税制改革に関する特別委員会 第6号
- 発言数
- 171 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1994/11/01
会議録
○高鳥委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、所得税法及び消費税法の一部を改正する法律の施行等による租税収入の減少を補うための平成六年度から平成八年度までの公債の発行の特例等に関する法律案、所得税法及び消費税法の一部を改正する法律案、平成七年分所得税の特別減税のための臨時措置法案、地方税法等の一部を改正する法律案の各案を一括して議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。北橋健治君。
○北橋委員 改革の北橋でございます。 きょうは、私のような若輩者でございますが、一時間半もお時間をちょうだいいたしまして、当委員会に付託されました法案等を中心に質問をさせていただくものでありますが、冒頭お願いをしたいと思いますが、政治家としての率直なお言葉でお答えをいただければ幸いだと思っております。 私ども、この一年間のあらしのような変革の中で、有権者が今の政治をどう見ているのか、いろいろとお話を聞きますと、国会議員の先生方は、皆さん物すごく豊かな人間性と豊かな見識でもって本当に聞いていて楽しくて実りのあるお話を聞くのに、どうして国会の答弁ではあんな紋切り型ののれんに腕押しといいますか、そういうやりとりしかしないのかということで、きょうは僕は産業の空洞化についても質問するんですが、我々にとっては国会の空洞化の方がもっと重要じゃないかな、こんな気がいたします。率直なお答えをお願いしたいと思います。 とりわけ官僚の皆さん方は、これまで我が国の戦後の国会におきましては極めて重要な答弁の役割を担ってこられたわけでありますが、やはりこういうことは少しずつやめていくべきではないか。特に中長期的な問題を考えるときには、例えば官僚の皆さん方に行政改革はどうあるべきかと議論を問いかけましても、お答えできる裁量範囲を既に超えてしまうわけであります。そういった意味で、可能な限り大臣の方からお答えをいただきたいと思っております。 なお、きょうは内閣官房長官の御出席をお願いしておりますが、他の委員会との関係がありましておくれてこられますので、若干前後、重複するかもしれませんが、お許しをいただきたい、こう思っております。 この税制改革の議論をいたしますときに、私どもは、やはり国民の皆様方に痛みを伴う問題でございます。それだけに、自助努力といいますか、政府、国会としても最大限歳出を切り詰める努力、そしてどうしてもお願いをするに当たっては、何のためにその増税をお願いするかということをきちんと説明しなければ、到底国民の理解は得られないと思っております。 そういった意味では、今回五%にする、あるいは将来どうなるか議論されておりますが、やはりそれと同じように、税制改正を論ずる前提として手順が大事ではないか。少なくとも、その手順としまして行政改革を、本当にとことん血の出るような行革を断行するのかどうか、あるいは将来の高齢化・少子社会に備えるということでございますので、福祉ビジョンというものを明確に国民に示した上での話かどうか、あるいは私どもは、内外価格差の縮小ということできようは経企庁にもお越しいただいておりますけれども、やはりこの物価を抑制するということも大事でございます。そして最後に、税に対する信頼を取り戻すためには不公平感を除去するための最大限の努力が必要であります。まずはその四つの論点につきまして、順次政府の見解をお伺いしてまいりたいと思っております。 まず、税制改革の大前提は行革であるとは大蔵大臣もこれまでいろいろな機会におっしゃってこられました。とりわけ新党さきがけは、ことしに入りましてから増税論議が進む中で、とりわけ行政改革の重要性を指摘されてまいりまして、私も個人的にはその熱意には心から敬意を表する一人であります。ただ、現実に今回消費税の増税を国会に出されるに当たりまして、行革というものが本当に今の政府・与党でどこまでおやりになるんだろうか、その熱意というものが残念ながら私どもに伝わってこないわけであります。行革は言葉としてはあります。しかしながら、道筋が全く見えてこないということで、今後まずは行政改革について、今度は行政改革委員会もできるわけでありますけれども、大方針としてどのように取り組まれるのか、まずお伺いしたいと思います。
○武村国務大臣 私も羽田政権のときに国会の代表質問で、「行政改革なくして税制改革なし」ということを申し上げました。基本的には、税制改革、特に増税を伴う改革においては、その前提として行政側の合理化、経費の節減を具体的に精いっぱいの努力をして国民の皆さんにお示しをすることが大変大事だという考え方を持っていたからであります、その考えに変わりはありません。 ただ、村山政権がスタートをしまして、さきの政権からのいわば国民に対する姿勢として、年内に税制改革は仕上げるという目標がございました。これも新内閣もいろいろ議論をしたのでありますが、やはり原則は貫こう、年内実現に努力という方針でスタートを切ることになりました。しかし、年内税制改革実現というと、もう九月半ばごろには税制改革の案をまとめなければならない。そうすると、それだけでも大変タイトなスケジュールになる。それに行革、福祉のビジョンの詳細な詰め、具体的な案を仕上げることは大変難しいという見方を強く持って大蔵大臣の仕事を預かったわけでありますが、案の定、盆過ぎから議論が始まりましたが、このスケジュールの中で、行革は、与党・政権としては基本方針を明らかにすることはできましたが、具体的な全体像を示すにはまだまだ時間がかかるという状況でありました。 そういう中で、税制の一体的な処理でまとめていくのか、この際、分離をしながら一年か二年先にゴールを目指して少し時間をかけてまとめていくのかという選択を迫られたわけであります。そういう中で、今回、ちょっときょうは質問から超えて申し上げていますが、行政改革はさらに時間をかけるにしましても、とりあえず年内実現だけは貫こう、そのためには基本的には、税収中立という言葉もございましたが、所得税減税を基本にした増税を根本に置きながら、とりあえず五%という結論に達したわけであります。したがって、その中で見直し条項を置き、行革はそういう意味では、この見直し期間を前提に考えますと、向こう一、二年近くかけて福祉ビジョンあるいは税制の公平の問題等々とあわせながら、これから真剣に詰めていきたいという考え方であります。
○北橋委員 新内閣ができて時間が余りたっていないこともありますが、増税を提案されるわけでありますから、やはり行革というものは一年、二年先に先送りするものではないのではないか、そう感じております。 武村大臣も、ことしの五月ですけれども、羽田総理に対しまして、代表質問でこういうことをおっしゃっておられます。「まさに「行政改革なくして税制改革なし」ということを強く訴えたいと思います。」「国民が納得できる具体的な行政改革の先行が税制改革成功のために不可欠であると私は考えます。」このように、当然のことでございますが、行革が前提になって初めて税制改正に対する国民の理解が得られるという認識をお持ちだったと思うんです。 まず、これが今政府の高官になられまして、いろいろと大変な状況であるようにお察しを申し上げますが、これは五%の増税を強いられる国民からすればやはり迷惑な話ではないか。大体、今まで行革、行革と叫ばれてきましたけれども、これはまさに総論賛成、各論反対の大合唱が常に起こっているわけでありまして、中曽根総理のときに臨時行政調査会で非常に思い切ったことをされました。私はあの功績は大変大きいと思っておりますけれども、そうなまはんかな姿勢では決して前に進まない。これは、やはり増税を迫るかどうかというときに、ぎりぎり日本の官僚機構に対して政治の方から大なたを振るわなければ決して前に進まないのではないか。ここで増税という話になりますと、やはり行革という熱意というものは国民的な意味での大きな、広範な協力は得られないのではないか、このように感じております。 そこで、各論についてお伺いしたいのでありますけれども、昨年の七月七日の朝日新聞にさきがけの皆様のお話が出ているんですが、この中で、「税率論議は、行政整理による税金のムダ道いの徹底的洗い直しか前提である。」つまり、行革については単に中長期的な話ではなくて、具体的に来年度予算編成に向けてこれだけの歳出カットができるという金目の話をやはり念頭に置かれているのではないかと、この記事を通じてお察しをいたしております。 そこで、大蔵大臣は、今回、行政改革の本格的なプランは先に延ばすとしましても、来年度予算編成が迫っているわけでありまして、その中で行財政改革によってどの程度の財源を捻出されていこうとするのか、それを大蔵省にどのように指示されるのか、その御所見をまずお伺いしたいと思います。
○武村国務大臣 行政改革と財政改革という言葉を使わしていただいておりますが、行政改革も大変幅が広うございますが、組織とか人員とか権限とか、そういうものがひいては財政の歳出にも影響を持つことは事実でありますが、どちらかというと間接的になる場合が多うございます。 それに比べて財政改革という言葉を使うときには、文字どおり歳出の合理化といいますか、切り詰めということを念頭に置きながら使っているわけでございまして、今お話しのように、来年度の予算編成、概算要求を受けていよいよ編成作業が始まる段階でございますが、私どもとしましては、金額で数値目標を持っているわけではありませんが、現実に来年の税収等、歳入の状況を見ておりましても、この概算要求の額そのものを全部認めるということは、これはしたくてもできない厳しい状況にあります。そういう意味でも、概算要求の額そのものに対してはかなり真剣な姿勢で臨まなきゃならないというふうに思っております。言葉としては制度の根本にまでさかのぼって見直しをするという表現を使っておりますし、徹底した、厳しい優先順位をつけさせていただく、あるいはつけていただくということも呼びかけているところでございます。 ぜひこういう姿勢で、最終的には予算編成の中で数字がはっきりしてくると思いますが、真剣な、具体的な財政改革、今年度の財政改革に当たっていきたいというふうに思っております。
○北橋委員 私の手元に新党さきがけの行政改革本部が行財政改革によって歳出をどれだけ削減するかということを検討されたぺーパーを持っております。ただ、私は、この九月十三日付、(案)となっておりますので、それをもってどうのこうの言う気はありませんが、しかしながら、さきがけの中におきまして非常に具体的に、行革という言葉を抽象的に終わらせずに具体的な歳出カットに向けて大変中身の濃いと私は思いますけれども、実りある議論をされていたんではないか。 例えばその中で、追ってみますと、公共工事の建設コストを平成八年度までに一割削減して約一兆一千億円浮かせる。二番目に、特殊法人の整理合理化、これは後で詳しくお伺いいたしますけれども、これも補助金、出資金年間約四兆円を約二割削減する、八千七百億円。それから、これは非常にユニークな発想でございますけれども、新型国債の発行によって償却負担を軽減する、約四千億円。その他、三百億円になっております。 これをもとにどうのこうのという気持ちはございません。内部の資料でございますから結構でございますが、しかしいずれにしましても、武村大臣が党首として、これまで行政改革、税制改革に取り組むに当たりまして、党員の皆様方と一緒に具体的な目標、数値目標を定めて何とかそれを盛り込むべきではないかと大変汗をかかれたんではないか、それがどうして大蔵大臣になられて具体的なお言葉として数値目標が出てこないのか、その辺をお聞かせ願いたいんですが。
○武村国務大臣 まあ、党と政府の違いといえばそれまででありますが、政府は具体的な数値を出すと今申し上げたんです。それは予算編成の結果においてしっかり具体的に出させていただくということを申し上げているわけで、初めに数字を予告といいますか宣言する姿勢は、これはとりませんということであります。しかし、これはことしに限らず例年の予算編成そのものが、年によっては多少違いがあるかもしれませんが、かなり厳しい切り込みといいますか、数字の精査をやってきていることも事実でございます。そういう中でことしは一段と、特に将来の財政構造もしっかり見据えながら予算の精査に当たらせていただきたいというのが大蔵省の姿勢でございます。 片方、御紹介いただきましたさきがけの方針は、それぞれそういった、今御紹介いただいたような提案にしましても、それなりに一生懸命勉強しながら党としての考え方を表明しているところでございまして、これが即三党の合意になるわけではないにしましても、与党の中でまず具体的な案を提示をしながら、真剣な議論の大きな材料にしていただこうという意欲だというふうに御理解をいただきたいと思っております。 中身そのものは議論の中で変わっていくでしょうけれども、でも、最終的には三党、与党全体としても、特殊法人の問題にしましても、規制緩和にしましても等々、かなり具体的な思い切った成果を目標に今臨んでおります。
○北橋委員 もう少し敷衍してお伺いをするんですけれども、大蔵大臣になられまして大蔵省の事務当局に対して、例えばこの特殊法人の問題とか新型国債を発行するという非常にユニークな提案なんですけれども、これを多分御指示されたんではないかと思うんです。その辺の検討経過は、大蔵省、どうなっていますか。
○伏屋政府委員 お答え申し上げます。 御指摘の新党さきがけの特殊法人の改革に関する案でございますが、いわゆる与党の議論の中で、一つの試案として提示されたものでございます。やはり特殊法人の整理合理化の検討を進めていく上で、この試案も参考の一つになると思われるわけでございます。いずれにいたしましても、大蔵省の事務当局といたしましても、これらの案を参考としながら幅広くいろいろな検討を加えてまいりたいと考えております。 ただ、先ほど言われました新型国債の話でございますが、現在の特殊法人、必ずしも将来採算がきちっととれるとか、そういう見通しが立っているものばかりではございません。そういう意味で、果たしてそういう国債が投資家に受け入れられるかどうか、これからいろいろ検討しなければならないと思っております。
○北橋委員 今事務当局からの説明があったわけでございますが、大臣、新型国債の発行による償却負担の軽減という措置は、これはなかなか実現は難しいような印象を受けたのですけれども、これはもう断念されるのでしょうか。
○武村国務大臣 私などは思いつかない大変ユニークな提案だと思って、私も関心を持っております。 事務当局も今答弁しましたように、これも検討の対象にはしながら、幅広く行革全体の考え方を勉強中でございます。特に、特殊法人等々、もう具体的なスケジュールの設定された問題については、真剣に詰めを行っている状況であります。
○北橋委員 結局、三つの項目について非常に意欲にあふれた具体的な提案がありましたけれども、新型国債についてはどうやら難しそうである。 それから、公共工事の建設コストを一割削減するというのは、これは物すごく大胆な考え方でありまして、約一兆一千億円が年間浮いてくるのですけれども、一つの理由として、公共工事の入札制度を改革する。行動計画を立てまして、公共事業の経費合理化五カ年計画を策定して、建設コストの削減を推進する。これは、額からいたしましても大変思い切った、ユニークな案です。こういった趣旨で、今後公共事業の査定に当たりまして、厳しい切り込みを指示されるのでしょうか、どうでしょうか。
○武村国務大臣 この問題については、建設省を中心にして、公共事業担当の官庁におきましても、こういうさきがけの提案がある前から既に始まっておりましたが、公共工事をめぐるさまざまな分野の合理化について検討をいたしておるところでございます。 既に昨年、日米関係の絡みもございまして、入札制度についても一定の踏み切りをいたしておりますが、ああした一般競争入札の導入も、まだ一定の工事金額以上という枠がございますが、この一般競争入札の、地方も含めた普及の中で、そういった効果が出てくるのではないかという期待も一部にあるわけでありますし、先ほど内外価格差という言葉をおっしゃいましたが、まさに公共事業における欧米先進国との内外価格差、同じ橋をつくるにしても、建物をつくるにしても、どのくらいの差があるのか、今建設省も勉強をされているようであります。そういう中から、どこに問題があるのかという議論が既に始まっているところであります。 その他、公共事業をめぐるさまざまな問題について、私自身も関心を持っておりますし、大蔵省もそういう関心を持ちながら、主としては事業官庁を中心に、この分野ではそれなりの合理化の実を上げることが不可能ではないという認識を私は持っているところでございます。
○北橋委員 そうしますと、ここにあるように約一兆一千億円も年間で浮かせるんだ、そこまではいかないにしましても、相当問題意識を持って、建設コストそのものを今後の査定に当たっては重要な視点として大事にされるというふうに理解していいんですか。例えば何%ぐらいこれで浮いてくるとか、そういう数値目標は立てられないのですか。
○武村国務大臣 私としては、この問題については大きな期待を持っております。
○北橋委員 それでは、今後の査定の成り行きを見守りたいと思っております。 これから特殊法人についていろいろとお伺いするのですけれども、さきがけの提案の中でも最も私自身注目をしているところで、非常に具体的でもあります。現に特殊法人につきましては、政府の方もいろいろとこれから取り組まれることなんですが、きょうは残念ながら、総務庁長官が参議院の委員会でこちらにお越しいただけませんので、詳しく長官からは聞けないわけでございますが、大蔵大臣の所管というよりは、まずは総務庁長官にお答えいただくのが筋だと思うのですが、そういうことでいらっしゃいませんのでお伺いいたします。 実は代表質問で、ことしの五月ですね、武村党首のお立場でこのように言われております。「九十二ある政府系特殊法人に対して年間四兆円余の出資金と補助金が支出されております。事業法人の民営化を含む思い切った特殊法人の整理合理化を」、次が大事です、「年内に断行することによって、来年度の予算編成では、これを相当程度削減できるのではないかというふうに考えます。」このように、特殊法人については非常に、期限を切られまして、年内にやるんだ、年内に断行するんだ。そして、その方法も、今まで甲と乙という法人があるのを一緒にして数が一つ減ったなんという、そういったぐいのまやかしてはなくて、出資金、補助金、そこにばしっとメスを入れる、そういうことをおっしゃっておられまして、これは非常に注目すべきお考えだと私は思っているのですが、これはどうなるのでしょうか。
○武村国務大臣 行革全体のことを私が答える立場ではありません。政府の方針を私の承知する限りで申し上げることになりますが、特殊法人につきましては、従来平成七年度中という目標が立っておりましたのを、村山内閣としては平成六年度中、来年三月ということで前倒しをすることになりました。そのことで、ひとつ意欲を御評価いただきたいと存じます。そして、内閣としましては、今月下旬にはまず各省それぞれ状況を報告するという考えてありますし、二月半ばには最終の結果を報告する、こういう段取りであります。 いずれにしましても、二、三の特殊法人に手をつけておしまいというふうなことでは、従来村山総理を先頭にして内閣が申し上げていることになりませんので、これは、それぞれの役所が相当な決意でみずからの特殊法人について目を向けながら、一つ一つチェックをさせていただいて、全体としての考え方をまとめていきたいということであります。
○北橋委員 来年初頭までに決めるということで、大変我々からいたしますと残念ですし、さきがけの党首としての五月の時点と今の政府高官の立場とは違いますので、大変残念ではあります。そういうことですかと聞くしかないのでありますけれども、ただ、これまで武村大臣のお立場としては、特殊法人の数を減らすとかそういった問題ではなくて、もっと本質的に、行財政改革に直結するように、出資金、補助金を、例えばさきがけは二割削減というふうに具体的に言われているのですけれども、何かそういう方針もまだ具体的に決まっていないのですか。 来年まで待つということは、今回の予算の査定、編成の過程におきましてそれは盛り込まれないことにもなりかねません。当然、大蔵省の主計局の方は、ありとあらゆる角度から特殊法人に対して出ている国の金については査定をされていると思いますが、ここはやはり、各省庁皆それぞれ物すごく熱い思いがあって、今まで特殊法人とか認可法人をさわったら一体どれだけの抵抗があったか、お互い政治家であれば、それは百も承知のはずであります。 そういった意味では、来年度予算編成にそれを盛り込んでいくためには、二割削減とは申しません、当時は与党ではなかったわけでありますから。しかしながら、そこまで具体的にさきがけを代表して国民の皆様方に公約をされていたわけでありますから、やはり今回の予算編成に間に合う形で、何%削減するとかそういう大目標をお立てにならなければ、決してこれは、切り込みは前に行かないのではないだろうか、そういう気がいたしますけれども、どうでしょうか。
○武村国務大臣 そういうことにならないように全力を尽くすと申し上げているわけであります。いずれにしましても、数値目標を軽々しく政府が掲げて対応する問題ではないと思っております。 さきがけの具体的な意欲というものを十分私どもも参考にしながら、今おっしゃっていただいたような出資金、補助金、これは何も、財政全体の議論になりますとこの特殊法人の分野だけに限られる話ではありません。一般のさまざまな予算措置、その中にも一般の補助金は相当な金額になるわけでありますし、そういうものも含めて、先ほど申し上げたように、一つ一つ制度の根底にまでさかのぼりながらチェックをし直そうということであります。 与野党共同して行革はやろうという提案を野党側からおっしゃっていただいているのを大変心強く思っておりますが、ぜひ北橋議員の側でも、具体的な提案をどんどん御発表いただけるとありがたいと思っております。
○北橋委員 与野党挙げてこの問題をやろうというのは大賛成でありまして、私どもは増税を決める前にこれをやるべきだと言ってきたわけでありますから、当然私どもは一生懸命やってきたわけだし、これからも協力するにやぶさかではありません。 しかしながら、この出資金、補助金という具体的に数字にかかわる問題について明言を避けられているわけなんですけれども、それで本当に特殊法人の改革は進むんでしょうか。これまで歴代内閣によって行革は叫ばれてきましたけれども、各論に入ると各省庁が猛烈な巻き返しに入る。そして、ことごとくとは言いませんけれども、かなりの部分はそれで後退してしまったのが現実であります。そういった意味で、少なくともこの増税法案を審議する過程におきまして、次の予算編成から特殊法人に対する出資金、補助金、これについては削減するというぐらいのことはおっしゃらないと、一体行革のために何をやったのか、国民には説明がつかないんじゃないでしょうか。 今までさきがけも、さっきの朝日新聞のところなんですけれども、言いたくなかったんですけれども、こういうふうに書いてあります。「税率は現状のままとすべきだ。税率論議は、行政整理による税金のムダ道いの徹底的洗い直しか前提である。」と、ここまでおっしゃっておられたわけです。国民もそれを期待していたと思います。私ども決して、その方針が出された場合に協力するにやぶさかではありません。やはり、明確に何%と言えないかもしれませんけれども、相当意欲を持って切り込むぐらいのことを言われなければ行革に対する熱意はうかがえないのであります。よろしくお願いします。
○武村国務大臣 行革については、先ほど申し上げたように、これはもう財政の責任を預かる大蔵省というよりは、村山総理を先頭にして、文字どおり内閣のすべてをかけながら取り組んでいこうということでありますから、それは信じて、厳しく見守っていただきたいと思います。 予算編成の中で、今おっしゃるような特殊法人に対する出資金、補助金の切り込みの問題も含めてせっかく御提案をいただいておりますが、個々の予算編成の方針をここで申し上げることはできませんが、これまた既にお答えを申し上げましたように、一つ一つ本当にこの制度が必要なのかどうか。制度の根底というのは、法律に裏打ちされた制度であっても、法律の改廃まで含めて必要かどうかという議論をしながら、精査、チェックをさせていただきたいということを申し上げているところであります。 片方、税制改革の話も並行しておっしゃっていただいておりますが、基本はやっぱり変わりません。行財政改革を真剣に進めることによって、おっしゃるような具体的な数字の上で成果を上げることによって初めて、過不足といいますか、将来の福祉財源との関係でどれだけ足りないのか、あるいはイコールになるのかというところが見えてくるわけでありまして、今回の税制改革は、先ほども申し上げたように、どちらかといえば三・五兆円という所得税、住民税の減税を基本にしながら、この減税財源、つなぎ国債も入っていますが、そのことを基本にしながら五%の率を決めているところでございます。むしろそういう意味で、将来の福祉財源、その財源に対応する行財政改革の成果というのは、まだこれからの最も大きな課題だという認識でおりますことを御理解いただきたいと存じます。
○北橋委員 今のお答えでは、村山内閣がこれまでいろいろ言われてきたように、行革なくして税制改革はないんだ、やるべき努力は徹底的に政府としてやる、その後に増税をお願いするという、そういう意欲は、残念ながら私には余り伝わってまいりません。 海外に目を転じてみたいのですけれども、日本のみならず、先進国におきましては大変に厳しい財政事情もあります。どこの国に行きましても、とりわけ失業問題が一番大きな話題になっている。そういう海外の国々は、一体どういうふうな合理化計画を立てているか。 これはもう皆様方も十分御案内だと思いますけれども、強烈なのはやはりアメリカだと思うのです。クリントン大統領が既に案を出していたのですけれども、ゴア副大統領のところでさらにプランニングを綿密にやりまして、大統領の当初公約した案よりもさらに踏み込んだ物すごいプランを今出してきております。これによると、五年間で二百十万人の連邦政府職員の一二%に当たる約二十五万人の人員削減、地方出先機関の縮小、それから連邦予算を二年度制に変える、そういういろいろとやりくりをいたしまして、計一千億ドルを上回る経費節減につなげたいということで、クリントン、ゴア両氏がこの行政改革の先頭に立っているわけであります。 これからいたしますと、日本政府の今の状況というのは、とりわけ増税を国民にお願いするときに、余りにも不熱心と言われても仕方ないのではないか、そのように思いますが、総務庁、きょうは長官お越しでいらっしゃらないのだけれども、人員削減、アメリカやイギリスも相当程度やっています。イギリスの場合は局長級のポストを三割減らすと言っているのです。すごいことです。昔、日本で、一省庁一局削減、佐藤総理がアメリカに行かれる前に言い置いて、宿題を言われて、一つのある省の局がなくなったときに、局長以下みんな泣いたというのですね。一つの局をつぶすだけでも大変なことです。イギリスなんか三割カットをやろうとしている。 そこで、まず人員削減について、総務庁としては、今回増税をお願いするという重要な節目に当たりまして、民間がリストラでこれだけ苦しんでいる、大変な雇用不安の中で生き延びるために必死の努力をしているのですが、総務庁としては新しいプランをつくったのですか、つくる気がないのですか、お答えいただきたい。
○河野政府委員 国家公務員の定員管理について御説明いたします。 私どももアメリカあるいはイギリス等の状況もある程度把握しておりますが、御理解いただきたいのは、我が国におきましては、年々歳々、毎年非常に厳しく管理しているということでございます。 具体的には、おおむね通常五カ年間の定員削減計画というものをつくりまして、その中では、各省庁すべてにつきまして合理化可能な部門を算出しまして、できる限り大きな削減をするというのが削減の方の計画でございます。片や、いろいろ行政需要の伸びに応じまして、増員が必要な部門につきましては、毎年の各省庁からの要求後、厳しく査定しまして、この削減と増員の差額を、この数年間、純減ということで措置しているわけでございます。 なお、ちなみに日本の、これは地方公務員も含めての公務部門でございますが、アメリカやフランスに比べますと約二分の一、そういう状況にあるということを御理解いただきたいと思います。
○北橋委員 何かお話聞いていると、公務員をたくさん抱えることに理解してくれという趣旨でございますが、今回のこの委員会というのは、国民に増税を迫る、そういうつらいお願いをするための法案を審査しているわけでありまして、今抱えていることで、それなりに努力をしているから理解してくれというのは、到底理解できない。 先ほど申し上げましたように、クリントン行革というのは、一二%の国家公務員を削減する、これはアメリカにとっても大変つらい、現場ではつらい仕事だと思います。イギリスでは二年間で局長クラスの幹部ポスト、百から七十に減らす。これは、日本でもしこれをやったら霞が関が大変な大騒動になると思います。そしてイギリスでは、四年間で中央省庁二万五千人、全国で十万の人員削減をする。 結局、これから国民の皆様方に増税をお願いするときに、官公庁がこれだけの自助努力をして、これだけの血を流してぎりぎりの努力をした、それをやった上で国民の皆様方に増税をお願いするのが筋だと申し上げている。今のお話では、総務庁は特に目新しい考えはないということです。大変残念に思います。新内閣は、その意味では行革を先送りにしていると言われても仕方ないのじゃないでしょうか。 大蔵大臣、大変失礼な言い方かもしれませんけれども、これまで、ことしに入りましてからのさきがけ党首としての御発言、あるいは大蔵大臣になられてからいろいろと御苦労は多いと思いますけれども、行革なくして税制改正なしと言ってきた、その公約は残念ながら違反だと私どもは思わざるを得ないのですが、その点について率直な御感想を聞かせてください。
○武村国務大臣 率直に申し上げれば、大変せっからな結論をお出しになっているというふうに思います。もう少し、申し上げているとおり時間まで、それぞれスケジュールを立ててこういう方針で取り組んでいきますと。そう長い時間じゃないのです。年内とかあるいは年度内とかいうふうに申し上げているわけでございますから、そこをしっかりごらんいただきたい。その上でそういう断定的な、総括的な御批判はいただきたいというふうに思います。
○北橋委員 そういうふうにお答えになられますと、今後の努力の経過を見守るしかないということになりますけれども、有権者の方は率直に言って大変残念に思われると思うのです。そういう明確な目標も示されない、やるのかどうかは信頼してくれと言われますと、なのに今どうして増税なのだ、こういう議論になってくるだろうと思います。しかし、これについてはこれ以上議論をいたしましても先はないでしょうから、もう一つの増税の前提となる手順について、将来の福祉をどう考えるか、そのビジョンについてるるお伺いしてまいりたいと思います。 私どもが旧連立政権のときには、増税の議論をするときには、中堅所得層を中心に大変税率構造に矛盾がある、そういう議論に加えまして、将来の福祉のためには痛みを伴う改革もやはり避けられないということで、具体的に将来これだけの税、社会保険の負担が必要になる、そして国民の皆様が求めていらっしゃる福祉の政策はこの程度ある、したがってこの程度の税率を議論しようというふうにして、議論の前提として将来の明確な福祉ビジョンをいろいろと各方面から議論を尽くしてきたわけであります。 今回、突然な政権交代でもありましたので、時間も余りたっておりませんが、まずお伺いしたいのですけれども、新ゴールドプランというものは厚生省の素案として今ございます。私どもはこれまでの議論の過程で、旧連立政権時代、この問題についてぜひとも後押しをしたいということでございますので、非常によくできた重要なプランであって、これを推進していきたいと思っておりますが、政府としては、このゴールドプランの見直し計画については今宙ぶらりんになっているのですね。政府としてどのようにしてこの正式決定をされるのでしょうか、聞かせてください。
○狩野政府委員 厚生大臣、参議院の方の委員会がございまして重複しておりますので、政務次官で恐縮でございますが、私よりお答えさせていただきたいと思います。 本年三月の二十一世紀福祉ビジョンにおいては、今後の高齢者の介護ニーズの増大、多様化にこたえていくためにも新しいゴールドプランを策定する必要があり、また、子育てを社会的に支援していくための総合的な計画であるエンゼルプランを作成することも必要である旨の提言がなされたところであります。 また、与党においては、本年七月に政策調整会議に福祉プロジェクトチームを設け、少子・高齢社会に対応する諸政策を検討しており、厚生省では新ゴールドプランの案やエンゼルプランの基本的な考え方及び主要施策の整備目標の素案を作成し、お示しをしたところでございます。与党福祉プロジェクトチームにおいては、これらの諸政策について引き続き議論することとされておるところであり、厚生省としても、与党における御議論を十分に踏まえながら、今般の税制改革に伴う一連の財源措置も一つの足がかりとして、引き続き財源の確保にも配慮しつつ、できるだけ早く策定を図りたいと考えており、関係省庁と鋭意協議を詰めているところでございます。
○北橋委員 旧連立政権のときに、私どもはゴールドプランを相当程度でこ入れをして大きく拡充しなければだめだと判断しました。ですから、新ゴールドプランも厚生省につくっていただいたし、エンゼルプランもっくっているわけです。 与党に、今度は政権交代がありました。皆様方の与党三党の合意文書を見ますと、「二十一世紀の少子・高齢社会に向けてこ「基礎年金の改革等年金制度の拡充を図るなど、福祉プログラムを推進する。」と言われています。福祉プログラム、どこを見ればいいのかわかりませんが、今申し上げているのは、宙に浮いたと思われている新ゴールドプラン、十カ年計画の見直し、苦労に苦労をしてっくったものであります。しかも、今回は、前回のゴールドプランと違いまして、自治体としてどれだけの需要があるのかを事細かく指示をして、出して挙げてもらって、言うならば、地方からすると、ぜひこれでやろうということで意気込んで集計をしてまとめたものが新ゴールドプランなのです。それを追認されるのですか、政府として。端的にお答えいただきたい。新ゴールドプラン、十カ年計画は既にあるのです、旧連立政権のときに。それをもう一遍新しくつくるのか、それを是認されるのか、端的にお答えいただきたいと思います。
○狩野政府委員 厚生省としては、これを作成したところでございますから、これを今政府の方で検討していただいて、これから進めていきたいと思っております。
○北橋委員 よくわからないのですけれども、政府は継続しているから役所のつくったものはそのまま残るということなのでしょうか。 なぜこの問題を最初に聞いたのかといいますと、この政策には大変なお金がかかるのです、予算が。しかし、今回の税制改正でそれを手当てしているとは思えないのです。それをお伺いしたかったのですけれども、今のお話では、政府として厚生省がつくってきたことだから、今後ともそれを認めるのですか。政権がかわっております。今は政権がかわっているのですが、それをお認めになるのですか。
○阿部政府委員 若干御説明させていただきたいと思います。(北橋委員「御説明は要らない。イエスかノーかだけでいい」と呼ぶ)イエス、ノーというよりも、新ゴールドプランといいますのは、今実施中のゴールドプランというのをベースにいたしまして、先生御指摘のように、市町村で新しく、ことしの三月末までの間に老人保健福祉計画というものをつくっていきまして、それをまとめた段階に今なっていますので、それを基礎にもう一度ゴールドプランというのを見直すべきではないかということで作業をいたしまして、一つの素案として、私どもとしては厚生省の考えとして与党の議論に供した、こういうふうなことでございまして、政府として新しくゴールドプランを決めたというふうな段階にはまだ至っていないというのが現在の状況でございます。
○北橋委員 厚生省の、官僚の世界では一生懸命汗を流してっくってきたけれども、政権がかわった後、これについては正式に、言い方は変ですが、認知していないというふうに受けとめられました。そうでなければ皆さん方も大変お困りになると思うのですね。今回の税制改正で、バランスシートを見ると、物価スライドで一千億円、そして福祉等の充実で四千億円というようになっております。そして、来年度はこういった高齢化社会に対応して一千億円確保して、二千億円その翌年に確保して、本格的に四千億円というのです。しかしながら、この新ゴールドプランを推進していこうと思いますと、年間八千億円は国・地方を合わせて要ると私どもは試算をいたしております。 ということは、厚生省どうなのでしょう、今回政府の出している四千億円を新しい福祉の財源に確保するという案では、新ゴールドプラン、自治体を初めとして福祉団体、ありとあらゆるところから積み上げて築き上げたプランも半分しか実現できない場合もあり得る。できないでしょう、新ゴールドプランは。明確にお答えしていただきたいと思います。
○狩野政府委員 今回の税制改正においては、委員御指摘のように、与党における御議論の結果、社会資本関係に平成九年度以降五千億円、うち少子・高齢社会に対応するための財源として四千億円の財源措置が講じられたところでもございます。また、今お話しのように、平成七年度あるいはまた八年度においても、地方公共団体の老人保健福祉計画の中でも特に緊急性のある特別養護老人ホームの拡充、あるいはまたホームヘルプサービスの拡充、充実等に充てるためにそれぞれ一千億円及び二千億円の公費を充当することとしたわけでもございます。 そういう中で、おっしゃるように、新ゴールドプランあるいはまたエンゼルプランについてはどうかということでございますが、これら一連の措置も、これを一つの足がかりといたしまして、引き続き財源の措置を、あるいはまた来年度の予算編成等も含めまして配慮しながら、また関係省庁とも協議しながら進めていきたいと思っております。
○北橋委員 毎年毎年かけ合っていくというんじゃ、これは将来の長期的な展望に立って議論しているとはちょっと思えないんですけれども、与党三党の合意事項では、「福祉プログラムを推進する。 このため必要な財源の確保に向けて、所得・資産・消費のバランスのとれた税体系を構築する。」そして出てきたのが今回の法案です。福祉プログラムはどこを見ればいいんですか。旧連立政権は明確に、あの評判が確かに悪かった、負担が大変重くなるという二十一世紀福祉ビジョンもつくりました。それをたたき台にしていろいろ議論しました。そして、新ゴールドプラン、エンゼルプランをつくってきました。そういう中長期的な福祉のビジョンをまず国民の皆様にお示しした上で税制の議論をしたのが私どもの立場であります。 皆様方は、そうすると、新ゴールドプラン、エンゼルプラン、まあ役人がつくったけれども認知はしていない。そしてここにあるのは、四千億円しかっくっていないわけです。これだけ財政事情が厳しいときに、ほかからどんどん財源が入ることは考えられない。ということは、皆様方の立場では、将来の福祉プログラムとかビジョンというのはどこを見ればいいんですか。
○武村国務大臣 北橋委員御指摘でございますが、前政権が新ゴールドプランをつくったということではないのであります。御承知のように、老人福祉法あるいは老人保健法を根拠にして、それぞれ計画をつくることが根拠づけられて、市町村は自主的にその二法に基づいて平成五年からそれぞれの福祉プラン、老人福祉プランをあるいは老人保健プランを策定をしてきているわけであります。 それが全国的に集計されまして、それが現ゴールドプランとの対比で、どうしてもこれを見直しをしなきゃいけないという状況になってきているわけでありまして、厚生省が初めて素案をまとめたのは新政権になった九月でございます。それを今の与党のプロジェクトチームに初めて素案の説明をしたというのが今日までの経過でございまして、その後、今回の議論を経ながら、来年度予算編成もございますし、政府全体としてこの厚生省の素案を基本にしてこれをオーソライズしていく努力を今始めているところであります。そういう位置づけであることを御理解いただきたいと思います。 それから、財源の問題は、もう私も二回お答えをいたしましたが、要するに、今回の税制改革の全体像をごらんいただきたい。五%の一体処理をしながら附則でさらに二年後に見直す、こういう姿勢が今回の税制改革の基本でございます。 そして、この五%という今回の一体処理の考え方は、三・五兆円という所得税減税に見合う財源を基本にしておりまして、その中でやはりそれでも約五千億の福祉財源を見出しているということでありまして、大きな福祉の財源、社会資本の財源の議論は、むしろこの見直しの中で論議をして最終的な結論を見出していこう。一体処理、二段階、こういう姿勢が今回の我々のまとめた税制改革の基本であることをまず御理解いただき、その上で議論を進めていきたいというふうに思うわけであります。
○北橋委員 井出厚生大臣がきょうは参議院の方で、お越しになれないということなんですが、九月二十二日の記者会見でこうおっしゃっておられます。「今回の税制改革は景気対策が議論の中心となり、本格的な少子化、高齢化社会対策のための議論ができなかった点は残念だ」このようにおっしゃっておられます。 私どもも、そういった意味では五%という税率ではとても将来の福祉に必要な財源は出てこないであろう、こう思っておりますが、もう一度改めてお伺いしますが、皆様方の三党合意の公約は、福祉プログラムを策定して、それに基づいて必要な財源を得るために税制改正をするとおっしゃっているわけです。新ゴールドプラン、エンゼルプラン、それが皆様の福祉プランになるのでしょうか、そしてそれは来年から実施されるのでしょうか、それをお伺いしたいと思います。
○狩野政府委員 高齢者介護対策については、先ほどお話があったわけでございますけれども、市町村で老人保健福祉計画が作成され、六年度以降、計画に基づいた事業が開始されており、厚生省においても、市町村老人保健福祉計画を踏まえまして新ゴールドプランの厚生省としての案を作成し、さきに与党福祉プロジェクトチームの場にお示しをしているところであり、また少子化対策についても、総合的な子育て支援策を実施していく必要があるものと考えております。 そういう中で、先ほどもお話しいたしましたけれども、これは大変な少子・高齢化社会を迎えるわけでございますし、ぜひともその実現へと向かっていくべく我々も努力していくわけでございますが、厚生省といたしましては、先ほども、重なりますけれども、今般の税制改革に伴うこれら一連の財源措置も一つの足がかりといたしまして、引き続き財源の確保に配慮しつつ、できるだけ早く新ゴールドプランあるいはまたエンゼルプランの作成を図りたいと考えておりますが、また経過につきましては事務局から答弁をさせます。
○北橋委員 「税制改革の概要」というパンフレットがあります。これは何か伝え聞くところによると、後、回収されたという話もあるんですが、そこで問題になったのは、社会保障対策についていろいろと説明されております。今回の税制改正が通った場合にどうなるかということで、まず特別養護老人ホーム、ホームヘルパー、デイサービスなどで具体的に数字が書いてありまして、三千億円、それからエンゼルプラン関係で一千億円、年金生活者物価スライドで一千億円、こういうふうに書いてあります。 そこで、ここで書かれていることというのは、今回の税制改正のバランスシートでも四千億円はこの新しい福祉対策、高齢化対策で振り向けるということを説明されていると思うのですが、ということは政府のお考えとしては、今後、新ゴールドプランに見られたように、つまり地方自治体から全部挙げてきて、これだけのものは必要だ、それは大体年間八千億円かかると言われているのですが、その半分程度しかできないということを前提にくれたこの消費税法案なんでしょうか。
○武村国務大臣 今回の五%のこのフレームワークは、今御紹介いただいたような考え方をもってまとめておりますが、御承知のように新ゴールドプランというのは、あるいはエンゼルプランというのは大きな福祉の財政需要の中の一角であります。言ってみれば、年金、医療、介護、この三要素の介護の分野でございますね。 ですから、より金額的にも大きな年金、医療財源をどうしていくかということがもちろん横にあるわけでして、そして新ゴールドプラン、今半分とおっしゃいましたが、半分にしろ何にしろ、このことも含めて、この三分野の福祉のこれからぐんぐんふえていく財政需要に税制がどう対応していくべきかというテーマだと私は思っております。そういう意味で、見直し規定の存在というのは大変大きな意味を持っているというふうに思う次第であります。
○北橋委員 要するに政府の考えとしては、新ゴールドプランで議論されてきた、日本全国にどれだけの需要があるかといううちの半分しか財源を持ってない。ということは、それをくらに充実しようと思う場合には新しく税率をアップされるのでしょうか。
○武村国務大臣 それは行財政改革で財源を見つけ出すこともあり得まずし、また税制の他の分野の、不公平税制等の改革の中で見つけ出すことも可能でありますし、財政状況全体を含めて、足りないところは、もし新ゴールドプランが一定の金額でオーソライズされたとしまして四千億を超える金額になった場合は、予算全体の中でやはり歳入歳出を見て足りない財源を捻出をしていくという考え方であります。 しかし、より長期的には、これは新ゴールドプランだから何千億というオーダーの議論で済むわけですが、年金、医療になってきますと兆円になってきますから、大変大きなオーダーになってまいりますだけに、行革、財政改革で相当な成果が上げられない限りは、この問題をどうするかというのは大変重い判断を要することになってくると思うのであります。 私どもは、今、将来の税率アップを云々するつもりはありません。しかし、一定の予断を持って申し上げることは控えますけれども、よほどしっかり行財政改革をやらない限りは将来増税になるぞ、増税にしないためには、先ほど冒頭に北橋議員から厳しく御指摘をいただいたように、行財政改革に、結果としてではありますが、相当な成果を上げるしかすべがないというふうに思っている次第であります。
○北橋委員 与党三党のお話では福祉プログラムをつくる。私ども旧連立の政権の立場からすると、将来の福祉ビジョンをつくった上で増税の議論をするということなんですけれども、今のお話では、当面四千億円は確保しました、あとは行財政改革の動きを見ながら手厚くしていきます、そして新ゴールドプラン八千億円ありますけれども、それはそれとして、地方のいろいろな要望を積み上げたものとしてはあるけれども、その中から、できるものからやっていくということで、お話を聞いていると、結局、行政改革もそうなんですけれども、将来に向けた長期的な福祉ビジョンというものを明確にされないままに議論を提起されたのではないか、そういう印象をぬぐえません。 さらに突っ込んでいきたいのですけれども、ほかにも聞きたいことがありますので、不公平税制のところについて、これは官房長官、お忙しいところお越しいただきまして、ありがとうございます。 やはりこの税制改正をやる大前提としまして不公平税制の是正が大事であるということは、日本社会党がこれまで非常に強調されてきたことでございます。そこで、社会党の公約でもあったのですけれども、食料品の軽減税率の取り扱いについては、これはちょっと不公平税制と離れますけれども、総理大臣は非常に意欲を持たれているのですけれども、大蔵大臣の御答弁を聞いている限りについては、非常に温度差といいますか違いがあるように思っております。 私どももこれは議論をいたしましたけれども、欧米社会のように一〇%を超える消費税率のもとで軽減税率を設ける事例はありますが、五%、七%という段階では難しいという議論もいたしました、率直なところ。しかし、社会党の皆さん方はこれを非常に重要な問題として強調されておりますので、この辺について見直し規定のときにこれを入れられるのでしょうか、どうでしょうか。
○五十嵐国務大臣 今委員からお話しのように、昨年における日本社会党の税制に関する公約の中には食料品の問題が入っているわけであります。これは、できれば食料品等に関して複数税率でこれは抑えていきたいということは、社会党として強く持っている考え方でございますが、しかし今回の税制改革の中にこれを含めるということには至りませんでした。ただ、中期的なこれからの税制の論議の中では、これらの考え方を全体の中でぜひひとつ生かしていくようなことも継続して努力してまいりたい、このように考えている次第であります。
○北橋委員 大蔵大臣、これは、軽減税率の問題は、率直に言って大変困難だとお考えでしょうか。
○武村国務大臣 私も今の五十嵐官房長官の御答弁と同じ考えてあります。困難というんではなしに、中期的な課題としてこの問題はくらに真剣に議論を続けていこうという考えてあります。 もう繰り返して申し上げませんが、今回の五%の消費税の論議の中では、欧米等の実態も比較しながら、最終的には社会党の皆さんも残念ながら今回はやむなしと、しかし将来の課題としては議論は続けたいという結論で終わったわけでありまして、見直し条項の中ではこのことを真正面から取り上げるという予定はいたしておりませんが、当然議論はあるだろうと思いますし、もう少し長い目でこの問題は見詰めていきたいというふうに思っております。
○北橋委員 大臣のお答えでは、将来の検討課題、少なくとも二年以内にやると言われている見直しの中には含まれない、そういうお考えだと理解してよろしゅうございますね。——はい。 官房長官、お見えでございましたが、実はお越しになる前に行革についていろいろと議論をしておりまして、きょうは総務庁長官は参議院で、お越しになられません。特殊法人についていろいろと議論したのですけれども、最近、認可法人、公益法人も一緒じゃないか、そういう議論になってきております。公益法人については、ことし一年間だけで、日本経済新聞の調査によりますと七十も、もうラッシュのように設立されている。その中には国の方からいろいろと補助金が出ているケースもたくさんあるわけです。 私ども、よく特殊法人の議論をしますけれども、特殊法人の整理合理化が叫ばれて、認可法人の方にだんだんシフトしてきた経緯もあります。最近ではさらに公益法人です。今後の行革に当たりまして、武村大臣の方から来年の初頭まで待ってほしい、こういうことで、最善の努力はするという御答弁なんですが、これは全省庁にまたがりますので官房長官の方からお答えいただければと思うのですが、認可法人、それから民法三十四条に基づく公益法人、これらも同じように大胆なメスを入れていく、このように御決意をされるべきだと思うのですが、どうでしょうか。
○五十嵐国務大臣 委員仰せのとおりでございます。 実は十月十八日に、官房長官として閣僚懇談会で、各閣僚にこれについての御協力をお願いを申し上げたのでありますが、このときには次のように実は申し上げた次第であります。 公益法人につきましては、民間の発意により設立されるもので、特殊法人等と事情が全く異なったものでありますが、その適正運営の一層の推進を図るため、いわゆる休眠法人の整理の促進を図るとともに、公益法人設立の本旨に沿ったものであるか、また、行政の代行的機能を果たしているものについて、その役割と事業運営及び国の関与の在り方等が適正か、などについて、現在総理府の中に設けられている「公益法人等指導監督連絡会議」において、今後、検討を進めることと致したいと思いますので、各省庁の御協力を宣しくお願い致します。 なお、公益法人を含めた特殊法人等の課題全般について、私及び総務庁長官が、民間有識者から意見を聞く機会も持ちたいと考えておりますので申し添えます。 このようなことを閣僚懇談会で申し上げまして、公益法人につきましても全力を挙げて検討を進めてまいりたい、こういうぐあいに思っております。
○北橋委員 お言葉の中で、各省庁の御理解を得てというのがありますが、なかなか各省庁は理解してくれないのではないかと思います。もう徹底的に抵抗されるのではないかと思います。これはすぐれて政治的な課題でございまして、いろいろと行革についてやりとりしましたけれども、具体的な対処方針についてはお伺いできなかったものでありますがら、これ以上は言いませんけれども、特殊法人だけではない、お金が出ていることについては認可法人、公益法人もさらに同じでございます。それを三つ含めて大胆なメスを入れる計画をできるだけ早くお出しをいただきたいと御要望しておきたいと思っております。 さて、不公平税制のところに戻らせていただくわけでありますが、何をもって不公平というかについてはいろいろと難しい議論がありますが、その中でやはり大事なのは納税者の抱いているイメージ、これは不公平じゃないかということではないかと思います。 私どもは昨年の税制改正のときに、私もそのメンバーの一人でございましたが、宗教法人、公益法人、そういった議論をしましたときに、実際いろいろと調べてみると、当事者にしますとなぜ不公平なんだ、こういう御意見が強くはね返ってまいります。しかし、あのとき私どもは、大変つらかったけれども改革をしたわけでありますけれども、やはり有権者、納税者の間に不公平だというふうに思われている、そのことを度外視して増税という話は決してできないんだ、やはり庶民の受けるイメージ、抱いている税に対する信頼感、そこがポイントだと思うのです。そういった意味で、今回いろいろと、中小企業の特例など、私ども主張していたものの一部は取り入れられました。それはそれで結構でございます。 ただ、ここでお伺いしたいのは、中小の事業者の特例、とりわけ免税点制度の問題についてであります。これについては、一部を変えられておられるのですけれども、三千万円の売り上げについては手つかずということになりました。これは、私ども野党の中にもいろいろな意見がありまして、今回の増税議論の中で、ある意味では政治的にも政策的にも最も悩ましい問題の一つだと思っておりました。ただ、私は、今回、日本社会党の皆さん方が、連立政権にお入りになられました。社会党の皆さん方は、この村山内閣にお入りになる前に、この中小の特例を初めとしまして、不公平税制については非常に勇気あるといいますか、大胆な改革案を主張されておられたと私は承知いたしております。 そういった意味で、今回は盛り込まれておりません、免税点の三千万については。ということは、もう、そればかりか、納税者に理解を求める。ある人に言わせれば、これは開き直ったなと言う人がいたのですが、確かに、益税といいますか、担税の面もありますし、全部は消費税は転嫁されていません。気の毒な方は大変多い。しかしながら、やはりこれは納税者の皆さん方が益税の問題として一番強くお感じになっていらっしゃる問題ではないか。今回、この抜本改正、そう簡単にできることではありません。そういった意味では、この改正においてこれを見送っだということは、この問題について不公平感はもうない、このように皆様は総括されたのでしょうか、お伺いいたします。 〔委員長退席、石原(伸)委員長代理着席〕
○五十嵐国務大臣 やはり一つの課題としてこの問題はかねがね、また広く議論されてきているところであろう、こういうぐあいに思う次第であります。 一方、この内容を点検いたしますと、売上高三千万程度の事業者の平均従業員数は、大体二、三人程度と極めて零細である。したがって、その事務処理能力からいうと大変乏しいと思われるという点、あるいは売り上げ規模の小さい事業者においては相対的に転嫁を行っている比率が低いということ等もございまして、こういうような点について十分留意するということも、また検討の中で理解されつつあるわけであります。 しかし、当面、現行の免税点水準を維持するということになりましたけれども、この問題点等については、また今後常に検討を続けながら、全体の事業者の制度に対する習熟というようなものの状況を踏まえながら、公平性と簡易性のバランスを図る観点から、しっかり、不断に見直してまいりたい、こういうぐあいに思っておる次第でございます。
○北橋委員 この問題については、大蔵大臣、今回は免税点を下げるということは見送られたわけなんですが、これは、納税者の皆さん方は不公平ではないといいますか、大蔵省から見て、もうこの問題は不公平税制の問題とはみなさないといいますか、そういう意味で見送られたのでしょうか。
○武村国務大臣 今官房長官が申し上げたようなもろもろの理由を総合判断をして、今回は見送ることにいたしたわけであります。しかし、依然、問題は全くないわけではありません。そういう意味では、問題意識を持ちながら今後もこの免税点制度の行方を真剣に見詰めてまいりたいと思っておりますし、この点では見直し条項の「課税の適正化」という表現の中にこの問題も含まれている、論議の対象には当然なるというふうに私どもは思っております。
○北橋委員 中堅サラリーマンの間には、これは非常に益税の問題でよく議論にされた問題でございまして、引き続き問題意識として持たれるということでございますので、それを見守りたいと思っております。 時間が大分なくなってまいりました。 きょうは経企庁長官、お越しいただきましてありがとうございます。 今までるる質疑をさせていただきましたけれども、税制改正の手順として、やはり行革、福祉ビジョンの策定、不公平税制の是正、これは大事だということで申し上げました。 もう一つ、物価の抑制、いわゆる内外価格差の縮小ということがあります。私どもいろいろな委員会でやりましたけれども、なかなか抽象的なお答えしか答弁いただけないことが多々ございました。 しかし、今円高で日本の社会が置かれている革命的な変化の状況を考えますと、単に政治家がよく国民の前で物価を抑制するとか下げるとか、その程度ではもう済まない、すごく大きな課題になっているのじゃないか。アメリカや外国の消費税を見ましても、消費税はかなり高いわけです。しかし、それでもなお日本の東京なんかの物価水準は物すごく高い。だからそういった意味では、これからの課題というのは、内外価格差の縮小というのは断行せないかぬ、こう思うわけです。 それで、ジャパニーズドリームという言葉があります。よくアメリカの政治家はアメリカンドリーム、やはり夢を語ってくれる。今、日本の政治家は、お互いに批判することは達者でありますけれども、実際に国民に対してどれだけ夢を語っているのだろうか。それを考えますと、かつて池田内閣のときに所得倍増計画という話がありました。確かにこれは夢がありました。そういった意味で、欧米並みの物価水準に下げる。これは見方によって違いますけれども、二、三割、ある人は三、四割と言いますけれども、賃金交渉のときでも民間の労使で」はもうぎりぎりまで来ております。あとは規制緩和だとかいろいろな問題をやって物価を下げることしかない。そういった意味では私は、大胆に政治家が勇気を持って物価抑制を出さないと税制改正の理解は得にくいと思うのですけれども、そういった決意のほどございましたら、お聞かせ願いたいと思います。
○高村国務大臣 内外価格差については質問通告がありませんでしたので、常識の範囲内でお答えさせていただきたいと思います。 急激な円高が進む中で、企業等、特に輸出関連企業は大変な厳しい目に遭っているわけでありますが、一方で消費者に対して円高のメリットが届かないということは、やはり国民経済からいって大変なことだ、こういうふうに考えております。 この内外価格差をなくすということは、物価政策全体の面からいっても大変大切なことだと思いますし、今一番大切なのは、実態調査、実態をどうつかむかということだと思いまして、今までもやってきましたが、このたび総理からも指示がありまして、サービス、中間財も含めた内外価格差の実態調査をする、そしてその差ができたら、その原因は何か、原因の中でこれは仕方がないという原因とこれは許されないという原因があるだろうと思いますが、そういうことを除く、そういったことを着実にやってまいりたい、こういうふうに考えております。
○北橋委員 内外価格差の是正については、もう単なる公約の羅列した中の一つではなくて、ぜひ勇断を持ってやっていただきたい。できることならば、将来政界再編でまた内閣をつくり直すときには、物価抑制内閣ぐらいでもいいんじゃないか、それぐらいの大テーマだと思っておりますので、よろしくお願いをしたいと思っております。 税制改正全体の姿について、経済企画庁もいろいろと試算を出されております。それを見ると、基本的なトーンとしては、九六年、定率減税やるかどうかははっきりしておりませんけれども、いずれにしても、九七年から増税になっても心配は決して要りません、これだけの景気浮揚効果があります、こういう趣旨のことを言われています。ただ、それについては、民間の調査機関によると逆のことを言っておりまして、かなり景気を冷え込ませるのじゃないか、そういう趣旨もありますので、これについてはやりとりしましてもあれてございますし、また民間のどの調査がやったということを申し上げるのもこの場にふさわしくない。 そういった意味では、私どもはやはり政府のお考えになっている経済全体、我々国民としての増税がどうなっていくのかという姿については心配は御無用だ、このような趣旨の御説明をされてきたと思うのです。ところが、果たして本当にそうであろうか。そのことについて触れさせていただきたいと思っています。 きょうはお手元にお配りさせていただいてもらって恐縮でございますが、連合、労働組合の連合の皆さん方が、今回の税制改正で一体どのような生活に変わるのか、それを、税と社会保険の両方につきまして、年収別に負担をあらわしたものがございます。 これは、年収五百万の人、六百万、七百万から一千万円までそれぞれについて、所得税、住民税を幾ら払うか、社会保険料は幾らになるか、消費税が幾らになるか、それを出された資料でございます。この資料を見るときに、議論をするときに、例えば実際の家計で納める消費税がどの程度になるかについては、政府の、大蔵省の出している数字と若干違います。しかしそれは、連合八百万人の人たちがいろいろと調査をして、この程度のものは買っているので消費税はこれぐらい払うと言っているわけですから、大した誤差ではありませんので、わずかな誤差でございますから、それはあえて御指摘なさらないように。 全体としての姿についてお伺いしたいのですが、例えば年収五百万円でいきます。それで、来年から減税をまたやるわけでありますが、九六年で定率減税がもしなかった場合、おやりになるかどうかはまだ今のところはっきりしていない。もしなかった場合にどうなるかというと、年収五百万円の人たちというのは、所得税、住民税が二万一千三百円アップします。大事なことは社会保険料なんです。これも上がっていくことになっています、七千六百五十円。これだけでも二万八千九百五十円上がるわけです。その後、消費税が五%になる九七年度にどうなるかといいますと、所得税、住民税は四千百円、社会保険料は三万三千五円、消費税は五万六千円アップします。としますと、年収五百万円の方は、今と本格的な増税になるときを比べますと、九万三千円もアップするわけです。それで、年収六百万はトータルどれだけかというと、十一万四千五百円アップします。七百万円の人は十三万七千八百円上がるのです。 つまり、今回の税制改正によって、実際、税だけではないわけです、社会保険も同じように負担であります。庶民の感覚からすると、御主人の給料袋の中から税、社会保険が引かれて、そして手取りが残る。その手取りが問題なのであります。そういった意味では、手取りがこれだけ減ってくる、社会保険もこれだけ引き上げられるとなってくると、これは大変な、何といいますか、個人消費を冷え込ませる結果になるのではないか。政府が言われているように、減税もやります、消費税率のアップも最小限に抑えましたということで安心できる状況では決してないということがわかります。 そこでお伺いいたしますが、大蔵大臣、九六年度の定率減税、これをやるのかやらないのか、そのときの状況を見守るということでございますが、果たしてそれで対米公約は大丈夫なんでしょうか。五、六兆円、我々のときは六兆円と言っていましたけれども、内需拡大を迫るアメリカの要求というのは大変重いものがあります。そしてそれは、言うなれば国際公約になっている。そういった意味で九六年の定率減税は、対米公約上もやはり必要ではないか。 それからもう一つ、今申し上げましたように、連合の皆さん方の資料によりますと、相当程度、税、社会保険の負担がふえるのです。年収五百万で二万八千九百五十円です、もし定率減税をやらなければ、三・五兆円だけにしますと。ということは、個人消費を相当冷え込ませる。そういった意味で、九六年の定率減税はぜひともやっていただきたい、このように要望するわけでありますが、いかがでしょうか。
○武村国務大臣 九六年の定率減税につきましては、基本的にはやらせていただくという考えてあります。政府・与党の要綱で決めておりますのは、景気が特に好転した場合を除き、こういう表現になっておりまして、基本的にやらせていただくと今お答えをいたしましたように、例外があるとすれば、景気が予想以上に大きく好転した場合は、これはもう景気対策が基本でございますから、そういう文言を置いているところでございまして、基本的には三年間、五・五兆円スケールの減税をやらせていただくというのが政府・与党の方針でございます。
○北橋委員 ぜひ実行をしていただきたいと思いますが、九七年度になりますと、五%の税率になるわけです。先ほど私も数字を申し上げましたけれども、大変な税負担増であります。もう一度申し上げますと、年収五百万の人は九万三千円もアップするんです。年収六百万の人は十一万もアップします。七百万円の人は十二万円も今よりもアップするわけです。とりわけ、この社会保険料の負担増と消費税の増が多くなる。この連合の資料は大蔵省の消費税の見方と若干違うかもしれませんけれども、これは大きな誤差ではないと私は思うのです。 いずれにしましても、これは家計からすると大変重い負担になってくる。ということは、三・五兆円の制度減税だけで足りるのであろうか。実際問題、今度で一〇%、二〇%のブラケットを拡大する、これは前進だと思って評価をいたします。しかしながら、現実問題、勤労者の家庭からいたしますと、相当程度九七年度から重い負担がのしかかってくる。だとするならば、三・五兆円という二階建てにしたということについては、やはり相当程度、これは余りにも重い負担と言わざるを得ないので、制度減税に組み込むということもまたこれからやるべきじゃないか、検討すべきではないかと思うのですが、どうでしょうか。
○小川(是)政府委員 委員がただいま御指摘になっておられます要因の最大のものは、当然のことながら社会保険料負担の問題があるわけでございます。私どもは、今回御提案しております税制改革法による所得税、住民税の減税及び消費税の影響につきまして試算をお示ししているわけでございまして、確かに、年収四百万円、五百万円のクラスの方ですと、消費税率が上がります平成九年あるいは十年のところで若干負担の増加があるというのは事実でございます。それが一つでございます。 したがいまして、おおむね六百万円を超えるようなサラリーマンの方の場合には、今回の税制改革がネットでは負担の減をもたらすということになるわけでございまして、くどいようでございますが、こうした改革は、我が国の活力を導き出す、あるいは中堅の特定の偏りというところをある程度ばらすという、前回の改革とあわせての税負担の軽減措置であもという点を申し上げさせていただきたいと思うわけでございます。 〔石原(仲)委員長代理退席、委員長着席〕
○北橋委員 大蔵省の立場からしますと、確かに増税になる部分は少ないかもしれません。しかし、国民の立場から見ると、税も社会保険も、引かれることについては同じであります。そういった意味で今申し上げたわけでありますが、これは押し問答しても仕方がないかもしれませんが、いずれにしましても、九七年度から増税と同時に社会保険料の負担増も予定されておりますから、かなりこれは家計のやりくりは厳しくなる、そういった意味で、やはり制度減税に組み込んでやるべきだと、主張を繰り返すにとどめておきたいと思います。 それともう一つ、今度のバランスシートの中で、四千億円という項目が消えております。これは、自動車消費税の上乗せ措置あるいは法人特別税の臨時的な上乗せ措置につきまして、これを廃止するときに、私ども旧連立のときには、それだけ財源がなくなるわけでありますから、増税でバランスシートの上に載せるべきだという議論で、四千億円というものを計上しました。今回はそれがありません。これは、来年度の予算編成に向けまして、四千億円というのは大変巨額の額になるわけでありますが、新財源を捻出するということなんですが、これは大丈夫なんでしょうか。
○武村国務大臣 これはいろいろ議論をいたしまして、自動車消費税と法人税でありますが、それぞれ過渡的な措置として行われてまいりまして、今回それが終わったということであります。それに比べて、相続税は恒久的な措置として改革をいたしたわけでございまして、そこに二つの性格の違いがあるということを前提にしまして、相続税はフレームの中に入れております。そして、この四千億は外しております。どうするかというのは、予算編成全体の歳入歳出の中で総合判断をさせていただく考えてあります。
○北橋委員 今回、建設国債で四千億円見るということでありました。自動車消費税等で四千億円の穴なんですけれども、これは、場合によっては赤字国債につながるんじゃないかと私どもは懸念をいたしております。これだけの財源をしっかり確保するというのは大変なことだと思います。それから、公債を十年から二十年にして、償還期間を延ばした。これについては、私ども旧連立も議論をいたしました。 ただ、この中で問題になるのは、やはり四千億円も建設公債で充てるという、初めて私どもこの今回の案で知りましたけれども、今大蔵省の置かれている状況というのは、今まで議論されてきた過程で、二百兆円の国債、地方債百兆円、残高がある、そのほかに隠れ国債四十兆円もある、それに対する国民の負担は百数十万円になっている。そういう状況の中で、頑張って、頑張って、絶対に公債の垂れ流しはやめるんだ、そういう議論を提起されてきたことからしますと、今回公債で四千億円を見る、この四千億円というのは、実は福祉の新しい財源の類とちょうど同じでございますけれども、相当無理をして、政治的にプレッシャーがかかる中での知恵だと思うのですけれども、これは日本の公債政策の中で禍根を残しませんか。
○伏屋政府委員 お答え申し上げます。 政府も予算執行に当たりまして、政府の支出にも消費税が課税されるわけでございます。したがって、今回消費税率が引き上げられるということになりますと、政府における消費税の負担の増加というものがあるわけでございます。その増加しますうち、公債発行対象経費、いわゆる投資的経費に係る部分につきましては、現在の国・地方の非常に厳しい財政事情からまいりますと、かなりの部分が実際には建設国債によって、地方債によって賄われることにならざるを得ないということでございます。したがって、その点は、全体のフレームの中で建設国債の増発もやむを得ない、税制改革の一環としていわば反射的に生じるものでございますので発行させていただきたい、御理解いただきたいと考えているわけでございます。
○北橋委員 残念ながら時間が参りました。ほかにも用意をしておりました質問ができなかったために、関係官庁の皆さんに大変御迷惑をおかけしたことをお許しをいただきたいと思っております。 最後に、きょういろいろとお伺いいたしまして、お立場上なかなか言えない面もあろうかとは思いますけれども、それにしましても行革や福祉ビジョンやいろいろな問題について、村山内閣の基本姿勢としては、増税をお願いする前提としては余りにも弱過ぎるのではないか、そういうことを感じました。そしてまた、今回の税制改正によりまして、いわゆる中堅のサラリーマン層から見ますと、九七年になりますと二兆円の定率減税がなくなる、そして二%の消費税の増税になる、それから社会保険の負担増になる、言うなればトリプルでプレッシャーがかかってくるわけでありまして、こういった問題につきましてはまた後日御質問があろうかと思いますけれども、こういう内容におきまして国民の広い共感を得ることは大変難しいのではないかと思うわけであります。 しかしながら、今後政府としては、時間は少々かかるけれども行革、福祉ビジョン等についてもこれから努力をしてやられるということでございますので、果たしてそれがどういうものになるかを見守らせていただきたいと思います。ありがとうございました。
○高鳥委員長 これにて北橋君の質疑は終了いたしました。 次に、須藤浩君の質疑に入ります。須藤君。
○須藤委員 改革の須藤でございます。ただいまから質疑をさせていただきます。 今回の税制改革につきまして、この最終的な税制を決定していく過程をどのようにしてきたかということを、順を追って質問させていただきたいと思います。 まず最初に、財政赤字の件についてですが、平成六年度末の公債残高は約二百一兆円になります。公債残高は年々増加の一途をたどっているかと思います。二百一兆円というこの金額、我が国予算の七十三・一兆円の二・七五倍。また、二百一兆円は、国民一人当たりで見ますと百六十一万円、四人家族では六百四十四万円に当たります。これは、勤労者一世帯当たりの年間可処分所得約五百七十四万円を上回る金額がと思います。 この二百一兆円という金額を例えてみますと、まず、一万円札を積み上げた場合は、高くが二千六キロメートル。富士山が三千七百七十六メートルですから、約五百三十一倍、エベレスト山八千八百四十八メートル、約二百二十七倍。その体積は、例えば東京ドームですと約五十個分に当たるようです。 こうした巨大な赤字を抱えていることを国民がどういう形で実感をしているか。政府は、我が国の財政が危機に瀕していることを国民にわかりやすく説明して、理解と協力を得るような努力をするべきだと思いますが、今のところ、そのような努力をしているようにはなかなか見えないかと思います。 公債依存度が二〇%まで上昇して、今年度の利払い費は約十一・六兆円、一般会計歳出の一五・六%を占めるに至っています。償還費等も含めると、国債費全体では約十四・四兆円、一般会計の約二〇%に当たります。国家財政を圧迫しているのが、このような現状で公債依存度が二百一兆円もの巨額になっていることから生じていることであろうと思います。 平成七、八年度も、政府は減税等に伴う歳入不足分を公債発行によって補おうという路線をしこうとしておりますが、このままではさらにこの額は膨らんでいくと思われます。平成八年度末の公債残高が一体どれくらいになるのか、その場合国家財政にどのような影響が出ているか、まずこの点について説明をお願いします。大蔵大臣。
○武村国務大臣 平成八年度末の公債残高を聞かれたわけでございますが、率直に申し上げて、これを今予測することは困難でございます。 御承知のように、経済動向、税収全体の動向もあるわけでございまして、今回提案をいたしております公債法に基づいて、所得税、相続税の減税に伴う租税収入の減少を補うためのいわゆる減税特例公債の発行を認めていただくことになるわけでございますが、この額がどうなるのか、そして建設国債の発行額がどうなるのか、そのことによって決まってくるわけでございまして、今正しく八年度末の公債費を数字で申し上げることは大変難しいというところを御理解いただきたいと存じます。
○須藤委員 では、このような状況の中で公債依存度、比率がどんどん高まってくる、そして公債の発行額、絶対額も大きくなっていくかと思われますが、このことに関しては大蔵大臣はどのような認識を持たれていますでしょうか。
○武村国務大臣 先ほど委員から御指摘をいただいたとおり、我が国の財政状況は、この公債費の残高一つ例にとりましても大変深刻な事態に立ち至っているというふうに認識をいたしております。 国際的に比較をいたしましても、既にもう、対GDP比率で見ますと日本はアメリカに次いております。公債費の残高が五〇%を超しておりまして、アメリカに次いておりますし、利払い費率はもう世界一位というふうな状況でもございます。昨今、先進七カ国を見てみますと、ここのところ各国は一生懸命財政再建に努力をいたしておりまして、赤字を減らす、財政のバランスをとることに随分真剣に努力をされているところでございます。 我が日本は、どちらかというと、数年前までは比較的財政は、健全とは言えなくても、欧米各国よりは、そういった国際比較の数字で見る限りはまだいい方でありましたが、ここ、特に二、三年といいますか、宮澤政権、細川政権と続いて、四回の経済政策を断行いたしました。これは建設国債を大量に発行するということにつながったわけでありますし、また、今年は定率減税五・五兆円をいわゆるつなぎ国債で実施をいたしておるところでございます。こういった形で、各国がどんどん赤字を減らす努力をしているときに、日本は景気対策でむしろ赤字をふやす、国債をふやす結果になってきているわけでございまして、先般、マドリッドのG7の大蔵大臣会合では、七カ国ともやはり財政再建に努力をしていこう、日本に対しては、今こういう状況でありますが、景気がよくなれば当然財政再建が大変大きな、国際比較におきましても、政策テーマになってくるという各国の認識でございました。
○須藤委員 財政再建に当たって、この国債残高が私たちの日本にとって大変重要な問題になっている。世界的に見ても恐らくそのような状況かと思います。 先ほど来から質問に出ていますように、国においては二百一兆、地方においては百兆。つまり公債そのものが、無限大とは言いませんが、徐々に徐々に膨らんでいく、そういったような体質といいますか、傾向が今出ているということ、この公債に対してどういうような歯どめをしたらいいのか。この公債発行について、公債残高の限界というようなものをどのように考えているかお伺いしたいと思います。
○武村国務大臣 私の記憶では、当時の土光臨調会長が一生懸命「増税なき財政再建」で御苦労をいただいているころは、たしか八十兆前後の残高であったのではなかったかと今思い出しておりますが、当時八十兆で、非常に国家財政は危機的だ、大変だという何か御認識を語っておられたこともありました。これは百兆を超したら大変だなあと、当時私は地方にいながら思っておりました。百兆を超え、今や二百兆になってしまったということであります。そして、先進国でも最も、一、二を争う悪い財政状況に達してしまったということも認めざるを得ません。 もともと、歯どめの限界といいますか、確たるものはありません。先般、ここでの議論の中で、地方財政の健全性の指標としては、公債費が一五%を超えると黄信号、二〇%を超すと赤信号というのが自治省の指導であったように記憶をいたしておりますが、そうなりますと、先ほど御紹介いただいたように、元利を入れるともう二〇%ということが、単年度で見る限りもそういった危機的な状況にきているということを私どもは認識をしなければなりません。 片方、税制改革で、減税対応の増税の議論あるいは福祉に対する増税の議論は非常に積極的に行われてまいりましたが、財政再建との絡みの議論はそれほど進んでおりません。本当を言えば、税制改革には財政再建と減税対応と福祉対応と三つの要素が、むしろ財政事情といいますか、将来の増税を要請する背景として三つの要素があるということを私どもは認識をしなければなりませんし、今後この財政の状況がいろいろな意味で我が国の将来の財政運営に大きな影響を与えることは避けられません。 そういう意味で、二百兆という国債の規模もしっかりにらみながら、どう中長期的にこの国の財政を健全化していくのか、この巨大な国債を減らしていくのか、そのことに私どもが関心を向けていかなければいけないのではないかというふうに痛感をいたしている次第でございます。
○須藤委員 大蔵大臣御自身が痛感をしているということですが、大蔵大臣という重責にあるということは、逆に、その立場からこの問題を考え、そして対策を練ることができるという、大変、当事者の立場に今いるということだと思います。 本来であれば、私たちが今こうやって生きている、その生きている恩恵だけではなく、そういったものが後世に伝わってこそ次世代の人たちが豊かに暮らせるはずです。ところが、今私たちがこの世代にあって、この大きな公債を後世に残してツケに回してしまうという状況が今生まれようとしています。大蔵大臣としては、恐らく立場上こういうことをほうっておくことは私はできないのではないかと思いますけれども、どのようにお考えでしょうか。
○武村国務大臣 国債にも御承知のように建設国債と赤字国債があるわけでございまして、一般的には建設国債は、我が国の社会資本を整備することによって、今の我々だけでなしに子供や孫の代までその社会資本の恩恵に浴することができるんだ、だから後世代何十年かかけて支払っていっていいんだ、こういう考え方が基本にあるわけでございます。それにしても六十年というのは、社会資本によっては六十年もたないものもありますから、ちょっと長過ぎるという感じもありますが、いずれにしましてもそういう考え方が基本に立っているわけでありまして、国債費全体が不健全というふうには私も思っておりません。 しかし、そうはいっても、建設国債に限っても、建設国債なら何でもいい、幾ら発行してもいいという安易な考え方はとるべきでないと思いますし、ましてや赤字国債になりますと、これは法律的にも厳しく制限というよりも原則は禁止されているものを、そのときどきの立法によって例外的に認めるという形で今日に至っているわけでございます。今回のような戦後最長の不況に対応する減税政策という、こういう大きな経済政策を推進する場合は例外として認めていただけると私は思っておりますが、こういう場合は例外としましても、軽々しく赤字国債を発行することに私どもは毎年の予算編成の中で目を向けてはいけないというふうに思う次第であります。
○須藤委員 公債というもの、こういったものを何としてでも歯どめをかけて、当然後世代に残さないように処置をするということが大変私は重要だと思います。 現在、こういった財政再建を実現するためにまず行わなければならないこと、それは今回の税制改革についても一貫して質問も出ておりますし、当初から大きな問題として対応しなければならないと思いますが、それは行政改革であろうと思います。 行政改革については、私たちも旧連立与党のときに、福祉社会に対応する税制改革協議会でいろいろな観点から議論を進めました。行政改革というのは何回も何回も口にされてはいますが、なかなか前へ進んでいかない。その最大のネックは何だと思いますか。 総務庁担当長官にお聞きしたいのですが、まだいらしていないようですが……。
○河野政府委員 行政改革の推進のためにいろいろな困難が伴うことはおっしゃるとおりでございます。 ただ、政府としましては、今計画を立てまして、規制緩和でありますとか、特殊法人の問題でありますとか、あるいは地方分権の問題でありますとか、各般にわたる行政改革課題についてその推進に努めているところでございます。(発言する者あり)
○高鳥委員長 今の山口総務庁長官につきましては、委員長の手元の要求大臣表には印がついておりません。そのことをお含みください。
○須藤委員 私は、この行政改革というもの、これはまず姿勢そのものだと思います。時の政府が行政改革というものをどう考えているか。それは、もちろん制度改革であったり、法律の改正であったり、そういうことがあろうと思いますけれども、それよりもまず大事なのは、それぞれの担当の大臣あるいは政府そのものがどういう姿勢でこの行政改革に臨むか、ここが一番重要なポイントだと思います。 実は、先ほども総務庁長官にはぜひこちらに出席を願いたいということをお願いしました。まだ見えてないようです。どういうような姿勢でこの行政改革に臨んでいくのか。私は、恐らく……。(発言する者あり)
○高鳥委員長 委員長の手元に現在あります表には、出席の要求の大臣の印がついておりませんということを申し上げただけであって、でありますから、もし要求しておられるのであれば、現在調整中ということで、委員長のところにその連絡が十分来ておらなかったということでございますので、さよう御理解いただきたいと思います。(発言する者あり) 須藤君、ほかの大臣も出ておりますので、もしできるなら、他の要求大臣で出席しておられる方について、順序を変えて御質疑いただくような御協力をいただけませんか。(須藤委員「はい」と呼ぶ) 須藤君。(発言する者あり)どうぞ、須藤さん、御協力お願いします。
○須藤委員 先ほどから申し上げているように、時の政府がどのような姿勢でこの行政改革に臨むか、私は、この一語にかかっているのではないかと思います。 そこで、各大臣にどのようなお考えを持っているかお伺いしたいと思います。まず大蔵大臣、お願いします。
○武村国務大臣 行政があみ限り、いつの時代も行政改革という課題が存在をするんだろうなと私は思ってまいりました。 しかし、日本は戦後五十年になろうとしているわけでありますが、そういう意味では、通常ベースの行政改革と違って、社会経済のあらゆるシステムが一つの壁にぶつかりながら、その壁を突破して新しい時代を切り開いていかなければならない。そういう中に政治や行政もある。政治改革は、そういう意味で数年の歳月を経て間もなく選挙制度改革は仕上がろうとしておりますが、行政改革も、土光さん以来相当な年月を要してはおりますが、改めて行政全般についての改革に目を向けなければいけない。行政が国民生活と表裏一体であるだけに、まさに国民的な課題としてこのことに私どもが真剣に取っ組んでいかなければいけないというふうに痛感をいたしているところでございます。 この時期の政権をお預かりしております村山政権としましては、私ども、総理を先頭に全力を挙げてこの難しい課題に取り組んでまいりたいと存じます。
○須藤委員 では、自治大臣、お願いいたします。
○野中国務大臣 今大蔵大臣もお話がありましたけれども、今回の税制改革をお願いする前に、村山総理から、行財政の改革はそれ以前になさなければならない本内閣の重大な使命だと指示をいただいております。これはまさしくそれぞれ所管大臣がみずからリーダーシップを発揮して決断をし、そしてそれを実行に移すことだと認識をしております。
○須藤委員 ではもう一方、通産大臣、お願いいたします。
○橋本国務大臣 ちょうど土光臨調が発足いたしましたとき、私は当時の自由民主党の行財政調査会長として党側の責任者を務めてまいりました。 その当時以来、通産省から申しますならば、例えばアルコール現業部門の廃止でありますとか定員削減を着実に実行するのは当然でありますが、東京中小企業投資育成株式会社ほか六つの特殊法人の民営化、民間法人化を行う等努力をしてまいっております。 また、規制緩和につきましても、七月の閣議決定を初め率先して努力をしてまいった次第でありますが、今後におきまして、今、野中自治大臣、武村大蔵大臣からお話がありましたように、総理からの御指示をいただき、我々としても全力を挙げてまいります。 通産省としては、製造物責任法の成立を機といたしまして、現在国の出先機関の一つであります通商産業検査所の機構見直し、現在二十二ございますこの機関のうち、平成七年度には十一カ所に統合するといった組織改革案を既に積極的に提出し、取り組んでおるところであります。
○須藤委員 実は、この行革に関しては、先ほど来から質問をしたい担当大臣の総務庁長官にぜひ伺いたいわけです。 それは、さきの質問でも出ておりましたように、武村大蔵大臣はさきがけの党首としてこれまで具体的な行革に関する提言を党内でくれております。当然、議員の皆さんが実態に基づいてこの行革を遂行するためにはどうしたらいいかという、恐らく政府部内で上がってくるような数字ではなく、国民から見てどのような行革をしたらよいかというような観点からの行革の案であろうと思います。しかし、現実に、政府の中に入ってこれを行おうとすると、どうもそれができない構造になっているらしいということは、外から見るとよく見えるものであります。 旧連立政権のときに、先ほどお話ししましたように、税制改革協議会の中で行った議論は、まさに議員一人一人がこの行革の問題というものをどのようにとらえ、どのようにしたら実行できるかという観点から考え、まとめ上げたものであります。 現在、新聞等の記事を読んでみましても、各省庁においてそれぞれどのような項目をしたらよいかというようなことで、省庁の中での行革の項目が上がっているというようなことが報道に載っておりますが、この辺はどうなっておりますでしょうか。大蔵大臣、わかる範囲内でお答えをお願いします。
○武村国務大臣 先ほども北橋委員の御質問にお答えいたしましたが、今月の下旬に中間的な各省庁の特殊法人をめぐる考え方の報告をするということになっているところでございます。そういう意味では、各省庁それぞれこの問題に具体的に今取り組んでいるさなかだというふうに私は思います。 この国会でまだ具体的な成果といいますか、中身を申し上げることができないのを大変残念に思いますけれども、たびたび総理みずからが申し上げておりますように、やがて結果ははっきりするわけであります。遅くとも来年二月、三月にははっきりするわけでございますから、もう余り余裕のないタイムスケジュールの中でどう具体的な成果を上げていくか、各省それぞれ真剣に努力をしていることを御理解をいただきたいと思うところでございます。
○須藤委員 各省庁が来月の二十五日まで所管の法人の見直し等、これは特殊法人になろうかと思います。それから、来年の二月十日までに結果を最終報告する、最終案を来年の三月に閣議決定をするというような事務手続で進んでいるかと思います。この各省庁における、例えば特殊法人の合理化ですが、これは各省庁の担当大臣が行っているのか、それとも省庁内部のいわゆる事務の積み上げとして出てきているのか、この点に関してはいかがでしょうか。
○武村国務大臣 事務的に当然先行して検討をしているところが多いと思いますが、終始この問題は大臣がリーダーシップを発揮をしなければいけない、そういう問題であるというふうに思っております。
○須藤委員 もしそのようなことであるとすると、実はこの行革は、恐らく現政府においてほとんどすべて片がついてしまうということに私はなろうかと思います。これまでの行革の対応というものは、どうしても最後は官僚の厚い壁、そしてその官僚と関係のあるいわゆる構造的な政治、そういったもので前へ進むのが全くできないということの繰り返しか今日の姿ではないでしょうか。毎回毎回同じことを繰り返しているにもかかわらず、一向に前に進まない。というのであれば、これは今出ている税制改革そのものに対して、私は条件がクリアされるということにはならないかと思います。 きょうここにお集まりの各大臣、先ほど私は何名かの方にその姿勢をお伺いいたしました。国民がこの行革に望んでいることは、恐らく現段階ではもう理屈やそういったものではなく、どれだけの実行度を上げてくれるかということであろうと思います。その点について、私は大蔵大臣にもう一度お伺いいたしますが、この行革を何が何でも実行していくというそういった姿勢というもの、どうお考えか、お伺いします。
○武村国務大臣 私は、政府を代表してこのことについて物を申し上げる立場ではありません。しかし、大蔵省は財政の責任を負っておりますし、ひときわ財政改革ということの大事さを認識をいたしておりますだけに、行革にも真剣に目を向けていかなければいけないと思っている次第でございます。 過去も、特殊法人を例にとりましても、まあかなりの数といいますか、あるいは一定の数は整理をされてきているわけであります。ですから、例えば蚕糸と砂糖が一つの事業団になっているというのも、数を減らそうという当時の努力の結果、どういう関係があるんだろうと思う分野でありますけれども、二つを一つに減らすという目的でこうした事業団ができたのかなと今想像できる、そういう結果もあるわけでありますし、大きい意味では、あの国鉄を分割・民営化したというのは大変な大改革であったと思います。 そういう幾つかの成果も上げていることも私ども認識をしながら、やろうと思えばやれるんだと。容易にすべての課題をやり遂げみことは、これはできません。しかし、それなりの決意で臨めばそれなりの成果を上げることができるんだという気持ちで、私としてはこの問題に対応くしていただきたいと思っている次第でございます。
○須藤委員 では、この問題は、総務庁長官がお見えになっておりませんので、一時保留いたしまして、次に移ります。 今回のこの税制改革におきまして、福祉社会の財源をどうしていくかということが大きな問題であろうかと思います。この税制改革案は、与党内において福祉政策を充実するという条件をつけることによってようやく決着したという経緯があろうかと思います。消費税の引き上げ時に年金生活者らに一律一万円、寝たきり老人らに一律三万円の一時金を支給すること、老人介護対策などの福祉予算として平成七、八年度に総額三千億円を計上するということになっておりますが、福祉行政についての抜本的な見直しというものは当然行わなければなりません。 先ほど来から新ゴールドプラン等についてるる質問がありましたが、このいわゆる年金生活者らに対するこういった一時支給、これはばらまき福祉というようなことが言われておりますが、どのようにお考えですか、お伺いします。
○武村国務大臣 これは、税制改革をまとめるときに、同時に政府・与党として合意をした項目の一つでございます。決してはらまきではありません。これは、平成九年度消費税率を上げさしていただくとき、この年度に限って特定の、特に気の毒な方々を対象に絞りまして、一万円の特別給付を行うということであります。 なぜなのかといいますと、こういう老齢年金あるい一は児童扶養手当等々お受けいただいている方々の支給額は、どうしても物価スライドで一年ずれることになります。前年の物価スライドで翌年変えるということになっていますために、前年消費税二%アップの影響はその年度の年金支給額ではカバーできていないわけでございます。その特殊な状況を見て、六年前の税制改革でもそういった措置がとられた。これはもうばらまきどころか大変温かい、きめの細かい福祉の政策だと私は思っておりますが、その政策を今回もとらしていただこうと。 ですから、対象の方々は、老齢福祉年金の受給者であるとか児童扶養手当の対象者であるとか、原爆手帳をお持ちの方であるとかあるいは生活保護の方あるいは老人福祉施設に入っておられる方、そういう方々に限定をいたしているところでございます。さらにそれに加えて、寝たきりのお年寄りに対しては三万円という額を特別給付さしていただくということで約五百億近い財源を考えていこう、これは三年後の予算案の話でございますから今措置する話ではありませんが、三年後の平成九年度当初予算ではそういう予算を盛り込んでいこうということを合意をいたしたところであります。
○須藤委員 では、今後の福祉の充実に関して、その充当する財源というもの、平成六年度、七年度は五千億円を何とか捻出するということで御答弁がありましたが、今後、その後についてどのような形で捻出しようと考えているか、当然、国民負担率をどこの線で抑えていくのかを含めて御説明願います。
○武村国務大臣 先ほど北橋委員の御質問にもお答えをいたしましたが、五千億は、御承知のように一千億は物価スライドでございますから、四千億をホームヘルパーの充実あるいは特別養護老人ホーム施設の充実、そしてゼロ歳児から三歳児までの保育の充実というふうなところに重点を置きながら配慮をくしていただこうという考えでございます。 しかし、厚生大臣がおっしゃっておりますように、これは新ゴールドプランの足がかりだという表現にありますように、新ゴールドプランでさえそのすべてをカバーするに足りません。ましてや、年金、医療、先般年金法の改正で野党の皆さんからも二分の一にすべきだという御主張がございましたが、そういう巨大な財源を賄う金額はどこにもありません。そういう問題については、まさに見直し条項の中で将来の福祉ビジョンに基づく財政需要というところで真剣にこれから詰めていこうという考え方でございます。
○須藤委員 今総務庁長官がお見えになりました。 実は、先ほど来、今回の税制改革に伴う前提条件として、行政改革をどのように進めていくかということについて質問さしていただいております。担当の大臣として、まず行政改革に関してどのような考え方で臨んでいるか、お伺いします。
○山口国務大臣 お答えいたします。 参議院の内閣委員会で行政改革委員会設置法案の審議をいたしておりましたので、そちらにずっと出席をしておりまして、御要請がございましたので、ただいま委員会採決が終わりましたので駆けつけた次第でございます。 行政改革につきましては、これはもう政府として着実に絶えず実行しなきゃならない課題であるというふうに認識をいたしております。特に村山内閣におきましては、村山総理が村山内閣として行政改革は最大の政治課題である、このように御発言しておられるわけでございますので、より一層この内閣の重大な課題として進めなきゃならぬ。 そして担当大臣といたしましては、総理の指示を十分踏まえまして、具体的に言えば、一つは規制緩和、そして地方分権、さらには情報公開、そして各省庁の簡素化の問題等々の問題に私ども真剣に取り組んでいかなきゃならぬ。また、これにつきましては、総理大臣を本部長とする行政改革推進本部を設置をいたしまして、ただいま申し上げた課題を着実に進めるということで努力をいたしている次第でございます。
○須藤委員 御答弁としては大変すばらしい答弁ということになろうかと思います。 先ほども話をしていたのですが、旧連立におきまして税制改革協議会の中でこの行政改革、それは地方行革も含め、そして地方分権もその中に含めて議論をしてまいりました。その中で、私は実際に一委員として会議の中で実感しましたことは、行政改革を断行するにはまず政治家自身がイニシアチブをとって進めていかなければならない。各省庁にはそれぞれのそれなりの理由があろうと思います。しかし、国民サイドから見た場合はどのような行政改革をしなければならないか、こういう視点に立つと、政治家がまずここでリーダーシップをとらなければいけないということを痛感いたしております。 具体的などこをどうしていくという議論を進めていくと、なかなかこれが前へ進んでいかない。省庁の方がオブザーバー、傍聴として会議に参加をしております。私たちが案を考え、これをどうするというようなことになりますと、一つ一つ説明するという形で私たちが発言する内容に関してどうしてもストップがかかる、これが毎日のように続きました。こういったことで果たして行革ができるのかと。当然私たちは、声は声として聞くけれども、政治家として何をどうするかということに関しては断固として前へ進めてきたつもりです。 その中で、例えば山口長官は社会党でありますが、社会党の方々はイメージとしてどうも行革に前向きではないのかなという感じを得ました。それは、社会党の組織であります、組織といいますか支えてあります組合の方々だとか、あるいは官公労の方々とか、そういった方々との関係がこれはあるのかなと。たとえそういう関係があろうとも、もし政治家が今行革を進めなければいけないということを真に思うなら、私は、そういう関係を断固としてはねのけて前へ進めることが必要じゃないか、このように実感をしておりました。今、総務庁長官の立場になられて、そして社会党の議員という立場でもあって、これをどう考えられるか、お伺いしたいと思います。
○山口国務大臣 お答えいたします。 私が総務庁長官に就任いたしましたのは六月三十日でございました。翌日、七月一日がたまたま総務庁ができましてちょうど満十周年、その記念式典と記念のパーティーがございました。そこで私はあいさつとして申し上げたんでありますが、かつて鈴木内閣時代、第二臨調ができまして答申が出ました。それに基づきまして行革法案というのが国会に提案され、それを審議するための行革特別委員会ができたのであります。そのとき私は、社会党の筆頭理事としてその審議に参加をいたしました。 そのとき私どもは、第二臨調の答申は補助金のカットを中心とする案であって、生活保護の補助金まで削るという極めて弱者いじめの内容ではないのか、そうではなくて、行政改革は地方分権あるいは高級官僚の天下り先になっていると言われる公社公団等特殊法人の整理合理化の問題、これらの問題に取り組むべきではないのかと。したがいまして、今回政府が出されたこの案については反対である。慎重審議を要求いたしまして、百時間を超える審議時間を確保いたしまして、我々の考え方を率直に申し上げた次第であります。 しかし、今回私、総務庁長官に就任いたしましたときには、この行政改革の主要なテーマは、私どもがやるべきであると主張した地方分権であり、特殊法人の整理合理化、そして規制緩和等が主題になっているわけでありまして、そういう意味では、私はかつての主張を実現するためにも全力を挙げて取り組みたい、こういうあいさつをいたしました。 また、昨年の総選挙の際に私は、選挙公報でもあるいはテレビの政見放送でも申したのでありますが、結局我が国の制度は余りにも中央集権的過ぎる。したがって、この一万一千件に上る許認可権限あるいは莫大な補助金等々があって、これでやはり、それを都合よく運用しようというようなところに政界、財界、官界の癒着の構造というものがあるのじゃないか。したがって、清潔な政治を実現するのには、選挙法を改正することももとより必要だと思うが、同時に、今言った政官財の癒着の構造を断ち切るために、地方分権そして規制緩和、これらの問題に真剣に取り組みたいということを私は公約をいたしました。 したがいまして、かつて主張をいたしました主張、それから昨年の選挙の際の、いわば国民の皆さん方に公約をいたしました公約、これを実行するという上で、今総務庁長官としてやるべき仕事に対して何ら違和感は感じておりません。
○須藤委員 今のお言葉をそのとおりとすると、行革はすべて実行に移されるというふうに解釈できますが、例えば、先ほど、前の質問で特殊法人の整理合理化の話がありました。今長官からも、特殊法人の整理合理化に関しては必ずやるという趣旨の発言がされましたけれども、さきがけでつくられました試案、党の試案ですね、こういったものの中がかなり細かく、廃止すべきものあるいは統合すべきもの、民間に移管すべきもの、こういったものが詳しく調査をされ、そして計画が練られております。長官としてはこれをどうとらえられますか、お伺いします。
○山口国務大臣 お答えいたします。 御指摘になりましたさきがけの特殊法人に対する整理合理化案は、さきがけとしての御努力をいただいた結果の案であるというふうに承知をいたしております。ただ、この村山内閣といたしましては、まずやはり自民党、社会党、さきがけ、連立与党三党による考え方と申しますか、これに沿って進めるべきものと考えておる次第でございます。 与党三党では行政改革プロジェクトチームをつくりまして、鋭意この特殊法人の問題あるいは規制緩和の問題、そして地方分権の問題等々に真剣に取り組んでおられます。その結果、かつての、前内閣における案では、特殊法人の整理合理化は二年以内に結論を出そうということだったのでありますが、さきがけの積極的な御提起もございまして、与党三党で話し合いをいたしました結果、年度内にこの特殊法人の見直しは行おうではないかということにいたした次第であります。 委員も御存じだと思いますが、昭和六十三年以来、現在の九十二という特殊法人の数は変わりがございません。その間、この整理合理化の御主張はいろいろあったのだろうと思うのですが、なかなかそれが実行に移されなかったということは、それだけ特殊法人の整理合理化の問題は数々のやはり難しい課題があるということの証拠ではないかと思っております。しかし、村山内閣としては、先ほど申し上げた決意でもございますので、十一月末には各省庁がこの見直しの経過について総務庁に報告をいただく、そうして二月の十日には各省庁として結論を総務庁に報告をいただく。各省庁任せではいかぬことは当然でありますから、官房長官と仏とが中心になりまして、各方面の皆さん方の御意見を十分承りまして、政府としての考え方も着実に固め、そうして年度内には、この特殊法人の問題に関して、具体的に特殊法人名を挙げてどうするという結論を出すということで進めている次第でございます。
○須藤委員 三党による合意といいますか、協議があるということなんですが、それは、三党による考え方あるいは認識の違いといいますか、この特殊法人の合理化に関してはそういう違いがあるということでしょうか。
○山口国務大臣 お答えいたします。 それぞれ三党とも歴史もございましょうし、今日までの政策を論議してきた経過もあろうと思います。ですから、三党の意見がすぐ一致するというのは期待する方がなかなか無理ではないかと思います。ですから、三党ともプロジェクトチームをつくりまして真剣に今御議論をいただいているということでございまして、そういった結果によりまして、先ほど申し上げたように、前倒しをして年度内に見直しはやろうという大方針を決め、それに沿って与党としても、特殊法人の具体名について今後どのようにするかという御議論も進めていくだろうと思います。 私たちはそういった与党内の議論も踏まえ、先ほど政府としての取り組むスケジュールは申し上げました。一体となって進めると同時に、特殊法人の問題はなかなか難しい問題であることは委員も御理解いただけると思います。したがいまして、先日の当委員会で御提起がございましたように、津島委員から御提起もありましたが、この特殊法人の整理合理化の問題やあるいは行政改革の問題は、与党と野党とが話し合いで十年計画ぐらいのものをつくって真剣に取り組んだらどうか、こういう御提起もございました。そういう意味では、野党の皆さん方の御協力もいただく中で、困難な課題でありますが、この特殊法人の整理合理化、内閣として全力を挙げて取り組むという決意であります。
○須藤委員 今お言葉の中に、三党に関してはそれぞれこれまでの経緯、考え方があるから、そういうことをいきなり期待してもちょっと無理じゃないかというような趣旨の御発言があったかと思いますが、私は、この行政改革というものは、一番最初に申し上げておりますように、政治家がどういう姿勢で臨むかということ、時の政府がどういう姿勢で臨むかということが一番重要ではないかというふうにお話をしました。そして、担当大臣でいらっしゃいます総務庁長官がまさに大なたを振るう立場にあって、どういう立場でこの行革に切り込んでいくかということ自体、これが行革を推進する一つの大きな力だろうと私は思います。与野党がそれぞれの立場で協力するのは、これは当たり前のこと。与党がやらずしてどうして野党がやるというような発言が出てくるのでしょうか。 私は、今長官がどのような姿勢でこの行革に取り組むかということを実は関心を持って答弁をお聞きしていました。今この内閣で、時限を切って、個々の特殊法人であれば名称を挙げ、いつまでにその対応策を練るということが述べられましたが、もしそれが実行までいかなかった場合どのようにくれるか、その心づもりをお伺いしたいと思います。
○山口国務大臣 お答えいたします。 村山内閣としては、行政改革は最大の政治課題だという認識でございまして、また、先ほど申し上げたようなスケジュールに沿って、各閣僚の皆さん方には真剣に取り組んでいただいております。与党としても真剣に取り組んでおりますことは、先ほどお答えしたとおりであります。したがって、私どもは、できないなどということを考えるのではなくて、いかにこれをなし遂げるかということに全力を挙げているということで御理解を賜りたいと存じます。
○須藤委員 どうも説明を聞いているというような感じがして仕方がないのであります。 続いて、今回の税制改革の中で、地方消費税のことについて若干お伺いいたします。 この地方消費税は、都道府県がその徴収取扱費を支払うということになっております。事務については国税の徴収と同じ形で行われますが、費用は自治体から徴収をするということになっております。これは、その取扱費を支払うこと、県が支払うようになっておりますが、地方団体の財政自体を考えたとき、この支払いというものをどう考えていらっしゃるか、お伺いしたいと思います。
○野中国務大臣 今委員御指摘のように、今回の地方消費税は、納税者の事務負担等を考慮いたしまして、国税にお願いをすることにいたしたわけでございます。これの徴収についての手数料について、委員は地方財政の実情からまあ支払わなくてもいいんじゃないかという旨のお話がございましたが、国・地方の財政秩序から考えまして、当然地方税であります以上、いわゆる地方消費税であります以上、国にその賦課徴収について事務を委託する場合は、当然国にこれを支払うべきであると認識をいたしております。
○須藤委員 では続いて、地方消費税の一%の二分の一を県に、そして残りの二分の一を各市町村に支払うという形になりますが、この市町村に分配される二分の一の中身についてですが、その各自治体における直近の恐らく国勢調査、こういった数字、人口、それと事業所における従業者数、この案分で譲与されるということになっているかと思います。 これは、例えば地域によっては、あるいはその各自治体によっては、特に大都市圏におきます近隣市町村、ベッドタウン化しているところにあっては、かなりの多くの人が、いわゆる住宅地という状況の中で、市町村の自治体にとってみますと、この従業者の案分ということはかなり不利といいますか、数字が小さくなってしまうのではないかと思われますが、この点に関してはどうお考えになっているか、お伺いします。
○野中国務大臣 市町村の消費の額を直接把握できますのは、統計指標が現在ないわけでございますから、これにかわる指標といたしまして、人口と従業員数を用いることとしたわけでございます。これによりまして、いわゆる昼間人口というものが現にあるわけでございますので、こういう昼間人口を含めたおのおのの地域の消費の状態を的確に把握することによって、配分基準というのはより適切なものになるというように私どもは認識をしておるわけでございます。
○須藤委員 時間が参りましたので、一応このことにつきましては、地方消費税を設定するということで、当然地方分権とのかかわり、それから地方財政とのかかわり、こういった観点からこの案分の仕方そのものが果たしていいのか、そして、都道府県二分の一、市町村が二分の一というこの配分率がそれでよいのかどうかということが私は検討する項目ではなかろうかと思います。 本日は、その他各大臣に出席の要求をしておりましたが、質問がそこまで至らなかったことで、出席されている大臣には御迷惑をかけましたのでおわびいたします。これで私の質問を終わります。
○高鳥委員長 これにて須藤君の質疑は終了いたしました。 次に、山名靖英君の質疑に入ります。山名君。
○山名委員 改革の山名靖英でございます。かなり細かい問題も含めまして関係大臣に御質問をさしていただきたいと思います。 まず、今回の税制改革法案の問題でございますが、この特別委員会での今までの論議を聞いておりまして、確かに税というのはある面での困難性を伴いますし、納税者の側からいえば税金ほど嫌な存在はないわけでございますし、その中で、当然国として、また、地方として行政運営をやっていかなければならない。まして、二十一世紀の超高齢化社会への対応なり、いろいろな財政需要の増大、こういう点から考えても、応分の負担をお願いするということは私は当然ではないかと思います。 ただ、税の原則というのは、その税が公平であり、また、簡素であり、そして申立てあるという、やはりこういった存在でなければならない、これが原則でございます。今回の政府提案の税制改革案を見た場合、果たしてそういった税の本来持つべき原則に沿った配慮がなされているかどうか、極めて大事なことではないかと思います。 私たち連立与党の際も、この税制改革については大変論議を長時間にわたってしてまいりました。私もまた、地元の有権者の皆さんとの対話を通じてこの税制改革の問題も訴えてきたわけでございますが、しょせんは皆さんの気持ちというのは、国自体が、行政がしっかりとぜい肉を切り捨てる、行政改革をしっかりやっていただく、むだ遣いを排する、そしてまた、現行の消費税の持つ多くの矛盾というもの、逆進性初め多くの矛盾というものをどれだけ解消していただくか、そのことによって、将来の年をとった自分の姿を見るときに一定の応分の負担もやむを得ない、こういう理解者の多いのに私自身も意を強くしたことは事実でございます。 ともかく、今回のこの法案に盛り込まれた内容の中に、どのような、そういった税の原則を踏まえた特色を持ち、そして自信を持って国民の皆さんにお願いをする、そういう内容になっているかどうか、このことについて、まず大蔵大臣にお伺いをいたしたいと思います。
○武村国務大臣 今回の税制改革の基本の一つは、何といいましても所得税の減税であります。いわゆる働き盛りである中堅層の方々の重い税負担を軽減をさしていただく、このことに基本を置いております。 もう一点は、社会の構成員全体が幅広く負担を分かち合うといいますか、そういう考え方に立って消費税の二%充実を提案をいたしているところでございます。あわせて、従来の中小事業者に対する措置についても、今おっしゃった、公平、簡素、中立という原則にものっとりながら、精いっぱい見直しをくしていただいたということであります。 もう一つは、景気対策として減税という課題が、今回の税制改革には大きな柱として立っております。五・五兆円という今年度実施をしております減税を向こう三年間原則として実施をする、そして景気に対する内需振興の大きなてことしてこの政策を発動していこうという考え方でございまして、このことがやや全体の姿をわかりにくくしている面はあります。二階建てにしたのもそこです。三・五兆円の所得税減税でいいところにプラス二兆円の特別減税を来年もやるということになりましたから、その結果二階建てというふうなことになったということも含め、つなぎ国債、あるいはそれに対する財源措置というふうなことも含めて、減税政策という一つの大きな柱が立っているというのが三番目の特徴だ。 以上、そんなふうに私どもは思っております。
○山名委員 今も大蔵大臣がおっしゃいましたように、庶民感情からしますと、今の改革案というのはわかりづらいんですね。やはり簡素化であり、本当に庶民の気持ちの上に立った公平感というのが今回の改革の中にあらわれているかといえば、余りそれは感じられない。そういう意味では、この改革案が有権者の皆さん、国民一人一人の皆さんにとって本当に納得していただけるものかどうか、甚だ私は疑問だと思います。自信はおありですか。
○武村国務大臣 素直に全体像を御理解いただければ、国民の皆さんの御理解は深まるというふうに私は思っております。
○山名委員 後ほども触れくしていただきますが、やはり行政改革の姿は見えてこない、あるいは将来の福祉ビジョンに対する施策も見えてこない、まして益税、逆進性を含むこういった消費税の持つ現行の矛盾点という、この解消にもまだまだほど遠い。こういった実情で、私は、国民の皆さんはなかなか今回の内容については理解できないし、納得できないんじゃないか、こういうふうに思います。 先ほど大蔵大臣は、今回の改正案の中身は働き盛りの中堅所得層に配慮した、かつてこの委員会でも総理は、今考え得る最善の内容である、こういった意味の発言をされました。大蔵大臣が考えられる中堅層というのは、どの層を指すんでしょう。
○武村国務大臣 現在の所得税を前提にしながら申し上げているつもりでございます。そうしますと、五段階の累進税率になっておりますが、最低一〇%から始まりますから、次いで二〇%、三○%、こういうふうに税率が上がってまいりますが、今回重点を置きましたのは、この二〇%のところであります。二〇%の幅をかなり思い切って拡大をさしていただいた。 従来、これは標準家庭の場合ですが、七百万から一千万ちょっとまでの層でありましたのを、七百七十何万かから約千三百五十万のところまでぐんと拡大をさしていただきましたことが示しておりますように、かなりここのブラケットを拡大することによって、結果としてはほとんどのサラリーマン、正確には九〇%を超す所得税を納めていただくサラリーマンが生涯二〇%以下で済むという状況にすることができたというふうに思っているわけでありまして、そのことを指して中堅所得層の累増感を軽減さしていただくというふうに申し上げているところでございます。
○山名委員 二〇%のブラケット部分を広げるというそのことによって、一千二、三百万までの層についての累増感というのを解消しよう、こういうことですね。 大蔵省が試算をされたペーパーを見ますと、年収四百万円のサラリーマンの所得税あるいは住民税の負担は年九万二千二百五十円。ところが、これが八百万の年収になりますと、税負担が、四百万と比べれば、今は八・五倍であるわけですが、それが十・六倍となる。それから、一千万という年収になりますと、今は四百万と比べれば十四・四倍であるが、それが二十・一倍。年収が一千二百万、このクラスになりますと、現行二十三・二倍が三十・八倍、こういうふうに負担が広がるという試算が出されております。間違いありませんか。
○小川(是)政府委員 ただいまの、年収四百万円のクラスが九万二千二百五十円から、改正案によりますと、制度減税ですと六万五千五百円ということになります。それから、八百万円、一千万円、一千二百万円の数字は、それぞれおっしゃるとおりの軽減の状況でございます。 したがいまして、四百万円と八百万円の方、あるいは四百万円と一千万円の方の負担する税額の倍率を比較いたしますと、ただいま委員が御指摘になったような形になるわけでございます。
○山名委員 今回の改正案が低所得者の減税を優先させた、これは私はこれで大変結構なことだと思います。しかし、一方で、そういった累増感は別に解消されるということではなくて、逆にそういうふうに負担増が広がるということになれば、大臣のおっしゃる垂直的公平に欠けるのではないか、こういう気がするわけですね。その点、どうでしょうか。
○武村国務大臣 山名委員は四百万を例に挙げてお話をいただいたわけであります。課税最低限が今回は三百五十三万台ですか、課税最低限に近い四百万という層を前提にお話をいただきました。これは、三百五十万以下はもうゼロでございますよね。で、税額が非常に少ない、一番少ない層ですね。そこからごらんいただいて倍率を計算されると、確かにおっしゃるような数字になるのは事実でございますが、今回の改革も含めて、我が国の所得税の所得階層別の状況というのは、やはり累進税率という制度をそれでも貫いております限りは、四百万とおっしゃるいわゆる低い層の方々にとっては税金は非常に少ないということは事実でございますし、数年前の税制改革と今回の改革を重ねて見てみますときに、むしろこの層の緩和率といいますか、減税率が非常に高い、七〇%をたしか超えるというふうな率でこの二回の抜本税制改革によって減税が実現されているということも含めて、その低さというところにひとつ目を向けていただくと、大体この倍率の問題は御理解いただけるんではないかと思います。
○山名委員 次に、この委員会でもたびたび大臣も総理もおっしゃっております、いわゆる所得、消費、資産のバランスある課税、これは私もそのとおりだと思っておりますが、今回の改革案を見る限り、資産についての改革案は盛り込まれておりません。そういう点では、所得、消費、資産のバランスある課税、こういうふうにはなり得ないのでありまして、抜本的な税制改革とは言いがたい。今後見直しの時期を含めてこういったことも検討されるでしょうけれども、地価税あるいは有価証券取引税等々の見直しについて今後どのように取り組みをくれるのか、お伺いをしたいと思います。
○武村国務大臣 資産の中で、相続税についてはことしの改革で実現を見ているところでございます。今回の改革には、確かに資産関係の税目は入っておりません。 今お尋ねの地価税につきましては、もう再三お答えをしてまいりましたが、固定資産評価との関連で見直しはやらしていただく。しかし、一部に地価税廃止論もおっしゃる方もありますが、この制度ができた経緯を振り返りながら、決してバブル対策として地価税が誕生したわけではない、むしろ土地基本法の四つの原則を踏まえてこの新しい税制が生まれたことを想起いたしますときに、やはりこれは、見直すところは見直しをしながらも定着を図っていきたいというのが私どもの考えでございます。 有価証券取引税につきましては、最近、金融・資本市場の空洞化ということが言われる中で、そういった廃止の声が出ていることを承知はいたしておりますが、これも五千億前後の大きな財源になっているわけでありまして、そういう財政の面から考えても、廃止というのは容易なことではありません。そしてまた、有価証券の譲渡益課税とか、全体の中でこの有取税そのものは見ていく必要があると思っておりまして、直ちにこれを廃止するという議論に私どもは同調するわけにはいかないという考え方でございます。
○山名委員 この資産課税の問題につきましても、今後の課題として、廃止を含めた形の見直しをぜひお願いをしたいと要望しておきます。 今回の税制改革のフレームを見ますと、消費税率の引き上げによる政府負担の消費税増加分というのがございますね。〇・七兆円。〇・七兆円程度負担が増加をするわけでありますが、一方で、このうちの〇・四兆円につきましては、「公債発行により得るもの」、こういうふうになっておりますが、この「公債発行により得るもの」というのは何を意味するんでしょう。
○伏屋政府委員 お答え申し上げます。 今御質問の消費税負担の増加分の話でございますが、これは、政府支出にも消費税はかかるわけでございまして、したがって、消費税の引き上げに際しまして政府における消費税負担が増加するわけでございます。その増加のうち、いわゆる公債発行対象経費、投資的経費でございますが、にかかる部分につきましては、現在の厳しい財政状況でございますので、そのかなりの部分につきまして建設公債で賄わざるを得ないという考え方のもとで、全体のフレームの中に含んでおるわけでございます。
○山名委員 公債で賄うといっても、いずれ将来は政府や地方自治体の負担になるわけでありまして、最終的には税によって賄うというふうに思います。そうであったら、これを増収要因として考えるのはおかしいんじゃないか、単純に私はそう思いますが、いかがですか。
○伏屋政府委員 お答え申し上げます。 いわば増減収全体の中で、いわゆる増収ということよりも、むしろその増加分を公債発行によっていわば財源を賄うという趣旨でございます。
○山名委員 余りよくわからないのですが、この〇・四兆円というのは、一方で、今回のフレームにおいてはいわゆる社会福祉に充てられるべき財源、こうなっております。公債発行による〇・四兆円をこのフレームに計上した。むしろ、しなければ社会福祉の○・四兆円、これが生み出せなかったんじゃないか、したがって、そういう意味ではかなり数字合わせ的にこの〇・四兆円というのを、公債発行によって得るものというような形で計上をされたのではないか、こういうふうに思いますが、いかがですか。
○武村国務大臣 そんなつもりはございません。たまたま〇・四兆円といいますか、四千億という数字が出と入りで挙がっておりますためにそういうふうに御理解をいただくのかもしれませんが、決してそんなものではありません。 今申し上げたように、従来も恐らく、公共事業で建設国債の充当されるものは全体の経費が予算に計上されてきておりますから、そういう意味では、支払うべき消費税の額もごく自然な形で建設国債の対象になっていたんではないか。そのことをきちっと数字で表現して、今回四千億円という形でこのフレームの中に挙げさせていただいたということであります。そう御理解を賜りたいと存じます。
○山名委員 数字的に合致するからそうだというんじゃなくて、当初のフレームからそういったものはなかったわけで、何となく今回、社会福祉にもそれだけの財源をつけなければ理解いただけない、最終的にそういった形の手法をとって数字合わせをしたんではないか、こういうふうに私は見ておるところでございまして、それはそれで結構でございます。 次に、地方分権についてお伺いをいたします。 この問題についてはず一、と出ておりますが、地方制度調査会が過去五回にわたって、答申を何回も出しておるわけですが、一向にこの問題については進展しない。いつも各省庁の強い抵抗に遭って棚上げされておるわけでございます。 現在、この地方分権の基本的な考え方あるいは国と地方の役割などについて、むしろ地方自治体が積極的に乗り出しております。今、全国四十都道府県において研究会あるいはプロジェクトチームをつくりまして、やる気満々で地方自治体は取り組んでいるわけでございまして、こういった地方のやる気の中で、今後この地方分権の推進を目指してどのような取り組みをされていくのか、そのスケジュール、めどについてお聞かせをいただきたい。
○山口国務大臣 お答えいたします。 御指摘のように、地方制度調査会が鋭意議論をいたしまして、中間報告をいただきました。また、年内には答申もいただけるのではないかと思っておりますが、同時に、地方六団体におきましても機関を設置をいたしまして、専門的立場から地方分権のあり方について議論をいたしまして、地方自治法に基づく意見書として政府の方にお出しをいただいているということは承知をいたしております。 政府といたしましては、総理大臣を本部長とする行革推進本部の中に地方分権部会、これを設置をいたしまして、過般の地方分権部会では、鈴木知事会会長から地方六団体の意見も承りました。また、地方制度調査会の宇野会長から中間報告について御説明をいただいた次第でございます。 地方分権部会といたしましては、専門的立場からの議論も積み重ねまして、年内には分権大綱について御提起をいただけることになっております。これを受けまして、政府といたしましては、各省庁間の調整を進めまして、できるだけ政府内部の調整を進め、また与党の皆さん方との意見調整も行いまして、地方分権に関する基本法を何としても来るべき通常会に御提起申し上げたい、こういう熱意を村山総理が示しておられますので、私どもとしては、その総理の意向に沿いまして鋭意作業を進めている、これが現状でございます。
○山名委員 ひとつがっちりと取り組みをお願いしたいと思いますが、観点を変えまして、私は、この地方分権の推進にとって極めて重要なポイントはいわゆる財源問題だ、こう思っております。 権限を移譲といいますか、分権、権限を分け与える、こういうことじゃなくて、もともと私は地方にある権限を取り戻すというふうには思っておりますが、ともかくそれはそれとしまして、この財源問題をやはり同時に考えていかずして、この地方分権の推進というのはまさに絵にかいたもちになってしまう、砂の上にかいた城になってしまうのではないか、こういうふうに思います。したがって、この分権と財源問題、ひとつこのことについての考え方について、まず自治大臣から。
○野中国務大臣 委員御指摘のように、地方分権の推進に当たりましては、地方税財源の充実が欠かせないことでございまして、地方における行財政改革の一層の推進を一方に持ちながら、他方、いわゆる地方の税財源の拡充を図って行財政基盤の充実強化を必要としておるわけでございます。また、今後、地方団体において深刻に訪れてくる高齢化対策等を初めとする地域の社会福祉や生活関連社会基盤の計画的整備のための経費が必要となってくるわけでございまして、安定的かつ伸長性のある税財源が付与されることが望ましいと考えておるわけでございます。 その一環として、今回、従来の消費課税の割合が少なかった地方税の体系に地方消費税の導入が図られたことは、一つの地方分権への大きな足がかりになったと思うわけでございます。また一方で、自主財源である地方税のほか、地方交付税等の一般財源の充実強化も分権のために必要でございますので、今後こうした観点から、さらに地方税の充実にあわせまして、地方交付税所要額の確保等地方一般財源の充実強化を図ってまいりたいと存じております。
○山名委員 今、大臣おっしゃいましたように、極めて速いスピードで地方では高齢化が進んでおります。この地方の高齢化を支える安定した地方税収の充実の必要性というのは、これは極めて高いわけでございます。ホームヘルパーの増員あるいは在宅福祉サービスの充実あるいは生活環境の整備、地域福祉のニーズというのはますます膨れ上がっておるわけでございまして、今その大部分を地方自治体が担っておる。 ところが一方、この国と地方の税源配分というのは極めてアンバランスではないかと思っております。今後こういった福祉の、高齢化の進展の中で、地方自治体にとって分権ということを進める上においてこの税源確保というのは極めて大事な観点でありますが、国と地方とのそういう税源配分の問題について、大蔵大臣はいかがお考えでしょうか。
○武村国務大臣 基本は、憲法の地方自治の本旨にのっとって地方財源の充実を進めなければいけないというふうに思います。自治大臣の今のお話について、全く同感であります。
○山名委員 国の税源の論議はかなり活発でありますが、地方のそういった事務負担に基づく大きな負担、また大きな時代の移り変わりといいますか、こういった中での地方の充実、こういったことを含めて、今後ともその財源問題については徹底的にやはり論議をしなければなりませんし、国を挙げてこの地方分権に取り組む、こういうことでございますから、あわせてその税源、財源問題についてもしっかりと取り組んでいただきますよう要望をさせていただきたいと思います。 次に、地方債の問題で若干お聞きをしたいと思います。 地方債というのは、地方団体が所要の経費を賄うべき財政収入の不足を補うために発行をするといいますか、資金借り入れの返済を負担する長期債務、こういうふうに言われておりますが、本来、他の財源と異なりまして、将来その償還のための財政負担を伴うわけでありますから、地方債を財源とすることについては、これは極めて慎重でなければならない。そういう意味では、地方財政法第五条にも「地方公共団体の歳出は、地方債以外の歳入をもって、その財源としなければならない。」と明確にうたっております。いわゆる非募債主義でございますが、ここ数年、この地方債に依存する傾向というのは極めて顕著になってきておる、こういう実態もあると思います。 先ほどからもお話が出ておりましたけれども、公債費負担率一五%で黄、二〇%で赤信号、こういうことでございますが、この地方債の今後各地方自治体が大きな負担となっていく、こういうことについては一定のやはり是正策も必要ではないか、こう思います。 そこで、この地方債について、今後分権の問題あるいは福祉の問題を含めて各地方自治体でどのような高まりを予想できるのか、この比率についてお聞かせをいただきたいと思います。
○野中国務大臣 詳細につきましてはまた政府委員から答弁をいたしますけれども、もう山名委員十二分に御承知のように、地方債は、少なくとも、例えば学校建設とかあるいは道路建設とか、現在そこに生きてそしてそれを使用しておる人だけが使うのでなく、長い歳月にわたって利用するものにつきましては、その何十年か先に、例えば学校に地方債を割り当てます場合はその二十年、三十年後にその地に住み、その時代に生きていく人にも応分の負担をしてもらうべきだ、そういう考え方で、いわゆる国における建設国債に匹敵するものとして地方債を発行をしておるわけでございます。 が、しかし、今回の個人住民税の減税によります減収につきましては、当面特別の特例地方債を充当することによって補てんをすることにいたしておるわけでございます。したがいまして、現在の減税補てん債の発行によりまして、一般的には若干地方公共団体の公債費率は上昇することが考えられます。しかし、この減税補てん債の償還財源につきましては、交付税特別会計における借入金の償還財源とあわせまして、後世代の負担に残さないように今回の税制改正の財源フレームの中で確保をすることといたした次第であります。
○山名委員 今回の税制改正のいわゆる住民税減税等の補てんのためにどれぐらい公債費が押し上げられるのか、ちょっと数値的に教えていただきたいと思います。
○遠藤政府委員 お答えを申し上げます。 今回の住民税減税によりまして、これを減税補てん債で賄うということになりますと、その元利償還が恐らく年大体三千億ぐらいになるのではなかろうかというように思われます。これを現在の一般財源ベース、大体六十兆円ぐらいでございますので、非常に大まかな前提で恐縮でございますが、そういう前提で計算しますれば、〇・四%か〇・五%ぐらい公債費負担比卒を引き上げることになろうかというように試算をされます。 ただし、これにつきましては、今後の一般財源が年間どういうように伸びていくか、そういったことも非常に大きな影響を与えますので、あくまでも大胆な試算ということで御理解いただけると幸いだと思っております。
○山名委員 今各地方自治体のいろいろな箱物を含めまして、地域のいろいろなニーズに従っていろいろな事業が進められておりますが、地方の単独事業もそういう意味ではウナギ登りに上がっておるわけでございますが、一方で、この地方債の発行につきましては債券市場では敬遠がちだ、こういうふうに聞いております。当然、地方自治体は発行規模が小さいわけでありますし、流通量というのが少ないわけですから、値決めというのが難しいというところに原因もあるようでございます。 例えばアメリカなんかは、州が債券発行機関を設置をいたしまして、その機関が州内の自治体の資金需要に応じて債券を発行する、こういうシステムをとっておるようでございます。ドイツでも、一部の民間金融機関が複数の自治体の資金需要をまとめて自治体債券を発行できるようにしておる。こういう諸外国の例もあるように、我が国でも地方債の共同発行という道をやはり開いた方がいいのではないか、こういうふうに思っております用地方財政法の中にも、共同でいわゆる事務組合という形で地方債を発行できるという規定もございます。また、地方債証券の共同発行もできるという規定もございます。 そういう点で、地方債の共同発行というシステム化についてお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○遠藤政府委員 お答えを申し上げます。 地方債の共同発行につきましては、現在、地方の公営企業の発行いたします地方債につきましては公営企業金融公庫において共同発行というような形をとっているわけでありますが、地方公共団体の一般の地方債についてそういうようなシステムがないということであります。 今委員の御提言につきましては、非常に魅力的な案でございますので、私ども十分な研究をしてまいりたいというように思っております。
○山名委員 では次に、行政改革についてお伺いをいたします。 自治大臣、大臣に就任直後、あなたは記者会見でこういう発表をくれておりますね。税制論議も、減税だから増税、あるいは福祉を向上させなければならないから消費税アップだというのは短絡過ぎる、まず第一に行政改革を大胆にやる、こういうふうにおっしゃっております。また、政界については結構思い切ったことを言う財界人や学者がなぜ大蔵省を聖域にするのか、銀行、証券、保険業界から公正取引委員会や捜査権を持った国税庁、税関まで管轄している巨大な役所が世界のどこに存在しますか、なくすべき官庁の第一は大蔵省だ、こういうふうに明言をされております。今もその考えは変わりございませんか。
○野中国務大臣 一人の政治家としてはそのように認識しております。
○山名委員 大蔵大臣、自治大臣の、改革すべき第一は大蔵省である、このように胸元に短刀を突きつけられたわけですが、いかがですか。
○武村国務大臣 大蔵省にも改革をすべき点は多々あると思っております。
○山名委員 私は、国の行革もさることながら、やはり地方の行革、これもまた極めて大事な観点だと思っております。 自治大臣もかなり思い切った発言を、一人の政治家という立場ですか、されておるようでございますが、大臣の発言というのは極めて重いわけでありますし、そういう点では国民に対する公約としてしっかりと閣議の中でも発言をしていただいて取り組みをお願いしたいと思いますが、この地方の行革について今後どのように進められていくのか。 先般、自治省は地方自治体に対して、その取り組むべき行革の指針というものを事務次官通達で出されておりますね。この内容、今回特に力を入れて従来とは違った指針として打ち出した、この中身は何でしょうか。
○野中国務大臣 委員御指摘のように、自治省におきましては、国の行政改革とあわせまして、地方分権の推進を図るためには地方みずからが行政改革を行うべきであるという地方公共団体間共通の認識といたしまして、先般、地方公共団体の行政改革推進のための指針を出した次第でございます。 一つには、地方公共団体のそれぞれの行政の組織、運営全般にわたる総点検を行いまして、地域の実情に応じて、改革、改善を要する事項について新たな行政改革大綱を自主的に策定をお願いをしたわけでございます。 また、それぞれ公共団体の庁内に行政改革推進本部を設置して全庁的な取り組みを図るとともに、住民の代表者から成る行政改革推進委員会をも設置をお願いをしたところでございます。 この行政改革大綱は、おおむね一年以内を目途にして策定をして、住民に公表をしていただきたいという旨もお願いをしておるわけでございます。また、行政改革大綱の推進状況につきましても公表をしていただきたいということもお願いをしておるわけでございます。 重点事項といたしましては、事務事業の見直し。一つには、行政の責任領域に留意した事務事業の整理合理化を行うこと。あるいは行政手続の制度の適正な運用と地方公共団体独自の規制の見直し。国が規制緩和をいたしましても、地方が条例をつくってまたそれによって規制が強化されてもならないわけでございますので、地方もまた独自の規制の見直しを申し上げておるわけでございます。また民間委託を推進すること。あるいは事務事業の広域的処理の推進。補助金の整理合理化。 次には、時代に即した組織、機構の見直し。社会経済情勢の変化に対応した組織、機構の見直し。公社等外郭団体の見直し等々。職員の定数状況の公表。あるいは職員の適正化の計画の策定。また給与の適正化。あるいは、効果的な行政運営と職員の能力開発の推進としていろいろな点を挙げておるわけでございます。 また、行政の情報化の推進による行政サービスを向上すること。また最近、特に高度情報通信技術の進展に対応した行政の情報化。また住民基本台帳の電算化等の促進によります行政サービスの向上。 また一方には、最近、会館、公共施設が随分できたわけでございますけれども、これの管理運営。特に、施設整備に当たって、その役割、機能、需要等の多面的な検討を行うこと。管理運営面の充実による施設の有効活用を進めること。管理委託の推進等による効果的な施設の運営。 各般にわたる項目を示しまして、それぞれ地方公共団体にその指針を示したところでございます。
○山名委員 極めて多岐にわたる指針の内容になっておるわけでございます。地方自治体については、そういうことで極めて効率的な運営のための行革指針というものが出されて、音を立てて流れている感じがいたします。やはり国もそういう点では、地方がそういうことで頑張っているのに、国が遅々として、各省庁間の主張ばかり言い合ってその抵抗の前に挫折をするということがあっては断じてならない、私はこのように思いますし、ぜひとも国・地方挙げてこの行革が進み、国民のニーズにこたえられるように推進方を心からお願いをする次第でございます。 地方の行革の推進の中で、職員の適正化を図るという一項目がございますが、私はこの際、分権の受け皿ということもさることながら、従来、国と地方自治体間のいわゆる縦の人事交流といいますか、職員派遣、こういったものがかなり主体でございました。これはできるだけやはり縮小すべきである。むしろ同レベルの市町間の職員交流、こういったところにインセンティブがあるんじゃないか、こういうふうな思いを持っておりますが、自治大臣、どうでしょう。
○野中国務大臣 お説のように、地方公共団体相互間の職員交流というのは非常にこれからの重要な課題だと存じております。 現在、いわゆる都道府県と市町村を中心にいたしまして、職員の派遣あるいは研修、交流が行われておるわけでございますが、今委員が御指摘になりました市町村間の交流というのも非常にこれから大切であろうと思うわけでございまして、私どもといたしましても、それぞれの地方公共団体において自主的な判断に基づいてこれが行われることを期待をしておるわけでございます。そういうことを通じて、他の地方公共団体を経験することによって、新たな貴重な人材が育成されていくと存じておる次第であります。
○山名委員 次に、地方消費税の問題についてお伺いをいたします。 この地方消費税の導入問題につきましては、我々も今日まで論議を重ねてきたところでございます。その中で、大蔵省の皆さんともいろいろと論議をしたわけでございますが、大蔵省側は、租税理論上問題がある、こういうことで極めて消極的な姿勢を貫いてこられました。 今回、地方消費税が導入をされるということにつきまして、従来からいわゆる租税理論上問題があるとされてきたその問題がどのようにクリアをされたのか、どのように解決を見て今回の導入に至ったのか、その点について明らかにしていただきたいと思います。大蔵大臣。
○小川(是)政府委員 この問題につきましては、いわゆる諸外国で行われております多段階型の付加価値税の類型として地方消費税を実施することについては、幾つかの基本的な問題があると考えました。 一つは、これは消費課税、どこの国でも付加価値税というのは最終的には消費者が負担する税でございます。そういたしますと、多段階型を都道府県が執行主体、課税権を持って実施するときに、各消費者が実質的に負担するような税になるであろうかという点が一つございました。この点につきましては、今回の地方消費税におきましては、各都道府県の消費に関連する指標によって、集められた税が都道府県に配賦される、帰属するという清算がなくれるということになったわけでございます。 もう一つは、同じように基本的な問題といたしまして、多段階課税でございますと、都道府県が主体であるならば、都道府県の間を取引が動く都度清算をする、各国間では国境税調整をやっているわけでございますが、それと同様の、県と県の間を動くときに県境税調整というものを考える必要があるのではないかというのが第二点でございます。この点につきましては、ただいま申し上げましたような清算、都道府県に一たん入った税を実質帰属するところに清算をするというシステムをつくる、これがいわばその県境、県と県の境で調整をするのに倣うものであるという考えで、この問題を一応クリアできているのではないかというふうに思っております。 いま一つの大きな問題といたしましては、やはり納税者にとってのコスト、あるいは執行面でのコストの問題もございました。この点については、税務署あるいは税関にその税の執行を委託するという形で納税者の事務負担の軽減等を図ることにいたしているわけでございます。また、市町村に対する税源配分の問題につきましては、税収の二分の一が都道府県から交付されるという形でこれにこたえるようにしているというところでございまして、私どもが税のあり方として幾つかの問題を自治省と御相談をいたしましたところにつきましては、一応御説明申し上げたような形で解決が図られたのではないかというふうに考えております。
○山名委員 今回の地方消費税は、従来の消費譲与税が廃止をされて新たに創設をされたわけでございますが、従来の消費譲与税と今回の地方消費税の仕組み、どこが違うのか。 消費譲与税というのは、電気税、ガス税あるいは木材引取税、こういった廃止に伴った代替税源的といいますか、譲与の基準につきましても原資である消費税の性格を踏まえたものを用いておりまして、地方税に近い性格を持っておるわけでございます。また、その配分についても、一定の国の関与というものは排除をされておりますし、いわゆる基準財政収入額への算入も地方税と同一扱いがされている。だから、一般財源としての機能もこの消費譲与税は果たしているわけでございます。 そういう点で、従来の消費譲与税とどこが違うのか。徴収についても、国が一本で徴収をする、それを二分の一ずつ分ける、こういうことでありますけれども、明確にこの消費譲与税との違い、これについて御答弁をお願いいたします。
○野中国務大臣 もう山名委員十分御承知のように、現行の消費譲与税は、国税である消費税収の一部が地方に譲与されるわけであります。地方に譲り与えるという税でございまして、そういう点から考えますと、地方団体と納税者の間が切断をされておるわけでございます。これが今回の地方消費税によりまして、地方分権、地方自治充実の観点から見て一つの大きな前進になったと私は認識をしておるわけでございます。 また、今回提案しております地方消費税は、それぞれ都道府県の議会で条例として制定をいただく税でありまして、一つには、消費額の一%相当額が地域の都道府県の収入となるわけでございます。消費者にとりましては、受益と負担の関係が明白となりますとともに、地方行政への参加意識が高まると考えておるわけでございます。 二つには、消費を盛んにすることが地方のそれぞれの税の増収につながるということで、地方団体による地域の活性化に向けた取り組みのインセンティブとなると存ずる次第であります。 こういった観点から、譲与税とは本質的に異なっておりまして、地方自治本来の姿と、あるいは地方自治のさらなる充実の上に望ましい一里塚を築き上げられると存じておる次第であります。
○山名委員 そうしますと、この地方消費税についても、やはり国が一本で徴収をするのではなくて、分け与えられるという意識を薄めるためにも、それぞれの道府県で徴収すべきではないか。事務コストの問題等が言われておりますけれども、仮にこれが国で徴収されずに道府県で徴収された場合、どのようなコスト増につながるのか、そしてさらにその問題点ですね、御答弁をいただきたいと思います。
○野中国務大臣 コストを出したわけではありませんが、納税者の事務等を考えてみますと、やはり同一箇所で申告納税をし、そして事務の効率化をやるというのが、地方の税は地方で取るべきが建前でありますけれども、これだけ行革が叫ばれておるときに、地方の税だから地方が取るということだけにこだわるのじゃなしに、それぞれ、今納税者が税務署及び税関等で納めていただいておる手続を尊重いたしまして、そして一体的に賦課徴収していただくことが一番望ましい、現状に即しておると考えた次第でございます。
○山名委員 現実、納税者の利便を考えても、今はほとんどが銀行振り込みによるわけですね。伝票についても、複写式の伝票を用いる。こういうことで、そんなに納税者にとっての負担にはつながらないと私は思います。 当然地方消費税の性格からいって、自分の町で買ったものは自分の町で税収として上がり、かつその町のために使える。要するに、地域住民との切断という従来の税のあり方から一歩前進した地方消費税の性格を持っているのならば、そこまでやはり徹底したいわゆる徴税システムというのも私は当然考えてしかるべきではないか。そういう点で、大蔵省が国で一本徴収するということで地方消費税をお認めになったかどうかはわかりませんけれども、これは今後の課題としてぜひお考えをいただきたい、こういうふうに思います。 この配分についてですけれども、都道府県に対して一定の清算後の二分の一、市町村に二分の一と先ほどもお話が出ておりましたけれども、これによってどれぐらいの格差というものが生じるのか。二分の一の根拠というのはどこにあるのか。現行の消費譲与税が十一分の六と十一分の五ですから、二分の一になったら若干上がるわけでいいじゃないかとはいいますけれども、果たして現実問題として、この二分の一という配分が適正であるのかどうか。 とともに、都道府県間の清算というのは、いわゆる徴税のコスト、手数料のみをいうのか、ほかに何らかの基準を設けての清算をされるのか。その辺についてお答えをいただきたいと思います。
○野中国務大臣 地方消費税は、今後の福祉社会を築いていく上に立ちまして、今次の税制改革の一環として、先ほど来たびたび申し上げておりますように地方分権の推進、地域福祉の充実のための道府県税の自主税源としての提案をさせていただいておるものであります。 この場合、道府県の税収構造が、委員御承知のように、法人所得課税に偏った、景気に左右される不安定なものでありますだけに、その改革が求められていること、市町村につきましてもまた、地域福祉の主体として安定的な財源を得るという、その財政基盤の充実のためにも必要であると考えておるところでございます。 したがいまして、二分の一を市町村に交付をするわけでございますけれども、この二分の一の交付をもって市町村財政が真に充実されるとは考えられませんし、福祉、さらに今回の減税等を踏まえますときには、都道府県民税の一部を譲与しなければなりませんし、あるいは交付税の補てんが必要であると考えておる次第であります。
○山名委員 地方消費税というのは地方の独立税、これで間違いありませんか。
○野中国務大臣 そのとおりでございます。
○山名委員 独立税という以上は、各都道府県において税率改定、こういうことが十分可能である、地方税法の中で決定することができる、こういうように見ていいんでしょうか。
○野中国務大臣 基本的には委員おっしゃるような考え方もできると思うわけでございますけれども、やはり消費が普遍的でありますために、それぞれ偏在しないように考慮をいたしますと、全国的に画一で行うような方途をとるべきであると考えております。
○山名委員 例えば今回の改正案を見ますと、一%の地方消費税、これによりまして実質的に入るのは地方消費税分一兆二百億なんですね。それは、個人住民税が一兆三百億でありますから百億少ない、こういう実質的な地方消費税による税収となるわけでございます。それは現行の消費譲与税等も廃止をして引くわけでございますから、中身はそういうことで、個人住民税の減税分、それよりも百億少ない地方消費税の導入、これが果たして今後地方分権の一助となり、あるいは地域福祉の大きな推進になり得る数字であるのかどうか、私は数字的に見て極めて疑問である。意義的に地方分権の一つの突破口になるという、こういう意義づけならそれでわかりますが、これが本当に地域福祉の貢献、高齢化社会の進展の中での対応につながるのかどうか、極めて私はそういう点では疑問に思うわけでございますが、御所見をお伺いしたいと思います。
○野中国務大臣 現行の地方税制は、さきの抜本改正におきまして、消費税の導入に伴いまして地方間接税が廃止、縮小をされたことは委員先ほど御指摘のとおりでございます。直間比率は国以上に、先ほども私申し上げましたように、法人所得税課税が非常に割合が高いこともありまして、道府県税におきましては変化が激しいわけでございます。そういう景気の情勢等によって税収が影響を受けやすい問題を考えますときに、今地方分権の時代が訪れようとしておる、また時代の要請であるときに、さらには一方、高齢化の進展に伴いますときには地方行政の役割がますます重大となってくることを考えますと、地方税の充実とあわせて安定的な税体系を確立することが緊要であると思っておるのでございます。 そういう意味におきまして、この地方消費税は、先ほど申し上げましたように、これですべてでございませんけれども、地方分権、そして安定的な税財源を得る上に今回の改正はその一里塚を、そしてその流れに弾みをつけることになったというように認識をしておるわけでございます。
○山名委員 じゃ、時間がありませんので先へ進みたいと思いますが、特別地方消費税の問題でございます。 これについては論議があったところでございますが、今回の地方消費税の導入によりまして、この従来からある特別地方消費税について廃止をするのかどうなのか、こういう論議だったと思います。 確かに、地方消費税の上に特別地方消費税が乗っちゃうという二重課税的な、これは否めないわけでございますが、一方で、有名観光地を抱えておる都道府県、市町村にとっては極めて有効な財源でもあるわけでございます。この改廃について今後どうされるのか、もう廃止をされるのか、その点についてのお考えをお聞きをしたいと思います。
○野中国務大臣 特別地方消費税につきましては、先日来いろんな御論議があったところでございます。 申し上げるまでもなく、平成元年度の抜本改正におきまして、課税対象とされておる消費行為と個別の地方公共団体の行政サービスとの間に密接な対応関係があるということから、地方の自主財源として存続を調整の上にされたわけでございます。したがいまして、私は、今回の地方消費税が導入をされましても、地方団体にとって、今委員御指摘のように、貴重な自主税源であるこの特別地方消費税の課税の合理性及び必要性が損なわれるとは考えておらないのでございます。 しかも、今委員が御指摘されましたように、観光地等を抱えております地方公共団体にとりましては、例えば群馬県の伊香保町などは全体収入の一割をこれが占めておる、委員の京都市等におきましても非常に高い率を占めておるわけでございます。それだけに、これを安易に廃止いたしますことは、当該市町村に対する影響も財政的に大なるものがありますし、また、平成元年度のこの特別地方消費税創設の際に、観光協会あるいは環境関係の団体等にその税の一部を交付金として交付する等の措置が講ぜられておるわけでございまして、こういうものがセットで行われております以上、慎重な配慮をしなければこの関係団体にも影響を及ぼすであろうと思うわけでございます。 いずれにいたしましても、消費税の導入される二年先を見据えながら、連立与党の税調におきましても抜本的な検討を必要とくれておりますので、私どもも、そういう事情をよく関係機関に申し述べながら、この税のあり方について検討をしてまいりたいと存じております。
○山名委員 私は京都出身でありますが、去る十月の二十五日でしたか、閣議で和風迎賓館が了承をされました。これは、今京都御苑の中に約二ヘクタールですかの敷地でもって和風迎賓舘を建設をしよう、こういう構想でございまして、これについては、国際社会の進展の中でやはり東の赤坂の迎賓館、西のこの和風迎賓館と、相並ぶ国賓の接待場としての意義を込めて、この計画が相当前から練られておったわけでございます。 この和風迎賓館の問題でございますが、地元の意向といいますのは、やはりこの際、洋風ではなくてまさに和風の、京都らしさというもので賓客をお迎えしたい、そのためには、茶室なりあるいは能舞台なり、そういった京の伝統芸能、文化というものもしっかりと紹介をする、そういう場でもありたい、こういう強い希望を持っておるわけでございます。 現実、この和風迎賓館の構想の中にはそういった施設等の計画が含まれているのかどうか。官房長官、お願いします。
○五十嵐国務大臣 委員御質問のような御趣旨で、迎賓施設の建設について、今年は、御案内のように基本計画のための必要な諸調査をさせていただいている次第でございます。 建設の場所という面では、我が国の歴史・文化の象徴として国際的にも広く知られているやはり京都に海外からの賓客の接遇を行う国の迎賓施設をつくろう、こういう考えでやっているわけでありますが、現在構想している内容としては、迎賓施設の設置場所は京都御苑内饗宴場跡地といたしたい。なお、その建設に当たりましては、京都御苑の国民公園としての役割、周辺の環境及び景観との調和等に十分配慮するものにいたしたい。また、迎賓施設の態様につきましては、海外からの賓客にとっての利便性、快適性等に配慮しながら、しかし一方、我が国の歴史・文化に根差した日本の空間を感じられるような和風の態様にいたしたい。こういうように考えているような次第でございまして、明年はそういう考えで基本計画をつくっていきたい、こういうぐあいに思いまして、御案内のように概算要求でもその必要な額を要求をいたしている、こういうことでございます。
○山名委員 今はお答えが無理だと思いますが、ぜひそういった地元の要望といいますか意見も取り入れていただきまして、より京都らしさが引き出せるような内容の計画をひとつお願いをしたいと思います。 問題は、この財政負担の問題なんですよね。今後そういった附属施設等をつくる場合、どこが負担をするのかということも大変大きな関心事でもありますし、それからいわゆるランニングコストについては、これはもう全面的に国が見てもらえるのか、地方の負担増につながるのかどうなのか。自治大臣、地方が国に対してそういう提供をすることは、これは法律的に禁じられているわけですね。自治省として、その辺の工夫はございませんか。
○遠藤政府委員 お答えをいたします。 地方財政再建特別措置法の規定によりまして、地方団体が国に寄附をする等の措置は禁じられております。
○山名委員 そうなれば、第三セクター方式でやるのか、いろいろな工夫をしていかなきゃならないわけですが、地方における負担増、これに結びつかないようにぜひ国としてもお考えをいただきたい、こう思います。 これは、あと幾多の課題が残っています。すんなりいっているようでもやはり反対運動もございます。現実、スポーツ広場となっているその代替地の問題、あるいは警備の問題、こういった問題、くらには地元の意見、要望がどこまで聞いていただけるのか、そのためのやはり検討機関というのもつくってほしい、こういった要望もございますし、あわせてひとつその辺も取り入れていただき、一つ一つの問題をクリアをしながら、いい迎賓館ができますように期待をするところでございます。ちょうど関西文化学術研究都市あるいは関西国際空港、こういった大きな広がりの中で大変意義あるものだ、こういう認識を持っておりますので、要望をさしていただきます。 最後になりましたが、最近、けん銃使用による事犯が多発しているようでございます。住友銀行名古屋支店長射殺事件、あるいはこの間は品川区の駅構内における医師射殺事件。本来、銃器使用、PKOじゃございませんが、銃の使用については当然一定の規制もあるわけでございますが、最近は暴力団が使うというよりも民間にそういう銃器が流れている、こういう実態も出ております。 そこで、民間人に容易に銃が入手できるようなこういう深刻な事態に備えて今後どういった対策を講じられるのか、この辺についてお伺いをいたします。
○高鳥委員長 山名委員御承知だと思いますが、当委員会は付託された議案について審議をするようになっておりますことを、最初に議題を申し上げまして、審議を進めるということを申し上げでございます。 したがいまして、今大変緊急な問題でございますので、委員長としては特に質疑を差しとめはいたしませんが、そのことをお含みの上、どうぞ御質疑をお願いします。
○野中国務大臣 山名委員御指摘のように、最近、けん銃を使用いたしました凶悪な犯罪が多発をいたしております。企業あるいは金銭強奪あるいは報道機関、そして先ほど御指摘になりました、去る十月二十五日には、ラッシュ時の駅構内において通勤途上の医師が射殺をされる事件が発生をいたしました。おかげで犯人検挙に至りましたけれども、まことに深刻かっ憂慮すべき情勢であると認識をしておるわけでございます。 警察といたしましては、けん銃の摘発を徹底をしますとともに、この種犯罪の防圧に最大限の努力をしてきたところでありますけれども、かかる今日的な情勢にかんがみまして、この問題が今日の治安上の最大重要課題であると認識をいたしまして、先般も閣議後の閣僚懇談会におきまして国家公安委員長として発言を求めまして、この種犯罪防止のために、内政審議室長を中心といたしまして、官房長官のもと、関係省庁の協力をいただきまして、総力を結集してこの連携を密にして諸般の施策を講じてまいりたい。 特に、先ほど御指摘のように暴力団から、暴対法の関係かと存じますけれども、民間に銃が流れていくというような状況もありますし、どうしても海外からけん銃が入ってくるというものを水際で阻止しなければならないという重要な課題もあるわけでございますので、今日、先般来関係省庁相寄っていただきまして、強力な施策を連携を保ちながら実施をしていくこととしておるところでございます。
○山名委員 ぜひ国民の安全確保のために御努力をいただきたいと思う次第でございます。 若干残余の時間がございますが、あとの質問等につきましては留保さしていただきまして、これで質問を終わらしていただきます。
○高鳥委員長 これにて山名君の質疑は終了いたしました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時五十九分散会