世界貿易機関設立協定等に関する特別委員会 第10号
- 発言数
- 130 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1994/12/01
会議録
○佐藤委員長 ただいまより会議を開きます。 世界貿易機関を設立するマラケシュ協定の締結について承認を求めるの件、著作権法及び万国著作権条約の実施に伴う著作権法の特例に関する法律の一部を改正する法律案、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法の一部を改正する法律案、繭糸価格安定法及び蚕糸砂糖類価格安定事業団法の一部を改正する法律案、農産物価格安定法の一部を改正する法律案、特許法等の一部を改正する法律案、関税定率法等の一部を改正する法律案及び主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律案の各案件を一括して議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。最初に、小平忠正君。
○小平委員 おはようございます。 いよいよきょうで当委員会がスタートしましてから十日目といいますか、公聴会まで入れますと十一回目になりますが、連日、総理大臣には初日と二日目、きょうで三回目ですか、本当に御苦労さんでございます。また関係大臣の皆さんにも連日お疲れさまでございました。いよいよきょうが採決を前にして最後の委員会でありますので、私から、今までの幾つかの問題点等々含めて、許された時間、質問をさせていただきます。 まず最初に、総理、この問題はまだ総理も御記憶に鮮明に残っておられると思いますけれども、当時社会党、今も委員長ではあられますけれども、明け方までかかって大激論、まさしく党内的にも大変な修羅場を経てああいう苦渋の選択をされた。そのことは御記憶にまだ生々しく残っていると思います。私も当時、私は民社党ですが、その党内にあってこの問題に対して大変苦慮いたしました。しかし、大勢としては、我が国は国際社会で貿易立国としてこのことを受け入れなければ孤立をしてしまう、したがって、我が国の国益、権益を守るために、言うならば避けて通れない道である、そういう御意見が大勢を占めまして苦渋の選択を強いられた、こういうこと、これは御同感であられると思います。 その結果は、これは間違いなく農業界に大変なる影響、迷惑をかけることになる、したがって、最小限この影響を食いとめるためにラウンド後の万全の対策を講じる、これがある意味では前提の条件でした。私どもはそのことを肝に銘じながら、関係者には、今こういうラウンドの受諾という選択をせざるを得ない、しかしこの後のことはしっかり取り組んでいくからよろしく御理解をいただきたい、そのことを涙ながらに農民に向かって御理解をいただいてまいりました。そのことについては私が今ここで御質問しなくても御同感であると思います。 そういう中で、今日まで十回の質疑を通じて同僚議員からも入れかわり立ちかわり、言うならばこの国内対策六兆百億円という対策費が別枠か否かということについて、大変な時間を要しながら入れかわり立ちかわり質問いたしました。そのことはなぜかというと、政府の明快な御答弁がいただけなかったから、だから、繰り返しになりましたけれども、何度も何度も執拗に質問したわけであります。しかし、昨日まで各大臣含めて微妙な御発言のずれもあり、まだまだ今の段階でも私どもは納得いたしておりません。 したがって、きょうは最高指揮官の総理大臣閣下がお出ましですから、ぜひこの場で、政府の統一見解的な意味において、私どもが要求してまいりましたこの六兆百億円、これについてはどう総理としてお答えいただくのか、まずそのことをお伺いさせていただきます。
○村山内閣総理大臣 ウルグアイ・ラウンド調停案を受け入れるかどうかという経過の中では、今委員から御指摘がございましたように、それぞれ各党とも、これは社会党もそうですが、真剣な議論を踏まえて、これからの農業はどうなるのかといったような問題も含めて苦渋の選択をされて、日本の国、経済全体の立場に立って一応やむを得ないという形で受け入れたことは、もう今御指摘のあったとおりであります。それだけに、これからの農業をどうするかということは真剣にお互いに検討しなきゃならぬ課題であるというふうに受けとめていることだけは申し上げておきたいと思うんです。 その上に立って、今御質問のございました六兆百億円の位置づけの問題についてでありますが、きょうは言われますように最終日ですから、これまでの答弁を改めて整理をして申し上げておきたいと私は思います。 今回の対策につきましては、六年間の新しい事業として六兆百億円の事業を講ずる旨を政府・与党が責任を持って決定したものでございます。これについては、各年度の予算編成過程で検討の上きちんと対処する考えでございます。 また、従来の農林水産予算につきましては、これに支障を来さないよう配慮されることとなっておりまして、他の予算同様、予算編成過程で総合的に検討されるものでございますが、従来の農林水産予算を、ただいま申し上げましたとおり、新しい事業の財源を捻出するために削減、抑制するようなことは考えていないということだけは申し上げておきたいと思います。
○小平委員 今の総理の御答弁は、初日、二日目と総理が同僚議員からの質問に対して御答弁された、あのときは、別枠でないというそういう御答弁もありましたけれども、その後今日までのこの委員会の質疑の経緯を踏まえて、そして政府の統一見解として今の御答弁があった、そのように理解をしてよろしいですか。
○村山内閣総理大臣 統一見解といいますと少し仰々しくなりますけれども、今までそれぞれ答弁をされてきた、その答弁を整理をして、このとおりにやりますということを申し上げたわけでございます。
○小平委員 なぜ私がこれについて重ねて、かぶせてお聞きするかということは、これは非常に大事なことでありまして、このことがこの委員会で整理をされなければ、この後年末に控える予算編成、このことにもつながってきますし、また、この六年間というスパンの中でこの対策がしっかりと講じられていかなければ、言うならば、国会は、政府は国民に対してうそをついた、こうなります。したがって私は、繰り返してお聞きしたのはその意味においてであります。 なぜならば、今私どもがこの立場に立って関係者に話をするときに、相手の農民の皆さんは不信感いっぱいで我々を見詰めております。それは与野党関係なしてあります。これは与党の皆さんも同じだと思います。非常に今厳しい大変な立場に置かれている。したがって、ここのところを明確にしておかなければならない。そうしなければ政治の信頼が完全に失われてしまう。私は、政治に信頼がなくなれば、それはもう政治ではございません。言うならば、信頼というものは私は政治の要請だと思います。そういう意味において大事なポイントですから、重ねてお聞きしたのであります。 したがって、今総理の御答弁の一番最初に、今までの答弁を改めて整理をして御答弁いただけると、そうありました。したがって、政府の統一見解としてよろしいのですねと、こうお聞きしたのです。それでよろしいのですね。
○村山内閣総理大臣 先ほど来、ウルグアイ・ラウンド受け入れに対する経過、あるいはまたこの委員会でこれまで御審議をいただきました御審議の状況等も踏まえまして、最終的に整理をして、政府の考えはこうですということを申し上げたのでありまして、そのとおりに御理解を賜りたいと存じます。
○小平委員 いや、私は、そうでなくて、統一見解でいいかとお聞きしているのです。そこは大事なポイントですよ。
○村山内閣総理大臣 いや、ですから、私は総理大臣、最高責任者として御答弁申し上げておりますから、そのとおりに御理解をいただければそれで結構ですと。これは政府の答弁だというふうに御理解を賜りたいと思います。
○小平委員 回りくどい言い方はやめてください。これは政府の統一見解だと、そのことがなければ先に進めませんよ。
○村山内閣総理大臣 統一見解という言い方が必要であるかどうかということは、これは、そう言えば、統一見解でございますと言っても結構ですけれどもね。これは政府を代表しての答弁ですから、そのように御理解を賜りたいと言っているわけです。
○小平委員 今求められていることは、簡潔に、明快に、一国の最高責任者、総理大臣が、今までの一連の質疑を通じて、このことが、今冒頭総理は言われました、今までの答弁を改めて整理して申し上げると、閣僚の皆さんの今までの御答弁を踏まえて結論として申し上げると。ということは政府の統一見解だと、そのことをはっきりと明言していただきたい。
○村山内閣総理大臣 今まで答弁をしてまいりまして、例えば、総理と農林大臣の答弁が食い違っているとか、あるいは閣僚の各答弁が食い違っているとかいう場合に、皆さん方から、はっきり統一見解を求めるという形で統一見解を求められた場合もありますね。そういう場合には、これが政府の統一見解ですと、こういうふうに申し上げておりますけれども、まあ、若干のニュアンスの違いはあったかもしれませんけれども、言っていることにそれほど大きな違いはないわけですから。ただ、いろいろ言い方に若干のニュアンスの違いもあるので、この際整理をしてしっかり答弁をしてほしいと、こういう皆さん方の要望だと思いましたから、これは整理をして政府の見解として申し上げましたと、こう言っているわけですから、そのように御理解をいただきたいと思うんです。 これをあえて統一見解かと問われれば、政府の統一見解で結構ですと、こういうふうに申し上げます。
○小平委員 これは委員長にも確認いたしますけれども、今、総理が最後に、あえて政府の統一見解だと問われればそうですと言われましたね。ということは、私はこれは政府の統一見解だと、そういうふうに理解してよろしいですか。 これは、委員長、そのように私は理解していいというふうに、この委員会の委員長としてこのことはどうされますか、それでよろしいですか。
○佐藤委員長 総理の最後の、統一見解として理解して結構ですという言葉をそのとおり尊重したいと思います。
○小平委員 それでは、総理が政府を代表して、最高指揮官として、統一見解、そのように確認をいたします。今、委員長もそうありましたので。 これは皆さん、大事な問題ですよ、このことは。そうしなければ私は前に進めません。これだけでも大変時間をとってしまったんですよ。それでは、そのことを私は信じて、信頼をして、前に進みます。 さあ、次に外務大臣、一連の質疑を通じて外務大臣はこうおっしゃってきた。外交の継続性、外交の一元化ということですね。それで、河野外務大臣は自民党の総裁でもあられる。そういう中で、この経緯からして、当初は党声明まで出されて反対を表明された。しかし、同僚議員からの質問を受ける中において、外交の継続性等々をおっしゃってこのラウンドを受諾するということを表明されたわけですね。これについて、外務大臣、この継続性ということについて外務大臣からの御意見を、改めていただきたいと思います。
○河野国務大臣 この委員会で何度がお尋ねがございまして、私から何度がお答えをいたしましたが、もう一度申し上げておきたいと思います。 自由民主党は、昨年十二月に、細川内閣がドゥニ調停案の受諾、受け入れということを言われたときに、当時、我々自由民主党は野党として、それまで長い間与党としてこの問題にかかわり合ってきた経過もございますから……(小平委員「簡潔に」と呼ぶ)お尋ねでございますから整理して申し上げておりますので、若干時間はちょうだいしないと説明ができませんので、よろしくお願いをいたします。 そこで、ドゥニ調停案受け入れというお話がございましたので、私どもとしては、それは余りに日本の農村、農業に対する打撃は大きいという点を非常に心配をして、こういうことで果たしていいのかという意味の党声明を出したわけです。これはドゥニ調停案の受け入れが果たして適当かという党声明を出したわけです。したがって、議員も党声明をお読みをいただいていると思いますが、その党声明の後半には、全体像がまだ明確でないから全体を評価するわけにはいかないということは書いてあるわけです。そしてその後、四月に最終文書の確定がなされて、署名が行われたという時間的推移があるわけです。 その後、村山政権に我々も参加をして、そこでいよいよWTO協定を国会に承認をお願いをするという状況になりましたので、これは政府・与党一体となって、厳しい議論の中で農村農業の対策大綱を決め、その大綱に従って六兆百億、今お尋ねのございました六兆百億円の対策費を確定、確認をして、この対策に基づいて改めて自由民主党としては声明を出しまして、そしてこの協定の批准、成立に向けて国会へお願いをしている、こういう経過でございます。
○小平委員 私がお聞きしたいことは、その経緯はもう何度も聞きました。それはわかっています。ただ、外務大臣、同時に自民党総裁というお立場で、外交の継続性だからこれを受け入れた。ということは、本心は反対だけれども、今一転野党から与党になって、しかもその立場にあられる、したがって渋々、本心は反対だけれども仕方がないから外交の継続性で賛成だ、そういう意味ですか。それとも、本心からこれは必要だからラウンドは受諾せんきゃならぬという、そういう意味において賛成、そういうことなんですか。どっちですか。
○河野国務大臣 これも何度がお答えを申し上げました。恐らく小平議員も、日本の農業に対する大きな打撃については心を痛めていらっしゃるに違いないと思います。そういう気持ちを我々は非常に強く持っているわけです。 しかしながら、そのためには農業農村対策というものをできる限り十分な対策をつくって、その点については農村の皆様方に御理解をいただきたいという気持ちを持ちつつも、世界経済の中でこうした世界の貿易、経済の拡大という未来的な発想を考えれば、これは進めていくべきものだ、トータルに考えれば、これは我が国にとってもよいものであるに違いない、こう確信をして、繰り返しになりますが、農業を初め体質的に問題のある方々には非常に厳しい選択になるが、しかし全体的に考えて、しかも、国際的に百二十五の国と地域の合意があるということを考えれば、外交の継続性あるいは多数国間の約束事という状況を踏まえれば、これは我々は国際信義という意味からも進めていくことが適当だ、こう考えているわけでございます。
○小平委員 大臣の苦しい御答弁、まあよしとしましょう。ただ、できるだけ農業にというようなお話がありましたけれども、それはできるだけじゃなくて最大限するということ、それを私からも強く指摘をさせていただきます。 そこで、そういうことで受け入れてこれを進めていくならば、今当委員会で一協定七法案、この審議を進めてまいりました。そこで、政府としては、このWTO協定が来年一月一日から発足するためにぜひこの関連七法案も一括して成立をしていただきたい、これが政府の御希望であることは、これはわかります。 しかし、特にこの七法案の中でも新食糧法、これは御承知のように、八割方がこのラウンドの自由化とは関係ない部分なんですよね。言うならば、この六年間、ミニマムアクセス、これを受け入れるためにはこの新食糧法の確かにこの条文が必要です。この中に含まれている意味が必要です。しかし、残り八割方はWTOには関係ない、言うならば国内の、これからの我が国の大事な基幹産業であるお米、国民にとっても主食であるお米、これを生産者に安心して営農していただくという点、もう一点は消費者に安定供給をするという観点、この点から今新しい法律をつぐろうとしたわけですね。しかしそれは、今申し上げたように、ラウンドとは別な意味があるわけです。 そうなると、政府が主張するような、WTO協定どこの七法案一括処理がどうしても必要、私はそうは思えないんですが、そこのところは外務省としてはどういうふうに主張されますか、簡潔にお答えいただきます。
○河野国務大臣 条約を締結をして国際的な約束とするためには、その条約が締結後、きちんと我が国が守れるという体制でなければならないと思います。協定だけは批准した、しかしその協定に基づく国内の諸規定というものがまだできておりませんという形で協定が締結されるということは、実は大変不誠実であり、なおかつ、それはあり得ないことだというふうに私どもは思っております。国際的な約束をするならば、その約束に基づいて仕事がきちんとできますという国内的な諸規定は全部一括して整って、そして初めて国際的に約束をするということでなければならぬというのが我々の立場であり、皆様方へのお願いでございます。
○小平委員 外務大臣が今政府の立場、見解というものも言われましたが、私は、そういうふうにした方が外務省としても外交の場で作業はしやすい、これはわかりますよ。しかし、私は、WTO協定を、日時も追っている、そのために、国内法の今新しい法律をつくるのにそこをしっかり審議を尽くして、問題点もすべて解明をして、これなら安心をして国会はこの法律をつくって世に出しますと、その責任があるわけですよね。ですから、そこのところが私は、まだ審議が不十分ならこれをもっと詰めて審議するという、そういう度量も持っていなければいかぬと思うのですよ。そこのところを私は強く指摘をいたしておきます。 しかし、政府のそういう見解、私とはちょっと考えが違いますけれども、私は、大事なこの法案はもっと審議を尽くしてもいい。しかも、WTOの協定の発足は一月一日だ。しかし、各国間で合意したこの農業協定は、我が国は四月一日からでもよろしいわけですよね。そこにタイムの、時差があるわけですよ。したがって、それは何も問題ない、私はこう思いますけれども、大臣のそういう御見解、それも立場は理解しましょう。じゃ、その上でしっかりと取り組んでいってもらいたい、このように思うわけであります。 そこでもう一点、今度は大蔵大臣、お聞きいたしますが、今六兆百億円の中身についてはいろいろと質問等ありました。そこで主に農水大臣がお答えになった、まあ所管の大臣ですから。しかし、私は特に大蔵大臣にお伺いしたいことは、この六兆百億円という事業は、先般も私の質問に対して大臣から、この国庫負担の率について約半分だ、このように御答弁ありましたね。そうなっているそうですね。それはそれとして、非公共はそれとしても、特に公共の分野で約半分の言うならば地元負担、受益者負担では、こんな農業状況が厳しい中でだれも新規事業へなんか着手しませんよ。これが、国庫負担が大勢を占める状態でしたら、それは営農改善にあるいは合理化に規模拡大に農民は意欲を持って取り組んでいこうということで、新規事業に着手をしていただきたいということを多くの方が要望しできますよ。しかし、国庫負担率は約半分では、そんな受益者負担の多い状況ではだれもやりませんよ。ということは、これは絵にかいたもちになるんじゃないですか。そうでしょう、絵にかいたもちに。大臣、聞いていていただけますか。 ですから、財政当局、お金を預かる大蔵省として、今そういう方向で六兆百億円のことはスタートされるそうですけれども、ぜひ国庫負担率をふやしていただきたい。極力受益者負担を減らす方向で持っていっていただきたい。そうしていただければ、私はこの事業が名実ともに動いていくと思うんです。そうしなければ、これは絵そらごとで、空手形に終わってしまう。大臣、そこのところどうですか。
○武村国務大臣 国の負担は約半分と、申し上げたとおりでございます。あとが全部受益者負担とおっしゃるのは、あとのかなりの部分は都道府県あるいは市町村が……(小平委員「いや、それも含めて言っているのです、それも含めていわゆる地方負担ですよ」と呼ぶ)そうですね、持っていただいておりますから、本当の意味の農家の負担を受益者負担ととるなら、これはかなり、市町村負担の幅によって多少変化はありますが、小さくなっておるわけであります。やはり新しい時代の新しい農業の道を切り開いていこうということでございますから、私は、私の県でのささやかな経験を振り返りましても、先般もこれをもう丸々一〇〇にしたらどうだという提案もございましたけれども、精いっぱい今の国、県、市町村の負担は負担率としては対応がなされているのではないかというふうに思っております。 ちょっと私の経験を申し上げますと、市町村が、私の県下にも丸々全額負担をして受益者負担なしのところが二、三ございましたけれども、そういうところと、もう国、県のルールだけで市町村は一切負担しない、二十何%受益者が負担するという町がございましたけれども、むしろ後者の方が生き生きとして、一定の負担をしながらやっていく土地改良区の方が非常に事業もスムーズにいって、むしろ感謝された経験もございまして、一つの例ですよ。だから、このぐらいで私はひとつ御理解をいただきたいと思っております。
○小平委員 大蔵大臣、受益者負担を農民負担だけにすりかえて答弁されましたけれども、地元負担ということは、受益者負担ということは地方自治体、道府県から地方自治体まで含めたことを言っているんですよ。今実態は、例えば私は北海道です。道も、これは県も同じだといいます。道庁、県庁、そういうところがもうあっぷあっぷしているんですよ。それから自治体、市町村長さん方も真剣に訴えておられます。こんなことで市町村にげたを預けられても、こんな今の財政状況ではそんなものはできない、国は何を考えているんだ、そういうことなんですよ。だから、このことは、これからの、予算編成も控えております、今後のこの六年間という、言うならばスパンでやるわけですよね。ぜひこのことは考慮に入れていただきたい。時間がありませんので、もっとこれを詰めたいのですけれども、先に進みます。 きょうは農水大臣にまだ御質問しておりませんので、もう時間も余りありませんので質問いたしますが、この新食糧法、実は私これ三十数ページ、この九十何条ある新食糧法、一条から、総則から始まって、質問したいことはいっぱいあるんですよ、用意したんです。ところが時間がなくてできませんで、一点、このことをお伺いいたします。 これは何条でしたか、この中の、いわゆる緊急時への対応というところがございましたね。これは、この中にございますね。これは先般、中央公聴会でも、ちょうどこの席で公述人の花開津さん、東大教授の、その方も指摘されておりました。私もこのことは冒頭から疑問を持っておりました。ということは、この緊急時の対応ということは、言うならば、昨年のようなああいう不作のときを想定をして、お米が不足した場合には消費者に向かって確かに安定供給せんきゃなりません。だって、昨年もああいう緊急の輸入をいたしましたよね。それも政府の、食糧庁の見通しの甘さによって九十八万トン、約百万トンですよ、大幅に輸入超過して、今それが非常にあっぷあっぷしておられる。これは何とかすると言っていますけれども、お手並み拝見ですわ。 とにかく、そういうことを想定してこの緊急時の対応、これをつくられたんでしょう。これはわかります。消費者に安定的に供給せんきゃならぬという、このことはわかります。しかし、この新食糧法の精神というものは、お米を市場経済にゆだねよう、これが精神でしょう。そうなると、八十二条ですか、この中の条文のところにこういうことがあるのですよ。第二項で、抜粋して言いますと、米穀の生産者が正当な理由がなくその指示に従わなかったときは政府に売り渡すべきことを命ずることができる、こう言っているのですよね。これは命令ですよ、命令。言うならば食管法の精神ですよ。確かに、そういう強権を発動せんきゃ困るということを、昨年のああいう冷害を想定してこういうことをつくられたんでしょう。でも、ならば逆に豊作時、余剰時のときに、では生産者にどう配慮するか。それが欠けているのですよ。 言うならば、これは当然市場原理からいって、お米が余れば価格は下落しますよね。でも、それが暴落という状況になった場合にはやはり大変なことですよね。そういうことは、価格が暴落すればもう農家経済、混乱することは、これは目に見えていますよね。そこの対応について何ら規定がこの中に入っていないのですよ、この新食糧法。これでは片手落ちじゃないですか。片一方で強制権をもってやるのなら、同時に余剰時に対してもその配慮をすべきことを明記するのが、これが公平な政治というものじゃないですか。大臣、いかがですか。
○大河原国務大臣 新食糧法八十条以下、特に今委員御指摘の八十二条、これについての御指摘でございましたが、これは委員の御質問にもございましたように、米穀の供給が著しく不足するということによって国民経済なり国民生活に極めて甚大なる影響を及ぼす、そういう事態に対する対策ということで、順を追って流通業者に対する規制から始まって、流通業者からだんだんにいって最後に生産者に対して一定の約束した計画流通等における基準数量の中で出してくださいと指示する、それに対して従わなかった方に命令でお願いする、そういうことになっておるわけでございまして、異常緊急な事態ということでお願いをしなければならない。従来の食管法において、狂乱物価等の際においても、その管理が国の管理によって行われたということでございます。 暴落のお話がございましたが、これについてはしばしば申し上げておりますように、需給関係の調節については的確な生産調整の見通しによる全体需給の調整、さらには備蓄の制度の運用によってこれに対処する、そういうことでございまして、備蓄についても基準備蓄数量以外に一定の幅を持たせてそして需給変動に応じるということを考えておるわけでございますし、備蓄の買い入れ価格についても再生産を確保するというような配慮事項が入っております。配慮事項が入っておりまして、その点についての配慮はされておるというふうに私は思います。
○小平委員 時間が来ましたので最後にまとめますが、この新食糧法、一方では強制命令をしておきながら、この法案は七十二ですかの政省令があるのですよ。今後それによって決める、運用面について。ということは、言うならば政府が自由裁量で今後その状況によって方向を決められるというその余地があるわけですね。したがって、これは今後この運用をどうするかによってこの成功がかかっています。したがって、これから議会にも国会にもこのことをしかと相談をしながらこのことは真剣に取り組んでいかなければならない、こう思いますので、大臣、ひとつよろしくお願いいたします。——いや、もう時間がないから結構です。 それで、最後に総理大臣、今まで質疑を続けてまいりました。したがって、この協定もそうですけれども、関連法案も含めていろいろとまだ解明すべき問題点も多々ございます。しかし大事なことは、国民から見てうそ偽りなく政治の信頼というものをきちんと評価をしていただきながら進めなきゃならぬ。このことはもう論外ですね。したがって、最後に最高指揮官として総理大臣閣下から改めて決意をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
○村山内閣総理大臣 ウルグアイ・ラウンド受け入れ後の日本の農業がどうなるか、そういう点についていろいろな角度から御心配をされる意見をお聞きいたしました。何といってもやはり食糧というのは国民生活にとって大事なものですから、これは農民のためにも国民のためにも、この委員会の御審議も十分踏まえた上で万全の対策をするべく取り組んでいきたいということだけは申し上げておきたいと思います。
○小平委員 終わります。ありがとうございました。
○佐藤委員長 小平君の質疑は終了いたしました。 次に、二田孝治君。
○二田委員 当委員会が十一月二日に設置されましてから、十一月十七日より今日まで質疑が始まりましてから延べ時間数にして五十数時間、問題の解明は徐々にされつつありまして、きょうがその最終日を迎えるわけでございます。まだ解明されてない点がございますので、その点を与党といたしまして質問をいたしたいと思います。 一九八六年九月、ガット閣僚会議がプンタデルエステ、ウルグアイ・ラウンドで百十二カ国の国と地域が集まって開始されました。くしくもこの年は私どもが初めて国会議員になった年でございます。考えてみますと、その節目節目、一九九〇年にはブラッセルで閣僚会議が行われた、二回目の当選のときでございました。そして今日、一九九四年四月、マラケシュで閣僚会合におきまして最終合意に署名なさった、これもまた三回目の当選をした後。考えてみますると、私の政治生活は、この食糧の自由化と、そしてウルグアイ・ラウンドをもとにして勉強してきたと言っても過言でないのではないか、こう思われて、今感慨深い思いに浸っているときでございます。 殊に、一九九〇年にブラッセルの閣僚会議に私は、今いらっしゃいます大河原農水大臣とともに、また羽田新生党党首とともに、そしてまた鹿野さんもいらっしゃいました、たくさんの方々と一緒に山本大臣を応援するためにブラッセルまで駆けつけたのでございます。あのいてつく十二月の寒い寒いときに、フランスの農民が、スイスの農民が、私たちの生活をどうしてくれるのだ、合意になった場合に自分らの生活が侵害されるのじゃないか、激高しながらあの路上をデモって歩いた光景をいまだにこの脳裏に焼きつけておるのでございます。 総理、それだけ農業というのは国民にとって、その国にとって、大事な大事な一つの政策の選択の道を歩まなければならない、私は心からそう思いながら、今この質問に臨んでおるわけでございます。感慨無量でございます。 しかし、きょうここでその結末をつけなければならない。このことが果たして日本国民にとっていいものか悪いものか。私どもは間違っているのではないのか、正しい道を歩んでいるのか、みんながやはり真剣に考えなければいけない問題だ、こう考えられるわけでございます。 そこで、外務大臣にお伺いしたいのでございますけれども、私どもは、ウルグアイ・ラウンドというものは貿易の一つ一つの問題につきまして、関税その他いろいろな取り決めをするものではないのかな、こう思って今まで進んできたわけでございます。ところが、今年の、一九九四年の四月に、マラケシュの閣僚会合においてWTOというものに衣がえをしていった、その歴史的意義についてまずお伺いしたいと思います。
○河野国務大臣 我々は、ガット体制の中で貿易問題についてさまざまな議論をしてきたわけでございます。しかし、世界経済あるいは貿易全体を見渡したときに、議員も御承知のとおり、農業問題は極めて重要でございますが、他方、サービス分野、知的所有権を含むサービス分野の取引というものも非常に多くなってきた。そのサービス分野については全く、ルール化されたものが少ないということもございまして、百二十五の国、地域、EUまで含めてでございますが、こうした多数の国々が集まって、新しい貿易取り決めというものを、貿易のルール化に着手をしよう。 今議員がお話しになりました、もうあのときから七年の時間がたっているわけですが、各国が国益をそれぞれぶつけ合って大変な議論をしてきたわけでございますが、とにかくその多数の国々の間で合意ができた。これは、多数の国が合意するためには、やはりそれぞれ血のにじむような自国内における葛藤があったに違いない。しかし、そういうものを乗り越えて、世界は新しい貿易のルールづくりのために進んだというわけでございます。 私は、国際社会というものがこうした新しいルールによって、経済、貿易、それがさらに一段と活発になってそれぞれの国がより豊かになる、こういう方向に歩むことは間違いではないというふうに考えているところでございます。
○二田委員 総理にお伺いいたしたいわけでございますけれども、今回の世界貿易機関に加入することによりまして、我が国というのは本当にどういう利益を得るのか、またどういう不利益を得るのかということをお伺いしたいと思います。
○村山内閣総理大臣 今外務大臣から答弁もございましたように、これは、多角的自由貿易体制の維持やらあるいは国際経済秩序に対する信頼の確保といったような面から、特に貿易立国である我が国にとっては、やはり大変大きな意義があるのではないかというふうに思っております。 具体的に簡単に申し上げますれば、関税引き下げ等の物の市場アクセスの改善による経済的利益、あるいはまたサービス貿易、知的所有権にまで、ガット体制のもとで貿易ルールの存在しなかった新たな分野における規律の設定、あるいはまた紛争解決手続の強化による一方的措置の発動の抑制等、我が国にとって極めて重要な利益があると考えています。
○二田委員 重要な利益を得る人、そしてまた農業のように大変不利益をこうむる、この二つの側面があるのではないか、私はこう思います。そして、今回のこのウルグアイ・ラウンド、マラケシュ協定に関連する対策といたしまして、農業に対して十分な措置をしていただかなければならないわけでございます。 十月二十二日未明でございました、官邸における折衝におきまして六兆百億円という予算を措置していただいたのでございます。そして、そこには別枠という言葉は直接使ってはおりませんでしたけれども、通常の予算とは別に措置されることが了解済みになったはずでございます。すなわち、その文言といたしましては、今回の対策はウルグアイ・ラウンド合意に対応する六カ年の新しい事業である、なお、従来の農林水産予算に支障を来さないよう配慮するという言葉が加えられたのでございます。これは我が党の山本富雄総合農政調査会長が強く主張したことではなかったかな、こういうふうに記憶をいたしております。 このことは、答弁は先ほど小平さんの質疑の中で明らかになっておりますのでよろしゅうございますけれども、時間の関係上、総理からイエスかノーかだけお聞きいたせばいいわけでございますけれども、このことには間違いございませんですね。
○村山内閣総理大臣 先ほど来、委員が当選をされて以降、農業を思う真情を吐露した御発言もございましたが、そういう委員のお気持ち、御意見等も十分踏まえた上で先ほど答弁したとおりでありますから、そのとおりに御理解をいただきたいと思います。
○二田委員 それには閣内で不一致ということはございませんですね。閣内も一致だ、こういうことでございますね。
○河野国務大臣 私からも一言申し上げたいと思います。 先ほど総理御答弁がございました。私どもは村山内閣の閣僚として、村山総理のもとで一致して事に当たるということでございますから、総理御答弁があれば、我が内閣は一致してそうした原則に従って事に当たるということでございます。
○二田委員 ただいま、総理そしてまた外務大臣の力強い答弁をいただきまして、非常にいいことじゃないかな、こう思っております。 そこで、以下のことを確認いたします。 財源捻出のために既存の農林予算が削られるということはないですね、これは。うなずくだけで結構ですよ。よろしゅうございますか。大蔵大臣、殊によろしゅうございますか。うなずいてください。——はい、わかりました。六兆百億円が確実に措置されなければ、国民に対してうそを言っていることになりますので、これは重要な政治問題になるということを承知しておいてください。 それから、七年度予算編成の最大の論点、今これから七年度の予算編成が始まりますけれども、この予算が最大の論点になるわけでございますので、どうかひとつ、本日御出席の閣僚の皆様方は一致協力してこの予算の獲得をお願い申し上げる次第でございます。このことについても、よろしゅうございますか。——わかりました。 実は、この後に食管法の問題、これをお聞きしたかったのでございますけれども、時間が参りましたので、これは農水委員会の方に譲ってまいりたい、こう思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。 懇切丁寧な御答弁、ありがとうございました。どうもありがとうございました。
○佐藤委員長 次に、伊藤茂君。
○伊藤(茂)委員 論議がスタートしてきょうで十一日目になるそうでありますが、終結の段階を迎えました。論争は、委員の皆さんも大変な勉強をした中身でございましたし、閣僚の皆さんも御苦労さまでございました。私も、改めて世界貿易や農業問題の重要性を勉強させていただきました。 幾つか伺いたいのですが、先ほど来、六兆百億円をめぐる議論がございました。これは、きれいに総理答弁で決着がついたわけであります。私は、しかし考えますと、これからが肝心だと思います。田名部さんの質問でしたか、六年という期間は短いんですよというお話がございました。今までの長い日本の農業問題の経過を振り返り、これからを考えますと、やはりこれからが非常に肝心なときということではないだろうかというふうに思うわけであります。 全般的な姿勢を総理にまずお伺いしたいのですが、内閣に農業対策の緊急対策本部が設置をされております。ほとんどの閣僚が参加をされておりますが、この問題が済んで山を越した、ほっとしたということでは、農水大臣、当然そうお思いでしょうが困るわけでありまして、これからどう中身をこの短い期間にやるのか、そこでどう知恵を絞るのかということがまさに重要なことであろうというふうに思うわけでございます。 また、しばしばお話がございました昨年のドゥニ調停案受諾、十二月十四日。総理、当時社会党委員長としても大変な御苦労をなさいましたですね。私も深刻な思いをして党本部で詰めていたことを思い起こします。やっぱりあれがあって、この法案が通って、それで予算問題についてもきれいな御見解があってということでほっとしない、これからが肝心なんだ、そのために、やはり内閣としてさまざまの担当分野を含めまして努力をしなければならないというふうに思いますが、もちろんそうお考えでしょうね。
○村山内閣総理大臣 御指摘のとおりに考えています。
○伊藤(茂)委員 それで、お伺いしたいのですが、私は、その六兆百億円論争、いろんな世間の反応がございました。これは別枠なのかどうかという議論も随分ございましたし、それから世間の中では、ばらまきではないかという意見もございました。 私は、その議論をずっと聞いて、考えてみますと、もっとやはり姿を具体的に見せるようにするということが大事なのではないだろうかと思います。やはり貴重な国民の税金で仕事をするわけですから、それによって、五年、十年たっても変わらぬ農業と農村ではありません、こう変わりますと。そのことを見たら、消費者の皆さんやさまざまな経済界その他の方々も、ああ、そうか、それは大事なことだということではないかと思います。 そういう面を考えますと、私も閣僚当時、対策本部の中でいろんな書面を見せていただきましたし、農政審の答申を初めさまざまな文書も読ましていただきました。たくさん書いてございます。何か、読めば読むほど焦点がはっきりしない。まあ、役所の文書というのはそういうものですね。もっと週刊誌並みにわかりやすく図解して書いてくれればいいんだけれども。僕は、行政改革はそういうことが一歩じゃないかな、国民と政治を近づけることですから、と思いますけれども。 私は、何か姿を見せる、そういう意味では、例えばスケールメリットをねらうところの平たん地、新しい農業法人その他こういう近代的な姿ができますよ、できましたとか、モデルですね。それから中山間地も、これは全国もちろん画一ではございませんし、私も奥羽山脈の中の中山間地の生まれですけれども、どうしたらいいのかな。多種多様だと思います。多種多様ですが、一律にはまいりませんということを言っているだけでは意味がないと思います。幾つかのモデルをつくって、こういう農村になりますと。みんな刺激になるでしょう、おれたちもああなろうと。それから、世間の見る目も違ってくると思います。そういうものを積み重ねていったらいいと思いますね、いろいろなモデルを。 農水省では二年前からそういう努力をなさっているというふうに伺っておりますが、農水省のレベルでの宣伝それから広報どまりという傾向がどうしても強いと思うんですね。この際、国民の皆さんに見えるように、国民の皆さんが納得なさるように、そうしてまた農村の皆さんが、ああおれたちもあのモデルでやろうという意気込みを燃やすように、そういう努力をやっていただくことが非常に大事ではないだろうかと思いますが、いかがでしょうか。
○大河原国務大臣 御答弁も持ち時間の関係もありますので簡潔に申し上げますと、そのとおりでございます。 一昨年、農林省として、新しい農業・農村対策の展開方向ということで、稲作を初め各部門のモデルを想定いたしまして、規模なり所得なりで、それを各部門明らかにいたしました。それに基づきまして、ただいま県がそれぞれの地域において基本方針をつくり、町村が構想に基づいて、その地域の農家に対してこういう経営をつくろうじゃないかということを現在やっておるわけでございます。 したがいまして、そのようなことについての、今度の政策はそれをどう促進するための政策がということを明らかにしていかなければならないということが一つ。それから、現にある、そのように到達しているような経営も幾つかあるわけですが、こういう経営ですね、現に実現しているような、そういうことをモデルとしてお示しをすることも非常に御指摘にかなうと思うわけでございますし、まあそういう意味で、広報の周知徹底等を含めまして、我々としては二段、三段の努力をいたさなければ相ならぬ、さように思っています。
○伊藤(茂)委員 もう一歩進めてお伺いいたします。 今までの議論を伺いながら、六兆百億円をめぐる議論は随分ございました。私が考えますと、農水省でも農業、農村、食糧——食糧は消費者を含め、よく考えておられるようでございますけれども、やはりもっと地域づくりと申しましょうか、地域の視点が非常に大事だと思います。 二種兼業が圧倒的大部分の日本の農村ですから、一部大規模な専業部分は除いて多くのところが、その町か村の中でも、農業収入よりも農業外収入の方が多いというのが地域の構造になっているわけであります。その地域をどうやって発展させるのか、これは新しい今後の国土計画その他にも関係をしていると思いますが。 そう考えますと、自治省分一兆二千億とかいうような数字の話ございましたが、やはりそれらを含めてどういう姿をつくっていくのかという視点が必要ではないか。私はそういうふうに申しましたら、内閣の対策本部の中にたくさんの閣僚が参加されておりますけれども、特に重要なのは農水大臣、それから自治大臣、まあ建設大臣もそうですね。何かそのようなところで共同作業をして、積極的に将来の図面をつくってみる、それが一〇〇%当たるかどうか知りませんけれども、これを目指すんだと。要するに、非常に厳しい状況に農業も農村もなろうと、みんな不安なわけですから、何か勇気づける、インスパイアする、そういうものをやるのが政治というものだと思うのです。 そういうことを考えますと、特に今申しました二大臣か三大臣ですね、やはりその三省ぐらい、二つか三つの省でプロジェクトでもつくって、そういう将来の、あるいは現実の、将来像を、勇気づけるようなものをやろうではないかという研究なり発表なり、そうして全国にさまざま知らせてというふうな勇気づける努力をなさったらどうだろうかというふうに実は思うわけでございまして、私も運輸大臣のときに、同じ建物にいながら建設省と運輸省というのは何か余り仲がよくないんだとかと聞きましたが、まあ仲よしですから、二人の大臣が主催をいたしまして共同勉強会をやりまして、積み上げたらおもしろいだろうなという気持ちがいたしましたが、そういう意味でのまたがった積極的な努力という姿が非常に大事ではないだろうか。要するに、農村は一つですから、縦割りにそれぞれあっても本当の姿は見えないと思います。そういうやはり内閣としての新しい実験か新しい努力をしていただきたい。いかがでしょうか。 〔委員長退席、田中(直)委員長代理着席〕
○大河原国務大臣 お話のとおりでございまして、農業という産業分野だけでなく、このたびはウルグアイ・ラウンドによって影響を受けるのが中山間地域ということで、地域対策としての施策の強化を図ろうとしておるところでございまして、御提言のような関係省、またほかの省もあるかと思いますが、そういうものを含んだ具体的なビジョンづくりとかその他について研究をするという御提言でございますので、我々としても貴重な御提言として受け入れたいと思います。
○伊藤(茂)委員 もう一つ農水大臣に伺います。 私は、生まれは中山間地の典型のような奥羽山脈の村で生まれました、今は町ですが。そして今は神奈川県、大都市ですね、一番大きなシティーである横浜に住んで活動させていただいております。その両面、自分の人生で考えますと、やはり都市と農村を結ぶということがございますけれども、日常的に消費者が食べるさまざまな食物をつくっている農村が見える。農村から、つくっているものを食べていただく消費者とかが見える。まあ、産地と消費者と直結をするとか、いろいろなことがもっともっと広まっていくだろうと思います。そういうことによって我々の国土を、我々の国をもっと大事にしようという意識も生まれてくるということだと思います。 そこには幾つかの新しい発想が私は必要だろうと思います。例えば、多少高くともやはりふるさとの米をこれは食べたい、あるいは、こういう工夫をして大変健康にも安全ないいものをつくっています、お値段はちょっと高いけれどもこの卵を食べましょうとか、随分今広がっていますよね。ですから、そういう都市と農村を結ぶ、そのためには安心もする、それから安全性についても格段の努力を払わなければならない。それから情報公開ですね。いろいろな意味での情報をお伝えをするということだと思います。 それから、これも国土庁、自治省を含めての問題だと思いますけれども、やはり発想を、先日の御質問の中でございましたけれども、ヨーロッパではアグリツーリズムが今や主流となった。ぴかぴかのお金のかかるところでゆっくりするのではなくて、ゆっくりしたお休みを農村地帯で、そして、何かヨーロッパの人が書いたのを読みましたら、ブドウ棚の下でゆっくり紅茶を飲むと書いてありましたが、そういう時代にこれから時間短縮も含め、なってまいるだろうと思います。 やはりそういう意味での新しい設計、ヨーロッパで、そういう中できれいな新しい田園都市ができるということにもなったというような例を伺うわけでございますけれども、まあ、今までのリゾート法、不備なリゾート法、あるいはそれによって日本列島ゴルフ場だらけになるとか、環境問題とか開発とかいうふうな、知恵のないこととは随分違った状況になっているわけでございまして、やはり農業、それは生産物、何とかというのではなくて、お米、野菜、果物というだけではなくて、そういう広い意味での設計についてもっと大胆な提唱をなさるべきではないだろうかと思いますが、いかがでしょうか。
○大河原国務大臣 いろいろなお話が御質問の中には含まれておりますが、消費者のニーズ、それを生産者が受けとめる、また生産者のいろいろな創意工夫というものは消費者が生産物を消費する形で受けとめるという方法、何と申しますか、システムと申しますか、そういうものについての一段の工夫を要するのではないかというふうに思うわけでございますし、それからまた、グリーン・ツーリズムのお話はそのとおりでございまして、今回の農山村の地域対策にも、農山漁村の長期滞在型の余暇活動を促進するための施策を強化するということを我々も考えておるわけでございまして、御提言の政策方向について一歩二歩進めてまいりたいと思います。
○伊藤(茂)委員 外務大臣に伺います。 世界の人口、食糧問題の将来という議論がしばしばございました。私は、今までのガットの交渉その他の経過の中でも思うわけでございますけれども、やはり世界の人口、食糧というものを関税、通商政策で取り仕切るだけで済むのかなというふうに思うわけであります。確かに自由貿易体制、そしてまた日本がその中でどのような努力をしていくのか、我が国にとってまことに大切な柱であろうと思います。同時に、やはり日本がこれから世界のために果たしていかなければならない役割というものを考えますと、自由貿易体制と、それから飽食と飢餓という象徴的な矛盾のない世界のために日本はどう提唱していくのかということがあると思います。 そういうことを考えますと、今度のウルグアイ・ラウンドの経過は、残念ながらやはり日本が受け身で追われるという立場でございました。これから先は、日本が発信をする、そういう役割を果たさなければならないということであろうと思います。次のラウンドを考えますと、次のラウンドにつきましても、環境と貿易、これらにつきましても、日本が特段の内容のある発信をする必要のある問題ではないだろうかというふうに思うわけでございまして、また、そういうことをやることが、世界における新しい日本の国家イメージとか新しいビヘービアを示していくということであろうというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○河野国務大臣 食糧問題が今後極めて重要になってくることはもう議員御指摘のとおりでございます。人口の増加をわきに置きましても、現在食糧、農産物の偏在という問題もございます。現に、現在世界全体では約七億八千万人の慢性的栄養不足人口が存在する、こう言われているわけでございまして、こうした問題もございます。と同時に、今議員が御主張になりましたように、今後の人口の増加ということを考えれば、これは、我々は今後極めて重要視しなければならないテーマであろうと思います。貿易を語るときに、環境と貿易あるいは食糧と貿易、こういったものについて、輸出国と輸入国というさまざまな立場に立って考えをさらに進めていかなければならないと思います。 次のラウンドのことまで議員はお尋ねになりましたが、この問題が片がつかない今まだ次のラウンドまでとても我々頭が回らないわけでございますが、先般のAPECにおきましては、かなり首脳の方々が中長期にわたる方向性を示唆されました。明年のAPECの議長国としては、そういったことも含めていろいろ考えてみたいというふうに思っているところでございます。
○伊藤(茂)委員 時間ですから終わらせていただきますが、最後に総理に一言申し上げたいのですが、発足以来約五カ月、いろんなさまざまの懸案処理など、やはり国民の御理解を得られるというベースの上で真剣にやってまいったと思います。一つの節目だろうと思います。やはり時代の求める、現内閣、村山内閣らしい政策をどのように積極的にやっていくのか、大事な節目であろうということを私も痛感をするわけでありまして、総理ももちろんそうお考えになっていると伺っておりますけれども、これから新中期計画あるいは軍縮時代の取り組み、雇用問題もございますし、また、これから与党間でも議論しなくちゃならぬ部落基本法の問題とかいろいろございます。それらを含めまして、ぜひ節目を越えた新たな積極展開なさいますように、励ましの気持ちを申し上げまして、質問を終わります。
○田中(直)委員長代理 次に、錦織淳君。
○錦織委員 これまでの長時間の質疑応答の中で、このWTO条約をどのように位置づけるかという議論がなされてきたと思います。繰り返し言われてきたことは、我が国は資源の少ない国である、したがって、我が国が生きていくためには海外から資源を輸入し、そしてそれに加工し、そのことによって生きていく、つまり、貿易立国、工業立国というのを国是としてきたわけであります。 しかしながら、このような政策を長年にわたって続けてまいりますと、当然資源がどうなっていくかという問題が出てまいります。つまり、その資源を使う国と資源を提供するそういった国の格差、いわゆる南北格差の拡大というような問題が起きてまいりますし、また、地球上の資源が有限であるということもはっきり自覚されるようになってきた、そういう意味での資源の枯渇、そういった問題も生じてきております。 あるいは、追いつき追い越せというようなことで、新たにその新しい競争に加わってくる国がふえてくる、そういう中で、世界的規模で環境破壊が進行していく、こういったような現象も出てきているわけでございます。 もちろん、我が国は、戦後のこのような国是に従って政策を展開してきたために自由貿易の恩恵を十二分に享受してきた、これは事実であり、そのこと自体を今さら否定するものではありませんが、二十一世紀に向かって次のラウンドというようなことを考える、つまり、あとの六年間ないし五年間で我が国が何をなすべきかをそろそろ考えておかなければならない、そういう時期が来たと思います。その点について、我が国が国際社会においてどういうリーダーシップを発揮していくべきであるとお考えか、総理並びに外務、通産の各大臣の所見と抱負ないし決意をお伺いしたいと存じます。 特に通産大臣には、今後のニュービジネス、新しい産業がどこから生まれてくるかということで、これまではどちらかというと通信であるとかあるいは情報であるとか、あるいは人によっては老人関連対策であるというような極論すらあるわけでございますが、むしろ環境とかあるいは資源の省エネ型であるとか、そういったことについてのニュービジネスというようなことについて検討すべきときが来ているのではないかということも特にお尋ねしたいと思います。
○河野国務大臣 これまで東西の対立というような、二極に世界が分かれて対峙するような形でございましたが、冷戦の終えんということもあって、世界が一つという方向性が出てまいりました。そういう中にあって、これまで類を見なかった大変多数の国が集まって一つの貿易のルールをつくるという合意ができつつあることは、我々にとってやはり画期的なことであろうと思います。国連に匹敵する数の国が恐らくこれに将来は参加する可能性があるわけでございまして、一つのルールに基づいて安全も考えられる、あるいは貿易、経済も考えられる、そういう世界というものは我々は歓迎していいのではないかという気がいたします。 しかし、今議員が御指摘くださいましたように、我々は、やはりこの状況を持続させるという努力が必要であろうと思います。持続的成長と申しますか、よき環境、よき状況を我々は持続させていくということにも大いに配意しなければならないというふうに思っております。東西という対立軸が終わりを告げつつありますし、それが南北という形に、またもう一度南北というものがクローズアップされて、先進国と発展途上国との間の関係というものに多くの配慮が払われなければならない。先進国がみずから考えたプランを発展途上国に押しつけるというような形では決して長続きしないのだろうと思います。みんなで、どうすれば持続的成長、そしてお互いの発展というものが望めるかということを十分に話し合う、そういう場が必要だし、そういう場は必ず共通のルールの上にできてくるに違いない、こう考えておりまして、今回のWTOというものがスタートをすることができれば、これはそれの一つの第一ステップというふうに考えてよろしいのではないかというふうに思っております。
○橋本国務大臣 今外務大臣から、WTOに関連してお答えになりましたので、私は、角度を変えてお答えをしてみたいと思います。 先般終了いたしましたAPECの総会におきまして、日本は三つのE、すなわち環境、経済、そしてエネルギー、この三つからの議論を組み立ててこの場に臨みました。すなわち、このまま、例えばAPEC地域における経済発展というものをそのままの形で考えてまいりますと、来世紀、非常な発展をすると同時に、それ以上の環境破壊を招くということがエネルギー構成から出てまいります。そして、需給にも大きな問題を生じます。これらに対して、我々は、今後ともの検討を約束し、協力体制をつくってまいりました。当然のことながら、委員が御指摘になりましたような角度は、我々としても十分持って今後とも臨まなければならないものと思います。 同時に、ちょうど一九七一年に、日本では環境庁が発足をいたしました。当時は、公害列島日本と言われるくらい、我々が自然の浄化力の限界を見誤った結果の国土の汚染が進んだ時期であります。二十年たちまして、一九九一年に、その時点における投資というものが経済の上でどう影響したかを分析をいたしました。そして、非生産的経費であるにかかわらず、これは経済成長の妨げにならないのみならず、新たな産業分野の創出を行い、むしろ新たな需要を創出したという分析結果が出ました。翌九二年度の環境白書には、そこに至るプロセスを、企業の行動というものと政府の施策がいかにリンクした結果の行動が成果として生まれたか、このような分析がなされております。 私どもは、途上国に対して、同じ失敗を繰り返さないためにも、こうした経験を、むしろマイナスの情報を含めて提供していく努力が必要であると考えております。私自身も、先般のインドネシアでも、またそれ以前にも、幾つかの国に同様のお手伝いをし、政府としてのサポートをしてきたわけでありますが、我々が果たすべき役割といったものはこうした点にもあろうかと存じます。 と同時に、今申し上げましたように、非生産的経費ととらえた公害との闘い、それが新たな技術を生み出し、需要を創造したということも過去のデータでも明らかであります。 私は、産構審が二十一世紀に向けて提示をされました十二分野というものはそれぞれに重みのあるものであると思います。そして、情報通信というものがその中で大きな役割を果たしていくことも間違いないと存じますが、分野は決してそれのみではない。我々自身が努力すべき目標は他にもあり得る。そして、その中で新たなビジネスの創造のチャンスというものは必ず出てくると考えておりますし、むしろ通産省として、そうした新たなビジネスチャンスに挑戦しようという意欲のある、その業の立ち上がりをいかに支援できるか、これを今後の焦点に当てたいと思っております。
○村山内閣総理大臣 今両大臣からそれぞれの立場から答弁がございましたけれども、これは、私もAPECに参りまして、APECに参加している国々では、発展した国もあれば途上国もあるし、まだ発展の途にもつかないといったような国もある。そういう違いを乗り越えて、お互いに有無相通じ合い、協力し合って全体の発展を期していこう、こういう話し合いがAPECではなされていると思うのです。これは世界全体も私はそうだと思いますね。 今お話もございましたような、持続的に経済を発展させるためには、何よりも大事なことはやっぱり平和であるということ、あるいは軍縮を積極的に進めていくこと、そしてまた人口やら、あるいは食糧やら環境問題というようなものを抜きにして経済の発展はないということも十分あり得ることでもありますし、今御指摘もございましたように、資源も有限ですから、その有限な資源をどう有無相通じ合って世界全体の発展のために活用していくかというようなことも重要だと思いますね。 私はむしろ、日本に課せられたこれからの役割というものは、今申し上げましたような視点に立って、そして本当に平和と安定が期されるような、そういう願いを込めてリーダーシップをとっていくということがこれからの日本に課せられた最大の課題ではないかというふうに受けとめたいと考えています。
○錦織委員 各大臣から大変力強い御決意をお述べいただき、大変心強く思います。私もいろいろな経験の中から、いろいろな成功した政策の中には必ず陰の部分が実はつきまとっているというふうに考えておりますので、そういった意味で、ぜひとも新しい二十一世紀の政策展開に向けて具体的な施策を詰めていかれるように御要望したいと存じます。 なお、それに関連いたしまして、我が国の国内的な問題に目を転じてみますと、今後は地域社会における産業振興、これまでおくれてきた地方における産業振興といったものをどのように展開していくか、あるいは、むしろ新しいニュービジネスはそういったおくれた地域にこそ可能性が秘められているのではないかという感じもいたします。 そこで、今回のガット対策に関連してお尋ねいたしますが、六兆百億円の総合対策のうち三兆五千五百億円が公共事業関連であり、これまでの御答弁によりますと、その四割が中山間地域対策であるということであります。 ところで、今回この中山間地域対策の中で特筆すべき点は、中山間総合整備事業の拡充強化という点と、そして自治省の農山漁村対策の地方単独施策の拡充として一兆二千億円が計上されているということでございます。 ところで、この中山間総合整備事業は、事業としては既に存在している事業でありますが、今般のガット・ウルグアイ・ラウンド関連対策の開始とともに、内容をより充実すべきである、このように考えます。 そこで、まず第一に、具体的にこの事業を利用する市町村の創意工夫というものが、どのように生かせるような仕組みに改善されるのか。第二に、このメニューの内容を広げる、そして多目的に利用できるように、どのような工夫が凝らされているのか。そして第三に、各自治体がばらばらに、小さい自治体がばらばらに事業をやってもうまくいかない、それぞれ有機的な結合を図るように自治体の広域連携をすべきである、この点についてどのような工夫が凝らされているのかということをお聞きしたいと思いますし、また、自治省の地方単独事業との有機的な関連ということについても前向きに考えておられるとお聞きいたしておりますので、その点についてもお伺いをいたします。 農水大臣及び自治の両大臣にお答えをお願いいたします。 〔田中一直一委員長代理退席、委員長着席〕
○大河原国務大臣 御指摘の中山間地域の総合整備事業については、既に事業も開始しておるところでございますが、特に今回の地域対策、中山間地帯対策の強化を目指しまして、その内容についての拡充強化をして、最も地域の要請に密着するような仕事にいたしたいというわけでございます。 例えば、御指摘があったメニュー等については、そのメニューを大幅にふやしていくというようなことで自主性にこたえるということでございますし、さらには、従来の事業が集落単位的な事業を前提としておりましたのを、町村あるいは広く複数の町村ということの連携による事業等を考えていきたい。例えば、都市と農村の交流の施設とか、定住とか、就業改善等々、そのような事業を、市町村の単独事業と連携を図りつつやり得るような事業を考えていきたい、さように思っておるところでございます。せっかく対策事業としての財政の裏づけもございますので、それらの地域についてしっかりやりたいと思っております。 それからなお、御指摘でございます地方単独事業と申しますか、地方の自主性に基づく事業と国の事業との連携、これはまあ、従来はややもすれば、国は事業を中央で仕組んで、地元負担だけで市町村を考えるというようなことになりがちだったわけでございますが、地方の単独事業と国の事業とをうまく重ね合わせてやり得るようなことを考えなくては相ならぬ、さように思っております。
○野中国務大臣 ただいま農水大臣からもお話がございましたけれども、中山間地総合整備事業につきましても、国庫補助事業と地方の単独事業をうまく組み合わせまして、そして地域の事情に合った、それぞれ有効な事業が行えるように、地方単独事業あるいはふるさと事業等を組み合わせまして、地域のそれぞれ振興に役立つようにやってまいりたいと考えております。
○錦織委員 どうもありがとうございました。
○佐藤委員長 次に、仲村正治君。
○仲村委員 村山総理、昨年八月細川内閣が発足して以来、過去一年間の我が国政治を思い起こすとき、その間にやり遂げた仕事、あるいは実現のきっかけをつくった実績は、ある意味で今までの政治がなし得なかった先送りの重要政治課題を片づけることができたことと評価すべきことだと私は思うが、これについての総理の御所見をお聞きできたらと思っているところであります。 それは昭和六十三年のリクルート疑惑事件に端を発し、我が国政治が地に落ち、国民の政治不信は頂点に達した。そして、そのとき、当時の政権党はその責任を重く見て、国民にみずから政治浄化のための政治改革を公約した。しかし、自民党は党内の意思統一ができず、そのために二つの内閣をつぶして野党に転落してしまった。その後を継いてできた細川内閣は、政治改革という大事業をいろんな妨害と非難と中傷をはねのけて着実に軌道に乗せ、去る十一月二十一日、ついにそれを実現させることができたのであります。 細川内閣は、さらにもう一つ、昭和六十一年に、ほかでもなく我が国が提唱したガット・ウルグアイ・ラウンド交渉ですが、細川内閣は、自由貿易の恩恵を最大に享受している貿易立国としての我が国の総合的国益の見地から、七年余の懸案ともいうべきガット・ウルグアイ・ラウンド交渉の受け入れを、これまたいろんな非難、攻撃、中傷を受けながらも、骨身を切る思いの苦渋の決断をしたのであります。もちろん、これは我が国農業分野に及ぼす不利益と被害を是正するための国内農業振興対策の実施を前提条件としたものでありましたが、そのことが今回のWTO協定締結案件となったのであります。 しかし、ここまで到達するまでの過去一年間の国会審議を振り返ってみるとき、政治改革をつぶそうとするあの守旧派の政治改革つぶしのための、人民裁判であるのか国会審議であるのかわからないような、すさまじい、冷酷非情、憎悪に満ちた攻撃と追及の国会審議を思い起こすとき、本当に身のももよだつほどぞっとするものがありました。私は、細川総理は、国家国民のためとはいえ、よくぞここまで耐え忍び、この二つの大事業を実現の軌道に乗せていただいたなと、その苦労に深甚な敬意を持つものであります。 さて、旧連立の一員であられた村山総理は、この政治改革関連法の完成とWTO協定締結案件をここまでこぎつけた細川内閣の足跡をどのように評価されるのか、率直な御意見をお聞かせいただきたいと思います。
○村山内閣総理大臣 昨年七月の総選挙以後を思い起こすわけでありますが、あの総選挙に表明された国民の意思というのは、やはり政治を変えてほしいという政治改革を期待する声が大変強かった。その国民の声を受け入れて、この細川連立政権が発足をした。したがって、細川連立政権の最大の課題というのはやはり政治改革になったというふうに考えているわけであります。それだけにまた、細川連立政権に対する国民の期待も高くて、大変高い支持率を得て発足をした。それなりに私は政治改革の問題には、今お話もございましたように、真剣に取り組んでこられたというふうに考えて評価をいたしております。 ただ、政治全体をどう運営するかという連立政権のあり方については、必ずしも私どもの期待どおりにはいかなかったというので、まあ言うならば連立政権内部からいろいろな動きが出てきて、そしてああいう結果に終わらざるを得なかったというふうに考えておりますが、私どもはそれだけに、そうした連立政権の経過と経験の反省に立って、これからはより透明度の高い民主的な運営をしながら、課せられた課題について、例えば政治改革も中途半ばでしたから、区割り法案も上げ、同時に、議員立法の形ではありますけれども、一層連座制の強化を図る等腐敗防止にも力を注いで、そしてようやく政治改革の関連する一連の決着をつけることができたというふうに考えておりますし、これからはさらに経済改革なりあるいは税制改革なり、あるいはまた行政改革といった面について、これだけ客観的な条件が変わってきたわけでありますから、その変わった条件に十分対応できて、しかも二十一世紀に展望を開く、そういう基盤というものをつくらなきゃならぬという使命というものを感じながら私どもこれからも政権を担っていきたい、こういうふうに考えているところでございます。
○仲村委員 私は、この先送りされた二つの重要政治課題をなし遂げる過程で細川元総理に向けられた非難、攻撃、中傷を考えたときに、沖縄の琉歌の中で歌われている 誉みて謗らりし世の中ぬ慣い沙汰ぬ無ん者ぬ何役立つがという歌を思い起こすのであります。この意味は、褒められたりそしられたりの毀誉褒貶は世の常である、政治家がそれを恐れて何もしないことはその責任からの逃避であるということであります。 これは一六五〇年代の琉球王朝時代の大政治家蔡温が残した格言ですが、彼は当時、土地改良事業やため池やダムあるいは治山治水の土木事業、あるいは防潮林、防風林、街路並木の植林事業を徹底的に行わしめた。その足跡は、三百年経た昭和二十年代まで、大戦まで沖縄の至るところに残っておりましたが、昭和二十年の米軍との激戦によって跡形もなくなくなってしまったのであります。多分、この歌を詠んだということは、土木工事や植林事業をするために住民に協力を求めなければならなかったということに対する政敵からの批判に対する反論のために詠まれた歌だと思っております。 私は、これだけの二つの先送り政治課題をなし遂げた細川総理の御苦労に対して、本当に激励の意味を込めてこの歌を贈りたいのであります。 そこで、質問を続けたいのでありますが、村山総理、このWTO協定案件と関連法案は、去る十一月十七日から当委員会できょうまで九日間の質疑が続けてこられました。この協定締結の前提条件ともいうべき国内緊急農業農村対策の事業費の性格や財源のほか、新食糧法について、重要な事項について政府はいまだ自信を込めた明確な答弁がなく、あいまいもこの状態でありました。まだ解明をせねばならない多くの疑問点が特に新食糧法などには残っております。 このWTO協定の締結は、貿易立国の我が国の国益に合致することは大多数の国民が支持していることだが、同時に、このWTO体制下で我が国農業、農村の営農が続けられるための万全の対策を講じなければ、我が国農業は壊滅的打撃、いや、その存立の危機さえ及ぼしかねないという懸念もまた国民共通の認識として持っているところであります。 したがって、我が国のWTO協定締結の条件整備としてのウルグアイ・ラウンド農業合意受け入れの緊急農業農村対策事業費が、既定予算といわゆる既決長期計画事業等の別枠、上積みであることを繰り返し繰り返し大蔵大臣や農林水産大臣に明確な答弁を求めてきたのでありますが、先ほども申し上げたように、答弁の食い違いあるいはあいまいもこな答弁を繰り返してきておるのであります。そして、その財源についても、過般に強行可決をした消費税の五%へのアップを含めた税制改革にも予定されておらず、いまだその財源の見通しがついてないという答弁で、まるで空手形にも等しい状態であります。我々改革としては質疑の続行を求めたいところでありますので、本日質疑の締めくくりをすることは極めて不満であります。 私は、まずこのことを前置きして、村山総理にお尋ねいたしたいことは、七年余のガット交渉の積み上げの結果、ウルグアイ・ラウンド交渉は、昨年十二月、百十六の国と地域が痛みを分け合って実質的妥結となったのであります。この決着は、単に一国繁栄主義というエゴの主張ではなく、世界全体の相互利益のための包括的貿易の新ルールづくりという、まさに人類の英知を結集した到着点であったと私は考えております。 しかし、我が国にとって農業分野の受け入れは、国内の農業、農村に深刻な打撃とその存立の危機さえ引き起こしかねないという苦渋の念に腐心しながらも、資源のないこの国日本、狭隘の国土に一億二千四百万人の国民が今日、自由貿易のおかげで豊かさを享受していることを考えるとき、細川内閣は文字どおりの断腸の思いの決断をしたのであります。 当時、村山総理は社会党委員長として細川内閣の一角を担っていましたが、そのとき社会党は、このウルグアイ・ラウンドの受け入れに応ずるかそれとも政権離脱がで大揺れに揺れて、延々二日二晩の議論の末に、十二月十四日の未明にようやく受け入れやむなしの決定をしたのであります。そして、今回村山総理は、みずからこのWTO協定締結の承認を求める立場になられたのであります。 村山内閣は外交は継続だと言っていますが、このWTO協定を締結することは単に国際約束だから継続やむなしという姿勢か、村山総理はあの当時の細川総理の苦渋、苦悶の中にも勇気ある決断をどのように評価し、またこのWTO協定の締結が我が国にとってどのような意義を持つものであるのか、その評価をあわせてお尋ねいたしたいと思います。
○村山内閣総理大臣 今委員からもお話がございましたように、あのウルグアイ・ラウンドの協定を受け入れるか受け入れないかという場合に、これはもう内閣はもとよりでありますけれども、我が党も、各党それぞれの立場から、これを受け入れることによって日本の農業はどうなっていくのかというようなことに対する深刻な、真剣なやはり議論がされたと思うのです。社会党も二晩かけていろいろな議論をいたしました。 しかし、農業だけの問題ではなくて経済全体の立場に立った場合に、これはやはり拒否することは問題が残るのではないか。同時に、連立政権を維持するためには受け入れざるを得ない。こういう苦渋の選択をして細川内閣が受け入れたその調停案を社会党も了解しようという立場に立った。それだけに責任があるわけでありますから、受け入れ後の農業をどう守っていくか、あるいは国民の食糧をどう確保していくかというようなことについては、真剣な対策を考えていこうといって取り組んできたわけでございます。 先ほど委員から、あいまいもことしてとか、あるいは自信がないとかというような表現がございましたけれども、これだけ国会の中で真剣な議論をされているときに、やはりこの国会を注目している国民の皆さんや農民の皆さんにも安心と自信を持って取り組んでいただけるということが大事ではないかというふうに思いますから、もしあいまいもこやら、あるいはただ自信がないというような点があるのなら御指摘をいただいて、十分ひとつ解明をしていただくことが大事ではないかというふうに思いますが、政府としては、当面考えられる範囲においてこれが最善の策であるという立場から御審議をいただいているわけでありますから、そのことは誤解のないように御理解を賜りたいというふうに思います。
○仲村委員 私があいまいもこという指摘をいたしましたのは、総括質疑のときの十七日、二十一日の総理の答弁、そしてその後の大蔵大臣、農林大臣、全部答弁が食い違っておりましたので、私はそのように指摘をしたのであります。きょうようやく、総理の先ほどの決意をお聞きいたしまして、かすかにその方向が見えてきたような感じがしているわけであります。 我々は、WTO協定の締結とそれに関連して提案されている関連法案には、基本的に賛成であります。しかし、決して無条件ではない。それには国内対策の万全を期すという前提条件がついているということであります。特に農業分野の受け入れは、WTO協定を我が国の総合的国益の見地から受け入れざるを得なくなったということであります。しかし、そのために、先ほどから強調しておりますように国内農業は壊滅的打撃と深刻な犠牲を強いられることになるので、それは当然国民全体の負担でその犠牲を負担し、償っていかなければならない。我が国農業、農村が今後世界の自由貿易体制下でも安んじて営農にいそしめる基盤整備等、万全の対策を講ずるために、細川内閣は昨年十二月十七日にウルグアイ・ラウンド農業合意関連の緊急農業農村対策本部を設置して、我が国農業、農村が二十一世紀に向けて持続的発展が図られるように閣議で決定をしたのであります。その決定は羽田内閣、村山内閣と引き継がれて、政府は去る十月二十五日、ウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策大綱を決定し、そして平成七年から平成十二年までの六年間で総事業費六兆百億円のウルグアイ・ラウンド農業合意関連の新規事業をするという決定をなされたのであります。 村山総理、あなたはウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策の緊急農業農村対策本部長であります。あなたの責任で決めたその対策費六兆百億円は、八月末の農林水産省の概算要求とは全く別の性質のものであるということは明々白々であります。私は、村山総理が緊急農業農村対策本部長としてウルグアイ・ラウンド対策費は既定予算の別枠であるということを明確にお答えをしていただかなければ、このWTO協定締結を我々は承認するわけにはまいりませんということであります。先ほども我が改革の小平さんにお答えになられましたが、いま一度総理の明確な責任ある御答弁をお願い申し上げたいと思います。
○村山内閣総理大臣 先ほど御答弁を申し上げたとおりでありますが、これまで審議の中でいろいろ御答弁がございました。その答弁を、きょうは最終日ですから整理をしてまとめた形で私が申し上げたわけでありますが、もう一回申し上げさせていただきます。 今回の対策につきましては、六年間の新しい事業として六兆百億円の事業を講ずる旨を政府・与党が責任を持って決定をしたものでございます。これについては、各年度の予算編成過程で検討の上きちんと対処する考えでございます。 また、従来の農林水産予算につきましては、これに支障を来さないよう配慮されることとされておりまして、他の予算同様、予算編成過程で総合的に検討されるものでございます。従来の農林水産予算をただいま申し上げました新しい事業の財源捻出のために削減、抑制するようなことは考えておりません。 これが整理された私の答弁でございます。
○仲村委員 先ほどもその件につきましては総理から御答弁をいただいたところでございます。その中身を、字面を読んでみますと、従来の農林水産予算を、六年間の六兆百億円の新しい事業に引き当てるための財源を捻出するために、従来の、既定の枠の予算を削減したり抑制したりすることはしないということは、改めてひとつ断言していただきたいと思います。
○大河原国務大臣 お答え申し上げますが、総理の小平委員に対する統一見解で尽きておると思うわけでございまして、新しい事業の実施のために、既定予算、三兆四千億の従来予算に対して削減、抑制を加えることによって財源を捻出することはないということを明言されておるわけでございます。
○仲村委員 大変くどいようですが、六年間の新しい事業の六兆百億円が平成七年から始まるわけですから、単純計算で、わかりやすく言うなれば、従来の既定予算を仮に概算要求どおりに三兆四千二百六億円とした場合に、平成七年度の農林水産省の予算は、この三兆四千二百六億円にプラス六分の六兆百億円と見ていいですね。それは六等分確実にできるとは思いませんけれども、わかりやすく言えば、この概算要求の農林水産省予算——何で首を振りますか。農林水産省予算は概算要求で三兆四千二百六億円出ています。それがそのまま認められたというときに、平成七年度の農林水産省の予算は、この三兆四千二百六億円プラス六分の六兆百億円と見ていいですねということなんです。
○大河原国務大臣 仲村委員の御所論は二つあるわけでございまして、一つは従来予算ですね、従来予算を前提となさっておるわけでございますが、概算要求は、これは例年のとおりその中の予算の査定というものが予算編成として当然あり得るわけでございまして、その点で、それを前提にしてびた一文それから動かないということはないわけでございます。 それから、そういう意味で六分の一というお言葉もございましたが、これは六年間の事業でございますから、事業の進度率はそれぞれの年度によって最も効果的にやらしていただくということでございまして、機械的に六分の一というようなことは考えておらないわけでございます。これからそれぞれの事業を積み上げて、進度ということでございます。
○仲村委員 毎年度の予算が概算要求どおりに決まるということがないということは、そのくらいのことは私だってわかります。これは切り込まれるところもあるし、あるいは追加されるところも出てくると思います。 そこで私は、基本的に、総理がこの中で言っておられる、従来の農林水産省予算を新しい事業の財源捻出のために削ったり抑制したりすることはないということでありますから、仮に平成七年度の農林水産省予算、概算要求で出された三兆四千二百六億円がそのまま認められたというときに、この新規事業を加えた農林水産省の予算は三兆四千二百六億円プラス六分の六兆百億円。この六分の一ということも、これは仮に六等分したときの話です。これは、場合によっては五分の一、四分の一平成七年度にくっついてくるかもしれない、しかしそういうことなんですねということを確認しているところです。
○村山内閣総理大臣 これはもう私が先ほど答弁をしたとおりに御理解をいただきたいと思うんですけれども、これからさらに七年度予算の編成が始まるわけでありますから、その答弁をしたことを十分踏まえた上で予算編成に当たるということになるわけでありますから、そのように御理解を賜りたいと思うんです。 今ここで予算はこうなるのかああなるのかということを言えば、これは予算編成にも影響があるわけでありますから、その答弁は差し控えさせていただきますが、答弁をしたとおりを踏まえて予算編成に当たるというふうに受けとめていただいて結構ですから、そのように御理解をいただきたいと思います。
○仲村委員 私も、概算要求どおりに予算が決まることはない、それは増減はあり得ると。だから、それを前提にして、皆さんがここで削減もしない、抑制もしないということを言っておられるので、やはり新しい性格の事業である以上、この既定予算、従来予算にプラス新規予算というふうな考え方でいいですねということを確認しているわけでありますが、総理はそのようにまあひとつ受け取ってほしいということですので、それは了解といたします。 そこで、総理は先ほど、このウルグアイ・ラウンド関連対策の六兆百億円に対する政府統一見解、この文書を私も持っているわけですが、これに対していろいろ回りくどい答弁を繰り返された後、結局最後は、政府の統一見解であるということを言われた。素直にこれを読みますと、従来予算とは別の事業であり、別の予算であるというふうに私も受け取っておりますし、国民全体もそのように受け取っておりますが、その点よろしいですね。そのようにひとつ御答弁をお願いします。
○武村国務大臣 総理が申し上げたとおり、あくまでもこれはガット・ウルグアイ・ラウンド後の日本農政に対する新しい事業であります。そういう姿勢で予算編成、対応させていただきます。
○仲村委員 ですから、私が申し上げておりますことも小平委員に答弁された感じで、最初はもう何とか逃げよう逃げようとして、最後は統一見解でありますというふうに言われたわけですが、従来予算プラス新規予算という考え方を今はっきり言われたので、そういうことであれば、総理が十一月十七日と二十一日に答弁された、六年間の新しい事業の六兆百億円は従来の予算の別枠ではないというふうにお答えになられたことは、これは白紙に戻してもらわなくちゃならないというふうに思いますけれども、どうですか。
○村山内閣総理大臣 いろいろ答弁をした経過がありますから、その経過を全部総合的に整理をしてお答えしたのが前お答えしたとおりであります。
○仲村委員 そのとおりだというやじもありますけれども、しかし、これはこのWTO協定を受け入れることによってやはり我が国農業、農村に及ぼす不利益、それをきちっと担保するような形でのものでなければならないという立場から、私たちは明確な政府の答弁を引き出さなくちゃならない責任があります。そういう立場で、非常にくどいようですが、繰り返し繰り返しお尋ねをしているところであります。 武村大蔵大臣は、今も私の総理に対する質問の中でお答えになられたわけでありますが、今総理から六兆百億円の予算の性格を内閣の統一見解として確認の御答弁をいただいたので、これ以上確認することもないとは思いますが、やはり大蔵大臣は、今までの審議を通じて、財源の見通しもついておりません、あるいは税制改革の中でも予定されておりませんとか、そういうことを答弁されたわけでありますので、何となく私たちはこれに対する、やはり空手形のような感じがするなという疑問の念を持っております。 そこで、私は、大蔵大臣も総理の答弁のとおりの財政運営の責任を持って、ウルグアイ・ラウンド関連の農業対策六兆百億円は従来予算とは別の新しい事業として予算措置をするという確約がいただけますか。もう一度ひとつお願いします。
○武村国務大臣 総理が言葉を整理までしていただいて、きょうは二回答弁をいただきましたが、この考えをしっかり踏まえて予算編成の責任を全うさしていただきたいと思っております。 なお、昨日の答弁でもございましたが、また、結果としてどうなったかということは、予算書もございますが、私どもも整理をして国会の場で報告をさしていただく考えてあります。
○仲村委員 どちらかというと大河原農林水産大臣は、この質疑の中で答弁をされたことは、新しい事業である、割と前向きの答弁をしてこられたわけでありますが、あの十七日の総理の答弁あるいはまた大蔵大臣の非常にあいまいな答弁から、これは果たして大河原農林水産大臣が言われるとおりの新しい事業なのか、新規事業なのか、既定予算に上積みをする形になるのか、不安な気持ちがなかったわけではございませんが、きょうしっかりと総理から統一見解であるというふうにお述べになられましたので、この予算に対して農林水産大臣はこれがより明確に担保されたというふうに受け取っておられますか。
○大河原国務大臣 かねがね、十月の二十五日にこの国内対策を決定するときの六兆百億、これに対する政府・与党の了解はそういう線だったと思うわけでございます。今総理が明確に答弁した線だと私は受け取ってきたところでございまして、ここにおいても、当委員会においてもこういう御答弁を申し上げてきたつもりでございます。農林大臣としてはその御答弁をしてきたつもりでございます。
○仲村委員 農政担当の農林大臣も、総理の答弁を受けて、これはより明確に六兆百億円が既定予算とは別の新しい事業であるということが担保されたというような御答弁をいただきましたので、ぜひそのようなひとつ農林行政の運営をしていただきたい。明確に十二月の予算編成のときには国民の目に見えるような形で、これをきちっと予算を編成していただきたいということをまず御希望申し上げておきたいと思います。 そこで、大河原農林水産大臣にお尋ねをしたいんですが、去る二十五日、私の質問の中で自民党の議員立法で提出されている外国産牛肉輸入調整法案は今回政府提出の関税定率法の一部を改正する法律案と両立はしない、矛盾する法律案であるということを指摘したのに対して、これは取り下げますというようなことを言われました。しかし、今私たちはこの関税定率法の一部を改正する法律案も含めてこれを処理しようとしておるわけでありますので、これは一括処理をしなければ国際信義にもとる、そういう意味から、私たちが例えば新食糧法はもう少し審議すべきじゃないか、継続にすべきじゃないかという意見に対しても、これは一括処理をしないとこのWTO協定に影響が出るというようなことを言っておられるわけであります。 そういう意味からすると、この相反する法律をそのままひっ提げておいて、ぶら下げておいてこのWTO協定を締結するというのはおかしいじゃないか。だから、それをいつ……(「議員提案だ」と呼ぶ者あり)いや、これは自民党の。じゃ自民党総裁にお尋ねいたします。いつまでにそれを取り下げさせるのか、お答えをいただきたい。
○河野国務大臣 閣僚として議員立法の取り扱いについて答弁をすることはいかがかと思います。議員立法はあくまで議員立法でありまして、今仲村議員いろいろと御指摘になりましたが、私どもは政府としてWTO協定及び七法案を一括御審議をいただいている。これは政府の立場でお願いをいたしているわけでございます。議員立法の扱いを、政府の答弁席からこの取り扱いを云々するということはいささかいかがかと存じますので、答弁は差し控えさせていただきたいと思います。
○仲村委員 私の二十五日の質問に対しては、農林水産大臣もこれは取り下げさせますというようなことを言われた。じゃ、処理は皆さんとしてはそのまま、ぶら下げたままこの法律の決着をつけるというわけですか。
○大河原国務大臣 本件については小平委員からも実はその後御質疑がございました。議員立法でございますから、政府の方でとやかく言うわけではございませんが、御質問がありましたので、ガット十九条のセーフガードに抵触する部分がある、したがってそれについての取り扱いについて検討しておるというふうに承っておる、そういうことを申し上げたわけでございます。
○仲村委員 そうすれば、農林大臣として、河野外務大臣として、そういう法律が、たとえ議員立法であっても政府・与党の一角を占める自民党から出ている法律案であります。これがそのままの状態で好ましいと思いますか。今の関税定率法の一部を改正する法律案とこれは整合しないと思うけれども、そのままでいいと思いますか。
○河野国務大臣 繰り返しになりますが、国会は、議員がそれぞれの考えに基づいて議員立法として議案を提案する立法権というものはお持ちでございますから、その議員の立法権に従って議員提案をなさるということは、これは議員もお認めいただけるのだろうと思います。 私の立場からそのことについてとやかく言うというのはいささか筋が違う、少なくとも私は、大臣席からこれ以上のことを申し上げるのはいささか筋が違うのではないかという思いがいたしているわけでございます。
○仲村委員 私たちの考え方としては、やはりWTO協定が一括処理であるという立場から、この新食糧法は生煮えの状態である、十分解明されていない部分がたくさんある。しかし、これは一括処理をしなくちゃならぬというような外務省などからの意見もあって、では、今後その足らない部分は詰めていこうという立場でこれを受け入れる気持ちになっているわけでありますが、この整合しない法律をそのままほうっておいてそのような理論が成り立つのかということを、私は強くこれは指摘を申し上げておきたいと思っております。 総理、今回WTO協定締結関連法案として提案されている新食糧法についてでありますが、委員会審議を通じて浮き彫りにされたことは、この法案が十分検討もされずに、駆け込み的に、生煮えのまま法案提出がなされ、生産者の側から見ても、消費者の側から見ても、それぞれの対策がすべてあいまいな状態であるということであります。 確かに、現行の食管法が戦時体制下でつくられた、もはや今日の市場経済下にそぐわなくなってしまったので、この食管法を改廃すべしとの国民の声は一致していると思っております。しかし、今回政府が提出した新食糧法なるものはそのような国民の期待にこたえ得るものではない。しかも私は、内閣にいる人たちが、この新食糧法あるいはWTOに対する理解の仕方が非常にまちまちであるということを非常に嘆いております。 と申し上げますのは、十月三十一日に田中国務大臣が福島市でこのような話をしているのです。日本農業を売り渡すと細川さんはおっしゃったと。これはウルグアイ・ラウンド受け入れに対することだと思います。そして、村山内閣の対応について考えますと、七月、八月、もう夏休みになって、九月、十月は調印に世界の状態がなっていて、村山内閣に何ができるでしょうか。国際社会で売り飛ばされてしまったものを、どうにもならないので、どうするかということで出てきたのが六兆百億円なんです。日本の米の自給率は高くありません。昨年は凶作、ことしは大豊作。百五十万トンの備蓄ができないのは、食管が機能してなかった、食糧庁が仕事をしてなかった。 こんな感じでこれは言っているのですが、そういうWTOに対する不認識、この新食糧法に対する不認識、そういう内閣の状態の中で、本来なら我々改革としても、国民の期待に十分こたえられてないまま新食糧法を通すわけにはまいりませんので、継続審議を主張したいところでありますが、WTO協定締結との関連で、できれば一緒に処理すべき性質のものであるということから、まことに不本意ながらこれに反対しないということであります。しかし、このまま不備の法律を放置してはならないというので、次期通常国会までに必ず、生産者からも消費者からもなるほどと思われる内容の整備をするという約束を総理並びに農林大臣に希望するものでありますが、お答えをいただきたいと思います。
○村山内閣総理大臣 細川連立政権のときに受け入れをして以後、緊急農業農村対策本部も設置をされ、あるいはまた、その後与野党間で十分な話し合いもされ、同時に与党の内部でも、三党でもう十分な審議を尽くし、慎重の上にも慎重な判断をした結論として緊急対策、こういう農業対策大綱というものもつくって、そして準備をしてきた経過でありますから、その点も十分踏まえた上で、最終的に御賛同いただけるというお話も承りまして心から感謝を申し上げておりまするが、与野党一体となって、これから日本の農業をどうするかということをお互いに真剣に考えていきたいというふうに考えております。
○大河原国務大臣 総理のお答えのとおりでございまして、特にこれを預かる私といたしましては、当委員会におけるさまざまな御論議、これを十分に体しまして、さらに運用等についても、今後関係方面それぞれに御意見をちょうだいしながら、誤りなきを期したい、さように思います。
○仲村委員 終わります。
○佐藤委員長 仲村君の質疑は終了いたしました。 次に、松本善明君。
○松本(善)委員 総理の出席されない委員会での議論の結果を踏まえて、総理に質問をしたいと思います。 武村大蔵大臣は十一月二十一日、本委員会で山本委員の質問に答えて、「外国米を入れるということを認めるわけですから、これは国会決議に反しておるというのは、これはもう事実でありますし、率直に認めなければなりません。」とはっきり答弁されました。これは議事録のそのままであります。 村山総理も、国会決議に沿えない結果になったとか、国会決議に合致しているとは言えないという細川元総理の答弁を引用して答弁をされ、私が、国会決議違反ではないかという質問をしましたら、やむを得ないという決断をしたということで、反論はされませんで、事実上国会決議違反を認められました。 私は、今までの総理の答弁を繰り返していただこうと思っているわけではございません。端的にお聞きしたいのは、武村大蔵大臣の見解と総理の見解は違うのかどうか、その点について明確にお答えいただきたいと思います。
○村山内閣総理大臣 私は、私の答弁と大蔵大臣の答弁とに違いがあるとは考えていません。
○松本(善)委員 それでは、国会決議に反しているということを認められたというふうに思います。極めて重大なことであります。 二番目の質問は、アメリカのWTO協定実施法の百二条に、ウルグアイ・ラウンド諸協定のどの規定もアメリカ合衆国の法律に反するものは効力を持たないと明記しであることについて総理に質問をいたしましたけれども、この百二条は、それだけにとどまりませんで、通商法三〇一条が有効だということも明記をしております。 橋本通産大臣は、ジャカルタでカンター代表、ブラウン商務長官との会談で、この実施法案にあるスーパー三〇一条の問題について疑義があると言って議論をし、そのときのアメリカ側の見解は、スーパー三〇一条などの存在自体がWTO協定に違反するものではない、そして、WTO協定以外の部分についてこれを行使することは妨げないというものであったようです。そして、その見解とは完全に平行線であった、こういう答弁がございました。私がお聞きしたのについては、通産大臣は、スーパー三〇一条などの存在自体WTO協定に違反するとは言えないにしても問題があるという立場で議論をしたという御答弁でありました。 通商法三〇一条問題は日本の貿易業者が本当に苦しめられている問題ですから、その立場から議論をするのは全く当然であります。私は、通商法三〇一条が有効だという規定をWTO実施法に入れたということ自体に強く抗議すべきだと思います。 ところが、これからはよく聞いていただきたい、村山総理は本会議で、WTO協定実施法案、アメリカのですよ、これは米国としてのWTO協定上の義務を履行できるよう必要な立法措置をすべて盛り込んだものと承知しています、こう答弁された。覚えておられると思います。言うならば、アメリカの実施法に問題が全くないという立場を表明されたわけであります。この答弁は、橋本通産大臣がアメリカ代表と議論をした立場とも違います。自由民主党の大臣以上にアメリカ寄り、アメリカの経済覇権主義に屈服した姿だと言わざるを得ません。 私は、答弁を訂正をする考えが総理にあるかどうか、それとも通産大臣の答弁は間違いだというのか、その点をはっきりとお答えいただきたいと思います。
○橋本国務大臣 私は、三〇一条とWTO協定における関係というものを、実施法案には三〇一条についての規定も含まれておりますけれども、三〇一条の存在自体がWTO協定に違反するというものではない、米国がWTO協定の対象事項について、三〇一条などに基づいて相手国の利益を侵害するような一方的措置をとる場合には違反である、こうした関係を踏まえて三〇一条がWTO協定の精神に関して問題だと述べております。総理と私は食い違っておるとは考えておりません。
○松本(善)委員 総理、お答えいただきたい。 今は、やはり問題があると。あなたの答弁は、問題がないと、アメリカの実施法に。そういうものであります。先ほど読んだとおりであります。私は違っていると思います。もし通産大臣の答弁が間違いだというならば、自分の答弁をお変えになる必要があると思います。はっきりお答えいただきたいと思います。
○村山内閣総理大臣 今通産大臣からも重ねて答弁がありましたけれども、私はこれまで答弁を申し上げましたように、アメリカがウルグアイ・ラウンド合意実施法案というものを今国会で提出をして、先般下院では議決をされて、これから上院で審議をされるようでありますけれども、その実施法案の中に必要な国内法の改正は含まれておる、ですから問題は別にないんだというふうに私は申し上げました。 この三〇一条の関係というのは、このウルグアイ・ラウンドの関連法案とは直接的に私は関係がないと思いまするし、仮にウルグアイ・ラウンドで対象になっているものについて三〇一条が発動された場合には、それは明らかにWTOの協定には反するものだと私は思っておりますし、同時に該当しないものについてまで影響を及ぼすかといえば、それはまた国内法の関係ですから関係はないのではないかというふうに私は思っております。 したがって、こうしたWTOでいろいろな紛争処理の条項が設けられておるというようなことも考えた場合に、必ずしもこの三〇一条が精神的に了解できるものかどうかということについては、通産大臣が答弁したとおりに私も理解をし、受けとめております。
○松本(善)委員 総理の答弁は、やはりアメリカの立場の弁護というふうに私は受け取らざるを得ません。それは日本の貿易業者が本当に苦しんでいる問題、これでいいんだというふうに私はとらざるを得ない。それは極めて遺憾であります。 アメリカの国内法優先主義というのは非常に明確で、東京ラウンドの際の通商法、NAFTA実施法でも貫かれておりましたし、今回でも同じです。国内法に違反するからということで条約を改正したということまであることは、ここで議論をいたしました。 クリントン大統領と共和党院内総務ドール氏との間での合意では、WTO紛争処理再検討委員会をつくるなど、アメリカの利益保護を強化をする措置を新設することにしたということが報道されております。フランス政府は、ウルグアイ・ラウンド合意と一致しない内容を含む実施法を可決して批准とするならば、アメリカに対して厳しく対処するという態度を発表し、欧州委員会の報道官は、一方的措置がより強まることを意味するので悪い信号と考えられるというふうに述べたということであります。アメリカの身勝手、経済覇権主義は極めて明白であります。 一方、本委員会の公聴会では、農協中央会の豊田会長が、協定の批准については言及しませんでしたけれども、農業合意にはあくまで反対の立場を表明をした。そして、これを変更する貿易ルールの確立をするということが不可欠だとその必要性を強調したのであります。経済覇権主義に対する屈服への現場からの厳しい抗議と私は受けとめました。農業のみならず中小企業、特に皮革製品、靴、繊維などに重大な影響を受けます。日本の死活的利益を守るために、アメリカ政府の態度に抗議をし、そして農業問題を中心に再交渉するのは当然ではないかと思う。重ねて総理の答弁を求めます。
○河野国務大臣 議員十分いろいろと御承知の上の御質問と思いますが、現在国会に提出をして御審議をいただいておりますWTO協定は、シングルアンダーテーキング、つまり一括処理で合意をするという前提で提案をしているわけでございます。この問題について、今少なくとも現在、各国がそれぞれ批准、承認のための努力をしているウルグアイ・ラウンドの最終合意は、一括してすべてのものを処理をするという方式でお願いをしているわけでございまして、今議員からお話しのように、現状のまま日本が交渉のし直しをするというようなことは、我々は考えておりませんし、このやり方のまま再交渉ができるということにはなっておりません。
○松本(善)委員 時間が来ましたので終わりますが、総理、今のは、一括処理というのはやはり主権侵害だと私どもは思っておりますし、それから、国会が批准を拒否をするならば当然再交渉せざるを得ない。私は、やはり死活の利益を守るためには絶対に譲歩してはならぬというものだというふうに思います。その点についてもし答弁があればお聞きして、私の質問を終わります。
○村山内閣総理大臣 今外務大臣から答弁されたとおりでありまして、全体のこの情勢から判断をしてみて、再交渉する意思はないということだけは申し上げておきます。
○松本(善)委員 終わります。
○佐藤委員長 松本君の質疑は終了いたしました。 次に、遠藤利明君。
○遠藤(利)委員 これまで、十一月二日の委員会の設置以来、五十二時間、延べ八十二名の皆さんから、国際貿易の重要性あるいはそれの影響を受けます国内、とりわけ農村、農業の対策に万全を期せ、こんな議論を積み重ねてきてまいりました。総理からも、安心と自信を持って取り組める施策をと、そんな答弁も先ほどございました。 ただ、その中で私、大変不安を持っておりますのは、予算の執行といいます現実的な進め方の中で、これまでの農業政策がどちらかというといろいろな問題を先送りをしてきた、課題を抱えてきた。今回のウルグアイ・ラウンドを受け、あるいは米の供給という観点から考えても、今までの農業政策を変えていく、生産者の創意工夫をへ特に若い後継者の皆さんの創意工夫を生かして、もっと自由にやらせる、もう自由に取り組んでもらう、そんな形に農政を変えていく、そんな観点が大事なのではないかな一と思うのです。 実は昨日、私のところに地元の後継者が来まして、新しい事業をしようと改良普及所に話を持っていって、普及所の皆さんも、ぜひいい、普及所の皆さんもやりたいと言うのですが、しかし、今の補助金ではだめだと言われる、そういう話がよく出てまいります。 農家の後継者の皆さんは一生懸命やる、そして補助金やあるいはいろんな仕組みで国も考える。しかし、仕組み的に、あるいはそこに働いている農業関係機関あるいは団体の皆さん方の意識を変えていく、制度、仕組みを変えていく、そんなことがなければ、到底絵にかいたもちに終わってしまうのではないだろうかと。農業後継者の自主性を重んじるやり方、それが逆に行政や団体の皆さんの都合で終わってしまう農政であってはならないのではないだろうか。その意味から、これからの補助金のあり方、あるいは各種機関、団体の改革といいますか、統合等含めてどのように進めていかれるか、総理から御決意をお伺いしたいと思います。
○村山内閣総理大臣 私は、農業というものを国際的に考えた場合に、輸出を前提としてやられておる農業と国内の需給を主体にしてやられてきた農業と大分大きな違いがあると思いますね。 これまでは日本の農業というのは国内の需給を中心にしてつくられた農業であるというように思うのですけれども、しかし、これからはミニマムアクセスを受け入れたと同じように、国際的な競争の中にある面ではさらされる、こういう状況の変化があるわけでありますから、そうした状況の変化も十分前提にして、そうした国際競争にもある程度耐え得る体質を持った農業というものをどうつくっていくか、あるいはまた中山間地域といったような面もあるわけですから、日本の国土保全とか、あるいは日本の食糧自給体制をどう維持していくかとか、そういう観点からも農業全体を見直して、考え直していく必要があるというようなことについては、やっぱり十分心してかかる必要があるなということを認識をいたしております。
○遠藤(利)委員 時間がありませんので、最後にお伺いいたします。 今、総理からありましたように、国際的にも対応する農業を考えると。ということは、当然農家の皆さん方がやっぱり創意工夫をして、そしてその中で、もちろん農業の特殊性というのはありますが、その中で、自分の努力で十分自信を持ってやっていけるということではないかと思うのです。ですから、国の施策が、幾ら補助金あるいは融資制度があっても枠の中で縛ってしまう、あるいは全国一律の枠の中で、その地域、地域の特性を考えない、こんな仕組みでは到底成り立たないのではないだろうか。ぜひそういう意味で、これまでの行政のあり方あるいは各種団体、機関等のこれからの進め方について御検討いただきたい。これは御要望申し上げます。 そして最後に、この前、小島公述人からの御意見の中で、農業とそれ以外の人々の信頼関係が大事だと。残念ながら、今その信頼関係がむしろ理解不足といいますか、場合によっては都市の皆さんから農業はもう必要ないのじゃないか、そんな対立の構図さえも一部出てきているのではないかなと。 そんな意味からも、これから国際的にウルグアイ・ラウンド、あるいは先ほど通産大臣から、ことしのAPECの中での環境あるいは経済、エネルギーと、いろんな議論がありました。むしろ、この日本という国が世界の中に環境あるいは食糧ということを訴えていく、それが、国際的に訴えれば訴えるほど、逆に国内的にも大事なんだ、そういう認識を結果的に引き起こすことではないかなと。 そんな意味で、どうか、内に農業が大変だ、農業が大変だという議論だけではなくて、世界に向かってそういう必要性をぜひこれからも強調していきたい。そんなことを、最後に総理の御所見をいただき、決意をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
○村山内閣総理大臣 これは私もたびたび申し上げておりますように、農業問題、食糧問題というのは、単に生産農民だけの問題ではなくて国民全体の問題だという受けとめ方をいたしておりますから、都市と農村とが十分理解し合うということも大事なことでありますし、同時に、国際的には人口、食糧、環境問題といったようなものも極めて大事ですから、そういう視野に立って、今委員が御心配になっているような課題についても積極的に取り組んでいくことが必要であるということだけは申し上げておきたいと思います。
○遠藤(利)委員 終わります。ありがとうございました。
○佐藤委員長 これにて各案件に対する質疑は終局いたしました。 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○佐藤委員長 速記を起こしてください。
○佐藤委員長 これより各案件を一括して討論に入ります。 討論の申し出がありますので、これを許します。藤田スミ君。
○藤田委員 私は、日本共産党を代表し、マラケシュ協定外五法案に反対、特許法及び著作権法改正案に賛成の立場で討論を行います。 まず指摘をしなければならないことは、米輸入自由化反対は、三度にわたり国会で決議された国民の総意であり、すべての政党が公約したことでもあります。村山総理が明確に認めたように、農業協定の承認が国会決議に反することは明白であります。協定の承認、批准の強行は、民主主義の根本原則を踏みにじり、国民への許しがたい背信行為であります。 政府は、農産物などの関税引き下げやサービス貿易で各国が提出した約束表の対照表を国会に提出せず、コーデックス食品規格の和文はないと開き直るばかりか、この食品規格の内容を厚生大臣も読んでいないという無責任きわまりないものであります。協定の全容を知らせないまま、国民の将来を拘束する協定の承認を断じて認められません。 この協定は、著しい主権制限を無差別にすべての国に押しつけるばかりか、知的所有権、サービス貿易など新しい分野に適用範囲を拡大して、多国籍企業、大企業の利益を図る一方、発展途上国をいつまでも不利な状態に置き続けるものであります。これは、公平、公正、平等互恵の原則に真っ向から反するものであります。 さらに、一括受諾方式で、ガットの主権尊重の原則をも踏みにじる異例の協定であり、条約の選択権、拒否権さえ否定するものであります。 アメリカのウルグアイ・ラウンド実施国内法は、スーパー三〇一条の強化を規定すると同時に、WTO協定より合衆国法が優先することが明記されているのであります。さらに、WTO紛争処理再検討委員会を新設し、紛争処理による米国の主権侵害の監視、WTOがち脱退の勧告ができるようにするなど、アメリカの経済覇権主義をあからさまにしています。本協定は、アメリカなどの大国の力ずくの横暴に対する有効な歯どめ措置を盛り込まず、これを容認する仕組みになっており、とても認めることはできません。 食品の安全基準を国際基準に調和化させることを原則とするSPS協定は、国民の健康さえも多国籍企業の利益に従属させるものであります。また、大幅な関税引き下げは、円高や長期の不況に苦しむ繊維や皮革、革靴など中小業者にはかり知れない打撃を与えるものであります。 世界的な食糧不足が警告されているもとで、米を含む農産物の例外なき関税化、完全自由化は日本農業に壊滅的打撃を与えるとともに、食糧自給率を大きく引き下げ、国の存立にかかわるものであります。輸入自由化に対する国内対策は何らの力も持ち得ないことは、既に牛肉・オレンジの例で明らかであります。 主要食糧法案については、何よりも米及び麦の輸入自由化実施法であること、また、政府の米供給責任を放棄し、他方で減反政策を継続し、その執行責任を農民、農協に転嫁するなど、とても認めることはできません。 最後に、日本共産党は、マラケシュ協定の批准を拒否し、公正、公平、平等互恵の原則に立った国際貿易秩序確立の立場から、WTO協定の修正を求めて再交渉を行うことを強く要求して、討論を終わります。(拍手)
○佐藤委員長 これにて討論は終局いたしました。 —————————————
○佐藤委員長 これより順次採決に入ります。 最初に、世界貿易機関を設立するマラケシュ協定の締結について承認を求めるの件について採決いたします。 本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○佐藤委員長 起立多数。よって、本件は承認すべきものと決しました。 次に、著作権法及び万国著作権条約の実施に伴う著作権法の特例に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○佐藤委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 次に、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○佐藤委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 次に、繭糸価格安定法及び蚕糸砂糖類価格安定事業団法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○佐藤委員長 起立多数。よって、本案は原案どおり可決すべきものと決しました。 次に、農産物価格安定法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○佐藤委員長 起立多数。よって、本案は原案どおり可決すべきものと決しました。 次に、特許法等の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○佐藤委員長 起立総員。よって、本案は原案どおり可決すべきものと決しました。 次に、関税定率法等の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○佐藤委員長 起立多数。よって、本案は原案どおり可決すべきものと決しました。 次に、主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○佐藤委員長 起立多数。よって、本案は原案どおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○佐藤委員長 この際、ただいま議決した主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律案に対し、中川昭一君外四名より、自由民主党、改革、日本社会党・護憲民主連合、新党さきがけ及び民主新党クラブの共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されました。 提出者より趣旨の説明を求めます。辻一彦君。
○辻委員 私は、自由民主党、改革、日本社会党・護憲民主連合、新党さきがけ及び民主新党クラブを代表して、主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律案に対する附帯決議案の趣旨を御説明申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。 主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律案に対する附帯決議(案) 主要な食糧である米穀及び麦は、国民の主食としての役割を果たすとともに、我が国農業における重要な農産物としての地位を占めるほか、国土の保全に資するなど多面的な役割を果たしている。このため、これら主要食糧の生産基盤を強化し、需給及び価格の安定を図り、もって国民生活と国民経済の安定を期することは、国の重大な責務である。 よって政府は、本法の施行に当たっては左記事項の実現に努め、本制度の円滑な運営に遺憾なきを期すべきである。 記 一 米穀の需給及び価格の安定に関する基本計画を定めるに当たっては、国民生活の安定を期するとともに、生産者の意向を十分踏まえ、農業経営の中・長期的安定に配慮すること。 二 生産調整の円滑な推進が本制度の運営に不可欠であることにかんがみ、生産調整目標面積については、米穀の生産力、流通・在庫量、消費量等を的確に把握し、かつ、営農の安定にも配慮し、全体需給の調整が図られるよう適切に決定するとともに、生産調整の実施に当たっては、生産者の自主的な判断を尊重しつつ、行政と農業団体等が一体となり推進すること。 また、生産調整の実効を確保する等の観点を踏まえ、生産調整助成金についてはその水準を適正に設定するとともに、米穀の政府買入価格については、需給動向等を反映させつつ、再生産が確保されるよう決定すること。 三 ミニマム・アクセスによる輸入米については、国産米の需給及び価格の安定が確保されるよう、新たに加工用、海外援助用などへの活用を真剣に検討するとともに、その売渡価格については国産米との品質格差等を適正に勘案して設定すること。 また、平成五年産米の著しい不作に対処するために緊急輸入した米穀についても、適切に処理すること。 四 米穀の備蓄制度の意義にかんがみ、政府が第一義的責任をもってその運営を行うとともに、備蓄数量については、百五十万トンの確保を基本としつつも、需給及び価格の安定を図る見地から弾力的に運用すること。また、備蓄に伴うコスト負担につき国民の理解が得られるよう努めること。 五 農林水産大臣が生産者ごとに計画出荷基準数量を決定するに当たっては、生産者の意向を十分反映させるとともに、出荷契約については作況変動等による事情の変化を反映し得る仕組みとすること。 また、計画流通制度の円滑な運営に資するため、計画出荷米が安定的に供給されるよう米穀の生産者等に対し適切な助成措置を講ずること。 さらに、計画出荷米以外の米穀の売渡しに係る生産者の届出については、極力その手続きを簡素化すること。 六 流通規制の緩和に当たっては、産地間の過当な競争、流通の混乱、不当な価格操作等不側の事態が生ずることのないよう十分に配慮するとともに、小売業者等販売業者の業種転換や体質強化等が円滑に図られるよう、その対策に万全を期すること。 また、万一の緊急事態に備えるため、配給等を実施し得る体制の整備に配意すること。 七 米穀の品質・安全性等に対する国民の関心の高まりに対応するため、国営検査がこれまで果たしてきた役割に配慮し、必要な施設、効率的体制の整備を促進するとともに、農産物検査制度の在り方について検討すること。 また、年産・産地品種銘柄などの表示については、消費者の商品選択のよりどころとなるとともに、米穀の適正かつ円滑な流通を確保する上で不可欠であることから、一層の整備を図ること。 八 豊作等により米価が著しく低落する場合等には、備蓄の運用と国の支援の下に自主流通法人が行う調整保管を適切に関連付けて実施する等により、その対策に万全を期すること。 また、自主流通米の取引の指標となる価格が適正に形成されるよう自主流通米価格形成センターの公正な運営に努めること。 九 我が国における麦作の重要性にかんがみ、国内農業における麦作の位置付けを明確化し、品質の改善と生産振興対策を充実すること。 右決議する。 以上の附帯決議案の趣旨につきましては、質疑の過程等を通じて委員各位の御承知のところと思いますので、説明は省略させていただきます。 何とぞ全員の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。(拍手)
○佐藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○佐藤委員長 起立多数。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。 この際、農林水産大臣から発言を求められておりますので、これを許します。大河原農林水産大臣。
○大河原国務大臣 ただいま御決議をいただきました附帯決議の趣旨を尊重し、今後極力努力をいたしてまいります。 —————————————
○佐藤委員長 お諮りいたします。 ただいま議決されました各案件に関する委員会報告書の作成については、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐藤委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○佐藤委員長 この際、一言ごあいさつ申し上げます。 去る十一月二日の本委員会設置以来、終始真剣な論議を重ねていただき、本日ここに審議を終了することになりました。 これはひとえに理事並びに委員各位の御理解と御協力のたまものと存じます。心からお礼を申し上げます。ありがとうございます。(拍手) 本日は、これにて散会いたします。 午後零時十九分散会