひとつ御所感を伺いたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 日米関係は日米双方にとって極めて重要な二国間関係だというふうに私も思いますし、アメリカ側もそう思っていると確信をいたします。 もちろん、アメリカの持ちます関心はヨーロッパにもございます、今御指摘のように中東にも大きな関心を持っておられますが、現在の国際社会を見ますと、アジア・太平洋というものにスポットライトが当たる状況でございます。このアジア・太平洋に対しますアメリカの関心事は極めて大きいものでございます。もちろん我が国はその中に位置するわけでございますから、我が国がまた大きな関心を持つことは当然だと思います。そういうことになりますと、日米双方にとりまして共通の関心事ということになると思います。 私は、かねてから、外務大臣になってからアメリカとの再三にわたる接触の中で、我々は日米関係についてだけ議論をするのではなくて、日米両国が共同して地球規模の問題に対して役割を果たす、そういう相談をしようじゃないか、あるいは日米が国際的なさまざまな問題解決のために協力をする、そういうことをやっていこうではないかということを申しております。アメリカももちろんそういうことを考えておられるわけで、日米双方はコモンアジェンダを初めとして、さまざまな角度での協力関係というものを考えているわけでございます。 アジア・太平洋地域におきましては、アメリカはアジア・太平洋地域の安全保障にも大きな存在感というものがございますし、さらには自由貿易体制、こういうものを主張して、こうした体制づくりのためにも大きな影響力を持っているというふうに私は思います。そして、それらは日本にとっても前向きに協力関係をつくり、事柄に合意をしていっていいというふうに考えておりますので、これらについての協力関係はさらに一層進めるべきだというのが私の考え方でございます。
○大木浩君 アジア外交ということになりますと、今おっしゃったようにアメリカが非常に大事だと。同時に、ほかの主要国と言ったらあれですけれども、いろいろと関係の深い国がございまして、地理的に見ても旧ソ連とか中国とか、そしてもちろん朝鮮半島については韓国があるわけです。 先般、私は、自民党で数人、ロシアの極東方面、ハバロフスクとかウラジオストクとかあの辺をちょっと回ってきたんですけれども、ロシアもなかなか今変革期、いい言葉で言って変革期ですが、結果的にはかなり混乱も失礼だけれどもあるような気がします。ということで、ロシアの場合に、朝鮮半島について非常に今積極的に何かするということは、そういう立場というか状況に余りないような感じがします。 他方、中国につきましては、これはもうもちろん従来からの歴史的な関係もありますし、いろいろとその時期時期において非常に濃密になったり、やや薄くなったりということもありますけれども、最近また非常に私は、中国は朝鮮半島、特に北との関係を、かなり関心を持っているというふうに感じております。それからまた、先般、たしか中国の党の方の対外部長くんですか、というような方も来ておられまして、いろいろああいう人たちと話をしていましても、中国としては朝鮮半島について非常に関心があるようでございますが、中国がどういうふうに朝鮮半島、特に北との関係を見ておられるか。外務省、大臣もいろいろと御接触があったと思います。ちょっとその辺をまとめてコメントしていただきたいと思います。
○政府委員(川島裕君) お答え申し上げます。 中国は、改革・開放路線を進めて国づくりを進めていく中で、周りの地域が不安定化するということはどうしても避けたいというのが基本的な外交方針としてあると思います。そういう観点からいたしますと、中国にとって何よりも望ましくないのは、朝鮮半島が不安定化することでございます。 それで、特に北朝鮮の核問題でかなり国連安保理で制裁もやむなしかというような雰囲気が高ぶったときも、中国と朝鮮半島情勢にどう対応するかいろいろ協議をしていた段階で、とにかく朝鮮半島情勢が暴発と申しますか、そういうふうになっていくことだけは絶対避けなきゃいかぬ、したがっていろんな問題は粘り強く話し合いで片づけるべきであるという、その姿勢を繰り返し言っていたし、その基本姿勢は変わってないんだろうと思います。 それからもう一つ、核問題は、これは今の米朝合意というのは非常に中国にとって歓迎すべきものだろうと思います。中国といたしましては、あの半島に核兵器が生じるということ、これは絶対に避けなきゃならないということは前から言っておりましたし、そこは変わってないと思います。 そういう観点から、今、米朝合意ができましたのですけれども、話し合いで時間をかけて解決する道筋ができたということは、ことしの前半の非常に緊張感の高い半島情勢に比べまして、中国としては大変喜んでいるところだろうと思います。 特に、金日成主席が亡くなられて、それ以降北朝鮮がどういうふうになるんだろうということは、いろいろな憶測とか分析があるわけでございますけれども、そういうやや不確定な雰囲気があるとすれば、それだけに中国としては北に対する支援姿勢というか、従来からの関係の緊密さをいま一度確認して寄り添うというか、そういう雰囲気が強いという時期だろうと思いますし、金正日体制が確立していく中で、核開発の問題もひとまず解決のめどがつくということで、平穏に動くというのが中国にとって望ましいシナリオであるし、そのためには中国としても役割を果たす、こういうことではないかと思っております。
○大木浩君 中国が朝鮮半島の非核化ということは非常に望ましいということを言っているのは、ずっとそう言っていると思いますし、実は私も昨年でしたか、森幹事長のお供をしてちょっと中国へ行ってまいりまして、江沢民さん等々とお話ししたのですが、同じようなことを言っているわけです。ただ、中国も自分でも核については実験もしておるというようなことで、最近も外務省としても遺憾の意を表明しておられるわけでございます。となると、中国として朝鮮半島あるいは北朝鮮の核について非常に強い具体的な行動をとるということは余り期待できないんじゃないかなという、これは私の感じでございます。 たまたま今、中国の核実験のことがここ数日いろいろ議論されておるようですけれども、これは引き続き中国に対しては核実験は抑えろというお話は当然されると思いますが、その辺のところをちょっと御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 大木議員御指摘のとおり、我々は中国に対して、中国の核実験についてはこれを行うべきでないということを申し上げるつもりでおります。私も中国の銭其シン外交部長とお目にかかった際にもそのことを申し上げました。これは被爆国たる我が国の国民感情からすれば、こうしたことは決して我々が認めることはできないということは申し上げているところでございます。
○大木浩君 中国についての続きでございますけれども、最近いろいろとかなり具体的な数字などが出て、中国としては北朝鮮に対する経済援助というか協力といいますか、例えば燃料あるいは食料というようなものを相当自主的に協力しておるというふうに理解しておりますが、その反面、ロシアの方が少なくなったのかなと思っているわけです。 北朝鮮の経済についても、これは一言で結構ですが、外務省、あと通産も来ておられますか、通産の方は後でちょっと伺いますが、外務省としては北朝鮮の経済状態というものを一言で言うとどういうふうに判断しておられますか。
○政府委員(川島裕君) 一言で言えば、大変厳しい状況にあるということかと思います。食糧生産も需要量にはるかに満たない量になっておりますし、それからインフラと申しますか、鉄道、送電線、道路とか、そういういろんなものが補修がなされないためか、大分古くなっていてうまくいかないというような状況の中で、どうやってそれを脱却するか、模索はされていると思いますけれども、マイナス成長が続いているというデータをいろいろ得ております。
○大木浩君 一言で非常に厳しいという状況は、大体みんなの常識的な判断じゃないかと思うんです。これから今の核問題との関連で軽水炉の問題も出てきますし、北に対するいろんな形の経済協力ということが出てくると思うんですが、これからいろいろと北朝鮮との国交の話し合いも進めていかなきゃならぬ。 先ほど大臣もお話がありましたけれども、日中のときはなかなか政府間が難しいということで民間で随分いろいろと御努力されましたし、いろいろ各政党も御協力をいただいたし、それからまた民間が非常にあのときは、先行と言うとあれですけれども関心を持っておりまして、正式の国交回復の前でもLT貿易とかいろいろございました。しかし、今回はどうもなかなかそういう状況でないように感ずるんですが、通産省、今、日朝貿易あるいはもう少し広めて日朝経済関係でもいいんですが、どういう状況になっているのか、ちょっと簡単に御説明いただけませんか。
○説明員(長谷川榮一君) 御質問の貿易の動向からまず御説明申し上げます。 近年は、日朝間、日本と北朝鮮の間の貿易総額はおおむね五億ドル前後で推移しております。九一年に五億ドルをちょっと超えたことがございますが、それ以外は五億ドルを少し下回る水準で推移しております。本年は、これはまだ年途中の数字しかもちろんわかっておりませんけれども、昨年に比べますと総額はやや下回る可能性が高いという数字を得ております。 この貿易以外の関係ということで経済関係で申し上げますと、このほか投資というのがあり得るわけでございますけれども、投資につきましても、私どもが承知しております範囲で見ますと、年一件あるかないかという水準で最近は推移をしているというのが現状でございます。
○大木浩君 今おっしゃったように、経済関係から何かもう少し進められないかというのは、なかなか難しいように私も感じております。向こうの経済というか内情がよくわからないので、民間の経済人ももっと前向きにはなかなかできかねるというようなことがあるし、それからたしか東アジア貿易研究会というような団体もありますけれども、何か過去の債権の処理がまだ片づいていないというようなことで、どうももうひとつ前向きにできないような感じがするんです。 そうすると、今のところ北に対しては若干の貿易関係はあるけれども、いわゆる援助関係というものはない、あるいは協力関係というものはないと、こういうふうに理解していいですか。
○政府委員(川島裕君) 基本的にはそういうことでございます。
○大木浩君 そういうことで、これからどういうふうに日朝経済関係を進めるかということは非常に難しい問題だと思いますが、もう一つ、民間でやるということになりますと、例えば文化人の交流とか、こういうのはある程度あり得るんじゃないかなと。いろいろと大学の先生とか文化人とか、ある程度の接触はしておられるように思いますし、向こうの方の国際問題研究所みたいな人が来て、いろいろと意見交換というようなことはしておられると。こういうものについては、外務省としては今のところどういう態度をとっておられるのか。 あるいは、これから政府間交渉がどのくらいまでにどういうスピードでどういう形で進むかはわかりませんが、しかしそういうものとむしろ並行的に、そういった文化といいますか、要するに広い意味での民間交流というものはできるなら進めてもいいんじゃないかと思っておられるのかどうか。その辺もひとつお話ししていただきたいと思います。
○政府委員(川島裕君) 必ずしもそんなに活発ではなかったんですけれども、これまでも折に触れてやれるときはやってきたわけでございますし、こういう交流、特に学者とかそういう分野での交流というのは、これはいろいろ意味のあることだと思いますし、機会をとらえて進めるべきものだと思っております。
○大木浩君 それについては、別に入国がどうとかということではなくて、要するに普通に常識的な目的でおいでになる方はどうぞと、こういうことになっておると、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
○政府委員(川島裕君) そのとおりでございます。
○大木浩君 そういうことで、文化交流あるいはこれもなかなか難しいけれども経済交流、そしてまた先ほどからお話が出ておりますけれども、政党としての私どもまたひとつできれば何らかの代表団を送りたいというようなことでいろいろ折衝しておるわけです。 日本として今、対北朝鮮関係というのを基本的に考えると、もちろん近隣国でございますから、いずれにしても友好関係をできることならさらに深めるためのいろいろな仕組みとかチャンネルとか、そういうものをだんだんに強めていくのは必要だと思いますけれども、基本的には少なくとも今の段階では核の問題というのは解決したとは言い切れないわけです。ですから、やはり日本といたしましては、北というものがある、別に北だけじゃないけれども、アジア全体の安全保障というものは安全保障という概念の中でいろいろとまた打つべき手を打たなきゃいけないと思うわけです。 先般来、北朝鮮がNPTから離脱するとか、意見の相違なりがあるとか、いろいろあったものですから、非常に緊張感がある時期は漂っておりましたけれども、今度また米朝合意で何となくしばらくは平和かなというようなムードもあるんですけれども、必ずしもそういうことではなくて、むしろ今多少ムードとしては静かになっているときに、やっぱり頭を冷やして、日本としては日本のアジアにおける安全保障体制、有事体制というふうなものも含めて少し整備しておく必要があるんじゃないかと私は思いますが、この点についてはどうお考えでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 議員の御指摘は、我々にとって極めて大事な御指摘だと思っております。確かに、核開発にまつわる疑惑、心配、懸念というものは、今回の米朝協議の合意によって解決に向けての道筋ができたということは申し上げていいと思います。先ほども申し上げましたように、この道筋に沿ってこの合意が具体的に誠実に進んでいくことが何より大事だと思いますが、一方で通常兵器が減少しているということではないわけでございまして、この点に視線を当てれば、やはり問題はまだまだあると考える必要もあるかと思います。 そこで、日朝の国交について多くの方々が関心を持っておられるわけですが、この点についてもちろん我々政府も考えなければならない点が二つあると思います。一つは、日朝関係というものは、二国間の不正常な状況をどういうふうに正常化していくかという二国間の問題と、それから朝鮮半島、とりわけ北朝鮮を中心とした安定とか安全とかということに対する国際的な関心事に対してどうこたえるかという問題、それから大きなもう一つの事項は、やはり何といっても我々は韓国と価値観を共有しておりますし、韓国という極めて友好裏に国交を持っている国の立場、考え方というものをよく確認しながら進まなければならぬということがあると思うんです。この点が欠けますと、これからの日朝間の話し合いというものは決していい実を得られないだろうというふうに思っているわけです。 日朝問題だけに没頭してこの話し合いばかりに議論を進めてまいりますと、私はくまざまな問題、新たな問題が出てくる。日韓関係についても十分な理解あるいは協力、合意というものを取りつけながら、この日朝関係にも取り組んでいく必要があるというふうに思っております。
○大木浩君 今のアジア全体の安全保障という問題で、東西冷戦状態がなくなったのだから余り安保安保と言わなくてもいいじゃないかというのが国民の間にはあると思うんですね。しかし、やっぱり依然として、朝鮮半島ばかりじゃございませんけれども、いろんなところで紛争もあるし、紛争の危険もあるということです。 先ほどもちょっと、いろんな意味でやっぱりアメリカというのがきちっとしておってもらわないとなかなか、これはアメリカにどこまでやってもらうかということの判断はありますけれども、やっぱりアメリカが中心になってというか必要であるということで、何かきようもアメリカがタイに後方基地というんですか、言葉は正確には忘れましたが、とにかくタイといろいろ話し合いをしておる。アメリカは、例えばフィリピンなんかからはだんだんに海軍基地、空軍基地を撤収したというようなこともありますから、部分的には減らしているというところもあるけれども、他方、さらに補充といいますかきちっとしなきゃいかぬというところもあるようです。 全体としてアメリカのアジアにおける安保体制について、日本としては、これは一般論としてなかなか難しいんですか、大臣、どういうふうに取り組んでおられるか、なるべくまとめてひとつお願いいたします。
○国務大臣(河野洋平君) 非常に簡単に申し上げれば、アジアにおけるアメリカのプレゼンスというものがアジアの安定にはまだまだ意味がある、大いに意味があるというふうに我々は考えております。
○大木浩君 ありがとうございました。終わります。
○矢田部理君 朝鮮問題などを私も質問しようと思ったのですが、大分重複をしますので、かいつまんで御意見を伺っていきたいと思っております。 世界的に冷戦が終わりました。それから、戦後五十年という節目の年を迎えようとしています。にもかかわりませず、いまだにこの朝鮮民主主義人民共和国との関係では過去の植民地支配という大きな問題を清算できずにいるというのは、今日の国際政治の状況から考えると異常だというふうに私は受けとめているわけです。これまでいろんな努力をくれてきたことを全部否定するわけではありませんけれども、せっかく村山政権が誕生じ、河野さんが外務大臣になられたのでありますから、この政権で日朝間の国交正常化というような課題は最大のテーマとして取り組んで解決をするというような位置づけに立ってもいいのではないかというふうに私は考えております。 歴代政権も戦後の外交課題がたくくんありましたけれども、例えば鳩山時代には対ソ関係、田中くんの時代には日中関係、それから沖縄返還などの問題もありました。今残っているのは、私は朝鮮問題が最大の課題ではないかというふうにすら考えているわけでありますが、やっぱり河野外交はこれだというようなことで、ひとつ大きな位置づけの中で積極的な取り組みを求めていきたいと考えているのでありますが、いかがなものでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 御指摘のとおり、日朝関係は、領土問題を残している日ロ関係と並んで我が国にとって極めて重要な問題だと思います。二国間関係というものは一方的に、一方の側だけが努力をするのではどうしても解決をいたしません。双方がそれぞれ解決のための気持ちを持って臨むということでなければ、なかなかこれは解決をしないと思います。 これまで残念ながら、もちろん不幸な事態が何度かあって、とりわけ北朝鮮というものがなかなか国交正常化交渉の相手としてきちんとできなかったわけでございます。また、北朝鮮自身もどちらかといえば内向的なと申しますか、国際社会に対して余り窓を大きくあけていないのではないかと見えるような態度をとってこられたということもあって、この問題の解決が非常におくれているということは御指摘のとおりでございます。 今回の米朝合意というものが日朝問にある、たくくん障害はあると思いますけれども、その障害の一つが動いたという感じを我々は持っておりますし、もし先方がそういう気持ちがあって話し合おうという状況になれば、我々はその話し合いには応じたいというふうに思っております。
○矢田部理君 相手国の出方、対応ということも大事でありますが、この対朝鮮関係というのは、日本の植民地支配の清算という、我が国にとっては非常に大きな負の遺産を持っているわけですから、相手の出方待ちということではなしに、より積極的に、意欲的にこの問題にアプローチをしていくという姿勢が大事なのではないかと思っております。 特に、従前、前提条件ではないと言いながら、今回米朝間で妥結をした核問題が非常にポイントになって、事実上前提条件になって事態が進まなかったという経緯もあるように私は受けとめております。この問題が、先ほど大臣からも積極的に評価をしたいというお話があって、大きく解決に向かったわけでありますから、そうなってきますと、日朝間の国交正常化再開に向けて重大な環境が整った今こそ積極的に共和国との正常化交渉再開に向けたイニシアチブを日本政府がとるべきではないか。 かつて日中国交回復のときに、日本がいろんな努力はしてきましたが、最終的にはアメリカに先を越されて、日本は後塵を拝したというような時期もありました。今回もまた既にアメリカは核問題の合意を基本にして、例えば連絡事務所を置くというようなことまで進もうとしているわけでありますが、もう少し積極的な日本外交の展開を私は期待したいのであります。 その辺で、何か既に北京あたりで八月下旬にはいろんな水面下の接触を持っているとか努力もしているという話も伝わってきているのでありますが、具体的にどんな展開、対応をしているのかというようなことについてお聞かせをいただければと思います。
○政府委員(川島裕君) 具体的ということでございますけれども、だれがいっどこでどういうというところまでは、やや機微なものでございますから御勘弁いただきたいんですけれども、夏前からと申しますか、何回かいろんな形で接触があったことは事実でございます。 それで、基本的には米朝合意がまとまる前のやりとりでございますもので、核問題についての日本側の立場というものは、これは核開発疑惑の問題の払拭なき限り国交正常化はあり得ない、しかし交渉に応ずることについては条件は全然つけていない次第でございますが、北の姿勢は、核開発の問題は日本には関係ない問題である、したがってそれを取り上げるのでは話にならないというような雰囲気もあったわけでございます。 しかしながら、まさに御指摘のとおり、一応道筋が見えた段階で、それは一つ局面が動いたということは言えようかと思います。ただ、米朝が妥結した後で北がどういうふうにこの問題、日朝との再開について姿勢を変えてくるかというのは、ちょっとまだ見きわめがつかないというか、向こうからの動きはない。ただ、九月ぐらいの時点ではそんなに急いでいないという印象を受けていた次第でございます。 いずれにいたしましても、局面が変わりましたものですから、そこはまたいろいろ、どういうふうに再開につなげるかということも含めて考えるべき時期かなとは思っております。
○矢田部理君 私の理解では、共和国から見ると、どうも日本は外交に主体性がなくて結局アメリカと話を詰める、アメリカが動けば日本もおのずからこれに従ってくるということで臨んできているのではないかという印象が強いんですよ。そういう日本外交の今までの体質といいますか、姿勢もまたここで問われているような感じがしてならないんです。その点で、核問題もアメリカがイニシアチブをとり、両者の努力で実ったわけでありますが、そういう後追いの態度ではなくて、日本外交の展開としてより積極的にこの問題の解決に当たるべきだというのが私の気持ちであります。 ことしの四月にマニラで私どもの主催で軍縮会議を開きました。金大中さんが参加をされて、たまたま夜この問題についてかなりの話し合いをしたのでありますが、金大中さんもこう言っているんですね。北も南も全部国連に加盟した、国連に加盟した国をアメリカも日本も承認しないというのは基本的におかしい、早期にやっぱり承認に踏み切るべきだというようなことを言っておられました。 私も全くそのとおりだと思いました。いろんな懸案事項があることは事実でありますけれども、戦後五十年たって、戦前からの植民地支配をいまだに引きずっている。この問題のきちっとしたけじめをつけないというのは、日本外交にとっては大きな汚点といいますか、負の問題であるというふうに私は思っておりますので、ぜひお進めをいただきたいと思っております。 最後に、そういう中にあって活路を見出すべく与党三党の訪朝団が来月にも出向こうという動きがありますが、外務大臣としてこの受けとめ方と、それに対する期待みたいなものについて御意見があればいただきたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 議員外交について私の考え方を先ほど申し述べたところでございます。国交のない国との問のやりとりについて議員外交が果たす役割というものは、やはりそれなりの意味があるというふうに私は考えております。 私は、この際、今矢田部先生お話がございましたが、少し私の考え方も申し述べたいと思います。 私は、米朝合意というものは、もちろん核開発疑惑を払拭する、あるいは将来にわたって朝鮮半島における不安定な状況を取り除くために非常に意味があったと思います。と同時に、今先生からも御指摘がありましたように、米朝間におきまして事務所の開設をするとか、お互いに問題が認識されれば、それは大使級の会談にまで、高官にまで上げてもいいというような話し合いが行われた。さらには南北の会談にも触れている。こういう包括的な問題について合意ができたという、この点はやっぱり我々はきちんと着目しなければならないと思います。 そういったものが、これらは核問題のように時系列的にきちっとルール化されたものではありませんけれども、しかしそれにしても私は米朝の事務所の設置その他はきちんと進められていくと思っておりますし、こうしたことを十分考えながら我々も対応していかなければならないと思います。 ただ、先ほど申し上げましたように、この対応に、韓国の存在、韓国の考え方というものも十分やはり我々としては見ていく必要はあるだろうということを考えているわけです。恐らく三党で訪朝をなさるとすれば、これらのお考えについて事前の御相談もあるに違いないと思っておりますし、ぜひひとつ自由な立場で御議論をいただきたいというふうに思っております。
○矢田部理君 もう一点。朝鮮半島の非核化ということが非常に重要な課題だと思えるし、金大中さんとの集まりでもそのことについても完全に意見の一致を見たのでありますが、朝鮮半島だけではありませんで、私どもはかねてから朝鮮労働党との間で友好関係を持ってきました。 その中でも、朝鮮半島を含み、日本を含む東北アジア地帯の非核平和地帯構想ということを提唱してきました。外務大臣も軍縮議連などでいろいろ役割を果たしてこられたのでありますが、やっぱり非核化というのもまた軍縮の流れの中では非常に重要な課題だと思いますが、この東北アジア全体としての非核地帯設置というふうなことについてはどんなお考えを持っておられますでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 私は、さきに南米諸国を訪問いたしました。この南米訪問の中で大変印象に残りましたのは、南米諸国のトラテロルコ条約に対する大変積極的な思いでございます。このトラテロルコ条約は、徐々にその参加国の数をふやしていっております。 ただ、私が多少気になりましたのは、このトラテロルコ条約加盟国が現在必ずしもNPTにすべて賛成をしていないという状況でございます。私は、そこでトラテロルコ条約をつくるという精神といいますか考え方は、ぜひNPT体制にも参加をして、地域の非核化もさることながら、地球全体といいますか国際社会全体を覆うNPT体制というものにもぜひそれがつながっていってほしいものだということを私見として申し上げたわけでございます。 確かに、地域の非核化に取り組むというそのやり方も一つの意味のあるやり方であろうと思います。しかし、それはそれぞれの地域によってどの方法が有効であるかということにもかかわってまいりますし、それぞれの国の外交政策の極めて重要な部分であろうというふうに思いました。
○矢田部理君 非核化の問題は、軍縮の問題とあわせてまた別途議論を深めたいと思います。 次に、国連改革についてお尋ねをしたいと思っております。 国連は、申し上げるまでもなく、第二次大戦後、戦勝五大国を中心に誕生しました。先ほどお話がありましたように、当時五十一カ国、現在百八十四カ国になっています。数から見ても、それから情勢から見ても大きく時代は変化をしております。そういう中にあって、国連改革が言われ、いろんな作業が進められていることは事実でありますが、これが実はなかなか進みません。 そこで、私どもとしましては、戦勝五大国体制から二十一世紀に向けた国連へと、新しい改革・改組案みたいなものを各国がいろいろ議論しておるし、我々も今勉強中でありますけれども、日本政府としてこんな点はやっぱり改革すべきだという提案が少しく見えてこない。先ほど私も報告書を見ました。しかし、どうもやっぱり中身として十分でないというような感じがいたします。 外務大臣の国連における演説や国会答弁などを伺っておりますと、平和と安全の問題も大事だけれども、くらには環境とか人口とか人権とかという課題も非常に重要であるという認識、私も全く同じ認識に立つのでありますが、そうだとすれば、安保理中心、五大国中心の国連の改革に当たっては、今、経済社会理事会でこれらを総体として賄っているのでありますが、やはり環境と開発に関する理事会というようなものを創設するとか、人権と人道に関する理事会をつくるとかというようなことを含めて抜本的な国連改革に取り組むべきではないかと思うのですが、外務大臣としての所見はいかがでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 先ほども申し上げましたように、国連が現在の国際社会の期待にこたえるためには、矢田部先生も今御指摘になりましたように、やはり新しい考え方でこうした新しい問題にどう的確に対応するかということを考えるべきだと思います。それは私だけがそう思っているのではなくて、国際社会がおのおのこうした問題意識を持っておられると思います。 現在は、昨年の総会において安保理の改組についてのワーキンググループというものがスタートをした結果、安保理改組問題を中心に議論が進められておりますが、しかしそれは安保理問題だけが問題なのではなくて、もっと国連全体について議論が進められてしかるべきと思います。 私も国連演説の中で、例えば総会の活性化、百八十カ国を超える、百八十四カ国ともなりますとなかなか総会が機能的に動かない。一般演説も一カ国の代表が一人三十分前後の演説を行うわけですから、百数十カ国の代表が一般演説を終えるまでにもう大変長い日時を要するわけでございまして、悪い言葉で言えば言いっ放しになりかねないという状況でございます。参加加盟国は、加盟しているがゆえに、自分たちの主張はどこでどう取り上げられてどういう結論を導き出すことができるのかときっと考えておられるに違いない。これはもう正直言って、安保理の中にいる国と外にいる国とでは恐らくそういう問題に対する考え方は相当違った考え方を持たれているのではないかと思うわけです。 したがって、総会をいかに位置づけるか、あるいは総会の活性化といいますか、総会中心主義というのは言葉は悪うございますけれども、全加盟国が参加した総会の場というものが本来はもっと重要な場であっていいのではないかという議論が出てくるのはむしろ当然ではないかというふうに私は実は考えております。 話が長くなって恐縮でございますが、その他、経社理の強化といいますか、経社理がもっと機能的に動けるということが重要だということも私は実は提起をいたしました。経社理については、これはもう議員御承知のとおり、人口基金があったりOECDがあったり、本来経社理がやるべき仕事、そうしたものをつくってどんどん外に出していくという状況もございましょう。または経社理自身は勧告権を持つということで、なかなか安保理のように拘束力を、全体の考え方をそこでまとめるということになっていないというところにも実は問題があるかもしれないというようなこともございます。 敵国条項を削除してほしいということも私は提起をいたしましたし、その他気になるところ幾つかを指摘したところでございますが、これらの問題はあくまで機構の問題を指摘しただけであって、本来、国際社会が感じている問題をどういう方向で処理していくかということについてももっと議論を深めていく必要があるというふうに思っております。
○矢田部理君 そこで、安保理の問題でありますが、日本の最近の議論、とりわけ外務省の動きを見ておりますと、常任理事国入り問題について議論が集中し、動きが非常に顕著になってきているのでありますが、その前提として安保理事会そのものの改組、改革ということについての議論が必ずしも十分行われていないような気がしてなりません。 国連は安保理中心、安保理は五大国、P5、戦勝五大国中心だと。そのP5が実は拒否権その他の特権を持っていて、そのことのために言ってみれば国連はずっと機能してこなかったという苦い歴史をずっと持ち続けてきたわけです。五大国が自己の利害に関係する紛争については拒否権を発動するということで、国連としての意思決定ができない、安保理の機能が麻痺をしてきたという例は枚挙にいとまがないのであります、 ということで、非民主制の象徴であるこの拒否権問題を日本政府ももっと積極的に、私はもう拒否権は廃止すべきだ、こういう特定の国にやっぱり特権を与える制度はよろしくないというふうに考えているのですが、これについてどうも日本政府の声が聞こえてこない、姿が見えないのでありますが、どんなふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 確かに拒否権が国連の機能を機能くせなかった時期というのがあることは、もう議員の御指摘のとおりです。東西冷戦時代におきましては、P5内におきます拒否権の行使によって機能が停止をしてしまうということがしばしばあったと言われております。しかし、今日のように東西の対立、冷戦が終えんを遂げますと、今は拒否権が行使されるということは極めてまれになっております。五カ国はそれぞれ真剣に自分自身の責任において議論をいたしておるわけでございます。したがって、今は拒否権について、この拒否権が行使されたためにどうこうという議論がここのところ少なくなっていることは事実でございます。 しかし、この拒否権についてはさまざまな議論がございます。私どもも実はいろいろな議論をいたしております。国際社会では、御指摘のようにこの拒否権をごく一握りの国々だけが持っているということについて極めて非民主的ではないかという主張もあり、また、こういうものがなければ機能的なあるいは機敏な対応はとりにくいというような議論も一方ではございます。 しかし、現実の問題から申しますと、このP5が持っている拒否権というものは、この拒否権をやめようというためにはP5の五カ国全員がそれがいいと言わない限りこれはなくならない問題だという点が極めて厄介な問題でございます。こうした国連改革、国連憲章の中で大きな改革を提案いたしますときに、このP5がそろってそうだというだけの説得力と申しますか、何かを持たなければならないということもまた事実であるということも考えなければならないと思います。
○矢田部理君 そこが一番頭の痛いところなのですが。 拒否権だけではありませんで、国連の加盟にしましても、それから憲章の改正にしましても、事務総長の選任までもが、そのいずれか一国が反対をすればできないというのが憲章上明確になっているんですね。こんなことで百八十カ国にも及ぶ世界の国連として機能できるんだろうか。時代が大きく変わった中では、こういう問題を本格的に廃止の方向で議論するとかということをせずして国連の民主化はない、国連が真に機能するような国連足り得ないというふうに私は考えております。 そういう中にあって日本は常任理事国入りを表明したというか、表現としては安保理常任理事国として責任を果たす用意があるという外務大臣の演説になるわけでありますが、これはやっぱり拒否権を持つ常任理事国ということを考えておられるのでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 私どもは、常任理事国の中に二種類あって拒否権を持つ常任理事国と拒否権を持たない常任理事国があるというような常任理事国は我々は納得できないということを実は言っております。そこまで申し上げているところでございます。
○矢田部理君 ということになるともう結論はわかるのでありますが、常任理事国をふやすべしという国連の議論の中で、日本とドイツ二カ国がその資格を持つとか、二カ国が常任理事国になるべきだというような方針を日本政府は持っておるのでしょうか。
○政府委員(柳井俊二君) ただいま先生御指摘の点でございますが、我が国は、昨年の七月に御承知のとおり意見書という形で考え方を述べまして、それ以来、国連総会の一般演説でございますとか、あるいは安保理改組に関する作業部会でいろいろな意見を言ってきているわけでございます。その中で、改組の基本的な考え方といたしましては三つのことを言っております。 一つは、先ほど来外務大臣からも御答弁がございましたけれども、国連の創設時には五十一カ国であった国連が百八十四カ国にふえた、また当時は戦勝国中心の国連であったわけでございますが、その後、新たなグローバルパワーとも言うべき国々が出てきた、そういうことを踏まえて常任理事国を限定的な数で増加すべきだという点が一点でございます。 それから第二点は、この国連加盟国の増大に対応いたしまして、安保理がよりよく国連加盟国を代表すべきだということでございまして、この点では非常任理事国を増加するということを言っております。 それから第三点は、地理的配分に不公平が生じておりますので議席の地理的配分、具体的にはアジア、アフリカ、中南米の議席の増大というものが必要である。こういう三点を言っているわけでございます。 そして、この常任理事国の増大の点につきましては、我が国といたしましてはこういう考え方を言っておりますが、具体的にどこの国を入れるべきだということはまだ言っておりません。 ただ、全体の改革の方向といたしましては、例えば中南米でございますとか、あるいはアフリカ、アジアというようなところからも常任理事国になりたいという国も出てきております。そういうことも考えながら、またそういう国々の中には先進国と開発途上国とのバランスということも考えなければいけないということも主張されておりますので、そういうことを総合的に考えながら、改革は三分の二の多数と五大国の一致した支持がないとできないわけでございますので、大多数の受け入れ得る改革案をつくっていこうという考えでございます。
○矢田部理君 余り長い説明は、全部知っておりますから要らないんです。 新しいグローバルパワーが出現したという中で、常任理事国はそういう国々に限定をすべきだという主張をされているんですね。それは、解説をすれば日本とドイツだけに限る、インドやエジプトやブラジルなども立候補というか態度を表明しているわけでありますが、そういうところは常任理事国は困る、あとは地域性を考慮して非常任理事国にお入りくださいというのが、この間、小和田くんが国連でやった演説の骨子ですよ、解説をすれば。 一体そんな方針はどこでだれが決めたんですか。日本とドイツだけだと言わなくても、文章を読めばそう読めるわけです。大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 矢田部議員はどうも行間を読まれたり、書いていないことまで推測をなさるわけでございますが、私どもは日独だけ入れろということを要求しているわけではありません。 ただしかし、常任理事国というものは一体どういうものであることが大事かという議論をいたしました中で、国際社会全体に対して目配りができるといいますか配慮ができるといいますか、そういうことが重要ではないか。これは非常に重要な議論だと思いますが、地域性、地域的な代表を入れろという議論もございます。しかし、地域的な代表だけでその地域の問題だけがより強く大きく取り上げられることでいいか。やっぱりトータルで国際社会全体を見て物事の判断をする、あるいは全体のバランスを考えて判断をするということが常任理事国にとっては大事ではないか。 しかし、地域性も非常に重要なので、地域的な代表者は非常任理事国として参加してもらったらどうだろうか。そして、特にその場合には、御承知のとおり非常任理事国は選挙で改選をされるわけでございますから、さまざまな国が非常任理事国となってさまざまな見方、意見というものをそこで述べてもらうということが重要ではないかということを言っているわけでございます。
○矢田部理君 どうも私は少しまたここでも外務官僚が前に出過ぎているのではないかという印象を否めないのでありますけれども。 軍事参謀委員会の問題も本当は聞きたかったのでありますが、時間がありませんので。 もう一点、外務大臣の国連演説の中に、憲法が禁ずる武力の行使はいたしませんという日本の方針を明確にしました。これは額面どおり受け取っていきたいと思うのでありますが、中身を少し議論するといろいろな問題が出てくるのかなという感じもしないではありません。 国連憲章の第一条では集団措置がとれることになっておりますが、その国連が有効な集団措置をとるに当たって武力の行使にかかわること、武力の行使を伴うことは日本は参加できません、いたしませんということを明確にしたものと受けとめてよろしいでしょうか。
○政府委員(折田正樹君) 我が国は憲法上許されない武力行使に当たるようなことはいたしませんということをはっきり述べられたんだと思います。
○矢田部理君 だから、それは、集団措置の中で武力の行使にかかわることは日本は参加できない、しないということを明確にしたんですか。
○政府委員(折田正樹君) 我が国は武力行使に当たるようなことはいたしませんということでございます。
○矢田部理君 もう一つ確認的に伺っておきたいのは、憲法が禁ずる武力の行使はいたしませんと。それは全くそのとおりだと思いますが、憲法が禁じない武力の行使みたいなものを想定してこういう文言になっているのか、武力の行使そのものは憲法が全体として禁じているんだから確認的にそう言っているのか、その辺はどうなりますか。
○政府委員(折田正樹君) 確認的にやっているわけでございますけれども、もちろん先生御承知のように憲法第九条でも自衛は許されるということでございますので、集団的自衛権は別といたしまして個別的自衛権は憲法上も認められるということがございます。
○矢田部理君 PKFの議論その他もう少し深めなければならぬ課題がありますが、これは次回に譲ることにいたしまして、そろそろ時間が追ってきておりますので。 常任理事国入りについて、私はやっぱり個人的に言えば賛成しかねる、慎重の上にも慎重を期すべきだというのが私の気持ちなのですが、どうも最近の外務省の動きを見ていると、意図的に工作をする、ODAなどとリンクさせて加盟支持を求めるようなにおいがしてならないわけです。だから、表面的には常任理事国入りを支持している国々もありますけれども、内実を見ますとかなり批判なり意見なりが底流にあるということも十分踏まえておいていただきたい。 先ほど外務大臣が、先般の国連演説の中でアジア諸国から日本を支持する演説はなかったという深刻な報告が国連大使から外務大臣あてに来たということがありましたが、それは事実なんでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 今回の国連総会の一般演説でアジアの諸国から明示的に日本の安保理入りに賛成だということを述べた国はございません。
○矢田部理君 その事態を外務省は受けとめて、今後総理や外務大臣が積極的にアジア各国に働きかけるというような記事も出ているのでありますが、工作をして無理やりに入るような性質のものでは私はないんじゃないかという感じがしてならないんです。 拒否権の問題についても、例えば韓国の東亜日報は韓国政府の立場を解説して、拒否権を持つような常任理事国入りには韓国政府は反対なんだ、入るとしてもそれのない理事国、非常任理事国というんでしょうか、あたりを考えているんだと解説した記事もあります。 それから、中国がどういう態度をとっておられるかは余り鮮明ではないのでありますが、中国系の香港紙では、過去の問題を清算せずして常任理事国入りには問題があるというだけではなくて、かなり厳しい論調なども出ております。 それから、シンガポールにも聯合早報という新聞があるようでありますが、それを見ますと、戦争犯罪に対してきちっとした責任もとらないのに常任理事国入りはいかがかと、そういうことではアメリカの支持は得られてもアジアの支持は得られないという、これまた厳しい指摘もあります。 等々のことを考えてみますと、表の外交舞台では支持しているような姿を幾つか私も見受けておりますけれども、内実は必ずしもそうなっていない、特に韓国や中国では非常に厳しい意見があるということもあわせて考えておいていただきたい。 もう一つ、ことしの六月、ドイツでOBサミットがありました。シュミットさんの演説がやっぱり非常に示唆に富んでいるというふうに私は受けとめております。 長い文章ですけれども、少し紹介的に申しますと、常任理事国に入ったからといって安全保障理事会の決定を一〇〇%履行する義務はない。しかし、多くの理事国が自国内の事情を理由に決定を履行しなかったら安保理の決定の権威は失墜する、安保理が機能しなくなるという中で、自分が賛成した決定事項を原則として完全に履行しなくてはならないのが私の政治家としての常識だというふうに規定をされております。 これを日本に当てはめてみますと、憲法のもとで武力行使はできませんと。安全保障理事会というのは平和と安全に関する理事会でありますから、最終的には武力行使を容認しているわけでありまして、日本政府の考え方や憲法との関係から見ると、この意見は十分にかみしめる必要があるだろうというふうに思います。 そういう前提に立って、もう一つはドイツの立場を述べておられます。 随分戦争について反省をしてきたが、今ドイツが常任理事国になってポーランドやチェコで紛争が起きたときに出兵したらどんなことが起こるだろうか。反省ではなくて、再びもとのドイツに返らないという保証はない。ドイツ人が再び過ちを犯さなくなるためには、半世紀というのは非常に長いが、しかしそれでも十分だとは思っていない。あと一世代ぐらいドイツは常任理事国になるべきでないということを言っておられるんです。 私もいろんな役割を日本が国際的に果たさなきゃならぬと。外務大臣も言っておられましたように、非軍事の国際協力、貧困や飢餓からの解放とか環境や人口問題とか途上国の援助とか、さまざまな国際的な役割が私はあろうと思っております。そういう方面にこそ力を尽くすべきであって、安保理事会入りが、何のために入るのか、入って何をするのかということをもう少し議論を詰めなければなりませんが、どうも予算委員会等の議論を聞いておりますと中身が詰まっておりません。外務大臣の答弁を分析しましても、そういうことであるならば何も安保理事会に入らなくたって十分国連の中でやれるじゃないか、軍縮とか核不拡散とか社会的諸課題とかというふうに言われておりますけれども。 等々のことを考えますと、どうもやっぱり外務官僚がここでもリードし過ぎるという印象を私は強く持っておりますので、安保理問題は慎重の上にも慎重を期していただきたい。むしろそれよりも安保理全体を改革し、国連の民主化、先ほど総会権限の強化とか事務総長権限の拡大とかというお話もありましたが、そういう方面にこそ国連改革では力を注ぐべきだというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 矢田部先生から示唆に富むお話をいろいろ伺いました。大変大事な御指摘だと思って十分受けとめさせていただきます。 ただ、私も幾つか申し上げたいと思っておることがございます。世に外務省の突出という言葉がございまして、これがしばしば批判の対象になっております。とりわけ安保理問題について国連における国連大使の発言が政府の判断を超えて発言がなされておるというような御批判が何度かございました。私も実は多少気になっておりまして、外務省で一体あの国連大使の発言と政府の決定といいますか判断とどういう関係があるかという点については少し細かく調べて報告をさせました。 固有名詞はこの際御勘弁をいただきたいと思いますが、何度か国連大使が国連でスピーチをいたしておりますが、いずれもそれらは正確に閣議決定、スピーチそのものを閣議決定しているわけではありませんが、国連に対します。あるいは国際社会に対します閣議決定、閣議におきます了解事項を受けて、その範囲内でのスピーチになっております。あるいはまた、予算委員会におきます外務大臣の発言のラインに沿った発言になっております。私、気になりました幾つかの発言についてチェックをいたしましたが、これらはいずれも外務大臣の発言もしくは内閣の決定の幅を踏み出しているものはございませんでした。間違いもなく、これらは政府において十分に掌握している範囲の中での発言でございます。 また、最近におきます外務省の発言あるいは矢田部議員から今御指摘のように、安保理のための票集めをほかのものでしているのではないかという節が見られるというような御発言がございましたけれども、これらについても私は十分に注意をしながらやっておりまして、私は外務省のそうした作業を十分監督しているという自負がございます。 しかしながら、その一方で、国連の安保理の議論についてもう少し中身その他について十分議論をすべきではないか、あるいは慎重にやるべきではないかという御指摘については、私は十分その御意見を受けとめたいと思います。 私も就任以来、この問題は慎重に運ぶべきものだということを申してまいりました。その慎重にというのは、やはり国内で議論が十分行われて、国民にこの問題についてよく理解をしていただくということが重要だと。さらには、国際社会において日本が一体何をしようとしているのかということがわかる必要があると。 私は、国連において、武力行使は行いません、いたしませんと私が演説で言ったことに対して、野党のハイレベルの方から、ああいうことを言うのは国際的に極めて恥ずかしい発言ではないかという御指摘をいただいたことを非常に不可解に思っているわけでございます。我々ができることは言い、できないことはきちんと述べるということが重要なのであって、日本が武力行使はしない、平和国家としての行動に徹するという発言は、こうしたことに心配の念を抱いている国があるとすれば、そうした国々からはこれでその不安は解消するというふうに見ていただけることになるのではないか、そんなふうにも思ったわけでございます。 それで、矢田部議員、アジアの国々の新聞の論調を引用されました。私もそうした論調を見ております。しかし、これらは、そうした意見が確かにあることもまた我々は知らなければなりませんが、一方で日本に対する期待があることもまたこれも矢田部議員御指摘のとおりでございます。村山総理に対して直接間接に日本が国際的にもっと大きな役割を果たしてほしい、それはもちろん非軍事でありますけれども、役割を果たしてほしいという声があるということも御承知のとおりです。 ちなみに、韓国の韓昇洲外務部長官と私、お目にかかったときのことを一つだけ例として申し上げたいと思いますが、韓外務部長官は私と会談した際にこう言われました。これは韓長官が国連の会合に出席した帰途、日本へ立ち寄られたときのものでございます。 長官は、韓国政府は日本が新しい国際秩序のもとで国連などの国際舞台において国力にふくわしい役割を担おうとしていることを理解する、こう述べられました。さらに、日本などの特定の国家の安保理常任理事国入り問題は、現在、国連で進められている安保理改組に関する論議の動向を見守りつつ、立場を今後検討していく、こういうふうにもつけ加えられておられるわけです。つまり、理解はする、しかしそれがどういうことになることがいいかということで検討もするよと、こういう立場というふうに私は聞きました。 こういうふうに国連改革については各国それぞれの立場でそれぞれの視点で今議論が進められておりまして、これも先ほど来の御論議にございましたように、私どもは国連五十年を目指して、ぜひそのときまでにこの改組の問題について結論を出してほしいと思って、加速してほしいということを提案いたしておりますが、まだまだこの議論は続く可能性もあるというふうに見ております。
○委員長(田村秀昭君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午後零時十六分休憩 —————・————— 午後一時二分開会
○委員長(田村秀昭君) ただいまから外務委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、国際情勢等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○清水澄子君 ことしの春の朝鮮民主主義人民共和国、これから北朝鮮と言いますけれども、この北朝鮮の核疑惑問題は、国内においては、北朝鮮に対して経済制裁が必要だという大変なそういう経済制裁論議が行われまして、そして朝鮮戦争までも想定した危機管理体制づくりのキャンペーンが行われておりました。そして、そういうこととあわせて、京都の朝鮮総連関係の学校とかまた総連事務所に対しても何の根拠もないまま警察の不法な捜査が行われたという問題は御承知だと思います。そしてさらには、朝鮮学校に通う女子学生のチマ・チョゴリ事件が起きるという、大変日本の国内は緊張した雰囲気がつくられておったと思います。 しかし、今日、この十月二十一日の米朝合意といいますか調印を見ますときに、改めて北朝鮮の核疑惑問題とは日本にとって何であったのか、このような思いに駆られるわけですけれども、外務大臣はそれをどのように受けとめておいでになりますでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 清水議員が御指摘のとおり、チマ・チョゴリを傷つけるとかそういった行為はもうこれは論外のことであって、我々にとっても極めて恥ずかしい行為であるということはもう全く御指摘のとおりだと思います。 他方、北朝鮮における核開発疑惑の問題については、これは世界が、我が国は究極の核廃絶を目指しているわけですが、国際社会においても核の不拡散そして軍縮、こういう方向に進むべきだと考えている状況の中で核兵器の開発がなされているのではないかという疑惑が生じたということは、これはまた周辺諸国のみならず国際的に大きな懸念になるのは当然のことだと思います。指摘を受けて、北朝鮮がそうしたことがあくまでもないということをIAEAの査察、あるいはみずからNPTのよき一員であるという立場に立ってその疑惑を払拭されるということが積極的にあってほしかったというふうに実は私は考えておりました。 しかし、このたび米朝間の真摯な対話によって、そうした問題を含めて、私の希望的観測を交えて申し上げれば、北朝鮮が国際社会に窓を開いて多くの国々と正常な交流をするということまで含めて今回の交渉が進められたということであるとすれば、それは我々にとって非常に意味のあることであったのではないか、こんなふうに思います。
○清水澄子君 その論争は深くすることは避けますけれども、日本は、絶えず本来の外交という、対話という姿勢よりも、当時は対立型、対決型的な、やはりそういうことが私は非常につくり出されていった、そういう姿勢が非常にもろに出ていたと思うわけです。そういう意味で、今大臣もおっしゃったように、その後アメリカのカーター元大統領と金日成主席との間で対話路線に沿って朝鮮半島の非核化と緊張緩和に向けた現実的な一歩が踏み出くれた、そういうことと非常に対照的に思われるわけです。 そこでお尋ねしたいわけですが、八月十三日の米朝合意声明では、アメリカと北朝鮮は今後政治及び経済関係の完全な正常化に向けた措置として、双方の首都に外交代表を設置し、貿易及び投資に関する障壁を削減する用意があると言って合意しています。ところが、今回の十月二十一日の米朝合意に至りますとくらにそれは一歩突っ込んで、「双方は政治的経済的関係の全面正常化に向かう。」となっておるわけですね。ですから、米朝関係というのはこういう非常に具体的に連絡事務所を設置するというふうな計画までも示されている。そして、それらはいずれ大使級に引き上げるということは、つまり米朝の国交正常化というものをちゃんと念頭に置いて、念頭というか、具体的に示していると思うんです。 そういうふうに非常に米朝の積極的な二つの合意声明から、大臣はこれらの状況をどのように認識をしていらっしゃるか。非常に日本はおくれているんじゃないかと思います。
○政府委員(川島裕君) 今後の段取りにつきましては、まさに先生今おっしゃられたとおり、米朝間で関係が前に動くということが相当詳細に今度の合意でも規定されているわけでございます。 それで、八月十三日の米朝合意は、今度の合意をつくるまでのその途中の段階での成果を書いたものでございまして、その延長線として今度十月二十一日に合意が成立したということでございまして、おっしゃるとおりいろいろ段階に分けてございますけれども、最初はまず貿易・投資にかかわる障壁を削減する。それからその次は、まず専門家のレベルの協議を通じまして領事関係その他の技術問題が解決した後にそれぞれの首都、つまりピョンヤンとワシントンに連絡事務所を開設する。そして三段階目に、両者、米国、北朝鮮は、それぞれの関心事項にかかわる進展に従いその二国間関係を大使レベルにまで格上げするということでございます。 具体的にそのだんだん前に進むタイミングについてはまだ明確にされておりませんけれども、行く行くはこれが進みますと米朝関係が正常化されるものであるというふうに私どもは理解しております。
○清水澄子君 政府自身が、だからアメリカと北朝鮮は国交正常化する段階を迎えているという認識はお持ちですね。
○政府委員(川島裕君) この合意に従いましていろいろなことが動く、核開発の凍結とかあるいは軽水炉の供与とかいろんなものが段取りが進むわけですけれども、それに合わせた形ですべてが今度の合意に従って動いていけば、行く行くは正常化されると、こういうことで認識しております。
○清水澄子君 ですから、そういう非常に具体的なことが示されているのに対して、先ほどからの政府の答弁、大臣の答弁も、政府自身はどうするのかという意味で非常に消極的な、従来の答弁と余り変わっていない。その辺はもっと政府自身はこういう状況を控えてどうするのかということをはっきりひとつ大臣、お答えください。
○国務大臣(河野洋平君) 私ども割合とはっきりしているつもりでございます。我々は話し合いをしていたわけでございますが、残念ながらその話し合いの途中で北朝鮮側がテーブルから離れてしまわれた。これは我々にとって非常に残念なことでございます。 私どもは、政府委員からも御答弁を申し上げましたが、前提を設けてこの前提が満たされなければ話し合わないと言っているのではありません。むしろ強いて言えば、全く何の条件もなしにお互いが話し合おうではないかというふうに我々は思っているわけです。我々はまずテーブルに着いて話し合うところから始めなければなりません。そのテーブルに着いて話し合うための前提条件は、我々は何にも前提を持っていない。強いて前提条件があるとすれば、テーブルに着いて話し合うときにはすべての問題について話し合う、つまり何の条件もつけずにお互いが話し合おうということだけが我々の強いて言えば条件ということになります。
○清水澄子君 非常に時間が短いのですが、その辺は、なぜ決裂したかというのは相手の意思もあるでしょう。しかし、こちらにもそういう原因をつくっているというそういう経過もあるわけですから。 それはちょっとそこへ置きまして、アメリカのこの外交というもの、やはりむしろ外交の方法ですね、実に最高の外交を、日本にとっては日朝関係は戦後唯一解決しなきゃならない問題だったにもかかわらずこれはまだ解決されていない、この場合に最高の外交の山場を私はアメリカに越されているというふうな気がしてなりません。ですから、もっと積極的に、それはこちらが話をしたいということでいくならばこちらもいろんな条件を示すべきだと思うわけです。 それで、次に行きますけれども、先ほどの大臣の答弁の中で、そういう正常化を進めるに当たって価値観を共有する韓国の立場を尊重するということをおっしゃったんですけれども、それは具体的に何を尊重されるのですか。
○政府委員(川島裕君) 先ほど大臣からの答弁がございましたけれども、第一回の国交正常化交渉を始めて以来、言ってみれば二つの基本的な考え方、一つは、まさにいろいろ御指摘ありましたとおり、これは最後に残された戦後処理でございますし、植民地経営という過去の問題を抱えた日本としてこれは真摯に全力を挙げて取り組むべき問題であるということ。他方、国交正常化交渉を仕上げていくに当たっては、国交正常化があの半島、非常にまだ南北対立というものが続いているあの半島の平和と安定に資するものでなければならないという、この二点を基本的な枠組みとして考えつつ進めてきて、かつその半島の平和と安定に資する形ということを考えますると、やはり半島のもう一つの当事国である韓国にとってこの半島がどういうふうになるかということ、これは大変重大な関心事でございます。 そして、日韓関係という非常に緊密に進めてきた両国関係を考えますと、日本が日朝正常化交渉をどういうふうに進めていくかということにつきましては、常に日韓間での緊密な意思疎通というものを図っていくことが必要であろうと考えてやってきた次第でございます。
○清水澄子君 そこで、先ほども質問があったわけですけれども、今回の米朝合意で、北朝鮮の黒鉛炉とそして関連施設の凍結解体から軽水炉への転換を支援するという、これはアメリカの主導のもとでやるわけですね。 そういう中で、この九月中旬にガルーチ大使が日本に来て、そして外務省、大蔵省、通産省が同席したと聞いておりますけれども、このときに日本は朝鮮エネルギー開発機構の設立についてどのような話し合いをなされたのでしょうか。
○政府委員(川島裕君) ガルーチさんは、米朝間での次の交渉を控えてその前に関係各国で、これもアメリカだけで実施できるプロジェクトではなくて多数国間で進めていかざるを得ない軽水炉プロジェクトでございますので、日本からどういう役割を期待できるかということは、当然のことながら大変関心があったわけでございます。 日本といたしましても、この核開発疑惑問題が払拭できる、そして行く行くこの半島の非核化というものが完成するということであれば、これは応分の協力を当然すべきものと考えましてその旨は伝えた次第でございます。 他方、そういう軽水炉をどういうふうに具体的に動かすかというのは多数国間の枠組みであろうなというところまではみんなわかっているのでございますけれども、そこから先、具体的にどんな組織をつくってどうやるかというのはこれから至急詰めなければならない作業でございます。
○清水澄子君 だと思いますけれども、これは四十億ドルというのがずっと報道されていて、いわゆる日本円にすれば四千億円ですか、そういう非常に具体的な数字が出た上にけさの新聞でも、これソウル発なんですけれども、韓国政府の発表というので、韓国側が総費用の五五%を負担する、日本は三〇%、アメリカは一〇%、残り五%を国際共同事業体に参加する中国とかロシア、ドイツ、カナダ、オーストラリアとか書いてあるわけですね。非常に具体的なんですね、こういう数字が。 ですから、一方において何か資金の負担のみが非常に具体的に出されてくる。そして、日本の日朝正常化という問題をどうするのかという方はまだ全然はっきり見えない。こういう中で、こういう負担額について既にアメリカ政府に日本は表明をしていらっしゃるんでしょうか。
○政府委員(川島裕君) けさの新聞でその御指摘になりました具体的数字が出たので私どももびっくりしておりまして、韓国政府がこのような決定を行ったというようなことは全く承知しておりません。 従来からどういうことであったかといいますと、これは韓国はこのプロジェクトを動かしていくに当たって中心的な役割を果たす用意があるということ、それから日本については、核開発問題が解決くれるということを前提として多数国の枠組みの中で今後支援が動いていくのであれば日本は応分の協力を行います、この二つだけでございまして、したがいまして具体的な率とかパーセントとかいうのは全く入っていない状況でございます。 それから四十億ドルという話も、通常この種の軽水炉をつくると大体それくらいかかるものであるという話が巷間伝えられていることは事実でございますけれども、実際にどれくらいかかるかというのは、これからまさに設計とか敷地の選定とかどういうふうにやるかとかを詰めていかないと額なんていうのは決まらないんだろうと思います。それが決まった時点でどうするかというのが拠出の話になるんだろうと思いますが、それは随分先ではないかという気もいたします。いずれにしても、これからの話でございます。
○清水澄子君 では、この朝鮮エネルギー開発機構への日本の参加というのはどのような外交手続の形で行われるんですか。どこと交換公文を取り交わすんですか。
○政府委員(川島裕君) これもいわば国際的な、コンソーシアムという言葉で今話が出ておりますけれども、軽水炉支援を具体的に動かしていくための枠組みをどうつくるかというところでございます。ただ、まだそれから先は、まず関係諸国、これもどれくらいの関係国が来るかわかりませんけれども、それが寄り集まって協議をしないと具体的な姿は描き切れないということでございます。 したがいまして、その場合の外交手続ということはちょっとまだお答えし得るようなところまで煮詰まっていないということを御理解いただきたいと思います。
○清水澄子君 しかし、それは北朝鮮とではないことは明らかですね、これは国際的なものですから。 そこで、今回の北朝鮮の軽水炉転換の支援のために今日本が提供しようという資金、これについて一部の論議の中で戦後補償と絡ませて考えるべきだ、こういう意見があると聞いています。しかし私は、今回の北朝鮮の軽水炉転換支援というのは、これは今もお聞きしたように国際的なもので、日本の植民地支配を清算することとはちょっと関係がない問題です。米朝関係、日本とアメリカ、韓国とか、国際的なこれからのこういう機構をどうつくるかという中での問題になると思います。ですから、この支援というのはあくまで朝鮮半島の非核化という国際問題の解決に当たって行われているものであるわけですから、戦後補償とは私は別の次元の問題だと考えておりますから、これは戦後補償と絡ませてはならないと思います。 この点について外務大臣はどのような御見解をお持ちでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 今回の核開発疑惑を払拭するための作業というものは、清水議員御指摘のとおり、国際的に持つ懸念の解消でございますから、私も御指摘のように思っております。 少なくとも、核の問題については、NPTに加盟をすること、あるいはIAEAの監視下に入ること、これが国際社会の中でとられている措置でございますけれども、やはり心配が多いということで黒鉛減速炉を凍結し、最終的にはこれを壊してしまうということまで北朝鮮が約束をしているということであれば、持っている炉を壊すというところまでいけばそのかわりのものを別途つくるということもまた必要になってくるわけで、これを支援するというのは一つのルールでもある。今回定めたルールにのっとってやるわけでございますから、私は御指摘のとおり二つは分けて考えていいというふうに思います。
○清水澄子君 そこで、私がさきに述べましたように、北朝鮮については一九一〇年の日韓併合以来、朝鮮半島ではもっと、一九〇五年からと言っていますけれども、日本の植民地支配の処理、あるいは戦後処理は何一つ解決されていないわけです。しかし、今回の米朝合意で一つの道が、交渉再開への道が開かれたわけですから、やはり私はこの機を逃さず日本政府は積極的に日朝国交正常化への努力を急がなければならないと思うわけです。 そのときに、相手がどうだこうだということを言う前に、この問題は日本の方がやはり早く解決していかなきゃいけないという姿勢と誠意を相手に見せるということが外交にとってはとても重要だと思います。 そういう意味で、国交正常化の交渉を成功裏に進めていくためにも、相手から求められていろんな資料を出すというんじゃなくて、もう既に例えばずっと問題になっている慰安婦の問題でも北朝鮮だけには資料を送っていないと思うんですけれども、そういうふうにどこの国にもお送りしたもの、特にこれは朝鮮半島との深い関係がありますね、慰安婦問題とかそれから強制連行者の名簿とか。そういういろんな被害の実態について日本で集めている資料などを積極的にやはり北朝鮮に示して、そして今後早くこの交渉を日本はそういう誠意を持ってやろうとしているんだという姿勢を私は見せるべきだと思います。 そして同時に、先ほど最後の第八回日朝正常化交渉で相手側がこの話を切ったんだということを言われましたけれども、あのときにも、第四回交渉で李恩恵問題というのは本交渉と切り離すという合意があったにもかかわらず、そこでは本交渉ではありませんけれども、最も相手の嫌がる問題を先に出していくという、これは全く相手がそういうことでもって日本の姿勢というものをそこで読み取っていくというきっかけになってしまうと思うんですね。 特に、これは人の名前を出すといけませんけれども、柿澤政務次官のときでしたけれども、九三年四月六日、やはりこの外務委員会で、先方の姿勢が改まれば日朝交渉を再開するには何の問題もないと。こういう何かそこに、本当の意味の交渉を、対話をしていこうというのにそういう姿勢では、絶えず相手から日本というのはそういう姿勢だというふうに見られると思うんです。 今度、カーター元大統領とそれから北朝鮮とのああいう交渉が進んだときに、カーター元大統領は、まず自分たちは相手の立場、相手のメンツを重んじながら交渉したいということを言っていましたけれども、やはりそういうふうに本当に話し合っていく。問題を解決したいと思うならば、やっぱりそういう姿勢を示して、そしてこの問題を本当に外交的に早く解決していきたいし、いってほしいと思うんですけれども、外務大臣、一言お答えください。
○国務大臣(河野洋平君) 先ほど政府委員から申し上げましたように、戦後の問題で未解決のこうした問題を一日も早く解決することは当然のことだと思います。 私は、先ほども申し上げましたが、日ロ間にある領土問題等もそうですが、この日朝関係についても早く問題を解決するということは当然我々が考えなければならないことだと思います。しかしながら、繰り返しになって恐縮でございますけれども、朝鮮半島の中にございます対立、こういったこともあるわけで、我々は韓国との間に共通の価値観を持っている、すなわち自由主義とか民主主義とかこういった共通の価値観を持つ韓国との間の友好関係というものはやはり尊重していかなければならないということも一方あるというこの事実もまたぜひ御理解をいただきたいと思います。しかしそれは、だからといって何もしなくていいということではないというふうに思います。
○清水澄子君 そういう何か説明じゃなくて、もっと積極的な意思表明をくれる必要があると思います。 次に移りますけれども、今回、外務省はロシア極東の放射性廃棄物の貯蔵・処理施設の入札手続を開始されたことを発表されましたけれども、この施設をつくることによって今後ロシア極東の放射性廃棄物の海洋投棄をなくすことが完全に保証できるのでしょうか。そしてまた、この放射性廃棄物の量を少なくするためには原潜の稼働卒を抑える必要があると思うんですけれども、この点は日ロ間の交渉のテーマにはなっていないのかどうかということをお聞かせください。
○政府委員(林暘君) お答え申し上げます。 昨年の十月に日本海でロシアが低レベルの液体廃棄物を海洋投棄したということを踏まえまして、約一年間にわたってロシア側と種々交渉しました結果、この低レベル液体廃棄物の最終的な処理を目的として貯蔵及び処理施設をつくるということで、その大体の内容についてはロシア側と合意に達しましたので、今、清水先生おっしゃいましたように、入札手続に入ったわけでございます。 これからどういう各企業からの応札があるかということにもよりますけれども、計画されているものが完成いたしますと、現在極東部で出てくる量の液体廃棄物は全量が処理できるということになりますので、将来においては極東における低レベルの液体放射性廃棄物の海洋投棄というものはなくなるものというふうに我々としては思っております。 それから、原潜の稼働率の問題でございますが、今申し上げました種々のロシア側との交渉の過程におきましても、ロシア側よりは、この低レベルの放射性廃棄物の大宗は原潜の解体作業から出てくる液体廃棄物であるというふうに説明を受けておりますし、そう承知しておりますので、原潜の稼働卒をどうこうという軍事にかかわったような話を直接ロシア側としていることはございません。
○清水澄子君 終わります。
○猪木寛至君 きょうは、朝鮮半島問題、同僚議員から幾つかもう質問がなされておりまして、大臣、政府の考え方というものもお聞きしているわけです。 私は、七月八日にピョンヤンに入る予定で北京空港に参りましたところ、ちょうど主席の死去ということなので今回は対応できませんということで入国できなかったんですが、その後、招待状が出まして、九月五日から十日まで行ってまいりました。 私自身、朝鮮半島問題というのは余り興味が薄かったというか、大変認識がなかったんですが、もう三年ぐらい前のことです。私のプロレスの師匠であった力道山という人、これは皆さん御存じだと思うんですが、言うまでもなく戦後に果たした役割というのは大変大きかったというのか、敗戦という中で夢をなくした国民が力道山の試合を見ながら、あるいは街頭テレビに三千人、四千人という人が群がってあしたの希望をつないだというような時代でもありますし、そういうものはいろんな書物にも書かれているわけですが、その娘さんが北朝鮮におられるというニュースを初めて聞きまして、一度訪問してみたいという興味がわきました。 そしてまた近年、去年、ことしにかけて朝鮮問題が大変緊張して、また日朝の関係も非常に硬直した状態にあるということで、もしかしたら私の出番かなということで内々にいろいろ北朝鮮側の人たちのチャンネルを探ってみたんです。それについてはやはり大変厳しいというか、政治的目的で来られますか、あるいはスポーツということで来られますかということで確認があったんですが、私は政治的なことは別にして、力道山という人が朝鮮半島の出身であるということと、私の恩人でもありますので、その恩返しをかねてぜひ北朝鮮を訪問したいということで、それで招待状が出たんです。 力道山という人を見ていきますと、戦後大変出世されたというか、プロレスで大成功し、お金も名誉もすべてを手にしたというように出世物語に出てくるんですが、一つは、力道山という人が朝鮮人であるということがタブー視された時代でもあったんじゃないか。これはやはり力道山が日本生まれで、長崎県の大村出身であるとか、何とか小学校で大変正義感の強い子で女の子を助けたとか、そういう話ができているわけなんですが、実は本当は北朝鮮の生まれで、子供のときに相撲の一行に連れられてきたというような話になるわけなんです。 ちょっと力道山を通して北朝鮮を見たときにいろんな側面が見えてきたというか、ありがたいことにいろんな人からこの前私が北朝鮮に行くということで資料を届けていただきまして、その資料に目を通していくと、いけばいくほど強制連行というか従軍慰安婦というか、こういう問題と重なってくる問題が出てくるんですね。 力道山が日本に来られたのが十七歳とかあるいは十五歳とか、いろいろまちまちなんですが、十五歳とか十六歳ぐらいの少年が植民地支配をしている国へ喜んで来たかなどうかなということを私なりに検証していくと、力道山という人は三人兄弟で、長男が大変相撲が強くて、そして毎年大会で優勝していた。たまたまその地域に植民地で警察官として行っておられた方が、その奥さんが二所ノ関の後援会長というかそういう関係の人がいて、娘さんを訪問されたということで、力道山を見初めて、相撲取りにという形になるんです。 これは私、本人に聞いたわけじゃないから何とも言えないんですが、その日本行きにお母さんが大反対して、すぐにお嫁さんを探してきて結婚させてしまうということからその娘さんができるわけなんですが、そういうものは一切報道されていなかったというか、戦後、力道山という名前が高まれば高まるほど力道山は日本人でなくちゃならないという。当時は自民党の大野伴睦先生がコミッショナーをやられたし、それからまた児玉誉士夫さん、右翼の方が協会の会長をやったとか、非常に政治絡みのにおいが出てくるんです。私も入門した当時そういう席にも同席させてもらったことがあります。 私の場合は、ブラジルに子供のときに移民をいたしまして、そして向こうで力道山にスカウトされて入門したわけなんですが、入門するときの話というか、会ったときに、裸になれ、背中を見せろ、そういう場面が、力道山のスカウトされるときと全く同じような場面があって、私はプロレスを見ておりましたし好きだったから喜んで入門することに同意したんですが、力道山の場合は必ずしもそうでなくて入門したと。ですから、力道山のファイトぶりというものを私、我々の先輩として見ていくときに、戦後の国民をあれだけ沸かせたエネルギーはどこから出てきたのかなということを思うと、やはりこれは民族意識というか抑圧されたそういうものとかいろんなものが重なって、そしてあのリングの中であの力が出てきたのかなと私なりに判断をするわけなんです。 そういうことで、今回の訪問でまず最初に朝鮮のアジア・太平洋平和委員会というそこの委員長さん、全容淳さんという方の招待と、それからもう一つは朝鮮国家体育委員会委員長の朴明哲という方、これが力道山の娘さんのだんなさんということで、向こうへ行ったときに大変好意的にというか、歓迎をしていただいたわけなんです。 一つは、やはり言葉とか会釈とかということよりも心の奥の中にあるものというのは、私どもはリングの上で日ごろ戦いで相手の心を読むことになれているというか、そういう職業をやってきた男ですから、本当にこの人たちが心を開いて我々を迎え入れているかどうかということは感じる部分がありました。やはりこの日朝の問題というのは物すごく底が深いんだなという気がいたしました。それは力道山の、これは北朝鮮側から出た「力道山物語」という本があるんですが、英語で書かれてありまして、またそれを訳したものがあるんですが、そういう中に随所に出てくる。だから、我々が見ていた力道山、日本から見た朝鮮半島というのとはまた逆に、朝鮮半島から見た日本また力道山というものを見たときに、本当にそこにある問題というものが何となく見えてくるような気がするんです。 先ほどお話を聞いていて、確かに日朝関係あるいはアジアにおける関係とか戦後処理とか、もういろんな問題があるわけなんですが、その根本にあるものはやはり差別という問題、これがなくならない限り本当の心のきずなというのはできないんじゃないかなということを痛感したんです。 差別というものはいつから生まれてきたのかなと思いますと、私もちょっと歴史をひもといてみましたら、一九〇三年、四年、ロシアが中国あるいは朝鮮半島に攻め入った、その後に伊藤博文さんという方が向こうで、統監というんですか、そういうことで日本の植民地支配になっていく。その時代から差別というものが出てきたような気がするんですね。 それで、ひとつ日本人というのは何だろうかなという、私も海外を回って、また試合でいろんなところに行って自分なりの存在を見ることがあるんですが、チマ・チョゴリ問題からいろんな問題、先ほど同僚議員からも出ておりましたけれども、差別を通して日本人が、私はよく東南アジアにも団体を連れていったことがあるんですが、旅行で行かれている人たちのそぶりというか、ホテルにおいて大変横柄というか、あそこの人たちを見下げた態度でコーヒーショップに座って足を組んで、それこそ犬を呼ぶような感じで口笛を吹いてウエートレスを呼んでいる姿というのをよく見たことがあるんです。 それと同じ人が例えばアメリカに行くと、まさに借りてきた猫のようにおどおどしながら非常に卑屈な態度でコーヒーをオーダーする。これは一つは、いいとか悪いとかを抜きにして、日本人が持っている逆に言えば劣等感というか、あるいは一方では優越感。だから、力道山という人が入門するときに、植民地支配をしていた日本、軍というか、そのときに日本人が弱者あるいは強者に回ったときの態度というのをそういう部分で私は見るわけなんです。 多分、朝鮮半島を支配しているときに、強者という立場に立ったときの日本人というのは大変横暴な振る舞いをしたんじゃないかな。全部が全部そうじゃないと思いますけれども。そういうものの恨みというものが例えば今度は恨の思想というか、一回仕打ちを受けたら一生忘れないという、これはまた朝鮮民族の一つの遺伝子とでもいいましょうか、それが怨念となって残っている。いまだにやはり、これは南北問わずに抗日戦争というか戦争のあれを忘れないようにという教育を徹底してやっている姿というのがある。 そうすると、そういう時代を知っている人であれば、日本人のすべてが悪いわけではなく、いい人もいる、そういうことを判断できるけれども、時代がだんだん過ぎていくと悪い部分だけが強調されてずっとこれが残っていく、そういう問題がある。そうすると、次の世代に本当に平和が来るかというと、全くそういうものじゃなくて、逆行するような形になっていくのじゃないかという気がするんです。 ですから、逆に日本人というものを自分なりに判断すると、たまたまちょっと私ごとになって申しわけないんですが、去年私はあるスキャンダルに巻き込まれてというか、連日テレビで私の報道をされまして、あることないことを。日本人がかつて大陸でやっていた集団リンチというか、団体になったときの日本人というのは大変理性を失ったような行動に出やすい。それが去年、私の全く根も葉もないことについてもうとにかくテレビがやたらに書き立てる、事実を関係なしに。それが何となく、今暴力は使えませんからそういう筆の暴力、あるいはマスコミの暴力ということで出てきたんじゃないか。それが日本人じゃないかなという私は気がするんです。 それがいいとか悪いとかは抜きにして、その民族が持っている特異性というもの、そこからこの朝鮮半島問題というものを見て、今私は私なりにスポーツ外交ということで向こうの方に心を開いてもらおうと。だから、その全容淳さんとの会見の中で当時、今はミサイルが全部日本列島に向いているということですけれども、一体どうなっていますかという質問をしてみましたら、大変笑いながら、いやこれはお互いの信頼が醸成されれば自然と解決する問題ですよということを言われておりました。だから、それを裏返して言えば、本当に信頼関係ができてないからそういう問題が発生するのかなと。 それからもう一つは、やはり大変閉ざされた国でもあるということから、マスコミが好きなように書き立てる。テレビの解説者あるいは雑誌の解説をする方たちが、要するにこれは売名行為とでもいいましょうか、事実とは関係ないニュースをどんどん流していく。そうすると、もっと過激なニュースを書かなきゃ売れないということで、もっと書き上げる。そういうことによって我々がこの朝鮮問題について非常に混乱している。 そこで、私自身が全容淳さんと会ったときの会談をちょっと御披露しますと、まずそういう雑談もありましたが、金正日書記の健康はいかがですかということで質問しましたところ、大変ありがとうございます、気を使っていただきまして、至って健康でありますというメッセージがあったんです。それは私なりに、言質はとれませんが、ああこれは間違いなく一部で言われている病気説とかそういうこととは別に健康であるなということを確認させてもらったんです。 それともう一つ、力道山の遺族を来年まず御招待しようかなと。先ほど大臣も言われていました民間外交というか民間交流、こういうことは大変必要であるということで、私自身、私なりの判断でその機会を、何か理由がないと向こうも出てこれないだろうから、そういう機会を利用してもらって多くの人にこちらを見てもらいたいということで、一月の四日に東京ドームで私自身がリングに立つんですが、六万人という前で試合をしようと。 力道山という人は大変有名で国民は知っていますが、プロレス自体を知らないからそれを見ていただこうということで企画して提案したところ、普通はこういう話というのはトップダウンで来ますから、なかなか下から上げていってもすぐに返事がおりてこない。ところが、この場合においては即答で返事が返ってきて、努力しますということがあったんで、この政治体制はどういうふうになっているかなということを私なりに判断したんですが、金日成主席が亡くなられてその後大変混乱しているということであったんですが、生きておられるころから金正日さんがもう指揮をしているということで、そんな混乱が起きてないというような判断というか、向こうの方もそのことを言っておられました。 またもう一つは、来年春先にひとつ平和のイベントを企画しますけれどもいかがでしょうかと。非常にマスコミに対する批判が強かったんですが、我々同行記者が一人いたんですが、我々のグループということで行ってもらって見たままを報道してもらったりと。そういうことで、要するに北朝鮮側がいろんなことをアピールすればするほど、例えばマスゲームなんというのは完璧にすばらしいことをやるわけですけれども、やればやるほど我々から見れば奇異に見えるというか、そういうことで、大事なのはやはりイベントというのは大衆の中で、そしてそれを正直な形で伝えるということで、それにはやはり北朝鮮側が一方的にこうだああだと言っても我々はなかなか受け取りにくい。 ですから、私どもは一つの役割として、あなた方がメッセージを送りたいことを世界に送る役割を果たさせてもらいますよ、それには世界からいろんな人を呼びますし、そしてその中でいろんなものを見せてもらってそのままを報道しましょうという企画を出しましたら、それに対しても大変すばらしい企画でありますから検討しますということで、ついこの二十二日に私の秘書が北京で向こうの平和委員会の副委員長と会談をいたしまして、私が出した提案についてすべてお受けします、そして来年のイベントは金正日書記から直接の指示が出ましたので必ず実現、成功させるようにという指示がありましたというメッセージをもらったんです。 そういうことで、近々自社さきがけですか、三党の訪朝団が行かれるそうですが、一つは、社会党さんが北朝鮮とは一番関係が深かったと思うんですが、今回の自社連立という問題に対して大変不信感を持っておりました。今まで対立していた党が一緒になってどうなのかなと。そういうことは、きょう私は決して批判とかそういうことじゃなくて、向こうの方が思っているという私が得た情報をきょうは大臣に聞いていただきたいと思いまして。 それで、また一つには、通常我々が一人で行動するというと外務省もかなり神経をとがらせるようですが、今回は割とおおらかにというか、中国の日本大使館の方も大変協力的に、特に余田さんという朝鮮半島問題の方によく動いていただきました。 そういう意味では、国交のない場合にスポーツ交流を通じて、スポーツというのはだれも反対しませんし、平和というのは全くだれも反対しないテーマで、私自身、自己宣伝を言うわけじゃないんですが、そういう非常に緊張している政治の壁が高ければ高いほど入っていきやすい場面があると思うんですね。 そういうことで、まだまだいろいろお話ししたいことがたくさんあったんですが、今回、私自身訪問しまして、そして提案したことに対しての返事が大変いい方向で参りました。そして、正確に言いますと、四月二十九日、ピョンヤンで百万人のイベントをやりましょうということで話がまとまったわけです。百万人というのは、これは集めることは簡単らしいんですね。一週間あれば集めますよと言っていましたが、しかし実際にはそのイベント自体は百万人が見ることはできませんから、五・一競技場というのがあるんですが、これは十五万人収容できるという大変すばらしい競技場で、そこでそのイベントを開催しようと。 そのときに、もしできれば我々だけじゃなくて政府のというよりは外務省も加えてもらって本当の意味のきずなを、まあすぐにはできません、これもやっぱり信頼関係というので。一方では政府がこれから道を開かれるでしょうし、我々は我々として民間としてのまた道も開き、そういう意味で一日も早く朝鮮半島問題を。 それからもう一つ、差別問題ということ、これはやっぱりどこかで上っ面だけで議論するんじゃなくて、ここに七十万という在日朝鮮人、この人たちが受けてきた仕打ちと、また彼らが持っている劣等感とでも言うんでしょうか、私どものプロレスの団体の中にも朝鮮国籍のパスポートを持っている人たちがいるんです。そうすると、海外へ遠征するときに一人だけ走っていくわけです。どうしておまえ、そんなに急ぐんだと。我々はその人が朝鮮人であるのはみんなわかっているけれども、しかし本人はそれを知られたくないという意味で団体よりも先に行って手続を済ませる。 そういうことと同時に、我々の側に、日本人の側に存在するもの、例えば会ったときには非常に愛想よく話していますが、離れた瞬間にあれば朝鮮人だよというような会話がすぐに出てくる。これがだから逆に言えば、朝鮮人の同化問題というか、日本国籍を取ってくださいと、これはかって総理府からもいろいろ指示があったようですが、そういう問題。 やはり朝鮮民族として堂々と生きていけるような環境づくりをしてあげなきゃいけないんだと思うし、また私自身が差別という問題について、アメリカを遠征しているときにジャップということで、アパートを借りょうと思って行ったときに私の顔を見てアパートを貸さなかったと。これは地域によりますが、テキサスなんかは逆に非常に親日的というか、日本人には好意的だったんですが、当時テネシーなんというところに行くと大変そういう差別があった。そういう中で今は非常に日本人もアメリカの社会の中で生きやすくなっていると思います。 同時に朝鮮民族が、もう一世から五世にかわっていると思いますが、その人たちが本当に、やはり民族というのはこれは尊重しなきゃならない問題でもあろうと思うんで、そういう環境を早くつくってあげたいなと思っております。 ちょっと一方的にしゃべってしまって済みません。大体の質問のことはお聞きしたので、私なりの今回の訪朝における感触というものを述べましたが、私も政府にこういうことを申し上げる機会がなかったもので、この場をかりて大臣に聞いていただいたわけなんです。 そしてもう一つは、最後にやはり統一という問題ですね、南北統一というもの。これはやはり一つの民族が分断されているというのは非常に不幸なことで、唯一命残された国じゃないかな。そういう意味で、今までの米朝交渉あるいは核の問題、これはなかなか日本の出番がなかったかもしれません。そして、この統一問題というのは最終的には両南北の指導者あるいは国民がそういう気持ちにならない限り統一はできませんが、日本として何かその辺の、過去に犯してきた罪というか、戦後におけるいろんな問題と別に独自に何か役割がないんだろうか、それをひとつお聞きして終わりにしたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 猪木議員の貴重な体験を御披露いただいて、まことにありがとうございました。我々にはなかなか体験することのできない、聞くことのできないお話でもございまして、拝聴をさせていただきました。朝鮮半島における民族の問題、我が国との歴史的な問題等、大いに我々が考えなければならないことを非常に具体的に御指摘をいただいたことにお礼を申し上げたいと思います。 朝鮮半島における今後の情勢がどういうふうに推移するか、猪木議員も御指摘のとおり、これは当事者が自主的にお決めになることだと思いますが、我々はやはり歴史に一時期大きくかかわった人間として、我々が考えるべきこともあると思います。すなわち、これから先もしてはならないことは決してしてはならないという気持ちをきちっと持たなければならないと思います。 また、我々に期待されるものがあれば、そうしたことに十分耳を傾けてこれから先もいきたいというふうに思います。
○猪木寛至君 ありがとうございました。
○武田邦太郎君 午前中、大木委員、矢田部委員から言及のございましたところと関連するわけでありますが、私は主として中国に焦点を絞って所見を申し上げたいと、こう思います。 御承知の中国は今非常な勢いで経済的躍進を遂げておりまして、国家スケールの経済においては近く中国が世界一になるだろうと、こういうふうに言われておりますが、そういう経済の躍進を背景にしまして軍事力の強化に極めて熱心であると。核の実験にしましても、もちろんその都度厳重な発言をして抑制しなきゃなりませんけれども、どうもその程度ではおさまりそうもない。特に、旧ソ連から幅の広い技術を核兵器について輸入している、千人以上の技術者をロシアの十倍以上の俸給で入れているというようなことも伝えられております。ですから、中国の核兵器がそう遠からざる将来に太平洋を越えて米本土を直撃する能力を持つに至るということも予想くれております。 もちろん、これは直接核戦争があるというわけじゃありませんけれども、そういう軍事的な対立が顕著になるというときに、現在の経済市場にアメリカは非常に熱心に進出したがっておりますから急にどうのということはないと思いますが、裏を返せばそれが中国にとっては一つの時間を稼いでいるということにもなりましょうし、日本としては、午前中、矢田部委員もお話がありましたように、世界政策、アジア問題について、米国の後塵を拝するという姿勢ではアメリカと中国との対立は容易に解決しないのではないか、こういうふうに思いますが、大臣、どうお考えでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 武田議員の中国に対する御観察はよくわかりますが、私どもは実は現実の問題として米中関係、アメリカと中国の関係は両国がそれぞれ非常に気を使っているというふうに見ております。 つい先ごろ中国を訪問したアメリカのペリー国防長官は、中国訪問の帰途日本に立ち寄られましたので私も少しお話をする機会がございました。 米中関係は、御承知のとおり、一時天安門事件その他で冷え込んだ時期がございましたけれども、今、そうした状況を改善して、少しずつ再び米中関係はいい関係を構築しようという感じが見受けられます。もちろん、台湾という問題がございますけれども、基本的には米中関係はいい関係を持続したい、あるいはいい関係をくらに発展させたい、そういう気持ちが明らかに両国ともどもにあるというふうに私どもは見ているところでございます。
○武田邦太郎君 現在の状態では私も大臣と全く同じ観察をしておりますのですが、これが中国が、先ほど申し上げたようにアメリカの基礎研究に遠く及ばないわけでありますけれども、アメリカに危険を冒すだけの核戦力を持った場合、表面はともかくも、お互いの内心においてそうそう外から見て穏やかであるというふうに考えるだけでよろしいか。特に、午前中、大臣もお話がありましたように、日米協力して世界問題に対処する心構えというものが今のところ大事だ、特に米国のアジアにおける軍事力のプレゼンスは相当期間大事になるではあるまいかというような意味のお話がありましたが、そういう角度からだけこの米中関係の将来の状態を推しはかっていっていいものかどうか。 特に、日本は沖縄に米軍基地を持っておりまして、面積でいえば全国の米軍基地の七五%が沖縄に集中しているわけで、私もごく最近中国に参りまして要人との懇談のときにぽろっと出ましたのは、沖縄の米軍基地はソ連の解体した後どこを目指しているのかという意味の言葉がありました。これはもう言うまでもなく沖縄の米軍基地は主として目標は中国だろうということを言っているわけで、これは私も返す言葉がなくて、何とか米中の問が心から親しくなるような努力を日本がしたいものだという程度のことでとどめたのであります。 やはり、アメリカの前進に歩調を合わせるという程度ではこの両国を本当に仲よくさせるということは及びもっかないわけで、両国から本当に日本の平和姿勢が信頼されるというところまでいかないと、したがって日本はアメリカとも相互尊敬するが中国とも相互尊敬する、こういう形になりませんと、現在のところでは不幸にして両方とも保そうなっておらぬと思いますけれども、それを目指して明確な歴史展望と世界政策的な勇気を奮ってこの両国の問を何とか平和、いわば世界平和の一番大事なところだというぐらいの意気込みで前進することが大事じゃないかと。 それについては、もちろん河野大臣のような近い将来の日本の政策をずっと責任をお持ちになる立場の政治家の方のお力が最も大きいのでありますけれども、国民的な世論をもそういう方向に高めながら、その世論の背景において両国に接触する、こういうことが望ましいのじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 御指摘は大変貴重な御意見として受けとめさせていただきます。 日中関係は、御案内のとおり、我々の先輩の大変な苦心もあって現在国交は正常化されて、今さまざまなレベルでの交流が進んでおります。まだまだ両国の長い歴史を考えれば、改めて国交が正常化くれて二十年という時間は両国の長い歴史にかんがみればごくごくわずかな時間でしかありません。そして老若男女、さまざまなレベルでの交流も、それは歴史を考えればまだまだ浅いものであるというふうに見る見方もあると思います。 しかし、いずれにせよこの両国は、言われるように子々孫々までよりよい関係を発展させていくという政治的、社会的リーダーの決意というものがきちんとあって、そしてそのための努力がなされていけば私はいい関係を維持することはもちろん十分可能だと思っております。そして、御指摘のとおり、中国という国が持つ潜在的な能力というものは、これはもう世界的に見ても最も潜在力の高いものの一つであるということは御指摘のとおりだと思います。 しかし、この国が急激な経済発展を遂げて、もちろん国内的にも大変大きな市場を持っていることは事実でございますけれども、急激な経済発展は必ずや国際的な依存関係、相互依存関係というものをさらに強くしていくということになると思います。 国際社会の中における相互依存の関係というものをさらに進めていくということになれば、これはこれまでの中国の政策というものとはかなり違った政策というものが中国でとられてくるに違いないというふうに私は思いまして、御指摘のように、我が国の対米関係に対する政策、それから対中関係におきます政策、そういったものをやはり何よりも重視していく、そういうことが必要であるというふうに私も考えております。
○武田邦太郎君 日本と中国を結ぶのに経済的、技術的な援助も非常に大事だと思いますが、江沢民国家主席にお会いしたときに真っ先に言われたことは、十二億の人民に食べさせるということが昼夜にわたって双肩が重いと。よくよくこの食糧問題、周知の事実でありますけれども、心を悩ましておられるということは痛切に感ずるわけです。 また別の機会に、日本も高度成長の中で農業問題は完全に失敗している、しかし努力をすればちゃんとバランスのとれる国民経済ができる政策はある、中国はこういう日本の姿に他山の石的教訓をお持ちにならないだろうかという意味のことを話しましたら、実はそれにもう少なからず頭を痛めているんだが、この次はその問題専門に話したいと、こういうことを言っておられました。 日本も農業問題はすっかり失敗しておりまして、穀物の自給率は厳密にいえば二二%ぐらいしか自給していないので非常に危険状況でありますけれども、日本のこういう問題解決に努力しながら、中国のより深刻な食糧問題に日本が持っている政策なり技術なりは幾らか役に立つかもしれませんし、向こうも歓迎の意を表しておりますので、できれば適当な機会に大臣のお力でそういう方向にも日中提携の道の開けますようにお願いしたいと思います。 終わります。
○山下栄一君 まず最初に、きょうの朝とかお昼のニュースでも伝えられておりますが、イスラエル、ヨルダンの平和条約の調印式が日本時間で昨日の夜行われたという画期的な歴史に残る出来事が報道されたわけでございますけれども、これに関しまして政府の、また外務大臣の評価をお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 今回のイスラエル、ヨルダンの平和に向かっての決断というものを我々は高く評価したいと思います。長い歴史の中で、双方が大変厳しい状況の中で決断をされたこの決定というものを我々は敬意を持って評価したいと思っております。この決定というものかこれから先尊重されていかれますことを期待したいと思います。
○山下栄一君 このイスラエル、ヨルダンの平和条約の締結がさらに長年懸案となっておりましたイスラエル、シリアの和平交渉の進展にも大変よい影響を与えると、こういうふうに期待されておるわけでございますし、本日、クリントン大統領もシリアを訪問されましてアサド大統領と会談される予定である、こういうふうにお聞きしておるわけでございます。 いずれにしましても、イスラエル、エジプト、そしてまたイスラエルとPLO、また今回のヨルダン、シリア、こういう形でアラブ・イスラエル問題、長年戦後の国際政治の懸案となっておりました問題が大きく今動きつつあるという、和平に向かって大きな影響を与えつつあるということは大変評価すべきことであると思うわけでございます。 これに関連しまして、ゴラン高原へのPKO派遣、自衛隊の派遣ということが政府におきまして検討されておるということを、先日も報道されましたし、聞いておるわけでございますけれども、一九七四年からことし二十年にちょうどなるわけでございますけれども、イスラエル・シリア間の停戦監視を目的とする国連兵力引き離し監視団、UNDOFですか、このゴラン高原におけるPKOの派遣についての政府の現在の派遣計画につきましてお聞かせ願いたいと思います。
○説明員(貞岡義幸君) 御説明申し上げます。 ゴラン高原の件につきましては、国連よりの非公式打診を受けまして、現在政府の部内において事務的に情報収集、検討を行っているところでございます。 先生御質問の今後のスケジュールにつきましては、現在のところまだ何も決まっていない状況でございます。
○山下栄一君 今お話しございましたように、ことしの五月でしたか、国連より非公式にゴラン高原への派遣の打診があったということでございますけれども、この派遣要請の経緯をちょっとお聞かせ願いたいと思います。
○説明員(貞岡義幸君) 現地におきましては、カナダが後方支援分野を担当しております。それで、国連より先般の五月、カナダが担当しています後方支援分野の一部について日本側に引き受けてほしい、そういう打診が非公式にあった次第でございます。
○山下栄一君 六月にカナダに調査団を派遣されたということもお聞きしておるわけでございますが、この調査団の派遣の報告を簡単にお願いしたいと思います。
○説明員(貞岡義幸君) 先生御指摘のとおり、六月に総理府と防衛庁、外務省から成る調査団をカナダの方に派遣して、カナダの国防省、外務省との間でカナダが現在現地において行っています後方支援の業務の具体的な内容について説明を受けた次第でございます。
○山下栄一君 説明を受けられて、例えば日本のPKO協力法の五原則にかなって派遣の可能性があるとか、その辺の見通しはどうでしょうか。
○説明員(貞岡義幸君) 法律上の五原則との関係でございますが、ゴラン高原のPKOは伝統的なPKOでございまして、設立の当初は若干の停戦の違反もありましたけれども、その後は停戦の違反というような事象も一切ないということで、まだ法律上の検討が完全に終わっている段階ではございませんけれども、一応原則としては問題が少ないだろうというふうに考えております。
○山下栄一君 柳井局長にもお考えをお聞きしたいと思います。ゴラン高原への可能性ですね、PKO派遣。
○政府委員(柳井俊二君) ただいま総理府国際平和協力本部事務局の貞岡参事官から答弁のあったとおりであると思います。
○山下栄一君 今、ザイールにおけるルワンダの難民救援活動に派遣されておるわけでございますが、これが終わりましたら非常に貢献性の高いゴラン高原への派遣、これにつきましては積極的に派遣を検討すべきではないかと。特に、今お話がございましたように、日本の法にもかなう状況であるという、そういう報告もございましたので前向きにこれは検討をすべきではないかと、このように考えるわけでございますが、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 今、事務当局から御答弁申し上げましたように、まだ現時点では派遣について何も決めておりません。法的に十分その範囲であるかどうかというような判断を事務当局がいたしますれば、全体的な問題を考えて最終的には政治が判断を下すということになろうかと思いますが、現時点ではまだそうしたことを考えておりません。
○山下栄一君 今も冒頭申しましたように、中東和平の大きな進展の中で日本がやっぱり積極的な国際貢献を図るチャンスではないかと、このように思うわけでございますので、現地への調査団の派遣、これは検討し前向きに実施すべきではないかと、このように思いますので、この辺の大臣のお考えを重ねて伺いたい。
○国務大臣(河野洋平君) 現在我が国は、先ほど御指摘のとおり、モザンビークあるいはルワンダの難民支援のためにザイール等に多数の自衛隊員が派遣されております。このことは我が国のPKO活動、ザイールの場合には少し性格が違いますけれども、我が国の国際貢献におきます歴史から申しましても極めて多数でございまして、これらの経験をよく踏まえて着実に、間違いのない国際貢献を行っていくためには十分な検討が必要だというふうに考えておりまして、まだ最終的な判断をいたしておらないところでございます。
○山下栄一君 もう既に五月に打診があり、六月に関係の方々がカナダにも調査団を派遣されておるわけでございますので検討されておらないことはないと思いますけれども、きちっとした周到の準備が必要であることは当然でございますけれども、どうか前向きの御検討をお願いしたいと思います。 ルワンダの難民救援活動、これは新しい試みで、人道的な国際的救援活動に基づく初めての要員派遣ということでございますが、さまざまな問題点も指摘されておるわけでございます。たくさんの報道陣も現地におりまして、そういう報告はどんどん新聞、テレビ等マスコミを通して聞いておるわけでございますが、そういうさまざまな報道機関の報告によりますと、現地難民キャンプにおいて自衛隊が本当に役に立っておるのか、余りまだ歓迎されておらないというふうなことも聞いておるわけでございます。 今回、医療、防疫、給水、空輸、こういう面で活動が行われておるわけでございますが、こういう分野においてはもう既にNGOの網の目が張りめぐらされておって、余り自衛隊の出る幕がない、かえって妨げになるというふうなことまで、そういう話もあるわけでございますが、実際どの部門で具体的な著しい貢献があるのかということをちょっとお聞かせ願いたいと思います。
○説明員(平沢勝栄君) 陸上自衛隊のルワンダ難民救済につきましては、本日約四十名が現地入りいたしますので総計約二百六十名になるわけでございますけれども、今、先生から御指摘がありましたとおり、現地で行っております活動につきましては大きく三つございます。 一つは医療活動でございまして、これは具体的に申し上げますと、国立ゴマ病院において難民キャンプから送られてきた患者に対しまして手術を含む診療を行っているところでございます。このほか、州立の衛生試験場における細菌検査、あるいはNGOの要請がありました場合には難民キャンプ内における診療所を支援するといった活動も行っているところでございます。 それから二番目の活動といたしましては防疫活動でございまして、これは難民キャンプにおける消毒剤の散布活動、こういったことを行っているところでございます。 それから三番目につきましては給水活動でございまして、これはルワンダ難民のための浄水活動を行っているところでございます。 全般的には順調に行っているところでございまして、私どもとしては大変現地の方々に喜ばれていると考えているところでございます。
○山下栄一君 十月に入りまして、現地で活躍されておるNGOと外務省を初めPKO関係の担当省庁との連絡協議会が開かれたというふうなことをお聞きしておるわけでございますが、そのときに出た話としまして、こういう協議をもう少し早い段階でやってほしかった、こういうような声があったようでございます。特に、難民救援活動につきましてはNGOとの連絡というふうなことは欠かせないと思うわけでございまして、実際派遣の段階でNGOとの協議といいますか、こういうことをされたのかどうか、外務省にお聞きしたいと思います。
○政府委員(須藤隆也君) 御案内のとおり、政府は、自衛隊の部隊の派遣決定に至る過程で二度にわたって現地に事前調査団を派遣いたしました。いずれの調査団も現地におきまして、難民支援活動を統括調整しておりますUNHCRのほか内外のNGO団体、例えば国境なき医師団とか日本のアジア医師連絡協議会、アフリカ教育基金の会とか、そういうNGO団体と詳細な意見交換を行いまして、特に難民キャンプのニーズあるいは難民支援活動の概要等につき聴取いたしまして、我が国の支援活動の対象等の検討に参考とさせていただいた次第であります。 なお、第一次の調査ミッションには我が国のNGOでありますアジア医師連絡協議会からお医者さん一人参加していただいております。
○山下栄一君 派遣前の話ですね。
○政府委員(須藤隆也君) 派遣前の話です。
○山下栄一君 さらに、その協議会でお話があったことでございますけれども、現地の治安状態が悪化してきておるということで治安が非常に不安である、緊急事態のときには助けてくれるのかという、そういう声もあったということでございますが、このNGOメンバーへの警護につきまして、自衛隊がそういう要請があった場合にそういう任務を行うことが予定されておるかということをお聞きしたいと思います。
○説明員(貞岡義幸君) 派遣の際に策定されました実施計画におきましては、自衛隊の任務として警護というものはそもそも入っておりません。
○山下栄一君 それはわかっておるんですけれども、そういう要請が具体的にあるということ、それから防衛庁長官もその場合は警護の用意があるということを発言されておるわけでございまして、微妙な問題だと思いますけれども、法律の空白の部分だと思うのでございますけれども、この辺は具体的に検討されておるのかどうか、ちょっとお聞かせ願いたいと思うんです。防衛庁長官がおっしゃっておりますので、この辺どうでしょうか、外務大臣。
○国務大臣(河野洋平君) 自衛隊を派遣いたしますに当たりまして、その目的、使命というものははっきりさせておかなければなりません。今回の派遣に当たりましては、先ほど来御説明を申し上げておりますように、給水、防疫等、運輸まで入れて四つの仕事を目的として指示しておるところでございます。
○山下栄一君 公式の発言はそうだと思いますけれども、緊急事態のときに助けてくれるのかという声に対して、それはもう現場対応である、こういうことなわけですね。どうなんでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 自衛隊が警護のために現地に行っているのではないということははっきりさせておかなければならないことであると思います。
○山下栄一君 次に、軍縮の問題を少しお聞きしたいと思います。 先ほども委員の方から中国の核実験の話がございましたけれども、全面核実験禁止条約の準備が非常に精力的にジュネーブの国連軍縮会議で検討されており、またこの秋には草案も既に準備されたというふうにお聞きしておるわけでございます。この全面核実験禁止条約、でき得れば来年度行われますNPTの再検討延長会議までに何らかの具体的な成果を出したい、こういう大きな目標のもとにCTBT、全面核実験禁止条約の準備がされておるというふうにお聞きしておるわけでございます。 来年は国連創設五十周年でもございますし、この条約の具体的な成果というものは非常に人類的な期待がかかっておる、このように思うわけでございますが、このCTBT交渉の妥結に当たりまして、日本の努力と妥結の見通しについて御報告をお願いしたいと思います。
○政府委員(林暘君) 今御指摘ございましたように、全面核実験禁止条約の交渉はことしの一月からジュネーブの軍縮会議で行われております。軍縮会議は九月初めまでで通常の会期が終わりますのでことしの会期内の折衝は終わったところでございますが、十一月の末から会期外の折衝を三週間いたす予定になっておりますし、来年の一月から改めてまた通常の会期が始まることになっております。 今御指摘のように、九月の会期が終わります前に、議長の責任におきまして、それまでの議論をまとめましたいわゆるローリングテキストという、合意が得られてないところについてはかぎ括弧のついたテキストができ上がっております。 ただ、かぎ括弧がたくさんついておりますのでこれからまださらに詰めなくちゃいけない部分がたくさんあるわけでございますが、先ほど申し上げましたような十一月からの交渉を踏まえまして、来年四月に行われますNPTの延長会議の前までにはできる限りの進捗をしたいというふうに我々も思っておりますしその努力をいたしておりますが、具体的に四月までに妥結ができるかということであれば、ちょっと今何とも申し上げかねるという状況でございます。
○山下栄一君 では具体的な障害となっておること、問題点といいますか、交渉の妥結への課題といいますか、お聞きしたいと思います。
○政府委員(林暘君) 細かい点を含めますといろいろあるわけでございますけれども、今、年内の会期外折衝である程度詰めたいと思っておりますのはいわゆる検証手段の部分でございまして、これにつきましては今までもいろいろ技術的な側面その他から議論をしてきておるところでございますが、今までの議論で四つの手段でこの検証をやろうというふうなおおよその議論にはなっております。 四つと申しますのは、地震学的な手法を使うもの、それから放射性降下物という、降ってくる大気圏の放射能を測定するもの、それから水中の音波探知、それと人間の耳には聞こえない音、不可聴音と言っておりますけれども、そういったものの測定という四つのものを使うということでほぼ大筋の意見はまとまっておりますけれども、具体的にそれをどういうふうにやっていくかという点についてはできる限り年内の交渉で詰めたいというふうに思っております。 そのほか、議論がもう少し進みますれば、条約の対象範囲というところについても若干異論がまだございますので、その辺の問題も出てこようかというふうに思っております。
○山下栄一君 今おっしゃった検証システム、地震学的方法、これは今特に日本が大変貢献しておるということをお聞きしておるわけでございますが、このことも余り知られてないというふうに思うわけでございまして、特に核実験の検証のための体制というのが今お話ありましたように全面核実験禁止条約を妥結させるための大事なポイントであるということから、非常に日本の方々の努力ということが、資金面も含めまして、また人的、技術的な面の貢献も含めまして積極的なこれからの取り組みをお願いしたいと思うわけでございます。 この問題について大臣に特に御決意をお伺いしたいと思うわけでございますが、先ほど申しましたように来年は国連創設五十周年ということで、特に軍縮面、特に核兵器全面禁止条約、まあ締結までいかないと思いますけれども、交渉の妥結まで何とかできればこのNPTの延長会議までに具体的な結論があればなと、このように思うわけでございます。 この面で日本の積極的な貢献をぜひお願いしたいということと、できましたら、このNPTの延長会議の準備会議も既に何度かされておるということでございますので、日本がリーダーシップをとりまして、核廃絶が人類の最終目標なんだと、核全廃こそが人類の最終目標であるということの確認をこの延長会議で日本がリーダーシップをとって行うべきではないか、このように御提案申し上げるわけでございますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 究極的な核廃絶は、唯一の被爆国でございます日本にとってどの国よりも強く主張すべきものだと思います。 現状では、核問題について核軍縮、そしてさらには究極的な廃絶に向かう道筋としてNPT体制を強化するといいますか、国際社会のすべての国がこれに参加をするということが一つの目標であり、NPT体制とは非核保有国がこれに参加してこのNPTの約束を守ると同時に、核保有国が一方でこの約束を守るということが何より重要だと思います。 今御指摘のように、この延長会議に臨むに当たって、核保有国が全面的核実験禁止条約をまとめて参加をするぐらいのことはやってもらわなければならぬことであろうと私は思っているわけでございます。さきの国連総会の演説におきましても、私はすべての核保有国にこのことを呼びかけましたし、我が国の立場からいえば、被爆してちょうど五十年に当たる来年このことができる、つまり核廃絶に向かっての大きな一歩がここでしるされるということは、核による犠牲者を初め戦争によって犠牲を受けた世界の人々のためにも重要なことではないかというふうに私は思っております。すべての核保有国に向かってさらに一段とこうしたことを呼びかけてまいりたいと思っております。
○山下栄一君 核廃絶宣言はどうでしょうか。核廃絶が人類の最終目標であるという確認決議、これを提案したらどうかと思うんですが。
○国務大臣(河野洋平君) このことは、今も申し上げましたNPT体制を進めるに当たりまして、NPTの前文にも記されておるところでございます。私はこうしたことを忘れてはならないということだと思っています。
○山下栄一君 次に、北海道の東方沖地震において北方四島の被害状況、これも深刻な報告、報道がされておるわけでございます。日本の国としまして、物の支援、救援物資を送るということにつきましては既にされておるわけでございますが、人的支援、技術支援ですね、これは考えられないのかということでございます。 特に、現地の例えば色丹島の被害状況におきましても、病院も含めましてほとんどの建物が崩壊してしまった、それで九〇%の住民が住むところがなくてテント生活をしているというふうなこと、また小学校も児童が島を離れてしまったとか、公園で授業をしておるとか、こういう報告がありまして、三人に一人は色丹島におきましては離島を希望しておるというふうな状況がございます。住むところがない、大変厳しい寒さの中でそういう状況がございます。 これはもちろん領土問題、それから政治的な思惑もあるわけでございますが、人道的な見地から、特に耐震、要するに地震に耐え得る住宅の技術等が日本は非常に進んでおるわけでございますし、技術者の派遣とか、そういう意味での人的支援、技術支援、これを積極的に考えるべきではないかと、このように思うわけでございますが、いかがでしょうか。大臣、済みません、お願いします。
○国務大臣(河野洋平君) 北方四島に対します支援につきまして、私どもは基本的に緊急、そして人道的、二つの見地から支援について考えなければならないと思っております。さらに、現地のニーズを確認するということが極めて重要だというふうに見ているわけでございます。 先ほど来御指摘がございました技術者の支援というのは、議員恐らく頭の中に地震学とかそういったこともあるいはイメージされておられるかもわかりませんが、これらについては明確な要請がまだございません。そういう必要があるのではないかという情報程度はございますけれども、明確な人的な支援についての要請は今のところございません。 それからもう一点、恐らく北方四島の気象条件といいますか気候を考えれば、もうそろそろ非常に厳しい環境になってきている。雪も降る時期は近づいているであろうし、もっと言えば海の荒れ方も相当ひどくなってくるとする、壊れた港湾施設その他を考えて荷物を揚げることもなかなか難しくなってくるのではないかということなども勘案いたしまして、支援については緊急、そして人道的なもので対応しよう、こう考えているところでございます。
○山下栄一君 ちょっと余りよくわからないんですけれども。緊急性は、これはもうまさに緊急事態であると思うわけでございますし、人道的な観点、これもあります。現地のニーズ、先ほど申しましたように、大半の家屋が崩壊しておる、病院まで崩壊しておるというふうな状況がございますし、ニーズはまさにあるというふうに思うわけでございます。 領土問題等の観点から、要請はないのかもわかりませんけれども、要請を待ってというふうなものではなくて、お隣のすぐ近くの話でございますし、そういう惨状を目の当たりにしておる状況の中で、物だけ送るというふうなことではなくて、やはり積極的な人的・技術支援、これはもう絶対にやるべきであると私は思いますし、これは特に日本とロシアのさまざまな協力関係、今までもあったわけでございますけれども、なかなか思うようにいかないという現状がございます。私はチャンスであると思うわけでございまして、この日本とロシアの新たな協力関係を広げていくためにも、可能性を広げていくためにも、これは要請を待ってではなくて積極的にこちらが提案していくべきではないか、このように思います。 来月、第一副首相、ソスコベツ副首相ですか、お見えというのをお聞きしておりますが、副首相の方からも積極的な支援の提案があるかもわかりませんけれども、その前にきちっと日本として準備をし、人道的な見地、また緊急性もございますし、現地のニーズも、そこに住んでいる方々が困っておられるという問題ですし、ふるさとを捨ててどんどん移動せざるを得ないというふうな状況があるわけでございます。 そういう意味で、日本とロシアの信頼を育てていくという面からもこれはもう何のちゅうちょも要らない、このように思うわけでございますので、管轄権にこだわらずに緊急、人道的な見地からぜひともこの副首相来日にあわせて提案していただきたい、このように思いますので大臣に再度御要請申し上げたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 議員のお気持ちはよくわかりますが、どうもこの問題をチャンスととらえるというのは私にはよく理解ができないのでございます。さらに、私どもは現地のニーズということを申し上げておりまして、これはもう議員御承知のとおり、領土問題という極めて注意深く考えなければならない、我が国の領土に対する基本的な立場というものをしっかりと考えて対応しなければならない部分であります。したがいまして、私どもとしても、もちろん御指摘のとおり、緊急に対応しなければならない、あるいは人道的な問題についてちゅうちょするものではありませんけれども、考えなければならないところはしっかりと押さえて対応しなければならないと思っているわけです。 現に、現地からは例えば災害救助要員などは要りませんと言ってきているわけです。そういう現地からの、どれを現地というかという問題があるいはあるかもしれません、どれがオーソリティーのある発言であるかという問題もあるいは御指摘の中にあるのかもしれませんが、我々としてはその辺はきちっと押さえるところは押さえて対応しなければならぬと思っているわけです。
○山下栄一君 極めて消極的で残念でございます。 もう時間がございませんが、最後に十月二十四日の衆議院における税特委の橋本通産大臣の発言をめぐりまして、太平洋戦争、第二次世界大戦の戦争観をめぐりまして、この発言に対して韓国政府、また中国のマスコミからの反発が報道されておるわけでございますが、この橋本発言に対して河野外務大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 私は、さきの大戦につきましての政府の認識というものは、我が国が過去の一時期に行った侵略行為や植民地支配が多くの国民に多くの犠牲をもたらした、それのみならず、アジアの近隣諸国などの人々にも今なお大きな傷跡を残しているということを直視して、我が国は再びこうしたこと、つまり戦うということをしないという誓いを新たにして国際平和に向けて努力をしなければならない、こういうふうに私は考えているわけです。 この考え方は村山総理の考え方と同じ認識であると私は思っておりますし、この村山総理の認識のもとに閣僚は仕事をしているということだと考えております。
○山下栄一君 この韓国政府並びに中国通信社の激しい反発についてはどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 橋本大臣も御自身の委員会における議事録を正確に読んでいただきたいという意味の説明を記者会見でしておられると聞いております。ぜひそうしていただきたいと思っております。
○山下栄一君 だから問題は全然ない、発言内容については問題はないと、こういうことなんですね。
○国務大臣(河野洋平君) 繰り返して申し上げますが、私は村山総理の認識に基づいて閣僚はそのもとで仕事をすべきであるし、しております。この考え方をぜひ理解してほしい、そう思っているところです。
○山下栄一君 それはよく理解しているんですけれども、具体的に橋本発言ございましたので、それに対する評価というか、それをお聞きしたいということでございます。
○国務大臣(河野洋平君) 繰り返しで恐縮でございますが、したがって橋本大臣は御自身の発言について議事録を読み返してほしいということをおっしゃっておられるわけですから、ぜひ読み返していただきたいと思っているわけでございます。
○山下栄一君 この橋本発言の中に中国、朝鮮半島に対しては侵略行為、また植民地支配があったと、ところがアメリカ、イギリス等と戦ったのは侵略戦争と言い得たかどうかは私には疑問が残ると、こういう発言をされておるわけでございますが、この発言に対しては大臣のお考えいかがでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 橋本大臣の発言を通して読んでいただきたいと思います。その部分をとって私に聞かれても、これは私がお答えをする範囲を超えていると思います。
○山下栄一君 最後に同じ質問をさせていただきますけれども、中国、朝鮮半島に対する日本の行為とアメリカ、イギリスに対する行為とでは違いがあると、こういうことに対する大臣のお考えはどうでしょうか。日本の軍部の中国、朝鮮に対する行為、それと米英に対する行為と違うのであるという、こういう内容についてのお考えはどうでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 橋本大臣は、恐らく中国に対する侵略は明確にあったと、韓国に対する植民地支配もはっきりしていると、この二つをはっきりと例示に挙げておっしゃっているというふうに私は思うんです。
○山下栄一君 したがいまして、だから太平洋戦争の全体の中で戦争には二種類あるという、中国、朝鮮に対する戦争と米英に対するのと違うんだということについての大臣のお考えはいかがですかということです。
○国務大臣(河野洋平君) 私は、あの戦争を二つに分けるか三つに分けるか、あるいは部分的にどうであったかというふうに実は余り分けて考えていないのであります。
○山下栄一君 終わります。ありがとうございました。
○立木洋君 大臣、きょうは安保理の常任理事国入りの問題でお尋ねしようと思っているんですが、本題に入る前に、午前中の同僚議員の質問に関連して、最初に二つのことをちょっと確認させていただきたいと思うんです。 大臣が九月二十七日に国連演説をなさったときに最初の部分で述べておられる、我が国は憲法が禁ずる武力の行使はいたしませんと述べたこの部分ですね、これは常任理事国入りについてのいわゆる明確な留保条件というふうに確認させていただいてよろしいでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) ただいまの御指摘は、国際法上あるいは法律的にこの部分について法的に留保をつけたかという御質問であれば、これは常任理事国であるとないとにかかわらず国連加盟国は同じ立場に立つわけでございますから、法的な問題について留保をつけた、いわゆる留保条件つきのものかという御質問であれば、そうではありませんとお答えしておきます。
○立木洋君 もう一つの問題ですが、これも午前中問題になったことなんですけれども、いわゆる今度の常任理事国入りの問題について大臣が発言された後、国連総会での一般演説なんかを見ると、アジアの国ではほとんど支持がなかったというふうなお話がございましたですよね。これは今まで村山総理がいろいろ行かれたりして、大体支持をいただけたんじゃないかというふうな話も聞いて、新聞を見ていたわけなんですが、アジアで支持がほとんどないという問題ですね。 なぜ支持がないのかという問題だと思うんですが、午前中の大臣の御発言を聞いていますと、これは一般演説でそれぞれの国が自分たちの考えていることを述べるのであって、あえて安保理常任理事国入りの問題について討論をするという場所じゃなかったからという趣旨の御説明だったんですが、これはちょっと大臣の発言とも思えない答弁なんですね。 今、国連の問題がこれほど重大な問題になっており、ましてや安保理常任理事国入りの問題が問題になり、ヨーロッパ諸国ではほとんど安保理常任理事国入りの問題について自分の立場を述べているんですよ、ヨーロッパは。しかし、アジアの場合にはせっかく、せっかくかどうかわかりませんけれども、村山さんがおいでになってもそれに対する支持の表明がない。 私は、これは日本が本当に、今までのかつての侵略戦争についていわゆる根本的な反省がなされていない、それから従軍慰安婦等の問題についても本当に諸外国との間の戦後処理が決着がついていない、このことについての大変な懸念と不満がやっぱり影響していると思うんです。 この一年間の間に、閣僚の方が二名この発言の問題でおやめになったということもありましたし、今問題になった橋本さんの発言もありました。こういう状態が続くと、これは本当に日本が常任理事国に入って、国際的な平和と安全で真剣な立場をとってもらえるんだろうかと。確かに経済的には力がある。だけれども、安保理で最も重要なことは世界の平和と安全の問題ですから、それが過去の問題について抜本的な反省がない。これはちょっとどうも不安だと、日本に入ってもらうのはということが私は関連があるんじゃないかと思いますけれども、その点について、そういう問題は一切関連がないというお考えなのか。その問題についてはどういうお考えなのか。
○国務大臣(河野洋平君) 私は、議員のお尋ねでございますが、確かに常任理事国あるいは安保理に日本も入るべきだという明示的な発言、演説はなかったのはもう御指摘のとおりでございます。しかし、そのことが日本が安保理に入ることを支持しないということと一緒にして説明をするのは少し無理があるのではないか。 現に、私どもはアジアの国々の外相、あるいは村山総理は幾つかの国の首脳と会って、その首脳の口から、あるいは外相の口からはっきりと支持をするということを聞いている国もあるわけです。したがって、演説で明示的に言わなかったことが、その国が日本の安保理入りに、反対とはおっしゃらなかった、支持をしないということと同じというふうにくっつけて言うのは、私は合意はできません。
○立木洋君 この問題で議論していくとちょっとこれは本題が抜けますから。だけれども、先ほどの同僚議員の質問で、やっぱり大臣、通産大臣の発言は弁護なさらない方がいいですよ。 私は、先ほど最後に述べた部分、これ重視して聞きました。日本が行った中国や朝鮮との戦争、行った行為、あるいは東南アジアに行った行為、あるいはアメリカ、イギリスあるいはオランダ等に行った行為、これをすべて分けて考える考え方をあなたはとらないと言われた。私は、その発言を重視しておきます。弁解なさらない方がいいということもあわせて述べておきたいと思います。 それでは本題に入ります。
○国務大臣(河野洋平君) あえて申し上げる必要はないと思いますが、私がぜひ御理解をいただきたいと思いましたことは、村山総理のこの問題に対する認識のもとに我々は認識を同じくして活動をするということが基本的な考え方だということをぜひ御理解いただきたいと思います。
○立木洋君 参議院の予算委員会で、安保理常任理事国に入ると、これは今の状況で言うならば、軍事参謀委員会に参加することが権利となり義務となると。これは条約局長が答弁くれていることなんですが、この安保理常任理事国に入って軍事参謀委員会に参加するということが憲法違反にならないという根拠について、極めて短い言葉で結構ですが、憲法違反にならない、こうだから、こうだから、こうだからというのを的確にまとめてちょっと大臣に述べていただきたいんですが。
○国務大臣(河野洋平君) 条約局長をもって答弁せしめます。
○政府委員(折田正樹君) 我が国の憲法上問題となり得るのは、我が国自身が武力行使を行うようなことになること、また武力行使と一体となるようなことであろうかと思います。 一つ申し上げたいのは、軍事参謀委員会の参加と、それから我が国が兵力の提供を義務づけられるということは別個の問題でございまして、軍事参謀委員会に入ったからといって我が国が兵力提供の義務を負うものではないということがございます。 それから、予算委員会でもいろいろ御議論がございましたけれども、軍事参謀委員会の戦略的指導というのが問題ではないかということがございました。我が国が仮に安保理の常任理事国となり、また軍事参謀委員会の構成員となった場合に、これもまた仮の話でございますけれども、憲章四十二条、四十二条に基づく正規の国連軍ができて初めて戦略的指導という問題が生じてくるわけでございます。 これはいまだかつてできたことがございませんものですから、具体的内容を定義しろと言われてもなかなか難しいわけでございますが、学説から判断いたしますと、安保理事会の決定を軍事的、専門的知見を活用して大局的な方向づけを行うことであるということではなかろうか、具体的な兵力の指揮とは違うものではないだろうかということでございます。 そして、これも仮の問題でございますけれども、軍事参謀委員会の戦略的指導というものが具体的に生じてきた場合に、それと我が国自身の武力行使、あるいは我が国のほかの武力行使に我が国が一体化するというようなことというのはなかなか想定しがたいと思われるわけでございますけれども、その戦略的な具体的内容というのは、そういう事態が生じたときに安保理の中で協議くれ、決定くれていくものだろうと思います。そして、我が国自身が先ほどの前提の中でメンバーになっているということでございますので、その協議、決定の中で我々は憲法の枠内で責任を果たしていく、そういうことでございます。
○立木洋君 できるだけ大臣に御答弁をいただけるようにひとつお願いします。
○国務大臣(河野洋平君) わかりました。
○立木洋君 安保理で武力行使が必要になって国連軍が構成されるというふうになった場合の、この戦争のいわゆる戦略的な指導というのはどこが責任を負うんですか。この戦争についての戦略的な指導。
○国務大臣(河野洋平君) 今の議員の御指摘のまず前提でございますが、国連軍が組織された場合という仮説を立てておられますが、現状では国連加盟国いずれの国も四十二条によります特別協定を結んでおられないわけですから、国連軍が組織くれるという状況に今はないわけでございます。恐らくこれから先もないと考えてよろしいかと思います。あり得ない前提を仮説に立てて、これでどうだという議論には、いささか私もお答えに無理があるように思いますが。
○立木洋君 だけれども、この軍事参謀委員会の国連憲章の第四十七条の三項をごらんになったらおわかりのように、「軍事参謀委員会は、安全保障理事会の下で、理事会の自由に任された兵力の戦略的指導について責任を負う。」と。これは改定されていないんですよ、現存しているんです。まだ実際に国連軍が編成されるということにはなっていないけれども、この国連憲章の決められている内容が変更されていない限り、こういう事態について質問するのは決しておかしい質問ではなくて、それについてやっぱり答弁なさる責任が大臣はあるんじゃないんですか。
○国務大臣(河野洋平君) 私は、議員の御指摘はよくわかります。しかしながら、もうこの憲章が始まって以未来年で五十年になる。およそ半世紀、つまり一度も国連軍というものは組織されたことがない。されたことがないところか、国連軍を組織するための特別協定を、つまり国連と各加盟国との間に特別協定を結んで、その特別協定に基づいて国連軍というものは組織をくれる。つまり、特別協定で我々は何を提供しますよという特別協定を結ぶわけですが、その特別協定はいまだに一国も結んでいないという状況がありますので、現実としてはあり得ませんよということをまず前段申し上げたわけです。 仮に、それじゃそういうことを、あり得ないということをまず前提として置いておきながらなおかつ、いわばあった場合にどうするかという話に……
○立木洋君 いや、私はこの三項、つまり軍事参謀委員会は安保理事会のもとでこの兵力の戦略的指導について責任を負うと。これは間違いないんでしょう。日本が参加するかどうかを私は聞いているんじゃないんです。安保理としてはどうなのかと。戦略的な指導はこの軍事参謀委員会が責任を負う、それは問違いございませんという答弁でいいんじゃないでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 戦略的指導の内容が何かという問題が……
○立木洋君 それは私は聞いてないです。まだ聞いてない。
○国務大臣(河野洋平君) ちょっと待ってください。大事なところは聞いていただかないといけない。 戦略的指導の内容が何かという問題は、今議員がお読み上げになった四十七条の後半にそれが書いてあるわけです。つまり、それは明確に指揮とは違うということは明確になっているんです。
○立木洋君 そうです。いや、それは結構ですよ。
○国務大臣(河野洋平君) その指揮については後ほど解決すると書いてあって……
○立木洋君 そうです、そうです。
○国務大臣(河野洋平君) その戦略的指導の中には兵力を指揮することではないということは、そこははっきりしています。
○立木洋君 結構です、結構です。
○国務大臣(河野洋平君) そこだけは指摘しておかなければならない。
○立木洋君 だけれども、戦略的指導について責任を負うという部分は国連憲章に規定してあります。これは間違いないですね。 それは大臣、それは無理ですよ。予算委員会であなた一生懸命お逃げになったけれども、ここに規定してあるんだから、国連憲章に。だから、国連憲章にこう規定してあることは間違いないですねと私が聞いたら、そのとおりですということになれば、それでいいんじゃないですか。
○委員長(田村秀昭君) 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(田村秀昭君) 速記を起こしてください。
○立木洋君 ここに書いてある軍事参謀委員会は戦略的指導に責任を負う、これは間違いないですね、ここに書かれている内容については。私は、指揮の問題とか何とかというのは混同していません。
○国務大臣(河野洋平君) 四十七条第三項には御指摘のとおり書いてございます。
○立木洋君 そうすると、結局日本が安保理事会の常任理事国にもしかなった場合、この軍事参謀委員会には、日本のどの組織のどういうメンバーの方々が参加することになるんでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 現在のP5、常任理事国の各国もこの軍事参謀委員会にはいろいろな人が参加をしているようでございます。軍事的参謀が参加している国もあれば、そうでない国もある
○立木洋君 違いますよ。
○国務大臣(河野洋平君) ちょっと失礼。 P5の国々は、参謀総長ではなくてそれにかわる参謀または各国国連代表部の書記官が出席しているという国もあるというのが我々の調査でございます。私どもは、まだ安保理の常任理事国にもなっていない現在、具体的な出席者をだれにするかなどということはまだ決めておりません。
○立木洋君 これは文民が参加できないんですよ。参謀総長と規定しているんです。この第四十七条の第二項、「軍事参謀委員会は、安全保障理事会の常任理事国の参謀総長又はその代表者で構成する。」、これは今私ここに持ってきていますよ。常設されているんですから、平時でも参加しているんです。いわゆるアメリカが代表団長として参加しているのは陸軍中将、イギリスが少将、フランスが准将、ロシアが中将、中国は少将、これは五名から十名まで全部これ将校です。これは調べてきたんです。 ですから、何ぼ何だと言ったって、河野さんがこれに参加するわけにはいかないでしょう。あるいは、何ぼこの問題で詳しいからといったって柳井くんが参加するわけにはいかない。文民は認められていないんです。軍人、参謀総長と明確に規定して、その代表者で構成するとなっているんですから。ですから、これは自衛隊の幹部が参加するということにならなければこの軍事参謀委員会の意味はないということは、これは国連憲章の規定ですから。
○国務大臣(河野洋平君) 国連憲章の規定四十七条の二項には、「軍事参謀委員会は、安全保障理事会の常任理事国の参謀総長」、確かにそこまでは正しく読み上げられましたが、「参謀総長又はその代表者で構成する。」と引き続き書いてあるわけです。と同時に、現在軍事参謀委員会に出席しているメンバーはどういうメンバーであるかという事実関係については、ちょっと事務当局から報告をさせたい。
○立木洋君 いや、結構です、私の方で調べてありますから。柳井さんがまた長くしゃべられると時間がない。 これは、国連憲章で参謀総長ということが第一義的に決められているんです。これは軍事参謀委員会ですから、軍事的な技術、軍事的な専門家でなければ軍事参謀委員会に参加して機能を果たす役割はあり得ないわけですから。私はその点だけは明確にしておきたいと思うんです。 それで、今まで日本政府が言ってきたのは、いわゆる国連軍の目的、任務が武力行使を伴うものには自衛隊の参加は憲法上許されないと明確に主張してきました。これは間違いないですね。 記録に残らないですよ、ちゃんと御発言いただかないと。
○国務大臣(河野洋平君) そのとおりでございます。
○立木洋君 そうすると、日本政府がいわゆる国連軍の目的と任務が武力行使を伴うというものには自衛隊の参加は憲法上許されない、だけどその軍事参謀委員会には自衛隊の幹部が参加すると。これは参加なんですね、自衛隊の参加なんです。これは、直接戦闘には参加しないけれども、しかし軍事参謀委員会が武力行使を目的とし任務とする、それをプランし検討し協議する、それに自衛隊の幹部が参加する。これがどうして憲法違反にならないんでしょうか。 いや、ちょっと待ってください。大臣に私はお伺いしている。短い時間ですから大臣にちょっと。
○国務大臣(河野洋平君) 委員に申し上げたいと思いますが、どうも委員、我々の答弁を聞かずに一つ一つ決めつけて前へ進まれる場合があるので我々若干不本意でございます。 先ほどから繰り返し申し上げておりますように、軍事参謀委員会のメンバーは参謀総長または代表者と書いてあるわけで、これが必ずしも参謀総長でなければならないという規定にはなっていないということをぜひ正しく認識していただきたいと思うんです。したがいまして、日本が参加をすればこれは必ず自衛隊がこの席に座ると決めつけることもまた少し早過ぎるというふうに思いますし、この問題については……
○立木洋君 いや、いいです。いいですか。
○国務大臣(河野洋平君) 大事なことですから、事実関係について、この解釈についてはぜひ責任がある答弁は聞いてほしいと思います。
○立木洋君 今、大臣が言われた答弁で考えますと、自衛隊が必ずしも参加するとは限っていない、しかし自衛隊の幹部が参加するということも決して否定するわけではないと、そういうふうに理解しておっていいですね。
○国務大臣(河野洋平君) 私が申し上げたのは、国連憲章にそう書いてありますということを申し上げたんです。参謀総長または代表者がこれに当たると書いてありますということを申し上げただけであります。
○立木洋君 そうすると、その国連軍の目的、任務が武力行使を伴う場合に、いわゆる自衛隊の幹部が参加するとなったら、これは憲法違反ですか。
○政府委員(折田正樹君) 軍事参謀委員会の戦略的指導が問題となる国連軍というのは、いわゆる七章、正規の国連軍でございます。そして、これは政府がかねてから申し上げております……
○立木洋君 もうそれは結構です。その答弁は結構です。それはもうわかり切っていることですから。私はもう二十年間この外務委員会やってますから、わかり切ったことなんです。聞いたってだめなんですよ。政治的な御判断だけを私は聞きたい。 そうすると、今までの状況を言いますと、自衛隊が参加することがあり得るかどうかということは、これは参謀総長と書いてあるんだから。私は、決めつけるなと言うから決めつけませんけれども。 大臣、ちょっとこっち聞いておいてください。戦争行為で自衛隊の隊員がいわゆる武器を使う、武力を行使する、これは憲法違反だと、また現場でそれを指揮する、武力行使を直接指揮する、これも憲法違反だと。ところが、戦争の戦略的な指導に加わる、それに関与して協議をする、その軍事参謀委員会に自衛隊の幹部が参加するということは憲法違反ではないというのは、これは筋が通らぬと思うんです。 私は、いわゆる戦争というのがどういうことになるかといいますと、戦争というのは単なる武力行使だけに矮小化できないんですね。戦争は何かというと、戦争は全体の計画をしないといけない。そして、空陸海、作戦を含めて兵力、武器の動員と配備をしなければならない。その移動が必要になった場合にはどうするかという問題が起こる。それから、どういう兵器を使用するかということも確認くれなければならない。そして戦争が発動されるんです。その遂行の過程で武力の行使の問題が問題になる。 そして、武力の行使だけは憲法違反だけれども、隊員が撃ったりそれを指揮したら違反だけれども、その戦争全体を計画し、兵力を動員し配備し、そしてその移動をどうするかまで決め、何の武器を使うかということまで検討し、それについて安保理に対して助言と援助を行う。この軍事的な最も重要な戦略指導を行う。これに自衛隊の幹部が軍事参謀委員会に参加して何で憲法違反にならないのか。憲法では明確に戦争と武力の威嚇、行使を禁じているんです。戦争を禁じているんです。だから、戦争を計画したり、それを企画したり助言したりなんかする参謀委員会に参加して、安保理にそれを提出するというふうなことは、全体から見れば戦争に対しての参加になるわけですから、これはどうして憲法違反にならないのか。これは政治的な判断です。
○国務大臣(河野洋平君) 先ほど来から申し上げておることの繰り返しで大変恐縮でございますが、今の御議論の前提は理事会の自由に任された兵力というものが前提なんです。理事会の自由に任された兵力というものがあり得るか。少なくともこれは、議員に申し上げますが、あくまでも今おっしゃるように、政治的な判断として、政治的な認識として、そういうことはあり得ないという認識を私は持っているわけです。政治家の判断としてそういうことが起こり得るとは思っていないわけです。 それは、議員は時に政治的判断を求め、時に憲章上書いてあるからというふうにおっしゃるけれども、私が今申し上げているのは政治家の判断として、この憲章が一九四五年当時、まさに戦勝国が戦争が終わった直後こういうルールというものを決めて、それがおよそ半世紀近くずっと改正されずにきている、しかしその間に一度もこれは発動くれたことはない。そういう状況を考え、なおかつ、最近においてはアメリカの判断、その他のP5の判断どれを見ても、こういうことがあり得るとは私は到底思えないという政治的判断に基づいて、このことは自由に任された兵力、それを戦略的に指導することなどということはあり得ないことだというふうに私は判断しています。
○立木洋君 では、そういうことがあり得ないと言われるんだったら、日本政府はこの四十七条の削除を国連に提起したらいかがでしょうか。提起もしないでおいてあり得ないといって、現実に安保理に参加して軍事参謀委員会に参加するのが権利と義務だといって、この条約法に基づいて実際の事態が起こったときに、それはちょっと状況が変わりましたということでは済まなくなるんです。私は、だからこの問題については厳しい面が憲法の問題に関して問われなければならない。これはもう軍縮委員会でいろいろお話をされていて、何か最近だんだん変わっているんじゃないかと思うようなことになってきているんで、私はこの憲法上の問題は絶対に譲れないものですから厳しい指摘をしているんですが、どうしてその改正を要求しないんですか。
○国務大臣(河野洋平君) 議員御指摘でございますけれども、憲法上の問題は厳しく判断すべきものだという点では私もまた一貫しているところでございます。 どうしてここは変えないんだという御指摘でございますけれども、もし我々が常任理事国になれば、我々の主張、意見というものは今よりはるかに明確に常任理事国としての発言ということで効果的な発言ができるということはあり得るではありませんか。そうしたことを考えれば、もちろん議員の御指摘も私は理解できます。できますが、現実の問題としてはそういうこともあり得るということは理解していただきたいと思います。
○立木洋君 最後にします。 日本国憲法の精神でいいますと、いわゆる国際紛争に対して日本が軍事的に関与してはならないと。これは竹下総理も述べてきた発言です。これは国会で明確にされていますね。それから、国連軍が行う目的と任務が武力行使を伴うことについて自衛隊の参加は憲法上に違反する。だから、これは自衛隊の参加が、その企画にしろ何にしろ幹部が参加をし実際上戦争を遂行する、そういう任務を、それは協議とそれから助言ですけれども、しかしそれ自身も自衛隊の参加ですから、武力行使を伴うそういうものに自衛隊の参加は憲法違反であると。これも政府として明確な統一見解がありますよね。 それからもう一つは、いわゆる国権の発動である戦争というのは、必ずしも日本が、政府が決定した戦争だけではないんです。第三者が行った場合でも、日本の国家としての意思がそれに介在すればそれは憲法違反であるというのを一九六五年、一九七〇年、明確に政府として確認しているんです。 だから、こういうことを考えるならば、いわゆるこの軍事参謀委員会に自衛隊の幹部が参加をして、戦争全体の企画に加わって、そしてそれを助言し提言するということになれば、まさにこれは憲法違反なんですよ。その武力行使というのを自衛隊の隊員だけが鉄砲を撃つことだけに矮小化してしまうということは、いかにも河野くんらしい答弁ではないと私は思うんです。 このことを私は厳しく指摘をして、これほど明確な憲法違反なんだから、私は常任理事国入りの問題については慎重に検討されるべきだと。入るべきではないというのが私たちの主張ですけれども、少なくともこの問題については今のような事態で来年を目指してなんということはとんでもないことだと私は最後に指摘しておきたいと思うんですが、最後に河野さんに。
○国務大臣(河野洋平君) 私は、議員の御心配、御注意、よくわかりますが、ただ御発言は若干いろいろと混乱をしておられると思います。
○立木洋君 混乱してない。
○国務大臣(河野洋平君) 明確に憲法に違反するというのは、どうも議員の御発言を聞いていると自衛隊の人間が軍事参謀委員会に出て判断をすることがいけないとおっしゃっているのか、日本の国が安保理に入ってだれが軍事参謀委員会に出ようともだめだと言っているのか、その辺は明確でない。
○立木洋君 明確です。私は、国連憲章に基づいて言っている。
○国務大臣(河野洋平君) いや、議員の仮説は明確でない。ここは整理をしていただかなければならぬと思います。
○立木洋君 また時間を改めて。
○椎名素夫君 時間も短いので、外交実施体制のことを伺います。 実は、六月二十三日のこの委員会で一回やりまして、私の感じでは、いろいろ仕事が広がっているのにもかかわらずどうも実施体制が少し不足ぎみではないかという認識で、在外公館の数、施設の中身、ロジの問題、それから一番大事なのは人員の問題、いろいろ伺ったわけです。ところが、これは前の内閣のときの末期でございまして、当時の大臣と政務次官が一生懸命やりますとおっしゃったんですが、もう一生懸命やれないところへ行ってしまったので、今度は大変な実力大臣が来られたし、このことはもう一度繰り返してお願いをしておきたいと思いますので、簡単に聞かせていただきます。 そのときにいろいろお答えをいただいたので、もう一々やりとりをするのは省いた方がいいかと思いますが、第一は、先ほどからも話が出ておりますが、国連の加盟の国の数が八十幾つからもう百五十幾つになってしまって大変にふえている。そういう中で、いろんな国内的な制約があるから、つくったり廃止したり統合したりということで苦労しておられるわけですね。 この六月二十三日でも在外公館の設置と統合というようなお話だったんですが、そのときに、本当はこのぐらい欲しいんだというウェーティングサークルにあるようなのは幾つぐらいですかと言ったら、財政当局に対する御考慮もあっていろいろと口ごもっておられましたけれども、お答えを得たのは、どこに増館を希望するかというようなことでそれぞれの担当の部局にリストを出させる。それで、中で検討して、大体一回に一つの局で一カ所か二カ所だから、ふるいにかけて、全体として通常毎年十ぐらいの増設の希望は出ているが、そうもいかないからそのときに優先度をつけて、また政府に出すというようなことをやっておりますという話なんですね。しかし、それで満足しているわけではない、こうおっしゃっておられる。 それから、人員の問題ですけれども、建物、例えば在外公館をふやしても人がいなきゃしょうがない。質量ともに人を養成しなければいけないということが一つの問題であって、それについては平成三年の十二月に外交強化懇談会で速やかに千人程度を目標に増員すべしという提言をいただいて大変ありがたいけれども、それに従って漸増しているので、目的とする五千人体制というところにそのうちなるでしょうと。しかし、やはり欲を言えば、くらにもう少し急激な増員が必要なのではないかと思いますというお答えをいただきました。 こういうことで、何とかやっておりますという話なんですが、私見ておりまして、やっぱり足りないんだろうと思うんですね。そのほか、ロジの問題で料理人を一々大使が見つけて連れていかなきゃいかぬ問題とか、電信の問題とかいろいろありますと。そのときのお答えは大体こんなようなことなんですが、こういうことについて大臣の御感想をまずちょっと伺います。
○国務大臣(河野洋平君) 日本の国の地理的条件というものもヨーロッパの国などに比べるとやはりなかなかハンディキャップはあるように思うんですね、外交の面だけについて言いますと。 例えば、話がちょっとそれて恐縮ですが、先般ASEANの閣僚会議に参りました。ASEANの閣僚は大変意思の疎通がよくて、話が本当によく通じ合っている。そのときに、いろいろ話をしてみると、ASEANの国々はやっぱり年間に二百回以上会合を持っているといいますね。もちろんそれは閣僚レベルだけではありません、事務レベル、レベルはさまざまなレベルだと思いますが、二百回程度の会合を持っている。それだけに会合出席のための経費が大変だと一方では言いますけれども、もう本当に各レベルで意思の疎通は非常によくできているように思いました。それからまた、ヨーロッパもそういう近隣諸国との問は車でも行けるという国同士もありますから、意思の疎通は極めていいように思いますが、我が国はやはり何をやるにしても海を越えていかなければならぬということもありますから、例えて申し上げるとそういうこともありますし、よほど知恵を出さなければなるまいというふうに思います。 椎名議員はかつてこの問題に専門に取り組んでおられて、今でも一番注意深く見ていただいているわけでございますが、確かに定員が足らない、あるいは在外公館のファシリティーに改善の余地がある。言えば切りがないことではありますが、少なくとも必要な部分は持たせたいという気持ちは私もあります。
○椎名素夫君 それで、ポイントは二つあると思うんです。一つは、仕事の量と質というものが随分いわばふえたということ。冷戦が終わったということで、その前の外交は、人が言うほどじゃないと思いますけれども、ある程度簡単なところがありましたね。だけれども、こうなってみるとやっぱり四方八方に目を配って情報の収集、それから今のような緊密な人との出会いみたいなものというのはますます必要になってきた。国の数がふえたというだけでなしに、そういう質的な変化というのも起きてきているんだろうと思うんです。 それからもう一つは、経済協力の問題にしても、これは外務省だけじゃなしに周りのJICAみたいなものも含めての話ですが、一時のビッグプロジェクトでどかんと決めたら大きな橋を何年かかってかけるということだけでなしに、もう少しソフトの面での、ここにODAの重点が移ってきているし、またそうすべきだと思うんです。そうなると、これは人手がかかるんですね。そういう二つの質的な変化ということを踏まえて見ると、一体、各省の横並びよりは少しいいと言うけれども、漸増というような話でやっていて実際に日本は間に合うのかということを考えなきゃいかぬと思うんです。 実は、これは戦争に負けて、その前、結構人間がいたわけですが、そのときのお答えにもあるんですけれども、「戦後の、それも占領期に外交の必要性というものが一時非常に少なくなったという時期がございましてこというお答えがありまして、事実そうなんです。そのときにがたんと減っているんですね。そういう必要が減ったから人間も減らしたのかもしれない。それは結構なんですが、今度はそのとき減ったのと同じような質的な増加の要因があるというときに漸増というようなことでいいのかなと。これは私はぜひ御認識願うべきことだと思うんです。 しかし、これは事務当局の方々が各省間、特に大蔵省とのやりとりをやっているだけじゃ解決しない、ぜひとも政治家がやらなきゃいかぬという意味でこの前も申し上げた。そのつもりで一生懸命やりますと、こう言っていただいたけれども、それで終わっちゃった。一週間ぐらい後で交代したのかな。今度もこのことをぜひ念を押しておきたいと思いますので、それだけお願いして、私の質問を終わらせていただきます。
○国務大臣(河野洋平君) 一言だけ申し上げたいと思います。 椎名委員には大変貴重な御意見をいただき、我々も大いに努力しなければならぬと思います。 ただ、私思いますのは、量と質というものは別のことではないんですね。同じごどのように私は思っているわけです。例えば、外務省の在外公館の人間のローテーションは、民間企業に比べて非常に短いですね。最近の民間企業は一カ所に五年いるとか七年いるとか、非常に長いローテーションになってきました。しかし、外務省はまだ非常に短いわけです。それから、せっかくロシア語に堪能な人がロシア語圏でないところにいる、フランス語の専門家が英語圏にいるというようなことがしばしばあるわけです。 これは、全体の量が少ないためにどうしてもローテーションがきつくなってそういうことになってしまう、それから全体の量が少ないために少し長期の休暇がとれないために全体のローテーションを急がなければならなくなるということもあって、一定の量を超えればそれは質的にも非常に改善されるということになるんだろうと思います。 いずれにしても、御指摘のとおり、まずは量の拡大のために努力をしたいと思います。
○椎名素夫君 今おっしゃったとおりなんです。野球をやるのにはやっぱり九人いないとだめなんですね。ライトがいないからどうしようかと。外野二人で守れというと、今おっしゃったようにもう寝ずに駆けずり回らなきゃいかぬというような話になって、結局球もとれないということになりますので、最低のところはやっぱり、そこから後はしっかり働けと、こうおっしゃればいいんですが、そこまではやらないといけないんじゃないでしょうか。 終わります。
○委員長(田村秀昭君) 他に御発言もなければ、本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後三時四十一分散会 —————・—————