予算委員会 第17号
- 発言数
- 464 件
- 登壇者
- 39 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1994/06/17
会議録
○委員長(井上吉夫君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 まず、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(井上吉夫君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に白浜一良君を指名いたします。 ―――――――――――――
○委員長(井上吉夫君) 平成六年度一般会計予算、平成六年度特別会計予算、平成六年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、総括質疑を行います。大木浩君。
○大木浩君 関係各党の御協力によりまして予算委員会の審議が正常化いたしましたので、本日は外交・防衛問題を中心にして質疑をさせていただきます。 まず最初に、先般来当委員会でも既に相当な議論がございました核兵器の使用に関する国際司法裁判所に対する陳述書の問題でございます。 私は、政府と申しますか外務省と申しますか、本件についての対応はどうも政府側に、二回エラーというか、やり方が下手だったという点があると思います。一回目は、例の実定法上は云々ということで大分議論がありまして、何か非常に混乱した。それから二つ目は、今度はいともやすやすとその実定法云々のところをお消しになりましたけれども、その経緯について十分に国民に説明がついていないので、少なくとも日本としての立場が明確に国際社会にも伝わっていないのではないかという点であります。 私の理解によりますと、そもそも国際司法裁判所から意見を求められたというのは、もとはWHOから国際司法裁判所にまず意見を求めた、それの第二段階として今度は司法裁判所から日本政府に意見を求めてきた、こういうことでございまして、私が読ませていただきましたその国際司法裁判所への連絡でも、これはWHOから来たものであって、WHOとしては、健康及び環境上の影響という観点から、国家が戦争またはその他の武力紛争に際して核兵器を使用する、そういう場合には果たしてWHOの憲章その他の国際法に基づく義務に対する違反となるか、こういう趣旨の質問といいますか問い合わせであったと思いますが、まずその点、そういうことでしょうか。
○国務大臣(柿澤弘治君) そのとおりでございます。
○大木浩君 私どもがいただいております日本政府のこの陳述書、意見表明と申しますか陳述というものは、途中で訂正されましたけれども、WHOが聞いていることに対して正面からは余り答えていないような感じがするんですけれども、私どもがいただいている陳述書の要点と申しますか要旨というもので、実質的にはこれが全部でございましょうか。
○国務大臣(柿澤弘治君) 要点としては実質的に全部でございます。
○大木浩君 そういうことであれば私はしょうがないかなと思いますけれども、やはり少なくとも国民に対して御説明される場合にはそこのところをもう少しよく説明された方が、いきなり人道上の問題とか、日本があらゆる面で核兵器の使用を認めているとか認めていないとか、そういう議論ではなくて、少なくとも今WHOの観点からいろんな議論がされておるんだということを御説明になった方がああいう議論にならなかったんじゃないかと思います。 この点につきましては、最終的に修正案を出されましたからそのことについて今とやかくは申しませんけれども、今度はその修正案、要するに一遍閣議で決めら九たわけですね、これは。閣議で決められた。しかも、それはすっと通ったんではなくて、――ちょっと今もし違っていましたら修正してください。それじゃ今のところを、閣議でお決めになったわけですね。
○国務大臣(柿澤弘治君) 本件国際司法裁判所からの問い合わせに基づく意見陳述書は閣議決定事項ではございませんで、外務省として答弁をさせていただいたということでございます。 ただ、今回の問題、新聞等で取り上げられまして、政府の考え方について誤解もかなり大きくなりましたので、閣議の後の懇談会の席上で御説明をさせていただいたということでございます。
○大木浩君 正式の閣議ではなくても、少なくとも閣僚の中でいろいろと御意見の交換があった。例えば、これは当然だと思いますけれども、環境庁長官ですか、御意見を述べられておりますけれども、どういう御意見があったんでしょうか。
○国務大臣(浜四津敏子君) 私は、核兵器の使用の問題に関しましては、将来的にいずれの国も核廃絶を目指すべきというふうに考えてまいりました。そうした観点から、核兵器の使用は、絶大な破壊力また殺傷力のゆえに国際法の趣旨に反する、人道主義に反する、こういうふうに考えております。
○大木浩君 日本国民すべてがその核の世界最初の唯一の被爆者である日本国民として終局的な核廃絶についての気持ちが強いということは、これはもうここで論ずるまでもないわけでありますし、私も実はこの問題が出てまいりましてから随分友人から、特に私も外務省に勤めたことがありますから、外務省は一体何をやっているんだ、法匪じゃないかとか、国民の感情を無視したあれだとか、随分山のように私は手紙をいただきました。 だから、その点について今云々するつもりはないけれども、これは国際司法裁判所がこれからあくまで司法的な、法律的な意見を出すんですね。その前段としていろいろと意見を求められておるわけですから、やはり法律的なことをきちっとしておかないと日本政府としても困るんじゃないかと思います。 日本政府、従来の自民党もそうでありますけれども、少なくとも私どもは、現在日本の防衛体制というものは限定された自衛力と日米安保条約の安保体制、この二つで日本の防衛というものを形づくっておる、こういうふうに理解しておりますから、少なくとも日米安保体制、そして核兵力を持っておるアメリカというものが存在することは無視するわけにはいかない、その点やっぱり誤解があるということでは困るんじゃないかというふうに思います。ですから、日本国民の核廃絶に向けての努力、気持ちというものと、今の法律的な問題というのは分けて考えなきゃいかぬ。 この点につきましては、自民党ばかりではなくて、たしか既に公明党の書記長さんもこの点はきちっとしていかなきゃいかぬじゃないかということを言っておられるように私は理解をしております。私は市川書記長さんとほかの点ではいろいろと意見が違う面が多いようでありますけれども、少なくともこの問題においては同感で、責任ある政治家としてはきちっとしていかなきゃいかぬ。 現在は確かに核を何か認めるということについて国民の気持ちに割り切れないものが残りますけれども、現在の日本の防衛というものがそういう形で守られてきたということは厳然たる事実だと思いますので、この点につきまして、総理、どういうお考えでございますか、ひとつお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(羽田孜君) この問題について議論を私どもは国会、衆議院の方の予算委員会でしたわけでございますけれども、そのときに、ともかく現在、核というものが存在しておるという現実は否定できないということ、そしてその中でお互いが抑止力というものを働かせておるということ、そういう中における国際法の、いわゆるその実定国際法上の評価というもの、これを実は求められているんだと。 ただ、我々としては、ですから、そういったものからいったところをあながち否定できるものではないけれどもというところで、まさに政治的な面で私どもは唯一の被爆国としてみずからがつらい痛い経験をしてきたそういう中にあって、人道的に、何というんですか、大きな災禍を与えるこの原爆というものについては、これはもう今後廃絶に向けていくべきなんだという基本的な実は考え方を持っておったということを申し上げたいと思います。
○大木浩君 もう一つ、日本として条約というか法律上の問題として考えていかなければならないのは、現在NPT、核拡散の防止条約というものがあるわけでございまして、これは簡単に言うと、何と申しますか、非常に不平等条約ですよね。核を持っているものはそのまま今のところ少なくとも持っていてもいいよ、しかし新しいのが入ってきちゃだめだと言うんですから。 これは、ですからそういう点では残念ながら不平等条約だけれども、少なくとも今の現実では、そこから核の不拡散ということを進めるためには、その条約を基礎にして新しい国が核を持つことを何とかして防止しよう、そして日本ももちろん、もう日本は今本当のことを言えば核兵力を持つ能力を私は持っていると思いますけれども、あえてそれをみずから抑えて各国に対して核の不拡散に協力しようと、こういうことで努力しておると思います。そういうふうに私は理解しておりますが、総理もその点については間違いございませんか。
○国務大臣(羽田孜君) 私も全く同意見でございます。
○大木浩君 実は核を既に持っている中国等がさらに核実験をやられるということは非常に残念である。先般、柿澤外務大臣も中国へ行かれましてその点はいろいろと議論をしてこられたと思いますが、どういうお話をされたんでしょうか。
○国務大臣(柿澤弘治君) 中国の核実験が行われました日に、斉藤事務次官が在京の中国大使を招きまして遺憾の意を明確に表明をいたしました。重ねての核実験は我が国の国民にとっては非常に大きな問題であるということを申し上げ、再度の核実験をしないようにということも申し入れました。 また、私が中国を訪問いたしましたときには、銭其珠副総理・外務大臣に対しまして、今回我が国の再三の核実験中止に対する要望にもかかわらず実施をされたことはまことに遺憾であるということを申し上げ、今後ともそういうことのないようにということを申し入れたところでございます。 先方は、日本の国民の方々の核に関する特別の感情はよく理解できますと。その意味では中国も、究極的には核実験の禁止、そして核兵器の廃絶に向かって努力をするという意味では日本の政策と共通するものである。ただ、核保有国の中で中国は大変おくれた状態にあり、また核実験も自制され回数も他の国に比べて大変少ないので、その点は抑制された態度でやっているということは御理解をいただきたいという説明がありました。 その点については私ども納得したわけではございませんけれども、先方の説明はそういうことでございました。
○大木浩君 外務大臣が納得したわけじゃないとおっしゃいますし、今のを、ああそうですかと言って納得というのは私どもも日本国民としてもなかなか難しいと思いますが、どうぞ引き続き中国政府に対しては強力にその点を申し入れていただきたい。 ちょっと、中国政府の話が出ましたので、ついでにと言っては大変言い方が悪いんですけれども、現在私どもは、中国とは正式の国交がある。台湾とは、実務関係はあるけれども国交はない。しかし、台湾も非常に大きな経済力を持っておりますし、これからのアジアの安定については大事な要素であると思いますから、私どもは、それぞれの議員の立場あるいは個人の立場では台湾との協力関係というものはもっと進めてもいいんではないか。よく言われるのは、どうも日本政府あるいは日本全体として、その点は中国との関係はありますけれども、遠慮し過ぎではないかというようなことはしばしば言われております。 承るところによりますれば、外務大臣も外務大臣になられる前は台湾とはいろいろと接触をお持ちになった。これはそのことが決して悪いわけじゃないわけです。ただ最近いろいろと、衆議院におきますたしか野中さんの議論でも、これは週刊誌等々で言うことですからそれが事実かどうかわかりませんけれども、今までそういうことが言われておる。 大臣は随分否定をしておられますけれども、例えば最近のたしか六月十六日号でしたか、週刊文春が随分また、いや、現地で調べてきたというようなことを言っておられますので、私はそれが本当だと言っているわけじゃありませんけれども、今は外務大臣でございますから、やはりこれからいろんな立場で中国に向けてもあるいはそのほかの国に向けてもしっかりした外交をやろうという大臣が少なくともそういう疑惑を週刊誌で持たれたままで放置しておかれるというのは、どうも問題があるんじゃないかというふうに感じます。 ですから、そこのところはきちっとされたらどうかということを私は大臣に申し上げたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(柿澤弘治君) 私が個人としてといいますか、議員としてできる範囲で台湾の皆さんと日本との交流のお手伝いをしてきたことは事実でございます。その過程で衆議院で指摘されましたような疑念を持たれることがあったとすれば、これは私としても今後改めていかなければならないと思っておりますので、その点についてはきちっと身を処してまいりたいと思っております。
○大木浩君 私も記事を全部、今手元のどこかにありますけれども、大臣が否定しておられるわけですから、必要なら、もし間違っているのなら間違っているということをみんなにわかるような措置をとっていただきたいということを私は申し上げておきます。 次に、北朝鮮の核開発をめぐっていろいろと問題になっておるので、日本側からも、先般社会党の代表団が訪問された。現在自民党からも二人の国会議員が行っておられる。アメリカも元大統領を初めとして、いろんな接触をしておられる。それに比べますと日本政府あるいは政府・与党の方は、大臣が中国へ行かれた、韓国へ行かれた、努力は認めますけれども、余りにも直接の接触が少な過ぎるという感じを持っているんです。 総理はこの間、いや、政府としても細かいことは言えないけれどもいろんな接触はしているんだとおっしゃいましたけれども、接触はしておられるんですか。
○国務大臣(羽田孜君) いろんな場所、ルート等を通じながら我が国の意思というものは伝え、そして我が国はいつでも話し合いというものの窓口は開いておるということもいろんな角度から伝えてあるということであります。
○大木浩君 日本の場合、金丸、田辺両代議士が訪朝されて以来一生懸命努力しましたけれども、いろんな理由で、これは必ずしもこちら側だけ悪いとも思いませんけれども、直接の政府間の接触はないと。政府問と申しますかあるいは正式の、正式という言葉がどうか、とにかく表向きの接触がないわけです。 私は、日本の場合非常に特殊な事情というのは、とにかく十万とか十五万と言われる朝鮮総連、要するに北の政府とも関係の深い永住権を持った朝鮮人がおられるわけです。いろいろ難しい問題はあると思いますけれども、こういう方々とはもう少し接触を深める、少なくとも相互理解を深める。これもなかなか難しいということは私もよく理解しておりますけれども。 最近まで日朝議員連盟の会長をしておられた自治大臣などはそういうことについては実情を御存じだと思いますが、大臣は今度は議連の方の会長をやめられた。自治大臣のお立場ではおやめになることも一理あると思いますけれども、むしろ私は、自治大臣の方をおやめになって日朝議連の方で頑張られた方がお国のためになるかとさえ思うぐらいでございますが、この在日朝鮮人との接触について、自治大臣、これは大臣としてというよりもむしろ今までの経験者としてどういう感じを持っておられるか、教えていただきたい。
○国務大臣(石井一君) 三十六年の植民地時代と四十八年の戦後の時代というわけでございますから、驚くなかれ八十年の絶交を続けておるという、こういう冷たい近くて遠い関係でございます。 しかしながら、その割には、中央よりも地方のレベルでは相当の交流が進んでおるということでございまして、例えば地方の県にそれぞれございます日朝の友好親善議員の集いとか、各市にもございますけれども、それからまた、何百という市町村から国交を正常化するべきだという決議も集まっておる。そういう中から近年、平成二年、三年ごろまでは非常に活発な交流が進みつつあったと思います。 また、あちらからも、厳しい財政の中で音楽のグループでございますとかそのほかの者がしばしばやってまいりまして、全国で興行を持つというふうなこともございました。したがいまして、現在のこの不幸な核の問題さえなければ、流れとしては、八十年の断絶を越えて、そして正常な形へいくという方向に進んでおったことは間違いございません。 この間、日本社会党が常に熱心にこの国との関係を構築されたことも確かでございます。現にどの委員長もすべて訪問をされておる。そして、日本社会党の議員は全員が日朝議連にも入っておられまして、この問題に対してウエートを置いておられるということです。 自民党の中では案外遠いような感じに見えるのでございますが、私も仕事をしまして感じましたのは、これは国民的なグラスルーツからの盛り上がりというものが非常にできてきておるというような感じを持っておりまして、今あります当面の大きな政治問題が解決しましたら、この問題が急転直下処理できるという日が来るということも期待できるのではないか。私の感想でございますけれども、そういうことを感じております。
○大木浩君 自治大臣、社会党の方のお立場まで御説明いただきましたが、社会党は今その点については御異論があるのかないのか知りません。 私が質問申し上げましたのは、今アメリカのやっていることを見ますと、アメリカは、片方では政府が制裁とかというような非常にきついことを言っておるけれども、片方では元大統領が行っていろいろとやっておると。やはり私は、外交とか国際関係というものは表と裏というかいろんなルートをつくって、あらゆるルートを使って問題の解決をするべきだと思います。 アメリカはカーター元大統領は政府とは表向き関係ないと言っておられますけれども、現役の外交官も通訳でついていっていますし、当然にこれは一種の連係プレーで一生懸命国全体として努力しておられる。それに比べると、どうも日本の場合は、今社会党のことはおっしゃいましたけれども、今の連立与党、羽田内閣の中で何かやっておられると言われましたから私はその言葉を信じますけれども、どうも余り本当はやっておられないんじゃないかなということで、ちょっと芸がなさ過ぎる。外務大臣が中国や韓国に行っただけでそれで終わりというのではちょっと情けないという気がいたしますので、どうでしょうか、総理、今のことにつきましてもう一つ。
○国務大臣(羽田孜君) 確かにいま、アメリカは、朝鮮の話し合いというのは、これは政府ということではありませんけれども、カーターさんあるいはカーネギー財団の方がいらっしゃるというようなことで、非常に深い話し合いをしております。 やはり核の問題、それからまたあそこの重水炉あるいは軽水炉の問題、こういった問題なんかがあって、核の問題については、これはよその国と話すよりは何としてもアメリカだということ、これが北朝鮮の立場であるということ。もう一つは日本と北朝鮮との関係、これは近いということ、そしてやっぱり、何というんですか、ここに至るまでの間の長い歴史の中に難しい関係にあるということ、そのあたりが私は日朝間というのをなかなか難しくしておると思います。 しかし、日中の場合も、当時、社会党の皆さんですとか公明党、民社党の方、あるいは自民党の一部の人たち、こういった人たちの積み上げの中に政府が、当時の田中総理が行って話し合うことができたということでございまして、これはもう与党、野党なくて、国と国との関係、しかも絶対に遠くに行かない隣国であるという関係、そういう中でいろんな方々の努力を私たちは大事にしていきたいと思いますし、その中で我々が一体政府として本当に何ができるのかということを模索すべき問題であろうというふうに考えております。
○大木浩君 アメリカにつきましては、総理も今言われましたけれども、政府もあるいはほかの政党人と申しますか、元大統領とか、それからいろんな民間の財団とか研究団体というのが直接に北の指導者と、例えば金日成主席を含む指導者と接触しておるわけでございますから、やはりそういうのと比べますと、日本側としてももっと努力をしなきゃいかぬのじゃないか。もちろん、向こう側からも歩み寄っていただかないとなかなかこういう交渉はできませんけれども。 例えば、アメリカの財団等は民間の立場でも今の例の軽水炉の話はいろいろなところでやっているというふうに私は理解しておりますし、そういった動きというものは、アメリカ政府としても全体の動きは把握しておるというふうに私は理解しております。どうぞひとつ日本政府といたしましても、これは国を挙げて北との改善のためには努力していただきたい。これは私は北へ向かってのメッセージとしても申し上げておるつもりでございますが、どうぞよろしくお願いしたいと思います。 あと時間がなくなりましたが、先般OECD会議に閣僚を出されなかったということでいろいろ議論がありましたけれども、私も、例えば現経企庁長官のように英語もべらべら、経済問題もよくわかっておる方、こういう方をOECDに出したら本当に十人分、二十人分の仕事をされたんじゃないかと思いますけれども、行かれなかったことは残念です。 そのことについて今とやかく申しませんけれども、今回のOECDの会議で新しい話として、成長と雇用ですか、特に雇用という問題が非常に正面に出てまいりましたので、これは今後、例えばサミットに一体となたがおいでになるのか知りませんけれども、労働大臣、これは次のステップに続く問題だと思うんです。このOECDの労働問題についてどういうふうに理解しておられるか、それから今後どういうふうに勉強していかれるか、その点についての御意見も聞かせていただきまして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(鳩山邦夫君) 恐らく、今回のOECDの議論がそのまますポリ・サミットの議論へと引き継がれていくと思うわけですが、要するに雇用問題がOECDあるいは先進諸国最大の問題であって、この雇用問題を解決するにはいわゆる従来からのマクロ経済政策、金融、財政というような政策だけでは解決できない。すなわち、構造改革というのか、産業の構造も変わってくるわけですから、それに応じて規制緩和等のいろいろな手を打っていくことによって初めてこの労働力の需給というのがミスマッチしないできれいに整うという、そういう考え方が強く打ち出されてまいりまして、恐らくその議論はナポリ・サミットに引き継がれていくものと思います。 我が国の状況も全く同様の課題を抱えておるわけで、中期雇用ビジョンというものを策定してもらっておりますが、そこでもほぼ同様の議論がなされております。ただ、我が国は日本型の長期雇用システムというものが基軸にあって発展をしてまいりましたので、今後の新しい経済構造の変化で労働力の失業なき移動ができればいいわけですけれども、でもやっぱり基本には日本型の雇用システムを残していって、その組み合わせ、バランスによって労働力の需給関係のバランスと一致を図っていくというのが日本の労働行政の考え方でございます。
○大木浩君 この今の労働問題、OECDで議論されている労働問題は、今、日本とアメリカの間でいろいろと黒字の問題を議論していますけれども、これとも非常に関連のある議題だというふうに了解しておりますし、むしろ新しい視点から雇用問題を取り上げているということで非常に重要な問題だと思いますので、どうぞひとつ引き続き勉強をしていただきたいということを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
○委員長(井上吉夫君) 以上で大木君の質疑は終了いたしました。(拍手) ―――――――――――――
○委員長(井上吉夫君) 次に、峰崎直樹君の質疑を行います。峰崎君。
○峰崎直樹君 日本社会党・護憲民主連合の峰崎でございます。 予定の日よりも三日おくれましたので何となく待たされたかなという感じですが、時間も貴重でございますので早速進めたいと思います。 待っている間にいろんな情報が飛び込んでまいります。けさの東京新聞の第一面に、朝鮮半島有事を想定し米軍が自衛隊基地を調査しておる、臨時基地にするんじゃないか、小松など四カ所を選定し、これは集団的自衛権の論議にも発展しかねないんじゃないか、こういう大きな見出しで出ておったわけでございます。 事前に通告をしていた内容とは少し変わって新たに追加することになりますが、総理、このことについて御存じでございましたでしょうか。
○国務大臣(羽田孜君) 報告は知っておりますけれども、米国は日米安全保障条約の信頼性の維持の向上の点から、日ごろからの効率的な運用を確保するために、各種の研究ですとか調査ですとか、あるいは自衛隊との情報交換、こういったことをやってきておりまして、これに対して自衛隊も協力しておるということであります。 今回の飛行場の調査もこれまでと同様の趣旨であるというふうに私の方は理解をいたしておるところでございます。
○峰崎直樹君 この今の時期に、総現今おっしゃられたような一般的な調査を行うというのがどうもよくわからないんです。今これだけ朝鮮半島有事の問題で国連で制裁が行われるかどうかというときに、恐らく一朝有事の際にはどういうことがあるのかと、こういうふうに私どもは今回の調査があるんではないかというふうに見ているんです。どうも今の総理の答弁ではちょっと納得できないんですが、この時期になぜ今言ったような調査があるのか。 これ、防衛庁長官にもお尋ねしてみたいと思うんですが、事前にそういった点についてどういう調査かという確かめをされたことがございますか。
○国務大臣(神田厚君) お答えいたします。 年に一、二回の割合で自衛隊の基地を調査するということは、今、総理大臣がおっしゃいました安保の効率的な運用の件でやっておりますので、そういう点で今回もやられたということは聞いております。
○峰崎直樹君 今回の調査の内容をお確かめになりましたですか、防衛庁長官。
○国務大臣(神田厚君) 今回の件については、具体的な報告は来ておりません。
○峰崎直樹君 そういう報告は来ていない。これは我々としては、今一般的な調査だということではどうもやっぱり納得できないのです。これぜひ中身について確かめてみる、そして本当にこれは一体どういうことになっているのか、防衛庁、その辺もし内容がわかっていれば教えていただきたい。
○政府委員(村田直昭君) 本件の調査は、総理、防衛庁長官からも申し上げましたように、通常、年に数回行われているものの調査でございます。そして、米軍基地につきましては、当然のことながら米軍が既に供与を受けて使用しているわけでございますから、そういう基地も今回は含まれているようでございますけれども、既に六月十三日から十六日の間に千歳、松島についてそのような調査が行われたということは報告を受けております。 具体的に、米軍がその中でどのようなことについて関心を示し調査をしたかということについてはいまだ報告を受けておりませんが、それは米軍が航空自衛隊側といろいろと調整をしながら進めておると考えております。
○峰崎直樹君 今ちょっと回数を聞き漏らしたんですが、年に何回ぐらい一般的にはやられているんですか。
○政府委員(村田直昭君) 先ほど申し上げましたように、年に一、二回の割合でこのような調査が行われておるということでございます。
○峰崎直樹君 もし私の耳に間違いなければ数回というように話を聞いたんですが、定期的な調査というのは一、二回なんですか、数回なんですか、どちらなんですか。
○政府委員(村田直昭君) 数回と申しましたが、一、二回というふうに御理解いただきたい。
○峰崎直樹君 一般的には、過去、調査というのはどのようなことを調査されているか、それは今ここで答弁できませんか。
○政府委員(村田直昭君) 航空基地の調査でございますから、もう基本的に米軍が使っておるところはみずから知っておるわけでございますが、その航空基地の、自衛隊の基地について言えばその広さであるとかそれから滑走路長であるとかそういうことでございますけれども、具体的にはちょっと申しかねるわけでございます。
○峰崎直樹君 総理、かねてから米軍に対する自衛隊の後方支援、総理は我が国の参加はこれは難しいという判断をされておられるんですが、その点は変わりはございませんか。後方支援については難しいということで答弁をされておりますが。
○国務大臣(羽田孜君) 武力行使、こういったものについての参加というものは私たちはできないというふうに理解をいたしております。
○峰崎直樹君 どうもこの中身がいま一歩釈然としないんですが、我々としてはぜひ平和的な方法で解決をしてもらいたい。こういうふうに進んでいるときに、こういうような疑わしい行為といいますか調査が行われるということについて、総理、どのようにお考えになりますか。
○国務大臣(羽田孜君) まさに国連としては、IAEAの脱退というものを北朝鮮がされたということで、いわゆる決議というものをつくる動きというものがあることはもう御案内のとおりであります。そして、その後、カーターさんが行かれる、あるいはその前にカーネギー財団の方が行かれる、社会党、自民党の皆さん方が行かれるというような今新しい動きというのは起こってきておるわけでありますけれども、しかしこの間、IAEAを脱退したという中にあって、国際社会というのはそういう対応をしようとしておる。しかしそのときにも、対応をしようとしながらも、しかしあくまでもその対話の道というものは開いておるんだということを言っておるわけでございまして、国連も国際社会も私どももやはり対話によって道を開くということが最も大事なことであります。しかし、動き方いかんの中にあっての作業というのは今日続けられておるということはあり得るんだろうというふうに思っております。
○峰崎直樹君 ぜひともその点について、今後とも従来の態度をしっかりと持って対応していただきたいというふうに思います。 さて、私はきょうの新聞でもう一つ税制の問題について入っていきたいなと思っているんです。その際、本日の日本経済新聞の経済教室に、加藤寛慶応大学名誉教授、この方は政府税制調査会の会長でございますね。藤井大蔵大臣、そうですね。
○国務大臣(藤井裕久君) そのとおりでございます。
○峰崎直樹君 私は大変興味深く読ませていただいたんですが、これを読んで、実はこれから税制改革の論議をしようというときにこのまま本当に我々は税制の議論を続けていいのかどうかということを大変痛感した箇所がございます。 今、大蔵大臣がお読みになっていますが、上から二段目の最初の三行目、「このように税制改革には外からの無視できない雑音が多い。」と書いてあります。 その「雑音」の前をずっと読んでいただくと、これはどういうことを書いているかというと、例えば税制改革の中で、今ヨーロッパで行われている厳格なインボイス、この方式を入れた方がいいんじゃないのか。私も政府・与党時代に税制の調査会の中の委員としていろいろと勉強をさせてもらうと、どうもやはり日本のように免税点が高過ぎると、仕入れの間で免税業者が入ってくるとこれは大変だというのはよくわかるんです。しかし、そこから益税が出ているということは先日の主税局長の答弁でも明らかなんです。そうすると、これを何とかしなきゃいかぬという議論は当然これは立派な議論だと思うんですね。我々もその議論をしております。あるいはそれ以外にもたくさんのことを指摘されております。そういう議論について、「このように税制改革には外からの無視できない雑音が多い。」という、その「雑音」というのは、これは私は見過ごすことのできない意見だと思うんです。 というのは、このような方が政府税調の会長をやっておられる。我々もまさに与党であれ野党になったといいながらも本当に一生懸命税の問題を今議論しておるときに、その中のいろんな議論のやりとり、これはいろいろあるでしょう、政府税調の中でも恐らくあったと思うんですよ、そういうものに対して「雑音が」という表現されることについて、私はどうしてもこれは納得できないんです。 これは総理に任命権ございます。ぜひこの点について、総理、この加藤さんのこの表現についてどう思われますでしょうか。総理大臣からひとつ。
○国務大臣(羽田孜君) 確かに、私が任命権者ということでございます。加藤寛さんという先生は、割合とざっくばらんにいろいろと議論されたりあるいは問題提起される方で、まさに今そういう問題について御自分の感じを、「雑音」という言葉はこれは会長としては私も余り適切だとは思いません。しかし、そういうボールを投げたことによってまたこれは大変な議論がこうやって出てくることでございまして、私は議論というのは相当深まっていくんじゃないのかなと。例えば、この新聞は委員がごらんになっただけじゃなくて当然税制の委員の皆さんもごらんになるわけでございますから、その意味では私は表にもいろいろと議論が出ていって、これはただいけないぞと責めるだけじゃどうなのかなというふうに思います。
○峰崎直樹君 総理、私まだ国会議員になる前でしたけれども、この方は老人ホームでウナギのかば焼きを出しているとか、実際調査されたかいろいろ議論があるところなのかもしれませんが、大変福祉関係者の中からも、このような方が税制調査会の会長をやられていることについてはどうなんだということを私も耳にしたことがあるんです。 そして、こうして真面目な議論を展開している。しかも、これはインボイスを入れた方がいいと言う人は、れっきとした学者もたくさん言っていますよね。その方々に対して今、いや論議を発展をさせるめにその「雑音」とう――論議をする場ならいいんです。だけど、これは立派な論文を書かれているんです。しかも、これは日本経済新聞という日本の一流新聞の中の経済教室で、多くのインテリ、専門家が読んでいるんですよ。これについて、今あったような答弁で私は納得できないんです。再度。
○国務大臣(藤井裕久君) 今、会長の任命権者である総理からお話がございましたが、この税制調査会は全体として非常にまじめに議論していただいておりますし、特にこの委員会での連日のやりとりはもうお聞きになっているとおりでございまして、中小企業の特例あるいはインボイスなどについて御議論があったのに対して、入ったときにはそれなりの経緯はあるけれども、いろいろ問題があると思っております、税制調査会の御意見も伺いながら対応したいということを私は申し上げているわけでありまして、私どもはこれはまじめに対応しているつもりでございますので、御理解をいただきたいと思います。
○委員長(井上吉夫君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(井上吉夫君) 速記を起こして。
○国務大臣(羽田孜君) 確かに、これはだれもが読む新聞、そういったことから、この「雑音」という言い方は会長としての座にある方の言葉としては不適切なものであろうというふうに思っております。御本人にこれを聞かなくても、もう新聞に出ちゃっていることですからあれですけれども、これは私の方から御注意申し上げたいというふうに存じます。
○峰崎直樹君 私ども社会党は昨年与党になって、そして苦しいながらも、米問題であれ税制の問題であれ、本当に責任を持って対応していかなきゃいかぬ、こういう姿勢で私たちは随分これまで論議を進めやってまいりました。これからも我々は責任を持ってやる以上、特に税制改正あるいは北朝鮮問題というのは今大変大きな問題でありますので、ぜひとも本当に真剣に対応してもらいたい。そしてこのような、ある意味ではまじめに議論することを侮辱するようなそういう発言をするような、政府税制調査会の会長という要職にある方ですから、ぜひとも総理の方からも大蔵大臣の方からもよろしくお願いしたいというふうに思います。 さて、本来、景気の方からお話をしようかと思ったんですが、せっかくですから税制の方から私の方で以下質問させていただきたいというふうに思います。 いよいよもう六月の末という日程が参ってきているわけでございますけれども、今回税制改正と言われているもののねらいというのは一体どこにあるのか、目的について総理の方からあるいは大蔵大臣の方からお願いいたします。
○国務大臣(藤井裕久君) 今回の税制改正は、もう既に入りかかっておりますけれども、長寿社会を安定的に持っていくためにその御負担をいただいて、またこれからいただくであろう国民の皆様の御負担の関係がスムーズにいくようにと。それにはやはり、私どもとしては、現行所得税というのがいわゆる超過累進という言葉で言っていいのかもしれませんが、急勾配に増大する、そういう仕組みの中でこの御負担をお願いするよりは、消費課税という形で広く御負担をいただく方が来るべき経済社会を活性化させるために必要である。こういう認識のもとに去年の細川内閣以来取り組んでまいり、税制調査会にも御諮問をし、その答申を十一月にいただき、その方向がおおむねの方向として是としておられるその線に従って、現在、現内閣もこれを引き続きそういう方向で努力をしているところでございます。
○峰崎直樹君 今、重税感のお話をされたんですけれども、GNPに占める租税負担、これは社会保険の掛金を除きますが、国際的に見てOECDの中では第何位ぐらいでしょう。これは大蔵省の方に聞いた方がいいんでしょうか。
○国務大臣(藤井裕久君) しっかりした順番ではございませんけれども、スウェーデン等々が七十数%でトップであり、引き続いてフランス六十数%、ドイツ、イギリス五〇%台、そしてアメリカと日本が三〇%の後半、こういう状況でございます。
○峰崎直樹君 今のは租税だけでございますか。
○国務大臣(藤井裕久君) 租税及び社会保険料負担のいわゆる公的負担の総計でございます。
○峰崎直樹君 もちろん国際比較をするときには当然そういう物差しが常識だと思うんですが、私は租税だけの負担を実は聞いておる。
○政府委員(小川是君) 我が国の租税負担率が平成六年度の予算ベースで国民所得に対しまして二四・一%でございます。アメリカが平成四年度で二五・七%、イギリスが三七・二%、ドイツ、西ドイツでございますが、平成二年ベースですが二九・四%、フランスが三三・七%、ちなみにスウェーデンが五二・八%。 以上でございます。
○峰崎直樹君 そのように考えてきたときに、GNPに対する負担率を見たときに、租税だけを見たときに、私は、なるほど例の八百万から一千万ぐらいのちょうどブラケットが非常に狭まっているところが確かに重税感が、賃金が少々上がっても収入が上がっても、高くなるというのはよくわかるんですけれども、どうも私ども源泉徴収をされているサラリーマンにとってみると、重たくなってきたという負担の重みというのは社会保険料の掛金も含めたトータルじゃないかなと思っているんです。 さて、その社会保険料の掛金について、まず大蔵大臣、これは性格としたらどういうふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(藤井裕久君) 公的な負担であり強制的な負担である意味において租税に準ずるものと考えております。
○峰崎直樹君 今、租税に準ずるものと。人呼んでこれを賃金税と言う人もいるのですけれども、さて厚生大臣、この社会保険料、どうも私は重税感というその負担の問題はそこに一つあるような気がするんです。 この社会保険料の掛金というのは、私は非常に、何といいましょうか、逆進性が強いんじゃないかなと。あるいは国民年金の掛金なんかになりますと、払っていない人もたくさんいるんじゃないかと。そういう意味で、どうもこの年金と言われているものの掛金が、大変多くの矛盾を抱え、なおかつ今申し上げたように逆進性というそういう問題をやはり色濃く持っているんじゃないかというふうに思うんですが、この点、厚生大臣の御見解を。
○国務大臣(大内啓伍君) 今御指摘のように、税と保険料というのは源泉徴収で一緒に取られるケースがほとんどでございますので、非常に混同されやすいのでございますが、年金の保険料等をごらんいただいておわかりのとおり、一定の保険料を納めまして、その保険料に見合ういわゆる給付というものを受けるということが基本になっているわけでございます。したがいまして、一般的な使途に充てるという税の負担に比べては受益と負担の関係というものが非常に明確であるというところが私は税と保険料の相当の差であると思っております。 先生御指摘のような逆進性という問題も確かにございまして、そういう面はできるだけ改善するように努力し、またそれは、保険制度だけではなくていろんな社会保障施策の中でカバーしなければならないという組み合わせの問題が一つはあるわけでございます。 したがいまして、税の場合は使途が限定されておりませんので保険料とは全く違って一般的にこれが使われる、あるいは保険料に比べまして税の方がずっと累進性が高い、それから、税の場合は景気変動の影響を非常に受けるが保険料の場合は割合に受けない、といったような諸点の違いがあると思っておりますが、逆進性の問題についてはいろいろ改善しなければならない問題がなお残っている、こう思っております。
○峰崎直樹君 今おっしゃった点ですが、私がどうも納得できないのは、積立方式ではなくて賦課方式の一種でございますから、自分らが払ったものがやがて返ってくるんですよと。 ある意味では、世代間の問題でとらえたときに、どうも将来の年金に対する、これから年金改正の問題があるんでしょうけれども、私はやはりそういう意味では、現在も基礎年金に税が三分の一充当されているんですけれども、そういう基礎年金部分に充当する部分について、できるだけやはりそれを税でもって負担をした方が社会的公正という観点からは望ましいんではないかと思うんですが、この点は大蔵大臣からお聞きした方がよろしいでしょうか、どうでしょうか。
○国務大臣(藤井裕久君) こういう社会保障政策を保険方式でやるか税金方式でやるかというのは、おのおのの国の歴史があると思います。 御承知のように、フランスは非常に多くの部分を保険方式によっております。したがって、今説明しましたように、フランスとして全体六十数%の負担であっても社会保険料の負担のウエートは非常に高いわけです。これはみんな歴史をしょっていると思います。 我が国は、長い間の歴史と、いろいろな先人たちの御検討の結果、医療、年金については保険方式を基礎とする、こういう一つの仕組みができ上がっていると思います。そして、それはほぼ長い先人たちの合意の結果できたものであると考えておりますので、今の方式を私は一応正しいと考えて、御理解をいただきたいと思います。
○峰崎直樹君 まだいろいろと議論しておきたい点がたくさんあるんですが、時間の関係で、私は心しろ税の一元化を図った方がいいのではないかというふうに考えている一人だということを申し上げておきたいと思います。 さて、減税の問題についてちょっとお聞きしたいと思うんです。 これは、先ほどの加藤寛さんも、六兆二千億円の減税そのものは、最近になって景気がよくなったものだから、減税をその分やらなくてもいいというような意見を出している人がいるというふうにおっしゃっているんですけれども、まずお聞きしておきたいのは、今回の減税の性格、これは一体どういうふうにとらえたらいいのか。
○国務大臣(藤井裕久君) 税制改革の物の考え方について冒頭御質問がありました。 私は税制改革の中で所得税減税というのが一つの大きなファクターだと思っておりますが、本年、平成六年、院におかれまして早々に上げていただきましたこの減税は景気対策であるというふうに理解をしていただきたいと思います。
○峰崎直樹君 そうすると、景気について少しお伺いしたいと思うんですが、経企庁長官、最近の景気についてどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(寺澤芳男君) やはり設備投資はずっと減少しておりまして、企業収益も減少しております。したがって、雇用の実態については非常に厳しい局面を迎えております。 ただ、一方、公共投資が非常に堅調であり、なおかつ住宅の建設が年百五十万戸というペースで非常に確実に伸びておりますのと、それから個人消費にもやや持ち直しの動きが見られ、さらに産業面でも在庫調整が進展してまいりまして、これまで停滞傾向にありました生産面に一進一退の動きが見られるということから、我が国の経済は、総じて低迷が続いているものの一部に明るい動きが出てきたというふうに判断しております。
○峰崎直樹君 恐らくこの六月でまた減税分が返っできますから、それでまた景気刺激効果はプラス効果が働くだろうと思うんですが、いわゆる景気浮揚のための減税だとこうおっしゃられるんですが、その中には物価調整減税というのが、過去四年になりますか、この間のいわゆる物価調整に対する減税はなされておりませんですね。それに対する性格はそこに入っているのかいないのかということについては、いかがですか。
○国務大臣(藤井裕久君) 今回の減税は、皆様方からいただく、またいただいた税額の一律二〇%をカットするものでございます。そういう意味において、はっきりと景気対策の減税であるというふうに御理解をいただきたいと思います。
○峰崎直樹君 私どもは景気浮揚のための減税を要求してきた経過がございます。景気がある程度の上昇をし始めたとき、さらに継続して引き続きこれをやっていくべきなのかどうなのかというような点について、もう一つは、国際公約であるのかどうなのか、昨年の七月のサミットのときにはこの問題についてはどのような観点でとらえられたのでしょうか。これは総理から。
○国務大臣(羽田孜君) サミットのときにも当然ポリシーミックスなんということの中で減税なんという話もあったかもしれませんけれども、これは全体として、日本としてはこういうことがあるのかなという議論はその後もあったことは事実であります。しかし、国際公約というよりは、今の藤井大蔵大臣がお答えしたことにもう一つ加えるならば、やっぱり税制というもののあり方、これを是正していくという重要な第一歩であろうというふうに私どもはとらえながらこの間の対応というものをしたことであります。 ただ、各国は、それによって景気が浮揚してもらいたいな、その中であんな政策もこんな政策もとるべきじゃないか、お互いに議論するときの中で出てきていることでありますけれども、これはやっぱり我が国自身の問題としてとらえていくべき問題であるということであります。
○峰崎直樹君 くどくどそういうことを申し上げてきたのは、十五日の産経新聞の夕刊に、米財務長官が大蔵大臣に厳しい書簡を送ってきた、消費税値上げは凍結してもらいたいと。これは事実なんでしょうか。もらっているんですか。
○国務大臣(藤井裕久君) 私どもは、政策協調というものが非常に重要な要因だと考えておりますから、それは世界経済のためにも日本経済のためにも必要であると考えております。 私がここの場に就任してから三回G7がございましたし、さらにG7という公式の場のみならず、電話なり文書で常日ごろからこの交換はいたしております。
○峰崎直樹君 この書簡、具体的に記載されている書簡は来たんですか。
○国務大臣(藤井裕久君) これはG7各国蔵相の申し合わせというか話し合いによって、一つ一つについてどういう形式であるいはどういうレベルで何を言ったかということ、特に相手方のことについては言わないという約束になっております。私も相手方からその信頼にこたえるようにやっていただいておりますので、その点はお許しいただきたいと思います。
○峰崎直樹君 問題は、要するにアメリカ側が言っているのは、減税をやれ、そして景気刺激をして特に対米貿易摩擦を解消しろと。目的はそういうところにあって、そのときに恐らく、減税はするけれども消費税の引き上げを、しかも後でまた七%とか一〇%とかいう議論が出ていますが、そういうふうなものを出したのではこれは景気の刺激効果にならないんじゃないのかといったような趣旨があるんじゃないかと思うんですよね。この点ほどうなんでしょうか。
○国務大臣(藤井裕久君) 冒頭申し上げましたように、私どもが私どもの国の経済政策としてやろうとしていることは、あるべき税制のあり方をやろうとしているわけでございます。これがまず基本だということを申し上げなければならないと思います。 それについて、平成六年の減税はそれを先行して、総理のお言葉にもございましたように、将来の減税の第一歩であると同時に、景気対策に配慮をしたものであります。その景気対策というのは当然のことながら国内対策としてやっているわけでありますが、同時に、今世界の政策協調からいえば日本の政策だけが世界にさお差してはいけないわけでありまして、日本に今求められているものは何かといえば内需の拡大であり、経常収支の大幅黒字の縮小でありますから、そういう政策を実行する過程で今の減税政策もとった、こういうことでございます。
○峰崎直樹君 そうすると、そういういい方向が出ているということがはっきりすれば、何と言いましょうか、減税の規模も今年度はもちろん二〇%の制限がございますが、戻し税といいますか、そういう税制ですが、そうすると、六兆二千億円ということは将来的には前提をしなくてもいいというふうには考えられませんでしょうか。
○国務大臣(藤井裕久君) 今後の本格的減税は特別減税法で全会一致で恒久的な減税をすべきであるという御決議というか、修正もいただいているわけでありますが、これはあるべき税制の方向であります。景気対策としての税制とはそこでは違う面がありますので、今のような御指摘が出るのだと思います。思いますが、あるべき税制の内容をこれから最終的に詰めていく。税制調査会も御答申をいただけると思いますが、おおむね同額程度のものになると考えております。
○峰崎直樹君 その際に、経企庁は昨年の、まあ懲りたといいますか、景気回復宣言があるから非常に慎重なんだと思うんです。日銀総裁はきょうお呼びしていませんが、日銀の方は景気はかなり上昇過程に入っているというような認識を示していますね。そういうものの要素というのは、今度いわゆる六兆二千億円、確かに全党一致でやったということはあるけれども、今後その点について、景気というのは減税なり税制改正というものに制度減税において考慮されないんでしょうか。
○国務大臣(藤井裕久君) ただいまもお答えいたしましたように、基本的な所得税減税を考える場合、まだ税制調査会の御答申もいただいておりませんし、そして御答申をいただいた後また皆様方といろいろな御議論いただくのでございますが、私どもの感じとしては、ほぼ同規模のものが基本的所得税税制改革になるものと想定を一応いたしております。
○峰崎直樹君 私ども制度減税に向けて今いろんな方々と議論をしているんですけれども、その中で今回ちまたで言われている、あるいは政府税調の機械的試算の七、八、九、一〇というものが出されてきて、その影響を、つまり減税の恩典は余りこない、しかし税率アップによって負担は重くなる、そういう層からは、今消費税率の機械的な試算が出ているけれども、我々としては減税をするために消費税率を上げるような、そうではないということは先ほど来わかっている点はたくさんあるんですけれども、結果的にはそういうものになっていくことに対する非常な不満があるわけでありまして、その点をひとつ考慮して今後も検討していただきたいというふうに思います。 さて、きょうはもっとたくさんのことをお話ししたかったんですが、関連質問がありますのでちょっとお許しください。
○委員長(井上吉夫君) 関連質疑を許します。一井淳治君。
○一井淳治君 お許しをいただきまして、関連質問をさせていただきます。 まず、総理にお伺いいたします。 ウルグアイ・ラウンド農業交渉はまさに断腸の思いで受け入れたのであり、今後の国内農業政策はこの断腸の思いを決して忘れずに万全を期していかねばならないのではないかと思いますが、総理の御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(羽田孜君) ウルグアイ・ラウンドで協定というものを成功させるために、私どもとして、国会の決議等を基本にして国内で自給することを旨にしながらも、しかしある程度のアクセスを認めざるを得なかったということでありまして、これを認める以上、農業というのはこれはまさにお米までが競争にさらされるということになる、これを考えなきゃいかぬだろうと思っております。 その意味で、こういった農業というものが本当に足腰が強くて二十一世紀というものを展望できるようなもの、これをこの機会にやることが大事であろう。ですから、マラケシュ合意と同時に、現在抱える例えば農村に後継者がいないというような問題、そういった本当にやろうという人たちにやる気を起こさせるものをこの機会にともにやっておくことが大事であろうというふうに考えております。
○一井淳治君 結論的に、万全を期していただけるんですね。
○国務大臣(羽田孜君) 万全を期すように私どもとしても徹底して努力をしたいというふうに思っております。
○一井淳治君 緊急農業農村対策本部のもとにおいて関連諸制度、諸施策、そして予算等について今後万全を期していただきたい、重ねてお願いいたします。そして、このウルグアイ・ラウンド交渉につきましては、あと国会の批准という重大な課題が残されております。この関連諸制度、諸施策、あるいは裏づける予算が不十分な場合には批准がなされないということも起こるわけでございますから、総理はこの点を念頭に置いて万全を期するよう重ねて要望しておきたいと思います。 次に、ウルグアイ・ラウンド農業交渉国内対策のシーリング上の取り扱いにつきまして大蔵大臣にお伺いいたします。 現在、六年度予算の審議中でありますし、またその内容についても検討中の段階でありますから、政府として具体的に言及はできないという事情も一応理解することといたします。それならば、年末の予算ではウルグアイ・ラウンド国内対策にきちんと対処する旨、明確に大蔵大臣に答弁をいただきたいのでございますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(藤井裕久君) 前回に引き続いての御質問でございますが、政府といたしましては、ウルグアイ・ラウンドの農業協定の実施に伴う農業施策につきましては、その影響を最小限度に食いとめ、将来に向かって、二十一世紀へ向かっての農業構造の早期実現を図ることを基本としてこの「ガット・ウルグアイ・ラウンド農業合意の実施に伴う農業施策に関する基本方針」を昨年暮れに閣議了解したところでございますが、この基本方針に沿って、内閣総理大臣を本部長とし、私を含む関係閣僚を構成員とする緊急農業農村対策本部のもとで、農政審議会等の議論を踏まえながら鋭意検討が進められているところでございますが、政府といたしましては、今後この検討を踏まえ、所要の制度の整備や措置について万全を期する方針であり、今秋、協定締結につき国会の御承認を求める際に、あわせて必要とする立法措置等をお願いすることとしているところでございます。 財政当局といたしましても、このような政府の方針を踏まえて、対策に係る予算措置については適切に対処してまいる所存でございます。
○一井淳治君 関連質問を終わります。
○峰崎直樹君 また同じような質問に戻して大変恐縮なんですが、何日か前の税の議論のときに、藤井大蔵大臣はクロヨンというのはないんだと、こういうふうにお答えになった。私どもこれから税制改正を議論するとき、とにかく消費税の引き上げに反対する人は多いんですけれども、そのときに必ず出てくるのは、不公平な税制があるじゃないかと。その真っ先に出てくるのは、もちろん消費税の益税の問題はありますけれどもこれは後でやるとして、クロヨンと言われているものはどうなったんだと。これはよく聞かれるんです。それがないということになると、私どもはそれはおかしいんじゃないのか、税の捕捉率は一体どうなっているんだと。 この点、水平的な捕捉の問題、公平の問題についてお聞きしたいと思います。
○国務大臣(藤井裕久君) 過般の議事録をよく読んでいただけばはっきり出てまいりますが、クロヨンという言葉は適切でないということを申し上げたつもりであります。なぜならば、もう皆さんもよく御存じと思いますが、夜遅くまで店を張って、夜疲れた体で記帳をして、そしてそれに基づいて申告をして納税する方々が数多くいらっしゃるという、これは現実であります。そういう中で、この言葉は、ある職種の人はみんな四割脱税している、ある職種の人はみんな六割脱税しているような印象を与えるという意味で、言葉が不適切であるということを私は申し上げました。 しかし、現実に適正な税の執行が完全に行われているのかということの御質問であれば、私ども国税庁長官のもとで五万の職員がまさにそのことのために日夜精励しているということもあわせて申し上げられると思います。
○峰崎直樹君 不公平税制と言われているものが、もちろん水平だけじゃなくて垂直的な問題、あるいは世代間の問題、いろいろ観点を変えてやらなきゃいけないと思うんですが、本来であればその点ももっとあれなんですが、きょうはぜひフリンジベネフィットの問題について少しお聞きしてみたいと思います。 労働省にお聞きしますが、フリンジベネフィットと言われているものの代表例といいますか、一体それはどのようなものを労働省としてはおつかみになっておりますでしょうか。
○国務大臣(鳩山邦夫君) フリンジベネフィットというのは、一般的には賃金以外に事業主から労働者にいわば給料以外付加的に与えられるもの、そういうものの総称であると考えておりまして、代表的な例としては、結婚の祝い金、災害見舞い金、財形給付等賃金以外の各種給付金、あるいは社宅の供与、低利融資制度、利子補給制度等住宅に関する経済的利益の供与、保養施設、文化・教養施設等各種の福利厚生施設などが考えられております。
○峰崎直樹君 労働大臣、福利厚生だと思うんですけれども、この果たしてきた役割というのはどのように評価をされますですか。
○国務大臣(鳩山邦夫君) 私は、やや私見がまじるかと思いますが、日本型の雇用形態、これは今後変化していく可能性は十二分にありますが、しかし日本型のこの長期継続、昔はそれこそ生涯を通じてということであったわけですが、こういう長期的な勤務形態というものは日本の経済の基本的な力であった。これから労働市場の流動化が高まっていくのはよくわかるし、新しい雇用の需要に対して人材がまた移動していかなければならないのもよくわかっておりますが、そういう日本型の雇用慣行の中で、やはり企業と勤労者の一体感が高まるという意味で勤労意欲を高めるためにも役に立ってきたことと思いますし、また実際に勤労者のゆとりとか家族サービスという面でも大きな効果があったと思っております。
○峰崎直樹君 私も過去はそうだったと思うんです。しかし、だんだん、本来これは通産大臣とかといわゆる日本の経済のこれまでの発展の問題についてきょうは議論したかったんですけれども、きょうは時間がありませんからあれしますが、労働大臣、その点で私は、これから従業員のフリンジベネフィット、これはいろいろ問題を持っているということを言いたいんですが、これからの雇用政策といいますか、それは多様な選択が保障されるような、いろんな選択肢が保障されるような、そういうシステムに転換をするんじゃないかなと思っているんです。 その前にちょっとお聞きしておきたいんですが、今一番新しい社宅を特に例にとってみたいんですが、社宅ですけれども、東京圏でのいわゆる料金といいますか、何平米ぐらいで一体どのくらいの社宅の料金を取っているのか。これはおわかりでしょうか。
○政府委員(征矢紀臣君) 申しわけございません。手元に資料がございませんで、正確な数字はお答えできないわけでございます。
○峰崎直樹君 私の方で申し上げます。 これは今からかなり前、ちょっと年度がはっきりしませんが、数年前です。世帯用住宅で東京圏で平均的には二万七千二百円、その一企業が持っている社宅の平均的な標準的な広さは五十三・九平米、こういうふうになっています。 これはどうでしょう、かなり安いと思われますか高いと思われますか。この点、労働大臣どうでしょうか。
○国務大臣(鳩山邦夫君) 今、数年前の数字とおっしゃいましたね。特にこれがバブルの時代であったとすれば極めて安いというふうに思います。
○峰崎直樹君 今度は大蔵省にお聞きしてみたいんですが、社宅については一体どうであれば課税をされるんですか。本来、このフリンジベネフィットは原則課税のはずでございますね。
○政府委員(三浦正顯君) 社宅についての課税関係についてお答えいたします。 社宅につきまして、その家賃が通常の賃貸料相当額に満たないという場合には、差額に相当する部分について給与所得として課税されることになっております。ただ会社が、当然でございますけれども、通常の賃貸料相当額を徴収している場合には、これは課税関係は生じません。 そこで、何が通豊かということにつきましては、一般的に社宅は福利厚生的な性格が強い、あるいは、社宅はそこにございますが、社員の方はいろいろ異動等もございますので住まいとしての安定性に乏しいとか、あるいは選択の余地が少ないといったような点で一般の賃貸住宅とその性格を異にいたす面もございますので、その算定に当たりましては、その社宅の敷地と家屋の固定資産税の課税標準額に一定率を乗じて算出するということになっております。
○峰崎直樹君 どうもはっきりしないんですざ……。 〔委員長退席、理事村上正邦君着席〕 ちょっとまたこれを規模を変えて調べてみますと、電気・ガス・熱供給・水道業、これは東京圏で五十八・三平米で平均的には一万一千百円、こうなっています。六十平米に満たないところで一万一千円の家賃というのは、恐らくこれは破格に安いんじゃないでしょうか。あるいは金融・保険業、六十・七平米で二万二千七百円、一月。これは、本来であれば課税対象になりますでしょうかね。どうでしょうか。
○政府委員(三浦正顯君) ただいま申し上げましたような特殊性を配慮してやっておりまして、一般の賃貸住宅の賃貸料と社宅の額との比較を一般的に申し上げることはなかなか難しいわけでございますので、一概にはお答え申しかねます。
○峰崎直樹君 今は内容を具体的に事前に払お話ししてなかったからなかなか答えにくかったと思うんですが、先ほど言った電気・ガス・熱供給・水道業あるいは金融・保険業というのは、いずれも大企業が多いということもあるんですが、政府の規制が非常に及んでいる産業なんです。ということは、私はそこに働いている従業員からもっと取れということを言っているんじゃなくて、その規制が及んでいるところは、自分たちのそこの中の利潤というか、そういうものをどうも従業員にフリンジベネフィットで返していっているんじゃないのか、そういう傾向がどうもこういうものから非常に読み取れるんです。 もちろん、それを直ちに所得税で取ればいいかどうかというのはあると思うんですが、もう時間もなくなってきたので、労働大臣、これはILO百十五号勧告でございますが、事前に言っておりませんでしたので私論み上げますが、労働者住宅勧告では、やむを得ない場合を除き使用者が労働者に住宅を提供することは望ましくないというふうにも言い始めているんです。OECDもそうです。 そういう意味で、フリンジベネフィットの問題は、私も働いている人間の立場に立っていろいろこれまでやってまいりましたけれども、どうもそれでは律し切れない課税上の優遇措置、不公平というものが、今は社宅の問題を申し上げましたけれども、それ以外にもたくさん出ているんじゃないのか。 その点で、フリンジベネフィット問題というのは私は垂直的公平のところの観点で大変問題を持っていると思いますが、この点、最後に藤井大蔵大臣にお聞きして、本来は消費税の益税やいろんな問題についてもお聞きしたかったんですけれども、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(藤井裕久君) フリンジベネフィットは、委員の論文も読ませていただきました。これはやっぱりそれなりのいろんな雇用関係から出てきていると思いますし、税に限定して言えば、極めて急勾配な税率構成というものがこういうものを促進したことも事実だと思います。 ただ、福利厚生的な面もございますので、これを今変えるということではないと思いますけれども、いずれ雇用形態がいろいろ変わってきた場合には検討すべき問題だと考えております。
○峰崎直樹君 ありがとうございました。終わります。
○理事(村上正邦君) 以上で峰崎君の質疑は終了いたしました。(拍手) ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○理事(村上正邦君) 速記を起こして。 ―――――――――――――
○理事(村上正邦君) 次に、板垣正君の質疑を行います。板垣君。
○板垣正君 板垣であります。 予定にはありませんが、まず外務大臣に。 この四月に中華航空の悲惨な事故がございました。二百数十名の方が犠牲になり、去る十五日に名古屋において追悼の会が行われ、台湾側から閣僚二人、あと党の代表等々十何名かの方がその追悼のためにお見えになったわけであります。 そして、台湾側としてのああした事故の起こったことについて申しわけないという気持ちなり、今後の対処なりというようなことについてのお気持ちを、幸い運輸大臣にはお会いできて、そうした経過があったようでありますが、外務大臣はどうしてもお会いにならない、お会いできない。これはまさに政治を超えた人道的な問題であります。しかも、李総統の代表として官房長官並みの秘書長が見えて、礼を尽くして来られたものをお会いもしない。これはいかにも納得のできないことじゃありませんか、いかがですか。
○国務大臣(柿澤弘治君) 今回の中華航空機事故の犠牲者の追悼のために、台湾側から閣僚がおいでになったことは私も承知をいたしております。また、それについて二見運輸大臣が先方のいろいろな遺憾の意のお話を伺い、また犠牲者に対する弔意のやり方等についてお話し合いをいただいたということは承知をいたしておりますが、私の場合には、日中国交正常化宣言その他さまざまな従来の経緯もございまして、お会いをいたす機会はございませんでした。 ただ、二見運輸大臣を通じまして先方の誠意は十分に伺ったところでございます。
○板垣正君 先方としては、ぜひ外務大臣に、やはり外交を預かる方にと。これは国交はありません。いろんな制約があるかもしれません。しかし、あくまでも人道的な立場において、こうした誠意を受けとめられない。それは日中正常化というふうな問題はありましょうが、これが相手国に、中国側に対して問題が起こるとは思えないし、どうもその辺の外交姿勢を問われるようなあり方じゃないですか、いかがですか。
○国務大臣(柿澤弘治君) 私どもとしても、できるだけ誠意を持って対応させていただいたつもりでございますが、さまざまな制約があることはぜひ御理解をいただきたいと思っております。
○板垣正君 制約があるということで前進できない、それじゃいつまでも外交姿勢は変わらないじゃないですか。 御存じのとおり、日台関係というのは極めて重要であるし、台湾もああした立場でありますけれども経済的にも国際社会で重きをなしておる、そしてアジアの大きな存在であります。しかも、いわゆる今後のポスト冷戦。中国政策というものは中国だけではない。中国は四つあるというんですよ。中国と台湾と香港と華僑と、この四つの勢力を視野に入れた中で外交政策なり国策というものを展開していかなきゃ日本のこれからの国益を十分守れない。安全保障を守れない。 こういう視野について、これはもう外務大臣を超えた内閣としての姿勢だと思いますが、羽田総理はいかがお考えですか。
○国務大臣(羽田孜君) 日本の場合、日中国交正常化したときに、御案内のとおり共同声明というのがうたわれております。その中で、中国の一つであるということをそこで認めておるという中にありまして、外務大臣としての対応というのは大変難しい立場にあるということについて、ぜひ御理解をいただきたいと思います。 しかし、先方の方でも、中華航空の今度のああいう事件のためにわざわざお見えになったということで、運輸大臣が誠意を持ってそのお気持ちをお受けしたということを御理解いただきたいというふうに思います。
○板垣正君 今後の外交姿勢について、さらに再考を願いたい。 本論に入ります。 まず、総理に伺いますが、この八月には靖国神社に参拝されますか。
○国務大臣(羽田孜君) 私自身、実は総理大臣が参拝できるようにという努力は板垣委員とともにやってきた歴史というものを持つものであります。ただ、あのときに、たしか中曽根総理の時代でございましたか、相当いろいろとお話しし、また実はいろんな御努力もいただいたものでございました。 ただ、残念でございますけれども、まだ先方に傷ついている人たちがあるという現状、そういう中で、日本が今、靖国神社に国を代表する方がお参りすることについてそれぞれの国からいろんな指摘があったということでございまして、私は、遺族の皆様方が大変御高齢にもなっておるという中で、そのお気持ちというのはよくわかるわけでありますけれども、そういった参拝については私として今なかなか難しい状況にあるということを率直に申し上げざるを得ません。
○板垣正君 総理は、日本遺族会の婦人部、青年部から公開質問状が出されておるのをごらんになりましたか。
○国務大臣(羽田孜君) ちょっと私まだ拝見しておりません。
○板垣正君 いずれお手元に届くと思います。 今申し上げた日本遺族会の全国の婦人部、青・壮年部、公開質問状、これは、前提として、とにかく羽田総理は、靖国神社にお参りする議員の会の会長もやられ、遺族の処遇改善でも大変熱心で、全国の遺族から非常に親しみを持たれておったわけですが、その羽田さんが総理になられたら、あの侵略発言とかそういうふうなことで、耳を疑う、どんな気持ちなんだろうか、こういうことで、あえて靖国問題とか侵略発言とか国会決議とか、あるいは東京裁判史観、あるいは後から言いたいと思っております二千万人問題等々について公開質問状、いずれお手元に行くと思いますが、これについて総理は誠意のある御回答をいただけますか。
○国務大臣(羽田孜君) 拝見した上で、私は誠意ある回答を申し上げたいと思います。 そして、今の問題につきましては、今から四年ぐらい前でございましたか、靖国神社におきまして、あそこの会場でいろんな遺族関係の皆さんあるいは靖国神社を尊崇する皆さん、そういった皆さんがお集まりのときに、私は、たしか亡くなった長谷川峻先輩とともにパネラーとして実は出まして、なぜ総理がお参りできないのかということについても実はざっくばらんにお話を申し上げたことがあります。 そういった問題は、私は遺族の皆様とお話しするときにもそのことをずっともう数年前から申し上げてまいったところでございまして、私はそういった思いをそのままもしあれでしたら申し上げたいというふうに思います。
○板垣正君 それで、総理のその、侵略行為があった、謝罪をすべきだ、しきりにおっしゃっているようですね。どこかで言われた、謝罪するのが誇りである、それで亡くなった人を冒涜することではないと。この言い方はいかにも私どもは理解できませんが、どういう心情でしょうか。 〔理事村上正邦君退席、委員長着席〕
○国務大臣(羽田孜君) 冒涜するものではないということは、私は戦争にはいろんなきっかけというものはあったと思います。ただ私は、その日本が戦いのために多くの人たち、しかも国民の多くの人たちにもやっぱり犠牲を及ぼしてしまったということがある。それと同時に、いろんな国の皆様方に対しても心にもあるいは体にも傷をつけたということがある。このことを、戦後五十年を迎える、まああのころは四十七年を、ちょうど、そうですね、開戦五十年のころですかね、そのころからいろいろなものを私ども感じ、そして見るときに、やはりここできちんとすることが必要であろう。しかし、そのことを申し上げたからあの戦争で亡くなった方々を冒涜するものではないということを、私は実は思ったものであります。 そして、例えば植民地というものについても、よその国もやったじゃないか、欧米の国はみんなやっているよという実は議論がある。あの人たちはわびないのになぜ日本だけがわびるんだ、そんなのはこそくなあれであるということが言われるけれども、私はむしろ、一つの民族を植民地化したということに対しておわびすることは決して冒涜するものではなくて、むしろその勇気こそ私は誇りとすべきであろうということを実は申し上げておるわけでございます。 そして私たちは、戦争で亡くなった方々、決してこれはもう冒涜するどころか、むしろその犠牲があったから、そしてもうこういったことを起こさないようにという思いを持ちながら、四十九年間ですか、歩んできた、それが今日の日本を築き上げたものであるということであろうというふうに私は考えております。
○板垣正君 よくわかりませんね。 現実に遺族は、細川発言あるいはあなたの発言を通じて大変な衝撃を受け、悲しい思い、寂しい思い。今まで心の支えとしてきた、国家のために自分の肉親をささげた、国の礎になった、そしてこの平和の礎になった、だから遺族としての誇りを持って戦後の苦難に耐えてきた。端的に処遇の問題でも、仮に年金は、生活保護費の方が高くても、いや生活保護費を受けるのは潔しとしない。やはり国家の公務扶助料、国家の遺族年金、これで何としても歯を食いしばって頑張ってきた。これが靖国に対する思いでもありますよ。そういうものが、今おっしゃったようなことでそんなに切り離して考えられるか。到底理解できないし、だからこそ公開質問状も出てくるわけです。 自分の国の偉大な時代の記憶がその国民の品格をつくる、こういう言葉がございますね。戦後五十年というあの時点で断ち切って過去を断罪する、そんな一面的な簡単なものではないと思う、我が国の歴史、特に維新以来の百年間の歴史というものは。文字どおりアジアでただ一国の有色人種の近代国家としての歩みの試練、そういう中で先人の払ってきた苦難、犠牲、いろいろ曲折はありましたけれども、総じて言えば偉大な歴史ではありませんか。それを支えもものがそういう形でまさに日本人の人格、風格というものをつくってきた。 日本が悪いことをした、謝罪が足りない、謝罪だ謝罪だ、国会でも謝罪決議だ、そんなことで本当の品格が出ると思いますか。
○国務大臣(羽田孜君) 私は、先ほども申し上げましたように、戦争を起こすにはいろんな事情があったと思う。また、そのときの為政者というものはそういった中でいろいろと判断されたと思う。その時点にあってはあるいはそれが一つの国民の声であったのかもしれない。しかし、その結果あれだけ多くの方が亡くなってしまったんです。 私がこういうことを言い出したのは、まさに遺族の皆さんと一緒に、この人たちの御主人が、あるいはお父さんが、あるいは子供さんたちが亡くなっていった、そういったことをあの人たちといろいろと語りながらそのことを感じたから、今私は新たにそういう思いを強くしておるということなんです。 ですから、私は、歴史というものは、そのときのいろいろなきっかけがあったにしても、やっぱりもう四十年、五十年たつ中にあって、じゃ、あの戦争をやったことは本当によかったんだろうかということについては、これは遺族の皆さんの中にもいろんな議論があるところでありますし、私はそういった中でその人たちの、何というんですか、時代というものを振り返りながら、多くの人たちをやっぱり傷つけてしまったということもこれは事実なんです。 ですから、そういったことに対して、もう戦争をやっちゃいけないんだと、私たちは特にこれから、四十何年間ずっと歩み続けてきた中でこの国を築いてきたわけですから、そういう犠牲は再び出さないんだということをどこかでやっぱり一つの区切りというものをつけることが大事なんじゃないのかなという思いを持っていることを、本当に率直に申し上げさせていただきたいと思います。
○板垣正君 謝罪決議はあくまで進めるつもりですか。
○国務大臣(羽田孜君) 謝罪という言葉はあれなんですけれども、一つの、何というんですか、問題があったことについてある程度明確にしながら、私たちは戦後の五十年というものを、あのときを振り返って、やっぱり再び戦争をやっちゃいけないよと、お互いにやることをやめようじゃないかということを、平和を祈る決議というものは私はあっていいんじゃないのかということを、これは私はまさにもう三年ほど前ですか、議員としてそういうことを実は申し上げておったということでございまして、今、内閣の立場としてこれをどうこうということを私も言うべき問題でないと思う、これは議会の問題であろうと思いますけれども、しかし私の気持ちの底にはそういったものが今あるということは申し上げたいと存じます。平和を祈念することでありましょう。
○板垣正君 日中共同声明を読まれたことがありますか。
○国務大臣(羽田孜君) 当時、読みました。
○板垣正君 いわゆるそうした関連の問題で、日中共同声明に明確な文言がございます。それについて御承知ですか。
○国務大臣(羽田孜君) 質問の時間があれでしょうから……。今ちょっと記憶をいたしておりません。
○板垣正君 外務省。
○政府委員(丹波實君) 一九七二年の九月二十九日に北京で発出されました日中共同声明の中に、前文のところでございますが、次のような箇所がございます。「日本側は、過去において日本国が戦争を通じて中国国民に重大な損害を与えたことについての責任を痛感し、深く反省する。」。先生がおっしゃっておられるのは、恐らくこの部分であろうかと思います。
○板垣正君 そのとおりです。 それに続いて「日本側は、中華人民共和国政府が提起した「復交三原則」を十分理解する立場に立って国交正常化の実現をはかるという見解を再確認する。中国側は、これを歓迎するものである。」、「日本国と中華人民共和国との間のこれまでの不正常な状態は、この共同声明が発出される日に終了する。」と。 これだけ明確に、しかもこれは田中総理、大平外務大臣、相手側は周恩来首相、毛沢東――まだ健在のころですよ。もう大変な厳しい折衝、厳しい交渉の中でこの日中国交というものは、まさに今言われたとおり、日本も日本の立場において反省をする、そして正常化が新しいスタートを切ったはずであります。 それを何でまた今さら蒸し返して謝罪をする、平和をまた改めて意思をあらわす必要がある。おかしいじゃないですか。
○国務大臣(羽田孜君) これは、確かに、日中国交正常化のときに、今御指摘のあったとおりの文言というものが述べられたということでありましょう。 しかし、板垣委員も御案内のとおり、例えばこの間、陛下が中国へ向かわれたときに、あるいは韓国から大統領が来られたときに、常にそのお言葉ですとかあるいは首相が発言する言葉というのが、自民党時代だって議論されながら、いつもそのことを繰り返しているというのが現状であります。しかも、例えばオランダから来られた方、こういった方々の晩さん会における発言というものもそのことをもう一度問い直しているということであります。 それと、またこれは小説なんかにわたっては大変失礼でございますけれども、例えば「青い空」というのは、これは戦災によった浮浪児のことについて扱った本でありました。また、満州に開拓に行った人たちの問題について語られたのが山崎豊子さんの「大地の子」という本でもありましたでしょう。この人たちは何もイデオロギーとかなんとかにとらわれた人たちじゃございません。しかし、今もう一度この戦争というものを振り返って、この戦争に対する一つの反省というものを実はあらわしておるということで、何十年かたった今もう一度、余り問題にされなかった問題について問われているということであろうと思っております。 ですから、私は、歴史をこうやって振り返りながら、それに対してよく指摘すべきものは指摘しながら、再び戦争というものは起こしてはならないんだということを一人一人の国民が持つこと、そしてこのことを子供たちにも伝えていくということ、これは決して日本人の、何でもない、誇りであるというふうに、私はそのことを持つことが大事であろうと。 それから、これは今、中国のお話が盛んにあれでございますけれども、中国だけではなくて韓国を初めとする朝鮮半島の皆さん、その他の国の中にもそういった声というのが非常に強くあるんだということを我々はやっぱり理解しなければいけないんじゃないのかというふうに思います。
○板垣正君 中国初め、講和条約、その後の二国間関係、やはり先人たちが大変な苦労をして戦後処理といいますか講和条約等というのを、賠償の問題、補償の問題、そういう積み重ねを重ねてきて、そして五十年というのが意味があるとするならば、まさに新しい二十一世紀を目指して日本の国の理念を明らかにしていく、国際社会、アジアにおける日本の基本姿勢、基本方向というものを語り合い、打ち出していくというところにこそまさに意義があるのであって、今、細川謝罪以来、また謝罪決議が出ればなおさらのこと、至るところからいろんな補償要求、賠償要求というような終わった問題がまた蒸し返されて現にきているということの事態をどう思われますか。
○国務大臣(羽田孜君) 私は、その処理というのはサンフランシスコ条約あるいは二国間の中で一応その形はきちんとつけられたものだと思う。 ただ問題は、これは宮澤内閣の時代であります、細川内閣じゃありませんよ、宮澤内閣の時代に、例の従軍慰安婦の問題、これは人道的な問題として対応しなければいけない、だから個々にどうこうということじゃないけれども、何かここで一つの結末をつけなきゃいけないということが官房長官の発表の中でこれが言われたということでございまして、私たちはそういったものを受けておるということであります。 ですけれども、あれですよ、板垣委員の言われているお気持ちというのは私はよくわかるんです。ただ私は、そのお気持ちの上に立って、日本の国が本当に世界の中で平和国家としてのいろんな役割を果たしていくときにみずからの歴史に目をつぶっちゃならないんだということ、これを私はやっぱりきちんとしておくことが大事だろうという考えを持つところであります。
○板垣正君 やはり歴史認識に大きなずれがあるんじゃないでしょうか。歴史というものはにじのようなものである。それは近くに寄って詳しく見れば見えるというものではない。近くに寄ればその正体は水玉にすぎない。にじは見る人から一定の距離と角度を置いたときに初めて明瞭に見える。逆に言えば、その距離と角度が適当でなければにじは見えない。 そういう意味で、まあ総理とばかり論議していてもあれでございますけれども、この歴史認識というものについて、戦後の日本の歴史と過去をすべて否定される、いわゆる東京裁判史観、あるいはあの戦争はファシズムと民主主義の戦いであったというような史観、つまり勝った国の歴史認識、勝った国の歴史観、これがいや応なしに押しつけられる。負けた国の歴史観というものは抹殺される。こういう中で非常にゆがんだ歴史認識があることは事実であります。 したがって、今大事なことは、正しい歴史認識、その角度からにしかはっきり見える、先人の苦しみ、積み重ねてきた歴史が、日本人自身の歴史認識が見える角度、そういう姿勢が今問われているんじゃないでしょうか。
○国務大臣(羽田孜君) もう今の御指摘は全く私も賛成です。まさに見る角度あるいはその距離、こういったものがあるでしょう。それから、歴史というものは時間というものがありますから、この時間の差というものがありましょう。 ただ私は、まさにこの二十五年間の政治活動をする中にあって、それぞれ傷ついた人たちの立場あるいはその遺族の皆さん方の気持ち、こういった皆さん方と話し合う中で、私はそういった皆さんの立場がわかると同時に、それともう一つは、まさに角度を違えて、要するに日本の国内じゃなくて外で傷ついた人たちの立場、こういったもの、あるいは一つのその国の歴史というものが、ある人たちから、向こうの人から見たら踏みにじられたという見方というものも実はあるんだろうというふうに思います。 そういったものを総合しながらもう一度総括する必要があろうというのが実はこの問題の私の一番の、何というんですか、議論といいますか、考え方を持った一つの始まりであったということを申し上げさせていただきたいと思います。
○板垣正君 とにかく歴史認識、距離と角度、このことについてもう一度よく御検討いただきたい。 防衛問題に入ります。 今、政府の防衛問題懇談会がいろいろ検討を進められている。羽田総理は、総理に就任され、改めてこれに諮問されたということを聞いております。総理のこの問題に対する、あるいは懇談会に対する諮問、これを受けて今後どういう対処をされるか。防衛の基本。
○国務大臣(羽田孜君) 我が国の防衛力のあり方につきまして、中期防にありますとおり、国際情勢の変化ですとかあるいは将来の人的資源の制約の増大等に的確に対応するための検討をしていただいておるということでございます。これが基本であります。 現在、防衛問題懇談会におきましては、今申し上げたことについて幅広い視点から熱心に御論議をいただいておるところでございまして、現時点で私が今後の防衛のあり方とかいうことについては申し上げることは差し控えたいと思いますけれども、いずれにしても、冷戦の終結に伴う世界情勢、国際情勢というものは非常に大きく変化していること、それからまた、今近隣の中にあってもいろんな問題がまた引き起こされているという問題もございます。こういった問題を、中長期的な視点に立ってこれからの日本の防衛どうあるべきなのかということの御答申をいただきたいというふうに思っております。
○板垣正君 総理が就任される直前か直後か、憲法論議をもっとやるべきだとか、あるいは防衛体制は強化すべきだ、積極的に国際的貢献、PKO等もやっていくべきだという論議、外務大臣も集団自衛権というような問題を論議していいじゃないか、防衛庁長官からもそういう何か積極的な御意向があった。それが全部スタートと同時にまたもとのさやに戻ってしまったが、本音はどうなんでしょうか。 これからのこういう情勢の中で、積極的に対応していく、日本の安全保障を守っていくという上で、従来の憲法解釈、従来の法律解釈、その枠の中でやり抜けるんでしょうか。集団自衛権の問題、今のままでいいんでしょうか。本音を聞かせていただきたい。
○国務大臣(羽田孜君) 基本的な考え方というのは、私は従来の考え方というものを踏襲していくということ、これはそんな変化のあるものではありません。 ただ問題は、今お話の中にありましたような、日本がこういう中で果たしていく役割の中に、例えば自衛隊がPKOなんかに参加しているという問題があります。こういった問題についてやはりもっと議論を深める必要があろうと思っておりますし、もう一つの問題は、やっぱり今お話がありましたけれども、将来国際的な平和を乱す者に対してどう対応するのかということは、これはこれからまたもう少し議論しませんと、今まで形はつくられていないし、またどうあるべきだということも議論されておらない、これは国際社会でまだ議論されておらないということです。しかし、ポスト冷戦という中にあってはそういう問題もこれから私は議論されていく問題であろうというふうに考えます。
○板垣正君 外務大臣。
○国務大臣(柿澤弘治君) 私は、昭和二十年代、また三十年代の日本を取り巻く安全保障の状況と今日の状況がいろんな意味で大きく変わっている、そういう中で板垣委員のお考えの中にあるような日本の安全を、しっかり安全保障政策を打ち立てるにはどのような考え方に立つべきか、この点は国民の皆さんに大いに議論をしていただくべき問題だと思っております。 その中では、憲法を改正しなければ安全保障政策を打ち立てられないという御議論が自民党の中にもございました。しかし、私は現在の平和主義の憲法の中で日本の安全を守っていくためにいろいろな解釈というのがあり得るのではないかと。その意味で、その辺のところを、先入観を持たずに、予断を持たずに議論をしていただくことは必要ではないかということを申し上げたわけでございます。 その意味では、その考え方は今でも持っておりますが、しかし、現内閣におきましては、憲法九条のもとで集団自衛権は主権国家として保有されているけれども行使が許されない、そういう考え方を維持していくということを総理が御判断されたわけでございますので、私も閣僚の一員としてその方針で最大限の努力をさせていただきたいと思っているわけでございます。
○板垣正君 防衛庁長官、どうですか。
○国務大臣(神田厚君) 私も新聞でそういうふうなことを言ったというふうに言われておりますが、私はいろんな情勢の中で憲法の論議にも発展をするだろうというふうなことを言ったのでありますが、しかし、現内閣が現行、従来の解釈でやるという判断でございますので、そのように決定いたしております。
○委員長(井上吉夫君) 板垣君の残余の質疑は午後に譲ることといたします。 午後一時三十分に再開することとし、暫時休憩いたします。 午前十一時五十八分休憩 ―――――・――――― 午後二時五十二分開会
○委員長(井上吉夫君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 平成六年度一般会計予算、平成六年度特別会計予算、平成六年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、休憩前に引き続き、板垣正君の質疑を行います。 関連質疑を許します。久世公堯君。
○久世公堯君 石田国務大臣にお尋ねをしたいと思います。 昨日、この理事間の合意において、当委員会におきまして井上委員長から報告がなされていましたが、その内容について御存じでございますか。
○国務大臣(石田幸四郎君) 委員長からは、「なお、理事間の協議において、公明新聞の記事については自民党の意を体し公党の委員長として責任を持って対処する旨の合意がなされました。以上、御報告いたします。」ということであります。
○久世公堯君 本日の公明新聞に「参院予算委審議再開へ」という見出しにおいて、委員長のこの内容が、この記事が発表されましたが、今国務大臣がお読みになりました委員長の報告にこたえるものだと思われますか。
○国務大臣(石田幸四郎君) 私は、委員長として誠意のある対応をしたものと思っております。
○久世公堯君 重ねてお聞きをいたしますが、「自民党の意を体し公党の委員長として責任を持って対処する」と、こう委員長が言われたわけでございますが、それに対する答えと思っておられますか。
○国務大臣(石田幸四郎君) どのような形をとるにせよ、私が委員長という責任におきまして、この小選挙区区割り中間報告についての問題で、参議院の予算の審議についてであるかのように誤解を与えたことについては申しわけないというふうに申し上げたわけでございまして、その意味におきまして、私は誠意を持ってこの点は申し上げたわけでございます。 また、公明新聞の扱いにつきましては、当然私のその真意を伝えたものと、このように思っております。
○久世公堯君 公明党からも予算委員会には理事が選出されておられます。私どもの予算委員会の理事の間の協議では、新聞記事としてではなく、謝罪広告あるいはおわびとしてこの要求をしたわけでございまして、その理事間におきましては、これはもっともなことだということとされておりましたけれども、しかし、私どもは公党を信頼を申し上げまして、委員長の責任として対処するということを求めたわけでございます。一体これが自民党の意を体して、公党の責任として、公党の委員長としての回答と思われるでしょうか。理事からその経緯については詳しく聞いておられると思いますが、そういう合意のもとにおいてこの内容をお願いしたわけでございますので、それを体してお答えをもう一度お願いしたいと思います。
○国務大臣(石田幸四郎君) 理事会において、我が党から出ております理事は、そういった公明新聞の記事に対しておわびとか訂正とかそういうことは申し上げられないということを言明を申し上げておったはずでございます。そういったことを前提にしましていろいろな交渉が行われましたけれども、最終的に私がそのことについて、記事の内容についておわびを申し上げたわけでございますので、それで十分ではないかと思います。
○久世公堯君 この記事は報道記事にすぎないわけでございまして、この理事間において合意をいたしましたのは、そういう委員長のお考えを公明新聞を通じて伝えてもらうと、その内容につきましては委員長を御信頼申し上げましてお任せをしたわけでございます。 一昨日以来二十数時間にわたりましてこの予算委員会が空転をいたしましたのは、もう全く公明党の責任以外の何物でもないわけでございます。ようやく本日朝から再開をされたわけでございますけれども、このような記事のお答えでは全く誠意のかけらも見られない、一体これが世の中に通用するものなのであるか、常識と考えられるのか、全く私どもは常識外のことだろうと思いますが、どのように思われるでしょうか。
○国務大臣(石田幸四郎君) いろいろな御指摘でございますけれども、やはり私は新聞の立場として、新聞は明確に編集権を保持しているわけでございますから、今までのいきさつ、委員会でのいきさつ等を見てこのような形でいいというふうに判断をいたしたものでございまして、私は今までのさまざまな新聞のそういった謝罪文なりあるいは訂正文なりというようなものの扱いも見てまいりましたけれども、そういったものと比較をいたしまして別に遜色があるものとは思いませんし、三段にもわたって記事が書かれているわけでございますから、私はその編集のとった態度は是といたすものでございます。
○久世公堯君 何度お尋ねをいたしましてもオウムのように同じお答えばかりで誠意のかけらも感じられないわけでございます。 そこで、井上委員長にお尋ねをしたいと思いますが、委員長は、私どもの理事懇におきましてこの問題につきましてそれこそ十数時間取り仕切っていただいたわけでございます。あの理事間の合意、またその線に沿って委員長がおまとめになりましたこの「公明新聞の記事については自民党の意を体し公党の委員長として責任を持って対処する旨の合意がなされました。」と、当委員会において発表されたわけでございますが、この委員長の見解をお尋ねしたいと思います。
○委員長(井上吉夫君) お答えをいたします。 本日の公明新聞の掲載内容は、昨日私が委員会で述べました理事会の合意内容に沿った掲載内容とは考えられません。さらに、今、久世理事から言われたように、理事間の協議において公明新聞の記事については自民党の意を体し公党の委員長としての責任を持って対処する旨の合意がなされたわけでありますが、それに沿った答弁とは到底思われません。改めて石田委員長の再答弁を求めます。
○国務大臣(石田幸四郎君) 委員長としてのこの問題についての考え方というのは、私は今まで申し上げたとおりでございまして、今までも誠意を持って対応をしてまいりましたし、また、昨日の委員長の発言の問題についても、これは党の責任において対応したものでございまして、私はそれは是としたものであるというふうに思っているところでございます。
○委員長(井上吉夫君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(井上吉夫君) 速記を起こして。 暫時休憩いたします。 午後三時四分休憩 ―――――・――――― 午後六時四十六分開会
○委員長(井上吉夫君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 ―――――――――――――
○委員長(井上吉夫君) この際、総務庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。総務庁長官石田幸四郎君。
○国務大臣(石田幸四郎君) 先ほどの委員会で発言をされた井上委員長の確認の問題については、私も十分理解いたしておりませんでした。井上委員長の昨日発言された理事会合意のとおりに誠意を持って対応いたしますので、よろしくお願いを申し上げます。 ―――――――――――――
○委員長(井上吉夫君) 休憩前に引き続き、板垣正君の質疑を行います。板垣君。
○板垣正君 防衛問題はちょっと間を置きまして、文部大臣にお伺いいたします。 昨年の国会で、教科書に、二千万人の犠牲をもたらした、この二千万人問題について質疑、また文部大臣の意向、見解をただした次第でございますが、その後、文部省の検定においては九冊ほどの教科書についてそのまま検定合格をしておる。これは当時の山花国務大臣の発言をめぐって、二千万人というのは根拠がない、全面的に撤回をし、陳謝をされた。こうした予算委員会における経緯、事柄の重大性、これから見まして、文部省の措置というものは極めて納得しがたいものでございます。 過般、この問題については文部大臣の方にも抗議の申し入れをいたしましたが、その後の経緯、対応について明らかにしていただきたい。
○国務大臣(赤松良子君) 昨年の十月、先生からの御質問に対しまして、私が、当時の状況から申しまして、教科書に二千万人ということが記述されている、あるいは今後それをどうするかということにつきましては教科用図書検定調査審議会というものの中で御審議をお願いするのが適当ではないかという御答弁を申し上げました。で、その後、これを審議をお願いいたしました。 そして、ちょうど高等学校の日本史教科書の調査審議をお願いしていたところでもございましたので、その中で、審査に関連をいたしまして直ちに審議をしていただきました。そしてその中で、教科書の検定については通常七月に統一的な公表をいたすことになっておりますので、具体的なことはまだ公表前でございますので申し上げるのは差し控えさせていただきたいのでございますが、一般的に申し上げますと、審議会においては学説等の状況に照らしつつ記述の欠陥を指摘するという教科書検定制度の基本を踏まえまして議論が行われました。そしてその結果は、私としてはこの審議会の答申に基づきまして検定を行ったということでございます。 なお、御指摘の、二千万人を推定するという記述を認めてきたということにつきましての考え方を申し上げますと、さきの戦争の死者数につきましては正確に把握することは必ずしも容易ではございませんが、これまでさまざまな調査研究あるいは推計がなされており、この場合にあっては二千万人ないし二千万人を超える数字というものが一般的である。したがって、このような状況を踏まえますと、数字を示さないということも一つの記述方法ではございますが、執筆者があえて推計値を挙げたいということで申請がなされた場合におきましては、さきに申し上げました教科書検定制度の基本を考慮いたしますと、この記述を許容してきたところである、このように承知をしているところでございます。 またその後、先生が抗議という形で抗議文をお持ちくださいまして、そのとき文部省の中でお目にかかったわけでございます。そのとき先生の抗議の内容は私は承りました。そして、その後いろいろ資料等自分なりによく研究をいたしましたが、審議会での議論の様子あるいはその結果をよく検討いたしまして、議論を深めていただいたということを理解し、そしてその検定を私は受け入れたところでございます。
○板垣正君 前回も、教科書審議会におかけになるということについては、そうした形では同じことを繰り返される、したがってこの問題については文部大臣の責任において解決してもらいたい、撤回してもらいたい、こういう気持ちを申し上げたはずでございます。総理の質問にも申し上げたように、いわゆる歴史認識の流れの中で我が国の与えた被害というものを非常に過大に、そして推定値という推定にも至らないような数字がひとり歩きをする、こういう傾向というものを私どもは非常に憂えるわけでございます。したがって、今のお答えでは納得しかねる。 まあ正式な発表は七月ということでございますが、こういう形で次の世代の子供たちが、根拠も定かでない二千万二千万と、我が国政府も、恐らく文部省もこれには確固たる数字はございません、わかりません、そういう立場にもかかわらず、こういう偏った数字がひとり歩きをし、子供たちがこうしたものをもう既成の事実として頭にしみ込まれてしまう。これは私どもとして認めるわけにはいかない。 もう一度御答弁をお願いいたします。
○国務大臣(赤松良子君) 二千万人の根拠につきましては、これまでの教科書にも載っていることであり、七年度の教科書についての検定の中でも議論になったところでございますが、これは、先ほど必ずしも容易でないというふうに申しましたが、従来からの学説、いろいろな学者の方が御自分たちの御研究、あるいは資料、調査等からの推計でございまして、二千万人というような非常に大きな数字は、もともとが細かい何十何人というような数が出てくるわけのものではないわけでございますから、いろいろな数字からの推計で二千万人という記述をされているのは決して少なくないわけでございまして、そのような推計から教科書に採用されたということは必ずしも根拠がないということは言えないというふうに考えられるものだと思います。
○板垣正君 これは、本委員会において、いやしくも国務大臣の立場からその発言を謝罪し全面撤回をされた。こういう経緯を踏まえながらも、もう既に昔載っていたんだ、また推定として許容範囲にあるんだ、こういう扱いで扱われるということはまことに遺憾であり、納得できません。総理、今の問題についていかがでしょうか。
○国務大臣(羽田孜君) そういう御指摘でございますけれども、審議会の議を経て適切に行われるというふうに私どもも承知しておりまして、私どもがこの審議会の議に対しましてこれらの適否について申し上げるということについては、これは差し控えさせていただかなければならない問題であろうというふうに存じております。
○板垣正君 伺ったのは、国会の予算委員会の場におきまして山花大臣の立場から正式に撤回をし謝罪された、そういう問題、経緯というものはどう受けとめられますか。
○国務大臣(羽田孜君) これは、山花さんが御自身で書かれたもの、これに対してあの方は撤回されたということでありまして、教科書そのものは大分前からじゃないのかと思いますけれども、その中で常に検定を受けながらきたというものでありましょうから、それを私の立場で申し上げることはちょっとお許しをいただきたいと思います。
○板垣正君 いずれにしましても、こうした問題について、非常に冷淡というか無関心というか、人ごとに受けとめている。もうこれ以上申しませんけれども、文部大臣が七月公表までにもう一度この論議を踏まえて、文部大臣としての責任を貫いていただきたい。 次は、防衛庁長官に市ケ谷台一号館の問題について伺います。 これも参議院の内閣委員会で請願が採択され、一月二十八日に本会議において、全会一致で歴史的意義あるものとして保存すべきである、こうした請願も採択をされた経緯がございますが、これを受けとめてどういう見解をお持ちですか。
○国務大臣(神田厚君) 御指摘の一号館が過去において東京裁判の法廷などとして使用された経緯があることは十分承知をしております。 他方、一号館の現存を求める委員の御意見にもこたえて、昨年十二月、防衛庁として保存についての再検討を行いました。この結果、これを残置したままでは防衛庁本庁庁舎など移転計画を進めることが不可能であり、一号館の取り壊しを図らざるを得ないという結論に達しました。 しかしながら、国会における御議論も踏まえ、一号館の象徴的部分である大講堂等の移設復元を図るべく対処する所存でございます。
○板垣正君 防衛庁長官は、議員としてこの問題について衆議院の安全保障委員会で非常に熱心に、歴史上保存すべきであると強い信念を披瀝しておられた。議事録も残っております。それだけに、この問題については大きな期待を持ち、またやむにやまれずこの問題が行政訴訟にも持ち込まれておる。 承りますと、原爆ドームをぜひ残そう、世界の歴史的な遺産として登録しようと。そうなりますと、文部省の言う、文化庁の言う、文化財に認定をしなければならない。そのためには大体明治以前のものでなければ文化財として指定できないけれども、今回は何か特別な措置をもって原爆ドームというものを世界の遺産として登録しようというようなことも承る。 性格は違いますけれども、この市ケ谷台の一号館というものは、日本のまさに近現代史における生き証人といいますか、まさにそのものが刻まれているものでございます。そうしたことで、この問題について防衛庁長官、まだ時間的な余裕もあるわけでありますから、この上ともこの問題についてひとつ真剣に取り組んでいただきたい。 もう一度御見解を承ります。
○国務大臣(神田厚君) 先生御指摘のように、昨年四月の衆議院安保特別委員会におきまして、一号館の保存は意義のあることとの観点から、防衛庁本庁庁舎移転計画につきまして質問を行いました。 その後、昨年十二月、一号館の現存を求める国会審議を踏まえ、防衛庁としてその保存について再検討した結果、一号館の象徴的部分である大講堂等の移設復元を図るということを決定いたしました。これは、一号館の保存についてぎりぎりの再検討を行った結果であると評価をしております。 また、この方針は、連立与党の平成六年度予算編成大綱においても確認され、平成六年度予算案には一号館関連経費として約七億円を計上しているところでございます。 現時点では、防衛庁長官として、一号館の部分的移設復元を含め、本移転計画の着実な進展を図っていく所存でございます。
○板垣正君 大変遺憾な御答弁でございますが、こうした形でやむなく訴訟等も進められておりますし、私どももあくまで今後も要望してまいります。 防衛問題でいろいろお伺いしたかったわけですけれども、時間もございませんので、一つだけ総理に伺います。 自衛隊、防衛庁、自衛官というものは、外国で言えば軍人ですね。こうした立場の方は、現実に自衛隊の方も国を守るために、あるいは国際貢献事業を献身的にやっていく、こうした方々の名誉というものが果たして十分守られているであろうか。 これはいろんな経緯もございましょうけれども、全体的にも扱いという問題、いろいろございますけれども、例えば認証官、制服のトップといえば統幕議長、統幕議長といえば昔のあれで言えば大将というのか元帥というのか、いずれにしましても、制服の最高トップにあり極めて大きな任務を持っております。あるいは陸海空の幕僚長、こういう人たちも認証官ではございませんね。一人もおらない。こういう扱いがいつまでも続いていいんだろうか。 あるいは叙勲というような問題も、統幕議長に授与される最高勲章というのは、つまり自衛隊の制服の最高勲章というのは勲二等ですよ。それも瑞宝章ですよ。つまり、制服で長年苦労されてもほとんどの人は勲章はもらえない。もうそろそろそういう面においても名誉の問題についてやはり配慮をし、そうした点についていろいろ御苦労いただく反面、そうした名誉も認める。これが国家として、また政治の立場の配慮ではないか。この点について伺います。
○国務大臣(羽田孜君) 自衛隊の皆様方は、今お話があったPKOという新しい任務というようなものも負うようになってきております。いずれにしましても、やっぱり国の安全というものを確保しなければならない立場、その中で御苦労されている皆様方の立場というものについて今御指摘があったわけでありますけれども、これは、今私もちょっとここでどうだということは今までの慣例、慣行等があるでしょうけれども、しかし私どもは、名誉というのはきちんと守られる、そういう中で本当に国を守るんだという気概というものが生まれてくるであろう。この御指摘はよく念頭に置きながら、これから我々としてどういうことができるのか対応してみたいと思っております。
○委員長(井上吉夫君) いいですね。
○板垣正君 もう一つだけ。
○委員長(井上吉夫君) 時間が参りました。
○板垣正君 はい。さらに、統幕議長に月に何回お会いになりますか。あるいは安全保障会議のメンバーとして正式に、やはり軍事情勢等今後いよいよ重大でありますから、その辺の配慮も重ねてお願いいたします。 終わります。
○委員長(井上吉夫君) 以上で板垣君の質疑は終了いたしました。(拍手) ―――――――――――――
○委員長(井上吉夫君) 次に、片山虎之助君の質疑を行います。片山君。
○片山虎之助君 先週の質問で、税制改革に絡む二十一世紀福祉ビジョンの話をさせていただきました。 考えてみますと、まさにこれは二十一世紀のビジョンですから、高齢化のピークの二〇二五年を目標にしまして、その福祉の未来像というんでしょうか、あるべき姿、それを超えるためのいろんな努力なんかを書いたものだ、こういうふうに私は理解したわけであります。 しかし、これはビジョンですから、これをそのまま具体の予算や施策にはつなげない。したがって、具体の予算や施策につなげるのは中長期の、例えば今高齢福祉社会用につくっておりますゴールドプラン、これは平成十一年度が目標でありますけれども、そういうものが要る。これから児童対策については、厚生大臣はプレリュードと言われましたけれども、エンゼルプラン、そういうものをつくる。それが十年なら十年のきちっと積み上げた計画として出てくる。ビジョンの方はこれは大胆な仮説と推計をやる。その計画に基づいて個別の具体の施策や単年度の予算編成が行われる。こういうふうな位置づけだと私は思うんですが、厚生大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(大内啓伍君) 大体御指摘のとおりだと考えております。
○片山虎之助君 そこで問題は、本来二〇二五年の三十年後のビジョンが二〇〇〇年とか二〇一〇年とかの推計をやっているんですね。これが本来ビジョンであるにもかかわらず中長期の計画風に世間に受け取られる、あるいは税制改革のこれが一つの根拠づけになっている、ここに問題が私はあると思うんです。 というのは、これはビジョンですから、二〇〇〇年の推計で言いますと、例えばこれはどこかの新聞にも書いておりましたけれども、二〇〇〇年までにあと六年で本当にこれだけのビジョンに書いているような目標水準が達成できるのかどうか。 例えばお年寄りで言えば、何度も言いますけれども、待たずに特養に入れるとか、ホームヘルパーが毎日来てくれるとか、デイサービスに三日行くとか、児童対策で言うとかなり質の高い保育を共稼ぎの女性は全部受らけれる、乳幼児の保育だとか、あるいは小学校低学年だと学校から帰ったら児童館か何かでクラブ活動がちゃんとできるとか、あるいは夜間の延長保育ができるとか、そういうことは私は今数%なんだからなかなか簡単にいかないだろうと思うんです。 そういう意味では、これは理想をやっておりますから、その限りでは見込みが膨らんでいる、できないものに膨らんでいる。特に老人の場合には、市町村計画を積み上げたら、今計画は進行中にもかかわらず一・六倍になったというんですよ。それがそのまま取り込まれているような気が私はするので、これを大きな論拠にするのはちょっとおかしいんじゃなかろうか。 それからまた、今度は逆の意味で言いますと、何度も言いますけれども、これは社会保障給付が中心だから施設整備だとかマンパワーそのものの人件費は措置費に入っているにしても、確保・養成費だとか研修費だとか、あるいは地方単独事業だとか――地方単独事業といいましても、老人医療の継ぎ足したとか乳幼児医療の無料化だとか出産奨励金だとか、あるいは福祉施設をもう少しいろんな機能を付加して総合化するとか、いわば福祉の内容の中身になっていると私は思うんです。そういうものは全部入っていない。だが、膨らまし過ぎているものと入っていないものがある。その数字をそのまま使っているというのは私は問題があると思うんですよ。思うけれども、ビジョンだからそういうふうな理解をするのが正しいのではないかと私は思いますが、厚生大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(大内啓伍君) おっしゃられるとおり、ビジョンはあくまでもビジョンでございまして年次計画とは違うわけでございますから、やはり現在考えられる各種の統計を駆使いたしまして三十年後の一つの傾向というものを言いあらわそうというのがビジョンでございます。しかし、一遍に三十年だけを示すということはなかなか難しいものでございますので、その節目節目、つまり二〇〇〇年、二〇一〇年、二〇二五年という形である程度の推計値をはじいていく、これがビジョンでございます。 したがいまして、先生が御指摘のように、ゴールドプランとかエンゼルプランということになりますと、これは数字を相当積み上げたものでございまして、そしてそれはいわゆる年次計画でございまして、ビジョンにはそれだけの一つの限界があるわけでございますが、それにもかかわらず、私どもとしては諸先生方の格段の御努力を賜りましてかつてない形で数量的な面でもある程度の推計値を出したというところでございます。 先生が御指摘のように、例えば特養老人ホームの施設費とかあるいはその他の施設費というのが措置費になったりその他の項目になったり、つまり給付としてカウントされないとか、あるいは地方の単独事業の場合は統計そのものもないためになかなか推計ができなくて積み増しになるとか、あるいは例えば今地方にお願いを申し上げた老人福祉計画というものを積み上げてまいりますと大体一・六倍ぐらいの需要が出てくる。そうすると、それにこたえるような形で私どもとしては政策を考えていかなきゃならぬ。 じゃ、それが実際にそのとおりできるかできないかという問題については、我々のこれからの努力いかんという問題が確かに含まれているわけでございます。しかし、これは決して理想を申し上げたということではなくて、我々が当然二十一世紀及びその後半にかけてやらなければならない政策的なチョイスというものを示したつもりでございまして、先生の御指摘もごもっともな点も多々あると考えております。
○片山虎之助君 今、厚生大臣から御答弁いただきましたが、なるほど二〇二五年は三十年後ですから、二〇〇〇年も二〇一〇年も私は要ると思うんです。それはやっぱりある程度の道筋を示さなきゃいけません。そういう意味では、このビジョンはビジョンとしては私はそれなりによくできていると思うんですよ。問題は、このビジョンの使われ方、使い方なんですね。 そこで、今も大臣るる言われましたが、五・三兆円という需要がこれから二〇〇〇年に膨らむということで、税制改革の方のこれが一つの数字になっているんです。しかし、これは今言いましたように、いろんなプラス・マイナス要因があってきっちりしたものでないんですね、それはそういうふうにかなり詰められておりますけれども。厚生大臣、それはそう理解していいんでしょうね。
○国務大臣(大内啓伍君) 先ほど申し上げましたように、日本にも各種の統計がございますので、その各種の統計を駆使いたしまして推計できるできるだけ正しいであろうと思う数字を我々なりにはじいているわけでございます。 しかし、先生が御指摘のように、これは年次計画ではございませんし、したがって積み上げた数値ではございませんので、これが絶対的な数字であるというふうに申し上げることはできないわけでございまして、そのために私どもはこうしたビジョンで示された一つの政策的な選択の方向に沿いまして、例えばゴールドプランという面におきましては、これからその一・六倍ぐらいに膨れるであろうというものを少し地方の計画とも照らし合わせて積み上げてみたい、そしてその数値については、できればこの夏の概算要求にも出したい、また、エンゼルプラン・プレリュードにつきましてもプレリュードをできるだけ取りましてできるだけ可及的速やかにエンゼルプランとしたい、その場合にはちゃんと積み上げた数字でお示しをしたい、こう考えている次第でございます。
○片山虎之助君 だから、厚生大臣今言われましたように、この五・三兆円はある意味では絶対的なものでもないし、ふわっとした数字で、きちっとした数字は、先週の答弁でもありましたが、新ゴールドプランなりエンゼルプランの策定にまつ、そういうことだと思うんです。 余りこればかりに時間をとっちゃいけませんので次に移ります。 この二十一世紀福祉ビジョンの中には適正給付適正負担という言葉があるんです。適正給付適正負担、私はいい言葉だと思います。今までよく高福祉高負担だとか低福祉低負担だと言われた。これはどっちでもないんです。それじゃ、これは中福祉中負担かというと、そうでもないんです。日本の福祉は水準が高いし負担は低いんですね。厚生大臣、これはどういうふうに理解したらよろしゅうございましょうか。
○国務大臣(大内啓伍君) 全く御指摘のとおりでございまして、適正給付適正負担というのはなかなか苦心し立言葉なのでございます。 と申しますのは、先生今御指摘のように、中福祉中負担という言葉もございますが、年金とか医療というものを国際的に比較してみますと、これは相当国際的にもだえ得る水準になってきております。したがって、その給付という面で見ますと、年金給付というものは相当の高水準にあると言っていいと思うんです。つまり、もう現実に中給付ではないわけです。これはさらになおよくしていかなければなりませんが、ただ、福祉という面では、やはりなお特にヨーロッパに比しましておくれている分野がございます。 したがって、私どもが適正給付適正負担と申し上げたゆえんは、スウェーデン等の北欧式の税金で主として賄っていって相当の高水準の給付をやる、いわゆる俗に言う高福祉といいますか、そういうものでもないし、またスウェーデンの場合は国民負担率が約七六%にも達しております。先生御存じのように、日本の場合は平成六年度の推計は三七・五%でございます。それと比べますと相当の負担でございますが、日本の場合は、これは自民党政権時代から相当積み上げてきた社会保障でございまして、日本独自の発展を遂げているわけです。 ですから、北欧式の高給付高負担ではなくて、といってアメリカ式の自助努力の低給付低負担ではなくて、あるいは低福祉と言ってもいいのでございますが、やはり日本独特の積み上げてきた適正負担適正給付というところが一番いいのであって、それは中身的にはどういうことを意味するかといえば、やはり国民の基本的なニーズにこたえ得るような給付と、それから家計の大きな負担にならないような負担、それを適正給付適正負担と、こうあらわしていると理解しております。
○片山虎之助君 厚生大臣からいい御答弁をもらいました。私は、適正給付適正負担というのは、給付、負担ともに水準が適正であること、給付と負担の関係も適正であること、さらに負担が公私の組み合わせが適正であること。今、大臣は、給付については基本的なニーズにこたえるものが給付で、負担の面では家計の面で耐え得るものと言われました。私はそれは正しいと思いますが、大臣、今の給付と負担の現状は適正ですか、あるいは大臣の方でつくられたビジョンの二〇〇〇年の給付と負担は適正ですか。
○国務大臣(大内啓伍君) この適正給付適正負担というのは、これは時代によってもその国によっても相当変化があるわけでございます。今までどうかというお話でございましたが、大体国民のコンセンサスをいただいてきたという意味では適正給付であったり適正負担であったりだと思います。特に、先生が今三つの分類をされましたけれども、その中身がまさに適正給付適正負担であると、私は全く同意見であります。
○片山虎之助君 ありがとうございました。 それからもう一点、受益者負担というのを今回のビジョンに持ち込まれているんですね。税と社会保険料というのはだれもわかる。ところが、もう一つ受益者負担というのをこの中で取り上げられて、しかも経済成長と給付に差が出たら受益者負担を活用しろ、そのためにはきちっとしたルールが必要だと、こう言われているんですよ。今、なるほど特養の徴収金だとか保育料の負担金だとか議論になっていますね。これをもっと伸ばせという御思想ですか、そこのところは。税と社会保険料と受益者負担の関係。
○国務大臣(大内啓伍君) 税と保険料と受益者負担、このバランスをどう図るかということが非常に問題でございまして、今度の年金改正でもあるいは医療保険の改正でもその辺のバランスを考えながら実は御提案を申し上げているわけで、受益者負担はここまでとかそういう基準はないと思うのでございますが、各制度によりましてその三者のバランスをとる、そして受益者負担についてもこれから相当お願いをしていかなければならぬ、こう考えております。
○片山虎之助君 これから福祉の需要はずっとふえるんですよ。それを税を中心に賄っていくといったら無理があると思う。やっぱりある適正なルールのもとに社会保険料も伸ばしていかなければいけません。同時に、私は受益者負担もルールをつくって伸ばしていくべきだと思うんですよ。同じ御意見でしょうか。
○国務大臣(大内啓伍君) 今申し上げたとおり、同意見でございます。
○片山虎之助君 そこで、加藤政府税調会長の要請によりまして「税制改革に関する機械的試算」というのが大蔵省から示されたんですよ。機械的機械的と一生懸命言うときは機械的でないことが多いんですよ、本当に機械的ならそう強調しなくてもいいんですから。意図的だとは言いませんけれどもね。しかも、最初は七パーから一〇パー出して、税調の中でいろんな議論があって六パー以下も出すとか、自然増収を一切入れていないから何だと言われて自然増収を入れたとか、こういうことになるんです。 この中身を見ますと、ここにあるんですけれども、とにかく消費税を一〇%にしないとこの機械的試算では全部マイナス、赤字なんですよ。収支償わないんですよね。大蔵大臣は今までの答弁で、これは素材の提供なんだ、多くの人に議論してもらうんだ、こう言いましたよ。しかし、こんなもので議論できますか。一つの一定の方向に誘導するような意図があるような気がしてしょうがない。いかがでございますか。全部赤字なんだから、一〇%にして初めて黒字になるんですから、いかがでしょうか。
○国務大臣(藤井裕久君) 今のような御疑念があってはいけないと思いまして、しつこいほど機械的と申し上げてきたわけでございます。まさに機械的でこれで御議論をいただきたいということと、先ほどありました福祉の増大要因等々も、さっきの御議論を繰り返すわけではありませんが、私は非常によく勉強されたビジョンだと思うんです。しかし、福祉計画ではありませんですね。ビジョンだと思いますね。だから、そういう意味ではふわふわしたものであるということも御議論になったとおりなんです。 しかし、そういう方向づけの中でいろんな角度からあらゆる問題について、これはあの内容も含むでありましょう、税率の話も含むでありましょう、あらゆる問題について御議論をいただく素材だというのはそのとおりであります。 したがいまして、こういう前提でつくりなさいということがありましたので、四%、五%、六%、返済期間二十年という機械的計算もお出ししたというのは、その物の考え方の上に乗った結果であると御理解をいただきたいと思います。
○片山虎之助君 大蔵大臣から今御答弁がありましたが、その五・三兆円なるものを入れているわけですよ。消費税で上がるその物価スライドも加えていますが、五・七兆円になったりなんかするんですけれども、その社会保障の財源に充てるのと、現行の減税を続けるとして計算をされて、それで、消費税を一〇%に上げないとそれはもうとにかく収支償いませんよ。こういうことになっているんです。 機械的計算なら何で思い切った財政構造を変えるオプションも機械的にお示しになりませんか。例えば五年間に歳出を幾らカットすると。もう機械的なんだから大ざっぱでいいんですよ、今のこの機械的試算だって大ざっぱなんだから。あるいは行財政改革でここまでやりますと。まあ不公平税制やらいろんな問題ありますけれども、私は、そういう歳出カットの財政構造を変えるオプションも国民に示さないで、全部赤字で、とにかく高齢化社会で社会保障ふえる、後は減税を先行したんだからこれに充てるためにはお金がなくなりますよ、消費税を一〇%に上げなければいけませんよというのは一種の誘導じゃないですか。素材たり得ませんよ。
○国務大臣(藤井裕久君) 前回以来の御質疑の続きでございますから、同じことをくだくだ申しません。 つまり、税調で一定の前提のもとではじきなさい、そしてその前提にもう一つ加えて、適正負担適正給付というあのケースⅡを一つの前提にしなさい、こういう御示唆があってこれを出しました。したがいまして、今のような問題もこれから御議論いただくことだと思います。不公平税制も同じだと思います。これらは、その中でここいらももっと切るべきじゃないかという御議論があることに対しては私どもは謙虚に承ってまいりたいと思っております。
○片山虎之助君 いや、大臣そう言われるけれども、税調はもう終わるんですよ。一般的な行革をやりなさいとか不公平税制がどうだということは、言いますよ。しかし、同じ機械的試算を出すのなら今言いましたように財政構造を変える歳出カットのオプションも同時に国民に示さなきゃいけません。しかし、これは同時に国民に痛みを与えるから国民は嫌だと言うかもしれませんよ。しかし、それを同時に示すことが私は本当の実りある税制改革論議だと思いますけれども、いかがですか。
○国務大臣(藤井裕久君) 今おっしゃっていることはもう、何といいますか、内容的にはそのとおりなんですね。これはやらなきゃいけないことなんです。 ただ、経緯的に言いますと、もう繰り返しませんが、あの前提で出しなさいと言われたので出したのであって、今おっしゃったことをやらないということではなく、これから大いに議論してやるべきであると……
○片山虎之助君 どこがやるんですか。
○国務大臣(藤井裕久君) これは政府でございますね。政府です。
○片山虎之助君 政府のどこがやるんですか。
○国務大臣(藤井裕久君) 政府の責任において、税調の答申をいただき、連立与党の皆様のいろんな御意見をもとにし、かつまた私ども少数与党でございますから、多くの党派の皆様方の御意向を承りながらそういう方向を出していくということだと思います。
○片山虎之助君 今、大蔵大臣がああいうことを言われました。総理、ちゃんと数字を出して、やるんですね。
○国務大臣(羽田孜君) もうそれは、そのとおりやっていかなければ編成そのものができないということでございます。
○片山虎之助君 そこで、私はこの所得税減税にはもともと異論があるんですよ。 それはけさの議論にもありました。日本は世界の先進国で所得税は低いんですよ。ただ、言われるように中堅からちょっと上ぐらいの累進構造というか、累進カーブは高いですけれども、相対的に所得税は低い。国民負担率も低い。しかも、大蔵省は今まで、所得税減税は景気浮揚効果はないと言われた。全くないとは言いませんよ。乏しいと言われた。ところが、所得税を、景気対策と税制構造を変えるとかなんとかという名目で先行的に減税をやられた。消費税アップのための口実と言ったらいけません、えさと言ったらいけませんけれども、どうもそこをセットにして国民の理解を得る。日本で高いのは法人税なんですよ。国際的な比較で下げるのは、法人税を下げるべきなんです。しかし、法人税を下げて消費税を上げるなんて国民は承知しませんよ。そこで所得税というのを持ち出したんではないかという疑念を私は持っているんですが、いかがですか。
○国務大臣(藤井裕久君) 負担の現状認識は片山委員のおっしゃるとおりです。 ただ、なぜ所得税が低いかはもう繰り返しません、専門家でいらっしゃるから。課税最低限が非常に高いとか最低税率が低いということから来ています。しかし、その反面において極めて狭いスパンの中で、世界でも今では一番高い最高税率をいただいておるということによって猛烈な急勾配がある。これはやはり直さなければいけないという、これは所得税自身の問題だと、こういうことが一つあります。 次に法人税でございますが、おっしゃるとおりです。私どもとしては、課税ベースを広くして、そのかわり税率を下げるというのが法人税のあり方だと思っております。 また、最後にもう一つ、減税先にありきではないということはもう毎回ここで申し上げているとおりでございます。
○片山虎之助君 そこで、私は結論的に、もう所得税は減税しちゃっているんですからどうこう言ってもいけません、これは続けてもらわなきゃいかぬ、国際的にも。 それから、所得税アップもやむを得ないと私は思っているんです。しかし、そのためには条件を幾つかクリアしていただく必要があると思います。一つは、景気回復後自然増収ができてから行うこと。もう一つは、先ほども言いましたが、歳出カットないしは行財政改革の三カ年か五カ年のきちっとした国民に確約する数字を入れた計画をつくってもらうこと。さらに、福祉需要については、今よくできておりますけれども、ふわふわした福祉ビジョンじゃなくて、新しいゴールドプランなりエンゼルプランをつくってもらうこと。 そういう意味では、今直ちに率や実施日を決めることは私は問題だと思います。総理、いかがですか。
○国務大臣(羽田孜君) おっしゃる努力を私たちはしなければ国民の理解を得られないというふうに、私も考えております。
○片山虎之助君 総理、大変簡単な答弁ですが、やるんですね。
○国務大臣(羽田孜君) 私どもとしても、やっぱりその努力をしていかなければいけないと思っております。
○片山虎之助君 いけないというのは客観的な言い方なんですよ。当事者の責任者なんですからやると言わなければいけませんよ。
○国務大臣(羽田孜君) それは、私どもといたしましてもやっぱりこの理解というものをいただいて、消費税をもしアップするということになりますと、そのものをやっていかなければ私は理解を得られないというふうに考えております。
○片山虎之助君 考えているじゃいかぬ。やると言わなきゃ。
○国務大臣(羽田孜君) それは、そういった努力をしていきます。
○片山虎之助君 言葉の多い人がいやに言葉を節約するんですよ。おかしいんですよ。もう一度やってください。やると言ってもらわなきゃだめですよ、そんな客観的な、評論家みたいな話しや。
○国務大臣(羽田孜君) それは、だから当然やっていかなければならないということであります。
○片山虎之助君 公約ですね。私は公約が好きなものですから。
○国務大臣(羽田孜君) それをやっていかなければ、だから理解できないということは、私たちはやっばり一つの公約として、ですから今お話があったとおり、消費税を一体いつから、何回も大蔵大臣がもうお答えしておりますように、別に消費税を先にどのくらい上げるありきじゃないんだということを言われているわけでありまして、これだけをしなければならないというときには、そういった物の一つの道筋というものを立てなかったら理解が得られないだろうということであります。
○片山虎之助君 きょう午前中ありましたが、アメリカの財務長官が税制改革にいちゃもん――と言ったらいけません、向こうの考えを伝えてきた。私は内政干渉だと思いますよ。思うけれども、言っていることは正しいと思うんですが、いかがですか、大蔵大臣、もう一度。
○国務大臣(藤井裕久君) 今のお話は、恐らく先行期間という御議論だと思います。 私は、そのようなことについて一切国際的な場において話したことはありません。これから国内の問題として論議すべきことだと思いますが、片山委員御指摘のような問題というのは頭に入れるべき重要なファクターであると思います。 また、私の分野をやや越えますけれども、さっきの行政改革、福祉ビジョンはそのとおりであります。ただ、行政改革というのは事柄としてきちっきちっと税制改革に関係なくやる話だと私は思っているんです。 しかし同時に、これで幾らという数字の問題よりも姿勢の問題であり、そして事柄として必ずやらなきゃならない問題だというのが私は行政改革だと思っております。
○片山虎之助君 総理と大蔵大臣の力強い決意をお聞きしまして、安心いたしました。 そこで、政府税調と与党の税制協が間もなく答申や結論を出される。税率や実施日を入れないで出されたらどうしますか。
○国務大臣(藤井裕久君) 私どもは、ただいま税制調査会及び政府・与党の協議会、これをおのおの独立にやっておられるので、余り推測はできませんけれども、私どもとしては、特に私としては、そういうものをはっきりさせるべきであると、そういうグループがどういう形で答申されようと私たちとしてははっきりさすべきであると考えています。
○片山虎之助君 そうなると、政府税調や与党協が税率や実施日をきちっと言わなくても、政府の責任と判断で税率と実施日を決めるということですね。
○国務大臣(藤井裕久君) 私の立場ではそれを期待しております。
○片山虎之助君 期待じゃだめです。
○国務大臣(藤井裕久君) 望んでおります。 〔委員長退席、理事久世公堯君着席〕
○片山虎之助君 だから、税調もそれを書くことを……
○国務大臣(藤井裕久君) いや、たとえ書かなくても政府がやるべきだということを望んでおります。
○片山虎之助君 政府の重要な一員ですよ。
○国務大臣(藤井裕久君) 一員であります。
○片山虎之助君 総理、いかがですか。
○国務大臣(羽田孜君) これはもう前々からそうでありますけれども、税調あるいは党、そういったところの考え方というものを政府はお聞きしながら、政府の責任をもってこれを進めていくということであります。
○片山虎之助君 そこで私は消費税を慎重に、憶病に、謙虚にということを言っているんですが、仮に入れるとした場合に、今、大蔵省と自治省で地方消費税をめぐって子供のけんかみたいなことをやっているんですよ。お互い自分に都合のいいような資料を出し合って、マスコミを動員して環境づくりをやっているんですよ。 私は、これは余りいいことじゃないなと、こう思っておるんですが、ただ、これで消費税をずっとふやしていき消費税のウエートが高くなっていきますと、今の消費税は国税ですから、国税がずっと太っていくんですよ。地方税がずっと減っていく。見返りに減税したりなんかするわけですから。そうなると、税制構造において国税化がずっといくんですね。しかし、福祉や何かでは、生活環境整備では地方の財政需要がものすごく膨らむんです。地方に金をやらなければいけません。だから、どういう形でやるのかがまさに今回の争点なんで、そこで、それは地方の独立税を認めてやるのか、交付税や譲与税でやるのか。 ただ私は、今までのいろんな経験からいって、やはり交付税、譲与税というのは紙と鉛筆で金を配るんですよ。こんなものがふえていくということは、もらう方も出す方も堕落すると私は思う。やっぱり地方が額に汗して自分で税金を集めなきゃいけません。そういう意味では、地方独立税の方がベターだと私は思うんですよ。 ただ、しかし、いろんなほかの問題もある。大蔵大臣いかがですか。
○国務大臣(藤井裕久君) 前半のお話は全く同感でございます。これから福祉を中心に大きな施策をやるときに、地方に財源をより多く回していかなければならない、これはまず賛成します。 第二番目の問題でございますが、今、既にもう御承知のように、消費税は四割が地方に行っております。その仕組みが交付税と譲与税であるということも御指摘のとおりであります。 独立税という物の考え方は私は基本的に正しいとは思いますけれども、独立税をやるとどうしても財源が偏在して、別の手段によって調整をしなければならないと思います。専門家の片山先生に恐縮ですが、これはもう戦前から調整をやっているわけでありまして、調整はどうしても必要だと思います。 特に、今、地方税でみずからいただいた税金で云々というお話がありましたが、国税であればいただいた場所と使うところが離れていてもいいんですが……
○片山虎之助君 それは後で質問いたします。
○国務大臣(藤井裕久君) そうですか。 地方税であればあるほど、いただいた場所と使う場所がイコールでなければいけないという欠陥があるように思います。
○片山虎之助君 それは、地方の経済活動が違うんだから、地方財政、地方税というのは絶えざる偏在との闘いなんですよ。そんなこと当たり前の話なんですよ、日本が均一に開発、発展するわけないんだから。そこのところはちょっと言っておきますが、自治大臣、今の件でいかがでございますか。
○国務大臣(石井一君) 議論を聞いておりまして、全くお説のとおりでございます。 この機会に大きく伸びようとしております福祉その他の財政需要に対応するためにどうするかと。税調の議論を聞いておりますと、いかにも対立をしておるようでございますが、地方に対するその需要ということについてはもう一致しておるということでございまして、御議論になっておりますいわゆるそのテクニカルな問題、これに対するあれですから、その偏在をどのように解消するかということ、長い御経験の中からひとつ具体的な問題についての御提案をいただければ大変ありがたいと思うわけでございます。
○片山虎之助君 そこで、日本の今の地方の歳入というのは三七・六%なんですよね。六三%ぐらい国税で入って、地方が三七・六。ところが、歳出は六五・五%は地方なんですよ。三分の二が地方で国は三分の一なんです。ここで三〇%、国から地方に金が流れているんです。それが地方交付税であり国庫支出金なんですね。 そこで、この歳入というのは先進国の中で最も低い部類ですよ。ところが、歳出の方は連邦制国家の中央政府より高いんですよ。日本は地方自治が弱いというんですが、弱くないんですよ。地方自治は強い国だと思いますよ。しかし、この三分の一の収入で三分の二の支出をやる、この間国から金が流れる、ここにいろいろ問題があるわけですから、これは五、五というとすぐなるかどうかわかりませんが、せめて歳入と歳出が国と地方でバランスがとれるように考えるということは必要じゃないかと思いますが、総理、いかがですか。
○国務大臣(羽田孜君) お話がありましたように、地方分権というのはもうこれは当たり前といいますか、時代の大きな要請になっているだろうと思っております。 そういう中で地方税の充実、確保ということ、これはもうお話しのとおりでありまして、そういったものをこれからどのようにやっていくのか、私どもは、これこそ本当に実際にきちんとした方向を出していきませんと、地方分権といいましても財源の伴わないものではどうにもならぬだろうというふうに考えておりまして、今後こういった問題についても我々は検討していきたいというふうに思います。
○片山虎之助君 そこで、皆さん、地方独立税が望ましいという点では一致する。ところが、今の地方消費税には難点がある。私は技術的な難点と財源的な難点があると思います。 技術的な難点の一つは、大蔵大臣が今言われたように税の消費地と帰属地が少しずれる。ずれるというか、地方の場合には何カ所かに入るという問題。それから、輸出輸入の関係ですね。輸出は免税にする、輸入は金をもらう、こういうことなんですけれども、これが地方消費税にしたときにうまくいくかという問題。最後が手間とコストの問題です、納税の簡素化というのが一つの大きなテーマなんだから。この三つが私は技術的な難点だと思う。 財源的な難点は、これも大蔵大臣が言われた財源が偏在するということ、経済活動が盛んな大都市が有利になる、こういう問題。それと福祉の主体は、これから次第に私は市町村にせにゃいかぬと思います。ところが、これが市町村にストレートに結びつくかどうかという問題。これは、大蔵省と自治省の言うことをうまく整理して私はちゃんと言っておるわけであって、これについて、大蔵大臣、自治大臣それぞれの御意見を承りたい。
○国務大臣(藤井裕久君) 今の五つばかり御指摘された問題点は非常に重要な点だし、技術論、専門論と言いますが、ここのところは基本論でもあると私は考えております。ですから、何らかのそういうことではない形の地方財源への配分というものを考えるべきだというのが私の基本的な物の考え方です。 特に一つ加えますけれども、これは神学論争をやる気はありませんが、交付税も自主財源であるということはもう御承知のとおりでありまして、これも自主財源だとお考えいただきたいと思います。
○国務大臣(石井一君) 結局、そういう議論を重ねました後に、この点が政策判断だということでございます。 それからまた、きょう税調の総会が行われておるようでございますが、恐らく結論というものは、今まさに御指摘になりました問題の結論が出ないために、今この時点においては地方消費税というものは必要であるけれども導入ということは決定できない、しかしながら期限が決まっておる、こういうふうなせっぱ詰まった状況でございます。 歳出歳入の関係も三分の一と三分の二の逆転現象にある。しかし、やはりこの機会に何らかの知恵を出して、地方にインセンティブを与え、地方の活力を創生させ、そういう形の中から、これまでのような地方へ全部金が集まっていくということについては何らかの形で歯どめをかけませんと、先ほどの厚生大臣との議論、二十一世紀福祉ビジョン等をも考えましたときにはこれはどうにも貯えないということですから、地方のいわゆる譲与税でありますとか交付税というこのところからどうしてもこの際一歩も二歩も前進していかなければいかぬということを、私も専門家ではございませんが、強くそういう主張をしたい、またそういう認識をしておるということを申し上げたいと思います。
○片山虎之助君 大蔵大臣、交付税も自主財源だと言われました。確かにそういうところがあるんです。しかし、あてがいぶちの自主財源なんです。使い方は自主なんです。来るのは依存なんです。だから、これはコウモリみたいなあれなんですよ。私は、これがふえることは別に反対じゃありませんよ。しかし、そこのところを考えないと。基本的には国が決めて国が分けるお金なんですよ。自主財源ですよ、使い方は。そこで私は紙と鉛筆のあてがいぶちになると言うんですよ。それはぜひ御認識をあれしていただきたいと思います。 それから、藤井大臣はいろいろ言われましたけれども、大所高所の議論が多いものですから、もう一つ私もぴんとこないと言ったら怒られますけれども、そういう感じがするものですから、事務当局、今の五つの難点について弁明があったらしてください、地方消費税の五つの難点についての説明をきちっとやること。
○政府委員(滝実君) 五つの点につきまして御指摘がございましたので、私どもの立場から一つ一つ申し上げてまいりたいと存じます。 一つは、税の帰属地と消費地、消費者の最終的な税の負担の問題が地域的にずれる、こういう御指摘があったかと思うのでございますけれども、地方税としてはむしろそういうようなことがある意味では地方税の特色を出す一つの問題かというふうに思います。現行の消費税というのは多段階でございますから、各経済取引の段階ごとにいわば納税義務者が税を払う、こういう仕組みをとっております。 私どもの提唱いたしております地方消費税は、その段階ごとにその取引の行われる地域にその税が帰属する、こういうことでございますから、それはもともと地方税のある意味では特色をその中で生かせる、こういうようなことでございますから、この難点という観点からいえば一つの難点かもしれませんけれども、メリットという観点からいえばそれが一つのメリットだと、こういうふうに考えております。 それから、国境税調整でございますけれども、当然のことながら私どもも国境税調整はやれると。これは技術的な問題でございますから、そのような観点からやれるということは、私どもも当然それは技術的に克服できる問題だと、こういうふうに考えております。 それから、三番目にございました納税コストの問題。これはやはり納税義務者の手間暇を省く、こういうことが当然の前提でございますから、この辺のところは現在の所得税の確定申告と住民税の手続とあわせて考えてもおわかりいただけますように、一つの申告でもって地方税の方もかなりそれでもってやっていける、こういうような仕組みは可能でございますから、私どもも、少なくとも現行の国税たる消費税を前提にする以上は当然そういう観点から手間を省くような事務的な処理は可能である、またそういうふうにしなければならない、こういうふうに考えております。 それから、四番目の問題としてございました税の偏在の問題がございます。 偏在の問題は、これは私どもが最も注意を注がなければならない点でございますけれども、いわゆる世上御心配いただくように、大都市圏にこの税が地方消費税を仕組んだ場合には集中する、偏る、こういうような心配は現在の住民税と比べた場合にそれほど大きな問題が出るというふうには私どもは認識をいたしておりません。 それから、最後にございました県と市町村の問題がございます。 確かに、今後の高齢化問題を考えた場合に、まず市町村をどうするか、こういうことでございますけれども、現在の市町村税というのはその約半分程度がいわば固定資産税という超安定財源を持っておりますから、現在でも市町村税というのは基本的には安定財源という構成を持っておりますし、それに住民税が加わることによって多少の伸長性もある、いわば理想的な形を持っております。問題は都道府県税、これが法人課税に偏っている格好をとっておりますから、この都道府県税を地方消費税を導入することによって改めるということは地方税全体としては非常にメリットがある。また、都道府県に地方消費税を導入することによって回り回って市町村の財源も、都道府県民税を市町村に移譲することによりまして市町村の独立税もそれによって潤ってくる、こういうメリットがあるというふうに私どもは考えております。
○政府委員(小川是君) 御指摘の問題につきましては、まさに税務当局であります自治省税務局と私どもといろいろと検討、議論をしているところでございます。 幾つか問題を指摘されました第一点。税でございますから、現在、国税である消費税があるわけでございます。これは納税義務者が絡む話でございます。税金というのは、やはり何に対してどういう理由で課するかということを国民に納得していただかなければならない。そのときに、現在は消費者に負担を求めるという税になっているわけでございます。地方の行政サービスの受益に着目をして新しい税をつくるということになりますと、それは今ある消費税を分けるという話とはまた別の議論になってくるというのが第一の御指摘についての問題でございます。この点はやはり税というものの性格上非常に重要な点だと存じます。 第二点の国境税調整以下の問題は、したがいまして、消費税である限りはどうしても国境税調整を要するわけでございますけれども、これが都道府県あるいは市町村、別々に分かれて徴税権者になっているとそこができないという問題があるわけでございます。 あと幾つかの問題がございましたが、こういった問題は、当然のことながら、ある種の財源措置を考えるときには交付税なり譲与税なりその他の措置で考えていくべき問題であろうかと存じますけれども、いずれもまだまだ検討すべき多々問題を持っているということだと存じます。
○片山虎之助君 そこで、今おもしろいんですよね。消費地とその帰属先が分かれることについて大蔵省は難点、自治省はメリットだと言っている。 例えば、茨城でテレビができる、東京で卸売、静岡で小売になる。今の消費税だと、多段階付加価値税みたいなものだから、つくったところの茨城でもかかるわけです、付加価値をつけただけで。卸売もつく、小売もそれぞれつく。国税取るのは全部税務署ですから、それをそれぞれの税務署に払う。ところが、これを都道府県税にしますと、茨城県での付加価値は茨城県に入る、東京都の卸売の付加価値は東京都に入る、小売の付加価値は静岡県に入る。それぞれの都道府県がそこで行政サービスという形で貢献しているんだから、その方がふるさとに貢献した者がリベートを取るようなものでむしろおもしろいじゃないかと。それが一遍に国の方へすっといくより、茨城県で、東京都で、静岡県で、それぞれの活動に応じて返ってくる方がメリットではないかというのが自治省ですよね。それはおかしいんですと、これは消費税なんだから、そうなると企業活動みたいな税になるから、こういうことなんですけれども、これは私は考え方だと思うんです。 そこで、総理、もうこういう両方の専門家の議論を聞いていてもしょうがないですよ。恐らく税調も与党協も両論併記でくると思いますよ。最終的には政治決断、政策決断なんです。そこで私は、消費税がこれから大変な議論になってくる、そのときに、地方を味方につけるかつけないかが消費税ができるかできないかのポイントになると思いますよ。それぞれのきちんとしたルールで地方にもちゃんとリベートするんだ、地方の活性化の財源になるんだからおまえも味方になれ、と言った方が私はずっと国民に対する説得力があると思いますよ。いかがですか。
○国務大臣(羽田孜君) 本当に専門的な立場からいろいろと聞かせていただきました。今の御議論も含めまして、私ども税制調査会の意見も大切にしながら最終的な方向というものは決めていかなきゃならぬだろうというふうに思っております。
○片山虎之助君 もう何度も済みませんが、総理、きちっとお決めになりますね。信用してないわけじゃないです。大変信用しておるからお聞きするわけであります。
○国務大臣(羽田孜君) 今御意見あったことを決してむだにすることなく、そして税制調査会でも地方の税の問題についても財源の問題についても今議論していただいておるわけでございますから、それも参考にしながら私どもは、いずれにしてもこれは決着をつけなきゃいけないことですから。
○片山虎之助君 それでは、話はほかのことにいたします。 ことしの一月下旬に行政改革推進本部がつくられた。三月二十三日に輸入促進・市場アクセス改善・流通作業部会が置かれた。メンバーについて、私は最初よく知らなかった。いろいろよく聞くと、大変議論が多い。大企業の代表はいるけれども、中小企業の代表がいない。流通なら中小企業が一番関係あるんですよ。あるいは消費者の代表がいない。どうしてこういうことになりましたか、石田総務庁長官。
○国務大臣(石田幸四郎君) お答えいたします。 確かに行革推進本部の方には中小企業の代表の方は入っておりませんけれども、しかしその中で議論されているいろいろな各界の報告書は、当然中小企業の方々あるいは団体の御意見も全部集約しまして、そしてその中で議論をしていただいているわけでございます。そのほか、私自身も、規制緩和推進懇話会等を地方でやっておりますので、そういうところへ出て中小企業の方々の御意見も伺っておりますし、またいろいろな御注文が総務庁にも寄せられております。その中には中小企業の方々の多くの御意見も入っておるわけでございます。そういう中で、そういうものを全部ミックスしまして行革推進本部で討議をしていただいておる、こういう状況でございます。
○片山虎之助君 それは、メンバーにはしないが意見は聞いてやると言うんですか。何でメンバーにしないんですか、メンバーは大勢いるのに。
○国務大臣(石田幸四郎君) それは選考の中で、限られた人数でございましたのでいろいろな角度のあれがありまして、法律の学者も入れなきゃいけない、やはり財界の代表の方々も入れなきゃいけないということになりますと、当然人数が制約されてくるというようなことでございます。その間の事情についてはひとつぜひ御理解をちょうだいいたしたいと存じます。
○片山虎之助君 石田総務庁長官、きょうは大分くたびれられていますからもうこれ以上総務庁長官には聞きません。 そこで、規制緩和を大いにやっていただくのは賛成であります。しかし、経済的規制は原則自由、例外だけ規制と。社会的規制は必要最小限度と。ところが、経済的規制だけで物を考えては困るものがあるんですね。私がすぐぱっとくるのはお酒と薬なんです。 お酒も酒販の免許、これもどんどん自由化しろという議論でずっと弾力的にしていますよ、運用上なんかも。しかし、これを完全に野放しにすることは、治安の問題、交通対策、交通事故の問題、あるいは国民の健康の問題、青少年の非行防止その他健全育成の問題、そういういろんなことがあるんですね。 外国でも、規制を強化する。例えばWHOもアルコールの入手規制を強化しろと言っているんですよ。フランスではエバン法というんですか、三浦知良がイタリアに行きますけれども、サッカー場や運動場でアルコールを売るのを禁止しているんですよ。日本もそういう点については十分慎重な配慮が必要と思いますけれども、利害関係者ですけれども、大蔵大臣、どうですか。
○国務大臣(藤井裕久君) 経済的規制原則自由と言いながら、私はやはり酒類の持っている商品の特殊性があると思っております。それは、片山委員が今言われたように、まずアルコール依存症の問題もありましょうし、交通対策あるいは青少年対策、そういうものが非常に重要だと思っております。そして、おっしゃるようにアメリカ、カナダ等大体相当強い規制がある、これはもう事実であります。 私どもとしては、消費者のお立場ということを考えながら緩和すべきは緩和いたしますが、酒というものが特殊商品であるという基本はきちっと考えて対応してまいりたいと思っております。
○片山虎之助君 大蔵大臣、特にお酒は相当な税金を取っているんですから、いわゆる財政物資ですね。ぜひそこは慎重な配慮をお願いいたしたいと思います。 もう時間がなくなりましたので、最後に農業問題を取り上げたいと思います。 ガット・ウルグアイ・ラウンドで大変な御決断をされたわけでありまして、私も十二月の代表質問で、当時の羽田外務大臣を初め畑農水大臣にも大分質問させていただきました。 しかし、これは日本にとっては大変なことなんですね、農民や農村や農業団体にとっては。豊葦原瑞穂の国に初めて外国の米が大威張りで安定的に入ってくるんですよ。しかも、どんどんふえていく。それは農民の皆さんがショックを受けるのは当たり前なんですよ。米によって成り立つ地域経済が大打撃を受けるのは当たり前なんですよ。そこで、そのままいくと農業者は意欲を失いますよ。地域経済は沈滞しますよ。 私は農は国のもとだと思っている。農業を忘れる民族は不健全です。土地や農業を離れたら、その民族は滅びますよ。しかし、我が国では、食糧安保なんて難しいことを言わなくても、農業をきちっと残していかなきゃいかぬと思いますよ。いや、本当に。そのためには農業生産基盤を強くして、足腰の強い、若い人にも魅力のある、国際競争力のある農業をつくらなきゃいけません、もう百も御承知でしょうけれども。あるいは都市並みの生活環境を与えてやらなきゃいかぬ。そのためには私は投資が必要だと思います。 〔理事久世公堯君退席、委員長着席〕 今度、例の四百三十兆の公共投資基本計画を、どこに言われたか自発的なあれか知りませんけれども、来年度がことしを初年度にして四百三十兆を五百五十兆にするとかしないとか新聞に出ておりましたでしょう。もしそういうことをおやりになるのなら、その中に農村や農業のそういう振興策を投資の上でもきちっと位置づけていただきたいと思いますが、総理と、公共投資基本計画は経済企画庁が御担当のようですから経済企画庁長官、御答弁をお願いします。
○国務大臣(羽田孜君) 具体的には経企庁長官からお答え申し上げますけれども、いずれにいたしましても、この農業は今現在もう既に多くの問題を抱えておるわけでありますし、そこへもってきて新しい今御指摘の結論がガットによってもたらされたということでありますから、私どもは、そういった中で農業者たちが本当に競争力というのがあると同時に、足腰の強いものをつくらなきゃいけない、そのために投資計画等につきまして我々としてもいろいろと配慮していかなきゃならぬ問題だろうと思いますけれども、具体的には経企庁の方で今検討を続けておるところであります。
○国務大臣(寺澤芳男君) 現在、経済企画庁の中に社会資本整備研究会がありまして、その割り増しとかいろんなことについて具体的に検討をしておるところでございます。
○片山虎之助君 済みません、時間が来ましたが、もう一言。 来年度の予算で、シーリングの別枠論というのが各党の農業関係の議員さんからもうずっとこのところありました。私も、農民の信頼を取り返す、ガット・ウルグアイ・ラウンド受け入れに対する農民の反発を和らげるためには、ここでシーリングの別枠というのも一つの案だと思いますよ。どうせ批准をせにゃいかぬのですから。批准というのは国会議員がやる。国会議員は農民や地域地域のそういう市町村、都道府県の意向を背に受けてくるわけでありますから、その辺御一考の余地があるかどうか、重ねて質問をいたしまして私の質問を終わりますが、これは総理と大蔵大臣と農水大臣にお願いします。
○国務大臣(羽田孜君) シーリングにつきましては、これを別枠というお話はほかの分野でも幾つか実は聞かされております。ですから、やっぱりシーリングというのはその中においてどうするということ、それから今新しい振興策、これはまたそれこそいろんな角度から私どもは検討していくべき課題であろうというふうに思います。
○国務大臣(藤井裕久君) けさほどもお答えいたしましたように、このウルグアイ・ラウンドに伴う農業の皆様方に対する影響というのは非常に大きいものだと考えておりますし、批准の国会に当たっては各種の制度等について法律をもっとお出しすると思いますが、財政としてもそれに応じた適切な対応をしてまいりたいと考えております。
○国務大臣(加藤六月君) 私も、片山委員と全く同じ気持ちで予算には取り組まないと批准はなかなか困難になってくるという認識であります。よろしく御声援のほどお願い申し上げます。
○片山虎之助君 どうもありがとうございました。
○委員長(井上吉夫君) 以上で片山君の質疑は終了いたしました。(拍手) ―――――――――――――
○委員長(井上吉夫君) 次に、川橋幸子君の質疑を行います。川橋君。
○川橋幸子君 私は、日本社会党・護憲民主連合の川橋幸子と申します。 総理、大変お疲れだと思います。総理初め閣僚の皆様の健康管理のためにも、私どもの労働条件、福祉の向上のためにも、余り好ましい時間帯の質問ではございませんけれども、せっかくの機会でございますので伺わせていただきたいと思います。 まず冒頭、私どもの上山委員も触れましたチマ・チョゴリの事件について、これは国家公安委員長、文部大臣、法務大臣のお三方に伺いたいと思います。 昨日一昨日と、あるテレビ局で二晩続きで特集番組を組んでおりました。私は言葉を正確に書きとめたわけじゃありませんけれども、一晩目の特集では、この件については女性に対するセクシュアルハラスメントの要素が強くて、政治的な背景はむしろ弱いのではないかというような、そのようなコメントがあったと記憶しております。それから、昨日はさまざま現場で取材をしてくる記者の人から、チマ・チョゴリだけではなくて体操着、ジャージーまで切られるという事件があったということと、それと今までは大人の未成年の少女に対するそういう事件であったのが子供対子供のそういういじめの事件に発展しているというような、そういうレポートがあったわけでございます。今のような私の紹介で不十分かもわかりませんが、それぞれ御意見、所信を伺いたいと思います。
○国務大臣(石井一君) 新聞に報道されておる事実が起こっておるということでございますれば、これはもうまことに残念なことで、私も事態を重視いたしまして詳しく事情を聞いたわけでございます。 これまでに事件として認知したものについては徹底的な捜査を行っておりまして、また最近、駅頭でありますとか車中でございますとか、そのほか問題が発生するというふうなそういう状況のあるところには特に厳しい目を光らせておるというふうなことでございますけれども、一般に被害を受けた者の数と報道されております数にかなりの大きな開きがあるというふうなことも事実のようでございます。今後、この点については十分検討を加えていかなければいけないと思います。 次に、今の若い世代の方々が排他的な人種差別に対するそういう考え方を持っておるのか、戦後の教育というのは相当自由なものであり私はそういう偏見というのは私たちが若かったころよりもはるかに少なくなっておるという、そういう期待といいますか希望を持っておるわけでございまして、過去のデータでは大きな国際的な事件が起こるたびにそういうふうなことが起こるというふうに報道されるのでございますが、日本の国際性というのがそこまで低いのか、私はこの事態に対しまして、警察は徹底的な捜査を続け厳正申立にこれに対処することによって問題を処理しなければいかぬというふうに認識しております。
○国務大臣(中井洽君) お答えをいたします。 私どもも、過般からの委員会でいろいろと御議論がございまして、今のところ人権擁護機関に届けていただいた事件というのは一つもございませんが、私ども調べましたところ、現在のところ約四十数件の事件が判明をいたしております。その中にはいろいろございますが、大半はやはり差別的言語を伴った嫌がらせである、このように考え、完全なる人権意識の欠如だと、このように認識をして、大変残念だと考えております。できる限り調査を広げますとともに、人権意識の啓発、これらにせいぜい努めていきたい、こんな思いでございます。
○国務大臣(赤松良子君) このような嫌がらせが起こるということは、本当にもう情けないといいますか、日本人として恥ずかしいことだというふうに思っております。子供がやることも大人がやることもあるという御指摘、まさにそうでございますが、子供に対しましては学校教育で人権尊重あるいは民族差別はよくないということを今までも教えてきているわけでございますが、なお一層指導をいたしまして、また大人も結構、大人の方がむしろ多いのでしょうか、これは社会教育という面になろうかと思いますが、青少年、成人にも国際化や人権に関する学習という機会はあるわけでございますから、そういうものを通じて他人に対する思いやり、あるいはいわれなき嫌がらせなどは絶対に社会全体として許さないのだということを徹底していくという必要があると存じます。
○川橋幸子君 それぞれこれは、人権問題であり、あるいは民族差別といいますか人種差別の問題であり、あるいは日本の基本的人権なり民主主義の問題の根幹にかかわる問題だということで、重要に認識されまして御努力いただけますお返事がありまして、ぜひそのようにしていただきたいと思っております。 これはちょっと通告はしていないのでございますけれども、いかがでございましょうか、これ外務大臣に伺いたいのですが、突然で恐縮ですが、政治的な背景はないというそういう、私が正確に聞き取ったわけじゃないですが、その趣旨のとられ方がマスコミの中であるとした場合、私ども政治家というもののとらえ方としましては、これはむしろ国内問題であると同時に、日本が民主主義国家であるかどうかの評価の基準の問題としてこれは外交問題でありかなり国際的な問題になるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(柿澤弘治君) 今、国家公安委員長、また法務大臣のお話を伺いまして、もしこれが人種的な偏見に基づくものであるとすると、私にはちょっと信じられない思いでございます。若い人たちの中にはそういうものが本当になくなってきているのではないかと期待をいたしておりますので、そうであれば、一層そうした偏見のない社会をつくるという意味でも私どもも努力をしていかないと国際社会の中で本当の信頼と友情を築くことはできないというふうに思っておりますので、この点、今後とも事実に即して努力をしたいと思っております。
○川橋幸子君 信じられない思いとおっしゃられても、こういう問題は万一にも万々が一にも余り楽観的にならずにちゃんと御認識いただきたいと思います。 さて、それでは本題に入らせていただきますが、本日は、私の持ち時間の中では、羽田改革政権の政治姿勢についてという点と、それから、やはり女性の問題をライフワークにしておりますので女性の問題と、大きく分けて二点からお伺いしたいと思います。 さて、五月十日の所信表明、私ども本会議で伺いました。もう一度この場で総理の口から改めて羽田政権の目指すところを簡単にお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(羽田孜君) 時代はちょうど戦後五十年ということで、世界も大きく変化しております。我が国も変化というものがやっぱり求められているというふうに考えます。その意味で、改革ということ、これをどうしても進めていかなければならない。 今、規制緩和の問題あるいは地方分権の問題、あるいは行政の改革の問題というもの、幾つも実は取り上げられております。しかし、それらを進めるためにも何としても政治の改革というものを進めていかないと、国民に痛みを願いながらおまえたちは一体どうしているんだということでは、これは本当の改革は進まない。ということになりますと、我が国は世界の大きな変革のうねりの中に置いてきぼりになってしまうだろうという思いで、私どもはやっぱり改革というものをしっかりと進めるように努力をしなければいけないというふうに思っております。
○川橋幸子君 改めて所信を伺いまして、大変ありがとうございました。 さて、それではその改革でございます。 政治みずからが自己決定能力を取り戻して日本の社会を改革する、世界の変革にトレンドを合わせるということかと存じますが、税制改革の問題につきましては、もうさまざま委員がいろんな角度から伺っておりますけれども、私もやはり幾つかお伺いしたいと思います。 六月中に成案を取りまとめまして年内に税制改正を実現するというのは、これは総理の公約と承知してよろしゅうございますでしょうか。
○国務大臣(羽田孜君) これは避けては通れない問題であろうというふうに考えます。
○川橋幸子君 前細川内閣の場合は世上は政治改革政権と、ワンイシュー・ワン内閣で政治改革をやるだけでも大変だということでございましたけれども、今回は、やはり一番当面は税制改正の問題、成案を六月中に取りまとめて年内に実現するということが羽田内閣の大きな課題でいらっしゃると思います。私もそう思います。 そして、けさ私どもの峰崎委員の方からお尋ねしたわけでございますけれども、この税制改革の目的は何かということと、それから税制改革に先立ってといってよろしいのでしょうか、減税をやった目的は何かということと、それと税制改革のねらいと今先行しております減税との関係はどのような位置づけで理解すればよろしいか、大蔵大臣にお願いいたします。
○国務大臣(藤井裕久君) 税制改革のねらいは、これからの長寿社会を見据えてしっかりした福祉社会を築いていかなければならない。しっかりし九のみならず、私の言葉で言うと、この社会の中に自然に溶け込んでいるような長寿社会をつくり上げていかなければならない。そういう意味において、それを御負担いただく方がどういう御負担の形態がいいのか。今の形態のままですと、所得税、特にこの世の中を一番中核になって支えておられる中堅の方々にどんどん負担がかかっていく。そういう仕組みでは、本当にごく自然な形でこれを抱え込んでいくことができない。多くの方に広く御負担をいただくことがより望ましいし、また外国の例もそうであるということから、基本的な税制改革は考えております。 そういう中において、最近というか、むしろ当時は特にそういう状況でございましたが、経済の状況が非常に悪い。景気回復のために景気対策としての減税をやったのが平成六年度減税でございます。その平成六年度減税は、既に院の大変な御尽力をいただきまして成立させていただき、この六月のボーナス期には実行ができることになっております。大変ありがたいことだと思っております。これはあくまでも景気対策としての減税であります。 そこで、この関係という話でございますが、景気対策の減税ということは、減税の先行期間という形で今とらえられていると思いますが、これをどう考えるかはこれからの問題だと思いますが、基本的には冒頭に申し上げた方向にこれを持っていきたいと思っております。この二つの減税というのは、同時に、ことしの減税がその本格減税の第一歩であるという位置づけもしております。これが、特別減税法で全党一致でやっていただきましたこの修正にもつながっている物の考え方であると考えます。
○川橋幸子君 明快に整理していただいたわけでございますが、そこで、また私も、本日の日経新聞の「経済教室」の加藤寛税調会長の言葉について若干伺わせていただきたいと思います。 もう総理の方から、御注意申し上げたいという御答弁をけさちょうだいいたしましたので、その関係はよろしいのですが、この中身です。 けさほどは、インボイスの問題とか中小企業対策等々、税制改正の中で今考えなければいけないことが上段に書いてあり、次いでそれが「税制改革には外からの無視できない雑音が多い。」と、こういう文脈で読めましたものですから、今、税制改正をどうするか本格的な詰めの段階に入っておりますけれども、その課題について物を言うことが雑音か、このようにけさほど私はとったわけです。しかし、この後、この記事を拝見しておりましたら、どうもそうではないらしいという感じがするのでございます。 簡単に言いますと、何か行間から、税調会長はもっと物を言いたかったにもかかわらず口とめされたのではないか、無念のお気持ちがにじんでいるのかなと、これは私の偏見がもわかりませんけれども、そんな気がいたします。 例えば、税率、実施時期についてはどうやら明記なさらないというそういう報道が出ておりますし、それからこの文章の中の一番上の左側でございますけれども、「だから税制は「税政」といわざるを得ない。」と。政府税調という政府レベル――政府レベルと言いましょうか、行政レベルで理論的整合性を考えるべき税調審議の中に政治が入り込んできているのか。もしそうだとすると、あるいは大蔵大臣、総理、少し心配性過ぎて雑音をお入れになったのかと、逆の読み方をしたのですが、いかがでございますか。
○国務大臣(藤井裕久君) これから税制調査会の最終答申があるわけで、どういう答申をお出しになるかは予断をもって今申し上げるのは差し控えさせていただきますが、私は税制調査会はきちっと基本的な考え方に基づいた答申をされると思います。しかし、これを決定するのが政治であるという意味においては「税政」という言葉がいいんでしょうか、政治であるというふうに考えております。
○川橋幸子君 税調会長が言っていらっしゃる言葉ですので、そこのところはいかがでしょうか。
○国務大臣(藤井裕久君) 税制調査会は、論理的かつ税の論理に従って一定のお答えをお出しになると私は考えております。
○川橋幸子君 総理、いかがですか。
○国務大臣(羽田孜君) 多分言われた意味は、そういう論理的なものを出そうとするときに政治が加わってくるということに対する御不満というものなのかもしれません。過去にありましても常にそれはつきまとうということで、特に我々政治の場にある者、税というものを語るというのはやっぱりなかなかつらいということがある。 それが、税制調査会としてまじめに真正面からこうやって取り組んでいるときにという意味なんでしょうけれども、しかし、どうも逆にとられてしまうということで、雑音ということになりますと、また政治はやっぱりそういう論理に対して、国の状況ですとか、あるいは血や心というものを通わせる、これが政治であろうかと思いますので、徹底して論議をいただいて御答申をいただく。それを我々が判断しどう採用していくかということは、これはやっぱり政治が最後には決断しなければならない問題であろうというふうに考えます。
○川橋幸子君 さてそこで、政治の決断、これは必要なことでございますけれども、現在、政府税調で議論が進み、それと同時に、与党連絡協議会というのでしょうか、残念ながら社会党はそこから抜けましたけれども、今もって座長席は空席のままとっておかれているというお話も伺いますけれども、でも、与党は与党で協議していらっしゃるわけですね。 ガバメントというのは行政と与党が一緒になったものをガバメント、政府というはずでございます。政府としての決断というのは、総理、一体何を、政府税調と与党だけを考えられて政府の決断でございますか。
○国務大臣(羽田孜君) 私ども今こうやって予算を御審議いただいて、まさに税制そのものを御論議いただいております。ですから、私どもはそういった皆様の御意見というものを拳々服膺しながら対応するものであって、与党の方でも今協議をしていただいておりますし、政府税調も協議していただいている、これをちょうだいすると同時に、国会での論戦というものを私たちはやっぱり大切にしていきたいと思いますし、また、あるときをつかまえながら、やっぱり各党の皆様方にも呼びかけたりあるいはお話をする機会というものもあろうというふうに思っております。
○川橋幸子君 九項目の連立の合意というものがかつてございました。その中で社会党が非常に強く主張いたしまして「国民の合意」ということを申し上げまして、それが与党協議の中では「国民の理解しというふうに言葉がやっぱりこれは少し弱まったのではないかと思いますが、でも、少なくとも国民の理解を得るようになさるというのが羽田政権のねらいでございます。 それから、所信を拝見いたしますと、与野党の意見に謙虚に耳を傾けて幅広い合意を形成していくんだということも述べておられますし、それから、これはいっどなたがというほど私ども知っているわけじゃありませんが、マスコミ報道を伺う限り、少なくともかつて連立の仲間であった社会党、さきがけの理解を得て合意案をまとめたいのが与党の立場だ、与党といいますか政権政党の立場だというような、そんな報道も拝見しているわけでございますけれども、透明な意思決定、密室でない合意形成、しかも新しい連立時代における政府、政府といいますか、行政と政治の間のすり合わせというんでしょうか、その段階を踏んで、国民に見えるように何を決断して何を政治がコントロールしたのか、それから政権与党としては野党の意見にどのように耳を傾けるか、このプロセスをはっきりさせていただくことはお約束していただけますでしょうか。
○国務大臣(羽田孜君) これはもうそれをしていかなかったら、そして今度の特例措置をやったときにも国会全会一致で抜本的な税制改革ということを言っていただいておるわけでありますから、その意味でも、与党はもちろんでありますけれども、野党の皆様方の声というものもお聞きしていかなかったならばこれは成立し得ないということ、これをよくみずからにやっぱり言い聞かせていかなきゃならぬ問題であろうというふうに思っております。
○川橋幸子君 連立の旧仲間の社会党、さきがけも協議を進めておりますので、ぜひ耳を傾けていただきたいと思います。少なくとも人が寝ている間に税金を上げる話はしないでいただきたいと思います。 それから、個人的なアイデアでございますが、公平な税制という意味で総合課税というものは苦しくとも追求しなければいけない道だと思いますが、大蔵大臣、納税者番号というのは、いかにも財布を預かっている家庭の主婦にとっては取られるための番号ということで、これは納得しがたいのでございます。むしろ社会保障番号、それによって税を払うことによってどれだけ社会保障の給付が受けられるか、そのIDカードとしての制度なんだ、こういう点からの大蔵省の検討なりPRなりというものはいかがですか。
○国務大臣(藤井裕久君) いつも申し上げておりますように、総合課税があるべき姿だ、そのあるべき姿を実現するには担保が要る、その担保が今おっしゃっな言葉で言うと納税者番号だ、これは物の考え方の条理だと思います。 そこで、納税者番号という言葉は私も余り好きじゃありません。また、そういう言葉の好き嫌いだけでなく、税制調査会等でも御議論いただいた結果は、税金のためだけにこういう番号をつくるのは、今のような感情の問題と、もう一つコスト論からいってもこれはもう無理だと。したがいまして、IDというお言葉もありましたが、年金の番号とかそういうものを利用する、あるいは住民台帳の番号を利用する等々の、何かそういうものを利用させていただくのが方向ではないか、こういうのがおおむね税制調査会の結論と承知いたしております。
○川橋幸子君 言葉じりで恐縮なんですが、その感情的なというところに妙に私はひっかかります。今申し上げました、取られるだけという、これは感情的な反発ではなくてむしろポリシーの問題じゃないでしょうか。税がどのように国民生活に返ってくるか、そういう意味の問題でございまして、感情じゃなくて論理の問題としてお受け取りいただきたいと思います。いかがですか。
○国務大臣(藤井裕久君) 論理の問題としても御指摘の意味はわかります。ただ、経緯的に言いますと、そうだったことも事実なんですね。納税者番号というのは税を払う方みんなの背中に番号を張るような印象で非常によくない印象があったということも、私は実際そういう話も聞いております。しかし、今のようなお話は大変大事な考え方じゃないかと今伺いました。
○川橋幸子君 それでは、規制緩和についても伺わせていただきたいと思います。 規制緩和というのは、政治改革、経済改革、行政改革の三つの改革に共通する非常に大きな第一歩であるわけでございます。何回も立っていただいてお疲れと思いますけれども、総理、行革本部長としての御決意をお述べいただきたいと思います。
○国務大臣(羽田孜君) お話がありましたように、規制緩和というのは、我が国経済社会の透明性を高めるということ、また、国際的にも調和のとれたものにするとともに、市場原理を生かして自由で創意工夫にあふれた経済社会、これを築き上げていく上でぜひとも取り組むべき課題であるというふうに私は認識をいたしております。 このために、政府といたしましても、昨年の緊急経済対策に続きまして中期の行革大綱におきましても規制緩和の推進に積極的に取り組んでおるわけでございまして、相当規模の具体的推進方策を決定したところでございまして、まずこれを着実に実施していこうというふうに努めることが重要であろうと思っております。そして、そういったことも、これはある程度一遍にやるといってもできないことがあります。ですから、五年なら五年にわたって進めていこうということであろうと思います。 なお、このほかに今御指摘のあった行政改革につきましても、これはもう余り聖域というのを設けずに対応することが重要であろうというふうに考えておりまして、今作業をいただいておるところでございます。
○川橋幸子君 行革推進本部の中に三部会が置かれておりまして、それぞれの部会の検討が進んでいる。 全体として取りまとめの時期あるいは取りまとめの内容のめどがつき始めているというふうに伺っておりますけれども、これは官房長官に伺いたいと思います。事務局が内閣内政審議室ですので、官房長官で間違いないと思います。
○国務大臣(熊谷弘君) 地方分権というこれから長期にわたって検討を進めていくのを除きますと、三部会がこの六月末までに結論を出すということで今最後の作業を進めておりまして、総務庁長官に陣頭指揮をとっていただいておるところでございます。
○川橋幸子君 総務庁長官が陣頭指揮をとられるのですか。
○国務大臣(熊谷弘君) もちろん最終的には内閣総理大臣が最終調整を行うということで今やっておるわけでございますけれども、いわゆる法制的に言えば総務庁が最前線に立っておりまして、事務局といたしましては内政室が事務局で事柄を進めているところでございますので、正確に言えば内閣の総力を挙げて今進めておるところでございまして、日程的にも余すところもう非常にわずかということでございまして、来週からは作業の大詰めを迎えるということでございます。
○川橋幸子君 いつも大変頭脳明晰な官房長官にしては何か大変お困りの御答弁でございました。きょうは遅い時間ですので、これ以上は申し上げません。 それでは、総務庁長官に伺いたいと思います。陣頭指揮をなさっている総務庁長官から、その取りまとめのめどなり具体的な内容のめどなりをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(石田幸四郎君) 概要については官房長官から今お話があったとおりでございますが、特に行革推進本部の三部会におきましては専門委員の方々の御意見の聴取は終わりました。いよいよそれぞれの閣僚の間での議論が最終的に展開をされるところでございます。 土地・住宅関係では、建築資材の基準・認証の問題、容積率の問題、土地利用規制などの問題が議論をされております。また、情報・通信関係では、電気通信事業のサービス、料金規制の問題、接続制限等の問題。流通部会では、各種販売規制、それから市場アクセス関係では各種基準・認証、輸入手続、こういった問題が最終的に詰められているところでございまして、いよいよ来週からそういった最終の詰めを行うことになっております。 これは、私並びに官房長官、具体的に各大臣とさまざま議論をいたしまして、最終的には二十九日において閣議決定までこぎつけたいと、こんなふうに思っております。 なお、総理も大変意欲を燃やしていらっしゃいますので、難しい問題がありますれば総理が直接乗り出してそこら辺の調整も行う、これだけの決意を表明しておられるところでございます。
○川橋幸子君 総理が乗り出される難しい問題というのは何でございますか。
○国務大臣(石田幸四郎君) それは、個別の問題でこれとこれとこういうような問題を今検討しているというふうに申し上げましたが、その中でまだ話が詰まっておりませんので、総理に持ち込む問題は何かと言われましても、まだちょっと答弁が不可能というような感じでございます。
○川橋幸子君 日中の質疑ですともっと追及させていただきたいところですが、夜は優しくさせていただきたいと思います。 さて、こうした行革といいますか、さまざまな改革につきましても、政府レベルの推進本部の推進と同じに、これも与党レベルで話が進んでいる。 先ほど、税調と与党協議の話のところでも申しましたように、ここでも与党内の意思決定あるいは与野党の意思決定を明確にしていただきたい、透明にしていただきたいということだけ御希望申し上げさせていただきます。 総論賛成各論反対の大合唱が起きていて取りまとめでなかなか御苦労されるのではないかと思いますけれども、私ども健全野党は御協力申し上げることがたくさんあると思いますので、そのようにお含みおきいただきたいと思います。 関連して、いわゆる実質所得倍増論というものを総理が先ほど打ち上げられました。これの受け皿といたしましては物価安定政策会議ということだそうでございますが、内外価格差を是正することによって物価、価格をむしろ低下させたいというそういうねらいのようでございますけれども、経済企画庁長官にこの会議の開催なりあるいは検討事項なりについてお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(寺澤芳男君) 物価を引き下げて生活を豊かにするという観点から、内外価格差の是正、縮小を初めとする我が国経済社会が直面する物価問題の諸課題について、総理から総合調整官庁である経済企画庁として検討するようにという御指示がありました。 具体的には、今週の月曜日、六月十三日に物価安定政策会議総会を開きまして、そこで我が国経済社会が直面する物価問題の諸課題について審議検討に着手するよう、改めて総理より具体的な要請をいただきました。 これを受けまして、物価安定政策会議の場で、経済界、学界、消費者など幅広い識者の御意見をいただきながら、経済全体における構造的変化の中で政府として価格引き下げに向けてどのような環境条件を整えていったらよいか、その具体的な対策を含めて早急に検討していただこうということで、もう着手をしております。
○川橋幸子君 総理は、こういう政府の取り組み方に御満足ですか。といいますのは、名前は物価安定政策会議です。置かれましたのは昭和四十四年の閣議決定でございまして、その後恒常的に置かれておりますけれども、あくまでも「臨時に物価安定政策会議を開催しこと。まあ昭和四十四年でございますから、高度経済成長の後遺症の後、後遺症のまだ真っ最中でしょうか、そういう時代のそういう革袋の中に、新しい規制緩和をして、経済を活性化させて、内外価格差を是正して、むしろ価格を下げたいんだという、そういう総理の実質所得倍増論、これはこういう受け皿で検討できるんでしょうか。御満足ですか。
○国務大臣(羽田孜君) この問題、実質所得倍増論というのはだれかがつけられたお名前だと思うんですけれども、経済もこれから安定して成長していくように持っていくということが大事であろうということであります。 そして、そのときにはもう所得というものはそんなに大きく伸びていかないという中で、やっぱり国民生活を実質的に少しでも質の高いものにしていかなければいけないということのために、私として、経済企画庁に検討を要請いたしました。 今言われたのは、確かに四十四年につくられておったということ、そしてその後の働きはどうだったんだというお話がありますけれども、今度は新しいメンバーの方々、女性の方も割合と数の方々にお入りになっていただきながら、そういったメンバーの皆様によって徹底してやっぱり議論していただくということ、そして、こういったことを進めることによって、価格破壊なんていうものも今起こってきておりますし、またこの間公共料金というものについても御無理をお願いしたということ、そういうことが一つの弾みになって大変皆さんが活発な議論をしてくださっておるということでございまして、私はこの場というのは一つの大きな機能を果たしてくれるものであろうというふうに考えております。
○川橋幸子君 スポンサーのと言ったら変ですが、御依頼なさった総理自身が御満足していらっしゃるので私があえて苦情を言うこともないのかもわかりませんけれども、とにかくアウトプットに私も期待をさせていただきたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。 では、残りました五分ばかりで女性の問題を取り上げさせていただきたいと思います。 所信表明の中で、男女共同参画型社会の形成ということが述べられております。いつも歴代の総理はこのように言ってくださるわけですが、その具体的な内容について説明を伺ったことがないような感じがいたしますが、婦人問題担当大臣を兼務していらっしゃる官房長官に伺います。
○国務大臣(熊谷弘君) この男女共同参画型社会の形成というのは、先生も御指摘のとおり政府施策の重要な課題でございます。 女性に関する施策は多岐にわたっておりまして、一番大事なことはこれらが総合的に推進される必要があるということでございます。 政府としては、新国内行動計画に基づきまして、男女共同参画型社会の形成に向け、男女の固定的な役割分担意識や慣習の変革、女性が社会参加しやすい条件整備など、総合的な施策を鋭意推進してまいりたいと考えておるところでございます。
○川橋幸子君 具体的内容とお伺いしましたら総合的に推進と、何となくこれは禅問答のようなことでございまして、でももうきょうはお許ししてさしあげます。 ところで、女性の政治参加、これは非常に大きなテーマでございますが、ことし一月五日、政治改革特別委員会、このときは自民党席が空席でいらっしゃる異常な審議状態でございましたが、私が質問させていただきまして、当時、連立を組まれた党首の方々が答弁してくださったわけです。当時外務大臣で新生党党首の羽田現総理の答弁もちょうだいしております。大変いいことを伺いましたけれども、その後新生党としてはこのように御努力していらっしゃいますでしょうか。
○国務大臣(羽田孜君) 私どもも次の選挙に向けて、やっぱり女性の方々に参加していただきたいということで、また、多くの女性の方々が私どものところに話に来られてぜひ立候補したいという声がかかっておるということは申し上げておきたいと思います。
○川橋幸子君 前回もそのように御努力なさったけれども、数人に当たったんですが何しろ十三日しかなかったことで一人しか立てられなかった、ということは十二人に断られた、そういう実績でいらっしゃるわけですね。 その後、新生党としてはきっと女性の政治参加を進めるように御努力していらっしゃると思うんですが、具体的な、どうですか、勝算はおありですか。
○国務大臣(羽田孜君) 勝算というより、それぞれぶつかる場所なんかもありまして調整に苦労はいたしておりますけれども、しかし、非常に優秀な方がぜひ立候補したいというお話が幾つかあるということは事実であります。ただ、前回のときはたった十幾日間しかなかったものですからどうにもならなかったということはお許しいただきたいと思います。
○川橋幸子君 先日、新聞の報道記事で拝見した、これは自民党の方の御努力でございますけれども、自民党都本部は女性を公募なさると。女性の政治参加、国際的な状況から考えますと、今非常に大切なことでございます。ぜひ各政党とも御努力いただきたいと思います。 それで、婦人問題担当大臣、いかがですか。女性の政治参加について、しかも公職選挙法が改正されて、女性がともすれば反対の意見の強かったこの選挙制度を施行するに当たって、そうした女性の心配を払拭するためにも各政党に女性の政治参加について配慮するように大臣の方から協力要請なさることはありませんか。
○国務大臣(熊谷弘君) 微力ではございますけれども、しっかりとお願いをして上がりたいと思っておりますし、平素そのように努力をしているところでございます。
○川橋幸子君 平素そのように努力していらっしゃるとは、どういう意味でしょうか。
○国務大臣(熊谷弘君) 各政党の方々には、女性の政治進出の重要性を常に注意を喚起し、ぜひそのような方向で頑張っていただくようにお願いをしていきたいし、また現にお願いをしているところでございます。
○川橋幸子君 これもいずれフォローアップさせていただきたいと思いますので、しっかりとお願い申し上げたいと存じます。 最後に、現在、グローバルな観点からの風際貢献といいましょうか、国際的に各国が努力して、ともに手をとり合いながら努力するというそういう問題が幾つかございまして、世界的な会議がメジロ押しに出てまいるわけでございます。そういう意味から、人口、環境、女性というこの三つの問題のリンケージの問題からお伺いしたいと思います。 まず環境庁長官に、リオの環境会議でアジェンダ21というものが採択されまして、これを推進体制に取り入れるということをやっていらっしゃると思うんです。そして、ことし秋には基本計画をおつくりになる。環境行政が大変重要な時期に来ていると思いますが、どのように取り組まれていらっしゃいますでしょうか、お伺いいたします。
○国務大臣(浜四津敏子君) 今お話がありました地球サミットで合意されましたアジェンダ21におきまして、これは世界的にどのようにして持続可能な開発を実現していくかについてのプログラムを述べております。それに沿いまして、昨年十二月にアジェンダ21行動計画を策定いたしました。現在これを関係省庁一体となって推進しているところでございます。 このアジェンダ21の中で女性の役割を明示されておりますけれども、ただいまお話がありました環境基本計画、現在中央環境審議会におきまして審議をしていただいておりますが、この審議会の女性委員の割合も八十名中十四名でして、一七・五%。そんなところで、女性の意見も非常に強く反映されるのではないかというふうに期待しております。
○川橋幸子君 ことし九月に十年に一度の人口会議がカイロで開かれます。 ところで、厚生大臣に伺いたいのですが、リプロダクティブヘルス、リプロダクティブライツという言葉を御存じでしょうか。また、これはどんなことを意味しているとお考えですか。
○国務大臣(大内啓伍君) 関係者の間ではその内容につきましてはさまざまな意見がございまして確たる定義はないと思うのでございますが、最近のWHOあたりの定義を拝見いたしますと、人が次の世代を生み育てることができること、あるいは女性が安全に妊娠、出産ができること、また子供が健康に生まれ育つことといったような中身を持っておりまして、したがいまして、また各論的には、女性がいろんな意味で出産等の制限を安全に行えること等々を含んだものだと思いますが、さっき申し上げましたように確たる定義がある言葉ではまだありません。
○川橋幸子君 確たる定義はないといったって、国際文書を日本語に直すときには翻訳しなければいけませんね。外務大臣、どういうふうに翻訳なさっていますか。――じゃ、事務方で結構です。時間を節約してお答えいただきたいと思います。
○政府委員(高野幸二郎君) 通常、性と生殖に関する権利というふうに訳されております。
○川橋幸子君 大臣、しっかりお聞きくださいましたか。ということでございます。つまり、女性が主体的に決定できる、そういう権利だという意味でございます。 大変いいお答えをいただきましたけれども、主体的に決定できるということが、人口にも寄与し、そして環境にも寄与する。環境問題、人口問題を解決するためのキーワードになっているという意味でございます。 ところで、総理にお伺いしたいんですが、時間がありませんから、それじゃ九月のカイロ会議、もし総理でいらっしゃるとしたらおいでくださいますか。ゴア副大統領は行かれるという情報が入っています。
○国務大臣(羽田孜君) この人口開発会議というのは、本当にこれからのいわゆる人生の生存基盤にかかわるやっぱり重要な課題であるというふうに考えております。 当然、国会その他の関係もありましょうけれども、やはり我が国としてこういった会議で発言すること、これはもう各国からも期待されていることでありますし、またことしの一月ですか、東京で会議なんかをやられたときにも、たしかその代表の皆様方を私自身お迎えを申し上げたというようなこともございますので、何とか出席をしたいという思いはあります。
○川橋幸子君 どうもありがとうございました。 経済発展に比べて女性の地位が不十分だというのが偽らざる外国の目でございます。それから、日本の女性の顔が見えない国際貢献だというこの声も強い。こういうことをちゃんとしていただくのがむしろ総合安全保障であるということだけ申し上げまして、終わらせていただきます。
○委員長(井上吉夫君) 以上で川橋君の質疑は終了いたしました。(拍手) ―――――――――――――
○委員長(井上吉夫君) 次に、下稲葉耕吉君の質疑を行います。下稲葉君。
○下稲葉耕吉君 きょう参議院は、昼、本会議がございました。私は大変な思いを持ってこの本会議に臨んだわけでございますが、総理以下関係大臣が御出席されておりました。 今月十五日付の公明新聞の問題で、「国会審議遅らせる自民 「夜でも開会」の与党主張を拒否」という見出しの記事が大変問題になりまして、十五日の午後三時過ぎから審議がとまりました。そしてきのうの七時半過ぎになって、石田長官のおわび発言でやっと一応正常化いたしました。その後、昨夜十時過ぎまで参議院の委員会で開かれた委員会がございました。そして法案の審議、そして採決までやりました。 そこで、石田委員長にお伺いいたしたいんですが、この開かれた委員会は御存じでございましょうか。
○国務大臣(石田幸四郎君) 存じません。
○下稲葉耕吉君 それは商工委員会と地方行政委員会でございます。 そこでお伺いいたしますけれども、その委員長はどの党出身の委員長でございましたか、御存じでございますか。
○国務大臣(石田幸四郎君) 正確に申し上げるためには、きちんと調べてからでないとお答えができません。
○下稲葉耕吉君 それでは、商工委員会は通産大臣に御出席いただいたわけでございますが、どの党の出身の委員長でございますか。
○国務大臣(畑英次郎君) 自民党の委員長でございました。
○下稲葉耕吉君 地方行政委員長はどの党の御出身でございますか。
○国務大臣(石井一君) 社会党でございます。
○下稲葉耕吉君 いずれにしても、野党の委員長が理事さんたちと一生懸命協力されまして、十時過ぎまで委員会が開かれて、そして審議を行い、採決までしているんです。 ちなみに、きのう委員会を開く予定だった委員会で流れた委員会が二つございます。御存じですか。
○国務大臣(石田幸四郎君) 一つは法務委員会かと存じます。もう一つはちょっとわかりません。
○下稲葉耕吉君 運輸大臣、運輸委員会も流れたんじゃございませんか。
○国務大臣(二見伸明君) きのうは運輸委員会に出席しておりません。
○下稲葉耕吉君 今、法務委員会とおっしゃいましたが、法務委員会の委員長はどこの党の御出身でございますか。
○国務大臣(中井洽君) 公明党さんでございます。
○下稲葉耕吉君 運輸委員会の委員長はどこの党の所属でございますか。
○国務大臣(二見伸明君) 参議院は公明党・国民会議であり、衆議院は社会党の井上一成先生でございます。
○下稲葉耕吉君 「「夜でも開会」の与党主張を拒否」ということでございますが、石田委員長、いかがでございますか。
○国務大臣(石田幸四郎君) 申しわけありません、御趣旨のことがよくわかりませんが。
○下稲葉耕吉君 要するに、昨夜遅くまで委員会を開いてきょうの昼の本会議に法案を上げたんです。それが地方行政委員会であり、商工委員会である。いずれも野党の委員長なんですよ。「「夜でも開会」の与党主張を拒否」と、こう書いてあるんですが、それはいろんな御都合があったんだろうと思います。法務委員会もあるいは運輸委員会もいろいろな御都合があったんだと思いますけれども、それは私はわかりません。 ただ、いずれも公明党の委員長さんが務めておられるところが審議なさらないで昨夜流れておるという事実があるんです。それについての公明党委員長としてのお考えをお伺いしたいんです。
○国務大臣(石田幸四郎君) その点につきましては、昨日予算委審議がおくれたことについてはおわびを申し上げたところでございまして、さらにまたそういった意味で法案等の審議が前進しなかったことについても責任を感じまして、おわびを申し上げる次第でございます。
○下稲葉耕吉君 要するに、私は事実を申し上げているんです、あれだけ問題になっているんですから。しかも、野党の委員長さんが一生懸命あれされまして、そして十時過ぎに法案を上げられた。私が大変な感慨をもってきょうの本会議に臨んだというのは、まさしくそういうことなんです。 もう一遍、石田委員長の御感想といいますかね、お伺いいたします。
○国務大臣(石田幸四郎君) それぞれの委員会の理事の方々のいろいろなお打ち合わせの中で開会されたものがあり開会されないものがあるわけでございまして、それについて私が論評する立場にないことは先生も御存じのとおりであろうと思います。 ただ、予算委員会それ自体の審議の中で私どもの方の問題でいろいろと紛糾をいたしまして、予算委員会の審議がおくれおくれになってきた。そういう中で、結果的にそういうような各委員会の運営に支障があったということは極めて残念にも思い、その点をおわび申し上げておるわけでございます。
○下稲葉耕吉君 要するに、「国会審議遅らせる自民」、これが一番大きな見出しですよ。その次に大きな見出しは「「夜でも開会」の与党主張を拒否」と、これが見出しです。ですから、本当は逆さまじゃないか。逆さまです。私はその点を申し上げているんです。 そこで、公明党の規約を拝見いたしますと、「中央執行委員長は、党を代表し、党務全般を総括する。」と、こういうふうになっております。これは石田委員長のことでございますね。
○国務大臣(石田幸四郎君) そのとおりでございます。
○下稲葉耕吉君 そこでお伺いするんですが、十五日の三時から審議がこういうふうにとまっている。そして、またきょうはきょうで公明新聞の報道の問題についていろいろ議論されている。その「党を代表し、党務全般を総括する。」という立場に委員長はいらっしゃるんですから、何であんなに長く時間がかかるかというのは私はよくわからないんですよ。いろいろな方の御意見を聞かれるということは当然のことだろうと思いますが、その決断というものにあれだけ時間がかかる、これはどういうことでしょうか。
○国務大臣(石田幸四郎君) それだけかなり重要な問題でございますので、党内においてさまざま意見の交換もいたしましたし議論もしていた、そういうことで手間取ったということでございます。
○下稲葉耕吉君 よく耳にするわけでございますが、ほかにGHQとかあるいは司令塔があって最高責任者が別にいるというふうな話をよく耳にするわけでございます。そういうようなことで時間がかかったのではないかなというような声も私の耳に多く入ります。 そこで、昨年の十月八日、私はこの予算委員会におきまして宗教法人法、憲法二十条、同八十九条の問題について議論いたしました。創価学会と公明党その関係について御質問いたしたことを今思い出しているわけでございますが、当時入閣されておられました、委員長はもちろんのことでございますが、坂口労働大臣、神崎郵政大臣にも創価学会との関係についてお伺いいたしました。いずれも会員であるということをお認めいただいたわけでございますが、今回六名の方が内閣に入閣しておられるわけでございます。 石田委員長からはお伺いいたしましたので結構でございますが、二見運輸大臣、日笠郵政大臣、森本建設大臣、近江科学技術庁長官、浜四津環境庁長官は創価学会の学会員であるかないか、それだけで結構でございますので、お伺いいたします。
○国務大臣(二見伸明君) 創価学会員でございます。
○国務大臣(日笠勝之君) 学会員でございます。
○国務大臣(森本晃司君) 学会員でございます。
○国務大臣(近江巳記夫君) 学会員でございます。
○国務大臣(浜四津敏子君) はい、創価学会員でございます。
○下稲葉耕吉君 今さら申し上げるまでもなく、憲法二十条には「いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。」と、これは当然のことでございます。 その問題に関連いたしまして、昨年十月八日の予算委員会で私はいろいろお伺いいたしました。特に石田大臣にお伺いいたしたわけでございますが、私としてははっきりいたしませんでした。公明党を結成した際に竹入さんが委員長に指名されたときの報道等を読んでみますと、当時の池田会長に言われて公明党の委員長になったということを各紙が報道している。 それから、月刊文芸春秋におきまして矢野前委員長、これは署名入りの文書でございますけれども、池田名誉会長から話があって竹入氏の委員長留任が決まった経緯が詳しく書かれておる。これにつきましても石田委員長にお伺いしましたところ、はっきりした御答弁がいただけませんでした。もちろん、形式的には党内の手続をとって、委員長選任の手続をおやりになっているようでございますが、そのときにもはっきりしたんですが、大会の選挙によって委員長が選出されたというお話でございましたが、対立候補は全然なかったというところまでおっしゃっているんです。実際は今申し上げましたようなところで委員長が決まっている。先般の内閣のときにも、大臣について池田名誉会長が組閣の前日に発言されていたというふうなことがございました。 そういうふうなことを踏まえまして、私は当委員会で委員長に対しまして、池田創価学会名誉会長、矢野公明党前委員長、それから山崎正友元創価学会顧問弁護士の三人の証人喚問を要請いたしたわけでございますが、まだ実現されていないわけでございます。私も、いろいろその後材料は集まりまして、要するに憲法二十条の問題、政教分離の問題についてはやはり大切な問題であるのでいろいろ議論してみたいと思うのですが、まだ実現されておりません。改めてひとつ委員長にその辺の経緯を、今日まできている経緯をお伺いいたしたいと思います。
○委員長(井上吉夫君) ただいまの下稲葉委員の証人喚問要求の件につきましては、先般来より理事会におきまして協議を重ねていただいているところでありますけれども、残念ながらまだ理事会での協議が調わず今日に至っております。 しかしながら、理事会におきましては、論点を整理しつつさらに継続して協議検討を行うことになっておりますので、委員長といたしましては、今後とも各党の御意見をよく承って対処してまいりたいというぐあいに考えておるところであります。
○下稲葉耕吉君 委員長並びに理事さんの善処を強くお願いいたします。したがいまして、この問題につきましては、私はこれ以上きょうは質問いたしません。 次に、きょう私は、カンボジアの国際協力問題で、文民警察の問題に限って御質問いたしたいと思います。 今ごろ文民警察、何だという御意見があるかもしれませんが、私の気持ちを申し上げます。それは、カンボジアでいろいろまだ活動をやっている最中にはなかなか本当のことが言えない。例えば北朝鮮の制裁問題につきましても、今大変いろいろ論議されているんですが、問題がアップ・ツー・デートの問題ですので具体的にこういうようなことは言えない。しかし、カンボジアに対する業務は一応終わったわけでございますので、しかも文民警察に限りましてひとつざっくばらんにお伺いいたしたいと思います。 そこで、この質問に先立ちまして、私は政府に業務の実施結果について何かまとまったものはないだろうかというお話をいたしましたところ、いただきましたのが昨年の十一月に国会に報告されましたこの文書で、それと写真集をいただきました。もうこのほかにもっとないのかということでいろいろお伺いいたしましたけれども、ないという返事でございました。そこで、のど元過ぎれば熱さ忘るるで、大変大事な問題がそのまま置いてきぼりにされているんじゃないか、これは大変なことだというふうな認識で私は質問いたします。 昨年の三月十一日、当委員会で、具体的に危険地域を私は挙げまして、危ないんじゃないですかと、それから生活環境だとかなんとか大変でしょうというふうなお話をいたしました。それから、一月、二月たたないうちに高田警視のあの痛ましい殉職というのが起きたわけなんです。 そこで私は、このような国際平和協力業務というのはODAと並んで大変大事な仕事である、日本にとって大切なことだという前提で、しかしもう今いろいろ反省し検討しなければならぬ時期でございますので、ざっくばらんにお伺いしますので、政府もひとつ率直にお答えいただきたいと思います。 まず伺いますが、高田警視の殉職の状況を御報告ください。
○政府委員(鈴木勝也君) お答え申し上げます。 事実関係にわたる点でございますので、事務当局の方から御説明することにいたしますが、この御指摘の事件でございますが、平成五年五月四日正午過ぎ、より正確に申しますと午後零時三十分ごろでございますけれども、カンボジアの北部、タイの国境に近いところにフォンクーというところがございますが、ここからアンビルに向けまして、オランダ兵の乗った車を先頭に我が国文民警察要員が二台に分乗いたしまして、合計で六台の車がコンボイを組みまして移動中に起こった事件でございますが、この移動中に武装集団約二十名に突如ロケット砲及び小火器によって襲撃をされました。その結果、高田警視が殉職されたほか、我が国文民警察要員四名が重軽傷を負ったというのがこの事件の概要であろうかと思います。
○下稲葉耕吉君 当時の高田警視の殉職時の身分はどういうふうな身分でございましたか。
○政府委員(鈴木勝也君) 高田警視は、当時カンボジア国際平和協力隊の隊員ということでございますから、総理府事務官であったわけでございます。
○下稲葉耕吉君 岡山県の警部補を退職して総理府事務官に採用された、警察庁併任というふうに私は承っております。 そこで、あってはならないことですが殉職事案が起きた。いろいろ宮澤総理も赴かれたり、大変丁重な弔意を政府も施された。大変感謝いたしているわけでございますが、高田警視に対する具体的な弔慰金等の支給の実態はどういうふうになっていましょうか。
○国務大臣(熊谷弘君) 政府としては、国際平和協力隊員として一身の危険を顧みることなく職務を遂行し亡くなられた故高田警視の功績に報いるため、特別褒賞制度に基づきまして故高田警視の行為に対し特に抜群の功労を認め表彰を行うとともに最高額の特別褒賞金を授与したところでございます。これは具体的には一千万円でございます。 さらに、賞じゅつ金制度に基づきまして同じく最高額の殉職者特別賞じゅつ金を授与したところでございます。この具体的な額は五千万町でございます。
○下稲葉耕吉君 岡山県の警部補が岡山県で大変壮烈な殉職を遂げた、そういうふうな場合の、今官房長官お答えいただいたような賞じゅつ金ですか、自治大臣、それはおわかりでございましょうか。
○国務大臣(石井一君) 結論から申し上げますと七千七百万円でございます。賞じゅつ金として警察庁長官から与えられるもの二千五百万円、岡山県警察本部長が付与するもの四千二百万円、内閣総理大臣が褒賞金として与えるもの一千万円、合計七千七百万円であります。
○下稲葉耕吉君 総理に伺います。 大変な思いで外国へ行ってそして殉職した、それに対する褒賞というのが、岡山県の警部補の身分で岡山県で仕事をして殉職した者よりも千七百万円少ない。これについて、総理、どういうふうにお考えになっておりますか。
○国務大臣(羽田孜君) まさに現実はそういうあれでございますけれども、国の褒賞制度の中で最大限に配慮したものでありますけれども、現実はそうなっておることでありまして、今御指摘がありましたように、国内で亡くなった方と遠い地で国を背負いながら働いた方のそういった対応というものについては、やっぱり全体のバランスを考えていかなければならない問題であるというふうには認識いたしております。
○下稲葉耕吉君 認識されたのはわかりますが、それ以上何か具体的な措置はなさいませんですか。
○国務大臣(羽田孜君) いずれにしましても、検討しておるようでございますから、これからの一つの問題であろうと考えます。
○下稲葉耕吉君 善処をお願いします。 内閣法制局長官にお伺いしますが、国際平和協力法上における文民警察官の業務内容、お願いします。
○政府委員(大出峻郎君) 我が国が国際平和協力法に基づいて国連平和維持活動のために実施する国際平和協力業務といいますのは、この法律の第三条第三号イからレまでに列挙をされておるわけであります。 このうち、ただいま御指摘のいわゆる文民警察官の業務といたしましては、第三号のチにおいて「警察行政事務に関する助言若しくは指導又は警察行政事務の監視」と規定をされておるところであります。したがいまして、この業務の範囲は現地の警察に対する助言、指導、監視の業務に限られておるわけでありまして、いわゆる警察行政事務をみずから行うということは含まれていないということであろうかと思います。
○下稲葉耕吉君 この「ガンボディア国際平和協力業務の実施の結果」の六ページの下の方ですが、「我が国としては、要員の安全確保の観点及び国際平和協力法との関係から、再三、UNTACに対して申し入れを行った。」と出ていますが、その中身を教えてください。
○政府委員(鈴木勝也君) お答え申し上げます。 ただいまの点でございますが、我が国の文民警察官の業務というのは先ほど法制局長官から御説明がございましたとおりでございますが、いざ現地に行って業務を行っておりますと、本来業務に照らして疑義のある業務を行うようにとの指示が往々にして出ているということを現地に行っておる要員からも私どもに連絡してまいりました。 具体的には、例えば各地にございます政党の事務所とかの警備をしてくれとか、あるいは現地の要人のエスコートをしてくれというような現場での仕事、これを頼まれることがある、困っているということでございましたので、この点については本来我が方の国際平和協力業務に照らしましても業務から外れているはずであるし、それから国連が当初から文民警察の業務として決めておりましたところにも反する面があるというふうに思われましたので、例えば現地の今川大使から明石特別代表に対して申し入れをする、あるいは明石特別代表が東京に来られたときには、当時の柳井事務局長からも直接申し入れをするというようなことはいたした次第でございます。
○下稲葉耕吉君 再三申し入れたと書いてありますが、再三というのは具体的に、その程度ですか。
○政府委員(鈴木勝也君) いろいろな機会にいろいろなレベルで申し入れたということでございまして、例えば、先ほど申し落としましたけれども、UNTACの本部に日本から出ておりました川上政務官に対して申し入れたこともございます。
○下稲葉耕吉君 申し入れの結果、聞かれましたか。
○政府委員(鈴木勝也君) お答え申し上げます。 先ほど申し上げましたような我が方の申し入れに対しましてUNTACの本部の方は、確かに日本側指摘のとおり、UNTACの文民警察官に与えられている業務というのは、現地の警察というものがまずあって、それがあることを前提として、それに対する助言と指導と監視であるということでございました。
○下稲葉耕吉君 だから、申し入れしたのが聞かれましたかと聞いている。その結果を聞いている。
○政府委員(鈴木勝也君) お答え申し上げます。 その結果についてでございますけれども、残念ながらと申しますか、再三申し入れをしたにもかかわらず、相変わらずそういう指示が現地レベルでは出ているというようなことがございましたので、そういうことで繰り返し繰り返し注意喚起をしてきたということでございます。
○下稲葉耕吉君 いや、だから、最後は聞かれましたかと聞いているんです。申し入れを聞いて直してくれましたかと聞いているんです。
○政府委員(鈴木勝也君) 私どもが現地に行っておりました要員から伺っているところでは、そういうことで何回申し入れをしても必ずしも事態が改善しないということで非常に苦労をした、板挟みに合って非常に苦労したという報告を受けております。
○下稲葉耕吉君 官房長官に聞きますが、申し入れはしているんですよ。聞かれていないんですよ。そして、申し入れをしましたということで国会だとか何とかみんなそれで済ましているんですよ。実際は直ってないんですよ。御存じですか。
○国務大臣(熊谷弘君) ただいま事務局長が報告しましたとおり、現場レベルではなかなか是正されないというようなことがあったというふうには聞いております。 いずれにしても、我が国の文民警察要員がこうした事態に直面しまして多大な困難を強いられたということは、将来に向けて非常な反省材料でもございますし、私ども今後進めていく上に当たりまして大きな教訓としてまいりたいと考えているところでございます。
○下稲葉耕吉君 警察官は法律を執行する立場なんですね。法律違反やっていいんですか。
○国務大臣(熊谷弘君) ただいま申し上げましたとおり、たびたび是正をするように申し入れも行い、是正の努力はいたしてきたところでございます。現実にはそれがなかなか是正されないという事実があったことは先ほど御報告を申し上げたとおりでございますけれども、将来に向かっては、現場に出ている隊員の苦労を考え、また先生が今御指摘のように法的な問題もございますので、そういうことのないように、今後はよほどの体制を整え、是正をできるようにしていかなければならないと、こう申し上げているところでございます。
○下稲葉耕吉君 じゃ、もっと具体的に聞きます。 今、国王のシアヌーク殿下を初め、政党要人の直接の警護を命じられて実施した事実ございますか。
○政府委員(鈴木勝也君) 私どもが報告を受けている限りにおきましては、先ほどのように、本来業務から見ていかがかと思うような指示が現地レベルで出たことは出たということでございますけれども、現地におります我が方の要員は、現場において文民警察要員として極力本来業務の範囲内で行動すべく慎重に対応したというふうに報告を受けている次第でございます。
○下稲葉耕吉君 答弁になっていない。ざっくばらんにここで検討しようと言っているんだから。
○政府委員(鈴木勝也君) 先ほど御指摘がございましたシアヌーク殿下の直接の警護ということについては、報告を受けておりません。
○下稲葉耕吉君 現地から帰ってきた文民警察官に私直接当たって聞いているんですよ。そんなの知らないんですか。
○政府委員(鈴木勝也君) お答え申し上げます。 これは、私が現在の職につく前ではございますけれども、帰ってこられた文民警察の方々との会合というのを事務局として持ちまして、そこで報告を受けておりますけれども、その中には今おっしゃられたような点というのは見当たりません。
○下稲葉耕吉君 大変不満です。 じゃ、政党要人の直接警護はなさいましたね。
○政府委員(鈴木勝也君) お答え申し上げます。 先ほどお答え申し上げましたように、板挟みになって非常に苦しかったということは聞いておりますけれども、しかし、極力本来業務の範囲内におさまるようにということで慎重にやったという報告を受けております。(「やったかやらないかと聞いているんだよ」と呼ぶ者あり)したがいまして、業務から外れることをやったという報告は私どもは受けておりません。
○下稲葉耕吉君 それじゃもう進められないね、そんな認識じゃ。 最初、私は、ここでいろいろ議論して前進のためにやろうじゃないかと言ったんですよ。そんなことすら御存じないんですか。政府、そんなことがわからないんですか、官房長官。
○国務大臣(熊谷弘君) ただいま事務局長が申し上げたとおり、事実を直接把握はしておりませんが、しかし、全体としてはまさにるる問題がある。つまり、法から見ても実態から見ても非常に問題のある、まさに板挟みになるような事柄を現場においては求められたということは承知いたしておるところでございます。 ただ、いずれにいたしましても、先生の御指摘のような点につきましては、私ども早速にもう一度調べ直しまして、まさに先生が御指摘のように、将来に向かってこのようなことの繰り返されないように大きな反省材料にしていかなければならないものだと思っておりますので、調査もし検討もさせていただきたいと思います。
○下稲葉耕吉君 たったこれぐらいの実施結果あたりで済まそうという気持ちがよくないんですよ。だから、のど元過ぎれば熱さ忘れるで、今こそこういうふうな問題は徹底的に検討しなくちゃならないというのに、今みたいな答弁じゃ全然進みませんね。 じゃ、もっと聞きましょう。政党事務所の直接警備を命ぜられたことございますか。
○政府委員(鈴木勝也君) お答え申し上げます。 先ほど申し上げましたように、指示そのものは受けたという事実はございますが、そのとおりにはしなかったというふうに私どもは報告を受けております。
○下稲葉耕吉君 もしやっていたら責任をとられますか。
○政府委員(鈴木勝也君) お答え申し上げます。 私ども事務局といたしまして現地に行かれた要員の方々から報告を受けた範囲では、本来業務から明らかに外れるような業務をしたということはなかったというふうに聞いております。(「責任をとるかと聞いているんだよ」と呼ぶ者あり) 私が今申し上げていることは、現地に行かれました要員から聞いた範囲でそのとおり申し上げているわけでございまして……(「責任をとるかと聞いているんだよ」と呼ぶ者あり)私が責任をとるということがどういう意味をなすのか必ずしもはっきりいたしませんけれども、私は事務局として報告を受けたとおりに御説明申し上げているということでございますので、それが事務局として報告を受けたことと違ったことで今私が申し上げているということであれば、それは私責任をとらせていただきます。
○委員長(井上吉夫君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(井上吉夫君) 速記を起こして。
○国務大臣(熊谷弘君) 御指摘の事実につきましては、子細に私ども調べ直しまして、しかるべく責任の所在も含めて対応をさせていただきたいと存じます。
○下稲葉耕吉君 事実関係が全然はっきりしない。投票箱の警備だってやっていますよ。投票者の警護までやっていますよ。 では、そこまでおっしゃるのなら、私は言うのをやめようかと思ったけれども、文民警察官に逮捕権を与えたのは事実ですか。
○政府委員(鈴木勝也君) お答え申し上げます。 平成五年の一月にUNTACの方から、治安が非常に悪化してきたので文民警察官にも逮捕権を与えるということがあったことは事実でございますが、我が方の文民警察の要員は、もちろん法の執行ということは国際平和協力法上の業務ではございませんから、それは我が国の文民警察官については実施できないということではっきりと拒絶をいたしたわけでございます。
○下稲葉耕吉君 山崎隊長がタスクフォースの隊長から訓練の部長に転勤になりましたね。その理由は何ですか。
○政府委員(鈴木勝也君) お答えいたします。 これは通常の異動の一環であるというふうに私どもは聞いております。
○下稲葉耕吉君 タスクフォースの隊長がサインすればそれが逮捕状になったんです。州警察の本部長とタスクフォースの隊長には逮捕状の発行権が与えられた、だから困るということで逮捕状の発行権者から外れちゃった。それをあなたは当たり前の異動だ、定期の異動だ、こうおっしゃる。そうですか。
○政府委員(鈴木勝也君) お答えいたします。 当時のロイター電で、今おっしゃられたようなことが理由でポストがかわったという報道があったことは事実でございますけれども、しかし、UNTACの文民警察の本部長でございますルース准将も、これは普通のローテーションであるというふうに説明しているというふうに承知しております。
○下稲葉耕吉君 もうこれ以上私は進めたくないんです。大変事実の認識が違うんです。そして政府は、申し入れをしました、申し入れをしましたと国民に言っているんですよ。我々もそう聞いていた。実施されているかと思ったら、ほとんど申し入れしたということでエクスキューズになって、現場は大変苦労しているんですよ。 今、法制局長官がおっしゃったこと、私はあのとおりだと思いますよ。みんな法律違反じゃないですか。法律違反を警察官に強いるんですか。
○国務大臣(熊谷弘君) 先ほど来申し上げましたように、現場段階において先生御指摘のような法的にもまた事実上も大変問題のある指示が行われたということでございまして、その都度抗議も申し入れ、訂正も申し入れ、またそれぞれの隊員が現場において大変苦労しながら対応してきたということでございますけれども、我々として今後の大きな反省材料を残したと。 したがいまして、先生が御指摘のように、我々はもう一度事実関係をやはり把握し直し、大いに今後のためにどうすればいいかということを検討し直す必要があると考えております。
○下稲葉耕吉君 もう時間もありませんし、今質問しまして、事実関係についての御返事を承ってもう私本当にがっかりしているんですよ。そして結局政府は、外務省も含めて、やりました、やりました、申し入れしました、こうしましたというふうな格好でハッピーエンドだったと。しかし、表のそういうふうな中で、現地で一生懸命やっている人たちは大変苦労しているんですよ。 もともと法律を執行しなければならない警察官が法律違反を現実にしているんです。ところが、やっているというような話は全然おっしゃらない。これは大変ですよ。それなら法律を変えるのか。法律どおりやるというんなら、もっと事前にいろいろ調査してああだこうだということで詰めなくちゃならない。だから、基本になりますデータというのが今の事務局長の御答弁では実態からまさしく離れている。私はこれだけ発言するためには、それは山崎隊長以下具体的にもういろいろ会っていますよ。それを背景にして申し上げている。彼らは日本国を代表して行って頑張っていたわけなんですよ。我慢しているわけですよ。しかし、それがそれで済んではよくない。 政府は、徹底した実態調査、それに基づいて法律を改正するのかしないのか、改正しないとするならば今後このような文民警察についてどういうふうな条件が満たされればやるのか、その辺のところをぴしっとやってもらいたいと思いますが、総理、いかがでございますか。
○国務大臣(羽田孜君) 今お話を承りながら、現実にそういうことが行われたりあったんじゃないのかということでございますから、官房長官からお話ししましたように、我々の方としても徹底して調べて、そして今お話がありましたように、法改正というのは、見直しのときということが来年にありますから、そのときに考えるといたしまして、そういったものに対してどう対応するのかということを我々徹底して勉強したいというふうに思います。
○下稲葉耕吉君 私は大変な問題だと思います。ひとつ認識を新たにされまして、今の事務局のああいうふうなことでは前進しません。外だけ繕って、実態は抑え込んで、そして犠牲の中で何とか糊塗しているというのが実態だということを申し上げまして、終わります。
○委員長(井上吉夫君) 以上で下稲葉君の質疑は終了いたしました。(拍手) ―――――――――――――
○委員長(井上吉夫君) 次に、藁科滿治君の質疑を行います。藁科君。
○藁科滿治君 大変遅い時間で恐縮でございます。過労死の問題を質問したいような時間でございますけれども。 私は、参議院の予算委員会でございますから、中長期の立場から数点御質問をいたします。 政府は、従来から中期経済計画を策定されまして、それに向けて経済政策、財政運営を展開されてまいりました。そのこと自体は安定的な成長を引き出す意味で大変重要なことである、このように考えております。 問題は、その中期の計画と実態に大きなギャップが出た、このときの対応についてであります。今、進行中の中期経済計画によりますと、実質成長率は三・五%。これに対しまして実態は九二年が初年度でありますから、これがコンマ四、九三年度がコンマ二、この二年について見ますと実に平均はコンマ三ということでありまして、中期計画に対して一〇%にも満たないという状況でございます。仮に、よしんば本年度が当初の予定どおり二・四%を貫徹したとしても、三年の平均は一%でございます。このように中期計画に対して実態は大変大きなギャップを生んでいるわけでございます。このような状況が続いておりますと、まず第一に、中期計画そのものの信頼性を損なうことになると思います。また、国際的にも信用されなくなってくると思います。 そこで、総理にまずお尋ねいたしますが、この中期計画は今後どのような位置づけにされるんでしょうか。まあそういうことはないと思いますが、もう無視をしてしまうんでしょうか、それに近づける努力をされるんでしょうか、それともこの中期計画を修正されようとしているんでしょうか、まず最初にお尋ねいたします。
○国務大臣(羽田孜君) いわゆる計画策定後の特に二年間というものは、経済の動きを見ますと、バブル崩壊の影響あるいは円高の急速な進行、そして天候不順という要件、こういったものが非常に大きく影響したために、設備投資の減少ですとか個人消費が減少するという中で異常な事態であったというふうに考えております。 しかし、この中期の目標というものは何とかその方向というものを今後のものについても達成できていくように私どもとしては各般の努力をしてきたわけですけれども、さらにそういったこれからの状況というものをよく見ながら対応していく必要があろうというふうに考えております。
○藁科滿治君 修正についてはどうですか。
○国務大臣(羽田孜君) 今これを修正するということは私は考えているところじゃございません。
○藁科滿治君 この問題に関連いたしまして経企庁長官に御質問いたしますが、現在進行中の生活大国五カ年計画について今後どのような対応をされようとしているのか。私は念のために経企庁の任務というのをもう一度確かめてみたんですが、その第一項に、長期経済計画の策定と推進、こういうのがうたってあるわけでございます。私は今回の予算委員会を春からずっと注意深く聞いておりますが、この中期計画という問題については全く言及されていない。当面は大変である大変である、二・四%はなかなか大変だ、二・二という数字が出た、こういう話は出ましたけれども、本来的な経企庁の仕事からいえば、みずから策定した中期方針に対してどういう考え方でおられるのか、改めて伺っておきたいと思います。
○国務大臣(寺澤芳男君) 経済計画、特に中期経済計画といいますと、内需を中心としたインフレなき成長というところに軸を置きまして、そして経済を本格的な回復軌道に乗せていこうというふうに我々は思っております。 このために政府としては、これまで策定した何回かの対策の着実な実施や現在審議いただいております平成六年度予算の早期執行などとともに、今後とも経済の活性化に資する規制緩和を通じた内外価格差の是正などの国内経済改革を強力に実行してまいりたいと思っております。
○藁科滿治君 私もかつて経済審議会に八年籍を置いて協力いたしましたが、学者や専門家などを含めまして大変な英知を集めて中期的な方針を決定し、それを政府の責任で閣議で決定しているわけですね。大変重要な意味を持っていると思うんです。 先ほど申し上げましたように、景気の動向の論議を通じまして、先行き極めて不透明である、民間設備投資がふえない、個人消費も一部だけしか伸びない、こういうお話でございますが、私はむしろ論理は逆で、経企庁というのは先に対する展望を明確に示す、これが私は一番効果のある景気対策ではないかと思うんです。産業界もそういう展望が出れば設備投資をやろうということになるし、今せっかく貴重な金を使って減税をやっていますが、見通しがはっきりしてくれば金も使えますよ。こういう点の先行きに対する明確な展望が出てこないから不況不況の繰り返しをやっているんじゃないか、このように思うわけでございますが、その点いかがでしょうか。
○国務大臣(寺澤芳男君) 委員御指摘のように、先に対する経済成長の見方というのをなるべく的確に示していくことも経企庁の重要な役目の一つだと思っております。 現在は平成六年度の成長率を二・四というところに置いておりまして、それに向かって、経済成長をそこに置いて今それを目安としまして進めておりますが、私の考え方といたしましては、中長期的にはやはり現在の十五兆に及ぶ経常収支の黒を何とかして貯蓄と投資とのアンバランスを是正しながら解決していきたい。すなわち、国内の投資をもう少し民活に力を入れたダイナミックな投資ができるような環境をつくり、そしてそれによって経常収支も縮小していく、貯蓄と投資のアンバランスをなるべく縮めていきたいというように私としては考えております。
○藁科滿治君 先ほど総理から、ただいま長官から、御答弁をいただきました。予期しない複合的な要因というようなこともお話がございました。 しかし、先ほど私が強調いたしましたように、内閣全体の意欲というような立場から、こういうどん底のときこそ先に向けての前向きな意欲的な提言をぜひしていただきたいということを重ねて要望をしておきたいと思います。 次に、公共投資の問題について大蔵大臣に御質問いたします。 かねてから四百三十兆円をめぐる論議がいろいろございました。平成二年、公共投資基本計画というものが策定されました。しかし、その後、補正予算の関連あり、環境も変わり、またインフレの目減りもあるということで、量的に拡大が必要になっていると私は思います。 また一方で、環境変化の中で、高齢化への対応、生活関連、新社会資本整備、さらには最近ではマルチメディアの台頭、こういう状況が出ておりますので、この四百三十兆については質量ともに私は大きな見直しの時期に来ている、こういうふうに判断しておりますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(藤井裕久君) ただいまの御指摘はそのとおりと考えております。 去る三月二十九日に策定いたしました経済改革の要綱においては、御指摘のように公共投資、平成二年に海部政権のとき決定されたわけでありますが、この積み増し、配分の見直しを含めて検討するということを決めております。そういう方向で企画庁が中心になって今作業をしておられると承知いたしております。
○藁科滿治君 最後の問題としまして、労働大臣を中心に雇用問題について質問をいたします。 第一は、就職戦線の問題でございます。 五月末の予算委員会でも私は質問をいたしまして御答弁もいただきましたが、その後連日のごとく新聞等で大変厳しい状況が報道されております。比較的容易であった高卒の皆さんにも大変厳しい波が押し寄せており、女性は格別厳しいということを繰り返し論議してまいりました。 そこで、この五月二十日の私の質問に対しまして関係閣僚会議を設定して対応を始めたんだという御答弁がございましたが、この具体的な動きについてどういうふうなことをおやりになっておるのか、どういう反応があったのか、少し明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(鳩山邦夫君) 基本的には、総理を中心に閣僚懇談会をセットいたしました。五月二十日が第一回、六月三日が第二回ですが、これは女子の新卒者の採用について大変厳しい状況であるので皆さんで協力をしていただきたいということで、二回目には各大臣に相当数お入りをいただいて、それぞれ所管の業界業種等ありますから、そうしたところにもきめ細かく声をかけていただくということでございますし、もちろん私とか通産大臣はしばしば経済界のいろいろな方とお会いをしておりますので、そうした機会をすべて使いまして、来年できる限り多くの方を採用していただくようにお願いをしているという状況にあります。
○藁科滿治君 閣僚の構成は。
○国務大臣(鳩山邦夫君) 閣僚の構成は、第一回目は総理の呼びかけによって官房長官と私と文部大臣、通産大臣ということでございましたが、二回目は大蔵大臣にもお入りいただきましたし、建設大臣等大勢お越しいただきました。
○藁科滿治君 言うまでもなく、学生諸君はまだ交渉権を持っていないわけでございます。また、学生諸君にとってみればまさに人生の新しいスタートということになるわけで、こういう層をどうやって社会的に包んでいくか、これはまさに政治の仕事だろうと思うんです。そういう意味で、早速そういった動きをとっていただいていることについては敬意を表したいというふうに思っております。ぜひ引き続きやっていただきたいと思っております。 そこで、そういった動きの反応だと思いますけれども、日経連が早速一つの対応を示してくれたということで、採用枠を拡大するとか、女子を不利にしてはいけないとか、過年度も新卒扱いにしろというような前向きの対応をしたことについては私も高く評価をしたいというふうに考えております。しかし、問題点として、初任給を引き下げる、こういう流れはちょっといただけないというふうに思っております。 それにしましても、こういった考え方は余りにもその場主義、短期的に物を見ているというふうに思えてならないわけでございます。材料を買うのとわけが違うわけでございますから、やはりできるだけ平準的に安定的に、景気のいいときもほどほどで景気の悪いときは少し踏ん張ってというような形でいかなきゃならないというふうに私は思うわけでございます、長期的に見れば労働力が不足してくるわけでございますから。そういう点について、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(鳩山邦夫君) ただいまのお話は私も全く同じに考えておりまして、景気が変動しても採用数が余り変動しないというのは経済界とかあるいはこれからの企業の一つの社会的な責任ではないか、私はそのように考えておるわけでございます。 今回の永野日経連会長のさまざまな御発言、先生から御指摘いただいた点、これは女子の問題とかいろいろいいお話もいっぱいあるわけで、少しでも多くの方を採用しようという日経連の御決定というか意欲については、私は労働大臣として高くこれを評価するものでございます。初任給が云々ということになりますと、賃金のことは企業と労働組合の間でお決めになることであって、労働省や労働大臣が口を挟むべきことではありませんのでこれは御答弁できませんが、少しでも多くの方を採用しようという意欲を大いに評価いたしたいと思っております。
○藁科滿治君 採用の問題は学生諸君にとってということをさっき申し上げましたが、そういう意味で経企庁の先行き展望に対する姿勢というものは非常に重要な意味を私は持っていると思うんですが、長官、ひとつ何か前向きな見解でも聞かせていただけませんか。
○国務大臣(寺澤芳男君) この間、日銀の方でも短観で製造業の企業者が二月のときよりも非常にやる気が出てきたという新しい指標を取り上げて、景気も回復基調に一歩近づいてきたと、そういうようなことを新聞報道で読みました。私たち経企庁としても、確かに明るい見通しが出てきたということはそのとおりと思いますし、またこれ以上景気は悪くならないんじゃないかということも私としては印象として思っておりますが、ただどうしてもそこまではっきり明るさについての宣言ができないのは、為替がどうなるか、そしてまた企業の設備投資がやはりまだまだ厳しい状態にあるのではないか、私としてはその二つがどうしてもひっかかりまして、回復基調になったという断言ができない状態であります。
○藁科滿治君 それでは最後に、またということになるかもしれませんが、男女の格差の問題について締めくくりに質問をしたいと思います。 六月の初めだったと思いますが、ILOの専門委員会におきまして、男女格差の日本の報告書が率直に言えば否定をされまして、さらにもっと客観的な基準を示した報告を出しなさいと大変厳しい勧告が行われております。もうまさに日本は経済的には世界の一流国でございますから、大変情けない話だというふうに思っているわけでございます。また、けさマスコミで大きく報道されました東京地裁の判決におきましても、男女の格差問題をめぐる大変厳しい判例が出ているわけでございます。 まさに古くして新しい問題、国内外を問わずこの問題についてもう一度我が国が全体的に襟を正す時期に来ているというふうに考えますので、ひとつ総理に男女格差問題についてまず伺いたいと思います。
○国務大臣(羽田孜君) まさに男女共同参画型社会ということで、これを進めていこうということでやっておるわけでありますけれども、実際にまだ女性が職場あるいはその他においても、残念ですけれども、そういったことを言わなければならないという状態であること、これは私どもも率直に認めざるを得ないと思っております。 ただ、私は、これからの時代というのは、例えば生活者重視の問題ですとか、あるいは人口ですとか環境の問題、環境と人口といいますか、逆にした方がいいと思いますけれども、こういった問題を議論したりあるいはそういったものを進めていくときに、女性の能力といいますか、そういったものが非常に大きく必要とされるときであろうというふうに私は思っておりまして、産業におきましても、そういった視点からやっぱり見てもらうということが非常に大事だろうというふうに考えております。私たちがいろんなところでお会いする人たちが能力を本当に発揮していらっしゃるわけですから、そういう新しい目で見詰めて対応することが重要であろうというふうに考えております。 なお、きょう政労協があったわけでありますけれども、今後、政労協もより実のあるものにするためにということで、ただ経済界ですとか、労働界というだけでなくて、もっと幅広い範囲で話し合う機会というものを、特に雇用問題あるいは女性の問題、こういった問題について考えていこうじゃないかということを互いに合意したことも申し上げておきたいと思います。
○藁科滿治君 労働大臣お願いします。
○国務大臣(鳩山邦夫君) ILOへの報告というか、この点につきましては、男女の平均賃金の差等についてでございましょうが、これは同一価値の労働に対してどのような賃金であるかということで、結局なかなか適当な資料がなくてうまくお答えをしていないという状況にあるのかなと私は思っておりまして、日本の場合は男女の平均賃金の差というのは、今のところはこれは専らそのほとんどの部分が勤続年数の差だろうと思うんですね。 ところが、時代が変わって女性も長く勤めるようになってきておりますから、現在のように一〇〇対六一・五というような違いはどんどん縮小されていくと思いますし、また、総理からもお話がありましたが、男女雇用機会均等法を厳しく守っていただく中でこうした問題は解決をしていって、世界から認められるようになるであろうことを信じたいと思っております。 また、けさの判決の点につきましては、私も読ませていただきましたが、このような隠れたというわけではないんでしょうが、ちょっと目に見えにくい差別があるんだなと思って、こういうものは認められないわけでございますから、重く受けとめていこうと思います。
○藁科滿治君 日本の報告書も私なりに読ませていただきましたが、理解できる面もあるし、しかし不十分な面もあるということで、国際的には日本の事情というのはもう皆さんよく知っておりますから、やはり的確に客観的にという報告をぜひひとつ出していただきたい、このように考えております。 時間は若干残っておりますが、時間短縮で協力させていただきます。どうもありがとうございました。
○委員長(井上吉夫君) 以上で藁科君の質疑は終了いたしました。(拍手) ―――――――――――――
○委員長(井上吉夫君) 次に、平成六年度総予算三案の審査の委嘱についてお諮りいたします。 本件につきましては、理事会において次のとおり決定いたしました。 一、審査を委嘱する委員会及び各委員会の所管は、お手元に配付のとおりとする。 一、審査を委嘱する期間は、特別委員会については来る六月二十一日の午後三時からとし、常任委員会については同月二十二日一日間とする。 以上でございます。 ただいま御報告いたしました理事会決定のとおり、審査を委嘱することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(井上吉夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 次回は来る二十日午前十時に公聴会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後十時四分散会