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131回国会衆議院1994/11/25

世界貿易機関設立協定等に関する特別委員会 第7号

発言数
178
登壇者
32
会派数
5
開催日
1994/11/25

会議録

佐藤孝行自由民主党

○佐藤委員長 これより会議を開きます。  世界貿易機関を設立するマラケシュ協定の締結について承認を求めるの件、著作権法及び万国著作権条約の実施に伴う著作権法の特例に関する法律の一部を改正する法律案、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法の一部を改正する法律案、繭糸価格安定法及び蚕糸砂糖類価格安定事業団法の一部を改正する法律案、農産物価格安定法の一部を改正する法律案、特許法等の一部を改正する法律案、関税定率法等の一部を改正する法律案及び主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律案の各案件を一括して議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。仲村正治君。

仲村正治改革

○仲村委員 私は、WTO協定の締結と関連法案に対する自社さきがけ連立の村山政権の基本的考え方と、その評価についてお尋ねいたします。  河野外務大臣は、このWTO協定承認案件提出の所管大臣であります。外務大臣は口癖のように、自社さきがけの連立政権は外交は継続だという言葉を使っています。これは前政権から引き継がれた外交案件だから、我が国の国益に合致するとかしないとかは別にして、とにかく国際約束だから継続ということか。  つまり、私がお尋ねしたいことは、このWTO協定締結に関することは河野外務大臣として積極的姿勢の継続か、あるいは消極的気持ちでの継続がということであります。河野外務大臣は、この法案の提案者として、この世界貿易機関設立協定をどのように評価するか。私は、まず河野外務大臣の外交姿勢をお尋ねいたしたいと思います。

河野洋平自由民主党外務大臣

○河野国務大臣 今国会におきまして御承認をお願いしているWTO協定の締結は、多角的自由貿易体制の維持強化、国際経済秩序に対する信頼の確保という観点から、極めて重要なものという認識を持っております。御案内のとおり、我が国は貿易立国として今後の我が国の発展というものを考えているわけでございますから、そうした観点に立ちましても、このWTO協定の締結というものには極めて大きな意義があるというふうに思っております。  一方、WTO協定のうち農業協定の部分につきまして、我が国にとってこれは大変厳しいものであったということについては私もそういう認識を持っておりますが、WTO協定全体として見れば国民に大きな利益をもたらすものになるという認識でございます。

仲村正治改革

○仲村委員 今も大臣がお述べになりましたように、河野外務大臣は、この協定締結の提案理由の意義として、「我が国がこの協定を締結することは、我が国が世界の主要な貿易国であることにかんがみ、多角的貿易体制の発展に寄与するとともに、我が国の国民生活に多大の利益をもたらすこととなるという見地から極めて有意義である」というふうに言っております。  河野外務大臣、このWTO協定締結の提案理由に書かれているとおり、また今お述べになりましたとおり、WTO協定を我が国が締結することが我が国の国益に合致すると断言できますか。いま一度、その承認案件提出の担当大臣として、WTO協定締結の意義と我が国にもたらす評価について御所見をお願いいたしたいと思います。

河野洋平自由民主党外務大臣

○河野国務大臣 世界貿易の中で我が国が生きているということを考えますれば、世界の百二十を超える国と地域が参加をして合意をし、新たに新しいルールのもとで進もう、こう多くの国とともに決意をしたわけでございまして、この協定についてはぜひとも議員各位の御理解と御承認をいただきたい、こう考えております。

仲村正治改革

○仲村委員 私は二度にわたり河野外務大臣に、この協定に対する意義と評価をお尋ねをしたわけでございます。  今回提出された我が国にとってのWTO協定の締結の必要性がなぜ発生したか。それは、昨年十二月、細川内閣がその受け入れを決断し、そして本年四月、マラケシュ閣僚会議で我が国が署名した結果として発生したものであります。これの妥結に至るまでの道のりは、一九八六年以来七年余にわたる、百十六の国と地域が自国にとっての利害を背負いながらも十五の分野でしのぎを削る交渉を行い、一国繁栄主義を排除した世界全体の相互利益と繁栄を追求する貿易のルールづくりのために避けて通ることのできない到着点であったと私は思っております。  細川内閣は、昨年十二月、ガット・ウルグアイ・ラウンドの農業分野のドゥニー議長調整案の受け入れは、我が国農業、農村に深刻な打撃とその存立の危機すら引き起こしかねないほどの国難にも等しい重大な課題を内包するという苦渋の念に腐心しながらも、我が国の貿易立国という総合的国益の見地から、身を切るような、まさに断腸の思いの決断をしたのであります。  河野外務大臣、このような交渉の経過と背景の中から生まれたWTO協定は、我が国の国益に合致するから我が国はこれを批准するということだと思いますけれども、そのようなことに間違いないですね。もう一度ひとつ御答弁を求めます。

河野洋平自由民主党外務大臣

○河野国務大臣 議員もお述べになりましたように、このウルグアイ・ラウンド交渉というものは、大変長い年月、多くの関係者が大変な努力を積み重ねて行われたものでございます。我が国は我が国の事情から、農業問題についてはぜひ我が国の主張を入れてほしいということを繰り返し主張して、それぞれの国はそれぞれの事情を述べ合って、そしてこの交渉は、極めて長い時間難しい交渉を続けてきたわけでございます。  私どもにいたしますれば、ドゥニー調停案というものの受け入れについてはもっと我が国の主張を強く押してほしかったという気持ちはございますけれども、結果として、シングルアンダーテーキングという、一括方式というものでこのWTO協定というものがなされるということであれば、これはもうやむを得ないことだ、それならば農業、農村に対する十分な対応措置をするということ以外にないという御議論が現在の政府・与党にはあって、厳しい議論の中でそうした措置をとられたわけでございまして、繰り返して申し上げますが、厳しい問題もありますけれども、全体として意義のあるものだ、こういう認識でございます。

仲村正治改革

○仲村委員 もちろん細川内閣としても、先ほど申し上げましたようにまさに苦渋の選択であった。しかし、十二月十七日にはきちっとアフターケアをしなければならないという閣議了解をいたしまして、その対策のための対策本部をスタートさせたわけでございます。  一昨年初めごろから、米の例外なき包括関税化というダンケル案が示され、そして我が国はその調整のために大変な努力を積み重ねてきたわけでございます。しかし、もうどうしようもないところまで来たという感じだったと思いますが、一昨年の十二月に宮澤総理は当時の農林大臣を官邸に呼んで、もうここらで腹を決めなくちゃならない、これは避けて通れない、そういうことで農林大臣に指示をされた、こういうことを私は漏れ聞いているのであります。  しかし、当時の農林水産大臣は、このダンケル案をのむわけにいかない、もう少し粘るしかない、こういうことで帰ってきた。その努力のかいあって昨年のドゥニー調整案というのが出てきたわけでございます。私は、それは我が国の主張どおりに、あるいは希望どおりにいっていないかもしれないけれども、しかし政治はやはり、最善が求められなければ次善は何なのかということで努力をしなければ、決断をしなければならない、こういうふうに細川総理は決断をされたと思っているわけでございます。  ここに、昨年十二月十四日の自民党の党声明があります。この声明を要約すると、細川政権がガット・ウルグアイ・ラウンドのドゥニー議長調整案の受け入れを閣議了解したことは全くけしからぬと厳しく糾弾しています。そして、ことしの一月二十六日に、自民党は参議院に畑農林水産大臣の問責決議案を提出しています。今、自民党総裁でもある河野さんは、自社さきがけ連立政権の外務大臣としてその席にお座りになり、このWTO協定案件の提出の所管大臣として、この協定の締結は我が国の国益に合致すると強調し、さらに「我が国がこの協定を締結することは、我が国が世界の主要な貿易国であることにかんがみ、多角的貿易体制の発展に寄与するとともに、我が国の国民生活に多大の利益をもたらすこととなるという見地から極めて有意義である」、こういうふうに法案の中に書いてあります。  当時厳しい批判を浴びせた自民党の党声明、そして畑農林水産大臣に対する問責決議案と今回のWTO協定締結の意義の中で示されている国益論とは、どう見ても一致するものではないと私は見ております。また、外交は継続だというが、もし昨年十二月に受け入れを決定したガット・ウルグアイ・ラウンド合意、そして本年四月マラケシュで署名したことが、自民党の党声明、畑農林水産大臣問責決議案に示されたように国家の利益に反するものであれば断じて継続すべきものではないし、また、その結果として発生したWTO協定は批准すべきものではないと言わざるを得ないのでありますが、その点について河野大臣の御所見を承りたいと思います。

河野洋平自由民主党外務大臣

○河野国務大臣 私、原文を持っております。今ここに持っておりませんが、もしそこにお持ちならば、昨年十二月の自由民主党のこの問題に対する党声明の一番最後の部分をお確かめをいただきますと、我が党は世界貿易の拡大のためにこうしたことが必要なのだという意味のことが書いてあると思います。ただ、そのときにはまだ全体像が明らかでないのでということを断って、このことの重要性については触れていると思います。  その党声明で重要なものは、この段階でドゥニー調停案を、つまり農業協定を受け入れることについて問題であるということを言っているわけであって、世界貿易拡大のためのこの種のものについて反対をするということは、自民党は党声明で言ったことはないと思います。  さらに、私は、こうした問題について、その交渉の任に当たられる方が、今議員も御指摘をなさいましたように、自民党内閣当時、閣僚はこの問題に繰り返し繰り返し現地に飛んで交渉に交渉を重ねてきたということを考えれば、もっと交渉をするべきであった、してほしかったという農家、農民の方々の率直な希望というものを我々は体してそうした声明をつくったということだと御理解をいただきたいと思います。

仲村正治改革

○仲村委員 それでは、十四日の時点では全体像が見えてこなかった、それでそれは満足すべきものでないという党声明を出された、こういうことでありますが、一月の二十六日、この時点ではその全体像というのはもうほとんど明らかになっている時点で、畑農林水産大臣は我が国の農林行政に多大な罪を犯した、大失政を犯した、こういうふうに決議を出されているわけでありますが、その点についてどう思いますか。

河野洋平自由民主党外務大臣

○河野国務大臣 今も申し上げましたように、農村そして農業に従事しておられる方々の気持ちは、どうしても農業に大きな影響を与えるこの問題の交渉の任に当たる方々に対して最後まで頑張ってほしいという強い気持ちがあったことは、議員もお感じになっておられたんではないでしょうか。恐らく農業に従事する方々と接触を持つ我々議員ひとしく、この問題が農家の方々にどれだけ大きな不安を与えたかということについては、皆一様に感じておられたに違いないと私は思います。そういう気持ちを表現をするということが、その今御指摘の文言になってあらわれたというふうに私は思います。  あの当時、あのことについて、農家の皆さんを初め関係者がよくやったというふうにはおっしゃっておられなかったというふうに私は思います。

仲村正治改革

○仲村委員 当時の世論調査では、やはりウルグアイ・ラウンドの農業合意の受け入れはやむなしとする国民の支持は六五%であったと私は見ております。ただしかし、細川総理は軽々にそれを押し切られた形で受け入れたのではなくて、まさに我が国の農業にとっては国難にも等しい問題である、しかし貿易立国という我が国の総合的な国益の立場からこれは避けて通れないという苦渋の決断であったということは、河野外務大臣も、当時の自民党総裁としてよくよくそれはおわかりのことだったと思うわけであります。そういう立場から私は、今の国益論と当時の皆さんのあの行動とは一致しない、こういうふうに思うから、その点をただしているわけでございます。  それでは、ことしの一月二十五日に農林水産委員会に自民党から外国産牛肉輸入調整法案なるものが自民党の議員立法として提出されて、現在継続審議案件となっているのであります。これも恐らくガット・ウルグアイ・ラウンド合意受け入れに対する当てつけの行為だと私は見ております。その自民党の畜産関係の大先生、大物の方は、当時の畑農林水産大臣に対しては、ああよくまとめた、よくやってくれた、こういう言葉があったぐらいでありますけれども、裏腹にこういう法律を提出された。そして、今それは継続案件になっているわけでございます。  今回のこのWTO協定に関連して、政府は関税定率法の一部を改正する法律案を提出されておりますが、あの自民党案の内容とこの関税定率法の改正とは全く整合性がないわけであります。これはどっちか一つをおろしてもらわないと議論のしようがないと私は見ております。これは両立する案件じゃないと私は見ておりますが、自民党総裁として、その議員立法に対してどういう姿勢で臨まれるか、お答えをいただきたいと思います。

大河原太一郎自由民主党農林水産大臣

○大河原国務大臣 お答え申し上げます。  仲村委員の御指摘のとおり、輸入牛肉に対して議員立法として輸入調整案が出ておるわけでございます。これは御案内のとおり、自由化後に激増する輸入牛肉、国内生産量を超える輸入牛肉の増大に対して歯どめをかけるという趣旨で提案されたものと承知しております。  ただ、これは御案内のとおり、牛肉は今回の措置によって自由化されたわけではなくて、既に自由化されております。したがって、ガットの十九条のセーフガードというのが働くわけでございますが、それに徴しますと、その発動案件等についてはそれぞれ整合性を欠いておるという問題があるわけでございまして、これについては発議者その他についても検討中であるというふうに聞いております。

仲村正治改革

○仲村委員 これは国内生産の五〇%以上輸入牛肉が超過した場合には、現在の関税率の五〇%を七〇%まで引き上げる、こういうふうな内容になっています。今回のこの関税定率法では、今の五〇%を六年間で三八・五%まで下げる。しかし、四半期ごとにおいて一一七%を超す場合には、これは五〇%に戻せる、こういうふうになっています。全く整合しない法律になっている。自民党の総裁として、これをどういうふうにお感じになっていますか。

河野洋平自由民主党外務大臣

○河野国務大臣 私は、今政府の一員としてWTO協定の承認のお願いをしているわけでございまして、自由民主党の総裁とはいえ、今議員が御指摘になりました法案の発議者の意見を、今ここで私が代弁をするというだけの資料を持ち合わせておりませんので、お許しをいただきたいと思います。

仲村正治改革

○仲村委員 発議者の意見を聞いていないということでありますが、しかし、自民党が議員立法で提案をする以上、それなりの党内手続をとられて提出されているということでありますので、やはり最終的な責任は総裁がとらなくちゃならない問題であるからということで、私は、先ほど農林水産大臣が、これは二つは整合しない、両立しない、こういうことでありますので、早目にそれをきちっとしていただきたいということを申し上げておきたいと思います。  沖縄の古典の歌を琉歌と言っています。これは、和歌に対して琉歌という呼び方をしておりますが、大体和歌が五七五七七であるのに対して、琉歌は八八八六でつづられております。その歌の中に、   我が身孤でんちど人の上や知ゆる無理すゆな   浮世情びけんという歌がある。これはどういう意味かというと、我が身をつねってみて人の痛さを知れ、人が苦渋苦難にもだえているときには情けをかけて助けてあげなさいということを言っているわけであります。私が先ほど申し上げたような、あの細川総理の苦渋決断に対して真向こうから非難、攻撃を浴びせた自民党総裁の態度はいかがなものかな、私はこういうふうに思っているわけでございます。  先ほどから、今回のWTO協定案件に対する自民党総裁である河野外務大臣の国益論と、昨年十二月十四日の自民党のウルグアイ・ラウンド糾弾の党声明、本年一月二十六日の参議院で、憲政史上いまだかつて閣僚の問責決議案を提出されたことのない、畑農林水産大臣の問責決議、そして本年一月二十五日、自民党から提出された外国産牛肉輸入調整法案といい、自民党の野党転落のあのなりふり構わぬ非難、攻撃と行為、そして今日、水と油以上に相入れない政治理念と政策で半世紀近くも激突を続けてきた者同士が組んで政権の座についた途端に、ガット・ウルグアイ・ラウンド合意によってできたWTO協定の締結が我が国の国益に合致するという理論の矛盾は、私のような愚直な人間には解き明かすことはできません。  このことは、与党、野党を超越した国会議論の信義、威厳を保つ基本の問題でありますが、自民党総裁でもあり、かつまた今回のWTO協定案件提出の所管大臣である河野さんがこのような矛盾撞着な態度であれば、真剣に、そしてまじめに天下国家の議論をするむなしさを感じて仕方がありません。私なんか、どこにいるかもわからないぐらいの存在感のない小さい政治家ではありますが、一寸の虫にも五分の魂、こういう気持ちでこの点を強く申し上げておきたいと思います。  質問を続けます。  橋本通産大臣、WTO協定締結承認案件提出所管大臣の河野外務大臣は、この協定締結は貿易立国である我が国の総合的国益に照らして極めて有意義であると提案理由でも言っております。我が国が貿易立国といっても、それは輸出もあり、輸入もある。しかし、我が国の貿易国という考え方は、主として安い原材料を輸入して付加価値の高い製品をつくり、輸出して、その利益で豊かな国民生活を維持しているということでありますから、WTO体制の発足によって世界全体の貿易も拡大発展するわけですが、同時に、我が国の貿易量は飛躍的な発展が期待されるということだと思います。  橋本通産大臣は、貿易の所管大臣として、WTO協定締結をどのように評価しておられますか。御所見を承りたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党通商産業大臣

○橋本国務大臣 先日来、本委員会でたびたび私は同じことを申し上げてまいりました。このWTO協定というものが、従来のガット体制とは異なり、物の貿易だけではなく知的財産権やサービスまでカバーする、二十一世紀に向けての今後の国際的な経済活動の総合的な基本原則を確立するという意義を、私はここに見出しております。  そして、このWTO協定の成立によりまして、世界的な関税の引き下げあるいは貿易障壁の低減といったものを通じまして、貿易自由化と貿易のルールの強化というものが実現され、多角的貿易体制が維持強化されるということは、貿易立国を進めてきた日本にとりまして、我が国の繁栄を考えますときに極めて大切なものだと考えております。  今後ともにこの中で努力をしてまいりたい、そのように考えております。

仲村正治改革

○仲村委員 ただいま橋本通産大臣は、このWTO協定を締結することは、貿易立国として生きてきた我が国の総合的な国益の面から非常に有意義である、ぜひその体制を進めるために頑張っていきたいというような趣旨の御答弁であったと私は受けとめております。  WTO体制発足は、今大臣から評価がありましたとおり、これは世界全体の貿易も質、量ともに発展いたしますが、特に貿易立国として我が国の貿易の拡大発展に大きな希望と期待をしているものであります。もちろん輸出も輸入も拡大するわけですが、ところが、我が国の輸出貿易が拡大発展するという問題は、現在でもアメリカを初め諸外国からの日本の貿易黒字に対する外圧は、手を変え品を変え重くのしかかっている状態であります。  WTO体制下でもろもろのルールは定められたにしても、我が国の国際競争力の強さからして、我が国の輸出貿易の拡大発展は、国際貿易市場での競争と貿易摩擦の激化を誘発する要素を多分に持っていると私は考えております。今までのようにアメリカからこれもだめだ一、あれもだめだと言われることはWTO体制下でも起こり得るだろうか、その場合に日本としてどう対応をすべきであるか、お答えをいただきたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党通商産業大臣

○橋本国務大臣 多少言葉が過ぎればお許しをいただきたいと思うのでありますが、御質問者と私どもが同じ党におりまして、そして皆さんの力で生まれました内閣の中、私は、このWTO協定に至りますプロセスの中で何回か、この将来を心配しながら、例えば海部内閣の際におきましても、閣内における議論を閣僚同士で闘わせる場面を、私が主導権をとりながら進めてまいりました。そして、さまざまな角度から我々はこれに向けての議論をしてきたことを、もう一度御想起願いたいと思うのであります。  そして、その中で議論をされてまいりました問題点は、今日も本質として変化はいたしておりません。そして、私は、WTO協定というものが、これは世界経済に今大きなプラスになるだけではなく日本にも必要なことだということを申し上げてまいりました。そして現在、我々は、経常収支の黒字の意味のある縮小というものに努めなければならない、そうした命題を負っております。そしてこれは、当然のことながら、貿易のルールが変わります中で、我が国もその規制の緩和が進められ、あるいは非関税障壁と言われましたような商慣行くの是正の努力がなされております中で、当然のことながら輸入の条件も変わってまいります。  そして、細川内閣で日米関係を大人の関係という言葉のもとに決裂状態にされた、その後を我々は引き継いだわけでありますが、その経常収支の黒字の意味のある縮小というものに向けて、現内閣は減税先行の税制改革をも国会に御審議をお願いしてまいりました。  また、公共投資の基本計画そのものが、私が日米構造協議のときに大蔵大臣としてまとめたものでありますけれども、その後の経済運営の中でなお拡大の必要を認め、私どもはこれを明年度からの新たな六百三十兆円の規模の公共投資基本計画に改めております。  マクロの経済政策の運営において、我々は意味のある黒字の縮小に努力をしてまいりますとともに、貿易の、さまざまな批判を受けてまいりました障壁となるような規制の緩和というものにもこれからも取り組んでまいります。そうした中で状況を改善していく努力を進める。当然のことであります。

仲村正治改革

○仲村委員 資源のない我が国として、先ほどから申し上げておりますように、貿易立国といっても、安い原材料を輸入して、そして付加価値をつけた商品を輸出して、その利益によって豊かな国民生活を維持しているわけでありますので、やはり貿易立国という立場から、日本の国にとってはこのWTO協定は大きな利益になる、そういう立場から我々もそれを支持しております。  ただ、申し上げたいのは、先ほども申し上げましたが、この体制が発足をいたしますと、世界全体の貿易も拡大しますけれども、それと同時に我が国の貿易も拡大する。貿易といっても、主として我が国は輸出貿易で利益を稼いで国民の暮らしを維持しているという立場からすると、今まで以上にそういう方向が拡大される。  今アメリカから、やれ経常収支の黒字がどうのこうのというような形で圧力をかけられているけれども、私がお尋ねしたいことは、このWTO体制下でアメリカが、今までみたいに手を変え品を変え、あれもだめだ、これもだめだというようなことが言える状態になるのかということをお聞きしているわけであります。ずばりお答えをいただきたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党通商産業大臣

○橋本国務大臣 このWTO協定を批准する、これは我々だけではなく、米国も今、実施法の論議をされております。そして、この中において、先般来本委員会でも御議論がしばしば出ておりますように、我々としてはその精神に反するのではないかと思われる通商法三〇一条あるいはスーパー三〇一条というものが存置されておる状況も御承知のとおりであります。  しかし同時に、従来なかった新たなルールがそれぞれの分野に出てまいります。そして、我々としてまた議論をする場も新たに生まれてくるわけであります。そして現在、日米包括協議が、私自身これに苦しみながら前政権から引き継いだ中での努力をいたしておりますけれども、こうした議論はこれからも続くかもしれません。いや、また続くでありましょう。新たな分野で問題が発生することもあるでありましょう。しかし、その紛争処理についてのルールは、新たにこのWTO体制のもとで、より制度として整備をされていくわけでありますし、逆に、日本にとってセーフガード等の措置もきちんとルール化されるわけでありますから、よりルールにのっとった問題の処理ができることと思います。  そして、委員は先ほどから黒字の問題に言及されますけれども、私は、WTO体制とかそうした問題よりも、むしろ、日本の貿易収支だけを議論しますならば、短期的には為替のレートの問題でありますとか、あるいは特に日本にとって影響の多いエネルギー・原油価格、あるいは世界経済の動向といった影響によるものが非常に大きいわけでありまして、やはりマクロの貯蓄・投資バランス等によって規定していく努力をこれからも続けなければならない、そのように考えております。

仲村正治改革

○仲村委員 今までもアメリカは保護貿易主義を排除する姿勢でありますけれども、しかしやっていることは保護主義的な姿勢が非常に強かった。例えば、日本との貿易協議の中でも、数値目標を求めるとか、いろいろと圧力をかけてきたわけであります。私たちは、このWTO体制の発足によってそういうむちゃなことはできなくなる、そういう考え方を持っているわけでありますが、今大臣は、今後もそれは起こり得るというような感じの御答弁をなさっておられますが、その点については時間をかけてぜひ議論をしていきたい、また勉強もしていきたい、こういうふうに思っているわけであります。  橋本通産大臣、今、WTO協定体制の発足で我が国の一番の不安と懸念は、生産条件の不利な我が国農産物及び食料品に対する原則自由貿易の市場原理に基づく圧力であります。  我が国の貿易黒字に対してまずねらわれる分野は、生産コストの高い国内農産物、食料品に対して、安い外国農産物輸入を迫ってくる攻勢が必ず起こってくると思うが、今回、関連国内法改正が行われるのでありますけれども、果たしてこれが完全な防波堤となり得るか、疑問点が心の片隅に残っております。その点、どのような御見解をお持ちか、通産大臣と農林大臣にお答えをいただきたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党通商産業大臣

○橋本国務大臣 あえて私へのお尋ねということですから申し上げますと、昨年、私どもが野党として、細川内閣がこの農業合意を受け入れられる決断をされたということを聞きましたとき、非常に不安に駆られたことは間違いがありません。  それには幾つかの理由がございます。なぜなら、その交渉の最後の段階において、各国が皆閣僚を派遣して現地で必死の努力をしているときに、細川政権は閣僚をお送りになろうとされませんでした。全部事務方にお任せでありました。そして、我々が政府に詰め寄って、閣僚の派遣を求めて初めて、当時の羽田外務大臣が最後の日になって現地に行かれましたが、時既に遅かったということは御承知のとおりであります。  しかも、当時の政府が合意の内容として公表しましたものが、その発表が二転三転したことも御承知のとおりであります。ですから、必要以上に国内に不安を大きくしたことも間違いがありません。  それだけに、農林水産大臣が閣内で御努力を重ねられ、現在、政府として六兆百億の、国内の農業をこの状況の中でも守り抜いていくための積み上げの努力をしてこられ、その計画を公表されたことで、私はその御努力を多としておりますし、これによって我が国の農業が引き続き守られていくことを心から願っております。

大河原太一郎自由民主党農林水産大臣

○大河原国務大臣 お答え申し上げます。  当委員会でしばしば申し上げておりますように、ウルグアイ・ラウンド農業合意につきましては、長い交渉の際における例外なき関税化、これに対して反対を続けたところでございますが、最終、米については特別取り扱い、その他については関税化ということになったわけでございます。  その際も、我々としても、関税相当量という高い内外価格差を引きまして、当面の急速な影響は防止できる見通しも持っておりますが、今お話しのように、逐次国際市場の影響が国内農産物市場に及ぼしてくる、その点はもう当然のことだと思うわけでございまして、そのためには、国内農業について力強い農業構造を樹立してこれに対応することが急がれるということで、今も通産大臣が申し上げましたように、国内対策の樹立をということでそれぞれの具体的な施策を盛り込んだ対策を進めようとしているところでございます。

仲村正治改革

○仲村委員 橋本通産大臣は、お尋ねもしないことをここぞとばかり発言をされたわけでありますが、当時政治改革法案の審議の真っ最中、そして野党自民党は政治改革よりも景気対策だ、こういうことでそれを強調されて十一月三十日に出した。衆議院は二、三日で通った。参議院に行って、十二月十五日の夜中の十一時四十五分ごろ可決をした。大臣を全部くぎづけして、どこがジュネーブに行けという気持ちだったのかということであります。  そこで私の質問は、今関連国内法の改正が出ておりますが、この防波堤で十分ですかということをお聞きしたわけであります。農林大臣、どうぞ。

大河原太一郎自由民主党農林水産大臣

○大河原国務大臣 繰り返して申し上げましたように、関税の場合にも内外価格差を基準とした相当程度の高い関税を張る。しかも、今回のお願いしております法案に明らかなように、米についてもそのミニマムアクセスについては一定の差益を徴収し、国が輸入管理をしながら行う。麦についても輸入管理をいたしまして、一定の差益をもって国内産との調整を図る。さらには、畜産振興事業団による乳製品につきましても、その関税相当料を張り、その範囲内で差益を徴収して国内の酪農、乳業に影響を与えないようにする。あるいは、生糸についても同様の制度がとられておるということでございまして、当面の影響、これは極力回避し得るような措置をとるため今回法案を提出したところでございますが、お話しのように、中長期で見ますと、先ほども申し上げましたように、国際的な農産物市場の影響が国内市場にも影響を及ぼす。それには、我が国の農業に対してがっちりした農業構造を築き上げる、それによって国際的な競争に耐えなければならない、そういう姿勢で取り組んでおるところでございます。

仲村正治改革

○仲村委員 武村大蔵大臣は、昨年十二月、細川内閣で官房長官としてガット・ウルグアイ・ラウンド農業合意案受け入れを行い、さらに十二月十七日のガット・ウルグアイ・ラウンド農業合意関連の緊急農業農村対策本部設置に際しては副本部長に就任された立場ですが、今回のWTO協定締結をどのように評価されますか。  また、当時の緊急対策本部の副本部長として、このWTO協定締結によって、我が国農業、農村に及ぼす不利益と不安を解消し、自由貿易体制下で我が国農業が立ち行くための施策の万全を期す責任があると思いますが、この御決意をお尋ねいたします。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○武村国務大臣 もういろいろ関係大臣からも答弁がございましたと思いますが、ずっと戦後の歴史の中で、いわゆる鉱工業品をめぐる貿易の交渉はたくさんありました。今回のガット・ウルグアイ・ラウンドは、まさに総合的といいますか、鉱工業製品に限らず農産物が全面的に対象になりましたし、いわゆるサービス、さらには知的所有権、あるいは貿易のルールに至るまで、幅広く貿易にかかわる国際合意が実ったわけであります。数も百二十五カ国でございます。七年半の歳月を経て、ようやく本年の四月にマラケシュで調印されることによってこの長い困難な世界貿易に関するコンセンサスが成就を見ることができた。これは大変大きな意義がある、戦後の貿易、経済の歴史の中で画期的な出来事であるというふうに認識をまずいたしております。ぜひこのことが、今後世界経済の拡大や、文字どおり国境を越えた貿易の促進に大きな成果が上がることを期待していきたいと思っております。  当時官房長官を務めておりまして、本部の設立、第一回の会合、そしてこの事態に対する当時の政府の考え方の取りまとめ等にもかかわらせていただいたわけでありますが、細川総理の当時の発言にございますように大変苦しい選択をさせていただいたわけではあります。それだけに、農業にとっては異常な厳しい事態に対して真剣に目を向けていこう、そのことが万全の対策という表現につながっていたというふうに思っております。  そしてそのことが、今日この時期を迎えて、本当に政府が万全の対策をとるかどうかが農業の関係者を含めて幅広く見詰められている状況だと思っております。それだけに、当時の政権にも参画をさせていただいた立場から、一層真剣にこの政府の方針を実現するために全力を尽くさせていただきたいと思っております。

仲村正治改革

○仲村委員 ぜひ今の御答弁のとおり全力を尽くして万全を期していただきたい、このように希望いたすものであります。  政府は、昨年十二月十七Bに閣議了解で決定したウルグアイ・ラウンド農業合意関連の緊急農業農村対策に基づき、去る十月二十五日、その関連対策事業費として、平成七年から平成十二年までの六年間で六兆百億円を決定した。この総事業費のうち国費を二分の一としても六年間で三兆円ですから、一年で平均して五千億円ということになります。そして、これは八月末の農水省の概算要求額三兆四千二百六億円の既定予算とはまさに別枠で、ウルグアイ・ラウンド対策費としての上積みとして決定されたものと一般国民、なかんずく全国の農業者は受けとめているし、また、私たち改革としてもそのような理解をいたしております。  大蔵大臣、何回も何回も繰り返された質問だと思うが、ウルグアイ・ラウンド農業合意緊急農業農村対策費という大義名分からいっても、そのような解釈は否定のしようもなく、逃げようにも逃げられない理屈だと思うが、この点ははっきりと確認をしておきたいと思います。どうぞ御答弁をお願いします。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○武村国務大臣 この点については再三再四厳しく御質疑をいただいているところでございますが、私どもの考え方には変わりはありません。あくまでもこれはガット・ウルグアイ・ラウンドという、こういう日本農政にとっては大変な事態を迎えているという状況の中で農業を転換をしていく、いわばその新しい事業をどう進めていくかということが基本であります。あくまでもガット・ウルグアイ・ラウンド対策にかかわる新しい事業として六兆百億円という、国、地方一体ではありますが、事業費を私どもは明らかにさせていただいたという認識でおります。  既存の予算をどんどん削り取ってそっちへ振り向けるのじゃないかという見方もございます。もちろん、予算編成全体の中で農林省とも従来の予算全体についてのさまざまな精査はさせていただかなければなりませんが、少なくとも、この新しい事業の予算を捻出するために無理をして、非常識なことをして、そしてそっちへ金を回すというようなことは考えておりません。そのことを、従来の農林水産予算に支障を来さないよう配慮をするということで政府・与党全体で合意をいたしているところでございます。

仲村正治改革

○仲村委員 新しい事業である、そして従来の農林水産省予算に支障を来さない。支障を来さないということは、既定の予算は既定の予算、こういう区別をする、線を引くという考え方だと受け取っております。  この点について大河原農林水産大臣は、去る二十二日の当委員会での質問に答えて、ガット・ウルグアイ・ラウンドの農業合意受け入れに当たって緊急農業農村対策で示された事業は新規の事業である、よってその中で決められた六兆百億円のうちの国費分約三兆円、つまり六年間で三兆円ですから年平均して五千億円は新規の事業であると明確にお答えになられました。その点、もう一度ひとつ武村大蔵大臣、確認をしておきたいと思います。よろしくお願いします。     〔委員長退席、中川(昭)委員長代理着席〕

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○武村国務大臣 政府・与党としては、表現は新しい事業ということで合意をいたしているところでございます。  例えば圃場整備等を含めた基盤整備事業がございますが、より生産性を高めていくということからも圃場の区画規模を大きくして、今までは三反区画が基本でありましたが、一町ぐらいの大きさということも念頭に置きながら、より規模の大きい、より能率の上がる効率的な農業ということで、そういうものを新しい圃場整備事業あるいは基盤整備事業というふうに位置づけております。高生産という言い方もしております。  もちろんこれは、今回初めてスタートする事業ではありません。従来から一部希望のあるところはそういうものも認めてきました。そういう事業を今回は基本にしながらこの六兆百億を組ませていただいているというふうに御理解を賜りたいと存じます。

仲村正治改革

○仲村委員 その点について大河原農林水産大臣からもお答えをいただきたいのでありますが、十月二十五日に決定したウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策事業費の六兆百億円は、既定予算、つまり平成七年度でいえば概算要求額三兆四千二百六億円の別枠、上積みと見ていいですねという質問に対して、村山総理は非常にあやふやな、不明瞭な答弁をされた。予算に支障を来すことのないように対応すると答えられたわけです。  私は最初、非常にあやふやで不明瞭だなと勘ぐったのでありますが、しかし、よくよく考えてみると、今回の対策事業をするために従来の三兆四千二百六億円の予算を削り込んで今までの事業の執行に支障を来すことはしない、こういうことですから、これはまさに新規の事業であり、別枠、上積みと見ていいですね、農林大臣。

大河原太一郎自由民主党農林水産大臣

○大河原国務大臣 先ほど大蔵大臣もお答えしたとおりでございまして、新しいこの六兆百億の事業費の事業は、それなりに財政的裏づけのもとに執行するというわけでございまして、その事業費の財源として従来の農林水産関係予算から削減、抑制というような措置はとらないということでございます。

仲村正治改革

○仲村委員 今、大多数の国民がWTO協定締結が我が国の国益に合致するという考え方だと思う。それと同時に、そのために犠牲をこうむる農業、農村に対しては国民全体の負担でその不利益をカバーすべきであるということもまた異論のないことだと私は見ております。  ところで、その被害をこうむる農業、農村の営農継続を支援する財源をどうするかも国民の前に明確に示さなければならないと思います。  武村大蔵大臣は、大臣就任の記者会見で財政運営に関する質問に答えて、財源対策として消費税の増税ありきが先行してはならない、真っ先に行政改革を断行して行政経費のむだの節減を図る、こういうように言われた。何となくかつて女房役としてコンビを組んだ人への当てつけのようにも聞こえたが、しかし、国民からすれば、何と耳ざわりのよい話だろう、大蔵省はぜひその姿勢を貫いてほしいと思ったでしょう。  ところが出てきたものは、国民に明言したこととは逆に、行政改革の先行ではなくて、所得のあるなしに関係なく容赦なく一億二千四百万人の国民に負担を強制する消費税の五%へのアップを先行させた。  大蔵大臣、なぜ、おの大臣就任時の国民から歓迎された行政改革ではなくて増税を先行したのか、御答弁をいただきたい。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○武村国務大臣 おかげさまで参議院で税制改革法案を通していただきまして、ほっとしているところであります。  税制の御質問をいただいたわけでありますが、もちろん今もその考えには変わりはありません。政府・与党としましては目下行財政改革に一番力を入れて取り組もうといたしているところであります。  ただ、行財政改革は、範囲も非常に広うございます。テーマも本当にたくさんございますし、根の深い、奥行きのある課題でございますから、短期日のうちにすべての行政改革の方針を固めることは大変無理がございます。  そういう意味で、今回の税制改革におきましても新政権は、政権スタートと同時にいち早く行革のプロジェクトチームもつくって意欲的にこの議論を始めておりまして、税制改革が政府・与党で合意をされる段階では行政改革のための基本方針というものを既に決定をしながら税制の方針を決めさせていただいたところでございます。  しかし、今申し上げた、数多くのテーマを具体的にその短期日に全部明らかにすることは、これは及びませんでした。時間的にも無理がございました。これは、当てつけというよりも、羽田政権においても細川政権においても行革の具体的なところまではまとめ切れなかった、かなり時間が要るということで御理解がいただけるのではないかと思っております。  見直し条項を置かせていただくことによって、もう既にスタートをしている行政改革、これから真剣に具体的な成果を上げるべく内閣を挙げて取り組んでいこうという決意であります。

仲村正治改革

○仲村委員 税制改革というのは、やはり二、三年越しにそんなに頻繁に行えるものではございません。やはり十年スパンで、その間に想定される国民要求、そしてそれをどうして国民が負担するかということで税制改革というものは行われなければなりません。  したがって、その改革をするに当たっては、改革案をつくってそれを国民の前で少なくとも半年か一年は議論をかけてそれを決定するという手順でなければならない、こういうふうに思いますけれども、今回は、ある意味で不意打ち的な消費税の二%アップ、そしてその二%アップは福祉財源に充てられるものじゃなくて、大体私が見て減税財源に充当する形になるのではないかというふうな感じを持っているわけでありますが、今回、この十月二十五日に六兆百億円をお決めになられた、当然今回の税制改革の中でこの分の財源対策としての計画は入っていると私たちは見ておりますが、その件について大蔵大臣から御答弁をいただきたいと思います。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○武村国務大臣 今回の六兆百億円の対策費につきましては、六年間にわたりまして予算編成の中で組ませていただくわけであります、ざっと半分は地方財政でございますが。その年度ごとに財政状況を勘案をしながら、この事業の消化に全力を挙げさせていただく決意でございます。あらかじめどういう財源を充てるかということを予定しているわけではありません。その年度年度全体の財政状況を見ながら、遺時適切に対処をさせていただきたいという考えでございます。  今御指摘の今回の税制改革の二%消費税を上げさせていただく、このフレームの中にはこうした予算を想定はいたしておりません。あくまでも今回は、御指摘がありましたように、減税、そして三年間の景気対策としての減税のつなぎ国債の償還、そしてそれでも五千億の余裕を見つけることができまして、これを優先的に福祉に充当させていただくということを基本的なフレームにいたしているところでございます。  公共事業、農業を含めた公共事業全般に充当するだけの余裕はこの五%の消費税のフレームの中には見出すことはできませんでした。

仲村正治改革

○仲村委員 先ほども申し上げましたが、国民に税負担の増加を求める税制改革は、そう簡単に二、三年越しに頻繁に何回も何回も実施されるべきものではない。少なくとも十年スパンで、その間に予想される国民的要求の総支出をどのように国民が負担するかでなければならない。特に今回の税制改革は、急激に進行する少子・高齢化社会の福祉対策費をどのように国民全体が支え合っていくか、そういう改革であるべきだったと思う。  しかし、今回の税制改革は、私に言わせれば、所得のあるなしにかかわらず一億二千四百万人の国民に強制する消費税の二%アップ、それは中間所得層の減税財源に引き当てようとするものであるというふうに私は見ております。何らこれからの四、五年あるいは十年以内に必然的に発生する国民的、社会的支出に引き当てられようとするものであるとは思っておりません。  したがって、今も大蔵大臣はお答えがありましたが、今の六兆百億円のうちの国費の三兆円、これについての財源は予定しておりませんということになりますと、もし財源の裏づけが示されないということであれば、十月二十五日の緊急対策本部として発表したウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策事業費の六兆百億円は、空手形を発行してWTO協定の締結を国会に迫っているようなものではないかというふうに思いますが、どうでしょうか。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○武村国務大臣 おっしゃるような空手形になるとうなことは絶対あってはなりませんし、それはいたしません。はっきり申し上げておきます。  私が予定しておりませんと申し上げたのは、今回の二%の消費税アップのフレームの中では、農業対策に回す財源を予定はいたしておりません、残念ながらそこまで余裕はありませんでしたということを申し上げたわけであります。

仲村正治改革

○仲村委員 私が先ほどから申し上げておりますのは、昨年十二月十四日にガット・ウルグアイ・ラウンド農業合意を受け入れて、そして十七日に、このためにはやはりアフターケアをしなくちゃならない、国内対策をしなければならないという立場から緊急農業農村対策本部が設置されて、それが練り上げられて、そして十月の四日に骨子が報告されて、そして二十五日にはその事業費の発表がなされた。  これはもう当然この一年間かけて事業費としての支出が予定されている経費であったわけでありますので、今回の税制改革でそれが予定されてないということになりますと、まさに、ではどうしてこれを生み出すかという問題はこれからということになりますので、先の見えない、まさにあやふやな事業費であるというふうに言わざるを得ません。その点はしかとひとつ国民に約束をしたことが守られるように、私は大蔵大臣に強くこれは注文をつけておきたいと思います。  武村大蔵大臣に先ほど、大臣就任時に増税ありきの先行でなくて行政改革が先だと言われた、しかし、出てきたものは税制改革が先で行政改革はまだこれからというような話でありますが、殊のほか行政改革に熱心なさきがけの代表の武村大蔵大臣、そして行革所管の山口総務庁長官にお尋ねをいたします。  村山内閣の行革の作業として、政府が今何をやり、そして自社さきがけ連立与党のプロジェクトチームがどういう作業を進めて、それをいつまでに目に見えるような形で国民の前に明らかになさるおつもりか、その点をひとつお尋ねいたします。

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合総務庁長官

○山口国務大臣 お答えいたします。  行政改革は簡素にして効率的な政府を目指すために全力を挙げて取り組む課題であると思いますし、また、村山総理はしばしば、村山内閣の最大の政治課題である、かように申しているわけでございまして、その趣旨を踏まえて取り組んでいるところであります。  具体的に申し上げますならば、まず第一は、規制緩和の問題であります。これにつきましては、専門委員の方々をも委嘱いたしまして検討委員会を本日発足をさせました。民間の皆さん方の御意見も十分踏まえつつ、また、行革推進本部におきまして内外からの意見も聴取をいたしまして、本年度内に五カ年間の規制緩和推進計画を策定するというスケジュールで今取り組んでおります。  また、特殊法人の問題につきましては、本日までに、各省庁におきまして関係する特殊法人の見直しについて点検を行っていただきまして、その中間報告を出していただくことにいたしております。その上で、来る来年の二月十日までに具体的な整理統合、統廃合等の具体的な問題についてこれまた報告をいただくことにいたしております。したがいまして、特殊法人の整理合理化、見直しにつきましては、本年度内に具体的にそれを決定をいたしたいということで努力を進めている次第であります。  なお、地方分権の問題に関しましては、今地方分権部会におきまして、大綱方針の策定に向かって作業をいたしております用地方制度調査会の答申もございました。また、地方六団体の意見も承っております。こういったものを総合いたしまして、分権大綱を年内に策定をいたしまして、明年の通常国会に地方分権に関する基本的な法律を御提案申し上げたいということで作業を進めております。  さらに、情報公開につきましては、今国会において成立をいただきました行革委員会におきまして、二年間の間に情報公開に対する法制化の御議論を進めていただきまして、速やかに情報公開法を制定いたしたいということで今進めておる。  以上、現在取り組んでおります行革についてのスケジュールを申し上げた次第でございます。

仲村正治改革

○仲村委員 私が聞くところによりますと、皆さんの自社さきがけ与党のプロジェクトチームは、各省庁の特殊法人あるいはどの部分が改廃の対象になり得るのかというようなヒアリングをしているということを聞いておりますが、その中で非常に気になるのは、農林水産省が非常にターゲットにされているというような感じがするわけであります。  今回皆さんの法改正の中で、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法の一部を改正する法律案、そして繭糸価格安定法の一部を改正する法律案、これには畜産振興事業団の位置づけあるいはまた蚕糸砂糖類価格安定事業団の位置づけ、これが重要な役割を果たしていくということが書かれておりますしばしばこれが行革の対象になっておったとよく聞かされる。よもやそういうことはないでしょうね、農林水産大臣。

大河原太一郎自由民主党農林水産大臣

○大河原国務大臣 ただいまも総務庁長官からお話ございましたように、特殊法人については例外なくそれぞれの主体についての検討が進められておるわけでございます。それは、その果たしている機能が既にもう必要ないんではないかとか、あるいは他の形態による事業の実施が可能ではないかとか、各般の視点からの検討が行われておるところでございます。  今お話しの具体的な当省関係の二事業団につきましても、その機能なり等々を検討し、他の形態によってそれが行い得るかどうかというような点も検討しておりますけれども、特に今も御指摘ございましたように、このWTO協定の農業協定の受け入れに伴います国境措置の問題と関連して新たな機能が加わってくるわけでございまして、その点も十分に考慮しながら最終の結論を尽くさなければならないと思うわけでございます。

仲村正治改革

○仲村委員 今名前を挙げましたが、それはその対象にならないように、ちぐはぐにならぬようにひとつお願いをしたい、こういうことで念を押したつもりであります。  大河原農林水産大臣にお尋ねをいたします。  先ほどから、各大臣から、WTO協定を我が国が締結することは我が国の国益に合致する、そして国民生活の向上発展に多大の利益をもたらすことから極めて有意義であるというふうに強調されているわけでありますが、農林水産大臣は、このWTO、そしてみずから提案をされております四法案についてどのようなお感じを持っておられるか、また、この委員会、国会に対してどういうことを希望されているか、御所感を承りたいと思います。

大河原太一郎自由民主党農林水産大臣

○大河原国務大臣 WTO協定のうちの農業協定は我が国農業に対して相当厳しい面を持っておるということは、私も農政所管の大臣として受けとめておりますが、全体としては、先ほども外務大臣あるいは大蔵大臣が申し上げましたとおり、多角的自由貿易体制の推進、国際的な信義の問題等々からやはりこれを第一義的にし、農業協定については、交渉の過程でから得たものも足場にしながら、さらに国内対策を充実して進めなければならないというわけでございまして、協定そのもの並びに実施法案についての成立を強く希望しておるところでございます。

仲村正治改革

○仲村委員 大河原農林水産大臣としては、農林水産行政の所管大臣として、今回のガット・ウルグアイ・ラウンドの農業合意について必ずしも満足するものでない、それはもうみんなひとしくそういうふうに考えておりますが、しかし、やはり我が国の総合的な国益、国民総生産からして農業の生産高というのは大体十一兆円というふうにお述べになられましたが、それは約二%程度のものですが、しかし、国の経済というものは、どんなに小さいものであってもそのトータルで維持されていることでありますので、もしそのわずかな部分であってもマイナスを受けるということであれば、国民全体でそれは支援をしていくということは私は当然のことだ、政治の役割だと思っているわけであります。  ただ、このWTO協定に我が国が加盟するという前提は、いわゆる昨年十二月のガット・ウルグアイ・ラウンド農業合意の受け入れであり、本年四月のマラケシュ閣僚会議で署名をしたことにほかなりません。  しかし、昨年十二月の農業合意受け入れに対して、あなたは、本年一月二十六日参議院において、憲政史上初めてだと言われる閣僚の問責決議案を当時の畑農林水産大臣に突きつけた。畑大臣は我が国農政史上取り返しのつかない大失策、そして大失態を犯したので、速やかな退陣を要求すると書いてあります。  先ほどのWTO協定締結に対する評価とあの当時の行動には大きな矛盾を感じて、ただただ情けないなと言うほか言葉を選ぶことができません。畑大臣だって我が国の利益を守り我が国の農業を守る気持ちは人一倍強い情熱をお持ちの方だと私は思っております。  大河原農林大臣、同じ農林水産行政に携わる立場として、当時の行動についてどのようなお気持ちをお持ちか、大臣の率直な真情を吐露していただきたいと思います。

大河原太一郎自由民主党農林水産大臣

○大河原国務大臣 お答え申し上げますが、先ほども外務大臣から申し上げましたとおり、最終段階における農業協定については、折衝のあり方なりあるいはその協定の中身等についてはいろいろ問題があり、特に農家の不安なり不信は大変なものでございました。その気持ちを代弁して私どもとしてはあのような立場に立ったわけでございますが、るる今もお話がありましたように、世界の中の日本で、日本の中の日本農業でございまして、全体の立場から見ますと、やはり農業協定は、これに対する悪影響防止の対策を講じることはぜひ必要であるけれども、全体としては受け入れざるを得ないというような考え方に立っておるわけでございます。

仲村正治改革

○仲村委員 大河原農林大臣、ガット・ウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策として緊急農業農村対策本部は、去る十月二十五日、総事業費六兆百億円を決定いたしました。この数字は農水省現場からの要求どおりということか、それとも相当切り込まれたということなのか、その最終決定の評価についてお伺いをいたしたいと思います。

大河原太一郎自由民主党農林水産大臣

○大河原国務大臣 今回の国内対策に伴う事業費の問題でございますが、財政当局との折衝におきましては、基幹となるそれぞれの事業についての事業量を積み上げまして、それぞれの事業は重点かっ加速的に行うべき事業でございますが、それをそれぞれ突き合わせまして、その結果でその調整をしたものでございます。  通常の予算のように概算要求を一本に絞って総まとめにして、それに基づいて要求をいたして、それに対して査定が行われるということではなくて、農林省とそれから大蔵省それぞれ事業の施策の中身、事業量を持ち寄って調整した結果でございまして、要求、査定という過程をとったものではございません。

仲村正治改革

○仲村委員 私たちは十月二十日に総理、大蔵大臣、農林大臣にそれぞれこの対策費の万全を期されるよう申し入れをいたしたところでございます。そして、役所からはその都度中間報告を聞いたところでございますが、十月二十三日まで三光幾らであったものが十月二十五日突然六兆百億円に決まった。我々は、その数字は一体どこから出てきたものか、非常に理解できない面もあったと思います。  先ほどから大蔵大臣とやりとりの中で、この六兆百億円が農水省既定予算の別枠、上積みか、それとも既定予算と境目のないものかの議論をしてまいりました。私は、緊急対策としての言葉のつく事業である以上、既定予算の範疇に入らない分野を緊急対策で補完するということだから、予算の面では当然上積み、別枠という基本認識が妥当だと思う。また、大河原農林大臣も、既定予算に支障を来さない新しい事業のための予算であると繰り返し答弁してこられた。特に、農水省の平成七年度予算の八月末の概算要求額三兆四千二百六億円の決定時点まではウルグアイ・ラウンド対策は後回したという共通の認識、暗黙の了解事項であったと思う。  大河原大臣、概算要求の三兆四千二百六億円は既定予算として、削り込みとかあるいは上乗せとか、それは増減は幾らかあるかもしれませんけれども、しかし、ウルグアイ・ラウンド農業合意緊急対策事業費は、新しい事業としての予算が別に上積みして措置されると見ていいですね。

大河原太一郎自由民主党農林水産大臣

○大河原国務大臣 これは大蔵大臣も申し上げましたように、新しい事業だということで、それを前提とした予算措置がなされる、これは当然のことだと思うわけでございます。

仲村正治改革

○仲村委員 そのような形で期待をいたしておりますので、ぜひそのような形での予算編成をから取っていただきたい、こういうふうに思っておるわけであります。  新食糧需給価格安定法についてお尋ねいたします。  現行の食管制度では流通の主体は政府管理米であるという基本的枠組みが大きく変わり、米の流通は自主流通米が主体となり、今後は政府は主として米の需給と価格の安定のための生産調整と備蓄米の運営に関与していくということであるので、この制度改革によって大きく食糧庁の業務量が縮小され、まさに行革のお手本とも言うべき大改革と言わざるを得ません。それによって食糧庁が大幅に身軽な状態になると思うが、現在の職員何人体制が新制度導入後何人体制でいけばよいのでしょうか。農林大臣と総務庁長官からその点の御答弁をお願いしたいと思います。

大河原太一郎自由民主党農林水産大臣

○大河原国務大臣 新しい食糧管理方式におきましては今委員お話しのとおりでございまして、民間流通である自主流通米を主体として流通するわけでございますが、一方では、現行の食管制度と同じように需給と価格の安定、供給の安定という方式を確立するために的確な需給見通しあるいは基本計画を樹立して、そのもとにおける安定した供給を確保する。さらには備蓄の適切な運営、さらには計画流通制度によって消費者が必要とする米の円滑な供給を図る等々それぞれまた、全量管理からシフトするわけでございますが、それなりの業務があるわけでございまして、それらの業務についてはこれからそれぞれの業務を積み上げて、いかなる組織になるか、あるいは定員にするかという点について検討いたし咲いと思います。  もちろん、行革等の大きな要請等もあることも十分心得て対応したいと思うわけでございますが、今直ちに、いかなる組織でいかなる定員で等については検討中でございまして、結論は出ておりません。

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合総務庁長官

○山口国務大臣 お答えいたします。  まだ総務庁の方に農水省から具体的なお話は参っておりません。ただいま大河原農水大臣からお答えありましたように、農水省におきまして今検討中ということだろうと思います。  農水省からお話がありまするならば、総務庁としては十分相談に応じまして対処をいたしたいと考えておる次第であります。

仲村正治改革

○仲村委員 今まで全量管理であったものが、その主体は自主流通米でいく。政府の管理するのは備蓄を中心にした百五十万トンを中心に管理をしていく。政府が関与する業務量というのはこれはもう大幅に縮小される。だから私は今回の制度改革で、当然一緒にその計画案、法律は、まあ行革はまだ先かもしれませんが、こういう形になりますぐらいの説明はできるように、その議論にたえ得る状態をつくり上げておくべきであったのじゃないかな、こういうふうに思います。  ただ、これはこれから検討しますということでありますので、これはもうだれが見ても、これだけの今までの業務量がこういう一部に縮小されるということであれば、この一万五千人の人が相変わらずそれに従事するということは、国民の負担の面から許される話ではないと思いますので、真剣にひとつその計画をつくっていただきたいと思っております。  次に、生産調整について、生産者の自主的判断を尊重し、強制感を伴う生産調整措置は廃止するということですが、このことは、今後よほど記録的な異常気象、例えば去年みたいな大凶作、それでまた、ことしは作況一〇九という大豊作、そういうことがない限り自動的にその需給の調整は維持できる、こういうふうな考え方から今の、自主判断に任せる、そして強制感を伴う生産調整はしない、こういう考え方になったわけですか。

大河原太一郎自由民主党農林水産大臣

○大河原国務大臣 お答え申し上げます。  委員のお言葉にもいみじくも出てまいりましたが、全体需給の調整がやはり需給なり価格の安定に必要でございます。それを前提といたしましてそれぞれの生産者の方に生産調整をやっていただく、そういうことでございますが、その場合に生産者なりあるいは地域の実情の御意見を酌み取ってやるということでございまして、その実効性の確保のためには、備蓄に必要な政府米を買い入れるとか、あるいは特別の助成金を出すとか、あるいは生産調整に非常に多様な方式をとりまして、生産者自身で生産調整が円滑に行われるような方式を考えていきたい、さように思っております。

仲村正治改革

○仲村委員 生産調整はやらないわけじゃなくて、生産調整に協力をする人から備蓄用米を買い上げる、そして、そのかわり生産調整助成金を出す、こういうことになりますと、米の生産者米価は別に決めるけれども、生産調整助成金を出した分は備蓄米を買うための一つの負担になるわけであります。  備蓄米の目標数量百五十万トンということですが、これだけの備蓄管理に次のような経費や負担や差損が発生すると私は予想しております。  私の試算では、百五十万トンの金利倉敷料、トン当たり二万円とすると、百五十万トン、三百億円。販売差損、これは買い入れのときは、今の六十キロ当たり一万六千幾らかをトンに直しますと約二十七万円になります。そうすると、その二十七万円で買い入れたものを一年間倉に寝かしておったものを一年後に売るとなると、これは、たとえ食糧として売るにしても、相当値下げしないと売れない。大体トン当たり四万円の差損金が出るというふうにして、百万トン、四百億円になります。そして、加工用にもし回す場合には、それはもう二十万円近くの差損が出てくると思います。その百五十万トンのうち五十万トンを加工用に回したとするときに、それで一千億円。そして、プラス生産調整助成金。こうなりますと、この備蓄のための経費が約二千億円ぐらいかかるわけであります。  これは備蓄の必要というのが、五年に一回、十年に一回あるかないか、まあ掛け捨ての保険料を掛けるみたいで、国民全体でそれは負担すればいいということになりますけれども、それはミニマムアクセスの輸入米の売買差益金で引き当てる。それで、それは食糧管理特別会計法の改正によるとされておりますが、食管法が廃止されても食糧管理特別会計はそのまま残るわけですか。

大河原太一郎自由民主党農林水産大臣

○大河原国務大臣 政府米の買い入れ等も備蓄用であるわけでございまして、その他を通じて食管特別会計は当然存続するわけでございます。それでございまして、あそこの規定に、ミニマムアクセス米の差益は備蓄経費に充当するということがはっきりしておるわけでございます。  なお、備蓄経費については、いろいろの前提を置かれまして金額のお話がございましたが、現在のところは、もうとにかく備蓄米からの差益と、あとは必要であれば一般会計からお願いする、そういう建前でございます。

仲村正治改革

○仲村委員 本会議があるようでございますので、あと一分で終わります。  大河原農林水産大臣、私はどうしても気になってしようがありません。それは農林水産大臣のために再度申し上げておきたいと思います。  平成五年度に決定した、平成五年度から平成十四年度までの第四次土地改良十カ年計画は、十カ年間で四十一兆円の事業が決定されています。これは年間平均四兆円の事業として決定されています。しかし、この既決の長期計画事業をウルグアイ・ラウンド関連対策事業に看板のかけかえをされて、はい、これがウルグアイ・ラウンド対策ですにならぬように、あくまでもウルグアイ・ラウンド対策に関する事業と予算は、既定予算と既決事業とは別の新規の事業である、新規の予算であるということを最後に確認をして、私の質問を終わりたいと思います。どうぞひとつ御答弁ください。

大河原太一郎自由民主党農林水産大臣

○大河原国務大臣 国内対策の農業農村基盤整備事業も、新しい高生産性基盤整備事業等を中心にして、その重点かつ加速的な事業を行う、そういうつもりでございまして、御懸念はないと思います。

仲村正治改革

○仲村委員 どうもありがとうございました。

中川昭一自由民主党

○中川(昭)委員長代理 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時二分休憩      ――――◇―――――     午後一時開議

佐藤孝行自由民主党

○佐藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。草川昭三君。

草川昭三改革

○草川委員 草川であります。  今さら指摘をするまでもありませんけれども、WTOの人事問題について、まず外務大臣にお伺いをしたいと思います。  このWTOは、これからの自由貿易体制を方向づけるわけでありますし、紛争処理の舞台ともなる重要な国際機関であるわけです。本来ならば我が国としても閣僚級の事務局長に立候補すべきである、各委員の方からもそのような御発言があったと思うのですけれども、いろいろと、かつての大河原さんのような方がおみえになれば、まさしく適任ではないだろうかと思うのでありますけれども、また諸情勢を考えれば、これが非常に困難であるということも何となく我々にうかがえるところでございます。  現在の候補者をそれなりに伺ってまいりますと、イタリアのルッジェーロ元貿易相、あるいはまたメキシコの大統領をされたサリナス、あるいは韓国の資源部の長官、金さん、こういうような方々等々が何か名前がちらほらと出ておるようであります。  そこで私は、本来は今申し上げたように日本が積極的に参加すべきだと思うのですが、日本もいろいろと国際的なかなりの批判も受けておるわけでありますし、仲介の労をとるという大役というのはいささか、私もこういう立場にありながらなかなか言えない点もあるわけでございますが、たまたま私も日韓議員連盟の副会長でございまして、かかる立場からも、この際、金候補を推したらどうだろう、こんな提言をひとつしてみたいと思うのですが、外務大臣の見解をお伺いしたいと思います。

河野洋平自由民主党外務大臣

○河野国務大臣 何度がごの委員会でもお答えを申し上げましたが、WTOの事務局長というのは非常に重要な役目でございます。世界貿易の中でかなり大きなウエートを占めます我が国が、この事務局長に関心を持つのは当然だと思います。  私どももそういう気持ちでおりましたけれども、現在、御指摘のように韓国が金喆寿氏を候補者として擁立をして、日本に対してもこれを支持してほしいというお申し出がございました。御承知のとおり、金氏は国際舞台での経験も十分ある見識の高い人物というふうに我々も聞いておりますし、何度か私もお目にかかって、大変立派な方とお見受けをいたしました。そこで、我が国としては、我が国の事務局長に対する関心は関心として、この際は金氏の支持に回ることが適当であろうというふうに態度を決めているところでございます。  今、ちょっと長くなって恐縮ですが、先生御指摘のとおり、イタリーのルッジェーロ氏、メキシコのサリナス氏と三つどもえということのようでございます。実は南米にもう一人、リクーペロという候補者がおられましたが、この方が辞退をして、その関係で割合とサリナス氏に支持が一つに集まってきて有力だという説もございますけれども、また他方、いやいや三人はおおむね同じような勢力、拮抗しておるという情報もございます。  いずれにせよ、一月一日、WTOがスタートをするということになれば、もうその話が煮詰まってこなければなりません。もちろん、この話の結論が出なければ、ガットの事務局長がそのまましばらくやっていればいいじゃないかという意見もございますけれども、やはりスタート時点には新しい事務局長がさっそうと登場するということが、インパクトをより強くするという意味で私どもも大事ではないかと思っているところでございまして、韓国にも何度か、我が方としては金喆寿氏を推す、この我が方の決定は変更はしないということを伝えております。  強いて言えば、こうした候補者を出しておりますだけに、韓国はWTO協定の国内手続を早急に進められることが望ましいという気持ちもしないではないわけでございますが、それはそれとして、我が方の事務局長大事に対する方針は申し上げたとおり。さらにその際、我が方としては、事務局長以外の大事に関心ありということをあわせて韓国にお伝えをしているところでございます。

草川昭三改革

○草川委員 ぜひ金韓国商工資源部の長官の推薦を実現をしたいものだと思いますし、今外務大臣が御答弁になりましたように、実質的には事務局次長、大変な大きな役割を果たすわけでございまして、その事務局次長に我が方が有力な配置ができるように、お互いに連携をし合いながら進めていただきたいことをこの際申し上げておきたい、こういうように思います。  以上で外務省関係は終わります。  二番目に、いよいよこれで米市場が部分開放になるわけでありますし、いずれにしても本格的な国際化競争を迎えることになるわけであります。いわゆる荒波を乗り切って、国際競争力のある強い農業を育てる必要は言うまでもないわけでありますが、それには、今回も政府の方からも提言していますが、農家の創意工夫を引き出し、それを支援することが必要だと思うのですね。だから中身が必要なんです。  ところが、往々にして、一年間一兆円ですよ、六兆円取りましたよという、政治の場で幾ら、物取り合戦と言うと批判がありますが、そういう言い方で農民に訴えましても、少なくとも農民、特に後継者となるべき若い人たちは納得しないんですよ。一体我々の意欲をどうしてくれるんだ、さまざまな制限を外してもらいたい、自由に競争させてもらいたい、こういう要望も強いわけでありまして、その中で、ここ数年来ずっと実は、全農なり農協がいわゆる購買事業をやっておるわけでありますけれども、購入する資材が高過ぎるという問題を私は取り上げているわけであります。  きょうは余り長々と申し上げませんが、ひとつ化学肥料に絞って問題提起をしたいと思うのでありますけれども、例えば一番ポピュラーな肥料として使われる、いわゆる硫安というものの内外価格差というものを取り上げてみたいと思うのです。この内外価格差というのは、ちょっと誤解があるといけませんけれども、日本のメーカーでつくった硫安が輸出をされる値段と、それから日本でつくったそのメーカーが国内で売る値段の乖離がひど過ぎるじゃないかということを言っているわけであります。  まず、これは私は数字を持っておりますけれども、農林省の方から最近の硫安についての国内価格と輸出価格について答弁を願いたい、こう思います。

日出英輔農林水産省農蚕園芸局長

○日出政府委員 硫安の国内価格と輸出価格の関係でございますが、先生も御案内のとおり、この取引条件がかなり違っておるわけでございます。例えば、ばらか袋詰めか、あるいは工場からどのところで引き渡しをするのか、こういった条件等が違いますので、なかなか輸出物と国内物と単純に比較はできないわけでございますが、一般的な取引条件で見ますと、国内でのメーカーから全農への売り渡し価格、これは二十キロ袋で農協の最寄りの駅渡し価格でございますが、最近年一年で約二万四千円。それから輸出価格につきましては、ばらでのFOB価格でございますが、これはトン当たり八千三百円ということになっているわけでございます。  ただ、この価格差がございますのは、今申し上げましたように、条件がかなり違っているわけでございます。例えば、二十キロ袋に詰め直しますと運賃がトン当たり約五千円、大体二十キロ袋でいいますと百円でございますが、あるいは包装費もトン当たり約五千円等の料金が加わるわ付でございます。そういう意味で、先ほど申し上げました約四割の価格差でございますが、FOB価格と国内価格との価格差は小さくなりまして、大体二割ぐらいの差になるであろうというふうに見ているわけでございます。ただ、これもまたさらに国内向けは、ふるいを通しました品質のよい粒状品で、そのまままけるという状態でございますが、輸出向けの方は粒状と粉状の混合したものということで、品質が憩うございます。  こういったことを考えますと、今実は輸出向けの硫安と同じものを国内で売っております値段が約二割引きでございます。そういう意味では、私どもは、この二つの価格につきましては、それほど大きな差はないのではないかというふうに見ているわけでございます。

草川昭三改革

○草川委員 実は、この議論はここ四年ぐらいやっているのです、私と農林省と。それで、本来は通産省も呼んで、通産省の方の資料も得て議論をしたいと思っているのですが、きょうは同じことの繰り返しになりますので……。  今局長の答弁は、確かに三倍の違いがあるんだよ、外国に売るものの方は安くて、日本の方が三倍高いんですよという、アバウトな話ですけれども。しかし包装代、袋の費用がかかっていますよ、レール渡しというのですが、輸送費もかかっているから一概に言えませんよ、合わせるならばほとんど変わりがないということをずっと言っているのですが、それは実は安くて使いやすいものを日本の国内に提供すればいいのです。逆に言うならば、日本の工場渡しのところで、全農が海外の輸出品と同じように裸で買えば三分の一の値段になるわけなんですよ、今の言葉をかえて言えば。ばらばらの粉がいいのか粒状がいいのか。粒の方がまきやすいことは事実なんです。しかし、ばらばらというのか、粉でまいた方が肥料の効果が悪いという証明は何もないのです。今品質が悪いということを言ったので、これは通産省を呼んでおいた方がよかったな、こう思うのですが、通産省をもし呼んでいたら、中身は同じですよということを言うのですよ、答弁では。  ですから、ここはぜひ農民の方が一番期待をしやすい、しゃ粒状ならば三倍高い、ばらばらの粉ならば三分の一安い肥料なら、だれだって農民は安い方の肥料を買いますよ、三倍の値段の違いがあるんだから。ここを私はずっとやっているんですよ。やっているんだけれども、依然として今のような答弁の繰り返しになっておるので、これは農林大臣、もう私、田名部さんが農林大臣のときにもこのようなことを申し上げたのです。それで、渡辺先生が外務大臣になられたときにも私この質問したら、渡辺先生、後で来て、君の質問、非常によかったと褒められたのですよ。先生、外務大臣じゃなくて農林大臣のときに褒めてくださいよと私言ったことがあるのですよ。  これは恐らく農林省も、もう私三年なり四年なり同じ議論をしているから十分承知をしているはずですから、どうかひとつ本気で農民に安い肥料を与えるように、全農なり農協なり単位農協なり経済連は努力をしろということを言いたいんです。ここはどうしても私は自由化に向けて、きょうは肥料の話だけ、硫安だけに絞りますが、尿素だとか塩安だとか高度化成はもう今余り国内でも使っておりませんので、数字の比較はやめますが、段ボールも同じことなんですよ。段ボールも同じようなことをやっているんです。  しかも、非常に悪いのは、メーカーもなかなか言わないのですけれども、メーカーの全農に対する出荷と一般商系に対する出荷は値段が違うわけですよ。商系の方は買いたたくわけですから安い。全農の方が高いものを購入しますから、全農はばかばかしいからメーカーからリベートを要求するわけです。このリベートの文言は、一応宣伝広告費分として全農に応分のものをメーカーは提供しますよ、こういうことになっているのです。これはもう間違いのない事実なんです。そのお金が、これまた毎年申し上げますが、全農の雑収入の中に百億を超す金額になっておるわけであります。  ちなみに、お聞きをすると、これは農林省に答えていただいていいのですが、事業雑収入、平成四年度と平成五年度、平成四年度が百十五億三千百万円、平成五年事業年度が百二十億三千六百万円、これ間違いないかどうか、お伺いしたいと思います。

東久雄農林水産省経済局長

○東政府委員 ただいまの先生の数字でございますが、平成四年事業年度、全農の今の事業雑収入百十五億、間違いございません。それから平成五年事業年度百二十億、間違いございません。

草川昭三改革

○草川委員 全農も総売り上げが七兆三千億ですから、もう大商社なんですよ。だから、もう協同組合という段階ではないわけです、機構がひとり歩きをしておりますから。  だから、本来は農民に還元する費用だと言っているのですよ、この百億は。それで私毎回言っているのですが、これがだんだんふえてきているのです。それは全農にしてみればわずか百億だ、こう言うわけですよ。そのかわり教育費用だとかPR費用だとかいろいろなところに使っているからいいじゃないですか、農民全体のために使っておるからいいです、こういう答弁なんですが、私は、そこに今日の全農の体質がある。これを自由なものにして、それで経済連も開放する、単位農協がお互いに競争し合う、それで好きな段ボールを買う、そして好きな肥料を買う、そして自分たちで設計をする、この土地にはこういう肥料がいいよ、営農をする、そして大規模農業になればなるほど手取りの肥料は安いものが購入することができる。くさびを外してあげることが私は大切だと思うし、それを一生懸命やらなければいかぬと思うわけであります。  そこで、このことをくどくどと申し上げてはあれでございますから、ここでひとつ公取さんに大変恐縮ですがお伺いをしたいわけでありますが、今私が触れましたように、全農が供給する段ボール箱あるいは肥料などの資材の価格とメーカーが直接販売している価格には、かなりの価格差が見られます、今申し上げたように三倍ぐらい。段ボールでいうならば、農家が百五十円ぐらいのミカン箱を、今百二、三十円でちょっと下がっておりますけれども、これはメーカー段階では六十円ぐらいで今出荷していますからね。  そういうように非常に価格に差が見られますけれども、それにもかかわらず、これらのメーカーが直接需要者であるところの単位農協や農家に売り込むことは非常に困難になっておるというのが現状であります。例えば、単位農協が直接段ボール会社から段ボールを買うというわけにはいかなくなっているのですよ。経済連を通さなければだめだ。あるいは出荷しようと思ったって出荷してくれないわけですから、指定された段ボールでないと。  そういう意味での差もあるわけでありますけれども、要するに、直接需要者である単位農協や農家に売り込むことが困難であるという実態があります。もし全農がこれを阻止しているとするならば、私は独禁法上問題があるのではないか、こう思うのですが、公取の意見をお伺いしたいと思うのです。

小粥正巳公正取引委員会委員長

○小粥政府委員 お答えを申し上げます。  まず、ただいまの御質問にお答えをする前提といたしまして、御案内のところでありますけれども、独占禁止法第二十四条は、農業協同組合等の協同組合の行為に対しまして、原則として独占禁止法の適用除外をしております。その旨の規定があるわけでありますが、ただ、例外といたしまして、不公正な取引方法を用いる場合等におきましてはこの限りではない、こういう規定がございます。したがいまして、ただいまのお尋ねで、農業協同組合、あるいはその連合会である全農の行為でありましても、もしそれが不公正な取引方法に当たる行為、これであれば、当然独占禁止法の適用があるわけでございます。  したがいまして、もし御質問で御指摘がありましたような行為が実際に行われるということでありますと、これは協同組合の連合会である全農が、取引先である資材メーカーに対してその事業活動を不当に拘束する条件をつけて取引をする、こういうことになりますので、これは私どもが規定をしております不公正な取引方法の一つの形態ということに当たろうかと存じます。  したがいまして、仮にこのような事実があるとしますと、独占禁止法に違反するわけでありますし、そのような場合には、もちろん私どもとして法律上の問題として厳正に対処する、こういうことになろうかと思います。

草川昭三改革

○草川委員 ぜひ、今公取の答弁にありましたように、そういう独禁法違反のないように、自由に行動ができるように縛りを解いていただきたい、こういうことを強く要望しておきたいと思うのです。  それから、最近、今回の六兆百億の対象に全然なっていない問題を一つ取り上げてみたいと思うのです。農林大臣には後から一括して御答弁願いたいと思うのですが、実はウルグアイ・ラウンドの農業合意の受け入れに伴って、当然輸入食料品の増加が見込まれます。これは当然のことだと思うのです。こうした中で、いわゆる価格破壊と称するものが大変今市中にあるわけでありますが、消費者にとってはこれは大歓迎のことでございますけれども、この価格破壊の流れが生鮮食料品にも及んできておるわけでありまして、一体そのしわがどこに寄せられているかというと、それは川下から川上に合しわが寄っておりまして、卸売市場に及んできているわけです。あるいは仲買に及んできておるわけです。卸売市場と仲買というのは大体自民党の支持団体ですよ、これは。私どもが言う筋合いのものじゃないのですけれども、そこが今一番泣いているわけですよ。  具体的に言いますと、バナナがそうなんです。バナナというのは、農林大臣、今二房幾らですか。本当はきょう持ってきて幾らかとお聞きしょうと思っていたのですが、一房今百円を割っているのです。今まで大体三百円、四百円、五百円だったのです。  これはちょっと理屈を言いますと、南米の方、ベネズエラあたりから東欧へ随分出ていたのですが、東欧の方の需要が少なくなったものですから、今大量に日本に入り込んできているのです。それで、船積みで来て、少なくとも港渡してどういう状況が起きておるかというと、もう日本では売れませんから、今価格破壊の目玉になっているのですよ。スーパーでもう百円を割る。それで、とにかく船で来たのを陸揚げしなきゃいけませんから、どうなっているかというと、捨てているのですよ、バナナを、ばんばんばんばん、産業廃棄物で。これはもったいない話ですよ。それで一定のものが今スーパーの方に流れているのですが、私は流通市場というのはそういう意味では今非常に混乱をしておると思うのですが、どのように今この点を把握しておみえになるのか、農林省にお伺いしたいと思うのです。

鈴木久司農林水産省食品流通局長

○鈴木(久)政府委員 近年、円高等の影響もございまして、青果物、野菜、こういったものにつきまして、大変多くの輸入食品が増加してまいっております。その流通ルートにつきましては、市場を通るものもございますけれども、一般的には大型の量販店が直接商社と取引をして輸入するといったような形態もございます。  私どもとしまして、今現在、特に最近非常にふえております野菜などにつきまして、どういった流通輸入実態にあるのかといったようなことにつきまして、鋭意調査をしておる段階でございます。

草川昭三改革

○草川委員 今の程度の答弁では私納得できないのですが、市場外流通の形態も非常にふえておるわけでありますし、もともと農林水産省としては、卸売市場が生鮮食料品の流通における中核的な役割を果たして安定供給をしなければいかぬという大きな役割を持っておるわけでありますから、ぜひここにも少し目を当てていただいて、どういう状況になっているのか、そうしませんと、既存の流れがいつまでも続くとは限らぬわけです。だから、この委員会でも、まず米の話だとかいろいろな話になっていますけれども、食料品全体のことも手当てをしていきませんと、私は問題があると思うわけであります。  そこで、今度もまた公取に、大変恐縮ですが、例えば今私バナナの例を出したのですが、バナナ以外にも同じようなものがこれからどんどん入ってくるのではないでしょうか。ジュースなんかでもそういう点もあるわけでございますが、例えばバナナの輸入が急増をした。それで、現在でもどれぐらいふえているのでしょうかね、これは数字の資料を持っていますが、今エクアドルの方から千百万ケースぐらい入ってきているのですかね、港の方に。それで、もちろん日本は台湾がある、フィリピンがあるわけですから、もともとの市場で。これがどんどん来ると大変なことになるので、小売価格というのは非常に低下をするわけでありますし、市場が混乱する。値段が下がることは、それは消費者にとっていいわけですが、市場が混乱をする。  そこで、輸入業者や青果業者が個別に、これは大変だというので南米へ飛ぼうじゃないか。例えば、南米からこっちに来てもらっては困るわけですから、外国の生産業者と話し合いをせざるを得ないわけですが、独禁法にひっかかったらまたこれはえらいことなんで、そういう場合に独占禁止法上は問題があるのかないのか、よくこれも今のうちに検討しておかないとアクションが起きないわけです。その点、どういうような御答弁になるでしょうか、お伺いしたいと思うのです。

小粥正巳公正取引委員会委員長

○小粥政府委員 ただいまのお尋ねは、御説明がありましたようなバナナの輸入による市場の状況、その中で国内のバナナ輸入業者や青果業者が、今お尋ねでは個別にとおっしゃられました、個別に外国の生産者あるいは輸出者と相談をするということでございますが、個別に日本の業者が外国の輸出業者等に、例えば市場の状況を説明する、あるいは例えばこんな状態だと非常に窮状を訴えるというようなことが想定されるかもしれませんのですが、その限りでそれが独禁法上直ちに問題になるとは私思いません。  問題が起こってくるといたしますと、そのような国内の業者の行為が、今度は国内の業者が共同して、このような状況だから例えば輸入を制限をする、その輸入量でありますとかあるいはその市場における価格を制限をする、そういう共同行為、相談そのものがそういう形で行われることになりますと、これは独禁法上問題があることは当然でございますから、その辺、具体的にどのような行為が行われるか、ただいまのお尋ねでは個別にとおっしゃられましたので、その限りでは直ちに問題になるとは思わないわけでございますが、とりあえずそんなお答えになろうかと思います。

草川昭三改革

○草川委員 どうもありがとうございました。  要するに、個別で窮状を訴える程度ならばいいという答弁でございましたので、これはこれなりにひとつ我々も理解をしたいと思います。  そこで、農林大臣にまとめる前にもう一問だけ、実は日本住宅金融専門会社の問題について、これも私以前さわりで少し発言したことがあるのです。ただし、そのときに、私は今も持っていますけれども、全国の各県の信連の日本住宅金融専門会社八社に対する一覧表を持っているのですよ。だけれども、それを発表するといささか信用不安を助長するからというのでずっと控えてきておるわけでありますが、だんだん厳しくなってきたようでございます。  それで、日本住宅金融専門会社というのは全部で八社あるわけであります。いわゆる各銀行が中心になってそれぞれ設立をし、運営をしておるわけですが、もう完全に行き詰まって、危機になっております。八社合計で約十四兆円というものが融資残高として残っておるわけです。この中で、協住ローンを除く七社については、設立母体銀行が金利をゼロにします、農協系の金融機関は年四・五%にする、その他金融機関は年二・五%ということを昨年の二月に決めたわけでございますけれども、その後、住専の不良債権がさらにふえ続けておりまして、経営危機が深刻化しております。  そこでとりあえず、農林中央金庫がことしの三月末、六年三月末で八千百二十五億残っておるわけですね。信用農業組合の連合会、全国の信連は、何と三兆三千九百十九億にふえてきております、私が最初に提言したときに比べて。さらに共済連があるのです。共済連のことはほとんど今まで発表されておりませんが、共済連が一兆三千三百七十四億貸し付けていますけれども、一体これはどうなっていくのでしょうね。これは農民の金ですよ。これからの自由化で非常に厳しいという状況の中で、農家が預けている金が焦げついているわけですよ。  私はかつて、住専対策には公的資金の導入しかないぞと言って、えらい怒られたことがあるのですよ。何だと、そんなことで公的資金なんか導入するばかがあるかと。しかし、その後、日銀が低利の金を貸すとか貸さないとかいろいろなうわさがございましたけれども、いよいよこれは行き詰まってきておるわけであります。全国信連だけでも三兆三千九百十九億、農林中金で八千百二十五億、共済連一兆三千三百七十四億、さあ、これどうしますかね。農林省として、これはもう責任のある態度をきちっと一回大臣から答えていただきたいと思うのですね、この際。

大河原太一郎自由民主党農林水産大臣

○大河原国務大臣 御指摘のように住専八社、協住は系統組織でございますから、七社については、お話しのように、これについては母体行が金利ゼロ、それから金融機関が二・五、それから系統に対しては四・五の利息を払うということで再建計画が今日進められておるところでございます。  私どもも、御指摘のように、系統金融機関の経営の安全性と安定、これは非常に関心があるところでございますが、私どもとしては利息の支払いなり元本の償還等について、特に今時点において問題が出ておるというふうには承知しておりません。これは金融機関同士の話でございますから、系統の金融の安定性という点では高い関心を持たなくてはならないわけでございますが、それぞれの立場でその再建と申しますか、回収と申しますか、そういうものについてなお努力すべきものであるというふうに思っておるところでございます。

草川昭三改革

○草川委員 今農林大臣はそういう答弁ですけれども、とてもそんな簡単な実情じゃないのですよ。深刻なんですよ。それは、きょうは大蔵大臣からあえてこれの答弁を求めていないのも、大蔵大臣の答弁を求めるとこれは大変だから、私はあえて伏せているのです。これはもう農林だけに絞って言っているのは、恐らく担当者もそんな安定なんというのんびりとした答弁にならないはずなんです。ですから、具体的な方策をいよいよ真剣に考えなければいけないのです。  これはもうアメリカでやっておるように、金融機関はもうある程度弱いのはつぶすのか、そして大型にするのか、あるいはつぶしたら、その残った不良債権をどうするのか。私どもは、金融機関が抱えた不動産を担保にしたところの不良債権は証券化しろ、証券化してそれを流動化しろと。細切れにして、それを四十年とか五十年とか非常に長期で市場に流通させることによって生かす。これはアメリカでもそういう例がありますので、我が改革の中では私はそういう提言をしておるんですが、もう前向きで何かのことを考えないと、今のようになりますと、完全に農民のお金というものが焦げついてしまって、責任問題になってきます。そのときに、さあどうしてくれるかといって、じゃ公的資金出せやと言ったって、これはおさまらぬと思うんです。  そこだけはひとつこれは真剣な対応ということを考えていただきたいということを繰り返し申し上げて、まあ余りこの問題について議論を言ってもあれでございますから、どうかひとつ農林大臣、この信連の問題だけはどういうことがあろうと、農民の金ですから、真剣な対応で、大蔵ともよく話をされて、前倒し、前倒しで対応されることを強く要望しておきたいと思います。  その次に、残る時間を林業問題について質問をしてみたいと思うんですが、平成五年度の林業の動向に関する年次報告を見ますと、木材の輸入の自由化というのが今後もどんどん入るわけでありますが、御存じのとおり、木材は製品輸入が急増をしてきております。将来的に日本の場合も、山村における過疎化、あるいは林業従業者の減少、高齢化、かつて四十四万人みえた方がもう今は十万近くになっておるわけでございまして、森林整備方針というものを転換をしていくということがこの年次報告の中でも言われています。また、地球サミット、平成四年の六月のこのサミットでも森林の保全ということが強く言われておりまして、緑と水、こういうものに国民全体の支援の強化が叫ばれているわけです。  しかも、新たな取り組みとしていろいろなことが言われておるわけでございますが、きょうはその中で、日本の林野行政の中における林道のあり方が果たして従来の考え方でいいのかどうか、林道というもののつくり方について、少し自然保護の立場からも再検討をする必要があるという立場から質問をしてみたいと思うんです。  まず、総務庁にお伺いをしたいと思うんですが、総務庁は森林開発公団に対して、行政監理委員会の方から、大分古い話ですが、昭和四十二年八月三十一日、それから昭和四十五年の十一月の二十五日の二度にわたって、再検討を行うべきとの意見があり、とりわけ昭和四十五年には、林道建設事業は林野庁または都道府県に移管すべきとの指摘がなされているわけですが、その点について、事実はどうでしょう。

陶山晧総務庁行政管理局長

○陶山政府委員 そのとおりでございます。

草川昭三改革

○草川委員 では、第二番目に、今度は昭和五十八年三月十四日に、第二次臨時行政調査会の行政改革に関する第五次答申において、「大規模林業圏開発林道については、現行の林道開発計画を見直し、開設延長の短縮、林道の構造・規格の改定を行うとともに、投資効果の早期発現の見地から、原則として、新規区間の着工を見合わせる。」というような指摘がなされていますが、その点はどうですか。

陶山晧総務庁行政管理局長

○陶山政府委員 先生の御指摘のとおりでございます。

草川昭三改革

○草川委員 では、三番目に、昭和六十二年の六月、これは非常に新しいところでありますけれども、同じく、森林資源の整備等に関する行政監察の結果の中で、大規模林道事業の見直しを勧告したことは事実かどうか、これもお伺いしたいと思うんです。

田中一昭総務庁行政監察局長

○田中(一)政府委員 先生の御指摘のとおりでございます。

草川昭三改革

○草川委員 いずれも林道の問題について三回にわたって問題提起をしておるわけであります。  そこで今度は、環境庁長官にお待ちをいただいておりますので、お伺いをしたいと思うのですが、山形県内で計画されています大規模林道真室川小国線朝日-小国区間において、絶滅危惧種であるクマタカというのがあるのですが、クマタカの営巣地が発見されました。県の自然保護課も現地を確認していると言われておりますけれども、同地域で大規模林道の工事が行われれば、ブナ、ミズナラ、ヒメコマツ等の森林が失われることになり、クマタカの生息に及ぼす影響も大きいと考えますが、環境庁としては同地域のクマタカについてどのようなお考えを持っているか、お伺いしたいと思います。

宮下創平自由民主党環境庁長官

○宮下国務大臣 御指摘のように、クマタカは、今環境庁が取りまとめております動物版のレッドデータブックというのがございますが、これには絶滅の危惧種にランクされておりまして、また種の保存法によりましても、国内希少野生動植物種として、四十四種のうち鳥が三十八種類規定されております。その中にクマタカも入っております。  そういう点で保護の必要性が高いものと私どもは認識しておりまして、特に猛禽類であるイヌワシそれから今のクマタカ、オオタカ、こういうものが、生息が、例えばクマタカでいいますと、数として千以内と推定されています。したがって、この保存は、やはり種の保存法からいってもぜひ保存をしていかなくちゃいけないと思いますが、今御指摘のような大規模林道工事が進められておれば、これとの調整を図ってひとつ適切な配慮をしていただきたいものだ、こう思っております。

草川昭三改革

○草川委員 今適切な配慮が事業者に必要だというようなことを言われておりますが、もう一つ、これは環境庁の方にお伺いをしたいと思うのですが、環境庁は現在検討会を開いているようでありますが、クマタカなどの貴重な猛禽類の保護対策について、この検討会でどのような状況になっておるのか、お伺いをしたいと思います。

奥村明雄環境庁自然保護局長

○奥村政府委員 お答えを申し上げます。  先生御指摘のようなクマタカなどの絶滅のおそれの高い猛禽類につきまして、その保護が重要な課題でございます。  近年、種々調整が必要となる事例が各地で見られますことから、私ども環境庁といたしましても、本年の二月に、専門家から成る猛禽類の保護方策に関する検討会を設置いたしまして、猛禽類の生息状況や生態などに応じた保護方策のあり方について検討しているところでございます。  この検討会の取りまとめにつきましては、できるだけ早く、可能ならば来年の早い時期にも報告書として取りまとめた上、各都道府県にも配付をいたしまして、猛禽類の保護のための参考としてもらうなど、保護の充実を図ってまいりたいと考えております。

草川昭三改革

○草川委員 そこで、農林省、というよりは林野庁にお伺いをいたしますが、今環境庁の方から、自然保護の立場から事業者もある程度考えてほしい、そういう注文がつきました。  林野庁は、平成六年度から希少野生動植物種保護管理事業というのを新しく創設をしておるわけですよ。これはシマフクロウだとかタンチョウだとか等々の自然動物の保護のためにも事業をしようというので、たしか一億円以上の予算をつけた、一億一千万ですか、これは一般会計から半額、林野特会に入れておるはずなんですね。だから、そういう予算もあるのですから、今の環境庁なんかの提言を入れるとするならば、道路計画を変更するとか、もう少し自然保護についての配慮があってしかるべきだと思うのですが、その点どうでしょう。

塚本隆久林野庁長官

○塚本政府委員 お答え申し上げます。  大規模林道事業につきましては、極力その路線が自然公園などの環境保全上重要な地域に含まれないように配慮してまいっておるところでございます。また、森林開発公団の工事の実施に際しましては、必要最小限の立木の伐採でありますとか、あるいは地形、地質に留意した土量の切り取り、適切な残土処理、それから景観などに配慮した適切なのり面緑化の実施を中心とした慎重な取り組みを指導いたしておるところでございます。  このような中で、御指摘にございましたように、真室川小国線の朝日-小国区間につきましては、本年六月に既設林道の改良計画区間付近におきましてクマタカの営巣木が発見されたわけでございますが、これにつきましては、子育てに影響を少なくするために、ダイナマイトの使用を控えるなど他の工法を採用することによりまして、必要な対策をとってまいったところでございます。  国有林につきましては、これもただいまお話にございましたように、希少野生動植物種保護管理事業というものを実施をいたしておりまして、クマタカ等の希少な野生動植物を対象として、生息地の環境の管理でありますとか、あるいは巡視調査、こういったものを行っておるところでございますが、この地域につきましてこうした事業が適用になるかどうか、そういったことも含めて今後検討してまいりたいと考えておるところでございます。

草川昭三改革

○草川委員 それで、林野庁もクマタカ等の営巣地であるということを認められたようですが、やはり営巣地は三十キロ周辺は手をつけない方がいいだろうという専門家もいるわけですよ。ですから、林道というものと自然保護というのはどうしても矛盾をするわけでありますので、自然保護ということを前提にしながら、林道開発というのは、一番最初に申し上げましたように、行政監察の方も考え直したらどうだろうという問題提起もしておるわけでありますから、ひとつ哲学というのを変えていただきたい、こう思うのです。  私は、実は現地の方々に誘われまして、真室川小国線の現場を見てまいりました。当初、私ここに写真を持っておりますけれども、杉の植栽をやっているのですね。杉の植栽をやっておりますけれども、高さが八百メーター、九百メーター、千メーターという、そういう高い山だものですから、寒風被害、寒い風の被害を受けまして、杉がもう赤くなってしまっているのです。何というのですか、一種の凍傷みたいになっているのですね。それで、もう植えてから、植栽をしてから十五年、二十年という年齢なんですけれども、私どもの背丈までいっていないのですね。一メーター五十くらいなんです。杉ですから、下の方ならば十五年、二十年なら相当高く伸びていなきゃいけないわけですよ。それで、その杉を大きく育てて高い生産性を上げるということなんですけれども、実態はやはり赤いんです。  私は、事前に森林開発公団の方にも、こういう写真がありますよということを言ったら、いや、このときは赤いかもわからぬけれども、現在また青くなっていますよという話だったので、それで私は行ったのです。そうしたら、やはり伸びていない。それからもちろん、下木というのですか、下の方も手入れがなかなか行き届きませんので、育っていない。  ですから、杉の植栽ということも、例えば高い山、八百メーター以上はもう無理だ、八百メーター以下ならいいとか、そういうことがあって私はしかるべきだと思うのです。そういうマニュアルというのですか、一つの基準があってしかるべきだ。何でもかんでも杉を植えればいいというものではない。  それから、ブナをかたきのようにして、ブナを切ってしまったんですね。高い山で、何というんですか、円周一メーターも一メーター五十もあるような木をばんばん切って、それで杉に切りかえている。過去にそういう政策があったと思うのですが、このブナというのは保水力が非常にある、水を蓄える。だから、水を蓄えていますから、徐々に水を流しますから、谷川の水がいつもきれいで、谷に水がいつもあった。ところが、ブナを切ったために谷川に水がないわけです。それで、ブナを切ってしまって杉を植える、ところが杉が育たない。しかも、いろいろと現地なんかへ行ってまいりますと、花崗岩地帯だものですから、花山岡岩が土の中で崩れるのですね、寒さのために。それで、表面というのか、空気に触れますとそれが砂になるわけですよ。ですから、砂になるから、どんどん流れていくわけです、谷川の方へ。そういうところに林道をつくる意味があるのかないのか。私は問題だと思うのですが、その点どうでしょう。

塚本隆久林野庁長官

○塚本政府委員 ただいま御指摘の造林地は、昭和四十四年から四十五年にかけまして標高八百メートルから千二百メートルの地点に植えられた造林地でございまして、本年春の寒風害によりまして葉が赤く変色いたしております。これにつきましては、ことしの夏から順次新しい芽が出てまいりまして、かなりのものが回復するのではないか、こういうことでございますので、現在その推移を見守っておるところでございます。  ただ、いずれにいたしましても、ただいま御指摘ございましたように、高海抜地域に杉を植えたということにつきましては今後いろいろと反省すべき点もあるわけでございまして、今後この事業を進行していく際に十分こういったことを考えてまいりたい、このように考えておるところでございます。  また、最近では、ブナに対する国民の期待、関心というものが大変大きくなってきておりますので、そうしたブナを切って杉にかえるというようなことにつきましては、特定の場所を除いてはもうやらない、こういうことにいたしておるところでございます。  なお、この大規模林道につきましては、山村地域の振興あるいはまた林業の振興ということから考えますれば、やはり基幹となるのは林道の開設というものがあるわけでございまして、私どもといたしましては、今お話にございましたように、自然環境保全というものあるいは動植物の保護、こういったものとの調和を十分図る中で林道の建設というものを慎重に進めていく必要があるのではないか、このように考えておるところでございますので、御理解をいただきたいと思います。

草川昭三改革

○草川委員 そこで、その林道の話になりますけれども、林道というのは、目的があって道をつくるわけですよ。それで、道をつくったらそれを生かさなければいけない。ところが、今行われた、計画された林道というのは千メーター近いところで、その林道に上るために一時間半ぐらいかかって行くわけですよ、古い細い道を。それで、一時間半かかって一千メーター近い山の上へ行くと、忽然と二車線の道路があるわけです。そこで、その道路が使用されているかというと、使用されていないわけです、それは後で会計検査院の方からも指摘を受けますが。  それで、せっかくつくった道路が、農林大臣、このようにひびが入るのです。ひびが入るわけだ、寒いから。ひびが入るから大変じゃないかと言ったら、今度直しましたよという答弁の写真を持ってきてくれたのです。直した。それで、直したところへ私が行ったらまた割れているのですよ。  ということは、砂地ですから、花筒岩が風化しますから、それが下を通るのですね。それからまた、道をつくるために細い水道(みずみち)というのを遮断するものですから、結局自然の体系を壊しますから、厚いコンクリートの道をつくっても山側からそれは押されるのですよ。押されるから割れるわけですよ。あるいは下をくぐるのですね、水が。だから、せっかく二千億、地元の方では一年間に七百億近い林道をつくっても、一年たつとまたそれが壊れるわけです。だからエンドレスなんです。  だから、地元の市町村の方々は、はっきり申し上げますが、きょうの質問もやめてくれと言ってきているのですよ、私のところへ。公共投資をあなたは反対するのですかと、こう言うわけですよ。だから、私も公共投資は必要だということを認めるけれども、本当に地元の発展のためには、その予算はもう少しほかの方にやったらどうでしょう。だから、私はきょうここで、森林開発公団なんというのは臨調の対象でやめろということを言いたいけれども、言いません、それは。言いません。それよりは、その予算をほかに回したらどうだろう。  例えば、本当に林業労働者がもう十万を割るうとしているわけですから、そういう方々に何らかの補助金を出して本当に木を育てていただくようなことをしないと、今の森林開発公団の事業は、公共投資の道路ですよ。道路をつくるということは、それは地元のゼネコンは喜びますよ、エンドレスで仕事があるのですから。しかし国民の側からいったら、永久に使われない道路のために国税が使われるということは基本的に考えると、哲学を考えるということを言いたいわけですよ。  これは会計検査院に一回お伺いをいたしますが、会計検査院は私どものこの指摘に対してどのようなことを行われているのか。全国で二十九路線で事業を実施しておりますけれども、事業開始以来二十年以上を経過しているにもかかわらず事業は進んでいません。計画延長距離に対しては半分にも至っていない。大体計画に無理があるんじゃないだろうかと思うのですね。スーパー林道についても、一日一台から二台の車の通行しかないところもありますし、完成後自治体に引き渡されても、土砂崩れが発生してメンテ費用も大変な負担になっていると私ども聞いておるわけですが、森林開発公団のこういう事業について、私は検査をきちっとして国民にも示していただきたいと思うのですが、その点どうでしょう。

平岡哲也会計検査院第四局長

○平岡会計検査院説明員 森林開発公団が実施をしております大規模林道事業の施行につきましては、事業効果発現の観点から、昭和五十四年度の検査報告に特記事項として掲記をしているところであります。  ポイントといたしましては、第一に、工事の実施が遅延をしておること、第二に、多くの箇所で部分的に施行したり、あるいは車両等の通行に当面支障のない既設林道についての改良工事を先行したりしておりまして、施行済み部分の利用状況を見ても林業の振興等にほとんど寄与をしていないこと、あるいは、大規模林道事業について諸情勢の変化を勘案して総合的な見直しを行う必要があること、こういった問題につきまして対策を講じないままに推移をすると、投下した多額の事業費が長期間休眠し、事業効果の発現が著しく遅延すると認められたことから、その旨指摘をしたところであります。  その後見直しか行われまして、公団におかれましては、林道の利用確保を図るために、道路としての連続性に留意をし、事業の進捗に努めておられると承知をいたしております。  会計検査院といたしましては、今後ともに先生の御趣旨を踏まえまして、御指摘の箇所を含めまして各事業について諸情勢が変化する中で実施状況に十分留意をいたしまして、事業効果発現の観点からも十分に関心を持って検査をしてまいりたいと考えておる所存であります。

草川昭三改革

○草川委員 どうもありがとうございました。  そこで、農林大臣、もう時間が来ましたので、今の林道についての農林大臣の見解と、それから、最初の肥料と段ボール、購買事業の問題について農林大臣の見解、特に全農に対して、肥大化した全農に対しての基本的な見解をまだ伺っていないので、その二つをお答え願って終わりたいと思います。

大河原太一郎自由民主党農林水産大臣

○大河原国務大臣 お答え申し上げます。  まず前段に、当初例質問のございました全農の事業のあり方の問題でございますが、言うまでもございませんけれども、全農は農協の事業を補完する役割で、生活資材なり営農資材、この共同購入あるいは農産物の共同販売、その役割を演じておるところでございますが、やはり系統組織の持つ硬直性、画一性から、その点についていろいろな問題が出ておることも十分承知しておりますが、農業もこのような大きな転換期に来ております。  したがって、やはり生産農家に対する要望あるいは単位農協に対する要望に対して、独自の、自己事業体としての利益だけではなくて、系統一体としての配慮をもっと強くするような段階に来ておると思います。そういう意味では、例えば二〇〇〇年までに事業二段階、組織二段階ということを打ち出しておりますので、これらについての的確な実現ということが大きい意味で議員の課題にこたえるものではないかというふうに思っております。  それから、次は大規模林道の問題でございますが、林道一般といたしましては、これは御案内のとおり森林の保育、管理、そのためには林道網の整備がどうしても必要でございます。また伐採、搬出、その点も必要でございまして、林業自体の、林業生産の合理化のためには必要だと思います。  ただ、今時に御指摘の大規模林道については、予算の制約の中にかかわらず、採択の事業路線とのアンバラが出て、したがって部分完了とかいろいろな問題等が出ておるかと思うわけでございまして、この点については環境への配慮等も加えまして、今後二度三度の御指摘がないような努力をいたしたい、さように思っております。

草川昭三改革

○草川委員 以上で終わります。

佐藤孝行自由民主党

○佐藤委員長 草川君の質疑は終わりました。  次に、倉田栄喜君。

倉田栄喜改革

○倉田委員 改革の倉田でございます。  私は、特に農業問題に関連をいたしまして、主に農林水産大臣にお伺いをいたしたいと思います。  大きく、食糧供給における国の役割ということと、そして現在農業が国に対して果たしている役割、この二つの視点からお伺いをさしていただければと思っておるわけですが、今、ガット・ウルグアイ・ラウンドの合意を受けて我が国農業の未来は果たしてあり得るのかどうか、そういう心配を農民の方々が多くなさっておられると思います。未来はなければならないし、魅力のある農業の未来をつくるにはどうしたらいいか。農水大臣は我が国農業の、いわば農政の第一人者の一人であると思います。その大臣が、今この困難な時期に関して、我が国の農業に未来はあるんですよということをしっかりとお答えいただきたいと思いますし、ぜひ御所信をお示しいただきたい、こういうふうに思うわけでございます。  そこで、食糧における国の役割についてということでございますが、私はまず我が国の主要食糧の供給及び需給という観点から、その第一に自給率、この問題についてお伺いをいたしたいと思います。  農林水産省で既に公にされておられます資料によりますと、もう御案内のとおりでございますが、主要先進国の自給率の推移は、例えばフランス一四三、アメリカ一一三、スイス六五、これに対して我が国日本は四六という、これはカロリー自給率ということでございますが、そういう数字でございます。  この自給率の低下をどう考えるのかということについても、もう既に御案内のとおり、御説明もいただいておりますので、私の方から私が理解する範囲で申し上げますと、この食糧自給率低下の要因としては、自給品目である米の消費の減少がまず挙げられる。一人一年当たりの純食料、米は昭和四十年度ベースで百十一・七キロだったのが、平成四年度は六十九・七キロであった。さらには、畜産物消費の増大に伴う飼料穀物等の輸入の増加、そして油脂の消費の増加による油糧原料の輸入の増加、こういうことが挙げられておるのは御案内のとおりでございます。  そこで、こうした傾向はこれもこのまま続く、私はこう思えてならないわけでございますが、一方で、今回の提出法案に関連して政府は、自給率が先進国の中でも異常に低い水準である、このことを踏まえて低下傾向に歯どめをかけて国内生産の維持拡大を図る、このような指針であると伺っております。私は果たして、この自給率の問題についてもう少し議論を深く掘り下げていかないと、この今私が申し上げたようなことができるのかどうか非常に疑問に思うわけでございます。  そこで、まず大臣に、自給率の問題についてどうお考えになっておられるのか、このことからお伺いをさせていただきたいと思います。

大河原太一郎自由民主党農林水産大臣

○大河原国務大臣 自給率につきましては、もう委員御案内のとおりでございまして、非常に素朴な言い方で恐縮でございますが、総需要量が分母になりまして、国内供給力が分子になります。したがいまして、需要量の変化が、大きく戦後の食生活によって変わりまして、今御指摘があったような畜産物とかあるいは油脂でございますね、そのための菜種とか大豆の輸入が膨大にふえたというような自給率の低下の関係がございます。そういう関係でございまして、国内の供給力がそう落ちなくても、同じ水準であっても自給率の低下が激しいというのが今日までの状況であったというふうに思っておるわけでございます。したがって、今御指摘のようなカロリーベースで四六%というような数字も出ておるというわけでございます。  それで、さらに我が国の現在の消費水準を前提といたしますと、やはり自給率を一挙に高めるということはなかなか困難であろう。それで国内の農業生産を活発化し、さらには輸入と備蓄によって全体としての安定供給というのが食糧政策の今日の基本だと思うわけでございます。国内資源の供給力を高めるためには、やはりあるべきような効率的、安定的な形態が中心になって農業生産の大部分が生産できるような体制、農業構造をつくらなければ相ならぬというのが一つでございます。  そして、自給率確保の問題については、自給力と申しますか、優良農地あるいは地方、水の確保等基盤的な条件の整備によって国内資源の最大の供給力を確保していくということで行うべきだというふうに思っております。  そういう意味で、実は委員も御指摘ございましたが、このたびの国内対策をつくります前提になりました農政審議会におきましてもこの点についての指摘がございまして、やはりそれには、農産物の需要と生産の長期見通し、これを速やかに現段階では見直しをして、自給率の歯どめをかける展望に配慮しながらの需給見通しを作成しなければならないということで、実はもう既に本年から、この秋からその点の検討に取りかかっておるということでございます。

倉田栄喜改革

○倉田委員 今大臣からお答えの中で、国内の供給量が落ちているわけではない、まあ総需要量の変化、そういうこともあるでしょう、こういうふうなお話がございました。私は、この自給率の数字だけを追っていても果たして意味があるのだろうかという気が実はいたしております。これは、前回の委員会の中でもたしか大臣もそのような御答弁があったのではないかと思いますけれども、それは、国民が、例えば穀物で食べていたのを肉で食べていれば、カロリーで同じであったとしても、その意味するところは全く違ってきているだろうと思うのです。  そうすると、今大臣のお答えの中にありましたように、国内資源の、いわゆる国内で食糧を供給をするというその力、生産力、自給率の議論というのは、実はそこに最終的には意味を持つのではなかろうか、このように私は理解するわけですが、この点について大臣はいかがでございましょうか。まず確認をさせていただければと思います。

大河原太一郎自由民主党農林水産大臣

○大河原国務大臣 先ほども申し上げました、分母、分子などという言い方をいたしましたが、一方では、需要の動向、これはやはり自給率を論ずる以上当然需要の変化によってするわけですが、自給率問題に対するその歯どめの問題に接近する場合には、その国内の供給力、繰り返すようでございますけれども、すぐれた担い手によって、そして労働力によって、優良の農地が確保され、また水資源がしっかり確保される等々の供給力、これがやはり自給力確保の前提だと思います。

倉田栄喜改革

○倉田委員 私は、カロリー自給率の問題については、確かに何によってカロリーをとるかということで非常に大きな数字の差異が出てくる。そうすると、この議論の根本にあるのは、今大臣お答えになりましたように、供給力、これを重視すべきではないのか。  そうしますと、今の日本の農民の方々が、農家の方々が――米が部分的に開放されて入ってくるという問題もあります。野菜もどんどんどんどん入ってきている。全体に、食糧の自給率というのは、何でカロリーをとるかという問題はあるにしても、どんどんどんどん落ちていっている。そうすると、この自給率の数字、今大臣は歯どめをかけたい、こういうふうにおっしゃいましたけれども、じゃ、そういう数字自体があやふやであるとすれば、何でカロリーをとるかということであやふやであるとすれば、私は、もう「度その議論の根本にさかのぼって、自給率を議論してきたものの意味は何なのかと。そこで、我々が最も確保しなければいけない生産力の問題、これをどうするかというところから一もう一度議論をしていただきたいとぜひ思っておるわけでございます。  そうしますと、私が申し上げたいことは、自給率について目標を立てるということを実は言いたいわけでありますけれども、しかし、その自給率の目標ということについては、まさにさっき申し上げましたように、何で食べるかということによって随分違ってくる。そうすると、そこで、繰り返し申し上げますけれども、国内生産力、つまり国内生産装置の維持、日本の国内でどれだけのものを生産する力をきちっと残しておくんだ、こういうことをきちっと明確にすべきではないのか、こういうふうに思うわけでございます。  水田にしてもあるいは畑にしても、だんだんだんだん放棄をされてくる。それは、確かに今大臣がお話しになったように、需要と供給の関係で必要でなくなったから、あるいは海外から入ってくるものがあるからということで、数字の変化はあるけれども、日本の国として、我が国としては食糧の生産力、生産装置としてはこれだけは譲ってはいけない線なんだ、それは今つくらないかもしれないけれども、いつでもつくれるような状況にしておく必要があるんですよ、そういうことを私は明確に示さなければ、農家の方々が、農業に未来はあるのかということに関して、どうも未来はないんじゃないか、こういうふうに思われてもやむを得ないのではないかと思うのです。  そこで、大臣にこの点についてもう一度お伺いいたしますけれども、我が国農業の食糧の供給力、その生産装置の維持、中心的なものになるのは水田かもしれませんけれども、あるいは畑であり、違う形もあり得るかもしれません。そういう我が国農業の生産力、生産装置、そういうものは、これだけはきちっと守っていくんだ、残していくんだ、それは今すぐ現実に食糧として供給するものではなくても、潜在力としてもそういう数字を私は示すべきであろう、こう考えるわけでございますが、この点について大臣の御所見をお伺いいたしたいと思います。

大河原太一郎自由民主党農林水産大臣

○大河原国務大臣 先ほど私が触れましたが、委員の言葉をかりれば生産装置あるいは潜在的供給力、そういうものについて、耕地を初めとして各般の問題について示すべきではあるまいかというお話でございますが、この点につきましては、先ほども触れましたけれども、農政審議会で自給率の歯どめをかける問題、したがって、やはり農産物の需要と供給の長期見通し、これは単に需要と供給だけでなくて、それの基礎になる耕地面積とか諸般の生産諸要素がございまして、そういうものを検討いたしまして、その作業の過程でやはり供給力の確保、維持というものを明らかにいたしたい、さように思っております。

倉田栄喜改革

○倉田委員 私は、国の基本的な指針としてぜひ明らかにしていただきたい、こんなふうに思うわけです。  私は、潜在的生産力あるいは生産装置を国として確保するという観点から考えるならば、例えば水張りだけの田があってもいいと思いますし、眺める田があってもいいと思いますし、子供たちが遊べる田があってもいいと思うんです。また学べる田があってもいいと思う。それはまさに国として、ここまではいわゆる食糧供給の土地として確保していくんだという姿勢を示すことによって、何か一見むだなような、何も生産していないような、そういう田とか州とかの位置づけができるのではなかろうかと思うのです。これも、魅力ある農業をどうするか、農業に未来はきちっとあるんだということを示すために私は必要な議論であろうと思いますので、これは具体的に大臣にお考えをいただきたい、こんなふうに思っております。  そこで、今回のウルグアイ・ラウンド合意において、米を初めとして食糧のいわゆる海外輸入というのが本当に厳しい、日本の農家の皆さんにとってみれば厳しい状況になってきていると思います。  そこで、大臣にまたお伺いをしたいと思いますが、大きく申し上げました食糧供給における国の役割、食糧を供給するという視点からだけ考えれば、それは国が責任を持って供給できるのであれば、国内だけのものではなくて海外から持ってきて供給するということがきちんとできれば、これはもう供給をする側の国の責任としては果たされるんだろうという考え方もできるんだと思うんです。  そこで、いわゆる食糧の輸入について、この基本的な考え方は、国として、大臣としてどうお考えになっているのか。素朴な疑問的に申し上げれば、なぜ食糧を輸入しなければいけないのか。それは、日本でつくれないものがあるから輸入しなければいけないんだということもあるかもしれません。日本ではどうしても不足するから、あるいは先ほど穀物、油脂量の問題、話を申し上げましたけれども、海外より輸入した方が安いからということで入ってくるのもあるでしょう。また同時に、前回いろいろ議論しましたけれども、いわゆる国際市場開放要請から、本当は入れたくないんだけれどもやむなく入れざるを得ないな、こういう側面も私は否定するものではありません。  しかし、国内で供給をするのか、あるいは海外で食糧を調達をするのか、そのことについて、やはり国家としては、大臣としては基本的な考え方を私は示される必要があるんだろうと思いますので、まずこの点について基本的な御所見をお伺いいたしたいと思います。

大河原太一郎自由民主党農林水産大臣

○大河原国務大臣 我が国の穀物輸入飼料その他輸入農産物を含めますと、千二百万ヘクタールの耕地を海外に借りておるということはしばしば言われるとおりでございまして、畜産物のためのトウモロコシ、マイロ、あるいは食用油のための菜種なり大豆、そういうことを考えますと、五百万ヘクタールの現在の耕地のその倍以上の耕地を必要とする、これは今日の我が国の狭い国土状況から不可能だと断ぜざるを得ないわけでございます。  したがって、国の責任あるこれに対する対応としては、やはり国内の資源、先ほどしばしばお話ございました国内の供給力、これを確保するということを第一としながらも、やはり輸入とか備蓄によって安定的な食糧供給を行うという立場に立たざるを得ないというわけでございます。  ちなみに、我が国の食糧、現在二千六百キロカロリーぐらいでございますけれども、今の国内資源をフルに活用した場合の試算としては二千キロカロリーぐらいの一人一日当たりの生産が可能だというような計量的なあれもあるわけでございますが、いずれにいたしましても、ここには農産物の価格問題も対消費者の関係からございまして、その合理的な価格による食糧の供給確保、そういう要素もまた入ってきて、単なる物量、物だけの問題ではないという問題等も考えなければ相ならぬというふうに思っております。

倉田栄喜改革

○倉田委員 私は、大臣のお答えはよく理解できると思うのですが、ただ、非常にあいまいさが残るみたいな気がいたします、それは農家の方々にとってですね。  確かに、合理的な価格で、あるいは合理性を持って輸入した方がいいかもしれないし、先ほど大臣、千二百万ヘクタール、恐らくこれは飼料ですと、必要作付面積が一千二百三万ですか、そういう数字だと思うのですけれども、日本の食糧を供給するためにそれだけの土地が海外で使われているんですよ、こういうことだと思うのです。  その事実も認めなければいけないけれども、一番最初、私が冒頭で申し上げましたように、食糧自給率低下の原因として、長期的要因の一つとして、畜産物消費の増大に伴う飼料穀物等の輸入の増加ということを申し上げました。穀物で食べていたのを肉で食べているからいわゆる飼料を海外に依存をした、これは一つは大きな私は政策転換であったんだろうと思うのです。飼料を海外に依存をする、日本ではとても間に合いませんよ、国民の要求を満たすためには海外に依存をしなければ、そういうこともあったと思うのです。だから、一般に、国が責任を持って食糧を供給するという意味合いからだけいえば、そういう政策転換は常に私は可能だと思うのです。  しかしそれでは、我が国農家の皆さんが、農民の皆さんが、自分の父祖伝来からの土地を使って食糧を供給し続けてきたということが、いつまでできるんだろうかという不安をやはり持たざるを得ないんだろうと思うのです。  そこで私は、確かに自給率だけの問題から見れば何を食べるかということで違うけれども、国内で生産をする、国内で生産する力としてこれだけは残しますよということもやはりきちんとしていかないと、これだけ国際市場開放要請、自由貿易化の要請が強まる中で、どんどんどんどん今言われている自給率だけでも低下をしていくでしょう。  かつて、国破れて山河あり、国が負けてもふるさとの山や川があって日本は生き残った、そういう力さえなくなってしまうというのが、きょうはちょっと質問の時間がありませんのでそこまでいきませんけれども、中山間地域における、あるいは過疎地域における廃村であり耕作放棄地、この問題だろうと思うのです。これは、食糧の供給力という問題もきちっと考えないと次の政策は考えられませんけれども、集落という問題もありますし、その所得補償という問題もあるのだろうと思うのです。  そこで、くどくなりますけれども、今回のウルグアイ・ラウンド合意に関連しましていろいろな食糧が入ってくるようになります。原則、米は部分自由化だと私は思いますけれども、これも二十一世紀はどうなるかという問題を日本は抱えているわけであって、こういうことを考えた場合に、今後の食糧の自給率の推移というのを、果たして大臣は、冒頭申し上げましたように、低下傾向に歯どめをかけて国内生産の維持拡大を図る、これを具体的に実施するためには一体何が必要なのか、どのようにお考えになりますか。

大河原太一郎自由民主党農林水産大臣

○大河原国務大臣 先ほども委員の御質疑に対する御答弁でも申し上げたのですが、やはり国内生産がすぐれた担い手によって、そして優良な農地が確保されて、また小なり、まあこれ技術も入りますけれども、そういうことによって供給力を確保する、そういう政策を推し進めるというわけでございまして、今回の国内対策においても、その生産の大部分を担い得る、担っていただく担い手を育成する、あるいはそのための生産性の向上に直接基盤となるような農業農村基盤整備事業あるいは農地の集積というような各般の政策も、やはり国内資源の最大限の活用による供給力の強化というふうに私どもは考えておるわけでございます。

倉田栄喜改革

○倉田委員 総論として大臣がおっしゃるとおりだと思います。だけれども、そのすぐれた担い手を確保しなければならない。すぐれた担い手が育つためには、その担い手の方々が、農業に魅力はあるな、農業に未来はあるな、こう思わなければ、幾ら国の方でいろいろな施策をやったとしても、全部国がやるわけではないんですから、やはり自立をして、その担い手たるべき方々がいわゆるもうかる農業、魅力のある農業をやっていただかなければいけないのです。  しかし、そのためには、ずっと農政というものが農家、農民の方々に非常に大きな影響を及ぼしてきた、影響されてしまう現実があるわけです、国の施策一つによって。だから、具体的な施策として、ここだけはきちんと国がやりますよということを具体的な問題で提示をする必要があると思うわけでございますので、ひとつこれは、今検討されているということでございましたので、総論的ではなくて、言葉だけではなくて、具体的なものとしてお示しをいただきたいと思うのです。  その示すためには、自給率を議論する意味が本来何なのかということ、それは国内生産力という問題とかそういうことも意義づけながら、同時に、今回のずっと国会の中で、米を部分開放するかどうかという議論になりましたけれども、いわゆる安全保障論、国として食糧を供給をするというこの安全保障論というものを、大臣は国家運営、ちょっとオーバーですがね、指針としてどんなふうに位置づけておられるのか、その点をお伺いしたいと思います。

大河原太一郎自由民主党農林水産大臣

○大河原国務大臣 前段のお話に関連申し上げますが、これも繰り返しになりますが、農産物の需要と供給の長期見通し、そこにおける供給力確保の前提になる生産諸要素、それも明らかになるわけでございまして、今後一年以内にその長期見通しを作成いたしたい。そこにおいて自給率の問題もいかになるかという点も明らかにできると思います。  それから、もう安全保障の問題は、かねがねウルグアイ・ラウンド全期間を通じても我々としては日本農業の立場から繰り返し主張したわけでございます、単なる物の貿易ではない、工業製品のような。やはり農産物については、輸入国である日本においては特に安全保障の問題がある。あるいはしばしば言われますように国土保全、あるいは環境の問題、地域社会の維持というような、ガットの言葉で言えば非貿易的関心事項という言葉で使われておりますけれども、そういう要素が大きな意味を持っておるわけでございまして、そういう意味で、むしろそれは今後の対外交渉なんかの姿勢においてもこの点を我々のスタンスとすべきではないかというふうにも思っております。

倉田栄喜改革

○倉田委員 私は、食糧の安全保障論が外交交渉の中のいわゆるカードとして、交渉として使われるというそれだけのものではなくて、やはり国の指針として食糧の安全保障、国家としてどこまでやるかということをやはりきちっと、それは法律に明記してでもきちっと書くべきなんだろうと思うのです。そこを書くことによって、先ほど水を張っているだけの田、眺めるだけの田、遊べる田、学べる田ということをちょっと言葉として申し上げましたけれども、そういう田を意義づけることができるんだと思うのです。それは、食糧を安定的に供給をするということと、国内でこれだけの食糧はきちっと生産をしていきますよ、あるいは生産力として維持していくことは国の役割ですよ、これをきちんと明示すべきことだと思うのです。  先ほど大臣が、十一月までに検討でしたか、今検討されているというお話でございましたが、その検討の中にその安全保障の問題も、それから国のいわゆる生産装置、生産力の確保維持という問題もきちっと意義づけていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

大河原太一郎自由民主党農林水産大臣

○大河原国務大臣 十一月ということを申し上げたわけではなくて、国内自給率の確保等、今委員の御指摘であれば、国民生活の基礎物資である食糧についてそれを最大限国内生産によって賄うというそういうことについては、作業として農産物の需要と供給の長期見通し、これを一年かかってやりたいということを申し上げたわけでございますし、今度のウルグアイ・ラウンド農業合意受け入れに伴う国内対策につきましても、やはり食糧の安定的供給あるいは農業の多面的役割の発揮、産業としての農業の確立とかあるいは消費者に対する良質、安定、新鮮あるいは適切な価格による供給とか、そういうものを総合的にねらった日本農業の農業構造改善、力強い構造改善だということを打ち出しておりますので、委員の御指摘の趣旨は国内対策全体として受けとめておるというふうに考えておるわけでございます。

倉田栄喜改革

○倉田委員 それでは、次の視点でちょっと質問させていただきたいと思いますが、食糧の管理と数量把握について、特にこれは米についてお伺いをしたいと思うのですが、大分時間がなくなってしまいましたので、まず基本的に大臣として米の管理、それから数量把握、これを国としてどこまでやろうとお考えになっておられるのか。また、新制度で、今回提出をされている新食糧の法案に関連して実際どこまでできるんだろうかということについて大臣はどんなふうにお考えでしょうか。

大河原太一郎自由民主党農林水産大臣

○大河原国務大臣 御案内のとおり、このたびの新しい食糧管理方式につきましては、全量管理を建前とする現行食管制度を米流通、生産流通の実態に即するように、制度を実態に即するように大幅に改善する、これが自主流通米を主体とする流通。しかし、全体需給の確保等を図るために基本計画をつくり、またその適切な需給調整のための生産調整を実施ずみ、さらには備蓄の運営あるいは輸入米としてのミニマムアクセスの管理をいたす、あるいは計画流通制度によって消費者の必要とする米の流通についての安定的な供給が図り得るような措置をする等々がこの制度の主要な柱でございますが、そういうことによって、間接的な統制の中で、しかも全体の需給が安定的に行われるという制度の仕組みをとったわけでございます。

倉田栄喜改革

○倉田委員 数量把握についてはいろいろ問題がありまして、また別の機会でぜひ議論を、お尋ねをさせていただきたいと思いますが、大臣のお答えの中でも備蓄という問題がありました。ちょっと備蓄について基本的なお考え方をお伺いしたいと思います。  新しい制度の中でいろいろな議論がございました。議論の中では、政府の役割は備蓄にとどめるべきではないのか、こういう御意見も出たんだろうと思います。私は必ずしも、食糧を安定的に、まあ安定的な価格で供給をするということを国の基本的な役割だとすれば、そうもいくまいなという気はいたしておるわけでございますが、備蓄ということについて、例えば備蓄水準百五十万トンの中には民間備蓄も含むのかどうか、あるいは備蓄後の米の処理をどのように考えていけばいいのか、あるいはもう質問が出たと思うのですが、備蓄に関するコストはどう考えていくのか。  それから、その辺のところは一般論的にで結構でございますのでお答え願いたいのですが、私が先ほどから自給率、それから安全保障の問題と関連して水張りの田ということを申し上げましたけれども、いわゆる水田備蓄、水張りをして管理をする、そういう備蓄のあり方を政府の施策の中に生かされないのかどうか。  備蓄に関連して、この二点お伺いをいたしておきたいと思います。

大河原太一郎自由民主党農林水産大臣

○大河原国務大臣 過去の平年を下回る不作年次の平均的なもの、それをとらえまして、それにたえ得るようなゆとりある需給というものを考えると、百五十万トンという基準的な考えをお示ししておるわけでございまして、その場合にはやはり国が責任を負うべきものでございますから、国としてのその備蓄保有が中心になると思いますが、ただ自主流通米が流通の大宗になりますから、そういう意味では生産者団体と申しますか、その流通を預かる、今度の制度では自主流通法人という流通の責任を担うものが指定されるわけですが、そういう民間の在庫調整というような格好でも一部を担っていただくという、もちろんそれに対する国の助成その他を行うわけでございます。  そういうことでございまして、まだ具体的にはそれは、制度を発足させてしかも豊凶等の関係をにらんで具体的なその関係の数字は決めるべきだと思うわけでございます。  それから、コストの問題のお尋ねでございますが、備蓄については御案内のとおり、これは通常のランニングストック以上に中長期をおもんぱかって持つ、経済的、効率的に言えば、何と申しますか、在庫保有は少なければ少ないほどいいわけです、それで回転すれば。しかし、そうはいかぬというので持つわけでございますので、経費がかかる。その経費については、これは需給の安定、供給の安定ということで消費者、国民の皆さんに対しても大きな役割を演ずるものである。したがって、それについては国が負担すべきだ。ただ、アクセスに伴う輸入米、これについては、やはりそういう意味で消費者、国民のためにもお役に立つ備蓄であるから、したがってそれに伴う差益については備蓄の費用に充てるということは、これはもう法律制度上明記してございますが、その不足を生ずればそれはまた国の一般会計からでも措置するというわけでございまして、国が責任を持つという点では変わりないわけです。

倉田栄喜改革

○倉田委員 私、少し風邪を引いておりまして、声が大きくなってつば飛ばして大臣にうつしてしまってはならないと思いますので、少し控えてお話をさせていただきたいと思いますが、要するに農業に未来はあるのか、魅力ある農業をつくれるのかという、そういう非常に今日本の農業、農政は大変重要な時期だと思うのですね。我が国農政のまさに第一人者としての農水大臣が、今この大変重要な時期に当たって、やはり具体的なもの一つでもきちんと施策をお示しになることがとても大切だと思うのです。  そういう意味では、いろいろな考え方あるかもしれませんけれども、先ほど申し上げた水張りの田一つとっても、これはやろう、あるいはきちっと検討してみよう、そういうことを大臣がおっしゃるだけでも私は農業の未来に明るさを感じられると思うのです。ぜひその点についての大臣のお考えもきちっとお聞かせ願えればと思います。

大河原太一郎自由民主党農林水産大臣

○大河原国務大臣 水張り水田の御提案についてちょっと言葉が足らなかったのは恐縮千万でございますが、私どもの今日の考えでは、生産調整の手法を多様化して、それによって生産農家の皆さんに生産調整の御協力を願うという意味で、水張り水田的な構想も取り入れたらどうだというふうに考えております。さらに、しかし委員がおっしゃるように、進んで水田備蓄的な構想をとるかどうかについてはなお検討を要するのではあるまいかということが現在の私の考えでございます。

倉田栄喜改革

○倉田委員 ぜひ御検討いただきたいと思います。それは食糧の安全保障論という観点から考えれば、水張りの田のみならず、こだわるようですけれども、遊べる田、眺める田、学べる田があっても私はいいのではないのか、こう思っておりますので、ぜひ御研究をいただきたい、こんなふうに思います。  今、るる食糧における国の役割ということを申し上げてきました。私は、逆に農業が国に対して果たしている役割、これをこの非常に危機的な状況の中にあってきちっと正しくとらえて、そして消化をしなければいけないのだろう、こういうふうに思うのです。それは今議論をしてきた中で、国が安定的に食糧を国民の皆さんに供給をすると同時に、農家、農業の方々がその食糧を供給するという、そういう役割を果たしてこられた。それは一点大きなものだろうと思うのです。  ただ、私はここだけの議論でもないのだろうと思うのです。それは、地域にあって、集落の中にあって所得を、農業といういわば生産業というか、所得、就労の機会としての、所得確保としての農業というものもやはりきちっと意義づけていかなければ、集落はどんどんどんどんなくなっていきますということがあると思うのですね。さらには、大臣の御答弁の中にもありましたけれども、国土保全としての、まさにその多面的な機能を持つ農業ということもきちっと意義づけていかなければいけない。きょうは時間がありませんが、そういう意味の中で、食糧基地としてのあるいは所得機会としての中山間地域における農業というものもきちっととらえなければいけないのだろう、こういうふうに思っております。  そこで、これに関連しまして、前提となってしまう質問で恐縮なのですけれども、自給率に非常にこだわるみたいですが、ミニマムアクセスの設定に伴う米の自給率、これは大臣、どうお考えになりますか。米自体、今まで国内生産一〇〇%です。一〇〇%間違いありません。一〇〇%は譲ってこなかったわけです。国会決議等々いろいろな問題がありました。しかし、部分的に開放されてくる。これは見通しとして、この米について、先ほど私は自給率の議論をするときに、肉を食べるか穀類を食べるかでカロリー自給率は随分違うでしょう、だからこの数字だけで議論することはできませんねということを申し上げましたけれども、米の自給率というのは、食べるのは米ですから、きちっとする話だと思うのですね。大臣、この米の自給率、ここはもう最低ぎりぎりですよ、こういう数字を設けることはできますか。

大河原太一郎自由民主党農林水産大臣

○大河原国務大臣 今度の農業協定の実施によりまして、ミニマムアクセスとして四%、実施期間最後には八%、これを超えるような、この当面の六年間では考えられない。自給が基本でございまして、国際協定によりましてやむを得ずこれを受け入れるということで、それに対する対応をしておるわけでございます。

倉田栄喜改革

○倉田委員 それから、いわゆる輸入差額の問題に関して、その使用方法、ミニマムアクセスの差益見通し、それをどんなふうに使うのか、また、本来どのように使われるべきであるのか。これは、生産者に還元するという考えは私は大きな考え方だと思います。同時にそれは、消費者の方々の理解も得られなければならないことですし、一方で消費者にも還元すべきだという、こういう考え方もあり得ると思いますが、大臣は、この点ほどのようにお考えでしょうか。

大河原太一郎自由民主党農林水産大臣

○大河原国務大臣 これは、今いろいろな考え方があったわけでございます、意見があったわけでございますが、先ほども申し上げましたように、米の備蓄については、これは米のゆとりのある安定供給ということでございますので、消費者、国民全般のお役に立つということから、その差益は備蓄経費に充当する。ただいま御提案申し上げております法律案でもそのようになっております。

倉田栄喜改革

○倉田委員 少しまだ議論はあるのですが、もう時間がなくなりましたので、また次の機会に譲らせていただきたいと思います。  そこで、所得を確保する、そういう意味での農業ということについて、残された時間お伺いをしたいと思うのですが、農業に未来はあるのか、あるいは魅力のある農業をつくるにはどうしたらいいのか。これをもっと具体的な形で言えば、農業自体がもうかる農業であることは非常に大きな魅力だと思うのですが、なかなか難しいところもあるのだと思うのです。そうすると、魅力のある農業というのは一体どういうことなんだろうか、また、豊かな暮らしかできる農業というのはどういうことなんだろうか、そういうふうに思うんです。  私は、よく他産業並みの所得、農業に他産業並みの所得を保障するということを言われて、本当にそのとおりだと思いますが、一方で、収入と支出、そのことも考えて、要するに農業をやっていて豊かな暮らしかできればいいわけであって、そして豊かな暮らしたと感じておられる方々が、おれは農業をやってみたいということで担い手になっていただければいいと思うんですね。必ずしも他産業並みの所得を保障しなければいけないということではないんだろうと思うんです。それは東京で住むよりも私の熊本で、あるいは生まれ育ちの天草で生活をしておった方が生活費はずっと安く済むわけですから、一般に他産業並みの所得を確保しなければいけないということにはならないんだろうと思うんですが、しかし、なおそれでも農業所得ということに関して言えば非常に大きな問題がある。そこで、国でさまざまな助成金なりいわゆる政策誘導としての国の資金が、お金が、いわゆる国民の税金が使われているわけでございます。  大蔵大臣に一問だけ最初に御質問をさせていただきたいと思うんですが、大臣、農業に対する国の助成のあり方、基本的には、農林水産省としては政策誘導のために助成金をつけるということが基本的な考え方なんだろうと思うんです。今回の六兆百億、それもさまざま議論をされております。別枠で、増加でという議論もされておるわけでございますが、またその趣旨の御答弁であると私は理解いたしておりますが、実際にそのお金がまさに生産の担い手の農家個々にどれだけ魅力あるものとして映っていくのかどうか、そこが問題になってくるんだろうと思うんですね。  そこで大臣に、農業に対する国の助成のあり方というものは、基本的には、ちょっと漠とした質問で趣旨がわからないとおしかりを受けるような気がいたしますが、要するに、農業に対する国の金の使い方、今個々の農家に行っている分というのは、なかなか難しいと思うんです。行っている分もありますよ。だけれども、それは基本的なものではない。そういうこともちょっと踏まえながらお尋ねさせていただいているわけでございますが、大蔵大臣、農業に対する国の助成のあり方ということを基本的にどうお考えになっているのか、大蔵大臣の立場で御答弁をいただきたいと思います。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○武村国務大臣 まず、農業は国政の基本をなす大変大事な政策だという認識がございます。これはもう各国共通だろうと思いますね。先ほど来真剣に議論されています自給率等の問題も含めて、その民族の主な食糧はその民族が住む大地で生産をするということだと私は理解をいたします。  片方、農業は、あらゆる近代産業の中では一番生産性も低いし、特に自然条件の大変厳しい制約を持った産業であります。そういう意味では、大変不安定で不利な産業であるということから、ほかの産業と比べて農業には特別の財政的な支援をしてきている。これも日本の現在の姿でもありますが、世界のある種共通の姿勢だというふうに認識をいたします。  ところで、個人と共同体というふうな分け方、個人と個人でない共同の集団というふうに分けますと、原則はやはり個人に対しては融資、例外としては、転作奨励金とか自主流通米の助成金等の直接個人に渡るものもあります。これは価格政策等にかかわる特異な分野でありますが、原則は個人には助成をしない、むしろ融資だ。そして、共同事業といいますか、国営もありますし、県営、市町村、組合あるいは土地改良区、そういった事業に対しては補助金を出している、こういうことでありましょうか。  いずれにしましても、よく言われますが、商店街の人には、我々商店街、改造してよくしようと思っても融資しかない、農家の皆さんは自分の田んぼをよくするのに圃場整備すれば補助金が出ている、商店街にも補助金出してくださいよ、こういうことをたびたび言われたことがありましたが、大きくは今申し上げたような考え方、方針に従って今日に至っているというふうに思っております。

倉田栄喜改革

○倉田委員 大臣、今商店街のお話を引かれて御答弁をいただいたわけでございますが、よく自立てきる農業ということを言われます。じゃ、自立てきたら農業に対して国家の予算措置は必要でないのかというと、そんなことはないと思うんですね。そういうことはないと思う。そして同時に、助成というものに対して、国のお金の使い方というものに関して私はもう少し、先ほどの大臣の答弁の中で農業の多面的な機能というお話がございましたけれども、そこの部分をやはりきちんと評価すべきではないのか、これは財政的にも。  つまり、今まで農家、農民の方々が果たしてこられた多面的な機能というのは、食糧を生産するというそのものの価格ということだけでしか評価はされてないわけです。そして一方で、国が食糧をどうするかという政策的な観点から、生産調整があったり、需要と供給の関係で数量の問題いろいろ出てきたりして、政策を誘導するという仕組みで助成金が使われている。だから、私は、今大蔵大臣が農家と商店街を比べて商店街の方はどうのというお話がありましたけれども、そこはやはり農業が持っている多面的な役割、あるいは国が食糧を供給するという、国の責任においてどう政策誘導をしなければいけないのか、そこが国の基本的な役割としてあるからそういう形になっているんだろうと思うんですね。  だから、そこをさらに進めて言うならば、農家の方々だって、今農業予算が使われている、これを国からのお恵みみたいな形で受け取るなんてことは本来是とされないだろう、こう思うんです。本来農業が果たしている役割、農家の、個々の農民の方々が果たしている役割をきちっと評価をして、その評価される措置として私は予算の措置があっているんだろうと思いますが、私は、今大蔵大臣がお答えになったその商店街との比較の問題は、もう少し農業に対する国の財政、国の予算、助成のあり方ということをもう一度基本的に見直していかなければいけないんではないのかと思うんですが、大蔵大臣、済みません、この点についてもう一度御答弁をいただけますか。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○武村国務大臣 最後に余分なことを申し上げたのは、商店街はそうなっておりますが、農業に対しては補助金を出してきておりますということをむしろ強調したかったわけであります。それは、冒頭申し上げたように、この日本にとって農業という政策の大事さ、食糧生産ということのいかに大事であるかということが基本にあるから農業には助成金、補助金をお出しをしているということを申し上げたかったのであります。そういう意味では委員の御趣旨に、御趣旨といいますか、お考えとそう違わないと思っております。

倉田栄喜改革

○倉田委員 農水大臣、いわゆる農業予算というもの、助成金も含めてその使われ方、これから国の財政収入が非常に厳しくなっていくことの中で、国民の皆さんも多くあるわけですよ、今大臣のお答えが出るみたいに、農業だけ何でそんなにお金が行ってしまうのかと。しかし私は、現実はそうではないんだろうと思うんです。それだけ農家の、個々の農民の皆さんにそれだけのお手元が行っていれば、担い手がこんなに少なくなるなんということはないと思うんですよ。同時に、私は、もっと国民の皆さんに今の農業予算の使われ方というものに対して真っ正面から、真っ正面からというのは先ほどの多面的な評価の部分も含めて、あるいは総額農業予算というものがどういう使われ方をしているかということを説明をしていかなければ、ますます農業予算というのは国民の今の状況のままでいけば厳しくなっていきますよ、きちっと確保していくのが。私は、そこはもっと積極的に前へ、この農業予算というのは国家のために、あるいは国民、消費者の皆さんのためにこれだけ大切なことなんですよということをもっと声を大にして農水大臣にも主張をしていただきたいと思うわけでございますが、この点について、いわゆる助成というもののあり方について、農水大臣の御所見をお伺いいたしたいと思います。

大河原太一郎自由民主党農林水産大臣

○大河原国務大臣 委員のお話にもございましたように、国民生活の基礎物資である食糧の安定供給、あるいは今もしばしばお話が出ましたような国土保全なり環境、さらには地域社会の維持等々の役割、農業の持っている大きな役割、これに対するまず前提として国民的な理解を求めて、経済成長の中でおくれがちだとかいろいろな問題を抱えている農業に対する財政支援の妥当性についての理解を求めることが必要であろう。しかも、その予算の執行等につきましては、効率的なもの、効果的なものとしての大方の合意が得られるような方法が必要であろうと思いまして、先ほども大蔵大臣がおっしゃいましたけれども、基盤整備事業を含めて政策誘導のための共同部な仕事を中心にする、それから、個々の農家に対する助成は原則としては融資的なもの、自主性を害しない融資等によってこれを行うというようなプリンシプルを持って行うことによって理解が得られるのではないか、さように思います。

倉田栄喜改革

○倉田委員 もう時間もなくなってまいりましたので最後の質問になろうかと思いますけれども、私は、農家に豊かな暮らしかできる所得をどう保障をしていくか、こういうことだと思うのです。  そういう意味からすれば、従来、今大臣からお話のありましたように、いわば助成金も政策誘導として使ってきている、それから、例えば米価の価格決定も、こういう言い方でいいのかどうかわかりませんけれども、いわゆる価格政策として米価の価格の決定のあり方があったと思うのですね。しかし、今回の新しい制度のもとで、政府米の役割、今までと随分大きくさま変わりをしてくるんだろうと思うのです。そうすると、政府米の価格の問題も、農家所得における政府米の価格のあり方ということも随分その比重からいけば違ってくるんだと思うのです。  そういたしますと、農家が豊かな暮らしかできる、そして農業に魅力を感じられる、後継者がおれも農業をやってみようと思う、そのためには、私は、純粋に価格政策というよりももうちょっと所得政策というものをこれから基本に考えていかなければならないのじゃないか、こう思えてならないわけですが、最後に大臣、この点についてお伺いをいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。

大河原太一郎自由民主党農林水産大臣

○大河原国務大臣 当委員会におきましても、その点についての御提案が二度三度それぞれの委員の方からございましたが、やはり現在の価格政策については、需給事情を適切に反映して一定の価格水準を維持することによって農家所得を確保するということでございまして、踏み込んで所得補償ということになりますれば、これは消費者負担から財政負担に切りかえると相当大きな問題があるわけでございまして、この点はなお慎重な検討を要するべきものではあるまいか、さように思っております。

倉田栄喜改革

○倉田委員 所得補償の議論はまた次の機会にさせていただきたいと思います。  以上で私の質問を終わります。

佐藤孝行自由民主党

○佐藤委員長 倉田君の質疑は終了いたしました。  次に、川島實君。

川島實改革

○川島委員 改革の川島です。既にWTO条約の審議も本日で五日目を迎えまして、私も二十一日に質問をさせていただきまして、引き続き、残された問題について質疑を進めていきたいと思っております。  既に明らかなように、物の貿易についてのルールやサービス貿易についての新たなルール、さらに知的所有権についてのルール、さらに加盟国間の貿易紛争が生じた場合の紛争解決のシステムなどが今回のWTOの下に置かれ、世界的な問題として歴史上まさに普遍的な貿易機関を有する、こういうふうに非常に評価がうたわれておるところでございまして、我が国としても積極的な参加が望まれるわけでございます。  特に、今回のWTOの前文の目的としてございます加盟国の生活水準と所得の引き上げ、二つ目は完全雇用の確保、生産と雇用の拡大、世界の資源の最適利用に加え、開発途上国の世界貿易のシェアの拡大を確保する努力の必要性並びに経済発展のレベルに応じた環境保護、保全の必要性を前文で求めておるわけでございます。  私は、これらを受けて我が国が、各省庁とも、きょうは非常に多くの大臣をお呼びをいたしておりますけれども、この精神に基づいての規制緩和や内外価格の差、世界の貿易ルールの確立の上から我が国の国民の生活水準が維持される、非常に豊かなものになるということは、余りにも今規制等が多くて格差があり過ぎるからであるわけです。だから、きょうは各大臣に、これらの格差是正、貿易の新たなルールに基づいて我が国がどういう取り組みの決意をして臨んでおるのか、お伺いをしておきたいと思うわけでございます。  まず外務大臣に、このWTOに基づく今回の各国との関税の引き下げによりまして我が国が得るメリットというのはどうなのか、アメリカでは百二十億ドル、非常に損だとかいうような情報も流れておるわけでございますけれども。さらにまた、我が国のサービス分野における規制の透明性をいかに確保していくのか。この二点について、まずお伺いをしておきたいと思います。

河野洋平自由民主党外務大臣

○河野国務大臣 ウルグアイ・ラウンドの関税交渉の成果の実施によりまして、例えば先進国の鉱工業品の平均関税率は六・三%から四割削減をされて三・八%になると言われております。我が国の輸出もこの関税引き下げの利益を受けるということになるであろうと思われます。  なお、関税引き下げを含めた物の貿易の分野における自由化の効果につきましては、先生もいつが御指摘があったかと思いますが、本年十一月のガット事務局試算によれば、二〇〇五年時点におきまして世界全体の貿易量が年率二三・五%増大するというふうに言われております。ガット事務局の試算によりますと、二〇〇五年における年平均の輸出増加率の中で日本というものがございますが、日本におきましては一八・三%増加をするであろう、こういう指摘がございます。  もう一点、サービス分野についてお尋ねがございました。  サービス貿易一般協定は、サービス分野の貿易の拡大を図るため、最恵国待遇、市場アクセス及び内国民待遇などの義務とともに、サービス分野の国内規制が合理的、客観的かつ公平に実施されること、これらの国内規制の内容が公表されることなどを加盟国に求めることによりまして、サービス分野における各加盟国の規制の透明性を高めることを定めておるわけでございます。  このような協定の規定を踏まえまして、政府としては、行政手続法の運用及び一層の規制緩和を通じまして、国内規制の透明性をより高いものにしていく努力をしなければならないと思います。

川島實改革

○川島委員 今の外務大臣の言葉をいただきまして、各省庁の大臣にお伺いをしていきたいと思います。  まず大蔵大臣、関税定率法の一部改正が実は提案をされておるわけでございますが、我が国は、今回のこの関税の引き下げ、引き上げ、どのくらいの金額がおのおのあるのか。そして、トータルとして、国内の部分でどういう損失が我が国にこの関税引き下げによって生ずるのか。この点についてお伺いをしておきたいと思います。

鏡味徳房大蔵省関税局長

○鏡味政府委員 ウルグアイ・ラウンド合意に基づきます関税率の引き下げにつきましては、鉱工業品が原則として五年間、あるいは農産物については六年間、品目によってはさらに長い期間というような、それぞれ一定期間をかけて順次実施されていくものでございますがために、これらの経過期間が終わった後の輸入量がどうなるか上いうことにつきましては大変予測が難しい問題がございまして、したがいまして、このウルグアイ・ラウンド合意の実施に伴う関税収入の減少額は、実は正確にはなかなか見込めないところでございます。  ただ、不正確さを承知の上で、大まかな目安を求めるために、仮にこの間の輸入額が九三年実績から全く変化しないとし、かつその他の計測困難な事情を全く捨ました上で、九三年度の関税率による関税収入の計算額とウルグアイ・ラウンド合意完全実施後の関税率による関税収入の計算額の差を算出いたしますと、約二千億円程度の減収となるとの結果が出るわけでございますが、いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたように、これは大まかな目安であるということで御理解いただければと思う次第でございます。

川島實改革

○川島委員 大臣、大蔵省の関係で、この関税以外の規制緩和や内外価格差の問題、例えば酒屋を営業しておる人が通りへ出てきてコンビニをやると、同じように既にやっておったお唐との格差で、酒の免許があるからということで全部お客をとられて片っ方が困る、こういう状況もあるわけですが、これらを含めて、今後どのような御決意なのかお伺いしておきたいと思います。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○武村国務大臣 私どもの役所では、関税という仕事以外では、御指摘のような酒、たばこの仕事も預かっております。金融全体もございます。直接、間接、そういうものが今回の論議と関係がないとは言い切れません。  特に酒の問題は直接的な問題でありますが、今回のガット・ウルグアイ・ラウンド合意の中で論議をされたことではないにしましても、規制緩和全体として、より外国に対するアクセスを高めていく、日本の市場を少しでも開放していくという意味から、かねてから論議のあるところでございますし、既に昨年来一定の緩和策を講じているところでございまして、今後とも、そういう意味では政府全体の既成の方針の中で努力をしていきたいというふうに考えております。

川島實改革

○川島委員 なかなか具体的には見えてこない。  通産大臣、あなたの省庁は、今回の貿易で恩恵をこうむる一番のおひざ元でございます。同時に、我が国の中で電気、ガスの業種が今回のサービス業種の中にも含まれるんじゃないかと思うわけでございますが、これらの外国企業の参入が今後あるのかどうか。  それから、都道府県の支庁、市役所で各種のいろいろな免許がありますね、電気指定業者だとか水道指定業者。こういうものに対しての基準・認証の緩和が求められておるわけでございまして、さらにまた、大店舗の出店によりまして中小企業一零細業者が転業を余儀なくされる。そこで、従来あります金融政策のほかに、これらのWTO条約の締結を受けての規制緩和が進むであろうことを予測して新たな政策というのはどのようなものをお考えになっておるのか、まずお伺いをしておきたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党通商産業大臣

○橋本国務大臣 今、冒頭お尋ねは、電気、ガスの両事業についてでありますが、WTO協定中のサービス協定におきましては、我が国は電力あるいはガス事業を国別約束表の対象業種としてオファーしておりません。ですから、WTO協定批准によりまして直ちに電気・ガス事業について内国民待遇を付与する義務が生じるものではございません。したがって、外資系の企業の参入を認めなければならないものではありません。  同時に、電気・ガス事業につきましては、電気事業法及びガス事業法に外資規制の条項はございません。外資系企業の参入を否定しているものではございません。現実にも、電力、ガス各社に外国資本はわずかずつではありますけれども入っております。  ただし、外国為替及び外国貿易管理法上、国の安全を損ない、公の秩序の維持を妨げ、または公衆の安全の保護に支障を来すおそれのある対内直接投資につきましては、事前に届け出を行うことが義務づけられております。いわゆる安全保障関連業種ということでありまして、我が国は、電気及びガス事業に係る対内直接投資につきましては、これに該当するものといたしておりまして、これらの事業は国民経済、国民生活上不可欠な基盤的なサービスを提供するものでございますことから、今この取り扱いを変更するという考え方はございません。  これは、電気事業につきましては、例えばアメリカにおきましても、資本移動自由化の対象にはしておらないということでありまして、同様の規制は外国においても見られるところでございます。  また、電気・ガス工事の指定工事店制度についてのお尋ねでございますけれども、電柱から家屋への引き込み線及び計量器につきましては、これは電気事業者の資産でありまして、その電気工事につきましては、電力会社が直接自分で行います以外は、電力会社に登録をされた引き込み委託工事店というものが実施をしております。これは、電力会社が自社の設備の工事を外部に委託をします際に、独自の判断で受注能力のある方を登録するという仕組みでありまして、これは法令に基づく規制ではございません。  また、ガスにつきましても、ガスの製造所からガスの導管を経て需要家の敷地の中の引き込み管、屋内配管を含めましてそのお宅のガス栓に至るまでの範囲は、これはガス事業者自身が保安責任を負っております。これはガス事業法上の規定でございます。そして、そのガスの指定工事店制度と申しますものも、保安機器の責任を負うガス事業者として、需要家の敷地内の引き込み管あるいは屋内配管の工事について、その下請として工事を任せても問題がないという判断をできる業者を会社が指定をし、指定業者に工事を行わせる制度であります。これはあくまでもガス事業者の判断に基づく、彼ら自身の下請の施工業者選定に係るものでありまして、これは法令の規定に基づくものではございません。  そして、いずれの制度も施工業者の技術的な能力をチェックするという制度のものでありまして、私は、外資系企業を差別して排除するようなものだとは聞いておりません。  また、大店法の規制緩和に伴う影響で新たに行うものというお尋ねでありますが、来年度の予算要求の中で私どもが考えておりますものは、一つは、ハードの事業といたしまして、高度な情報機能を利用し、地域の個性あるいは伝統を生かして、高齢者と環境に配慮した二十一世紀対応型の商業基盤施設の整備を支援したい。略称として商業パサージュ整備事業という名前をつけておりますが、こうしたものがございます。  また、ソフト関係の事業といたしましては、市町村を単位とした広域での利用が可能となるカードシステムを実験的に導入するモデル事業についての助成を行いたい。広域カード推進モデル事業と銘打っております。  また、中小の小売業の方々が、製造あるいは卸の段階との連携を図りながら行う共同仕入れなどの共同事業に対しての積極支援を行う、こうした仕組みを考えております。

川島實改革

○川島委員 質問はしません。まあ聞いておいてください。  一つは、「ガス事業者の申請書を拒否」「通産省が行政手続法違反の疑い」、こういう報道が流れている。このおかげで、これから行政手続法でいろいろな問題が緩和されるんだな、これは国民が理解ができてきております。  それから、サマータイムで、ことしはやらなかったわけでございますけれども、その内需効果期待、一兆二千三百億、これはぜひひとつ御検討をいただきたいと思います。  それから、今回特許法の関係で、英文での特許を受け付けるというような問題が出てきておるわけでございますが、これが日本と諸外国と比べますと、我が国の扱いの出願件数というのは非常に多いわけですね。  例えばアメリカと日本を比べますと、年間が、我が国が四十六万六千件について、アメリカが十七万三千件。処理件数は、日本が二十五万件、アメリカが十六万八千件。審査を要する期間、一昨日ですか、答弁がありましたけれども、二年四カ月、我が国。アメリカは一年七カ月。審査人員は、日本が千十五人、アメリカが千九百四十一人。審査一人当たり二百四十七件村八十六件。  これから英文の審査等が受け付けられますと、非常におくれる心配があります。もっともっと世界のレベル並みに、一年以内にこれらの案件が処理できるように、ひとつ強く要望をしておきたいと思います。未処理件数というのが六十二万三千件、こういうデータも出ております。これは答弁は結構でございます。  次に、建設大臣にお伺いをしておきたいと思います。  建設関係は、特に住宅というものを抱えておりまして、内外の価格差だとか、国民の生活に最も密接に影響をするところでございまして、規制緩和が非常に求められておるところでございます。だから、外国製品に対する基準の認定、この違いがありますね。木材やいろいろな、外国ではオーケーという認定を受けても我が国ではだめだというようなJESの扱いだとか、いろいろな問題がたくさんあります。  それから有料道路の制度についても、諸外国はほとんど実施が少ないわけでございまして、そしてまた、料金を比較をいたしますと、べらぼうな違いがあるわけですね。これらについて今後どのように対応をしていくのか。昨日までの議論を聞いておりますと、プール制のそういう路線の徴収を検討しているとか、いろいろ返事が返ってきておりますけれども、こうした問題。  それから、入札の開放という形でアメリカが何か二十四件ぐらい入札に、新しく工事を落とした。ところが、全部がJVという扱いになっておりますから、中にははっきりしないまま国へ引き揚げたオースチンという会社もある、こういうような状況が伝わってきておるわけでございますが、これらを受けて、建設省の今後のこうした規制緩和、内外価格差の是正に向けての取り組みの御決意をひとつお伺いをしておきたいと思います。

野坂浩賢日本社会党・護憲民主連合建設大臣

○野坂国務大臣 お答えいたします。  日本の建設市場は閉鎖的ではないかというお話もございましたが、それは昭和五十年代の半ば以降に基本的に開放いたしておりまして、そのようなことは特に規制となっていないということであります。  その内容としては、六十三年から、特定の大型公共プロジェクト等について入札や登録手続等に係る特例措置、先生御案内のようにMPAが導入されております。したがって、外国企業の、三十四のプロジェクトがございますが、それらについて処理をしております。約一千億円以上の入札、事業執行を行っておるということで、基本的に閉鎖的ではないということだけを申し上げておきたいと思います。  それから、今お話しになりました内外の価格差問題ですね。これについては積極的に対応しなければならぬ、こういうふうに考えております。したがいまして、住宅建設コストの低減に関するアクションプログラムを策定をしまして、先生御案内のように、業界に詳しいわけですから、公表しております。  この内容については、具体的に申し上げますと、紀元二〇〇〇年までには普通の住宅は、標準的住宅は、三分の二に現在の工賃よりも落としたい。そのための内容としては、プレカットとか、あるいは輸入材、材木の輸入とか、躯体とか内装工事の合理化等、それらを十分錬磨し、アメリカやカナダにも調査員を派遣をして技術を習得しておりますが、紀元二〇〇〇年までに標準価格は三分の二までにしたい、こういうふうに考えて、国際競争場裏に対処していかなければならぬ、こういうふうに思っております。  もう一つは、名前を挙げてオースチンの問題をお話しになりましたが、確かにこれはJVでございまして、御案内のように、新聞にも出ておりましたから、戸田と淺沼、オースチン、こういう格好になっております。  ただ、このオースチンから参っておられました技術者は一人でございまして、日本語も十分でないというような状況でございまして、思うように作業が進まないので、これは東京都知事の許認可業者でございまして、事務所の方に行ってみましたけれどもだれもいない。したがって、オースチンの方に対して十一月三十日までにどのようにするかということを今東京都が問い合わせをし、あわせて調査中でございます。したがいまして、この調査は、東京都が発注をしておりますので、我々としてはその動きを注目をしておるというのが現状でございます。  高速自動車道路は、外国では無料のところもあるし、余りにも格差があるのではないかという御質問でございますが、残念ながら御指摘のとおりでございます。  これは、例えばドイツは無料ではないか、あるいはフランスやイタリアはもっと安いじゃないか、約二倍ないし三倍に近いものを料金として取っておるわけですが、日本の技術といいますか、国民の努力によりまして車社会に、馬車社会といいますかそういうものを飛び越えて自動車ということになったわけでありますから、これを、高速自動車道路の基幹道路を中心にして、国道、県道、市町村道ということを中心に進めております。現在では一般国道とかあるいは県道、市町村道というところに、歩行者等も一緒に使用しておりますので、ここのあたりを十分に国税全体はしていかなければならぬ。  高速自動車道路の場合は、皆さんに国会で一万四千キロというものについて道路法に基づいて御決議をいただきまして、したがって、一万一千五百キロを当面はやっていくということになっております。現在では四九%しか進行率がございません。したがって、皆さん方の御期待に沿うようにするためには、勢い有料道路をやらなければならぬ。日本の道路の場合は、地震もありますし、急峻な坂もありますし、川もありますし、そういう点について相当の金を消費するというのが実態でございますためにあえて有料道路をとっておりますが、先生が御指摘のように、できるだけ外国に近寄っていかなければならぬというふうに考えております。  ただ、問題としては、全部国税でやればどの程度できるんだろうかということを、計算を事務当局に命じてさせてみましたら、約十分の一しかできぬじゃないか、一般国道その他もあるために。こういう状況でございますので、いましばらく御辛抱いただきまして御協力を賜ればありがたい、こういうふうに考えております。  あるいは、最後にお話しになりました経営事項の審査の義務づけですが、これらの義務づけについては、規制緩和という問題で経団連その他からもお話をちょうだいしております。ただ、この場合に、前国会で法律上の、全会一致で義務づけが行われておるわけでございまして、それに基づいて公共事業の入札や契約手続の改善に対すみ行動計画、これをやっております。  具体的に申し上げますと、外国の参入は、一般競争入札は七億三千万以上、そういうことでございまして、地方の場合は、先生がおっしゃるのは、建設省に一遍言えば、コンピューターを入れて各市町村が右へ倣えでそれでいいじゃないかという、何回も手続するのは厄介じゃないかという御指摘でございましょうけれども、地方にも命令権がなかなかないというようなことがございまして、十分検討してこれからの対応を進めてまいりたい、こういうふうに考えております。  以上でございます。

川島實改革

○川島委員 今有料道路の料金、フランスが一キロ当たり八・四円、日本が二十三円、イタリアが八・三円、このことを理解をしておいていただきたいと思います。さらに、建築士や不動産の取引主任者の資格、こういう外国との基準認定、こういうのも直さなきゃなりませんので、ひとつ心得ておいていただきたいと思います。  次に、国土庁の長官にお伺いをいたしたいと思います。  海外との関係で、東京はとりわけ土地の値段が高くて、ビルやなんかのオフィスの金額が非常に高い。一平方メートル当たり、東京で十六万三千円余、ニューヨークでは四万七千、三・四倍の格差があるわけでございます。そしてまた、都道府県ではいまだに監視区域を続けておるところがございますけれども、こういう監視区域も規制緩和の対象になっておるのかどうか、このことをお伺いをしておきたいと思います。

小澤潔自由民主党国土庁長官

○小澤国務大臣 先生御指摘のように、東京都の行った外資系企業に対するアンケート調査によれば、東京のオフィス賃料に対する評価を欧米の都市等と比べると、非常に劣っているとの結果が出ております。このように地価が高いことが一因になって外国企業の我が国への進出が困難になっているのではないかとの指摘があることは承知いたしております。また、昨年末の国内企業へのアンケート調査を見ましても、約四割が地価の下落を望んでおり、地価上昇を望んでいる者は約二割にすぎません。  これらの調査結果などを踏まえまして、今後とも、土地の利用価値に相応した適正な地価水準の実現を目指して、総合的な土地対策の着実な推進に努めてまいる所存であります。

川島實改革

○川島委員 各大臣には、規制緩和等の案件が大体どのくらいあるか、どういう取り組みの決意かということを最初にお願いをしておるわけですが、だれもこの答えをやっていただいておりません。  郵政大臣、特に電話料金の問題でございますけれども、市内の料金は大体国際並みになってきたと思うわけですね、今回の改正で。ところが遠距離については、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、こういう国々と比べましても非常に値段が高いわけでございますが、これらはどういうところに原因があって、今後の規制緩和の対象になっておるのかどうか。これらが生活者主権の拡大に向けて非常に影響いたしておりますし、海外の人たちが日本で電話をかけてびっくりしておる、こういう状況でございます。  それからもう一つは、金融自由化に対する郵便局の貯金の関係で、これらも規制が外れて行われていくのかどうか、この点についてお伺いをしておきたいと思います。

大出俊日本社会党・護憲民主連合郵政大臣

○大出国務大臣 お答えをいたします。  今の電話料金でございますけれども、川島さん御存じのように、六十年に大きな改正をいたしまして、競争原理を導入して、新電電、DDIから始まりまして三社入れてきて、もっと合ふえていますけれども、競争していこうということになりました。ここから、当時、東京-大阪というようなところでございますが、料金を次々に下げてまいりまして、四百円、三百六十円、三百三十円、二百八十円、二百四十円、二百円そして百八十円、ここで新電電、DDIの方が百七十円にいたしまして、ここで今とまっているわけでございますけれども。だからこの間に、二百円から百八十円のここだけで二千七百億円ぐらい下げたことになる。トータルで見ますというと九千億円ぐらいの大きな値下げになっているわけでございまして、そういう意味では方々で、さっきも企業の方々来られまして、通信料金が非常に最近はこういうわけで安くなってと言っておられましたが、そういう実感を皆さんが持っておるようであります。  ただ、今御指摘ございましたように、数字を申し上げますと、国際比較の面で、大体四十キロ圏で日本の一〇〇に対しましてアメリカが一四〇、イギリスが六七、ドイツが七七、フランスが九三、大体並んできたなという感じ、高いところももちろんアメリカのようにございますが。それから百キロ程度のところを見ますというと、日本の一〇〇に対しましてアメリカが一〇九、イギリスが八〇、ドイツは非常にこれは、国別に政策的に色分けが違うものですから、ドイツは日本の一〇〇に対して一七四、そしてフランスが一三九。ただ、五百キロ程度のところになりますというと、日本の一〇〇に対してアメリカが五一、イギリスが三六などなどということになっております。  したがって、これからそれじゃどうするかという問題があるんでありますけれども、今競争原理を導入していこうということで進めてまいりましたので、できるだけ条件を、アクセスチャージその他いろいろございますが、条件を同じようにして公平な競争が進んでいくようにと、最近でも新聞等で御存じのとおりに、フレームリレー・サービスという新しいサービスであるとか、あるいはバーチャル・プライベート・ネットワークなどという新しいサービスが出てまいりまして、接続問題やいろいろございました。ここらをできる限り同じ競争条件というものをつくりながら、せっかくトータルで六割近く六十年から電話料金を下げたわけですから、五八%あるいはちょっとそれを超えるぐらい下がっておるわけでございますから、だから、いきなりここをというと、トータルで見ますとバランス問題も出てまいります。したがって、いきなりというわけにはまいらぬと思いますが、できるだけ競争条件を同じようにして、ひとつなお効率的に低料金になっていくように努力をしたい、こういうふうに思っているわけでございます。  それから、貯金のお話が今ございましたが、ちょうどことしで十六年目になりますが、CD、つまり譲渡性預金の自由化という問題が、三カ月でございますけれども、大体、資金調達を早めるという意味で当時大変議論がございまして、自由化すべきであるという。以来、だから十五年たって、ことしで十六年目になるわけでございますけれども、十七日というところでおおむね自由化が完了すると、こういう。郵政省はここでどうするかということだったのですけれども、旧来のいきさつもございまして、民間の皆さんの方がどういうふうに自由化の中でおさまっていくかというのを一遍見て、その上で考えたいということで、十七日を見送りましてみたのでありますけれども、その後、○・〇三%上がってきている、こういう状況が出てまいりまして、そこで、七日というところで、一カ月ごとでございますから、その○・○三%を乗せて一・三五にしようかということで考えたのですけれども、大蔵省から協議の申し入れもございまして、いろいろな議論がございました。  しかし、結果的に〇・〇三%を上げるということで決着をつけてあるわけでございますけれども、これから先はさらにひとつ全体の動きを見ながら、御指摘の点、問題は国民の皆さんにどういうふうに金利というものをプラスに見ていくかということでございますから、検討させていただこう、こう思っております。  とりあえず二点だけお答えさせていただきます。

川島實改革

○川島委員 一点だけ要望しておきますが、日本の郵便料金が高くて、香港から手紙を出した方が、一応香港へ持っていって、あそこから出した方が安い。ところが、郵政省は水際でそれを、受け付けを拒否する。こういう形をやる前に、みずからのリストラで世界の物価並みにひとつ対応ができるような御努力をお願いをしておきたいと思います。  次に、公正取引委員会の委員長にお伺いをしておきたいと思います。  独禁法の運営転換で洋酒の値段が非常に安くなりまして、国民は非常に喜んでおるわけでございます。ひとつ世界の物価水準になるまで、今後これらの独禁法の厳正な運用をお願いをしておきたいわけでございます。  一つだけお伺いをしておきたいわけですが、我が国は不当廉売、今回のWTOの中で出てくるわけでございますが、これらの取り締まりを行った件数はあるのかどうか、そして公正取引委員会として、規制緩和や内外価格差の今後のこれらの問題についてどう取り組んでいくのか、独禁法の扱いの上からひとつ御検討いただきたいと思います。     〔委員長退席、中川(昭)委員長代理着席〕

小粥正巳公正取引委員会委員長

○小粥政府委員 お答え申し上げます。  ただいまのお尋ねでは洋酒に例をおとりになりまして、洋酒の輸入が活発に行われている。内外価格差問題はございますけれども、現在のその洋酒を含む消費財市場の価格低下現象、あるいはその背景にある競争の活発化、これはもとより私ども公正取引委員会として、この方向は正しいものと考えております。  そこで、お尋ねでございますが、不当廉売問題という御指摘でございます。不当廉売は、申し上げるまでもなく、総販売原価をある商品につきまして著しく下回る価格で継続的にこれを販売する、そのことによりまして市場におけるほかの事業者の事業活動を困難にさせるおそれがある場合、その場合に限りましてこれは公正な競争秩序を維持する点から不公正な取引方法として規制の対象になる、こういうことでございますが、ただいまのお尋ねは、輸入品の市場につきましてそのような問題があったのか、こういうお尋ねであろうかと思います。  これは、例えばこれが並行輸入品に関する場合に不当廉売問題があったのか、こういうふうに問題を少し限定してみますと、これは私どもの経験として、並行輸入品の販売について不当廉売として措置をとった事例はこれまではございません。不当廉売一般の問題、これは決してないわけではないのですけれども、並行輸入品につきましてはそういう問題はございません。  したがいまして、今申し上げました不当廉売の、今定義として申し上げましたが、かなりこれは厳格な定義でございます。したがいまして、私ども、一般的に不当廉売問題は、今申し上げましたような場合について規制はしておりますけれども、ただいまのお尋ねが、特に消費財分野におきまして輸入品の輸入量が非常に拡大をしている、そのことが現在消費財市場に見られます一般的な価格低下現象をさらに活発にしている。その中で、私どもは一般的な問題として、競争促進の見地からこれは全体として望ましい方向である、こういうふうに考えておりますので、今後とも、公正かつ自由な競争秩序を維持するという見地から、例えば、輸入につきまして並行輸入の阻害でありますとか、あるいは再販売価格の維持行為でありますとか、価格カルテルでありますとか、そういう独占禁止法上の違反行為は、これに対して従来から厳正に対処をしておりますし、今後とも競争を徹底させることによりまして、このような全体的な競争促進の状況を、私どもの業務といたしましても一層促進させていきたい、こんなふうに考えております。

川島實改革

○川島委員 余り時間もございませんので、端的にひとつ御返答いただきたいと思いますし、私の方も一点だけに絞って後を進めていきたいと思います。  文部大臣にお願いをしておきたいと思います。非常にお忙しいようでございまして、恐縮でございます。  一つだけ、今度の知的所有権等の関係もございまして、現在、外国の大学が日本に進出するに当たりまして非常に厳しい規制で、例えば具体的にはミネソタ州立大学の設置がなかなか認められないというような事案があるわけでございます。それから、円高による厳しい学生生活が今日あるわけでございますが、こういうものをどうとらえられておるのか。それから、教育のカリキュラムで、今後、異文化交流の教育の導入というような問題もあろうかと思いますが、これらについて端的にひとつお答えをいただきたい。

与謝野馨自由民主党文部大臣

○与謝野国務大臣 最初の大学のお話でございますけれども、アメリカの大学の日本分校と呼ばれるものは大体二十ちょっと日本にございます。その中で専修学校の認可を受けて経営をしておるものもございますけれども、大体は法律の枠外のものでございます。  これは、日本の方がやる場合でも外国の方がやる場合でも同じでございますが、大学を設置されようとする場合には、やはり大学を設置するために必要な関連法規に基づいて御申請をいただいて、そして文部省できちんとそれを審査をいたしまして、その大学が、その内容においても、あるいは教育水準においても十分大学としてやっていけるかどうかという判断を、実質的な判断をして、そういう大学の設置を認めるという制度になっております。そういう意味では、アメリカの大学の御関係者が日本に大学をおつくりになるということは自由でございますが、同じ高さのバーをクリアしていただかないと大学の設置はできないというのは半ば当然のことであろうと思っております。  ただし、私どもも、大学設置をするために必要な書類の量が膨大になるというお話もございましたので、そういうものについての手続の簡素化は既に行ったところでございます。  それから、第二番目の円高による留学生の問題は、大変私どもとしては頭の痛いところでございます。例えば留学生をとりましても、約五万五千近い海外からの留学生が来ております。その中で日本がお招きしている留学生というのは七千人ぐらいでございまして、それ以外はいわゆる広い意味での私費で日本に来られている方でございます。こういう方は円高によりまして大変な経済的な困難に遭っているわけでございまして、そういうことは文部省既に数年前から気づいておりまして、そういう私費で留学されている方に対しても約五万円程度の留学に必要なお金を出せるような仕組みに変えて円高の困難を克服する一助としたいということで、今そういう制度になっておりますが、ただ、これはもうなかなか文部省だけでは解決できない問題でございまして、そういう困難をぜひ御理解をいただきたいと考えております。

川島實改革

○川島委員 教育のカリキュラムのことについてはひとつ御検討いただきたい。  それから、今、我が国の大学の答弁で、私は国連大学は承知しておりますけれども、あとはほとんど二十校等は専修学校だという受けとめ方をしておりますので、また後ほど具体的な資料をいただきたいと思います。  次に、運輸大臣にお伺いをいたしたいと思います。  成田や関西空港の国際空港、我が国の着陸料が非常に諸外国に比べて高い、こう言われて、一応調整がなされて、それでもまだ諸外国から高いと言われているわけです。  それからもう一つは、格安航空券の問題も出ております。正規で買うと大変高く、新しくいろいろ検討されて、内外価格差の問題で、安くなってきておることは事実でございますけれども、海外で買った方がいまだに安いんだけれども、日本は規制をして、海外で買った航空券は日本で、海外、アメリカならアメリカに行くときにはアメリカで買った航空券は使用がちょっと待った、こういうことが、ひっかかるような状況の規制があるようでございます。これらが、今後そういう規制がなくなるのかどうか、往復運賃の使用規則等が改められるのかどうか、これをひとつ聞いておきたいと思います。  タクシー料金は、京都の個人タクシー等の関係で、いろいろ企業の料金格差が生じており、大分緩められてきておるのかなというような一般の受けとめ方で、全体としてどうなってきておるのか。それから、個人タクシーの資格認証の規制緩和が今後対象になるのかどうか。  港湾料金、コンテナ、車検代、重量基準、いろいろこう海外から言われてきておるわけですが、全体として、今後、こうした規制緩和、内外価格差に対してどう取り組んでいくのか、御決意をお伺いしておきたいと思います。

亀井静香自由民主党運輸大臣

○亀井国務大臣 お答えをいたしたいと思います。  まず、委員御指摘の、着陸料が国際比、非常に高いという御指摘でございます。そのとおりでございまして、私は、今後空港の整備について、そうしたユーザーの懐を当てにして空港整備をやっていくという、そうした方向は転換をしたい、このように考えておるわけでありまして、もうぜいたくな乗り物ではございませんので、公共事業の立場から正面に据えていきたい。  そういうことで、来年度その手始めといたしましては、関空の着陸料をトン当たり百円ですけれども、ジャンボで五万円ぐらいになろうかと思いますが、これを現在要求しております。ここにおられる大蔵大臣も恐らく私御理解いただけるものじゃないかな、このように期待をいたしておるわけでありますが、また運賃の問題、御承知のように、このたび航空法の改正で五〇%の限度の割引制度を導入いたしまして、それぞれの各社等が工夫する中で、今までとは違った形での、ユーザーが安く乗れるような、そうした方策も今講じておるところでございます。  それからもう一つは、現在、御承知のように日米包括協議の中でも部品等のことも非常に問題になり、現在まだペンディングで決着をいたしておらぬわけでございますけれども、自動車の基準・認証については、一応国際的な整合性、これが保てるような方向でできる限り国際化の中で歩調を合わせていきたいと思っておりますが、ただ、やはり安全性ということは運輸行政におきましてはこれは基本的な問題でございますので、この点については日本としても外国との関係で必ずしも同一歩調がとれない場合も、日本の国土の特別な事情等もございますのであろうか、このように思っています。  個人タクシーにつきましては、またその他のタクシーにつきましても、現在私どもは、京都で御承知のように同一地域同一連賃のらち外のような、そういう制度が起きておりますけれども、全体としてはやはり同一地域同一連賃の立場を原則としてはとらざるを得ない、このように考えております。

川島實改革

○川島委員 運輸大臣に要望しておきたいと思いますが、今の港湾におけるコンテナの積みおろしの関係ですね。シンガポールなんか二十四時間体制で、非常にサービスがいい、もう、あっという間に。日本は、もう待たされて待たされて困る。だから、ついつい、これからハブ空港として海外が、ほとんど香港なんかでも新しくこうつくったりしておりますから、日本を通り越して海外へ行って、それからまた日本へ必要な分だけ来る、こういう状況になるような可能性が非常に多いわけでございますから、ひとつ十分な対応をお願いをしておきたいと思います。  経済企画庁長官にお伺いをしておきたいと思います。  公共料金の値上げが非常にいつも問題になるわけです。それは、競争原理が働かないということでいろいろ海外との公共料金の比較も出るわけでございますけれども、情報公開がもっときちっとなされたらいいがなという非常に国民の要望もございます。政府は、平成五年以来これらのあり方についても協議をしておるようでございますけれども、なかなか見えてこないわけでございましで、物価の情報を含めまして、今後のガイドラインの策定についての御決意をお伺いしておきたいと思います。

高村正彦自由民主党経済企画庁長官

○高村国務大臣 おっしゃるように、公共料金についての情報公開というのは極めて大切なことである、こういうふうに考えております。  村山内閣におきましても、公共料金についての取り扱いの基本方針というのを先般定めたところでありますが、情報の公開という独立の項目を設けまして大変重視をしているところでございます。  これからも、主管省庁あるいは各事業体に情報の公開をお願いしてまいると同時に、経済企画庁としても積極的に情報の公開に努めてまいりたい、こういうふうに思っております。  来年度につきまして、公共料金全般についての情報を提供をするために、そういうハンドブック的なものをつくりたいということで予算要求をしたい、こう考えているところでございます。

川島實改革

○川島委員 次に、厚生省の審議官ですか、厚生委員会が開かれておりますので大臣が出られないということでございますが、アメリカからも年金積立金等の金融の運用についての規制緩和が求められております。  農林年金一兆六千億円余、地方公務員共済年金二十三兆九千億円余、私立学校教職二兆円余、国家公務員六兆六千億円余、厚生年金、国民年金関係が百三兆七千億円余、これらが今後海外の運用についての窓口が、あけることができるのかどうか、この一点だけお伺いしておきたいと思います。

近藤純五郎厚生省年金局長

○近藤(純)政府委員 公的年金の運用についてのお尋ねでございますが、公的年金の積立金の自主運用につきましては、運用の効率化を図るという観点から、運用方法の改善につきまして私どもは非常に望ましいというふうに考えているわけでございまして、先般成立いたしました年金法の改正におきましても、国債の貸し付けでございますとかあるいは厚生年金基金の運用につきまして、基金の、今まではいわゆるニューマネーだけが対象であったわけでございますけれども、基金の総資産の三分の一まで投資顧問業者を活用した自主運用の対象にする、こういう体制ができたわけでございます。アメリカからの要求は別にいたしましても、今後とも厚生省といたしましては、公的年金の積立金等の運用の効率化、こういう観点から、必要な運用の改善につきまして私どもとしてお願いをしてまいりたい、こういうふうに考えているわけでございます。

川島實改革

○川島委員 今床屋さんが、営業時間だとか休日が組合の規制がなくなって自由にやれる、こう言って喜んでいるわけですよ。食品分野でも、厚生省、いろいろ規制が非常に多い分野でございまして、海外からもこれらの規制緩和が求められてきておると思いますので、しっかりとひとつ対応をお願いをしておきたいと思います。  最後に、農林水産大臣に、私、ずっと今までの討論を聞いておりまして、まだ私の腹におさまらない点が一点だけあるんです。  それは、海外から安い輸入米が買われておるわけですね。おのおのの国の国柄もいろいろデータとして私ども手に入れているわけですけれども、今後どういう国からこういう割り当てをして入るのかということがまず一点。それから、お金の、利益が上がった分がちっとも消費者に還元されない。これから五年の間全然還元されずに、全部農林水産の省庁の予算に特別会計で使われていくのかどうか。これらも含めて、本当に米の値段が、国産米じゃなくて輸入米は安くなるのかどうか。本当に差額が全部国民に還元されるのかどうか。わかりやすくひとつ御答弁いただきたいと思います。

大河原太一郎自由民主党農林水産大臣

○大河原国務大臣 輸入先国については、まだ予定されるような、特別なことを申し上げることはできないわけでございまして、ミニマムアクセスの門戸を開いた際に、それぞれの輸出先国のオファーがございまして、それに基づいてミニマムアクセスの米を受け入れるということでございます。  それから、第二点の輸入差益の問題については、これはいかにすべきかという議論はいろいろございますが、やはり農政審議会の報告等も、ミニマムアクセスに伴う差益は消費者、国民全体の利益になるんだから備蓄の経費に充当しろという提案もございまして、今回提案の法律の中にも、備蓄経費に充てるということにいたしまして、御理解を願いたいというふうに思っております。

川島實改革

○川島委員 ぜひひとつ、安いお米が入ってくるわけですから、その分だけ、海外との物価の内外価格差の問題からいってもぜひ安く輸入米だけは供給ができるように御検討をいただきたいと思います。  なお、各省庁の皆さんには、非常に規制緩和、これからたくさんほかの委員会でも出てくると思いますが、ひとつ十分なお取り組みを、外務省だけが旗を振って頑張っておるんじゃなくて、ひとつ御検討いただくことをお願いをいたしまして、質疑を終わりたいと思います。ありがとうございました。

中川昭一自由民主党

○中川(昭)委員長代理 次に、藤田スミ君。

藤田スミ日本共産党

○藤田委員 厚生大臣に最初にお伺いすることになっております。よろしゅうございますね。  私は、きょうはSPS協定についてお伺いをいたします。  この協定の最初には、基本的な権利及び義務が規定されています。そこには、「加盟国は、人、動物又は植物の生命又は健康を保護するために必要な衛生植物検疫措置をとる権利を有する。ただし、衛生植物検疫措置が、この協定に反しないことを条件とする。」と規定されているわけであります。つまり、国家が国民の命または健康の保護を行うことは、その国の主権そのものであって、ガット協定で規定されるものではないはずであります。ところがここにはそういうふうに書かれている。その権利の行使がガット協定に反しない限りであるという規定は、これは国家の基本的な主権を制限するものではないですか。もしこの協定が一層拡大されていくなら、国家の国民の命を守る権利は著しく制限され、一方国民は、国民の手の全く届かない国際機関の協定にみずからの命をゆだねるということになるわけでありまして、そんな恐るべき事態をこの協定は可能性として持っているわけであります。  この問題は、アメリカを初め世界各国で大きな問題になっています。日本政府は、なぜこのような、国民の根本的な主権である命と健康を守る問題について主権制限を認められたのか、まずお答えをいただきたいのです。

井出亜夫経済企画庁物価局審議官

○井出国務大臣 この協定は、加盟国が国民の健康確保のために必要な措置をとることを制限するものではありませんで、この点は同協定の前文においても確認されておるはずであります。  同協定の前文、冒頭でございますが、こう書いてあります。「加盟国は、いかなる加盟国も、同様の条件の下にある加盟国の間において恣(し)意的若しくは不当な差別の手段となるような態様で又は国際貿易に対する偽装した制限となるような態様で適用しないことを条件として、人、動物若しくは植物の生命若しくは健康を保護するために必要な措置を採用し又は実施することを妨げられるべきでない」云々であります。  食品の規格基準の国際調和についても、食品の安全に関する国際基準は消費者の健康の保護を目的としたものでございます。また、科学的に正当な理由がある場合においては、国際基準よりも厳しい措置をとることもできるようになっております。したがいまして、この協定の締結は、我が国が食品の安全確保のために必要な措置をとっていく上で何ら支障を及ぼすものではないと考えておるところであります。

藤田スミ日本共産党

○藤田委員 そんな簡単な問題ではないんです。SPS協定の中心は、ハーモナイゼーションの原則、調和化の原則、これがうたわれています。はーモナイゼーションの原則によって、各国は可能な限り食品安全基準や動植物防疫などの基準として国際基準を採用するということが義務づけられているわけであります。そして、この協定には、国際基準への調和化を推進させていくためにさまざまな仕組みが設定されています。例えば、衛生防疫措置委員会がWTOに設置され、国際基準の受け入れ状況の監察を行い、また、加盟国が国際基準を採用していないときは、その理由を公示させ、さらに国際機関に審査を要請する権限を有し、また科学的正当性ということについても、それが紛争対象になることを十分想定して、紛争当事国と協議の上、選定した専門家の勧告を求めるべきであるという規定も設定されているのです。  結局、科学的正当性というその主張は大変な困難を伴うことになるわけでありまして、国際基準の採用に進んでいくことは必至であります。さらに、紛争処理で設置されたパネルの結論次第では、日本は、日本の方が科学的正当性があると言ってもそれが通用しない、そういうことが十分あるわけであります。その点はいかがですか。     〔中川(昭)委員長代理退席、委員長着席〕

小林秀資厚生省生活衛生局長

○小林(秀)政府委員 委員の御指摘の基準の関係でございますけれども、SPS協定には、科学的正当性のある場合においては国際基準よりも高いレベルの保護水準をもたらす措置を採用することができるというふうに書いてございまして、科学的正当性として我々が考えていますことは、例えば日本人はお米は西欧人に比べると大体十二倍程度食べるわけでございますし、あとリンゴでもミカンでも、それぞれたくさん食べているわけでございます。  そもそも食という、食べるということ自体はその国の文化に大きく影響されているわけでございまして、それは立派な、正当な理由でもって、お米をたくさん食べる者はお米についての基準は厳しくなるというのは、私は十分相手の国でもまた国際機関でも御了解いただけるものと思っております。万が一、今先生がおっしゃられましたように、相手側が承認しないという話になりましたときには、このSPS協定にあります後の委員会等でこれから議論をしていくということになろうと思っております。  いずれにいたしましても、残留農薬と申しますのは、その物質の一日最大摂取許容量ですか、ADIがありますが、その値を超すということではその国の国民、日本の場合でしたら日本の国民の健康が守れないわけでありまして、そのことについては間違いなくよその国も国際機関も御理解いただけるものと確信をいたしております。

藤田スミ日本共産党

○藤田委員 私はそういうふうにおっしゃるだろうなというふうに思っていたのですよ。しかし、例えば今おっしゃったような議論をしていただくのだ、科学的正当性があるのだということで議論をしていただくのだ、こういうことなのですが、それ自身が紛争処理規定の基本から大きく今度は変わりましたよね。これまでは全会一致でないとパネルは設置できなかった。ところが、これからは一国が提訴すればパネルを設置できる。そこが大きく変わりまして、一々に科学的正当性ということをあなた方はにしきの御旗に振りかざすつもりでしょうが、それはもうあなた方、そのたびに大きく振り回されるような状態になる、そのことはもう間違いはないのです。大きく変わっているのです。だから、皆さんがおっしゃるようなにしきの御旗、科学的正当性というのは、実はそのことそのものが通用しなくなったのが今度のこの協定なのだ、SPS協定なのだということを、私は皆さんがもっとはっきりおっしゃるべきだと思うのです。  そのことを皆さんは十分認識しているから、SPS協定を批准もしていないのに、他方でどんどん国際基準、つまりコーデックス基準を採用していっているではありませんか。新たな設定を進めている残留農薬基準の八二%はポストハーベストを前提にした国際基準ですよ。消費者、国民はそんなポストハーベストまみれの残留農薬基準など決して願っていません。ところが、そうした国民の声と反対の残留農薬基準を設定することを義務づけていることは、これは明らかに主権侵害と言わなければならないわけであります。一体、SPS協定が批准されたらどうなるか、本当にそら恐ろしい思いがいたします。  国際基準、つまりコーデックス食品規格のことですが、それはFAOとWHOの合同食品規格委員会が策定をするわけでありますが、それは、食品産業の奨励のための国際的な機構、相反する衛生及び植物検疫上の基準による非関税障壁の除去を通じて国際貿易を促進するという面でのコーデックス委員会の基準の重要な役割であると、これはWHOの中島事務総長が率直に述べられているわけです。つまり、食品多国籍企業の国際食品流通の促進をその大きな目的にしているわけであります。このような国際食品流通の促進を目的とする国際食品規格は、多くの点で日本の食品安全基準と異なるものになっていくのは当然のことであります。  少し長くなりますが、もう少し聞いてほしいのです。  食品安全基準については、食品流通を促進する目的で極力基準は低く、低くというのか緩やかに設定されています。残留農薬基準は、もう先ほども指摘しましたが、ポストハーベストが行われるということを前提にした基準になっているわけです。食品添加物について見れば、現在国際食品規格で定められている食品添加物は三百三十一品目ありますが、そのうち日本が食品添加物として認めていないものが七十九品目も存在しています。  さらに、食品添加物の使用基準についても、一々に例を挙げることができませんが、ごく身近なところで見ますと、例えば食肉製品の発色剤として使われている亜硝酸ナトリウムや硝酸カリウム、硝酸ナトリウムの使用は日本でも認められてはいます。しかし、生協などは、亜硝酸ナトリウムが魚肉などのアミノ酸と結びついてNニトロソアミンという発がん物質をつくり出すおそれがあるために、発色剤無添加のハムをつくる、もうそういう添加物は使わない、そういうハムをつくってきました。ところが、コーデックス基準、国際基準では、ハムの保存料としてこの亜硝酸ナトリウムなどの使用を認めている。しかもその水準は、硝酸カリウムは日本の七倍、硝酸ナトリウムも日本の七倍、亜硝酸ナトリウムは日本の一・七八倍、大変に多くの使用を認めているわけであります。  チーズについていえば、日本では食品に抗生物質を添加してはならない、こうなっているのですが、国際基準ではチーズの保存料として抗生物質ナイシンの含有を認めています。  もう一つ言いますが、日本では、臭素酸カリウムは発がん性が確認されたために、パンには使うけれども、最終食品の完成前に分解または除去することを前提ということで一定の基準を定めているわけです。これに対して、コーデックスの基準を見ますと、小麦粉処理剤として臭素酸カリウムの使用を認めておりまして、しかもその基準は日本の基準の一・六六倍、また最終食品の完成前に分解あるいは除去という規定は全くありません。つまり、コーデックス基準でいけば、小麦粉製品にはパンに限らずスパゲッティやマカロニにも臭素酸カリウムが残留するということになるのです。  ジャガイモ、これの発芽防止にしか食品への放射線照射は一切認めていない日本に対して、コーデックスの方は、すべての食品に対して平均十キログレイの線量であるならば放射線照射を認めてもいい、こういうことになっているのです。  残留抗生物質はどうですか。残留ゼロ基準を日本は定めています。しかし、それも残留しても構わない、こういうことになっているわけであります。  このように、国際食品規格への調和化というのは、いや応なく日本の食品安全基準を大きく切り下げていく、そういうことは必至だと考えますが、大臣はどう聞かれましたか。

小林秀資厚生省生活衛生局長

○小林(秀)政府委員 今コーデックス委員会の細かい数値のお話をまず申されましたのですが、ちょっと今私どもの方に細かい資料を持っておりませんので、その数値がどうか確認できませんけれども、コーデックス委員会も、世界の学者が集まって、それぞれの国民のこと、健康のことをみんなが考えて数値をつくっていらっしゃるわけでありまして、何も国民の健康を度外視してそういう水準をつくっているわけではありません。詳しくデータを見ていかないと厳密に申せないかもしれませんけれども、その出てきた基準と日本の基準をあわせて、そして日本の特殊事情を説明できると私は確信をいたしております。

藤田スミ日本共産党

○藤田委員 あなたの確信じゃ日本の消費者は確信を持つことできないのですよ。例えば、臭素酸カリウムの基準にしても、日本で発がん性が確認される前はコーデックスの基準と同じだったのです。しかし、厚生省は、これでは発がん性が残るということで、三十ミリグラム・パー・キログラムというその基準に改めたのです。しかし、国際基準は今でも五十ミリグラム・バー・キログラムということで、その基準をそのまま使っているじゃありませんか。つまり、これでは発がん性が残るというその基準を今でも使っているじゃありませんか。あなた方はそういうことをもっと本当に率直におっしゃるべきだというふうに私は思うのです。これは体づくりにかかわる問題です。もう一度、大臣、お答えください。

井出亜夫経済企画庁物価局審議官

○井出国務大臣 先生御指摘の数値につきましては、私、申しわけございませんが、どうも正確なところを把握しかねております。ただ、先ほど担当局長が申し上げましたように、私どもは、食品の安全に関する国際基準は消費者の健康保護を目的としてつくもれる、こう考えておりますし、また、この協定の中で、科学的に正当な理由がある場合には国際基準より厳しい基準を日本は日本として採用をし得るということがございますから、そういう点はきちっと、そういう場合には厳しい基準を守っていかなくちゃいかぬ、こう思っております。

藤田スミ日本共産党

○藤田委員 それじゃ、この協定の言うはーモナイゼーションの原則というのは一体とないなるんですか。日本が協定を批准してもハーモナイゼーションの原則というのは日本はもう守れないということを最初からおっしゃるのだったら、そういうふうな原則を掲げたこの協定は批准できないということになるじゃありませんか。  いいです。私、ちょっと大臣に見てもらいたいのです。これ、何かおわかりですか。これはコーデックス委員会の食品規格の全文です。大臣、ごらんになったことおありですか。

井出亜夫経済企画庁物価局審議官

○井出国務大臣 膨大な英文のあれだということだけは聞いておりますが、直接は見ておりません。

藤田スミ日本共産党

○藤田委員 それは本当に困るのですよ。これを一つ一つ見たら、私はこういう科学に何も強いのじゃないのです。ただ、子供の健康を考える立場から、一生懸命勉強しようと思って、こういうさっきから難しい言葉をいっぱい使っているだけなんです。だけれども、大臣は一国の厚生大臣として、コーデックスの規格は一体どうなっているか、それくらいのことは勉強して、そしてこの協定を受け入れるべきかどうかということをやはり判断されるべきです。  それから、外務省にお願いしたいのは、私がお願いしたら英文全文を送ってきてくださいました。確かに、こんなにたくさん送ってきてくださいました。全部英文なんです。これじゃ、本当にすぐさま役に立たないです。一々そんなことしていたら、この審議ずっと、いや長くかけろと言うのだったら結構ですよ。だから、直ちに、私はこれの翻訳文の資料の請求をお願いしたいわけであります。大臣、いかがですか。わからないで審議するということになります。

小林秀資厚生省生活衛生局長

○小林(秀)政府委員 WTO協定は、国際的な機関で定められた食品の国際基準と各国の食品の規格基準との調和を図っていくという原則についての合意を図ろうとするものであります。個々の国際基準自体の合意を図るものではないと解釈をいたしております。したがって、個別の食品について、専門的、技術的な基準を子細に記載している国際基準そのものの日本語訳をお示しする必要性はないと考え、現に日本政府では今訳したものはございません。  それから、もう一つつけ加えて、先ほどの先生の御質問に補足させていただきますと、残留農薬のデータをちょっと持っていますのでお話し申し上げますと、従来でも、食品の残留農薬を定めるときにはコーデックス委員会のデータを参考にいたしております。そして、現在でも、日本の百三農業について残留農薬基準がつくってありますが、それでコーデックス委員会の基準と比較をしてみますと、約六六%のものがコーデックス委員会と同じデータを使っております。といいますのは、厚生省の大臣の諮問機関であります食品衛生調査会がよく吟味をして、六六%のものはコーデックス委員会の値をそのまま使っております。それで、二〇%については、先ほど私が申し上げましたように、お米だとかミカンだとかリンゴだとか、そういう日本の特殊事情を考慮いたしましてそれより厳しい基準をつくっておるというのが現状でございまして、これまでもコーデックス委員会というもののデータを見ながら日本の基準をっくってきたということから見て、私どもは、コーデックス基準が、先生がおっしゃられるような、お持ちのようなイメージのものではない、そのように思っております。

藤田スミ日本共産党

○藤田委員 ここではそんなごまかしを言えば通用すると思っていらっしゃるかもしれませんが、それは重大なごまかしです。現にあなたは今、六六%が残留農薬基準に合致するものになっているんだ、参考にしてきたからとおっしゃいますが、新たに決められた基準が、その八二%まで国際基準に合致させたものであるという数字を単純に見てもそうじゃありませんか。  それから、私はぎょう、委員の皆さんに資料として「コーデックスを斬る!」という、こういう資料を配付させていただきました。これは非常に膨大な資料でありますけれども、「ガットが提唱している食料の自由貿易体制は、やがて自分や子供の足元に火がつくほどの大きな問題をはらんでいるから」ということを最初に書きまして、そして「基準作りに誰が参加しているのか、だれの利益が反映されやすいのか、いちばん影響を受けることになる消費者の知らない間に何がどのように決められるのか。」そのことがこのコーデックス委員会に参加をする面々の顔ぶれを見てもかいま見ることが十分できるという、そういう文言をつけながら、中身は極めて客観的に、コーデックス委員会の総会あるいはFAO、WHO合同残留農薬部会あるいは皆さんがよく言われるFAO、WHO合同残留農薬専門家会議、そのメンバーについてずっと客観的に示しておりますので、委員の皆さんもぜひこれを読んでいただきたいわけであります。  そもそもその専門家会議といいますのも、アメリカ政府の意向を強く反映した内容のもので構成されていることは、ずっとそのメンバーの経緯を見ても明らかです。  それから、合同残留農薬部会やコーデックス委員会の総会に参加をするメンバーを見ていきますと、これが規格策定の中で、政府のアドバイザーとして、あるいは国際オブザーバーとして、多国籍企業が参加をし、そしてオブザーバーとしての発言が認められているわけであります。このコーデックス委員会というのは、一国に一票持たせてはおりますが、原則はコンセンサス方式をとっておりますので、極めてそこにおる者の発言力は強いわけです。したがって、この参加状況を見ていただくと、一体だれの利益が最も反映されやすいか、だれが参加しているかということに実は愕然とする思いがいたします。  これは私だけが言っていることではないのです。世界的に実は大問題になっています。イギリスで最も権威のある食糧研究所のジェームズ教授は、こういうふうに九〇年のWHOのセミナーで述べておられます。「コーデックス委員会は、食品企業に独占されている。コーデックス委員会に権限を与えることは、過去五十年間の食料・栄養分野の進歩をすべて捨てるに等しい。」こういうふうに述べておられるわけであります。  こんな状況の中で策定される国際基準に日本の食品基準も極力調和化させろ、そういうことになっているのです。そして、調和化をどこまで進めているかということも、さっき紹介しましたように、極めて厳しく縛りをかけていく仕組みもとっているじゃありませんか。それなのに、いつまでもいつまでも、あなた方は国民をごまかすようなことを言うのは許されないことです。結局、日本の食品安全基準を多国籍企業の利益のために従属させてしまう、そういうことになりはしませんか。私は、今度は大臣の御発言を求めます。

井出亜夫経済企画庁物価局審議官

○井出国務大臣 コーデックス委員会には各国の政府から代表及び代表代理が出席しておりまして、その代表が政府としての意見を表明することになっております。先生御指摘のような、企業の技術者がアドバイザーとして参加する場合もございますが、これは、政府がその立場を主張していく上でこれらの技術者が有している食品の加工、保存技術、流通実態等についての専門知識を活用するためであって、あくまで政府代表団を技術的に補佐するものであり、みずからの意見を表明することはできないことになっております。したがいまして、御懸念のような、企業、多国籍企業ですかが委員会の検討を左右するようなことはない、こう考えておるところであります。

藤田スミ日本共産党

○藤田委員 本当にもう少し大臣、お役人にだまされないように、よくみずから勉強してみてください。  政府のアドバイザーということで、確かに技術委員の資格で、そして日本食品添加物協会という肩書をつけて、九一年、八九年に味の素がともども参加しています。日本国際酪農連盟、九一年は明治乳業です。そして、日本食品衛生協会という肩書で、これも政府アドバイザーということで、九三年は味の素が二人行っています。全国輸入食品安全推進協会、九三年は雪印と味の素が行っています。これはコーデックス委員会の総会に行かれたわけです。まだいっぱいここにありますよ。なぜか日本の代表ということで、政府とくっついてネッスルなども行っていますからね。合同残留農薬部会にも、これもクミアイ化学工業、日本曹達、武田薬品というような企業が、この五年間、環境庁や厚生省、農水省のお役人、担当者と一緒に参加をしておられるじゃありませんか。発言ができない、そんなことはもう本当に子供だましにも似た言い方であって、発言はできるのです。総会でオブザーバーもちゃんと発言できるのです。そして、大いにその発言力を利用して、それこそ企業の、多国籍企業の利益を誘導する形になっているのです。  だから、私の知り合いの、どなたとは言いませんけれども自民党の議員も、あれは談合だと、私はまことにこの方は鋭いところを見ていらっしゃるなというふうにお聞きをしたわけでありますが、自民党の議員の方もそういうふうに率直に、こういう問題を知れば知るほど、思わず、そういうことをおっしゃるわけです。大臣ともあろう方が、そういう言い方で、あくまでも心配ない、心配ないと言って、国民の命と健康、とりわけ子供の体づくりにかかわるこの問題をそういう扱いをされることに、私は本当に大きな憤りを感ぜざるを得ません。  この問題は、次の機会に、さらにもう一度皆さんと議論をしていかなければなりませんが、まさに私は、大げさに言えば、もう人類始まって以来の驚くべき主権侵害、その国の国民の命を守るその政府の権限を取り上げられていくという、そういうものだということを申し上げて、最後に、もう一度大臣の見解を求めておきたいと思います。

井出亜夫経済企画庁物価局審議官

○井出国務大臣 先生、何かこのコーデックス委員会が悪徳な、何か大企業の言うがままになるような御見解でありますが、我々はそうは考えておらないということと、少なくとも日本政府の代表は、例えば第二十回、昨年は私ども厚生省の生活衛生局の森田君であります。私は森田君を信じておりますから、だまされたというようなことはないと思っております。

藤田スミ日本共産党

○藤田委員 次のときに議論しましょう。よく調べておいてください。  終わります。

佐藤孝行自由民主党

○佐藤委員長 藤田君の質疑は終了いたしました。  次回は、来る十一月二十八日月曜日午前十時公聴会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時三十七分散会

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