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129回国会参議院1994/06/09

予算委員会 第11号

発言数
381
登壇者
27
会派数
3
開催日
1994/06/09

会議録

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  平成六年度総予算三案の総括質疑に関する理事会決定事項について御報告いたします。  総括質疑は七日間分とすること、質疑割り当て時間の総計は九百分とし、各会派への割り当て時間は、自由民主党三百六十分、日本社会党・護憲民主連合二百八十分、新緑風会百二十分、公明党・国民会議八十分、日本共産党四十分、二院クラブ二十分とすること、及び質疑の順位につきましてはお手元に配付いたしておりますとおりとすることに決定いたしました。  以上御報告いたします。  なお、理事会協議の結果、本日より、委員会開会中、委員会室においては禁煙とすることを申し合わせました。つきましては、委員、閣僚、政府委員各位及び記者の皆様方の御協力をお願いいたします。

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 平成六年度一般会計予算、平成六年度特別会計予算、平成六年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。  三案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより総括質疑に入ります。倉田寛之君。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 北朝鮮の核兵器開発につきましては、国際原子力機関が追加査察の結果、査察不可能の結論が出、予断を許さない情勢になりました。北朝鮮をめぐる朝鮮半島情勢について我が国政府はどのように認識をしているか、まずお伺いをさせていただきます。

柿澤弘治改新外務大臣

○国務大臣(柿澤弘治君) お答え申し上げます。  北朝鮮の核開発疑惑問題は、北東アジアの安全保障上重大な懸念事項になってきております。特に核不拡散体制や国際社会の安全保障にかかわる重大な問題であり、その意味では我々も強い懸念を有しているところでございます。  他方、北朝鮮は、粘り強い働きかけにもかかわらず五メガワット実験炉の燃料棒の取り出しを行っておりまして、その点から、過去における軍事転用を検証することが実験炉の燃料棒の検証からは不可能になったという状態でございます。  その意味で、今後議論の場はIAEAから国連の安全保障理事会に移されることになりますが、そこで国際社会としては、あくまでも平和的解決を目指しつつ、また北朝鮮のIAEA査察体制への復帰を期待しつつ、それに対して国際社会として有効適切な措置を講じることが必要ではないかというふうに考えております。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 この問題は、特に米国はIAEAの査察拒否で北朝鮮への制裁を表明いたしております。また北朝鮮は、制裁は宣戦布告である、戦争の通告と受けとめるという表明もあります。さらに、南北朝鮮会談において北朝鮮側はソウルを火の海にするとまで言及をいたしておるのであります。事実関係はともかくとして、政府はこの問題を一体どういう認識に立って今後対応されようとしているのか、その点を詳しく御答弁いただきたいと思います。

柿澤弘治改新外務大臣

○国務大臣(柿澤弘治君) 北朝鮮が核開発をしておりますことは、いろいろな核施設を持っていることから見て現実だと思います。しかしながら、軍事転用のためのプルトニウムの抽出が既に行われているかどうか、この点は依然として検証はされておりません。しかし、IAEAとしては何らかの量のものが既に抽出をされているのではないかという疑いを強めているわけでございます。  そうした過去の北朝鮮における核施設、これの運転歴といいますか、そういうものを検証することは北朝鮮が核を保有しているかどうかということを知る上でも大事な課題だと思っておりますし、その点を今後ぜひとも北朝鮮側に翻意を促して、IAEAの検証によってその点が確認できるようになることが一つ大きな課題であろうかと存じます。  またさらに、将来にわたりまして今のような体制が続きますと、そうした点で将来にわたってそうした核物質を抽出する、そして貯蔵していく、その量がふえていくという懸念がございますので、そうした点についてもきちっとした歯どめが必要ではないかと思います。  ただ、北朝鮮側はこの点に関しましては依然としてIAEAの説得、国際社会の粘り強い説得にもかかわらず受け入れていないというのが現実でございますので、この点をどうするか。アメリカとしては一年以上にわたって粘り強い説得をし、この問題で誠意を見せるなら米朝国交正常化ということも考える、米朝会談を考えるというメッセージを送っているにもかかわらず、それにこたえていないということでございますから、国連においては制裁を含む措置も考えなければならないということをアメリカ側は主張しているわけでございます。  ただ、制裁の目的というのはあくまで北朝鮮の翻意を促すための国際社会としての一致したメッセージを送る必要があるという趣旨でございまして、そうした北朝鮮に対する懲罰的なものではないということでございますので、この点も北朝鮮側がその国際社会のメッセージを誤解のないようにきちっと受け取るということが大事ではないかと思います。  「火の海」発言とか、いろいろな形での発言が出てきておりまして、これがまたこの問題に対する懸念をあおっているわけでございますが、私は今のところは北朝鮮側もそこまで軍事的な力に訴えてこの問題で反撃をしようというつもりではないというふうに期待をいたしておりますので、その点余りこの北朝鮮問題について刺激的を言動等は避けながら、しかし正確なメッセージを北朝鮮に送って翻意を促すという努力を続けていくことが大事ではないかと思っております。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 それでは、端的に伺いますが、我が国政府は、北朝鮮は核爆弾を持っているとお思いですか、お思いでないですか。

柿澤弘治改新外務大臣

○国務大臣(柿澤弘治君) この点については政府の立場で何とも申し上げるわけにはまいりません。ただ、今申しましたように、IAEAのブリクス事務局長の書簡の中にも、過去においてプルトニウムをどの程度の量がはわからないけれども抽出しているという可能性が避けられないということを言っております。ただ、それが直ちに核兵器ということにつながるのか、プルトニウムの抽出から核兵器までもう一段階ございますので、そういう点でも、その辺がどこまで進んでいるのか、これは私どもとしては明確にお答えをすることはできないと思っております。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 それでは、観点を変えてもう一点お伺いいたしますが、北朝鮮はミサイルの発射実験を行っています。労働一号と呼ばれるミサイルは射程距離が一千キロと言われています。北朝鮮が開発しているミサイルの性能で仮に日本を射程とするなら、どこまでが範囲に入りますか。

神田厚改新防衛庁長官

○国務大臣(神田厚君) 御答弁申し上げます。  労働一号、約千キロの射程というふうに仮定をしますと、ほぼ全域が入るということでございます。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 防衛庁長官、もう少し具体的にお答えいただきたい。

神田厚改新防衛庁長官

○国務大臣(神田厚君) 労働一号でございますと、東京から東の方を除いてほぼ日本全域が入るという状態になります。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 答弁がいささかよくわかりませんので、正確にお答えをいただきたい。

高島有終防衛庁参事官

○政府委員(高島有終君) 射程一千キロということでございますと、言葉で説明するのは難しいのでございますけれども、東京までは届かないわけでございますけれども、日本の過半がその射程に入るということになろうかと思います。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 防衛庁長官、再度御答弁いただきたい。

神田厚改新防衛庁長官

○国務大臣(神田厚君) ただいま御答弁がございましたけれども、東京と北海道の一部を除いて日本全域が射程の距離に入ります。(「東北は入るか」と呼ぶ者あり)東北も入ります。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 こうした事態を踏まえて、国連の安保理が今後どう対応していくかというのも大変な関心事となるわけでありますが、六月三日、四日にワシントンで日米韓の代表により協議が行われたようであります。  柳井総合外交政策局長にこの内容について御説明をいただきたい。

柳井俊二外務省総合外交政策局長

○政府委員(柳井俊二君) お答え申し上げます。  三日、四日にワシントンでただいま御指摘がございました日米韓の協議を行いましたが、三日の日は日米と韓米という二国間の協議をまず行いまして、四日に三者の協議を行ったわけでございます。  その背景は、先ほどもお話に出ておりましたけれども、IAEAの事務局長から安保理に対しまして特に五メガワットの燃料棒の検査ができなくなったということの報告があった、わけでございますが、そういう新しい事態を踏まえまして、今後この朝鮮半島の情勢に最も密接な関係のある三カ国で考え方を整理しておこうというのが趣旨でございました。  今回の協議は、事務当局の、かつ非公式な協議ということでございまして、基本的には情勢の分析、それから特に国連安保理を通じて今後どういう対処をしようかということを協議したわけでございます。具体的な制裁の内容を合意したということではございませんで、過去のいろいろな制裁の経験等に基づきましてどういうことが考えられるか、それからどういうタイミングで安保理で新しい措置をとっていくかというところをすり合わせたということでございます。  最終的な認識といたしましては、対話の継続ということは必要ではあるけれども、やはり何らかの安保理における措置によりまして北朝鮮に対して圧力をかけていく必要もあろうというのが一致した認識でございました。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 何らかの対応をということになれば、制裁の問題が必ず論議されなければなりません。制裁の問題が論議される際には必ずといっていいくらい話題に出るのは、我が国から北朝鮮に対する送金問題であります。政府はこれについてどういう認識を持っておられますか。

藤井裕久改新大蔵大臣

○国務大臣(藤井裕久君) 先ほど来答弁がありますように、私ども、国連の安保理事会において今対応が検討されている段階でありますので、予断をもってこれについてお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 北朝鮮の問題は単に隣国である我が国だけの問題ではありません。核廃絶を唱える我が国として、自由と民主主義を基調とする平和な人類社会を構築する上に極めて重大な問題であります。  私は、先ほど来政府の答弁を聞いておりますと、これについての認識に確固たるものがないように見受けられてなりません。認識があって外交を手段として平和外交を展開するというのが我が国の姿勢であるならば、実態をしっかり認識しておくということが大切であることは言うまでもありません。この点について総理の見解をお尋ねします。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 先ほど外務大臣からもお答え申し上げましたように、北朝鮮に対して国際社会が例えば議長声明という形で呼びかける、あるいはこの間においてIAEA、こういったところが話し合いながら査察を行う、そういった中にあって、残念ですけれども北朝鮮がそういった国際社会あるいはIAEAの要請にきちんとこたえておらないということ、こういったことに対して国際社会が改めて今認識を、さらに懸念を深めておるということでございまして、こういった問題に対して、我が国としても国際社会と歩調を合わせながら適切な対応をしなければいけないだろうということであります。  そういう中で、私たちはいろんな情勢というものを分析すると同時に、我が国としてでき得る対応をしていこうということでありまして、それにはやはりいろんな国との連携というのが非常に重要でございますから、例えば今度の土曜日から日曜日にかけまして外務大臣を韓国また中国に派遣するという手はずを今整えておるところでございますが、私どもは現状というのは非常に厳しいものであるというふうに認識をいたしております。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 外務大臣が訪韓、訪中をされる予定は既に承知をいたしております。そこで、どういう認識を持って訪韓され訪中してお話をされようとしておられるのか、この点を伺いたいと存じます。

柿澤弘治改新外務大臣

○国務大臣(柿澤弘治君) 総理大臣からお話がありまして、やはり我が国としてもできる限り、韓国、中国、この両国は日本とともに北朝鮮にとっての隣国でございますので、その辺が現状についてのきちっとした共通の理解を持つということが大事だと思っておりますので、まず現状について倉田先生が今御指摘のような点も含めて日韓中の間の共通の理解を深めるということが一つの目的でございます。その点では韓国、中国、日本と若干ずつやはり北朝鮮の意図というものに関して考え方、認識の違う部分もございますので、これをきちっとしていくことが大事だと思います。  それから第二に、今後とも国連等で諸措置が決まる、決めていこうということになりましたときに、やはり中国は国連安保理の常任理事国の一カ国でございまして、中国がその国連の決定に協力してくれることが国連において何らかの措置を決める上で大事な要素になってまいります。  しかし、御承知のとおり中国は北朝鮮との友好関係を持っておりまして、その意味では国連の措置を決めるのに対しては慎重な態度をとっていると言われておるわけでございまして、その意味では、国連における今後の決定を促進する上でもやはり中国との話し合いというものが非常に重要になるのではないか、できるだけ中国が参加した形で国際社会として共同の行動ができるように中国政府にはお願いをしていかなければならないと思っているわけでございます。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 北朝鮮がみずからの外交姿勢をどう選択するかは他国の干渉すべきことではないとは存じます。がしかし、なぜ北朝鮮がこういう態度をとっているのか、体制の違う国でありますからなかなか認識を得られないとは存じますが、この点ほどう認識をされておられますか。

柿澤弘治改新外務大臣

○国務大臣(柿澤弘治君) 今、倉田先生からお話しのように、特定の国の内情また意図を私の口から公の席で申し上げることにはいろいろ問題があると思いますので控え目に分析をさせていただきますが、北朝鮮側としては、現在、経済的に非常に苦しい状況にある、しかしながら金日成体制といいますか社会主義体制を維持してどうやって独立を保っていくか、この辺についていろいろと腐心をしているのではないかと思っております。  その意味でも、安全保障上できるだけ優位な立場に立ちたいということで核開発等の努力もしているというふうに思いますが、これが核を持つということになりますと、これは北朝鮮の安全というだけでなく北東アジア全体の安全保障の状況を大きく変えることになりますので、これは一国の問題として我々もそれについて関心を示さないというわけにはいかない。その点で、何としてもそつした事態だけは避けなければならないと思っております。  それからもう一つは、しかしその点で、国際社会からIAEA、国連等を通じて核開発についての疑惑を晴らすようにというメッセージが誤って北朝鮮に伝えられて、先ほどの「ソウル火の海」発言というのがありましたけれども、そうした形で朝鮮半島の状況が一挙に緊張するというようなこともこれは望ましくないわけでございます。その点、日本を含む国際社会としての対応にも一つのジレンマがあるわけでございますが、先ほど来申し上げておりますように、国際社会が一致した姿勢できちっと北朝鮮に対してIAEAへの復帰そして核疑惑を晴らすという姿勢を示していただけるように、しかしながら軍事的な衝突とかそういう危険な状態にならないように、この二つを念頭に置いて努力をしていかなければならないというふうに思っております。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 国会の場は民意を代表する場でありますから、国民の間にはこの問題について今大変な懸念、危機感を持っておられる状況があるわけでありますから、政府はこの問題に対する認識というのは的確に国民の皆さんの前に説明をすべきだ、こう実は私は思うわけです。  同時に、我が国の外交は国際社会の中から顔の見えない外交ということをよく指摘されます。今こそ我が国は、外交手段として、北東アジアの平和、東西のベルリンが崩壊をして、国家が分断されているとすれば朝鮮半島にその分断された国家が存在をする、こういったもろもろの問題に対して積極的に外交を展開していくリーダーシップが私は大切な視点だと思うのであります。  自余の点については後の質疑の中で同僚の質疑にゆだねるとして、この点について総理の見解をただしておきたいと思います。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 今日、我が国は各国の理解をいただく中で経済的にも大きく発展することができました。そして、そういう中にあって冷戦が終わったということもあります。しかし、各地域におきましては歴史的なものを背景にした地域あるいは宗教の紛争、こういったものが絶えないということがあろうと思っております。  私ども日本といたしましては、この戦後蓄えたいろんなノウハウというのは持つようになってきたということでございまして、日本の国がこれから生きていくためには、今お話があった積極的か外交を展開していくということ、そして口も出すと同時に我々は汗も流していく、こういう姿勢しいうものがこれから国際社会から日本に対して問われていることであり、また期待されているものであろう、日本はその期待にこたえていくべきであろうというふうに確信をいたします。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 個別の質問に入る前に、総理の政治に対する基本姿勢、つまり二十一世紀に向かう我が国の進路、すなわち国家像について総理のお考え方を伺いたいと存じます。  聞くところによれば、我が国の国家像については、普通の国になるとか、あるいは小さくともきらりと光る国を目指すとかいう声も聞かれるのでありますが、総理御自身のお考えはいかがでしょうか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 日本の国は戦後五十年というものを、まさに平和憲法と言われる中にありまして専ら経済を中心にして世界各国に、特に欧米に対し追いつき追い越せという姿勢をとってきたというふうに思っております。そういう中にあって、確かに日本の国は経済的には先ほど申し上げたように非常に成長してきた、また立派に確固たるものを持つようになってきたというふうに思っております。しかし、今お話がありましたように、残念ながら日本の国の外交、特に国際社会に対して顔が見えないということが言われておるというのが現状であろうと思っております。  しかし、日本はこの五十年、平和の中で今日の日本を築いたという中にあって、例えば環境の問題にいたしましてもあるいは人口の問題にいたしましても、多くのノウハウというものを私は蓄えてきたというふうに思っております。そういう意味で、そういうことに対して国際社会に対して貢献をしていく、あるいは紛争が起ころうとしているところに紛争というもの、戦争というのはいかに不毛なものかということを問いかけていくのは、私は核の唯一の被爆国であると同時に、戦争によって多くの国内、国民もあるいはよその国にも大きな汚点といいますか厳しさというものを残してしまった、この経験からも私は日本の国としてやり得ることがあると思う。  それと、国内にあっては大変立派なビルはでき上がったけれども、そこに通勤する人たちは大変遠くから通っておるということ、それからお年寄りの人たちも貯蓄に頼らなきゃいかぬということ、そういう中で、やっぱり国民の生活、これは若い人からお年寄りの人たちまでが質の高い、しかも将来に向かって安心した生活ができるような社会というものをつくる、そして心の触れ合いのある社会というものをつくっていくことが私ばこれから日本としてとるべき道であろうというふうに思っております。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 私は、今の総理の御発言は余りよく理解ができないのであります。というのは、明治以来我が国の先人たちは追いつけ追い越せ、そうしてこの国民的な合意をセンスとして近代化をなし遂げた、それは完結をした、いよいよ新しい国家目標と国民的センスを政治が軸となってつくり上げなければならない、こう実は思うのです。  したがって、総理はこの点についてどうお考えかという点を国民の皆さんの前にわかりやすく、具体的に御説明をいただきたい。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 今、私が申し上げたのは、相当わかりやすく申し上げたつもりなんです。  要するに、日本の国というのは、ただ大きくなろう、成長しよう、これはやっぱり一つの私は目標だったと思う。しかし、それは私は達成したと思うんです。しかし、そういうもので蓄えた中で、ただ自分ひとりだけで日本の国が生活の質を高めるというだけではだめですから、この戦後五十年の中に蓄えたノウハウというものを国際社会の中にも生かしていく、積極的に生かしていくという日本であるということが私は大事だと思う。  小さな国という議論というのは、いろんなところであることは私は承知しております。しかし、残念ですけれども、よその国は日本の国を小さな国と見てくれていないんですよね。ですから、そういうことを私たちはきちんと踏まえながら、日本の持てる力というものを国際社会の中でも正々堂々とやっぱり発揮していくということが大事であろうというふうに考えております。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 連立政権が昨年の七月に誕生していろいろなことがたくさんあったわけでありますが、幾つか抽出をしても不安定な政治状況を惹起したということが非常に多いのであります。  まず、出発時点においての政治的な野合と指摘をされた政策の矛盾、これは政局の不安定を惹起した。さらには、予算編成の大幅越年ということによって不況は深刻化した。大人の関係と見えを切って日米関係に危機をもたらした。クリーンで選ばれた細川総理は、ダーティーな問題で後は野となれ山となれと責任放棄をして去った。連立政権が枠組みをどうするかということで長期の政治空白をつくった。予算審議は停滞をした。総理の指名直後の改新の結成によって、公党間の信義無視ということで社会党が連立の枠外に去った。  そこで、議院内閣制のもとにおける組閣の時点において、残念ながら羽田内閣は民意を代表していない変則な内閣として誕生をした。この点については、総理はどうお考えですか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 今お話があったわけですけれども、確かに連立政権、これは新しい、まさに三十八年の自民党政権からかわったということ、そして私はこの八カ月間歩んできたこと、今これはまずいという御指摘がありましたけれども、やっぱり政治の改革というもの、要するに政治の改革は、腐敗の問題もある、そういった問題もあるけれども、それだけではない。どうも複数から選ばれる中で本当の議論ができない、日本の顔を語ることができないというところに問題があるという実は指摘があった。これをなし遂げたということ、これは大変なことです。  また、ウルグアイ・ラウンドについても、これは本当に私たちにとってはつらいことです。しかし、国際社会の中で日本がこれからきちんと生きていくためには、こういった問題に対して積極的な対応をせざるを得なかった。これに対して決断したということも私は大きなことだったというふうに思っているんです。  ですから、いずれにしましても、今までの日本の政治が一つの閉塞状況にあるというものを打破したという意味では、私は、この細川政権八カ月の成果というものは大きかったものであるし、これからの長い政治の歴史の中に一つのやっぱり残るものであろうと思っております。  確かに、この間、日米関係というのは難しかった。しかし、私は日米関係のまた新しいスタートでもあったというふうに思っております。何も大人とか成熟とかいうことを申し上げているわけじゃないけれども、しかし日本として、やっぱり世界の中からも理解されないようなことに対してイエスと言ったならば、これは問題がある。しかし、私たちはただそれだけで終わらせたんじゃなくて、そこからお互いの話し合いのスタート、そしてお互いが理解する一つのきっかけをつくることができて、今まさにこの日米の包括協議の問題について実務的な話し合いが始まっておるということからいっても、私は一つのいいきっかけをつくることができたんじゃないかと思っております。  ただ残念なことは、新しく私自身が今度指名された後のことにつきましては、私はこれは本当に残念であったという一言に尽きるわけでございますけれども、ただ、政治が大きく変化をしようというときにはやっぱり一つの揺籃のときというものがどうしてもあるんだろうというふうに思っております。  しかし、ここまで来た日本の国がいつまでも不安定でいることは許されないわけでありまして、私どもも安定した政治をつくり出すためにさらに努力をしていきたいというふうに思っております。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 私はこの十カ月間を振り返って、内外政に大きな混迷をもたらした主要の原因というのは、政策の矛盾の拡大であり、強権的な政治手法であり、総理が今お答えになられましたが、功績らしいものを探すと一内閣一仕事とも言える衆議院の選挙制度の改革。ところが、これも衆参の両院協議会を軽視した形での総・総会談の妥協の産物、自民党案のほとんど丸のみで決着したものである。議会運営の基本から見るといささか問題なしとは言いがたい。  そこで、総理、議院内閣制の中で、首班指名の時点と現段階とは変化を来しているわけですから、羽田内閣としてはどこかの時点で政治の安定を図っていくためにけじめをつけなければならぬときがあると思うんですが、その辺のところはどうお考えですか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) けじめというのは国民の審判を問えということであろうと思います。あるいはそのほかの道もありますでしょう。しかし、私どもは、今私たちの目前に山積します内外の課題というのは、これは与党野党ということだけではなくて、今やっぱりこの国として解決しなければならない問題であろうと思っております。  その意味で、私たちがこれから誠心誠意各党に対して一つずつの問題に対してお呼びかけをするときに、私は必ず協力していただけることができるだろうというふうに思っております。  しかし、安定したものが必要であるということ、これは私も承知しておりますので、そういった面での努力はこれからもいたしていきますけれども、ともかく当面する課題につきまして、私ども積極的に各党に呼びかけまして、皆様の御協力をいただきながら、一つずつこれは着実に進めていきたいというふうに考えております。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 どうもこの点は認識が違うようであります。  私は、首班指名は受けた、羽田内閣は組閣をした、その状況の違い、これはやはり民意を代表する国会においての首班指名と組閣とに、その状況が違ってきているわけですから、そういう点については、総理はよく町にお出かけになられて、国民の目の高さで、あるいは率直に誠心誠意語ると言われますが、議会の中においてなすべき対応ということから考えていけばこの点ほどこかでけじめをつけるべきだ、こういうふうに私は思います。  そこで、次に外交の基本方針についてお伺いをいたしたいと思います。  一口で言って、国際社会においては政治経済、安全保障などの問題をめぐりましてますます複雑な状況を呈しております。ここ十カ月間、連立政権下においては、いわゆる内政面におけるダッチロール現象、これが外交に反映をしてこれといった成果を見出すことができません。したがって、我が国の外交の基本的な方針についてまずお聞かせをいただきたい、こういうふうに思います。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 私は、この十カ月間の日本の外交というのはより積極的なものであったというふうに考えております。  これはAPECにおきまして日本がアジアあるいはこのグループに入りましたアメリカ、カナダ、そういった国との間の調整あるいはパイプ役を務める、あるいは中東和平というものに対して今まではどちらかというと遠いものであったというふうに思っておりますけれども、しかし、私どもはこういった問題に対しても日本がより積極的に参画していきましょう、あるいはアフリカ地域の復興の問題ですとかカンボジアの復興の問題ですとか、こういったものを日本が積極的に主宰していくという形で進めておるということでございます。  それから、私がこの間ヨーロッパに出かけてまいりまして各国の皆さんとお話しいたしましたのも、日本の国がこれからそういった地域、あるいはあの地域の皆さん方が長い間にノウハウを積み重ねております中東あるいはアフリカ、またアジアもそうであります、あるいは中欧、東欧もそうですが、こういった地域に対して日本がこれから積極的に協力をしていこう、そのためにはそういったところと非常に深い歴史のつながりのある、あるいはそういったところに対するノウハウを持っているこういった国々とも連携していこうということのために、実はわざわざ連休の間にヨーロッパに行ってきたということであります。  いずれにいたしましても、日本は、先ほども申し上げましたが、戦後五十年の間に蓄えたいろんな技術、ノウハウ、こういったものを駆使しながら、世界が本当に平和で、しかもみんなが飢餓と栄養失調なんというものをともかく切り捨てながら、少しでもみんながより豊かなものを求められるように、私ども日本としては積極的に外交を展開していきたいというふうに考えております。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 明日、天皇皇后両陛下が訪米の旅にお出かけになられます。国民の一人として一路平安を心からまずお祈り申し上げたいと存じます。  そこで、総理、所信表明において、我が国外交の基軸は日米の緊密な協力関係を発展させ太平洋地域の安定と発展に寄与していくこと、こう実はお述べになっておられるわけでありますが、職業外交官でもある栗山駐米大使がさきの交渉決裂の背景について、信頼感の欠如、不信があった、不信感はそう克服できるものではない、現実の日米関係はそこまで成熟した関係ではない、こういう冷ややかな見方をコメントした記事を私は拝見いたしましたが、日米関係の今後の再構築についての総理の御決意を伺いたいと思います。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 栗山大使の発言について、これは私どうこう言いませんけれども、当時いろんなふうに報道されたそういう中で、日米関係が何か日本が全然違った方向に行く、そんなふうにとられていることに対して栗山大使は懸念を表明されたものであるというふうに私は理解をいたしております。  しかし、いずれにしましても、私は、日米関係、この二国間の関係というのはこれからともに協力していくということ、ともに信頼し合うということ、このことはもう何といっても日本の外交のやっぱり基軸であろうというふうに思っております。その意味で、日米関係というものをより信頼の高いもの、これをっくり上げるために私どもはさらに努力をしていきたいというふうに考えます。  この間、大統領あるいは副大統領とも、またクリストファーさんそのほかの皆さんとも私も頻繁にお目にかかったり、あるいは電話等でお話をしたり、また外務大臣も、まだ向こうへ行くということはできませんでしたけれども、しかし会議で中東を訪れた際にクリストファーさんを初め皆さんとお目にかかる尊いろんな外交努力をされておるわけでございまして、私どもは日米関係をさらに深い関係をつくっていくために努力をしていきたいというふうに申し上げたいと思います。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 日米の経済関係、経済協議がようやく再開をされましたが、文言の中に、客観基準は数値目標ではないとの表現が盛り込まれているようでありますが、これらの両国の理解があいまいであれば再開した協議は難航することが予測される、こう実は思うわけでありますが、これは理解が得られているのでしょうか。

柿澤弘治改新外務大臣

○国務大臣(柿澤弘治君) 日米の包括経済協議、二月の日米首脳会談以来中断をいたしていたわけでございますが、羽田内閣誕生とともに日米両国からできるだけ早い機会の再開をということで努力をしてまいりました。  その結果、先般再開が決まったわけでございますが、その再開にこぎつけるまでの間の日米間の議論の中で、今、倉田先生御指摘のように、客観的基準というものは数値目標を目指すものではないということを私どもはアメリカがはっきりと示してくれることが大事だということを申し上げまして、アメリカ側もそれを受けて数値目標ではないということを文書の中にも明示したわけでございます。  さらにつけ加えますと、客観基準は定性的、定量的幾つかの基準によって日本の市場の開放度を検証するというために使われるということになっておりますが、その中にある定量的な基準というものが数値目標にならないように、例えば半導体のときの例があるわけですけれども、二〇%というような数字がひとり歩きすることのないようにということで、特定の基準だけをもって日本の開放度を示すことはしないということもあわせて合意をしているということを申し上げたいと思います。  また、その合意に基づきまして、各優先分野の作業部会、保険の関係が六月一日、二日に東京、そして自動車・同部品が六月二日、三日にワシントン、電気通信が六月三日、四日に東京、そして医療機器に関しては六月七日、八日に東京ということで順次再開をされておりまして、そこで具体的な話し合いが既に進んできているということを御報告いたしたいと思います。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 我が国は六月末までに対外経済改革大綱をまとめるということにいたしているようでありますが、税制改革と規制緩和の取りまとめはまだ行方が不透明であります。これについてはどのように対応されていますか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 私どもといたしましては、今大変精力的に規制緩和等についてこれを進めておるということであります。  なお、税制改革につきましても、当然これは政府税調でも御議論いただいておりますけれども、連立与党の中でも議論をしておるということでございます。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 次に、日中関係について一、二点お伺いをいたしておきたいと思います。  アメリカはアメリカ的イデオロギー外交に決別をして、人権問題とは切り離して中国に対する最恵国待遇を更新をいたしました。こういった状況を目の当たりにして、我が国の対中国外交は、善隣友好関係を確認することだけではなくて、どのような協力関係を今後構築をしていくのか、この点についてお答えをいただきたいと思います。

柿澤弘治改新外務大臣

○国務大臣(柿澤弘治君) 日中関係は、アジア・太平洋地域のこれからの安定と繁栄のために日米関係と並んで基軸的な関係であると私どもは認識をいたしております。その点では、日中両国間に信頼関係を築いていくということがまず大事であろうと思っておりますし、その点で羽田総理初め御努力をいただいているわけでございます。  また、中国は、改革・開放政策を進めておりますが、今目覚ましい経済発展をいたしております。その意味では、この改革・開放政策を日本としても支援をして、そして経済の発展、安定を図る。それによって民生の向上を図り中国が安定した国家になるということを期待をいたしているところでございます。  また、安全保障の面でも信頼醸成ということが大事だと考えておりまして、お互いにそれぞれ言うべきことは言うということで、核実験の問題とかまた防衛費の増加傾向についての懸念とか、そういうことも申し上げております。  いずれにいたしましても、全体として世界のための日中関係、世界の平和と繁栄に貢献できる日中関係、未来志向の日中関係というものを築いていきたいということで、今後とも努力をしてまいりたいと思っております。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 国連の安全保障理事会常任理事国入りを目指す姿勢が一段と羽田内閣では高まっておりますが、この問題をめぐる国内論議の不在の状況は一向に変わっておりません。私は常任理事国入りの希望が広く正しく国民に理解されるよう努める必要があろうと思いますが、総理の見解を伺います。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) もうお話のとおりであろうと思っております。そして、この国連常任理事国入りに対する懸念を有する方々も多くあることを私はよく承知しております。  しかし、今現在、国連常任理事国というのはいわゆる核保有国の五カ国であるという現状であります。そして、国連が始まったときの五十一が今百八十四カ国になっておるということ、そういう中で国連を改組していこうという声が非常に大きく高まっております。また、国連に対する頼りといいますかニーズといいますか、こういったものも新しい時代の中で非常に幅広いものになってきておるというふうに思っております。  そういう中で、私は、先ほど申し上げましたように、日本が戦後平和の中で築いてきたノウハウというもの、こういったものを積極的に展開することを国連の中でもやっていくべきであろうというふうに考えております。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 この項目の最後に、日米安保のことについて一、二点伺っておきたいと思います。  我が国の米国との日米安保、ポスト冷戦時代における機能をどのように受けとめておられるのか。これは自由民主党政権時代から変わりない対応を基軸とされているのか、この点についてお伺いします。

柿澤弘治改新外務大臣

○国務大臣(柿澤弘治君) ポスト冷戦時代におきましても、日米安全保障体制の維持、堅持が日本の安全のために基軸的な関係であるということは変わっていないと認識をいたしております。また、我が国の安全のためだけでなく、アジア・太平洋地域の安全のためにも米軍のアジアにおけるプレゼンスは必要だと認識をいたしておりますし、これは我が国だけでなくアジアの各国の政府にも共有されている認識であろうかと存じます。  その意味でも、今後とも日米安全保障体制を維持しながら日米の信頼関係をきちっと保っていくということが大事だと考えております。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 外務大臣の御答弁にもありましたように、こうした情勢の変化に伴いまして、在日米軍の役割も、地域紛争に対処するための軍事的な後方支援機能にその比重が移ってきていることは確かであります。したがって、我が国は、こうした実態を踏まえてアジアにおける新しい安全保障の枠組みを構築していく必要があろうかと、こういうふうに思います。日米両国の共通の防衛政策についてきちんと計画を立てるべきだ、こう思うのでありますが、ただいま申し上げた視点についていかがですか。

柿澤弘治改新外務大臣

○国務大臣(柿澤弘治君) 倉田委員御指摘の点、そのとおりだと思います。  具体的にどのような形のものが今後考えられるか、これは、今、総理のもとで防衛問題に対する懇談会も開いていただいておりますので、そうした結論等も念頭に置きながら御相談をさせていただきたいと思っております。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 例えば、極東ロシアから朝鮮半島、日本、中国、ASEAN、インドシナ、太平洋のそれぞれの島々、ウラジオストクからメルボルン、ウェリントンに至るいわばリムランド安保協力会議といった地域連合を組織化して米国の参加を求めるくらいの構想を打ち出してみる考え方はありませんか。

柿澤弘治改新外務大臣

○国務大臣(柿澤弘治君) ヨーロッパでは既にNATO、CSCEというような地域的な安保の体制がいろんな形で確立をいたしております。それに比べますとアジアの諸国の安全保障に対する状況は多様でございまして、ヨーロッパのようになかなかまとまりがつくれていないというのも事実でございます。  しかしながら、最近ではアジア諸国の中でも安全保障対話を深めていこうという機運が醸成されてきておりまして、この七月にもASEANの外相会議、そしてASEANの拡大外相会議の後アジア地域フォーラムというのを開催することになっておりますが、これはアジア諸国を初めロシア等も含めまして安全保障に対する対話をするということで、一つの試みであろうかと思っております。  まず軍備に関する透明性を高める、そして安全保障に関するそれぞれの国の信頼感を醸成するということからスタートをすべきではないかというふうに考えておりますので、着実に進めていきたいと考えております。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 PKO法の見直しについて、総理は、現段階ではまず協力の実績を積み重ねることが重要だが見直しに当たってはカンボジアやモザンビークの経験を踏まえて検討することガ必要だろう、これは衆議院の代表質問の総理のお答えであります。  現在、我が国の自衛隊員のPKOの参加はモザンビークだけですが、経験といってもカンボジアとの二つの例があるにすぎません。一方では実績を積み重ねると言いながら、実際にはその後に続くものは今のところはありません。これでは総理の言うようなPKO法の見直しということはできないのではないか、こう実は感じられるんですが、その点はいかがですか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) PKOにつきましては、これは当然我が国といたしまして、国連からの要請、こういったものに基づいてやっていくということでありまして、我が国としてもそういった問題について、先ほど汗を流すということを申し上げましたけれども、我が国の持てる機能というものが発揮できる場合には我々は積極的にやっぱり参加していくべきであろうというふうに考えております。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 防衛庁長官、いかがですか。

神田厚改新防衛庁長官

○国務大臣(神田厚君) PKOにつきましては、ただいま総理がお答えになりました。同じように考えております。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 防衛庁長官御自身の立場で所感を述べてください。

神田厚改新防衛庁長官

○国務大臣(神田厚君) PKO法につきまして、派遣をした実例は二ってありますが、今もゴラン高原のカナダ隊の肩がわりというようなことで調査を行っておりまして、引き続きいろんな面の要請にこたえるように努力をしたいと思います。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 防衛庁長官、それでは長官としては、PKOの見直しについて総理の御答弁を受けてどうお考えですか。

神田厚改新防衛庁長官

○国務大臣(神田厚君) PKOの見直し問題については、これから国会でいろんな御意見をお聞きして決めていきたいと思いますが、私自身としましても、きょう発表の世論調査でも国民の七割以上が国際貢献をしてくれというようなことも言っておりまして、非常に評価をされていると思っております。ただ、いろんな問題がやはりあると思いますので、これは国会の中で皆さん方にいろいろと議論をしていただきたいと思っております。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 私は、総理が衆議院の本会議で、PKOの見直しについては実績を重ねてその上に立って考えていきたい、こういう趣旨の答弁をされて、しかし実績を重ねると言っても、モザンビーク、カンボジア、それ以後の実績を重ねるという状況にはない、それでは見直しはできないのではないですかと、こう実はただしたわけです。同じ質問を長官にお伺いいたしますので、長官のお考え方をお聞かせいただきたい。

神田厚改新防衛庁長官

○国務大臣(神田厚君) PKOの問題は、国連の要請があって、それを外務省を中心にまとめてやっていこうということでございまして、ただPKO法案ができた過程の中での議論はいろいろございました。そういう意味でありますので、確かに先生おっしゃるように少ないことでありますが、国連の要請を受けて私ども検討していくので、まだ二カ国でありますけれども、この二カ国の経験ではおっしゃるように少し少ないかなと思っておりますけれども、やはりPKFの参加を含めてこれは見直すという約束でありますから、国会の中での議論を待ちたいということでございます。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 ちょっと意味がわかりません。防衛庁長官としてどうするかということをちょっと聞いてください。

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 速記とめて。    〔速記中止〕

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 速記を起こして。  質問にずばり的確に答えてください。

神田厚改新防衛庁長官

○国務大臣(神田厚君) PKO問題につきましては、確かに外国に行きましていろんな経験もしてまいりました。そういうことを踏まえてきちんと、見直しの時期も来ておりますので、そこで私自身もいろんなことを報告しながらやっていきたいと思っております。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 だめだね。

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 再質問してください。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 防衛庁長官、質問の合意にお答えになられておりません。長官としてPKO法案の見直しについては実績を踏まえて見直すと言うが、その実績を踏まえる状況に今ありませんねと、こう私は思っているんです。あなたはどう思っていらっしゃるんですか。

神田厚改新防衛庁長官

○国務大臣(神田厚君) 確かに二回で少ないのでありますが、その二回行った報告等も来ておりますから、それはそれでいろんな報告がございますので、一つの資料にはなっておりますから、少ないけれども私は十分に報告はできる、こういうふうに思っております。(「報告じゃないんだよ」「だめだ、だめだ」と呼ぶ者あり)

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 速記を起こして。

神田厚改新防衛庁長官

○国務大臣(神田厚君) 先ほど来より申し述べましておりますように、二回の経験ですべてそれでいいという話ではありませんが、やはりそれらの中でも貴重な体験やいろんなことがございますので、これを見直しをする時期に来ておりますから、この点を資料として出しまして見直しの議論をお願いしたいと思っております。私自身もそう強く希望しております。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 防衛庁長官、見直しをしてまいります、こういう理解でよろしいんですね。そういう考え方に立っていますと、こういうことですね。

神田厚改新防衛庁長官

○国務大臣(神田厚君) 見直しはまだ決まっておりませんけれども、しかし、来年でございますから、先生の御意見もよく踏まえてやっていきたいと思っております。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 どうもよくわからないところが多いんですけれども、先へ移ります。  外務大臣、あなたはどう受けとめますか。

柿澤弘治改新外務大臣

○国務大臣(柿澤弘治君) PKO法につきましては内閣官房で取りまとめをいただいておりますので、私が直接の所管ではございませんが、やはりカンボジアのPKOの経験を見ましても、自衛隊だけでなく、文民警察の方とか、またボランティアで参加、ボランティアといいますか選挙監視で参加をされた方々の安全の問題をどうするか、この辺は非常に大きな課題ではないかというふうに思っておりますので、そうした点も含めていろいろな見直しの御議論をいただければありがたいと思っております。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 防衛大綱の見直しというのが細川政権の当時発言がありました。この防衛大綱の見直しということについて、防衛庁長官、あなたはどう受けとめられておりますか。

神田厚改新防衛庁長官

○国務大臣(神田厚君) ポスト冷戦、そういう状況の中で防衛大綱の見直しか発議をされまして、それで防衛問題懇談会というような形で現在審議がされております。私自身もこれに同席をしていろいろと勉強しております。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 私が防衛庁長官にお尋ねしましたのは、細川内閣の当時、防衛大綱を見直す、こういう御発言がありましたねと、まずここからいきましょう。それはお聞きですね。

神田厚改新防衛庁長官

○国務大臣(神田厚君) いろんな情勢の変化で防衛計画大綱を見直そうという話で、それはよく承知をしております。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 それでは、防衛大綱の見直しということについて長官としてはどう受けとめられておりますか。

神田厚改新防衛庁長官

○国務大臣(神田厚君) 私も、こういう情勢の変化が起こっておりますから、大綱見直しは当然そのようなことかと思っております。

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 速記を起こして。

神田厚改新防衛庁長官

○国務大臣(神田厚君) 冷戦終結というような状況でございますから、いろんな変化、基本的な考え方も含めてございますので、見直しを進めていくということは一つの考え方だと思っております。(「一つじゃないよ」「だめだよ」と呼ぶ者あり)

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 速記を起こして。

神田厚改新防衛庁長官

○国務大臣(神田厚君) お答え申し上げます。  防衛問題懇談会の中では、大綱を見直しすべきかどうかという議論もいろいろやっておりますので、今、一つの見方というようなちょっと余計な話をしまして申しわけございません。私も大綱は見直すべきだという方向で一生懸命やっていきたいと思っております。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 そこで、確かにポスト冷戦時代に突入をして、世界、人類社会が自由と民主主義の平和な人類社会を構築しよう、現在その過程を迎えているわけでありますが、残念ながらそのプロセスの間は、それぞれの国家間の平和を維持していくためには少なくともバランス・オブ・パワーという考え方が力点にあるはずであります。この点、防衛庁長官はどうとらえておられますか。

神田厚改新防衛庁長官

○国務大臣(神田厚君) 先生おっしゃいますバランス・オブ・パワーということが基本になっておることは事実でございます。私といたしましても、そういう意味で幅広い視点から論議をしていかなければならないと思っておりますが、専守防衛に徹しました我が国の基本的な防衛政策はこれをきちんと守って冷静に対処していきたいということでございます。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 この項をこの辺で締めくくりたいと思うんですが、なかなか先へ進まないんでありまして……。  バランス・オブ・パワーということは軍事的にどういうことを意味するんですか。

神田厚改新防衛庁長官

○国務大臣(神田厚君) 力のバランスをとって双方の防衛力を維持していくというふうなことだと考えております。力の均衡を保っていくということでございますが、要するに我が国の防衛力が空白になって、それでほかからの侵攻などがないように我が国としましては最小限の防衛力を整備していくということでございます。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 この点はもうこの辺で私はやめ、後に同僚の議員から御質問を申し上げるようにいたしたいと思いますが、神田防衛庁長官、バランス・オブ・パワー、空白区をつくらないことが紛争を控える、しかし世界は今や軍縮に向かっている、そしてごまんとある核を廃絶しようというんです。そういう認識に立った我が国の防衛政策というものをあなたはしっかりやらなければだめですよ。これだけ私から申し上げておきます。  そこで、次に財政問題に移りたいと思うわけであります。  我が党は昨年暮れ、年内に予算は編成すべきですよと、一貫してこういうことを申し上げてまいりました。予算を編成し国民生活に資するために国会に予算案を提出する、これはまさに内閣としての責任であります。しかし、残念ながら予算は連立政権下においては三月四日に提出をする状況になりました。  ところが、その後、文芸春秋が発刊をされて、当時の官房長官が筆をとって書かれた「私が政権と訣別した真の理由」という文章の中に、予算は年内編成がいい、総理もそういう考え方だった、こういうことが書かれているわけであります。まさに当時は、政治改革が、あのドラマの水戸黄門の葵の紋どころの印籠のように、おのおの方これが見えぬか、こういう状況下の中にありましたから、残念ながら予算の年内編成をすべきということは政治改革に水を差すことだという批判さえ浴びる結果になりました。  当時、細川内閣の副総理兼外務大臣として内閣のかなめをつかさどっていた羽田総理、官房長官の手記はお読みになりましたか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) その本そのものを私は読んでおりません。  ただ、私ここで申し上げたいのは、予算は越年よりは当然暮れのうちに編成してそして一月に御審議をいただく、これは私は一つの筋道であろうと思っております。しかし、御案内のとおり、当時あの大型の補正予算を組むということ、そしてやっぱりどうも景気に対するいろんな手当てをいたしましても、政治に対する不信といいますか、そういったものがありますとどうしてもはね返ってきてしまう、その意味ではやっぱり政治改革というものを進めることは重要であろうという中でこれが進められたということを、ぜひ御理解をいただきたいというふうに存じます。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 後ほどコピーをお渡ししますのでお読みをいただきたいと思うんですが、官房長官は年内編成を主張していたようですね、その本によれば。閣僚の副総理というお立場でそういうお訪は官房長官から聞かされましたか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 聞かされたというより、お互いに議論したことはございます。私も、それはもうできるだけ年内編成でやろうということでおりました。ただし、年内編成でやるということになりますと中にいろんな問題がございます。これとぶつかり合いますと、残念ですけれども、どうしても政泊改革の方がなかなか進まないという状況にありまして、私どもは、まさに十五カ月の予算というようなつもりで補正予算というものも編成したところでございますから、いろんな問題に対し、要するに、その後の経済に対して与える影響というものは何とか克服することができるという結論のもとに年内編成というものを先に延ばしたということであります。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 私は、総理、年内編成を見送り三月四日に予算案を内閣は提出した、このことは、国民生活に資するための予算案を編成し国会に提出するという内閣の職務としての責任の放棄と言わざるを得ません。  したがって、総理はよく、率直に国民の皆さんの目の高さで語り、誠心誠意というお話をされますので、年内編成をできずに三月四日に提出をしたということは連立政権下の責任であった、少なくてもこういう反省を、きょうはテレビが入っておりますから、国民の皆さんに率直にお気持ちをお述べいただきたい。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 先ほどからお話を申し上げておりますように、私どもは、もちろんこれは予算というのは国民生活、それと同時にその国の一年間の方向というものを示すものであるということからいって、これは私は、当然暮れのうちに編成され、そして一月早々から御議論をいただき、そしてその期の町にこれを通過させていただいて新しい年度を迎えるということ、これはもう重要であるということは、これは私どもよく承知しております。  しかし、先ほどから申し上げておりますように、本当にこれから日本の政治というものを切りかえていかなければいけないというときに、改革というもの、これもおろそかにすることはできない。そして、そういうものがきちんとできないと、本当のこれからの議論というものもなかなかこれから長い将来に向かっての議論というのが進んでいかぬだろうということを考えたときに、私どもはやむを得ない措置をとったということであります。  しかし、この予算が今日までおくれておるということに対しましては、一義的に予算の編成権、そういったものはこれ内閣にあるわけでございますから、私は今御指摘のあったことを重く受けとめておるということでございます。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 バブルがはじけて以降我が国の財政は極めて厳しい状況に置かれていることは、私が言うまでもありません。  六年度予算での国債の発行額、また六年度末の国債残高は幾らになりますか。

藤井裕久改新大蔵大臣

○国務大臣(藤井裕久君) 発行額十三兆余、残高二百一兆円でございます。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 十三兆円とか二百一兆円とか言われましても、どの程度の額か国民の皆さんにはわかりにくいと実は存じます。国民一人当たりにするとお幾らになりますか。

篠沢恭助大蔵省主計局長

○政府委員(篠沢恭助君) 残高二百一兆円と申し上げましたものを国民一人当たりにいたしますと、すなわち国民一人当たり公債残高は、平成六年度末で百六十一万円程度になります。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 現在、一人当たりの国民所得は幾らになっておりますか。平成六年度見込みで結構でございます。

篠沢恭助大蔵省主計局長

○政府委員(篠沢恭助君) 六年度段階で三百七十二兆八千億でございます。

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 一人当たりがそんなになるか。けたが違うよ。

篠沢恭助大蔵省主計局長

○政府委員(篠沢恭助君) 失礼いたしました。  一人当たりでございますと二百九十八万二千四百円でございます。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 国民一人当たりの所得が六年度見込みで二百九十八万余、借金が百六十一万円でありますから、少なくとも五四%に当たるわけですね。  これからこれをどうやって返済をされますか。

藤井裕久改新大蔵大臣

○国務大臣(藤井裕久君) このような国債が累増した理由というのは今さら申し上げるまでもないと思いますから、そこの点は御質問がありませんので申し上げません。  しかし、現実にこうなっているものを解消していくのにまずやはり一番大事なことは、累増体質をやめるということが一番だと思いますね。それは、新発債をあらゆる努力をして限度を抑えていくということだと思います。同時に、一般論で大変恐縮でありますが、現在の財政の仕組みを根本にさかのぼって考え直していく、あるいは歳入のあり方を見直していく等々のことをすべて動員してやっていかなければならないと考えております。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 六年度予算で、赤字国債を発行しないためにさまざまなやりくりが行われていますね。過去に発行した国債を返済するための資金はどのようにして調達をいたしましたか。

藤井裕久改新大蔵大臣

○国務大臣(藤井裕久君) 国債整理基金への繰り入れが今回不可能になり、先日の衆議院の本会議で議決していただき参議院に今回ってきておると思いますが、その繰り入れの停止をやることにより、かつNTTのいわゆる補助の繰り上げ償還等々の措置をとることによってこれを解決いたしました。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 そのとおりなんですが、国民の皆さんは非常に理解しにくい。  そこで、私はわかりやすい比喩を考えたのでありますが、要するに政府がおやりになったことは、親が子供にお金を貸しました、親にお金が必要になったので子供に金を返してほしい、返したらありがとう賃を出しますよ、子供には返すお金がない、親がよそから借金をしてきてそのお金を子供のポケットに入れてやってその金で子供は親に借金を返した、結局は親の借金だけが残った、私はこういうことだと思うんです。  このことについては大蔵省のOBの内海さんがあるコラムの欄で指摘していまして、どうも小手先過ぎる、こういう指摘をしておりますが、現役の大蔵省の大臣以下関係者はどのように考えておられますか。

藤井裕久改新大蔵大臣

○国務大臣(藤井裕久君) もう御指摘をまつまでもなく、やりくりであることはそのとおりです。しかし、やりくりをしなければならなかった事情はおわかりいただけると思います。  そのやりくりの際に、比喩を挙げられましたから私も比喩で申し上げれば、家庭内でやりくりすることとすぐ借金を外から受けることとどっちがいいかという判断というのは、これはあると思うんです。少なくとも今やっておりますことは、家庭内のやりくりで何とかやった、そしていわゆる歯どめなき赤字国債に頼ることを避けた、こういうことである点を、ちょうど家庭の比喩を挙げられましたので、わたくし的に家庭の比喩を言えばそういうことでございます。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 平成五年度の第二次補正予算の際にも、NTT資金の早期償還を行われました。過去に発行した国債の返済を行っていくのに、このような手法をいつまでも続けられるとは思えません。  貸し付け先から返してもらうことのできるNTT資金はあと幾ら残っていますか。

篠沢恭助大蔵省主計局長

○政府委員(篠沢恭助君) ただいま御質問の一つの操作でございますが、補正段階を含めまして五年度に二兆五千六百億、そのような償還を行っております。そして六年度に、ただいま御審議いただいております予算の中で二兆二千六百億の操作を行っております。  以上の操作によりまして、今御質問ございましたいわば繰り上げ償還の対象になるようなものは幾らあるかということでございますが、残高はゼロでございます。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 もうほとんどない、こういうことですね。

篠沢恭助大蔵省主計局長

○政府委員(篠沢恭助君) ただいま御指摘になっておりますいわゆるやりくりの種になりますものは、残高は残っておりません。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 それでは、これから先、七年度以降はどのようにして過去に発行した国債を返済されるための財源を確保するのですか。

藤井裕久改新大蔵大臣

○国務大臣(藤井裕久君) 先ほども申し上げましたように、歳入歳出全体を通じましてあらゆる努力をしていかなければならないと思っておりますし、あえてこの際申し上げますが、ドイツの先人が、戦争と財政が国を滅ぼす、こういうことを言っておりますが、極めて厳粛に受けとめています。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 六年度予算では、本来六年度予算で対応しなければならないのに後年度に繰り延べをする、特別会計から借りてきてつじつまを合わせたものが相当あります。これらの項目と金額をお聞かせください。

篠沢恭助大蔵省主計局長

○政府委員(篠沢恭助君) ただいま御質問のございました国債発行の外で、いわば国庫内のいろいろな調整等によっての事実上借金をした状態になっておりますものでございますが、中身的に申しますと、例えば政管健保の国庫補助の繰り入れ特例措置でございますとか、あるいは国民年金特別会計への国庫負担金の繰り入れの平準化措置に係る特例措置でございますとか、あるいは自賠責特別会計からの受け入れ措置でございますとか、いろいろな性格のものがございます。単純に足し合わせてみますと一兆九千億ございます。それから、先ほど来御質問のございますNTTのBタイプの繰り上げ償還等を背景とした国債費の定率繰り入れ、これがほかに三兆八百億ほどございます。合計いたしますと、平成六年度におきます。その種のやりくりは五兆円に上っております。  それから、大変恐縮でございますが、っいでにこのようないろいろな問題の現在段階でのストックについて申し上げさせていただきますと、過般来そのような操作が幾つかございますが、一部には既にその返済を終わったものもございますが、残高として残っておりますのが、今後処理を要する措置として本院への予算資料として提出をしておりますけれども、その合計が十二兆九千億になります。なお、これ以外に、御承知のとおり日本国有鉄道清算事業団長期債務が二十五・八兆円ございます。全部合計いたしますと、そのようなストックベースでは三十八・七兆円ということに相なります。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 これらは一般に、隠れ借金、こう実は呼ばれるものでありまして、六年度は二兆五千億、六年度末には三十八兆七千億に達するわけであります。  二百兆円を超える国債残高の処理も大変ですけれども、この隠れ借金を今後どうなさいますか。

藤井裕久改新大蔵大臣

○国務大臣(藤井裕久君) 先ほどお答えいたしましたように、家庭内のやりくりの方がまだいいという気持ちでこれをやったことは事実であります。俗を言葉で言えばそういうことなんです。これを単純な借金にするよりまだいい。つまり、おのおのの仕組みの中ではそれぞれの歯どめがございますから、その歯どめはきちっと守っていかなければならない、最後の堤防というのはしっかり残っておるわけであります。  これをどうやってやるか、これも抽象論で大変恐縮でございますが、今後の経済を一定の軌道に乗せるということが基本だと思いますけれども、その上に立ってあらゆる努力をするということに尽きていると思います。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 自由民主党の政権下にありましては、先生方も枢要な部分で対応された方々が大勢いらっしゃるんですけれども、平成七年度には歳出に対する国債発行の割合を五%以下に徐々に減らしてまいりましょう、こういう努力がありました。  財政制度審議会に諮って、政府は目標年次を平成十一年度に先送りすることを決められたようですが、十一年度に先送りすれば五%以下になりますか。

藤井裕久改新大蔵大臣

○国務大臣(藤井裕久君) この累積は、昭和四十年度の補正で戦後初めて国債発行をし、昭和五十年度補正でいわゆる赤字国債を発行した、その累積であるとは思います。  そして、五%の目標を掲げだということは、五%になると先ほど申し上げた一番基本である累増体質が直るという意味で五%を目標にしたわけです。したがって、現実に過去の五%目標も残念ながら達成できませんでした。平成三年度に実績で九・五%ぐらいまでいったと思いますが、達成できませんでした。  しかし、私どもはこの累増体質を是正するという先ほど申し上げた基本に戻れば、この五%の基準を最大限の努力目標にしなければいけない、こういう気持ちであるということを御理解いただきたいと思います。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 財政を立て直していくには、ただいま大蔵大臣がお答えになられたいろいろな考え方もあると思いますけれども、法律なり国会決議なりで、例えば毎年度の歳出にきっちりした枠を設けて、歳入が不足する場合には歳出をさらに削減しなければならないというように、強制力のある財政計画を策定すべきではないか、こう考えるのでありますが、いかがですか。

藤井裕久改新大蔵大臣

○国務大臣(藤井裕久君) 一つの御意見であると思います。昭和五十年ごろから実は前政権時代にも当時の野党から非常に強くそれも言われました。そして、当時の政権も非常にそれを勉強されました。しかしながら、現実に財政計画というものは無理であるという結論に達しました。自由経済において、計画経済でないわけでありますから、限界があるという意味において財政の見通しという形で処理をされたわけでありますが、私どもも同じ考えに立っているということをどうか御理解いただきたいと思います。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 次に、地方財政との関係についてお伺いをいたしたいと思います。  過去の経緯、歴史が無視されて、公共事業の配分比率の変更というのが行われました。これは地方に対してどのような影響を及ぼしていますか、自治大臣。

石井一改新自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(石井一君) 公共事業の配分というものが例年ほとんど変化がない、そういうことに対する予算の硬直化という問題が批判をされたこともございます。  別にそれを意図したわけではございませんけれども、本年の予算編成におきましては、住宅、下水道、廃棄物処理等の国民生活の質の向上というところに重点を置き、多少減額されたと言われております港湾でありますとかあるいは漁港等々、いわゆる産業基盤整備のこれらの事業についてはやや抑制ぎみの配分をした、こういうことから本年の処理をしたわけでございます。私は、これは常に住民のニーズというふうなものを考えて、地方公共団体の意向も踏まえて適切な配分を行ったというふうに考えておりまして、国民の生活の質の向上、地域の政策課題への的確な対応を進めた、こう認識いたしております。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 この考え方は、大都市あるいは首都圏近郊の自治体では、住宅対策であるとか通勤手段の整備、例えば私の地元に関係のある問題では常磐新線であるとか地下鉄十一号線とかそういった事業が優先的な課題になるでありましょうから、大都市圏の問題としては非常に歓迎をされるかもしれません。しかし、地方の生の声を聞きますと、村おこし、町おこしのために港湾や漁港の整備が必要だったという話もたくさん聞かされております。  これは裏を返しますと、これらの港湾、漁港の予算を抑制するというのは中央集権的なやり方ではないか、こういう批判もあるわけでありまして、また一方では地方分権、地方自治の尊重、こういったことも考えていないのではないか、こういう指摘も実はあるわけであります。中央の政府が統一的にこの事業を伸ばすとかこの事業は抑制するとか決めるのはそもそも間違いではないか、こういうふうに思うのですが、いかがですか。

藤井裕久改新大蔵大臣

○国務大臣(藤井裕久君) 二つの問題の御指摘があると思います。  一つは、なるたけこういうものは地方に任せるべきではないかと。これは地方分権の物の考え方であり、総理が中心になられまして行政改革推進本部の一つの部会として年内に大綱をつくり地方分権基本法をつくる、そういう方向で御検討になっていただいております。  また、前者についてでありますが、これは誤解がないようにもう一回申し上げますが、公共投資で余り役に立たないものはないというまず前提があります。しかし、今までの実行状況から見て、よりおくれているものと比較的進んでいるものがある。これは現状だと思います。特におくれているのは生活環境の整備である、こういう認識のもとに今回の予算は作成させていただいております。  したがいまして、都市と地方という考えは全くありません。何よりも第一に、一六%伸ばしたのが一番伸びておりますが、これは農村集落の排水でございます。そのほか一〇%台伸ばしているのは上水道、廃棄物処理でございますし、さらにおっしゃるように都市・幹線鉄道というのは八・五%ほど伸ばしておりますが、同時に今の下水とか上水というもの、廃棄物というものは都市、地方の問題には関係ないということもひとつ御理解をいただきたいと思います。

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 倉田君の残余の質疑は午後に譲ることといたします。  午後一時に再開することとし、暫時休憩いたします。    午前十一時五十二分休憩      —————・—————    午後一時一分開会

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) ただいまから予算委員会を再開いたします。  平成六年度一般会計予算、平成六年度特別会計予算、平成六年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、休憩前に引き続き、倉田寛之君の質疑を行います。倉田君。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 公共事業の配分の問題を午前の最後にお尋ねをいたしておきましたが、それと似た例として、六年度予算では私学助成を大幅に削減しています。  補助金の一般財源化、助成措置の削減、不況による税収減少の中で行われたために交付税の不交付団体から交付団体へ転換を余儀なくされた自治体は数多くあります。この点についていかがとらえていらっしゃいますか。

石井一改新自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(石井一君) 平成六年度の保健所運営費交付金、市町村保健活動費交付金等の一般財源化が行われております。  これは、御承知のとおり臨調の答申等もございましたように、当該事業費が既に地方に同化し宗着しておる、こういうふうなものに関しては国庸の補助負担金によらず地方財源で対処する方が地方の自主的な自律的な行政を高め、そうして簡去化、効率化にも資する、こういう観点から行っておるものでございまして、地方財源については地方財政計画等所要の額を計上し、そのことによって地方財政を圧迫する、支障が起こるというふうなことはないという措置をいたしておりますので、御理解いただけると思っております。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 衆議院において我が党は、政府闘係機関予算についての編成替えの動議を出しました。とりわけ私学助成費の追加を求めたわけで右りますが、この点について今後変更して対応する考え方はありますか。

藤井裕久改新大蔵大臣

○国務大臣(藤井裕久君) 午前中に御質疑がございましたように、今財政事情が非常に苦しい中で、歳出を見直すという一環としてこれをさせていただき、その論拠はただいま自治大臣がお答えになったとおりであります。  平成七年度のお話がございましたが、現在六年度予算を御審議賜っておるところでございますので七年度のことに言及することは差し控えたいと思いますが、今お話しのように、自由民主党から修正の提案の中にあったという事実はよく承っておりますし、七年度は七年度としていろいろ考えてまいることだと思っております。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 補助金を交付税に切りかえていこうとする。一般財源化といえば非常に聞こえのいい話であります。しかし、交付税率は三二%のままでありますから、補助金の交付税化を進めようというのは明らかにごまかしてはないか、こう指摘をされても仕方がないことであります。  補助金は削減をする、交付税はそのまま、国から地方への配分割合は減少する、そういうことではありませんか、自治大臣。

石井一改新自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(石井一君) 確かに御指摘の点も理解できるのでありますが、交付税率を変えるということは大変大きなロットの、税制構造、財政構造すべてを変えるということでございまして、今現在御指摘になっております金額というのは、そう申し上げるとどうかと思いますが、数百億、数千億ロットの状況のものだと思います。そういうふうなことをも、率直に申しましてここにプロがたくさんおられますから申し上げるのにいささか恐縮しつつ申し上げておるわけでございますが、そういう根本的な構造の変化というよりも一般財源化という言葉を言っておりますが、要は地方が困らないように、そのことによって欠損が起こらないように、こういう配慮をしていくべきだと思います。  私学の助成につきましても、自民党から非常に貴重な御提案がございましたので、私も昨日それをよく調べてまいりました。確かに国費におきましては二五%カットしておる。これは大変なことでございますが、その反面、地方の交付税の方から一三・数%の伸びを示しておりまして、結果的にはその総計におきまして私学が困ることがないよう、私学の位置というものは十分地方で確固たる地位も占めておりますし、そういう問題が起こらないという素地ができておる、そういう裏づけがあるということを確認した次第でございます。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 ただいまの大臣の御答弁はいささか納得しかねるのでありますが、この後、片山議員からそれぞれの分野で質問もあろうと思いますから、それにゆだねることにいたします。  地方財政で問題になりますのが地方の自主税源の問題であります。  地方の自主税源の充実というのは地方分権という意味からも非常に大事なことでありますが、政府の税制調査会の地方税源問題作業部会が五月二十七日に提出した報告書は、地方消費税について賛否両論併記となっております。政府税調がどのような結論を出すか大いに注目をされているところでありますが、政府として、地方の自主税源と地方消費税との関連について、自治大臣、大蔵大臣に御答弁いただきたい。

石井一改新自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(石井一君) 政府の税調におきまして真剣な議論がなされまして、今、最終の段階と申しますか、非常に重要な段階に入っておるわけでございます。ただ、そのときに一致した意見として論じられておりますのは、やはり地方分権のこの時代に自主的な独立の財源を地方に与えるべきである、このことにつきましては認識を一つにしておるところでございます。  また、地方税は御承知のとおり直接税に偏った構造となっておりまして、特に法人事業税は非常に不安定な税制構造になっておる。それに比べて、高齢化の時代でありますとかあるいはまた財政需要が大きくなっておるというふうなことから、どうしてもさらに地方の税体系、税源を安定的に確立することが重要だということについては認識を一にしておるわけでございます。  ただ、その後、その必要性は認めるけれども、しかしながらその中身をどうするか、国税の中で新しい地方税の創設というものが別の角度から問題があるのではないか、その点の議論を尽くした後に、必要性は認めるので最後は政策的な判断を願いたい、こういうようなところへ来ておるわけでございますから、私は税制の抜本改革が行われる場合には、地方分権というときに、国の消費税を見直すのにあわせて地方の独立税としての地方消費税の導入ということをこの際ぜひとも考えていただきたい、そういう期待を持っておるわけでございます。

藤井裕久改新大蔵大臣

○国務大臣(藤井裕久君) 今、消費税に関連してのお話でございましたが、現在の消費税は御承知のとおり約四割が地方に回っております。交付税あるいは譲与税というのが独立財源か否かといえば、これは独立財源ではないけれども自主財源であるというふうになっておりますので、私は、どういう形がいいかは別としまして、やはり先ほど自治大臣も言われましたように、特に福祉という面においては地方が主たる役割を果たすわけでありますから、それなりのことは必要であると考えております。  具体的に地方消費税ということになりますと、自治大臣が今言われたようにいろいろ議論があるわけで、ここで技術論までいたす気はありませんけれども、国税の場合は、いただいたところと利益を受けるところというのはどうこうなっても余り問題はないのかもしれませんが、地方税でありますと、いただいたところと受益する場所というのが余りに違うのはどうかと。その偏在を是正しようとすると、地方団体の独自の判断で調整をしなければならないとか、いろいろ問題があるようでございます。また、今は譲与税は市町村と都道府県にお分けしておるわけでありますが、どうも今の案では都道府県一本になっているとか、いろいろ技術問題がまずあるということも一つ申し上げておきたいと思います。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 自治大臣に再度お尋ねしておきますが、地方の自主税源の充実強化のためには政策判断をしっかりする、同時に、ワーキンググループの両論併記の報告書もあるわけですから、その上に立って政府が政治決断をする、そういう御答弁であったと理解してよろしゅうございますか。

石井一改新自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(石井一君) 私はそういう意欲で臨みたいと思っております。  ただ、政府税調という権威ある皆様方が今真剣に議論をされておりますときに、この場でこうだああだと言うことも多少差し出がましいというふうなことにもなりましょう。しかし、地方の時代と言われておるからには、仕事だけをふやしたり、あるいはそれに対するいろいろなことをおっしゃっていただきましても、それを裏づけるものがなければできないというふうなことでございます。大蔵大臣の言われますように、技術的な問題がありましょう。しかしながら、それを政府が一体となって解決することによって地方にさらに光が当たる、そういう方式を行政の面からだけでなく税制、財政の面からもこの際出していくべきだと、そう認識しております。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 高齢社会福祉ビジョン懇談会が二十一世紀福祉ビジョンを発表いたしました。よく読んでみますと、高齢化社会が活力のない社会になるという見方がある一方、多様・高度な社会となるという見方もあるとか、高福祉高負担型、中福祉中負担型、それとも低福祉低負担型、重要な課題になるが、我が国としては適正給付適正負担という独自の福祉社会の実現を目指すと述べています。  独自の福祉社会とはどのような社会なのか、また適正給付適正負担、この具体的な水準はどうなのか、この点についてお答えいただきたいと存じます。

大内啓伍改新厚生大臣

○国務大臣(大内啓伍君) 二十一世紀福祉ビジョン、つまり三月二十八日に報告をいただいたものについてのお尋ねでございますが、私ども目指しますこれからの福祉社会像といたしましては、スウェーデン等の北欧型のいわゆる公的保障を中心とした高福祉高負担、スウェーデンの場合は御案内のとおり国民負担率が約七六%にまで達する、こういう事態でございますが、そういうものでもなく、またアメリカのように自助努力を中心にいたしました低福祉低負担、こういうものではなくて、我が国として積み上げてまいりました実情に即しまして適正給付適正負担という独自の福祉社会というものを実現することを目指しているわけでございます。  お尋ねの、しからば適正とは何か。これは最終的には国民の皆様の評価と判断をいただく問題にかかわるのでございますが、私どもなりに考えておりますのは、国民の必需的な給付といいますか、そういうものを満たすものが適正なものであろう。例えば最小限の自衛措置といいましてもアメリカのそれと日本のそれとは考え方が違うわけでございますが、少なくとも国民の必需的なニーズというものを満たす給付というものがまず適正であろう。  それから、適正負担とは何かといえば、国民の皆様の家計といいますか、その家計の面でたえ得る負担でなければならない。家計を圧迫し破壊するような負担であっては、これは適正な負担ではない。別の言い方をいたしますと、サービスを必要とする方々に対して、多過きもしない不足もしない、過不足のないサービスをできるだけ過重な負担にならないような形で実現していく。これが日本が社会保障の構築に当たりまして積み上げてきた方向でございますし、外国ではドイツの場合がそういう例でございますが、そういう方向を目指しているわけでございます。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 国民の皆様が一番気にかけておるのが国民所得に対する税金、社会保険料の割合、つまり国民負担率はどうなるかという問題であります。  二十一世紀福祉ビジョンの中で最も現実的と言われているケースでも国民負担率は五〇%前後になる。八百万円程度の所得の人で試算をすると、三百万から四百万にも達する。そういう実態を見てどうお感じになりますか。

大内啓伍改新厚生大臣

○国務大臣(大内啓伍君) 先生御案内のように、平成六年の推定といたしましては日本の国民負担率は三七・五%でございまして、特にヨーロッパ諸国に比べては相当低い水準にある。先ほどスウェーデンの例を申し上げましたが、フランスの場合は大体六二%ぐらい、あるいはドイツ、イギリスの場合はそれぞれ五〇%台というところから比べますと、比較的低い水準にあるわけでございます。  これから租税負担と社会保険料の負担というものをどういう割合で考えていったらいいか。これはなかなか議論の難しいところでございますが、私どもといたしましては、制度に対する貢献が給付に反映されるという点におきましては、受益と負担の関係が最も明確である社会保険料負担を中心とする枠組みを基本的に維持していくということが必要だと考えておりまして、そして、全体の国民負担率という面での将来像といたしましては、福祉ビジョンの四つのケースの中では五〇%前後の試算をお出ししているわけでございますが、行革審あるいはその前の第二臨調といったような方針を尊重するということになれば、できるだけこれを五〇%以内にとどめるという目標で対応してまいりたいと考えております。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 いずれにしても、試算の仮定においては、収入の半分近くが税金や保険料に食われてしまう、年金支給開始年齢前に死んだらゼロになる。これでは国民の皆さんも一生懸命に働いていこう、こういう気持ちを失ってしまいます。この点について、総理、どうお感じになりますか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 今、厚生大臣がお答えを申し上げたとおりでありまして、私どもといたしましては、国民の負担というものが大きくなって過度になってはいかぬということ、そういう中で今目標としては何とかこの五〇%以内ということで、適正なサービスといいますか給付、そして適正な負担というものは私どもはやっぱり確立していく必要があろうというふうに考えます。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 いずれにしても、適正給付適正負担の適正とは何ぞやということを明確にお答えいただく時期があろうと思います。  ところで、来年度以降の減税の継続については、予算審議の前に我が党の要求によって既に法律までつくって七年度以降の減税を決めております。しかし、G7における大蔵大臣の発言、日米蔵相会談における発言、さらには羽田総理の記者団へ対する発言の中で、減税継続の方向は皆考えていることだと申し上げたとの発言もありますが、まだやるという明確なお答えがないわけであります。これについてお答えをいただきたい。

藤井裕久改新大蔵大臣

○国務大臣(藤井裕久君) まず、昨年の八月から私はG7に三回参りましたが、そのとき一部の報道で同規模の減税あるいは先行期間等に触れたかの報道がございましたが、この際はっきり申し上げておきますが、一切そういうことは会議の場で申しておりません。  ただ、我が国政府としては、特に最後の四月のG7でありますが、特別減税法成立に当たりまして全会派一致して平成七年度以降の所得税減税をやる、基本的税制改正の中でやるという法律修正をしていただいた、そのことを事実として表明してまいりました。直接のお答えになっているかどうかわかりませんが、そういうことをこの三月二十九日の政府の対外経済改革要綱にも明記してあるところであります。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 大蔵省が試算をした中身を見ておりますと、かなり問題があります。  減税規模六兆二千億円としています。所得税・住民税減税五兆五千億円であるのにどうして六兆二千億円の減税になるんだろうか。相続税減税や法人特別税の廃止を含めながら、公益法人の課税強化や酒税の増税を除いているのはいかがなものなのか。  減税先行に伴う公債の償還財源を一兆八千億円と置いているが、償還終了後のことが全く述べられていない。償還後は政府の実質増税、取り得になるんじゃありませんか。

藤井裕久改新大蔵大臣

○国務大臣(藤井裕久君) まず、六兆二千億の減税というのは今御指摘のとおりでございます。本年度六兆円減税をいたしましたが、平年度ベースになると六兆二千億という意味でございますが、御指摘のように相続税及び自動車の消費税の減税も入っております。それを素直に出しているというのは事実でございます。これについては、私どもとしてはやはり機械計算としてそういうことを前提に置いてお出ししてございますので、御議論をいただければそれは御議論として素直に承りたいと考えております。  一兆八千億というのは、三年先行という前提でありますから十八兆円で、それの十年ということになっているわけでありますが、御指摘の点なども御議論いただくべく素材として機械計算をしたということを御理解いただきたいと思います。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 この試算を拝見していますと、非常にわかりにくいのでありますが、二〇〇〇年の数字をわざわざ九四年の数字に置きかえることによって自然増収を除いた数字にしている。  これは実態をゆがめておるんじゃありませんか。

藤井裕久改新大蔵大臣

○国務大臣(藤井裕久君) 二〇〇〇年の数字を一九九四年に圧縮したのは、むしろおわかりになりやすいという気持ちでやらせていただいたもので、他意はありません。また同時に、自然増収につきましても全部入れてございまして、これらもあわせて御論議の対象だと考えております。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 総理に伺います。  六月の段階で抜本税制改革について成案を出すと言われておりますが、そのとおりでよろしゅうございますか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) その方向を出すということで、今協議を進めていただいております。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 それは政治的公約と受けとめてよろしゅうございますか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 政治的公約といいますか、政党が今その問題について国会での御決議というものも踏まえながら議論をしていただいておる。これは、国会で修正もいただいたということも踏まえながらやっていただいておるということであります。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 成案をまとめる前に国民世論を集約するということは、いかがなさいますか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) いろんな角度で皆様の御意見を承るということはやっていくことになろうというふうに思っております。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 六月中に政府として一つの成案をお出しになる、こう理解をしておいてよろしゅうございますか。再度お伺いをいたします。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) これは、まさに党の方からそういったものをちょうだいしながら、私どもとしてはことしのうちにいわゆる法律にして御審議いただき、その成果を得るということであります。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 次に、土地税制に関連してお伺いをいたしたいと思います。  景気の回復には土地の流動化、これは政策的に大変必要なことだろうと思うのでありますが、この点について、大蔵大臣、いかがお受けとめになりますか。

藤井裕久改新大蔵大臣

○国務大臣(藤井裕久君) 土地の流動化は極めて経済政策として重要なことだと思っております。ただし、これが土地の値上がりにつながるようなことは厳に警戒していかなければならない。そういう方向で政策選択をしているつもりでございます。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 現実には、土地の流動化がなかなか進まないことによって、中小企業、一零細企業、それぞれの小規模企業のリストラが進行しない一因にもなっていることは事実であります。したがって私は、土地譲渡に対する税率というものを時限的にもとの二六%に戻して、土地の流動化を図って経済の活性化を図るということに視点を置けないものかという考え方を持っていますが、この点はいかがですか。

藤井裕久改新大蔵大臣

○国務大臣(藤井裕久君) 既に国会において御審議を賜りました各種減税に対する法律を成立させていただき、まことにありがたく思っております。その物の考え方は、今申し上げた政策の方向で、平成元年の土地基本法に基づく税制改正は、やはりああいう異常な姿を前提にしたのではなく、ああいう異常な経験を見詰めながら、一つのあるべき税制としてやったものだと考えております。  同時に、今お話しのような、土地の流動化が非常に大事だということから、例えば優良な事務所等を含めた建設あるいはリストラのための国土政策に合致した移転等々については特別の税制措置を行っており、これは二六でなく二〇%というような形の税制措置を講じていることは御理解をいただきたいと思いますが、全体として三九%をもとに戻すということは、過般の資産インフレにおける際の土地の異常な値上がり、それに伴う多くの方々が非常な犠牲を受けられたということに対する反省の上に立っておりますので、この点は三九%の基本税率はお許しをいただきたいと思います。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 最近の経済の景気動向について、経企庁長官、どういうふうにとらえておられますか。

寺澤芳男経済企画庁長官

○国務大臣(寺澤芳男君) お答えします。  最近の景気状況なんですが、設備投資がやはり減り続けております。それから、企業の収益も減り続けております。円高がまたこれに追い打ちをかけている。雇用面におきましても非常に厳しい状況にあります。  ただ、明るい面も最近あらわれてまいりまして、まず個人消費の一部に明るい動きが出てきたこと、あるいは産業面におきましても在庫調整が若干進んできたこと、あるいは生産そのものも今までの停滞から一進一退ということになってまいりましたので、総じて景気はまだ低迷しているけれども一部に明るい動きが見られるというふうに認識しております。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 経企庁長官の認識というのはいささか甘いのではないか。私は、今日まで三十七カ月という戦後最長記録を更新したという現下の経済状況はもっと厳しく受けとめておく必要があろうと。  例えば、民間の設備投資の立ちおくれをカバーすべき公共投資も、予算がおくれたということによりまして、十五カ月予算と喧伝はしておるものの、内実は長期の暫定、暫定補正の細切れ予算であります。  適期着工が困難になったり、事業の契約執行に支障が生じたりしておりますが、建設大臣、実態を御承知ですか。

森本晃司公明党建設大臣

○国務大臣(森本晃司君) お答えさせていただきます。  予算の成立のおくれによっていろいろと公共工事等がおくれていることの実態はどうかということでございますが、本年度の予算はおくれているものの、補正後の暫定予算として本年予算の三分の七程度に当たる規模の公共事業費を組んでいることから、十分に対応できるものと考えております。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 もう一度答えてください。何かパーセンテージがちょっと違っているようです。

森本晃司公明党建設大臣

○国務大臣(森本晃司君) 失礼いたしました。七分の三でございます。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 この予算の成立のおくれによって影響を受けているのは景気だけではありません。例えば国民生活、福祉面でも大きな痛手がありまして、五万五千人も入所待ちとなっている特別養護老人ホーム等のベッド増が宙に浮いている、こういう実態があります。所管大臣は御存じですね。

大内啓伍改新厚生大臣

○国務大臣(大内啓伍君) 今年度の予算のおくれによりましてそういう事態が現実に起こっていることは、御指摘のとおりでございます。  今年度新たに整備される特別養護老人ホームにつきましては、現段階では確かに申し上げたように未着工でございますが、六月中にこの予算が仮に上がるということなりますれば、七−八月にかけましてこれは着工ができることになりますので、その後の執行については大きな問題は生じないと考えております。  また、昨年度からの継続事業につきましては、既に暫定予算で処理をしているという状況でございます。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 予算のおくれというものがかように弱者にも影響しているという実態があること奈私どもは承知をしなければなりません。  ところで、バブルの崩壊後、総資産の下落というのはどのぐらいになりましたか。土地、株の林野で結構でございます。大蔵大臣あるいは大蔵省事務当局で結構でございます。

藤井裕久改新大蔵大臣

○国務大臣(藤井裕久君) 株は平成四年の夏に島下値をっけたと思いますが、そのときはバブル期のものは全部はがれたというふうに見ていいと思います。土地はそこまで落ちてはおりませんけれども、相当部分が下落したと思っております。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 私の方から申し上げますが、総答産の下落というのは九二年末で、土地、株で四百十一兆円と言われているんです。これは関東大震災の約二倍の評価損という見方もあるわけであいまして、不良債権は数十兆円に上るとも言われる、  体力のない信用機関の償却というのは何年かかるかめどが立っていない、こういうことを御存ドですね。

藤井裕久改新大蔵大臣

○国務大臣(藤井裕久君) 金融機関の不良資産問題については、個々の金融機関にはいろいろあるというのは倉田委員御指摘のとおりだと思います。  ただ、都市銀行を中心とするいわゆる二十一行ベースでは、平成五年度決算、六年三月になりますが、昨年の九月期に比べましてこの不良資産は漸減しております。つまり十三兆八千あったものが十三兆六千になっております。かつ、債権償判特別金というものの積み増しも行われておりまして、特に平成六年三月におけるこの二十一行は、前年度に比べて一五〇%増しの自分の力による償却をいたしております。  もちろん、今御指摘の中のいろいろなものの中には、いろんな銀行というか金融機関があるということは承知をいたしております。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 ミクロの身近な家計の状況を見ましても、この影響はすさまじく受けているわけであります。サラリーマンの昨年の賃金は十三年ぶりに実質減少となったと聞いております。例えば教育費等、中学生のいる世帯で三万円以上、生活防衛に四苦八苦しているというのが実情であります。  個人消費が果たして景気の牽引役として期待できるのかどうか。経済企画庁長官、この問題についてどの程度御承知ですか。

寺澤芳男経済企画庁長官

○国務大臣(寺澤芳男君) 個人消費が景気回復、浮揚のための非常に大きなかぎを握っているということはよく承知しております。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 このような消費者の状況を考えていきますと、単年度の戻し税的な減税一世帯平均十万円ぐらいでは、ローンの返済や生活防衛のための貯蓄に回っておしまいになります。年金掛金、公共料金の値上げなどでかなり相殺されるのではないか。公共料金の値上げは年内凍結をしましたが、その理由を国民の皆様に御説明をまだいただいていないので、この点も御説明をしっかりしていただかなければならないと思います。  経済の見通しが二・四%、減税による成長押し上げ分は一体何%に見ているのか、経企庁長官。

寺澤芳男経済企画庁長官

○国務大臣(寺澤芳男君) 本年度の成長率、これは二・四%と企画庁は推測いたしております。  委員今御質問の減税、特に十五兆円の総合経済対策、これからくるGNPの効果というのは減税も入れまして二・二%程度と考えております。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 どうも経企庁長官は実態を厳しく受けとめていないようですね。もう少し現実の状況をしっかりお調べいただいて認識していただきたい、かように思います。  円高が進んだり、大企業からの下請の激減、単価の大幅な引き下げなどなど、中小企業は高金利時代に借り入れた負債の重荷にあえいで、銀行の貸し渋りに大変不安を覚えているようであります。中小企業対策として何らかの時限立法的な施策は考えておありですか。

畑英次郎改新通商産業大臣

○国務大臣(畑英次郎君) 私は、先ほど来の先生御指摘のとおり、この不況下にございまして、とりわけ中小企業、零細企業、私ども政治家という立場にございましたなら、もう肌で感ずる、そしてまたいろいろ数字で出ておりますような、いわゆる数字を上回る厳しさが現場の声である、こういうように受けとめさせていただいているわけでございます。  そういう中にございまして、御案内のとおり、例えば返済資金緊急特別貸付制度、これをただいま展開中であるわけでございますし、あるいはまた新しい分野に中小企業の進出を助けるベンチャービジネスに対する支援の強化、こういったことを今回の予算案の中にも計上させていただいておるような次第でございます。あるいはまた、政府系中小企業金融機関に対する増資、出資の増大、こういったことを積極果敢に予算の成立を待って展開をしてまいりたい。事極めて厳しい実態にあるという事実に立って取り組みを進めてまいりたいなと考えております。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 ここに、財団法人中小企業経営者災害補償事業団が全国の中小企業に対してアンケートをとりました、その結果、中小零細小規模企業がいかに現下の経済不況下であえいでいるかというデータがあります。時間の関係で一々申し上げませんが、今や我が国の経済社会の中でさまざまな産業分野が内部から崩壊をし始めている。その影響を受けて、中小企業、零細企業は大変な苦渋をなめながら自主自立の道を歩んでいる。  そういう観点に立って、私は、これは本院の問題でありますが、中小企業対策特別委員会などを本院の議運の理事会等で御協議いただいて設置をすべきではないか、こう実は思っているわけでありますが、その考えについて通産大臣の御所見があれば承りたいと思います。

畑英次郎改新通商産業大臣

○国務大臣(畑英次郎君) ただいま御提案のございました問題は、各議院における論議の中から決められるべきケースのものである、かように受けとめさせていただくわけでございますが、そういった問題が出るほど車ほど厳しい、さような意味合いで真剣な取り組みを引き続きやってまいりたい、かように考えております。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 年金支給年限六十五歳という考え方に立ちますと、雇用の問題が非常に大切であります。労働大臣、雇用情勢をどうとらえておられますか。

鳩山邦夫改新労働大臣

○国務大臣(鳩山邦夫君) 雇用情勢は御指摘のように大変厳しいものがございますし、有効求人倍率〇・六五というときもありましたが、現在は〇・六六と言われておりますし、失業率も二・九までいって、今は二・八でございますが、いずれにいたしましても、景気と雇用の関係を考えますと、景気の方が先を行って雇用の方が後から行くわけですから、今直ちに景気が調子がよくなっていっても雇用の状況がよくなるまではしばらく時間がかかるということを考えますと、来年卒業の学生の皆さん等の就職問題は大問題だと考えております。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 労働大臣、この不況の中で我が国の終身雇用制というのは崩れつつありますね。中高年層の整理、首切りが始まっています。  先日発表された中期雇用ビジョンにおいて、終身か流動化か両論併記的で方向性が明確でありません。二〇〇〇年では労働過剰の心配があると記されておりますが、具体的にどう中期雇用ビジョンを受けとめておられますか。

鳩山邦夫改新労働大臣

○国務大臣(鳩山邦夫君) 中期雇用ビジョンは雇用政策研究会に御研究をいただいた結果でございますが、私は、労使双方ともに、日本型の雇用慣行というんでしょうか、昔は終身雇用、あるいは最近では長期安定雇用というような呼び方もいたしますが、一つの会社に長く勤めるというそうした雇用慣行は労使ともにメリットが多いと、大体アンケートをとりましても七割方の方がプラスの方が大きいと答えておられますし、実際これが日本の経済の力強さの一つであったと思います。  ただ、二〇〇〇年に向かってあるいはその先へ向かってどうしても日本の産業構造も変化いたしてまいりますから、新たに雇用の需要の生まれるところと雇用が減っていくところがある。その辺が失業が起きないような形で労働力の移動ができるようにするのが労働行政の腕の見せどころということになろうかと思っております。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 社会保障の年金六十五歳支給年限とのかかわり合いの中で、ただいまの御答弁は自信を持った答弁と受けとめてよろしゅうございますね。

鳩山邦夫改新労働大臣

○国務大臣(鳩山邦夫君) いや、それは大変厳しい問題がいっぱい含まれているわけです。ただ、景気がよくなったら雇用情勢がよくなって景気が悪くなったら人が余ってくると当たり前のことが起きているのでは人々の生活が安定をしないわけで、あるいは経済構造ががらっと変わったらもう職能開発もできないで失業者があふれちゃって、別の仕事に移ろうと思っても仕事がなれていないからうまくいかないというようなことであったならば、労働行政は何のために存在をしておるかということでありますから、精いっぱい努力をしてまいります。  とにかく、私の目の前には村上正邦先生という国会随一の労働行政のエキスパートがおられますから、どうぞ倉田先生もよく御相談されて、また私どもにアドバイスをいただければありがたいと存じます。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 労働大臣から、来春の新規採用は極めて厳しい雇用情勢にある、こういうお話がございました。これについて、文部大臣、何かお考えがあればお聞かせいただきたい。

赤松良子文部大臣

○国務大臣(赤松良子君) 本年の就業状況も大変厳しいわけでございましたが、来年は、先ほども労働大臣がおっしゃいましたように、多少景気が上向くとしてもすぐに雇用が上昇するというわけではございませんでしょうから、なお厳しさが続くものというふうに予想いたしております。  その中で特に女性の場合に厳しさがあるという認識もいたしているわけでございまして、一般的に、厳しいのも困るわけでございますが、その中で特に女性に差別があって状況が悪いということも非常に憂慮されることでございます。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 政府が昨年創設した技能実習制度、いわゆる外国人労働者の受け入れをする機関であります。この実体は円滑に機能していますか。あるいはまた手続的に、私も拝見しましたが、厚さにして十センチぐらいの書類を提出しなきゃならぬという大変複雑煩雑な面もあるようであります。しかし、これは一方では、入国している外国人がどこに住んでいるかという捕捉の問題、治安の問題などがあるということは承知をした上でお尋ねします。

中井洽改新法務大臣

○国務大臣(中井洽君) お答えをいたします。  先生ただいま御指摘いただきましたように、本来一年間で一万人ぐらいの外国人の技能者を受け入れて研修をしていただく、こういう予定で始めたわけでありますが、一年たちました現在、約千百人という状況でございます。これは、日本国内の不景気ということもありますが、おっしゃっていただきました手続の煩雑さによるものもかなりある、このように考えまして、この五月三十一日、幾つかの点で書類の簡素化あるいはスピードアップのために手続の変更、こういったことを決定させていただきました。  これからもなお御指導を賜りながら、十分御活用いただける制度であるように、私どもは鋭意改めるところは改めていきたい、このように考えております。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 実体が機能するように対応をしていただきたい、こういうふうに存じます。  行政改革の面で一、二お尋ねをいたしておきたいと思います。  各省庁の仕事分担が実態に合わなくなってきた。総理も各項目別に政府におけるリストラを行おうという考え方を持っておるようでありますが、さきの細川内閣の際に、税制改革、行財政改革の一環として省庁、特殊法人の統廃合にも取り組むという構想が打ち出されて、厚生省と労働省の統合、国土、北海道開発、沖縄開発の三庁合併を検討するという発言がありましたが、羽田内閣もこの考えは継承しているのですか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) まさに民間もリストラをやっております。私ども国も本当の意味でのリストラをしていかなければいけないだろうというふうに考えます。その意味で、今どこの省とこの省ということはございませんけれども、しかし、私どもはそういった省庁の統合ということまでも念頭に置きながら本当の意味での行政改革を進めなければいけない、かように考えております。当然、特殊法人もそうであります。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 公務員及び関係機関の職員の数、総労働人口に占める公務員、準公務員の割合を、もしわかればこの際お聞かせいただきたい。

八木俊道総務庁行政管理局長

○政府委員(八木俊道君) まず、日本の各省庁の公務員数でございます。平成六年三月三十一日現在の定員百十三万五千四十六人でございます。これは自衛官を含む数でございます。  特殊法人の数を申し上げます。同じく平成六年一月一日現在でございますが、JR、JT、NTT、あるいは道路、住都公団等でございますが、五十六万九千二百三人でございます。  これを人口当たりに引き直しますと、各省庁の職員数、これは自衛官を含みまして人口千人当たり九・一人、特殊法人の職員数は人口千人当たり四・六人でございます。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 次に、在外投票制度の創設の問題について一点お伺いをいたします。  先月の二十三日の衆議院予算委員会において我が党の衛藤征士郎代議士より質問が提示されたところであります。  現在、聞くところによれば在外邦人七十万と聞いておりますが、おおむねその数字は誤りありませんか。

佐野徹治自治省行政局選挙部長

○政府委員(佐野徹治君) 平成四年の数字でございますが、長期の滞在者が四十二万五千人余りでございます。永住者が二十五万四千人余りでございます。これらを合計いたしますと、六十七万九千人余りということになります。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 私は、政府において在外邦人の投票制度の創設というものを国際化時代を迎えた今日において提案をしてよろしいのではないかと。現在、サミット諸国について見ますと、在外での投票を認めていないのは日本とイタリアだ、こういうふうに承っております。総理、この点についていかがお考えですか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 今お話がありましたように、イタリアもこの制度を取り入れたらどうだろうということでもう既に討議が始まっておるということであります。いずれにしましても、遠く離れて国を見るというこの人たちの立場、このことを私どもが大事にしていかなければいけないだろうというふうに思います。  ただ、投票方式だとか、あるいはそれがきちんと、例えば在外公館で投票するとかあるいは郵便でやるとか、いろんな議論がありまして難しいということがあります。しかし私は、各国がもうどんどん進めてやっているときに、行政では私は日本というのはやっぱり最も進んでいる国だというふうに確信しておりますので、これはやる意思さえあればできるだろうということで、私はいつまでもただ検討だけで進めているのはよくないということを申しております。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 これはぜひ早急に意見を取りまとめられまして、また議員立法でするという手法もありますが、政府としてもその対応をおまとめになるように御要望申し上げておきます。  次に、今国会で戸籍法の改正が提案をされていますが、この点についてお伺いをいたしておきたいことが一、二あります。  法務大臣、姓名に対する認識、これをまずお伺いいたします。

中井洽改新法務大臣

○国務大臣(中井洽君) 姓名は社会生活において個人を特定する呼称であり、姓については親から子へと代々受け継がれる家の歴史である、このように認識をいたしております。名前については、親が子供の健全な成長そして幸せをこいねがって名づけるものでありまして、姓名ともに、その人にとっても親にとっても、またその人とかかわりのある者にとっても、極めて重要な意味を持ちまた愛着のあるものである、このように認識をいたしております。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 ただいまの法務大臣の御答弁は、姓名というものは全人格的なもの、こういうふうに御答弁をいただきましたので先に進みますが、本人の意思にかかわり合いなく大事な姓名が変更させられるのはいかがなものか、こういうふうに私は思います。  コンピューターに合わせて変更するのではなくて、逆にコンピューターが合わせるべきが、本末転倒ではないか、こういう議論の末に我が党の法務部会を通じて大変な議論がありました。その結果、取り扱いがどのようになったのか、この点について御説明いただきたい。

中井洽改新法務大臣

○国務大臣(中井洽君) 今回の法案提出に際しまして、自民党の皆さんを初め各党の皆さん方が国民の受けられる御迷惑をお考えになられて大変温かいまた論理あふれる御忠告を賜りましたことを、心から御礼申し上げる次第でございます。  法務省といたしましても、できる限りの対応をさせていただく、こういうことで今鋭意努力をさせていただいております。  先生お話ありました、コンピューターが名前に対応すればいい、そのとおりであります。しかし、現実には各市町村の八七%が住民記録をコンピューター化してございます。このコンピューターの持っておる漢字が約七千でございます。この七千以外にコンピューターの余力としては約七千あると言われておりますけれども、姓名的に日常使われておるものを約三千追加いたします。そして、御指摘のございました俗字、いわゆる漢和辞典に載っておる俗字というもの約二千字をここにおっしゃるとおり入れさせていただきますと、コンピューターとしてはもうこれでぎりぎりだ、このように考えております。  この中で、もともとの原案でいきますと、約一割の方々がお名前をお変えいただかきゃならない。御指摘をいただきまして、こういう対応をすることによりまして約数十万ぐらいの方々に御変更をお願いしなければならないかと考えております。これらの方々には理を尽くし意のあるところをお伝え申し上げますが、どうしても自分の名前のとおりいく、こうおっしゃる方にはコンピューターに載せない、そして原簿のままを残してそれをコピーでお渡しする、こういう処理等をしながら、できる限り愛着ある名前が御利用いただける。同時に、各市町村のコンピューター化によって戸籍事務の簡素化、スピード化、あるいは人数等の削減、こういったことに寄与していきたいと考えておりますので、御理解と御協力のほどをお願い申し上げます。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 各般にわたって御質疑を申し上げてまいりましたが、私は、質疑を通じて感じたことを最後に申し上げ、総理に御答弁をちょうだいいたしたいと思います。  樋口一葉さんが「樋口一葉日記」というところで一文を後世に残しています。「外は様々に憂ひ多かるを、内は党派の争ひに議場の神聖を損なひ、自利を計りて公益を忘るる輩、かぞふれば指も足るまじくなん。」と。これは明治の当時の政治状況を見て書かれたのだと思うんです。このことは解説がついていまして、「国外問題として条約改正など、様々な心配事が多いというのに、国内では党派争いで議場の神聖を損ないこ云々となっています。  このことを置きかえますと、連立与党の離合集散は国民のための政策によるものでなく与党としての権益を守るための離合集散劇にすぎないと、こうなるわけでありまして、私は明治の女性が鋭く批判した当時の政治状況が今まさに出現していると言わざるを得ない。  このことに思いをいたして、先刻来総理にお尋ねをいたしてまいりましたさまざまな件を総合して、最後に総理から一言御答弁をいただきたい。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) きょうは、倉田委員の方からまさに建設的な御意見を賜ったことに対しまして心から感謝申し上げますと同時に、我々としてもお話あったことを拳々服膺しながらこれからの政策の中に生かしていきたいというふうに思っております  そして、今、樋口一葉さんの歌、文を御紹介いただいたわけでありますけれども、私も全く国威であります。しかし私は、少なくも自由民主党を離党したときも、何も政策ですとかあるいは個人的なあれで争って出てきたんじゃない、改革というものを進めなきゃいけないということだけで掌は出てきた人間であります。それと同時に、私は、連立政権をつくった、八党が一緒になったとき、そして今度私自身がこういう立場になったときも、ともかくもういろんな恨みとかそういったものなんか捨て去って、本当にこの国に今山積する内外の問題に対して院も、もちろん政府も真正面からいくべきであるということを常々申してまいりまして、そのための努力をしておるところであります。  しかし、確かに政治を安定させようという中でいろんな動きがあるということ、あるいは結果としていろんな動きになってしまったということはあろうと思っておりますけれども、私どもそういったものを反省しながら、本当にこの国が果たしていかなければならない問題にきちんと対応できる政治というものを進めること、私もこれからも本当に誠心誠意努めていきたいというふうに思います。ありがとうございます。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 自余の質問については、関連質疑の同僚先輩の議員に譲ります。

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 関連質疑を許します。須藤良太郎君。

須藤良太郎自由民主党

○須藤良太郎君 農林関係についてお尋ねいたしたいと思います。  農政通で知られる羽田総理でありますから、それだけに先般の所信表明におきましては大変関心を持ったわけでありますけれども、極めてあっさり片づけられたというふうに思っております。総理の言う血と心と言葉の通う政治、これは今ほど農業に必要なんではないか、そういうふうに思っておるわけでございます。  そこでまず、ミニマムアクセス受け入れの決定、大凶作に続きます一連の米騒動等、いわば社会不安、混乱につきまして総理はどうお考えになっておられるか、お聞きしたいと思います。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) ラウンドの合意といいますか、これにつきましては、私どもはまさに七年数カ月前ですか、このウルグアイ・ウランドが始まって以来ずっとこの問題について交渉をしてまいりました。その交渉の基本というのは、衆参両院の国会の決議というものをもとにしてはこれを何とか成就させていきたいということで私ども話し合ってきたわけでありますけれども、結果としては各国とも痛みを伴わなければこれはできないという中でミニマムアクセスを受け入れざるを得なかったということでありまして、この点については本当に断腸の思いであったということを率直に申し上げます。  それから、それがちょうど合意するこの年に、昨年ですね、非常に冷夏が続いたということのために大変不作になったということ、そういう中で大量の米を多くの国から輸入するということになったために、例えば米の質というものが日本の短粒種とは異なっておるというようなこともありまして混乱があったことは、私は間違いなかったというふうに思っております。  いずれにしましても、こういった経験を踏まえながら、私どもは、そのときに消費者の皆さん方が食糧、主食である米というものに対してもう一度考えたり、あるいは大変不安を持っだということも事実でありましょう。それと同時に、供給する側の皆さん方、農業者の皆さん方も自分たちのこれからの農業はどうなるのかという不安を持っだということも事実であろうと思っております。  そういう意味で、これから供給を安定していくということ、これをまず主に置くと同時に、個々に供給する農業者の皆さん方が不安ではなくて誇りを持って農業に携われる、そういった体制を築くために私どもも懸命にこれから努力をしていきたいというふうに考えております。

須藤良太郎自由民主党

○須藤良太郎君 日本人にとりまして稲作、水田農業、これは日本農業を守るもの、また国土、民族、文化を守るんだと、こういうことでやってきたわけでありますけれども、簡単に受け入れたことによりまして多くの議員もうそつきになった、あちこち行って謝る、こういう格好になっておるわけであります。最近、当時の責任ある人たちから、ああいうことでやむを得なかったけれども本当はどうかとか、あるいはミニマムアクセスでなくて関税の方がよかったんではないかとか、そういう話を聞くわけでありますけれども、これは農家に対して非常にいら立ちなり不安をそそるんではないか、こういうふうにも思うわけであります。やはり日本外交は弱腰だったんじゃないか、こういうふうに思うわけでありますけれども、総理は断腸の思いと言いますけれども、これはやはり日本農業に禍根を残してしまったんではないか、こういうふうに思うわけでありますけれども、もう一度お答えいただきたいと思います。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) これは簡単に決めたとか安易に決めたというものではなかったということ。七年何カ月の間、本当にこれは苦労したんですよ。これはもう須藤さんは中にいらしたころからよく私は御案内だと思いますけれども。そして、その間にいろんな方がいろんな発言をしてきましたよ。私たちはそれを防ぎながら、世界の国一つずつの国に、こういった問題、日本の立場というもの、あるいは食糧というものが国際的にもどういうものになっているのかというようなこと、そして食糧だけではなくて環境保全、今お話があったように文化の問題、こういった問題も一つずつ、しかもあるときにはパネルなんかをつくったり物を持っていったり紙をちゃんと用意しながら彼らに配ったりしまして、国際機関あるいは関心を持つ国々に対して訴えてきたということであります。  残念ですけれども、どうしてもみんな各国がやっぱり譲っていかなきゃならぬという中でぎりぎりの選択をせざるを得なかったということで、私は、細川さんの八カ月なんというこんなものしゃない、この長い間の中でこういう事態になったんだということ、これはぜひともひとつ理解をいただきたい。そして、私たちはむしろ、おまえたちはエゴイストとまで実は言われたりなんかしながら、国内からもそういう批判を浴びながら、食糧というものはいかに大事なのか、稲作というものがいかに大事なのか、これを問いかけながら進めてきたんたということをぜひとも御理解をいただきたいと思います。

須藤良太郎自由民主党

○須藤良太郎君 私が一番心配しておるのは、これからの日本農業の将来であります。これは総理もいつも頭を離れないと思いますが、今までの効率主義なりあるいは内外価格差是正、そういう御旗の路線の中で実質的には農業は縮小あるいは自給率の低下、こういう方向をたどっておるわけであります。これから自由化によりましてまたこれが一段と拍車がかかる、こういうふうに思うわけでありますけれども、総理はだんだん農業が縮小していく、衰退していく、これをどうとめようとしておるか、お聞かせいただきたいと思います。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) この問題は、ウルグアイ・ラウンドというだけでなくて、現在、新規卒業者の方の農業に参入する方が千五百人とか七百人というような非常に厳しい実は状況でありまして、後継者がいない農家というのが非常に多くなってきているという実は現実もあるわけでございます。そういう中で、また食糧も安定して供給しなきゃいけない、環境の保全もしていかなきゃならぬという中で、私は、そういった後継者の人たちをどのように確保していくのかということ、そしてその人たちが営む農業というのはどうしていくのかということを本気で考えなきゃならぬと思っております。  確かに、内外価格差とかあるいは合理化ということだけではこれは済まない問題でありますけれども、しかし農業にいそしむ人たちが堂々と胸を張ってやっていくためには、圃場も大型に整備をしていくとか、あるいは機械なんかもこれはやっぱり農業に厳しい機械じゃ困るのであって、よその国の場合には、余りにも大きな重いものが走り図るためにむしろ土をだめにしちゃっているというようなこともあります。そういう中で、新しい孜術なんかも私どもは導入しながら、優しくしかも効率がいい、しかもその中で堂々と農民が生きていけるようなそういう農業をつくらなきゃいかぬし、またお嫁さんが本当に喜んで行けるような農業にしていかなきゃならぬというふうに考えております。

須藤良太郎自由民主党

○須藤良太郎君 総理は長い間日本農業に影響を与えてきたわけでありますから、こういう転機に相当な決意をもって、特に財政面、そういう面でひとつ頑張っていただきたい、こういうふうに思います。次に、ミニマムアクセスに入ります前にちょっと食管についてお尋ねしたいわけであります。もう相当な手当てをすべきということはわかっておるわけでありますけれども、きょうのマスコミを見ますと、政府の方針に対して相当抜本的な案が出た、こういう報道があるわけであります。そういうことですと、政府はもう既に何らかの方針を持っておるのか、まずこれをお聞きいたしたいと思います。

加藤六月改新農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 昨日、農政審が開かれました。そして、御存じのように今まで農政審の皆さん方、そして専門委員の皆さん方が各地方を熱心に公聴会を開いてお聞きして歩いていただいておったわけです。それらをまとめたものを初めて食管制度その他について御議論いただいたと。言うならば、方針も何も決めておりませんが、争の入り口に入ってきておると、こういうように御認識いただければありがたい、こう思うわけでございます。

須藤良太郎自由民主党

○須藤良太郎君 今回は余り申し上げませんけれども、今国民の間には、片仮名でできている相当古い法律でありますから、その後修理をいっぱいやっておるわけですから、ひとつ全廃して新法でいろいろ必要なことは盛り込んだらどうか、こういう声もあるわけでございます。これは極めてシンプルに考えていただいていいんですけれども、そういうことは実際に相当問題があるのかどうか、これだけひとつお答えいただきたいと思います。

加藤六月改新農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 食管制度につきましては、抜本改正しろ、あるいは今おっしゃったような意見、あるいはその基本は堅持しろとか、各界、各方面、また名団体から今回もいろいろな意見がいっぱい来ておるわけでございます。それらを今後集約しながら私たちはやっていきたい。  先ほどお答え申し上げましたように、今後は農政審を初め国会の御意見等も十分承りながらやっていきたい、こう思っておるところでございます。

須藤良太郎自由民主党

○須藤良太郎君 ミニマムアクセスにつきまして若干お尋ねいたしたいと思います。  今、世界の各国の輸入米の状況を見ますと、イランのような特別な、八十何万トン入れている、ここを別にいたしまして、大体輸入量は数万トンと、こういうふうに聞いておるわけでありますけれども、それに比べますと四十なり八十万トン、これは非常に大きい数字だと思うわけであります。したがいまして、ミニマムアクセスでなくてこれはマキシマムアクセスと、こういう感も持つわけでありますけれども、この点はいかがでございますか。

加藤六月改新農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 先ほど総理がお答えされましたように、断腸の思い、苦渋の思いであのミニマムアクセスというものは受け入れました。また、協定の中にもミニマムアクセスという言葉があるわけでございますが、要はこのミニマムアクセスで受け入れてくる米というものを今後どう扱うかということもあるわけでございますが、三度の国会の決議を踏まえて必死で政府としても頑張った結果のミニマムアクセスの受け入れであるということは御理解おきいただきたいと思います。

須藤良太郎自由民主党

○須藤良太郎君 このミニマムアクセスは六年後でなくていつでも関税化へも変えられる、こういうことだと思いますけれども、今回の大凶作によります外国米の関係で相当日本人の嗜好というのがわかったわけであります。そういうことからいたしますと、ミニマムアクセスによるよりは関税化による方が実際の輸入量を防げるんじゃないか、こういう考えが出るわけでありますけれども、この点ほどういうふうに認識されておりますか。

加藤六月改新農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) ミニマムアクセスを受け入れておきますとどういうことになるかといいますと、来年は四%、三十七万八千トン、その次はというように、向こう六年間で八%までの数字が出てきます。  これが関税化をするということになりますと、いろいろな関係がございますが、関税の高いものでも関税さえ払えば幾らでも入ってくるということになった場合、先般の国産米に対する国民の皆さんのお示しになった一連の愛着といいますか、とうとさというものがごちゃごちゃになってしまって、よく国民の皆さんがおっしゃった安全で顔の見える米、国産米というものに対するコントロールも逆にできなくなってしまう、すべてのものがまざってしまうということになっていくんではないか、こう私は判断いたしておるところでございます。

須藤良太郎自由民主党

○須藤良太郎君 そのミニマムアクセスと関税化の比較の問題、これは受け入れ前あるいは受け入れ後に試算はやっているのかどうか。

加藤六月改新農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 関税化についての受け入れの試算その他をやった覚えはございません。

須藤良太郎自由民主党

○須藤良太郎君 今、ミニマムアクセスに対する農家の不安というのは、やはりこれからの転作、米価への不安だと思います。政府は昨年の十二月の基本方針で、ミニマムアクセス導入に伴う転作の強化は行わない、こういうことにしておるわけでありますけれども、これは六年間こういう方針でいくのかどうか、確認いたしたいと思います。

加藤六月改新農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 昨年の閣議で了解いただきました基本事項、その中に、不安を増さないような最大限の努力をする、それから、転作の強化は行わない、こうはっきりうたっておるわけで。ございます。

須藤良太郎自由民主党

○須藤良太郎君 そうしますと、四十万トンから八十万トンの輸入米がこれからいわゆる余剰米として入ってくるわけでありますけれども、国内需給に影響を与えないということになりますと相当な過剰になる。これは政府米でなくて自主流通米の価格に影響するんじゃないか、こういうふうに思うわけでありますけれども、この辺はどう考えておられますか。

加藤六月改新農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 今後、我が国の米作が豊作、不凶作にかかわらずミニマムアクセスの分は入ってくるわけでございますから、したがいまして、外米といいますか、外国産米に対する新しい用途というものもこれから考えなくてはいけないし、あるいはまた援助等その他の問題にどういうように国際的に理解を得ながらやっていくかという問題等も考えなくてはならない。  またもう一つは、今回の苦い経験で備蓄という問題があります。備蓄、そして国産米、それから外国産米、これらの合理的な総合的な米の管理システムというものをこれから英知を絞って決定していかなくてはならぬと思っておるところでございます。

須藤良太郎自由民主党

○須藤良太郎君 備蓄なりあるいは海外援助、そういうものはいろいろあるようでありますけれども、実際にはなかなかこれは単独で国内に影響させない、こういうことにはならないと思うわけであります。海外援助というのも今までいろいろ考えたわけでありますけれども、実際には大した量になっていない。あるいは、新規開発で需要を見つける、これもなかなかできない。備蓄にすればそれは必ず加工米等の方に持っていく、こういうことでありますから、結局は過剰米として圧迫するんじゃないかというふうに思うわけであります。  そういうことでありますから、やはり農家の方に、ミニマムアクセスの影響はこういうふうになる、そして輸入米はこういうふうに処理する、これをもう少し明確な説明をするべきだったんじゃないか、あるいはこれからもそれはしっかりやるべき問題と思うわけでありますけれども、この辺についてお答えいただきたいと思います。

加藤六月改新農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) おっしゃるような問題等すべてあるわけでございます。したがいまして、そこら辺を踏まえて今後総合的に、そして的確にやらなくちゃならないし、またウルグアイ・ラウンドの批准という問題を国会でお願いしなくてはならぬときが来ます。それまでには今申し上げましたようないろいろな問題を全部整理して、すっきりしたものとして、わかりやすいものとして国会に御審議をお願いするようにしなくちゃならぬ。それらの問題も含めて、今、農政審議会あるいは国会あるいは各方面からの御意見を承っておるわけでございます。

須藤良太郎自由民主党

○須藤良太郎君 ぜひひとつしっかりした内容を出していただきたいと思います。  次に、安全な食糧に対する国民の期待、またこれと裏腹に土壌崩壊あるいは環境汚染の問題が深刻になっていると思います。  昨年の大凶作では深水かんがいとかあるいは有機農業、実際には土壌づくりの効果が非常に顕著に目立ったわけでありますけれども、それと同時に、この数十年にわたる農業なりあるいは化学肥料、こういうものの害が顕著になってきたということも言えると思うわけであります。  日本の水田は世界の一つの奇跡というくらい超能力を持っておったわけでありますけれども、それがだんだん危なくなったというふうに思うわけでございます。これはやはりこれからの安全な食糧確保あるいは環境保全、こういうことにも非常に大きい影響を持つわけでありまして、この環境を保全するあるいは土を守る、こういう対策を相当しっかり進める必要があるのじゃないか、こういうふうに思いますけれども、今どういうふうに取り組んでおられるかお聞きしたいと思います。

加藤六月改新農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 昨年の冷害の結果、冷害に強いいろんな問題等が新しく浮かび出てきたのはもう委員御存じのとおりでございます。そういう中から、私たちも土づくりというもの、今まで法律としては地力増進法があったわけでございますけれども、ここら辺に思いをいたしてやらなくちゃならぬと決意を新たにしておるところでございます。  そこで、平成六年度の予算におきましては、有機物供給施設の設置とか土層改良等土づくりを推進するための予算を計上いたしまして、今後、農業生産の基礎づくりでございます土のための各般の施策を進めるようにいたしております。

須藤良太郎自由民主党

○須藤良太郎君 土壌あっての農業と思いますので、これはウルグアイ・ラウンド対策もありますので相当しっかりやっていただきたいと思います。  私は端的に、中山間地帯にいわゆるクリーンな農業を導入したらどうか、こういうふうに考えておるわけでございます。中山間地へのウルグアイ・ラウンドの影響はもう申し上げるまでもないわけでありますけれども、ここは水源地あるいはそれに近いところで非常に環境面に影響が大きい、こういうふうに思うわけでございます。ぜひここにクリーンな農業を導入して、肥料なり農業を使わないとなりますと収量は落ちるわけでありますから、これに思い切ったデカップリングをやる、所得補償をやる、そういう方法をひとつスタートさせていただけないか。特に集落単位でやれば非常にためになるんじゃないか、こういうふうに思いますけれども、どういうお考えでございましょうか。

加藤六月改新農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 私、須藤委員と一緒にこの中山間地のそういった問題に取り組ませていただいたことを今思い出しておるわけでございますが、私は、ウルグアイ・ラウンドの影響等々の場合でも、我が国の農村、農業がしっかりするには中山間地の潤いある村づくり、農業づくりが一番大切だと。それに対して今御提言があったのは環境保全型農業といいますかそういうことでございますが、同感でございます。なるべく化学肥料、農業を節減するということ、あるいはきめの細かい、補助率を上げたり何やかんやを通じながら、中山間地全体の活力ある、そしてそこに住む農業者も一般の人も喜ぶような環境をつくっていかなくちゃならぬ、こう思っておるところでございます。

須藤良太郎自由民主党

○須藤良太郎君 中山間地、いろいろ対策はやっておるわけでありますけれども、なかなか決め手がない。そういう意味では、言われておるデカップリングは非常に必要だ、こういうふうに思っておるわけでございます。ぜひひとつこれは突破口を開いていただいて、今後の中山間地に大きい希望を与えていただきたい、こういうふうに思うわけでございます。ぜひひとつお願いいたしたいと思います。  次に、林野の関係でありますけれども、森林保険制度の充実についての問題でございます。  林野の極めて重要な問題はもう申し上げるまでもないわけでありますが、そこでお願いしたいわけであります。  森林が災害による被害を受けた場合に、その損失を軽減するための措置として今森林保険制度があるわけでございます。しかし、現在の森林保険制度は、国と全森連、この両者が事業主体となりまして二元体制でやっておるわけでありますけれども、全森連の共済事業に対しましては再保険措置もない状態にあるわけでございます。このために、国営保険の方は非常に健全でありますけれども、全森運の方の共済事業は非常に大きい欠損金が出ている、こういう状況にあると聞いておるわけでございます。  御承知のように、農業や漁業の分野では掛金助成なりあるいは国による再保険が措置されておるわけでありますけれども、これに比べると森林の保険制度というものは極めて見劣りのする制度、こういうふうに思うわけでございます。森林の整備なりあるいは林業の振興は非常に重要な課題になっておるわけでありますから、ぜひ森林共済と森林保険を一元化して国が再保険する制度に改めることが緊急の課題、こういうふうに思っておるわけでございます。ぜひこの実現方をお願いいたしたいと思いますけれども、農水大臣、そして大蔵大臣にお願いいたしたいと思います。

加藤六月改新農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 森林の持っておる機能の大切さということは、もう改めて申し上げるまでもありません。そして緑と水を守るのも森林である。そこで、私たちはこの森林というものを大切に整備し立派にして後世の国民に引き継がなくてはならない義務がある、こうも考えておるわけでございます。  そこで、今おっしゃいました再保険問題でございます。  今おっしゃった点でもありますが、この加入率が非常に低いということ、それから国営保険と全森連共済が併存し事業運営を効率化する余地があること、あるいはまた平成三年の台風災害により全森連共済に多額の赤字が発生した等の問題はございます。  そこで、災害によって林業の再生産が阻害されることを防止するとともに、林業経営の安定を図る観点から森林に関する保険事業基盤を整備することが必要であります。今後、関係団体、関係機関等との調整を急いでいこうと考えております。

藤井裕久改新大蔵大臣

○国務大臣(藤井裕久君) 今お話しのように、国営と全森連の二つの仕組みがある。そして全森連の今の運用について、農林水産大臣が今言われたような問題があるということはよく承知をいたしております。農林水産大臣が今言われたような方向でまた協議をさせていただきたいと思っております。

須藤良太郎自由民主党

○須藤良太郎君 ぜひよろしくお願いいたしたいと思います。  次に、これからの農業をどうするかという問題でありますけれども、今回の大凶作、そして自由化受け入れ決定をめぐりまして、農家も消費者も非常に食糧あるいは農業問題について心配しておるわけでありますし、世界的な食糧問題も考えますと非常に重要な問題だと思います。  そこで、私は、ぜひこの大きい転機に当たりまして、農業者もまた消費者も安心できる、そういう日本農業の大再生計画、これをしっかりつくる必要があるんじゃないか、こういうふうに思っておるわけでありまして、これは農業者と消費者、都市と農村、あるいは環境問題、こういうものを一緒に含めましてひとつつくっていただくことができるかどうか、お願いいたします。

加藤六月改新農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 七年前にウルグアイ・ラウンド交渉が始まって以来、国会も政府もそして多くの皆さん方も、農業は単なる食べ物づくりではない、特に日本の農業の場合は国土の保全であるとかあるいは環境問題等々非常に幅の広い問題であると一生懸命訴えてきたというのはもう御存じのとおりでございます。そして、今回ミニマムアクセスを受け入れるについて国民皆さん方の心配というのも、これで農村、農業がだめになってしまうんではないか、そこで思いを新たにして、今回のこのミニマムアクセスの受け入れというものを転じて、これからの本当の意味での日本の農村、農業というものをどうやっていくかということが大切な議論になってきました。  そういう中で、今おっしゃいましたような環境型農業といいますか環境を守る農業、こういったものも含めながら、私たちが幅広い議論を通じて、今回のこの受け入れを転機として我が国の日本の農村、農業というものを活力ある農業、潤いのある農村、ここに持っていくように英知を結集していくことが最も大切であるし、積極的に御意見を承っていきたいと思っておるところでございます。

須藤良太郎自由民主党

○須藤良太郎君 ぜひお願いいたしたいと思います。  私は、いろいろな計画等を進めるにつきましても、一番の問題はやはり日本の自給力をどうするか、こういう問題になるんだと思っておるわけであります。  ことしの農業白書はこの自給力問題に触れておりませんけれども、今相当カロリーペースそれから穀物ベースで下がっておると思いますけれども、その数字をまず教えていただきたいと思います。

加藤六月改新農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 米の自給率というのは平成十二年で一〇〇%を目指しております。これはまあ自給率というよりか需要と生産の長期見通してございます。小麦が一四%ないし一九%、大・裸麦が一四%ないし一六%、大豆が六%ないし八%、野菜九二%、果実六五%、牛乳・乳製品七八%等々になっております。  もちろんこれは須藤委員も御存じと思いますが、我が国の農業の持てる力を最大限発揮することにより、実現可能な水準としての意欲的な見通しということであります。そして、過去三、四十年間といいますか、今日まで我々は自給率の向上向上ということに必死で頑張ってきたのでございますが、悲しいかな自給率は年々歳々下がってきておるということでございます。

須藤良太郎自由民主党

○須藤良太郎君 平成二年に閣議決定した長期見通しては、平成十二年にカロリーベースで五〇%を維持する。こういうことになったわけでありますけれども、もう既に今は四五%台になる、こういうことでありますし、特に問題にしたいのは実質的にほとんどの品目が自給率を下げている。これはもう穀物もそうでありますし、肉類も野菜も果実も、これすべて低下しておるわけであります。このまま行くとやはり日本農業は本当になくなってしまうんじゃないかと思うような状態になっておるわけでありますけれども、こういう状況を見て、農水大臣そして総理はどうお考えになるか。

加藤六月改新農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 食糧というものは人間にとって必要不可欠なものであり、またこの食糧を安定的に安全なものを国民に供給していくということが政治の原点にあると思います。今後、先ほど申し上げましたように、政府としまして政治の最重要課題である、こう認識しまして、あらゆる努力をして自給力の維持拡大に努めてまいらなくてはならないと考えておるところでございます。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) そして、農林水産大臣から今お答えしましたことにつけ加えるとすると、我が国農業をこれからどうしていくのか。例えば自給率と言ったときに、これから肉なんかがどんなふうに消費されていくのかということがあるでしょう。そして、その生産をもし国内ですると自給率はさらに下がってしまうということであろうというふうに思っております。  私どもそのあたりも含めて考えながら、やっぱり自給率と同時に自給力というものをきちんと高める、そして須藤委員の専門である土地改良といいますか生産の基盤というものをしっかりするということが大事であろう、そういうことを含めた自給力の強化に努めていきたいというふうに考えます。

須藤良太郎自由民主党

○須藤良太郎君 強化はいいのでありますけれども、国民の国内産に対する高い要求、こういうものを実際加味しまして、本当の自給率の目標、そういうものを立てるおつもりがあるのかどうか。

加藤六月改新農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 先ほど申し上げましたように、食べ物というのは政治の原点であるということでございますし、平成二年に今御質問になったような見通しも私たちは立てております。  目下、その平成十二年の予測というあれが予定どおりになるように最大限に頑張っていかなくちゃならぬ、そして、先ほど申し上げましたが、ウルグアイ・ラウンドのミニマムアクセスを受けるに伴ってさらに自給力というものに思いをいたし、その維持拡大に頑張っていく方策を幅広く議論してやっていこうと思っておるところでございます。

須藤良太郎自由民主党

○須藤良太郎君 余りよくわからないわけでありますけれども、要するに、新しい自給率目標を立てて、それに実行計画を持ってしっかりやるつもりかどうか、これをお聞きしたいわけであります。

加藤六月改新農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 先ほどのお答えでちょっと申し落としましたが、農政審議会でそういう予測、長期見通しというものもあわせて今御審議いただいておるところでございます。そこで、私の申し上げたような気持ちで恐らく農政審議会の皆さん方も、そこら辺、我が国の予想される、最大限の力を発揮して、そしてその全部を利用していけばこういくだろうという新しい見通しも出していただけるようになるものと期待いたしております。

須藤良太郎自由民主党

○須藤良太郎君 私も、自給力の増強というのは、現実にはなかなか難しい面を持っておるということはわかるわけでありますけれども、いわゆるこれは価格面、価格対策、それに構造対策、こういうことになると思いますけれども、価格面ではやはりこの開放体制の中ではある程度もう限界にある。そうなると、どうしても構造政策、こういうことになると思います。  そこで、一昨年ですか、新政策を始めましたけれども、これもやはり目的はこの自給力の低下に歯どめをかけよう、こういうことでスタートしたと思うのであります。その新政策、二つの柱で、一つはできるだけ大規模化を進めよう、もう一つは中山間地の対策をしっかりやろう、こういうことだと思いますけれども、大規模は難しいとかいろいろ批判、注文が多いように聞いておるわけであります。  この段階で、今どんなふうな成果になっておるか、あるいはどういう取り組みをしているかを、お聞きしたいと思います。

加藤六月改新農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 昨年の閣議了解におきましても新しい食料、農業、農村政策の方向、これを再確認しまして、それに向かって総合的に確実に推進していこうと、こう申し合わせをしておるわけでございますし、さらにそれに対しまして対策本部も内閣総理大臣が本部長となってやっていこうとしておるわけでございます。  そしてまた、新内閣になりましたから、私としたら、また改めて須藤委員がおっしゃったような問題も踏まえながら、ひとつ実行本部を開いていただきたいと今お願いをいたしておるところでございます。

須藤良太郎自由民主党

○須藤良太郎君 新政策は十カ年計画だったと思いますけれども、ウルグアイ・ラウンド受け入れとなりますと相当急がざるを得ないと。そういう面で構造政策、いろいろな事業対策が相当ピッチを速める必要があるだろう、こういうふうに思うわけであります。  そういう面で、今の進捗状況なり予算状況というのはどう考えておられるのか。

加藤六月改新農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 平成五年度の第三次補正予算におきましても新しい問題として特別に予算をつけました。また、今御審議いただいております当平成六年度の予算におきましても、今申し上げましたようなことを確実に正確に推進していくためのもろもろの予算を計上いたしておるところでございます。

須藤良太郎自由民主党

○須藤良太郎君 予算面ではもう相当十分という御趣旨でございますか。

加藤六月改新農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) まあ表現というのは難しいので、十分という表現をすると、財政当局にもう十分でございましょうと言われたら話にならぬわけでございますから、私は、今の新政策を遂行するに足る予算を盛り込んでおる、こう認識しております。

須藤良太郎自由民主党

○須藤良太郎君 なかなか巧妙な言い方だと思いますけれども、今、農業がこういう時期におきまして予算的に非常に問題があるわけでございます。そういう意味で、大臣としてはもう少し農林関係予算をしっかり確保する、そういう姿勢が必要だと思いますけれども、この点はいかがでございますか。

加藤六月改新農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 第三次補正予算並びに平成六年度予算の、特に農業関係予算の問題につきましては、ここ数年私は財政当局へ押しかけていったということはないのでありますけれども、農林水産大臣になる前ですよ、押しかけていったことはないんですが、数回私は自分で足を運んで、このミニマムアクセス受け入れの問題等に対する予算、それから新政策を実行していくに対する予算というものを財政当局に強く折衝し、お願いいたしたことを覚えておるところでございます。

須藤良太郎自由民主党

○須藤良太郎君 そこで私は、いわゆるこの公共予算の配分問題、財政審が出しました(A)、(B)、(C)ランクづけの問題を申し上げたいと思うんです。  これからウルグアイ・ラウンド対策の大前提、構造政策の大前提となりますのが農業基盤整備と、こういうふうに思うわけでありますけれども、またこれは日本の田畑五〇%も整備ができていない状況でございます。そういう中で、御承知のように、この平成六年予算の前哨戦のような形で財政審のランクづけが出る、そしてこの基盤整備等が抑制の。にランクされると。こういうことで、関係者は非常に唖然とし憤慨したわけであります。  この点で非常に私が遺憾に思いますのは、ウルグアイ・ラウンドの受け入れが決定した後の予算編成におきましても、このランクづけを踏襲して一般の公共の伸びが一〇四・一%に対して農業農村整備等は一〇一・二と大きく抑制されておるわけでございます。これはやはり、こういうウルグアイ・ラウンド合意の受け入れに加えて、農村地域が非常に不安、失望に陥っている中で何かこの予算は間違ったんじゃないかと、こういう感じがするわけでありますけれども、これはまず大蔵大臣にお聞きいたしたいと思います。

藤井裕久改新大蔵大臣

○国務大臣(藤井裕久君) 公共事業配分問題については、先ほど倉田委員にお答えいたしましたが、要するに限られた資金をどこに重点的に配分するかという問題だと思います。資金というのは無限にはないわけであります。  そこで、その場合に、私はすべての公共事業はみんなそれなりの意味を持っていると思うんです。ただ、現在の進捗状況を見るとやはり生活環境関連などがよりおくれているという認識は持たざるを得ないという前提のもとに、今御審議をいただいております平成六年度の公共事業を配分させていただきました。  ただし、今おっしゃったように、農業生産基盤の問題についても、ウルグアイ・ラウンドの問題もちろんありますし、先ほど来御議論のように農村が地域社会の中核として非常に大事だというお話もございまして、そのとおりだと思っております。  農林水産大臣が言われたように、新政策にマッチするような生産基盤は重点的に扱う、つまり農業生産基盤という位置づけの中でそういうものを特に重点的に配分する、中での話でございますが、ということをやらせていただいておりますので、どうか御理解をいただきたいと思います。

須藤良太郎自由民主党

○須藤良太郎君 いつも同じような答弁をしていると思いますけれども。  同じ時期に市町村長アンケートによって要望を聞いておるわけでありますが、これから十年間に重点的に自治体の公共は何だと、これに対して町長さん方は農業農村整備が第一位、市長でも第二位、こういう結果が出ておりまして、大きく違っておるわけでございます。  当時の畑農水大臣もこのランクづけには閣議後異議を唱えておったと思いますし、また、与党だった社会党の村山委員長も党を代表して総理にこのランクづけの撤回を申し入れたと、こういうふうに思っておるわけでございます。  いずれにいたしましても、大凶作あるいは自由化受け入れであえぐ農家を逆なでするような形で抑制するということは少なくも誠意ある政治姿勢ではないんじゃないか、こういうふうに考えるわけでありまして、ぜひ農政不信を払拭するような予算にすべきだと、こういうふうに考えるわけでございます。  この予算は、補正でつけた云々ということでなくて、当然次年度にこういうものは尾を引いていくわけでありますから極めて重大と、こういうふうに思っておるわけでございまして、来年度以降どういう考えでおられるか大蔵大臣にお聞きしたいと思います。

藤井裕久改新大蔵大臣

○国務大臣(藤井裕久君) 農林水産大臣もお答えしておりますように、新政策を前倒し的に取り上げて第三次補正予算に入れたと思っておりますし、六年度においてもそういう姿勢で臨んでおるわけで、今のお話は公共事業のお話だと思いますが、公共事業につきましては、やはり今申し上げたことの繰り返しになって大変恐縮なのでございますが、限られた資金の重点配分、そういう意味では農業生産基盤は新政策にマッチするものに重点的に配分させていただきたい。御理解を賜りたいと思います。

須藤良太郎自由民主党

○須藤良太郎君 生活関連も重要でありますけれども、農村の下水なんというのは相当やってもまだ一けた台の普及率ということでありますから、一番伸ばした事業といっても余り意味がないんではないか、こういうふうに思っておるわけでございます。  そこで、農水大臣にお聞きいたしますけれども、これは非常に重要な問題と思いますが、農政審等でこの予算の問題は論議されているのか、あるいは論議しようとしているのか。

加藤六月改新農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 農政審で方向あるいは措置、いろいろ議論していただけると思いますが、具体的に金の中身までタッチされてこられるかどうか、そこまでしていただくようになるか、もうちょっと今後の議論を承りませんとわかりませんが、今はそれよりか入り口でいろいろ幅広い議論をしていただいておる。そこら辺から、具体的にケースを一つずつ絞っていく、あるいは小委員会的にやっていかれるときにはそういう心構えというか政策の筋が出てくる、それが金につながるかつながらぬかという判断はわかるようなお考えではないかと思います。

須藤良太郎自由民主党

○須藤良太郎君 食管、米等いろいろ重要な問題もありますけれども、やはり予算は極めて重要な問題と、こういうふうに思いますので、農政審等でもぜひ論議をしていただきたいと思います。  そこで、今、農政審議会ではウルグアイ・ラウンド政策の重点的な農業農村整備につきましていろいろ推進方策の議論をしておると思いますけれども、その具体的内容について教えていただきたいと思います。

入澤肇農林水産省構造改善局長

○政府委員(入澤肇君) 農政審議会では今まで良管政策だとか農政全般につきましてフリーディスカッションに近い形で各般に及ぶ議論がございましたけれども、いよいよ来週六月十六日に私どもの農業農村整備事業関係、活性化対策関係の議論が始まることになっております。

須藤良太郎自由民主党

○須藤良太郎君 最後に、この事業に対する負担問題について申し上げたいと思いますけれども、やはり今こういう情勢の中でいろいろ構造政策に取り組むための農家の事業意欲というのは急激に落ちております。しかも、いわゆる事業をやるということは、農家になかなかその効果が還元されない、負担金を出しても米価も上がらない、そういう中で相当負担感を強くしておるわけでございます。そういう意味では、やはり農家が積極的にこの事業に参加できるための措置、そうなりますと公的助成をふやして負担金を軽減する、こういうことが極めて重要だと思うわけでございます。今時にこの自由化なり難しい情勢の中でやっておるわけでありますから、この辺を十分考慮して公的助成、負担の軽減策をしっかりやっていただきたいと思いますけれども、最後に農水大臣と総理にお伺いいたします。

加藤六月改新農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 数年前というか最近といいますか、農家の生産物の価格は上がらない、しかし負担金は同じであるというところにこの問題が起こって、お互い苦しんでおるというのは須藤委員も私も同じではないか、こう思うわけです。  そういう中で、農家の負担軽減にはいろいろあるわけですが、例えば土地改良事業に係る農家の負担問題について申し上げますと、今までもやってきておったのでありますけれども、事業費単価の抑制、これが一つ大きな問題。それから、国営事業におきましては償還方法の改善ということ。それから次に三つ目は、一千億円の資金を造成しまして、負担金の償還が困難な地区に対し所要の助成を行う土地改良負担金総合償還対策事業というものを御存じのように今推進しております。そして四番目としまして、事業費補正等の地方財政措置の充実による地方公共団体の負担の軽減ということも施策としてやっておるのは御存じのとおりでございます。  また昨年から、この構造改革を推進する上で重要となる圃場整備事業につきまして、補助率を五〇%にがさ上げした事業や、担い手への農地利用の集積を要件に土地改良負担金の一部に無利子資金を導入する事業を創設するなど、農家負担の軽減に一生懸命努力しておるところでございますが、今おっしゃいましたような趣旨はもう同感でございます。  今後とも生産基盤整備の着実な推進等、農業生産性の向上を一層進める必要がございます。これらの対策を積極的に活用して事業の推進を図ってまいりたいと強く決意いたしておる次第でございます。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) ただいま子細について農林水産大臣からお答えしたわけでありますけれども、ウルグアイ・ラウンドの決着ということで、まさに一つの農政の転機であるというふうに思っております。そして、そのためにはやっぱり大型圃場なんかもつくっていかなきゃならぬという新しいニーズも生まれてきておるということでございますし、また一方では、今お話がありましたように、農家が大変大きな負債を抱えておるという現実も、実はこれはただ稲作農家というだけでなくて、畜産ですとかそういったところにもやはりあるということも承知いたしております。  そういう意味で、農林水産大臣から今お答えいたしましたことを着実に進めると同時に、そういったものも拡充していく必要もあろうというふうに考えておることを申し上げたいと思います。

須藤良太郎自由民主党

○須藤良太郎君 これで終わりますけれども、今、農家は、基盤整備は全部公的負担でやれ、こういう要求も強いわけでありますので、ぜひひとつこの面には特別の配慮をしていただきたいと思います。  終わります。

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 関連質疑を許します。片山虎之助君。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 税制改革から質問を始めたいと思います。  この税制改革、細川内閣から羽田内閣にかけて最重要の課題でございます。去年の八月からいろんな経緯がございました。真夜中の国民福祉税騒動、これも記憶に新しいところでありますが、結局は最終的には平成六年度限りの単年度の所得課税の減税、こういうことになったわけであります。しかし、こんなものはもちません。日米首脳会議、ナポリ・サミットもありますが、各国がこれを許すわけがない。やはり世界の景気は日本が足を引っ張っているんじゃないかというようなことまで言われている。  それをどうするかということでありますが、この羽田内閣の発足時に新たな政権樹立のための確認事項というのを何項目がお決めになった。中で幾つかがもめたようであります。北朝鮮の核問題、それとこの税制改革でございまして、ちょっと読ませていただきますと、「直接税の軽減措置や現行消費税の改廃を含め、間接税の税率引き上げを中心とした税制の抜本的改革について国民の理解を得つつ六月中に結論を得て、本年中に関連法案を成立させる。」と。これを受けて総理は五月十日に施政方針演説で、これは総理として言われたわけですよ。見じゃありませんよ。六月中に成案を得て必ずや年内に税制改革が実現されるよう最大限の努力をすると。同じ日に政府税制調査会において、こっちの方がかなり具体的になったわけでありますが、六月中には個人所得課税の軽減と消費課税の充実を柱とする税制改革づくりに向けた適切な指針をと要請いたしたわけであります。  六月末を目指して、政府税調は今一生懸命審議している。それから、与党の中に税制改革協議会ができて作業中だと聞いておりますが、どっちがどういうふうになるんでしょうか。その審議中や作業中のぐあいを総理からまずちょっと教えてください。総理ですが、大蔵大臣でも結構です。

藤井裕久改新大蔵大臣

○国務大臣(藤井裕久君) 税制調査会は鋭意今御審議をいただいておりますが、今、片山委員お話しのような前提がありますので、当然今月中にはそれなりの御答申があると思っております。  また、党の問題の方につきましては行政府としては余り立ち入ったコメントはできませんけれども、やはりそれに間に合うように御審議を進めておられるように承知をいたしております。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 大蔵大臣、六月中にどちらも結論が出ると、こう理解していいんですね。

藤井裕久改新大蔵大臣

○国務大臣(藤井裕久君) 成案を得るということでございます。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 成案と結論は違うんですか。

藤井裕久改新大蔵大臣

○国務大臣(藤井裕久君) 党の問題につきまして、また税制調査会も税制調査会の問題でございますから、成案とは何かとぎりぎり詰めたことは行政府としては申し上げかねます。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 その問題はおきまして、そこでおさらいを少しさせていただきたいんですが、消費税の改廃を含む間接税の増税、これについては去年の夏の七月の総選挙ではどの党もはっきり言われてないんですよね。言われてない。新生党は、税制全体のあり方の中で考えると。公明党は、消費税の税率の引き上げに反対。民社党は、初めに消費税ありきに反対。日本新党はちょっと突っ込んでいるんですが、直間比率の見直しを含め抜本的な税制改革ならよろしいと。そして、その後の状況の変化でああいう六党会派がなんかの確認事項をお決めになっている。姿勢が変わられたか、さらに突っ込まれたというか深まったわけですね。  これは何が主な理由なのかという点と、もう一つは、皆さんの方の党内のコンセンサスをとる手続はちゃんとおやりになったんでしょうか。これは羽田総理、それから公明党の石田委員長、民社党の前委員長の大内厚生大臣、それから日本新党は党首がいませんから経企庁の寺澤長官にそれぞれお願いします。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 選挙のときに訴えたのは、正式の公約の文書というのはそういう文章であります。  ただ、私、全国を回りましたときに訴えてまいりましたことは、例えばあのときにもう既に所得税減税の論議なんかがございました。そういったときに、減税をすれば必ず負担というものが一方でやっぱり生まれてくるものだということ、これは理解をしなきゃいかぬ。そういうものを先送りしたら、先ほど御論議があったように大変な財政赤字を抱えてしまいますよということを実は訴えてまいったところであります。  そういった中で減税というものを行ったということ、そうすれば当然あれが必要でありましょう。しかも、今度の場合には特例措置としてああいう形をとったわけでありまして、これはこのまま置いておきますと、それで一年限りの税になってしまうということ。ということは増税することになってしまうということになるわけでございますから、それはきちんとやっぱり対応しなければいけない。  しかし、ただ増減税というだけでなくて、今後の将来の長寿社会というものを考えたときに、税のあり方というものを余りにも若手のサラリーマンたち、勤労者たちに重い負担を背負わせるようなこともいけないだろうということで、広くみんなで負担をしましょうという思想も入っておるということ。そういう中で私たちは各党合意というものを、これは党の中で議論をした結果、結果といいますか総会でみんなに報告申し上げ理解をいただき、作業を進めていただいておるということであります。

石田幸四郎公明党総務庁長官

○国務大臣(石田幸四郎君) お答えいたします。  消費税の存続問題でございますが、当初私どもの党は消費税反対でございました。しかしながら、その野党当時におきまして、平成三年の四月ごろでございますか、与野党の税制協議機関で逆進性緩和のための家賃の問題であるとか教育費の問題など、あるいは益税、運用益の是正といった十数項目におきます欠陥是正に合意がなされたわけでございますが、公明党はこれに参加をいたしておるわけでございます。反対ではございますけれども、やはり現行税制の中でそれが実施をされて公るわけでございますので、その現実は無視することはできないというようなことでこの検討に参什をいたした次第でございます。  もう一つの問題は、やはり総理からも今お話がございましたけれども、高齢化社会が類例のないスピードでやってくるわけでございまして、それに対する対応ということを考えてみますれば、おはり今の直接税中心の税制では対応できないというような問題が党内でも議論をされておったところでございます。減税問題との絡みもあるのでございますけれども、基本的に私はそこが一番大きな問題である、それがまた九項目の合意につかがったというふうに理解をいたしておるわけでございます。  その間、昨年の十月からそんなことで私ども音内としましては盛んに議論を重ねてまいりまして、中央執行委員会あるいは数度の衆参両院議員の全員協議会等でこの税制の問題を真剣に議論いたしましてこの合意までに至っているということをお答えとして申し上げたいと存じます。

大内啓伍改新厚生大臣

○国務大臣(大内啓伍君) 御質問があるということで当時の党の公式文書を調べましたが、選挙に際しまして十二大政策という形で打ち出しました。この税制改革に関する項におきましては、骨は高齢化を視野に入れた抜本税制改革に取り細み、そしてその方法としては所得、資産、消費のバランスのとれた税制の改革に取り組む、こういうふうにいたしておりまして、それらの中には当然消費税の見直し、改革という問題が含まれているというふうに考えておるわけであります。  四月二十二日の政策合意では、先生から今御指摘いただきましたように、「間接税の税率引き上げを中心とした税制の抜本的改革」云々と書かれておりまして、これにつきましては、当時の政策審議会の全体会議及び衆参の議員団総会並びに中執に諮りましてこれを了承した次第でございます。

寺澤芳男経済企画庁長官

○国務大臣(寺澤芳男君) 私どもとしては、委員御指摘のように、去年の選挙のときに直間比率の是正による税制の抜本的な改革ということをうたいまして、直間比率の見直しを含めた抜本的な税制改革を行い高齢化社会における経済活力の維持を図るというのを出しておりまして、その後、御存じのように八月の八党派合意、これは去年でございますが、それから、ことし四月二十二日の合意事項というああいう移りがありました。その都度党内できちんと議論をいたしまして、党内の手続並びにコンセンサスを得た上で今日に至っております。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 この点についてはなお言いたいんですが、時間の関係があるからやめますが、仮に近々に選挙があるとしますれば、六月中に与党で成案を得るわけでありますから、その成案を堂々と選挙の公約にしていただきたい、これは強く望みます。  それから、念のためにお尋ねしますが、この確認事項は社会党も入って、主として社会党とその他の党でもめたわけであります。しかし、合意になった。しかし、その後ほかの事情で社会党は政権を離脱しました。  総理、社会党は野党になったんですから、この確認事項には社会党は一切拘束されない、こう理解していいでしょうね。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 拘束されるとかされないということではなくて、やっぱり合意を見たということでありますから、当然この一つの歴史的な税制改革というものについて私どもも率直に御相談申し上げていくということでありますので、御協力をいただきたいというふうに願っております。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 それから、合意には「国民の理解を得つつ」とあるんですよね。これは、社会党は最初「国民の合意」を得てだったらしい。これが滑った転んだということで「国民の理解を得つつ」と。合意と理解は違うんですよね。理解というのは、納得しなくても言ったことがわかれば理解ということにあるいはなるのかもしれない。  この意味と国民の理解を得るための手続をどのようにお考えか、総理、お答えください。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) これはまさに政党間での話し合いの中でつくられたものでございますので、私は国民の一人でも多くの方々に理解をしていただくというふうに理解をしながら進めていきたいと思いますので、ぜひ御理解をいただきたいと思います。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 くどいようですが、理解と合意は違うんですね。合意は得なくても理解がある程度いったということならばやると。  それで、国民が理解したかどうか何でお調べになりますか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) これは何で調べるのかということはあれでございますけれども、やっぱり私たちが国民に理解の得られるような対応、例えば不公平税制ですとかあるいは行政改革ですとか、そういったことを進めて得られるという、感触という言い方はどうかと思いますけれども、我々がきちんとした対応をしたときにやっぱりそれを国民にお願いするということであろうと思います。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 先ほど倉田先生の質問に対する答弁で、六月中に結論あるいは成案、どっちでもいいんですが、得て本年中に法案を通す、こういうことですね。これは公約がという質問がありました。総理は公約とはっきり言われなかった。  再度お尋ねしますが、公約ですか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) これは、今度の減税の特例措置をやったときにも国会で皆様全会一致で実はこれは修正されておりますよね。私は、そういった意味からも、皆さんの御理解をいただきながらこれを改革をすることができるだろうというふうに思っております。  当然これは、こう推移していくんですよ、年内にやるんですよということですから、これは公約であるのかと言われればそうじゃありませんよということはありません。これは当然公約でございましょう。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 公約だと言われました。公約だと言われました以上、もし十二月中に法案が成立しなかったら責任をおとりになりますか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 過去もみんな公約というのをします。そして私たちは、しかしそれをやらないと本当に歴史的にも大変なことになるよという思いを持っておりますから、真剣にこの問題と取り組みたいと思います。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 その場合に、羽田政権がそこまでもっかどうかというこういう議論もあります、私はもってほしいと思いますけれども。仮にもった場合に、羽田さんの政権では自民党、社会党、第一党、第二党が外れているんですよ。自民党、社会党の了承がなければ通りませんよ。どうされますか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) もうおっしゃるとおりでございまして、それだけにこの間全会一致で皆さんが法案を修正されたということ、これを原点にしていただきながら、しかもこの問題というのは、ただ、今の与党、政権がどうのこうのというだけでなくて国全体としてやっぱり重要なことでありましょうから、自民党さんにも社会党さんにも本当にお願いをして何とかひとつ実現を図っていきたいというふうに私は思っております。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 そこで、お願いの中身にこれからなるわけでありますが、確認事項に「行財政改革及び不公平税制の是正を積極的に進めるとともに」云々とあるわけです。これが税制改革にくっつくんですね。そうなりますと、ここで言う行財政改革、不公平税制是正というのは、税制改革、まあ増税がもちろんあるわけでありますが、その前提になるわけです。行財政改革や不公平税制がきちっとできなければ税制改革はやらないと、こういうことになるんでしょうか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) どこまでやってどこまでやらなかったらどうなのかというその線というのは、なかなか引きにくくあります。  しかし、この行財政改革というのも、これはもう先ほどもちょっとお話ししましたけれども、民間の皆さんも本気でリストラをやっていらっしゃるわけですね。そのときに、肥大化したというこういう言い方は私はどうかと思います、連年ずっと改革してきておりますから。しかし、さらに効率のいいものにしていかなきゃならない、あるいは地方分権なんかについても一つの方向を出していかなければいけないということがあろうと思っておりますし、また不公平税制についても、毎年毎年この不公平税制というものについては努力してきておりますけれども、私たちはやっぱり不断の努力をする必要があろうというふうに考えておりまして、こういった問題とも真剣に取り組んでいきたいと思います。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 今まさに民間がリストラを懸命にやっている。血と汗を流している。そのときに、増税をお願いする側が今までのとおり何も変えませんよということでは説得力がない、国民の理解が得られないと私は思うんですね。  ところで、それじゃ行政改革を言いますと、中期行革大綱というのをこの前おつくりになりました。中を見ると、規制緩和と地方分権以外目新しいものは何もないんですよ。しかも、いつまでに何をやるということは一つもない。こんなことで私は行政改革ができるんだろうかと思いますよ。総理、いかがですか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 当然これは方向というのは示していかなければいけないというふうに思います。やっぱり目標がなかったらだれもこれは努力しないものでありますから、目標を示していく必要があろうと思います。  そのときには、例えば中央省庁等についてもやっぱり考えなきゃならぬでしょうし、あるいは特殊法人というものについても我々は徹底して議論して、本当にどこまでできるのかということも一つの方向は示していかなければ国民の理解を得ることはできないだろうというふうに思います。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 何かのあれに書いていましたが、この増税、子供がお母さんにお小遣いをふやしてくださいと、こう言うわけですよ。お母さんの方は、それは場合によってはふやしましょう、しかしあなたはお小遣いの使い方をちゃんとやっていますか、むだはありませんか、何のために要るんですか、こういうことになるわけですよ。そこの点をきちっとやることが私はどうしても必要だと思う。  ところが、今また総理のあの答弁では、それでは行政改革をちゃんとやる決意は伝わってきません。どこをどうおやりになるのか、きちっと言ってください。

石田幸四郎公明党総務庁長官

○国務大臣(石田幸四郎君) 行政改革の問題については、基本的な問題は総理から今お話がございましたけれども、これはいっの時代においてもやはり行政の簡素化を目指してきちんと進めていかなければならない問題だと思います。同時にまた、そういった社会の変化に対応して、そして行政の仕組みをまた考えていくという必要があろうかと思うのでございますが、そういうようなわけで、第三次行革審からもいろいろな御答申をいただいたところでございまして、その示された方向性については本年度定めた行革大綱にきちっと盛り込まれておるわけでございます。  ただ、規制緩和一つ取り上げてみましても、確かに民間の皆さんから見た場合に、この規制緩和を進めることによってどれだけのいわゆるメリット、計数的なメリットが出てくるかということについては、今想像するような数値しか出てこないわけでございますから非常に御理解が進みにくいかもしれませんけれども、少なくともこの規制緩和を進めることによって十数兆円のそういう経済メリットも出てくるということをおっしゃる方もあるわけでございますので、そういった意味で実質的に社会的な効果があろうかというふうに思います。ですからこれをきちっと進めていかなければなりません。  今までの議論のあった分については、今国会に御提出を申し上げております一括法案、二十四の個別の法案で今御審議をお願いいたしておるところでございます。  そしてまた、規制緩和については、これはもう法律万般にわたるわけでございますから全部一挙にやるわけにはなかなかいきません。そんなことで、この六月末に、専門部会で今やっておりますところの規制緩和の問題をきちんと整理しまして一つにまとめる、その後五カ年計画を立ててきちんとやっていきたいと思っておるわけでございます。  また、地方分権のことについて、余り長くなってはいけませんのでごく簡単に申し上げますと、これもまた大きな、これからの地方と中央との行政の区分を明確化することによりまして、地域の主体性を確立させていきたいということでございますから、これは今後の行政改革に与える影響は極めて大であると、このように思っているところでございます。  そのことを進めることによりまして、例えば規制緩和をやりますと、いわゆる法律等を緩和し廃止をするわけですから、役所のそれだけの事務量が減ってくる。また、地方分権をやることによりまして地方と中央の行政の区分を明確化することができれば、これまた中央のそういった行政の簡素化につながっていくわけでございますから、確かに片山先生が今おっしゃったように、どうも言葉だけでは見ることができないが、それを進めることによって結果的に大きなメリットを国民の皆様に享受していただくことができるのではないかと。  それから、もう一つのやはり特殊法人の問題、省庁の問題、ここがもう一つ見えてないところに……

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 まだ質問してないですよ。

石田幸四郎公明党総務庁長官

○国務大臣(石田幸四郎君) そうですか。  じゃ、そこまでにいたしておきます。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 総務庁長官、長々とありがとうございました。  今、与党の行財政改革小委員会というのがいろんなことをやっているんですね。特に特殊法人の見直しに力を入れておりまして、九十二ある特殊法人は例外なく見直すと。物によっては廃止、縮小する、統合する、委託をする、こういうことを言っているんですよ。しかも、今の長官の方の大綱だと、点検を二カ年でやると言っているんです。ところが、それを一年でやってしまう、前倒ししてやってしまうと。もし、これがきちっと結論が出たら、成案かもしれませんけれども、その場合はそれをおやりになりますか。議院内閣制ですから、与党が決めたら。

石田幸四郎公明党総務庁長官

○国務大臣(石田幸四郎君) お答えいたします。  与党で今そのような審議をしていらっしゃることについてはお伺いをいたしました。したがいまして、その与党の結論が得られれば、私どももその努力をいたしたいと思います。  しかし、これはやはり同時に国会改革の問題にも大きな関連があるわけでございますので、そういった意味で、皆様方の御意見も十分に拝聴した上で、前向きに取り組まなければならない課題と、このように思っております。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 総務庁長官ね、省庁の統合まで言われましたので質問だけいたします。  公共事業省をつくろうといって与党の小委が言っているんです。そういう構想がある。それは、国土三庁の統合問題は昔からある。しかし、なかなか難しいですよね、それぞれ経緯も事情もあり理屈もありますから。  それから、公務員数の凍結というんでしょうか、縮減です。これは、国家公務員の場合には規制緩和をやって減らせと、地方公務員の場合には民間委託を進めて減らせと、こういう趣旨のことを言っていると思うんですよ。  長官、いかがですか、それについて。

石田幸四郎公明党総務庁長官

○国務大臣(石田幸四郎君) まず、機構、定員の中の定員問題でお答えを申し上げますと、これは先生御指摘のとおり、やはり新規需要もいろいろな角度でございます。例えば、在外公館をふやしてくれというようなことの問題、あるいは空港をふやせばそういった関税の係の方が要るというようなことでございます。あるいは看護婦さんの国立病院等の充足というようなことも御要求がございます。そういうような新規需要がございますけれども、先ほど御報告がありましたように定員は厳にやはり抑制ぎみにしていきませんとなりません。  最近の傾向を見ておりますと、地方自治体におきましては福祉等の問題におきまして新規の需要が出ておりますので、地方公務員が実はふえているわけです。中央は減らしておりますけれども、残念ながら地方はふえているというような問題でございますから、ここら辺はもう一度きちっと自治省においても計画を見直していただきまして縮減ぎみにしていただかなければならない問題であろうというふうに思っているところでございます。  あと、省庁統合の問題につきましては、特に国土三庁の問題は、本当にこれはもう先生長い間のお話でございますから、私はやる時期が問題だと思うのでございます。やはり現在、羽田政権の中で、北海道開発庁、沖縄開発庁、両方認めておって担当大臣がいらっしゃるわけでございますから、そのときに直ちにやめるということにはできないわけでございまして、それはもう羽田政権としての意思として現在やるということを決めているわけでございます。  ただ、私は思いますのに、これは個人的な意見になるかもしれませんが、三庁統合の問題は、いずれかの新しい内閣ができたときに、そのときの判断としてやるのが一番いいやり方ではないのかなという気がしてならないわけでございます。  しかし、いずれにしましても、もうこの地方分権の問題、これから大いなる議論を進めていくわけでございますから、私はその議論の中で、当然首都機能の移転の問題もございますから、ここら辺の議論を何とかまとめて、その中で方向性を見出していくのがこの三庁統合の問題としてはいいのではないかと、こんなふうに考えております。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 行革のためには政権交代と、こういうことでございますから、自民党政権にまた復帰しましたら大変な宿題を総務庁長官は背負わされたことになりますが。  そこで、先ほども私学助成の話がありましたが、補助金の整理合理化ということで特に文教や福祉を中心に国の補助金が交付税に相当肩がわってきたんですね。これをさらにお進めになるつもりかどうかを大蔵大臣にお聞きしたい。  それから、私学助成はもともとは高校以下は地方がやっておったんですが、ところが、私学助成法というのを国がつくりまして国の責任を明らかにして国が補助金を出し始めたんですよ。そしてだんだん国の補助金がふえていった。ところが、今度は財政が窮屈になったものだから、だんだん減らしてきているんですよ。私は、これはどっちも便宜主義でいいかげんだと思いますよ。国と地方の私学助成に対する責任をきちっと整理して、その整理に基づいて国が幾ら地方が幾らという負担をはっきりすべきなんで、金がないからあるからで国と地方で金のやりとりをするようなことは私は問題だと思う。これは大蔵省、文部省も自治省も全部責任があると思います。代表して文部大臣の御意見を聞きたい。

赤松良子文部大臣

○国務大臣(赤松良子君) 大蔵、自治、文部、それを代表してというのは大変荷が重いように思いますが、精いっぱいお答えいたしたいと存じます。  今度の平成六年度予算案で確かに国の補助金を減らしまして地方交付税の方をふやすという措置をいたして御審議いただいているわけでございますが、これはこれまでの国庫補助ということを方針を転換してするということではございませんで、ことしの財政事情の非常に厳しいことに着目をして率を下げたということでございまして、一般財源化をするという方針に変えたということではございませんので、ことしの特別な措置であるというふうに私は認識し、また大臣折衝の際にも大蔵大臣にそのように申し上げたところでございます。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 大蔵大臣、今の補助金の整理合理化と私学助成、一緒に後で答えてください。  その前に佐藤長官、どうぞ。

佐藤守良改新北海道開発庁長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(佐藤守良君) じゃ、片山先生の御了解を得てちょっと一言。  今、沖縄開発庁、北海道開発庁の話出たものですから、お許しを得まして答弁させていただきます。  実は、沖縄、北海道というのは特に特殊性があるわけですが、これは共通したものが一つございます。それは、行革の方向が両方とも似ておることでして、地方分権と縦割行政を排して総合的一元化しているということで両方とも共通している。だから、ある意味において地方分権のサンプル、これは北海道開発庁それから沖縄開発庁だと思っております。  それから沖縄開発庁につきましては、実はこれは、もう先生御存じのとおりでございますが、非常に特殊性がございまして、戦場であったこと。十八万六千の人が亡くなっております。それからまた、二十数年間米軍の占領下にあった。その後四十七年から本土に復帰したわけですが、実はその当時は全国比で六割が沖縄の所得でございました。今は、二十年たって七二%です。四十七年の公約は、本土並みに必ずするという約束でしたわけです。特に、これがなれない要因は基地の問題です。基地が大体七千四百万坪ございます。これは大変なことです。いいところは全部押さえられている。したがって、やはり私は信義の問題からいきまして、公約どおり本土並みに所得をしなくては、それまでは開発庁は存続すべきである、このように考えております。  それから、北海道開発庁につきましては二つございます。  一つは食糧基地の問題です。先ほども加藤大臣と須藤さんのやりとりがございましたが、食糧基地、北海道は今一割でございますが、内地は後継者が減ってきておりますので、そうするとこれを補うのは北海道しかございません。そんなことでございまして、特に世界的食糧から考えた場合に、実は現在人口五十八億人でございますが、二〇二五年には人口八十六億人、二〇五〇年には百億人になるといいますが、食糧問題を考えた場合に、地球上で飯が食える数が大体八十億人といいます。その際に食糧をどうするかという問題、この辺を含めて食糧基地としても大切だ、こう思っています。    〔委員長退席、理事久世公堯君着席〕  それからもう一つ。大変時間をとって申しわけありませんが、私は、北海道は将来日本の大変すばらしい土地になると思ってます。それは、いわゆる首都機能移転の有力な候補地の一つです。それは飛行機なんです。首都機能にとりましては、水、土地、港、飛行機が大切ですが、二十一世紀の飛行機は旅客が六百人から八百人です。コンコルドはマッハ二から二・五で大体乗客三百人、滑走路が六千メーターなんです。そういう空港のつくれるところは、実は北海道しかないんです。  そんなところでございまして、特に北海道、沖縄に御認識を賜りまして、温かい御理解いただきますことを心からお願いします。ありがとうございました。

藤井裕久改新大蔵大臣

○国務大臣(藤井裕久君) まず、補助金の問題でございますが、私は零細補助金というのは受ける側にとっても必ずしも好まれていないという事態はもう片山委員もよく御承知のとおりであって、平成六年度は都道府県は二千五百万を三千万にふやしました。市町村はその十分の一で二百五十を三百にした。これは何としてもやっていきたいと思っております。  私学助成でありますが、先ほど倉田委員のときにもお話ししましたように、これはもともと所轄庁が都道府県であり、その助成効果も大分出てきた。かたがた、私学振興助成法では、私学については御承知のようにできる規定なんです。義務規定ではない。都道府県が補助した場合には国が補助することができると、こうなっておりますので、このような措置をとらせていただきました。  私は、一般財源化ということは決して悪いことではないと思っております。ただ、平成七年度をどうするかは、文部大臣が答えられたように私も理解をいたしております。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 今の私学助成の答弁、大蔵大臣、文部大臣からいただいたんですが、どうも文部大臣の答弁は私はよく理解できないんですよ。再度御答弁お願いします。

赤松良子文部大臣

○国務大臣(赤松良子君) 本年度は確かに補助金の一部を削減いたしました。    〔理事久世公堯君退席、委員長着席〕 しかし、その分、地方交付税の面でより増額を図ったところでございます。しかし、これはその方針を転換して今後ずっとそういう方向で進めるという意味ではなくて、ことしの財政事情にかんがみまして残念ながらそのように補助金を削減したということであって、ずっとその方向で次年度からもいくということではないということを申し上げたつもりでございます。  また、大蔵大臣にも大臣折衝の際に私どもとしてはそのように考えているということを申し上げて、大蔵大臣も今おっしゃいましたように、そういうふうに文部大臣の意見として受けとめているというお答えをいただいたところでございます。

藤井裕久改新大蔵大臣

○国務大臣(藤井裕久君) 今申し上げたことを、もう一度私が文部大臣のことを受けて整理しますと、基本的に交付税化は、物によってではございますけれども、費目によっていいことである、こういうふうに私は考えています、一般財源化。そして、その一つとして今回やらせていただきました。それに対して、大臣折衝において文部大臣が今おっしゃったような意見を述べられました。  そういうことを踏まえてまた来年取り上げますが、私どもは一般的に一般財源化はいいことであると考えていることを改めて申し上げたいと思います。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 いや、大蔵大臣、一般財源化は物によりますよ。私も反対じゃない。しかし、交付税化をするためには交付税の総量をふやさなきゃいけませんよ。一方的に国のものを切って交付税に振りかえるんなら、これは財源配分の変更ですから、そこのところをよく理解してもらわなきゃいけません。  それから、文部大臣は、平成六年度だけこういうことで平成七年度からもとに返ると言うんですよ。ところが大蔵大臣は、一般財源化はいいことだと。これ、答弁が違うじゃないですか。私が言ったのはそうじゃないんですよ。私学助成に対する国と地方の責任を整理してそれに基づくきちっとした負担関係を決めなさいと、こういうことを言っているんですよ。その場合、地方が全部の責任を持てというなら交付税でもいいんですよ。あるいは半々だというなら半々でもいいんですよ。今みたいに上がったり下がったりシーソーゲームみたいなことじゃいけませんよということを言ってるんですよ。  これは、ちょっと今の答弁ではどちらも納得いたしませんよ。

藤井裕久改新大蔵大臣

○国務大臣(藤井裕久君) 私どもは今申し上げたように、物によりでありますが、一般財源化はいいと、そしてその一つでこれを実行させていただきました。それに対して文部大臣が、これは全部以後も続けていくのは困るということを言われました。片山委員が今言われたような問題を含めて平成七年度予算で改めて検討すると、こういうことでありまして、私ども財政当局としてはこれはいいことであるということをもう一度申し上げたいと思います。

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 速記を起こして。

赤松良子文部大臣

○国務大臣(赤松良子君) 本年度、六年度につきましては先ほど申し上げたとおりでございますが、七年度以降の具体的な取り扱いに関しましては、私学助成の趣旨、私立学校等に対する都道府県の助成水準など、そのときの経済財政状況をよく勘案いたしまして予算編成過程において適切に判断をいたしたいというふうに思っております。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 いや、とにかくその答弁じゃだめなんですよ。私の言っていることに的確に答えていないし、しかも来年は来年の財政事情その他の情勢次第だと言うんですよ。それを私は大変問題だと思う。  自治大臣が発言を求められておりますので、委員長、発言をお許しくださいますように。

石井一改新自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(石井一君) 片山先生はこの道のベテランでございますから私からおこがましいことを申したくはないのでございますが、要するに、平成元年のいわゆる臨時行革審の答申の中にも明確に、公共団体の自主性にゆだねるべきものにあってはその廃止や一般財源化について進められたいと、こういうふうな一般論といいますか、指示がございます。  それからまた、自治省がその後ずっと、国庫補助金、負担金の整理合理化についての基本的な考え方という中でも、いわゆる地方団体の事務として同化定着するものについては一般化を進めてもらいたいと、こういうふうなことを言っておるわけでございます。  そこで、具体的なこの問題に関しまして、確かに御指摘のようにそういう一般財源化をいたしますと、ひもつきの財源でなく、地方公共団体においてはどのような使途に充てても自由だというふうなことにはなるわけでございますが、その裏づけとして、それに対する十分な予算化をしておると、この私学の助成については。これは、特に高等学校以下の私学に対する助成ということでございますが、確かに国費では大幅の減額、二百数十億の減額というふうになっておりますけれども、地方自治体の交付税に充てるものが相当、一〇・六%伸びておりまして合計五千百四億、六・三%の伸び、これが地方財政計画の中に組み入れられておる、こういうふうなことでございます。  しかしながら、このことによって地方の私学がもう国からの補助がなくなってくる、今後は地方に面倒を見てもらわなければいけないというふうなそういう不安等々もあろうかと思いますが、一般的には一般財源化をしていく。そして今回、この措置が適切に行われておるか、私学に負担をかけていないかというふうなことを本年度の決算までに十分検査し、それでこれが適法であるということになれば来年続けていく、そうでなければまた別の予算措置を講ずる。こういう中から、大蔵省、文部省とも自治省が中心になりまして調整をし御納得のいくような方向で処理をしたいと思いますので、御了解をいただきたいと存じます。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 私の言ったこととは違うんですよ。違うんですけれども、それは置いておきまして、今の三大臣の御答弁、自治大臣は、自治大臣であるにかかわらず、あるいは自治大臣であるからかもしれませんが、一般財源化が好ましい、こういう趣旨のことを言われました。大蔵大臣は、物による、物によるけれども平成七年度の予算編成はまた平成七年度の話だと。それから文部大臣は、今回の措置は平成六年度だけだ、平成七年度はもとに返る、そういうことを言われました。事務方が知恵をっけたのかどうか知りませんよ、来年は来年の、平成七年度の予算編成はそのときの状況次第ですと。  これは、もう三大臣ばらばらでありますから、私は統一見解、政府としてのきちっとした見解を出していただくよう要請いたします。

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 速記を起こして。  ただいまの片山議員の統一見解の要求は、きょうしゅうに統一見解を出してもらいます。    〔村上正邦君「きょうじゅうというのは、    この予算委員会が終わるまでという、そう    いう意味ですね」と述ぶ〕

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) そういう意味です。  きょうの予算委員会が終わるまでに統一見解を出してもらいます。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 行革絡みで、もう一つの問題は日本の公共投資のあり方、一つはシェアの問題があるんです。しかし、シェアの問題は今さら言いません。単価というのか、公共投資の大変コストが高い。特にゼネコン汚職絡みで大変問題になったんです。人によっては三割から四割高いと。私はそこまではと思いますけれども、実情はどうなのか、もし本当に高ければ原因は何なのか、対策は何なのか。建設大臣、お答えいただきます。

森本晃司公明党建設大臣

○国務大臣(森本晃司君) お答えいたします。  委員御指摘のように、日米間で比較いたしますと、公共事業費が三割高いというふうに言われているところでございまして、それはいろいろと異なる事情は、一つは自然環境が大きく異なっている。アメリカのような広大な土地のところと日本のように山とそして海が急に迫っている地域、こういった自然環境の事情の違いもございます。また、構造物の設計基準等の相違もございます。さらにまたいろいろと施工手順、あるいは安全対策及び労働力、資材等の調達方法が国によって大きく異なっているのではないだろうかというふうに考えます。  そういった事情で三割程度高くなっているということを認識しておりまして、この改善にまた我が省としても今積極的に取り組んでいるところでございます。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 どう取り組んでいるかを答えていただかなきゃいけませんよ。

森本晃司公明党建設大臣

○国務大臣(森本晃司君) 昨年、建設省に設置されました公共工事積算手法評価委員会等々でも検討しております。また、建設省として皆さんの税金をお預かりして公共事業を行っているところでございますので、税金のむだ遣いをしないという意味からも、内外価格差検討委員会を設置いたしまして、実態把握を行いまして行動計画を今秋をめどに策定して、一層の低減が図れるようにこれからも頑張ってまいりたいと思います。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 必ずしも満足しませんが、それでは次に進みます。  行財政改革と並んで、税制改革のための前提は私はやっぱり不公平税制の是正だと思います。  一つは、消費税自体の見直し、特にいつも問題になります益税システム、免税点の問題、簡易課税の問題、限界控除のシステムの問題、これについてもう大幅な合理化あるいは廃止をやれ、こういう意見がありますが、いかがお考えでしょうか。

藤井裕久改新大蔵大臣

○国務大臣(藤井裕久君) 益税だけでいいですか。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 とりあえず益税だけ。

藤井裕久改新大蔵大臣

○国務大臣(藤井裕久君) この益税という言葉遣い、なかなか難しいんですが、益税というのは、本来消費者の方が納めてくださって、実際事業者の方が納めないという部分だと思います。また、今の片山委員の御指摘は中小企業特例の話だと思います。  そこで、それを分けて申し上げますが、私はいわゆる益税というのは巷間言われているほどあるとはとても考えられないんです、相手が中小零細企業なんですから。そして、特に平成三年の改正によりましてみなし仕入れ率というものを四段階に分けたりしたことによって、世にいう益税の方は非常に少ないと思います。  もう一つの中小企業特例でございます。これは平成元年導入の際に、中小企業の方々の御不安というものにこたえてああいう形をつくりました。  しかし、反面において御批判のあることも事実でありまして、今挙げられた三つについてはそれぞれ税制調査会の御審議をいただいておりまして、今の片山委員の御指摘というものは十分考えてまいりたいと思います。物によるとは思います。しかし、今ここで何は何とは申し上げませんが、考えるべき事態だと思っております。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 これをやめれば八千億ないしは一兆六千億の税収増がある、消費税率にして〇・六%引き下げ可能だと、こういう説があるんですけれども、これは間違いですか。

藤井裕久改新大蔵大臣

○国務大臣(藤井裕久君) これは明らかに制度としてそれがある以上何がしかの減収があるということは事実でありまして、わかる範囲で事務方から答えさせます。

小川是大蔵省主税局長

○政府委員(小川是君) ただいまお尋ねの中小事業者に対する特例による減収額でございますが、平成二年に調査、推計をいたしまして、資料を提出した経緯がございます。  免税点で〇・三兆円程度、簡易課税で〇・二兆円程度、限界控除で〇・一兆円程度でございます。しかしながら、これは先ほど大臣から答弁いたしました簡易課税の改正前の数字でございまして、簡易課税と限界控除で約〇・三兆のうち、その後の改正で七割程度は縮減されたのではないかというふうに見ているところでございます。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 そうすると、主税局長の計算ではあと二千億ぐらいあるというわけですね。単なるペーパー上の計算ですよ。  そこで、もうその問題はおいておきまして、この前衆議院の予算委員会で不公平税制是正について総理はグリーンカード制の導入など総合課税化について意欲ある答弁をされたというんですが、それは事実でしょうか。それから、前からこれも議論になる学校法人や公益法人に対する課税強化の問題、あるいは株式や利子配当に対する特別措置の問題、こういうものについてどういうお考えでお取り組みになるか、お聞かせいただきたいと思います。

藤井裕久改新大蔵大臣

○国務大臣(藤井裕久君) まず、公益法人でございます。公益法人に何がしかの特別の措置があるのは御指摘のとおりでありまして、収益事業について中小企業より一%低いという問題、それから、その収益を本体事業に繰り入れた場合の特別措置があるのは事実であります。また、金融資産の取り扱いというのもあります。これについては、この間成立させていただきました法律によりまして一部の特別措置を是正させていただきました。  なお、あの是正を受けて皆様方の御意見があれば考えていかなければならないと思っておりますが、それは一つの検討事項ということで御理解いただきたいと思います。  次が、利子配当課税と絡んでのグリーンカードとおっしゃいましたが、今は納税者番号という言葉をみんな使っておりますのでそっちに言いかえさせていただきますが、私は所得税というものは本来総合課税だと思います。思いますし、現にシャウプ税制では総合課税をしたわけです。利子も総合課税だった。しかし三年でやめたわけです。三年でやめたのは、決して変な理由でやめたのではなく、実際上執行できないということでやめたわけでありまして、私は、執行できないような体制のもとにおいてそれこそ紙の上だけで総合化をすることは逆の不公平をもたらすという意味において、むしろ今の方がセカンドベストだと考えております。  したがいまして、そうすると執行の裏づけになる仕組みをどうするかという問題の御指摘と思います。  これにつきましては、本来総合課税であるという大原則を私どもは考えておることと、しかしその執行の裏づけということが、コストの問題とそれからプライバシーの問題と、この二つが非常に重要な要因だと思います。近年、このプライバシーの問題につきましても、当院といいましょうか、衆議院においてもこれをやるべきであるという積極的な御議論もいただきまして、その院の御議論、そして世論というものを見きわめながら、このプライバシーの問題をどう考えるかを見てまいりたいと思っております。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 いろいろ御答弁いただきましたが、私は、増税には少なくとも政府は謙虚、慎重、憶病でなきゃいかぬと思うんです。ところが、今回の消費税増税に絡む一連の動きは、私は猪突猛進じゃないかと思うんです。  例えば、大蔵省と通産省の事務方のトップが二人一緒になって財界や言論界を消費税を上げてくれと行脚して回ったという。しかも、そのかわりに公共投資を百兆円上積みしますと。あるいは法人特別税や自動車の例の消費税、あれを下げますよと。こういうことを役所のトップがやることがいいのかどうか。事実かどうか知りませんよ。しかし、事実だと報ぜられている。  あるいはこの間の国民福祉税騒動、あるいはこれからお尋ねしますが、突如、まあ突如じゃないんだろうけれども、いつの間にやら二十一世紀福祉ビジョンが麗々しく権威あるものとして登場している。私はおかしいと思います。増税には、何度も言いますけれども、慎重で謙虚で憶病でなきゃいけません。一つもそういうあれがない。  総理、どうお考えですか。やっぱり手順を踏んで、国民の合意を得てちゃんとやっていかにゃいかぬと思います。私個人は消費税を上げることに別に反対じゃない。しかし、いっどういう形でどういう手続を経てどういうふうに上げていくかということが私は大切だと思うんです。いかがでしょうか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 今御指摘がありましたように、憶病でなければいけないと言ったこと、まさにそういうものであろうというふうに考えます。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 今、私は質問で申し上げましたが、今の大蔵省、通産省の事務方のトップがずっと回ったという、これについて、大蔵大臣、事実を御存じでしょうか。

藤井裕久改新大蔵大臣

○国務大臣(藤井裕久君) その事実は知りません。知りませんが、もう既に何度も申し上げているように、私は二十五年前から将来の日本の税制のあり方はこういう方向に行かなければならないということをずっとやってきて、そしてそれに基づいてうちの職員は動いていると思います。  それがどこへ行ったかということについては私は承知いたしておりません。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 そうすると、大臣の許可というのもおかしいけれども、大臣に御相談せずに回っているわけですね。通産大臣、いかがですか。

畑英次郎改新通商産業大臣

○国務大臣(畑英次郎君) 私は、経済界との意見交換等々の形の中で接触があったと、これは承知をいたしております。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 大蔵大臣と通産大臣にお願いしますが、事実を調査して御報告ください。

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 速記を起こして。  十分間休憩します。    午後四時五分休憩      —————・—————    午後四時二十分開会

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) ただいまから予算委員会を再開いたします。

藤井裕久改新大蔵大臣

○国務大臣(藤井裕久君) ただいま御指摘の点について確認をいたしましたが、こういうことでございます。  年末からのこの総合経済対策の策定をめぐって、経団連等の経済関係の団体の幹部等に対して、経済の状況だとか対策についての考え方についての意見交換を行ったことは事実であります。また、その一環として税制についても意見交換をいたしました。お会いしたのは、経済四団体、労働界、学界、言論界等の皆様でございます。

畑英次郎改新通商産業大臣

○国務大臣(畑英次郎君) ただいま確認をしまして、大蔵大臣の答弁の内容を私自身も確認をさせていただきました。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 両大臣から今御答弁いただきましたが、単なる意見交換じゃなくて、我々が聞いているのは消費税問題の協力要請だというふうに聞いているわけです。しかも、先ほど大蔵大臣、通産大臣にお聞きしましたら、通産大臣はかわられていますけれども、大臣の了解、指示を得ることなくと、こういうことでございまして、最近、官僚主導云々ということが広く世間で言われておりますけれども、私は事実関係は必ずしも正確に承知いたしておりませんけれども、やはり今の答弁では納得できないわけであります。

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 速記を起こして。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 先ほども質問いたしまして、大蔵大臣からは、大臣が御指示をしたのでも向こうから相談に来て了解したのでもないという答弁を承りましたので、その点おかしいんじゃないかということを申し上げました。再度確認いたします。  それから、意見交換というお話でございましたが、意見交換なのか、あるいは税制、特に消費税に絡む協力要請なのか、その点について両大臣のはっきりした御答弁をいただきたいと思います。

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 藤井大蔵大臣、今の質問にずばり答えてください。

藤井裕久改新大蔵大臣

○国務大臣(藤井裕久君) 私は、前者については、うちの職員に対して、経済政策の実現に当たって、どういう方々がどういう御意見を持っているかよく幅広く伺ってくるようにということは申しておりました。  それから、第二の方は、今確認したところ、これは経済政策についての意見を伺ったと言っております。

畑英次郎改新通商産業大臣

○国務大臣(畑英次郎君) 当時のお目にかかった際の意見交換、それを主体に十分な御理解を願うような意味合いでのお話を申し上げた、かように確認をいたしております。(「答弁漏れ、答弁漏れ、大臣、それ了解しているのかどうか」と呼ぶ者あり)いわゆるお話をしに回る際に、大臣の了解、そしてまたお話をしての、話の場を持たさせていただいたというように私自身は承知をいたしております。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 大蔵大臣の幅広くということは、この件での指示、了解ではなくて、一般的に経済や財政や税制についての外部の人との意見交換をしなさいという御趣旨でしょうから、少なくともこの件についての私は指示、了解ではないと思いますし、それから、事実関係はよくわかりませんけれども、そのためにわざわざずっと行脚して回るというのもおかしい話ですから、私は、税制改革、特に消費税引き上げについての協力要請だと、こういうふうに理解しますので、今の答弁では承服できません。

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 藤井大蔵大臣、今の点について、ずばり質問に対して答えてください。

藤井裕久改新大蔵大臣

○国務大臣(藤井裕久君) 今お答えいたしましたように、まず前者は、私は今回の経済政策を実現するに当たって意見を幅広く伺うようにということを申しました。いわゆる抽象的な話ではありません。経済政策についてであります。また、この税制改正の意見も出たことは明らかでありますが、協力を依頼するというものではないというふうに本人と言っておりますし、そのように承知しております。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 この件で今の経済団体や労働団体のところを回るということの相談があったんですか、本当に。今、大臣が言われたのは一般論じゃないですか。

藤井裕久改新大蔵大臣

○国務大臣(藤井裕久君) その点については私から申しました。幅広くいろんな方の意見を伺うようにということを申しました。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 大蔵省と通産省の事務方のトップが二人そろうというのはどなたの指示ですか。大蔵大臣の指示ですか。それじゃ、了解ですか。

藤井裕久改新大蔵大臣

○国務大臣(藤井裕久君) 私は、その点は知りません。

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 速記を起こして。  再開します。  片山議員、今の疑問点というのをさらに続けて。同じことであってももう一遍やってください。  速記をとめて。    〔速記中止〕

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 速記を起こして。  片山委員、もう一遍論点を明確に述べてもっと明確に言ってください。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 この件について大蔵大臣、通産大臣の個別具体の指示ないしは了解があったかどうか、なぜ大蔵と通産がコンビで行脚をしたか、その行脚の目的は税制についての協力要請ではなかったのか、この三点でございます。

藤井裕久改新大蔵大臣

○国務大臣(藤井裕久君) 第一点は、繰り返しになりますが、経済政策をいよいよ具体化するに当たって関係方面を広く回るように指示をいたしました。  それから、各省との問題でありますが、具体的にだれとだれと行ったかということは先ほど申し上げたとおりでありますが、これは関係省庁が連絡し合うということもまた当然あるのではないかと思っております。

畑英次郎改新通商産業大臣

○国務大臣(畑英次郎君) 先ほど来申し上げておりますとおり、事務次官と大臣との話し合いの中からかようないわゆる接触の場をつくったと、こういうように承知をいたしておるところでございます。  具体的にどういった意味合いで二人が打ちそろってとか、そういうことにつきましては、私自身は、それから先は当事者がそういう判断をされたものと、かように理解をいたしております。

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) そのときの通産大臣も答えさせましょうか、当時の。——熊谷内閣官房長官。

熊谷弘改新内閣官房長官

○国務大臣(熊谷弘君) お答えいたします。  本件は畑通産大臣がお答えしたとおりでございますが、細部は記憶しておりませんけれども、当時の情勢の中で、御存じのように、通産省というところは経済界あるいは中小企業の方々と情報交換をしその意のあるところを政府全体の政策の中に働きかけて生かしていく、具体的に自分のところに強烈な権限があるというわけじゃないものですから。そういう意味で、この経済界の方々の意見をよく聞くようにということを私は指示した記憶がございます。

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 速記を起こして。  暫時休憩します。    午後四時四十二分休憩      —————・—————    午後五時二十四分開会

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) ただいまから予算委員会を再開いたします。  速記録を精査するため本日の審査はこの程度にとどめ、片山君の関連質疑の残余については明日に譲ることといたします。  明日は午後一時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時二十五分散会      —————・—————

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