法務委員会 第1号
- 発言数
- 69 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1994/03/29
会議録
○委員長(猪熊重二君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 昨日、志村哲良君が委員を辞任され、その補欠として南野知惠子君が選任されました。 —————————————
○委員長(猪熊重二君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(猪熊重二君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に木暮山人君を指名いたします。 —————————————
○委員長(猪熊重二君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。 本委員会は、今期国会におきましても、検察及び裁判の運営等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(猪熊重二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(猪熊重二君) 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。三ケ月法務大臣。
○国務大臣(三ケ月章君) 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明いたします。 この法律案は、下級裁判所における事件の適正迅速な処理を図る等のため、裁判所の職員の員数を増加しようとするものでありまして、以下簡単にその要点を申し上げます。 第一点は、裁判官の員数の増加であります。 これは、地方裁判所における民事訴訟事件の適正迅速な処理を図るため、判事補の員数を十人増加しようとするものであります。 第二点は、裁判官以外の裁判所の職員の員数の増加であります。 これは、一方において、地方裁判所における民事訴訟事件、民事執行法に基づく執行事件及び破産事件の適正迅速な処理を図る等のため、裁判官以外の裁判所の職員を五十七人増員するとともに、他方において、裁判所の司法行政事務を簡素化し、能率化すること等に伴い、裁判官以外の裁判所の職員を三十二人減員し、以上の増減を通じて裁判官以外の裁判所の職員の員数を二十五人増加しようとするものであります。 以上が裁判所職員定員法の一部を改正する法律案の趣旨であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
○委員長(猪熊重二君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○下稲葉耕吉君 私は、この法律案の質疑に入ります前に、若干関連あるわけでございますが、昨年の五月二十五日の当委員会におきまして、当時法務大臣は後藤田大臣でいらっしゃいましたけれども、昨年四月二十七日に東京地方裁判所において田村善四郎という警備員の方が殉職されました。その御報告をいただきまして、この殉職事案に対します裁判所の補償の問題についてお伺いいたしました。 裁判所にはそういう殉職を予定したような法令といいますか、規則の整備がされておりませんでした。そこで、例えば警察官等の殉職の事例を申し上げまして、総理大臣なりあるいは警察庁長官なり、あるいは条例によって都道府県の警察なり、あるいはまた公務災害補償につきまして特別公務災害補償の適用を受けられるようなこと等もお考えになったらどうだろうかというふうなことを申し上げたことがあるわけでございます。 当時の泉局長は、一生懸命努力いたしますということでございましたが、その後どういうふうに最高裁判所として善処されたか、ひとつ御報告いだだきたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(泉徳治君) ただいま下稲葉委員から仰せの事故が昨年四月に発生いたしまして、本委員会にも御報告申し上げましたところでございます。 こういった痛ましい事故と申しますのは裁判所始まって以来のことでございまして、こういった特殊な殉職に対する補償の制度というものが不備でございました。本委員会でも下稲葉委員から警察官等の殉職の場合の補償制度等についていろいろ貴重な御教示をいただきまして、その後私ども関係当局と交渉いたしておりまして、でき上がった制度につきまして御報告申し上げたいと思います。 まず、最初の公務災害の特例でございますけれども、国家公務員災害補償法の二十条の二というところに「警察官等に係る傷病補償年金、障害補償又は遺族補償の特例」という規定がございまして、その特例の対象にならないかということで検討しておりましたが、昨年の秋に法廷警備員等法廷の警備に携わる職員もこの特例の対象にするということで規則を制定いたしました。そして、田村善四郎法廷警備員の事故にさかのぼって適用するという措置をいたしました。この措置によりまして、御遺族にお支払いいたします遺族補償年金、遺族特別給付金、これにつきましては一般の公務災害の場合よりも一・五倍、五割増の補償を行うということができまして、御遺族にお支払いをしたところでございます。 また、その際、下稲葉委員から警察官等につきまして賞じゅつ金の規定があるという御示唆もいただきました。これにつきましては、来年度の予算に向けまして財政当局と折衝をいたしておりまして、その了解も得られましたので、新会計年度に向けましてこの賞じゅつ金の制度をつくるべくただいま規定の整備を行っているところでございます。 以上でございます。
○下稲葉耕吉君 わかりました。いろいろ努力いたしておられる様子がよくわかるわけでございます。こういうふうな事案があってはならないわけでございますけれども、絶対ないとは言い切れないわけでございまして、ひとつよく検討されまして、今後の対応に誤りのないようにお願いいたしたいと思います。 それでは、本日提案になっております裁判所職員定員法の一部を改正する法律案の内容についてお伺いいたします。 その前に、この法律案は、日切れ法案ではないけれども日切れ法案的な扱いだということできょうの審議になっておるわけでございますが、定員を判事補十名、職員二十五名、計三十五名増員なさるということになりますと予算が要るわけでございますが、暫定予算にこの種の人件費は計上してあるんでしょうか、どうでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(仁田陸郎君) 御指摘の増員にかかわります経費につきましては暫定予算に計上してございます。
○下稲葉耕吉君 わかりました。 そこで、内容に入りますが、いただきました資料によりますと、裁判所の書記官が五十名増、裁判所の事務官が五名増、技能労務職員が二十八名減、それから栄養士が二名減、こういうふうになっております。 そこで、簡単で結構でございますから、書記官、事務官、技能労務職員、栄養士、こういう人たちはどういうお仕事をなさるのか、御説明いただきたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(涌井紀夫君) 各増員官職あるいは削減の対象といたしました官職の職務内容でございますが、まず書記官と申しますのは、裁判事件の処理に当たりまして、裁判官を補助すると申しますか 調書等を作成し あるいは訴訟の手続の公証を行う、そういう専門的な法律関係の事務を担当する職員でございます。 それから、裁判所事務官でございますが、これもやはり裁判所におきまして裁判官の行います裁判事務を補助する書記官と同様、裁判に関係する事務を担当しておる職員でございます。 それから、技能労務職員でございますが、主体になっておりますのは、研修所という寮舎を持った教育施設がございまして、そこで寮生に対しまして毎日の給食を行う、その給食の事務を行っております職員、それから庁舎で清掃等の業務を行っております庁務員と呼ばれる職員がございます。そういうものが今回削減の対象になっております技能労務職員あるいは栄養士でございます。
○下稲葉耕吉君 そこで、まずお伺いいたしたいのは、定数改正になりまして、日切れということで急いでおられるわけですが、即日この法律が施行される。増員になる分は結構だと思うんですが、減員になる分は実際首が飛ぶんですか、どうですか。
○最高裁判所長官代理者(泉徳治君) 減員になる職員でございますけれども、地裁の清掃員十八名、地裁のタイピスト二名、司法研修所の清掃員八名、それから司法研修所の給食業務に携わっている者二人、それから司法研修所の栄養士二人となっておりますけれども、このうちのタイピストと清掃員につきましては既に欠員になっているものでございまして、実際そこに既にもういない、定員上はもう欠員になっているものでございますので現にいる職員が首になるという事態ではございません。栄養士につきましては、一人は配置がえをいたします。それから、一人は行(一)の事務官に転官をさせるということで、これによって実際の職員に犠牲が生ずるということは一切ございません。
○下稲葉耕吉君 当然そのような御配慮があってしかるべきだと思うのでございます。 そこで、その次の資料の十六ページに入りますけれども、最高裁判所を除きました下級裁判所の裁判官の定員、それから現在員、昨年の十二月一日現在ということになっております。 これを拝見いたしますと、いわゆる裁判官の欠員が十二月一日現在で三十五名あるということでございます。そこへ今回十名の判事補の増員ということで欠員が四十五名というふうに承っております。ところが、私どもいろいろお話し合いの過程で四月一日付で修習課程を終わった方々の中から百名をオーバーする判事補を採用いたしたいというふうなことを伺っているわけですが、そうだとすると、四十五人の欠員に対して百名をオーバーする判事補の採用ということになりますと、これは定員を超過してちょっと理解しにくいんですけれども、その辺のところはいかがな実情でございますか。
○最高裁判所長官代理者(泉徳治君) 今回増員をお願いしておりますものは判事補十名でございますけれども、ただいま御指摘のとおり、判事補につきましては、昨年の十二月一日現在の欠員は八名でございます。しかしながら、昨年の十二月一日からことしの四月にかけまして退官等による減耗、私ども減耗と称しておりますが、それがあるわけでございます。 例えて申しますと、四月期にいわゆる願免と申しますか、辞職をする者、それから任期終了によりまして退官する者、それから検事等に転官する者、それから判事補を十年間勤めて判事の任命資格を得まして判事に昇格する者、こういった者があるわけでございます。そういった者が九十九名出てまいりまして、欠員とただいまの九十九名とそれから増員をお願いしております十名とを合わせますと百十七名程度になるわけでございますけれども、ただいま司法修習生からの判事補の願書が百五名出ておりまして、先日面接を行ったところでございます。そのほか、検事等に出向している者からの戻りもございますし、弁護士からの任官もございますので、この四月期には増員をお願いしているものも含めましてすべて充員される、こういう見込みでございます。
○下稲葉耕吉君 今の説明は判事補を中心にしてお話しいただいたんですが、私が今議論しているのは裁判官トータルとしてですよ。 判事補はなるほど八名の欠員ですね。それで判事さんが十二名、簡裁の判事さんが十五名、トータル三十五名欠員なんですね。それに裁判官として今度判事補は十名ふえるわけでしょう。ですから採用の可能人員は四十五名じゃないか、それは判事補から上がる方なりなんなりいらっしゃるんですけれども、裁判官全体として採用可能なのは四十五名じゃないかという質問をしているんです。それに対して百名をオーバーする方を採られる。そうしますと、十二月一日からことしの四月一日までの間に六十何名の退官者が出てくればつじつまが合うわけですよ。そういうふうな実情でしょうか。
○最高裁判所長官代理者(泉徳治君) そのとおりでございます。 私ども、定員法が判事、判事補、簡易裁判所判事という官職別になっているものでございますから、定員管理というものはその三者別々に行っておりますために先ほど判事補のことを申し上げました。 大きな意味におきまして、裁判官トータルでどうだという御指摘でございますけれども、ただいま申しました判事補のほかに、判事におきましても願免とか任期終了による退官が二十三名、定年退官者が十四名等ございます。それから、簡易裁判所判事におきましても、定年退官者、それから願免とか任期終了退官者が十五名程度ございまして、裁判官トータルといたしましても当然百五人の任官者を吸収するだけの欠員ができるということでございます。
○下稲葉耕吉君 それでは、次の質問に移ります。 資料の十八ページによりますと、トータルといたしまして書記官の定員が六千六百二十二名に対して現在員が六千五百七十二名、欠員五十となっていますね。欠員も埋められないで、何でまた書記官五十名の増員を計画なさったんですか。
○最高裁判所長官代理者(涌井紀夫君) 書記官の場合は大体任官の時期が四月になっておりまして、それからこの表ができておりますのは十二月一日現在でございますが、それまでの間に、例えば簡易裁判所判事の選考の試験に合格いたしましてそちらの方に任官していく人、あるいは年度途中で退官する者、そういう者がございまして、この時点ですと五十名程度の欠員がどうしても出てしまうわけでございます。 ただ、実は既にこの時点では書記官研修所という教育機関で四月に書記官に任官することが予定されております研修生が多数ございまして、そういう人たちが四月には書記官に任官いたしますので、その時点ではこの書記官の定員が大体充員される、毎年そういうふうな動きになっております。
○下稲葉耕吉君 先ほどの裁判官の場合でもそうでしたし、今の場合でも私そう思うんですけれども、十二月一日の表をつくって、そして今申し上げましたような矛盾点がございますからおかしいじゃないですか、こう質問しますと、いや十二月一日から四月一日までは変わるんですと裁判所の方は御説明なさるんですけれども、私たちはどういうふうに勉強すれば今おっしゃるようなことがわかるんですか。わからないですよ。 ですから、例えば法案を提出されたこの時期に、実はこうなんですと、これは印刷の都合上十二月一日をとられたのかもしれませんけれども、その辺のところを説明してもらわないと、説明も何ですから、資料を出していただかなければなかなか理解ができないんです。 例えば、事務官につきまして、定員八千四百八十八名に対して現在員が八千七百八十七名、加えて今度五名ほど増員をお願いいたしたいということですね。ということは、既に事務官は二百九十九名定員をオーバーしているんですね。定員をオーバーしているんですよ。定員を三百名近くオーバーしていて、なおかつ増員してください、こういうふうな要望でしょう、この資料を読む限り。普通の役所の感覚で言いますと、納得できないです。八千四百八十八名の定員に対して現在員は八千七百八十七名だと。だから二百九十九名定員をオーバーしている。いただいた資料にそう書いてあるんですね。 なおかつ増員をしたいということですが、読む限りなかなか理解できないんですよ。理解できるように御説明いただけますか。
○最高裁判所長官代理者(泉徳治君) 委員御承知のとおり、裁判所におきましては、いわゆる資格を必要とする一般職の官職が多いわけでございます。一番代表的なものは裁判所書記官でございますけれども、そのほかに家庭裁判所調査官でありますとか、裁判所速記官等がございまして、これらはいずれも養成を必要とする官職でございます。そういったものが十分に充員し切れなかったり、あるいは年度途中で減耗が生じたり、あるいは育児休業で休むといったことがございまして、欠員ができたらすぐ後任補充ができるという状態ではないわけでございます。 例えば、書記官を育成するにいたしましても、書記官研修所で一年なり二年なりの研修期間を設けて事務官から育てていく、こういうシステムをとっているわけでございます。そういったために、資格官職に欠員ができた場合に、それをそのまま放置しておきますと事務に停滞が生じますので、それを補助するといいますか、その穴を少しでも埋めるという、そういう趣旨で事務官を採用いたしまして、事務官でもってその補充をしている、こういったことをいたしているわけでございます。そういったために年度途中で事務官にこういった過員が生ずるということになるわけでございますけれども、この四月期におきまして事務官から書記官等に任官をいたしますので、この過員というものは解消の方向に向かっていくわけでございます。 確かに御指摘のように、多くの過員があるにもかかわらず、さらに五名の増員をするのはおかしいという御指摘はごもっともでございますけれども、私どもこの事務官五人増員がお認めいただきますと、資格官職の補充のほかに裁判事務の事件処理のために事務官を充てることができるということで、民事訴訟の審理の促進等に少しでも役立てたい、こういうことで増員をお願いしている次第でございます。
○下稲葉耕吉君 私は、その増員に反対しているんじゃないんです、かねがねもう少し足りぬのではないかなということで。特に、民事事件の事件数がふえているというふうなことですけれども、こういうふうな数字をいただいて見ますと、やはりそれぞれ必要だと思って書記官何名、事務官何名というようなことでやっておられるんだけれども、そして特に裁判所というのはかたいところで、厳格にお守りになっているところじゃないかと思うんですよ。それを見ますとそういうようなことになっている。 今の局長の御答弁では私不満なんですよ。というのは、例えば書記官は五十名欠員でしょう。それから家裁の調査官は三十七名欠員ですね。それから、適任者がいないので、適任者がいないというか、その資格が難しいのでいろいろこうだと、それは事務官から上げるんだと、こういうようなお話です。そこまではわかるんです。じゃ、それを全部そうだといってのみましょう。そうしますと、欠員八十七名ですよ、五十名と三十七名足すと。二百九十九から八十七名を引くとまだ二百十二名事務官の方が多い、そういうことでしょう。というふうにしか我々素人には、この表をいただいた限り、読めないんですよ。 何か御説明できますか。
○最高裁判所長官代理者(泉徳治君) この点につきましても、また先ほどと同じおしかりを受けるのかもしれませんけれども、これは昨年の十二月一日現在におきます欠員状況でございまして、この平成五年度の年度末におきまして、書記官、調査官、事務官を含めまして相当数の退職が出てまいるわけでございます。その退職によりましてこの事務官の過員というものは減少の方向に向かってまいるわけでございまして、書記官等に事務官の方が流れてまいりますので二百九十九名、厳格な数字はまだ出ておりませんけれども、この数に今後それ以後の減耗が加わるということでひとつ御理解をいただきたいと存じます。
○下稲葉耕吉君 委員の先生方お笑いになっているんだけれども、よくわからないんですよ。こういうふうな資料をいただいたものですから、法案に基づいての資料だということでいろいろ精査いたしますとまだいろんな問題が出てまいっておりますけれども、本当におかしいと思うんですよ。局長さん自身もそういうふうにお思いになっているんじゃないかと思うんですが、実際は、役所の今までの給与体系からいいますと、上の者が欠員の場合にはそれは下の者が定員を実質的に充足しているというのはどこにもあることですけれども、逆に下の者のあいている分を上の人たちのあれで食うというのはほとんどないんですね。 要するに、ちょっと説明が悪いんですが、書記官だとか調査官というのはこういうふうに書いてあるんですから一般的には事務官より上の人だろうと思うんです。研修によって事務官から書記官になりますとかというようなお話もございましたので、役所の給与体系からいうと上の体系の人じゃないかと思うんですね。そういうふうな人たちが八十七名欠員になっている。それで事務官というのは二百九十九名過員です。これはわかるんです。ところが、その下の技能労務職員、これ百一名。それから、「その他」というのはよくわからないんですが、これは二百一名欠員です。結局この人たちの分を事務官のポストの人たちが食っているというような格好になりますね。そういうふうに理解せざるを得ないでしょう。これは本当はおかしいんじゃないですか。 例えば、技能労務職員の百一名、これは欠員ですよね。そういうようなことでなければ二百九十九名の過員はできないんですからこれで食っているわけですよね。そうでしょう。結果的にはそうなっているんですよ。それは、五十名、三十七名と書記官あるいは調査官の人たちのあれを食っても、カバーしてもなおかつ二百十二名事務官が過員なんですから、その過員の分は下の技能労務職員が百一名、「その他」が二百一名欠員、だから定員としては全体として九十名欠員になるんです。こういうふうなプラス・マイナスになっておるんですね。 だから、その辺のところ、おかしいとお思いになりませんか。
○最高裁判所長官代理者(涌井紀夫君) 既に委員御承知のことかと思いますが、裁判所の場合、予算上と申しますか、職員の資格と申しますのは事務官が基本でございまして、その事務官に対しまして一定の試験、それから研修を行いまして調査官、書記官あるいは速記官、こういったいわば専門職に育てていく、こういうシステムをとっておりますわけでございます。 それで、この表の「その他」とございます中身は、注の中にも挙げておきましたけれども、主体は速記官と廷までございまして、実は廷まと申しますのも身分上は事務官でございます。それから、速記官の場合も事務官に研修を施しまして速記官に育てる、こういうシステムをとっております。 そういうふうなことがございますものですから、そういう資格官職の定員を基本の事務官の方に使わせていただくということが法律上可能、こういうふうな考え方で定員を運用しておるわけでございます。
○下稲葉耕吉君 この問題でいつまで議論しているのもなんでございますから……。 そこで、この問題に関連してお願いしたいんですが、今、局長いろいろおっしゃいますので、四月一日付の定員、現員、四月一日以降でいいですから、これと同じような要領で出していただいて、どういうふうに変わったかということをひとつ資料としてお出しいただけますでしょうか。四月一日以降で結構です。
○最高裁判所長官代理者(涌井紀夫君) 数字が確定する時期の問題もございますので、どういう資料ができるか、少し検討させていただきたいと思います。
○下稲葉耕吉君 いや、検討はもちろんなんですが、四月一日付で法律ができて採用なりなんなりなさるわけでしょう。そういうような場合の定員、現員というのがどういうふうになるのか。定員はもう十名なり二十五名法律が上がればふえるわけですから、それに対する定員、現員というのは出るはずですから。 私が関心を持って見たいのは、今いろいろおっしゃいましたけれども、例えば判事補の定員、現員というのはどういうような形になっているのかですよ。裁判官にしても、判事にしてもそうです。それと同時に、裁判所の職員の方々が三百名近くも今事務官の方が定員をオーバーしているわけだな。そして、書記官あるいは「その他」の人たちが全部欠員になっている。その辺のところが合わないというのが現状ですから、それがどういうふうに四月一日付でうまくいっているのかいないのか。その辺のところを見て、それで裁判所が動いているなら、むしろ実態に合わせて定員を変えたらいいじゃないか。あるいは事務官をふやして書記官をどういうふうにするとか、あるいはこういうふうな技能労務職員の問題なんかも、減員するんだとおっしゃっているけれども、もう事実上どんどん委託か何かでやろうということで進んでいるんでしょう。 だから、そういうふうなことなら、いつまでも欠員で抱えておくんじゃなくて、思い切ってそういうふうな措置をして、その後何とか考えるとかいうふうな方法が出てくると思うんです。やはり定員と現員というものが実態に合っているのかどうか、そしてどういうふうな裁判所のスタイルがいいかということを考えれば新しいあり方というものが出てくると思うんです。 そういうふうな参考にさせていただきたいものですからひとつ、検討じゃなくて、ぜひお出しいただけますか。
○最高裁判所長官代理者(涌井紀夫君) 御指摘のような御趣旨の資料を検討してみたいと思います。
○下稲葉耕吉君 時間もぼつぼつ参っておりますので、大臣にお伺いいたしたいと思いますが、ただいまの私のやりとりを聞いていて、大臣の御感想はいかがでございますか。
○国務大臣(三ケ月章君) いろいろなお話を承っておりまして、確かに委員の御指摘のような面もございますと同時に、やはり私も訴訟法などやっておりますと、裁判所の職員というふうなものはしばしば研修機関であるとかいろんなプールがあって、そこに実員とあれとの間のずれが、やっぱり研修というふうなものがもう非常に必要的に入っているということもあるのではないだろうかなというふうな漠然とした感じで承っておったわけでございます。 御指摘のようなことにつきまして、裁判所の方でも、やはり定員制のあり方につきまして一番責任を持っておりますのは裁判所自体でございましょう。ただいまの局長の御答弁のように、委員の御指摘を踏まえて検討させていただくということでございますので、私もまたそれを興味を持って、そしてまた拝見していきたい、こう思っておる次第でございます。
○下稲葉耕吉君 裁判所職員定員法の一部改正の法律案というのま、実ま毎年のように出てくるんです。それは、裁判官を一名でも増員したり、あるいは減員したりというふうなことになりますと、法律改正になっているんですね。行政府の国家公務員につきましては、総定員法の関係もございまして、そういうふうなことは要りません。 大臣御承知のとおり、法務省関係の職員もかつてないほどの大幅増員、大臣の大変な御努力で政府原案として提案された。裁判所については毎年毎年こういうふうな法律案として提案されているわけでございますが、それにつきましては、大臣、いかがお考えでございましょうか。
○国務大臣(三ケ月章君) 確かに、総定員法的な考え方を裁判官全員に及ぼすというのは一つの考え方であろうかと存じます。ただ、裁判所法上、この裁判所職員の定員に関しては法律によりこれを定めることとされておるというほど特別な規定も入っておることでございまして、恐らく沿革的にはそういう一つ一つの法律でということが出発点ではなかったかと、これは全く憶測でございますが、考えるわけでございます。 委員御指摘のように、定員数の最高限度数のみを定めて、毎年それを最高裁判所の規則に委任するという形でほかの行政官と同じような取り扱いをすることも十分に私は検討に値することではないかと考えておるわけでございますが、そうした長い間の伝統を改めまして総定員法的な考え方を導入するにつきましては、先ほども人事局長の御説明がございましたように、ある程度の専門的な職業を持つ人間の養成であるとか事件数、これまた非常にいろいろと動くわけでございますし、そういういろんな要素を考えながら、できるだけ現実に適合した審理形態と申しますか、そういうものを想定して人員の充足も考えていく、こういうことも必要であるというふうな面もございまして、今すぐ総定員法的な考え方の方に移行するのがよろしいんだろうか。 それとも、御迷惑とは存じますが、毎年その都度その都度こういうふうな形で裁判所の職員についての御審議をいただき、そしてそれを契機といたしまして、裁判所に対する先ほど来の貴重な御指摘であるとか御注文であるとか御要望であるとか、こういうふうなものを受けとめていくという体制もある意味ではまた意味のないわけでもあるまいというふうにも考えるわけでございます。 したがいまして、第一義的に裁判所の考えることでございますので、法務大臣としてどうするかということにつきましてはっきりしたことを申し上げるのは差し控えさせていただきますけれども、私ども法務省といたしましても、そういうふうな問題意識を常に忘れることなしに、何よりも今非常に激しく動いております司法試験制度の改革の流れがちょうど今流れの中途でございまして、また来年、再来年そういうふうなものも動くであろう。さらに、それに関連して、弁護士会との間の法曹養成制度改革協議会などでもいろいろと、法曹人口を含め、また待遇も考えてやっているということなどの進展も十分私どもも見定めながら考えてまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。
○下稲葉耕吉君 ありがとうございました。 私は、裁判所の定員についても総定員法みたいな枠をつくって一々国会にかけなくてもいいんじゃないかというところまで踏み切っているわけじゃないんです。例えば、国鉄等においても昔はそうでございました。増員なりなんなりについては法律事項でございまして、毎年法律にかけていたのは御承知のとおりでございます。だから、やはり時代の流れとともに人間の知恵で社会は前進するものだろうと思うんです。 一般的に裁判所は大変おかたいところだと言われているわけですし、事実そうだろうと思うし、まだそういうふうな側面もなければいかぬところもあると思うんですけれども、やはり世の中の動きを冷静に見ながら、その辺のところに適合できる分野もたくさんあるんじゃないだろうか。 そして、もう一たん決まっているからどうだこうだということじゃなくて、例えばきょうたまたま定員法の問題が出ましたのでお話ししているように、書記官、事務官、いろいろあるけれども、裁判所全体の運営をどういうふうになさればいいのか。絶対専従の職員でなければならぬところはどんなところなんだ、委託でできるところはどうなんだ。あるいはコンピューター化というのはどういうふうな形でできるのかできないのか、事務の合理化というのはできるのかできないのか。その辺のところをお考えになって、そしてそういうふうな中から定員はいかにあるべし、書記官は幾らあればいいんだ、事務官は幾らあればいいんだと。 大臣のおっしゃるように、研修のための何とかというのは、それはその中でどれだけあるんだとか、そういうふうなお話を今まで聞いたことがないんですよ。そういうふうなことを御検討なさる時期に来ているんじゃなかろうか、こういうふうに思うわけでございます。 時間も参りましたので、やめさせていただきます。ありがとうございました。
○糸久八重子君 糸久でございます。 本百二十九国会が召集をされまして、もう既に二カ月も経過をしております。九四年度の予算案提出が例年よりも大幅におくれましたので、早く予算審議に入らなければならないわけですが、いまだに予算委員会が開会されていないというのは大変遺憾なことだと思います。そのあおりで当委員会もきょうが最初の委員会でございます。本来ならば、大臣の所信、そして九四年度の法務省、裁判所の予算の説明をお伺いして、それに対する質疑を行ってからこの予算関連の法案の審査に入るべきでありますのに、いきなり法律案審査に入らざるを得ないのは大変残念なことだと思っております。 さて、この裁判所職員定員法改正案というのは、ここ十数年来、日切れ扱いとなっております。法務省や裁判所は、来年度の裁判官への任官希望者が百五名程度おり、三月三十一日までに成立をさせないと四月に一斉に採用できなくなるから年度内の成立を願いたい、そう申しておられるわけです。しかし、来年度の任官発令予定日というのは四月の中旬ごろと伺っておりますので、四月の第二週ぐらいまでに成立させれば十分間に合うということになります。 過去のことをちょっと調べてみたわけですが、年度内に成立しなかった例もあるようでして、例えば七十七国会の場合には、これは判事補七名、事務官十三名の増員内容であったようですが、両者とも相当数の欠員があったために、結果として四月に一斉採用がなされて何ら支障がなかったというふうなことを伺っておるわけでございます。 当局からお伺いしたんですが、今の下稲葉議員の論議もお伺いしておりまして、お伺いしたこととちょっと数字が合わないわけです。私が年度末に自己都合で退職する判事補はどのくらいおるかと伺いましたら、七名程度だとおっしゃったわけです。年度末にといっても、これは三月三十一日に退職するという形でなくて、年度内に退職する方も含めてというつもりで伺ったんですけれども、そうなりますと四十数名、そういう数になるようですね。 それで、新年度に判事補から判事に再任される裁判官というのは四十数名いるというお話です。それから、裁判事務に携わっていない裁判官、充て判と言うんだそうですけれども、その方たちはどのくらいかと聞いたら、百二十四名と言うんです。これはいただいた資料の中の平成四年七月一日現在でいわゆる充て判の方が百二十四名、この数字をおっしゃったんじゃないのかなというような気がするんです。私は改めて充て判になる方はどのぐらいなのかなというふうに伺ったつもりだったんですが、ちょっとその辺があちこちしてしまったんですけれども。 結果として百名程度は定員法を改正しなくても判事補の空き定員枠は確保できているわけで、年度内にこの法律によります判事補定員十名増がなければ一斉採用が不可能という事態ではないのではないかというように思っているわけです。 しかし、今回は、国民の裁判を受ける権利を担保し、ひいては裁判所人事の円滑な管理に協力をするという観点から、立法府において高度の政治判断で年度内に処理をすることにしたものでございます。このことは司法当局におかれましてもしっかりと認識をしておいていただきたい、そのように考えるところでございます。 さて、私はこの裁判所職員定員法改正案の審査に何回か携わってまいりました。ここ数年の趣旨説明の内容や法案に添付されました参考資料を見て改めて感ずることがあるわけですが、それは裁判所職員の定員増には余り科学的増員根拠がないということなんですね。事件数の変動とか質の変化ということは参考資料を見せていただいてそこから理解できるわけなんですけれども、しかしそれはあるスパンをとらえて、そして統計を駆使して裁判処理の結果を数の上から分析したものであるにすぎないと思っております。裁判件数というのは裁判所が受理した件数なのですから、裁判所当局の采配によって増減するものではありませんね。 先ほど政府職員の話も出たわけですけれども、政府職員は行政需要に対応して機動的な定員管理が要請をされております。この政府職員と裁判所職員とは基本的に業務の質が異なっておりますから、ここに裁判所職員の定員管理、運用というものの難しさがあるのではないかなというふうに感ずるわけでございます。 言いかえてみますと、次年度の定員増の理由というのは、前年度までの裁判件数の動向を基礎にして、そして欠員の予想と若干の将来推計を加えて毎年毎年算定せざるを得ないというような状況になっているわけですね。そういうことから考えますと、ただいまも総定員法の話が出たわけですけれども、総定員法的な上限設定による定員管理というのは裁判所職員にはやっぱり不適当なのかなというような感じがしているわけです。 いろいろ調べてみました法律の上にも、例えば憲法七十九条に「最高裁判所は、その長たる裁判官及び法律の定める員数のその他の裁判官でこれを構成し、」というふうに書かれておりますし、それから裁判所法第五条三項には「最高裁判所判事の員数は、十四人とし、下級裁判所の裁判官の員数は、別に法律でこれを定める。」とあるわけでございまして、裁判所職員の定員管理は法律によることの必要性というのは明白になっているわけです。 ところが、実は百二十三国会で私もこの定員法の問題にかかわったわけですけれども、そのときの私の質問に総務局長は、裁判所職員の定員は最高裁判所の規則で定めることも可能、そのように答弁をしていらっしゃるわけです。このことは、法律で決めるというふうに書かれてあるわけですから国会、つまり国民の意思を全く無視するものではないのかなというふうに考えます。 そこで、法務大臣にお伺いをするわけでございますけれども、裁判所職員定員法改正案の所管大臣である法務大臣といたしまして、法律施行責任者として司法職員の定員管理のあり方についてはどのような認識をお持ちなのか、お伺いをしたいと思うんです。
○国務大臣(三ケ月章君) 御質問の趣旨をもう一度確かめさせていただきたいのでございますが、定員管理というのはどういうことでございましょうか。 今御指摘のございましたように、憲法及び裁判所法で決めているというので一つ一ついろいろな手続を経て出してくる、これも定員管理ではないかと思うんですが、それを超えましてどういうことをお答えしたらよろしいんでございますか、ちょっともう一度教えていただければと存じます。
○糸久八重子君 法律できちんと決められているのだから、百二十三国会の中で御答弁いただいたように、最高裁判所の規則でも決めることができるということはいかがなものかと私は思うんですね。ですから、その辺の定員管理の状況はいかがかと。
○国務大臣(三ケ月章君) 先ほど下稲葉委員の御質問に対するお答えの中で、いろいろ考え方があるだろうが、まあこういう形でやってきたのではないだろうか。やっぱりメリット・デメリットはございます。デメリットは確かにその都度やっていくのが非常に煩わしい面もございますけれども、やっぱり一年一年司法の現状につきまして、国会の皆様方に対して現状はこうである、人員的な体制はこうである、それに対して御注文はこうであるということを承るというふうなメリットも私はこういう定員管理のあり方の中にはあるように思うのでございます したがいまして、先ほど申しましたように、これは最高裁判所の方でお考えになることではございますが、法務省といたしましても、いつまでもいわば旧套を守らずに新しい流れに即した方がいいと思うならばそういう方向で十分に考えていくとか、そういうふうなことはやはり法務省としても一番裁判所に近い官庁として考えていかなければなるまいなと。 特に法曹人口、裁判官も今度増員をお願いしておりますが、司法修習生の増員などというものもどんどん動いてまいりますと、それとのにらみでもまた新しい問題が日本の法律家の量の問題というふうに響いてくるということもございまして、その点は先ほども下稲葉委員の御質問の中でお答えいたしましたように、法務省といたしましても、検討の体制を維持しながら新しい事態に十分に対応できるように努力してまいりたい、御質問に対して最後にはそういうお答えをしたつもりでございます。それでお答えになりましたかどうか
○糸久八重子君 日本の裁判の審理は大変時間がかかることは定評がございますけれども、その原因の一つは裁判官の数にあると思います。 大臣は、司法試験合格者三倍増論など打ち出していらっしゃって、法曹人口の大幅増論者でいらっしゃるわけですが、そしてまた司法試験の改革にも尽力されていらっしゃっております。 先ほど私申し上げたんですけれども、裁判官のあるべき定員を算定するということは実際問題として大変困難なことなんですね。だからといって、手をこまぬいているわけにもいかないわけですね。来年度から修習生七百人体制を迎えるわけですが、弁護士のみ増加をしても、裁判官とか検察官がバランスよく任官してくれなければ迅速な裁判にはつながってまいりません。 今後の法曹人口、とりわけ裁判官の数の問題と審理の促進策について、大臣はどのような所感、対処策をお持ちなのか、お伺いさせてください。
○国務大臣(三ケ月章君) 御質問の中にございましたように、私も法務大臣などということになるだとは夢にも思ったことはございませんので、専ら学者の立場からいろんなことを論文等で論じてまいりました。 その場合に、日本の司法制度の一つのポイント、特徴と申しますのは、エリートを非常にがっちりと固める反面に、とにかく数はそう粗製乱造にならぬようにというふうな政策がかなり意識的か無意識的かあるのに対して、世の中が変わってまいりまして、どんどん紛争の種類も質も難しくなってくると量の持っている限界というのが出てくるのではないかというのが、これが学者個人としてそういうことを言ってまいった根拠でございました。 法務大臣としての立場で申し上げなければなりませんので、学者としての個人的見解を繰り返すのは差し控えさせていただきますが、法務省といたしましても、今御指摘のように、非常に算定しにくいのでございますね、どのぐらいのが適正法曹人口であるか。 しょせん私個人の持論と申しますものも一種の、余りこのごろ評判のいい言葉ではございませんが、腰だめ的な感覚というふうなものを基準としながら、それともう一つは外国の実例、それから外国での裁判の詳しさ、判決書の長さ、短さ、それから日本における裁判官の非常に厳しい生活と一般サラリーマンの生活との違いというふうなものを何となしこ頭の中でごちゃごちゃと考えながら、まあ一つの数量的な目標としては、法の先進国の中で一番少ない国というふうなものに向かって、やはり二十一世紀の半ばごろまでにはというぐらいの腰だめ的なことしかないのが実情でございます。 しかし、現在そんなことだけでは足りなくなってまいりまして、今、委員御指摘のように、司法試験制度も動いております。それから、法曹制度改革協議会でも具体的にどのぐらいのところまで法曹人口、これは弁護士も裁判官も検察官も含めてでございますが、そういうふうな者を採ればいいのか。特に外国人弁護士などの問題になってまいりますと、今度は渉外的な問題にそういう法曹のエネルギーをどのぐらい割くという新しい問題が出てくるのかというふうなこともございます。 ただいまこちらの調査部などと弁護士会と共同で研究しておりますところの法曹養成制度改革協議会等におきましても人口の問題について十分御審議いただいておる、こういうふうに承っておりまして、私個人としてかなり前に申し上げましたような、少しずつ増員を図っていくべきではないかという意見もそういうオフィシャルな協議の場でも少しずつ出てきているやに承っておるわけでございます。 この改革協議会の協議結果等を踏まえまして、法曹人口の増高問題に法務省としても法務省でできることは真剣に取り組む、学者としてできることはまた学者としていろいろと問題提起をしてまいりたい、こんなふうなことを考えているところでございます。
○糸久八重子君 先ほど司法職員の定員管理のあり方についてお伺いしたんですが、今度は裁判所職員の定員管理のあり方についてお伺いをいたします。 定員法改正案というのは毎年国会に提出をされておりますけれども、これはずっと増員の内容でございます。増員がどのように配置されるのか伺っても、東京、大阪等の大規模庁に配置するとしか答えが返ってこないわけですね。また、参考資料を見ましても、増員理由の根拠となるような統計はたくさん載っているんですけれども、増員された員数がどのように活用されるか、また例えばある裁判所に所属している裁判官や書記官、それから事務官等の員数が現在どういうふうになっているのかということが明確に国会や国民の前に明らかにされる体制になっていないんですよね。これでは真の国民の裁判を受ける権利は全うできないと思いますし、租税で賄われている裁判所職員の適正化のあり方の審査はできないのではないかと思うんですね。 これは立法府から見て率直な意見でございますけれども、裁判所定員管理の現状についてお伺いをさせていただきたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(涌井紀夫君) このところ毎年裁判所の職員の増員をお願いしてもらっておりまして、その増員された人員がどういう庁にどういう形で配置されておるのかという御質問を何度かいただいておるわけでございます。 ここのところなかなか御理解いただけないのは、実は裁判所の方の定員の配置といいますのは、毎年一定のものがございまして、その上に増員された者を追加していく、こういう形ではやっておらないわけでございます。基本的に裁判所の仕事といいますのは、各庁に提起されてまいります各種の裁判事件、その処理を担当する役所でございますので、各庁のそのときどきの事件数を中心とします事務量と申しますか、そういうものに従いまして必要な人員が時々刻々変わってくるわけでございます。私どもの方としましては、随時余裕のある職場から人を割きまして、それを忙しい職場に回すというふうな作業をずっと継続してやっております。 したがいまして、例えば今回かなりの数の増員をお認めいただいておりますけれども、実際の配置をどうするかということになりますと、それは増員をお認めいただいた全体の職員数、これを見まして、各庁の事件数を中心とした繁忙の度合いを見ながら各庁に改めて人員を配っていく、こういうふうな操作をやるわけでございます。 したがいまして、例えばある忙しい庁、大阪なり東京の庁で五名なら五名の書記官が増加したという場合に、その五名というのが果たして余裕がある庁から割かれてきた人なのか、それとも今回お認めいただいた増員の対象となった人が来たものなのか、この見分けというのは実はつかないわけでございます。 ただ、結論的に言いますと、実はそういう繁忙な庁が出ております場合に、増員をお認めいただけませんとそちらの方に応援できない。ところが、増員をお認めいただいておきますると、そちらの方に割く人員というのも余裕が出てまいりますのでそういうところへの増員の措置がより手厚くできる、こういうことがあるわけでございます。そういう趣旨で従前から、増員分はどこに配置されておるのかという御質問に対しましては、相対的に忙しい部署に配置されるという形になっておるんだということを申し上げておるわけでございます。
○糸久八重子君 大蔵省、見えていらっしゃいますでしょうか。——大蔵省にお伺いいたします。 行政府の職員の定員については、総務庁の定員査定のほかに大蔵省の予算定員査定という二重のチェックがあって、そしてさらに総定員法による縛りがございます。これに対して、三権分立の観点からやむを得ないとは思いますけれども、裁判所定員は大蔵省査定と国会の定員法改正案審査だけでございます。 大蔵省当局は、三権分立の観点を踏まえながらも、どのような視点から裁判所の定員査定を行っておるのでしょうか。 例えば、判事補の増員にスライドする形で書記官、事務官等の定員要求はどのように対処しているのか、あるいはまた純然たる裁判官以外の職員増員要求にはどのような観点から対処しておるのか、お伺いをしたいと思います。
○説明員(金田勝年君) お答えをさせていただきます。 ただいま先生の御指摘のございました裁判所の定員査定の問題につきましてでございますが、私どもといたしましては、ただいま先生がお話しされましたように、三権分立の観点から、行政府の職員とは別に裁判所職員定員法において定員が定められているという考え方に立ちまして、民事訴訟、民事執行、破産といったような各種事件の事件数が増加しておる、その内容も複雑、困難化している状況の中で事件の迅速かつ円滑な処理に支障を来さないような手当てを講ずる必要があるということ、そしてまたその一方で司法におきましても、裁判所におきましても他の国家機関と同様に事務の簡素化、効率化に努めていく必要があるといった諸点を考慮いたしながら、必要な部門に必要な職員の手当てを行うという観点から査定をいたしておるところでございます。 なお、具体的な査定に当たりましては、申すまでもなく、折衝の過程で裁判所の御要望、御意見を十分に承りますとともに、財政を取り巻く諸情勢といったようなものについても私どもの方から十分御説明するといった調整を行いまして、最終的に双方が合意に達するように努めて作業を行っているところであったわけでございます。
○糸久八重子君 続けて大蔵省にお伺いをいたします。 裁判所も政府の定員削減計画に協力をしているわけですが、裁判官や書記官等の基幹職員は削減対象から除外をされておりますね。 法案の参考資料十九ページを見てみますと、種類別事件数は年度によってばらつきがございます。ある年度の増員要求にされた種類別事件数というのは、別の経過年度では減員要因となっているものもございます。 定員削減対象から除外されている書記官等の減員要因は、これまでこれらの変化をどのように査定上しんしゃくをしてきたのでございましょうか。
○説明員(金田勝年君) お答えさせていただきます。 経済情勢や社会状況の変動といったようなもの、また国民生活の多様化、複雑化といったようなものを反映いたしまして、裁判所に係属する事件の数が増加しておる、そして内容も複雑化、困難化しているという状況の中にございますけれども、事件の適正迅速な処理を図っていくためには事件処理を担当いたします裁判部門の裁判官、書記官、事務官の増員を図っていく必要があるということで考えております。 その査定におきましては、民事事件に比べまして刑事事件の件数の伸びが低いといったような事件内容の変化もございます。そういったものも踏まえまして、規定定員のやりくりを行った上でなおかつ不足する部門につきまして所要の増員手当てを行うといった形で査定させていただいたわけでございます。
○糸久八重子君 最後になります。 我が国の司法の分野というのは国際化から大変遠い存在にあるのではないかと思います。今度の国会の中で外国法事務弁護士の規制緩和が出てくるわけですけれども、これも含めて今後我が国法曹界のあり方、それから司法改革に着手すべきものもたくさんあろうかと思います。よい意味での司法改革を大臣の在任中に実現をしていただきたく、これはまた後ほど大臣の所信の中でお伺いできるものと御期待を申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
○紀平悌子君 裁判所職員定員法の改正案は、例年提出されておりますし、国民のための司法の体制充実のためには不可欠だというふうに私も思っております。非常に委員会の開催が急であったというか何というか、勉強不足でございますので、大変初歩的なことをお尋ねいたします。 裁判所当局にお伺いしたいんですが、本年、裁判所書記官の増員が事務官の増員を抑えて五十名、こういうことなんですが、近年にない大幅増です。簡単で結構ですから理由を教えてください。
○最高裁判所長官代理者(涌井紀夫君) 今回の増員の柱と申しますか、それは大きく分けますと二本程度ございまして、一つは地方裁判所の民事訴訟事件の審理を充実したいということ、それからもう一つは非常に事件がふえております執行事件、破産事件の処理体制を充実強化したいということでございます。 例えば、執行事件、破産事件で申しますと、執行事件、破産事件で一番処理に手間がかかりますのは関係者、債権者、多数の関係人に対しましていろんな文書を発送いたしまして照会をし、その報告をいただいてそれを取りまとめる、その結果に基づいて配当を行うというふうな事務が一番手がかかるわけでございますが、実はこういう事務を担当しておりますのは裁判所の場合は書記官でございます。したがいまして、そういう類型の事件の処理体制を強化するために一番強化しないといけないのは書記官の部門であろう、そういうことで今回は書記官に厚い増員措置をお願いしたわけでございます。
○紀平悌子君 公務員の再雇用促進の一環として、裁判所も書記官の増員に当たって再任用の力もかりていらっしゃるということでございますが、定年後に何年もお仕事をなさるということはやはり限界がございます。若手の育成ということが非常に必要だと思います。 先ほどいろいろなお話もございましたけれども、裁判所におかれましては今後どういうふうに対処されていかれますか。
○最高裁判所長官代理者(泉徳治君) 紀平委員御指摘のとおり、裁判所書記官につきましてはいわゆる再任用の制度を活用いたしております。これは、定年になりました書記官につきまして、最長三年間ということで再任用するものでございます。私ども、そういったベテランの書記官に裁判現場で働いてもらうと同時に、あわせまして若手の書記官の指導育成にも組織的に取り組んでいるところでございます。 どうして裁判所におきまして再任用を活用するかということでございますけれども、昭和六十年代から裁判所におきましては、書記官を中心といたしまして大量退職が進行いたしまして、若手の職員を多く採用するという状況が生じました。書記官の年齢構成を見ますと、非常に若手の方に偏っているわけでございます。若手の方は資質とか能力では非常にすぐれているわけでございますけれども何せ経験不足でございますので、裁判所組織全体で見ますとこういった経験面の補充が必要でございます。そういったところから、若手の書記官の経験不足を補い、かつ若手の指導育成をしてもらう、こういった趣旨で定年退官するベテランの書記官の再任用を図っているところでございます。 もちろん、この再任用に頼るということは、御指摘のように、若手の台頭という問題もございますので、その点はバランスをとってやらなきゃいけないと思っておりますけれども、私どもこういった若手の指導育成と全体としての組織の能力を低めないようにという趣旨で行っているものでございますので、よろしく御理解いただきたいと存じます。
○紀平悌子君 書記官の増員分は即戦力ということのようですが、これの昨年度の増員分の配置、これからどのように配置をされていくか、これはもう先ほどでお答え済みなんでしょうか。何か加えることはおありになりますでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(涌井紀夫君) 先ほど糸久委員の御質問にお答えしたとおりということになろうかと思いますが、昨年も実は我々の方で増員をお願いしました。その理由は、大体ことしと同じでございまして、破産事件、執行事件が急増しておるのでその処理要員をふやしていただきたいということと、民事訴訟全般について審理のあり方をもう少し充実していきたい、そういうことで増員をお願いしたわけでございます。 したがいまして、先ほども御説明しましたように、増員された人数がどこへ行ったかというその一対一の対応関係は明らかになる仕組みではございませんけれども、結果として見ますと、やはり大都市周辺で民事訴訟事件が全体にふえている庁、あるいは執行事件や破産事件がふえている庁、そういう忙しい庁に増員された要員が配置されておる、こういうふうに御理解いただいてよろしいかと思います。
○紀平悌子君 大変立派な東京簡易裁判所の新庁舎がおできになりました。おめでとうございます。 実は、この新庁舎は、裁判所のためじゃなく、国民のためでございます。 その観点からお伺いしたいわけなんですが、とかく裁判所というのは国民というか、私を含めて一般の庶民は足を運びたくないところなんですね。できれば遠ざかっていたいというのが大体の心情でございます。あえていたし方なく住民、市民がそこへ行かざるを得ないということになりますわけで、非常に遠いんですね。そして、一カ所に集められたということは、それだけ便利というか、非常に機能的になったと同時に、通う方とすれば不便になったという面もあることを御承知おきいただきたいなと思うんです。 その中で、住民に対するというか、特になれない女性とかお年寄りとかそういう方々が通います場合に、どのような今以上のサービスがこの新庁舎の中で行われますか。国民、受ける方の立場に立ってお答えをいただきたいと思います。二分ほどございますので、どうぞこれをしっかりお答えいただきたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(涌井紀夫君) 新しい東京簡裁は、御承知のとおり、都内の二十三区に散在しておりました十一の簡裁を霞が関の地区に統合するものでございまして、新しい裁判所ではこれまでにないようないろんな設備を設けまして、簡易裁判所としては画期的な新庁舎になる予定でございます。 我々の方で基本的に考えておりますのは、従前、小さい庁舎に分散しておりましたのではなかなか実現できなかったようないろんな新しい工夫をいたしまして、国民、市民の皆さんにもつともっと利用しやすいような、充実した司法サービスを提供できるような簡裁にしていきたい、そういうふうに考えておるわけでございます。いろんな工夫がございます。 簡易裁判所の事件の中にもいろんな種類の事件がございまして、非常に多量に発生するという事件がございます。 例えば、督促事件というのがございまして、これは債権者、自分の方が相手に債権を持っているという、そういう人が申し立てる事件でございますが、一定の金銭の給付を目的とする請求の場合には、申立人だけの申し立てに基づきまして裁判をする、相手方から異議が出ません限りはそれ自体で強制執行ができますような支払い命令という裁判をする、そういう手続がございます。これは簡単にいわば強制執行のできる債務名義が取得できるというところに特徴がある事件でございますが、この手続につきましては、この新しい簡易裁判所ではかなり大きなコンピューターを入れまして、従前以上に短期間で支払い命令が発令できる、そういうふうな工夫をひとつやってみたいと思っております。 それから、簡易裁判所の事件でもう一つ、市民、国民の皆さんがよく御利用になる調停事件がございます。調停事件の場合には、やはり事件の種類に応じまして、それにふさわしいといいますか、そういう事件を得意とされておられるような調停委員の方に事件を担当していただくという必要があります。東京の場合ですと、かなり多数の調停委員の方がおられますので、そういう方を各事件ごとに適任者を選定するという作業はなかなか難しいわけでございます。 それから、今回の新しい庁舎ではかなりの数の調停用の部屋を設けましたけれども、その部屋のあきぐあいを見ながら適当に事件を入れていって、できるだけ早く事件を処理したいと思っております。そういった調停委員の選定とか、あるいは部屋の選定といったものもコンピューターを使いまして従前以上に的確にやっていきたいというふうに考えております。 それから、こういう事件じゃなくて、ごく一般の市民の間での事件といいますか、そういうものにつきまして我々の方で考えておりますのは、裁判所に出かけてきていただければ、ある程度丁寧に一対一で御相談をさせていただいて、その場で例えば調停の申し立てをしたい、あるいは訴えの提起をしたいと言われる場合には、定型の用紙をつくっておきまして、そこでごく簡単なものであればすぐ必要事項を書き入れていただいて手続をとっていただける、そういうふうな体制も整備をしたいと思っております。 従前、幾つかの小さな庁に分散しておりましたときはそういう相談を専属的に担当する職員というものを確保することがなかなか難しかったわけでございますが、今回のような大きな規模の庁になりますと、ある程度の人数を相談の専門要員として窓口に配置しまして、新しいオープンカウンター式の受付センターのようなものを設けまして、そこで御相談に応じる、こういうふうなこともやっていきたいと思っております。 そのほか、いろいろ我々の方としましては、この新しい裁判所で従前以上に充実したサービスが提供できるような、そういう体制をつくっていきたいと思っております。 以上でございます。
○紀平悌子君 ありがとうございました。終わります。
○安恒良一君 まず、今回の人をふやすのには、ここに書いてあるとおり、民事訴訟の適正迅速な処理ということで判事補を十名ふやす、それから同じような理由で書記官五十名、事務官五名、こういうことでございます。 そこで、私が戦後どのような形になっているかということで昭和二十二年から調べましたら、裁判官、裁判官以外の職員もずっと一貫してふえてきているんですね。他の省庁では定員法に基づいて減らしているわけです。ここだけは裁判官も書記官もふえています。 それから、そのふえ方についても、裁判官の判事、判事補、簡易裁判所の判事、書記官、それがどういう理由でどれだけふやされたかというのを年次別に調べてみましたら、これもある場合には判事をうんとふやす、それから判事補を今度は十年なら十年ふやして、その後これを判事にするということで集中的に判事をふやしたり、判事補をふやしたりしている。ここ十年ぐらいを見ますと、主として判事補を五名から十名ぐらいふやされている。それから、書記官を二十五とか三十五とか、かなりの数でここ十年はふやされているわけです。 私は、そのふえることについて文句を言おうと思いません。賛成なんですが、果たしてここに書いてあるようにふやすことによって地方裁判所における民事訴訟の適正迅速な処理ができているかどうか、どれだけ能率が上がって適正でしかも迅速か、そういう意味でこれも大変なことだと思いましたから、この政府からいただいている資料だけでははっきりしませんから最高裁に要求しまして、昭和五十七年から平成四年まで地方裁の事件の推移、それもただ単に新受だけでは意味がありませんので、新受がどうなっている、既済がどうなっている、未済がどうなっているという年次別の統計を全部出してもらいました。これは裁判所ごとに全部出してもらいました。さらに念のために戦前から戦後にわたってどういう数字になっているかということも、これは大変な資料ですが、最高裁にお願いしてけさほど全部資料を手にしました。 これを見ますと、ふやすのはふやしてきているが、本当に適正迅速な処理にどれだけ貢献しているのかどうか、この数字を見る限りではわからないんですよ。今申し上げたように、新受、既済、それから未済をずっと横に統計的に並べて、本当にここにお書きになっているとおり能率が上がっているのかどうか、この点についての説明をひとつ求めます。 それから、あわせて第二点目の説明をお願いしたいのは、結局私から言わせると、人はふやしているが、現実に新受、問題はそれを既済、未済がどう残っているかというので成績が上がっているかどうかということを見るわけですから、それを見ると人をふやした割に実効が上がっていない、統計的に見た限りにおいては。ただ、この統計では事件の難しさというのはわかりません。この数字しか僕のところに持ってきていません。しかし、横並びに見ると、人はふやしたけれども大した能率は上がっていない、こう思います。 そこで、次に聞かなきゃならぬことは、日本の国民が裁判になじまないというのは、何といっても手続が複雑だ、それから時間がかかり過ぎる、お金がかかり過ぎるということで裁判を、嫌っているというわけじゃないが、敬遠。しかも民事訴訟では、実質的に争いのあるものについて一審だけを調べてみましたら、平均二年余りかかっている。ところが、ドイツが統一する前の西ドイツの二倍日本はかかるんですよね。なぜ日本は西ドイッに比べて民事の一審が二倍もかかるんでしょうか。それもわかりません。 それから、三番目に聞きたいんですが、そう言いますと、いやそこで民事訴訟法を七十二年ぶりに全面改正するんだと、答申をいただいてできれば平成八年度には国会に民事訴訟法の全面改正を出すんだと、こう言われると思いますけれども、まだ先の話ですね。 そこで、私は大臣にお聞きしたいんですが、現行法の中においても審理の迅速化、適正化ということがあり得ると思うんです。これは大臣に御答弁願いたいんですが、大臣、どのようにお考えですか。 私の時間は九分しかありませんから、まず質問を先に三つ申し上げましたので、それぞれ。それから、数字は私のところに細かくきのうの晩からけさにかけていただいていますから数字の読み上げは結構です、これは見ればわかりますから、詳細な資料をいただいていますから。
○最高裁判所長官代理者(涌井紀夫君) お尋ねのありました点、裁判所の方で年々増員を続けてきておる結果が公平、迅速な裁判の実現にどういう影響を及ぼしておるかという点について私の方からお答えさせていただきます。 これは、実は事件処理の状況というのをどういう物差しで評価するかという点自体が非常に難しい問題がございます。我々裁判所の内部の者が一番重視しておりますのは、やはり一つの事件を処理するのにどの程度の期間がかかるか、訴えが提起されましてから判決ないし和解という形でその事件が終結するまでの間にどの程度の時間がかかるか、これは審理期間というふうに呼んでおりますが、この審理期間をできるだけ短縮していくということがやはり理想的な事件処理の形ではなかろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。 そういう意味で、この審理期間という観点から見てみますと、実は審理期間を短縮するための方策としましては、人員をふやすということ以外に、いろいろ審理のあり方を工夫するというふうな面もございますので、人をふやしたことがどの程度結果に響いてくるかという点、なかなか難しい問題がございます。 例えば昭和五十年当時ですと、地方裁判所の民事事件で相手方が争う、したがってすぐには判決できないというふうな事件ですと、大体地方裁判所の場合二年少し、二十五カ月ぐらいの期間がかかりませんと訴え提起から判決までいかないという状況でございました。それが平成四年度ですと、地裁の場合、平均いたしますと一年半程度、十八カ月程度で判決にまでいくようになってきておる。 簡裁の民事事件をとりましても、昭和五十年…
○安恒良一君 地裁だけでいい。時間がありませんから簡単にお願いします。ほかの裁判所はいい。
○最高裁判所長官代理者(涌井紀夫君) そういうことでございますので、こういうところからごらんいただきますと、やはり増員がある程度審理期間の短縮につながってきておるということは御理解いただけるかと思います。 以上でございます。
○最高裁判所長官代理者(今井功君) 民事訴訟事件の処理のために現行法の中でどの程度のことをやっておるかという御質問でございます。 これは法廷が主になるわけでございますが、これを単に書面交換の場ということではなくて実質的な討論の場にして審理を充実させる、審理のむだを省きまして効率的な訴訟運営を図りたい、こういうことで現場の裁判官の間でいろいろな提言がされておるわけであります。最近はこういう提言に従いまして、訴訟運営の改善を図ろうという動きが全国の裁判所で定着をしてきております。 このような運営改善の動きを助けるための一つの方策としまして、私どもの方では全国のほとんどの地方裁判所の本庁にいわゆるラウンドテーブルという、丸い法廷でありますが、これを設けまして、そこでは同じテーブルを囲みまして裁判所と当事者が議論をして争点を煮詰める、その煮詰めた争点について本格的な証拠調べをする、こういうようなことによりまして審理の充実、ひいては訴訟の迅速処理というのを図ることを期しておるわけでございます。
○国務大臣(三ケ月章君) 裁判所といたしましては、現行法のもとでもあらゆるいろんな工夫を凝らして審理の促進、充実というものを図っておるというのは事実でございます。 私は、長い間大学におりまして、それからまた弁護士になりまして具体的な事件にタッチするようになりましたけれども、大学時代に見ていたのと違いまして、最近十数年の間に裁判所は審理が非常に丹念かつ親切になっている。例えば、ラウンドテーブルあたりでかみしもを脱いでやるというふうな形でなるたけぎくしゃくしない形でやっていくとか、あるいはできるだけ問題点を速やかに整理するためになるたけ角張らない形で争点の整理を、現行法は非常に厳格なんですけれども、現行法すれすれのところででもやっぱりやっていくように努力をする。 それから、先ほど書記官の増員というお話が出ましたけれども、この書記官というものが当事者の間に介在いたしまして、一々電話で連絡をしてくれたりなんかいたしまして審理の促進に非常に協力してくれている、こういうふうなことも体で体験しているわけでございます。 ただやはり、しょせんそういうふうないろいろ工夫をいたしましても、その枠になっております民事訴訟法典というのが十九世紀のものでございますから難点があるというので、今後また御質問になると思いますけれども、改正の動きが出てくる、こういうふうに理解いたしておりまして、裁判所は非常に努力をいたしておると私は見ております。
○安恒良一君 時間がありませんから、西ドイツに比べてなぜ日本は二倍もかかるかというのを後で私のところに説明に来るように、三十四分までということですからそれを答えてもらう時間はもうありまもうせんので、後で説明に来てください。
○委員長(猪熊重二君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(猪熊重二君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(猪熊重二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時三十七分散会 —————・—————