文教委員会 第4号
- 発言数
- 25 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1994/11/11
会議録
○伊吹委員長 これより会議を開きます。 第百二十九回国会、櫻内義雄君外七名提出、音楽文化の振興のための学習環境の整備等に関する法律案を議題といたします。 趣旨の説明を聴取いたします。片岡武司君。 ————————————— 音楽文化の振興のための学習環境の整備等に関 する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○片岡議員 ただいま議題となりました、櫻内義雄君外七名提出に係る音楽文化の振興のための学習環境の整備等に関する法律案について、提出者を代表して、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 我が国が、二十一世紀に向けて、人々の心に潤いのある、文化の薫り高い国家として発展していくためには、文化振興の施策を充実させることは極めて重要であります。総理府の国民生活に関する世論調査におきましても心の豊かさを重視する国民の割合は毎年増加し、国民の文化への志向が高まりつつあり、文化の面での国際交流や国際貢献が重要な課題となっております。 こうした要請に対応するためには、我が国の伝統文化を継承しつつ、すぐれた芸術文化を創造し、個性ある文化の相互交流を通じて新たな文化創造に向けた条件整備に積極的に取り組む必要があります。また、この条件整備をより一層進めるためには、その内容を重点化することが、効果的であると考えられます。 文化の重要な役割を担うものの一つとして音楽が挙げられます。音楽は、人間の心をはぐくむものとして、古代から尊重されてまいりました。同時に、現在も、多くの人々に親しまれ、文化発展のための重要な要素となっております。さらに、世界各国の相互理解と文化交流の促進に寄与する上でも、重要な役割を果たすものと考えられます。 したがって、今日、新たな文化創造を目指す社会を構築する上で、音楽文化を振興するため、その学習環境を整備することが必要であると考えられます。 この観点に立ち、超党派の音楽議員連盟において、音楽文化に関する学習環境整備に関して立法措置を昨年来検討してまいりました。その結果、第百二十九回国会に、議員連盟各党議員の御賛同を得て、生涯学習の一環としての音楽学習に係る環境の整備に関する基本を定め、音楽文化の振興を図ることを主な目的として、本法案を提出した次第であります。 次に、法案の骨子を御説明申し上げます。 第一に、この法律における「音楽文化」、「音楽学習」及び「学習環境」の用語を、文化の振興及び生涯学習の推進の立場からすそ野の広い音楽の特性を配慮して、おのおの定義しています。 第二に、国及び地方公共団体は、音楽文化振興のための学習環境整備を行うに当たっては、国民の自発的な音楽活動に協力しつつ、国民があらゆる機会と場所において、自主的に個性に応じた音楽学習を行うことができるような諸条件の体系的な整備に努めることとし、さらに幼児、少年、高齢者、障害者等に対する必要な配慮を行うこと、音楽文化及び音楽学習の振興に寄与した者の顕彰に努めることなどを規定しております。 第三に、地方公共団体は、地域における音楽文化振興のため、地域の実情を踏まえ、自主的な判断により学習環境整備等の事業を行うよう努めるとともに、当該事業を行うに当たっては、我が国の伝統音楽、地域の特色ある音楽文化並びにこれらに関する音楽学習を振興するよう配慮することとしております。 第四に、国は、地方公共団体の行う音楽文化振興のための学習環境整備等の事業に対し、必要な助言及び協力を行うよう努めることとし、音楽文化及び音楽学習の振興に資する事業を行う民間団体に対し、照会、相談に応じ、助言を行うことにより、当該事業の振興に努めることとしております。 第五に、十月一日を国際音楽の日とし、国及び地方公共団体はその趣旨の普及に努めることとしております。第六に、本案の施行は、公布の日からとしております。 以上が、この法律案を提出いたしました理由及びその内容の概要であります。 本法案が成立し、施行されましたならば、国及び地方公共団体における音楽の学習環境が体系的に整備され、我が国の音楽文化の振興に寄与するところは極めて大きいものと確信する次第です。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○伊吹委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○伊吹委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、これを許します。嶋崎譲君。
○嶋崎委員 おかげをもちまして、超党派の音楽議員連盟が五、六年も前から御努力をされていたこのテーマについて、超党派の議員立法として提出することができるようになりまして、大変喜ばしいことと存じております。 この間、音楽議員連盟の皆さんや文教関係の理事、委員の皆さん、さらには音楽教育国民会議で御活躍の全国の皆さんの御期待、また、これを受けて文部省が中心になって自治省や大蔵省との関係などの調整をいただきまして、おかげをもちまして、この本日の議員立法の提案となった次第でございまして、多くの皆さんの御支援に心から感謝を申し上げつつ質問さしていただきたいと存じます。 私は、音議連の役員の一人として、この立法に携わっていく過程で、最初から疑問を持って最後は確信を持つに至りましたことは、なぜ今の段階で音楽文化の振興というものが必要なのか、芸術文化の中でなぜ今の時期に音楽文化を振興させる必要があるのかということについての疑問を持ちながら、今やこれしかないと確信を持っているわけでございますが、音楽議員連盟の会長として、提案者の筆頭で御出席を賜りました櫻内先生に、今なぜ音楽文化の振興が必要かという点についての基本的なお考えを改めてお伺いしたいと存じます。
○桜内議員 嶋崎委員にお答え申し上げます。 我が国においては、経済的な発展をある程度実現した現在、国内的には余暇時間の増大、来るべき高齢化社会への対応から、国民各層の意識は物の量的な拡大よりも質的向上、物より以上に心のゆとりの尊重といった側面がより重要視されるに至っております。 また、今日、多極化した世界の国々が、お互いに平和共存できる道を構築していく必要があり、そのためのコミュニケーションの手段として、文化、芸術の交流が重要になってきております。このような国際化の時代を迎え、我が国としては、従来の経済的分野だけでなく、文化の面においても相互理解を深め、積極的に世界へ貢献していくという発想の転換が必要であると信じておる次第であります。 次に、なぜ音楽振興かということであります。 言うまでもなく芸術は、人間の情緒を発達させ、心を養う上で極めて重要な役割を果たすものでありますが、その中で音楽は、スポーツとともに人間形成のために大切なものとして重視されてきております。また、言葉の壁を超えて、国際的な活動の場においても効果的に展開されてきております。音楽は世界の共通の言葉として、世界の人々が連帯感や感動を共有し得るものとして尊重されております。また、音楽は、このように非常に国際性があるとともに、老若男女を問わず、すべての国民が手軽に親しめ、広く国民の間に普及している芸術であります。 このようなことから、まず音楽文化の振興を芸術文化振興の重要な分野として考えている次第であります。
○嶋崎委員 ありがとうございました。 ちょっと文教委員会の中での議論を考えてみますと、約二十年ほど前に理科教育振興法が問題になりまして、理科振興を進め、そして産業教育というものが文教施策の中でかなり重視されて今日まで参りました。日本の経済の高度成長を前提にしつつ発展していく過程での人間の育成として強調されて充実してきた経過を思い起こすわけでございますが、その後、スポーツについても芸術文化についても振興基金などができまして、次第次第に新たな方向が生まれつつあるときでございます。 二十一世紀を考えてみますと、古来から言われるスポーツ、音楽というものを改めて、豊かな心を持つ人たちを育て上げていくという環境のためには音楽文化というものの振興が必要だろうという趣旨であろうと思いますし、また、音楽が、今櫻内会長からの御説明もありましたように国際的媒体として大変重要な役割を果たすものだということを含めまして、我が国の国際貢献なども考えつつこの議員立法の提案になったというふうに私も理解をさせていただいた次第でございます。 さて、本法律案においては「音楽文化の振興」と言っていますが、音楽文化とはどういう考え方の中身を持つものなのかについてお聞きいたしたいと思いますが、片岡さん。
○片岡議員 音楽文化と一言で片づけておりますけれども、大変幅広いものだと実は思っております。この法律では、「音楽文化」あるいは「音楽学習」「学習環境」とそれぞれ定義する規定を置いておりますけれども、特に「音楽文化」につきましては、「音楽の創作及び演奏、音楽の鑑賞その他の音楽に係る国民娯楽、音楽に係る文化財保護法に規定する文化財、出版及び著作権その他の著作権法に規定する権利並びにこれらに関する国民の文化的生活向上のための活動」というものを定義いたしております。
○嶋崎委員 この法律案では「音楽文化」、それから「音楽学習」、そして音楽学習の環境というふうに三つの言葉で第二条で定義されているようでありますが、ここで言う文化は、文部省設置法で言うところの「文化」というものを頭に置いて、その上に音楽文化というものを位置づけておられるのではないかと思いますし、学習と言う場合でも、生涯学習基本法という法律がございまして、ここに言う生涯学習というものを念頭に置きつつ音楽の学習という問題が定義されているという意味で、ここで第二条で定義されているこの概念は、我が国のこの文教関係の法律の体系の中でも整合性を持っているものなのではないかなど、そんなことも考えていた次第でございます。 特に、第二条の終わりの方に「環境」と言いまして、音楽学習の環境ということの中で、施設等の物的条件と人及び指導者等の人的条件という二つの点が強調されておる点はかなり重要な意味を持っているのではないかと思います。この音楽生涯学習の観点から、宣言的性格の法律ではございますが、施設等の物的条件、人並びに指導者等の人的条件、ハードとソフトを含めてその整備をやろうという考え方に立っている点が重要だと思いますが、いかがですか。
○冬柴議員 学習環境を整えるということは非常に大切なことでありまして、その場合に、さらに物的条件を整備するだけでなく、その指導者あるいは助言者というものが一体となって学習のお手伝いをする、そういうようなことが相まちまして学習環境というものは整えられるものであると考えております。 したがいまして、この法律第二条第三項に定義されますように、学習環境を整えるためには、必要な施設、その中には物的条件及び御指摘のように人的条件も含めて整備をすることにより円滑な音楽学習を行うための諸条件の整備を行う、そういうことが学習環境の整備である、このように言われているところであります。
○嶋崎委員 冬柴さんは自治省前政務次官として、全国の地方自治体の中でほうはいとして音楽文化振興のために活躍をしている自主的な活動がおありで、今まで自治省はそういう動きに対して一定の御援助などをなさってきておられる、その経験も御存じなのではなかろうかと存じますが、今度の法律の第四条には、地方自治体の事業を定めておりまして、その地方自治体の事業についての考え方と、特に伝統音楽及び地域の特色ある音楽文化並びにこれらに関する音楽学習についての配慮を取り上げておりますが、その理由などについて御説明いただければ幸いです。
○冬柴議員 御指摘のとおり、この法律の中では、国とともに地方公共団体の役割が重視されて規定されております。 御指摘のように、このような本法に定める事業を地方公共団体が行う場合には、伝統音楽及び地域の特色ある音楽文化、このようなものを振興するように配慮しなければならないと明定されているわけでありますが、その立法理由は、歴史に培われた伝統文化は、国民の財産であるとともに、新しい文化創造の基礎となるものである、このように考えておるわけであります。 我が国のすぐれた伝統芸術、伝統音楽の一部は、文化財保護法により、無形文化財として保護されているところでありますが、これを支えるすそ野である庶民に親しまれる伝統的な音楽は、人から人へ民間の努力によって伝承されてきたと言えると思います。こうした分野では、近年後継者の確保が困難であり、周辺技術の喪失などと相まって、その伝承は危機的状態にあると認識をいたしております。 また、地域の特色ある音楽文化は、それぞれの風土や社会生活との関連の中で創造され、生活や環境の変化により工夫、改善され、今日まで伝承されたものであります。しかし、現代の激しい社会環境の変化の中で失われていく危機にあるものも多く、緊急に保存の施策が必要となっていると認識をいたしております。 こうした状況に加え、例えば外国で日本の音楽について紹介を求められる際、多くの留学生あるいは日本人は困惑すると聞いております。これは、我が国の従来の学校教育における音楽学習が、どちらかと言えば外国の音楽文化を受け入れることに重きが置かれがちであったことによるのではなかろうか、このようにも考えられるわけであります。 国の文化は、人が生まれ育った地域で伝承された文化を基礎にし、それぞれが創造的に発展させていく中で、全体として個性ある文化が創造されていくものであると考えます。 最近、伝統音楽や地域の特色ある音楽文化を、町おこし、地域振興の柱として取り上げ、地域の音楽家や伝承者を社会教育の指導者としている市町村、このような自治体も多々あらわれています。 日本独自の音楽文化の創造と普及のため、地方公共団体の自主的、主体的な判断により、今後、さまざまな方法で、伝統音楽や地域の特色ある音楽について、学校教育を初めさまざまな学習機会の中で取り組んでいくことが、我が国が世界に誇れる文化を創造していく上で必要であると考えています。その意味で、特別の配慮が必要であるとの見地から、この規定を置いた次第であります。
○嶋崎委員 ありがとうございました。 全国を見てみますと、音楽都市を宣言しているところ、それから後で問題になる十月一日前後の文化祭行事の中で、伝統音楽の現代版としての演奏会だとか、さらには私の郷里の石川などでは、今度は、西洋音楽を含めてですけれども、’99国際音楽祭イン金沢という大イベント計画が行われたりいたしております。 そんなわけで、全国的にほうはいと自主的な音楽文化振興の動きがあらわれてきておりますだけに、今冬柴提案者が申されたような、今まで地方自治体がいろいろな角度で御援助しつつ、サポートしていただいてきたことの経験を踏まえ、今度のこの音楽文化振興の環境整備法案を生涯学習の一つの宣言的法律として、そのような運動が起こりやすい環境というものをつくり上げ、そしてまた、サポートできるものはサポートできるような方向に向けて御努力をいただけるための規定なのではないかと理解をいたしております。 後でまた自治省や文化庁のこの法案に対する対応などについても締めくくり的にお聞きを申し上げますが、この法案の推進のために、決められた物的並びに人的の体系的整備というような国、自治体の役割を含めて、今後とも御努力を賜りたいと存じます。 いま一つ、なぜ国際音楽の日というものを法律で起こしているのかという点。我が国でも、既に文化祭の行事などは十月に行われておりまして、改めて十月一日を国際音楽の日と定めて、法律で特定化したその意味はどこにあるのでしょうか。お答え願えれば幸いです。
○輿石議員 先生御指摘の、なぜ国際音楽の日を設けるのか、その意義はどこにあるのかという御質問でありますが、御案内のように、ユネスコ憲章の中に「人の心の中に平和のとりでを築かなければならない。」とし、教育、科学、文化を通じて国際協力を推進することによって平和と安全に寄与するということが提唱されているところであります。 我が国が、国際社会の中で多様な文化と多元的制度の共存による平和と繁栄を享受するためには、異文化の相互理解と尊重による国際的連帯と協力が不可欠であると考えます。 音楽は、御案内のように、世界各国で古代ギリシャ以来、体育と並んで人間形成のための重要な要素とされてきました。また、共通の音楽語法が普及し、言語を超え、世界の人々が同一の感情や目的を共有することができるというふうにもなってきたわけであります。 国際音楽の日は、こうした観点に立ちまして、ユネスコと協議・協同関係にあります非政府組織であります国際音楽評議会が、一九七七年、すなわち昭和五十二年以来、「世界の人と音楽でつなぐ心の輪」ということをモットーとして、世界じゅうの人々が生活における音楽の意義を認識するとともに、音楽による国際交流を活発化し、連帯意識の育成などに寄与することを目的として提唱されているところであります。ヨーロッパでは、この日を中心に、音楽を愛好する人々が音楽を楽しみ、他の国の人々と音楽遺産を分かち合う催しか盛んに行われているところでもあります。 我が国は、とかくエコノミックアニマルなどとやゆされることが多く、文化活動での国際協力などの面で立ちおくれがしばしば指摘されているところでもあります。こうしたことから、国際音楽の日を定めることにより、この日を目標にしながら、各地にさまざまな事業が催されたり、世界の共通語であります音楽を通じて、国際相互理解を促進することが今一番大事ではないかというふうに考えるところでもあります。また国内的には、各地域の音楽文化振興のための諸事業がこの日を中心に開催をされ、音楽への関心と理解を深め、国民の音楽学習意欲の高揚を支援するなど、我が国の音楽文化振興のいわばシンボルの役割を果たすものと期待しておるところであります。
○嶋崎委員 ありがとうございました。 今提案者の御説明にもありましたように、国際音楽評議会、IMC、ユネスコと協議・協同関係を有するこの非政府組織が、IMCのかつての会長だったユージン・メニューヒン氏が一九七二年に十月一日を提唱されてから、その後、チェコスロバキアのIMCの総会でたしか十月一日を国際音楽の日として世界に訴えようということから始まってきた流れの中で、この法律が起こされているのではないかなと私も理解をいたしているところであります。 特にこのIMCの国際音楽の日というものを考えるときに、一九七〇年代でございますから、第二次世界大戦の反省の上に立って、かつての敵を敵とするのではなくて、敵を愛する、そういう国の歴史を越えて、かつての敵を愛するという観点を持ちつつ、国際的な連帯と平和という問題が提起された意味もあったのではなかろうかというようなことも考えております。 十月一日を一つのシンボルと提案者はおっしゃいましたが、この日に限るわけではないと思いますが、一つのシンボルとして、そういう世界の動きにこたえて我が国でも自主的ないろいろな活動や文化の振興のための運動が起きてくることを期待したいと存じます。 さて、もう時間も参りましたので、最後に、文化庁と自治省においでを願っておりますが、大蔵には、宣言的法律なものですから、ここで大蔵省が、いや、金がなくてなかなかやれませんなんというような話になってもちょっと困るなという気がいたしまして、主計官にはおいでいただかなくても結構ですということで事前に御連絡を申し上げてまいりましたが、そこの点ちょっと落ちては おりますが……。 文化庁並びに自治省に、この法律をてこにして今後地域文化振興のための文化庁の施策についての考え、さらにまた地域文化振興の財政援助等に関する自治省の姿勢などについて、それぞれお答えいただければ大変幸いでございます。
○林田政府委員 近年地域の個性ある文化を育て発信していこうとする機運が高まっていることを背景にいたしまして、地方公共団体におきましても地域の芸術文化の振興を積極的に推進しております。音楽関係につきましても、多彩な事業が活発に実施されておるものと承知しております。 このような地方公共団体の取り組みを支援いたしますために、文化庁におきましては幾つかの事業を実施しておりますけれども、例えば、芸術文化振興基金を通じまして、文化会館の公演活動や地域の芸術文化団体が行う特色ある文化活動に対する助成を行っております。また、地域の芸術鑑賞機会の充実を図るための巡回公演もいろいろやっておるわけでございます。さらに、地方拠点都市地域におきます、文化会館などを拠点とした地域の文化活動の総合的推進、さらには地域の文化活動の国際交流を推進するための芸術文化団体の招聘、派遣、また地域の芸術文化団体を育成するための指導者派遣でございますとか、文化会館、コンサートホールなどの施設整備に対する助成など、各種の施策を実施しているところでございます。 音楽を初めとして、地域における芸術文化の振興を図りますためには、各地の文化ホールの活性化などの課題に積極的に取り組む必要がありまして、文化庁としては、今後とも支援施策の一層の充実に努めてまいる所存でございます。
○嶋津説明員 お答えいたします。 自治省でございます。 今この法律案の中にございましたように、音楽文化の振興を初め文化の振興ということにつきましては、地域の実情を踏まえて自主的な判断によって、特に住民の参加といいますか、イニシアチブのもとに進めていくということが一番大事なことなのではなかろうかというふうに考えております。そのために、いわば文化の振興に対して地方団体の責務といいますか役割というのは、この法律にも書いてございますように非常に広範で大変なものがあると思います。 特に最近、提案理由にございましたように、文化に対する地域のニーズというのは非常に高まってまいりまして、音楽文化の振興を初めその他種々あるわけでございますが、まずそのためにハード、いわば入れ物の整備というものに地方団体が今一生懸命取り組んでいるというような状況だと思います。そのために、私どもといたしまして、地方単独施策としてそういう施設づくりが円滑に行われるように、地方債とか交付税という地方財政措置を通じまして、その施設整備を積極的に支援しているところでございます。 その次に、いわば入れ物の整備が相当程度この十年間進んできていると思いますが、今後その中身といいますか、ソフトの充実ということがどうしても取り組まなければいけない重要な課題になってきております。財政措置の面から個別にそれに取り組むということは、地方財政の性格上なかなか難しいわけでございますが、地方財政計画におきましては、全体的に文化振興というような行政経費の枠を設けまして、最近、平成六年度におきましては、五百五十億円の地方財政措置の枠を設定しておりまして、その中で、それは具体的にいいますと、交付税の基準財政需要の算定を通じて地方団体の財政需要に算入していくということになると思います。 もう少し進んで申し上げますと、そういう財政措置を活用いたしまして、それぞれの市町村、身近な市町村あるいは大都市あるいは都道府県とそれぞれ文化振興に対する役割というのが有機的に結びついて、あるいは広域的に連携をとって行われることが必要なんじゃないか。具体的に申しますと、嶋崎先生の地元の金沢のアンサンブルというものが立派な活動をしておられますが、そういうものが単に金沢とか石川県内だけではなくて、全国的にそういう方々が公演して回られるようなネットワークづくりというのも非常に重要なんじゃないかというふうに考えておりまして、そういう点につきましては文化庁ともよく御相談いたしまして、ネットワークづくりの支援とかそういうことを進めてまいりたいと考えております。
○嶋崎委員 ありがとうございました。 もろもろの交付税措置ないしはハードなどでは起債措置などを含めまして、今日まで御努力いただいてまいりました自治省の皆さんも、この法律を一つのきっかけにいたしまして、さらなる文化振興のために御支援を賜りたいと存じます。 では最後に、文部大臣に。とかく今までの我が国の立法過程を見ておりますと、議員立法というのは、政府提案の法律と違いまして軽視されがちの傾向の強いもののように私の経験では感じております。それだけに、これだけ超党派でもって、音議連もあれば、文教委員会の各党そろって提案して、今提案者からいろいろと御説明のあったような状況の中で、新たな二十一世紀に向けての音楽文化の振興に向けての決意を立法府としてこの法案に象徴化したわけでございますので、どうぞ、議員立法ということでスタートはいたしますが、閣法と同じような気持ちを込めて、今後ともこの法案の趣旨を生かしていただいて、文教施策に生かしていただくことを強く要望いたしておりますので、文部大臣のこの法案に対する今後の対応などについての姿勢についてお聞きさせていただければ大変幸いでございます。
○与謝野国務大臣 国会における議員立法のあり方でございますけれども、やはり議員立法の数がふえていくということが私は望ましいと思っておりますし、そういうための衆議院法制局等の充実等も、私は議院運営委員会において随分取り組んだつもりでございます。 それと同時に、この種の法律としては、地方自治法の改正をやったことがございます。これは、由緒ある地名を保存するというための議員連盟をつくりまして、これはもう自民党から社会党、公明、民社、共産その他、すべての会派が議員連盟をつくりまして、小説に出てくるような、あるいは歴史のある名前というものをきちんと残そう、そういう地方自治法の改正を全党一致で行ったことがございます。 そういう意味で、今回の、皆様方が長年御研究になり、こうして一つの成果として結実した法案でございますから、これが成立しますれば、やはり行政当局としては当然のごとく、その法律の精神を生かして、そして今後の施策に生かしていくというのは、行政府に与えられた義務であると私は思っております。そういう意味で、皆様方が長年長い時間をかけて、こうして取り組まれた振興法でございますから、私どもとしては、皆様方のこの法案を作成に至ったお気持ちと精神を大事にしながら、実際の行政に生かしていく、そのための努力をしていく、こういうことは我々に与えられた責任である、そのように感じております。
○嶋崎委員 ありがとうございました。 せっかく提案者で、さきがけの中島さんや共産党の山原先輩を含めて、そこに御出席いただいたのに、時間の関係で質問の機会を失してしまいまして、大変御無礼を申し上げまして、御協力ありがとうございました。 これをもちまして質問を終わります。ありがとうございました。
○伊吹委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○伊吹委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 第百二十九回国会、櫻内義雄君外七名提出、音楽文化の振興のための学習環境の整備等に関する法律案について採決をいたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○伊吹委員長 起立総員。よって、本案は原案の とおり可決すべきものと決しました。 次に、お諮りをいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○伊吹委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○伊吹委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十時四十五分散会