予算委員会 第13号
- 発言数
- 290 件
- 登壇者
- 42 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 1994/06/13
会議録
○委員長(井上吉夫君) ただいまから予算委員会 を開会いたします。 まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 平成六年度総予算三案審査のため、本日の委員会に日本銀行総裁三重野康君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(井上吉夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(井上吉夫君) 平成六年度一般会計予算、平成六年度特別会計予算、平成六年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。 前回に引き続き、総括質疑を行います。 ―――――――――――――
○委員長(井上吉夫君) まず、去る十日の種田君の集団安全保障にかかわる質疑に関し、内閣法制局長官から発言を求められておりますので、これを許します。内閣法制局長官大出峻郎君。
○政府委員(大出峻郎君) 集団的安全保障への参加と憲法との関係について、去る十日の委員会での答弁に補足をいたして答弁を申し上げたいと思います。 集団的安全保障とは、国際法上武力の行使を一般的に禁止する一方、紛争を平和的に解決すべきことを定め、これに反して平和に対する脅威、平和の破壊または侵略行為が発生したような場合に、国際社会が一致協力してこのような行為を行った者に対して適切な措置をとることにより平和を回復しようとする概念であり、国連憲章にはそのための具体的な措置が定められております。 ところで、憲法には集団的安全保障へ参加すべきである旨の規定は直接明示されていないところであります。ただ、憲法前文には、憲法の基本原則の一つである平和主義、国際協調主義の理念がうたわれており、このような平和主義、国際協調主義の理念は、国際紛争を平和的手段により解決することを基本とする国連憲章と相通ずるものがあると考えられます。 我が国は、憲法の平和主義、国際協調主義の理念を踏まえて国連に加盟し、国連憲章には集団的安全保障の枠組みが定められていることは御承知のとおりであります。 したがいまして、我が国としては最高法規である憲法に反しない範囲内で憲法第九十八条第二項に従い国連憲章上の責務を果たしていくことになりますが、もとより集団的安全保障に係る措置のうち憲法第九条によって禁じられている武力の行使または武力による威嚇に当たる行為については、我が国としてこれを行うことが許されないのは当然のことであります。 以上でございます。
○委員長(井上吉夫君) 梶原敬義君の関連質疑者のうち、種田誠君の残余の質疑を行います。種田君。
○種田誠君 ただいまの長官の方の説明で大体の流れは私もわかりました。しかし、今の説明を聞いておって、多くの国民の皆さんがどこまでこのことを理解できたか、私も若干不安は残ります。 それでは、総理、国連憲章五十一条には集団的自衛権という言葉が明記されておりますが、憲法との関係においてこの集団的自衛権というのはどの条項で論じられ、どのような限界があるんでしょうか。
○政府委員(大出峻郎君) 集団的自衛権と憲法との関係ということでございます。 国際法上、国家は集団的自衛権、すなわち自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を自国が直接攻撃されていないにかかわらず実力をもって阻止することが正当化されるという地位を有しているものとされており、我が国が国際法上このような集団的自衛権を有していることは主権国家である以上当然であると考えられます。 しかし、政府は、従来から一貫して我が国が集団的自衛権を行使することは憲法上許されないとの立場に立っておるわけであります。それは、憲法第九条のもとにおいて許容されている自衛権の行使というのは我が国を防衛するため必要最小限度の範囲にとどまるべきものであるというふうに解しておりまして、集団的自衛権を行使することはその範囲を超えるものであって、したがって憲法上許されないというふうに考えておるところであります。
○種田誠君 お話伺っているように、このことも憲法上余り明確ではない。解釈の上で今のような結論を導き出す、そういうことになっているにもかかわらず、総理はたびたび、衆議院でもこの参議院でも、集団安全保障、集団的自衛権、いずれも憲法の枠の中でこれを行使したいと思うと、こう言いますけれども、その憲法の枠の中というのは一体どういうことなんでしょうか。
○国務大臣(羽田孜君) 我が国を守るための最小限の武力行使以外は、例えば近隣の我が国と深い関係のあるところに攻撃を受けたときに日本が武力をもってそれに参加するということは、これは認められないということであります。
○種田誠君 そういたしますと、国連憲章第四十一条のいわゆる兵力の行使を行わない措置、すなわち一般的に非軍事的強制措置と言われている、このことは可能でしょうか。
○国務大臣(羽田孜君) これも、軍事的な行動と一体となって行われるものというのは、これは解釈は非常に難しいところであろうというふうに思っております。ですから、後方支援の中でも、例えば医療の問題ですとか、かつて我が国が一応の戦いが終わった後の例えは湾岸における掃海の作業ですとか、そういったものはできますけれども、軍事と一体となってやるということは、要するに武力の問題と一体となってやるということは非常に難しい問題であろうというふうに思います。
○種田誠君 この点についても、これはまた解釈上、総理が今述べたような形で位置づけられるということであって、我々政治を行っていく上で集団的安全保障というのは憲法と国連憲章との間で一体どう位置づけたらいいんだろうか、集団的自衛権というのはどういうものであってなぜ禁止されるんだろうか、PKO活動というのはどうして日本は行っていかなきゃならないんだろうか、その限界は何だろうか、こういうことがどうも法律上明らかでない。 私、これ、大変重要なことだと思うんですね。特に、米ソ冷戦構造下で代理戦争というか核の抑止力の中にあったそういう時代においては一つの秩序が保たれるわけですけれども、国連中心主義、新しい秩序を国連がづくっていく、そして世界の安全保障も考えていく、こういう時代になりますと、憲法のもとに集団的安全保障というのはこういうものですよ、限界はこうですよ、集団的自衛権というのはこういうものですよ、ただし日本国憲法上認められません、PKOはこういうものですよ、限界はこうです、日本の必要最小限度の軍備に伴う専守防衛とはこういうものですよ、日本は国是として非核三原則を守ります、シビリアンコントロールを維持します、今後軍縮に努めていきます、こういう原則を定めたような安全保障基本法というのを私はこの時期につくっていくときだと思うんですけれども、総理、このお考えいかがでしょうか。
○国務大臣(羽田孜君) 国連憲章にいたしましても、あるいは我が国の憲法にいたしましても、やはりポスト冷戦、そして今日のいろんな紛争、こういったものは実は想起されていなかったと思うんですね。そして、たしか第七章ですか、ここで言われているところの集団安全保障、こういったものの中で国連軍がつくられるということが言われますけれども、それではどういう形でどういう陣容で対応するのかということはまだ議論がされておらなかったということ。そして、いずれにしましてもそういったものが現実に機能したということはないということ。そういう中でこれ国際的にもやっぱり議論されなきゃならない問題でしょうし、そして、そういう世界の中で平和を乱す者があったときに、もう一国と一国というのではなくて、国連、世界が一緒になって物事を行動していくというような時代が確かに今やってきているのかもしれません。 ですから、そういう意味で今御指摘のありましたような問題はやっぱり幅広く国民の中で議論を展開されていくべき問題であろう。この新しい時代に対してどう対応するのかということについて国民の中でも多く広く深く議論していただく時代というものが来ているのかなという感じを私自身も実は持っておったということは率直に申し上げておきます。
○種田誠君 石田総務庁長官、総理の方から安全保障基本法に関する一つの考え方が今述べられたわけですけれども、それで、私もこの間公明党のビジョン21の皆さん方とこれらのことについて議論をしてまいりました。考え方は同じであります。党首としてのお考えも述べていただきたいと思うんですが。
○国務大臣(石田幸四郎君) 総理から今いろいろ集団安全保障あるいは集団自衛権の問題について御議論がありました。しかし、これはまさに総理がおっしゃったように、現実としてそういう問題が目に見えているわけではございませんので、新しい時代に即応しての考え方を各党間で十分議論をしながら国全体の議論にまとめていくことが大事であろうと思っております。
○種田誠君 大内厚生大臣、私ども若手社会党の議員は、民社党のグループC&Cの皆さんとも勉強をしております。そこでの議論の中でも、安全保障基本法を早急にづくっていく必要性がある、こういう方向でお互いに方向を見定めておるんですが、前党首としての大内さんのお考えを聞きたい。
○国務大臣(大内啓伍君) 安全保障基本法の問題は大分前から議論しておりまして、私ども、やはり憲法をめぐっていろんな論議がございますだけに、安全保障基本法といったようなものをつくって、そしてこの問題に対する国民のコンセンサスも得るようなそういう措置をとることは大変有意義であると、こう考えております。
○種田誠君 総理も公明党の石田さんもまた民社党の大内さんも同じようなお考えであるということならば、ぜひこのような法案の成立に向けての議論を起こしていただいて、政府もそして我々議会も前向きに検討していく、こういうふうにしていきたいと思います。 外務大臣、土曜、日曜と大変御苦労さまでございました。まさに韓国、中国と今回の核問題に関しての当事者国とも言われるような国をめぐってまいりまして大変お疲れだろうと思いますが、若干の質問をさせてください。 まず、韓国で外務大臣と具体的なお話をしたと思うんですが、報ぜられるところによりますと、段階的制裁では一致をした、しかしその具体的な中身については協議が進まなかった、こういうふうに言われておりますけれども、実際どういうふうなお話がなされたんでしょうか。
○国務大臣(柿澤弘治君) 種田委員御指摘のように、十一日土曜日、韓国を訪問し、韓国では金泳三大統領、また韓昇洲外務部長官と会談をしてまいりました。 その中では、現在北朝鮮の核開発疑惑が、IAEAの査察が非常に困難になったという状況の中で、厳しい状況であるという深い憂慮を共有することができました。また、国際社会として何らかのきちっとしたメッセージを送って、北朝鮮にIAEA核査察体制への復帰を促すというために日韓が協力をしていくということも合意をしたところでございます。 また、その意味では、これから国連安保理に議論の場が移されるわけでございますが、その安保理において今後議論され決定される措置はあくまでもこれは懲罰的なものであってはならない、北朝鮮をIAEAに復帰させるための国際社会としての要請を伝える、そして、それに対して北朝鮮が従って戻ってくることが北朝鮮自身の利益になるということを知らしめるようなものでなければいけないということでも一致をしたわけでございます。その方式が漸進的、段階的措置ということでございました。 一時は、韓国側も大変危険な状態だということで即時制裁というような御議論もあったようでございますが、韓長官御自身がモスクワからニューヨークの国連を回り、そして北京で銭其シン外務大臣とも御議論をした結果、これは粘り強くやらなければいけないというお考えになっているということを理解いたしました。 ただ、金大統領は、北側がいろいろとある意味では脅迫的言辞といいますか、を弄しているけれども、韓国としてはいかなる場合にも備えて毅然たる態度でこの問題に対処したいということをおっしゃっていたのが一つ印象的でございました。
○種田誠君 この問題に関して、今段階的制裁という言葉が使われ、それで一致したということですけれども、一つ確認しておきたいのは、六月の三、四と柳井局長がアメリカの方に出向かれてガルーチ米国務次官補らと協議をして、そしてそこでは、それぞれの国の世論の違いはあるが日本に対する理解は得られている、検討された制裁措置の中で日本ができないものはなかった、こういうふうにコメントが発表されておるわけでありますけれども、この辺のことをちょっと説明していただきたいと思います。
○政府委員(柳井俊二君) お答え申し上げます。 六月の三、四と二日間にわたりまして、ワシントンにおきまして日本、アメリカ、韓国の協議をいたしました。三日の日は日米、韓米という二国間の協議でございまして、四日の日に三者が一堂に会しまして協議をいたした次第でございます。 この協議は、北朝鮮の核兵器開発問題につきまして、IAEAが国連に提出いたしました報告を受けまして、今後の対応を協議するということが目的でございました。 この協議におきましては、国連の安保理におきまして緊急に制裁を含む適切な対応を検討することが必要であるということで認識の一致を見たわけでございます。また、今後の対応に当たりまして緊密に協議をしていくということについても合意をした次第でございます。 ただ、この協議はいわば非公式かつ事務的な意見交換ということでございまして、この協議の中で何らかの制裁措置を決定するということではもちろんございませんし、また、今後どういう措置をとるかということにつきましても、主としてこの三カ国が有しております過去の制裁のいろいろな経験等をもとに、その利害得失あるいはタイミングといったようなことについて協議をしたわけでございます。 我が国がとり得る措置ということにつきましても、そのような観点からいろいろな意見を申し上げておきました次第でございますが、今後の措置について何らか確定的な意見を申し上げたということではございません。
○種田誠君 いや、最も重要なのは、今我が国の方が申し上げた幾つかの例とか、その協議された制裁の具体的な中身とか、こういうことを議会に帰ってきて報告するのがまさに局長さんの重大な仕事だろうと私は思うんですね。したがいまして、もう一度その辺のところ、議会でこれから議論をする上に極めて重要なことですから、そのことについて御報告をお願いしたいと思います。
○政府委員(柳井俊二君) 先日の協議の性格は先ほど申し上げたとおりでございまして、その制裁の具体的な措置等についての意見交換の内容につきましては、三者間の了解によりましてこれは公表しないという約束になっているものでございますから、そういうことでこの場で詳細を御報告できないのが残念でございますけれども、そういう申し合わせになっている次第でございます。
○種田誠君 それでは我々議論が進まないわけですね。 外務大臣、このような答弁に対してどう思いますか。
○国務大臣(柿澤弘治君) 本委員会でも、北朝鮮に対しては話し合い路線でIAEAの査察体制への復帰を求めることが大事だという御意見がたくさんございました。その意味でも、今後国連で措置を決める場合にも慎重でなければならないと我々は考えておりますし、その場合にどのような内容のものになるかにつきましては、これは国連P5を初めとする安全保障理事会のメンバーがいろいろ議論をして決めていくことと了解をいたしております。 残念ながら、日本も韓国も安保理のメンバーではございませんので、その議論に加わることはできません。その意味で、事前にアメリカ側がそうした三者の会合の場をセットしていろいろと意見の交換をしたということであったかと思います。 その点については、今後安保理が決めていくことでもございますので、ひとつこうした公の席で議論することは、いろいろと安保理メンバー国との関係もございますので、お許しをいただきたいと思っております。
○種田誠君 今のような話を伺っていますと、一昨日の韓国での会談にしても、韓国とアメリカが考えている経済的その他の制裁と日本が考えている対処の仕方に大きな認識のずれと今後の方針に関しての違いがあるように思うんですが、その辺のところは外相会談の中で明確になったんですか、ならなかったんですか。
○国務大臣(柿澤弘治君) 先ほど申しましたように、現在が憂慮すべき事態である、また、国際連合安全保障理事会において何らかの議論をし措置を決めていく段階に来ているという点については意見が一致したわけでございますし、先ほど申しましたように、その措置はあくまで、制裁という言葉は使われますけれども、IAEAへの北朝鮮の復帰を促すものでなければならないという点でも合意をいたしたわけでございます。その点で意見の不一致はなかったというふうに思っております。 制裁の中身については、事実議論をいたしませんでした。これはお互いに、安保理が決めていく問題であるということでございます。そしてどちらも、韓国も日本も安全保障理事会が決定を下したときにはその措置に従って協力をするということを確認し合ったということでございます。
○種田誠君 それでは、外務大臣はその足でまさに中国の方へ出向いて中国の外務大臣ともこれらの問題に関して意見を交わしてきたと思うんですが、報ぜられるところによりますと、中国は北朝鮮に対して強く自制を求めている、対話による解決を求めているんだけれども、どうもその辺が正確に相手の方に伝わっていない、そういうところから一つ難しい問題もある、そういうふうな分析があった、こういうようなことも聞いておるんですけれども、その辺の中国外務大臣との協議について日本政府の考え方との間に大きなずれはありましたでしょうか、どうでしょうか。
○国務大臣(柿澤弘治君) 私も銭其シン外務大臣とは既に何度も会っている仲でございますので、腹を割っていろいろ話をさせていただきました。 私が得た印象でございますが、中国側は引き続き話し合い路線が大事だという姿勢を堅持いたしております。しかしながら、一年数カ月にわたって話し合いをしてきたにもかかわらず最終的にIAEAの監視なしに五メガワット実験炉の燃料棒を全部引き出したという事態に対しては、中国側もちょっと予想外の出来事であったというような感じで、これは思ったよりも深刻だという印象を受けているように思われました。その意味で、今までも努力してきたけれども、これからも引き続き中国としては北朝鮮に向けてできる限りの説得の努力をしていくということをお約束いただいたところでございます。 また、国連の場での議論に移るわけでございますが、ここで中国側が制裁に対しては慎重であるという点は今回も明確に述べておられました。これは余り北朝鮮を追い詰めるとNPT体制から脱退をすることになるのではないか、それでは元も子もないといいますか、後は北朝鮮が自由にやれることになってしまう、そうなってはいけないという懸念を持っているように思いました。その点は私どもも理解はできます。 したがって、私から中国にお願いをいたしましたのは、最終的にどのような採決でどのような態度をおとりになるにしても、最後まで国連の安保理の議論には中国も加わっていただいて、そして議論をしていただく、一つの積極的な役割を果たしていただくということが大事だということを申し述べました。中国側も、銭其シン副総理・外務大臣は、その意味では中国なりに独自の建設的な役割を果たしたいということをおっしゃってくださいまして、その点では、今後とも中国がこの問題に大きな憂慮を持ち、そしてその解決のために国際社会とぎりぎりのできる限りの協力関係を保っていただけるものと期待をしたわけでございます。 つけ加えますと、中国の基本的態度というのは、朝鮮半島に核兵器が存在すること、核兵器が生ずることは絶対に望まないということが第一でございます。しかし同時に、この問題で朝鮮半島の平和と安定が脅かされることも望まないというその二つが中国のこの問題に対する基本原則でございます。それが両立するようにということでいろいろ御苦労されているというふうに理解をいたしましたので、その点でも今後ともじっくり話し合って協力をしていこうということで別れたわけでございます。
○種田誠君 今の御報告の中にありましたように、私も中国外務大臣の発言、NPTから北朝鮮が脱退してしまえば、まさに元も子もない。インド、パキスタンのようになってしまうわけでありますから、そういう意味ではまさに今中国の苦悩というか苦労というか、これはこれからの流れの中で極めて重要な位置づけを持つと思うんです。そういう意味で、ぜひとも外務大臣も今のような認識を大事にしていただきたい。 そこで、お忙しいと思いますけれども、土、日に行ったから、もうしばらく中国の外務大臣とは会わなくてももつだろうなんというんじゃなくて、今週からいよいよ安保理でこの制裁問題に関する本格的な議論に入るわけですから、遠い国じゃありませんから、三時間か四時間で行ってしまうわけですから、むしろ頻繁に事あるごとに中国に行って、韓国に行って、足しげく、夕方までに委員会が終わったら夜間飛行で行くとか、そのくらいの決意のもとに極めて重要な時期ですから対応していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(柿澤弘治君) 実は今回、銭其シン外相からは既に御招待をいただいておりましたので、それにこたえる形で伺ったわけでございますが、それにしても短過ぎるといってしかられました。日帰りで来た日本の外務大臣はあなたが初めてだと言われましたけれども、国会のお許しか得られるならばできる限り努力をしてまいりたいと思っております。
○種田誠君 今述べたように、この一週間の間に安保理で本格的な議論が始まる、こういう時期を迎えているわけであります。私は、日本の政府も国連安保理がどのような決議をするか、さまざまな角度からの検討と準備を怠ることは許されないと思うんです。 そういう意味で、もう既にマスコミ等を介して伝えられてはおりますけれども、国連決議の前提のもとに各省庁は今日どのような準備をしておるか。まず、官房の方でもそういう打ち合わせをしておるというふうに聞いておりますけれども、官房長官、どのような体制を今協議しておりますか。
○国務大臣(熊谷弘君) 我々といたしましては、外務大臣が既にお答えを申し上げましたように、できるだけ平和裏に北朝鮮の翻意を促すという立場でおるわけでございまして、その決定があればその決定に従って憲法の枠内で最大限の措置をとる、こういう考え方を総理からも指示をいただいておるところでございます。 先生の御指摘は、その具体的なことについてどのように検討しておるかという意味であろうと思うわけでありますが、このことにつきましては、衆参両院の予算委員会のかつての審議の中で私がお答えをしていることでございますけれども、事務レベルにおきましてさまざまな検討をしていることは事実でございます。また、事務レベルの協議を各省間で情報交換も実はやっておるわけでございますが、何分にも、どのような形で議論が検討されるかということは国連の中で決められてくることでございますし、安全保障理事会のメンバーでもございません日本としては、日米韓等の協議を通じて見守っておるということではないかと思うわけでございます。
○種田誠君 率直に言って、議論していろんなら議論の中身を国会に報告するのが官房長官の任務だろうと思うんです。 それでは、防衛庁長官、経済制裁、国連憲章四十一条の求めがあった場合に自衛隊は何らかの行動がとれますか。
○国務大臣(神田厚君) 経済制裁の中身によりますから、現在のところはお答えすることはできません。
○種田誠君 それでは、経済制裁の中身でとり得る自衛隊が出動できる措置というのはどういうのがありますか。
○政府委員(村田直昭君) お答えいたします。 今、大臣からもお答えしましたように、経済制裁ということ自体がまだ議論されている段階でもございません。しかし、仮に先生が今お尋ねのようにそういうことが行われた場合、それがどういうような内容のどういうことが行われるかということについて明かされたときに初めて防衛庁としてあるいは自衛隊としてどういうことができるかということはわかるわけでございまして、現時点ではお答えいたしかねるわけでございます。
○委員長(井上吉夫君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(井上吉夫君) 速記を起こして。
○国務大臣(神田厚君) 平和裏に話し合いを行おうという状況でありますので、そのように経済制裁云々を今の段階で申し上げて対応をどうするということは今お答えができません。
○種田誠君 もう今週中に国連の方で具体的な協議がなされていく、そういうときに、日本の防衛庁がここまでのことはできるとかこれ以上はできないとか、そういうはっきりした協議をして国会に報告するのは義務だと思うんですが、私は今の答弁では納得できません。大臣、もう一度お願いします。
○国務大臣(神田厚君) 防衛庁としてもいろんな研究や勉強はしておりますけれども、今の時点の中で言えないということでございます。
○種田誠君 それでは、次に運輸省。運輸省も国連における制裁決議などが行われた場合にさまざまな対応を検討していると思うんですが、今日どのようなことが現実に経済制裁としては可能ですか。
○国務大臣(二見伸明君) 種田さんにお答えしたいと思いますけれども、私たちはまず制裁ありきではないということはもうお互いわかっている話です。私が大変心配しますのは、制裁ありきではないという日本側の真意がもし誤って北朝鮮に伝えられた場合には大変なことになるなということが私の一つのおそれです。 もう一つは、安全保障理事会でもって決まるとすればこれから決まる話で、どういうふうに決まるかがまだ決まっていないわけです。そういう段階で、先生おっしゃるように、具体的な問題をああせいこうせいと言われて答弁することは大変現時点では困難だということを申し上げたいと思います。御理解いただきたいと思います。
○種田誠君 大蔵省も、今もう既にマスコミでも何回も何回も言われておりますから、送金停止の問題等々を含めてさまざまな処置を求められる可能性もあります。現行法上どのようなことが可能ですか。
○国務大臣(藤井裕久君) 先ほど来、外務大臣がお答えしておりますように、極めてデリケートな時期で、しかも国連安保理の場において検討が加えられているということで、一定の予断を持ってお答えすることは先ほど来のお話のように差し控えさせていただきたいと思います。 ただ、一般論として過去どうであったか、ここが非常に重要なところでございまして、どういうことが考えられるかということにはお答えできませんが、一般論として過去どうだったかと言われれば、現行法の中で措置できると、これだけお答えいたします。
○種田誠君 人の往来などもいろいろ問題になると思うんですが、法務省は現行法上どのような措置がとれますか。
○国務大臣(中井洽君) 先生のお話にありますように、国連安保理で何らかの決議がなされたときに憲法の範囲内でどういう措置がとれるかということを含めて検討を指示いたしているところでありますが、その中身につきましては、先ほどから各閣僚がお答えしたように、今の時点で予断を持って申し上げることはできない、お許しを賜りたい、このように考えております。 ただ、衆議院におきましても、また参議院におきましても、たびたび同じ趣旨のお尋ねがございます。在日朝鮮人の方の出入国ということに関してお尋ねが多いわけでありますが、永住居住者、この人たちについては在日朝鮮、在日韓国という区別がない、こういうことだけは申し上げられる、このように考えております。
○種田誠君 関係する主な大臣に今お考えを伺ったわけですけれども、実はこういうことについてもう既に各省庁の官房の中で議論をされているということは皆さん述べているとおりですね。しかし問題は、この議論の中身を国会に提起していただいて国会の場で議論をして、そして日本としてどういう態度をとるべきか。私たちはまさに国民の代表として議会に来ているわけですから、私たちが全く関係なく、ある日突然国連の決議が出たから日本はこう動きます、こういうことでは国会としての任務が果たせないと思うんですね。 そういう意味では、今のような御答弁でこれからも日本の議会がいわゆる官僚任せで進むようなことがある場合には議会制民主主義の閉塞になってしまうと私は思うんですが、総理、この点どのようなお考えを持ちますか。
○国務大臣(羽田孜君) ただいまお話しのような問題というのが起こる可能性というのは私は否定できません。 ただ問題は、外務大臣初め皆さんが先ほど来お話しになっておりますように、現在は、制裁先にありきというよりは、この間の議長声明というものが出されて、ともかく対話の中で何とか解決していこうということであります。ただ、IAEAからの報告等を受けながら、国際社会、特に国連も重大なやっぱり懸念を持つようになっておるということで、今御指摘のような制裁措置というものについてもこれ以上進まない場合にはやらざるを得ない、また検討せざるを得ないということが言われておりますけれども、まだ実はその段階に至っておらないということであります。 そういう中にあって、日本の中で、この場合にはこうするんだああするんだということが表面に出るときには、結局は国際社会、特に隣国の日本なんかはそういうことを前提にしてやっているんではないかということになりますと、北に対する間違ったメッセージを送ってしまうということになろうかと思っております。しかし、これは国民の安全というものを守るあるいは北東アジアの平和というものをつくり出していくその責任というものはやっぱり日本にあるわけでありますから、その意味でいかなることがあっても対応できるように情報を交換しておくということは必要であろうと思っております。 しかし、いかなる場合でも、今私ども内閣が考えておりますことは、日本の場合にはやっぱり国民の理解する憲法に許された中でしか行動できないということだけは、私は明確にしておきたいと存じます。
○種田誠君 総理がおっしゃるように、間違ったメッセージを伝えてしまったら困る。 日本の国益というのもすべてオープンの場で議論した場合どうだろうか。さまざまな御疑念があるのはわかります。しかし、議論を議会でしないということは、これは私は議会制民主主義の否定になると思いますので、こういうことのために秘密会という方法だってあるんじゃないんですか。総理はこの点についてどう思いますか。
○国務大臣(羽田孜君) 私は、秘密会というものは否定するものではありません。ただし、日本の場合に、これはもうこれ以上言いますと私はしかられるかもしれませんが、あえて申し上げますけれども、秘密会で本当に秘密があれされるということで、これだけはやっぱりしっかりとしていかなきゃならぬ問題だろうと思います。 しかし、いずれにしましても、秘密会であろうと、例えばこの間、三国で話しました、米、日、韓、個々で話しましたけれども、この話も表には出さないということで、アメリカも表に出さない、韓国も表に出さないということでありまして、こういう非常にデリケートな問題については、確かに国民は知る権利があるし、国民に知らせる義務もある、当然国民の代表である国会の皆さん方にはやっぱり知っておいていただくということは私は大事なことだと思います。ただ、ある時期においてはそれができない非常にデリケートな時期があるということについてはぜひとも御理解をいただきたい。 私たちは、制裁することよりも何よりも、ともかく平和の対話の中でこれを解決することが一番望ましいことなんであるわけでございまして、そのためには、確かにいろんな問題に対しての情報の交換ということはあるでしょうが、しかし、この問題に対して今ここで議論をするということは私はもう少し推移を見させていただきたいなという思いがあることも申し上げたいと存じます。
○種田誠君 重要なのは、私はあらゆる情報を議会でオープンにせいとは言ってないわけです。日本がこれから新たな行動をとっていく場合に、現在の法律の中ではこういうことは許されるんだ、これは法律を改正しなきゃならないんだ、これは許されないんだ、そういうことに関しての議論を議会で当然すべきだろう、その議論に必要な素材は省庁は今こういう議論をしていますよということを提起すべきじゃないか、と言っているわけなんです。それが出ないというのじゃ、委員長、これ以上この議論というのはもう国会ではやらないということになっちゃうと思うんですよ。私はちょっと今の総理の発言は十分納得できない。
○国務大臣(羽田孜君) 例えば有事について、この議論というものはたしか五十二年ぐらいからされておると思います。そして、有事立法とか有事の中における対応というのは、これは五十六年あるいは五十九年にこの研究の成果といいますか、研究の結果をたしか公表もいたしているはずであります。ですから、今の北の問題ということではなくて、この国というものがきちんと安全の中に進んでいくということのための議論というのはこれは私はやっぱり大事なことだと思います。 ただ、時が暗なものですから公の場で議論するというのは確かにきついなということでありますから、今の御指摘の点等につきましては、またこの理事会あるいは委員会の中でひとつ御議論をいただければ、私たちはでき得る限りの対応をしていくということは申し上げたいと存じます。
○種田誠君 総理の方から、先ほどの省庁に、では最小限度こういうことを議論している、これができることだ、そういうことを言うように指示してくれませんか、それぐらいは。
○国務大臣(羽田孜君) こういう公の場では一般論といえども余り突っ込んだことはなかなかお話しできませんけれども、しかし、先ほどお話があったような議論の仕方等については、皆さんの方でお考えいただければ、我々の方としてもでき得る限りの対応というものはしていきたいというふうに申し上げます。
○種田誠君 国民は極めて不安にも思っておりますから、ぜひそのようにしていただきたいと思います。 じゃ、次に質問を移らせていただきます。 戦後、日本資本は大分発展いたしました。その背景は金融資本の充実にあったと思うんです。その金融資本の充実を支えたのは実は根抵当権や抵当権や譲渡担保という権利だったわけですね。しかし、その結果、金銭交換価値だけが発達してしまってバブルを生んでしまった。残念ながら、日本において所有権の持っている利用価値というのが若干後ろに置かれてしまった。 そういう中で、今日私は、所有権の持っている利用価値というのをどのように引っ張り出すか、どのように充実するかが極めて重要なときだろうと思うんです。そういうものがまた物の考え方を変えていくと思うんですが、総理、この点についていかがお考えをお持ちでしょうか。
○国務大臣(羽田孜君) これは、所有権と利用権という問題は、過去にも幾つかの問題の中で大変大きな議論になったところであろうというふうに思っております。しかし、今御指摘のあったことは、私も一つの議論の対象になり得べきものであろうというふうに思っております。
○種田誠君 物を大切にするというのは、物を利用するということが伴って初めて生まれてくるんです。土地の公共性というのも、実は利用するところから生まれてくるんです。そういう意味では大きな価値の転換を今私たちは迎えている。そういう意味で、いかに利用権というのを充実していくか、利用価値を高めるかが今日の課題ではないかと思うんです。 そういう中で、昨今、定期借地権、限定的所有権などというものが検討されておりますけれども、二百年、三百年という定期借地権や限定的所有権を、法務省、考えることできませんか。
○国務大臣(中井洽君) 先生御指摘ございましたように、平成三年に社会的な事情に即して三種類の定期借地権の創設を内容とする借地借家法を制定していただいたところでございます。 先生御指摘の期限を百年、二百年とする土地の利用権については、借地借家法そして民法の現行の制度によっても制定できるのではないか、このように考えているところでございます。 改正された今回のこの借地借家法等のもとで適切な運用が図られれば結構なことと考えております。
○種田誠君 法務大臣の方から、百年、二百年という定期借地権も考えられないわけではない、限定的所有権も考えられないわけではないと。 建設大臣、こういう権利を使って公共事業を行っていく、学校をつくったり道路をつくったり下水をつくっていく、こういうことは可能でしょうか。
○国務大臣(森本晃司君) 今、先生がおっしゃっていただきましたように、公共事業における用地費を軽減していくことは極めて私たちにとっても大事なことではないか、このように考えております。 現在、小規模の公園等々にはこういった借地権等々を利用して行っているところがあるわけでございますが、ただ、道路等々になってまいりますと、今後の供給が極めて不安定な場合、これは非常に難しくて必ずしも適当ではないかなというふうに考えられる部分もあるわけでございます。 いずれにいたしましても、先生の御指摘の状況を踏まえまして、用地費の抑制方法の一つとして今後とも検討してまいりたいと考えております。
○種田誠君 私の質問を終わります。
○委員長(井上吉夫君) 関連質疑を許します。三重野栄子君。
○三重野栄子君 三重野栄子でございます。 私は梶原議員の関連といたしまして、福岡県宗像市を具体的事例としながら住民参加の廃棄物の処理のあり方、同じく粕屋郡志免町を具体的な事例といたしまして一水道事業者である市町村を越えた公益的な水利用についての質問、並びに石川一雄さんの仮出獄についての所見を求めるものであります。 まず、廃棄物処理施設の許可制の導入の意義でございますが、九一年十月に改正され、翌九二年七月に施行されました廃棄物処理法の改正に至るまでの経緯と改正のポイントをまずお伺いいたします。
○国務大臣(大内啓伍君) 御指摘の改正の意義でございますが、これは言うまでもなく、施設設置の審査を十分に行うことによりまして廃棄物処理施設に対する住民等の信頼を確保すること、これが一つ。ひいてはこれによりまして適切な施設の整備が促進されることにあると考えておりまして、この改正制度のもと、許可権者でございます都道府県知事によりまして、産業廃棄物処理施設を設置しようとする者に対しまして周辺住民の理解を得るよう適切な対応をすべき旨の指導を今行っているところでございます。 平成四年七月の改正制度施行後、このような指導を通じまして、産業廃棄物の適正処理を確保し住民からより信頼される施設の設置が進められている、このように承知いたしております。
○三重野栄子君 それでは具体的に、全国的にどのように新しく建設されているかということを、概略で結構ですが、お願いいたします。
○政府委員(柳澤健一郎君) 産業廃棄物処理施設を設置しまたはその構造や規模を変更しようとする場合、ただいま大臣から御答弁ございましたように、今回の改正により、これを許可制と改めたわけでございます。この改正によりまして十分に審査が行えるということでもって、現在この法の運用を十分行えるよう努力いたしているところでございます。
○三重野栄子君 そういたしますと、この許可制は国の機関委任事務として都道府県知事が行うことになっているようでございますけれども、厚生省は、今も御説明ございましたけれども、都道府県知事が産業廃棄物処理施設に関する許可制度を適正に運用しているかどうかということはどのようになさっていますでしょうか。もうちょっとお願いいたします。
○国務大臣(大内啓伍君) 先ほどもお答え申し上げましたように、厚生省といたしましては、許可者でございます都道府県知事に対しまして、特に住民の皆さんが本当に納得していただけるようなそういう理解の努力というものを徹底して行うようにということを指導しておりまして、平成四年の七月以降の状況を見ておりますとこの指導は相当徹底してきている、こういうふうに承知しております。
○三重野栄子君 地元の例で恐縮でございますが、福岡県の宗像市は、政令都市の福岡市と北九州市の中間にございます大変交通至便のいいところで、しかも人口急増地でございまして、約四千三百世帯、一万三千人余りの人々が住んでいるマンモス団地の横に、三百メートル離れているところに焼却炉が今建設されようとしております。 その建設をめぐって、三年余り地域住民と業者との間で対立しているのでございますが、つい先ごろ、この宗像市の独自の環境保全条例に関しまして福団地裁の判決がありました。私は、ここでこの独自の宗像市の環境保全条例の適否について論じることではありませんので、産業廃棄物処理施設に定められたところの許可制度の運用のあり方という点でお尋ねいたしますので、厚生省も係争中だからコメントを差し控えるということのないように御答弁をいただきたいところでございます。 さて、廃棄物処理法の改正によりまして、廃棄物処理施設、特に焼却炉については、今も御説明ございましたけれども、改正前は届け出をしないで改正後は許可を要するということでございますから、幾らか駆け込みのところもあったのではないかと思うわけでございます。 宗像市に建設が計画されております産業廃棄物処理炉は、昭和六十二年、建設、稼働いたしておりました最終処分場の跡地に平成二年五月に同業者は産業焼却炉を設置するということを県に申し出たのでございます。(資料を示す)現状、このようにまだ何にもされておらない、こういう状態でございます。これは正立をとっておりますから、これは正立をとっているところでございますから関係なくて、上の方です。業者はこの前着工しているというふうに言われておりますけれども、住民の説明によりますと、新施行直前にくい打ちをして着工したと業者は言っているけれども、そこは車両とか資材置き場であったところであって、その隣のところが本当に事前に届け出してあった。駆け込みでといいましょうか、そのときにしたのは隣の土地でありました。 ちょっと地図を。(資料を示す)これが初めに焼却炉として届け出がありまして、法改正直前に届け出があったのはこの緑でしたところでございまして、全く場所が違うわけです。業者はその後、その場所が違っていたということを認めているわけでございます。 このような状況は明らかに、大臣が今おっしゃいましたけれども、廃棄物処理法が改正された趣旨を損なうものではないか、施行時の国の指導や対処に弱点があったのではないかと思うのでありますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(大内啓伍君) 認可制を許可制に改めたという最大のねらいは、こういう産業廃棄物の処理施設をつくる場合に関係住民の理解を得るということが極めて重要であると私どもは考えたために、今、規制緩和の時代ではございますが、逆に許可制としたのでございます。 そして、今御指摘の福岡県の宗像市の場合には、今御指摘のような意味で住民の皆さんの反対があるということはよく承知しております。したがいまして、今、福岡県に対しまして厚生省としては、住民の皆さんの理解を得るということが基本であるからこの面で徹底的な努力をするようにということを要請しておりまして、これは今引き続きなお要請しているところでございます。
○三重野栄子君 それでは、ぜひ積極的な指導並びに御援助をお願いしたいと思います。 もう一つの住民の心配でございます。 産業廃棄物の処理施設の建設をめぐる問題は原因者が不明もしくは倒産した場合の被害補償の問題でありまして、これがいわゆる産廃アレルギーとも言われるような近隣住民の大きな不安であるというふうに思うわけです。したがいまして、産廃業者が厳しい基準を達成できるような技術あるいは資金面での育成、すなわち廃棄物の処理に関する必要な公共関与のあり方が問われているのではないかと思うわけでございます。 現在あらわれています対立点を検証しながらこれからこの問題についてどのようにしていこうとしておられるのか、その点についてお伺いいたします。
○国務大臣(大内啓伍君) 産業廃棄物等が不法に投棄された場合には、御案内のように都道府県知事はその廃棄物処理法に基づきまして投棄者に対する原状回復の義務を課しているわけでございます。しかし、御指摘のように、投棄者が不明である場合、または投棄者の資力の不足によりまして原状回復が非常に困難である場合、あるいは不法投棄された廃棄物がそのまま放置されまして環境保全上の問題になっている例も若干あるわけでございます。 そして、この問題をどう処理するかということは、実はそう言うべくして簡単なことではございませんので、今私どもとしては、その不法投棄の防止、あるいは原状回復、あるいは処理施設において事故が発生した場合の措置などにつきまして、不法投棄原状回復方策検討委員会というものをつくりまして、今早急にその結論を求めております。したがって、その結論を早急に出していただきまして適切な処理を図りたい、こう思っております。
○三重野栄子君 ちょっと観点が違いますが、同じ系統でありますけれども、五月下旬のマスコミによりますと、厚生省と環境庁は、処分場建設予定地の水道水源や集落への近接性のほか、周辺河川の汚濁の状況などを自治体が独自に判断して規制内容に反映することを認める方針を明らかにしたとありました。 地域事情に沿う形で従来よりも厳しい環境基準を強化することで住民の環境破壊に対する不安を少しでも和らげようとする方針を打ち出されたことについて大変歓迎でございますが、さきの発表はそのように考えてよろしゅうございましょうか。
○国務大臣(大内啓伍君) 全く御指摘のとおりでございまして、そのような方向で今努力を進めております。
○三重野栄子君 先ほど焼却炉の問題もそのような方向ということでございましたので、ぜひこれが早く充実するようにしていただきたいと思います。 私は、こういう産廃の問題、その他の問題にいたしましても、業者と自治体と住民と対立をしているというようにとかく言われがちでございますけれども、これは住民が積極的に参加をする、暮らしよい、そして安全なところに住みたいという要望は政治参加の積極姿勢だというふうに理解をして政府の方も推進していただきたいと思いますけれども、総理大臣、いかがでございましょうか、そういう視点について。
○国務大臣(羽田孜君) 基本的には、このごみの処理の問題というのは大変重要な問題でございまして、今御指摘のあったことは私どもも拳々服膺してまいりたいと思います。
○三重野栄子君 それでは、環境基本法の制定について準備をされていると思いますけれども、経済発展の進行の中では従来の規範を乗り越えなければならない問題が数々出てくると思いますけれども、環境基本計画が果たすべき役割とその実効性について見解をお聞かせいただきたいと思います。環境庁長官にお願いします。
○国務大臣(浜四津敏子君) 今御指摘がありましたように、昨年十一月に制定されました環境基本法に基づきまして、現在、環境基本計画を策定すべく進めております。現在、中央環境審議会におきまして鋭意審議を進めさせていただいております。 この環境基本計画は、環境政策を総合的計画的に政府一体となって進めていく上で極めて重要な柱であるというふうに考えております。政府全体の環境保全政策の基本方向を示すマスタープランというふうに位置づけておりまして、その役割は非常に重要だと考えておりますので、中央環境審議会の答申を待ちまして、できるだけ早期に閣議決定をさせていただきたいと考えております。
○三重野栄子君 それでは、広域的な水の利用についてお尋ねいたします。 昨年、予算委員会で私は質問いたしたのでございますけれども、その後、福岡市を中心とする福岡都市圏における過去の渇水の状況とその対策について国土庁の見解を求めます。
○国務大臣(左藤恵君) 福岡都市圏が水源として依存しております筑後川水系ですが、昭和五十年から平成四年までに七回渇水が発生いたしております。このために筑後川水系に係ります水資源開発基本計画、これを策定して計画的に水資源の開発を促進いたしておりまして、昨年の九月にもその計画の一部を変更して新たな開発施設を追加したというような状況でございます。 今後とも関係省庁、それから地方公共団体と十分連絡をとって、水資源の開発、確保に努力していきたいと、このように考えておるところでございます。
○三重野栄子君 福岡都市圏についての御努力を御説明いただきましたが、では、先ほど申しました粕谷郡志免町はその範囲内ではいつごろの予定になっておるでしょうか。
○政府委員(山岸俊之君) 現在、各省庁の水資源開発施設につきまして、福岡県、それから地元市町村、それぞれが努力を続けておるところでございますが、地元との関係でいつの時期というところを明確にお答えする段階ではないわけでございます。(「志免町はどうしたかと聞いているんだよ」と呼ぶ者あり) 志免町につきましては、現在、その区域に手当ての段階が決定しておりませんので、残念ながらもう少し御辛抱をいただきたいと、こういうことでございます。
○三重野栄子君 私は、利益誘導で申し上げているのではありませんで、開発の均衡の中ではそのようなことがたくさん起こっておりますから、一例として申し上げたところでございます。 この点に関しましては、まだ幾つか関連の質問がございますけれども、時間がございませんからもう一点、石川一雄さんの仮出獄について法務大臣にお尋ねをいたします。 千葉刑務所に在監中の石川一雄さんは、本年の五月で拘禁生活三十一年を超えました。改めて仮出獄の見解を求めるところでございます。 本人は現在再審を請求しておりますけれども、これは仮出獄とは別個の問題でございますので取り上げません。 参議院の法務委員会でも、法務省当局から、石川一雄さんについては処遇上特段の問題はないという答弁があり、刑の確定からもう十六年十カ月ですから、刑法に定める仮出獄の要件は満たしているんです。特に、最高裁の判決を見ますと、未決勾留期間のうち四百日を本刑に算入すると言っているのを含めますと、約十一年八カ月は法律上も本刑に算入されているというところであります。これらの点を考慮されなくてはならないということも法務省は答弁されております。このほか、これまでの仮出獄の実例を総合して考えますと、石川一雄さんの仮出獄はもう十分時期に来ているのではないかと思うわけでございます。 拘禁生活が三十一年以上に及んでいることは人道上からも早急に結論を出すべきと思いますけれども、法務大臣の見解をお伺いいたしまして、質問を終わります。
○国務大臣(中井洽君) 先生御承知のように、受刑者の仮出獄につきましては十分慎重に公平公正にやっていかなければならないということが一つであります。 それからもう一つは、手続的にはそれぞれの行刑施設の長からの申請に基づいて地方更生保護委員会の審理により決定がなされるわけでございます。 お尋ねの石川受刑者につきましては、現在粛々と手続が行われている、このように承知をいたしておりますので、見解ということは御遠慮させていただき、事実を御報告させていただきます。
○三重野栄子君 終わりますけれども、余り納得できません。
○委員長(井上吉夫君) 以上で梶原君の質疑は終了いたしました。(拍手)
○委員長(井上吉夫君) 次に、足立良平君の質疑を行います。足立君。
○足立良平君 新緑風会の足立てございます。 新緑風会と申しますのは、細川政権が成立をいたしまして、小会派の発言力を高めるということと同時に細川政権をしっかりと支えていかなければいけない、こういう考え方でこの会派を結成いたしたわけであります。新生党、民革連、民社党そして日本新党、この四つの党が加盟をいたしているわけであります。代表いたしまして質問をさせていただきたいと思います。 まず、私は総理に、政治姿勢と政権の安定についての考え方をただしたいと思うわけであります。 この連立政権というのは、残念ながら少数与党として再スタートせざるを得ませんでして、内外に大変に難問が山積をしている中で厳しい政局運営というものを余儀なくされている。まことに総理に御苦労をおかけいたしているわけであります。 ただ、考えてみますと、昭和三十年代の鳩山内閣におきましてもこれは少数与党の内閣でありましたし、あるいはまたスウェーデン、ノルウェー、スペインとか、海外におきましても単独ないしは少数の連立与党というものも存在をいたしているわけであります。 私は、政権を運営するに当たりまして最も重要なことというのは何と申しましてもその内閣の政治姿勢ということにあるのではないか、つまり、政権が的確な時代認識を持っていること、国民が信頼するに値する明確なビジョンというものをその政権が持っていること、さらにまたそのビジョンを着実に実行しようとする意欲とその具体策があるのかどうなのかというところに一番政治姿勢というものはあるのではないか、私は実はそのように考えているわけであります。 羽田内閣というものを考えてみましたときに、この歴史的な任務というのは何と申しましても細川前内閣から引き継いております政治改革あるいは経済改革あるいは行政改革であろうと考えているわけでありまして、そういう点で、改革に取り組む総理の基本的な姿勢あるいはまた決意というものを、まず冒頭、第一点目にお聞きをいたしたいわけであります。 そして第二点目に、さらに総理の考え方をお聞きいたしておきたいと思うのでございますが、一口に政治改革あるいは経済改革あるいはまた規制緩和を含んだ行政改革というふうに言いましても、改革を断行しようとするということは大変なエネルギーを必要とする。言葉をかえて言いますなら、既成の秩序あるいは既成の概念というものをもうぶっ切っていかなきゃいかぬ、払拭をしていかなきゃいけない。そういうふうな点では大変な勇気と決断というものを必要とするのではないか。そういう点からいたしますと、政治的な安定勢力というものを確保するということはこれは極めて望ましいことは言うまでもありません。 私は、この四月二十二日に、約二週間に及びまして大変な議論あるいはまた真剣な議論をいたしまして、結果、九項目の政策合意、これは社会党さんも含めましていわゆる政策合意というものはできたわけでありまして、そういう面では社会党の政権復帰と言ったらちょっと語弊があるかもしれませんが、羽田政権に社会党が参加をしていただく、そして新しい政治あるいは二十一世紀にたえ得るような経済なり行政システムというものをつくり上げていく、改革の先頭に社会党も一緒に立っていただきたい、こういう気持ちを持っている一人でございまして、そういう面で羽田総理の認識についてひとつお聞かせを願っておきたい、このように思います。
○国務大臣(羽田孜君) ただいま御指摘のあった点でございますけれども、最後に御指摘のあった点から申し上げていきたいと思いますけれども、三十八年の自民党の政権というのがああいう形の中で交代したということ、これは私は一つの歴史的な意義があったと思います。 私は自民党の中にあって、この国が復興し、そして大きく経済発展し、また国際的な役割を果たしていく、このことについて誇りを持っておりました。ただ、やっぱり政権が長く続きますと、どうしてもそこによどみですとか、あるいは難しい問題になりますとどうしても先送りしてしまうとか、そういったことがあったということで、やっぱり一つの流れというものは長いことたつと必ずよどんでしまうという現実があるんだろうというふうにも私は思います。 しかし、私たちは別に何もそれをひっかけるために、変わるために飛び出たということじゃなくて、政治改革ということで飛び出てしまったわけでありますけれども、しかし、そのことを契機としてやっぱり新しい政治を起こしていくことが必要であろうというふうに思ってまいりまして、そのために社会党、公明党、民社党、日本新党、さきがけ、社民連も含めてでありますけれども、そういった皆様方と一緒に実は仕事をやってまいったところであります。 このやった経験は、私はお互いにそれぞれの政党の生まれですとかそういった生い立ちというものがあったろうと思います。しかし、時代が大きくポスト冷戦という中で変わり、世界もやっぱり価値観というものに対する見方が非常に変わってきておりますね。こういう中で、各党と一緒に、今までの場合だったらどうしても同じ土俵で議論できなかったような問題をお互いの垣根を乗り越えて議論ができるようになったということは、これは私は大変な成果であったというふうに思いますし、私はこの八カ月間というものに対してその点では誇りに思っておるものであります。 そういう意味で、確かに私が投票していただいた、そしてその結果が、まあいろんな言葉の違いとかあるいは思い違いとか、ああいうときでございましたからいろんなものがあったんでしょう、こういった中で社会党が政権離脱をされたということは大変残念に思っております。その意味では、お互いが本当に率直な話し合いをする中でまた合意を求められるのであったならば、こういった流れというのはたった八カ月じゃ私は本物にならぬと思うし、そして自民党という勢力はやっぱり厳然としてあるわけですから、この勢力とこの勢力、新しい勢力がお互いに真っ正面からこの国の行く末について語り合うことができるような枠組みというものは何とかもう一度再構築していきたいな、そういう思いが私の偏らない気持ちであるところでございます。 さて、そういう中にあって、今お話がありましたように、私どもは少数政権で発足せざるを得なかったわけでありますけれども、しかし、やらなければならないことというのは、これは幾ら少数といえども私は避けて通ってはならない問題だろうというふうに思っております。 今お話がありました政治の改革にいたしましても、これをやらなかったならば、残念ですけれども、この政治の場から発信するものが国民に理解されないということになろうと思っておりますので、これはやっぱりつらくてもこの問題はどうしても、今、区割り法が出てきておりますけれども、区割り法をもしだめにしてしまったならば政治資金規正法すべてが流れてしまうということになるわけでございまして、これはどうしても一日も早くこれを成立させることが重要であろうと思っております。 そのほか、経済改革にいたしましても、これはやっぱり行政改革の中には規制緩和ですとかあるいは地方分権なんという問題がありますけれども、この規制緩和の問題というのは、きょうも実は朝いろいろと議論しましたけれども、これからの物価の問題ですとかあるいは公共料金の問題ですとか、こういうものを抑えていったりあるいはむしろ逆に安くしていく、この問題も、規制が余りにももうこの時代に通用しないような規制があるために、どうしても余計な部品をつけるとか余計な手当てをしなければならないというところに非常に高物価をつくり上げて、要するに高物価というのは、今のところ日本の上がり方というのは低いんですけれども、基礎的にはやっぱりよその国と比べて高いというようなこともある。 こういうものを正すためにもこういったことをやらなきゃいかぬ。しかし、こういうものを進めると、中小企業とか零細企業にしわ寄せして製品をつくって市場に出すなんということになると、これはもう中小企業、零細企業はたまったものでないわけでありますので、そういったところには配慮しながら本当の意味でのリストラをやっていく。しかし、今の規制によって守られている分野というものはあるわけでありまして、これは私は間違いなく痛みを伴うものだと思う。しかし、痛みの伴わない改革というのは、政治改革にしても経済改革にしても行政改革にしてもあり得ないというふうに思っております。 それから、地方分権についても、これは長いこと地方分権が言われてまいりましたけれども、じゃ地方が本当にこれを受け入れようという姿勢があったのかということを考えると、私は今までの場合にはそうでもなかったと思う。しかし、この数年来、地方が自分のところの置かれた歴史、宿命的な歴史あるいは置かれた自然、こういったものの中で、この点をこうしていくならば自分たちは特色のある地域をつくり出すことができるという確信をそれそれの地域が持ち出したということであります。 私はその意味でも、今ちょうど戦後五十年を迎えるこのときに地方に対して分権をしていくといいますか、あるいは大きな権限を与えていく。それと同時に、やっぱり財源的な問題等についても議論をしながら、地方が自分の力で自主的にやるような体制をつくることが、私はこの国に今求められていることであり、これは自民党も社会党さんもどこの政党といえども、これは回り道はもう許されない問題なんだというふうに自覚するときに、少数政権でも懸命に誠心誠意を持って皆様にお訴えをしていくならば、私はこれらをなし遂げることはできるという確信を持ちながら、ともかく一日一生のつもりで懸命に努めてまいりますことを申し上げたいと思います。
○足立良平君 そういう考え方で、再度ちょっとお聞きをしておきたいと思いますのは……(発言する者あり)いや、まあ自民党もこれは当然一緒にこの改革に向かって御協力をいただきたい、このように思っております。 それで、ただ、そういう気持ちを持ちながらマスコミ報道等をずっと最近見ておりますと、自民党の河野総裁の発言というのを私ずっと見ておりまして、羽田政権というのは少数政権、少数政権ゆえに例えば予算の成立後に不信任であるとかどうとかということが、これはマスコミの報道でありますから実際そのとおりおっしゃっているかどうかはわかりませんけれども、少数政権だから予算成立後云々と、こういう話もよく目にするわけであります。あるいは、少数政権ゆえに、例えば七月のナポリ・サミットには羽田総理自身は出席をすべきでないとかというふうなこともおっしゃっているようにちょっと私はマスコミで受けているわけであります。これは事実かどうかはわかりません。 そういう面で、これあえて総理としてその点について、一体どういう所感をお持ちであるのか、ちょっとお聞きをいたしておきたいと思います。
○国務大臣(羽田孜君) 先ほども申し上げましたように、私どもは確かに少数与党の上に乗った少数政権であることは間違いございません。 しかし、先ほども申し上げましたように、私たちの前に山積されます内外の課題というのは、これは本当に私は避けて通れないと思うんです。そしてこの問題については、特に自民党の皆さん方は今まで責任政党としてやってこられたということ、それからこれは別に何もお上手を申し上げるわけじゃありませんけれども、やっぱり予算の審議に対しても、これがおくれてしまったら大変なことになるぞという中で、非常に難しいあれがありながらも今日まで本当に努力をしていただいておること、私はこれに対しては心から敬意を申し上げたいと思うわけであります。 ですから、私は、これからのナポリ・サミットに向かっても、この国を一体どうするのか、この国が世界に対してどう貢献するのか、どういう役割を分担するのかということを語ることでございまして、これについては、それこそ今この国の政党の皆さん方の思いというものは、大体私は方向は一致しているだろうというふうに思います。このことを語り、そして日本としての責任というものを私は述べることができると思います。 そして私は、マラケシュでゴアさんやあの方たちとお話ししたときにも、あのときにはどういう政権ができるかということはおよそまだわからないときでありましたが、私がそのときに申し上げたことは、今私がここで話すことについてはたとえどの政権になろうとも日本の国は決して曲がっていくようなことはあり得ないと思うと。これはまさに日本の国として、要するに、これは市場を開放し、そして競争力のあるものは日本にもどんどん入ることはできますよと。その中で日本の国民生活をよくし、また国際的な理解も得ていく、この姿勢というものはたとえどの政党が政権を握ることになっても変わることはないであろうということを私は米国にも申し上げたところであります。
○足立良平君 それでは次に、政治改革の問題について、これは自治大臣にちょっとお聞きをいたしておきたいと思います。 既に今、総理から答弁があったわけでありますが、小選挙区比例代表制の区割りの問題であります。 これは、審議会の勧告後の法案の提出をいつごろを一応考えておられるかということと、そして法律が成立をした後の周知期間という問題について自治省として一体どういうふうにお考えになっているのか、この点についてちょっとお聞きをいたしておきたいと思います。
○国務大臣(石井一君) 足立委員御案内のとおり、四月十一日に中立公正な七名の選挙区画定審議会のメンバーが任命されました後、中間の区割りの基準が出されましたのが六月二日でございますから、約五十日の日数を費やされまして、非常に慎重な審議の結果、去る六月十日、私が衆議院及び参議院の本会議で御報告いたしました基準が答申として出されたわけでございます。 これから院の手続といたしまして、衆参両院の政治改革特別委員会でその基準についての審議を行われるというふうに伺っておるわけでございますが、予算の審議との関係上なかなか日程がうまく調整できずに現在難航いたしておりますけれども、いずれにしましても、国民の厳しい目があり、いつまでもこれは放置しておくことのできない問題でございますから、衆参両院の政治改革特別委員長におかれましてはそれなりの良識を発揮されまして、しかるべき時期、場合によっては今週じゅうにでもその方への審議のお進めがあるんではないかと私は想像いたしておるわけでございまして、これは院の方で決められることでございますが、それが終わりまして後に最終的な区割り案の審議に選挙区画定審議会が入られるわけでございます。 これは、我々議員といたしましても、また自治大臣なり自治省といたしましても、神聖侵すことのできない委員七名に与えられました一つの権限でございますから、どこをどうせいとかあるいはいつまでにやれとかというふうなことは一切慎むべき言葉でございますが、これまでのペースなりこれらのメンバーの見識を考えましたときに、しかるべき時期にはこの答申がなされるであろう、こういうことを期待いたしております。 答申がされましたら、直ちに両院におきましてこれを議了しなければいかぬということでございますが、そのときが会期内に間に合うのか、あるいはそれ以外の別の政治情勢が国会の中で起こるのか、この辺のことにつきましてまた私が必要以上のことを申し上げますと大変おしかりを受けると思いますので、賢明な委員の御判断にひとつお任せしたい、そのように思うわけでございます。 いずれにいたしましても、そんなに遠くない時期に国民注視の中で、これはもう後退できない問題でございますから、処理をしなければいかぬ、そういうことではないかと思います。 それから最後に、周知期間の問題でございますが、周知期間ははっきり何カ月と決まっておりません。前回海部内閣当時に出されました自民党案の法案では周知期間は三カ月というふうに明記されておったわけでございますが、今回のこの法案の中には周知期間は書いてございませんが、区割り法案が成立いたしましたときに、その附則に、情勢を判断し、すぐにやらにゃいかぬということもあれば十分余裕があるというふうなこともありましょうから、その時点で周知期間は明示されるわけですが、国民に対しまして十分な理解を得、七十年ぶりの改正をしたわけでございますから、そういう意味ではやはり納得のいく時間をお与えするのが一つの判断だというふうに思っております。 自治省といたしましては、そういうふうなことも考えまして、例えば第三次の補正予算の中に十七億六千八百万円という明るい選挙推進委託費というふうなもので計上いたしまして、もう既にパンフレットでありますとかチラシ、ポスター、それからいろいろの交通機関の広告、その他新聞広告などもしまして、都営の地下鉄の中にも出ておると思いますが、次の選挙は新しい小選挙区比例代表並立制のもとに執行され、そして議員に対するいろいろの面で厳しい規定というふうなものがあるというふうなことを、もう既にそういう周知のための活動は予算化され、そして現に行動に起こしておる、こういうふうな状況であるということも申し添えておきたいと思います。
○足立良平君 最後にもう一点、政治改革の問題について総理にお聞きをいたしておきたいと思います。 今、自治大臣の方から、そういうふうに具体的に、新しい選挙制度というものは国民の皆さん方に十分周知をするように既にスタートいたしているという答弁でありますが、これは野党といいますか、これはまさに一部であろうと思いますけれども、例えば旧選挙区制で選挙をやればどうかというふうなことが巷間言われたりいたしているわけでありまして、そういう面で、この点につきましての総理の考え方を再度お聞きいたしておさたいのが一点であります。 そして二点目に、この選挙制度というものを考えてみますと、本院でも既に議論はされているわけでありますが、参議院の選挙制度を一体どうするかという問題どこれは大変関係のあるものであります。参議院も今いろんな点で議論がされているわけでありまして、総定数を二百五十二から二百五十に削減するとかいろんな案があります。あるいは比例代表制につきましても、これの修正といいますか、考え方を直していこうということも提起されているわけで、いろんな議論が今あります。 ただ、私が総理に考え方をお聞きをいたしたいと思いますのは、衆議院で新しく比例代表制が導入をされた、そして当然衆議院というのは政党を中心にした政治なり、あるいはまたそれのいろんな問題が進んでいくだろうと思います。そうすると、憲法における二院制という概念からいたしますと、参議院が同じようにどんどん政党化していくということは本来の参議院としては余り望ましくないのではないか。そういう観点からいたしますと、より政党化していくであろう比例代表制という、これは政党の名前で選挙を進めるわけでありますから、そういう面からいたしますと、この比例代表制をそのまま参議院に置くということは、本来の参議院の任務であります衆議院とは異なったチェック機能というものを果たしていこうという観点からいたしますと、これはどうなのだろうかなという感じも私は持つわけであります。 例えばそういうふうな点も含めまして、二院制の中における新しい制度というものはどうあるべきなのか、もし総理の方で所感があれば申し述べていただきたい、こう思います。
○国務大臣(羽田孜君) まず第一の問題でございますけれども、中選挙区制での選挙の実施というものはこれは期待を失墜するものであろうというお話でございます。 ただ、私どもといたしまして、基本的には解散権というものはいつでもいかなる場合でも持たなければならないということ、これは院と内閣との最終のあれですね、アメリカの場合にはビート権なんというのがありますけれども、日本にはそれはありませんから、私はそれを捨てることはこれはいかなる場合でもあってはならぬと思います。ただし、これはあくまでも原則でございまして、もう法案も区割り以外のものは全部通っておるということを考えたときに、区割りをできるだけ早いときに結論を出していただきながら、もし必要があるときにはやっぱり新しい制度で選挙をやるということが重要なことであろうと思っております。 また、参議院の問題については、これはただ参議院の問題であるということだけではなくて、二院制の中における参議院の役割というのは今御指摘のあったとおりだと思っております。 そして、これは私が自民党時代に皆さんと一緒に議論した問題でありますけれども、私ども衆議院はあくまでも今度は政党というものを中心にしてやりましょうということで、政党を前面に出すための一つの制度をつくったわけですね。そのときに、参議院がそれと全く同じでいいんだろうかということはこれは本当に議論しなければならない問題であろうと思っております。定数とかあるいは均衡の問題ですとかそういった問題とあわせて、参議院が二院制の中でどんな役割を果たすのかということを徹底して議論していただきまして、二院制にふさわしい参議院にしていただくということのために、これは二院制の中の問題でありますから我々も当然考えなきゃならぬ問題でありますけれども、院の方でもやっぱり活発にそこの点を御議論いただくことがこれからの日本の議会制民主主義というものを進めるために必要なことであろうというふうに考えております。
○足立良平君 今、総理から答弁がございましたが、これはあえて申し上げるなら、ちょうど横におられます村上先生も参議院のあり方のいろんな研究をやられておりますし、そういう面では超党派で、これはもう単に与党とか野党とかそういうものではなしに、本当に参議院というものはいかにあるべきなのかという観点でこれはまた我々自身も議論をさらに詰めていかなきゃならない、このように考えております。 それで、次に景気の動向について質問を移していきたい、このように思います。 景気の動向については、これはもう既に本院におきましてもその現状の認識について議論がされているところであるわけでありますが、私は最近の指標等ずっと見ておりまして、マネーサプライが増加をしてきている、あるいは公共事業というものも最近、あるいは四月、五月、やはり契約の数もどんどんふえてきている、あるいは企業に対する景況感というものも大きく変化をしてきている、こういう状況であろうと思うんです。 ただ、ここで私は総務庁の方にちょっとお聞きをいたしたいと思うわけでありますが、バブルの時代に例えば相当高価な物がどんどんと飛ぶように売れていっていた、いわゆる消費が大変活発な状態であったというところから、バブルが崩壊をした後の国民の消費行動あるいは動向というものは相当堅実なものになってきているのではないか。したがって、個人の消費そのものは総額としてはそれほどふえていない。例えば三月でありますと、前年比で約四%強、五%弱ぐらいのマイナスをまだずっと記録いたしているわけであります。 ただ、例えばディスカウント店とかあるいはいろいろな点を見てみましたときに、国民のいわゆるそういう消費行動というものが何か相当変化をしてきている。言葉をかえて言うなら、私はむしろ堅実になってきているのではないか。バブルの時代、これを是として今日が相当落ち込んでいるというよりも、バブルの時代の国民の消費行動というものがアブノーマルであって、むしろ今日の状態の方がノーマルな状態なのではないかというふうに私は思えてならないわけであります。 そういう面で、総務庁の方で家計調査報告等いろいろな点を出されているわけでありますが、そういう点についてまず総務庁の方の考え方をお聞きいたしておきたいと思います。
○政府委員(小山弘彦君) 御質問の内容につきまして、確かに私どもいろんな角度で統計をつくっております。 消費関連統計としましては、毎月、家計調査の結果を公表いたしております。この家計調査におきましては、消費支出の全貌を把握しているわけでございます。したがいまして、時代が移りつつある、あるいは移っている中で、販売形態がいろいろ多様化してきている、例えばディスカウントストアも非常に多くなってきている、こういうようなところでの消費についても総量としては私ども把握をしております。 しかし、家計調査は速報性を重視する調査でございますので、いわゆるディスカウントストアで購入したか百貨店で購入したか、そういう購入先別については調査をいたしておりません。しかし、委員おっしゃいますように、この購入先別にどのような購入がなされているか、いわゆる消費者行動でございますけれども、これを把握することは大変重要なことだと、こういう認識はしております。 ちなみに、私ども昭和三十四年以降五年ごとに全国消費実態調査というものを実施しております。この調査は消費に関する大型標本調査でございまして、いわゆる消費の構造分析を多角的に行う、こういうものでございます。 この調査がたまたまことしの秋に実施されることになっております。この調査におきましては、購入の先別、いわゆる店舗形態別、百貨店、ディスカウントストア、一般小売店等、これについて調査をいたすことにしております。また、それについて可能な限りの充実した統計をつくりたい、このように思っております。
○国務大臣(石田幸四郎君) 補足して若干私の感想を申し上げたいと思うのでございますが、足立先生今御指摘のとおり、最近の消費者の動向というのは、景気の低迷もございましょうが、そういったものに付随してかなり消費が落ちついている、こういう傾向があろうかというふうに思っておるわけでございます。 その中で、サービスや耐久財では多少伸びてきているという感じがございますので、消費傾向そのものとして見れば少し明るさが見えてきたかなと思いますが、ディスカウントショップ等の動きを見ますと、高級品だけをねらうというような消費者の志向ではかなりなくなってきている。こういったことが一つ言えるかと思うのでございます。 もう一つちょっと最近の状況の中から申し上げたいのでございますが、実は消費者物価指数の上昇卒が高過ぎるのではないか、卸売物価指数は上昇率がマイナスになっているのに消費者物価指数のそれはプラスの状況が続いておる、その乖離が問題だというのが新聞等で指摘をされておるのでございますが、そのことについて若干申し述べさせていただきたいのでございます。 卸売物価指数というのは、言うまでもなくその対象となっているものはすべて企業間で取引される商品に限定をされるわけでございます。消費者物価指数というのは、教育費であるとかあるいはバス代であるとか、そういったものがプラスされていわゆる消費者物価指数というものが調査され指数が出てくるわけでございますので、卸売物価指数というものと消費者物価指数というのは、そのままの形で直結する関係にはないということをぜひ御理解いただきたいわけでございます。 そういう点で考えてみますと、いわゆる消費者物価指数の農水畜産物を除く商品と、それから卸売物価指数でいいますところの最終消費財、それらの問題の上昇率を比較してみますと、おくればせでありますけれども、時期的にずれますが、消費者物価指数の商品の分がやはりマイナスになってきているわけでございます。 また、耐久消費財について消費者物価指数と卸売物価指数の上昇率を比較してみますと、これは連動してやはり落ちておるわけでございます。したがいまして、耐久消費財の関係については卸売物価指数も消費者物価指数も今はともに落ちている。 全体でとらえてみると、サービス等の問題がありますので必ずしも卸売物価指数と消費者物価指数とは直結しないという関係でありますことを、追加として御答弁させていただいたわけでございます。
○足立良平君 これは経企庁長官にお聞きをいたしたいと思います。 今日の経済の状況というのは、何と申しましても個人消費がどのように推移をしていくのかということが大変大きなウエートを占めることは、これはもう申すまでもありません。経企庁の月例経済報告等を見ましてもそのことを十分強調されているわけであります。 ただ、内容的に見ると、例えば本年度の三月実績で実質消費がマイナスの四・三%、これは個人消費ですが、一応なっている、あるいはまた百貨店の販売そのものもマイナス四・二%だというふうに、個人消費そのものはまだ依然として、三月の時点でありますから、そういうような状況になっている。ところが、例えば海外旅行をとりますと八%伸びているわけですね。あるいは国内の旅行にいたしましても〇・一%ぐらい伸びている。これは、まさに先ほど申し上げましたように、国民の消費行動というものがバブルから今日の経済の状況を踏まえて、そして相当変化してきているんだろう。 だから、経済の見通しにいたしましても、ちょうど昨年度の場合にはむしろ底を打ったというふうに経企庁が一度予測を出して、状況を出して、そして実際的には冷夏とかいろんな問題でがたんと落ち込んじゃったと、こういう問題もあるわけでありまして、先行きの見通しというものをどのように企画庁なら企画庁としてきちんと持つかということはこれからの経済運営にとっては大変重要な問題なのである。そして、そのときの判断として、そういう国民の消費行動なら消費行動の変化というものを直ちに組み込んでいくことが、これからの予測なりあるいは具体的に対策を打っていく場合には必要な項目なのではないか、私はこんな気持ちも実はいたすわけであります。 長官は民間の経験が大変豊富なわけでありまして、そういう面も含めまして考え方を示していただきたい、こう思います。
○国務大臣(寺澤芳男君) 足立委員が御指摘のように、最近の消費者の消費パターンというのはかなり変わってきております。特に海外旅行が最近非常にふえておる。これはむしろ内外物価の価格差というのが非常にありまして、国内で旅行するよりも海外へ行った方が安いと、みんながそう考えているんじゃないかと思います。 結局、今後我々としては、やはり物価安定、安定というよりかむしろ物価を下げていくという方向でまず考えたい。これは国民生活の基盤であります。大変大事なことだと思います。けさも各界の代表者に官邸に集まっていただきまして物価安定政策会議をやってまいったところなのでありますが、なるべく内外価格の差を縮めることによって、そこに余地があるわけですから、物価を安定していきたい。 最後に、委員御指摘の経済見通し、そういうものも非常に重要な指針であるという、それを経済企画庁としてはやらせていただいているわけでございますが、この経済見通しというものを、我々もいろんな経済体系、生活のパターンが違っていることをも新しい指標として取り入れて正確な経済予測をするように努めたいと思っております。
○足立良平君 そういう面で、公共料金の問題についてでありますが、これは総理の政治的決断で公共料金の一年間、まあ一年間といいますか、本年中凍結と、こういうことであります。この政治決断というのは私は大変評価をいたしたいというふうに思います。個人消費を拡大するという意味におきましてもこれは必要なことだということで評価をいたしているわけでありますが、ただ問題は、この公共料金というものを政治的に凍結をするというだけで将来の公共事業なり何が本当にいいのだろうかということはあると思います。 実際問題として、この競争関係とかそういうものが存在しないところのコストをどのようにリストラしていくのかという問題はあるんですが、そういう面を含めて、これからの公共料金のあり方についての総理の考え方をちょっとお聞きをしておきたいと思います。
○国務大臣(羽田孜君) 公共料金の問題につきましては何か唐突のような感を受けたんでしょうけれども、この問題につきましては、私ども実は前内閣のときからこのことは申しておったことであります。 そして、いずれにしましても減税が今行われた、そして民間はもう大変血の出るようなリストラをしている、そのときに一斉に公共料金が上がっていくということでは、残念ですが、これ、理解されません。ただ、公共料金の中には、銭湯ですとかいわゆる大変民間の小さなものもあります。こういったものに対してどう対応するのかということが大事だろうと思います。 そして、この問題をするときに必ず言われることは、明年一斉にまた上がるんじゃないのかとか、また大幅に上げるんじゃないのかというようなことを言われますけれども、今これは徹底して総点検をさせることにいたしておりますので、私どもは、民間が苦しんでいるときに公的な機関だけが一斉にやるということについてはやっぱり考えなきゃならぬ問題であろうというふうに思っております。
○委員長(井上吉夫君) 足立君の残余の質疑は午後に譲ることといたします。 午後一時に再開することとし、暫時休憩いたします。 午前十一時五十四分休憩 ―――――・――――― 午後一時二分開会
○委員長(井上吉夫君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 平成六年度一般会計予算、平成六年度特別会計予算、平成六年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、休憩前に引き続き、足立良平君の質疑を行います。足立君。
○足立良平君 それでは、外務大臣にちょっとお聞きをいたしたいと思います。 これは羽田総理の所信表明の中にも、日米の経済協議が大変難航しているということで、大変これは憂慮しておられることを触れられているわけであります。当初、この数値目標の解釈をめぐりまして、日米間におきましても相当考え方の違いというものがあったやに受けとめているわけでありまして、そういう面で既にいろんな協議というものがスタートをいたしているわけでございます。 したがって、そういう面におきまして現在の進展状況について、まず外務大臣からお答えを願いたいと思います。
○国務大臣(柿澤弘治君) 足立委員御指摘のように、日米間では包括経済協議が二月以来中断をいたしておりましたが、先般、カンター代表と私とでお話し合いをしまして、羽田総理初め関係閣僚とも御相談の上、再開にこぎつけることができました。 そのときに、細川・クリントン会談で合意をいたしました客観基準というものの内容、これは数値目標ではないということをアメリカ側に明確に合意をとりつけたわけでございます。そういう点では、今後日本の市場の開放を図るさまざまな基準、客観的な基準というものを、定性的、定量的なものを幾つか出していって、そして今後の開放を図っていくということは合意をいたしましたが、特定の数値目標を求めることはしないということでございますので、そうした前提に立って、現在、優先三分野と言われております政府調達、それから保険、また自動車・自動車部品、それにその他金融等、作業部会がスタートしているところでございます。
○足立良平君 その上で、これはちょっと通産大臣にお聞きをいたしたい、このように思います。 それぞれの日米のこの協議、前提としてはいろんな構造協議なり今日までの積み重ねがあるわけでありますが、何と申しましても今日の日米間における貿易収支のアンバランスということが極めて大きな要因であることは事実がと思います。 そういう観点で考えてみましたときに、これからの国際的な分業の問題、単にこれは日米関係だけにとどまらずに、例えばASEAN、東南アジアを含めまして、世界的にそういう観点から考えていかざるを得ないというふうに思っているわけでありますが、ただ、ここで通産大臣にお聞きをいたしたいのは、今日のこの貿易収支の我が国における黒字というものが将来にわたって同じような傾向を保っていくことができるのかどうなのかということでございます。 一つの例を申し上げたいと思うわけでありますが、例えばカラーテレビ、これは従来我が国の主要な輸出商品となっていたわけでありますが、カラーテレビ一つとってみますと、九三年に初めて輸入台数というものが、今まではどんどん輸出をいたしていたわけですが、輸入台数が三百七十万、そして輸出が三百三十万ということで、九三年に初めて輸入というものが台数からすると多くなってきた。こういう状況が今出てきているわけであります。 それから、例えば集積回路の問題一つとりましても、九三年の対前年伸び率が三八・二%でありますけれども、特にNIESからの輸入というのは八八・六%の伸びを今日示してきている、こういう実態にあります。 あるいはまた製品の輸入率、これはいろんな各製品の輸入率をとりましても、ちょうど今から十年前、一九八二年は二四・九%であります。それが一九九二年、十年後におきますと五〇・二%、既に半数を超しているわけです。そういう状況になる。 しかも、今日の円高というふうな状況を踏まえて考えてみますと、我が国の製造業というのは今どんどん海外に移転しでいっている。こういう状況にあるわけであります。 そういう観点から考えてみましたときに、これからの我が国の産業構造というものの関係、あるいはまた空洞化、一般的に言われる空洞化論等々の問題も出てくるわけでありまして、したがいまして、そういう点で通産大臣にまず中長期的な貿易収支の見通し、あるいはまた産業のこれからの空洞化、俗にいわゆる空洞化というふうに言われる問題につきまして、通産省としての考え方をまず述べていただきたい、こう思います。
○国務大臣(畑英次郎君) ただいま足立先生御指摘のとおり、カラーテレビのケースをもってお示しを賜ったわけでございますが、そういう傾向が二つ三つだんだんふえつつある。大変な産業の空洞化という切実なそしてまた厳しい実態にあることは御指摘のとおりでございます。 そういう中にございまして、何といってもやはり円高の問題が引き金に相なっておるということであろうかというふうに考えるわけでございまして、さような意味合いでは、対外経済改革等々こういった問題が既に具体的な内容の詰めの段階に入っておるわけでございますが、いわゆる円高対策といいますものは、逆に申し上げれば、これほど産業構造等々が成熟しました今日におきましては、これから新しいものをみずからのために、我が国のためにつくり出していかなければならない、そういう観点に立って物事を考えていくべきではなかろうかなというふうに考えるわけでございます。 そういうことを考えました場合には、やっぱりマクロ、ミクロ、そしてまた産業構造の調整という、従来から先生御案内のとおり、三位一体という視点から三つの大きな課題というものを真正面から受けとめてこの改革を図っていくということが大切ではないかなというふうに考えております。 いわゆる内外価格差の問題、あるいはまたいわゆる市場開放の問題等々、いろいろ産業界におきましても、そしてまた各分野にそれなりの痛みは与えるわけでございますが、ただいま御指摘がございました中長期の展望、これを改善するためには、ただいま申し上げました政策といいますものをダイナミックに展開していかざるを得ない、しなければじり貧になる、さような意味合いでの認識のもとにこれからも強力に展開を図ってまいりたい、かように考えている次第でございます。
○足立良平君 今日の国際経済の状況からすると、通産大臣今言われたように、我が国の産業の今までをそのまま抱え込んでいくということが現実的でないことは私は事実だと思うのであります。その点からすると、通産大臣が今言われましたように、ダイナミックに新規産業というものを創出していかなきゃならない、こういう点では私は通産省としてのこれからの産業政策の中心はその辺にあるだろうというふうに考えております。その点では、全く認識としては同じでございます。 ただ、そこで、再度これは通産大臣にお聞きをいたしたいと思うわけであります。 それは何かといいますと、今言いましたように、円高の状況、あるいは国民のライフスタイルの変化、あるいはニーズの変化、そしてエネルギーとかあるいはまた環境問題の制約の条件とか、いろんな要素が絡み合ってこれは変化をさせていかなきゃならないわけであります。ただ、これからの産業構造を考えてまいりましたときに、振り返ってみますと、過去の産業構造の転換例というのは、ちょうど繊維産業に起きた、そして石油化学製品に今転換している、そして素材産業である鉄鋼とかその種の問題に移ってくる、そして自動車産業にさらに移り、エレクトロニクス産業に移ってきた。 そして、我が国の産業構造のこの転換の中で、いわゆる海外、外国で生まれた基幹産業を我が国において振興させるという方向に常に後追いをしてきた。ある面においては、キャッチアップの発想が今日の我が国の産業政策の基礎にあったのではないかというふうに思えてならないわけであります。そして、そのことが我が国の企業の体質からして、シェアをどのように拡大していくかということから、海外へそれがどんどん移っていく、そして貿易摩擦を常に惹起しながら今日ずっと来ている。ある面におきましては、それの繰り返しをこの何十年間やってきたのが我が国の産業の実態だったのではないかというふうに思えてならないわけであります。 そういう面で、今日までの我が国のそういう産業政策なりあるいはまたそういう転換から生じてくる問題点というものをどのように認識をして、そしてこれから貿易摩擦なり国際的ないろんな問題の生じないような産業構造を一体どのようにつくり上げていくのかということがダイナミックに新しい産業を考えていく場合には極めて重要な要素なのではないか、私はこのように思えてならないわけでありまして、そういう観点で通産大臣のさらにお考えを聞かせていただきたい、こう思います。
○国務大臣(畑英次郎君) ただいま足立先生御指摘のとおり、従来の先進国の産業のありようといいますものを我が国がうまく取り入れて、それによっての発展を今日までなし遂げてきた、その繰り返しはこれから先の二十一世紀に向けての産業展開の中で私はあり得ないというように申し上げた方が、これは厳しい問題であるわけではございますけれども、そういうような受けとめ方をしていかなければならない。 さような意味合いでは、しからばいわゆる生き延びる策としてはどういうことを考えるか。あくまでもこの機会に、あるいはまた技術革新等々を踏まえまして新分野に進出する、あるいは新分野でもってそれなりの実績を上げて世界経済の発展に資する。そしてまた、従来の分野におきましてはいわゆるASEAN諸国等々の、先ほど御指摘がございました産業空洞化等々の問題はございますが、その発展途上国のお立場におきましてもプラス要因をつくり、そしてまた我が国そのものが、いわゆる新分野開発への牽引力の立場での産業政策を、あるいは産業構造の変換といいますものを、各分野の関係の方々がベストを尽くしていくべきではないかなというように考えるわけでございます。 さような意味合いで、せんだって御案内のとおりいわゆる新分野の創造のプログラムというようなものもつくらせていただきまして、例えば情報通信分野、あるいは医療関係、あるいは余暇・レジャー関係、そういった分野のことを一応の一つのたたき台として経済界の方々にもお示しをしまして、ただいまそういった我が方から提示しました内容をもとに産業構造審議会等々の関係の分野の方々から種々論議を賜っておるところでございます。 大方、今月末にはいわゆる産業構造審議会のお立場、あるいは関係分野の経済人の方々がこれからの新しい分野、力を入れなければならない分野、あるいはまた改革可能な分野、とりわけ情報通信分野におきましては、先般来いろいろ電通審等々によっても報告がなされておるわけでございますが、これに向けてさらに大きな力を入れよう、あるいはまたそのインフラ整備についてはどうあるべきかというようなことが今真剣に論議をされておるわけでございまして、かような意味合いでの新しい分野、違った発想、違った取り組み、これをやっていかなければならない日本の与えられた今日の立場ではなかろうか、かように考えておる次第でございます。
○足立良平君 なるほどそうかもしれません。それで、今、通産大臣は新分野の創造、新しい分野に進出をしていくということであります。そのことに関しまして、私は一つの例を示しておきたいと思うわけであります。 八〇年代の場合には開業率、いわゆる新しい仕事をどんどんしていく、そういう開業率というのは大体六%強であります。それで、廃業率、仕事をやめていく廃業率が約四%前後であります。ところが、これがずっと時代を経るに従いまして、今日では開業率というのは四%くらいに落ちてきている。あるいはまた廃業率も約四%弱になっているわけでありますが、昭和六十一年の調査を見ますと、事業所数もこれはちょうど八十七万カ所から八十五万カ所に戦後初めて実は減少してきている。いわゆる開業率といいますか、新しい分野にどんどん進出するというふうに通産大臣は今おっしゃっているわけでありますが、現実的には、むしろそういう点ではアメリカに比べまして新しい分野にベンチャービジネスというものはそんなに言われるほど我が国の場合には起きていないという実態を通産省としても考えていかなきゃいけないというふうに思うわけであります。 そういう観点で、これは実は文部大臣にお聞きをいたしておきたいと思いますが、新分野を開拓していこうとする、あるいはまた産業の革新を進めていこうとする、そういう面からいたしますと、理工化系の学生というものをこれから我が国の技術革新なりそういう分野では大変重要視をしていかなければならない。 言葉をかえて言うなら、製造業というものの占める重要性というものを再確認してまいりませんと、例えば情報産業とかその種のものが大変重要だ重要だ、二十一世紀の産業は情報産業であるというふうに一般的に言われますけれども、その基礎になるのは何と申しましても製造業だろうし、あるいはまた技術革新を進めていこうとするなら、製造現場というものがきちんと存在をいたしておりませんと技術革新というものは進めていくことはできない、こういう関係に私はあろうと思います。 ところが、現在の学生諸君の場合には、理工化系を出ても、例えば銀行に入るとか証券会社に入るとか、あるいは理工化系は受験者がぐんと落ちてくるとか、こういう問題点が実は出てきているわけでありまして、将来の我が国のこれからの産業というものを考えた場合のこれからの学生なりこういう理工化系という問題をどのように考えていくのか、ひとつ文部大臣のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(赤松良子君) 先生御指摘のように、一時、やはりこれはバブル時代と呼ばれているような時代でございますが、製造業に進む理工化系の卒業生の割合が多少減少をいたしました。そして、逆に金融・保険業等に就職をする方の率が高くなったことは事実でございます。しかし、これはそう長続きをしたわけではございませんで、今また金融・保険業等は、一時二千人を超しパーセントで言いますと二・八%というようにふえておりましたのが、また減ってまいりまして千人を切った。一方、製造業の方はまあまあ横ばいで推移をいたしております。 それから、進学する場合に理工化系へ進む人たちの割合が減っている、これも事実でございます。ただ、実数が減っているわけではございません。割合が減っているだけでございます。ただ、割合が減るということは優秀な方が多少来なくなるという点の心配もございます。そこで、どういうわけでそういうことになるのかということを文部省としても関心を持って研究分析し、そしてまたそれに対する対策を懇談会というような形でただいま一生懸命研究いたしております。 それからまた、大学での設備や施設等が老朽化してひどい状態のもとで研究しなければいけないというようなことが確かに起こっておりました。これは、そういう学部で勉強する人の意欲を失わせる、あるいは研究するのはそんなひどいところでするのでは成果も余り上がらないというようなことも心配されますので、この点に関しましては近年非常に意を用いているところでございまして、また今御審議願っている予算の中でも大いに伸長をいたしたいというふうに考えている次第でございます。
○足立良平君 それでは、そういう観点からこれは労働大臣にちょっとお聞きをいたしたいと思うわけであります。 これは、先ほども通産大臣との話の中で出ました、産業が相当急激にいわゆる構造的な転換をいたしているわけでありますが、それに伴いまして雇用の問題というものが一番重要な課題になってまいります。これは、経世済民という言語にもありますように、いわゆる経済というものは、何といいましてもそこに働いている、あるいは国民の面からこの雇用の問題というものを一体どのようにしていくか、そういう点で労働大臣の考え方をお聞きいたしたいと思います。
○国務大臣(鳩山邦夫君) 先生おっしゃるとおりでございまして、それは通産大臣からもお答えがありましたように、それは国際化も進むでしょう、情報化社会になるでしょう、人々の意識も変わっていくでしょう、日本の国土、小さな島国という条件もありましょう。したがって、望まれるあるいは求められる産業構造というものに国際的な観点からいってもどんどん変化をしていかなければならない。 この間、雇用政策研究会というところに二〇〇〇年を目指して中期雇用ビジョンというのを出してくださいとお願いしたら、二〇〇〇年に向かって年率三%ぐらいの経済成長をすればちょうど労働力の需給はとんとんでいけると。しかし、先生が恐らく考えておられるのはそういうことではないんで、ミスマッチが起きるのではないかという御心配だろうと思うわけで、それはこれだけの労働力が必要です、これだけの労働力がありますと、そのトータルの数はぴったり一致しておっても、要するに、例えば今の理工系離れの話もありますが、技術者が大量に要るようなときに実際には技術を持った人がいなくなる、こういうことがあるわけですから、当然失業なき労働力の移動というものをどうやって実現するかというのが労働行政の大きな課題である。 そういうふうに考えますと、例えば中年のホワイトカラーが非常に過剰感があって今余っているわけですね。そういう方々に新しく職業能力開発というのをしておいて、産業構造が変わったときに、雇用を新しくつくり出す産業の方にぴしゃっとうまくおさまるようにするとかそういう政策をやっていかなければならない。 特にそういう労働力の移動という状況の中で弱い立場にある方がはじき出される心配がありますから、特に高年齢者の皆様方には今いろいろと法律の改正をお願いして雇用が継続できるように手当てをしようと思っておりますし、男女雇用機会均等法の厳正な運用を求めて、御婦人もまたこの産業構造の変化に伴ってきちんとうまく移動できるように準備をしていきたいと思っております。 ただ、最後に申し上げたいことは、そういう産業構造の変化に伴ってスムーズな労働力の移動を実現することが我々の仕事ではありますが、そのことは決して労働力がもう総じて軒並み移動すればいいということではなくて、やはり我が国の経済の強さというのは、昔から終身雇用といった長期安定雇用システムというのがあるわけですから、年功型の部分がありますから、これはあくまでも基本に据えておいて移動すべき分はうまく移動していただく、こういうふうに考えたいと思っております。
○足立良平君 労働大臣おっしゃるように、終身雇用というものを前提に置いて移動すべきものと固定的なものと実際的にはそう簡単にうまくいくものでは私はないだろうと思うんです。私は、実際的には産業構造というものは転換をしていかなきゃならないだろう、それはそのとおりであると思いますね。 ただ、今私は、能力的なミスマッチといいますか、これは労働省において、もあるいはまた通産省のこれからの産業政策を考える場合でも、ひとつ考えていただきたいと思いますのは、やはり何といいましても日本の国民で雇用労働者は約五千万、実際的には七千万から八千万の働いている、そういう人たちが、急激に産業構造が転換をしていく、あるいはまた産業が空洞化をしていく、そして例えば四十歳なり五十歳なり私のようなこういう状態になって、今突如として、今までの能力をもう要らないよ、新しい能力ですよ、ホワイトカラーとしていわゆる能力開発いたしますよと言ったとしましても、私はその人たちが適応していくというのはやっぱり大変難しい問題だろう。 だから私は、そういう面ではこれからの産業政策なり、これは労働省だけの問題ではないですけれども、なだらかに産業構造が転換をしていくように考えていく、人間がそこに適応できるようなスピードでやはり物を考えていくということが極めて重要なことなのではないか。それが私は、何といいましても、豊かなこれからの社会あるいは国際的なそういう摩擦を生じさせないようなそういう産業構造に切りかえていく一番大きなもとではないか。 企業の側でも考えてもらわなければいけないと私が思いますのは、例えば単身赴任者一つとりましても、この五年間をとりますと一五%ふえているぐらいです。そして、現在約五十万人のいわゆる男性の単身赴任者が生じている。企業のためには、どこへ行ってもいいよ、どんどん変わるのが当たり前、単身で仕事をする場所が変わるのは当たり前である、こういう発想で企業経営というものを考えていくその発想そのものの見直しを今海外から迫られているのではないか、こんな感じを実は私は受けるわけでありまして、そういう点では産業政策の面も含めまして、通産、労働の側で検討をお願いいたしたいと思います。 それでは、きょうは、トピックスの面もございますけれども、不法滞在者といいますか、外人労働問題が今相当出ているわけでありますが、けさのニュースにも出ておりましたけれども、中国人の密入国者が福岡の方で看守を襲って逃亡したとかいう話を聞いております。そういう面で、警備の体制が一体どういうものであったのか、あるいはまた出入国管理行政の基本方針というものは一体どういうものであるか。これは発展途上国から今どんどん密入国者がふえてきているわけでありまして、そういう面で法務大臣のお考えをお聞きいたしたいと思います。
○国務大臣(中井洽君) 昨日起こりました福岡の入国管理局での脱走事件、思いもかけない不始末でございまして、関係機関にも大変御心配をおかけし、また住民初め国民の皆さん方に御不安を抱いていただいておることをおわび申し上げなければならない、このように考えております。 事件について少しだけ報告させていただきますが、五月の十八日に百三十九人が不法入国を企てて、捕まえた者のうち二十八人が未成年ということでございまして、入国管理局の収容場におきまして調査をいたしておったところでございます。昨日夜、警備の者がお湯の交換を頼まれましてかぎをあけましたところ、十人ほどに襲われて、他の二人の警備員も助けに行ったんですが、やられてしまったというか捕まって、す巻き状況にされまして手足を縛られ、かぎを奪われて脱走されたという状況でございます。 早速、そのうちの警備員の一人が自分で手足の縛りを解きまして、上司に報告すると同時に警察に直ちに連絡をしまして、現在、地元警察を初め住民の皆さん方の御協力をいただいて必死で捜索をいたしております。十二時半現在で、逃亡しました二十六人のうち十七人を逮捕いたしまして、残り九人につきましても全力を挙げて今捜査中でございます。 福岡の管理局の中には警備課がございまして、十七人警備課員がおりますが、収容場の警備に当たっているのは三人でございます。今、管理局全体が審査官も事務官も含めまして全員で捜査に当たっておりますので、詳しいことはわかりませんが、報告を聞きます範囲で私が思いますのは、例えばそういう中へ、鉄格子の中へ入るのかな、外から渡すのじゃなしに入っちゃうのかな、あるいはまたかぎを持っていったのかなと。こういうところを見ますと、出入国管理局内の収容場でありますから、そう厳しくやっていないということもあるのか、ここらをもう少し点検し直す必要があるんじゃないか、このように考えているところであります。 いずれにしましても、平成四年には幾つかの主な収容場等で脱走がございました。これに対してはいろんな対策を講じたわけでありますが、出入国管理局内で脱走されたということは実は初めてでございます。そういった意味で、反省をして関係機関とも十分相談しながら対応をしていきたい、このように考えております。 根幹、出入国の基本的な精神はどうだと、こう言われますと、申し上げるのに大変時間がかかるわけでございます。法律にのっとって、入れる者は入れる、そして不法で滞在するということについては海上保安庁、警察にお力をおかりして全力を挙げて排除していきたい、このように考えております。 不法入国あるいはまた不法残留、こういう人たちが国内に約三十万人ぐらいいる。これは先生から今お話がありました労働問題にも大変いろんな影響を与えます。治安の問題もございます。また同時に、この人たちの人権搾取という問題も出てくる。多様な社会問題が惹起されるわけでございます。したがいまして、五月二十日前後に労働省、法務省、それから警察、この三団体でかねてから設けてあります協議会を開会いたしまして、不法滞在、こういったものに対して今後一層厳しい対応をしたい、こういう協議もいただいております。 そういう状況の中にありますが、責任者といたしまして、重ねておわびを申し上げ、全力を挙げてこういうことが起きないよう対策を講じていく所存でございます。
○足立良平君 これから不安の起きないようにひとつ十分対処していただきたいと思います。 我が国の経済社会の観点からもう一点、これは厚生大臣にちょっとお聞きをいたしたいと思うわけでありますが、高齢化社会がまさに急速に展開しようといたしているわけでありまして、今日まで厚生省におきましても総合的な福祉ビジョンあるいは保健制度のあり方等、いろんな問題に積極的に取り組んでこられていることを私は評価いたしたいと思います。 特に、高齢化社会の中におきまして介護の問題であります。 これは、過日も本委員会におきましていろんな議論がされているわけでありますが、寝たきり老人あるいは痴呆性老人を抱えている家庭、あるいはまた医療も含めまして、実はこれは簡単に言うことができないほどその家族を含めまして大変な負担になっております。しかも、それは一九九〇年で寝たきり老人七十万が十年後の二〇〇〇年には約百万くらいに想定される。あるいは痴呆性老人もこれから百五十万人、やはり五割アップぐらいでどんどんふえてこようとしている。そういう中における介護の問題というのをどう考えていくかということはこれからの高齢化社会の中の一番大きな課題なのではないか、こう思うわけでありまして、そういう面で、再度、厚生大臣の考え方というものをお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(大内啓伍君) 平成五年の段階で六十五歳以上の御老人が一千六百九十万人、今御指摘のような寝たきりあるいは痴呆性老人の数も御指摘のとおりでございますが、現在の段階で介護を必要とする御老人の数が二百万人、二〇〇〇年の段階では約八十万人ふえまして二百八十万人ということになります。これに対する保健医療関係のマンパワーというのは現在では二百五十万ちょっとでございまして、この介護体制をどうするかということが御指摘のように高齢者対策の最大の問題でございます。 お尋ねの具体的な回答というのは実は新ゴールドプランの内容そのものにかかわるものでございまして、それ自身について私どもで鋭意その数字等を今はじいているさなかでございますのできればこの夏の予算の概算要求の段階までにはそのプランを確定したいと思っているのでございますが、少なくともその中に盛り込むべき幾つかの点がございまして、それを申し上げますと、一つは今申し上げたホームヘルパーを初めゴールドプラン関係のマンパワー、そこで確保すべき人数目標といいますか人員の目標、これは何とか確定したいと思っております。 それからもう一つは、マンパワーを計画的に養成するための施設の整備、それから養成機会の確保。例えば今ホームヘルパーの募集をやっておりますと、これは自治体が中心になっておりますが、その希望者が殺到しているという状況がございます。また、看護婦さんも足りないわけでございますが、潜在的な看護婦さん、准看護婦さんというのは約四十万人ぐらいございまして、それらの開発も積極的にやっていきたい。しかし、そのためにはいろんな施設も必要になってまいります。 それからもう一つは、マンパワーの資質の向上のための研修体制の整備。ホームヘルパーの場合は実は数十時間の養成期間でこれができるわけでございます。そういう研修体制。 もう一つは、やはり良質な人材を確保するための処遇の改善。 そういったような四つの点がこの新ゴールドプランに盛り込まれなければならない課題であると思っておりまして、その数字的な詰めは現在やっておりますので御理解を賜りたいと思います。
○足立良平君 それでは次の問題、いわゆる税制問題に少し入りたいと思います。時間が余りございません。 高齢化社会に向かって税制をどうするかというのは、これも本院において既に議論をされているところでありますが、これは若年層から高齢者まで広く負担を分かち合っていく、こういう観点から間接税を今以上に重視していかなければいけないのではないか、こういう考え方を私は持っているわけであります。ただ、間接税を重視しようといたしますならば、例えば税制の不公正の問題であるとか、あるいはまた行政改革、行政の側でどれほど痛みを負担していくのかというふうないろんな問題があるわけでありまして、そういう観点からこれは大蔵大臣にひとつその点についての考え方というものをお聞きいたしたいと思います。 同時に、いわゆる食料品、逆進性の問題を含めまして、これは食料品の複数税率の問題等々につきましても大蔵大臣の考え方をお聞きいたしたいと思います。
○国務大臣(藤井裕久君) 今御指摘の税の不公平、そういう御印象を持っていらっしゃる方、御不満を持っていらっしゃる方の御意見、御批判というものを謙虚に受けとめるということは、私たちの非常に重要な役割だと思っております。 世に不公平税制とは申しますが、執行についての御意見も非常にあるわけでございます。私どもの所管に国税庁がございますが、五万人の職員が適正に税法を執行するということのために全力を出しております。 よく世にクロヨンと言うことがございますが、そういうことは私はあり得ないということだけは申し上げられると思います。ある業種の方が四割全部脱税しているというような印象、ある業種の方が六割全部脱税しているような御印象のこの言葉は避けなければいけない。まじめに納税していらっしゃる方が非常に多いということから見てこのことだけははっきり申し上げられると思いますが、五万の職員が適正な税の執行を通じて国民の期待にこたえるため全力を出しております。 制度の問題でございますが、制度の問題につきましても、私ども、政策減税という中には多くの方から御理解をいただいているものもあると思います。例えば住宅取得減税のようなものはほとんどの皆さんから御理解をいただいているものであって、こういうものはますますちゃんと維持していかなきゃならないと思いますが、同時に、逆に多くの方々がこれはおかしいのではないかと思っておられるものについては的確かつ積極的に対応していくというのが私どもの姿勢でございます。
○足立良平君 同時に、今私申し上げましたように、行政改革というものをどのように進めるかということは、これはまだこの税制を考える場合に重要なファクターであろうというふうに思っております。 そういう面で、民社党が従来から行政改革五カ年計画として、これは一遍にやれと言ってもなかなかできないわけでありまして、そういう面で計画的にきちんとやっていくということを主張したことがあるわけでありますが、それらも含めまして総務庁長官からお答えを願いたいと思います。
○国務大臣(石田幸四郎君) お答えを申し上げます。 行政改革の重要性については、基本的な問題についてはもう既にいろいろ議論があったところでございますから余り多くを申し上げないわけでございます。 しかし、基本的には要するに国と国民との間の問題については今一番規制緩和の問題が重要でございまして、特に一括法その他で処理したものもございますが、この六月末にさらに三専門部会の結論を明確に出したいと、かなりまた大がかりにやらなければならないと思っておるわけでございます。 それから、国と地方との問題については地方分権、これは特別部会を設置いたしましたから、本格的な御議論、特に国会、衆参両院においても地方分権の特別委員会等がございますので、十分な御議論をいただいて、将来の国と地方との権限の配分の問題であるとか、あるいは地方の活性化のためにどこまで地方分権を進められるか、いろいろな御議論を進めていただきたいと思っているところでございます。 特に今、間接税の問題等があり、それだけのものをもし政府がお願いをするということになれば、行政改革、本当に今の民間のリストラに対する大変な御努力というものがあります。きょうの物価の問題の会議におきましても、民間がここまでやっているんだから公共料金に対してはもう少し本格的な検討が必要ではないかというような大変厳しい議論もちょうだいをいたしたところでございます。そういうような角度での行政改革が今求められているというふうに思います。 この点については、民社党さんを初め与党の専門部会等におきましてもいろいろな御議論があるわけでございます。行財政改革に関する小委員会、ここでは基本的な視点のほか、中央省庁の統合の問題、特殊法人の整理合理化の問題あるいは定員の問題、補助金の整理合理化の問題等々が規制緩和等のほかに言われているわけでございます。 そういうようなことを考えまして、まず規制緩和については五カ年計画をやることは明確になっております。 それから、省庁統合については、第三次行革審の答申にもありましたように、やはりこれは中長期的な展望の中でやっていかなければならない。特に首都機能の移転の問題もありますので、この絡みが極めて重要ではなかろうかと思っているところでございます。 特殊法人につきましては、これは行革大綱では二年間で全体の見直しをするということになっておりますが、与党のいろいろなそういった小委員会の御議論では一年前倒しというような御議論があるようでございますから、ここら辺も十分踏まえてこれから検討をいたしたい、こう思います。 それからまた、定員の問題、これは中央の方は比較的計画に沿って進められてきているわけですが、最近、地方の方はいろいろ福祉なんかの問題でそういった地方公務員の新しい角度での需要といいますか、そういう角度でふえております。ここら辺は十分これから検討して、もう少しスリムな行政ができるように、自治省とも相談をしながら進めていかなければならない観点であろうと思います。そこら辺も足立先生が今おっしゃったような五カ年計画といいますか、年次的な計画で進めなければならないであろう。むしろこういうような状況下にありますので、これもまた現在の計画を前倒しでやるぐらいのところではなかろうかと思います。基本的には五カ年計画というのを十分頭に入れながらこれからの行革の計画をつくってまいりたいと存じます。
○足立良平君 時間の関係で、これが最後の質問になるだろうと思います。 いわゆる国家のセキュリティーということ、安全保障という点をとらまえますと、一般的には国の防衛をどうするのかというふうな議論にすぐなりがちであります。しかし、考えてみますと、一億二千四百万の我が国のこの人口の中で、こういう面積の中で、例えば我が国のいわゆる安全保障ということを考えてみますと、エネルギー問題というものをどのようにきちんと確保していくかということは極めて私は重要な課題なのではないかというふうに思うわけであります。 そういう面では、今日、北朝鮮の核疑惑をめぐりまして国際的に大変な問題になってきているわけでありますが、我が国の今日までとってきているいわゆる核に対する考え方というものは、これは厳然として平和利用に徹するということに立ってきているわけでありますから、今日の北朝鮮をめぐる一連の問題の中で我が国が国際的にどのようなスタンスをとっていくのかということは極めて重要な課題なのではないか。 特に、プルトニウムの問題を中心にいたしまして、海外からはこれに対するいろんな意見が今提起をされているわけでありまして、そういう面では平和利用をきちんととらえて、軍事利用としては核は使わないということを私はこれからの我が国の国是としていかなければいけないと。特に、石油もあるいはまた石炭もほとんど海外に今依存をいたしておりますし、ウランそのものも依存をいたしているわけでありますから、そういう観点では、これに対する例えば国際的な管理の問題を含めまして科学技術庁長官にひとつ考え方を提示いただきたいと思います。
○国務大臣(近江巳記夫君) 先生御承知のように、原子力におきまして我が国の総発電量というものは約三割を占めております。その燃料というのは御承知のようにウランでございます。ところが、このままでいきますと七十年で枯渇すると言われております。そうなってまいりますと、これをどのようにリサイクルしていくか、ウランからプルトニウムを増殖して取り出す、そういう点で我が国といたしましても資源小国といたしましてこの核燃料リサイクルの推進すなわちプルトニウムを燃料として平和利用していく、こういう基本的な施策を今日まで持ってきたわけでございます。 御承知のように、我が国は徹底した平和利用を展開しております。原子力基本法、非核三原則、NPTの加盟、さらにはブルスコープのIAEAの査察も受けております。世界の中で最も厳格に受けておるのは我が国でございます。そういう意味におきまして大事なことは、先生御承知のように、今核軍縮の進展に伴う核兵器の解体から余剰プルトニウムの発生がございますし、あるいはまた近年の諸外国におきます民生用プルトニウムの蓄積傾向がございます。そういう点で、私どもは特に各国に国際的な管理をする必要があると呼びかけてまいりました。 そういう我が国の声に応じまして、IAEAが一九九二年十二月、一九九三年十一月開催をいたしました。さらに本年二月には第一回目の関係国会議を開きました。さらに続きまして六月四日には、日本、英国、フランス、米国、ロシア、中国、ドイツ、ベルギー、スイスの九カ国及びオブザーバーとしてIAEAが参加をいたしまして、第二回目の関係国会合がオーストリアのウィーンで開催されました。この中におきまして来年の四月から五月にかけまして開催予定のNPT再検討延長会議、これを一つの目標として国際的枠組みをしっかりやりましょうと、ここまで話が詰まってまいりました。 こういうことで、我が国としましてはプルトニウムを利用しておるということでいろいろな声もあることも承知しておりますが、それだけに厳格な平和利用に徹する。軍事用にそれを使うだとかはとんでもないことでございまして、政府としてはみじんもそういう考えはございません。したがいまして、今後とも必要な量以上のプルトニウムは持たない。あるいはまた透明性の確保、安全性の確保に万全を期しまして、平和利用の堅持を旨といたしまして核不拡散体制の維持強化に努めまして、世界的にも一層の理解と協力を得ながらプルトニウムの利用を進めていきたい、このように思っておる次第でございます。 以上です。
○足立良平君 終わります。ありがとうございました。
○委員長(井上吉夫君) 以上で足立君の質疑は終了いたしました。(拍手)
○委員長(井上吉夫君) 次に、牛嶋正君の質疑を行います。牛嶋君。
○牛嶋正君 公明党・国民会議の牛嶋正です。 きょうは、私たちが二十一世紀に迎える超高齢社会にどう対応するかを中心に、総理を初めといたしまして各閣僚にお尋ねをしてまいりたいと思っております。限られた時間でありますけれども、よろしくお願いをいたします。 三月に発表されました二十一世紀福祉ビジョンにおきましても、また今進められている税制改革の論議においても、高齢社会を運営していくための社会的コストの増大が余りにも強調されているために、私は国民の皆さんが高齢社会に対して必要以上に暗いイメージを抱いておられるのではないかと懸念をしております。 現在、西ヨーロッパの国々と比べてまだ高齢化率は一、二%低い水準ですが、他に類を見ない速さで高齢化が進展しておりますので、二十一世紀の極めて早い時期に世界で最も高い高齢化率の国になることは明らかであります。さらに、我が国が一億二千三百万人の人口を擁する大国であることを考えますと、二十一世紀の高齢社会の運営は全く先例のない新しい国づくりという側面を持つことになり、まさに我が国が世界で初めて長寿大国の建設をしようとしていることになります。 私は、高齢化の問題を議論するとき、この側面を強調し、さらにどのような長寿社会を建設するかを具体的に示すことができれば、国民負担率がある程度上昇しても、新しい国づくりを目指すということで国民の皆さんの支持を得ることができるものと考えますが、総理の御見解をお伺いいたします。
○国務大臣(羽田孜君) 今お話がありましたように、新しい時代の高齢化社会というものを私たちが迎えるということはもう必然のことであろうと思っております。しかし、今お話がありましたように、これはもちろん福祉の対策ですとかあるいは介護の問題ですとか、そういった問題を充実していくことでありますけれども、ただ、そういったどちらかというと暗いという言い方はどうかと思いますけれども、そういうことよりは、やっぱり高齢者の皆さん方が持てる能力を十分に発揮しながら社会の中で生きていかれる、そういうものをつくっていくことが大事なんだろうというふうに考えておりまして、こういった高齢者の皆さん方がふえていくのを、ただ社会的弱者と見るよりは、経験の深い人たちということで私たちがとらえられるように考えなきゃいかぬ。 そのためには、就労ですとかあるいは地域活動などさまざまな面で活躍していただくような、そういった環境の整備というものは必要であろうというふうに思っておりますし、また高齢者の皆さん方が自立と相互連帯といいますか、こういったものがつくれるような基盤の整備というものが私は非常に大事な時代になってくるだろうというふうに思いまして、そういったことを中心にしながら、そして介護ですとかあるいは施設ですとか、そういったものを具体的に考えていきたいというふうに考えております。
○牛嶋正君 私は、二十一世紀に迎える高齢社会が、少なくとも今も総理がおっしゃいましたように共存的社会、それから共生的社会、そして参加型の社会、そういった性格を持たなければならない、こんなふうに思っております。 私たちが二十一世紀に迎える高齢社会にどのようなビジョンを描くにいたしましても、その実現に当たってはそれに合った社会の仕組みや諸制度を確立していかなければなりません。現行の仕組みや諸制度が、これまで我が国が経済大国の実現を目指す中で、言いかえますと競争を基本とする社会の中でつくられてきたものであるということを考えますと、長寿社会の建設に当たって抜本的に現行制度を変えていかなければならないことは当然のことではないかというふうに思います。 ただ、その場合、現行の社会の仕組みや諸制度がすべて長寿大国では間に合わないと考えてがむしゃらに改革を推し進めていくことは性急過ぎると思います。これまで他の国と比較して特異な制度と見なされてきた終身雇用制度などは、私は共存型社会をつくっていく上でむしろ柱となる制度ではないかと思っております。 このことを考えますと、もう一度私たちが二十一世紀にどのような長寿社会を建設していくのかを明確にし、その実現を目指すために改革をどう進めていくかを明らかにしていかなければならないと思いますが、これにつきましても総理の御所見をお伺いしてまいりたいと思います。
○国務大臣(羽田孜君) 確かにそういう社会というものを、これはもう今御指摘がありましたように、共存、共生、そして参加する社会というものをこうやってつくり上げていくわけでありますけれども、何というんですか、やっぱりその社会構造というもの、こういったものに対しても私たちはよく目を向けていかなければならないだろうというふうに思っております。そして、今お話しかあった企業の中で終身雇用という問題についても、ただ改革するというより、もう一度これを見詰め直してもいいんじゃないのか。 これは、実はこの間、私がフランスに行きましたときにシラク・パリ市長とお話をいたしました。そこで改革の問題についていろいろ議論をしたわけなんですけれども、そのときにシラクさんは、私は改革というものに対してやっぱりこれは勇気を持ってやらぬとならぬと思う、しかし私が日本に対して非常に関心を持っているのは、終身雇用というような企業の中でみんなが本当に安心して生きていけるような、こういうものというのは非常におもしろいなというものを実は持っておるんだというようなことを言っておられまして、ただ終身雇用が絶対なものでないということ、あるいはまた刺激を受けるということがそれぞれの人のためにもいいのかもしれませんけれども、しかしやっぱり一面ここで安心して働けるということで、企業あるいは企業の製品だとか活動とかそういったものにもその会社の人たちが責任を持つという大変美点というのがあることも事実なんであって、我々はそういった面というのはよく考えていかなきゃいけないというふうに思っております。 もう一つは、こうやって我々として推進していくべきものというのは、今度の新しく今お願いをしております年金法ですとか、あるいは医療ですとか、先ほど申し上げた福祉ビジョンですとか、こういったものなんかを進めていくことが大事であろうというふうに思いますし、またこれは古いあれですけれども、六十一年に推進すべき施策の指針ということでありまして、長寿社会対策大綱、この中で、雇用・所得保障あるいは健康・福祉、学習・社会参加、住宅・生活環境など広範な分野における諸施策を総合して推進してきた、またそれに基づいてやってきたんですけれども、やっぱりこれらは大事なものであろうと思っております。 それともう一つは、共存型のというお話があったし共生型のというお話があったわけでありますけれども、私は介護の問題を考えるにしましても、この間から御議論がありましたけれども、介護者の数というのは二百何十万必要だなんということが言われる、さあ今の予算の中で本当にどこまでできるのかなと、私自身がそんなことを言っちゃいけないんですけれども、しかし、こういった問題を私ども真っ正面からやっぱり考えていかなきゃいかぬ。 そのときに、地域社会あるいはその中におけるボランティアというものを一体どんなふうに活用していくのか、こういったものもやっぱりあわせて考えないと、本当にみんなが安心して生きれる社会というのはないんじゃないのか。そして、自分もいずれ年をとるわけですから、そのときにやっぱりみんなに力をかりるということがある。そんなことで、お互いがみんなで助け合っていくような社会というものが私は健全な社会であろうというふうに考えます。
○牛嶋正君 二十一世紀までに残された六年余りでございますね。この間に長寿社会の建設に必要な改革をやり遂げていくためには、少なくとも今すぐに整えなければならない条件が私は三つあるというふうに思っております。 第一番目の条件は、これまでの政治体制において次第に失われていった国民の政治への信頼と関心をもう一度取り戻す、その上で国民の皆さんの強力な支持を受けて改革を進めていくことであるというふうに思います。 第二番目の条件は、四年目に突入した平成不況をともかくも回復させ、できるだけ早く我が国経済を安定成長の軌道に乗せることであると思っております。 そして第三の条件といたしましては、高齢社会を支えていく仕組みをつくっていくに当たりまして地方自治体が中心的役割を担っていかなければならないと私は考えておりますけれども、そのために、地方自治体の行財政基盤を強固なものにしていく。もう少しわかりやすく言えば、地方自治体の足腰をできるだけ強くしておくということではないかと思います。 この三つの条件は改革を推進するために不可欠なものというふうに思っておりますけれども、総理の御見解をお聞きいたします。
○国務大臣(羽田孜君) ただいまのお話は、私ももう全く同感でございます。 やっぱりいろんな施策を進めるに当たりまして、本当に政治からの発信というものを国民が率直に受けとめていただけるような体制をつくらないといけない。ですから、もちろんお金との、政治との関係というものもありましょう、それともう一つはやっぱりここで議論されること、これが、やっぱり一つの日本の将来というものを本当に議論してくれているんだというものが国民に伝わったときにむしろ国民も、よし、じゃ自分たちも一緒になってやろうという気持ち、これは余りやり方が変なふうになりますと、かつてのヒトラーみたいなことになってしまったんじゃ、これはいけませんけれども、やはり信頼される政治の場からの発信というものを国民が受けとめ、そしてそれを中心にしながら議論し、またみんながその方向に向かって歩んでいこう、そういう何か感動みたいなものが本当は政治家の場から発信されるべきものだと思う。これは、私たちがこれから本当に改革を進める中で真剣にやっぱり考えていかなきゃならぬ問題だろうと思います。 それから二番目は、やっぱり景気回復というのは、高齢化社会がすぐそこにやってくるために今のうちにいろんなさまざまな準備をしなければいけない。先ほどの介護の問題もそうですし、あるいは医療等がきちんと提供される、あるいは本当にどうしても身内のない方たちには、そういった皆さん方を迎え入れるというものが必要でありましょう。そんなことが本気で考えられるものにしていかなきゃならぬので、景気の回復というのはやっぱり欠かすことのできないことだろうと思います。 そしてもう一つは、今、地域の自治体の問題がお話ありましたけれども、最近では、アパートなんかをつくる。団地とよく言われたものでありますけれども、ここもかっては新しい団地をつくりますと、子供の出産で救急車で運ばれていくと。あるいは学校に上がるとき、何もみんな一遍に来るというんですね。そして案外老人の方がいないためにいろんな知恵というものがその地域社会の中にないということで、最近の団地をつくるときには、必ず若い人たちが住めるところ、それでお年寄りの人が住めるところ、そして三世代が住めるようなもの、こういうものを建設省その他地方自治体も真剣に考えながら造成するようにしておりますけれども、福祉というのは一番すぐ身近にある地域社会というものが分担するということが大事なんだろうというふうに考えるわけです。そのためにはやっぱり権限も必要でしょうし、あるいはみずからがこういったものに使っていこうという資金というもの、財政というものも健全でなければならないということであります。 私たちは行政の改革なんということを盛んに言っておりますけれども、そういう中で地方分権というものは、今御指摘のあったとおりのことを目標にしながら、それともう一つは、地域社会というものは本当にそこに住む人たちみんなが誇りを持つ、あるいは安心する、そしてその地域のために働こう、お互いに助け合おう、そんな地方自治というものをつくっていくことがこれから新しい時代の中で必要なことであり、また今私たちが心がけなきゃならない問題であろう、これはもう御指摘のとおりだというふうに私は思います。
○牛嶋正君 私はこの後、この三つの条件を整えていくに当たりまして羽田政権がどのように取り組んでおられるのか、また取り組もうとされておられるのか、こういったことを中心にそれぞれの条件について二、三点ずつお尋ねをしてまいりたいと思います。 まず、政治に対する国民の信頼回復の点でございますが、私は金のかからない選挙制度をつくったりあるいは選挙の違反者に対して厳しい罰則を設けたりすることも必要だと思いますけれども、信頼回復のためにはそれ以上に政治の透明度、とりわけ政策の立案過程の透明さをできるだけ高めていくことが大切ではないかと思っております。 総理は、非常に厳しい政治環境の中でこの問題に対してどのように取り組もうとされているのか、もう一度御決意をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(羽田孜君) 私どもが政治改革という問題と取り組まなきゃならなくなったときの実はこれが一つの視点でありました。 確かに、与党という中でいろいろと議論されていくこの過程というのは私は決してないがしろにするものではないと思っております。しかし、本来でございますと議会で議論をするということが最も私は大事だと思うんですね。ですから、私たち内閣としても、予算を通すために皆さんに何時間もやっていただいて、そしてその中で議論していただく、そしてそれをじっと我慢しながら何とか通していくというふうなこと、これはならないわけですね。 それから、参議院の中で御議論がある。私は自民党時代もお聞きしたんですけれども、参議院というのは衆議院と違ってむしろ決算というものを大事にしろと、そして決算を議論する中で次の施策にこれを向けていくべきじゃないかということが言われております。 確かに、予算を一回組んで皆さんに編成をお願いしたものを修正していくということになりますと、まさに歳入から始まって税制までのめり込んでいかなきゃならぬということですから、一たん編成したものを編成がえというのはこれはなかなか難しいことでありますけれども、しかし決算の中で、ここのところの金の使い方がおかしいぞということなんかをきちんと指摘していただいたり、今の時代はこういったところに重点を置くべきだぞということを言っていただければ、私たちはまた予算編成の中でそういったものを反映していくことが非常にやりやすいということであり、また的確にそういったことができる。 そして、国民から選ばれた議員の議論によってその方向を打ち出すことができるということは、何といっても、これは私が今内閣の立場でありまして、余計なことを言いまして踏み込むことはよくないと思いますけれども、しかし、私はやっぱり一人の議員としてそういうものをつくり上げることが大事だろうと思う。 それから、政党というのはそれぞれ今度は組織をみんな持つわけでありますから、ただ選挙制度を改革いたしましてもこれは本物じゃありません。それぞれの政党というものが声を吸収していくということが必要であろうと思いますし、それをまた政策にしていく、この間が見えるということ、透明性というのが大事だろうというふうに考えておりまして、私どもはそういった問題に対してこれから本気でいろんな議論をやっていくことが必要だろうと思います。 そして終わりに、平成目安箱なんというおもしろいものをつくりましたけれども、しかしこれ、毎日毎日、今でも最低でも五十何件、多いときには百何十件と実は来るので、とても私が自分でもうなかなか目が通しにくくなったり返事を書く時間がとれなくなってきた部分があります。しかしこれは、みんなそれぞれ担当の人に見ていただくと同時に、私もできるだけ見るようにする、そして各省にこれをみんな渡す、そして各省が施策として取り入れたものあるいはどうしても取り入れられないものについて、これはこうこうこうですということをできるだけ返事をもらおうということで、やっぱり国民も直接そういったものに参画できるんだということ、今そんなことの努力もいたしておるということであります。 政策決定の過程というものは私たちも反省しながら、やっぱり次の時代といいますか、本当の民主主義のあれをつくるためにこれからも努力していきたい、かように考えております。
○牛嶋正君 この点につきましてもう一言だけちょっと述べさせていただきたいと思います。 信頼回復については、目に見える大きな改革も必要ですけれども、規模が小さくともきめの細かい誠意のある改革を積み重ねていくことも私大切じゃないか、こんなふうに思っております。 聴覚障害者の参政権を保障するために、例えばテレビの政見放送に手話とか字幕を入れる。これはささやかな改革でありますけれども、聴覚障害者にとりましては貴重なやっぱり情報源でございます。私は、こういうふうな改革を、ささいな改革を積み重ねていくことこそ本当の国民の信頼を回復できるんじゃないかと思いますが、このような改革の進め方について、まず自治大臣の御所見をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(石井一君) 視聴覚の障害者の参政権という問題に関しましては最近とみに議論が高まっておるところでございまして、衆議院よりは参議院へ参りましたときの方がその頻度が高いというふうに払いつも拝聴させていただいておるところでございます。 私の立場から事情をいろいろ調べてみたわけでございますが、現在、政府といたしましては、政見放送研究会という専門的な部会にメンバーを任命いたしまして、これをどれだけ早い段階で、どの段階から順次取り入れていくかということを今鋭意御議論をいただいておるところでございます。 人数とかなんとかというふうな問題を点検いたしますと、数十万なりあるいはそれ以上ということでございまして、その投票全体に与える影響というふうなものから見ますとそれは少ないものかもわかりませんが、やはりその姿勢といいますか、それが私は非常に重要だと思うのでございます。これまでは財政的な理由あるいは技術的な理由からややスローテンポでございましたけれども、この際何らかの形でできるところから踏み込んでいきたい、そのように思っております。
○牛嶋正君 これと関連してですが、テレビの手話、字幕放送の現状について、できましたら郵政大臣にそのあたりをお聞かせ願いたいわけでございます。
○国務大臣(日笠勝之君) 現在、手話放送はNHK及び民法で百七社が、字幕放送はNHK及び民法で十四社が実施しているところでございます。 具体的な、全国的な詳細データをちょっと持ち合わせておりませんが、関東地区のNHK及び民法九社の実施状況を申し上げますと、まず手話放送では、NHKは毎日十分間の「きょうのニュース」など報道番組を中心に週に四番組、約三時間放送しておるところでございます。また民放は、東京放送を除く八社で週に十六番組、約七時間放送していますが、その内容は日本テレビが土曜日に五分間放送しております「東京都だより」などの自治体の広報番組が中心となっております。 さて、字幕放送でございますが、NHKは毎日十五分間連続ドラマ「ぴあの」などの娯楽番組を中心に週に十番組、約十二時間放送しております。また民放は、東京キー局五社で週に十一番組、約八時間放送しております。その内容は、例えばフジテレビが水曜日に約一時間放送しております「鬼平犯科帳」などの娯楽番組が中心となっておるところでございます。
○牛嶋正君 それでは、次に景気回復についてお尋ねをしてまいりたいと思います。 最近、工業生産指数の伸びあるいは企業業績の五年ぶりの増益とか、金融機関の保有する不良債権のわずかではありますけれども減少、こういった景気の底入れを感じさせる数字が出始めております。そんなところから、この秋ごろから景気回復が本格化するだろうと予測する人もふえてきているように思うわけです。 しかし、一方では、昨年の今ごろの景気動向を思い起こして、ことしも景気回復の期待感がいつの間にかしぽんでしまうのではないかというふうな悲観論者もまだまだいるわけでございます。この悲観論によりますと、例えば工業生産指数の伸びというのも、これは各企業が決算期に合わせて調整したためだというふうなことを指摘いたしますし、企業業績の増益に関しましても、リストラによるわけでありまして、必ずしも需要が回復してそれが支えになっているわけではないという指摘もあります。また不良債権も、減少したとはいえ三月末の残高というのは十三兆五千七百億円存在しているわけであります。 このような楽観論、悲観論さまざまでありますけれども、政府はこれに対しましてどのように判断されているのか、まず経済企画庁長官にお尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(寺澤芳男君) 景気の現状を見ますと、まず設備投資なんですが、設備投資は減少が続いておりまして、各種アンケートの調査によれば六年度も三年連続減少の計画となっております。さらに、企業収益も引き続き減少しておりまして、雇用情勢につきましては製造業を中心に非常に厳しい現状であります。 ただ、一方、三月の公共事業の着工が前の年の三月に比べまして六七・八%増となるなど公共投資は堅調でありまして、また住宅建設も年率百五十万戸以上という高い水準で推移をしております。 個人消費につきましては、一部の家電製品の出荷が前年を上回るなどやや持ち直しの動きが見られます。産業面でも、在庫は四月まで三カ月連続して減少しておりまして、これまで停滞傾向にありました生産も一進一退の動きが見られます。 したがって、景気の現状は、総じて低迷が続いているものの一部に明るい動きが見られるというふうに判断しております。
○牛嶋正君 日銀は、十日に短観を発表されておりますが、これを踏まえまして日銀総裁においでいただいておりますので、景気の判断をお聞かせ願えたらと思います。
○参考人(三重野康君) 委員御指摘のとおり、年が改まりましてから一部の経済に明るい兆しか出てきております。もちろん、昨年も同じような兆しか出て、昨年の場合はいろんな悪材料が山積してもとのもくあみになったわけでございますが、最近の経済指標を子細に観察しておりますと、いわゆる下げどまりの状態から一歩踏み出して回復への方向を歩き出した、そういう可能性が強い、そういうふうに私どもは判断をしております。 最近までの分析を整理して申し上げますと、第一に、需要面では住宅投資、公共投資はずっと堅調でございましたが、それに加えまして個人消費に持ち直しの気配がうかがわれますし、かつまた東アジア、米国の経済拡大傾向がはっきりいたしました影響で我が国の輸出にも好影響があらわれております。 第二に、委員が今御指摘になりました短観によりましても、製品需給、在庫判断、これは明確に改善の方向が出ておりますほか、設備、雇用についてもいわゆる過剰感が頭打ちという状態が出ております。 第三に、企業収益、これは製造業につきましては五年ぶりに増益の計画が出ておりますし、それを受けていわゆる企業の業況判断もかなりの改善を示しております。 こういうふうな改善が出ておりますのは、いつも申し上げておりますけれども、いわゆるストック調整、バランスシート調整、あるいはマクロ経済政策の効果が浸透していること、企業のリストラが進んだことなどが背景にあると思います。しかし、これから先の日本経済を考えますとまだまだマイナスの要因が多くあるように思います。 そのうち、例えば第一に、短観におきましても、先ほど雇用、設備の過剰感は頭打ちと申し上げましたけれども、これが本当に出るまでにはなお調整期間があるだろう、そういうことがあらわれております。第二には、これは委員御案内のとおり、為替相場がまだ目が離せない状態にあります。第三に、いわゆる円高と東アジア諸国との競争が非常に激化しておりまして、日本における産業の再編成のような動きはこれからが本番でございますので、そういうこともよく注意して見なければならないと思っております。 したがいまして、先ほど一歩踏み出した可能性が強いと申し上げましたけれども、これが二歩、三歩と続くかどうかについてはなお慎重な見きわめを要すると思いますので、引き続き注意深く推移を眺めてまいりたいと思っております。
○牛嶋正君 いずれにしましても、できるだけ正しい判断を下すためには、私は、もう一度昨年六月と今の状況を比較検討して類似点あるいは相違点をできるだけ取り出して見きわめていく必要があるのではないかというふうに思っておりますが、昨年と最も違う点というのは六月に所得税減税が実施されることではないかというふうに思っております。そして昨年と変わらない点は、日銀総裁あるいは企画庁長官もおっしゃいましたように、依然として企業の設備投資が低迷しているということだろうと思います。 このように好材料、それから悪い材料が並んでいるわけでございますけれども、今彼に所得税減税が期待どおりの効果を発揮して個人消費支出を一段と伸ばすことになれば、企業の設備投資の低迷に対しましても好材料になってくるわけでありますから一層足取りが確かなものになる。日銀総裁がおっしゃったように、二歩、三歩というふうに歩み出すことができるのではないかと私は思っているわけであります。 そこで、まず所得税減税の効果について企画庁長官にお尋ねしたいと思います。 平成六年度の減税は、可処分所得を拡大して個人消費支出を伸ばし景気の回復を図ることを主眼としております。単年度で二〇%の定率で減税するという臨時緊急の特別措置がとられたと思っておりますが、それだけに所得税減税が期待どおりの効果を発揮することを私たちは望むわけでございます。しかし、景気の動向が微妙な段階であるだけに、政府といたしましては、この夏に幾ら所得税、住民税が還付されることになり、それが消費支出をどの程度押し上げることになると見ておられるのか、お聞きをしたいと思います。
○国務大臣(寺澤芳男君) 牛嶋委員が御指摘のように、二月の総合経済対策十五兆円、その中に盛り込みました所得税、住民税の減税、五兆四千七百億という過去に例を見ない大規模なものになっておりまして、これはまず家計の中で本当に使える部分のお余すなわち可処分所得がふえてくる、あるいは電気冷蔵庫だとかそういう耐久消費財が買いかえとかというストック調整の進展で個人消費がやはり伸びてくるだろう、それが住宅投資にも好影響をもたらしてくるだろう、さらに民間部門のマインドにも非常にいい影響を及ぼしてくるだろう、これらの効果が民間設備投資に波及していくというふうに考えます。 もし、この減税をも含めまして十五兆という大きな総合経済対策、これがすべて順調に経済に波及してまいりますと、ほかの条件も全部順調にいくとしますと、二・二%ぐらいのGNPに対する波及効果があるのではないかと。そして、これらに盛り込まれたいろいろなほかの措置とも相まって、我が国経済の本格的な回復軌道への移行というのが平成六年度中に見られるのではないかと私は思っております。
○牛嶋正君 日本銀行月報の五月号に生活意識に関するアンケート調査の結果が掲載されております。その中で消費に関しても幾つかの質問が用意されているわけですけれども、昨年十二月にこの場で質問させていただいたときに、家計調査のデータを用いて私は消費者の態度が堅実なものに変わりつつあることを指摘いたしましたけれども、この日銀の月報を見せていただきますと、それが私は裏づけられたのではないかというふうに思っております。 また、六月三日付の日本経済新聞によりますと、減税の使い方の調査が行われているわけですが、減税決定当初の二月時点では貯蓄やローン返済に回すと答えた人がかなり多かったわけです。 〔委員長退席、理事村上正邦君着席〕 いわゆる貯蓄派というふうに呼んでいいんじゃないかと思うんですが、還付を目前にいたしました今、やっぱり使うというふうなことで、そういった貯蓄派が消費派に変わりつつあるように思うわけでございます。減税が消費支出をどの程度押し上げることになるかは減税分がどの程度消費に向けられるかということなのでありますが、私自身も、減税決定当初に比べまして減税効果がかなり期待できるのではないかというふうに感じるようになってまいりました。 この点に関しまして、私、日銀の月報を引用させていただきましたので、もう一度日銀総裁の御意見を賜ってまいりたいと思います。
○参考人(三重野康君) 委員御指摘のとおり、減税が個人消費に及ぼす影響を定量的に把握することはなかなか難しゅうございます。 当然、委員がお察しのとおりでございますが、雇用情勢、消費性向、消費の志向というようなものによっていろいろ変わると思いますが、委員御指摘のいわゆる意識調査も含めまして減税そのものに限って考えますと、これは五兆五千億に及ぶものでございますし、国民の各層に影響がございますので相応の効果があるというふうに私は判断しております。そして、先生も最初申されましたように、これがやや明るさの見えてきました景気をさらに強めることになることを私どもは期待いたしております。
○牛嶋正君 いずれにいたしましても、私は、景気の底入れを見きわめ景気回復の確かな足取りを確認するためには、やはり企業の設備投資の回復に兆しかあらわれなければならないというふうに思っております。そのためには、所得税減税の効果のいかんにかかわらず、企業の設備投資のインセンティブを刺激するために実質金利の一段の引き下げを私は提案したいわけでございます。 先般のOECD閣僚理事会が採択いたしました共同声明にも、景気回復がいまだ持続的でない国においては、物価面に配慮しつつ金融緩和政策を維持するか一層の緩和の余地を追求すべきであるとの見解が発表されております。 何もOECDの共同声明に追従するわけではありませんけれども、私は、各国が異なる経済循環過程にあることを前提に、インフレなき成長という共通目標のためにそれぞれ異なった政策を展開していく必要があるというふうに思っておりますが、再度この点について日銀総裁の見解をお伺いいたします。
○参考人(三重野康君) 景気回復が本物になるためには、委員御指摘のとおり、やはり設備投資が盛んにならなければいけないというふうに思います。 これまで私どもが金融緩和をして非常な低金利になっておりますけれども、この金利がいまだ設備投資を引き出すまでに至っていないことは御指摘のとおりだと思います。ただし、設備投資がまだ起きておりませんのは、いわゆるストック調整、あるいはバランスシート調整、企業のリストラというものがいま一つまだめどがつかないことが大きいわけでございまして、これまでの金利低下は企業のいわゆるリストラ努力を非常にサポートしている効果はあったというふうに思います。 ただ、そういった諸種の調整がある程度めどがつきまして企業が積極的な経営に転じて設備投資を行う場合には、それをサポートする十分な金利の低さに今なっているというふうに私どもは考えています。これは、例えば一足先に調整が終わりました住宅投資につきましては、低金利と相まちまして非常な高水準にあることは委員御承知のとおりでございます。 また、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、短観にょりましても、設備の過剰感がようやく頭打ちになりましたし、企業の収益もやや改善の方向が見えてまいりましたので、設備投資をめぐる環境は徐々にではありますけれども整いつつあるというふうに見ておりますので、今後ともその点を引き続き注意深く見てまいりたい、かように考えております。
○牛嶋正君 最後に、来年度以降の所得税減税について大蔵大臣にお尋ねしたいと思います。 明年度以降の所得税減税が国際公約になっているように思うんですが、六月未に予定されている抜本税制改革についての政府税制調査会の答申を得て年内に成案を得ることになっておりますが、となりますと、所得税についても今回の税制改革において高齢社会にふさわしい税構造を確立しておかなければならない、こういうふうに思います。 現行所得税について、課税の公平の観点から見て幾つかのひずみ、ゆがみが指摘されるわけですが、その中の一つとして、年収一千万円から二千万円の中堅サラリーマン階層のところで実効税率が急勾配になっていて強い税痛感を募らせていることが挙げられます。 しかし、このひずみは消費税導入のときの税制改革によってもたらされたものであるといたしますと、今回の税制改革においても一方で消費税税率のアップが予定されていることを想定いたしますと、果たしてこのひずみが是正されるのかという危倶を私は持っているわけですけれども、この点について大蔵大臣はどういうふうにお考えなのか、お尋ねを申し上げます。
○国務大臣(藤井裕久君) 冒頭の牛嶋委員と総理との御論議にありましたように、これからあるべき長寿社会、それがやっぱり私は特別な社会であってはならない、ごく自然にみんなが支え合う社会でなければならないと。そのために、いろいろ先ほどから雇用のあり方とか地域社会のあり方とか御議論がございました。その一つとして、これからの長寿社会を支えてくださる御負担のあり方もごく自然なものでなければならないと私は思っているんです。 そこで、お話も出ましたけれども、中堅所得者のところに極めて大きな負担がかかっていくような仕組み、これを解きほぐしていくということがごく自然な社会においてこの長寿社会を溶け込ませていく上で非常に大事だと思っておりますから、私は所得税減税というものは、もう何度も申し上げておりますように、単なる景気対策としてこれをお願いしたわけではございません。そういう将来のあるべき社会の姿として前々からお願いをしているところでございます。ただ同時に、景気問題ということを踏まえて本年先行的に減税をさせていただいたわけでありますが、これについてはこれまた先ほど来のやりとりのとおりでありまして、それなりの効果が出てまいったと思います。 しかし、景気対策のためだけでこれをお願いしているわけじゃございませんもので、あるべき社会を考えてお願いしているわけでありますから、しかも特別減税法は院において早々と仕上げてくださいまして大変感謝いたしておりますが、その中で、附則の修正ということの中で平成七年度以降も所得税減税を基本税制の改革の中で続けるようにというお話もあり、私どもはその院のお考えの方向でやりたいと思っております。 ただ、ちょっとお言葉の中にありました国際公約ということはございません。これは、私どもが政府の経済政策としてこういうことを考えているということを申してはおりますが、G7というのは政策協調の場でございますから各国がみんなそれを言いますが、それに対して了承したとかなんとかという話ではないということはひとつ御理解をいただきたいと思います。 次にまた、所得税の中のお話について、私どもと同じようなお考えに立ってのお話があって大変光栄に思います。やっぱり今の所得税制というのは国際的に見て課税最低限が非常に高い、そして最低税率が低い、そして最高税率が非常に高い。私は、最高税率が非常に高いことよりも、問題はスパンが短い間に来る、この問題が委員今御指摘の急勾配に結びついていると思いますので、そこいらの是正をこの本格的税制改正の中でやるという方向は正しいのではないかと考えております。
○牛嶋正君 その方向だと思うんですけれども、私は、今のひずみができたのは、消費税が導入されたときに、消費税の負担がかなり相対的に重い低所得者のところをできるだけ減税するということでできてしまったんじゃないかと思いますので、今回も所得税の改革とあわせて消費税率を引き上げていくということになりますと、今おっしゃいましたようにスパンを長くするということでありますけれども、それはなかなか難しいんではないかというふうなことでお尋ねしたんですが、再度ちょっと。
○国務大臣(藤井裕久君) 全く同じようなお立場で言っていただいて大変ありがたいのでございますが、今御議論ありますように、消費税というものが話に出た場合には、やはり所得の低い方に対する配慮というものは、これはもちろん社会保障政策もございますが、税制の中でも配慮すべきではないかという意見が非常に強いことも事実でありまして、そういう意味においては課税最低限ということになるのかどうかわかりませんが、いわゆる所得税をお払いになっていただいている方の中の低所得の方に対する配慮というものは必要だと考えております。 したがいまして、このスパンはそれに加えて長くするということを意味しておりますので、やや大き目の規模になるということもそこで御理解をいただきたいと思うのでございます。
○牛嶋正君 最後に、地方自治体の足腰を強化するという問題について自治大臣に二、三お尋ねをさせていただきたいと思います。 私は、地方自治体の足腰を強くするという場合に二つの側面があるというふうに思います。一つは財政基盤の強化、いま一つは行政能力のアップといいますか向上ということではないかと思います。この二つの側面は、地方自治あるいは地方主権を確立する場合のいわば両輪であるわけであります。 ただ、財政基盤の強化につきましては国と地方の財政関係の見直しを通してこれを進めていくことができますけれども、行政能力の向上に関しましては各自治体の自助努力あるいは各自治体が行う行政改革によるところが大きいというふうに思っておりますが、こういったことを念頭に二、三の質問をいたしたいと思います。 今申しましたように行政能力の向上に関しましては自助努力が中心となるわけですけれども、もともと行政能力が不足している自治体にとりましては、日々の業務に追われてそれを高めていく余裕に欠けるのではないかというふうに思っております。そういたしますと、何らかの形で他の団体、特に国がらの援助が必要だと思いますけれども、この点について自治大臣はどのようにお考えなのか、御意見をお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(石井一君) まことに当を得た、地方分権の大きな流れのありますときに最も重要な問題の指摘だというふうに認識をいたしております。 一般的に申しまして、昨今、地方自治体は、希望する、いわゆる人材というものに非常に人気のある分野になっておりまして、競争卒も非常に高く、人材も非常に大きい。中央へ出てくるよりも地方でしっかり仕事をしようという若い人々がふえてきておることは大変好感の持てるところではないかというふうに思います。 地方団体としましては、今後の行政能力を高めていくために、自治省もいろいろ指導をしておりますけれども、まず一つは、学者や住民の代表者を入れた地域の研究会、そういうふうなものを大いに推進いたしまして地域のニードを学者にふるいにかけてもらうとでも申しますか、そういう形の中から自主的な自律的な活動を強化していく、牛嶋先生もそういう形でこれまで御参加いただいたのではないかなというふうに私は思っておるわけでございます。 それから次に、職員の行政能力を向上させるために国の省庁などに参加させる、人事の交流を促進していくということ。 それからさらに、県庁内やら市役所内等々で独自の研修会等を持ちまして、行政能力の資質の向上、そういうふうなことを進めておりますので、今後もこういう線に沿いまして、地方の自主性を尊重しながら地方のインセンティブがもっともっと大きくなってくるようなそういう環境づくりをしていきたい、そういうことを考えておりますことが一つでございます。 それからもう一点は、平成元年前後に行いましたふるさと創生事業による地方公共団体における自主的、主体的な施策の積極的な推進というふうなことでございますが、この流れが今も継続いたしております。私は、これらの行事を通じまして、批判もございましたけれども、地方団体がみずからの発想で行政をし、起こしていき、政策を実施していくという上におきましてこの事業がやはりそれなりの貢献をしたというふうに思っておりますので、御指摘の点は、財政面の強化と同時に行政能力の向上ということにつきましても今後地方の時代にふさわしい方向で努力してまいりたいと思っております。
○牛嶋正君 最後の質問ですが、財政基盤を評価する指標が幾つかございますね。例えば自主財源比率とか経常収支比率あるいは公債費比率等でありますが、これらの指標を見ますと、五十年代は非常に改善されてきたんですが、バブル崩壊後急速に悪化をしております。いわば地方自治体の財政基盤というのは少し弱体化してきているんではないかというふうに思います。 この要因はいろいろあると思いますけれども、その一つに景気対策の推進に地方財政がかかわるようになってきたことが挙げられるのではないか。例えば総合対策の中で単独事業を推進してまいりましたけれども、これなどは地方自治体の公債費比率を高めていることは確かであります。そうだといたしますと……
○理事(村上正邦君) 時間が来ていることを御存じでしょうか。
○牛嶋正君 はい。 今進めておられます税制改革の中で多少はこの点を考慮してお諮り願ってはどうかというふうに思っておりますが、この点につきまして最後お尋ねいたしまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○理事(村上正邦君) 簡潔に。
○国務大臣(石井一君) 御指摘のとおり、景気に対する配慮から住民税等の減税を行うということ、それから歳出面においても地方の単独事業が前年度比一二%アップと、こういうようなところから、確かに地方債の増発でありますとか特別会計の借り入れ等が非常に大きくなってきております。 〔理事村上正邦君退席、委員長着席〕 それだけに今後の抜本的な税制改正の時期に財源の強化というものをどうしても前進させなければいかぬ、そう思っております。
○牛嶋正君 終わります。
○委員長(井上吉夫君) 以上で牛嶋君の質疑は終了いたしました。(拍手) ―――――――――――――
○委員長(井上吉夫君) 次に、上田耕一郎君の質疑を行います。上田君。
○上田耕一郎君 日本共産党の上田でございます。 侵略戦争の問題、北朝鮮問題、消費税と高齢化社会問題について質問させていただきます。 首相、来年は終戦五十周年ですが、八月十五日を国民の祝日とされるというんですけれども、いかがお考えなんですか。
○国務大臣(羽田孜君) これはまだ定められたものではございませんけれども、祝日といいますか、やっぱり平和を祈念する日、こういうものにすることがこれからの日本の人たちがこの日にみんなで過去を振り返りながら再び戦争を起こさないという誓いをするためにいいんじゃないのかという議論があることであります。
○上田耕一郎君 今度辞任されるドイツのワイツゼッカー大統領は、ドイツ降伏四十周年の日に、過去に目を閉ざす者は現在が見えなくなると、ナチスの犯罪を深刻に反省して全世界に深く静かな感動をもたらしたんです。 日本の敗戦五十周年に、日本の首相の歴史認識が問われていると思うんです。そこで、じゃヒトラーの戦争は侵略戦争だったのか。どうお考えですか。
○国務大臣(羽田孜君) これは侵略戦争といいますかナチズムということで、これを国際的といいますか、これを普遍していこうという一つの思想であったというふうに思っております。
○上田耕一郎君 私はここにニュールンベルクの国際軍事法廷の判決を持っています。侵略戦争、「全世界に影響を及ぼす」とナチズムをはっきりそう結論して、「そば最悪なる国際犯罪であって他の戦争犯罪と異なる点は単に其内に全戦争犯罪の累積的なる悪を含むことにある。」と、そう侵略戦争宣言ってるんですよね。 そこで、じゃ首相に日本のことを聞きます。 首相は読売新聞のインタビューで、「ABCD包囲網を打破するという意味で行動したんだろう。」と、十二月八日についてそう言われた。ABCD包囲網というのは何が原因だったとお考えなんですか。
○国務大臣(羽田孜君) ABCD包囲網というのは、日本という国が第一次大戦後軍事力というものも非常に大きくなったということ、あるいは大陸へ進んでいったということ、そういう中での一つの権益の争いといいますか、そういったものがあったろうと思います。そういう中で、日本に対する石油ですとかあるいはそのほかの資源等について、あるいは日本からの購入、こういった問題について各地域との連携というのが出てきたというのがよく俗に言われるABCD包囲網ということであるというふうに私は思っております。 いずれにいたしましても、これは議論の中の一つであろうと思っておりますけれども、戦争といいますか、ちょうどあのとき、日本が大陸、日本の権益を広げようというあれがあったし、またよそからもその日本の権益を抑えようという動きもあったろうというふうに思っております。そういうものを総称してABCD包囲網というようなことが言われたんじゃなかろうかと思っております。
○上田耕一郎君 私は当時中学生で、毎日、新聞で読まされた。Aはアメリカ、Bはブリテン、Cはチャイナ、Dはダッチで、その四カ国の包囲網なんですよ。 私、極東軍事裁判の判決書を持ってきているんですけれども、これにも「正当な試みであった。」と。日本の中国侵略と仏領インドシナへの拡大に対する経済制裁なんですよ。そうしますと、やっぱり中心は一九三一年からの十五年間に及ぶ中国侵略だったと思うんですが、首相はなかなか侵略戦争とおっしゃらない。これは、あれはあれだなんて、済まないですよ。 それで、中国に対する戦争、侵略戦争とお認めになりますか。
○国務大臣(羽田孜君) 侵略戦争という用語の意味につきましていろんな議論がおありになることは上田委員もよく御存じのとおりでありまして、私は、我が国の侵略行為や植民地支配等多くの人々に耐えがたい苦しみを与えた、そのことを我々は反省し、そして再びそういうことを起こさないようにしていきたいという思いで述べておるところであります。
○上田耕一郎君 もう東京のこの判決、軍事裁判、もう侵略戦争で満載されています。 朝日新聞に、後藤田正晴元副総理がこう言われた。「侵略戦争でなかったという認識は、通りませんよ。当時「満州は日本の生命線だ」といわれていた。しかし、満州は中国の土地であり、人民なんですよ。よその国の領土と国民が、日本の生命線だといって、その権益が侵されたと、満州全土を占領する。これは文字通り侵略ですわな。」と。正論と思いませんか。
○国務大臣(羽田孜君) ですから、先ほど申し上げておりますように、侵略戦争というものは、なかなかその言葉の意味というのはきちんとした解釈というのはなされていないんじゃないかと私は思う。しかし、日本が中国あるいは大陸に侵攻していったこと、このことはやはり侵略的行為であったということ、これは私は率直に認めておるところであります。
○上田耕一郎君 定義とおっしゃいますと、これは国連総会の決議、「侵略の定義」があります。第三条、国家の軍隊による他の国家の領土に対する侵入もしくは攻撃、その結果の軍事占領、武力の行使による領土の全部もしくは一部の併合。東北地方侵略、満州国創設、文字どおりぴったり当たるじゃありませんか。 それで外務省、中国が日本軍国主義によって受けた死者、犠牲者の数、中国側はどう発表していますか。
○政府委員(川島裕君) お答え申し上げます。 いろいろな数字がございますけれども、一つは一九五五年八月の中国外交部声明というので「日本軍国主義者が中国侵略戦争の期間中に千万人以上の中国人民を殺りくし」と、それから人民英雄記念碑献花式というものがございましたときの報道ぶりで、中国軍民の死傷者、死者と負傷者両方でございますけれども、二千百万人余という言い方がなされたことがございます。それから中国人民抗日戦争記念館には、これも大体同じような数字がと思いますけれども、三七年七月から四五年八月までの軍民の死亡九百三十二万、負傷九百四十七万、行方不明二百八十七万というようなことが記されております。
○上田耕一郎君 第二次大戦の死者は五千万と言われる。中国の死者一千万というのは二割ですよ。ヒトラーが政権をとったのは一九三三年です。日本の中国侵略は三一年ですよ。ムソリー二のエチオピア侵略は、日本の満州国、あれが成功したので鼓舞されてやったというんです。あれ、三五年ですよ。そうしますと、日本の中国侵略というのは第二次大戦をアジアで真っ先に扉を開いた大変なものなんですよ。それだけの重大な戦争犯罪行為を日本軍国主義がやっているんです。 外務大臣、国連憲章の冒頭、この戦争についてどう書かれていますか。
○国務大臣(柿澤弘治君) 正確を期するために読ませていただきます。 「われら連合国の人民は、われらの一生のうちに二度まで言語に絶する悲哀を人類に与えた戦争の惨害から将来の世代を救いこ云々と書いてございます。
○上田耕一郎君 「言語に絶する悲哀を人類に与えた戦争の惨害」、これを日本、ドイツ、イタリアのファシズム軍国主義がやったと。これは国連憲章です。これを再び繰り返すまいということを全人類が誓ったはずなんです。ですから、この三国の侵略戦争を繰り返さない、あれは侵略戦争だったというのは戦後の世界の共通の認識なんですよ。その認識をなぜ首相は言えないんですか。 日本が受諾したポツダム宣言、これは外務省でいいです、日本軍国主義の戦争を六項でどう規定していますか。
○政府委員(丹波實君) ポツダム宣言第六項、 吾等ハ無責任ナル軍国主義カ世界ヨリ駆逐セ ラルルニ至ル迄ハ平和、安全及正義ノ新秩序カ 生シ得サルコトヲ主張スルモノナルヲ以テ日本 国国民ヲ欺瞞シ之ヲシテ世界征服ノ挙二出ツル ノ過誤ヲ犯サシメタル者ノ権力及勢カハ永久ニ 除去セラレサルヘカラス以上でございます。
○上田耕一郎君 五十周年なんで、やっぱり歴史の文献を思い出していただいたんですが、「世界征服ノ挙」と、こう言っているんですね。 この極東国際軍事裁判、この判決はこの日本の戦争についてどう侵略戦争をはっきり言っていますか。
○政府委員(丹波實君) お答え申し上げます。 極東国際軍事裁判の起訴状は、その訴因の二十七というところから訴因の三十六におきまして、中国、米国、フィリピン、イギリス、オランダ、フランス、タイ等に対して、我が国が一定の期間侵略戦争並びに国際法、条約、協定及び誓約に違反する戦争を行えりという、それが起訴状でございますが、この起訴状を受けまして、いわゆる東京裁判の判決ではフィリピンとタイを除きましてこれらの国すべてに対して侵略戦争が行われたという認定が下されておるということでございます。
○上田耕一郎君 この極東軍事裁判について、サンフランシスコ条約十一条で、日本はどういう態度をとりましたか。
○政府委員(丹波實君) 十一条は非常に長いものですから主要な点だけお答えいたしますと、「日本国は、極東国際軍事裁判所並びに」としてその他の裁判が書かれておりますが、「の裁判を受諾し、且つ、日本国で拘禁されている日本国民にこれらの法廷が課した刑を執行するものとする。」というのが一番主要な条項でございます。
○上田耕一郎君 ところが、この歴史を何とかひっくり返そうとする動きが自民党内に強かったんですね。 中曽根首相は、極東裁判史観なんということを言いました。丹波局長は、六月八日、衆議院予算委員会で、これは戦後国際社会に復帰していくための一つのやむを得ない受諾だったと、私もいろいろな気持ちを実は持っております、などと言っている。しかし、宇野首相は、八九年、このサンフランシスコ平和会議で私たちは極東軍事裁判の結果をすべて受諾した、こうも答えたんですね。 はっきりすべて受諾している。首相、侵略戦争と明確に起訴状にも判決にも書いてある。この侵略戦争という判決を首相は受諾しているでしょうね。
○国務大臣(羽田孜君) これは間違いなく受諾をいたしております。
○上田耕一郎君 衆議院での志位書記局長の質問、それだけじゃなくて、日本共産党は戦後歴代の首相にこの問題を聞いているんですよ。なかなかはっき二言わないんですよ。来年五十周年ですから、こういう問題に決着をつけなきゃいかぬと思うんです。第二次大戦が終わって五十周年、日本が依然として、国会で首相に日本共産党――共産党はあの戦争に反対した党だけれども、その共産党が聞くからと思っているのかも知らぬけれども、どうしても言わない。これはだめだと思うんですね。 私は、この機会に政府として統一見解をこの問題について明確に出していただきたい、このことを要望したいと思います。
○国務大臣(羽田孜君) いずれにしましても、これはまた理事会の方でも御議論いただくことであろうと思います。私どもは、その御命令に従って対応したいと思っております。
○上田耕一郎君 じゃ、はっきりこの問題について、歴史にきちんと残って、世界がなるほどと思うような統一見解をお出しになりますね。
○委員長(井上吉夫君) 理事会で協議します。
○上田耕一郎君 では、次に北朝鮮問題。 外務大臣御苦労さまでした。お聞きしたいのは、韓国と中国では、北朝鮮の核開発疑惑なるものについてどう見ていましたか。
○国務大臣(柿澤弘治君) 韓国と中国が北朝鮮の核開発疑惑をどう見ているかということでございますが、韓国はIAEAの査察なしに北朝鮮がさまざまな核施設の運用を行っているという点から核疑惑を重大な問題と受けとめていると思います。その意味でも、北東アジアにおける安全のための重要な課題として取り組むという姿勢でございます。 中国についても、最近の五メガワット実験炉の燃料棒の引き出し等をIAEAの査察なしに実行したことにやはりショックを受けているようでございまして、深刻な事態と受けとめていることは理解いたしました。 ただ、中国の場合には、必ずおっしゃる原則は、核疑惑を晴らして朝鮮半島に核が存在していないということを保障することが非常に大事、しかし、同時に朝鮮半島の平和と安定を阻害するようなことがあってはならない、この二つの原則をどう調和させるかだという立場で議論をしているものと理解をいたしております。
○上田耕一郎君 九二年一月に、北朝鮮と韓国は朝鮮半島非核化共同宣言までやっているんです。 外務省にお聞きしますけれども、北朝鮮の金日成主席は最近この問題についてどういう発言をしておりますか。
○政府委員(川島裕君) 今ちょっと資料を持っておりませんで、記憶に沿いまして……
○上田耕一郎君 レクチャーで言っておいたでしょう。何日も前に言ってある。ぐあいが悪ければ調べもしない。これを聞くからちゃんと調べておいてと言ってある。
○国務大臣(柿澤弘治君) ごく最近ということであれば、南北非核化宣言について金日成主席が発言したということは私の記憶にございません。
○上田耕一郎君 これは大事なところだからちゃんと言ってくれと頼んであったのに。しょうがない。自分で言います。 四月、外国報道陣との会見。北朝鮮は核兵器を保有しないし開発もしていない、将来開発することも決してないと。有名なジャーナリスト文明子女史に、本当に核兵器を持っているならどこで実験するというのか、実験する場所を持っていない、我々がつくるというのは同族に向けた核武装をやることだ、あってはならないことだと。 もちろん私たちは金日成政権について、テロリズムだと大韓航空機事件、ラングーン事件で厳しい批判をしたところです。しかし、この問題で一国の最高責任者が公然と何回も繰り返している。きのうの新聞では、アメリカが軽水炉を援助するなら現在の原子力開発計画を凍結する用意があると金日成は述べているんです。 どう思っているんですか、外務省は。
○国務大臣(柿澤弘治君) これは政治的判断もまじる問題だと思いますので、私からお答えをさせていただきます。 核兵器を保有しているかどうかというのは依然として疑問の残るところでございます。しかしながら、IAEAの報告書等によりますと、何らかの量のプルトニウムがこの核施設から抽出をされているおそれがあるという点は指摘をされているわけでございます。前にも申し上げましたように、プルトニウムが抽出されているということと核兵器になっているということとは同義語ではございません。しかしながら、プルトニウムがある程度の量平和利用以外の目的で貯蔵されているということは核兵器の開発に直結する問題でございますので、その点について国際社会が憂慮しているということは私は当然であろうかと思います。
○上田耕一郎君 さて、制裁制裁も言うんですけれども、核拡散防止協定また国際原子力機関の憲章あるいは国連憲章で、プルトニウムを持っている、おかしいというので制裁の法的規定はあるんですか。
○政府委員(林暘君) お答え申し上げます。 不拡散条約上は、制裁の規定、協定違反の場合にどうこうという規定はございません。 IAEA憲章におきましては、その第十二条のCというところにおきまして、保障措置協定に違反した場合に、その違反を国連の安保理事会に報告をするという規定と、それから一定の期間内にその当該国が是正措置をとらなかったという場合には、機関または加盟国が提供する援助の削減または停止を命ずる措置等をとることができるという規定が、IAEA憲章上ございます。
○上田耕一郎君 核兵器を持っているかどうかもわからない。制裁規定も国際法上実定規定はないんです、実定法は。核兵器使用については国際法の実定法規定がないないとあれほど言ったのが、制裁についてはおかしいじゃないですか。実定法がないのにやるんですか、参加するんですか、日本も。
○国務大臣(柿澤弘治君) 何度もお答えをいたしておりますように、私どもは制裁を実施することが目的であるとは考えておりません。しかしながら、IAEAの数度の勧告にもかかわらずIAEAの査察なしに核施設の運用が行われていること、またその中からある程度の量のプルトニウムの抽出が行われているおそれがある、疑いがあること、そして検証が難しい、ほとんど困難になったことということでその報告が安保理に上がっているわけでございまして、安全保障理事会としてはそうした事態に対応して何らかの措置をとるべきか否か、内容も含めてこれから議論が始まるところでございます。 先ほど来申し上げておりますように、制裁を含む措置につきましては、制裁措置が入る場合でもこれは懲罰的なものであってはならない、むしろ北朝鮮がIAEAの体制に復帰するためのそうした機会になる、そうした態度の変更を促すべきであるというのが我々の考え方でございます。
○上田耕一郎君 外務大臣、割にまともなようなことを言っているように聞けるんですけれども、しかし、何回も問題になったんだけれども、安保理事会の決定の枠外でアメリカが行動する際、日本も参加するということが出ているんですよ。あなたの所信表明にもある。連立与党の確認事項の中にもそうとれるところがある。 ペリー・アメリカ国防長官は五日に、安保理事会決議外の形でアメリカが日韓などと独自の制裁に踏み切る可能性について十分あり得ると。国防長官が言っているんですよ。あり得るんですか。安保理事会決定外でも、アメリカがやるときに末日韓で相談して制裁に参加すると。あり得るんですか。
○国務大臣(柿澤弘治君) 安保理事会で今後いかなる措置をとるべきか議論が始まる段階でございますので、その議論の推移を見定める前にその他の状況を判断することは先走ったことになると思いますので、お答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。
○上田耕一郎君 否定されない。答えは、推移を見る、差し控えると。 首相、どうですか。
○国務大臣(羽田孜君) 外務大臣が今申し上げたとおりであります。国連においてもともかく制裁について今議論が始まったということでございまして、今その先がどうのこうのということを議論すべきときじゃないというふうに思います。
○上田耕一郎君 この問題では、アメリカが非常に異常なんですよ。 外務省、九四年度のアメリカの国防報告でアメリカは四つの脅威を挙げていますけれども、第一に挙げている脅威は何ですか。読み上げてください。
○政府委員(時野谷敦君) 仰せのとおり、国防報告では四つの脅威というものに言及いたしておりますが、第一の脅威と申しておりますのは核でございます。読み上げろということでございますが、国防報告にこの第一の脅威に言及しております部分は複数あると思いますが、ここでは国防報告の冒頭に国防長官のメッセージとして書かれている部分を申し上げたいと思います。 第一の危険は、新たな核の危険である。古い――時代のという意味だと思いますが、古い時代の危険は、ソ連との戦略核による交戦の可能性に起因するものであった。旧ソ連の核兵器は今でも存在する。しかし新たな危険は、一握りの核兵器が、英語ではローグと言っておりますが、いたずら者とかならず者という意味だと思いますが、そういう国やテロリストのグループの手に渡り、恐らくは尋常でない手段によって運搬されるという拡散の危険である。 このように述べております。
○上田耕一郎君 そこで、アメリカは異常な戦略構想まで立てました。 当時アスピン国防長官は、去年の十二月七日、有名な演説をやったんです。国防拡散対抗構想、この内容を外務省、説明してください。
○政府委員(時野谷敦君) ただいま先生が御指摘になりました拡散対処構想と申しますものは、簡単に申し上げれば大きく分けて二つの柱から成る構想であるというふうに承知をいたしております。 第一は防止、すなわち外交努力でありますとか輸出規制でありますとか、そういう手段によってそもそも核兵器でありますとか大量殺りく兵器、こういうものが拡散することを防止する、これが第一の柱であります。 第二の柱としてこの構想が申しておりますのはプロテクション、防護ということでございまして、第一の努力にもかかわらず実際に拡散ということが生じた場合にどうするかということとの関連におきまして、米軍の軍事能力、こういうものをそういう事態において対応できるように整備していく必要があるということを申しておりまして、例えば移動式ミサイルがどこにあるかということを探知する能力を改善しますとか、あるいは地下に大量破壊兵器が保管されている場合にはそういう施設を破壊する軍事能力を整備する必要があるのではないか。 こういった種類の論議を展開いたしておると承知いたしております。
○上田耕一郎君 ここに全文がありますけれども、大変なものなんです。核拡散防止のために軍事力を使うというのがこの昨年十二月七日の構想の全く新しい特徴なんですよね、国防総省のある高官はこの拡散構想のテストケースは北朝鮮だとはっきり述べたんですから。 それでさらに異常なことが起こり続けています。 アメリカの議会調査局、アメリカは議員が立法しますから議員の要請に応じてさまざまな調査をやるんです。なかなか権威があるんです。そこが四月に北朝鮮の問題で報告を出した。その選択肢Hに核兵器の使用が入っているんですよ。外務省、いかがですか。
○政府委員(柳井俊二君) いわゆるCRSレポートのことであると思いますが、いろいろな選択肢を挙げでございます。その中で確かに核兵器の使用ということも入っております。 ただ、この報告書は議会の調査局が独自にいろいろな調査分析をいたしまして取りまとめたものでございますが、これがアメリカの政府あるいは議会の政策を反映するというものでは必ずしもございません。
○上田耕一郎君 我々も調べましたよ。これを書いたコリンズ氏というのはあそこのスタッフの最高級の人、つまり国防総省、国務省にはある検討結果が反映されているんです。 六月一日、最新の報告書を出しました。これが全文二十七ページ。これは選択肢が六つです。第五の選択肢、外務省に言ってありますが、何が書いてありますか。
○政府委員(柳井俊二君) この六月の報告書の中に挙げております六つの選択肢を指しておられると思いますが、この第五というところにおきましては、北朝鮮の核施設を限定攻撃するという選択肢が挙がっております。 この点につきましては、このような拡散に対抗する攻撃は過去の前例もほとんどないユニークな概念であるが、攻撃された国はこの攻撃を戦争行為とみなすであろう。したがって、北朝鮮の場合については、仮に攻撃をするにしてもより広範な地域の軍事戦略計画の一環として考慮される必要があるというようなことを述べております。
○上田耕一郎君 大変なものなんですよ。第五の選択肢は空爆ですよ。空爆だけでなく、特殊部隊を派遣して爆破するというんです。今読まれたように、最後の方には、こうやると向こうは戦争行為ととるだろう、だから、独立した軍事作戦としてでなくより大規模な地域的軍事戦略計画の一部と見なされねばなるまいと。 去年の九月一日、アメリカは戦力の徹底的見直し、いわゆるボトムアップ・レビューを発表したんです。あれは、アメリカは二大地域戦争、イラクのサウジアラビア等への襲撃、北朝鮮の攻撃、二つを想定していると書いてあるんですよ、国防報告にも書いてある。こういうことを書いてあるんです。 私は、これは非常におかしいことだと思うんですよ。北朝鮮は、金日成がつくらないと言う。あるかないかわからぬというそれを制裁する。制裁するのに核兵器を使うなり核施設の攻撃をするなり、これは八一年にイスラエルがイラクの原子炉の爆撃をやって、国連でこういうものをやっちゃいかぬと決議が決まっているんですよ。それをやるというんですから、こういうアメリカこそ制裁の対象になるんじゃないですか。いかがですか、外務大臣。
○国務大臣(柿澤弘治君) 先ほど柳井局長が説明いたしましたように、その報告書は議会の調査局の報告書であったり、そうしたものでございまして、クリントン大統領がアメリカの政策として決定したものではないと我々は理解をいたしております。 委員御承知のとおり、アメリカはいろんなシンクタンクがありまして、事前にありとあらゆるオプションを考えるという慣習があります。そういう意味で、そのオプションの中に現実的にはほとんどあり得ないシナリオが入っているという場合があっても不思議はないわけでございまして、それに対して一々過剰反応をするということはかえって事態を悪化させるものというふうに考えております。
○上田耕一郎君 しかし、これは赤旗だけでなく東京新聞も日経も重視して報道したんですよ。現実的にあり得ないものを次々と発表しますか。 これの中には「日本」という項目があるんですよ。こう書いてある。「日本とアメリカはすでに、暗に、在日朝鮮人からの送金の停止を含め、日本がはたす役割について討議し、合意にたっした。」。国連の枠外で制裁を科し、あるいは日本の自衛隊を軍事的緊急事態に巻き込むと憲法上の危機を生み出しかねない。なかなかよく見ていますよ。絶対にあり得ないことは書いてないでしょう。どうですか、あなたは憲法問題をしゃべった人じゃないですか。 そこで、官房長官にお伺いしたいと思います。 これは産経新聞、六月五日の連載にちょっと重要な記事があるんですな。昨年十月、石原官房副長官をトップにして秘密の合同情報会議を北朝鮮問題でつくったと。「今年四月までにまとまったその内部文書によれば、政府はテロ対策から日本が攻撃を受けた場合の防衛出動命令まで含めて、段階的に対応策を想定。」。ずっと書いてある。去年の十一月の内部文書については、今月号の文芸春秋にいっぱい出ていますよ。その次のですよ。 官房長官、こういうことやっているんですか。
○国務大臣(熊谷弘君) 委員御指摘のような新聞報道を私も拝見いたしました。 現在、内閣官房に設置している会議に御質問と同名の合同情報会議というものがございますけれども、この会議の目的は、内閣の重要政策に関する内外の情報について総合的な把握を図るために関係行政機関が相互に緊密な情報交換を行おうとするものでありまして、御質問のような問題につきまして政府として何らかの対応策を検討し取りまとめるようなことは、この会議においてはいたしておりません。
○上田耕一郎君 それでは、今月号の文芸春秋に載っておる去年の十一月の内部文書、詳細なものですよ、あれは全く捏造ですか。
○国務大臣(熊谷弘君) その雑誌の報道も私どもも拝見をいたしましたけれども、そのような事実はないというのが私どもの結論でございます。
○上田耕一郎君 防衛庁長官、北朝鮮で問題が起きた際に、防衛出動まで含む自衛隊の対応を研究しているのですか。
○国務大臣(神田厚君) お答えいたします。 北朝鮮の問題につきましては、たびたびお答えしておりますけれども、国連の中で対話を進めるという方式も継続しておりますから、一般論として申し上げれば、日本の平和と安全のために防衛庁はあらゆる研究をしておりますけれども、時節柄、御答弁はできません。
○上田耕一郎君 小沢一郎会長の日本戦略研究センターが「世界に生きる安全保障」という本を出した。羽田首相、あなたは顧問になっているんですよ、顧問に。 あの本を見ますと、大変なことが書いてある。北朝鮮がミサイルで攻撃したらミサイルで反撃しろ、韓国の要請があれば自衛隊は韓国に出動しろ、最後の方には詳しくいろいろ書いてありますよ、案を。海上封鎖の場合、言うことを聞かなかったらマストをねらって撃てとか。 首相、あなたはああいうものの顧問をそのまましていていいんですか、責任を持つんですか。
○国務大臣(羽田孜君) 確かに、私が数年前ですか、小沢さんが会長になったときに、一議員としてその顧問というのをお引き受けしたことは事実であります。ただ、私も首相という立場になったということでございますので、これについては私は顧問を辞退するという手続をとっているはずでございます。
○上田耕一郎君 そういう物騒な論文を書いているのはみんな防衛庁、自衛隊のOBですよ。自衛隊のやっている研究と関連あることは明白ですよ。 私は委員長に要望したい。この産経新聞に出ておりますこの報道にある内部文書、自衛隊の防衛出動まで段階的に想定してあるこの文書があれば提出を要望したいと思います。
○委員長(井上吉夫君) 理事会で協議します。
○上田耕一郎君 私は、こういう点で、戦後五十年たって本当に日本がどちらの方向に向いて進むかが問われていると思います。 今度削除しましたけれども、国際司法裁判所に提出した核兵器使用の国際法上の問題もその一つです。スウェーデン、ウクライナ、メキシコなどは国際法違反とはっきり書くということですよ。昨年、国連総会では百十カ国の非同盟諸国が国際司法裁判所に、国際法上これは違法だ、はっきり決定せよという決議案を出してさえいるんですね。 ところが、世界で唯一の被爆国で、核戦争がどんなに恐ろしいものかというのを実際に知っている国は日本、その日本が違法じゃないと言ったら、世界もそうかと思うでしょう。なぜそういう態度をとっているか、これは大問題。丹波条約局長は朝日に書かれていたけれども、やっぱりアメリカの核抑止力、これに頼っているところに、こういう全世界に対する義務を放棄するような唯一の被爆国日本の怪しげな行動が出てくるんですよ。 そこで私、一つこの問題で首相にお聞きしておきたいのは、私は五月二十日に、沖縄への核再持ち込みの核密約問題について質問したんです。沖縄でこれやっぱり大問題になりまして、五月三十一日に臨時県議会を開いて、満場一致で意見書を決めました。内閣総理大臣、外務大臣、防衛庁長官、沖縄開発庁長官、防衛施設庁長官あてです。「一、沖縄への核の再持ち込みと通過を認めるとした密約文書の存在を解明するとともに、非核三原則を堅持すること。二、核の貯蔵地とされる嘉手納基地、辺野古基地の実態調査を行い、その真相を県民に公表すること。」。この意見書どおり実行を求めたいと思いますが、首相、いかがでしょ一つ。
○国務大臣(羽田孜君) 私も、就任いたしまして、御質問等がございました。そういった中で、それぞれの皆さんにこういったものは実際にあるのかということをあれしました。ところが、この間もお答えいたしましたとおり、総理もあるいは外務大臣も、この問題については一切そういうことはないということをずっと明言してきておるということでございまして、私どもはそういったものはないんだということでございます。
○上田耕一郎君 やっぱり日本は世界唯一の被爆国として非核、非同盟の道を進路として進むべきなんです。核兵器をなくす、軍事同盟もなくすと。南北問題、地球上のさまざまな経済問題についても憲法九条に基づく非軍事のその分野で貢献すべきなんです。そのことを私は世界の世論は最も期待しているだろうと思うんですが、首相にこのことについてお伺いします。
○国務大臣(羽田孜君) この点については全く賛成であります。
○上田耕一郎君 言葉だけでなく、実際にその道を進んでいただきたいと思います。 最後に、消費税と高齢者問題について質問させていただきます。 政府は、六月末までに税制改革案を決めるというんですけれども、その中に消費税の税率は入れるんですか。
○国務大臣(藤井裕久君) 現在、与党の税制の協議会で御議論をいただいているところでありまして、まずその御意見をよく承ってまいらなければいけないと思っております。行政府としては、きちっとしたそういうものまでを含めての整理をしたいと考えております。
○上田耕一郎君 大蔵省は、五月二十七日、政府税調に消費税率の機械的試算表を出しました。大問題になっておりますけれども。さて、税率を入れるかどうか、こう今おっしゃったんだが、七%から一〇%まで、この税率で増収額は全体で幾らになるんですか。
○政府委員(小川是君) 五月二十七日に政府の税制調査会に機械的試算のⅠ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳを提出いたしました。Ⅰが消費税率が一〇%のケースでございます。この場合には消費税の増収額が十六・七兆円、政府部門の負担する消費税の増加分を除きましたいわゆる純増収額では十四・四兆円でございます。以下、九%のケースは税収で十四・三兆円、純増収で十二・三兆円、八%のケースでは税収で十一・九兆円、純増収で十・二兆円、七%のケースでは税収で九・五兆円、純増収で八・二兆円、このように試算をいたしております。
○上田耕一郎君 皆さん、お聞きになったでしょう。戦後最大の大増税ですよ。九兆円とか十六兆円とかいう数字をすらすら一言うんですからね。 それで、これは国民にとってどんな負担になるか。今、標準の勤労者世帯四人家族で三%で年額約十一万円なんですね。そうすると、七%、八%、九%、一〇%で標準の勤労者世帯の年平均負担額はどのくらいの計算になりますか。
○政府委員(小川是君) 消費税の問題を含めまして税制改革の具体的な姿については、現在税制調査会等でまさに御議論をいただいているところでございますから、ただいま委員の御指摘になったような具体的な姿を仮定して効果を試算するということは困難であるということを御理解いただきたいと思います。
○上田耕一郎君 言わないんだね。機械的試算と発表しているんですよ。なぜ機械的試算できないんですか。そんなもの発表してくれないと、質問できないです。
○政府委員(小川是君) 五月二十七日に提出いたしました機械的試算は、税制調査会の会長から私どもに対しまして、個人所得課税の軽減と消費課税の充実を柱に税体系を見直す、高齢化に伴う福祉等の財政需要に適切に対応する、このような税制改革が財政を悪化させるものとはしないという仮定を置いたときに、全体としての財政の枠組みがどのようになるか、そのような機械的な試算をするようにという御要請に対して行ったものでございます。
○上田耕一郎君 仕方がないから言います。七%だと四人家族で二十五万八千円、八%で二十九万五千円、九%で三十三万二千円、一〇%で三十六万九千円。年間三十七万円ですよ、負担が。加藤政府税調会長はOECD並みの一五%が必要だと言っているんですからね。一五%といったら今の五倍ですよ。五十五万円ですよ。私は、何を考えているのかと思うんですね。 こういうことを連立与党はどの党も公約してないんです。公約もしないでこういう戦後最大の大増税を押しつけようとする。これは許すべきでない野望ですよ。こういう野望をつぶすためには、国会解散・総選挙で国民に信を問う以外にないと私は思います。これは聞いても答えないでしょうから、主張を述べておきます。 この機械的試算で一つ大きな問題は、不公平税制に手をつけていないことです。最大の不公平税制は大企業、高額所得者。いつも大企業をやりますから、きょうは高額所得者のことを取り上げたいんですが、国税庁、五月十六日に発表された九三年分の高額納税者、トップはどなたですか、また納税額は。
○政府委員(三浦正顯君) 所得税法第二百三十三条に基づきまして平成五年分の所得税の額が公示された者のうち、その所得税の額が最も高額であった者は武井保雄氏で、その所得税の額は四十三億一千八百四十七万円でございます。
○上田耕一郎君 この武富士会長の課税所得額はどのぐらいだったんでしょうか。差し支えなければ明らかにしてください。
○政府委員(三浦正顯君) 所得金額は公示対象事項でございませんので、答弁は差し控えたいと存じます。
○上田耕一郎君 新聞報道によれば、武井氏の得た株式売却益、十五位に入った博子夫人と合わせ約二百五十億円と見られる。自社株を関連会社に売ったんだというんですね。こういう株式売却益についての税率は何%ですか。
○政府委員(小川是君) 株式の譲渡益に対する課税につきましては、原則として、一律二〇%の税率による申告分離課税と売却代金の五%を譲渡益とみなしまして二〇%の税率で課税する源泉分離課税との選択制となっております。 なお、株式等の譲渡が上場株式あるいは店頭登録銘柄株式であって、株式の上場等の日における所有期間が三年を超えるものをその上場等の日から一年以内に証券業者への売り委託に基づき、あるいは証券業者に対して譲渡する場合にはその譲渡益の二分の一が申告分離課税により課税されていると、こういう制度になっております。
○上田耕一郎君 つまり、株で幾らもうけても二〇%。今のように、創業者の場合はその半分の一〇%というんですよ。 国税庁、二〇%、一〇%という税率は、いわゆる所得税の場合は何万円から何万円までの課税所得階層に当たる税率ですか。
○政府委員(小川是君) 課税所得で申し上げますと、二〇%という税率は課税所得三百万円から六百万円までというブラケットになっております。 なお、今のお尋ねが二〇%という平均的な負担率がサラリーマンの場合であればどの程度のところになるかというお尋ねであるといたしますと、千三百二十五万円、この辺で平均税率が約二〇%程度になります。
○上田耕一郎君 おかしいと思いませんか。武富士会長は株を売って二百五十億円もうけて、それで税率二〇%。一万分の一の所得の人の税金と同じなんです。 ことしはサラ金業者が長者番付にずらりと名が出て、武富士以外のプロミス、三洋信販、アコムは、これは店頭公開で一〇%ですよ。一〇%というと、課税所得三百万円以下の最低の税率ですよ。どこに一体垂直的水平的公平がありますか。サラ金で貧しい人を泣かして大もうけして、税金は泣かされた人よりも低い。 こういう高額者優遇のこの税制を是正するだけで、日本共産党の計算では二兆円出るんですよ。財源ないないと言いますけれども、私どもはこういう財源、いろいろずっと指摘している。うちの政策を見てください、十兆円きちんと出ておりますから。 こういうことを放置しておいて、どうですか、それで消費税上げたけに集中して、戦後最大の大増税をやろうとする。許せないと思う。 もう一つ取り上げなければならぬのは、政府が言っております直間比率の問題です。 細川前首相は、昨年九月三日、政府税調に諮問した際も、直間比率の是正と言っている。なぜ直間比卒の是正が必要なんですか。 大蔵大臣、日本の直間比率というのは国際的に見て低いんですか。
○国務大臣(藤井裕久君) 単純に直間比率といえば、日本の直接税比卒は高いと思っておりますが、念のために申し上げますが、私どもは直間比卒だけを先にありきということでいろいろ議論しているのではない。これは、私がこの当委員会における記録を見ていただければおわかりいただけると思います。
○上田耕一郎君 国税の直間比率はどのくらいですか。
○国務大臣(藤井裕久君) 約七〇%が直接税と承知をいたしております。
○上田耕一郎君 自治大臣、地方税の直間比率は幾らですか。
○国務大臣(石井一君) 大体九対一と承知しております。
○上田耕一郎君 大蔵大臣、直間比率の国際的基準はあるんですか。
○国務大臣(藤井裕久君) そのようなものはございません。よくOECDの例を出しますが、あれはOECDが一つの基準を決めてやっているわけでございますが、国際的基準という意味においてはございません。
○上田耕一郎君 経済企画庁に聞きます。 国民経済計算、SNAでは国連が決めた基準があるはずです。その数字による直間比率の国際比較はどうなっていますか。
○政府委員(土志田征一君) 国民経済計算によりますと、九一年、暦年の数字でございますけれども、間接税の比率は日本が三六%、アメリカ四〇・一%、イギリス五〇・七%、ドイツ五二・〇%、フランス五九・五%、イタリア四三・四%となっております。
○上田耕一郎君 国際基準はないと言うけれども、あるんですね。私、つくっておりました。(図表掲示) 大蔵省は、国税の比率は七村二だと言うんですよ。地方税は九対一だと言うんですよね。それで、足すと国税と地方税で八対二になるんですよ。ところが国際比率では、SNAでは六対四なんですよ。だから、日本の間接税というのは国際基準に基づくと二倍なんですよ、六対四で。経企庁は私に、九二年、三九・九三%と。四〇%ですよ。ですから、国際基準がないとか、日本は八対二で非常に低いとか、デマゴギーですよ。それで間接税をふやそうふやそう、消費税率を上げようと。これも絶対許せない。
○国務大臣(藤井裕久君) 詳しくは事務方からお答えしてもいいのでございますが、SNAの例を見ますと、例えば相続税とか贈与税は租税じゃないと言っているんですね。それから、事業税、固定資産税、鉱区税、鉱産税はみんな間接税だと言っているんですね。それから、これに日本中央競馬会納付金を入れて、これも間接税だと言っているんです。それは一つの物の考え方として、そこに付加価値が出るという発想だと思いますが、我々が常識的に税を議論するのとは、このSNAの基準というのは大分遣うんじゃないかということも御理解をいただきたいと思います。
○上田耕一郎君 その問題も研究しました。 一番問題なのは、都道府県税の事業税と市町村税の固定資産税。この二つは、法人税の計算では損金算入、企業会計原則でも費用算入、生産コストとして消費者に転嫁されるんですよ。ですから、国連の基準ではこれ間接税に入れているんです。大蔵大臣、もうちょっと勉強していただきたい。――まだありますか、どうぞ。
○国務大臣(藤井裕久君) 国連の基準とおっしゃいますが、まさにSNAの基準でございます。国民経済計算、意味が少し違うということ。 常識的に世界で、固定資産税は間接税であるというようなことはどこも言っていないと思いますし、我が国でも古くから固定資産税が間接税だと言っている常識はないと思います。
○上田耕一郎君 間接税のしっかりした定義、コスト計算に入るものは間接税なんですよ。 次に、高齢者問題に移りたいと思います。 昨年十一月に出た政府税調の答申に驚くべきことが書いてあるんですね。「従来、社会的弱者というイメージで捉えられてきた高齢者の経済状況も平均的に見れば改善が進んでいると考えられる。」。 大内厚生大臣、もう高齢者は社会的弱者というイメージでとらえなくていいんですか。
○国務大臣(大内啓伍君) 高齢者といいましても、その資産、所得という面では非常に多様な形態がございまして、すべての高齢者が社会的弱者であるという決めつけ方はいかがなものであろうかと思っております。 それから、最近の統計を見ておりますと、世帯関係でございますが、低所得世帯というのが高齢者の中では相当減ってきておりますし、それから三百万円から七百万円の中堅所得世帯というのが高齢者世帯の中ではふえておる。という意味では、高齢者のそういう所得関係が改善されている兆候は確かにあるのであります。 しかし、委員御指摘のように、実際に一世帯当たりの平均所得金額という面で見ますと、これは平成四年度でございますが、全世帯では六百四十七万八千円、これに対して高齢者世帯におきましてはその半分以下の三百十七万一千円ということでございますので、高齢者世帯がなお金世帯に比しまして半分以下の状況にあるということは事実だと思うのであります。
○上田耕一郎君 私も、税調がそんな答申を出しているのでいろいろ調べました。老齢年金受給者が千七百二十万人います。そのうち国民年金をいただいている方が五一・七%、八百九十万人、平均年金月額三万七千三百五十円ですよ。三万円台なんですね。決して社会的弱者というイメージでとらえなくていいなんという、とんでもない答申の考え方だと私は思うんです。 そこで、一つ高齢者問題で最近訴えられて調べたら余りにひどいと思ったのが、特養老人ホームの費用徴収基準の改悪です。特養老人ホームというのは、高齢者で、しかも重度の障害者でもう在宅介護ができなくて介護が必要な方が入所しているところで、本当に温かな施策が必要なところだと思うんだが、今度それを改悪するという。 内容と理由を説明していただきたい。
○国務大臣(大内啓伍君) 特別養護老人ホームの費用負担につきましては、食費は原則として自己負担ということで貫いておるわけでございますが、これを超える費用につきましては収入の一定割合を負担することとしております。 しかしながら、所得の低い方々の負担につきましてはこれを軽減していることは御案内のとおりでございまして、年収二十七万円までは無料、二十七万円を超える二十八万円までは月額一千円、それから今回の取り扱いは、既に入居している方々については従来どおりといたしまして、平成六年度以降新たに入所する方からは十二万円まで無料、十二万円を超え十四万円までは月額千円等といったような改定を行っているわけでございます。 これは生活実態調査、平成四年から平成五年の一月にかけて行われましたが、一カ月のお小遣い等の使用の額が大体七千五百八十五円という平均でございますので、今申し上げました十二万円まで無料というこの一つの新しい政策はそういう実態を踏まえた改正でございます。
○上田耕一郎君 つまり、今の大臣の説明は、今までは二十七万円までは取られなかった、つまり月二万二千五百円、これは手元に残ったんですが、今度それを十二万円から取るというんです。つまり、月一万円だけ手元に残してやると。一日三百円ですよ。あと全部取るというんです。ある施設入所者は、年をとって寝たきりになってやっと在宅から特養ホームに入ったのにまだ金を取ろうと厚生省は追いかけてくるのか、そう嘆いている。 私はレクチャーを受けましたよ、厚生省に。一体どうするんだと。貯金が残るというんですよ。貯金を公費で負担すべきでないというんです。しかし、あのお気の毒なお年寄りたちが、お葬式、お墓の代金、孫たちへのちょっとしたお小遣いとか、そういうものをささやかにためているんですよ。貯金すべきでないというんです。 最大の問題は医療費ですよ。この医療費が一番すごい。 東京都の福祉事務所の指導主事の会が、これは大変だというので非常に厳しい意見書を東京都に既に出している。医療費は、やっぱりお年寄りは入院をかなりされますわな。そうすると、入院すると一日七百円、月額二万一千円取り、その上おむつ代、お世話料で月額十二万円前後かかると言われている。 厚生大臣、先ほど日常費に使ったというので、医療費の調査をしましたか。
○政府委員(横尾和子君) 特別養護老人ホームの徴収金でございますが、これは前年度の収入に対しまして賦課をいたしますが、その際に、御質問のありました医療費等がかかっていればこれは収入から除外をして、残りの部分について賦課をするという仕掛けになっているところでございます。 また、現年度について、特に医療費が必要であって低所得ゆえにそれが支払いできないということでありますれば、それは在宅にいらっしゃるお年寄りと同様に医療扶助の対象になるところでございます。
○上田耕一郎君 いや、調査したかと聞いているんです。今度の改定で調査したの、医療費。
○政府委員(横尾和子君) 今回の調査は手持ち金がどのように使われているかという生活実態についての調査でございますから、そういう医療費については調査をしておりません。
○上田耕一郎君 日本福祉大の二木立教授が独自に調査された数字があります。九二年に全国調査をやっています。お年寄りの場合、保険外負担は、全国平均六万五千七百四十円、首都圏九万四千五百九十三円。厚生省調査の二・九二倍になっています。それから、この外の自己負担を乗せますと、実質は全国平均八万八千四百円、首都圏十一万七千二百七十一円。私が聞いて調査したのと大体合っていますよ。 入院しますと、どうしても十二万票るんですよ。ですからお年寄りは、特養老人ホームの方々も自分が死んだ場合のときと病気になったときのことを思って一生懸命ためているんですよ。これをやめろというんですか。厚生省に聞いたら、生活保護でやりますからいいですと。現場で聞いたら、収入ゼロなら生活保護が成り立つけれども、特養老人ホームに入っている限り生活保護で入院はできませんというんですよ。 もう時間が参りましたけれども、大内厚生大臣、民社党は福祉の党で興ってきたんでしょう。その福祉の党がこういうことをやったんでは。これ余りひどいというので、今全国的に反対運動が起きつつありますよ。入院費の再調査をして、考え直してくれませんか。 これ、四月一日からの人は十二万円、今までの人は二十七万円、この差別もまた大問題になるというんです。再調査して、これを凍結したらいかがですか。
○国務大臣(大内啓伍君) 今度の改定につきましては、先ほどお話し申し上げたように、特養老人ホームに入っておられる御老人の皆様の生活実態というものを相当詳しく調査をいたしまして、そしてこのホームに入っておられる方々が十分負担し得るその金額を合理的に出しているわけでございますので、私どもは今度の改正は何とか御理解をいただきたい、こう思っている次第でございます。
○委員長(井上吉夫君) 時間が来ました。
○上田耕一郎君 総理、厚生大臣はこういうことをやるというんですよ。これは特養老人ホームの方々に値上げと同じですよ、公共料金の値上げを凍結された方なんだから、これ首相としても、まあ今すぐ返事できないでしょうけれども、よく検討していただきたいと思いますね。 私は、こういう問題を放置して悪いことをやっていて、それで消費税の値上げ、とんでもないので、消費税の値上げ問題の撤回を強く要求して、質問を終わります。
○委員長(井上吉夫君) 以上で上田君の質疑は終了いたしました。(拍手)
○委員長(井上吉夫君) 次に、喜屋武眞榮君の質疑を行います。喜屋武君。
○喜屋武眞榮君 私は、最後でありますから、時間がわずかですから、どうかひとつ辛抱してください。 まず第一問は、国際司法裁判所に対する陳述書の問題についてであります。 総理にお尋ねします。 政府は、核兵器は実定国際法に違反しないという法解釈を変えるつもりはないと言われておりますが、それは核兵器が使用されることを容認する立場、肯定する立場をとるということだと思いますが、そうだとするならば、唯一の被爆国であり、五十年前に広島、長崎において多数の非戦闘員である一般国民を死傷させ、二度とこのような惨禍を繰り返さないいわゆるノーモア・ヒロシマを誓って国家を再建してきた我が国の政府がとるべき態度でないのではないでしょうか。 核兵器の使用の適否については、確立された国際法規があるとは言えない現状において、政府があえて核保有国に迎合するような法解釈に積極的に加担することは厳に慎むべきことであり、むしろその違法性を支持する理論構成を積極的に追求することこそ我が国が厳然としてとるべき立場であると考えるのでありますが、羽田総理はどのように考えておられるか、まず御所見を伺います。
○国務大臣(羽田孜君) 核廃絶に向けて努力すべきであるという、これは、政策論を離れて純粋に法的な観点から申し上げますと、核兵器の使用が今日の実定国際法に違反するという判断が国際社会の法的認識として確立するまでに至っていないというのが従来からの政府の見解でございました。 ただ、私どもといたしましては、非核三原則をこれは堅持することとともに、今後とも核軍縮あるいは核不拡散の推進に努力して、核兵器の究極的な廃絶に向けて努力していくという政策、これをやっぱり推進していくべきであろうというふうに考えておりまして、私どもは、唯一の被爆国である我が国として、核を使うことを容認するような立場、要するにこれを使っていくんだとか、あるいはつくっていくんだとか、また使わせるんだとか、そういう政策は一切とるつもりはありません。
○喜屋武眞榮君 一問一問質疑を交わしたいんですが、その時間がもちませんので、一応問題点を詰めていきたいと思います。 問いの二に、朝鮮民主主義人民共和国の核疑惑と制裁問題について外務大臣にお尋ねします。 北朝鮮政府が核兵器を保有したいという願望があるとすれば、それは人道に反する大量殺りく兵器である核兵器は絶対悪であるという立場からとても認められないものであるが、一方、仮に北朝鮮の立場に立ってみれば、南の韓国と同盟した米国の核兵器は大変な脅威であるに違いないということは想像にかたくありません。したがいまして、北朝鮮に対しては、この件に関して自重と反省を促す外交努力を粘り強く継続していくべきであって、性急に経済制裁だとか軍事行動だとかを容認すべきではないと考えるが、外務大臣はどのように考えておられるか、まず伺いたい。
○国務大臣(柿澤弘治君) お答え申し上げます。 まず、北朝鮮が核兵器を持つということは北東アジアの安全保障に重大な懸念材料になるということは、先生御指摘のとおりでございます。また核不拡散体制の崩壊にもつながるということで大きな国際的な懸念材料だと思っております。 そして、北朝鮮の立場に立てはというお話がありましたが、北朝鮮の立場に立ては韓国にあるアメリカの核というものが問題だというお話がありましたけれども、南北は非核化宣言を結んでおりまして相互査察ということを合意いたしているわけでございます。その意味で、南北非核化宣言を北側が韓国とともに共同して実施をすれば韓国における核の脅威というものも解消する、懸念も解消するはずだと私どもは思っておりまして、北朝鮮側が南北の相互核査察というものを受け入れてくれることが必要だと考えております。 また、米軍につきましては、これも喜屋武先生御承知のとおり韓国にある核兵器は引き上げているわけでございまして、その意味ではその点が直接の北朝鮮に対する脅威になっているというふうには考えておりません。
○喜屋武眞榮君 次に、核拡散防止条約の期限の延長問題について、昨年九月二十七日の第四十八回国連総会の一般演説において細川前総理は日本が一九九五年以降のNPTの無期限延長を支持することを表明しましたが、羽田総理もこの方針を踏襲されるのかどうか、まずお伺いしたい。
○国務大臣(羽田孜君) まさに今お話がありましたように、細川総理が表明いたしましたNPTの無期限延長、これは私どもも支持していきたいと思っております。 他方、我が国は唯一の被爆国として核軍縮を重視しておりまして、核兵器の廃絶は究極的な目標であるということであります。NPTの無期限延長は、核兵器による核保有の恒久化を意味するものではありませんで、我が国は引き続きすべての核兵器国に対しまして、NPT第六条、これは核軍縮交渉義務でありますけれども、これの規定に従って一層の核軍縮努力をするように慫慂してまいりたいというふうに考えます。
○喜屋武眞榮君 次に、沖縄への核持ち込み密約問題についてお尋ねします。 一九六九年十一月の佐藤・ニクソン会談後の共同声明の背後に沖縄への核再持ち込みの密約があったとされる問題については、去る五月十二日の衆議院本会議、それから五月十六日の当院本会議及び五月二十日の当委員会において取り上げられましたが、五月三十一日の沖縄県議会においても非核三原則の堅持と核兵器持ち込み疑惑解明に関する意見書を採択しております。 そこで政府は、地方の声、国民の声に謙虚に耳を傾けでこのような疑惑を晴らす責任があると考えますが、この件に関して積極的に調査し国民にその真偽を明らかにするお考えがあるかどうか、総理の御見解を承りたい。
○国務大臣(羽田孜君) この密約説につきましては、もう再三私も申し上げてまいったわけでありますけれども、当事者であったと言われる佐藤総理を含めまして歴代の総理大臣、外務大臣が国会の場で何回もこのことについては皆様の御指摘に対してお答えをしてきたところであります。 また、沖縄返還に際しましては核兵器にかかわる問題は日米首脳間で明確に確認されておりまして、核抜きの返還の実現したことに何らの疑いを有しておりません。そして、施設の調査の必要はないというふうに考えるわけであります。 いずれにいたしましても、歴代内閣によって堅持されてまいりました非核三原則、これは今後とも私たちは堅持してまいりますことを、これを御心配する沖縄県民の皆様にも申し上げたいと存ずるところであります。
○喜屋武眞榮君 最後に、日本の将来の国家像と核廃絶へのビジョンの問題、これは総理にお尋ねします。 日本の将来の国家像については、普通の国家として軍事的にも大国を目指す方向とか、小さくともきらりと光る国論とか、にぎやかであります。また、政府とりわけ羽田総理は、国連安全保障理事会の常任理事国入りに積極的な姿勢を示しておられるようでありますが、これも軍事的役割と無関係ではありません。 私は、我が国が軍事大国を目指すべきではないことはもちろん、政治大国になる必要もないと考えています。五十年前、戦禍の中からよみがえって、自由と人権、平和と民主主義を基調とする憲法を持つ国として、今日の繁栄を築いてきた国民の営々とした努力の足跡を水泡に帰せしめるような国家になってはならないと思います。大国と呼ばれたければ、軍事大国や政治大国ではなく、人道主義と正義に立脚した道義大国を目指すべきであると思います。 その意味からも、我が国は非核三原則を堅持するとともに、単に将来の核不拡散を目指すだけでなく、既存の核保有五カ国の核をも対象とした核兵器の全面廃絶へ向けて今こそそのイニシアチブを発揮すべき絶好の機会であると考えますが、総理のきちっとした御見解を承りたい。
○国務大臣(羽田孜君) さきの大戦におきましてまさに心の苦しみあるいは体に対する傷、そういったものを受けられました沖縄の代表としての喜屋武委員のお気持ちというのは私は心から理解をいたしますし、またその上に立っての御質問であろうというふうに思っております。 私どもは、今御指摘がありましたように、非核三原則、これはこれからも大事にしていきたいと思う。しかし、それだけではなくて、よその国が核というものを持つことに対しても反対をいたしますし、あるいは核の実験についてもこれを自粛するように慫慂してきたところでありますし、また核軍縮というものが進められるようにあらゆる場所で私どもはこれを訴えていきたいと思っております。 しかし、それだけではなくて、いわゆる一般兵器についての軍縮についても、この管理そして流れというものをきちんと管理する方向、こういったものに対しても私どもはこれからも声を大きくしていきたいと思っております。 そして、申し上げることは、私どもは、常任理事国入りということについて今懸念をお持ちのところでありますけれども、現在の国連というものはやっぱり戦後つくられた体制であるということでございまして、何というんですか、ポスト冷戦というところから国連のいろんな機能に対する要求というものは非常に大きくなってきておるところでございますから、そういうものに対してこたえていこう。そして、五十一カ国だったときから今百八十四になっているわけですが、それが今でも常任理事国が五カ国である。しかも、すべてが核保有国であるということであります。そして、国連が動くときにやっぱりこのP5と言われる常任理事国によって動いているというのが現状であるわけでございまして、そういった中に我が国のように平和で今日の繁栄というものを築いた国、こういった国が参加するということは私は大事なことであろうと思っております。 それは、まさにこの五十年の間に蓄積した、平和の中で蓄積したノウハウとか技術、こういったものをそういった中で反映していくべきであろうというふうに私は思っておりまして、何も政治大国になろうとか軍事大国になろう、私はそんな意思は一つもございません。まさに今お話があったように、人道大国でありあるいは道義大国、まあ大国という言葉は私どうかと思いますけれども、人道あるいは道義というものを中心にしながらそれを訴えていく国になっていくのが私はこれからの日本の生き方であろうということをみずから確信いたしております。
○喜屋武眞榮君 いつも時間のことが気になって、きょうは少しまだ残っておるそうでありますので時間いっぱいお尋ねしたいと思います。 お尋ねしたい問題はたくさんございますが、何と申しましても沖縄問題といえば基地問題であります。 米軍の主要基地七五%が現に沖縄にのしかかっておるという事実は申し上げるまでもありません。この七五%をじわりじわり返還させて七〇%に、六五%に、五〇%に、これがあなたの一番大きな責任であり、心からお願いしたい点でありますから、どうぞその点を沖縄の基地、しかも私は沖縄本土の中部の出身でありまして、私の土地のすぐ前方がアメリカの軍事基地になっているが、それを少しずつ削り取って開放させるという、日夜明け暮れて、帰るたびごとに私はそこに立って見ておるわけでありますが、泡瀬ゴルフ場と言っておりますが、米軍がレクリェーションのゴルフ場に使うというこういうとんでもない県民無視の基地使用をほしいままにしておるわけです。 どうかあなたにお願いしたいことがある。少しでも大事な土地を開放させてもらって、沖縄県民の地主の生産の土地に活用させてもらいたいということを心からお願いするわけであります。 そして、差し迫った六月二十三日は慰霊の日で、これは沖縄だけでの休日になっておりますが、全公務員も慰霊の心を体して平和と民主主義の普及徹底に努力するわけでありますが、毎年の慰霊の日には摩文仁の海岸に結集するわけでありますが、総理も参加してくださっておりますが、羽田総理はいかがでありましょうか。ぜひ参加してもらいたい。いろいろと御都合があられると思いますが、どうぞひとつやりくり算段、そこを乗り越えて参列したということになれば、あなたの真心が必ず県民のみならず慰霊にも通ずると思います。御検討をお願いします。もし腹が決まっておりましたらここでおっしゃっていただくと大変ありがたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(羽田孜君) 今お話しのございました点につきましては、基地の問題については、私も外務大臣のときにもアメリカの担当の長官ですとかあるいは司令長官ですとかそういった方々にも実はずっとお話を申し上げてまいりました。縮小できるものあるいは整理統合できるもの、こういうものがあるんだったらひとつ何とかしてほしいということで、先方の方も真剣に実は考えてくださっておるということであります。 このことは、前の上原長官ですとか仲村議員ですとか、もう多くの方々からもお話がありまして、そういったことを申し上げてきておるということでございまして、少しでも理解を得られるようにしていきたい。そして、安全保障条約というのがスムーズにいくためには、やっぱり住民の方の理解というものがなきゃならないだろうというふうに考えております。 それともう一つ、今お話しがありましたこと、私も実は農政の方を担当しておりましたけれども、いつも北海道と沖縄のために働いているなんと言っておったんですけれども、私は沖縄というところがああいう惨禍というものを経験されたということ、一日も早く復興してみんなが本当にそこで活力のある生活をしてほしいという思いを持っておるものでございますから、そんな意味で実は参加してまいったところであります。 ただ、二十三日というのは実は予算の最盛期の平日の日でございますので、何とか私は行きたい気持ちというのは本当にあるんですが、一日内閣を沖縄でやったらどうだということを細川内閣のときも言った人間でございまして、そんな気持ちがあるんですけれども、この二十三日だけは(「予算をそれまでに上げるように」と呼ぶ者あり)――そうですか、ぜひひとつそのようにお願いできれば大変ありがたいと思います。 また、佐藤長官にも思いがあると思いますからお答えをさせていただきたいと思います。
○喜屋武眞榮君 ぜひおいでください。 それじゃ、時間あと一分あるようでありますが、余韻を残して……。お察しください。沖縄でまた会いましょう。ありがとうございました。
○委員長(井上吉夫君) 以上で喜屋武君の本日の質疑は終了いたしました。(拍手) 明日は午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時二十八分散会 ―――――・―――――