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129回国会参議院1994/05/20

予算委員会 第8号

発言数
346
登壇者
21
会派数
6
開催日
1994/05/20

会議録

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  速記をとめて。    〔速記中止〕

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 速記を起こして。  理事会協議の結果について御報告いたします。  参議院予算委員会で要求されている証人及び参考人問題については、平成六年度予算の審議前までにその取り扱いを各党間で協議し結論を得るものとする。  以上であります。     —————————————

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 次に、平成六年度暫定補正予算三案審査についての理事会決定事項について御報告いたします。  審査を行うのは本日一日間とし、総括質疑方式とすること、質疑割り当て時間の総計は八十五分とし、各会派への割り当て時間は、自由民主党四十四分、日本社会党・護憲民主連合三十四分、日本共産党五分、二院クラブ二分とすること、及び質疑の順位につきましてはお手元に配付いたしておりますとおりとすることに決定いたしました。  以上、御報告いたします。     —————————————

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  平成六年度暫定補正予算三案審査のため、本日の委員会に日本銀行総裁三重野康君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 平成六年度一般会計暫定補正予算、平成六年度特別会計暫定補正予算、平成六年度政府関係機関暫定補正予算、以上三案を一括して議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。大蔵大臣藤井裕久君。

藤井裕久改新大蔵大臣

○国務大臣(藤井裕久君) このたび暫定補正予算を提出いたしましたが、その概要について御説明申し上げます。  この暫定補正予算は、既定の暫定予算に追加し、あわせてこれを平成六年四月一日から六月二十九日までの期間に係る暫定予算とするためのものであります。  まず、一般会計について申し上げます。  暫定予算が本予算成立までの応急的な措置であることにかんがみ、今回の暫定補正予算におきましても、既定の暫定予算に準じて、人件費、事務費等の経常的経費のほか、既存の法令等により支払い期日が到来する経費などについて、補正後暫定予算期間中における行政運営上必要最小限のものを計上することとしております。  新規の施策に係る経費につきましては、原則として計上しないこととしておりますが、生活扶助基準等の引き上げ、国立大学の学生の増募等教育及び社会政策上等の配慮から特に措置することが適当と認められるものについては所要額を計上することとしております。  また、公共事業関係費につきましては、補正後暫定予算期間中における事業の継続的執行を図るため、一般公共事業につき、既定の暫定予算とあわせて、いわゆるNTT事業償還時補助を除く平成六年度予算額のおおむね七分の三を目途に計上することとし、その枠内において積雪寒冷地の事業については特別の配慮を加える等所要額を計上することとしております。  地方財政につきましては、六月までに交付する地方交付税交付金に係る所要額を計上することとしております。  歳入につきましては、税収等の補正後暫定予算期間中の収入見込み額を計上するほか、公債金について、同期間中において財政法の規定により発行を予定する公債に係る収入見込み額を計上することとしております。  以上の結果、一般会計暫定補正予算による追加額は、歳入において二兆九千百九十億円、歳出において十兆八千九百三十億円となり、これを既定の暫定予算に合わせた補正後暫定予算は、歳入総額六兆七千四百七十六億円、歳出総額二十一兆九千四百四十四億円となります。  なお、十五兆一千九百六十八億円の歳出超過となりますが、国庫の資金繰りにつきましては必要に応じ大蔵省証券を発行することができることとしております。  次に、特別会計及び政府関係機関の暫定補正予算につきましても、一般会計に準じて編成いたしております。  なお、財政投融資につきましても、一般会計に準じて六兆九千四百五十一億円を追加し、既定の暫定財政投融資計画と合わせて十六兆七千八百四十一億円を計上することとしております。  以上、平成六年度暫定補正予算につきまして、その概要を説明いたしました。何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願い申し上げます。

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 以上で平成六年度暫定補正予算三案の趣旨説明は終了いたしました。  それでは、これより質疑に入ります。前島英三郎君。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 委員長、先ほど証人喚問の取り扱いにつきましての御発言がございました。理事会におきましても、連日のように証人喚問、特に創価学会元弁護士の山崎さんの証人ないし参考人としての院への招致につきましては、いろんな議論が展開されたと思っております。  私たちは、二十年前にさかのぼるいわば宮本議長宅盗聴事件というような小さい問題としてこの問題をとらえているわけじゃありません。私たちは、今、日本の政治の中におきまして、新生そして公明党主導と言われるこの羽田内閣が新たに誕生する、その中に本当に政教が分離されているのだろうか、あるいは、総理が先般五月十日の船上での公明党の御紹介の中には、日本の宗教の政党と、こういうぐあいに総理自身も公明党は宗教の党であると、こういうとらえ方のもとに羽田内閣というものがスタートしているわけですが、私は、これは報道ですから後でちょっと伺いますが、そういう意味におきましてもやはり、私たちの今後の日本の政治のあり方ということを含めまして、この問題はぜひ与野党共通の問題として委員長のお裁きを期待いたしたいというふうに思うんです。  そこで、総理、今私が申し上げました五月十日の一つの、今、羽田内閣というものは自民党OBの政党、民社党、そして宗教の党公明党、という形で一つの公明党をとらえているということが報道されたからこそ私は言っておるんですが、総理、そういう認識を私たちが持っていていいのかどうか、まず冒頭伺います。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) あの発言というのは特別に原稿を持って発言したことじゃございません。そして、その基本といいますか、ああいう感じで話をしましたのは、ちょうどヨーロッパでいろんな首脳とお話ししましたときに、例えばキリスト教民主党なんという政党の方々ともお目にかかっておるわけでありますが、そういう中で宗教の一つの理想というものを持ちながら政治に当たっておるということ、これがまた国民の中からも評価されておるということ、そんなことがぱっと頭の中にありながら何げなく発言したものであるということを御理解いただきたいと思います。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 何げなく発言というのは、まさに普通の言葉なんですよ。普通の認識では全く総理のおっしゃったことは正しいんですよ。総理は、宗教の党としての公明党と我々は連立をするということを堂々と外国人もおられる皆さんの前でおっしゃったということが報道されているんですから、もう一回、何げなくなんという言葉じゃなくて、認識をしっかり言ってください。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 先ほど申し上げましたように、私がお会いしてきた中には、キリスト教民主党、そういう政党の皆さんともお話ししてきました。そういったことが頭の中にありながら発言したものであるということを御理解いただきたいと思います。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 それでは、総理の一つの意識の中には、公明党は政教分離されている、こういう強い信念をお持ちですか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 私はそのように理解をいたしております。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 そこで、私は最近の週刊文春の記事を見まして大変驚いたわけです。いわばそういう思いであるからこそ、総理が先般外遊をされたということにおいてローマ法王庁に創価学会の会長である池田さんの密書を届けた。見出しによると、「羽田首相は池田大作の密使か」、こういう大変強烈な一つの記事として、私も大変驚いて、しかし、宗教の党である友党の公明党からそういう依頼があればこれもまたむべなるかな、こういう思いを持ちながら、このことはやっぱり予算委員会でしっかりたださなければならないという思いに至ったわけでありますが、この記事に見られるように事実があったのかどうか、まず伺っておきたい。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 私もその記事を見せられまして大変驚きました。一国の総理大臣が、一つの例えは政党であろうと何であろうと、私の親書を持っていっていただくということはあり得ましょう。しかし、私が一つの宗教の代表者の方の親書を持っていくなんということはあり得ないことであるということははっきり申し上げておきます。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 私も当然そうであるというふうに思っているんです。しかし、あなたの外交の日程表を拝見いたしますと、バチカンで三日、ソダーノ国務長官にお目にかかっているわけですね。それでは、密書ではなくて、実はこれから池田名誉会長がヨーロッパを巡行される、ぜひ法王に会ってくれとかという言葉での一つの伝達役はなかったでしょうかどうでしょうか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 私は、官房長官ですか、とお話しをいたしましたときには、やっぱり宗教というものが今の世界というものの平和のためにさらに貢献していただきたいというお話があったことは申し上げております。しかし、一切今お話しのことについては何の話も出ていないことであります。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 とするならば、この週刊文春というものに対して、これは国家の総理の命運を決するような大変重要なことがこの記事にこんな見出しで出ているわけですよ。これに対して、あなたはこれからどういう処置、対抗手段として一つの形をとられるおつもりか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) この問題につきましては、私ども、たしか官房長官が記者会見のときにこの問題についてきちんと説明をされておるということであります。そして、よくこういった問題についての話はあるんですけれども、しかしこれをあれしますと、また、こうである、こうであるといういろんな憶測で物事が書かれていくということは、今までも皆さん自身がやっぱり御経験で、いろんな党の中で、いろんな御経験の中であるだろう。少なくも一国の総理が一つのよその団体の方のあれを持っていくなんということはあり得ないんだということは、これは私は、少なくも今日までの歩みの中ではすべて常識で歩んでまいりました。これは常識としてあり得るものじゃありません。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 これは私もいろんな私自身なりのネットワークも持っております。しかし、私もこんなことがあってはならないという思いでありますから、もしこういうことの報道があったとしたら、これは毅然と私はやるべきだと思う。これは国家のために、羽田内閣のために、羽田総理のために。これが普通の感覚なんですよ。(「いや、日本のためだよ」と呼ぶ者あり)日本のためだな。そういう思いに立つと、もう一度重ねて言いますが、全くそういうことはないんですね。もう一度重ねて聞いておきます。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) そこには、クリントンさんに対してもという何か記事があったそうであります。両方とも絶対にありません。これはこの委員会のこの席から国民の皆様にははっきり申し上げておきます。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 本当に今、声を大にして総理もおっしゃられたんで、私も若干安堵する思いを持つんです。  しかし私は、やはり抗議は、一国の総理として、いかに報道の自由とはいえ国家にとって重要なことでありますから、それなりの処置をしていただくこと、もう一度聞きたい。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) どのような対応をするのかこの問題について検討するようにということを、私は指示をいたしております。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 官房長官はどういう指示を受けておられるんですか。

熊谷弘改新内閣官房長官

○国務大臣(熊谷弘君) 総理から事実無根であるというお話をいただきまして、記者会見の席で明確に申し上げたところでございます。その後どのようにするかということにつきましては、宿題として検討をさせていただいております。  ただ、何度も申し上げましたように、私どもとしては記者会見におきまして、あらゆるジャーナリズムを前にいたしまして、明確に本件が事実無根であるということを申し上げたわけでございますので、このことは非常に重い意味があるというふうに思っております。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 まあ、重い意味があるということであるならば、やっぱり私は、前総理の細川さんの事実無根などという言葉は何回我々は聞いたかわかりません、そういう意味では、そういう思いを持ちますと若干疑念が残るんです。ですから、これはやっぱり徹底的にこういうことはないんだということをやることが、後でまさか前言が撤回されるようなことはないとは確信しておりますけれども、私はそのことを強く申し入れをしておきます。  と申しますのは、こういう経過も踏まえて、私はやはり公明党は政教分離はしていないんじゃないだろうかという思いが一般的な思いだと思うんです。  そういう意味で、やはり今度の内閣を見ましても国の重要なポジションポジションに閣僚としておられるわけです。例えば総務庁などというのは国の心臓部です。そこには委員長が座っておられて、そして情報の郵政省にも座っておられて、そして科学技術をまとめるというところにもおられて、アクセスのところにもおられて、それら公共投資の全体を仕切る監督庁にもおられてということをいろいろ考えていきますと、やっぱり不安が国民の中に声としてあるということを申し上げておきたいというふうに思うんです。  そういう意味でも、私は、やはりこの内閣がいろんな政務次官も含めましていろいろこの配置にも公明党、新生党主導の内閣であるという、その中におけるもろもろの国民の政教分離をされているんだろうかという一つの不安、そういうことがあるだけに、この問題を含めて山崎元弁護士さんの証人喚問ということがしたがって必要になってくる、こういうこともこの際申し上げておきたい、このように思っているところであります。  さて、羽田政権は少数与党でありますけれども、不安定であると同時に非常に短命内閣であるなんというようなことがよく報じられているわけでありますが、この点について総理自身はどういう認識を持っておられますか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 御指摘がございましたとおり、組閣する途次におきまして残念ですけれども社会党が離脱されたということで、まさに少数与党の上に乗った政権であるということを自覚いたしております。  しかし、今当面いたします、我々の前にあります課題というのはもう避けて通れない問題であるということでありますので、これはもうそれこそ与党、野党ということではなくて、率直に今の課題の必要性というものを誠心誠意お訴えをしながら、ともかく一日一日を一生生きるつもりで、一日一日を誠心誠意を持って私は務めていきたいということを申し上げたいと存じます。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 とにかく政治改革の中で、いつでも政権が交代されるようなそういう議会の活力をという割には意外に何かしがみつき的な発言もあるわけですし、私は少数与党になったいきさつというものをしっかりと振り返ることが大切だと思うんです。  それは、いわば突如起こった新会派改新の結成、それは総理の指名が終わった数時間後のことですね。それに背信行為だとか裏切りだと激怒して最大与党の社会党が離脱したところにそもそも発端があるわけです。あんなことをされたらおれでも怒るよなんて総理自身もおっしゃったということですから、ということは、ここでちょっと伺いたいのですが、院内会派改新の届け出の問題というのは総理は知らなかったんですか、あの発言から見ると。どうですか。その辺をちょっと聞きたい。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) ちょうどあの日は、私はああいう状態の中にありながらも、また外交日程その他なんかもあったはずでございます。  そういう中で、私は、テレビでもそういうことが動いておるということ、しかも各党の中でみんな理解があるということ、こういったふうに理解をいたしておりました。ですから、そのときに、院内会派をあの日のたしか八時だったというふうに後でお聞きいたしましたけれども、その時間に届けられたということはこれは率直に申し上げて承知しておりませんでした。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 やっぱりあなたは党首だから、つまりそれを知っていたなら社会党に対するだまし討ちだと私は思うんです。知らなかったというふうに今おっしゃいました。すなわち、それは二重権力ということなんです。これはあなたは肯定したことになるわね。こんな大事なことが、政権が選ばれた後、そのことをあなたが知らなかったというのは、いわばこれは二重権力と巷間言われることをそのままあなたはお認めになったというふうに思いませんか。いかがですか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) それは全然違うと思うんです。  私はこの八カ月間社会党さん初め皆さんと一緒にやってきまして、確かに生まれ育ちも違う、しかしお互いに垣根を乗り越えながら新しい政治の道を開いてきたということに対して誇りを持っております。  そういうことの中で、ただし、今我々の前に積み重ねられた課題というのは非常に難しいいろんな問題がある。しかも一つの期限が切られているような問題があった。そういったときに、一々持ち帰ってというよりは、できればなるべく多くの人たちが一緒になって物事ができるようになればよいなというようなことを私はたしか二、三日前のテレビなんかでもそういう発言をしているものでございますから、その意味で、テレビを見ながらそのことを知ったときにもあるいは報告を受けたときにも、これは本当に、そういうことで、しかも社会党さんはどうなんだろうといったら、社会党さんも理解しているということでありますから、これが本当にうまくいっているということは大変いいことだというふうに私は理解しておったのであります。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 自民党におられたわけですから、自民党の一つのこういう重要な決定機関というのは、これは微に入り細に入り積み上げていって、最後の総務会でけんけんごうごうの議論をして党議決定していくわけでしょう、プロセスが。そういう意味では、私は非常にあいまいだと思うし、あなた自身の考え方にもとてもこれからの日本の政権を任せられるというようなニュアンスが伝わってこないんですよ。毅然としたものがないんですね。党首ですから、あなたは。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 今、かんかんがくがくの議論があったというお話がありました。各党合意、こういったものがまさにかんかんがくがくと議論されまして、そして一つずつの問題が表にも実は出てきておるということでありました。そういうものを踏まえての私が知ったそういう報告でありますから、本当に各党がみんな理解されてやられることだったらこれはこれからのいろんな政治の運営に対して大変いいことであるということを、私は、党首ということよりはまさに選ばれた者として、これは大変いいことだなという思いを実は強く持ったということであります。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 このことだけが私の質問じゃありませんけれども、国民世論をいろいろ聞きますと、やっぱりあれは民主主義の詐欺じゃないか、詐欺みたいなものだというような声もあるんですよ。そういう意味では、政治の場でこんなだまし討ち的な策略が今後も展開されるとしたら、これはもう人間と人間、親と子、企業と企業、家族と家族、そういうものそのものが、何というか、信頼関係というものが成り立たなくなってくる、私は実はそういう社会になることを恐れるわけです。  ですから、あなたは組閣した後の時点で既に民意を私は代表していないというふうな思いが大変強くなっているわけでありますし、そのことは代表質問でも我が党からも厳しく投げかけたところでありますが、いかがですか、予算を通して、ここはもう政権を返上して、そしていま一度議会制民主主義に問い直す、これが普通の人の考えだと思うんです、普通の人の、あなたがよくおっしゃる言葉の。その辺はいかがでございますか。そのお答えを聞いて、お昼にさせていただきたいと思います。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 私といたしまして、そういう事情の中で少数与党の上に乗った内閣であるということ、これはきちんと踏まえていきたいと思います。  しかし、先ほど申し上げましたように、ただ内閣がすぐどんどんかわるということよりは、むしろ今私たちに課せられた課題というのはこれは避けて通れない問題でありまして、私たちが誠心誠意を持って皆さんたちにこうやってお話しをしながら進めていけば、私はただ、ですからさっき言ったように、一日一日がまず一つの一生であり一つの内閣での仕事であるというつもりで私はただひたすらにこれは努めていくということでありまして、いつどうこうするというようなことについて今考えておるものじゃありません。

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 前島君の残余の質疑は午後に譲ることといたします。  午後一時に再開することとし、暫時休憩いたします。    午前十一時五十九分休憩      —————・—————    午後一時一分開会

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) ただいまから予算委員会を再開いたします。  平成六年度暫定補正予算三案を一括して議題といたします。  休憩前に引き続き、前島英三郎君の質疑を行います。前島君。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 午前に引き続きまして質問させていただきますが、昨年八月以来の連立風というのは、我が国の政治に確かなインパクトを与えたのは事実だと思います。しかし、連立政権がスタートして以後の細川前総理の内容よりも見てくれを気にしたパフォーマンスには、私自身正直言ってあっけにとられました。NTT株あるいは佐川問題に絡む疑惑に対する虚偽に虚偽を重ねたとしか言いようのない国会答弁には本当にうんざりもいたしました。あげくの果ては、後のことは何も一切配慮せずに政権を投げ出してしまいました。国民生活や日本の経済はどうなってしまうか、大変心配をするところであります。  そして、その細川さんを担いだ人たちの責任というのは問われていないんですね。細川内閣で重要な役割を分担していた人たち、すなわち政党のリーダーの皆さん、最高意思決定の役割を担った人たちの責任というのが本当にはっきりしていない。そういう思い、何か変ではないかという気がするわけであります。当時、総理は副総理だったわけでありますが、国民にこの辺をどう説明し釈明されるか。  まず、民社党の委員長さんから伺いたいと思います。

大内啓伍改新厚生大臣

○国務大臣(大内啓伍君) 昨年の八月以来、細川政権の誕生によりまして日本の政治の中に一つの大きな改革、転機が起こったことは事実でございますし、また懸案の政治改革と諸立法につきましてこれを成立させることができたという面は前進でございますが、御指摘のように、細川総理御自身の政治資金の問題等々が起こりましてこれが八カ月に終わったということは、大変残念なことであったと考えております。また、予算の面におきましても、今日まで遅延しているということについても責任を深く痛感しているところでございます。  羽田政権は、その細川政権の改革を受け継ぎまして、これを何とか前進させたいと努力をしているさなかでございますので、私どももそういう面で決意を新たにして、その責任を果たしてまいりたいと思っております。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 担いだ責任という一つの御発言にしては、余りにも通り一遍過ぎると思います。  公明党の石田委員長さん、いかがですか。

石田幸四郎公明党総務庁長官

○国務大臣(石田幸四郎君) お答えを申し上げます。  今、大内厚生大臣もおっしゃいましたように、細川政権が誕生して政治改革、経済改革、行政改革に一つの道筋をつけることができたというのは、私は日本の政治にとって極めて重大な役割を一つ果たしたであろうというふうに思うのでございます。  しかしながら、あのような形で細川氏が退陣をされた結果、その後の政治情勢に非常に混乱を来した状況を考えてみますと、それは前島先生御指摘のように、やはり私たちそれを構成してきたというか、そういった内閣をつくってきたその責任というものについては、厳しい御指摘を受けてもやむを得ない点があるなというふうに私は感じております。  ただ、細川総理の誕生のころに、ああいうような形で政治資金問題についての問題が起こるということは全く想像し得なかったわけでございます。しかし、ただ、政治というのはやはり結果責任を問われるわけでございますから、そういった意味で、反省すべきところは反省をして新しい体制の中でそれなりの責任を果たしていかなければならないと思っているところでございます。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 その細川前政権の政策を引き継いだわけでありますが、新たに加わった自由党党首の柿澤さん。

柿澤弘治改新外務大臣

○国務大臣(柿澤弘治君) 細川前総理の辞意表明を受けまして、内政、外交ともに国難とも言うべき厳しい状況でございましたので、私たちは、今までの連立の枠を越えて、自民、非自民の枠を越えて救国連立内閣をつくるべきだというふうに考えました。そうした中で六人の同志とともに自由党を結成をいたしたわけでございますが、羽田総理から今回の連立与党の確認、政策合意をお示しいただきました。これは前内閣、細川内閣誕生のときの政策合意に比べて、税制改正、また外交政策、かなり踏み込んだきちっとしたものになっているというふうに考えましたので、私どもは欣然と参加をさせていただいたわけでございます。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 質問に対して的確に。  まあ、後ほどゆっくり外務大臣には所見は伺いたいと思っておりますが、新生党代表でもある総理はどのようにこの担いだ責任を感じておられますか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 先ほど石田委員長の方からもお答えになったとおり、私は全く同感であります。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 新生党の代表としての羽田さんに伺っているわけですから、ひとつ、担いだ政党ですから、連立ですから、あなたは党首ですから党首の立場としての責任論を私は伺っている。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 私が先ほど申し上げたのは、まさに石田さんも委員長であるわけですし、大内さんも委員長であるということでありまして、私も新生党の党首として全く同じであるという思いであります。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 いろいろと虚偽に虚偽を重ねた形、先般の参議院の予算委員会の藤木参考人のお話、最後に、うそはいけません、と本当に振り絞るような声で、細川総理への信頼が失われた藤木さんの胸中を思いやると切ないものを感ずるわけであります。私は、そういう意味では、担いだ責任の処し方とすれば、この内閣の最重要課題はいわば国の総理としての出処進退であろうというふうに思うんです。  今、細川総理に対する証人喚問問題が提起されておるわけでありますが、今度は柿澤さんから伺いたいと思いますが、証人喚問が必要と思うかどうか。

柿澤弘治改新外務大臣

○国務大臣(柿澤弘治君) できるだけ事実関係を明確にすべきだと考えておりまして、関係者の証人喚問は国会がお決めになることだと存じますが、私どもは異を唱えるつもりはありません。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 言うなれば、外務大臣個人とすれば証人喚問は賛成であるというとらえ方でよろしいですか。

柿澤弘治改新外務大臣

○国務大臣(柿澤弘治君) 前総理大臣の喚問はともかくとして、関係者の方については異を唱えるつもりはございません。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 関係者というと深山さんのことを指しておられるんですか、どうなんですか、どちらかはっきりと。私は細川前総理の証人喚問についてお伺いしています。

柿澤弘治改新外務大臣

○国務大臣(柿澤弘治君) アメリカ等の例を見ましても、大統領、総理大臣の職にあった方についてのそうした院の御決定は慎重であるべきではないかというのが私の個人の考え方でございます。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 外国の例を出されて、慎重という言葉の裏にはどういう言葉が、ちょっとはっきり答えてください。

柿澤弘治改新外務大臣

○国務大臣(柿澤弘治君) 国会のお決めになることでございますので、それに私も従います。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 大内民社党委員長は証人喚問についてはどういうお考えをお持ちですか。

大内啓伍改新厚生大臣

○国務大臣(大内啓伍君) 国会の御論議の結果を尊重したい、こういうふうに思っております。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 両委員長も同じ答えになるんでしょう。それならそれでもう結構で、同じでございますか、総理はいかがでございますか、総理自身のお考え。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 証人問題というのは、これは国会のお決めになることであるというふうに理解をいたします。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 いろいろと責任問題といいますか、これから国会で、それはすなわち羽田政権の政治姿勢というものは議論もますます深まっていくだろうというふうに思うんですが、責任といいますと、熊谷官房長官の本会議での我が党の吉川芳男議員の代表質問に対する答弁というのはどうも納得しがたいものがございます。  そもそも発端は、新会派結成に際して、これに怒って政権を離脱した社会党に向けて、新生党の小沢一郎代表幹事が記者団に対して発言した言葉でありました。いわく、これはもう言葉としては非常に発言もはばかるような言葉でありますが、「どの女と一緒に……」という例の発言であります。あなたは就任会見で事実関係がわからないからと言い、あれから三週間たった先日の本会議では、コメントを差し控えたい、あるいは一般論としてなどと一貫して逃げている姿勢の中で、本会議の議事も若干ストップした経緯もございます。  まず大切なことは、あなたは女性問題担当大臣であるということ。小沢発言についてはきちんとした対応——私は一議員としての発言には思ってはおりません。いわば世上言われるように、日本の政治を動かす、私は、正直言って本音の部分では羽田内閣にあらずして小沢内閣という思いすら抱いている人も中にはあるわけでありますから、その対応はきちんと、誤ってはならないという思いがするんですが、改めて答弁を願いたいと思います。

熊谷弘改新内閣官房長官

○国務大臣(熊谷弘君) 委員御指摘の問題でございますけれども、私が就任時の記者会見で申し上げたことは、委員が既にお話ししたとおりでございます。  政府としてこれを調査するという立場にはございませんけれども、本会議におきまして申し上げましたように、そのような発言が事実とすれば適切でもないし好ましいことでもないというふうに思っているところでございます。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 あれですか、「事実とすれば」というそういう仮定の話にしておられるというのはちょっと解せないんですが、調査をなさったんですか。いかがですか。

熊谷弘改新内閣官房長官

○国務大臣(熊谷弘君) ただいまお答え申し上げましたように、政府として調査するような立場にはないと思っております。ただ、議論として、もし事実とすればおまえの意見はどうなのかというふうに聞かれれば、先ほどお答え申し上げましたように、適切でもないし好ましいものでもないだろうというふうに思っております。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 それはちょっと……。それは調査するのは当然だし、それは立場にないなんて……。

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 速記を起こして。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 私は、小沢さんといういわば新生党の代表幹事という存在、またあの人の一言一句というものが非常に世界に流れる、また連日報道される、そのことにおいて国会でも大きな問題になった。その中で、あなたは女性担当大臣という立場というものもあるわけだし、一党を代表するような方の発言、しかもそれは公党社会党に対する私は大変な侮辱であったろうというふうにも思うんですね。そのことであなたは今「事実とすれば」と、こういうことで、その裏腹には事実でないかもしれないということを言いたげな雰囲気なんですよ。  もう一回答えてください。

熊谷弘改新内閣官房長官

○国務大臣(熊谷弘君) 何度も申し上げるようでございますけれども、私ども、その場のどのような場面でどのような形で発言をなすったのかということを精査する立場にもございませんけれども、女性、私は女性担当ではなくて女性問題担当大臣でございまして、特別今おっしゃられたように、私はいろいろな議論がこの問題の発言についてそれぞれ当事者の間でやりとりがなされているらしいということは承知いたしておりますけれども、何か予断を持って結論を出して申し上げているのではなくて、事実であるとすれば、報道されたとおりであるとすれば、それはやはり問題であろうというふうなことを申し上げているわけであります。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 あなたは小沢さんの側近と言われる人なんですよ。それが「事実とすれば」などというようなことじゃなくて、これはやはり、マスコミでこれだけ、また国会でもこれだけ議論になり、しかもその一つの言葉の表現の背景というものは、私は使う言葉としてもあるべき言葉であってはならない、こういう思いがしますよ。今調べてください。電話で調べてください、待っていますから、どうぞ。

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 速記を起こして。

熊谷弘改新内閣官房長官

○国務大臣(熊谷弘君) 女性問題担当大臣として申し上げさせていただくわけでありますけれども、やはりこのような言葉が使われるということは好ましくないわけでございまして、我々は、男女共同参画型社会をつくるという立場からいたしましても、このようなことのないようにお互いに気をつけていかなければならないことだ、こういうふうに思います。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 あなた、やっぱり側近であればあるほどそんなことは厳しく言うべきですよ。  どうも、例えば衆議院のあの議運の理事さんも、あれは小沢さんが、ぽかをやったとかなんとかという流れをくんで理事を首にしたとかといって、ますます強権政治が。おびえることはないじゃないですか。  はっきりとそれは調べてください。言ったんでしょう。そして、それはあなたがしっかりと注意すべきですよ。  その見解をもう一度問いたい。

熊谷弘改新内閣官房長官

○国務大臣(熊谷弘君) お言葉でございますが、私が直接小沢先生にお仕えをしているわけではございませんし、側近側近というふうに言われましても大変迷惑なことだと思っております。  私は、内閣官房長官という立場また女性問題担当大臣として、伝えられるような発言というのは好ましくないし、女性に対する尊敬心もない、そういうことは厳に慎んでいかなければならない、こういうふうに思っているところでございます。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 言葉というのはひとり歩きしていきますから、ぜひ御注意を申し上げてください。お願いいたします。  さて、言葉といいますか、人間の信頼関係というのが今ぐらい政治の中で問われていることはないんですが、外務大臣、外交における国と国との信頼も含めて、外交の基本的問題は何だと思いますか。基本的姿勢というものはどうあるべきだというふうに思いますか。

柿澤弘治改新外務大臣

○国務大臣(柿澤弘治君) 外交の基本は、前島先生は多分そうおっしゃりたいことだと思いますが、国と国との信頼関係、そして国民と国民との信頼関係を確立して紛争のない平和な社会をつくるということであろうかと思っております。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 そのとおりだと思います。  外交は各国間の信頼の上に成り立つということは、これはだれにも異論のないところだというふうに思うんです。国と国との信頼関係とはいいましても、具体的な外交関係というものは国を代表して外交の表舞台に立つ人物同士の信頼関係を通して具現するものであろう、こう思っております。かってのロン・ヤス関係などと言われた関係がまさにその代表的な一つの例であると思うんですが、これは決して国の首脳同士の関係ばかりではありませんで、むしろ外務大臣がかわれば世界各国からその人物像に関心が集まると思います。  さて、三月に、自民党を代表してあなたは外交問題に大きく時間を割いた質問を衆議院本会議で行いました。そして、大いに羽田外交への批判を行った。そのわずか二カ月後に、批判した相手の連立内閣の閣僚、それも外務大臣に就任するということが世界各国の人々に理解され信頼されるとお思いかどうか、伺いたい。

柿澤弘治改新外務大臣

○国務大臣(柿澤弘治君) 私も長い間ヨーロッパで生活をいたしておりましたが、連立政権というものが常態化している国がたくさんございます。そうした中で、野党のときに連立政権を批判し、そして連立の組みかえのときに自分の志を生かすべく、政策を生かすべく新しい内閣に参画をするということはしばしばあることでございまして、これが連立の時代の政治家の自分の志を生かすやり方であろうと考えております。  私は長い間外交の最前線で仕事をしてまいりましたが、今までもアジアの各国の外務大臣とも信頼関係を築いてまいりました。ヨーロッパ、今回は中東訪問をしてまいりましたが、胸襟を開いて日本の立場を主張すべきところは主張し、また相手の立場を理解すべきところは理解しということで、良好な関係を打ち立ててきたと確信をいたしております。その点では私も、羽田総理のもとで内閣の一員として一体になって、日本が信頼され尊敬される国になるべく一生懸命働かせていただきたいと思っております。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 あなたは自民党の一つの内閣の時代の政務次官として大変な活躍をされた。そして、外務大臣が病に伏しても、あなたは副大臣として頑張った。それはわかっているんです。だから、その延長線上であなたは三月七日の代表質問では厳しく羽田外交を追及したんじゃありませんか。どうですか。

柿澤弘治改新外務大臣

○国務大臣(柿澤弘治君) 三月の衆議院の代表質問におきましては、日米包括経済協議等につきまして今まで以上に政治的なリーダーシップで問題の解決を図るべきであるということを主張いたしたことは私も覚えております。  私も、外務大臣に任命されましてから、カイロではクリストファー国務長官と会談をし、先日はカンターUSTR代表とも電話で会談をいたしました。これからも日米包括協議の妥結のために、またその他の問題で、三月の質問の趣旨に沿って、また私の意見に沿って努力をしていきたいと考えておりまして、その間に矛盾があるとは考えておりません。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 「三月の質問の趣旨に沿って」といって、あなたはどういうことを代表質問されたか、大体アバウトなところを聞かせてください。

柿澤弘治改新外務大臣

○国務大臣(柿澤弘治君) 主たるテーマは、日米経済協議であったと思います。  経済協議について、ノーと言ったことについては、数値目標についてノーと言ったことは私は納得できる、理解できる、しかし全体の協議がまとめられなかったことはやはり残念である、その点では、妥協すべきところは妥協しながら中期的に実のある貿易収支の黒字、不均衡を是正すべきである、そのための努力をもっとしなければいけない、ということを主張したつもりでございます。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 私は、あなたと一緒の政策集団にも属していたし、あなたの選挙には毎回のように応援にも行った。あなたの考え方は、私はそういう意味では今までは非常に共通するものを持っておりました。そういう意味で、同志として厳しいことを言うが、お許しをいただきたいと思う。(「何が同志だよ」と呼ぶ者あり)今までは同志であったという思いだ。それが裏切られた。まあいろいろ……。  そこで、今あなたはそうおっしゃるが、あなたのを要約すればこういうことを言っているんです。いいですか。  寄り合い世帯の連立政権は、すべての政策が無策に通じ、政権維持のため国民を犠牲にし、カメレオンのようにくるくる変わり、国際社会の信用をなくし、めり張りのない出しおくれの証文予算をつくり、細川総理は疑惑隠しにうつつを抜かし、そんな欺瞞性に満ちた連立政権は一日も早く解体し、自民党に政権をゆだね、この国難に対応すべきであると、こう言っているんです。  この発言は撤回するんですかどうですか。

柿澤弘治改新外務大臣

○国務大臣(柿澤弘治君) 今、前島先生が御指摘になったような言葉を使ったかどうか記憶にありませんが、しかし、そうした点につきまして、今回細川総理が辞任を表明された後、まさに政策の合意に基づいて新しい強力な内閣をつくるべきであるということを私は主張し、その点で行動してきたつもりでございます。  そして、九項目の合意は、細川内閣成立のときの大枠の合意と比べて具体的な点についてもかなり突っ込んだ議論をし、そして合意をしておられましたので、これを実現することのために汗をかきたいということで参加をさせていただいたわけでございます。(発言する者あり)

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 速記を起こして。

柿澤弘治改新外務大臣

○国務大臣(柿澤弘治君) 私が厳しい言葉を使って批判をしたことが記録に残っておるということでございますので、その点につきましては私はそのまま素直に認めます。そして、そうした点を是正すべく今後とも努力をさせていただきたいと考えております。(発言する者あり)

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 速記を起こして。

柿澤弘治改新外務大臣

○国務大臣(柿澤弘治君) 重ねて申し上げますが、今、前島委員から御指摘があった点については私の発言として全面的に認めます。そして、そうした点については、今後、私も参加をさせていただきました羽田内閣の中でできる限り私なりの努力をさせていただきたい、こう考えております。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 それではだめだ。

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 速記を起こして。

柿澤弘治改新外務大臣

○国務大臣(柿澤弘治君) お答えをいたします。  私が記憶にないと思ったのは、カメレオンのようにくるくる変わるというのを言ったという記憶はなかったんですが、ここにあります。これは、総理、今度は深夜に人を集めて発表した国民福祉税を翌日取り消したり、内閣改造をやると言って断念したり、総理の言葉はカメレオンのように変わると、このところでございまして、これは外交問題ではございませんが、そういう言葉を使ったことは事実でございます。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 カメレオンのことを聞いたんじゃないんです、私は。カメレオンのことを聞いたんじゃない。全体を、あなたは我が党の代表質問を政調副会長として三月七日に毅然とおやりになった。しかも、そのビデオは有権者にもお配りになったといううわさも聞いた。厳しく今の連立政権を批判され、そして羽田外交を糾弾し、そしてカメレオンのようにくるくる変わるんだということですから、そのくだりはしっかり読んでください。

柿澤弘治改新外務大臣

○国務大臣(柿澤弘治君) 私は、この外交問題に関しましては、全部読みます、いいでしょうか。  冒頭に日米経済交渉について語っておりまして、これは宮澤・クリントン会談において客観基準という言葉を入れることで妥協を図ったという経緯があったこと、その客観基準についての考え方が日米の間で合致しなかったということを申しておりまして、その中で重要問題は官僚任せにせず、みずから先頭に立って努力をしてほしいということを言っているわけでございます。  そして、日米経済協議を解決するためには、これから数値目標を認めるわけにはいかないけれども、何らかの形で、マクロの面での努力目標を設定してはどうかとか、政府調達の分野ではある程度の定量的な合意を受け入れたらどうかと、こういうことを具体的に提言をいたしているわけでございます。  さらに、日米だけで貿易の問題を話し合うのでなく、欧州諸国も含めた先進諸国の三極協議を行って国際的な場で解決をしていくことが大事であるということも述べてあります。  また、日米欧の経済構造や取引慣習、金融制度、独禁政策などを調整してそれぞれの市場の透明度を高め、各国経済の構造を国際的に開かれたものとしていくことが必要であるということも述べておりまして、それの関連で各国政府に影響力のある有力者による三極賢人会議の創設を日本から積極的に提案してみたらどうか、そして共通の新しいアクションプログラムをつくることが必要であると。  また、第二次前川リポートと名づけてもよいかもしれませんが、日本市場の透明化のプログラムをつくって、達成されるまでの間暫定措置として客観基準を導入していくこともある程度やむを得ないのではないかと考えますが、これについて総理の御意見を伺いますということで、私としてはかなり前向きに建設的に具体的に提言をしているつもりでございます。  先ほどのような、形容詞でいささか不適切であった点があったかもしれませんが、私のこの質問はすべての問題について前向きな提言をしたつもりでございまして、単なる野党としての批判に終始した質問ではなかったというふうに自負をいたしております。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 そういうぐあいに言葉を繕うならば、全部読むとこれは私の時間がなくなりますので、それじゃ、私がこの赤線を引いたところをもう一回全部読み直していただく、これは短くあなたがまとめて。  それは、外交の問題も含めて、あなたは羽田外交を糾弾し、それは当然自民党の考え方に沿って述べられたわけです。それ、二カ月前です。そのいわば羽田外交の中の、今度は羽田総理にかわったあなたが外交をなさるという、これがまた二カ月たったらくるくる姿勢が変わってしまうようなことになっては大変なわけです。  あなたはこの三月七日の代表質問を撤回するかどうか伺っておきたい。撤回しなきゃ筋が通らぬ。

柿澤弘治改新外務大臣

○国務大臣(柿澤弘治君) 代表質問は国会の公の場で述べたことでございますので、撤回云々というのは適切ではないかと思います。  その表現、形容詞等で行き過ぎた点があるとすれば、その点については取り消すことにやぶさかではありません。(発言する者あり)

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 速記を起こして。

柿澤弘治改新外務大臣

○国務大臣(柿澤弘治君) 今申しましたように、国会の公の場での発言でございますので、それについての御批判は甘んじて受けますが、撤回すべきかどうかということは不適切であろうかと思います。(発言する者あり)

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 速記を起こして。

柿澤弘治改新外務大臣

○国務大臣(柿澤弘治君) 先ほど申しましたように、これは自由民主党を代表して質問をしているわけでございます。議事録に残っておるとおりの発言で、私は御批判は甘んじて受けますが、この文言については取り消しとか撤回の対象になるものではない、重いものだというふうに感じております。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 あの発言は不適切だったということですか。

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 速記を起こして。  暫時休憩いたします。    午後一時五十九分休憩      —————・—————    午後二時四十分開会

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) ただいまから予算委員会を再開いたします。  先ほどの外務大臣の答弁の中で、御自身のかつての衆議院本会議における発言を取り消す旨述べられたことは重大な問題でありますので、この際、この点に関し外務大臣から改めて答弁を求めたいと思います。柿澤外務大臣。

柿澤弘治改新外務大臣

○国務大臣(柿澤弘治君) 私の三月七日の衆議院本会議における質問に関しまして、部分的にせよ適切でないということで取り消すかのごとき表現をいたしましたことは、私、適切ではなかったと深く反省をいたしております。その点で、議事にいろいろと御迷惑をかけましたことはおわびを申し上げます。

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) この際、委員長といたしましては外務大臣に対して注意を申し上げたいと思います。  外務大臣の答弁をめぐって委員会が再三にわたって中断をいたしておりますことはまことに遺憾であります。今後は外務大臣として責任ある答弁を願いたいと思います。  休憩前に引き続き、質疑を行います。前島君。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 不用意な発言があれば取り消すだの削除だのという大変重要な発言、今撤回をされたんですが、そうすると、先ほど議事録の発言の撤回発言は撤回すると、こういうことですか。

柿澤弘治改新外務大臣

○国務大臣(柿澤弘治君) そういうことでございます。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 そうすると、我が自民党の代表質問という発言にはあなたは責任を持つと、こういうことでよろしいですか。

柿澤弘治改新外務大臣

○国務大臣(柿澤弘治君) 当時の自民党の皆さんの御意見も含めて私が発言をいたしましたので、その点では責任を持たせていただきます。

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 速記を起こして。

柿澤弘治改新外務大臣

○国務大臣(柿澤弘治君) 私の発言については私が責任を持たせていただきます。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 そこで、この際、もろもろの経済改革とか内外の問題とかカメレオン内閣とか、自由民主党に政権をお譲りになってはいかがか、自民党には多士済々多くの人材がおると、こういうことを力強くおっしゃったが、その気持ちは今も変わりませんね。どうぞ。

柿澤弘治改新外務大臣

○国務大臣(柿澤弘治君) 多士済々いらっしゃることについては意見は変わりません。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 十六ページの最後の九行をちょっと読んでください。

柿澤弘治改新外務大臣

○国務大臣(柿澤弘治君) 「総理は、先般、内閣の改造に失敗しましたが、もろもろの課題に対処する経済改革政権に向けての内閣改造ができないのであれば、この際、思い切って現在の連立を解消して、自由民主党に政権をお譲りになってはいかがですか。私たち自民党には、多士済々、多くの人材がおります。いつでもこの国難に対応すべく、その責任をお引き受けする用意のあることを申し添えさせていただきます。」と、こういうことでございます。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 今もその気持ちを変わらずにひとつ持っていただかなければならないし、そのお気持ちは変わりませんよね。

柿澤弘治改新外務大臣

○国務大臣(柿澤弘治君) 自由民主党も日本の政治に責任を持つ政党として常に政権を引き受ける用意があるというふうにお考えであるということを、私も信じます。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 いずれにしましても、我々は、外務大臣が我が党の代表として質問され、そして離党された、そしてその十日後には閣内にお入りになった、そのまさに、「カメレオン」とあなたは代表質問の中で引用されたが、その姿には我々は、今後の日本の外交は信頼感が失墜するのではないかという危惧を大変持っているんです。  だから私は、あなたは辞任すべきだと、このように思いますがいかがですか、今の心境は。

柿澤弘治改新外務大臣

○国務大臣(柿澤弘治君) 私は、内閣の一員としてその責任を果たしてまいりたいと思っております。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 大変重要な一つの信頼関係の上に立つ発言が出ておるわけでありますから、我が党といたしましては問責決議案を含めましてこれからの国会の中において厳しく外務大臣の政治姿勢を追及していくことを申し添えておきます。  さて、暫定予算の補正予算でありますが、案の足といいますか、言わんこっちゃないと言うべきか、言葉もございません。政府は、結局五十日間の暫定予算では間に合わず、今回さらに四十日間の暫定補正予算を国会に提出されたんですが、まず国会提出に至った理由を御説明願いたいと思います。

藤井裕久改新大蔵大臣

○国務大臣(藤井裕久君) 平成六年度予算につきましては、当初、御審議の状況を踏まえながら五十日の暫定を提出させていただきましたが、その後の諸般の状況から、改めて四十日を加えた九十日間の暫定予算にさせていただいた次第であります。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 そうすると、この暫定補正予算を四十日とした理由を聞いているんです。いかがですか。

藤井裕久改新大蔵大臣

○国務大臣(藤井裕久君) 五月の二十日に現在の暫定予算の期限が切れるわけでございます。したがいまして、今会期末である六月二十九日までの日数をカウントいたしまして四十日を追加したくお願いをしているところでございます。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 そうすると、六月二十九日までには本予算が成立するという自信を持ってのお言葉ですか。いかがですか。

藤井裕久改新大蔵大臣

○国務大臣(藤井裕久君) これは国会の御審議でございますから、行政府の人間がとやかく言うことではないと思っておりますが、平成六年度予算を御審議の上一日も早く成立させていただきたいと強い希望を行政府として持っております。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 六月二十九日が会期末なんですが、それまでに平成六年度本予算を成立させる自信を持っているという雰囲気も伝わっできますが、成立させることができなければ暫定の補正のそのまた補正という事態になるかもしれませんね。その辺は、そういうおつもりも含めて六月二十九日までの四十日と決めたんですか。いかがですか。

藤井裕久改新大蔵大臣

○国務大臣(藤井裕久君) ただいまの御質問は会期に触れる問題でございまして、私ども行政府の人間が会期に触れることは申し上げることはできません。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 官房長官は、その六月二十九日までの会期をさらに延長するというお考えは持っておられますか。いかがですか。

熊谷弘改新内閣官房長官

○国務大臣(熊谷弘君) 私どもは、六月二十九日の会期末までにぜひ予算を成立させていただきたいと願っているわけでございますが、しかし、国会の審議の中で万やむを得ずということになれば、私どもが会期延長云々の話を申し上げる立場ではございませんが、予算はどうしても成立させていかなければならないことでございますので、その際にはお願いする立場としてそのことを考えておるということでございます。  会期延長について、万やむを得なければお願いをしなければならないことになるだろうと考えておるということでございます。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 そうすると、暫定の暫定のまた暫定と三暫定になるんですよね。そんなことが早くも官房長官の口に、もう会期延長を示唆するような発言で、いいんですか。

熊谷弘改新内閣官房長官

○国務大臣(熊谷弘君) 私、先ほど予算委員会の理事会に出席させていただきまして申し上げたことでありますが、私どもとしては何としても会期末までに成立させていただきたい。しかし、これはお願いする立場でございます。  先ほどの御質問の、それができなかったときどうなるかといいますと、これは予算が成立しないということになりますと国民生活上重大事になるわけでございまして、そのために何としてもまず予算は成立することが最も重要なことだと、そのためには、我々はお願いする立場でございますけれども、会期延長をお願いしなければならないこともあるだろうと、しかし、何度も申し上げますように、私どもとしては会期中に審議を進めていただきまして成立をさせていただきたい、こう思っているわけであります。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 私、ちょっとこれは整理しなくちゃいかぬのは、まだ暫定の補正予算の審議の冒頭に、官房長官、もう会期延長を示唆するような発言であっていいのかどうか。  総理自身も腹の中はそれは固まっているんですか。いかがですか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 私は、本会議でも申し上げましたように、諸般の影響というものを考えますときに、どうしてもこれを上げていただきたいというお願いを申し上げておるところであります。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 また、どうも既にもう羽田内閣は会期延長をにらんだ中においてこの暫定も考え、あるいは補正予算のこれからのさらなる補正を考えているような節がある。既に理事会でもそのような発言があったということも漏れ聞いておるわけでありますが、先日のNHKのインタビューでは大内厚生大臣も年金法とか重要な法案もあるので会期ということも念頭に置いてというような御発言も私耳にしておるんですが、大内厚生大臣はどんなふうに。

大内啓伍改新厚生大臣

○国務大臣(大内啓伍君) 私は会期の延長の問題に触れたことはございません。  この国会の会期の中で、予算案及びその予算の執行に支障のないような不可欠の関連法案についてはぜひ上げていただきたいということを申し上げている次第でございます。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 そこで、総理、六月二十九日ですよね、といえば、その小選挙区の区割り法案がやっぱりそこまでに出てくるという前提に立って会期延長なしという思いで臨んでおられるんですか。いかがですか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 先ほど官房長官からもお答え申し上げましたように、これは院の審議にかかわる問題でありまして、私ども内閣としてそういうことは申し上げません。  ともかく私どもとしては、審議会で今御議論いただいておりますので、まず中間報告というものを申し上げることになっておりまして、そしてその後、区画ができ上がった段階で国会の方に御審議をお願いするということであります。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 官房長官のニュアンスと総理のニュアンスが若干違うんですけれども、ちょっと統一してもらわなければならないと思いますね。官房長官は……

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 官房長官がお話しになったことは、先ほど前島委員の方から、もし通らなかったときはどうするんだというお話をされたから、多分ああいう御答弁になったというふうに私は理解をいたします。(発言する者あり)

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 速記を起こして。  総理答弁と官房長官答弁はどうもニュアンスが違うという意味の質問でありますので、官房長官から答弁をさせます。

熊谷弘改新内閣官房長官

○国務大臣(熊谷弘君) 総理のお話し申し上げたとおりでございまして、もう一度繰り返して申し上げますと、決して我々が会期延長を目指すとか会期延長が必要だと今考えているのではございません。私どもは、あくまでも現金期中、六月二十九日までに予算を成立してもらいたいということを考えておるわけでございます。  しかしながら、万が一、不幸にしてそのようなことにならなかった場合にはという前提をつけた上で、そのときには予算を全く成立させないというわけにはまいりませんという気持ちを持っておるということを申し上げたわけでございます。(発言する者あり)

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 不規則発言はやめて。  速記をとめて。    〔速記中止〕

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 速記を起こして。

熊谷弘改新内閣官房長官

○国務大臣(熊谷弘君) 私どもとしては、この会期内に予算を成立させていただくということが最大の眼目でございまして、ぜひそのようにお願いしたいと思っておるところでございます。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 六月二十九日まで、会期もあと四十日ということになりますね。  そこで、今国会中に区割り法案を出すということを、総理、もう一度答えて——僕、このことを聞きましたかね、まだ聞いてないでしょうね。混乱しちゃう、もう答弁がくるくる変わるものだから。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) この前、審議会委員をお願いいたしまして、今、審議を鋭意進めていただいておるということであります。これは六カ月以内に答申を出していただきたいということをお願い申し上げておるわけでありますから、審議会の審議の状況を見ながら、まず基準についての中間の報告を申し上げ、そして審議会から勧告をいただきましたら、我々はその勧告を尊重して法律にいたしまして、国会の御審議に供したいというふうに存じております。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 自治大臣、今国会でというふうな発言をされたというようなこともあるやないやいろいろ飛び交っておりますが、審議会のしりを結構たたいておられるとかというような報道もあるわけですが、その辺はどう考えていますか。

石井一改新自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(石井一君) 前島委員御指摘のとおり、自治大臣は審議会の審議に容喙もできなければしりをたたくというふうな立場にはございません。ただ、総理も答弁されましたように、四月十日より審議が順調に進んでおるというふうに報告を受けておる、こういうことでございます。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 そうすると、あと四十日で、例えばこれ中間勧告を国会に報告するわけですね、大体いつごろの日程と、六月二十九日まで、逆算していきまして総理はどういう、その辺の日程的な計画はお持ちですか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) その点につきましては、これ審議会で御審議をいただいていることでございますから、審議の進捗を見ながら、そこで基準というものが決まりましたら、基準について国会に報告をさせていただくということであります。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 そういうことをもろもろ考えますと、例えば中間報告が十五日になるのか十日ごろになるのかわかりませんけれども、それから本格的な国会での審議に入るということになりますと、今国会は六月二十九日で閉じて、それで臨時国会という思いは総理の腹の中にはあるんでしょうか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 国会の延長問題についても、この国会の審議というものを制約することは私たちにはできません。その意味で申し上げられないわけでありまして、また臨時国会ということについては、さらにこれは申し上げることはできません。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 それで、税制改革がもう一方ではありますね。六月中には何らかの、これ成案になるのかどうかはわかりませんが、それから年内決着ということをお答えになっていらっしゃるんですが、その一つのプログラミングはどんなふうなスタンスで総理は考えておられますか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) これも政府の税調、そして連立与党の税制協議会、ここで今御議論をいただいておるということで、私たちがその目途とするところは、六月中にこれを出していただきたいということを申し上げておるところでありまして、これ、六月に一つの方向が出されるであろうというふうに思っております。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 そうすると、法案にではなくて、与党あるいは審議会のそれを六月中に待つと、こういうことですか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) これ、審議会の方は御答申でございますから、当然与党の方の税制協議会、こちらの方で方向が示されるということで、ここでまた法律というところまでは私が今どうこうということは言えませんけれども、私は、なかなか難しいということは申し上げることができると思います。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 恐らく私も難しいだろうと思っているんです。六月中には恐らく出てこないんじゃないかなという憶測を持ちます。  そこで、年内決着というのは一つの政治公約ですね。年内に税制改革というのが一つの政治的なあなたの最重要な政治責任だと思うんですが、その責任はどんなふうに持っておられますか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 税制の改革ということは、これは特に委員の方でも抜本的な改革という実は御示唆もあるところでございます。  そういうものを踏まえましたときに、これは当然、減税に対応するものもありますし、あるいは次の、例えば公共事業等についての考え方、こういったものも踏まえなければいけないということで、私たちは何としてもやっぱり年内に決着をつけたいということでこれから努力をしていきたいと思います。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 年内に決着できなかった政治責任ということはどうおとりになりますか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 従来からもそういう御指摘があることはありました。私も何回も、大蔵大臣でそのことを受けました。しかし、私たちはそれに向けて最大限やっぱり努力をしていくということであります。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 ですから、私が申し上げたいのは、区割り法案もなかなか六月中には出ない、あるいは与党の皆さん方の審議も六月中には税制改革も出てこないんじゃないか。そうすると、やっぱり私は、今の少数政権というものの存在はこのまま一体どの辺まで行ってしまうんだろうということを思うと、あなたは、小選挙区でなければ解散はしない、こういうことをおっしゃっているわけですが、しかし、小選挙区の選挙区が決まる前に総選挙を行わざるを得ない場面に羽田内閣が遭遇することがないとは言えませんですね。  その場合はどうするんですか。あなたはやはり、総辞職と、こういう気持ちで行動されるおつもりですか。いかがですか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) そういう仮定に基づいて今私がどうこう言うことは差し控えたいと思います。  冒頭にも申し上げましたように、一日一日、今私たちに課せられた課題というものに対して誠実に取り組んでいくということであります。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 羽田さんは大変行動的な方ですから、私は、速やかに予算成立後には身を引くというのが憲政の常道であり、そしてまたこれからの議会政治というものはそう安穏とした一日一日ではないような気がいたしますから、その辺はしっかり申し上げておきます。  そこで、そういう先々の見通しのないままに実は公共料金の凍結を突然発表されました。正直言ってあれには驚いたんですが、しかしそれはまた歓迎される決断でもあったんですが、そこに至った経緯をちょっと説明してください。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) この公共料金につきましては、先般、物価問題に関する関係閣僚会議におきまして公共料金の取り扱いに関する基本方針というものを取りまとめさせていただいております。公共料金の厳正な取り扱いの趣旨をこれは一層徹底しようということであります。  しかしながら、公共料金につきましてはさまざまな御批判が寄せられております現下の情勢にかんがみまして、これは私の決断といたしまして、既に政府において決定または認可が行われたものを除きまして本年じゅうの公共料金の引き上げの実施を見送ることといたしたものであります。  もろもろの状況といいますのは、例えば民間のこの不況の中におきまして大変厳しいリストラをやっていらっしゃるということ、そういう中にあって、やはり国にかかわる機関、こういったものがそういう姿勢を示すということが大事であろうというふうに考えておるところであります。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 十四日の深夜、総理は初めて官房長官にそのことを指示されたそうですが、その晩突然思いついたんですか。いかがですか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) これは、前内閣の細川内閣のときからも各閣僚の皆様、特に経企庁長官の久保田さんを初めそういった皆さん方からもこの問題について実は指摘があり、私たちは閣内でも何回も議論を重ねてきたところであります。私どもは、今新しい内閣が発足して、そして七月、十月に実は実行といいますか、これを始めたいという機関なんかもあることでありますから、これは一日も早く一つの決断をすることが重要であろうというふうに考えて決断をいたしました。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 十四日の前日の参議院本会議で、我が党の平井卓志議員が公共料金の値上げラッシュについて先延ばしも含む強力な方針が必要だと質問しておりますが、これに答弁は全然ないんですね。このときはまだ考えていなかったというふうに理解していいんですか、十三日の時点。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 私が決断する中にありました考えの中には、当然そういった御指摘なんかも入っておるところであります。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 そういう意味では、十四日が土曜日で十五日が日曜日、十六日から三日間の間にこの重要な政策決定がなぜこんな突然出てくるのか、この部分が若干不思議なんですね。  今、説明を若干聞きました。何か選挙目当ての人気取りのために考えているのではないかというような評判も実はあるんですよ。また増税の地ならしてはないかというようなことがあるものですから、その辺の経緯。この値上げラッシュの中で、国民一般、マスコミも凍結自体には好意的だと思うんですけれども、これに歯どめをかけると言えばやっぱり歓迎されるのが当然なんですが、しかし凍結が解除された後のことはどうなるか。また一層大幅な値上げが待っているんじゃないかというふうな気がするんです。  いかがですか。大体三年ぐらいの長期的な凍結はお考えになりませんか。年内の凍結ではなくて、三年間ぐらいの凍結に思い切って踏み込む気持ちはありますか。いかがですか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) そこまでは考えることはできないと思います。  ただ、私どもは、次に大幅になるんじゃないのかという御指摘があったこと、こういったことについては、この間にやっぱりリストラ等について相当厳しくそれぞれの部内においてこれに対して対応していただきたいというふうに思っております。  三年というのはちょっと私は長過ぎるだろうというふうに思います。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 でも、総理、半年じゃ短いでしょう。いかがですか。年内は短いでしょう。いかがですか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 年内を凍結するということでありまして、これに対してどう対応するのかということについては、これは年を越した中で判断していく問題であろうというふうに考えます。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 値上げが認められなければサービスの向上ができないというような事業体もありますし、結局利用者にしわ寄せさせることにもなるような気がしますし、総理は真にやむを得ないものに限ると答弁しましたが、今回の決定によれば、ことし前半のものはやむを得ないものであり、これからのものはやむを得ないものではないということになってしまうので、これまでに値上げしたものというのはほうっておくというお考えなんですか。いかがですか。この前に値上げした、四月に値上げしたものも思い切って凍結に持っていくような英断はございますか。いかがですか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 今御指摘のあったようなことをもしいたすとすれば、これは大変な混乱に陥るであろうと思っております。しかし、これは、既に上げられた皆さんも今後の事業運営について本当に合理化を徹底していただいて、この次の値上げとかそういったことについて考えるときには本当に慎重にやっていただくということは、今度の経験からその人たちにも私は他山の石として学んでいただけるというふうに思っております。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 私は、公共料金というのはいろんな審議会の審議を経て、別に政府、行政側の肩を持つわけじゃありませんけれども、値上げを凍結したといっても公共料金には性格も環境も異なるものが含まれていると思うんです。それを一律に凍結というのではいろいろと無理が生ずるんじゃないかというふうに思うんですが、大蔵大臣、その辺はいかがですか。

藤井裕久改新大蔵大臣

○国務大臣(藤井裕久君) 私は公共料金全体の担当ではございませんが、もしその意味が予算にも関係するのではないかという御質問であれば、予算の修正には関係ないということだけ申し上げておきます。

前島英三郎自由民主党

○前島英三郎君 凍結が官庁や事業体のリストラや公共料金の算定基準などについて見直しや改革のきっかけになるという期待が一方ではあると思うのでありますが、しかし、これは自動的に起こるとは考えられません。凍結決定に当たりそれなりの展望や方針をやっぱり考えていると思うんですけれども、こういうことも本当は明確に、なぜ凍結になったというプロセスも本来はただしたい思いでございます。  公共料金の値上げラッシュに対しては自民党としてもたびたび御注意申し上げてきたところでありますが、しかし、深夜でなくともこう唐突に凍結を決定されることには若干疑問が残ります、正直言いまして。料金算定方式の見直しとか各事業のリストラとか、いろいろと値上げを圧縮したりできるだけ値上げの先送りが可能になるようなさまざまな努力があってこうなりましたというのであれば納得ができるわけですけれども、まあ何かうがった見方をすれば、いやおれはそのときまでは政権にいないんだから今のうちにやっておけというようなことになったらこれはえらいことでありますから、細川流のパフォーマンスにならぬように、羽田さん、ぜひやっていただきたいというように思うわけでございます。  この後、暫定予算の中身につきましては専門家であります石渡同僚議員が関連質問でやらせていただきます。  以上で私の質問を終わらせていただきます。

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 関連質疑を許します。石渡清元君。

石渡清元自由民主党

○石渡清元君 まず、一昨日の日本経済新聞、この世論調査でございますが、羽田内閣の不支持の理由として、「安定感がない」、そして次に「政策決定がわかりにくい」、こういうふうに挙げられておりました。  今の公共料金の前島委員の質問でもわかるとおり、非常にわかりにくい。こういう政策決定の過程というのをどのようにわかりやすく国民に訴えていくか、直近の問題としてまずお伺いをいたします。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 例えば公共料金についての決断につきまして唐突だというお話があったんですけれども、これは連立政権八カ月、この間にも国会の中でも実は種々御論議がありました。今、前島委員からも御指摘がありましたように、公共料金の算定の基準ですとか、あるいはどのようなリストラが進められているのか、そういった問題について実はいろんな議論があり、また私ども閣議の中でもそういった議論があったということでございまして、そういう中で一つの方向が出されております。  また、我々連立与党としての考え方につきましても、この間もいろいろと御指摘がありましたけれども、かんかんがくがくの議論というのはこれは外にもよく見えたはずでございまして、しかし、私たちは、やっぱりよく見えるように、これを今後ともそうしていきたいということ、そしてあるときには内閣は内閣としての決断をしていくということを申し上げたいと存じます。

石渡清元自由民主党

○石渡清元君 外に見えるとおっしゃいますが、それでは例えば一・一ラインとの権力の二重構造、これよく言われることでございます。それも一つのわかりにくい例ではないかと思いますけれども、こういったような国民から見た不信についてどうこれを解消していくのか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 確かにそういう言葉があれされていることを私どもも承知をいたしております。  しかし、例えば先日の各党合意の中にありましても、それこそ大変な実は議論が展開されたことは御案内のとおりであります。そして、何というんですか、どこかで与党は与党としての司令塔というものはやっぱり必要である。これは私が自民党にあったときも同じようなやり方をしてまいりました。しかし、私どもはできるだけ国民の皆さん方から議論が見えるように、そういうものをそれぞれの立場の皆さん方にもお願いをいたしておるところであります。

石渡清元自由民主党

○石渡清元君 司令塔とかGHQとかそういう言葉がよくまた使われるわけでありますけれども、一方では強権的な政治手法、このやり方に対するいわゆる恐怖感、こういうこともよく伝えられるわけでございます。したがって、今回社会党が離脱した、政権側から見ると失ったというんでしょうか、あるいは新生党内にもそういったような強権的な政治手法に対する意見が出ている。けさの新聞でも愛野議運筆頭理事が更迭、新聞によっては更迭、首のすげかえ等々、具体的な例が随分あるわけでありますけれども、そういうのをどうやって取り除くのか、わかりやすく説明するのか、それを聞いているわけであります。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) これは党の中の問題でありますけれども、今、更迭とかそういうお話がありましたけれども、今度、理事の方が減ったりあるいは新しくかわっていただく、そういう措置の中の一環として行われたということであります。  ただ、いろんな御指摘があることは私たちもよく念頭に置きながら、今後のもろもろの運営につきましても、わかりやすいもの、しかも民主的なもの、こういったものを進めていくのが私はこれからの新しい政治であろうというふうに思っております。

石渡清元自由民主党

○石渡清元君 更迭というのは新聞等々の表現で私言っているわけでございます。総理はわかりやすい党と御自分でもそういうふうに思っているかもしれませんけれども、国民にはなかなかわかりにくく見えているわけでございまして、したがって、そのように突っ張ると国民の声に背を向けるような形になってしまうんではないかと思いますけれども、その辺についてはどういうふうにお考えですか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 今、最後のところでも申し上げましたけれども、やはり今御指摘のあったこと、あるいはそういうものがあるとすれば我々は拳々服膺して民主的な運営というものをそれぞれの立場で努めてもらうようにしていきたいということを申し上げたわけでございまして、これは国民の皆さんにもおわかりいただけると思います。

石渡清元自由民主党

○石渡清元君 もうその辺はちょっとすれ違いになってしまうかと思います。  先ほど前島委員が細川前総理の問題について、担いだ責任についていろいろお話がございました。羽田内閣としては細川前総理の問題についてどうやってこれから処理をしていくか、積み残しかあるわけでありますので、その点についてお伺いをいたします。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) この問題につきましては、私ども内閣がどう処理していくかという問題ではなかろうというふうに私は考えます。

石渡清元自由民主党

○石渡清元君 それでは、前総理の問題でありますので、総理個人としてはどのようにお考えなんでしょうか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 総理大臣というのは、残念ですけれども個人ということでお答え申し上げることはできないわけであります。  ただ、細川総理も総現在任中も言われておりましたけれども、こういった問題についてみずからの知る範囲、また調べられる範囲、こういったもので誠実に対応していきたいというふうに言われておられたわけでございまして、私はそのも言葉というものを重く受け取りたいというふうに思います。

石渡清元自由民主党

○石渡清元君 もう少し積極的に、やはり引き継いだ内閣の前総理の問題でありますので取り組んでもらいたいと思います。  それから、先ほど前島委員からも出ましたけれども、創価学会との政教分離問題については、羽田内閣としては分離のけじめがついていると判断しているのでしょうか。判断しているとすれば、その理由を示していただきたいと思います。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) けじめがついている理由についてということなんですけれども、例えば公明党の議員の皆さん方それぞれ選挙で選出されていらっしゃる方でありますし、またその方々が集団をつくりながらそこで政治活動され、また私ども連立与党はその皆さん方とも政策の協議をしながら今一緒に仕事をしておるということでございまして、まさに一つのあれはつけられているものであるというふうに私は理解をいたしております。

石渡清元自由民主党

○石渡清元君 けじめがついているということならば証人喚問とか参考人の招致とかそういうことは別に何ら問題はないと思うんですけれども、その辺についてはどういうふうにお考えですか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) その問題は、まさに先ほどから申し上げているようにこれは国会の問題ですから、私が国会の審議について口を挟むことはよしたいと思います。  ただ、議員の皆さん方は、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、それぞれ宗教には一つの理想がある、そういう理想を持ちながらよりよきものを求めていくという一つの戒めにしているということは、私は、個々の議員の皆さん方は、またほかの宗教を持つ皆さん方も、そういうものを持っていらっしゃるんじゃなかろうかというふうに思います。

石渡清元自由民主党

○石渡清元君 それでは、憲法の関係に移らせていただきます。  羽田内閣は憲法改正についてどのように考えておられるのか、まずお伺いします。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 私ども内閣といたしましては、今日の憲法というもの、特に自由であり、しかも民主主義というもの、人権を尊重する、この憲法の掲げる理想というものは私は今日さらに輝きを増しておるということを申し上げたわけでありますけれども、この憲法を遵守しながら我々は政治運営というものをしていきたいというふうに思っております。

石渡清元自由民主党

○石渡清元君 それでは、総理御自身は護憲派があるいは改憲派かと聞かれたらどのように。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) これは、私は自由民主党にあった人間でございまして、当時、改憲というものについての議論というものはあるということは言っておりますけれども、この内閣として、国民世論というものが本当に改憲の方向に向かっているのかあるいはこうこうこういう問題については改憲する必要があるというようなことのコンセンサスは、これはまだ得られておらないというふうに私は理解しております。  その意味で、改憲派と護憲派という二つによく分けられるんですけれども、私は余りその議論というのは適切じゃないんじゃないのかなというふうに思っております。  憲法には改憲についての条項というものもきちんとあることでありますから、本当に時代の大きな変化という中にどう対応するのかということ、そして国民の中でそういう世論が持ち上がってきたときに内閣としてもそういった問題について考えるときがあるんでしょうけれども、私どもの内閣はまだそのような機運にないというふうに考えて、この憲法を大切にしていきたいというふうに考えております。

石渡清元自由民主党

○石渡清元君 憲法論になりますと、安全保障の例、この前の衆議院の予算委員会でも我が党の中川議員がやりましたけれども、いわゆる集団的安全保障、これは従来からの概念、そして国際的安全保障、これは小沢調査会が国連でやるものはそのようなものだということで言葉を使っております。  そしてもう一つ、普遍的安全保障というのは、これは従来なかったんですけれども、そういう言葉が出てきまして、これは連立与党の確認事項で使われ始めた言葉でございまして、これは大体同じようなものだという答弁が前のあれであったんじゃないかと思いますけれども、その点でもう一度確認をいたします。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 私ども、新たな連立政権樹立のための確認事項のうち、安全保障に関する部分は次のとおりでございます。   日本国憲法は、国連による普遍的安全保障を理念としていることを認識し、世界の平和とわが国の安全保障を図るため、日米安全保障条約を維持しつつ、国連の平和活動に積極的に参加する。   国連による平和と安全の維持のための枠組みの総体は、いわば国際社会全体によって受け入れられており、そのような意味で「普遍的」な性格を有するものであるということから、国連による「普遍的安全保障」という表現を用いたものである。   「集団安全保障」は、平和に対する脅威、平和の破壊又は侵略行為が発生したような場合に、国際社会が一致協力してこのような行為を行った者に対して適切な措置をとることにより、平和を回復しようとするものである。国連憲章にはそのための具体的措置が規定されている。   なお、我が国がこのような国連の平和と安全のための活動に参加・協力する際には、憲法の枠内でそれを行うべきことは当然である。 ということでございます。

石渡清元自由民主党

○石渡清元君 国連でやること云々の答弁がありましたけれども、国連の制裁の中にもいろいろ経済制裁もあれば武力の伴うもの等々がある、そういうことでこの前の衆議院の予算委員会は統一見解を出すというふうに終わっているようでありますけれども、統一見解についてお答えをいただければと思います。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) ただいま私がお答え申し上げましたのは、まさに連立与党の統一見解を申し上げたところでございます。

石渡清元自由民主党

○石渡清元君 そうすると、もう一度確認いたしますけれども、国連の中で決まったこと、それならばやるということですか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) これは最後の段落で申し上げましたけれども、憲法の枠内でそれを行うべきことは当然であるということでございます。

石渡清元自由民主党

○石渡清元君 ですから、そこで憲法がくるわけでございまして、現にPKO等々もう出動しておりますので、その憲法解釈については、若干、国連の活動あるいは国連の決定内容の中ではいろんなケースが考えられますので、そこで統一的な見解とは言えないんじゃないかという前の議論だったんじゃないですか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 私が申し上げましたのは、要するに、   「集団安全保障」は、平和に対する脅威、平和の破壊又は侵略行為が発生したような場合に、国際社会が一致協力してこのような行為を行った者に対して適切な措置をとることにより、平和を回復しようとするものである。国連憲章にはそのための具体的措置が規定されている。 ということでございまして、この中には、何というんですか、確かに軍事的な措置なんというものもあり得る場合がありましょう。  そこで私どもの合意は、   なお、我が国がこのような国連の平和と安全のための活動に参加・協力する際には、憲法の枠内でそれを行うべきことは当然である。 というふうに連立与党の中で合意を見ておるところであります。

石渡清元自由民主党

○石渡清元君 憲法解釈を含めて、これからちょっと議論があろうかと思います。  それから、先ほどちょっと改新のあれで聞き漏らしたんですけれども、解消してもいいという話がありますけれども、そうなんですか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) これはまさに連立与党の中で御議論をいただく問題であろうと思います。

石渡清元自由民主党

○石渡清元君 しかし、我々が見て、それだったら何のための改新でありということになるわけでありますので、もう少し具体的に総理の率直なお考えをお伺いしたい。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) この問題につきましては、私はまさに連立与党のこの上に乗っている立場にある人間でございまして、そういう意味で、私はまさに、公務といいますか、政務、これにも携わっていこうということでありまして、この問題について私が今どうこうということじゃありません。  ただし、私どもも聞き及んでおるところによりますと、それぞれの会議がこの連立与党の中にあります。これはいろんな御議論もあるところでありましょうけれども、しかし、連立を組んでおりまして、社会党さん、いつでもひとつぜひまた一緒になってやることはできませんでしょうかということで、その席はあけてあるということ、それと同時に我々は、この間の確認されました合意というもの、社会党さんと一緒になって合意したもの、こういったものを大切にして、ともかく行動をもって示していきたいということは、これは私は実は村山委員長にも申し上げたところであります。

石渡清元自由民主党

○石渡清元君 何かわかったようなわからないような感じでございますけれども、この前の日曜日の総理の街頭演説、そこで総理は、与党と自民党、社会党と政策的にそれほど隔たりはないなどというふうなことをおっしゃっておりますけれども、私は、外交政策、原子力政策、あるいは今の自衛隊、PKOをとっても隔たりはないことはないと思いますけれども、社会党さん、いつでもお戻りくださいとおっしゃるならば、野党・自民党についても政策的に譲歩したり、そういったような考えというのはあるんですか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 先日、河野総裁との会談をいたしましたときにも、今私たちに課せられている、今ここに積み上げられている内外の課題というものは、もうこれは各党とも避けて通ることのできない問題であると。その意味で、私たちも率直に御相談申し上げたり、また御助言いただくものは御助言をいただきたいということを申し上げたところでありまして、私はもちろん政策あるいは法律、そういった問題についても率直なお話し合いをしていくことが必要であろう、またそうでなければ私ども少数与党である政権として物事を進めていくことはできないであろうというふうに私自身認識をいたしております。

石渡清元自由民主党

○石渡清元君 今までいろいろ羽田内閣の政治姿勢についてお伺いをしておったんですけれども、どうも顔が見えないというか、というのは、歴代の内閣の中でこの十年を見ても、中曽根首相には、対外的な関係をきちんとしてくれるというような、発足当時そういう期待がありました。竹下首相のときには、前政権では族議員の抵抗などでできなかった国内の改革も進めていくんだろうと、そういう期待。海部首相には、プロの政治ではなく庶民の政治をしてほしいという願望のようなムードがありました。宮澤首相のときには、長いキャリアとそれまでの発言からプロらしい理想主義政治をしてくれるのではないか、そういったようなものがございました。細川政権は、自民党政治にかわって中央政界の経験のなさなどがすべて新鮮な雰囲気に見えたわけでございまして、そういう中で、そういう総理に対する期待というのがエネルギーの源泉になるわけでありますけれども、そういう雰囲気がいま一つ見えない。  それで、羽田内閣はどのようなキャッチフレーズというのか、政権について求心力をどこに求めているのか、その哲学をお述べいただきたいと思います。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 今まさに日本の国は戦後五十年、これを迎えようとしておるわけであります。内にありましては、この五十年間私どもが積み上げてきたもの、これをやっぱり新たな時代に向かって変えていかなきゃならないという問題があろうと思います。  例えば、規制等につきましても、いろんな産業についてもなかなか参入ができないなんという分野があったりします。また、家をつくるにもいろんな規制があって、今の時代にはもうそぐわなくなってきている問題があります。あるいは電気通信、情報通信というようなマルチメディアの問題なんかにつきましても、いろんな規制があるために新しいものが参加できない、あるいは競争することができないというようなことがございます。  そういったことについてまさに改革というもの、行政改革、規制緩和を含めた改革をしていきましょうということを申しております。そして私たち、この間、大内大臣が将来の福祉ビジョンについても申し上げましたけれども、やっぱり負担というものも適正にしていきましょう、そして適正な国からの、何というんですか、対応というものもしてもらいましょう、そういう福祉というものを独自のものをつくり上げていきましょうということも訴えております。  そして私は、総称しまして、この国に生まれ育つ人たちが本当に安心できる社会というものをつくっていきたい、これは二十何年来唱え続けて、それに向けて歩んできた人間であります。  そして、外に向けては、日本の国というのは確かに資源というものは余りありません。しかし、この五十年の間に、環境問題にしても人口の問題にいたしましても、あるいは経済の運営の仕方、あるいは物をつくる技術というもの、こういったものは大変高いものを蓄えております。その意味で、私たちはそういったものをフルに活用して国際社会に貢献する、そういう中で本当に世界の国から信頼され愛されるそういう国になっていこう、私はそう申し上げているのでして、それが顔が見えないというのはどうなのかなというふうに思う。  しかも、そういう中で、できるだけ国民とも目線で話し合うと同時に、国際社会に対しても、どこかが動いたから動こうというんじゃなくて自分で行動していきましょうということで、私は八カ月の外務大臣の間もそのことを訴え、そしてみずから行動してこれを示してきたということをはっきり申し上げることができます。

石渡清元自由民主党

○石渡清元君 熱心にやられていることはわかります。ただ、端的に申し上げて、どのような表現になるのかということをお伺いしたわけでございます。  一番の喫緊の課題は経済、景気だと思います。  そこで、景気動向についてお伺いいたします。  政府の月例経済報告を見ると、ことしに入りまして一月から三月まで総じて低迷との景気判断が続いた後、四月には一部に明るい動きが見られるとの表現が追加されており、五月も四月と同じ判断が示されておりますけれども、ことしに入り日本経済の状況はどのように変化してきているのか。景気の現状認識について、経済企画庁、通産、それから三重野総裁、御説明をお願いいたします。

寺澤芳男経済企画庁長官

○国務大臣(寺澤芳男君) 景気の現状を見ますと、公共投資は堅調であり、住宅建設は高い水準で推移しておりますし、一部の家電製品の出荷が前年を上回るなど個人消費にもやや持ち直しの動きが見られます。しかしながら、設備投資は減り続けておりますし、企業の収益も引き続き減り続けております。雇用の情勢については、製造業を中心に非常に厳しい状況にあります。  このように、我が国経済は一部に明るい動きが見られるものの総じて低迷が続いているというふうに思います。

畑英次郎改新通商産業大臣

○国務大臣(畑英次郎君) ただいま経企庁長官から御答弁がございましたように、低迷という言葉が適切な判断材料ではなかろうかというふうに考えております。  鉱工業生産分野におきまして、三月でございましたか、いささか上向きという数字もございましたが、まだ四月、五月等々残念ながらマイナス要因も多い。かような意味合いでは慎重な取り組みが必要である、かように受けとめさせていただいております。

三重野康日本銀行総裁

○参考人(三重野康君) 両大臣と重複するところがあるかと思いますけれども、日本の経済は、年が改まりまして一部に明るい兆し、これは主として個人消費回りの指標でございますが、明るい兆しか見えてまいりまして、いわゆる企業マインドにも落ちつきが出てまいりました。  しかし、たまたま昨年の春にも、年度末要因もございましたが、同じように明るい兆しか出てきたことがございます。しかし、昨年の場合はその後の急激な円高とかあるいは異常気象、その他非常に悪材料が重なりまして再び停滞に陥ったわけでありますが、今回の場合はどうかというと、この一年を振り返りますと、やはり幾つかの点において改善された点もあるかと思います。  それは、第一に、やはり各種のストック調整あるいは企業のリストラというのはかなり進捗してまいりました。第二に、これまでとられました財政、金融政策の効果はそれなりに浸透しつつあります。第三に、アメリカを初めとして海外の景気が昨年に比べて明るくなってまいりましたことでございます。  しかし、これからの先行きをいろいろ見てみますとやはりまだ注目しなければならない点も多いわけでございまして、第一は、何といっても円高、これがどういうふうになるのか非常にまだ不安定な動きをいたしております。第二に、いわゆる雇用調整、これがまだ続いております。第三に、これはかなり重要なことでございますが、先ほどのように、各種のストック調整は進捗いたしましたけれども、いわゆる金融機関あるいは一般企業のバランスシート調整というのはまだ道半ばでございます。  したがいまして、今の明るさが果たして長続きするのかどうか、あるいはさらに一段と広がっていくのかどうかについてはまだ見きわめを要するというふうに考えておりまして、引き続き非常に注意深く丹念に景気の推移を見てまいりたい、かように考えております。

石渡清元自由民主党

○石渡清元君 従来どおりの同じような答弁、あるいはお三方の内容に余り差がないということでございまして、特に日銀総裁は次の質問の経済見通しまでお答えになりましたので、総裁は結構でございます。  この五月は、平成三年五月に景気が後退局面に入り三十七カ月目に当たります。これまでの戦後最長の不況は第二次石油危機後の三十六カ月間でありますけれども、今回の景気後退局面はこれを超えたかどうか。正式には景気基準日付検討委員会を経ての決定がと思いますけれども、本年の経済見通し、あるいは円高、経常黒字等々についてもお伺いをいたします。

寺澤芳男経済企画庁長官

○国務大臣(寺澤芳男君) お答え申し上げます。  本年度の経済見通しなんですが、政府は数次にわたる経済対策の実施によりましてこの景気低迷に鋭意対処してまいりました。現在、我が国経済は総じて先ほど申し上げましたように低迷が続いておりますが、民間部門においてストック調整が進展するなど一部に明るい面も出てきております。  政府としては、ことしの二月に決定した総規模十五兆円を上回る幅広い施策から成る総合景気対策を引き続き着実に実行するとともに、景気に配慮しました平成六年度予算につきましてもその成立をまって着実に実行してまいりたいと考えております。こうしたことによりまして、六年度の政府投資は高い伸びとなり、住宅投資も堅調に推移するものと見込まれており、これが国内の需要にも波及していくものと考えております。  こうした中で、既にやや持ち直しの動きが見られます個人消費につきましては、物価が今後とも引き続き安定基調をたどるものと見られることや、主要耐久消費財のストック調整が足元で進展しているといった要因が見られるところであります。さらに、このたびの過去に例を見ない大規模な減税が家計の可処分所得を大幅に増加させ、消費者マインドの改善にも大きく資するものと考えられます。  設備投資につきましては、企業設備のストック調整が進展をしておりますし、企業収益面においても明るい兆しか出てきていることに加えまして、企業の業況判断にも下げどまりの動きが見られるなど投資環境は徐々に好転してきており、今後期待される最終需要の増加が設備投資の回復につながっていくものと考えられます。  こうして我が国経済は六年度中に本格的な回復軌道に乗るものと見込まれ、六年度の実質経済成長率は政府経済見通しにお示ししたとおり二・四%程度になるものと見込まれます。

石渡清元自由民主党

○石渡清元君 数字の解説のような答弁になってしまって、この予算のおくれというのがいかに深刻なものかということをもう少し御認識をいただきたいと思うわけでございます。  特に公共事業、これは国と地方がありますが、地方が大体七割ぐらい負担をしているわけなんです。そういう中で、今の暫定ですと三〇%ぐらいしか公共事業が予算化されておりませんので、またそれが決まらない。そうしますと、地方団体なんかの場合は上半期の公共事業の計画目標が確保できないんです。その辺の責任についてはどういうふうにお考えになっているか、お伺いをいたします。

石井一改新自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(石井一君) 御指摘のとおり、地方の公共事業に対する執行につきましては深刻な問題がございます。  ただ、弁解をするようでございますが、単年度執行のものにつきましては相当厳しいものがございますけれども、継続の事業につきましてはそれなりの弾力的な機動的な運営をしておるというふうなことでございまして、地方の単独のものが平成四年度のベースでは十七兆円、国からの補助を受けておるものが十兆円ということでありますから、地方を中心にいたしております公共事業が非常に大きいという一点が指摘できると思います。  さらに、これまでの補正の予算等々で七分の三が執行され、特に寒冷地域等々については七分の四というふうなものを執行させるような方向でいっておりますので、新規の箇所等につきまして予算が決定されておりませんから、委員御指摘のとおり、問題は深く認識をいたしております。  そういう意味からも、今後事業が完成することができますよう、一日も早い予算の成立というものを私の立場としては期待いたしておるところでございます。

石渡清元自由民主党

○石渡清元君 今、国と地方の分野があると、こういうお話がございました。大きい公共事業については国の補助事業と地方単独事業とを組み合わせてやっておりますので、そういう面で地方議会の場合は六月議会が終わりますと今度は九月になってしまうんです。したがって、その間新規の着工ができないわけです。  そういう点について、ブランクがあかないように、あるいは海岸事業みたいに季節的なものあるいは豪雪結氷地帯のようなそういう事業について、予算のおくれをカバーする手だてというものを何かお考えか、お持ちか、それをお伺いいたします。

石井一改新自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(石井一君) 委員は専門家でございますので私から申し上げるまでもございませんが、二月五日に地方財政計画の概要を提示いたしまして例年より早目に情報の提供をしスタートを切っておるという点、それからまたいわゆる契約率の目標という問題に関しましても、私が調べましたところ、かなりのところはもう独自にこれを示しましてそれなりの弾力的な運営をいたしております。  したがって、議会の議決等の手続の必要なものもございますが、予算が決定すれば直ちに執行できるということ、地方はそれなりに自主的に責任を持って進めておりますので、今後いい知恵がありましたらまたお教えいただきたいと思います。

石渡清元自由民主党

○石渡清元君 自治大臣、非常に力を込めておっしゃいましたけれども、今議会のことを申し上げたのは、大きい規模の金額は議会を通さないと執行できない、こういう意味で申し上げたわけで、したがって、この予算のおくれというのは国の総合経済対策、地方分ができないためにおくれちゃっているんじゃないか。そういう意味で、その予算のおくれというものにどのように責任をお感じになっているか、それをお伺いいたします。

藤井裕久改新大蔵大臣

○国務大臣(藤井裕久君) 今回のような政治の情勢によりまして予算の成立がおくれ、かつ暫定を本日お願いしているので二回の暫定になるわけでありますが、このことが景気あるいは今の地方の財政に影響がないとは申しません。影響があると考えております。しかし、それをあらゆる努力をもって、今お話しもありましたし、二月八日の対策、これは大幅な減税等々を含めてこの穴埋めをさせていただいているところでございます。  この政治の情勢につきましては、私、行政府の一員としてコメントすることは差し控えさせていただきますが、率直に申しまして、三月四日に本予算を提出した、このことが例年に比べ不正常であったということをお認めいたしたいと思います。

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 石渡君、時間が参っております。

石渡清元自由民主党

○石渡清元君 時間ですので、終わります。

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 以上で前島君の質疑は終了いたしました。(拍手)     —————————————

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 次に、谷畑孝君の質疑を行います。谷畑君。

谷畑孝日本社会党・護憲民主連合

○谷畑孝君 日本社会党の谷畑でございます。  まず、羽田総理に対して基本政治姿勢について少し質問をしてみたい、こういうふうに思っています。  私もちょうど五年前に参議院議員に送っていただいて、このわずか五年の間に、まさしくすさまじい政治のドラマといいましょうか、を見ることになりました。  私が通りましたときには、参議院が与野党逆転をした。いわゆる、衆議院では海部総理大臣が選ばれましたけれども参議院においては土井たか子我が委員長が総理になった、これもまさしく画期的なことであったのではないか、そういうふうにも実は思っているわけであります。二つ目の大きな出来事、これはまさしく三十八年間続いた自民党政権が崩壊をした。  その中で、私、二つの出来事に対して非常に印象を強くいたしております。一つは、私どもが政治腐敗に対しての怒りの中で宮澤総理に対する不信任というものを出していく。いわゆる改革フォーラム21ですか、その中で羽田現総理が先頭に立って私どもとともに不信任をしたということによって二つ目の大きなドラマが展開をしてきた。その初心といいましょうか、その気持ちといいましょうか、これは私非常に大事なことだ、このように実は思っています。また、もう一方では、やはり細川前総理のいわゆる日本新党というものの結成、そういうものもあったと思います。  そこで、まず羽田総理に対して、そのときの気持ち、そしてこの改革に対する熱意、そういった点についてどう考えておられるのかひとつ率直に意見をお伺いしておきたい、このように思います。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 確かに私は自由民主党にありまして政治活動をし続けてきた人間であります。ただ、世界が大きく変化すると同時に日本の国も戦後五十年を迎えようとするこのときでありまして、やっぱりいろんな問題を変えていかなければいけない。そういう中で、何といっても政治そのものも変えなきゃいかぬ、本当に真っ正面から議論する政治というものをしていかなければいけないなという大変強い思いが実はあったところでございまして、自民党を離脱するという中で、新しい政治を目指しながら連立政権の一つの核になってきたということであります。  私は、まさに今御指摘がありましたように、そこに一つの日本に新しい政治が動きつつあるな、新しい息吹というものが生まれてきたんだろうというふうに思っておりまして、このものを本物にしていく、そしてお互いに一つの土俵の中でいろんな難しい問題でも真っ正面から議論できる政治、この国会の場から日本の歩むべき道がきちんと方向づけられる、そんな政治にしていくためにこれからも努力していかなければいけないというふうに思っております。

谷畑孝日本社会党・護憲民主連合

○谷畑孝君 その結果、細川連立政権というのがまさしく日本政治史の中においても非常に画期的な連立政権のスタートを切った、そういうことではなかったのか。その背景には、私どもが国会へ来てから何人の総理大臣がかわったか。竹下総理、宇野総理、海部総理、そして宮澤総理と非常に変遷をしてきた。その中で政財官という形の中で、いわゆる金銭にまつわるところのスキャンダル。そういう状況の中で政治不信がもう大変な状況であった。そういう中で私は、やはりこの細川政権が誕生したという、非常に高い支持率は実はそこにあったのではないか、このように私は思うわけでございます。  しかし、残念ながら、御存じのように細川政権も八カ月をしていわゆる辞任をする、こういうことになってしまいました。残念ながら、ここで集中審議もございましたし、細川総理のいわゆる個人的な金銭にまつわるスキャンダルといいましょうか、そういうことも本委員会でも議論をしてきました。  しかし私は、ただ単にそれだけでは解決できない要素があったのではないか。このわずか八カ月の細川連立政権の中には、たくさんの教訓といいましょうか、私どもが考えなければならない問題、これは担ってきたそれぞれの党がやはりともに責任を持ってやはり考えなければならない問題がたくさんあったのではないか、私はこのように思っています。その点についてはどうでしょうか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) お話がありましたように、やはり短い間で政治改革、あるいは行政改革、経済改革というものを進める一つのまたきっかけ、方向をつくったということ、これは私どもはやっぱり大変評価すべきものであろうと思っております。  ただ問題は、この間で我々がもし反省するとするならば、それぞれ何というのか、生い立ちが違ったという言い方はよく誤解もされますけれども、やっぱりそれぞれ違った立場の者が一緒になったという中、しかし、そういったところに寄せられる課題というのは期限があるとかそういった問題ですから、どうしても時間がないために何か議論が煮詰まらなかったというようなことがあった。そこにお互いに疑心暗鬼があったというようなこともあると思うんです。  そういうものは、やっぱり一つの新しい政治を生み出していくときの産みの苦しみみたいなものだったんじゃなかろうかというふうに思いまして、私どもはこういったものを反省しながら、これからそういったことを少しでもなくしていくためにお互いに努力していく必要があろうというふうに考えております。

谷畑孝日本社会党・護憲民主連合

○谷畑孝君 私ども社会党が羽田政権、第二期連立政権において離脱をするというそういう結論になるわけでありますけれども、この過程においては、私ども議員それぞれの思いもありますし、非常に残念という気持ちも強いですし、そういうことの中で者ともに一緒に連立政権を支えて頑張ってきた一員としても、私はそういうふうに思うんです。また羽田総理も、私どもも一票入れまして成立をした。そういう中で離脱をしてしまったというこの気持ち。    〔委員長退席、理事久世公堯君着席〕  そこで一つお伺いするんですが、その直接の原因となったいわゆる改新、これはぜひひとつ大内委員長、私どももちろん民社党の皆さんとも一緒に汗水流しながら法案をつくり予算もつくってまいりましたし、私どももちろん仲間だと思ってきましたし、その中で、連立政権の後半においては連立政権の中で二つの潮流があった。いわゆる統一会派にすべきだ、こういう考え方と、いやそうじゃない、連立のそれぞれの党においては長い歴史的過程もあるしさまざまな個性もある、そういうこともあって緩やかな状況でやらなきゃならないと。  そのときに、むしろ、さきがけ、社会党、そして大内委員長はそういう統一会派の改革については非常に批判的な立場であった。それが羽田政権が成立するや否や、私どもも、本当に党も結束して羽田政権にひとつ落ちこぼれなくやらなきゃならない、こういう形の中で、二十七回も代表者会議の中で政策協定をようやくにして苦労してこれをつくってきたんですよ。その中で、大内委員長、もう本当に政権ができるや否や、びっくりしました、私も。そんなこと、まさか、これで、やっと苦労して、私ども、ひとつ連立第二期の羽田政権を支えて頑張りたいという気持ちでありながら、残念ながら離脱してしまった直接の原因になってしまった。  これは、大内委員長、どういうことだったのか、その点ひとつお願いしたいと思います。

大内啓伍改新厚生大臣

○国務大臣(大内啓伍君) 今、谷畑先生おっしゃったお気持ち、本当に痛いほどよくわかります。しかし、私は村山委員長とも何回も統一会派やこれからの政界再編の将来についてお話をしてまいりました。  やはり統一会派とか新党をつくる場合には、一つは民主主義の政治理念、二つには政党の体質、基本政策の一致、そして将来のビジョンや重要政策についてのおおむねの一致が必要である。これを一言で言えば、志を同じゅうする人々、大体の政策を同じゅうする人々が結合してやらなければならないことだ。しかし、今の社会党と民社党はそういう原則に照らして考えると一遍に一緒になることはできない。ですから、どうかその基本政策についても大転換をされますように私は友情を込めて何回も話し合ってきた。(発言する者多し)  それで、——よくお聞きください。それで、私が提案いたしましたのは、日本新党、さきがけ、民社党、そして新生党、この四つで会派をつくりたい、こういうお話も実は村山委員長にも申し上げたのでございますが、それはこういう考え方なのでございます。  今御指摘の政策協議というのは、四月十四日から二十二日にかけて行われまして、二十二日にようやく妥結をしたのであります。しかし、その過程においては、安全保障や北朝鮮の問題、税制の問題で政権離脱という言葉も飛び出すぐらいに実は非常な激しい論争があって妥結したのであります。    〔理事久世公堯君退席、委員長着席〕  私はこの経緯を見ながら、羽田政権の前途というものはこれはなかなか多難である、こういう問題がだんだん具体化してきたときにはこれは非常に多難な事態を迎える、したがって羽田政権を支える国会の基盤というものを何とか強力にしておかなければならぬ、これが一つであります。  それからもう一つは、その九項目の妥結いたしました政策というものを着実に遂行できなければ羽田政権は内外からかなえの軽重を問われる。  この二つを考えたときに、既に参議院には御案内のとおり新緑風会というものがございまして、私の提案というものは全くそういうものとかけ離れた別個のものではありません。これは二月にできたのでございますが、そのときには社会党の皆さんも断固として反対だという行動はとられなかったのでございます。  したがいまして、私は、自分の党の中で議員総会に諮る前にさきがけの武村委員長ともお話をし、その足で村山委員長にもお話をし、両者は賛成だ、肯定的だというようなお話はなかったのでございますけれども、民社党としてそういう態度をとることはいたし方ないのではないか、こういう印象を抱きましたので、その後に私どもは党内の議員総会で諮ってこれを決めたのであります。  しかし、私が提案したのはその会派の枠組みの問題でございまして、それをいつ何時にどういう形で提案するかという問題は担当者に任せた次第でございます。私どもの考えている一つの考え方というのは、羽田政権というものを何とか安定した政権として続かせていきたい、そのためには国会の会派の中で強力な基盤というものをつくり上げなければならぬ、こういう思いでやったのでございまして、結果的に社会党の皆さんが離脱するという事態を迎えたことは本当に心痛む思いでございまして、皆様にも大変御迷惑をかけた、心から恐縮をしている次第でございます。

谷畑孝日本社会党・護憲民主連合

○谷畑孝君 今、大内委員長の経過を聞いたわけですが、安定政権ということを言うならばいわゆる単独政権でやるのが一番安定するわけでございまして、今問題は、連立政権というのは一体何なのか。さまざまの歴史、過程の中でしていくことによって意義があるんでしょう。  そして、連立政権というのは二つの大きなものが成り立たない限りはだめだと言われているんですね。一つは信頼関係を非常に大事にしていこうじゃないかということですね。二つ目はやはり政策をやる。この政策も、もうがしがしがしとどっちかいと詰め寄るんじゃなくて、やっぱり一定程度幅を持ちながら、それ以上に政財官を断つだとかあるいは消費者中心の政治をやるんだと、大きな力関係の中で政治の流れを変えていくということに意義があるわけでしょう。  だから、そういう点の中で、結果的に大内委員長のしたことは信頼を裏切ってしまったことになったのじゃないか。その点についてもう一度お聞きするということと、これについて、新生党の代表ということで総理、それから公明党、それと日本新党、ひとつそれぞれどういうように考えておられるか、意見をお伺いいたします。

大内啓伍改新厚生大臣

○国務大臣(大内啓伍君) 先ほどお話し申し上げたとおり、私は村山委員長とほとんど毎日のように当時はお会いをしておりました。したがって、私はこの問題についても、先ほど来経過として御説明申し上げたとおり、私の党内にお話しする前に村山委員長にもお話し申し上げまして御理解を求めるように最善の努力を傾注したのでございます。  当時、村山委員長がどう言ったとかああ言ったとかということはこの際避けたいと思いますけれども、しかし、村山委員長は肯定し賛成はしてくれませんでしたけれども、村山委員長の当時の言をもってすれば、同情的な理解を示したんだと、それを肯定したように言われては困るということを後で電話で言われました。しかし、そういう理解を示していただいたということについて、私は当時は、ああこれは友情だなと思って受けとめさせていただいたのであります。ですから、うちの議員総会においてもそのありのままを実は御報告申し上げた。ですから、私はこの会派をもって社会党の皆様が政権離脱までするということは予測しておりませんでした。  参議院の方は別だという声が先ほどございましたけれども、参議院の場合はやはり新生党も入れた会派をつくらせていただいている、そういう経緯もございましたし、村山委員長とのそういう会話の中で、私は社会党の皆さんが政権離脱というところまでいかれるとは本当に予測しておらなかったのであります。  ですから、さっき私が申し上げたとおり、私の提言の結果、本当に社会党の皆様に苦しい思いをさせたということについて心から恐縮をしておりますと申し上げているのはその意味でございまして、本当に心痛む思いでございました。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 私は、まず皆様からまさにとうとい一票をちょうだいしながら首班指名をいただいたということ、これは本当に感謝をいたしておりますし、また大きな責任を感じておりました。  そして、私ども報告を受けましたときに、社会党さんの方にも御理解がちゃんといっているんだという実は報告を受けておりましたし、また、ちょうど大内委員長のテレビ等も拝見いたしまして、本当に皆さんが御苦労いただいたんだなという思いでありました。ですから、ちょうど会議が始まって村山委員長からそのお話をお聞きしたときに本当に実はショックであったということと、これはもうおまえ何だ不明だぞとかなんとか言われようと、これは本当の率直な気持ちであったわけであります。  いずれにしましても、この八カ月間というものはいろんな難しい問題があったんだけれども一つずつ乗り越えることができたということ、そして新しい一つの日本のこれからの政治というものの方向をつくり上げてきた、これを私は実は誇りに思っているわけでして、その意味でも、何としてもまたともに行動ができる、ともに政治活動ができるようなものになってほしいということを今でも実は大きな願望として持っておるということをこの機会に申し上げたいと存じます。

石田幸四郎公明党総務庁長官

○国務大臣(石田幸四郎君) お答えいたします。  私どもはこの参加要請を受けた立場ではないわけでございますから余り当事者的な立場でお答えをすることはできないのでございますが、いずれにしても連立政権という立場というのはお互いの主張を乗り越えて結束していかなきゃならない。しかし、政策面におきましては相当これは詰めていく必要があることでございますから、それなりの議論はやっていかなきゃならないものであろうというふうに思っておりました。  当日の状況は、私どもの幹部も、私も書記長もそういうふうな状況になってきたということについては当日知らされたというような状況でございましたから、そのときにうちの書記長からも、これは社会党さんの十分な理解が得られなければ難しいのではないですかというような御意見を申し上げたわけでございます。結果、ああいうふうな形になりました。  現在、羽田政権は少数与党というような形になってさまざまな面で大変苦労している、こういう状態も踏まえて考えてみますと、本当に残念な思いといいますか、そういう気持ちでいっぱいでございます。

寺澤芳男経済企画庁長官

○国務大臣(寺澤芳男君) 四月の八日に、当時の細川総理が突然辞意を表明しました。私たち日本新党も、大変に余りにも唐突な辞意だったのでびっくりして、それでもういろんなことがあったんですが、直ちに夕方議員総会を開きました。そのときに、あのときは改革という会派をつくるという動きに出まして、そこでほかの政党の、連立与党の方々にも働きかけたんですが、なかなかうまくいかなかった。  それから四月二十五日ですか、羽田総理の首班指名が衆議院、参議院で行われた後、改新という新しい会派を、当時の私の理解では、民社党から、両院議員総会を開いて、前から日本新党から申し出のあった改革にぜひ入りたい、しかしながら名前を変えたい、改革ではなくて改新という名前に変えたいということで、そういう申し出があったので、これは民社党の申し出を喜んで受けようではないかという細川代表からの説明がありました。  当然それは与党全体の会派につながるものと、当然社会党その他あのときの与党全体につながるものと少なくとも私は解釈して、そしてそのとき多分日本新党の全両院議員はそう感じたんだろうと思います。そして一緒にやっていこうということでその両院議員総会が終わったわけですが、私の今の率直な気持ちは、連立与党のみんなで力を合わせてとにもかくにも自民党の単独政権を覆した、そして社会党の人々とも一緒にやってきた、社会党の人々とも一緒に今度は羽田総理をいただいてやろう、そういう気持ちで私たちは満ち満ちておりましたので、大変残念でありました。  今でも、ぜひ社会党の方々が連立与党に加わっていただくことを衷心からお願い申し上げます。

谷畑孝日本社会党・護憲民主連合

○谷畑孝君 時間の関係がありますからこればかりやっておれませんけれども、いずれにしても社会党、いわゆるげたと雪、げたと石、ちまたではこのような言葉が生まれたり、げたが歩けばどこまでも石がついていく、そういうような状況も言われたり、しかし私が言いたいのは、やっぱり三十八年ぶりの政権移行であり、政治そのものをドラマとし、そして多くの国民の皆さんに政治自身がおもしろい、そして自分も参加をしたい、そういうことの中で政策の透明さ、そして大きく社会が変わっていく、いわゆる経済システムの変化、社会の変化、さまざまなものをつくり上げていくというところに私は歴史の発展していく一つの喜びを感じるものであると、こういうふうに思うんです。  私も、社会党も離脱をしましたけれども、この八カ月の経験を生かして、健全野党といいましょうか、是々非々、そういう立場でひとつ臨んでいきたい、このように実は思っておるところでございます。  そこで、きょう午前中からありました柿澤外務大臣に少し、自民党の前島先生の方からも今話がございましたが、本会議のときの連立政権に対する評価というのは非常に辛かったですね、辛かったです。この点は、我々聞いておっても本当に不思議に感じます。本会議で一番やじと怒号が多かったのは外務大臣なんですよ。これは一体何かということもちょっと考えながら、今、連立政権に対する評価はどう変わったのか変わっていないのか、その点についてどうなんですか。

柿澤弘治改新外務大臣

○国務大臣(柿澤弘治君) 先ほども申しましたように、細川総理の辞意表明の後、新しい内閣をつくるという動きが当然起こってきたわけでございますが、その中で、政策的な合意をきちっと詰めて、そしてそれを実現するための努力というものが連立与党の中で行われていましたことは、私どもも関心を持って見守っておりました。  そうした中で、先ほど来申し上げましたように、内政においては税制改革の問題、外交においては北朝鮮の核疑惑に対する対応の問題等、細川内閣成立のときの大枠の合意とは異なったしっかりした政策合意ができたということは、私は率直に前向きに評価をしなければいけない、こう感じたわけでございます。  そうした中で、今までの連立の枠を越えてそうした合意を実現する機会が与えられるならば私どもも参加をさせていただきたいということで欣然と参加をしたわけでございまして、そういうことをぜひとも御理解いただきたいと思っております。

谷畑孝日本社会党・護憲民主連合

○谷畑孝君 柿澤外務大臣、実は連立政権に対する評価という問題は、これは羽田総理の基本姿勢と絡んできて非常に大事な点になってくるんですよ、はっきり申し上げまして。それが、これから少し私も質問してまいりたいと思うんですが、羽田政権の性格の中で、有事立法の問題だとかあるいはいわゆる集団的自衛権の問題だとか、さまざまな問題に対する国民の不安といいましょうか、逸脱していくのじゃないかというこういう不安というのはいろんな意味でやっぱり出てくると思うんですね。  そこで、もう一回はっきりしてほしいんですけれども、まず柿澤外務大臣が衆議院の本会議におきまして、私は、昨年夏の細川政権誕生のときから、政策や理念の違う寄り合い世帯の連立政権が日本にとって内外とも重要な時期に経済無策、外交無策、こういう予感を持っておったんだが的中してしまったということで、連立政権に対する非常に批判的な要素を強く言っているんです。  ところで、この政権は連立政権でしょう。これはどうなんですか。連立政権で、しかも少数与党という最悪の連立政権じゃないですか。そこにあなたがこういうふうに入っておられるというのは一体どういうことなんですか。その点について、ひとつはっきりと納得できるような答弁を願いたいと思います。

柿澤弘治改新外務大臣

○国務大臣(柿澤弘治君) 連立政権そのものについては、私は決して否定的ではございません。先ほど申しましたように、五年間ヨーロッパで生活をしておりましたが、そうした中で、さまざまな政党の組み合わせで政治が行われていくという経験は私どもも十分に知っていたつもりでございます。  また、冷戦構造の崩壊の後、いわば自由主義対社会主義、共産主義というような対立の座標軸はなくなったわけでございまして、その意味では、さまざまな自由主義社会、そして自由経済を基盤としながら、環境や開発や国際貢献についてのさまざまな考え方の異なる政党がいろいろな形の組み合わせをしていくという時代に入ってきている。いわば連合の時代に入ってきているということは、私自身予感をしていたところでございます。  ただ、その連立はやはり政策の合意に基づいて行われなければならない。その意味では、細川政権の誕生はまさに非自民、自民の長期政権と交代するということが中心であったという点で、政策の合意以前の一つの目的があったというような感じがいたします。それともう一つは、政治改革の実現というのが細川内閣の連立政権としての一つの最重要課題であった。  その意味で、代表質問でも申しましたように、その政治改革の実現にある意味では全力投球をしていて経済や外交についての対応がおくれたということは、私ども野党として拝見をしていて感じたところでございます。その点を政治改革法案成立後、経済と外交に真剣に取り組む政権をつくっていくということが大事ではないかというふうに考えたわけでございまして、その点もぜひ御理解をいただきたいと思います。

谷畑孝日本社会党・護憲民主連合

○谷畑孝君 いや、それは外務大臣、非常に私は詭弁だと思うんですよ。あなたの本会議における代表質問を見ましても、はっきり申し上げて、政策が一致しなければならないと。当然、我々も、細川政権だって政策一致してやってきたわけでございまして、先ほど私言いましたように、連立政権というのは歴史、経過が違うわけですから、いわゆる信頼関係も非常に大事だし、同時に政策についても少し緩やかにしながら、大事な点と緩やかにする点と、やはりしながらやっていくというところに僕は意義があると思うんですよ。  あなたの言い方であれば、社会党が離脱したから私が入ってうまくいっているような言い方になるんじゃないですか、それ。じゃ、どうなんです、そのあたり。

柿澤弘治改新外務大臣

○国務大臣(柿澤弘治君) 私たちは社会党が離脱をするという前提で連立政権に参加をしたわけではございませんで、社会党も含めた政策合意ができました段階で、羽田総理から、当時は総理候補、首班指名候補でいらっしゃったわけですが、政策についての話し合いをしたいというお申し入れもありましたし、私どもも政策についての話し合いをしたいと思っておりましたので、話し合いをさせていただきました。そして、九項目の政策合意の確認書については一定の評価をいたしまして、私どもの要望も申し上げましたが、そうした点で政策的な話し合いをして、その上で参加を決めたわけでございます。

谷畑孝日本社会党・護憲民主連合

○谷畑孝君 後ほどにまた柿澤外務大臣にひとつ出番をつくりたいと思いますので、とりあえずこの点についてはここでとどめておきたい、こういうように思っています。  そこで、羽田総理に一つお伺いするんですが、いわゆるこの連立政権、羽田政権が発足をするや否や非常に大きな事件としてにぎわしたのが永野前法務大臣の発言ということでございまして、これはある意味で言えば連立政権のスタートという非常に大事なこの時期にそういう発言ということで、非常に大きな出来事といいましょうか、我々にとってみたら大きなショックといいましょうか、そういうものになったと思うんです。  これは言いかえれば、発言そのものということと同時に、羽田政権の性格を規定していくことの中で、それが一過性の問題なのか、それともそうでなくて、さまざまのそういう問題を包含していく、私ども社会党が離脱した中でまた歴史を逆戻りしていく、そういう兆候なのかという、ここらの点において非常に危惧する問題であったわけでございますけれども、前法相の発言について、羽田総理の認識についてひとつお伺いをしておきます。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 前法相の発言は、これは遺憾の言葉以外にございません。  そして私は、実はこの考え方について、侵略戦争という用語の意味につきましてはいろんな議論もあることは承知しております。しかし、先般の所信表明演説で申し上げましたように、私は、我が国の侵略行為ですとかあるいは植民地支配等が多くの人々に耐えがたい苦しみと悲しみをもたらしているという認識、これは実は宮澤政権の時代にも、あの政権が発足する前にも申し上げたり、あるいは細川政権が発足する前にもそのことを申し上げてきたということでありまして、私自身の考え方、そして私どもこの政権もそういう思いを持っていきたいというふうに思っております。

谷畑孝日本社会党・護憲民主連合

○谷畑孝君 そうしたら、羽田総理、細川連立政権のときには、過去の戦争に対する反省を政権の樹立に当たって内外に明らかにする、こういうことで実は細川前総理は明らかにしました。  いわゆる第二次世界大戦は侵略戦争であった、この点についてはどうなんですか。一緒なんですか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) この戦争そのものについて侵略的な行為があったということ、これについては私も認めるところであります。  実は、侵略戦争という言葉と用語の意味につきまして、これはどういうもので確定されたというものはございません。  ただ、私どもこうやって振り返ってみて、やっぱりその結果としてまさに侵略的な行為であったということ、それからその以前の植民地支配、植民地というものはよその国も、ヨーロッパの国だって持っておるではないかという指摘もありますけれども、私はやっぱりこのことによってそれぞれの国に耐えがたい苦しみとか悲しみというものを与えてしまったということ、これを反省し、率直にその皆様方に対しておわびしながら、私どもはまたその復そういったことを認識して今日の五十年を迎えてきているわけでありますから、そういう中でこれからのまさに新しい時代をつくるときに再びこんなことを起こしてはならぬという強い意味を持っておるということであります。

谷畑孝日本社会党・護憲民主連合

○谷畑孝君 そうしたら、角度を変えて質問したいのですが、私自身は昭和二十二年に生まれて今四十七歳、戦後生まれです。戦争というのは本当に知らない世代なんです。しかし、私はこのように思うんです。角度を変えて言いかえれば、永野前法相の発言は、私は、一面非常に率直なあるいは実直な性格をあらわしているというか、そういうようにも感じられます。私ども与野党の議員の中においても、日本は侵略戦争ではなかった、こういう意見を持っている方もおられる。あるいは南京虐殺事件についても、いや大虐殺じゃないんだとか、少しはあったかもわからない、いや大虐殺なんだとかいろいろな評価があります。このことで何人か過去において大臣が更迭されておりますが、いつまでもこの問題を続けでいいのかどうか。そういう意味では、やはり具体的に歴史認識についても検証していく、そういうことを通じて私は、細川政権が言った発言、侵略戦争であったということ等を検証していく、そういう作業を私は羽田政権としてする任務があるんじゃないかと。  そこで二つ。一つは、これは羽田総理自身が強く言っていたことですけれども、国会決議はどうなんだという点。それと、私どもの浜本参議院議員会長が、戦後五十周年ということですからぜひひとつこれを機会にして調査会的にもやったらどうだ、時には日中で共同でやったらどうだとか、そういう話がございました。その点についてもひとつ腹を固めてこの問題はもうクリアしていくことが非常に大事じゃないかと思うんですが、その点についてはどうですか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 国会決議につきましては、(「国会決議反対」と呼ぶ者あり)今反対という声がありましたけれども、しかし私はこの問題についてはやっぱり国民を代表する国会、こういったものが決議という形で意思を表明していくということが大事であろうということは議員の当時に申し上げておったことでありまして、これは今後やっぱり国会の中で御議論いただきたいというふうに存じております。  なお、もう一つの点で、五十年ということでありますけれども、ちょうど戦後五十年を迎えるということで一つの節目であろうというふうに思っております。これに向けまして、我が国としてもどのように対応していくのか、これは各方面の皆様方の御意見も承りながら検討していきたいというふうに思っております。  また、五十周年の問題の調査会というものについてどういうふうに考えるのかというお話もありましたけれども、先般も本会議でも申し上げましたとおり、私としましても、歴史というものを正しく客観的にとらえるということ、これは大切であろうというふうに考えまして、この間の御指摘についても一定の評価を申し上げたわけであります。  そういうことで、過去の歴史をやっぱり直視しながら、アジア諸国の声、こういったものに謙虚に耳を傾けながら、これら諸国と未来に向けた関係というものを構築していくために私どもとしても引き続き努力をしていくべきであろうというふうに考えておるところであります。

谷畑孝日本社会党・護憲民主連合

○谷畑孝君 ちょっと何かわかったようなわからないような感じになるんですけれども。  私は戦後生まれと先ほどお話ししましたように、やっぱり第二次世界大戦で戦死された、亡くなっていった人たち、あるいはまたその遺族の皆さん、あるいはまた多くの国民がやっぱり犠牲を強いられてきた、そういうことに対する基本的な国に対する思いだとかそういう純粋ないろんな気持ちに対して私は尊敬もしますし、またそういう人たちによって私も今日繁栄した中に暮らしておるということも思うんです。  だから、そういうこととこの戦争が侵略戦争であったということは私は矛盾しないと思うんです。むしろ対立させるんじゃなくて、むしろやっぱりきちっとその問題を一致させていくことが非常に大事じゃないかと。それで今提案をさせてもらったわけですけれども、そこらの点についてぜひひとつ五十周年に向けて進めていくという方向でもう一度お答えをいただきたいと思います。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) ちょうど節目のときでありますから、いずれにしても戦争というものがどういう惨禍というものをもたらしたのかということ、これはただ日本人だけではなくて、例えばそれぞれのアジアの学者の人たちですとか、歴史学者の人ですとか、またそういった事実に立ち会った人たちですとか、そういった人たちとこうやって検証してみるということなんかは私は大事なことであり、しかもそういったものをきちんと後世にもやっぱり伝えていくということ、そして戦争というものがいかに悲惨なものであるのかということを知り、そして再びこんなことは起こしちゃならないんだということを、これはアジアだけじゃなくてこの地球に住む人たちが思うように、その意味でもそういったことを検証していくことが大事であろう。  ただ、その方法が一体どういう方法がいいのか、これはいろんなところから御意見があることは実は私もよく承知しておりますので、そういったものをこれからどんなふうな方法でやったらいいのかということをこれから勉強させていただきたいということを申し上げておるわけです。

谷畑孝日本社会党・護憲民主連合

○谷畑孝君 時間の関係がございます。できましたら国会決議ということについてはそれぞれの主な、主なと言うと怒られますけれども、公明党さんなりあるいは民社党さんなり、少し意見をいただいて次に進みたいと思います。

石田幸四郎公明党総務庁長官

○国務大臣(石田幸四郎君) 時に私は終戦五十周年というのは非常に大事な節目だと思いますので、今いろいろお話がございました記念事業的なことをやって一つの区切りをつけながら平和への確認をしていく必要がある、また、特に東南アジア関係の各国の方々に対するこれからの平和的な行動を共にしていく、そういう決意をあらわしていくことは極めて大事なことだと思っております。  ただ、国会決議のことにつきましては、これは各党間でお話しをなさる問題でございますので、今、行政の立場から直接申し上げることはできません。

大内啓伍改新厚生大臣

○国務大臣(大内啓伍君) 御提案の国会決議の問題、今、石田長官が申し上げましたように、国会の問題ではございますが、しかし、やはり五十年という一つの節目に際しまして日本が過去の戦争について反省の意を表明し、そして前に向かって、つまり将来に向かって世界の平和のための貢献の決意というものを改めて披瀝するということは極めて意義のあることである、こう考えております。

寺澤芳男経済企画庁長官

○国務大臣(寺澤芳男君) 侵略戦争とか侵略行為ということにつきましては、細川代表が内閣総理大臣に就任した際に言い出したことでもあるし、日本新党としては、もちろん国会決議は国会でお決めになることでございますのでその件については私としては何も申し上げられませんが、そういう線で考えておりますことを披瀝いたしておきます。

谷畑孝日本社会党・護憲民主連合

○谷畑孝君 五十周年ですから、日本の国会の意思として前向きな方向でぜひひとつ実現できるよう要請をしておきたいと思います。  さて、連立政権の中で、とりわけ政策合意の中で、やはり北朝鮮問題というのが非常に大きなウエートを持った問題ではなかったのか。それと税制改革ですね。これは非常に大事な問題だったんじゃないかと思います。  そこで、北朝鮮問題、いわゆる朝鮮民主主義人民共和国の核疑惑に対する問題について少し意見を聞いておきたい、このように実は考えています。  日本が、安全保障理事会といいましょうか、中で議論もしていきますし、また米朝という形の中でも議論がされていくだろうし、あるいはまた中国等を含めての北東アジアの中における議論もされていく、そういうことになると思うんですけれども、しかし、一番私ども日本においてもまさしく隣国であるということ、しかもノドン一号ですか、ミサイルの日本に届く射程という状況があるということ、それと同時にまた朝鮮人民共和国についてはまだ国交回復がしていないということもあり、また日本の歴史的に負の遺産といいましょうか、さまざまの問題が解決していない状況でもある。  こういうことで、私どもは日本としていわゆるアジア外交といいましょうか、その中でこの問題に対してどう処していくのか、こういうことについては非常に私は大事だと思うんです。我々の安全の問題についてもそうだし、アジア全体の安全についても大事だと思う。そのことについて、この問題についての基本認識といいましょうか、どう考えてされていくのか、そこらの点についてひとつ、これは総理大臣に聞いておきたいと思います。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 日朝の問題につきましては、国交正常化というものを目指しながら話し合いを続けてきたことは御案内のとおりであります。ただ、残念ですけれども朝鮮側の方からこれが途絶えてしまいまして、私ども日本としては常に窓を開いておくという状況でありますけれども、残念ですけれども正面からの話し合いというのはできない状況にあるというのが今日の状況であろうと思っております。  しかし、先ほどからお話がございましたように、戦争、あるいは戦争以前の問題、こういった問題については、これは朝鮮半島というのはやっぱり一つのものであったというふうに思っておりまして、そういう面で、いろんな面で過去にあっての問題というのは今御指摘があったとおりであります。  そういう中で、私どもとしても率直な話し合いをする中にお互いが協力できる関係というものをつくっていきたいというのが基本にあります。  ただ、今もう一つ、朝鮮民主主義人民共和国、この国での核疑惑という問題が起こっておりまして、ただこの問題はIAEAが中に、今ちょうど調査、査察に入っておるという状況でありますから、子細について今私がどうこう申し上げることは控えたいと思っておりますけれども、いずれにしても、こういった問題についても、今、韓国あるいは中国そして米朝、こういう中でも話し合われておりますし、また非同盟の国なんかもいろんな呼びかけをされておるということを私どもも承知しております。  そういう中にあって、何とか朝鮮民主主義人民共和国が国際社会に対して心を開いていただいて、この核疑惑というものをどうしてもやっぱり晴らしていただきたいと思うんです。  ということになりますと、これは韓国あるいはアメリカまた中国、こういった国が、またそして日本なんかも一緒にあそこの国のこれからの民生の発展といいますか、そういったものに対しても御協力することができるんじゃなかろうかというふうに考えておりまして、私たちはそういった面でも粘り強い対話、話しかけというものをしていきたいというふうに思っております。

谷畑孝日本社会党・護憲民主連合

○谷畑孝君 羽田総理、この北朝鮮問題は私はもう最初から最後まで一つしかないと思うんですよ。これはやっぱり平和的な外交チャンネルに基づいて話し合いをしていくと。冷戦構造がまだ残っておるんでしょう。しかも、経済制裁をするということになれば、北朝鮮側としてはこれはあくまでも戦争に対する挑発であるという見方をすると、こう言っておるんですからね。しかも、もう経済制裁という状況になってくるということについては、北朝鮮の今日の経済情勢だとかそのほかの情勢から見れば十分暴発の可能性もこれはある。だからこそ、この点についてはいろいろな選択があるように見えても、結局はアジアの皆さんの力によって粘り強くやはり話し合いでしていくということしかないんじゃないですか。しかも、韓国にしても日本にしても人口が一番密集しているところですから、一触即発すればこれは大変な事態になる。この点については、外務大臣、そして総理、どうなんですか。

柿澤弘治改新外務大臣

○国務大臣(柿澤弘治君) 谷畑先生御指摘のとおりでございまして、今国際社会が北朝鮮の核疑惑の問題の解決のために粘り強い話し合いを続けていることを、私どもも支持をしてまいりたいと思っております。今IAEAも新しい査察団が入りましていろいろ調査中でございますので、そうした点も十分に確認をしながら、話し合いが軌道に乗っていくことを心から期待いたしております。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 今、経済制裁というお話もあったわけでありますけれども、これは安保理事会におきましても経済制裁という議論はいまだなされておりません。それよりは、中国その他の国のいろいろな意向も受け入れながら、国連の決議ですとか決定とかいうことではなくて、ともかく議長声明という形で呼びかけをしておるということでありまして、今、谷畑委員から御指摘がありましたように、ともかく国際社会も何とか粘り強い対話によって道を開いていこうということのための大変な実は今努力をいたしておるということでありますし、またアジアの諸国も、アジアにもし核が出来することがあってはいかぬということで、中国を初め各国とも今朝鮮民主主義人民共和国に対して大変粘り強い話しかけをしておるというふうに私も理解をいたしておりますし、私どもも各国に対してそのことを慫慂しておるということであります。

谷畑孝日本社会党・護憲民主連合

○谷畑孝君 いや、この点について私ども二つの点について少し疑問があるんです。  一つは北朝鮮の問題で、緊急立法だ有事立法なんだと、そんなことが現職閣僚の中で、防衛庁長官もそうでありましたし外務大臣もそうでありましたし、出てくる。これはすぐれて今、最初で最後にというか、平和外交しかないと私は言っているわけですけれども、そういう状況の中で、やさきの中で、また後ろからそういうような状況にしていくということは、非常に大きな刺激を与えたりしていけないのじゃないかということが一つ。  二つ目は、いわゆる安保理の決議だとかその方向にまつとかそんなことじゃなくて、むしろ日本がそういう国連の世論をつくっていくという、これは平和な方向しかないという世論をつくっていくという、こういうことでないと私は解決しないんじゃないかと思いますけれども、その点についてはどうなんですか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 今、我が国は安保理事国ではございませんから、直接そこで今チャンスというものはございません。しかし、アメリカに対しましても、あるいは中国の皆さんに対しましても、そのほかのアジアの国の皆さんに対しても、何とかひとつ対話で道を開くこと、このためにお互いに努力しようということは私ども何回も実はそれぞれの立場の皆様方に申し上げてまいっておるところであります。  それから、今、有事立法というお話がありましたけれども、有事立法というのはまさに戦場になった、これに対しての対応ということでありまして、これはたしか昭和五十二年ですか、にこの議論が始まっておりまして、五十六年あるいは五十九年ぐらいにもこういった問題をこんなふうに今議論しておりますということなんかが公表されたということでありまして、これは有事立法というのは、今の問題がどうのこうのということじゃなくて、本当にこの国がもし万が一のことがあったときにということで議論しているんだというふうに御理解をいただきたいというふうに思います。

柿澤弘治改新外務大臣

○国務大臣(柿澤弘治君) 総理大臣の御答弁のとおりでございます。  私たちも、北朝鮮の核開発疑惑については、国際社会が粘り強く話し合いでやっていこうとしていることを弱さのあらわれというふうに誤解しないで、ぜひ前向きに取り組んでいただきたいと思っております。  また、今お話がありました有事立法につきましても、昭和五十二年以来、日本が攻撃されたときにどうするかというような有事立法について今検討している段階ではないと思います。しかし細川内閣のときから、一般論として言えば、今後、国連において措置が決められた場合には我が国として憲法の範囲内で協力をしていくということは申し上げているわけでございますので、そのときにどのようなことが必要かということはそれぞれの部署において御検討いただいているものと思っているわけでございます。

谷畑孝日本社会党・護憲民主連合

○谷畑孝君 いずれにしても、今まで日朝の交渉もされておって、今中断されている状況ではありますけれども、ぜひ日本がひとつイニシアを握ってそういう平和的な手段によってこの問題が解決されるよう強く訴えるところであります。  次に、もう本当に用意していたものがほとんど言えなくなってしまったんですが、税制改革について少し私も、これは思い入れがありますから、質問していきたいと思うんですが、まず大内厚生大臣にお聞きします。  税制改革の中身というのは三つの要素があります。一つは、今度大幅減税をする、その財源をどうするんだということもあるし、あるいは税そのものが持っている直間比率の見直しという問題がある、もう一つはやはり来るべき高齢化社会において福祉ビジョン、その絡みの中で財政が硬直しないためにどうするんだ、こういう議論があると思うんですね。  そこで、今、政府は六月に税制改革の成案をまとめる、こうあるんです。私はもうずばり言いまして、一方では福祉ビジョンと大きくぶち上げましたが、それを聞いていたら、これは結構な話や、介護も含めて進むんだろうと。ところが、これはあくまでもビジョンであって、六月に成案をつくるんだったら、その福祉ビジョンの中で短期的には何ができるのか。六月に成案をつくらぬとこれはうそなんです。僕は、国民合意というのはそこにあるんじゃないかと思うんです。  もう時間がないから私がしゃべっていますけれども、そこらはどうなんですか。

大内啓伍改新厚生大臣

○国務大臣(大内啓伍君) これからの超高齢化社会の到来と少子社会の到来というのは、これは避けて通れないわけです。ですから、例えば介護を要する老人の数は現在二百万人でございますが、二〇〇〇年の段階では二百八十万人になりまして、二〇二五年の段階では五百二十万人になります。したがって、社会保障の重点も今までの年金、医療から福祉にだんだん移していかなきゃならぬ。そして、社会保障給付費の伸び率は現状では大体七%前後で伸びておりますが、国民所得というのは五%近辺でございますし、したがって、これからの税収というものを考えてまいりますと、既存の税体系の中でこの高齢化社会に対する社会保障給付というものを完全に賄うというのはなかなか難しいわけでございます。  したがって、この高齢化社会福祉ビジョンというものを定量的な形で、しかも四つの選択というものを示しながら出したという意味は、私はこれからそういう問題を具体的にお考えいただく上で大事な提案であったと、そういうふうに思っておりまして、これから税制という問題を考える場合に、私どもが策定いたしましたこの高齢化の二十一世紀の福祉ビジョンの中で、一体どれを本当にやらなきゃならないか、しかも短期的、中期的、長期的と分けていただく必要があると思うんです。  そういうものを踏まえて、税制改革についてもあるいは税制以外の負担の問題につきましてもお考えをいただくということが大事である、こう考えております。

谷畑孝日本社会党・護憲民主連合

○谷畑孝君 大蔵大臣、どうですか。

藤井裕久改新大蔵大臣

○国務大臣(藤井裕久君) 今、厚生大臣がお話しのように、この福祉ビジョンは厚生大臣のもとにおいておつくりになったものではありますが、非常に勉強していただいて貴重な資料だと私は思っております。こういうものを連立与党の中でも勉強しながら、今、厚生大臣が言われたように、これからの税制のあり方を中期的に見ながら、先ほど来申し上げているように、とにかく六月までに成案を得て年内に実現を図っていきたい、こういう気持ちで取り組んでおります。

谷畑孝日本社会党・護憲民主連合

○谷畑孝君 ここで大事なのは、においだけかいで福祉ビジョンは吹っ飛んでしまう、税制だけが成案できて間接税が上がる、これでは国民合意にならないんじゃないか。だからはっきりと、大蔵大臣、あるいは厚生大臣、福祉ビジョンを同じく六月に成案をつくれるものはつくる。具体的に言ったら、例えばわかりやすく言えばゴールドプランなんかそうでしょう。やはり在宅介護とかを含めてになると、ホームヘルパーというのは非常に大事ですね。ホームヘルパーというのはやっぱり人の命にかかわりますから非常に質の高いものでなきゃならぬし、そうしたら、具体的に前倒しを含めていっどうするんだとか、これくらいの成案をつくらないと私は国民的合意にならぬじゃないかと思うんですよ。  その点についてはどうなんですか。

藤井裕久改新大蔵大臣

○国務大臣(藤井裕久君) ただいまお答えしたつもりだったのでありますが、ちょっと舌足らずかもしれませんが、今厚生省でおつくりになっているもの、そういう中でいろんな選択がありますが、もう御指摘のように介護なんですね。年金とか医療というのは一つの仕組みができておりますが、しかし自然増的に伸びていきます。介護というものをどう持っていくか。こういうことを含んだ全体構想の中で、ではこれを支えてくださる国民の皆様の御負担はどうするか、こういう角度から国民の皆様の合意、そして代表である国会の御理解をいただきたい、こういう気持ちでやっております。

谷畑孝日本社会党・護憲民主連合

○谷畑孝君 いずれにしても、あの深夜の福祉税のような状況にならないように、その点をひとつしっかりとしていくことが国民の合意じゃないかと思います。  時間が参りましたので、私どもの藁科委員の方から景気、雇用等を含めての関連質問に移っていきたいと思いますので、私はこれで終わりたいと思います。  どうもありがとうございました。

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 関連質疑を許します。藁科滿治君。

藁科滿治日本社会党・護憲民主連合

○藁科滿治君 引き続き関連の質問をさせていただきます。  まず最初に、統一会派の問題について、総理が五月に入りましてから、急にあのようなことを言われたら私どもも怒ると、こういうような発言をされたように伺っております。しかし一方で、四月二十五日の夜、記者団には、与党の会派が幾つにもなっているので何とかしなければならない、そういう話をしていたんだと、こういうことをおっしゃっております。そこで、私は改めてこの問題について総理にお尋ねをしたいと思います。  首班指名が終わった直後、あのような動きが出てきたわけでございますが、総理は一体その場でどのような態度を示されたのか。私は字は下手ですけれども、誠意を持って「羽田孜」と首班指名で書きましたので、改めて伺いたいと思っております。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 今、五月になってというお話がありましたけれども、実は私はその日の夜、まさにそのことを申し上げたんです。そして、それにつけ加えての質問だったと思いますけれども、そのときにあれしたのは、ちょうど私は会派問題とかこれの運営の問題につきましては、たしかあれ、その数日前のテレビでしたか、確かに改革とかいろんな難しさがあったようであるけれども、しかし、これから我々が持つ課題というのは非常に大きな問題だから、こういったものに対して機動的に対応するためにはできれば一つの政党になるというのが一番いいんだけれども、それはなかなか難しいでしょう、ですから、会派みたいなものができ得ることは大変いいことだな、ということを実は申し上げておったことは事実であります。  ただ、あのように早くこうやって進んでしまうということは私は思いませんでした。あのとき私が報告を受けましたのは各党とも本当に話し合いができたということなんで、これは本当によかったことだというふうに喜んでおったことは事実であります。  しかし、その結果、じゃその後どうしたんだということでありますけれども、私どもは誠意を持って社会党さんにも呼びかけ、そして事情を理解していただきたいということで、わざわざ実は組閣というのを、たしか三日間ですか、大分あちこちからしかられながらも、やっぱり連休の間これは内閣が不在ということではどうにもならぬということで、ぎりぎりになって実は組閣をしたということでありまして、何とか社会党に理解をしていただきたい。  先ほど大内委員長からもお話しがありましたけれども、どうも言葉の行き違いとかあるいはそのときに受け取った受け取り方というものがやっぱり異なっておったということであって、結果としてはそれは皆さんがおしかりになるお気持ちというのはわかりますけれども、私は本当に残念であったということを率直に申し上げさせていただきます。

藁科滿治日本社会党・護憲民主連合

○藁科滿治君 この問題をめぐって、大内大臣、民社党の委員長の立場も兼ねて御質問をいたします。  私は大内委員長とは大変長いおつき合いで、またいろんな面で御指導いただいてまいりましたが、今回のこの動きについてはどうも納得できない。いろんな前段の経過も含めてなかなか理解できない面が多いわけでございます。  言われるように、今の連立政権の基盤を安定させるために八党会派というのは大変不自然である、これはだんだん再編されていかなきゃいかぬ、その道筋については私ども十分理解しております。また、大内委員長がその推進論者であることも私はよく知っております。しかし、問題なのは、首班指名をやった直後、なおかつ組閣をする間隙を縫ってこういう手法に出たというのは我々は何としても納得できない。  先ほど政策の合意ということをおっしゃいましたけれども、私、連立政権を達成するには二つの関所があると思うんです。一つは政策合意であり、もう一つは首班指名です。皆さんだけで首班指名ができましたか。我々も入ってあの票が出たんじゃありませんか。だから、その票があって初めて連立政権が構成されておるわけですよ。にもかかわらず、首班の指名が終わった直後に組閣との合間を縫ってこういう動きが出てきたということについては私は全く理解できない。  それから、もう一つお尋ねしたいのは、これは報道に誤りがあるかどうかわかりませんが、その後大内委員長は、社会党が離脱したのは別に理由があってこれはきっかけにすぎないというようなことをおっしゃっているわけですが、これは我々ますます容認できない。  これらの事情について、ぜひ御答弁をいただきたいと思います。

大内啓伍改新厚生大臣

○国務大臣(大内啓伍君) 今お話しのように藁科さんとは長い関係でございますので、率直に申し上げまして、私がああいう構想を出しまして私の思いどおりの構想は実現できませんでした。  というのは、私は、日本新党とさきがけと民社党と新生党で何とか会派がつくれないものかと。細川政権の時代に会派が八党会派と言われておりましたが、余り与党がばらばらであるのはいかがかということで、参議院の中に新緑風会ができたという経緯がございましたのも、それはやはり余りばらばらであることはよくないという一つの発想からでございました。  先ほど私は谷畑さんにお答えをしたのでございますが、やはりあの政策の合意形成の過程を見ておりますと、これは非常に難しい難局が何回もございましてあそこに到達したわけであります。それは、話し合いの段階ではあそこで済むのでございますが、これからああいう問題が非常に具体化してくる。さっき谷畑さんが言われたような税制の問題といったようなもの、これはどっちを選択するかといったような問題が具体化してまいりますと非常に容易ならざる事態が発生するおそれがある。  したがって、私は、羽田総理があの九項目の政策合意というものを着実に実行できる基盤というものをできるだけつくるために我々も努力しなきゃならぬ。我々が羽田総理を担ぐと言った。じゃその下の母体である新生党について我々が無視するというようなことをやっていたのでは羽田総理の基盤というものは確立しない。そういう意味から実はその問題を提起いたしましたが、結果論としては、ベストではなくて次善のさきがけ抜きという形になってしまいまして、私もこれは非常に残念なことだと思っていたのであります。  今それを、なぜそれじゃ総理の首班指名の後に突如としてやったかと。それはもうごもっともな指摘なのでございますが、私自身の立場から申し上げますと、私はその枠組みを提案した人間でございまして、それをどのような形、日時でこれをやるのかということにまで私は指図をする立場には立っておりませんでした。したがいまして、それは担当者の皆さんで十分御議論をいただいた上でああいうことになったわけでございますが、私は結果的に、顧みまして、そういうタイミングがよかったかどうかということについて慎重を欠いた面があったのではないか、そういう反省は持っている次第でございます。  それからもう一つ、その後段の問題につきまして、それがきっかけになったのではないかという式の新聞のコメントのお話がございましたが、その記事は私の言い方を必ずしも正確に伝えてはおりませんで、実は昨年のウルグアイ・ラウンド以来、予算の年内編成、国民福祉税、内閣改造といったような一連の問題をめぐりまして、やっぱり社会党は何回かあの段階で政権離脱という問題についてもお考えになったことがあるのでございます。それで、したがってそういう一つの、何といいますか、隠忍の中から新しい会派というものが突如として出てきた、それが契機になったのではないか、つまり、新会派の結成という問題だけではなくてその前にいろんな問題があってそれが契機になったのではないか、こういう趣旨で新聞に申し上げたのでございました。

藁科滿治日本社会党・護憲民主連合

○藁科滿治君 この問題をめぐってはもっと突っ込んではっきりさせたい点があるんですけれども、国民が期待している景気対策の問題に移っていきます。  総理にお尋ねいたします。  さきの月例報告によりますと、景気は依然として底入れができない、ついに三十七カ月、戦後最長最悪の不況の状態になってまいりました。この間、言うまでもなく政府は三次にわたる補正予算を組み込んで相応の努力をしてきたことはよく承知しております。しかし、結果的に今触れたように不況脱却の効果としてつながっていない。  そこで、私はその最大の要因は二つあるんじゃないかというふうに考えております。その一つは、一生懸命やったということはよくわかりますけれども、国会情勢もあって結果的に後手後手に回ったということです。産業界に対しても国民に対しても政策執行が後手後手に回ったということが一つございます。それからもう一つは、やはりGNPを押し上げる、先ほどの論議にもございましたが、消費支出と民間の設備投資にインパクトを与えることはできなかった。この二つが決定的な要因ではないかというふうに考えるんですが、羽田総理、いかがでしょうか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) この問題につきましては、先ほど来御答弁もあるわけでありますけれども、今お話がありました第三次の補正、その前のいろんな補正等の対策、こういったものが割合と浸透していることは事実であろうと思います。そういう中で住宅建設は非常に高いものを示しておりますし、これはやっぱり政策効果というものが大きかったと思う。それから、公共事業というものが積み増されてきたということのために、これも割合と要領よく進捗しておるというふうに思っております。  それと、個人を中心でありますけれども、これは消費活動がだんだん活発になりつつあるという兆しか実は見えてきておるということで、全体的にはまだ非常に厳しい状況でありますけれども、やっぱり一部に一つの兆しか、光が見えてきたということは言えるんじゃなかろうかと思います。  ただ、残念ですけれども、まだ需要が本格的になっておらないということと、もう一つは、好況時、バブル時代に相当多くの投資がなされておるということで、なかなか民間の設備投資が活発になってきていないということがあろうと思っております。そういったことのために、なかなか金融の方でもマネーサプライなんかが大きく広がってこないということにあらわれているというふうに思っております。  しかし、私は、今度この予算というものを通していただいて本格的なものが動き出すことによって、何とかこの平成六年の秋あるいはそれを過ぎたあたりに一つの日差しか、しっかりとしたものが見えるんじゃなかろうかなということを期待すると同時に、我々はやっぱり注意深くこれを見守っていきたいというふうに思っておるところであります。

藁科滿治日本社会党・護憲民主連合

○藁科滿治君 そこで、これからの対策なんですけれども、先ほど来の一連の答弁、私は率直に言ってかなり楽観的な答弁が多いと。これから誘導する意味でそれも大変効果があるわけですけれども、具体的にチェックしてみますと、消費支出がこれから伸びるか。残念ながら、さきの賃上げは三・一%、戦後最低ですよね。それから、民間の設備投資も円高の背景の中でみんなちゅうちょしちゃっていますよね。すっかり押さえ込んじゃっている。ごく一部の産業以外は前年よりマイナスですよ。こういう現状認識の上に立つと、よほどの積極的な対応をしないと、二・四もさることながら、今や生活五カ年計画、生活大国なんというのはどっかへすっ飛んじゃっているんです。  そういう意味で、ここであえて、政府の対応として次の四つぐらいのことをやらないと大変なことになるということで、ただ反対を申し上げませんで、私が四つの意見を申し上げますので、総理、ひとつ見解を聞かせていただきたいと思います。  まず第一は、前提として平成六年度の前半に力点を置く。これはもう非常に決定的に重要であるというふうに思います。そういう意味で、まず第一に平成六年度予算を速やかに決定し、できるだけ事業を前倒しに実施して景気浮揚効果が生まれるように配慮すること。  それから第二は、消費の下支えを図るため、これはGNPの六割を占めておりますから、この影響はもう決定的でありますから、政府が今やっている規制緩和を効果ある形でぜひ推進する。公共料金の抑制、これも一括同時というのがいいかどうかわかりませんけれども、ぜひそういう努力をしてもらいたい。それから、円高の還元もまだ不十分だと思います。こういうものを通じて、ぜひ内外価格差の是正、さらには原材料、輸入品の引き下げ、こういう努力をしながら実質的な購買力を高める努力をしてもらいたい。  それから三番目に、ここが非常に重要ですが、経済の主体である企業と家計が自信を持って行動ができるように政府として明確な展望を示すこと。とりわけ私が強調したいのは、現在の不況の一つの大きな要因として円高問題があります。この問題をめぐっては、ぜひ政府として為替レートの適正水準というようなものを示しながら、経常黒字の削減、内需拡大など、円高回避をする方向性を明確に示すこと。  それから四番目に、これはぜひひとつ総理の前向きな答弁をいただきたいんですが、サミット直前、六月末と言ってもいいのですが、を目安として、景気浮上の傾向が出ない場合、何らかの具体的な対策をぜひ講じてもらいたいこと。  この四つについてぜひ総理の見解を承りたいと思います。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 景気浮揚のために注意すべきことを今適切にお話があったわけでありますけれども、まず第一の、予算を一日も早く通してこれを前倒しするようにと。これはやっぱり私どもも直ちにできることでありますし、またこの平成六年度の予算というものを実施していくということは申し上げておりますので、これはやっぱり前倒しを考えながら対応するということは大事な一つの視点であろうというふうに思っております。  また、消費を刺激するためにもやっぱり規制緩和というものが大事だろうというお話でありましたけれども、これはまさに規制緩和をすることによって、例えばこの間も携帯電話を自由化したということでもう相当に、二十社ぐらいですか、参入してきたということで活発な動きが出てきておるということは言えようと思っております。また、百貨店なんかがちょっと時間を一時間延ばしただけでやっぱりサラリーマンの方たちが非常に便利しておると。ですから、規制緩和というのはそういうふうに国民生活に直接関連あるということ、そのことのために私たちは不断の努力をしなきゃいけないということで、これも懸命に取り組んでいきたいというふうに思っておるところであります。  また、今、円高差益の還元ということでありましたけれども、これは前内閣の時代から久保田長官なんかもお話しになっておったことでありますけれども、やっぱり内外価格差というものを縮小する。この努力をすることによって、例えば賃上げが厳しくても、これでもし一〇%下がったということになったら大変な、ベースアップと同じことになるわけでありますから、消費の下支えになるということで、これも私も実は年来申し上げてきたことでありますので、この点については私どもは民間の皆さんの御協力をいただきながら徹底して追求していくことを申し上げたいと思っております。  そして、そういったことが進めば規制緩和、市場開放にもつながるわけでありますから、そういったことによって消費者が選択することができるということ、また日本の消費に対しても大きな刺激を与えることができるということで、これはやっぱり重要な施策であろうというふうに思っております。  また、最後にお話があったことでありますけれども、これは円高を是正するようにというお話であって、水準をひとつ設けたらどうだというお話があるんですけれども、これについては確かに国際的にも議論があります。しかし問題は、これを固定相場に持っていくなんということになりますととても大変なことであるということでございまして、やっぱり本来為替というもの、為替レートはその国の経済の基礎、いわゆるファンダメンタルズというものを適正に反映していくことが重要であろうということでありまして、この問題についても私どもは注意深くこれを見詰めながら、特にG7の、これはもう大蔵大臣の対応すべきことでありますけれども、やっぱり年じゅうこういったものの情報を交換しながら適切な対応をして、これを安定したものにしていくということが重要であろうと思っております。  そして、もう一つの、今最後に御指摘のあった問題につきましては、私どもはこれからの景気の動向をよく見きわめながら適時適切に対応していくことを申し上げておきたいと存じます。

藁科滿治日本社会党・護憲民主連合

○藁科滿治君 経企庁長官にこれからの景気展望についてお尋ねしたいんですが、実質成長率は二・四ということを打ち出されておりますけれども、現在の流れ、四−六の状況を既にいろんな調査機関で展望が報道されておりますが、大方の見方ではマイナスになるのではないかという見方があるわけですね。  こういう状況の中でもう四、五を過ぎているわけですから、二・四を実現するのはもう容易ならざる情勢にあるというふうに考えるわけです。しかし、これから景気を何とか国民の期待にこたえる方向に持っていくためにはこれを実現してもらわなきゃいかぬ。最低でもそれに近づける努力をしてもらわなければいかぬ。  今後どういう展望を持たれているのか、またどういう手を打とうとされているのか、お尋ねしたいと思います。

寺澤芳男経済企画庁長官

○国務大臣(寺澤芳男君) 委員御指摘のように非常にまだ景気の現状は厳しいと、先ほど申し上げたとおりでありまして、特に急速な円高が、日本の企業の中で国際競争力のある自動車とかあるいはハイテク、これに大変な衝撃を与えております。これによってどうしても企業の収益が伸びないし設備投資もずっと減りっ放しである。  こういう中で、政府が示した二・四%の成長を遂げるためには、やはりかなり大きな浮揚策というのをとらなければならないんじゃないかと思います。  具体的には、やはり二月の十五兆円に及ぶ経済対策あるいは平成六年の予算に組み込まれております浮揚策、こういうものを着実に実行していく、あるいは住宅投資、公共投資、それらを着実に実行をして、政府の投資を高い水準で実行して、これが将来の国内の需要に波及することを念願して、これに所得税の減税により個人消費の伸びを高める、そういうことで民間部門のマインドを好転させ、我が国の経済、まだ時間がございますので、六年度中に念願の二・四%に向けて何とかして達成すべく着実に努力していきたいと思います。

藁科滿治日本社会党・護憲民主連合

○藁科滿治君 経企庁長官は民間で大変豊かな経験をされておりますので、ぜひそういう力を注入しながら景気の発展に向けて努力をしていただきたいということを要望申し上げておきます。  最後に、雇用問題について幾つか質問をさせていただきます。  七月のナポリ・サミットは「成長と雇用」、こういうメーンテーマのもとに会議が開かれるというふうに伺っておりますが、我が国の雇用も戦後最悪と言っていいような極めて深刻な状態でございますので、総理はこれに出席されるに当たってどういう決意で臨まれようとしているか、御見解を伺っておきたいと思います。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) まさに今度のサミットのテーマは雇用の問題が大きなテーマになり、各国とも構造的なものに見舞われておるということでありまして、およそ七%とか、あるいは高い国では一二%なんという高い失業率にあるということだろうと思っております。  そして私どもは、この雇用問題につきましては、構造改革への取り組みを強化するということ、それで健全なマクロ経済政策によりまして構造改革というものを支えることが重要であろうということ、それから技術革新が新規産業の発展と新たな雇用の機会の創出につながるということで、規制緩和の推進を含む適切な政策を実施することが重要であろうということを訴えていかなきゃいかぬと思っております。  それからまた、労働者に対する教育あるいは再訓練というもの、これの強化なんというものがこれから望まれようと思います。また、多角的な貿易体制、いわゆるガット体制でありますけれども、この体制が成長と雇用の源泉であるとの認識に立ちまして、その維持強化に努めることが重要であろうと思います。  こうした点、我が国としましては、三月にデトロイトで行われた雇用失業ハイレベル会合でも当時の坂口労働大臣が主張をされまして、関係者の理解を得たものというふうに考えております。  六月の経済協力開発機構、OECDの閣僚理事会、また今の御指摘にありましたナポリ・サミットでも引き続いてこういった主張というものを申し上げまして、雇用問題への取り組みというものを、もうこれは我が国だけではなくて関係諸国、こういった皆様方と一緒に真剣に取り組むことと同時に、雇用の専門家の交流、こういったものも国際交流あるいは国際協力の一環としてこれから展開していくことが重要であろうというようなことについても、私どもとしても述べていくべきであろうというふうに思っております。

藁科滿治日本社会党・護憲民主連合

○藁科滿治君 雇用問題をめぐって数点、労働大臣に具体的な御質問をいたします。  我が国の雇用情勢、今、失業率は二・九、有効求人倍率が〇・六六ですか、戦後最低、それに近い水準と、大変問題であります。しかも、最近の雇用情勢は御案内のように旧来の不況からくる雇用問題だけじゃなくて、リストラという名のもとに雇用縮小が非常に進んでいる。さらに加えて、高齢化の問題だとか、労働移動の問題だとか、そういう構造的な問題が同時並行的に進んでいる。極めて深刻でございます。  そこで、私は三つの具体的な質問を申し上げます。  最近、労働省に雇用労働政策懇談会というのができましたですね。この目的、趣旨がいわばサミット対策として短期的なものとして設定されたのか、そうではなくてこれからの長期的な雇用システムを再構築するということで設定されたのか、これを大臣に伺います。  ちょっと時間がないものですから、三つ続けて申し上げます。  それから第二は、最近中堅の管理層とか中堅のサラリーマンの皆さんが雇用で大変深刻な状態に包まれている。先日、私のところにその代表が見えまして、出窓族というのを大臣は知っていますかと。私は初めて聞いたんです。今までは窓際族というのがあったんですが、はっと気がついたらもう体が会社の外へ出ているというんです。しかも、こういう層は住宅ローンで苦しんでいる。それから、教育で苦しんでいるんですね。それで、しかも仕事は中核でやっているというんですね。  労働省の行政を見ますと、出向にやや奨励的な雰囲気になっているんですが、ここらはさっき大臣の答弁にも総理の答弁にもありましたけれども、やはり再教育というようなことを大事にしながら、鳩山大臣はもう文教のベテランでございますから、そういう面も十分生かしながら丁寧な対応をやっていただきたい。  それから三番目は、最近の就職戦線はこれはもう男子も女子も毎日のように暗いニュースですよ、私がここで特に強調したいのは、やっぱり女性に対する対応です。最近、一部の企業では女性が定着するから採用しないんだなんていうことを平気で言っておるわけです。これは困ったものだ。ぜひそういう面で丁寧な行政指導をしていただきたいという要望を含めながら、見解をお伺いします。

鳩山邦夫改新労働大臣

○国務大臣(鳩山邦夫君) 最初の御質問でございますが、労働省に設置いたしました雇用労働政策懇談会は、これは政労使そろって、山岸会長や芦田会長代行とかあるいは日経連の永野健会長というトップだけは入っておられませんが、その次の方々がみんな入って、自由に中長期の議論をしていただこうと。つまり、藁科先生が今おっしゃったことや、あるいは総理大臣がナポリ・サミット関連でおっしゃった中長期的に考えていかなければならない問題、バブルが崩壊して単に景気が悪くなってどうのこうのというのではなくて、地球的な経済構造の変化とかリストラとか、あるいは高齢化とか、あるいはホワイトカラーの問題とか女性の問題とか、こういう構造的な問題を中長期的に考えて、百年先というわけにもまいりませんでしょうから、少なくとも二〇〇〇年とか二〇一〇年とかこの辺を目標ににらんで大いに自由に議論をしていただこうということで、ですからこれは単にナポリ・サミット対応ということではありませんが、ただ、そういうときに議論していただける内容というものは、またナポリ・サミットにも反映できるというふうに考えております。  それから次に、中高年の特にホワイトカラーの問題ですが、これは、これから窓際とか出窓になっていく人間というのは戦後のベビーブームの時代の人間で、先生もそうですし私もそうなんですが、つまり二〇一三年に年金が六十五歳にならなければ満額受け取れないという世代は、まさにちょうど何か年金を追いかけていく世代が昭和二十三年生まれの私どもで、そういう世代は数が多かった。しかも、我々が就職するころは、大変な人手不足というか日本の経済成長の真っ盛りの中にあった。そういう方々が今非常に苦しんでおられる状況にあるわけです。リストラの影響をもろにかぶっている。  ただ、確かに系列外へ出向すると、何というんでしょうか、先生おっしゃる失業なき労働力の移動というのか、そういうようなことに関してそれを奨励するような一定の枠組みはつくっておりますが、給与がひどく減るとか労働条件が悪くなるとかそういうことはだめであるということを明確にいたしております。それは、本来やむなく出向せざるを得ないとか早期退職をしなければならないということは、これはいいことではないわけで、もっと事前に自己啓発とか職能開発をしておいて望むところへもっとスムーズに移動できるようなそういう仕組みを考える方が大事でございまして、今回、予算を成立させていただきますと、自己啓発のために有給休暇をとるという制度を設けた企業に援助申し上げることができる、こういうような仕組みもありますので、予算の一日も早い成立が大事である。  それから、三番目の女子学生のことにつきましては、実はけさ羽田総理の音頭によりまして女子学生の就職問題についての閣僚間の懇談会が設置をされたところでございまして、私どもの意識といたしましては、昨年も大変厳しかった。最終的には九二、三%の女子学生の方が内定を得たんですけれども、途中がひどくて、最後やっと追い上げて九十何%までいったけれども、それは昔より要求水準を下げるとかあるいは望まないところでももう仕方がないという方が含まれての九十何%、しかも、雇用に関する指数というのは遅行指数ですから、景気が少々明るくなってもそれに対しておくれていきます。  今、景気がどんどんよくなったって来年の三月は厳しいかもしれないというぐらい厳しい状況の中にあるとすれば、これは今のうちから事業主の団体の皆様方にみんなで声をかけてお願いしていくとか、あるいは大規模な就職面接会、仲人役というのか、そういうようなものもやっていかなければならない。  特にきょう総理大臣からお話があったのは、最近いわゆる女性の仕事にかけるエネルギーとか情熱とかあるいは能力というのは大変なものがあるので、そういうものをきちんと引き出していきたいと。例えば国際的な活動でPKO関連の選挙監視とかいうようなそういう平和に貢献する活動などでも、日本の女性がものすごい積極的な働きをしている。そういう意味で男女雇用均等法等も指針をことし改めたところでございますので、周知徹底を図ってまいりたい、こう思います。

藁科滿治日本社会党・護憲民主連合

○藁科滿治君 どうもありがとうございました。

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 以上で谷畑君の質疑は終了いたしました。(拍手)     —————————————

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 次に、上田耕一郎君の質疑を行います。上田君。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 私は、七八年の三月に、この委員会で沖縄返還に伴う核密約を質問しまして、佐藤首相が派遣してキッシンジャー大統領補佐官と交渉させた密使は京都産業大学教授の若衆敬氏だということを追及したことがありました。  十六年たちまして、御本人が「他策ナカリシヲ信ゼムト欲ス」と遅疑逡巡の末に重い筆で書いた、署名捺印の「良心に従って真実を述べる。」という宣誓書までついています、こういう本が出ました。  柿澤外務大臣、北米局長、本を読まれたかどうか、感想はいかがか、まずお伺いしたいと思います。

柿澤弘治改新外務大臣

○国務大臣(柿澤弘治君) 若泉さんの御著書はさらっと見させていただきました。  ただ、沖縄返還交渉は正式の外交ルートを通じて妥結に至ったものでございまして、その他私的なチャネルでの交渉ということは存在しなかったものと私どもは考えております。

時野谷敦外務省北米局長

○政府委員(時野谷敦君) 御指摘の書物につきましては、関係の部分を一わたり目を通させていただきました。  感想という御質問でございますが、この本の中にはいわゆる秘密の合意議事録を作成するに至る過程が詳述されておりますが、これは私どもの全く承知せざることであるというのが私の感想でございます。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 外務省にも知らせないから、密使なんでね。  ところが、この本の中には佐藤首相の信任状、それから佐藤日記——奥さんから閲読、引用の許可を得たという佐藤日記が十三カ所、全部附せんがついている、引用されている。  もうここまできて、何も知らないじゃ済まないですよ。どうですか、北米局長。

時野谷敦外務省北米局長

○政府委員(時野谷敦君) 先ほども申し上げましたが、先生御指摘のとおり、これは政府とは無関係に、あるいは政府の関知せざるところで設けられたチャンネルというふうに書物には書いてございまして、私どもとして承知し得る立場になかった、こういうことだと思います。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 十六年前、園田さんは外交官でない者を派遣して根回しやることはあり得ると言ったんですよ。若泉氏が密使を務めだということも認めませんか。

時野谷敦外務省北米局長

○政府委員(時野谷敦君) 私ども承知をいたしておりません。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 私は、質問の前日に当時の木村元官房副長官から若泉教授が密使だったということを直接聞きまして、それで質問をしたんです。当時の官房副長官ですよ。  それからこの本の中には、当時の北米課長千葉一夫氏が九二年、ロンドン大学でこう講演している。佐藤総理大臣は日本の外務当局に懐疑的であったので若衆敬京都産業大学教授に対し交渉するよう指示したと言っている。それからアメリカ側は、キッシンジャーの「ホワイトハウス・イヤーズ」に詳しく書いてある、「ミスター・ヨシダ」という名で。「ジョンソン米大使の日本国想」、佐藤・ジョンソン会談のときだけれども、これには「若衆敬」、はっきり名前が書いてある。それでも認めませんか。

時野谷敦外務省北米局長

○政府委員(時野谷敦君) 御指摘のような記述ないし論評について私も承知はいたしておりますが、政府の立場といたしまして、先ほど申し上げましたように政府の関知せざるところでこういうルートが設けられていたということのようでございますので、政府としてこれが存在していたかどうかというようなことを確認する立場にはないものというふうに私は考えます。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 こんなのじゃ進めませんよ。前へ進めない、そういういいかげんな答弁では。無責任です。全く、こんなにあるのにね。

柿澤弘治改新外務大臣

○国務大臣(柿澤弘治君) 私どもの承知しておりますところでは、今お名前を挙げられました佐藤総理大臣ほか福田総理大臣、また大平総理大臣もそれぞれ国会の場で、そうしたことはない、密約もないということを明言しておられますので、それを信じております。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 それじゃ進まないというんです、そんなのでは。進まないですよ、そんなのでは。  園田さんは十六年前に調査はいたしますと答えている。柿澤さん、調査しますか。

柿澤弘治改新外務大臣

○国務大臣(柿澤弘治君) 私どもは従来の総理大臣の御発言を尊重していきたいと思います。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 園田外相は調査すると答えているんだから。あなたはどうなの。

柿澤弘治改新外務大臣

○国務大臣(柿澤弘治君) 繰り返しになりますが、私どもは歴代総理大臣の御発言を信じてまいります。(発言する者あり)

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 速記を起こして。

柿澤弘治改新外務大臣

○国務大臣(柿澤弘治君) 沖縄返還交渉は、上田先生御承知のとおり正式の外交チャネルを通じまして政府間で誠実に交渉が行われ最終的に合意を見たものでございまして、たとえ仮に何らかの非公式チャネルが存在したとしても、その存在により交渉の最終結果に影響があったとは考えておりませんので、その意味でも私どもは調査の必要を認めておりません。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 全く無責任です。沖縄に核兵器を再び持ち込もうという国の運命にかかわる約束ですよ。  最も重大なことは、キッシンジャーはある議事録としか言っていなかったものが、議事録の全文が初めてこれに出ている。冒頭には草案の写真までちゃんと入っているんですよ。写真まで入っている。  この中身は、重大な緊急事態が生じ、アメリカが核兵器の沖縄再持ち込み、日本と事前協議を行う際、日本国総理大臣として遅滞なくそれらの必要をみたすであろうと、そう約束して、若衆敬氏によれば、ニクソンと佐藤首相はフルネームでサインしたんですよ。それで、これは大統領と首相のみ持つと。それで首相官邸にのみ管理すると。これは外務省が知らぬはずだ。首相官邸に問題があるんですよ。首相、どうですか、この国の運命にかかわる問題で、調査していただきたい。金庫を調べてください。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 私の部屋には金庫というのは特別に置いてありませんけれども、いずれにしましても、これ、密約といっても、少なくとも外務省がこういった問題は交渉してきているわけでございますから、佐藤首相も既に亡き人でございますし、どうやって調査するかということについて私にもちょっと見当はつきません。

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 関連質疑を許します。吉岡吉典君。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 外務省は否定しますが、否定し切れない。承知しない存在であるかもしれないというところまでは言うわけですよね。  そこでお伺いしますが、この極秘の合意議事録、ここの四百四十八ページに全文が出て、極めて具体的なものです。こういう秘密合意、こういうものがあった場合、一般論として聞きますけれども、二国間の最高責任者が署名して取り決めた合意というものは政治的あるいは法律的その他拘束力を持つのか一切持たないのか、外務大臣、お答えください。

丹波實外務省条約局長

○政府委員(丹波實君) 国際法の問題に絡みますので、私の方から答弁させていただきたいと思います。  両先生がこの本に基づきまして問題にしておられます合意議事録といいますのは、通常は国際法的な法律的なその条約あるいは協定といったものが交渉された場合に、その解釈、実施につきまして両国間で合意するというような形でつくられるのが合意議事録でございまして、この場合は、そもそも一九六九年十一月の佐藤・ニクソン共同声明、これは沖縄返還に絡みますところの政治的な文書でございまして、その政治的な文書に関して法的な合意議事録ができるというのは通常は考えられないわけでございます。  そういう意味で、この合意議事録が両政府間において法的な文書として作成されたというふうに、私たちはたとえこういう文書が存在していたとしても、こういうふうな意図を持って作成されたということは考えられませんので、その法的な効力を論じるというその以前の問題ではないかというふうに考えておる次第でございます。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 私は、法的ないし政治的拘束力を持つかどうかということを聞いているわけですが、法的拘束力についてしか答弁されないわけですね。だから、やっぱり問題は残るわけです。  十六年前の上田質問に対して、当時の真田法制局長官は、「一般論としては」と断りながらも、「一国の条約締結権者が他国の条約締結権者との間に結んだ取り決めその他の国際条約は、それが密約、いわゆる不公表であるということのみをもって無効だと言うわけにはいかない」と答弁しました。  この合意議事録という形での秘密の約束はその後の内閣を政治的にも拘束しないかどうか、お答え願います。

丹波實外務省条約局長

○政府委員(丹波實君) まさに一般論として申し上げて、ある国とある国との間で有効に国際取り決めが成立した、それが秘密であったという場合に、秘密であるというその理由によってそれが無効になるということは考えられないわけでございます。  しかし、この場合は、そもそもお二人、今の著者とキッシンジャーとの間でそういうものがたとえ用意され、最終的に最高首脳でメモ、イニシアルですか、されたといたしましても、先ほど申し上げましたようにこれは法的な書類としてつくられたものとは考えられないということで、そういう意味でこの書類の効力を論ずる必要はないということを申し上げておる次第でございます。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 ということは、これは政治的にも法律的にも一切影響を受けない、無効だということですか。これははっきりしてもらいたいと思うんです。  というのは、日本は秘密取り決めで大変深刻な事態に追い込まれた体験を持っているんです。それはあのヤルタ協定、あれで千島の秘密取り決めがあった。この協定というのは、後を継いだトルーマン大統領もバーンズ新国務長官も知らなかったというものです。それでもその存在によって日本は千島を切り離されたんです。こういうことがあるから、秘密だからということでいいかげんに済ませるわけにはいかないわけです。  ですから、これはもう文字どおりいかなる不安も影響もないものなんだということがはっきり断言できるかどうか、外務大臣、この点をきちっと答えてください。

柿澤弘治改新外務大臣

○国務大臣(柿澤弘治君) ただいま条約局長が答えましたとおりでございまして、この点については私どもは有効性を持っていないと考えております。  それに関連いたしまして、沖縄返還交渉では核兵器に係る問題が大きな課題であるわけでございますが、日米間で極めて明確に確認をされておりまして、いずれにしても、日本政府としては核の持ち込みは認めないということで貫いてきているわけでございますので、その点は不安はないと考えております。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 これははっきりしなくちゃならない取り決めです。この秘密合意というものの後に日本では非核三原則が国会でも決議されております。それに照らしても、こういうものは仮にあっても無効にしなくちゃいかぬ。  そこでお伺いしますが、万一重大な緊急事態にこの議事録なるものをよりどころにして沖縄への核持ち込み、日本への核持ち込みをアメリカから迫られても、日本は絶対に事前協議でこれを断るとこの国会で断言できるかどうか。そのことがこれを無効にする上でまず大事なことだと思います。  総理、お答え願います。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 日本政府の方針といたしましては、当時から繰り返しこれは明言しておりますとおり、沖縄であれそれ以外の本土であれ、核持ち込みについての事前協議があった場合には常に拒否する方針であることに変わりはないということであります。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 今の総理の答弁、それから柿澤外務大臣の答弁は非常に重要な答弁だと思うんです。  なぜこういうことが大問題になるかといいますと、あのときの佐藤・ニクソン共同声明の中には一番問題の一句があるんです。「大統領はこ「沖縄返還に当たっては、日米安保条約の事前協議制度に関する米国政府の立場を害することなく」と、これはどうも当時の中島敏次郎課長が考え出した名案だというのだけれども、これでいったんです。この解釈としてあの合意議事録が生まれたわけです。  なぜこういうのが入るかといいますと、その年の五月二十八日にアメリカの国家安全保障会議メモランダム第十三号というのがあって、それにはアメリカの方針がもう既に決まって、はっきり書いてある。「大統領は、緊急時における(核の)貯蔵と通過の権利を保持することを条件に、交渉の最終段階で、核兵器の撤去を考慮する用意がある。」と。アメリカの方針はもう既に五月に決まっているんですよ。  それで、若泉さんは佐藤首相の密使で、力も違いますし、結局キッシンジャーの言いなりにこのアメリカの方針をのまされたんですよ。私は、彼はつらい思いでこれを書いたかもしれぬけれども、結局アメリカの言いなりに核兵器再持ち込みを日本に押しつけるための役割を果たしたと思うんです。  それで、首相に最後にこの問題で言いたいのは、首相はこれは無効だと言う。これは非常に重要です。アメリカ側には大統領官邸にこれ一通あるんですよ。だからきちんとこの問題にけりをつけるためには、アメリカ側にもこれは通告をして、キッシンジャーあるいはジョンソン元大使等々、若泉氏の本がありますので、万一そういうものがあった場合でもこれは無効だということを日本政府として通告する、これで外交的にも完全にこの不幸な問題はけりがつくと思いますので、首相に、その問題についてアメリカ政府に対し通告をする、そういう態度をはっきりとこの国会で明言していただきたい、最後に質問させていただきます。

柿澤弘治改新外務大臣

○国務大臣(柿澤弘治君) 先ほど来答弁をいたしておりますように、この存在そのものを私どもは認めておりませんので、そうした通告をする必要があるとは考えておりません。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 時間が来ましたのでこれで終わりますが、しっかりやっていただきたい、このことを首相と外務大臣に要望して終わります。

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 以上で上田君の質疑は終了いたしました。(拍手)     —————————————

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 次に、西川潔君の質疑を行います。西川君。

西川潔二院クラブ

○西川潔君 どうぞよろしくお願いいたします。  私で最後でございますが、総理大臣に、最近の国会を見ておりまして、私自身もそうですが、国民は、自分たちの生活が安定しそしてきれいなまじめな政治が行われるならば連立与党でも自民党でも社会党でもいいという人がたくさんおられます。防衛、エネルギー、外交といった問題の違いや手法の違いは大変重要ではございますが、国民の目から見ていますと単なる権力のとり合いにしか見えないんですが、そういう見方というのは見る方が、総理大臣、こういう見方をするというのが悪いんでしょうか、お答えいただきたいと思います。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 国民の目は健全であろうと思います。

西川潔二院クラブ

○西川潔君 ありがとうございました。  ここは言論の府です。お互いに相手の主張、話をまじめに聞くところだと、私はそう思いながら日夜ここで頑張っているんですけれども、最初から疑ってかかるのではなく、お互いにうそは言わないんだという前提のもとにあるところだと、そういうふうに思っております。  総理の、私は庶民だ、普通の政治を普通の言葉でこれからやりますというお言葉を私は信じまして、いろいろ周囲の人の意見もありましたが、首班指名で「羽田孜」と一票を投じました。総理大臣のお考えになる庶民の政治、庶民というのは我々はどういうふうに考えればいいんでしょうか。この庶民の水準を一言お聞かせいただきたいと思います。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 庶民の水準というのは大変難しいんですけれども、心構えとして庶民の心を持つ場合もありますし、あるいは経済的なレベルで庶民という言い方もあるんでしょうけれども、一般的に言いますと、普通サラリーマンですとかあるいは農業なんかに携わる人ですとか、この人たちはまさに大衆、私は大衆というあれで言えるんじゃないのかなというふうに思います。

西川潔二院クラブ

○西川潔君 さようでございますか。ちょっと僕の考え、例えば収入にしても学力にしても、庶民というのはそれこそいろいろ考えるわけです。サラリーマンの中にでも、中産階級といいましても上もあれば中もあれば下もあるんだと、おれは下だとか中だとかいろんな方々がおりますので、それを一言お伺いしたかったんです。  ただ、この本当にいろいろあった中で、今回「羽田孜」と一票を投じる勇気というのはかなり要ったんですよ、僕としては。  今後、この庶民性の政治というものをどういうふうに行っていただけるか、きょうここでお約束していただけないでしょうか。そして、目安箱なんかもすばらしいことだと思います。ネーミングとしては少し今の時代でということもありますけれども、一言、これも政策にどういうふうに生かされるのかという御答弁をいただいて、私の質問を終わります。

羽田孜改新内閣総理大臣

○国務大臣(羽田孜君) 私は、要するに一番初めにも申し上げましたように、やっぱりだれもが安心して生活できる国あるいは社会ということを目指していきたいということですから、大衆が本当に毎日毎日を喜びながら安心して生活できる社会をつくる、その政治を一つの大きな目標としていきたいと思っております。  それから、今、目安箱ということなんですけれども、これはいろんなあれで、昔、目安箱というのが一つの役割を果たしたねというようなことで申しておりましたところ、そういう言葉になっておるということでありますけれども、毎日相当な数のものが来ておりまして、今ちょうど私も読んでおりますけれども、海外の在住者ですとかあるいは外国の人からも来ますし、あるいは中小企業の経営者ですとか学者の方、あるいは大学の学生、この間は十歳の少年あるいは十二、三歳の子供、女の子ですけれども、このくらいの子供さんからもいただいております。  そして、私どもはただこれをいただくだけじゃいけない。私はできるだけこれを読むようにいたしております。そして、これを総理府の方でも分析していただいて、これは一つの政策課題としていけるぞというものは各省の方に実はお渡ししております。そして、各省の方でも、こういったものを採用した、あるいはこういったふうにこれは活用できるというものについてはこれを総理府の方に報告してもらいたいということで、できるだけ返事も、細かく返事を一々することはできませんけれども、しかしそれでも普通にちゃんと返事をすると同時に、特別の問題については役所からの返事をそのとおり書いているんじゃなかろうかと思います。私も、大体こうやって自分で目を通したものはメモをしながらこれをまた秘書官の方に返しております。  以上であります。

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 以上で西川君の質疑は終了いたしました。(拍手)  これにて質疑通告者の発言はすべて終了いたしました。質疑は終局したものと認めます。     —————————————

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) それでは、これより平成六年度暫定補正予算三案に対する討論に入ります。  討論の通告がございますので、これを許します。なお、発言者は賛否を明らかにしてお述べ願います。吉岡吉典君。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 私は、日本共産党を代表して、平成六年度一般会計暫定補正予算外二件に反対の討論を行います。  まず、今回の補正により暫定予算の期間は九十日という異例の長期暫定となりますが、これは鳩山内閣以来四十年ぶりのことであります。まず、このような異例の事態となったことに対する政府の責任の問題を問わなければなりません。  ここに至った最大の原因は、一月中に提出することになっている予算を、小選挙区制をしゃにむに導入することを優先し三月になってやっと提出したことにあります。その後も、細川前総理がみずからの金権腐敗問題で国会の要求する資料を拒み、証人喚問を拒否した上、真相を明らかにしないまま辞任したこと、それに次ぐ連立与党の権力抗争で時間を空費したことであります。  さて、本暫定補正予算案は、歳出総額十兆円を上回るものですが、さきの暫定と合わせると総額二十一兆九千四百四十四億円に上ることになります。これは、平成六年度本予算七十三兆八百十七億円の約三〇%を占めるものであります。とりわけ公共事業に関して言えば、ゼネコン優先のビッグプロジェクト予算を含む本予算の四三%もの費用が計上されています。  また、例えば軍事費を例にとれば、戦闘機など航空機購入費はさきの暫定予算と合わせて千二百十四億円、護衛艦、潜水艦など艦艇建造費は同じく二千四百二十三億円で、いずれも本予算の二分の一近くが計上されております。またこのほか今月下旬から行われる環太平洋合同演習リムパック参加費、さらに米軍への思いやり予算が三百八十億円組まれています。  さらに、本予算には六月に行われる予定の天皇訪米のための経費も含まれております。これは天皇の元首化とその政治的利用を目指すものであり、憲法上も重大な疑義があるものであります。  このように、本暫定予算は、人件費、事務費等必要最小限の経費という政府の説明とは裏腹に、政策的経費を含め、財界奉仕、国民生活切り捨てを特徴とする政府予算の本質部分を織り込んだ予算であり、反対であります。

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 以上で討論は終局したものと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  平成六年度一般会計暫定補正予算、平成六年度特別会計暫定補正予算、平成六年度政府関係機関暫定補正予算、以上三案を一括して採決いたします。  三案に賛成の方の起立を願います。    〔賛成者起立〕

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 多数と認めます。よって、平成六年度暫定補正予算三案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。(拍手)  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

井上吉夫自由民主党

○委員長(井上吉夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後六時七分散会      —————・—————

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