安全保障委員会 第2号
- 発言数
- 175 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1994/10/25
会議録
○近藤委員長 これより会議を開きます。 第百二十八回国会、内閣提出、自衛隊法の一部を改正する法律案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 本案につきましては、去る第百二十八回国会におきまして既に趣旨の説明を聴取いたしておりますので、これを省略するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○近藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 自衛隊法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕
○近藤委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大野功統君。
○大野(功)委員 自由民主党の大野功統でございます。 私は、我々が今議題といたしております自衛隊法の一部改正法案、すなわち緊急時における在外邦人の輸送の問題につきまして、一日も早く、一刻も早く成立させてほしい、この気持ちは同僚議員皆様ほとんど同じだと思いますけれども、このような観点から質問をさせていただきます。 言うまでもないことでありますけれども、東西冷戦が終わりまして、今、地域的、民族的あるいは宗教的な紛争が数多く発生する、このような時代が五十年は続くのではないか、こう言われております。他方におきまして、日本人の活動、主として経済活動でありますけれども、これはもう地球規模で広がっていっております。多くの日本人の企業戦士あるいはその家族があらゆるところへ住んで、そして活動を続けているわけであります。このような状況のもとで、いついかなる場合に危険な状態が発生するかもしれない。そのときに、とにかく政府としてそのような在外邦人を救出する、そして安全な場所へ輸送する、これはもう言うまでもないことであります。この問題は、振り返ってみますと数多く発生いたしておりますが、特にイラン・イラク戦争の例というものは我々に大きな反省の材料を投げかけております。 この自衛隊法の一部改正法案につきましては、もうかなりの紆余曲折がありましたけれども、第百三十回国会におきまして、我々は衆法を、つまり自民党提出法案を継続審議にしないということを決定いたしまして、今や採決の環境は整っていると言えます。しかも、百二十八回国会におきましては十時間になんなんとする審議をやっておりますから、法案の趣旨、目的その他は十分我々もわかっているところでありますけれども、なお、大事な問題でありますので、確認をさせていただきたいという観点から、基本的に大事であると思われるような点を若干質問させていただきたいと思います。 第一に、外務大臣にお尋ね申し上げたいのでありますけれども、このような危険、今申し上げましたように地域的な紛争が起こる、その紛争の情報をいち早く的確に把握をして、それを在外邦人に伝えて、危険な状態になる前に安全な場所へ移動してもらう、これはもう大変大事な問題でございます。危なくなってから脱出するよりも危なくなる前に安全な場所へ移動してもらう、これが一番大事な問題でありまして、例えば平成五年十一月五日の閣議決定におきましても、「政府としては、緊急時における在外邦人等の保護について、在外公館の情報収集の強化や民間との連携を含む総合的な危機管理対策の一層の充実を図るものとしこのように書いてございます。 大変大事な問題でございますので、ひとつ外務大臣から、まあ閣議決定から日は浅いのでありますけれども、この問題は随分前から言われている問題でもありますし、これまでどのような危機管理対策の措置をおとりになったか、それから今後どのような措置をおとりになるつもりか、この辺についてお教えをいただければありがたいと思います。
○河野国務大臣 委員御指摘のように、国際情勢は極めて流動的な状況に今入っていると思います。東西の冷戦が終えんをして新しい国際秩序ができる、そういういわばちょうど間の時期ということもあって、流動的な部分というものがあると思います。また他方、貧富の差、国と国との貧富の差、あるいは国内における貧富の差、そういったものからくるトラブル、あるいは今御指摘のように民族間あるいは宗教間の問題等がございまして、やはり我々は一分たりとも安閑としていられない、そういう地域は世界に幾つかあると思っております。 で、我々は我々なりに経験を積みまして、こういうときにはどうしなければならないかというような体験に基づいた危機管理といいますか、そういうことを考えております。とりわけ政府部内におきましては、在外公館をその中心として、邦人に対するニュースを的確に伝える、あるいは邦人がどこでどういう状況におられるかということもでき得る限り情報として収集をするということなども含めて、できる限りの体制を整えるべく努力中でございます。 どういう努力をしておるかというお尋ねでございますから、在外公館等の邦人対策の予算なども強化しておるという点などについて、若干政府委員から予算その他について答弁をさせたいと思います、
○畠中説明員 お答えいたします。 先生御指摘のとおり、邦人保護につきましては、最近海外での事故その他が頻発しておりますこともありまして、外務省といたしましても、体制の充実に努めてきております。 危機管理の面につきましては、ソフトの面、ハードの面、両面から体制を整える努力をしております。 ソフトと申しますと、在外で緊急事態が起こったときにどういう体制で対応するか、例えば各市外公館での危機管理の責任者、それから邦人の皆様との連絡体制、ネットワークというものをほとんどの国で設定しておりまして、場所によりましては、緊急事態を想定したマニュアル的なものもつくるように努力しております。また、国内におきましても、情報を早く的確に伝播する体制を整備しつつあります。 ハードの面で申し上げますと、これが予算面での大宗でございますけれども、今申し上げました広報啓発の面のみならず、例えば在外での連絡体制のために長距離無線あるいは移動電話、インマルサットといったような無線施設の拡充充実、それから大使館で対応しますための施設の充実、あるいは要すれば必要なときにある程度大使館で対応できるような備蓄の整備、そういったようなものも含めまして、体制を強化しております。 ちなみに、平成六年度の予算はこういうものを強化いたします予算といたしまして三十億九千万円をいただいておりますが、この予算につきましては、五年度のこういう予算に比較しまして、財政当局の御理解もいただきまして、三七・三%の増加を認めていただいております。今後ともこういうような危機管理体制の強化につきましては、ハード面、ソフト面の充実を図ってまいりたい、そう思っております。
○大野(功)委員 ありがとうございました。今後とも危機管理対策については十分に強化していただきたい、この希望を申し上げさせていただきます。 そこで次に、今回の改正は百条の枝番、枝として、百条の八として出てくるのだと思いますけれども、この百条というものを歴史的に振り返ってみますと、そもそも百条というのは「土木工事等の受託」でありますね。それで百条の二が「教育訓練の受託」、百条の三が「運動競技会に対する協力」、百条の四が「南極地域観測に対する協力」となっておりまして、このあたりまでは親しみやすい自衛隊、近づきやすい自衛隊、こういうような気持ちが流れているように思いますが、百条の石あたりから少し変わってまいります。百条の五は「国賓等の輸送」であります。もっとも、この国賓等の輸送につきましては黒字減らしという問題と関連していたのかもしれませんけれども、百条の六あたり、完全に性格が変わってきたんじゃないか。 百条の六は「国際緊急援助活動等」であります。百条の七「国際平和協力業務の実施等」、いわゆるPKOであります。まさにPKO問題、このたびもルワンダに、ルワンダ難民救援のために自衛隊を派遣しておりますけれども、まさに百条の七あたりになりますと、日本を代表して自衛隊に活動してもらっている、こういう色彩が出てきているような感じであります。したがいまして、国民を代表して国のために頑張ってくれている。初めの四までは親しみやすい自衛隊、こんな感じでありましたけれども、それ以降、極めて国民の期待が大きくなってきている。国際的にも期待が大きくなってきている。 このような国内外の要望を背負いながら、条文を読んでみますと、百条の五以降、それ以前もそうでありますけれども、「自衛隊の任務遂行に支障を生じない限度においてこと書いてあるのですね。まさに付随的な書き方になっている。何だかPKO活動をやっているのはどうもまま子扱いになっているのではないか、こんな感じすらしないでもないわけであります。 そこで、まずお尋ね申し上げたいのでありますけれども、このような、海外に出てしかも危険な目に遭いながら国を代表して、国民を代表して活動する自衛隊の仕事、どんどんふえていっているのでありますが、このふえていっているという現状に対して、長官、御感想がありましたらよろしくお願いします。
○玉沢国務大臣 自衛隊法におきまして、本来任務のほかに、今御指摘がありました各種のいわゆる付随的任務が規定されている趣旨は、国の防衛という基本的な任務を果たすため日夜厳しい訓練を通じて培ってきました自衛隊の技能、経験及び組織的な機能を、さまざまな場面で国民のため、また世界のためにも活用することが有効かつ必要である、こういうように考えたからであります。 防衛庁といたしましては、このような国民の負託にこたえるべく、適切に業務を実施してまいりたいと考えております。
○大野(功)委員 趣旨はよくわかりました。すなわち、法文上に自衛隊の任務遂行に支障を来さない限度においてと書いてあるということは、やはり付随的な任務である、こういうふうに受けとめられるわけでありますけれども、例えば防衛問題懇談会の報告書を拝見いたしましても、やがてはPKO活動のようなものを自衛隊の本来の業務にしてもいいんじゃないか、こういう考えも十分あり得るように思います。 一体こういう任務は、わかりやすく御説明いただければと思うのでありますが、本来の任務なのか、それとも付随的任務として現段階ではとらえているのか、この点、少し明確にお答えいただければ幸いであります。
○玉沢国務大臣 自衛隊法第三条におきましては、御承知のとおりでありますが、「直接侵略及び間接侵略に対しわが国を防衛することを主たる任務とし、必要に応じ、公共の秩序の維持に当る」ことが自衛隊の本来の任務であると規定しております。 一方、自衛隊の部隊等に国際平和協力業務や国際緊急援助活動を行わせることは、自衛隊が長年にわたって培ってまいりましたその経験、組織的な機能の活用を図る、こういう観点から、自衛隊法の第三条の改正をしないで自衛隊法第八章に規定されている他の業務と同様の位置づけとしたものでございます。 ただ、我が国が国際社会の責任ある一員として今後活動していくという上におきましては、このような国際的な貢献というものも重要視いたしまして、国連平和維持活動への参加については自衛隊の活動を行う、こういうことで進めておるものでございますが、御指摘がありましたように、防衛問題懇談会の報告におきましてもこの点が指摘されておるわけでございます。今後、防衛力のあ り方の検討の中で、自衛隊による国際平和協力業務の実績、経験等を踏まえまして、御意見も参考といたしまして検討してまいりたいと考えております。
○大野(功)委員 第三条との関連についてはよくわかりました。 それでは、百条の中での優先順位という観点からお尋ねを申し上げたいと思うのでありますが、先ほども申し上げましたように、百条の五で「国賓等の輸送」ということをうたってありますけれども、例えば、副総理・外務大臣がサミットのために政府専用機に乗っていこうという計画があるときに、地球上のある場所でどうしても在外邦人の救出をやらなければいけない、それも数が多い、いろいろな条件を勘案して政府専用機が一番よかろう、こういうケースは想像できるわけでありますけれども、そういう場合にはどちらを一体優先させるのであろうか。サミット優先なのか。サミットも大事なことであります。しかし、もっともっと邦人救済というのは大事なことではなかろうか。 我々が税金を払うのも、いざ鎌倉のときに国が国民、我々を守ってくれるから税金を払っている、これは基本であります。国の成り立ちの基礎というのは、やはり防衛があるから、国を守ってくれるから、国民を守ってくれるから国が成り立っているわけであります。いざという場合にもし守ってくれないようであれば、税金も払わない、これはもう税金と国防は国の成り立ちの基礎でありますけれども、そういう観点から、私はやはり、サミットへ行くのは例えば民間航空機で行ってもらって、そして邦人救出は政府専用機で行ってもらいたいなという気はするのでありますけれども、防衛庁長官ならどちらを優先させますか。
○玉沢国務大臣 当然邦人救出の方を優先する、こう考えてよろしいかと思います。よろしいですか。
○大野(功)委員 いやいや、大変安心をいたしました。 そこで、私がちょっとよくわからないのは、先ほど引用させていただきました平成五年十一月五日の閣議決定の第三項でありますけれども、ここに書いてあるのは、必要に応じ閣議決定をすると書いてあるのです。必要に応じ閣議決定をする。どういうことを勘案するかといいますと、例えば派遣先国の状況、それから派遣機種の問題、機数、人員数、こういうことを勘案して必要に応じ閣議決定をする、これは極めてよくわからないのであります。 そこでお伺いしたいのでありますけれども、例えば派遣先国の状況を考えてみますと、安全なら閣議決定は不要なのかという趣旨なのかどうかですね。それから、航空機の経路が危険であったら当然もう行かないということになるわけであります。危険かどうかわからない、安全について不確かなときだけ閣議決定するのかなというふうに解釈もできますし、あるいは、派遣機種も勘案すると書いてあるところを見ると、政府専用機を飛ばすときにはもう閣議決定は要らない、ただ自衛隊機を飛ばすときには閣議決定は要るのかな、こういうふうにも解釈できるわけであります。 私はやはり、海外へ行って、そして大変危険な、航空経路の問題につきましては安全を確保すると書いてありますけれども、現場へ行ってみたらどういうことが起こるかわからない、予想がつかないケースもあると思います。しかし、人命は何よりも重いわけですから、我々としては救出に行ってもらいたいなという気はするのでありますけれども、この点、私は閣議決定はいかなる場合にもしてもらいたい。国を代表してやるような仕事であります。自衛隊にやってもらう仕事でありますけれども、国全体を代表してやるような仕事でありますから、責任は政府にある、こういうことで、すべてのケースについて閣議決定をやってもらいたい、こう思っておるところでございますけれども、せっかく副総理お見えでございますので、私の要望、気持ちをどういうふうに受けとめていただけるか、お答えいただければ幸甚でございます。
○河野国務大臣 今回のこの邦人救出の問題は、一つは極めて緊急度の高いものでもございます。そうしたこともあって、適宜適切に外務大臣、防衛庁長官が十分相談の上判断を下すということでよろしいのではないかと私はまず思っておりますが、今委員からも御指摘がありましたように、種々の条件というものがあると思います。まさに今委員が御指摘のように、自衛隊機を飛ばすということになると、それについて大変センシティブな国もございましょう。もちろんどの飛行機を飛ばすにせよ、先方の国の同意がなければ飛ばせないわけでございますから、そういったことも場合によれば無用の心配であるかもしれません。あるいはまた防衛庁、外務省以外にも他の役所が協力をした方がスムーズだという場合もあるかもしれません。こういった場合にはさらに別の閣僚の合意というものも必要だということになるとすれば、それは閣議で了解を得る、閣議の決定を受けて行くということも時に必要であるかもしれないと思っております。 民間機を飛ばすというときには、一々閣議を開いて決定して飛ばすわけではないわけでございまして、この自衛隊機も、言ってみればほぼ同じ条件を満たして飛ばすということになるわけで、民間機の場合にはコマーシャルな判断というものがそれにプラスされるということが自衛隊機の場合にはないというだけで、他の条件というものはおおむね同じ条件で飛ばすわけでございます。民間機を飛ばすときには閣議の決定はなして飛ばすが、自衛隊機の場合にだけ、あるいは政府専用機の場合にだけ閣議決定を必ず必要とするということがいいかどうかということで、やはりこれは必要とあれば閣議で決定をする、必要でない場合には防衛庁長官あるいは外務大臣の合意によって判断をするということでよろしいのではないかというのが我々の判断でございます。
○大野(功)委員 民間機に救出をお願いする場合にはもちろん閣議決定も要りませんし、それから防衛庁長官に依頼するということもない、これはもう当然のことだと思います。 ただ、政府専用機ないし自衛隊に出動してもらうという場合には、政府専用機を運航しているのは自衛隊でありますし、それから、自衛隊機となりますといろいろな問題があろうかと思いますので、私自身の個人の気持ち、要望としましては、やはり民間機は別であります、政府専用機あるいは自衛隊で行く場合にはぜひとも閣議決定をお願いしたい。要望いたしまして、次の問題に移らせていただきます。 次に、私は、この法律、法文上の問題というのはもう十分に審議されておりますから、この法文の持つ意味というのはそれぞれわかっているはずでございますけれども、なお確認をさせていただきたい。と申しますのは、法律というのは一たんつくりますとどうしてもひとり歩きをするわけであります。言葉がひとり歩きをしてしまう。こういう観点から、ぜひとも確かめたいところが幾つかあるわけであります。 今回の、我々が今議論しております内閣提出法案、これと百二十八回国会で自民党が出しました衆法、この違いは二点あるわけであります。しかしながら、法本来の目的はもう全く同じである。これは確認をしておきたいわけでありますけれども、法本来の目的はもう全く同じである、しかし文章で入れた途端にそれがいろいろに解釈される可能性がある、このところは我々は十分認識しておかなきゃいけないと思うのであります。 そういうことで質問をさせていただきますけれども、最近、法文上、本来の法律の趣旨、目的と違っているのじゃないかというような事件がございましたので、ちょっと聞いていただきまして、そこから始めさせていただきたいと思うのであります。 今回ルワンダに、自衛隊の皆様大変御苦労でございますけれども、国際的な人道支援活動をしていただいております。私もルワンダ難民調査団の一員として、与党調査団の一員として現場を見させていただきました。大変な状態である。こうい う状態のところで三カ月も、任務を遂行するためとはいえ生活をするのは大変だということで、若干の激励金を自民党として、自民党所属国会議員一人一人から一万円ちょうだいして、これを個人の名前じゃなくて自民党という名前で差し上げよう、こういう計画を立てたのでありますけれども、これがやはりたしか公職選挙法百九十九条の二というところでひっかかる、こういう御忠告がありました。 この公職選挙法の目的というのは、あくまでも選挙をする人が、有権者が公正な、何人にも左右されないで自分の意思を表明する、これを妨害するような行為は寄附行為としてだめだぞ、いかなる行為でもだめだぞ。公職選挙法百九十九条の二というのは御存じのとおり、公職にある者、公職にならんとする者はいかなる名義をもってしても寄附行為をしてはならない、こう書いてあるわけでありまして、その法文どおり読むとこれは確かに問題はあるのでありますが、法の趣旨に照らすと、これはどうも何だかおかしな話だな。法律が成立時の目的を達成できずに書いてある文言で左右されるというのは、本当に困るのであります。 例えばそういうケース、あるいは法律が公平に運用されていない、こういうケースもあるわけであります。本来の目的を達しないあるいは公平に運用されない、こういう例をほかに挙げてみますと、例えばスピード違反とか脱税とか選挙違反、これは見つかり損みたいなところがあるんです。これは公平に運用されていないから、何だか庶民感覚としては見つかり損になってしまう。これはおかしいのでありまして、これは運用で公平を期さなくちゃいけない。それから、運用で法の目的を達成しなければならない。私は、そういう意味で、法律をつくるだけじゃなくてやはり運用面で十分注意をしていただきたい、こういう気持ちで質問をさせていただきます。 第一に、法案を見ますと、「外務大臣から外国における災害、騒乱その他の緊急事態に際して生命又は身体の保護を要する邦人の輸送の依頼があった場合においてここう書いてあるわけでありまして、先ほど河野外務大臣からまず民間機を飛ばす場合もあるんだというお話もありましたけれども、いかなる場合に外務大臣は防衛庁長官に対してかかる依頼をするのか。民間機がある、あるいは国連救援機もある、外国の軍用機もある、それから日本の政府専用機、自衛隊機もある、いろいろなケースがあるのです。だけれども、この法文ができたからといって、安易に防衛庁長官にやれ飛ばせと言うわけに私はいかぬと思うのです。 一番大事な法の精神というのは、迅速にその場でもし外国の軍用機があればそれに頼む、これが一番じゃないか。そして、迅速に安全に邦人を安全な場所に移動させる、これが一番大切なことだと思いますので、いかなる場合か、わかり切ったことかもしれませんけれども、外務大臣、お答えいただければありがたいと思います。
○河野国務大臣 御質問でございますから、念のため申し上げておきたいと思います。 外国におきまして災害、騒乱その他の緊急事態が発生をして在外邦人の退避が必要となった際、次の基準によって依頼をするということになっております。 一つ、定期便などの利用が可能な場合はこれによる退避を勧奨する。つまり、定期便がまだ飛んでいるときにはできるだけ定期便で退避してくださいということを申し上げる。二つ、定期便などの利用が困難になった。危ないというのでみんなが押しかけるものですから、定期便は飛んでいるけれどももう切符がとれない、乗れない、こういう利用が困難になったとき、または不可能な場合には、次のような要素を総合的に勘案して民間チャーター機及び政府専用機を含む自衛隊機の中から自衛隊機が最も適当と判断される場合に外務大臣は防衛庁長官に依頼を行う、これが原則でございます。
○大野(功)委員 ありがとうございました。 それで、そういう面についてはやや漠然と書いてある。例えば安全の確認、安全の確保ですね。これも漠然としているかもしれませんが、安全の確認が書いてあるからといって安全確保のために協議が長引いたりというようなことは絶対ないものと信じておりますので、この点はもうお答えは要りませんが、そういう法の趣旨を十分に踏まえて運用していただきますよう、お願い申し上げます。 それからもう一つ、第二項であります。第二項は「空港施設の状況」と書いてございますけれども、この辺はよくわかるのでありますが、「その他の事情により」これが困難、つまり政府専用機を使うことが困難な場合には自衛隊機を使ってもよろしい、こう書いてあるのであります。「その他の事情」、大変漠然とした話でありますけれども、この辺は、やはり先ほどから申し上げておりますように、一番大事なのは命を救うということであります。邦人の救出であります。この点について防衛庁長官からお答えをい、ただければ大変ありがたいと思います。
○三井(康有)政府委員 御指摘のございました「当該輸送に際して使用する空港施設の状況その他の事情」と申しますのは、具体的状況に応じました適切な輸送をするための諸条件全般を言うものと解されます。ここで「空港施設」と申しますと、当然に派遣先国の空港の滑走路の長さとか厚さといったことが考えられるわけでございますが、「その他の事情」と申しますと、政府専用機のその時点における使用の状況か主として考えられます。具体的には、他の目的で政府専用機が既に使用中であって邦人救出に使えないとか、あるいは近々他の目的で使用の予定があるとか、あるいは政府専用機がたまたま整備を受けておって使えないといったような状況を主として指しておるということでございます。
○大野(功)委員 せっかく「その他の事情」と書いてあるわけでありますから、柔軟にひとつ考えていただきたい。一番大切なのは、繰り返し言います、これはもう邦人の救出であります。 それから、これで私の最後の質問とさせていただきますけれども、やはり閣議決定でございます。この閣議決定の五項に、全部読むと長くなりますので、「当該輸送の具体的態様等に応じた、適切かつ必要最小限度のもの」で救出を図りなさい、こう書いてあるのでありますけれども、私は、先ほどからたびたび申し上げておりますように、命というものは何よりも重い、さすれば効率性よりも命を重んじるべきじゃないか、効率性よりも安全性を重んじるべきじゃないか、効率性よりも迅速安全な救出を重んじるべきじゃないか、こう主張したいものであります。 効率性とか公正性とか言っていますと、まさに今はやりのリベラルかコンサーバティブかみたいな話になってきますけれども、この救出作業におきましては、ぜひともコンサーバティブじゃなくてリベラルでお願いしたい。この点につきまして、閣議決定は「適切かつ必要最小限度」とは書いていますけれども、どうか安全、人の今、これを重点的に考えてもらいたいと思うのでありますけれども、両大臣におかれましては、この点、コメントがございましたら、ひとつお願い申し上げます。
○河野国務大臣 御指摘のとおりかと思います。 ただ、こういう法律ができたからといって、むやみに飛んでいくということではないと思います。邦人救出に当たっては、今委員御指摘のとおり、迅速に対応するということが必要かと思いますが、迅速に対応するまでには十分慎重な、法の趣旨について考えるべき部分もあろうかと思います。いずれにしても、邦人救出というこの目的に合致した運用というものを心がけなければならないと思います。
○玉沢国務大臣 海外における在留邦人の救出という大目的を達成するためには、やはり慎重にして果断、また適切にして最小限、この辺のところを柔軟かつ広く、またよく検討いたしまして適切に対応していく、こういう決意で臨んでまいりたいと思います。
○大野(功)委員 ありがとうございました。 まず、何が何でも政府専用機、自衛隊機を飛ばすわけではない、ただ飛ばす場合にはいろいろそ ういう目的を持ってやっていただく、そこでやっぱり閣議決定というものが大事になってくるのじゃないか、私はこのように思う次第でございます。慎重かつ、慎重ではあるけれども、やるとなったら法の目的に照らして、法の目的に合致したやり方でやっていただきたい、このようなことをお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○近藤委員長 渡辺浩一郎君。
○渡辺(浩)委員 日本新党の渡辺でございます。 統一会派の改革を代表いたしまして、きょうは自衛隊法の一部改正に関する法律案に関しまして若干の質問をさせていただきたいと思います。 この法律案、長きにわたりまして審議されたというふうに伺っております。私どもといたしましては、この法案に関しまして決して否とするものではないという考えに立ちまして、きょうは主にこの運用面に関して、あるいはちょっと細かくなるかもしれませんけれども、御質問をさせていただきたい。と同時に、その後、邦人救出に関して今後のあり方、こういうものが政府の方にございましたら、質問を通じましてお答えいただきたい、こういうふうに思っております。 まず、この法案の中におきまして、百条の八の中で「長官はこ云々と書いてありますが、途中で「当該輸送の安全について外務大臣と協議して云々と書いてございます。当然、安全を確認してからこの政府専用機を、あるいは邦人救出の活動が始まるかと思うのですが、この安全ということに関しまして、まあ何回も質問があったかと思いますけれども、これは当然相手国から安全を確認して、了解をとって、それで私どもはそれを確認して邦人救出の活動に入るかと思うのです。しかし、必ずしも相手国政府からの安全の申し出だけではなくて、例えばゲリラとかあるいは反政府軍の活動が拮抗している場合もあると思うのですね。そういった場合の安全の確認というのはどういうふうにされるのか、これをひとつぜひお伺いしたいというふうに思います。 これと、安全に関してもう一つは——まあいいです。この辺についてちょっとお伺いしたいと思いますので、お願い申し上げます。
○畠中説明員 お答え申し上げます。 ただいま御指摘のありましたように、基本的には外交ルートを通じまして、相手国の政府の権限ある当局から、飛行場の着陸許可あるいは経路の安全というものについて措置をとってもらう、あるいはとっておられることを確認いたしますけれども、しかし、それだけでは必ずしもすぐ飛べるということではございません。例えば、今御指摘のような、政府がその飛行場をきちんとコントロールされておるときはよろしゅうございますけれども、そうでないような状況におきましては、もしそこの確認をできる、そこの安全についてコンタクトができる、そういう当局があれば、そういうところとも確認をする努力はいたします。 また、ある国でそういう事故が、緊急事態が発生しましたときには、日本のみならず、いろいろな国の方々もおられますし、あるいはそういう国の方々の政府などとも情報交換をしながら、全体を総合的に判断して、それで安全を慎重に確認しながら政府専用機の派遣を検討していくということになると思います。 しかし、基本的には、権限のある当局の許可をまずとることが先決だと思っております。
○渡辺(浩)委員 そうすると、相手国の政府だけではなくて、例えば、場合によりますけれども、反政府側との交渉もあり得るというふうに考えてよろしゅうございましょうか。その辺、いかがでございましょうか。
○畠中説明員 お答えいたします。 どういう状況においてそういうことが発生するかわかりませんので、必ずしもきちっとしたコンタクトポイントか探せるかどうか、そういったことも個々のケースで違うと思いますけれども、できるだけそういうような安全をいろんな方面から確認しながら、それで安全ということが確認できない場合には、やはり専用機というものを飛ばすことはできないというふうに思っております。
○渡辺(浩)委員 これは一つの安全ということではありますけれども、日本の政府が相手国と交渉する形になると思いますので、まかり間違いますと、相手国の政府以外のところと交渉する危険性もあるわけですね。ということは、場合によっては反政府側とも日本側が交渉するという、次の問題が発生する危険性もなきにしもあらずだと私は考えますので、この辺をひとつぜひ慎重に対応していただきたいと思います。 もちろん、いろんなケースがありますので、こういう場合がないことは当然ありがたいと思うのですけれども、一言で言えば、相手国の政府の都合で安全が確保されているわけではありませんので、場合によっては、我が国としては相手国のゲリラあるいは反政府と交渉しなきゃいけないときがあると思いますが、そういうときに、次の外交問題にならないような手だてを打ってこの問題に対応していただきたい、こういうふうに思います。 それから、安全については私どもの方からはこのくらいでございますが、次に、その次の文章としまして、この百条の八の後半部分、真ん中あたりでございますが、「自衛隊の任務遂行に支障を生じない限度において、航空機による当該邦人の輸送を行うことができる。というふうに書いてございます。これは、この文面全体が、自衛隊の飛行機を飛ばすあるいは政府専用機を飛ばすということが、輸送に限るというふうに読み取れるわけでございます。決してその救出という文面はないと私は理解しておりますけれども、要するに飛行機を飛ばして現地の安全な飛行場におりて、それで邦人の輸送活動をするということだろうと思うのですね。だというふうに考えます。決して救生活動をしないということは、その逃げようとする邦人がその輸送機まで来るまで手をこまねいているような状態に受け取れるのですか、この辺はどういうふうにお考えなのか、お答えいただきたいと思います。
○畠中説明員 お答えいたします。 邦人が退避いたしますときの退避集合場所と申しますか、飛行場まで邦人をどういうふうに保護して連れていくかということにつきましては、基本的には在外公館が責任を持ってそのときのできるだけの方法を講じて邦人のお世話をするということになります。特に、物事が起こりましてからそういうこともできませんので、通常のときからあるいはそのいろいろな状況の進展に伴いまして、邦人の方々との緊密な連絡網、あるいは先ほども申し上げましたけれども、緊急事態のときのマニュアルといったようなものも、在外公館の責任者とそれから邦人の方々との間で打ち合わせをしておくといったようなこともふだんから準備をしておきまして、そして、そのマニュアルどおりにいくかどうかはそのときの事態の発展で必ずしも予想できない場合もございますけれども、できるだけのそういう対応をしながら、必要に応じて、もしそういう飛行場までお世話して連れていくことが難しい場合には、あるいは在外公館で一時退避するといったようなことも含めて緊急事態の対応を検討させております。
○渡辺(浩)委員 ちょっと私の理解がなかったのかもしれませんけれども、要するに、安全で飛行場に降りていく、そうするとそこへ邦人が来るのを待つだけだろうと思うのですね。実際にはそういう単純なことにはならないと思うのですよ。邦人救出というのは、後からまた御質問申し上げますけれども、行ってみたけれども非常に危険なときもあるかもしれない。そんなときにこれの、例えば安全でおりたと思ってはいるけれども、現地でなかなか逃げようとする人たちとの連絡がとれない。どのみち、通信がずたずたになるときもあるかと思うのですね。そういうときは想定はどういうふうにされているかということなのですけれども。
○畠中説明員 そういう事態に対します対応は、先ほど申し上げましたけれども、在外分館が邦人との間で連絡をしながらお世話をする。したがい まして、政府専用機で行ってそこでそういう仕事を政府専用機がするということではないということでございます。
○渡辺(浩)委員 わかりました。この文面ではそういうことだということですね。わかりました。 それでは、あとこれに関して、ちょっとこの文面から外れるのですけれども、ボーイング747、大変大きな飛行機でございますけれども、邦人か数人程度のわずかなものに関してもこの政府専用機で行くお考えなのかどうか、その辺をちょっとお教えいただきたいと思います。
○村田(直)政府委員 これはそのときのケース・バイ・ケースによると思いますか、法案の第百条の八の二項で、「前項の輸送は、第百条の五第二項の規定により保有する航空機により行うものとする。」という、大原則としてはいわゆる政府専用機で行うということを書いた上で、ただし書きとして、いろいろな条件のもとで「困難であると認められるときは、その他の輸送の用に主として供するための航空機により行う」ということで、第一の原則としては政府専用機で行う、その他の状況をいかにかみ合わせるかということは、そのときの状況いかんによるかと思います。
○渡辺(浩)委員 確認いたしますけれども、この第二項に関しましては、基本的には政府専用機になっている。あと、その他の輸送に関するときというのは、恐らくこれは自衛隊機だと思うのですが、その他の事情によって困難であると認めたときにはその他の輸送の、つまり自衛隊機を飛ばすことができるというふうになっているということは、基本的には政府専用機で行うということと理解してよろしゅうございますね。
○村田(直)政府委員 私、先ほど答えたように、基本的にはそういうことであろうと思います。そのほか、あえて敷衍しますと、そのただし書きの条件というのも加味されるであろうというふうに思います。
○渡辺(浩)委員 わかりました。 それでは、あともう一つこの文章に関して伺わせていただきます。 先ほどの安全とちょっと関連することでありますけれども、こちらの方で、日本の政府の中で安全と確認をして飛行機を飛ばして行ったけれども、現地に行ったところが安全でなかった。距離が大変長くて、現地では事態が急変して安全でないということが後からわかったといった場合には、当然これは引き返してくるということが想定されるわけです。あるいはまた、途中の国に一時待機をするというのでしょうか、そういうことも考えられるわけですけれども、その辺はどういうふうに運用を考えていらっしゃるのかをお教えいただきたいと思います。
○村田(直)政府委員 邦人の救出といいますか、輸送に任務を受けて向かう場合でございますけれども、当然のことながら、最初の段階において安全の確認が行われるということでございます。 しかし、先生御指摘のように、途中において安全について状況が変化したというようなことがわかれば、今御指摘のように途中から引き返すということもあるでしょうし、あるいはその状況が変わるのを待って、隣接国等近くの国において許しを得てそこに待機をするというようなことも考えられる。いずれにしても、本件輸送は、邦人が安全に他の地域に退避するための行動でございますから、安全を第一として運航されるということでございます。
○渡辺(浩)委員 それでは、恐らく途中で安全でないとわかればこれは引き返すということが当然考えられるわけですけれども、ではもう少し細かいことを申し上げますと、安全ということで飛行場におりた、おりて邦人救出のときに、相手、反政府側とか何かが発砲を起こして、何らか打って出てきたといったときの対応、これはどういうふうに考えられるのか。当然私どもとしてはこれは自衛しなければいけない立場にあると思うのですけれども、こういう細かいというか、もっと言えば、最悪の事態を当然考えておかなければいけないわけですね。この辺に関してはどういうふうにお考えなのか、お答えをいただきたいと思います。
○村田(直)政府委員 その点については、もちろんそういうケースも考えなければなりませんけれども、我々としては、その空港の許可を受けて着陸するわけでございまして、空港当局が安全性を保証しておるという前提のもとに着陸するものでございますから、そのような事態が生ずることはないというふうに、万々が一にもそういう事態か生ずることはないというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、十一月の閣議決定におきましても、そういうようなための武器の携行というようなことについては、これをしない、行わないということで閣議決定しているところでございます。
○渡辺(浩)委員 それはそうでありたいのですけれども、もっとも、我が国とそれから相手国政府の都合で向こうの治安が維持されているわけではありませんので、相手側の反政府とかあるいはゲリラ側が、日本の政府が専用機を持ってくるということを聞き及んでいろいろな攻撃をかけてくるのは当然考えられるわけですね。それに対して、こちらも安全確保というのは当然考えなければいけない。つまり、武器をどうするか、我が国としての武器をどうするかということにつながってくるかと思うのです。 今、基本的なことで恐縮でございますけれども、これは先ほど申しましたように輸送で専念をすることになっていますので、当然火器類、大きな機関銃とかそういうものは持っていかないと思いますけれども、しかし安全確保としては、もしも最悪の状態になったときの自衛のためのいろいろな手段を講じなければいけない、こういう相反することになるかと思いますけれども、この辺はどういうふうに考えていらっしゃるのか。つまり、今申しましたように、こちらと相手側政府との都合では安全は確保できないことも当然あり得るということが考えられますので、そのときまでもきちっと考えておかなければいけないというふうに私は思いますので、その辺を御答弁をいただきたいと思います。
○村田(直)政府委員 同じ答弁を繰り返すようでございますけれども、要するに、そういうようなケースが考えられる場合には、私どもとしては、むしろこれは安全に邦人を退避させるということが目的でございますから、それが安全でないような状況においては、例えば大使館において邦人を保護しておくとか、必ずしもこの方法によって輸送を何が何でもしなければならないということではないわけでございまして、いろいろな方法の中では、むしろ動かない方が安全だというケースも過去の例ではいろいろあるわけでございますので、そういうような方法によって邦人の保護を図るというようなことで対処するということでございます。そのような状況が予想されるときには、要するにそもそも安全が保持されないわけですから、この輸送を行わないというふうに御理解いただきたいと思います。
○渡辺(浩)委員 おっしゃるとおりというか、安全確保ができない場合には当然飛ばないようにしていただきたいと思いますけれども、カンボジアの例でありますように、安全、安全といって我が国の自衛隊を派遣して、そしてあそこで、カンボジアの件で死者を出している、こういう経緯もございますので、安全ということに関しては非常に厳密に、ある意味では非常に、何というのでしょうか神経質になって対応していただきたいと思います。これは、自衛隊機もそうですけれども、あるいは政府専用機もそうですけれども、それからまた現地の邦人、共通の課題だと思いますので、これはぜひとも、まだ検討していないのであればこのことをこれからの課題として緻密に考えていただきたいというふうに思います。 法案に関しましては、以上、私どもの方としましては重立ったところ、質問したいところはこれだけにさせていただきます。 それで、この後、私としましては、邦人の救出に関しての今後の大きな課題が残っているだろうというふうに思います。例えば、今政府専用機は二 機でございます。各国、例えばドイツとかイギリスとかあるいは米国とか、そういった国での政府専用機というのは二機とか三機というようなオーダーではないわけです。もっと数多くの政府専用機を持っているわけですね。そういう政府専用機を今後ふやしていく必要があるのではないかと思っております。その辺の計画あるいはお考えがあれば、ひとつお聞かせいただきたいと思います。
○村田(直)政府委員 先生御指摘のように、先生が挙げられた国について、政府専用機といいますか、要人の輸送を担当する部隊の保有する航空機につきましては、米国につきましては、固定翼が約二十機、回転翼のヘリコプターが約二十機、合計約四十機、英国につきましては、固定翼が約二十機と回転翼が数機ということで約二十数機、それからドイツにつきましては、固定翼が約三十機と回転翼が数機ということで約三十数機というような、私どもの平成四年三月に実施した調査によりますと機数を各国とも保有しているようでございます。そういう意味では、我が国の政府専用機が二機、それにスーパーピューマ、ヘリコプター三機ということで、数は少ないということは事実でございます。 いずれにしましても、政府専用機の運航体制につきましては、今二機によって、あるいはスーパーピューマ、ヘリコプターの場合は国内運用でございますけれども、二機によりまして運航を積み重ねておりますので、その実績等を勘案して今後検討していきたいとしております。ただ、当初これが、要求が最初に出ましたときには、少なくとも三機必要だというようなことを防衛庁として言ったことは事実でございますけれども、今後の実績を見て検討してまいりたいと思います。
○渡辺(浩)委員 私としては、ぜひこの政府専用機、可能な限りひとつ数の上で御検討いただきたい、こういうふうに思っております。今のところ朝鮮半島も大きな事態にはなっていませんけれども、朝鮮半島が大きな事態になった場合は、これは政府専用機は今おっしゃった三機という形での邦人救出というのはほとんど不可能だと思うんですね。これは当然皆さん御存じかと思いますけれども、我が国としては艦艇を、船を考えなきゃいけないという気がいたします。 この政府専用機、今これは飛行機の件でございますけれども、政府としましては、今後の邦人救出の中で艦艇、船を考えていらっしゃるかどうか、この辺をちょっとお伺いしたいと思います。
○三井(康有)政府委員 ただいま御提出しております法案の中で輸送手段につきましては航空機によることとして艦艇を含めなかった理由は、主として次の二点でございます。 まず第一点としましては、緊急事態に際しての在外邦人等の輸送は極めて迅速かつ適切に行う必要があること、つまり時間的余裕がないということが一つでございます。第二点としては、緊急事態に際しての在外邦人等の輸送のためこれまで我が国政府が船舶をチャーターして行ったというような実例がないということでございます。 今お話しの、緊急事態に際しての在外邦人等の輸送の手段として艦船を加えるべきではないかという議論があることは十分承知いたしておりますけれども、このような輸送の手段に艦船を加えるか否かにつきましては、具体的なニーズ等を踏まえながら慎重に検討されるべきものであると考えております。 いずれにいたしましても、自衛隊法の一部改正案につきましては、これが想定するような緊急事態というのはいつ発生するかわからないものでございますので、まずもって現在御審議をいただいております法案につきまして御理解をいただき、可及的速やかに成立をさせていただきたいと考えております。
○渡辺(浩)委員 確かに、今の法案を審議しているところですので、その艦艇の問題まで深く言及するのはいかがなものかということはありますけれども、例えば船であれば当然出てくる課題だと思うのですが、この専用機二機あるいはもう少しふえた場合の中でも私は出てくると思うのですが、この法案の中で外国人の取り扱いに関しても、これはよしというふうになっておるわけです。この外国人に対しては、場合によっては取り扱いを非常に注意しなければいけないことが当然想定されます。船の場合は特にこれが大きな、あるいは非常に頻繁に課題は出てくると思うのですが、例えば相手国の政府の要人が来る、亡命がある、あるいは、こういうことを申していいものかわかりませんけれども工作員が入ってくる、こういうことが当然想定されるわけです。これは船に限らず飛行機も当然かと思いますけれども、その場合の入国の手続あるいは対応、こういったものの整備は今後あるいは今どういうふうに考えていらっしゃるか、お教えいただきたいと思います。
○畠中説明員 今御審議いただいております本法案の主たる目的は、御案内のとおり邦人の退避手段の一層の充実を図るという目的でお願いしております。その趣旨から、輸送の対象者は邦人を優先するということは当然だと思いますが、人道上の見地から、邦人と同様の状況下で退避を必要とする外国人、この外国人と申します場合には、その当事の国ではなくて第三国の外国人という意味でございますけれども、そういうところの方々につきましては、専用機に余った席がある場合には、それに搭乗させたいと考えております。 しかし、この外国人をどういうふうにして乗せるかということにつきましては、その当該外国人の母国の政府等から我が国政府に対して、その外国人を乗せてもらいたいという要請がある外国人について原則として乗せることにしております。 この点につきましては、私ども日本が、外国のそういう専用機に乗せてもらいたいということを今までも随分やって邦人救出をしてまいりました。そういうときにも、在外公館を通じまして各国政府に、これこれこういう人間がこのぐらいいるので余席があったら乗せてもらいたいという交渉をして、その同意を取りつけた上で在外公館から飛行場に案内するといったような手続で実施しておりました。これは、各国ともそういうふうに飛行機の運用をしております。
○渡辺(浩)委員 わかりました。 飛行機の場合は、今おっしゃったことでガードができるかと思うのですね。将来のことに関しては、船に関しましては、これは今後の検討課題だと思いますけれども、当然出入国の問題、多くの難民とか、今、この文章によりますと、飛行機の場合は外務省、つまり飛行機の場合はそういうチェックが可能でございますけれども、船の場合はそれがチェックができないと思いますので、これはぜひとも今後の課題として、艦艇、船に関しましては、出入国の管理あるいはそのチェックを厳重にしていただきたいというふうに思います。 もう時間がないということでございますので、いずれにせよ、私冒頭申し上げましたように、この法案全体に関しては否ということではないという考えに立っております。これは邦人の救出でございますので、与党とか野党とかという問題でなくて、日本人の救出、根本的なあるいは人間的な問題として、ぜひとも早急にこの問題に対応できるような体制を政府・与党としてやっていただきたいというふうにお願い申し上げて、私の質問にかえさせていただきます。 終わります。
○近藤委員長 高市早苗君。
○高市委員 会派改革(自由党)の高市早苗でございます。よろしくお願いいたします。 本日の私の質問ですけれども、前半は、自由民主党総裁でもあられる河野外務大臣にお願いしたいと思います。 通常国会までは、自衛隊法改正案には自民党議員提出の衆法第一号と内閣提出第十五号が存在しまして、私自身は、内容的に見て自民党提出案の方がより現実に的確に対応できるものだと考えまして、党派を超えて賛意を示しておりました。七月に自民党案が取り下げられたとのこユースに驚き、非常に落胆をいたしました。どうして自民党案が撤回されたのか、簡単に御説明ください。
○河野国務大臣 この法案は、いずれにしてもで きるだけ早く成立をする必要がある。世界じゅうどこでどういうことが起こるかわからない、そういう状況の中で、二つの法律案がそれぞれ内容的にはごく一部の問題を除けば同じもの、しかもそのごく一部といいましても、それは高市議員よく御承知のとおりの内容でございます。私は、この法案が一日も早く成立することを心から願って提案者が取り下げたというふうに聞いております。
○高市委員 内容的にほとんど同じで、ごく一部、それも妥協できる範囲というのは、社会党に気を使って、昔、新生党の人や日本新党の人がおっしゃっていたことと一緒だと思うのですが、昨年十月十八日の委員会において、自民党の山崎拓委員は、「自民党案が最上のものと考えておりますので、政府案に同調する考えはございません。」と断言しておられますけれども、自民党案が最上のものであるという考えは、自民党として変わりないでしょうか。
○河野国務大臣 今も申し上げましたとおり、その当時、とても法案の成立が時間がかかるあるいは法律案の成立がおぼつかない、こういう状況でございました。したがいまして、私どもは衆法を提案をしたところでございますが、今日、政局に大きな変化がございまして、コンセンサスができそうだという状況になれば、一日も早い成立のためには妥協をするということもまた適当ではないかと思います。
○高市委員 しかし、社会党が自衛隊を合憲と認め、消費税を認め、大きな政策転換をされた、その経緯には、非常に自民党のパワー、発言力が与党の中で強く働いていたのではないかと、外から見て想像していたのですけれども、例えば早期成立に向けて、当時自民党の委員の先生方がベストなものだと信念を持っておっしゃっていたこの自民党案の方を閣法として再提出するように、社会党やさきがけを説得されたのでしょうか。
○河野国務大臣 それぞれの政党にはそれぞれの考え方があるわけでございまして、お互いに合意のできる案をつくるということが何より大事だと思います。みずからの案をごり押しをして、全部他党を抑え込んでそのとおりやるということによる失敗は、我々目の前で見ているわけでございますから、合意できる案で合意をするというのは当然のことだと思います。
○高市委員 十一月二十五日の委員会で自民党の中谷委員が次のように言っておられます。「安全だから行くという、実際の業務に支障となるような制約をつけたのも、突き詰めていくと、連立政権では社会党を閣内に取り込むという政治的な思惑によって派遣隊員の安全と救出の機会を置き去りにするものではないでしょうか。」「時の政権や政府の御都合によって、まるで自衛隊は着せかえ人形のごとくいろいろと制約をつけられ、あたかも物を動かすごとく、行かされる人の安全性や名誉、人格を無視して政治的な道具にされてよいものでしょうか。」「迷惑するのは自衛隊であり、救援を待ち望んでいる人々そしてその家族、そして何よりも、まともな国際貢献をやるべきだと貢献を望んでいる日本の国民でございます。どこの国に、自分たちの同胞を救出するのにわざわざこの政府案のように非常に慎重に、行けるものまで行けないような足かせをかける国があるでしょうか。」「国防や安全保障の問題でありますから、時の政権や連立政権の延命のためにゆがめてしまうべきではないというふうに思います」、中谷委員の御発言に私は当時非常に感動し、今でもまさにそのとおりだと考えております。当時自民党議員が指摘されたように、国民の生命や国家の名誉にかかわる問題が政府の御都合や連立政権の延命のためにゆがめられるべきではないと思うのですけれども、今回の自民党案撤回、確かに早期成立の必要性はわかりますけれども、あくまでも国民の生命、国家の名誉のためにベストなものを選ぶのが国会議員としての私は責任だと考えるのですが、中谷委員の指摘にあったような連立政権の延命や政権のために大義をゆがめたというようなことに今回の自民党案撤退が当たらないかどうか、御説明をお願いしたいと思います。
○河野国務大臣 高市議員は中谷議員の質問の部分だけ読み上げられたと思いますが、それに対する答弁の部分も読み上げられると、内容はさらに一層よくわかってくるのではないかと思います。
○高市委員 私の質問に改めてここでお答えいただきたいと思います。
○河野国務大臣 中谷議員はそういう心配を述べられました。中谷議員の主張も正論だと私も思います。しかし、それについて防衛庁当局その他政府側は、そういう心配はあるかもしらぬけれども、これでも十分邦人救出はできるというふうな見解をとっていたというふうに記憶しております。
○高市委員 昨年十一月五日に、「在外邦人等の輸送のための自衛隊の航空機の使用について」という閣議決定がされております。形式的に現政権下でも生きているはずだと私は考えているのですけれども、これには間違いございませんでしょうか。
○三井(康有)政府委員 お答えいたします。 内閣で閣議決定を行いました場合、閣議決定の効力は原則として後の内閣にも及ぶというのが従前よりの取り扱いと承知いたしております。
○高市委員 閣議決定の内容なんですけれども、安全性が確保されない場合には輸送を実施しないことから、戦闘機による輸送機の護衛はしないことという内容、それから、派遣先国内において在外邦人等の生命、身体、当該輸送にかかわる航空機等を防護するために武器を携行し、使用することはないといった内容なんですけれども、当時の閣法をさらに慎重な内容にした、さらに具体的な内容にもしたものでございます。当時はこの閣議決定というものが、社会党が閣法そのものを了承するベースになっていたと記憶しております。 これまでの当委員会での論戦内容を考えると、閣法には何とか妥協できても、この閣議決定には自民党は幾ら何でも乗れないだろうと思っていたのですけれども、ここまでの救出に対する制限を認められるに至った、自民党内または国際情勢等、状況の変化があったのかどうか、御説明をお願いしたいと思います。
○河野国務大臣 個々のケースはいろいろなケースが想定されると思います。しかし、いずれにしても私どもは、外務大臣として政府専用機を派遣をするというときには、安全性を確認して要請をするわけでございます。その安全性の確認のためには、恐らく在外公館はまだ現地におって、在外公館を中心にして情報を集めて、それを我々が受け取って判断をして要請をするということになるわけで、その段階で今御指摘のような、つまり高市議員のおっしゃるのは、もしものときにということをおっしゃっておられるのだろうと思いますけれども、閣議決定はそうした段階で十分な安全対策というものが必要であるということを言っていると思います。 本来、邦人の救出はできるだけ早期に行われることがよりいいわけでございまして、何かある、危ない、これは早く邦人を国外に退避させる必要がある、一番いいことは定期便に乗って早く退去するように勧奨をして、それに従っていただく、それによって退避できれば一番いいわけです。それがどうしてもできない場合には、チャーター機を飛ばすことができるかどうかという対応をする、しかし時間がかかる、それでは政府専用機もしくはそれに類するものを飛ばす、こういうことになるわけで、戦闘機が護衛につくとか、先ほども御質問がありましたけれども、飛行場で撃ち合ってまで救出をするのかという状況を想定してこの法律案はつくられていないというふうに御理解をいただきたいと思います。
○高市委員 早期成立に向けて、自民党も社会党やさきがけの主張に歩み寄られた。大変御努力をされたということもわかりましたし、今回、この一本化された法律案で与野党合意の方向が見えているということも理解しているのです、ただ、私は、あくまでも今十分議論を尽くして、ベストな内容のものを、修正をかけてでもべストな内容のものを決定しておく必要を感じております。そういう意味で、私の価値観からいうと、現在出ている改正案は決してべストな内容のものではない、 むしろ前回出ていた自民党案の方が現実に対応できるものだ、これには私はこだわっているのですけれども……。 しつこいようですけれども外務大臣にもう一度お伺いしますが、もしも先生の御家族が海外訪問中に命にかかわるような騒乱に巻き込まれたとして、撤回された自民党案と、そして今回の改正案、一本化されたもの、どちらが確実に迅速に御家族を救出し得るものだと思われますか。
○河野国務大臣 私の家族が旅行する場合には、何か問題が起きそうだとあらかじめ思えば、なるべく取りやめるように私は説得をしたいと思いますが、それはそれとして、高市議員から自民党案の方がよかったではないかというお褒めのお言葉をいただいたことは、大変恐縮に存じます。 しかし、いずれにしてもこの手の法案が、御承知のとおり、もう二年にわたって国会で議論が続けられて成立を見ないということが我々としては大変心配でございまして、私は、でき得る限り早期にこの法律案が成立をして、そういう事態はあってほしくないと思いますし、そういう事態を想定をするということも甚だ残念なことでありますけれども、万が一の場合に法律が機能する、そういう場合になっても法律がまだできていないために何にもできないということだけは避けたいという気持ちがございます。
○高市委員 ただ内容としてどちらがベストだと確信されているかという、その一点をお聞きしたかったわけでございます。早期成立をしたいというその理由については、もうよく理解いたしました。
○河野国務大臣 事柄は、自分の主張が一番正しいと思ってもそれが少数であることはあるわけですね。もし自由民主党が過半数を一党でとっておれば、当然その自民党案を成立させるための努力はいたします。
○高市委員 しかし、当時自民党は野党であったわけで、今は政権与党にあられて、与党の中で最大多数を占めておられるわけでございます。それで、この場で多数決をする議論の中で、どうしても自民党が引かなければこの案が成立しないというときに引かれるかどうかの判断をすべきで、最初から撤回される事情が全くよくわからないのでございますが。
○河野国務大臣 自由民主党は現在政権与党でございます。しかし、一党で政権を支えているわけではございません。社会党、新党さきがけともどもに政権を支えているわけでございまして、三党での民主的な話し合いというものは当然あってしかるべきというふうに思っております。
○高市委員 では、大体これまでの御答弁をまとめますと、とりあえず内容がベストだったのは自民党案の方だったようでございますけれども、民主的な話し合い、それから早期成立を目指して妥協をされた。まさに中谷委員が十一月二十五日に大演説をぶたれました、時の政権や連立政権のためにゆがめてしまう、大事な問題をゆがめてしまう、信念を放棄するといったことに私には見えてならないのですけれども、次の質問に移ります。 自衛隊のPKO派遣についてお伺いしたいと思います。 これは担当者の方、どなたでもお答えいただけたらありがたいのですけれども、今回ルワンダ難民救援のための自衛隊派遣に当たりまして、携行武器を公表されましたが、この公表されるということのメリットと理由というのはどういうことなんでしょうか。
○貞岡説明員 御説明申し上げます。 自衛隊が携行する武器につきましては、国民が非常に強い関心を有しております。それで、我々としましては、そういうふうな国民の関心にこたえるために自衛隊が携行する武器を公表した次第でございます。これによって自衛隊が業務を遂行する上で支障が生じているとは承知しておりません。
○高市委員 私も、地元の自衛隊地連及び航空自衛隊幹部学校等々、自衛隊の方もたくさんおられますので、いろいろお話を伺ってきました。 アメリカの場合は、こういったケースにおいて軍備公表というものを確かに行っておりますけれども、これには十分な装備を持っているんだという威嚇の意図もあると聞いております。日本の場合、わざわざ軽装備を公表することによりまして、攻撃を受けるなど、部隊が危険にさらされる可能性もあるのではないかという不安の声が現実に現職自衛隊員の皆様から出ておりますけれども、これらの皆さんの声に対して、長官自身からお答え願えたらと思います。
○玉沢国務大臣 まず、今回の活動でございますが、これはあくまでも難民救援、人道支援ということでございますので、あくまでも難民救済の活動に的を絞って四つの目的を持って業務を行っているわけでございます。したがいまして、安全という観点からいいますならば、救うべきはずの難民の方々と戦うとか、それから難民の方々から襲われるということを前提とするものではない。ただ、その難民の中におきましては、武装解除されたとはいえ、小銃を隠し持ったり手りゅう弾を持ったりして、夜になりますと武装暴徒化するとか、いろいろな治安上の問題等も生じておるということを勘案をいたしまして、それぞれの隊員がみずからの安全を確保するためには必要最小限の武器の携行を認めた、こういう状況でございます。
○高市委員 よく理解できました。 次は、河野外務大臣にお願いしたいのですけれども、今後のPKOのあり方について確認をさせていただきたく思います。 先日の予算委員会での私の質問への答弁の中で、これは村山総理がおっしゃったのですけれども、社会党委員長としてと総理としての政策の使い分けはしないということを認められました。 九月三日採択の社会党の新基本政策では、PKOには憲法の範囲内で積極的に参加する、PKF凍結解除を含めた国際平和協力法の見直しはPKOによる協力の実績等を踏まえて対応するとなっております。 一方、昨年の総選挙での社会党の公約では、PKOは自衛隊とは別組織で行う、この立場に立って自衛隊派遣を基本としている現行PKO協力法を見直すということになっております。 この二つを比べて明らかなのは、今後協力法が見直されるかもしれない根拠の重点が自衛隊の派遣の是非からPKF凍結解除の是非に移っているように読み取れることなんですけれども、政府としては、今後別組織ではなく自衛隊をPKOに対応する組織としてお認めになったと解釈してもよいのかどうかお聞かせください。
○河野国務大臣 PKO法というものは、あの審議の過程において三年後に見直そうということになっておりますから、来年がちょうどその三年目に当たるわけですから、三年後の見直しということがあり得ると思います。 その場合にはどの部分を見直すかということまでは言っていないわけで、この当時、PKO法案、当時は案でしたが、この法案が成立をしたらば三年後には見直す、こういうことを言っているわけです。私どもはかねてから政府答弁として、三年間の貴重な経験を、積み重ねた経験をもとにして見直すべきところがあれば見直すということを言っているわけでございます。 それで、社会党が党の中でどういうお考えをお持ちになってどういう議論をなさるかということは、これはもう社会党の問題でございますが、これまで一貫して政府が答弁をしてきた答弁ぶりからいえば、来年、三年たったときに、国会での審議を踏まえて見直しの時期が来たなと。しかし、それに対しては、三年間の経験ではまだ十分ではないという御意見ももちろんあるかと思います。さまざまな御意見がそのときに出てくるであろうというふうに思っておりまして、今議員は、行くか行かないか、あるいは別組織がどうかというような意見が社会党の中にあって、どれを見直しのテーマにするか、そういう御質問だったと思いますが、それは私は、社会党の中ではいろいろ議論があると思いますが、政府は、三年たった段階で、これまでのPKO活動の経験をもとにして見直す べきところがあれば見直すという姿勢であります。
○高市委員 先ほどから自衛隊法の方も早期成立とおっしゃっているにもかかわらず、もう来年が見直しの時期で、別組織がどうかということについてもうちょっと的確なお答えが出てこなければ、それこそ来年の時点で何か起きたときに、別組織ありませんよ、とりあえずまた自衛隊、行ってくださいということになってしまったら、どうしようもないと思うわけです。 私は、社会党の中の議論ということを申し上げたのではなくて、その前提として、村山総理が社会党委員長としてと総理としてと政策の使い分けはしないとおっしゃっているので、社会党の政策として一番最近まとまったもの、それはすなわち村山総理の考えであるということの前提に立った上で、内閣は一致して対応されるという原則にも立った上で、お尋ねをいたしております。 それでは、河野外務大臣御自身、今後PKOには自衛隊が対応すべきか、別組織で対応すべきか、どういった方向でお考えなんでしょうか。
○河野国務大臣 お尋ねでございますけれども、全く法律がない邦人救出のための法律案を急ぐべきだと言っているのと、法律に基づいてPKO活動を現にやっているものを急ぐか急がないかというのは、全く別の次元の話でございますから、そこはきちんと整理してお考えをいただきたいと思います。 さらに、私が申し上げておりますことは、PKOの見直しは三年間の経験を踏まえて行われるべきであろうというふうにかわがね申し上げているわけで、まだ三年間の経験の途中にいるわけですから、今からそのことを言うということは、それはもちろんそういうことがあっても結構でございますけれども、そうでない場合もあるということをぜひ御理解をいただきたいと思います。 いずれにしても、この法律について三年後の見直しという状況があるわけでございますから、私は予見、予断を与えることのないためにも、今私の考えを申し上げることは控えさせていただきたいと思います。
○高市委員 あと一年間の経験をそれでは待たせていただこうと思いますけれども、ただ、河野外務大臣、国連演説の中でPKOに積極的に参加する旨表明されておられますけれども、諸外国でPKOから特にPKFを分けて考える発想というのは非常に少ないと私は認識しております。当然、外務大臣としてPKFの凍結解除を念頭に置かれた発言だと私は理解したのですが、これについてはいかがでしょう。これもあと一年間の経験を待たなければいけませんでしょうか。
○河野国務大臣 立法府がお決めになったことでございます。行政府としては、決まった法律に基づいて執行をするというのは当然だと思います。
○高市委員 当該輸送の安全についての協議に関してですけれども、これは長官に確認をさせていただきたいと思います。 輸送の安全性について、長官と外務大臣で協議をされるそうなんですけれども、これは内閣における意見の食い違いが発生することを前提としたもので、いかがなものかと思ったのですが、法律案の文面から判断するに、結局決定権は長官にあるということでございますか。
○玉沢国務大臣 外務大臣とよく協議をして決定する、こういうふうに伺っております。
○高市委員 じゃ、まあ決定権は長官がお持ちだと理解してよいようですが、安全だと判断して政府専用機を派遣したものの、現地到着後に状況が急変し万が一の事故となったような場合には、どなたがどんな形で責任を負われることになりますか。
○村田(直)政府委員 お答えいたします。 質問の趣旨を、向こうに着陸後等において事故等が起こり、邦人または外国人等に死傷者が出たというような場合どういうような対応をするかということとして理解させていただきますと、在外邦人等の輸送のため邦人または外国人を自衛隊機に搭乗させた場合で、事故が生じて死傷等の損害を与え、その事故の発生につき自衛隊側に責任があると認められるときは、国家賠償法等に基づきまして損害賠償を行うことになろうかと考えております。
○高市委員 そういうことになると、具体的にはどなたの責任ということでしょうか。
○村田(直)政府委員 どなたのといいますか、今の場合は国に責任があるという場合でございますから、国が責任を負うということでございます。
○高市委員 先ほど大野先生の御質問への答弁で少し触れられました邦人対策予算、危機管理関連で三七・三%という数字が出ておりましたけれども、在外公館、ごく少数のスタッフしかいないところもありますし、それから二つの国を兼轄しているようなケースもあります。外務大臣としては、安全性に関する情報収集、正確にかつ迅速に行われる体制を整えられる御努力をされるということを信じておりますけれども、行革も叫ばれる昨今ですけれども、在外公館のスタッフ増員のお考えがあるのかないのか。 それから、先ほどの三七・三%という数字ですけれども、スタッフの人件費等々にも充当されるお金なのか、簡単にお聞かせください。
○河野国務大臣 我が国外交の重要性がだんだんに増大していることにかんがみまして、定員を初めとする外交実施体制の整備を鋭意行ってきているところでございます。 定員につきましては、厳しい行財政事情の中で近年特に着実な増加が見られ、国家公務員の定員が厳しく抑制される中で、平成六年度予算では百五十名の新規増員が認められております。この結果、平成六年度末の外務省定員は四千七百六十二名となりました。そういった中で、在外における情報収集体制強化のための定員増に重点を置いているところでございます。
○高市委員 もう私の質問時間も終わりましたので、質問は以上でございます。 国会議員として国民の生命と財産、それから国家の名誉と主権、こういったものを守ることに関しては、党派の枠を超えて、党利党略や政権への執着を超えて、信念に基づいて考えていかなければならない問題だと思います。あくまでも私は、自衛隊法改正案をベストな内容のものに、どんな形でもベストな内容のものに、現実に対応したものにしていただきたい、そんな思いでございます。もしそれがやはり社会党との関連でできないということになる、それだったら自民党は非常に無理なところと組まれたのではないか、私はそんなふうに感じました。 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。
○近藤委員長 小沢鋭仁君。
○小沢(鋭)委員 新党さきがけの小沢鋭仁でございます。自衛隊法の一部を改正する法律案につきまして幾つか質問をさせていただきたいと思います。 まず、この自衛隊法の改正、いわゆる外国における騒乱等に巻き込まれた邦人の救出ということに関しましては、国としての責務であるというふうに私は考えるわけでありますが、そういった救生活動、救援活動を行うということについては、国民においても十分なるコンセンサスがあるというふうに考えるところであります。 しかし、一方でこの法案が、法案の提出を見てから約二年、またいわゆる政府専用機保有の決定、これは一九八七年だったかもしれません、約七年の年月がかかっているわけでございまして、そういった年月がかかった、時間がかかってきたということにおいては、国内においてもまた一つの反対の論拠、活動があったということであります。これは事実としてそういう反対運動が展開されてきたということでございます。そうした反対をしている方々の御心配を大丈夫なんだという意味で払拭していくことも大変大事なことだと考えるものですから、そういった観点でこの質問をさせていただきたい。そして、過去いろいろな質疑が行われておりますから、そういった意味ではやや重複をするところもあるかもしれませんが、ある意 味ではおさらいも兼ねての質疑をさせていただきたいと思うわけでございます。 まず第一番目に、こうしたいわゆる海外邦人の救出、この必要性に関して御質問をさせていただきます。 過去、例えば十年間という期間を考えましたときに、邦人がそういった騒乱あるいはまた災害等に巻き込まれて救出を望んだ事案、そういったものは約何件程度あったのか、そしてまたその重立ったもの、一つ二つでも結構でございます、改めて御説明を伺いたいと思います。外務大臣、お願いいたします。
○畠中説明員 お答えいたします。 過去十年間に在外邦人が紛争に巻き込まれまして救出いたしました事案は十一件ございます。救出した邦人数は総計で九百十八名でございます。 最近の例で申し上げますと、本年五月、旧南北イエメンの武力衝突発生によりまして、在留邦人合計九十六名がフランス、ドイツ、イタリアの軍用機あるいは国連機あるいはジョルダン政府救援機によりましてジブチ、アンマン等へ撤退した例がございます。この十一件の例のうちに、我が方政府が民間チャーター機を飛ばしたのは三件ございまして、そのほかの件、七件につきましては各国の協力を得て救出をいたしました。
○小沢(鋭)委員 約千名にわたる救出の必要性があったということでありまして、そういった意味においては、今後もそういった活動の必要性ということに関しましては、私は本当に今の数字を確認しても、十分だというふうに、必要なことだと改めて感じるところでございます。 そして、そういった場合に、今まではこうした法律がありませんでしたから、民間機、チャーター機あるいはまたいろいろな依頼をしてということでありますが、例えば私どもに記憶に鮮やかなところで申し上げますと、一九九〇年湾岸戦争が起こりました。その際に、私今手元にその当時の新聞報道を持っておるわけでございますが、民間救援機あるいはまた医師団の派遣、民間医師団ですね、そういったいわゆる中東貢献策が考えられたわけであります。しかしながら、私の印象は、結果については必ずしも好ましい、望ましい状況ではなかったというふうに思っております。これはあくまでも私の認識でありますが、その結果について、外務省としてはどういう御判断をお持ちになっているか。特に民間機での派遣がもしうまくいかなかった、あるいは医療団の派遣がうまくいかなかったというようなことがあるならば、その理由はどのようにお考えになっていらっしゃるか、お尋ねを申し上げたいと思います。
○畠中説明員 御指摘のイラクのクウエート侵攻のときの事例でございますけれども、まず医師団の派遣につきましては、湾岸戦争が開始するむしろ前のイラクの侵攻があった後、医療団をサウジアラビアヘ派遣することの可能性あるいは難民支援の可能性等を検討したことはございますが、湾岸戦争が始まりまして邦人の退避のために医師団を派遣するというようなことは、あの時点では検討されませんでした。 ただ、民間機の派遣につきましては、当時政府専用機というものがございませんので、できるだけのことをするということで、日航機をチャーターいたしまして幾つかのオペレーションをいたしまして、バクダッドからアンマンに出てきました人々を、実はバグダッドとアンマンの間は日航機は飛びませんでしたけれども、アンマンから東京の間、何便か日航のチャーター便で飛ばして救援活動をいたしました。 その際に、政府専用機があったらどういうオペレーションができたかということは、当時の状況から踏まえまして、そのときには政府専用機というものはございませんでしたのでなかなか申し上げにくいことではございますけれども、今後こういう緊急事態が発生しましたときに、この民間のチャーター機にあわせまして政府専用機を派遣する可能性も検討できるということになりますと、邦人の救援ということか一層適切かつ適時に行えるのではないか、そう思っております。
○小沢(鋭)委員 次の質問に移らせていただきますが、今回の法案の、いわゆる原則政府専用機に限られるというふうに理解をしているわけでありますが、まずここのところ、原則のところの意味でもう一回確認でありますが、場合によっては自衛隊機も含まれると考えてよろしいかどうか。防衛庁長官、お願いいたします。
○玉沢国務大臣 まず第一に、邦人救出に関しましては、場所にもよりますけれども、事件が起きたところまでの航続距離あるいは搭載能力、巡航速度、こういうものを踏まえた場合におきまして、主として政府専用機の使用をまず第一に考える、そうしたことを法文上明記したというのが第一点であります。 しかして、事件が起きているところの空港が滑走路が短い等のことで政府専用機が使用できない、こういうふうな判断になった場合におきましては、法案の第二項ただし書きによりまして、その場合におきましては自衛隊機を使用する、こういう形になっております。
○小沢(鋭)委員 今の長官の御答弁にありましたように、自衛隊機も可能性として出てまいるわけでありまして、先ほど冒頭私が申し上げた反対論の方々の御心配なところはその点でございますから、その点に関連して質問をさせていただきたいと思います。 その自衛隊機、これは必ずしも武力行使のために行くわけではない、当たり前の話でありますけれども、しかし、かつての日本の歩みの中で、自衛隊機が海外に出ていくとそのものに対してやや心配がある、これも事実としてそうだと思います。そういった観点から、例えば今回の、これも輸送機の所属ですね、これを海上保安庁籍にすればそんな問題は起こらないんではないかという見解もあるやに承知しておりますが、なぜ海上保安庁籍ではだめなのか、そこのところの御答弁をお願いしたいと思います。防衛庁長官、お願い申し上げます。
○村田(直)政府委員 まず二つお答えしたいと思いますが、一つは、先生がおっしゃっておる政府専用機、二項で、主としてこれが最初に用いられる、検討されるわけでございますが、この政府専用機も同時に自衛隊機である。一見迷彩等は施しておりませんが、自衛隊機であるということでございます。 それから次に、なぜ海上保安庁に所属しないのか。これは私どもが独自に決定したわけでございませんので、この政府専用機の管理運用につきましては、平成三年の十月に、政府の中で政府専用機検討委員会というのが設けられておりまして、これは関係省庁の担当局長とそれから石原副長官ということでこの委員会が設けられまして、その検討結果としまして、一つは大型機の管理運用には専門的な技術基盤が要る。例えば操縦士や航空士等の基本的な技術を有する者、輸送機、通信機器等の整備を行う技術などが要るということ、及び組織的な支援体制ということが要る。これはどういうことかといいますと、要員を養成するための基本的な教育を行う、あるいは運航の際の空港等の調整を行う、それから部品等の整備、補給を継続的に行う、こういうような支援体制が必要である。そうしてその中で、政府部内でこれを見渡したところ、防衛庁のみが要員の確保を含めこれらの必要とされる管理運用体制を長期的かつ効率的に整備し得る能力を有するという判断、したがいまして、ほかの省庁の部局ではそのような今言ったような基盤を持って長期的に行うことができないという判断のもとに、防衛庁、自衛隊に所属がえすることが、平成四年の四月一日からそのように決められたということでございます。
○小沢(鋭)委員 御答弁はそれで結構でありますが、もう少し国民にわかりやすい説明の工夫を、法案成立の後を含めてお願いを申し上げておきたいと思います。そこの部分というのは意外と大切だという気がいたします。 続きまして、今度はいわゆる海外の論調、自衛隊機が外に出る、単純に申し上げまして、自衛隊機が外に出るということに対して、海外の論調と して外務省はどのように今その状況をおつかみになっているか、把握しているか、お願いしたいと思います。
○畠中説明員 お答えいたします。 アジア諸国の中には、先生御指摘のように、自衛隊の派遣について強い警戒感を有する世論があることは御存じのとおりでございます。現在御審議いただいております政府専用機によって邦人を救出することの是非に関しましては、海外論調について、特にそういう点については承知しておりません。 いずれにいたしましても、政府専用機を邦人救出のために派遣する場合には、先方政府の権限ある当局の許可を得て乗り入れるものでありまして、この点についての理解は得られるものと考えております。
○小沢(鋭)委員 今御答弁の中で海外の許可を得てというところがございましたが、具体的な運用に当たって、そこを若干確認させていただきたいと思います。改めて確認させていただきたいと思います。 派遣をすると必要性が認められ、外務大臣と防衛庁長官のところで御協議がなされる、その決定がなされた後、具体的派遣国に対しては、外務省としてはどのような御対応をなさるわけでしょうか。
○畠中説明員 国際法上、各国がその領土と領海の上空に対しまして排他的主権を有しておりますので、外国航空機の領空通過及び着陸につきましては、一般的に条約等に基づいて事前の同意がある場合を除きまして、その都度、領域国の同意を得ることが必要であります。そういうことから、外交ルートを通じまして相手国の許可による同意を得て行くということになると思います。
○小沢(鋭)委員 そういった際にも、今回のこういった邦人救出の話は、まさにある意味では、何といいますか、人道的な視点であって、いわゆる一般に言われているところの自衛隊が海外に展開していく、そういった話ではないんだというところをあくまでもしっかりと海外の国々に対しましてもお伝えいただくということが私は必要なことだというふうに思います。そういった観点でくれぐれも、そういったところからいわゆる反対論が逆に起こって、法律は決めたけれども反対論があるがために結果として飛べなかったというような話にならないように、ぜひともそこのところは十分なる御手配をお願い申し上げたいと思うわけであります。 それでは、最後にもう一つ質問させていただきた。いと思います。 先ほど来の質問にもございましたが、百条の八によりまして結果として防衛庁長官の決定が行われるということでありますが、一般的な心配の一つの理由が、いわゆる防衛庁長官がもう飛べと決めたら飛んじゃうんじゃないか、そうすると邦人救出を越えてそういった展開が今後続くのではないか、そういういわば心配があるということでございますが、そこのところは、この法律の趣旨あるいはまた外務大臣との協議等々があるわけでありますが、いわゆる防衛庁の独断でそういった展開が行われることはないんだというところを少し政府から御答弁をいただきたい。明快に御答弁をいただいておきたいと最後に思います。
○河野国務大臣 議員も既に御承知のとおり、この法律の立て方は、外務大臣が防衛庁長官に依頼をするということになっておりまして、外務大臣が防衛庁長官に依頼をし、協議をして決めるということになっておりますわけですから、防衛庁長官がどんなに勇ましい人であっても、防衛庁だけで飛んでいくということには決してならない、絶対にならないという法律の建前でございます。
○小沢(鋭)委員 以上で終わります。ありがとうございました。
○近藤委員長 松沢成文君。
○松沢委員 改革の松沢でございます。今回の自衛隊法の一部を改正する法律案、海外で何か緊急事態が起きた場合に、邦人を救出する、そのときに政府専用機も含む自衛隊機を使えるようにするというのが重立った趣旨だと思うのです。私、この件について急に質問することになりまして第一に疑問に思ったことは、疑問というか考えましたことは、海外の政府が、外国政府がその国の人々が海外で危機に遭ったときにその救出、どんな事例があるのかな、よく映画などでは、サイゴン陥落ですとかプノンペンが陥落のときに、米軍ヘリがばっと入っていってアメリカ人を今からがら救出するようなイメージを私は映画では持っておりますけれども、海外のこれまでの事例で重立ったもの、どんなものがあるか。それで、そのときに日本人がそこにいて外国の政府の飛行機等々にお世話になって逃れた、そういう件もあったと思うのですね。その辺について、少し情報をお持ちでしたら、まず教えていただければと思います。
○畠中説明員 お答えいたします。 最近の例では、平成三年九月のザイール暴動の際にアメリカ、ベルギー、イタリア及びポルトガルが軍用機を飛ばしました。また、同じ年の十月、ハイチでクーデターが起こりましたときにはメキシコが、それから平成四年十月のアンゴラで武力衝突のときには英国が、平成六年五月のイエメンの内戦ではドイツ、イタリア、フランスが軍用機を派遣し自国民の救出に当たりました。 その中に、例えば最後のイエメンの内戦でございますが、日本人も、邦人も軍用機に乗せてもらってジブチその他に救出されたことがございます。
○松沢委員 確認をしておきたいのですけれども、それはほとんどその国の軍用機を使って救出をしているというふうに判断してよろしいのですか。
○畠中説明員 ただいま申し上げましたのは、各国が軍用機を使った例に限って申し上げましたが、各国も、緊急事態の自国民の退避につきましては、日本国様にまず定期便の利用を進めます。それから近くの民間機のチャーターといったようなもの、あるいは一部乗せてもらうといったようないろいろな方法を考えまして、その中の一つの方法として、軍用機を使うこともあるということでございます。
○松沢委員 先ほど小沢委員の質問の中に、日本の国がこれまで海外の邦人を政府救援機で、これはチャーターの飛行機で救った事例というのが報告がありました。千人以上の方をこれまで救出させた実績があるそうですが、そこで伺いたいのですけれども、過去の緊急事態に際して、在外邦人輸送に自衛隊機が使用できればより適切な措置が講じられたと思われる、そういう事例があったら御紹介いただければと思います。
○畠中説明員 過去の事例の中で、緊急事態の事例の中で政府専用機がもし使えたらさらに適切な退避ができたのではないかという事例でございますけれども、これにつきましては、やはり政府専用機を飛ばしますときにはそれぞれいろいろなそのときの詰めを行いますので、それを直ちに過去の例に引き写して正確な形で申し上げることはできませんが、一つ申し上げられますことは、政府専用機が邦人退避のため、救出のために使えるということになっておりますれば、過去の例におきまして民間のチャーター機を手配するのにかなり時間がかかった事例がございます、そういうケースの場合には、恐らく政府専用機の方が早く飛び立てるということが一般的には予想されますので、そういう事例につきましては今後とも政府専用機の活用の余地が大変多いと思います。 そういう意味で一つ二つ例を申し上げますと、すなわち、民間のチャーター機を派遣するのにいろいろ検討したけれども時間がかかった例ということでございますが、これは一九七五年四月のベトナム戦争のとき、あるいは一九八五年三月のイラン・イラク紛争のとき、その多幾つか例がございます。
○松沢委員 ちょっと質問を変えますけれども、前の案では、前の案というか旧政府案といったらいいのかな、その案では、自衛隊機の派遣には国会や内閣の承認は要せず外務大臣の要請で実施できることになっていたと思います。この点、今回 の案では、派遣には、必要に応じてとありますが、閣議決定を要するということに改められているわけですね。この閣議決定というのは、よりシビリアンコントロールを慎重にやって、そういう大きな問題の是非は閣議に語るという面ではいい部分もあるのかもしれませんが、やはりこれにより派遣がおくれてしまう、こういう心配も多々指摘されているところであります。 特に、現在の政府のように連立政権を組んでいる、その中の政党が自衛隊のあり方あるいは対外政策についてかなり異なった考え方を持っている連立政権では、閣議で土壇場でもめるということも考えられなくもないと思うのですね。この辺、迅速な措置がとりにくくなるという弊害もあると思うのですけれども、それについては、外務大臣がよろしいのでしょうか、いかがでしょうか。
○河野国務大臣 連立内閣とはいえ、法律がきちっとできておりますれば、その法律に基づいて運用をするということで、閣議が最後までもめてということはないと私は思っております。 しかしながら、邦人救出のためには、先ほども御答弁申し上げましたが、民間機をチャーターして救出をする場合もございます。これらについては、閣議は必要としないと思います。政府専用機の場合も、恐らくそうしたことは要らないのではないかという御議論があったと思います。 したがいまして、私は、いずれにしてもこれは外務大臣から防衛庁長官に対して依頼をして、外務大臣、防衛庁長官で協議をして、そして判断をするということが、大筋それでよろしいのではないか、しかし必要のある場合閣議ということもあってもいい、閣議ということもあるかもしれない、こういうのがこの法律の建前になっておりまして、大筋は外務大臣と防衛庁長官の協議によって判断をする。そのくらい迅速、機敏な対応が必要であろうというふうに私は思っております。 外務大臣といたしましては、でき得べくんば我が方在外公館の情報によって事前に邦人が安全な場所に移動してくださることが一番いい、そういう作業をやることが一番大事だと思いますし、さらには定期便で退避していただくように勧奨をして、そのとおりやっていただくということがその次にいいわけで、だんだん事態の急迫に従ってこういう状況になるのだろうと思いますので、機動的、機敏な対応ができる、そういうふうにしておいていただいた方がより効果的だろうと思っております。
○松沢委員 今外務大臣の答弁で、おおむね外務大臣と防衛庁長官の協議で迅速に対応できる方向になっているということでありました。そうなると、閣議決定の文にも書いてありますけれども、航空機の安全が確保されない場合には、輸送を実施しないということですね。そうなると、安全か否かという判断、これはもう大変難しい、ケース・バイ・ケースというか、そのときの状況判断になると思います。 それで、この安全か否かの判断というのは、例えばPKOの派遣五原則のように基準をつくるというわけにはいかないのでしょうか。といいますのは、やはり救っていただく、もし海外で援助を待っている邦人がいる場合に、今回は安全でないから行けないという政府の決断が、当地にいらっしゃる邦人にとっては大変厳しいものになる可能性はあるのですね。それで、ほかのケースで行ってくれたのになぜ今回は来てくれないのだという、政府に対する不満につながる可能性もあると思うのです。ですから、この安全の判断の基準というのは、それぞれのケースで違いますからそれはわかるのですが、何か五原則のような、基準のようなものをつくれる可能性はないのか。その辺についていかがでしょうか。
○河野国務大臣 先ほど申し上げましたように、できるだけ早く問題の本質を見抜いて邦人を誘導するということが私どもの仕事だというふうに思っております。 それから、安全かどうかというものは、一つは、飛行場の管制センターといいますか、管制官の判断ももちろんございましょう。あるいは、我が方の在外公館の判断ということもあろうかと思います。先方の、これは先ほど来御論議のあるところでございますが、権限をお持ちのカウンターパートと十分確認をし合うということが何より重要でありますが、いずれにしてもでき得る限り早期に事を運ぶということが重要で、もう飛行機も飛べないという状況になれば、それはバスで国境線を越えるとか、いろいろな方法を考えなければならないわけでございます。 航空機で救出をするというこの法律の考え方は、やはり何をいっても安全に飛行機が到着をして、邦人を乗せて安全な場所に輸送をするというのが目的でございますから、その目的に沿って正しい運用をしなければならないと思っております。
○松沢委員 ここ数年間の時間を費やしてしまったわけですけれども、国の安全保障、特に海外にいる日本人の生命を守るというために、この自衛隊法改正を私は以前から当然速やかにやるべきだと思っておりましたが、ここ数年の政局の混乱にも乗ってしまって、なかなか決定ができなかったということであります。私としては、速やかにこの法案を、多少妥脇の産物のところがありますが、まず決定をしていただきたい、そんなふうに思っているところであります。 以上で終わります。(拍手)
○近藤委員長 上田勇君。
○上田(勇)委員 改革の上田勇でございます。本日は、自衛隊法を一部改正する法律案に対しまして、何点かにわたりまして質問をさせていただきます。 先ほどから多くの委員の方から御指摘があるように、本法案は提出されてからかなりの年月がたっておりまして、第百二十八回国会に提出されて以来でも一年以上にわたって審議が行われてきているわけでありますが、その間、極めて理解しにくいというのでしょうか、経緯を経まして、まだ成立しないまま今日に至っているということであります。この法案が各方面の方々からやはり早期成立が強く望まれているにもかかわらずこうした状況になってきたということは、まことに残念なことであります。 第百二十八回国会では、まず自民党の鈴木宗男先生以下五名、すなわち自民党案が提出されました。これは、細川内閣のもとで当時の連立与党が調整に時間を要したので早く提出するという理由で提出されたわけでありますが、その後、調整に多少の時間を要したわけでありますけれども、政府案が提出されました。この間、連立与党の中では、主として社会党と他の当時の連立与党との間で調整が行われまして、社会党の方々の意見を十分に取り入れた政府案ができあがり、それが提出されたわけであります。ところが、その国会では、自民党案と政府案の調整がつかず、結局は両案とも継続審議となりました。続く百二十九回国会でも審議が行われず、結局は両案とも継続審議になったわけでありますが、このときには、その継続について社会党の方々が反対されるという経緯を経てきております。そして、百三十回国会、前回、自民党案の継続が自民党も含めて否決され、政府案が今度は社会党の賛成も得られまして継続審議となって、今日審議がやられているわけであります。 少々長くなって恐縮でございますが、社会党では、みずからの意見を取り入れてでき上がった法案に、初めは当然のことでありますが賛成、後に反対、再度賛成に回っているという経緯でありますが、ここ一年足らずの間に二回も考え方が変わるということを考えると、この間、政府によります法案の解釈に変化があったのかどうかという疑問を抱かざるを得ません。 そこでお伺いしたいのですが、第百二十八回国会に提出されました閣法と文言は全く変更がないわけでありますが、その解釈において何か変更があったのかどうか、お伺いしたいと思います。
○村田(直)政府委員 先ほどから御答弁いたしておりますように、法案の目的といいますか趣旨といいますか、そういうことについては両法案は全 く共通でございます。ただ、従来からこの法案の審議に当たって、慎重にいろいろなことが議論されてまいりましたので、その点について、一つは安全の確認という問題と、一つは政府専用機の使用という面について新たな規定ぶりにしたわけでございますけれども、基本的に、その目的、邦人の安全な輸送、安全な場所への輸送ということについては、全く両者に差異はございません。 〔委員長退席、赤松(正)委員長代理着席〕
○上田(勇)委員 私がお尋ねしたのは、百二十八回国会で提出されました政府案と現在出されている政府案、ともに文言は全く同じでありますが、その意味するところも全く同じなのかどうか、政府において解釈の変更があったのかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
○三井(康有)政府委員 お答えいたします。 委員御指摘の、第百二十八回国会に提出されました法案、閣法が現在まで継続されておりまして、その内容は一切変更を見ておりません。で、政府としては、この法案の解釈についても特に変更を認めているといった点はございません。
○上田(勇)委員 それでは、文言も解釈も変更がないのに、わずか一年足らずのうちに二回も考え方が変わるというのは、常識的には少し考えにくい面があるのじゃないかと思います。本日は村山総理には御出席いただけないので、御説明いただけないわけでありますけれども、その点まことに残念でありますが、二十七日には総理も御出席いただけるということなので、ぜひとも本委員会でこうした点が明らかになることを期待したいというふうに思います。 次に、第百二十八回国会では、議員立法といたしまして自民党の方からも法案が提出されまして、その後提出された閣法が、今お話があったように、全く今回審議している法案でありますけれども、委員会で両法案の審議が行われている中で、自民党の方の提案者の一人の方は、この閣法について「一定のたがをかけると申しますか支障をもたらす可能性もないではない、というふうに発言されておりますし、また、先ほど高市委員の方からもありましたが、我が党案は最善のものと考えておりますという御発言もありました。 また、もう一人の提案者の方は、政府案の「どの部分にどうしてもこだわって譲れないのか」という質問に対しまして、明確にこのように答えているわけです。 「まず一番の点は、飛行機は、私どもは政府専用機及び自衛隊の保有する飛行機を使ってとにかく救出に当たる、人道活動に当たるということなんです。ですからオプションを広げております。今政府が出しているのは、政府専用機に限定をしております。先ほどいみじくも」委員から質問があったように、「わずか五人を救いに行くのにも政府専用機ボーイング747−400型を持っていく。私はどう考えてもむだなことだと思っているのです。やはりケース・バイ・ケースで即応する、適時適切な対応をする、これが本来の救助活動だと私は思っているのです。この点は、最大譲れない点であります。」という発言がございました。 これが自民党全体の意見がどうかというのは、何ともこれではわかりませんが、やはり当時、閣法に賛成できないと言ったからには、何らかの理由があったものというふうに思います。 ただいまちょっと引用させていただいた部分も含めまして、自民党総裁でおられます河野外務大臣にお伺いしたいのですが、その当時賛成できなかった法案が、現在なぜ賛成できるようになったのか、その当時問題と考えられていた点を具体的に、先ほど引用させていただいた部分かもしれませんが、お示しいただきまして、それがどのようにクリアてきたのか、教えていただきたいというふうに思います。
○河野国務大臣 先ほどから繰り返し御答弁申し上げているところでございますが、私どもは、邦人救出のための法律を一日も早く成立をさせるということが何より大事と考えております。自由民主党が衆法を提案をいたしました当時を思い起こしていただけるとよくおわかりだと思いますが、当時の政権はなかなかこの手の法律を調整をするのに内部で極めて時間がかかるということから、私どもは衆法を提出をいたしました。その後閣法も提出されましたけれども、これは推定でございますが、恐らく衆法が出たということが大きな刺激となって閣法調整が進んだというふうに思われます。むしろ、閣法の調整を進める役割も、実は大変当時は皮肉なことに衆法の提出が役立っていたのではないかというふうに思っているわけでございます。 それから、もう一つ議員お尋ねの、それではその当時の主張と今の主張とどういう整合性があるのか、こういう御質問だと思います。 私どもといたしましては、当時自由民主党が提案をした法律は最善のものであったというふうに自由民主党としては考えておりました。しかし、先ほどから申し上げておりますように、そのことにこだわって法律案そのものがいつまでたっても成立をしないということであっては、我々の本意ではないわけでございます。今回、多数の方々の御賛同がいただけてこの法律案が成立をする、日の目を見るということになるならば、それはある意味で邦人救出のための体制がまずでき上がるということを自由民主党としては考えての作業だろうと思っております。 私の立場から申し上げれば、現在外務大臣としての私の立場から申し上げれば、国際的に今世界各地でさまざまな新しい秩序を求めた動きがございますから、どこで何が起こるかわからない、まあ少し乱暴な言い方でございますが、そうおっしゃる方もおられる状況下で、邦人救出のための法律を一日も早く整備をしておくということは重要だというふうに考えておりまして、この時点では、現在の政府案はまことによい法律案だというふうに考えております。
○上田(勇)委員 私も、この法案がもう長期間にわたりまして審議がされながら成立していないという点で、早期成立を図っていかなければいけないということには全く同感でありますが、先ほどちょっと引用させていただいた中で、どうしても最大譲れない点がありますと言われておるのですが、そこはクリアできたと考えているのでしょうかどうなのでしょうか、お伺いしたいと思います。
○河野国務大臣 国会で法律を通すためには、賛成者が過半数いなければ基本的に通らないわけでございますから、どんなにいい法律案を提案したとしても、それは主張はできますけれども成立は見ないということでございます。 自由民主党は、当時提案した案が最もいい案だということで皆さんに説明をさせていただいたわけですけれども、その結果過半数の支持がもし得られないということであれば、次善の策を選ぶということになるのはやむを得ないことかと思います。
○上田(勇)委員 それでは、今回審議されている法案そのものは当時の細川連立政権のもとで閣法として提出させていただいたもので、そのときには、引用させていただいたようにどうしても譲れないという点があるということで、結局は成立を見なかったわけでありますけれども、今回そういう形で若干その考え方が変わっていく過程については十分理解しがたい面もありますが、とにかくこの一年以上に及ぶ審議、やはり早期成立させることが最優先であるというふうに私も同感するところであります。 ちょっとこれは、先ほどの河野外務大臣の御答弁の中で、今回自衛隊機を派遣するに当たって閣議決定を要するケースとしまして、他省庁の協力があった方がよい場合という御発言があったと思うのですが、これは、邦人救出について他省庁の協力というのはどういったものかというのはちょっと想定しにくいのですが、具体的にはどの省庁にどのような協力を仰ぐのか、ちょっと御所見をいただきたいと思います。
○河野国務大臣 どこでどういうケースが起こるかわからないということを考えて申し上げたわけでございます。 ちなみに、例えば運輸省との協議ということも場合によってはあるかもしれません。世界各地でどんな場面でどういう状況が起こるかわからないということを考えて申し上げたことで、今どんなケースかと言われて、具体的なケースをちょっと思いつくものがないことを御勘弁いただきたいと思います。
○上田(勇)委員 もう時間でありますので質問を終わらせていただきますが、ちょっと私の理解としましては、この邦人救出に当たりましては、防衛庁長官の決定、外務大臣との協議ということで遂行されると思っていたわけであります。どうも海外の邦人救出にいろいろな役所も一緒に参画するというようなことというのは、それはもちろん騒乱の海外の地域でありますので、まことに想定しがたい点であると思います。いろいろなケースも考えられると言ったのですが、今の発言で運輸省が例えばそういうところにどういうような関与を持たれているのか、ちょっと納得しがたい点がありますので、例えば海上保安庁のことを想定されているのか、ちょっとよくわかりませんが、その点ほかの省庁もどういう感じで、例えば災害だとか騒乱の地域ということでありますので、どういうような可能性があるのかだけ再度お伺いしまして、質問を終わらせていただきたいと思います。
○河野国務大臣 例えば、厚生省と協議をして医師の協力を得るというようなこともあるかもしれない。その他、あらかじめ想定できるものであれば今からやっておけばいいわけですけれども、あらかじめ想定できないような問題が起こってくる、そういう場合を考えて申し上げたわけでございます。
○上田(勇)委員 それでは、以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 〔赤松(正)委員長代理退席、委員長着席〕
○近藤委員長 東中光雄君。
○東中委員 外務大臣にお伺いするのですが、外務省の最も重要な任務の一つは、海外における邦人の生命、身体及び財産を保護することだということ、外務省設置法にもあります。それから、海外において治安状態が悪いとか邦人に危険が予想されるような場合には、その保護をするために外務省としては外交保護権を行使して相手方の政府と交渉する、相手方の政府が生命、身体、財産の保護に第一義的に尽くすようにする、それを具体的に要請するというのが設置法にも書いてある任務だと思うのですが、本件の場合は、そういう要請をしても、要するにちゃんと生命、身体の安全が保護されているということだった場合はそれでいいわけだが、なお生命、身体その他の危険があるということを外務省として認めた場合にこの救出という措置に出るのじゃないかと思うのです。相手方の政府に邦人の保護を保護権を行使してやらせること以上に危険な状態が起こったときということじゃないでしょうか。外務大臣が要請されるあるいは依頼をされる、輸送を依頼される前提条件というのはどういう状態なのでしょうか。
○河野国務大臣 いろいろなケースがあるのだろうと思います。東中議員が想定しておられるような場面というのは私にはよくわかりませんが、それは以前にも議論をしたことがあったかと思いますが、それは、例えば自然災害だってあり得るわけでございますし、さまざまな問題があるだろうと思います。 さらに私ども考えておりますことは、問題があれば、一番最初はとにかく何かそういう状況が発生することを予知して、できるだけ自分自身で安全対策をおやりくださいというようなことから始まって、やはりこれはできるだけ早く避難をしてほしい、定期便の切符を買って飛行場で飛行機に乗って早く出てください、もう出た方がいいですよ、あるいはもう急いでくださいというようなことから、御注意を申し上げるところから始まって、いろいろな段階があるのだろうと思うのです。それらの措置はできるだけ早い方がいいわけで、おくれおくれて最後の、だれと交渉すればいいかわからぬ、交渉相手にその能力があるかどうかわからぬというようなところまで本来は行かずに作業ができることが望ましいのではないかと思います。
○東中委員 いや、私のお伺いしたいのは、一般に災害があったあるいは治安が乱れたということで邦人の生命、身体がそのままでは危険だということ、普通はそういう状態が起こったら、外務省としては当該政府に対して保護をちゃんとやってほしい、具体的な措置をせいということを要求しますよわ、向こう側で。だから、それでちゃんと守られるということがあれば問題ないわけだけれども、紛争が激化してくるとか、テロが非常にふえてくるとか、邦人の生命、身体が危険に侵されておって、相手方の政府に言っておるだけではいかぬので、だからなるべく早く避難しなさいというところから、あるいは飛行機を出して輸送する。だから、相手方政府の措置だけでは守られ得ないような状態、そういう事態が起こっている、緊急事態というか、そのときに退出という問題が起こるのではありませんかということを聞いておるわけです。
○河野国務大臣 基本的にはそのとおりだと思います。ノーマルな状況で避難や何かがしにくくなるという状況があると思います。
○東中委員 だから、相手国が第一義的に海外におる邦人の保護をやる、こちらが要請もする。それをやるのが国際法上の義務といいますか、あるわけですから。ところが、それに任せておけないというような異常事態が起こってくる。相手国の政府の行動だけではだめだというので、それが天災の場合もあるでしょうし、あるいは騒乱の場合もあるでしょうし、それから内戦の場合もあるだろうし、要するに緊急の事態だ、そのままで置いておけぬというときに要請をするわけですね。 それで、なるべく早く、安全を見越して早くやればいいということなのですが、この今度の法律によれば四段階になっているように、提案された当時の中西防衛庁長官は答弁もされているのです。第一段階は、民間定期便による自発的な避難を促す、退避を促す。それから、民間定期便等の利用が困難な場合に民間のチャーター機を派遣する。チャーター機を派遣するといっても、いろいろ向こう側が不安な状態が多くてなかなかすぐ行けないという、サイゴンのときはそうでしたから、困難な状態がある場合には政府専用機を派遣するものとするというふうに条文になっていますね。その政府専用機を派遣するものとするのだけれども、それでもいろいろな施設の条件とかいろいろあって、難しいときはその他の、要するにC130とか、文字どおりの軍用機を派遣する、こういう四段階になっているようであります。趣旨説明にそう書いてあります。防衛庁長官は、派遣要請があった場合に、派遣するについてはそういう段階を踏むというふうに中西さんは答弁をされたのですが、現防衛庁長官としてはいかがですか。
○玉沢国務大臣 全く同じでございます。
○東中委員 それで、中西防衛庁長官はその当時、完全に安全だったら民間定期便でやる。それから、やや陰りがあるとき、薄い、薄目の安全というときには、政府が民間機をチャーターして行ってもらう。それでもだめな場合、ぎりぎりもう一度安全を確認して、まあ何とか行けるだろうという判断があった場合に、だからもう大分安全とは言えない、まあまあ安全だろうというだけではなしに、ぎりぎり何とか安全だということになったら、そのときは政府専用機なりあるいは軍用機を持っていくんだということなのですわ。 在外邦人の生命、身体の安全を保護するのに、向こうの政府でやるんだ、しかし向こうの政府でやっただけではどうもうまくいかぬ、まだ危険があるということで民間機で退避あるいはチャーター機でやる、いよいよ危ないぞ、何とか安全を確認できるということで送っていくのが軍用機だ、こういうふうに説明されているのですが、防衛庁長官、玉沢さんも同じですか。
○村田(直)政府委員 法律の建前としまして、安全の確認につきましては、まず外務大臣が、防衛庁長官に在外邦人等の輸送の依頼を行うに当たりまして、現地公館長からの報告、他国の輸送機の 運航の状況等を踏まえまして、派遣先国の空港及び航空機の飛行経路が安全か否かの判断を行う。また防衛庁長官は、当該輸送の運航責任を有する者であるため、このような立場にある者としての専門的見地から、運航の安全が確保されるか否かの判断を行う。この場合には、外務大臣の判断を踏まえた上で、さらに空港の滑走路の状況や飛行経路上の航空保安施設の機能等の面から安全性に判断を加え、両者の安全の判断が一致した際に運航を行うということでございまして、グレーゾーンである安全とか、それからぎりぎりの安全とかというのが表現上よく理解しにくいわけでございますけれども、いずれにしても、輸送の目的が海外における邦人を安全な場所に退避させる、輸送するということでございますので、そのような意味で安全が充足されているという判断の上で行われるというふうに考えております。
○東中委員 ぎりぎりの安全とか薄目の安全とかというのは私が言ったのじゃないのですよ。防衛庁長官がこの委員会の審議の中で、担当者がだれであったかというよりも、防衛庁長官の公式の答弁なんですよ。だから、そのときも乱やかましく言いましたよ、そんなややこしいことあるかと。だから、安全というのは一体何なんだと言いましたが、しかし、薄目の安全、あるいはぎりぎりの安全ということを言われた。その中西防衛庁長官の発言は、玉沢さんはどうです。あれはおかしいということですか。今の政府委員の答弁じゃ、そんなの、どういう意味がわかりませんなんというようなことを言っていますけれども、防衛庁長官の公式の答弁を何ということを言うんだね。ちょっとはっきりしてください。
○河野国務大臣 依頼をいたしますのは外務大臣でございますので私から御答弁を申し上げたいと思いますが、私は、航空機で邦人を輸送する場合に、安全であるということがどうしても必要な要件であろうと思います。 しからば、民間チャーター機と政府専用機とはどこが違うのかということでございますが、私どもは、さっき議員がおっしゃいましたように、当該地域の邦人の安全のために、まず在外公館を中核として最大の努力をいたします。しかし、どうしても安全な場所に輸送する必要があるということであれば、まずは定期便に乗って動いてほしいという勧奨をするわけでございます。しかし状態が、どうもぐあいが悪い、つまり切符がとれないとかなかなか適当な便がないとかいう状況があれば、民間チャーター便について検討をするわけでございます。これは別にその安全度がどうこうということではなくて、適当な便がなければチャーター便を、早期にチャーター便を依頼をするということは一つの我々の責任だというふうに思っているわけです。 しかし、そのチャーター便といっても、民間機には民間機で飛行機のローテーションもある、なにもあるということに仮になったといたしますと、我々は政府専用機について考え、政府専用機をもってこの作業に当たるということになるだろうと思うのです。しかし、政府専用機といっても、御承知のとおり、滑走路の長さとかなんとかというまた物理的な条件も出てくるということもあるかもしれません。 いずれにせよ、私どもは、邦人を安全な場所に輸送するということのために最大限の努力をするということが重要だというふうに思っておりまして、そういう場面に、我々は防衛庁長官に依頼をして協議をさせていただくということになっております。
○東中委員 安全が確保されていると認められるときに防衛庁長官は出す、こうなっているんですね、外務大臣と協議をして。だから、安全を確保されているというふうに防衛庁長官が認めるという事態がなければ出さないというのがこの法律だ、こうお聞きしました。 ところが、この法律について、自衛隊機が、その他の航空機が行く場合は当時の中西防衛庁長官はぎりぎりいっぱいの安全のときに行くんだ、こういうことですから、非常に危険度が高いところへ行くんだということも言われておるので、そういう答弁は違うんだということですね。だから、サイゴンが陥落するという、あれは四月二十五日でしたか、二十九日に退避命令を大使が出している。あの陥落する日の後になっていますね。そういうところへ軍用機を送っていくということではないんだ。ところが宮澤さんは、最初の提案のときには、そういうときに行くんだということを答弁もされたことがあるんです。 だから、この点は今言われているとおりだ。だから、紛争地域、特に戦争の紛争ですね、そういう地域は安全が確認されない状態では行けないということをあなた方は言われている。実際上それを守れるか守れないかという点について言えば、私たちはそういう形で実際上発展してきているということを非常に危険に思っています。 時間がありませんので、もう一つお聞きしておきたいのですが、平成五年の十一月五日に「在外邦人等の輸送のための自衛隊の航空機の使用について」という閣議決定がなされました。この第六項でありますが、こういうふうに言っているんですね。「在外邦人等の輸送のため使用される航空機の安全が確保されない場合には、当該輸送を実施しないことから、戦闘機による護衛を行うことはなく、また、派遣先国内において、在外邦人等の生命、身体、当該輸送に係る航空機等を防護をするために、武器を携行し、使用することはない。」要するに自衛隊法九十五条の適用はない、こういうふうに言っているわけであります。それはなぜかと言えば、邦人のために使用される航空機の安全が確保されているときに行くんだから、確保されていないときには行かないんだという前提になっているわけです。 ところが実際は、紛争が起こってそこにおることが危険だからよそへ輸送するわけですからね。邦人は紛争中で非常に危険な状態にいる、相手国に任じておけない状態があるということで行くんだから、これ自体が、今言われているように安全が完全に確保されているんだったら、それは要らぬでしょう。しかし、安全が確保されていないから行くんですからね。だから、邦人の生命、身体の安全が確保されていないから輸送するんだから、その現地へ行く飛行機にとっても、安全が確保されていないという状態があり得るわけですよ。だから、ぎりぎりの安全という言葉も出てくるわけですよ。そうすると、戦闘機の護衛は安全を確保しておるときは必要ないんだと言っているんですが、ぎりぎりの安全で、安全が必ずしも確保されないときは九十五条の適用を排除していないから、だから九十五条に基づく自衛隊の派遣ということが、戦闘機の護衛ということがあり得るということになる。 それからもう一つは、向こうでの飛行機の安全が損なわれるときに防護するための武器を携行し、使用することもあり得るという論理的な筋になるわけです。閣議決定でそういうことはないと言っているけれども、そういう事態が論理的には起こるわけで、これは九十五条の適用を排除しなかったことによってこういうことをわざわざ閣議決定した。しかし、その閣議決定とは違うように法律は動いていく可能性がある。というのは、九十六条について言えば、九十六条の適用の排除はしていないから、だからこの閣議決定でも、在外邦人等の輸送のために使用される自衛隊の航空機内における不測の事態に備えてけん銃を警備員に持っていかせる。この不測の事態というのは、救援に行く飛行機の中でハイジャックがあるということの不測の事態なんですよ。もう恐らくそれは万々が一のことですよ。それに備えてけん銃を持っていくんですよ。安全が脅かされているから、ぎりぎりいっぱいの安全で行くときというのはもっと蓋然性が大きいわけです。 こういう九十六条も九十五条も適用を排除していないということによって、危険だからということで戦闘機の護衛あるいは武器の使用ということも法律上はあり得るというふうに思うのですが、法律の規定の論理的なこととしてあり得るというふうに思うのですが、時間ですから、それをお聞 きして終わります。
○村田(直)政府委員 お答えいただく前にまず事実関係から申し上げますと、まず常に航空機が救出に行くときにそこの治安が乱れているから安全じゃないんじゃないかという御指摘でございますけれども、ある地域でそういうような状態、ここで言うような保護を必要とするような状態が起こっておっても、他の地域においては比較的静ひつであるというような状態ということはあり得るわけでございまして、そういうところに自衛隊機、政府専用機が飛行していきまして、それから、そこまで移動してきた邦人の輸送に当たるということは考えられるわけでございまして、行くところ必ず危険であるというような状況が予想されるわけではないと私ども考えております。もちろんそういう場合もあるかと思いますので、そういう場合には、安全の確保に十分留意をしている以上、輸送は行わない、見合わせるということもあろうかと思います。 それから、自衛隊法九十五条の武器防護のための武器の使用でございますけれども、これにつきましては、先ほど先生御指摘のとおり、安全の確保が前提となっておりますので、これの任務付与を行わないということを閣議決定しておりますし、また、九十六条のけん銃の保持につきましても、ハイジャック等の事態ということが万々一考えられますので、その警務官の使用するための武器としてけん銃に限るということを閣議で決定したわけでございます。 そして、これらの規定について、それでは排除規定、要するにそれは使わないんだという適用排除の規定を置くべきではないかということにつきましては、これはこの前もお答えしましたけれども、特に積極的に法律上排除する理由もないということで置かなかったわけでございます。例えば自衛隊法九十五条に基づく武器使用が想定されていない自衛隊法の他の規定、土木工事の受託とか国賓の輸送その他ございますけれども、そういう規定においても九十五条なり、あるいは警務官の場合に九十六条の適用を排除していないという権衡上から、同条の規定の適用を排除する規定を置かないこととしたということでございまして、これは再々、前々から御答弁しているところでございます。
○東中委員 終わります。
○近藤委員長 山崎拓君。
○山崎(拓)委員 去る十月二十一日にジュネーブにおきまして、北朝鮮の核開発問題と米朝関係改善問題を一括して解決いたしますための包括合意文書が米国と北朝鮮の間で調印されまして、直ちにこの合意が発効したということでございます。このたびの米朝合意を北東アジアの平和と安定の確保の見地からどう評価されるのか、この点につきまして、外務大臣並びに防衛庁長官に一言ずつお伺いしておきたいと思います。
○河野国務大臣 山崎議員御指摘のとおり、今回の米朝協議の合意は北東アジアの安全のために大きな意味を持っていると思います。 北朝鮮の核開発疑惑に対しまして、北東アジアの国々は大きな懸念を持っておりました。もっと言えば、それはただ単に北東アジアにとどまらず、国際社会が望む軍縮、核不拡散の方向とは全く違う方向でございまして、国際社会にとっての懸念でもあったわけでございまして、この懸念が今回の合意によりまして払拭をされる道筋ができたということに対しては高い評価を与えていいかと思います。
○玉沢国務大臣 今回の米朝合意は高く評価する必要があると思います。その合意が誠実に実行されるように、今後我々もアメリカ、韓国とともどもに共同して、実施を行うことができますように努力していかなければいかぬ、このように思います。
○山崎(拓)委員 本日のこの審議の中でしばしば指摘されましたが、我が党が、細川内閣が誕生いたしました後、政府案の提出に先駆けまして自民党案を本委員会に提出いたしましたことは事実でございます。そのときの情勢は、朝鮮半島が非常に緊迫した情勢であったということがございました。したがって、もし政府案どおりといたしました場合に、起こり得る事態をいろいろと想定いたしましたときに、果たしてこの運用だけで十分適切な対応ができるかという点について我が党内にいろいろと議論がございまして、あえて我が党案を提出いたしました次第でございます。 しかし、六月の十六日、当時存命であった金日成主席とカーター元大統領との会談が行われまして、そこで事態解決の新しいイニシアチブが生まれたわけでございます。その将来について私ども大きな期待をかけまして、米朝間における交渉が再開されてこのたび調印されましたような合意がなされるということを前提にいたしました場合に、朝鮮半島の情勢は一変するものと、先ほど両大臣から御認識が示されたのでございますが、そのことを期待もして、またそういう点も含めまして、この政府案でとりあえず危機管理体制をつくることが政治的判断として賢明であると考えたことによりまして、さきの臨時国会で、我が党が政府案の継続、自民党案の取り下げをいたしました次第でございます。 私がただいま申し上げましたような朝鮮半島情勢と本案とは無縁のものではないという認識を私は持っておるのですが、玉沢防衛庁長官、その後、ペリー国防長官とも会談をしておられまして、その際に、今後の朝鮮半島情勢についてあるいは日米韓で今後どういう対応をやっていくか話し合いが行われたと聞いておりますが、要点だけちょっとお願いいたします。
○玉沢国務大臣 まず私の方からは、ペリー長官に対しまして、米側が米朝会談におきまして大変な努力を行い、粘り強い交渉の上に合意に達したということに対して敬意を表する、こう申し上げました。ペリー長官の方からは、今回のこの合意はやはり日米韓三国の協力が非常にあずかって力があった。こういう認識を示し、同時に、これが実施をされるという上におきましては、今後も日米韓三国のパートナーシップというものが必要である、それをより高めながらこれから合意実施のために努力をしてまいりたい、こういうお話でありました。 それから、朝鮮半島につきましての軍事的な面でございますけれども、米国としましては、在韓米軍の削減は考えておらず、即応性の維持や合同演習の重要性について韓国側に説明したこと、及び北朝鮮が前方に展開している兵力の削減は全く行われておらず、その意味でも日米の安保関係は重要である、こういう認識も示されました。 さらにはまた、中国の関係でございますけれども、中国側がみずからの軍事力等につきまして、近隣諸国に必要以上の脅威を与えないようにもう少し透明性というものを明らかにしたい、こういうことを表明しておった、それを日本の方にも伝えていただきたいというような趣旨を言われたと伺いました。 以上であります。
○山崎(拓)委員 このたびの米朝合意は、北朝鮮における核開発疑惑に対する対処でございまして、この点について明るい展望が開かれたことは事実でございますが、北朝鮮における通常兵器については対象となっていないのでございます。あるいは、我が国に対しまして非常に大きな脅威をもたらすことになりましたノドン一号の開発等の問題でございますが、そういう問題はこのたびの米朝合意の枠外になっておるということを考えました場合に、今後とも日米韓の緊密な体制、とりわけ米韓の今までの対処を引き続き維持するということが必要ではないか、かように考えますので、今後とも防衛庁長官として格別の御留意をお願いしたいと存じます。 そこで、外務大臣にお伺いいたしますが、村山首相は九月三十日の所信表明演説で、日朝正常化交渉再開への意欲を表明しておられます。そこで、本米朝合意の成立を日朝正常化交渉の再開の契機とすべきではないかと私は考えるのでございますが、その点、外務大臣、いかがでございますか。
○河野国務大臣 本来我が国と地理的に極めて近 いところに存在をするものでございますから、当然話し合い、ひいては正常な話し合いができることが重要であろうと思います。しかし、一時は話し合いが持たれておったわけでございますが、その話し会いも途絶えて今日に至っているということは、決していいことではないと思います、 我が国としては、北朝鮮が望むならこの話し合いは行われてしかるべきものだというふうに考えておりまして、今回の米朝合意によりまして、いわゆる核開発疑惑というものがとにもかくにも解明の方向にその道筋ができたということは、日朝の話し合いの間にある障害の一つが少なくともなくなったというふうに考えていいと思います。まだまだ日朝の間にはいろいろな問題が正直ございます。しかし、そういう問題は話し合って解決の糸口が見つかるものであって、沈黙のにらみ合いではそうした問題解決の糸口は見出せないわけでございますから、正常な話し合いに向けてこれが一つの契機となるなら、それは大変結構なことだというふうに思います。
○山崎(拓)委員 外務大臣も認識を示されましたが、九二年の五月の第七回交渉で、日本側は、核問題の解決なくして国交正常化は困難であるという主張を行っております。その点が、このたび一応の道筋が示されたということで、国交正常化交渉を再開する非常に有力な条件ができたと考えます。ただ、中断をいたしましたのは、第八回交渉、九二年の十一月でございますが、これは李恩恵問題に関しまして、北朝鮮側が一方的に、これはない問題を取り上げるなということでございましょうが、交渉を打ち切ったということでございます。 そういう経緯にかんがみまして、李恩恵問題は交渉再開の条件とはしないと官房長官が述べられた由、けさ報道になっているわけでございます。しかし、問題は明らかに存在しておるわけでございまして、この問題に対する外務省の、再開問題と李恩恵問題との関連についてどういうふうに整理されているのか、伺っておきたいと思います。
○川島政府委員 お答え申し上げます。 基本的な姿勢といたしましては、仮に日朝国交正常化交渉が再開をされた場合には、双方の、日朝双方にとっての関心事項について率直に話し合うことが重要であろうというふうに考えております。 それで、今お尋ねの李恩恵の問題でございますけれども、日朝の話し合いの再開はこれは無条件で応じる用意があるわけでございますが、他方、逆に北朝鮮の方から条件をつけられて、例えば李恩恵の問題は日本は絶対取り上げないとかあるいは核の問題は一切取り上げないとか、そういう条件をつけられてそれを受けて話し合いに臨むということではないのではなかろうか。つまり、話し合い自体はこちらは無条件ですけれども、向こうの方から李恩恵は取り上げないという条件をつけられるとすれば、それは受け入れる話ではないのではないかというのが今の考え方でございます。 ただ、仮にそういうもとで交渉が再開された場合に、具体的にどういうふうに取り上げるかとか、その辺はまだきちんと整理したところまでいっておりません。
○山崎(拓)委員 日朝交渉の開始の端緒になりましたのは、三党共同宣言、九〇年の九月二十八日でございますが、これもけさの報道でございますが、昨日の政府・与党の責任者会議ですか、その場において与党訪朝団を構成して、近い将来に北朝鮮を訪問せしめて、交渉再開のきっかけとするという構想が合意されたやに聞いておるわけでございます。 この点について、私は若干の懸念を持っておるわけでございますが、その三党、私はたまたま六月に訪朝いたしましたときに全容淳労働党書記と会談いたしました。その席で、全容淳書記の認識の中に、いわゆる日朝交渉は三党共同宣言を踏まえて行うべきだという点が示されたわけでございます。そのときの当事者が自由民主党と社会党でございました。このたび、さきがけが入っておりますけれども、与党三党でメンバーを構成して行くということになれば、これは三党共同宣言との関連が出てくるなということを私は正直懸念いたします。そういう次第でございますから、与党訪朝団が参りますことは大変結構なことだと私は思いますが、これは明確にメンバーは一新すべきであると考えます。 それから時期でございますが、この時期といたしましては、それだけの大型訪朝団が行くということになれば、金正日指導体制というものが確立された時期を選ぶべきである。その時期はいつごろになるのか、見通しがあれば教えてもらいたいと思います。 以上、与党訪朝団の構想につきまして、外務大臣、どういうお考えを持っておられるか、伺いたいと思います。
○河野国務大臣 昨日の政府・与党首脳会議でその問題について出席者から意見が出たようでございます。しかし私は、実は昨日の政府・与党会議に出席しておりませんので詳細承知しておりませんが、その手の話がなされたということは聞いておりますが、その結果、具体的にどういうふうにしようというふうに決まったということはないようでございます。 それで私は、国交の問題について最終的に責任を負うのは政府である、これはもうそのとおりだと思うのですが、問題は、そういう環境づくりをするといいますか、あるいは国交のない国でございますから、議員外交というものが一つの役割を果たすということはまた、かつてもございましたし、今あってもおかしくはないと思います。しかし、今山崎議員御指摘のような問題がいろいろあるということも忘れてはならない、十分考えなければならない問題だというふうに私も思います。
○山崎(拓)委員 今外務大臣から問題なしとしないという御発言がございましたが、これからの日朝正常化交渉は、過去の経緯は当然踏まえるべきではございますけれども、その中で、譲ることのできない面もその中にはたくさんございますので、その点十分注意してこれからの再開に当たってもらいたいということをお願いしておきたいと存じます。 それから、このたびの合意を見ておりますと、これは核問題解決の日程表なんですね、この合意が確実に履行されるということが肝心なんでありまして、そのための監視と検証が必要であると考えますが、その点について、我が国としてどういう対応を行われるお考えがあるか、承りたいと思います。
○川島政府委員 御指摘のとおり、これは将来九年間か十年間にわたる段取りでございまして、要は、そのとおり進まなければ問題の解決にはいかないということでございます。 それで、この話し合いの過程で非常に基本的に問題になったのは、必ずしも相互信頼関係がまだできていない両当事者問で、お互いにどっちが先にどう物理的に動くかということでございます。 つまり、逆に北朝鮮側からいえば、例えば黒鉛原子炉なんかを最終的に廃棄するということになっておりますけれども、それは、余りに早く廃棄した後で軽水炉の方は供与はやめたと言われたら困るし、逆にアメリカ側から見れば、軽水炉を上げた後で実は黒鉛原子炉とかみんな残ってしまったら何のために上げたかわからない。そういう両方に、お互いに取りっぱぐれないといいますか、どういうふうな段取りで進めていくかということが話し合いの大変重要な部分だったと承知しております。 それで、いずれにいたしましても、最初の段階はまず、国際的な枠組みをどうつくるかという準備が進む一方、北朝鮮の方はその間、黒鉛原子炉の建設を全部とめるとか、再処理施設を全部凍結するとか、既存の動きを全部とめてしまう。そういう中で軽水炉の、どういうふうに動かすかという国際的な動きが始まるというのが最初の段階で、そうやってだんだん九年後には北朝鮮側は黒鉛原子炉とか再処理とかは全部壊す、それで一方その段階では軽水炉ができ上がる、こういう段取りだと承知しておりますが、立ち上がりの段階で国際的な、コンソーシアムといっておりますけれ ども、それをどうつくっていくかとか、その辺は非常に早い段階から具体的に動かさなければならない、こういうふうに考えております。
○山崎(拓)委員 今川島局長が言われたコンソーシアムの関係ですが、これは軽水炉への転換資金だけで、それ以外もあるようでございますが、四十億ドルだとされております。これの負担につきまして随分と報道がなされておりまして、我が国は約二割を負担するんだということが、既に外務省からいろいろな形でそういう考えが出てきておるということを聞くわけでございます。 この点につきましては、やはり金額が巨額でございますし、国民の同意というのが必要じゃないか。後藤田さんの「政と官」という本の中で国民同意という言葉を使ってあったが、あの種のものが必要じゃないかと私は考えるのです。そういう意味において、今のようにアメリカが、もうこれは拠出しないんだ、まとめ役なんだから国内法の関係もあって自分の方は出さない。韓国は自分の炉を提供する関係があって七割とか四分の玉とか負担するんだ。それから、欧州各国の関心は非常に薄くて、コンソーシアムに果たしてどれくらい参加するのかわからない。いろいろなことが言われておるわけでございますが、事実はどうなのか、この際お伺いしたい。
○川島政府委員 お答えいたします。 巷間四十億ドルとか伝えられておりますけれども、これは、額が確定するのは、まず事前にどういうところにどういうものをつくるかという調査を相当しなければ確定しないわけでございまして、通常この手のものだと四十億ドルくらいかかるという過去のケースに基づいた数字がひとり歩きしているだけで、実際には全く決まっておりません。 それで、具体的にこの軽水炉転換のために関係各国がどういうふうな貢献をしていくか、負担になるかということにつきましては、これからまさに我が国、米国、韓国あるいはその他関係各国とともに検討、協議を行わなければならないわけでございまして、現時点では全く決まっていないという状況でございます。ただ、韓国は本件を動かしていくに当たって中心的な役割を果たす用意があると言っておりまして、それが、ですから八割とかなんとかいう報道につながっているのだと思いますが、これも具体的に何割というような話をしたことはないというふうに承知しております。 それから、日本でございますけれども、日本といたしましては、核兵器開発問題の解決が保証される、それから原子炉の安全性の確保とかいろいろな条件が満たされるのであれば、国際的な支援の枠組みに参加して応分の協力を行っていく用意はあるというところまでは姿勢を打ち出しておりますけれども、その中で具体的にどうやるかということは全部これからの話でございます。
○山崎(拓)委員 全部これからということでございますが、いずれにいたしましても非常に巨額なものになる。 加えまして、燃料棒の第三国移送の問題あるいは燃料棒の処分あるいは黒鉛減速原子炉の解体等に関する費用負担もこのコンソーシアムでやるんだという構想であるやに承っております。そういうことになれば、非常に巨額なものになる可能性がある。それから、重油の供給についてもこの中でやるという話もある、その辺事実は知りませんが。そういったことになりますと、これは北朝鮮に対する非常に大きな支援体制をここに組むということになります。その中で我が国が一定の役割を果たすということはあり得ることでございますけれども、しかし、日朝国交正常化交渉がこれから始まるということになれば、必ず請求権の問題が出てくる。その請求権の問題の中でこの協力についても処理した方が国民同意が得やすい、私はこういうように考えておりますが、いかがでございますか。
○川島政府委員 お答え申し上げます。 請求権の問題は、過去の日本による朝鮮半島統治に起因する日朝間の問題なわけでございます。一方、軽水炉転換の問題は、北朝鮮の核兵器開発問題の解決のための方策の一環ということで、これは国際的な枠組みで行う事業の参加をどうするかという問題でございますので、この二つの問題は性格が若干異なる面があるのだろうと思っております。 そこで、この二つの問題の整理でございますけれども、請求権の問題はまず正常化交渉において話し合われるべき問題でございますが、先ほどからの話もありますように、正常化交渉がまだ再開されていない段階で、とても請求権問題の処理自体について解決のところまで話がいっておりません状況でございます。他方、軽水炉転換の参加についても、これは一体どういう形になっていくかという、これまた具体化されていない現状でございますので、この二つをどういうふうに整理するかということについては、若干まだ不確定要因と申しますか、見えていないところが多過ぎるものですから、今の段階で確たることはちょっと申し上げられないと思います。
○山崎(拓)委員 請求権の問題と本問題、軽水炉提供の問題とが別枠組みであるということは私もよくわかるのです。よくわかるのですが、どうしてこの問題が発生したかということになれば、北朝鮮が核開発疑惑を起こしたから発生したので、これは我が国の隣国として安全保障上の非常に大きな問題になっておるということなんですね。問題を惹起しました原因は北朝鮮側にあるのでございまして、この解決は北朝鮮自体で本当はやらなければならぬ、それを国際的支援のもとで、NPT体制の堅持ということがございまして、これをやるんだということでございます。 そういう問題の所在からしまして、これは我が国として今後北朝鮮に対しまして、コンソーシアムが動くんだから自動的にその中にビルトインされて交渉を行っていくという、何と申しますか、この言葉は慎むべきでございますが、対米追随的なあり方と批判されやすいやり方ではなくて、当然のことながら日朝国交正常化交渉と並行してこの作業に我が国も参加すべきである、このように考えております。国交正常化交渉は再開されない、しかし軽水炉支援等々はアメリカ主導でコンソーシアムで行われていくということで我が国の立場が保てるのかということを考えると、私は異論なしといたしません。したがって、私は、並行して行われるということできればその中で一体となって問題が処理されていくということを強く望んでおきたいと存じます。 それから、時間が参りましたので二点だけ簡単に伺っておきたいと思いますが、我が国の最大の関心事はいわゆる特別査察の問題でございます。未申告の核廃棄物関連二施設の特別査察の問題。このたびの合意文書には特別査察を指す直接的な表現がございません。非公開の附属文書に明記されているということでございますが、その事実関係はどうか。 それから、仮にこのとおり進んだといたしましても、この特別査察が実現をいたしますのは五年後ということになる。その問IAEAの保障措置協定不履行状態が続くのだということになる。これは、このIAEAの査察を受け入れている加盟国との間に重大なアンバランスを生ずるのじゃないか、そういう点も懸念されるわけでございます。その点についてお伺いしたいと存じます。 それからもう一点、燃料棒の抜き取り搬出問題でございますが、これまた国内保管の認められている期間があと五年間ということになるわけでございまして、その間再処理の可能性はないのか。再処理の可能性があるとすれば核カードを持ち続けるということになる、そういう問題もあるわけでございます。 以上のような我が国が最大関心事としている点について、外務省はどのように考えているか、お伺いしたいと思います。
○河野国務大臣 私からちょっと前段だけ所見を申し述べさせていただきたいと思います。 山崎議員は、この米朝協議の合意を受けて日朝の国交正常化が並行して進むということが望ましい、そしてその中で、軽水炉支援、その他の話も一緒に進んでいくことか一番理解しやすいのではな いか、そういう趣旨の御発言をなさったと思いますが、私は実はそこでぜひお考えをいただきたいと思いますことは、軽水炉支援というものは、やはり先ほど政府委員か答弁申し上げましたが、少し性格を異にしているという点にぜひ御理解をいただきたいと思います。 それは、確かに核開発疑惑は北朝鮮が引き起こした国際社会の大きな懸念でございます。しかし問題は、北朝鮮が核開発疑惑というものを惹起いたしましたが、その核開発に対する疑惑を取り除く一つの方法は、NPTに戻ってIAEAの監視下に入るということで本来はいいわけでございます。今回の米朝協議はそれを超えて、まだでき上がっていない、建設中の黒鉛減速炉も壊してしまえ、現在ある五メガワットのものも凍結をして、これも最終的には壊してしまえ、こういうことを言っているわけです。 本来は、そうしたものがあってもNPTに復帰をしてIAEAの監視下に入れば、それは理屈からいえばやっていけないわけではない。しかし多くの国から見て、やはり黒鉛減速炉というものはプルトニウムの、つまり、核兵器をつくるためのプルトニウムの産出量が多くなるということから、これらを全部壊してしまえ、そしてそういうものができにくい軽水炉にかえろということを米朝協議でアメリカ側が提起をして、最終的に北朝鮮もそれを了解したわけですね。 つまり、黒鉛減速炉をやめて軽水炉にかわるということは、NPTに復帰をしてIAEAの監視下に入れという、他国が透明性を確保するためにやっていることを超えて、つまり黒鉛減速炉をやめて軽水炉型にかわれという要求をして、そしてそれをのんだ以上は、そこは別に、そういう要求を受けてかわるわけですから、要求をした方が軽水炉をつくってくださいよ、そうすれば自分たちは黒鉛減速炉はやめます、こういう話し合いがあったに違いないわけです。 そこで、そういう要求をした側とすれば、それはこちらが支援をいたしましょう。またそこに交代するまでの間、とにかく一時は凍結をして、新しいものができるまでの間は代替エネルギーを、ではどうすればいいのか、それもこちらで代替エネルギーの提供もいたしましょう、こういう話。これらはあくまでも核開発の、何といいますか、核開発があるのではないかという疑惑に対して、それを完全に払拭するための作業ですね。信頼関係がちゃんとあれば、NPTに復帰してIAEAの監視下に入ればある意味じゃもうそれでいいということであったかもしれませんが、お互いにもっともっと包括的にこの問題を完全に払拭してしまおうということから包括的な作業をした。その包括的な作業の中には南北の対話まで入る、あるいは米朝の事務所の交換まで入るというかなり大きな包括的な作業であったわけですが、そこまでやったということから来る支援であるということを我々としては考えなければいけないのではないかというふうに私は思っているわけです。 もし仮に逆の目が出て、この合意ができなかったとすれば、我々はやはり相当な作業をこれからまたさらにしなければならなかったに違いないということを考えますと、この合意というものはやはりそういう意味があるという点を理解しないといけないのではないかというふうに思っています。 その後の問題は、政府委員から答弁をさせたいと思います。
○川島政府委員 最初、特別査察に関連をする御質問でございますけれども、米朝合意によりますれば、米朝は五メガワット実験炉から使用済み燃料を、軽水炉プロジェクト建設期間中安全に貯蔵し——ああ失礼、燃料棒の話でございますが、北朝鮮の中での再処理を行わないということが合意されておりまして、その間、再処理施設は凍結されて封印されておりますので、そこから燃料棒からプルトニウムを抽出するということは物理的にできない段取りになっておりますし、いずれそれを軽水炉の建設自体がある程度進んだ段階で外に搬出する、それまでの間保管ということで、そのままいきますればプルトニウムを抽出する危険はないということになっております。 それから、私ちょっと混乱いたしましたけれども、特別査察の話でございますけれども、これは軽水炉プロジェクトの主要部分が完了して、かつ重要な原子力関連部分の搬入の前に、北朝鮮は、北朝鮮におけるすべての核物質に関する北朝鮮の冒頭報告の正確性及び完全性の検証に関してIAEAと協議を行って、その後、IAEAが必要と考えるすべての措置をとることを含めて、IAEAとの保障措置協定を完全に履行することとされているということでございます。こういう書き方によって、特別査察という言葉は使っておりませんけれども、事実上未申告の二施設に対する特別査察を含めましてできることになっているというふうに理解をしております。 なお、附属文書で秘密議事録云々という報道がございましたけれども、これは、非公開の部分については私どもの方として明らかにする立場にないことを御理解いただきたいと思います。
○山崎(拓)委員 時間が参りましたのでこれで終わりますが、外務大臣の御認識、NPT体制を堅持してIAEAの監視を受けることになった、それ自体はもう国際平和のために大変重要なことであると高く私も評価いたします。認識をともにするわけでございます。 ただ、軽水炉と黒鉛減速炉の関係ですが、これはアメリカが持ち出したという御認識を示されましたが、私は多分北朝鮮側のオファーであると思います。あるいは両方であるかもわかりませんが、黒鉛減速炉を廃止して軽水炉を導入するということは北朝鮮に大きな利益をもたらすわけでありまして、その軽水炉からプルトニウムを抽出しにくいという側面があることは事実でございますが、その点に余りポイントを置かれまして、これが北朝鮮に対する大きな実は支援であるという点について、むしろ北朝鮮はそれを強く望んでいるんだという御認識を持ってくださるようにお願いをいたしたいと存じます。 なお、特別査察とそれから燃料棒搬出の問題等につきましては、冒頭にお願いいたしましたとおり、これから十分監視と査察の体制を、我が国としてもIAEAとあるいは日米間で協調体制をとりながら持ち続ける必要があるんではないか、かように考えます。 以上をもちまして、私の質問を終わります。
○近藤委員長 堀込征雄君。
○堀込委員 本会議時刻も迫っていますから、簡潔に質問申し上げたいと思います。 けさ以来、私ども社会党に対していろいろなこの法案の経緯に対する御質疑がございました。しかし、私どもの党は、御存じのとおり、護憲を党是とする党であり、とりわけ平和問題や憲法問題やあるいはまた防衛問題の課題などについては極めて神経質なくらいに対応し、そういうことをまた重要視して活動をしてきた党であります。そういう中で、今回の法案につきまして、これを契機に自衛隊機が海外に出ていくのではないか、あるいはまたこれを契機に自衛隊を海外に派遣をする突破口となるのではないかというような懸念やいろいろな問題があったことは事実でございます。しかし、率直に言って、各党の皆さんの理解あるいはまたこの間の審議によって、やはりこの法律が七十万人近くに及ぶ在外邦人の緊急事態への対応の法律だ、そしてそれ以上でもそれ以下でもないということが明らかになってきたというふうに思うわけでございまして、また加えまして、各党の皆さんの理解によって我が党の考え方も法案の中に相当程度盛り込んでいただいたことに感謝を申し上げる次第であります。 私は、今までの討議を再確認しようと思いましたが、この間の、けさからの質疑によってほぼ、それぞれ危機管理の問題、あるいは安全確保の問題、あるいは派遣手続、派遣の機種、要員、そして携行武器につきましても機内安全のためけん銃に限るというようなことで、おおむね法案の中身について明らかになり、詰められてきた、こういうふうに思うわけでございます。したがいまして、この法 案について一つだけ確認をしておきたいことは、こういう想定をされるケース、そして想定を超えるケースというようなものも恐らく出るのでありましょう。しかし、どのようなケースにおきましても、この対応はやはり、前々内閣ですか、平成五年の閣議決定でありますが、この閣議決定の基本方針に沿って法案成立後は対応されるということを私はまず大臣の方から御確認の答弁をいただきたい、こう思うわけでございますが、いかがでしょうか。
○河野国務大臣 昨年十一月ですか、閣議決定が行われたと承知をしております。先ほど来、政府委員その他答弁をいたしておりますように、この閣議決定というものは踏襲を、引き継がれるというふうに認識をいたしております。
○堀込委員 ぜひ閣議決定並びにこの間の委員会の審議の方向に沿ってこの法律の運用をお願い申し上げたい、こう思うわけであります。 さて、防衛庁にお聞きをするわけでありますが、現行の中期防衛力整備計画、未年でこれは一応終了ということになるわけでありますが、総理の諮問機関であります防衛問題懇談会の報告等によると、防衛計画の大綱だとかあるいは国防の基本方針の見直しについても議論をされておる、こういうふうにお聞きをしておるわけでありますが、再来年度以降の防衛力整備についてどのような検討をされているか、あるいはある程度こういう方向でというようなことがございましたら、簡潔で結構でございますので、ここで明らかにしていただきたいというふうに思います。
○玉沢国務大臣 現在の大綱にかわる新たな考え方の骨格につきまして、先般、防衛問題懇談会から御意見をいただいたところでありまして、政府として新たな考え方をどのような形で取りまとめるかについては、新大綱を作成するか否かという点も含めまして、今後政府部内で検討すべきものと考えております。 政府としての最終的な結論を得る時期につきましては、今後の政府部内での検討にもかかわるものであり、現段階で具体的に述べることは困難であります。 また、今後、新大綱というような形をとるか否かという点も含めまして政府部内で検討をしていく必要がある、このように考えております。
○堀込委員 もう一点だけ、例のPKO法案の見直しについて、先ほども外務大臣、お答えになっておられました。やはり我が国の安全ということを考えますと、本体業務に加えて、冷戦後の国際社会の動向などを眺めながら、どういう国連を中心とした平和システムをつくるかというような課題も検討されていかなければならない。先ほどの答弁ではいろいろな、カンボジアとかモザンビークだとか、経験を踏まえて検討されていく、こういうことでございました。一方で、PKF解除だとか、本体業務の解除だとか、あるいは別組織でやったらどうかとか、あるいは自衛隊内に専門組織をつくってやったらどうか、いろいろな考え方が率直に言って当委員会でもなされましたし、出されております。この来年のPKO法の見直しについて、先ほども答弁ございましたが、もう一度、考え方がございましたら、お聞かせをいただきたいと思います。
○河野国務大臣 PKOにつきましては、国際社会の中にもさまざまな議論がございます。我が国よりもはるかにPKOに経験の深い国々からもさまざまな意見が出ております。そうした意見も一方で聞き、やはり一方で我が国のPKO活動の経験、そうしたものをきちんと踏まえて判断をすべきであろうと思っております。 カンボジア、モザンビーク、さらには少しあれが違いますけれどもザイールにも今行っているわけでございまして、これらは皆、国際平和協力法に基づいての作業、活動でございますから、こうした人たちの貴重な経験というものもよく聞いて、さらに政治的な判断というものがあってしかるべきというふうに思っております。
○堀込委員 時間が来たので、終わります。
○近藤委員長 次回は、来る二十七日木曜日午後三時五十分理事会、午後四時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時四十八分散会 ————◇—————