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129回国会参議院1994/06/15

予算委員会 第15号

発言数
262
登壇者
29
会派数
5
開催日
1994/06/15

会議録

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  平成六年度一般会計予算、平成六年度特別会計予算、平成六年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。  昨日に引き続き、総括質疑を行います。狩野安君。

狩野安自由民主党

○狩野安君 自由民主党の狩野安でございます。  普通の言葉で普通の人として政治をやりたいという羽田総理のもとで質問させていただくことを、私は大変光栄に思っております。  私は女性でありますので、一言言わせていただきたいことがございます。  男性優位であろうと思って入ってきた国会で、私は女性べっ視ということを感じたことは一度もございません。ですけれども、あの例の、どの女と寝ようと勝手だろうと言われたこと、そしてまたそれに対して女性担当の官房長官のおざなりな答弁には、男性を代表しての誠意ある答えを期待していただけに、むなしく聞こえました。その上、ある新聞社との会談で、一・一ラインと言われているもう一人の方が、あんなことは男ならだれでも言っているというようなことを言われたようです。そういう考え方を持っている男性の方が立派な政治家として永田町で幅をきかせているということは、女性である私は我慢することができません。  そういう考えを持っている方が当選に至る経過の中で女性からたくさんの御支持をいただいているかと思いますと、なおさらあの発言は重大だと思いました。  羽田総理も地元では大変女性に人気があると聞いておりますけれども、その大切な一票を総理のために投じた女性に何か一言このことに対して言うことはないか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) お答え申し上げます。  あの発言につきまして、あのとおりの言葉であったのかどうか、これはこの間官房長官から御説明したとおりでございます。私は彼ともずっとつき合っておりますけれども、女性べっ視というよりは平素の行動はむしろ女性の方を尊重する人そういうものであるということ、私は長いことつき合いながらそのことは理解いたしております。  そして、私は平素から女性の方が、政治ですとかあるいは社会のあらゆる分野、これは特に社会でも産業の中でもそうでありますけれども、あらゆる分野の中に入ってこられて、そしてその能力というものを発揮していただくということは非常に大事なことでありまして、べっ視とか何とかというよりは、まさに平等に女性の方が認められる、そういう社会というものができていくということが非常に大事だろうと思って、これは長年私自身もそういったことで働いてきた人間でございまして、これからも女性の方がきちんと参画できる社会をつくっていくために、我々はこういったことを一つの契機としてさらに努力しなきゃならぬという思いを持っております。

狩野安自由民主党

○狩野安君 私はそういうことを申し上げているのではなくて、男ならだれでもそんなことを簡単に言うというそういう男性自身のお気持ちに対して聞きたかったわけであります。  官房長官にしても、口では男女平等ですからとおっしゃっていましたけれども、官房長官に限らず、日本男性の頭の中には体じゅうに女性べっ視がしみ込んでいるような気がしてなりません。女性も御自分と同じ人間であるということを、理屈じゃなくて本当に自然体でお感じになってくださるようにお願いしたいわけですけれども、官房長官、それにあわせてちょっと二言お願いをいたします。

熊谷弘改新内閣官房長官

○国務大臣(熊谷弘君) 小沢代議士の御発言については、既に衆議院の予算委員会におきまして、私が確認をいたしまして、正確な話ではなかったという趣旨のお話をしたということはもう私繰り返しません。ただ、私はそのとき、参議院の本会議でもお答えをしたとおりでありますが、事実であれば不穏当であり適切でない考え方であり発言だと。しかしそういうことではなかったということでございます。  ただ、いずれにいたしましても、私自身女性問題担当大臣でございまして、男女共同参画型社会をつくる、そのために日本にはまだいろいろな問題がある、私どもそれを克服するために努力をしていかなければならないと考えておるわけでありまして、近々ようやくにしてこの男女共同参画型社会をつくるために内閣に正式な室もつくりまして、政府総力を挙げてその先頭に立って頑張っていきたいと思っておるところでございます。

狩野安自由民主党

○狩野安君 私は、言った言わないとかそういう形式的な問題じゃなくて、男なら当たり前だというようなことを言われた男性としての本当の気持ちを聞きたかったわけで、そういうことで質問をさせていただいたわけですけれども、もう一度よくお考えになっていただきたいと思います。  時間がありませんのでそれで終わりにしますけれども、二十年ほど前までは、男性が社会において常に主導権を握り女性は結婚して家庭に入り子供を育てるという、女性にとって結婚は永久就職でありました。しかし、その後の女性の高学歴化と雇用市場への進出が大きな変化をもたらし、女性も職場において立派に責任を全うする仕事ができるようになってきたのです。そういう時代に女性が子供を産んでも働ける雇用政策、税制や年金面などでの優遇策をそれぞれどのようにお考えか、労働大臣、大蔵大臣、厚生大臣にお尋ねをいたします。

鳩山邦夫改新労働大臣

○国務大臣(鳩山邦夫君) 現在、国会に雇用保険法の改正をお願いいたしておりまして、衆議院は既に通過いたしておりますが、その雇用保険法の改正の中にいわゆる育児休業給付制度というものがございまして、育児休業をとった場合に雇用継続のための給付金を出すという内容になっております。  先生御承知のように、いわゆる育児休業法というのは既にございまして、子供を産んでもまたもとの会社へ戻って働き続けることができるという制度をつくっておりますので、これが定着できるように努力をすることでありましょうし、例えば、この育児休業をとっているお母さんになった方、その母親に一定のいろんな情報提供などを会社がやるような場合、それに奨励金を出すとか、あるいはいわゆる勤務時間の短縮というもの、子供がまだ小さいから勤務時間を短くしてそれでも勤めることができるようにするとか、あるいは事業所内に託児所をつくるような場合にはそれを公に御援助申し上げるとか、そういうようなことをいろいろやってまいりまして、女性が子供を産んでも働き続けることができるような世の中をつくっていくことが少子化社会を防ぐためにも重要な施策であると考えております。

大内啓伍改新厚生大臣

○国務大臣(大内啓伍君) 平成六年度予算におきまして私どもが一番力を入れた一つの政策が児童家庭対策でございまして今、働く女性、年齢にいたしまして大体二十五歳から三十四歳、子育て期間と言われておりますが、その方々が大体今五六%ぐらいお仕事についているわけですが、これから二十一世紀初頭にわたりましてこれが七〇%ぐらいにふえてくるであろう、これが労働省の一つの調査の結果でございます。  したがいまして、そうした方々に対しまして出産、育児をあらゆる面で支援していくという体制を確立するために、一つは出産、育児の一時金の引き上げといったような問題とともに、特に保育関係について多様なニーズがございますので、乳児保育であるとか延長保育であるとか、あるいは駅型の保育であるとか、あるいは企業における保育であるとか、各種多様の保育制度を初めて確立したわけでございまして、これらを推進することによりまして働く女性が安心して出産、育児ができるような体制を整えたいと思っております。

藤井裕久改新大蔵大臣

○国務大臣(藤井裕久君) 私も、狩野委員御指摘のように、旧来の男女の役割を固定的に考えるという考え方は全くおかしいと思っています。それぞれの能力に応じて、それこそ男女共同参加型社会といいますか、能力に応じた形でおのおのがその役割を社会に対して果たしていく、こういうことだと思います。  したがいまして、税については私は当面は申立てあるということが正しい選択であると考えておりますが、鳩山労働大臣が今言われた育児休業給付については非課税の措置をとるということなどは税制上いたしておりますが、今後の女性の方の雇用のあり方などの進展を見ながら、税で何か考えるべきことがあればまた検討させていただきたいと思っております。

狩野安自由民主党

○狩野安君 現在の住宅難、高い教育費を考えて、仕事をしながら結婚、子供を産みたいという女性の願いは現在大変困難な状況であります。この状態が続けば未婚や子供をつくらない家庭が一層ふえる結果となり、ますます高齢化の一途をたどるような結果になると思いますけれども、総理はこの少子家庭の現況についてどういうふうにお考えでいらっしゃいますか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 少子化が進んでおるということ、これは日本の将来にとって憂うべき問題であろうと思っております。  そうなってきますと、しかも高齢化が進んでくるということになると、支える分母というのは少なくなってくるわけでありますから、そういう社会というのは非常に厳しい社会になっていくであろうというふうに考えておりまして、少子化に対する対策というものも国を挙げて真っ正面から議論し取り組んでいくべき問題であろうというふうに考えます。

狩野安自由民主党

○狩野安君 目標をきちっと定めて一貫して政策を展開していただきたいと思っているわけですけれども、私は、例えば総理みずからが大きな、何ですか、今一家族二・九六人ということですから、一家族五人を目標にとか大きく目標を掲げられるようなことをなされたらいいんじゃないかということを御提起したいと思っております。  続きまして、私は主人を亡くし多額の相続税、所得税、そして地方税、市県民税と払わせていただきました。もうけたお金に対しての税金ではなくて、先祖伝来の土地を相続税のために手放したわけでありますので、一時は先祖が化けて出るのではないかと思ったときもありました。でも、先祖のおかげでお国のために貢献できたと思えば気が楽になりましたけれども、税金は正しく使われてほしいと心から願っております。国会議員である私でさえそういう思いがいっぱいでありますから、政治家を信頼して任せている国民の思いは切実だと私は思います。  そこで、十四日の税制協では七%を軸に消費税を考えるということになってきておりますけれども、九日の連立与党の税制基本小委員会は消費税率引き上げの必要性を挙げ消費税アップ不可欠と報告書をまとめ上げたようですけれども、税制協小委員会では引き上げ時期や幅については先送りする、ことしじゅうに考え方をまとめるということになっています。このことについて総理はどういうふうにお考えでいらっしゃいますか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 今、税制協議会、これは前年の国会での決議、今度の特例措置の決議ですね、こういったものなんかも踏まえながら、やはり抜本的な税制改革をやらなければいけないということ、そして将来を考えましたときに、中堅の勤労者の皆様方に偏ったものではなくて国民が幅広く負担する、そういった方向にいこうということであろうというふうに私は考えておりまして、私はその方向は正しいだろうというふうに思っております。  税制協議会の方では今御議論をいただいておりまして、これは何とか六月中に一つの成案を得ようということでありまして、この結論がどんなふうに出てくるか私まだ承知しておりませんけれども、一つの方向が出されるものであろうと思っております。  ですから、幅とかそういったものは、これは年内に法律を成立させなければいけないわけでありますから、いずれにしましてもそういった議論というのは深まっていくと思いますけれども、今一つの輪郭が示されておるということでなかろうかというふうに思っております。

狩野安自由民主党

○狩野安君 それが、九日の小委員会でまとめ上げたそのときに、私はどの新聞も見たんですけれども、その報告を先送りするという理由が驚くべきことに社会党への配慮のためとなっておりました。  今の内閣はどちらを向いて政治を行っているのでしょうか。国民への配慮なら十分に理解できますが、ただ民意の反映されていない少数与党による内閣が、連立復帰へのラブコールであり、なびかせるための道具として使われていることは明白であります。これがいわゆる永田町の常識なんでしょうか。だれのための政治なのか。  国民にとって大事な問題なので、責任ある羽田内閣として、消費税アップの是非は、いずれにせよ本当に日本の国にとって不可欠な税金なら自信を持って国民に理解を求め、総理としてリーダーシップを発揮され決意をなされたらいかがでしょうか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 報道ではどのように伝えられているかわかりません。しかし、今までこれを一つの合意として物事を進めてきたということでありますから、多くの党の皆さん、多くの皆様方に理解されるということは、また理解をもし求めるということがあるとするならば、それはまさにやっぱり国民の広い層の理解を得るための努力というふうに私は受け取るべきであろうというふうに考えております。

狩野安自由民主党

○狩野安君 消費税アップ反対のはがきが私のところにもたくさん来ています。  消費税が導入される前は、買い物をしていると端数のお金をおまけしてくれたんですね。今は一円といえどもまけてくれるお店がないわけです。そうすると、毎日毎日買い物をしている主婦にとってはそれだけ、家計費というのは一円たりとも赤字を出さないように家計簿とにらめっこをしているわけですから、消費税には極めて強い抵抗があるわけです。  その消費税が自分たちの権力の保持の材料に使われ、自分のところへ来れば考えてもいいが来なければ税を上げるというような状態では、自分たちの将来のことを考えても、税は大事だと頭ではわかっていても賛成を得られないと思いますので、その辺、誤解を受けないようによろしくお願いしたいと思います。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) この税の問題については、政権の延命ですとかあるいは党利党略、そんなものでやれるものじゃありません。  また、私ども少数政権ですよね。かって私が自由民主党にありましたころも、なかなかこの税の問題というのは絶対多数でもこれを本当に国民の中に問いかけることさえできなかった。しかし、今この時代には、むしろみんなでやっぱり議論をしようということで、先ほども申し上げましたように、特例措置をやったときには、全会一致でこの次の本格的な税制改革のために一つの何というんですか方向を出しましょう、それで年内に結論を出しましょうということになっているわけでございまして、これは決して党利党略とかそんなものじゃない。  むしろ、こんなことをやったら、それこそいわゆる消費税やりましょうなんということは、選挙をやる者にとっては大変マイナスなことなんです。それと同時に、今前段でお話しがありましたように、やっぱり主婦の方々は毎日毎日買い物をされるということでありますから、税の理屈はわかっても、実際に毎日使っておる者にとっては、これは大変だぞ、これが上げられるのは大変だなと思っていらっしゃる気持ち、それを私どももよく承知の上でこの問題に取り組んでおるんだということ、これをぜひともひとつ理解をいただきたいというふうに思います。

狩野安自由民主党

○狩野安君 私たち主婦にとって本当に真剣に考えている問題ですので、真剣に取り組んでいるという姿勢を私はやっぱり国民に知らせていただきたいと思っております。  また、日本人の平均寿命が年々延びてまいりました。これは喜ばしい結果であると思いますけれども、そうなりますと、なおさら高齢化社会に向けた福祉は現在よりもっと充実させなければなりません。国民の税金は、福祉を目的とする福祉目的税とも解釈され、国民のために活用、運用しなければならないものであります。  これらの予算を組み立てるのは国会議員として最も重要な責任ではないかと思うのでありますけれども、細川前総理はこの最も重要な平成六年度予算を成立させず、まためどを立てることもせず、私たちから言わせてもらえば国会議員の義務を投げ捨て自分勝手に総理を辞任してしまいました。これに対して総理大臣はどういうふうにお考えになりますか。そしてまた、当時副総理であった羽田総理御自身の責任に対してはどうお考えになっておられますか、お聞きしたいと思います。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 今お話しのあった件は、まさに予算を内閣としてきちんと国会で成立させる、これは内閣の最も大きい責任であろうと思っております。ただ、細川前総理としてはああいう中にあって、みずからがこの席にとどまることよりはむしろ新しく政治を動かした方が国民の信頼を得られるものであろうという思いで私は対応されたんではなかろうかというふうに思っております。  当時私も外務大臣でありましたが、副総理という立場でもございましたので、その責任は痛感をいたしておるところであります。そして、その後の内閣を組織しておるということでございまして、私は何としても一日も早くこの予算を上げていただきたいということで皆様に御協力をお願いしておるわけでありますけれども、非常に充実した議論をしていただいておりますことに対して心から感謝を申し上げておるところであります。

狩野安自由民主党

○狩野安君 予算を通さないでやめられたということに対しての感想を聞きたかったんですけれども、今回の総理交代劇のように、大事な予算審議を前に、単なる議員個々の利害関係のためにいたずらに時間を費やし国会を空転させるような無責任な行動は慎んでいただくようお願いを申し上げます。  政権をだれが担当するかということは国政上大変重要なことは言うまでもありません。しかしながら、長期間低迷を続ける経済状況下で、今回の予算措置で目玉は何なのか、それによってどういう成果が期待されるのか、政策論議がマスメディアで取り上げられることも大変まれであります。何か予算委員会というのが政権闘争の場であるがごとき報道ばかりが目立っております。  政府におかれましても、平成六年度の予算編成に対して特に努力されたこと、一言で言うならば目玉の政策は何なのか、それぞれの大臣にお伺いしたいのですけれども、まず総理と大蔵大臣にお伺いしたいと思います。そしてそのほかに、どなたか大臣の方でこれが目玉だという自信のおありの方からもお聞かせいただきたいと思っております。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) お答え申し上げます。  まず、五兆五千億円に上ります所得税の減税、これが実施されるということ。これは個人消費にいい影響を与えるということで、景気対策としても大変大きな役割を果たしてくれるというふうに思っております。  また、当初の一般歳出につきましては、二・三%で非常に厳しく抑制されたものでありますけれども、投資部門経費は経常部門に比べまして高い伸びを示しているということであろうというふうに思っております。  公共事業等につきましても高いものを提案しておりますし、また地方単独事業につきましても地方が単独で事業が進められるように手当てをいたしておるところでありまして、これは地方財政を取り巻く厳しい環境の中でありますけれども、六年度においても一二%増になっております。また、住宅投資の促進ですとか中小企業対策、雇用対策、こういったものを一つの柱にしておるということを申し上げられると思います。

藤井裕久改新大蔵大臣

○国務大臣(藤井裕久君) 本予算は羽田内閣の、もっと言えば細川内閣でございますが、基本的姿勢を示すものでありますから、今お話しのように、全般にわたって内閣の姿勢を示している政策の集約が予算であると考えております。しかし、その中において当面の事態に対応するために景気に特別に配慮したことは事実であり、その点については総理が今言われたとおりであります。  しかし同時に、景気だけのために本予算があるのではないということも事実でありまして、各般の施策にバランスをとって私は編成をしたものと考えております。福祉、中小企業、農業、それぞれにバランスをとって編成したつもりでございますので、もし大臣からお話があれば、個々についてはお聞き取りいただきたいと存じます。

大内啓伍改新厚生大臣

○国務大臣(大内啓伍君) どなたかということでございますのであえて申し上げますが、今、日本というのは、お話しのように、超高齢化社会とか少子社会という避けようと思っても避けられない大きな流れの上に動いているわけてございます、  やはり今度の羽田政権の一つの大きな目玉といいますのは、そうした大きな流れを直視いたしまして、その中でやらなければならない政策というものを中長期にわたって展望しながら来年度の予算についていろんな政策を出しているというところでございまして、中長期的には、これは前にも幾らか行われたのでございますが、高齢化社会への福祉ビジョンというものを曲がりなりにも定量的にもお示しをしたということは、私はこれまで十数年見られなかったことではなかったかと。  そういう中にあって、年金制度をどういうふうに改正したらいいか、長期的に安定した信頼できる年金制度というものを御提案申し上げる。それから、医療・保険制度についても相当抜本的な改革を今御審議いただく。それから、先ほど来御指摘がございました御婦人の社会的な進出に対して、出産、育児を支援するという相当多様な政策を用意した。また、今トピックでございますがんとかエイズといったような問題についても、これは相当重点的な計画を立てましてこれに対する配慮をしたという点では、まさに生活者の立場に立った、しかも将来の福祉社会というものを切り開いていく上で重要な提言をしている、こう考えておる次第でございます。

狩野安自由民主党

○狩野安君 所得、資産、消費にバランスのとれた高齢化社会にマッチした税制改革が望まれており、一夜漬けての国民福祉税の表明などは将来を考えた上での発言であるとは思われません。  社会での女性の活躍、地位の向上などを考えると、パート税制などと言われている配偶者控除、配偶者特別控除などについても抜本的な改革が望まれるところではないでしょうか。今のままでは働く時間の制約、短縮、金額の制約となってしまっております。  特定扶養控除につきましても、年齢を十六歳以上二十三歳未満の者で制限しておりますが、年齢のみで一律に区切るのではなく、実態に合った在学証明書等での適用が大切なのではないでしょうか。また逆に、乳幼児等の期間に対する特定扶養控除なども検討すべきであると思います。働く女性にとって保育所等への出費がかさむ時期には優遇されるべきではないかと考えております。  総理並びに関係大臣よりこれについてのお考えをお願いいたします。

藤井裕久改新大蔵大臣

○国務大臣(藤井裕久君) まずパートさんの問題に絡んでの配偶者特別控除のお話でございますが、パートさん問題というのは一応世に言う逆転現象は解消いたしたというのはもう御承知のとおりであります。あとは、本当のキャリアウーマンと申し上げるんでしょうか、専従で働いていらっしゃる方、あるいは家庭の専業の主婦の方々とのバランスを考えながら、今、狩野委員御指摘の配偶者特別控除の問題をどう考えるか、これは論点の一つだと思っております。思っておりますが、パート問題については、逆転的問題が残るとすればこれは企業の配偶者手当の給付の基準あるいは健康保険料等の社会保険料の基準の問題であると考えております。  また、特定扶養控除につきましても、御承知のとおり、今御指摘のように十六歳−二十二歳問題ということになっておりますが、これはそのころいろんな意味でお子様を育てる時期としては一番出費がかさむということからこのような特定扶養控除をやらせていただいておるわけでありますが、やはりあのとき、これは前政権でありますが、そういう一番出費のかかる時期はこのときであるという考え方のもとにやられたこの施策は私は正しいものと考えております。  また、いろいろお話しございました点につきましては、税でやるのがいいのか歳出でやる方がいいのかといういろんな基本的な問題があると考えておりますが、私は税というものは基本的に公平ということが大事だと思っておりますので、このあたりの特別な措置、これは特別な措置になるか基本的な措置がはいろいろ議論あるところでございましょうが、この辺ではないか。あとは歳出の問題によることによって今対応しているのではないかと考えております。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) この問題につきましては、パート減税ですとかそういった問題が従来からあれされておりましたけれども、大蔵大臣から今お答えいたしましたように、この基本的な逆転現象というものは解消されたということで、あと大蔵大臣から今お答えしたのと私も全く同じでございます。

狩野安自由民主党

○狩野安君 昨年成立した環境基本法に基づく初めての環境白書ができました。その中で、地球規模で深刻化する環境の第一番目に人口問題を挙げ、今日の環境問題は、資源採取と不用物排出の量と質が自然の循環の容量を超えてしまったために生じたものであると分析しています。人口増加に伴う経済成長でエネルギー使用量も爆発的にふえ、生産と消費もふえ、人間の欲望もふえれば、比例して排出物もふえるのは当然です。  日本には長い鎖国時代、限られた資源、使えるものを徹底的に再利用など再生してきた伝統と文化がある。そんなことを思い起こして、小さな行為の積み重ねで多少でも環境悪化にブレーキをかけようと白書は言っています。  確かに、一人一人の自覚の問題です。でも、住民運動やボランティア、そして学校教育その他で一人一人の自覚は草の根的に高まっております。しかし、意識が高まれば高まるほど廃棄物は住民に嫌がられ、内陸では限界に来ております。しかし、一分の休みなくふえ続けているのが廃棄物であります。また、その処分に困っているのも事実です。  二十一世紀を前に、世界のリーダーとなるべき国として、データをむやみに並べるだけではなく、この現実のごみをこれからどうなさるおつもりか。総理の先見を持った視野の広い政策をお聞きしたいと思います。

大内啓伍改新厚生大臣

○国務大臣(大内啓伍君) これからごみ等の量がこの十年間にかけまして一・五倍ぐらいの速度で増大してくるという意味で、御指摘のように、このごみの排出量の増大に伴いましてこれに対してどう対応していくかというのはもう最大の政治課題になっております。言うまでもなく、それは一つは廃棄物の適正処理を確立するということと、もう一つはごみの排出をできるだけ抑制するというものが二つにございまして、三つ目にはそれをリサイクルしていくという問題が大事でございます。  このため、私ども厚生省といたしましては、御指摘いただいたようなケースも含めまして、資源ごみの集団回収を推進するためのいろんな助成、あるいは施設整備に対する助成を今積極的に行っているわけでございまして、特に平成六年度予算におきましては、単に燃やして埋める処理からごみ処理施設とリサイクル施設を一体的に整備する廃棄物循環型処理というものを今進めているところでございます。  さらに、生産から再生利用の各過程におきまして、ごみを減量化すれば経済的にメリットが出てくる、こういう社会的な経済的システムを確立することが課題になっておりますので、現在、生活環境審議会におきまして製造・流通事業者、行政、住民、それぞれが果たすべき役割について今鋭意検討を行っているわけでございまして、この結果を踏まえまして適切な処理をしたいと考えております。

狩野安自由民主党

○狩野安君 私としては、総理大臣に大きな夢、例えばごみを海に埋めてそこに飛行場をつくりたいとか、何かそういう感じで現実的な問題、最終処理をしても必ずたまるごみ、今のごみの山はどういうふうになさるかというそういう夢みたいな話をお聞きしたいと思ったんですけれども。  じゃ、もっとごみの問題を細かく質問させていただきます。  資源ごみと言われる古紙、くず鉄などは町内会や子供会が中心になって集団回収が行われております。それが資源回収業者によって有償回収されてきました。また、その売り払い金が会の活動資金となって回収が促進されてきたことも事実です。しかし、最近の状況を見ますと、資源回収業者は有償では回収せず、逆にお金を払わないと回収してもらえないと聞いています。集団回収の意欲にも影響することから、多くの市町村では町内会等に補助金を出して集団回収をやっと維持していると聞いておりますが、市町村の負担が大きいものがあります。  集団回収が進まないとリサイクルが行き詰まるのではないかと危倶するわけですが、このような事態が起こるのはどこに問題があるか、関係大臣にお聞きしたいと思います。

大内啓伍改新厚生大臣

○国務大臣(大内啓伍君) 今御指摘のような事態が起こっていることは、私どもよく承知しております。  そこで、先ほど述べましたような形で廃棄物の処理、それから減量化、あるいはリサイクルといったようなものを、これは廃棄物循環型処理という形で総合的に解決したいと思っておりまして、今鋭意努力をしているということを申し上げたわけでございます。確かに自治体等の負担がふえている状況にございますので、そういう施設その他の助成についても格段の配慮をしたいと思っております。  なお、先ほど夢みたいな構想はないかというお話でございましたが、きのうも実は、東京近辺でいきますと伊豆諸島というのがございまして、そこに一大廃棄物処理場をつくりたいという提案がございまして、これはまだ総理とは御相談申し上げておりませんが、そういうことも検討しているわけでございます。

狩野安自由民主党

○狩野安君 先ほど質問したような逆有償回収が続くようですと市町村の経済的負担が大きく、市町村が中心になって資源ごみを回収する現在のようなシステムを見直す必要があるのではないかと考えます。  至るところ自動販売機が設置され、いろいろな容器があふれています。また、スーパーマーケットでは大量に新しい容器が使われ、これらが消費者に渡った途端すべてごみになってしまうことを考えると、このまま野放しにしてよいのかと疑問を持たざるを禍ません、このような状況を見ますと、資源ごみの回収に当たって製造業者や流通業者の責任について検討する時期にきているのではないだろうかと考えますが、それについてどう取り組もうとしているのかお伺いいたします。

畑英次郎改新通商産業大臣

○国務大臣(畑英次郎君) ただいま狩野先生御指摘のとおり、これからのごみの膨大な出現ということを考えますと、原則は自治体あるいは住民の方々が費用負担ということには法的には相なっておるわけでございますが、やはり事業者側においてもこれに積極果敢に協力をしていかなくちゃならない、こういう立場にあろうかというふうに考えるわけでございます。  我が方といたしましても、かような意味合いをもちまして事業者の方々に従来から協力を呼びかけておるわけでございますが、残念ながらまだまだという感が深いわけでございまして、これから力を入れてまいりたいというふうに考えます。  一つの例としましては、あき缶処理対策協会、そういう一つの組織がございますが、その中からスチール缶のプレスカー、圧縮する車等の寄贈を、これも例えば平成五年度の実績では三・二億円というようなことに相なっておるわけでございます。あるいはまたアルミ缶リサイクル協会、こういう組織もございますので、スーパーマーケット等の回収拠点の拡大、器を置きましてきちっと回収を図る、平成五年度末で約一千カ所というようなこともやっていただいておるということでございます。あるいはこのほかアルミ缶の有償拠点回収モデル事業、ちょっと難しい名前でございますけれども、いずれにしましても事業者側がより実態の上に立って、将来展望の上に立ってますます協力姿勢を展開していく、さらなるこれこそ積極的な呼びかけを通産省としてやってまいりたい、かように考えております。

狩野安自由民主党

○狩野安君 平成三年に制定された再生資源の利用の促進に関する法律、通称リサイクル法があります。この法律では製造業者の回収義務についてまでは踏み込んでいませんが、先ほど申し上げたとおり、回収義務まで検討することになれば当然この法律の見直しが必要と考えますが、通産省ではいかがでしょうか。

畑英次郎改新通商産業大臣

○国務大臣(畑英次郎君) ただいま御指摘がございましたように、事業者側の回収義務という点と従来の廃棄物に対する対応の法的な裏づけ、いまだに御案内のとおりいろいろかんかんがくがくの論議もあるところでございますが、現行法の中では、先ほど申し上げましたような意味合いでの協力と、あるいは進んで自分なりの社会的な責務を解消していくというのが現在の取り組みの限界ということでございます。  これから私どもは、ちょっと失礼な話でございますが私自身も地方自治体の経営者でございますけれども、やはり今度は自治体側におきましても、そういった資源ごみであるかないかその辺の区分とかいろんな協力体制、そういう中での新しい納得づくの仕組みといいますものの論議をすべき時期には来ておるかな、こういう感じを受けるわけでございます。

狩野安自由民主党

○狩野安君 それでは、まるっきり視点を変えまして、私は、普通の言葉で普通の人として政治をやるということを言われている羽田内閣のもとで大変わからないことがあるわけですね。集団的安全保障、普遍的安全保障、国際的安全保障、この違いというのを私皆さんに聞かれるんですけれども、全然わからないわけです。これを、定義とかそんなことじゃなくて、どこがこう違うんだよという、本当に普通の人にわかりやすく説明をしていただけないかなとお願いをするわけです。  外務大臣、私なんかでわかるような、簡単で結構です、私、難しいことを質問しているわけじゃありません。簡単に聞かせていただければありがたいと思います。

柿澤弘治改新外務大臣

○国務大臣(柿澤弘治君) 連立与党の合意ということでなくて、今使われている言葉という一般論で申し上げますが、普遍的安全保障、集団的安全保障、国際的安全保障、それぞれ国連を中心として国際社会が集まって、それぞれお互いの努力で、その中で武力紛争に訴えるような人たちを事前に説得して予防するとか、それから武力紛争が不幸にして起こってしまったときには一種の警察的な行動でそういう人たちをみんなで抑えていこうと。PKOなんかもそれに当たると思いますが、決して紛争を拡大するとか敵味方の関係でなくて、仲間の中でそういうことをやった、地域社会の中でもときどきそういうことが起こるわけですけれども、そうした暴力行為に訴える人をみんなで抑えていこうというのが普遍的安全保障、集団的安全保障、国際的安全保障と言われる国連の枠組みだと思っております。  その中で国連憲章上に集団的措置という言葉があるんですが、これは平和に対する脅威、今言ったようなことですが、これを抑え込むために集団的措置が必要な場合にはこれをとることができると国連憲章に書いてありまして、これが国連憲章上に出てきている言葉に一番近い言葉だと思います。その中には予防的な措置もありますし、またPKOのような、武力に訴えるのではないけれどもある程度の装備を持っていくというような活動もあります。それから、第七章と言われるような、国連軍をつくるとかいうような形でそうした暴力的な行為、軍事的な行為を抑え込もうということも含まれている非常に幅広い考え方だと思います。  それを言いかえたのが一つ国際的な安全保障。つまり、これは国際社会で安全保障を守ろうというのだから、集団というと何か国連加盟国百八十四カ国の中の何十カ国かが集まってやろうというふうにとられる。国際的というとまさに百八十四カ国がみんなで力を合わせるんだということで、この言葉が出てきたのではないかと思います。  さらに、普遍的というのは、その百八十四カ国、国連に入っていない人たちもいるわけですから、そういうユニバーサルといいますか、普遍的なという意味で普遍的安全保障ということだと思っております。  そういうことで、いろいろな言葉が今出てきているという状態ですが、いずれにしましても、国連を中心として国際社会の中の武力紛争に訴えようとする人たちを何とか抑えるというか、抑止していくという努力のことを指しているのだと、一番易しい言葉で言えばそうだと思います。

狩野安自由民主党

○狩野安君 何となくわかったような気がいたします。ありがとうございました。  外務大臣から今御説明をいただきましたけれども、それに対して防衛庁長官は何かございますか。ちょっとお聞かせいただきたいと思います。

神田厚改新防衛庁長官

○国務大臣(神田厚君) 外務大臣が御答弁をいたしまして、大体そんなことでございますけれども、集団的安全保障といいますのは、平和に対する脅威、平和の破壊、または侵略行為が発生したような場合に、国際社会が一致協力してこのような行為を行った者に対し適切な処置をとることによりまして平和を回復する概念でありまして、国連憲章にはそのための具体的な措置が書かれております。  それから、普遍的安全保障といいますのは、これは連立与党の確認事項の中で新たに出てきた問題でございまして、これは国連による平和と安全の維持のための枠組みの総体であるとされておりますが、政府としてはこのことに解釈をつけ加えてはおりません。連立与党をつくる政策協議の中で、安全保障の項でこの問題が出てきたわけでございます。  最後に、国際法上確立された概念ではございませんが、国連による平和と安全の維持のための枠組みの総体を国際的安全保障と呼ぶこともあると承知しております。  以上でございます。

狩野安自由民主党

○狩野安君 外務大臣の説明はよくわかりました。  今、防衛庁長官のお話の中にも出てきましたけれども、普遍的安全保障は連立与党の中で生まれてきた言葉だということをお聞きしましたけれども、どういう経過でこういう言葉が出てきたのか、外務大臣にちょっとお聞きをしたいと思います。

柿澤弘治改新外務大臣

○国務大臣(柿澤弘治君) どのような過程で出てきたかということだけは、私はちょっとそこに参加しておりませんでしたので、申しわけありませんがお答えできません。

狩野安自由民主党

○狩野安君 では、防衛庁長官にお聞きしたいと思います。

神田厚改新防衛庁長官

○国務大臣(神田厚君) 普遍的安全保障の問題につきましては、どういう経過で言葉になって出てきたのかよくわかりません。

狩野安自由民主党

○狩野安君 わからなければわからなくても構いませんけれども、普遍的安全保障という言葉が出てきたのは四月二十二日で、社会党がそこにいたときですけれども、それから社会党が出られた後これは変わらないわけですか。

柿澤弘治改新外務大臣

○国務大臣(柿澤弘治君) 羽田総理大臣は、連立与党時代の九項目の合意確認書を十分に尊重しながら内閣の運営をしていきたいということを再三おっしゃっておられますので、その意味ではこの確認書に従って私どもも努力をしていきたいと思っております。

狩野安自由民主党

○狩野安君 最後になりましたけれども、細川前総理に対する佐川疑惑につきまして、総理辞職により責任をとったことは当然として、もし御自分が潔白であるならば、逃避せずに正々堂々と国民の前で証人喚問に応じ釈明することが身の潔白を証明することではないでしょうかと私は思うわけです。それは、細川さんがあれだけ人気があって、それだけ信頼をしていた国民に対する一つの償いでもあると思いますけれども、これについて総理のお考えをお聞かせいただきます。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) この問題につきまして私が御答弁するというのはふさわしくないんではないかと思います。しかし、いずれにいたしましても、実際にこの事務を取り扱っておられた深山さんが国会に証人に出られるということでありましょうから、そういった議論を踏まえながらのまたお話であろうというふうに私は思います。

狩野安自由民主党

○狩野安君 関連質問を斎藤さんにお願いいたします。

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 関連質疑を許します。斎藤文夫君。

斎藤文夫自由民主党

○斎藤文夫君 特別お許しをいただきまして、昨日の私の総理に対する質問の中で、OECDに閣僚を派遣する、この問題について重ねて緊急でお尋ねをしたいということで御認識をいただきまして、まずもって厚くお礼を申し上げます。  さて総理、昨日私は、節を尽くして、これからの時代はもういろいろな国内のしきたりがあっても世界にかかわる重要な会議には前向きで出していく、極めて献身的にお尋ねをいたしました。そのやりとりの中で、昨日総理は、出したかったけれども、そして自民党にいろいろ働きかけたが、予算の現場が動かなかった、言ったか言わないかということを申し上げたところが、総理はそういうことは言わないということをはっきりおっしゃられた。しかし閣議の中で、確認をしましたように、鳩山労働大臣初め二、三の方からいろいろ不満の御意見があった。これは事実です。それに対して、閣議の中で総理、何とおっしゃいましたか、重ねてお尋ねいたします。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 正確にこれは記憶いたしておりませんけれども、今、斎藤委員からちょうど御指摘のあったような趣旨で、要するに、今、国際社会の中における日本の立場というのは非常に大きな期待、これが寄せられる時代になってきておるということ、そういうことで、私どもといたしましては、かねがね私が外務大臣のときからこのことは申し上げてまいったことであります。  そして、このOECDへの出張につきましても、これは予算の方にもぜひお願いしてほしいということ、それから議運の委員長等にもぜひひとつ出席をさせてやってほしいということ、これを実はお願いいたしておったということであります。そして、残念ですけれども、どうしても審議の関係があるということで、私どもの代表の者から御提案いたしましたけれどもそれは認められなかったということであります。  それからまた、経済企画庁長官は、ちょうどPL法ですか、この法案がたしか月曜日にも審議されるということで、PL法もどうしても今度は我が方としてもお願いをしなければならないというようなことで、残念ですけれども今度は政務次官を中心にしてこの会議に臨んだということであります。  そのほか、リオの問題あるいは中東和平の問題、私たちが新しい内閣を編成し、それから細川政権の時代から幾つかの問題がありましたけれども、なかなかその辺が出張できない。これではやっぱり日本の国はこれからもまずいねということでございまして、そういったことを踏まえて、よその国からもなぜ日本当てこないんだという実は指摘なんかもあったということで、閣僚の方から発言があったということであります。  そして、私からの発言は、ともかくこういう時代になったんだから、先ほどからもお話ししたことと同じようなことを申し上げ、そして私は、これは自民党時代からこの問題というのはむしろ逆に野党の皆さんにもお願いしておったことであるから、必ず自民党の皆さんは理解していただけるものであるということで、これからそういった問題があるときにはもう率直にお願いをする、そういうことが必要であろうということで、我々もそういう認識でそれぞれの皆様にお願いをしていきましょうということ、そんな意味のことをお話ししたと思っております。

斎藤文夫自由民主党

○斎藤文夫君 昨日お聞きしたお気持ちはよくわかるんです。私もその際には、自民党は昨年来、野党の立場でも、こういう重要な会議には、例えばガット・ウルグアイ・ラウンドに担当大臣をなぜやらない、役人任せじゃだめじゃないかと、いろいろな機会を通じてお訴えもしました。  また同時に、今回の問題については、この六月の三日に、自民党の橋本政調会長が本会議で皆さんにはっきり聞いていただくために、経済企画庁長官、派遣はどうだと、PL法も大切でしょう、しかしそれ以上に、国益を主張するんだったら経済企画庁長官どうだと言われているんですから、本当だったらもっと前向きに考えなきゃいけない。にもかかわらずそれは全然お聞きにならなかった。  また同時に、確かにきのう熊谷官房長官から私に対して御説明があった。総理はそういうことを言わなかったというふうに思っておりますと速記録に書いてある。言わなかったと明確に言ってないんだ。というふうに思っていると言うんだから、これは語尾をとらえたこととおっしゃればそうですけれども、それではそのときに、またさらに衆議院の現場では一蹴したなんということではなくて、なるほど月原さんから、与党理事から、この際外務大臣を派遣したいと思うがどうでしょうかと、しかしこれはいろいろ今問題があるから無理でしょうねと、こういう話だった。だから、なるほどきのうも御説明をしましたように、台湾事務所、写真まで外務大臣はつきつけられたんでしょう。そういう問題で論議をされている中ですから、これは無理だよとなれば経済企画庁長官をおやりになったらどうですかと、いやもっともだもっともだ、当然ですね、というんで持ち帰られたんです、現実は。  それが、あなた、おっしゃるかおっしゃらないか、おっしゃらないと今言っているんですけれども、野党の連中がこの問題について一蹴した、こう閣議でお話しなさいませんでしたか。もしもなさらないとすれば、このお並びになっておられる閣僚の中で閣議の後、記者会見をされておられると思います。その中で、今、私が総理がこういうことを言ったという発言をしたという大臣はおられませんか。

鳩山邦夫改新労働大臣

○国務大臣(鳩山邦夫君) 昨日の閣議後の記者会見のときに、どういうことがありましたかということを必ず聞かれますから、私はOECDのことについて残念であるということを申しましたということでございました。  私はその際に総理からどういう御発言があったか今正確に覚えているわけじゃありませんが、総理は先ほどおっしゃったような持論、つまりこういうのは本当は出るべきだというようなことをおっしゃったと思います。私が正直言って早とちりしたのかなと反省しなければいけないかと思いますが、総理も努力されたとは思うんですけれども、結局は実現しなかったようですねということを私が閣議後の記者会見で、実現しなかったというのは事実でございますから、私が申し上げたのは事実でございます。そういった意味で私が総理が持論を述べられたことに対して早とちりをしたのかもしれません。

斎藤文夫自由民主党

○斎藤文夫君 大変謙虚なお話がありました。そのほかの大臣でこの問題に触れられた方いらっしゃいませんか。

寺澤芳男経済企画庁長官

○国務大臣(寺澤芳男君) 閣議の後の記者会見で、私は、閣議懇談会でこういう発言が、私自身は発言しなかったんですが、発言があったというような事情を経済企画庁のクラブの記者の方に申し上げました。

斎藤文夫自由民主党

○斎藤文夫君 ほかにございませんか。

畑英次郎改新通商産業大臣

○国務大臣(畑英次郎君) 趣旨がちょっと違うかもしれませんが、私の立場では、鳩山労働大臣からこういう発言があった、そういうことを紹介し、これはちょっと余計なことであったかもしれませんが、いささか予算の提出時期等々の問題、そういうことになれば我が方にも責任があるということを申し上げました。

中井洽改新法務大臣

○国務大臣(中井洽君) 私も記者会見一の席で、閣議後の懇談会の話はどういうことであったかということですから、今お話しのあったようなことを申し上げました。

森本晃司公明党建設大臣

○国務大臣(森本晃司君) 閣議後の記者会見で、鳩山労働大臣から発言があり、行けなかったことは残念であったということと、あと一、二の人から発言があったということのみを伝えました。

赤松良子文部大臣

○国務大臣(赤松良子君) 私も閣僚の皆様方が今おっしゃったようなことを閣議後の記者会見で申しました。閣議ということではございません、閣議後の発言であったということを申し述べました。

斎藤文夫自由民主党

○斎藤文夫君 もうないですか。

日笠勝之公明党郵政大臣

○国務大臣(日笠勝之君) 私メモを若干書いておりまして、これを記者の皆さんにブリーフいたしました。  労働大臣から、OECDに一人も行けなかった、二十数年ぶりのことらしい、アメリカは六人閣僚が出席をしたというこの発言を、総理から、国会改革の問題でもあろうから一人一人議員としてそういう意識を持っていこうということを記者の皆さんに発表いたしました。

斎藤文夫自由民主党

○斎藤文夫君 浜四津さん、もういいです。  環境庁長官もお触れになったようですけれども、日笠郵政大臣、あなたはそれだけじゃなかったんじゃないですか。その後、御自分の所見をお述べになったんでしょう。それをちょっと発表してください。

日笠勝之公明党郵政大臣

○国務大臣(日笠勝之君) このメモがありますが、そのことを申し上げたというふうな記憶しかございませんが。

斎藤文夫自由民主党

○斎藤文夫君 それでは、私が得た記者会見の内容をお聞きします。  日笠大臣は、総理がこれに関連して、野党の有力幹部から日本からも閣僚が出席することは結構なことであるとの電話をもらった、これは橋本政調会長だと思うんですが、ところが予算委員会理事会の現場では一蹴されたと発言をした、こうあなたは記者会見でお述べになっていませんか。もしも、述べていないとするならば、この記者会見で立ち会った新聞社の方々があなたの発言をまともにとっていないということになりますが、どうですか。

日笠勝之公明党郵政大臣

○国務大臣(日笠勝之君) 先ほどから申し上げていますように、それだけではなくて、ほかのこともいろいろ申し上げて……

斎藤文夫自由民主党

○斎藤文夫君 それは書いてある。全部書いてある。持っているんです。

日笠勝之公明党郵政大臣

○国務大臣(日笠勝之君) 一蹴されたでなく、一蹴されてしまうというようなことではございませんですか、一蹴という言葉を使ったかどうかということも正直申し上げて記憶にないのでございますが。

斎藤文夫自由民主党

○斎藤文夫君 これはここまで攻めていくと、一蹴されたか一蹴したがその辺のところと、こう濁されるけれども、総理御自身が言った言葉として郵政大臣が記者会見でお述べになっている。きのう私のところへは別の方からも情報が入った。今また、やっぱり総理の言っていることはうそですよという、わざわざ新聞社から私に資料の提供までいただいているんです。  これはどういうふうに御説明なさいますか。納得しませんよ。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) この問題は、自由民主党は間違いなく、今までそういった会議に必ず出席をしたい、しかし残念ですけれども予算の関係ですとかあるいは国会の都合で出られなかったということであるから、私は必ず自民党は理解してくれるものであるというふうに思っておりますし、また橋本政調会長からお話があったこと、これについては私は実は本当に感謝をしておるわけです。  ただ、残念なんですけれども、今までもいろいろなサジェスチョンをいろいろな方からちょうだいします。しかし、議運の方あるいは予算の理事会、こういったところであれされたときに、いや今こんなときにだめですよというようなことが実際に今までもあった。私は、実はなぜこれがだめなんだ、ちゃんと理解してもらえるはずだということを言ったときに、残念ですけれども、それはあなたはそうおっしゃるけれども、だめだったですという報告なんかを受けております。  それが基本に私たちの中にあるということであって、しかしそういう中にあって、これからも自民党は必ず理解してくれるはずだから、みんなでまたお願いしてこう、いろいろな立場でお願いしていこうということも申しております。

斎藤文夫自由民主党

○斎藤文夫君 それは今までがそうで、今回のケースはぜひ出せよ、こう言ってむしろ自民党はお勧めをした。にもかかわらず、一蹴という言葉が何で閣議でその場にいた日笠大臣から出てくるんですか。これは、総理と郵政大臣ときちんと詰めてくれなきゃ私はここを絶対立たない。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) ちょっとお聞きしたいんですけれども、今、斎藤委員の方から御指摘のあった先ほどの説明の中に、確かに外務大臣はこういうことでだめである、しかし経済企画庁長官だったらよろしいじゃないかということをお話しくださったということについて、これは実は私は報告を受けておりませんで、これをお願いしますと言ったらこれはだめですと言われたということですから、一蹴という言葉なのか、私は実は報告を受けたときにそういう思いをしたことは事実であります。

斎藤文夫自由民主党

○斎藤文夫君 それは、官房長官が総理にストレートに実情を話さないからこういうような誤解になるんでしょう。私は、一蹴という言葉は我が自民党への公党侮辱だと思っているんですよ。冗談じゃないよ。我々は、ぜひひとつやろうやろうと言って一生懸命お勧めしているんです。あなたの方の都合で経済企画庁長官を出せなかったんでしょう。それはどういうわけですか。はっきりしてください。

熊谷弘改新内閣官房長官

○国務大臣(熊谷弘君) 私どもとしては、一連の御説明をしてまいりましたように、OECDに閣僚を出席させてもらいたいということをお願いし、その中で委員が御指摘のように、外務大臣は初めはなかなか難しいという予算委員会の御回答をいただいた、ただ経済企画庁長官についてはどうだという温かいお話もあったと。  そこで、この経済企画庁長官の派遣について議論をいたしましたところ、これは御案内のとおりPL法という非常に重要法案の審議をお願いしている最中ということで、もし派遣をすればそちらの審議は先に延びてしまうということで、連立与党の方でこれは全部難しい、こういう結論を得たわけでございます。

斎藤文夫自由民主党

○斎藤文夫君 それが何で自民党が一蹴したことになるんです。だめだよ。

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 速記を起こして。

斎藤文夫自由民主党

○斎藤文夫君 それでは、また後ほどに譲らせていただきます。

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 今の斎藤君とのやりとりは言ったの言わぬのという話ですから、しっかり整理して午後冒頭に答弁を願いたいと思います。  以上で狩野君の質疑は終了いたしました。(拍手)     —————————————

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 次に、一井淳治君の質疑を行います。一井君。

一井淳治日本社会党・護憲民主連合

○一井淳治君 まず、衆議院の選挙区の区割りについてお尋ねをいたします。  きのうの閣議後の記者会見のことが昨日の夕刊に載っておりますけれども、法律案はおろか画定審議会の区割り案の勧告自体もこの国会中には出ないだろうという見通しが述べられておるわけですね。これはこのようにお聞きしていいでしょうか。自治大臣にお聞きします。

石井一改新自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(石井一君) 選挙区画定審議会からの中間報告のいわゆる区割りの基準が六月二日に決定をされまして、両院で中間報告をする、それに従いまして六月十日に私は、衆議院、参議院の両本会議で報告をさせていただいたわけでございます。  そしてその後、衆議院、参議院の予算の審議がずっと続いておりますために、本来ならば、中間報告が簡単に終わり、会期末まで考えますと一月近くあったわけでございますから、これがスムーズに進みますと区割りの作業というものも順調に進むでありましょう。しかし、現時点におきましてまだその手続が終わっていない。そして、伺っておりますと、政治改革の特別委員会で日程の調整がまだつかない。結局、本委員会が開かれておる限り私の出席が要請されておるというふうなこともございますので、予想以上に遅延をいたしておる。  そういうふうな状態から、ここから先は審議会が審議をされ決定されることでございますから私の立場でそう早計に予想するわけにはいきませんが、今申しましたような状況の中に、区割り法案が今国会中に間に合うかどうかというふうなことは多少厳しい状況になってきたのではないかという見通しを申し上げたわけであって、これははっきりしたことは区画審議会のメンバーが当然お決めになることでございます。

一井淳治日本社会党・護憲民主連合

○一井淳治君 見通しを今のとおりお聞きしたわけでございますけれども、区割り案の作成方針がこの国会において審議が終わらない限り、委員会での区割りについての審議、作業が進められないということになるんでしょうか。別にこの国会で区割り案の作成方針を審議しなくても、委員会は委員会として独自にお進めになったらいいんじゃなかろうかと思いますが、その辺はどうでしょうか。

石井一改新自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(石井一君) それも一つの考え方でございましょうし、それもまた審議会のメンバーが自主的に御決定になることではないかというふうに思うわけでございます。  ただ、ここに至ります経過の中で公党が公に覚書を交わしてそういう要請をいたしております。ただ、それに介入するということを避ける意味で、基準は中間報告をするが区割りの具体的な問題については触れないというふうなところまで入ってございますので、今私は自治大臣としては申し上げるべき立場ではございませんが、公党の代表としてそれに立ち会った者として、要するに深い介入はしないが厳正中立に審議をしてもらいたいという祈りを込めた形での政党の要求をそこにうたっておるわけでございまして、そんなに深い審議を要請したものではなかったというふうに記憶いたしておるわけでございます。  そういうことから考えますと、一井議員の御指摘のようにそれはそれとして審議は進められるかもわかりません。しかし、恐らくこの七名のお方は権威ある方だけに、手続のそごのないように慎重の上に慎重を期した上でその両院での手続が終了するのを待っておられるのではないか、これもひとつ非常に高い見識だというふうに思います。

一井淳治日本社会党・護憲民主連合

○一井淳治君 いずれにしましても、審議会が冷静にょき審議ができるように、自治大臣としては極力その環境をつくっていただきたい。  そして、自治大臣の言動がまたいろんな波及効果を及ぼしますので、今時に参議院で我々は予算の審議中でありまして、まことに自治大臣の御熱心な気持ちは、なかなか思うとおりにならないというお気持ちはわかるんですけれども、環境づくりのためにいろいろおっしゃりたいことがあっても、慎重にお願いしたいということを申し上げます。  次に、会期末が近づいてまいったわけでございますけれども、今のお話にもありましたように、選挙区の画定法案もこの国会にはまず出ないだろうという見通しになっておるわけでありますし、また我々は、委員会のナイター審議を本当に重ねて頑張っているわけなんですけれども、そうすると、この会期の延長はもう不要になるんじゃなかろうかという感じも非常に強いわけでございますけれども、総理に会期延長の問題についてお伺いしたいと思います。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) ただいま予算の御審議をいただいておるところでございます。その意味で、私が今の国会の会期延長、こういった問題について私から申し上げることはお許しをいただきたい。これは国会の中でいつも決めていただくということでございます。

一井淳治日本社会党・護憲民主連合

○一井淳治君 そういうお答えが出るということは私も予期しておったことでございますけれども、国会と行政との関係ですから、行政の方が国会の運営についてとやかく言われるというのはどうかと思うんですが、しかし、それはそれとして、羽田首相は新生党の党首というお立場でありまして、政治全体の動きについて当然お考えがあり、こういうふうになるべきではなかろうかというふうな感想というものもお持ちだと思いますので、会期延長について強い必要性を感じておられるのかどうか、そのあたりの、会期末の問題について、これは決して行政の方から国会に対して何か不要な力が加わるということではなくて、御感想というものをお聞かせいただきたいと思うんです。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 感想といっても大変難しいのでございますけれども、私どもといたしましては、ともかくまずこの予算を一日も早く上げていただきたいということでありますし、また政治改革というのはどうしてもこれはなし遂げなきゃならないものでございますから、今これから基準について国会に御報告し、そしてこれも御審議があるというようなお話も承っておりますので、このボールを一日も早く返していただきまして、審議会の方がいわゆる区画の作業に一日も早く入れるようにまた御配慮を賜りたいというのが今の私の率直な思いでございまして、党首という立場であろうとも、会期延長ということについては私がここで述べることはお許しをいただきたいと思います。

一井淳治日本社会党・護憲民主連合

○一井淳治君 先ほどお話のありました区画の法案についての審議ですが、この国会で入りたいというお考えなんでしょうか。  それから、党首としてあるいは行政の責任者として、国会にこういうふうにしてもらいたいんだなという要望といいますか、お願いといいますか、これを述べられるのはもう別に不当ではないと思いますけれども。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) これは、先ほど自治大臣からも見通しについてのお話があったわけでありますけれども、今の基準の問題についてこれはもうできるだけ早いうちにひとつ球を返していただきたいということのお願いであります。しかし、その球を返していただいたということになりますと、審議会の方はその作業というものに入っていくということを考えますと、率直に申し上げれば、確かに限られた範囲の中にあっては非常に難しいなと、これはもう私も行政を預かる立場でも当然思うところでございます。  そういうことで、これらをなし遂げるために今後どういうことで臨んだらよろしいのか、また国会の中でも存分に御議論をいただきたいというふうに思っております。

一井淳治日本社会党・護憲民主連合

○一井淳治君 そういたしますと、予算と重要な関連法案をこの国会で通していただければ会期延長の必要はないなと、そういうふうな御感想をお持ちなんでしょうか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) この点については、もうこれ以上申し上げるのはお許しをいただきたいと存じます。

一井淳治日本社会党・護憲民主連合

○一井淳治君 次に、農業問題についてお尋ねしたいと思います。  首相は農業問題の専門家であられまして、また、日本の農業のために長い間努力しておるとみずからも言っておられます。  去年の十二月の初めごろまでは、これは政府は皆さん一同そうだったわけでございますけれども、米の輸入自由化はしないというふうに言って、農民もそのように信じておったわけでありますけれども、十二月の中旬になりまして突然ウルグアイ・ラウンド農業交渉を受け入れるという大変化が起こりまして、農民は大変怒りを持った、政治家にだまされたと怒ったわけであります。また農業の将来に対して大変な不安を持っているというのが実情であると思います。  この農民の不満とか不安について政府としてはどのように対応しながら、また農業の振興についてやはり予算が大事であると思いますけれども、そういったことを中心にどのようにお考えになっておるのかということをまず首相にお伺いしたいと存じます。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) まず、このウルグアイ・ラウンド、私は七年何カ月間この交渉あるいは環境整備、こういったことで働いてまいりました。ただ、私がそのときに皆様に率直に訴えたことは、世界の各国とあるいはラウンドの事務当局、こういった皆さん方とも話しながら、残念だけれども、何の傷もつかずに世界の理解を得ることというのは非常に難しい、そういうことを発言したりなんかしてきました。  ところが、報道なんかではすぐに羽田氏自由化容認なんということを書かれて大変な目に遭ったことがあるわけでありますけれども、しかし私は、そういう中で、国会の決議をもとにしながら、日本の主食である米、あるいは環境その他に関係する米というものだけは自給を旨としてひとつやっていくということで、何とか傷を少なくするようにという思いで努力してきたつもりであります。ですから、結果としては、四%から八%というのはやっぱり重いよと言われれば当然そうであろうと思いますけれども、しかし傷は最小限に食いとどめたというふうに思っております。  ただ、やっぱり農業者の皆さんとしてみますと、平常でとれるとなれば日本の場合には米がむしろ余るという実は状況にあるという中で、四%であろうと八%であろうとそういったものがこれから入ってくるんだということになれば、過剰に対して一体どう対応するのかということ、そして我々の生産というものが安定して続けられるんだろうかということ、それからその後一体どうなっていくんだろうかということ、こういう不安というものを持たれるのは私は当然のことであろうというふうに思っております。  そういったことで、そういった不安を除去するということが何といっても第一であります。しかし問題は、今、農業後継者という方が年間に千七百人とか、いわゆる学卒の方たちはそのぐらいしか入ってこないという状況で、後継者を持たない農家が非常にふえてきておるという現実も実はあるわけでございます。  また、あるいは加工をする製品はもうみんな競争になっておる。しかし、日本の国産の原料を使ったときには相当高いというようなことで、実需者が大変困り、そして外にいわゆる工場なんかをつくっていくというような動きもある。ということになると、日本の農業でつくり上げた農産物は一体これからどうなっていってしまうのか、こういった実は問題もあるわけでございます。  ですから、そういった問題も全部真正面から議論をして、そしてその上で日本のこれからの農業というのは一体どうしていくのかという方向をたどるべきであろうと思っております。  ですから私は、割合と早く何でもこうやって結論を出しちゃうということがいいのかもしれませんけれども、そうじゃなくて、こういう事態、そして今日日本の農業が抱える問題、こういったものを真正面から議論して、しかもこれが長期にわたって効果を上げていくような、そして本当に農業にいそしむ人が胸を張って農業にいそしめるような、こういう体制を築くことが今私は望まれているんだろうというふうに考えております。

一井淳治日本社会党・護憲民主連合

○一井淳治君 農業はこれまでも非常に厳しい環境に置かれておりましたけれども、ウルグアイ・ラウンド農業合意の受け入れによってますます困難な状況になったわけです。農業、農村の将来展望を開くためには、社会党の方で衆議院では農業基本法等法的な裏づけという問題について予算委員会でも質問させてもらっているわけでありますけれども、やはり基本的には予算の裏づけがないと農業は守られないと思うわけです。  今、首相はいろいろ具体的な事例も言われたわけですけれども、昨年十二月十七日の閣議了解の中にいろんな政策がありますね。非常に広範な政策であります。こういったものを実際に実効あるものとして実現していくためには、やはり予算の裏づけが必要であると思います。  この予算委員会で社会党の梶原議員が一兆円の農業予算を確保する必要があるという提案をしましたけれども、この予算の裏づけについて首相のお考えを伺いたいと思います。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 一つの方向を示す貴重な御提言であるというふうに私も承ったわけでありますけれども、まさに予算の歳入の限界というものがあるということ、これを踏まえながらも、これを活用してぎりぎりのものをひとつやっていくことが私は大事だろうというふうに思っております。  その意味で、今裏づけについてどうこうということは、それより今何と何をしなければいけないのかということを詰めることが重要であろうというふうに考えております。

一井淳治日本社会党・護憲民主連合

○一井淳治君 何と何が必要かということの一番大事なのが、これはもう予算であると思うんですね。もうそろそろ予算編成の時期に入るわけですから、しっかりとした予算を確保しないと、これまでの政府の農民に対する約束が全部空文になってしまいかねないと思うわけです。  ウルグアイ・ラウンド農業合意の受け入れというのは、これまでの日本の農業政策の根本的な大転換であったわけです。新政策がおととしっくられましたけれども、この新政策はウルグアイ・ラウンド交渉は受け入れないという前提でできておるわけですから、本当に大転換であったと思います。  そして、農業合意を受け入れるのは政治的な選択であったわけでありますけれども、結局日本の農業を犠牲にしても世界の自由貿易体制を選ばなくちゃいけないということで、日本の国策のために農業が犠牲にされたという側面が非常に強いと思います。  細川総理はこの農業合意受け入れに伴いまして記者発表をしております。総理発表文がここにありますけれども、そこを読んでみますと、「世界の大勢が調整案受け入れとなっている中、仮に我が国が受諾しなかった場合には、ウルグアイ・ラウンドが崩壊し、そのこと自体で我が国が国際的非難を浴びるだけではなく、各国の保護主義を助長し、我が国経済の存立基盤が危うくなることは必定であります。」ということで、自由貿易体制が重要である、そのためには我が国の農業が犠牲になるということ、そういう前提で、首相はこれは繰り返し言われておるところでありますけれども、首相にとっても「このうえなく苦しくつらく、まさに断腸の思いの決断でありました。」と言っておられるわけであります。  このように、我が国の農政の大転換を図りまして、農民が犠牲になる、そのために当時から十分な予算の裏づけもします、十分な方策もとりますということで国政はきているわけですから、やはり予算の編成時期が近づく今の時点ではっきりとした態度を政府としてお示しにならないと農民は絶対に今の政府を信頼しないと思いますので、首相としてもこの点は腹をくくって前進するように御努力をお願いしたいのですけれども、いかがでございましょうか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 私どもは、農民を犠牲にしてというよりは、やっぱり農業合意というものをつくり上げなければならないという強い信念は歴代の内閣とも持っていたというふうに思います。ただ、いわゆる関税に置きかえてしまう自由化というのは受け入れられないということで、ミニマムアクセスという、非常に難しいあれですけれども、厳しい選択というものをせざるを得なかったということであります。  その意味で、農業を犠牲にするというよりは、今まではまだラウンドでどうなるかわからないとかいろんなあれがあったわけですけれども、こういった機会に、今農業がもともと抱えておる問題、こういったものを克服して本当に農業というのを活力あるようにしていくということが大事だろうというふうに思っておりますので、そのときには制度の問題もありましょう、いろんな問題がありますけれども、しかし今御指摘があったように、また多くの部分でその裏づけの予算というものが大事だろうというふうに考えております。  今そういった広い角度から農林水産大臣なんかが中心になって農政審議会で御議論をいただいておりますので、こういったものも踏まえて、新しい農業の展望を開くために予算措置等についても我々のやり得る限りのことをしていかなきゃならぬだろうというふうに私どもは考えております。

一井淳治日本社会党・護憲民主連合

○一井淳治君 政府としてやり得る限りのという言葉で相当前進があったわけでございますけれども、平成五年十二月十七日の閣議了解というのがございます。これは首相も篤と御記憶だと思いますが、この閣議了解の中を一貫して貫いておりますのは私の今まで申し上げたようなことでございまして、閣議了解におきましても、「政府は万全を期するものとする。」ということになっているわけです。  この「万全を期する」ということは、法的整備もありましょうし、またとりわけ重要な予算も確保するということが入らないと「万全」にはならないと思うわけであります。そういった意味で、「万全を期する」というために、農業予算については今回の予算編成、来年度の予算編成の中では、これはもういわゆる一律シーリング、例えば前年度の経常費から一〇%一律に引くというふうな一律シーリングから外していただくということが何といいましても最低限必要であると思いますけれども、首相のお考えをお聞きしたいと思います。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) シーリングというのは、これは機械的といいますか、限られた財源の中で物事を処理していかなければいけないということでありますから、やっぱり農政といえどもその中にあって整理すべきものは整理していかなきゃならぬということでありましょうから、そのシーリングから外してしまうということについては私はちょっと軽々に申し上げることはできないと思います。  ただ、そういった中で今度は今のような事態を受けてどう対応するのかというのは、これは別の問題であろうというふうに思っております。ですから、一応のシーリングというものの中には入れることにはなるでしょうけれども、しかし、そのときに必要なものについてはどう考えるのかというのは別途の問題で考えることができると思っております。

一井淳治日本社会党・護憲民主連合

○一井淳治君 今、シーリングに含まれるかどうかということについて御意見の表明があったわけですけれども、それはちょっと現在の農業政策についての認識が不十分ではなかろうかと思います。  今申し上げましたように、閣議了解では「万全を期する」となっておりますし、また当時、これは十二月十四日ですけれども、参議院の本会議が開催されまして、ガット・ウルグアイ・ラウンド農業交渉について畑農水大臣が参議院本会議で説明をしておられますけれども、「関係者の声を十分お聞きしながら、農家の方々の不安を解消し、農業、農村の将来展望が開けるよう最大限の努力を傾注する」と約束しておられます。  そして、参議院の場合は、もちろん社会党も農業を守らなくちゃいけないという考えでありますけれども、この間の須藤議員の質問、あるいはこれまでの自民党の方々の農業を守ろうというお姿を拝見すると、私は自民党の方々も農業予算はしっかり確保しなくちゃいけないというお考え方ではなかろうかと、他党のことでございますから大変失礼なんですけれども、そのように思います。  この前を見ても、参議院では、理事さんを見てください。ここまで自民党ですね。あそこまで社会党でしょう。その先の方に与党の方がいらっしゃるんですけれども、与党の中にも農業を守ろうという方が多いわけですね。ですから、ここにいらっしゃる方の八割近くが、これは私の勝手な推測をしてまことに申しわけありませんけれども、八割、ほとんど全員の人が今の首相の答弁では納得していないと私は思うわけです。ですから、お考えをいただきまして、予算編成についてのお考えをもう少し農業を守る形で前進をしていただかないと納得いかないと思うわけです。  ただ、この夏の来年度の予算編成の方向が例えばシーリング方式をやらないで今までのやり方は全く変えてしまうんだというお考えであれば、これはまた変わってくるわけですから、その点を大蔵大臣にちょっとお聞きいたしたいと思いますけれども、その間に、やはり首相、さっきのことをもう一遍お考えいただきまして、もう一遍御返事をいただきたいと思います。  それで、シーリングにつきましては、例えば人件費等を一律に外すという方針もありますし、また去年やおととしにおいて行っておりますように、肉用子牛生産安定等の交付金ですか、こういったものを予算編成過程で別途に考えていくというそういう方法もあったわけですから、何らかの特段の方法を講じてもらわないと、参議院では、特に予算委員会の方々はとても今の総理のお考えには同調できないと思うんですよ。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 私がお答えしたのは、ちょうど委員と同じ考え方で申し上げたつもりです。  私は、どちらかというと守るというのは余り好きな方じゃなくて、むしろ攻める方で、やっぱりむしろ本当にこれでやれるぞというものを持ってもらうということが大事なんで、そのために私は先ほど制度だとかいろんな余計なことまで申し上げましたけれども、私は守りなんていうのは今までやったことのない人間でありまして、二十五年間の政治活動の中では常に攻めてきた人間でありまして、必ず私はそういう方向でいかなければいけないと。私は調和はする人間でありますけれども。  考え方は全く同じであるということはよく御理解いただきたいと思います。

一井淳治日本社会党・護憲民主連合

○一井淳治君 同じ考えであるということであれば、私も単純に旧態依然とした農業を守るということではなくて、まさにこれを機会にして日本の農業の生まれ変わりといいますか、再生と前進を図らなくちゃいけないという点では首相と同じ考えでございます。  ただ、予算をしっかりとるという点からどうもニュアンスがちょっと違うようでありまして、私と同じであれば私はもうこれで引き下がるんですけれども、ちょっとその点を大蔵大臣からもお伺いしたいと思います。前向きの御答弁を出さないとだめだと思いますので。

藤井裕久改新大蔵大臣

○国務大臣(藤井裕久君) 今までのやりとりのとおり、私もウルグア・ラウンドのこの農業協定実施後の農業のあり方、立場というものをよく理解しておるつもりでございますし、また地域社会における重要性、それにまた食糧の安定供給は大変大事な分野だと考えております。したがいまして、先ほど総理も申しましたように、緊急農業農村対策本部あるいは農政審議会の意見を十分伺って、そういう中で適切に財政は対応していくつもりです。  ただ、シーリングの話がございましたけれども、シーリングというのは御承知のように昭和三十六年からやっておりまして、特に特例公債を出し出しました昭和五十年以降は厳しいシーリングをやっております。それはそれなりの背景があるわけでございまして、限られた資金をどういうふうに配分するか、特に多くの国民の方、納税者の方の御意向というものに沿った形でこれを配分するという意味からシーリングができていると私は思います。  ですから、おのおのの分野の方々は本当にまじめに真剣に議論されて、この分野はシーリングを取っ払うようにという話はあるのでございます。そして、そのお気持ちはもう痛いほどわかるのでございますが、この限られた資金配分、特に財政が厳しい、もうそういう御議論もこの委員会でよくありましたが、その中のことでやらせていただくことは許していただきたいと思います。  シーリングがあってもその個々の費目を全部そういうふうに抑えているわけじゃございません、で、その省なり何なりでこれよりもこっちの方が重要だ、今の新農政を中心とする農業政策が重要だというふうに農林水産省がお決めというか御意思を表明されればそういう形の要求もできるわけでございますので、どうか御理解をいただきたいと思います。

一井淳治日本社会党・護憲民主連合

○一井淳治君 農政の中心であります加藤農林水産大臣の御意見を聞くのが遅くなって大変失礼いたしたんですけれども、予算確保についての決意をお伺いしたいと思います。

加藤六月改新農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) ウルグアイ・ラウンドにおける農業関係あるいは農業に携わる関係の皆さん方の悪い影響、不安、これをどうやって取り除き最小限にしていって二十一世紀を目指す日本の農業構造をどうやるかということは、先ほど未議論していただいておりました昨年の閣議了解、そしてそれに基づいて農政審議会あるいはまた総理を本部長とする緊急対策本部、ここら辺で今幅広く議論をしていただいておるというのはもう委員御存じのとおりです。  そういう中で、農政を担当いたしております私としては、その中核として主張すべきものは強く主張し、そして閣議了解の線を誠実に的確に実現していく、この決意でいっぱいでございます。もし、これを間違うようなことがあると、単なる農政不信じゃなしに政治不信がさらに倍加していく、そうさせてはならない、こういう決意で私は取り組んでおるわけでございます。

一井淳治日本社会党・護憲民主連合

○一井淳治君 農業問題について大変時間をとっているんですけれども、もう一遍首相に、予算編成においては肉用子牛生産安定等特別措置法の交付金、これはこの二年間ほどのシーリングの中では予算編成の過程で検討するという別扱いになっているわけです。別扱いの方法は私よりも首相の方がお詳しいわけですから、別扱いの方法はいろいろあるわけですけれども、農業の生まれ変わり、前進のために、これは日本の国土を守り環境を守るという、あるいは中山間の人たちを考えて日本全体の経済や文化等々の発展のために考えていくという観点から、この予算編成に当たってこういうふうにするということを、これは今申し上げておりますように、参議院の予算委員会の面々は本当にそこのところをはっきりと強く前進していただくことを期待しているわけですから、そういったことをお考えの上ひとつまとめていただきたいと思います。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 先ほど来申し上げておりますように、今私ども農政審でも幅広く、要するにウルグアイ・ラウンド、ポスト・ウルグアイ・ラウンドということ、それからもう一つは現在抱えている問題、これをちょうどこの機会に、それこそみんなが誇りを持って対応できるようにしていくために一体どうしたらいいのか、どんなことが必要なのかということを今議論していただいておるところでございますから、私どもはそれを踏まえて、本当に中長期にわたってきちんと農業が発展できる素地をつくるために、予算の面でも今お話しのありましたようなことも参考にしながら、限られた中でありますけれども、全力を尽くしていくことははっきりと申し上げておきたいと思います。

一井淳治日本社会党・護憲民主連合

○一井淳治君 次に、厚生省の方に中小規模病院の赤字の問題について伺います。  昨年、病院経営緊急状況調査というものが実施されまして、赤字病院が三〇%、経営悪化病院が五六・八%という結果が出ております。病院は国民にとって一番大切な健康を保持するための機関ですから、この経営基盤が揺らぐようなことがあっては残念で、それではいけないと思います。  特に私が心配しておりますのは、これは私が直接病院の方から聞いているわけですけれども、今までどおりの古いタイプといいましょうか、お高くとまっておられて、患者が来るから診てやるというそういう古いタイプの病院ではなくて、地域に健康相談室を設けたり、あるいは入退院委員会を設置したりして、本当に住民や患者のために細かい対応をしているというそういう病院が赤字に見舞われているというふうなことがあるわけで、私も心配しているわけであります。いろいろと厚生省の方では対策を講じておられるわけですけれども、やはりそれだけでは不十分ではなかろうかという感じが強いわけでございますが、いかがでございましょうか。

大内啓伍改新厚生大臣

○国務大臣(大内啓伍君) 御指摘のような中小病院の経営が非常に悪化しているという御指摘はそのとおりでございまして、私ども大変これを昨年来心配いたしました。というのは、昨年六月に医療機関の状況調査をやりましたところ、何と三割の病院が赤字であると、こういう事態が判明したわけでございます。  したがいまして、私ども厚生省といたしましては、医療機関経営健全化対策検討委員会というものが報告書を出しておりまして、ここでは、一つは医療施設近代化等の公的助成を拡充すべきであると、それから二つには、融資条件の改善等による資金の確保を図るべきであるという強い御意見を賜りまして、今度の平成六年度予算におきましては、これらの御提言を踏まえまして、医療施設の近代化施設整備事業といたしまして約百億円の予算をまず確保したわけでございます。  また、社会福祉・医療事業団からの政策的な融資につきましては、平成六年度予算におきましては前年度比約二百三十億円増の千六百十億円を確保いたしまして、医療施設の近代化に対する融資に対する対応を図っているわけでございますが、御指摘のような低利融資という問題が非常に切実な問題でございましたので、既存金利を○・五%マイナスいたしまして、近代化施設整備については四・三%あるいは経営の安定化資金については四・三五%という低金利の金利を設定したわけでございます。  しかし、先生御指摘のように、それでもなお不十分ではないかという御指摘もございますので、これから医療機関の資金需要に適切に対応できるように、そうした融資制度についてはなお検討したいと考えております。

一井淳治日本社会党・護憲民主連合

○一井淳治君 お話がありました医療施設の近代化施設整備事業につきましては、今恩恵を受けている人たちはごくわずかですから、これは増額してもらいたいと思います。  また、箱物等の設備の補助はどうしても入院患者が減りつつある中で病室の建てかえを促進するようなことになりますので、お医者さんが患者や住民のことを考えながら経営改善のために自分で責任を持ってどうするかということで運営できるように、やはり補助よりも低利融資をという、お医者さんの自主性を尊重できるような方法を拡充していただきたいと思います。  また、診療報酬についても、一律というよりは、新しい患者の多様なニーズに細かく対応して医療の質の向上を図れるような、そういうことを誘導するような、例えば入退院委員会を設置するとか、あるいはお医者さんや看護婦さんや栄養士やケースワーカーなどが病院内に集まって個々の患者の病状や環境や性格等を総合的に判断しながら細やかな質の高い医療を提供できるようなそういう新しい方策を考えておるという、そういう芽を助長するような方法を考え出していただきたいと思います。  また、相続税制も非常に問題になっておるようでございますから、その点についても来年度予算編成に向けてはいろいろ御配慮いただきたいということを要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 以上で一井君の質疑は終了いたしました。(拍手)  午後一時に再開することとし、暫時休憩いたします。    午前十一時五十八分休憩      —————・—————    午後一時七分開会

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) ただいまから予算委員会を再開いたします。  平成六年度一般会計予算、平成六年度特別会計予算、平成六年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。     —————————————

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) この際、午前の斎藤君の質疑に関し、内閣総理大臣及び郵政大臣から発言を求められておりますので、順次これを許します。内閣総理大臣羽田孜君。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) このたびのOECDへの閣僚派遣につきましては、これは内閣の意思で派遣することを取りやめたということでございますことを申し上げ、何か自民党のあれによってこれに出席できなかったようにとられましたことについて、これは私の方からもおわびを申し上げたいと思います。

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 郵政大臣日笠勝之君。

日笠勝之公明党郵政大臣

○国務大臣(日笠勝之君) 閣議後の懇談でOECDへの閣僚の出席に関しての総理の発言について、予算委理事会の現場で一蹴されたとの私の閣議後の記者会見での発言は、私が誤解をして不用意な言葉を使ったためであり、御迷惑をおかけしたことを心よりおわびを申し上げたいと思います。     —————————————

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 溝手顕正君の質疑を行います。溝手君。

溝手顕正自由民主党

○溝手顕正君 自由民主党の溝手でございます。  私は、今回の予算に関連いたしまして、地方の立場から若干の御質問をしてみたいと思います。  現在施行されております市町村の合併に関する特例法の問題でございます。明年三月で期限切れを迎える予定となっておりますが、今日まで果たしてまいったこの特例法の役割、評価についてお伺いをしてみたいと思います。  また、期限切れ以降の新しい法律について鋭意検討されていると伺っておりますが、この新法のねらい、現行に比べてどういった点が変わってまいるのであろうか。現在検討中でございますのでいろいろございましょうが、わかり得る限り御答弁をいただきたいと思います。

石井一改新自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(石井一君) 御指摘のとおり、昭和三十年代から四十年にかけまして地方の合併というものが急速に進みまして、現在三千三百の市町村が存在しておるというところでございますが、その後遅々として進まず、昭和四十年以降、市町村合併は百四十四件、うち編入合併が百八件で、新設合併は三十六件となっております。また、最近十年間に行われた市町村合併は十七件でございまして、そのうち編入合併が十五件、新設合併が二件というふうになっております。まさに市町村の合併は一つの転機に立ったと申しますか、新しい角度から見直さなければいけないという状況にあろうかと思うわけでございます。  この問題に関しまして、平成七年三月まででございますから、見直しが必要だということでございますから、平成五年から調査研究委員会を設置いたしまして、その中間の取りまとめといいますか、去る三月にその報告が取りまとめられたところでございます。  報告書におきましては、今後、市町村の自主的な合併を推進するために、基本方針である市町村建設計画についての都道府県との調整の仕組み、当該計画に盛り込まれた事業に要する経費等、合併に伴い生ずる各種の財政負担に対する措置、住民発議制度の創設等、これまでにない特例措置の創設を検討すべき旨が述べられております。  当省といたしましても、これらの提言はいずれも重要な課題であると考えております。今後、四月に発足した地方制度調査会の答申をも同時に踏まえて、合併の効果がなお一層確実に推進される措置を講じたいと考えております。

溝手顕正自由民主党

○溝手顕正君 ありがとうございました。  地方におりまして合併の問題で一番感じましたことは、現行の制度による合併というのが直接的にはメリットがない、特に財政的なメリットがないという点でございます。大きな国家的観点から申し上げますと効率のよい自治体をつくるということは大変有意義なことだと存じますが、現実の問題になるとさまざまな阻害要因がございます。合併をやると市町村が得をするんだ、少なくとも有利になるんだという観点からぜひとも検討を加えていただきたいと思っております。  またその中で、一つは、これはゴールドプランの推進と関連をするわけでございますが、御承知のように山間部、特に中山間部におきましては医者すらいない町や村があるわけでございます。医者がいないということは、看護婦さんも保健婦さんもホームヘルパーもままならないということでございます。一方、ゴールドプランにおきましては町村を中心にその実施を図るという方針が出されております。  そういった中で、ゴールドプランを推進していく上で市町村の規模というのをどの程度に想定なさっているんだろうか。先ほど申し上げましたいろいろ問題を抱えている市町村に対してどういうお考えをお持ちなのか。これは厚生大臣並びに自治大臣、お二方からお伺いいたしたいと存じます。

大内啓伍改新厚生大臣

○国務大臣(大内啓伍君) 先生は市長も二期務められてよく御存じだと思いますが、御指摘のようなゴールドプランを実施する主体としての市町村の単位が極めて小規模なところが多々あるわけでございまして、特にそういう地域におきましてはえてして高齢化率が非常に高い、平均で一三・五%のところ四〇%にまで達しているというようなところもあるわけでございます。  私ども厚生省といたしましては、これらの小規模の市町村の施設の整備を進めるために、特に小規模の特別養護老人ホームとか、小規模のデイサービスセンターとか、あるいは高齢者の生活福祉センターといった施設の小規模化あるいは複合化の施策を講じているところでございます。  例えば、高知県の西仁淀地区と言うんでしょうか、ここにおきましては、三町村が共同で若い人材を確保しつつ広域的にホームヘルプサービスあるいはデイサービスを推進しているというところもあるわけでございまして、市町村が小さいからこの単位として、つまり福祉の単位としては不適当であるというような、そういう決めつけ方ではなくて、小規模市町村におきましても、さっき申し上げたようないろいろな協力関係の中でゴールドプランというものが適切に運用されるように私どもとしてはいろんな面で指導、要請をしている次第でございます。

石井一改新自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(石井一君) 市町村の合併あるいはその区域がゴールドプランの設定を想定いたしました場合にある適当の規模を持たなければいけないという、それは当然の問題ではなかろうか。今後高齢化社会がますます現実の問題として身近にある場合に、身近な行政サービスを与える地方自治体というものがその有効な方策の一つとして今後新たな角度から市町村の合併を進めるべきではないか。これには私は賛成でございます。改めてこの問題について新たな検討を加えたいというふうに思います。  ただ、御指摘にもございました点ですが、それでは、その規模なりなんなりについて一つの標準的な画一的な条件を示すべきではないかという問題なんでございますが、これは市町村の存立にかかわる基礎的な問題で、関係市町村サイド、住民のサイドから自主的に決められるべき筋合いであり、中央から余り押しつけるというふうなことになりますと、これまた別の意味での分権に対する逆行というふうな問題も出てまいるわけでございます。全国でだった二百人の村が二つある。東京の青ヶ島と愛知の富山村ですか、しかしそれなりに財政基盤を持ったり特色を持ったりしておる。そこの住民がこれをどうしても残したいと言われた場合に、どこかと無理やりにくっつけていくというふうなことはこれまたいかがなものかというふうな問題がございますので、この点につきましては地方の自主性に任せていきたいと思います。  この問題も、四月に発足した地方制度調査会において議論が深まっておりますので、これらとも意見を突き合わせました後に、新しい時代に国民のニードに合った合併と、それをどのように進めていくかということについて、今後の大きな課題として取り組んでまいりたいと存じます。

溝手顕正自由民主党

○溝手顕正君 今、規模の問題が出たわけでございますが、農山村部におきましては人的資源の問題も極めて重要であろうと思います。老齢化率五〇%を超えるような村で果たして厚生省の考えておられるゴールドプランの推進が可能なのかどうか、厚生大臣、お答えをいただきたい。

大内啓伍改新厚生大臣

○国務大臣(大内啓伍君) 恐らく先生の場合は、福祉の単位というのが一つの自治体の単位、こういうお考えであろうと思いますし、私も基本的には、今おっしゃいますように高齢化率が四〇%、五〇%を超えるところもあるわけでございまして、そういうところで果たして私どもが要請するゴールドプランというものが適切に運営されるであろうかということについてはいろんな問題点を持っているわけでございます。  しかし、先ほど高知県の例も申し上げましたし、あるいは事務組合の活用といったような面等々、小さな市町村を小さいから君のところはやるな、こう言うわけにはまいらないわけでございまして、各都道府県における調整等も行っていただいて、小さな市町村においても二、三が協力することによってゴールドプランが実行されるように、当面私どもとしてはそういう指導をしているわけでございますが、もとより、先生が御指摘のように、市町村合併の特例法によりまして適切な単位というものが形成されていくということは、ゴールドプランの適切な実施にとっても大変好ましいことであろう、こういうふうに思っております。

溝手顕正自由民主党

○溝手顕正君 そういった意味で、これから厚生省の所管であるゴールドプランというのは極めて大きな期待を持っているまさに国民的な課題だろうと思います。  このゴールドプランの推進のために、厚生省、自治省が協議を進めていかれるお考えがあるかどうか、お尋ねをいたします。

大内啓伍改新厚生大臣

○国務大臣(大内啓伍君) 先ほど来のお話のように、ゴールドプランといったような問題は二十一世紀に向かっての非常に重要な国民生活にとっての施策でございますだけに、その施策が的確に遂行されるような地方自治体の単位というものを形成することもこれからの課題だと思っておりますので、自治大臣とこれからもよく相談してまいりたいと思っております。

石井一改新自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(石井一君) 自治省が進めております地方拠点都市構想でありますとかあるいはまたパイロット自治体等も、これは必ずしも福祉のユニットとは軌を一にするものではございませんけれども、町村合併にかわる一つの知恵と申しますか地方の努力でございます。今、地方自治法の改正もお願いいたしておるわけでございますが、そういうふうな方も含めて、また御指摘のございました新たな合併という問題も含めて厚生省と十分協議し、住民のニーズ、福祉のニーズにこたえていきたいと思います。

溝手顕正自由民主党

○溝手顕正君 それではもう一点、ゴールドプランの問題をお伺いいたしたいわけですが、福祉の担い手は市町村であるという大きな方針が出されておりますが、現在まで各市町村においてゴールドプランが作成をされてきております。ほとんどでき上がったと思います。  厚生大臣、ゴールドプラン作成の現場作業について御存じでしょうか。

大内啓伍改新厚生大臣

○国務大臣(大内啓伍君) 昨年来お願いを申し上げておりました地方自治体におけるゴールドプランの計画については、一、二を除きましてほとんど全地域からその計画が私どもの方に上がってきております。  その中には、市町村によってはなかなかそういう計画がつくりにくいというところもあるわけでございますが、先生よく御存じのとおり、老人福祉法におきましては、都道府県はみずからの計画をつくるとともに、市町村に対していろんな意味で助言、指導をするようになっております。したがって、今私どもに出されている各自治体からの計画につきましても、当然都道府県と市町村が相当協力をし合いながら出してきていると思うのでございますが、しかし総体的、最終的には市町村の責任において私どもの方に出されてきている、こう承知しております。

溝手顕正自由民主党

○溝手顕正君 町村に対して県の指導ということでございますが、私が仄聞をいたしておりますと、市町村では到底その能力がない、わざわざコンサルタントを使ってゴールドプランをつくらせているという話を伺っております。そして、その方が県として統一がとれていいんだと、こういう発言をされている県もあるやに伺っております。この点についてどうお考えでしょうか。

大内啓伍改新厚生大臣

○国務大臣(大内啓伍君) 御指摘のような例が確かにあったことは事実でございますが、私どもの指導といたしましては、そういうやり方ではなくて、市町村みずからがその計画に真剣に取り組む、その中から一つの結論を出していただく、その過程で都道府県と十分御相談をいただいたり協議をしていただくことは結構なことである。あくまでも専門家にお金でそれを任せてしまうというようなやり方ではなくて、市町村が主体性を持ってつくっていただくようにと、昨年来口をきわめて指導をさせていただいた次第でございます。

溝手顕正自由民主党

○溝手顕正君 県が実質的に指導しろ関与しろと言いながら、それをもって市町村が実質的につくったと、こういう判断はどうやってやられるのか私には理解できないんですが、もう一度答弁をいただきたいと思います。

大内啓伍改新厚生大臣

○国務大臣(大内啓伍君) 先ほど来申し上げましたように、市町村の計画について都道府県がいろいろな協力をしたりあるいは相談に乗ったりすることは老人福祉法からいいましても当然の責務でございまして、そのこと自身が悪いことではないわけでございますが、私がさっき申し上げましたように、最終的には市町村の責任においてそういう計画を出していただくというふうに指導をさせていただいた次第でございます。

溝手顕正自由民主党

○溝手顕正君 提出はもちろん市町村がやるわけです。それをもって市町村が責任を果たしたと考えるのは実態を無視した考えではないかと私は考えております。  市町村が本当の意味で福祉の原単位になれるように財政的、人的、さまざまな面で補強をしていく、これが県の立場であり国の立場であるかと思うんですが、そういった実態認識について再度お伺いをいたしたいと存じます。

大内啓伍改新厚生大臣

○国務大臣(大内啓伍君) 市町村によってはその能力が必ずしも十分でないというところもございまして、先ほどのような都道府県との緊密な提携協力の中で市町村の責任において出していただいた。しかし、実態は必ずしもそうではないではないかという御指摘でございますが、実態としてはあるいはそういう面も多々あったと思うのでございますが、しかし、少なくともその計画を出していただくその責任主体というものは市町村に我々は置いていただいたということでございます。

溝手顕正自由民主党

○溝手顕正君 新しい時代を迎えまして、ゴールドプランの推進というのは本当に国民の願いでございます。そして、御指摘を申し上げたとおり、さまざまな問題を抱えております。折しも合併特例法の改正が行われようといたしておるわけでございますが、少なくとも国民の切望するゴールドプランの推進に必要な十分な単位としての市町村を念頭に置いた検討を、ぜひともお願いしておきたいと存じます。  次の問題に移らせていただきます。  公共料金の値上げの問題でございます。今回の提案されました予算案の中にはいわゆる公共料金と言われるものを含んだ内容になっていると私は考えておりますが、これについて質問をいたしたいと思います。  公共料金の値上げは閣議で凍結の方針が出ました。しかし、今回の予算の中に、さはさりながら公共料金の値上げを含んでいるのかいないのか、含んでいるとしたらどんなものなんだということをお伺いいたしたいわけでございます。全部を言うのは大変でございましょうから、例示的に代表的なものを示していただきたいと思います。

藤井裕久改新大蔵大臣

○国務大臣(藤井裕久君) 端的に申しまして、社会保険診療報酬、それから国立大学の授業料、この二つは既に今御審議をいただいております予算に盛り込み三月に提出いたしております。したがいまして、公共料金は既に政府の決定したものを除きとなっておりますので、これは例外と考えております。

溝手顕正自由民主党

○溝手顕正君 羽田総理にお伺いをいたしたいと思いますが、今回の予算、すなわち、国の歳入にかかわる公共料金の値上げは可とするがほかはだめだとする今回の閣議了解の意味を十分御認識いただいた上であのような決定をされたんでしょうか、お伺いいたしたい。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) これは大蔵大臣の方からも今申し上げましたように、これから私ども内閣が始まる、スタートする、それから後に実は申請があるものについては総点検させていただくということで、年内の公共料金を上げることはいけませんということを申し上げたわけでありまして、また地方の方には、地方は議会でこれはまたお決めになることでありますけれども、私どもの方といたしましてお願いを申し上げたということであります。

溝手顕正自由民主党

○溝手顕正君 議会で決めるのは国もそうでございまして、閣議了解の文書によりますと、五月二十日の文書でございます、「既に政府において決定又は認可が行われたものを除き」と書いてありますが、これを素直に解釈をいたしますと、政府が決めたものはよいが地方や民間や公団が決めたものはだめだと解釈するのが普通の解釈だと思いますが、再度御答弁をいただきたいと思います。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) あのとき以前に決めていたものについて、これを私どもどうこう申し上げたことではございません。その後、幾つものものがずっと並んでおりました。これについてはひとつ考えていただきたいということで申し上げたところであります。

溝手顕正自由民主党

○溝手顕正君 「あのとき」という意味がちょっとよくわからないんですが、政府が決めたことがよくて地方が決めたことがだめだということをお伺いいたしているわけですが、再度お願いいたします。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) ちょっと今、日にちはつまびらかにしておりませんけれども、要するにあの閣議で決定をしたそれ以前にまだ政府の方なりなんなりで処理をされておらないものという意味であります。

溝手顕正自由民主党

○溝手顕正君 これは五月二十日の閣議了解という意味だと思いますが、そのときには既に予算案は出ておったわけです。だからよろしい、こういう論法だと思います。  ぜひお考えをいただきたいんですが、閣議で決定したことが何で政府が決定した、国が決定したという根拠になるんでしょうか。法的にそういうことが。市だって決定しているんです、公団も決定しているんです、議会の議決を経ていないだけで。なぜ閣議で決定したことがよくてほかがだめだという理屈になるのか私は合点がいかないんですが、御説明をいただきたいと思います。

熊谷弘改新内閣官房長官

○国務大臣(熊谷弘君) 本件につきましては、今御指摘の点のうち、政府、国に直接かかわるものにつきましては、四月の前政権におきまして当問題につきましてこれから慎重に方針を決めていくという大きな枠組みを決めたわけでございます。その後、委員御指摘のような経緯を経て閣議の決定ということになったわけでございますけれども、地方自治体につきましては、これは私どもから要請する、要望をする、こういうふうな立場でございまして、基本的には地方自治体が、この政府の要望も受けて、それも方針に入れていただきながらそれぞれの情勢に応じて御決定をいただくということであろうと思います。  なお申し上げますと、この決定は特に国にかかわることでございましても、零細企業その他の分野につきましては個々の情勢を見きわめながらそれぞれについて判断を下していくということも含めて決めておるところでございます。

溝手顕正自由民主党

○溝手顕正君 地方でも決めておるわけでございます。公団も決めておる。民間もしかるべき機関で決めているわけでございます。政府も閣議決定をいたしておるわけでございます。これをなぜ公平に扱うことができないのか、政府のだけ例外にしなくちゃいけないのか、私は今の答弁では納得できないんですが、再度お願いをいたしたいと思います。

熊谷弘改新内閣官房長官

○国務大臣(熊谷弘君) おっしゃるとおり、地方公共団体における公共料金の決定は、地方自治法等に基づき議会の議決を経て行われることになっておるわけでございます。それはもう御指摘のとおりでございます。  今回の公共料金の取り扱いはあくまでも政府の方針に基づきまして協力を要請するものでございまして、お決めになるのは申し上げますようにあくまでも地方自治体の側ということになるわけでございまして、地方自治の精神に反するようなことは全く考えていないのでございます。

溝手顕正自由民主党

○溝手顕正君 要請ということで逃げようというお考えのようですが、総理は、絶えずみずからの身を正し政府はすべての先頭に立って頑張ろうとおっしゃっておる。今回の結果を見ると、政府の値上げたけは予算案でぜひ通せ、修正もなしに通せと言いながら、市町村にはやっちゃだめだ、公団はやっちゃだめだ、こう言っているようにしか私にとっては受け取れない。ほとんどの国民がそう思っている言い分だろうと思いますが、それをなぜそういう判断をしたか。閣議決定ということがそれだけの意味を持っていることなのか、今から補正を出しても組み替えをやってもできるじゃないですか。  なぜそうなったか、再度お聞かせをいただきたいと思います。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 政府がということはそういうことではなくて、これはたしか二月に予算を組みますから、そして三月に提案をしておるということでありますから、そういった中で精査されてきて、この問題については今度の中でお願いをいたしましょうということが決められたものであります。  しかし、私がちょうど内閣を組織いたしましたときに、まだこれから議論されるべき問題あるいはこれから精査されるものがあるということでありますから、それが一遍に出てきたということになると、これは民間でもみんなリストラをやっているときにこれを一斉にまた認めていってしまうということになると大変だねということで、一つの内閣としての方針を申し上げて、そして政府の中あるいは地方自治体、そういったところで御検討いただきながら対応してくださっているものというふうに理解をいたしております。

溝手顕正自由民主党

○溝手顕正君 この本予算案の中に、そういった格好で公共料金が忍び込んでいるわけでございます。そして、総理は記者会見をされ、公共料金を凍結すると大見えを切られた。この予算が成立しますと、今度は値上げが報道されるわけでございます。  今回の凍結騒ぎの本質というのは、私にとっては、何度も繰り返すようでございますが、政府が決めたらいいんだ、地方や公団が決めたらだめだという内閣の本質、まさに地方から申し上げますとお上至上主義、官尊民卑の考え方じゃないかと断ぜざるを得ないんですが、再度御見解をいただきたいと思います。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) ちょっとどうも、あれなんですね、少なくとも、たしかあれは首都高でしたか、首都高については審議する機関があるわけですから、申請をして審議するわけですから、そこでもう既に決まったものについてはこれは上げられることになっておるというふうに私は理解をいたしております。

溝手顕正自由民主党

○溝手顕正君 それでは再度お伺いいたしますが、今回の本予算に組み込まれておる公共料金はまだまだ組み替える余地がございます。補正ができることもございます。これについて、そういった考えをお持ちかどうか、お伺いをいたしたいと存じます。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 今この予算に盛り込まれておるものにつきましては、それらのいろんな手続を経ながら一つの方向が示されたものでございまして、これを今組み替えるということは私は不可能であろうというふうに思っております。

溝手顕正自由民主党

○溝手顕正君 不可能ということはやる気がないという意味ですか、それともできないということですか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) できません。

溝手顕正自由民主党

○溝手顕正君 私はこういうように考えておるんです。どうせ凍結をするならもう四年も五年も思い切って凍結していただいて、値上げは絶対認めないという御判断をされればもっと国民の支持があっただろうと思います。  そういった意味で、地方に対して、あるいは公団に対して、もう少し、一方的に押しつけるのではなく十分協議をした上での対応が必要だったんではないかと考えていますが、この点についてはどうお考えでしょうか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 今度の凍結の中にはもうすぐに一つの結論を出さなきゃならない問題がありますから、私どもとしては早いところやっぱり方針を示す必要があろうということで閣議で方針を示したということであります。

溝手顕正自由民主党

○溝手顕正君 凍結後、事業内容を総点検いたし、その後の対応をいたしたいと、こういう御発言がございましたが、具体的にどういう作業が計画されているのだろうか、各省の対応はどうなんだろうか、この辺について総理並びに建設、運輸、郵政、大蔵各省の御見解を賜りたいと存じます。

谷弘一経済企画庁物価局長

○政府委員(谷弘一君) 公共料金の凍結、五月二十日でございますが、閣議で御了解をいただきまして、その後この間に公共料金にかかわる事業の総点検、単に料金だけではなくて、もう少し奥に迫りまして事業を総点検しろという総理の御指示をいただきまして、現在速やかに関係各省と共同いたしまして関係閣僚会議に点検の結果を報告、御説明すべく今作業を進めております。  中身につきましては、料金をつくっております経営そのものの合理化計画でございますとか設備投資の計画、あるいはいろいろな制度的な料金制度の問題、そういったもの、あるいはそれを国際的に比較するというような作業を今鋭意進めておるということでございます。

森本晃司公明党建設大臣

○国務大臣(森本晃司君) 建設省は道路公団と住都公団でございますが、二十日の凍結を受けまして、道路公団の方は二十四日に公聴会を行ってさまざまな意見を賜りました。  したがって、五月二十七日に両公団の総裁を建設省にお呼びいたしまして、そこで経営の合理化、さらにサービスの向上、そして国民の皆さんによく理解をいただけるようにという指示をいたしまして、今その作業に入っておりまして、間もなく私ども建設省の方へ報告が出てくるかと思います。そういった状況をよくしんしゃくいたしまして、今後について検討させていただく予定でございます。

二見伸明公明党運輸大臣

○国務大臣(二見伸明君) 運輸省は、一番大きな問題は都営の地下鉄と都バスだと思いますが、それにつきましても今総点検をしている真っ最中でございます。  ただ、運輸省の管轄の場合は、地方の中小のバスだとか離島の航路もあるわけです。これは今回の凍結の中では、これも凍結してしまいますと離島航路の足が奪われる、地方ではバスの路線が廃止されれば国民の足がなくなるということで、これは凍結の対象から外すことになっております。

日笠勝之公明党郵政大臣

○国務大臣(日笠勝之君) NTTの料金の件だと思いますが、今、経企庁とその総点検の内容を詰めております。きょうが熊本あしたが仙台と公聴会等をやりまして、電気通信審議会から答申が出ましたならば慎重に検討することとなっております。

藤井裕久改新大蔵大臣

○国務大臣(藤井裕久君) 大蔵省は火災保険料でございます。これは倉庫物件について引き下げ、一般物件について引き上げということになっておりますが、一層の経営合理化ができないかどうかを検討いたしているところでございます。

溝手顕正自由民主党

○溝手顕正君 公共料金の凍結によりまして、地方は税収あるいは料金の収入が歳入不足になるわけでございます。そして、この歳入不足は、ある意味では利用者は助かるという面がございますが、ある意味では補てんのために一般財源を使うということで、広く薄く市民なり町民からいただくということになるんだろうと思います。この点に関してどう対処されるお考えがあるのか。  四月から十二月、最低八カ月です。下手をすると十カ月になる可能性もございます。この間の地方自治体に起こった財政上の問題について、自治大臣、いかにお考えでしょうか。

石井一改新自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(石井一君) まず、内閣での決定は、現下の厳しい経済情勢、予算の遅延にかんがみ、政治的姿勢を示したと。特に、そのウエートは地方の問題でなく中央の基本的な姿勢であったと。そうして、同時に地方に対しても要請を行ったと。そうして地方におかれましてはその自主的な判断で財源あるいは将来への見通しとで御判断をいただくと。そういう中から既に決定をされたもので実行されておるものもあるというふうなことでございますから、それの補てんをするという意思はございません。しかし、これは地方におかれましても十分御理解がいただけておるものであると私は思っております。

溝手顕正自由民主党

○溝手顕正君 私が申し上げたいのは、細かいことを取り上げてがたがた言うことではなくて、それはPKOもございましょう、北鮮問題もございましょう、たくさん問題はあるわけですが、地方は地方で、田舎は田舎で頑張っておるんですよ。一生懸命議論をいたしております。  物を言わぬ地方の人に対して政府がいかに目配りをしているかどうか、これが極めて重要な課題だと思うわけでございます。一方的に決める、あるいは自治大臣と相談なしで決めてしまう、地方に対して何らの手続もとっていないでいきなり発表するという点に問題があるのではないかということを申し上げたいわけでございます。  地方の時代をつくる、地方分権をやると言っていながら、そういうことではなかなか理解が得られないんじゃないか。ぜひともこの点について、今後とも総理に目を開いていただきまして地方に目を向けていただきたい、それをお願い申し上げておきたいと思います。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 確かに、おっしゃることは私も理解できるところは十分あります。ただ、我々は政治家であります。あるときには政治として一つの方針を出さないと、あのときに景気も問題がある、特例の税の措置をしなければならない、こういったときに公共機関あるいは公にかかわるものだけが一遍に上がってしまうということではこれはいかぬなということで一つの方針を示し、そしてそれぞれの役所はそういった中で対応してくれております。  なお、ちょうどあのときには、私が申し上げたすぐ直後でありますか、市長村会でしたか、地方自治体の大会がございましたが、そのときにも率直に申し上げて、皆様方にもいろいろと御心配をおかけする、しかしぜひとも御協力をいただきたいということで私から直接ごあいさつをしたというような経過もあったことでありまして、我々はこれからも地方自治というものに対しては十分目くばせをしていかなければいけないということ、よくお聞きしたいと存じます。

溝手顕正自由民主党

○溝手顕正君 それでは次の問題、中華航空機の問題に関連して御質問いたしたいと思います。  新聞報道によりますと、機長あるいは乗員が飲酒操縦をしていたのではないかという疑いがあるという報道がされております。この中華航空のパイロットの件についてお答えを願いたいと存じます。

垣見隆警察庁刑事局長

○政府委員(垣見隆君) お答えいたします。  御指摘の機長及び副操縦士の遺体を解剖いたしました際に採取いたしました血液からアルコール成分が検出されたとの報告を受けております。その含有量は、機長については一ミリリットルにつき〇・一三ミリグラム、副操縦士につきましては一ミリリットルにつき〇・五五ミリグラムということでございます。  この検出したアルコールは飲酒による可能性が大であるというふうに考えておりますけれども、断定までにはいま少し検討が必要だというふうに考えております。

溝手顕正自由民主党

○溝手顕正君 わかりやすくお答えを願いたいんですが、その〇・何とかというのは道路交通法で言ったらどの程度なのか。酒気帯びなのか、酔っばらいなのか、ちょっと教えていただけませんか。

垣見隆警察庁刑事局長

○政府委員(垣見隆君) お答えいたします。  道路交通法及び道路交通法施行令では、血液一ミリリットルにつき○・五ミリグラム以上を酒気帯び運転の基準としておりますので、ただいま申し上げました副操縦士の遺体から採取した血液のアルコール分の程度は、道路交通法上の酒気帯びとされる程度のアルコール保有量と言ってよいものと考えております。

溝手顕正自由民主党

○溝手顕正君 次の質問に移りたいと思いますが、道路交通法上、飲酒運転というのは大変厳罰に処されております。運輸省は多くの公共交通機関あるいは乗り物の監督官庁でございますが、さまざまな分野での乗り物の飲酒運転にかかわる事業法の規定あるいはさまざまな罰則等について御答弁をいただきたいと存じます。

豊田実運輸省運輸政策局長

○政府委員(豊田実君) お答え申し上げます。  まず、鉄道の分野でございますが、鉄道営業法に基づく省令としまして、運転の安全の確保に関する省令、それから鉄道運転規則というものがございますが、例えばこの鉄道運転規則の第十一条では、運転士が心身異常の場合に運転させてはならないという規定がございまして、これを受けまして各鉄道事業者が社内の服務規定で、酒気を帯びて乗務してはならないということを定めております。  それから自動車の関係でございますが、今お話にありました道路交通法のほかに、バスとかハイヤー、トラック等の事業用の自動車の乗務員につきましてはやはり省令がございまして、旅客自動車運送事業等運輸規則、それから貨物自動車運送事業輸送安全規則ということで飲酒運転が禁止されております。  それから航空法でございますが、航空法の第七十条で、航空機乗組員は酒精飲料等の影響により航空機の正常な運航ができないおそれがある間は航空業務を行ってはならない旨の規定がございまして、これもこの規定を受けまして各社の運航規定で飲酒運航禁止の規定を設けております。  それから海上交通でございますが、飲酒運航禁止の直接の明示的な規定はございませんが、船員法八条という規定がございまして、乗組員の健康状態が良好である旨を出航の前に確認するということになっておりまして、船長は乗組員が運航に支障があるような飲酒等を行っているか否かについて十分注意を払うということとしております。  以上でございます。

溝手顕正自由民主党

○溝手顕正君 今の答弁を聞きますと、大体おかの方はうまくいっているようですけれども、海は若干問題があるようだと。  おかについて、ただこれの罰則の問題、いわゆる公共交通事業をやっている事業者に対する監督の問題と、運転している個人の問題と、二つに分けて考える必要があろうと思いますが、当然その監督官庁として個人に対しても事業者に対してもきっちりした飲酒運転禁止をする方向で、足らずを省令なりあるいは法律改正なりをしてきちっと正していく考え方があるかどうか、運輸大臣、お答え願います。

二見伸明公明党運輸大臣

○国務大臣(二見伸明君) 陸については問題ないわけですね。海についてですか。

溝手顕正自由民主党

○溝手顕正君 海以外の方について今聞いたんです。

二見伸明公明党運輸大臣

○国務大臣(二見伸明君) 私は、例えばトラックにしてもタクシーにしても乗用車にしてもそれなりに罰則はありますから、これをさらにきつくしろということになるとちょっと疑問は感じますけれども、御質問の趣旨をちょっと正確に受けてないものですから、もう一度おっしゃってください。済みません。

溝手顕正自由民主党

○溝手顕正君 公共交通機関を監督する省庁として、どこかに継ぎ合わせをしたら網羅をするようなことじゃ困ると。中華航空機で事故が出てきて大変だという認識が広がっているときに、飲酒は絶対だめだというように省令なり法律を変えていく気があるのかないのかという質問です。それは確かに何とか就業規則に入っているとか営業法のどこかに入っているとか、それじゃだめだ、もっとしっかりする気はないのかということを聞いているわけです。

二見伸明公明党運輸大臣

○国務大臣(二見伸明君) ですから、陸上についても空についても飲酒はだめと決まっているわけですから、それをさらにどうしろと言われてもちょっと困るんですがね。それを法律でやれというわけですか、すべてを、一切を。

溝手顕正自由民主党

○溝手顕正君 鉄道事業法に書いてありますか。

豊田実運輸省運輸政策局長

○政府委員(豊田実君) お答えいたします。  私の説明が舌足らずでございました。  鉄道に関係しましては鉄道営業法の二十五条に罰則の規定がございまして、鉄道運転士が飲酒の結果職務上の義務に……(「もうちょっとゆっくり、大きな声で」と呼ぶ者あり)はい。義務に違背し、または職務を怠り、旅客もしくは公衆に危害を醸すおそれのある所為があったと判断されたときは、三カ月以下の懲役または二万円以下の罰金刑を適用すると。  それから自動車の関係は、道路交通法の関係で、特に私ども事業法上のあれはございません。  それから航空でございますが、航空法の百四十九条におきまして、先ほどの七十条の規定に違反してその航空業務に従事した者につきましては一年以下の懲役または三万円以下の罰金という規定がございます。  ただ、海上交通については、先ほど申した関係で特に罰則規定についてはございません。  以上でございます。

溝手顕正自由民主党

○溝手顕正君 海の問題についてさまざまな問題があるようでございます。以下について手短にお答えをいただきたいと思います。  東京湾の湾岸のフェリーであるとか、瀬戸内を走っている連絡船、あるいは尾道水道のフェリーというような、極めて公共性の高いフェリーの運転手、操縦士が飲酒をしても、これを罰する規定がないという事実がございます。これに対して今後どういう対応をされるか、そしてその事業者に対してどうするか、この点について御見解を大臣にお伺いをいたしたいと存じます。

二見伸明公明党運輸大臣

○国務大臣(二見伸明君) フェリーにつきましては、船長は出発前に船舶の整備の状況とともに乗組員の健康状態についても検査することが義務づけられております。  この際、乗務員が運航に支障があるような飲酒等も、酒を飲んでいるかどうかもちゃんと調べて十分注意を払っていくことになっております。したがいまして、この点については……

溝手顕正自由民主党

○溝手顕正君 罰則はあるのかないのか。

二見伸明公明党運輸大臣

○国務大臣(二見伸明君) 罰則はありません。(「それでいいのかと聞いている」と呼ぶ者あり)  船は、何というのかな、船長がいまして、船長が一切の指揮をとるわけですね。ですから、操縦している者がそのときに飲酒してはならない、こういう決まり、そういうふうになっているわけでして、乗組員全員がお酒を飲んでいるという状態もないと思うし、私は罰則がないから罰則をつくれというのが果たしてそれでいいんだろうか。ただ、今までフェリーでそういう飲酒による事故というのは聞いておりませんからわかりませんけれども、私は、恐らくお酒を飲んで酔っぱらって船を運航するというようなことはまずないだろうというふうに考えておりますし、それが海のモラルだろうというふうに思っております。

溝手顕正自由民主党

○溝手顕正君 中華航空の事故を無にしないように、極めて公共性の高いフェリーなどの運転手が酒を飲んで運転して、いささかも罰則も何もないというのはおかしくはないかというのが私の質問です。もう一回答弁をお願いします。

二見伸明公明党運輸大臣

○国務大臣(二見伸明君) 先生は広島でしょう、ですからいろんな問題といいますか、フェリーでもし万が一起こったら大変だという御心配は私もよくわかります。また、これからフェリーがふえてくればあるいは道路と同じように正面衝突あるいは接触、いろんなことがあるかもしれない、その御心配は私もよくわかります。  私は今までそういうことはないだろうと申し上げましたけれども、先生が大変御心配をしているのであれば、また私の方も、これは全くその必要はありません、検討しなくてもいいですというわけにはいかぬと思います。あなたの御質問をいただきながらちょっと私も感情的になりましたけれども、その点お許しいただいて、私はそういう心配はあるということを念頭に置いて、これについては検討いたします。

溝手顕正自由民主党

○溝手顕正君 ありがとうございました。ぜひ検討をお願いしたい。  もう一つ加えておきますが、茅ケ崎の海岸や油壷でモーターバイクのような船が走り回っております。これも同じなんです。酔っぱらい運転を処罰する方法がないんです。これもぜひ加えてお願いしたいということを要望いたしておきます。ぜひともよろしくお願いします。

二見伸明公明党運輸大臣

○国務大臣(二見伸明君) 湘南海岸などを見ていまして、確かにおっしゃるように水上モーターボートがあります。それは私も心配いたします。それも酒を飲んで乗ってはいけないということは決められるけれども、なかなか点検は難しいんじゃないかなというふうに思いますけれども、これも同じように酒を飲んでモーターボート等を操縦しないように、罰則も含めてどういう方法があるか検討いたします。

溝手顕正自由民主党

○溝手顕正君 御理解をいただいたようでございますが、要するにそういった問題と、もう一つは、極めて公共性の高い輸送機関を監督する立場であれば、過去あったとかないとかそんなことを言わずに、きちっと飲酒はだめだという法律をつくるような姿勢を出すべきだと私は思っております。  時間がないので、次に行きたいと思います。  最後は、原爆ドームの世界遺産化の問題でございます。  終戦五十周年を迎えまして、原爆ドームの世界遺産条約への推薦の動きが出ております。先般も総理に対していろいろな陳情があったと伺っております。この点に関して窓口は文化庁のようでございますが、文化庁は文化財保護法によるこの条約へのサポートというのを検討してみるということで、はっきりした答えが出ておりません。見解を伺いたいと思います。

赤松良子文部大臣

○国務大臣(赤松良子君) お答えいたします。  原爆ドームを文化財保護法の指定の対象にするかどうかということにつきましては、これまでのところはまだ正式に保護対象とするべきかどうかについて検討を始めているという段階ではございません。

溝手顕正自由民主党

○溝手顕正君 総理の発言として新聞に出ておりましたが、前向きに対処したい、格別の検討を指示したという発言がございました。総理、どういう御見解でしょうか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) これは、我が国が世界唯一の被爆国であり、また原爆ドームを長く後世まで保存して我が国として平和を世界にアピールする、これは大切なことであろうというふうに考えております。  ただ、世界遺産の一覧表といいますか、これに記載するということに関しまして、従来文化庁としてとってきた一つの法律に認められたものであるとか、あるいはそういったものによって国が補助、助成をしているものであるとか、あるいは何年以来のものであるというような一つの規定があるということは私も承知いたしております。ただ、原爆ドームとかこういったものは、少しでも早いうちに一つの方向が決められたときに私はむしろ世界平和へのアピールになるんだろうというふうに思っております。  いずれにいたしましても、そういったいろんな問題がありますから、今後こういった問題を文化庁の方で検討してもらいたいというふうに思っております。

溝手顕正自由民主党

○溝手顕正君 総理の前向きな発言ですが、文化庁、これは十月に間に合うように検討できるんですか、できないんですか。

赤松良子文部大臣

○国務大臣(赤松良子君) 総理の大変積極的な御姿勢もございますし、私も同様に原爆ドームの歴史的な意義は十分に認識しているつもりでございますので、検討をいたしたいと思います。

溝手顕正自由民主党

○溝手顕正君 八月六日は原爆の日でございます。ぜひとも来年に向けてこの問題が解決できるように広島市民、広島県民あるいは被爆県である長崎も十分願っております。  この問題ができないようであれば、我々は議員立法も辞さないという気持ちでおるわけでございます。ぜひともこの実現に向けて、再度、総理、いい返事をいただきたいと思いますが、よろしくお願いします。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) これは、文化財というよりはまさに歴史的な遺産であるということであります。そして、あそこで大きな被害を受けたということ、この被害を受けたということが世界にきちんと載っているということはやっぱり非常な重要な価値のある問題であろうというふうに考えておりますので、私たちも、いろんな問題があるようでございますけれども、検討していきたいというふうに存じます。

溝手顕正自由民主党

○溝手顕正君 最後になりますが、問題がありましてもぜひとも、核廃絶のためにも、世界平和のためにも、日本の姿勢を示す意味でも、何とかこの条約に加盟できるようによろしく要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 以上で溝手君の質疑は終了いたしました。(拍手)     —————————————

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 次に、山田健一君の質疑を行います。山田君。

山田健一日本社会党・護憲民主連合

○山田健一君 山田でございますが、私はきょうはまず最初に、国連改革と日本の常任理事国入り問題についてお尋ねをいたしたいと思います。  政府はこれまで、常任理事国に入ることを希望する、大分間接的な表現で主張されていたように思います。細川前政権のときは、御承知のように国連総会での発言についても、改革をされた国連で日本はしっかりその責任を果たしたい、こういう言い方でありました。その後、羽田政権に移りまして、こういった前提つきの常任理事国入りの希望、こういうものが実は消えております。    〔委員長退席、理事村上正邦君着席〕    ヨーロッパでいろいろ発言をされたこと、あるいは一連のこの国会でも答弁をされておるのを聞いていましたら、かなり一歩踏み込んで発言をされているのかな、こういう気がいたしますが、政府の方針としてこれは変わったのでしょうか、どうでしょうか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) これは、政権がかわったから変わったというものではございません。私は前政権のころからのあれです。  ただ最近、改組のための作業部会というものの議論というのは相当深まっておるということで、みんながそれぞれ割合と具体的に議論をするようになってきておるということでございまして、決して前政権からの考え方が変わったということじゃありません。  いずれにしましても、私どもは、持てる能力というものを国連の場できちんと発揮していくことが世界に真の平和をもたらす、あるいは経済的な発展等についてもあるいは地球全体のグローバルな問題についても、国連が行動していくときに日本の国が果たす役割というのは非常に大きいだろうという考え方を持ちながら発言をさせていただいております。

山田健一日本社会党・護憲民主連合

○山田健一君 この問題、頭から否定をしてかかっているわけではありませんが、少なくともついこの前まで、細川政権のときは、当時は羽田総理は外務大臣ですね、当時はだれでしたか、波多野さんの国連でのいろんな発言があった。聞いてない、こういうことでちょっといろいろ報道されてやったことがあった。その後、またつい先般小和田さんがそういう発言をされた。これについてかなり積極的に日本としての姿勢を明らかにした、こういう受けとめ方がされているわけです。国連、これは政府が構成をしておるということでありますが、最終的には国民が、例えば国連で決定をされれば国民が責任を負うわけでありまして、そういった意味では国民の理解、合意あるいは国民のそういったコンセンサスというものがやっぱり大前提だと思うんです。それを抜きにどんどんどんどんある意味では既成事実がこういう形で官主導みたいな格好でつくられている。これはやっぱり大変問題があるのではないか、こういう気がいたしますが、その点についてはどうお考えですか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) これ、官主導というよりは、私がもう細川内閣のときからずっと発言している言葉と今の小和田さんが発言されたことというのは、私はそんな大きな差というものは、言葉のあれは、多少ニュアンスというのは、私たちはこういう原稿もなしでお話ししていることでありますから多少違うことはあると思いますけれども、基本的な考え方というものは変わっておらないということです。  それから、私たちも、国民の理解というものを得ていく必要があろうということでいろんな世論調査をお願いしたりしております。そのときに、この国連の常任理事国入りというものについて、割合となかなか理解するのに難しい問題ですけれども、それでも五二・数%ぐらいの支持があるということ、それに対して反対だというのは一四・八%ぐらいであるということ、そういったことからも国民の理解というものも深まっているのかなというふうに思っております。  それともう一つは、この安保理事会に入りますときに、これはガリ事務総長がさらにつけ加えてどうこうということはないんだという言い方をされておりますけれども、いろんなものの判断とか決断とか、そういったものをしなきゃならない。これはやっぱり重い任務があるということ、これを私たちは否定するものではありません。  しかし一方では、今新しい国連に望まれているニーズというもの、これは大変数多くなってきているわけです。そういったときに、日本が果たす役割というのは非常に大きなものがあるんではなかろうかというふうに確信をしながら、そういった面で私どもは、この戦後五十年の間に積み上げてきたノウハウですとかあるいは技術ですとか、こういったものを生かしながらこたえていくということで、積極的にやることがよろしいんじゃなかろうかというふうに考えます。

山田健一日本社会党・護憲民主連合

○山田健一君 そのことによって大変大きな役割、使命というものがあるというお話であります。じゃ、日本として今この時点でそういったものを希望するということであれば、一体その一番の理由はどこにあるのか、このことをお尋ねいたしたいと思います。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) もう名指しで日本を支持するという国なんかもこのところ公然と発言をされるようになってきておりますけれども、我が国としては平和で今日来たからこそここまで発展することができたわけですね。ですから、そういう意味で、我が国が本当の平和をつくるためにちゃんとした発言をする場というものを私たちが得ることは、これは国際的にも私は理解されることであり、また、世界の理解の中で今日まで来た日本としてはそういう役割を果たすときが今来ているんだろうというふうに思っております。

山田健一日本社会党・護憲民主連合

○山田健一君 それじゃ、ちょっとこの際お尋ねをしておきますが、先ほど羽田総理の方からも、今作業グループでいわゆる改革論議がかなり進んできておる、こういう状況で、しかも来年は国連が創設をされまして五十年、一つの節目を迎える。それに当たって今そういう形の議論が行われている。それに向けて、日本として国連の改革についてどういうスタンス、国連の改革案、政府としてどういう見解をお持ちなのか、お尋ねをいたします。

柿澤弘治改新外務大臣

○国務大臣(柿澤弘治君) お答え申し上げます。  御承知のとおり、第二次大戦の終わる直前の段階で五十一カ国で始まりました国連が今百八十四カ国になっているわけでございます。そうした意味で、そうした大きな組織になった国連の組織的な問題がいろいろ出てきております。その意味では機構改革も大事な課題であろうかと思います。  また財政の面でも、さまざまな活動がふえているだけに財政負担も大きくなっているわけですが、その財政的な負担にたえられずに支払いが遅延しているという滞納グループがかなり出てきているわけでございまして、そうした財政負担をどう考えるかという問題も国連改革の大きな課題であろうかと思っております。  また、今、山田委員御指摘の国連安全保障理事会の改革、何といっても安全保障理事会は国連の中心的な機関でございますが、しかし、これも常任理事国はかつての同盟国と言われる五カ国で構成されておりまして、日本のように第二位の分担金を払っている国がそのメンバーになっていない、またヨーロッパではドイツのように日本に次いで分担金を払っている国が常任理事国になっていない、こうしたアンバランスを改革していくことも大事な課題ではないかと思っております。  また、常任理事国だけでなく非常任理事国につきましても地域的なアンバランスが出てきております。その意味では、地域的な均衡をとるために非常任理事国の数をふやすということも課題になっているというわけでございます。  そのほか、経済社会理事会を活性化するためにはどうしたらいいのか、最近大きくなっております環境問題、人口問題、エイズのような地球的問題について取り組むのに今の組織で十分なのか、こうした問題もあるわけでございまして、それぞれの分野で我が国は我が国としての主張をしているところでございます。

山田健一日本社会党・護憲民主連合

○山田健一君 常任理事国の拒否権についてはどういう見解ですか。

柿澤弘治改新外務大臣

○国務大臣(柿澤弘治君) 総理からもしばしば御答弁をいたしておりますが、拒否権につきましては賛否両論のあるところでございます。  一方では、拒否権を持つ国が横暴になる、大国の横暴という問題もあります。しかしながら、一方ではそうした国々が責任を持って国連の活動に参加をするという意味では、最悪の場合には自分の国益を守れる拒否権があるからこそその活動に参加をするという部分もあるわけでございまして、その点で拒否権の使い方が問題だろうと私どもは考えております。  冷戦構造の中では、米ソ両陣営に属した国々がそれぞれ自分の陣営の利益のために拒否権を連発するということで機能不全に陥っていた時代があるわけですが、冷戦後はむしろ拒否権の行使の数が激減をいたしまして、今その使い方については比較的リーズナブルになっているというふうに考えております。  その点で、例えば我が国が常任理事国になる場合に拒否権つきがいいのか、なしかいいのか、いろいろ議論のあるところでございますが、私どもは、最終的に日本が常任理事国の中でこれだけは日本としてどうしてものむわけにいかないという問題が起こったときに国をかけて拒否するためには拒否権つきでの常任理事国で構わないのではないか、その使用の仕方が問題だというふうに考えております。

山田健一日本社会党・護憲民主連合

○山田健一君 これは、私は見解を初めて聞いたんですが、国連改革に当たって今作業グループというのがありまして、去年、事務総長あての書簡に出されておりますね。常任理事国、非常任理事国合わせて二十カ国ぐらいというそういう中に、今の問題も含めて書簡の中にありますか。

柿澤弘治改新外務大臣

○国務大臣(柿澤弘治君) 拒否権の問題についてはまだ意見を述べておりません。

山田健一日本社会党・護憲民主連合

○山田健一君 今、安保理のあり方、先ほどもちょっとおっしゃいましたが、まさに八〇年代、冷戦時代はむしろ逆に総会が中心で動く、安保理が余り機能しなかった、拒否権の発動が行われる。湾岸以降は、むしろ逆に今度は安保理が非常にある意味では大きな役割を果たすようになってきた。  そういう状況の中で、特に開発途上国たくさんありますね。その国々にとってみれば安保理、とりわけ欧米先進諸国中心のこういったシステムで果たしていいのか、こういうある意味では疑問が逆に出されておることも事実なんで、安保理そのものも改革をしなきゃならぬ、同時にその中軸にある常任理事国のいわゆる拒否権問題についても改革をすべきではないか、こういう意見も非常に強く出されているわけですが、あえてそういう状況の中で日本がそういう道を、安保理の常任理事国に入る、しかも拒否権つきでという話になりますと、これはまた大変な問題になるわけで、当然これは憲章改正の問題にいくわけです。日本が常任理事国にいくということになれば当然憲章が改正されるわけですから、そういった状況の中で果たしてそういった国々から理解、協力が得られるかどうか、私は極めて悲観的であります。  そのことについてどうお考えですか。そういった途上国の気持ち、立場、こういうものを踏まえてどうお考えでありますか。

柿澤弘治改新外務大臣

○国務大臣(柿澤弘治君) この点につきましては、山田先生の御意見というのも一つの考え方であるということは承知をいたしております。  といいますのは、常任理事国と非常任理事国と今分かれているわけですが、その中に第三のカテゴリーとして拒否権なしの常任理事国とか準常任理事国を設けてはどうかという議論が議論の過程であったことも事実でございます。しかし、これはまさに今の常任理事国、非常任理事国という安保理の構成にさらに第三のカテゴリーをつけ加えることによって非常に複雑になってくるということで、各国の議論の作業部会の過程では、やはりそれは問題を複雑化させるだけではないのかということでやや少数意見になりつつあるというのが現在の状況でございます。  ですから、あと残った問題としては、今、山田先生が御指摘のような点に答えるとすれば、非常任理事国をふやすことによってそうした少数意見というものにも十分配慮した安保理の運営が行われるようになる、そこが一つの解決策になる、妥協案になるというふうに思います。  また、全く逆の方向で常任理事国の拒否権を全部取り上げてしまうという解決案もあろうかと思いますが、これを提案したら多分この憲章改正はまとまらないであろう。現実論として、アメリカやソ連が手放しで国連の憲章を改正するということはございませんので、それは一つの理想型かもしれませんけれども、当面の改革案としてはそれはなかなか言うはやすく難しいということで、実は非常任理事国の地域別配分をふやすことで先ほどのようなバランスをとっていく。  それからまた、我が国としては、たとえ拒否権つきの常任理事国になったとしても、これは仮定の議論でございますが、アジアの地域、また少数の小さな国の考え方等を十分反映して行動していく。これは、自己規制としてそういう行動をとることによって今までの常任理事国と違った新しいタイプの常任理事国が出てきたなということで、世界の尊敬を得るような行動をとっていくことでその問題は解決できるのではないかと思っております。

山田健一日本社会党・護憲民主連合

○山田健一君 いや、だから、去年からこういう作業グループが設置をされて改革の議論が今行われておる。ことしの秋には総会で中間報告が出るかもしれないというふうに言われておる段階で、細川政権時代は、だからそういった国連の改革をいろいろやりながら、そういうものを受けて日本としてできるだけの責任を果たしていきたい、こうである、今まさにその真っ最中であるわけです。したがって、ある程度そういった国連での議論が煮詰まって、例えば中間報告なりなんなりが出た段階で日本としても検討をしていくということであって私はいいんじゃないかと思うんですが、どうですか。

柿澤弘治改新外務大臣

○国務大臣(柿澤弘治君) 実は山田先生がおっしゃった段階までそろそろ来ております。もう常任理事国にノミネートされる国の数というのは非常に限定されてきておりまして、まだ正確に申し上げるわけにはまいりませんけれども、できるだけざっくばらんに国民に議論をしていただくという意味で言えば、ほとんど日独に限られてきていると言ってよろしいのではないかと思います。  そのほか、それぞれの地域の大国としてインドとかブラジルとか、それからナイジェリアとかエジプトとかいう名前も挙がっておりましたが、この辺が常任理事国として国連の大勢の支持を得られるという状況ではなく、日独がどうなのかというところに私は絞られてきている。ところが、絞られてきている状況で、日本はなりたいのかなりたくないのかまだわからない、いろいろ聞いてみるとどうもなりたくないんじゃないかということを言う国もあるんです。  そういう意味では、細川内閣のときに、国連を改革して、その改革した国連の中で大体推されればなるという方向へ国際世論が動きつつあるという点で、ここのところは日本としても推されればなるということをもう少し明確に言うために、そういう改革された国連の中で日本が常任理事国というようなことで推されるなら常任理事国としての十分の責任を、憲法の範囲内でございますが、果たしてまいりたいということを先般も小和田大使は述べたわけでございまして、この点は国際的な議論の流れの中でそうした発言をさせていただいたということでございます。

山田健一日本社会党・護憲民主連合

○山田健一君 かなり新しい段階に入りつつあると、こういう認識でよろしゅうございますか。

柿澤弘治改新外務大臣

○国務大臣(柿澤弘治君) さようでございます。  一つは、国際世論の中で日本に常任理事国になるべし、なるのが当然という声が非常に強くなってきているということでございます。  もう一方、国民の皆さんが御懸念をされている常任理事国になったときには何か追加的な責任が負わされるのではないか、特に軍事的な問題で責任が負わされるのではないかという点については、国連の事務総長が細川前総理に対してもそうしたことはないということを明確にしておりますし、私どもも、常任理事国ではありませんが、非常任理事国として安全保障理事会で活動した経験が七回もあるわけでございまして、その経験の中でそういうふうに確信をいたしておりますので、その点はきちっと国民の皆様にも申し上げることができると思っております。

山田健一日本社会党・護憲民主連合

○山田健一君 今私も聞こうと思っていたんですが、いわゆる軍事的な意味でのこれからの貢献が求められるんではないかというようなことでいろんな議論が実はされておる。その関係で、憲法との関係はどうかというようなことも言われておるわけですが、このことによって特別な義務は負わない、こういう理解でよろしゅうございますか。

柿澤弘治改新外務大臣

○国務大臣(柿澤弘治君) 国連の中には、先生御承知のとおり、集団的措置と言われます集団的安全保障、そうした規定もございます。    〔理事村上正邦君退席、委員長着席〕  それによって国連安保理がそうした軍事的な措置を決定することもあるわけでございますが、決定に参画をし決定に賛成をしても、それに参加をするかどうかは別途加盟国と国連との間で特別協定を結んで、それに積極的に参与するものが参加をするということでございますので、決定したことが全加盟国にそのまま適用されるわけではないという点もございますので、そこはそれぞれの国が持てる力で国連の活動に協力をしていくということでいいのではないかと思っております。

山田健一日本社会党・護憲民主連合

○山田健一君 まさに今お答えをいただきましたが、そういった国連、とりわけ常任理事国、しかもその政治的な役割あるいは国際平和における役割、極めて大きな役割を担っておりまして、軍事的な問題等々をいろいろ指摘されておるという状況の中で、やれる貢献はやっていく、こういう今お話でありました。  PKOの問題についても、実は御承知のようにここ二、三年で大変急増しておる。費用も随分かかるようになってきた。しかも重装備の例の平和執行部隊、この問題もソマリアで展開をしてアメリカは大きな失敗。こういうことでアメリカ自身がPKOについて極めて選択的限定的な方針でこれから臨む、費用についてももうちょっと減らしてくれということで要望が出ております。新しいこのアメリカのPKO新政策をどう受けとめておられますか、お尋ねをいたします。

柿澤弘治改新外務大臣

○国務大臣(柿澤弘治君) アメリカや常任理事国は従来PKO活動には必ずしも積極的に参加をしてきませんでした。むしろカナダや北欧諸国のような国、また中小国が参加をしていたわけでございますが、ソマリアのときには、人道援助に入った国連機関の方々、UNHCRとかそれから国際赤十字の方々が救援物資を運んでいる途中で略奪に遭うというような大変悲惨な状態がありましたので、ブッシュ大統領のときに米軍を投入し、その後国連のPKO活動にアメリカは参加したわけでございます。  私も現地へ行ったことがございますが、本当に悲惨な状態で、国連がこの無秩序状態を救済することができたら本当にすばらしいなと思いました。しかしながら、複雑な部族間の抗争の中で、アメリカの武力をもってしても思うようにいかなかった。これは一つの平和執行部隊的なPKO活動の反省材料であったと思います。  その後、ユーゴスラビアにおける動向も同じでございまして、ユーゴスラビアにおける紛争はこれは国際社会としては憂慮にたえない、何とかしなければならないということでEU、ヨーロッパ諸国は地上軍を投入しておりますが、アメリカはそこは慎重で地上軍の投入をしていないために、EUからはむしろアメリカは腰が引けているという批判を受けているわけでございます。  こうした状況を見ましても、やはり平和執行的なPKOというのは、ガリ事務総長が平和に対するアジェンダ・フォー・ピース戦略ということで提案をいたしましたけれども、現実に具現化するということにはいろんな困難がある、よほど慎重に事を運ばないとうまくいかないという反省例になっているのではないかと思っております。  その意味で、やはりこれからも我が国のPKO五原則、これに従って当面は我が国としても行動していくことが望ましいし、国連全体としてもそこから急速に前へ踏み出すということは必ずしも現実的ではないのではないかというふうに私は思っております。

山田健一日本社会党・護憲民主連合

○山田健一君 そこで、今度は羽田総理にお尋ねをいたしますが、かなり新しい段階に入ってきた、その中で日本がその意欲を表明されておるわけでありますが、日本は安保理、しかも常任理事国を目指すということになれば、一体何をそこで訴えていくのか。日本が世界に向けて追求していく一つの理念、こういうものは何だというふうにお考えになっていらっしゃいますか、お尋ねをいたします。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 冷戦終えん後、今日の国連の役割というのは、いろんな新しいニーズというものが生まれてきておるということでさらに重要なことになっておろうというふうに思っております。その意味で、国連の機能というものを一層強化していく必要がある点におきまして国際的にもやっぱり幅広い合意があろうと思っております。  安保理の改組に関する動きもこのような背景のもとに活発化してきたということでございまして、平和の中で今日の繁栄を築き上げてきた日本として世界の平和と安定のためにどのような責任を果たすかが国際的にやっぱり問われているというふうに考えます。  我が国はこれまで一貫して、平和主義あるいは国連中心主義、こういったものを理念として堅持してまいりましたし、また実践してきたところであろうというふうに私は申し上げることができると思います。常任事理国になるということは、我が国が過去に蓄積した、先ほど来申し上げております平和のための実績ですとかあるいはノウハウ、また憲法の平和主義、この理念を生かして真の平和の構築のために主体的に責任を果たしていくことであろうというふうに私は考えております。

山田健一日本社会党・護憲民主連合

○山田健一君 日本が平和主義、国連中心主義を堅持して今日までその実践をしてきた、それを平和憲法の趣旨を体してこれからもやっていくということなのでありますが、実はこの前ちょっと見ておりましたら、七〇年の総会で当時の愛知外務大臣が発言をされておりまして、常任理事国の資格を考慮する際、核軍事力は決定的な要因となるべきではありません、核兵器全廃への積極的な態度などに注意を払うことが適切でありましょう、私がこの点を強調しますのは、我が国政府はその潜在的核保有能力にもかかわらず非核政策を維持しているからでありますと。実はこれは当時いろんな背景があったわけでありますが、非核の理念を見事に明確に表現をされておるわけであります。  ただ、その後、いろんな日本の対応を私も検証してみましたが、羽田総理が今おっしゃったような形で国際社会で受け入れられてきたのか。例えば、ついこの前も国際司法裁判所の問題でありました。必ずしも違法とは言えないというような立場を言われておりますし、あるいはこれは提出国にもよるんだろうけれども、決議の問題でも、八〇年代当時は核軍拡競争が行われていたときに、凍結をしよう、こういうような決議があった。せめて軍縮をしよう、そこまではいかないから凍結をしようと。これは全部日本は反対です。棄権をしてきた。こういう状況が一方である。日本の顔を外から見たときに、どうなのかということを実は考えておるわけです。  先般、羽田総理そして外務大臣、社会主義インターをやりまして大変お世話になりまして、ありがとうございました。そのときに、北朝鮮問題がああいう格好になった、そのことが日本の核武装へのプレッシャーを与えておるという表現が実はその決議の中にあったわけです。  これはもう根拠のない問題でとんでもないと、いわれなき懸念だということで、私たちがそんなことはあり得ませんよということでむしろ削除をさせたわけでありますけれども、外から見て本当に日本が平和国家としていく、これは政府も言ってきた、我々もそういう立場でやってきた。そういう姿勢と、国連の場あるいは外から見たときに、日本がどういう実像として映っているのか。パーセプションギャップが私はあるんではないか、こういうふうに思うんですが、総理、この点についてはいかがでございますか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 私先ほど来申し上げ、またしばしば委員会でも発言してきておりますけれども、まず核が現存するということ、そして核の抑止力というものは確かに働いていたということはあります。しかし、私どもがNPTというものを批准したのも、核拡散というものはいけないよということ、そして将来廃絶に向けて我が国みたいな国が主張していくこと、あるいは各国に呼びかけていくということは、大変重要なことであろうというふうに考えております。  いずれにいたしましても、私どもは平和の中でこの五十年歩んできた。これが今日の日本をつくったということ。このことをもとにしながら、世界の平和をつくり出すために我々は及び腰じゃなくてむしろ積極的にそういったことを主張する、また主張する場というものを求めていくということが大事なんだろうというふうに考えておるところであります。

山田健一日本社会党・護憲民主連合

○山田健一君 次に、二番目の質問に入りたいと思います。情報通信基盤整備のあり方についてお尋ねをしたいと思います。  御承知のように、マルチメディアだとかCATV、光ファイバー、情報ハイウエー構想、いろんな言葉が今はんらんをいたしておるわけでありますが、二十一世紀に向けて情報通信基盤をどう築いていくのか、私はまず総理に基本認識をお尋ねしたいのであります。  景気が悪い、景気対策の一環として新しい社会資本の整備をやろう、あるいは新しい産業を育成していこう、こういう立場でややもすれば議論がされがちな部分があるわけでありますが、やはり国民生活にとって不可欠の基盤だ、こういう立場で私たちはこのインフラの整備にしっかり力を今注いでいかなければいけないだろう、こう思っております。  先般も電気通信審議会の答申が出されまして、これから光ファイバーを引いていく、こういうことでありますが、その場合の推進に当たっては民間主導で民間の活力をしっかり生かしていく、政府はむしろそのためにしっかりバックアップをしていくんだ、こういう姿勢がその中にも明らかにされておるわけであります。  二十一世紀に向けてのこういった情報通信基盤整備のあり方、そしてその場合の推進のあり方、こういうものについて基本的な総理の見解をまずお尋ねいたしておきたいと思います。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) この情報通信問題というのは、私も実は相当古くからいろいろと勉強してまいりました。そして、これはただ新しい産業を興すとかあるいは景気対策でどうこうということではなくて、やはりこの情報通信、高度情報化社会というものが、福祉の面でもあるいは教育の面でも文化の面でも、そしてもちろん新しい産業とかあるいは研究とか、そういったものに寄与するようなものでなければいけないというふうに思っております。  そのためには光ファイバーですとかあるいは画像を圧縮するような能力というものも今開発されてきておるということがありますし、また衛星からの通信というものも進んできておるということであります。そして、通信とコンピューター、これがドッキングするというような時代になってきておるということでありまして、そういう意味で私はインフラを早く整備するということ、これは国際的にももうどんどんこれは各国ともみんな進めるようになっていきますでしょうから、そういう方向に行くだろうと思っております。  ですから、このインフラの問題を整備すると同時に、一体何がまた必要なのかということ、また必要な分野が本当に動き出すということが大事なんであろうというふうに考えておりまして、インフラとソフト、両方あわせて考えていく必要があろうというふうに私は考えます。  その意味で、これはまさに我々内閣としてこういった問題を次の時代の全体の福利増進といいますか、そういったことのために国として考える、その方向で進めるべきであろうというふうに私は承知しながら、今それを進めようといたしております。

山田健一日本社会党・護憲民主連合

○山田健一君 最後のところに国として進めたいというお話がありました。まさに私もそのことを求めたい、このように思っておりました。  どうも我が国の場合は、今までそうなのでありますが、こういった情報通信基盤なり情報化社会への対応、これはそれぞれが重要性を認識されて各省庁で取り組まれるのは私は大変結構なことだ、いろんな知恵を出しながらやることはいいと思います。ただその場合に、全体を調整する、あるいは総合的に取りまとめをしていく、こういうこともやっぱり必要になってきているんではないか。そうしないと、例えば実はこれは郵政省の管轄でありますが、電気通信審議会のついこの前の情報通信基盤整備プログラム、それから通産省は高度情報化プログラム、それから厚生省は情報化推進連絡本部を設置する、いろいろ各省庁でそれぞれ皆取り組みが行われております。  そこで郵政省、通産省、厚生省、それぞれ情報化政策についての取り組みについて、その特色等を含めてお話しをいただきたいと思います。各省庁、みんなほとんどやっておられると思うんですが、一応その三省にお願いをしたいと思います。

日笠勝之公明党郵政大臣

○国務大臣(日笠勝之君) 先生御案内のとおり、五月三十一日に一年数カ月かけました電気通信審議会の「二十一世紀の知的社会への改革に向けて」という答申をいただいたわけでございます。この一年何カ月の間には、文部省また厚生省さんとも綿密に連携をとった上での答申であることを御理解いただきたいと思います。  そして、この答申が出ましたので、各省庁と連携をとって、この後は答申をいかに政策化していくか、予算の問題だとかまたアプリケーションの問題だとか、こういうものにさらにこれから各省庁と連携をとりまして積極的に取り組んでいく所存でございます。

畑英次郎改新通商産業大臣

○国務大臣(畑英次郎君) 通産省サイドにおきましては、ただいま先生御指摘のとおり高度情報化プログラム、これを役所側の方から、経済界あるいは関連企業の方々をもって構成されております産業構造審議会、そういった方々に提案をさせていただいておるわけでございます。  その具体的な内容につきましては、かいつまんで申し上げれば、ただいま先生御指摘がございましたように、我が国では高度情報化の問題はその牽引力となるべき公的機関で非常におくれておる、これをいち早く体制を、施策展開をやっていかなければならぬという意味合いでの教育研究、あるいは医療、行政、図書館、こういった公的分野についての各種措置の実施を促進すべきであろうというようなこと、あるいはまた標準化等高度情報化社会の実現のための環境整備といいますか、そういうような問題に力を入れていかなければならないし、あるいはまたマルチメディアソフト等の高品質な情報の供給力強化のための環境整備、こういうことを急いでいかなければならないという問題点を提起しながら、いわゆる産業界の方々のこの分野に対するさらなる積極的な取り組みの展開を要請しておる、こういう実態にございます。

大内啓伍改新厚生大臣

○国務大臣(大内啓伍君) 私ども厚生省といたしましては、情報通信の技術を保健、医療、福祉のサービスに積極的に活用するということは非常に重要であると考えております。  過般も国立がんセンターにおきまして、今までは肺がんの診断というのは非常に難しかったのでございますが、スーパーコンピューターを使いますと見事に肺がんの画像診断ができるようになったわけでございます。それはほんの一例でございますが、これからは在宅医療あるいは遠隔医療、こっちで診断をしまして即座に向こうに遠くに伝えるという技術でございますが、それから情報ネットワークを利用した相談窓口といったような機能を充実いたしましてサービスの利用を向上させたいということがまず一つでございます。  もう一つは、医療機関や福祉施設のインテリジェント化を進めまして、というのは、例えば病院における待ち時間の短縮とかあるいはカルテの早期作成といったようなサービスの提供の効率化を図りたいと考えております。  もう一つは、医薬品の副作用情報のネットワークをつくりまして最新の医療情報による診療支援システムといったようなサービスの内容の高度化を今図りつつあるわけでございます。同時に、国民や関係者に利用しやすい情報ネットワークとする一方で、個人のプライバシーの確保も図らなければならぬと思っている次第でございます。  さらには、厚生省としてはこれらの取り組みを進めるに当たりまして、障害者や高齢者に対しても利用しやすいようなシステムとかいろんな器材、機器、こういうものの開発についても今努力している次第でございます。  国民だれもが高度情報による生活の質の向上が実感できるような情報福祉社会といいますか、そういうものをつくるために今全力を尽くしている次第でございまして、御指摘のように先月の二十七日にそのための情報化推進連絡本部というものをつくりまして、省として鋭意検討しているさなかでございます。

近江巳記夫公明党科学技術庁長官

○国務大臣(近江巳記夫君) 科学技術庁からお答えしたいと思います。  先生御承知のように、現在我が国におきまして国立の研究所というのは九十九、約百近くございます。ところが、研究所間のいわゆる情報交流というのはないわけでございます。そういうことで、これは非常に問題であるということでございまして、私ども科学技術庁が中心となりまして研究情報ネットワーク、これをぜひしましょうということで、昨年の七月に科学技術会議政策委員会に研究情報ネットワーク懇談会を発足させたわけでございます。各省庁の御協力を得まして我が国におきます研究情報ネットワークをぜひやりましょうということで、そこで準備に入りました。  現在、御承知のように回線の速度というのは米国の百分の一程度でございます。整備状況は米国に比べて五年から十年おくれておるわけでございます。そういうことで、とりあえずは国立の研究所をきちっとネットワークしましょうということで、そういうことを主眼といたしまして本年度から、科学技術庁の振興調整費を活用いたしまして、各省庁と協力をいたしまして、研究領域、省庁、国の枠を超えまして国の研究機関、大学などを接続する省際研究情報ネットワークの整備、運用とその利用を進めていくこととなったわけでございます。今後とも各省庁と密接に連携をとりながら研究の現場における情報交流の推進に努めていきたいと考えております。  さらにまた、これは国内だけではなく国外とも今その話を進めておりまして、効率的なそうした整備はいかにあるべきか、今いろいろと研究をいたしておる次第でございます。  御報告申し上げておきます。

山田健一日本社会党・護憲民主連合

○山田健一君 本当は全部お伺いをしたいのでありますが、時間もありますので……。  今ちょっと御説明をいただいたわけですが、自治大臣のところも地域情報化というのが大変進められております。  ここにちょっと資料があるんですが、テレコムタウン構想、テレトピア構想、ハイビジョン・シティ構想、情報化未来都市構想。通産省はニューメディア・コミュニティ構想、ハイビジョン・コミュニティ構想、ずっと構想が皆ある。これは現実に私も以前自治体の議員、県会議員をやっていましたのでわかりますが、国が施策を情報化政策を出す。  そうすると、先ほどゴールドプランの話がありましたが、一つの計画を目指してやる。結局、地方はその地域指定なりなんなりというものに入ろうということで一生懸命やるわけですよ。その場合に、それをやるだけのノウハウ、人材、組織、こういうものがきちっとでき上がっていればいいけれども、いないがゆえにコンサルタントに頼む。出てきたのを見れば皆大体同じような、リゾートのときだって皆そうです、それなりに今日までこうした地域の情報化政策が一定の成果を上げていることは私は認めますけれども、要するにこういう形で自治体にしてみれば振り回されておるわけです。こういう状況はぜひ正していただきたい、こういう気持ちでおります。  ちょっとお尋ねをしますが、日本にハイビジョンの日が一年の間に二日あるのを御存じですか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 聞いております。

山田健一日本社会党・護憲民主連合

○山田健一君 ハイビジョンの日というのが実は日本に二日あるのであります。九月十六日と十一月二十五日。  なぜか。これは、郵政省はハイビジョン・シティ構想というのを出しております。ハイビジョン推進協会というのをつくって郵政省の方で今やっておる。通産省はハイビジョン普及支援センター。これは企業が、民間の企業を含めてみんな実は協力してやっておるわけであります。同じ日本の中で、一年間にそれぞれ、さっき言ったようなハイビジョン普及支援センターが指定をしたのが九月十六日で、ハイビジョン推進協会の方は十一月二十五日がハイビジョンの日、二つあるんですよ。極めて変な現象と思いませんか。どうですか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) それぞれが切磋琢磨するということはよろしいと思いますけれども、確かに一般から見ましたときには一体何なのかねという思いを持つんだろうということ、実はそういう批判を聞きながら私もその話を聞いたということであります。

山田健一日本社会党・護憲民主連合

○山田健一君 そこで、こういったニューメディア対策、あるいはこれからの情報通信政策、こういった問題を含めて、私はぜひ統一的に総合的に政策を推進してもらいたい、こういうことで実はきょうそのことを質問しようと思っておりましたら、昨晩、羽田首相は「日本版情報ハイウエー内閣に推進本部 首相指示」と。きのう私は質問の中身をちょっと強調しておいたのでありますが、それを事前にキャッチされてこれを発表されたのかどうなのか。これは一体どういうことなんでしょうか。たまたま一致をしたのでありますか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) この問題は、細川政権が終わる少し前ですけれども、一カ月ぐらい前でしたか、そのころからこういったものを準備する必要があろうということで話しておったところであります。また、このところみんながマルチメディアというような観点からもいろいろと議論されるようになってきております。そして、今、各省ともそれぞれが行動しようとされておる。  そういったときに一元的に——一元的にというよりも、何も全部そこで押さえ込んでしまうということじゃなく、それぞれがやっぱり切磋琢磨するということは非常に重要なことでありますけれども、しかしばらばらになって動き出したらこれは大変だぞということでもう既に大分前に指示をしておったものが、ほぼこういう形で進めたいと思いますという報告が実は昨日の夜、夕方ですか、あったということであります。

山田健一日本社会党・護憲民主連合

○山田健一君 しからばその上に立って今から、お話がありましたように、切磋琢磨しながらそれぞれもう既にいろんな立場でこういう情報化に向けて、情報通信基盤の整備に向けてそれぞれが頑張っておるという状況ですから、ぜひそこの調整をしながらそれぞれの皆さん方の特色が生かしていけるように、とりわけそういった意味ではそれぞれの連携と予算の措置についてもしっかりこれはやっていただきたい。  総理のリーダーシップというものをぜひ期待したいと思いますが、よろしゅうございますか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 全く今の御指摘のとおりでございまして、私どももそういうつもりで対応していきたいと思います。  それともう一つ、やっぱりこれは何としても使う側の方たちが頑張っていただかなきゃならぬわけでありまして、各省もそれぞれ今お話がありましたけれども、また民間でもこの問題に対しては大変関心を持ち、しかも大変長いこと勉強してくださっている方たちもおります。こういった方たちの意見というものも十分取り入れながら、しかもおくれないように対応していくために私ども全力を尽くしたいと思っております。

山田健一日本社会党・護憲民主連合

○山田健一君 これは極めて単純、しかし大事な問題なんです。  これは総理の所感をお尋ねしたいと思いますが、こうやって今ずっと高度情報化社会ということでいろんな施策が展開をされていこうとする。人間として果たして、二十一世紀に我々は暮らしていることを考えた場合に、この高度情報化社会というのは一体何を我々は目指しているのか。通信基盤を整備するのが目的じゃないわけで、そのことを通じて我々は本当に幸せになれるんだろうか、やはりここだろうと思うんですね。  この辺について、どういう社会を目指しながら我々は行くべきなのか、やっぱりそれが一番問われているんじゃないかと思うんですが、その点についての総理の所見をお願い申し上げます。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) たしか先ほど厚生大臣からもお話の一端にあったと思いますけれども、お年寄りの方たちでも活用しやすくしたいというようなことのお話がありました。私は、これが本当に発展していきますと、頭の中に描くだけでも何しろ無限のものを私たちは求めることができるんだろうと思います。  今までは例えば小さな地域の中でやっていたことが海を越えた向こうの国とも話す、あるいは連絡をとることができる、それがその地域の中に生かされていくなんということも幾らでも可能性がありましょうし、先ほどお話があったようないわゆる遠隔による診断というもの、あるいは手術なんかする場合にも遠くにあって専門の人たちが指示しながらそういうものが進められていくなんという時代がくる。ということは、要するに、何というんですか、質の高い福利といいますか、これが増進される社会というもの、あるいは学問とかそういった問題についても相当深めて進めることができるということで、厚みのある社会というものがそこに生まれてくるんじゃなかろうかというふうに私は思っております。

山田健一日本社会党・護憲民主連合

○山田健一君 最後に、もうこれで終わりますけれども。  今お話がありましたように、本当にこういう時代に、しっかり、こうした情報化に伴う成果というのはやっぱり国民共有の一つの財産であり資源である、こういう立場で、弱者、障害者、高齢者、こういった日本のこれから将来をにらんで、本当にそのことが生かしていけるような、言ってみれば情報福祉社会、先ほど厚生大臣もおっしゃっていましたが、そこがやっぱり大事な視点だというふうに思っておりますので、今後ともよろしくお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 以上で山田君の質疑は終了いたしました。(拍手)     —————————————

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 次に、大木浩君の質疑を行います。大木君。(発言する者あり)  ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 速記を起こして。

大木浩自由民主党

○大木浩君 本日は、外交・防衛問題についていろいろと御質疑をしたいんですが、その前に一つ、この国会運営の全般につきまして多少御質問をしたいと申しますか、特に総理以下閣僚がどういうふうに考えておられるか、ちょっとお聞きをしたいわけであります。  御存じのとおりに、私ども野党の立場ではございますけれども、やはりこの予算の通過というのは最も重大な問題だということで一生懸命協力してスムーズな運営ということを努めてまいりました。政府側もまずそれが最重要案件だということで努力しておられまして、今まで非常にスムーズに進行しておると思いますが、そういう気持ちで総理としてはこれからもさしあたり仕事をしていかれるというふうに理解してよろしゅうございますか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) もう今お話しのあったとおりの思いで私どもも努めてまいりたいというふうに考えます。

大木浩自由民主党

○大木浩君 総理は今お話しかあったような御答弁でございますが、やはり連立政府でございますから、各党とも同じような気持ちでやっていただかないといけないと思うわけですが、石田総務庁長官、愛知県のよしみでもございますし、政府側の党首の一人でもございますので、やはり今予算の通過ということに最重点を置いてこれからも頑張っていきたいというふうなお気持ちであるかどうか、このところをひとつ御確認をいただきたいと思います。

石田幸四郎公明党総務庁長官

○国務大臣(石田幸四郎君) 私どもも、現在の景気の低迷の中で予算を通していただくことが最重要課題である、このように決意をしてお願い申し上げているところでございます。

大木浩自由民主党

○大木浩君 今の御答弁は、野党も与党もそういう気持ちで一生懸命やっておるし、そういうことで順調に進行しておるんだという御判断だというふうに理解しておりますが、二列目に座っておられる閣僚方は大分質問が少なくて眠気も催しておられるようでございますからお伺いしますが、運輸大臣、郵政大臣、いずれも石田長官が今おっしゃったようなお気持ちでやっておられるでしょうか。

二見伸明公明党運輸大臣

○国務大臣(二見伸明君) 全く同じでございます。

日笠勝之公明党郵政大臣

○国務大臣(日笠勝之君) 早期の予算成立、関連法案成立を心から願っております。

大木浩自由民主党

○大木浩君 せっかくですから、女性閣僚にもただいまの点について御確認をいただきたいと思います。環境庁長官。

浜四津敏子公明党・国民会議環境庁長官

○国務大臣(浜四津敏子君) 予算の早期成立が最重要課題であるというふうに認識しております。

大木浩自由民主党

○大木浩君 今、総理、石田長官、それから三名の閣僚の方から、いずれも予算成立を最重点ということで努力をしておられるというお話がございました。  ただ、たまたまこれは公明党のきょうの新聞でございますが、ちょっと記事がございまして、何か国会審議を自民党がおくらせているんじゃないかというような趣旨の記事が出ておりましたので、これは私どもとしてはまことにいただきかねる。  ここにはいろいろと書いてございまして、小選挙区の区割りのお話等々もございますけれども、先ほどからの自治大臣のお話でも、これはまだいろいろと進行中ということですから、これを夜中でもやらなきゃいかぬというような状況ではないんだと。夜中にやるということについても自民党は国会の運営に協力していない、これは私はちょっと実態とは違うんじゃないかと思います。  石田長官、やっぱり党首のお立場からもひとつもう一通この辺は、恐らく御自分のところの新聞でございますから御存じでしょうが、これは物がありますが、いろいろ書いてございまして、小選挙区の「国会審議遅らせる自民」という、これは大きな字で書いてあるものですから、これを読みますと、私どもはこういうことで一生懸命これだけ努力しておるのに、公明党さんから言われたんじゃちょっとこれはいただきかねるという感じもございますので、なんでしたらどうぞひとつ。(資料を手渡す)

石田幸四郎公明党総務庁長官

○国務大臣(石田幸四郎君) 予算の成立についての認識、考え方については今申し上げたとおりでございますが、やはりこの小選挙区の区割りの基準の問題については、中間報告がなされて、その審議が一日も早く行われまして成立を期し、そして新しい制度におきます政治改革が進むことが望ましいわけでございます。  そういった意味で、私どもも一つの大変焦りもあるかもしれませんけれども、一日も早く成立することを心から願っておる、そういうことでございます。そこら辺、党との問題あるいは自民党に対する意見というものにつきましては、若干厳しく意見を言っておるんであろうというふうに思うわけでございます。  そのことについて、もし自民党の皆様方が大変不快な思いをするのであれば、また大変残念に思っているところでございます。

大木浩自由民主党

○大木浩君 これは公党の機関紙ですよね。これをお読みになればやっぱり自民党が非常に協力していないと。まあ、あといろいろ書いてございますけれども、今は時間のあれもありますから、これどうぞ皆さん見てください。  ですから、これについては石田大臣、私はこれは公明党としてもうちょっと自民党に対してひとつごあいさつをいただきたいと思います。

石田幸四郎公明党総務庁長官

○国務大臣(石田幸四郎君) 私は党の責任者でございますけれども、現在、総務庁長官という立場にありますので、毎日毎日の党の議論をチェックしているわけではございません。  しかし、そのような不快な思いを皆さんにお与えをしたということについては、大変残念にも思う、また遺憾にも思う次第でございます。

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 速記を起こして。  暫時休憩します。    午後三時十三分休憩    〔休憩後開会に至らなかった〕

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