規制緩和に関する特別委員会 第3号
- 発言数
- 77 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1994/11/02
会議録
○後藤委員長 これより会議を開きます。 第百二十九回国会、内閣提出、参議院送付、許可、認可等の整理及び合理化に関する法律案を議題といたします。 本案は、第百二十九回国会において原案のとおり可決し、参議院に送付いたしましたが、同院において継続審査とされ、このほど原案のとおり可決され、本院に送付されたものであります。 したがいまして、その趣旨につきましては既に御承知のことと存じますので、この際、趣旨の説明を省略いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○後藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。 許可、認可等の整理及び合理化に関する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○後藤委員長 本案につきましては、質疑及び討論ともに申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 許可、認可等の整理及び合理化に関する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○後藤委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○後藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○後藤委員長 次に、規制緩和に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。輿石東君。
○輿石委員 私は社会党の輿石東でございます。 与えられた時間が三十分ということですので、最初に大臣にお伺いをしたいと思いますけれども、政治改革、行政改革、税制改革というような言葉を聞かない日はないほど、規制緩和の問題は現在大変な政治の重要な課題であるというふうに思います。 これまでも、昭和五十八年の臨調第五次答申や六十年に開かれました第一次行革審、さらにはこれを挟んだ形で前川レポート等の提言以来、既にこの問題につきましては十年以上にわたって論議をされ、その都度その必要性も強調されてきているところでありますけれども、そして今、村山内閣が発足して四カ月、去る九月二十二日には行政改革本部長であります総理みずから、この問題、規制緩和推進計画の取りまとめを指示しているというふうに思うわけであります。村山政権における最重要課題であることを内外に明らかにしたと見てもいいと思うわけであります。今こそ我が国のこれまでの経済社会の枠組みを根本から見直して、活力ある経済社会を実現していくためには、何としてもこの規制緩和を強力に推進していかなければならないということは、お互いに認識し会えておるのではないかというふうに思います。 そこで、きょうまでこの四カ月大変御尽力をいただいております山口大臣の方から、これまでの規制緩和の推進状況と、今後どのような決意でこの問題に取り組まれていかれるのかも含めて、規制緩和推進に対する基本的な御認識や考え方について、まずお伺いをしたいというふうに思います。
○山口国務大臣 お答え申し上げます。 輿石委員御指摘のとおり、村山内閣といたしましては、行政改革が最大の政治課題である、このように認識をいたしております。また、村山総理も、折に触れましてそのことを強調いたしておる次第でございます。 言うまでもなく、規制緩和は、我が国経済社会の透明性を高めまして国際的に調和のとれましたものにいたしますと同時に、自由で創意工夫にあふれた経済社会を築き上げるために、ぜひとも取り組まなきゃならない重大な課題だというふうに認識をいたしております。 村山内閣が発足いたしました七月、二百七十九項目の規制緩和策を発表いたしました。これを含めまして、今日まで約千事項の規制緩和策を決定をいたした次第でございます。 今後ともこの問題に懸命に取り組みますために、十月中に内外の規制緩和に対する要望事項を取りまとめまして、十一月には総理大臣が本部長でございます行革推進本部を開催をいたしまして、国内の関係の皆さん方はもとより、アメリカあるいはEU等の経済人の方もできればお招きをいたしまして、内外からの広い要望を総理大臣が本部長であります行政改革推進本部において直接聴取をいたしたい、こういうことも計画をいたしております。また、具体的には、民間の専門委員を含めました規制緩和検討委員会も設置することにいたしまして、専門的立場からの御検討もいただき、年度内に今後五年間の規制緩和推進計画を取りまとめたいと考えております。 こういったスケジュールにのっとりまして、規制緩和につきまして、村山内閣として積極的に取り組む決意だということで御理解を賜りたいと存じます。
○輿石委員 大臣から、これからの取り組み、大変具体的にお話しをいただいたわけでありますけれども、大臣のお話の中にもありました、村山内閣においても今回の規制緩和措置二百七十九項目を含めて千を超える項目について取り組んできているし、これからも取り組むという決意も話されたところであります。 そこで私は、現在確認されております許認可等による公的規制と言われるものだけでも、総務庁の平成五年の三月末の調査でしょうか、一万一千四百二件に上っている、こう聞いておるわけですけれども、この許認可数の一方を超えるというこういう現状と、総務庁としてこれらの把握した許認可の内容を国民の前に明らかにしていくことが何としても必要だろう、こう思うわけであります。今までも取り組んでおられるやにも思いますけれども、国民の前にこういう問題について明らかにする手だてにつきまして、やっているとしたらどのような方法でやっておられるのか、また、なぜ規制緩和の中で許認可だけを対象として現状把握をされているのか、その辺についてお伺いをしたいと思います。
○田中(一)政府委員 お答え申し上げます。 今先生がおっしゃいましたように、昨年三月末の許認可等の総数は一万一千四百二件でございます。これは、昭和六十年十二月末時点で初めて政府として統一的な把握を始めまして、以来毎年やっておるわけでございますが、現在、今おっしゃるように一万一千四百二件となっている。省別には、多いところから申し上げますと、通産省が千九百八十六件、運輸省が千八百九十三件、農水省が千四百二十七件、大蔵省が千三百八十七件、厚生省が千二百二十一件、こういうことになっております。 これを許認可の強弱で見ますと、強いものと弱いもの、弱いといいますのが届け出とか報告等でございますが、大体半数、報告等が五千九十八件ということになっております。 ただいま公表のことをおっしゃいましたけれども、私ども第一回の統一把握以降、把握の結果につきましては公表しております。特に、昭和六十三年に閣議決定されました規制緩和推進要綱というのがございますが、ここで、許認可等の実態把握の結果を毎年度公表するに当たっては国民の理解しやすい内容の資料を作成するということにされましたことから、毎年三月末現在で把握しました許認可等の件数、その増減の状況など、統一的な把握の結果の概要をできるだけわかりやすくまとめましてマスコミに公表し、国会に配付しますとともに、御要望に応じて各種の団体にも配付しておるところでございます。 それから、把握した許認可を一覧にしましたいわゆる許認可等現況表、これはいわゆる許認可台帳というものでございますが、相当分厚いものでございますけれども、これも国会と各方面に配付しますとともに、当庁の文書閲覧窓口においても国民の閲覧に供しておるところでございます。 それから、先ほどおっしゃいました、今許認可等だけを把握しておる理由はどういうことだ。これは、言ってみれば沿革的な問題がございますけれども、昭和六十年七月の第一次行革審の答申で、許認可等の定期的見直し、それと新設抑制を推進していくための基礎資料を整備しなさい、そういう観点から、許認可等の実態を統一的に把握すべきである、こういう提言がなされました。これを受けまして、六十年の九月と十二月の行革大綱、これは閣議決定されたものでございますが、この行革大綱で、総務庁が各省庁の協力を得まして許認可等の実態の統一的な把握を行うことにされましたので、ただいま申し上げたような許認可等の件数、増減状況等を公表しておるものでございます。 それで、公的規制といいますのは、おっしゃるように許認可等のほかにも、営業停止命令等の行政機関の一方的処分、あるいは営業の範囲の制限等の不作為義務等々が考えられますが、六十年七月の行革審答申では、国民負担の軽減を図るということに重点が置かれたこともございまして、申請を要する許認可等においてその実態を把握すべきであるという援言がされたものとして私どもは理解しております。 それで、そのほかの不作為義務でありますとかあるいは作為義務等々、今申し上げましたように規制緩和、規制というものを広くとらえると非常に広範囲で把握自体も容易ではございませんけれども、それを把握しようとする場合には、まず一つは公的規制の範囲をどうとらえるか、給付行政あるいは行政契約等の取り扱いをどうするかという問題がまずございますし、また二つ目には、把握すべき公的規制の範囲をどうするのか。これは、例えて言えば行政指導、条例等の取り扱いをどうするかという問題でありますけれども、それから三つ目に、規制事項の数え方をどうするのか等々検討すべき課題が非常に多うございまして、また膨大な作業にもなります。 そこで、私ども行政監察局としましても、御指摘の点につきましては、これは第三次行革審の最終答申でも、規制緩和は、今御指摘のように、今までの許認可等だけではなくて、なお広く把握すべきなのではないか、現在やっておる許認可等の総数把握だけでは十分ではないのではないかというふうな御指摘もいただいておるところでございますので、従来の築き上げてきましたノウハウ等も踏まえながら今後勉強してみたいと考えております。 少々長くなりましたが、失礼しました。
○輿石委員 今御説明をいただいたわけですけれども、どうもちょっと御説明を聞く中では、じゃ公的規制とは一体何なのか、それから、規制緩和を推進するに当たって、まずどのような考え方で、またどのような手順で推進をしていくのか、こういうことが大変重要になってくるわけであります。私は、推進していく手順とその基本的な考え方が明確にならなければ、その真の意味の推進もあり得ない、こういうふうに理解できるわけであります。 そこで、規制緩和推進に対する基本的な考え方や視点、そういうものを総務庁ではどのようにとらえているのか、その前提として、今公的規制の範囲というような問題も出されましたけれども、もう一度、公的規制とは一体どのように定義をされているのか、その点についてお答えいただきたいと思います。
○陶山政府委員 まず公的規制の意義というお尋ねでございますが、これについて法令上特に定義があるわけではございません。一つの手がかりとして申し上げますならば、六十三年十二月に行革審から「公的規制の緩和等に関する答申」という大変まとまった答申が出ております。その中で「公的規制は、一般に、国や地方公共団体が企業・国民の活動に対して特定の政策目的の実現のために関与・介入するものを指す。それは許認可等の手段による規制を典型とし、その他にも許認可等に付随して、あるいはそれとは別個に行われる規制的な行政指導や価格支持等の制度的な関与などがある。」という表現がございます。これを具体的に先ほど行政監察局長から御説明を申し上げたわけでございますが、この公的規制全体について、つまり全体像について把握するということにつきましては、先ほどの監察局長の説明にもありましたように、その範囲とか件数の把握の仕方等々について技術的になかなか難しい問題があるということであろうと考えております。 次に、規制緩和推進に当たっての基本的な考え方、視点というお尋ねでございます。 これにつきましては、先ほど山口大臣からお答えを申し上げたことにある意味で尽きるわけでございますが、経済的規制については原則自由・例外規制、社会的規制については本来の政策目的に沿った必要最小限のものとするということが、行革審の答申に基づいた政府としての、閣議決定を経た基本的な考え方ということでございます。 そこで、こうした基本的な考え方に基づきまして、従来、一つは、内外への透明性の向上と国際的調和を図るということ、二つ目に、中長期的に自己責任原則と市場原理に立った経済社会を実現するということ、三つ目に、国民の負担軽減や行政事務の簡素化を図ること等々を目的に規制緩和を進めていくということでございます。 視点として申し上げるならば、国民生活の質の向上とか、新規事業の創出とか、消費者の選択機会の拡大とか、内外価格差の縮小といったことを視点として、これまで政府としていろいろな具体的な緩和策を推進してきたところでございます。
○輿石委員 今、公的規制の定義といいますか、考え方を述べていただいたわけですが、六十三年十二月の行革審の答申で説明をされているその文言を引用されたというふうに思いますけれども、そこで、特定の政策目標の実現のために国や地方公共団体が関与・介入するもの、そういうふうに定義づけていまして、それは許認可等の手段による規制というものが典型の形になっているという話もありました。 それで、その他に付随して出てくる問題として行政指導や価格支持というような問題もあるんだ、ぞうお話をいただいたわけですけれども、この行政指導や付随して出てくると言われる価格支持という範囲までは今回の規制緩和措置の中には入っていないのか、いるのか、その点について。
○陶山政府委員 先ほど大臣から申し上げましたように、この一年間で約一千事項にわたる個別具体的な規制緩和のアイテム、項目について具体的な方針を決定いたしました。廃止、緩和、合理化、あるいは今後の検討の方向を決定するというように、その内容はさまざまでございますが、それらの中には、根拠として法律に基づくもの、政令に基づくもの、省令に基づくもの、告示、通達に基づくもの、さらには、ただいま先生御指摘になられました行政指導に基づく規制というものも含まれておりまして、実務の観点で申し上げますと、今後ともに、根拠いかんにかかわらず、広く公的規制と言われるものについての具体的な緩和策を検討し、実施してまいりたいというふうに考えております。
○輿石委員 公的規制の定義というか範囲というのもおのずから見えてきたように思うわけですけれども、先ほど御説明の中に、やはり公的規制の中に経済的規制と社会的規制があると。これはよく言われることで、経済的規制、その基本的な推進の考え方とすれば、原則自由、特例規制、そして社会的規制も必要最小限にとどめるという基本的な考え方でこれを推進していくということまでは理解できるわけです。 そこで次に、この経済的規制と社会的規制の分け方、区分はどのような考え方で、先ほど定義もありましたけれども、分類を行っているのか。その点について、確認の意味でもう一度お尋ねをします。
○陶山政府委員 これにつきましても、文字どおり公的な定義と申しますか正式な定義があるわけではございませんが、申し上げましたように、行革審の六十三年の答申を手がかりとして申し上げますならば、経済的規制は、個々の産業への参入、設備投資、生産数量や価格等を直接規制することにより、消費者の利益と産業の健全な発展を図ろうとするものである。一方、社会的規制は、消費者や労働者の安全の確保、環境の保全、災害の防止等を目的とするものというふうに表現をされているところでございます。 ただし、何が経済的規制で何が社会的規制に当たるのかということにつきましては、個々具体的に検討する必要があろうと思いますが、一般論として申し上げますならば、裁然と分類できないという性格の規制も存在するであろうというふうに考えております。
○輿石委員 したがいまして、その区分も法令上きちんとした公的規制の定義もない。そして、厳密に言えば社会的規制、経済的規制の厳密な区分もなかなか難しい、そのとおりだろうと思うわけであります。よく言われることに、経済的規制としてその政策目的を既に失って、経済発展にむしろ阻害になっている状況を起こしているからこそ規制緩和が必要で見直しが必要だと、そういうことでこの推進計画も出てくるだろうと思うわけであります。 そこで、例えばタクシー事業に対する論議が運輸省あたりで、運輸委員会等で大変盛んに行われるわけですけれども、最初に利用者の安全確保という目的で出てきたタクシー事業における免許制や同一地域同一運賃制というような問題が、時代とともに、社会状況や経済状況の変化によって、むしろそうした社会的規制から新しい参入を規制するというようなことになり、経済的規制に変質をしてきているのではないか。そういう場合に、運輸省等はこのタクシー事業の例をどういう結論を出してくるのか。 そのことはこれからの問題でしょうし、個別の規制の問題でそれぞれの省庁が今見直しを行っている。しかし、その利用者や事業者、置かれる立場によっては、いや社会的規制としてこれをまだ残すべきだ、こういう論議が出たときにどこでそれをどのように調整していくのか。その管轄は当然総務庁にもあるのではないか。そこの難しさで、十何年たってもなかなか遅々としてこの規制緩和は進まないというのが実態ではないかというふうに思うわけですけれども、この点についてちょっと大臣に、どのようにその辺を取り組まれていくのか、お伺いをしたいというふうに思います。
○山口国務大臣 輿石委員御指摘のとおり、その点が確かに問題であることは、私もそのとおりであると認識をいたしております。 問題は、この社会的規制につきましては、やはり人間の命と健康、環境あるいは安全等々を守る面でこれは残していかにゃならぬものがあることは事実ですが、御指摘のように、それが拡大的に解釈されて、本来緩和すべき経済的自由までもそれによって抑制していくということになっては問題であることは言うまでもございません。 したがいまして、私どもとしては、学識経験者の皆さん方の御意見等も十分検討委員会等で承りまして、そうして総務庁として、あるべき緩和はどうすべきかという点についてはやはり十分検討いたしまして、委員御指摘のような弊害が起きないように対処することが必要であるというふうに認識をいたしております。
○輿石委員 今、山口大臣から大変心強い御答弁をいただいたわけですけれども、ぜひ総務庁としてはそういう、今こそ総務庁としてのリーダーシップ、これは総理自身の、内閣を挙げてのリーダーシップが必要だというふうに思います。それなくして本当の意味の規制緩和も進まないのではないかというふうに思いますが、今大臣の方から、検討委員会も設置をし、さらに、既に衆議院では通過をしました行政改革委員会、これも設置することになったわけですけれども、今大臣もお話しになりましたように学識経験者、そういう人たちからこれに向けての御論議をいただくんだという話があるわけですが、この検討委員会並びに行政改革委員会、この二つがどのような方々によって今後推進をされていくのかというのも一つのポイントになろうかというふうに思いますので、この検討委員会と改革委員会の兼ね合い、それからどのような人選が行われるのか、そんな見通しについてもお聞かせをいただければありがたいというふうに思います。
○山口国務大臣 この検討委員会の方は、これはまさに専門的な立場から規制緩和についてさまざま意見を述べていただく。そうして、園田官房副長官をヘッドにいたしまして関係省庁の主な方々、大体局長クラスの方々ですが、そういう方々に十分そういった専門的立場の御意見を聴取をしていただくということでこれを進めようと思っております。 それから、行政改革委員会は、衆参両院の御審議をいただきまして、あるいは本日の参議院本会議において成立の運びに至るかとも思っております。その点、御協力をいただいたことに心から感謝を申し上げるわけでございますが、この行政改革委員会の委員は、総理大臣が国民の皆さん方を代表する経験豊かな立派な方々を委員として御委嘱を申し上げ、国権の最高機関たる国会の御同意もいただく、こういう極めて重要な人事であるというふうに認識をいたしております。 それなるがゆえに、行政改革委員会は、この規制緩和の推進に対して監視をし、そして問題があれば意見具申をし、さらに問題があれば勧告も、総理大臣及び総理大臣を通じて各省の大臣にもできる、こういった大きな機能をお持ちでございますから、こういった行政改革委員会が存分な権限の発揮をいただいて、そうして規制緩和に対してきちっとした監視を行っていただく。これによって、御指摘のような御心配のないような規制緩和を私どもは推し進めることができる、かように確信をいたしている次第でございます。
○輿石委員 もう時間もなくなりましたから、最後に、大臣、冒頭に、本年度内を目途に各省庁が所管の規制を見直す、こうしているわけですけれども、これは、今もその問題にも触れさせていただきましたけれども、各省庁任せで規制緩和を推進をしていくことには、今何点か指摘をしましたように限界があるのではないか、そんな御批判もあるわけであります。官僚主導を排せというようなお話も出てきているわけであります。 規制緩和を強力に推進するためのきちんとした手だてと決意を持って、これから規制緩和が国民の期待にこたえられる新しい時代の社会構造を構築していくという大きな目標に向かって推進されますようお願いを申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○後藤委員長 輿石君の質疑は終わりました。 次に、宇佐美登君。
○宇佐美委員 新党さきがけの宇佐美登でございます。連立与党の時間のうち十五分ちょうだいしまして、行政改革全般にわたりまして御質問をさせていただきたいと思います。 まず第一に、他の委員会、内閣委員会なわけですけれども、行政委員会設置法案が参議院でも審議される、もう通過の予定が確実、もう通過されたわけですか、本当に大臣におかれましては御苦労であったと、本当に御尽力のたまものだと思っております。また、関係の総務庁の皆さんを初めとして、内閣委員会の委員の皆さんを初め、本当に関係者の皆様には、その御尽力に対して深く敬意を最初に表したいと思っております。 ところで、その内閣委員会の答弁におかれましても、大臣の方から盛んに、政府・与党として、三党合意に関しまして、非常にそれに沿った形で行政改革は村山政権の一審の政治課題だというようなお話がなされておりました。これまで行革がこれだけ叫ばれてきている中で、一向に行革が進んでいないという批判も一部ではございます。その背景には、縦割り行政の弊害も言われて久しいわけですけれども、行革が残念ながら進まないと言われている直接的もしくは間接的な阻害要因としてどんなことを考えていらっしゃるのか、長官の御意見を賜りたいと思います。
○山口国務大臣 お答えいたします。 宇佐美委員御指摘のように、行政改革また規制緩和に対しましては、やはりさまざまな障害がある、これは事実だと思います。 御指摘のように、各役所の縦割り行政の弊害というものも確かにあるでしょう。同時にまた、今日まで、戦後、あの廃墟の中から我が国が今日の経済繁栄を打ち立てる際に、護送船団方式と申しますか、みんながまとまって、とにかく成長のために努力をしていこう、それに対するさまざまな業界参入を排除する規制とかいうものがあったことは事実だと思います。それが、今日の繁栄を来すために一面大きなプラス要因であったということは否定できないと思いますけれども、今、我が国が世界第二の経済大国になった今日、それがむしろ障害になっている、マイナス面というものもこれは当然指摘をしなければならぬ、そういう時代に入ったと思っております。 そうなりますと、規制緩和をやっていこうということになりますと、お役所自体の問題もありますし、今日までそういった規制のもとでいわば恩恵を受けてきた業界も、さまざまな抵抗をするということはやはり当然考えられるわけでございまして、そういう意味で、数々の障害といいますか、問題点があるということを私も認識をいたしております。 しかし今日、与党のプロジェクトチームの皆さんが大いに議論した結果、国民の請願権を否定するものではないけれども、各省庁が音頭をとって業界団体等に、行政改革に対してそれにブレーキをかけるような集会とか行動とかいうものはやはり厳に慎んでもらわなきゃならぬ、政府としてもその点は厳に心して対応してほしい、こういうような要請がございました。まさにそのとおりだと我々思いまして、政府といたしましても、各省庁に対して、そのような行動は慎むように強く伝達をいたした次第でございます。 そういう中で、御指摘の障害はありましょうけれども、それを克服して、村山内閣としては最大の政治課題としてこれに取り組む、こういう決意であることも御理解を賜りたいと存じます。
○宇佐美委員 ありがとうございます。 これまでの政策の継続性の中で、大臣御指摘のように、今までのあり方ではもうどうにもならない状況に来た、そのような認識のもと、規制緩和を進めるに当たっては、お役所の中だけでは非常に難しいこともたくさんある。さらには、その関係の業界の方々に対しても、身を引き締めて考えていただかなければならないというお話だったと思います。 ところで、先ほど申しましたように、先日の内閣委員会でも、三党合意に関しまして並み並みならぬ思いというものを長官から内閣委員会の中で伺ったわけですけれども、その中で、「縦割り行政の弊害を除去し、簡素で公正かつ透明な政府を実現する。」とうたっているわけです。まさに透明な政府をということに関して考えてみれば、その後に出てくる「情報公開法の早期成立を図る。」ということも含めまして、先般行革委員会設置法案の中で審議された行政情報の公開ということが非常に大事になってくると思いますし、その点に対して村山政権が一生懸命やっているんだというのを示した、その結果とも思えるわけです。 さて、この中で、縦割り行政の弊害を除去するというのを受けまして、「一括採用など公務員制度を改革しこという文言が出てまいります。政府の中におきまして、人事院勧告にもありますように、人事交流について積極的に推し進めるというような方策というものも出てきているわけですけれども、今回天下り問題も議論されている中で、公務員制度の抜本的な改革というものがぜひとも必要なのではないか、そんな認識が、当時六月二十九日のあたりだったと思います、三党合意が政権をつくるに当たってできたときに、「一括採用など公務員制度を改革しこということで、文言として「一括採用」という言葉が入っているわけです。昨年の行革審の最終答申の中におきましては、賛否両論があったというような意見がございました。 しかしながら、今回三党の政権をつくるに当たって、まあ「一括採用など」ということで、「など」が入っているわけですけれども、少なくとも、一括採用のあり方というものについて政府・与党ともに議論をしていかなければならないと思っているわけですが、総務庁長官としての御決意なり意見というものをちょうだいできればと思います。
○山口国務大臣 お答えをいたします。 我が国の官僚機構、いろいろ御批判はありますけれども、やはり国際的に見ましてもすぐれたシンクタンクであるということは、私は事実であろうと思います。しかし、すぐれたシンクタンクではありますけれども、縦割り行政等の御批判もありますように、率直に言って、視野が狭いと申しますか、省があたかも政府であるかのような、そういう認識がなきにしもあらずという点は、国民の間からしばしば御指摘されているとおりだろうと思います。 そういった点を是正するために、省庁間の人事交流を積極的にやるべきであるとか、さらに進んで、委員御指摘のような一括採用に踏み出すべきであるとか、そういう御意見になってくるだろうと思います。 今日まで、総務庁としましては、総合調整官庁といたしまして各省間の人事交流、わけても課長以上のいわば幹部職員の方々に対しては少なくとも、率直に言って他人の飯を食うと申しますか、出身官庁以外の省庁へ行って、そうして苦労もしてくる、人事交流をきちっとやるということを進めてまいりました。大体、現在のところ課長以上の方々、八割以上はそういう意味では他省庁との交流経験をお持ちの方で構成されているということになりました点は、御指摘の点がいわば実現に移されつつあるというふうに認識をいたしている次第であります。 さらに進んで、一括採用はどうかという点でございますが、これはしばらく検討させていただきたいと思います。人事院その他関係省庁もございます。したがいまして、総務庁といたしましては、各面の御意見を謙虚に承って、そうしてどうあるべきか、さらにこの縦割り行政の弊害を是正するためにはどうするかという点で検討をさせていただきたい。十分委員の御意見も踏まえまして検討をいたしたい、かように考える次第でございます。
○宇佐美委員 ありがとうございます。 しばらく検討させてくださいということで、積極的な御意見を大臣からいただいたと思っていますけれども、しばらくと言わずに、ぜひとも、こういうような形で三党合意でうたっているわけですから、改革など他の党からも、行革本気でやる気があるのかというような批判も受けている御時世でございますから、入り口のところで、日本国の政府に対して勤めるのだという意識を強めていただくためにも一括採用を行って、他省庁の経験をなさっていただくのはもちろん当たり前なことだとは思いますけれども、ぜひとも日本国に対して国益を第一に考える、省益なくして国益なしと言われるような現実があるわけですから、ぜひともしばらくと言わずに、政府・与党一体になって一刻も早いこの採用制度というものの検討をしていくべきだと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 続きまして、今申しました行革とかかわっていく中で、本日は総理府の方に来ていただきまして、公益法人についての御質問をさせていただきたいと思います。 時間も残り五分を切っておりますので、簡潔にお答えいただきたいと思うわけですけれども、ルワンダの情勢を見ておりましても、政府が一生懸命PKOという形でお手伝いをしていても、地元では現実的にNGOの力が非常に大きなウエートを占めております。そういうような中で、民法三十四条との関係もあるかと思いますけれども、政府ではない、しかし金もうけ団体でもない。つまり、企業なり法人でもないという中で、ボランティア団体の扱いというのが非常にこれから重要になっていくかと思っております。そんな中で、非営利の法人というものに対してどのような認識を持っているのか、お答えいただきたいと思います。
○阪本説明員 お答えいたします。 現在の公益法人の制度でございますけれども、先生御指摘のように、民法第三十四条に基づきまして、「公益ニ関スル社団又ハ財団ニシテ営利ヲ目的トセサル」ということになっているわけでございます。この公益につきましては、大変難しい問題でございますけれども、公益法人におきます場合の公益につきましては、私ども積極的に不特定多数のものの利益の実現を目的とするものであるというふうに考えてございます。また、非営利につきましては、法人の事業活動によります利益を法人の関係者、役職員とか会員等の法人の関係者に分配したり、あるいは財産を還元しないことであるというふうに考えてございます。 先生御指摘の非営利の団体の法人化ということにつきましては、公益法人等指導監督連絡会議が事務次官等会議で申し合わされているわけでございますけれども、その中におきまして、法務省の民事局の方において検討されているというふうに承知しているところでございます。
○宇佐美委員 今のお答えですと、法務省の中で今議論、検討されていると言われておりますけれども、現実的には、いわゆるNGO団体と言われたり、ノンプロフィット・セクター、NPSという形で言われている団体の活動というのが、逆に政府を助けている部分も非常に多いわけです。そういうわけで考えたときには、民間と政府と一体になってやっていくことも可能なのではないか、またそれを推し進めていく必要があると思われます。 そんな中で、公益法人の許可基準の透明化というものは、十月一日施行の行政手続法でさらに進んだと思われますけれども、法人化の窓口の一本化、例えば総務庁が法人化の窓口を常に一本としてその基準というものをわかりやすくしていく、そんな考え方もあるかと思いますけれども、その点についてどのように考えているのか。 また、時間がないので続けて質問しますけれども、逆に行革という面からいえば、公益法人、財団、社団法人に対して天下りが非常に多いんだ、つまりあくまで官のもとで非営利団体なり公益法人ができているという現実を見まして、批判がされているわけです。現実の公益法人の数、その中で役員数、さらにその中に占める天下りの数と割合を教えていただきたいと思います。
○阪本説明員 公益法人の管理につきまして、一括して管理してはどうかという先生の御指摘でございますけれども、公益法人は全体で約二万六千ございまして、非常にその事業内容、複雑多岐にわたっているところでございます。したがいまして、その管理監督を適切に行うためには、それぞれの事業を所管しております各省庁の原局、原課で行っていただくことが、やはり適切に管理監督を行うことになるのではないかというふうに考えているところでございます。 それから、公務員の天下りということでございますけれども、現在、各省庁が所管している公益法人は、平成五年十月一日現在で七千二百七十九法人ございます。これらの法人の常勤の役員数でございますけれども、一万百十二人でございます。このうち、元公務員の常勤役員は九百七十五人、こういうふうになっているところでございます。
○宇佐美委員 約一割が天下りで行っているという事実が今示されたと思っております。また、その発言の中で、各役所が管理監督をしていかなければならないんだ、だからこそ窓口は一本化できないという理論だったと思うわけですけれども、管理監督をしていくということは、あくまで政府の下部機関の認識でしかないというように感じ取れるわけです。 実際に、ルワンダのNGOの働きなどを見ていましても、政府の管理監督ではなく、逆に全く別働隊として動いたからこそ、自由な活動また現実的な迅速な行動ができたわけです。ですから、管理監督という認識について改めて政府が考え直す必要があるのだということを最後につけ加えまして、また、その各公益法人の資産運用の自由化は、本日は大蔵省を呼んでおりませんので質問はできませんけれども、その資産運用の自由化に関しましても、これまで以上に弾力的なものを考えていくことが必要だと思います。 何につけましても、政府がすべての公益の代表であると認識しているということがもしあるならば、その間違いを一刻も早く正し、民間の力というものを信じていくことが大事だと思っております。その点をぜひとも御検討いただければと思います。どうもありがとうございました。
○後藤委員長 宇佐美君の質疑は終わりました。 次に、武山百合子さん。
○武山委員 改革の武山です。本日は、規制緩和について私が日ごろ疑問に思っていることを、いわゆる生活者の視点からお伺いしてまいりたいと思っておりますので、よろしく御答弁をお願い申し上げます。 まず最初に、タイムリーといえばタイムリーなのですが、十一月一日付の産経新聞なのですけれども、経済企画庁が規制緩和の経済効果についての研究会報告を発表しております。そこでは、規制緩和が進んでいるアメリカとの格差を五年間で二〇%縮小すれば、実質GDPを八%、年平均一・六%押し上げる効果がある、このように試算されています。また、その報告書の中身にあっては、日本の消費者は自動車やコンピューターなどの輸出晶はアメリカ並みに買えるのに、食料品、衣料品、光熱費、住宅建設費などはアメリカよりはるかに高い価格で買わされている、このように分析されているわけで、まず第一番目としまして、こういった報告に対してどのような感想を持たれているのか、お伺いしたいと思います。
○陶山政府委員 ただいま先生御指摘の楽市楽座研究会、これは経企庁の総合計画局での勉強会の中間報告という形のものであろうと承知をいたしております。 この規制緩和と経済効果、これの関連につきましては、従来からいろいろな議論があるところでございます。各種のシンクタンクを初め学者の方々からも、いろいろな試算とか考え方が出ているわけでございますが、この経企庁の研究会の中間報告によりますと、規制緩和による新規事業の展開や内外価格差と規制との関係などについてきめ細かい分析が行われておりますし、また、規制緩和のプラス面だけではなく、規制緩和によって生ずる労働移動についても触れられていると承知をいたしております。また、一連の仮定のもとで種々の試算も行われていると承知をいたしております。 いずれにいたしましても、規制緩和の経済効果の指標という意味において私ども、経企庁における勉強の成果を注目をしているところでございまして、今後ともこの経企庁の勉強の成果を私どもの業務に生かしながら、規制緩和の推進に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○武山委員 それにつけ加えまして、特に食料品、衣服、光熱費などは、家庭の台所を支えている主婦にとってみれば極めて大きな問題でありますし、私自身のアメリカ滞在生活の経験を踏まえてもかなりおかしな部分が感じられますので、認識の問題として報告書の指摘をどう思うか、お答え願えればと思っております。
○陶山政府委員 まことに申しわけございませんが、個々の報告の内容について個別に私どもの立場で御説明なり御意見を申し上げるほど、まだ十分勉強させていただいておりません。今後、この報告書につきまして、私どもの立場で拳々服膺させていただきたいと考えております。
○武山委員 それでは、順次質問を進めさせていただきます。 行政を行っていく上で基本的なことは、法治行政、つまり法律によって行政を進めていくことでありますから、行政と法律は切っても切れない関係にありますし、今さら私がそれを述べる必要もないかもしれません。しかしながら、法律万能主義ということも、社会の進歩を阻むことも時として起こるわけであります。法律が具体的に機能しない現象が見え始め、国民の側からすれば政治不信や政治的無関心に追いやられてしまうという結果になってくると思うのです。ここでは法律論を続けていくものではございませんので、規制緩和の根源に、法律を改正していくあるいは排除していく意気込みがなければ、何もうまくいかないのではないかと思っております。私はこのように考えておりますので、どうか考えていただきたいと思います。 さて、最小の経費で最大の効果を上げていかなければならないということは基本の基本ですが、どうも国のやることはむだが多いということを耳にしています。よく聞いてみますと、第三セクターと呼ばれる特殊法人をつくり、民間企業に任せておけばよいようなものまでそこに任せ、国の税金を使っておきながら国民のコントロールがきかないような仕組みをつくってきたように思えてなりません。 このような状況の中であえてお聞きしたいことは、特殊法人の整理、国の経費及び規制緩和の見直し等、行政改革の必要性が叫ばれて久しいわけですけれども、三公社の民営化、行政手続法の制定等、一部には行政改革の成果は見られますが、常に国民の立場に立った行政改革が必要であるとするならば、やはりここで総務庁の見解をお伺いしておかなければならないと思いますので、よろしくお願いします。
○山口国務大臣 御指摘ございましたように、今日まで行政改革に取り組みまして数々の成果を上げてきたことは、これはもう御認識をいただいているとおりだと思います。特に、私が総務庁長官に就任いたしましてから画期的で大変よかったと思いますのは、十月一日行政手続法が施行されたことでございます。これは、宮澤内閣時代に提案をされ、その後経過をいたしまして前内閣において成立をし、十月一日施行になった法律でございますが、これによりまして行政の公正、透明性というものが大きく前進をしたのではないだろうかというふうに思います。 そうして、行政指導に対しましても、従来の一方的な行政指導ということではなくて、やはり相手側の納得というものの上に立った行政指導が必要であるという点もこの法律で明確にされたことは、大きな意義があると思っております。ややもすれば従来、官の立場が高くて民の立場が低いというような傾向がなきにしもあらずだったと思いますが、この行政手続法によって、官と民との間の考え方なり対応というものが大きく変わる、官と民とはむしろ平等な立場だということがこの法律で確立されたことは、大変私は結構ではないかと思っている次第であります。 今後の行政改革につきましては、現在、村山内閣としては次の点を重点として取り組んでおります。 一つは、当委員会で御議論をいただいております規制緩和の問題でございます。これにつきましては、年度内に今後五カ年間の規制緩和推進計画を樹立いたしまして、規制緩和に積極的に取り組むということで鋭意作業をいたしております検討委員会、あるいは十一月には行政改革推進本部を開催をいたしまして、そうして総理大臣が本部長でございますけれども、内外からの意見を十分に聴取をいたしまして、この五カ年間の推進計画を打ち立ててまいりたい、このように考えております。 その次は、御指摘もございましたが、特殊法人の問題でございます。この特殊法人は、九十二ございます特殊法人の問題が今論議をされておりますが、特殊法人だけではないと私は思うのです。八十八あります認可法人にも問題がございますし、先ほど宇佐美委員がお取り上げになりました二万幾らありますところの公益法人、この中にも数々の問題点があることは、委員も御案内だと思う次第でございます。 しかし、中心はやはり特殊法人でございますので、この特殊法人等につきまして見直しを進める。そうして十一月の下旬には、各省庁が見直しを進めまして、その状況について総務庁に報告をいただく。そうして二月の十日には、各省庁が傘下にあります特殊法人等の見直しの結果について総務庁に報告をいただく。各省庁に任せるだけではなくて、官房長官と仏とが、専門家の方々にお願いを申し上げまして、学者、マスコミあるいは経済団体、労働界、これらの立場の方々の特殊法人等に対する意見も十分お述べいただいて、政府としての考え方を固めてまいりたい。そうして三月末までには、この特殊法人の具体名を挙げた整理合理化、この結果について結論を出したい、かように考えておる次第であります。 さらに、地方分権の問題がございます。地方分権につきましては、現在、行革推進本部の地方分権部会におきまして鋭意作業を進めております。既に地方六団体が、専門的立場からこの地方分権に対する意見を地方自治法に基づきまして送付をされております。また、地方制度調査会におきましては、鋭意論議をいたしまして、中間報告もいただいております。近く最終答申が出されると聞いております。 これらの問題を踏まえまして、地方分権部会としては、地方分権に関する大綱を年内に策定をいただきまして、これに基づきまして政府内の調整を進め、総理は、来る通常国会には何としても地方分権推進に関する基本法を提案するところまで持っていきたい、こう決意を漏らしておられますので、総務庁といたしましては、総理の意向を受けまして、来るべき通常国会に地方分権推進に関する基本法を提案申し上げることができますように、鋭意作業を進めてまいりたい、かように考えておる次第でございます。 そのほか、簡素な行政機構を確立する、各省間の人事交流を進める等々の課題がありますことは、御案内のとおりでございます。これらの問題につきましても、私どもとして真剣に取り組むということで、ひとつ御理解を賜りたいと存じます。
○武山委員 どうもありがとうございました。 次に、規制緩和の内外価格差について改めてお伺いしておきたいと思います。 この価格差が出てくる背景には規制があって、本来そういったものは国民生活を守るためにあるにもかかわらず、規制が国民生活を脅かすものになってきてしまっているのではないかと思われます。身動きがとれないほどがんじがらめにされてしまうことより、最低限の基準を示すような存在であってほしいわけでありますが、その辺の見解をお示し願えればと思います。
○陶山政府委員 公的規制の中には、輸入規制とか価格規制とか参入、設備規制等々、内外格差の一つの要因となっているものも存在していると考えられるところでございます。 規制緩和の推進に当たりましては、ただいま先生御指摘のように、内外格差の縮小の観点も含めて取り組んでいくことが重要であるというふうに考えているところでございまして、政府として、今年度内に策定することとしております規制緩和推進計画の作業に当たりましても、御指摘のような視点に十分留意をしてまいりたいと考えております。
○武山委員 どうもありがとうございました。 それでは次に行かせていただきます。行政改革の柱の一つに、許認可事務を縮小していくことが求められていくものだという認識を持っている立場からすれば、総務庁の発表には、規制緩和の推進がトーンダウンしてきているのではないかと心配します。つまり、総務庁の発表では、昭和六十年当時一万五十四件だった許認可が、平成五年三月末では一万一千四百二件とふえているわけです。これは行政改革に逆行するものではないかと思いますけれども、そういった疑問が沸き上がってまいりますので、このことに関する御説明をお願いします。
○田中(一)政府委員 ただいま委員御指摘のとおり、平成五年三月末の許認可等の統一把握結果では、許認可等の総数は一万一千四百二件となっておりまして、昭和六十年の一万五十四件と比べまして、差し引き千三百四十八件の増加となっております。 この増加の理由でありますが、この千三百四十八件の内容を見ますと、一番多いのが国民の生命財産の安全確保に関するものが四百五十八件になっております。例えば食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律の制定に伴うもの、これが十九件ございますし、金融先物取引法の制定に伴うものが二十件ございます。二番目に、事業活動の合理化あるいは適正化に関するものが四百七件でございます。特定債権等に係る事業の規制に関する法律の制定に伴うもの、あるいは貨物自動車運送事業法の制定に伴うもの等々でございます。それから三番目に、民間活力の活用、福祉基盤の整備に関するものが六十五件となっております。例えて言いますと、鉄道事業法の制定に伴うもの、社会福祉事業法の改正に伴うもの等々が主なものでございます。また四番目に、産業の振興とか助成に関するものが二百八十一件。それから五番目に、資源・環境の保護に関するものが七十八件。その他五十九件となっております。 今、最後におっしゃいました、増加することは行革の推進に逆行するものではないかという御指摘でございますが、ただいま申し上げましたとおり、増加の要因を分析してみますと、国民の生命とか財産の安全確保、あるいは事業活動の合理化、適正化、資源・環境の保護等のための新法が制定されましたことによるものが非常に多うございまして、社会経済的な要請からいたしまして、増加したものについてはやむを得ないものと思われます。また、規制緩和というのが、必ずしも許認可等の減少につながりませんで増加することもある。つまり、緩和することによって別の道を開くということもございますので、そういう点で、緩和によって増加する場合もあるという点も御理解願いたいと存じます。 規制緩和は、仰せのとおり、我が国経済社会の透明性を高め、また国際的に調和のとれたものにするとともに、市場原理を生かしまして、自由で創意工夫のあふれた経済社会を築き上げていくという上で非常に大事なことであることは当然でありますが、今後とも積極的に取り組んでいく重要な課題であると十分認識しております。
○山口国務大臣 きょう、ただいま一括法について御決定を賜ったわけでございますが、あれを例にとって考えますと、あれによりましてグリーン料金は許可制から今度は届け出制になるわけです。ところが、鉄道運賃の基本料金につきましての許可制はそのまま続くわけでございますので、グリーン料金を届け出制にいたしますと、かえって規制緩和によって許認可事項としてはプラス一ということになるわけでございます。そういった点もあるということは、ひとつ御理解賜りたいと思う次第でございます。
○武山委員 どうもありがとうございます。 それでは、責任ある改革をなし遂げるために、平成五年八月十九日に経済対策閣僚会議において決定したことを受けて、九十四項目の規制緩和と電力、ガスなどの料金値下げを柱とする円高差益還元を打ち出しましたが、その後の推移はどうなっているのか、お伺いしておきたいと思います。 また、家庭の主婦は、特に生活費に関連する部分の料金や物価に敏感でありまして、一円でも安いものを求めてスーパーを渡り歩くわけですけれども、生活防衛上必要なことなので、こうした国民感覚を真剣に受けとめるならば、積極的にこういった施策を展開を行っていくべきだと考えておりますので、よろしくお願いします。
○石田説明員 円高差益還元対策について、私どもの方からお答えをさせていただきます。 円高の状況のもとにおきましては、市場メカニズムを基本としつつ、これが我が国経済の各分野に円滑に浸透し物価の一層の安定が図られることにより、国民が円高のメリットを速やかかつ十分に享受し得る状況をつくることが重要であると私どもは考えております。 委員御指摘の昨年九月十六日に決定をいたしました緊急経済対策におきましては、このような考え方のもとで内外価格差の是正、縮小という観点から、幾つかの円高差益還元対策を盛り込んでいるところでございます。例えて申し上げますと、公共料金等の円高差益還元、それから一般輸入消費財等の円高差益還元、国民への円高差益還元機会の提供、情報収集の強化充実及び消費者への情報提供の強化などでございます。これまでこれらの対策を積極的に推進してまいってきておりますが、その効果もございまして、円高差益の還元は着実に進んできている、こういうふうに考えております。 具体的に一、二お話を申し上げますと、御指摘の電力、ガスの円高差益還元につきましては、昨年十一月以来の暫定引き下げ措置をこの十月からも継続実施いたしておるところでございます。まず電力十社につきましては、昨年十一月から本年九月末までの料金の暫定引き下げ措置に引き続きまして、本年十月から来年九月末まで一年間、暫定引き下げ措置を継続実施しております。還元額はおよそ二千五百四十億円程度、標準的な家庭一世帯で考えてみますと、月平均約百円程度となります。また、大手ガス三社につきましても、電力と同様に暫定引き下げ措置を継続して実施しております。還元額につきましてはおよそ三百九十億円程度、標準的な家庭で一世帯当たり月平均約百三十八円程度でございます。 今後とも円高差益還元のための諸施策を積極的に推進していくとともに、必要に応じ機動的な対応を図ってまいりたい、こう考えております。
○武山委員 どうもありがとうございました。 さらに規制緩和への考えを質問してまいりますが、村山内閣は、本年七月五日の閣議で二百七十九項目の規制緩和策などを決定しましたが、昭和六十年から平成五年三月末までのふえ方を考えますと、二百項目や三百項目の規制緩和を打ち出しても大した数字とも思えませんが、それについてはどのようにお考えでしょうか。
○陶山政府委員 先ほど山口大臣から御説明がございましたが、まず先生に御理解を賜りたいと存じますのは、規制緩和と許認可等の件数の増減は必ずしも一致しないということでございます。許認可等の件数がふえている理由については先ほど行政監察局長から説明がございましたが、トータルの許認可等の件数がふえているからといって、規制緩和の効果はないということにはならないわけでございます。 御指摘のございました二百七十九項目、本年七月五日に閣議決定いたしたものでございますが、この項目の数は許認可の件数でとらえたものではございませんで、内容別に整理をしたという性格のものでございます。これらの内容を実施することによりまして、内需の拡大とか輸入の促進とか国民生活の質の向上に相当の効果があるものと考えているところでございます。 この二百七十九項目の許認可の数にどういう影響を与えるか、つまり、どの程度許認可の件数が減るのかということにつきましては、現段階では正確な把握ができませんので、次回以降の許認可の統一的な把握の際にそれが明らかになるという関係でございます。
○武山委員 それでは次に、規制緩和を具体的にかつ年次的に進めていくための検討委員会を設置していくということをお聞きしていますが、こういったものを実際に有効に機能させるためには、しっかりとしたコンセプトを持っていなければならないと思っておりますので、その辺の事情を踏まえながら、規制緩和推進五カ年計画を策定するに当たり、検討委員会を設置し、今月下旬にもワーキングチームを発足させる中で民間人の参加や委員会の位置づけを、先ほど概略はお聞きしましたけれども、もう少し具体的にお示しいただけたらと思っております。
○陶山政府委員 大臣からもたびたび御答弁がございましたように、行政改革本部に民間の専門委員を含めた規制緩和検討委員会を設置するということが、十月二十五日の閣僚懇談会で決定を見まして官房長官から発表をされたところでございます。この委員会の設置の目的は、規制緩和推進計画の策定に資するために内外からの意見、要望を積極的に把握するというのが政府の従来からの方針でございまして、その一環として、推進本部に民間の専門委員の方々に御参加いただく検討委員会を設置するということでございます。 検討委員会の今後の運営については、ただいまその人選を含めまして内閣官房において検討されている段階でございまして、必ずしも今後のスケジュール等につきましても、詳細なことが現段階ではまだ固まっていないという状況でございます。
○武山委員 ぜひ人選に当たりまして、バラエティーに富んだバランスのよい人選をしていただきたいと思います。 さて次に、対外的な視点で質問をさせていただきたいと思います。 規制緩和を解釈していくときに、対外的なかかわり合いを抜きにしては単なるひとりよがりになってしまうわけでありますが、そういった国際社会での日本の位置や立場を考えながら解決していかなければならないという思いです。規制緩和について、欧州連合との協議が今週から始まると聞いておりますし、またアメリカとも、今月中旬にも日米包括経済協議が再開され、新たな要求が出てくる可能性があると聞いております。いろいろと困難な状況が出てくるかと思われますが、どのような対応をされていくのか、お聞かせ願えればと思います。
○陶山政府委員 規制緩和推進計画の策定に当たりまして、これまた大臣からたびたび御答弁を申し上げておりますように、内外からの意見、要望を把握してこれらを政府の計画に反映させるということは、極めて重要であるというふうに考えておるところでございます。 ただいま先生御指摘のEU、米国からの規制緩和に関する具体的な要望につきましては、行政改革推進本部の庶務において整理をいたしまして、十一月下旬目途とただいまのところ予定されておりますが、行政改革推進本部に報告を申し上げるということにいたしております。 なお、今後規制緩和検討委員会でいろいろ個別具体的な検討が行われるわけでございますが、その検討結果を踏まえて、EUや米国からの具体的な要望については、規制緩和推進計画の取りまとめの作業に政府として十分活用させていただくという対応をしたいというふうに考えているところでございます。
○武山委員 積極的な対応をお願いしたいと思います。 次に、素朴な国民感情をぜひとも聞いてほしいと思います。我が国は、名目所得は世界最高水準だとよく言われております。ところが、前にも述べましたように、食料品、衣料品、光熱費などが高く、それが日常生活を圧迫してしまうために、豊かさの実感がわいてこないというのが国民の感覚なわけです。こういった状態を何とかして是正していかなければならないと思っております。どうも根本的な解決策が見つからないようであります。 現在、内外価格差の是正は国民的課題になっていると言ってよいと思います。その中でも電力料金はOECD加盟国で一番高く、韓国の二倍、国際価格に比べて二・七倍だと聞いております。これは雑誌「選択」七月号の資料を参考にしました。なぜこのような価格差がつくのか、わかりやすく御説明していただきたいと思います。
○市川説明員 電力料金の国際比較の観点でございます。 委員御指摘のありましたように、最近時点の為替レートを用いまして主な先進国の電気料金を比較しますと、日本と比べまして欧米が安くなるということは事実でございます。 ちなみに、これはどのような前提を置いて比較するかということで多少その数字が変わるわけでございますが、同じような需要を想定いたしまして、これをそれぞれの国の料金表に当てはめてみてどれぐらいの水準になるかということで試算いたしますと、家庭用でいいますと、日本を一〇〇とした場合におきましては、主要先進国におきましては大体六〇から八〇の間、産業用につきましては、同じく日本を一〇〇とした場合におきまして六〇から七〇というくらいの数値ということになっているわけでございまして、そのような意味での格差があるということは事実でございます。 また、いわゆるそれぞれの通貨の持っている購買力という観点から比較いたしてみますと、いわゆる購買力平価を使って比較しますと、我が国の電気料金と欧米を比べますと、同等あるいは日本の方が割安であるというような状況もあるわけでございます。 ちなみに、御参考までに申し上げますと、一九八〇年以降の各国の電気料金の値上がり率を比較いたしますと、我が国におきましては、一九八〇年から九三年までの間をとりますと、一三%程度の値下がりをしております。一方、同じような期間におきまして、欧米の主要国を見ますと、三〇%ないし八〇%程度の値上がりをしております。そのような、日本におきましては国内で見た場合におきましては値下がりをし、一方で欧米では値上がりをしているということは事実でございます。 しからば、そのような電気料金の内外価格差の最大の要因は何かということでございますが、これは先ほど申し上げましたように、為替レートの急激な変化ということがまず大きな要因であろうかと思います。為替レートの変化によりまして、例えば石油等の原料が安くなるものもございます。これにつきましては、先ほど経企庁の方から御説明ありましたように、円高差益の還元ということで速やかにこれを還元してきているわけでございます。 しかし一方で、電力産業というのは典型的な装置産業でございますので、その事業運営に不可欠な過去の設備投資がございまして、それを反映した資本費とか、それから人件費、修繕費等々につきましては、これは円高に対応して迅速に費用を引き下げるということは非常に困難なものでございます。そのようなことが要因となっているのではないかと思います。 さらに、我が国の電気事業にとって特徴的なことを申し上げますと、我が国の電気の需要というのは非常に伸びが大きゅうございまして、それに対応した設備形成を常にしていかなくてはならないという意味におきまして、資本費の負担が非常に欠きゅうございます。さらに我が国の立地、それは環境上の制約ということが欠きゅうございまして、これに対するコスト増ということもございます。さらには、先ほどの燃料の問題でいいますと、環境対策の観点から非常に質のいい原油等の入手をしなくてはいけないというようなこともございまして、一般的な円高の要因の問題のほかに、今申し上げましたような我が国の電気供給事業を取り巻く特別な環境ということもあるのではないかというふうに考えております。
○武山委員 それでは、次に移ります。 物価高の原因の一つともなっている地域独占の問題を取り上げたいと思います。 社会通念で考えますと、競争の原理が働かないところに進歩はない、このように一般的には言われているところですが、それが一定のサービスを提供するときに地域独占という特異な形態ができ上がり、大きな問題が引き起こされると言っても言い過ぎではないと思います。つまり、地域独占で競争がなく、コストが高くついても平気などの話もありますし、地域独占の見直しと総括原価主義、コスト、プラス適正利潤による料金設定の認可を廃止し、経営の効率化を図ることが必要なのではないかと考えられますので、その辺の考え方をお伺いしたいと思います。
○市川説明員 お答えいたします。 先生の御指摘の趣旨は、要すれば、いかにして電力料金の内容でありますところの電力事業の経営の効率化を図っていくことができるかという、大きな問題意識に基づいたお話だと思います。その点からお答え申したいと思います。 まず、電気料金につきましては、本年七月の閣議決定、規制緩和に関する閣議決定の中で、公共料金全般の問題といたしまして、価格設定のあり方の検討、それから料金の多様化、弾力化の推進を図るべきであるというようなことが閣議決定されております。一方、そのような閣議決定のほかに、先ほど先生の御指摘にございましたように、電気料金をめぐる内外価格差の問題が先ほどの為替レートの上昇の中で顕在化してきているということもございまして、経営のより一層の効率化ということが期待されていることも事実でございます。さらに、今後のことを考えますと、我が国の高い電力需要の伸びに対応いたしまして安定供給を確保していかなくてはいけない。そういうことを考えますと、さらに今後とも設備投資を進めていかなくてはならない。これによって資本費の増大が懸念されるという状況もございます。 そのような状況の中で、このような問題意識に立ちまして、先月、電気事業審議会の料金制度部会の検討を開始したところでございます。この料金制度部会におきましては、先ほど申し上げましたような問題意識に立ちまして、幅広い観点から電気料金のあり方についての検討をお願いしようと思っております。来年一月末には、基本的な枠組みをお示しいただくような中間取りまとめを出していただきたいというように考えているところでございます。 この料金制度部会における検討につきましては、大前提といたしまして、電気の安定供給を確保するということをまず考えておるわけでございますが、それに加えまして、御指摘のありましたような電気事業者の一層の経営効率化を促す仕組みを料金制度でどのように導入したらいいんだろうかということ。 それから二番目でございますけれども、我が国の電気事業の特色でございますところの夏の間の冷房需要によって非常に需要が伸びる。これによりまして、それに対応した設備をつくらなくてはいけないという意味におきまして資本費の負担が多うございますが、夏のピーク需要が先鋭化している中で、これに対応するために需要対策を強化せにゃいけない。そのような観点から、料金の多様化、弾力化を通じましてより一層の需要対策を強化していきたいというふうに考えておるわけでございます。 そのような方向での検討の視点が二番目でございまして、三番目に、ただいずれにせよ、そのような効率化とかあるいは需要対策としての料金対策を考える場合でも、やはり電気事業のいわゆる公共事業としての基本的な役割でありますところの需要家の負担の公平、公正を確保するということ、さらには料金制度の透明性の確保を図っていかなくてはいけないというような原則がございます。 以上申し上げましたような、安定供給を含めて五つの視点に立ちまして料金制度のあり方の検討をお願いしているところでございます。 それから、電気の供給体制そのものにつきましても、電気事業審議会の需給部会におきまして検討を行いまして、本年六月に中間取りまとめが出ております。その中におきましては、卸部分におきまして一部競争原理を導入するということによって効率的な電力の供給システムの構築をしていこう。それから、保安につきましても、その規制の合理化を図ることによって供給コストの低廉化に資していこうというような方向が出されております。 このような全体の努力を通じまして、電気事業のより一層の効率化ということを進めてまいりたいというふうに考えております。
○武山委員 ありがとうございます。 例えば、これは私の提案ですけれども、発想の転換をしてみるということはいかがかなと思います。電気なしては生活できないということで、電気社会であります。コストが上がれば料金もアップしますし、例えば、総括原価主義を排して欧米のように上限価格制を導入することで経営の効率 化を図りながら、鉄鋼、素材メーカーなどが自家発電設備でつくった電気を電気メーカーに卸売したり、一般家庭や企業に小売できる道を開いてはどうかということです。つまり、電気事業法の今日的解釈を抜本的に見直していったらいかがかなと思います。 これは、ガス料金についても電力と同じことが言えますので、ガス料金に対する対応はどうなっているのか、あわせてお答えいただきたいと思います。
○市川説明員 委員の御指摘のありましたプライスキャップ制の議論でございます。これにつきましては、イギリスにおきまして、電気通信事業を嚆矢といたしまして公共事業に順次取り入れられていった料金制度でございます。アメリカにおきましては、電気通信事業だけであるというふうに考えております。したがいまして、電気事業につきましてプライスキャップ制を導入した実例というのはイギリスがございます。 それで、上限価格制につきましては、御案内のように公共料金の設定においても上限を設定する仕組みでございまして、事業者は基本的に物価上昇率から生産性の上昇率を差し引いた範囲内であれば料金を柔軟に設定できる。もっと言いますと、自由に設定できるという仕組みでございます。この制度のねらいといたしているところは、料金設定に柔軟性を与えるということとともに、企業に対しまして、電気事業者あるいは公共事業者に対しまして、追加利潤の追求を通じまして経営の効率化を推進しようというものであるというふうに理解しております。 しかしながら、このプライスキャップ制につきましては、またさまざまな問題点も指摘されていることも事実でございます。特に電気との関連で申し上げますと、需要増に対応した設備投資に必要な資金を適正に確保できるだろうかどうだろうかというようなおそれ。それから、先ほど申し上げましたように、地域独占のもとで料金の設定をいわば公共事業者の自由に任せるというふうになった場合に、需要者の間の負担の公平とか公正ということが本当に確保できるだろうかどうだろうか。さらに、事業者に過大な利潤をもたらす可能性があるのではないだろうかというようなことも指摘されております。 それから、先ほど申し上げました料金設定の方式でございますが、物価上昇率から生産性向上率を差し引くということによって料金全体の上昇率、平均的な上昇率を決めるわけでございますが、この生産性向上率を適切に設定するということができるであろうかどうだろうかというような問題点。さらに、料金水準そのものにつきまして、原価主義の場合はその原価の裏づけがあるわけでございますが、それにつきまして、プライスキャップ制になった場合におきましてはその裏づけがないということになります。そういう観点から見ますと、透明性に欠けるのではないだろうかというような心配が指摘されております。さらに、事業者が追加利潤の獲得に向けて努力をするわけでございますが、その過程を通じまして、利用者へのサービスの水準が低下する可能性があるのではないかというような問題点も指摘されております。 このような問題点につきましては、さまざまなイギリスにおける公共料金への導入の過程におきまして、現実の問題となってきているということもございます。このように、プライスキャップ制につきましては、そのさまざまなメリットもあり、またデメリットもあるということも事実でございます。 先ほど申し上げました、十月四日から始まりました料金制度部会におきましても、これを我が国の電気事業に適用することにつきまして、消費者を含みますところの需要家の意見とかあるいは学識経験者の意見を聞きましたが、やはり同様の懸念が表明されているわけでございます。 いずれにせよ、料金制度部会におきましては、以上のようなプライスキャップ制度とかあるいは総括現価主義のメリット・デメリットを十分評価した上で、我が国の電気事業に最もふさわしい制度のあり方を幅広い観点から検討していただきたいということを期待しているわけでございます。 それから、もう一つの観点でございます電気事業への新規参入条件の整備という問題でございますけれども、これは、先ほど申し上げましたが、本年六月に電気事業審議会におきまして中間的な取りまとめがなされております。具体的には、卸電気事業につきましては、鉄鋼とか素材メーカー等を初めとする分散型電源の導入可能性が拡大しているという中で、この卸電気事業に係る許可制による規制を原則撤廃するということによりまして、即発電部門に入札制度を導入することによりまして新規事業者の参入を促進するという方向が出されております。 それから、需要家に対する直接の供給につきましては、既存電気事業者の送配電ネットワークを補完するいわばサブシステムといたしまして、効率的な供給を行える事業者が参入できるような新しい制度を創設するという方向も出されております。具体的に申し上げますと、再開発地域などの複数のオフィスビルの群などを対象にいたしまして、コージェネレーションによりまして熱と電気を供給するような形態につきましては、一定の供給責任を負った上で、現行の一般電気事業者に対する規制より、より簡易な規制のもとで事業許可をするということが検討されております。 このいわば新しい電気の供給制度の構築ということにつきましては、この出されました審議会の報告に従いまして、制度の詳細について検討を現在進めているところでありまして、本年中をめどに取りまとめを行うことになっております。 同様にガスについて申し上げますと、これにつきましては、さきの国会におきまして既にガス事業法の改正がなされてございます。これにつきましては、産業用の需要の拡大とかあるいは競合エネルギーの存在ということがございますので、競争原理を一部導入するという観点から、大口需要に向けましてのガス供給につきましては、料金規制と参入規制を一定の条件のもとで緩和するという意味でのガス事業法の改正を、既にさきの通常国会において成立させていただいているところでございます。 なお、その公共料金をめぐる諸議論につきましては、これはガス料金も同様の立場にございます。したがいまして、電気料金と同様、ガスの安定供給、それから需要家間の公平性の確保というような前提のもとに、経営の効率化を促す観点からどのような料金制度が望ましいかということにつきまして、同じく先月から、総合エネルギー調査会都市熱エネルギー部会都市ガス事業料金制度分科会におきまして、幅広い検討を行っているところでございます。
○武山委員 どうもありがとうございました。まず、やはり抜本的に考えていただきたいと思います。 次に、政府の価格管理についてお聞きしたいと思います。 本来、価格管理をすること自体が余りよいことではないにもかかわらず、お米以外にも、政府の価格管理は麦、牛乳、豚肉、牛肉、砂糖、大豆など広範囲に及んでいます。これが食料品価格を押し上げて、国民の生活水準が所得の割に向上しない原因をつくっていると考えられるわけです。この辺をどうお考えでしょうか。
○渡辺説明員 農産物の行政価格に関するお尋ねであります。 農業の生産性を向上させることによってできるだけ内外価格差を縮小するというのは、農産物の場合の価格政策の基本の一つだろうというふうに私ども考えております。この夏の農政審議会の報告におきまして、もその点が明示をされております。これまでの、最近の価格政策の運用でありますけれども、抑制もしくは引き下げの基調で運用してまいりまして、現状を見ますと、農産物の価格水準は現在、昭和五十年代の初頭の水準にございます。私どもは、今後ともそうした視点に留意しながら政策運用をいたしたいというふうに考えております。 ただ、一方で、農業内部ではいかんともしがたい制約もございます。例えば、コストを形成しております農地の価格はアメリカに比べまして百倍でございます。それから、先ほど先生から御指摘ございましたようにエネルギー、つまり電力であるとか石油であるとか、そういったものは三倍でございます。労賃は一・五倍というふうな状況でございますので、なかなか農業内部だけでこの制約要因を打破するということは難しいというのも、また一方の実情でございます。 今後とも、農業の構造改善あるいは生産性の向上を通じまして、極力コストを引き下げるような努力をしたいというふうに考えております。
○武山委員 時間がなくなってしまいまして、あと十分ということですので、先に進めさせていただきます。 ガソリンスタンドのセルフサービスについてちょっとお聞きしたいと思います。 私は滞米期間が長かったせいか、無人のガソリンスタンドは日常の風景の中に溶け込んでいました。過剰とも言えるごみ掃除のサービスよりも、自分で安いガソリンを入れることの方が合理的で気楽なことのように思われてきました。恐らく消費者としても、その方がよいと思うに違いありません。ところが、我が国ではそれが許されないので−アメリカがすべて一番で、それをまねすべきだなどということは毛頭ありませんが、ただ、世界一のガソリン消費国が行っている販売方法が日本では不可能だというのがおかしいと思っています。だめならだめで、合理的な、説得力を持った説明が必要だと思います。この辺についてお伺いしたいと思います。
○桑原説明員 ガソリンは、皆さん御案内のように大変に火がつきやすい。したがって、火災の発生に結びつきやすい物質でございますので、消防法におきましてはこれを危険物というふうに指定いたしまして、危険物取扱者という資格を持った人がこれを取り扱うように定めております。したがいまして、一般のドライバーの方がガソリンを取り扱うということは、現在では認められていないわけでございます。
○武山委員 何か、アメリカではできて日本ではできないのはおかしいと思いますけれども。 その次に進みます。化粧品に関する規制ですが、この分野においては信じられないくらいの規制が張りめぐらされているように思われます。薬品のたぐいならばまだ健康上の問題から規制の枠が考えられても当たり前ですが、化粧品において枠組みを規定することがよいのかどうか。 まず、化粧品の内外価格差があるのかどうか、あるのはどうしてか、そして薬事法のせいじゃないか、その辺のことをちょっと聞きたいと思います。
○藤井説明員 化粧品の内外価格差の実情につきましては通商産業省の方でお調べになった数字がございまして、それによりますと、内外六都市における調査結果によりますと、我が国の価格は高いという結果になっております。 この化粧品の内外価格差が大きいということにつきまして、薬事法の規制の理由のためではないかという御質問でございますが、薬事法におきます化粧品の規制は、化粧品が多種多様な化学物質から構成されておりまして、日常生活において多数の人々が繰り返し長い期間直接皮膚などに使用されるものであることから、その安全性を確保するために行うところの社会的な規制でございます。 化粧品の内外価格差を生じる原因としまして、外国の化粧品製造業者などが輸入総代理店のみにその化粧品の配合成分等の情報を提供しまして、それ以外の輸入業者に対してはその情報を提供しない。したがいまして、その情報が得られない結果として化粧品の成分等の薬事法に基づく届け出ができず、事実上の並行輸入ができない、そのために内外価格差が生ずるのではないかという指摘があることは事実でございます。 しかしながら、輸入業者が輸入化粧品の成分等を把握しまして、アレルギーなどの皮膚障害を起こすおそれのある化粧品の使用を消費者がみずから避けることができるよう必要な成分表示を行うことが、化粧品の安全性を確保するための必要最小限な規制であると考えております。 また、化粧品の配合成分を届け出るというこの仕組みは、我が国だけのものではございませんでして、欧米にも同様な規制があるわけでございます。しかし、欧米では並行輸入が現に行われていることもあるわけでございまして、化粧品の内外価格差の問題というものは、薬事法による化粧品の規制が原因ではなくて、むしろ外国の化粧品製造業者や輸入総代理店の販売戦略などの問題ではなかろうかというふうに考えております。
○武山委員 ありがとうございます。 時間がなくなってしまいましたので、次に行きます。 最後になりますけれども、銀行の営業時間のことで質問したいと思います。これも、アメリカでは二十四時間営業でサービスを行っています。特に、機械化が進んで人の手をかりずに営業活動ができる状態にあるわけですから、時間を限定したサービスはおかしいと言わざるを得ません。ある意味では日本より治安状態が悪いと言われているアメリカでそれなのですから、もう少しこの辺のところも考えた方がよいのではないかと思います。そういった意味でこの質問をさせていただきます。
○窪野説明員 御説明いたします。 先生御案内のように、銀行の機械化の進展に伴いまして、CD、ATM、大変に整備が進んでおりますが、これらの稼働時間につきましては行政上の規制はございませんで、金融機関の自主的な経営判断にゆだねられております。すなわち金融機関それぞれが、顧客の一方での利便性、他方でいろいろなコストがかかります。先生御指摘の防犯上の観点、あるいはCD、ATMを稼働している間コンピューターを稼働させなければいけないので、他の業務のためのバッチ処理ができないとかそういった面、あるいは保守、メンテナンス、例えば現金を補てんしなければいけない、あるいは機械的なトラブルが起きた場合の対応、こういったもろもろのコストがございまして、そういうものを総合的に勘案して自主的に決定しているところでございます。 一般的に申し上げますと、平日ですと八時四十五分から十九時、土日は九時から十七時というのが通例でございますが、金融機関によりましては終了時間を遅い時間にしている例がございます。あるいは、三百六十五日稼働したり祝日も稼働しているというような状況でございまして、これはそれぞれの金融機関が創意工夫をしながら経営判断をしているという状況でございます。
○武山委員 実際に私、国会の中で大和銀行を使っているわけですけれども、大体七時以降は使えないというのが現状です。 最後に、結論としまして、日本の物価は高い。消費財についてはアメリカの約二倍になってしまっている。先ほども申し上げましたが、実質的には国民は豊かだと感じられなくなっているのが実情なのです。こういった実態を分析する中で、その原因は一体何なのか問われてくると思います。 私が考えますには、第一に規制であり、第二に公的企業に代表される地域独占であり、第三に流通、物流分野での非合理性であると考えております。そういった考え方を基礎にして結論づけるとしたら、最低限度のはずの規制がふえ、それが民間の活動、消費者利益を阻害していると言えるのではないでしょうか。そうだとするならば、原則論として経済的規制は撤廃すべきだと思っております。 これで私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○後藤委員長 武山さんの質疑は終わりました。 次に、寺前巖君。
○寺前委員 大臣が大臣の任務におつきになったときの記者会見の内容を読んでいますと、これは「二百七十九項目の規制緩和策を閣議決定した。今年度内に五カ年計画を決定し、完全に実施できるよう全力をあげたい。経済的規制は原則自由でよいが、弱肉強食であってはならない。」云々ということを、就任に当たってお述べになっておられます。私も、この「経済的規制は原則自由でよいが、弱肉強食であってはならない。」という、この弱肉強食の分野が、これが規制緩和で一番気になるところなんです。 それで、改めて経済改革研究会、平成五年十一月八日の中間報告、「規制緩和について」というのを読ませてもらった。すると、ここにこう書いてあるのです。「規制緩和によって、企業には新しいビジネスチャンスが与えられ、雇用も拡大し、消費者には多様な商品・サービスの選択の幅を拡げる。内外価格差の縮小にも役立つ。同時に、それは内外を通じた自由競争を促進し、我が国経済社会の透明性を高め、国際的に調和のとれたものとするであろう。」これは、大臣が弱肉強食であってはならないと危惧している方向とは大分違うなというふうに私は感じた。 そこで、国会にも規制緩和及び対米貿易問題等に関する実情調査議員団報告書というのが平成六年四月に出ておりますので、改めて、アメリカに調査に行かれた人たちがアメリカの規制緩和を通じて何を見てきただろう、これを読ませてもらった。そうすると、ちゅうちょの方が主要な側面になっている。そうすると、この経済改革研究会が出した中間報告の立場でおったら、えらいことに日本の国が引きずり込まれていくんじゃないだろうか。私は、原則の問題をきちんと確立しておかないと、これは大変だなというふうに感じ入った次第です。 そこで、大臣自身が五カ年計画を云々とおっしゃる以上は、五カ年計画を決定するという立場に立つならば、規制緩和によって失業問題を初め労働者や消費者に与える影響が全体としてどうなるのかという懸念の問題についての予測を、国民の前に明らかにする必要があるんじゃないだろうか。それを抜きにして規制緩和と言っておっても、それは部分的にいろいろあるでしょう。だけれども、原則的に果たしてこれが国民にとっていい方向に向くのかどうかという問題は、これは予測値をどう見るのか。この経済改革研究会が出しているバラ色に描いている話からいくならば、私はえらいことになるなという感じを率直に持ちますので、大臣の所見を聞きたいと思います。
○山口国務大臣 御指摘の研究会、いわゆる平岩研究会と言われているものだと思いますが、これは細川総理の私的諮問機関だと承知をいたしております。 私どもといたしましては、規制緩和につきましては、自民党、社会党、さきがけ三党による政権樹立に関する合意事項、これを基本といたしましてこの行政改革に取り組んでまいりたいと思っているわけでございまして、御指摘の研究会の中身にすべて拘束をされるというものではないということを御理解いただきたいと存じます。
○寺前委員 何も拘束されんかて、規制緩和というのは、考慮というんですか、危惧する内容があるよと、その当時から政府としてはそれに基づいてずっと動いてきている事実があるからですよ。 そうすると、拘束されようとされまいと、今までやってきたやり方を、バラ色に描いているやり方でよろしいのか、バラ色に描けないという態度をおとりになるのかどうか、これが第一点。 第二点、バラ色に描けないというならば、描けない内容を国民の前に公表すべきじゃないか、このまま進んだらこういう問題点を含んでくるんだと。だから、大臣がおっしゃった弱肉強食にならないようにという危惧というのが、前内閣からとってこられた施策の中にあると大臣は見ておられるから言われたのだろうと私は思うから、その二点についてお答えをいただきたいと思います。
○山口国務大臣 お答えいたします。 まあ寺前さんのお考え方、認識と私の考え方、認識は決して一致するものではない部面も随分あるのではないかと思いますが、いずれにいたしましても、私は、経済的規制については原則自由という立場で規制緩和を進めることは、これは必要であると思っておりますが、しかし寺前委員が指摘されましたように、ややもすれば、例えば大店法の問題を考えてみましても、結局、当該の都市を歴史的に支えてきた商店街の皆さん方、そういった方々が新しく参入する大型店によっていろいろな意味で困難な情勢にあるということは、全国各地でやはりあらわれているわけですね。 したがいまして、現在、大店法に対する規制緩和というものは、奥様方で今お勤めになっている方々が非常に多い。そうしますと、お勤め帰りにお買い物をするということを考えました場合に、営業時間が極めて早く終わってしまうということでは国民の皆さん方に大変不便だということで、営業時間についてはこれは弾力的に対処しようということで、午後七時を午後八時まで営業時間を延長するということについては現在対応いたしておりますけれども、それ以上のことについては、今直ちにこれを緩和しようということにはなっておりません。 そういった配慮が私は必要である。中小企業に対しては、やはり今日まで都市の伝統を支えてきた中小企業の方々に対する配慮が必要だし、働く皆さんに対しては雇用対策を考えなきゃならぬし、また弱肉強食ということがあってはいけませんから、独禁法の適正な運用というものも必要である。そういうことをイメージして、先ほど申し上げたようなことを記者会見の際に申し上げたのだということで、御理解をいただきたいと存じます。
○寺前委員 それで、議事録を読みますと、石田前総務長官のときにも、「規制緩和が必ずしも経済効果だけではない、消費者のメリットを生むだけではない、その反面いろいろな問題が惹起するであろうということは、これは十分想定できるわけでございます。」と。ですから僕は、前のときからこれはやはりずっと継続して危惧する内容というのがあるから大臣もおっしゃたんだろうと思うので、だからそういう意味では、五カ年計画を決定する場合にはどんな点が危惧されるのか、与える影響、全体の予測というのを私は発表されるべきだというふうに思うわけです。 最近「アメリカの没落」という、こんな本を国会図書館で借りてきて、ちょっとぱらぱらと読ましてもらっているんです。アメリカの規制緩和による労働者への影響はどうであったのか。この本によると、一九七八年の航空業の自由化で、五万人以上が職を失うた。八〇年の運送業の自由化では、十五万人以上が失業した。八二年にはSアンドLが自由化され、約六百五十の業者が倒産し、消費者救済のために政府が五千億ドルの負担を行ったという。規制緩和の結果、競争が激化して、そして倒産し、解雇が繰り返され、新しく雇用機会がつくられたが、労働者の賃金は大きく切り下げられた、こういうことが書いてある。 あるいは、フライト・アデンタント協会のデータによると、八三年の平均年収は二万八千八百四十七ドル、これが六年後には二万七千百六十ドルに下がっている。物価が二四%上昇した間に、給料は六%も減少した。つまり、アメリカの規制緩和は、最終的には労働者の労働条件切り下げをもたらすという結果が生まれているということが、ここにこう出てくるわけです。 規制緩和によって、ブルーカラー、ホワイトカラーを問わず、労働者は低賃金の職に追いやられていることが、ここには述べられています。例えば、三万ドルの年収の三人が解雇され、一万五千ドル、半分の賃金で六人を雇い入れる。しかし、アメリカ政府の統計では職の増大が記録されて、賃金の引き下げの方は統計に出てこないということも、この内容から明らかになってくるのです。 それから、文芸春秋の九四年十一月号に「規制緩和という悪夢」という論文が載っています。それを見ていますと、航空業では多くの会社が倒産消滅し、大勢の労働者は家のローン、子供の養育ローンの支払いも終わらないまま、人生設計の途中でほうり出されたと指摘がされています。こうやって、アメリカの規制緩和は、失業、賃金引き下げなど労働者に大きな影響を与え、苦渋をもたらしているという実態が次々と出てくるわけなんです。 この間、国会の調査団がお行きになって、そして議長あてに出されたところの報告書を見ますと、ブルッキングス研究所の所長らは、通信分野の規制緩和を進めているが、ある程度の規制緩和により八年間で二十万人近くの労働者が失業した、通信産業全体の一八ないし二〇%の雇用者が失職したことになるわけです、こう答えている。消費者の権利同盟フィールズ事務局長は、議員団に対して、安定的な雇用から、競争力を維持するためにレイオフされるという状態で、企業は競争力のためということを口実に、雇用問題を犠牲にしてダウンサイジングを進めていると指摘して、規制緩和は企業のためであったと思う、こう最終的に述べているわけです。 私は、現に進んできた結果がこういう姿になってきているということになってくると、危惧はますます歴然と、これからの私たちの上において中心的位置づけとして見直しをやってみないと、これは私は、単純にバラ色に描いている報告書のようなことがやられたら困ったなと言わざるを得ないと思うのです。だから、私は最初に申し上げましたように、全体の予測がどういうことになるのかということを国民の前に明らかにする、そしてそのためにはどういう手だてが要るのかということを明確に打ち出してやらないと、それを抜きにしてすいすい進めるわけにはいかぬなということをつくづく感じますので、改めて大臣のこれに対する決意を聞いて、終わりたいと思うのです。
○山口国務大臣 最近の文芸春秋あるいはエコノミスト等々で、アメリカの航空業界の状況についてさまざまなレポートがありますのは、私もさらっと拝見をいたしました。きょうテレビを見ておりましたら、シカゴ近くの空港におきまして事故が発生をした、その会社は大変安い航空運賃で運航している会社である、事故率が高いというようなことを報道しておりました。やはり航空行政を考えれば、安全性の確保ということが極めて重大であることは、私がここで申し述べるまでもないと思います。 私ども規制緩和を進めます場合、例えば各界の意見を聞いているわけでございますが、総務庁は各ブロックに行政監察局を持っております。そのブロックにおきまして、規制緩和推進懇話会というのを開催いたしまして、私も福岡と東京の二つの会場に出席をいたしました。そこは業界の方々ばかりではなくて、労働界の皆さん方あるいは消費者団体の代表の皆さん方、各方面の方々も御出席をお願いをいたしまして、そしてそれぞれのお立場からの率直な御意見を承っております。特に消費者の皆さんからは、食品の安全、健康を守る、そして命を守るという点での規制については、やはりきちっとしてもらいたいというような強い要望も承ってまいりました。 したがいまして、私どもこの規制緩和を進めるに当たって、経済的規制と社会的規制ございますが、それに対する考え方はもう申し上げたとおりであります。その原則を踏まえ、できる限り国民各階層の皆さん方の御意見を承る中で、具体的にどのようなこの緩和をやっていくかということを私ども検討しながらこれを進めていくという立場をとっておりますということを、ひとつ御理解を賜りたいと存じます。
○寺前委員 時間が来ましたのでやめますけれども、大臣、率直に一言だけもう一回聞いておきたいのですが、さっきちょっと読みましたけれども、この研究会がバラ色に描いているでしょう。バラ色だけではあかんよということを大臣として決意しておられるのかどうか、そこのところだけをきちっと押さえて、したがって、やる以上はバラ色に描かぬようにきちんとしたものをつくり上げていきたいと、この決意をちょっと聞きたいのです。
○山口国務大臣 先ほどお答えしましたように、行政改革を進めるに当たって、私ども村山内閣は三党の合意事項、これを基本にして進めようと考えております。 御指摘の平岩研究会のレポート、私は拝見をいたしておりません。
○寺前委員 終わりますけど、わし読んであげたんやから、だからそこのところはバラ色に描くことは絶対しないのか、するのかだけを私は聞いておるのであって、これは前の政権からのときの話なんだから、大臣である以上、前の政権のときのことをやはり知った上で仕事をせんならぬから、だからそれは私はちゃんとおっしゃた方がいいと思いますよ。知らぬだけではあかんのと違うやろか。 終わります。
○後藤委員長 寺前君の質疑は終わりました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時九分散会