法務委員会 第2号
- 発言数
- 95 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1994/10/25
会議録
○金子委員長 これより会議を開きます。 法務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。前田法務大臣。
○前田国務大臣 おはようございます。法務大臣の前田勲男でございます。 このたび金子原二郎議員が法務委員長に御就任になられ、また、新しく理事及び委員に選任された先生方もいらっしゃいますので、この機会に一言ごあいさつを申し上げます。 先生方には、常日ごろから法務行政の適切な運営につきまして御理解、御協力また御指導いただき、厚く御礼を申し上げます。 私は、人に優しい政治、安心できる政治を目指す村山内閣の政治理念を現実の政策に具体化していきたい、このためにも、社会の基盤というべき法秩序の維持が図られ、国民の権利がよく保たれることが極めて重要であると思っております。 このような理念から、私は、法務行政の各分野にわたりまして、時代の要詳を踏まえ、適切な方策を講ずるよう今後とも一層努力してまいりたいと存じておりますので、引き続き先生方の御指導、御支援をいただきますようお願いを申し上げます。 簡単でございますが、ごあいさつにさせていただきます。よろしくお願いいたします。(拍手) ————◇—————
○金子委員長 この際、お諮りいたします。 本日、最高裁判所涌井総務局長、堀籠人事局長、今井民事局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○金子委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————◇—————
○金子委員長 内閣提出、裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。 まず、趣旨の説明を聴取いたします。前田法務大臣。 ————————————— 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する 法律案 検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する 法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○前田国務大臣 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案について、その趣旨を便宜一括して御説明いたします。 政府においては、人事院勧告の趣旨等にかんがみ、一般の政府職員の給与を改善する必要を認め、今国会に一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案及び特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を提出いたしました。そこで、裁判官及び検察官につきましても、一般の政府職員の例に準じて、その給与を改善する措置を講ずるため、この両法律案を提出した次第でありまして、改正の内容は、次のとおりであります。 第一に、最高裁判所長官、最高裁判所判事及び高等裁判所長官の報酬並びに検事総長、次長検事及び検事長の俸給は、従来、特別職の職員の給与に関する法律の適用を受ける内閣総理大臣その他の特別職の職員の俸給に準じて定められておりますところ、今回、内閣総理大臣その他の特別職の職員について、その俸給を増額することとしておりますので、おおむねこれに準じて、これらの報 酬または俸給を増額することといたしております。 第二に、判事、判事補及び簡易裁判所判事の報酬並びに検事及び副検事の俸給につきましては、おおむねその額においてこれに対応する一般職の職員の給与に関する法律の適用を受ける職員の俸給の増額に準じて、いずれもこれを増額することといたしております。 これらの給与の改定は、一般の政府職員の場合と同様に、平成六年四月一日にさかのぼってこれを行うことといたしております。 以上が、裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案の趣旨であります。 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
○金子委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○金子委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中島洋次郎君。
○中島(洋)委員 自由民主党の中島洋次郎でございます。 きょうはまず、裁判官の報酬また検察官の俸給、これらの一部を改正する法律案について質問をさせていただきたいと思うわけでございます。 この裁判官また検察官の皆さんは、扱う司法事案、最近は大変多様化しているというふうに聞いております。民事事案また家庭内の紛争も、経済の発展また社会情勢の変化によってかなり複雑多様化しているという現状がございますし、また刑事事案につきましても、国際化の進展に伴って外国人事件の多発ということも言われております。 このように、裁判官の皆さんまた検察官の皆さんが扱う紛争事案、大変に複雑また多様化しているという中で、大変な御苦労があるかと思うわけでございますが、これはやはり国民の側からしますれば、こうした複雑多様化する中にありましても、そうした紛争事案を適正かつ迅速に処理していただく、それによりまして国民の権利というものを速やかに実現していただく、さらには、それによりまして社会全体の治安が維持されて、平穏な市民生活が確保されるということになるわけでございます。これは、国民全体のひとしく願っているところであると思うわけでございます。そういった意味で、この司法制度が円滑に、適正に運営されますということは、社会全体の大きな関心のあるところであると思うわけでございます。 私としましても、この司法制度を担う公務員であるところの裁判官また検察官の皆様、そういった方々に、重責にたえ得る、また担うに足る人材をきちんと得て、そして司法制度が国民の期待にこたえ得るよう運営されて、成果を上げることを強く願う者の一人でございます。こういう観点からしまして、今回の裁判官報酬法、検察官俸給法の一部改正案でございますが、私は、裁判官、検察官につきましては、その職員に見合った相当額の報酬、俸給、これは当然確保されてしかるべきである、そしてそういった皆さんが安心して職務に専念できる地位を保障していく、こういったことが大変大切なことであると考えるわけでございます。 そこで、今回の改正案につきまして先ほど大臣から趣旨の説明をいただいたわけでございますが、その中で、裁判官及び検察官について一般の政府職員の例に準じてその給与を改善するという説明でございました。まずはその趣旨について、具体的にちょっと説明をいただきたいと思うのでございますが、お願い申し上げます。
○前田国務大臣 お答え申し上げます。 委員におかれましては、裁判官、検察官の職務、また重責を大変御理解いただき、またお励ましをいただいておりますこと、最初に心から厚く御礼申し上げます。 今回の改正は、給与の引き上げ等を内容とする人事院勧告に従いまして政府としても速やかに行おうという中で、一般の政府職員の給与が改定されるに伴いまして、一般職の職員及び特別職の職員に準じまして裁判官及び検察官の俸給を増額をするという、先ほど御説明申し上げた内容のとおりでございます。 現在の裁判官、また検察官の給与制度は、その地位、職員の特殊性、すなわち司法の独立、また検察官においては準司法の独立と申しますか、この職員の特殊性を相当程度反映をし、また、給与水準においても一般の行政官に比べましてある程度の優位を保つべきであるという観点から、それ相当の合理性を有するものと考えておるところでございます。 裁判官及び検察官の給与のあり方につきましては、その地位、また職員にふさわしいものを維持していくという観点から、今後とも御指摘に沿って取り組んでまいりたい、かように考えておるところでございます。
○中島(洋)委員 ありがとうございます。 そこで、今回提案されました改正法案の前提ともいうべき一般職の職員の方々の給与を改定するに当たりまして、政府の方におかれましては、今回人事院勧告どおりの改定を行う、こういうことにしたということでございますが、一般職の職員の給与に関してされました人事院の勧告はどういう趣旨で行われているのか、今回どのような趣旨のものか、その概要で結構でございますので、ちょっと御説明をいただきたいと思います。
○永井(紀)政府委員 御承知のとおり、本年八月二日人事院が国会及び内閣に対しまして勧告しました一般職の職員の給与改定の内容につきまして、要約的に御説明申し上げます。 まず、本年四月時点におきます官民の給与を比較いたしましたところ、民間給与が公務員給与を一人当たり平均三千九百七十五円、一・一八%上回っていることがわかりました。 そこで第一に、俸給表の改定を勧告しております。つまり、俸給表につきましてはこの官民較差三千九百七十五円を埋めるよう勧告したわけでございます。そして、この俸給表の改定につきましては、将来の給与体系の方向をも念頭に置きながら、中堅層職員の改善に重点を置きつつ全俸給表の俸給月額の改定を行うこととしております。平均がやはり較差一・一八%を埋める、大体こういうような改定でございます。 それから第二に、諸手当の改定でございます。諸手当につきましては、同種手当についての民間の支給状況等を考慮いたしまして、扶養手当、通勤手当、期末手当、宿日直手当等につきまして部分的改定を行うこととされております。 具体的には、例えば扶養手当の改定でございますが、扶養親族であります子供のうち、高校入学から大学卒業までの年齢に当たります十六歳から二十二歳までの子がいる場合に、昨年度から一千円の追加加算が行われることになったのですが、その額を一千円を二千円に引き上げるというような改定が勧告されております。 さらに、期末手当につきましては、実は本年四月までの一年間におきます民間の特別給の支給割合が年五・一九カ月分、約五・二カ月分となっておりますところから、公務員の期末・勤勉手当につきましても、現行の五・三カ月から〇・一カ月引き下げて五・二カ月とすることを勧告しております。その結果、期末手当につきましては、十二月に支給されます期末手当の支給割合を二カ月分から一・九カ月分に〇・一カ月分滅することとされております。 概要は大体このようなものでございます。
○中島(洋)委員 今、一般政府職員の方については、人事院勧告の内容として、十二月に支給される期末手当、これを五・三から五・二ですか、〇・一カ月分減ずるという御説明があったわけでありますが、これは裁判官については期末手当はどのようになるのでしょうか、ちょっとお聞かせ願えますか。
○永井(紀)政府委員 裁判官の手当につきましては、裁判官報酬法第九条によりまして一般の政府職員の例に準じて支給されることとされておりまして、いわゆる期末手当も支給されているわけでございます。その支給割合につきましては最高裁判所規則で定められているところでございますが、今回の一般の政府職員の給与の改定に伴いまして、裁判官につきましても十二月に支給されます期末手当の支給割合が〇・一カ月分減ぜられる、こういうことになると聞いております。 その結果、判事補及び簡裁判事の一部にのみ支給されます勤勉手当等の一・二カ月分は変わりございませんが、判事、判事補及び簡裁判事に支給されます期末手当は四・一カ月から四・〇カ月に〇・一カ月分減ぜられる、こういうことになっております。
○中島(洋)委員 今の御説明でありますと、今回の改正に伴いまして最高裁判所規則も改正する、それで裁判官の期末手当の支給割合を減ずることになるという御説明でございますが、これは憲法との関係、憲法第七十九条の第六項、また第八十条の第二項、報酬の減額を禁止している規定があるわけでございますが、これとの関係でありますね。以前からこうしたときに指摘されるわけでございますが、この機会に改めて当局の御見解を確認しておきたいと思います。
○永井(紀)政府委員 ただいま委員が御指摘されましたとおり、実は憲法七十九条第六項及び第八十条第二項には、「裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は、在任中、これを減額することができない。」このように定められているわけでございます。これは、憲法が裁判官の身分保障を定めたものの一つであると解されております。そして、これを具体化するものとして、裁判所法第五十一条には、「裁判官の受ける報酬については、別に法律でこれを定める。」こうしておりまして、これを受けまして裁判官報酬法が制定されているわけでございます。 今回御審議いただいております裁判官報酬法の第二条におきましては、報酬について別表で定めるというふうに、具体的に今回増額をお願いしているところで定められているわけですが、実はその第九条におきましては、「報酬以外の給与」という言い方で、いわば手当でございますが、特別職及び一般職の例に準じて支給する、報酬というものと諸手当というものとそれぞれ別個に規定しているところでございます。したがいまして、期末手当はこの第九条に基づいて、特別職及び一般職の例に準じて支給される報酬以外の給与、こういうことに当たるものとされております。つまり報酬と報酬以外の諸手当とは区別されて規定されているわけでございます。 このような現行の体系からいたしますと、憲法及び裁判所法に言う報酬というものは、裁判官の職務に対する反対給付、つまり公務員の基本給である俸給と同じ意味であって、報酬を補充し、報酬全体を公正ならしめるために付随的に支給され、あるいは生活費の不足に対する実費弁償の趣旨で支給されます各種の手当などとは明確に区別された概念と考えられます。したがいまして、各種手当等の、報酬以外の給与につきましては、憲法上の減額禁止の保障は及ばない、こういうふうに解されております。 ただ、こう申しましても、これは極めて形式的なものでございますが、実質的に考えてみますと、今回の期末手当の支給割合の引き下げ改定は、年間〇・一カ月分を減じる内容のものでございますが、この引き下げを考慮いたしましても、裁判官に支給される給与の総額は減額ではなくて増額になっております。したがいまして、裁判活動に影響を及ぼすような大幅な減額をするとか、あるいは個々の裁判官あるいは裁判官全体に対して不合理な干渉を意図するような性質のものではない、こういうふうに考えられます。 したがいまして、期末手当の若干の減額につきましても、憲法の精神に反するような減額とはならない、このように、実質的な面ではそういうふうに考えているわけでございます。もちろん、手当につきましても、極めて一般公務員とは違う大幅な減額をもし行ったり、あるいは、特定の、個人の裁判官をねらい撃ちしたような、そういうことがありますと、これはやはり憲法の精神に反するということになろうかと思いますが、今回の場合は全体的な問題でございますので、特に実質的には問題がない、このように解釈しているわけでございます。
○中島(洋)委員 わかりました。 この問題は、やはり言葉の問題で、一般の社会で使う言葉とちょっと使い方が違うということで、大変誤解を受けやすいという点があるかと思います。今の御説明で、待遇的には全体としてきちんと確保されているのだという御説明でございますので、引き続きそういった、きちんと裁判官の皆さんが処遇される方向でやっていっていただきたいと思うわけであります。 次に、この人事院勧告におきまして、俸給、期末手当以外、そのほかにも、例えば扶養手当、また諸手当についても改定が勧告されたということでありますが、そういった手当についても、これも裁判官、検察官についてはどのようになっているか。さらに、今回の給与改定によりまして、裁判官、検察官の報酬また俸給が具体的にはどの程度改善されるのか、これをあわせて伺いたいと思います。
○永井(紀)政府委員 先ほども申し上げましたとおり、幾つかの手当がございますが、検察官、裁判官で問題になりますのは、扶養手当が一つ問題になろうかと思います。こういった諸手当につきましては、先ほども申し上げましたが、裁判官報酬法第九条により、一般の政府職員の例に準じて支給することとされておりまして、また検察官につきましても、検察官俸給表第一条によりまして、一般の政府職員の例によることとされております。結局、今回の改定では、扶養手当のほか、通勤手当等につきましても同様の改定がされるわけでございます。 なお、裁判官、検察官の報酬及び俸給の各月額は、今回の改定によりまして一・一%から一・四%ぐらい増額されまして、平均約一・二%増額されることになると承知しております。 そこで、具体的には、お手元にあるかと思いますが、いわゆる合本の参考資料の二ページをちょっと開いていただきますと、そこに具体例が出ております。ここに報酬・俸給月額改定対比表というのが、最後の方の、参考資料の二ページにございますが、ここで、例えて言いますと、判事一号というのがやや上の方にございますが、これにつきましては現行が百二十九万円でございましたのが百三十万四千円と一万四千円の増額になっておりまして、その率は一・一%でございます。それから、判事補一号というのがございますが、判事補一号と申しますのは裁判官に任命されまして十年たった方ですが、その方が現行は四十五万二千四百円ですが、改正案では四十五万七千八百円で五千四百円の増額になっておりまして、これは率にして一・二%でございます。例えて言いますとこういったような形で、平均しますと一・二%前後で改正されるわけでございます。
○中島(洋)委員 ありがとうございました。 それでは、せっかくの機会ですから、裁判所を担当する司法行政全体についてもちょっとお聞きしておきたいと思うわけでございます。 最近は、司法の改革ということも言葉の上では叫ばれております。その中身の議論はまた次の機会に譲るとしましても、やはり司法というものが国民にとって利用しやすいものでなくては困る。近代国家におきましては法治国家、法が国を治めるのだという理念があるわけでございますが、司法が国民に対して開かれたものでなければ、これは法の支配という近代国家の理念にもとると思うわけでございます。その意味で、やはり裁判所は国民に利用しやすいものであってほしい、私はそれはぜひとも必要であると思うわけでございます。 現在、伝え聞くところによりますと、法制審議会におきましても民事訴訟法の改正作業が行われているということでございますが、そういった制度改革の面もこれは大事でございますが、制度改革だけでなくて、現在ある制度の運用面などにおきましても、裁判所側としまして、国民により利用しやすいものにするために工夫する余地が実際はあるのではないかと感じるわけでございます。 特に裁判所、幾つか、いろいろな種類があるわけでございますが、その中でも簡易裁判所と家庭裁判所、その二つにつきまして、裁判所としての性格上そういった配慮をする必要が特に強いと私は思うわけであります。御承知のように、簡易裁判所、簡裁は比較的少ない額の民事訴訟を扱う、まさに庶民の日常的な紛争を解決することを担当する裁判所でありますし、また、さらに家庭裁判所、これはその名のとおり家庭のための裁判所でありまして、家庭内の紛争をその実態、実情に即して解決していこうという裁判所でありますから、簡裁、家裁ともに、これは庶民の側にとって言えば、いわば駆け込み号とでも言える性格を持っていると思うわけであります。そういう意味からしましても、他の裁判所以上にぜひ利用しやすいようにしていっていただきたいと思うわけでございます。 そこで、ことし九月、東京家裁と簡裁、これが新しい庁舎をつくったというふうに聞いております。この経緯についてちょっとお聞かせ願いたいと思うのです。
○涌井最高裁判所長官代理者 御案内のとおり、これまで東京都区内には東京簡易裁判所のほかに、合計いたしますと十一の簡易裁判所がございました。それが昭和六十二年九月に御制定いただきました法律で、この都区内にございます十二の簡易裁判所を東京簡易裁判所一庁に統合する、そういうことが既に決定されておりました。それからまた、実は東京家裁の方は、現在、東京都内の二カ所に庁舎が分かれておりまして、執務の面でもなかなか不便な点がございましたし、また事件が非常にふえてまいりまして、現在の庁舎では非常に狭隘になってきたという問題もございました。 そういった背景がございましたものですから、実は霞が関の東京高等、地方、簡易裁判所の合同庁舎の隣接地にこの東京家裁とそれから東京簡裁の新しい庁舎を建設中でございましたが、本年の六月末にこの新しい建物が完成いたしましたので、そこで、都内の十二の簡易裁判所を統合いたしました新しい東京簡易裁判所を九月一日からこの新しい庁舎で開設させていただきました。また、家裁の方につきましても、八月二十六日からこの新しい庁舎で執務を開始いたしました。 それが、東京家簡裁の新しい庁舎建設に至る経緯でございます。
○中島(洋)委員 簡易裁判所というのは、先ほども申し上げましたように、国民に大変身近な裁判所であります。それが、今の御説明でありますと、東京二十三区ですか、ここに簡裁を統合して一つにした。これは国民の利用する側からしまして不便な点が生じないか、これが懸念されるところでございますが、その点ほどういった御見解でありましょうか。 〔委員長退席、斉藤(斗)委員長代理着席〕
○涌井最高裁判所長官代理者 簡易裁判所の場合、特にこれを利用される東京の場合ですと、都民の方に利用しやすい場所といいますか、そういった場所で、しかも利用しやすいような組織でないといけないということは、委員御指摘のとおりであろうかと思います。 ただ、従前の簡易裁判所の設置場所等を見ますと、これは必ずしも便利ではございませんで、例えば新宿簡易裁判所という裁判所がございますが、これは都民の常識でいいますと、新宿簡裁というのですから、新宿駅でおりればすぐに行けるんだろうというふうにお考えになるのですが、実はこれは、新宿駅から参りますとなかなか不便なところでございまして、JRを利用していただくことになりますと、市ケ谷の駅からかなりの時間バスに乗っていただかないと新宿簡裁に着けないというふうな場所にございました。都内の十二の簡裁のうちには、幾つかそういう交通面でも不便なところもございました。 これは、今回新しい東京簡易裁判所ができました霞が関地区というのは、御案内のとおり、地下鉄を中心といたします都内の交通網の中心部になっておりまして、どの地域からでもアクセスは非常に便利にできている地域でございます。しかも、この霞が関地区と申しますのは、簡易裁判所、家庭裁判所だけではございませんで、地方裁判所もございますし、検察庁もある、さらには弁護士会の建物もここに集中しておりまして、いわば東京都内の司法センター、そういうふうな性格を持った地域でございます。したがいまして、新しい簡易裁判所をお訪ねになった都民の方にとりましては、簡裁では用が足りないことがわかりましても、いわばそのほかの組織の、総合的なと申しますか、そういう司法サービスが受けられる、そういうふうな地域にもなっておるわけでございます。 そういうふうな観点から考えまして、今回の都内の簡裁の集約というのは、これを利用していただく都民の皆さんの側から見ましても、従前より便利になったんじゃないか、こういうふうに考えておるわけでございます。
○中島(洋)委員 確かに、東京二十三区は交通網が発達していますので、駅から遠いところでうちの近くにあるよりも、駅から近くて交通の便がよければ多少自分の地域から遠くても利用しやすい、これは大変にわかりやすいことでありまして、交通の便から見れば、そういったふうに利用しやすくなるというのはわかりました。 そこで、それでは、実際その中身はどうなのかという点でございます。 従来の裁判所というのは、どうも玄関を入りづらいなというイメージが持たれておりました。そこで、今回せっかく新しい庁舎をつくったわけでありますから、これまで入りづらい、利用しづらいという国民からの声に対して何か工夫をされているのか、また、実際の事件処理においても新しい家裁、簡裁では何か工夫をされていらっしゃるのか、その点をお聞かせ願えればと思います。 〔斉藤(斗)委員長代理退席、委員長着席〕
○涌井最高裁判所長官代理者 確かに、従前の裁判所の庁舎のイメージといいますと、どうしても暗いとか近寄りがたいとか、そういったイメージがありましたことは、委員御指摘のとおりでございます。 今回新しい東京家裁、簡裁の建物を建設する際にも、我々の方としましては、できるだけこれまでと違った本当に国民にとって親しみやすい、開かれた裁判所と申しますか、そういうイメージをつくっていこうという工夫をいろいろいたしました。 例えば一例だけ申し上げますと、裁判所に最初お入りになった際、正面の玄関をお入りになるわけですが、いわばそこが裁判所の顔ということになるかと思うのですが、今回この新しい建物の正面玄関は、従前の裁判所とは随分違ったイメージになっております。例えば、正面の壁のところにステンドグラスをはめ込みまして、非常に明るい光がそこからとれるというふうな構造も考えました。それから、すぐ入りますと、事件の受付をするスペースがございますが、そこは、従前ですと独立の部屋をつくりまして、閉鎖されたようなスペースでやっておりましたのですが、今回は一階ホールの一部を低い間仕切りで仕切っただけのオープンなスペースにいたしまして、従前に比べればずっと開放的な感じをお持ちいただけるように工夫しております。 また、裁判所に来ていただいた方がどの部屋に自分は行ったらいいのか、どこへ相談に行ったらいいのかわからないというふうなこともございますので、正面に専属の案内係の職員を配置いたしまして、何でもお聞きいただければそこでどこに行っていただけばいいかということの案内ができる、そういう工夫もいたしました。 それからもう一つ、事件の処理の関係でもいろいろな工夫をしておりますが、一つだけ申し上げさせていただきますと、簡裁で多い事件に督促事件というのがございます。これは、債権者の方からの申し立てたけで、相手方に異議がなければ簡単な手続で債務名義を出してしまうという手続でございますが、事件数が非常に多うございますので、こういった事件につきましては、非常に大きなコンピューターを入れまして、従前より短い時間で正確で間違いのない処理ができる、そういうふうな工夫もいろいろさせていただいております。
○中島(洋)委員 そこで、家裁、簡裁、今回統合されたということでありますが、これは東京二十三区内の検察庁、これについても統合されたというふうに聞いておりますが、検察庁統合によりまして、これは検察庁側はどういった効能というか、効果があるとお考えか、ちょっとその点をお聞かせ願いたいと思います。
○則定政府委員 御案内のとおり、検察庁は裁判所に対応して設置されるわけでございまして、今回東京の二十三区内の簡易裁判所がいわゆる大東京簡易裁判所になりましたことに伴いまして、検察庁も都区内十二ございましたものをすべて東京区検察庁に統合させていただいたわけでございます。新しい形での東京区検察庁が、本年九月一日から、やはり霞が関で開庁いたして業務を行っております。 これに伴いまして、都内各地に散在しておりました区検察庁が集約されましたので、事務の合理化という面と、それからそれぞれの担当の検察官、例えば交通事件あるいは一般刑事事件の専門官といいましょうか、これを張りつける、また、公判に専従させる検察官も指名できる、こういったことで事務の効率的運用を図る上でプラスになっておるわけでございます。 また、裁判所に比べますと、検察庁への来訪者の数というのは相対的に少ないわけでございますけれども、先ほど裁判所から説明がございましたように、交通至便の地にあるという点におきまして、来訪される方につきましてもメリットが生じているものと理解しているわけでございます。
○中島(洋)委員 ありがとうございました。 この機会に法務、検察当局にちょっとお聞きしておきたいと思うのですが、昨年末からことしにかけて、検察官の方々による暴行事件というのが相次いで発生したわけであります。これは、国民の側からすれば、検察官というのは法秩序を守って社会正義を実現してくれる方たちだと信頼しているわけでございますが、そういった方たちによる暴行事件が起きたということで、これは国民から大変な御批判とともに、信頼を損なった大変遺憾な事件であったと私は思うわけでございます。 前田大臣におかれましても、マスコミの報ずるところによると、今月、みずから検察に対しまして注意を喚起したというふうにお聞きしております。前田大臣のそういった大変重く事態を受けとめて対処していくという強い姿勢が大変伝わってくるわけでございますが、法務、検察の事務当局は、そういった前田大臣の強い意思を受けてどういう対応をしておられるのか。マスコミなんかで見ますと、大体の暴行事件はほぼ処分が出た、そういった段階でございますので、この機会に再発防止に向けての対応、また試みが、多分この時期に来て大分具体化してきていると思うのですが、そういった点をお聞かせ願いたいと思います。 まず、基本的に法務、検察がこの事件をどう受けとめているのか。そして、一部にこうした暴行事件が相次ぐというのは、これは検事個人の問題ではなくて、検察の体制に問題があったのではないかという指摘もあるわけでございますが、そういった指摘に対してどうおこたえになるのか、これをちょっとお聞かせ願いたいと思います。
○則定政府委員 御指摘のとおり、このところ検事が参考人等の事件関係者に対しまして暴行を加えたという事例が相次ぎましたことは大変遺憾なことでございまして、私どもとしては深くおわび申し上げたいと思っております。 一般に検察の活動といたしましては、法令に従うところによりまして、真実究明ということで、適正手続を履行して、日夜その職務に精励しているのが多くの職員でございます。 しかしながら、一たびこのような事件が起こったということになりますと、今委員御指摘のように、ほかでも行われているのではないか、あるいは体制上問題があるのではないか、こういうふうに受けとめられるのはやむを得ないところでございます。しかしながら、先ほど申しましたように、大多数の職員、検事を含みます職員は、先ほど申しましたような姿勢で職務に精励しておるわけでございまして、私どもといたしましては、これはあってはならないことではございますけれども、極めて例外的な事例であるというふうに受けとめておるわけでございます。 しかしながら、このような事例が起こったということ自体は、大変これを深刻に受けとめなければならないわけでございまして、やはりその採用面から教育、あるいは通常の検察運営におきます個々の検察官の姿勢に至るまで、この際大いに再考するということは怠ってはならないだろう、こう思っておるわけでございます。 したがいまして、これまで種々の検察官の会同、中央におきますもの、あるいは地方レベルにおきますものにおきまして、この種の事例が再発しないように、関係者とのいろいろな場面における検察官の姿勢というものにつきまして注意を喚起してきたことでございます。 さらにはまた、新たに検察の道に入ってきます若い人たちにつきましての教育指導ということにつきまして、この際思い切った転換を図る、来春からこれを、東京で集中的な導入教育を行うということも現在考えているところでございまして、また検察官がいろいろな分野に関心を持つ、広い視野のもとで、かつまた、バランス感覚を持って平常心で事に当たるというふうな姿勢を若いときに植えつけるということを中心に考えておるわけでございまして、今後ともいろいろな機会に、またいろいろな方法で、例外的ではございますけれども、この種の事例が発生しないように心して考えていきたい、こう思っておるわけでございます。
○中島(洋)委員 時間がなくなりましたので、これで質問を終わりますが、やはり法務、検察当局の皆様は国民から大変な信頼を持って、さらに信頼が高い分、強い監視をされているということを強く意識して職務に精励していただきたいと思うわけでございます。今再発防止について、教育体制をかなり強く充実させるというお話でございましたので、それをぜひとも継続して、さらに強力に行っていただきますよう強く要望しまして、私の質問を終わります。
○金子委員長 長浜博行君。
○長浜委員 改革の長浜博行でございます。 委員の中には法曹関係の方も多数おられるという委員会でありますが、素朴な質問をさせていただければ、そのように思っております。 大変短う時間でございますので、裁判官の報酬それから検察官の俸給等は、今中島委員の御質問、そして御説明で私自身理解ができたところもございますので、基本的には賛成でございます。 本質疑とは直接の関係はありませんが、後ほど申し上げますとおり、いわゆる諸般の事情といいますか、社会情勢が大分変わってくる中において、素人から見ておりましても、そろそろ司法行政の抜本的な改革とか、政治の分野ではよく五五年体制の見直しということで突っ走ってまいりましたけれども、司法の分野においても再点検をする必要があるのではないかなというふうな気がいたしております。ですから、もちろん待遇を改善して質的に向上する司法行政、法務行政を行っていただきたいのと同時に、量的と申しますか、人数の問題を含めて予算面での配慮も必要になってくるのではないかな、そんなこともつけ加えをさせていただきたいなというふうに思います。 そして、その業務の中の個別な問題でありますが、きょうは二つほど取り上げをさせていただきたいというふうに思うのです。 まず最初にPL法、もう盛んに議論をされたところでありますが、製造物責任法のことでございます。来年の夏から施行されるということで、これはあくまでも欠陥製品による被害から消費者を救済をするというような目的でつくられた法律でありますが、単純に日本の社会というのは、何か問題があったら裁判所に駆け込むとか弁護士さんに相談をするというような風土ではございませんけれども、しかし、こういった法律を契機としていわゆる訴訟件数が増大をしてくるのではないか。そういった場合の中において、いわゆる裁判所の取り組みとして、裁判の迅速化とかスピードが要求をされている中において訴訟件数がふえてくる、いわゆる細かい問題もふえてくる、こういった問題に関しての対応をどう考えておられるのか、例えればと思います。
○今井最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。 今お話ございましたように、今回制定されました製造物責任法でございますが、これは損害賠償責任の成立要件を、現在の民法の過失という主観的要件から製造物の欠陥という客観的要件に転換するということでございますので、その意味では、原告の立証の負担が軽減されるということになります。そういうことから考えますと、この法律が来年七月一日に施行されるということでございますが、法律の施行後、こういう関係の事件が増加するのではないかということは十分予想されるところでございます。ただ、この事件がどの程度増加するのかということは、それまでのいろいろなほかの環境というようなことがございまして、なかなか現時点では予測は難しいと言わざるを得ないと思います。 私どもといたしましては、この法律が先般の国会で成立いたしまして以降、その内容あるいは法律の趣旨というものを下級裁判所に周知をしてきたところでございますけれども、今後は、この法律の施行に備えまして、例えば参考資料の整備というような、執務環境の整備というようなことに努めまして、法律が施行された場合に、事件数の動向等を見まして、この事件の処理に支障のないようにいろいろな手当てを講ずることにしたいというふうに考えておるところでございます。
○前田国務大臣 今裁判所の方から御答弁がございましたが、法務省といたしましても、製品事故が起き、そして紛争が生じた場合、最終的には司法判断、すなわち裁判所において裁判で解決されるもの、そう思っておりますが、それと同時に、PL法の附帯決議にもございましたが、被害者の早期救済の観点から裁判外の紛争処理機関の充実も、先生御指摘のとおり重要な課題であると認識をいたしております。 そこで、その裁判外の紛争処理機関でございますが、現在関係する省庁、数多くございますが、関係省庁及び関係業界において検討が行われておるところでございます。これは仄聞でございますが、例えば自動車、家電業界等も業界内で行うべくいろいろ検討もされておるようなことも伺ってはおるわけでございますが、いずれにいたしましても、法務省といたしましては関係省庁と十二分に協力いたしまして、製造物責任法の目的が達成されますように注意深く努力をしてまいりたい、かように思っております。
○長浜委員 今大臣からもお話がありましたように、このPL法の権利が、いわゆる、これを使えばいいという問題ではありませんが、最初に申し上げた消費者を救済をするという目的において、果たして生活者、一般の国民の間に周知徹底が十分なされているかどうか。まだ来年の夏でありますから日数はあるわけでありますが、これを一つの生活者の権利として確立をしていく、こういった姿が大事ではないかなというふうに思います。 今お話にありました裁判外の紛争処理機関、いわゆる今までの中においても、つまりPL法があるなしにかかわらず、ある業界団体が一つのクレームを会社として受けるのではなくて業界で受けて、それで対処をしていくというような事例もございました。また今回、通産大臣の諮問機関である産業構造審議会では、PL制度導入後の紛争増加に備えて紛争処理機関の拡充や多様化を進めるというような、何か答申も上がっているやに聞いております。 ですから、それぞれの業界でこういった裁判外の紛争を調停する機関がふえてくると思いますが、しかし、いずれにしましてもそれを管理監督するという立場には、正確に表現すればないのかもしれませんが、一番最初に申し上げましたとおり、なかなか日本の社会の中においてはいきなり裁判所に駆け込むとか弁護士さんのところにお願いするというような風土がないものでありますから、あたかも法務省あるいは裁判所とは関係ない機関の中において一つの結論が出された、その結論によって、ああこれが最終結論だな、今申し上げているのは要するに裁判所の法的な結論ではなくて、その調停機関によるところの結論が、これが最終だというふうに一般の消費者は認識をすることが多々あるように思えるわけでありますから、いわゆる省庁間の調整等いろいろ問題はあるのかもしれませんが、PL法が制定をされるということを前提として、こういった機関が設立される中においては十分管理監督といいますか監視をしていただきたい、そのように御要望を申し上げるわけであります。 続きまして、実は質問が難しいのですが、犯罪白書というのがこの内閣議で御報告をされて、私も興味を持って拝見をしておったのですが、何か平成五年における警察による刑法犯の認知件数、それから交通関係業過を除く刑法犯の認知件数両方においても、過去最高といいますか、戦後最高という大変ありがたくない不名誉な記録を樹立をしているようでありますが、これに関して大臣の所見をお願いいたします。
○前田国務大臣 先生から、先般出しました犯罪白書につきましての御質問でございますが、御指摘のとおり、平成五年度におきます刑法犯の認知件数、認知件数と申しますのは、警察において被害届等を受理したという件数でございますが、委員御指摘のとおり、二百四十三万七千件という戦後最高の記録をいたしたわけでございます。パーセントで三・五%でございますが、前年と比べますと八万二千件ふえておるわけでございます。 その内訳を申し上げますと、比較的軽い事案がふえておるということもこれまた事実でございまして、特に窃盗が昨年に比べて、さっき八万二千件と申し上げましたが、窃盗が五万八千件、それから交通関係の業務上過失傷害あるいは致死等が二万二千件。 中身につきましては、窃盗がふえておりますが、大体この中身も、俗な言葉で言えば万引き、それから最近非常に多くなってまいりましたが、自転車の窃盗でございますね、これが量的には極めてふえておりまして、この窃盗と交通関係の業務上過失致傷あるいは致死が全体の九割以上を占めておるわけでございまして、認知件数の増加ということになってまいりますと、これらが大きな要因であります。したがいまして、結論から申し上げますと、我が国の犯罪事情につきましては、おおむね変わらず、平穏と言うのは言い過ぎかとも思いますが、変わらずに推移しているということでございます。 また他方、殺人などの凶悪犯が、少してございますが増加をしておりますし、また、侵入盗の悪質な手口の窃盗の構成もこのところふえておるわけでございます。また、暴力団関係の検挙人員も増加をいたしており、かつまた、薬物事犯も多発をいたしております。また昨今、ピストル、銃砲等の事件が最近の報道でもふえておりまして、特に昨今、一般市民がその犠牲となっておるというような最近の傾向も出てまいりました。 これらでございますが、特にこの白書では、来日外国人の犯罪が大変ふえてきておるということに警戒すべき動向があるということを特にうたっておるわけでございまして、今後、犯罪動向につきましてはなお警戒を緩めずに厳正に努めてまいらなければならない、かように考えておるところでございます。
○長浜委員 ありがとうございます。 今のお話にもありましたように、軽微の犯罪、軽い、ちょっと魔が差したのかどうかわかりませんが、そういう犯罪がふえている。必ずしも軽ければいいということではなくて、よく世の中が乱れると政治が悪いというふうに言われますので、政治家の一人として私自身も深く反省をしなければいけないのですが、ちょっとしたきっかけで、人が見ていないからやってしまうというようなかなり、道徳という言葉が古いのかどうかわかりませんが、モラルが低下をしているな、そういった社会を防いていかなければならない、そのようにも強く感じるわけであります。 そして、今おっしゃられましたように、今回の特徴として、外国人新規入国者数が年間三百万人を超えるような状態の中において、不法に残留しているという外国人が、これは推定でありますから、二十九万七千人ほどに上がっているというような数字も出ております。 私、この間、広島のアジア大会ですか、拝見をしておって、もちろん競技にも興味があったわけでありますが、各国の入国をされた選手団の中において、大事な競技にも出ないで失踪をしてしまったというようなのが、残念ですが華々しく報道されたわけでありますけれども、その後、いかが状況はなっているのか、簡単に御報告をいただきたいと思います。
○塚田政府委員 結局、総計で十五名のアジア諸国の選手が行方不明と申しますか、選手村からいなくなりまして、いまだ出国していないという状況でございます。しかし、在留期間が一定期間ございますので、まだこのままでもって即入管法違反ということでもございませんし、したがいまして、仮に入管法違反になれば退去強制ということがあるわけでございますが、そういう事態にも至っておりません。
○長浜委員 今の部分が、最初に申し上げましたように、非常に質問しにくいと言ったところでありますが、日本の国際化の進展の中において、集団密入国等の不法入国事件や不法就労を目的とした不法残留事件等に発展するおそれがあるという、つまり事件にはなっていないのですが、この期間を過ぎるといわゆる不法滞留になりますよというようなことが、痛しかゆしで国際化の進展とともに起きてきているわけであります。こういったことに対しても、冒頭申し上げましたような、今までとは違った観点からの、あるいは法律の見直しといいますか、司法制度の見直しも必要になってくるのではないかなというふうに思っております。 こういった入管の問題を質問をいたそうと思っていたら、きょうの新聞など拝見をしますと、これは、日本の在留ビザを取得をするために日系のボリビア人の女性が東京入管では不許可の決定がされ、途中の経緯はいろいろ省略をしますが、大阪といいますか、神戸支局の方では一転して許可となったような記述が載っておるわけであります。事実関係を詳しく掌握をしておりませんが、入管審査の現場では審査官の自由裁量がかなり大きな余地があるのかどうか、こういった問題を含めましてこの事件、おわかりになっているところがありましたら御答弁を願いたいと思います。
○塚田政府委員 事実関係につきましては、私どもも現在調査をしているところでございます。 審査の仕方でございますけれども、一般論で申し上げますれば、基準というものが客観的にございまして、これは告示だとかあるいは規則という形で透明性もございますし、世間周知のことでございます。これに従って判断しておりますので、東と西で大きく異なるとか、あるいは一人一人について大きく異なるというようなことはあってはいけないわけでございますし、審査に当たっての内部の教育ということで、その辺は指導しているところでございます。 しかし、こういうことが報道されたのも事実でございますので、ただいま事実関係の調査をいたしておりまして、必要な対応をとっていきたいと考えております。
○長浜委員 ぜひ、厳正な事実関係の調査をお願いをしたいというふうに思います。 先ほどのアジア大会のときにも申し上げた件でありますが、あのときもたしか私、テレビ報道か何かを見た記憶があるのですが、何か来日をさせて不法滞在をさせるようなブローカー的な存在、何というのですか、不法就労あるいは不法入国をさせるプロフェッショナルの組織が存在をするということもだんだん明らかになってきているようです。こういった問題に関しても、思い切ってメスを入れていただきたいというように思うわけであります。 先日、関西方面の視察がありまして、法曹関係の方とお話をする機会もありましたのですが、やはり言語が違う、生活習慣が違うというのに対応しなければいけない法曹の姿勢が問われるわけでありますが、一番端的に言えば、特殊言語、通訳の問題、こういった問題に関しても体制を充実をさせていかなければならない、そのように思うわけであります。 そういったことで、本日は時間がなくて、また別の機会に譲らなければならないわけでありますが、例えば昭和三十九年に答申といいますか、出された臨時司法制度調査会以降、やはり司法のあり方というものを、特に時代の変遷に応じて、国際社会の環境の変化に応じて見直す、こういった運動が、一つ一つスポット的には起きているのかもしれませんが、全体的には一つの大きな流れにはなっていないというような気がしておりますので、これは機会を改めてまた御質問させていただければというふうに思います。 質問を終わります。
○金子委員長 大口善徳君。
○大口委員 改革の大口でございます。 今回の裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案、検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案の両案につきましては、賛成でございます。一日も早い支給をと考えているものでございますが、一点だけお伺いいたします。 昨年、改定アップ率が一・七から二・二%であり、司法修習生は最も高い二・二%でありました。今回、改定アップ率が一・一から一・四%ですが、司法修習生についてどうなっているか、予定をお聞かせいただきたいと思います。
○堀籠最高裁判所長官代理者 司法修習生の給与につきましては、最高裁判所規則で定めるということになっておりまして、現在所要の改正作業を進めているところでございます。 本年の改定率は、約一・三%となる予定でございます。判事補の方が改定率が高くなっている部分がございますが、これは本年の人事院勧告が中堅層の改善に重点を置いたものとなっているためでございます。
○大口委員 それでは、最近、週刊誌等のマスコミ報道や、週刊誌等を引用した国会質問によって、目に余る私人の名誉、プライバシーを害する人権侵害が行われております。そこで、この問題につきまして議論をしてまいりたいと思います。 本年十月十一日の衆議院予算委員会において、自民党の委員が、週刊新潮のコピーを示しながら、特定の交通事故につきまして言及しております。委員の発言を引用いたします。 まあ、ちょっと書き方、過激すぎると思いますけれどもね、これね。週刊新潮。「大石寺僧侶を衝突死させた創価学会幹部」。こういう書き方をしているんですね。私ども調べましたところ、七月二十一日、今年のです。六時十分、北海道大滝村国道二七六号線、トラックと乗用車が衝突、日蓮正宗、室蘭ですね、深妙寺の大橋住職が死亡されております。相手の車に乗られた、トラックに乗られている方は、名前を伏します。創価学会員のようであります。これはですね、あの、交通事故だろうと思いますんで、よく分かんないんです、正直いってと発言しております。さらに同委員は、だれがどういう目的で作成したかわからない怪文書ともいうべき号外を引き合いに出して、本件交通事故があたかも特定の宗教団体を背景としたものであるかのような印象を与える質問を行っております。 本件につきまして、十月十一日の予算委員会で、警察庁の田中交通局長が委員の質問に対して交通事故の態様について答弁をされております。その答弁によりますと、「左カーブの国道上で、普通乗用車が右側車線にはみ出し、対向してきた普通貨物車と衝突、普通乗用車を運転していた男性が亡くなった事故でございます」、このように答弁をしているわけでございます。 ところで、警察庁にお伺いをしたいのですが、この右側車線にはみ出すこと、これは「車両は、道路の中央から左の部分」、道路の中央または中央線から「左の部分を通行しなければならない。」と道路交通法十七条四項に規定されております。また、道交法十八条一項におきましては、車両は道路の左側に寄って通行しなければならない、こう規定されております。この規定との関係で、右側車線にはみ出すことはこの両規定に違反するのである、私はそう考えますが、いかがでしょうか。
○篠原説明員 お答えいたします。 道路交通法第十七条第四項では「車両は、道路の中央から左の部分を通行しなければならない。」と規定されておりまして、法律で定めております場合を除きまして、右側車線にはみ出して通行すればこの規定の違反となるわけでございますが、現在、事故原因につきましては捜査中でございます。
○大口委員 ここで、東京地裁の民事交通訴訟研究会でつくられております「民事交通訴訟における過失相殺率等の認定基準」、これがございます。この基準は、東京地方裁判所の民事第二十七部、民事交通部というところでございますが、そこの所属の裁判官が、昭和四十五年一月ころから、それまで発表されております過失相殺に関する基準を詳細に検討し、民事交通部の部内資料として残されておる全判例を調査の対象として、それまでの実務で行われておる慣行なども参考にして、綿密な議論を重ねて作成され、その後、この基準が順次改訂され、現在、一九九一年金訂版、最新のものがこれでございます。この基準は、私も弁護士をやっておりましたので、民事交通事件に携わる法律実務家にとって最も権威のある手引となっております。 この本の七十ページに、「左側部分通行は、運転者にとって信号表示に従うのと並ぶ最も基本的な規範であるから、左側部分通行の車両とセンターオーバーした対向車両とが接触した場合には、原則として、センターオーバーした車両の一方的過失によるものと考えられる。」こういう記述がございます。最高裁判所、この点確認をしたいと思います。
○今井最高裁判所長官代理者 今御指摘のありました文献の当該箇所でございますが、そのような記述があるということはそのとおりでございます。
○大口委員 本件の北海道大滝村の交通事故とよく似た事案がございます。昭和五十七年十一月二十九日、宇都宮地判の、判例でございます。貨物自動車が、センターラインをオーバーして進行してきた自動二輪車と衝突した事故であります。 この判決では、対向車の側の注意義務につきまして、センターラインを設けられている道路においては、対向車が自己の側に進出して走行することまでも予見すべき注意義務はない、このように判示しております。この判例について確認したいのですが、裁判所、よろしく。
○今井最高裁判所長官代理者 今お話のございましたのは、宇都宮地方裁判所の昭和五十七年十一月二十九日の判決であろうかと思います。 この事件は、貨物自動車が、センターラインをオーバーしてきました自動二輪車に衝突されてけがをした、それで車が大破したわけでありますが、その者がこの自動二輪車の運転手、この方は亡くなられたわけでありますが、その人の相続人でありましょうか、この人に対して損害賠償を求めたという事例でございます。 この判決文によりますと、この事案におきましては、自動二輪車の運転手に対しまして過失を認めまして、それでこの被害者といいますか、この原告については無過失だということで判断をされ、損害賠償を認容した、こういう判決がされておるところでございます。
○大口委員 本件の大滝村の事故におきましては、私が調査いたしましたところ、トラックを運転した人は右足、左ひざ、腰の打撲、首の外傷を受け、その所有するトラックが大破するなどの被害を受けました。 この被害弁償につきましては、これも調査いたしましたところ、死亡した僧侶の乗用車に掛けてあった任意保険で処理されております。保険会社は、死亡した僧侶に一〇〇%責任があるとして、車両の破損による損害や治療にかかる費用等もトラックを運転した人に支払われております。 したがって、本件交通事故は、センターラインを超えた相手方に一方的な過失がある。トラックを運転した人は本件事故で負傷し、その所有するトラックは廃車のやむなきに至っています。そういう点では、加害者というよりむしろ被害者であると私は思うわけでございます。 ところが、週刊新潮の九月一日号の見出しを見ますと、「大石寺僧侶を衝突死させた創価学会幹部」、こういうセンセーショナルな大見出し、これは一般の読者に、学会幹部であるトラックを運転した人がそのトラックを衝突させるように仕向けて大石寺僧侶を死亡させた加害者であるかのごとく、非常にそういう強く印象づけた断定的な表現になっておるわけでございます。 また、この大見出しは、記事中に使用されるだけではなくて、朝日、毎日、読売等の全国紙、それからこのトラックを運転していた人の地元紙である北海道新聞等の全国の主要な地方紙にも、平成六年八月二十五日から二十七日の朝刊に掲載された週刊新潮の広告においてもトップ見出しで大々的に掲載されているわけでございます。また、二千万人が見るといいます電車等の週刊誌の中づり広告にもセンセーショナルにこの見出しが宣伝されている、こういうことでございます。 ここで、このトラックを運転した人の我が党の石田委員長にあてた手紙がございます。御本人の了解を得ておりますので、ここで紹介いたします。 私にとって、事故にあったこと自体、大変ショックな出来事でした。それを、僧侶を「衝突死させた」とされ、「殺したのは私」ということにされたのです。「週刊新潮」の記事によって、私と私の家族が、どれほど傷付いたか、どこに、この怒りをぶつけたらいいのか、私も家族も、その憤りを忘れられる日は一日もありません。このように切々と訴えております。 ですから、私は、この週刊誌等の報道と人権侵害との、本当に法務委員会の我々が真剣に考えていかなければいけない、そう思っておるわけでございます。 そこで、十月十七日の参議院の予算委員会で事実確認をされましたが、このトラックを運転した人が新潮社を相手に、今札幌地方裁判所の苫小牧支部におきまして損害賠償と謝罪広告を掲載せよという訴訟を提起しております。そこで、法務局といたしまして、本件のようなマスコミによる私人の名誉棄損につきまして人権侵犯事件として立件できないのか、見解をお伺いしたいと思います。
○筧政府委員 私ども、一般論といたしましては、誤った内容のマスコミの報道によって私人に対する人権が侵害されたという場合には、法務省の人権擁護機関としては、人権侵犯事件として調査し、適切に処理するということにいたしております。これはかって、写真週刊誌でございましたけれども、週刊誌の報道を人権侵犯事件として取り上げて人権侵犯処理規程に基づく処置をしたということもあったわけでございます。 しかしながら、本件のような報道記事という事案に関しましては、一方において、報道の自由にかかわるという問題でもございますので、公的機関がこの問題について直接関与するよりは、まずその報道の主体であるところのマスコミが自主的に取り組んで解決されるということが望ましいのであるというふうに考えております。
○大口委員 次に、国会議員が国会質問によって他人の名誉、プライバシー等の人権を侵害する場合、政治的責任だとかあるいは道義上の責任、これは当然負うことになるわけでございます。ところが、名誉棄損などの民事、刑事上の責任につきましては、憲法五十一条の免責特権によって問われないとするのが一般的な考えでございます。 これに対して京都大学の法学部の佐藤幸治教授は、その著書「憲法」の中で、 今日、会議における発言が、直ちにマス・メディアを通じて広く流布される状況の下に、例えば、議員の発言によって著しく名誉を毅損された一般の国民にとって、全く法的救済の途がないというのはいかがなものかという疑問もありえよう。つまり、この免責特権は絶対的なものか、あるいは、国民の基本的人権を侵害する場合において厳格な要件の下に例外が認められうるか、また、当該議員個人の法的責任問題とは別に、国として賠償責任を負うべきではないか、という問題があると指摘されております。 ここに札幌地裁の、平成元年(ワ)八一三号損害賠償請求事件の判決がございます。国会議員の議院で行った演説が私人の名誉、プライバシーを侵害するとして、国と発言者である国会議員が提訴された事案でございます。同判決によりますと、 憲法五十一条は、国会議員が議院で行った演説等に違法の点があっても、民事・刑事等の法的責任を負わない旨を規定したのみで、右違法がなくなる等の趣旨を含むものでないことは明らかである。したがって、憲法五十一条が妥当したとしても、そのことから当然に国家賠償法一条一項所定の「違法」がないことにはならない。また、議員である被告は、右発言にかかる事実関係を十分調査してその真実であることを確認したうえ右発言をすべき職務上の法的義務を負うと解するのが相当である。したがって、有事実が真実でなく虚偽であり、同被告がそのことを知っていた場合又は右事実関係の十分な調査をしないまま真実であるか否かの確認をせず有事実を真実であると軽言した場合等に職務上の法的義務に反する違法があるといえる。とあります。 最高裁判所に、こういう判決があることを確認します。
○今井最高裁判所長官代理者 今御指摘のありました札幌地裁の判決でございますが、そのような判決があったということは事実でございます。
○大口委員 この判決の論理に立って、国会議員が他人の名誉、プライバシーを侵害する違法な国会質問を行った場合、被害者は国家賠償法に基づき、国に対し、損害賠償請求訴訟を起こすことができます。しかし、一たん侵害された名誉やプライバシーを国家賠償によって十分回復できるかというと、これは不可能であると考えます。 私は、札幌地裁の判決も指摘しましたように、国会議員は、他人の名誉、プライバシーを侵害しないよう、議院における発言について注意すべき職務上の法的義務があると考えます。 さらに、国会も、国会議員が他人の名誉、プライバシーを害する発言を制止し、または取り消し、国会質問による人権侵害を未然に防止しなければならない責任があると考えます。 国会法百十九条には「各議院において、無礼の言を用い、又は他人の私生活にわたる言論をしてはならない。」とあります。また、衆議院規則七十一条に「委員が」「議院の品位を傷つけるときは、委員長は、これを制止し、又は発言を取り消させる。」とあります。いわゆる不穏当発言の規定でございます。 国会質問にもおのずから制約があります。そこで、衆議院法制局にお伺いしたいのですが、国会議員が政治倫理あるいは行政上の責任のない私人の名誉、プライバシーを害する発言は、国会法百十九条に違反し、衆議院規則七十一条の不穏当発言として制止、取り消しができますか。
○早川法制局参事 国会法及び衆議院規則の一般的な解釈としてお答え申し上げます。 国会法百十九条が他人の私生活にわたる言論を禁止しておりますのは、個人のプライバシーを保護する趣旨であると考えられます。したがいまして、私人のプライバシーを害し、名誉を毀損する発言をすれば、同条に反するもの考えられます。 衆議院規則七十一条は、委員長が、国会法、衆議院規則等に違反する発言を制止し、または取り消させることを定めております。したがいまして、私人のプライバシーを害し、名誉を毅損する発言につきましては、委員長はこれを制止し、または取り消させることができることとなります。
○大口委員 十月十一日のさきの自民党委員の発言は、みずからも認めているように、事実を十分調査せず、人の名誉を害する週刊誌のセンセーショナルな大見出しや怪文書ともいうべき号外を引用し、それを公共放送に乗せ、一般に流布させ、そして政治倫理あるいは行政上の責任のない庶民の名誉や人権を著しく侵害したものと解します。 私は、かかる自民党委員の予算委員会における発言は、国会法百十九条違反の疑いがあり、また衆議院規則七十一条の不穏当発言に該当するのではないか、こう考えておるわけです。 ここで、再度、トラックを運転した人の手紙を紹介いたします。 私を殺人者扱いした週刊誌の記事が、なんと国会の予算委員会の場で資料として、居並ぶ大臣や議員に配られ、そのまま読み上げられました。 NHKのテレビ中継で全国放送の最中に、私に関するデタラメな記事の内容が、一方的に国会でいかにも本当であるかのようにして紹介されました。 私は、怒りで体が震えました。こんなことが許されるのでしょうか。 これまで、まじめに働き、妻子を養って一生懸命生きてきました。人から後ろ指をさされるようなことは全くしていません。 何の罪もない私を、国会議員が、国会という厳粛な場で、殺人者呼ばわりするとは、一体、どういうことでしょうか。 これでは、近所の人たちから、国会で読み上げられるということは、きっと本当に、そうだったのかも知れないと思われても仕方ありません。週刊誌のコピーを振りかざしながら代議士が質問する様子がテレビを通じて全国に流れたことで、私だけではなく、妻や子供、また両親や親戚が大変つらい思いをしています。私は、このトラックを運転した人の悲痛な叫びというものを、私たち国会議員は真摯に受けとめなければならないと思います。 そこで、最後に、衆議院規則六十六条に「委員長は、」「議事を整理し、秩序を保持し、」と委員長の一般的権限を規定しております。この規定の内容について、委員会において、委員等が発言の都合上、図表、地図、物品等の提示または掲示をしようとするときは、あらかじめ委員長の許可を受けることが衆議院委員会の先例になっております。 委員が委員長の許可を受けることなく録音テープを委員会で流すことは、衆議院規則六十六条に基づく先例に違反すると考えますが、いかがでございましょうか、衆議院法制局。
○早川法制局参事 先例によりますと、委員会において物品等の提示をしようとするときは委員長の許可を受けることとなっておりまして、録音テープもこれに含まれるのではないかというふうに思われます。
○大口委員 平成六年五月二十四日、衆議院予算委員会で、今現職の閣僚である議員が、テレビという公共電波を利用して、不特定の視聴者に対し、委員長の許可を受けることなく、民間人の発言が何者かによって盗みどりされた録音テープを流し、その発言を流布させようとしました。かかる行為は極めて不当であり、民間人の人権を著しく侵害し、委員会の秩序を甚だしく乱すものであって、衆議院規則六十六条に基づく先例に違反すると私は考えます。 以上、最近、週刊誌等のマスコミ報道や国会質問によって、目に余る名誉あるいはプライバシーの侵害が行われております。人権擁護の観点から、この問題については、改革におきましても、報道と人権との観点から、これからもしっかりと議論をしてまいりたいと思います。 最後に、人権擁護を所掌する大臣であられる法務大臣に、マスコミ報道と人権、あるいは国会質問の乱用による一般国民の名誉、プライバシーの侵害について、御所見をお願いしたいと思います。
○前田国務大臣 先生今御指摘の、誤った内容のマスコミの報道に対する私人の人権侵害、こういう御質問でございますが、先ほど人権擁護局長が申し上げたとおりでございますが、一般論としては、私人に対する人権が侵害された場合は、法務省にございます人権擁護機関、ここで侵犯事件として調査をして適切に処理をいたしております。 しかし、今回特に、これは週刊誌という報道機関でございまして、報道の自由にかかわる、強いて言えば知る権利でございますとかいろいろございます。これらにかかわるものでございますので、公的機関、少しオーバーに申し上げれば国家機関が、権力が直接関与するということについては避けなければならない、まず第一義的にそのように考えておりまして、マスコミがまず自主的にお取り組みいただいて解決をしていただくことが望ましいであろう、かように考えております。 それから、国会内、先般の予算委員会のことをおっしゃっておられるわけでございますが、議院の中における議員の発言活動等についてでございますが、これは先ほど衆議院の事務当局からもお話が出ておりますが、院において自律的に御検討いただかなければならないことでございまして、法務大臣として院のことにつきまして意見を申し述べることは差し控えなければならない、かように考えております。
○大口委員 報道の自由、これは当然民主主義社会におきましては堅持していかなければならない、それは当然のことでございます。ただ、もう一つの人権としまして、名誉あるいはプライバシーというものがございます。特に、一般国民は反論権というのがございません。週刊誌に報道される、あるいは国会質問によってテレビ放映されて、それが社会に流布する。そういうときに、反論権のない一般国民はどうしていくのか、裁判によってしか、損害賠償請求によってしかこれが守れないというのであるならば、それは非常に不当なことである、そういうことを私は指摘したいと考えております。 そういうことで、また法務大臣にもこの点よろしくお願いしたいと思います。きょうはこれで終わります。
○金子委員長 小森龍邦君。
○小森委員 今回議題となっております報酬とか俸給に関する法律の一部改正につきましては、もちろん賛成でございます。いろいろ議論すればなお懸念の向きもありますが、と申しますのは、非常に難しい司法試験を突破して、相当年をとっておっても初任給の位置づけがみんなと同じような形になるということで、果たしてこの人の生涯の生活というものがその地位にふさわしく保障されるかということになりますと、相当貧乏を覚悟でやらなければならぬというような苦しい局面もありますので、あえて懸念を言わせていただきますとそんなことでありますが、きょうわずかな時間でそのことを議論するというのもできませんので、若干冒頭私の気持ちだけを申し上げまして、賛成の意を表しておきたいと思います。 そこで、非常に限られた時間でございますから、簡単に御質問申し上げ、また答弁の方もできるだけ簡単にお願いしたいと思いますが、最近検事の職にある者が相次ぐ不祥事件を起こしております。それは、暴力事件であったり、あるいはまた、非常に不幸なことでありますが、ある検事におきましては自殺をするというような事件もございました。したがって、この際に、検事の相次ぐ不祥事件につきまして、新聞等では若干伺っておりますが、法務省はいかなる措置をとられておるのか、簡単に御答弁いただきたいと思います。
○原田政府委員 お答え申し上げます。 ただいま委員御指摘のとおり、報道機関等でも報じられましたとおり、検事に関しまして不祥事がございまして、法務省といたしましても、真剣にこれを受けとめて一連の処分ないし取り扱いをいたしたところでございます。 まず、検事がその職務遂行上暴行を行ったということで取り上げられた事件が三件ございました。そのうちの一件につきましては、この検事につきましては懲戒処分にいたしました。同時に、検察官が身柄を拘束の王公判請求いたしたところでございます。また、残る二件につきましては、それぞれ事案によりまして検討いたしました結果、停職三カ月という重い処分をいたしまして、それらの二人の検事は、その後直ちにその職を辞したところでございます。これらにつきまして、それぞれの監督処分といたしまして、戒告あるいは訓告等の処分がなされたところでございます。 なお、それらの一連の事態を踏まえまして、先般法務大臣から検事総長に対し、その組織の点検と二度とそのような事態を起こさないようにということで特別な注意がなされ、それに従いまして検事総長は所要の措置をとったと承知いたしております。 なお、最後に、委員御指摘いただきました、検事の自殺に係る事案がございました。これにつきましても、その検事の自殺に至る経緯につきましても、なお詳細を調べているところでございますけれども、その確たる状況というのはなかなか判明しがたい面もございますが、最近検事が、その職務執行に関しまして、さまざまな精神的な悩みといいますか、難しい事態に追い込まれている状況もございます。そのような中で、不幸にして検事がみずからその生命を絶たなければならなかったという事態もございまして、そのような事態に至った状況につきましても、なお十分に調査いたしまして、必要な措置を今後ともとってまいる所存でございます。
○小森委員 検事のみならず、法曹界の非常にこれは重要な局面だと思うのですが、例えば裁判官が裁判中に居眠りをしておる。これは、どっちへ転げてもよいような判決ならば少々居眠りされても構わぬけれども、例えば地域社会に対して物すごく名誉のことについて気遣いをしておる報告の立場なんかは、ちょっと下手なことを判決されたら、もう地域社会でいろいろな信用を失墜してしまうというようなこともあったりして、裁判官はその点は十分に注意してもらわなければならぬのですが、居眠りとか、この問はまた、新聞が報道しておるところによりますと、弁護士にも十分に理解を求めず、司法修習生が裁判官席に上がっておったというような事件もあったりして、余り詳しいてんまつは要りませんが、その辺について最高裁の方はどう考えておられるか、簡単に答えてください。
○堀籠最高裁判所長官代理者 先般、裁判官が法廷で居眠りをするということがございましたことは委員御指摘のとおりでございまして、法廷は真剣勝負の場でございますから、居眠りをするというようなことは本来あってはならないことは当然でございまして、まことに遺憾で申しわけなく思っております。 司法制度は、これに寄せられている国民の信頼があって初めて十分に機能し得るものであるという認識に立っております。この信頼を損ねることのないよう法曹全体が自戒していかなければならないものと考えております。裁判官につきましても、そのようなことのないよう注意して、適正迅速な裁判の実現のためにこれからも努力してまいりたい、かように考えているところでございます。
○小森委員 ひとつ最高裁の方でも十分な取り組みをしていただきまして、これはもう直接国民の権利にかかわるところでありますから、遺憾なきを期していただきたい、かように思います。 それから、これは答弁は必要ございませんが、またどなたに答弁をしていただくといってもちょっとこの場では困難でありますから、指摘だけにとどめておきますが、同じく法曹界の弁護士の、一億円の横領の弁護士逮捕とか、まあいろいろなことが弁護士にも起きておりますし、またかねてから私は国会における発言でいろいろ申し上げております同和対策に絡んで、弁護士が戸籍謄本などをとるときに特別の用紙をもって市町村役場に請求しますが、それを横流ししておったというような事件も数年前には起きたりして、弁護士の倫理を強く問いたい、こういう気持ちでございますが、いずれにしても、司法修習をしてきた、そして苦労して勉強をされた方がそういうことになるということは非常に遺憾なことである、こういうふうに思っております。 そこで、先般、法務大臣が、異例のことだということを聞いておりますけれども、検事総長に対して注意を喚起した、こういうことを新聞で見させていただきました。その後、検察の方は、いやそれは、そういうのはたくさんおる中のほんのわずか、個人の資質の悪いやつがそういうことをするんだというような議論もあるようであります。 そこで、法務大臣にこの際お尋ねをしておきたいと思いますが、大臣が注意を喚起した、これはまあ異例のことのようでありますが、しかし、その程度のことで問題が効果を上げることができるだろうか、どういうふうなお考えを持っておられるか、お尋ねしたいと思います。
○前田国務大臣 最初に、先生から検察官、また裁判官、弁護士、法曹界全体についての御注意がございましたが、まさに国民にとりましては一体だれを信じたらいいのかという基本的な問題にかかわることでございまして、法曹三者それぞれ交流の場も持っておりまして、弁護士会は特別な立場にございますが、お互いに意を通じて、国民的な信頼を得るように努力をしてまいりたい、まずその決意を申し上げたいと存じます。 次に、御質問の検察官の暴行事件でございますが、取り調べ中の参考人に対して暴行を加えた、検察官として大変自覚を欠いた不祥事でございまして、先生御指摘のとおり、検事総長に異例の注意をいたしたところでございます。特に、注意の中でも再発防止を念頭に置いていただかなければならない、こう申し上げたわけでございまして、こうした検事総長に対する注意等も踏まえながら、再発防止のために、先ほど官房長が申し上げたような処分等も行い、また人心一新と申しますか、人事異動等も予定をいたしておるところでございまして、検察がこれから綱紀の保持に努めて国民の信頼にこたえていただく努力を今も真剣に続けている、かように信じております。
○小森委員 法務大臣、重ねて、これはごく簡単なことでありますから、答えていただきたいと思いますが、法務大臣が検事総長に注意を与えたのはいつの日ですか。
○前田国務大臣 十月五日でございます。
○小森委員 すぐに効果は上がらないと思いますけれども、しかし、それが全体に伝わっておるかどうかということについて、非常に懸念をするわけであります。 それで、これはこの間も新聞に出ておりましたコスモメイトの脱税事件と言われておることに関係をするのですが、その脱税の問題をここで議論したり、それをどっちがいいとか悪いとかいうことを私は価値判断しておるわけじゃないのですけれども、その脱税事件に絡んで、検察官が関係者を呼び出すときの態度というのが、これは法務大臣が言っておることはなかなか徹底してないなというふうに私は思っておるわけであります。それは、ここにテープがありますが、テープはかけませんけれども、これは十月十二日のやりとりなんですね。またこれは厳密に検討される場合には提供してもいいと思いますけれども、こういうことなんですよ。 これは検事は内尾さんという人ですけれども、東京地検特捜部だと聞いておりますが、あなた、出てきなさいといって参考人として呼ばれる場合に、私は平穏な生活をやっていきたいのでもうそのことに触れたくないということを再三言っておるのでありますが、その検事はどう言っておるかといいますと、わかりますけれども、お気持ちはわかりますけれども、まあこちらとしてもぜひ協力していただかなければならないのですと。ここまではまあいいですな。こういう平穏な形でやっているうちがまあ花だと。検事としておとなしく言っているときが花ですよと。花だと思っていただいて、来ていただいた方があなたのためになると思うのですけれどもねと。 これに類することはいっぱいあるわけですね。そういう威圧的なことでやったのでは、検事として果たして本当の職員が全うできるのか、こういうことですね。いや、それは弁護士を通じて、もう私はその事件にかかわりたくないということをおたくの方へ連絡しておるでしょうと言ったら——弁護士は書類を出しているのですよ。そういう意味のことを伝えるのを出しておるのですよ。それなのに、いや、それを弁護士から何も聞いてないというのは、そこでうそを言っておるのですね。 まあ時間がありませんから、そういうことなので、法務大臣、あなたの誠意にもかかわらず、決意にもかかわらず、物事は徹底してない、こういうふうに思いますので、ひとつ十分に再度検討していただきたい。 そして、この際、法務委員長にも提起をしておきたいと思いますが、こんなことは我々法務委員会が調査をするなり、あるいは適当な措置を十分にお互いが考えるなり、やらなきゃならぬと思います。したがって、できれば、また次の理事会でも、法務委員長の方から問題をひとつリードしていただいて、法務委員会として何らかの、国民の負託にこたえられるような措置を、努力をするようにお計らいいただきたいと思います。 ちょっと、法務委員長の方から一言お願いします。
○金子委員長 ただいまの小森委員の件につきましては、理事会で協議させていただきたいと思います。
○小森委員 では、よろしくどうぞお願いします。
○金子委員長 枝野幸男君。
○枝野委員 新党さきがけの枝野でございます。 裁判官の報酬及び検察官の俸給に関連いたしまして、質問をさせていただきたいと思います。 今回の法案につきましては、人事院勧告が出発点になっている改革でございます。私も実は弁護士でございまして、つい六年ほど前に弁護士になろうか、裁判官になろうか、検事になろうかと迷ったこともございます。そのときの経験から考えますれば、日本の裁判官、検察官の立場からすれば、もっとさらに大きく伸ばしてもいいのではないか、優秀な人材を裁判官、検察官として確保するためにはさらにふえてもいいぐらいだというふうに思っておりますが、これは今ここで議論をしても仕方がないことだと思いますのでやめておきます。 給与の面でこの程度の伸びしかできないということになれば、待遇面といいますか、特に裁判官、検察官の職員から考えれば、日々の仕事に追われているというだけではなかなか立派な仕事はできない。裁判官にあっては広く司法制度の問題、検察官におきましても捜査、犯罪その他の問題について研さんを積む、勉強をする、そういった時間的あるいは精神的なゆとりがなければなかなかいい仕事はできないと思いますし、さらに言えば、そういったゆとりがある中で仕事ができるという状況があればこそ、例えば弁護士などに比べて収入面で若干劣るかなという中でもあえて裁判官、検察官を選ぼうという方がふえていただけるのではないかというふうに思っております。 そうした趣旨からすれば、できれば裁判官、検察官の定員を大幅にふやすということが必要なんだろうと思いますが、御承知のとおりの状況の中で、私も与党の法務調整会議の一員といたしまして、できるだけ定員増ということについて努力をしていきたいと思っておりますが、これまた一気に何十人も、あるいは百人単位でふやせるような現状ではございません。そうしたときに何を考えなければならないか。 実は、最近特に、例えば都市部の裁判事例を考えますと、バブル崩壊に伴う破産事件あるいは執行事件等が大幅にふえている。こうした事件につきましては、もちろん地方でもふえているという現実はございますが、やはりバブルが中心になって、泡が飛んでいた東京を中心とする大都市圏にそういった事件がかなり集中しているという現実がございます。あるいは検察業務に関しましても、例えば最近問題になっている外国人の犯罪がふえている。言葉の問題、社会制度、風習の問題などで、そういった事件の捜査をする検察官には一般事件以上の負担、時間的にもあるいは内容的にも負担がかかるだろう。そういった事件についても、これまた地域的な偏りといいますか、多い地域、少ない地域という現実があるというふうに思います。 そうした中で、地方庁ごとに、例えば地方の裁判所ごとに、あるいは地方の検察庁ごとに、さらに言えば簡裁、区検ごとに事件の数の変化、質の変化というものを十分に認識をされた上で、臨機応変に人の配置というものを考えていくという工夫が、限られた予算、人員の中でゆとりある仕事をする上では大切ではないかと考えます。そうした観点から、これまでそういった人の配置、定数の配置という面から検察官及び裁判官についてどの程度の工夫がなされているのか、それぞれ法務省と裁判所の方にお伺いしたいと思います。 〔委員長退席、斉藤(斗)委員長代理着席〕
○涌井最高裁判所長官代理者 御指摘のとおり現下の厳しい財政状況のもとでございますので、裁判所といたしましても、やはり組織内での人員配置の見直しといった内部努力を行っていく必要があるということは、委員御指摘のとおりかと思います。裁判所でも、そういう考え方のもとにいろいろな人員の有効な活国策と申しますか、そういうことをやってきております。 例えば、昭和六十二年ごろから、また現在もその計画を実行中でございますが、全国的に支部、簡裁の配置をかなり大がかりに見直すという作業をやってまいりました。規模で申しますと、小さい規模の簡易裁判所百二十庁余り、同じように小さな規模の地家裁支部を四十庁余り廃止いたしまして、他方で、人口が急増しております地域につきましては、簡裁、支部を新しく新設するというふうなこと。それからさらに、東京、大阪のような大都市圏につきましては、むしろ複数設置されております簡裁を一つにまとめてしまうというふうなことをやってまいりました。これはやはり支部、簡裁の配置が、四十年前の古い時代の交通事情と申しますか、そういう状況を前提に設置されておりますので、それを現在の社会事情に合わせるような形に配置をし直しまして、それによって人員のより有効な活用を図りたいということでそういう計画を進めてきたわけでございます。 それ以外にも、委員御指摘のように、例えば各庁の事件動向に応じまして随時各庁間での人員配置を見直しましたり、また同じ一つの裁判所の中でありましても、最近ではどちらかといいますと民事系統の事件が非常にふえてきておりますが、刑事の方はそれほどでもない、横ばいといいますか、そういう状況でございますので、やはり余裕のある刑事の部門から民事の方へ人を動かしていく、そういうふうな措置を随時考えておるところでございます。 〔斉藤(斗)委員長代理退席、委員長着席〕
○則定政府委員 検察サイドの問題でございますけれども、御指摘のとおり、最近の人口動態あるいは犯罪の動向等々を見まして、かねてから検察機能がそれぞれの地域で十分に活動するように人の配置の問題等も考えてきておりますし、それから裁判所の支部、簡裁の統廃合に伴いまして、検察庁もそれに応じて統廃合を重ねてきたということでございます。 それに加えまして、最近御指摘のように外国人犯罪問題等も地域的偏差を伴いながら全国に拡散しておるところでございまして、これらの新しい形の犯罪現象、さらには地域によって時に人手を要する犯罪が発生したりいたします。このようなときに、固定的な人の配置では対応できない場合に、全国規模で機動的に所要の人員を特定庁に配置するという活用の仕方も実施しているわけでございます。 さらに加えまして、最近、全国的に検察庁の職員配置を見直しまして、さらに一層効率的な検察運営が図れますように、全国の検察庁におきます検事、副検事、検察事務官の配置のあり方を抜本的に見直してみよう、この作業を最近詰めて行っておるところでございまして、成案ができ次第実施していきたい、こういうふうに考えているわけでございます。
○枝野委員 ありがとうございます。それぞれそれなりの努力はしていただいているというふうにお伺いしました。 本当は細かいところを時間があればいろいろと聞いてみたい話がたくさんあるのですが、例えば検察官が、人が足りないところに人が余っているところから恒常的に出張扱いで来ているというふうな話も聞いたことがございます。例えば出張扱いというのも、東京地検特捜部で大きな事件があるから出張にちょっと長期間来るとかという話であれば非常によくわかりますが、人口が非常に多い、事件がふえていてすぐには検察官の定員を動かせないということで、事実上出張扱いで来ているというふうな話も耳にしたことがございます。 裁判所それから検察庁の仕事というのは、他の役所の出先機関のあるところなどとは違いまして、事件の数といいますか、そういったものである程度単純に必要な人員の数というものは読めるところだと思います。そうした中で、これだけ人員の配置について努力をしているという姿勢を示せば示すほど、なおかつそれでも足りないんだという中で、全体としての裁判所、検察官に対する人員といいますか、それが必要なんだということが、司法関係に関連していない皆さんにも納得していただける出発点ではないかというふうに思っております。 そういった観点から、改めて今後の取り組みに対する意欲というものをそれぞれの省から、簡単で結構です、時間が参りましだのでお聞かせいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○涌井最高裁判所長官代理者 裁判所の方としましては、人員配置の見直しに限らず、そのほかいろいろな工夫をこれからもやっていきたいと思っております。 例えば、裁判所の場合は、事件の拙速と申しますか、早くやればいいというものでもございません。やはり内容自体を充実したものにしていかなければなりませんので、訴訟の審理のやり方自体についていろいろ新しい工夫をやっていきたいと考えております。それから、判決書の様式自体につきましても、御承知かと思いますが、これまでのようなスタイルと違った、もう少し簡単で皆さんに読んでいただきやすいようなものを考えていくというふうな工夫もしております。さらに、ワープロ、パソコンといったOA機器を新しい部門ではどんどん使っていきまして、それによって事務処理の能率化を図る、そういった努力もこれから継続していきたいというふうに考えております。
○則定政府委員 検察庁におきましても、先ほど申しましたように、最近の犯罪現象等に対応できる効果的な組織と定員配置を実現したい、こういうぐあいに考えておりまして、先ほども申しましたように、できるだけ早期に抜本的な配置の見直しを実行していきたいと考えております。 なお、蛇足でございますけれども、先ほど質問の中に、恒常的に、いわば長期出張の形で特定の庁に検事が張りついているというようなことがあるように耳にされたということでございますけれども、いわば長期に張りつけた形で、そのような運営をしていることはないと承知しておりますので、御理解いただきたいと思います。
○枝野委員 ありがとうございました。今の方向で努力をいただきたいと思います。 ありがとうございました。
○金子委員長 正森成二君。
○正森委員 人事院勧告に基づく裁判官、検察官の給与改定について、若干質問させていただきたいと思います。 まず、人事院に伺いますが、このたびの給与改定は、本俸で一・一八%という非常に低いものですが、そのほかに期末手当で〇・一カ月減額という、本当に史上めったにない低額であります。期末で〇・一カ月減額になった理由について説明してください。
○藤原説明員 人事院の給与勧告は、従来から社会経済情勢の動向を踏まえつつ、公務員給与を民間給与に均衡させることを基本として行ってきておりまして、この方式は、長年の経緯を経て、客観性、納得性ある公務員給与の決定方式として大方の御理解を得て、既に定着しているところでございます。 お尋ねの特別給につきましては、まず期末・勤勉手当を、民間の特別給の支給割合との均衡を図るため、年間支給月数を〇・一月分引き下げたところでございます。 この勧告につきましては、民間におきます厳しい経営環境のもとにおきます賃上げ動向を反映して低率になりましたし、また期末・勤勉手当の引き下げも民間の賃金動向を正しく反映した結果であると考えております。
○正森委員 非常に簡単な説明で、十分理解できない点もあるのですが、しかし、資料によりますと、人事院の調査では民間で五・一九カ月のボーナスといいますか、臨時手当になっておりますが、日経連の調べによりますと、組合員の場合は五・四カ月、役付の場合は五・七カ月という資料がございます。あるいは東京都の労働経済局労政部労働組合課の調査では五・三七月というようになっております。 こういうように差異ができるのは、人事院が調査について一定の基準を置いて調査しているからだと思いますが、それにしてもこういうぐあいに差があるのはどういうわけですか。
○藤原説明員 先生御指摘のとおり、いろいろな調査団体がいろいろな数字を発表していることは事実でございます。私どもは、私どもの調査方法で調査した結果で五・一九月分と算出したものでございます。 この算出方法は、従来から、前年の五月から当年の四月までの間におきます民間の特別給の支給総額と給与月額の支給総額とを調査いたしまして、特別給が給与月額の何月分に相当するかを算出しているところでございます。
○正森委員 委員長、答弁の要領が悪いんですけれども、あなた方の報告を見ても、あなた方は企業規模が百人以上でかつ事業所規模が五十人以上というようなところを層化無作為抽出法によって調べるということをやっているからこういう結果が出るのでしょう。それを初めから聞こうと思っているのに、それはちっとも答えないでほかのことを答えているということです。 しかし、そうだとしましても、この〇・一カ月分の期末手当の減少ということは、これを実質的な年収ベースでどういうぐあいになるかと考えると、〇・六%程度ぐらいの改善にしかならないんです。昨年の物価上昇はどれだけであるかと見ますと、あなた方の資料を見ましても〇・八%ですね。だから、このたびの人事院改定というのは、期末手当を全部入れると物価上昇に及ばないということになっているんです。 だから、人事院勧告というのは、公務員に、憲法で保障された団結権、団体交渉権、ストライキ権というものを制限する代償として与えられているわけで、そのときに、あなた方の勧告がこういう消費者物価の上昇に十分見合うものになっていない。しかも、一方では、日経連や東京都の調査では五・一九より上回るものがあり、もしこれに準拠しておればこういう物価上昇に及ばないという点が避けられるということになれば、百人以上の事務所だとかなんとかいうような、あなた方の旧来当然のこととして行ってきた調査方法についても考える必要があるんではないかということを私は指摘しておきたいというように思います。 時間の関係で、同僚委員が多くお触れになりましたが、検察官の最近の不祥事件について最後に一言お伺いして終わらせていただきたいと思います。 法務大臣は、検事総長に異例の注意をなさいました。また、連続して三件にわたってこういうことがあったわけですが、それに対して、資料によりますと、遺憾ながら、検事総長は、これは取り調べ官の個性に問題があったと考える、検察の組織内部に今回の事件につながるような体質は全くないということを記者会見等で言っているんですね。しかし、これは非常に問題じゃないですか。個々の検事の資質にだけ問題があって組織内部に全く問題がないというのであれば、なぜ検事正や次席検事というような組織的な問題について今度事実上更送が行われたんですか。その必要は全くないじゃないですか。 ですから、実際に行われたことと、この検事総長の言明には明らかに矛盾があるというように言わなければなりません。また、検事総長のこういう問題の理解の仕方では、今後もこういう不祥事の発生は避けられない、こう思いますが、法務大臣あるいは刑事局はどう思っていますか。
○則定政府委員 御指摘のとおり、検事が事件関係者に暴行を加えるという事件が三件も相次いだという点はまことに遺憾なことでございまして、先ほど別の委員からも御指摘されましたときに申し上げたとおり、心してこれを厳粛に受けとめて、再発の防止等考えていかなければならないと考えております。 検察官の活動と申しますと、まさに法律の手続にのっとりまして、有効でありかつ効果のある証拠を収集して、公判になったときにはそれが裁判所に採用され、証拠価値のあるものとして活用されることを期待して行っているわけでございまして、そういう意味では、信用性のある供述、例えば供述証拠、そういう観点から調べに当たっているわけでございます。 今回、不幸にも三名の検事が、それぞれ事件の性質は違いますけれども、いわば信用性あるいは証拠能力の面等からいって問題をはらむような取り調べを行ったということは、従来、私ども検察官教育から見まして考えられない事態でございます。また、常識的に言いましても、事件関係者に暴力を加える、とんでもないと、こういうことはだれしも理解していることと考えるわけでございます。そういう意味で、特定の、いわば資質的に問題のあった、あるいは性格的に追い込まれたといいましょうか、そういった点でこういった事例が生じたと受けとめておるわけでございます。しかしながら、世間から見ますと、検察捜査が場合によってはそういうふうな場面があり得るのではないかというふうに受けとめられたという意味におきまして、大変私どもは深刻な事態が発生したと思っているわけでございます。 その意味におきまして、この事態に対しまして法務大臣から検事総長に注意処分を行い、これを受けて検事総長が各検察官にそれを伝達し再発防止を図るということに加えまして、法務当局といたしましては、採用の面から中間の教育の面、さらには検察の現場における個々の検察権の行使の場面におきまして、再発防止のためにあらゆる機会を使って注意喚起を重ねていく、こういう必要があると思っておりますし、また、特に若い段階での人権感覚なり取り調べ要領なり、こういったものをこの際改めて教育していく必要がある。そういう意味で制度的にも考えてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございまして、いろいろな面で再びこのような事態に立ち至らないように、万全の措置を講じていきたいと考えております。
○前田国務大臣 ただいま正森委員から御指摘がございましたが、この事件は、刑事局長も申し上げましたとおり、ある意味では検察官個人のレベルの話であろうと思っておりますが、しかし、連続してあったということに極めて私も深刻な思いをいたしておるところでございまして、何としても信頼回復のためには再発をしてはならない、指示監督体制を充実強化させなければならない、こうした観点で、再発防止のためにはやはり責任の所在を明らかにして、かつまた適正な処分もすることが大切であるという観点から、先ほど来、十月五日の注意を初めとした一連の処分を行ったわけでございます。
○正森委員 終わります。
○金子委員長 これにて質疑は終局いたしました。 —————————————
○金子委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 まず、裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○金子委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 次に一検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○金子委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○金子委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○金子委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時十四分散会 ————◇—————