文教委員会 第2号
- 発言数
- 89 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1994/10/25
会議録
○伊吹委員長 これより会議を開きます。 第百二十九回国会、内閣提出、私立学校教職員共済組合法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。濱田健一君。
○濱田(健)委員 厚生年金の支給開始年齢を現在の六十歳から六十五歳に引き上げるというような部分を中心とした厚生年金の法案の改正に付随した、今回取り上げております私立学校教職員共済組合法等の一部を改正する法律案、私は、与党の立場で基本的にこれを支持するという状況の中ですが、やはり幾つかの疑問点や、年金全体に対する問題点等も私の頭の中にございますので、それを中心として質問をさせていただきたいというふうに思います。 まず、私学共済の部分を中心にしてなんですが、一点目ですけれども、今回の改正案の一つに、年金財源としてボーナスからの特別掛金、厚生年金では一%相当と出ておりますけれども、共済年金については定款で決めるということでございますのでこれからだろうと思うのですが、徴収の規定の新設がございます。その算定基礎となるボーナスですけれども、公務員と違って私学の職員の場合には、そのボーナスというものの実体が定かでない、何がボーナスに当たるのかという問題があると思うのですね。それで、立入検査権のない私学共済としては、学校からの報告がすべて正しいことを前提として処理せざるを得ないというふうに思うわけですが、当事者の職員の皆さん方の不利益がこれで生じてこないのかどうか、この辺どのようなお考えがあるのか、ちょっとお聞かせ願いたいと思います。
○雨宮政府委員 先生御指摘のとおり、今回の改正案におきましては、従前は月々の給与から掛金を取るということに加えまして、新たに賞与等から掛金を取るという仕組みに変えでございます。 これにつきまして、賞与等と言われているものの定義でございますけれども、給与の範囲に含まないとされたもののうちで三月を超える期間ごとに受けるものをいうということになっておりますが、ただ、先生御指摘のように、学校法人によりましてはいろいろな形の給与というのがあろうかと思うわけでございます。基本的には、これまで私学共済組合としましては、学校法人からの給与の実績の報告に基づいて業務を行ってきているわけでございまして、それに関しましてこれまで何らの支障もなく行われてきたわけでございます。したがいまして、今回も基本的にボーナスのこと。につきましても同じような仕掛けを踏襲するということで問題なかろうかと思うわけでございますが、今先生御指摘のような、いろいろな形の給与等が支給されているのではないかということに関しましては、できるだけ統一的な処理というのがもちろん好ましいわけでございまして、それらにつきまして、関係団体にもいろいろこれまで説明もしてきたところでございますけれども、私どもといたしましても、学校法人等からの問い合わせがございましたら十分対応して、適切に対処していきたい、かように考えておるところでございます。
○濱田(健)委員 御努力をお願いしたいと思います。 二点目ですけれども、雇用保険の給付と退職共済年金の調整規定が導入されるということになりますが、私学の職員の皆さん、教員の皆さん方の雇用保険の加入率というのが非常に低い。幼稚園は割といいのですが、小学校以上が低い。雇用保険との給付調整という新たな問題が出ていますから、これを進んでやれということがどうなのかという疑問点も少しあるのですけれども、今までの国会での労働委員会等の質問に対しては、衆参とも、やはり積極的に雇用保険等を適用できるように進めていくべきだという答弁等がなされているわけです。育児休業給付等新設される中で、改善される点が出てくるという部分がございますので、文部省としては、この雇用保険の適用についての姿勢、アドバイスといいますか、そういう部分がありましたらお聞かせ願いたいと思います。
○雨宮政府委員 先生御指摘のように、私学教員につきましての雇用保険の適用状況ということを考えましたときに、全体的には学校ベースで約七割、それから教員ベースで約三割五分程度が雇用保険に加入しているというのが、労働省の調査結果で出ておるわけでございます。学校種別には、幼稚園は九割あるいは八割ということでございますけれども、高等教育機関におきましてはかなり 加入率が低いというのは御指摘のとおりでございます。 この問題につきましては、直接的には雇用保険を所管しております労働省の問題でもあろうかとは思いますけれども、ただし、先生今御指摘のように、今回の雇用保険法の改正等によりまして、育児休業給付の問題あるいは雇用継続の給付の問題という新たな問題も生じてきておるわけでございまして、私立学校関係者にも、雇用関係法の趣旨、仕組み等につきまして、文部省といたしましてもできるだけの理解を求める努力をいたしてまいりたい、かように思っておるところでございます。
○濱田(健)委員 その辺も、先ほど申し上げましたように、雇用保険と退職共済年金の調整規定等が入る中で、私もどっちがどうというふうにはなかなか言えないのですが、その辺の教宣はよろしくお願いをしたいというふうに思います。 三点目ですが、国家公務員、地方公務員の共済制度の場合には、長期給付の掛金率は、その所要財源率に一定の修正率、これは八割となっていますが、それを掛けて決めておられます。私学共済の場合はすべて一〇%という形になっておりますが、このような制度間で対応が異なっている。国家公務員、地方公務員の共済は、歴史的に長い、成熟した共済であるということが言えると思います。私学の場合、まだ昭和二十九年からという形で、若いという状況等もあるのですが、この辺の対応について、今後どのようにしていかれるのか、御見解をお願いしたいです。
○雨宮政府委員 掛金率をどう算定するかというのは、なかなか専門技術的な問題が含まれておるわけでございます。国共済の場合には、既に今回の改正に絡みまして掛金率というのが定められております。一方におきまして、私立学校共済の場合には、来年四月の定款改定ということによりまして掛金率の改定を行う、そういう予定になっておるわけでございます。 国家公務員共済組合の方につきましては、大蔵省の通知を受けまして、それを国家公務員共済組合の方で検討して、それに従って掛金率を定めるという仕掛けを従来からとってきておるわけでございますが、今回の長期掛金率の改定におきまして、私どもの理解しているところによりますと、二つ選択肢を大蔵省の方が示しておりまして、一つは、保険料率を、平準保険料率に八〇%を乗じた率を下回らないという計算の方法をとるか、それとも、やや大ざっぱに申し上げますけれども、現行水準からの引き上げ幅が千分の二十八を下回らない範囲内で保険料率を算定するか、どちらかという選択肢を示したようでございます。結果的には、国家公務員共済組合の方としましては、今言いました二番目の方の千分の二十八を下回らない範囲内で保険料率を算定するという方式をとったというように私どもは理解しておるわけでございます。 ただ、それに対しまして、私学共済につきましては、先ほどの第一の選択肢にありました修正率を掛けてということは従来からやってきておらないのは先生御指摘のとおりでございまして、この辺は、基本的にはやはり両共済の成熟度の差異というところに発するのではなかろうかと思っておりまして、国共済等に対して成熟度の低いと申しますか、まだ若い制度である私学共済制度としては、後の世代の負担を十分考慮して、必ずしも修正率を掛けないままに掛金率を算定するということによって年金財政の運営を図ってきている、こういうことでございます。
○濱田(健)委員 はい、わかりました。 四点目ですが、公的年金の一元化という大きな命題がございます。そのスケジュールがどうなっているのかということでございます。 私学共済の年金財政の健全化努力、そして私学振興に寄与してきた実績は高く評価されるべきだというふうに思います。私は、この一元化に対する私学共済のあり方、方向性、これらの見解といいますか、文部省がどのように考えていらっしゃるのか、お答えいただきたいと思います。
○雨宮政府委員 公的年金制度の一元化の問題につきましては、昭和五十九年の二月の閣議決定におきまして、高齢化社会の到来と社会経済情勢の変化に対応して、公的年金制度全体の長期的安定と整合性ある発展を図るためという趣旨のもとに、一元化につきまして、昭和七十年を目途に公的年金制度全体の一元化を完了させるという内容の閣議決定を行っておるわけでございます。 これを受けまして、これまでに、昭和六十一年度に各制度を横断する形での基礎年金制度の導入を中心といたしました改革を既に実施しておりますし、また平成元年度には、各制度統一的な年金額の改善措置の実施やら、あるいは完全物価スライド制の実施やらということで、給付の上の均衡というものを、あるいは調整と申しますか、そういうものを図ってきたわけでございます。 もう一方におきまして、負担の方でございますけれども、財政調整のための特別措置法の制定ということを通じまして、平成二年以降、各制度がいわば協力し合いまして、財政力のきつい、あるいは厳しいところに対する調整措置というのを講じてきているわけでございます。 それで、現在は、ことしの二月に関係閣僚会議のもとに設けられました公的年金制度の一元化に関する懇談会というところにおきましてこの一元化の問題について検討が進められている、そういう段階でございまして、まだ結論が出ているということではございません。この懇談会は、学識経験者やらあるいは各公的年金制度の関係者で構成されておりまして、この懇談会におきまして、一元化の最終的な姿というのがどういうものであるべきかということについて関係者の合意形成がなされていくものだ、かように理解しておるわけでございます。 その際に、先生御指摘のように、それぞれの制度のはぐくんできた歴史と申しますかあるいは経緯と申しますか、当然それらのことは配慮されるべきものというように考えておるわけでございまして、私学共済の場合にも、昭和二十九年から非常に組合員数の少ないところから発しまして現在の四十二万人という規模にまで発展した間には、関係者のいろいろな努力があるわけでございまして、それらの経緯も踏まえてそれらの検討がなされるもの、かように考えておるところでございます。
○濱田(健)委員 今懇談会で鋭意どういう方向性というものを模索しているというふうにおっしゃいました。最終的には、政治家がどのような形で一元化していくかというのを決めるべき課題だろうというふうに私は思うのでございますが、さまざまな形で論議を深めていく努力というものを今後ともしていく必要があると思います。 次に、障害共済年金の給付基準の問題でございます。 公務によらない傷病による障害については、現在、一、二級の障害基礎年金の給付は別として、月額二十四万円以上になると支給停止になるようになっているというふうに私は理解しております。そのために障害年金の目的を十分に果たしていないというふうに私は思うのです。これは、いわゆる年金、収入に関係なく全額支給するという厚生年金に比べて、甚だしく劣っているというふうに思います。 先ほど申し上げました年金の支給開始年齢を初め雇用保険との調整等、厚生年金と一体化していくというのであれば、これらの問題についても同一にするというような方向性が多くの方から望まれているという実態を私聞いているわけでございますが、この辺について、文部省の見解といいますか、思いといいますか、それらをお聞かせ願いたいと思います。
○雨宮政府委員 私学共済の位置づけにも関係するわけでございまして、私学共済は、一つには、もともと発足の経緯がそうだったわけでございますけれども、国公立学校教職員の待遇などとの均衡を図るという側面が一つございます。したがいまして、それもございまして、私学共済の長期給付関係の規定の多くは、国家公務員共済組合法の 多くを準用しておるという格好になっておるわけでございます。もう一つは、公的被用者年金制度全体に共通する仕掛けということで、公的被用者年金制度のうちの大宗を占める厚生年金保険制度、これにもまた依拠する、こういう両面を持っておるわけでございます。 先生今御指摘の障害共済年金ということでございますけれども、これにつきましては、厚生年金法の立て方とは別に、むしろ国家公務員共済組合法の系列の立て方と軌を一にしております。すなわち、基本的には組合員である間は共済年金というのは出さないのであるという思想の上に立ってでき上がっておるわけでございまして、したがって、厚生年金の方が障害厚生年金の受給権者として厚生年金法に書いてあることと異なった立て方をしておるということでございます。 ただ、今回の改正におきましては、先ほど二十四万というお話がございましたけれども、今回の改正法案におきましては、これにつきまして三十四万というように改正をいたしておりまして、いわば在職中にもらい得る障害基礎年金の要件がその分緩やかになったということは言えようかと思うわけでございます。
○濱田(健)委員 時間がなくなりました。あと二点準備をしていたんですが、これは私の思いとして聞いていただきたいと思います。 今、少し審議官が触れられましたが、在職老齢年金の内容についてであります。これは私学共済だけとは限りません。提案によりますと、月収が三十六万以上になると年金を支給しないという状況が生まれてくる、年金がもらえないという状況が出てきます。 私は、年金の支給年齢を六十歳から六十五歳まで引き上げるという状況の中で、こういう状況の中では、この年代の皆さん方の同じ職場で働き続けるという意欲、これらは減退していくだろうというふうに思うのです。せめて私の思いとしては、この枠を四十万から五十万ぐらいの上限に置くべきではないか、そのような声がたくさんあるということをお知らせをしておきたいと思います。 国家公務員の皆さん方が、変な言い方ですが、天下りされて別な場所に行かれる。私の持っている資料で言うと、一千六百五十万以上の年間の給与をもらいながらやはり一〇%の年金をもらえるという状況がございます。三十四万ということでありますとボーナスまで入れて五百万ぐらいにしかならない、これらの不均衡はこれから先もどういうふうに解決していくか、論議をしていかなくてはならないというふうに思います。 それと、雇用保険との併給調整、これらもやっぱり現職の間に労使が一緒になってかけてきたという自分のお金がもらえないという状況になります。やはり一挙にもらえないという状況ではなくて、一年ごとに一〇%ぐらいずつダウンをしていく、五年後ぐらいには五〇%ぐらいもらえるというような状況等も、多くの皆さん方の声として欲しいという状況がございます。 これらが今回の改正について実現できる方向性というのは少ないとは思うのですが、課題としてはこれからも論議をしていきたいなというふうに思います。回答は必要ございませんので、私の思いとして受け取っていただきたいと思います。 時間が来ましたから、終わります。ありがとうございました。
○伊吹委員長 濱田健一君の質疑はこれにて終了いたしました。 次に、西博義君。
○西委員 改革の西博義でございます。改革の皆さんのお許しを得て、何点かにわたって質問をさせていただきたいと存じます。 まず初めに、先ほど濱田委員からも若干質問がございましたけれども、この公的年金の一元化についての文部省の見解をお伺いをしたいと思います。 先ほど御説明がございましたように、公的年金については昭和五十九年の閣議決定で、平成七年をめどに一元化を完了する、こういうことが言われております。これに向けて、これまで種々の施策が講じられてきたところでございます。国民共通のこの基礎年金を導入することや、それから各制度における共通給付部分についての費用負担の調整、これを行う被用者年金制度間の調整事業も既に実施されておるところでございます。 そこで、公的年金のこの一元化、平成七年と言われておりますが、これに向けて私学共済の立場で、あとどのような課題があるのかということをお伺いをさせていただきたいと思います。さらに、年金の一元化についての文部省の考え方及び今後の取り組みについて一言お伺い申し上げます。 〔委員長退席、小川委員長代理着席〕
○雨宮政府委員 先生御指摘のような経過をたどりまして、現在公的年金制度の一元化に関する懇談会におきまして検討が進められているところでございまして、そのメンバーにつきましては、先ほども申し上げましたとおり、学識経験者それから各制度の代表者から成っておるわけでございまして、この各制度の代表者の中に私学共済の代表者も当然入っておるわけでございます。ことしの二月に発足いたしまして数回検討を重ねてきておるわけでございますが、一元化というのはこういう最終的な形に落ちつくべきだという具体の結論がまだ出ているわけではございません。まだ検討中なわけでございます。 したがいまして、現時点におきまして、その一元化、将来結論されるべき一元化に向けて、私学共済はどうこうということが言える段階ではないわけでございますが、ただ、先ほども経緯を申しましたように、被用者年金制度全体の給付と負担という両面から考えてまいりますと、給付という側面につきましては、基礎年金ということを中心にいたしまして、またその上に乗せられているいわゆる二階部分をできるだけ共通に定めていくという事柄ということを通じまして、おおむね平準化されてきているという認識を私ども持ってきている、若干の差異はございますが、おおむね平準化されてきているということがございます。 また一方で、負担の方につきましては、現在公的被用者年金制度を構成している制度の中で、例えばJRでありますとかあるいはJTでありますとか、財政力の厳しいところがあるわけでございまして、これに対しまして財政調整ということを行ってきておること、これもまた御指摘のとおりでございます。今後特に財政調整という側面について一元化というものを一体どんな姿でまとめていくかというのが、この懇談会の一番の大きな課題になっておろうか、かように思っておるわけでございます。 私学共済組合としましては、この懇談会の中でどう判断していくかということでございますが、いずれにしても、公的被用者年金制度全体の問題でもございますので、その全体の動きともあわせて私学共済組合として適切な対応を図っていく、かようなことになろうかと思うわけでございます。
○西委員 続きまして、私学共済だけの問題ではないのですが、この年金制度の安定的な運営を確保するためには、被保険者の的確な把握とそれから保険料の確実な収納の体制がぜひとも必要でございます。国民年金は二十歳から加入ということで義務づけをされておりますが、大学生の場合もこれは同様に二十歳以上であれば当然加入しなければならないという義務が生じてまいります。もし事故やけが等で障害者になった場合には、これは被保険者でなければ国民年金の障害年金を受けることができない、これは当然のことでございます。 これに対して、この八月に社会保険庁から、平成四年度でございますが、公的年金の加入状況調査が発表をされました。これを私も見せていただいたのですが、非常に広範な調査で二十二万人ぐらいの皆さんに対して調査をされておるようでございます。その中で、国民年金の第一号被保険者、これはいわゆる自営業者それから農業者、学生等でございますが、この中で未加入者が百九十 万人全国でいらっしゃるという結果が出ております。その中身を、さらにこの報告によりますと、第一号被保険者の未加入者の中の主な特性として、都市部の若年層に集中をしておる。さらにこの三割は二十歳代の子供であって、扶養されているということですね、子供で、その七割は未就業である、働いていない人である、こういう未就業ということで、かなり学生が含まれているのではないか、こういうふうに思われます。 もう一つ特性としては、家計支出は加入者とほとんど差がない、つまり、支払えないから払っていないのではなくて、知らないのではないか。制度そのものに積極的に加入する気持ちがないのではないかということが言われております。 この調査によりますと、さらに未加入者全体のうち三八%くらいの人は、国民年金に加入しなければならないという義務を知らないという結果が出ております。これまでも国民年金に加入していない人たちに対する対策として、制度の理解を深めるための幾つかの努力がなされていることは存じておりますけれども、さらにこの未加入者の加入に対する促進、これを図るために、例えば大学入学時だとか新学期の登録時とか、そういうときに通知を改めて出して注意を喚起するなど、協力をお願いをできないかということでございます。 国民年金は、世代間の扶養が原則でございます。若い人たちが積極的にこの国民年金の意義を理解をして、そして老齢者を支えていくという非常に高齢化社会を迎えて大切な問題ではなかろうかと思います。その点についての御見解をひとつお願いをいたします。
○吉田(茂)政府委員 御指摘のように、国民年金法の一部改正によりまして、平成三年四月一日から二十歳以上の学生は当然加入ということに相なったわけでございます。この制度の発足に先立ちまして、平成三年の一月に各大学等へ二十歳以上の学生の国民年金への加入についてということで周知徹底方を図ったわけでございますが、現在、先ほどの調査によりますと、未加入者の四五%が二十歳代であるというような状況で、学生の未加入者が多いのではないかという推定がなされるわけでございます。 平成三年に周知、普及を図るための通知を各大学等に行ったわけでございますが、このたび、この社会保険庁の調査の結果を踏まえまして、この十月に入りまして、全国国立大学学生部長協議会等において、加入方の指導を行ったところでございます。さらに、この十月中に全国の厚生補導研究集会、これは国公私立大学の厚生補導の担当者の集まりでございますが、十月中に厚生補導研究集会を開きまして、国民年金制度の趣旨の周知徹底、普及を指導してまいりたい。その際の一つのやり方として、御指摘がございましたように、入学時におきますオリエンテーションなりあるいはガイダンスなり、そういうところでの周知、普及、そういったことも含めまして、その点努力をしてまいりたい、かように考えております。
○西委員 できれば大臣にも一言お願いできればと思います。
○与謝野国務大臣 先生御指摘のように、二十歳になりましたら国民年金に加入しなければならない、これは二十歳を過ぎた大学生あるいはその他の学生についても同じことでございます。 私の体験からしますれば、二十歳になります息子のところに区役所から、国民年金に入ってください、入る義務がありますという通知が来て初めて家族のみんながそういう義務があるということを、義務が存在するということを知るというのが現在のまだまだ社会の実態ではないかと思います。 しかしながら、こういう国民年金の重要性にかんがみまして、文部省も学校現場においてやはりこういう国民年金に加入の義務があるということを学生の皆様方にお知らせをするということは、大学御当局の、あるいは学校御当局の理解と協力をいただきながら、文部省のできます範囲できちんとやっていく必要がある、そのように考えております。
○西委員 前向きな発言、大変にありがとうございました。以前にも増して御努力をお願い申し上げたいと思います。 続きまして、学校週五日制について若干の御質問をさせていただきたいと思います。 平成四年の九月から第二土曜日を休業日とする学校週五日制が実施をされまして二年が経過をいたしました。この週五日制につきましては、ただ月に一回休みが多くなるということだけではなくて、この機会に学校、家庭、それから地域社会における教育のあり方を見直すと同時に、教育の質の転換を図るという大きな命題があったように考えております。それに向かって、この三者ともそれぞれの立場で努力をされてきており、月一回の学校週五日制は定着をし、正当におおむね評価をされているように私も考えております。 さらに、この間に文部省は月二回の学校週五日制を目指して調査研究協力校を指定をし、そして、今月集計結果を発表されております。非常に多岐にわたっておりますが、その結果について文部省の見解を一言簡潔にお願いをしたいと思います。 〔小川委員長代理退席、委員長着席〕
○野崎政府委員 お答え申し上げます。 月二回の学校週五日制の研究につきましては、平成四年の五月に幼稚園から高等学校、特殊教育諸学校を含めまして六百四十二校を指定したわけでございます。その中で、授業時数の運用の工夫改善、それから指導内容及び指導方法の工夫改善、学校運営上の工夫というような点につきまして研究をしていただいたわけでございまして、おおむね各学校ではいろいろ授業時数の持ち方等についての工夫もしていただいたわけでございます。これは一律にどうすれば一番いいということではございませんで、それぞれ各学校の実情があるわけでございますので、休みとなる土曜日の分をどのような形で調整するか、例えば二週サイクルで調整をするとか年間を通じて調整をする、あるいは学校行事とか、そういうものも全体を見渡して授業時数の配当の工夫をするとか、いろいろなことがあるわけでございます。 一番懸念される点は、土曜日が休みになるものでございますから、その分をどこかに上乗せをするというようなことが問題としてあるわけでございますけれども、その点につきましては、週のうち休業日となる土曜日以外の曜日の授業時数を従来よりふやすということについては、中学校では五割、それから小学校では四割、高等学校では三割を超える協力校、それから特殊教育諸学校では二割を超える協力校で取り組みを行ったわけでございます。それらの学校では、年間を通じて授業時数がふえるということが、高等学校では三割、中学校では四割強、小学校で四割近く、特殊教育諸学校で二割近くというような実情がございましたが、いずれも、過当なりの増加授業時間数で見ますと一単位時間未満あるいは一単位時間というようなところが多い、こういうような状況でございます。 そして、それに伴います、一カ月を見通した児童生徒の学習負担がどうかという点につきましても調べたわけでございますが、増加したとは思わないというのが高等学校で八割を超えています。それから中学校、小学校でも五割を超えております。特殊教育諸学校では七割を超えている、こういうようなことで、月二回の実施状況ではそれぞれ各学校いろいろな工夫をしていただいたのではないかと思っておりますし、それを今お話ございました協力者会議の中でも十分分析、検討していただいている、こういう状況でございます。
○西委員 ただいま種々御説明をいただきました。私もこの協力校の取り組みを見せていただいて、さすが指定をされたところだけあって、本当に意欲的に取り組んでおられるなというふうに感じております。 ただ、今も御指摘のありましたように、やはり授業時間数を上乗せをして時間数の確保に大変な努力を払っているということが印象として残っております。それで、小学校で約四〇%、中学校に なりますと五〇%のところが一年間を通じて一時間ないし二時間の上乗せをしているということは、かなりの生徒に対する負担がふえているのではないかというふうに思います。教える側ではなくて、学ぶ生徒の感覚ということをもう少しやはり考えていかなければならないのではないかという感想を持っております。生徒に対して、みずから学ぶ意欲と、主体的に考え判断し、行動できる能力をつけるという学力観を定着させ、さらに創造力を高める、また個性を生かす教育をしていくためには、私も二十年教師の経験をしてきましたけれども、やはり今まで以上に時間が必要であり、もっとゆとりがなければそういう教育はできないのではないかというのが率直な感想でございます。 それに対して、今のそのままのカリキュラムといいますかそのままの指導要領で、また標準時数でもう一日の土曜日を休みにするということに、無理というところまではいかないかもしれませんけれども、かなり文部省の教育改革に対する方向性と逆行をすることになるのではないかというふうに私は考えておりますが、一言御意見をお願いをいたしたいと思います。
○野崎政府委員 学校週五日制の導入に踏み切った趣旨も、今先生のお話にございましたように、子供たちにゆとりを持っていただく、その中で、みずから考え判断する能力をつけていただこう、こういうことで踏み切ったわけでございまして、これは、今お話ございましたように、やはり明治以来続いてきた学校教育に対する考え方を変えることでございますので、先ほどお話ししました学校におきましていろいろな取り組みをしていただくことも大事でございますが、やはり保護者の方々の理解を深めていくということも大事なわけでございます。 今回、この学校週五日制の月二回の調査研究協力校の保護者に対するアンケート調査も実施いたしました。これは、研究実施前ですと、賛成、どちらかというと賛成というのが五割をちょっと超える五〇・八%というような数字でしたが、研究実施後が六六・〇%というようなことで、こういう研究を続ける中で理解も深まっていくのではないか、このように思っておるわけでございます。 私どもも、月二回、これが現行の学習指導要領の中で無理だということであれば、これはなかなか月二回まで進めることも難しくなるわけでございますが、六百四十二校でやった結果におきましては、いろいろな工夫をすることによってそれが実施可能ではないかというようなことで、今協力者会議でもその辺についての議論をいただいている最中なわけでございます。 それで、これをさらに進めるときに一体どうなるかということになりますと、今先生御指摘のようなことはやはりこれから考えていかなければならぬわけでございます。 ただ、この学習指導要領改訂というのは、学校に対してどこまでの教育内容を期待するのかという国民の期待の問題もございますので、やはりこういう学校週五日制を段階的に導入するという趣旨も、その辺の理解も深めつつ導入をしていくという、こういうところにあるのではないかと思いますので、その辺は、月二回の導入、そして将来に向かっての完全学校週五日制というあたりにつきましては、今後の社会の変化とかあるいは国民一般の理解の仕方、そういうものも十分踏まえて検討していかなきゃいかぬのではないか、こう思っておるわけでございます。
○西委員 このアンケートといいますか協力校の集計を見ておりますと、実は、全国連合小学校長会の「研究紀要」という資料がございまして、その中に、学校週五日制を定着させ、一層効果を上げるために何が必要かというそういう設問があるのですけれども、この問いの中に幾つか設問がありまして、一番群を抜いて多いのが「指導内容の精選や標準時間数の見直しなど学習指導要領の改訂」というのが、これが八五%の現場の校長先生の意見として上がってきております。次はもう半分以下で、たしか四〇%前後ではなかったかと思いますが、こういう御意見も現場から上がっておりますので、早急に学習指導要領の改訂に取りかかる一方、私も、今の月二回というのはあくまでも過渡的な措置であり、最終的には完全週五日制ということになるんだろうと思いますし、そういう方向が今の時代の流れだと思っておりますが、それまでの間、教育課程や標準授業時数を柔軟に取り扱うことにより、教育現場のひずみ、特に私が聞いておりますのは、小学校低学年の先生方が、やはりもう一週休みがふえると大変に厳しいという御意見も賜っておりますが、このひずみを解消するために、ぜひ必要ではないかというふうに思っておりますが、その辺の見解をお願いをいたします。
○野崎政府委員 小学校低学年のお話も出たわけでございますが、私ども、調査研究協力校の様子を見ますと、年間のいろいろな学校行事との関連等も考えながら工夫をしている、このように思っておるわけでございます。 学習指導要領自体は、これは大綱的な基準ということでつくられておるわけでございますけれども、やはり授業時数をいじるということになりますと、一体どういう教科を学校でやるのかとか、あるいはどういうことを学校教育として学校行事を含めましてやっていかなきゃいかぬのかというやはり国民の期待ということも十分考えなきゃいかぬと思うわけでございます。 現在月一回の学校週五日制を実施しているわけでございますけれども、これがあるいは月二回というような段階に進みました場合に、そういう月二回の学校週五日制の実施の状況とか、それに対する国民の理解、そして各学校の取り組みの状況とか、そういうものもよく考えながら、将来的な学習指導要領というものについての改訂ということを検討していかなきゃいかぬのじゃないか、このように思っておるわけでございます。
○西委員 時間の関係で、週五日制について、この観点からのお話は以上にいたしたいと思います。 最後にもう一つ、私立学校についての対応についてお伺いしたいのですが、ある程度自由な学校運営が認められておるわけでして、週五日制を実施していない学校もございます。その実態について、ちょっと初めにお伺いをしておきます。
○野崎政府委員 私立学校におきます学校週五日制の導入状況につきましては、平成五年の四月に調査したものと、この平成六年四月に調査したものがございますが、いずれも、高等学校、中学校、小学校、幼稚園、特殊教育諸学校を含めまして実施の状況が進んでいるというふうに数字的には出ております。ただ、高等学校では六一%、中学校では四三%、小学校で七五%、幼稚園で九二%、盲聾養学校で七六・五%というようなことで、まだ学校週五日制を導入していない学校もあるということは事実でございます。
○西委員 ただいま御答弁いただきましたように、高等学校で六一%、中学校で特に低くて四三%の実施、これは進学ともかなり関係しているのではないかというふうに思っております。今後国公立が週五日制をたんたんと拡大していく中にあって、また一方では社会全体がゆとりを求めていくこの社会の要請にこたえて、少しずつではありますが、私立ても週五日制を実施している学校がふえているようなお話もありましたので、それはそれで結構なことだと思いますが、将来、公立と私立との格差、週五日制に対する格差をなくして、さらにゆとりある教育を進めていくためには、私学における週五日制の実施を推進していくべきだというふうに考えておりますが、御答弁をお願いいたします。
○野崎政府委員 学校週五日制につきましては、私立学校におきましても国公立学校とできるだけ歩調を合わせて導入をしてもらうように、既に関係者に対しまして理解と協力を求めてきたわけでございます。これは調査結果が出る都度、私学の関係者にもお願いし、また、都道府県知事にもその旨の通知を出しておるわけでございます。今後ともそういう方向で努力をしてまいりたい、この ように思っております。
○西委員 話は変わりますが、先日、この一冊の本を購入して読みました。ある会社が課長職六年目の社員を対象に最長三カ月の長期休暇を実施をしておるわけですが、その一人一人の行動について、ずっと細かく追跡をして書いた本の内容でございます。ずっと現職の課長として多忙な毎日を送っている人が、社長から、この「錦の休日」というのは、にしきの御旗と申しますように、社長からのお墨つきで休日をとる、自由にしなさい、リフレッシュをしなさい、こういうことを言われた人たちが、どう今までの働きバチの自分を見直して三カ月を過ごすかという本でございます。 私は、二十年間教職におりまして、本当に一つの生徒、学生との生活がずっと続いていることに対して、やはり外の社会もできれば経験をしたいな、特に小中学校の低学年におきましては、先生の人格、先生の考え方、行動、その一つ一つが生徒の人格形成に大変大きな影響を及ぼすというのは私自身の実感でもありますし、先生自身がやはりもっともっといろいろな経験をする機会をつくっていただけたらなというのが長年の希望でもございました。 たまたまある雑誌を見ておりますと、三重県の教育委員会が教員の特別長期研修という制度を設けて、現職の高中小の先生の代表に異業種の職場に研修に行っていただいている。数は本当に少ないのですけれども、そういう制度が発足したということを目にいたしました。例えばこの場合は、中学校の美術の先生が土木会社に一年間勤務をした。その先生は、こういうふうにおっしゃっております。「教師は視野が狭いと言われるが、確かにその通りと感じることがある。こういう機会を与えられてよかった。ここで見て、聞いて、感じたことを子供たちに話したい」こういうふうに感想を述べたという記事が出ておりました。 もちろん文部省もいろいろな研修を行われておりまして、初任者研修は言うに及ばず、現職の先生方に対する研修も、本当に教育現場の生徒を教えるという時間以外にも、大変な労力をとって先生方が努力されているということを十分存じております。私の知り合いにも聞いてみますと、本当にじっくり自分を見詰め直す、そういう機会がぜひ欲しいという御意見もお聞きをいたしました。そういう意味で、先生方がさらに視野を広げるためにも、期間とか時期とか、まあ夏休みなんかも有効に利用できるケースがあるのじゃないかと思うのですが、そういうことは別にして、制度としてそういうことを考えていただけたら本当にうれしいな、こういうふうに思いますが、大臣、何か御感想ありますか。
○与謝野国務大臣 先生は三重県の例を引かれましたけれども、そのほか、例えば千葉県では派遣先が建築設備工学研究所、高等技術専門学校、自動制御装置製造会社、岐阜県ではホテル、デパート、運送会社、車体工場、福岡県では商社、財団法人と、いろいろな業種に教師の方々が行っておられます。 先生御指摘のとおり、やはり教師もまた柔軟な思考方法あるいは豊富な社会体験、あるいは会社その他の組織で物事がどういうふうに決まるのか、組織とか規律とか、そういうことも体験する必要がありますし、また、先生先ほど御指摘になったように、教員は生徒に教える立場にございますから、やはり幅広い視野を持った、あるいは社会性と言ってもいいのですが、幅広い社会性を持つということが大変大事だと私どもは思っております。 多くの都道府県、指定都市におきましては、初任者研修の一環として短期間の企業研修ということも実施されておりますし、中堅教員につきましては、あるいは若手教頭等につきましても、民間企業へ現職のまま長期間派遣しているという例もございます。文部省としては、各県等の実情に応じて、御指摘のような教員に対する異業種にわたる研修が積極的に実施されるよう、引き続き都道府県教育委員会等を指導してまいりたいと考えております。
○西委員 どうもありがとうございました。 もう時間が余りございませんので、最後の御質問を申し上げます。 学校週五日制が発足し、また、さらに行く行く拡大される中で、学校開放という一つの動きが盛んに行われております。これは、社会で子供からお年寄りに至るまで地域のコミュニティーに開放しようという大きな流れだというふうに理解をしております。 一方では学校施設が、例えばこれは大きな事件でありましたので皆さんもよく御存じだと思いますが、これは休日ではないのですが、例の京都府の亀岡市における焼却炉で小学生が亡くなったという事故がございました。これを契機にまた学校の施設の問題がクローズアップされてきたわけです。実は、この夏だったと思いますが、私の地元の小学校におきましても、ドアがばたんばたんしますので一それをとめておくために小さなロープで輪っかをつくってドアのノブをひっかけておいた、そのロープに、休業中に兄弟が遊びに来て、そのうちの一人が何かの拍子に首がひっかかってしまった、もう一人の人が慌てておうちに呼びに行ったのですけれども、既に遅くて亡くなられたという不幸な事故がございました。 これから先々、学校の有効利用と同時に、学校の施設の安全性というのが大変大事な要素になってくるのではないか。開放だけではなくて、そういう面についても十分点検をしていただきたいという意味において、学校施設の安全総点検をぜひお願いしたい、こういうふうに思いますが、いかがでしょうか。
○与謝野国務大臣 学校開放というのは相当進んでおります。これは校庭あるいは体育館等々、土曜、日曜にわたって生徒等に開放しております。 ただ、そこで問題になりますのは、先生がただいま御指摘になったように、安全性の面をきちんと考えていかなければならない。これは休日に開放された学校の施設等をどうやって管理していくのかという人の問題、それからただいま先生が御指摘になったような施設自体が安全かどうかという問題、そういうもろもろの問題は学校開放を進めるに当たって、先生が御指摘のように極めて重要な問題でございますから、文部省も今後学校開放をさらに進めていく上で、先生の御意見を外しながら、そういう方向で物事を考えてまいりたい、そのように思っております。
○西委員 以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○伊吹委員長 西博義君の質疑はこれにて終了いたしました。 次に、栗本慎一郎君。
○栗本委員 改革の栗本慎一郎でございます。 今回、私立学校教職員共済組合法等の一部を改正する法律案に関する審議でございますので、前回の委員会で私立学校、これは理念の問題もお伺いいたしました。あわせて大臣にきょうはじっくり御意見を伺いたい、御所信を伺いたいと思っております。 まず、この私学共済でございますが、結果的に言えば、これは賛成というか、やむを得ない、賛成以外にないかなと思いますが、理由は、これが国家公務員共済の準用によるものであって、つまり理念的というと、国の方の、国公立の先生がこういうふうになるんだから私学の先生もこれより下になってはいけないじゃないかということが現実には含まれているわけでございます。だから、これはその意味では差がついてはいけないんで、当然、やむを得ない、賛成ですが、消極的賛成に私はなります。 このことについて、これは今後もこういうようなことなのか。すなわち、国公立がこうであるからそれに差がついてはいけないというようなことでは、基本的にその理念として不十分ではないか、そういったことについてまず一般的にお伺いしたいと思います。
○雨宮政府委員 私学共済組合ができ上がった当初の思想というのは、やはり教育基本法にありますように、国公私立の学校の教員というのは全体 の奉仕者であって、その待遇の改善というのは期せられなければならない、そういう思想に基づいて、やはり私立学校の教職員も公的な教育を担う重要な部分として国公立学校の教職員と同じような形の、均衡をとった形での共済制度というのがあるべきだ、そういうところから出たわけでございます。 したがいまして、今後いろいろな考え方もあろうかとは思いますけれども、私どもといたしましては、私立学校の教職員の共済制度につきましては、基本的には国公立学校の教職員との均衡というものを無視して進めるわけにはまいらないだろう、かように考えておるわけでございます。
○栗本委員 そういたしますと、私は大臣にお伺いしたかったので改めて大臣にお伺いしたいのですけれども、今の御答弁ですと、私立も重要である、しかし国公立が中心で、その補強部分であるから、これも何とかしておかなければいけない、こういうことでよろしゅうございますか。
○与謝野国務大臣 私学の共済というのは、財政的には大変健全性を維持している共済でございます。 財政の健全性という点から見ますと、やや劣る共済も他では見られるというのは現実でございます。しかしながら、昭和五十九年に、公的年金制度を一元化するということを決定しておりますから、そういう私学の実情も総合的に勘案しながら、やはり一元化の方向に進むということはやむを得ざることだと考えております。
○栗本委員 一元化の方向が決定されているから、割合に内情はいいんだけれども出すわけにいかない、こういうことでよろしゅうございますか。
○与謝野国務大臣 そういうことではございませんで、やはり公的年金を一元化するということは、大きく今後の公的年金制度のあり方から一元化をしていこうということを決めたわけでございますから、私学共済も、それぞれの実情もございますけれども一元化の方向に向かって進んでいく、こういうことだと考えております。
○栗本委員 一元化というのがほかのところに、言葉は悪いですけれども悪平等で合わせるということでなくて、もしもある程度プラスアルファができれば、そこは文部大臣は頑張っていただいて、他のところとプラスの差はいいわけですから、今後ともその辺はお考えいただきたいと御要望いたします。 さて、そういうことでありますならば、前回の委員会とまた引き続いて御質問になりますけれども、この私立学校一般についてのことをもうちょっとお聞きしたいと思うわけでございます。 私の調べたところによりますと、たしか大臣は私立学校で教育を受けられたことはないと思いますけれども、東京でいらっしゃいますよね。東京の私立学校というのは、全国どこでも重要でありますけれども、どうしたわけだか特段にその量的比重が東京は私学が高いことになってしまった、これは御案内でございますよね。これは、大、高、中、小、全部そうですが、一つだけ言えば、例えば小学校は全国の私立学校比の五倍でございます。高校も二倍になります。小学校の場合などは、全国の私立の小学校の三分の一になんなんとする、三分の一になっていませんが、なんなんとする比重でございます。 この東京の私立学校の問題というのは、決して東京都の問題というふうには考えられない。国の方向の中でどういうふうにお考えなのか、ちょっと御所信をお伺いしたいと思います。
○与謝野国務大臣 先生御指摘のように、東京都の私立学校は、高校生の約六割、幼稚園児の約九割と全国的に見ましても私立学校の比重が非常に大きい。また、それぞれの学校が建学の精神にのっとり特色ある教育を展開し、学校教育の普及進展に大きな役割を果たしているものと認識をしております。 このような状況から、東京都においても私学助成の水準、例えば高校生一人当たりの補助単価について見ますと、全国平均約二十四万円に対しまして東京都の場合は約三十一万円、また幼稚園児について見ますと、全国平均約十万円に対しまして東京都の場合は約十三万円と、全国的に見ましても高い水準にございます。文部省としては、国庫補助金の配分に当たりましては各都道府県の助成水準に応じて配分する仕組みを採用しておりますが、この傾斜配分方式を通じて東京都の私学助成の水準の向上に資しているものと理解をしております。
○栗本委員 一番都合のいい数字をよく御勉強になったというふうに思いますけれども、とんでもない話でありまして、まず東京に限らず全国の高等学校以下に対するいわゆる私学助成が、昨年度、文部省は正当に要求したんでしょうけれども、第一次査定で、予算で、五〇%減になりました。復活いたしまして、二五%復活、そうしても二五%残っているわけですから、前年比二五%減で一応決着を見たわけでございます。 この際、その点に関して二つお伺いいたします。 この間もお伺いしたのですけれども、一つは、一般財源化するから行く金は変わらないからいいじゃないか、こういう理論ですね。そうすると、要するに地方交付税から出せ、そういうふうにひもをつけてあるから、これが大体本当はおかしいと思うんですが、これは大蔵の問題だから申し上げません。東京の場合には富裕団体で不交付団体である、だからどこかから出せという話をしなければならない。したというふうにはおっしゃらないと思いますけれども、当面、今大臣がおっしゃったような御勉強の数字でとりあえずおさまりましたけれども、このことは非常に大きな問題ではないか。一東京都、自治体の問題じゃない、理念としてどうするんだということについて一つはお伺いしたい。 とともに、もう一つは、それは前年度限りである、東京に限らず全国でですよ。五〇%削減、二五%削減、いずれもダイナミック過ぎます。それで、財政の厳しい状況によってと、大蔵省が言うべきことを文部省がよく言いましてですね、そんなに国の財政を詳しく知っているのなら、ほかのところから取ってきたらいいじゃないかと私は思いますけれども、去年度限り、去年の言葉で言えば本年度限りだ。ならば、ことし内閣もかわったわけですから、その内閣が間違っていた、その内閣に所属する文部大臣の方針が間違っていたと言える立場でしょうし、それならば、なぜ二五%減のところから出発して、たかだか一〇%アップ程度の、一一%ですね、要求をしているのか。この二点についてお答えをいただきたいと思います。
○伊吹委員長 ちょっと数字のことをまず政府委員答えなさい。
○栗本委員 まず大臣に。数字はその後で。
○伊吹委員長 そうしたら、吉田高等教育局長まず答えて、そして後、与謝野文部大臣。
○吉田(茂)政府委員 御指摘のように、本年度の予算におきましては当初五〇%カットということであったわけでございますが、その後、御尽力もいただき、最後まで大臣折衝で努力いたしまして、御指摘のように対前年度二百十二億円減の六百三十五億円、こういうことであったわけでございますが、これは六年度におけるやむを得ない措置ということでございまして、この措置は一般財源化を意味するものではないという考え方をとっておるわけでございます。 七年度の概算要求につきましては、本年度の予算六百二十五億円からこれを充実していくという考え方をとりまして、御指摘のように七十億円増の七百五億円、これを概算要求をしておるところでございます。
○与謝野国務大臣 ただいま吉田局長からお答え申し上げましたように、昨年の予算編成の結果は平成六年度限りのやむを得ない措置だと私どもは考えておりまして、この措置が一般財源化を意味するものではないと承知もしておりますし、今後とも、私学助成の重要性、国の財政事情等総合的に勘案しつつ、予算編成段階において私学助成予算が適切に確保されるよう最大限の努力を傾注し てまいりたいと考えております。
○栗本委員 そのお答えでは話にならないじゃないですか。要するに、二五%減が去年限りであるなら、なぜそれをアップした要求をしないのですか。それはまず要求ですから、最終的にはどうなるかわからないにしても、またそれがおできになる立場でしょう、去年の内閣が悪かったのだからという話もできるわけですから。それについてもう一言お答えいただきたい。
○与謝野国務大臣 行政機関の立場としては、前年度の予算をベースにして新しい概算要求をつくるわけでございますから、二五%がカットされているという現実に立脚して新しいスタートを切る、こういうことにならざるを得ないと考えております。
○栗本委員 全く納得できないのですが、しかし、私学助成の確保という方向については多分、私立学校にはおいでにならなかった大臣と私と、東京でもございますし、一致していると思いますので、ともに闘っていきたいと思います。しかし、一般的な御要求を申し上げておきますが、一たん予算で何%でもカットされれば次は戻らないという前例を実際にはつくってしまいますし、今後ともそういうことが絶対にないように変えていくようにというふうに御要望を申し上げたいと思います。 さて、それで、その二五%減をベースにした要求の中でも非常に問題がある。というのは、一応七十億円増、すなわち数字を申し上げれば、平成六年度予算額六百三十五億円。これは私立高等学校等経常費助成費補助、総額六百三十五億円になってしまったわけですが、これが七年度の概算要求は七百五億円であります。七十億円増ですから一一・〇%増である。これは、ほかの科目は、非常に小さいもの、小さいといいましても十億円台の下の方ですが、そうしたものの場合には比率として二〇%近いもの、一五%を超しているものもございますが、百億を超すものの中では確かにそれは要求額の増としては多い。そういうことを盛んにおっしゃる、だから頑張っているじゃないかと。しかし中身がうそなんですよ。中身が一般補助ではなくて特別補助、すなわちひもがつけられるものなんですね、こういうものに関してだったらば出しますよと。これは個性ある教育という話と全然逆じゃないか。 例えば、概算要求七十億円ふえている中で二十六億円は特別補助なんです。これは一体中身的にはまずどういうことなのか、どういう目的であれば特別補助を増してやるよということになっているのか、これについてお答えいただきたい。事務当局で結構です。
○吉田(茂)政府委員 御指摘の七十億円の増要求でございますが、そのうち二十六億円は特別補助でございます。これは、先生御指摘のように、教育改革推進特別経費というものがそのうち十七億円を占めておるわけでございますが、中身につきましては、それぞれの私学が教育改革を推進していく、例えば国際化を進める、あるいは教員の研修に力を入れる、そういった改革を進める場合に、それぞれの私立学校の発案でそういうものをやる、そういう場合に都道府県がそれに援助をする、それに対して国が補助金を出すというような中身でございまして、これは、例えば特色ある教育活動の推進であるとか、職業教育活性化の推進であるとか、今申し上げました国際化とか、そういった特別の教育改革をする場合に国がそれを財政的に援助をしていくということでございまして、これはあくまでも私立学校がみずからの責任と判断において進める改革について支援をしていこうという内容であります。
○栗本委員 そのようにおっしゃられますけれども、現実に、例えば補助をおろす場合の審査に関してはどういうふうになっているのか、全く下から上げられてきたものについて並べて押しなべて判断をするのかという点に関して極めて疑問が実際にあるわけです。なぜならば、これは高等学校の場合、国際化といったって大体決まり切った国際化なんですよね。そのくせ日本人の話学力は、私どもの世代も非常に悪いのですけれども、下の世代はもっと悪い。どうなっちゃっているのか。外国に行く頻度は我々の百倍、二百倍もあるのですけれども、どうも日本語の普及度が広がったせいか、円の普及度が広がったせいか、もうデータ的にも出ている。じゃ国際化とは何だというと、しばしば運輸省と一緒になって修学旅行をハワイに持っていこうなんという話だったりする。こういったのが実際下から来ているのかどうか、そういう審査といいますか、認定といいますか、これに関してどういうシステムになっているのか、ちょっと簡単にお答えいただきたい。
○吉田(茂)政府委員 最近、各高等学校等におきましてもいろいろな教育改革を進めておられるという一つの大きな状況があるわけでございますが、その中から各都道府県に申請をする、都道府県がそれを認定して文部省に申請をしてくるという手続になりまして、一定の予算の枠がございますが、その中で都道府県が認定したものについて補助金を交付していくというシステムをとっておるわけでございます。
○栗本委員 都道府県の認定すなわち自治体の認定だから文部省には余り責任がないというようなお話ですけれども、これはやりますと非常に長くなってしまいますから直接お申し込みいたしますけれども、現実には非常に支配的、せいぜいよく言って指導的なんですね。ですから私は、理念としてこうした特別措置、目的補助というのは基本的に減らしていくべきじゃないか。一般的に差し上げましょう、それは御自由にお使いください、こういうことでなきゃ、大体個性ある教育とか個性ある私学教育とかいったことに貸さないのじゃないかというふうに考えているわけですけれども、大臣、一般的にいかがでございましょうか。
○与謝野国務大臣 私学にお金を出して、それを自由に使わせたらいいじゃないか、いわば先生のおっしゃる目的的というのはひもつきと呼んでもいい、そういうものはなるべく少なくしろ、こういう御趣旨の御質問だと思いますが、そういう経常費補助というのは、まさに経常費という学校がある程度自由に使えるものに出しているわけでございまして、目的を持った補助というのはまさに目的が存在するので出している補助で、性質が違うというふうに私は考えております。
○栗本委員 ならば、経常費補助のほかにもう一つ枠を、一般補助というようなものを立てるべきじゃないかということと、これは事務当局にお伺いいたしますけれども、経常費というのは何と何ですか。
○吉田(茂)政府委員 七十億円の内容につきまして、特別補助のお話がございましたので、そのうち十七億円の教育改革推進特別経費について申し上げたわけでございますが、それを含めまして特別補助が二十六億円の増、もう一方で一般補助、これにつきましては四十四億円、合わせて七十億円の増、こういうことになっておるわけでございます。 経常費につきましては、基本的には施設費等を除きました教育研究経費ということでございまして、いろいろな人件費あるいは教育にかかわるいろいろな費用、研究にかかわるいろいろな費用、そういうものが経常費の中心に相なっております。
○栗本委員 これももう少し自由財源的に使えるように御指導いただきたい、今後御配慮いただきたいと思うわけです。 お茶の水に文化学院という小さい、高校はお茶の水じゃなく、各種学校になっている学校がございまして、創立者は西村伊作というキリスト者でありますけれども、この主要な支えといいますか、実際に内部でも教えられて、学部長、学科長等の役割を果たされた方々に与謝野鉄幹、与謝野晶子御夫妻がおられるわけですけれども、これが今日に至るまで大学の認可を得ておりません。各種学校です。 なぜそういうことになるかといえば、自由な一つの理念を持ってやっていけばそれは認可がおりないからということと、これは大学の問題であり ますが、本来なら高校もそうなんですが、高等学校で認可を受けない学校を出ますとその先の人生が制限されることになってしまう。大学の場合は、某私立大学なんか卒業より中退の方が偉くなるというようなことが言われるぐらいのところでありますから、国会議員にも十分なれますし、いいのですけれども、高校を出ていないとその先アメリカの大学にも行けないしというようなさまざまな制約が出てしまうので、高校の認可はとっておられるわけですね。私は、大学評論を国会議員としてでなくしている場合にはここを非常に高く評価しているわけですけれども、現状のところはこれはやむを得ないかな。だけれども、よく考えてみたらおかしいのですよ。 私の「間違いだらけの大学選び」という本を大臣にも差し上げますけれども、中身、理念は申しません。結論だけ申し上げれば、わずか一万人そこそこの卒業生で朝日新聞認定 —————私は朝日新聞が立派だとは思いませんし、週刊朝日も特にそうだと思いますが、朝日新聞が、一つの基準でしょう、昭和に一日でも生きた、優秀な、活躍した日本人一万七百人というのを選んで「現代日本朝日人物事典」というものに収録しているわけでございます。朝日新聞の認定ですから、入っていない人も怒っていただいては困りますけれども、一つの基準なのでしょうけれども、そこで、すべての大学を含めて、旧帝国大学その他全部含めて、スポーツ選手、芸能人を除きますと、全国で二十位台に入ってくる人材を送り出しているわけです。これはもうデータ的に極めて有意な個性、特色ある教育をやっているというふうに私は思います。与謝野家としてはそちらに行かれたらどうだったかなとは思いますが、そういうことは現実には、つまり、個性ある教育と盛んに言いますけれども、結局、この経常費の場合でも目的がかなりつくし、特に、これは高校以下ですね、大学以上になったらもうめちゃくちゃと言うと悪いですけれども、特別補助だけが増額要求されているわけですよ。どこが個性のある教育に対してか。もともと、皮肉に言えば、文部省が個性のある教育と言って、これが個性だと認定するものじゃないという意見もあるでしょうけれども、ならば、認定できない範囲内である程度自由におやりくださいというふうにしていくべきなのではないか。ところが、私学の助成は総額としてはカットされるわ、一応ふえているというところに関しては、大体もうちょっと特別のものをやるんだというふうになっている。これはおかしいじゃないですか。 特に大学の場合なんかそうなんです。私立大学等経常費補助は全部特別補助だけが増額要求の対象になっています。九十二億円の増額要求ですが、その九十二億円全部が特別補助なんです。どこが一体、私学あるいは私学を含めて全体の教育の個性化ということになっていくのか。この点に関して、まず私立大学のことは事務当局、それから、それを含めて理念はぜひとも大臣からもう一度お答えいただきたいと思います。
○与謝野国務大臣 ただいま先生が御指摘になりましたのは教育改革推進特別経費というものだと思いますが、この経費も、例えば私学の特性を生かしつつ教育の個性化、多様化等教育改革への私学の自主的な取り組みを財政面から積極的に支援するという趣旨のものでございまして、私学の自主性を損なう性格のものではないというふうに考えております。
○栗本委員 私学の自主性を損なわないかもしれない、百歩譲って。しかし、個性ある教育を伸長させる、伸ばす、あるいは、官学とは違う、公立の学校とは違う、ある程度自由な、もちろんベースは一致するにしても、私学のそうしたものを伸ばしていくということにはならないじゃないですか。それについてお答えいただきたい。
○与謝野国務大臣 私学というのはもともと建学の精神を持っておりますから、それぞれの私学が個性豊かな教育をやっているわけでございまして、そういう範囲内ではそれぞれの私学が個性伸長のために努力をしているというのは紛れもない事実であると私は思っております。
○栗本委員 それは、そうおっしゃられれば、私学のことは御存じないのじゃないかなと思いながら、そういうことであってほしいというふうに私も考えますけれども、まずそれを含めて、大学、高校、それ以下を含めて全体の総額が余りにも基本的に少な過ぎる。これは、先ほどからのお話であれば、大臣も、これは本当は認められないけれども、五〇%減が前年度あって、それが結局二五%減になったらそれをベースにせざるを得ないとおっしゃいました。そういう状況、実情というのは、これは確かに今の国の予算全般を眺めればあるかもしれない。しかし、それならば根本的な何か新しいチャンネル、科目を立ててやっていくとか、プロジェクトを立ててやっていく、日本の教育をどうする、私学はこうで公立はこうだということは一切できないことになってしまうじゃありませんか。 それは去年の、前年度の予算をここを少し変える、たかだかほかのところは三%アップだけれども、こっちは六%アップを要求するとか、そんなことじゃ全く、ごあいさつというか、前の所信にいただきました、今申し上げている個性ある教育、今までが個性ある教育ならいいのですよ、そうじゃないと私は思うのですよ。それを二%、三%、たかだか一〇%ふやしていくということじゃどうしようもないじゃありませんか。それはどういう方向をお出しになろうとしているのか、ぜひそこをお答えいただきたいのですね。去年のものをちょっと、少しこっちは五%多い、こっちは三%多い、だから重点的だなんということは言ってもらいたくない、そういうことなんですよ。
○吉田(茂)政府委員 私学助成関係の概算要求全般のお話が出ましたので、私立大学等経常費補助、これは九十二億円増で、三・四%の増を概算要求しております。それから、私立高等学校等につきましては、今議論になっております一一・○%、七十億円の増ということでございます。 現在の概算要求のシステムの中では、これはいわば先生今御指摘になったような経常費という分類の中に入るわけでございまして、これは非常に厳しいシーリングがかかっておりまして、マイナス一〇%というような厳しいシーリングの中での最大限の努力をした要求ということでございまして、やはりその要求を全般的に努力し、実現していくという中にあって、御指摘がありました個性的な教育、創造性のある人間を育てる教育というものを進めていかなければならないのではないかということでございます。 例えば、私立大学の経常費補助につきましては九十二億円増、確かにこれは御指摘のようにすべて特別補助でございますが、これは、私学関係者等によります運営審議会、これを私学振興財団の中に設けまして、その私学振興財団が、各大学がそれぞれ自主的な自分の責任において出してくるいろいろなプロジェクトなり教育の物の考え方なり、そういったものをこの運営審議会で審議をいたしまして、金額に限りがございますので審議をいたしまして、それによって特別補助金を交付するというような形に相なっておるわけでございます。 そもそもやはり基本は、各私立大学の自主的な判断、努力に基づくいろいろなプロジェクトであり、それを審議する私学振興財団の方も、私学関係者等を含めました運営審議会でそれを判断していくというようなシステムをとっておるわけでございます。御案内のように、金額が限りがございますので、すべてを認めるというわけにはいかないわけでございますが、御指摘のような点については、そういったシステムなりあるいは運営の努力をいたしておるつもりでございます。
○栗本委員 余り限りがあり過ぎるのだということなんですね。これは文部省に御質問申し上げてもそれだけではいけないかと思いますが、要望をしておけば、事務当局担当者も、当該、次期大臣も、常に抜本的な改善の方向をお考えいただきたいというふうに思うわけです。 それに関連して、これは私立だけじゃございま せんが、大臣のごあいさつの中に戦後最大とも言われる大学改革が進行中であるとございまして、私、ちょっとさっぱりわからないのですが、どういうのが今戦後最大の大学改革が進行中なのか、ちょっとよくわからせていただきたいと思いますが。
○与謝野国務大臣 先生は大学で講義をされておられましたので、私どもより大学のことはよく御存じだと思いますが、一つは、やはり大学の入試の改革というのは一つの大きな改革の柱であると思います。もう一つの改革の柱は、やはり定められた単位を大学四年間で履修していただくということは必要でございますけれども、その履修科目、履修内容については、その単位を、単位数に到達していれば、それぞれの大学において全く自主的にカリキュラムを御編成いただくというのも、一つの大学改革であると思います。 それと同時に、大学間の交流というものも既に始まっておりまして、国立大学のケースでいいますと、例えば、一橋大学の生徒が東京工業大学に行って単位を取ってくる、あるいは東工大の生徒が一橋大学へ行って単位を取ってくる。この大学は、実は一橋大学は全く法文系の大学でございますし、また東工大は理工系の大学でございまして、全く違う大学間で単位を認め合うというような制度もございますし、もろもろこういう大学間の交流というものも盛んになってまいりますし、また、大学院大学の充実等もこれからどんどん図られてまいりますし、そういう意味では、今まで栗本先生あるいは我々が大学に行っておりますころの、教養課程を経て、次に専門課程を履修するというような固定的な枠組みでの大学教育というのは、だんだん姿を消すのではないかと私は考えております。
○栗本委員 それなりの改革が現在進行中であるということは私も理解しておりますけれども、私学も含めまして戦後最大とおっしゃるには、どういう理念でどういう方向に、改革というもののいきさつではなくて、それがさっぱり私にはわからないのですね。 例えば、教養課程、これは主として国公立の場合に確固たる制度としてでき上がっていて、私立大学の方は大体縦割りになっているというのが現状ですけれども、それでも教養課程と称するのは私立大学にもあります。これを国立大学では教養部とか、大体教養部といっていたのですが、これが教養部というのではちょっと格好悪いかなということが本音だろうと私は思いますが、何とか学部に変わる。このとき、学問の名称がない学部をつくるなよと私は言ってきましたが、しばしばそれができて、そこが実際教養課程を、つまり英語とか自然科学の基礎科目を教えて、それで三、四年の専門課程もやっているふりをするということなのですよね。そういうふうに私は理解しています。だから、おかしなことなのですけれども、京大でも神戸大学でも教養部の先生はいなくなってしまって、みんな何とか学部の教授になってしまったけれども、教養課程の部分は残っているから、それは、もとは教養部だった学部の先生方が行って教えるということに現実になっているじゃないか。もちろん、それでも変化といえば変化だけれども、一体理念としてどういう方向に持っていこうとしているのか。 例えば、アメリカには国立大学というのはありません、州がありますけれども。ですから、州がステートですから国だといえばこれは国立大学になりますが、ほとんどの場合第三セクターのようにして運営されている。ミネソタ大学という大学があります。これは州立てすが、ミネソタ州より前に大学があるのですから。後で州の政府ができてということで、当然自立性もありますし、一種の広い意味の第三セクターです。私立大学もそうです。シカゴ大学も、実質、シカゴ市も入っていれば、そういう第三セクターだろう。例えばそういう方向に持っていこうとかいうことがあるのかどうか。あれば、それは戦後最大でありましょう。 それから、今、一橋と東工大の例を出されましたけれども、私は自説として、東京の東京大学以外にばらばらの国立大学があり過ぎる。相互の研究、教育にも難点があり過ぎる。それぞれ頑張ってきたけれども、これ以上は伸びない。ならば、これをまとめて一つの総合大学にすれば、東大にもプラスになるだろうし、また日本の大学制度全体にとっても非常にいいし、今が最後だ。今が最後だというのは、教授のレベルが、いろいろ言われますけれども、理工系のデータをとればまだ高いのですね、全世界的に。しかし、年齢が若いとか、低くなっています。ならば今が最後だと言っていますが、それをやれといきなり言いませんが、そうした何か理念なり、こういう方向に持っていくんだということがあれば、私立大学も含めて、戦後最大と言えるのでしょうが、ちょっと余りにも小手先の話に過ぎるのじゃないかと思うのですね。それを、どういう理念をお持ちなのか。ないのならないで結構ですが、お答えいただきたいと思います。
○与謝野国務大臣 一言で言えば、それぞれ個性豊かな、自由な教育を行っていただくというのが基本理念でございます。
○栗本委員 まことに個性のないお答えで、もうがっくりするわけですけれども、国立と、公立もありますが、国公立と私立という、これが高校以下にもあるけれども、大学にもある。これはやはり私立は補完なんですか。日本の歴史は、やはり私立大学は補完的に私はなってきたというふうに思うのです。 これは明治以降、実は文部省というのは前は大学でありまして、東大が文部省の役をやっていることがあった。あらゆる方針を立てたけれども、その方針がそのまま施行されたことはない。自然にこうなってきたというふうに認識していますが、ここまで来て、もう国際的にもどういうふうに教育、研究を合わせていくのかということであれば、私立と国立の問題は、これは大学においても、高校においてもそうですが、今のままでいいのかという基本の問題があると思うのですね。私立に行けば授業料は高い。だから、授業料が高くて、国公立が安いからいけないといってこれを上げるという、これもおかしいじゃないですか。 こういったことも含めて、個性ある教育とは全然私は思えないのですが、理念が一体あるのだろうか、大学をどうするのかということについて、ちょっと個性あるお答えをいただきたいと思います。
○吉田(茂)政府委員 基本理念としては、まさに大臣が申し上げたとおりでございます。そういった理念の中で、具体的には、やはり従来から一番大きな問題になっておりました大学設置基準等で非常に内容が細かく規定されているという問題に対しまして、この大学設置基準を簡素化し、それによってカリキュラム編成の自由化を図ろうというのがまず第一の考え方であります。 さらには、大学院制度の大幅な弾力化ということで、単に研究者を養成するということではなくて、高度専門職業人の養成というようなことを重視いたしまして、入学資格、履修期間を弾力化するというようなこと、さらには、社会人が入学しやすいような昼夜開議制、夜間大学院を制度化するというような生涯学習への対応、こういった幾つかの手法のもとに、大臣が申し上げましたような高等教育の個性化であるとか、あるいは教育、研究の高度化、組織運営の活性化を図るために国公私立大学を通じて改革を推進するという中で、それぞれの国立大学、公立大学、私立大学がそれぞれの特性を踏まえまして、それぞれ競争的に発展していくというものを現在の大学改革は目指しているということであろうかと存じます。
○栗本委員 時間が来ましたのでこれで終わりますが、とてもそんなふうには考えられない。 恐らく大臣も、局長は御存じかもしれませんが、アメリカにハーバード大学という大学があります。これは御存じでしょうけれども、そこを卒業して東大の大学院を受ける資格があるのかどうか。これは外国の大学なんだからということになっているのかどうか。その辺にも基本的な大き な問題があるんですね。ハーバードで取った単位は、日本では認められないわけですから、基本は。 したがって、今局長のおっしゃられたことが事実であれば、言葉の上では事実ですが、中身的に今後ともそうした不要なさまざまな規制を撤廃し、自由な、まさに個性のある大学及び高校以下の教育ができるように特段の御配慮をいただきたい。現状は極めて不十分である。その中で経費、補助の削減等もある。これについて深甚なことだというふうにお考えいただきたいと思います。
○与謝野国務大臣 大変有益な御意見、御卓見をいろいろいただきまして、本当にありがとうございます。 ただ、ハーバード大学の大学を卒業しますと日大の大学の大学院はどこでも受けられる、そういうふうになっておりますので、念のため申し上げておきます。
○栗本委員 終わります。
○伊吹委員長 栗本慎一郎君の質疑はこれにて終了いたしました。 次に、山原健二郎君。
○山原委員 今度の年金改定は、まさに抜本的な改定だと思います。何しろ五十三歳以下、特に四十四歳以下の方はまともに影響を受けるわけですから、これは本当に短時間で審議すべき内容ではないと私は思っております。九年前の改定のときには、たしか十九時間程度の審議が行われておりますが、今度はそういうことになっておりません。これは大変残念に思っております。 そこでお伺いしたいのですが、今回の年金制度の改定によって、現在働いている現役世代の年金がどのくらいになるかという問題です。今年退職した者、それから現在五十歳の者、それから四十五歳の者が、その制度の完成年度である二〇二二年には一体どのくらいの年金になるのか、これをモデル的に示していただきたい。 もう一つは、完成年度後、現在の四十歳の者、三十歳の者、二十歳の者について、一体年金はどのくらいになるのか、試算を示していただきたいと思います。
○雨宮政府委員 今回の制度改正に関連いたしましての年金の改善内容でございますが、一つは、従来から行っておりますような、過去五年間の賃金上昇に応じて標準給与の再評価等を通じまして年金水準を改善するという措置が一つございます。これは平均いたしますと大体三・四%程度になろうかと思うわけでございますが、それとは別に、今先生御指摘のように、六十歳代前半期の扱いを変えようという措置が含まれておるわけでございます。現在お示ししている案におきましては、二〇〇一年、平成十三年からでございますけれども、段階的に報酬比例のみのいわゆる別個の給付に移行させて、平成二十五年度、二〇二二年でございますけれども、に完成するスケジュールということを考えておるわけでございます。 これは若干砕いて申し上げますと、現在の仕組みは、六十五歳以降におきまして退職共済年金、それから老齢基礎年金と出るわけでございますが、しかし六十歳から実質的には同じ程度の年金が出る仕掛けになっておるわけでございまして、これを特別支給の年金ということにしておるわけでございます。この特別支給の、六十歳代前半期に支給されているこの年金部分につきまして、報酬比例部分と定額部分というのがございまして、非常に大ざっぱに申しますと、約半々というように御理解いただければ結構かと思うわけでございますが、この二つの特別支給の年金のうちの定額部分を、最終的な姿としては六十歳前半の部分におきましては、期間におきましては、なくしていく、こういう内容のものでございます。 それで今先生、年齢別の個々人のモデルをというお尋ねでございました。年金の計算につきましては、個々それぞれのキャリアなり、あるいは過去の平均標準給与月額等が異なるものですから、にわかに一概に申し上げかねるわけでございますけれども、ただし、今申し上げました六十歳代前半のスケジュールということから一般的に申し上げますと、今年六十歳で退職した者については現行どおり六十歳以降満額の年金が支給されるということでございます。また、現在五十二歳から五十一歳の者が六十歳で退職した場合には、六十歳である間、報酬比例のみの別個の給付となりまして、六十一歳以降は現行どおりの満額の年金が支給される、こういうことになります。以後、満額年金の支給開始年齢が三年ごとに一歳ずつ引き上がってまいりまして、先生先ほど四十五歳、四十歳、三十歳、二十歳ということもおっしゃったかと思うわけでございますが、それを含めまして現在四十四歳以下の者につきまして、六十歳から六十四歳までが別個の給付、六十五歳以降満額の年金、かような状況になろうかということでございます。
○山原委員 少しわかりにくいのですけれども、まあとにかく二十分しか時間がありませんので……。 改定によって自分の年金がどれくらいになるかということを本当に知らなければ、これは不安な問題でございまして、わからないままに審議をするということは、本当に受給者にとっても大変なことだと思います。 今度の最大の問題点は、今おっしゃったように六十歳を六十五歳におくらせるわけですが、いわゆる支給額を大幅に切り捨てようとするねらいがあるわけでして、六十五歳まで支給をおくらせて、その上に年金が幾ら支給されるようになるかということが示されないと、本当に安心してこの法案に対しての態度を決めることはできない。現に、今地方自治体の議会でも随分たくさんの反対の意見が出ておることも御承知だと思います。そういう点で、これは明確に指数を示すべきだというふうに思いますので、その点を強調しておきたいと思います。 それからもう一つの問題は、六十歳から六十五歳までの間の退職共済年金の額は、報酬比例部分のみを支給することになるわけでございます。そこで伺いますが、今回の改定によって、六十歳から六十五歳までの間の退職共済年金の額は現行と比べてどの程度となるのでしょうか。
○雨宮政府委員 先ほど六十歳代前半の給付内容につきまして、報酬比例部分と定額部分というように分けて申し上げたわけでございます。報酬比例部分と申しますのは、その名の示すように、当該組合員の過去の報酬状況に従って計算されるという仕掛けになっておる関係上、非常に過去の報酬状況が高い人の場合には報酬比例部分の占める割合がふえるわけでございますけれども、非常に平均的に、大ざっぱに申し上げますと、全体的に報酬比例部分と定額部分とがおおむね半々だということでございますので、最終的な姿といたしましては、六十歳代前半の年金の支給ぐあいと申しますのは現行の半分程度になるということでございます。
○山原委員 現在の私学共済の退職年金の平均受給額、もう聞きませんが、昨日伺いましたところ文部省の方でも、平成五年度で一人当たりの平均年金月額は十九万六千円、そういうふうに伺っております。現行の半分程度ということになりますと、月十万円以下になるわけですね。これでどうやって生活せよというのでしょうか。簡易保険局の調査では、夫婦の老後に最低必要と考える生活費は月二十三万八千円、夫婦の豊かな老後に必要と考えられる生活費は月三十五万七千円となっているわけでございます。先日公聴会が行われて、女性の場合が出ているのですが、それを見ますと、男性の場合は半額で九万あるいは十万程度ですけれども、女性の場合は勤務年数その他が影響しまして、恐らく六万円、あるいは勤務年数によって三万円程度になるのではないかという公述もあったわけでございまして、これでは生活できるはずもありません。 そうしますと、憲法では第二十五条で、ひとしく国民は、健康で文化的な生活を営む権利を有する。しかも、国がすべての生活部面において「社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」と国の任務を規定してい るわけです。 文部大臣に伺いますけれども、こういう低劣な状態に置かれるということを考えますと、これは言うならば、国みずからが憲法上の国民の持つ権利を阻害あるいは踏みにじるのではないかと思われますが、これに対する大臣の見解を伺っておきたいのです。
○与謝野国務大臣 先生の御質問は、六十歳代前半の年金が半減することについてどう考えるかという御質問であろうかと思いますが、今回の改正におきましては、高齢化が進み、また少子化が進む中で、年金制度についても、人生八十年時代にふさわしい長期に安定した制度として確立することが課題になっているという認識のもとで、雇用と年金の連携を図るという考え方に基づいて見直しか行われたところであると存じます。 具体的には、六十歳代前半の期間については、雇用の促進を図りつつ賃金と年金を中心として生活を支える期間として、六十五歳以降は年金を中心として生活設計が行える期間と位置づけ、見直しを行ったものでございます。 六十歳代前半の年金が減少することについては、年金財政の長期的安定、給付と負担の均衡という点から見てやむを得ないものと考えております。
○山原委員 日本の場合は六十歳定年制が大勢となっているわけで、それは御承知のとおりですが、実際には、大企業の大量の人減らしあるいは合理化によりまして、この六十歳定年制すらむしろ形骸化しているのが今の実情であります。 私学の場合の定年制の状況はどうなっているか。時間の関係でお伺いするのはやめますけれども、文部省の福利課の資料によりますと、定年制を実施している学校数は七三・四%、教職員数で九二%となっております。そのほとんどが六十歳となっているわけです。幼稚園の教員のように、五十六・九歳というところもあるわけでございます。しかも、私学の場合、現在の児童生徒数の急減期を迎えまして、また学校経営の悪化も心配されておりますから、そうしますと、賃金の引き下げあるいは合理化等、教職員は大きな不安におののいているというのが現在の状態ではなかろうかと思います。 年金の支給開始年齢を六十五歳に繰り延べるのは、こうした実態から見ても極めて問題ではないかというふうに思うわけですが、大臣として、この状況をやはり問題だというふうにお考えになるのか、そうではないのか、伺っておきたいのです。
○与謝野国務大臣 平成十三年から始まりまして、緩やかに平成二十五年で六十五歳に到達するという、激変を緩和したということもございますし、また、先ほど申し上げましたように、年金というものを長期的に安定していくためには、やはりこういう激変緩和を図りながら長期的な安定を図っていくということが、高齢化社会を迎えた今、日本の社会に求められていることでございまして、そういう状況に対応した今度の法律の改正案であるというふうに考えております。
○山原委員 今日の情勢をどう見るかという点については見解の違いもあると思いますし、そういう意味で、文部省として私学関係者の生活権を擁護するという立場から見るならば、六十歳定年制を六十五歳まで延ばすべきであるし、さらに再雇用を確保するという仕事が大事なのではないか。雇用保障の道を開かないで、しかも働きたくても職場の環境が悪くて六十歳まで働けないというのが現状でございますから、やはりこうした点の改善を考える必要があると私は思うのです。そうでなければ、無責任な形態になるわけでございます。 それからもう一つ伺っておきたいのですが、今回の改定では、年金の五年ごとの改定方式を、現行の名目賃金の上昇率に応じてスライドする方式から、税、社会保険料が引き上げられるたびに年金が削られるという仕組みになっているわけですね。税、社会保険料を差し引いた手取り賃金、可処分所得の伸びに応じてスライドする方式に変えようとしております。これによりまして従来の計算方法に比べてどのくらい年金額が引き下げられるのかということを調べてみますと、これも時間がありませんのでこちらで申し上げますと、年金額はこれによりまして一五%切り下げられるという試算もあるわけでございます。そうしますと、可処分所得は保険料、掛金が上がるごとに低くなるわけですから、掛金が引き上げられるたびに年金が削られるという仕組みになるわけで、保険料、掛金がふえるたびに年金が減らされるという、これは全く矛盾した話だと思いますが、これは本当にひどい話ではないのかと思いますが、この点いかがでしょうか。
○雨宮政府委員 委員御指摘のように、現役世代が現在の受給世代の年金を負担しておる、こういう関係に立っておるわけでございますが、その場合に、現役世代の名目的な賃金上昇の状況をそのまま受給世代の年金の水準のアップにつなげることがいいのかどうかというのが、いろいろ議論があったわけでございます。現役世代といたしましては、賃金は上昇するけれども、一方において税金とかあるいは社会保険料の負担というのもかなり重くなってきつつあるわけでございまして、この辺も勘案して受給世代の年金水準を考えるべきではないか、こういう議論になってきたわけでございます。 そこで、今委員、従来の方式と今度の改める方式とどのぐらい違うかということでございますが、従来方式で行った水準アップでは約一七%のアップというところでございます。これが新しい方式でいきますと約一六%のアップということでございます。その結果、先ほども申し上げましたけれども、物価スライドによる累積のアップ分を差し引きまして約三・四%程度の全体の年金水準の引き上げになるということでございますが、従来方式による場合の実質アップ率が四・三%程度であるということから、約一%相当の減少というように私どもは見ておるところでございます。
○山原委員 あと一問だけ、掛金の問題ですけれども、厚生年金の場合、十月から一六・五%引き上げ、最終的には月収の三〇%にもしようという動きがあるわけでございます。その点から考えますと、国家公務員共済の場合が十月から一・四%の掛金の引き上げというふうになっていますね。そうしますと、地方公務員の共済の場合も一・七五%の引き上げが計画されていますが、私学共済も掛金を引き上げる計画があるのではないかと思いますが、この点が第一点。 それからもう一つ、ボーナスの問題でありますが、ボーナスからも掛金を徴収することになりますと、結局掛金の引き上げになるのではないか。それともボーナスから徴収する分だけ毎月の掛金は引き下げるというのか、この点を伺っておきたいのです。
○雨宮政府委員 第一のお尋ねの、私学共済の掛金はどのくらい引き上がることになるのか、こういうお尋ねでございます。 私学共済の掛金率の改定時期は来年の四月、定款による改正ということでございまして、現在そのための作業中でございまして、今具体的な数字を申し上げるという、段階にはございません。ただし、御参考までに、前回、平成二年四月のときの掛金率の引き上げ幅は千分の十六ということでございました。今回また再計算をいたしますので、それと同じということになるのかならないのかはまだ言えないわけでございますが、御参考までの数字でございます。 いずれにしましても、今後超高年齢化というのは私学共済組合の抱える問題にもなるわけでございまして、やはり掛金率の引き上げというのは必ず行われなければならないだろうというように考えております。 それからもう一つのお尋ねのボーナスからの掛金徴収でございます。 ボーナスからの掛金徴収の一つの効果といたしましては、その掛金自体もそうでございますけれども、ボーナスからの掛金徴収ということを通じて、月々の掛金徴収の膨らみぐあいを若干抑える ことができるだろう、こういうことでございまして、ボーナスの掛金の負担をどのぐらいにするかというのは、これはまた政令で定める範囲内で定款で定めるということになっておりますけれども、そのような効果を持つものとしてボーナスの掛金徴収を考えているところでございます。
○山原委員 時間が参りましたのでこれでおきますが、やりとりをする時間がありませんけれども、これは国民的な合意もまだ得られていないわけですから、私は、一度撤回してさらに検討すべきだということを申し上げて、質問を終わります。
○伊吹委員長 山原健二郎君の質疑は以上をもって終了いたしました。 この際、暫時休憩をいたします。 午後零時三十八分休憩 ————◇————— 〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕