予算委員会 第18号
- 発言数
- 447 件
- 登壇者
- 41 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1994/06/21
会議録
○委員長(井上吉夫君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 平成六年度一般会計予算、平成六年度特別会計予算、平成六年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。 前回に引き続き、総括質疑を行います。服部三男雄君。
○服部三男雄君 総理にお尋ねいたしますが、私は、主として北朝鮮の核開発疑惑に絡む国内の法制上の問題、危機管理の問題についてお尋ねしたいんですが、その前に、一昨日の朝刊でございますが、一昨日の朝刊全紙の、総理が街頭演説で発言された内容についてお尋ねしたいと思うんです。 予算が重要な最終局面に来ておりまして、連日この参議院で総括質疑が行われている。その最中に、当委員会における総理答弁と街頭における発言内容がかなり食い違っているとの記事が各紙に掲載されました。 時局重大な折でございますのでこの問題に触れざるを得ないんですが、あの新聞記事に書かれてあった北朝鮮の核開発能力及び意図がないとの発言は新聞記事どおり総理は発言されたんでしょうか。
○国務大臣(羽田孜君) この点、実はそういう指摘がありまして、私自身は大体国会で発言を申し上げておるとおりに発言をしているつもりであるということを実は申し上げておりました。ただ、テープをみずから起こしてみましたら、確かに金日成主席、この方が核を持つ意思もない、あるいは能力も持たないということを言ったことを踏まえて、少し私もこれはちょっと誤解されるぞという発言をしたことについて今反省をいたしております。
○服部三男雄君 その点でちょっと関連で斎藤委員の方から質疑を行いたいと思いますので、委員長、許可をよろしくお願いいたします。
○委員長(井上吉夫君) 関連質疑を許します。斎藤文夫君。
○斎藤文夫君 服部委員の質問に関連いたしまして、ただいまの問題について総理はいささか反省していると、こうお述べになられましたけれども、実は大変重大な問題でございまして、その程度の反省で了解をするわけにはいかない。 そこで、改めて質問をさせていただきます。 とにかく、各紙が全部錦糸町駅前の街頭演説、しかも外務大臣がお供をした、その街頭演説の中で、まことに国際的に大きな波乱を起こす、だれが考えたって総理がこんな発言を、今、国会で私たちは予算の総括をやっている真っ最中にもかかわらず、国民と対話をするという姿勢は私どもも認めますけれども、私たちは国会で堂々と論ずることが国民に対する一番の総理の道だと思っております。いささか雰囲気に負けてはみ出した演説をなすったとおっしゃるのかもしれませんけれども、我々がやったならいざ知らず、日本を代表する総理ですよ。世界に重大な影響を及ぼす総理の発言としてはまことに不見識と思いますが、もう一度そのときのお話の内容を聞かせてください。
○国務大臣(羽田孜君) 御指摘の私の発言につきましてでございますけれども、北朝鮮がみずから核兵器をつくる能力も意図もないと表明していることを受けまして、北朝鮮が実際に核兵器を保有していないことを期待するとの趣旨を述べたものでございまして、よって北朝鮮が実際に核兵器を保有しているかについて述べたものではないということは御理解をいただきたいと思います。 いずれにいたしましても、北朝鮮の核兵器開発の実態は不明であり、こうした核兵器開発の疑惑を払拭するためにも何としてもやっぱり北朝鮮がIAEAによる査察を完全に受け入れることが重要であるということを私は実は申し上げた。そして、私ども政府の立場であるということを重ねて申し上げさせていただきたいと思います。
○斎藤文夫君 いろいろ新聞を私も読みました。講釈師見てきたような何とかで、あなたひとり芝居的にカーターさんと金主席の会話を入れ子で訴えて、持っていないと思う、これからも持つとは思わない、ましてや北朝鮮は能力もなければ金もないと、あなた、北朝鮮を侮辱するような総理の御発言じゃないですか。これをどうおとりになりますが。
○国務大臣(羽田孜君) この発言は、これはしばしば報道なんかでされておるところでありまして、要するに、北朝鮮としては別に能力もありませんよ、技術もありませんよ、みずから持つ意思もありませんよということはしばしば実は言われていることでありまして、そういう意味で私は、もし本当にそういうことであるんだったら早くオープンにしなさい、IAEAの査察を受けなさい、ということであれば、みんな国民の皆さん方には、国民というよりは世界の皆さん方には理解されるんじゃないのかなという思いでございます。
○斎藤文夫君 これはなかなか了解できないんです。 これは、もしも総理がおっしゃるような表現の仕方であれば、別の表現の言葉があるんです。あなたの日本語に通訳が要るようなことだったら総理なんかやっていられないでしょう。もう一度答弁を。
○国務大臣(羽田孜君) これはよくそういうことが報道されたりすることをそのまま使ったわけでございまして、やっぱり大衆の方にはわかりやすくということ、これが主であります。そして私は、北朝鮮が核というものの開発ということは、これは実際にもしこれが認められるということになったら、要するに認められることになったら核拡散を許してしまうということになるわけでありますから、何としても北が核に対するそういう意欲なんか持ってもらいたくないというのが実は私の真意であるということはぜひともひとつ御理解をいただきたいと思うんです。
○斎藤文夫君 いや、そういう真意だったらああいう発言にはならないんですよ。すぐ例えば人民日報が、あなたの発言にびっくりして、日本の最高の責任者としてああいう発言をしたのは初めてだと。 世界じゅうは国連を含めて今制裁の決議案を出そうという前向きの姿勢である。今まで外務省なりあるいはあなたが外務大臣のときからの発言を私は全部調べた。全部、疑惑ある、大変なことだ、そういう答弁を国会で繰り返してきたでしょう。それが街頭演説という一つの雰囲気の中であなたが誤解をされるような発言をすること自身、総理として重大な責任があるとお考えになりませんか。もう一回。
○国務大臣(羽田孜君) 確かに、街頭での話でありましたから、私がそういった誤解を与えるようなことをしたことはもう本当に、一番初めに申し上げましたとおり反省をしなければならないし、やはり日本の総理の発言というのは相当大きいものであります。ただ、私の話をしている基本の流れというものは一切国会での発言とは変わらないものであるということを、ぜひひとつ理解をしていただきたいと存じます。
○斎藤文夫君 外務大臣、立会人としてどうですか。
○国務大臣(柿澤弘治君) 私も同席をいたしておりましたが、羽田総理は北朝鮮核疑惑問題の平和的な話し合いによる解決というのを強く期待する旨おっしゃいまして、その中で金日成主席の核は持たない、持っていないということを引用され、それを期待するという趣旨でおっしゃったものというふうに理解をいたしておりまして、我が国、日本政府としては、北朝鮮が核兵器を持っているか持っていないか、確証できる立場にはございません。
○委員長(井上吉夫君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(井上吉夫君) 速記を起こして。
○国務大臣(柿澤弘治君) そうした趣旨で総理が御発言をされたものと私は認識をしておりますが、総理が先ほどその点については誤解を招いて遺憾であるというお話でございますので、そういう点では、そうした誤解を招いたとすればこれは我が国政府の真意とは異なる部分がございますので、その点申し上げさせていただきます。
○斎藤文夫君 政府としてこの問題にはしっかりとした統一見解を出していただきたい。
○委員長(井上吉夫君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(井上吉夫君) 速記を起こして。
○国務大臣(羽田孜君) 確かに、私も実は速記を先ほど申し上げましたように起こしまして、そうしましたら、私がここで答弁していることと基本的な流れは一切変わっておりません。ただ、言葉が、何というんですか、誤解されるような言葉であったということは、これは私が先ほど申し上げたように反省いたしております。 ただし、これはやっぱり一国の、日本を代表する総理としての発言でございますから、これははっきりしておきませんとまたよそに誤解を与えることがありますから、政府として統一見解を出すようにさせていただきたいと思います。
○斎藤文夫君 統一見解を出していただきたい。そうでなければ、きょうの新聞の一部に、CIA以上の日本は世界に冠たる諜報機関を持っているのかなんてやゆもされるんですよ。 私は、あえて総理に申し上げます。 まさに私は政局絡みの意図的発言だととっているんですよ。でも、そうでないと言うんだったら、この時期に国際的混乱を当然起こすべき発言を不用意にされた責任はもっと痛感しなきゃ総理もだめですよ。日本を代表するお立場だ。普通の人の政治をやりたいとおっしゃるけれども、サラリーマンがお茶を飲みながらわいわいがやがやお話をするのとは違う。総理の発言というのは極めて重い。 そこで私は、今回総理は、日本には核開発の能力がある、東大生だってそのぐらいのことはできるだろうと、つい前の日に言っているんです。今度は逆に、北朝鮮が核を持っていないまで平気でおっしゃられる。これらのお話を聞いておりますと、本当にこの内閣は総理を初め閣僚がしょっちゅう連日のように、間違いました、申し訳ない、おわびと食言の繰り返しでしょう。こんな内閣はみずからが責任をとるべきじゃないですか。御決意を。
○国務大臣(羽田孜君) 今のお話でありますけれども、能力問題というのにつきましては、これは大木委員の方からたしか御質問がありまして、しかし日本はそういうものはあるけれども、非核三原則といいますが、核を持たないという決意というものをしているんだということでありまして、私は全くそういうあれですねということを申し上げたところでございます。 なお、私も実は言葉については、それはいろんなおもしろがってからかわれますけれども、街頭におきましても相当言葉は選んで実は使ってきたつもりでございます。ただ、あのときに確かに欠けておったということがありますこと、誤解を呼んだことは、しかし全体の脈絡を読んでいただければ、私の本会議における考え方とは変わっておらないんだということだけはひとつ御理解をいただきたいというふうに存じます。
○委員長(井上吉夫君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(井上吉夫君) 速記を起こして。
○斎藤文夫君 それでは、十一時までに政府の統一見解を出していただくということで引きまして、時間でございます、あとは服部委員からまた関連の質問をお願いします。
○服部三男雄君 柿澤外相にお尋ねしますが、今の答弁は本当に聞いていて無責任だと受け取られます。外相は総理のその錦糸町の街頭演説の横におられたわけですね。今総理が陳謝されたように、意図がないという発言を聞いた後、あなたは総理にどういうことを進言されましたか。閣僚として、自分の所管事項ですから、どういうことをその場で、あるいはその後、この国会あるいは新聞で問題になるまでにどういうふうにあなたは総理を補佐し、進言されましたか。
○国務大臣(柿澤弘治君) 私もその点については総理に、御発言の内容については誤解を与えるおそれがあるということを申し上げました。私自身その前に演説をさせていただきましたが、その中ではブリクス事務局長の書簡を引いて、何らかの量のプルトニウムが別途抽出されているおそれがあるということをきちっと発言して、この問題は我が国の安全保障にかかわる大事な問題だということをその街頭で訴えさせていただいたわけでございますので、その点で聞いていた皆さんは誤解がなかったと思いますが、その点について、きょう総理がそういう形で釈明をされたわけでございますので、その趣旨で日本政府の立場については御理解をいただきたいと思っております。
○服部三男雄君 それだけ重要な問題ですからね、しかも湾岸時の危機と違いまして日本の目の前における問題ですから。 外務大臣としては、この時局重大な折に総理の錦糸町駅前の街頭発言で、意図がない、能力がないと断定されたと聞かれたら、なぜすぐあなたはその場で総理に訂正してくれと言わなかったんですか。あなた自身は、疑惑がいっぱいある、現実に棒の引き揚げをやっているわけですから、IAEAの特別査察を受けていないというのが疑惑のもとでしょう。そういうことを総理の街頭演説の事前に話していて、総理と明らかに食い違いが出たんだからなぜその場で言わなかったんですか。 あるいは、新聞に出たときになぜ即座に対応しなかったんですか。きのう一日そういうあなたの対応は何にもありませんよ、外には何にも見えていませんよ。
○国務大臣(柿澤弘治君) 私は、記者懇談会等ではその点申し述べたつもりでございますし、きのうは参議院の外務委員会で御質問がございましたので、日本政府の立場は明確に申し述べたつもりでございます。
○服部三男雄君 外務大臣、答弁になっていないんですね。どういう対応をしたのかと聞いているときに、きのう私は参議院の外務委員会でその点明確に述べた、あなたの発言を聞いているんじゃないんですよ。再答弁してください。
○国務大臣(柿澤弘治君) 総理の御答弁の機会は今回の参議院の予算委員会であるということでございましたので、それに向けて準備をさせていただいたわけでございます。
○服部三男雄君 あれだけおとといの全紙に出たんですよ。もっと細かく言いますと、世界じゅうが知っているんですよ、これは。しかも北鮮危機の直接の当事者は日本なんですよ、韓国と日本ですよ。それが第三者みたいに、丸二日置いた参議院の予算委員会があるから待っていればいい、それが外務大臣の答弁ですか。そんなことを言っていて世界じゅうが信用すると思いますか。経済制裁で日本が本当に後方支援してくれるとは思いませんよ、外務大臣の今の答弁を聞いていたら。再答弁ですよ。
○国務大臣(柿澤弘治君) 一部報道についてそうした誤解を与えたことは、先ほど総理がおっしゃったように大変遺憾なことでございますし、その点は訂正をしなければならないと思っておりますが、日本政府の立場につきましては基本的に諸外国、また関係筋もそれによって大きく日本の政策が変わったとか、日本の真意が正式の場で表明されている立場と違うというような大きな誤解を与えたということはなかったと思っております。
○委員長(井上吉夫君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(井上吉夫君) 速記を起こして。
○国務大臣(柿澤弘治君) この点につきましての政府の見解は統一見解で出させていただきますが、即座に総理に御注意を申し上げなかったのは私としても残念でございました。その点、不行き届きであった点はおわびを申し上げます。(発言する者あり)
○委員長(井上吉夫君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(井上吉夫君) 速記を起こして。
○国務大臣(柿澤弘治君) 総理大臣も国際的な影響を懸念して先ほど訂正の答弁をされたわけでございますので、私が国際的な影響について過小に評価しているような印象を与える答弁をいたしましたら、その点については訂正をいたしまして、そうした誤解のないように、誤解を今後修正できるように、外務省としても一生懸命努力をさせていただきます。
○服部三男雄君 外務大臣が訂正されましたので、この程度で矛はおさめますが、質疑通告していない別のことでちょっと農水大臣にお尋ねいたします。 きょうの毎日新聞、各紙一面に出ておりますけれども、「加藤六月氏宅にヤミ米六十キロ」、ことしの三月の話でございます。 確かにあの当時、米危機ということで庶民が米屋さんの前へ並んで内地米を買いに苦労したその時期に、元自民党で今新生党で、農林族の有力な加藤氏、そして現に今農水大臣になっておられる加藤氏のこういう事態は、やっぱり政治家が庶民離れしておると言われる。あるいは、やみ米ですから非常に問題が多い。 所管大臣として、この点についてどのように御説明なさるんですか。
○国務大臣(加藤六月君) 調べてみましたところ、ことし三月、すなわち農水大臣に就任する前でございますが、知人が送ってくれたものでございますが、いわゆるやみ米とは知らなかったわけでございます。 いずれにしましても、今私がこういう立場にあり、また、過去農水大臣をやった立場からしましても、このような誤解を招いたことは大変残念であり、今後注意してまいりたいと考えておるところでございます。
○服部三男雄君 それでは、本論の方に戻りまして、まず北朝鮮の核開発疑惑に端を発するいわゆる朝鮮半島の危機の問題でございますが、その日本に与える大きな影響、特に核、それとミサイル開発の技術の進展、こういったことの日本に対する危機、これは湾岸戦争時とはもう比較にならない。何千キロも離れた中東の問題と日本海を挟んで目の前にある国の問題であるということで、危機、脅威という点では比べ物にならないという認識を総理及び外務大臣は持っておられますか。
○国務大臣(羽田孜君) この問題は、まさに他国の問題ではなくて隣国であるということで、我が国自体の問題として私どもは受けとめるべき問題であろうというふうに考えております。
○国務大臣(柿澤弘治君) この件に関しては、総理の御答弁のとおり我が国の問題として考えております。
○服部三男雄君 北朝鮮というのは過去に国際的テロとして二件、ラングーンと大韓航空機事件というテロを起こしているということ。日本に対しても過去に、特に北陸で不法上陸を繰り返していたとか、あるいは北朝鮮と直結している在留北朝鮮人の朝鮮総連団体の問題、こういった性格の国であるということ。特に、平成六年六月九日に平壌放送で北朝鮮外務省が声明として、朝鮮総連と朝鮮に対する日本の敵視政策だ、特に制裁というようなことをやるとなると我が国に対する宣戦布告だとまで言っている。これは北朝鮮外務省の声明であります。 こういったことを考えますと、総理並びに外務大臣にお聞きしたいんですが、湾岸時における日本の危機管理のシステムというものがうまく機能していないということが識者はもちろんいろんなところから出たわけであります。それから丸三年たっておりますが、いよいよ湾岸時と違って日本の直接的脅威という問題になっておりますので、今の危機管理システムというのは湾岸時からどのように改善されたか、あるいは分析検討されているかをお尋ねしたいと思いますが、まず総理から、そして官房長官、外務大臣、防衛庁長官にお答えを願います。
○国務大臣(羽田孜君) いわゆる重大緊急事態が発生した場合には、事態の拡大発展を防止するため政府が一体となってこれに対処するという方針に基づきまして、国防事態ですとかあるいは重大緊急事態が生起した場合に迅速的確に対応できるように、常日ごろから情勢について関係省庁から報告を受け意見交換を行うよう努めているところでございまして、今後ともそういった運用というものに万全を期していきたいというふうに考えております。
○国務大臣(熊谷弘君) 基本的な物の考え方につきましては総理が御説明したとおりでございますが、私の方からは危機管理体制についてどのような手だてを講じておるかということを申し上げたいと思います。 もう先生お勉強されておられますので、全文くどくどしたことは申し上げませんけれども、我が国にとっていわゆる重大緊急事態が発生した場合に、事態の拡大発展を防止するため政府が一体となってこれに対処する方針がある、そのための体制をどうするかということでございまして、安全保障会議設置法においては、安全保障会議が「国防に関する重要事項及び重大緊急事態への対処に関する重要事項を審議する」こととされております。 このため、安全保障会議においては、国防事態や重大緊急事態が生起した場合に迅速的確に対応できるように、常日ごろから諸情勢について関係省庁から報告を受け意見交換を行うよう努めているところでありまして、今後とも、その運用に万全を期してまいりたい。これは再三衆参の予算委員会の場におきましても御説明をしてきたところでありますが、それぞれの事務方が所掌範囲内で検討をしていると同時に各省庁間で情報交換を行う、こういうことを今続けている、こういうことでございます。 なお、付言いたしますと、平成三年の例の湾岸危機に際しましては、安全保障会議におきまして、国際連合安全保障理事会決議に基づく関係諸国の対イラク武力行使に伴う重大緊急事態への対処措置についてを決定する、こういうような経験を積みまして、マニュアルの整備、体制をつくり上げる、そういうものについては累次検討を重ねておる、こういう状況にございます。
○国務大臣(柿澤弘治君) 本件は、内閣が一体として取り組むべき問題でございまして、今、官房長官お話しのように内閣として取り組んでいただいておりますが、外務省といたしましても、内外の的確な情報収集に努め、危機管理の体制を整備する、そうしたタイミングを失わないように努力をいたしているところでございます。 また、在留邦人の安全につきましては、安全対策に留意をいたしまして、その点についても各在外分館等でも努力をいたしておりますし、在韓の大使館においてもいろいろな場合等も想定しながら検討をいたしているところでございます。 それに関連いたしまして、在外邦人の救出のための自衛隊法改正法案の早期成立をお願いをいたしているところでございます。
○国務大臣(神田厚君) 防衛庁といたしましても、従来から我が国の安全の確保の観点から、種々の緊急事態に対する対策の充実を図ることは重要な課題であると考えておりまして、必要な情報収集、適切かつ迅速に対応し得るよう情報収集、警戒監視機能、指揮通信機能の充実に努めてきたところでございます。 また、臨時行政改革審議会が三年七月に出しました答申にこたえまして、邦人救出の輸送手段の多様化を図る旨指摘があったことを踏まえて、外国における緊急事態において在外邦人等の輸送が必要な場合に自衛隊の航空機の派遣を可能とするよう、政府として自衛隊法の一部改正案を現在提出しているところでございます。
○服部三男雄君 私、今の四大臣の答弁を聞いておりまして、非常に不満でございます。皆さんがおっしゃったことは、三年前に当時の関係大臣がほとんど同じことをおっしゃっている。私の質問は、三年前に危機管理のシステムがよくないという批判があって、それに対してどういう分析をし、どういう対処をしたのか、今どこまできているのかということを答えていただきたいというのに、三年前と同じことが繰り返されている。非常に不満でございます。 具体的にお聞きしたいと思うんですが、防衛庁にお伺いしますが、指揮コントロールセンターというのができ上がったんですか、でき上がりませんか。
○政府委員(村田直昭君) 事実関係でございますから私から答弁いたさせていただきますが、現在防衛庁としましては、中央指揮システムというものを五十九年度から整備して、既に六十二年度から運用をしているということでございまして、既にもうそのとき、三年前からというよりも既にその前から運用をしており、さらにその機能の充実を図っているところでございます。 さらに、情報体制につきましては、新しい情報体制の、何といいますか、各機関の情報を統合するようなシステムというものを今研究をしておる、情報本部と略称しておりますけれども、研究をしておるところでございます。
○服部三男雄君 防衛庁にお尋ねしますが、その情報の総合コントロールセンターをつくるのに情報分析というのが大事なんですよ。システムなんか何ぼつくったって、そこにノウハウ、ソフトがなきゃだめなんですよ。そういう専門要員は我が防衛庁は抱えているんですか。いるとすれば何名いるんですか。
○政府委員(村田直昭君) 先生御指摘の情報の収集分析というのは非常に重要であるということは、単に情報が入ってくるだけでなく、それを分析してそれがいかなる意味を持つかということを分析することが非常に重要でございます。 そういう意味で、私どもも情報の収集分析を行っておりますが、その専門官という定義がややちょっとわかりかねるわけですけれども、そういう情報の収集に関して私どもの組織としましては、防衛庁の中央では防衛局というところに調査一課、二課というのがございます。それから、統合幕僚会議事務局に第二幕僚室というのがございます。それから、陸海空各幕僚監部に調査部がありますほか、陸海空各自衛隊に資料隊というようなものがございます。そういうものを合わせて現在約二千名の者がこれに従事しておりますけれども、そのうちの収集分析の専門官ということになりますとちょっと何人かということは言えませんけれども、二千人の者がそういうような仕事に当たっておるということでございます。
○服部三男雄君 今の防衛局長の答弁を聞いていましても非常に不満でございまして、確かに、それは陸海空があるわけですから、その各担当の基地にも司令がいれば内局にもいる、いろいろみんながそれに携わるのは当たり前なんです。数千人いるのは当たり前なんです。その中で専門的に、もっと早く言えば日本にはそういうソフトが今まで余りなかったわけだ、軍備そのものが不完全なんだから。アメリカだとかイギリスだとか、要するに情報関係の専門を長くやっているところに行って勉強し、ごく微細な情報でも感度のいいアンテナの役割を果たす、そういう意味ですよ。そういう、情報の収集じゃなくて分析ばかりやっている人はどのぐらいいるのかと聞いているんです。
○政府委員(村田直昭君) その点について今まさにお答えしたわけでございまして、よく私どもも米側等から情報等についていただきますけれども、そういうときにそれぞれその地域の専門官というような者はおります。私どもにもそういう者はおりますけれども、今言った二千名の中でそういう者がどのくらいいるかということになりますと、それはその人の能力にかかわる話でございまして、非常にその定義が難しい。二千人がすべてそういう分析官ではないわけでございまして、そのうちに、その中で非常に特異な能力を持っておるとかいうような方がおられることは、私どももその方たちから報告を受けておりますのでわかりますけれども、その人数を今そういう意味で特定することが非常に難しいということをお答えしているわけでございます。
○服部三男雄君 防衛庁は外務省のアタッシェとして何人派遣しているんですか。
○政府委員(村田直昭君) 防衛駐在官のことでございますけれども、この防衛駐在官というのは、任務として在外公館に勤務しまして、大使の指揮監督のもとで駐在国における軍事情報の収集調査に当たる、これは先生御承知のとおりでございますが、現在、三十二の在外公館、三十一の大使館と軍縮会議日本政府代表部に四十名を派遣しておるところでございます。
○服部三男雄君 日本は専守防衛の国ですから、諸外国の動き、特に軍事技術の動きというものを情報収集するということは、専守防衛の建前からいったら極めて大事だと思うんです。そうしますと、たかだか四十名のということは一大使館当たり一名ぐらいだという見当になるわけですが、その程度の者の派遣で諸外国の軍事情勢とか動きとか技術の進展とか、こういったことを把握するのは、防衛庁長官、十分機能しているというふうに思われますか、それとも今後もっとふやすべきだと思われますか。ふやすならどのぐらいの数が必要だと思われますか。
○国務大臣(神田厚君) 現在、今答弁があった人数でありますから、私どもといたしましてはそういう意味で逐次ふやしてきたところでありますけれども、今後とも国際情勢、派遣国の事情等を総合的に勘案しながら、外務省、関係省と協議をしつつ検討してまいりたいと思っております。先生の御提案はよくわかりました。
○服部三男雄君 防衛庁長官、役人の答弁みたいなことはしてほしくないんですよ、あなたは政治家なんだから。今機能しているのか、十分かと聞いたら、十分でないか十分だかはっきり答えていただきたいんです。足らないと思うならどのぐらい要るかということを聞いているんですよ。よくわかりましたと、そんな答弁聞きたくはないんですよ、僕は。再答弁。
○国務大臣(神田厚君) 必ずしも十分ではないと思っておりますが、これから関係省庁ともよく検討してまいりたいと思います。
○服部三男雄君 しっかり頑張ってもらいたいと思います。 次に、いわゆる核の抑止力の問題から地域紛争へ変わってきたと言われておるわけで、これが冷戦後の趨勢だろうと言われておるわけです。そうしますと、日本は経済大国でお金持ちだというイメージがありますからテロの問題が起こってくる。特に外交官に対して、在外大使館に対するそういう危険性がふえるだろうと言われておるんですが、防衛庁長官、外務省の各大使館の自衛官による防備というものを考えておられますか。具体的に外務省とそういう協議に入っていますか。
○政府委員(村田直昭君) 外務省の在外公館の警備ということは、現在外務省において行われております。 ただ、それと自衛隊とのかかわりについて申し上げますと、自衛隊の中の自衛官の者が外務省に出向しますといいますか出まして、それで在外公館に勤務をするという格好でそういうような職についております。それは自衛隊だけではございません。そういう関係の各省庁から出ておる方を承知しておりますけれども、ちょっと今人数は調べなければわかりませんが、出向してやっておるということでございます。
○服部三男雄君 防衛局長、もっとまじめに答えてもらいたい。今のままの警備で大丈夫か、テロをやられたときに大丈夫なのかと聞いているんですよ。やっておりますという現状を聞いているんじゃないんです。
○政府委員(池田維君) お答えを申し上げます。 在外公館の警備につきましては、治安状況によりまして、私ども必ずしも現在の体制が十分であるとは考えておりません。したがいまして、その必要性と効果というものを考えながら十分に対処してまいりたいというように考えているわけでございます。
○服部三男雄君 外務省の情報収集、分析、それから集中コントロールタワーのようなものについて、湾岸時からどのように改善されましたか。外務大臣にお尋ねします。
○国務大臣(柿澤弘治君) 細部については事務当局から御返事をさせていただきますが、そうした御指摘もいただきまして、従来ございました情報調査局を情報分析機能に特化するということで国際情報局に改組いたしまして、そうした面では充実を図っているつもりでございます。
○政府委員(柳井俊二君) ただいま大臣から御答弁ございましたように、湾岸戦争の後、機構改革を行ったわけでございまして、国際情報局を設置いたしました。そこで情報の収集、分析等を集中的に行うようになってございます。 従来、情報調査局というのがございまして、そこでも情報の収集、分析をやっておりましたけれども、情報調査局の時代におきましては、そのほかに政策の企画というようなこともあわせてやっておりました。今度これらを総合外交政策局の方に企画部門を移しまして、情報部門につきましては国際情報局でいわば特化するという形でやっております。国際情報局におきましては、局長、参事官のほか、国際情報課、分析第一課、これは欧米、旧ソ連を担当しておりますし、それから分析第二課、アジア、大洋州、中近東、アフリカを担当しておりますが、そういう形で国際情報の収集、分析に努力をしているところでございます。 なお、国際情報局のうち、国際情報課のもとに情報センター、それから調査室というところも設けまして、情報の分析管理、また省内での配付ということに遺漏なきを期するように努力してはおります。 それから、そのほかに通信システムの改善等も行っておりまして、現在外務省の増築を行っておりますが、この増築部分にこのような情報センターの機能を集中するというようなことで努力をしております。
○服部三男雄君 防衛庁よりも、どうも湾岸危機のときの反省は外務省の方が真剣にやっておるような印象を受けますけれども。 防衛庁長官、前にこの参議院の予算委員会で防衛庁長官は、ノドンは千三百キロ、北鮮が今開発しただろうと言われているノドンの対処方法としてパトリオットはどうも無理だ、超高層から弾道でおっこちてくるものに対する対処法がないんだ、それにはTMDしかないだろう、それを積極的に推進したいという答弁を野沢委員に対してなさっているんですが、それには偵察衛星によるシステム化が必要ではないかと思うんですが、防衛庁としては、情報収集、特に軍事情勢に関する情報収集のための偵察衛星についてどのように対処しておられるんですか。早く言えば、予算措置をつけて早く海外の衛星を買ってでもつくろうという気があるんですか。
○国務大臣(神田厚君) 偵察衛星につきましては、現在のところ我が国独自の偵察衛星の保有についての構想ないし計画はありませんが、各国の利用動向等については今後とも注意深く見守っていきたいと思っております。 商業衛星の利用については、現在米国において民間企業が高分解能の衛星を打ち上げ、そのデータを一般に販売する等の事業を行う計画があることは承知しておりますが、本件の動向についても今後も注意深く見守っていきたいと考えております。 防衛庁といたしましては、米国の計画が具体化するかどうかはまだ未定でありますので、具体的な検討については慎重にしていかなければならないと思っております。
○服部三男雄君 私としましては、今の防衛庁長官の答弁は非常に不満でございます。 TMDが確かにまだ研究開発の段階ですから、とうてき上がるのかわからない、それはおっしゃるとおりですよ。しかし、システムというのは、買ってすぐピストルをボンと撃つのと違うんですよ。データの蓄積があって、ソフトの分析ができて、それがシステムとして一体化して初めて有機機能を果たすわけですよ。だから、偵察衛星はどういうふうに検討されるのかと聞いているんですよ。偵察衛星はやる気はありません、TMDはどのぐらいになるのかわかりません、そんなことで、今日の前に来ている北鮮のノドン、それからまあテポドンもできると言われているんですけれども、これはもっと射程距離が長いんですよ、これに対する所管担当大臣としての防衛庁長官の答弁とは思えないんですよ。もっとまじめに答えていただきたい。
○政府委員(村田直昭君) 今の大臣のお答えに、偵察衛星について申しますと、尽きるわけでございます。 偵察衛星につきましては、今までに世界で上げた国といいますのは米国と旧ソ連、それから中国がございますけれども、現在では米国とロシアが運営していると、かように承知しておりますけれども、非常に高度な技術を要するということです。それから、先ほど大臣からお答えしましたように、そういう精度のものについて民間でその成果を発売するというような話もございます。そういうようなことについて、我々としては常々関心を持って見守っておりますけれども、現時点でそれを導入するというような計画はないということでございます。 それから、先生お尋ねのノドンに関して、それに対処するために偵察衛星ということ、偵察衛星というのは一般的には地上の情報、何といいますか、映像情報でございまして、いわゆるノドンのようなもの、あるいはそういうミサイル、弾道ミサイルが発射する場合の警戒というものは、いわゆる警戒衛星といいますか、発射を探知するような衛星というものがあると承知しておりますけれども、そういうものを利用すると承知しております。 ただ、TMD全体について、現在世界で確たるTMDを保有している国というのはないわけでございまして、研究段階にあります。したがいまして、私どもとしても、申し上げておりますように、現在アメリカのTMDについて基礎的なあるいは事務的な日米間で研究をしておりまして、これにどう日本としてかかわっていくかということについて現在研究をしておる段階でございます。 そして、ノドンが将来どうなるかということ、ノドンの開発動向についてもいまいち、やはり情報能力の問題もありまして、いつ実用化するかということについてはわからないという状況でございまして、アメリカのTMDについても、その構成要素にはいろいろペトリオットPAC3でありますとかスタンダードミサイルのⅣ型というような短期の計画からサードシステムというのがございますけれども、これが一九九八年ごろから二〇〇二年ぐらいまでの間の実用化というようなことで今計画が進んでおりまして、必ずしも今直ちにということではなくて、そういう進み方について我々としても常日ごろから関心を持ち、あるいは日米間で協議をしているという状況でございます。
○服部三男雄君 外務省と防衛庁の危機管理の中の情報収集機能について尋ねたわけですが、湾岸戦争時に一番問題になったのは内閣の情報一元集中の機能の問題でございました。今、官房長官は、安全保障会議があるからと。そんなものは湾岸戦争時からあってやっておったわけで、あのときに大混乱を来した。例えば、総理官邸で電話をかけてもすぐパンクになるんだと。さらに、安全保障会議の参事官の泊まり込む部屋もなかった。みんなソファーに寝たとか、当時さんざん酷評された。 官房長官、どういうふうにその点を改善されたんですか。
○国務大臣(熊谷弘君) 先生御指摘のとおり、湾岸戦争の際に幾多の混乱、ミス、そういうものが見られたことは、これは事実でございまして、こうした反省を踏まえて、官邸といたしましては安全保障室を中心に、想定されるさまざまな事柄について具体的にどのように的確に対応できるかということの検討をその後続けてきておるところであります。 しかし、事柄は、もう先生も言外に御質問の中に御指摘をしていただいているとおりでございまして、幾らやってもこの場合には万全ということはなかなか言い切れないわけでございまして、私どもとしてはさらに一層の点検、ケースもさまざまな形で来る可能性がございますので、いわゆる危機管理のあり方という意味で検討を強化していかなければならないというふうに思っておるところであります。
○服部三男雄君 じゃ、官房長官にお聞きしますが、安全保障会議の事務方というのは参事十名しかいないんですよ。この一億二千万、世界第二の経済大国の安全保障会議をたった十名の事務方でどうやってやるんですか。その点について、問題点がどこにあって今後どういうふうに対処すべきだとここで明言できないんでしょうか、三年間も検討なさったんですから。
○国務大臣(熊谷弘君) 安全保障室だけのメンバーでいえば先生の御指摘のとおりでございます。しかし、これにつながるといいますか、関係各省がございますので、ここと連絡体制を密にする、またそれぞれの部局がこうした危機状態に対する対応能力をつけるということが緊要だということでございまして、それなりの情報連絡体制を強化してきているところでございます。 ただ、何度も申し上げますように、この危機というのは思わぬところから思わぬ形で参りますし、事態が変われば、そのときに対応できたことがまた新しい混乱を呼び起こすこともなしとしない。そういう意味では、我々は不断の検討を繰り返していくということが肝要だということでございまして、先生の御指摘なども非常に大事な御指摘だということで、今後の作業の続行に向けて、大いに貴重な意見として我々参考にさせていただきたいと思うところでございます。
○服部三男雄君 官房長官はこの羽田内閣発足時に、五月の一日ですが、テレビ朝日に出られて、有事立法の研究も危機管理ももう内閣では十分にやったんだ、ただ時局、政局絡みの問題があるので言えないと。どうもあつものに懲りてなますを吹いておられるような今の答弁でございますけれども、テレビ朝日でそういう発言をなさったことは間違いございませんね。
○国務大臣(熊谷弘君) これはテレビを私も何度もビデオをとって見させていただきまして、私の討論の意識と翌日報道されたものとが少しずれがあるものですから、私の認識はあくまでも当時の北朝鮮問題についての文脈の中で話が流れておりまして、私どもとしてはまずこの集団自衛権については基本的に従来の方針に沿ってやるんだと
○服部三男雄君 集団自衛権じゃないです。有事立法と危機管理。
○国務大臣(熊谷弘君) ですから、その流れがあるわけでして、そこの部分のところだけぼんと取り上げているものですから、非常に我々としても不本意な受け取られ方をしておったということを申し上げているわけです。 その上で、しかも外交交渉をやっている最中に具体的なことを、制裁をちらつかせるというようなことは、かえってせっかくうまくいきかけていたのにそれは間違いですと、こういうトーンで実はずっと話をしておったわけです。 そのときに、サンデープロジェクトに出ていただくとよくわかるんですが、まことに機関銃のように質問を浴びせかけてきまして整理する暇もない、慌てて次々に対応するという中で、私も有事立法の話は自分の意識にないものですから、後で見比べてみたんですが、その前に話をしてコマーシャルが入っていまして、そして北朝鮮問題の話をしているというところで、私どもの感じは経済制裁問題についての意識が強くございました。それはやろうと思えばできないわけでない、もちろん国連の決定その他があればという意味でございます、国民のコンセンサスがあり、国連の決定があればという話なんですけれども。その有事立法という言葉がコマーシャルの前に発言されておりまして、あの討論の中でコマーシャルがありますと空気ががらりと変わりまして、意識が全く変わってしまうということで、私は衆議院において三野先生のときに私の認識はこういうことでございますということを申し上げたわけでございます。 この問題につきましてはあくまで基本的には平和裏にやるべきものであると。しかし、万々一ということについては日本政府としてはそれぞれの部局において検討を進めていただいているし、また部局間で情報交換も進めていただいておりますと。しかし、そのことを一々表に出して、せっかく平和裏で交渉しているのに、威嚇のように受け取られて交渉事がうまくいかないようにするのは日本としては避けたいというのが私どもの真意でございます、ということを申し上げてきたところでございます。
○服部三男雄君 官房長官、せっかく長々と御説明いただいたんですけれども、私は、有事立法の問題で、もうちゃんと万端準備整っているんだ、ただ政局絡みだから言えないとおっしゃったというから、じゃ有事立法についてどのようなことをなさったのかと。 もっと具体的に聞くと、昭和五十二年の福田内閣のときに、有事立法を研究しろ、危機管理システムを研究しろと防衛庁長官に当時の福田首相から下命があった。担当大臣ができた。そして、五十九年まで防衛庁で研究した。そして、項目を三つに分けて、防衛庁独自でできるものと他の省庁との協議を要するもの、どの省庁の所管にするのか今後内閣で決めにゃいかぬもの、この三つに分類して防衛庁としてはボールを全部官房に渡したと。それから七年たっていて、どういう推移になって、現在どうなっているかということを尋ねたいんです。 これはちゃんと歴代内閣で引き継ぎ事項として譲っているわけですから、そうすると九六年、湾岸戦争があったにもかかわらずその有事立法問題は内閣官房が中心となってきちっとされているのか、現に目の前に北朝鮮危機というのが出ているからその推移を説明してくださいと言っているわけです。
○国務大臣(熊谷弘君) 経緯については先生の方がはるかに勉強なさっておられますので、くどくど私は……
○服部三男雄君 そんな無責任な答弁はない。
○国務大臣(熊谷弘君) やっておりますが、防衛庁、私どもの今の立場といたしましては、内閣安全保障室として昭和六十二年の十月から六十三年三月までに、先ほど最後に申しました第三分類についての防衛庁における内部的検討作業の成果について一通りの説明を受けたところでございます。 しかしながら、これは、あくまで自衛隊の行動との関連という観点から、防衛庁において検討を進めてきた内部作業の現状等についての一通りの説明を受けたものでございまして、現在、これを踏まえ、担当省庁の仕分け等検討の手順づくりについて検討している段階だということでございます。 先生の御指摘は、それにしても割り振りだけのためにこんなに時間をかけて何だ、こういう御質問と私は受け取りましたんですけれども、これは確かにもう御指摘のとおりなんです。五年以上かかっておるわけでありますが、国民の権利義務にかかわる重要な問題は特に慎重に検討を進める必要があるということが一つ。 それから、先生も御指摘になりましたが、第一分類、第二分類、これと比較しまして第三分類は所管官庁が明確でないということがございまして、検討内容の詰めばかりでなく、担当を決めるということについて作業、手順というものがかかったと。これが今までの作業が多少進んでいない大きな理由であろうと思っております。 ただ、いずれにいたしましても、北朝鮮問題の話とは別個の問題として、あってはならないことだけれども、これは日本の自衛隊が万々一のときにいかに対応できるようにするかというのは大きな課題でございまして、今後とも精力的に検討をさせていただこう、こういう気持ちでおるところであります。
○服部三男雄君 遅々として進まない。しかし、日本の今後を考えますと有事立法は極めて大切であります。危機管理と同様、車の両輪みたいなものでありますので、不信任案が通れば別ですけれども、羽田内閣として内閣総理大臣及び官房長官がじきじきにこの問題を取り扱って早期に進めていただきたいと思います。 次に、二点お尋ねします。 外務省にお尋ねしますが、一般論として国連の経済制裁決議というものは、これは北朝鮮だけではなくて、どんな場合も、今まで事実日本は二十幾つの国連の経済制裁決議に従っているわけですから、これは従わなきゃいかぬわけです。そのときに、海上阻止行動として自衛隊法八十二条でいわゆる臨検とかいろんなことができるようになっているわけですが、公海、いわゆる日本の領海を離れた公海でそれができるかできないか。公海でできなかったらしり抜けになるわけです。全部アメリカの第七艦隊にやってくれということになって、実際は国連決議を日本は守ったことにならないんじゃないか。そういう点で外務省と防衛庁と意見の食い違いはありませんか。
○政府委員(丹波實君) 先生の御質問は、いわゆる海上阻止活動、もっと正確に申し上げますと貿易のエンバーゴー、禁止というものが前提にありまして、各国の商船を貨物、目的地を検査、確認するという行動でございますが、国連安保理がこういう決定をした場合に、通常は先生おっしゃるとおり公海上におきましては公海自由というものがございますけれども、そういう決定に基づいて各国が検査と確認の行動を公海上でする場合に、そういう決定がある場合には各国の商船は基本的に国際法上受忍義務があるということでございます。 国内法の問題は別といたしまして、国際法上の観点からいたしますと、各国の商船は検査と確認をされることを受忍しなければならないという考え方に基づいておる次第でございます。
○政府委員(村田直昭君) 先生お尋ねの一般論としてというお尋ねでございますが、自衛隊法第八十二条の海上の警備行動ということは可能か否かということでございますが、条約局長の方から今御答弁ありましたように、海上阻止行動というものの具体的内容が現時点においてまだ明らかになっておらない、類型的な御説明はありましたけれども明らかになっていないという段階でございまして、これを八十二条との関係について当てはめて論ずるということについては、現時点では慎重な検討がさらに必要だというふうに考えております。 それはなぜかと申しますと、経済制裁の実効性確保という国連の目的と、それから自衛隊法八十二条に申します海上における警備行動の目的、すなわち海上における人命、財産の保護または治安の維持というような規定になっておりますけれども、現時点では、その辺のところについてさらに慎重な検討が必要であるということだけしか申し上げられません。
○服部三男雄君 防衛局長に尋ねますが、そうすると経済封鎖への実効性担保は自衛隊法の何条であなたはできると思っているんですか。
○政府委員(村田直昭君) したがいまして、今申し上げましたように、自衛隊法の八十二条という規定がございますが、それによってどのようなことができるかということについては慎重な検討が必要であると申し上げておるわけでございます。 そのほか、条文については似たような権限行使の規定がございますけれども、その部分についてこれにぴたっと当てはまるものがあれば即答できるわけですけれども、そういうものがございませんので、慎重な検討が必要である、こういうことでございます。
○服部三男雄君 再度、防衛局長に尋ねますが、じゃ、できないということをあなたは言っているんですか。自衛隊法の規定がないからできないというふうにおっしゃっているんですか。今、慎重な検討とおっしゃるんだから、そういうことであれば、もし国連制裁決議が出て実効性担保、これは今まで何度となく出ているわけですから、湾岸戦争前からもいっぱい出ているわけですから、日本国家は受忍義務があるわけですからやらにゃいかぬですよ、これは、国連憲章で。実際、どうやってやるんですか、あなたから言ったら。
○政府委員(村田直昭君) 今できないと申し上げているわけじゃなくて、さらに慎重な検討が必要であるというふうに申し上げておるわけでございます。 それから、国連決議について申せば、それに従うという義務は我が国について発生するわけでございまして、その中でどういう機関がどういうようなことをするかということについてもさらにこれから詰める必要があるんじゃないかと思っております。
○服部三男雄君 どうも局長の答弁はよくわからないから、責任者の防衛庁長官が答えてください。
○国務大臣(神田厚君) 答弁をいたします。 国連の制裁の内容がどういうものかわかりませんから、防衛局長が先ほど答弁したような形で今後慎重に検討をしていきたいということでございます。
○服部三男雄君 納得できませんね。現実に国連安保理でもう検討に入っておるんですよ。慎重に慎重にと言って、それはいつの話ですか。今の防衛庁長官と防衛局長の答弁は全く納得できない。 そういう事態に備えて、あなたたちは、こういう場合にはこういう対処ができるんだ、こういう場合にはこういうことができるんだということをやるのが危機管理じゃないですか。それをただ慎重に慎重にと。そんなものが国会答弁になると思っているんですか。もう一遍再答弁しなさい。
○政府委員(村田直昭君) まず、国連の経済制裁と言われておりますけれども、その決議はまだ現在検討されておると私承知しておりまして、どういう内容になるのかということについても私どもとして詳細は承知しておらないわけでございます。 それから、その際にどういうことができるかということを一般論で申し上げれば、例えば情報の提供なんということができることもあるかもしれませんし、そのほか一時的に、いろんな過去の我々の持っている法制の中で、隣接基地についての給油ができるとか、それからある必要な場合には委託に基づく輸送ができるとかというような規定もあるわけでございますが、そういうものがどういう内容によってどういうふうに出てくるかということはわからないということで、現時点では申し上げられないということと、それからさっきの八十二条の関係で申しますと、実際の海上阻止行動の内容についてまだ確定的にどういうものであるかということを言えないものですから、それと現在の八十二条との関係についてはさらなる慎重な検討が必要だということで御理解をいただきたいと思います。
○服部三男雄君 今の問題ですが、例えば海上阻止行動の支援としての自衛隊の物品供与の問題に今少し局長触れましたが、自衛隊法の附則十二項では到底できないんじゃないんですか。これは基地の隣接の場合のことしか書いてないわけであって、後方支援活動はできないんではないんですか。こういったことについてどういうふうにするか。
○委員長(井上吉夫君) 時間が参っておりますので、しっかり答えてください。
○政府委員(村田直昭君) 先生今お尋ねの、私も申し上げましたが、自衛隊法の附則十二項、これは米軍と自衛隊が隣接して所在する場合に一定の要件のもとで給水、給電等の役務を適正な対価で提供することが可能であるという規定でございまして、これはその状況を申し上げれば、仮に基地の中で三沢というような隣接基地の場合に、現時点で米軍はやっておりますけれども、そういうことが可能であるということも考えられる。したがって、現行法の中でできることもあるしできないこともあるということでございます。 これは特に八十二条との関係はございませんけれども、そのように現行法の中でできることもあるであろうと、そういうことについては、一般論として言えばいろいろ勉強をしておるということは常々大臣からも申し上げているところでございます。
○服部三男雄君 官房長官、今のように、今の法制でできることできないことがあるんだったら、湾岸戦争と同じで、せっかく国連決議が出てもばたばたしてできないできないということになるんですよ。だから、危機管理で官房が中心になって早く立法化するものはしなきゃいかぬということですから、もっと熱心にやっていただきたいと思います。 質問を終わります。
○国務大臣(熊谷弘君) 貴重な意見として受けとめさせていただきます。 いずれにしても、我が国にとって最も大事な問題だという認識を持っておるところでございまして、検討をさせていただきたいと思います。
○委員長(井上吉夫君) 以上で服部君の質疑は終了いたしました。(拍手) ―――――――――――――
○委員長(井上吉夫君) 次に、肥田美代子君の質疑を行います。肥田君。
○肥田美代子君 私は日本社会党の肥田美代子と申します。よろしくお願いします。 今回の総理の、日本も核兵器をつくる能力があるとの発言、また朝鮮民主主義人民共和国の核疑惑に関する発言は、総理として誤解を招くものだと深く反省しておられると認識しました。言葉というものは、このようにとりわけ私たち政治にかかわる者にとっては大切なものだと思います。 総理はどのように考えていらっしゃいますか。
○国務大臣(羽田孜君) 全くそうだと思います。私が発言したことによっていろんなメッセージを、間違ったものを送ってしまうということがあるので、言葉というものは大事であるなということを改めて感じさせられた次第であります。
○肥田美代子君 まず私は、帯状疱疹の治療薬のソリブジンとフルオロウラシル系の抗がん剤の併用による副作用でたくさんの方が亡くなりました、そのことについてお尋ねしたいと思います。 発売後一カ月で十五人の死者が出たわけですけれども、これは薬学史上最悪じゃないかと思います。この十五人の死亡症例について、私は厚生省の方に報告をお願いいたしておりましたけれども、最初はプライバシーの侵害とかで出てきませんでしたけれども、やっといただきました。そのことについて質問させていただきます。 まず、最初の死亡者が出たのはいつか、それからそのことを医療機関が会社に報告したのはいつか、また会社が厚生省に報告したのはいつか、厚生省がそのことを踏まえて緊急安全性情報を出させたのはいつか、答えてください。
○政府委員(田中健次君) ソリブジン事件の経過でございますけれども、平成五年の九月二十七日に、日本商事から、ソリブジンの副作用により一例の死亡の連絡が口頭で厚生省にございました。厚生省といたしましては、その症例の詳細な調査を指示いたしました。それから、昨年の十月六日にさらに新たに二例の副作用発生の連絡がございました。その合わせました三例の概要の提出がございました。 それで、十月八日に中央薬事審議会で三症例の副作用とソリブジンの因果関係の検討を行いました。 それから、新たに二例の発生についての連絡がございまして、十月八日までに合計五例の報告がございました。この時点で、関係の企業に対しまして、緊急安全性情報を各医療機関に配付をして趣旨を徹底するようにと指示を出しました。 さらに十月十二日に新たに二例の副作用の発生の連絡がございまして、この時点で合計七例あったわけでございますが、こうした事態を重く見まして、私どもといたしましては十月十二日の十四時に、報道機関の協力を得て、緊急に伝達をしたいということで記者発表を行ったわけでございます。
○肥田美代子君 厚生省が報告を受けてから緊急安全性情報を出すまでに十六日間かかっているんですね、この対応はちょっと遅過ぎはしませんか。
○政府委員(田中健次君) 私どもといたしましても、諸般のデータを集めまして、それで専門家にも検討をいただいて情報を現場に伝達したわけでございまして、私どもとしては最短で適切に対応いたしたというふうに考えております。
○肥田美代子君 確かに副作用の判断は一般的には多少時間がかかるものでございますけれども、私はこの十六日間というのが大変重要だと思うんですね。 それで、その間にソリブジンを投与された方の数をお願いします。
○政府委員(田中健次君) ソリブジンそのものが全国で売られましたものですから、実際に使用された総数というのは把握をしておりません。
○肥田美代子君 私が伺っているのは、その十五人の死亡者の中で十六日の間にソリブジンを抗がん剤と同時に投与された方は何人かと聞いているんです。
○政府委員(田中健次君) 私どもといたしましては、死亡した十五例も含めまして二十三人の報告を受けておるわけでございます。
○肥田美代子君 今は、十五名のうち十六日の間にこの薬を投与されてその後亡くなった方は何人かと伺っているんです。
○政府委員(田中健次君) 失礼いたしました。 七名でございます。
○肥田美代子君 この十六日の間に七人の命が失われたんです。私はこの対応が余りにも遅かったと思いますけれども、厚生省、もう一度答えてください。
○政府委員(田中健次君) 先ほど申しましたとおり、私どもとしてはやはりその症例の専門的な検討が必要でございまして、私どもとしては適切に対応したというふうに思っております。
○肥田美代子君 厚生大臣、このことに関して今はどう思われますか。
○国務大臣(大内啓伍君) そうした御連絡をいただいて十六日の間に七名に対してこれが投与されまして死に至るという事態が起こったということについて、厚生省当局としてはそれなりに懸命に対応したのでございますけれども、今後の大きな反省材料であるというふうに考えております。
○肥田美代子君 そこで、さらに伺いますけれども、その十五人の死者のうち同一医療機関で二つの薬を投与されたのは何例で、そのうち同一医師から投与されたのは何例ですか。
○政府委員(田中健次君) 同一医療機関が四例でございまして、その中で同一の医師が二例でございます。
○肥田美代子君 ということは、医師にこの医薬品の情報がちゃんと伝わっていなかったんですか。薬の使用上の注意にはどう書いてありましたか。
○政府委員(田中健次君) このソリブジンと抗がん剤の相互作用につきましては、販売時点から添付文書に併用を避けることという注意を記載いたしまして販売をしたわけでございますし、また製造業者におきましても、医薬情報担当者、これをMRと申しますが、それを通じましてソリブジンと抗がん剤の併用を避けるべき旨を医療機関に伝達したというふうな報告を受けております。
○肥田美代子君 その薬の使用上の注意ですけれども、何番目に書かれておりましたか。
○政府委員(田中健次君) 八番目に書いております。
○肥田美代子君 薬の添付書にはたくさんいろいろ書いてあるんですけれども、その八番目なんですね。それも危険だというのじゃなくて併用を避けるというふうに書いてあった。これじゃお医者さんに危険性は伝わらないと思うんですけれども、その後、使用上の注意はどういうふうに書き直されましたか。
○政府委員(田中健次君) 一番最初の欄に警告というところを設けまして、そこで併用を行わないことというふうに書くようにいたしました。
○肥田美代子君 もう少しそういう措置が早くとられていればと私は悔やまれてなりません。 次に、臨床試験の際に三名の死亡者が出たと報道されておりますけれども、事実関係を教えてください。
○政府委員(田中健次君) 私どもに申請時点で出されました資料によりますと、治験中に死亡した例は一例ということで報告をされております。 治験中にさらに二例死亡した情報があったということを最近報道されたわけでございまして、そうしたことで、私どもの方にはその二例というのは報告がなされておりませんので、私どもといたしましては、その辺につきましてメーカーから事情聴取をいたしまして、さらにその辺も含めまして先週の金曜日と土曜日、十七日と十八日でございますが、メーカーに立入検査をいたしまして、その辺の事情をただいま調査をいたしておるところでございます。
○肥田美代子君 この事故が表に出たのはもう八カ月前なんですが、この問一体どういう調査をされていたんですか。
○政府委員(田中健次君) 私どもといたしましては、メーカーを再三呼びまして、いろんな事情を洗いざらい出すようにということで報告を受けてきたわけでございます。
○肥田美代子君 薬の承認の際に臨床試験の結果というのはとても大事なんですね。今、洗いざらいとおっしゃいましたけれども、三名のうち一名しか報告がなかった、こういうことが洗いざらいなんですか。
○政府委員(田中健次君) 私どもとしては、メーカーにその辺のことは何度も念を押したわけでございますけれども、その二例の報告がなかったということは大変残念に思っております。
○肥田美代子君 私はそれは通じない話だと思います。この八カ月の間に一体何をなされたかというと何にも調べていらっしゃらない、私はそういうふうに思うんですけれども、厚生大臣、これをお聞きになってどう思われますか。
○国務大臣(大内啓伍君) 業者の皆さんからいろいろな事情を聴取しておりました中で、その業者自身がひた隠しに隠していたということでございますのでこれを洗いざらい調べたといいますけれども、刑事的に調べるというわけにはまいりませんでしたので、局長から今申し上げたとおり、二例について報告がなかったことはこれは極めて重大でございまして、今徹底的にその調査をやっている次第でございます。
○肥田美代子君 今、大臣が、業者がひた隠しにしたとおっしゃいましたけれども、そのことについて業者にこれからどういうふうにしていこうと思っていらっしゃいますか。
○国務大臣(大内啓伍君) 先ほど来御指摘のように、極めて短期間のうちに治験段階で三人、うち二名は隠しておったわけでございますが、最近それがわかった。十五人も死に至ったというこのソリブジン事件は極めて深刻な問題でございまして、私ども重大と受けとめております。 したがいまして、今、局長からも報告いたしましたように、去る六月の十七日、十八日、立入検査を行いまして関係者から今事実関係を徹底的に調べております。それと同時に、治験関係医師からも順次事情聴取を今やっておりまして、そういう中で事実の解明を徹底的に行いたいと思っておる次第でございます。
○肥田美代子君 立入検査は今回が初めてなんですね。
○政府委員(田中健次君) さようでございます。
○肥田美代子君 じゃ伺いますけれども、もしここで新聞報道がなければこの治験中の三名のうちの二名の死はひょっとしたら表面にも出ずむだになっていたかもしれませんね。
○政府委員(田中健次君) メーカーからの事情聴取では、メーカーはこの二例につきましては、一例はがんの死亡である、また一例は因果関係はないということで私どもに報告はしなかったと、こういうことでございます。 この辺の真相につきましては、大臣から今御答弁申し上げましたように、立入検査の資料と臨床検査をした医師の状況等総合的に判断しなければわからないわけでございますけれども、私どもといたしましては、メーカーの責任で報告をしていただくというシステムでこれまでやってきておりまして、メーカーの責任でそういう情報を出していただけなかったということは本当に残念に思っております。
○肥田美代子君 メーカーの責任でこういう報告を出すというこういう形自体がもう改められなきゃいけないと思うんですけれども、厚生大臣、いかがですか。
○国務大臣(大内啓伍君) 御指摘の点にやはり残された問題があると思っておりまして、普通はメーカー等の良識に基づいて、その報告を受けて我々なりに判断するというのが現在のシステムでございますが、今度のようなたくさんの死者を出すというような事態が起こった場合には、やはり相当強権的に事実関係を調べるといったようなこともこれから検討しなければならないというふうに感じております。
○肥田美代子君 今回のソリブジンのように急激に副作用が起こる、こういう場合ですと副作用の緊急連絡システムというようなものが私は必ず必要だと思うんですけれども、そして何よりも急がれると思うんですけれども、これについて対策を立てておられますか。
○政府委員(田中健次君) 御指摘のとおり、副作用情報を緊急に医療の現場にまで伝達をするということは非常に大切な重要なことでございます。 厚生省といたしましては、これまでにも私ども厚生省で医薬品の副作用情報というのを二月に一度医療関係者に周知徹底を図っておりますし、また企業におきましては緊急安全性情報、ドクターレターと称しておりますが、これを緊急に配付をする、それからさらに、先ほど申しましたように、こうした特に緊急な事態につきましては報道機関の協力を得て副作用情報の迅速かつ広範囲な普及を図っておるところでございますけれども、御指摘にございましたように、さらにその辺の緊急安全性情報の伝達のための具体策をこの事件を契機に検討を加えていく必要があると思いまして、今私どもといたしましては、全国およそ十七万の医療機関に対しまして医薬品情報をファクスで緊急に伝達できるように、ファクスネットワーク体制の確立をしたいということで検討をいたしております。
○肥田美代子君 私はそれで本当に副作用が早急に防げるのかなというちょっと疑念を持つわけですけれども、厚生大臣、この程度の対策でいいんでしょうか。
○国務大臣(大内啓伍君) ルーチンの副作用情報というのは先ほど申し上げたとおりでございます。 そのほかにドクターレターという形で緊急情報システムは一応確立しているわけでございますが、しかし、そのドクターレターの出し方あるいはファクスの流し方というものについては、もう少しやはり緊急性を持って、しかも相手に対して重大な関心を持っていただくような情報の流し方というものを早急に確立したいと思っております。
○肥田美代子君 薬がこの世にある限りこういう不幸な事故はまた起こります。病院で薬をもらうのに一時間も二時間も待たされて、そうしてろくに薬の説明もしてもらえずに、患者さんは「薬がわかる本」なんていうのを買いましてこっそり読んでいる。私は大変不思議な国だなと思うんです。一人一人の患者さんにきちんと薬の説明をして、飲んでおられる薬の薬歴管理がなされていれば、今度の事故は起こらなかったと思います。 ほとんどの論調が医薬分業のおくれについて述べております。今、医薬分業はどのくらい進んでおりますか。それから医薬分業を推進するために幾らぐらいの予算をつけておられますか。
○政府委員(田中健次君) ただいまの医薬分業の率でございますけれども、近年急速に進展をいたしてきておりまして、その実施率は全国的に見ますとおよそ一六%でございます。 それで、医薬分業を一層推進させるためには何よりも薬局の受け入れ体制の整備あるいは関係者の理解というものが重要でございますから、私どもといたしましては、医薬品の備蓄センター等の施設整備費等を含めまして、平成五年度で一億五千六百万円程度の予算を確保しておるところでございまして、さらに今御審議をいただいております平成六年度の予算で一億八千万円ほどを要求して予算に組ませていただいております。
○肥田美代子君 今、薬局の受け入れ体制の整備であるとか、それから理解であるとかというふうにおっしゃいましたけれども、私はこういう消極的な進め方じゃ恐らく日本が完全な医薬分業になるまでにまた百年かかると思うんですね。 ですから、これはやはり強力に医薬分業を押し進めなければこういう事故はあしたにもあさってにも起こり得る、私はそう思います。厚生大臣、国民の命がかかっているこういう政策について国を挙げて最優先の政策として進めていく気はありませんか。
○国務大臣(大内啓伍君) こうした事故を防ぐためには、やはり医薬分業というものをできるだけ早急に確立すべきことはもう論を待たないわけであります。しかし、今御説明申し上げたとおり、にもかかわらず現状は一六%程度、予算も平成六年度の段階で一億八千万円というところでございまして、その面では非常に不満足な状況でございます。 もちろん、さっきから御説明申し上げておりますように、薬局側の受け入れ体制とか、あるいは従来慣習といたしましてお医者さんから患者が薬をいただく癖があるとか習慣があるといったようなものもございますが、そういうものを一挙にやはり打破していくような強力な指導がないとこの問題はなかなか急速に進展しない。御指摘は全くごもっともでございますので、私どもこういう事件を反省材料といたしまして、決意を新たにいたしまして、医薬分業ができるだけ急速に進むように努力をさせていただきたいと思っております。
○肥田美代子君 ソリブジン問題につきましてもう一つ許せないことがあります。それは、社員のインサイダー取引の疑いがあるという情報ですが、これほど多くの人の命を犠牲にしてお金に走るという人間の道を外した行為に私は怒りを感じます。 証券取引等監視委員会は、恐らく刑事告発に向けて万全の準備をしておられると思いますが、いかがですか。
○政府委員(杉崎重光君) 御指摘の件につきましては、私どもマスコミにおいていろいろな報道がなされていることはよく承知いたしておりますが、個別の調査にかかわることでございますので答弁は差し控えさせていただきたいと思います。 なお、一般論として申し上げますと、こうしたマスコミ等で報道されております問題につきましては、私ども委員会といたしましても常に関心を持って情報収集等に努めておるところでございます。
○肥田美代子君 一般論としてというお話でしたけれども、それ以上はどうしてもお答えになれませんか。それとも、もう一度お答え直しの可能性がありますか。お願いします。
○政府委員(杉崎重光君) 証券取引法におきましては、会社の役職員等がその会社の業務に関する一定の重要事実につきまして承知をしたというような場合には、その会社の株式等有価証券の売買につきましてはその重要事実が公表されてからでなくては売買をしてはいけないという規定がございます。したがいまして、そうした規定というものを私どもとしては厳格に執行するという所存でおるわけでございますが、まことに申しわけございませんけれども、具体的な事案につきまして、調査をやっているかどうかとか、あるいはその内容につきましてお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。
○委員長(井上吉夫君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(井上吉夫君) 速記を起こして。
○肥田美代子君 インサイダー取引については、私は先ほどの答弁については納得ができません。それで、厚生大臣、お答えいただきます。
○国務大臣(大内啓伍君) 多数の死者を出したそのメーカーの従業員等がインサイダー取引をやっていたという報道に接しまして、もしそれが事実であるとすれば、これは許しがたい行為である、憎むべき行為である、こういうふうに考えておりますので、これは関係当局において徹底的に調査しなきゃならぬ、こう思っております。
○肥田美代子君 大蔵大臣、お願いします。
○国務大臣(藤井裕久君) 今私も厚生大臣と同じ気持ちで伺っておりました。 事務局長は公務員でございますから守秘義務は守らせていただきたいと思います。ただ、誠心誠意彼らは職務に忠実にやるということを信頼していただきたい。法律の規定に基づいてやらさせていただきます。
○肥田美代子君 法に基づいて誠実になさっているのは私もわかっております。しかし、大臣は政治家でいらっしゃいますから、もう少し人の心に触れる御答弁をお願いします。
○国務大臣(藤井裕久君) 申し上げたように、厚生大臣が言われたように、人の死ということによってお金をもうけるということは本当にあり得べからざることだと思います。道義的にもあり得べからざることだと思いますが、証券取引法のインサイダー取引という厳重な規定があるわけでございますから、証券取引委員会としても法に従って適正に処理されるものと考えております。
○肥田美代子君 さらにもう一つ、これはソリブジン問題とは外れるんですが、気になっていることがあります。それは、今、政府の規制緩和で一般薬品、例えば風邪薬や胃薬、鎮痛剤というものを薬剤師のいないコンビニエンスストアで売ったらどうか、自由に販売できるようにしろという意見が出ていますけれども、官房長官はいらっしゃいませんね、総務庁長官にお願いします。
○国務大臣(石田幸四郎君) 先生今御指摘の医薬品の規制緩和につきましての話がいろいろ出ていることは私ども承知をいたしております。 しかしながら、医薬品の規制は国民の生命の安全や健康の保持という観点から行われてきている社会的規制でございますので、経済的規制とは異なった観点でこの問題を見詰めなければならないというふうに思っております。 しかしながら、今冒頭申し上げましたように、先生が御心配のような要請もございます。また、社会的規制全部が今までのとおりでいいというわけにももちろんまいりません。あるいは国際的な観点からの協調という問題もあろうかと存じます。いずれにいたしましても、今この問題が専門部会にかかりまして、議論を煮詰めている最中でございますので、六月末までにはこの問題に対する答えが明確に出るものと、このように思っております。 しかし、基調は今申し上げましたように、あくまでも医薬品の規制というのは社会的規制の重要な課題と、このように受けとめているところでございます。
○肥田美代子君 厚生大臣、この件に関して御見解をお願いします。
○国務大臣(大内啓伍君) 今、総務庁長官からお話しかございましたように、医薬品に対する規制というのは、人の生命あるいは健康にかかわるものでございますので、経済的な規制のように原則ゼロ、原則なしというような、こういう姿勢はとることはできません。 ましてこの医薬品の販売等につきましては、これまでもそうした見地から、専門的な知識、経験を有する者がこれに当たることを原則としているわけでございまして、これがコンビニエンスストア等で自由自在に売られるということになりますと、これはその知識、経験を持たない方がそういう販売に当たるということになりますだけに、これは国民の生命、身体、健康に大きな影響を与えることも十分考えられますので、今、専門部会等で検討されていることはよく承知をしておりますが、そういう医薬品販売に対する原則というものを踏まえていただいて、慎重の上にも慎重を期していただきたい、これが厚生省の立場でございます。
○肥田美代子君 ただいまの厚生大臣の御見解を踏まえて、総理は行政改革推進本部長である総理に伺います。 今回の一連の大変不幸な事故もございました。医薬品の規制については人の命がかかっているということを我々は認識しなきゃいけないと思うんですけれども、いかがですか。
○国務大臣(羽田孜君) まず、ソリブジンのこの併用といいますか、併用したことによりまして犠牲になられた方に対しては心からお悔やみを申し上げたいと思っております。そして、今それぞれお話があったわけでありますけれども、やっぱり医薬品の相互作用といいますか、こういったものは非常に恐ろしいものであるということ、これを私たちは知らなければならないと思っております。 そして、今、総務庁長官からもお話がありましたけれども、これはまさに社会規制であるということで経済規制とは異なるものであります。しかし、そういう中にありましても、やっぱり人体というものにどういう影響を及ぼすかということについてよっぽどこれは注意しなければいけないということで、まあ私どもは完全にこれをやらないということになるとまた利用者の人たちなんかにももう少し便利が欲しいということもございます。ですから、よっぽどこういった問題に対して限定するというようなことを注意していかなければならないのかなというふうに考えておりまして、今、審議会の方で御審議いただいておりますことを尊重してまいりたいというふうに考えております。
○肥田美代子君 総理に善言葉を返すようですけれども、医薬品の中で、ある物を限定してここが安全だ、これが安全じゃないということはないんですね。風邪薬でも大変な副作用を出すこともありますし、鎮痛剤もそうです。ですから、私は今どういうふうに限定するというふうにお考えかは知りませんけれども、規制緩和について医薬品は例外であるべきだと思いますけれども、いかがですか。もう一度お願いします。
○国務大臣(羽田孜君) 今そういうことも含めて御議論をいただいておるわけでありますけれども、確かにその弊害といいますか、いわゆる併用する、その結果によってもたらすものがあるということは私も承知しておりますけれども、そこでも、どういうものが限定できるのかということについても専門家の皆さんが今大変議論しておられますので、やっぱり人体におかしな影響を及ぼさないように、これはもう本当に万全を期していかなきゃならぬということは私も同感でございます。
○肥田美代子君 それでは次に、話題を変えさせていただいて、子供と読書について質問させていただきます。 学校図書館協議会で毎年行っている読書調査では、一カ月間に一冊も本を読まなかったという子供が小学校で一二%、中学校で五一%、高校で六一%あります。これは過去三十九回の調査中で最も多い数だと言われていますが、総務庁も同様の調査をしていらっしゃると思いますが、ちょっと教えてください。
○国務大臣(石田幸四郎君) 青少年の読書状況につきましては、平成三年十月に、十歳から二十九歳までの青少年を対象に各種のメディアとの接触状況というようなことから調査をいたしたところでございます。 その調査結果によりますと、読書につきましては、漫画や雑誌を除いて、いわゆる単行本というふうに言われますでしょうか、月に一冊も本を読まなかった者の割合は全体で五〇・三%、このように上っているところでございます。 あと、また細かい数字が御必要であれば政府委員から答弁をさせていただきたいと存じます。
○肥田美代子君 今、一冊も本を読まない子が五〇%、大体これは学校図書館協議会のデータと同じようだと思っております。ところが、一方、その子供たちに、あなたはもっと読書をしたいかと聞いてみますと、六、七割の子供がもっと本を読みたい、そう答えているんですね。ですから、子供たちは本を読みたいと思いながら実際には本を読めない状況にある。 このことに胸を痛めた私ども党派を超えた国会議員は、鳩山元文部大臣を会長に、こどもと本の議員連盟を結成しました。閣僚の中にもメンバーの顔ぶれがあり、心強い思いをいたしております。 実は、このメンバーのお一人である羽田総理の父上は宮沢賢治の「風の又三郎」を日本で最初に出版された方と聞いております。そこで総理、御自分の子供時代の経験を踏まえて、子供にとっての読書の大切さということについてどう考えておられるか、お聞かせください。
○国務大臣(羽田孜君) 子供と本の出会いというものは、これは非常に人生というものに大きな影響を与えてくるものであろうというふうに思っております。特に、夢ですとかあるいは感性ですとか創造性ですとか、また思いやり、正義、感動あるいはやる気なんかを起こさせるということがありますでしょうし、また幼児のころから、子供のころからの読書というものが将来の読書習慣というもの、こういったものもつけるということで非常に大事なものだったと思います。 私たちも、そういった童話の世界に浸りながらいろんなものを実はそこから感得してきたものでございまして、子供たちにもやっぱり本を読む機会というものを与えてあげることが大事だろうと思います。 私はある学校の入学式に行きましたら、たしか大学の学生のころでしたね、そこでは必ず二日に一冊ずつ本を読みなさいと、これがまず学長のみんなに対する訓示でございました。それを実行している人がどのくらいあったか知りませんけれども、本当に実行している人たちがやっぱりいるということでございまして、そういう習慣というものを子供のころからつけるということは非常に大事だというふうに思っております。
○肥田美代子君 ありがとうございました。 さてそこで、子供たちが歩いて行ける場所に図書館があることは最低必要条件だと思うわけですけれども、公立図書館のうちで町村の図書館の設置状況はどうなっていますか。
○政府委員(岡村豊君) お答えいたします。 平成二年十月現在の公立図書館の設置の状況でございますが、町村の公立図書館につきましては、町村の二一・三%が公立図書館を設置いたしております。
○肥田美代子君 町村の数とその図書館の数で言ってみてください。
○政府委員(岡村豊君) 二千五百九十町村中二千三十八町村が未設置でございます。
○肥田美代子君 じゃ、設置しているのは何町村ですか。
○政府委員(岡村豊君) 五百五十二町村が設置でございます。
○肥田美代子君 二千五百九十分の五百五十二という数が出ましたけれども、要するに二千余りの町村に図書館がないということなんですね。その上、本屋さんもないというところが実は千九十五町村あります。今、総理もびっくりしておられましたが、私はこれはちょっと日本にとって余りにも恥ずかしい数字じゃないかと思うわけです。 それで、総理府に伺いますけれども、生涯学習に関する世論調査の中で、住んでいる地域にあればいいなと思う施設という質問に対して一番多かったのは何ですか。
○政府委員(半田嘉弘君) 総理府では平成四年二月に生涯学習に関する世論調査を実施いたしておりますが、その調査の中で一番多かったのは図書館でございまして、これは複数回答でございますが、二五・七%でございます。
○肥田美代子君 ポストの数ほど図書館をという国民のささやかな願いもまだまだ遠いようです。子供たちが一番身近に感じるのは学校図書館です。文部省は、昨年苦心惨たんの上、地方交付税で五年間で五百億という図書費をつけてくださいました。しかし、今なお学校図書館はかぎがかかった本置き場という評価を免れません。どうしてこういうことになっているんですか。
○政府委員(野崎弘君) お答え申し上げます。 今、先生から平成四年現在の調査のお話が出ましたけれども、図書の状況等は、小学校では児童生徒一人当たり十六・二冊、中学校で十三・六冊、高等学校で十九・一冊ということで、昭和六十三年の調査よりも幾分伸びていることがうかがえるわけでございます。 ただ、担当教職員の状況で見ますと、全教員のうち司書教諭の有資格者がいる学校のあれがおおむね二、三割という状況でございまして、さらに司書教諭の発令ということになりますと、この数字が小学校で〇・一%、中学校で〇・二、高等学校で〇・四。ただ、ほかの学校では、図書主任とか図書係、図書委員等という形で位置づけられておるわけでございますけれども、実態としてそういうような状況がございます。そういうようなところが一因になっているんではないか、このように考えております。
○肥田美代子君 学校図書館法の第五条では「司書教諭を置かなければならない。」と規定しながら、附則の二項で当分の間置かなくてもいいと。要らないものをつけ加えられたせいだと思いますけれども、この「当分の間」というのは何年ぐらいと考えられたんでしょうか。
○政府委員(野崎弘君) お答え申し上げます。 今、先生御指摘ございましたように、附則で「当分の間、司書教諭を置かないことができる。」、こういう規定がございます。これは当時の状況から、司書教諭の養成の状況、そういうようなことを考えて「当分の間」ということであったわけでございますが、先ほどお答え申し上げましたとおり、まだ司書教諭の有資格者の割合も少ない、また発令も少ないということから、「当分の間」ということでございます。 私どもといたしましては、司書教諭の有資格者の養成ということに努めますとともに、有資格者の司書教諭への発令というものを促進することによって司書教諭の設置というものを進めてまいりたい、このように考えております。 「当分の間」がいつまでかというのは大変難しいわけでございますけれども、そういう努力を重ねる中でこの問題は解決をしていかなきゃいかぬのじゃないか、このように考えておる次第でございます。
○肥田美代子君 まさかその「当分の間」が四十年だとはだれも思わないと思いますけれども、いまだに「当分の間」が続いているのは一体だれの責任なんですか。責任があると思われる方、ちょっと出てきてくださいませんか。
○国務大臣(赤松良子君) 実は、私も「当分の間」が四十年も続いているということを学びまして、大変情けないといいますか、「当分の間」というのはやっぱり四十年ではないのではないかと思います。そうして、責任は文部大臣かなというふうに思っております。
○肥田美代子君 先日、オーストラリアの小さな小学校に行きましたら、玄関のすぐそばに楽しげな部屋がありまして、そこが学校図書館だったんですね。それで、そこの専任司書教諭が「学校図書館は学校の中の心臓部です。」、そう言い切っておられました。文部大臣はこのことについて、そして今の日本の状況についてどうお考えですか。
○国務大臣(赤松良子君) 子供が小さいときから読書の習慣を身につけるということは大変将来にとってもいいことだというふうに思います。 その活動の中心になるのが図書館で、そして図書館へ行って本を読むときに具体的に指導してくれる人というのが必要だというふうに認識をしております。それが、先ほど先生がおっしゃったように、倉庫とおっしゃいましたか、何かそんなようになっているというようなことは本当に残念なことでございます。 そこで、御指摘ございましたように、五カ年で蔵書をふやすという計画も立てているわけでございますが、これは何も本をふやせばいいというふうに思っているわけではなくて、それを子供たちに読んでもらうということの一環で本をふやすという計画なわけでございますから、全体を通じて子供が本を読めるようにするという計画としてとらえて、そういうふうに展開をいたしたいというふうに思います。
○肥田美代子君 先日、こどもの本の議員連盟では「学校図書館の整備充実に向けて」というテーマでフォーラムを開きました。各地から七百人ぐらいの方が出席されて、こちらがびっくりしたぐらいです。世論は今高まっています。文部省が厳しい台所事情の中で精いっぱい努力してくださっているのはわかります。しかし、四十年間放置された学校図書館に息を吹き返させるには大変な努力と政治的な決断が要ると思うんです。議連の会長さんであります鳩山大臣に、所管外ではありますが、そして突然の質問で申しわけないんですが、ちょっと御感想を伺いたいと思います。
○国務大臣(鳩山邦夫君) 私が文部大臣になりましたときに、肥田先生から図書館あるいは学校図書館のお話をいただいて非常に私も共鳴をいたしましたから、役所に戻って、一体どういうことができるだろうか。司書教諭の発令が進んでおらないこと等は以前から知っておりましたし、悉皆調査をやっていただいたことも二回ぐらいあろうと思います。なかなか難しい問題がございます。先ほどの地方交付税で本をふやすというのがせめても私自身ができたことなのかもしれないと反省をいたしておりますが、結局はこれは子供にどうやって本を読む喜びを与えるかということだと思います。 先ほど町村ですか、町村での図書館の設置率の話がありましたが、もちろんそれも大事ですが、仮に市町村に図書館が整備されても、子供が本を読む喜びを知らなかったらそこに通わないかもしれない。とすれば、一番子供が本に接する機会が多くて距離が近くて可能性が大きいのが学校図書館ですから、学校図書館で読書の指導をして、本の中にのめり込んでいくようなそんな興奮を子供たちに一度でも味わわすことができたら、日本の文化は将来に向けて安泰だと私は思っております。 そのために、学校図書館をどうやって使うことができるか。本をふやすだけではだめだというのが、本が倍になってかぎがかかっておったのだったら余計悪いわけでございまして、発令等については初中局長の通知は何回も出しておるわけですが、これがどうして進まないかの原因も、それは先生も御存じでしょうし私どももある程度知っているのですが、こうなったら何か方法を考えて、それこそ議員連盟としてでも要望をする、あるいは政治的に皆さんに決断をしていただく、そういうようなことが必要になってくるかと存じます。
○肥田美代子君 総理、政治的決断という言葉が今出ましたけれども、私は、総理が今決断してくださることが子供たちにとって一番大事だと思いますけれども、いかがですか。
○国務大臣(羽田孜君) 基本的にはもう鳩山さんからお話があったとおりでありまして、ともかく司書の先生が四十年間で〇・一だ、〇・二だ、〇・四だなんて、こんな法律がありながら、しかも当分の間というものがこうやって放置されておるということ自体にやっぱり問題がある。そして、お互いにもう大体事情はわかっているということであるのだったら、どう対応するのかということを、やっぱり本気で物事を進める。要するにやる意思があるかないかということだろうというふうに思っております。 ただし、これは先生をふやすということになると当然予算の問題が絡んでくる、財政の問題が絡んでくる。そういう中でどう対応するのかということを真正面から議論するなり解決策というものを考えなかったらいけないというふうに考えておりまして、私どももそういったつもりで対応していきたいというふうに思います。
○肥田美代子君 ぜひよろしくお願いいたします。 それで、訪米中の天皇、皇后両陛下がアメリカの議会図書館の中の子供の本のセンターに出向かれたと報道がありましたけれども、日本の国会図書館はアメリカの議会図書館に倣ってつくられたと聞いております。現在、子供の本の情報センターというものは国会図書館の中にありますか。
○国立国会図書館長(加藤木理勝君) 現在、アメリカの議会図書館にありますような児童図書センターは国会図書館の中にはございませんけれども、アメリカの議会図書館が持っておりますような機能、児童図書についての目録をつくる、あるいはデータベースをつくる、そして各図書館に協力をするという仕事につきましては、これは国立国会図書館においても行っております。さらにこれを強化する必要があろうと思いますけれども、現在そういうような機能は行っております。
○肥田美代子君 ところで、国会図書館は二〇〇三年に満杯になると聞いておりますけれども、関西館の計画はどうなっていますか。
○国立国会図書館長(加藤木理勝君) 本年度の予算として建設のプロトタイプの作成経費をお願いしてございます。これをもとにしまして、建築委員会、これは法律に基づく委員会でございますが、この建築委員会にかけて基本計画を策定していく、そういうような手順を現在予定しております。どうぞよろしくお願いいたします。
○肥田美代子君 国立国会図書館は唯一の国立の図書館ですから、その機能を十分に発揮するためにも一日も早い完成を期待しております。 それで、最後に一つ提案をさせていただきたいんです。 世界じゅうの子供たちが同時代を生きる仲間と本を通じて触れ合うことは、ひいては世界平和への大きな礎になると考えます。そこで、世界の子供の本の資料を収集し、情報を世界へ発信し、ますますすばらしい本をつくっていくために研究する、そういう世界的規模の子供の本のセンターが私はぜひ必要だと思います。来年は戦後五十年の節目です。素直に過去を反省することも私は大変大事だと思いますけれども、しかしその気持ちを未来に明るくつないでいくこともまた大切だと思います。ヨーロッパではミュンヘンに世界的な規模での子供の図書館がありますけれども、日本にはありません。そこで総理に御提案なんですが、アジアのセンターとなるべきようなものを考えていただけませんか。 きょうも新聞で私は拝見したんですけれども、総理の私的諮問機関で国際文化交流に関する懇談会というのがありますね。その中で、文化の交流を国の重要施策として本気で取り組むよう提言されているし、ODAの文化交流活用も指摘されていますね。ですから、私はこの来年の節目に当たって思い切った政府のアイデアを出してほしいと思います。お金がないというのであれば、ODAを使っていただくこともありましょうし、そして文化発信ができる国として私たちは胸を張ってアジアの人たちに話ができるよう、そして子供たちが次のアジアの世代と仲よくできるよう、そういう一つのきっかけをつくっていただきたいと思います。 それでアジアの問題のすべてが解決するとは思いませんけれども、その一つのきっかけとしてこのことを提案させていただきたいんですけれども、総理、いかがですか。
○国務大臣(羽田孜君) 子供の本のアジアのセンターというお話であります。 アジアにも、実は私も幾つかその童話を見たことがございますけれども、埋もれたものでたくさんあるということをよく承知しております。それと同時に、今度は、アジアの人たちにはまだ本にめぐり会うチャンスさえ与えられていない人たちもあるということだろうと思います。 そういう意味で、子供たちの心の交流といいますか、そういったもののセンターを日本が中心になってやるということについては私は大変いいアイデアであろうと思うし、また命の時代というものがそういうものを望んでおると思います。 そして、これから高度情報通信の時代というものが来るだろう。ということになりますと、幾らでもアクセスできるわけですね。そういうものは、これは今すぐの話じゃありませんけれども、世界の人というかアジアの人たちみんなが同じ本を同じ時間に、まあ時差があるところは無理でしょうけれども、そういったことなんかもやる可能性ということもできてくる。そういったものの準備なんかをしておくということもいいんだろうというふうに思っております。 いずれにしましても、財政的なものといっても、直ちに簡単に箱だけつくっちゃうというだけじゃなくて、やっぱり本当にそれが有効なものでなければいけないということでしょうから、そういった発想というものを今私どももこれから勉強していくということを申し上げたいと思います。
○肥田美代子君 ありがとうございます。 私は今伺っておりまして、子供の本のことを本当に理解してくださる総理が日本におられることに感謝申し上げたいと思います。 それでは、予算を早く通すのが我々の大命題でございますので、この辺で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○委員長(井上吉夫君) 以上で肥田君の質疑は終了いたしました。(拍手) ―――――――――――――
○委員長(井上吉夫君) この際、政府から発言を求められておりますので、これを許します。内閣総理大臣羽田孜君。
○国務大臣(羽田孜君) 私の発言から皆様に大変御心配をかけて恐縮でございます。 私ども内閣として、北朝鮮の核兵器保有に係る問題に関する考え方、これを政府統一見解として報告をさせていただきます。 一、北朝鮮が既に核兵器を保有しているか否か につき明確なことを申し上げることはできな いが、これまで行われたIAEAによる査察 の結果、IAEAによる分析結果と北朝鮮が IAEAに対し申告した内容との間で重大な 不一致が生じており、ブリックスIAEA事 務局長は、六月二日付け国連事務総長宛書簡 の中で、IAEAに対して申告された以上の プルトニウムが北朝鮮により生産された可能 性がある旨述べている。 二、仮にこのプルトニウムが秘匿されていると すれば重大な問題であり、更に、秘匿された プルトニウムが核兵器製造に使用されること があれば、核不拡散体制に対する重大な挑戦 であるのみならず、我が国はもとより北東ア ジア地域の安全保障に対する脅威となると認 識している。 三、NPT締約国たる北朝鮮は核物質の軍事転 用を行わない義務を有しており、核兵器開発 疑惑を払拭するためにも、北朝鮮がIAEA による査察を完全に受け入れることが重要で ある。 以上であります。 ―――――――――――――
○委員長(井上吉夫君) 次に、加藤紀文君の質疑を行います。加藤君。
○加藤紀文君 自民党の加藤紀文でございます。 私は、予算委員会の質問は今回が初めてでございますので、どうぞよろしくお願いいたします。 私は、マルチメディアに関しての質問をさせていただきたいと思いますが、その前に、ただいまの政府統一見解に対しての質問を同僚の下稲葉委員に関連質問としてさせていただきたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。
○委員長(井上吉夫君) 関連質疑を許します。下稲葉耕吉君。
○下稲葉耕吉君 ただいまの政府統一見解を承りまして全体として了承いたしたいと思うんですが、ただ一つ気になるところがございますので、申し上げます。 「明確なことを申し上げることはできないがこと、こういうふうな表現がございますが、なぜ政府は知っていてはっきりおっしゃることができないのでございますか。
○国務大臣(柿澤弘治君) この一に明記してございますように、IAEAのブリクス事務局長が申告された以上のプルトニウムが北朝鮮によって生産された可能性があるという旨を述べておられるわけでございます。しかし、プルトニウムの貯蔵と核兵器というものとの間にはその他の技術も必要でございますので、その点につきまして、核兵器になっているかどうかという点については確認できる情報がございませんということでございます。
○下稲葉耕吉君 今の御説明とこの文章は大変ちぐはぐでございますね。これをそのとおりに読みますと、何か政府はIAEAとは別な情報源を持っていて、明確なことは申し上げることはできないと。政府はよくおっしゃるんですよ、答弁を差し控えさせていただきたいとかいうふうなことをおっしゃるんですが、そういうふうな点では、「明確なことを申し上げることはできないがこと、この点削除されたらどうですか、はっきりしますが、どうぞ。
○国務大臣(柿澤弘治君) ほかに情報があるということではなくて、核兵器保有に関する統一見解というふうにお求めがございましたので、核兵器を保有しているかどうかについては確認できないということを申し上げた上で、しかし、プルトニウムが貯蔵されているおそれがあり、それが第二、第三ということで、懸念の材料になっているということを申し述べているわけでございまして、その点、御理解をいただきたいと思います。
○下稲葉耕吉君 どうも誤解を与える点でございますが、総理、これだけ削除されたらいかがでございますか。「明確なことを申し上げることはできないがこと、ここだけ削除していただければ文脈は通じますし、政府の趣旨はそのとおりだと思うんですが、何かほかの誤解を与えるような、政府は情報源をほかに持っていて、答弁は差し控えたいがというのとどうも通ずるような感じがいたしますが、いかがでございますか。
○国務大臣(羽田孜君) これは、要するに核兵器そのものについてはこれまさに不明であるということでありますから、その文章のところについて、ちょっと今、私ども作業させていただきます。
○国務大臣(柿澤弘治君) そういう御趣旨でございましたら、削除をさせていただくことにいたしまして、タイトルを「北朝鮮の核兵器疑惑に係る問題」というふうに修正をさせていただければと思っております。
○下稲葉耕吉君 今の御答弁で了承いたしました。 そこで、羽田総理の御発言につきまして、大変いろいろなことをおっしゃるものですから、私もその真意がどこにあるのかわからないようなことなんかも時々あるわけでございます。 総理は、六月十五日、日本新聞協会の定例総会に御出席になりまして、ごあいさつか演説をなさいましたでしょうか。
○国務大臣(羽田孜君) いたしました。
○下稲葉耕吉君 その中で、金日成は革命世代、世界の中であの方一人、しかもあの方の方針によって本当に動くことができる国だ、こういうふうな御発言が報道されているのでございますが、そういうふうな御発言をなさいましたでしょうか。
○国務大臣(羽田孜君) ほぼそういう発言であったというふうに記憶いたしております。
○下稲葉耕吉君 総理の発言の趣旨は、いろいろほかにもおありだろうと思うんですけれども、やはり独裁国家であり、そしてラングーンのアウンサン廟事件でございますとか、あるいは大韓航空機事件の背後にこういうふうな独裁国家のトップの姿というのが国際的に常に出てきているわけですね。そういうふうな中で、世界の中であの方一人、しかもあの方の方針によって本当に動くことができる国だというふうな発言をなさることは、総理の意図とは違ったところに考え方が動く、世論の形成といいますか、そういうふうなところに動くことがあるんじゃないだろうか。 あるいはまた、今回問題になりました、北朝鮮は核兵器を持っていない、つくろうともしていないと思うというふうな発言にしましても、そういうふうな言葉がひとり歩きしまして、そして総理のお考えになっていることとは別に、これが国内的にはもちろんのこと、国際的にも話題を起こしていく。さらに申し上げますと、東大生でも核兵器はつくれると。いろんなことを報道されているわけなんですよ。 そういうふうな、何といいますかね、総理大臣でございますから言葉は大変重いわけですし、片言隻句国際的に大変関心を持たれている。そういうふうな軽率な発言が国内で問題を起こし、国際的にも大変な、私は誤解だろうと思いますが、与えるようなことになってくる。それが日本の総理として日本のかなえの軽重を結果的に問われることになりかねない。これ大変私ども心配するわけです。 サミットが近く行われるでしょうし、参加国の重要な一員でもある。それだけに、もういろいろ国民に訴えられるということはわかるんですけれども、そういうふうなことが、軽卒な発言というふうなものがいろいろ報道、もう最近だけでもこういうふうに三件ほどあるわけですから、やはり国民に疑惑を与える。誤解を与える。誤解がどうかわかりませんけれども、私はそう思いたいんですけれども、そういうふうな結果になっている。 大変失礼でございますけれども、言動に十分御留意いただいて、そしてその辺のところを、我が国の将来を間違わないように導いていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(羽田孜君) 全く一国の総理の発言というものは非常に重要なものであるということを、私はわきまえております。そして、今日までもそのつもりで発言してまいりまして、今までも別に問題になったことはないはずでございますし、予算委員会にもたしか御迷惑はおかけしたことはない。私はもう年じゅう実は街頭にも何も出ております。 ただ、この間のときだけ、本当に私も実はテープを起こしてみてびっくりしたんですけれども、要するに抜けていたわけですね。確かに、いろいろと話しているときには抜けているということがある。しかし、今もお話がありました金日成さんの問題につきましては、私の思いはこういう意味で言ったんですよ。 要するに、あの方はまさに革命世代の一人として今残っている人だと。そして、もうよわい八十何歳になった方であると。そして、今あの国を本当に平和に、しかも幸せにするためには、核の開発をすることじゃないと。そんなことより世界に対して門戸を開くことが一番あの人のやることであろうと。そして、今あそこの国を実際に統率しているのはあの人である。それで、この間カーターさんの発言の中にも、いろんな問題に対してきちんと対応できる人ということも実は言われておったということでありまして、私は、朝鮮民主主義人民共和国の人たちのためにも、あるいは北東アジアあるいは世界の安全のためにも、今あの人がやることはまさにひとつ最後の仕事としてやってもらいたいと。 要するに、核疑惑、それから核というものを拡散しない、これをぜひ金日成さんによってやってもらいたいということを私は実は申し上げたわけでございまして、何も金日成さんの過去のあれについて業績をどうこうということを言っているんじゃないんだということ。 それから、私が一連のしゃべったことをずっと全部報道してもらえば、彼は大体何も言っているのか、委員会で言っていることと変わらないんだということを私は理解してもらえたんだろうというふうに思います。 東大のあの学生の話は、能力があるってどうなんですかという話で、まさにかつて報道にあったことを何気なくこうやって話しながら五、六歩の間の中でしゃべったことがそのまま報道されてしまう。私はそういったことについても、みずからの発言というものを注意していかなきゃならぬなということをこの二日間の間に特に思わされました。
○下稲葉耕吉君 今、総理からるるお話がございましたけれども、それでもなおかつ、やはり一国の総理の御発言というのは大変重いわけでございます。それは廊下でこそこそ、こそこそかどうか知りませんけれども、そういうふうなことが報道としてやはり国民の前に公にされる。 それから、北朝鮮の問題にいたしましても、多くの国民の中には、やはりラングーンにおけるあのアウンサン廟事件、それから大韓航空機のああいうふうな爆破事件というふうなものが頭に残っているわけでございます。そういうふうなイメージとのかかわり合いにおいて総理の発言を見るわけでございますので、それは総理の御意向は御意向として、おっしゃるとおりだろうと思うんですが、しかしながら、それが正確に伝わるように言動に非常に気をつけていただきたい、このように思います。 終わります。
○加藤紀文君 まず、総理にお尋ねしたいと思いますが、先日の新聞紙面で、「首相官邸に情報化の波寄せる」、首相官邸にパソコン通信網を整備する構想が具体化し、もしこれが実現されれば、例えば首相とクリントン米国大統領が自由にパソコンを通じて意見交換ができるようになるという記事を読みまして、やっと高度情報化時代の到来に対応しなければならないという認識をお持ちくださったのかなと感想を持ったわけであります。 総理は、このパソコン通信網整備に関してどのようなお考えで導入決定されましたか、まずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(熊谷弘君) 先生御指摘のような構想を私どもも今進めているところでございます。 この考え方は、情報化の進展が近来非常に進んでいるわけでございますが、官邸に入ってみますと、世間の進歩と現実の事務処理の間には驚くほどの格差がございまして、この際、コンピューター装置の官邸への試験的導入を検討してみてはどうだろうかという考え方で、実はここ数カ月来勉強してまいったわけでございます。 御指摘のあったコンピューター通信を用いて行う情報交換の内容でありますとか、あるいはその操作やシステムの運営方法でありますとか、あるいは機密対策、それから通信相手等の諸点については、これはやはり相当検討していかなきゃならないなということで、鋭意スタッフが勉強をし、作業を続けております。 ただ、やっぱりスピードも大事なものですから、懸命に今作業を進めているところでございますが、たまたまそういう作業と並行しているところでホワイトハウスの方の補佐官がこちらの官邸にも来られまして、ホワイトハウスと世界の首脳との間でパソコン通信をした事例も御紹介をいただきました。具体的な例ではスウェーデンとアメリカのホワイトハウスが既に交信をしているとか、そういう形でだんだん始まってもおるようでございます。 私どもは、ただ首脳だけではなくて、もちろんいわゆる平成の目安箱の考え方もこのパソコンネットワークなんかで利用できることもあるんじゃないか、また官邸内部の事務処理の効率化ということにも合わせて十分な視野を広げながら、できるだけ早く道切なシステム導入に踏み切っていきたいと今検討しているところでございます。
○加藤紀文君 今、官房長官のお話にありましたように、まだ具体的な内容については検討段階ということでございますが、ちょっと総理にお尋ねしたいんです。 これが仮に具体的に進んでいった場合に、パソコンを総理御自身が操作されますでしょうかどうか、またどんな情報を交換したいと思われておられますか、さらに対価を払いたいような情報であろうか、もし重要機密なら機密保持はどうされるのかといった仮定の問題で恐縮でございますが、お尋ねしたいと思うわけであります。 それとあわせて、官房長官から今お話がございましたように、仮に官邸とホワイトハウスのパソコン通信網がよく機能して、さらにテレビ会議等ができるようになると、総理は多くの随行者を伴って政府専用機を飛ばす外遊の必要がなくなり、そのための周辺警備や在外公館のコストが節減できると思われますかどうか、あわせてお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(羽田孜君) まず第一の問題は、どうもメカに弱い方でございまして、とてもパソコンに挑戦する気持ちにはならない。しかし、平成の目安箱の話をしましたけれども、今パソコン通信というのはもう大変なものです。何かちょっと発信しますと世界じゅうからどっとやってくるというような時代でございますから、こういったものは私どもは大事にしていきたいと思います。 それから、今の秘密保持の問題ですとか、こういった問題に対しましてはまさに勉強していただいておるということで、そういったことの対応がどうできるのかというつもりで対応をいたしておるところでございます。 コスト節減は、これはコスト節減ということだけでなく、やっぱり人と人とが会うということは非常に大事なことでございましょう。この前もちょうどカリフォルニアヘ行きましたときに、あれは何グラフィックスといいましたかちょっと忘れましたが、そこの会社をのぞきましたけれども、テレビ会議ができる設備が非常に見事でありました。そこで五つの国の人たちが集まって、集まってといいますか、ここで対話するわけです。そこに必要な資料はどんどん出されるということでございますし、また説明の資料も出てくるということで、非常に効率のいいことになります。 ですから、そうなってきますと、まさにサミットというのは年に一回ですが、しかし本当だともう年に一回のサミットというのはあり得ない。ドイツが統一するときにはコールさん、あるいはゲンシャーさん、こういった人たちがロシア、当時のソ連ですね、それからフランス、英国、アメリカ、この間を物すごく往復をしたらしいですね。そういったことなんかがもうテレビで幾らでもできるという時代がやってきておるということでございます。 私どもはやっぱり、今こういったものに対応できる体制というものを日本もきちんとつくっておくべきであろうということになると、コストも全体では下がるということが言えようと思います。
○加藤紀文君 失礼な質問をさせていただきましたが、率直にお答えいただきましてありがとうございます。 私は、パソコンはだれもが電話をかけるぐらい簡単に操作できなければ普及しないし、また情報は対価を払いたくなるような情報でなければだれも利用しないし、プライバシーが守られる保証がなければみんな心配されるわけでございます。また、マルチメディア社会は、経済コストの効率化と同時に国民に与えるベネフィットが大きいと言われているわけでありますが、例えば通勤地獄のコストよりも在宅勤務のベネフィットが大きいと国民が判断すれば利用したくなるわけでございますので、失礼かと思いましたが、そういった意味を込めて今質問させていただいたわけでございます。 総理、マルチメディアとは何だと思われますか。
○国務大臣(羽田孜君) そうですね、非常に幅の広い、すべてを包含するようなメディアであろうというふうに思います。
○加藤紀文君 今の総理の答弁は、いろいろあると思いますけれども、割と頻繁に使われる割には定義がまだまだ定着していない、各分野で使い方も違った使い方をされているということで、いたし方ないかなと思うわけでございますが。 次に、アメリカのゴア副大統領が提唱しております情報スーパーハイウエー構想について、総理はどのようなお考えを持っておられるかお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(羽田孜君) 先ほど申し上げましたような、通信を通じながらお互いが話し合う、それだけではなくて、先ほども例を挙げられましたけれども、そのほかに例えば健康なんかを遠隔地にあって診断をすること、あるいは各家庭にあって病院で診断してもらうこと、難しい病気の場合には例えば私が信州におりましても東京の大きな病院の診断も受けられる、あるいは手術の指導もしていただける、そんなことができるようになるでしょうし、さっきの童話の話もまさに世界の子供たちが一緒にみんなで見ることができるなんということになってくるでしょう。 ですから、そういうことを進めるためにはやっぱりハイウェーのためのどうしてもインフラというものが必要であるということでありまして、アメリカではNII、ゴアさんはGIIということを言われております。また、たしかEUの方でもEIIというような言い方がされております。 ですから、まさにこういう時代というのは完全に国境を越えるということになるわけですね。そして、それは決して何も学術の専門家だとか何々の専門家だとかただ好きな人というのではなくて、一般の人々、こういった人たちの生活にも大きな新しい潤いとかあるいは生活の利便ですとか、いろんなものがそこから稗益することができるだろうというふうに考えておりまして、私どももやっぱりこういった問題を本気で考えなければいけない。 そんなことで、私ども実は近々のうちに、これはみんなが一緒になってやらなきゃいかぬと思うんですね。ですから、何々省何々省というだけでなくて、ほとんど全部の役所が関与してくる問題であろうというふうに思っておりまして、内閣に一つの本部をつくることを今考えておることを申し上げたいと思います。
○加藤紀文君 ありがとうございました。
○委員長(井上吉夫君) 加藤君の残余の質疑は午後に譲ることといたします。 午後一時に再開することとし、暫時休憩いたします。 午前十一時五十四分休憩 ―――――・――――― 午後一時一分開会
○委員長(井上吉夫君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 平成六年度一般会計予算、平成六年度特別会計予算、平成六年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、休憩前に引き続き、加藤紀文君の質疑を行います。加藤君。
○加藤紀文君 それでは、高度情報化社会に向けて取り組みをされている重立った省庁に質問させていただきたいと思います。 まず、マルチメディアを駆使した高度情報化社会に向けて具体的な提言を始めておられます通産省、通産大臣にお尋ねいたしますが、先月発表されました高度情報化プログラムについて簡単に御説明いただきたいと思います。また、あわせて今後の取り組みについてお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(畑英次郎君) 光ファイバーに象徴されますとおり、いわゆる技術革新の大幅な進歩によりましての高度情報化、これが大きな国民的な期待であることは御案内のとおりでございます。 そういう中にございまして、いわば高度情報化社会のつくり出します意義と申しますか、こういうことにつきましては、国民生活の高度化、あるいはまたゆとりと豊かさの実現、産業活動における知的業務の生産性の大幅な向上、さまざまな新規事業の創出、こういうことが大いに期待をされるわけでございまして、そういうような意味合いの中から本問題につきましてのプログラム等々を先般発表をさせていただいた次第でございます。 高度情報化の推進のための基本的な考え方、これはユーザーの積極的な取り組みによる需要の高度化、なおまた情報通信産業による需要に応じた高度なサービスの供給、これを基本的な考え方に置いておるわけでございまして、具体的な施策としましては、需要の高度化のための施策としましての公的分野の情報化の推進、あるいは民間部門の情報化のための環境整備、そしてまた供給面の施策におきましては、基礎的技術開発あるいはまた情報産業の育成、いわゆる人材の育成でありますとか、あるいはマルチメディア産業の振興策等々、いずれにしましても、先般の産構審の発表に盛られておりますいわゆる二十一世紀ビジョン、その産業分野におきましても情報通信分野が最も期待されるというような位置づけでもあるわけでございますので、我が省としましても全力を挙げての取り組みを展開してまいりたい、かように考えております。
○加藤紀文君 それでは、次に郵政大臣にお尋ねしますが、これまた先月末に電気通信審議会の答申が発表されたわけでございますが、その内容を簡潔にお聞かせいただきたい。また、郵政省はこの答申をどのように受けとめられておられるかもあわせてお願いいたします。
○国務大臣(日笠勝之君) 御案内のとおり、五月三十一日に電気通信審議会から答申をいただきました。その主な内容を申し上げたいと思います。 情報通信基盤は、高齢化社会への対応であるとか環境保全、一極集中の是正であるとか経済構造の変革など諸課題を解決いたしまして、二十一世紀に向けて目指すべき知的社会を構築していくために不可欠なものであり、そのためにはネットワーク整備の促進であるとかアプリケーションの開発、導入であるとか、各利用分野にかかわる諸制度、慣習の見直しを総合的に進めていくことが重要であると述べているわけでございます。 具体的には、例えば医療、教育、行政などの公共的アプリケーションを二〇〇〇年までに実用段階にまで進めることといたしておりまして、このためには社会資本整備の新たな展開という観点から柔軟かつ重点的に予算を充当すべきである。また、光ファイバー網の全国整備の目標時期を二〇一〇年というふうにしております。その整備に当たっては、民間の活力が最大限に発揮されるよう図っておるところでもございます。政府といたしましては、加入者系の光ファイバー網の整備を加速するためには、民間事業者を対象とした無利子融資などの金利負担軽減のための新しい融資制度の検討などの措置を講ずることが織り込まれておるわけでございます。 評価でございますが、今回の答申は、二十一世紀に向けて目指すべき知的社会の構築として、これを支える情報通信基盤の整備について総合的なビジョンと方策を示したものであろうと評価をいたしております。本答申が、アメリカの全米情報基盤、NIIでございますが、を初めとする諸外国の取り組みと比較しても充実した内容となっていると認識をしているところでございます。 郵政省といたしましては、この答申の具体化に向けて積極的に取り組んでいく所存でございます。
○加藤紀文君 郵政大臣にまたお尋ねしますが、ことしの初めに発表されました郵政省の試案によりますと、マルチメディア社会は、二〇一〇年には光ファイバー網市場が五十六兆円、既存のマルチメディア市場六十七兆円、合計百二十三兆円となり二百四十万人の雇用を新たに生み出すと言われておりますが、この経済効果、この数字がひとり歩きいたしまして、二十一世紀のリーディング産業になるとのバラ色の夢が描かれてプラス面だけが脚光を浴びておりますが、どうでしょうか。 特に雇用創出についてでありますが、限られた労働人口の中で、一つのパイの中でどこかがふえればどこかがへっこむのは当たり前でありますが、この労働力市場の流動化がどういう分野に影響が出るのか、具体的な例を挙げて説明していただきたいと思います。
○国務大臣(日笠勝之君) おっしゃるとおり、光の部分しか述べておりません。影の部分は述べておりませんが、しかし、答申の中にはこういうふうに述べております。末端とかネットワーク事業にとどまらず、ネットワークを利用した幅広い分野で、例えば教育ソフトの配信であるとかテレショッピング、電子新聞、電子出版などの多様なニュービジネスが生まれるだろうと指摘をしておりますが、その結果といたしまして、通信放送分野及びネットワーク化に密接に関係する、例えば映画であるとか出版、印刷、広告などのサービス部門であるとか、商業、製造業の部門においても新たな雇用機会が創出されるとの指摘をいただいているわけでございます。 影の部分のところは今回はシミュレーションいたしておりませんけれども、中長期的展望を踏まえまして、産業・雇用構造の変革はこれは不可避となろうと思うわけでございまして、情報通信分野の人材育成であるとか再教育などの施策を講ずることによりまして円滑な転換が図られることが必要不可欠である、このように考えておるところでございます。
○加藤紀文君 今ちょっと触れられましたが、プラス面の方は結構なことでありますけれども、マイナスの影響が出てくる分野に対しては政府はこれからどのような対応をされるか、お尋ねしたいと思います。
○国務大臣(日笠勝之君) 先ほど申し上げましたように、今すぐそういう新しい雇用が創出するわけじゃありませんで、少しずつネットワークが整備され、アプリケーションが開発、導入されていくにつれて、なだらかにそういうシフトが起こっていくんだろうと思います。 その過程の中におきまして、先ほど申し上げましたような人材育成であるとか再教育、リカレント教育、こういうものを円滑に転換を進めていくことが必要であろう。ミスマッチにならないように、企業におきましてもまた社会全体、学校教育も踏まえましたそういう新しい産業の新しい人材を輩出していけるような体制をとらなければならない、このように考えております。
○加藤紀文君 先ほどと答弁が一緒でありますが、これは通告しておりませんが、労働大臣はどのように思われておりますか。
○国務大臣(鳩山邦夫君) 先生が先ほどからお話ししておられる分野というのは、いわゆる雇用が今後大きく創出される分野でございまして、当然失われていく分野もあるわけでございますから、その間の労働力の移動がいわゆる失業なき労働移動となりますようにさまざまな職業訓練とかそうしたような制度を使って懸命にやっていこうと思っております。
○加藤紀文君 時間がありませんので次に進ませていただきます。 かつて一九八〇年代にも情報化時代がやってくる、そうなれば鉄道や道路の交通が減少すると考えられておりましたが、現実には交通量が増加し、先ほど総理もお述べになりましたが、かえってフェース・ツー・フェースの重要性が増しているのが現状であります。 通信と放送が融合し、その時代よりも技術革新が格段に進歩しているので問題はないという意見もありますが、マルチメディア社会では本当に物理的な交通が少なくなり鉄道や道路等のハードの整備の必要性は少なくなるのでしょうか、また、公共事業の投資配分についてどのような影響が出てくるのか。 これは郵政省だけではなくて通産、建設、さらに公共投資基本計画の見直し作業をされております経企庁に対してもお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(畑英次郎君) 御指摘がございましたとおり、私どもの立場、サイドにございましては二十一世紀に向けました新分野、成長分野、こういうことを期待するわけでございまして、さような意味合いでは、私ども、従来の社会資本プラス新しい分野の社会資本、そういう中に本問題を位置づけていただきまして、積極果敢な展開ができますようなインフラ整備をぜひお願い申し上げたい、かような立場に立っておるわけでございます。
○国務大臣(森本晃司君) 二十一世紀に向かいまして、豊かな環境の創造さらにまた二十一世紀のファミリーズタイルの住宅等々をつくっていく、さらにまた道路のことでございますが、国土の均衡ある発展、骨格づくりのためにもさらに基盤整備をしていかなければならない、こう考えております。 同時に、情報化社会に対応するために、今のキャブシステムからもう少しコンパクトなキャブシステムをつくって情報整備をしてまいりたいと考えております。
○国務大臣(寺澤芳男君) 現在、経済企画庁の中に社会資本整備研究会がありまして、有識者から具体的に御意見を拝聴いたしまして近々答申を出そうという段階にありますが、委員御指摘のような新しい情報化社会の到来、これはその計画の中にどういうふうに組み込まれていくのか。それによって再配分とかにもかなり影響を及ぼすと思いますので、真剣に勉強させていただきたいと思います。
○国務大臣(日笠勝之君) 答申では、公共部門のアプリケーションの開発、導入の先導的役割を果たすことができるよう、社会資本整備の新たな展開という観点から予算を柔軟かつ重点的に充当していくよう提言をされております。 郵政省といたしましては、この公共事業費の投資配分に当たっては、マルチメディア化の進展などの社会、経済、産業の構造的な変化を十分に踏まえることが必要であると考えておるわけでございます。
○加藤紀文君 ありがとうございました。 それでは、今年度のマルチメディア関連予算は、関連官庁合わせてトータルでどのくらいになるのでしょうか。また、先ほど電気通信審議会の答申にありましたように、マルチメディア社会が到来する二〇一〇年ぐらいにはどの程度の予算規模に膨らむと思っておられるか、大蔵大臣、把握されておりましょうか。
○国務大臣(藤井裕久君) 先ほど来各大臣がお話しのように、高度情報社会の構築ということは、これから日本の経済のあり方、社会のあり方からいって大変重要な部門だと思いますし、また委員御指摘のように、その中で国際的な協力をしていくということも大変重要な分野だと思います。 そこで、公的なものがどこまで乗り出すかという問題だと思いますが、各大臣がそれぞれお話しになり、かつ電気通信審議会の答申についても触れられましたが、環境づくりを公的なものでやろう、そして本体は民間が主導で活力あるものにしよう、こういうことでございまして、私どもといたしましてはそういう趣旨で、例えて言えば基礎的研究部門あるいは先ほどお話がありました人材養成、こういう分野に公的資金を入れていくということで、各省、各大臣と今後ともお話ししてまいりたいと思っております。
○加藤紀文君 今年度のトータルは。
○国務大臣(日笠勝之君) マルチメディア関連予算としてトータルで政府として把握するシステムがございませんので、郵政省に限って申し上げますと、平成六年度予算案におきましては二十九億円計上しているところでございます。
○加藤紀文君 それでは次に、建設大臣にお伺いしますが、四十二万キロメートルニューキャブ構想とはどんなものでしょうか。先ほどの電気通信審議会の答申によれば、インフラ整備はあくまでも民間主導でとうたっておりますが、その整合性についてどう考えておられますか。
○国務大臣(森本晃司君) 建設省におきましては、安全でかつ円滑な道路というのを目指しておりますし、同時にまた都心の景観を向上しなければならない、そういったことで、電線やあるいは通信線の地中化を進めております。これに合わせて道路管理用の光ファイバーを設置しているところでございますが、先ほどちょっと申し上げさせていただきましたが、従来のキャブの大きさ、一メーター五十、一メーター五十でございますが、これよりもよりコンパクトな四十センチ、四十センチ、あるいはまた九十五センチ、八十五センチというキャブで整備を図っていきたいと思っております。その距離が、通信線のみを使用できる小さな方が約十五万キロ、それから都市内で二百メートルあるいは三百メートル間隔の主要な道路において電力線も含めて収容できるものが約二十七万キロ、合わせて四十二万キロの整備を検討しております。 それから、もう一点お尋ねの電気通信審議会の答申との整合性はどうかということでございますが、確かに光ファイバー網の整備は民間主導とされておりますが、地中化については情報通信基盤整備及び都市基盤整備の一環として政府が積極的に取り組むべきこと、こういう答申がなされております。 建設省としては、地中化施設としてのニューキャブのネットワークを積極的に整備することとして、これにより民間の敷設する光ファイバー網の早急な整備を支援できるものと考えております。
○加藤紀文君 それでは次に、マルチメディア技術の医療や教育あるいは在宅勤務等への応用が言われておりますが、これを可能にするのにはやはりハード面の開発も必要ですが、もっと大事なのは医療や教育等の制度のフレームワークの見直しや国民一人一人の基本的な考え方の変化だと思います。 我が国の教育は今までマル・バツ教育、平準化教育に主眼が置かれてきたために独創的な人材が生まれにくいと言われておりますが、マルチメディアを推進する意味で大事なファクターはソフトウエアの開発だと言われております。そのためには創造性に富んだ人材教育が必要だと思いますが、その取り組み状況は現状でどの程度進んでおられるのか。独自の審議会を置いて検討されている文部省、文部大臣にお尋ねいたしたいと思います。
○政府委員(吉田茂君) マルチメディアの教育あるいは学術分野への応用についても御指摘のように大変関心が高まっておりまして、例えば初等中等教育の面におきますれば、これが適切効果的な利用がなされれば、児童生徒の個に応じた指導の充実であるとか、あるいは多様な表現手段を活用した創造性の育成等に極めて有益な機能を発揮することが考えられるわけでございます。 一方で、文部省では、利用者の立場から常にマルチメディア活用の利点と留意点の把握に努めてまいりたいと思うわけでございます。さらに、これに関連する研究者、技術者の養成についても十分配慮をしていかなければならないと考えておりまして、このため広く各界有識者の意見を聞く場を設けることを近く予定しておりまして、今後におけるマルチメディアの活用につきまして、その場におきまして積極的に検討して対処してまいりたい、こう考えております。
○加藤紀文君 何を言われているのかよくわかりませんが、もう時間がありませんので、次に厚生大臣にお伺いします。 先ほども申し上げましたが、医療、在宅福祉サービスの分野、例えば病院のネットワーク化とか、家にいながらの遠隔医療などにマルチメディアの技術が生かされる、そういうことが期待されておりますが、厚生省のゴールドプランなどと並行して取り組まれておられますかどうですか。またあわせて、医療費や福祉の政府負担は将来大幅に削減できるかどうか。どうお考えですか。よろしくお願いします。
○国務大臣(大内啓伍君) 医療分野におきましては、今、国立がんセンターにスーパーコンピューターを導入いたしまして、エックス線の画像等の医療情報を全国の医療機関と交換するネットワーク整備に取り組んでいるところでございます。例えば肺がんの診断なんというのは非常に難しいのでございますが、このスーパーコンピューターを使いますと、その位置、サイズというものが明瞭に出てくるという意味で大変な威力を発揮しつつあるわけでございます。 それから、福祉サービスの分野におきましては、情報ネットワークを利用した高齢者相談等が既に行われているわけでございますが、いわゆるマルチメディアを利用した福祉サービスの開発につきましてはなお今後課題が山積していると私どもは考えておるわけでございます。 厚生省といたしましては、今後、情報通信技術の利用に当たりまして、特に保健、医療、福祉のサービスの利用の向上にこれを役立てたいということが一つと、それからもう一つは最新の医療技術の情報による診断支援システムというものを確立したいというふうに考えております。 また、国民の関係者に利用しやすい情報ネットワークとする一方で、特に個人のプライバシーというものを守るということを大事にしていきたいと思うわけでございまして、二十一世紀におきまして、国民だれもが今御指摘のような高度情報化による生活の質の向上を実感できるような情報福祉社会といいますか、そういうものを実現するためにこれらのマルチメディアというものを活用させていただきたいと思っております。
○加藤紀文君 政府負担の削減は。
○国務大臣(大内啓伍君) これはまだいろいろ計算をしておりませんので、明確なお答えができる段階ではございません。
○加藤紀文君 それでは、総務庁長官にお伺いします。 総務庁では、既に行政電話や法令のデータサービスを行い、利用者にも大変評判がよいと聞いておりますが、これから行政省庁間を結ぶ情報システムの導入や国民のニーズにこたえられるような総合的な行政サービスを行うような構想をお持ちでしょうか。
○国務大臣(石田幸四郎君) 行政電話、法令データサービス等については、先生よく御承知のとおりでございまして、評価をいただいておることについて感謝を申し上げたいと思います。 最近におきます情報通信技術の進歩というのは極めて急速でございまして、この成果を生かして、行政の効率化や行政サービスの向上のために、データベースの整備あるいはネットワークの形成などが必要であるというふうに考えているところでございます。 御指摘の問題につきましては、現在、中期行革大綱におきまして、行政の情報化を積極的に推進するために、地域的に計画的に取り組む推進計画を策定するというふうにいたしておるところでございます。それに基づきまして、今、総務庁としては、全省庁参加のもとに平成七年度を初年度とする五カ年にわたるこの推進計画を策定する、こういうことで進めておるところでございます。 各省庁間のそういった情報交換がきちっとできるようになることが必要であると同時に、将来はやはり地方自治体との関連を十分に考えてこの計画を進める時代が来るだろう、このことを想定しつつ現在やっているところでございます。
○加藤紀文君 ありがとうございました。 評論家の堺屋太一氏が、国際情勢や国内の社会状況の認識度について、陸上競技のフィールドに現実、経済、政治、官僚の四者が走っている、現実をトップに経済が一周おくれで政治が二周おくれで官僚が三周おくれで走っていると述べておりましたが、社会状況の認識をこの高度情報化社会への対応という言葉に置きかえれば妙にぴったりくるような気がするのでありますが、省庁の中には単一で白書や統計等の行政情報のデータベースが進み、省内ネットワークもできているところもあるようでありますが、まだまだ全体を見ればおくれていると思います。 先日も、ある省の若い方がノートパソコンを机の前に広げて仕事をしておりましたので尋ねてみますと、パソコンも役所の支給品ではなくて自己負担だと、どんなデータを入れているのかと聞きましたら、予算の箇所づけや表計算、その他にはワープロぐらいかなという答えがあり、さらにあなたの蓄積した貴重なデータは役所の他の人も自由に活用できるんですかという問いに対しましては、データベース化されていないしネットワークもないという返事でありまして、実にもったいないことだなと思ったわけであります。 昨年、我が党が政権の座にあったとき、情報通信基盤整備の観点から、学校、各研究機関等にパソコンの導入を図った経緯がありますが、目に見えるハード面だけではなく、試行錯誤のモデル事業、また研究開発費、応用データベースやアプリケーションをつくる人材の育成といった目に見えない分野にもぜひ十分な予算を講じていただきたいと思うわけでありますが、大蔵大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(藤井裕久君) 全くお話のとおりだと思います。 ハードの面については、今申し上げたように基礎的な部分をやっておりますが、ソフトの面についても、教育の面に始まって人材育成等々を通じ、隠れたというお言葉を使われましたが、必要なものは予算措置をしていくと。 各省とよく相談してまいりたいと思っております。
○加藤紀文君 最後に、総理にお尋ねいたします。 ただいま各省の取り組みについてお伺いいたしましたが、それぞればらばらに、中には省益を考えながら対応されているように思われるわけでありますが、各省が一致協力して情報化に関する総合的な政策を推進する必要があるのではないかと思うわけであります。現在でも情報通信インフラ整備は日米ではかなり差が開いておくれておるわけでありますが、先ほど聞いたように、各省、それぞれ具体的にもう既に行動を起こし始めておられるわけですが、各分野のフェーズを合わせて推進することも大切でありますが、これを一度ゼロベースに戻して一から議論するとさらにまたおくれてしまうわけでありますので、どうか官邸で押さえ込むのではなくて、総理が強いリーダーシップを持っていただいて具体的な予算をつけていただく段階に来ているんではなかろうかと思うわけであります。総理の御決意のほどをお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(羽田孜君) 先ほど来ずっとお話がありましたように、私も、これからの日本の産業としてある程度伸びていくもの、しかもただ産業が伸びるというだけじゃなくて、国民の福利増進、こういった面でも、あるいは科学技術分野ですとか、非常に幅広いものを持っているのがこのマルチメディアというものであろうと思っております。 そういう意味で、お話がありましたように、これはおくれますともう日本という国は大変なことになってしまうぞという危機感を私はずっと持ち続けてきた人間でありまして、その意味で、各省から今いろいろとお話ありましたけれども、こういったそれぞれの省の積み重ねてきたものを大事にしながら、これをさらに進めるための調整というものをする必要があるんだろうというふうに思っております。 ただ、予算については、国が負担をする部分があるでしょう。またそういった、あるときには相当強くプッシュすることも必要だと思います。それと、先ほど藤井大蔵大臣からも話がありましたように、これは民間が相当担当する部分があろうと思う。特にソフトの部分というのは、これは民間が負担する部分というのは相当大きく実はあるし、またソフトを充実しないと、もうネットワークだけ張りめぐらしました、乗せるものはありませんというので、これはどうにもならない。ですから、このソフトを開発することをどうするのかということ、ここらあたりはやっぱり民間の知恵も入れながらやっていくということが大事であろう。 その意味で内閣に、調整機構といいますか、調整的な役割を果たす必要があるということで、近々のうちにこれを発足させたいというふうに考えております。
○加藤紀文君 ありがとうございました。 今、総理の善言葉にありましたように、民間ではそれぞれの分野でかなり頑張っておりますけれども、それに対して政府の対応がまだまだ十分ではないと思いますので、ぜひ真剣に取り組んでいただきますようお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(井上吉夫君) 以上で加藤君の質疑は終了いたしました。(拍手) ―――――――――――――
○委員長(井上吉夫君) 次に、谷畑孝君の質疑を行います。谷畑君。
○谷畑孝君 私に与えられた時間は十分ということで、詰めて質問いたしたいと思います。人権問題について十分間の質問時間をいただきたいと思います。 まず最初に、冷戦構造が崩壊をした中で、いわゆる南北の格差の問題というのが非常に大きくクローズアップされてきたと思います。特に世界を見ておりますと、民族紛争、あるいは難民問題、環境と開発の問題、貧富の格差、こういうことが今日の国際社会の大きな課題であろう、こう思っておるわけであります。 その中で、総理にお伺いをするわけでありますが、最近二つの大きな出来事がございました。一つは、イスラエルとPLOのいわゆる和解といいましょうか、パレスチナの自治権の確立、これ本当に大きな出来事であったんじゃないか。もう一つは、南アフリカにおけるアパルトヘイト終えんを迎えて、そしてマンデラ大統領が民主的な選挙によって大統領に就任をした。この二つの出来事は非常に大きな出来事であったのではないか、このように思っておるわけであります。 さて、総理大臣、この二つの歴史的な出来事についてどのように評価されるのか、お聞きをしておきたいと思います。
○国務大臣(羽田孜君) まず、最初にお話ありましたパレスチナの暫定自治、これの政府ができ上がるということであります。これにつきましては、まさにあのあたりは、何というんですか、世界の火薬庫なんということが言われたぐらいであります。そこにいわゆるPLO、そしてイスラエルが互いに、ちょうどワシントンでしたか私は出かけていきましたけれども、ラビンさんとアラファトさんが来られて、あそこで我々見守る中で二人が署名された、そしてお互いがあいさつを交わされたこと、非常に私は感動を覚えたものであります。これはまさに世界に一つの平和の新しい動きが出てきたなということで、いつもこれは例に挙げるものでありました。それが今一歩ずつ前進し、途中では、難しい、またこれはもとへ戻っちゃうかな、振り出しに戻るかなというような思いもありましたけれども、それを乗り越えたことはすばらしいことだろうと思っております。 そして、今度の、南アが三百年のアパルトヘイトの時を過ごして今ここでマンデラさんが国民によって大統領に選出されたということ、これもまたすばらしいことでありまして、あそこまで長く続いたいわゆる人種隔離政策がここで新しい転換を示した。 アフリカと中東でそういう問題が起こったということを私は本当にすばらしいことと思っておりまして、これがもし成功するならば、今モザンビークその他で、あるいはユーゴスラビアなんかでもいろいろと問題が起こっておりますけれども、こういったところにもいい影響を与えるだろう。戦いというものはよくないねということ、それから人権というものはいかに大事であるかということ、これを証明するものであろうというふうに思っております。 私ども日本も、外務省を中心に各省の協力を得ながら相当積極的にこれらの問題に対して対応しておるところでございますけれども、この二つの問題が本当にスムーズに、しかも定着していくように、しかもさらに、そこに新しい息吹といいますか光というものが見えるように我々としても協力していかなければいけないというふうに思っております。
○谷畑孝君 総理の答えばいい答えだと思うんですが、残念ながらこのマンデラ大統領の就任式に日本からだれ一人閣僚が参加をしていなかったんですね。アメリカはクリントン大統領夫人ヒラリーさんも参加しましたし、またゴア副大統領も参加した。やっぱり政治というのはそういう感性というのか、非常に大事なときには日本の意思表示として私はやっぱり出席すべきだったと思うんですが、その点ほどのように考えておられるか、総理大臣と外務大臣にひとつお聞きしておきます。
○国務大臣(羽田孜君) もう本当に御指摘の点は私はよくわかります。ただ、御案内のとおり、ちょうどあのときに内閣が新しく私にかわったという前で、それで、ちょうどその少し前にこれを決定しなければならなかったということでございまして、残念ですけれども現役の閣僚を送り込むことができなかったのは、私も実はアパルトヘイトに対して反発する議員連盟の副会長がなんか務めておっただけに大変残念だったんですけれども、やむを得なかったことだろう。 しかし、状況は、あの選挙監視に行った議員の皆さん方ですとか、あるいはこの間出席された中西さんその他の方々がよく私どもに状況を聞かせていただいておりますので、こういったことを踏まえてこれからの南アの成功のために我々も全力を尽くしたいと思っております。
○国務大臣(柿澤弘治君) 私も、長い間反アパルトヘイト議員連盟の一員として超党派で努力をしてまいりました一員としては、ぜひとも出席をしたかったと思っておりましたが、当時中東訪問が既に計画をされておりまして、ガザ・エリコの署名式に出席をする、そちらの方に出ておりまして南アへ行けなかったことは残念だったと思っております。 しかしながら、南アが三百年にわたるアパルトヘイトを克服して白人と黒人が共存できる社会をつくろうとするその理想には私どもは協力すべきだと考えておりまして、これについては今後とも経済援助その他で御協力をしたいと思っております。
○谷畑孝君 これは通告していないわけですけれども、外務大臣に再度お聞きしたいんですが、アパルトヘイトが終結したといってもこれからが本当のどろどろとした中で問題が始まってくる、こう思うんです。だから、そういう意味ではやっぱり日本政府としてもそれらを人権の観点からどのように支援していくのか、あるいはパレスチナの自治権についても今から始まったと私は思うんですけれども、そこらの点についてもう一度決意をお伺いして、次の質問に移りたいと思います。
○国務大臣(柿澤弘治君) 私も、昨年の一月、南アを訪れまして、デクラーク大統領、マンデラANC議長と会談をいたしました。それと同時に、白人世界の大変豊かな生活水準、同時に黒入居住区も訪れまして、それとは全く違った貧困というものを目の当たりにいたしてきております。その意味でも政治的な自由そして投票権、民主国家はできましたけれども、これからその貧富の差を埋めていくということがなければ安定した民主主義は育たないと思っておりますので、その点について今後とも大変御苦労があろうかと思います。その点で、私どもも国際社会の一員として協力をしていきたいと思っております。 また、パレスチナの自治につきましても、ガザ、エリコの自治の協定はでき上がりました。しかし、今までのイスラエルによる統治からパレスチナ人自身がそこに自治制度をつくって統治をしていかなければならないわけでございます。 まず警察官の給料をどうするか、そして公務員の給料をどうするかというところから実はアラファト議長は御苦労されておられまして、私も十年来の友人でございますので、カイロでお会いしていろいろ議論をいたしました。日本にも助けてほしいという話がありまして、我々としては二億ドルの支援を決定いたし、既にかなりの部分を提供しておりますが、つい先日もパリ会議がありまして、アメリカが一千万ドル、日本が九百万ドル行政のオペレーションコストを出そうということで協力をいたしておりまして、何とか彼らに自治能力を示してもらって、そしてこの自治がパレスチナ占領地全体に広がっていくことを心から期待をいたしております。
○谷畑孝君 よろしくひとつお願いを申し上げておきます。 同じく、これは外務大臣に御質問するわけですけれども、いわゆる人権関係の諸条約というのは私ども調べますと二十三あるということでございまして、その中で日本が批准したのが八つ。この間は子どもの権利条約をようやく批准した、それで八つだということでありまして、なぜこれだけ二十三ある中で八つなのか。また、他のそれぞれの先進諸国から比較してみても非常に少な過ぎる。 そこで、この条約の中でいつも議論になっておるのが人種差別撤廃条約。この議論も本当にもう古くなるんですけれども、なぜ批准できないのか。そこらの点についてひとつお聞きをしておきたいと思います。
○国務大臣(柿澤弘治君) これから人権そして人種差別の撤廃が大きな国際社会の課題であることは、谷畑先生御指摘のとおりでございます。 その意味でも人種差別撤廃条約につきましては何とか批准の方向で検討したいと考えておりますが、もう先生既に御承知のとおり、その条約の中には、表現の自由という憲法上の規定と相反するといいますか調整を要する項目がございまして、その点、法務省にも御検討いただき、政府部内の議論を煮詰めているところでございます。そうした政府部内の検討が進みました暁には、ぜひとも批准の方向で努力をしたいと考えております。
○谷畑孝君 いや、外務大臣、これ、検討と言ってますけれども、一九七〇年当時に、市川房枝氏、死去された市川さんが質問しまして、当時の外務大臣が、条約には基本的には賛成、国内法の整備との関係でしばらく待ってほしいと。それからもう二十五年たっておるんです。しばらくというのは二十五年なんですか。もう一度、回答をお願いしたいと思います。
○国務大臣(柿澤弘治君) これは、御承知のとおり表現の自由、憲法二十一条との関係でございます。その意味では私どもとしては法務省との間で調整をしたいと思っておりますが、なかなかその辺で政府部内の見解が一致しないというのが現実でございます。その点、表現の自由ももちろん大事な課題でございますので、この条約でそうした人種差別についての発言をした者について処罰するという項目がございまして、それとの整合性をどうするかという点は憲法の問題であるだけになかなか調整が難しいというのが実情でございます。
○谷畑孝君 いずれにしても、先ほど言いましたように、二十三の条約のうち八つということは、日本の国内の法整備がそれだけ世界の人権外交、人権政治に対してやっぱりおくれておるということのあらわれだと思うんですよ。早急に国内の法を整備しないと、国際人権規約のときもそういう議論でした。子どもの権利条約のときもそうでした。ぜひそのあたりは、プロジェクトをつくるなりしてさらに研究をする必要があるんじゃないかということを総理大臣に、人権議連会長をしておられる総理大臣にひとついい答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(羽田孜君) 先ほどのように、当分が四十年で、しばらくが二十五年、これでは、残念ですけれども、何というんですか、だめだったらだめではっきりすればいいんであって、いつまでもそういったことをだらだらしていることがいけない。私は政治の変化というのはこういうものだと思うんですね。ですから、ちょうどやっぱりこのときにこういった方向というものを、一つの方向をきちんと出していくことが大事なんで、憲法論議で二十五年かかるなんというばかなことは許されるものじゃないだろうというふうに思っております。 いずれにしましても、私どもとして、どこがだめならだめで、やっぱりきちんと表明することが重要であろうというふうに思っておりますけれども、しかし、この問題については前進させるように我々としても努力をしていくことを申し上げたいと思います。
○谷畑孝君 もう少しここの点については議論をしたいんですけれども、時間がありません。 最後に、表現の自由と差別表現の問題、これは非常に難しゅうございますし、また国民的な議論を大いにやっていく必要があるんじゃないか、そういうふうに私自身も思っているんですが、きょうは時間がありませんのでその点については触れることができません。 次に、国内の同和問題、とりわけ部落問題について少し議論をしていきたいと思います。 過日は忙しいさなかの中、石田総務庁長官、あるいは畑通産大臣、それぞれ被差別部落を視察していただきましてありがとうございました。一言感想をそれぞれいただきたいと思いますが、ひとつよろしくお願いします。
○国務大臣(石田幸四郎君) お答えを申し上げたいと思います。 私は今、できるだけ各地方へ出向いてまいりまして行政関係に対する草の根対話運動を続けているわけでございますが、五月十四日に同和問題のために神戸市内にお邪魔をいたしたところでございます。 この解決に向けて、知事あるいは市長を初め、あるいは同和の関係者の方々が大変な御努力を傾注していることについて、非常に感銘を受けたところでございます。 現場を拝見いたしておるわけでございますが、やはり生活の基盤である住宅の改良事業等のいわゆる物的事業は相当進捗いたしておりますが、残されたところは、さらに条件が厳しいと申しますか、その地域で住んでいただくというようなことから土地の解決がなかなかめどがつかないということで大変難渋をしておられました。 同時にまた、今のこういう時代になりますと、そういうような住宅事情の問題も、やはり駐車場も併設して考えなきゃならない、そういう状況に立ち至っているので、そこら辺に、いわゆる土地の余裕がないと申しますか、そういうふうなことで難渋しておられることを拝見いたしたところでございます。 そういうような条件の中で、さらに今日におきますれば、やはり啓発活動が重要だというようなことでございます。心理的にそういった人権差別が行われるような状況を何としても前向きに解決をする、そういう雰囲気をつくっていかなきゃならない、状況をつくっていかなければならないわけでございます。 そういった意味におきましては、兵庫県におきましては、いわゆる兵庫二〇〇一年計画ですか、その中に、心理的差別の解消、これを中心課題としてその課題の中に据えておるというようなこと、それらの努力、なかなか大変な問題がございますし、いろんなデータを見ましても、改善のデータは出ておりますけれども、満足すべきような状況じゃない。それを何とか関係者の方々、行政の努力、そういったものが一致して一日も早く大きな前進が見られるよう期待もし、私どももまた努力をしてまいりたいと存じております。
○国務大臣(畑英次郎君) たしか五月の二十九日でございましたか、奈良県の方にお邪魔をさせていただきまして、その節、谷畑先生を初め関係の方々の大変な御高配の中で現地視察をさせていただいた次第でございます。 とりわけ私の立場にございましては、産業分野のというような意味合いから、いわゆる部落産業としてのサンダル工場等々を拝見させていただいたわけでございますが、大変厳しい条件下にかかわりませず、関係の方々が非常に明るくお取り組みを賜っておる。そしてまた、通産サイドの行政展開がそれなりの貢献をさせていただいておる、言葉をかえて申し上げればやりがいがあるということを感じさせていただいた次第でございますし、あわせて地域改善事業等々も拝見させていただいたわけでございますが、かような意味合いではこれからさらに力を入れていかなければならない。 そしてまた、今日この時点にございましては、私どもは、この人権問題、ようやくおくればせながら地球規模での取り上げがなされておる、このことを念頭に置いて努力の積み重ねをやっていかなくちゃならないという気持ちを新たにさせていただいた次第でございます。
○谷畑孝君 どうもありがとうございました。 同和問題は、同和対策特別措置法の制定以来二十五年経過をしてまいりまして、非常に地域の改善も大きく改善をされてまいりました。しかし、残念ながら今日なお一千カ所と言われる同和対策事業の未指定地域がまだ残されておって、その未指定地域が現在の法律からは完全に排除されておる。そこがやはり現行法の欠陥、限界を示すものではないか、そのように思っておるわけでございます。 そこで総務庁長官にお聞きするんですが、いずれにしましても同和地区の教育、就労、収入面における差別の現状というものは非常にさまざまな状況である。また、それが大きな問題になっておる。そのことについて、総務庁長官としてどのように認識をされて今後どう取り組むつもりなのか、お聞きをしておきます。
○国務大臣(石田幸四郎君) お答えを申し上げます。 教育につきましては、進学率の向上等の実態はかなりそういう形で見られるわけでございますが、進学率の格差という問題、あるいはまた高校中退者の増加傾向、こういった問題については問題が見られるわけでございます。 それから就労につきましては、常雇用の増加等がなり改善をされておりますが、最近の経済状態を踏まえたこともあろうかと思いますが、中高年齢層を中心とした不安定就労が全国平均に比べますと格差が目立つという問題がございます。 さらにまた産業等については、商工業では小規模零細企業が多い、農業では一般地域の農家に比べて耕作面積が小さく販売額も低い、こういうような問題。あるいは生活面については、生活保護世帯を含めた税の非課税世帯の割合が全国に比べると一〇ポイント程度高い。そういうような状況があるわけでございますので、こういった問題に問題を絞ってこれからさらに検討をしていかなければならないと思うわけでございます。 昨年七月に地域改善対策協議会に総括部会が設置されて、これらの問題についてもいろいろな調査の結果等を踏まえて検討していただいているところでございまして、それらの検討を踏まえながらさらに総務庁としても施策全般について努力をいたしてまいりたい、このように考えているところでございます。
○谷畑孝君 ぜひひとつ強力に取り組んでいただくことを強くお願いしておきたいと思います。 次に、地対協でも意見具申の中で力説をしているわけですが、多発する差別事件を見逃すことができず、今後の施策の重点課題として心理的差別の解消、こういうことを強く意見具申しておるわけでございますけれども、これも総務庁長官に、このような心理的差別の現状についてどう考えておられるのか。 また、この心理的差別の解消を図るために、各種の啓発事業について国や都道府県、市町村、企業、民間運動団体が十分連携をとりながら一体となってひとつ取り組んでくる必要性がある、こういうふうに思うわけですが、その点についてはいかがでしょうか。
○国務大臣(石田幸四郎君) 何といいましても、この心理的差別の問題が一番大きな問題でございますので、今、先生が御指摘のとおり、国、都道府県、また市町村、企業、民間運動団体等、十分連携をとりながら進めてまいりたいと思うわけでございます。 現状を見ますと、例えば婚姻の問題等はかなり改善をされてまいりましたが、同和関係者と一般住民の婚姻の増加、随分数字的に見ますと変わってまいりました。そういう状況を踏まえながらさらに前進をさせたい。 政府としましては、平成六年度予算案におきましても前年度を上回る額を計上してございます。十五億八千七百五十七万円、前年度に比べまして一一・三%増でございますから、そういった点を十分踏まえながら、啓発フェスティバル等、あるいは推進モデル地域、あるいは啓発サミット等の創意工夫を凝らした新しい事業を展開いたしたいと思います。基本的には先生が御指摘のとおりだと思いますので、その点を踏まえて努力をしてまいります。
○谷畑孝君 総理、今のお話を聞いてもわかるように、これからは共生あるいは人権というものが国内であろうと国外であろうと一つのキーポイントになっていくわけですが、日本国内においても、アイヌ人の問題もございますし、もちろん先ほど言いました被差別の部落の問題も今なお存在しますし、女性の問題とかさまざまな問題が存在するわけですけれども、これらをぜひひとつ、世界のそういう国際的な人権基準と、日本ももう少し法整備をしながらきちっとやっぱり両輪でいけるような施策が私は必要だと思うんです。先ほどの人種差別撤廃条約もそうなんですけれども、そこいらの点についてひとつもう一度、総理の方から、それは国内の問題に焦点を置いてどうなのかということの感想をお聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(羽田孜君) 日本の国もここまで来たのでございますから、少なくもそういったことで国際的な模範的な立場というものをみずからがつくり上げていくことが重要であろうというふうに考えておりまして、今御指摘のあった点等を踏まえながら、我々もさらに勉強していかなきゃいけない問題であろうというふうに思っております。
○谷畑孝君 法務大臣、恐れ入ります。 結局差別の問題というのは、どうしても観念の問題になってしまったり説教の問題になってしまったり、そういうことで終わってしまうんですね。その中で、例えば差別を受けた者はどこへ言っていくかといいますと、裁判をするかあるいは人権擁護局に訴える。しかし、人権擁護局に訴えても、差別された人間が訴える卒というのはもうわずか○・何%ぐらいになっておるんですね。ということは、人権擁護局そのもの自身がその差別の問題に対して十分フォローしていくような機関になっていないんじゃないかと、こういうことをよく言われるんです。そういう意味ではぜひこの人権擁護局を含む行政機関というものを確立し充実していく必要があるのではないかと思うんですが、その点についてはどうでしょうか。
○国務大臣(中井洽君) 先生からお尋ねがあるということで調べたのでありますが、平成三年の大阪府の調査の中で差別を受けてどこへ相談したかという中に、大阪市では一%だけが行政機関に相談をした、大阪府全体でも一・五%だと、こういう数字がございまして、いささかショックを受けているのは事実でございます。 問題は、その統計を見ますと、五二、三%が相談してない。親にも兄弟にも友達にも相談してない。僕はここに同和問題の難しさがあろうかと考えております。 私ども人権擁護関連機関では、一年間に大体人権擁護委員を含めて五十数万件、電話、はがき、あるいは面接を含めて御相談をいただいておりますが、お話のありました点、他の省庁と連絡ということもありますが、まず法務省みずからもう少し相談に乗りやすいそういう体制を鋭意心がけていきたい、このように考えております。
○谷畑孝君 今、法務大臣の方から非常に力強い答弁をもらっているわけですけれども、差別というものは受けた人間しかやっぱり痛みがわからない。している方は空気を吸うようなところがあって、指摘されて初めてわかる。しかし、その差別というものが人を死へ至らしめてしまうという事実がたくさんあるわけですね。私も幾つか結婚差別事件に参画もしましたし、死んでいった人たちの手紙を拝見もしましたし、そういうことにかかわってきたわけでございますけれども、私はぜひひとつ日本もそういう差別をなくしていくために行政機関に強いものが必要だと思うんです。 そこで、総理に再度お聞きするんですが、例えば経済界で言えば、多少独立した公平な委員会といいましょうか、公取というものがあるんですけれども、ぜひひとつ人権においてもそのような発想で、今日北朝鮮問題に端を発して在日外国人に対するすごい差別があるわけですから、そういうものを訴える機関、ぜひそういうものが考えられないかということを質問しておきたいと思います。
○国務大臣(羽田孜君) 谷畑委員御案内のとおり、法務省あるいは総務庁に人権の問題あるいは同和の問題に対応する総合調整を行う組織がありますし、また各省の中にも各省の所掌事務に従ってそういった人権問題を扱うものがあるということで、割合ときめ細かくそういった機関というものがあろうと思っております。 ただ、今の御指摘は、そういったものだけでは機能しないんじゃないのか、機能してないんじゃないのかという御指摘もあろうかと思っておりますけれども、いずれにしましても、私ども今こういった現在ある機関をまずフルに働かせるようにこれからそれぞれの役所に努力してもらいたいと思うし、またあるときにはそういった皆さん方と話しながら本当にそういった差別を受けている人たちの声が聞けるのかどうか、そこらあたりも勉強して、各省でお互いにそういった皆さん方が勉強し合い、そして何か新しいものが必要だったらそういったもので対応する必要があろうと思っておりますけれども、新しく今すぐどうこうということはちょっと私の頭の中にないことはお許しをいただきたいと思っております。
○谷畑孝君 総理、結局、現代であれば人権擁護局に訴える、こうなるんですけれども、もう御存じのように人権擁護局というのは法務省の管轄になるんですけれども、法務省というのは割と頭がかたくて、なかなかそういう問題についてよく理解したり、そういうことになると非常に機械的になってしまう。そうではなくて、さまざまなそういう差別を受けている人たちの気持ちとか意見を聞きながら、それに対して相手側に対しても正しく教化していくというそういうものが必要だと、私はこう言っているわけでございます。 これが最後の最後になろうかと思いますけれども、厚生大臣にお尋ねをしたいと思うんです。 過日六月十四日に衆議院の決算委員会におきまして、大阪市の保育所問題が取り上げられました。そのときに、一部の子供に服装費の支給がされていないのは差別ではないか、こういう質問があったわけでございます。そのときに厚生大臣は、早急に解決しなければならない、このように答弁をされたわけです。もちろんそういうことはあってはならぬことだし、また私ども心を痛めることでありますけれども、やはり差別をなくしていくための一つの長い歴史というのか、行政も認められたところの地域機関というのか、そういうものがございまして、指導則、方式というものがあるわけでありますけれども、私どもそういう指導則、方式に問題があるとは思われないわけでありまして、その点についてひとつ大臣自身どう理解されておるのか。これ非常に大事な問題でございます。本当はもう少し時間があればいいんですけれども、ひとつ質問しておきたいと思います。
○国務大臣(大内啓伍君) 去る六月十四日の決算委員会におきます私の答弁の趣旨は、ただいま谷畑議員の御指摘のとおりでございます。 地方改善対策につきましては、地方自治体ごとに地域の実情に応じたやり方があるわけでございまして、大阪市のいわゆる同和事業促進協議会方式も地方自治の一つの形態でございまして、その方式自体を特に問題があると私は申し上げているわけではございません。ただ、子供たちの処遇をめぐりましていろんな混乱やあるいは影響を与えているというような事態があれば、これを改善しなければならないということを申し上げたわけでございます。
○谷畑孝君 質問を終わります。どうもありがとうございました。
○委員長(井上吉夫君) 以上で谷畑君の質疑は終了いたしました。(拍手) ―――――――――――――
○委員長(井上吉夫君) 次に、三重野栄子君の質疑を行います。三重野君。
○三重野栄子君 三重野栄子でございます。 通告を三点しておりますが、その前に農水大臣に確かめたいことがございますので、よろしくお願いいたします。 午前中にやみ米六十キロのお話がございましたけれども、あのときはどなたか知人からいただかれたというふうに伺いましたんですが、私が入手いたしました毎日新聞によりますとそうではないように思いますけれども、毎日新聞の記載についてはどうお考えでしょうか。
○国務大臣(加藤六月君) 新聞に出ておりましたが、私の元私設秘書で、現在は会社社長、知人でございます。
○三重野栄子君 この新聞によりますと、加藤六月様という請求書が平成六年三月三十日で判こまで押してありますが、これはお認めになりますか。
○国務大臣(加藤六月君) 請求書を認めるとか認めぬとかというのはよくわからぬわけでありますが、店としたらそういう勘定を起こしてなにをしておるんじゃないかと思います。
○三重野栄子君 加藤事務所からこの代金を四月と五月に支払ったとありますが、これはどう答弁なさいますか。
○国務大臣(加藤六月君) 同じくその新聞によりますと、加藤事務所ではないということを払った本人がはっきり言っておるようでございます。
○三重野栄子君 それを証明なさる方法を教えていただけますか。今の答弁では納得いかないんですけれども。
○国務大臣(加藤六月君) 証明すると言われましても、その知人が、自分で払った、こうおっしゃっておられるわけですから、知らない私がそれをどうやって証明していいか、それはちょっと困るところでございまして、逆に言いますと私の方が逆にそれを証明してもらいたいと思っておるぐらいの気持ちでございます。
○三重野栄子君 じゃ、大臣の自宅に届けたとありますが、お米六十キロはどのように処理されましたでしょうか。
○国務大臣(加藤六月君) おいしく食べたと思うのであります。
○三重野栄子君 三月から六十キロを。何人家族でいらっしゃいますか。
○国務大臣(加藤六月君) 二人でございまして、私がうちで食事ができるのは一週間に一回あるかないかでございます。
○三重野栄子君 一昨日だったと思いますけれども、NHKで九時から、これからの農業問題ということで討論があったと思います。そのときに大臣も御出席でございまして、これからの農業問題については大変意欲的にお話がございました。しかし、この前の米騒動というのは何が原因だったのかという質問、全国からのアンケートもございましたけれども、一番多かったのは政治ということであったと思います。 そういう立場から、今のような御答弁で国民が納得すると思われますか。いかがですか。
○国務大臣(加藤六月君) 私が農林水産大臣になる前の出来事であったことですし、そしてまた私が知らなかったにしても、こういう問題があったということはまことに残念であり、そして今後農政を指導していく上からにおいても厳重に注意しなくてはならぬ、こう思っておるところでございます。
○三重野栄子君 細川前総理は総理になる前の問題でいろいろ追及されております。農水大臣は自分が農水大臣じゃなかったとおっしゃっても、その前は農水大臣であったこともおありでございますから、そういうことでは、本当にあのときお米がない、一生懸命にあちこち買いあさった方も問題かもわかりませんけれども、女性たちの、主婦たちの思いを想像しますと、今のようなお答えは納得いきませんですけれども、もう少し親切な御答弁をお願いいたします。
○国務大臣(加藤六月君) 知人が好意で送ってくれた。仮に私が買ったり私の妻が買いあさったというんなら、これはざんきに値すると思います。そこら辺でございますが、しかしそれはそうであっても、先ほどから申し上げておりますように不正規流通米というもの、これが私のうちに届けられたということについてはまことに残念である、これ以上申し上げようがありません。
○三重野栄子君 これからお米の問題は重要でございますし、それから私ども議員といたしましても、贈ることも贈られることもこれから自重していこうというのが今の流れでございますから、もらったからどうでもいいということにはならないかと思います。しかし、長くなりますのでこの点は打ち切らせていただきまして、よい農業政策を進めていただくことを要望いたします。 それでは三点、一水道事業者である市町村を超える広域的な水利用と、それから国際化時代にふさわしい人権を尊重された外国人の採用の問題、それから、今、千代田区九段南に建設中の戦没者追悼平和祈念館に対しまして質問をいたします。 まず、一水道事業者である市町村を超える広域的な水利用の問題でございますけれども、新たなダムができますまでには一定の期間を要するわけでございます。ですから、河川法を所管されている建設省が農林水産省と協力して既設の用途水を上水道へ転用するという、そういう促進をする法制度をお考えになっていただきたいのでございますが、いかがでしょうか。建設大臣並びに農林水産大臣にお願いいたします。
○国務大臣(森本晃司君) 水需給の逼迫に対処するためには、ダム等の水源開発を促進することはもとより、限られた水資源を有効利用して水利用の適正化、合理化を進めていくことが極めて重要だと認識をしております。 特に、都市周辺における余剰農業用水の上水等への転用は重要な課題であります。今後とも、農地の宅地化など農業を取り巻く社会経済情勢の変化に的確に対応しつつ、地元の関係する利水者や自治体と調整を図りながら転用を進めてまいりたいと思います。
○国務大臣(加藤六月君) 農業用水は、水田がんがい用水、畑地かんがい用水等国民食糧の安定的な生産には必要不可欠な資源であり、農林水産省としてもその適正な確保に努力しておるところでございます。そして、その農業用水の他用途への転用につきましては、今日的な土地利用の変化に応じまして、農業用水を他に転用することが可能な地域において関係機関との協議、調整を図りながら農業用水の再編に取り組んでおるところでございます。 そういう点、今後とも水利用の合理化の観点から農業用水合理化対策事業等の施策を推進してまいりたいと考えておる次第でございます。
○三重野栄子君 水道法によりますと、水道事業者は正当な理由がなければ給水を拒めないという重い給水義務を市町村に課しているところでございます。一水道事業者である市町村を超えた広域的な水の利用調整や他用途水の転用の促進、今もお話しございましたけれども、当該水道事業者に対して法律に基づいた支援制度があれば、人口急増の市町村の障害を和らげることができるのではないかと思うのであります。 今のお話はまだ実現に至っておりませんで、粕屋郡の志免町は福岡市に隣接して、人口密度は福岡市の三千六百七十七人に比べまして三千九百五十七人、旧産炭地のために地下水の大量くみ上げは地盤沈下のおそれもありますし、水質も疑問であります。加えて、近くに河川にも恵まれないので、昭和五十年十月からやむなく二十戸以上の給水はしないということで自衛策をとっておりますけれども、このようなことをやっているのは福岡市周辺には七市町村ございます。 しかし、市独自のこのような規則とか要綱をつくりますと水道法上の疑問があるということでございまして、じゃ一方、現在、将来ともに水の量に合った開発のコントロールが必要な場合に基礎自治体が独自の町づくりを余儀なくされておりまして、国土利用計画法、都市計画法、建築基準法など現行法でどのような方法があるか、今お話のありました余剰農水の云々ということでは間に合いませんので、現状の中で特に市町村が都道府県に対しましてどのような働きかけができるのか、建設省の御見解をお伺いいたします。
○国務大臣(森本晃司君) 都市計画の決定については、おおむね五年ごとに都市計画に関する基礎調査として人口及び産業の動向、宅地開発の動向、公共施設の整備状況等について調査を実施し、それを踏まえつつ水道供給の見通しも含めて検討の上、市街化区域への新たな編入を行っているところでございます。 また、一般的に宅地開発事業を行う場合にあっては、円滑な水道供給が図られるよう宅地開発事業者と水道事業者とが事前に十分に調整することが重要であり、都市計画法による開発許可が必要な場合にあっては、あらかじめ開発区域を給水区域に含む水道事業者との協議を行うよう措置しているところであります。
○三重野栄子君 昨年三月二十四日、私の予算委における質問に対しまして、開発許可権限を町村長へ権限移譲することを今後の課題として勉強するという建設大臣の御答弁があっておりました。 今も御答弁がありましたけれども、そういう権限移譲の問題についてはどのように検討されておりましたか、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(森本晃司君) 権限を市町村に移すべきではないかということでございますが、都市計画の決定につきましては、一つは、住民の身近な都市計画は市町村長が決めるということになっております。二つ目に、広域的根幹的な都市計画に限り都道府県知事が定めるということになっておりまして、市町村を中心とした仕組みになっています。都道府県知事が都市計画の決定をするに当たっては、事前に市町村長の意見を聞くことになっておりまして、市町村と十分調整した計画が決定されるものと考えております。 なお、昨年六月に施行されました改正都市計画法による市町村マスタープラン制度の創設、用途地域の決定権限の大幅な移譲の措置などにより市町村の役割はさらに増大しているところであります。
○三重野栄子君 水不足といいますのは、自然現象、あるいは開発、それから生活水準の高度化ということによりまして生じておりますので、今御説明いただきました分も含めまして、さらにまた先ほど御説明いただいた分も含めまして、よりよい住みやすい市町村ができますように御尽力いただきたいというふうに思います。 次に、国際化時代にふさわしい人権の尊重された外国人の採用というものでございますが、お手元に一枚のプリントを差し上げました。現物はこれでございます。(資料を示す) 九十四ページのQアンドAをお読みいただきまして、法務大臣、御感想をお伺いしたいのでございますが、いかがでしょうか。急で申しわけありません。
○国務大臣(中井洽君) これはこのとおりだろうと思います。
○三重野栄子君 法務大臣には後ほどまたお尋ねしますが、労働大臣お願いします。
○国務大臣(鳩山邦夫君) ごく簡単に申し上げれば、労働基準法は第三条において「使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない。」ということで、国籍によって賃金、労働時間その他の労働条件を差別してはならないとなっております。 それでは、採用するかどうかということが労働条件の中に入るかどうか、これは実は多数説、少数説両方ありますが、一般には入らないわけでございますから、したがいまして労働基準法の三条は国籍によって労働条件を変えてはならないということになっております。 しかし、だからといってそれを逆に解釈して、その九十四ページのような記述をすることは私ども労働省としては間違いだと思っております。というのは、いわゆる在日外国人、特に韓国の方、北朝鮮の方が大勢おられるかと思いますが、定住あるいは永住をしておられる方々に関しては、採用等について日本国籍の者と全く同等に扱うというふうに我々は指導いたしております。
○三重野栄子君 法務大臣、いかがでございましょうか。
○国務大臣(中井洽君) 外国人の採用につきまして、これは私人間の雇用契約上の問題であると考えております。公序良俗に反しない限り契約自由の原則にゆだねられるとするのが最高裁の判例の立場であると私どもは承知いたしておりまして、人権擁護機関としても同じ立場でございます。
○三重野栄子君 いや、法務大臣と労働大臣、ちょっと意見を調整してくださいますか、ちょっと納得いきません。
○委員長(井上吉夫君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(井上吉夫君) 速記を起こして。
○国務大臣(鳩山邦夫君) それは、確かに法務大臣とすり合わせしなければいけないことと思いますが、この件に関しましては既に労働省は平成五年十月にこの会社に対して、同表現はこれは明らかに誤解を生むから適切な対応をしろというふうに申し入れをいたしまして、その結果、この会社は十一月に当該部分について白紙とする応急の差しかえを実施し、ことしの五月中旬から当該部分を削除する差しかえを既に始めたというふうに報告を受けておりますので、我々はそういう対応をいたしておりますから、既にこの事案は解決に向かっておるはずでございます。
○三重野栄子君 今の労働大臣のお答え、そのとおり進めていただきたいと思います。 ただ、差しかえは大変だという意味はわかりますけれども、六月十六日に私は国立国会図書館に参りましたんですが、そうしたら、これは確かに白なんですけれども、国立国会図書館にあるのはもとのままなんです。そういうところをぜひ訂正していただきたいし、現状、まだ六千冊ぐらい印刷するということも聞いておりますので、そこらあたりの指導を早急にされるようにお願いしたいと思います。 なお、法務大臣、もう一度よろしくお願いいたします。
○国務大臣(中井洽君) 私の誤解があるのかもしれませんが、私が申し上げましたことは、雇うか雇わないかということについては、先ほど申し上げましたように私人間の契約の自由であろうか、雇った後からは労働基準法であろうか、このように考えております。
○委員長(井上吉夫君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(井上吉夫君) 速記を起こして。
○国務大臣(中井洽君) お尋ねの件は、日本へ来られた外国人一般の方々の雇用の問題でありましょうか、それとも永久居住者の方々の雇用の問題ということもあるんでしょうか。どういう意味でお尋ねなのか、少しここのところをしていただきませんと、鳩山労働大臣のお答えになったのは個別のことであろうか、私は外国人労働者一般全体のことでお答えを申し上げた、このように理解をいたしておりますので、大変恐縮ですが、もう一度お願いいたします。
○三重野栄子君 日本にいる外国人です。国籍のことを問題にしているんです。
○国務大臣(中井洽君) 私は、国籍で差別するせぬということは、いいとか悪いとか言っているわけじゃなしに、私人間の契約でありますから、公序良俗に反しない限り契約の面で自由であろうか、このようにお答えを申し上げているところでございます。(発言する者あり) なお、言葉が足りなかったかもわかりませんが、日本における特別永住者につきましては、法律の精神から日本人と同じ扱いをする、これが法の精神であることは言うまでもございません。
○三重野栄子君 わかりました。ありがとうございました。 先日、法務大臣は、石川一雄さんについて大変前進的な答弁をいただきまして、みんなもう本当に感謝をして明るい兆しを持っているところでございまして、その点につきましても、人権を大切にされる法務大臣のこれからの御活躍をお願いしたいところでございます。 それでは最後に、千代田区の九段南に建設中の戦没者追悼平和祈念館についてお尋ねをいたします。 まず、来年は終戦五十周年でございますけれども、戦争責任というものが何度も何度もいろいろ議論されておりますけれども、細川政権を継承された羽田総理、戦争責任の問題につきまして、それから今後世界に向かってどのような姿勢でどのようなことをなさっていきたいか、そういうことの思いを含めての所信をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(羽田孜君) 私は、我が国の侵略行為あるいは植民地支配などが多くの人々に耐えがたい苦しみや悲しみをもたらしたことの認識を新たにしまして、これは後世にきちんと伝えるとともに、深い反省の上に立ちながら戦後五十年を今迎えようとしておる。 この間に、平和の中ではぐくんできた、そして戦争というものは非常にむごいものであるということ、こういったことを基本にしながら、国際社会に対して我が国の積み上げてきたノウハウあるいは技術、こういったものによって国際的な役割を果たしていくということ、いわゆる未来に向けての志向で歩んでいくことが大事であろうというふうに思っております。
○三重野栄子君 外務大臣、そういたしますと、海外に戦争責任を明らかにしながら日本が平和を求めているということで、祈念館を建てるとすればどういうふうな祈念館をイメージされますか。
○国務大臣(柿澤弘治君) 本件は厚生省によって企画をされておりますけれども、今の三重野委員の御質問にお答えをいたしますれば、やはり過去の歴史的な事実を正確に後世に伝え、そしてその反省の上に立って平和を希求する、そうした展示が行われることを希望しております。
○三重野栄子君 文部大臣にお尋ねいたします。 今のような外務大臣の歴史的事実を後世に伝えるという立場でこういう建物ができるとしますと、修学旅行に来るとかあるいは教材に使うというようなこともたくさんあろうかと思いますけれども、教育的立場からどういう祈念館をお望みでしょうか。
○国務大臣(赤松良子君) お答えいたします。 おっしゃるとおり、修学旅行の児童生徒等がここを訪れるということは十分察することができます。その場合に、正しい歴史理解を持つように学習に役立つような祈念館であってほしいと思います。
○三重野栄子君 厚生省にお願いいたします。 現在進行中のこの祈念館の趣旨並びに経過を御説明いただきたい。それからまた、地元住民にはどのように対応されたかということもお答えいただきたいと思います。
○政府委員(土井豊君) まず、戦没者追悼平和祈念館(仮称)の経緯でございますけれども、昭和五十四年に日本遺族会から厚生大臣に対しまして、戦没者遺児に対する個別給付にかわる戦没者遺児記念館、こういったものの建設の要望が提出されました。 その後、昭和六十年七月に戦没者遺児記念館に関する懇談会が設置をされまして、昭和六十二年十二月に中間報告をいただいた。さらに、平成四年八月に、その後つくられました戦没者遺児記念館基本計画案検討委員会におきまして基本構想、基本計画が策定されまして、平成五年度の予算案におきまして本施設の建設が内容として織り込まれた、そのような経緯でございます。 この趣旨でございますけれども、終戦後五十年近くが経過いたしまして、戦後生まれの若い世代が国民の過半を占める、そのような状況の中でさきの大戦に関する記憶が風化しつつあるということから、一つには、戦没者追悼の意をあらわす施設であるとともに、二つ目には、戦争に関する歴史的事実なかんずく国民の生活面から見た戦争の悲惨さと戦中戦後における国民の生活の労苦を後世代に客観的に伝えることを通じて、三つには、国民の平和を希求する心を内外に伝えようとするものでございます。 なお、本建設につきまして地元町内会とこれまで四回にわたりお話をしまして、おおむね了解をいただいているというのが現状でございます。
○三重野栄子君 近隣区域から陳情書が出されております。区議会、それからまたお隣の靖国神社からもいろいろ異議が唱えられていると思いますが、その点いかがですか。
○政府委員(土井豊君) 地元の町内会と過去四回話をしまして、おおむね了解をいただいていると理解をいたしております。 ただ、一部住民の方にまだ異論が残っているという状況であると伺っております。
○三重野栄子君 区議会から出されました陳情書に対する答弁はどのようになさっているでしょうか。
○政府委員(伴襄君) 戦没者追悼平和祈念館の建設につきましては建設省の方で担当させていただいておりますが、援護局長から今お話がありましたように、四回にわたりまして住民説明会をやりまして、それでいろんな要望が出ておりまして、例えば出入り口を変更してほしいとか、あるいは風害対策をしてほしいというようなお話がございまして、その辺は、出入り口も変えましたし、それから風害対策のために植栽もしたといったようなことをやっておるところでございまして、地元町会長さんからはこれで結構でございますというお返事をいただいております。 ただ、区議会の議長さんからも公文書等をいただいておりますので、引き続きこれにつきましてはよく調整をさせていただきたいというふうに思っております。
○三重野栄子君 さっきの答弁と違うようでございますが、真実はいかがでしょうか。
○政府委員(伴襄君) 地元の町会長との間につきましては、先ほど援護局長が答弁したのと同じかと思っておりますが、要は、四回にわたりまして十分話し合いをいたしましたつもりでございますし、また、地元からの要望につきましてはそれぞれ対応措置をとらせていただいたわけでございます。したがいまして、地元町会長は第四回の住民説明会の後、東京都へ円満に話し合いがついたということで地元町会を代表して返事をされておられるわけでございます。 ただ、その後、区議会の議長からお話が、公文書がございますので、それにつきましては引き続き調整をさせていただきたいというふうに答弁申し上げました。
○三重野栄子君 五月六日に千代田区議会議長に出されているわけでございまして、今もおっしゃいましたが、まだ今後対策をとるということでございますけれども、これについては賛否両論というよりも本当に大変課題が多いということを私もあちこちから伺っているところでございます。 その調整がつくまでこの処置について凍結を約束できますか。
○国務大臣(大内啓伍君) 経緯につきましては今御報告申し上げたような経緯があるわけでございますが、私自身もいろんな御意見を拝聴いたしておりまして、その異論の部分もいろんな面にわたっております。例えば、そこにつくることについては異論はないけれどもその建物のあり方については再検討すべきとか、私自身も考えさせられるところもございますので、一応の手続はそれなりに踏んではおりますけれども、なお地元の段階でいろいろな問題があるということは承知しております。 これは国の事業でもございますだけに、地元の皆様の十分な納得を得てこの問題には着手をしたいと思っておりますので、御指摘の点についても十分留意いたしましてこの問題に着手してまいりたいと思っております。
○三重野栄子君 今の大臣のお答えを子といたしまして、私はその後運営の問題等も質問する予定でございましたけれども、今の大臣のお言葉の中に含まれていると思いますので、そのように地元並びにいろんな人の意見の納得のいった上で進行していただくということをお願いいたしまして、私の質問を終わります。
○委員長(井上吉夫君) 以上で三重野君の質疑は終了いたしました。(拍手) ―――――――――――――
○委員長(井上吉夫君) 次に、聴濤弘君の質疑を行います。聴濤君。
○聴濤弘君 総理の一連の発言について質問いたします。 総理の十八日の発言に関しては政府の統一見解が先ほど出ましたけれども、それではお伺いいたしますが、北朝鮮問題についての認識も、それから制裁も選択肢とする対応もこれまでどおりであるというふうに考えてよろしいですか。
○国務大臣(羽田孜君) 私が申し上げている基本は、ここでいつも申し上げてきたことと一つも変わっておりません。
○聴濤弘君 そうすると、総理が演説の中で、金日成は核をつくろうとしていない、金もない、能力もない、こう言っていると紹介されておりますが、その金主席の発言も無視していくということですか。
○国務大臣(羽田孜君) いや、そうではなくて、金日成さんは、あの方は、みずから能力もないし技術も持たない、私たちはつくる意思もないということを言われておるということであるから、もしそういうことであって本当につくらないんだとするならば、しかし今国際社会は、どうもプルトニウムを相当量ためているんじゃないのかというようないろんな疑念を持っておる、そういう意味でIAEAの要請する査察というものをすべて受けてほしい、受けるべきじゃないのか、そして、金日成さんは今あそこの中の国家主席としてさまざまな問題に対して対応できるということをちょうどカーターさんも言われておるということを承知しておりましたから、今こそあの方が次代に向かってここで英断を下してほしいという思いのことを実は私は訴えておるわけであります。
○聴濤弘君 それでは、その発言は重視するということであるわけですね。そうすれば、制裁を含む選択肢というのはあり得ない。平和的な解決に努力するということが大事じゃないんですか。
○国務大臣(羽田孜君) ですから、今度カーターさんが行かれて話された、そして金泳三大統領も金日成さんとお目にかかりたいということを言われているわけでありますから、私どもは常に粘り強い対話をしてほしいということをずっと言い続けてきたが、しかしIAEAの査察をああいう形で拒否されたということ。そういう中で国際社会がやっぱり制裁措置をとるということであるならば、我々はこれに対して当然憲法の許される範囲の中で対応していきましょう、しかし常に対話の窓口はあけておきますということを申し上げてまいったわけでありまして、今度その一歩が本当に今出てくれることを私は実は、要するに私は何よりもかによりも、もうあそこが核疑惑を晴らしてもらうということが私の一番の願いであるわけなんです。
○聴濤弘君 この問題は関連質問の方に譲ります。 別の総理の発言についてただしたいと思います。 総理は、日本は核兵器開発能力を持っているという認識を示されましたが、何を根拠にそう言われるんですか。
○国務大臣(羽田孜君) 私が核能力ということについて私の言葉で言ったんじゃなくて、たしか大木委員の方からの御質問の中で、核の開発の能力というのは持っておるけれども、しかし日本はそういった、何というんですか、核の開発をする意思はないし、それを持たない、ですから、むしろ核というものを抑えておるんだということを言われたことに対して、総理はどうですかと言うから、私はそのとおりでありますということをお答えしたことがそのように伝わったんじゃないのかというふうに思っております。
○聴濤弘君 科学技術庁にお伺いいたしますが、日本はプルトニウムをどれぐらい持っておりますでしょうか。
○国務大臣(近江巳記夫君) お答え申し上げます。 我が国のプルトニウムの保有量に関しましては、フランスから二酸化プルトニウムを輸送いたしましたあかつき丸が日本に到着しました昨年一月五日の時点で、原料プルトニウム粉末中の核分裂性プルトニウムの量で約一・六トンの保有量となっております。現在、この量につきましても最新のデータに更新するための作業中でございます。 なお、先生御承知のように、我が国は核兵器の不拡散に関するNPTに加入いたしておりまして、我が国に存在するすべての核物質につきましてIAEAの保障措置を受けております。当然のことながら、これらのプルトニウム等につきましてもIAEAの完全な保障措置のもとにあります。また、これらのプルトニウムは高速増殖炉原型炉「もんじゅ」の取りかえ燃料等に利用されることになっております。 以上でございます。
○聴濤弘君 プルトニウムが何キロあれば原爆はできますか。
○国務大臣(近江巳記夫君) 我が国は平和利用に徹しております。したがいまして、政府といたしましていまだかつてそういう平和利用以外に考えたこともなければ研究したこともございません。したがって、何キロ要るかということは雑誌等に書いてございますので、その辺は先生御承知ではないかと思います。
○聴濤弘君 雑誌等に書いてあるところによれば、五キロないしは八キロで一個の原爆ができるということになっております。 もう一つお聞きいたしますが、きょうの統一見解で、IAEAに申告されている以上のプルトニウムが北朝鮮に生産されている可能性がある、こういうふうに書いてあるんですけれども、北朝鮮にどのくらいプルトニウムが蓄積されておるんでしょうか。
○国務大臣(近江巳記夫君) 科学技術庁といたしましては、北朝鮮がどれだけのプルトニウムの保有量を持っておるか、一切何らの情報も持ち合わせておりません。
○聴濤弘君 全然わからない。それで疑惑もあると。いろいろ言われるのでわからないと。これじゃだめです。
○政府委員(林暘君) お答えいたします。 北朝鮮がIAEAと保障措置を結びまして、それに基づきまして保障措置を昨年から受けたわけでございますが、その保障措置の過程におきまして北朝鮮が申告をしましたこと、これは、北朝鮮は九〇年に燃料棒が欠損してそのときにプルトニウムを少量抽出したという申告をしていたわけでございますが、その申告と違う事実が査察の過程で発見されまして、それがこの「重大な不一致」という言葉でございます。 それに基づきましてその後査察をいろいろやってきたわけでございますが、それが北朝鮮側の協力が得られなくて十分な査察が行われていないということは御承知のとおりでございますが、そういう結果を踏まえましてブリクス事務局長が申告されたもの以上のプルトニウムが抽出された可能性があるという指摘を行っているということでございます。
○聴濤弘君 だから、どのくらい持っているのかということを聞いているんで、そのことはわかっているんです。
○政府委員(林暘君) 北朝鮮がIAEAに申告しましたのは微量ということで、量については不公表ということでIAEAから公表されておりません。 現在、北朝鮮がどのくらい持っているかということにつきましては、正確な数字は承知しておりません。
○聴濤弘君 日本は一・六トン持っている。五キロから八キロで一個できるんですね。そうすると、もう既に数百発できる能力を持っている。それだけのプルトニウムがあるということになる。ところが、今聞きますと、北の方はわからないと言うんですね。 総理、よく聞いてください。わからないと言うんです。それで、総理は一たん、きょう取り消してしまったんだけれども、北朝鮮は核をつくるつもりはないと、そう演説されたんです。ところが、日本は今言ったように数百発つくるプルトニウムを持っている。その上、総理、日本には核兵器をつくる能力があるんだということをあなたは認めたんですから、どちらが核疑惑国がと言えば、日本の方が核疑惑国だということは決まっているじゃないですか。どう答えますか。
○国務大臣(羽田孜君) 言葉の何というんですか、これは非常に、言葉のレトリックといいますか、であって、多分大木さんが質問されたのは、日本はその能力を持っていると思うがあえてみずからそれを抑えて不拡散に協力する努力をしているんだという言われ方をたしかされて、私はそのとおりでありますという返事をたしかしたんだと思うんですけれども、その私が申し上げた能力というのは、核そのものをつくる能力ということより、要するに、科学技術庁長官から今お答えいたしましたように、日本としては核兵器そのものをつくろうという努力をいまだかつてしたことがないわけでありますから、ただ、(「意思がないんです」と呼ぶ者あり)そうです、意思がないわけです。そして、技術的な高い水準にあるということで、一般のあれとしてそういうことを私は実は申し上げたつもりであります。 そして、日本の場合にはIAEAの査察というのを全部オープンにしているわけですよ。ですから疑惑というものがないんだということ。それから非核三原則というのは、国会として決議し、国民にもそれがもう完全に定着しておるということから、日本は核というものはない。ですから、プルトニウムを日本へ輸出、輸出といいますか、輸送するときにも、たしかいろんな国から日本が持つことに対してこれを理解してくれたんだというふうに私は承知をいたしております。
○聴濤弘君 しかし、政治的な発言という意味は大きいんですよ。核能力がある、プルトニウムはこれだけあって核能力はこれだけ、開発能力はこれだけと。だから国際的にあなたの発言が問題になったでしょう、隣国からも。だから政治的には大問題なんですよ、これ。
○国務大臣(羽田孜君) だから変えたんですよ。
○聴濤弘君 変えていないでしょう、何にも。この核開発能力問題については何も変えていない。これは取り消すべきですよ、政治的に。どうですか、あなたの発言。
○国務大臣(羽田孜君) 私は国会でずっと答弁してきているわけですから、外で話したって今まさに新聞にすぐ出ることでありますし、私が国会で少なくとも答弁していることは間違いない。ただ、ああいうところの場合には、本当に原稿もなしで話している中で何かが抜けたり何かすることはあるわけですよ。だからそれはぜひひとつ理解をしていただきたい。ですから、私はそういうことがあるからわざわざ国会できちんと率直におわびをし、取り消しをしたということであります。
○聴濤弘君 あなたの今の答弁を聞いていまして、北朝鮮とあなたとの違いは、私は政策的にそういう方針はとっていない、意思がない、そこが違いだとおっしゃる。では北朝鮮に核を開発する政策、意思がないというのは何で論証されるんですか。
○国務大臣(羽田孜君) たしかこれは金日成さんが常にそういうことを発言されておるというふうに私は承知しておりましたから、そういう思いであるんだったらそれはないんでしょう、だったら全部オープンにして見せたらいかがですかということを実は私は申し上げたつもりです。
○聴濤弘君 ちょっと誤解されているようです。核疑惑の問題について、日本はこれだけのプルトニウムがあるが、しかし日本として核兵器をつくる意思はないんだ、それからそういう政策はとっていないんだ、だからプルトニウムがあったって日本ではやらないんだということをあなたは言ってきたんでしょう。北の方はプルトニウムはわずからしいが、わからないと言っているんだが持っていると。だから、政策的に北朝鮮が核兵器をつくるという政策を持っておるというのはどうやって論証されるんですかと言っているんです。
○国務大臣(羽田孜君) ですから、つくるつくらないということについては本当の正確なところはわからないと思う。ただ、要するに、国際機関として、原子力機関としてこれを見させてください、それをチェックさせてください、日本と同じようにさせてくださいというのを断られたというところに結局疑惑が発生してきているんだということだろうというふうに思います。
○聴濤弘君 あなたはそういうふうに日本に核開発能力がありと言い、またこの前の国際司法裁判所へ提出した文書の中では、初め核兵器使用は国際法で違法ではないということまで書かれた。そうしますと、このアジアにおける核問題での疑惑国というのはむしろ日本であり、危険なのは日本だということになるんですよ。それだけ大きな政治的な意味のある発言にあなたの発言はなっているということはあなた認めなきゃいかぬですよ。 次に行きますけれども、政府は、あなた方は、国際司法裁判所へ提出したあの陳述書から、核兵器の使用は違法とまでは言えないという部分を削除されましたね。しかし、その後も考え方、法的見解は変わらないというふうに言っておられるようだが、それはそういうことですか。
○国務大臣(柿澤弘治君) 政府の最初の検討の段階で、実定国際法上違法とまでは断定できないが、しかし国際法の基盤にある人道主義には反する、そのために日本は核廃絶のために努力をする、というのが原案でございました。しかし、実定法上違反と言えないがという点だけがいろいろな形で取り上げられまして誤解を生むことになり、この予算委員会でも御批判をいただきましたので、その点を削除させていただいたわけでございます。 しかし、国際法学者の中の議論をいろいろ集めてみましても、また国際社会のいろいろな意見を集めてみましても、実定法上違法であるとまでは断定できないという意見も有力でございます。その点で、そうしたものについてはあえて触れないということで今回は削除をいたしたわけでございます。
○聴濤弘君 びしっと簡単に。法的には変わらないという見解を政府は持ち続けられているわけですね。
○国務大臣(柿澤弘治君) 現在の国際社会が核を含めた軍事力の抑止力というもので平和の均衡というものが保たれている。その事実も無視するわけにはまいりません。その点を含めて使用はあってはならないというふうに考えますが、国際実定法上違法とは言えないという考え方は国際的にまだ否定されていないということを日本政府としても認めております。
○聴濤弘君 外務省に伺いますが、実定国際法上まだ禁止されていないということですけれども、セントペテルスブルク宣言だとかハーグの陸戦法規というのは実定国際法ですね。この点だけ答えてください。
○政府委員(丹波實君) 武力紛争におきましてその性質上過度の傷害または無用の苦痛を与える兵器、投射物及び物質並びに戦闘の方法及び手段を用いることは禁止されているという原則、これは、先生が今言及されたいわゆるセントピータースブルク宣言でありますとかあるいは一九〇七年のハーグ陸戦法規を経て、今日では一般国際法上確立した原則であると考えられております。 過度の傷害あるいは無用の苦痛という概念、これは戦闘の方法や手段を選択するに当たりまして、その軍事的効果とともに人道的要請もあわせて十分に考慮されなくてはならないという意味での一般的基準を示すにとどまっておりまして、具体的兵器の使用の規制ということにつきますと、それは個別の条約によって禁止または制限されるというのが国際法の基本的な考え方でございまして、この観点に立ってみますと、核兵器は、先ほど外務大臣から申し上げましたとおり、国際法の基盤をなしておりますところの人道主義というものに合致はしないけれども、それでは核兵器を明示的に禁止した条約的措置がとられてきておるかといいますと、そういう措置は現在までとられてきておらないということでございます。
○聴濤弘君 私の質問しているのはそんなにたくさんのことを質問していないですよ。実定国際法ですねと言って聞いているんです。どうなんですか。そこだけ答えてください。
○政府委員(丹波實君) 実定国際法の中に入りますが、基本的な原則を定めた考え方であるというふうに考えております。
○聴濤弘君 外務大臣、毒ガス兵器より核兵器の方が、破壊能力とか殺傷能力とか人体への不必要な苦痛だとかいうものの度合いが低いというふうに考えられますか。
○国務大臣(柿澤弘治君) 大量の殺りく性については核兵器の方が被害が大きいと思っております。
○聴濤弘君 外務省、一八九九年の毒ガス散布禁止条約というのはセントペテルスブルク条約に基づいてつくられたものと思いますが、間違いありませんね。
○政府委員(丹波實君) セントピータースブルク宣言と申しますのは、先ほども申し上げましたけれども、外敵手段というものと人道的考慮というものを調和させると申しますか、そういう観点からできておるわけでございますが、その一八九九年の毒ガス禁止宣言もそういう考え方に立ってできておるわけでございます。
○聴濤弘君 セントペテルスブルク条約の趣旨を体してつくると書いてあるんですよ、この散布禁止条約に。 それから、ダムダム弾禁止条約というのもありますが、これは何に基づいたものですか。
○委員長(井上吉夫君) 冗漫過ぎるので、質問部分にずばり答えて。
○政府委員(丹波實君) 一八九九年のダムダム弾禁止宣言も基本的にはこの炸裂性の爆薬に関する宣言でございまして、基本的には先ほど申し上げた考え方に立ってできたものでございます。
○聴濤弘君 柿澤外務大臣、毒ガスよりも核兵器の方が恐ろしい点があるとあなたはおっしゃった。今、私が言ったとおりです。答弁したとおり。そうすれば、核兵器の使用はやっぱりセントペテルスブルク宣言とかハーグ陸戦法規とか、これに反するということになりますね。
○国務大臣(柿澤弘治君) 条約局長が再三答弁をしておりますように、セントペテルスブルク宣言は個別の兵器を規定しておりませんので、その点では先生が今御指摘のように、核兵器はより以上に人道主義に反する兵器であると考えておりますが、これを廃絶するためには新しい条約が必要である。それに対しては現実的なアプローチが大事だということで、私どもは核不拡散条約に参加をし、また核実験停止条約等一つ一つ現実的な対応で核廃絶に向かおうということで努力をいたしているところでございまして、目的については先生のおっしゃることと変わらないと思っております。
○聴濤弘君 新しい条約をつくるもとになるところの実定法というのが存在するということは認められますね。
○国務大臣(柿澤弘治君) 実定法の基礎になる宣言があるということは認めます。
○聴濤弘君 すなわち、もとになる精神を定めたそういう宣言なり条約があるというなら、その条約なり宣言に違反するということは当然ですね。
○国務大臣(柿澤弘治君) 専門的なところは条約局長に答えてもらった方がいいと思いますが、その精神には反するということは申し上げられると思います。
○聴濤弘君 ちょっとくどいようですけれども、精神に反する、だけれども条約に反しないと、そんなばかなことはないと思うんです。
○国務大臣(柿澤弘治君) これも先ほどの答弁の繰り返しになりますが、特定の兵器についての記載がございませんので、その点を今後努力して明示をした条約をつくっていく必要があろうかと思います。
○聴濤弘君 明示した条約がないと言われましたけれども、一九六七年のラテンアメリカ条約、トラテロルコ条約というんですか、ここにはちゃんと明記されてあるんじゃないですか。
○政府委員(丹波實君) 先生がおっしゃるこのトラテロルコ条約と申しますのは、南米地域におきましての核兵器の禁止に関する条約でございます。まさにもし、先生は恐らくそういうふうに主張しておられると思いますが、現在の国際法上、核兵器の使用が禁止されているんであればこのような条約を再びつくる必要はなかったという例証になるというふうに考えられる条約でございます。 したがいまして、この特定地域に限って使用の禁止というものをわざわざ定めた条約ができたと。したがいまして、その地域につきましては、この加盟国に対しては核兵器の使用は、国際法、この条約の違反になる、そういう条約に入っていない国に対してはそういう規制はかからない、そういう例証になるということを逆に議論できるんじゃないかと考えております。
○聴濤弘君 地域的な取り決めだと言いますけれども、この条約の二十条では、違反者が出た場合は国連安保理に報告すること、国連総会に報告すること、こうなっているんですよ。報告された場合に、そうしてそれが問題になったら、日本はどういう態度をとるんですか。その場合も、違法とは言えないなどというようなことを言うんですか。
○政府委員(丹波實君) 政府が従来から申し上げておりますのは、一般国際法上、核兵器の使用を禁止するようなものは存在していないというふうに考えられる、国際社会はそう考えておるということを申し上げておるわけでございまして、この条約につきましてはこの加盟国には適用になるわけでございますので、まさにそれはその加盟国、特にラテンアメリカを中心とした加盟国でございますが、その条約がそういう対象になっているということでございます。
○聴濤弘君 総理、新しい兵器ができたときに、すぐその兵器の名前を明記した、そしてそれを禁止する条約というのができないことは当然でしょう。当然それはそうです。当たり前ですよね。だから、明記した条約がないないとずっと言っているんだけれども、そんなことを言ったら永久に核兵器は違法でないという立場になるんです。 ですから、そういうものがないということを論拠に言うならば、そういうものをつくろうじゃないかというふうにやるのが当然でしょう。
○国務大臣(羽田孜君) 先ほど外務大臣も何回かお答えしておりますように、そういう方向に向かって一つずつ、例えば核実験の中止とかそういった方向に一つずつ着実に進んでいる、進めていくんだということをお話になっておりますし、また国と国とでは、核を削減、縮小するためにアメリカとかつてのソ連と話し合ってきておるということでありまして、一つずつ間違いなく進めていく。現実にあるというこれを認めないと、私は本当の議論にならないというふうに思います。
○聴濤弘君 それでは、外務大臣に聞きますけれども、核兵器使用禁止のためのそういういろいろな決議、これが国連で出ましたけれども、日本はどういう態度をとってきましたか。
○国務大臣(柿澤弘治君) 賛成の投票をいたしたこともございますし、棄権、反対の投票をしたこともございます。
○聴濤弘君 賛成の投票をしたのは六一年の一回だけです。あと全部、二十二回ありますけれども、全部反対か棄権です。なぜですか。
○国務大臣(柿澤弘治君) 六一年の段階では、我が国が広島、長崎で悲惨な経験を受けた、この国民的な体験を生かして、核兵器廃絶、理想主義に向かって努力をしようということで賛成をいたしたのだと思います。 しかしながら、米ソの冷戦構造がその後ますます定着をいたしまして、その間にはチェコ動乱、ハンガリー動乱、アフガニスタンに対するソ連の侵攻等国際情勢が緊張してくる中で米ソ両国それぞれが大量の核兵器を持って大量報復戦略というのを立てて、その中で抑止力に依存をせざるを得なかったという状況の中で、そうした現実のもとで私どもは苦悩の選択をしてきたのだと思います。 しかし、今回、現在はその米ソの冷戦構造も終了いたしましたし、そして米ソ自身が核削減に向かって進み出したわけでございますから、その点でも核廃絶に向けて新しい時代が来た、私はそういう認識のもとで新たに取り組んでまいりたいと思っております。
○聴濤弘君 去年も棄権しているんです、新しくなんて言ったって。去年も棄権している。だから、努力すると言うけれども、反対に政府の言う実定国際法をつくるのを妨害している、そういうことじゃないですか。賛成は一回だけ。 関連の質問をお許しください。
○委員長(井上吉夫君) 関連質疑を許します。吉岡吉典君。
○吉岡吉典君 もう一回、北朝鮮の核疑惑問題に返ります。 総理は先ほど、日本の基本的な認識、対応は変わっていないということでした。そうしますと、まとめて聞きますけれども、今国会の所信表明演説を初めとして政府が表明してきた原則というのは、三原則という言葉で与党の文書では言われている。対話、国連の決定に従う、また国連の決定と別枠の日米、日韓で協調して対応すると。つまり、国連と別枠の制裁ということですね。こういう三原則が生きているということですか。
○国務大臣(羽田孜君) そういうことはございません。あくまでも、そういうものをお答えしてきたとすれば、一般論の中でお答えしてきているんじゃなかろうかというふうに思います。
○吉岡吉典君 そのうち何がないんですか。私が三つ言ったうち、どれがないんですか。対話、国連決定に従う、別枠という三原則。
○国務大臣(羽田孜君) 基本的にはまさに対話というもの、私はいかなる場合でも対話というものの窓口を閉じてはならぬということをずっと言い続けてきております。 ただ、ああいったIAEAの査察というものを拒まれた。こういう状況の中にあって、制裁論議というのは起こるであろうという一般論に対してお答えをしてきたということであります。
○吉岡吉典君 あなたは所信表明演説で言っているんですよ、国連もそれから国連決議がない場合についても。答弁で言ったんじゃないんですよ。ですから、そういうことはきちっとしなくちゃなりません。 それから、対話一本で制裁というのは非常に消極的なようですけれども、アメリカが出した制裁案に賛成の意思も伝えたんでしょう。それはどうですか。伝えたんでしょう、外務大臣。
○国務大臣(柿澤弘治君) 日本は韓国とともにアメリカから国連の今後検討さるべき措置について御相談は受けました。その中で我が国の意見も申し上げております。
○吉岡吉典君 その意見はどういう意見ですか。
○国務大臣(柿澤弘治君) それについてはそれぞれの申し合わせによって公表を差し控えさせていただくことになっておりますが、我が国が、また羽田総理が再三申し上げておりますように、制裁はあくまでも懲罰的なものであってはいけない、そして対話の窓口をあけておくものでなければいけない、そのためには漸進的、段階的でなければいけないということを申し上げてきております。
○吉岡吉典君 国連による制裁ということは、もう現に今の時期も協議が進んでいるわけですよ。 そこでお伺いしますけれども、ですから、国連で制裁決議というのが事態の推移いかんによっては行われることがあるわけでしょう。その場合に、湾岸戦争のときには経済制裁の効果を上げるためにということで海上封鎖が行われた。もし今度北朝鮮に対する経済制裁が決議された場合に、その効果を高からしめるためにということでこういう海上封鎖のようなことが行われる余地があるのか。それはもう全くないと、ここで外務大臣は断定なさいますか。
○国務大臣(柿澤弘治君) 残念ながら、我が国は国連の安保理のメンバーではございません。決定権は安保理にあるわけでございます。その意味で断定的なことは申し上げられませんが、現在、先生がお考えのような措置まで国連の措置として議論をされているとは私どもは承知はいたしておりません。もっとシンボリックに、北朝鮮に対して反省を促すような措置が中心になっていると承知をいたしております。
○吉岡吉典君 それじゃ三番目の原則、これは与党の政策合意の説明の中で三つの対応原則としてもはっきり描かれているものであり、総理は新生党の党首としてサインしておられる文書でもあるわけですけれども、これによると、国連と別枠の制裁ということがあり得るということを想定しているわけですね。あなたの所信表明演説もそうなっているわけです。 そこでお伺いいたします。今の国連決議案では憲章第七章の精神で行動するということになっていますけれども、そういう脅威、こういうものに対する制裁ということが国連安保理事会を離れて個別国家の判断でできますか。外務大臣、お答え願います。
○国務大臣(柿澤弘治君) カーター大統領の訪朝以来、話し合いによる解決策が模索をされている段階でございまして、国連における措置の協議そのものが若干スローダウンしているというふうに考えておりますので、その先のことは検討の対象にもなっていないというふうに考えております。(「カーター大統領ってどこの大統領だ」と呼ぶ者あり)カーター元大統領でございます。
○吉岡吉典君 私は、法律上そういうことができるかできないかということを聞いているんです。起こりそうか起こりそうでないかでなく、法律的に国連憲章上、各国がそういう制裁を加えることができるか。私の憲章の解釈ではできません。できないことをやろうとする、そういうことを総理が言うこと自身が間違いだったと私は思いますけれども、憲章のどこからそういう答えが出てくるか、外務大臣、はっきり答えてください。
○国務大臣(柿澤弘治君) 憲章の第七章には国連の措置として実施することは書いてございますが、個別の国の措置については憲章上の規定はございません。個別の国々の判断で実施することになるわけでございます。
○委員長(井上吉夫君) 時間が来ました。
○吉岡吉典君 それは、憲章の何条で個別の国の判断で制裁ができるんですか。あなた、そういう憲章解釈ですか。
○委員長(井上吉夫君) 時間が参りましたので、簡単に答えてください。
○国務大臣(柿澤弘治君) 制裁という言葉が正確であるかどうかわかりませんが、北朝鮮に翻意を促してIAEAの査察を受けてもらえるように、そしてNPT体制を守る、遵守する国になってもらいたい、そのための措置を講ずることは可能であろうかと思います。決してそれは軍事的な措置その他を示すものではございません。
○吉岡吉典君 終わります。
○委員長(井上吉夫君) 以上で聴濤君の質疑は終了いたしました。(拍手) ―――――――――――――
○委員長(井上吉夫君) 次に、喜屋武眞榮君の残余の質疑を行います。喜屋武君。
○喜屋武眞榮君 私は、まず初めに沖縄の米軍基地の削減縮小の問題について総理にお尋ねいたします。 先日、六月十三日の当委員会において、私が羽田総理に沖縄の米軍基地の整理縮小の問題についてお尋ねいたしましたところ、羽田総理は、外務大臣のときからこの件に関して御努力されておられるとの御答弁がありましたので、その御努力に対しては心から感謝を申し上げます。 ただ、その際の御答弁の中で、安全保障条約というのがスムーズにいくためにはやっぱり住民の方の理解というものがなくてはならないだろうというふうに考えております、とのお言葉がありました。私はこのところを少し意見してみたいと思います。 歴代の政府が常に口にしてきたことは、沖縄の米軍基地は日米安保条約による提供義務に基づくものであり、沖縄県民は多大な犠牲と迷惑を受けているが日本の安全のために我慢をしてもらいたいという趣旨のことであります。 しかし、沖縄に在日米軍専用施設の七五%が集中しているという問題はそのこととは別の次元で考えるべき問題であって、混同してはならないのであると思います。日米安保条約を前提にすれば、我が国が米国に対して基地提供義務を負担することは当然だといたしましても、それがなぜ沖縄にだけ七五%の過重な米軍基地を押しつけているのかという問題とは別の問題であり、米軍基地の沖縄への偏在と過密の理由の説明にはならないのであります。これは条約上の義務や外交上の問題ではなく、内政の問題であって、地域間の不平等の問題であり、長い間この状態を放置ないしは容認している政府の怠慢の問題であると言わざるを得ません。 基地は諸悪の根源であるからその基地を沖縄から他の都道府県へ移設せよと主張するわけにはまいりません。しかし、沖縄県民は米軍基地の重圧から解放されたいという願いを切実に持っております。 そこで、政府がやるべきことは何かというと、我が国の主体的な立場から見て、不要不急の米軍基地を早く見つけ出してこれを米国へさっさと撤去、撤退してもらうべきだということであります。沖縄にはそのような遊休化した米軍施設がたくさんあります。現在、国際情勢も大きく変化し、日米安保条約そのものも大きな変質を来しているときである。よって、政府においては、在日米軍基地の機能と存在理由を我が国の主体的な立場で再点検をし、不要と認められる基地の早期返還を求めるべきであると考えるが、総理の御見解を承りたい。
○国務大臣(羽田孜君) 沖縄県民の皆様方に大変御心配かけたりあるいはつらい思いをさせていること、私も心から同情する思いであります。 ただ、そういう中にありまして、これまでも米国は、安保条約の目的のために必要でなくなった施設ですとかあるいは区域、これらの返還をしてきておりますけれども、政府といたしましては、安保条約の目的達成との調和を図りながら整理統合問題に進展が得られますように、私どももこれからせっかく努力してまいりますことを申し上げたいと存じます。
○委員長(井上吉夫君) 以上で喜屋武君の質疑は終了いたしました。(拍手) これにて総括質疑は終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時二十五分散会 ―――――・―――――