予算委員会 第14号
- 発言数
- 440 件
- 登壇者
- 32 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1994/06/14
会議録
○委員長(井上吉夫君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 平成六年度一般会計予算、平成六年度特別会計予算、平成六年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。 昨日に引き続き、総括質疑を行います。野沢太三君。
○野沢太三君 昨日の夜遅くでございますが、北朝鮮が、IAEAを脱退する、しかも制裁ということであればこれは宣戦布告とみなすということをおっしゃっているわけでございます。この事態について、総理、何らかの御連絡あるいは情報の収集はございましたでしょうか。
○国務大臣(羽田孜君) 子細にわたっては外務大臣の方から申し上げますけれども、私どもといたしましては国際社会として核の疑惑を晴らしてほしいということで、国連としても議長声明、そういう形で呼びかけをしておったところでございまして、IAEAを脱退するということにつきましては、これはもう本当に遺憾に存ずるところであります。 私どもといたしましてもそういった情報を入手したわけでございますけれども、しかし、まだNPTを脱退したということではございません。そういう中で、やっぱり彼らが何とか一日も早く核疑惑を晴らすために国際社会に対して門戸を開いてほしいという願いというものを私どもはいまだに捨てておりません。 子細につきましては外務大臣からお答えさせます。
○国務大臣(柿澤弘治君) 野沢委員御指摘のとおり、十三日夜、北朝鮮外務省は朝鮮中央通信を通じまして、国際原子力機関、IAEAからの即時脱退、IAEAによる査察の拒否等を内容とする声明を発表したということを確認いたしております。 我が国は、今般、北朝鮮がこのような対応を行ったことに対しまして遺憾の意を表明するものであります。 IAEA及び国連は核兵器開発をめぐる懸念を払拭するよう再三にわたって北朝鮮に対し求めてまいりましたが、今回の北朝鮮の行為はこのような国際社会全体の要請に逆行するものであり、我が国としては北朝鮮に対しIAEA脱退及び査察の拒否の再考を求めていきたいと思っております。
○野沢太三君 外務大臣におかれましては、この土曜、日曜、お忙しい中をやりくって韓国、中国へ行っていただいたことは、これはもう大変多とするわけでございますが、このときに、韓国当局あるいは中国の関係筋から、このような事態が起こるという予兆あるいは何か情報等はなかったかどうか、外務大臣、お願いします。
○国務大臣(柿澤弘治君) 私どもが韓国、中国で、国連がとるべき措置については段階的、漸進的なものでなければならないということを訴えてまいりましたのも、そうした懸念が若干はあったからでございます。特に中国の銭其珠外相は、即時制裁措置を決める場合にはNPT体制からの脱退という事態も考えなければならないということを言及しておりました。しかし、このような形で今週の初めに行われるというようなことを予想される発言はどちら側からもなかったと承知しております。
○野沢太三君 話し合いで解決するということが最上策だということはだれが見てもこれは明らかなことでございます。そういう中で、北朝鮮が土俵の外へ飛び出してしまう、これはまことに残念なことだと思いますが、これから一体どのような形で北に対する語りかけ、働きかけを進められるか、お考えをひとつ。
○国務大臣(柿澤弘治君) 先ほど羽田総理からも言及がありましたように、今回の声明は国際機関としてのIAEAからの脱退を言っておりますけれども、核不拡散条約NPTからの脱退ということには触れておりません。その意味では一つ北朝鮮側としても含みを残した措置ではないかという見方もあるわけでございまして、その点で、北朝鮮側の真意をしっかりと把握すること、これがまず大事なことではないかと思います。 そして、北朝鮮側がIAEA脱退に続いてさらにNPT体制からの脱退を図るというようなことのないように適切な措置を講じなければならないと思っておりますし、さらに、IAEAの査察を受け入れるよう、今後とも粘り強く各機関そして関係諸国とも連携をとってまいりたいと思っております。 当面の問題といたしましては、アメリカのカーター元大統領が訪朝されることになっておりますので、そのときのやりとり等も私どもとしては見守ってまいりたいと思っております。
○野沢太三君 カーターさんのお話がどうなるか、私どもも大変これ関心を深く持って見守っているわけでございますが、イラクが問題を起こしたときに、中曽根元総理を初めとする自民党の八人の団員がバグダッドへ乗り込みまして直接フセイン大統領と交渉をいたしまして、とりこになった皆さんの一部を返していただいた、こういう経験がございます。 政府レベルでの交渉が難しいというなれば、何らかの形で、向こうのトップと話のできる人なりあるいは団体なり、何らかの努力をするべきではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(柿澤弘治君) 野沢委員御承知のとおり、現在社会党の一部議員の皆さん、そしてまた自民党の一部議員の皆さんもピョンヤン入りをしており、またその計画で進めておられます。そうした機会に、日本側のこの問題に対する重大な関心を先方に伝えていただくと同時に、国際社会の期待にこたえて北朝鮮側がIAEAに復帰をすることをしっかりと伝えていただくよう羽田総理からもお願いをしていただいたところでございますので、その点を日本としては当面見守りたいと思います。 その後の措置につきましては、事態の進展に応じて野沢先生が今御指摘になりましたようなことも検討の対象にはなろうかと思いますが、これは政府として行うことではなく、むしろ民間の主導、イニシアチブでやっていただくということではないかと思っております。
○野沢太三君 どうかひとつ、状況の推移を見守りながら万遺漏なきよう御努力されんことをお願いいたします。 それでは予定に戻りまして、総理にまずお伺いをいたしたいと思います。 総理は、所信表明に当たりまして、普通の言葉で率直に議論し、理解を深め、ともに歩んでいくことを大切にして改革と協調の政治を心がけるとおっしゃっておられます。まことに結構でございますが、改めて今、少数与党の政権基盤におきまして内外の政治課題にどう取り組むか、率直にお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(羽田孜君) この席でも何回か申し上げてまいりましたけれども、私ども確かに少数与党の上に乗ります政権であるということで、決して強いものではないということはよく自覚をいたしております。 しかし、私どもが当面取り組まなければならない課題は、これは内外ともに、これは与党とか野党ということではなくて、これはもうみんなが協力して取り組まなければならない課題であろうというふうに思っております。 そういう意味で、そういった問題について誠心誠意、例えば法案にして提出するとかあるいは各党とその間にお話し合いをするとか、そういう中で対応していくならば、私はこれらは必ずや達成していくことができるであろうというふうに思っておりまして、それこそ一日一生の思いで誠心誠意を尽くしてまいりたいと、かように考えております。
○野沢太三君 総理は日本記者クラブの会見の中で、求めて首相になったわけではない、こうなってしまってまことに心外だとおっしゃったそうですが、心外という発言を伺いまして、私もまた心外でございます。広辞苑によりますと、心外とは「思いもよらないこと。また、予期に反して遺憾に思うこと。」と、こうなっております。なりたい人も相当いると思いますが、大変これぜいたくなお話だと思いますが、どうかひとつ一国の総理は国の運命をしょっているわけでございますので、責任もまた見識も期待をされているわけでございます。願わくはどうか男子一生の本懐を遂げられますよう期待をいたすわけでございます。 その中で、ひとつ政治の安定ということについて総理の今の心境をお伺いしたいわけですが、日本の今日あるは平和と政治の安定ということが大きなやはり基盤になってあるわけでございます。これについて自民党は、一貫してこれまで政策提言さらには政治の具体策の実行をやってまいりました。しかし、今日のこの状況、まだ予算委員会がここまでおくれていることについても御案内のとおりでございます。 安定した政治をつくるには、何よりもやはり政策の一致、それからもう一つは政治手法の一致、この二つが車の両輪ではないかと思うわけでごさいますが、これからどのように与野党の協調を図り総理の掲げております政治目標を達成されるか、御意見を伺いたいと思います。
○国務大臣(羽田孜君) 今の政治の変化あるいは流動的な状態というのは、これはやっぱり世界どこでもがちょうど戦後五十年という中にありまして、一つの切りかえのときであるという中で、日本の政局もその中の一つであるというふうに私は受け取っております。 安定というのは私は非常に重要なものであろうと思います。そして、ここまで大きくなった日本の国というのは、やっぱり安定し、そして内外の問題に対応するということは非常に重要だろうと思っております。しかし、安定というものはややもするとまた停滞というものを生み出してしまうということになろうと思っておりまして、今のところは一つの揺籃期みたいなときであろうというふうに思っております。しかし、一日も早く安定した状態に持っていくことのために、お互いがやっぱりこの国というものを考えて、お互いのいろんなわだかまりというものを払拭しながら乗り越えていくことが重要であろうというふうに思っております。 そして、政策の一致ということ、これは私も重要な一つの基準であろうと思っております。ただ問題は、今までお互いに真正面から、例えば安全保障の問題ですとかあるいは税の問題ですとか、こういった問題についてなかなか話し合いのできなかった環境にあるわけでありますけれども、この連立政権が動き出したという中にあって、そういった問題について互いに一つの土俵の中で真正面から話し合えるようになったということは私は大事なことだろう。そして、そういう議論を通じながらいわゆる政策というものの一つの方向性というものを見出していくことが重要であるということでありまして、一致が先にあるというよりは議論の過程の中でそういうものが生み出されていくことが必要であろう。 あるいは政治の手法というようなものも、まさに話し合いの中から、これはあるときにはそれこそどなり合いになったって私は構わぬと思うんです。本当に真正面から議論を闘わせる中で物事を進めていくということが非常に重要な私は手法であろうというふうに考え、そんなつもりでこれからも対応していきたいということを申し上げたいと存じます。
○野沢太三君 総理の最大の仕事とおっしゃっておられます政治改革の見通してございますが、区割り法案は今国会に間に合うのかどうか、また、これをしっかり審議するのにはこの会期で間に合うのかどうか、延長が必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(羽田孜君) 区割りにつきましては、いわゆる区割りをつくる基準について自民党と細川前総理の間でお話し合いになりました。その結果が実はこの間本会議で報告をされたところでありまして、まずこれを一日も早く御議論していただきまして、私どもの方にボールを返していただくということが大事であろうと思っております。そして、その基準をもとにしまして区割りに入っていくということであります。 その日にちというのはいろいろな言われ方をいたしておりますけれども、県の方からも今の区割り委員会の方に対しましていろんな意見が寄せられておるというところでございますから、基準をもとにしながら一日も早くこういった問題と取り組んでいただけるような環境というものを、国会も私どももっくり上げていかなければいけないんじゃなかろうかというふうに思っております。 会期の問題につきまして、今私がこれはどうこうという問題よりはむしろ国会の方で御議論いただく問題であろうというふうに思っております。
○野沢太三君 総理の盟友でもいらっしゃる小沢さんの書かれましたこの「日本改造計画」の中に、普通の国になるべきだ、こういう御意見がございますが、これについて総理はどういう御感想をお持ちでしょうか。
○国務大臣(羽田孜君) 私、小沢さんが思っていらっしゃるということは、やっぱり日本の国というのは、これはいろんな議論があるところでありますけれども、しかし経済的にも大きな力を持つようになってきた、あるいは国際的にも政治的な発言が求められるようになってきたということ、あるいは国際社会にあって今申し上げたような地位といいますか立場にふさわしい役割を果たしてほしいという要請が多くあるということでございます。 こういったことに対して、日本の国は世界の理解があるからこそ今日の日本をつくり上げることができたということを考えたときに、やっぱり日本の持てる力あるいは持てる能力、そして戦後平和の中で築いてきた技術、ノウハウ、こういったもので国際的にも役割を果たしていくということを世界が求めているんじゃなかろうか。これを彼は普通の国ということで表現をされたんだというふうに思っております。
○野沢太三君 総理は、この間、連休を利用されましてヨーロッパを歴訪されてまいりまして、各国首脳とお会いをいただきましたが、その中で七月にはサミットも予定されているということでございます。ここへ行かれるかどうか、今後の政局ということになろうかと思いますが、やはりその準備はしなければならない。何を主張するか考えておかなきゃいかぬ。 今度のサミットの主なテーマ、そしてそれにどう臨まれるか、総理のお考えをお願いします。
○国務大臣(羽田孜君) まず第一の問題は、これはデトロイトでも議論された問題でございますけれども、やっぱり成長と雇用というのが最大のテーマであろうと思っております。 このサミット加盟国も、我が国の場合にはここのところ失業が少し伸びておりますけれども、しかし二・数%、三%弱というぐらいでありますけれども、ほかの国の中では高いところでは一二%の失業を持っておるということであります。これは今日までもいろんな機会に議論をいたしましたけれども、やはり各国が抱える構造的な問題であろうということであり、しかもこれは先進国の有無相通ずる、お互いが通ずる問題であろうということで、この問題は一つの大きなテーマとしていくことになろうというふうに思っております。 ですから、先進国経済にとり深刻な問題である雇用への取り組み、そしてそういったものに対する経済的な対応をどうしていくのかというようなことが大きな話題になろうと思っております。 もう一つは対日支援、やっぱりあそこが安定する、改革が成功するということはどうしても重要であって、これに対する支援、それともう一つは、ロシアだけではなくて、中欧も東欧も、それから中東もアフリカも、あるいは中南米もアジアも、今大きく変化しようしようとしておりますね。ところが、先進国の中には多少支援疲れというものが見えてきておるということであります。 ここでただちゅうちょしたならば、これらの国がまたもとのもくあみになってしまったならば、せっかくの成長あるいは飢餓と栄養失調からの脱却というものが今見られるというのに、これに支援をとめてしまったならばどうにもならぬということでありまして、こういった問題に対してはどう対応するのか、あるいは貿易の問題ですとか政治面におきましては旧ユーゴの問題、あるいは核不拡散の問題ですとか、これはやっぱり当面する緊急の問題であろうということで、こういった問題が大きな課題になろうというふうに考えております。
○野沢太三君 サミットはとかくアジアのことを等閑視するということではないと思いますが、このことが余り議題にならないケースが多いわけですが、ぜひひとつアジア唯一の代表といたしまして、今のロシアの立場をできるだけサミットに反映できるように、そしてまた今御指摘の不拡散問題、北朝鮮のこれからの動きに対する対応についても話題にのせていただきたいと願うものでございます。さらには、北方領土の問題がその後話題になっておりませんが、この点もあわせて注意を喚起する、こういうことでひとつお願いを申し上げます。 次に、外務大臣にお伺いをいたしますが、外務大臣は過日の衆議院予算委員会におきまして、先入観を持たずに集団自衛権についての議論をしてほしい、こういった発言について御議論をされた後これを取り消しておられます。また、有事に対応する態勢についての再検討をするというお話についても不適切であったと取り消しておられるわけでございますが、自民党時代に細川総理の発言に対して、カメレオンのようにくるくると変わるということを国民の皆様のみならず国際社会に印象づけることになる、こういうことで御指摘をされておるわけですが、これ、今や大臣自身がそういうことをマスコミから言われるような状況でございます。 古来、中国の賢人が言っておりますが、信なくば国立たず、こういう原則は特に外交を担当される外務大臣のお立場には大変大事であると思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(柿澤弘治君) 集団自衛権につきましては、主権国家としてその存在は国際法上認められるところでございますが、憲法九条に基づいて我が国は行使を許されていないというのが従来からの政府見解であると承知をいたしております。 その意味で、私個人としてはその点について、安全保障上の環境も変わったことでもありいろいろと先入観を持たずに御議論をいただいたらいかがかということを申し述べたわけでございますが、政府の一員としては政府のその方針を踏襲するということを申し上げたわけでございます。 また、有事立法の有無につきましては私の真意が誤解をされておりまして、いわゆる有事立法と言われるような国内有事の場合の立法の必要を私は述べたわけではなく、今回の北朝鮮核疑惑においていろんな事態が起こったときに何らかの立法措置が必要な場合もあり得るかもしれないということを述べたことが有事立法というふうに報じられまして誤解を生んだ、その点については真意の釈明をさせていただいたわけでございます。その意味で、撤回という言葉も使われましたけれども、その辺についてはぜひとも私の真意をお酌み取りいただくよう心からお願いを申し上げます。
○野沢太三君 その問題にこれから入りたいと思いますが、先般の訪韓、訪中に加えて、ロシアの立場というのは北朝鮮問題に関して重要な一つの位置づけにあるんではないか、こう思います。 ロシアは、今、関係国会議、八カ国で会議をしたらどうか、こういう提案があるようですが、これについていかがでしょうか。
○政府委員(川島裕君) お答え申し上げます。 ロシアも北朝鮮の核開発問題に大変深刻な懸念を有しておりまして、北朝鮮がNPTに完全に復帰してIAEAとの保障措置協定を完全に履行すべきであるという基本的立場を持っております。 それで、その解決のために一つの方法として、先生今おっしゃいました関係国の国際会議というものを提案してございます。これは韓国、北朝鮮、日、米、中、ロ、それに国連、IAEA等の参加でございます。 これに対しまして、確かにロシアの関心は歓迎するものでございますけれども、ただ、まさに今はIAEAさらに国連安保理において解決努力というものが進められておりますので、それとの関連を十分勘案しながら関係諸国で相談していこうではないかと。行く行くは国際会議というのもつの問題の解決のためのよすがになろうけれども、まずは安保理の作業が目下のところ中心だろうと、こういうのが国際社会の雰囲気でございます。
○野沢太三君 そういう中で、きのうのような北朝鮮の対応でございます。一体、北朝鮮に核保有が本当に現段階であるのかないのか、これ、先般倉田委員からも御質問しております。そしてまたさらにはその開発能力があるのかどうか、また原爆の製造能力、こういった面で能力があるのかどうか、この辺について防衛庁長官お願いします。
○国務大臣(神田厚君) お答えいたします。 北朝鮮が現在既に核兵器を保有しているか否かについては明確なことを申し上げる段階ではないのでありますが、少なくとも基本的な開発能力は有しているのではないかと、このように考えております。
○野沢太三君 製造能力、開発能力、そこのところ半分しか言ってない。 プルトニウムを抽出しているのではないかという中で、それを核兵器につくる能力、そういったものがあるかどうか、こういう能力の方を聞いているわけですね。
○国務大臣(神田厚君) いろんな状況の中でプルトニウムを抽出したり、あるいはそういう実験をやったような経過がございまして、開発をする基本的な製造能力は持っているというふうに考えております。
○野沢太三君 それでは、そういったものを開発をするかしないか、これは向こうの意思もございますが、それでは運搬手段としての航空機あるいはミサイルというものはどんなものを持っていてどんな能力なのか、大臣ひとつお願いします。
○国務大臣(神田厚君) 北朝鮮は、現在、スカッドB、スカッドCなどのミサイルを保有しているほか、より射程の長いノドンー号を開発中であります。また、軽爆撃機イリューシン28、ミグ23,29などの戦闘機を保有しております。 したがって、これらの能力は、軽爆撃機は航続距離二千百八十キロメートル、これはイリューシンであります。戦闘機、これはミグ23が七百キロ、ミグ29が七百キロ、弾道ミサイルは、スカッドBが約三百キロ、スカッドCが五百から六百キロ、ノドン1号は千キロで開発中であると聞いております。
○野沢太三君 こういった北朝鮮の今の運搬手段に対して、我が国の防衛能力というものは十分でしょうか。
○政府委員(村田直昭君) そういうような航空兵器あるいはミサイルについてでございますが、航空機に対する対処能力というのは、我が国としても航空自衛隊等をもって対処することが可能であるというふうに考えております。 ただ、ノドンミサイルのようないわゆる弾道ミサイルの非常に長射程のものについては、その落下速度等が非常に速いために現在の兵器体系では対処が極めて難しいということでございます。
○野沢太三君 やはり長射程のミサイルが非常に問題だろうと思うんですが、これに対応するにはいわゆるTMD、こういった体制が必要ではないかと言われておるわけでございます。 これに対する取り組みについて、長官、ひとつお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(神田厚君) TMDにつきましては、アメリカの国防総省、国務省等と防衛庁などで事務的な連絡をして今研究しておるところでございます。当然、ノドンの千キロが開発されるという状況になりますれば今の段階では十分な防衛ができませんので、その辺ではどうしてもTMDのような大規模な防空をやらなきゃならないというふうに思っております。
○野沢太三君 こういう事態になって、今、防衛問題の懇談会ということで御議論いただいている内容にこの事態は反映されておりますでしょうか。 長官、お願いします。
○国務大臣(神田厚君) 冷戦の終わった後の防衛大綱をどうするかというふうなことでございまして、防衛問題懇談会におきましても、こういう北朝鮮の情勢などは非常に委員の皆さんも御懸念を持っておられております。そういうことで、当然これらの状況も踏まえて対応を協議することになると思っています。
○野沢太三君 冷戦が終わったからといって決して世の中が直ちに平和になったというわけではない。特に地域紛争の点ではむしろ大変なことになっているわけでございます。 その中で、ことし盛られておりますような防衛予算で十分かどうか、長官、ひとつ答えてください。
○国務大臣(神田厚君) 非常に財政の厳しい中でございまして、防衛庁といたしましてもいろんな努力をしましてことしの防衛予算をつくり上げました。また、訓練を抑制したりというようなこともありまして、いまだ非常に不満のところもありますけれども、最上のものというわけではありませんが、この防衛予算でしっかりとやっていきたいと思っています。
○野沢太三君 こういう変転きわまりない情勢に対応できるような十分なる予算確保についてひとつ御努力をいただきたい、これだけ指摘しまして次の問題に移ります。 IAEAの査察を受けないという一方の話とは別に、北朝鮮自身が果たして非常事態を希望しているとは思われないわけでございまして、これからも話し合いにより、かつ査察を実行し、アメリカとの交渉の道を開く、こういったことが一方では報道されているわけでございますが、今後残されている査察の手段あるいは方向というものはどんなものがあるか、外務大臣、これをひとつ。
○国務大臣(柿澤弘治君) IAEAといたしましては、九二年の五月より実施してまいりました査察の結果、北朝鮮側が申告した情報とIAEAの分析結果の間に重大な不一致が生じたために、九三年二月以来、未申告の二カ所の施設への特別査察を要求していることは御承知のとおりでございます。 今般、IAEAの六月理事会での報告におきましてブリクスIAEA事務局長は、五メガワット実験炉の運転歴が消失しているために、仮に北朝鮮側が今後完全な協力を行うとしてもIAEAが北朝鮮の申告の正確性及び完全性を判断できるかどうか現状では非常に難しいということを指摘しつつ、さらに特別査察を要求した未申告の二カ所の放射性廃棄物関連施設は今や一層重要性を増しているというふうに述べているところでございます。さらに、追加的な情報及び右の二施設以外の場所へのアクセス並びに一層広範な査察手段の受け入れが極めて重要であるということを述べておりまして、IAEAとしては核物質の軍事不転用を検認するためには未申告の二施設に対する特別査察の実施が重要であるが、それで必ずしも十分とまでは言えないというふうに考えているということでございます。
○野沢太三君 やはり何よりも北朝鮮が核開発というようなことを希望しない、その意図を放棄して平和な外交なり経済活動によって国際社会に戻ってもらう、この努力が必要ではないかと思いますが、その意味で日米韓だけで経済制裁をやったらどうだという話が報道等ではちらほら聞こえますが、これについてはいかがでしょうか。
○国務大臣(柿澤弘治君) アメリカ側等からそうした話が出ているということはこの委員会でも何度か取り上げられておりますが、我が国としては、あくまでも国連による話し合いの中で北朝鮮に態度の変更を促すような措置を決めていくことが当面大事だというふうに考えております。
○野沢太三君 いずれにいたしましても、この問題はお役所任せにしておいていいことではない。やっぱり閣僚の皆様、特に総理はぜひひとつリーダーシップを発揮していただきまして、関係諸国の首脳その他関係の皆様と大いに話を進められまして対応していただきたい、かように思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(羽田孜君) もう御指摘のとおりでありまして、こういった問題については政治そのものが物を考えていかなきゃならぬ。しかし、どういう事態になっても常に私たちが冷静に対処していくことが非常に重要であろうというふうに思っておりますけれども、今、野沢委員が御指摘のありましたこと、私ども今日までも努めてきたつもりでありますけれども、さらにそういった努力というものを何といっても外交で進めることが一番大事なことであろうと思いますので、よく私ども拳々服膺してまいりたいというふうに考えます。
○野沢太三君 昨日の報道ですけれども、ガルーチ国務次官補が、北制裁は段階的にということでお話がありまして、緩やかな形でチャンスを与えたらどうか、こう言っておりますが、これについては日本側との意見の一致は事前にございましたでしょうか。
○国務大臣(柿澤弘治君) 先般行われました日米韓三カ国による実務者の協議でもそうした話が出まして、日本側もそうしたことを要望いたしたところでございます。アメリカ側も日本の考え方等も勘案してそうした案が検討されたのではないかと思いますが、ただ、まだこれはあくまでも新聞情報でございますので、その点ほどのような案が出てくるか、まだ私どもはしっかりと確認しているわけではございません。 ただ、昨日の北朝鮮のIAEA脱退声明を受けまして、実はけさ七時半に私はクリストファー国務長官と電話でお話をいたしました。そしてこの新しい事態に対して、日米が今後ともしっかり話し合って協力体制を続けていくという必要性を訴えましたが、クリストファー国務長官は、こうした事態を冷静に分析しながらも、しかし国連における措置は今まで考えていたことも若干見直さなければいけないのではないかということをおっしゃっておられました。しかし、日本側としてはその点については今後さらに冷静に現状を分析して対応する必要があるということを私の方から述べたところでございます。
○野沢太三君 願わくはこれ以工事態が悪くならないと望むものでございますけれども、さはさりながら、事態が悪くなっていく場合についての我が国の対応にも遺憾なきよう備えなければならぬわけでございます。 そこで、経済制裁が仮に行われた場合、日本として何ができるか、これについて既に御検討ということを伺っておるわけですが、どんなことが現行法内でできるか、大蔵、通産、運輸、法務、防衛の各大臣、ひとつお願いしたいと思います。
○国務大臣(藤井裕久君) ただいまやりとりがありましたように、私どもは、慎重にこのデリケートな事態に対応している状況の中で、これができるという言い方のお答えはひとつ勘弁をしていただきたいと思いますが、過去に国連の決議があったときに一般論としてどういうことをしたのかということでお答えをあえてさせていただきたいと思います。 現行法の中において、送金の停止は法律を改正せずしてできるというのが過去の例でございます。
○国務大臣(畑英次郎君) 一般論として申し上げれば、国連におきまして経済制裁措置そのものが決議をされた場合におきましては、外為法に基づきます輸出入規制あるいはまた役務取引の規制等々いわゆる政令並びに告示の改正によってなし得る、そういうような内容に相なっております。
○国務大臣(二見伸明君) 実は、先ほど外務大臣からもありましたけれども、IAEAの脱退の再考を促しているという話がありましたし、私もこの問題はあくまでも話し合いで解決すべきものであって、まず制裁ありきという考え方は毛頭とりません。 また、個別の問題いろいろ議論することが、我々の話し合いで解決したいという日本の真意が誤って伝えられることを非常に恐れているので、具体的な問題については御答弁を差し控えさせていただきたいというふうに思っております。 一般論といたしますと、運輸省は、海上保安庁でございますけれども、これは沿岸の警備はこれ常時やっていることでございますので、これは別にふだん日常業務としてやっておりますので、それはそれで問題はないと思いますし、先ほど貿管令の話が出ましたけれども、貿管令が改正されればそれに基づいて所要のことは一般論としてはできることになります。 いずれにいたしましても、私たちは、個別の問題であれができる、これができるということは、誤って我々の真意が向こうに伝わるのが怖い。話し合いで解決したいんです、我々は。我々の本当の真意が誤って伝えられることを非常に恐れているということを御理解いただきたいというふうに思いますので、個別の問題、この場合はどうだあの場合はどうだということだけは、具体的な問題としては答弁しにくいことを御理解いただきたいと思います。
○国務大臣(中井洽君) 先生御指摘のように、憲法の範囲内で責任ある対応がとれるように事務方に指示をいたしているところでございます。中身につきましては、今、二見運輸大臣からお話あったように差し控えさせていただきたい、このように考えております。 ただ、過去には外交官の入国拒否、こういったような対応がとられたことは事実でございます。同時に、在日朝鮮人の出入国に関していろんなことが言われておりますけれども、いわゆる特別永住者、この方々の出入国に関しては、在日朝鮮、在日韓国あるいは台湾籍の方々を含めて日本人と同じ扱いにされておる、これが法の精神である、このように考えております。
○国務大臣(神田厚君) 各閣僚の皆様方と同じ意見でございまして、できるだけ経済制裁というようなそういうことが行われないように思っておりますが、一般論で申しますれば、国連安保理で何らかの措置が決定された場合には我が国としても憲法の範囲内で責任ある対応をとりたいと思っております。
○野沢太三君 確かにこの時点で際どい話はしにくいところではございますが、今お話しのように、過去どうしてやったか、どうなっていたか、それから一般論としてどうあるべきか、これはやはり議論し勉強し、そしてまた国会でもコンセンサスを持っていないと、いざというときにどうにもならない。 それにつきまして、防衛出動に関しまして過去五十六年、九年等で勉強した成果が公表されておりますが、防衛庁長官、この内容についてごく簡単にお話しいただきたいと思います。
○国務大臣(神田厚君) 有事法制の検討状況でございますが、これは五十二年ごろから開始をされまして、防衛庁所管の法令及び他省庁所管の法令について問題点を五十六年四月と五十九年十月にそれぞれ取りまとめて公表をいたしました。所管庁が明確な事項につきましては、現在内閣の安全保障室において調整が行われております。 防衛庁としましては、一般的にはこれらの検討結果に基づいて法制が整備されるのが望ましいと思っておりますが、高度の政治判断に係るものでありまして、国会における御審議、国民世論の動向を踏まえて慎重に検討すべきだと考えております。 また、北朝鮮の今の政治情勢の中で、これらの有事法制の研究はこういう問題と対応なしにやっておりますから、これは念のため申し上げておきます。
○野沢太三君 そういう中で、やはりもし万が一のときには、韓半島には我が国の邦人が何万人も暮らしているわけでございますが、この皆様を連れ戻す、あるいはそのときに外国人の皆さんも一緒にと、こういう話に対してどう対応しておられるか、避難民の輸送ということで。これは防衛庁長官ひとつ。 外務大臣ですか。じゃ、外務大臣。
○国務大臣(柿澤弘治君) そうした事態が起こらないことを期待いたしておりますが、一般論として言えば、従来の例では民間定期便を活用して引き揚げていただく、また必要な場合には民間チャーター機で引き揚げていただくということが行われた例がございます。 しかし、そうした紛争地域に対しては民間機が飛ぶということにもいろいろな難点がございます。その意味では、先般来国会にお願いをいたしております政府専用機等を含む自衛隊機による邦人救出の自衛隊法改正案ができるだけ一日も早く成立をし、そして邦人救済の一助になるよう私どもとしては期待をいたしております。
○国務大臣(神田厚君) ただいま外務大臣が申し上げましたとおりでございますが、自衛隊が緊急時における在外邦人救出のための輸送を行うには、法令上、当該任務を自衛隊に付与する規定が必要であります。かかる任務が現行法令上自衛隊の権限として規定されない現在では、これを自衛隊が行うことは困難であります。しかしながら、緊急事態はいつ発生するかもわかりませんし、現在御審議をいただいている自衛隊法一部改正案を可及的速やかに成立させていただきたいと考えております。
○野沢太三君 飛行機はおっしゃるとおりだと思いますが、しかし人数が人数ですから、やはり艦船、船舶の活用がどうしても欠かせないと思います。自衛艦あるいは海上保安庁の船を含めお国の持っている船を活用できるのかどうか、いかがでしょうか。
○国務大臣(神田厚君) 輸送手段に艦船を加えろというふうなお話でございますが、これらも具体的なニーズを踏まえて慎重に検討されるべきだというふうに考えております。
○野沢太三君 こういうわけで、御質問を申し上げてもなかなか答えにくいし、まあ答えもそこそこ、こういうことになるわけでありますが、大体有事に対する国会審議のあり方というものが、やはり私は一つのこれが限界であるのかなという反省もあるわけでありまして、アメリカ等の議会筋のように相当いろいろなケースをとことん議会で議論する、こういったことが日本では大変やりにくいという点はまことに残念でございます。 国民の皆様が見ているところで、知らしむるべからずよらしむるべしというような審議のあり方でいいのかどうか。そして、ある日突然、大本営発表で軍艦マーチが鳴り響く、こういったことがあってはゆめ困るわけでございます。総理の御見解をお願いします。
○国務大臣(羽田孜君) 国会の審議というのは、私も自民党時代に皆さんと議論しましたときに、その国の方向とかあるいは現状というもの、こういったものを真っ正面から議論を闘わせ、そしてそういう中から国の歩むべき道というものを探り出していくということ、これが重要であるということを申し上げてまいったわけでございまして、今、野沢委員から御指摘があったことを私はよく理解をいたします。 そして、どうも我が国の場合、なかなか難しい問題というのはできるだけ避けて通ってしまおうというあれがあったんですけれども、それではやっぱりいけないんであって、そして国民もいろいろな問題に対しては賢明であります。 ただ、ちょうどこのときなものですから、ふだんからこういった問題というのを議論する、あるいはそういう議論する場というのがあってもいいんだと思います。これは私は国会のマターだと思いますけれども、そういったものを率直に話し合えるような場所というものがあってもいいんじゃなかろうかと思いますし、またあるときには国民の皆さんにもいろいろと議論をしていただけるように情報を提供していく、また国会の場から情報を提供していくというようなことも必要なんだろうというふうに思っておりまして、今後ともこういった問題についても議会の皆様ともお話ししていかなきゃならぬ問題だろうというふうに思っております。
○野沢太三君 今の問題は、議会側でも工夫をし、また考えなければならない課題として受けとめておきたいと思います。 そこで、こういった事態の中で大事なことは、国連の機能というものが大変今大事になっております。しかも、安保理の改革問題、国連改革の問題等も浮かび上がっている中で、常任理事国へ入ろう、日本がこういうことを明確に意思表示をされておりますが、どうもそれが出先のお役人さんにお任せ過ぎていはしないか、こう思いますが、総理、外務大臣、御意見を。
○国務大臣(羽田孜君) この問題は、出先のお役人さんにお任せしているというよりは、私が国会で答弁を申し上げた、そういったことを反映しておるというふうに私は思っておりますし、また、例えば大使が赴任されるときにも、我が国としてはこういう方向で行こうということを申し上げておるわけでございまして、これを踏まえながらの発言であるというふうに御理解をいただきたいと思っております。 いずれにいたしましても、安保理の改組、これが必要であるという認識は既に一つの国際世論になっておるというふうに思っております。また、その中で日本が国連におきましてより大きな役割を果たすべきだという期待が高いのも、今作業部会における各国の発言なんかを見ておりましても、これは私は客観的な事実であろうというふうに思っております。 我が国は、世界の平和と安定のために政治、経済、こういった問題で今日も実は役割を果たしておるということで、まさに常任理事国並みあるいはそれ以上の役割を果たしておるということは各国も認めてくれているんじゃなかろうかというふうに思っております。 いずれにいたしましても、これからこの国連の改革に当たりましては、私どもといたしましてもより積極的に努めていきたいというふうに思っておりますし、また本当に世界の平和、そして真の安定をつくるのには、やっぱり平和憲法の中で、そして平和的な活動の中で今日の日本を築いたノウハウというものは非常に高いものがあるというふうに私は考えておりまして、これからもそういったものを国連の中に一つの新しい風として吹き込んでいきたい、そういったことのための我々は努力をしていく必要があろうというふうに考えております。
○国務大臣(柿澤弘治君) もう羽田総理がお述べになったとおりでございます。 今回の小和田大使の国連における発言も、羽田総理また私が当院外務委員会等で所信表明をしたその趣旨を受けて行われたものでございまして、政府の意思として報告をしたというふうに理解をしておりまして、決して出先の独走ということでないことは御理解をいただきたいと思います。
○野沢太三君 そういう中で、常任理事国になると高くつくとか、あるいは危険なことをやらされるとか、こういったことを考えている向きがこの議会の中にもまだあるんじゃないか、もちろん、国民一般の中にもそういった懸念を持っている方が多いかと私は思います。 これに対してどのような形で取り組まれるのか、そして実際に常任理事国になった場合の責任と行動はどうなるのか、お話しいただきたいと思います。外務大臣、お願いします。
○国務大臣(柿澤弘治君) これも再三申し上げておりますように、常任理事国になったということで国連の加盟国もしくは非常任理事国である状況から大きく責任、財政負担等が変わるわけではございません。 既に、日本はアメリカに次いで第二位の分担金の負担国でございまして、その他の四常任理事国を大幅に上回る分担金を出しております。また、その他の責任につきましては、しばしば言及されます軍事的な負担、責任ということについても、昨年ガリ事務総長が来日されましたときにも細川総理に対して、常任理事国になったということで新たな負担が加わるわけではない、PKOについても従来どおりの考え方でやっていただくことで十分に国連憲章と合致するということをおっしゃっておられるわけでございます。 我が国といたしましては、羽田総理がお話しになりましたように、環境の問題、軍縮、平和の問題、そして地球規模のさまざまな問題に積極的に取り組む意思を示すこと、また我が国独自の考え方を安保理の中に導入して我が国の平和に対する考え方を国連の活動に生かしていくという意味でも、常任理事国の地位につくことは我が国の外交上も大きなプラスになると思っております。
○野沢太三君 改革された国連に頼まれたら座ってもいいというような姿勢が前内閣の段階では見られたやに私も伺っておるんですが、今のお話を聞きまして、一層ひとつ頑張っていただきたいと思います。 その中で、日本の立場に対する国際的な理解というか協力といいましょうか、そういうものがいまいちではないか。私も乏しいながら各国を回って外交関係者とお会いして話をしますと、どうもやはりその点については、さはさりながらまだどうかとか、パンドラの箱をあけるがごとくたくさんの希望者が出てしまうとかいうことで、果たしてうまくいくのかどうか。関係各国に対する働きかけあるいは理解の促進、これについてどのような取り組みをなさるつもりでしょうか。
○国務大臣(柿澤弘治君) この件に関しましては、我が国を訪れられました世界の指導者の皆さんには我が国の立場を累次御説明いたしております。また、羽田総理、私も海外へ参りましたときには我が国の考え方をきちっと御説明させていただいております。 これは、何が何でもなりたいなりたいと選挙運動をやるようにやるべきものではないと私どもも考えておりまして、ただ、国連が改組をされなければならない。その中で、基幹になる安全保障理事会についての改組も、これは当然という考え方が加盟国の中に定着しつつございます。そして、常任理事国についても、地域的な配分等を考えて何カ国かふやさなければならないというのもほぼ定着した流れになっているわけでございます。何カ国ふやしたらいいかという点につきましては、二カ国から五カ国の間にほぼ絞られてきているのではないかというふうに思っております。 そのほか、非常任理事国につきましても地域的な不均衡がございますので、さらにそれに何カ国かをつけ加えるというような案にほぼもう議論は収れんされてきている。あとは、どこの国を具体的にその候補にするかという段階まで国連の議論は進んでいるということを念頭に置いて私どももこの問題に対処をしなければならないのではないかと思っております。
○野沢太三君 常任理事国へ加入ということになりますと、拒否権の取り扱いというのが大きな問題になるだろうと思います。拒否権というのがあったために国連が半ば機能を麻揮したという側面と同時に、しかし、これがゆえに大国の責任というものも明確になっていた。 日本がもし常任理事国に加入ということになった場合、この拒否権を要求しますかどうか。どうでしょうか。
○国務大臣(柿澤弘治君) 拒否権の是非につきましては、これも羽田総理が御答弁をされておられますが、冷戦構造時代には大国による拒否権の頻発で国連の機能が麻痺していたという時代があったことは事実でございます。しかしながら、冷戦の終えん後、常任理事国間の意見の合意形成に最大限の努力が払われまして、拒否権の行使が激減しているということは大変望ましい状態だと私どもは考えております。 また、拒否権につきましては、それが大国の横暴につながってはいけないという点は野沢委員御指摘のとおりでございますが、同時に、拒否権に裏打ちされた参加ということで大国が責任を持って国連の活動に協力をするという肯定的な面もあるわけでございますので、今後の議論の中ではその二つの考え方を調整していくことになろうかと思います。 どのようなものでなければならないということは我が国の立場として申し述べることではないと思っておりますが、大勢としては、新たなカテゴリー、つまり拒否権なしの常任理事国をつくるということが望ましいかどうかということについては否定的な意見も出てきておりますので、その意味では、従来どおりの常任理事国、単純に必要なだけ数をふやすという方向に行くのであれば、我が国としてはそうした方向で差し支えないというふうに考えております。
○野沢太三君 日本は国連に加入して以来、平和憲法の考え方、さらにはODAの活用、それから大変苦労はしましたがPKOができるようになった。そしてまた、地球環境問題等に対するノウハウと資金力。いろんな面で国連に対して非常にいい仕事ができるだろう、こう思うわけでありまして、その意味で、どうかひとつ日本のできることをむしろ前へ出して、できないことはできないという中で国際貢献をしっかりやっていくようお願いをしたいと思うわけであります。 そういう中で、今ODAというのが非常に大きな力になって世界じゅうの発展途上国に寄与しているわけでございますが、最近のODAの実績をちょっとお話しいただきたいと思います。
○政府委員(平林博君) お答え申し上げます。 最近のODAの実績ということでございますが、ここ二、三年来、日本のODAは量的には世界で第一位ということになっております。ODAの供与対象国も百五十を超える世界各地にわたっておりまして、多くの国々から高い評価を受けているというのが実情でございます。多少まだ質の面で改善をするとか援助の実施の面で改善措置を講ずるとか、これからもやっていかなければならないことは多々あると考えておりますが、しかし、世界的には日本のODAはこの世界ではリーダーになった、リーダーにふさわしい援助政策、哲学を持って今後ともやる必要があるというふうに考えております。
○野沢太三君 そういうわけで、世界一の援助大国になったというわけでありますが、このODAの適正使用の問題がしばしば新聞等でも報道されているわけでございます。 特に、最近ではフィリピンに供与しました農業開発の一部資金が不当に流用されたのではないかという報道がございますが、これについては調査を行うということになっておりますが、外務省、どうですか。
○政府委員(平林博君) 今、委員御指摘の記事が出たことは我々としても大変残念に思っておりますが、この記事が十分に事実関係を伝えたものかどうかにつきましては重大な関心がございますので、我が方の在フィリピン大使館を通じまして先方政府の関係方面、大統領府、国家経済開発庁、農業省あるいは農業省の関連機関等多岐にわたりまして目下調査中でございまして、調査の結果を踏まえまして厳正に対応したいというふうに考えております。 昨日まで判明したところでは、フィリピンの農業省等関係者は一様にこの報道に基づく記事を強く否定しております。しかしながら、本件はフィリピンに対します経済協力全般にも関係し得る問題だと認識してございますので、さらにフィリピン政府全体を代表する国家経済開発庁から最終的な回答を待っているというところでございます。
○野沢太三君 せっかく善意でやろうという話がこういったことでゆがめられるということであっては、ODAの精神を損なうことになるわけでございます。どうかひとつしっかり調べまして、問題がありました場合には即刻改善をする。そしてまた、ODA全体の執行体制にもこれは反省として返ってくる課題だろうと思いますので、大いにひとつ、この問題をただフィリピンの一地方の問題と考えずに、ODAのあり方についての反省として受け取っていただきたい。 大臣、ちょっと所見をお願いしたいと思います。
○国務大臣(柿澤弘治君) 国民の税金または国民の資金で行われているODAが効率的にしかも先方の国の経済発展、民生安定につながるよう使われるべきことは、委員御指摘のとおりでございます。 その点で、私どもとしましては、今後とも第三者機関による評価、また会計検査等の機会で御指摘をいただいたことにつきましては、改善すべく精いっぱい誠意を持って努力をしてまいりたいと思っております。
○野沢太三君 今までODAはアジアを重点ということで主に使われてきて、しかし、今それが全世界に拡大をするということで、日本の存在を示す最大の力になっているかと思います。ただ、これが先方からの要請主義ということでやってきておりますために、必ずしもそれが本当に、草の根といいましょうか、国民の皆様、民衆の皆様に稗益しているかどうか、この点についての批判が今までもしばしばございます。 これについて、地域の拡大あるいはODAの運用方法についてのお考えがございましたらお願いしたいと思います。
○政府委員(平林博君) お答え申し上げます。 昨年来、ODA大綱、政府開発援助大綱という日本の理念と原則ができまして、それに基づいて運用しているわけでございますが、先ほども申し上げましたように地域的には広範にわたっております。 ただ、過去のいろんな経緯あるいは日本との地理的な関係、経済関係を含めた相互依存関係等の関係でアジアが相対的には高い比重を占めておりますが、しかし、世界的な情勢の流れ、いろいろな移行国、民主主義や市場経済を志向する国々が誕生しておりますし、最近でも南ア共和国の変化というものがございますので、そういう新しい流れも踏まえまして、日本のODAが我が国の国際貢献策としてふさわしいように運用してまいりたいというふうに考えております。 また、要請主義という言葉は過去においてございまして、先方の要請を踏まえてこれを尊重してやるということになってきておりますが、先方の要請は十分に尊重する必要があると思いますが、先ほども申し上げましたように、日本の援助の哲学、理念、原則というものもございますので、そういう点につきましてはこちらからも十分に注文を出し、経済協力という名が示しますように、双方、我々と相手国とが一緒になって協力する形態で運用していくのが本筋であろうかというふうに考えております。
○野沢太三君 その意味で、最近国際ボランティアの皆様がまさに献身的な精神で途上国のお仕事を手伝う、こういった動きがだんだん日本でも育ってきております。欧米諸国に比べるとまだまだ少ないんですが、このNGOの支援状況についてはいかがでしょうか。
○政府委員(平林博君) お答え申し上げます。 国際援助活動におけるNGOの意義、これは大変大きなものがあると思います。したがいまして、政府といたしましてもここ数年来、御審議、御採択いただいている予算におきまして、NGOに対する事業の補助金の拡充とか、それから内外のNGOがそれぞれの国で活躍する場合の、小規模な草の根レベルの無償援助に対する予算とか、こういうものをふやさせていただいております。今御審議いただいている今年度の予算案でも、画期的な伸びをこの点ではお認めいただいております。 したがいまして、政府全体としての大きな援助活動も大事でございますが、草の根に届くきめの細かい援助も大事だということで、極力できるだけの支援をNGOの活動に対してもやっていくべきだという精神で対応しております。
○野沢太三君 ぜひこの方向は育成強化をしていただきたい。 その中で、国際ボランティアとして出られた方が国内へ帰ってきたときに浦島太郎になってしまうというような心配がある。この立場をやはり守ってあげなきゃいかぬ。その意味で、国際ボランティアの皆さんを支援する体制を整えるということが必要と思いますが、外務大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(柿澤弘治君) 野沢委員もその点については議員連盟の中で議員立法等いろいろと御努力をいただいていることに、私どもは心から感謝を申し上げたいと思います。 今お話がありましたように、ボランティア活動には参加したいがその活動をすることによって今後国内へ帰ってきたときの就職先等不安があるというようなことであっては、これ、出ていきたい青年も出ていかれないわけでございますので、そうした点では、国際ボランティア活動が推進できるよう国内における諸制度も整えなければならないと思っております。 また、加えて国際ボランティアに参加をする方々が身の危険を感ずる部分も多いわけでございますので、そうした点について、損害保険について一部国が負担するというような制度も今年度の予算には入れさせていただいているわけでございます。 さまざまな諸施策を通じまして、我が国の青年が途上国において生き生きと伸び伸びと地域の方々と結び合って活動できるように、私どもとしても野沢委員の御指導もいただきながら頑張ってまいりたいと思っております。
○野沢太三君 ODAはまさに戦略的に日本の外交を支える柱と先ほども申し上げましたが、その運用について、ODA大綱をつくってそれに沿った運用をしよう、こういうことになっております。 この運用実績についていかがでしょうか。
○政府委員(平林博君) お答え申し上げます。 ODAの四原則が政府開発援助大綱に規定されております。このODA大綱の原則につきましては、日本政府はこれまで開発途上国とのいろいろな接触の機会、政府要人の往来、あるいは途上国との援助に関する対話等におきまして十分な理解を得るように努めてまいってきております。また、このODA大綱にできるだけ則して先方にも対応してもらうというようなことで、日本政府といたしましてはできるだけこの大綱に沿った好ましい動きが途上国政府の中から出てくるように從心通に努めているところでございます。 他方、国際社会あるいは日本政府、日本国民の考え方からして明らかに先方側に問題があるという場合につきましては、この点を相手方に十分確認、照会する努力をいたしまして、必要に応じて改善を申し入れてきております。それでも事態に改善が見られない、あるいは国際社会の総意で問題があるという場合には、このODAの四原則のいずれかに基づきまして、やむを得ずその国に対します日本の経済協力を見直すということも過キにおいてやってきた経緯がございます。 今後とも、このODA大綱に定められました理念、原則に忠実に従いながら、日本の国民の貴重な税金をもとにいたしましたODAでございますので、的確な運用に努めてまいりたいというふうに考えております。
○野沢太三君 大変結構なんですけれども、核開発、核実験をやっているような国にまでこういった制度を適用することがいいのかどうかいささか疑念を持つわけでございますが、それはおきまして、今後の開発援助のあり方について、総理、御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(羽田孜君) 今お話がありましたように、やはり国民の税金をもとにして各国に対して協力をしていこうということであります。そういう意味で、やっぱり私どもは、その国にとって本当に有用であるということ、またその協力申し上げる国が例えば軍備の拡大ですとか、あるいは今お話があったように核というものについて、これは実際に現実にあるわけでございますけれども、こういったものの実験がどんどん進められるということになるとこれは問題であろうと思います。 またもう一つは、やっぱり環境等について本気で対応してくれるものでないと、せっかく施設しました、そこから環境破壊が起こったというのではいけないということ、こんなことを踏まえながら私たちは先方の国と十分話し合って対応していくということがやっぱり国民のまた理解を得られることでもあろうと思うわけでございます。 〔委員長退席、理事村上正邦君着席〕
○野沢太三君 その中で、日米基軸ということが依然として最も国際的に重要な柱というわけでございますが、どうもここしばらく、昨年の政局以来ぎくしゃくする、けんかをして帰ってきて大人の関係と、こういったことでは困るわけでございます。 そういう中で、日本の貿易収支あるいは対米収支というのは依然として黒字基調で推移をしておりますが、この状況について昨今のデータを、これは事務方でお願いします。
○政府委員(坂本吉弘君) お答え申し上げます。 貿易収支の推移でございますけれども、直近の九三年で申し上げますと、我が国の対世界は輸出が三千五百十三億ドル、輸入が二千九十八億ドル一ということで、いわゆる貿易収支といたしましては千四百十五億ドルの黒字でございます。 なお、円で申し上げますと、輸出が三十八兆九千八百億円、輸入が二十三兆二千八百億円、したがいまして貿易収支は十五兆円強という状況になっているところでございます。
○野沢太三君 不景気不景気と言いながらもこういう十五兆に及ぶ黒字がある。このままではやはり対外関係から見れば日本がどうもひとり占めをしているのではないかと見られてもやむを得ない。何としてもこれは、まず当面の最大の相手国であるアメリカとの間で円滑な話し合いの道を開き、そして常識的な線にこれを戻していかなきゃいかぬと思うわけですが、昨今中断していました包括貿易協議の再協議に応じた背景について、大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(柿澤弘治君) 昨年の二月に中断をいたしておりました日米包括経済協議につきましては、そのまま放置をいたしますとアメリカ側が制裁措置を連発する等日米の間にとげとげしい空気が出てくるということが懸念をされましたし、またそれが為替レートの変動というようなことに結びついてくることも望ましくないということで、日米双方が早期に再開すべく非公式の話し合いをいたしまして、先般再開することになったわけでございます。 その前提といたしましては、アメリカ側がともすれば求めがちである数値目標というようなものは日本側としては受け入れられない、数値目標ではない客観的な基準を定性的、定量的な複数のものとして組み合わせながら日本の市場の開放度をはかるということで合意をいたしたわけでございます。 そうした原則に基づきまして、現在、優先三分野と言われております政府調達、保険、そしてもう一つは自動車・自動車部品三分野についての作業部会が今逐次開かれているところでございます。それぞれの分野に独自の困難、特殊性等がございまして、関係の省庁等御苦労をいただいているところでございますが、これにつきましても、何としても日米首脳会談、そしてナポリ・サミット前に決着がつくよう、ぜひとも内閣を挙げて努力をしてまいりたいと思っておるところでございます。
○野沢太三君 今お話のありました数値目標はとらぬといっても客観基準はやはり必要だろうというんですが、どうもこれに対する日米の間の認識ギャップが大分あるんじゃないか。客観基準というのは限りなく数値目標に近いというようなものを向こうは期待をしている節がどうも見られるわけであります。 そういう中で、せめて政府調達ぐらいは何とか向こうの期待にこたえられるような努力ができないかどうか。そしてまた、自動車のようにすぐれて民間のものであるというならば、民間同士もどういう努力をしているのか、こういうことがあろうかと思いますが、通産大臣、これについてお話をお願いします。
○国務大臣(畑英次郎君) とりわけ通産省サイドの関連におきましては、ただいま野沢先生御指摘のとおり、民間サイドの取り組みの姿の中から問題を解決しなければならない。さような意味合いにおきまして、先生御案内のとおり、既に業界におきましては一つの自主的な対応策あるいはそれに基づく数字をもっての考え方、こういうことも示しておるわけでございまして、私は今御指摘のとおり、いわゆる業界同士が積極的な触れ合い、話し合いを引き続きやっていくべきではないかというようにも考えておるわけでございます。 一面、ただいま課長クラスあるいはまた次官クラスの方々が交互に折衝をいたしておるわけでございますが、そういう中にございまして、民間側の発表した、あるいは取り決めんとする数字につきまして、それについて政府側が担保するような姿かたちに相なってはならない。今お話がございましたとおり、いわゆる客観基準の問題も一つの事柄をもってすべてを評価するということではなくて複数にする、あるいはまたただいま外務大臣がお話しのとおり、定量的なものあるいは定性的なもの等々が言われておるわけでございますが、ただいま御指摘のような意味合いでは、客観基準を数値目標に置きかえるというようなことにしないように、努力を引き続きやっていかなければならぬというように考えておるわけでございます。
○野沢太三君 対外経済改革要綱ということで、これからどうするかという方針を既に出していただいておりますが、この中で非常に大きな柱は、税制改革どこの包括経済協議の成り行きがあるわけであります。今度サミットに行かれるとして、クリントン大統領にお会いするのにこの内容がどの程度具体的に御提言できるか、総理にちょっと御意見を聞きたい。
○国務大臣(羽田孜君) この問題は、私どもがやはり自主的に物事をやっていくということが重要であろう。不調に終わった後、私どもはそのための努力をいたしておるところであります。そして、今お話がございましたような包括協議について余り時を決めずにやろうということでありますけれども、しかし、私どもといたしましては、これはできるだけ早く一つの方向を出していくことが重要であろうと思っております。 また、税制改革の問題につきましては、マクロの問題といたしまして減税というものが恒久的なものになるということ、ということになりますと、これは確かに勤労者の皆様方の消費行動というものについても刺激を与え、これがひいては日本の経済回復に対しても大きな役割を果たしていくであろうというふうに思っております。 そういった意味で、これは単に日米というだけではなくて、日本経済全体の中であるいは税制の中でどういう公平な税制というものをっくり上げるべきかということで、今、政府税調でも御議論いただいておりますし、また連立与党の中の協議会の中でも議論をしていただいておるということで、私どもはそういったものができるだけ一つの方向性を出していただくということを願っておるということであります。
○野沢太三君 時間がだんだんなくなりましたので、地球環境、PKO、ロシア問題等につきましては次回に譲ることにいたしまして、公共投資の充実問題について御質問を申し上げたいと思います。 今の包括経済協議の中でも日本が物を買うとかあるいはもう少し外国との貿易のバランスを考えるとかいうことが非常に重要ですが、まず何よりも内需拡大の必要性、これが大きな課題であろうと思います。 これについて、大蔵大臣の御意見をひとつ。
○国務大臣(藤井裕久君) 御指摘のとおりだと存じますし、三月二十九日につくりました緊急の対外経済改革要綱にも今御指摘のことは明記をしているわけです。今後の社会のあり方として前内閣そして羽田内閣は、生活関連の社会施設、社会資本の整備というものを充実していかなければならない、こういう考えも基本にあるわけでありまして、この方向で進めてまいりたいと思います。 ただ、今の財政状況ということも無視をしてはいけないわけでありまして、御負担とのバランスをよく考えて、財源をしっかり見きわめた上でこれをやるというのが私どもの考えてありますし、また対外経済改革要綱の考えでもあります。
○野沢太三君 先ほどもお話がありましたように、膨大な貿易黒字が出ておって、それがしかし国の中の社会資本の蓄積とか民生に回っていないんじゃないかという疑念が国民の間に広くございます。その意味で、一層の社会資本の充実、特に基本的なインフラとか福祉関係のゴールドプランあるいは新福祉ビジョン等にもうたわれておりますような施設がもっとできてほしい、こういう期待があるわけです。 これについての御意見をお願いします。
○国務大臣(藤井裕久君) これも御指摘のとおりで、一国が恒常的に大幅な黒字を続けるということはその国の経済にとっても世界の経済にとっても望ましくないことである、こういう基本認識を私は持っております。 そのためには、これは私の分野を外れますけれども、産業構造を国際的な調和が図れるものにしていかなければならないとか、規制緩和をより充実していかなきゃならない、あるいはまた市場開放を果たしていかなければならない等々がありますが、一つの大きなファクターとして内需の拡大があると思います。その内需の拡大の中で、ただいま野沢委員が御指摘になったような福祉関係の施設整備なども極めて重要な分野と考えております。
○野沢太三君 公共事業を遂行していくのに特別会計等がたくさんございますけれども、これについてめり張りのきいた予算配分をしようと。これは、我々もそうですが、与党の皆様も同様の趣旨でいろいろと御理言が出ているわけでございます。政府でも審議会でABCのランクづけもされて配分をされたと思われるんですが、結果を見ると、コンマ以下の顕微鏡で見なきゃわからぬような配分ではないかと。 もっとめり張りをつけてやっていくような考えはございませんか。
○国務大臣(藤井裕久君) ただいま御審議をいただいております平成六年度予算におきまして、今御指摘の公共投資の再配分ということは極めて大きな問題として私ども取り上げたつもりでございます。 御指摘のような御批判があることもよく承知をいたしておりますが、本院でも申し上げましたように、私としては生活環境の整備がよりおくれているという現状認識のもとにその分野を大幅に伸ばしたつもりでございます。 一つだけ付言させていただきますが、これは都会、地方の問題ではございません。生活環境の中で一番伸ばしたのが農業集落の排水であり、また廃棄物とか上水を非常に伸ばしておりますが、これも都会、地方に関係のない全国の問題であると考えておりまして、私どもとしては、そういうあたりは一〇%以上伸ばしておりまして、最大限努力したつもりでございます。一層努力をしてまいりたいと考えております。
○野沢太三君 私は鉄道の関係業務を長いことやってきておりますが、毎日の通勤で本当に御苦労をいただいている状況を見ると、心が痛んでなりません。何としても、やはりこういった面を改善して欧米並みの通勤環境が得られるような状況を早くつくりたいと思っておるんですが、今回の予算の中で地下鉄あるいは常磐新線等にそういった配慮がある程度行われたことは多とするわけでございますが、まだ十分ではない。 これから一層そういった公的資金の導入をこの分野についてもひとつ御検討いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(藤井裕久君) ただいま私が、これから一層充実していかなければならないという生活環境施設、生活環境の社会資本整備と申し上げましたが、その中で御指摘の都市幹線交通、地下鉄等々は重点施策と考えておりますし、本年は、ただいま御審議をいただいております予算案では八・五%伸ばしておりますが、その点の今後の充実は一層やってまいりたいと考えております。
○野沢太三君 日本じゅうのみなさんから御要望の強い整備新幹線の見直しを昨年はやるべく一生懸命やってまいりましたが、この見直しを九年というふうに直されてしまいまして、大変落胆をしている地方もございます。 なぜ九年なのか、運輸大臣、ひとつお願いします。
○国務大臣(二見伸明君) 専門家の野沢先生の前で申し上げるのは大変面映ゆいのでありますけれども、今回新しい基本スキームの策定を平成九年とした理由は、一つは北陸新幹線高崎—長野間の工事が平成九年中にほぼ完了すると見込まれていること、二つには国鉄改革後十年を経過する節目となる時期であるということ、三番目に整備新幹線の未着工区間について所要の調査を行うためには相当の期間が必要となること、四に今後の国及び地方の財政事情の改善について見きわめる必要がある、こういったことを勘案いたしまして新しい基本スキームは平成九年以降ということにしたわけでございまして、どうかその辺、その事情を御賢察のほどを心からお願いしたいと思います。
○野沢太三君 ドイツの国鉄が最近改革をいたしまして、鉄道のあり方について抜本的な一つの考えを提示しております。それは、鉄道の固有施設、固定施設の部分は、これはインフラの部分を管理する会社をつくるんですが、これはもう全面的に国が責任を持ってつくって管理をしていく、そして、上を運営する会社は旅客、貨物にわたってこれはもう一生懸命稼いてもらう。この考え方は将来ともに大変大事な示唆に富むものであろうと思います。 〔理事村上正邦君退席、委員長着席〕 どうかその点を含んで、運輸省におかれましても勉強をひとつ進めていただきたいと思います。 次に、年金問題に移りたいと思います。 このまま進むと年金の掛金が大変ふえるという心配が指摘されておりますが、見通しについて大内大臣にお願いします。
○国務大臣(大内啓伍君) 厚生年金の保険料につきましては、今回の財政再計算によりますと、現行のまま推移いたしますと、現在の一四・五%が三四・八%に達するという状況になっているわけでございます。 したがって、この年金制度の長期的な安定を図るとともに、将来余り負担が過重にならないようにするためには、最終段階つまりこれは二〇二五年でございますが、その段階におきまして保険料を三〇%以内ぐらいにおさめることが適当ではないか。そうしますと、やはり六十歳前半の年金という問題について一つの方向を確立しなければならない。また、ネット所得のスライド制を導入しなければならない。保険料についてもこれを適切に引き上げなければならない。それらを総合いたしまして、二〇二五年つまり最終年度におきましては二九・六%の保険料率を設定いたしますと、年金制度について安定した運営ができるのではないかという見地から、年金制度の改正案を提案している次第でございます。
○野沢太三君 確かに、先々を考えますと六十五歳くらいまでは働いていく、これはもうやむを得ないことだと思いますが、その中で今の雇用情勢等を考えますと、三年ごとに引き上げていくというのはいかにも性急ではないか。 我が自民党は四年ごとでどうかと提案していますが、これについての意見は。
○国務大臣(大内啓伍君) そういうお説もあることは拝聴いたしておりますが、六十歳代の前半の年金のあり方の見直しにつきましては、二十一世紀の高齢化に対応するために必要不可欠のものでございますが、その実施に当たりましては、この制度改正が国民の生活設計に係るものでございますので、御指摘のように十分な準備期間をとることが必要であると考えまして、今から約二十年間の準備期間を置き、具体的な制度改正については二〇〇一年から二〇一三年にかけて計画的にこれを実施するということにしているわけでございます。 これは三年ごとにということでございますが、それを四年ごとにするというような形で準備期間を長くいたしますと、どうしても後世代にそれだけ負担をツケ回すということになりますので、それはいかがなものであろうか。二十年ぐらいの準備期間というのは相当の準備期間でございますので、これで何とか御理解をいただけないかと思って提案している次第でございます。
○野沢太三君 せっかく改革を進めている中で、基礎年金にすら加入してない人が百数十万とか、あるいは入っていても払ってくれない人もいるとかいうことになりますと、この制度そのものがどうなるか非常に問題であります。 その意味で、国庫負担を見直すという考えが出てくるわけですが、三分の一という現状を二分の一程度まで少しずつ上げるという考えはいかがでしょうか。
○国務大臣(大内啓伍君) 年金制度審議会におきましても、今後国庫負担のあり方については検討すべしと、こういう意見が出ておりますので、私どもはこの点を検討するにやぶさかではございませんが、先生御案内のとおり現在の基礎年金に係る国庫負担率三分の一で平成五年の段階で三兆九千億でございますが、これが二〇〇〇年の段階になりますと五兆三千億に膨らみ、さらにはこれが最終的には、つまり二〇二五年の段階では八兆一千億にも、現行の三分の一でも膨らんでくるわけであります。 それを今先生御指摘の二分の一に仮にするといたしますと、今申し上げた二〇〇〇年の段階で五・三兆円のものが七兆七千億になりますし、最終年度の二〇二五年におきましては十二兆一千億にもなるということでございますので、そうした巨額な財源を国庫負担という形で出し得るであろうかという問題が一つと、それからもう一つは、今の社会保険方式のもとで、税と保険料のバランスという見地からそれは妥当なものであろうかといったような面がございますので、私どもは今三分の一で御提案を申し上げているわけでございますが、この問題はもちろん大いに検討していい問題だと思っております。
○野沢太三君 未加入、未払いの方は。
○国務大臣(大内啓伍君) 未加入、未払い、いわゆる無年金者の問題でございますが、これにつきましては対応がなかなか難しいのでございますが、今の社会保険料のシステムからいいますと、やはり保険料を納めていただいた方に対して給付をするということが原則でございますので、いろんな救済措置については部分的に考えておりますが、なお検討課題として検討しているさなかでございます。
○野沢太三君 鉄道共済の問題でございますが、ただいま各公的年金から大変な御支援をいただいてしのいでいるわけでございますが、そのために厚生年金に比べても一割の格差がつき、さらにベースアップ相当の再評価、見直しも平成元年からずっと抑えられている、こういうことであります。 今回また平成六年から十一年にかけてこれを凍結するという方針が打ち出されておりますが、これは余りにもひどいではないか。せめて一元化の時点にはこれが解消できるように御検討いただきたい。大蔵大臣、どうですか。
○国務大臣(藤井裕久君) お話しのように、鉄道共済はいろいろな年金のグループから援助をいただいているというようなことから今のようなことになっておりますが、御指摘の点は年金一元化懇談会の議を経て一応決めたものであると思います。 今後この年金冊度の一元化の中でどう扱うかについては、この一元化懇談会の意見を伺いながら検討してまいりたいと考えております。
○野沢太三君 公的年金制度を一元化しようということで五十九年に閣議決定がなされておりますが、この時期が来年平成七年、昭和七十年ということになっておりますが、これは予定どおり実行できるでしょうか。
○国務大臣(大内啓伍君) 御指摘のように、平成七年の段階を目途にいたしまして年金制度の一元化を図るという見地から、公的年金制度の一元化に関する懇談会というものを今設けまして、この秋までに精力的に討議をいたしまして結論を出したい、こう思っております。
○野沢太三君 以上で終わります。
○委員長(井上吉夫君) 以上で野沢君の質疑は終了いたしました。 午後一時に再開することとし、暫時休憩いたします。 午前十一時四十七分休憩 —————・————— 午後一時十七分開会
○委員長(井上吉夫君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 平成六年度一般会計予算、平成六年度特別会計予算、平成六年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、休憩前に引き続き、質疑を行います。上山和人君。
○上山和人君 朝から待たされ続きでございますけれども、待ては海路のということもございますから、きっと各閣僚の皆さんからいいお答えをいただけると御期待申し上げております。 日本社会党・護憲民主連合の上山和人でございます。 私はこの席に着いたのは初めてでございますけれども、私の以前の職場は学校でございました。鹿児島県の公立高校を長い間職場といたしておりました。当然のことですけれども、長い教職を通して、教育こそ私のライフワークという思いでこれまで私なりに教育の諸問題に取り組んでまいりました。 そして、十年ぐらい前から選挙の候補者になるようになりまして、イギリスの政治学者ハロルド・J・ラスキに出会いました。そして、子供とお年寄りの姿を見ればその国の政治がわかると言ったラスキの政治論に深く感銘をいたしましてから、私は教育と福祉が政治の原点だという信条を私の不動の政治信条としてまいりました。 これからもその信条を貫きまして、私なりに責任を果たせるように努力を続けたいと思うところでございますけれども、総理は政治の中に教育と福祉をどのように位置づけていらっしゃるか、率直にお聞かせいただければと思います。
○国務大臣(羽田孜君) 今、ラスキンの言葉を引用されてのお話でありましたけれども、(「ラスキだよ」と呼ぶ者あり)ラスキンでしょう。 今お話があったわけでありますけれども、そのとおりでありまして、やっぱり私は、子供というのはその国を支えていく人であって、そういった人たちがどのように育っていくのかということ、これはやっぱりこの国というものはどう将来伸びていくんだろうかと見る一つのバロメーターになるぐらい大事な問題であろうというふうに思います。ですから、情操豊かで、しかも健康であると同時に、何というんですか、いろんな皆さん方の痛みなんかがわかる、そういう人にやっぱり育っていくということが大事でありましょう。 もう一方で、やっぱりお年寄りになる、お年寄りが本当に安心して、しかも年をとっても存在価値というものが認められる、しかも生き生きと生きられる、そういう社会というものをつくっていくことは、これはやっぱり我々の政治の目標でなければいけないとさえ実は考えております。
○上山和人君 大変心強く思うのでございますけれども、そういう総理のお考えが、施政方針演説で明らかにされましたところの教育を未来への先行投資として位置づけるということにつながっているんだと理解してよろしゅうございますか。
○国務大臣(羽田孜君) まさにそのとおりであります。
○上山和人君 よくわかりました。そのことにつきましては後ほどまた深く総理の御見解を承りたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。 そこで私は、大変厳しい制限時間の中でございますけれども、私なりにきょうは文教予算のあり方に絞ってお尋ねいたしたいと思います。 しかし、その前に、午前中も御論議がございましたけれども、昨夜遅く飛び込んでまいりましたニュースで、朝鮮民主主義人民共和国がIAEAから即時脱退するという宣言をした問題につきまして、手短に総理にだけお尋ねいたしたいと思います。 大変重大な局面を迎えたと思うのでございますけれども、この事態を政府としてどのように受けとめていらっしゃるか、改めて総理から明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(羽田孜君) ただいま私がおくれて参りましたのも、この問題につきましてアメリカのクリントン大統領と実はお話をしていたためにおくれたわけであります。 この点につきまして、アメリカの大統領も私どもも共通した認識は、やはり対話によって北朝鮮がこの核疑惑というものを晴らしてもらいたい、そのために我々としても粘り強い努力をしてきたと、しかし、残念ですけれども、将来、核開発というものをしていたのかどうか検証することができないように、例の核燃料棒ですね、こういったものが進められてしまったということ、そこへもってきて今お話があった昨日の、この時間でありますとちょうど夜の時間ですね、こういったところでIAEAから脱退するということ、あるいはこれからの査察を受け入れないということ、こういったことが発表されたことに対して深いやっぱり懸念を有するということであります。 そして、これはもう短い時間でということでありますから一緒に申し上げてしまいますけれども、やっぱり国際社会も今まで、粘り強く話そうということで、一遍に制裁ということではなくて議長声明というような形で二度ほどやりましたですね。にもかかわらずこういうことが進んでいってしまい、しかもIAEAを脱退するんだということになってしまうと、これは大変なことであると。という意味で、ただ北朝鮮ということだけじゃなくて、核を拡散させないということのためにも次のステップに移らざるを得ないような今環境になっておるということで、この点は私も実は話し合いによってということをずっと言い続け、そのことをメッセージをいろんな形で送ってまいったつもりですけれども、残念ですけれどもそういうことになりません。 ただし、これは懲罰的なとかそういうものではなくて、むしろ本当に北がまだ査察を受け入れるよ、あるいは疑念を晴らすよという姿勢を慫慂するためにそういった対応というものをせざるを得ないだろうと。そのときに、国連としてそういう方向が決まったときにはともどもにやっぱり協力していかなければいけないということを今話し合ったということであります。
○上山和人君 今、総理の方から改めて対話による解決を粘り強く求める姿勢には変わりはないという見解の御表明がございました。今の事態についての御認識は承りましたけれども、引き続きこの局面、この事態をどう打開するかということにつきましては、今おっしゃいましたように、やっぱり粘り強い対話外交によりまして関係国の協議が促進されるように日本として中心的な役割を狙わなければいけないのではないか、それが日本に負わされた大きな役目ではないかと認識いたしておりますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(羽田孜君) もうおっしゃるとおりでございまして、その意味でこの間柿澤外務大臣に韓国と中国に行ってもらいました。特に、韓国の韓昇洲外務大臣も中国に行かれた。そして韓国に帰られたところに柿澤大臣は行かれまして、中国の様子はどうだったんだろうという話を聞いた上で、さらに中国に対しても呼びかけをしたということでありまして、中国も今の状況というものに対して大変憂慮いたしておるということであります。 そういったことで、今お話がありましたように、これからもいろんな角度から、やっぱり北朝鮮がこの核問題に対して国際社会の懸念に対してこたえてくれるように、私どももありとあらゆるまだ努力をしていくということは申し上げたいと存じます。
○上山和人君 この時間、私はこの問題についてそんなに長い時間を割くことのできない状態ですけれども、ぜひ今の総理の見解御表明のように、あくまでも対話による解決の可能性を今後とも粘り強く追求していただいて、誤りのないような国際的な解決に努力されますように重ねて強く御要請申し上げます。よろしくお願い申し上げます。 その次に、ゆうべのこの事態に関連したということではございませんけれども、今回の朝鮮民主主義人民共和国の核疑惑をめぐる問題に派生じて起きたこととして、朝鮮学校の子供たちが暴行を受けたり嫌がらせを受けたりする事態が続いているという問題がございます。 閣僚の皆さん、この写真を見ていただきたいんですけれども、少し小さいですからよくおわかりにならないでしょうか。一部新聞にも出た写真でございますけれども、朝鮮学校の子供たちが、女生徒が身につけているチマ・チョゴリというスカート、民族衣装ですが、スカートが刃物でこういう形に切り裂かれている一つの写真ですね。 実は、新聞報道でも御存じだと思いますけれども、きのうも埼玉県でこの女生徒が、階段を上っていたところを後ろから来た男性に、民族衣装であるチマ・チョゴリを着用していたんじゃなくてジャージーを身につけていたにもかかわらず、そのジャージーを切り取られるという事態が発生いたしております。 このことは大変私どもにとりまして重大な問題だと思うのでありますけれども、この実態について、四月以降起こっていますけれども、警察庁、どのように把握されているか御報告いただきたいと思います。
○政府委員(菅沼清高君) お答えをいたします。 御指摘にございましたような事案につきまして、被害届等によりまして警察が認知いたしましたものとして私どもが報告を受けておりますものは、本年の四月以降で七件でございます。その内容といたしましては、七件中四件は通学途中の女子生徒が列車内等において衣服を切られたという事案でございまして、そのほかの三件は、男子生徒が日本人中学生から暴行を受けたという事案が一件、自転車で下校中の女子生徒が何者かに石を投げられたという事案が一件、塾帰りの女子生徒が自転車から通学カバンを盗まれたという事案が一件であります。 警察といたしましては、この種事案につきまして必要な捜査を行いまして、申告のありました七件中の二件につきましては既に被疑者を検挙しているところでございますが、この二件はいずれもいわゆる北朝鮮の核疑惑等を背景にしたものとは考えられないものでございました。 例えば、四月十四日、都内において通学途中の東京朝鮮中高級学校の女生徒が列車内で制服を切られたという事案につきましては、四月二十五日、警視庁におきまして被疑者を検挙いたしましたが、被疑者の供述によりますと、政治的背景といったものはなくて、いわゆる性犯罪に当たるものでございました。これは既に罰金刑が確定をいたしております。 また、五月十三日に千葉県の松戸におきまして、東京朝鮮第一初中級学校の男子生徒が暴行を受けたという事案につきましては、申告に基づきまして捜査をいたしましたところ、五月二十九日、日本人の中学生の暴行の事実を確認いたしまして、既に補導措置をいたしておりますが、本件は十四歳の中学生同士が、いわゆる目が合ったとか合わなかったとかいうことに起因する暴力ざたでございまして、格別な民族的背景はなかったというように承知いたしております。 現在まで、そのほかの五件につきましては、被害届を受理いたしまして必要な捜査を継続しているところでございます。 以上でございます。
○上山和人君 今の御報告をお聞きしまして驚いでいるんですけれども、まさに氷山の一角にすぎない実態把握だと思います。 私が入手しております資料によりますと、きのう埼玉県で起きたジャージーを切り取られたという事態も加えますと百十八件ですよ。これは四月に二十六件、五月に四十七件、六月に四十五件です。そして小学生が八件、中学生が二十六件、高校生が十八件なんですね。しかも、事件発生の場所としては、登下校時が二十七件、駅の構内、電車内が二十三件、その他の嫌がらせの電話等が四件となっております。 これは、実態を把握しにくいという側面があることはよくわかりますけれども、やっぱり警察庁の努力も足りないんじゃないですか。それは今の段階でやむを得ないこととしましても、先ほど御報告になった事例に対してどういうふうに警察庁として対策を講じてこられましたか。
○政府委員(菅沼清高君) 今御質問がございました、件数にかなり差があるのではないかということでございますが、警察が把握できますのは被害届等によりまして申告のあったものでございまして、そのほかのものにつきまして、そういう事案があったというようなことが報道されたりあるいは朝鮮総連の側が発表いたしたりしましても、そのことだけで私どもの方で件数として計上するわけにはいかないわけでございまして、その点は御理解いただきたいと思います。 いずれにいたしましても、警察庁といたしましては、この種事案の発生に際しまして違法行為等があれば厳正に対処いたしているところでございますので、そうした事案があればその都度具体的に申告等いたしていただきたい、このように考えております。 次に、対策についての御質問でございましたが、警察庁におきましては、民族的差別等の背景があるかないかということにかかわらず、この種事案の発生を防止することは大変大切なことでございますので、各都道府県警察に対しまして、列車警乗あるいは駅構内における警戒の強化等によりまして事案の予防、検挙に努めるよう既に通達をいたしております。 今後とも、この種事案の未然防止に努めるとともに、事案が発生したときには厳正な捜査を行って犯人の早期検挙に努めたい、このように考えております。
○上山和人君 調査にも限界があるというお話もわからないではないんですけれども、七件という実態の把握につきましては私が入手している資料で申し上げた実態とはかけ離れた違いがございますから、実態としてどういう状態になっているかということについては認識を改めてもらって、これからの調査なりあるいは対策を立てられるに当たって十分参考にして、私が申し上げたこの資料についても前向きに活用していただきますようにお願いを申し上げておきます。 そこで、実は私が今問題にしようとしておりますのは、これは子供たちが受けている嫌がらせ、暴行なんです。核疑惑をめぐる問題はそれなりにもう大変大きな国際的な重大問題でありますから、それは先ほど総理の見解御表明のような姿勢で国際的な解決が図られるべき問題だと思いますけれども、それはそれとしまして、責任のない子供たちがこういうふうに相次いで暴行、嫌がらせを受けていることをお互いにどうとらえるかという問題は大変国際的にも重要だと思うんです。 総理は、この前の施政方針演説で、みずから舞台に進み出て世界の平和と繁栄に積極的な役割を果たして国際的な信頼をから取らなければならないとおっしゃっています。そして、結びの方では、だれもが安心して生活できるような国づくりを目指してまいりたいともおっしゃっているんですね。 そういう総理の政治方針といいますか一国の責任者としてのお考えに照らして、この問題をどう受けとめるのか。まず、国家公安委員長の立場でどのようにこの状態を受けとめて、どういうふうに今後事態を解決しようとなさるのか、ちょっと御見解をお聞かせください。
○国務大臣(石井一君) 最近そういう事態がしばしば起こっておりますという御指摘、まことに遺憾だというふうに思っておるわけでございます。 考えてみますと、植民地時代の三十六年、そしてその後戦後四十八年というのが経過しておるわけでございますが、外国人関係、もう同化しておられる方もおりますけれども、圧倒的に約七〇万人の人口が存在しておるというふうな状況でございまして、そういう中から、あってはならないこのような問題が今も日本人の社会に深く残っておるということ、これは厳粛に受けとめていかなければいかぬというふうに思っております。 実は私は神戸でございますが、ここらあたりは非常に人口が多く、案外融和が進んでおります。しかし、案外人口の少ない関東でありますとかそういうふうなところにまだそういう日本人の一つの偏見みたいなものが残っておるんじゃないかという、私はそういう感じさえいたすわけでございます。これは、基本的に教育の問題でもありましょうし、社会道徳の問題でもあろうかと思いますが、この点、今後さらに戦後五十年を迎えるこのときに、我々は、心を戒め新たな決意のもとに、この基本的な人種の問題についてそれなりの新しい施策を打ち出していかなければいけないんではないかというふうに思います。 国家公安委員長として申し上げたいことは、警察当局者ともいろいろ議論をいたしたわけでございますが、先生がお調べになりましたその件数と警察が事実いろいろ通報を受けましたり検挙をしたりするのとかなりの乖離がございまして、それが問題だということでありますから、まず、本当にそういう事実が存在しておるのに警察がオーバールックといいますか、それの検挙をようしておらないということにつきましては十分注意を払いたいと思いますが、少なくとも警察の網の中に入ってきました問題につきましては、確実に被疑者を検挙し、そして厳正公正にこの問題に対しまして捜査を続け、適切な処理をしておる、こういうことでございますので、きょうの問題の御指摘をも含めまして、今後新たに対処していきたいと考えます。
○上山和人君 朝鮮民主主義人民共和国の子供たちに対するこの種の問題は、実は今回突然起こったわけではなくて、大韓航空機墜落事件のときも、パチンコ献金疑惑のときも起こっているんです。繰り返されているところに深刻な問題があると私たちは認識をしているわけでありますから、先ほど御紹介申し上げました総理の施政方針演説で明らかにされた所信に照らして、人権擁護の問題に責任を持つべき法務省として、法務大臣、どのようにこの問題を受けとめておられますか。
○国務大臣(中井洽君) 過日から衆参の予算委員会でもたびたび御指摘を賜りまして、人権擁護を預かる法務省といたしまして鋭意調査をいたしているところでございます。 現在のところ私どものところに二十数件の調査が上がってきておりますが、先生御指摘の百十数件という数字には私もいささか驚いております。これらの事案、先ほど警察から御説明がありました二、三は痴漢事件みたいなことだということでありますが、他の大半は暴言を吐きながらそういう行動を行っておる、明らかな基本的な人権意識の欠如だ、このように考え、まことに遺憾なことだと考えております。 人権擁護を預かる法務省といたしまして、外国人といえども基本的人権は同じだ、こういう発想のもとに、また民主主義の根幹は基本的人権を守る、このことにある、こういう発想のもとに啓発啓蒙活動をさらに進めてまいりたいと思いますし、届けがあるとないとにかかわらず一層調査を進めていきたい、このように考えております、
○上山和人君 被害者が子供たちであるということに関して、文部大臣は教育行政の責任者として、この問題をどう受けとめて、この問題解決のためにどうしたらいいと思っていらっしゃいますか。
○国務大臣(赤松良子君) 暴力だとかいじめだとか、人権無視だとか差別だとか、そういうことはたとえ大人が相手であろうとよくないことでございますが、それがまして子供、何の防衛力も持たないそういう弱い立場にある者に対するときはなおさら悪いということが言えるのではないかと思います。 そのようなことはあってはならないということは、学校教育の場では日ごろのいろんな活動、教育を通じまして教えているところでございますが、このようなことが起こる機会に、なおさら小中高等学校を通じこれらの指導の充実に努めてまいりたい。人権も重んじなければならない、差別はいけない、民族を差別することは決してしてはならないということを繰り返して教えていくべきことだと思っております。
○上山和人君 子供たちが朝鮮学校の子供たちに対して暴行を加えたりしている事例もありますけれども、大方の加害者が大人であるということを私たちは重く見るべきだと思うんですね。 したがって、今どれほど日本の中で人権意識が薄いかということを何よりもよく露呈している問題だと思うだけに、最後に総理、どうですか、本当にこういう状態で、この子供たちの人権すら守れない状態で国際的な信頼をから取ることができるんだろうか、だれもが安心して生活できる国にすることができるんだろうか。明らかにされました大臣の所信に照らして、この問題にどうこれから対処するか、まとめてはっきり考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(羽田孜君) 先ほど報告がございましたように、今度の事犯といいますか、これ全部がまだわかっていないという、ただ二件だけの話のようでありますけれども、民族的な差別ですとかあるいは核の問題についての関係でない事例じゃないのかというお話でありまして、私もそうあってほしいと思いますけれども、委員から今御指摘がありましたように、大韓航空のときにもパチンコ疑惑のときにもやっぱりそういうことが起こったということがあるわけでございます。しかも、いたいけな子供たちがそうやって傷つけられるなんということは、これはもう本当に社会のあれとしても、日本の国としてもやっぱり許されるべきものではないんだろうというふうに思っておりまして、心ないこういった行為を遺憾に思いますと同時に、本当に私自身も心を痛めておるということであります。 今お話がありましたように、日本の国はやっぱり国際社会の理解がなかったら絶対に生きていけない国なんですね。そういう意味で、どこの人であろうと、そういった人たちに対していろんな面で、思いやりといいますか、心をむしろ使わなきゃいけない国の立場であるんだということ、こういったことを子供も大人も本当に知らなければいけないなということを今私も強く思っておることを申し上げ、またこういったものを教育ですとか、あるいは人権というのはいかに大事なのかということを国民の多くの皆さんに知ってもらう機会というものをいろんな形でつくったり、また理解されるための措置というものをしていかなければいけないんじゃないのかというふうに考えております。
○上山和人君 お答えの趣旨はよく理解できるんですけれども、非常に情勢が緊迫の度合いを増しているだけに、こういう問題についても私たちは大変憂慮している状態なんです。 そこで、何か具体的に政府が声を上げるとか、あるいは文部大臣がアピールを出すとか、国民に広く呼びかけてこの機会に人権意識を啓蒙啓発するようなことは思い切ってできないものですか。やっぱりこういう状態でこのまま、まあ放置しているわけじゃありませんけれども、それなりの手だては警察庁でもそれは講じておられることはよくわかりましたけれども、やっぱり総理が、総理でなければ文部大臣がせめてアピールを出されるとか、何か政府が声を上げるといったようなことが具体的にできないものですかね。いかがですか。
○国務大臣(羽田孜君) この問題、特に核疑惑の問題等につきまして衆議院の方でもいろいろと御審議がありました。私がそのときに申し上げたことは、いずれにしてもやっぱり冷静であってもらいたいということを実はその機会にも申しておるわけであります。しかし、今お話があったこと、また、こういう機会に人権問題というのはもう一度我々は考えてみなければいけない問題であろうと思いますので、それぞれ各省にあって、そういったことをアピールするようなことについても少し考えさせてみたいというふうに思います。
○上山和人君 どうぞ具体的な行動をぜひ起こしていただきたい。それで、総理を先頭にして、各関係省庁連携を密にしてぜひ積極的にお進めくださいますように重ねてお願いを申し上げます。 これから準備しておりました本題に入るんですけれども、時間が全くなくなってしまいましたけれども、おととい日曜日の毎日新聞で、実は八丈島で七人目の子供に赤ちゃん祝い金として三百万円を支給する条例を今度上程することになったという報道がございました。こういうふうにして自治体が子育てあるいは出産を支援している状態が広がっているわけですけれども、これは厚生省として実態をどのように把握なさっていらっしゃるでしょうか。厚生大臣。
○国務大臣(大内啓伍君) 御指摘のように各自治体が出産あるいは子育てについて出産祝い金といったようなものを出しております。少ないもので五千円、高いもので百万円、今、八丈島は三百万円というお話がございましたが、大体五万円から三十万円ぐらいが平均的なところではないかと思っておりまして、これは大体出産支援というところに力が入れられておりまして、まさに地方自治、地方分権の一つのあらわれというふうに見ております。
○上山和人君 なぜ自治体が七番目の子供だとはいえ三百万も一括進呈するような支援策を講じなければいけないのか。地方自治体がどんなにたくさんこういう制度を導入しているかは、もう時間がありませんから私の方では申し上げませんけれども、よく御存じのはずなんです。なぜ地方自治体がこういう政策に走るんですか。
○国務大臣(大内啓伍君) 八丈島は実は私の選挙区でございますが、あそこは非常に高齢化率が高いのでございます。日本の高齢化率の平均というのは大体一三・五%でございますが、八丈島の場合はたしか二〇%以上を超えております。したがいまして、それだけに島に定着する若い人を育てたいという意味から、まあ破格のといいますか、相当高額の出産奨励金が出されているものと理解しております。
○上山和人君 少し焦点がなかなか合いませんけれども、やっぱり子供たちがどんどん減っていく状態、特に五月五日の子供の日を前にしていつも総務庁は子供人口を発表なさるが、ここずっと前年度比五十万人ぐらいずつ子供の数は減少しているわけですよ。そういう状態、少子化が進んでいることへの危機感が地方自治体をこういう支援策に取り組まざるを得ない状態にしているんじゃないでしょうか。その辺はもう少し的確に御報告いただきたいと思います。
○国務大臣(大内啓伍君) 大体、先生の御指摘のとおりでございまして、やっぱり少子化率というのは非常に急速に進んでおりますので、その危機感からこれを何とか食いとめたいということで地方自治体がそうした措置をとっているものと理解しております。
○上山和人君 出生率がどんどん低下して一・五〇にまで下がって、今は恐らく一・四台になっているんではないかと推計をされるわけですけれども、そういう状態でやっぱり出生率の回復を願って自治体が率先してみずからこういう出産、子育ての支援策を導入しているんだと思うんですけれども、国はどういう政策を講じていらっしゃいますか。
○国務大臣(大内啓伍君) 今度の法律の改正案におきましても出産あるいはその育児のための一時金というものを増額いたしまして、これまでたしか二十四万円ぐらいであったと思いますが、これを三十万円にするという予算的な措置を今講じようとしているところでございます。
○上山和人君 それはそれなりの御努力だというのは私たちも評価するのにやぶさかではないんですけれども、地方自治体の積極的な構えからすると決して十分だとは言えないと思うんですね。 それで、厚生大臣、この少子化が進む要因というのは、どうなんですか、わかりやすく整理をしておっしゃっていただけませんか。
○国務大臣(大内啓伍君) 一言で申し上げますと、未婚率というものが非常に急速にふえているということでございます。 具体的に数字的に申し上げますと、一九七〇年の段階の未婚率は女性の二十代後半の場合一八・一%でございました。これが一九九〇年、二十年後の段階におきましては四〇・二%でございますので、倍以上に未婚率がふえているわけでございます。 なぜ女性の皆さんの未婚率がふえているかという面は、一つは、やっぱり結婚によるいろいろな心理的な負担、身体的な負担という、いわゆる負担増というものがございます。二つ目には、女性の社会的な進出によりまして経済的な条件というものが非常に高まってきているということがございます。それからもう一つは、やはり未婚でいることの魅力といいますか、そういうものがふえている、この辺が案外に大きいのではないかなと思うのでございます。 一口に言いますと、そういう諸理由から特に女性の未婚率というものがこの二十年来倍以上にふえているというところから実は出生率が低下しておりまして、今、女性の結婚の平均年齢は大体二十六歳、男性は二十八歳でございまして、前は女性は大体十年ぐらいかかってお子さんをお産みになったのでございますが、最近は二年八カ月から九カ月でこれをとめてしまうというような一つの社会的な傾向というものも反映していると考えております。
○上山和人君 大臣が明らかにされましたように、厚生省の人口問題研究所が実は大臣が今御報告のような推計を明らかにしております。ただ、本当に未婚率が高くなるからということを強調するのでは本質的な理由を見失うんじゃないかと私は思うんです。 ここに平成三年の十一月に総務庁が発表した女性の暮らしと仕事に関する世論調査の結果があります。子供を何人産みたいかという問いに対して、一人と答えたのはわずかに二・九%、二人産みたいというのは三一・四%、三人と答えたのが四六・七%なんです。そして、四人産みたいと答えたのが五・八、五人以上と答えたのが七・二なんです。五九・七%は三人以上欲しいと言っているんです。 しかし、厚生省の厚生白書でも明らかなように、欲しいけれども産めないと言っているわけですね。産めない最大の要因は何ですか。
○国務大臣(大内啓伍君) これはもちろんさまざまな理由があるわけでございますが、さっき申し上げたように、一つは、やはり結婚による負担というものが非常に大きいのでございます。そしてその基礎には、例えば住宅といったような問題もございますし、それから子供にかかる教育費の増。大といったようなものも非常に大きいわけで、これはまあ五つ六つの大きな理由がございまして未婚率が増大しているということと理解しております。
○上山和人君 幾つかの要因をおっしゃいましたけれども、その中で最も圧倒的な要因だと思われるのは何ですか。
○国務大臣(大内啓伍君) 私どもが把握している統計では、やっぱり経済的な負担が大きいということでございます。
○上山和人君 この総理府の世論調査で、欲しいのになぜ産めないか、産まないかという問いに対して、大臣が今御報告のように、経済的負担がふえるのが大変だからと答えたのが七〇%なんです。圧倒的な人たちは、産みたいけれども産めない、それは経済的負担がふえるから、こういうふうに答えているんですね。だから、少子化の要因というものはもう歴然たるものなんです。 そこで、これに対する対策をどう考えるかというのがやっぱり政府の責任じゃないでしょうか。どのように今後お考えですか。この経済的負担がふえるのが大変だからという七〇%の声に対する打開策はどうでしょう。
○国務大臣(大内啓伍君) 私どもが平成六年度予算で重視しておりますのは、児童家庭対策というものを非常に重視しておりまして、一つは出産に対する負担をカバーするために、つまり改善するために、さっき申し上げたような出産一時金や育児に対する給付の増大というものを考えております。 それからもう一つは、今働いている女性は、これは一つの時期がございますが、大体五〇%を超えておりますが、これから七〇%ぐらいになってくるであろう、労働省の方ではそう推計をいたしております。そうなりますと、やはり保育等の育児についての諸制度というものを多様な形で完備しなければなりません。 つまり、乳児保育、それから保育の延長時間を多様化するといったような問題、あるいは低学年の児童に対する助成対策といったようなさまざまな子育てにかかわる諸制度というものを完備しなければならない。そして、それに対する費用につきましても、それが過大な負担にならないように配慮する。したがって、今保育関係は措置でやっているわけでございますが、その面での財政的な支援というものも我々としては積極的に講じてまいりたいと思っているわけです。
○上山和人君 今おっしゃったように、そういう総合的な諸政策というのが大変重要だというのはもうおっしゃるとおりだと思うんです。 その中で、しかし今、東京では教育ローンの学生時代というのが大変人気があると言われております。特に首都圏で教育費の負担感がいかに重くなっているかということをこれはあらわしていると思うんですけれども、総理府がこの三月に発表した物価問題に関する世論調査でも、一番増加したと考える分野はどこかといったら、最初が食料費、そして二番目は教育費なんですね。家庭の負担がふえたという実感は、食料費の次が教育費、その次が交際費となっていますが、一年間に最も値上がりしたと感じる分野は教育の分野、教育費の分野が圧倒的なんですね。 今、経済的負担がふえるのが大変だからと答えた皆さんの中で、教育費の負担感が重くなっていることが要因になっているかということがよくわかるように思うんです。 そこで、やっぱりこの問題を解決していく一番大きな柱というのは、重負担感にあえいでいる各家庭にどうして教育費の負担を軽減するかという支援策を具体的に大胆に導入しなければ解決しないんじゃないでしょうか。 これは文部大臣になりますか、あるいは厚生大臣、いろいろ関連しておりますけれども、文部大臣はどのようにお考えですか。
○国務大臣(赤松良子君) 先生御指摘のように、少子化の理由の中の大きなものとして経済的な負担がある。その具体的な一つとして教育費の問題があるというふうに認識をいたしております。その教育費が過剰な負担にならないようにするということは私どもにとって非常に重要な課題であろうと思います。 具体的には、教育費の負担に対して授業料の高騰が余りに過度にならないようにするということ、それから負担を軽減するために奨学金等の付与をするというようなこと、あるいは学校に対していろいろな補助をすることによって父母に負担がかかっていかないようにすること等が考えられるところでございます。
○上山和人君 文部大臣にお出ましをいただいたっいでにというのはおかしいですけれども、やっぱり一番問題は、保護者が支出した家計費の調査というのは毎年文部省は調査をされて結果も公表されているんです。それなりに何とかしなくちゃならないというお気持ちがあることはよくわかるんですけれども、具体的な解決策の一つとして授業料の問題を大臣みずから今お話しになりましたが、やっぱり国がこういう問題に対する対策として責任を持てる分野の最たるものは授業料じゃないですか。 総理、この点についてはお尋ねいたしますのでどうか心構えをしておいてほしいんですけれども、文部大臣、大学の授業料がどういうふうにして昭和五十年以降上昇し続けているかというのを端的に御説明いただけませんか。
○国務大臣(赤松良子君) 大学の授業料でございますが、これは国立大学、公立大学、私立大学、種類は大きく分けて三つございます。 六十年度からという仰せだったように思いますが、平成五年度までの改定状況を見ますと、国立大学では二十五万二千円から四十一万一千六百円、公立大学は二十五万一千円から四十万六千円、私立大学は四十七万五千円から六十八万八千円に改定されてきているところでございます。
○上山和人君 時間がますますなくなっているんですが、昭和五十年に三万六千円だった国立大学の授業料は平成七年度には実に四十四万七千円になる予定になっているんです。三万六千円から四十四万七千円になろうとしているわけですね。この二十年近くの間に十一倍強になっているんです。この間、物価の上昇率はわずかに一・八です。どんなに突出しているかというのははっきりしているんです。 自治大臣、高等学校の授業料の推移についてはどうですか。
○国務大臣(石井一君) 大学と同じように、国立、公立、私立によりまして相当の大きな格差があることは御承知のとおりでございますが、公立高校の授業料は最近おおむね三年ごとに改定をしておりまして、平成四年度に新たに改定された月額八千二百円、そういうことでございます。公立、私立はそれぞれ相当大きな格差がある、こういうことであります。
○上山和人君 大学も上がりっ放しなんです。一年たりとて休むことなく上がりっ放しなんです。授業料、入学金、そして受験料、もうずっと上がりっ放しなんです。高等学校は昭和四十年来、これも一年とて休みなく上がりっ放しなんです。こういう状態をこのまま放置していいか。なぜこういう状態がずっと続いているか。 もう時間がありませんけれども、外国は高等学校はほとんど授業料を徴収しておりません。国立大学だってドイツやフランスは授業料なしです。アメリカだって、うんと大学の入学率は広がっていますけれども、授業料は低いんです。なぜ外国の授業料に対する対応と日本と違うのか。日本はどんどん授業料を上げてきた。外国は大学までほとんど取らない状態になっている。これはどこに違いがあるんですか。総理はどういうふうに認識されますか。
○国務大臣(羽田孜君) 今、私ちょっとその外国との関係についてつまびらかにいたしておりません。それぞれその国の考え方があるんでしょうけれども、我が国の場合の授業料が上がってきたという中にあって、何というんですか、それぞれ学問を受けた人たち、この人たちがいろんな社会で活躍をされていくということ、そういったことを考えながら今日まで上げてきてしまったというのが実態なんじゃないのかなという思いを持ちます。
○上山和人君 時間配分がまずくてもう時間がないんですけれども、総理、こういうことなんじゃないでしょうか。 日本は、受益者負担の発想で授業料を徴収して、財政難といってどんどん授業料を上げてきた。外国は、受益者負担という発想ではなくて、教育はやっぱり国の将来にかかわることだから投資だという理解で、受益者負担じゃなくて投資なんだという位置づけで徴収していない。そこに違いがあるんじゃないですか。どうですか。
○国務大臣(羽田孜君) 今、まさに外国の考え方というのはそういうところにあるのかなという思いをいたします。
○上山和人君 そこに外国と日本の教育の位置づけについてこれまで大きな違いがあったと思うんです。根本的な相違があった。 しかし、もっとほかに事例を挙げて、文教予算がいかに窮屈になっているか。これがどんなに日本の国家戦略に大きな影を落としているか。これは、少子化の問題、科学研究費の貧しさから理工離れが進む、研究費が外国の半分程度だということから科学技術離れも起きている、こういう国家戦略にかかわる問題が発生しているということをアピールしたかったんですけれども、時間がないんです。 そこで、私は総理に大変大きな期待を寄せておりますのは、冒頭申し上げましたけれども、施政方針演説で「教育や科学技術を未来への先行投資として位置づけ」ということをはっきりおっしゃったんです。投資的経費として未来への先行投資として位置づけるとおっしゃるんですから、従来、十三年連続になるシーリングのもとで文教予算も経常的経費として編成されてきたが、これから少しずつ総理の見解、方針に基づいて、経常的経費から、一挙ににわかにとは言いませんけれども、徐々に投資的経費として位置づけることへ具体的な予算編成も変わっていくと理解をしてよろしいんでしょうか。総理、どうですか。
○国務大臣(羽田孜君) これは一昨々年ぐらいからだと思いますけれども、高等教育ですとかあるいは科学技術、こういったものに対しての予算配分というものは従来以上に特に注意しながら配分をしてきたというふうに考えておりまして、私どもも今御指摘のあったことを大切にしながら対応をするということ、これから私どもも十分研究してみたいというふうに思っております。
○上山和人君 新しい時代に向かうわけですから、総理のこの前の画期的な、教育を未来への先行投資とする施政方針演説に沿って、ぜひ一歩一歩、平成七年度の予算編成にはその姿が具体的にあらわれるように御努力をいただきたいと思います。 信頼しておりますので、よろしゅうございますか。
○国務大臣(羽田孜君) 私ども、重要な課題というのは幾つもあるわけでございますけれども、そういった中にあってやっぱり最も重要なものであるという認識を持ちながら対応していきたいと思います。
○上山和人君 参考までに、当時の宮澤総理大臣が一昨年秋の臨時国会の我が党の代表質問に対して、文教予算というのは人件費が多いんだからシーリングのもとで大変な犠牲になっているんじゃないか、シーリングも長いことやっているけれども、大変なメリットもある一方で弊害の起こることもあり得ることなんだ、しかしそれはそれとして、シーリングは、建前は建前として、それにどのような是正措置を講じることができるか、もう始めたし、これからもそういう姿勢でやってまいりたい、そういう趣旨のことをおっしゃいました。そして、教育こそは我が国の将来を決めるんだから、このことをどんなに大事に考えても考え過ぎることはないんだ、と本会議で答弁をされた。 その延長線上に未来への先行投資という羽田総理の方針の表明があったと理解したいんですが、よろしゅうございますか。
○国務大臣(羽田孜君) 大蔵大臣のころに、あの予算配分のときにも、当時の宮澤総理のそういうお考え方なんかをあわせながら私どもとしては配慮をしたつもりでございまして、それがやっぱり基本になっておるということは間違いございません。
○上山和人君 ぜひよろしくお願いします。 最後に、時間がありませんけれども、子どもの権利条約がやっと五月二十二日に効力を生じました。そして外務省が、児童の権利に関する条約、パンフレット的な、ポスター的なものを早くも百万部おつくりになって各学校にお配りなさる準備をされているというのはよく承知しておりますし、それなりの御努力を評価いたしますけれども、問題は、これからは文部省の領域だと私たちは思っています。 そこで、来年は効力を生じてから一年たつわけですから、五月五日、こどもの日を中心にしましてやっぱり一年記念行事というのを積極的に企画してごらんになったらどうでしょうか。 例えば子供国会。外国では国会に子供を一日集めてやっているんですね。子供国会みたいなものを文部省の主導で計画をされて、この権利条約の趣旨を子供たちにも、お父さん、お母さんたちにも広く周知徹底させる。そして、この機会にこの条約に盛り込まれた精神をどう生かすかという観点でより積極的な御努力をいただきますように、総理もそれをサポートしてくださいますように心からお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(井上吉夫君) 以上で上山君の質疑は終了いたしました。(拍手) —————————————
○委員長(井上吉夫君) 次に、松谷蒼一郎君の質疑を行います。松谷君。
○松谷蒼一郎君 自由民主党の松谷でございます。 初めに、雲仙・普賢岳の災害対策について伺いたいと思います。 雲仙・普賢岳の噴火災害は、平成三年六月三日、四十三人の痛ましい被害者を出しまして、大変な大災害であったわけでありますが、その後三年たちましてもなお噴火も終息を見ないでおります。現地の地域住民、特に被災者の方々は大変悲惨な生活を長い間続けておるわけでございます。現在でも八百世帯、三千人を超える人が被災者の生活をしております。 こういうような災害の現状等につきまして、総理のお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(羽田孜君) この雲仙・普賢岳の問題というのは、今御指摘がありましたとおり、大変長期化しておるということで、この被災に遭われた皆様方が大変御苦労をされておることは私もよく承知をいたしております。 この対策につきましては、この長期化を踏まえまして、被災者の生活再建ですとか、あるいは地域の復興のために広範な対策を講じておるところでございますけれども、しかし、今これは本当に長期化されておるという現状というものをさらに踏まえながら、法制度の活用あるいは弾力的な運用、こういったもので所要の措置というものを講じていかなければならないだろうというふうに思っております。 いずれにしましても、この問題はただ雲仙・普賢岳の被災者だけではなくて、全国の国民も憂慮しておるということを私は方々でも聞かされておるところであります。
○松谷蒼一郎君 この雲仙・普賢岳災害につきましては、自由民主党の内閣におきましては海部総理みずから現地に視察に参りました。続きまして宮澤総理も現地に直ちに視察に参りました。ところが、連立与党におきましては、細川総理も行きませんし、それから羽田総理も、まあなったほやほやですからそれは時間がないかもしれませんが、おいでになっていない。 現地に行きたい、ぜひ被災者の人たちと肌を接して十分意見を聞きたいというようなお考えはありませんか。
○国務大臣(羽田孜君) 実は私、副総理時代にも一度伺いたいという思いがあったんですけれども、どうしても外交日程その他なんかにとられてしまいまして、伺うことはできませんでした。 ですから、新しく総理に就任して直ちに何とか例える機会というものを探してほしいということを担当の者に申しておるところでございまして、何とか私もぜひ現場を拝見し、それと同時にお見舞いをしたい、また勇気づけたいという思いを持っておることを申し上げたいと存じます。
○松谷蒼一郎君 それでは、近々視察に行っていただけますでしょうか。
○国務大臣(羽田孜君) 日程等を詰めながら、その時をうかがいたいというふうに存じております。 〔委員長退席、理事村上正邦君着席〕
○松谷蒼一郎君 できるだけ早く視察に行きまして、その後の対策について種々講じていただきたいと思います。 おいでになればわかりますが、被災者だけではなくて地域全体が荒廃をしておりまして、その陰状は本当に目に余るものがございます。ごういつた状況の中で、いろいろな施策について現地市町村初め県においてもいろいろ要望しておるわけでございますが、なかなかそれが実行に移せない。 このたび、日弁連、日本弁護士連合会において、特別立法のことも含めて何とか法対策をやっていただけないかと。中身としては、警戒区域が設定されますと、その設定された中では人が立ち入りできないわけでございます。それについての損害補償、損失補償を制度として創設できないか。 さらに、一過性の災害というのはたくさんあるんですが、こういった長期にわたる大規模災害、しかも都市に近い、こういうような災害は初めてのケースでございます。これについて、現在の災害対策基本法ではなかなか処理できない。したがって、これについての改正を含めて検討できないか。総理にお伺いします。
○国務大臣(羽田孜君) これは、ずっとこの問題に取り組んでいただいております担当の左藤大臣の方からお答えさせていただきます。
○国務大臣(左藤恵君) 今お話しの日本弁護士連合会からの災害対策基本法等の改正に関する意見書というのがことしの二月に提言されているということは存じております。そして、この問題につきまして、今お話がございましたように、現行の災害対策では不十分かどうかという論議だろうと思いますが、総理から今お話がありましたように、特に特別立法というものを考えないでも、とにかく現実のそういった問題につきましての弾力的な運用とか、そういった問題でかなり対策は講じられておるんじゃないか、このように思います。 そしてまた、さらに、今お話しございましたような長期化しているというようなこともございまして、県の方でも県の基金の活用ということで、生活支援というものの対策というのはやっていただいておるわけであります。 基本的に、いろんなたくさんの今お話がございました問題を特別立法までやらなければならないのかどうかということについて検討はいたしておりますが、今申しましたようなことで、現在の制度というものをフルに活用するということで当面対策をさせていただきたい、このように考えておるところでございます。
○松谷蒼一郎君 警戒区域内についての損失補償についてはいかがお考えでしょうか。
○国務大臣(左藤恵君) 確かにおっしゃるように、この警戒区域等のことにつきまして、警戒区域そのものが今一応設定されておりますけれども、新しい土石流とかそういったものによってまたそれが拡張するとかいろんな問題がありますので、こういった警戒区域等の中の問題につきましてもうしばらくいろいろ検討させていただきたいと思います。 また、現地の状況もいろいろ十分伺って検討させていただきたいと思いますが、非常に長期化していること、それから、まだ噴火が続いておりまして、どういう形で出てくるかということも見きわめなければならない問題もございますので、今お話がございましたように非常に大切な問題であるので、こういうことについて我々としても積極的にこの問題に取り組んでいかなきゃならない、このように考えているところでございます。
○松谷蒼一郎君 噴火災害が始まってもう三年になるんですね。その間、検討検討と言っていたら何十年たってもできないんじゃないでしょうか。いかがでしょうか。
○国務大臣(左藤恵君) お話しのように、この問題につきましてはもう既に三年たっておるわけでありますし、そしてまた噴火がずっと続いておるということもございますので、今お答え申し上げました線を至急にやらなきゃならない、このように考えておるところでございます。
○松谷蒼一郎君 それから、自治省のいろいろな配慮によって県を中心とした災害対策基金ができて、それの果実をもっていろいろ損失補償に近いような形で生活の保障をやっているわけでございますが、残念ながら金利が非常に下がってきて運用金利が低くなったためにその果実が大変少なくなって生活できない。 自治大臣にお聞きしたいと思いましたが、自治大臣がいませんので、では後ほどお答えしてください。
○理事(村上正邦君) ちょっと待ってください。 自治大臣は席を外れてちょっと長いんじゃないの。すぐ連絡してください。自治大臣、答弁を。質問は事務方が聞いているでしょう。大臣に伝えてください。
○国務大臣(石井一君) 大変失礼しました。 雲仙の基金に関する措置、こういうことでございます。 私、十分その内容について熟知いたしておりません。地元の意向を十分確かめまして、適切な処置をとらせていただきたいと思っております。
○理事(村上正邦君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○理事(村上正邦君) 速記を起こして。
○松谷蒼一郎君 じゃ、もう一度質問いたします。 災害対策基金を長崎県でつくりまして、それに対して自治省から交付税その他でいろいろと配慮をしていただきました。ところが、災害対策基金の果実で生活のいろいろな面倒を見ているわけでございますが、その運用金利がこのところずっと下がってきております。そのために非常に対策に支障を来している。したがいまして、この際何とか対策基金の増額がお願いできないものかどうか、それについて自治大臣の御意見をお伺いします。
○国務大臣(石井一君) 雲仙の問題がこんなに長期的に解決せず今日に至っておるということ、これは私大変憂慮すべき問題だというふうに認識いたしております。まだ何百軒という方が被災に遭われたまま、そのまま放置されておるというわけではございませんが、大変苦労されておるということを聞いております。今、委員が御指摘になりましたように金利の運用によってしておるんだが、経済的財政的金融的情勢の中から自然にそれがうまくいっていないということになればやはり何らかの措置をしなければいかぬのではないか、そういう御指摘ではないかと思います。 実は、私十分その問題について熟知いたしておりませんけれども、御要望の趣旨はよくわかりますので、早速地元とも連絡をとりまして、今後どのような改善策がとり得るのか、善処させていただきたいと思いますから、しばらく御猶予をいただきたい、そう思います。
○松谷蒼一郎君 それでは、直ちに県と御運絡をとって基金の増額措置をとっていただきたいと思います。
○国務大臣(石井一君) 直ちに地元に連絡をとり、その実情を調査した後、財政当局と予算措置等そういうことをも検討いたしまして、地元に少しでも御不便をかけることのないよう処置をとりたいと存じます。
○松谷蒼一郎君 雲仙・普賢岳については時間がございませんのでこの辺で質問を終わりますが、総理、再度ぜひ近々現地に視察においでになることを希望いたします。 それでは、次に景気対策に移らせていただきますが、経済企画庁長官、景気の現状と今後の見通しをお願いします。
○国務大臣(寺澤芳男君) まず景気の現状でありますが、設備投資はずっと減り続けておりますし、それから企業収益も減少を続けております。したがいまして、雇用情勢が非常に厳しい状態にあるのが現実であります。しかしながら、他方、公共投資が堅調に伸びておること、それから住宅の建設が年間百五十万戸以上という高いレベルで持ち直していること、それから個人消費にもやや持ち直しの動きが見られ、さらに最近産業面でも在庫調整が進展して、これまで停滞傾向にありました生産に一進一退の動きが見られます。このように、我が国の経済は、総じて低迷が続くものの一部に明るさが見えてきたということが言えるのではないかと思います。 その見通しなんですが、政府としては、本年二月に総合経済対策、総規模十五兆円を上回る幅広い施策から成る経済対策を決定いたしました。平成六年度予算についても、平成五年度第三次補正予算とあわせ可能な限り景気に配慮するよう努めたところであります。これらに盛り込んだ全部の施策をすべてうまく実行してまいりますと、GNPに対して二・二%ぐらいの景気の浮揚ということが計算的には見込まれるものと思います。 それに加えまして、今度の大規模な所得減税、これが耐久消費財のストック調整の進展などと相まって個人消費の伸びを高めるとともに、民間部門のマインドを好転させるものと期待されております。 以上のような動きの中で、設備投資も回復に向かっていくものと考えられまして、我が国の経済は平成六年度じゅうには本格的な回復軌道に乗るものと見込まれております。
○松谷蒼一郎君 それでは、今年度の成長見込み率の二・四%は達成できますか。
○国務大臣(寺澤芳男君) 今申し上げましたように、十五兆に及ぶ総合経済対策、もちろんこれには所得税、住民税の減税が入っておりますが、これがすべてうまく稼働いたしますと計算上二・二%の景気浮揚になりますし、我々としてはぜひ二・四%が達成できるようこれから頑張っていきたいと思っております。
○松谷蒼一郎君 経済企画庁が頑張るわけじゃないんですが、この問題については、官房長官いらっしゃいますが、官房長官は、自民党政権下において経済企画庁はでたらめなことばかり発言していた、責任もとらない、こういうような発言をされておるわけです。それは通産大臣に就任されたときです。経済企画庁の長官もかわられましたけれども、余りでたらめなことではなくて二・四%成長を達成する、大丈夫ですね。
○国務大臣(寺澤芳男君) 今年度、四月一日から始まりましてまだ二カ月ちょっとでございますので、ぜひその達成のためにあらゆる施策を講じていきたい、こう思っております。
○松谷蒼一郎君 現在の景気低迷の原因は、古典的に在庫調整が云々ということよりも、かなり構造不況の面があると思うんですね。それから金融機関の不良債権の問題でありますとか、土地の流動化の問題でありますとか、いろんな面に大変多岐にわたって今までにない不況の姿をあらわしていると思うんです。 その中で、果たしてこれから着実に景気が回復していく基調になるのかどうか大変心配をしておるわけでございますが、不動産の流動化を促進するということは景気対策のために非常に重要なことであると考えますが、その促進方策について、これは大蔵大臣に伺います。
○国務大臣(藤井裕久君) 今の松谷委員の御指摘は極めて適切だと思います。 単なる循環的な景気の状況ではない、したがって総需要政策をしっかりやることによって底固めはするが、同時に資産インフレの時代のひずみというものを直していかなければならない、こういう立場で昨年の八月以来やってまいったつもりであります。その一つとして、土地の流動化ということは重要なひずみの是正の一つであると考えております。
○松谷蒼一郎君 流動化のため、土地の譲渡益課税とか地価税を廃止するお気持ちはございませんか。
○国務大臣(藤井裕久君) 大事なことは、流動化は大事でありますけれども、過去の厳しい反省、すなわち資産インフレを二度と起こしてはいけない、こういう反省に立つのが今の政策の重要な点だと考えております。 そういう意味において、平成三年にできました土地税制は、当時のあの資産インフレの状況を十分見きわめながら恒久的税制と考えこれを実現されたと、これは前政権のときでありますが、私どもはそのように承知をいたしておりますし、その物の考え方を引き継がさせていただいておりますので、今の地価税の廃止等につきましては、基本に触れる問題であり、これをやめるという考えはございませんので、御理解をいただきたいと思います。
○松谷蒼一郎君 大変重要な御答弁でございますが、ちょっと時間がありませんので先に参ります。 九二年の八月に共同債権買取機構がスタートいたしました。その効果はどうでしょうか。
○国務大臣(藤井裕久君) 九二年八月の総合経済対策、これは前政権でありますが、お決めいただき、現実に発足したのは九三年一月と存じます。 現在まで一年数カ月たっておりますが、私は一言で言えば非常に予想以上の効果があると考えております。現在、四兆六千億の不良債権を買い取っております。それを約半額で買い取っておりまして、金融機関は約半分を損出しいたしております。効果が出ているものと考えております。
○松谷蒼一郎君 私はそれほど効果は上がっていないと思うんです。というのは、全体で六十兆円ともあるいは全金融機関を勘案すると百兆円とも言われるほどの不良債権であります。これについてわずか四兆円ではなかなかの効果ではないん一じゃないかと思うんです。 なお、アメリカで行われました不良債権について証券化構想というのがございますね。これは、以前三重野日銀総裁がこういったアメリカの構想を実現したらどうかというような御意見もありましたが、これについて大蔵大臣。
○国務大臣(藤井裕久君) 金融債権の流動化は一つの重要な施策だと思います。しかし、不良債権の流動化から始めるのかどうかという問題が一つあると思います。これは投資家の立場というものもあります。 それからまた、不良債権の流動化、これを、今、松谷委員は効果が上がっていないというような角度からとらえられましたが、流動化という意味においては効果が上がったわけでありまして、この共同債権買取機構は流動化の主たる施策になっていると思いまして、金融機関としてもまずそれで流動化を図りたい。 〔理事村上正邦君退席、委員長着席〕 不良債権そのものを一般の投資家の方に流動化するということは、投資家の方の立場からいっても投資家保護という点から極めて問題であり、また、本当にそれだけの流動化が可能かというような点がございまして、不良債権流動化問題はこの共同債権買取機構を中心としてやらせていただきたいと思います。
○松谷蒼一郎君 非常に景気が停滞をして、多少は明るさが見えるとはいうものの、これからが大変であろうと思います。その一つの原因として、さらに今後の問題も含めて、内外価格差の問題がある。そのために羽田内閣としては、細川内閣からそうですが、規制緩和をやっていこう、こういうような御意思であろう、姿勢であろうと思います。 ただ、六月の末にある方針を出したいということは、サミットヘ向けた、アメリカ向けというんでしょうか、そういうようなことが主力になっているのかどうか。なぜかといいますと、対外経済改革要綱の中でこれを位置づけよう、こういうような方針でありますが、私は、対外的な問題というよりはまさに我が国の経済の産業構造をきちっと合理化するという観点からやっていただきたいと思うんですが、総理、いかがでございますか。
○国務大臣(羽田孜君) この問題につきましては、確かに、包括協議、こういった中で日本の市場というものは競争力のある物、サービス、こういったものが参入できるようにということ、これがやっぱり一つの議論であったことは間違いありません。 しかし、私が各省の皆さん方に申し上げているのは、ただそういうことだけではなくて、やっぱり日本の国民生活というものをより豊かにするということ、あるいは新しく規制緩和、規制の撤廃をするということによって、今御指摘がありましたように、日本の産業の構造そのものを変える、またあるいはそこに新しい産業というものがそういったことの中から創出されていく、あるいは雇用も創出されていく、そういうことのためにやるんだという気持ちになればこれはできるはずであるということで、今それぞれの皆様方に訴えながらこれを進めておるということでございまして、決して、ただ日米の関係とかあるいは対外的なことだけではない。国民生活のため、ちょうど五十年を経た今日、戦後五十年を今迎えようとしているとき、今こそやるときであろうというふうに私は考えております。
○松谷蒼一郎君 規制緩和実施のスケジュールについて、総務庁長官から。
○国務大臣(石田幸四郎君) お答えを申し上げます。 規制緩和は、総理も今おっしゃったのでございますけれども、これからの市場経済をさらに活性化させるために基本的に進めていかなければならない重要課題なわけでございますが、規制緩和を実施するスケジュール、これもまた極めて大事な問題だと思います。 第一点としまして、昨年の緊急経済対策のときに規制緩和の実施を行いました。二番目といたしまして、中期行革大綱を発表いたしましたときに、同時に規制緩和の推進を積極的に取り組んだところでございます。三番目としまして、この六月末までに対外経済改革要綱に基づいて今重点的に規制緩和の方策を取りまとめているところでございます。いわゆる三段階にわたって実施をしてまいりました。そして、その成果を今国会に提出を申し上げておりますが、一括法で規制緩和の問題を御審議いただく、あとの二十四項目は個別法案で審議をいただくというような段取りになっておるわけでございます。 この六月の対外経済改革要綱に基づく重点的な規制緩和を成果としてきちっと出しまして、その上に立って今度は平成六年度から順次五年間にわたって計画的に規制緩和を進めていく、こういう段取りで今進んでいるところでございます。
○松谷蒼一郎君 規制緩和については、経済的な規制緩和とそれから社会的規制緩和と二つ。それで、やはり重要なのは当面特に経済的な規制緩和であると思うんです。 ところが、細川内閣のときから住宅土地関係を先にやれと、そっちが突っ走っているんですが、これはどういう考え方でしょうか。
○国務大臣(石田幸四郎君) この六月までにやっております三つの専門部会の問題、土地住宅問題、それから流通、物流等の問題を今やっておるわけでございますが、やはり規制緩和というのは経済的規制緩和、社会的規制緩和というものがあるわけでございますけれども、これは両方同時発進で丁寧に進めていくことが必要なわけでございます。 特に住宅問題を問題として専門部会の中に取り上げましたのは、土地、住宅ともに現在の社会情勢の中にありまして、特に大都市圏において低い価格で手に入り得る価格と申した方がいいのかもしれませんが、住宅を取得することが困難であるということがしばしば話題になっておるわけでございます。そういうような問題に対してより廉価な住宅を国民の皆様に取得しやすいような仕組みを改めてつくる、そのことによっていわゆる居住環境が増してくるわけでございますし、子供の教育のためにも、現在の二DKあたりを見ておりますと、子供が大きくなりますと勉強する部屋がないというようなことで大変子供たちの要求も強いわけでございますが、そういうような問題を含めて考えてみますと、居住面積を広げるということは子供の教育のためにもかなりの大きな影響を与えるわけでございます。 そういうわけで、こういうような問題を具体的に、特に専門三部会を設けたというのは、ただ規制緩和を全体的に進めようということではなかなか進まないケースもあり得るわけでございますから、特に細川総理の政権下におきましては三つの部会を特定してまずここから成果を上げよう、こういうことに考えておるわけでございます。 また、経済効果の問題等でいろいろ御議論があるかと思うのでございますが、これは規制緩和をやりましても法律の施行の期日の関係等もありますし、また法律が実際に施行されましても、それに社会全体がどう対応してくれるかというような実態を見なければなりませんので、計数的にはなかなか規制緩和の成果を今想定としてあらわすことは非常に困難なわけでございます。 そんなことで、じゃどんな経済的効果があるのかといえば、これは新規事業の創出や事業拡大の問題、あるいは競争の促進や価格の弾力化、いわゆる市場の効率化の問題につながってまいります。あるいはまた、国際的基準への調和や市場アクセスの改善によりまして輸入の促進が図られる……
○松谷蒼一郎君 まだそこまで聞いてないですよ。
○国務大臣(石田幸四郎君) そこはよろしゅうございますか——じゃ、その面は省きまして、以上お答えといたします。
○松谷蒼一郎君 それは後から聞こうと思ったことです。 社会的な規制緩和というのは、環境問題でありますとか都市の構成の問題でありますとかいろんな問題が絡んで、それを簡単に外すということはなかなか難しい。また、それが直ちに国際競争力に寄与するというふうなことでもない。問題は、最初に取り上げるのはやはり経済的な規制緩和であろうと思います。 それはそれとして、経済改革研究会は昨年の十一月八日の中間報告で、経済的規制は原則自由である、規制するのは例外的なことだ、こういう方針を打ち出しましたが、総理、いかがでございますか。
○国務大臣(羽田孜君) 御指摘のとおり、原則自由、そして特別な場合には例外ということで対応すべきだと思っております。
○松谷蒼一郎君 六月の末に向けて行政改革推進本部で具体の項目について今検討中でありますが、所管庁が非常に消極的であるというように報じられております。流通部会では専門員の学識経験者より不満が噴出をしたと、朝日の五月十九日でありますが、記事が出ております。 総理はここで指導力を発揮して、原則自由だと、全部自由にしようと、そういうようなことでこの規制緩和の実を上げていただきたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(羽田孜君) もう全く御指摘のとおりであります。 ただ、初めはとてもそんなことはできないよというあれが強かったことは事実でありますけれども、やはりもうこのときにやらなきゃいけないんだということをだんだん各省の担当の皆さん方も理解をしてくれるようになりまして、今この問題に対して真剣に取り組んでくれておるというふうに私は確信をいたしております。 もう一つこの点につきまして、けさも実は閣議で総務庁長官からもお話しがありまして、これは大臣そのものがやっぱりみずからが責任を持ってやってもらいたい、そして難しい問題については私自身各大臣とお話ししましょうということを総務庁長官も申し上げ、また事と問題によっては官房長官や私も対応しますということを総務庁長官の話を受けながら私からも申し上げたところであります。
○松谷蒼一郎君 総理は公共料金の値上げについては一律凍結というのをやったわけですから、この経済的規制緩和についても全部自由だと、ただし例外を見ましょうというような形で実施できないものでしょうか。
○国務大臣(羽田孜君) 確かに、安全性を伴うものですとか、こういったものについては我々としてもこれは配慮しなけりゃならない問題が当然あろうと思っております。それから、急激にということは問題がある。それから、低生産性の部門なんかについては、逆に我々としてはそういったところを支援する形をとりながらも、規制というものはやっぱり緩和し、あるときには撤廃していくという覚悟で臨まなければいけないと思っております。
○松谷蒼一郎君 各省にお伺いいたしますが、ガソリンスタンドでのセルフ給油方式についての規制緩和、これは自治大臣ですか。
○国務大臣(石井一君) 先ほどからの議論の中で、これは大変微妙な問題だと思います。原則自由でございますが、例外規制ということになるんじゃないかと思うのでございますが、結局、基本的な問題はすべて了承するのでございますけれども、自治省の見解としては、国民の生命、身体及び財産を保護するという消防法上の問題において安全を確保しなければいけない。各国の例とも対比をいたしまして、広い場所、駐車場の場所というふうな、そういうふうなものは問題ではないのでございますけれども、非常に日本的な細い道路等々の中におきますところでもそれを施行するということに関しまして多少の問題が残っておる。しかし、今後、今の議論を踏まえて十分配慮しそういう方向へ持っていきたい、そういうふうに考えております。
○松谷蒼一郎君 運輸省に聞きます。 トラック事業の免許基準について営業台数制限がありますが、これは撤廃できませんか。
○国務大臣(二見伸明君) 松谷委員にぜひとも御理解いただきたいと思うんですけれども、台数規制を撤廃するということは非常に難しいのではないか。 と申しますのは、なぜ台数規制を設けているかといいますと、それによって過積載を防ぐ、あるいは過労労働運転を防ぐというところに大きな眼目があるわけです。確かに、経済的規制は原則自由でございますけれども、これはむしろ社会的規制の部類に入るのではないか。一定の基準を設けることによって、例えば一人トラックというのけなくすることができないわけですが、そうすることによって過積み、過労労働運転を防ぐ。いわけ安全の面と労働の面と両方で、これはある程庸の規制は私は必要だというふうに思っております。 実は、このことについては議論のあることは私もよくわかっておりますけれども、例えば平成元年の衆参両院の運輸委員会で附帯決議も出てお幻まして、例えば参議院では平成元年十二月十二日に、 貨物自動車運送事業の許可に当たっては、最低車両規模の確保等適切な事業計画及び事業遂行能力が確保されるよう厳正に行うとともに、許可後においても最低車両規模等が確保されるよう指導監督を強化すること。こういう附帯決議もあるわけでございます。 私は、これは安全性、労働の面から見た社会的規制だというふうに考えておりますので、委員御指摘のように全面撤廃ということはかなり難しいというふうに我々は考えておりますので、ぜひとも御理解をいただきたいと思います。
○松谷蒼一郎君 私が理解するわけじゃないんですが、皆さん、全部聞いていますと、私のところは例外だ、私も例外だと。これ、総理、一体指導力はどうやって発揮されるんでしょうか。
○国務大臣(羽田孜君) これは、徹底してやっぱり議論してもらうことが必要であります。しかし、私は最後にはこれはきちんとした決断をしていかなきゃならぬというふうに思っております。
○松谷蒼一郎君 大規模店舗法の段階的な廃止について、通産大臣。
○国務大臣(畑英次郎君) 御案内のとおり、通産省におきましては、先月五月から大店法がある意味ではかなり思い切った規制緩和をさせていただいたわけでございますし、制限坪数の問題、営業時間の問題、ある意味におきましては画期的な規制緩和をやったわけでございますが、今その後のいわゆる中小企業のお立場等々実態を把握しながら御指摘の点等々を詰めてまいりたい、いましばらくいわゆる大店法を五月一日から大きく緩和したことによる影響の実態を把握して次なる対応を考えてまいりたい、かように思っております。
○松谷蒼一郎君 同じく通産大臣にお願いしますが、電力・ガス料金が認可制になっていますが、これは撤廃できませんか。
○国務大臣(畑英次郎君) 先生御案内のとおり、この電気事業者は地域独占的な公益事業でございますから、さような意味合いで料金を恣意的に定めたりあるいは不公平な取り扱いをすることのないように、法に基づきまして通産大臣の認可が必要ということに相なっておるわけでございますが、今日のこういった時代の要請を踏まえまして、ただいまこの問題につきましても電気事業審議会等において電力供給システムのあり方等々検討をいただいておるわけでございますが、引き続き御指摘の問題等につきましても議論を進めてまいりたいと、かように考えているところでございます。
○松谷蒼一郎君 総理、今、通産大臣にも二つお伺いしましたが、大規模店舗法とそれから電力料金の問題、これもやはり例外ですよと。検討をしますということは、大体やらないということですね。 ですから、これはやっぱり総理ここで、もう六月の末も近いわけですから、原則自由でやる、これは羽田内閣の公約だとここで宣言できませんか。
○国務大臣(羽田孜君) 今、通産大臣がお答えいたしましたのは、まさにこの間の規制の緩和をやった、ちょうどそれがしかも五月一日に始まったということで今お話しになったわけでございまして、御指摘のありましたように、私どもは当然、これは公約でありますし、また、この時代にやっておかないと本当に後になってから日本の国がだめになってしまう、大変なことになってしまうということをやっぱり認識しなければいけないんだろうというふうに考えております。
○松谷蒼一郎君 規制緩和をやりますということは公約というのは別として、原則自由、これが公約だと、これを内外にはっきり宣言すべきであるというのは作業部会でも言われているんですよね。 これについてはいかがですか。
○国務大臣(羽田孜君) 公約というあれではございませんけれども、しかし私自身がこの作業部会に出ながら、今お話があったように、もう原則自由化であるということを基本にしながら皆様の御議論を進めていただきたいということをあいさつの中でも実は申し上げておるということでございます。 ただこれは、本当に直ちに一遍に、やりましても、いろいろな手当てをしながらやっていかなきゃならぬ問題もありましょう。ですから、先ほど総務庁長官が言われましたように、ある程度時間をかけてやっていかなければならない問題もありますけれども、私はやっぱりこのときに一つの方向性を出しておくことが重要であろうというふうに思っております。
○松谷蒼一郎君 あいさつじゃなくて、公約というのは天下に宣言をするわけでございますが、羽田内閣がやってきたのは、公共料金の一律値上げの凍結。あとは規制緩和。だけれども、この規制緩和が、各省大臣に今お伺いすると、みんな例外だ例外だと。それで結局、例外内閣になってしまうということになりかねないわけですから、何とかここは緊揮一番頑張っていただきたいと思います。 規制緩和に関連いたしまして、六月十二日の日経新聞に、住宅ローンの金利は変動金利にしても固定金利にしても長期プライムレートと連動をして決められていたわけです、これが一九八三年の銀行局長通達であったわけですが、これを撤廃するというように報じられていますが、いかがですか。
○国務大臣(藤井裕久君) 通達の中身は事務当局から答えさせてもいいのでございますが、やはり今後そういうものを緩和する中でなるたけ自由にしていきたい、こういう方向で検討いたしております。
○松谷蒼一郎君 じゃ、それはまだ検討中ですか。
○国務大臣(藤井裕久君) 現在検討いたしております。
○松谷蒼一郎君 住宅ローンについては、実は八三年に同じく銀行ローンの中に、従来は固定金利だけだったわけですが、変動金利を導入したわけですね。そのときに、私も関与しておりましたが、固定金利が原則だ、変動金利はいわば例外であるというようなことで局長通達を出していた。 ところが現在は、この間NHKの特集でもやっておりましたが、住宅ローンを借りにいこうとしますと、銀行の窓口では変動金利だけしか商品としては見せないんですね。それで、固定金利でやらせてくれと言っても、なかなか言を左右にしてこれに応じない。この点についていかがですか。
○国務大臣(藤井裕久君) 松谷委員は当時建設省の責任者をやっておられたと思います。一番御承知のことと思いますが、今申し上げましたように金融機関の行動の自由というものはなるたけ確保していきたいということで検討しているわけでありますが、その結果、変動金利と固定金利をどういうふうに各経営主体が判断するか、これはやはり自主的判断に任せなければならないとは思いますが、金融機関に対しては利用者の方々の利便ということはよく考えるようにという基本的な方針はよく指導するつもりでございます。
○松谷蒼一郎君 これはぜひ指導していただきたいと思います。 次に、内藤問題に関連をして官房長官にちょっとお伺いします。 通産省の研究所の次長である大塚和彦氏が、今月二日の衆議院の予算委員会で熊谷大臣のやらせ質問について証言をした。やらせ質問があった、これについては、私は真実を言ったので辞表を提出いたしますと。これについて、官房長官はどうお考えですか。
○国務大臣(熊谷弘君) 私は、この件につきましては衆議院の予算委員会におきまして再三申し上げてきたことでありますが、当事者であります井上議員と私がそのようなことはなかったということを申し上げているところでございます。 ただ、大塚君がどのような事情でおやめになったかというのは私は承知をいたしておりません。
○松谷蒼一郎君 職を辞して真相を言う、こういうことであります。井上さんに面会して、本当のことを言います、そのかわりやめます、こう言ったんですね。六月十二日の毎日新聞に出ております。本当のことです。官房長官、これはうそだとおっしゃるわけですか。
○国務大臣(熊谷弘君) 先ほどお答えをしたとおりでございまして、私ども、井上議員と私がお話をした、会合を持った、そのことの内容で、当事者二人が明確に否定をいたしておるわけでございます。
○松谷蒼一郎君 明確に否定をしていないんですね。井上氏は今年一月、毎日新聞の取材に、九月二十一日に熊谷氏と国会裏手のうなぎ屋で会食したことを認め、熊谷さんは、省内に自分より古い先輩がいてどうもやりにくい、困ったものだ、こう言っていたと話している。これは六月十二日の毎日新聞です。 これから考えると、辞任勧告は綱紀粛正とか公のことじゃなくて、私の情、私憤と思われる。しかも、この十二月十六日に辞任勧告したのは、まさに予算の折衝の前で、景気対策上通産省は非常に重要な立場にあるときです。そのときになぜこういったことで辞任を勧告されたのか。井上さんはほぼこれについて認めている。これについてどうですか。
○国務大臣(熊谷弘君) 幾つかの内容についてお話がございましたが、まず井上議員がおっしゃられた、私が先輩がいるからそれを迷惑だからどうこうしたと、私はそういうふうな会話をした覚えはございませんし、井上先生もそのように受け取られなかったというふうに思っております。 当時私は、先輩の方々がおられるのでいろいろと口を聞くのも、昔は部下であったわけでございますから、気を使うのが大変だとジョークまじりでお話をしていたわけでございまして、仕事の上で差し支えがあったというふうには思っておりません。 それから、申し上げましたように、このたびの人事は、特別我々内藤局長に対して何がしか私の情で含むところがあってどうこうしたというわけではございませんで、事務当局ともよく相談をして人心一新ということで退いていただいたということで、御本人も納得ずくの辞表提出だったと思っております。 それから、時期が云々というお話がございましたけれども、当時国会が終わりまして、当時の新聞をごらんになっていただければわかりますが、ほかの省庁におきましても異動が行われる、ある意味では、予算が御存じのとおり相当先に延びそうだということがございましたし、この時期しかない、こういう時期であったというふうに思っております。
○松谷蒼一郎君 官庁人事は、大体六月の国会明けなんですよね。予算をこれから編成しようというこんな十二月の人事異動なんというのは聞いたことがないんです。 それから、人心一新を図ると、こうおっしゃったけれども、全然図ってないじゃないですか。産政局長の不在が二カ月続いた。その結果、大臣をめぐる暗闘が続いた。それで、次のようなことが露呈した。 これは、一九九四年三月十四日のアエラでございますが、「通産省果てしなき泥沼」と、こう出ておりますね。「派閥抗争の次はFAX指導の時代錯誤」云々とあります。 非常に大きな問題が起こりました。通産省による世論操作が行われた。これはもう明らかに綱紀粛正とか人心一新ではなくて、局長不在が二カ月も続いて、その結果であるわけです。なぜ局長不在が二カ月も続いたんですか。
○国務大臣(熊谷弘君) 残念なことに、御指摘のように、内藤局長自身のおやめになるときにいろいろなお話がございまして混乱が起こったことは、これは事実でございます。私も残念なことだったと思っております。 しかし、事務次官がその事務を預かりまして、事務においては何ら支障はなく、予算編成におきましても実務的にはスムーズに行われた。何か差しさわりがあったというふうには思っておりません。
○松谷蒼一郎君 産業政策局長といえば、通産省の最も重要なかなめなんですね。何らこれに対してあれがなかったというのは、じゃ通産省はもう産政局なんかなくてもいいというようなことになりかねませんよね。 この結果、通産省の証言によると、二月八日、これは総合経済対策が発表になった日、午後五時、突然臨時の省議が招集をされた。二月八日の五時より行われまして、そこで総合経済対策についてということで出席者にコメント案が配付された。これには大臣は出席されましたか。
○国務大臣(熊谷弘君) いわゆる省議には大臣は出席いたしますけれども、多分それは事務連絡会議と称する幹部の集まりではないかと思いますが、私はその会議には出席いたしておりません。
○松谷蒼一郎君 事務次官以下各局長、官房長が全部出席をしている。これは明らかに臨時の省議ないしは幹部会議に当たるわけですが、これについて全く知らなかったんでしょうか。
○国務大臣(熊谷弘君) 少なくとも私は出席をいたしておりません。また、何日に幹部会をやったというのを大臣のところにその結果あるいは相談するというようなことは、担当の局長もしくは事務次官が私のところへ連絡に来たり意見を伺いに来ますけれども、通例通産省におきましては事務的な幹部会には大臣は出席をいたしていないわけでございます。
○松谷蒼一郎君 こういう重要なことを大臣が知らない。事務次官、全局長が集まる会議を知らないとか、そんなことあり得ないじゃないですか。もし全く知らなかったといえば、大臣が全くもう仲間外れにされた、政策についてもすべてそうだということになります。 ここでこういうことが提案されたわけですね。 局長がいないものですから、産政局総務課長からコメント案が出されてこの総合経済対策が決定したが、六兆円の所得・住民税云々の経済対策は「与党、政府による英断として高く評価。」、こういうことをひな形としてつくって、各経済団体、連合会等々にファクスで指導をしなさいと。まさに通産省による世論操作であります。 それで、しかもひな形としてこういうことで各経済団体、連合会なり日経連なり、そういうようなところは記者会見をしなさいと言ってそのひな形を出している。この経済対策によって、「わが国経済の長期的低迷に終止符が打たれ、景気が本格回復に向かうことが期待される。」、こう言いなさいと。「直間比率を是正するという政府の考え方は支持する。」、こう言いなさいと。これは社会党の先生は怒るだろうと思いますが、「国民合意の税制改革を実現すべく議論を早期にとりまとめ、年内に法律を成立させるべく努力して欲しい。」と言いなさいと。こういうことを通産省の省議でみんなが集まって、大臣はいなかったかもしれませんが、こういう重大なことを決めて、それで各団体に、こう言いなさいこう言いなさいと。 こういうようなことについて、一体当時の通産大臣としてどう考えられますか。
○国務大臣(熊谷弘君) 私もその事情については、大変お恥ずかしながらつまびらかにしておりませんけれども、そのようなことが行われたことも、またそのようなことについて会議の模様すらが外に流出してこうして質問にされるというような、およそ秘密管理、情報管理もできないというのは私も当時の責任者としてざんきにたえないところでございます。
○委員長(井上吉夫君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(井上吉夫君) 速記を起こして。
○国務大臣(熊谷弘君) 申し上げますが、私はつまびらかにしませんので詳細についてどうこうありませんが、少なくともそのような御批判を仰ぐようなことになったこと、また、何課長がどうこうと、乱そうであったかどうかわかりませんけれども、そういうふうなこと両方含めて責任者として申しわけない、残念なことだというふうに思っております。
○松谷蒼一郎君 これは申しわけないだけじゃ済まないと思うんですね。責任をきちっととっていただきたいと思います。 さらに、熊野次官は、先般我が党の片山委員からも質問がありましたが、消費税について斎藤次官と二人で突出した行為を各経済団体にやったと。その上、さらに今度は恥の上塗りのように世論操作を行った。明らかに公務員としての適格性がない。欠いている。辞任すべきだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(熊谷弘君) 現在の通産大臣が大事については責任を持っておりますので、通産大臣に御発言を譲らさせていただきます。
○松谷蒼一郎君 じゃ、通産大臣。
○国務大臣(畑英次郎君) 私なりに通産省の人事のありようあるいは雰囲気、そういうものを十二分に踏まえまして、人事を行うべき時期には私なりの判断を示してまいりたい、かように考えております。
○委員長(井上吉夫君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(井上吉夫君) 速記を起こして。
○松谷蒼一郎君 今私が言ったようなことの事実があったかどうか。官房長、答弁してください。
○政府委員(牧野力君) それでは、事実関係でございますので、私からお答えをさせていただきます。 今、松谷先生が御指摘になりました省議なり事務連ということでございましたけれども、これは当時総合経済対策が一応成案を得ましたときに、省内におきまして関係局長、課長、関係者が集まりまして議論をした会議でございます。省内のいわゆる決定会議とか、省議、事務連というそういう最高の会議ではございません。したがいまして、この内容について一々大臣に報告するとかいうことではない、要するに臨時の事実上の会議でございました。 その席上におきまして、こういう総合経済対策ができたと、その総合経済対策をつくるに当たりましていろいろ経済界その他とも意見の交換が事前に十分ありましたので、それについての評価がどうかということを通産省に対して産業界その他から問い合わせがあった場合にはこういうことで答えようというすり合わせをやったわけでございます。 ただ、そこで一応メモが確かにあったことは事実でございますが、あたかもこういうメモに沿って各界の皆さん方は聞かれた場合に答えてくれとか、そういうような誤解を与えるような格好になったことについては、これは通産省として重々反省をいたしております。 ただ、本件につきまして、その会議の冒頭に次官がおりましたことは事実でございますが、このメモを、内部のメモでございますから、これをどう作成するとか、それをどこに配れとか、そういったようなことについては次官は関係しておりません。あくまでもこれは内部の執務上のメモでございました。 そのメモが世間に非常に誤解を与える形で出ましたことについては、私ども重々反省をしております。 事実関係は以上でございます。
○委員長(井上吉夫君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(井上吉夫君) 速記を起こして。 官房長から経緯の説明はありましたけれども、その前段階における大臣のしかとした答弁を述べてもらいたいと思う。 松谷君、つけ加えることがあったら、簡潔にそのことをもう一遍発言してください。
○松谷蒼一郎君 これは、経済同友会の品川専務理事もけしからぬ、こう言っているわけですから、大臣、お願いします。
○国務大臣(畑英次郎君) 先ほど申し上げましたとおり、いろいろ論議のありました点等々につきましては私なりの判断を持って適材適所、厳正公正な人事をこれからも当然執行してまいりたい、かような気持ちでおります。
○委員長(井上吉夫君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(井上吉夫君) 速記を起こして。 質問者の質問の内容は、今後人事を公正にやりますということでなくて、この事件に対する処置をどうするのかというのが質問の内容ですので、そのことについての答弁を求めたいと思います。
○国務大臣(畑英次郎君) 一連の問題、御指摘を賜りました内容につきましては、私は、それらを踏まえて人心一新等々人事が適正に行われておる、そしてまたこれからもさような意味合いではあくまでも役所におきましても当然のことながら適正な人事を行っていかなければならない、かような気持ちを新たにいたしております。
○委員長(井上吉夫君) 畑通産大臣、もう一度。
○国務大臣(畑英次郎君) 言葉が足らなかった点は申しわけないと思っております。 御指摘のございましたような、少なくとも皆様方のいわゆる御懸念をいただくというようなことにつきましては、私の立場におきましても、極めて申しわけがない、かように考えるわけでございますが、より的確な公正な厳正な職務執行をこれからも私の立場から注意をしながら進めてまいりたい、かように考えております。 なおまた、二月に行われたと御指摘のございました会合につきましては、私の承知をしておる範囲では熊野次官にはいわゆる責任があるというような受けとめ方はいたしておりません。
○委員長(井上吉夫君) 責任は認めないという形での答弁があったわけだから、松谷君の見解をここで述べてください。 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(井上吉夫君) 速記を起こして。 暫時休憩いたします。 午後三時三十五分休憩 —————・————— 午後三時四十九分開会
○委員長(井上吉夫君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 畑通商産業大臣。
○国務大臣(畑英次郎君) ただいまの御指摘を重く受けとめ、責任については痛感をいたしております。以後は、このようなことのないよう事務方を十分指導してまいりたいと考えております。 私や官房長の答弁で委員会を混乱させたことを心からおわび申し上げる次第でございます。
○松谷蒼一郎君 必ずしも満足すべき答弁ではありませんが、しかし、時間がございませんので先に進みたいと思います。 なお、この問題についてはまだ後日質問をさせていただきたいと思います。 次に、外務大臣に伺いますが、核武装の国際法上の問題でありますが、私は長崎の出身でもありますし、原爆被災者の大変悲惨な状況について、現在でも続いているわけでございますが、そういうような状態を逆なでするような今回の措置については本当に不満でありますが、中でも、スウェーデンとかメキシコとかあるいはウクライナとかそういうような被爆されていない国においてすら国際法上違反であると、こういうふうにはっきりと明言しているわけでございますが、それについて外務省として今後こういった問題については国際法上の問題も含めて違法であるということを宣言すべきであると思いますが、いかがですか。
○国務大臣(柿澤弘治君) 先般の国際司法裁判所からの問い合わせに対する意見陳述書につきましては、当委員会での議論も踏まえまして、その残虐性、殺りく性等にかんがみまして核兵器の使用は国際法の基盤である人道主義に反するものであるということを明確に述べたところでございます。 実定法上違法と断定できないがということにつきましては、法律論としては残りますけれども、この点はあえて削除をさせていただいたところでございまして、政府としての考え方は明確になったと思っております。
○松谷蒼一郎君 時間がないので、これで終わります。
○委員長(井上吉夫君) 以上で松谷君の質疑は終了いたしました。(拍手) —————————————
○委員長(井上吉夫君) 次に、日下部禧代子君の質疑を行います。日下部君。
○日下部禧代子君 日本社会党・護憲民主連合の日下部禧代子でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 二十一世紀が真に豊かな長寿社会であるために社会保障、社会福祉の充実を目指して、政府に質問させていただきたいと存じます。 まず、大蔵大臣に伺います。 バブル崩壊以降、税収が大幅に落ち込み、国債の発行が再び顕著になり、我が国の財政は一段と厳しい状況に陥ったと言われております。 そこでお伺いいたしますが、戦後初めて補正予算で国債が発行されました昭和四十年度以降、今までの国債発行額、国債依存度、発行残高の推移についてめり張りをつけて御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(篠沢恭助君) 数字の推移でございますので、私からお答えをさせていただきます。 今御指摘ございましたように、最初に公債が発行されましたのは昭和四十年度の補正予算でございます。その後、昭和四十年代は建設公債の発行が行われたわけでございますが、昭和五十年度に、やはり昭和五十年度の補正予算という形でございますけれども、この年に特例公債が初めて発行されることになりました。そのときの発行額が二兆二千九百億円でございます。 その後、いろいろ経済対策そのほかで建設公債及び特例公債合わせまして相当大きな公債発行が行われるようになりまして、中でも、昭和五十四年度には当初予算におきまして公債発行額が十五兆二千七百億、公債依存度三九・六%という年がございます。このときは、その中で八兆円の赤字国債、特例国債が出ております。 その後、財政再建に懸命の努力を行ってまいりましたほか、税収等にも恵まれまして、平成二年度に特例公債の発行をゼロにすることができております。そのまま今日に至っておりますけれども、平成六年度におきましては、御承知のとおり、減税を実施いたします関係から再び三兆一千三百三十八億という特例公債の発行が行われております。 なお、平成六年度の公債発行額は十三兆六千四百三十億でございまして、この中に今の特例公債分三兆円が入っておるわけでございますが、公債依存度は当初予算で一八・七%というふうに依然として非常に高いものになっております。 数年前、公債依存度が一けたに落ちたことがございますが、最近経済対策の問題等もございまして再び公債依存度は高まりまして、六年度は一八・七%の公債依存度でございます。なお、六年度の十三兆六千四百三十億という当初予算の公債発行額は、昭和六十年以降の当初予算におきます公債発行額といたしましては絶対額で最高の額を示しておりますので、平成六年度の財政状況は非常によろしくないと思います。以上が毎年度毎年度のフローの数字でございます。 そして公債残高、つまりストックの方では平成六年度末で約二百一兆円の公債残高を抱えるという状態になっております。 以上でございます。
○日下部禧代子君 今御説明いただきましたように、平成六年度予算では建設国債依存度が再び高まったばかりか、それでも収支の帳じりが合わずに、国債償還積み立ての定率繰り入れの停止を復活させ、あるいは隠れ借金を増額したり、NTTの株売却益で行っている社会資本整備補助金を繰り上げ償還し、同額を建設国債を発行して貸し出す経理操作などをしてやりくりをしているようでございますが、その実情を詳細に説明していただきたいと存じます。
○政府委員(篠沢恭助君) 国債の発行以外のいわゆる隠れ借金といったような言葉でおっしゃられております幾つかの問題につきまして御説明をさせていただきます。 平成六年度におきます財政運営を適切に行いますために、各種のいろいろな制度、特別会計でございますとか、それらの制度を十分検討いたしまして、運営に支障が生じない範囲の特例的な措置として、定率繰り入れ等の停止あるいは一般会計承継債務等の償還の特例、自賠責特別会計からの一般会計への繰り入れなど国の会計間の繰り入れ等に関する措置を講ずることといたしました。現在、関係法案の御審議をお願いをしておるところでございます。 この法案の名前は平成六年度における財政運営のための国債整理基金に充てるべき資金の繰入れの特例等に関する法律案と申しますが、この特例法案に盛り込まれました特例的な措置による歳出削減額及び歳入確保額を、いろいろな種類がございますので単純合計にはちゅうちょするのでございますが、あえて合計いたしますと約五兆円となっております。そのうち、定率繰り入れ等の停止が三・一兆、それ以外のものが一・九兆というふうになっております。これが平成六年度におけるフローでございます。 なお、このような種類、操作に属します問題につきましては、今後それに対して対応する処理を考えていかなければならないということで、私ども今後処理を要する措置として命名をしておりまして、その一覧はストックベースで本委員会への資料として提出をさせていただいております。これもまたいろいろな種類がございますので単純合計はいかがかと思いますが、この表に載っておりますものを単純合計させていただきますと、全部で三十八・七兆円でございます。 なお、その中で、今後処理を要する措置ではございますが、処理方法が決まっていない日本国有鉄道清算事業団の長期債務が二十五・八兆円ございます。これを差し引きました諸操作が十二・九兆ということでございます。
○日下部禧代子君 今までのお話でございますと、昭和四十年以来我が国の財政というのは国債依存財政に陥って、その依存度も年を追って高まり、五十年代は大量の建設国債に加えさらに大量の特例国債、いわゆる赤字国債に依存する時代が続いたというふうに言えると思います。平成二年度にはバブルで赤字国債から脱却しましたが、平成六年度は減税特別国債は別にいたしましても、赤字国債に依存しないまでも再び財政悪化の方向であるということでございますね。 そこで、大蔵大臣にお尋ねいたしますが、平成六年度末の国債発行残高について、建設国債と特別国債いわゆる赤字国債に分けて御説明をいただきたいと存じます。
○国務大臣(藤井裕久君) 平成六年度末の見込み額でございますが、総額二百一兆円。建設国債が百三十九兆円、赤字国債と言われる特例公債が六十二兆円でございます。
○日下部禧代子君 総理にお伺いいたしますが、建設国債の百三十九兆円を含む二百一兆円もの巨額の国債発行残高が発生した原因は何だというふうにお考えでいらっしゃいましょうか。
○国務大臣(羽田孜君) 日本の国が発展成長していくこの間にありまして、例えば道路網の整備ですとか河川、港湾の整備、あるいはいわゆる社会基盤の整備というもの、これが時代の要請としてやっぱり相当大きかったということが一番の原因であろうというふうに考えております。
○日下部禧代子君 大蔵大臣にお伺いいたします。 平成六年度の国債の償還や利払いに充てられる国債費が幾らで、一般会計予算の何%に当たりますでしょうか。
○政府委員(篠沢恭助君) 平成六年度予算におきます利払い費は十一兆五千八百七十五億円ということになっております。十一兆六千億ばかりでございます。これは一般会計予算の中で一五・九%、約一六%を占めております。 それから、この利払い費を含めまして国債費全体でございますが、国債費は償還費を含めるわけでございますが十四・四兆円ということで、一般会計に占めます比率は一九・六%でございます。
○日下部禧代子君 この約十四兆円というのは社会保障費と同じ額でございます。一般会計の約二〇%にもこれが達しているわけでございます。これまでの国債の累増というものが高齢社会に向けての福祉の充実を阻んでいるというふうには言えないでしょうか。 総理にお伺いいたします。百三十九兆円もの建設国債発行残高というのは公共事業の財源確保のため、先ほどおっしゃいましたように社会整備のためだというふうにお伺いいたしましたが、公共事業というのは、四十年代、五十年代を通じて経済の高度成長を下支えした産業の国際競争力を確かに世界のトップにまで高めたと言うことはできますでしょうか。
○国務大臣(羽田孜君) 産業というだけではなくて、国民生活、こういったものを向上させるための社会の基盤になつだろうと思っております。ですから、確かに今、私も大蔵大臣をやっておりまして、お話がありましたとおり二〇%近くも、私のときは一八・何%でしたけれども、二〇%近くのものが元利で食われてしまうということのための財政の硬直というものに対し、非常に強く思ったものであります。 しかし、建設国債の場合には、次の時代に富を生み出していくという効果はあったということであり、また、あのときに相当な投資が行われたから今日の日本があるということを考えたときには、きついけれどもある程度やむを得なかったのかなというふうに思っておりますけれども、こういったものの増発というものについては、やっぱり我々としては厳に注意していかなければいけないものであろうというふうに考えております。
○日下部禧代子君 総理にお伺いするわけでございますが、どちらかといえば、これまでの財政というのは、国民生活、生活者優先というよりは、むしろ産業基盤の整備優先であったということはお認めになりますか。
○国務大臣(羽田孜君) 結局、目的は国民生活をということであったんだろうと思います。 下水ですとか、あるいは農村部における集落排水というものは今大きく脚光を浴びておりますし、公園なんというものも脚光を浴びるようになってきた。住宅も脚光を浴びるようになってきた。しかし、どちらかというと、そういったものよりはやはり全体の国の基盤ということになっておったということは、これは私は否めない事実であろうというふうに思っております。
○日下部禧代子君 総理の今のお言葉でございますけれども、社会基盤というよりは、私はむしろ産業基盤整備優先の財政政策というふうに言ってよろしいと思いますが、そういう政策の結果、確かに世界第二位の経済大国にはなりました。しかしながら、一方ではハンディキャップを持つ人々あるいは介護を必要とする高齢者、そういった方々に対する社会保障あるいは社会福祉というのが必ずしも十分であったとは言えないと思います。 寝たきりのお年寄りが百万になろうとしているということ、そして同時に、日本は長寿社会と一言。われながら、平均寿命が世界一でありながら、お年寄りの自殺率というのは先進国のトップである、そういう事実もこれは否定できないことだというふうに思うわけでございます。 さらにまた、低い居住水準。この住宅水準の低さというのは、これはどなたもというわけにはいかないかもわかりませんが、多くの日本人がOECDのリポートでラビットハッチ、ウサギ小屋というふうに言われたような低い水準でございます。 さらにまた、世界に冠たる長時間の労働、そして物価の高さ。これは海外の方々が日本に、特に東京に住みますと非常に住みにくいというお言葉でございます。 このように、国民一人一人の生活実感と産業の国際競争力との間の格差というものは非常に大きくなった。そして同時に、財政においては莫大な借金が残ったというわけでございますが、総理、この点に関していかがでございましょうか。
○国務大臣(羽田孜君) 先ほども申し上げましたように、確かに日本の国、効率のいい生産とかそういったことが過去に主であったということは私は否めないことであろうと思っております。そういう中で今日の日本ができ、そして国民生活もより豊かになってきたということは、これは国際的にも評価されていると思います。 ただ問題は、今お話しがありましたように、立派なビルにお勤めになっておる、しかしその人の行き帰りを見ると一時間半とか二時間かかる、しかもその居住空間というのは非常に狭い、しかもローンに追われておるという現状があったり、それから、確かに世界の医療なんかも進んできた、あるいは医薬品なんかも、栄養も満ち足りてきたという中で、みんなが長寿になるようになった。しかし、そのときに介護する人がいないというような問題、あるいはそういった人たちを受け入れる施設というものも不足しておるということであろうと思っております。ただ、私はこれ裏返してみますと、ようやく日本も今ここまで来て、そういった本当に生活者というものを顧みる、あるいは真剣にそれを考えるようになってきた、考えられる時代になってきたということであろうというふうに思っております。 しかし、御案内のとおり、そういったことに対して対応しようとすると財政が硬直化してしまっているということが現実にあるわけでございまして、私どもは、さらにこれは累積の赤字というものを積み上げることがないように、十分これからの財政運営にあっては気をつけなきゃならないものであろう、戒めていかなければいけないと思っております。
○日下部禧代子君 高齢化社会の到来ということによって社会保障が財政を圧迫する、したがって増税が必要だという議論が今大勢を占めておりますが、果たして財政を圧迫しているのは人口の高齢化による社会保障の伸びだけでございましょうか。私が今指摘してまいりましたように、これまでの財政運営そのものや経済構造にメスを入れないと基本的に社会保障あるいは社会福祉の充実は期待できないのではないかというふうに私は考えるわけでございます。 そこで、総理にお伺いするわけでございますが、財政あるいは経済の構造改革、パラダイムの変革、そういうことが今不可欠だというふうに思うわけでございます。総理は所信表明の中で、国民生活の重視、そしてまた、本当の意味での豊かさを実感できる社会をつくりたいというふうに言われております。そのことは、これまでの財政あるいは経済のあり方、その方向を転換するということにつながるのではないかと思いますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(羽田孜君) これは私全くおっしゃるとおりであろうと思っております。 過去にあっては、追いつき追い越せということで国民が一丸となって、あるいは財政とかそういったものもそちらの方に向けられてきたわけでありますけれども、ここに一つの新しい戦後五十一年というときを迎えて、はたとここでとどまり、さて我々はこれからどう生きていったらいいのかなという中で、心のゆとりの問題ですとかあるいは潤いの問題ですとか、こういったものが今問われるようになってきているというふうに考えておるわけでありまして、私どもといたしましても今後はやっぱりそういった方向に熱く目を向けていく必要があろうというふうに考えておるところであります。
○日下部禧代子君 これまで我が国の財政が建設国債依存財政のもとで産業基盤優先の運営が行われて、そしてその行き着いたところが財政問題の深刻化であるということを私は今指摘してまいりました。その一方で、二十一世紀の超高齢社会を目前にいたしまして福祉と生活者重視というものに財政を切りかえようと合していますが、今度は増税しかないというのでは国民の納得というのはなかなか得られないのではないかというふうに思うわけでございます。 ところで、私がただいま申し上げました財政、経済の構造の変革でございますが、その一例を指摘させていただきたいと思います。 まず第一は、経済システムの変革でございましょう。公定歩合の引き下げ一つをとってみましても、銀行や企業の救済のために国民の預金金利を下げ、これは年金生活者などの収入を減少させる、そういった資金の流れが今厳然としてあるわけでございます。公定歩合政策においても、生活する者に、年金生活者にも負担のかからない、そういうやり方に転換していく、そういうことが必要ではないかと思いますが、総理、いかがでございましょうか。
○国務大臣(羽田孜君) 確かにおっしゃるように、やっぱり経済構造というもの、こういったものも切りかえていかなければならないということ。また、それと同時に行政改革、こういうものを進めていかなければいけないという中にありまして、我々は規制緩和等も含めながら、戦後五十年、要するに終戦後につくられた一つの秩序というものが五十年たちますとやっぱり疲労してきておるということがありましょう。それから、新しい時代の目指すものというものが、価値観というのが変わってきておるという中で、財政構造にいたしましても経済構造にいたしましても、あるいは社会構造にいたしましても、大きな変革というものを求めなければいけないんだろうというふうには考えておりまして、その意味では、私たちも財政の面についてもそういった面に十分目を開いていかなければいけないんだろうというふうに思っております。 ただ、お話がありましたように、例えば景気がなかなか難しいという中で、財政も対応しなければいけないけれども、金融、そういったものも対応しなければいけない。ポリシーミックスなんということが言われますけれども、こういうことで対応した半面、やっぱり預金者にとってはこれは大変手痛いものがある。こういったものも、実はいつもそういう問題を進めるときには議論をするわけであります。 そういう中で、福祉の預金というようなものも実はつくり出してきておるわけでございますけれども、やっぱり経済を回復させるために片方が余り痛んではいけないということで、常にそういったところにも配慮しながら対応していかなければならない問題であろうというふうに考えております。
○日下部禧代子君 これまで内外価格差とか、あるいは環境問題、廃棄物処理、製造物責任問題などに、これはどちらかというと取り組みが甘かったというふうに思うわけでございますが、これもやはり消費者軽視、事業者保護という行政であったのではないかなというふうに私は思わざるを得ないわけでございます。 これからこの改革というのをどのように進めていらっしゃるおつもりでございましょうか。経済企画庁長官にお伺いいたします。
○国務大臣(寺澤芳男君) 委員御指摘のように、事業者保護とか産業優先の経済政策を消費者本位の経済政策へ変革すべきだというふうに私も考えております。 現在の我が国においては、経済の活性化を図るとともに生活者、消費者重視の経済社会の実現に向けて経済改革を推進する必要があると思います。このために特に大事なことは、住宅土地問題の解決、労働時間短縮の実現、それに加えて特に規制緩和などを通じた内外価格差の是正、これに努めてまいりたいと思います。 このように、政策の重点を生活者・消費者重視の視点に移して、国民が日常生活を営む中で本当の豊かさを実現できるようにいろんな施策を推進してまいりたいと思います。
○日下部禧代子君 それはおっしゃることは易しいのでございますが、実行するのは非常に難しいというふうに思います。 まず、そういうふうな方向に持っていくには何をどのようにしなければならないか。何をというのはわかったわけでございますが、そのファーストステップはどこから進められますか。具体的にお答えください。
○国務大臣(寺澤芳男君) それにはやはり日本の経済を活性化するということが前提条件であろうかと思います。今のような経済の停滞というのが続く以上、おっしゃるようにそういう理想を掲げてもなかなか実際にできない。 経済の活性化ということは、我々としては、二月に決めた十五兆円の総合経済対策とか、それには所得税、住民税の減税も入っておりますが、今度の平成六年度予算とか、そういうものを着実に実行していって一日も早く日本の経済を本格的な回復軌道に乗せていきたい、それがまず私ども経済企画庁としては第一のポイントであります。 第二のポイントは、やはり生活者・消費者重点ということで、例えば内外価格の物価差、委員も海外生活が非常にお長く、私も二十一年間アメリカにいましたけれども、非常に高い。これがやはり国民の生活の豊かさというものがなかなか実感できない大きなネックになっておりますから、とりあえず内外価格差の是正、その余地が今あるわけですから、そこから進めてみたい、こう思っています。
○日下部禧代子君 次に、財政構造の変革ということも必要なことではないかというふうに思います。財政構造の変革について、特に歳出面から申し上げてみたいというふうに思います。 予算の配分というものを生活者重視というものに変えるためにはまず公共事業からというふうに考えるわけでございますが、平成六年度予算の公共事業は、これは社会党も編成に参画いたしました。そこで、これまでに比べまして配分の比率が変わったというふうに思うわけでございますが、各省庁別あるいはまた業種別に配分比率の変更を説明していただきたいと存じます。
○国務大臣(藤井裕久君) 社会党さんも入ってくださって平成六年度予算を編成させていただき、生活環境施設を中心に大幅に伸ばしたことはもう毎回ここでお話をしているとおりでありまして、下水とか廃棄物とか上水、そして大都会の問題ではありますが幹線鉄道、そして公園等々を中心に伸ばさせていただきました。 ただ、それを今の御指摘にずばりお答えするには、まず事業別にどう変わったか。過去から比べると相当変わったのでございますが、恐らくポイントからいうと非常に低い。これは何年も繰り返すことによって、振り返ってみたら相当変わっていたなということにしなければならないと思っております。 省庁でございますと、省によっては、何々と言いませんが、ある省では非常に伸ばすべき分野と必ずしも伸びない分野とあるので、省庁別というとなおそのシェアは動きが少ない、これが現状でございまして、具体的なことであれば事務方から答えさせます。
○政府委員(篠沢恭助君) 六年度予算におきます事業別のシェアで特に主なところについて申し上げますと、農業農村整備事業のシェアが前年度一三・七六%から一三・二五%に減少を見ております。それから、港湾・漁港・空港、このグループが前年度八・一二%のシェアから六年度は七・八四%というぐあい。にシェアダウンがやや見えておるのでございます。 それぞれの中におきまして、生活環境整備に直結しますところ等につきまして、細目的には大臣から今お答えを申し上げましたような考え方で重点的に配分をしておるところがございますが、全体としてのくくりでは今言ったようなシェアダウンが見えるところがございます。 一方におきまして、生活環境の関係での下水道・環境衛生、この辺が一七・一〇%から一七・一六%にシェアアップする等の変化が見えているわけでございます。 一つ一つ全部申し上げますと時間がかかりますので、ごくかいつまんで主なところだけ申し上げました。
○日下部禧代子君 私は、公共事業に限ってということを申し上げたんですけれども。
○政府委員(篠沢恭助君) ただいま申し上げましたのは一般会計予算の中におきます一般公共事業の中での配分の変化でございますので、先生お聞き取りの公共事業の中でのシェアの変化という意味ではお答えをしておるかと思います。
○日下部禧代子君 例えば、私の持っている資料によりますと、省庁別シェアの推移で、建設省の場合が平成六年が六八・四六、厚生省の場合ですと平成五年が三・一八から三・三八ということで、今、大臣がお答えになりましたように、それほど大きな変化がないわけでございます。 そして、公共事業費の省庁別のシェアの変更幅の合計で見ますと、平成五年が〇・二、平成六年が〇・九でございますか。それから、事業別シェアの変更幅の合計で見ますと、平成五年が〇・五に対して平成六年が一・六ということで、これはかなりと言っていいのでしょうか、少しと言っていいのでしょうか、この辺の評価は、大臣、どのようになさいますでしょうか。
○国務大臣(藤井裕久君) ごく常識的な方から見るとそんな瑣末なものかと、こういうお話かと思います。ただ、この道をずっと長くやってきた者から言わせますと、よくこれだけできたというふうに言っておるのが全く偽りのないおのおのの評価でございます。
○日下部禧代子君 それをどのように評価なさるのか、これはやはり国民が決めることかもわかりませんと私は思うのでございます。 確かに大臣としては、あるいはまた省庁の皆さんからいえば、専門家、プロの方からおっしゃればそうでございます。しかし、一般の国民の目からしますとまた違った見方があるということをぜひ心得くださいますように。 〔委員長退席、理事久世公堯君着席〕 次に、歳入面での変革ということでございますが、税制改革におきましても、企業、事業主に対する各種の優遇措置の見直し、不公平税制、そういった改革を行った後に、そしてまた消費税自体もインボイスなどの導入によって益税の回収をするということの後に税制改革というものがされなければならない。つまり、こうした不公平税制の改革ということでかなり増収ができるはずだというふうに一般に言われておりますが、益税というのはどのくらい発生しているのか、お知らせいただければと存じます。
○国務大臣(藤井裕久君) いわゆる益税というのは何を示すか大変難しいのでございますが、基本的に言えば、消費者の方がお払いくださいまして、それを税務署に入れないで業界の懐に残ったというのがそれだとおおむね言われております。 その点につきましては、この第一線の小売の方々は非常に零細な方でいらっしゃいまして、世に言われるようなことができる立場の方ではないということはひとつ御理解をいただきたいことと、平成三年の改正によりましてみなし仕入れ率が四段階という非常に実情に合ってきたようになったということで、私は今申し上げた意味の益税というものは非常に少ないのではないかと想像しております。 もう一つは、中小企業の特例というものを平成元年、この制度導入のときにやったわけであります。これは、それなりに意味のあるというか、中小企業の方の御不安というものにこたえるやり方であったわけでありますが、それが制度としてどのくらい減収になっているかということはおのおのについて事務局からお答えすることができると思います。免税点、限界控除、そして簡易税制、この三つについてそれなりにお答えできると思いますので、答えさせます。
○政府委員(小川是君) 中小事業者に対する特例措置による消費税の減収額につきましては、平成二年五月にその状況を予算委員会に提出いたしております。 一つは、免税点制度による減収額は○・三兆円程度、簡易課税制度による減収額は○・二兆円程度、限界控除制度による減収額は○・一兆円程度、端数の関係がございますので合計いたしますと〇・五兆円程度と試算をいたしております。 これは、今、大臣が申し上げました平成三年の各種の改正以前の減収額の試算でございます。改正によって減収額がある程度減少しているというふうに考えております。 また、例えば免税点制度といったようなものつきましては、三千万円以下の売り上げの方に係る減収額でございますから、これは経済が大きくなっても特段に大きくなる性格のものではない。つまり、売り上げがふえていく方は課税事業者に変わっていくわけですので、減収額がそれほどふえていくという性格のものではないということを申し添えたいと存じます。
○日下部禧代子君 次に、地方と国の財政のあり方というのも改革の条件の一つではないかというふうに思うわけでございます。 〔理事久世公堯君退席、委員長着席〕 地方の超過負担問題につきましては、例えば福祉施設、保育所や小中学校などの建設に関する国庫補助、その基準というものが実勢単価よりも非常に低いために超過負担というものが発生しているということはよく言われていることでございますが、自治大臣に幾つかの例をお引きくださいましてその実態を明らかにしていただきたい、そしてその解消策もお伝えいただきたいというふうに思います。
○国務大臣(石井一君) 超過負担の解消ということは、国と地方の財源秩序を適正に保つために極めて重要だというふうに思っておりまして、各省に対しましてもそれに努力するように常々申し入れておるところでございます。地方の団体からも改善要望が最近特に多く来ておりますので、それに対しましては大蔵省当局へも申し入れをして、共同で順次その実態調査などもやりまして、超過負担が極力起こらないように努力をしておるということがまず第一点目でございます。 そこで、例えば御指摘の問題になろうかと思いますが、特別の養護老人ホーム等の施設整備等については、意見を地方段階からも聞いて当省からも解消方・法についていろいろ申し入れたりしておりますが、この福祉の増大に関しまして厚生省においては、独自の調査に基づいて九%の単価を改善するとか、これは平成六年度の予算でございますけれども、いろいろ努力をされておると聞いております。 自治省としても、今後、地方団体の意見をよく聞きまして適切にこれにこたえていきたいと思っております。
○日下部禧代子君 実例を示していただけますか。どのくらい超過負担があるのかという具体例を示していただきたい。
○政府委員(湯浅利夫君) 国庫補助金の超過負担問題につきましては大臣から御答弁申し上げたとおりでございまして、各種の施設整備に当たりまして実際にかかった経費と補助基準との間に差が出てきている。これをすべて超過負担ということにはなかなかまいらないわけでございまして、その内容を関係省庁とよく分析をしながら、超過負担の部分については予算の編成のときに改善をしていただくということで改善を毎年行っていただいているところでございます。 そういう意味で、全体の超過負担がどれだけあるかという点は、これは私どもも把握することはできないわけでございまして、特に問題のある点について毎年毎年調査をしながらその改善をしていくというのが現在のやり方でございます。
○日下部禧代子君 私の持っている資料によりますと、これは政令指定都市からの要望でございますが、大都市財政の実態に即応する財源の拡充についての要望ということでございますが、そこで示されております例というのは、例えば保育所の例でございますと、実際の建設単価四十一平方メートル四十二万円に対して補助基準が十六万円、わずか四割である。それから小学校の場合、実際の建築単価一平方メートル二十六万円に対して補助基準が十七万円でしかない。そういう例が出ているわけでございますが、こういう例を自省はお持ちでないんですか。
○政府委員(湯浅利夫君) 各自治体から、先ほども申しましたように、実際にかかった経費と補助基準との差額としてどれだけ出ているかというお話をよく聞くわけでございますけれども、このうち国が標準施設として必要な経費としてはどの程度になるかということを分析いたしませんと、これをすべて超過負担だと言うことは難しいんじゃないかという気がするわけでございます。 そういう意味で、関係省庁と共同で調査をいたしまして、そして国が負担すべき部分はここまでだということがはっきりわかった場合に、その部分を超過負担として単価の改善などを行っていただくということになっているわけでございます。
○日下部禧代子君 この点におきましても、やはり省庁の方の考えと一般の方々との考えのところに、その間には非常に大きな乖離があるというふうに思うわけでございます。もう少しきちんと調査をして、実態に即した対応をしていただきたいというふうに思うわけでございます。 特に高齢化が日本全国で今進んでいるわけでございますが、過疎と言われるところでは非常に高齢化の割合が高いわけであります。そこでは非常に財政の水準も低いわけでございます。そういうところではどうしても補助事業に頼らざるを得ない。ところが、補助事業で箱物はつくる、しかしながらそのメンテナンスあるいは人材というのは自治体が持たなければならない、そうするとまたそれが財政を逼迫させるということで、ある種の悪循環というふうなことにもなっているわけでございます。 それからまた、地方交付税というのがございますけれども、この地方交付税の積算というものに人口の高齢化というもののスピードがなかなか反映されないという実情がございます。これは、過疎と言われるようなところを私は実態調査などをいたしますと非常によくそれを聞くわけでございます。非常に速いスピードで人口の高齢化が進む、ところが地方交付税の積算に反映されるのは大体五年ごとだというふうに聞いておりますけれども、これでは実態に合わないんではないでしょうか。自治大臣、いかがでございますか。
○国務大臣(石井一君) 日下部先生の御指摘のとおり、高齢化率と財政力指数というふうなものが、高齢化率が高くて財政力が低いというふうなのが軌を一にしておるところが大変多いということはまず確かでございます。それは時々例外もございますけれども、そういうところからの御指摘は確かに正しいと思います。 三千三百ございます地方団体が産業の構造も異なり、財政力にも差があり、それから高齢化の程度も違うというところをどう均等化させるかということが自治省といたしましても大変骨の折れるところでございますけれども、地方団体が持っておりますそれぞれ固有の課題に適切に対処するというそういうことを措置するために、その算定に当たりましても、高齢化率やら高齢者数にも配慮する、人口なりに配慮いたしまして、保健、福祉、医療費等に算入する場合、交付税の算出というふうなものにも配慮いたしております。 御指摘のとおり、まだ十分きめの細かいところまでいっておるかどうかということに多少の疑問も感じますけれども、今後も地域産業の活性化と高齢化への対応に即して財政需要に的確に対応できるようにその拡充に努めてまいりたいと思います。
○日下部禧代子君 地方交付税の積算というのは、これは毎年人口の高齢化率を反映させるということはできないのでしょうか。
○政府委員(湯浅利夫君) 地方交付税の算定に用います基準財政需要額を算定するに当たりまして、人口、それから御指摘の高齢化人口、高齢化率などいろいろな要素を使って算定するわけでございますけれども、各自治体全体に共通した標準的なしかも公定力のある統計数値を使うということが公平な需要を算定する上に必要でございます。そういう意味で、現在は、国勢調査の人口というものを使うということを前提にいたしますと、国勢調査は御案内のとおり五年に一回ということでございますので、五年に一回の国勢調査の結果というものを基礎にいたしまして算定するわけでございます。 今御指摘のように、五年に一回の調査人口では不十分ではないかという点がございますれば、今後そのほかの方法、例えば住民基本台帳の人口というようなものが果たして使えるかどうか、こういうものも吟味をいたしまして総合的に検討してまいりたいというふうに考えております。
○日下部禧代子君 ぜひとも、実態に合ったというその観点を重視していただきたいというふうに思います。 次に、ここで、この超過負担の問題、それから高齢化の問題ということもありまして、地方財政というのは非常に逼迫しているわけでございます。補助基準単価を実勢に合わせて引き上げるとともに、地方の自主財源を拡充するということが必要ではないかというふうに思うわけでございます。さらに、地方の格差の調整などの役割を持っ今申し上げた地方交付税の機能を高めるために地方交付税率を上げる、そういうことで地方の財源の十分な確保に努めるべきではないかというふうに思いますが、大蔵大臣、自治大臣、いかがでございましょうか。
○国務大臣(藤井裕久君) まず、補助金の超過負担の問題でございますが、これは自治大臣がお答えになりましたように、毎年本当に大蔵省、自治省、そしてその担当の省庁が実態調査をやっております。 今の数字はちょっと余りの乖離があるような感じを受けとめましたが、どうしても規模の問題とか単価の問題とか内容の問題は基準があるわけでございまして、その基準に対して、これはもう当然のことですが、地方の自主的な判断によってそれを上回るものをやられるというような面もあるんじゃないかと思います。ただ、その基準が本当に世の中全体から見て適正であるということが大事でございますから、そういう意味の基準の見直し、そして単価の見直し、これは先ほど自治大臣がお答えになったように適切にやっていかなければならないことだと思っております。 それから、地方財源の確保ということ、これから特に今御指摘のような福祉という部分が重視されてまいりますと、これは地方がやるべき仕事というものは非常にふえてまいると思いますし、地方分権というものは一つの大きな流れとして我々内閣が大きく取り上げている問題でもございます。そういう中に財政問題というものがあることはもう事実でございますが、今後これは、交付税のあり方、譲与税のあり方、補助金のあり方、全部ひっくるめまして、行政改革推進本部の中に地方分権の部会のようなものもできておりますもので、大きな観点から検討してまいる課題だと思っております。
○国務大臣(石井一君) 地方が使っております支出に比べましてその税収は半分に近いというような非常にアンバランスな状況の中で、今後の時代の趨勢というものを見ますと地方の需要というものがさらに大きくなってくる。しかも、税収というものが直間比率九対一というふうな中で非常に不安定な状況にある。いろんな地方財政の問題を抱えておることは御指摘のとおりでございますから、今、税制論議が非常に重要な段階に入っておりますときに、ここで地方財源を確保するための最大の努力をし、大蔵当局にも深い御理解を得なければならないというふうに思っております。 また、超過負担等の問題の処理にいたしましても、御指摘の面、私も大都市の出身でございますが、そういう悩みを直接聞いたことが実際にございます。どうも役所から聞きますと、余りその差がないというふうにも聞こえるんですが、ひとつきょうの御提案を契機に、もう少し実態を私自身点検をいたしまして、そこの乖離が非常に大きいのであれば、どういう措置を講ずるべきであるかというふうなことについても検討をさせていただきたいと存じます。
○日下部禧代子君 大変よいお返事をいただきまして心強くなりました。ありがとうございます。 結局、国と地方の財源配分のあり方というのが、国が税収の六三%を受け入れ、配分の際には地方が六八%を使うという現在のあり方を抜本的に改めるということが必要なのではないかと思うわけでございますが、大蔵大臣、自治大臣、もう一度お伺いいたします。 国税、地方税というこの区別にさかのぼって税の所属というものを改革する、地方財源をふやすという観点が必要でございますが、いかがでございましょうか。これが当面実施できないのだったらば、少なくとも地方交付税率を改善して年々計画的に税率を引き上げていくというようなことも考慮には入らないのでございましょうか。
○国務大臣(藤井裕久君) 財源が六十数%、使うときがその逆という御指摘は、いつもあることでございます。 ただ、どうしてもここでお考えいただきたいのは、税というものは消費と資産と所得、この三つを大体税源にしているわけでございますが、どうしてもそういうものは富んでいる地域が富み貧しい地域はより貧しくなるという傾向を持っていることは私は否定できないと思います。したがいまして、財政調整ということは、これはもう戦前からでございますが、ずっとやってきたことであって、この財政調整機能ということの結果として今のような仕組みが出ているということについてもひとつ御理解を賜りたいと思います。 しかし、現実に先ほど来申し上げておりますように地方の支出というものが仕事の上からも大変重要になっているということから、今のこの財政調整の仕組みを否定して全部独立税でやるべきだという議論にはとてもならないのでございます。これだけは御理解いただきたいと思います。とても無理でございまして、そういうこととか譲与税とか、それから補助体制とかあるいは独立税とか、全般を考えながら、今おっしゃっているような、地方の財政というものが仕事に対して適切にやれるように考えていくべき課題だと私は認識しております。
○国務大臣(石井一君) 地方財政に対する大変温かい御支援の言葉をいただいておるわけでございます。 法人所得課税に偏った不安定な都道府県の税収構造、したがって消費課税を地方税として導入するべきことであるということは、今の税調ではもう基本認識になっております。ただ、その具体的、技術的な問題として、税を受け取るところと徴収するところとが非常に偏在してしまうとか、そのほかいろいろの技術的な問題が残っております。 これはひとつ、今回のこの政策判断としてこれを乗り越えなければいかぬということでございまして、御指摘のとおり、地方の財政需要というものはますます大きい方向に向かっておるわけでありますから、ここで納得のいく論理的な一つの結論を得なければいかぬということでございます。この点、今後の展望をも踏まえて、総合的な見地から地方税源の充実確保の方法について結論を導きたいと思っております。
○日下部禧代子君 社会福祉の充実のためには、先ほどお言葉がございましたけれども、地方分権というのが不可欠だということはだれもが認めるところでございます。 ところで、まず、地方公共団体が財政事務、人事ということで垂直的な中央コントロール、そういう中央支配から脱却する、そこで真の自治と分権ということを確立するということが必要だというふうに思うわけでございます。それは言葉をかえれば、国と地方の関係を再構築するということでございますが、総理、いかがでございましょうか。
○国務大臣(羽田孜君) これはもう御指摘のとおりでありまして、今まで地方分権とかあるいは地方の時代とかいろいろと言われてまいったわけでありますけれども、いよいよこの分権について一歩踏み出そうということで、今、行政改革の中の 一環として作業部会をつくり、大綱をつくって、来年ぐらいには法律にするようにというようなことで、この作業を進めておるところであります。 それは、要するに地方が歴史、あるいは環境、こういったものを生かしながら、独自のやっぱり主体性を持ってやれるようにしていかなきゃいかぬ。それには、権限だけでなくて、財源をどうするのかという問題も当然議論されなければならない課題であろうというふうに考えます。
○日下部禧代子君 政府が今進めている税制改革あるいは福祉ビジョンというのは、かっての産業基盤整備優先、経済強化の財政構造、あるいはまた既存の福祉システムの延長線上にまだあるんじゃないかというふうに私は感ぜざるを得ないわけでございます。 私は、きょう今まで議論してまいりましたように、行財政における抜本的な構造、システムの変換なくしては本当に豊かな長寿社会の実現というのは難しいんではないかというふうに思うわけでございます。税制改革を国民に理解、納得してもらうには、国民が実感できる条件整備、財政システムの転換ということが大前提ではないか。現在のやり方というのは手順が逆であるような気がするわけでございます。ぜひその手順を間違えないでいただきたいというふうに思うわけでございます。 総理は、所信表明の中で「改革とは既存の利害との衝突にほかならず、改革をなし遂げるためには大きな痛みと困難を乗り越える勇気と情熱が必要であります。」というふうにお述べになっております。大変感動的塗言葉でございます。既存の利害との衝突にひるむことなく、勇気と情熱を持って改革に立ち向かうその御決意をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(羽田孜君) 先ほどから申し上げておりますように、戦後ちょうど五十年を迎えるということであります。ですから、戦後につくった秩序とかあるいは制度とかそういったものに疲労が来ておるということと、価値観というものにここで大きくやっぱり変化というものが間違いなくあるだろうと思うんですね。ですから、その意味で、今、政治の改革もしなければいけない、行政の改革も経済の改革も、あるときには社会構造の改革もしていかなければいけないだろうというふうに思っております。 ただ、そういったものを進めるときには、既存の構造の中で、何というんですか、ぬくぬくとしていた地域あるいは区域、そういった分野というものも当然あるわけでありますし、またそういった中で守られているというところもありますから、そういったものを改革しようとすればどうしても痛みというものがあるでしょうし、大体本当の改革をやるときには反対の声が大きければ大きいほど本当のあれだというようなことが言われますけれども、しかし、そうかといって、本当に安全ですとか、やっぱり弱い、本当に弱いところがある。そういうところには手を差し伸べなきゃならないということで私は改革と同時に協調ということを申しておるわけでありますけれども、いずれにしましても、やっぱり相当な情熱と勇気を持たないとこれは達成することができないだろう、覚悟してこの問題と取り組んでまいりたいというふうに考えます。
○日下部禧代子君 ぜひともよろしくお願いいたします。 ありがとうございました。
○委員長(井上吉夫君) 以上で日下部君の質疑は終了いたしました。(拍手) —————————————
○委員長(井上吉夫君) 次に、斎藤文夫君の質疑を行います。斎藤君。
○斎藤文夫君 自民党の斎藤文夫でございます。諸問題について質問をさせていただきます。 まず、質問の前に、先ほど我が党の松谷委員の通産省の事務ミスの問題の質問に答えられまして官房長が次官の責任の有無について言及をされましたが、考えてみますと、これはまことに越権行為ではないでしょうか。とにかく熊谷前通産大臣時代、省内の疑心暗鬼や不信感は、かつて私が次官をさせていただいた当時の明るい自由闊達な活力ある通産省の印象というものを一変させました。 この際、前大臣を先頭に幹部の反省を促したいと思いますが、官房長いかがですか。
○政府委員(牧野力君) 今、斎藤先生から御指摘がございましたが、先ほど私が、私は今御指摘のとおり次官を補佐する立場でもございますし、その監督を受けている立場でございます。それが、次官に責任があったのないだのというようなことを申し上げましたことにつきましては、極めて僭越でございました。私は、次官の指示によって先ほど来議論になっておりましたファクスが送られた等のことはなかったという事実を申し上げたものでございますが、極めて誤解を招くような発言の内容になりましたことにつきましてはまことに遺憾に思っております。ここでおわびをするとともに、訂正をさせていただきたいと思います。
○斎藤文夫君 ぜひひとつ通産省のためにしっかり反省をして頑張ってもらいたいと思います。 さて、先週パリでOECDの閣僚会議が開かれました。残念ながら、日本は衆議院の予算委員会のために出席することができませんでした。国会の国際化というのをいち早くしなきゃいけないな、このように思っておるところでありますが、さて、きょうの閣議で、国威や国の信用にかかわる問題だと閣僚派遣ができなかったことに対する不満が相次いだ、そういう一部報道がなされたところでありますが、総理大臣、いかがでいらっしゃいますか。
○国務大臣(羽田孜君) これの発言は、今度のOECDの議論というものが大変大事な議論であったということでありますね。そういった中で、日本から閣僚も出てこないのはどうなんだということの批判が実はよその国からもあったということ。こういったものを聞いた方の中から、いわゆる日本の国はやはり今国際社会の中でも大変高い、地位という言い方はどうかと思いますけれども、立場になってきておる。そして、日本が発言するということが、あるいは日本がいないと発言できないよとよその国が言うぐらいの時代になっちゃっているものですから、確かに私は国会というものの議論というものは大事にしなければいけないけれども、しかしそれだけではなくて、やっぱり日本のそういったところに必要な閣僚というのが出ていけるという体制というのはもうとっていかなきゃならぬな、そういうような意味でそれぞれの方々から御発言があったということでございます。
○斎藤文夫君 総理のお話はまことに私も当然だと思います。しかし、今回閣僚を派遣できなかった理由はどこにありますか。
○国務大臣(羽田孜君) これは予算がおくれておって、ちょうど予算の審議の中であったということであろうと思うんですけれども、これはおしかりはもう覚悟で申し上げますけれども、どうも私が自民党にありましたころも、これは予算の審議でなくても、いろんな会議がありましても、なかなか出られないんですね。そしてかわりの方を出すということがよくありました。かつてはよかったんです。それは昔は、今から十年ぐらい前まではよかったかもしれない。しかしこのごろは、日本が出るか出ないかと向こうが聞いてきましてやるというような状況、これはやっぱり問題があるなど。 それから、私自身外務大臣のときにも思ったことがありますけれども、いわゆる一国の元首に会うのに、日本の場合には土曜、日曜しか出られないというようなことがありまして、こういったことはやっぱり相手の国にも非礼になるということで、これは今後よく私たちも率直にお話をしていく課題であろうというふうに考えております。 そして、自民党の役員の方なんかもそういった問題について私たちに実は御注意くださったり御提言もいただいたということがありますので、これからも本当にお話し合いをしていきたい課題であろうと思っております。
○斎藤文夫君 実は昨年のガット・ウルグアイ・ラウンドのときにも、閣僚派遣を私どもは声を大にして叫んできました。特に今月三日には橋本政調会長が衆議院の本会議場で、閣僚派遣、とりわけ経済企画庁長官どうだと、演説の中で、質問の中で御提言もされたところでございましたが、残念ながら閣僚派遣がなされなかった。 ところが、きょうの私どもの得ている情報では、総理は自民党サイドにいろいろ話をしたけれども予算の現場が動かなかったと、こう記者にお話りになられたんですが、この真意はいかがですか。
○国務大臣(羽田孜君) これは、私は記者には一切その話は何もしておりません。 ただ問題は、たしか予算の理事会で、これはどうしても私はやっぱり一名出してもらわなきゃいかぬと。そして今度の場合には、あそこにクリストファーさんあるいはカンターさん、そしてEUのブリタンさん、こういった人たちがみんな出られるものですから、何とかでき得れば外務大臣、ともかくそういった人を出してほしいとお願いをいたしましたけれども、今は予算の一番大事なところであるからこの日はだめですということで、残念ですけれども出席することはできませんでした。
○斎藤文夫君 政府は、予算の現場に対して閣僚派遣の要請はなさったんですか。
○国務大臣(熊谷弘君) お願いはいたしました。
○斎藤文夫君 どういう形でお願いをしたんですか。
○国務大臣(熊谷弘君) もちろん、与党の理事を通じまして、予算委員会その他各委員会にお願いを申し上げました。
○斎藤文夫君 なるほど、与党からへっぴり腰で、OECDに外務大臣派遣、まあだめでしょうねと、こういうような茶話的な話はなかったとは言いません。 しかし、そのときの柿澤外務大臣の置かれておられる立場は、予算委員会で、台湾に事務所を持っているか持っていないか、いろんな問題で厳しく質問が集中をしておられるときだから、このときに外務大臣は出せるはずがない、そういう判断に立って、今、総理、ちょっと雑談で月原さんに言わせたはずだと、よく事情を御存じじゃないですか。それで月原さん、後でだめだったとか、そういう与党から野党に話は一つもない。ましてやそのときに、もしもそれを正式な申し入れと、十歩譲ってそうとすれば、こちらは経済企画庁長官を出したらどうだと現場で深谷筆頭理事が申し上げているじゃないですか。そうしたら、これはだめらしいよというお断りがひそかに聞こえてきた。 こんなのもっとオープンに堂々と、しかも今、日本のこの状況下で、総理も言われるように、私たちは世界に日本の意見というものを披瀝する、世界もそれを理解していろいろと日本に注文をつける、こういう外交なり何かをすべきときでしょう。あなたたちはどうもその辺が変にこそくなんです。
○国務大臣(羽田孜君) きょうの実は議論も、だれがどうだとかこれがどうだというそういう問題じゃなくて、斎藤委員から今御指摘のあったようなことで議論があったということで、そういったことをきちんとお願いする、あるいはそういったことを、いざそういう会議なんかがあるときに出させていただけるようにすることがやっぱり日本として大事なことだということで、これは真正面からお願いしていきましょうという実は話であったということでございます。 そして、私どもは自民党時代にそういったことを何回も経験しておるものですから、自民党だったら必ずお話しすれば理解してもらえるという思いを私自身は実は持っておるわけでございまして、今日までもそういったことでお願いをした。なんかしてきたところなんです。 ですから、別に誹講したり何かするということじゃないんで、そういう発言できょうも議論が終わったということであります。
○斎藤文夫君 重ねてきょうの総理の説明として、自民党サイドにいろいろ話をしたが、予算委員の現場は動かなかった、こういう御説明をされたかされないか、されないとおっしゃるんですけれども、もしもこういうことをどこかでお漏らしになったとすれば、これはもう我々自民党としては、本会議でもお勧めする、予算の現場でも経企庁長官を出したらどうだと積極的に申し上げてきた、全くその公党に対する適切な評価じゃないんじゃないですか。
○国務大臣(熊谷弘君) 恐らく、どのように伝えられているのかわかりませんが、けさの閣議の後の懇談の場におきまして一、二の閣僚から、先ほど来御指摘になったような、今回のOECDの問題につきまして閣僚を出したかったという議論が出たことは事実でございます。ただ、私もそのときおりましたんですけれども、総理がそのような形でお話をしたというのは私はなかったというふうに思います。 我々がそこで議論をしたのは、何とかこういうことのないようにひとつみんなで理解を求めていこうじゃないかという話をわいわいとやりましたけれども、先生合おっしゃられたような、何か伝えられているのかもしれませんが、総理がそういうふうなことで発言したことはなかったということでございます。
○斎藤文夫君 鳩山大臣はどういう御発言をこの問題でされましたか。
○国務大臣(鳩山邦夫君) 閣議後の懇談会の際に私は、OECDにアメリカからは閣僚が六人ぐらい出ているというふうにも聞いているし、日本の閣僚が一人も行けなかったのは大変残念であるというようなことを申し上げた次第でございます。
○斎藤文夫君 私どもの得ている情報はそういうことですから、あながち全部おかしいとかいうことではない。そのために鳩山さんにお話を聞いたところです。 結局、内閣が日本の国益を守るというんなら、野党が何を言おうが派遣されるべきじゃないですか。その総責任者は羽田総理御自身。もう一度御答弁をいただきたい。
○国務大臣(羽田孜君) 私はそのつもりでこれからもお願い申し上げてまいります。
○斎藤文夫君 それでは、こんなことですと時間がだんだんなくなりますので、早く上げてまいります。 まず財政問題ですけれども、自民党は景気浮揚を考えまして、社会資本整備、地方財政やあるいは大幅カットの私学助成、不十分な社会福祉、中小企業、防衛開運費等々充実のために一兆九千億の組み替え動議を出しました。残念ながら衆議院で否決されておりますが、総理の感想をお聞かせください。
○国務大臣(羽田孜君) 先日、河野総裁、津島政調会長代理のお二人とお目にかかりました。この機会に組み替えの動議を提出したいというお話をいただき、それで子細にわたって御説明をいただきました。 例えば、私学の助成の問題等についても触れられたわけでありますけれども、一つずつの問題について確かに私どもも理解をするところでありますけれども、やっぱり財源の問題ですとかそういった問題を考えたときに、残念ですけれどもお受けすることができなかったというのが本当のところであります。
○斎藤文夫君 先ほどの御質問にもありましたが、財政の硬直化は年々進んでおります。新規事業あるいは地方に対する補助、交付の切り捨て、いろいろぎすぎすした問題が出ておるところでございます。したがいまして、これから増税とかがうわさになっておるところでありますが、先般も与党内でパーセントは入れないが増税の方向でというような御方針を打ち出されたようであります。 そこで、大蔵大臣、財政確保のための税制、どのくらいがこれから二十一世紀にかけて日本の安定した財政運営ができるとお考えになっておるか、明快な御答弁をお願いします。
○国務大臣(藤井裕久君) 税制改正につきましては、何回かここで申し上げておりますように、将来の長寿社会を安定的にしかもスムーズに運営していくためには、どうしても今のようにやや所得税の、特に中堅層に偏った所得税というのは適切でない、広く御負担をいただけるような消費税に少しシフトする必要がある、こういう観点から進めていることでございます。 したがいまして、今のお話のこれから将来の財政運営についてということになりますと、今のこの税制改革はやや角度が違っているのかもしれませんが、しかし同時に、機械的計算の中でもお示しいたしましたように、一つの物の考え方としてというか、あれは機械計算でありますけれども、こういう率であればこうこうという機械計算はお出ししているところでございます。これを御判断いただくのは多くの皆様だと考えております。
○斎藤文夫君 地方自治体は財源難で、財政調整積立金、ひところたくさんありましたがほとんど使い切りました。このままいきますと、それぞれ自主財源がなくなって本当に困っちゃう。したがいまして、地方消費税の創設というような意見も今あるわけでありますが、それらについてのお考えをお聞かせいただきたい。
○国務大臣(藤井裕久君) 今後、やはり地方分権ということはもとよりでありますが、福祉施策など地方のお仕事というものは非常にふえる、これはもう時代の趨勢だと思います。したがいまして、地方の財政、財源というものを確保することは大変大事なことだと思います。それをどういう形でやるかという議論であろうと思います。 今のような税制改革の一環として地方消費税をどうするかという限定しての御質問と存じますが、私どもといたしましては、地方消費税にはいろいろ問題がある、余り繰り返しません、繰り返しませんが、いろいろ問題があるというふうに承知をいたしております。これらを見ながら、いろんな形で、交付税のやり方あるいは譲与税のやり方等々含めまして、地方財源の確保のために努力しなければならないと考えております。
○斎藤文夫君 実は、地方へのツケ回しの最たる例がございます。関係大臣、お答えをいただきたいわけですが、それは義務教育費の国庫負担金。 既に何回か問題にはなりましたが、大阪、愛知、神奈川が平成五年から交付団体になりました。そのために、大蔵省、文部省、知恵を絞りまして、過去三年の平均財政力指数による区分方式に政令で急邊お変えになられた。総額七百十三億円に及ぶ地方財政へのカットが行われました。この中にも大阪にいろいろ御関係の方がおられるわけでありますが、しかももう地方で予算編成が終わる一月の末に大阪、愛知、神奈川に、こういうことにことしはなると通告をされた手法というものは私は極めて非常識だと思っております。 義務教育費国庫負担金は、申し上げるまでもなく教育費の人件費で、単なる補助・助成金じゃございません。交付不交付で率を変えること自体、法の精神に照らしておかしいと思っています。三年間の財政力指数、以下は二分の一、以上は三分の一。神奈川は一・○八八、これで百三十億円カットされている。厳しい財政の中で余りにも急なカットは理不尽。こういう状況をどうお考えになりますか。
○国務大臣(石井一君) 国庫の支出金は、本来、財源調整を目的とするものではなく、個別の地方の団体の財政力によって差を設けることは原則としてふさわしくないという基本的な考え方がございます。 そこで、義務教育費国庫負担法においては、実支出額の二分の一の国庫負担を原則としつつも、「特別の事情があるときは、各都道府県ごとの国庫負担額の最高限度を政令で定めることができる。」、こうされておりまして、当該年度の地方交付税の不交付団体については政令単価及び標準法による定数により算出した額が限度とされてきたところでございます。今回の文部省の義務教育費国庫負担金の財政力による調整方式の変更は、単年度でなく前三年度の平均の財政力指数を判断基準として行ったものでございます。 そこで、地方公共団体の予算編成段階で取り扱いが確定することとなり、地方団体の安定的な財政運営に資すること、三年の平均をとるため、単年度で判断する現行制度に比較して一時的な経済情勢の影響に左右されなくなるということ、それからさらに激変緩和措置も講じられておるということ、三分の一ずつの交付でありますから、そういう関係から、関係地方団体も自治省といろいろと話し合いをしまして了解をしていただき、やむを得ぬ措置だというふうに私たちは理解しておるわけでございます。
○斎藤文夫君 平成六年度に限り三分の一支給という激変緩和をされましたが、地方議会は今中央に対する大変な反発、不満を持っております。 平成七年度はどう御措置をされるか。本則に戻すぐらいの思い切った激変緩和を期待しますが、いかがですか。 文部大臣、答弁願います。
○国務大臣(赤松良子君) 平成六年度につきましては先ほど自治大臣から御説明のあったとおりでございまして、私からつけ加えさせていただくならば、確かに三分の二のカットということでございますから非常に御迷惑をおかけしているということは事実でございましょうが、ただこれを実施するに当たりましては、いろんなレベルでのお話し合い、あるいは予算案の作成過程での御説明などをその三府県に対しては誠実に行ったわけでございますので、御理解をいただきたいと存ずる次第でございます。 お尋ねの平成七年度の対応につきましては、七年度におきましても六年度に引き続きまして、今回の改正の影響を受ける団体が生じました場合には、文部省といたしましては所要の激変緩和措置が講じられるように七年度の予算編成過程におきまして適切に対処していく考えでございます。
○斎藤文夫君 公共料金凍結問題に触れます。 これは実は、ある日突然物統令を思わすような命令を総理がお下しになられた。地方自治体とかいろんな各種団体は値上げを準備しながらちゃんとやってきていたんです。特に、地方自治体は県会、市会、みんなそれぞれ議決をしながらやっていこうという矢先に突然のお上の凍結令は、これはまたひどいじゃないかということで地方自治権の侵害という問題を起こしているところであります。 さて、これは今上げればこの程度の力で経営が健全化するよというようなバスとか水道とかいろいろあるんです。ところが、これで七カ万八カ月抑えられる、来年の見通しもよくわからない、そんな中で地方と中央との信頼関係というものは相当ひび割れが起きている。こういうことを考えたときに、どうこれに対応されようとするんですか、お聞かせください。
○国務大臣(羽田孜君) この公共料金につきましては、何回か申し上げましたけれども、私ども新しい内閣が発足をする、そしてちょうど七月ですとかあるいは十月ごろですか、値上げの実施をしたいという要請というのはずっと軒並みございました。ところが、今は企業もみんなリストラをやっております。そこへもってきて特例の措置としてのことしの減税があります。そういう中にあって、一遍に公共料金が上がったらどうするのだろうか。これは私は、国民の切なる願いといいますか、一体何なんだろうかと。それで今、価格破壊なんということも言われたり、あるいは価格革命なんということまで言われておる。そういうみんなが血の出る努力をしているのに、一体公共企業体はどうなんだろうかという実は素朴な問いかけというものがあったということであります。 ですから私は、これはただ抑えてしまうということではなくて、やっぱりこれはもう一度きちんと対応しなければいけないということで総点検をやってもらおうということでお願いしました。ただ、地方自治の場合には地方自治法に基づきまして議会の議決を行って行われるということでございますので、私どもは、公共料金につきましては地方自治体に対してあくまでも御協力をお願い申し上げるということであったわけで、決して地方自治というものを侵すつもりはない。 ですから、あるところの知事さんなんかは、早速私たちは対応しておりますというようなことを向こうの方から言ってくださったりなんかしておるということでありまして、私はこの間に総点検をする、それと同時に、やっぱり公共機関で中には本当に競争のないものもあるわけですから、そういったところが本当にコストというものについてもう一度考えていただくという、何かのやっぱり一つのショック的なものが必要だったのかなというふうに御理解をいただきたいというふうにお願いしたいと思います。
○斎藤文夫君 総理の基本的な見方は私も予といたしますけれども、現実の影響は、総理、なかなか、地方自治体が総理に会えばお世辞を言いますよ、現実はそんなものじゃない。それはよく御認識いただきたい。 本年度のGDPを二・四%と見込まれました。経企庁長官、達成する自信はありますか。
○国務大臣(寺澤芳男君) 本年度のGDPの成長率二・四%につきましては、政府としてはいろんな施策をとりまして、これはもう委員先刻御承知の十五兆円の総合経済政策、この中には所得税、住民税の減税も入っているわけですが、そして経済を何とかして活性化して、そして公共投資もふやし、ひいては、我々が考えておりますのは、企業の設備投資も徐々にふえていき、そして住宅政策も一般の住宅建設にはね返っていくというそういう相乗効果で、一応計算上なんですが、二・二%という計算ができておりまして、そこのところを何とか経済運営をうまくやって今の一応の予測の二・四ということを達成したいということでやっております。
○斎藤文夫君 公共料金の値上げは他の物価に波及することは非常に大きいですね。昨年来、細川内閣のときには黙ってどんどん公共料金を上げてきて、二兆四、五千億になるんじゃないかと言われているんです。片や五兆五千億減税されても、既に半分は減殺されている。このままどんどん公共料金が上がっていったら、減税のメリットは何にもなくなる。だから、総理は慌てて抑え込んだなと、こう思うんです。 そこで、GDPと公共料金抑制との関係なんですけれども、凍結令になった理由の中にも、成長をマイナスに持っていく、このまま公共料金を野放しにしておく、そういう思い入れがおありになったんじゃないですか。
○国務大臣(寺澤芳男君) 基本的な公共料金の値上げは物価への波及効果が大きくて、ひょっとしたら経済成長にマイナスの作用をするのではないかというような見方もあります。 それで我々は、公共料金の改定については基本的には事業者の申請が出された段階で個別に判断しておりまして、改定の幅、改定時期など具体的に内容の決まっていない公共料金の値上げについて、消費者物価や委員御指摘のGDPに及ぼす影響を今試算するのは非常に困難であるという状態であります。
○斎藤文夫君 総理が大変物価に対して関心をお持ちになっていることを私たちも非常に注意深く見守っております。 そこで、特に総理の物価引き下げ論による所得倍増論、この真意をお聞かせいただきたい。
○国務大臣(羽田孜君) この所得倍増というのも、これもちょっと言葉があれなんですよ。私が申し上げておりますのは、かつて所得倍増論というのがあった、しかしこれからは、経済成長があったとしても安定した非常に低いものであろう、ということになると賃金とかそういったものの上がる率というものは低くなるだろう、そういう中で国民生活の質というものを上げていくためには、やっぱり価格というものについては我々はメスを入れる必要があるんじゃないのかということ。特に、内外価格差をこうやって比較したものを皆さんもよく目にすると思いますけれども、日本の場合に三割ぐらい高いんじゃないのかということが実は言われております。 ですから、そういったものを、特に基礎物価というものは高いということでありますから、私は、これを抑えることができれば国民生活というものはそういった中で質を高めることができるだろう、実質的な所得というものをふやすことができるんじゃないのかということの中から、これは前々から実はいろんな人たちと議論をしておったわけでありますけれども、こういった問題についてさらに進めようということで昨日からも物価問題懇談会を開催いたしまして、消費者の代表あるいは企業の代表、学者の方、またそのほかいろんな分野の方々に御出席をいただきながらこれから話し合っていただき、そして、やっぱり物価をただ抑えるだけじゃなくて少しでも下げていく方向に向けていきたい、というのが私の真意であります。
○斎藤文夫君 物価引き下げというのは、もう本当に紙一重でデフレ政策につながるんですね。ですから、国内物価を抑えていこう、それによって国民生活の向上、それは即可処分所得をふやしていく、これは理論的にはわかっても、実態の中で国内物価を抑え込んでいくということには、製造、流通、消費までいろんなファクターが入り乱れますから、単純に抑え込むというだけではなかなか所得の倍増にはつながらない。 しかし、そういうこともお考えになって海外との格差是正をおやりになりたいと。大いに結構でございますが、ふと考えてみると、お米とか石油とか国がコントロールしているものが一番格差があるわけです。この辺はどういうふうになさろうとするんですか。
○国務大臣(羽田孜君) 今お話がありましたように、物の価格を下げる、ところが、その部品をつくっている工場とかあるいは加工をする工場とかこういった零細の企業にしわ寄せがいくような場合がよくあるわけでございまして、これは困るんだと、そういった点もぜひともひとつ検討していただきたいということを申し上げました。 それから、今、石油の問題のお話がありましたけれども、これは水ももちろん当然ありますけれども、やっぱり流通の問題だろうと思うんですね。 例えば、この間、島根県の岩國市長さんがお見えになったときも、お話ししておりましたら、東京ではガソリンが百二十円で買える、ところが島根のようにどちらかというと所得が少ないところが百三十円実は取られるんだということでありまして、所得の少ないところがこんな大きなお金をかけるということは参ってしまうというようなことを言われ、そういう中で流通のコスト、こういうものを考えていかなきゃいけない。 例えば、サービスなんかにいたしましても、これは安全の問題がありますから何でも一概にやれと言うことはできませんけれども、安全性を確保していったときに、あるいは島根みたいなところでしたら例えばみずからの、セルフサービスですか、こういったことなんかできる地域もたくさんあると思うんですね。ですから、そういったところから徐々にやっていくというようなことで、そういう面での規制緩和というものも、やっぱりそちらに目を向ける必要もあろうというふうに思います。
○斎藤文夫君 防衛問題と基地問題を質問させていただきます。 北朝鮮問題、手をかえ品をかえいろいろ御質問を申し上げておるところでありますが、きょう総理は昼にクリントン大統領とテレをされた。また外務大臣は、中国、韓国、それぞれ大人の使いをきっとされたんだろうと期待をしているんですけれども、きょうはまたアメリカとロシアの大統領が電話でこういう問題で対話をしている。国際的に極めて緊迫した状態にあるわけです。 一体、日本は、この一衣帯水の最も厄介な北朝鮮の今回の問題を踏まえてどうリーダーシップを発揮していくのか。人の国にへっぴり腰でついていくことが一番私は残念な選択だと思っておりますから、堂々と日本がこういう努力をしていくんだと、総理、その所信をお聞かせいただきたい。
○国務大臣(羽田孜君) これはもうお話しのとおり隣国の問題なんですね。ですから、この問題につきましては、要するに基本的には我が国の安全をどうこうするという我が国自身の問題であるというふうに受けとめなければいけないと思っております。 ただ、北朝鮮とは我が国は八回ほど話した後、これが不調に終わってしまっておるということで、我が国としては常に門戸を広げておりますということでありますけれども、残念ですけれども真正面からの話というのはできません。ただ、これはいろんな角度から、これはどういう角度てどういう筋かと言われますと困りますけれども、いろいろな立場を利用しながら、あるいは活用しながら語りかけをいたしておるということであります。 それと同時に、あの国と本当に話し合いのできる中国に対してもぜひ呼びかけをしてもらいたいということ。あるいは北朝鮮が加盟しておりますグループがありますね。こういったグループの国なんかを通じながら呼びかけてもらおうというようなことをやりましたり、また、米朝は重水炉、軽水炉なんという話も何かあるようでございますけれども、いずれにしましても、核の問題についてはアメリカと話すという大変強い意向が北から示されておるということで、アメリカが話し合うそのときにも、私どもは本当にあの国が国際社会に対して門戸を開くように呼びかけてもらいたい、粘り強く語っていただきたいということで話しておるということでございまして、我が国としてでき得る積極的な呼びかけというものをあらゆる筋を通じながらしておるということであります。 ただ問題は、ただ話しかけているだけでは、しかもだんだんエスカレートしてしまって、我々がそう言っている間についにIAEAから脱退をする。まだ正式に向こうへ文書は届いていないようでありますから、まだ変わる可能性あるいは変えてもらえる可能性というものを私どもは期待をいたしておりますけれども、しかしIAEAから脱退する。あるいは保障措置というもの、これはもう認めないというようなことが発言されておるということでありまして、私どもといたしますと、これは好むと好まざるとを得ず、やっぱり国際社会として共同した行動というものをとらなければならないようなところに追い込まれてしまうんだということであります。 しかし、私どもはそうかといって話し合いを全部切ってしまうというんじゃなくて、やっぱりいろんな角度から呼びかけはいたしていきますけれども、しかしあるときには、国際社会が一つの方向を決めたときには、我々も憲法に許された中で対応していかざるを得ないということを申し上げたいと存じます。
○斎藤文夫君 北朝鮮は金日成の独裁国家ですし、戦後五十年、まさに取り残された厄介な社会主義の国です。孤独感あるいはまた生活水準の低さ、これはまさに西のフセインと並ぶ立場のような印象を持つんです。これが万一核兵器を保有して近隣ににらみをきかさせるということになれば、これはもう本当に我々にとっては最大の脅威になるであろう。このときに、総理あるいはまたお手伝いをしている外務大臣、二十一世紀に対して日本の国民の生命、財産をしっかりと守っていかなきゃいけない、そのためには命をかけて交渉に当たっていただかなきゃならぬわけでありますから、重ねて見解をお聞かせいただきたい。
○国務大臣(羽田孜君) もう斎藤委員がおっしゃるとおり、私どもも本当に命がけでこの問題に取り組んでいくことが必要であろうと思っております。 かつて田中角栄先生が例の日中国交正常化をいたしました。あのときに帰ってきて話されたせりふというのは私は今でも記憶に残っておるんですけれども、隣国である、この国は向こうへ行ってしまうことはあり得ないんだ、ともかく永遠に日本の隣にある国である、この国と赤十字とが一部のルートを通じてしか話せないということは大変不幸である、いいことでも悪いことでも真正面から話し合える仲をつくらなきゃいけない、それにはやっぱり毛沢東さんという方が健在であるときでなければなかなかこれを達成することができないと思う、私は国交正常化を決断しましたと。 今、金日成主席についてお話があったわけでありますけれども、金日成さんという方は絶対の力を持った方であるというのは国際社会のだれもが見るところでありまして、私は長いまさに、何というんですか、革命といいますか、こういったことを進めた、生き残って——生き残っているという言い方は失礼ですけれども、生きていらっしゃるのはカストロさんと金日成さん、この二人じゃないかと思うんですね。そして、本当の力を持っているというのは金日成さんは間違いないわけでありますから、朝鮮民主主義人民共和国のためにも、私はやっぱりここで世界に門戸を開こうという号令をかけてくれることを心からまだ期待をいたしておるということも申し上げたいし、我々はそのための外交努力を真剣にこれからも続けていくことを申し上げたいと思います。
○国務大臣(柿澤弘治君) ただいま総理から御答弁がありましたように、そうした形ですべての対話に対しては門戸を開いていくということで努力をいたしたいと思います。 ただ、アメリカ側ではやはりかなりいら立ちが募っているようでございますし、国連において議論をされるようなことになりますと、私どもが考えておりました段階的漸進的措置というものが短縮をされるというような懸念も出てきております。北朝鮮側にそうした国際社会の姿勢もきちっと理解をしてもらって、そして性急な対応に陥らないように心から期待をいたしますし、そのために我々も適切なメッセージを送ってまいりたいと思っております。
○斎藤文夫君 特に日本は危機管理にふなれでございますから、何かあるともう国を挙げてひっくり返すように緊急立法か何かでわあっと持っていってしまおうとする、その間に国会でもいがみ合いが行われる、こういうことはきちんと整理してしかるべきじゃないんでしょうか。 ですから、私はその意味で、有事法制をこれをきっかけに論議すべきだと思っておりますけれども、外務大臣、お願いします。
○国務大臣(柿澤弘治君) いわゆる有事法制というのは、国内における紛争に対応するための準備的な法制でございますので、それが今回のような北朝鮮の核疑惑と関連して必要かどうかということは別の問題であろうかと思います。 長い目で見て有事法制の検討はされなければならないことと思いますが、今回の北朝鮮の対応につきましては、たとえ国連におきまして措置が決められましても、これは経済制裁というような種類のものになろうかと思いますので、先般来各担当の閣僚が御答弁されておられますように、立法上の措置がなくても対応できるものもあろうかと思っております。 あとは今後の事態の進展いかんでございまして、これを今ここで議論することはまだ性急ではないかと思っておりますので控えさせていただきたいと思います。
○斎藤文夫君 防衛庁長官にお尋ねをいたします。 冷戦構造の崩壊を受けまして防衛大綱の見直しか細川内閣当時に始まりまして、近々答申が出されると聞いておるところでありますが、この新しい北朝鮮の脅威というものをめぐってどういう方向でお見直しになっていくのか、また、お考えを聞かせていただきたい。
○国務大臣(神田厚君) 防衛計画の大綱につきましては、防衛問題懇談会からいろいろお話をいただいておりますが、これは長期的な見通しを持った日本の防衛計画でございますのでそれ相応の防衛力の追求をしなければならないと思っておりますが、こういう北朝鮮の情勢などもありまして委員の皆さんも大変御関心でありますから、こういう問題を含んで答申がされるんだと思っております。
○斎藤文夫君 先般行われました我が党の倉田委員の質問の中で防衛庁長官は、情勢の変化に大綱の見直しは当然だとお述べになっておられる。この当然というのは、北朝鮮が武力を威嚇的に見せられる、じゃそれにどう対応していくのか、その当然の方向を教えていただきたい。
○国務大臣(神田厚君) この問題は、中長期的な観点から我が国の防衛のあり方を見ていくということでございまして、この防衛大綱の見直しは初めに防衛力削減があったということではないというふうに私は思っておりますけれども、しかし、北朝鮮のすべてを見込んでいるものでもございませんで、北朝鮮問題は、これから長期的になるかもしれませんが、現時点では短期的な見通しを持っておりますので、それではどっちが当然かと言われますとちょっと混乱してしまうんですけれども、全体的に削減ありきではないという方向でございます。
○斎藤文夫君 昨年、細川前総理は自衛隊の観閲式で、雪解けの軍縮について日本はイニシアチブをとっていくんだ、その方向で今後行くと言ったわけですよ。雪解けのときに防衛力増強というのは、このときに細川さんは、考えていない、だから防衛問題懇談会に諮問をすれば当然軍縮というそういう方向でいこうと。私は当たり前だと思うんです。ところが、そこへ降ってわいたような今回の北朝鮮の存在というものを、長官、三軍の責任者としてどうお考えになって、中長期の計画だからいやまだわかりませんでは、我々の生命、財産を守れませんよ。
○国務大臣(神田厚君) この防衛問題懇談会は総理の諮問機関でございまして、そういう意味では防衛庁は防衛庁で、あり方懇談会という諮問機関を持っておりまして、そっちで防衛庁の方は検討を続けているわけでありますが、当然、防衛庁の方針としては、北朝鮮問題は非常に大事だなという方向になっております。
○斎藤文夫君 角度を変えて長官にお尋ねいたします。 ノドンに対して、日本の現有防衛力で国民の生命、財産を守れますか。
○国務大臣(神田厚君) 大変関心のある大事な問題でございますが、現在我が国としては現有のペトリオットを含め、北朝鮮のスカッドミサイルのような弾道ミサイルに対処することを想定したシステムを保有しておりません。また、現在整備を進めている能力向上型ペトリオットによっても、射程千キロと言われる北朝鮮のノドンミサイルに有効に対処することは困難であろうと思われます。 いずれにしましても、我が国としては弾道ミサイル防衛の問題には引き続き慎重に必要な検討をしていかなければならないと思っております。
○斎藤文夫君 そうすると、万々一というときには一億二千万の我々の生命はどうなるんですか。
○国務大臣(神田厚君) 北朝鮮をめぐる問題については、現在外交的解決が模索をされているところでございます。 ノドン一号による攻撃という仮定の事態を前提とした御質問には答弁を差し控えさせていただきますが、一般論といたしましては核を含む米軍の抑止力に依存することになると思います。
○斎藤文夫君 北朝鮮は、そのほかにテポドン、それからシルクワームとか、いろんな近代設備を充実させようと試射したり何かやっているわけでしょう。これ、もうこのままいくとどうしても、日本の防衛が全く丸腰だと長官は今おっしゃる、こんな状態で中期長期の展望を待っていたらどうなるんですか。少なくとも今、次世代の防衛と言われているTMD、戦域ミサイル防衛構想などと今後どう取り組んでいかなきゃならないとか、今すぐ取り組める状況でないことはわかるにしても、何か前向きの対応というものをしなければ、二十一世紀、子や孫の時代まで安心していられないよ、人の核の傘で頑張っていけ、こういうことだけで済まないと私は思いますが、いかがですか。
○国務大臣(神田厚君) まさに先生おっしゃるとおりでございまして、特に弾道ミサイルの対処などは、これはそのシステムを有効に持っていかなければならないというようなことも含めまして、TMDにつきましては事務当局で話し合いをしておりまして、これを引き続き検討を踏まえてTMDを我が国の防衛の位置づけにやっていけるかどうかということも早急に考えていきます。
○斎藤文夫君 先日、倉田委員の質問に長官お答えになりまして、バランス・オブ・パワー、これの解釈がなかなか明快じゃない。いろいろ議事録を調べてもすっきりしません。したがって、もう一度長官のお考えをお聞かせください。
○国務大臣(神田厚君) この問題につきまして混乱をいたしまして、大変申しわけございませんでした。 私は、バランス・オブ・パワーについては、今日の国際社会において、同盟関係も含めた軍事力のバランスが安全保障の重要な側面であり、我が国の防衛力整備に当たってもこのようなことを考慮に入れることが必要と考えております。 かかる点も踏まえて、我が国は、日米安保体制の存在を前提とした上で、我が国みずからが力の空白となって地域の不安定要因とならないよう独立国として必要最小限度の基盤的防衛力を整備していくということであります。 今後のあり方につきましては幅広い視点から議論をしていかねばならないと思っていますが、周辺地域の軍事情勢には十分配慮すべきだと考えております。 なお、目には目を、私が話したのは目には目をというふうに聞こえたというふうなことで……
○斎藤文夫君 私は言っていない。
○国務大臣(神田厚君) いやいや、そういうふうなお話がございましたけれども、決して脅威に向かってこちらも脅威を持って対抗するというような意味ではございませんですから、誤解のないようによろしくお願いします。
○斎藤文夫君 長官、それは言われてみれば当然のお考えなんですが、先般の答弁の中では、二国間あるいは国と国家の間の平和には力が必要だ、だから相手が力を持てばこっちも力を持つんですか、こういうような論法になるじゃないですかと私は聞きたいわけですから、もう一回答弁してください。
○国務大臣(神田厚君) 私も答弁書を起こして持っておりますが、訂正したといいますか、追加して御答弁をした問題には、力の均衡を保っていくということでございますが、要するに、我が国の防衛力が空白になってほかからの侵攻などがないように我が国としましては最小限の防衛力を整備していくことでございますと、このようにお答えをいたしまして、先生の御心配がないように、ひとつよろしくお願いいたします。
○斎藤文夫君 時間がありませんから、さらに進めます。 防衛庁へ他の省庁から幹部として出向されておられる状況について御説明願います。
○政府委員(宝珠山昇君) 現在、防衛庁には九つの省庁からいわゆる事務系キャリア約三十名が出向してきております。これは、政府の方針としてもございますが、人事の交流を全省庁的に実施するというものの一環でもございます。それから、防衛庁からは十の省庁に約三十名が出向しているところでございます。
○斎藤文夫君 各省庁の割合はどうですか。
○政府委員(宝珠山昇君) 外務省から四名が出向してきており、八名が出向しております。大蔵省からは六名が出向してきており、三名がこちらから出向しております。文部省からは……
○斎藤文夫君 出たのは聞いていないんだから、来ているのを。
○政府委員(宝珠山昇君) 文部省から一名、通商産業省から四名、運輸省から一名、労働省から一名、自治省から一名、警察庁から六名、経済企画庁から一名、以上でございます。
○斎藤文夫君 特に、それぞれの中で、次官以下主要なポストについておられる方々はどちらから来ておられますか。
○政府委員(宝珠山昇君) 主要なポストということでございますので、指定職ということで理解させていただきます。 外務省から一名、大蔵省から三名、通商産業省から……
○斎藤文夫君 どういうポスト。
○政府委員(宝珠山昇君) 現在、防衛事務次官、経理局長、それから防衛審議官、これが大蔵省からでございます。外務省から国際担当参事官、それから通商産業省から装備局長、自治省から防衛施設庁長官、警察庁から教育訓練局長、以上七名でございます。
○斎藤文夫君 自衛隊発足四十年、大人になった防衛庁、したがって防衛庁自身の中で育ってきたプロパーの人たちを今のメンバーの中で数えるとどうなりますか。
○政府委員(宝珠山昇君) 参事官のポストが十名ございますが、このうち五名が他省庁から、防衛庁の技術関係を含みます採用者が五名というところでございます。防衛審議官が四名おりますが、先ほど申しあげた大蔵省出身者一名を除き防衛庁出身でございます。
○斎藤文夫君 長官も、大変失礼ですが、九カ月の中で三人、三代がわられている。非常事態に勉強中勉強中でやっているうちに世の中大変なことになる可能性があるんですが、あなたが人事の総責任者です。これは熊谷前通産大臣のときのいきさつで私たちもしっかり覚えているところであります。 ですから、これから国会が終わると霞が関は人事のときに入るわけです。したがいまして、プロパーの人たちをしっかりと育て上げていく、そういう防衛庁というものを考えていかないと自衛隊全体の士気にかかわるんじゃないかな、こう思いますが、お考えのほどを聞かせてください。
○国務大臣(神田厚君) 確かに先生おっしゃる面もあるんでありますけれども、防衛庁長官は一定期間継続して在職が望ましいことは確かでありますけれども、現内閣において基本的な防衛政策は継続性が確保されている。それから、我が国においてはシビリアンコントロールの制度はもとより、非常事態の対応についても防衛庁長官を補佐する文民、当局、それから統幕議長、それから防衛出動などに大変必要な面では安全保障会議がありまするから、私はそういう意味で、防衛庁長官は長い方が少しいいですけれども、そういう継続性の中で保たれていることでございます。
○委員長(井上吉夫君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(井上吉夫君) 速記を起こして。
○国務大臣(神田厚君) 防衛庁内部部局等の幹部の大事については、基本方針の策定等についての長官の政策的補佐機関としての性格を踏まえつつ適材適所主義でこれを実施しております。これまでのところ、他省庁からの出向者も幹部のうち相当な割合を占めておりますが、これはいわゆる事務系キャリア組の採用の歴史が浅く数も少なかったことによるものでございました。 いずれにしろ、防衛庁における事務系キャリアの採用数は逐次増大してきているところでありまして、今後とも人事交流も含めて互いに切磋琢磨することにより優秀な人材を育成することが重要だと考えております。
○斎藤文夫君 ただいま御答弁をされたように、適材適所、しっかりと日本の防衛のために適正な配置をしていただくことをさらに強く要求いたします。 もう時間がありませんが、残された時間、最後に、二十一世紀へ向けての日本経済、とりわけ中小企業問題について大筋で触れます。 実は、二十一世紀の日本社会というものを考えたときに、これは産業のみならず社会もそうですけれども、いろんな問題を抱えることになります。一口に言うならば、今の活力が失われる、低成長、厳しい環境の中に置かれる、このときに新産業を創出したりあるいは構造改革をしていかなきゃならない、それに対するビジョンというものを今から打ち出していかなきゃいかぬと思っておりますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(畑英次郎君) 先生御指摘がございましたとおり、日本におきましても戦後五十年、そしてまた産業界におきましても追いつき追い越そうというような意味合いでの今日までの努力がなされたわけでございますが、その従来の取り組み、これがいわゆる成熟期を過ぎまして、今日日本の置かれております円高の問題、内外価格差の問題等々、そういうものを考えました場合におきましては、一つの現象として端的にあらわれておりますとおり、いわゆる産業の空洞化ということが大きな問題として今日位置づけられておるわけでございます。 さような意味合いにおきましては、ただいま示されております対外経済改革要綱等々の問題、いわゆるマクロ的な問題、あるいはミクロの分野、あるいは産業調整の問題等々、この三位一体の意味合いの中で具体的な展開を図って、やはり二十 一世紀におきましての日本の新しい市場の開発と創造、そういうものに全力を挙げていかなければならない、そしてまた雇用問題等々も踏まえた取り組みが必要である、かように考えておるような次第でございます。
○斎藤文夫君 日本の人件費は世界一です。特に、国内一人の給料で途上国の人ですと百人雇える。これじゃドーナツ化現象を起こすのも当たり前のことであります。これからの日本の一番大きな課題は雇用問題。大手企業のリストラ等と絡みますと、大変なこれから求人難になると思います。親愛なる労働大臣の御答弁をお願いします。
○国務大臣(鳩山邦夫君) 非常に抽象的な御質問でございますけれども、要するに、二十一世紀に向かっていけば産業構造が大きく変わっていくわけで、もちろん通産大臣から今お話があったような、まだまだ我が国の海外への直接投資というのはアメリカに比べれば少ないわけですから、先生今おっしゃったように人件費が高いという現象があればこれは産業の空洞化という現象もこれからさらに大きくなっていくかもしれない。 そういう中で、産業構造が大きく変わっていっても、できる限り失業者が出ないで失業なき労働力の移動ができるように労働行政の上で懸命に努力をしてまいりたいと思っております。新しく生まれる雇用の需要があると思うし、雇用を失っていく場面もあるでありましょうし、その間の移動ができるだけスムーズにいくように、例えば職業能力開発とか、あるいは既に働いている方でも自分の将来を見越してさらに自己研修できるとか、そういうような仕組みもいろいろ考えていかなければならないと思っております。
○斎藤文夫君 ポスト・ウルグアイ・ラウンドのWTOについて一言お尋ねをいたします。 このWTOにこれから日本はどう期待をし、どういうリーダーシップを発揮していくのか、お答えをいただきたい。
○国務大臣(畑英次郎君) 私ども、いわゆる平和の問題における国連、そしてまた経済分野におけるWTO、こういうような意味合いでの国際間における位置づけがなされますように、二十一世紀に向けてのきちんとした充実、対応が必要ではないかなというふうにも考えておるわけでございます。 いわゆる従来のガット等々の問題の中にございましては、一例を申し上げればアメリカサイドの三〇一条等々の問題、こういうことの懸念がなくなるような方向への国際社会での認知といいますものをこのWTOを通じまして確立を図っていかなければならない、かような認識を持たさせていただいておるわけでございます。
○斎藤文夫君 規制緩和といえば、工業等制限三法が人口集中のところにかぶさっております。首都圏、近畿圏であります。もう歴史的役割は終えておりますので、これらについて思い切った規制緩和をすることが景気浮揚あるいは二十一世紀への新産業創出、雇用創出につながると思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(左藤恵君) 工場等制限法のことでございますが、この大都市圏におきます工場等制限法につきましては、既成市街地の産業とか人口の過度の集中ということを防止していこう、都市の環境を守っていこう、こういう趣旨でできた法律だと思います。今日におきましても、やはり依然として人口の集中とか産業の集中があるわけでありますから、そういう意味では国土政策の点から見ましてもまだこの法律は意義があるというふうには考えております。 しかしながら、今お話がございました面積増を伴わないスクラップ・アンド・ビルドとか、中小企業の経営の合理化のための一定の増設とか、そういったものは現行制度でもできるわけでありますので、これは地方公共団体と十分運絡をとって、この運用につきまして我々さらに努力をしなければならないんじゃないか、このように考えておるところでございます。
○斎藤文夫君 工業で人口が集中する時代は過ぎたと、このように思っておりますので、本当に私は前向きの見直しを特にお願いいたしておきます。 最後に、中小企業をめぐる問題で大店法の規制緩和が行われました。五月一日から今実行されているところであります。しかしながら、段階的な解消という話も一方あります。商店がつぶれれば商店街がつぶれる、商店街がつぶれれば町が崩壊する。こういうことを考えますときに、まさに命をかけて努力をしてきた商店街というものをもう一回見返しをする、こんな気持ちをお持ちになるかどうか、通産大臣お願いいたします。
○国務大臣(畑英次郎君) 御指摘がございましたとおり、大店法につきましては、五月一日からある意味におきましては思い切った規制緩和の姿の中で再スタートをさせていただいたわけでございます。 それなりのいろいろ問題把握をさせていただいておるわけでございますが、先生御指摘がございましたように、何といっても、中小企業、零細企業、商店街、商工会、こういった立場の方々がある意味では従来から日本の産業分野、地域活動等を支えてきた大きな柱であったこともこれまた事実であるわけでございますから、この辺の五月一日以降の動き、そしてまたそれに対する影響の度合い、こういうものを十分把握して慎重な問題対処を進めてまいりたいが、中小企業のお立場、商店街のお立場を十分念頭に置いた対応をあわせて進めてまいりたいがと考えておるところでございます。
○斎藤文夫君 最後に一つ。 中小企業は本当に苦労しております。そこで、ODAに一兆円も出すんですから、中小企業予算が年に二千億、これはいかにも少ない。大いに中小企業に活力を与えることが日本経済全体への励みになる、景気回復になる、それをお考えいただきまして十分な対応をしていただくことをお願いいたし、終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(井上吉夫君) 以上で斎藤君の質疑は終了いたしました。(拍手) 明日は午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後六時十一分散会